本発明の実施形態は、単なる例として、図面を参照して説明される。
以下の説明は、Qi仕様から知られているような電力伝送方法を利用する無線電力伝送システムに適用可能な本発明の実施形態に焦点を当てる。しかしながら、本発明は、この適用例に限定されず、多くの他の無線電力伝送システムに適用されてもよいことが理解されるであろう。
図1は、本発明のいくつかの実施形態による電力伝送システムの一例を示す。該電力伝送システムは、送信機コイル/インダクタ103を含む(またはそれに結合される)電力送信機101を備える。該システムは、受信機コイル/インダクタ107を含む(またはそれに結合される)電力受信機105をさらに備える。
当該システムは、電力送信機101から電力受信機105に電力を誘導的に伝送できる電磁電力伝送信号を供給する。具体的には、電力送信機101は電磁信号を生成し、該信号は送信機コイルまたはインダクタ103によって磁束として伝搬される。該電力伝送信号は、電力送信機から電力受信機へのエネルギ伝送を表す電磁電力伝送成分に対応し得るもので、生成される電磁場の電力送信機から電力受信機へ電力を伝送する成分に対応していると考えることができる。例えば、受信コイル107の負荷がない場合、(損失とは別に)生成された電磁場から電力受信機によって電力が取り出されることはない。このようなシナリオにおいて、送信機コイル103の駆動は潜在的に高い場強度の電磁場を発生させ得るが、電力伝送信号の電力レベルは(損失とは別に)ゼロであろう。異物が存在するいくつかの状況では、電力伝送信号が該異物への電力伝送に対応する成分を含むと考えることができ、したがって、該電力伝送信号は電力送信機によって生成される電磁場から抽出される電力に対応すると考えることができる。
電力伝送信号は典型的には約20kHz~約500kHzの間の周波数を有し、Qi互換システムに対しては典型的には95kHz~205kHzの範囲内である(または例えば、高出力キッチン用途に対しては、周波数は典型的には20kHz~80kHzの範囲内であり得る)。送信機コイル103及び受電コイル107は緩く結合されており、従って、受電コイル107は、電力送信機101からの電力伝送信号(の少なくとも一部)を取り込む。このようにして、電力は、送信機コイル103から受電コイル107への無線誘導結合を介して、電力送信機101から電力受信機105に伝送される。電力伝送信号という用語は主に、送信機コイル103と受電コイル107との間の誘導信号/磁界(磁束信号)を指すために使用されるが、同等に、送信機コイル103に提供されるか、または受電コイル107によって取り込まれる電気信号に対する呼称としても考えられ、使用され得ることが理解されるであろう。
当該例において、電力受信機105は、具体的には受信機コイル107を介して電力を受信する電力受信機である。しかしながら、他の実施形態では電力受信機105が金属加熱要素のような金属要素を含んでもよく、その場合、電力伝送信号は該要素の直接加熱をもたらす渦電流を直接誘導する。
該システムは、相当な電力レベルを伝送するように構成され、具体的には多くの実施形態において、該電力送信機は500mW、1W、5W、50W、100Wまたは500Wを超える電力レベルをサポートできる。例えば、Qi対応アプリケーションの場合、電力伝送は、典型的には、低電力アプリケーション(基本電力プロファイル)では1~5Wの電力範囲、Qi仕様バージョン1.2では15Wまで、電動工具、ラップトップ、ドローン、ロボットなどの高電力アプリケーションでは100Wまでの範囲、例えばキッチンアプリケーションなどの非常に高電力のアプリケーションでは100Wを超え1000Wを超えるまでとすることができる。
以下では、電力送信機101および電力受信機105の動作が、概ねQi仕様に従うか(本明細書で説明される(または結果として生じる)修正および拡張を除いて)、または無線電力コンソーシアムによって開発されている高電力キッチン仕様に適した実施形態を特に参照して説明される。特に、電力送信機101および電力受信機105は、Qi仕様バージョン1.0、1.1、または1.2の要素に従うか(本明細書で説明される(または結果的な)修正および拡張を除く)、または実質的に互換性があり得る。
以下、図1のシステムの動作を、特に異物検出に焦点を当てて説明する。
無線電力伝送システムにおいて、物体(典型的には電力伝送信号から電力を抽出し、電力送信機101または電力受信機105の一部ではない導電要素、すなわち、電力伝送に対して意図しない、望ましくない、および/または妨害的要素である)の存在は、電力伝送の間において非常に不利であり得る。このような望ましくない物体は、当該分野において異物として知られている。
異物は、動作に電力損失を付加することによって効率を低下させるだけでなく、電力伝送動作自体を劣化させることもある(例えば、電力伝送効率を妨害することによって、または、例えば、電力伝送ループによって直接制御されない電力を抽出することによって)。さらに、異物内で電流(特に異物の金属部分における渦電流)が誘導されると、該異物の非常に望ましくない加熱が生じ得る。
このようなシナリオに対処するために、Qiなどの無線電力伝送システムは、異物検出のための機能を含む。具体的には、電力送信機は異物が存在するかどうかを検出する機能を備える。もし存在すれば、電力送信機は、例えば電力伝送を終了させ、又は伝送可能な最大電力量を減少させせる。
発明者らは、従来の異物検出が準最適にしか動作せず、これが、電力送信機特性、電力受信機特性、適用される検査条件等の変動及び不確実性を含む異物検出が実行される特定の動作条件及びシナリオにおける変動及び不確実性に部分的に起因することを理解した。
異物検出検査に対する課題の一例は、十分に信頼性のある異物検出を達成するために、十分に正確な測定を行う必要があることである。例えば、異物検出のための測定がQi電力伝送初期化フェーズの選択フェーズで行われる場合、電力送信機がこの測定のために供給する信号は、電力受信機を覚醒させないほど十分に小さくなければならない。しかしながら、このことは、典型的には低下した検出精度をもたらす悪い信号/ノイズ比をもたらす。従って、検出性能は適用される特定の信号レベルに敏感であり、典型的には、矛盾する要求が存在するであろう。
小さな電磁信号に曝される電力受信機は、該電磁信号のレベル、一次コイルと二次コイルとの間の結合、および整流器の出力におけるキャパシタの充電状態に依存する漏れ電流を示し得る。したがって、この漏れ電流は、現在受けている実際の条件に応じて、及び個々の電力受信機の特定のパラメータ(例えば、コンデンサの特性など)に応じて変化する可能性がある。漏れ電流は一次コイルでの反射インピーダンスに影響するので、品質係数の測定は実際の条件にも依存し、これは典型的に最適な検出を妨げる。
例えば、異なる負荷または信号レベルでの報告された受信電力表示に基づいて異物を検出するさらに別の問題は、送信電力と受信電力との間の関係が異なる負荷および信号レベルに対して異なるため、所望されるものより信頼性が低くなり得ることである。
図1のシステムは、異物検出のために、ばらつき(変動)に対する不確実性および感度を低減することを追求し、それに従って、改善された異物検出を提供しようとするアプローチを使用する。このアプローチは、多くの実施形態において改善された異物検出を提供でき、具体的には、多くの実施形態において一層正確および/または信頼性の高い異物検出を提供できる。この方法はさらに、低い複雑さおよび低い資源要件を可能にし得る。この方法の利点は、特にQi無線電力伝送システムのような多くの既存のシステムに含めるのに適し得ることであり、実際、これは、ほとんど修正なしにしばしば達成できる。
以下で詳細に説明するように、当該方法は電力移送フェーズ中に時分割方法を利用し、この場合において、異物検出及び電力移送等の動作は、例えば異なる期間で実行でき、これにより、これらの間の干渉(具体的には、電力伝送が異物検出に及ぼす影響)を大幅に減少できる。
具体的には、無線電力伝送システムの場合、電力伝送信号は少なくとも1つの電力伝送期間と1つの異物検出期間とを含む繰り返し(反復)時間フレームに従う。
電力送信機は異物検出期間中に異物検出を行うように構成され、この動作を容易にするために、電力受信機は負荷を切り離すように構成され、これにより、電力伝送信号の負荷を、電力伝送信号に負荷が掛かるように負荷が接続される電力伝送期間中に比べて軽減する。
特に、多くの異物検出方法は、電力受信機が受け取る/取り出す電力が負荷を切断することによってゼロ(ゼロの近く)まで低減されれば、より正確になる。この状態では、電力送信機から電力が供給されると、該電力は主に電力送信機の近くにある異物により吸収される可能性が高くなる。異物中において取り出されるこのような電力は、電力受信機によって取り出される電力の電力レベルおよび不確実性が大幅に低減され、典型的には例えば該電力受信機の親和的な金属によって取り出される電力のみに低減されるので、はるかに高い精度で測定および検出できる。このことは、電力伝送信号に対する異物の相対的な影響を増大させるだけでなく、典型的には電力受信機によって取り出される電力のより正確な補償を可能にし得る(例えば、親和的な金属によって取り出された電力は較正プロセス中に推定され、その後、異物検出アルゴリズムにおいて補償され得る)。
異物検出期間中の負荷の切断は、電力伝送信号の電力レベルが異物検出期間中において電力伝送期間に対するより低減される結果となり、典型的には、電力受信機によって抽出される電力が電力伝送期間中の電力レベルよりも少なくとも5倍、10倍、または50倍低くなり得る。
このように、電力送信部は、電力受信機による電力伝送信号の負荷が大幅に軽減される異物検出期間中に異物検出を行う。更に、電力受信機は、電力伝送信号上の繰り返し時間フレームに同期し、これを用いて、負荷の切断を該切断が異物検出期間と合致するように同期させる。典型的には、負荷は、異物検出期間の決定された開始の直後に切断され、その終了の直前に再接続され、それによって小さな安全マージンを提供する。電力送信機と電力受信機の時間フレーム同期動作の結果として、改善された異物検出が、依然として高い転送電力レベルを可能にしながら実行される。
図2は電力送信機101の要素を図示し、図3は図1の電力受信機105の要素をより詳細に図示する。
電力送信機101は駆動信号を生成できるドライバ201を含み、該駆動信号は送信機コイル103に供給され、該コイルは、電磁場、したがって電磁電力伝送信号を生成し、該電力伝送信号が電力受信機105に対して電力伝送を行なう。該電力伝送信号は、(少なくとも)電力伝送フェーズの電力伝送期間中に供給される。
ドライバ201は、当業者により既知のように典型的にはフルブリッジ又はハーフブリッジを駆動することによって形成される、インバータの形態の出力回路を典型的には備えることができる。図4は、インバータがブリッジ構成で結合された4つのFETによって形成され、さらに送信機コイル103(LTx)がキャパシタ(CTx)に結合されて共振出力回路を形成する、電力送信機の典型的な出力段の例を示す。
