JP7147350B2 - 無線通信装置、及び受信信号補正方法 - Google Patents

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Description

本開示は、無線通信装置及び受信信号補正方法に関し、更に詳しくは、複数のアンテナを通じて複数の無線信号を受信する無線通信装置、及びそのような無線通信装置における受信信号補正方法に関する。
近年、移動体通信の分野では、複数の送受信機を備え、MIMO(multiple-input and multiple-output)機能に対応した無線装置が一般的になりつつある。さらに、今後商用が見込まれている第5世代移動通信システム(5G:5th Generation)では、多数の送受信機を利用するMassive-MIMO技術の採用が検討されている。
MIMO機能を有する無線装置では、電波の伝搬方向に指向性を与え、電波の利用効率を高めるために、ビームフォーミングが行われる場合がある。ビームフォーミングを行う無線装置において、各送受信機のゲインや位相が異なる場合、正確にビームフォーミングすることができない。ビームフォーミングを正確に行うためには、各送受信機のゲインや位相を合わせる必要がある。
ここで、特許文献1は、単一キャリアで変調された信号を複数の受信アンテナを用いて受信し、受信した複数個の受信信号を選択又は合成するダイバーシティ受信装置を開示する。特許文献1に記載のダイバーシティ受信装置は、各受信アンテナから出力される受信信号に、参照信号(パイロット信号)を多重化する。パイロット信号の周波数は、受信信号の周波数帯域外の周波数に設定される。特許文献1には、パイロット信号を用いて、各受信アンテナから出力される受信信号のレベルを推定すること、及び受信信号の減衰量を推定することなどが記載されている。
特開2003-174390号公報
複数の受信回路を備えた無線装置において、精度の高い受信信号を得るためには、複数の受信回路間の位相誤差などを推定する必要がある。しかしながら、特許文献1は受信電力(ゲイン)の調整のみを主眼としており、この文献には位相誤差を推定することは記載されていない。また、特許文献1では、受信信号の周波数帯域外にパイロット信号が多重化される。この場合、受信回路において、アンテナ直後に配置されるバンドパスフィルタを除いて、狭帯域なフィルタを用いることができない。このため、アンテナ直後に配置されるバンドパスフィルタで除去しきれないような、電力が強い妨害波や、受信信号の周波数帯域の近傍に妨害波が存在すると、受信性能が劣化するという問題がある。
本開示は、上記事項に鑑み、複数の受信回路を有する無線通信装置において、複数の受信回路間のゲイン差及び位相差に起因する受信性能の劣化を抑制可能な無線通信装置及び受信信号補正方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示は、それぞれが、対応するアンテナを通じて無線信号を受信する複数の受信回路と、前記複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、該算出したずれに基づいて各受信回路における受信信号の補正パラメータを生成する補正パラメータ算出手段とを備え、前記複数の受信回路は、それぞれ、受信信号に、前記受信信号の周波数帯域内の所定周波数の補正用信号を加算する補正用信号加算手段と、前記補正用信号が加算された受信信号から前記補正用信号を抽出して前記補正パラメータ算出手段に出力する補正用信号抽出手段と、前記補正パラメータ算出手段が算出した補正パラメータに従って前記受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正する補正手段とを含み、前記補正パラメータ算出手段は、前記補正用信号抽出手段を通じて各受信回路から入力される補正用信号に基づいて前記複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出する無線通信装置を提供する。
本開示は、また、複数のアンテナを通じて、複数の無線信号を受信し、受信された複数の受信信号のそれぞれに、前記受信信号の周波数帯域内の所定周波数の補正用信号を加算し、前記補正用信号が加算された複数の受信信号のそれぞれから前記補正用信号を抽出し、前記複数の受信信号から抽出された補正用信号に基づいて、前記複数の無線信号を受信する複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、該算出したずれに基づいて各受信回路における受信信号の補正パラメータを生成し、前記算出された補正パラメータに従って前記受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正する受信信号補正方法を提供する。
本開示に係る無線通信装置及び受信信号補正方法は、複数の受信回路を有する無線通信装置において、複数の受信回路間のゲイン差及び位相差に起因する受信性能の劣化を抑制することができる。
本開示に係る無線通信装置の概略的な構成を示すブロック図。 本開示の第1実施形態に係る無線通信装置を示すブロック図。 受信信号のスペクトルを示す図。 LPFの通過特性を示す図。 図5(a)及び(b)は、補正用信号が加算されていないベースバンド信号と補正用信号が加算されたベースバンド信号のスペクトルを示す図。 本開示の第2実施形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図。 図7(a)は無線信号のスペクトルを示す図、(b)は補正用信号のスペクトルを示す図。
本開示の実施の形態の説明に先立って、本開示の概要を説明する。図1は、本開示に係る無線通信装置を概略的に示す。無線通信装置10は、複数の受信回路20と、補正パラメータ算出手段30とを備える。各受信回路20は、補正用信号加算手段21、補正用信号抽出手段22、及び、補正手段23を有する。
複数の受信回路20は、それぞれ対応するアンテナ40を通じて無線信号を受信する。補正用信号加算手段21は、受信信号に、受信信号の周波数帯域内の所定周波数の補正用信号を加算する。補正用信号抽出手段22は、補正用信号が加算された受信信号から補正用信号を抽出する。補正用信号抽出手段22は、抽出した補正用信号を補正パラメータ算出手段30に出力する。補正パラメータ算出手段30は、各受信回路20の補正用信号抽出手段22から、各受信回路20において抽出された補正用信号を受信する。
