JP7119605B2 - 暗号文変換システム、暗号文変換方法、及びプログラム - Google Patents
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Description
まず、本発明を説明する前に、いくつかの用語等について説明する。
以降、関数秘密分散(FSS)について説明する。記号等の表記は以下の参考文献1及び2に従う。ただし、筆記体で表されている記号等については、便宜上、ブロック体で表す。また、以降では、加法再構成法に限定して説明する。なお、関数秘密分散の詳細については、例えば、以下の参考文献1や参考文献2を参照されたい。
Elette Boyle, Niv Gilboa, and Yuval Ishai. Function secret sharing.
[参考文献2]
Elette Boyle, Niv Gilboa, and Yuval Ishai. Breaking the circuit size barrier for secure computation under DDH. In Matthew Robshaw and Jonathan Katz, editors, CRYPTO 2016, Part I, volume 9814 of LNCS, pages 509-539. Springer, Heidelberg, August 2016.
関数はビット列fの集合(クラス)Fとして表現される。各集合は、入力長n及び出力長mである効率的な評価アルゴリズムEvalを定める。ここで、Eval(f,x)は、fの入力xに対する出力値を計算するようなアルゴリズムである。
難読化器とはプログラムを変換し、異なるプログラムに変換する技術である。変換後のプログラムの機能は、変換前のプログラムの機能と完全に同一である。また、変換後のプログラムは、変換前のプログラムに関する情報を漏らさない。特に、識別不可能性難読化器とは、同一の機能を持つ2つの異なるプログラムを変換した場合に、変換後のプログラムがどちらのプログラムを変換して得られたものかを識別できないことを保証する難読化器である。なお、識別不可能性難読化器の詳細については、例えば、以下の参考文献3や参考文献4を参照されたい。
Boaz Barak, Oded Goldreich, Russell Impagliazzo, Steven Rudich, Amit Sahai, Salil P.Vadhan, and Ke Yang. On the (im)possibility of obfuscating programs. Journal of the ACM, 59(2):6, 2012.
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Sanjam Garg, Craig Gentry, Shai Halevi, Mariana Raykova, Amit Sahai, and Brent Waters. Candidate indistinguishability obfuscation and functional encryption for all circuits. SIAM J. Comput., 45(3):882-929, 2016.
すなわち、確率的多項式時間機械iOが回路族{Cλ}λ∈Nに対する識別不可能性難読化器であるとは、以下の(2-1)正当性と、(2-2)識別不可能性とを満たすことである。ここで、Nは自然数全体の集合を表す。
これは、c0及びc1が同じ機能を持つ回路であるならば、攻撃者はc0の難読化を受け取ったのか、c1の難読化を受け取ったのかを区別できないことを意味する。
次に、確率的回路族C:={Cλ}λ∈Nに対する難読化を考える。上述の難読化器は、確定的回路に対するものであったが、確率的識別不可能性難読化器(PIO)は確率的回路に対する難読化器である。
Yevgeniy Dodis, Shai Halevi, Ron D. Rothblum, and Daniel Wichs. Spooky encryption and its applications. In Matthew Robshaw and Jonathan Katz, editors, CRYPTO 2016, Part III, volume 9816 of LNCS, pages 93-122. Springer, Heidelberg, August 2016.
(3-2)識別不可能性:任意の多項式サイズ識別器Dに対して、無視できる関数μ(・)が存在して、任意のセキュリティパラメータλ∈N、サイズが等しい任意の回路対c0,c1∈Cλで任意の入力xについてc0(x)=c1(x)が成立するものに対して、以下が成立する。
なお、上記の(3-1)の正当性の定義は、参考文献5に記載されているDodisらの定義を採用したが、以下の参考文献6に記載されているCanettiらの定義を採用しても良い。
Ran Canetti, Huijia Lin, Stefano Tessaro, and Vinod Vaikuntanathan. Obfuscation of probabilistic circuits and applications. In Dodis and Nielsen [DN15], pages 468-497.
また、上記の(3-2)の識別不可能性の定義についても、上記の参考文献6に記載されているものを採用しても良い。
Boaz Barak, Sanjam Garg, Yael Tauman Kalai, Omer Paneth, and Amit Sahai. Protecting obfuscation against algebraic attacks. In Phong Q. Nguyen and Elisabeth Oswald, editors, EUROCRYPT 2014, volume 8441 of LNCS, pages 221-238. Springer, Heidelberg, May 2014.
[参考文献8]
Sanjam Garg, Eric Miles, Pratyay Mukherjee, Amit Sahai, Akshayaram Srinivasan, and Mark Zhandry. Secure obfuscation in a weak multilinear map model. In Martin Hirt and Adam D. Smith, editors, TCC 2016-B, Part II, volume 9986 of LNCS, pages 241-268.Springer, Heidelberg, October / November 2016.