電力送信機101は、所望の動作原理に従って電力送信機101の動作を制御するように構成される電力送信機コントローラ203をさらに備える。具体的には、電力送信機101はQi仕様書に従って電力制御を実行するために必要な機能の多くを含むことができる。
電力送信機コントローラ203は、特に、ドライバ201による駆動信号の生成を制御するように構成されており、駆動信号の電力レベル、従って、生成される電力伝送信号/電磁場のレベルを特に制御できる。電力送信機コントローラ203は、電力制御フェーズ中に電力受信機105から受信される電力制御メッセージに応答して電力伝送信号の電力レベルを制御する電力ループコントローラを備える。
電力受信機105からデータおよびメッセージを受信するために、電力送信機101は電力受信機105からデータおよびメッセージを受信するように構成された第1の通信機205を備える(当業者には理解されるように、データメッセージは、1ビットまたは複数ビットの情報を供給できる)。該例では、電力受信機105が送信機コイル103によって生成された電力伝送信号を負荷変調するように構成され、第1の通信機205は送信機コイル103の電圧および/または電流の変動を感知し、これらに基づいて負荷変調を復調するように構成される。当業者は、例えばQi無線電力伝送システムで使用されるような負荷変調の原理を知っており、したがって、これらについては、さらに詳細には説明しない。
多くの実施形態では、第1の通信機205は電力受信機105にデータを送信するようにさらに構成され、特に周波数、振幅、または位相変調を使用して電力伝送信号を変調するように構成できる。
いくつかの実施形態では、通信は、別個の通信コイルを使用してまたは実際に送信機コイル103を使用して達成され得る別個の通信チャネルを使用して行なうことができる。例えば、いくつかの実施形態では、近距離無線通信(Near Field Communication)が実施化されてもよく、または高周波キャリア(例えば、13.56MHzのキャリア周波数を有する)が電力伝送信号上にオーバーレイされてもよい。
図1-図3のシステムでは、通信は、電力伝送フェーズの間において異物検出期間内で実行される。具体的には、電力送信機101と電力受信機105との間の通信が行われる通信期間として、異物検出期間の一部または実際にはすべてを使用することもできる。具体的には、送信機コントローラ203は第1の通信機205を、通信動作(典型的にはデータの受信および送信の両方)が電力伝送フェーズの異物検出期間/通信期間、すなわち、通信のために割り当てられた異物検出期間において(典型的には、異物検出期間のみにおいて)実行されるように同期させることができる。
このことは、通信性能を大幅に改善できる。
電力送信機101は、異物検出検査を実施するように、すなわち、何らかの望ましくない導電性要素が発生された電磁場内に存在する可能性があるかどうかを特に検出するように構成された異物検出器207をさらに備える。
このシステムでは、異物検出検査は、異物検出期間中、すなわち異物検出に割り当てられた異物検出期間中に実行される測定に基づくものである。
より詳細に後述されるように、異物検出期間において、電力伝送信号の電力レベルは、電力受信機がその負荷を切り離し、電力伝送信号の全体的な負荷を低減することによって低減される。負荷の切断は、負荷を電力伝送信号から切り離すことに対応する(そして、この負荷を電力伝送信号から切断する及び切り離すという用語は同義であるとみなすことができる)。それに応じて、負荷は電力伝送信号から、及び受信コイル107から切り離され/切断される。
多くの実施形態では、電力受信機105が、親和的な金属(電力受信機自体の金属部分)及び電力受信機の制御機能によって使用されるあり得る少量の電力から生じる負荷にのみ対応するように、電力伝送信号の負荷を最小限に抑えるよう構成されてもよい。電力受信機は、しばしば、異物検出期間の間、電力伝送信号から目標負荷を完全に切断できる。これは、例えば、電力伝送信号の負荷をしばしば、電力伝送期間中の例えば5~50Wから、異物検出期間中の500mW未満に低減できる。
電力伝送信号の電力レベルは、生成された電磁場強度の減少をもたらすことなく(またはそれによって引き起こされることなく)低減され得ることに留意されたい。例えば、電力受信機が負荷を切断すると、電磁場および電力伝送信号から、したがって、送信機コイル103に対する駆動信号から抽出される電力量が減少することになる。しかしながら、このことは必ずしも発生される場強度の低下をもたらすものではなく、実際には、受信機コイル107内の電流によって引き起こされる対向する電磁場が低減されるので、大きな場強度をもたらし得る。
従って、多くの実施形態では、異物検出期間が、電力伝送期間中のものと比較して電力送信機から電力受信機への削減された電力伝送によって(又は、少なくとも、電力伝送期間中の最大可能/利用可能電力伝送と比較して、電力送信機から電力受信機への削減された最大可能/利用可能電力伝送によって)特徴付けられる。しかしながら、送信機コイル103によって生成される電磁場の強度は、同じままであり得るか、または増加さえし得る。
実際、異物検出が送信機コイル103によって生成された電磁場の負荷を測定することに基づいている多くの実施形態では、生成される電磁場が異物検出期間の間に意図した動作を行うのに適した場の強度を有するように、前記駆動信号を適応させることが望ましい場合がある。これは、おそらく電力伝送期間中よりも更に高い場強度であり得るが、電力受信機が負荷を切断するために、伝送される電力量は減少される。しかしながら、ほとんどの実施形態では、受信機が負荷を切断する場合に場強度が高すぎないことが望ましい(過電圧状態を軽減するために)。
負荷の低減は、多くの状況において、はるかに正確な異物検出を可能にする。負荷の低減は、異物中で消散される電力が全電力消散のうちのはるかに大きな割合となり、実際には異物中で消散される電力が電力受信機中で消散される電力を超え、これによって、この異物の電力消散の検出をはるかに容易にすることになる。
図2のアプローチでは、電磁検査信号が送信機コイルを駆動するドライバ201によって生成され、したがって、該電磁検査信号は異物検出期間における電力伝送信号に対応すると考えられ得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、電磁検査信号が送信機コイル103とは異なるコイル(例えば、専用の検査コイル)によって生成されてもよいことが理解されよう。なお、以下では、電力伝送信号という用語が、電力伝送期間中および異物検出期間中に電力送信機によって生成される電磁場信号を指すために使用される。
異物検出が行われている期間、すなわち、異物検出期間中に、異物検出器207は、異物が存在すると考えられるか否かを判定するための条件を評価できる。異物検出期間の間、電力送信機101は電磁検査信号を生成し、この信号の特徴および特性を評価することに基づいて異物検出を行う。
例えば、生成された電力伝送信号(該信号から抽出される電力)の電力レベルは、潜在的な異物によって抽出される電力の指標として使用されてもよい(典型的には、電力受信機105からの予想される電力抽出と比較することによって)。電力伝送信号の電力レベルは、電磁場内に存在する導電性要素(受信機コイル107を含む)によって、生成された電磁場から抽出される電力を反映する。従って、該電力レベルは、電力受信機105および存在する可能性のある任意の異物の組み合わせによって取り出される電力を示す。電力伝送信号の電力レベルと、電力受信機105によって抽出された電力との間の差は、それに応じて、存在する任意の異物によって抽出された電力を反映する。当該異物検出は、例えば、電磁信号の電力レベル(以下、送信電力レベルと呼ぶ)が、電力受信機105によって抽出された報告された電力(以下、受信電力レベルと呼ぶ)を超える場合に異物の検出が生じたと見なされる低複雑度検出であってもよい。
当該アプローチにおいて、異物検出はそれに応じて、送信電力レベルと報告された受信電力レベルとの間の電力レベル比較に基づいたものである。異物の検出に対する反応は、異なる実施形態では異なり得る。しかしながら、多くの実施形態では、電力送信機101が異物の検出に応答して(少なくとも一時的に)電力伝送を終了するように構成されてもよい。他の実施形態では、当該電力送信機は、電力伝送が進行することを可能にしながら、電力伝送期間の間、電力伝送信号に低減された電力制限を課すように構成されてもよい。
図3は、電力受信機105のいくつかの例示的な要素を示す。
受信機コイル107は、スイッチ305を介して受信機コイル107を負荷303に結合する電力受信機コントローラ301に結合される(すなわち、上記スイッチは切替え可能な負荷305である)。電力受信機コントローラ301は、受信機コイル107によって抽出された電力を、負荷に適した電源に変換する電力制御経路を含む。さらに、電力受信機コントローラ301は、電力伝送を実行するために必要とされる様々な電力受信機コントローラ機能、特に、Qi仕様に従って電力伝送を実行するために必要とされる機能を含む。
電力受信機105から電力送信機101への通信をサポートするために、電力受信機105は第2の通信機307を備える。
第2の通信機307は、電力送信機101に送信されるべきデータに応じて受信機コイル107の負荷を変化させることによって、電力送信機にデータを送信するように構成される。次いで、当業者には既知であるように、電力送信機101によって上記負荷変動が検出され、復調される。
該例では、第2の通信機307がさらに、電力送信機から送信されたデータを取り出すために、電力伝送信号の振幅、周波数、および/または位相変調を復調するように構成される。
電力受信機コントローラ301は、更に、電力伝送フェーズ中の通信が通信期間において、すなわち、電力伝送信号の電力レベルが低減される期間中に実行されるように、第2の通信機307を制御するように構成される。
このようにして、第1の通信機が電力受信機との通信を異物検出期間中に発生するように同期させるのと同様に、第2の通信機も、電力送信機との通信を異物検出期間中に発生するように同期させる。
図5は、電力受信機105の電力経路の一例の要素の回路図を示す。この例では、電力受信機105がLRXという名称で参照される受信機コイル107を含む。該例では、受信機コイル107は共振回路の一部であり、従って電力受信機105は共振コンデンサCRXも含む。受信機コイル107は、電磁信号/場にさらされ、それに応じて、該コイルにAC電圧/電流が誘導される。該共振回路は、ブリッジの出力に結合された平滑コンデンサC1を有する整流ブリッジに結合される。これにより、コンデンサC1に直流電圧が発生する。該直流(DC)電圧上のリップルの大きさは、該平滑コンデンサの大きさおよび負荷に依存する。
