以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、共通の構成要素については、共通の指示符号を図中に付して説明する。また、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、例えば、図1のブロック図に示すような構成のセラミックスの内部構造解析システム100に適用される。
このセラミックスの内部構造解析システム100は、熱処理装置10、光干渉断層画像生成装置20と画像解析処理装置30からなる。
この内部構造解析システム100における熱処理装置10は、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に脱脂処理や焼結処理などの熱処理を施す高温電気炉からなる熱処理炉11を備え、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)を用いた計測・制御部15と情報処理部16を有する制御装置17により上記熱処理炉11の動作を制御できるようになっている。
また、この内部構造解析システム100における光干渉断層画像生成装置20は、例えば、図2の模式図に示すように、光源21、ハーフミラー22、参照ミラー23と検出器24を備え、ハーフミラー22と参照ミラー23により構成される光干渉系を含むカメラヘッド部25と、光源21と検出器24と情報処理部26を含む光干渉断層画像生成部27からなる。
光源21は、試料1に赤外線領域の光を照射するためのものである。
この内部構造解析システム100において、試料1は上記熱処理炉11内において熱処理中の成形体1、すなわち、セラミックスである。
なお、一般的に成形プロセスで得られるもの、および、脱脂されたものを成形体、高温で焼成して焼結が生じたものを焼結体と呼ぶが、本明細書ではこれらを合わせて成形体と呼ぶ。
また、光源21は、中心波長が700nm(ナノメートル)から2000nmまでの光であって、かつ本実施形態におけるセラミックスにて反射する光を発する。セラミックスにて反射する光は、例えばセラミックスに吸収されない光である。
ハーフミラー22は、光源21から発せられた光の光路上に設けられている。また、ハーフミラー22は、その光源21側の面22aが、上記光路に対して光源21側に45°の角度で傾斜するように配置されている。
ハーフミラー22は、光源21から発せられた光を、試料(成形体)1に照射する照射光と、参照ミラー23に入射する参照光に分割する。そして、ハーフミラー22は、分割した照射光を反射させて試料(成形体)1に入射させる。またハーフミラー22は、分割した参照光を透過させて参照ミラー23に入射させる。
参照ミラー23は、光源21から発せられた光の光路上に設けられている。
参照ミラー23は、ハーフミラー22を透過した参照光を反射して、その反射光をハーフミラー22へ戻す。そのために、参照ミラー23は、ハーフミラー22と対向するように設けられている。
また、参照ミラー23は、光源21から発せられた光の光路方向に沿って移動可能となっている。すなわち、参照ミラー23は、ハーフミラー22との距離を調節できるようになっている。参照ミラー23を移動可能とする代わりに、波長可変光源を用いて同様の機能を果たすようにしてもよい。
検出器24は、試料(成形体)1に照射光を照射して得られた戻り光の光路上と、参照光の光路上とに設けられている。参照光は、参照ミラー23で反射されてハーフミラー22に戻り、さらに、ハーフミラー22で反射される。
上記光干渉断層画像生成装置20のハーフミラー22と参照ミラー23とで干渉光学系が構成されている。
検出器24は、上記の戻り光と参照光との干渉光を観測するためのものである。
ここで、この内部構造解析システム100は、基台41に支柱42を立設されてなる備えるスタンド40を備え、上記熱処理装置10の熱処理炉11が上記基台41上に設置され、また、上記光干渉断層画像生成装置20のハーフミラー22と参照ミラー23とで構成される干渉光学系を含むカメラヘッド部25が、上記支柱42の上端側から側方に延びたアーム43の前端部に設けられたヘッド保持部44により、上記基台41上の熱処理炉11の上方位置において保持姿勢を可変調整機自在に保持されている。
そして、上記熱処理装置10の熱処理炉11は、窓14Aを有する上蓋14を開くことに炉内の試料台12上に成形体1を載置することができ、上蓋14を閉じた状態で炉外から窓14Aを介して炉内の成形体1を観察できるようになっている。
すなわち、上記スタンド40は、光干渉断層画像生成装置20のカメラヘッド部25を3次元(X,Y,Z)方向に移動調整自在、また、X軸廻り及びY軸廻りに回転角度位置調整自在に保持する姿勢調整機構を有し、ヘッド保持部44により、上記基台41上の熱処理炉11の上方位置において保持姿勢を可変調整機自在に保持している。
また、上記熱処理装置10の熱処理炉11は、上記試料台12が先端に設けられた試料台アーム13を熱処理炉11の外部から操作することにより、上記試料台12上の成形体1の保持姿勢を可変調整できる姿勢調整機構を備えている。
そして、この内部構造解析システム100では、上記光干渉断層画像生成装置20のカメラヘッド部25から、上記成形体1に照射する赤外線領域の光の光軸を該成形体1の観察面1Aの法線方向に対して1~10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させた状態で、上記光干渉断層画像生成装置20により光干渉断層画像を生成するようにしている。ここでは、カメラヘッド部25の保持姿勢と上記試料台12上の成形体1の保持姿勢の両方を可変調整自在にしてあるが、どちらか一方の姿勢調整機構を備えることにより、上記成形体1に照射する赤外線領域の光の光軸を該成形体1の観察面1Aの法線方向に対して傾斜さ
せることができる。
上記光干渉断層画像生成装置20による試料(成形体)1の内部構造の観察または撮影は、以下のようにして行われる。
すなわち、光源21が、赤外線領域の光を発する。ここで、赤外線領域の光は、中心波長が700nmから2000nmまでの光であって、かつセラミックスにて反射する光である。
光源21から発せられた光をハーフミラー22が、試料(成形体)1に照射する照射光と、参照ミラー23に入射する参照光に分割する。ハーフミラー22は、分割した照射光を反射させて試料(成形体)1に入射させる。また、ハーフミラー22は、分割した参照光を透過させて参照ミラー23に入射させる。 すなわち、ハーフミラー22により分割した照射光は、上記熱処理装置10の熱処理炉11の上蓋14に設けられた窓14Aを介して炉内の試料(成形体)1に照射される。
試料(成形体)1に入射した照射光は、試料(成形体)1の表面や内部構造等、屈折率に差がある界面で反射されて、戻り光として試料(成形体)1の表面すなわち観察面1Aから出射される。そして、観察面1Aから出射された戻り光は、上記熱処理装置10の熱処理炉11の窓14Aを介して上記光干渉断層画像生成装置20のハーフミラー22に入射される。
試料(成形体)1に照射光を照射して得られた戻り光と、参照ミラー24で反射されて戻ってきた参照光とは、ハーフミラー22上で再び重ね合わされる。このとき、試料(成形体)1からの戻り光と、参照ミラー24からの参照光とが通ってきた距離が等しければ、2つの光は強め合う。一方、試料(成形体)1からの戻り光と、参照ミラー24からの参照光とが通ってきた距離にずれがあり光の位相が逆になると、2つの光は打ち消し合う。
ここで、光干渉系を構成している参照ミラー24を動かして参照ミラー24とハーフミラー22の距離を調節し、検出器24上で2つの光が干渉し強め合う位置を観測する。この観測により、試料(成形体)1内のどの深さに反射面があるかを知ることができる。これにより、試料(成形体)1の内部構造を観察することができる。また、監察結果を画像化することで、試料(成形体)1の内部構造を撮影することができる。
