以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1~図41は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
前枠3は、本体枠6と、その本体枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して本体枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって本体枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。なお、第1ヒンジ4と第2ヒンジ8とは例えば同一軸心となるように配置されている。
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、例えば合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に本体枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
本体枠6は合成樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを例えば一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また本体枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが例えば左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が例えば左下部に夫々配置されている。
ガラス扉7は、本体枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、例えば窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、送風演出装置26等の演出手段が配置され、それら上部スピーカ25等を前側から略覆う上装飾カバー27が装着されている。
また扉ベース22の下部前側には、本体枠6の後側に配置された払い出し手段28から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿30、その上皿30が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿31、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル32等が配置され、更に上皿30、下皿31等を前側から略覆う下装飾カバー33が装着されている。下装飾カバー33は、例えば前向きの膨出状に形成されており、例えばその上部側に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン34、十字操作手段35等の所定操作手段が設けられている。
扉ベース22の背面側には、窓孔24aを後側から略塞ぐようにガラスユニット36が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金37と、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金38と、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金39とがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具40が例えば左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具41が例えば左下部に夫々配置されている。
また、例えば下部補強板金39の背面側には、球送りユニット42、下皿案内ユニット43等が装着されている。球送りユニット42は、上皿30内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43は、上皿30が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿31に案内するためのもので、例えば球送りユニット42に隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
また、本体枠6の例えば上部側には、前枠3が外枠2に対して開放しているか否かを検出可能な扉開放スイッチ44が設けられている。この扉開放スイッチ44は、例えば前枠3が外枠2に対して前側に開放したときにON、閉じたときにOFFとなるように構成されている。
遊技盤16は、図3に示すように例えばベニヤ板等のベース板45を備え、そのベース板45の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール46が環状に配置されると共に、そのガイドレール46の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット47、始動入賞ユニット48、普通入賞ユニット49等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置され、また遊技領域23の外側の例えば下部側には遊技情報表示手段50が配置されている。
遊技情報表示手段50は、図4に示すように例えば8個のLED60で構成されるLEDグループを4つ備えており、それら計32個のLED60が普通図柄表示手段51、普通保留個数表示手段52、第1特別図柄表示手段53、第2特別図柄表示手段54、第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、変動短縮報知手段57、右打ち報知手段58及びラウンド数報知手段59に所定個数ずつ割り当てられている。即ち、第1,第2LEDグループ50a,50bに属する各8個のLED60は夫々第1,第2特別図柄表示手段53,54を構成し、第3LEDグループ50cに属する8個のLED60は、2個ずつに分けられて夫々第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、普通保留個数表示手段52、変動短縮報知手段57を構成し、第4LEDグループ50dに属する8個のLED60は、そのうちの2個が普通図柄表示手段51を、他の2個が右打ち報知手段58を、残りの4個がラウンド数報知手段59を夫々構成している。
遊技盤16の複数のユニット部品47~49上には、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、複数の普通入賞手段65等が設けられている。またベース板45の後側には、液晶表示手段(画像表示手段)66の他、液晶表示手段66の前側を移動可能な可動体67aを備えた可動演出手段67等が配置されている。
中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の表示枠を構成するもので、ベース板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠ユニット47は、図3に示すように、ベース板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板71と、液晶表示手段66の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板71の内周側で前向きに突設された装飾枠72と、その装飾枠72の左右の下端部間に配置されるステージ73とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠72の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット47の左側の左流下経路74aと右側の右流下経路74bとの何れかを流下する。
中央表示枠ユニット47には、左流下経路74a側と右流下経路74b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路74a側に、遊技球が流入可能なワープ入口75が設けられている。左流下経路74aを流下中にワープ入口75に流入した遊技球は、ステージ73上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部76とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。またステージ73の上側には、跳ね返り等による後側への遊技球の侵入を阻止するための侵入防止手段77が設けられている。
始動入賞ユニット48は、中央表示枠ユニット47の下側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。普通入賞ユニット49は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の左側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。
普通図柄始動手段61は、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する通過検出手段(図示省略)を備えている。この普通図柄始動手段61は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71の前側に設けられており、右流下経路74bを流下する遊技球が通過可能となっている。
普通図柄表示手段51は、普通図柄を変動表示するためのもので、図4に示すように遊技情報表示手段50における例えば2個のLED60で構成されており、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、普通図柄を構成するそれら2個のLED60が普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様(所定態様)で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。なお、普通図柄を構成する2個のLED60は、それらの発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の当たり態様と一又は複数のはずれ態様とを表示可能であり、また普通変動中発光パターンは、例えば特定の2種類の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、普通図柄表示手段51の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動手段61が遊技球を検出した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段52等によって遊技者に報知される。普通保留個数表示手段52は、図4に示すように遊技情報表示手段50における例えば2個のLED60で構成されており、それら2個のLED60の夫々の発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0~4個の5種類の普通保留個数を表示可能となっている。
第1特別図柄始動手段(図柄始動手段)62は、第1特別図柄表示手段53による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えている。この第1特別図柄始動手段62は、例えば始動入賞ユニット48に設けられ、ステージ73の中央落下部76に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路74a側のワープ入口75からステージ73を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路74bを流下してきた遊技球よりも左流下経路74aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段62に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第2特別図柄始動手段(図柄始動手段)63は、第2特別図柄表示手段54による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部78の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えており、普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当たり態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉部78が所定時間閉状態から開状態に変化するようになっている。
この第2特別図柄始動手段63は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71上で且つ普通図柄始動手段61の下流側に配置されており、右流下経路74bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。なお、開閉部78は例えば下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能であり、閉状態では例えば前面装着板71と略面一となって遊技球が前側を通過可能となり、開状態では前面装着板71の前側で後ろ下がりの傾斜状となって遊技球を後向きに入賞させるようになっている。なお、この第2特別図柄始動手段63に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第1特別図柄表示手段(図柄表示手段)53は、図4に示すように遊技情報表示手段50における例えば8個のLED60で構成されており、第1特別図柄始動手段62が遊技球を検出することを条件に(図柄始動条件が成立した場合に)、第1特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第1特別図柄始動手段62による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合(乱数抽選で当選した場合)には第1大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には第1はずれ態様(非特定態様)で変動を停止するようになっている。第1特別図柄表示手段53の変動後の停止図柄が第1大当たり態様となった場合には第1特別利益状態が発生する。
第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)54は、図4に示すように遊技情報表示手段50における例えば8個のLED60で構成されており、第2特別図柄始動手段63が遊技球を検出することを条件に(図柄始動条件が成立した場合に)、第2特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第2特別図柄始動手段63による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合(乱数抽選で当選した場合)には第2大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には第2はずれ態様(非特定態様)で変動を停止するようになっている。第2特別図柄表示手段54の変動後の停止図柄が第2大当たり態様となった場合には第2特別利益状態が発生する。
第1,第2特別図柄表示手段53,54は、各8個のLED60の発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の第1,第2大当たり態様と一又は複数の第1,第2はずれ態様とを表示可能であり、また特別変動中発光パターンは、例えば特定の2種類の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、第1特別図柄表示手段53の図柄変動中、第2特別図柄表示手段54の図柄変動中及び第1,第2特別利益状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第1,第2特別乱数情報(乱数情報)が夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶される。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は、第1,第2特別保留個数表示手段55,56、液晶表示手段66等によって遊技者に報知される。ここで、第1,第2特別保留個数表示手段55,56は、図4に示すように遊技情報表示手段50における各2個のLED60で構成され、それらの発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0~4個の5種類の第1,第2特別保留個数を表示可能となっている。
大入賞手段64は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板79を備えた開閉式入賞手段で、例えば中央表示枠ユニット47に設けられ、第2特別図柄始動手段63の下流側で第1特別図柄始動手段62の上流側に配置されており、左流下経路74aを流下してきた遊技球よりも右流下経路74bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。この大入賞手段64は、第1,第2特別図柄表示手段53,54の第1,第2特別図柄が変動後に第1,第2大当たり態様で停止した場合に発生する第1,第2特別利益状態において、開閉板79が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。この大入賞手段64に遊技球が入賞すると、1入賞当たり所定個数の遊技球が賞球として払い出される。なお以下の説明では、第1特別利益状態と第2特別利益状態とを合わせて「大当たり遊技(特別遊技)」という。
本実施形態の大当たり遊技における大入賞手段64の開放パターンとしては4R,6R,10Rの3種類設けられている(図25)。4R,6R,10Rの各開放パターンは、いわゆる出玉ありのラウンドを夫々4回,6回,10回行うように構成されている。ここで、出玉ありのラウンドは、大入賞手段64の開放後、その大入賞手段64への入賞個数が所定個数(例えば9個)に達するか、所定時間(例えば28秒)経過した時点で大入賞手段64を閉じるように設定されており、遊技者が右流下経路74b側の大入賞手段64を狙って右打ちをすれば最大個数の遊技球を容易に入賞させて大量の賞球を獲得できる。なお、出玉ありのラウンドに加えて、大入賞手段64が極短時間(例えば0.2秒)だけ開放する出玉なしのラウンドを有する開放パターンを設けてもよいし、出玉なしのラウンドのみの開放パターンを設けてもよい。
また液晶表示手段66には、例えば第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄80を変動表示可能である他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Z等の各種画像を表示可能となっている。
