JP7142415B2 - 微分可能な線量関数を用いた放射線治療計画 - Google Patents

微分可能な線量関数を用いた放射線治療計画 Download PDF

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Description

(優先権の主張)
[0001]
本特許出願は、2019年7月16日に出願された米国特許出願番号第16/512,938号の優先権の利益を主張するものであり、その内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
(技術分野)
[0002]
本開示は、一般に、放射線治療または放射線療法の計画を生成することに関する。
[0003]
放射線治療は、ほ乳類(ヒトや動物)の組織のがんやその他の病気の治療に用いられる。放射線ビームの方向と形状を正確に制御して、腫瘍に所定の放射線を確実に照射するとともに、周囲の健康な組織(しばしば、リスク臓器(OARs)と呼ばれる)へのダメージを最小限に抑えるようにビームを配置する必要がある。治療計画は、放射線ビームのパラメータを制御するために使用することができ、放射線治療装置は、空間的に変化する線量分布を患者に提供することで治療を実行する。
[0004]
従来、各患者に対して、臨床的および線量的な目的と制約条件(例えば、腫瘍や重要な臓器に対する最大、最小、平均の線量)に基づいた最適化手法を用いて、放射線治療の治療計画(「治療計画(treatment plan)」)を作成する。治療計画の手順は、患者の3次元(3D)画像を使用して、標的領域(例えば、腫瘍)を特定し、腫瘍の近くにある重要な器官を特定することを含む。治療計画の作成は、プランナーが、臨床的に受け入れられる治療計画を作成するために、様々な治療目的や制約条件(例えば、DVH(Dose Volume Histogram)の目的)を、それぞれの重要性(例えば、重み付け)を考慮しながら遵守する、時間のかかるプロセスである。この作業は、OARの数が増えると(例えば、頭と首の治療では一般的に21個のOARが分割される)、プロセスが複雑になるため、時間のかかる試行錯誤が必要となるプロセスである。腫瘍から遠く離れたOARは放射線から影響を受けにくいが、ターゲットの腫瘍に近い、または重なっているOARは放射線から影響を受けなくすることが難しい。
[0005]
OARと治療すべき領域(例えば、PTV(Planning Target Volume)を特定するために、セグメンテーションが行われる。セグメンテーションの後、1つまたはそれ以上のPTV(例えば、ターゲット)および/またはOARが受けるべき望ましい放射線量を示す患者の線量計画が作成される。PTVは、不規則な容積を持ち、その大きさ、形状、位置がユニークである。治療計画は、PTVに十分な線量を与える一方で、周囲の健康な組織にできるだけ低い線量を与えるように、多数の計画パラメータを最適化して算出する。したがって、放射線治療計画は、腫瘍を治療するための線量を効率的にコントロールすることと、OARを温存することとのバランスで決定される。一般的に、放射線治療計画の品質は、プランナーの経験値に左右される。さらに、患者間の解剖学的構造な相違により、複雑さが発生する。(概要)
[0006]
いくつかの実施形態では、放射線治療計画のパラメータを生成するための、コンピュータに実装された方法と、非一時的コンピュータ可読媒体と、メモリとプロセッサを含むシステムが提供され、放射線治療計画のパラメータを生成するため方法は、プロセッサ回路によって、放射線治療計画の情報を受け取るステップと、前記プロセッサ回路により、前記放射線治療計画の情報を処理して、線量計算の導関数を推定するサブプロセスの出力に依存するプロセスに基づいて、1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを推定するステップであって、前記線量計算の導関数が、損失関数に基づいた最適化プロセスまたは機械学習モデルで使用され、前記線量計算の導関数が、放射線治療装置の1つまたはそれ以上の放射線パラメータまたは1つまたはそれ以上の形状パラメータのうちの少なくとも1つに関して計算されるステップと、前記プロセッサ回路により、前記推定された1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを用いて、放射線治療計画を生成するステップを有する。
[0007]
いくつかの実施形態では、前記放射線治療計画の情報は、磁気共鳴(MR)画像、コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、線量分布、セグメンテーションマップ、および距離マップの少なくとも1つを含む。
[0008]
いくつかの実施形態では、前記推定された1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータは、合成CT(sCT)画像、および線量分布の少なくとも1つを含む。
[0009]
いくつかの実施形態では、前記放射線治療計画の情報を処理するステップは、前記放射線治療計画の情報を前記機械学習モデルで処理して、前記1つまたはそれ以上の推定された放射線治療計画のパラメータを生成することを有し、前記機械学習モデルは、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報を用いた線量計算に基づいて、前記複数のトレーニング用放射線治療計画の情報と前記複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータとの関係を確立するようにトレーニングされ、前記機械学習モデルは、ディープニューラルネットワークを含み、前記複数のトレーニング用放射線治療計画の情報は、トレーニング用MR画像、トレーニング用CBCT画像、トレーニング用CT画像、第1のトレーニング用線量分布、トレーニング用セグメンテーションマップ、またはトレーニング用距離マップのうちの少なくとも1つを有し、前記複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータは、トレーニング用合成CT(sCT)画像、または第2のトレーニング用線量分布の少なくとも1つを有する。
[0010]
いくつかの実施形態では、前記機械学習モデルは、トレーニング用放射線治療計画の情報の与えられたセットと、トレーニング用放射線治療計画のパラメータの対応するセットとを有するトレーニング用データペアの第1のバッチを取得し、前記トレーニング用放射線治療計画の情報の与えられたセットを前記機械学習モデルで処理して、中間の放射線治療計画のパラメータを生成し、前記中間の放射線治療計画のパラメータに基づいて前記損失関数の導関数を計算し、前記計算された損失関数の導関数に基づいて、前記機械学習モデルのパラメータを更新することによりトレーニングされる。
[0011]
いくつかの実施形態では、前記コンピュータに実装された方法、前記非一時的コンピュータ可読媒体、前記システムは、前記トレーニング用放射線治療計画のパラメータの対応するセットに基づいて第1の線量を計算するステップと、前記中間の放射線治療計画のパラメータに基づいて第2の線量を計算するステップと、前記損失関数の導関数を計算する前に、前記損失関数に前記第1の線量および前記第2の用量を適用するステップを有するオペレーションを実行する。
[0012]
いくつかの実施形態では、前記線量計算は、ポイントカーネル畳み込みアルゴリズム、ペンシルカーネルアルゴリズム、またはボルツマン方程式ソルバーを用いたモンテカルロシミュレーション、または決定論的計算の少なくとも1つ、またはその組み合わせを含む。
[0013]
いくつかの実施形態では、前記最適化プロセスは、前記放射線治療装置のアイソセンタ位置またはビーム角度の少なくとも一方を指定する決定変数を有する放射線治療計画の最適化問題を含む。
[0014]
いくつかの実施形態では、前記線量計算の導関数は、一次導関数である。いくつかの実装では、前記一次導関数は、一定の値ではない。
[0015]
いくつかの実施形態では、前記導関数を推定するサブプロセスは、自動導関数プロセスを有する。
[0016]
上記の概要は本特許出願の主題の概要を提供することを意図している。それは、本開示に関する排他的または網羅的な説明を意図したものではない。発明の詳細な説明は、本特許出願についてのさらなる情報を提供するために含まれている。
[0017]
図面は必ずしも縮尺通りに描かれているわけではなく、同様な数字は、異なる図において同様の構成要素を表す。異なる文字の接尾辞を持つ同様の数字は、類似したコンポーネントの異なる例を表す。図面は、本明細書で議論されている様々な実施形態を、限定するものではなく、一般的な例示として示している。
[0018]
図1は、本開示のいくつかの実施例による、治療計画生成処理を実行するために適応される例示的な放射線治療システムを示す。
[0019]
図2Aは、本開示のいくつかの実施例による、例示的な画像誘導型放射線治療装置を示す。
[0020]
図2Bは、本開示のいくつかの実施例による、放射線治療装置であるガンマナイフを示す。
[0021]
図3は、本開示のいくつかの実施例による、線量の導関数に基づく機械学習技術のトレーニングおよび使用のための例示的なデータフローを示す。
[0022]
図4乃至図9は、本開示のいくつかの実施例による、線量計算の導関数に基づいて放射線治療計画のパラメータを推定するための例示的なオペレーションのフローチャートを示す。
[0023]
本開示は、機械学習(ML)モデルを用いる、または線量計算の導関数に基づく最適化問題を解くことにより、放射線治療計画を生成する様々な技術を含む。一実施例として、MLモデルは、線量の導関数を考慮した損失関数に基づいて、放射線治療計画の情報(例えば、CT画像またはMR画像)から放射線治療計画(例えば、合成CT画像)の1つまたはそれ以上のパラメータを推定するようにトレーニングされることができる。別の実施例として、最適化問題の1つまたはそれ以上のパラメータ(例えば、制約条件およびまたは決定変数)は、放射線治療計画の1つまたはそれ以上のパラメータ(例えば、放射線治療装置のパラメータまたは制御点)を提供するために最適化問題の解を生成するため、線量の導関数を考慮することができる。技術的な利点としては、放射線治療計画の生成や放射線治療計画の最適化問題を解決するための計算処理時間が短縮されること、および、それに伴って放射線治療計画の生成や放射線治療計画の最適化問題を解決するために使用される処理、メモリ、ネットワークリソースが改善されることが挙げられる。これらの放射線治療計画は、様々な医療治療、および診断の現場、または放射線治療機器及び装置に適用することができる。したがって、これらの技術的な利点に加えて、本技術は多くの明らかな医療上の利点(放射線治療の治療精度の向上、意図しない放射線への被曝の低減など)をもたらす可能性がある。
[0024]
放射線治療は、がんを治療するための主要な方法のひとつであり、すべてのがん患者の50%以上に推奨されている。治療計画は、数学的最適化問題を含む複雑な設計プロセスを経て作成され、この最適化問題は、健康な組織への線量を最小限に抑えつつ、標的に十分に高い高線量を与えるような、線量提供に関する望ましい特性を把握する。最適化問題の全体的な構造は、リニアックを用いた治療(3D-CRT、IMRT、VMAT)、陽子線治療、ガンマナイフ放射線手術、およびブラキセラピーを含む、ほとんどの放射線治療で同じである。最終的には、線量分布を実現するために必要な放射線治療装置の構成(制御点など)を決定する。
[0025]
ボリューム内の吸収された放射線量のシミュレーション(例:線量計算)は、通常、放射線治療計画を作成する上で重要なファクタである。線量は、選択された治療パラメータと、指定された治療法で観察された臨床結果との間の信頼性の高い検証可能なリンクとして使用される。慎重に治療計画を最適化した結果、腫瘍に対する所定の線量レベル、治療用ビームの数、入射角、強度振幅などの治療変数のセットができあがる。いくつかの線量計算プロセスには、モンテカルロシミュレーション(Monte Carlo simulation)のような確率的プロセスや、ポイントカーネル畳み込みアルゴリズム(point kernel convolution algorithms)、ペンシルカーネルアルゴリズム(pencil kernel algorithms)、ボルツマン方程式ソルバー(Boltzmann equation solvers)のような決定論的プロセスがある。
[0026]
決定論的な解析的線量計算は、ポイントカーネル畳み込みアルゴリズム(point kernel convolution algorithms)とペンシルカーネルアルゴリズム(pencil kernel algorithms)という2つのタイプに分けられる。ポイントカーネル法では、まずレイトレース法で患者の質量あたりに放出される全エネルギー(TERMA)を計算し、ポイントカーネルとのその後の畳み込み(convolution)(または重ね合わせ(superposition))を行うことで、発生した電子や散乱した光子による線量分布をモデル化する。ポイントカーネルとの畳み込みは、TERMAを正しい線量分布に再分配するもので、最も時間のかかるステップである。畳み込みステップの一般的な実装は、コラプスコーンアルゴリズム(collapsed cone algorithm)である。
[0027]
ボルツマン輸送方程式(Boltzmann transport equation:BTE)は、放射線粒子(中性子、光子、電子など)が物質中を移動したり、物質と相互作用したりする際の巨視的な挙動を記述する支配型方程式である。LBTEはBTEを線形化したもので、放射線粒子は通過する物質とのみ相互作用し、互いに相互作用しないと仮定しており、外部磁場のない条件で有効である。放射線源の影響を受ける物質の与えられた容積測定領域(volumetric domain)に対して、上記の条件の下で、LBTEの解は領域内の線量を「正確に」記述することになる。しかし、LBTEの閉形式の解(closed form solutions)(解析的解(analytic solution))は、いくつかの簡略化された問題でしか得られないため、LBTEは一般的にオープンフォーム(open form)、つまり非解析的(non-analytic)に解かれる。LBTEのオープンフォーム解を得るには、2つの一般的なアプローチがある。1つ目のアプローチは、広く知られているモンテカルロ法である。モンテカルロ法は、LBTEを明示的に解くのではなく、この方程式の解を間接的に求める。2つ目のアプローチは、数値計算法を用いてLBTEを明示的に解く方法である。
[0028]
現在のプランニングソフトウェアでは、標準的な数学的最適化手法を用いて最小化問題を解くのが一般的である。これらの作業には時間がかかり、患者や臨床医を無駄に待たせてしまうことがある。リアルタイムイメージングを利用した未来のアプリケーションでは、従来の最適化問題ソルバーでは実行できないリアルタイムの治療計画が必要になるかもしれない。一般的な最適化問題ソルバーは、解を生成した後に線量を考慮するが、線量が特定の制約条件を満たさない場合、ある種の非効率性が生じる。つまり、最適化問題を解く際に、線量計算を考慮していないため、不正確で効果のない治療計画のパラメータが生成されてしまう。また、放射線治療計画の一部または全部のパラメータを生成するために、ある種のMLモデルが使用されているが、そのようなMLモデルでは、線量計算も考慮されていない。その結果、MLモデルが提供するパラメータが不正確になり、特定の用量制約を満たすことができず、非効率になる可能性がある。
[0029]