すなわち、光干渉断層画像生成装置20は、光干渉断層画像生成部27の光源21から出射される赤外線領域の光をカメラヘッド部25に含まれている光干渉系を介して上記熱処理炉11の窓14Aから該熱処理炉11内において熱処理中の試料(成形体)1に照射して、上記カメラヘッド部25に含まれている光干渉系により得られる試料(成形体)1からの戻り光と参照光との干渉光を光干渉断層画像生成部27の検出器24にて検出することにより、試料(成形体)1の光干渉断層撮影を行うもので、検出器24による検出出力として得られる上記干渉光による距離画像情報から例えばパーソナルコンピュータ(Personal Computer ; PC)を用いた情報処理部26より光干渉断層画像を生成する。光干渉断層画像生成装置20の光干渉断層画像生成部27が断層画像を生成する方法としては、光干渉断層撮影における公知の断層画像生成方法を用いることができる。
光干渉断層画像生成部27が生成する断層画像の向きは特定の向きに限定されない。例えば、光干渉断層画像生成装置20が試料(成形体)1を3次元的にスキャンし、光干渉断層画像生成部27の情報処理部26が試料(成形体)1の3次元画像を生成するようにしてもよい。これにより、光干渉断層画像生成部27は、試料(成形体)1のスキャン範囲内における任意の位置および任意の向きの断層画像を生成することができる。
上述の如き構成の光干渉断層画像生成装置20を用いることにより、従来観察できなかった高温での内部構造の変化を3次元で高速・高分解能で観察することができる。また、内部構造だけでなく、外形寸法の変化も測定することができ、内部構造とともに密度の変化も同時に測定できる。すなわち、試料(成形体)1の内部構造の観察または撮影をリアルタイムで行うことができる。さらには、試料(成形体)1の内部構造の観察を動画で記録することができる。
この光干渉断層画像生成装置20では、光源21から、赤外線領域の光として、中心波長が700nmから2000nmまでの光であって、かつ試料(成形体)1にて反射する光を試料(成形体)1に照射するとともに、参照ミラー24を動かすことにより、セラミックスである試料(成形体)1を観察する。これにより、従来は観察できなかったセラミックスの内部構造を三次元的に観察することができる。なお、参照ミラー24を移動可能とする代わりに波長可変光源を用いた場合には、波長可変光源から発する光の波長や強度を調整することにより、試料(成形体)1を観察するようにしてもよい。
このセラミックスの内部構造解析システム100において、熱処理装置10と光干渉断層画像生成装置20は、図3の工程図に示す手順にしたがってセラミックスの内部構造を観察することができる。
図3は、上記セラミックスの内部構造解析システム100において実施されるセラミックスの内部構造観察方法の手順を示す工程図である。
熱処理工程S1では、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に対して脱脂処理や焼結処理などの熱処理を熱処理装置10の熱処理炉11により施す。
光干渉断層画像生成工程S2では、光干渉断層画像生成装置20により、上記熱処理工程S1において熱処理中の成形体1に上記熱処理炉11の外部から窓14Aを介して炉内の成形体1に赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する。
このセラミックスの内部構造解析システム100における熱処理装置10と光干渉断層画像生成装置20では、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に対して脱脂処理や焼結処理などの熱処理を熱処理炉11により施す熱処理工程S1と、上記焼結工程S1において熱処理中の成形体1に上記熱処理炉11の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成工程S2とを有し、上記光干渉断層画像生成工程S2において生成される光干渉断層画像として、セラミックスの熱処理過程における成形体内部の構造を観察可能としたセラミックスの内部構造観察方法を実行することができる。
また、このセラミックスの内部構造解析システム100において、熱処理装置10は、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に対して熱処理炉11により脱脂処理や焼結処理などの熱処理を施し、また、光干渉断層画像生成装置20は、上記熱処理炉11内において焼結中の成形体1に該熱処理炉11の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成するもので、上記熱処理装置10と光干渉断層画像生成装置20は、上記光干渉断層画像生成部27により生成される光干渉断層画像として、上記熱処理炉11によるセラミックスの熱処理過程における成形体内部の構造を観察可能としたセラミックスの内部構造観察装置として機能する。
ここで、上記光干渉断層画像生成装置20により光干渉断層画像を生成する場合、カメラヘッド部25から成形体1に照射する赤外線領域の光の光軸が該成形体1の観察面1Aの法線方向と一致していると、観察面1Aの表面による強い反射で光干渉断層画像(OCT)像にノイズが現れるが、傾斜させることでこのノイズを大きく軽減させることができる。
図4は、上記セラミックスの内部構造解析システム100において、焼成中の成形体1の観察面1Aの法線方法と照射する赤外線領域の光の光軸のなす角度θを1.3°、5.2°、8.2°とした実験例1)~実験例3)について、光干渉断層画像生成装置20により熱処理炉11内の成形体1をその場観察して得られた光干渉断層画像である。この図4において、(A)は角度θ=1.3°の実験例1)の光干渉断層画像、(B)は角度θ=5.2°の実験例2)の光干渉断層画像、(C)は角度θ=8.2°の実験例3)の光干渉断層画像である。
また、図5は、上記セラミックスの内部構造解析システム100において、焼成中の成形体1の観察面1Aの法線方法と照射する赤外線領域の光の光軸のなす角度θを0°、0.4°、12.1°とした実験例4)~実験例6)について、光干渉断層画像生成装置により熱処理炉内の成形体をその場観察して得られた光干渉断層画像である。この図5において、(A)は角度θ=0°の実験例4)の光干渉断層画像、(B)は角度θ=0.4°の実験例5)の光干渉断層画像、(C)は角度θ=12.1°の実験例6)の光干渉断層画像である。
すなわち、上記熱処理装置10の熱処理炉11内において熱処理中の成形体1について、上記光干渉断層画像生成装置20により生成した光干渉断層画像は、図4の(A)~(C)に示す実験例1)~実験例3)の光干渉断層画像のように、成形体1の観察面1Aの法線方法と照射する赤外線領域の光の光軸のなす角度θが1.3°、5.2°、8.2°ではノイズが極めて少ないのに対して、図5の(A)~(C)に示す実験例4)~実験例6)の光干渉断層画像のように、成形体1の観察面1Aの法線方法と照射する赤外線領域の光の光軸のなす角度θが0°、0.4°、12.1°ではノイズが多量のノイズが現れる。
このように、上記熱処理炉11内において熱処理中の成形体1に該熱処理炉11の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する上記光干渉断層画像生成装置20により上記熱処理炉11によるセラミックスの熱処理過程における成形体内部の構造を観察可能にするあたり、上記光干渉断層画像生成装置20のカメラヘッド部25から、上記成形体1に照射する赤外線領域の光の光軸を該成形体1の観察面1Aの法線方向に対して1~10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させた状態で、上記光干渉断層画像生成装置20によりノイズが少ない光干渉断層画像を生成することができる。