<本発明の概要>
本発明の各実施形態では、任意の公開鍵暗号方式の暗号文を他の公開鍵暗号方式の暗号文に変換する汎用的暗号文変換器(UCT:Universal Ciphertext Transformation)として機能する暗号文変換システム1について説明する。そこで、以降では、汎用的暗号文変換器を定義し、この汎用的暗号文変換器の性質等について説明する。なお、汎用的暗号文変換器はプロキシ再暗号の一般化とみることができるため、以降の用語等の多くは、例えば、上記の非特許文献1乃至3に記載されているプロキシ再暗号で用いられている用語等を踏襲する。
まず、単方向単一ホップの汎用的暗号文変換器(UCT)について説明する。単方向単一ホップUCTとは、暗号文が他の暗号文に変換されるのは一度のみであり、一度変換された暗号文はそれ以上変換できない汎用的暗号文変換器のことである。
ただし、Σ´:=(Σσs,Σσd)である。
双方向のUCTを考えることもできる。すなわち、鍵対(pks,sks)及び(pkd,skd)から生成された変換鍵は、pksの下での暗号文をskdで復号可能な暗号文に変換可能で、かつ、pkdの下での暗号文をsksで復号可能な暗号文に変換可能である。しかしながら、単方向UCTは双方向UCTよりも強力である。これは、単方向UCTにより、変換鍵utks→dと変換鍵d→sとを生成することで、双方向UCTを実現可能なためである。
次に、単方向複数ホップUCTについて説明する。単方向複数ホップUCTでは、変換鍵utks→dによって変換された暗号文tctは公開鍵pkdの下での暗号文と同一のフォーマットをしており、複数回の暗号文変換が適用可能である。すなわち、tct←TrCT(Σσs,Σσd,utks→d,cts)に対して、
ただし、j∈[1,L]であり、
以降では、本発明の第一の実施形態について説明する。以降の各実施形態では、簡単のため、Σσi=(Genσi,Encσi,Decσi)をΣi=(Geni,Enci,Deci)とも表す。なお、例えば、或るユーザi(例えば、委譲者)の公開鍵暗号方式をΣi、別のユーザj(例えば、受任者)の公開鍵暗号方式をΣjとした場合、Σi=Σjとなることも起こり得る。これは、Σi及びΣjは正確にはそれぞれΣσi及びΣσjであり、σi=σj∈[K]となる場合が起こり得るためである。
まず、本実施形態に係る暗号文変換システム1の全体構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、第一の実施形態に係る暗号文変換システム1の全体構成の一例を示す図である。
以降では、本実施形態に係る暗号文変換システム1の全体処理の実施例1として、確率的識別不可能性難読化器(PIO)を用いて単方向単一ホップの汎用的暗号文変換器を構成する場合の全体処理について、図2を参照しながら説明する。図2は、第一の実施形態に係る暗号文変換システム1の全体処理の一例を示すフローチャート(実施例1)である。なお、以降では、確率的識別不可能性難読化器(PIO)を用いて構成された単方向単一ホップの汎用的暗号文変換器をUCTpioとも表す。
確率的回路Tpioの入力:cts∈Cs
確率的回路Tpioの処理:(1)m←Decs(sks,cts)を計算する。(2)ctd←Encd(pkd,m)を生成して出力する。
ただし、Σ´=(Σj-1,Σj)である。
以降では、本実施形態に係る暗号文変換システム1の全体処理の実施例2として、関数秘密分散(FSS)を用いて単方向複数ホップの汎用的暗号文変換器を構成する場合の全体処理について、図3を参照しながら説明する。図3は、第一の実施形態に係る暗号文変換システム1の全体処理の一例を示すフローチャート(実施例2)である。ここで、単方向複数ホップの汎用的暗号文変換器を構成する関数秘密分散は、2-パーティ関数秘密分散(すなわち、FSS=(FSS.Gen,FSS.Eval))であるものとする。なお、以降では、関数秘密分散を用いて構成された単方向複数ホップの汎用的暗号文変換器をUCTfssとも表す。
関数Tfssの入力:暗号文cts∈Cs
関数Tfssの処理:m←Decs(sks,cts)を計算して出力する。
更に、関数Tfssの定義より、cts←Encs(pks,m)に対して、Tfss[Σs,sks](cts)=mが成立する。したがって、m=m´である。
上記の実施例2で説明したUCTfssは定数回複数ホップに拡張することができる。定数とはセキュリティパラメータに依存しない定数という意味である。上記の実施例2では変換処理部210がtct:=(cts,y1,ctd~)を出力したが、これに代えて、変換処理部210は、
以降では、本発明の第二の実施形態について説明する。
以降では、本実施形態に係る暗号文変換システム1の全体構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、第二の実施形態に係る暗号文変換システム1の全体構成の一例を示す図である。
