JP7142919B2 - 害獣の駆除セット及び害獣の駆除セットを用いた害獣の駆除方法 - Google Patents

害獣の駆除セット及び害獣の駆除セットを用いた害獣の駆除方法 Download PDF

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Description

本発明は、害獣の駆除セット及び害獣の駆除セットを用いた害獣の駆除方法に関し、害獣が捕獲された捕獲器から害獣を移動させて収容する駆除箱と、駆除箱内に窒息性ガスを供給するガス供給源とを備える害獣の駆除セット及び害獣の駆除セットを用いた害獣の駆除方法に関する。
従来、口で餌を捕食する野生動物であるネズミ用の捕獲器として、針金でできたネズミ捕り籠が知られている。ネズミ捕り籠は、トリガーとなる針金にエサを付け、籠の中に侵入したネズミがエサを引っ張ると入口の蓋が閉まる仕掛けである。しかし近年、ネズミより大きい野生動物、例えばアライグマ、ハクビシン、猿などの人間に被害を与える野生動物(以後、人間に被害を与える野生動物を害獣と記す)の数が増え、被害が広がっている。これは害獣の生息域が広がったためであり、その原因としては過疎化による山際での人口減少や、害獣の人間の生活環境への対応能力の向上が考えられる。
これらの害獣の中でも、特にアライグマはアライグマ回虫、狂犬病、レプトスピラ症等の人畜共通の感染症のキャリアになる可能性が大きく、現在の生息域が大都市に近づいていることから、その捕獲処分が害獣管理上の最優先課題となっている。このような害獣による被害に対して、特に被害の大きいアライグマを捕獲するために、アライグマの習性を利用した捕獲籠が特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示の捕獲籠では、アライグマが籠内に侵入し、餌を取ろうとして両手で餌の入った餌籠を手前に引っ張ると、餌籠に接続するワイヤーロープが引っ張られて前扉のロックが外れ、前扉が閉じることにより、アライグマを捕獲するようになっている。捕獲されたアライグマは、後扉に接続した独立した第2の捕獲籠に、後扉を開けた状態で追い込んで移される。アライグマを収容した第2の捕獲籠は通常、捕獲籠から取り外されて別の場所にある処分場に搬送され、そこで殺処分される。これは捕獲籠で次のアライグマを捕獲するためである。
実用新案登録第3170555号公報
ところが、捕獲籠にアライグマが捕獲される毎に第2の捕獲籠でアライグマを生きたまま殺処分場まで運ぶのはかなり大変である。そこで、アライグマを捕獲した第2の捕獲籠を収容できるより大きな密閉容器に入れ、その密閉容器内に窒息性ガスを送り込み、捕獲したアライグマを捕獲籠の近くで殺処分する方法が考えられた。ここで言う窒息性ガスとは、それ自体は有害ではないが、酸素供給を妨害して、呼吸する動物を窒息させて死に至らせるガスのことであり、例えば、窒素、二酸化炭素、不活性ガス、低分子の炭化水素等がこれに相当する。また、ホスゲン、塩素など、動物に中毒を起こさせる有毒ガスを含めることもある。
しかし、この方法には、捕獲籠にアライグマが捕獲される毎に、第2の捕獲籠を収容できる大型の密閉容器と、密閉容器に窒息性ガス、例えば二酸化炭素を供給できる7kg程度の重量ボンベとを備える大がかりな殺処分セットを捕獲籠の近くに運び込む必要があり、手間がかかるという課題があった。
本発明は、アライグマを含む既存の害獣の捕獲器に接続した駆除箱に、害獣を移動させて収容した状態で、駆除箱を捕獲器から切り離すだけで簡単に害獣をその場で殺処分することができる小型で簡素な害獣の駆除セット及びこの害獣の駆除セットを使用した害獣の駆除方法を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成する本発明の害獣の駆除セットの第1の形態は、捕獲器に接続され、捕獲された害獣を捕獲器から移して収容する駆除箱と、駆除箱内に窒息性ガスを供給するガス供給源とを備える害獣の駆除セットであって、駆除箱は、入口部と少なくとも1つのガス流入口を備え、入口部以外の部分が気密構造になっており、害獣を収容する容積を備える箱体と、入口部を開閉するシャッタ板、及び捕獲器の開口部に入口部を接続する取付部とを備え、ガス供給源は窒息性ガスが充填されたガスボンベであり、害獣を収容した状態の駆除箱は捕獲器から切り離し、駆除箱内の空気をガス供給源から供給する窒息性ガスで置き換えることにより、害獣を殺処分することを特徴としている。
前記目的を達成する本発明の害獣の駆除セットの第2の形態は、捕獲器に接続され、捕獲された害獣を捕獲器から移して収容する駆除箱、駆除箱内に窒息性ガスを供給するガス供給源、駆除箱を収容できる樹脂製の袋、及び駆除箱内の空気を樹脂製の袋の外に排出できる排気チューブとを備える害獣の駆除セットであって、駆除箱は、入口部と少なくとも1つのガス流入口を備え、入口部以外の部分が気密構造になっており、害獣を収容する容積を備える箱体と、入口部を開閉するシャッタ板、及び捕獲器の開口部に入口部を接続する取付部とを備え、ガス供給源はドライアイスであり、排気チューブは、その一端が駆除箱の内部に連通した状態で駆除箱に取り付けられ、害獣を収容した状態の駆除箱は捕獲器から切り離し、樹脂製の袋の開口部は、害獣が入った駆除箱が樹脂製の袋の中に入れられて排気チューブの他端が樹脂製の袋の外に出た状態で閉じられ、この状態で樹脂製の袋内にドライアイスが置かれ、駆除箱内の空気がドライアイスから発生した窒息性ガスで置き換えられて害獣を殺処分することを特徴としている。