ブリッジB1および平滑コンデンサC1は、スイッチS1によって示されるスイッチ305を介して、参照符号RLによって示される負荷303に結合される。したがって、スイッチ305は、負荷を電力経路から接続または切断するために使用でき、したがって、負荷は切替え可能な負荷305となる。スイッチS1は通常のスイッチとして示されているが、該スイッチは、もちろん、典型的にはMOSFETを含む任意の好適な手段によって実施化されてもよいことが理解されるであろう。負荷303は単純な受動ポートとして示されているが、もちろん、該負荷は任意の適切な負荷であってもよいことも理解されよう。例えば、負荷303は、充電すべきバッテリであってもよく、携帯電話であってもよく、または他の通信若しくは計算装置であってもよく、単純な受動的負荷であってもよい。実際に、負荷303は外部のまたは専用の内部負荷である必要はなく、例えば、電力受信機105自体の要素を含んでもよい。したがって、図3および図5に示す負荷303は、スイッチ305/S1によって切断できる受信機コイル107/電磁信号の任意の負荷を表すものとみなすことができ、したがって、該負荷は切替え可能な負荷305とも呼ばれる。
図5はさらに、スイッチS2の切り替えに基づいて当該共振回路に並列に接続又は切断できる負荷変調コンデンサC2を示す。第2の通信機307は、電力送信機101に送信されるべきデータに応答して変調コンデンサC2の負荷を接続および切断し、これによって負荷変調を提供するように、スイッチS2を制御するように構成できる。
電力受信機105は、電力伝送フェーズ中の各時間フレームの異物検出期間(又は複数の期間)中に低減電力モードに入るように構成される。この例では、電力受信機105がスイッチ305を制御する負荷コントローラ309を備える(等価的に、スイッチ305は該負荷コントローラの一部とみなすことができる)。異物検出期間の間において、負荷コントローラ309は負荷303を電力受信機から切り離すことができ、すなわち、電力受信機コントローラ301の負荷、したがって、受信機コイル107の負荷を切り離すことができる。従って、このようにして、負荷コントローラ309は、異物検出期間の間において受信機コイル107の負荷を減らすことができる。さらに、電力受信機105の負荷が低減され、これによって、他の電力損失を検出し、または変調を検出することを一層容易になるだけでなく、時には一層重要なことに、電力受信機105が、電力伝送信号に対する負荷変動の影響が低減される一層明確に定まった又は特定の状態に入ることになる。
図5の例では、スイッチS1を使用して、異物検出期間中に負荷を切断できる。切替可能負荷303がより一定の電力供給を必要とする実施形態では、異物検出期間中に該切替可能負荷303に電力を供給するために、スイッチS1をコンデンサC1の前に配置でき、又は他のエネルギ貯留器をスイッチS1の後に設けることができることが理解される。
受信機コイル107の負荷は、異物検出期間の間において完全にはオフされ得ないことが理解される。例えば、電力受信機105は、例えば、幾つかの内部回路を動作させるための電力を依然として取り出し得る。したがって、負荷コントローラ309は、1つまたは複数の他の負荷によって受信コイル107に負荷が掛けられることを可能にしながら、負荷を受信コイル107に負荷をかけることから切り離すように構成され得る。実際、受信機コイル107の負荷は、異物検出期間中に負荷コントローラ309によって切断される負荷と、負荷コントローラ309によって切断されない負荷とを含むと考えることができる。このように、負荷303は、異物検出期間中に受信機コイル107によって切断される負荷を表すと考えることができる。この負荷は当該電力伝送が確立される外部負荷または内部負荷の両方を含むことができるのみならず、例えば、異物検出期間中に一時的にオフされる内部制御機能を含むこともできる。
電力受信機コントローラ301は、電力送信機101と共に電力制御ループを確立するように構成される。具体的には、電力受信機コントローラ301は電力制御メッセージを電力送信機101に送信でき、これに応答して、電力送信機101は電力伝送期間において電力伝送信号の電力レベルを変更できる。典型的には、電力受信機コントローラ301は、電力送信機101が電力レベルを増加又は減少させる要求を示す電力制御エラーメッセージを生成できる。電力受信機コントローラ301は、測定値を基準値と比較することによって、適切なエラーメッセージを決定できる。電力伝送中に、電力受信機コントローラ301は、供給された電力レベルを必要な電力レベルと比較し、この比較に基づいて電力レベルの増加または減少を要求できる。
前述したように、当該システムは、電力伝送フェーズ中に繰り返し時間フレームを適用し、該時間フレームは少なくとも1つの電力伝送期間および1つの異物検出期間を含む。このような繰り返し時間フレームの一例を図6に示し、ここで、電力伝送期間をPTで示し、異物検出期間をDで示す。該例では、各時間フレームFRMが1つの異物検出期間及び1つの電力伝送期間のみを有している。しかしながら、他の実施形態では、他の期間が時間フレームに含まれてもよく、または複数の異物検出期間および/または電力伝送期間が各時間フレームに含まれてもよいことが理解されるであろう。具体的には、反復時間フレームが1つまたは複数の異物検出期間および1つまたは複数の通信期間などの、異なるタイプの異物検出期間を含むことができる。
当該方法では、異物検出(例えば、通信等の動作)を異物検出期間で行うことで、異物検出(例えば、通信)と電力伝送とを時間領域で分離させることで、異物検出/通信への電力伝送からの相互干渉を低減させることができる。これにより、電力伝送の動作条件の変動に起因する変動および不確定性を、異物検出(通信)から隔離でき、より信頼性が高く、正確な異物検出(通信)を行うことができる。
電力伝送フェーズにおいて、電力送信機は、電力伝送フェーズの時間フレームの電力伝送期間の間において電力伝送を行うように構成される。具体的には、これらの期間において、電力送信機及び電力受信機は電力制御ループを動作させることができる(該電力制御ループは、繰り返し期間に対応する通信期間内の通信に基づくことができる)。したがって、伝送される電力のレベルを動的に変更できる。
電力伝送フェーズの時間フレームの異物検出期間において、電力受信機は負荷を切断/切り離し、その結果、電力伝送信号によって電力受信機に伝送される電力レベルが低下する。
前述したように、電力レベルの低下は、必ずしも生成された電磁場の場強度の低下に対応するものではない。例えば、電力受信機による場の負荷が低減されることによって(例えば、負荷303を切断することによって)電力伝送レベルが著しく低減される場合、結果として生じる電磁場強度/生成される電磁信号の信号レベルは増大する可能性がある。実際に、異物中の十分な電力散逸を測定するために、このように異物検出を容易にし、改善するために、磁場強度を相対的に高く保つことが典型的に望ましい場合がある。同時に、負荷303が切断されたときに許容できない過電圧状態を引き起こさないように、場強度が十分に低いことが典型的に望ましい。
それに応じて、電力受信機105は、異物検出期間の間に、電力伝送信号の電力受信機による負荷を低減できる。具体的には、異物検出期間中の電力受信機による電力伝送信号(電磁検査信号として機能する)の負荷が、電力伝送期間中の電力受信機による電力伝送信号の負荷(該負荷は、例えば、電力伝送期間中および異物検出期間中の送信機コイル103および検査コイル209それぞれの実効抵抗インピーダンスとみなすことができる)よりも小さくなる。
電力受信機により取り出される電力のレベルを下げることで、如何なる異物の有無も検出し易くなる。これは、取り出される電力の総量が減少されることによって、異物によって取り出される電力に関するより低い電力レベルを検出することがより容易になることに起因し得る。さらに、負荷を切断することによって、電力受信機は典型的に所定の(または少なくとも予測が容易な)状態に入ることができ、それによって、異物検出検査を実行するときに電力受信機の補償を容易にする。
このように、切替可能負荷303の切断は、電力伝送信号の負荷を低減するだけでなく、この負荷をより予測可能にし、かつ変動を低減するようにし得る。典型的に、電力受信機による電力送信機の負荷は、アプリケーションごとにだけでなく、同じアプリケーションおよび電力伝送セッションに対しても時間の関数として実質的に変化し得る。当該電力制御ループは、このような変動に適応するために電力伝送フェーズ中に動作される。しかしながら、負荷が切断され得る異物検出期間を導入することにより、電力受信機を、電磁場の負荷がより予測可能な基準モードに入れることが可能となる。従って、例えば、異物検出検査は、電力受信機がこの基準又は検査モードにあるという仮定に基づいて行うことができ、例えば、電磁検査信号の所定の負荷を仮定できる。したがって、当該方法は、電力受信機105による負荷が低減されることを可能にするだけでなく(これによって、任意の異物の相対的な影響がより高くなることによって精度が改善される)、これがより予測可能となり、それによって、異物検出検査中の電力受信機の存在の補償を容易にする。
したがって、図1-図5のシステムは、異物検出検査がはるかに制御された条件下で実行され、それによって、より正確で信頼性のある異物検出検査が実行されることを可能にする、はるかに改善された異物検出検査方法を提供する。
このようなシステムにおける重大な問題は、電力受信機と電力送信機とが密接に同期されることが重要であり、特に、電力受信機が適切な時期に負荷を接続し、特に切断することが重要であるということである。例えば、典型的な電力伝送動作の間において、電力伝送信号の電力レベルは、電力伝送期間の間、非常に高くなり得る。電力送信機がこのような強力な磁場および電力伝送信号を発生する時間中に電力受信機の負荷が切断されると、負荷が切断されたときに電力受信機に過電圧が誘起されることがある。負荷が切断されると、送信機コイル(103)と電力受信機の受信機コイル(107)を介して結合される電力送信機の共振回路は、負荷によって減衰されなくなる。確かに、電力受信機における誘起電圧が、それが負荷を切断するときに電力受信機の構成要素に損傷を与える可能性のあるレベルまで増加する可能性がある。
しかしながら、前記繰り返し時間フレームは、電力送信機が異物検出期間中に信号レベルを、誘起電圧が電力受信機の構成要素を害しないレベルまで低減することを可能にする。電磁場強度/信号レベルを適切に低減した後に電力受信機が負荷を切断すれば、切断時の過電圧状態を回避できる。例えば、電力受信機は、例えば、電力信号の減少を検出するために受信機コイルにおける誘起電圧を測定して、これを異物検出期間の開始のためのトリガとして使用し、このトリガにおいて自身の負荷の切断に進むことができる。しかしながら、これは、上記減少が異物検出期間の開始の指標として以外の条件によって引き起こされた可能性があるので、あまり信頼性のある方法ではないことが多い。例えば、電力送信機は、電力受信機から以前に受信された制御エラーにより電力信号を減少させ得る。また、負荷の変化も、受信コイルにおける誘導電圧の減少につながる可能性がある。従って、電力受信機は、負荷を切断する際に過電圧及びその構成要素への損傷を防止するために、電力伝送期間において電力信号が高い状況において異物検出期間の開始を決定するための信頼できる方法を必要とする。