ここで演出図柄80は、図3に示すように、例えば1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部80aと、この図柄本体部80aに付随するキャラクタその他の装飾部80bとの結合で構成され、例えば所定方向に複数列(ここでは左右方向に3列)で夫々変動可能であり、例えば第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って縦スクロール等による変動を開始すると共に、第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止するようになっている。なお演出図柄80では、例えば全て同じ図柄で揃った場合が大当たり演出態様、それ以外が外れ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当たり態様(特定態様)となる場合には演出図柄80は大当たり演出態様(特定演出態様)となり、第1,第2特別図柄が第1,第2外れ態様(非特定態様)となる場合には演出図柄80は外れ演出態様(非特定演出態様)となる。
また第1,第2保留画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Zに関しては、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1~,Y1~を液晶表示手段66上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、例えば変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。このように、液晶表示手段66が、保留記憶された第1,第2特別乱数情報の数に応じた保留表示を実行可能な保留表示手段の一例である。
また遊技盤16の裏側には、図5に示すように中央表示枠ユニット47等を後側から覆う裏カバー81が装着され、この裏カバー81の背面側に、主制御基板82aが格納された主基板ケース82、演出制御基板83a及び演出インターフェイス基板83bが格納された演出基板ケース83、液晶制御基板84aが格納された液晶基板ケース84等が着脱自在に装着されている。
また、前枠3の裏側には、遊技盤16の裏側を開閉自在に覆う開閉カバー85が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク86aとタンクレール86bとが、左右一側に払い出し手段28と払い出し通路87とが夫々装着されており、遊技球が大入賞手段64等の入賞口に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク86a内の遊技球をタンクレール86bを経て払い出し手段28により払い出し、その遊技球を払い出し通路87を経て上皿30に案内するようになっている。なお、開閉カバー85は、例えば主基板ケース82の上部側の一部分を後側から覆うように配置されている。
また、前枠3の裏側下部には、基板装着台88が着脱自在に装着されており、この基板装着台88の背面側に、電源基板89aが格納された電源基板ケース89、払出制御基板90aが格納された払出基板ケース90が夫々着脱自在に装着されている。
図6(a)は本パチンコ機の制御系の概略ブロック図である。図6(a)において、主制御基板82aは遊技制御動作を統括するもので、遊技盤16上の遊技情報表示手段50、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、普通入賞手段65等が例えば図示しない中継基板等を経由して接続され、またその下位には、主制御基板82aからの制御コマンドに基づいて音声出力、電飾発光、可動体駆動等の演出制御を行う演出制御基板83a、この演出制御基板83aからの制御コマンドに基づいて液晶表示手段66を制御する液晶制御基板84a、主制御基板82aからの制御コマンドに基づいて払い出し手段28を制御する払出制御基板90a、この払出制御基板90aからの発射制御信号等に基づいて発射手段17を制御する発射制御基板91等のサブ制御手段が接続されている。
また主制御基板82aには、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93等の操作手段と、設定表示手段94、性能表示手段95等の表示手段とが接続されている。図5に示すように、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とは何れも主基板ケース82の外側から操作可能な状態で、また設定表示手段94と性能表示手段95とは何れも主基板ケース82の外側から視認可能な状態で、夫々主制御基板82aに装着されている。なお、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93、設定表示手段94及び性能表示手段95は、開閉カバー85で覆われない位置に配置することが望ましい。
RAMクリアスイッチ92は、電源投入時にRAMクリアを行う場合に操作するもので、主基板ケース82の外側から例えば押下操作可能となっている。また設定変更操作手段93は、設定変更を行う場合等に操作するもので、主基板ケース82の外側から例えば専用のキーを用いて回転操作することによりON/OFFの切り替えが可能となっている。なお本実施形態では、この設定変更操作手段93等を操作することにより、大当たり確率、即ち第1,第2特別図柄が大当たり態様となる確率(乱数抽選で当選する確率)を複数段階(ここでは設定1~6の6段階)に変更可能となっている。設定変更等の詳細については後述する。
設定表示手段94は、設定1~6の何れが選択されているかを示す設定情報を表示するもので、例えば1桁の7セグLED等により構成されており(図28)、例えば透明な主基板ケース82を通して視認可能となるように主基板ケース82内の主制御基板82aに装着されている。この設定表示手段94は、例えば設定1~6に対応して「1」~「6」の何れかの設定情報を表示可能であり、例えば設定変更期間中は確定前の設定情報を、それ以外は確定された設定情報を夫々表示可能となっている。
性能表示手段(特定表示手段)95は、いわゆるベース値を表示するもので、例えば4桁の7セグLED95a~95d等により構成されており(図28)、例えば透明な主基板ケース82を通して視認可能となるように主基板ケース82内の主制御基板82aに装着されている。ベース値は、遊技実績に基づいて得られる性能情報(所定情報)の一例であり、例えば「(低確率状態での払い出し個数÷低確率状態でのアウト個数)×100」で算出される。なお本実施形態の性能表示手段95は、第1ベース値,第2ベース値の2種類のベース値を切り替え表示可能となっている。第1ベース値は、所定時点からアウト個数が所定個数(例えば60000個)に達するまでを単位期間としてその単位期間中におけるリアルタイムでのベース値であり、第2ベース値は前回の単位期間における累計のベース値である。もちろん、例えば前々回の単位時間における累計のベース値を第3ベース値として表示する等、3種類以上のベース値を切り替え可能としてもよい。
以上のように、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93、設定表示手段94及び性能表示手段95は、何れも遊技機本体1の後側に配置されており、それらにアクセスするためには解錠して前枠3を開く必要があるため、遊技者はRAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93を操作することができず、また設定表示手段94、性能表示手段95の表示内容を見ることもできない。
演出制御基板83a及び液晶制御基板84aは、主制御基板82aに接続された演出インターフェイス基板83bに接続されており、主制御基板82aから演出制御基板83aへの制御コマンド、演出制御基板83aから液晶制御基板84aへの制御コマンドは共に演出インターフェイス基板83bを経由して送信されるようになっている。
また、演出制御基板83aの制御対象である各種演出手段、例えばスピーカ18,25、電飾手段96、可動演出手段67等の他、遊技者が操作可能な演出ボタン34、十字操作手段35等は例えば演出インターフェイス基板83bを介して演出制御基板83aに接続されている。なお、電飾手段96は、上下の装飾カバー27,33内や遊技盤16等に配置された多数のLED(図示省略)により構成されている。
続いて、電源投入時に主制御基板82aにおいて実行される電源投入処理(図7)について説明する。この電源投入処理(図7)では、まずタイマ割込み等の割込み処理が実行されないように割込み禁止とし(S1)、スタックポインタを設定する(S2)と共に、第1電源異常チェック処理でのスタック使用に備えて、RAMのプロテクト及び禁止領域を無効とする(S3)。そして、後述する設定変更処理中に電源のOFF/ONが行われた可能性を考慮して、外部出力端子から出力するセキュリティ信号をOFFにすると共に、設定表示手段94への設定情報の表示に関する設定表示用データをクリアし、また不用意な発射許可信号の出力を防止すべく発射許可信号もOFFにする(S4)。
続いて、第1電源異常チェック処理(S5)を実行する。この第1電源異常チェック処理では、図10に示すように、電源異常信号がONであるか否かを判定し(S51)、電源異常信号がONであれば(S51:Yes)、電源投入処理の冒頭(図7のS1)に移行するようになっている。
第1電源異常チェック処理(S5)で電源異常信号がONでないと判定された場合には(S51:No)、図7のS6に移行する。このS6では、CPU内のレジスタ値等に関する各種初期設定を行うと共に、割込みモード、割込み優先順位、内部ハード乱数等の設定を行う。そして、サブ基板起動待ち時間をセットし(S7)、サブ基板起動待ち時間が0になるまで(S11)、サブ基板起動待ち時間の減算処理(S8)、WDTクリア処理(S9)、S5と同様の第1電源異常チェック処理(S10、図10)を繰り返し実行する。
サブ基板起動待ち時間が0になると(S11:Yes)、演出制御基板83aに対して待機画面表示コマンド(BA01H)を送信する(S12)。演出制御基板83aが待機画面表示コマンド(BA01H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「Please Wait」等の表示が行われる(図36)。
そして、払出制御基板90aの電源投入信号がONであるか否かの判定(S14)を、電源投入信号がONであると判定されるまで(S14:Yes)、WDTをクリアしつつ(S13)繰り返し行うことにより、払出制御基板90aの起動確認を行う。
続いて図8の処理に移行し、設定変更操作手段93及びRAMクリアスイッチ92の入力情報(ON/OFF情報)を取得してWレジスタにセットする(S15)。Wレジスタには、例えば図14に示すように、1ビット目に設定変更操作手段93のON/OFFに対応する値が、2ビット目にRAMクリアスイッチ92のON/OFFに対応する値が夫々セットされる。
なお本実施形態では、電源投入時に、設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92のON/OFF状態の組み合わせに応じて「設定変更」、「設定確認」、「RAMクリア」、「バックアップ復帰」の4種類の処理の何れかを実行するようになっている。即ち図14に示すように、設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92がON,ONの場合(W(1,1))には「設定変更」を、ON,OFFの場合(W(1,0))には「設定確認」を、OFF,ONの場合(W(0,1))には「RAMクリア」を、OFF,OFFの場合(W(0,0))には「バックアップ復帰」を夫々実行する。
S15に続いては、Wレジスタの値が「設定変更」に対応するW(1,1)であるか否かを判定し(S16)、W(1,1)であれば(S16:Yes)、演出制御基板83aに対して設定変更中コマンド(BA5AH)を送信し(S29)、設定変更処理(S30)を実行する。なお、演出制御基板83aが設定変更中コマンド(BA5AH)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定変更中です」等の表示が行われる(図36)。
設定変更処理(S30)では、図11に示すように、まず入力データ作成処理(S61)を実行する。この入力データ作成処理(S61)は、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93等の入力情報を取得するもので、例えばタイマ割込み処理における入力管理処理(図15のS113)から呼び出されるようになっている。
次に、設定値データをRAMの設定値ワーク領域から読み出して設定作業値としてレジスタにセットする(S62)。本実施形態では、設定1~6の何れかを選択可能であり、RAM上の設定値ワーク領域には、それら設定1~6の何れが選択されているかに応じて例えば0~5の何れかの設定値データが格納されている。そして、その設定作業値が0~5の範囲内にない場合には(S63:No)、設定作業値に例えば0を格納する(S64)。即ち、設定値データが正常範囲内になければ、設定作業値に設定1に対応する0を強制的にセットして設定変更を開始する。もちろん、設定作業値にセットする値は正常範囲内(0~5)の何れかであればよい。
続いて、第1電源異常チェック処理(S65,図10)を実行し、セキュリティ信号を外部出力端子から出力する(S66)。そして、チャタリング防止待ち時間をセットし(S67)、そのチャタリング防止待ち時間が0になるまで(S69:Yes)、チャタリング防止待ち時間の減算処理(S68)を繰り返し実行する。本実施形態の設定変更処理(図11)では、設定変更操作手段93がOFFになるまで(S76:Yes)、S65~S76の処理が高速で繰り返され、その度に設定変更操作があったか否か、即ちRAMクリアスイッチ92がOFF→ONに変化したか否かが判定されるが(S71)、S67~S69によりチャタリング防止待ち時間を設けることにより、RAMクリアスイッチ92のチャタリングによる誤検出を防止できる。
チャタリング防止待ち時間が0になると(S69:Yes)、入力データ作成処理(S70)を実行し、所定の設定変更操作が行われたか否かを判定する(S71)。本実施形態では、RAMクリアスイッチ92を設定変更操作用にも利用しており、S71ではRAMクリアスイッチ92のONエッジを検出した場合に設定変更操作が行われたものと判定するようになっている。なお本実施形態では、RAMクリアスイッチ92の入力情報を取得する入力データ作成処理を、S71の直前のS70だけでなく設定変更処理の冒頭のS61でも実行するようになっている。これは、RAMクリアスイッチ92が押下されたままの状態で設定変更処理(図11)が開始された場合に、いきなりRAMクリアスイッチ92のONエッジが立ってしまったとしても、それをS61で空検出することにより、S71での判断に影響を与えないようにするためである。
そして、S71で設定変更操作が行われたと判定されることを条件に(S71:Yes)、設定作業値の更新処理(S72~S74)を実行する。即ち、設定作業値をインクリメント(+1)し(S72)、インクリメント後の設定作業値が0~5の範囲内にない場合(S73:No)には設定作業値に0をセットする(S74)。
次に、設定作業値に基づいて、設定表示手段94に表示する設定情報を指定するための設定表示用データを作成し、出力する(S75)。本実施形態では、設定表示手段94はスタティック点灯方式により駆動制御を行うようになっている。即ち図28に示すように、主制御基板82aのLEDデータポート3からは1byteのスタティック点灯データD30~D37を出力可能であり、それらスタティック点灯データD30~D37のラインが設定表示手段94に接続されている。S75では、設定表示用データをこのスタティック点灯データD30~D37として設定表示手段94に出力する。
なお、S75では設定作業値に基づいて設定表示用データを作成するため、設定変更期間中に設定表示手段94に表示される値(例えば1~6の何れか)はその時点の設定情報(設定値ワーク領域の値)ではなく、確定前の暫定的な設定情報を示している。
以上のS65~S75の処理を、設定変更終了条件が満たされる(S76:Yes)まで繰り返し実行する。本実施形態では、設定変更操作手段93のOFFエッジを検出した場合に設定変更終了条件が満たされたものと判定する。以上の処理により、設定変更期間中は、RAMクリアスイッチ92の押下回数に応じて設定作業値が0~5の範囲で循環的に変更される。
設定変更期間中に設定変更終了条件が満たされると(S76:Yes)、設定変更期間を終了し、設定値ワーク領域に格納されている設定値データを、レジスタの設定作業値で更新する(S77)。これにより、設定変更期間中にRAMクリアスイッチ92の操作により変更された暫定的な設定作業値が設定値データとして確定する。そして、設定表示用データをクリアして設定表示手段94による設定情報の表示を終了する(S78)と共に、バックアップフラグをクリアし(S79)、セキュリティ信号をOFFにし(S80)、演出制御基板83aに対して設定変更完了コマンド(BA09H)を送信し(S81)、設定変更処理を終了する。なお、演出制御基板83aが設定変更完了コマンド(BA09H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定が変更されました」等の表示が行われる(図36)。
このように本実施形態では、電源投入時に設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92とがON,ONの場合(W(1,1))には、設定変更操作手段93がOFFに切り替えられるまでの設定変更期間中、設定表示手段94に表示される設定情報(例えば1~6の何れか)を参照しつつ、RAMクリアスイッチ92を押下することによって設定作業値を設定1~6の範囲で変更した後、設定変更操作手段93をOFFに切り替えることによってその暫定の設定作業値を設定値データとして確定させることができる。
図8に戻って説明を続ける。以上の設定変更処理(S30)が終了すると、演出制御基板83aに対して客待ちデモコマンド(BA04H)を送信し(S27)、RAMクリア処理(S28)を実行する。RAMクリア処理では、例えば図13(a)に示すように、領域内RAMを初期化する(S101)と共に、RAMクリア報知タイマに初期値(例えば30sに対応する値)をセットし(S102)、一部のRAMの初期値を設定する(S103)。