ここで、上記セラミックスの内部構造解析システム100において、光干渉断層画像生成装置20により、熱処理炉11内のアルミナ成形体の内部構造をその場観察して得られた光干渉断層画像を図6の(A)~(E)に示す。
図6の(A)~(E)は、平均粒径0.1μmのAl2O3粉末(TMDAR、大明化学工業株式会社)に対して、0.2wt%のMgO粉体(500A、宇部マテリアルズ)を添加した原料粉体にバインダーとしてパラフィンを添加して篩造粒した後、一軸成形とCIP成形により成形体を得て、脱脂した成形体1を熱処理装置10の熱処理炉11内に設置し、毎分100℃で1600℃まで昇温、および、1600℃で5分保持しながら、上記光干渉断層画像生成装置20により連続的にOCT観察を行うことにより得られた光干渉断層画像である。図6において、(A)は焼成前の成形体の光干渉断層画像であり、(B)は1400℃、(C)は1500℃、(D)は1500℃、(E)は1600℃5分保持後の各段階での成形体1の光干渉断層画像である。
さらに、上記光干渉断層画像生成装置20により得られた得られた光干渉断層画像から成形体1の寸法を測定し、収縮率および相対密度を算出することができた。
上記セラミックスの内部構造解析システム100において、光干渉断層画像生成装置20により得られた図6の(A)~(E)の光干渉断層画像は、各焼成過程における成形体1中央付近の側断面を示している。これらの光干渉断層画像では、例えば気孔とアルミナなど屈折率差が存在する不均質な領域で生じた光の反射が多い領域ほど明るく表示している。いずれの光干渉断層画像でも、高温での観察であるにもかかわらず輻射の影響を全く受けず、成形体1の内部構造が室温と同様に明瞭に観察されるとともに、昇温に伴って成形体全体が収縮していく様子が観察されている。焼成前の成形体1の観察では明るい島状の領域が分布していたことから成形段階で、不均質、すなわち、密度に分布が生じていると考えられる。一方、1400℃から1500℃(寸法から得た相対密度90%)までは明るく目立つ領域が観察されなかったことから、大きな密度分布は解消され、比較的均質な内部構造となっていると考えられる。しかし、1600℃(相対密度99%)では、100~200μm程度の明暗の島状の領域が現れた。暗い領域は反射する領域が少ないことを意味しているので、より密度の高い領域となっている。時間の経過とともに全体に均質な内部構造となったが、その後、成形体の不均質に起因して局所的に成長した気孔によると考えられる明るい領域が新たに発生している。
このように、上記光干渉断層画像生成装置20による光干渉断層画像生成は、セラミックスの焼結過程のその場観察に有効な手法であり、アルミナでは、内部構造の不均質が焼結の進行と共に発生・成長と消滅していくことを明らかにすることができる。
そして、このセラミックスの内部構造解析システム100において、画像解析処理装置30は、上記光干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像について画像解析処理を行うもので、画像処理部31とデータ統合部32からなる。
この画像解析処理装置30は、上記光干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像を用いて、セラミックスの脱脂過程や焼結過程における成形体内部の構造に光学的不均質状態が生じているかの解析処理を画像処理部31により行う。
このセラミックスの内部構造解析システム100では、不透明な物質の内部構造を光干渉を利用して観察できる内部観察法(OCT(Optical Coherence Tomography:光干渉断層撮影)による光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成装置20を熱処理装置10に付設することで、高温環境下での内部構造変化のリアルタイムで解明することができる。さらに、例えば、焼結過程のその場観察を行いながら焼成することにより、セラミックスが緻密化した後、不均質構造が現れる前に焼成を止めることができるなど、セラミックス製造を勘と経験ではなく実験事実に基づいて最適化することが可能になる。
このセラミックスの内部構造解析システム100では、熱処理装置10、光干渉断層画像生成装置20と画像解析処理装置30により、図7の工程図に示す手順にしたがってセラミックスの内部構造を解析処理を行うことができる。
図7は、上記セラミックスの内部構造解析システム100において実施されるセラミックスの内部構造解析方法の手順を示す工程図である。
すなわち、熱処理工程S1では、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に対して熱処理装置10の熱処理炉11により熱処理を施す。
光干渉断層画像生成工程S2では、光干渉断層画像生成装置20により、上記熱処理工程S1において熱処理中の成形体1に上記熱処理炉11の外部から窓14Aを介して炉内の成形体1に赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する。
解析処理工程S3では、上記光干渉断層画像生成工程S2において生成された光干渉断層画像について、セラミックスの熱処理過程における成形体内部の構造に光学的不均質状態が生じているかの解析処理を行う。
このセラミックスの内部構造解析システム100では、熱処理装置10の熱処理炉11により熱処理中の成形体1を光干渉断層画像生成装置20によりその場観察して得られる光干渉断層画像について、画像解析処理装置30にて光学的不均質状態が生じているかの解析処理を行うことにより、炉内の成形体1の焼結状態を良否を判別可能にすることができる。
例えば上述の図6の(A)~(E)に示した各焼成過程における成形体1中央付近の光干渉断層画像について、画像解析処理装置30にて光学的不均質状態が生じているかの解析処理を行うことにより、昇温に伴って成形体1全体が収縮していく状況を解析して、最適な焼結条件を決定することができる。
ここで、上記画像解析処理装置30は、図8のブ口ツク図に示すセラミックスの内部構造解析システム100Aのように、学習装置35による学習機能を有するものとすることができる。
図8は、本発明を適用したセラミックスの内部構造解析システム100Aの構成を示すブロック図である。
このラミックスの内部構造解析システム100Aは、熱処理装置10、光干渉断層画像生成装置20、画像解析処理装置30と学習装置35を備える。
画像解析処理装置30は、第1通信部310、第1記憶部320と第1制御部330を備える。第1制御部330は、解析処理部331、スペックルノイズ除去処理部332と不均一状態検出部333を備える。学習装置35は、第2通信部350、第2記憶部360と第2制御部370を備える。第2記憶部360は、学習用データ記憶部361を備える。第2制御部370は、学習用データ取得部371と機械学習部372を備える。
このセラミックスの内部構造解析システム100Aにおける熱処理装置10および光干渉断層画像生成装置20は、図1示したセラミックスの内部構造解析システム100における熱処理装置10および光干渉断層画像生成装置20と同様であり、図8に同一の符号を付して説明を省略する。
この内部構造解析システム100Aは、上記光干渉断層画像生成装置20により、上記熱処理装置10の熱処理炉11内においてに該熱処理炉11の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行うことによって、試料すなわち熱処理中の成形体1の断層画像を取得し、断層画像内における輝度に基づいて、成形体1の状態を解析する。
画像解析処理装置30は、例えばパーソナルコンピュータ(Personal Computer ; PC)またはワークステーション(Workstation)等のコンピュータを用いて構成される。