また、前記目的を達成する本発明の害獣の駆除セットを利用した害獣の駆除方法は、捕獲器に接続され、捕獲された害獣を捕獲器から移して収容する駆除箱と、駆除箱内に窒息性ガスを供給するガス供給源とを備える害獣の駆除セットを用いた害獣の駆除方法であって、駆除箱は、入口部と少なくとも1つのガス流入口を備え、入口部以外の部分が気密構造になっており、害獣を収容する容積を備える箱体と、入口部を開閉するシャッタ板、及び捕獲器の開口部に入口部を接続できる取付部とを備え、ガス供給源は、駆除箱に窒息性ガスを供給できるものであり、捕獲器に害獣が捕獲されたら、捕獲器に駆除箱を接続して捕獲器に設けられた害獣排出扉とシャッタ板とを開けて捕獲器と駆除箱とを連通させ、捕獲器に捕らえられた害獣を、害獣排出扉と入口部とを通して駆除箱内に移動させて収容し、駆除箱内に害獣が収容されたら、シャッタ板で入口部を閉じた後に、駆除箱を捕獲器から切り離し、害獣を収容した状態の駆除箱に対して、駆除箱内の空気をガス供給源から供給する窒息性ガスで置き換えることにより、害獣を殺処分することを特徴としている。
本発明の害獣の駆除セット及びこのセットを用いた害獣の駆除方法によれば、害獣の捕獲器で捕獲した害獣を捕獲器に取り付けた駆除箱に移した後、捕獲器から切り離した駆除箱内の空気を小型のガス供給源からの窒息性ガスによって置き換えることによって、捕獲器のある現地で害獣を安楽死させて殺処分することができるので、害獣の駆除セットを小型化できると共に、害獣の駆除効率を向上させることができるという効果がある。すなわち、本発明では従来のように、捕獲器に害獣が捕獲されたら、市町村の役場の担当に電話して害獣を捕獲器ごと受け取り、処分場に運んで殺処分することがなくなる。また、本発明によれば、その場での害獣の殺処分に際して、7kg程度の大きくて重いボンベを車で現地に運び、捕獲器をこれより大きなガス容器の中に入れ、このガス容器に窒息性ガスを供給して殺処分する従来の方法に比べて、殺処分が簡単に行え、作業者の精神的負担が軽減できると共に、時間と手間が大きく低減されるという効果がある。
本発明の第1の形態の害獣の駆除セットを示す図である。 第1の形態の害獣の駆除セットを用いて、害獣の捕獲器に捕獲された害獣を殺処分する手順の一例を説明するフローチャートである。 第1の形態の害獣の駆除セットを用いた害獣の駆除手順を説明するものであり、(a)は害獣の捕獲器に害獣が捕獲された状態を示す図、(b)は害獣が捕獲された捕獲器に、駆除セットの駆除箱を取り付けた状態を示す図、(c)は(b)に示した駆除箱のシャッタ板が開けられて害獣が捕獲器から駆除箱内に移動する状態を示す図、(d)は害獣が収容された駆除箱を捕獲箱から切り離した状態を示す図である。 (a)は図3(d)に示した駆除箱を、シャッタ板が上になるようにして地面に置いた状態で、駆除箱にガス供給装置を取り付けた状態を示す図、(b)は(a)に示した状態の駆除箱に、ガス供給装置から駆除箱内に窒息性ガスとして空気より重い二酸化炭素ガスを供給し始めた状態を示す図、(c)は(b)に示した状態から所定時間経過して、駆除箱内に二酸化炭素ガスが充填された状態を示す図である。 (a)は図1に示した駆除箱の箱体に設けられたガス流入口が、シャッタ板を上にして地面に置いた時に、箱体の地面とシャッタ板の中間地点に設けられた実施例を示す駆除箱の側面図、(b)は図1に示した駆除箱の箱体に設けられたガス流入口が、シャッタ板側を上にして地面に置いた時に、箱体の底部の近傍に2個所設けられた実施例を示す駆除箱の側面図、(c)は図1に示した駆除箱の箱体にガスボンベから窒息性ガスを熱交換器で暖めてから供給し、熱交換器と同軸の排気ポンプで箱体内の空気を吸引する実施例を示す駆除箱の側面図、(d)は図1に示した駆除箱の箱体のシャッタ板側に空気排出口が設けられた実施例を示す駆除箱の側面図である。 (a)は図1に示した駆除箱の箱体に設けられたガス流入口に、自転車のタイヤチューブに使用されるバルブが取り付けられた実施例を示す部分図、(b)は図1に示した圧力調整器にガスボンベを取り付ける手順を示す図、(c)は(b)に示したガスボンベが取り付けられた圧力調整器を(a)に示したバルブに取り付ける手順を示す図、(d)はガスボンベが取り付けられた圧力調整器からバルブを通じて駆除箱内にガスを送り込む手順を示す図である。 (a)は駆除箱内に取り付けることが可能なガス吸引補助具の一実施例を示す斜視図、(b)は(a)に示したガス吸引補助具を駆除箱内に取り付ける手順を示す説明図、(c)は駆除箱内に収容された害獣がガス吸引補助具に鼻先を突っ込む様子を示す図、(d)は別の実施例のガス吸引補助具が駆除箱に取り付けられた状態を示す部分断面図である。 (a)は図3(d)に示した駆除箱を、シャッタ板が下になるようにして地面に置いた状態で、駆除箱にガス供給装置を取り付けた状態を示す図、(b)は(a)に示した状態の駆除箱に、ガス供給装置から駆除箱内に窒息性ガスとして空気より軽い窒素ガスを供給し始めた状態を示す図、(c)は(b)に示した状態から所定時間経過して、駆除箱内の空気が殆ど窒素ガスに置き換わった状態を示す図である。 本発明の第1の形態の変形実施例を示すものであり、(a)は害獣が捕獲されている駆除箱が樹脂袋に入れられ、閉じられた樹脂袋の開口部を、窒息性ガスの供給パイプと排気チューブが通る実施例を示す側面図、(b)は害獣が捕獲されている駆除箱が、上部が開口するガス溜め容器の中に置かれ、ガス溜め容器に空気より重い窒息性ガスが供給される実施例を示す側面図である。 本発明の第2の形態を示すものであり、害獣が捕獲されている駆除箱が樹脂袋に入れられ、樹脂袋の内部にガス供給源であるドライアイスから二酸化炭素が供給される実施例を示す側面図である。 (a)は図9および図10に示したハンドル付の箱体を背面側から見た斜視図、(b)は(a)に示したハンドル付の箱体の、ハンドルの別の実施例を備えた箱体を背面側から見た斜視図である。 (a)は図11(a)に示した箱体を3つ重ね合わせた状態を示す箱体の側面図、(b)は図11(b)に示した箱体を3つ重ね合わせた状態を示す箱体の側面図である。