このように、電源投入時のRAMクリア処理(S28、図13(a))では、領域内RAMと領域外RAMとのうち、領域内RAMのみが初期化され、領域外RAMは初期化されない。なお、領域外RAMは、主に性能表示手段95の表示に関するデータを記憶する領域であり、カウント値、計数値、表示値などのデータが記憶される。領域内RAMは、領域外RAMに記憶された性能表示手段95以外の遊技に関するデータが記憶される。このように、RAM領域を区分し、電源投入時のRAMクリア処理では領域外RAMを初期化しないようにすることで、RAMクリア処理が行われた場合であっても性能表示手段95に関するカウント値、計数値、表示値などのデータを電断を跨いで引き継ぐことが可能である。
図8のS16でW(1,1)でないと判定した場合には(S16:No)、RAM異常を判定する(S17)。RAM上の設定値ワーク領域には、設定1~6の何れが選択されているかに応じて例えば0~5の何れかの設定値データが格納されているはずであるから、S17では、例えば設定値ワーク領域の設定値データが0~5の範囲内にない場合にRAM異常であると判定する。
S17においてRAM異常でないと判定した場合には(S17:No)、バックアップフラグが5AHであるか否かを判定する(S18)。なお、バックアップフラグは、後述する第2電源異常チェック処理(図16)のS140で5AHに設定される。S17でRAM異常であると判定した場合(S17:Yes)、及びRAM異常ではない(S17:No)がS18でバックアップフラグが5AHでないと判定した場合には、演出制御基板83aに対して電源再投入コマンド(BA07H)を送信する(S23)。演出制御基板83aが電源再投入コマンド(BA07H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「RAMエラー 電源再投入して設定を1に決定してください」等の表示が行われる。そして、第1電源異常チェック処理(S24,図10)とWDTクリア処理(S25)とを無限に繰り返す電源再投入待ち状態となる。このように本実施形態では、RAM異常又はバックアップ異常の場合には、電源再投入待ち状態に移行することにより、強制的に電源を再投入させるように構成されている。
S18でバックアップフラグが5AHであると判定した場合には、Wレジスタの値が「バックアップ復帰」に対応するW(0,0)であるか否かを判定し(S19)、W(0,0)であれば(S19:Yes)、バックアップされた電源遮断直前の遊技情報に基づいて遊技を再開するためのバックアップ復帰処理(S22)を実行する。なお、このバックアップ復帰処理(S22)では、停電復帰表示コマンド(BA03H)を含む電源復帰用コマンドを演出制御基板83aに対して送信する。なお、演出制御基板83aが停電復帰表示コマンド(BA03H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「停電から復帰しました 遊技を再開してください」等の表示が行われる(図36)。
S19でW(0,0)でないと判定した場合には(S19:No)、Wレジスタの値が「RAMクリア」に対応するW(0,1)であるか否かを判定する(S20)。そして、S20でW(0,1)であると判定した場合には(S20:Yes)、演出制御基板83aに対してRAMクリアコマンド(BA02H)と客待ちデモコマンド(BA04H)とを送信する(S26,S27)と共にRAMクリア処理(S28、図13(a))を実行する。なお、演出制御基板83aがRAMクリアコマンド(BA02H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「RAMクリア中です」等の表示が行われる(図36)。
また、S20でW(0,1)でない、即ち「設定確認」に対応するW(1,0)であると判定した場合には(S20:No)、設定確認処理(S21)を実行する。設定確認処理では、図12に示すように、まず演出制御基板83aに対して設定確認中コマンド(E021H)を送信する(S91)。なお、演出制御基板83aが設定確認中コマンド(E021H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定確認中」等の表示が行われる(図36)。
続いて、RAMの設定値ワーク領域から設定値データを取得する(S92)と共に、続くS93~S96の処理を、S94において設定変更操作手段93がONでないと判定される(S94:No)までの設定確認期間中、繰り返し実行する。即ち、S93では第1電源異常チェック処理(図10)を実行し、S95ではセキュリティ信号を外部出力端子から出力し、S96では設定値データに基づいて設定表示用データを作成し、出力する。このS95では、設定値ワークから取得した設定値データに基づいて設定表示用データを作成するため、設定確認期間中に設定表示手段94に表示される値(例えば1~6の何れか)は、設定変更期間中とは異なり、その時点の確定した設定情報である。
S94において設定変更操作手段93がONでないと判定されると(S94:No)、設定表示用データをクリア(S97)して設定表示手段94への設定情報の表示を停止し、またセキュリティ信号の出力を停止(OFF)する(S98)と共に、演出制御基板83aに対して設定確認終了コマンド(E022H)を送信し(S99)、設定確認処理を終了する。なお、演出制御基板83aが設定確認終了コマンド(E022H)を受信すると、例えば液晶表示手段66の「設定確認中」等の表示が終了する。
このように本実施形態では、電源投入時に設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92とがON,OFFの場合(W(1,0))には、設定変更操作手段93がOFFに切り替えられるまでの設定確認期間中、設定表示手段94にその時点の設定情報(例えば1~6の何れか)が表示される。
図8に戻って説明を続ける。S21の設定確認処理が終了すると、W(0,0)の場合(S19:Yes)と同様、バックアップされた電源遮断直前の遊技情報に基づいて遊技を再開するためのバックアップ復帰処理(S22)を実行する。
設定変更(W(1,1))及びRAMクリア(W(0,1))の場合のRAMクリア処理(S28)、バックアップ復帰(W(0,0))及び設定確認(W(1,0))の場合のバックアップ復帰処理(S22)に続いては、図9の処理に移行し、タイマ割込みが例えば4ms周期で実行されるようにCTC(Counter Timer Circuit)の設定を行い(S31)、発射許可信号をONに設定する(S32)と共に、演出制御基板83aに対して遊技開始コマンド(BA77H)を送信する(S33)。
そして、全レジスタを退避させ(S34)、領域外プログラムである動作確認設定処理(S35)を呼び出して実行した後、全レジスタを復帰させる(S37)。動作確認設定処理(S35)では、図13(b)に示すように、性能表示手段95の動作確認中であるか否かを示す動作確認フラグをON(動作確認中)にする(S106)と共に、動作確認時間を計時するための動作確認タイマに初期値(例えば5秒に対応する値)をセットする(S107)。なお、これら動作確認フラグ、動作確認タイマは領域外RAMに設けられている。性能表示手段95の動作確認については後述する。
続いてメインループ処理(S38~S43)を実行する。このメインループ処理では、割込みを禁止し(S38)、各種乱数を更新し(S39)、全レジスタをスタック領域に退避させ(S40)、性能表示集計除算処理(S41)を実行した後、全レジスタを復帰させて(S42)割込みを許可する(S43)という一連の処理を繰り返し実行する。これにより、例えば4ms周期でタイマ割込み処理が呼び出され、実行される。
ここで、性能表示集計除算処理(S41)は、性能表示手段95に表示するベース値(所定情報)を算出するもので、所定時点からアウト個数が所定個数(例えば60000個)に達するまでの単位期間中に、その単位期間中における「低確率状態での払い出し個数」と「低確率状態でのアウト個数」とをカウントし、前者を後者で除算することにより第1ベース値を算出する。第2ベース値については、前回の単位期間における最終の第1ベース値をそのまま用いる。
続いて、主制御基板82aのタイマ割込み処理(図15)について説明する。このタイマ割込み処理(図15)では、まず第2電源異常チェック処理(S111)を実行する。この第2電源異常チェック処理では、例えば図16に示すように、まず電源基板89aから送信されてくる電源異常信号を2回読み込む(S131)。そして、その2回読み込んだ電源異常信号のレベルが一致するか否かを判定し(S132)、それらのレベルが一致しない場合(S132:No)にはS131に戻り、一致する場合(S132:Yes)にはその電源異常信号がONであるか否か、即ち電源異常信号のレベルが「H」レベルであるか否かを判定する(S133)。
電源異常信号のレベルが「H」レベル(ON)でない場合には(S133:No)、バックアップフラグをOFF(≠5AH)に設定する(S134)と共に、電源異常確認カウンタの値をクリアし(S135)、第2電源異常チェック処理を終了する。
一方、電源異常信号のレベルが「H」レベル(ON)である場合には(S133:Yes)、電源異常確認カウンタの値をインクリメント(+1)する(S136)と共に、インクリメント後の電源異常確認カウンタの値が例えば2に達しているか否かを判定する(S137)。そして電源異常確認カウンタの値が2未満であれば(S137:No)、そのまま第2電源異常チェック処理を終了する。
S137で電源異常確認カウンタの値が2に達している場合には(S137:Yes)、電源異常と判断し、RAMに記憶されているデータ(遊技情報)のバックアップ処理(S138~S141)を行う。即ち、電源異常確認カウンタの値をクリアし(S138)、発射制御信号をOFFに設定し(S139)、バックアップフラグを5AHに設定する(S140)。そして、RAMの作業領域に対して連続して8ビット加算を実行することによりチェックサムを演算し、その演算結果(SUM番地)をチェックサム値としてRAMのSUM記憶領域に保存する(S141)。
その後、演出制御基板83a等に対して電源断コマンドを送信し(S142)、RAMのプロテクトを有効にすると共に禁止領域を無効とする(S143)。これにより、以降の処理においてRAMへのデータ書込みが禁止される。また、全ての出力ポートの出力データをクリアし(S144)、CTCに対する設定処理によってタイマ割込みを禁止した後(S145)、WDTをクリアしつつ無限ループ処理を繰り返し、電源電圧が降下してCPUが非動作状態になるのを待つ。
以上の第2電源異常チェック処理(図15のS111)を終了すると、続いて遊技制御に用いられる各種タイマを管理するタイマ管理処理(S112)、各入賞手段に設けた遊技球検出手段や操作手段等の各種センサによる検出情報を管理する入力管理処理(S113)、設定値に関する異常チェックを行う設定異常チェック処理(S114)、各種エラーの発生を監視するエラー管理処理(S115)、大当たり判定乱数等の各種乱数を更新する乱数更新処理(S116)、払出制御基板90aに払出制御コマンドを送信する等の賞球管理を行う賞球管理処理(S117)を実行する。
ここで、設定異常チェック処理(S114)では、例えば図17に示すように、まず設定エラーフラグが5AH(設定エラー中)であるか否かを判定し(S151)、5AHであれば(S151:Yes)そのまま設定異常チェック処理を終了する。また設定エラーフラグが5AHでない場合には(S151:No)、設定値ワーク領域の設定値データが0~5の範囲内か否かを判定し(S152)、設定値データが0~5の範囲内であれば(S152:Yes)そのまま設定異常チェック処理を終了する。
設定エラーフラグが5AHでなく(S151:No)、設定値データが0~5の範囲内にない場合には(S152:No)、設定エラーフラグに5AHをセットする(S153)と共に、演出制御基板83aに対して設定値異常コマンド(0E33H)を送信し(S154)、設定異常チェック処理を終了する。なお、演出制御基板83aが設定値異常コマンド(0E33H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「RAM異常です 係員を呼んでください」等の表示が行われる。
図15の賞球管理処理(S117)に続いては、普通図柄管理処理(S118)、普通電動役物管理処理(S119)、特別図柄管理処理(S120)、特別電動役物管理処理(S121)を実行する。
普通図柄管理処理(S118)は、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動を管理するもので、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、当たり判定乱数値等の普通乱数情報を取得すると共にその当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶し、普通図柄表示手段51が変動表示可能な状態となり且つ普通保留個数が1以上であることを条件に、普通乱数情報の待ち行列の先頭から当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/はずれの判定(当たり判定)を行うと共に、その当たり判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄及び変動時間を選択し、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動を行うようになっている。
また、普通電動役物管理処理(S119)は、普通利益状態を管理するもので、S118の当たり判定結果が当たりとなることに基づいて普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当たり態様となった場合に、第2特別図柄始動手段63の開閉部78を所定の開閉パターンに従って開状態に変化させる普通利益状態を発生させるようになっている。
特別図柄管理処理(S120)は、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動を管理する処理である。この特別図柄管理処理では、例えば図18に示すように、まず前回の割込み時から今回までの間に第1特別図柄始動手段62と第2特別図柄始動手段63との何れかに遊技球が入賞したか否か(遊技球を検出したか否か)を判定する(S161,S163)。そして、第1特別図柄始動手段62への入賞があった場合には第1始動入賞処理(S162)を、第2特別図柄始動手段63への入賞があった場合には第2始動入賞処理(S164)を夫々実行する。
第1,第2始動入賞処理(S162,S164)では、例えば大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値、その他の乱数値よりなる第1,第2特別乱数情報を予め定められた保留上限数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶すると共に、増加後の第1,第2特別保留個数に基づいて演出制御基板83aに対して保留加算コマンドを送信する。また第1,第2始動入賞処理(S162,S164)では、第1,第2特別図柄始動手段62,63への遊技球入賞時に取得した第1,第2特別乱数情報について、例えばその取得時に、その第1,第2特別乱数情報に含まれる大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致するか否か(大当たりか否か)等について先読み判定を実行可能となっている。この先読み判定の結果は例えば保留加算コマンドによって演出制御基板83a等に伝達される。
続いて、第1,第2特別図柄の変動に関する状況を示す図柄変動ステータスを判定し(S165)、図柄変動ステータスが00H又は01H(変動待機中)であれば特別図柄変動開始処理(S166)を、02H(変動中)であれば特別図柄変動中処理(S167)を、03H(確認中)であれば特別図柄確認時間中処理(S168)を、夫々実行する。
図柄変動ステータスが00H又は01H(変動待機中)の場合に実行する特別図柄変動開始処理(S166)では、例えば図19に示すように、第2特別保留個数が0であるか否かを判定し(S171)、第2特別保留個数が0でない場合には(S171:No)、第2特別保留個数を1減算する(S171a)と共に、演出制御基板83aに対して保留減算コマンドを送信する(S173)。
また、S171で第2特別保留個数が0である場合には(S171:Yes)、第1特別保留個数が0であるか否かを判定し(S172)、第1特別保留個数が0でない場合には(S172:No)、第1特別保留個数を1減算する(S172a)と共に、演出制御基板83aに対して保留減算コマンドを送信する(S173)。以上の処理により、第1特別図柄の図柄変動よりも第2特別図柄の図柄変動の方が優先して実行される。
また、第1,第2特別保留個数が共に0であれば(S172:Yes)、図柄変動ステータスが00Hであるか否かを判定し(S182)、00Hでなければ(S182:No)、図柄変動ステータスを00Hに変更する(S183)と共に、演出制御基板83aに対して客待ちデモコマンド(BA04H)を送信し(S184)、特別図柄変動開始処理を終了する。図柄変動ステータスが00Hであれば(S182:Yes)、即ち変動待機中になった後にS183,S184を既に実行済みの場合には、S183,S184はスキップする。このように、第1,第2特別図柄の変動が終了し且つその時点で第1,第2特別保留個数が共に0である場合に客待ちデモコマンド(BA04H)が送信される。
S173に続いては、設定エラーフラグが5AH(設定エラー中)であるか否かを判定し(S174)、設定エラーフラグが5AH(設定エラー中)でなければ大当たり判定処理を実行し(S174:No→S175)、設定エラーフラグが5AH(設定エラー中)であれば大当たり判定処理(S175)をスキップする(S174:Yes)。大当たり判定処理(S175)は、乱数抽選により大当たり/はずれの判定(大当たり判定)を行うもので、図20に示す処理を実行することにより、第1特別乱数情報又は第2特別乱数情報の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/はずれの判定を行うようになっている。
ここで、大当たり判定値は、図21に示すように大当たり判定乱数値のとり得る範囲(例えば0~65535)のうちの所定範囲(例えば10001~10217、又は10001~12184)に定められており、大当たり判定乱数値がその所定範囲内にあれば大当たり、所定範囲内になければはずれとなる。また、大当たり確率には低確率と高確率とがあり、高確率の場合には低確率の場合に比べて大当り判定値の範囲(所定範囲)が広くなる。本実施形態では、低確率のときの大当たり判定値の範囲(例えば10001~10217)と、高確率のときの大当たり判定値の範囲(例えば10001~12184)とは、それらの下限値が共通で、上限値が異なっている。従って、低確率のときの大当たり判定値の範囲は、高確率のときの大当たり判定値の範囲に含まれている。