補正パラメータ算出手段30は、各受信回路20の補正用信号抽出手段22から入力される補正用信号に基づいて、複数の受信回路20間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出する。補正パラメータ算出手段30は、算出したゲイン及び位相の少なくとも一方のずれに基づいて、各受信回路20における受信信号の補正パラメータを生成する。各受信回路20の補正手段23は、補正パラメータ算出手段30が算出した補正パラメータに従って、受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正する。
本開示では、受信回路20内で受信信号に加算される補正用信号に、受信信号の周波数帯域内の所定周波数の信号が用いられる。この場合、補正用信号加算手段21と補正用信号抽出手段22との間に、受信信号の周波数帯域外の信号成分をカットする狭帯域なフィルタが配置される場合でも、補正用信号抽出手段22において補正用信号を抽出することができる。このため、本開示に係る無線通信装置10は、信号帯域外の周波数のパイロット信号が用いられる特許文献1に記載の装置とは異なり、妨害波が存在する場合でも、受信性能の劣化を抑制可能である。従って、本開示では、受信信号の受信性能に与える影響を抑えつつ、複数の受信回路20間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出することができる。
また、本開示では、各受信回路20において、補正手段23が、補正パラメータ算出手段30で算出された補正パラメータに従って受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正する。このようにすることで、各受信回路20が出力する受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を揃えることができ、複数の受信回路20間のゲイン差及び位相差に起因する受信性能の劣化を抑制することができる。受信回路20のゲイン差及び位相差は、装置の運用中でも変化し得る。本開示に係る無線通信装置10は、無線信号を受信しつつ、複数の受信回路20間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出することができ、受信精度への影響を低く抑えつつ、ゲイン及び位相の誤差を校正することができる。
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施の形態を詳細に説明する。図2は、本開示の第1実施形態に係る無線通信装置を示す。無線通信装置100は、Nを2以上の整数として、N個のアンテナ101-1~101-N、補正信号用局部発振器102、IF(Intermediate Frequency)信号用局部発振器103、BB(Base Band)信号用局部発振器104、N個のLPF(Low Pass Filter)105-1~105-N、補正パラメータ計算機106、受信信号処理部107、及びN個の受信回路110-1~110-Nを有する。
nを1以上N以下の整数として、受信回路110-nは、BPF(Band Pass Filter)111-n、加算器112-n、LNA(Low Noise Amplifier)113-n、乗算器(Mixer)114-n、BPF115-n、ADC(Analog to Digital Converter)116-n、乗算器117-n、LPF118-n、補正器120-n、及び補正用信号除去部121-nを有する。
なお、以下の説明において、特に区別する必要がない場合は、アンテナ101-1~101-N、LPF105-1~105-N、及び受信回路110-1~110-Nは、それぞれ単にアンテナ101、LPF105、及び受信回路110とも呼ばれる。受信回路110内の各要素についても同様である。また、図2には、無線通信装置100において、主に無線信号の受信に用いられる部分の構成が示されている。無線通信装置100は、復調器などの構成要素などを有していてもよい。無線通信装置100は、さらに、無線信号を送信するための送信回路などを有していてもよい。
本実施形態において、無線通信装置100は、変調方式がOFDM(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)であり、かつ中心サブキャリアが使用されない無線規格の無線信号を受信するものとする。例えば、無線通信装置100は、LTE(Long Term Evolution)や、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)などの通信規格に従った無線信号を受信する。また、本実施形態において、受信回路110は、IFコンバージョン方式の受信回路として構成されているものとする。IFコンバージョン方式とは、RF(Radio Frequency)帯域の受信信号を、中間周波数にダウンコンバートしたIF信号を用いる方式である。
各受信回路110は、対応するアンテナ101を通じて無線信号を受信する。アンテナ101は、図1のアンテナ40に対応し、受信回路110は、図1の受信回路20に対応する。BPF111は、受信された無線信号(受信信号)の信号帯域内の信号成分を通過させ、信号帯域外の信号成分を抑制する。つまり、BPF111は、受信信号から、信号帯域外の信号を除去する。
加算器112は、BPF111が出力する信号帯域外の信号が除去された受信信号に、補正信号用局部発振器102が出力する局部発振信号(補正用信号)を加算する。本実施形態において、補正信号用局部発振器102は、受信信号の搬送波周波数と同じ周波数のCW(Continuous Wave)信号を、補正用信号として出力する。補正信号用局部発振器102が生成する補正用信号は、複数の受信回路110-1~110-Nに分配され、各受信回路110の加算器112に入力される。加算器112は、図1の補正用信号加算手段21に対応する。
図3は、受信信号のスペクトルを示す。図3において、横軸は周波数を表す。図3に示されるように、OFDM信号は、複数のサブキャリアを含む。複数のサブキャリアのうち、中心サブキャリアはデータ送信には用いられず、従って、受信信号には、中心サブキャリアの成分は含まれていない。このような受信信号に、搬送波周波数と同じ周波数の補正用信号を加算した場合、補正用信号は、受信信号の中央、つまり中心サブキャリアの周波数位置に追加される。中心サブキャリアがデータ送信に使用されていない場合、補正用信号が受信信号に与える影響は十分に小さい。
図2に戻り、LNA113は、補正用信号が加算された受信信号を増幅する。乗算器114は、補正用信号が加算された受信信号と、IF信号用局部発振器103が出力する局部発振信号とを乗算し、受信信号をIF信号にダウンコンバートする。IF信号用局部発振器103が出力する局部発振信号は、複数の受信回路110-1~110-Nに分配され、各受信回路110の乗算器114に入力される。IF信号用局部発振器103及び乗算器114は、補正用信号が加算された受信信号を中間周波数信号に変換する中間周波数信号変換手段を構成する。