画像解析処理装置30の第1通信部310は、他の装置と通信を行う。特に、第1通信部310は、光干渉断層画像生成装置20と通信を行って、光干渉断層画像生成装置20による成形体1の測定結果として得られる断層画像データを受信する。また、第1通信部310は、学習装置35の第2通信部350と通信を行って成形体1の断層画像データを学習装置35へ送信する。さらに、第1信部310は、学習装置35の第2通信部350と通信を行って、学習装置35によるスペックルノイズ(Speckle Noise)除去処理の学習結果を学習装置35から受信する。
第1記憶部320は、各種データを記憶する。第1記憶部320は、画像解析処理装置30が備える記憶デバイスを用いて構成される。
第1制御部330は、画像解析処理装置30の各部を制御して各種処理を行う。第1制御部330は、画像解析処理装置30が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、第1記憶部320からプログラムを読み出して実行することで構成される。
画像解析処理装置30と学習装置35は、同一のコンピュータを用いて構成されるなど、1つの装置として構成されていてもよい。
、この内部構造解析システム100Aの動作について説明する。
図9は、上記セラミックスの内部構造解析システム100Aにおいて実行される解析処理の手順を示すフローチャートである。
この内部構造解析システム100Aでは、上記光干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像について、図9のフローチャートに示す手順に従って解析処理を行う。
すなわち、画像解析処理装置30では、画像解析処理を開始すると、先ず、解析処理部331において、光学的不均質状態の種類毎に処理を行うループL1を開始する(ステップS21)。光学的不均質状態の種類の例として、気孔およびき裂が挙げられるが、これらに限定されない。
次に、解析処理部331のスペックルノイズ除去処理部332は、上記光干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像に対してスペックルノイズ除去処理を行う(ステップS22)。
学習装置35は、成形体の状態毎、かつ、光学的不均質状態の種類毎に機械学習を行ってスペックルノイズ除去方法を決定している。成形体の状態の種類の例として、相対密度および有機物の残存量が挙げられるが、これらに限定されない。
スペックルノイズ除去処理部332は、学習装置35が決定したスペックルノイズ除去方法のうち、解析対象の断層画像における成形体内部の構造、および、ループL1で処置対象となっている光学的不均質状態の種類に応じたスペックルノイズ除去方法を用いる。
あるいは、学習装置35が、成形体の状態毎、光学的不均質状態の種類毎、かつ、セラミックスを構成する物質の種類に応じたスペックルノイズ除去方法を選択するようにしてもよい。例えばユーザが、セラミックスを構成する物質の種類を学習装置35にユーザ入力し、学習装置35が、ユーザ入力に応じたスペックルノイズ除去方法を選択するようにしてもよい。
次に、解析処理部331の不均一状態検出部333は、ステップS22で得られたノイズ除去後の断層画像を用いて、試料(成形体)1における光学的不均質状態を検出する(ステップS23)。具体的には、不均一状態検出部333は、ノイズ除去後の断層画像における光学的不均質部分を検出する。
光学的不均質部分を検出した場合、不均一状態検出部333は、光学的不均質部分の大きさおよび形状に基づいて、光学的不均質状態の種類を判定する。
そして、解析処理部331は、ループL1の終端処理を行う(ステップS24)。
具体的には、解析処理部331は、光学的不均質状態の全種類についてループL1の処理を行ったか否かを判定する。
未処理の光学的不均質状態の種類があると判定した場合、ステップS21に戻り、未処理の光学的不均質状態の種類について引き続きループL1の処理を行う。
一方、光学的不均質状態の全種類についてループL1の処理を行ったと判定した場合、解析処理部331は、ループL1を終了する。
ステップS24でループL1を終了した場合、解析処理部331は、図9のフローチャートに示す解析処理を終了する。
また、図10は、上記セラミックスの内部構造解析システム100Aにおいて、学習装置35により実行されるスペックルノイズ除去方法の機械学習処理の手順を示すフローチャートである。
この内部構造解析システム100Aにおいて、学習装置35の機械学習部372は、例えば、図10のフローチャートに示す処理の手順に従ってスペックルノイズ除去方法の機械学習処理を行う。
この学習装置35の学習用データ記憶部361は、成形体の状態毎、かつ、光学的不均質状態の種類毎に学習用データを記憶している。
機械学習部372は、成形体の状態毎、かつ、光学的不均質状態の種類毎に図10のフローチャートに示す学習処理を行って、成形体の状態毎、かつ、光学的不均質状態の種類毎にスペックルノイズ除去方法を決定する。
すなわち、機械学習部372は、成形体の状態毎に処理を行うループL2を開始する(ステップS31)。
さらに、機械学習部372は、光学的不均質状態の種類毎に処理を行うループL3を開始する(ステップS32)。
次に、機械学習部372は、学習用データを取得する(ステップS33)。具体的には、機械学習部372は、ループL2で処理対象となっている成形体内部の構造、および、ループL3で処理対象となっている光学的不均質状態の種類の学習用データを学習用データ記憶部381から読み出す。
次に、機械学習部372は、ステップS33で得られた学習用データを用いてスペックルノイズ除去方法を機械学習する(ステップS34)。この機械学習により、機械学習部372は、ループL2で処理対象となっている成形体内部の構造、かつ、ループL3で処理対象となっている光学的不均質状態の種類の場合のスペックルノイズ除去方法を決定する。
そして、機械学習部372は、ループL3の終端処理を行う(ステップS35)。具体的には、機械学習部372は、光学的不均質状態の全種類についてループL3の処理を行ったか否かを判定する。
未処理の光学的不均質状態の種類があると判定した場合、ステップS32に戻り、未処理の光学的不均質状態の種類について引き続きループL3の処理を行う。
一方、光学的不均質状態の全種類についてループL3の処理を行ったと判定した場合、機械学習部372は、ループL3を終了する。
ステップS35でループL3を終了した場合、機械学習部372は、ループL2の終端処理を行う(ステップS36)。機械学習部372は、成形体内部のすべての構造についてループL2の処理を行ったか否かを判定する。未処理の成形体内部の構造があると判定した場合、ステップS31に戻り、未処理の成形体内部の構造について引き続きループL2の処理を行う。
一方、成形体内部のすべての構造についてループL2の処理を行ったと判定した場合、機械学習部372は、ループL2を終了する。
ステップS36でループL2を終了した場合、機械学習部372は、図10のフローチャートに示す学習処理を終了する。
あるいは、機械学習部372が、成形体の状態毎、光学的不均質状態の種類毎、かつ、セラミックスを構成する物質の種類毎に機械学習を行うようにしてもよい。そのために、機械学習部372が、図10のフローチャートに示す学習処理で成形体の状態毎のループ、および、光学的不均質状態の種類毎のループに加えて、セラミックスを構成する物質の種類毎のループを含む3重ループの処理を行うようにしてもよい。
機械学習部372は、例えば、原画像、目標画像に加えて重み画像を含む学習用データを用いて、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm ; GA)と遺伝的プログラミング(Genetic Programming ; GP)とを併用した進化計算による機械学習を行ってスペックルノイズ除去処理の処理手順に決定する。