以下、添付図面を用いて、まず、害獣の駆除セットの第1の形態の構成について説明し、次いで、第1の形態の害獣の駆除セットを用いた害獣の駆除方法について説明する。その後で、第1の形態の変形実施例の害獣の駆除セット及び第2の形態の害獣の駆除セットについて説明する。
図1は、本発明の第1の形態の害獣の駆除セット30の一実施例を示すものであり、害獣の駆除セット30を構成する各部材が示されている。本実施例の害獣の駆除セット30は、大きく分けて、駆除箱10と、駆除箱10に窒息性ガスを供給するガス供給源であるガス供給装置20とを備えている。まず、駆除箱10の構造について説明する。
駆除箱10は、後述する既存の害獣の捕獲器に接続されて使用されるものであり、捕獲器に捕獲された害獣を捕獲器から移して収容するものである。このため、既存の害獣の捕獲器には開口部として、捕獲した害獣を捕獲器から排出させる害獣排出口が、捕獲器の害獣の入口とは別に設けられていることが好ましい。しかしながら、害獣の捕獲器に開口部として害獣の捕獲口(入口)しかない場合であっても、駆除箱10の構造を害獣の捕獲器の捕獲口の構造に適合させれば、駆除箱10は捕獲器の害獣の捕獲口にも取り付けることが可能であるので、害獣排出口は捕獲器に必須のものではない。
図1に示した実施例では、駆除箱10は、箱体11とシャッタ板12とを備えている。駆除箱10を形成する箱体11は、開口を有する害獣の入口部13と、箱体11の側面に設けられた少なくとも1つのガス流入口15(本実施例では1つ)を備えている。箱体11とシャッタ板12は樹脂で形成することができるが、材料は特に限定されない。箱体11とシャッタ板12を樹脂で形成すると、箱体は入口部13とガス流入口15を除いて気密構造にすることができる。また、入口部13はシャッタ板12との密着性を高めれば入口部13も気密にすることができる。このような箱体11は、害獣の大きさに合った収容容積を備える。
本実施例では箱体11の形状は直方体状であり、捕獲器への取り付け時に地面側となる側面11Gを除いた側面は、入口部13から底部11Bにかけて、断面積が減少する方向にわずかに傾斜しており、ガス流入口15はこの傾斜した側面に設けられている。側面に傾斜を設ける理由は、箱体11を他の箱体11の入口部から挿入して複数の箱体11を重ねた時の容積を小さくするためであるが、箱体11の側面に傾斜は無くても良い。複数の箱体11を重ねた時の容積については後述する。また、箱体11の外形の形状は特に限定されるものではなく、円柱状でも多角柱状でも良い。箱体11の容積は、箱体11に収容する害獣の重量を1kg=1リットルとし、体重の4倍以下とすることができる。
箱体11の害獣の入口部13の周囲は、捕獲器への取り付け時に地面側となる側面11Gを除いて外側に膨出されてフレーム部11Fが形成されており、側面11Gの反対側にあるフレーム部11Fには、シャッタ板挿入口16が設けられている。また、側面11Gの両側にあるフレーム部11Fの内側には、シャッタ板挿入口16から挿入されたシャッタ板12を側面11Gの内面までスライドさせるガイド溝17が設けられている。入口部13を開閉するシャッタ板12はシャッタ板挿入口16から挿入され、ガイド溝17にガイドされて側面11Gの内面まで達することができる。シャッタ板12は、対向するガイド溝17内をスライドできる幅と厚さを備えており、シャッタ板12のスライド方向の長さは、シャッタ板12の先端部が側面11Gの内面まで達した時に、後端部がシャッタ板挿入口16から突出する長さである。
更に、側面11Gの両側にあるフレーム部11Fの外側には、既存の捕獲器に箱体11を接続して固定するための取付部14が設けられている。本実施例では取付部14には貫通孔があり、図示を省略したネジを挿通して箱体11を捕獲器に螺着させるようになっているが、取付部14の構造は捕獲器側の構造に合わせれば良いので、その構造は特に限定されるものではない。すなわち、取付部14は、箱体11の入口部13が捕獲器の開口部に重なるように捕獲器に接続できる構造であれば、どのような構造でも良いものである。
次に、ガス供給源であるガス供給装置20について説明する。ガス供給装置20は、害獣を収容した駆除箱10の箱体11内に、窒息性ガスを供給し、箱体11内を窒息性ガスで満たして害獣を殺処分するものである。窒息性ガスには空気より重いガスと、空気より軽いガスがある。空気は世界中どこでも成分はほぼ一定であり、酸素が約21%、窒素が約78%、アルゴンが約1%、二酸化炭素が0.1%未満の混合気体である。ガスの重さはガスを構成する気体の分子量で計算することができ、二酸化炭素ガスは空気より重い窒息性ガスであり、窒素ガスは空気より軽い窒息性ガスである。
