JP7111349B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
従来よりパチンコ遊技機では、入賞口への入賞に応じて付与される特典の量(時短回数など)を示唆する演出が行われている。例えば下記特許文献1には、大当たり当選に基づいて付与された時短遊技状態において、その時短遊技状態の残り回数を示す演出を行う遊技機が記載されている。
特開2016-101238号公報
ところで、入賞口への入賞に応じて行われる演出については、遊技興趣の向上のため、改善の余地がある。
本発明の課題は、演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機を提供することである。
本発明の遊技機は、
遊技者に有利な特別遊技の終了後の遊技状態を、遊技球の入球のし易さが可変可能な可変入球口に遊技球が入球し易い入球サポート状態に制御可能である遊技状態制御手段を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記入球サポート状態における所定の図柄の変動表示の回数が予め定められた上限回数に至ると、前記入球サポート状態を終了させることがあり、
前記特別遊技の実行契機となる当たりには、当該特別遊技の終了後の前記入球サポート状態について、
前記上限回数が所定数に設定される第1の当たりと、
前記上限回数が前記所定数よりも少なく設定されるか、前記所定数を超えて継続し得る第2の当たりと、がある遊技機であって、
所定の表示手段を含む演出手段を用いて演出を行うことが可能な演出実行手段を備え、
前記演出実行手段は、
前記入球サポート状態が終了するときを示唆する特定表示を前記表示手段に行わせることが可能であり、
前記第1の当たりに当選した場合には、前記特定表示を前記所定数を示す第1態様に向けて変化させる第1変化演出を、当該当選に応じた前記特別遊技が開始される前に行うことがあり、
前記第2の当たりに当選した場合には、前記特定表示を前記所定数ではない数を示す第2態様に向けて変化させる第2変化演出を、当該当選に応じた前記特別遊技が開始される前に行うことがあることを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機が提供される。
遊技機の正面図である。 遊技盤ユニットの正面図である。 第2大入賞装置等を詳細に示す正面図である。 表示器類の正面図である。 (A)は盤上可動装置と盤下可動装置とが待機状態のときの演出用ユニットの正面図、(B)は盤上可動装置と盤下可動装置とが作動したときの演出用ユニットの正面図である。 主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 サブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)は普図関係乱数を示す表であり、(B)は特図関係乱数を示す表である。 (A)は当たり判定テーブルの一例であり、(B)は普図変動パターン判定テーブルの一例であり、(C)は補助遊技制御テーブルの一例である。 (A)は大当たり判定テーブルの一例であり、(B)は大当たり図柄種別判定テーブルの一例であり、(C)はリーチ判定テーブルの一例である。 特図1変動パターン判定テーブルの一例である。 特図2変動パターン判定テーブルの一例である。 先読み判定テーブルの一例である。 大当たり遊技制御テーブルの一例である。 遊技状態の説明図である。 演出モードの具体例を示す説明図である。 特図変動演出の通常変動の具体例を示す説明図である。 特図変動演出のNリーチの具体例を示す説明図である。 特図変動演出のSPリーチの具体例を示す説明図である。 保留演出の具体例を示す説明図である。 可動体演出の具体例を示す説明図である。 操作演出の具体例を示す説明図である。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る大当たり遊技制御テーブルである。 パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る特図2変動パターン判定テーブルである。 パチンコ遊技機PY1の特徴部に係る特図変動演出の演出フローを示す説明図である。 特図変動演出におけるバトルリーチ(バトル演出)の開始までを示す説明図である。 低確高ベース状態における変動演出を示す図である。 カウント即大当たり変動の説明図である。 図33とは異なるカウント即大当たり変動の説明図である。 カウントハズレ変動の説明図である。
以下、本発明の遊技機の実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。また、後述の任意のフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる又は並列に実行できる。
1.遊技機の構造
第1形態のパチンコ遊技機PY1について説明する。最初に、パチンコ遊技機PY1の構造について図1~図5を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」は、パチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」は、パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向とする。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、後述する遊技盤ユニットYUが取り付けられる遊技盤取付枠2Aと、遊技盤取付枠2Aにヒンジ2Bを介して回転自在に支持される前枠23mと、を備える。前枠23mは遊技盤取付枠に対して開閉が可能である。前枠23mには、透明板23tが取り付けられている。前枠23mが閉じられているとき、遊技盤取付枠2Aに取り付けられた遊技盤1と透明板23tとは対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1に形成された遊技領域6を視認することができる。透明板23tは、透明なガラス板や透明な合成樹脂板等を用いることができる。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力(後述する発射装置72が発射ソレノイドに駆動させる量)の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠23mの前面の下部中央には、前方に向けて大きく突出した下部装飾体36が設けられている。下部装飾体36の上面には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための上皿34が形成されている。また、下部装飾体36の正面の下部中央には、上皿34に収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための下皿35が設けられている。
下部装飾体36の上面の上皿34より前方側には、下方に押下操作可能な第1入力装置(以下「通常ボタン」)40が設けられている。また、前枠23mの表面の右縁部から前方に突出して形成されている右部装飾体32において、下方に押下操作可能な第2入力装置(以下「特殊ボタン」)41が設けられている。