公開された技術は、これらの課題を解決し、MLモデルの学習や最適化問題の最適化において、線量計算の導関数を考慮することで、放射線治療の治療計画を生成する速度と効率を向上させる。いくつかの実装では、開示された技術は、放射線治療計画のパラメータおよび設定を検証または更新するために、与えられた治療変数のセットを線量計算で考慮する。例えば、線量ベースの損失関数に基づいてMLモデルをトレーニングし、MRIやコーンビーム断層撮影(CBCT)の画像から合成CT画像を生成して、治療計画の最適化に使用することができる。別の実施例として、放射線治療計画の最適化問題の1つまたはそれ以上のパラメータは、線量計算の導関数に基づいて、ビーム角度の最適化(リニアックの場合)またはアイソセンタの選択(ガンマナイフの場合)を行うことができる。別の実施例として、放射線治療装置の制御点は、線量に基づく損失関数に基づいてトレーニングされたMLモデルを医用画像(例えば、MRI、CT、CBCT、および/またはsCT画像)に適用することによって推定することができる。別の実施例として、計算コストの高い関数の線量計算を再現するようにトレーニングされたMLモデルを用いて、計算コストの高い線量計算をより効率的かつ高速に処理することができる。放射線治療計画のパラメータを生成する速度と精度を向上させることで、開示された技術は、リアルタイムでの治療計画の実行を可能にし、患者と臨床医の待ち時間を短縮することができる。
[0030]
具体的には、開示された技術は、放射線治療計画の情報を受け取り、放射線治療計画の情報を処理して、線量計算の導関数を推定するサブプロセスの出力に依存するプロセスに基づいて、1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを推定する。推定された1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを用いて、放射線治療計画が生成される。一般的に、開示された技術は、治療変数に対する線量の導関数を利用する放射線治療の治療計画アプリケーションに適用することができる。
[0031]
本明細書では、「導関数(derivative)」という用語は、導関数(derivative)、副導関数(subderivative)、勾配(gradient)、副勾配(subgradient)、方向性導関数(directional derivative)、ヤコビアン(Jacobian)、フレシェ導関数(Frechet derivative)、高次導関数(higher-order derivative)、導関数演算子(differential operator)、ラドン-ニコディム導関数(Radon-Nikodym derivative)、シュワルツ導関数(Schwarzian derivative)、ウィルティンガー導関数(Wirtinger derivative)、H導関数(H-derivative)、共変導関数(covariant derivative)、変分導関数(variational derivative)、汎函数微分(functional derivative)、およびそれらの任意の組み合わせのいずれかを意味する。
[0032]
図1は、本明細書で述べたアプローチの1つまたはそれ以上を使用して放射線治療計画処理オペレーションを実行するように適合された、例示的な放射線治療システム100を示す。これらの放射線治療計画処理のオペレーションは、放射線治療システム100が、撮影された医用画像データと治療線量計算または放射線治療装置構成パラメータの特定の態様に基づいて、患者に放射線治療を提供できるようにして実行される。具体的には、以下の処理オペレーションは、治療処理ロジック120の一部として実施される。しかしながら、以下のトレーニングされた(trained;訓練された)モデルおよび治療処理ロジック120の多くのバリエーションおよび使用ケースが、データ検証、可視化、およびその他の医療評価および診断の場面を含めて提供され得ることが理解されるであろう。
[0033]
放射線治療システム100は、治療処理ロジック120をホストする放射線治療処理計算システム110を含む。放射線治療処理計算システム110は、ネットワーク(図示せず)に接続され、そのようなネットワークはインターネットに接続される。例えば、ネットワークは、放射線治療処理計算システム110を、1つまたはそれ以上のプライベートおよび/またはパブリックな医療情報ソース(例えば、放射線情報システム(RIS))、医療記録システム(例えば、電子医療記録(EMR)/電子健康記録(EHR)システム)、腫瘍情報システム(OIS))、1つまたはそれ以上の画像データソース150、画像取得装置170(例えば、撮像モダリティ)、治療装置180(例えば、放射線治療装置)、および治療データソース160と接続することができる。
[0034]
一実施例として、放射線治療処理計算システム110は、治療装置180で使用するための、および/または装置146で出力するための治療計画を生成するオペレーションの一部として、治療処理ロジック120からの命令またはデータを実行することにより、(例えば、1つまたはそれ以上のMR画像から)被験体の治療目標を受け取り、放射線治療計画を生成するように構成することができる。一実施形態では、治療処理ロジック120は、最適化問題を解き、および/または、MLモデルを治療目標に適用して、放射線治療の治療計画を生成する。一実施例では、治療処理ロジック120は、放射線治療計画の情報を受け取り、放射線治療計画の情報を処理して、線量計算の導関数を推定するサブプロセスの出力に依存するプロセスに基づいて、1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを推定する。線量計算の導関数を推定するサブプロセスは、どんなに複雑なコンピュータプログラムでも、その基礎となる初歩的な算術演算に連鎖法則を適用することにより、記号的微分(symbolic differentiation)、数値的微分(numerical differentiation)(例えば、有限差分(finite differences))、自動微分(automatic differentiation)を含む技術のいずれかまたは組み合わせに基づいて実行することができる。次に、治療処理ロジック120は、推定された1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを用いて、放射線治療計画を生成する。
[0035]
一般的な放射線治療計画の最適化問題は、次に示す式(1)のように定義される。
Figure 0007142415000001
ここで、f:X→Rは目的関数、x∈Xは決定変数、Ω⊆Xは実現可能な変数の集合である。一般的に、関数fは非線形であり、集合Ωは非凸である可能性がある。最適化問題は、通常、何らかの反復スキームを用いて解かれる。例えば、fが滑らかで凸型であり、Ωが凸型である場合、投影勾配法を用いて式(1)を次に示す式のように解くことができる。
Figure 0007142415000002
ここで、proj Ω:X→XはΩ上への投影であり、Ω,η∈Rはステップサイズであり、∇f:X→Xは勾配である。これらのアルゴリズムは通常、確実に収束する(例えば、十分な時間(および正しいパラメーターの選択)が与えられると、アルゴリズムは最小化(minimizer)に収束する)。開示された技術によれば、式(1)の最適化問題の1つまたはそれ以上のパラメータは、線量計算の導関数によって計算または提供される。そうすることで、放射線治療計画の最適化問題の決定変数の更新は、患者への線量に関してより正確になり、解決策をより早く見つけることができる。
[0036]
特に、開示された実施形態では、最適化問題の1つまたはそれ以上のパラメータとして線量計算を利用することにより、最適化問題を解く速度と効率を高め、解答の精度を向上させている。一般的に、線量Dは2つの大まかなカテゴリーの治療変数に依存し、そのうちのどれか1つは式(1)のパラメータで考慮される。このような治療変数には、放射線パラメータΨと、ジオメトリパラメータΩがある。放射線パラメータΨには、治療用ビームの数、入射角、強度の振幅、アイソセンタの位置、コリメータの構成、滞留時間などが含まれる。ジオメトリパラメータΩは、患者の位置、形状、密度、材料の分解などが含まれる。いくつかの実装では、線量は、次に示す式(2)で表され、式(1)の最適化問題の1つまたはそれ以上のパラメータとして含めることができる。
Figure 0007142415000003
[0037]
放射線治療処理計算システム110は、処理回路112と、メモリ114と、記憶装置116と、ユーザインターフェース142、通信インタフェース(図示せず)のような他のハードウェアおよびソフトウェアで動作可能な機能(feature)を含むことができる。記憶装置116は、オペレーティングシステム、放射線治療の治療計画、トレーニングデータ、ソフトウェアプログラム(例えば、画像処理ソフトウェア、画像または解剖学的可視化ソフトウェア、ディープラーニングモデル、MLモデル、およびニューラルネットワーク(NN)などによって提供されるような人工知能(AI)またはMLの実装およびアルゴリズム)、および処理回路112によって実行される他の任意のコンピュータ実行可能な命令のような、一過性または非一過性のコンピュータ実行可能な命令を記憶することができる。
[0038]
一実施例では、処理回路112は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理装置(GPU)、加速処理装置(APU:Accelerated Processing Unit)のような1つまたはそれ以上の汎用処理装置のような処理装置を含むことができる。より具体的には、処理回路112は、CISC(Complex Instruction Set Computing)マイクロプロセッサ、RISC(Reduced Instruction Set Computing)マイクロプロセッサ、VLIW(Very Long Instruction Word)マイクロプロセッサ、他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組み合わせを実装するプロセッサであり得る。また、処理回路112は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、SoC(System On a Chip)のような、1つまたはそれ以上の特殊用途の処理装置によって実装され得る。
[0039]
当業者に理解されるように、いくつかの実施形態では、処理回路112は、汎用プロセッサではなく、専用プロセッサであってもよい。処理回路112は、Intel(登録商標)によって製造されたPentium(登録商標)、Core(登録商標)、Xeon(登録商標)、またはItanium(登録商標)ファミリー、AMD(登録商標)によって製造されたTurion(登録商標)、Athlon(登録商標)、Sempron(登録商標)、Opteron(登録商標)、FX(登録商標)、Phenon(登録商標)ファミリー、Sun Microsystemsによって製造された様々なプロセッサのいずれかのような、1つまたはそれ以上の既知の処理装置を含み得る。処理回路112は、また、Nvidia(登録商標)によって製造されたGeForce(登録商標)、Quadro(登録商標)、Tesla(登録商標)ファミリー、Intel(登録商標)によって製造されたGMA、Iris(登録商標)ファミリー、またはAMD(登録商標)によって製造されたRadeon(登録商標)ファミリーのGPUのような、グラフィック処理ユニットを含み得る。処理回路112は、また、Intel(登録商標)によって製造されたXeon Phi(登録商標)ファミリーのユニットのような加速処理ユニットを含み得る。開示された実施形態は、いかなるタイプのプロセッサに限定されるものではなく、大量のデータを識別、分析、維持、生成、および/または、提供したり、本明細書で開示されている方法を実行するためにそのようなデータを操作したりするためのコンピューティング要求を満たすように構成され得るものである。さらに、「プロセッサ」という用語は、複数の物理的(回路ベース)またはソフトウェアベースのプロセッサ、例えば、マルチコア設計またはそれぞれがマルチコア設計を有する複数のプロセッサを含むことができる。処理回路112は、メモリ114に格納され、記憶装置116からアクセスされる一時的または非一時的なコンピュータプログラム命令のシーケンスを実行して、以下でより詳細に説明される様々なオペレーション、プロセス、および方法を実行することができる。システム100内の任意のコンポーネントは、別々に実装されて独立した装置として動作してもよく、また、放射線治療システム100内の任意の他のコンポーネントに結合されて、本開示で説明される技術を実行することができることを理解すべきである。
[0040]
メモリ114は、読み取り専用メモリ(ROM)、相変化ランダムアクセスメモリ(PRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)のようなダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、スタティックメモリ(例えば、フラッシュメモリ、フラッシュディスク、スタティックランダムアクセスメモリ)、および、キャッシュ、レジスタ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、またはその他の光学式ストレージ、カセットテープ、他の磁気記憶装置のようなその他のタイプのランダムアクセスメモリ、または、処理回路112やその他のコンピュータデバイスによってアクセス可能な画像、トレーニングデータ、1つまたはそれ以上のMLモデルまたは技術のパラメータ、データ、または一時的もしくは非一時的なコンピュータ実行可能な命令(例えば、任意のフォーマットで格納されている)を含む情報を格納するために使用可能なその他の非一時的な媒体であり得る。例えば、コンピュータプログラム命令は、処理回路112によってアクセスされ、ROM、または任意の他の適切なメモリ位置から読み出され、処理回路112による実行のためにRAMにロードされ得る。
[0041]
記憶装置116は、本明細書に記載されている方法論または機能(様々な実施例では、治療処理ロジック120およびユーザインターフェース142を含む)のいずれか1つまたはそれ以上を具現化するか、またはそれによって利用される1つまたはそれ以上のセットの一時的または非一時的な命令およびデータ構造(例えば、ソフトウェア)が格納されている一時的または非一時的な機械読み取り可能な媒体を含むドライブユニットを構成し得る。また、命令は、放射線治療処理計算システム110による命令の実行中に、完全にまたは少なくとも部分的に、メモリ114内および/または処理回路112内に存在することができ、メモリ114および処理回路112は、一時的または非一時的な機械読取可能な媒体を構成し得る。
[0042]
メモリ114および記憶装置116は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を構成し得る。例えば、メモリ114および記憶装置116は、1つまたはそれ以上のソフトウェアアプリケーションの一時的または非一時的な命令をコンピュータ可読媒体に格納またはロードすることができる。メモリ114および記憶装置116に格納またはロードされたソフトウェアアプリケーションは、例えば、ソフトウェアで制御されたデバイスだけでなく、一般的なコンピュータシステム用のオペレーティングシステムを含み得る。また、放射線治療処理計算システム110は、治療処理ロジック120およびユーザインターフェース142を実装するためのソフトウェアコードからなる様々なソフトウェアプログラムを動作させることができる。さらに、メモリ114および記憶装置116は、処理回路112によって実行可能な、ソフトウェアアプリケーション全体、ソフトウェアアプリケーションの一部、またはソフトウェアアプリケーションに関連するコードもしくはデータを記憶またはロードすることができる。さらなる実施例では、メモリ114および記憶装置116は、1つまたはそれ以上の放射線治療の治療計画、撮像データ、セグメンテーションデータ、治療の可視化、ヒストグラムまたは測定値、1つまたはそれ以上のAIモデルデータ(例えば、開示された実施形態のMLモデルの重みおよびパラメータ)、トレーニングデータ、ラベルおよびマッピングデータなどを格納、ロード、および操作することができる。ソフトウェアプログラムは、記憶装置116およびメモリ114だけでなく、ハードドライブ、コンピュータディスク、CD-ROM、DVD、Blu-Ray DVD、USBフラッシュドライブ、SDカード、メモリスティック、またはその他の適切な媒体のような取り外し可能なコンピュータ媒体にも保存されてもよく、そのようなソフトウェアプログラムは、ネットワークを介して通信または受信されてもよい。