BPF115は、IF信号に変換された受信信号を帯域制限するアナログフィルタである。BPF115は、IF信号の信号帯域内の信号成分を通過させ、信号帯域外の信号成分を抑制する。つまり、BPF115は、IF信号から不要信号を除去する。ADC116は、帯域制限されたIF信号を、アナログ信号からデジタル信号に変換する。
乗算器117は、デジタル信号に変換されたIF信号と、BB信号用局部発振器104が出力する局部発振信号とを乗算し、IF信号をベースバンド信号に変換する。BB信号用局部発振器104が出力する局部発振信号は、複数の受信回路110-1~110-Nに分配され、各受信回路110の乗算器117に入力される。乗算器117に入力されるIF信号はデジタル信号であるため、BB信号用局部発振器104及び乗算器117は、デジタル回路として実装される。BB信号用局部発振器104及び乗算器117は、ベースバンド変換手段を構成する。
各受信回路110の乗算器117で変換されたベースバンド信号は2つに分配され、一方はLPF105に入力され、他方はLPF118に入力される。LPF105は、各受信回路110に対応して配置される。LPF105は、ベースバンド信号の所定周波数以下の信号成分を通過させ、所定周波数よりも高い周波数の信号成分を抑制することで、ベースバンド信号に含まれる補正用信号を抽出する。一方、各受信回路110のLPF118は、ベースバンド信号の所定周波数以下の信号成分を通過させ、所定周波数よりも高い周波数の信号成分を抑制することで、ベースバンド信号から不要信号を除去する。LPF105は、図1の補正用信号抽出手段22に対応する。
図4は、LPF105及び118の通過特性を示す。図4において、横軸は周波数を表す。図3に示される受信信号における搬送波周波数の位置は、ベースバンド信号における周波数位置「0」に対応する。LPF105は、ベースバンド信号におけるDC(Direct Current)成分のみを抽出するような狭い通過帯域Aを持つ。LPF105の通過帯域幅は、例えばサブキャリア1つ分の幅に設定される。このような通過帯域Aを持つLPF105を用いることで、ベースバンド信号から補正用信号を抽出できる。一方、LPF118は、ベースバンド信号の帯域幅に対応した広い通過帯域Bを持つ。このような通過帯域Bを持つLPF118を用いることで、ベースバンド信号から信号帯域外の不要波を除去することができる。
再び図2に戻り、LPF105は、抽出した補正用信号を補正パラメータ計算機106に出力する。補正パラメータ計算機106は、複数の受信回路110-1~110-Nから、抽出された補正用信号を取得する。補正パラメータ計算機106は、各受信回路110から取得した補正用信号を比較し、各受信回路110のゲイン差と位相差とを計算する。補正パラメータ計算機106は、計算したゲイン差と位相差とに基づいて、各受信回路110の補正器120における補正パラメータを決定する。補正パラメータ計算機106は、図1の補正パラメータ算出手段30に対応する。
補正パラメータ計算機106は、例えばプロセッサとメモリとを含み、プロセッサがメモリから読み出したプログラムに従って処理を実行することで、補正用信号の比較及び補正パラメータの決定などを実行してもよい。あるいは、補正パラメータ計算機106の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの半導体処理装置やFPGA(field-programmable gate array)などのプログラマブルデバイスを用いて実現されてもよい。
補正パラメータ計算機106は、各受信回路110の補正器120に、補正パラメータを通知する。補正器120は、LPF118が出力する不要信号が除去されたベースバンド信号の振幅と位相とを補正する。補正器120は、例えば可変増幅器と可変移相器とを含む。補正器120は、補正パラメータ計算機106から通知された補正パラメータに従って、可変増幅器の増幅率、及び可変移相器が与える位相回転量を制御する。補正器120は、図1の補正手段23に対応する。
補正用信号除去部(補正用信号除去手段)121は、補正器120で補正されたベースバンド信号から、補正用信号を除去する。補正用信号除去部121は、LPF105で抽出された補正用信号と、補正パラメータ計算機106で決定された補正パラメータとに基づいて、ベースバンド信号から補正用信号を除去する。補正用信号の電力が、データ送信に用いられる各サブキャリアの電力に比べて十分に低いなど、補正用信号のデータ受信への影響が無視できる場合は、補正用信号除去部121は省略してもよい。
受信信号処理部107は、複数の受信回路110-1~110-Nで受信された複数の受信信号に対して所定の信号処理を行う。受信信号処理部107が行う信号処理は、例えばビームフォーミングのための受信信号の合成処理を含む。各受信回路110において、補正器120を用いて複数の受信回路110-1~110-N間のゲイン差及び位相差が補正されていることで、受信信号処理部107において、補正しない場合に比べて信号対雑音比の高い信号を得ることができる。
なお、補正パラメータ計算機106は、補正パラメータの計算を常に行う必要はない。補正パラメータ計算機106は、例えば電源投入時や、環境温度などが大きく変化した場合に、補正パラメータの計算を行ってもよい。補正パラメータ計算機106において補正パラメータが計算されていない期間では、補正信号用局部発振器102は補正信号を出力しなくてもよい。その場合、補正パラメータが計算されていない期間において、補正用信号は受信信号に加算されない。補正器120は、補正パラメータ計算機106が補正パラメータを計算しない期間では、前回計算時の補正パラメータを使用して受信信号を補正すればよい。
以下、複数の受信回路110-1~110-Nを代表して、n番目の受信回路110-nの動作を詳細に説明する。受信回路110-nは、アンテナ101-nを通じて無線信号を受信する。受信回路110-nにおいて、BPF111-nで不要波が除去された受信信号SRFn(t)は、理想的には下記式(1)で表される。
Figure 0007147350000001
上記式(1)において、SRXn(t)は、受信信号の変調成分を表す。本実施形態では、SRXn(t)は、中心サブキャリア(DCサブキャリア)が使用されていないOFDM信号を表す。また、上記式(1)において、fRFは搬送波周波数を表し、jは虚数を表し、tは時間を表す。
加算器112-nで、補正信号用局部発振器102が出力する補正用信号が加算された受信信号SRFn+CAL(t)は、下記の式(2)で表される。