また本実施形態では、大当たり確率を6段階(設定1~6)に変更可能であるため、設定1~6に応じて大当たり判定値の範囲の下限値と上限値とのうちの上限値を異ならせている。即ち図22の大当たり判定テーブルに示すように、大当たり判定値の範囲の下限値と上限値(低確率及び高確率)とについて夫々基準値(第1情報)を設定すると共に、その基準上限値(低確率及び高確率)に対する加算値(低確率及び高確率)(差分値、第2情報)を設定1~6毎に設定している。ここで、基準値を表現するには夫々2byte必要であるのに対し、低確率及び高確率に対応する加算値(低確差分値、高確差分値)については1byteで表現できる場合もあるため(本実施形態の場合は低確率に対応する加算値については全て1byteで表現可能)、大当たり判定値の範囲の下限値及び上限値(低確率及び高確率)を設定1~6毎にそのままの値(各2byte)で記憶する場合と比較して記憶容量を抑制できる。
なお図22の例では、設定1~6の場合の大当たり確率(低確率)が夫々約1/300,1/280,1/260,1/240,1/220,1/200、同じく大当たり確率(高確率)が夫々約1/30,1/28,1/26,1/24,1/22,1/20となっている。また図22の例では、設定1に対応する加算値は低確、高確共に0であり、基準上限値がそのまま設定1の場合の上限値となっているから、設定1に対応する加算値については記憶する必要はない。
大当たり判定処理(図20)の処理手順を具体的に説明すると、まず大当たり判定乱数値を、大当たり判定値の基準下限値(図22では10000)と比較し(S191)、例えば大当たり判定乱数値が基準下限値以下(S191:Yes)であれば「はずれ」となり、そのまま大当たり判定処理を終了する。
S191で大当たり判定乱数値が基準下限値よりも大であれば(S191:No)、大当たり確率が高確率となる確変状態中であるか否かを判定し(S192)、確変状態中であれば(S192:Yes)、高確の基準上限値(図22では12185)に、その時点の設定値(設定1~6の何れか)に対応する高確の加算値を加算して上限値を算出し(S194)、確変状態中でなければ(S192:No)、低確の基準上限値(図22では10218)に、その時点の設定値(設定1~6の何れか)に対応する低確の加算値を加算して上限値を算出する(S193)。これにより、例えば設定1で低確中の上限値は10218(=10218+0)となり、例えば設定3で高確中の上限値は12521(=12185+336)となる。
そして、大当たり判定乱数値を、算出した上限値と比較し(S195)、例えば大当たり判定乱数値が上限値以下(S195:Yes)であれば「大当たり」となり、大当たり判定フラグに大当たりを示す“5AH”をセットして(S196)大当たり判定処理を終了する。一方、大当たり判定乱数値が上限値よりも大(S195:No)であれば「はずれ」となり、そのまま大当たり判定処理を終了する。
なおこのとき、大当たり判定フラグの値は、前回の図柄変動で大当たり態様となった場合でも、例えば大当たり遊技の開始時にクリアされるため、この「はずれ」の場合の大当たり判定フラグは必ず“00H”となっている。ここで、以上説明した大当たり判定処理(図19のS175)は、上述したように設定エラー(設定エラーフラグが5AH)の場合には実行されないため、設定エラーの場合の大当たり判定フラグは必ず“00H”(はずれ)となる。
特別図柄変動開始処理(図19)に戻って説明を続ける。S174,S175の処理に続いては、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄を選択する特別停止図柄選択処理(S176)、演出図柄80の変動パターンを選択する変動パターン選択処理(S177)を実行する。
変動パターン選択処理(S177)では、例えば図23に示すように、まず設定エラーフラグが5AH(設定エラー中)であるか否かを判定する(S201)。そして設定エラーフラグが5AH(設定エラー中)でなければ(S201:No)、大当たり判定フラグが5AH(大当たり)であるか否かを判定し(S202)、大当たり判定フラグが5AHでなければはずれ変動パターンテーブル(図24)を選択し(S203)、5AHであれば大当たり変動パターンテーブル(図25)を選択する(S208)。
はずれ変動パターンテーブル(図24)を選択した場合(S203)には、特別乱数情報(例えば第1特別図柄の場合には第1特別乱数情報)に含まれる図柄判定乱数値に基づいてはずれの種類を選択する(S204)。本実施形態では、はずれ1~3の3種類のはずれが設けられており、はずれ変動パターンテーブル(図24)では、はずれ1の場合は変動パターンの選択率が特別保留個数(例えば第1特別図柄の場合には第1特別保留個数)に応じて変化するが設定値では変化せず、はずれ2,3の場合は変動パターンの選択率が設定値に応じて変化するが特別保留個数では変化しないようになっている。もちろん、変動パターンの選択率が特別保留個数と設定値との両方に基づいて変化するはずれを設けてもよい。
そして、S204ではずれ1を選択した場合には(S205:Yes)、特別保留個数に応じて変動パターン乱数値に対応する変動パターンを選択し(S206)、はずれ2,3の何れかを選択した場合には(S205:No)、はずれの種類とその時点の設定値(設定1~6の何れか)とに応じて変動パターン乱数値に対応する変動パターンを選択する(S207)。例えば、第1特別図柄の変動においてはずれ1を選択し、減算後の第1特別保留個数が3個の場合には、4sの通常変動パターンとノーマルリーチ変動パターンとが190:10の割合で選択される。
なお、図24(a)に示す第1特別図柄のはずれ変動パターンテーブルには次のような特徴がある。即ち、はずれ1の場合にはリーチを経ることなくはずれ態様となる通常変動パターンとノーマルリーチ変動パターンとが選択対象となり、しかも通常変動パターンについては特別保留個数が多いほど変動時間が短いものが選択されるようになっている。また、はずれ2,3の場合にはスーパーリーチ変動パターンのみが選択対象となり、各変動パターンの選択率が設定1と2、設定3と4、設定5と6で夫々同じ値に設定されている。また、はずれ2の場合には、設定1,2ではスーパーリーチ4の選択率が最も高く、スーパーリーチ1の選択率が最も低くなっているのに対し、設定3~6では逆にスーパーリーチ1の選択率が最も高く、スーパーリーチ4の選択率が最も低くなっている。また、はずれ3の場合には、設定1,2ではスーパーリーチ1のみが、設定3,4ではスーパーリーチ2,3の何れかが、設定5,6ではスーパーリーチ4のみが選択対象となっている。これにより、第1特別図柄の変動に対応する演出図柄80の変動パターンの出現傾向により遊技者は設定値をある程度予測することが可能である。もちろん、各変動パターンの選択率を設定1~6の全てで異ならせたはずれを設けてもよい。
一方、図24(b)に示す第2特別図柄のはずれ変動パターンテーブルでは、はずれの種類や特別保留個数、設定値に拘わらず、最も変動時間の長い(ここでは12s)通常変動パターンのみが選択対象となっている。
また、大当たり変動パターンテーブル(図25)を選択した場合(S208)には、特別乱数情報(例えば第1特別図柄の場合には第1特別乱数情報)に含まれる図柄判定乱数値に基づいて大当たりの種類を選択する(S209)。本実施形態では、図25に示すように通常4R、通常6R、確変6R、確変10Rの4種類の大当たりが設けられている。そして、S209で選択した大当たりの種類とその時点の設定値(設定1~6の何れか)とに応じて変動パターン乱数値に対応する変動パターンを選択する(S210)。例えば、第2特別図柄の変動において確変10Rを選択した場合、設定6であればスーパーリーチ1~4変動パターンが5:70:5:120の割合で選択される。
なお、通常4R及び通常6Rは、大当たり遊技の終了後に例えば時短状態を発生させることとなる大当たりで、大当たり遊技中は例えば出玉ありのラウンドを夫々4ラウンド、6ラウンド行うようになっている。
時短状態中は、例えば第1,第2特別図柄に関して第1,第2特別図柄表示手段53,54の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、第2特別図柄始動手段63の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は大当たり遊技が終了した時点で開始し、例えば第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の大当たり遊技が発生した時点で終了する。
また確変6R及び確変10Rは、大当たり遊技の終了後に例えば確変状態を発生させることとなる大当たりで、大当たり遊技中は例えば出玉ありのラウンドを夫々6ラウンド、10ラウンド行うようになっている。確変状態中は、例えば時短状態と同様の切り換えに加えて、大当たり判定値の数(範囲)が増加することにより(図21参照)、大当たり確率が低確率から高確率に切り換えられるようになっている。なお、確変状態は大当たり遊技が終了した時点で開始し、例えば次の大当たり遊技が発生した時点で終了する。
図25(a)に示す第1特別図柄の大当たり変動パターンテーブルには次のような特徴がある。即ち、通常4Rと確変10Rの場合には、各変動パターンの選択率が設定1と2、設定3と4、設定5と6で夫々同じであるのに対し、通常6Rと確変6Rの場合には、各変動パターンの選択率が設定1~6で全て同じとなっている。また、リーチを経ることなく大当たり態様となる通常変動大当たり変動パターンについては、通常4Rで設定1,2の何れかの場合と通常6Rの場合のみ選択対象となっている。また、全ての場合でスーパーリーチ1~4のうちでスーパーリーチ4の選択率が最も高くなっているが、設定値によって選択率が異なる通常4R、確変10Rの場合には、設定5,6の場合についてはスーパーリーチ4に続いてスーパーリーチ2の選択率が高くなっているのに対し、それ以外の例えば設定1~4の場合はスーパーリーチ1~4の順に選択率が高くなっている。もちろん、各変動パターンの選択率を設定1~6の全てで異ならせた大当たりを設けてもよい。
また、図25(b)に示す第2特別図柄の大当たり変動パターンテーブルには次のような特徴がある。即ち、通常4R、確変6R及び確変10Rの場合には、各変動パターンの選択率が設定1と2、設定3と4、設定5と6で夫々同じであるのに対し、通常6Rの場合には、各変動パターンの選択率が設定1~6で全て同じとなっている。また、通常変動大当たり変動パターンについては、通常4Rで設定1,2の何れかの場合のみ選択対象となっている。また、全ての場合でスーパーリーチ1~4のうちでスーパーリーチ4の選択率が最も高くなっているが、設定値によって選択率が異なる通常4R、確変6R、確変10Rの場合には、設定5,6の場合についてはスーパーリーチ4に続いてスーパーリーチ2の選択率が高くなっているのに対し、それ以外の例えば設定1~4の場合はスーパーリーチ1~4の順に選択率が高くなっている。これにより、第1,第2特別図柄の変動に対応する演出図柄80の変動パターンの出現傾向により遊技者は設定値をある程度予測することが可能である。
また、S201で設定エラーフラグが5AH(設定エラー中)であると判定した場合には(S201:Yes)、設定エラー用変動パターンテーブル(図26)を選択し(S211)、特別乱数情報(例えば第1特別図柄の場合には第1特別乱数情報)に含まれる図柄判定乱数値に基づいてはずれの種類を選択する(S212)。そして、S212ではずれ1を選択した場合には(S213:Yes)、特別保留個数に応じて変動パターン乱数値に対応する変動パターンを選択し(S214)、はずれ2,3の何れかを選択した場合には(S213:No)、はずれの種類に応じて変動パターン乱数値に対応する変動パターンを選択する(S215)。例えば、第1特別図柄の変動においてはずれ1を選択し、減算後の第1特別保留個数が1個の場合には、8sの通常変動パターンが選択される。
なお、図26に示す設定エラー用変動パターンテーブルでは、はずれ1~3のうちのはずれ1のみが選択され、しかも通常変動パターンのみが選択対象となっており、更に第1特別図柄の変動時には特別保留個数が多いほど変動時間の短い通常変動パターンが選択され、第2特別図柄の変動時には特別保留個数に拘わらず特定の通常変動パターン(ここでは最も変動時間の長い12s)のみが選択されるようになっている。このように設定エラーの場合には、いわゆる激アツの変動パターン等が選択されることがないように、通常変動パターンのみを選択対象としている。なお同様の趣旨で、設定エラーの場合には演出制御基板83a側でも予告を出現させないようにすることが望ましい。
図19の特別図柄変動開始処理に戻って説明を続ける。以上説明した変動パターン選択処理(S177)に続いては、選択された変動パターンに対応する変動パターンコマンド、S176で選択した停止図柄に対応する停止図柄コマンドを演出制御基板83aに送信する(S178,S179)と共に、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始し(S180)、図柄変動ステータスを02H(変動中)に変更して(S181)、この特別図柄変動開始処理を終了する。
図18の特別図柄管理処理において特別図柄変動開始処理(S166)が終了し、図柄変動ステータスが02H(変動中)になると、次回の割込み時からは特別図柄変動中処理(S167)を実行する。この特別図柄変動中処理(S167)では、例えば第1,第2特別図柄の変動開始から、S177で選択した変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、第1,第2特別図柄の変動を停止すると共に変動停止コマンドを演出制御基板83aに送信し、また図柄変動ステータスを03H(確認中)に変更する。
また、特別図柄変動中処理(S167)が終了して図柄変動ステータスが03H(確認中)になると、次回の割込み時からは特別図柄確認時間中処理(S168)を実行する。この特別図柄確認時間中処理(S168)では、例えば第1,第2特別図柄の変動停止から所定の確認時間(例えば500msec)が経過した場合には、図柄変動ステータスを01H(変動待機中)に変更すると共に、第1,第2特別図柄の変動に係る各種変数等を初期化し、その変動後の停止図柄が大当たり態様となった場合には、例えば大当たり遊技に係る各種変数等に初期値を設定するなど、大当たり遊技を開始するための準備処理を行う。
図15のタイマ割込み処理に戻って説明を続ける。以上説明した特別図柄管理処理(S120)に続いて実行する特別電動役物管理処理(S121)は、大当たり遊技を管理するもので、大当たり判定(図19のS175)の結果が大当たりとなり、第1,第2特別図柄表示手段53,54の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となった場合に、大入賞手段64を所定の開放パターンに従って開状態に変化させる大当たり遊技(第1,第2特別利益状態)を発生させるようになっている。本実施形態における大当たり遊技の開放パターンは、図23のS209で選択された大当たりの種類に応じて4R、6R、10Rの何れかとなる。
特別電動役物管理処理(S121)に続いては、外部端子処理(S122)、LED管理処理(S123)を実行する。外部端子処理(S122)では、外部出力端子からホールコンピュータ等の外部装置に各種情報を出力するための処理を行う。
またLED管理処理(S123)は、遊技情報表示手段50、性能表示手段95等を構成するLEDの発光管理を行うものである。本実施形態では、遊技情報表示手段50と性能表示手段95とについてはダイナミック点灯方式により駆動制御を行うようになっている。
図28に示すように、主制御基板82aのLEDコモンポートからは1byteのダイナミック点灯コモンC0~C7の走査信号を出力可能であり、それらのうち、ダイナミック点灯コモンC0~C3のラインが遊技情報表示手段50のLEDグループ50a~50dに、ダイナミック点灯コモンC4~C7のラインが性能表示手段95の7セグ表示部95a~95dに夫々接続されている。
また、主制御基板82aのLEDデータポート1,2からは夫々1byteのダイナミック点灯データD10~D17,D20~D27を出力可能であり、LEDデータポート1のダイナミック点灯データD10~D17のラインが遊技情報表示手段50のLEDグループ50a~50dに、LEDデータポート2のダイナミック点灯データD20~D27のラインが性能表示手段95の7セグ表示部95a~95dに夫々接続されている。
LED管理処理(S123)では、図27に示すように、まずLEDコモンポートとLEDデータポートにクリア信号を出力して同ポートをクリアし(S221)、LED出力カウンタをインクリメント(+1)する(S222)。そして、LEDコモン出力選択テーブル(図29(a))から、LED出力カウンタの値に対応するコモンデータを選択し(S223)、そのコモンデータをLEDコモンポートに出力する(S224)。
本実施形態のLEDコモン出力選択テーブルでは、図29(a)に示すように、コモンC0とコモンC4とをONにする第1コモンデータと、コモンC1とコモンC5とをONにする第2コモンデータと、コモンC2とコモンC6とをONにする第3コモンデータと、コモンC3とコモンC7とをONにする第4コモンデータの4種類のコモンデータが設けられており、それら第1~第4コモンデータが、LED出力カウンタの増加に応じてその順序で循環的に選択されるようになっている。
これにより、1割込み毎(例えば4ms毎)に、遊技情報表示手段50の点灯対象はLEDグループ50a→50b→50c→50d→50a→…のように順次変化し、同様に性能表示手段95の点灯対象は7セグ表示部95a→95b→95c→95d→95a→…のように順次変化する。
続いて、LED出力カウンタについて、最下位を第1bitとしたときの第6bit目の値を判定し(S225)、その値に応じて2つのLEDデータ出力情報テーブルA,B(図29(b))の何れかを選択する(S226a,226b)。これにより、割込み32回(128ms)毎にLEDデータ出力情報テーブルを切り替えることができる。
ここで、LEDデータ出力情報テーブルA,Bは、遊技情報表示手段50に接続されるLEDデータポート1に対応しており、図29に示すように夫々第1~第4コモンデータに対応する第1~第4LEDデータA0~A3,B0~B3が設けられている。即ち、第1LEDデータA0,B0は、コモンC0に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50a(第1特別図柄表示手段53)のLEDデータであり、第2LEDデータA1,B1は、コモンC1に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50b(第2特別図柄表示手段54)のLEDデータであり、第3LEDデータA2,B2は、コモンC2に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50c(特別保留個数表示手段55等)のLEDデータであり、第4LEDデータA3,B3は、コモンC3に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50d(普通図柄表示手段51等)のLEDデータである。