異物検出期間の終了時に、負荷は、電力伝送信号に負荷を掛けるように受信コイル107に再接続される。ここでも、増加した電磁場が過電圧状態をもたらすような過度に高い電圧を誘起しないことを保証するために、電力伝送期間の前に負荷を接続することが望ましい。ここでも、電力受信機はその負荷を間に合うように、すなわち電力送信機が信号レベルを増加させる前に、再接続するための信頼できる方法を必要とする。
したがって、典型的には、負荷の切断および再接続は、異物検出期間内に行われることが有利である。しかしながら、異物検出に利用可能な時間は、正確な測定(十分な平均化を伴う)を可能にするのに十分な大きさであることが望ましい。さらに、これらの相反する優先度は、効率を向上させると共に有効な電力伝送の中断を最小限に抑えるために、異物検出期間をできるだけ短くするという全体的な要望によって制約される。したがって、可能な限り負荷を異物検出期間の開始直後で切断し、可能な限り該負荷を異物検出期間の終わり近くで接続することが望ましい。負荷の安全な切断および最適な性能を達成するためには、電力受信機、特に負荷コントローラ309の動作を前記繰り返し時間フレームに確実かつ密接に同期させることが重要である。
電力受信機の動作のタイミングはローカルな時間基準/時間ベース(タイムベース)に基づいており、負荷コントローラ309は、該ローカル時間基準/ベースに基づいて負荷303の接続および切断の時間を合わせるように構成される。さらに、電力受信機105は、該ローカル時間基準を前記反復時間フレームに同期させるように構成された同期器311を備える。このように、電力受信機105は、負荷303の接続および切断を電力伝送信号の反復時間フレームに同期させるための機能を備える。
例えば、当業者により既知のように、ローカル時間基準は、タイマ/クロックなどを使用して実施化できる。いくつかの実施形態では、このタイマ/クロックはフリーランニング(自走)タイムベースとでき、同期装置311は、前記反復タイムフレームの異なるタイムスロット/期間に対応する該自走タイムベースの時間を決定できる。例えば、同期装置311は、該タイムベースのどの時間値が異物検出期間の開始及び終了に対応するかを決定でき、負荷303の接続及び切断は、これらの時間に(典型的には小さなオフセットで)生じるようにタイミングを合わせることができる。
他の実施形態では、同期装置311は当該時間基準のパラメータまたは設定を、これが反復時間フレームと合致するように変更するよう構成できる。例えば、カウントダウン(秒読み)タイマは、同期装置311が異物検出期間を開始すべきと考える時(またはその直後)に開始でき、同期装置311によって決定された異物検出期間の持続時間に対応すると決定された(またはわずかに短い)持続時間を有し得る。この場合、負荷コントローラ309は、上記カウントダウンタイマが開始されたときに負荷303を切り離し、該カウントダウンタイマがカウントダウンを終了したときに該負荷を再接続するように構成されてもよい。
多くの実施形態では、同期装置311はタイミングループを実施化するように構成でき、前記繰り返し時間フレームと該タイミングループとの間の差を反映するようなエラー信号が生成される。この場合、タイミングループはこのエラー信号によって駆動され、その結果、タイミングエラー/差の最小化に向かうバイアスが生じ、その結果、該タイミングループは前記反復時間フレームと同期される。例えば、タイミングフェーズロックループを、反復時間フレームに、特に異物検出期間に同期されるローカルタイムクロックを生成するように構成できる。
ローカル時間基準を反復時間フレームに同期させるための該特定の方法は、個々の実施形態の固有の選好および要件に依存し得ることが理解されるであろう。
例えば、いくつかの実施形態では、送信機コイル103を駆動するインバータへの入力が、反復時間フレームと同期され得る動的変動を有する駆動信号を生成できる(例えば、該インバータは周期的に変動する電源電圧(例えば、AC電源電圧の整流によって生成される)で給電されてもよい)。これは、同期器311が検出し、同期できる電力伝送信号の周期的かつ同期された変動をもたらし得る。
しかしながら、多くの電力送信機では上記駆動信号/電力伝送信号におけるこのような周期的変動は実用的ではなく、又は望ましくなく、例えば、典型的には平滑化され、調整されたDC電圧が上記インバータへの供給電圧として使用される。このような実施形態では、電力送信機が電力伝送期間と異物検出期間との間で電力伝送信号/発生電磁場/信号の性質を変化させるように構成されてもよく、同期器311は、これらの変化に基づいてローカル時刻基準を同期させるように構成されてもよい。
これにより、同期装置311は、具体的には負荷303の接続および切断のタイミングを、繰り返し時間フレームおよび異物検出期間に密接に同期させることができる。特に、該同期装置は、異物検出期間の開始直後に切断を行うことができ、異物検出期間の終了直前に再接続を行うことができ、それによって、異物検出期間の継続時間を短縮でき、負荷の接続および切断時の信頼性のある動作を保証するオーバーヘッドおよびマージンを最小限に抑えることができる。
しかしながら、図3の電力受信機では、同期装置311は、同期を実行するだけでなく、同期信頼性尺度の生成にも進む。該信頼性尺度は、同期の推定信頼性/精度の指標として生成される。特に、該尺度は、時間基準が反復時間フレームにどれだけ密接に同期されているか、および/または同期が所与の同期ウィンドウ内にある確率を反映すると考えることができる。該信頼性尺度は、同期された時間基準と反復時間フレームとの間の差の推定値を提供するために生成され得る。該推定値は確率論的推定値であってもよい。
信頼性尺度を決定するための多くの異なるアプローチが記載されるが、特定の方法は個々の実施形態の好みおよび要件に依存し、多くの概して正確な方法が、当業者によって使用され得ることが理解される。
電力受信機105は、同期のために決定された信頼性尺度が供給されるモードコントローラ313をさらに備える。モードコントローラ313は、電力受信機105を異なる動作モード間で切り替えるように構成され、具体的には信頼性尺度に応じて、電力受信機を電力伝送期間に対して第1の動作モードと第2の動作モードとの間で切り替えるように構成される。従って、電力受信機105は、電力伝送期間において、電力受信機105の同期の信頼性に応じて、特に、繰り返し時間フレームに対する負荷の切断の同期に応じて異なるように動作するよう構成される。
多くの実施形態では、電力伝送期間の間の電力伝送信号のレベルは、第1のモードにあるときは第2の動作モードにあるときと比較して低下される。
したがって、同期性能は電力受信機の動作のために考慮され、実際に、該動作は、電力伝送期間において、たとえこれらの動作が異物検出期間中に発生したとしても、負荷の切断(および典型的には再接続)の同期の信頼性に依存して適合される。
第1及び第2の動作モードは、電力伝送動作のために異なる電力伝送パラメータを具体的に採用できる。例えば、要求される電力レベル、及び/又は電力伝送信号から取り出される負荷及び電力は、第1及び第2の動作モードで異なる場合がある。第1および第2の動作モードは、第1および第2の動作モードにおいて電力伝送信号の信号レベルに対して異なる限界を適用すること;第1および第2の動作モードにおいて電力伝送信号の異なる負荷を採用すること;並びに第1および第2の動作モードにおいて電力伝送信号の電力レベルの変化率に対して異なる限界を適用すること;のうちの少なくとも1つによって、異なる電力伝送パラメータを採用してもよい。これらの実施例は、後により詳細に記載される。
モードコントローラ313は、前記信頼性尺度が所与の閾値を超えて増加するという検出に応じて、電力受信機105を第1の(動作の)モードから第2の(動作の)モードに切り替えるように具体的に構成されてもよい。同様に、モードコントローラ313は、当該信頼性尺度が所与の閾値(当該2つの閾値は同じであってもよいが、必ずしもそうである必要はない)を下回ることの検出に応答して、電力受信機105を第2の(動作の)モードから第1の(動作の)モードに切り替えるように構成されてもよい。したがって、電力受信機105は、同期が信頼できるかどうかに応じて、電力伝送期間中に異なるモードで動作できる。
これは、多くの実施形態において、より信頼性があり、より安全な動作を提供できる。
例えば、いくつかの実施形態において、電力受信機105、具体的には負荷コントローラ309は、第1のモードにあるときには電力伝送期間中に負荷303を切断するが、第2のモードにあるときには切断しないように構成される。実際に、この例では、いくつかの実施形態では負荷303が第1のモードにあるとき、反復時間フレーム全体の間に切断されてもよく、一方、第2のモードで動作するとき、異物検出期間中の負荷303の周期的切断が採用される。したがって、信頼性尺度が同期が信頼できないことを示す場合、負荷303は電力伝送期間および異物検出期間の両方の間に、典型的には繰り返し時間フレームの全持続時間にわたって切断されてもよく、一方、信頼性尺度が同期が信頼できることを示す場合、負荷303は異物検出期間の間に一時的にのみ切断される。
加えて、電力受信機において許容できないほど高い誘導電圧を防止するために、電力受信機は、電力送信機によって供給される信号レベルが十分に低いことを保証できる。電力受信機は、制御エラーを送信することによって、電力送信機によって供給される電力信号のレベルを制御できる。具体的には、同期が信頼できないと考えられる場合、電力受信機は電力送信機を制御して電力レベル/信号強度を低減できる。
このアプローチにおいて、第1のモードは、誘導される信号が潜在的に大きな値を有し得る時間の間には負荷の切断切り替えが存在しないことを保証する。従って、同期におけるエラー又は不正確さは、電力伝送期間中の切断によって発生する過電圧状態をもたらさない。しかしながら、切断が異物検出期間内に発生することを保証するように同期が十分に正確であるとき、当該システムは、電力伝送が実行される(電力送信機によって提供される信号レベルが、電力受信機によって高レベルに制御され得る)と共に、異物検出期間の間に負荷が接続される動作モードに移行する。この異なる動作モードの間でのシフトは、異物検出期間および負荷切断のための設計パラメータおよび基準が第2の動作モードにおいてはるかに信頼性の高いものとなることを可能にする一方、はるかに厳しくマージンがより少ないものにすることも可能にする。これにより、電力受信機の電気部品の損傷を引き起こす可能性のある過電圧状態を防止し、異物検出期間の開始から負荷切断までの余裕が少なくて済むので、異物検出期間を短縮するのに要する時間を短縮できる。