Figure 0007147350000002
補正用信号は、周波数が受信信号の搬送波周波数と同じCW信号であり、上記式(2)において、右辺の第二項が補正用信号を表している。例えば、複数の受信回路110-1~110-Nのそれぞれには、一定の振幅A及び位相θの補正用信号が供給される。補正用信号の振幅及び位相は、差が既知であるならば、複数の受信回路110-1~110-N間で異なっていてもよい。補正用信号が加算された受信信号SRFn+CAL(t)は、上記式(1)と上記式(2)とを用いて、下記式(3)で表すことができる。
Figure 0007147350000003
補正用信号が加算された受信信号SRFn+CAL(t)は、LNA113-nで増幅され、乗算器114-nでIF信号用局部発振器103が出力する局部発振信号と乗算されることで、中間周波数帯域のIF信号に変換される。BPF115-nで不要信号が除去されたIF信号SIFn(t)は、下記式(4)で表される。
Figure 0007147350000004
上記式(4)において、G及びφは、それぞれ受信回路110-nのゲイン及び位相である。fIFは、IF信号の周波数であり、fLOは、補正信号用局部発振器102が出力する補正用信号の周波数である。fIFとfLOとは、fIF=fRF-fLOの関係を持つ。
IF信号SIFn(t)は、ADC116-nでデジタル信号に変換され、乗算器117-nでデジタル的にダウンコンバートされる。ダウンコンバートで得られたベースバンド信号SBBn(t)は、下記式(5)で表すことができる。
Figure 0007147350000005
上記式(5)において、e^(-j2πfIFt)は、BB信号用局部発振器104が出力する局部発振信号(CW信号)を表す。ベースバンド信号への変換処理はデジタル回路で実施されるため、ダウンコンバートにおける各受信回路110でのゲイン差、及び位相差は無視できる。仮に、ベースバンド信号へのダウンコンバートにおいてゲイン差、及び位相差があった場合でも、アナログ回路領域でのゲイン差及び位相差と共に、包括的に算出可能である。
図5(a)及び(b)は、補正用信号が加算されていないベースバンド信号と補正用信号が加算されたベースバンド信号のスペクトルを示す。図5(a)及び(b)において、横軸は周波数を表し、縦軸はパワーを表す。図5(a)は、補正用信号が加算されていないベースバンド信号のスペクトルを示し、図5(b)は、補正用信号が加算されたベースバンド信号のスペクトルを示す。図5(a)及び(b)では、受信信号として、LTE DL(Down Link)用の帯域20MHzの信号が用いられている。
図5(a)を参照すると、補正用信号が加算されない場合、中心サブキャリアがデータ送信に使用されないため(図3も参照)、ベースバンド信号の周波数0MHz付近にスペクトルの低下が見られる。一方、補正用信号が加算されている場合、補正用信号は中心サブキャリアの周波数位置に加算されるため、図5(b)に示されるように、ベースバンド信号の周波数0MHz付近に補正用信号のスペクトルが現れる。補正用信号のパワーは任意であり、データ送信に使用されるサブキャリアのパワーより強くてもよいし、弱くてもよい。
上記ベースバンド信号SBBn(t)は、LPF105-nとLPF118-nとの2つに分配される。LPF105-nは、狭帯域な通過特性(図4も参照)を有しており、ベースバンド信号SBBn(t)から受信信号の変調成分SRXn(t)を除去する。LPF105-nを通じて補正パラメータ計算機106に入力される信号SCALn(t)は、下記式(6)で表すことができる。
Figure 0007147350000006
上記式(6)は、LPF105-nにおいて、変調成分SRXn(t)が完全に除去される理想的な場合を表している。補正パラメータ計算機106に入力される信号SCALn(t)には、補正パラメータの計算に影響を与えない範囲で、変調成分SRXn(t)の一部が含まれていてもよい。別の言い方をすると、LPF105-nの通過帯域は、中心サブキャリアの周波数成分のみを通過させる通過帯域である必要はなく、通過帯域に周辺のサブキャリアの一部が含まれていてもよい。
補正パラメータ計算機106は、複数の受信回路110-1~110-Nから、信号SCAL1(t)~SCALN(t)を取得する。補正パラメータ計算機106は、信号SCAL1(t)~SCALN(t)を比較することで、複数の受信回路110-1~110-N間のゲイン差及び位相差を計算する。例えば、補正パラメータ計算機106は、受信回路110-1から入力される信号SCAL1(t)を基準とし、信号SCAL2(t)~SCALN(t)と、信号SCAL1(t)との比を計算する。このようにすることで、基準である受信回路110-1と、受信回路110-2~110-Nのそれぞれとのゲイン差や位相差を計算できる。例えば、受信回路110-1と受信回路110-nとの間のゲイン差及び位相差は、下記式(7)で計算できる。
Figure 0007147350000007
上記式(7)におけるG/Gは、受信回路110-1と受信回路110-nとのゲイン差を示す。また、φ-φは、受信回路110-1と受信回路110-nとの位相差を示す。
一方、分配された他方のベースバンド信号SBBn(t)は、LPF118-nに入力される。LPF118-nは、ベースバンド信号SBBn(t)から信号帯域外の不要信号を除去する。補正器120-nには、補正パラメータ計算機106から、振幅及び位相の補正パラメータが入力される。補正器120は、補正パラメータに従ってベースバンド信号SBBn(t)の振幅及び位相を補正する。補正後のベースバンド信号S’BBn(t)は、下記式(8)で表すことができる。
Figure 0007147350000008
上記したようにベースバンド信号SBBn(t)を補正することで、n番目の受信回路110-nのゲインG及び位相φを、それぞれ、基準とした1番目の受信回路110-1のゲインG及び位相φに合わせることができる。
ここで、上記式(8)を参照すると、補正後のベースバンド信号S’BBn(t)には、補正用信号の成分Ae^jθ・Ge^jφが残存していることが分かる。この成分は、1番目の受信回路110-1について上記式(6)と同様に求められた補正用信号SCAL1(t)と等しい。補正用信号除去部121-nは、補正後のベースバンド信号S’BBn(t)から、補正用信号SCAL1(t)を差し引くことで、ベースバンド信号から補正用信号を除去する。補正用信号除去部121-nで補正用信号が除去されたベースバンド信号S”BBn(t)は、下記式(9)で表すことができる。
Figure 0007147350000009