[0043]
それらは図示されていないが、放射線治療処理計算システム110は、通信インターフェース、ネットワークインターフェースカード、および通信回路を含み得る。通信インターフェースの例としては、例えば、ネットワークアダプタ、ケーブルコネクタ、シリアルコネクタ、USBコネクタ、パラレルコネクタ、高速データ伝送アダプタ(例えば、ファイバ、USB3.0、サンダーボルト、など)、無線ネットワークアダプタ(例えば、IEEE802.11/Wi-Fiアダプタのような)、電気通信アダプタ(例えば、3G、4G/LTE、5Gネットワークなど)などを含み得る。このような通信インターフェースは、ネットワークを介して機械が他の機械や装置(遠隔地にあるコンポーネントなど)と通信することを可能にする1つまたはそれ以上のデジタルおよび/またはアナログ通信装置を含むことができる。ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイヤレスネットワーク、クラウドコンピューティング環境(例えば、サービスとしてのソフトウェア、サービスとしてのプラットフォーム、サービスとしてのインフラストラクチャ、など)、クライアントサーバ、広域ネットワーク(WAN)など機能を提供することができる。例えば、ネットワークは、他のシステム(医用画像処理や放射線治療のオペレーションに関連付けられた追加の画像処理コンピューティングシステムや画像ベースのコンポーネントを含む)を含むLANまたはWANであってもよい。
[0044]
一実施例では、放射線治療処理計算システム110は、記憶装置116およびメモリ114にホスティングするために、画像データソース150(例えば、MR画像)から画像データ152を取得する。さらに別の実施例では、ソフトウェアプログラムは、符号付き距離関数のような患者画像の関数や、画像情報のある態様を強調する画像の処理バージョンを代用する。
[0045]
一実施例では、放射線治療処理計算システム110は、画像データソース150から画像データ152を取得する、または画像データソース150に画像データ152を通信する。さらなる実施例では、治療データソース160は、治療処理ロジック120によって生成された治療計画の結果として、計画データを受信または更新する。また、画像データソース150は、また、治療処理ロジック120で使用するための画像データを提供またはホストする。
[0046]
一実施例では、計算システム110は、治療データソース160および入力装置148と通信して、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報および複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータのペア、トレーニング用MRおよび/またはCBCT画像およびトレーニング用sCT画像のペア、トレーニング用MR、CT、sCT、CBCT画像、セグメンテーションおよび距離マップおよびトレーニング用放射線治療装置制御点のペア、およびトレーニング用線量計算関数およびトレーニング用線量分布のペアを生成することができる。
[0047]
処理回路112は、メモリ114および記憶装置116に通信可能に結合されていてもよく、処理回路112は、メモリ114または記憶装置116のいずれかからその上に記憶されたコンピュータ実行可能な命令を実行するように構成されていてもよい。処理回路112は、画像データ152からの医用画像をメモリ114で受取りまたは取得し、治療処理ロジック120を用いて処理して治療計画を生成させる命令を実行してもよい。特に、治療処理ロジック120は、線量計算式の導関数に基づく最適化問題、および/または、線量計算式の導関数に基づいて学習されたMLモデルを受け取る。治療処理ロジック120は、受け取った最適化問題を解いて治療計画の1つまたはそれ以上のパラメータを生成し、MLモデルを放射線治療計画の情報に適用して治療計画の1つまたはそれ以上のパラメータを推定し、および/または、MLモデルを放射線治療計画の情報に適用して線量計算関数の中間線量分布を推定し、中間線量分布の推定値を用いて線量分布の計算を簡略化する。
[0048]
さらに、処理回路112は、ソフトウェアプログラムを利用して、例えば、NNモデル、機械学習モデル、治療処理ロジック120、または、本明細書で議論されるような治療計画の生成に関与する他の態様によって使用される、更新されたパラメータのような中間データを生成することができる。さらに、そのようなソフトウェアプログラムは、治療処理ロジック120を利用して、本明細書でさらに説明した技術を用いて、治療データソース160への展開および/または出力装置146での提示のための新しいまたは更新された治療計画パラメータを生成することができる。処理回路112は、続いて、新しいまたは更新された治療計画パラメータを、通信インターフェースおよびネットワークを介して治療装置180に送信することができ、ここで、放射線治療計画は、(例えば、図3に関連して後述するプロセスに従って)治療処理ロジック120によって実装されたトレーニングされたMLモデルの結果と一致して、治療装置180を介して患者を放射線で治療するために使用される。
[0049]
本明細書の実施例では、処理回路112は、治療処理ロジック120を呼び出すソフトウェアプログラムを実行して、入力された放射線治療医用情報(例えば、CT画像、MR画像、および/またはsCT画像および/または線量情報)から治療計画生成のためのML、ディープラーニング、NN、および人工知能の他の側面の機能を実装することができる。例えば、処理回路112は、本明細書で説明したように、受け取った放射線治療の医用情報から治療計画パラメータを訓練、分析、予測、評価、生成するソフトウェアプログラムを実行することができる。
[0050]
一実施例では、画像データ152は、1つまたはそれ以上のMRI画像(例えば、2Dの MRI、3DのMRI、2DのストリーミングMRI、4DのMRI、4DのボルメトリックMRI、4DのシネMRIなど)、機能的MRI画像(例えば、fMRI、DCE-MRI、拡散MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)画像(例えば、2DのCT、コーンビームCT、3DのCT、4DのCT)、超音波画像(例えば、2Dの超音波、3Dの超音波、4Dの超音波)、PET(Positron Emission Tomography)画像、X線画像、透視画像、放射線治療ポータル画像、SPECT(Single-Photo Emission Computed Tomography)画像、コンピュータで作成した合成画像(擬似CT画像など)など、を含み得る。さらに、画像データ152は、医用画像処理データ(例えば、トレーニング画像、グランドトゥルース画像、輪郭画像、線量画像)を含む、またはそれと関連付けられる。他の実施例では、解剖学的領域の同等の表現は、画像以外のフォーマット(例えば、座標、マッピングなど)で表され得る。
[0051]
一実施例では、画像データ152は、画像取得装置170から受信され、1つまたはそれ以上の画像データソース150(例えば、PACS(Picture Archiving and Communication System)、VNA(Vendor Neutral Archive)、医療記録または情報システム、データウェアハウスなど)に格納され得る。したがって、画像取得装置170は、患者の医用画像を取得するために、MRI撮像装置、CT撮像装置、PET撮像装置、超音波撮像装置、透視装置、SPECT撮像装置、線形加速器とMRIの一体型撮像装置のような医用撮像装置で構成され得る。画像データ152は、画像取得装置170および放射線治療処理計算システム110が、開示された実施形態による操作を実行するために使用することができ、任意のタイプのデータまたは任意のタイプのフォーマット(例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)フォーマット)で受信および格納され得る。さらに、いくつかの実施例では、本明細書で説明するモデルは、オリジナルの画像データフォーマットまたはその派生物を処理するようにトレーニングされ得る。
[0052]
一実施例では、画像取得装置170は、単一の装置(例えば、「MRI-Linac」とも呼ばれる線形加速器と組み合わせたMRI装置)として治療装置180と統合され得る。このようなMRI-Linacは、例えば、患者のターゲットの臓器やターゲットの腫瘍の位置を決定し、放射線治療の治療計画に基づいて、所定のターゲットに正確に放射線治療を行うために使用することができる。例えば、放射線治療の治療計画では、各患者に適用する特定の放射線量に関する情報を提供することができる。また、放射線治療の治療計画には、放射線治療装置の制御点、例えば、カウチの位置、ビーム強度、ビーム角度、線量-ヒストグラム-ボリューム情報、治療時に使用する放射線ビームの本数、ビーム1本あたりの線量のような、その他の放射線治療情報が含まれ得る。
[0053]
放射線治療処理計算システム110は、ネットワークを介して外部のデータベースと通信し、画像処理や放射線治療の操作に関連する複数の様々な種類のデータを送受信し得る。例えば、外部データベースは、治療装置180、画像取得装置170、または放射線治療や医療処置に関連する他の機械に関連付けられた情報を提供する機械データ(装置制約を含む)を含むことができる。機械データの情報(例えば、制御ポイント)には、放射線ビームのサイズ、アークの配置、ビームのオン/オフ時間の長さ、マシンパラメータ、セグメント、マルチリーフコリメータ(MLC)の構成、ガントリの速度、MRIのパルスシーケンスなどが含まれる。外部データベースは、記憶装置であってもよく、適切なデータベース管理ソフトウェアプログラムを備えていてもよい。さらに、このようなデータベースやデータソースは、中央または分散して配置された複数のデバイスやシステムを含んでいてもよい。
[0054]
放射線治療処理計算システム110は、処理回路112およびメモリ114に通信可能に結合された1つまたはそれ以上の通信インターフェースを使用して、ネットワークを介して、データを収集および取得し、他のシステムと通信することができる。例えば、通信インターフェースは、放射線治療処理計算システム110と放射線治療システムコンポーネントとの間の通信接続を(例えば、外部装置とのデータ交換を可能にして)提供することができる。例えば、通信インターフェースは、いくつかの実施例では、出力装置146または入力装置148からの適切なインターフェース回路を有し、ユーザが放射線治療システムに情報を入力することができるハードウェアキーボード、キーパッド、またはタッチスクリーンであるユーザインターフェース142に接続することができる。
[0055]
一実施例として、出力装置146は、ユーザインターフェース142の表現と、医用画像、治療計画、およびそのような計画のトレーニング、生成、検証、または実施のステータスの1つまたはそれ以上の側面、視覚化、または表現を出力する表示装置を含み得る。出力装置146は、医用画像、インターフェース情報、治療計画パラメータ(例えば、輪郭、線量、ビーム角、ラベル、マップなど)、治療計画、ターゲット、ターゲットのローカライズおよび/またはターゲットのトラッキング、または関連する情報をユーザに表示する1つまたはそれ以上の表示画面を含み得る。ユーザインターフェース142に接続された入力装置148は、キーボード、キーパッド、タッチスクリーン、またはユーザが放射線治療システム100に対して使用することができる任意のタイプの装置であり得る。あるいは、出力装置146、入力装置148、およびユーザインターフェース142の機能は、スマートフォンやタブレットコンピュータ(例えば、アップル社製のiPad(登録商標)、Lenovo社製のThinkpad(登録商標)、サムソン社製のGalaxy(登録商標)のような単一のデバイスに統合され得る。
[0056]
さらに、放射線治療システムの任意およびすべてのコンポーネントは、仮想マシン(例えば、VMWare、Hyper-Vのような仮想化プラットフォームを介して)または独立したデバイスとして実装され得る。例えば、仮想マシンは、ハードウェアとして機能するソフトウェアである。したがって、仮想マシンには、少なくとも1つまたはそれ以上の仮想プロセッサ、1つまたはそれ以上の仮想メモリ、1つまたはそれ以上の仮想通信インターフェースが含まれ、それらが一体となってハードウェアとして機能することができる。例えば、放射線治療処理計算システム110、画像データソース150、または同様のコンポーネントは、仮想マシンとして、またはクラウドベースの仮想化環境内で実装され得る。
[0057]
画像取得装置170は、関心領域(例えば、ターゲット臓器、ターゲット腫瘍またはその両方)に対する患者の解剖学的構造の1つまたはそれ以上の画像を取得するように構成することができる。各画像、典型的には、2D画像またはスライスは、1つまたはそれ以上のパラメータ(例えば、2Dスライスの厚さ、方向、および位置など)を含むことができる。一実施例では、画像取得装置170は、任意の方向の2Dスライスを取得することができる。例えば、2Dスライスの方向は、サジタル方向(矢状方向:sagittal orientation)、コロナル方向(冠状方向:coronal orientation)、アキシャル方向(体軸方向:axial orientation)を含むことができる。処理回路112は、ターゲット臓器および/またはターゲット腫瘍を含むように、2Dスライスの厚さおよび/または向きなどの1つまたはそれ以上のパラメータを調整することができる。一実施例では、2Dスライスは、3DのCBCTまたはCT、またはMRIボリュームのような情報から決定することができる。このような2Dスライスは、患者が放射線治療の治療を受けている間(例えば、治療装置180を使用しているとき)画像取得装置170により「ほぼリアルタイム(near real time)」で取得することができる(「ほぼリアルタイム」とは、少なくともミリ秒以下でデータを取得することを意味する)。
[0058]
放射線治療処理計算システム110の治療処理ロジック120は、MLモデルを実装しており、これは、トレーニングされた(学習された)MLモデルの使用を含む。このMLモデルは、NNモデルの一部として学習されたNNによって提供され得る。1つまたはそれ以上の教師MLモデルは、処理ロジック120に関連する異なるエンティティまたはオフサイト施設で提供され、オフサイト施設に1つまたはそれ以上のクエリを発行することでアクセスすることができる。
[0059]
教師あり機械学習(ML)のアルゴリズム、または、MLのモデルまたは技術は、関数の近似性に集約することができる。あるタイプの入出力ペアからなるトレーニングデータ(例えば、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報と複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータのペア、トレーニング用MRおよび/またはCBCT画像とトレーニング用sCT画像のペア、トレーニング用MR、CT、sCT、CBCT画像、セグメンテーションおよび距離マップとトレーニング用放射線治療装置の制御点のペア、およびトレーニング用線量計算関数とトレーニング用線量分布のペア)は、例えば、専門の臨床医または事前の最適化計画ソルバーから取得され、関数は、このマッピングを近似するように「トレーニング」される。いくつかの方法は、NNを使う。これらでは、パラメータ化された関数のセットAθが選択され、ここで、θは、トレーニングデータ上の平均誤差を最小にすることにより選択されるパラメータのセット(例えば、コンボリューションカーネルおよびバイアス)である。入力と出力のペアを(x,y)とすると、次に示す式(3)のような最小化問題を解くことで関数を形式化することができる。
Figure 0007142415000004
ネットワークのトレーニングに使用される式(3)の最小化問題は、線量計算の導関数を含む損失関数に基づくことができる。
[0060]