このようなアプローチは、いくつかの実施形態では、電力伝送フェーズ全体に適用されてもよく、例えば、電力受信機は、同期の状態を連続的に監視し、信頼性尺度が同期が十分に信頼できないことを示すようになった場合には第1モードに切り替わり、次いで、信頼性尺度が再び同期が信頼できることを示す場合には通常動作に切り替わることができる。
この構成は、厳しくないバッテリ充電のようないくつかの用途には適しているかもしれないが、保証された連続的電力伝送性能が要求される他の用途には不適当であるかもしれない。そのようなシナリオでは、電力受信機は、例えば同期が信頼できなくなった場合に電力伝送動作を完全に終了するように構成され得る。さらに、そのような実施形態では、そのような状況が非常にまれにしか起こらないことを保証するように前記パラメータを決定できる。
多くの実施形態において、当該システムは、電力伝送フェーズに入るときに最初に同期フェーズを採用するように構成されてもよい。従って、電力伝送位相は、電力伝送信号の低減された電力期間への電力受信機の同期が行われる同期期間で開始できる。このような実施形態において、電力受信機は、第1動作モードにおいて電力伝送フェーズおよび同期フェーズ/期間に入り、信頼性尺度が同期が十分に信頼できることを示す場合にのみ第2モードに切り替わることができる。このような方法は、典型的には連続的な電力伝送を必要とするより重要な用途にも有利である。
したがって、多くの実施形態では、モードコントローラ313が、電力移送フェーズに入ったときに第1動作モードで動作するように電力受信機105を制御する。更に、電力伝送フェーズに入る場合に同期装置311は前記反復時間フレームに対するローカル時間基準の同期を行う。したがって、当該システムは、電力受信機105が反復時間フレームに同期していない(十分に同期されていると保証されない)状態およびモードで、電力伝送フェーズを開始し得る。しかしながら、このことは、電力受信機105が電力送信機101/繰り返し時間フレームに同期されていない状況に対して適切な性能を提供するように設計され得る第1のモードで該電力受信機105が動作することによって補償される。具体例において、このことは、負荷303を繰り返し時間フレーム全体にわたって永久的に切断された状態に維持し、これにより負荷303の切断によって生じる過電圧状態が生じ得ないことを保証することによって達成される。
加えて、電力受信機の制御下で電力送信機によって供給される信号レベルは、通常、負荷が永久的に切断されている間に過電圧が発生しないことを保証するために、第1モードにおいて低減される。
典型的には、この動作は、生成される信号レベルおよび負荷低減が以下のように関連して起こる:
1. 高信号レベルおよび切断された負荷は、過電圧および電力受信機の潜在的損傷につながり得る;
2. 低信号レベルおよび接続された負荷は、不足電圧につながり得、電力受信機の動作を停止させ得る。
従って、電力受信機は、負荷の接続/切断及び信号レベル設定の両方の動作を、該電力受信機がどのモードにおいて動作しているかに基づいて修正できる。
特定の例では、安全な初期フェーズに入り、このフェーズでは、同期を実行でき(またはより正確な同期を達成でき)、該フェーズの間において、電力受信機は同期エラーが潜在的に有害な状態を生じさせない「安全」モードで動作するように構成される。該特定の例における電力受信機は、同期フェーズ全体にわたって負荷303を切断し、さらに、十分に低い信号レベルの電磁場を生成するように電力送信機を制御する。
モードコントローラ313は、同期が十分に正確であることを信頼度尺度が示すまで、電力受信機105をこの第1(安全)モードに維持し、その時点においてモードコントローラ313は、「通常」の電力伝送が進行する第2動作モード、具体的には電力伝送期間の間に負荷303が接続される第2動作モードに切り替える。したがって、信頼度尺度が十分に正確で信頼性の高い同期が達成されたことを示すまで、電力受信機105は「安全」な同期モードのままである。
上記の例では負荷303は同期フェーズの間に完全に切断されるが、他の実施形態では必ずしもそうではないことが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、負荷303の一部のみが同期フェーズ中に切断されてもよい。すなわち、電力受信機105は通常の電力伝送中よりも同期フェーズ中において、より軽い負荷を受信コイル107に結合するように構成されてもよい。例えば、負荷は、過電圧状態が許容可能となるレベルまで低減されてもよい。
異なる実施形態では、ローカル時間基準を反復時間フレームに同期させるために、異なる方法およびアルゴリズムを使用できる。多くの実施形態では、電力送信機101は、生成される電磁場のレベルを変化させ、該変化が繰り返し時間フレームに同期されるように構成されてもよい。この場合、同期装置311は上記レベル変化を監視し、時間基準をこれに同期させることができる。
一例として、電力送信機101は、各繰り返し時間フレームの開始時に、短く、所定のパターンまたは記号(署名)のレベル変化を挿入するように構成されてもよく、同期装置311は、このパターン/署名を検出し、検出された該パターン/署名のタイミングから繰り返し時間フレームの開始時を決定するように構成されてもよい。
多くの実施形態では、電力送信機101は電力伝送期間および異物検出期間において信号レベルが異なるように電磁信号を生成するように構成されてもよく、そして、同期装置311はローカル時間基準を結果として生じる信号レベル変化に同期させるように配置されてもよい。具体的には、同期器311は、電力伝送信号(具体的には電力受信機コイルに誘起される信号)のレベル遷移のタイミングを検出し、ローカルに生成される繰り返し時間フレームタイミングがこれらの遷移に対応するように、ローカル時間基準を調整または補償できる。例えば、幾つかの実施例では、検出される信号レベル遷移と、ローカル時間基準に従った異物検出期間および電力伝送期間の間の予想される遷移との間の時間差を、ローカル時間基準を制御するフェーズドロックタイミングループのためのエラー信号として使用できる。
いくつかの実施形態では、電力送信機がそのような遷移を自律的に導入または保証するように構成されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、電力受信機がそのような信号レベル変化を保証するために、電力送信機と通信するように構成されてもよい。
例えば、電力受信機コントローラ301は、同期フェーズ中、従って、電力受信機が第1モードで動作している間に、電力送信機へ電力伝送信号に対する信号レベル要求を送信するように構成できる。これらの信号レベル要求は、電力伝送期間中の電力伝送信号の信号レベルが異物検出期間中の電力伝送信号の信号レベルと異なるように選択できる。これは、許容できない過電圧条件を生成しないほど十分に低い信号レベルを生成するように電力送信機をさらに制御できる。
具体的には、電力送信機101は、異物検出期間の間に、例えば所定のレベルまたは電力受信機と通信して事前に決定されたレベル(後述するように)などの所与の信号レベルを供給するように構成されてもよい。したがって、電力送信機は、フレームの異物検出期間の間に、駆動信号、ひいては生成される電磁場に対する信号レベルを、この静的な値に設定するように構成されてもよい。しかしながら、当該システムは、電力制御ループを、電力伝送期間のレベルを動的に調整するように動作させることもできる。この電力制御ループは、電力伝送フェーズ全体にわたってアクティブであってもよく、必要な電力レベルを供給するために電力伝送信号を適応させるために使用されてもよい。しかしながら、同期フェーズ中に、該電力制御ループを電力受信機によって使用して、電力伝送期間の信号レベルを、異物検出期間中のものとは異なるように適応させることもできる。
例えば、電力受信機は同期装置311が信号レベル遷移を正確に検出するまで(及び、例えば、これらの遷移が所与の大きさを有するまで)、電力増強要求を送信できる。この場合、電力受信機は、電力伝送期間中のレベルをこの好ましいレベルに維持するために、電力増強要求および電力低減要求を送信し続けることができる。
同期フェーズの間において、電力制御ループは、電力受信機によって同期に適した条件を生成するために然るべく使用されてもよい。このようなアプローチの特別な利点は、実際の電力伝送動作のために既に使用されている機能を使用できることである。例えば、電力送信機は異物検出期間中に電力伝送信号に対して所定の信号レベルを設定し、電力伝送期間中にレベルを設定するために電力制御ループを動作させるだけで、電力伝送フェーズに入ることができる。この方法は、電力受信機が同期フェーズにあるか否かにかかわらず、したがって、電力受信機が第1のモードで動作しているか第2のモードで動作しているかにかかわらず、電力伝送フェーズ全体にわたって継続され得る。事実、電力送信機は、電力受信機が同期動作を行うこと、あるいはこれが可能であることさえ気が付かなくてもよい。このように、この方法は、同期フェーズをサポートするために電力送信機において特別な変更が必要とされないので、より簡単な電力送信機動作を提供し、後方互換性を改善できる。
多くの実施形態では、当該システムが電力受信機と電力送信機との間のネゴシエーション/通信によって、繰り返し時間フレームに対するパラメータを決定するように構成される。このことは、電力移送フェーズの開始前に実施でき、従って、電力移送フェーズの前に、該電力移送フェーズ中に使用する一群のパラメータを決定できる。
電力伝送フェーズに入る前に通信によって決定された上記パラメータ群(場合によっては単一のパラメータのみを含み得る)は、異物期間の持続時間;異物期間の間の間隔;および異物検出期間のための信号レベル;のうちの1つまたは複数を含み得る。
したがって、電力送信機および電力受信機は、後続の電力伝送フェーズ動作のための1つまたは複数のパラメータを決定するために、それらが互いに通信する電力伝送フェーズの前の準備フェーズまたは期間を使用できる。この場合、電力伝送フェーズにおける動作は、この準備フェーズ中に決定されたパラメータに基づくものである。
例えば、多くの実施形態では、電力受信機が電力伝送フェーズ中に適用されるべきパラメータ値を要求する1つまたは複数のメッセージを電力送信機に送信できる。例えば、発生される電磁信号の特定の信号レベル又は異物検出期間の特定のタイミング特性を要求してもよい。この場合、電力送信機および電力受信機は、これらのパラメータ値、および具体的には結果としての動作のためのこれらのタイミング設定を適用できる。
多くの実施形態では、電力送信機および電力受信機は、特に、異物検出期間の持続時間および/または異物検出期間の間の持続時間、および典型的には連続する異物検出期間の間の持続時間を確定するために通信するように構成されてもよい。
当該方法は、改善されたトレードオフを提供でき、特に、個々の装置の特定の特性に、および、多くの実施形態では、個々の電力伝送動作の特定の特性に動作を適合させることを可能にできる。例えば、タイミングを、電力伝送の電力レベルを反映するように適合させることができる。