複数の受信回路110-1~110-Nにおいて、上記した処理を行うことで、各受信回路110から、1番目の受信回路110-1と等しいゲイン及び位相の信号を得ることができる。
本実施形態では、各受信回路110において、受信信号に補正用信号を加算する。補正用信号が加算された受信信号は、乗算器114でIF信号にダウンコンバートされ、ADC116でデジタル信号に変換され、乗算器117でベースバンド信号に変換される。LPF105は、変換されたベースバンド信号から補正用信号を抽出し、抽出した補正用信号を補正パラメータ計算機106に出力する。補正パラメータ計算機106にて、各受信回路110で抽出された補正用信号を比較することで、各受信回路110のゲインや位相の特性を取得することができ、複数の受信回路間のゲイン差及び位相差を補正するための補正パラメータが得られる。
本実施形態では、各受信回路110の補正器120は、補正パラメータ計算機106で得られた補正パラメータに従って、受信信号を補正する。このようにすることで、複数の受信回路110-1~110-Nでゲイン及び位相を合わせることができ、受信装置全体としての受信信号の精度を向上させることができる。例えば、受信信号処理部107において行うビームフォーミングにおいて、正確な受信ビームフォーミングを実現できる。
近年、移動体通信で一般的に使用されている直交周波数分割多重方式では、信号の中心周波数に位置するサブキャリアは使用されていない。本実施形態では、一般的に使用されていない変調波の中心サブキャリアの周波数位置に補正用信号を加算している。このようにすることで、変調精度に大きな影響を与えずに、受信信号の補正を行うことができ、装置の運用中にも、ゲイン及び位相の校正を実施できる。従って、本実施形態では、温度変化や経年変化に伴って各受信回路110のゲインや移送が変化した場合でも、高い精度の受信信号を得ることができる。
本実施形態では、実装にあたり、アナログ回路で必要となる回路は、補正信号用局部発振器102と、それを分配して各受信回路110において受信信号に加算する部分のみである。また、デジタル回路部分で必要となる機能は、LPF105と補正パラメータ計算機106である。各受信回路110において、ゲイン及び位相の時間変化は比較的緩やかであると考えられ、従って、補正パラメータ計算機106には高速に計算する能力は求められない。このように、本実施形態に係る無線通信装置は、比較的小さな回路基部で実現でき、低コストで受信信号を補正することができる。
特許文献1との比較では、特許文献1では信号帯域外のパイロット信号が受信信号に加算されるため、受信回路110におけるBPF111に相当するアンテナ直後のフィルタを除いて、狭帯域なフィルタを使用することができない。これに対し、本実施形態では、信号帯域内の補正用信号が使用されるため、補正用信号の加算から抽出までの部分に狭帯域なフィルタを使用することができる。従って、本実施形態では、帯域外妨害波の影響を低減でき、受信性能の劣化を抑制できる。また、特許文献1では、帯域外妨害波をBPF111に相当するフィルタのみで除去する必要があり、そのようなフィルタは基本的に高価で、かつサイズも大きい。本実施形態では、そのような高価で、かつサイズが大きいフィルタを用いる必要がないという利点もある。
次いで、第2実施形態を説明する。図6は、本開示の第2実施形態に係る無線通信装置を示す。本実施形態に係る無線通信装置100aは、アンテナ101-1~101-N、受信回路110-1~110-N、送信回路130-1~130-N、及び送受切替えスイッチ125-1~125-Nを含む。本実施形態において、無線通信装置100aは、TDD(Time Division Duplex)方式で送信と受信とを交互に切り替える装置(TDD装置)として構成される。
なお、図6においては、図2の示される受信回路110の構成要素の一部は図示が省略されている。具体的には、図6において、乗算器117、LPF118、補正器120、補正用信号除去部121などの図示が省略されている。また、図6には、図2に示されるIF信号用局部発振器103、BB信号用局部発振器104、LPF105、補正パラメータ計算機106、及び受信信号処理部107などについても、図示が省略されている。
nを1以上N以下の整数として、送信回路130-nは、DAC(Digital to Analog Converter)131-n、乗算器132-n、BPF133-n、及び高出力増幅器134-nを有する。各送信回路130は、図示しない変調装置などが出力するIF信号を無線信号(送信信号)に変換し、無線信号をアンテナ101から送信する。各送信回路130の構成は、通常のIFコンバージョン方式の送信回路の構成と同様でよい。
送受切替えスイッチ125は、アンテナ101の接続先を、受信回路110と送信回路130との間で切り替える。送受切替えスイッチ125は、受信時は、アンテナ101と受信回路110とを接続する。この場合、アンテナ101で受信された無線信号は、BPF111を介して受信回路110に入力される。送受切替えスイッチ125は、送信時は、アンテナ101と接続先を送信回路130とを接続する。この場合、アンテナ101には、BPF111を介して、送信回路130の高出力増幅器134が出力する無線信号が供給される。
通常のTDD装置では、受信時に送受切替えスイッチ125が受信回路110を選択しているとき、送信回路130は信号を出力しない。本実施形態において、複数の送信回路130のうちの一部、例えば送信回路130-1は、受信時に補正用信号を生成する。送信回路130-1が生成する補正用信号は、高出力増幅器134-1の前段で複数の受信回路110-1~110-Nに分配される。受信時、高出力増幅器134は増幅動作を停止する。
図7(a)は、送信時に各送信回路130が生成する送信信号のスペクトルを示し、(b)は、受信時に送信回路130-1が生成する補正用信号のスペクトルを示す。図7(a)及び(b)において、横軸は周波数を表す。各送信回路130は、送信時は、複数のサブキャリアを含むOFDM信号を生成する(図7(a)を参照)。OFDM信号において、搬送波周波数の周波数位置のサブキャリア(中心サブキャリア)は、データ送信には使用されない。OFDM信号の搬送波周波数は、受信信号(図3を参照)の搬送波周波数と同じ周波数である。OFDM信号は、高出力増幅器134で無線送信出力まで増幅され、アンテナ101から無線送信される。
送信回路130-1は、受信時は、OFDM信号ではなく、搬送波周波数と同じ周波数のCW信号(補正用信号)を生成する(図7(b)を参照)。受信時に送信回路130-1が生成する搬送波周波数のCW信号は、各受信回路110に分配され、各受信回路110の加算器112に入力される。補正用信号を用いた複数の受信回路110-1~110-N間のゲイン差及び位相差の補正は、第1実施形態で説明したものと同様でよい。