ここではまず、窒息性ガスとして、空気より重い二酸化炭素ガスを用いる実施例について説明する。二酸化炭素ガスを用いる一つの実施例では、ガス供給装置20は、ガスボンベ21と圧力調整器22及び接続チューブ23を備える。ガスボンベ21には、二酸化炭素ガスが液体状になって充填されている。圧力調整器22は、ガスボンベ21から箱体11内に供給する二酸化炭素ガスの圧力を調整するものであり、ガスボンベ接続部24、ガス吐出口25、ガス圧調整ダイヤル26及び固定リング27を備える。接続チューブ23は圧力調整器22を箱体11のガス流入口15に接続するものであり、一端が固定リング27で圧力調整器22に接続され、多端が箱体11のガス流入口15に接続される。なお、箱体11のガス流入口15にバルブ等が設けられており、圧力調整器22のガス吐出口25から二酸化炭素を直接箱体11内に直接供給できる場合は接続チューブ23が不要となる。
ここで、図1に示した害獣の駆除セット30を用いて捕獲器に捕獲された害獣を殺処分する手順の一例を、図2に示すフローチャート及び図3または図4を用いて説明する。なお、ここでは、捕獲器に入口とは反対側に害獣の排出用の開口があり、通常は扉で閉じられているものとする。ステップ201ではまず、捕獲器に害獣捕獲用のエサがセットされているかどうかを判定する。捕獲器にエサがセットされていない場合はステップ202に進み、捕獲器の害獣排出扉を閉じ、エサを捕獲器にセットしてステップ203に進む。ステップ201の判定で、捕獲器にエサがセットされていると判定した場合は、ステップ202に進まずに直接ステップ203に進む。
ステップ203では捕獲器に害獣が捕獲されたかどうかを判定し、捕獲されていない場合はこの手順を終了し、所定時間後にステップ201の判定を行う。そして、捕獲器に害獣が捕獲されていない場合は、捕獲器に害獣が捕獲されるまでステップ201からステップ203の手順を繰り返す。一方、ステップ203で、捕獲器に害獣が捕獲されたと判定した場合は、ステップ204に進む。
図3(a)はステップ203で捕獲器1に害獣Aが捕獲された状態を示すものである。ここでは、害獣AがアライグマAである場合について説明する。捕獲器1にアライグマAが捕獲された状態では、捕獲器1の害獣捕獲口4は閉じられており、捕獲器1の害獣捕獲口4の反対側に設けられている害獣排出口2も害獣排出扉3で閉じられている。このように、捕獲器1にアライグマAが捕獲された状態の時には、図1に示した駆除箱10を捕獲器1の傍に用意する。
捕獲器1にアライグマAが捕獲されたら、図2に示すステップ204に進み、図3(b)に示すように、図示を省略した取付部を用いて捕獲器1に駆除箱10を接続し、捕獲器1から駆除箱10が外れないようにロックする。そして、この状態で捕獲器1の害獣排出扉3を開く。続いてステップ205に進み、今度は駆除箱10のシャッタ板12を開き、駆除箱10の箱体11と捕獲器1とを連通させる。駆除箱10の箱体11と捕獲器1とが連通すると、暗所が好きなアライグマAは、図3(c)に示すように、箱体11の内部に入り込む。ステップ206では害獣(アライグマA)が駆除箱10に移動したか否かを判定する。この判定は、アライグマAが完全に駆除箱10の箱体11内に入り込むまで続けられる。
ステップ206において、アライグマAが完全に駆除箱10の箱体11内に入り込んだと判定したらステップ207に進む。ステップ207では、駆除箱10にシャッタ板12を挿入して駆除箱10の入口部を閉じ、取付部と捕獲器1とのロックを解除して、駆除箱10を捕獲器1から切り離す。駆除箱10を捕獲器1から切り離した状態が図3(d)に示される。
ステップ207の処理が終了したらステップ208に進み、駆除箱10をシャッタ板12が上側になるようにして底部11Bを地面GNDに置く。次いでステップ209に進み、駆除箱10にガス供給装置20を接続する。この状態が図4(a)に示される。具体的には、ガスボンベ21を圧力調整器22のガスボンベ接続部24に接続し、この状態で接続チューブ23の一端を圧力調整器22のガス吐出口25に接続し、他端を駆除箱10の箱体11に設けられたガス流入口15に接続する。ガスボンベ21としては、自転車のパンク修理用の小さなガスボンベを使用することができる。
続くステップ210では、ガス供給装置20から駆除箱10に窒息性ガス(二酸化炭素ガス)を供給して害獣(アライグマA)の殺処分を行う。なお、二酸化炭素ガスは以後、単に二酸化炭素と記載する。具体的には、図4(a)に示したガス供給装置20の圧力調整器22のガス圧調整ダイヤル26を矢印で示す方向に回して所定圧力の二酸化炭素を箱体11内に供給する。二酸化炭素は空気より重いので、箱体11内に二酸化炭素が供給されると、図4(b)に示すように、二酸化炭素は箱体11の底部11B側から箱体11内に溜まっていく。このとき、箱体11内に供給された二酸化炭素は、箱体11が気密に形成されているので、箱体11から外に漏れださない。そして、箱体11内の空気は、箱体11内に底部11B側から二酸化炭素が溜まっていくにつれ、シャッタ板12と箱体11の入口部13との隙間から排出され、やがて、図4(c)に示すように、箱体11内の空気の殆どが二酸化炭素に置き換わる。
箱体11内の空気が二酸化炭素に置き換わると、箱体11内のアライグマは呼吸ができなくなり、安楽死に至り、殺処分が終了する。ここで、安楽死と記載したのは、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアでは二酸化炭素による殺処分は苦痛の少ない安楽死とされているからである。ステップ211は殺処分が終了したか否かを判定するものであり、殺処分が終了するまでステップ210に戻って箱体11内に二酸化炭素が供給され続ける。殺処分が終了すると、アライグマは箱体11から取り出されて処分され、駆除箱10は捕獲器1に次のアライグマが捕獲された時に再利用される。