当該方法は、異物検出期間の持続時間が電力送信機および電力受信機だけでなく、例えば、電力受信機から電力を供給される装置などのエンド負荷の挙動にも影響を及ぼす可能性があることに対処できる。
しばしば、異物検出期間が長すぎると、装置は、有効電源電圧の低下を被ることがある。このことは、当該装置のエネルギ蓄積が制限されている場合、例えば、当該装置の入力(電力受信機の出力)におけるキャパシタが望まれるよりも小さい場合などに特に関連する。装置は電力の伝送が中断される時間をブリッジする(埋める)ことができなければならず、このことは、通常、相対的に大きいコンデンサを必要とする(多くの実施形態では、電力受信機自体が、このようなコンデンサおよび潜在的に一定の出力電圧を供給するため電圧調整を含み得ることに留意されたい。しかしながら、これは記載された問題が外部負荷装置ではなく、電力受信機に関連することを意味するにすぎない)。
タイムスロットが短すぎると、電力送信機は特定の動作を許容可能に実行できなくなる可能性がある。たとえば、測定を実行したときに測定信号が安定していない、またはサンプル数が不足しているなどの理由で、電力送信機が十分な精度でFOD(異物検出)測定を実行できない場合がある。別の例として、短すぎる異物検出期間は十分な通信帯域幅を提供しないことがあり、例えば、電力制御報告および他の測定結果の提供をサポートするのに十分なデータを通信できないことがある。
したがって、異物検出期間の最適な持続時間は、電力受信機の特定の動作パラメータおよび構成などの、複数の特徴および特性に依存し得る。従って、いくつかの実施形態では電力受信機は電力送信機にメッセージを送信でき、該電力送信機は、このメッセージに応じて、異物検出期間のタイミングを適応させるように構成できる。
該メッセージは、特に、異物検出期間の所与の持続時間に対する要求であってもよい。多くの実施形態では、電力受信機は、外部負荷によって引き出される電力のような動作条件を評価でき、エネルギ貯蔵器/キャパシタが該負荷への供給電圧が過度に低下するのを防止するのに十分な電荷を維持できる最大時間を計算できる。例えば、該最大持続時間は、2Aの負荷と比較して、1Aの負荷に対しては2倍大きくなり得る。したがって、電力受信機は、1A負荷の場合よりも2Aの場合の方が2倍大きい持続時間の要求を送信できる。
他の例として、異物検出期間の持続時間のための適切な値は、電力受信機に関して例えば製造フェーズの間に予め決定されてもよい。例えば、電力受信機は、最大充電電流を有するバッテリ充電器であってもよい。内蔵キャパシタが最大充電電流を供給するのに十分な電荷を保持できる対応する持続時間は、設計フェーズ中に決定でき、製造フェーズ中に電力受信機に恒久的に記憶できる。電力送信機で電力伝送を開始するとき、電力受信機は、この値を取り出し、異物検出期間の持続時間の要求を電力送信機に送信できる。この場合、電力伝送フェーズは、該記憶された値に従った異物検出期間を有する反復時間フレームを使用して進行できる。電力受信機は要件および機能が非常に多様であり得るので、このことは、電力送信機および電力伝送動作が電力受信機の個々の特性に適応することを可能にし得る。
いくつかの実施形態において、当該システムは、電力受信機から電力送信機に送信されるメッセージに基づいて、異物検出期間の間の持続時間を設定するように構成されてもよい。該システムは、特に、連続する反復時間フレームの異物検出期間の間の持続時間を設定でき、電力受信機から電力送信機へのメッセージングに応答して、異物検出期間の持続時間を効果的に適応させることができる。
十分な平均電力伝送を提供するために、電力伝送期間中の電力伝送のピーク電力レベルは、これら期間の持続時間が短いほど増加する。多くの実施形態では、電力伝送レベルが(電力送信機によって、または場合によっては所与の最大電力量を抽出するようにのみ設計され得る電力受信機によって)制限され得る。そのような場合、電力受信機は、次の繰り返し期間の開始前にキャパシタが完全に充電されることを確実にするのに十分な異物検出期間の間の持続時間の要求を送信できる(これは、電力送信機が異物検出期間中に電力伝送信号をオフにする実施形態に特に適している)。
いくつかの実施形態では、単一の要求が、異物検出期間の持続時間およびこれら期間の間の持続時間の両方に関連して送信されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、反復時間フレームが一定の持続時間を有し、電力受信機は適用されるべき特定のデューティサイクルを要求できる。
多くの実施形態では、電力送信機が異物検出期間の持続時間に最小持続時間要件を課すように構成される。この最小持続時間は、異物検出期間において実行されるべき動作が、実際に、所望の結果を達成するのに十分な時間を有することを保証するために使用できる。例えば、該最小持続時間は、異物検出を十分な信頼性(測定信号の設定及び安定化のための十分な時間を含む)で行うことができることを保証できる。他の例として、電力送信機は、通信が十分な帯域幅を有するために最小持続時間を必要とするように構成されてもよい。
多くの実施形態では、電力送信機が異物検出期間の間の持続時間に最大持続時間要件を課すように構成される。この最大持続時間は、異物検出期間において実行されるべき動作が十分に頻繁に実行されることを保証するために使用されてもよい。例えば、該最大持続時間は、異物検出が、異物が許容できないレベルまで加熱され得る前に該異物の出現が検出されることを保証するために、十分に高い頻度で実行されることを保証し得る。他の例として、該最大持続時間は、通信が十分に頻繁に実行されることを保証し得る(例えば、前記電力制御ループのための十分な更新レートを可能にする)。
さらに別の例として、いくつかの実施形態では、異物検出のための測定が、精度を改善するために、および/または何らかの冗長性を追加するために、複数の低減された電力間隔にわたって分散され得る。これにより、異物検出の精度を高めることができる。低減された電力時間の持続時間が短く、したがって少数のサンプル/測定しか許容しない場合、異物検出期間の間の持続時間は、異物が過度に加熱される前に検出されることを保証する所与の必要な時間内に十分な量のサンプル/測定値を補償し、取得することを可能にするために、短くできる。
同様に、電力受信機は、タイミング値に制限を課すように構成されてもよい。例えば、電力受信機は、エネルギ貯蔵器(典型的にはコンデンサ)の放電が許容できない電圧降下を生じることなしに、十分な電力を外部負荷に供給できることを保証する最大値を前提として、異物検出期間の持続時間に対する所望の値を決定できる。
同様に、電力受信機は、前述したように、電力受信機のキャパシタを完全に再充電できることを保証する最小値を条件に、異物検出期間の間の持続時間に対する所望の値を決定できる。
多くの実施形態において、繰り返し期間のタイミング特性は、電力受信機および電力送信機の両方によって課される要件に従属するであろう。典型的に、電力送信機および電力受信機の両方は、当該タイミング値が採用されるために同時に満たされなければならない要件を有する。例えば、繰り返し期間の持続時間および/または連続する繰り返し期間の間の持続時間の設定は、電力送信機および電力受信機の両方の要件を満たす値に従う。
さらに、多くの実施形態では、このことは、典型的には、当該装置(すなわち、電力受信機または電力送信機)のうちの一方が最大値に対して制限を課し、他方の装置が設定されるタイミング特性の最小値に対して制限を課すことであり得る。
具体的には、先に説明したように、多くの実施形態において異物検出期間の持続時間は、電力送信機によって課される最小持続時間と、電力受信機によって課される最大持続時間とに従うものとなり得る。
同様に、多くの実施形態において、異物検出期間の間の持続時間は、電力送信機によって課される最大持続時間と、電力受信機によって課される最小持続時間とに従うことになり得る。
このような構成は、多くの実施形態において異物検出期間に対して適切なタイミングの効率的な制御を課すことができ、異物検出期間が両方の装置のために、したがって全体的な電力伝送のために許容可能な性能を可能にするタイミング特性を有することを両装置が独立に保証することにより、低減された複雑さおよびより容易な相互作用を可能にできる。
異物検出期間のタイミング特性を設定するために使用される正確な方法およびメッセージ交換は、個々の実施形態の好みおよび要件に依存し、異なる方法を異なるシステムで使用できる。
しかしながら、典型的にQiタイプ構成などの多くのシステムでは、この手法は、電力受信機が適切なタイミング値に対する要求を送信し、電力送信機が要求された値を受け入れるかまたは拒絶することに基づく。
同様に、電力受信機は、準備フェーズ中に指示を送ることによって、異物検出期間中に所与の信号レベルが適用されることを要求できる。この要求は、電力受信機の親和的な金属が生成された信号に及ぼす影響を示す測定値、過電圧を防止するために異物検出期間中に電力受信機に供給されることを要する何らかの最小電力などに基づくことができる。該要求は、通常、公称電力送信機の推定値および動作条件に基づいており、したがって、最悪の場合のシナリオを反映する傾向がある。しかしながら、多くの実施形態では、初期設定を提供するために使用でき、該初期設定は、次いで、電力伝送フェーズの間に動作条件の実際の測定に応答して調整できる。
当該方法の利点は、電力受信機の親和的な金属が所定の電磁場に及ぼす影響を、例えば、製造または設計段階中に決定できることである。この場合、電力受信機はこの値を電力送信機に報告でき、該電力送信機は、異物検出を実行するときに電力受信機の影響を補償できる。この補償は、電力受信機が異物検出検査中に対応する電磁場強度を受ける場合、非常に正確になり得る。
図7は、当該システムがどのように動作するかの(簡略化された)例を示す。
最初に、電力伝送フェーズの前に、準備タイムスロット、PREP TSが実行される。この準備タイムスロットの間に、電力受信機は負荷303を切断する。
このことは、電力が全く(またはごくわずかしか)負荷に供給されず、したがって、電力送信機によって生成された信号から抽出されないことを意味する。電力送信機は、以下の条件が好ましくは当てはまる状況を確立するために、送信機コイル103への駆動信号を制御できる:
・ 電力受信機の親和的な金属が磁界に及ぼす影響が、電力受信機によって知られているか、または電力受信機によって正確に決定できる。例えば、磁場の所定の振幅および周波数に対する該親和的な金属における電力散逸が、電力受信機によって知られている。
・ 電力送信機は、上記親和的な金属と異物(存在する場合)との複合した影響を正確に測定できる。例えば、送信される電力を電力送信機によって正確に決定できる。
その結果、当該システムは、磁場に対する異物の影響を正確に決定できる。この影響は、好ましくは、電力送信機が電力受信機に電力を供給しているときに送信機コイル103の磁界への露出によって生じる、異物内の電力散逸によって引き起こされる温度の予想される上昇に関係するものである。