いちどネットワークがトレーニングされると(例えば、θが選択されると)、関数Aθは任意の新しい入力に適用することができる。例えば、これまでにない放射線治療計画の情報(例えば、MRおよび/またはCBCT画像)をAθに入力し、1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータ(例えば、sCT画像)を推定することができる。別の実施例として、これまでにないMR、CT、sCT、CBCT画像、セグメンテーション、距離マップをAθに入力し、1つまたはそれ以上の放射線治療装置の制御点を推定することができる。別の実施例として、これまでにない線量計算関数パラメータをAθに入力し、1つまたはそれ以上の中間的な線量分布を推定することができる。
[0061]
単純なNNは、入力レイヤ、中間レイヤまたは隠れレイヤ)、出力レイヤで構成され、それぞれが計算ユニットまたはノードを含んでいる。隠れレイヤのノードは、すべての入力レイヤのノードから入力され、出力レイヤのすべてのノードに接続される。このようなネットワークは「完全連結された(fully connected)」と呼ばれる。各ノードは、それら入力の和の非線形関数に依存する出力ノードに信号を伝達する。分類器(classifier)に対しては、入力レイヤのノードの数は、典型的には、クラス(class)に分類されるオブジェクト(object)のセットのそれぞれの特徴(feature)の数に等しく、出力レイヤのノードの数はクラス(class)の数に等しい。ネットワークは、それを既知のクラスのオブジェクトの特徴で表し、バックプロパゲーションと呼ばれるアルゴリズムにより、学習誤差が小さくなるようにノードの重みを調整することによりトレーニングされる。したがって、トレーニングされたネットワークは、クラスが不明な新規のオブジェクトを分類することができる。
[0062]
ニューラルネットワークは、データとクラスまたは回帰値との間の関係を発見する能力を有し、ある条件の下では、非線形関数を含むあらゆる関数y=f(x)をエミュレートすることができる。MLでは,トレーニングデータおよびテストデータの両方が、同一のデータ生成プロセスPdataにより生成され、そこでは、各{x、y}サンプルが同一かつ独立に分布している(i.i.d.:identically and independently distributed)を前提としている。MLでは、学習誤差を最小にし、かつ、トレーニング誤差とテスト誤差の差をできるだけ小さくすることが目標である。アンダーフィッティング(underfitting)は、トレーニング誤差(training error)が大きすぎる場合に発生し、オーバーフィッティング(overfitting)は、トレーニング誤差とテスト誤差のギャップ(train-test error gap)が大きすぎる場合に発生する。これらの性能低下の両方はモデルのキャパシティ(capacity)に関連し、大きなキャパシティはトレーニングデータに非常によくフィットするがオーバーフィッティングとなる可能性があり、小さなキャパシティはアンダーフィッティングとなる可能性がある。
[0063]
図2は、X線源または線形加速器のような放射線源と、カウチ246と、撮像検出器244と、放射線治療出力234とを含む、例示的な画像誘導型放射線治療装置232を示す。放射線治療装置232は、患者に治療を施すために放射線治療ビーム238を照射するように構成されている。放射線治療出力234は、MLCのような1つまたはそれ以上の減衰器またはコリメータを含む。
[0064]
一実施例として、患者は、治療カウチ246によって支持された領域242に配置され、放射線治療の治療計画に従って放射線治療量を受けることができる。放射線治療出力234は、ガントリ236または他の機械的支持体に取り付けまたは装着される。1つまたはそれ以上のシャーシモータ(図示せず)は、カウチ246が治療領域に挿入されたときに、ガントリ236および放射線治療出力234をカウチ246の周りに回転させることができる。一実施例では、ガントリ236は、カウチ246が治療領域に挿入されると、カウチ246の周りを連続的に回転可能である。別の実施例では、ガントリ236は、カウチ246が治療領域に挿入されると、所定の位置まで回転することができる。例えば、ガントリ236は、軸(「A」)を中心に治療出力234を回転させるように構成されている。カウチ246と放射線治療出力234の両方は、横方向(transvers direction)(「T」)に移動可能、横方向(lateral direction)(「L」)に移動可能、または横軸(transverse axis)(「R」で示す)を中心とした回転のように、1つまたはそれ以上の他の軸を中心とした回転として、患者の周りの他の位置に独立して移動可能である。1つまたはそれ以上のアクチュエータ(図示せず)に通信可能に接続されたコントローラは、放射線治療の治療計画に従って患者を放射線治療ビーム238の中または外に適切に配置するために、カウチ246の動きまたは回転を制御することができる。カウチ246とガントリ236の両方が、互いに独立して複数の自由度で移動可能であるため、放射線治療ビーム238が正確に腫瘍を標的とすることができるよう患者を配置することができる。
[0065]
座標系(軸A、T、Lを含む)は、アイソセンタ240に位置する原点を持つ。アイソセンタ240は、患者上または患者内のある場所に所定の放射線量を照射するためなど、放射線治療ビーム238の中心軸が座標軸の原点と交差する位置と定義することができる。あるいは、アイソセンタ240は、ガントリ236によって軸Aの周りに配置された放射線治療出力234の様々な回転位置に対して、放射線治療ビーム238の中心軸が患者と交差する位置として定義することができる。
[0066]
また、ガントリ236は、付属の撮像検出器244を有することができる。撮像検出器244は、好ましくは放射線源(出力234)の反対側に配置され、一実施例では、撮像検出器244は、放射線治療ビーム238のフィールド内に配置することができる。撮像検出器244は、放射線治療ビーム238との整合性を維持するように、好ましくは放射線治療出力234の反対側のガントリ236に取り付けることができる。撮像検出器244は、ガントリ236の回転に伴い、回転軸を中心に回転する。一実施例では、撮像検出器244は、フラットパネル検出器(例えば、直接検出器またはシンチレータ検出器)とすることができる。このようにして、撮像検出器244は、治療ビーム238をモニタするために使用することができ、あるいは、撮像検出器244は、ポータル画像など、患者の解剖学的構造を画像化するために使用することができる。放射線治療装置232の制御回路は、放射線治療システム100内に組み込まれていてもよいし、離れていてもよい。
[0067]
例示的な例では、カウチ246、治療出力234、またはガントリ236のうちの1つまたはそれ以上を自動的に位置決めすることができ、治療出力234は、特定の治療提供インスタンスのための指定された線量に従って、放射線治療ビーム238を確立することができる。ガントリ236、カウチ246、または治療出力234の1つまたはそれ以上の異なる向き、または位置を使用するなど、放射線治療の治療計画に応じて、治療提供のシーケンスを指定することができる。治療の提供は順次行われるが、アイソセンタ240など、患者上または患者内の所望の治療軌跡で交差させることができる。これにより、所定の累積線量の放射線治療を治療部位に行うことができる一方で、治療部位付近の組織へのダメージを軽減または回避することができる。
[0068]
したがって、図2Aは、放射線治療出力が中心軸(例えば、軸「A」)を中心に回転できる構成で、放射線治療計画に一致する、またはそれに従って患者に放射線治療を提供するように動作可能な放射線治療装置232の一実施例を具体的に示している。その他の放射線治療用の出力構成も可能である。例えば、放射線治療用の出力は、複数の自由度を持つロボットアームやマニピュレーターに取り付けることができる。さらに別の実施例では、治療出力を患者から横方向に離れた領域に配置するなどして固定し、患者を支持するプラットフォームを使用して、放射線治療のアイソセンタを患者内の指定されたターゲット軌跡に合わせることができる。別の実施例では、放射線治療装置は、線形加速器と画像収集装置の組み合わせとすることができる。いくつかの実施例では、画像取得装置は、当業者に認識されるように、MRI、X線、CT、CBCT、スパイラルCT、PET、SPECT、光トモグラフィー、蛍光イメージング、超音波イメージング、または放射線治療ポータルイメージング装置などであってもよい。
[0069]
図2Bは、本開示で使用することができる放射線治療装置130であるガンマナイフを示す。患者202は、座標フレーム220を装着することで、手術や放射線治療を受けている患者の身体の一部(例えば、頭部)を安定させることができる。座標フレーム220および患者位置決めシステム222は、空間座標系を確立し、これは、患者を撮像している間または放射線手術中に使用される。放射線治療装置130は、ビームチャネル216を介して放射線ビーム(例えば、ビームレット)を生成するための複数の放射線源212を囲むための保護ハウジング214を含む。複数のビームは、異なる位置からアイソセンタ218に集束するように構成されている。各放射線ビームは比較的低い強度を有しているが、異なる放射線ビームからの複数の線量がアイソセンタ218に蓄積されると、アイソセンタ218は、比較的高いレベルの放射線を受けることができる。ある実施形態では、アイソセンタ218は、腫瘍などの手術や治療を受ける対象に対応することができる。
[0070]
図3は、本開示のいくつかの実施例による、線量の導関数に基づく機械学習モデルのトレーニングおよび使用のための例示的なデータフローを示す。データフローには、トレーニング入力310、MLモデル(技術)のトレーニング330、モデル使用350が含まれる。
[0071]
トレーニング入力310は、モデルパラメータ312と、ペアのトレーニングデータセット322(例えば、入力-出力トレーニングのペア)と、制約条件326を含むトレーニングデータ320を含む。モデルパラメータ312は、機械学習モデルA^θ対応するもののパラメータまたは係数を格納または提供する。(訳注:本明細書において「A^θ」は次の数5で示す文字を表すものとする)
Figure 0007142415000005
トレーニング中、これらのパラメータ312は、トレーニングデータセット322の入力-出力トレーニングペアに基づいて適応される。パラメータ312が適応された後(トレーニングの後)、パラメータはトレーニングされた治療モデル360によって使用され、トレーニングされた機械学習モデルA^θのそれぞれの1つを新しいセットのデータ370に実装する。
[0072]
トレーニングデータ320は、与えられた放射線治療装置の物理的制約を定義する制約条件326を含む。ペアトレーニングデータセット322は、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報と複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータとのペア、トレーニング用MRおよび/またはCBCT画像とトレーニング用sCT画像とのペア、トレーニング用MR、CT、sCT、CBCT画像、セグメンテーションマップおよび距離マップ、トレーニング用放射線治療装置制御点とのペア、トレーニング用線量計算関数とトレーニング用線量分布とのペアのような、入力-出力ペアのセットを含む。トレーニング入力310のいくつかのコンポーネントは、他のコンポーネントとは異なるオフサイトの施設または複数の設備(facility or facilities)に別々に記憶することができる。
[0073]
機械学習モデルトレーニング330は、ペアのトレーニングデータセット322の入力-出力ペアのセットに基づいて、1つまたはそれ以上の機械学習技術A^θをトレーニングする。例えば、モデルトレーニング330は、線量計算の1つまたはそれ以上の導関数に基づく第1の損失関数を最小化することによって、MLモデルパラメータ312をトレーニングすることができる。特に、MLモデルを放射線治療計画の情報に適用して、1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを推定することができる。いくつかの実装では、1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータに基づいて損失関数の導関数が計算され、計算された損失関数の導関数に基づいてMLモデルのパラメータが更新される。いくつかの実装では、放射線治療計画のパラメータは、式(2)で定義されるような線量計算関数に適用され、第1の線量を計算する。計算された最初の線量が適用される損失関数の勾配または導関数が計算され、計算された勾配または導関数に基づいて、MLモデルのパラメータが更新される。いくつかの実装では、受け取った放射線治療計画に対応する放射線治療計画のパラメータのトレーニングに基づいて第2の線量が計算される、教師ありトレーニングアプローチが使用される。そのような場合には、両方の投与量の計算は、損失関数の勾配または導関数が計算される損失関数に適用され、計算された勾配または導関数に基づいて、MLモデルのパラメータが更新される。教師なしMLモデルのトレーニングでは,損失関数に最初の投与を行うだけで,勾配や導関数が計算され,MLモデルのパラメータを更新するための指標に対して評価される。
[0074]
複数のセットのトレーニングデータに対する損失関数を最小化した結果は、対応するMLモデルのモデルパラメータ312をトレーニングし、適応し、最適化する。このように、MLモデルはトレーニングされ、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報と複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータとの間の関係を確立する。
[0075]
MLモデルは、教師有り学習技術に従ってトレーニングされ、放射線治療計画の情報から放射線治療計画のパラメータを推定する。xf *=arg minxf(x)と仮定する教師有り学習技術は、放射線治療計画の情報に対応する放射線治療計画のパラメータを前もって計算することから知られる。このような場合、MLモデルΛθをトレーニングするために、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報は、それらに対応するトレーニング用放射線治療計画のパラメータとともに引き出される。そのMLモデルは、トレーニング放射線治療計画の情報の最初のバッチに適用され、放射線治療計画のパラメータの与えられたセットを推定する。トレーニング用放射線治療計画の情報のバッチは、MLモデルの同じパラメータでMLモデルをトレーニングするために使用することができ、ひとつのトレーニング用放射線治療計画の情報からすべてのトレーニング用放射線治療計画の情報までの範囲である。いくつかの実装では、MLモデルの出力または結果は、第1の用量または第1の用量の導関数を計算するために使用される(例えば、MLモデルの出力または結果を含む式(2)の自動の導関数プロセスを使用するように導関数を計算することにより)。また、放射線治療計画の情報のバッチに対応する放射線治療計画のパラメータを用いて、同様の方法で第2の線量または第2の線量の導関数を算出する。第1の線量(または第1の線量の導関数)および第2の線量(または第2の線量の導関数)を損失関数に適用し、適用した線量による損失関数の勾配または導関数を計算する。損失関数の勾配または導関数に基づいて、MLモデルの更新されたパラメータが計算される。いくつかの実装では、放射線治療計画のパラメータに基づいて損失関数の導関数が計算され、計算された損失関数の導関数に基づいてMLモデルのパラメータが更新される。例えば、dL/dD(線量計算に関する損失関数の導関数)の計算は、現在の推定放射線治療計画のパラメータのセットと対応する放射線治療計画のパラメータのセットを与えて実行される。dD/d(MLモデルパラメータ)(MLモデルパラメータに対する線量計算の導関数)の他の計算が行われ、現在のMLモデルパラメータとdD/d(MLモデルパラメータ)の計算に基づいて、MLモデルパラメータが更新される。次に、MLモデルは、更新されたパラメータを、トレーニング用放射線治療計画の情報の第2バッチに適用し、放射線治療計画のパラメータの与えられたセットを再び推定して、線量を計算し、線量を損失関数に適用する。MLモデルのパラメータは再び更新され、この学習プロセスの反復は、指定された反復数またはエポック数、または指定された収束基準が満たされるまで続けられる。