以上説明した実施例では、箱体11の底部11Bに近い場所にガス流入口15が設けられていたが、箱体11に供給する二酸化炭素は空気より重いので、箱体11に設けるガス流入口15は箱体11のどの位置に設けても良い。図5(a)は、図1に示した駆除箱10の箱体11に設けられたガス流入口15が、シャッタ板12を上にして箱体11の底部11Bを地面に置いた時に、シャッタ板12と底部11Bの中間地点に設けられた実施例を示している。また、図5(b)は、図1に示した駆除箱10の箱体11に設けられたガス流入口15が、シャッタ板12を上にして底部11Bを地面に置いた時に、底部11Bに近い場所に2つ設けられた実施例を示している。
一方、図5(c)は、ガス供給装置20の圧力調整器22と箱体11のガス流入口15の間に熱交換器50が設けられ、箱体11のシャッタ板12に近い側に設けられた空気の排気口61に、排気ポンプ60が設けられた実施例を示している。排気ポンプ60が接続される排気口61は、ガス流入口15から離れた位置に設けられている。熱交換器50はガスボンベ21から吐出された低い温度の二酸化炭素を温めて箱体11に供給するものであり、箱体11内にいるアライグマにストレスを与えないようにするためのものである。排気ポンプ60の使用は、箱体11の入口部においてシャッタ板12が箱体11を密封しており、二酸化炭素を箱体11内に供給しても空気が逃げない場合に有効である。なお、箱体11の入口部に隙間がある場合であっても、排気ポンプ60を使用して箱体11内の空気を強制的に抜けば、箱体11内の空気を早く二酸化炭素で置き換えることができる。
熱交換器50と排気ポンプ60としては、熱交換器50と排気ポンプ60が一体的に形成された形式のものを使用することができる。この形式では、熱交換器50と排気ポンプ60のブレードが同軸になっており、排気ガスの流れで回したタービンと同軸のコンプレッサで吸気圧を高めるターボチャージャーのように、二酸化炭素の吐出流で回した熱交換器50の羽根車と同軸の排気ポンプの羽根車に伝えて回転させ、箱体11内の空気が抜かれる。
図5(d)は、駆除箱10の地面側側面11Gを地面GNDに置いた状態で、底部11Bの地面GND側に二酸化炭素を供給する場合の実施例を示すものである。この実施例では、駆除箱10の箱体11の底部11Bと地面側側面に近い場所にガス流入口15が設けられており、ガス流入口15から離れたシャッタ板12の近傍位置に、排気口61が設けられている。ガス流入口15と排気口61には、図5(c)に示した熱交換器50と排気ポンプ60とを接続することができる。このように、箱体11に設けるガス流入口15の位置や数は限定されない。
図6(a)は、図1に示した駆除箱10の箱体11に設けられたガス流入口15に、バルブ18が取り付けられた実施例を示すものである。バルブ18としては、自転車のタイヤに空気を入れるためのバルブを使用することができる。自転車用のバルブには米式と仏式があるが、バルブ18にはどちらを使用しても良い。このように、ガス流入口15に自転車のバルブ18が設けられている場合は、まず、図6(b)に示すように、図1に示した圧力調整器22のガスボンベ接続部24に自転車用のガスボンベ21をねじ込んで取り付ける。次に、図6(c)に示すように、ガスボンベ21が取り付けられた圧力調整器22のガス吐出口25にある固定リング27を回して、圧力調整器22をバルブ18に直接取り付けることができる。この状態で、図6(d)に示すように、圧力調整器22のガス圧調整ダイヤル26を回せば、バルブ18を通じて駆除箱10内に二酸化炭素を送り込むことができる。
この実施例の他にも、駆除箱10の箱体11に設けられたガス流入口15に、バスケットボールの空気注入口のようなゴム製の弁を取り付け、二酸化炭素をバスケットボールの空気入れ用の針を用いて箱体11内に供給することもできる。また、箱体11のガス流入口15の内部側に、流入する二酸化炭素が直接アライグマに当たらないようにするディフューザーを設けた実施例も可能である。
図7(a)は、箱体11の内部に設けるガス吸引補助具40の一実施例を示すものである。この実施例のガス吸引補助具40は、エサを入れるエサ箱41、エサ箱41に設けられた漏斗状の吸引部44及びエサ箱41をガス流入口15に接続する接続パイプ43を備えている。エサ箱41には蓋42を設けて置き、蓋42を開けてアライグマが好むエサを入れることができるようにする。こうすれば、エサの匂いが吸引部44を通じて箱体11内に拡散させることができる。
エサ箱41は図7(b)に示すように、接続パイプ43をガス流入口15に挿入することにより、箱体11の内部に置くことができる。この構造では、図7(c)に示すように、接続パイプ43から二酸化炭素を箱体11内に送り込めば、エサの匂いが箱体11内に拡散し、その匂いにつられてアライグマAが吸引部44に鼻を近づけるので、少量の二酸化炭素によってアライグマAを窒息させることが可能になる。接続パイプ43のエサ箱41内の開口部にはディフューザーを設けて二酸化炭素の流れを弱め、二酸化炭素の流れが直接アライグマAに当たらないようにすることができる。なお、このエサ箱41は、図7(d)に示すように、箱体11の外部に取り付けても良い。
また、エサ箱41には、エサを入れる代わりに、アライグマを呼び寄せる誘引作用を備えた芳香剤を入れることができる。更に、エサ箱41の中に、エサの匂いや芳香剤からの香りをエサ箱41の外部に放出するファンを設けることも可能である。ファンはバッテリで駆動すれば良い。
以上説明した実施例では、ガスボンベとして自転車のパンク修理用の小型のものを示したが、ガスボンベとしてはこれよりも大型のものも使用することができる。例えば、本発明のガス供給装置に使用できるガスボンベとしては、工業用のものを使用することができる。工業用のガスボンベの中にも、持ち運び可能な2L容器や1L容器のものがあるので、これらを使用すれば、大がかりなガス供給装置は不要である。