LEDデータ出力情報テーブルA,Bの何れかを選択すると(S226a,S226b)、そのLEDデータ出力情報テーブルからLED出力カウンタの値に対応するLEDデータを選択し(S227)、そのLEDデータをLEDデータポート1に出力し(S228)、LED管理処理を終了する。
以上の処理により、遊技情報表示手段50の4つのLEDグループ50a~50dを4ms毎に順次切り替えつつ点灯させることができ、しかも同一グループで2種類の表示態様を128ms毎に切り替えることができる。
図15のタイマ割込み処理に戻って説明を続ける。以上説明したLED管理処理(S123)が終了すると、全レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(S124)、性能表示更新処理(S125)を実行する。この性能表示更新処理(S125)は、性能表示集計除算処理(図9のS41)で算出した第1,第2ベース値に基づいて性能表示手段95の表示を更新する処理である。
なお、性能表示手段95の4つの7セグ表示部95a~95dは、例えば上位2桁の7セグ表示部95a,95bがベース値の種類(第1,第2表示部の別)を示す識別表示部、下位2桁の7セグ表示部95c,95dがベース値の数値を表示する数値表示部となっている。数値表示部に第1ベース値を表示する場合には、識別表示部には例えば「bL.」と表示し、数値表示部に第2ベース値を表示する場合には、識別表示部には例えば「b6.」と表示する。ベース値は例えば小数第一位を四捨五入した上で数値表示部に表示するが、四捨五入後の値が3桁以上の場合には、数値表示部にオーバーフローを示す「99.」等を表示する。
また、性能表示手段95は複数種類のベース値(ここでは第1,第2ベース値)の表示切り替えを所定時間(例えば5秒)毎に行うこととするが、例えば扉開放時等の所定期間のみ性能表示手段95を作動させてもよいし、ボタン操作等に基づいて第1,第2ベース値を切り替えるようにしてもよい。
性能表示更新処理(S125)では、図30に示すように、まずスタックポインタを退避させ(S231)、領域外RAMチェック処理(S232)を実行する。領域外RAMチェック処理(S232)では、例えば図31に示すように、領域外RAMに異常があるか否かを判定し(S241)、領域外RAMに異常があると判定することを条件に(S241:Yes)、S242~S244の処理を実行する。即ち、領域外RAMを初期化する(S242)と共に、動作確認フラグをON(動作確認中)に設定し(S243)、動作確認タイマに初期値(例えば5秒に対応する値)をセットする(S244)。これにより、領域外RAMの初期化後には必ず動作確認処理が実行される。
領域外RAMチェック処理(図30のS232)に続いては、例えば性能表示手段出力処理(S233)を実行する。この性能表示手段出力処理(S233)では、前回の割込み時までに識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファ(所定記憶領域)にセットされたデータを、LED管理処理(図27)で選択されたコモン(7セグ表示部)に応じてLEDデータポート2(図28)に出力することにより、性能表示手段95に所定の表示を行う。識別表示部出力バッファ、数値表示部出力バッファは、識別表示部、数値表示部の各表示パターンデータを格納するためのもので、何れも領域外RAMに設けられている。なお、この性能表示手段出力処理(S233)は、後述する動作確認処理(S235)及び表示更新処理(S236)の後に実行してもよい。
性能表示手段出力処理(S233)に続いては、動作確認フラグがON(動作確認中)であるか否かを判定し(S234)、動作確認フラグがONであれば、性能表示手段95の動作確認を行う動作確認処理(S235)を、ONでなければ、性能表示手段95の表示更新を行う表示更新処理(S236)を実行する。なお、性能表示手段95の動作確認では、性能表示手段95の全ての7セグ表示部95a~95dを所定時間(ここでは5秒間)全点滅させるようになっている。
動作確認処理(S235)では、図32に示すように、まず消灯期間中であるか否かを判定する(S251)。本実施形態では、動作確認中は消灯期間と点灯期間とが0.3s等の所定周期で繰り返される。S251で消灯期間中であると判定した場合には(S251:Yes)、識別表示部出力バッファと数値表示部出力バッファとに夫々消灯データ、即ち“0000H”をセットする(S252,S253)。これらの消灯データは、データテーブル等を参照することなく各出力バッファに直接書き込まれる。
また、S251で消灯期間中でないと判定した場合には(S251:No)、識別表示部出力バッファと数値表示部出力バッファとに夫々点灯データ、即ち“FFFFH”をセットする(S254,S255)。これらの点灯データについても、データテーブル等を参照することなく各出力バッファに直接書き込まれる。
出力バッファへのデータ書き込み(S252~S255)が終了すると、動作確認タイマが0であるか否か、即ち動作確認を開始してから所定時間(5秒)が経過したか否かを判定する(S256)。なお、動作確認タイマは、図9のS35、図31のS244で初期値がセットされた後、時間経過に応じて減算処理が行われるものとする。
S244で動作確認タイマが0、即ち動作確認の開始から所定時間(5秒)が経過したと判定した場合には(S256:Yes)、動作確認フラグをOFFに切り替え(S257)、動作確認処理を終了する。なお、動作確認タイマは電源投入時(図9のS35)に初期値(5秒)がセットされるようになっているため、動作確認中に電断した場合、その後の電断復帰時には、電断前の状態から動作確認が再開されるのではなく、再び5秒間の最初から動作確認が行われる。
以上の動作確認処理により、性能表示手段95が全点灯と全消灯とを繰り返す全点滅(確認処理)が所定時間(5秒間)行われる。
なお、以上の動作確認処理中も、性能表示集計除算処理(図9のS41)は実行され、少なくともベース値の算出に必要なカウント処理は行われる。これにより、動作確認中の入賞やアウトへの入球についても、動作確認後に表示されるベース値に正確に反映させることが可能となる。なお、動作確認中はベース値は表示されないため、動作確認中の性能表示集計除算処理では少なくともカウント処理を行えばよいが、ベース値の算出まで行うようにしてもよい。
また表示更新処理(S236)では、図33に示すように、まず複数のベース値出力期間の何れであるかに応じて、識別表示部LEDデータテーブルから識別表示部表示パターンデータを取得し(S261)、識別表示部出力バッファにセットする(S262)。本実施形態では、第1ベース値を表示する第1ベース値出力期間と、第2ベース値を表示する第2ベース値出力期間の2種類のベース値出力期間を設け、それらを5秒毎に切り替えるようになっている。また、識別表示部LEDデータテーブルには、図34(a)に示すように、第1ベース値を示す「bL.」の表示に対応する表示パターンデータ(上位“01111100B”、下位“10111000B”)と、第2ベース値を示す「b6.」の表示に対応する表示パターンデータ(上位“01111100B”、下位“11111101B”)とが予め記憶されている。
また、その時点のベース値に応じて、10進数値LEDデータテーブルから数値表示部表示パターンデータを取得し(S263)、数値表示部出力バッファにセットする(S264)。10進数値LEDデータテーブルには、図34(b)に示すように、0~9の10種類の数値に対応する各1byteの表示パターンデータが予め格納されている。従って、例えば第1ベース値出力期間中であって、その時点の第1ベース値が「35」であれば、10進数値LEDデータテーブルから10の位の「3」に対応する“01001111B”と、1の位の「5」に対応する“01101101B”とを取得し、数値表示部出力バッファにセットする。
以上の表示更新処理により、全点滅(動作確認)を終了した後の性能表示手段95には第1ベース値と第2ベース値とが例えば5秒毎に切り替え表示される。
動作確認処理(図30のS235)又は表示更新処理(図30のS236)の実行後は、スタックポインタを復帰させ(S237)、性能表示更新処理を終了する。
図35は、RAMクリア時、設定変更時、設定確認時、バックアップ復帰時、RAM異常時又はバックアップ異常時の夫々の場合における、各種の期間中の性能表示手段95の表示態様を示したものである。本実施形態では、RAMクリア処理、設定変更処理、設定確認処理、バックアップ復帰処理等が終了した後に動作確認期間が開始され、性能表示手段95による5秒間の全点滅が行われた後、ベース値の表示が行われるようになっている。従って、図35に示すように、RAMクリア時における「RAMクリア中です」等のRAMクリア復帰画面の表示中、設定変更時における「設定変更中です」等の設定変更中画面が表示されている設定変更期間中、RAM異常時における「RAMエラー 電源再投入して設定を1に決定してください」等の電源再投入画面の表示中、設定確認時における「設定確認中です」等の設定確認中画面が表示されている設定確認期間中については、性能表示手段95は例えば全消灯の非表示状態となる。
一方、RAMクリア時、設定変更時、設定確認時、バックアップ復帰時、RAM異常時又はバックアップ異常時の何れの場合についても、例えば客待ち状態開始後の待機画面表示中に5秒間の全点滅(動作確認)が終了した場合には、その時点でベース値の表示を開始する。また設定変更時には、設定変更期間の終了時に全点滅が開始するため、「設定が変更されました」等の設定変更完了画面の表示が5秒以上継続する場合には、その設定変更完了画面の表示中に5秒間の全点滅(動作確認)が終了し、ベース値の表示を開始する。
以上の性能表示更新処理(図15のS125)が終了すると、退避していたレジスタの内容を復帰させ(S126)、WDTをクリアして(S127)、タイマ割込み処理を終了する。
続いて、演出制御基板83aの制御動作について説明する。演出制御基板83aは、液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段67等の各種演出手段による演出を制御するもので、図6(b)に示すように、電源投入時制御手段101、特別保留個数表示制御手段102、先読み予告演出制御手段103、図柄変動演出制御手段104、通常予告演出制御手段105等を備えている。
電源投入時制御手段101は、電源投入時に主制御基板82aから各種制御コマンドを受信することに基づいて液晶表示手段66等の各種演出手段を制御するようになっている。
図36は、RAMクリア時、設定変更時、設定確認時、バックアップ復帰時、RAM異常時又はバックアップ異常時の夫々の場合における、主制御基板82aからの受信コマンドとそれに対応する液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段67の作動内容の一例を示したものである。
RAMクリア時については、図36(a)上段に示すように、待機画面表示コマンド(BA01H)を受信したときに(図7のS12)、液晶表示手段66に「Please Wait」等の文字情報を表示するが、電飾手段96は全て消灯し、スピーカ18,25からはBGM等の音声は出力せず(消音)、可動演出手段67は例えば原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)。そして、その後にRAMクリアコマンド(BA02H)を受信すると(図8のS26)、次のようなRAMクリア報知を行う。即ち、液晶表示手段66に、RAMクリア中であることを示す「RAMクリア中です」等の文字情報の他、演出図柄80による所定の図柄態様、例えば「7・3・1」(低確画面)を表示すると共に、電飾手段96を全て点灯させ、スピーカ18,25からは所定のRAMクリア音を出力するが、可動演出手段67については引き続き原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)。
その後に客待ちデモコマンド(BA04H)を受信すると(図8のS27)、液晶表示手段66の表示については、例えば180秒経過後にデモ表示を開始するまでそのまま継続し、電飾手段96を例えば所定の客待ちパターンで発光させ、スピーカ18,25からは例えば30秒経過後にフェードアウトするまでBGM出力を継続し、可動演出手段67については例えば原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)。なお、可動演出手段67については、その後に遊技開始コマンド(BA77H)を受信したときに(図9のS33)、初期動作(イニシャライズ動作)を実行する。
また設定変更時については、図36(a)下段に示すように、待機画面表示コマンド(BA01H)を受信したときに(図7のS12)、RAMクリア時と同様の処理を行った後、設定変更中コマンド(BA5AH)を受信したときに(図8のS29)、液晶表示手段66に設定変更期間中であることを示す「設定変更中です」等の文字情報を表示すると共に、電飾手段96を例えば所定の設定変更中パターンで発光させ、スピーカ18,25からは所定の設定変更中音を出力するが、可動演出手段67については例えば原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)。そして、その後に設定変更完了コマンド(BA09H)を受信すると(図11のS81)、例えば設定変更が完了したことを示す「設定が変更されました」等の文字情報の他、RAMクリアコマンド(BA02H)の受信時と同様、演出図柄80による所定の図柄態様、例えば「7・3・1」(低確画面)を表示すると共に、電飾手段96を全て点灯させ、スピーカ18,25からは所定のRAMクリア音を出力するが、可動演出手段67については引き続き原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)。
このように、設定変更処理(S30)とRAMクリア処理(S28)とを実行した場合に例えば設定変更処理の終了時に行う第1報知と、設定変更処理を実行しないRAMクリア時におけるRAMクリア報知(第2報知)とは、例えば液晶表示手段66に最初に表示する演出図柄80の図柄態様の他、電飾手段96、スピーカ18,25による報知態様が共通となっている。
なお、設定変更時における客待ちデモコマンド(BA04H)の受信時、遊技開始コマンド(BA77H)の受信時における演出態様はRAMクリア時と共通である。
また設定確認時については、図36(b)上段に示すように、待機画面表示コマンド(BA01H)を受信したときに(図7のS12)、RAMクリア時と同様の処理を行った後、設定確認中コマンド(E021H)を受信したときに(図12のS91)、液晶表示手段66に設定確認期間中であることを示す「設定確認中です」等の文字情報を表示するが、電飾手段96は全て消灯し、スピーカ18,25からはBGM等の音声は出力せず(消音)、可動演出手段67は引き続き原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)。そして、その後に停電復帰表示コマンド(BA03H)を受信すると(図8のS22)、液晶表示手段66に、遊技の再開を促すための「停電から復帰しました 遊技を再開してください」等の文字情報を表示するが、電飾手段96については例えば全消灯を維持し、スピーカ18,25については消音状態を維持し、また可動演出手段67については原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)。
続いて遊技開始コマンド(BA77H)を受信したときには(図9のS33)、液晶表示手段66の表示態様、電飾手段96の発光態様、スピーカ18,25からの音声出力については変化しないが、可動演出手段67については初期動作(イニシャライズ動作)を実行する。そして、その後に客待ちデモコマンド(BA04H)を受信したときには(図19のS184)、液晶表示手段66の表示については、例えば180秒経過後にデモ表示を開始するまで演出図柄80による所定の図柄態様、例えばRAMクリア時等とは異なる「2・3・7」等の低確画面を表示すると共に、電飾手段96を例えば所定の客待ちパターンで発光させ、スピーカ18,25からは例えば30秒経過後にフェードアウトするまでBGM出力を継続し、可動演出手段67については例えば原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)。
またバックアップ復帰時については、図36(b)中段に示すように、待機画面表示コマンド(BA01H)、停電復帰表示コマンド(BA03H)、遊技開始コマンド(BA77H)、客待ちデモコマンド(BA04H)の各受信時における各演出手段の演出態様は設定確認時と同様である。
またRAM異常時又はバックアップ異常時については、図36(b)下段に示すように、待機画面表示コマンド(BA01H)を受信したときに(図7のS12)、RAMクリア時と同様の処理を行った後、電源再投入コマンド(BA07H)を受信したときに(図8のS23)、液晶表示手段66に電源の再投入を促すための「RAMエラー 電源再投入して設定を1に決定してください」等の文字情報を表示するが、電飾手段96は全て消灯し、スピーカ18,25からはBGM等の音声は出力せず(消音)、可動演出手段67は引き続き原点位置に停止した状態を維持する(変化無し)ようになっている。
特別保留個数表示制御手段102は、液晶表示手段66への第1,第2特別保留個数の表示制御を行うもので、第1,第2特別保留個数の増減に対応して、第1特別保留個数分(最大4個)の第1保留画像X1~X4と、第2特別保留個数分(最大4個)の第2保留画像Y1~Y4と、変動中の第1,第2特別図柄に対応する変動中保留画像Zとを液晶表示手段66に表示するように構成されている。
本実施形態では、第1特別図柄の保留記憶よりも第2特別図柄の保留記憶を優先的に消化するため、保留表示に関しても第2特別図柄側を優先し、図3に示すように第1保留画像X1~X4の前側に第2保留画像Y1~Y4を夫々一部重ねて表示している。主制御基板82aから第1,第2特別保留個数に関する保留加算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の最後尾に1個追加表示する。また、主制御基板82aから第1,第2特別保留個数に関する保留減算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の前側に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて変動中保留画像Zに変化させるようになっている。なお本実施形態では、第1,第2保留画像X1~,Y1~、変動中保留画像Zの表示色(表示態様)については例えば「白」をデフォルトとし、後述する保留変化予告を実行する場合には先読み予告演出制御手段103で選択されたシナリオに従って変化させるようになっている。