上記の状況を確立するために、電力受信機は、例えば、そのタイプ、許容される周波数範囲、およびオプションとして送信機コイル103のためのAC信号の必要な振幅を通信することによって、適切な磁場に関する情報を提供できる。後者は、もちろん、送信機コイル103の設計に依存する。加えて、電力受信機は、誘導電圧が当該装置の親和的な金属が露出される場を良好に示す測定コイルを有し得る。その場合、電力受信機は、電力送信機に制御情報を供給して、当該場を、該電力受信機によって親和的な金属の影響を正確に決定できるレベルに制御できる。
上記の状況が確立されたら、電力送信機は、駆動信号の設定、および電力受信機によって決定された親和的な金属の予想される影響を記憶できる。
加えて、繰り返し時間フレームの持続時間および異物検出期間の持続時間のような、繰り返し時間フレームのための適切なタイミングパラメータを決定するために、通信を実行できる。
準備フェーズの終了時に、一群のタイミングパラメータ及び異物検出信号レベルを設定できる。具体的には、該準備フェーズは、異物検出期間、異物検出期間の持続時間、および異物検出期間の間の時間に対する測定信号条件を決定していてもよい。
その後、電力送信機は電力伝送フェーズ中にこれらの値を使用する。しかしながら、例えば、電力伝送期間と異物検出期間との間の遷移の正確なタイミングに関して、いくらかの変動/不確実性が典型的に存在するであろう。
次いで、当該システムは、反復時間フレームが適用される電力伝送フェーズに入ることができる。図7の例では、反復時間フレームは、電力伝送期間が後続する異物検出期間で開始する。当該システムは、異物検出期間および電力伝送期間の両方を含む繰り返し時間フレーム全体の間において負荷303が切断される同期フェーズにおいて開始する。これは、図7において用語NP(No Power)によって示されている。
当該システムは同期を更に実行し、電力受信機で過電圧が発生しないレベルに電力信号を維持しながら、同期が所望の信頼度/レベルに達成されたことを信頼性尺度が示すとき、該システムは通常の電力伝送動作に対応する第2動作モードに切り替わる。このモードでは、負荷303は、異物検出期間中は依然として切断されるが、電力伝送期間中は接続される。これが、図7において用語「PWR」(電力)によって示されている。簡単かつ簡潔にするために、図7は同期フェーズを単一の反復時間フレームのみを備えるように示すが、典型的には複数の反復時間フレームを含むことが理解されるであろう(多くのアプリケーションでは、同期フェーズは(同期がいつ到達されたと見なされたかに応じて)10または20以上の反復時間フレームを含むことができる)。
異物検出期間中の具体的な動作の一例として、前述したように、電力受信機が負荷303を切断することが挙げられる。このことは、負荷/電力受信機に電力が供給されない(またはほとんど供給されない)ことを意味する。電力送信機は、記憶されたドライブ信号の設定を適用し、親和的な金属と存在する何らかの異物との組み合わされた影響を測定する。該電力送信機は、この影響を、記憶された親和的な金属の予想される影響と比較して、該異物の影響を決定する。次に、該電力送信機は、状況が安全であるとみなす周波数、すなわち、異物の温度上昇が安全限界内にあると予想される周波数に関連して、駆動信号/電力伝送信号の最大振幅を決定できる。次いで、電力送信機は、電力伝送信号をこの最大レベルに制限し、電力受信機が電力伝送信号をこの最大値を超えるレベルに制御しようとした場合、警告を報告する。従って、この例では、電力伝送フェーズは異物の存在下では終了されず、むしろ、最大電力伝送信号レベルが異物内の温度上昇が許容レベルに制限されることを保証するレベルまで低下される。
電力送信機が親和的な金属と異物との複合影響の変化を検出すると、該電力送信機は準備フェーズに戻って異物検出測定の条件を再確立できる。準備タイムスロットに戻るための早期トリガを防ぐために、電力送信機は複数のFODタイムスロットの結果を組み合わせる(例えば、平均化ウィンドウを適用する)ことができ、および/または、特定のマージン内で駆動信号を調整できる。
多くの実施形態において、同期装置311は準備段階中に決定された一群のパラメータに基づいて同期を実行するように構成される。例えば、決定されたパラメータは同期のための開始パラメータとして使用されてもよく、したがって、タイミングパラメータの初期値は準備フェーズで決定されたものに対応するように設定されてもよい。例えば、異物検出期間から電力伝送期間への(およびその逆の)時間遷移の第1の推定値は、異物検出期間の一致された持続時間およびこれらの間の持続時間(反復時間フレームの持続時間)から決定されてもよい。これらのパラメータは、その後、同期のための初期パラメータとして使用されてもよく、例えば、それらは、測定されたレベル遷移時間と所定の値との間の差を反映するように初期エラー値が決定されるフェーズロックタイミングループのための初期パラメータとして使用されてもよい。
他の実施形態では、準備フェーズ中に決定された値が、同期に制限を課すことができる。例えば、同期装置311は、異物検出期間の継続時間および異物検出期間の間の継続時間を、準備フェーズ中に決定された値に固定的に設定してもよい。次いで、同期装置311は、これらの条件下で最良の結果(最小エラー)を達成するように、タイミングオフセット、すなわち遷移の時刻を適応させることができる。
前記信頼性尺度を決定するために、異なるアプローチが使用されてもよいことが理解されるであろう。多くの実施形態では、信頼性尺度は、現在の値と測定値との間の差を示すエラー信号に基づいて決定されてもよい。例えば、フェーズロックタイミングループの(平均化/ローパスフィルタ処理された)エラー信号は、同期の精度および信頼性の良好な指標を提供し得る。他の実施形態では、信頼性尺度は、代替的に又は追加的に、タイミング値の分散に応じて決定されてもよい。例えば、同期は、最初は比較的信頼性がなく、そのため、例えば、異物検出期間の開始のタイミングの変化は、大幅に変化し得る。しかしながら、同期がより正確になるにつれて、変動は正しい値に落ち着き、変化および変動は低減され得る。
いくつかの実施形態では、信頼性尺度の決定は、電力受信機が第1モードで動作した時間を考慮に入れてもよい。いくつかの実施形態では、同期は最初的に信頼できるが、時間と共に改善すると考えることができる。いくつかの実施形態では、信頼性尺度は、より長い持続時間よりも短い持続時間に対してより低い信頼性を示すように生成され得る。低複雑度の例として、信頼性尺度は、同期動作が所与の時間にわたってアクティブになるまで、信頼性のない同期を示すように設定され得る。この時間は、典型的には、動的タイミングループ特性(例えば、適応レート)などの同期の動的特性に依存する。この時間の後、信頼性尺度は、エラー信号の大きさに依存する値に設定されてもよい。このような方法は、当該ループが第2動作モードへの切り替えをもたらすタイミングに適切に適合される前に、偶然一致した初期低エラー信号により信頼性尺度が高い信頼性を示すことを防止できる。これにより、同期が適切に達成される前に、電力受信機が第2モードに移行するのを防止できる。
いくつかの実施形態では、前記信頼性尺度が準備フェーズ中に決定されたパラメータに応答して決定されてもよい。例えば、同期装置311は、例えばレベル遷移の検出に基づいて、反復時間フレームに自由に同期するように構成されてもよい。結果として得られるタイミング特性、具体的には、結果として得られる異物検出期間の持続時間およびこれらの間の間隔を、準備フェーズ中に決定された値と比較できる。信頼性尺度は、同期値が所定のフェーズの値(この場合、電力送信機によって印加されることが知られている値に対応すると考えられ得る)とどれだけ密接に一致するかを反映するように生成されてもよい。
いくつかの実施形態において、同期装置311は、電力伝送期間および異物期間の各々における電力伝送信号に関する信号レベルの比較に基づいて、同期のための信頼性尺度を決定するように構成されてもよい。このような方法は、特に、「通常」の電力移送動作の間において、何らかの可能性のある同期フェーズ後の電力伝送フェーズ中の信頼性尺度を決定するのに適し得る。
多くの実施形態において、同期装置311は、潜在的に非常に長い電力伝送動作を通して変動(電力送信機のタイミングまたはローカル時間基準のいずれかの)を追跡するために、電力伝送フェーズの間において電力伝送信号の反復時間フレームに連続的に同期できる。前述したように、このような同期は、期間の間の遷移における電力レベル遷移を検出することに基づくことができる。しかしながら、電力受信機は電力伝送信号の電力レベルを負荷条件に適合するように動的に適応させることができ、従って、電力伝送期間中に必要な電力伝送信号レベルが、電力伝送期間中に使用される所定のレベルに近くなることが可能である。このような場合、同期装置311は、遷移を正確に検出できないかも知れず、したがって、同期に失敗する可能性がある。したがって、いくつかの例では、同期化器311は、十分に大きな信号レベルステップを検出できない場合、不十分な同期を示す低レベルに信頼性尺度を設定できる。
前の例は、同期が十分に信頼できることを信頼性尺度が示すことを検出した場合の第1のモードから第2のモードへの切り替えに焦点を当てた。しかしながら、代替的に又は追加的に、モードコントローラ313は、信頼性尺度に基づいて、電力受信機を第2のモードから第1のモードに切り替えるように構成されてもよい。具体的には、電力伝送フェーズ中および第2モードにあるときに、信頼性測定値が閾値を下回り、それによって同期もはや信頼できないことを示す場合、モード制御装置313は電力受信機を第1動作モードに切り換えてもよい。従って、具体例として、「通常」の電力伝送動作中に同期信頼度が低くなった場合、モードコントローラ313は電力受信機を、電力伝送期間中においても電力負荷が切断され、これにより、損傷させる過電圧状態が生じ得ないことを保証する第1モードに切り替えることができる。電力受信機は、さらに、専用の同期プロセスを開始し、例えば、電力送信機と通信して、そのような同期に適したパラメータを適用できる。
いくつかの実施形態では、電力受信機が、第1の動作モードにおいて、同期動作を改善する可能性が高いアクションをとるように構成され得る。実際、多くの実施形態において、電力受信機は異物検出期間の間においてのみ負荷303を切断し、電力伝送期間では依然として負荷を接続し続けることができる。すなわち、第1モードと第2モードとの間で負荷動作に特別な差異はないであろう。しかしながら、電力受信機は、同期動作を修正するように構成されてもよく、電力送信機と特別に通信して、電力受信機による同期を容易にする電力伝送信号のパラメータを変更してもよい。
具体例として、電力受信機コントローラ301は電力送信機と通信して、該電力送信機に、電力伝送期間と異物検出期間との差が増加され、これにより、異なる種類の期間の間の遷移の検出を容易にするように、電力伝送信号/発生電磁場の信号レベルを変化させるよう構成できる。