遺伝的プログラミングでは、演算を木構造で表した木を対象として遺伝的アルゴリズムの場合と同様の処理を行う。
スペックルノイズ除去処理部332は、機械学習部372が決定した処理手順に従って、示すスペックルノイズ除去処理を行う。
但し、上述したように、機械学習部372が用いる機械学習アルゴリズムは、特定のものに限定されない。
上記セラミックスの内部構造解析システム100において、スペックルノイズ除去処理部332は、図9のフローチャートに示す解析処理におけるステップS22で、成形体の状態毎、かつ、光学的不均質状態の種類毎に行うスペックルノイズ除去処理の1つとして、例えば、図11の(D)に示すOCT観察画像にコントラストの平均化(水平化)処理を施した図11の(C)に示すような画像から、抽出領域をトリミングして得られる図11の(B)に示す原画像を入力画像として複数回用いて、図12のフローチャートに示す手順にしたがってスペックルノイズ除去処理を行うことにより、 図11の (A)に示すような目的画像を得ることができる。
機械学習部372のスペックルノイズ除去処理部332は、例えば、図12のフローチャートに示す手順に従ってスペックルノイズ除去処理を行う。
機械学習部392が、成形体における気孔を検出する場合について、機械学習にて図12の処理手順に決定する。
スペックルノイズ除去処理部293は、機械学習部392が決定した処理手順に従って、図11の(B)に示す入力画像[000]に対して 、図12のスペックルノイズ除去処理を施すことにより、 図11の (A)に示すような目的画像を得る
図12のフローチャートに示すスペックルノイズ除去処理において、[Min]は、各画素ごとに、注目画素を中心とした3×3のウィンドウ内の画素の最小値を出力するMinimum処理である。
[Exp]は、3×3のウィンドウの収縮(Expansion)処理である。
[BDA]は、判別分析法を用いて計算したしきい値による2値化を行うBinarizationDiscriminantAnalysis処理である。
[Gau]は、3×3のウィンドウのGaussianフィルタで,画像を平滑化するGaussian処理である。
[LEx]は、LinearExpand(255×(f-15)/(255-15×))処理である。
[Ave]は、Average((f1+f2)/2)処理である。
[LBW]は、外接矩形に対して充填率の低いもの(0.9未満)を残すLowAreaPerBoxW処理である。
[BoS]は、BoundedSum(f1+f2)処理である。
[BoP]は、BoundedProd(f1+f2-255)処理である。
[Ope」は、Opening(最小値フィルタ→最大値フィルタ)処理である。
[Mea]は、各画素ごとに、注目画素を中心とした3×3のウィンドウ内の画素の平均値を出力する平均化(Mean)処理である。
[VIn]は、分散画像hmaxである。
[Gam]は、画像を明るくするGamma((γ=2.0)pow(f/255, 1/γ)×255)処理である。
[LCo]は、LinearContract((255-15×2)×f/255+15)処理である
[ReC]は、ReduceColor(f/16×16+8)処理である。
[000]は、入力画像、すなわち、スペックルノイズ除去前の画像である。
また、上記セラミックスの内部構造解析システム100において、スペックルノイズ除去処理部332は、図9のフローチャートに示す解析処理におけるステップS22で、成形体の状態毎、かつ、光学的不均質状態の種類毎に行うスペックルノイズ除去処理の1つとして、例えば、図13の(D)に示すOCT観察画像にコントラストの平均化(水平化)処理を施した図13の(C)に示すような画像から、抽出領域をトリミングして得られる図13の(B)に示す原画像を入力画像として複数回用いて、図14のフローチャートに示す手順にしたがってスペックルノイズ除去処理を行うことにより、 図13の (A)に示すような目的画像を得ることができる。
図14は、例えば成形体におけるき裂を検出する場合など、図11の場合とは異なる成形体内部の構造および光学的不均質状態の場合の処理手順の例を示している。
機械学習部372が、成形体におけるき裂を検出する場合について、機械学習にて図14の処理手順に決定する。
スペックルノイズ除去処理部332は、機械学習部372が決定した処理手順に従って、図14の処理を行う。
図14のフローチャートに示すスペックルノイズ除去処理において、[LAW]は、面積が狭い領域(平均面積未満)を255にするLargeArea処理である。
[BDA]は、判別分析法を用いて計算したしきい値による2値化を行うBinarizationDiscriminantAnalysis 処理である。
[Me9]は、各画素ごとに、注目画素を中心とした9×9のウィンドウ内の画素の平均値を出力するMean9処理である。
[AlP]は、AlgebraicProd(f1×f2/255)処理である。
[LEx]は、LinearExpand(255×(f-15)/(255-15×)処理である。
[LTr]は、ヒストグラムの引き延ばすLinearTransformation 処理である。
[LiP]は、しきい値(平均階調値)未満の画素値を0にするLightPixel処理である。
[Max]は、各画素ごとに、注目画素を中心とした3×3のウィンドウ内の画素の最大値を出力するMaximum処理である。
[LoS]は、LogicalSum(max(f1,f2))処理である。
[Ave]は、Average((f1+f2)/2)処理である。
[LT2]は、ヒストグラムの全画素数の0.1%未満の階調値を無視した引き延ばすLinearTransformation2処理である。
[Lap]は、3×3のウィンドウのLaplacianフィルタで,エッジを検出するLaplacian処理である。
[SqS]は、画像を少し暗くするSquareS((γ=0.5)pow(f/255, 1/γ)×255)である。
[Squ]は、画像を暗くするSquare((γ=0.9)pow(f/255, 1/γ)×255)処理である。
[000]は、入力画像、すなわち、スペックルノイズ除去前の画像である。
さらに、上記セラミックスの内部構造解析システム100において、スペックルノイズ除去処理部332は、図9のフローチャートに示す解析処理におけるステップS22で、成形体の状態毎、かつ、光学的不均質状態の種類毎に行うスペックルノイズ除去処理の1つとして、例えば、図15の(D)に示すOCT観察画像にコントラストの平均化(水平化)処理を施した図15の(C)に示すような画像から、抽出領域をトリミングして得られる図15の(B)に示す原画像を入力画像として複数回用いて、図16のフローチャートに示す手順にしたがってスペックルノイズ除去処理を行うことにより、 図15の (A)に示すような目的画像を得ることができる。
スペックルノイズ除去処理部332は、図9のフローチャートに示す学習処理のステップS22で、成形体の状態毎、かつ、光学的不均質状態の種類毎に行うスペックルノイズ除去処理の1つとして、図16の処理を行う。
図16は、スペックルノイズ除去処理部332がスペックルノイズ除去処理を行う処理の手順として、例えば成形体における不均質領域を検出する場合の処理手順の例を示している。
機械学習部372が、成形体における不均質領域を検出する場合について、機械学習にて図16の処理手順に決定する。
スペックルノイズ除去処理部332は、機械学習部372が決定した処理手順に従って、図16の処理を行う。
図16のフローチャートに示すスペックルノイズ除去処理において、[BDA]は、判別分析法を用いて計算したしきい値による2値化を行うBinarizationDiscriminantAnalysis処理である。
[Med]は、各画素ごとに、注目画素を中心とした9×9のウィンドウ内の画素の中央値を出力するMedian処理である。