また、前枠23mの表面の上部から前方に突出して形成されている上部装飾体31の底面に、音を出力可能なスピーカ52が設けられている。スピーカ52は、左側に配置された左スピーカ52Lと、右側に配置された右スピーカ52Rと、からなる。また、前枠23mの右縁部と、下部装飾体36における正面の下皿35の左側および右側とに、発光可能な枠ランプ53が設けられている。さらに、前枠23mの左縁部および右縁部の上側には、遊技興趣を高めることを目的とする演出装置としての可動式の枠可動装置58が取り付けられている。枠可動装置58は、左側に配置された左枠可動装置58Lと、右側に配置された右枠可動装置58Rと、で構成される。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、主に図2~図5を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面側に取り付けられた演出用ユニット1Uと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。開口部1Aに沿って、遊技球が流下可能な遊技領域6を区画するための略リング状の内側壁部1Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部1Bの外側にも、遊技領域6を区画するための略リング状の外側壁部1Cが前方に突出して形成されている。
遊技盤1の前面には、内側壁部1B、外側壁部1Cなどで囲まれた遊技領域6が形成されている。すなわち、遊技盤1の前面が、内側壁部1Bおよび外側壁部1Cによって、遊技領域6とそれ以外の領域とに仕切られている。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技くぎ(図示なし)が突設されている。遊技くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、後述する第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、ゲート13、第1大入賞口14、および、第2大入賞口15などに適度に誘導する経路を構成している。なお、第1始動口11や第2始動口12といった始動口を入球口と称し、第1大入賞口14や第2大入賞口15といった大入賞口を特別入賞口あるいは特定の入賞口と称し、ゲート13を通過口あるいは通過領域と称することができるものとする。
遊技領域6の中央付近には、開口部1Aの周縁を装飾するセンター枠(センター装飾体)61が設けられている。センター枠61には、後述する第1始動口11へ遊技球を誘導可能なステージや、ステージへ遊技球を誘導可能なワープが設けられている。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1始動口11が形成された第1始動入賞装置11Dと、第2始動口12への入球を可能または不可能にさせる第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dと、が設けられている。
第1始動入賞装置11Dは不動である。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球し易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口11への入賞は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関係乱数の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口11へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。
電チュー12Dは、作動可能な電チュー開閉部材12kを備えている。電チュー開閉部材12kは、通常は(通常状態では)、第2始動口12への遊技球の入球が不可能な閉鎖位置にある。そして、特別状態になると、第2始動口12への遊技球の入球が可能な開放位置に移動する。このように、電チュー開閉部材12kが開放位置に移動することを第2始動口12または電チュー12Dの「開状態」ともいい、開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。一方、電チュー開閉部材12kが閉鎖位置にあることを第2始動口12または電チュー12Dの「閉状態」ともいう。また、第2始動口12または電チュー12Dが「開状態」になることを「電チュー12Dが開放する」ともいい、電チュー12Dが「閉状態」になることを「電チュー12Dが閉鎖する」ともいう。
遊技球の第2始動口12への入賞は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(後述の特図2関係乱数の取得と判定:以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口12へ入賞すると、所定個数(本形態では4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技領域6には、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導ステージ12gが設けられている。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な一般入賞口(普通入賞口)10が設けられている。遊技球が一般入賞口10へ入賞すると、所定個数(本形態では3個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が通過可能なゲート13が設けられている。遊技球のゲート13の通過は、普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(すなわち普通図柄乱数の取得と判定:以下、「普図抽選」という)および普図の可変表示の契機となっている。補助遊技が実行されることによって電チュー12Dを開放する。すなわち、補助遊技は、電チュー12Dの開放を伴う遊技である。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第1大入賞口14が形成された第1大入賞装置14D(以下、「通常AT14D」ともいう)が設けられている。第1大入賞装置14Dは、開状態と閉状態とに作動可能な通常AT開閉部材14kを備える。通常AT開閉部材14kの作動により第1大入賞口14が開閉する。通常AT開閉部材14kは、通常では第1大入賞口14を塞ぐ閉状態になっており、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することは不可能である。通常AT開閉部材14kが開状態に作動すると、遊技球が第1大入賞口14の中に入球することが可能になる。このように、通常AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の第1大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が第1大入賞口14へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域6には、遊技球が入球可能な第2大入賞口15が形成された第2大入賞装置15D(以下、「VAT15D」ともいう)が設けられている。第2大入賞装置15Dは、作動可能なVAT開閉部材15kを備えている。VAT開閉部材15kは、通常では第2大入賞口15を塞いでいる。VAT開閉部材15kは開状態をとることができる。VAT開閉部材15kが開状態であるときだけ遊技球の第2大入賞口15への入球が可能となる。一方、VAT開閉部材15kが第2大入賞口15を塞いでいる状態を「閉状態」ともいう。このように、VAT開閉部材15kの作動によって第2大入賞口15が開閉する。遊技球が第2大入賞口15へ入賞すると、所定個数(本形態では15個)の遊技球が賞球として払い出される。