[0076]
MLモデルは、教師有り学習技術に従って、ひとつの実装においてトレーニングされ、1つまたはそれ以上の医用画像(例えば、MR画像、CT画像、および/またはCBCT画像)からsCT画像を推定する。このような場合において、MLモデルΛθをトレーニングするために、複数のトレーニング用医用画像が、対応するトレーニング用sCT画像および/またはトレーニング用CT画像とともに引き出される。このMLモデルは,トレーニング用医用画像の最初のバッチに適用され,sCT画像の与えられたセットを推定する。トレーニング用医用画像のバッチは、そのMLモデルの同じパラメータでMLモデルをトレーニングするために使用することができ、ひとつのトレーニング用医用画像からすべてのトレーニング用医用画像までの範囲である。いくつかの実装では、MLモデルの出力または結果は、第1の用量または第1の用量の導関数を計算するために使用される(例えば、MLモデルの出力または結果を含む式(2)の自動の導関数プロセスを使用するような、導関数を計算することにより)。また、医用画像のバッチに対応するsCT画像を使用して、同様の方法で第2の線量または第2の線量の導関数を計算する。第1の線量(または第1の線量の導関数)および第2の線量(または第2の線量の導関数)を損失関数に適用し、適用した線量による損失関数の勾配または導関数を計算する。損失関数の勾配または導関数に基づいて、MLモデルの更新されたパラメータが計算される。いくつかの実装では、損失関数の導関数はsCT画像に基づいて計算され、MLモデルのパラメータは計算された損失関数の導関数に基づいてが更新される。例えば、dL/dD(線量計算に関する損失関数の導関数)の計算は、現在の推定sCT画像のセットと、対応するトレーニングsCTまたはCT画像のセットを与えて実行される。また、dD/d(MLモデルパラメータ)(MLモデルパラメータに対する線量計算の導関数)の計算が行われ、現在のMLモデルパラメータとdD/d(MLモデルパラメータ)の計算に基づいて、MLモデルパラメータが更新される。次に、このMLモデルは、更新されたパラメータを用いて、トレーニング用医用画像の第2のバッチに適用され、sCT画像の与えられたセットを再度推定し、線量を計算して、その線量を損失関数に適用する。MLモデルのパラメータは再び更新され、この学習プロセスの反復は、指定された反復数。またはエポック数、あるいは指定された収束基準が満たされるまで続けられる。
[0077]
MLモデルは、ある実装では、教師有り学習技術に従ってトレーニングされ、CT画像、セグメンテーションマップ、および/または距離マップから線量分布や放射線治療計画を推定する。このような場合において、MLモデルΛθをトレーニングするために、複数のトレーニング用CT画像、セグメンテーションマップ、および/または距離マップは、それらに対応するトレーニング用線量分布または放射線治療計画とともに取得される。このMLモデルは、トレーニング用CT画像の第1のバッチ、セグメンテーションマップ、および/または距離マップに適用され、所定の線量分布や放射線治療計画を推定する。トレーニング用CT画像、セグメンテーションマップ、および/または距離マップのバッチは、そのMLモデルの同じパラメータでMLモデルをトレーニングために使用することができ、ひとつのトレーニング用CT画像、セグメンテーションマップ、および/または距離マップから、すべてのトレーニング用CT画像、セグメンテーションマップ、および/または距離マップまでの範囲である。いくつかの実装では、MLモデルの出力または結果は、第1の線量または第1の線量の導関数を計算するために使用される(例えば、MLモデルの出力または結果を含む式(2)の自動の導関数プロセスを使用するように導関数を計算することにより)。さらに、CT画像、セグメンテーションマップ、および/または距離マップのバッチに対応する線量分布または放射線治療計画は、同様の方法で第2の線量または第2の線量の導関数を計算するために使用される。第1の線量(または第1の線量の導関数)および第2の線量(または第2の線量の導関数)を損失関数に適用し、適用した線量による損失関数の勾配または導関数を計算する。損失関数の勾配または導関数に基づいて、MLモデルの更新されたパラメータが計算される。いくつかの実装では、損失関数の導関数は、線量分布または放射線治療計画に基づいて計算され、MLモデルのパラメータは、損失関数の計算された導関数に基づいて更新される。例えば、dL/dD(線量計算に関する損失関数の導関数)の計算は、推定線量分布または放射線治療計画の現在のセットと、訓練線量分布または放射線治療計画の対応するセットが与えられて実行される。また、dD/d(MLモデルパラメータ)(MLモデルパラメータに対する線量計算の導関数)の計算が実行され、MLモデルパラメータは、現在のMLモデルパラメータとdD/d(MLモデルパラメータ)の計算に基づいて更新される。次に、MLモデルは、更新されたパラメータを用いて、CT画像、セグメンテーションマップ、距離マップをトレーニングする第2のバッチに適用され、線量分布または放射線治療計画の与えられたセットを再び推定し、線量を計算して、線量を損失関数に適用する。MLモデルのパラメータは再び更新され、このトレーニングプロセスの反復は、指定された反復数またはエポック数、あるいは指定された収束基準が満たされるまで続けられる。
[0078]
MLモデルは、ある実装では、教師有り学習技術に従ってトレーニングされ、第1の線量計算から第2の線量計算を推定する。このような場合において、MLモデルΛθをトレーニングするために、複数のトレーニング用の第1の線量計算は、対応するトレーニング用の第2の線量計算とともに取得される。このMLモデルは、トレーニング用の第1の線量計算の最初のバッチに適用され、第2の線量計算の与えられたセットを推定する。トレーニング用の第1の線量計算のバッチは、MLモデルをMLモデルの同じパラメータでトレーニングするために使用され、ひとつのトレーニング用の第1の線量計算からすべてのトレーニング用の第1の線量計算の範囲である。トレーニング用の第1の線量計算に対応する、推定された第2の線量計算と、取得されたトレーニング用の第2の線量計算は、損失関数に適用され、適用された線量計算での損失関数の勾配または導関数が計算される。損失関数の勾配または導関数に基づいて、MLモデルの更新されたパラメータが計算される。次に、MLモデルは、更新されたパラメータを用いて、MLモデルをトレーニング用の第1の線量計算の第2バッチに適用され、第2の線量計算の与えられたセットを再び推定し、線量計算を損失関数に適用する。MLモデルのパラメータは再び更新され、この学習プロセスの反復は、指定された反復数またはエポック数、あるいは指定された収束基準が満たされるまで続けられる。
[0079]
MLモデルは、ある実装では、教師有り学習技術に従ってトレーニングされ、そこでは、放射線治療計画の情報に対応する真の放射線治療パラメータは(既知であるか否かにかかわらず)使用されない。このような場合において、MLモデルΛθをトレーニングするために、他の患者に対する複数のトレーニング用放射線治療計画の情報(および/または合成的に生成された放射線治療計画の情報を含む)が取得される。MLモデルは、トレーニング用放射線治療計画の情報の第1のバッチに適用され、放射線治療計画のパラメータ(例えば、sCT画像、放射線治療計画、線量計算、線量分布)の与えられたセットを推定する。トレーニング用放射線治療計画の情報のバッチは、MLモデルをMLモデルと同じパラメータでトレーニングするために使用され、ひとつのトレーニング用放射線治療計画の情報からすべてのトレーニング用放射線治療計画の情報までの範囲である。MLモデルの出力または結果は、式(2)に基づいて線量または線量の導関数を計算するために使用され、それは、損失関数を使用して評価され、現在の反復の損失/効用に関するフィードバックを獲得する。この損失関数の勾配または導関数に基づいて、MLモデルの更新されたパラメータが計算される。MLモデルは、次に、更新されたパラメータを用いて、トレーニング放射線治療計画の情報の第2のバッチに適用され、放射線治療計画のパラメータの与えられたセットを再び推定する。MLモデルのパラメータは再び更新され、このトレーニングプロセスの反復は、指定された反復数またはエポック数、あるいは指定された収束基準が満たされるまで続けられる。
[0080]
いくつかの実施形態では、線量(第1の線量または第2の線量)の導関数は、1次導関数を含む。いくつかの実装では、一次導関数は一定の値ではない。
[0081]
具体的には、MLモデルは、損失関数に基づいて教師付きまたは教師なしでトレーニングされ、それにより、与えられた放射線治療計画の情報に対してMLモデルにより推定された放射線治療計画のパラメータのセットに基づいて計算された線量の導関数が、指定された固定された数の反復後に停止基準を満たす。具体的には、MLモデルは、停止基準が満たされるまで(例えば、反復回数が最大になるまで、目的の値の減少が達成されるまで、ステップ長が満たされるまで、など)、またはMLモデルの出力に基づいて計算された線量または線量の導関数が指定された閾値誤差以内になるまで、トレーニングされる。このようにして、このトレーニングされたMLモデルは、新しい放射線治療計画の情報に適用され、1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを推定することができる。
[0082]
機械学習モデルA^θ(Λθと表記されることもある)がトレーニングされた後、1つまたはそれ以上の患者入力パラメータ(例えば、医用画像のような放射線治療計画の情報)を含む新しいデータ370が受け取られる。トレーニングされた機械学習技術A^θは新しいデータ370に適用され、放射線治療計画の1つまたはそれ以上の推定されたパラメータ(例えば、sCT画像)を含む生成された結果380を生成する。
[0083]
いくつかの実施形態では、推定されたsCT画像が使用され、線量表現の導関数を計算する。sCT画像の目的は、多くの場合、事前に計画した治療を現在の患者の解剖学的構造と位置に照射した場合に、線量の偏差が許容できるかどうかを確認することである。したがって、sCT画像の重要な基準は、治療の実施から生じる線量分布の正確な記述が得られることである。典型的なシステムは、この目的である線量分布の正確な記述を達成するために、sCT画像生成を明示的に調整することができない。いくつかのアプローチは、sCT画像が対応するCT画像にできるだけ近い画像強度(ハウンズフィールドユニット:Hounsfield Units)を有するように調整されたプロキシに落ち着く。
[0084]
このように、いくつかの実装では、微分可能な線量計算を使用して、sCT画像の生成を改善する。そのようするために、MR画像を入力xとし、出力yをsCT画像(ハウンズフィールドユニットで与えられたボリューム、つまり、式(2)のジオメトリパラメータ)とするMLモデルがトレーニングされ、そこでは、トレーニングの目的は、古い治療計画のトレーニングデータベース上で線量偏差(L2ノルム)を最小化することである。このことは、MLモデルは、次に示す式(4)で与えられる線量ベースの経験的損失(dose based empirical loss)Lを最小化するようにパラメータθを選択することにより、教師付き機械学習アルゴリズムfθ(x)においてトレーニングされることを意味する。
Figure 0007142415000006
[0085]
線量計算が微分可能であれば、MLモデルを、この損失を用いて、エンドツーエンドで(in and end-to-end fashion)トレーニングすることができ、連鎖法(chain rule)を用いて、次に示す式(5)に従って、損失の導関数を計算することができる。
Figure 0007142415000007
ここで、この実施例において2番目の等式が成り立つのは、数8の式(Ψがθに依存しない)が成立し、Ω=fθ(x)であるからである。
Figure 0007142415000008
トレーニングの結果、モデルに対するパラメータθのセットが固定される。過去に見たことのないMR画像x^が提示された場合、学習された関数(次の数9で示す関数)を適用することにより、合成CT画像を生成することができる。
Figure 0007142415000009
(訳注:本明細書において「x^」は次の数10で示す文字を表すものとする)
Figure 0007142415000010
この実施例の詳細な図は、図7に関連して以下に示され、説明される。
[0086]
いくつかの実施形態では、線量表現の導関数に基づいてトレーニングされたMLモデルを使用して、自動治療計画(automatic treatment planning)を実行することができる。自動治療計画において、狙いは、医用画像や輪郭が描かれた構造物(構造セット)のような入力だけで、治療計画を自動的に生成することである。最も成功している戦略は、過去の治療計画に基づく学習のいくつかのエレメントを用いて、一般的には線量分布またはそれに由来する何らかの量で表現される治療意図を再現しようとするものである。しかし、線量分布の学習は中途半端なもので、治療を行うためには、治療計画を実現する機械の構成が必要となる。機械の構成を見つけるステップは、インバース問題(inverse problem)の一形態と考えることができ、通常は最適化問題を定式化して解くことによりアプローチする。これまでは、予測から実現可能なプランに移行する際に生じるパフォーマンスの低下は殆ど無視されてきた。
[0087]
このように、いくつかの実施形態によれば、フォワードモデル、例えば、線量計算の知識を明示的に組み込むことで、医用画像から機械構成(または制御点)に直接マッピングするMLモデルを、教師付き学習を用いて効率的にトレーニングすることが可能になる。
[0088]
具体的には、このようなMLモデルをトレーニングするために、xをCTスキャンと多数の異なる構造物からの距離マップの集合という形での入力とし、yをアパーチャと照射角度の集合という形での機械パラメータとする。線量計算では、CT画像と装置のパラメータの両方を使用して、結果として得られる線量分布をシミュレーションする(例えば、次の数11に示す)。
Figure 0007142415000011
ニューラルネットワークは、パラメータθを使用することができ、入力から機械のパラメータへのマッピングfθ:X→Yを記述する。
[0089]
最も簡単な設定では、機械パラメータの空間における偏差を直接比較する損失関数を使用することができる(例えば、次の数12に示す)。
Figure 0007142415000012
あるケースでは、比較は、次に示す式(6)による線量分布の空間でなされる。
Figure 0007142415000013
このようなMLモデルのトレーニングは、図8に示され説明されるのと同様の方法で行うことができる。
[0090]
いくつかの実施形態では、照射方向を選択するために、線量の式の導関数に基づいたパラメータを用いて最適化問題を解くことができる。微分の線量計算を使用することは、ガンマナイフ治療のアイソセンタの選定のように、リニアアクセラレータのビームオリエンテーションの選定と類似している。具体的な実施例としては、ガンマナイフを取り上げ、図9に関連して説明する。
[0091]
レクセルガンマナイフ(Leksell Gamma Knife:LGK)は、頭蓋内定位放射線手術(intracranial stereotactic radiosurgery)の専用システムである。放射線は、あらゆるソースからの放射線が収束する焦点を作るためにコリメートされる。焦点では、放射強度とその勾配の両方が非常に大きくなる。これにより、周囲の健康な組織へのダメージを最小限に抑えながら、高い放射線量を照射することができる。ターゲットの形や大きさに応じて放射線量を調整するには、2つの方法がある。第1の方法は、フォーカスに対して患者を正確に移動させ(ロボット的に)、フォーカスを異なるアイソセンタに効果的に配置する方法である。第2の方法は、放射線ソースを、独立して制御される8つのセクタに配置する方法である。各セクタを、4つの異なるコリメータ状態(4mm、8mm、16mm、ビームオフ)のいずれかにする。アイソセンタの位置やコリメータの構成(例えば、各セクタに対するコリメータサイズ)ごとに、照射時間を指定することができる。この構図はしばしばショット(shot)と呼ばれる。