本実施形態では、無線通信装置100aは、TDD装置として構成される。一般に、TDD装置は、送信信号帯域と受信信号帯域とが等しい。本実施形態では、受信時に送信回路130-1が生成する搬送波周波数のCW信号が、補正用信号として用いられる。本実施形態では、送信回路130-1で補正用信号を生成するため、無線通信装置100aは、補正信号用の局部発振器を有している必要がない。このように、本実施形態では、補正用信号を生成するための専用の発振器を用いなくても、受信回路の校正を行うことができる。
なお、上記各実施形態では、受信信号の搬送波周波数と同じ周波数の信号を補正用信号として用いる例を説明したが、これには限定されない。例えば、複数のサブキャリアが、搬送波周波数の周波数位置とは異なる周波数位置にデータ送信に使用されないサブキャリアを含む場合、その使用されないサブキャリアに相当する周波数成分を持つ信号を、補正用信号として用いてもよい。その場合において、使用されないサブキャリアの周波数位置が時間経過と共に変化する場合は、補正信号用局部発振器102(図2を参照)の発振周波数を使用されないサブキャリアの周波数の変化に合わせて変化させてもよい。
例えば、受信信号の搬送波周波数とは異なる周波数の補正用信号が用いられる場合、補正用信号の抽出には、LPF105(図2を参照)に代えて、補正用信号が加算されるサブキャリアの周波数成分を通過させるBPFなどを用いればよい。あるいは、乗算器117からLPF105への経路の途中に別の乗算器を配置し、その乗算器を用いて補正用信号の周波数位置が0となるように、ベースバンド信号の周波数をシフトさせてもよい。
また、図2に示される無線通信装置100及び図6に示される無線通信装置100aは、例えばDU(Distributed Unit)として構成され、ベースバンド信号処理を行うCU(Central Unit)と接続されていてもよい。一般に、CUは屋内に設置され、光ケーブルなどの通信線を介してDUに接続される。DUとして構成される無線通信装置100は、例えば、CUから使用されないサブキャリア位置についての情報を取得し、そのサブキャリア位置の周波数の補正用信号を生成してもよい。
更に、無線通信装置100は、複数の周波数の補正用信号を生成し、複数のサブキャリア位置を利用して、各受信回路におけるゲイン及び位相の周波数特性を補正してもよい。例えば、データ送信に使用されないサブキャリアが複数ある場合、無線通信装置100は、それら複数のサブキャリアの周波数位置にそれぞれ補正用信号を同時に加算し、各周波数位置でのゲイン差及び位相差を算出してもよい。あるいは、無線通信装置100は、補正用信号が加算されるサブキャリアを変化させつつ、ゲイン差及び位相差の算出を複数回行い、複数の周波数位置でのゲイン差及び位相差を算出してもよい。
補正パラメータ計算機106は、複数の周波数位置において、複数の受信回路110間のゲイン差及び位相差を計算する。補正パラメータ計算機106は、複数の周波数位置でのゲイン差及び位相差から、直線内挿などを用いて、信号帯域全体におけるゲイン差及び位相差の周波数特性を推定してもよい。補正器120は、推定された周波数特性の逆特性でベースバンド信号の振幅及び位相を補正する。このようにすることで、ゲイン差及び位相差の周波数特性を補正可能である。補正器120における具体的な処理は、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを適用する場合と同様である。推定した周波数特性の逆特性からインパルス応答を求め、求めたインパルス応答をタップ係数として、畳み込み演算を行うことで、周波数特性の補正が可能である。
上記各実施形態では、BPF111とLNA113との間に加算器112を配置し、補正用信号をLNA113の直前で加算する例を説明したが、本開示はこれには限定されない。補正用信号は、ゲイン差及び位相差の校正を行う範囲に応じて、適切な位置で加算されていればよい。例えば、LNA113の部分の校正が必要ない場合は、加算器112をLNA113と乗算器114との間に配置し、IF信号への変換の直前の位置で、受信信号に補正用信号を加算すればよい。
上記各実施形態では、受信回路110がIFコンバージョン方式の受信回路として構成される例を説明したが、本開示はこれには限定されない。受信回路110は、ZeroIF方式や、ダイレクトRF方式の受信回路として構成されていてもよい。受信回路110がZeroIF方式の受信回路として構成される場合、受信信号はいったんIF信号に変換されることなく、アナログ信号のままベースバンド信号に変換され、その後、ADCにてデジタル信号に変換される。受信回路110がダイレクトRF方式の受信回路として構成される場合、RF信号はダウンコンバートされることなく、RF帯域の受信信号のまま、ADCにてデジタル信号に変換される。
IFコンバージョン方式とZeroIF方式とを比較すると、ZeroIF方式ではDCリークが発生する可能性がある。DCリークが発生した場合、中心サブキャリアの周波数位置に補正用信号が加算されたベースバンド信号から補正用信号を正確に抽出できない可能性がある。従って、補正用信号の抽出を正確に行うという観点では、IFコンバージョン方式が適していると言える。ダイレクトRF方式についても、DCリークが発生しないため、IFコンバージョン方式と同様に、補正用信号の抽出を正確に行えると考えられる。
上記各実施形態では、無線信号が特定のサブキャリアがデータ送信に使用されない変調方式で変調されている例を説明したが、本開示はこれには限定されない。補正用信号は、必ずしもデータ送信に使用されないサブキャリアの周波数位置に加算される必要はなく、データ送信に使用されるサブキャリアの周波数位置に加算されてもよい。別の言い方をすると、補正用信号の周波数は、データ送信に使用されるサブキャリアの周波数と同じでもよい。ただし、データ送信に使用されるサブキャリアに補正用信号が加算されると、変調精度の劣化が起こりやすくなる。変調精度の劣化を防ぐためには、補正用信号除去部121において、正確に補正用信号を除去すればよい。あるいは、補正用信号の加算を変調精度の劣化が許容できる十分に信号対雑音比の高い時間帯に実施し、又は補正用信号の信号電力を低く設定するなど、適切な運用を行うことで、受信性能劣化への影響を低減してもよい。
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に対して変更や修正を加えたものも、本開示に含まれる。
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
それぞれが、対応するアンテナを通じて無線信号を受信する複数の受信回路と、