次に、窒息性ガスとして、空気より軽い窒素ガスを用いた実施例について図8を用いて説明する。図8(a)に示す窒素ガスを用いた実施例でも、ガス供給装置20は、ガスボンベ21と圧力調整器22及び接続チューブ23を備えており、ガスボンベ21に充填された窒息性ガスが二酸化炭素ではなく、空気より軽い窒素ガスになるだけである。窒素ガスもガスボンベ21に液体状にした状態で充填することができる。小型のガスボンベ21がない場合は、工業用のガスボンベを使用すれば良い。
窒息性ガスとして、空気より軽い窒素ガスを用いた場合のアライグマの駆除手順は、図2のステップ201から207までは同じ手順で良いが、窒素ガスが空気より軽いために、ステップ208の手順だけが、二酸化炭素を用いた場合と異なる。二酸化炭素を用いた場合は、二酸化炭素が空気より重いために、ステップ208では駆除箱をシャッタ板を上にして底部を地面に置いた。一方、窒素ガスを用いた場合は、ステップ208において、図9(a)に示すように、シャッタ板を12下にし、底部11Bを上にして駆除箱10を地面GNDに置く点が異なる。
続くステップ210では、ガス供給装置20から駆除箱10にガス(窒素ガス)を供給して害獣(アライグマA)の殺処分を行う。具体的には、図9(a)に示したガス供給装置20の圧力調整器22のガス圧調整ダイヤル26を矢印で示す方向に回して所定圧力の窒素ガスを箱体11内に供給する。窒素ガスは空気より軽いので、箱体11内に窒素ガスが供給されると、図9(b)に示すように、窒素ガスは箱体11の底部11B側から箱体11内に溜まっていく。このとき、箱体11に供給された窒素ガスは箱体11から外に漏れ出ず、箱体11内の空気は、箱体11の底部11B側に溜まる窒素ガスによりシャッタ板12と箱体11の入口部13との隙間から排出され、やがて箱体11内の空気の大部分が図9(c)に示すように、窒素ガスに置き換わる。
箱体11内が窒素ガスで満たされると、箱体11内のアライグマは呼吸ができなくなり、死に至り、殺処分が終了する。ステップ211は殺処分が終了したか否かを判定するものであり、殺処分が終了するまでステップ210に戻って箱体11内に窒素ガスが供給され続ける。殺処分が終了すると、アライグマは箱体11から取り出されて処分され、駆除箱10は捕獲器1に次ぎのアライグマが捕獲された時に再利用される。
図9(a)は本発明の第1の形態の変形実施例の害獣の駆除セットを示すものである。この変形実施例では、二酸化炭素を駆除箱10の内部に直接供給せず、駆除箱10をポリ袋(ポリエチレン製の袋)やビニール袋のような樹脂製の袋31(以後、樹脂袋31と記す)に入れて樹脂袋31の開口部を閉じて地面GNDに置き、樹脂袋31に二酸化炭素を供給する。樹脂袋31は容積が大きいので、圧力調整器は使用しなくても良い。駆除箱10の地面GNDに近い部分には多数のガス流入口15が設けられており、箱体11の上部には、箱体11内の空気を抜くための排気チューブ62が接続されている。また、樹脂袋31に駆除箱10を入れるために駆除箱10を持ち上げる必要があるので、箱体11の上部にハンドル部19が形成されている。ハンドル部19の形状は特に限定されるものではなく、箱体11の上部から突出させて設けても良い。
図9(a)に示した変形実施例では、駆除箱10が入った樹脂袋31の開口部を閉じ具33で閉じるが、この時に、排気チューブ62と、外部から二酸化炭素を樹脂袋31内に供給するためのパイプ63とを閉じ具33で挟み込む。図示を省略したガスボンベから吐出された二酸化炭素をパイプ63から樹脂袋31内に供給すると、二酸化炭素は多数のガス流入口15から箱体11内に入り、箱体11内の空気は流入した二酸化炭素によって押し出されて排気チューブ62を通じて樹脂袋31の外に排出される。この結果、箱体11内の空気が二酸化炭素で置き換わるので、箱体11内のアライグマが安楽死する。駆除箱10を樹脂袋31の中に入れる場合は、減圧装置により予め樹脂袋31内の空気を抜いておくと、二酸化炭素をスムーズに短時間で樹脂袋31の中に充填することができる。減圧装置には前述の排気ポンプを使用することができる。
図9(b)は本発明の第1の形態の別の変形実施例を示すものである。この変形実施例では、二酸化炭素を駆除箱10の内部に直接供給せず、ガス溜め容器32の中に供給する。ガス溜め容器32は、駆除箱10を上から入れる開口部35を備え、駆除箱10の側面に対向する壁面と底面とを備えるものである。この実施例では、駆除箱10を開口部35からガス溜め容器32の中に入れて底面に置き、ガス溜め容器32に二酸化炭素を供給する。このため、駆除箱10の地面GNDに近い部分には多数のガス流入口15が設けられており、箱体11の上部には、箱体11内の空気を抜くための排気チューブ62が接続されている。また、ガス溜め容器32の外壁の高さは駆除箱10の高さと同程度であり、駆除箱10の上部には駆除箱10を持ち上げるためのハンドル部19が設けられている点も前述の変形実施例と同様である。ガス溜め容器32は二酸化炭素の漏れが小さければ組立式とすることもできる。開口部35から二酸化炭素をガス溜め容器32に内に供給すると、二酸化炭素は空気より重いので、多数のガス流入口15から箱体11内に流入して底部から溜まり、箱体11内の空気が二酸化炭素に押し出されて排気チューブ62を通じて外に排出される。この結果、箱体11内の空気が二酸化炭素に置き換わるので、箱体11内のアライグマが安楽死する。