[Gau]は、3×3のウィンドウのGaussianフィルタで,画像を平滑化するGaussian処理である。
[BoP]は:BoundedProd((f1+f2-255))処理である。
[BiM]は、平均階調値をしきい値とした2値化を行う BinarizationMean処理である。
[Me9]は、各画素ごとに、注目画素を中心とした9×9のウィンドウ内の画素の平均値を出力するMean9処理である。
[Clo]は、Closing(最大値フィルタ→最小値フィルタ)処理である。
[ReC]は、ReduceColor(f/16×16+8))処理である。
[LAW]は、面積が狭い領域(平均面積未満)を255にするLargeArea処理である。
[BDA]は、判別分析法を用いて計算したしきい値による2値化するBinarizationDiscriminantAnalysis処理である。
[DaP]は、しきい値(平均階調値)以上の画素値を255にするDarkPixel処理である。
[Mea]は、各画素ごとに、注目画素を中心とした3×3のウィンドウ内の画素の平均値を出力するMean処理である。
[Thi]は、Thinning Hilditchの細線化法である。
[Max]は、各画素ごとに、注目画素を中心とした3×3のウィンドウ内の画素の最大値を出力する Maximum処理である。
[VIn]は、分散画像hmaxである。
[Ope]は、Opening(最小値フィルタ→最大値フィルタ)処理である。
[LEx]は、LinearExpand(255×(f-15)/(255-15×))処理である。
[DrP]は、DrasticSun(f1=0→f2, f2=0→f1, f1, f2≠0→255)処理である。
[000]は、入力画像、すなわち、スペックルノイズ除去前の画像である。
このセラミックスの内部構造解析システム100Aでは、スペックルノイズ除去処理部332により、断層画像において成形体内部の構造を構成する微粒子に起因したスペックルノイズの除去処理を行い、不均一状態検出部333により、スペックルノイズの除去処理後の断層画像で輝度が他と異なるエリアの形状および大きさに基づいて、いずれの成形体内部の構造において光学的不均質状態が生じているかを判定するので、光学的不均質状態の検出を高精度に行うことができる。 しかも、機械学習部372により、スペックルノイズの除去処理における処理方法を成形体の状態毎の機械学習に基づいて決定するので、スペックルノイズ除去処理部332は、成形体内部の構造に応じてスペックルノイズの除去処理の方法を選択することができ、スペックルノイズの除去処理を高精度に行うことができる。
機械学習部372は、スペックルノイズの除去処理における処理方法を光学的不均質状態の種類毎の機械学習に基づいて決定するので、スペックルノイズ除去処理部332は、光学的不均質状態の種類毎にスペックルノイズの除去処理を行うことができる。これにより、不均一状態検出部333による不均一状態の検出精度の向上が期待される。
また、機械学習部372は、光干渉断層撮影に基づく方法以外の方法で光学的不均質状態の種類を特定して得られた学習用データに基づいて機械学習を行う。これにより、学習用データの光学的不均質状態の種類毎の分類を高精度に行えると期待される。
学習用データを光学的不均質状態の種類毎に高精度に分類できることで、機械学習部372によるスペックルノイズの除去処理の方法の学習精度の向上が期待される。
上述の如きセラミックスの内部構造解析システム100、100Aは、熱処理装置10の熱処理炉11により熱処理中の成形体1を光干渉断層画像生成装置20によりその場観察して得られる光干渉断層画像について、画像解析処理装置30にて光学的不均質状態が生じているかの解析処理を行うことにより、炉内の成形体1の焼結状態の良否を判別可能にすることができ、最適な焼結条件を決定することができるので、上記画像解析処理装置30による解析結果に基づいて、上記熱処理装置10の熱処理炉11におけるセラミックスの焼結の条件を変化させることで、熱処理炉11により最適な焼結条件で成形体1を焼結可能な例えば図17のブロック図に示すような構成のセラミックスの製造システム110を構築することができる。
図17は、本発明を適用したセラミックスの製造システム110の構成を示すブロック図である。
図17に示すセラミックスの製造システム110は、図1に示したセラミックスの内部構造解析システム100における上記画像解析処理装置30による解析結果に基づいて、上記熱処理装置10の熱処理炉11におけるセラミックスの熱処理の条件を変化させるようにしたもので、上記画像解析処理装置30の画像処理部31による解析結果がデータ統合部32を介して熱処理装置10の制御装置17の情報処理部16に与えられるようになっている。
このセラミックスの製造システム110の構成要素は、図1に示したセラミックスの内部構造解析システム100の構成要素と同じなので、同一構成要素について、図17に同一の符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
このセラミックスの製造システム110において、熱処理装置10は、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に対して高温電気炉からなる熱処理炉11により熱処理を行う。
セラミックスの原料物質である無機化合物は、赤外線領域の光を透過する物質であればよく、特定のものに限定されない。このような無機化合物の例として、酸化ケイ素(Si02)、窒化ケイ素(Si3N4)、水酸化アパタイト(Calc(PO4)6(OH)2)、酸化アルミニウム(Al203)、窒化ホウ素(BN)、酸化イットリウム(Y203)、酸化亜鉛(Zn0)、酸化チタン(Ti02)、炭酸力ルシウム(CaC03)やチタン酸バリウム(BaTi03)等が挙げられる。
熱処理装置10の熱処理炉11は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)を用いた制御装置17の計測・制御部15により、成形体1に対する熱処理の温度および時間が制御できるようになっている。
このセラミックスの製造システム110では、上記画像解析処理装置30の画像処理部31による解析結果がデータ統合部32を介して熱処理装置10の制御装置17の情報処理部16に与えられ、計測・制御部15により、熱処理炉11において熱処理中の成形体1に対する熱処理の温度および時間が上記解析結果に応じて制御される。
すなわち、このセラミックスの製造システム110は、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体に対して熱処理炉11により熱処理を施す熱処理装置10と、上記熱処理炉11内において熱処理中の成形体1に該熱処理炉11の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成装置20と、上記干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像を用いて、セラミックスの熱処理過程における成形体内部の構造に光学的不均質状態が生じているかの画像解析処理を行う画像解析処理装置30とからなり、上記熱処理装置10は、上記画像解析処理装置30による解析結果に基づいて、上記熱処理炉11におけるセラミックスの熱処理の条件を変化させる計測・制御部15を備える。
そして、このセラミックスの製造システム110では、熱処理装置10、光干渉断層画像生成装置20と画像解析処理装置30により、図18の工程図に示す手順にしたがってセラミックスの製造処理が実行される。
図18は、上記セラミックスの製造システム110において実施されるセラミックスの製造方法の手順を示す工程図である。
すなわち、熱処理工程S1では、熱処理装置10において、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に対して熱処理炉11により熱処理を施す。