前記複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、該算出したずれに基づいて各受信回路における受信信号の補正パラメータを生成する補正パラメータ算出手段とを備え、
前記複数の受信回路は、それぞれ、
受信信号に、前記受信信号の周波数帯域内の所定周波数の補正用信号を加算する補正用信号加算手段と、
前記補正用信号が加算された受信信号から前記補正用信号を抽出して前記補正パラメータ算出手段に出力する補正用信号抽出手段と、
前記補正パラメータ算出手段が算出した補正パラメータに従って前記受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正する補正手段とを含み、
前記補正パラメータ算出手段は、前記補正用信号抽出手段を通じて各受信回路から入力される補正用信号に基づいて前記複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出する無線通信装置。
[付記2]
前記受信信号は複数のサブキャリアを含み、
前記補正用信号は、データ送信に使用されないサブキャリアの周波数と等しい周波数の信号である付記1に記載の無線通信装置。
[付記3]
前記複数のサブキャリアのうち、前記受信信号の搬送波周波数の周波数位置に対応するサブサブキャリアはデータ送信に使用されず、
前記補正用信号は前記搬送波周波数と等しい周波数の信号である付記2に記載の無線通信装置。
[付記4]
前記受信信号は直交周波数分割多重方式で変調された信号である付記1から3何れか1つに記載の無線通信装置。
[付記5]
前記補正用信号として、周波数が異なる複数の信号が用いられ、
前記補正パラメータ算出手段は、複数の周波数位置において前記複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、前記ゲイン及び位相の少なくとも一方のずれの周波数特性を算出する付記1から4何れか1つに記載の無線通信装置。
[付記6]
前記補正手段は、前記ゲイン及び位相の少なくとも一方のずれの周波数特性の逆特性で前記受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正する付記5に記載の無線通信装置。
[付記7]
前記補正用信号を生成する補正信号用局部発振器を更に有する付記1から6何れか1つに記載の無線通信装置。
[付記8]
それぞれが、前記受信信号の搬送波周波数と同じ周波数の送信信号を生成する、前記受信回路の数と同数の複数の送信回路と、
それぞれが、前記アンテナの接続先を、前記受信回路と、前記送信回路との間で切り替える複数の送受切替えスイッチとを更に有し、
前記無線信号の送信と前記無線信号の受信とは、交互に切り替えて実施され、
前記複数の送受切替えスイッチは、それぞれ、前記無線信号の送信時は前記アンテナと前記送信回路とを接続し、前記無線信号の受信時は前記アンテナと前記受信回路とを接続し、
前記複数の送信回路の少なくとも1つは、前記無線信号の受信時に前記補正用信号を生成して前記複数の受信回路に出力する付記1から6何れか1つに記載の無線通信装置。
[付記9]
前記複数の受信回路は、それぞれ、前記補正用信号が加算された受信信号をベースバンド信号に変換するベースバンド信号変換手段を更に有する付記1から8何れか1つに記載の無線通信装置。
[付記10]
前記複数の受信回路は、それぞれ、前記補正用信号が加算された受信信号を中間周波数信号に変換する中間周波数信号変換手段を更に有し、
前記ベースバンド信号変換手段は、前記中間周波数信号を前記ベースバンド信号に変換する付記9に記載の無線通信装置。
[付記11]
前記補正用信号抽出手段は、前記ベースバンド信号から前記補正用信号を抽出する付記9又は10に記載の無線通信装置。
[付記12]
前記補正パラメータ算出手段は、前記複数の受信回路の前記補正用信号抽出手段が抽出した補正用信号のうちの1つを基準の補正用信号とし、各受信回路の前記補正用信号抽出手段が抽出した補正用信号と前記基準の補正用信号との比を算出することで、前記複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出する付記1から11何れか1つに記載の無線通信装置。
[付記13]
前記補正手段が振幅及び位相の少なくとも一方を補正した受信信号から、前記補正用信号の成分を除去する補正用信号除去手段を更に有する付記1から12何れか1つに記載の無線通信装置。
[付記14]
前記補正用信号が加算された受信信号を帯域制限するアナログフィルタと、
前記帯域制限された受信信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器とを更に有し、
前記補正用信号抽出手段は、デジタル信号に変換された受信信号から前記補正用信号を抽出する付記1から13何れか1つに記載の無線通信装置。
[付記15]
複数のアンテナを通じて、複数の無線信号を受信し、
受信された複数の受信信号のそれぞれに、前記受信信号の周波数帯域内の所定周波数の補正用信号を加算し、
前記補正用信号が加算された複数の受信信号のそれぞれから前記補正用信号を抽出し、
前記複数の受信信号から抽出された補正用信号に基づいて、前記複数の無線信号を受信する複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、該算出したずれに基づいて各受信回路における受信信号の補正パラメータを生成し、
前記算出された補正パラメータに従って前記受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正する受信信号補正方法。
10:無線通信装置
20:受信回路
21:補正用信号加算手段
22:補正用信号抽出手段
23:補正手段
30:補正パラメータ算出手段
40:アンテナ
100:無線通信装置
101:アンテナ
102:補正信号用局部発振器
103:IF信号用局部発振器
104:BB信号用局部発振器
105、118:LPF
106:補正パラメータ計算機
107:受信信号処理部
110:受信回路
111、115:BPF
112:加算器
113:LNA
114、117:乗算器
116:ADC
120:補正器
121:補正用信号除去部
125:送受切替えスイッチ
130:送信回路
131:DAC
132:乗算器
133:BPF
134:高出力増幅器

Claims (10)

  1. それぞれが、対応するアンテナを通じて無線信号を受信する複数の受信回路と、
    前記複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、該算出したずれに基づいて各受信回路における受信信号の補正パラメータを生成する補正パラメータ算出手段とを備え、