図10は本発明の第2の形態の害獣の駆除セットを示すものである。第2の形態が第1の形態と異なる点は、ガス供給源の形態である。第1の形態では、ガス供給源は、ガスボンベであったが、第2の形態では、ガス供給源が、自ら二酸化炭素を発生するドライアイスである点が異なる。ドライアイスは使用するまでは図示しない保管装置に保管されている。第2の形態における駆除箱10は、前述の第1の形態の変形実施例における駆除箱10と同じ構造とすることができる。
第2の形態では、害獣捕獲器にアライグマが捕獲されて駆除箱10に移された後、駆除箱10が樹脂袋31に入れられると共に、ドライアイス28が樹脂袋31の内部に置かれる。なお、第2の形態では、樹脂袋31の内部に駆除箱10とドライアイス28を置くためのベース板34が予め挿入されていても良い。駆除箱10が入った樹脂袋31の開口部は閉じ具33で閉じられ、この時に、閉じ具33に排気チューブ62が挟み込まれる。二酸化炭素はドライアイス28から発生して樹脂袋31内に溜まり、多数のガス流入口15から箱体11内に流入する。この結果、箱体11内の空気が箱体11内に流入する二酸化炭素によって押し出されて排気チューブ62を通じて樹脂袋31の外に排出され、箱体11内の空気が二酸化炭素に置き換わって箱体11内のアライグマが安楽死する。
なお、ドライアイスは気化すると体積が約800倍になることが知られている。すると、40リットル(4000cm3)の樹脂袋を一杯にするドライアイスの体積は50cm3で良いことになる。更に、二酸化炭素は10%の濃度でもアライグマは致死に至るので、アライグマを安楽死させるのに必要なドライアイスは5cm3で良いことになる。このことから、1cm×2cm×2cm程度の大きさのドライアイスを樹脂袋の中に入れてやれば、駆除箱内のアライグマが安楽死すると考えられる。ドライアイスは水を与えて気化を早めても良い。
また、図5(c)で説明した排気ポンプ60を、図9(a)、図10(a)に示した樹脂袋31から空気を抜いて減圧する減圧ポンプとして使用することが可能である。排気ポンプ60を用いて樹脂袋31から空気を抜くと、樹脂袋31がしぼむので、この状態で樹脂袋31内に二酸化炭素を供給すれば、アライグマが安楽死に至る時間を短縮することができる。
一方、樹脂袋31やガス溜め容器32を使用する実施例では、害獣を収容した駆除箱10を地面から持ち上げる必要がある。このため、図11(a)、(b)に示すように、箱体11のフレーム部11Fの後ろ側にハンドル部19を形成した実施例が可能である。図11(a)に示した実施例では、フレーム部11Fの後ろ側の箱体11の上部に、後ろ側から手を入れる窪みが設けられており、この窪みがハンドル部19となっている。また、図11(a)に示した実施例では、フレーム部11Fの後ろ側に、箱体11の上部から上方に突出する取手状のハンドル部19が設けられている。ハンドル部19の形状はこれらの実施例に限定されるものではない。
図12(a)は図11(a)に示した実施例の箱体11を、他の箱体11の入口部から挿入して3つの箱体11を重ね合わせた状態を示している。また、図12(b)は図11(b)に示した実施例の箱体11を、他の箱体11の入口部から挿入して3つの箱体11を重ね合わせた状態を示している。このように、箱体11の側面に斜面が形成されていると、ハンドル部19が邪魔にならずに複数の箱体11を重ね合わせた時の容積を小さくすることができ、複数の箱体11を保管する場所を小さくすることができる。
以上説明した実施例では、害獣としてアライグマの捕獲と殺処分方法について説明したが、本発明の害獣の駆除セット及びこのセットを用いた害獣の駆除方法において駆除できる害獣としては、アライグマの他にも、ハクビシンが挙げられる。また、発明の害獣の駆除セットは、ネズミやイノシシにも適用できる可能性がある。
1 害獣の捕獲器
2 害獣排出口
3 害獣排出扉
4 害獣捕獲口
10 駆除箱
11 箱体
11B 底部
11F フレーム部
11G 地面側の側面
12 シャッタ板
13 入口部
14 取付部
15 ガス流入口
16 シャッタ板挿入口
17 ガイド溝
18 自転車用のバルブ
19 ハンドル部
20 ガス供給装置(ガス供給源)
21 ガスボンベ
22 圧力調整器
23 接続チューブ
24 ガスボンベ接続部
25 ガス吐出口
26 ガス圧調整ダイヤル
27 固定リング
28 ドライアイス
30 害獣の駆除セット
31 樹脂袋
32 ガス溜め容器
33 閉じ具
40 ガス吸引補助具
41 エサ箱
42 蓋
43 接続パイプ
44 吸引部
50 熱交換器
60 排気ポンプ
61 排気口
62 排気チューブ
63 パイプ
A 害獣(アライグマ)

Claims (13)

  1. 捕獲器に接続され、捕獲された害獣を前記捕獲器から移して収容する駆除箱と、前記駆除箱内に窒息性ガスを供給するガス供給源とを備える害獣の駆除セットであって、
    前記駆除箱は、
    入口部と少なくとも1つのガス流入口を備え、前記入口部以外の部分が気密構造になっており、害獣を収容する容積を備える箱体と、
    前記入口部を開閉するシャッタ板、及び
    前記捕獲器の開口部に前記入口部を接続する取付部とを備え、
    前記ガス供給源は、窒息性ガスが充填されたガスボンベであり、
    前記害獣を収容した状態の前記駆除箱は前記捕獲器から切り離し、前記駆除箱内の空気を前記ガス供給源から供給する窒息性ガスで置き換えることにより、前記害獣を殺処分する害獣の駆除セット。
  2. 前記害獣の駆除セットが更に、前記駆除箱内に供給する窒息性ガスの圧力を調整する圧力調整器と前記ガス流入口とを接続するチューブを備え、