[0092]
角度の自由度が非常に高いので、線量分布の造形が圧倒的に容易である。しかし、同時に、そのすべてを手作業で計画することは不可能である。このように、LGKの潜在能力を臨床的に利用できるようにするために、インバース計画法が利用される。インバース計画法は、ユーザがどのような目的を持っているかを指定するだけで、その目的に応じた最適な治療計画を数理的に最適化して探索する方法である。通常、アイソセンタのセットは、ヒューリスティックで幾何学的なアルゴリズムによって生成される。これらのアイソセンタでは、線量率のカーネルが事前に計算され、その形状が固定されているため、最適化の一環としてアイソセンタを移動しても、対応する線量カーネルも同じように移動するだけである。すなわち、このような典型的な技術は、組織の不均一性を考慮していない。
[0093]
実際には、総線量は、すべてのコリメータサイズ、すべてのセクタ、すべてのアイソセンタから与えられる線量の重ね合わせで与えられるが、説明を簡単にするために、単一のコリメータ、セクタ、アイソセンタの場合が、次に示す式(7)により議論され表現される(多次元バージョンでは、乗算を行列とベクトルの乗算に置き換えるだけである)。
Figure 0007142415000014
ここで、ψ(r,r')は、位置r'のアイソセンタによる位置rの線量率であり、tは照射時間である。
[0094]
この実施例では、インバース計画問題の損失関数(loss function)(目的関数(objective function)または効用関数(utility function)とも呼ばれる)は、パラメータθ={r′,t}(放射パラメータ)の関数となり、例えば、次に示す式(8)で定義される。
Figure 0007142415000015
ここで、wTおよびwOは、標的のボリュームVTにD^よりも高い線量を与え、リスク臓器のボリュームVOでD^より低い線量を与える重要性を制御するスカラー重み付け係数である。(訳注:本明細書において「D^」は次の数16で示す文字を表すものとする)
Figure 0007142415000016
|t|は、治療時間を短くしたいという要望を表す項である。照射時間が必ず非負である(t≧0)という物理的な制約が組み込まれている場合、インバース計画問題は、次に示す式(9)のように、非線形で拘束された最適化問題として表すことができる。
Figure 0007142415000017
この種の最適化問題は、例えば、次の数18に示す、投影型の(劣)勾配((sub)gradient)降下法のような、反復勾配ベースのスキームを用いて解くことができる。
Figure 0007142415000018
ここで、projt≧0は、実現可能なセットt≧0への投影であり、η∈Rは、ステップサイズであり、g(k)は、θ(k)での劣勾配(subgradient)である。この場合に劣勾配(subgradient)を使用する理由は、式(9)の特定の損失関数が、D=D^の場合、微分不可能(non-differentiable)であるからである。パラメータに対する損失の勾配は、次に示す式(10)により連鎖法則を用いて評価することができる。
Figure 0007142415000019
アイソセンタの位置に対する線量カーネルの勾配は、数値的に評価することもできるし、自動微分(automatic differentiation)法により評価することもできる。
[0095]
上記のバリエーションとして、補助的な変数s(r)を導入して、式(9)と同等でありながら、より大きな変数のセット (r' t, s)で定義される平滑な最適化問題を定式化する方法がある。この修正問題では、損失は、次に示す式(11)で表される。
Figure 0007142415000020
そして、追加の制約条件のセットは、次の数21のように定義される。
Figure 0007142415000021
[0096]
この式(10)の最適化問題は、高次の最適化手法、例えば、2次導関数(ヘシアン:Hessian)を利用するニュートン法(Newton method)や、(準ニュートン(quasi-Newton))ソルバー、例えば、逐次二次計画法(Sequential Quadratic Programming:SQP)または内点法(interior point method)など、この問題のような非線形制約条件でもうまくいくことが知られている手法を用いて解くことができる。
[0097]
図4は、例示的な実施形態による、プロセス400を実行する際の治療処理ロジック120の動作例を示すフローチャートである。プロセス400は、プロセス400のオペレーションが治療処理ロジック120の機能コンポーネントによって部分的または全体的に実行されるように、1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行するためのコンピュータ読み取り可能な命令で具現化されてもよく、したがって、プロセス400は、それを参照して例示的に以下で説明される。しかし、他の実施形態では、プロセス400のオペレーションの少なくとも一部は、他の様々なハードウェア構成で展開されてもよい。したがって、プロセス400は、治療処理ロジック120に限定されることを意図するものではなく、他の任意のコンポーネントによって全体または一部を実装することができる。プロセス400のオペレーションの一部または全部は、並行して行うことも、順序を変えて行うことも、完全に省略することもできる。
[0098]
オペレーション410で、治療処理ロジック120は、トレーニングデータを受け取る。例えば、治療処理ロジック120は、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報および複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータのペア、トレーニング用MRおよび/またはCBCT画像およびトレーニング用sCT画像のペア、トレーニング用MR、CT、sCT、CBCT画像、セグメンテーションおよび距離マップおよび訓練放射線治療装置制御点のペア、および訓練線量計算関数および訓練線量分布のペアを受け取る。
[0099]
オペレーション420で、治療処理ロジック120は、トレーニングに対する制約条件を受け取る。
[0100]
オペレーション430で、治療処理ロジック120は、モデルのトレーニングを実行する。例えば、治療処理ロジック120は、1つまたはそれ以上のトレーニング用放射線治療計画の情報と対応するトレーニング用放射線治療計画のパラメータに基づいて推定された1つまたはそれ以上の線量計算が適用された損失関数の勾配または導関数を最小化することによって、MLモデルパラメータ312(図3)をトレーニングする。このようにして、放射線治療計画の情報と1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータとの関係を確立するようにMLモデルがトレーニングされる。トレーニングは、教師ありまたは教師なしの方法で行うことができる。
[0101]
オペレーション440において、治療処理ロジック120は、トレーニングされたモデルを出力する。例えば、トレーニングされたモデルを出力してメモリに保存したり、モデルのパラメータをディスプレイ装置に表示して臨床医に提示したりすることができる。
[0102]
オペレーション450において、治療処理ロジック120は、トレーニングされたモデルを利用して結果を生成する。例えば、機械学習モデルA^θ(Λθと表記されることもある)のそれぞれがトレーニングされた後、1つまたはそれ以上の患者入力パラメータ(例えば、放射線治療計画の情報)を含む新しいデータ370を受け取ることができる。トレーニングされた機械学習技法A^θは、新しいデータ370に適用されて、1つまたはそれ以上の推定された放射線治療計画のパラメータを含む生成結果380を生成する。
[0103]
図5は、例示的な実施形態による、プロセス500を実行する際の治療処理ロジック120のオペレーションの実施例を示すフローチャートである。プロセス500は、プロセス500のオペレーションが治療処理ロジック120の機能コンポーネントによって部分的または全体的に実行されるように、1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行するためのコンピュータ読み取り可能な命令で具現化されてもよく、したがって、プロセス500は、それを参照して例示的に以下で説明される。しかし、他の実施形態では、プロセス500のオペレーションの少なくとも一部は、他の様々なハードウェア構成で展開されてもよい。したがって、プロセス500は、治療処理ロジック120に限定されることを意図するものではなく、他の任意のコンポーネントによって全体または一部を実装することができる。プロセス500のオペレーションの一部または全部は、並行して行うことも、順序を変えて行うことも、完全に省略することもできる。
[0104]
オペレーション510において、治療処理ロジック120は、放射線治療計画の情報を受け取る。
[0105]
オペレーション520において、治療処理ロジック120は、放射線治療計画の情報を処理して、線量計算の導関数を推定するサブプロセスの出力に依存するプロセスに基づいて、1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを推定する。
[0106]
オペレーション530において、治療処理ロジック120は、推定された1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを用いて、放射線治療計画を生成する。
[0107]
図6は、例示的な実施形態による、プロセス600を実行する際の治療処理ロジック120のオペレーションの実施例を示すフローチャートである。プロセス600は、プロセス600のオペレーションが治療処理ロジック120の機能コンポーネントによって部分的または全体的に実行されるように、1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行するためのコンピュータ読み取り可能な命令で具現化されてもよく、したがって、プロセス600は、それを参照して例示的に以下で説明される。しかし、他の実施形態では、プロセス600のオペレーションの少なくとも一部は、他の様々なハードウェア構成で展開されてもよい。したがって、プロセス600は、治療処理ロジック120に限定されることを意図するものではなく、他の任意のコンポーネントによって全体または一部を実装することができる。プロセス600のオペレーションの一部または全部は、並行して行うことも、順序を変えて行うことも、完全に省略することもできる。
[0108]
オペレーション610において、治療処理ロジック120は、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報および複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータを受け取る。
[0109]
オペレーション620において、治療処理ロジック120は、線量計算に基づいて、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報と複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータとの間の関係を確立することにより、放射線治療計画のパラメータの推定値を生成するように機械学習モデルをトレーニングする。
[0110]
図7は、例示的な実施形態による、プロセス700を実行する際の治療処理ロジック120のオペレーションの実施例を示すフローチャートである。プロセス700は、プロセス700のオペレーションが治療処理ロジック120の機能コンポーネントによって部分的または全体的に実行されるように、1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行するためのコンピュータ読み取り可能な命令で具現化されてもよく、したがって、プロセス700は、それを参照して例示的に以下で説明される。しかし、他の実施形態では、プロセス700のオペレーションの少なくとも一部は、他の様々なハードウェア構成で展開されてもよい。したがって、プロセス700は、治療処理ロジック120に限定されることを意図するものではなく、他の任意のコンポーネントによって全体または一部を実装することができる。プロセス700のオペレーションの一部または全部は、並行して行うことも、順序を変えて行うことも、完全に省略することもできる。
[0111]
オペレーション710において、治療処理ロジック120は、従来の放射線治療計画のデータベースにアクセスする。
[0112]
オペレーション712において、治療処理ロジック120は、CT、CBCT、および/またはMRI画像からSCT画像を生成するためのパラメータ化された関数(例えば、MLモデル)を定義する
[0113]
オペレーション714において、治療処理ロジック120は、線量ベースの損失関数の導関数を定義する。例えば、治療処理ロジック120は、式(4)で定義される損失関数を得ることができる。
[0114]
オペレーション720において、治療処理ロジック120は、パラメータ化された関数をトレーニングする。例えば、治療処理ロジック120は、トレーニング用CT、CBCT、および/またはMRI画像のバッチと、それらに対応するトレーニング用sCT画像とを操作して、式(4)で定義される損失関数に基づいてMLモデルをトレーニングする。
[0115]
オペレーション722において、治療処理ロジック120は、パラメータ化された関数のトレーニングを開始する。例えば、治療処理ロジック120は、トレーニング用CT、CBCT、および/またはMRI画像と、それらに対応するトレーニング用sCT画像の第1のバッチを取得する。治療処理ロジック120は、トレーニング用CT、CBCT、および/またはMRI画像の第1のバッチにMLモデルを適用して、中間的なsCT画像を推定する。治療処理ロジック120は、中間sCT画像に基づく第1の線量と、トレーニング用sCT画像に基づく第2の線量との導関数または勾配を計算する。第1及び第2の線量の導関数または勾配を、式(4)の損失関数に適用する。
[0116]
オペレーション724において、治療処理ロジック120は、パラメータ化された関数をトレーニングするための停止基準が満たされたかどうかを判断する。停止基準が満たされている場合、治療処理ロジック120はトレーニングの終了に進み、そうでない場合、治療処理ロジック120はオペレーション726に進む。
[0117]
オペレーション726において、治療処理ロジック120は、パラメータ化された関数のパラメータに関する損失の勾配または導関数を計算する。
[0118]
オペレーション727において、治療処理ロジック120は、損失の勾配または導関数に基づいて、パラメータ化された関数のパラメータを更新する。
[0119]
オペレーション728において、治療処理ロジック120は、停止基準が満たされたかどうか評価する。そうでない場合は、トレーニング用データの別のバッチにアクセスして、MLモデルのトレーニングを再度繰り返す。
[0120]
オペレーション730において、治療処理ロジック120は、トレーニングされたMLモデルを出力する。
[0121]
オペレーション740において、治療処理ロジック120は、トレーニングされたMLモデルを新しいMRI、CBCT、および/またはCT画像に適用してSCT画像を生成する。
[0122]