    前記複数の受信回路は、それぞれ、
    受信信号に、前記受信信号の周波数帯域内の所定周波数の補正用信号を加算する補正用信号加算手段と、
    前記補正用信号が加算された受信信号から前記補正用信号を抽出して前記補正パラメータ算出手段に出力する補正用信号抽出手段と、
    前記補正パラメータ算出手段が算出した補正パラメータに従って前記受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正する補正手段とを含み、
    前記補正パラメータ算出手段は、前記補正用信号抽出手段を通じて各受信回路から入力される補正用信号に基づいて前記複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、
    前記補正手段が振幅及び位相の少なくとも一方を補正した受信信号から、前記補正用信号の成分を除去する補正用信号除去手段を更に有する、無線通信装置。
  2. 前記受信信号は複数のサブキャリアを含み、
    前記補正用信号は、データ送信に使用されないサブキャリアの周波数と等しい周波数の信号である請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記複数のサブキャリアのうち、前記受信信号の搬送波周波数の周波数位置に対応するサブサブキャリアはデータ送信に使用されず、
    前記補正用信号は前記搬送波周波数と等しい周波数の信号である請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 前記補正用信号として、周波数が異なる複数の信号が用いられ、
    前記補正パラメータ算出手段は、複数の周波数位置において前記複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、前記ゲイン及び位相の少なくとも一方のずれの周波数特性を算出する請求項1から3何れか1項に記載の無線通信装置。
  5. 前記補正手段は、前記ゲイン及び位相の少なくとも一方のずれの周波数特性の逆特性で前記受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正する請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 前記補正用信号を生成する補正信号用局部発振器を更に有する請求項1から5何れか1項に記載の無線通信装置。
  7. それぞれが、対応するアンテナを通じて無線信号を受信する複数の受信回路と、
    前記複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、該算出したずれに基づいて各受信回路における受信信号の補正パラメータを生成する補正パラメータ算出手段と、
    それぞれが、前記受信信号の搬送波周波数と同じ周波数の送信信号を生成する、前記受信回路の数と同数の複数の送信回路と、
    それぞれが、前記アンテナの接続先を、前記受信回路と、前記送信回路との間で切り替える複数の送受切替えスイッチとを備え、
    前記複数の受信回路は、それぞれ、
    受信信号に、前記受信信号の周波数帯域内の所定周波数の補正用信号を加算する補正用信号加算手段と、
    前記補正用信号が加算された受信信号から前記補正用信号を抽出して前記補正パラメータ算出手段に出力する補正用信号抽出手段と、
    前記補正パラメータ算出手段が算出した補正パラメータに従って前記受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正する補正手段とを含み、
    前記補正パラメータ算出手段は、前記補正用信号抽出手段を通じて各受信回路から入力される補正用信号に基づいて前記複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、
    前記無線信号の送信と前記無線信号の受信とは、交互に切り替えて実施され、
    前記複数の送受切替えスイッチは、それぞれ、前記無線信号の送信時は前記アンテナと前記送信回路とを接続し、前記無線信号の受信時は前記アンテナと前記受信回路とを接続し、
    前記複数の送信回路の少なくとも1つは、前記無線信号の受信時に前記補正用信号を生成して前記複数の受信回路に出力する、無線通信装置。
  8. 前記補正用信号が加算された受信信号を帯域制限するアナログフィルタと、
    前記帯域制限された受信信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器とを更に有し、
    前記補正用信号抽出手段は、デジタル信号に変換された受信信号から前記補正用信号を抽出する請求項1から何れか1項に記載の無線通信装置。
  9. 複数のアンテナを通じて、複数の無線信号を受信し、
    受信された複数の受信信号のそれぞれに、前記受信信号の周波数帯域内の所定周波数の補正用信号を加算し、
    前記補正用信号が加算された複数の受信信号のそれぞれから前記補正用信号を抽出し、
    前記複数の受信信号から抽出された補正用信号に基づいて、前記複数の無線信号を受信する複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、該算出したずれに基づいて各受信回路における受信信号の補正パラメータを生成し、
    前記算出された補正パラメータに従って前記受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正し、
    前記振幅及び位相の少なくとも一方が補正された受信信号から、前記補正用信号の成分を除去する受信信号補正方法。
  10. 複数のアンテナを通じて、複数の無線信号を受信し、
    それぞれが、前記複数のアンテナに送受切替スイッチを介して接続され、無線信号の送信時に送信信号を生成する複数の送信回路の少なくとも1つにおいて、受信信号の周波数帯域内の所定周波数の補正用信号を生成し、
    受信された複数の受信信号のそれぞれに、前記生成された補正用信号を加算し、
    前記補正用信号が加算された複数の受信信号のそれぞれから前記補正用信号を抽出し、
    前記複数の受信信号から抽出された補正用信号に基づいて、前記複数の無線信号を受信する複数の受信回路間のゲイン及び位相の少なくとも一方のずれを算出し、該算出したずれに基づいて各受信回路における受信信号の補正パラメータを生成し、
    前記算出された補正パラメータに従って前記受信信号の振幅及び位相の少なくとも一方を補正する受信信号補正方法。
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