    前記圧力調整器が前記チューブによって前記ガス流入口に接続されて前記駆除箱内の空気が窒息性ガスで置き換えられる請求項1に記載の害獣の駆除セット。
  3. 前記害獣の駆除セットが更に、前記駆除箱を収容できる樹脂製の袋と前記駆除箱内の空気を前記樹脂製の袋の外に排出できる排気チューブとを備え、
    前記排気チューブは、その一端が前記駆除箱の内部に連通した状態で前記駆除箱に取り付けられ、
    前記樹脂製の袋の開口部は、前記害獣が入った前記駆除箱が前記樹脂製の袋の中に入れられ、前記排気チューブの他端が前記樹脂製の袋の外に出た状態で閉じられ、
    この状態で前記ガス供給源から前記樹脂製の袋の内部に窒息性ガスが供給されて、前記駆除箱内の空気が窒息性ガスで置き換えられる請求項1に記載の害獣の駆除セット。
  4. 前記害獣の駆除セットが更に、前記駆除箱を上から入れる開口部を備え、前記駆除箱の側面に対向する壁面と底面とを備えるガス溜め容器とを備え、
    前記窒息性ガスとして、空気より重い二酸化炭素を使用し、
    前記ガス供給源から前記開口部を通じて前記ガス溜め容器内に窒息性ガスを供給することにより、前記駆除箱内の空気が窒息性ガスで置き換えられる請求項1に記載の害獣の駆除セット。
  5. 捕獲器に接続され、捕獲された害獣を前記捕獲器から移して収容する駆除箱、前記駆除箱内に窒息性ガスを供給するガス供給源、前記駆除箱を収容できる樹脂製の袋、及び前記駆除箱内の空気を前記樹脂製の袋の外に排出できる排気チューブとを備える害獣の駆除セットであって、
    前記駆除箱は、
    入口部と少なくとも1つのガス流入口を備え、前記入口部以外の部分が気密構造になっており、害獣を収容する容積を備える箱体と、
    前記入口部を開閉するシャッタ板、及び
    前記捕獲器の開口部に前記入口部を接続する取付部とを備え、
    前記ガス供給源はドライアイスであり、
    前記排気チューブは、その一端が前記駆除箱の内部に連通した状態で前記駆除箱に取り付けられ、
    前記害獣を収容した状態の前記駆除箱は前記捕獲器から切り離し、前記樹脂製の袋の開口部は、前記害獣が入った前記駆除箱が前記樹脂製の袋の中に入れられて前記排気チューブの他端が前記樹脂製の袋の外に出た状態で閉じられ、
    この状態で前記樹脂製の袋内に前記ドライアイスが置かれ、前記駆除箱内の空気が前記ドライアイスから発生した二酸化炭素で置き換えられる害獣の駆除セット。
  6. 前記害獣の駆除セットが更に減圧装置を備え、
    前記樹脂製の袋内の空気の圧力を減圧してから前記樹脂製の袋内に前記窒息性ガスを供給する請求項3に記載の害獣の駆除セット。
  7. 前記害獣の駆除セットが更に排気ポンプを備え、
    前記駆除箱は、前記入口部を含めて全体が気密構造になっており、
    前記駆除箱には、前記ガス流入口から離れた位置に排気口が設けられており、
    前記排気口に接続した前記排気ポンプにより前記駆除箱内の空気を排気することにより、前記駆除箱内の空気を前記窒息性ガスに置き換える請求項1または2に記載の害獣の駆除セット。
  8. 前記窒息性ガスは、空気より重い二酸化炭素ガスであり、前記窒息性ガスの供給時には、前記駆除箱の前記入口部が上側にされる請求項1または2に記載の害獣の駆除セット。
  9. 前記窒息性ガスは、空気より軽い窒素ガスであり、前記窒息性ガスの供給時には、前記駆除箱の前記入口部が下側にされる請求項1または2に記載の害獣の駆除セット。
  10. 前記箱体内には、前記ガス流入口に接続する漏斗状の吸引補助具が設けられており、前記吸引補助具の前記ガス流入口側には、害獣のエサ箱が設けられている請求項1又は2に記載の害獣の駆除セット。
  11. 前記箱体は、側面が前記入口部から底部にかけて、前記箱体の前記入口部に平行な断面積が減少する方向に傾斜しており、前記箱体に前記シャッタ板が取り付けられていない状態で重ねることができる請求項1から10の何れか1項に記載の害獣の駆除セット。
  12. 前記箱体の上部に、前記箱体を持ち上げることができるハンドルが設けられている請求項1から11の何れか1項に記載の害獣の駆除セット。
  13. 捕獲器に接続され、捕獲された害獣を前記捕獲器から移して収容する駆除箱と、前記駆除箱内に窒息性ガスを供給するガス供給源とを備える害獣の駆除セットを用いた害獣の駆除方法であって、
    前記駆除箱は、入口部と少なくとも1つのガス流入口を備え、前記入口部以外の部分が気密構造になっており、前記害獣を収容する容積を備える箱体と、前記入口部を開閉するシャッタ板、及び前記捕獲器の開口部に前記入口部を接続できる取付部とを備え、
    前記ガス供給源は、前記駆除箱に窒息性ガスを供給できるものであり、
    前記捕獲器に害獣が捕獲されたら、
    前記捕獲器に前記駆除箱を接続して前記捕獲器に設けられた害獣排出扉と前記シャッタ板とを開けて前記捕獲器と前記駆除箱とを連通させ、
    前記捕獲器に捕らえられた害獣を、前記害獣排出扉と前記入口部とを通して前記駆除箱内に移動させて収容し、
    前記駆除箱内に害獣が収容されたら、前記シャッタ板で前記入口部を閉じた後に、前記駆除箱を前記捕獲器から切り離し、
    前記害獣を収容した状態の前記駆除箱に対して、前記駆除箱内の空気を前記ガス供給源から供給する窒息性ガスで置き換えることにより、前記害獣を殺処分する害獣の駆除セットを用いた害獣の駆除方法。
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