例えば、前述のように、電力受信機コントローラ301は、電力制御ループを実施化し、電力制御メッセージを電力送信機に送信するように構成される。電力送信機は、これらのメッセージに応答して、電力伝送期間の間に信号レベルを適応させ、電力受信機コントローラ301は、取り出される電力を電力受信機により負荷303に給電するために必要とされるものと一致させる要求を生成するように構成される。
しかしながら、電力受信機が第2のモードにあり(通常の電力伝送が進行中であり)、且つ、信頼性尺度が同期はもはや十分に正確ではないことを示す閾値を下回る場合(例えば、異物検出期間および電力伝送期間におけるレベルがほぼ等しいため)、モードコントローラ313は電力受信機を、該電力受信機が電力制御メッセージのための動作を、これらメッセージが異物検出期間と電力伝送期間との間に大きな(r)差をもたらすように発生されるように変更する第1の動作モードに切り替えることができる。したがって、電力レベルが、電力受信機が負荷303に電力を供給するのに十分である(または高すぎる)場合であっても、電力受信機コントローラ301は、異物検出期間の信号レベルと電力伝送期間の信号レベルとの間の差を増加させるために、電力増加要求を送信し続けることができる。例えば、電力増加要求は検出される差が十分に大きくなるまで送信されてもよく、次いで、電力制御は、このレベルを維持するように継続されてもよい。したがって、このような例では、電力制御動作は、電力伝送動作のパラメータ(所要電力レベル)に基づくものから、同期のパラメータ(期間の間の信号レベルステップ)に基づくものに切り替わり得る。
このようなアプローチは電力伝送フェーズ全体にわたって信頼性のある同期を維持するために特に有利であり得、例えば、電力伝送フェーズに入るときに初期同期フェーズが実行されない実施形態に適用可能であり得る。例えば、電力伝送フェーズは、同期の如何なる初期微調整も必要とせずに、準備フェーズ中に決定された初期パラメータ値に基づいて単に開始できる。電力伝送フェーズは、それに応じて、第2動作モードの電力受信機で直接開始されてもよい。しかしながら、電力伝送フェーズ中の同期が不正確/信頼できなくなることが検出された場合、モードコントローラ313は、電力受信機を第1の動作モードに切り替えて、(再)同期を実行できる。
このようなアプローチは、通常、接続された負荷が多くの電力を取り出さない(相対的に高い抵抗値を有する)場合にのみ適用されるであろう。
実際、第2の動作モードで電力伝送フェーズを直接開始することは、高い電力需要のために、電力受信機が、高信号レベルを提供するように電力送信機を迅速に制御しようとすることである。そうでなければ、電力受信機での電圧が、該電力受信機が動作可能なレベルよりも低下する可能性があるからである。外部負荷レベルは、通常、電力受信機の制御下になく、受信機は所与の負荷に対処しなければならない。
このアプローチは、電力伝送フェーズ中の同期が異物検出期間と電力伝送期間との間の信号レベル変動を検出することに基づいて実行されるような例において、特に効率的な動作を提供できる。
他の例として、いくつかの実施形態では、電力受信機コントローラ301が、第1動作モードにあるときの電力レベルに対する変化率を、第2動作モードにあるときよりも低いレベルに制限するように構成されてもよい。例えば、電力受信機が「通常」の電力伝送中および第2の動作モードで動作しているとき、電力受信機は、電力制御ループが高速変動に追従できるように該電力制御ループの高速適応を可能にする電力制御メッセージを送信できる。しかしながら、信頼性尺度が、例えば電力伝送期間と異物検出期間との間の信号レベル変化が小さいという判断のために、同期が信頼できないことを示す場合、モードコントローラ313は、電力受信機を、変化率が大幅に制限され得る第1動作モードに切り替えてもよい。具体的には、電力制御ループの動態は、非常に遅いループを実施化するように変更されてもよく、再同期のための時間を可能にし、且つ、同期が依然として信頼性のない間における電力信号の速い増加によって引き起こされる可能性のある負荷が切断されたときの電力受信機での過電圧状態を防止するために、電力レベルを徐々にだけ増加させることができる。多くの実施形態では、当該適応は、電力レベルの迅速な低減はサポートされるが、非常にゆっくりとした増加のみが可能であるというように、非対称であり得る。
他の実施形態では、電力受信機コントローラ301は、そのような状況において、第1のモードに切り替えるときに最大電力信号レベルを提供するように電力送信機を制限するよう構成されてもよく、すなわち、第1の動作モードにあるときよりも第2のモードにあるときに、より高い電力信号レベルを可能にしてもよい。
当該システムにおいて、前記電力受信機は、前記第2モードで動作している場合に、前記異物検出期間の開始直後に負荷303を切断するように構成されてもよく、該電力受信機は、前記異物検出期間の終了直前に負荷を再接続するように構成されていてもよく、該接続及び切断の両方は、前記電力伝送信号の繰り返し時間フレームに同期されたローカル時間基準に基づいて決定される。例えば、異物検出期間の開始時間および終了時間を決定でき、切断および再接続のための切り替え時間は、これらに設定できるが、典型的には異物検出期間内で常に遷移が生じることを保証するために、短い所定の時間オフセットを用いて設定できる。
いくつかの実施形態では、電力受信機が、負荷を再接続するときに該負荷への電流を制限するように構成された電流制限器を備えることができる。具体的には、該電流制限器は、負荷303を再接続する際の大きな突入電流(例えば、負荷303が大きな容量性部品を含む場合に発生し得る)のリスクの代わりに、緩やかな増加のみが達成されるように、電流に対する変化率を所与の限界に制限するように構成されてもよい。該電流制限器は、例えば、インダクタの形態で実施化されてもよい。
図8~図10は、負荷303が抵抗負荷要素Rloadと、大きな容量性負荷Cloadとの両方を有する、このようなアプローチのための回路例を示すために使用される。
この例では、スイッチSの開放に対応する異物検出期間の開始時に負荷303が切断される。該例では、異物検出期間中、Cbridge上の電圧は一定に保たれる。しかしながら、Cloadの電圧はRloadによって低下する(負荷303が切断されている間において、すなわち、異物検出期間の間において、実効的に、CloadはRloadによって表される負荷に電力を供給するエネルギ貯留器として作用し得る)。
この状況において、図8の例のように電流制限が含まれない場合、これらの電圧を再平衡化するために、相対的に高い突入電流がCbridgeからCloadに流れ得る。
このような問題に対処する解決策は、例えば、このようなサージを避けるためにコンデンサCbridgeとCloadとの間にインダクタを含めることによって電流変化を制限することである。他のしばしば好ましいアプローチは、降圧型(バック)コンバータのスイッチ素子としてSを使用する降圧型コンバータを実施化することであり得る。このような例が図9に示されており、ここで、降圧型コンバータを形成するために、Dbuck及びLbuckが導入されている。多くの実施形態において、殆どのアプリケーションは、いずれにせよ、負荷Rloadの間の電圧の何らかの後置制御を必要とする故に、このような構成要素はすでに存在するので、これは実質的に複雑さを増加させないであろう。
上記記載は、明確化のために、本発明の実施態様を異なる機能回路、ユニット、およびプロセッサを参照して説明したことが理解されるであろう。しかしながら、本発明から逸脱することなく、異なる機能回路、ユニット、またはプロセッサ間の機能の任意の適切な分散を使用できることは明らかであろう。例えば、別個のプロセッサまたはコントローラによって実行されることが示されている機能は、同じプロセッサまたはコントローラによって実行されてもよい。したがって、特定の機能ユニットまたは回路への言及は、厳密な論理的または物理的な構成または編成を示すのではなく、記載された機能を提供するための好適な手段への言及としてのみ見なされるべきである。
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せを含む任意の適切な形態で実施できる。本発明は、任意選択で、1つまたは複数のデータプロセッサおよび/またはデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実施化され得る。本発明の実施形態の要素および構成要素は、任意の適切な方法で物理的、機能的、および論理的に実施化され得る。実際、斯かる機能は、単一のユニットで、複数のユニットで、または他の機能ユニットの一部として実施化されてもよい。したがって、本発明は、単一のユニットで実施されてもよく、または異なるユニット、回路、およびプロセッサの間で物理的および機能的に分散されてもよい。
本発明はいくつかの実施形態に関連して説明されてきたが、本明細書に記載された特定の形態に限定されることは意図されていない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。さらに、特徴は特定の実施形態に関連して説明されるように見えるかもしれないが、当業者は説明された実施形態の様々な特徴が本発明に従って組み合わされ得ることを認識するであろう。請求項において、「有する」という用語は、他の要素又はステップの存在を排除するものではない。
好ましい値への言及は、それが異物検出初期化モードで決定された値であることを超えるいかなる限定も意味しないこと、すなわち、それが適応プロセスで決定されることによって好ましいことが理解されるであろう。好ましい値への参照は、例えば第1の値への参照に置き換えることができる。
さらに、個別に列挙されているが、複数の手段、要素、回路、または方法ステップは、例えば、単一の回路、ユニット、またはプロセッサによって実施化され得る。さらに、個々の特徴が異なる請求項に含まれてもよいが、これらは場合によっては有利に組み合わされてもよく、異なる請求項に含まれることは特徴の組み合わせが実現可能及び/又は有利ではないことを意味しない。また、請求項の1つのカテゴリに特徴を含めることは、このカテゴリへの限定を意味するものではなく、むしろ、その特徴が必要に応じて他の請求項カテゴリに等しく適用可能であることを示す。さらに、請求項における特徴の順序は、当該特徴が実施されなければならない特定の順序を意味するものではなく、特に、方法の請求項における個々のステップの順序は、当該ステップがこの順序で実施されなければならないことを意味するものではない。むしろ、ステップは、任意の適切な順序で実行されてもよい。さらに、単数形の参照は、複数形を除外しない。従って、「第1」、「第2」等を参照しても、複数を排除するものではない。請求項中の参照符号は、単に明確な例として提供されているにすぎず、請求項の範囲を何らかの方法で限定するものと解釈してはならない。