光干渉断層画像生成工程S2では、上記熱処理工程S1において熱処理中の成形体1に光干渉断層画像生成装置20により上記熱処理炉11の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する。
解析処理工程S3では、画像解析処理装置30により、上記光干渉断層画像生成工程S2において生成された光干渉断層画像を用いて、セラミックスの熱処理過程における成形体内部の構造に光学的不均質状態が生じているかの解析処理を行う。
そして、制御工程S4では、上記解析処理工程S3における解析結果に基づいて、上記熱処理工程S1における上記熱処理炉11によるセラミックスの熱処理の条件を変化させる。
このように、セラミックスの製造システム110では、上記画像解析処理装置30による解析結果に基づいてセラミックスの製造を制御することで、例えば気孔およびき裂の発生頻度の低下など、セラミックス製造の精度の向上が期待される。
また、本発明は、例えば、図19のブロック図に示すような構成のセラミックスの内部構造解析システム200に適用される。
このセラミックスの内部構造解析システム200は、上述の図1に示したセラミックスの内部構造解析システム200において、上記熱処理炉11内において成形体1が載置される秤量皿51を備える秤量装置50を設けることにより、上記熱処理炉11によるセラミックスの熱処理過程における成形体内部の構造の観察とともに重量変化を測定可能にしたものである。
このセラミックスの内部構造解析システム200における他の構成要素は、図1に示したセラミックスの内部構造解析システム100の構成要素と同じなので、同一構成要素について、図19に同一の符号を付して示し、その詳細な説明を省略する
すなわち、このセラミックスの内部構造解析システム200は、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に対して熱処理を施す熱処理炉11を備える熱処理装置10、上記熱処理炉11内において熱処理中の成形体1に該熱処理炉11の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成装置20、上記干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像について画像解析処理を行う画像解析処理装置30と、上記熱処理炉11内において成形体1が載置される秤量皿51を備える秤量装置50を備える。
秤量装置50は、上記熱処理炉11内において成形体1が載置される秤量皿51とともに変位可能な可動柱52を有する電子天秤53と秤量制御装置56を備える。
秤量制御装置56は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)からなり、秤量・制御部54と秤量情報処理部55を備える。
このセラミックスの内部構造解析システム200では、スタンド40の基台41上に秤量装置50の電子天秤53と熱処理装置10の熱処理炉11が積み重ねた状態で載置されており、熱処理炉11内に下方から挿入された電子天秤53の可動柱52の上端部に設けれた秤量皿51上に成形体1が載置されるようになっている。
電子天秤53は、載置された成形体1の重量変化を、秤量皿51とともに垂直(Z)軸方向に移動可能な可動柱52を介して測定するようになっている。
このセラミックスの内部構造解析システム200において、秤量装置50は、秤量制御装置56の秤量・制御部54により動作が制御される電子天秤53による重量測測定結果を秤量制御装置56の秤量情報処理部55を介して出力する。
したがって、このセラミックスの内部構造解析システム200では、上記熱処理炉11内において成形体1が載置される秤量皿51を備える秤量装置50により、上記熱処理炉11によるセラミックスの熱処理過程における重量変化を測定することができる。
また、このセラミックスの内部構造解析システム200では、上記スタンド40の支柱42の上端側から側方に延びたアーム43の前端部に設けられたヘッド保持部44により、上記基台41上の熱処理炉11の上方位置において保持姿勢を可変調整機自在に保持された上記光干渉断層画像生成装置20のカメラヘッド部25から、上記成形体1に照射する赤外線領域の光の光軸を該成形体1の観察面1Aの法線方向に対して1~10°の角度範囲内で所定角度θ傾斜させた状態で、上記光干渉断層画像生成装置20によりノイズが少ない光干渉断層画像を生成することができるようになっている。
そして、このセラミックスの内部構造解析システム200では、熱処理装置10、光干渉断層画像生成装置20と画像解析処理装置30により、図20の工程図に示す手順にしたがってセラミックスの内部構造解析が実行される。
図20は、上記セラミックスの内部構造解析システム200において実施される内部構造解析方法の手順を示す工程図である。
すなわち、熱処理工程S1では、熱処理装置10において、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に対して熱処理炉11により熱処理を施す。
光干渉断層画像生成工程S2では、上記熱処理工程S1において熱処理中の成形体1に光干渉断層画像生成装置20により上記熱処理炉11の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する。
解析処理工程S3では、画像解析処理装置30により、上記光干渉断層画像生成工程S2において生成された光干渉断層画像を用いて、セラミックスの熱処理過程における成形体内部の構造に光学的不均質状態が生じているかの解析処理を行う。
さらに、重量変化測定工程S4では、上記熱処理炉11によるセラミックスの熱処理過程における重量変化を秤量装置50により測定する
すなわち、このセラミックスの内部構造解析システム200では、上記熱処理炉11内において焼成中の成形体1に対して、上記干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像について画像解析処理装置30により画像解析処理を行うとともに、上記熱処理炉11によるセラミックスの熱処理過程における重量変化を秤量装置50により測定することができる。
ここで、セラミックスの特性は内部構造に大きく依存するが、その構造は混合・成形・脱脂・焼成などの製造プロセスごとに変化する。特に、脱脂過程では、添加した有機物の溶融、蒸発、熱分解、酸化など大きな物質の変化が生じ、体積変化も生じることから成形体の割れや変形が起こる可能性もある。
このセラミックスの内部構造解析システム200では、熱処理炉11内の成形体1について、干渉断層画像生成装置20により光干渉断層画像を生成するとともに、秤量装置50により重量変化を測定することができるので、セラミックスの脱脂過程のその場観察、および内部構造変化を解明することもできる。
ここで、上記セラミックスの内部構造解析システム200において、セラミックスの脱脂過程についてその場観察して得られた成形体1の光干渉断層画像を図21の(A)~(E)に示す。
図21の(A)~(E)は、原料粉体であるAlN粉体(トクヤマ(株)、Hグレード)に0.5 wt%のY2O3粉体(信越化学工業(株)、RU-P)を添加し、エタノール中で湿式混合した。得られた混合粉体にバインダーとしてパラフィンを10wt%(純正化学(株)、m.p.46-48℃)と滑剤としてフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)を10wt%(富士フィルム和光純薬(株))を添加して造粒した後、一軸成形およびCIP成形により成形体1を作製し、上記熱処理炉11として赤外線集光加熱電気炉(IR-TP-1-2、(株)米倉製作所)を用いて最高温度600℃,空気中1.0mL/minの条件で成形体1の脱脂を行い、脱脂過程の様子を上記熱処理炉11の上方の石英ガラス窓14を通じてOCT(IVS-00-WE、santec(株),中心波長1300nm,軸分解能4.4μm(屈折率n=1),横方向分解能9μm,焦点深度0.3mm,スキャン速度20kHz)を画像解析処理装置30として用いてその場観察することにより得られた脱脂中の成形体1の光干渉断層画像である。