先読み予告演出制御手段103は、先読み予告演出を制御するものである。先読み予告演出は、主制御基板82aによる先読み判定結果に基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が第1,第2大当たり態様となって大当たり遊技が発生するか否か等を予告するもので、先読み判定結果に基づいて、その先読み判定の対象となった特別乱数情報に対応する図柄変動までの複数回の図柄変動において例えば同一態様の演出を実行する「連続予告」、先読み判定結果に基づいて第1,第2保留画像(保留表示)X1~,Y1~の表示態様を異ならせる(変化させる)「保留変化予告」等がある。本実施形態では先読み予告演出として「保留変化予告」を実行可能であるとする。
先読み予告演出制御手段103は、主制御基板82aから保留加算コマンドを受信すると、その保留加算コマンドから得られる先読み判定結果(ここでは大当たり判定結果と変動パターン選択結果)と、設定値(設定1~6の何れか)と、保留変化予告選択テーブル(図37)とに基づいて、保留変化予告に関する抽選を実行するか否か(抽選あり/なし)を選択する。図37に示す保留変化予告選択テーブルの場合、例えばスーパーリーチ1はずれ変動パターンで設定1の場合には抽選なしが選択され、例えばスーパーリーチ4大当たり変動パターンで設定6の場合には抽選ありが選択される。なお本実施形態では、図37に示すように保留変化予告を行うのはスーパーリーチ変動パターンの場合のみとなっている。従って、通常変動パターンのみが選択対象となっている設定エラー(図26参照)の場合には必ず抽選なしとなる。
なお図37の例では、スーパーリーチ4はずれに対する抽選あり/なしの選択結果が、高設定(ここでは設定5,6)の場合とそれよりも低設定(ここでは設定1~4)の場合とで異なっており、それによって低設定よりも高設定の場合の方がはずれの場合の保留変化予告の出現率が低くなっている。
また先読み予告演出制御手段103は、抽選実行(図37の「あり」)を選択した場合には、先読み判定結果(ここでは大当たり判定結果)と、設定値(設定1~6の何れか)と、保留変化予告に関するシナリオ選択テーブル(図38(a))とに基づいて、複数の保留変化予告シナリオの中から1つを選択する。ここで、本実施形態の保留変化予告では、第1,第2保留画像X1~,Y1~及び変動中保留画像Zを、「白」、「青」、「緑」、「赤」、「デンジャー柄」の5種類の表示色で表示可能であり、第1,第2特別図柄始動手段62,63への入賞時に所定の表示色(表示態様)で第1,第2保留画像X1~,Y1~の表示(保留表示)を開始した後、特別保留個数が変化するタイミング(最大4回)で表示色を例えば「白」→「青」→「緑」→「赤」→「デンジャー柄」の順序で変化可能となっている。但し、始動入賞時の特別保留個数が4個未満の場合,保留3減算時等に対応する表示色をスキップする場合がある。なお「デンジャー柄」は、例えば黄色地に黒で「Danger」の文字パターンを配したものである。
本実施形態の保留変化予告シナリオは、図38(a)に示すシナリオ1~15の15種類設けられており、表示色の変化パターンが夫々異なっている。なお、シナリオ1は始動入賞時から当該変動までデフォルト色である「白」のまま変化しないため、保留変化予告を実行しない場合と基本的に同じである。
また、図38(a)に示すシナリオ選択テーブルは、設定1~6に共通のテーブルとなっており、先読み判定結果に応じた振り分けのみが設定されているため、設定1~6の何れが選択されているかに拘わらず、例えば先読み判定結果がはずれであれば、シナリオ1~15の何れかが8450:500:500: … :10:10の振分率で選択され、先読み判定結果が大当たりであれば、シナリオ1~15の何れかが0:10:40:200: … :1250:1350の振分率で選択される。
なお、このようにシナリオ選択テーブルにおける振分率が設定1~6で共通であっても、設定1~6では大当たり確率が約1/300,1/280,1/260,1/240,1/220,1/200と全て異なっているため、図38(b)に示すように各シナリオの出現率は設定1~6毎に異なり、従って図38(c)に示すように各シナリオにおける大当たり信頼度も設定1~6毎に異なっている。即ち、同じシナリオであれば、大当たり確率が高い設定ほど大当たり信頼度が高くなっている。
また図38(c)より明らかなように、図38(a)に示すシナリオ選択テーブルを用いる場合、最終表示色が「白」よりも「青」の方が、「青」よりも「緑」の方が、「緑」よりも「赤」の方が、「赤」よりも「デンジャー柄」の方が大当たり信頼度が高くなっており、また最終表示色が同じ場合には、最終表示色以外の色から最終表示色に変化する場合よりも始動入賞時から最終表示色のまま変化しない場合の方が大当たり信頼度が高くなっている。
また図38(c)の例では、最終表示色が「デンジャー柄」(特定表示態様)となった場合の大当たり信頼度は、設定1~6の何れの場合も例えば29%(所定値)以上であるのに対し、最終表示色が「デンジャー柄」以外となった場合の大当たり信頼度は、設定1~6の何れの場合も29%(所定値)未満となっている。
図柄変動演出制御手段104は、演出図柄80の表示制御及びそれに伴う音声出力、電飾発光等の制御を行うもので、主制御基板82aから変動パターンコマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに対応する変動パターンシナリオと、通常予告演出制御手段105によって選択された予告演出シナリオとに基づいて演出図柄80の変動及びそれに伴う音声出力、電飾発光を開始させると共に、変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄コマンドと変動パターンコマンドとに基づいて選択された停止図柄で演出図柄80の変動を停止させ、またそれに伴う音声出力、電飾発光を停止させるようになっている。
通常予告演出制御手段105は、通常予告演出を制御するものである。通常予告演出は、主制御基板82a側の大当たり判定処理(図19のS175)による大当たり判定結果等に基づいて、当該図柄変動中にその図柄変動後の停止図柄が第1,第2大当たり態様となるか否かを予告するもので、いわゆる「疑似連」、「SU予告」、「タイマ予告」、「復活演出」、「プレミア予告」等がある。
ここで「疑似連」とは、第1,第2特別図柄が1回変動する間に液晶表示手段66で演出図柄80を複数回変動させる演出であり、例えば疑似連の変動回数が多いほど大当たり信頼度が高くなるように設定されている。また「SU予告」は、第1,第2特別図柄の変動中に、液晶表示手段66への演出図柄80の表示を含む所定の演出ステップを、例えば大当たり信頼度に応じて複数段階(例えばSU1~SU5の5段階)のうちの所定段階まで実行する演出であり、例えば演出ステップの段階が進むほど大当たり信頼度が高くなるように設定されている。「タイマ予告」は、例えば液晶表示手段66上に所定のタイミングでタイマ画像を表示して計時(例えばカウントダウン)を行う演出であり、例えばその計時時間が長いほど大当たり信頼度が高くなるように設定されている。また「復活演出」ははずれ等を表示した状態から復活して例えば大当たり態様となる演出、「プレミア予告」とは出現率が極めて低く、出現したときには例えば確変大当たりが確定する演出である。
通常予告演出制御手段105は、主制御基板82aから変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドから得られる情報(ここでは大当たり判定結果と変動パターン選択結果)と、設定値(設定1~6の何れか)と、通常予告演出選択テーブル(図39)とに基づいて、通常予告演出に関する抽選を実行するか否か(抽選あり/なし)等を選択する。図39に示す通常予告演出選択テーブルの場合、例えばスーパーリーチ1はずれ変動パターンで設定1の場合には、疑似連なし(疑似連回数0回)の他、SU予告、タイマ予告、復活予告、プレミア予告に関して全て抽選なしが選択され、例えばスーパーリーチ4大当たり変動パターンで設定6の場合には、疑似連4回の他、SU予告、タイマ予告、プレミア予告に関しては抽選あり、復活予告に関しては抽選なしが選択される。なお本実施形態では、図39に示すように通常予告演出を行うのはスーパーリーチ変動パターンの場合のみとなっている。従って、通常変動パターンのみが選択対象となっている設定エラー(図26参照)の場合には必ず抽選なしとなる。
なお図39の例では、SU予告に関しては、はずれ(ここではスーパーリーチ2)に対する抽選あり/なしの選択結果が高設定(ここでは設定5,6)の場合とそれよりも低設定(ここでは設定1~4)の場合とで異なっており、それによって低設定よりも高設定の場合の方がはずれの場合のSU予告の出現率が高くなっている。またタイマ予告に関しても、はずれ(ここではスーパーリーチ1~4)に対する抽選あり/なしの選択結果が高設定(ここでは設定5,6)の場合とそれよりも低設定(ここでは設定1~4)の場合とで異なっており、それによって低設定よりも高設定の場合の方がスーパーリーチ1,2はずれの場合のSU予告の出現率が高く、逆にスーパーリーチ3,4はずれの場合のSU予告の出現率が低くなっている。
またプレミア予告に関しては、大当たり(ここではスーパーリーチ2)に対する抽選あり/なしの選択結果が高設定(ここでは設定5,6)の場合とそれよりも低設定(ここでは設定1~4)の場合とで異なっており、それによって低設定よりも高設定の場合の方がプレミア予告の出現率が高くなっている。また図39の通常予告演出選択テーブルでは、復活演出に関する抽選あり/なしの振り分けは設定1~6で共通であり、スーパーリーチ2大当たりの場合のみ抽選あり、それ以外は全て抽選なしとなっているが、主制御基板82a側の大当たり変動パターンテーブル(図25)ではスーパーリーチ2大当たり変動パターンの選択率が低設定(ここでは設定1~4)の場合よりも高設定(ここでは設定5,6)の場合の方が高くなっているため、結果として高設定の場合の方が低設定の場合よりも復活演出の出現率が高くなっている。
また通常予告演出制御手段105は、複数の通常予告演出の少なくとも1つについて抽選実行(図39の「あり」)を選択した場合には、その通常予告演出について、例えば大当たり判定結果と、設定値(設定1~6の何れか)と、各通常予告演出に関するシナリオ選択テーブル(例えば図40,図41)とに基づいて複数のシナリオの中から1つを選択する。
図40(a)は、SU予告に関するシナリオ選択テーブルの一例を示したもので、いわゆるガセのシナリオ1を含む15種類のシナリオについて、はずれの場合と大当たりの場合とにおける振分率を設定している。例えばシナリオ4~6は、何れも最終段階はSU3となっているが、そのSU3に至る過程が夫々異なっており、シナリオ4ではSU1からSU3まで1段階ずつステップアップするのに対し、シナリオ5ではSU1をスキップしてSU2,SU3とステップアップし、またシナリオ6ではSU1とSU2とをスキップしていきなりSU3にステップアップするようになっている。
また、図40(a)に示すシナリオ選択テーブルは、設定1~6に共通のテーブルとなっており、大当たり判定結果に応じた振り分けのみが設定されているため、設定1~6の何れが選択されているかに拘わらず、例えば大当たり判定結果がはずれであれば、シナリオ1~15の何れかが2000:1500:500: … :10:10の振分率で選択され、大当たり判定結果が大当たりであれば、シナリオ1~15の何れかが0:10:40:200: … :1250:1350の振分率で選択される。
なお、この図40(a)のようにシナリオ選択テーブルにおける振分率が設定1~6で共通であっても、設定1~6では大当たり確率が約1/300,1/280,1/260,1/240,1/220,1/200と全て異なっているため、図40(b)に示すように各シナリオの出現率は設定1~6毎に異なり、従って図40(c)に示すように各シナリオにおける大当たり信頼度も設定1~6毎に異なっている。即ち、同じシナリオであれば、大当たり確率が高い設定ほど大当たり信頼度が高くなっている。
また図40(c)より明らかなように、図40(a)に示すシナリオ選択テーブルを用いる場合、最終段階のステップが大きいほど大当たり信頼度が高くなっており、また最終段階のステップが同じ場合には、いきなり最終段階のステップを実行する方が、幾つかのステップを経て最終段階に到達する場合よりも大当たり信頼度が高くなっている。
また図41(a)は、タイマ予告に関するシナリオ選択テーブルの一例を示したもので、タイマ予告なしと2つのタイマ予告シナリオ1,2について、はずれの場合と大当たりの場合とにおける振分率を設定している。シナリオ1はタイマの計時時間が30秒(例えば「30:00」から「00:00」までカウントダウン)に設定され、シナリオ2はタイマの計時時間が60秒(例えば「60:00」から「00:00」までカウントダウン)に設定されている。
また、図41(a)に示すシナリオ選択テーブルは、設定1~6毎に異なる振分率に設定されている。即ち、タイマ予告なし、シナリオ1、シナリオ2の振分率は、大当たり判定結果がはずれの場合には設定1~6の何れの場合も9000:700:300であるのに対し、大当たり判定結果が大当たりの場合には、設定1~3では1000:2000:7000、設定4,5では500:500:9000、設定6では500:9000:500となっている。
これにより、図41(c)に示すように、設定1~5の場合には、シナリオ1よりもタイマ計時時間の長いシナリオ2の方が大当たり信頼度が高く、しかもシナリオ2の大当たり信頼度は高設定になるほど高くなっているのに対し、設定6の場合には、シナリオ2よりもシナリオ1の方が大当たり信頼度は格段に高くなっている。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機は、大当り判定(乱数抽選)で当選した場合に遊技者に有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行可能であり、識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファ(所定記憶領域)に記憶された表示データに基づいて表示制御される性能表示手段(特定表示手段)95を、遊技機本体1の後側に備え、性能表示手段95は、電源投入後、確認表示を5秒間(所定時間)実行した後に、遊技実績に基づいて算出されるベース値(所定情報)を表示可能であり、性能表示手段95にベース値を表示する際には、識別表示部LEDデータテーブル及び10進数値LEDデータテーブルから表示データを取得して出力バッファに格納し、性能表示手段95により確認表示を実行する際には、データテーブルを参照することなく、確認表示に対応する表示データを識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファ(所定記憶領域)に直接格納するように構成されている。
また、確認表示に対応する表示データを、性能表示手段95を全点灯させる点灯データと全消灯させる消灯データとで構成し、性能表示手段95により確認表示を実行する際には、点灯データと消灯データとを所定時間毎に識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファ(所定記憶領域)に格納するように構成されている。
また、ベース値に対応する表示データは、10種類の10進数値に対応する10進数値表示データを含み、性能表示手段95にベース値を表示する際には、データテーブルからベース値に対応する10進数値表示データを取得して数値表示部出力バッファに格納するように構成されている。
また、性能表示手段95による確認表示中は、ベース値に関する表示データの更新処理は実行しないが、遊技実績に基づくベース値の算出に関するカウント処理は実行するように構成されている。
また、性能表示手段95による確認表示中に電源が遮断した場合、次の電源投入時には確認表示を5秒間(所定時間)、改めて実行するようになっている。
また、大当たり判定では、取得した大当たり判定乱数値が所定範囲内にある場合に大当たり(当選)となるように構成し、その所定範囲の上限値を、基準値とその基準値に対する加算値(差分値)とで表し、複数の設定毎に異なる所定範囲を規定するための情報として、複数の設定に共通の基準値(第1情報)と、複数の設定毎に異なる加算値(差分値、第2情報)とを記憶するように構成されている。また加算値(差分値)は0を含んでいる。また、基準値(第1情報)を2byteデータとして記憶し、加算値(差分値、第2情報)の一部を1byteデータとして記憶している。
また、所定条件が成立した場合に、大当たり確率を、低確率とその低確率よりも所定範囲が大となる高確率とに切り替え可能であり、加算値(差分値、第2情報)は、低確率時の乱数抽選で用いられる低確加算値(低確差分値)と、高確率時の乱数抽選で用いられる高確加算値(高確差分値)とを含んでおり、低確加算値を1byteデータとして記憶している。
また、設定エラー(設定に関する異常)が発生した場合には、大当たり判定(乱数抽選)を行うことなく、変動後の第1,第2特別図柄を強制的にはずれ態様(非特定態様)とするように構成している。
また、設定変更期間中は、その時点で選択されている設定を示す設定値データを設定値ワークから設定値バッファに読み出すと共に、設定変更操作があった場合には設定値ワークの設定値データはそのままに設定値バッファの設定値データを変更し、設定変更終了条件を満たす場合に、設定変更期間を終了すると共に、設定値バッファの設定値データを設定値ワークに書き込んで変更後の設定を確定させるようになっている。
図42~図45は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態における電源投入処理(図7~図9)を一部変更した例を示している。以下、第1の実施形態に対する変更箇所を中心に説明し、第1の実施形態と共通の構成については、特に必要のない限り説明を省略する。
本実施形態の電源投入処理は、図42,図43に太線で示す部分が、第1の実施形態の電源投入処理(図7~図9)と相違している。まず図42においては、第1の実施形態のWDTクリア処理(図7のS13)に代えて第1電源異常チェック処理(S13a)を実行するようになっている。即ち、S12で演出制御基板83aに対して待機画面表示コマンド(BA01H)を送信した後、払出制御基板90aの電源投入信号がONであるか否かの判定(S14)を、電源投入信号がONであると判定されるまで(S14:Yes)、第1電源異常チェック処理(S13a)を実行しつつ繰り返し行うことにより、払出制御基板90aの起動確認を行うようになっている。
またその第1電源異常チェック処理についても第1の実施形態(図10)とは異なっており、図44に示すように、電源異常信号がONであるか否かの判定(S51)の前に、WDTクリア処理(S51a)を実行するようになっている。
また本実施形態の電源投入処理では、図43に示すように、Wレジスタの値が「RAMクリア」に対応するW(0,1)又は「設定変更」に対応するW(1,1)である場合には、RAMクリア処理(S28a)よりも前に領域内RAMの初期化(S26a,S29a)を行うようになっている。即ち、Wレジスタの値が「RAMクリア」に対応するW(0,1)である場合には、RAMクリアコマンド(BA02H)送信(S26)の前に領域内RAMの初期化(S26a)を行い、Wレジスタの値が「設定変更」に対応するW(1,1)である場合には、例えば設定変更中コマンド(BA5AH)送信(S29)の後、設定変更処理(S30)の前に領域内RAMの初期化(S26a)を行う。従って、本実施形態のRAMクリア処理(S28a)では、例えば図45に示すように、領域内RAMの初期化(図13(a)のS101)は行われない。