図8は、例示的な実施形態による、プロセス800を実行する際の治療処理ロジック120のオペレーションの実施例を示すフローチャートである。プロセス800は、プロセス800のオペレーションが治療処理ロジック120の機能コンポーネントによって部分的または全体的に実行されるように、1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行するためのコンピュータ読み取り可能な命令で具現化されてもよく、したがって、プロセス800は、それを参照して例示的に以下で説明される。しかし、他の実施形態では、プロセス800のオペレーションの少なくとも一部は、他の様々なハードウェア構成で展開されてもよい。したがって、プロセス800は、治療処理ロジック120に限定されることを意図するものではなく、他の任意のコンポーネントによって全体または一部を実装することができる。プロセス800のオペレーションの一部または全部は、並行して行うことも、順序を変えて行うことも、完全に省略することもできる。
[0123]
オペレーション810において、治療処理ロジック120は、従来の放射線治療計画のデータベースにアクセスする。
[0124]
オペレーション812において、治療処理ロジック120は、CTおよび/またはMRI画像と、セグメンテーションマップおよび/または距離マップとから、放射線治療計画を生成するためのパラメータ化された関数を定義する。
[0125]
オペレーション814において、治療処理ロジック120は、線量ベースの損失関数の導関数を定義する。例えば、治療処理ロジック120は、式(4)で定義される損失関数を得ることができる。
[0126]
オペレーション820において、治療処理ロジック120は、パラメータ化された関数をトレーニングする。例えば、治療処理ロジック120は、トレーニング用CTおよび/またはMRI画像と、セグメンテーションマップおよび/または距離マップと、それらに対応するトレーニング用放射線治療計画とのバッチとを操作して、式(6)で定義される損失関数に基づいてMLモデルをトレーニングする。
[0127]
オペレーション822において、治療処理ロジック120は、パラメータ化された関数のトレーニングを開始する。例えば、治療処理ロジック120は、トレーニング用CTおよび/またはMRI画像と、セグメンテーションマップおよび/または距離マップと、それらに対応するトレーニング用放射線治療の治療計画との第1バッチを取得する。治療処理ロジック120は、トレーニング用CTおよび/またはMRI画像の第1のバッチおよびセグメンテーションマップおよび/または距離マップにMLモデルを適用して、中間的なsCT画像を推定する。治療処理ロジック120は、中間的な放射線治療計画に基づく第1の線量と、トレーニング用放射線治療計画に基づく第2の線量との導関数または勾配を計算する。第1及び第2の線量の導関数または勾配を、式(6)の損失関数に適用する。
[0128]
オペレーション824において、治療処理ロジック120は、パラメータ化された関数をトレーニングするための停止基準が満たされたかどうかを判断する。停止基準が満たされている場合、治療処理ロジック120はトレーニングの終了に進み、そうでない場合、治療処理ロジック120はオペレーション826に進む。
[0129]
オペレーション826において、治療処理ロジック120は、パラメータ化された関数のパラメータに関する損失の勾配または導関数を計算する。
[0130]
オペレーション827において、治療処理ロジック120は、損失の勾配または導関数に基づいて、パラメータ化された関数のパラメータを更新する。
[0131]
オペレーション828において、治療処理ロジック120は、停止基準が満たされたかどうか評価する。そうでない場合は、トレーニング用データの別のバッチにアクセスして、MLモデルのトレーニングを再度繰り返す。
[0132]
オペレーション830において、治療処理ロジック120は、トレーニングされたMLモデルを出力する。
[0133]
オペレーション840において、治療処理ロジック120は、トレーニングされたMLモデルを、新しいMRIおよび/またはCT画像と、セグメンテーションマップおよび/または距離マップに適用して、放射線治療の治療計画を生成する。
[0134]
図9は、例示的な実施形態による、プロセス900を実行する際の治療処理ロジック120のオペレーションの実施例を示すフローチャートである。プロセス900は、プロセス900のオペレーションが治療処理ロジック120の機能コンポーネントによって部分的または全体的に実行されるように、1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行するためのコンピュータ読み取り可能な命令で具現化されてもよく、したがって、プロセス900は、それを参照して例示的に以下で説明される。しかし、他の実施形態では、プロセス900のオペレーションの少なくとも一部は、他の様々なハードウェア構成で展開されてもよい。したがって、プロセス900は、治療処理ロジック120に限定されることを意図するものではなく、他の任意のコンポーネントによって全体または一部を実装することができる。プロセス900のオペレーションの一部または全部は、並行して行うことも、順序を変えて行うことも、完全に省略することもできる。
[0135]
オペレーション910において、治療処理ロジック120は、アイソセント位置の初期セットのデータベースにアクセスする。
[0136]
オペレーション912において、治療処理ロジック120は、各アイソセンタの各セクタのコリメータ構成を初期化する。
[0137]
オペレーション914において、治療処理ロジック120は、最適化問題のための線量式の導関数を含む損失関数と制約条件を定義する。例えば、治療処理ロジック120は、式(8)または式(10)の損失関数を求める。
[0138]
オペレーション920において、治療処理ロジック120は、最適化問題を最適化する。
[0139]
オペレーション922において、治療処理ロジック120は、最適化問題の最適化を開始する。例えば、治療処理ロジック120は、反復最急降下法(iterative gradient decent)を用いて、最適化問題の解決を開始する。
[0140]
オペレーション924において、治療処理ロジック120は、最適化問題を最適化するための停止基準が満たされたかどうかを判断する。停止基準が満たされている場合、治療処理ロジック120は、最適化の終了に進み、そうでない場合、治療処理ロジック120は、オペレーション926に進む。
[0141]
オペレーション926において、治療処理ロジック120は、最適化問題の損失および/または制約条件の勾配または導関数を計算する。
[0142]
オペレーション927において、治療処理ロジック120は、勾配または導関数に基づいて、最適化問題のパラメータを更新する。
[0143]
オペレーション928において、治療処理ロジック120は、停止基準が満たされたかどうかを評価する。
[0144]
オペレーション930において、治療処理ロジック120は、選択されたアイソセンタと他の治療計画パラメータを出力する。
[0145]
オペレーション940において、治療処理ロジック120は、治療計画の品質が許容できるかどうか(例えば、品質閾値を満たすかどうか)を判断する。品質が許容範囲内であれば、治療処理ロジック120はオペレーション960で治療計画の出力に進み、そうでなければ、治療処理ロジック120はオペレーションを950に進む。
[0146]
オペレーション950において、治療処理ロジック120は、アイソセンタを固定してインバース計画を実行する。
[0147]
先に述べたように、それぞれの電子計算機システムまたはデバイスは、本明細書で述べたような1つまたはそれ以上の方法または機能動作を実装することができる。1つまたはそれ以上の実施形態において、放射線治療処理計算システム110は、画像誘導型放射線治療装置232を制御または操作すること、図3からのトレーニングまたは予測操作を実行または実施すること、トレーニングされた治療モデル360を操作すること、プロセス400-900のフローチャートのオペレーションを実行または実施すること、または本明細書で議論される他の方法論のいずれか1つまたはそれ以上を(例えば、治療処理ロジック120の一部として)実行するように構成、適応、または使用される。様々な実施形態において、そのような電子計算システムまたはデバイスは、スタンドアロンデバイスとして動作し、または他のマシンに接続(例えば、ネットワーク接続)されてもよい。例えば、このような計算システムまたはデバイスは、サーバー・クライアントネットワーク環境(server-client network environment)ではサーバーまたはクライアントマシンの能力で動作し、ピアツーピア(または分散型)ネットワーク環境(peer-to-peer (or distributed) network environment)ではピアマシン(peer machine)として動作する。計算システムまたはデバイスの機能は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、またはそのマシンが実行するアクションを指定する命令(シーケンシャルまたはその他)を実行することができる任意のマシンによって具現化される。
[0148]
上述したように、上述した機能は、機械可読媒体に格納された命令、論理、またはその他の情報によって実装することができる。機械可読媒体は、様々な実施例で単一の媒体であると説明されたが、「機械可読媒体」という用語は、1つまたはそれ以上の一過性または非一過性の命令またはデータ構造を格納する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型または分散型のデータベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバー)を含み得る。また、「機械可読媒体」という用語は、機械が実行するための一過性または非一過性の命令であって、本開示の方法論のいずれか1つまたはそれ以上を機械に実行させるものを記憶、符号化、または担持することができる、あるいは、そのような命令によって利用される、またはそのような命令に関連するデータ構造を記憶、符号化、または担持することができる、任意の有形媒体を含むとみなされる。
[0149]
上記の詳細な説明には、詳細な説明の一部を構成する添付の図面への参照が含まれる。図面は、説明のために、本開示を実施することができる特定の実施形態を示しているが、それに限定するものではない。これらの実施形態は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。このような実施例は、図示または説明されたものに加えて、要素を含むことができる。しかし、本開示は、図示されたまたは説明された要素のみが提供される実施例も予期している。さらに、本開示は、特定の実施例(または、その1つまたはそれ以上の態様)に関して、または本明細書に示され記載されている他の実施例(または、その1つまたはそれ以上の態様)に関して、図示され記載されているそれらの要素(または、その1つまたは以上の態様)の任意の組み合わせまたは順列を使用する実施例も予期している。
[0150]
本明細書で言及されているすべての出版物、特許、および特許文書は、参照により個別に組み込まれるように、その全体が本書に組み込まれている。本明細書と参照により組み込まれた文書との間で使用方法が一致しない場合、組み込まれた参照された文書の使用方法は本明細書の使用方法を補足するものとみなされる。
[0151]
本明細書では、特許文書で一般的なように、本開示の態様またはその実施形態の要素を紹介する際に、「a」、「an」、「the」、「said」という用語を使用して、「少なくとも1つ」または「1つまたはそれ以上」の他の実施例や用法とは無関係に、1つまたはそれ以上の要素を含む。本明細書では、「または」という用語は、他に示されていない限り、「AまたはB」が「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、「AおよびB」を含むように、非排他的な「または」を指すために使用される。
[0152]
添付された請求の範囲において、「including」および「in which」という用語は、「complising」および「wherein」というそれぞれの用語の平易な英語の等価物として使用されている。また、以下の特許請求の範囲において、「comprising」、「including」、「having」という用語は、記載された要素以外にも追加の要素が存在する可能性があることを意味するオープンエンドのものであり、このような用語(例えば、「comprising」、「including」、「having」)の後の目的語が請求項に記載された以外のものも、その請求項の範囲に含まれるものとみなされる。さらに、以下の請求項において、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、単なるラベルとして使用されており、その対象に数値的な要件を課すことを意図したものではない。
[0153]
また、本開示は、本明細書の操作を実行するために適応、構成、または操作される計算システムに関するものである。このシステムは、必要な目的のために特別に構築されたものであってもよいし、コンピュータに格納されたコンピュータプログラム(例えば、命令、コードなど)によって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータで構成されていてもよい。本明細書で図示および説明されている本開示の実施形態における操作の実行または遂行の順序は、特に指定されない限り、必須ではない。すなわち、特に指定のない限り、どのような順序で操作を行ってもよく、本開示の実施形態は、ここで開示されたものよりも追加または少ない操作を含んでいてもよい。例えば、特定の操作を別の操作の前、同時期、または後に実行することは、本開示の態様の範囲内であると考えられる。
[0154]
以上のことから、本開示のいくつかの目的が達成され、他の有益な結果が得られることがわかるだろう。本開示の態様を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義された本開示の態様の範囲から逸脱することなく、修正および変形が可能であることは明らかであろう。本開示の態様の範囲を逸脱することなく、上記の構造、製品、および方法に様々な変更を加えることができ、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されているすべての事項は、限定的な意味ではなく例示として解釈されることが意図されている。
[0155]
本明細書で説明した例は、さまざまな実施形態で実施することができる。例えば、ある実施形態では、処理ハードウェア(例えば、プロセッサまたは他の処理回路)と、その上に具現化された命令を含むメモリハードウェア(例えば、記憶装置または揮発性メモリ)を含むコンピューティングデバイスを含み、その命令は、処理ハードウェアによって実行されると、コンピューティングデバイスに、これらの技術およびシステム構成のための電子操作を実施、実行、または調整させる。本明細書で説明する別の実施形態には、機械読み取り可能な媒体または他の記憶装置によって具現化され得るような、コンピュータプログラム製品が含まれ、これは、これらの技術およびシステム構成のための電子操作を実施、実行、または調整するための一過性または非一過性の命令を提供する。本明細書で説明する別の実施形態には、コンピューティングデバイスの処理ハードウェア上で動作可能な方法が含まれ、これらの技術やシステム構成のための電子操作を実装、実行、または調整する。
[0156]
さらなる実施形態では、上述の電子操作の態様を実装する論理、コマンド、または一過性もしくは非一過性の命令は、デスクトップまたはノートブックのパーソナルコンピュータ、タブレット、ネットブック、スマートフォンなどのモバイルデバイス、クライアント端末およびサーバーホストのマシンインスタンス(machine instance)など、コンピューティングシステムのための任意の数のフォームファクタを含む、分散型または集中型のコンピューティングシステムで提供することができる。本明細書で議論されている別の実施形態には、本明細書で議論されている技術を、プログラムされた論理、ハードウェア構成、または特殊なコンポーネントやモジュールなどの他の形態に組み込むことが含まれており、そのような技術の機能を実行するためのそれぞれの手段を備えた装置を含む。そのような技術の機能を実装するために使用されるそれぞれのアルゴリズムは、上述の電子操作の一部または全部のシーケンス、または添付の図面や以下の詳細な説明に描かれている他の態様を含むことができる。