また、脱脂中の成形体1の重量変化を電子天秤(AP225WD、(株)島津製作所)53を用いて測定した。
図21において、(A)は30℃において得られた光干渉断層画像であり、このときの成形体1の重量変化は0.0%であった。
(B)は50℃において得られた光干渉断層画像であり、このときの成形体1の重量変化は0.0%であった。
(C)は158℃において得られた光干渉断層画像であり、このときの成形体1の重量変化は0.3%であった。
(D)は304℃において得られた光干渉断層画像であり、このときの成形体1の重量変化は5.8%であった。
(E)は600℃において得られた光干渉断層画像であり、このときの成形体1の重量変化は9.6%であった。
成形体1には白と黒の領域が存在するが、光干渉断層画像では屈折率の異なる領域が白く、光の反射が起こらない領域が黒く検出されている。
脱脂中の光干渉断層画像の変化を追うと、50℃付近で内部構造が均一に大きく変化する様子が観察された。これは、バインダーとして添加したパラフィンの融点付近の温度が50℃であることから、パラフィンが融解してAlN粒子の再配列が生じたためであると考えられる。
続いて158℃付近で白い塊が空気中を流動する様子が観察された。これはパラフィンが成形体表面から揮発し、それらが空気中でエアロゾルとなり、熱処理炉11内の空気に流されたためであると考えられる。また、昇温中に成形体が移動する様子や、明暗のコントラストが異なる領域が現れて内部構造が連続的に変化する様子が観察された。
このように、セラミックスの内部構造解析システム200では、干渉断層画像生成装置20を用いてセラミックス成形体1の脱脂過程の観察を行うことにより、脱脂の進行とともに内部構造が変化する様子が観察され、内部観察変化を解明することができる。
上述の如きセラミックスの内部構造解析システム200は、熱処理装置10の熱処理炉11内で脱脂中の成形体1を光干渉断層画像生成装置20によりその場観察して得られる光干渉断層画像について、画像解析処理装置30にて光学的不均質状態が生じているかの解析処理を行うとともに、上記熱処理炉11によるセラミックスの脱脂過程における重量変化を秤量装置50により測定することができるので、熱処理炉11内の成形体1の脱脂状態を良否を判別可能にすることができ、最適な脱脂条件を決定することができるので、上記画像解析処理装置30による解析結果に基づいて、上記熱処理装置10の熱処理炉11におけるセラミックスの脱脂の条件を変化させることで、熱処理炉11により最適な脱脂条件で成形体1を脱脂可能な例えば図22のブロック図に示すような構成のセラミックスの製造システム210を構築することができる。
図22は、本発明を適用したセラミックスの製造システム210の構成を示すブロック図である。
このセラミックスの製造システム210は、図19に示したセラミックスの内部構造解析システム200における上記画像解析処理装置30による解析結果と秤量装置50による観察結果に基づいて、上記熱処理装置10の熱処理炉11におけるセラミックスの脱脂条件や焼結条件を変化させるようにしたもので、上記画像解析処理装置30の画像処理部31による解析結果と秤量装置50による観察結果がデータ統合部32を介して熱処理装置10の制御装置17の情報処理部16に与えられるようになっている。
このセラミックスの製造システム210の構成要素は、図19に示したセラミックスの内部構造解析システム200の構成要素と同じなので、同一構成要素については、図22に同一の符号を付して示し、その詳細な説明を省略する。
このセラミックスの製造システム210において、熱処理装置10は、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に対して高温電気炉からなる熱処理炉炉11により脱脂処理や焼結処理などの熱処理を施す。
熱処理装置10の熱処理炉11は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)を用いた制御装置17の計測・制御部15により、成形体1に対する熱処理の温度および時間が制御できるようになっている。
このセラミックスの製造システム210では、上記画像解析処理装置30の画像処理部31による解析結果と秤量装置50による観察結果がデータ統合部32を介して熱処理装置10の制御装置17の情報処理部16に与えられ、計測・制御部15により、熱処理炉11において脱脂処理や焼結処理などの熱処理を実行中の成形体1に対する脱脂処理や焼結処理の温度および時間が上記画像処理部31による解析結果や秤量装置50による観察結果に応じて制御される。
すなわち、このセラミックスの製造システム210は、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に対して熱処理炉11により脱脂処理や焼結処理などの熱処理を施す熱処理装置10と、上記熱処理炉11内において脱脂処理や焼結処理焼などの熱処理を実行中の成形体1に該熱処理炉11の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する光干渉断層画像生成装置20と、上記干渉断層画像生成装置20により生成された光干渉断層画像を用いて、セラミックスの脱脂過程や焼結過程における成形体内部の構造に光学的不均質状態が生じているかの画像解析処理を行う画像解析処理装置30と、上記熱処理炉11によるセラミックスの脱脂過程や焼結過程における重量変化を測定するための秤量装置50とからなり、上記熱処理装置10は、上記画像解析処理装置30による解析結果と秤量装置50による観察結果に基づいて、上記熱処理炉11におけるセラミックスの脱脂条件や焼結条件などを変化させる計測・制御部15を備える。
そして、このセラミックスの製造システム210では、熱処理装置10、光干渉断層画像生成装置20、画像解析処理装置30と秤量装置50により、図23の工程図に示す手順にしたがってセラミックスの製造処理が実行される。
図23は、上記セラミックスの製造システム210において実施されるセラミックスの製造方法の手順を示す工程図である。
すなわち、熱処理工程S11では、熱処理装置10において、セラミックスの原料物質を成形してなる成形体1に対して熱処理炉11により脱脂処理や焼結処理などの熱処理を施す。
光干渉断層画像生成工程S12では、上記熱処理工程S11において脱脂処理や焼結処理などの熱処理を実行中の成形体1に光干渉断層画像生成装置20により上記熱処理炉11の外部から赤外線領域の光を照射して光干渉断層撮影を行い光干渉断層画像を生成する。
解析処理工程S13では、画像解析処理装置30により、上記光干渉断層画像生成工程S12において生成された光干渉断層画像を用いて、セラミックスの脱脂過程や焼結過程などの熱処理過程における成形体内部の構造に光学的不均質状態が生じているかの解析処理を行う。
重量変化測定工程S14では、セラミックスの脱脂過程や焼結過程などの熱処理過程における成形体1の重量変化を秤量装置50により測定する。
そして、制御工程S15では、上記解析処理工程S13における解析結果と重量変化測定工程S14における観察結果に基づいて、上記熱処理工程S11における上記熱処理炉11によるセラミックスの脱脂条件や焼結条件などを変化させる。
このように、セラミックスの製造システム210では、上記画像解析処理装置30による解析結果と秤量装置50による観察結果に基づいてセラミックスの製造を制御することで、例えば気孔およびき裂の発生頻度の低下など確実に防止して、セラミックス製造の精度の向上を図ることができる。