また本実施形態の電源投入処理では、図43に示すように、設定変更処理(S30)の実行前に、例えば領域内RAMを初期化(S29a)した後、バックアップフラグにA5Hをセットする(S29b)ようになっている。これにより、バックアップフラグは、遊技中に電源が遮断した場合(図16のS140)には5AHが、遊技開始前の設定変更中(S30)に電源が遮断した場合にはA5Hが夫々セットされ、初回電源投入時又はバックアップ異常時はそれら5AH,A5H以外の例えば00Hとなる。なお、設定変更処理(S30)は第1の実施形態と同様に構成されており(図11)、設定変更処理(S30)の開始前のS29bでA5Hに設定されたバックアップフラグは、設定変更処理(図11)における設定値確定後のS79でクリアされる。
また本実施形態の電源投入処理(図43)では、例えばS16の前にバックアップフラグを判定し(S15a)、バックアップフラグがA5Hであれば、Wレジスタの値が設定変更に対応するW(1,1)である場合と同じ処理、即ち設定変更処理(S30)等を実行するようになっている。このように本実施形態では、設定変更中に電断した場合、次の電源投入時(バックアップフラグがA5H)には、設定変更操作手段93及びRAMクリアスイッチ92の状態(即ちWレジスタの値)に拘わらず、設定変更処理(S30)を実行するようになっている。
但し、設定変更処理(S30,図11)では、設定変更操作に基づく設定作業値の変更処理(S71~S74)を行う前に、設定値ワーク領域の設定値データを設定作業値にセットする(S62)ようになっているため、設定変更中に電断したときの設定作業値は、次の電源投入時の設定変更には引き継がれない。
図46~図48は本発明の第3の実施形態を例示し、第1,第2の実施形態を一部変更して、設定表示手段94と性能表示手段95とを共通の所定表示手段97により構成した例を示している。以下、第1,第2の実施形態に対する変更箇所を中心に説明し、第1,第2の実施形態と共通の構成については、特に必要のない限り説明を省略する。
第1,第2の実施形態では、主制御基板82aに、1桁の7セグLEDを備えた設定表示手段94と、4桁の7セグLED95a~95dを備えた性能表示手段95とを別個に設けたが、本実施形態では図46に示すように、4桁の7セグLED97a~97dを備えた所定表示手段97を設け、この所定表示手段97を、第1期間中は設定表示手段94として機能させ、第1期間とは異なる第2期間中は性能表示手段(特定表示手段)95として機能させるようになっている。所定表示手段97は、主基板ケース82の外側から視認可能な状態で主制御基板82aに装着されている。
また本実施形態では、遊技情報表示手段50と所定表示手段97とについてダイナミック点灯方式により駆動制御を行うようになっている。図47に示すように、主制御基板82aのLEDコモンポートからは1byteのダイナミック点灯コモンC0~C7の走査信号を出力可能であり、それらのうち、ダイナミック点灯コモンC0~C3のラインが遊技情報表示手段50のLEDグループ50a~50dに、ダイナミック点灯コモンC4~C7のラインが所定表示手段97の7セグ表示部97a~97dに夫々接続されている。
また、主制御基板82aのLEDデータポート1,2からは夫々1byteのダイナミック点灯データD10~D17,D20~D27を出力可能であり、LEDデータポート1のダイナミック点灯データD10~D17のラインが遊技情報表示手段50のLEDグループ50a~50dに、LEDデータポート2のダイナミック点灯データD20~D27のラインが所定表示手段97の7セグ表示部97a~97dに夫々接続されている。
なお本実施形態では、所定表示手段97を設定表示手段94として使用するのは設定確認処理(S21)中及び設定変更処理(S30)中であり、その後のタイマ割込み処理(図15)では、所定表示手段97は性能表示手段95としてのみ使用され、設定表示手段94として使用されることはない。
従って、本実施形態のタイマ割込み処理(図15)における所定表示手段97(性能表示手段95として利用)の表示制御は、第1の実施形態における性能表示手段95の表示制御と同じである。即ち、LED管理処理(図27)において、1割り込み毎に第1~第4コモンデータ(図29(a))を循環的に選択しつつLEDコモンポートに出力する(S221~S224)ことにより、性能表示手段95の点灯対象を7セグ表示部97a→97b→97c→97d→97a→…のように順次変化させると共に、性能表示更新処理(図30)において、識別表示部出力バッファ及び数値表示部出力バッファにセットされたデータを、LED管理処理(図27)で選択されたコモン(7セグ表示部)に応じてLEDデータポート2(図47)に出力することにより、所定表示手段97を全点滅させ、又は所定表示手段97にベース値を表示する。
また、所定表示手段97を設定表示手段94として利用する際の表示制御は次のように行う。即ち、設定変更処理(図8のS30,図11)では、S75において設定作業値に基づいて設定表示用データを作成・出力するが、その際に、設定表示手段94として使用する7セグ表示部に対応するコモンをONにするコモンデータをLEDコモンポートに出力すると共に、作成した設定表示用データをLEDデータポート2(図47)に出力する。例えば、7セグ表示部97dのみを設定表示手段94として使用する場合には、7セグ表示部97dに対応するコモンC7をONにするコモンデータをLEDコモンポートに出力すると共に、その7セグ表示部97dに対応する設定表示用データをLEDデータポート2に出力する。また、例えば7セグ表示部97a~97dを設定表示手段94として使用する場合には、7セグ表示部97aに対応するコモンC4をONにする第1コモンデータと、7セグ表示部97bに対応するコモンC5をONにする第2コモンデータと、7セグ表示部97cに対応するコモンC6をONにする第3コモンデータと、7セグ表示部97dに対応するコモンC7をONにする第4コモンデータとを循環的にLEDコモンポートに出力すると共に、第1~第4コモンデータの出力時に、夫々7セグ表示部97a~97dに対応する設定表示用データをLEDデータポート2に出力する。設定確認処理(図8のS21,図12)におけるS96の処理についてもこれと同様に行う。
このように本実施形態では、設定変更期間中及び設定確認期間中には所定表示手段97の少なくとも一部を設定表示手段94として使用することにより設定情報を表示し、その後のタイマ割込み処理(図15)では、所定表示手段97を性能表示手段95として使用することによりベース値を表示するようになっている。
図48は、第1の実施形態における図35と同様、RAMクリア時、設定変更時、設定確認時、バックアップ復帰時、RAM異常時又はバックアップ異常時の夫々の場合における、各種の期間中の所定表示手段97(設定表示手段94、性能表示手段95)の表示態様を示したものである。
本実施形態の所定表示手段97は、設定確認期間中及び設定変更期間中については設定表示手段94として使用し、その後のタイマ割込み処理において性能表示手段95として使用するようになっている。従って図48に示すように、RAMクリア時における「RAMクリア中です」等のRAMクリア復帰画面の表示中、RAM異常時における「RAMエラー、電源再投入して設定を1に決定してください」等の電源再投入画面の表示中については、所定表示手段97は設定表示手段94としても性能表示手段95としても作動せず、例えば全消灯の非表示状態となる。
また、設定変更時における「設定変更中です」等の設定変更中画面が表示されている設定変更期間中、設定確認時における「設定確認中です」等の設定確認中画面が表示されている設定確認期間中については、所定表示手段97は設定表示手段94として作動し、設定情報を表示する。
また、RAMクリア時、設定変更時、設定確認時、バックアップ復帰時、RAM異常時又はバックアップ異常時の何れの場合についても、所定表示手段97はタイマ割込み処理の開始時に性能表示手段95としての作動を開始し、全点滅(動作確認)を開始する。従って、例えば客待ち状態開始後の待機画面表示中に5秒間の全点滅(動作確認)が終了した場合には、所定表示手段97はその時点でベース値の表示を開始する。また設定変更時には、設定変更期間の終了時に全点滅が開始するため、「設定が変更されました」等の設定変更完了画面の表示が5秒以上継続する場合には、その設定変更完了画面の表示中に所定表示手段97による5秒間の全点滅(動作確認)が終了し、ベース値の表示を開始する。
以上説明したように、設定表示手段94と性能表示手段95とを共通の所定表示手段97により構成し、表示手段94,95による表示を切り替え可能としてもよい。
図49は本発明の第4の実施形態を例示し、第1~第3の実施形態を一部変更して、設定エラーの場合には液晶表示手段66における演出図柄80の変動表示を行わないように構成した例を示している。以下、第1~第3の実施形態に対する変更箇所を中心に説明し、第1~第3の実施形態と共通の構成については、特に必要のない限り説明を省略する。
本実施形態の特別図柄変動開始処理は、図49に示す手順で行う。この特別図柄変動開始処理が第1~第3の実施形態(図19)と異なるのは、設定エラーフラグが5AH(設定エラー中)である場合(S174:Yes)の移行先である。即ち、設定エラーフラグが5AH(設定エラー中)である場合(S174:Yes)には、大当たり判定処理(S175)だけでなく演出図柄80の変動に係るS176~S179をスキップして第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始し(S180)、図柄変動ステータスを02H(変動中)に変更して(S181)、この特別図柄変動開始処理を終了するようになっている。
このように構成することにより、設定エラーの場合には、第1,第2特別図柄については第1~第3の実施形態と同じくはずれ態様となる変動が行われるが、液晶表示手段66では演出図柄80の変動表示は行われず、例えば前回変動の停止図柄を表示した状態が維持される。
図50は本発明の第5の実施形態を例示し、第1~第4の実施形態における大当たり変動パターンテーブル(図25)を一部変更した例を示している。
図50(a)に示す本実施形態の大当たり変動パターンテーブル(第1特別図柄)には次のような特徴がある。即ち、通常4Rと確変10Rの場合には、各変動パターンの選択率が設定1~3、設定4~6で夫々同じであるのに対し、通常6Rと確変6Rの場合には、各変動パターンの選択率が設定1~6で全て同じとなっている。また、リーチを経ることなく大当たり態様となる通常変動大当たり変動パターンについては、通常4Rで設定1~3の何れかの場合と通常6Rの場合のみ選択対象となっている。また、全ての場合でスーパーリーチ1~4の順に選択率が高くなっている。
また、図50(b)に示す本実施形態の大当たり変動パターンテーブル(第2特別図柄)には次のような特徴がある。即ち、通常4R、確変6R及び確変10Rの場合には、各変動パターンの選択率が設定1~3、設定4~6で夫々同じであるのに対し、通常6Rの場合には、各変動パターンの選択率が設定1~6で全て同じとなっている。また、通常変動大当たり変動パターンについては、通常4Rで設定1~3の何れかの場合のみ選択対象となっている。また、全ての場合でスーパーリーチ1~4の順に選択率が高くなっている。
図51は本発明の第6の実施形態を例示し、第1~第5の実施形態における設定エラー用変動パターンテーブル(図26)を一部変更した例を示している。図51に示す本実施形態の設定エラー用変動パターンテーブルでは、第1,第2特別図柄の何れの場合も、またはずれ1~3の何れを選択した場合も、減算後の特別保留個数に拘わらず最も変動時間の長い(ここでは12s)通常変動パターンのみが選択対象となっている。なお、この場合にははずれの種類を選択する必要はない。
このように、設定エラーの場合は必ず特定のはずれ変動パターン、例えば最も変動時間の長い通常変動パターンを選択するように構成してもよい。
図52は本発明の第7の実施形態を例示し、第1~第6の実施形態を一部変更して、保留変化予告における最終表示色がデンジャー柄(特定表示態様)となるシナリオについて、設定値に拘わらず大当たり信頼度を略同一とした例を示している。なお、本実施形態の保留変化予告におけるシナリオ1~15の構成については第1~第6の実施形態(図38)と共通である。
本実施形態では、保留変化予告に関し、最終表示色がデンジャー柄となるシナリオ11~15については、図52(b)に示すように、設定1~6の何れが選択されているかに拘わらず、はずれの場合と大当たりの場合の出現率が全て同じであり、従って図52(c)に示すように、設定1~6の何れが選択されているかに拘わらず大当たり信頼度が全て同じ29.481%となっている。もちろん、それらの大当たり信頼度は完全に同一でなくても略同一であればよい。またこの場合、設定1~6に対応する大当たり確率は全て異なるため、シナリオ選択テーブルにおける各シナリオの振分率は設定1~6毎に異なる値となるが、図52(a)では具体的な数字は省略している。なお図52(c)では、最終表示色がデンジャー柄となるシナリオ11~15の全てで同じ大当たり信頼度となっているが、シナリオ毎に大当たり信頼度を異ならせてもよい。
また図52では省略したが、最終表示色がデンジャー柄(特定表示態様)とは異なる表示色(第2特定表示態様)となるシナリオ1~10の少なくとも一部については、第1の実施形態の図38と同様、設定1~6毎に大当たり信頼度を異ならせてもよい。
図53は本発明の第8の実施形態を例示し、第7の実施形態を一部変更して、保留変化予告における最終表示色がデンジャー柄となるシナリオについて、一部高設定の場合についてはそれよりも低設定の場合に比べて高信頼度となるように構成した例を示している。
本実施形態では、保留変化予告に関し、最終表示色がデンジャー柄となるシナリオ11~15については、図53(b)に示すように、設定1~5の場合と設定6の場合とではずれ及び大当たりの場合の出現率が異なっており、従って図53(c)に示すように、設定1~5の場合の大当たり信頼度は全て同じ29,481%であるのに対し、設定6の場合の大当たり信頼度はそれよりも大幅に高い62.578%となっている。この場合も第7の実施形態と同様、設定1~6に対応する大当たり確率は全て異なるため、シナリオ選択テーブルにおける各シナリオの振分率は設定1~6毎に異なる値となるが、図53(a)では具体的な数字は省略している。なお図53では、最終表示色がデンジャー柄となるシナリオ11~15の全てで同じ大当たり信頼度となっているが、シナリオ毎に大当たり信頼度を異ならせてもよい。
図54及び図55は本発明の第9の実施形態を例示し、第1~第8の実施形態を一部変更して、第1,第2特別図柄が小当たり態様となった場合に小当たり遊技を実行するように構成した例を示している。
小当たり遊技では、例えば大入賞手段64が所定の開放パターンに従って開放する。また小当たり遊技が発生しても確変状態、時短状態等の遊技状態は変化しない。
第1,第2特別図柄が小当たり態様となるか否かは、大当たり判定乱数値が所定の小当たり判定値と一致するか否かで判定する。本実施形態では、図54に示すように、大当たり判定乱数値のとり得る範囲(例えば0~65535)における小当たり判定値の範囲を、高確大当たりの場合の大当たり判定値の範囲に隣接する形で設けている。
また本実施形態では、設定値によって大当たり確率(低確率及び高確率)は変化するが小当たり確率は変化しないものとする。従って、設定値に応じて高確大当たりの場合の上限値が変化すると、その変化分だけ小当たり判定値の範囲はシフトする。
本実施形態の大当たり判定処理のフローチャートを図55に示す。図55に示す大当たり判定処理が第1~第8の実施形態(図20)と異なるのは、S197~S199の処理を追加した点のみである。S195で大当たり判定乱数値が上限値よりも大である(S135:No)と判定された場合には、設定値に対応する高確の加算値(図22)分だけ小当たり判定値の範囲をシフトする(S197)。図22の例では、例えば設定3における高確の加算値は336であるため、小当たり判定値の範囲(例えば12185~P)を336だけ上位側にシフトする。
そして、大当り判定乱数値がそのシフト後の小当たり判定値の範囲内にあるか否かを判定し(S198)、小当たり判定値の範囲内にあることを条件に、大当たり判定フラグに小当たりに対応する値、例えばA5Hをセットし(S199)、大当たり判定処理を終了する。
なお、本実施形態では小当たり判定値の範囲を大当たり判定値の範囲に隣接する形で設けたが、小当たり判定値の範囲を全ての設定値における大当たり判定値の範囲から独立する形で設けてもよい。この場合には、設定値に拘わらず小当たり判定値の範囲は一定となる。
図56は本発明の第10の実施形態を例示し、第1~第9の実施形態を一部変更して、RAMクリア時等と設定確認時等とで、最初に表示される演出図柄80の図柄態様を同じにした例を示している。
本実施形態では、第1の実施形態等と同様、設定変更時についてもRAMクリア処理を実行するようになっている(図8等)。また本実施形態では、図56に示すように、RAMクリア処理が行われる場合、即ちRAMクリア時と設定変更時とについては、第1の実施形態等(図36)と同様、最初に表示される演出図柄80の図柄態様は「7・3・1」となっているが、RAMクリア処理を行わない設定確認時、バックアップ復帰時についても同様に、最初に表示される演出図柄80の図柄態様は「7・3・1」となっている。
このように、RAMクリア処理を実行するか否かに拘わらず、最初に表示される演出図柄80の図柄態様を同じにしてもよい。
図57は本発明の第11の実施形態を例示し、第1~第10の実施形態を一部変更して、性能表示更新処理(図30)の領域外RAMチェック処理(S232)において領域外RAMの異常により領域外RAMを初期化した場合にそのRAM初期化後に性能表示手段95の動作確認を行わないように構成した例を示している。
本実施形態の領域外RAMチェック処理(図57)が第1~第10の実施形態(図31)と異なるのは、領域外RAM初期化(S242)の後に動作確認フラグをONにせず、動作確認タイマへの初期値のセットも行わない点である。領域外RAMの初期化(S242)により動作確認フラグも初期化されるため、本実施形態の場合は領域外RAM初期化(S242)の後には性能表示手段95の動作確認(図30のS235)は行われない。
また、領域外RAMの初期化(S242)により動作確認フラグが初期化されることにより、性能表示手段95の動作確認中(図30のS235)に領域外RAMの初期化(S242)が行われる場合、その動作確認はその時点で中断される。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば設定エラーの場合、第1の実施形態では第1,第2特別図柄の変動と演出図柄80の変動とを共に行い(強制的にはずれ)、第4の実施形態では第1,第2特別図柄の変動(強制的にはずれ)は行うが演出図柄80の変動は行わないように構成したが、設定エラーの場合には第1,第2特別図柄と演出図柄80とを共に変動させないようにしてもよい。