[0157]
上記の説明は、例示を目的としたものであり、制限的なものではない。例えば、上述した実施例(または、1つまたはそれ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の状況や材料に適応させるために、多くの修正を行うことができる。本明細書に記載されている寸法、材料の種類、および例示的なパラメータ、機能、および実装は、本開示のパラメータを定義することを意図している、決して限定するものではなく、例示的な実施形態である。上記の説明を読めば、多くの他の実施形態が当業者には明らかになるであろう。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきであり、また、そのような特許請求の範囲に含まれる均等物の全範囲も参照すべきである。
[0158]
また、上記の詳細な説明では、開示を効率化するために様々な特徴をまとめている場合がある。これは、請求されていない開示された特徴が、いかなる請求にも必須であることを意図していると解釈すべきではない。むしろ、発明的な主題は、開示された特定の実施形態のすべての特徴ではないところにある可能性がある。したがって、以下の請求項は、各請求項が個別の実施形態として独立している状態で、詳細な説明に組み込まれる。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきであり、また、そのような特許請求の範囲が有する均等物の全範囲も参照する必要がある。

Claims (19)

  1. 放射線治療計画のパラメータを生成する方法であって、
    前記方法は、
    プロセッサ回路によって、放射線治療計画の情報を受け取るステップと、
    前記プロセッサ回路により、前記放射線治療計画の情報を処理して、線量計算の導関数を推定するサブプロセスの出力に依存するプロセスに基づいて、1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを推定するステップであって、前記線量計算の導関数が、損失関数に基づいた機械学習モデルで使用され、前記線量計算の導関数が、放射線治療装置の1つまたはそれ以上の放射線パラメータまたは1つまたはそれ以上の形状パラメータのうちの少なくとも1つに関して計算され、前記放射線治療計画の情報を処理することは、前記放射線治療計画の情報を前記機械学習モデルで処理して、前記1つまたはそれ以上の推定された放射線治療計画のパラメータを生成することを有し、前記機械学習モデルは、複数のトレーニング用線量計算に基づいて、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報と複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータとの関係を確立するようにトレーニングされるステップと、
    前記プロセッサ回路により、前記推定された1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを用いて、放射線治療計画を生成するステップ
    を有する
    ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    前記放射線治療計画の情報は、磁気共鳴(MR)画像、コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、線量分布、セグメンテーションマップ、または距離マップの少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする方法。
  3. 請求項2記載の方法において、
    前記推定された1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータは、合成CT(sCT)画像、または線量分布の少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする方法。
  4. 請求項1記載の方法において、
    前記機械学習モデルは、前記複数のトレーニング用放射線治療計画の情報を用いて前記複数のトレーニング用線量計算に基づいてトレーニングされたディープニューラルネットワークを含み、
    前記複数のトレーニング用放射線治療計画の情報は、トレーニング用磁気共鳴(MR)画像、トレーニング用コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)画像、トレーニング用コンピュータ断層撮影(CT)画像、第1のトレーニング用線量分布、トレーニング用セグメンテーションマップ、またはトレーニング用距離マップのうちの少なくとも1つを有し、
    前記複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータは、トレーニング用合成CT(sCT)画像、または第2のトレーニング用線量分布の少なくとも1つを有する
    ことを特徴とする方法。
  5. 請求項1記載の方法において、
    前記方法は、
    トレーニング用放射線治療計画の情報の与えられたセットを有するトレーニング用データペアの第1のバッチを取得し、
    前記トレーニング用放射線治療計画の情報の与えられたセットを前記機械学習モデルで処理して、中間の放射線治療計画のパラメータを生成し、
    前記中間の放射線治療計画のパラメータに基づいて前記損失関数の導関数を計算し、
    前記計算された損失関数の導関数に基づいて、前記機械学習モデルのパラメータを更新する
    ことにより前記機械学習モデルをトレーニングするステップ
    を更に有する
    ことを特徴とする方法。
  6. 請求項5記載の方法において、
    前記トレーニング用データペアの第1のバッチは、前記トレーニング用放射線治療計画の情報の与えられたセットに関連するトレーニング用放射線治療計画のパラメータの対応するセットを有し、
    前記方法は、
    前記トレーニング用放射線治療計画のパラメータの対応するセットに基づいて第1の線量を計算するステップと、
    前記中間の放射線治療計画のパラメータに基づいて第2の線量を計算するステップと、
    前記損失関数の導関数を計算する前に、前記損失関数に前記第1の線量および前記第2の用量を適用するステップ
    を更に有する
    ことを特徴とする方法。
  7. 請求項1記載の方法において、
    前記方法は、
    前記線量計算は、ポイントカーネル畳み込みアルゴリズム、ペンシルカーネルアルゴリズム、またはボルツマン方程式ソルバーを用いたモンテカルロシミュレーション、または決定論的計算の少なくとも1つ、またはその組み合わせを含む
    ことを特徴とする方法。
  8. 請求項1記載の方法において、
    前記線量計算の導関数は、一次導関数である
    ことを特徴とする方法。
  9. 請求項8記載の方法において、
    前記一次導関数は、一定の値ではない
    ことを特徴とする方法。
  10. 請求項1記載の方法において、
    前記導関数を推定するサブプロセスは、自動導関数プロセスを有する
    ことを特徴とする方法。
  11. 非一時的なコンピュータ可読命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、
    前記コンピュータ可読命令は、オペレーションを実行するための命令を含み、
    前記オペレーションは、
    放射線治療計画の情報を受け取るオペレーションと、
    前記放射線治療計画の情報を処理して、線量計算の導関数を推定するサブプロセスの出力に依存するプロセスに基づいて、1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを推定するオペレーションであって、前記線量計算の導関数が、損失関数に基づいた機械学習モデルで使用され、前記線量計算の導関数が、放射線治療装置の1つまたはそれ以上の放射線パラメータまたは1つまたはそれ以上の形状パラメータのうちの少なくとも1つに関して計算され、前記放射線治療計画の情報を処理することは、前記放射線治療計画の情報を前記機械学習モデルで処理して、前記1つまたはそれ以上の推定された放射線治療計画のパラメータを生成することを有し、前記機械学習モデルは、複数のトレーニング用線量計算に基づいて、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報と複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータとの関係を確立するようにトレーニングされるオペレーションと、
    前記推定された1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを用いて、放射線治療計画を生成するオペレーション
    を有する
    ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
  12. 請求項11記載の非一時的コンピュータ可読媒体において、
    前記放射線治療計画の情報は、磁気共鳴(MR)画像、コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、線量分布、セグメンテーションマップ、または距離マップの少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
  13. 請求項11記載の非一時的コンピュータ可読媒体において、
    前記機械学習モデルは、前記複数のトレーニング用放射線治療計画の情報を用いて前記複数のトレーニング用線量計算に基づいてトレーニングされたディープニューラルネットワークを含み、
    前記複数のトレーニング用放射線治療計画の情報は、トレーニング用磁気共鳴(MR)画像、トレーニング用コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)画像、トレーニング用コンピュータ断層撮影(CT)画像、第1のトレーニング用線量分布、トレーニング用セグメンテーションマップ、またはトレーニング用距離マップのうちの少なくとも1つを有し、
    前記複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータは、トレーニング用合成CT(sCT)画像、または第2のトレーニング用線量分布の少なくとも1つを有する
    ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
  14. 請求項11記載の非一時的コンピュータ可読媒体において、
    前記オペレーションは、
    トレーニング用放射線治療計画の情報の与えられたセットを有するトレーニング用データペアの第1のバッチを取得し、
    前記トレーニング用放射線治療計画の情報の与えられたセットを前記機械学習モデルで処理して、中間の放射線治療計画のパラメータを生成し、
    前記中間の放射線治療計画のパラメータに基づいて前記損失関数の導関数を計算し、
    前記計算された損失関数の導関数に基づいて、前記機械学習モデルのパラメータを更新する
    ことにより前記機械学習モデルをトレーニングするオペレーション
    を更に有する
    ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
  15. 命令を格納するメモリと、
    オペレーションを実行するために前記メモリに格納された命令を実行する1つまたはそれ以上のプロセッサを有するシステムであって、
    前記オペレーションは、
    放射線治療計画の情報を受け取るオペレーションと、
    前記放射線治療計画の情報を処理して、線量計算の導関数を推定するサブプロセスの出力に依存するプロセスに基づいて、1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを推定するオペレーションであって、前記線量計算の導関数が、損失関数に基づいた機械学習モデルで使用され、前記線量計算の導関数が、放射線治療装置の1つまたはそれ以上の放射線パラメータまたは1つまたはそれ以上の形状パラメータのうちの少なくとも1つに関して計算され、前記放射線治療計画の情報を処理することは、前記放射線治療計画の情報を前記機械学習モデルで処理して、前記1つまたはそれ以上の推定された放射線治療計画のパラメータを生成することを有し、前記機械学習モデルは、複数のトレーニング用線量計算に基づいて、複数のトレーニング用放射線治療計画の情報と複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータとの関係を確立するようにトレーニングされるオペレーションと、
    前記推定された1つまたはそれ以上の放射線治療計画のパラメータを用いて、放射線治療計画を生成するオペレーション
    を有する
    ことを特徴とするシステム。
  16. 請求項15記載のシステムにおいて、
    前記放射線治療計画の情報は、磁気共鳴(MR)画像、コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、線量分布、セグメンテーションマップ、および距離マップの少なくとも1つを含む
    ことを特徴とするシステム。
  17. 請求項16記載のシステムにおいて、
    前記機械学習モデルは、前記複数のトレーニング用放射線治療計画の情報を用いて前記複数のトレーニング用線量計算に基づいてトレーニングされたディープニューラルネットワークを含み、
    前記複数のトレーニング用放射線治療計画の情報は、トレーニング用磁気共鳴(MR)画像、トレーニング用コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)画像、トレーニング用コンピュータ断層撮影(CT)画像、第1のトレーニング用線量分布、トレーニング用セグメンテーションマップ、またはトレーニング用距離マップのうちの少なくとも1つを有し、
    前記複数のトレーニング用放射線治療計画のパラメータは、トレーニング用合成CT(sCT)画像、または第2のトレーニング用線量分布の少なくとも1つを有する
    ことを特徴とするシステム。
  18. 請求項15記載のシステムにおいて、
    前記オペレーションは、
    トレーニング用放射線治療計画の情報の与えられたセットを有するトレーニング用データペアの第1のバッチを取得し、
    前記トレーニング用放射線治療計画の情報の与えられたセットを前記機械学習モデルで処理して、中間の放射線治療計画のパラメータを生成し、
    前記中間の放射線治療計画のパラメータに基づいて前記損失関数の導関数を計算し、
    前記計算された損失関数の導関数に基づいて、前記機械学習モデルのパラメータを更新する
    ことにより前記機械学習モデルをトレーニングするオペレーション
    を更に有する
    ことを特徴とするシステム。
  19. 請求項18記載のシステムにおいて、
    前記トレーニング用データペアの第1のバッチは、前記トレーニング用放射線治療計画の情報の与えられたセットに関連するトレーニング用放射線治療計画のパラメータの対応するセットを有し、
    前記オペレーションは、
    前記トレーニング用放射線治療計画のパラメータの対応するセットに基づいて第1の線量を計算するオペレーションと、
    前記中間の放射線治療計画のパラメータに基づいて第2の線量を計算するオペレーションと、
    前記損失関数の導関数を計算する前に、前記損失関数に前記第1の線量および前記第2の用量を適用するオペレーション
    を更に有する
    ことを特徴とするシステム。
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