以降では、本実施形態に係る暗号文変換システム1の全体処理について、図5を参照しながら説明する。図5は、第二の実施形態に係る暗号文変換システム1の全体処理の一例を示すフローチャートである。
最後に、上記の各実施形態で説明した変換鍵生成装置10、暗号文変換装置20、受信装置30及び外部ストレージ装置40のハードウェア構成について説明する。これらの各装置は、例えば図6に示すコンピュータ500と同様のハードウェア構成により実現可能である。図6は、コンピュータ500のハードウェア構成の一例を示す図である
図5に示すコンピュータ500は、入力装置501と、表示装置502と、RAM(Random Access Memory)503と、ROM(Read Only Memory)504と、プロセッサ505と、外部I/F506と、通信I/F507と、補助記憶装置508とを有する。これら各ハードウェアは、それぞれがバス509を介して通信可能に接続されている。
10 変換鍵生成装置
20 暗号文変換装置
30 受信装置
40 外部ストレージ装置
110 鍵生成処理部
120 記憶部
210 変換処理部
220 記憶部
310 復号処理部
320 記憶部
410 変換処理部
420 記憶部
Claims (3)
- 第1の公開鍵暗号方式Σs=(鍵生成アルゴリズムGens,暗号化アルゴリズムEncs,復号アルゴリズムDecs)による第1の暗号文ctsを第2の公開鍵暗号方式Σd=(鍵生成アルゴリズムGend,暗号化アルゴリズムEncd,復号アルゴリズムDecd)による第2の暗号文tctに変換するための変換鍵utks→dを生成する変換鍵生成装置と、前記変換鍵utks→dにより前記第1の暗号文ctsを前記第2の暗号文tctに変換する暗号文変換装置と、前記第2の暗号文tctを復号する復号装置とが含まれる暗号文変換システムであって、
前記変換鍵生成装置は、
前記第1の公開鍵暗号方式Σsと前記第2の公開鍵暗号方式Σdと前記第1の公開鍵暗号方式Σsの復号鍵sksと前記第2の公開鍵暗号方式Σdの公開鍵pkdとが直接書き込まれている確率的回路Tpioであって、前記第1の暗号文ctsを入力としてm←Decs(sks,cts)及びctd←Encd(pkd,m)によりctdを計算及び出力する確率的回路Tpioと、確率的回路を難読化する確率的識別不可能性難読化器piOとを用いて、前記確率的回路Tpioを前記確率的識別不可能性難読化器piOにより難読化することで前記変換鍵utks→d:=piO(Tpio)を生成する鍵生成手段、を有し、
前記暗号文変換装置は、
前記変換鍵utks→d=piO(Tpio)を用いて、前記第2の暗号文tct:=piO(Tpio)(cts)に変換する変換手段、を有し、
前記復号装置は、
前記第2の公開鍵暗号方式Σ d の復号鍵sk d を用いて、前記復号アルゴリズムDec d により前記第2の暗号文tct=ct d を復号したメッセージm←Dec d (sk d ,ct d )を出力する計算及び出力する復号手段、を有する、
ことを特徴とする暗号文変換システム。 - 第1の公開鍵暗号方式Σs=(鍵生成アルゴリズムGens,暗号化アルゴリズムEncs,復号アルゴリズムDecs)による第1の暗号文ctsを第2の公開鍵暗号方式Σd=(鍵生成アルゴリズムGend,暗号化アルゴリズムEncd,復号アルゴリズムDecd)による第2の暗号文tctに変換するための変換鍵utks→dを生成する変換鍵生成装置と、前記変換鍵utks→dにより前記第1の暗号文ctsを前記第2の暗号文tctに変換する暗号文変換装置と、前記第2の暗号文tctを復号する復号装置とが含まれる暗号文変換システムに用いられる暗号文変換方法であって、
前記変換鍵生成装置が、
前記第1の公開鍵暗号方式Σsと前記第2の公開鍵暗号方式Σdと前記第1の公開鍵暗号方式Σsの復号鍵sksと前記第2の公開鍵暗号方式Σdの公開鍵pkdとが直接書き込まれている確率的回路Tpioであって、前記第1の暗号文ctsを入力としてm←Decs(sks,cts)及びctd←Encd(pkd,m)によりctdを計算及び出力する確率的回路Tpioと、確率的回路を難読化する確率的識別不可能性難読化器piOとを用いて、前記確率的回路Tpioを前記確率的識別不可能性難読化器piOにより難読化することで前記変換鍵utks→d:=piO(Tpio)を生成する鍵生成手順、を実行し、
前記暗号文変換装置が、
前記変換鍵utks→d=piO(Tpio)を用いて、前記第2の暗号文tct:=piO(Tpio)(cts)に変換する変換手順、を実行し、
前記復号装置が、
前記第2の公開鍵暗号方式Σ d の復号鍵sk d を用いて、前記復号アルゴリズムDec d により前記第2の暗号文tct=ct d を復号したメッセージm←Dec d (sk d ,ct d )を出力する計算及び出力する復号手順、を実行する、
ことを特徴とする暗号文変換方法。 - コンピュータに、請求項2に記載の暗号文変換方法を実行させるためのプログラム。
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