実施形態では、大当たり判定値の範囲を規定するための加算値のうち、低確率の場合の加算値を1byteで、高確率の場合の加算値を2byteで夫々表現するように構成したが、低確率及び高確率の場合の加算値を共に1byteで表現できる範囲に収めるように設定毎の大当たり確率(低確率及び高確率)を設定してもよい。
また、実施形態では大当り判定値の下限値を10000としたが、これを例えば0とすれば、基準下限値を記憶する必要がないため、記憶容量を更に2byte削減できる。
また実施形態では、大当たり判定値の範囲の上限値を、各設定で共通の基準値と、設定毎に異なる加算値(差分値)とで表したが、大当たり判定値の範囲の下限値を、各設定で共通の基準値と、設定毎に異なる減算値(差分値)とで表してもよい。
設定表示手段94と性能表示手段95とを共通の所定表示手段97により構成する場合、設定表示手段94として使用する場合と性能表示手段95として使用する場合とで所定表示手段97の表示領域を異ならせてもよい。例えば所定表示手段97が4桁の7セグLED97a~97dを備える場合、性能表示手段95として使用する場合には4桁の7セグLED97a~97dを全て用い、設定表示手段94として使用する場合には4桁の7セグLED97a~97dのうちの例えば1桁分の7セグLED97dのみを用いてもよい。この場合、使用していない7セグLED97a~97cについては非表示(非点灯)としてもよいし、「---」、「000」等の所定表示を行うようにしてもよい。
第9の実施形態のように小当たり遊技を実行可能な構成とする場合、設定毎に大当たり確率と小当たり確率とが共に変化するように構成してもよい。この場合、大当たり判定値の範囲と小当たり判定値の範囲とを合わせた範囲を一定とし、設定毎に大当たり判定値の範囲が拡大/縮小すると、それに応じて小当たり判定値の範囲が縮小/拡大するように構成してもよい。
実施形態では、遊技開始コマンド(BA77H)を契機として、可動演出手段67の初期動作(イニシャライズ)を行うこととしたが、初期動作については、例えば待機画面表示コマンド(BA01H)を契機として実行してもよい。またその場合、設定変更待ち中や設定変更期間中、設定変更完了中、客待ちデモ中においても実行するように構成してもよい。即ち、可動演出手段67の初期動作を終えてからその後の処理(設定変更等)に移行するのではなく、初期動作の実行中もその後の処理に移行可能としてもよい。初期動作の実行中もその後の処理に移行可能とする場合、各種処理の実行をよりスムーズに行うことができる一方、可動演出手段67の初期動作により液晶表示手段66等の表示が隠蔽される可能性がある。可動演出手段67の初期動作を終えてからその後の処理に移行する場合には、逆に、可動演出手段67の初期動作により液晶表示手段66等の表示が隠蔽されるという問題はないが、各種処理の実行をスムーズに行うという点では不利となる。
実施形態では、RAMクリア時、設定変更期間中、設定変更完了中において電飾手段96を全点灯とするように構成したが、これに限らず、各種処理に応じて異なる点灯パターンを使用してもよい。また実施形態では、RAMクリア時と設定変更完了時とにRAMクリア音を出力するようにしたが、これに限らず、異なる音報知パターンを使用してもよい。
また、扉(前枠3)を閉じた状態で設定変更操作及び設定変更完了操作を行うことは基本的に不可能であることから、設定変更操作が完了したタイミングでは未だ扉が開放している可能性が高いため、設定変更期間中の扉開放については報知を実行しないように構成してもよい。この場合には、一度扉を閉じた後、再度扉を開いた場合には、扉開放に関する報知を実行するように構成してもよい。また、設定変更期間中に、未だ設定変更が完了していないにもかかわらず、扉が閉鎖された場合には、所定の報知(「設定変更が完了していません」、「扉が閉鎖されました」等)を実行するように構成してもよい。
演出ボタン34等の操作手段の入力を検査するための検査モードを実行可能に構成してもよい。この場合、例えば設定変更期間中、設定変更完了中、設定確認期間中等においても、検査モードを実行可能としてもよい。また、客待ちデモ中となるまでは検査モードを実行しない(客待ちデモ開始時に検査モード突入)ようにしてもよい。
所定の操作手段を操作することで、設定変更期間中、設定完了中、設定確認期間中において、音量/光量の調整が可能となるように構成してもよい。また、音量/光量の変更(調整)操作が行われた場合には、液晶表示手段66等の表示手段に、音量/光量の調整バーを表示するように構成してもよい。また、音量/光量の調整バーを表示すると、「設定変更中です」等の表示と重なってしまう恐れがあるので、設定変更期間中、設定完了中、設定確認期間中については音量/光量の変更操作を可能とする一方、調整バーを表示しないように構成してもよい。
また、音量/光量の変更操作が実行された場合であっても、設定変更期間中、設定完了中、設定確認期間中に実行される設定に関する報知については、変更された音量/光量の値に影響されないように構成してもよい。例えば図36の例では、設定変更期間中はスピーカ18,25からは設定変更中音が出力され、電飾手段96は全点灯するようになっているが、音量が変更されても設定変更中音の音量は変化せず、光量が変更されても全点灯中の電飾手段96の光量は変化しないようにしてもよい。もちろん、設定変更に関する報知が影響を受けないだけで、内部的には音量/光量の変更処理は有効に行われており、設定変更の終了後は変更後の音量/光量で各種演出等が行われる。また、設定変更期間中、設定完了中、設定確認期間中においては、音量/光量の変更操作を不能とするように構成してもよい。
図36等の例では、設定変更完了時に関して、「設定が変更されました」を表示中(設定変更完了画面表示中)に「731」等の待機画面を表示するようにしたが、これに限らず、「設定が変更されました」の表示のみを所定時間実行(例:背景はブラック)するように構成してもよい。また、「設定が変更されました」を所定時間表示した後に、「731」待機画面を表示するようにしてもよい。
また図36等の例では、RAMクリア時に関して、「RAMクリア中です」を表示中(RAMクリア復帰画面表示中)に「731」等の待機画面を表示するようにしたが、これに限らず、RAMクリア復帰画面の表示終了後に「731」等の待機画面を表示するようにしてもよい。
性能表示手段95の動作確認(全点滅)の継続時間は5秒間に限られるものではない。また、動作確認の態様についても、7セグ表示部を全て同時に点滅させる全点滅に限られるものではなく、複数の7セグ表示部を順番に点滅させる順次点滅等でもよい。
設定変更完了後、客待ち状態となった場合に、音量/光量の変更(調整)操作及び/又はメニュー画面の表示操作はその時点から有効とする一方、音量/光量の調整が可能である旨の表示及び/又はメニュー画面の表示操作が可能である旨の表示については、所定時間(例えば30s)経過後に開始するように構成してもよい。
実施形態では、RAMクリアスイッチ92を設定変更操作用に利用する例を示したが、RAMクリアスイッチ92以外の操作手段、例えば演出ボタン34等を設定変更操作用に利用してもよい。また、設定変更操作専用の操作手段を設けてもよい。この場合、設定変更操作手段93に、設定変更に関するON/OFF機能に加えて設定変更操作機能を持たせてもよい。
設定変更操作手段93は、主制御基板82aとは別の基板に設けてもよい。例えば別途、設定変更操作基板を設け、これに設定変更操作手段93を設けてもよい。
実施形態では、設定1~6の6段階に変更可能な構成としたが、設定段階数は任意であり、2~5段階でもよいし7段階以上でもよい。
実施形態では、性能表示手段95の動作確認中に電断した場合、その後の電断復帰時には動作確認を改めて最初から行うように構成したが、電断時の残り時間分のみ動作確認を行うようにしてもよい。
実施形態においては、設定変更の場合、設定変更処理(図8のS30)を実行した後、RAMクリア処理(S28)を実行するように構成したが、まずRAMクリア処理を実行し、その後、設定変更処理を実行するようにしてもよい。この場合、RAMクリアが行われたことに関する報知(RAMクリア報知)は、実際にRAMクリア処理が実行されたタイミングではなく、設定変更処理が終了した後(設定変更完了後)に実行するようにしてもよい。
設定確認中と設定変更中とで、設定表示手段94に表示される設定値の表示態様を異ならせてもよい。即ち、設定変更中は設定表示手段94を構成する7セグLEDのドットポイントを点灯させたり、7セグLEDの表示を点滅表示させたりするなどして、現在の状態が設定確認中なのか、設定変更中なのかを識別可能としてもよい。
実施形態では、遊技開始コマンド(BA77H)を受信した場合、可動演出手段67による初期動作を行い、その他の液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25については変化無しとしたが、これに限らず、液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25により任意の報知態様による報知を行うように構成してもよい。
また、遊技開始コマンド(BA77H)は、遊技機の扉(前枠3)が閉鎖していることを条件に送信されるようにしてもよい。これにより、遊技機の扉が閉鎖された正常な状態であることを条件に可動演出手段67の初期動作を実行するように構成することが可能である。また、前枠3+ガラス扉7の閉鎖を条件にしてもよいし、ガラス扉7の閉鎖を条件としてもよい。
図8の電源投入処理においても、図43と同様、領域内RAM初期化処理(S26a,S29a)を行うようにしてもよい。この場合、図8と図43の違いは、バックアップフラグに関するS15a,S29aの有無のみとなる。
図8の電源投入処理では、S15にて設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92の入力情報を取得してWレジスタにセットするように構成したが、この時、設定変更操作手段93の入力情報とRAMクリアスイッチ92の入力情報を同一の入力ポートから取得するようにしてもよい。同一の入力ポートとすることにより、1つのポート情報を取得するだけで済み、プログラム容量を削減することができる。
また、同一のポートにその他の入力情報(電源異常信号等)が含まれている場合、一旦ポートの情報を取得した後に、Wレジスタにマスク処理を行うようにすることが望ましい。Wレジスタには、設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92以外のその他の入力情報まで含まれた状態となっているので、不要な情報をクリアするためである。具体的には、Wレジスタに読み込まれた情報(00000111)のうち、その他の入力情報(電源異常信号等)は不要なので、(00000011)との論理積(and)によるマスク処理を行うことで、設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92の入力情報(ここでは1ビット目と2ビット目)の必要な情報だけをWレジスタに格納することができる。もちろん、その他のビットにも入力情報が含まれる場合であっても、上述のように不要な情報には全てマスク処理を施すように構成することが望ましい。このように、S15でWレジスタへ必要な入力情報が格納された後、S16以降の分岐処理を実行することが望ましい。
図8におけるS16以降の分岐処理において、Wレジスタの値に応じて分岐を行うが、Wレジスタを参照する全ての分岐処理を終了するまではWレジスタの値を変更しないことが望ましい。即ち、Wレジスタについては分岐処理以外の処理では使用しないようにすることが望ましい。実施形態の電源投入処理では、Wレジスタを参照する分岐処理を複数回実行すると共に、それら複数回の分岐処理の間に、S17,S18の処理を実行するようにしている。これらS17,S18の処理を実行する際にWレジスタを使用すると、その後の分岐処理において正確に判断できない可能性があるため、複数回の分岐処理の全て終わるまで(いずれかの処理に分岐するまで)は、Wレジスタの値を変更しないようにすることが望ましい。また、複数回の分岐処理が全て終わった後(いずれかの処理に分岐した後)は、分岐後の処理においてWレジスタを使用してもよいし、Wレジスタの値を変更するようにしてもよい。
図8の電源投入処理では、S15以降のWレジスタの値を参照する分岐処理判定の順序は、S16で設定変更の判定を行い、S19でバックアップ復帰の判定を行い、S20でRAMクリアの判定を行うことで、設定変更、バックアップ復帰、RAMクリア、設定確認の4種類の何れかに分岐するように構成したが、分岐処理の判定順序はこれに限られるものではなく、任意の順序での判定が可能である。
但し、S17,S18の処理よりも前に設定変更の分岐処理を実行し、S17,S18の処理の後に設定確認に移行可能な分岐処理を実行することが望ましい。これは、設定変更時には領域内RAMの初期化処理を伴うため、仮にRAM異常やバックアップフラグが正常な値でなくても問題がないためである。従って、設定変更処理に移行しないと判定された場合にのみS17,S18の処理を行うようにした方がプログラム容量を削減することができる。また設定確認処理を行う場合には、設定確認処理により設定値を確認した後にS17,S18の処理を行うようにすると、設定値を確認したにもかかわらず、正常にバックアップ復帰できないと判定されてしまう恐れがある。従って、設定確認処理よりも前にS17,S18の処理を実行する構成とすることが望ましい。
また、バックアップ復帰か否か、RAMクリア処理か否かの分岐判定については、S17,S18以降に実行することが望ましいが、任意の順番で実行するように構成してもよい。
図8の電源投入処理では、Wレジスタに設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92の入力情報を記憶させることとしたが、これに限らずRAMに記憶させるようにしてもよい。
実施形態では、設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92のON/OFF状態の組み合わせに応じて設定変更、バックアップ復帰、RAMクリア、設定確認の4種類の何れかに分岐するように構成したが、設定変更に関しては更に扉(前枠3)の開放を条件としてもよい。即ち、設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92とが共にONで且つ前枠3が開放していることを条件に設定変更処理を実行するように構成してもよい。この場合、設定変更以外のバックアップ復帰、RAMクリア、設定確認に関しては、設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92のON/OFF状態のみを条件としてもよい。また、設定確認についても設定変更と同様、設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92のON/OFF状態に加えて扉(前枠3)の開放を条件としてもよい。即ち、設定変更操作手段93がON、RAMクリアスイッチ92がOFFで且つ前枠3が開放していることを条件に設定確認処理を実行するように構成してもよい。
設定変更中に電源が遮断した場合には、次回電源投入時にはRAM異常と判定し、例えば図8のS23以降に示すような電源再投入待ち状態に移行することにより、強制的に電源を再投入させるように構成してもよい。
性能表示手段95の動作確認について、動作確認中に電断があった場合には、次の電源投入時に改めて動作確認を所定時間(5秒間)行う構成としたが、これに限らず実行していた動作確認の続きから行うようにしてもよい。但し、次回の電源投入時に設定確認処理が行われた場合には、その設定確認処理中は性能表示手段95を非表示(全消灯)とし、設定確認処理を終えた後(遊技復帰した後)に、動作確認の続きを行うようにすることが望ましい。
図34に関して、性能表示手段95にベース値を表示する際に、10進数値LEDデータテーブルを参照するようにしたが、その他の処理においても10進数値LEDデータテーブルを使用するように構成してもよい。例えば、設定変更処理や設定確認処理中の設定値表示において、10進数値LEDデータテーブルを参照するようにしてもよい。
また、設定変更処理や設定確認処理中の設定値表示については、ベース表示用の10進数値LEDデータテーブルとは別に10進数値LEDデータテーブルを設けるようにしてもよい。この場合、設定値としては1~6までの6段階が想定されるため、例えば0,7,8,9の4つのデータは不要である。そのため、設定値用の10進数値LEDデータテーブルについては、ベース表示用の10進数値LEDデータテーブルよりもデータ容量の少ないテーブルで構成するようにしてもよい。
また、設定値用の10進数値LEDデータテーブルを設けた場合、設定変更処理や設定確認処理においてドットポイントを付加して表示する場合には、10進数値LEDデータテーブルを参照した後、テーブルから取得した表示データに、マスク処理でドットポイントを付加するようにしてもよい。
実施形態では、図9に示すように、動作確認フラグの設定と動作確認タイマの初期値セットと行う動作確認設定処理(S35)を電源投入処理で行うこととしたが、これに限らずその他のタイミングで実行するように構成してもよい。例えば、メインループ中や割込み処理中に動作確認設定処理を実行するようにしてもよい。
実施形態では、性能表示手段95による表示制御をタイマ割込み処理において行い、設定変更処理、設定確認処理はその前に実行するように構成したため、設定変更中や設定確認中には性能表示手段95の動作確認やベース値の表示は行われることはないが、設定変更処理、設定確認処理と並行して性能表示手段95による表示制御を行うように構成してもよい。この場合、電源投入時に性能表示手段95の動作確認(全点滅)を開始するが、その動作確認が設定変更中、設定確認中に終了した場合であっても、その設定変更、設定確認が終了するまでベース値の表示は行わないようにしてもよい。
また、設定変更処理、設定確認処理と並行して性能表示手段95による表示制御を行うように構成する場合、性能表示手段95の動作確認(全点滅)が設定変更中、設定確認中に終了した場合にはその時点でベース値の表示を行うようにしてもよい。
また、設定表示手段94と性能表示手段95とを共通の所定表示手段97により構成し、設定変更処理、設定確認処理と並行して所定表示手段97による表示制御を行う場合、所定表示手段97(性能表示手段95として使用)の動作確認(全点滅)が設定変更中、設定確認中に終了した場合には、その設定変更中、設定確認中は所定表示手段97を設定表示手段94として使用することにより設定情報を表示し、設定変更、設定確認の終了後に所定表示手段97を性能表示手段95に切り替えてベース値の表示を行うようにしてもよい。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。