ここで、図3を用いて、第2大入賞装置15Dについて詳細に説明する。第2大入賞装置15Dの内部には、第2大入賞口15に入球した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させることが可能なゲート状の第2大入賞口センサ15aが設けられている。
第2大入賞口センサ15aの下流域には、遊技球が通過(進入)可能な特定領域16と非特定領域17とが設けられている。第2大入賞口センサ15aを通過した遊技球は、振分装置16Dによって、特定領域16か非特定領域17かに振り分けられる。振分装置16Dは、略矩形状の平板からなる振分部材16kと、振分部材16kを駆動する振分ソレノイド16sとを備えている。振分部材16kは、振分ソレノイド16sの駆動により、左右にスライド可能に構成されている。
振分ソレノイド16sが通電されていないとき、振分部材16kは特定領域16への遊技球の通過を妨げる第1状態(通過阻止状態:図3(A)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の左端よりやや右側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆う状態)にある。振分部材16kが第1状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過した後、特定領域16を通過することは不可能であり、非特定領域17を通過する。この第2大入賞口15から非特定領域17まで流下する遊技球のルートを第1のルートという。
一方、振分ソレノイド16sが通電されているとき、振分部材16kは遊技球の特定領域16の通過(進入)を許容する第2状態(通過許容状態:図3(B)の正面視で振分部材16kの左端が特定領域16の右端よりやや左側に位置し、振分部材16kが特定領域16をその直上で覆わず、特定領域16の直上が開放している状態)にある。振分部材16kが第2状態にあるときは、第2大入賞口15に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ15aを通過したあと特定領域16を通過容易である。この第2大入賞口15から特定領域16まで流下する遊技球のルートを第2のルートという。
なお、基本的に、振分部材16kは第1状態で保持されている。すなわち、第1状態が、振分部材16kの通常の状態であるといえる。そして、所定のラウンド遊技(例えば16R)においてのみ、振分ソレノイド16sが通電され、第2状態に変化することができる。なお、振分部材16kの作動態様は適宜変更可能である。
特定領域16と非特定領域17には、各領域16、17を通過(進入)した遊技球を検知し、遊技球を下方へ通過させる特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが設けられている。
なお、第1大入賞装置14Dおよび第2大入賞装置15Dは、遊技に支障をきたさない範囲で、一方だけを設けるようにすることが可能である。また、遊技性に応じて、第1大入賞装置14Dのような、特定領域や振分装置のない大入賞装置を2つ設ける構成とすることが可能である。
また、図2に示すように、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、遊技盤1には、発光可能な盤ランプ54が設けられている。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域6B(第2遊技領域)と、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、多数の遊技くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、一般入賞口10と、ゲート13と、第1大入賞口14と、第2大入賞口15と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13の通過や、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、または、第2大入賞口15への入賞を狙うことができる。
なお、何れの入賞口(第1始動口11、第2始動口12、一般入賞口10、第1大入賞口14、および第2大入賞口15)にも入球しなかった遊技球は、アウト口19へ誘導されて排出される。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
また、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の下方の左隣(遊技領域6以外の部分)には表示器類8が配置されている。図4に示すように、表示器類8には、特図1を可変表示する特図1表示器81a、特図2を可変表示する特図2表示器81b、及び、普図を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数(U1:特図1表示器81aによる特図1の可変表示が保留されている数)を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数(U2:特図2表示器81bによる特図2の可変表示が保留されている数)を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、第1始動口11への遊技球の入賞を契機に特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、第2始動口12への遊技球の入賞を契機に特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して特図(識別図柄の一例)といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して特図抽選という。また、特図1表示器81aおよび特図2表示器81bを総称して特図表示器81という。さらに、特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bを総称して特図保留表示器83という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される特図(停止特図、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特図抽選によって複数種類の特図の中から選択された一つの特図である。停止特図が予め定めた特定の特図(特定の停止態様の特図すなわち大当たり図柄)である場合には、大入賞口(第1大入賞口14及び第2大入賞口15)を開放させる大当たり遊技(特別遊技の一例)が行われる。
特図表示器81は、例えば横並びに配された8個のLED(Light Emitting Diode)から構成され、その点灯態様によって特図抽選の結果に応じた特図を表示する。例えば特図抽選の結果が大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)である場合には、特図表示器81は、「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDの点灯で構成される大当たり図柄を表示する。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、特図表示器81は、「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の可変表示がなされる。特図の可変表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、特図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11または第2始動口12への遊技球の入賞(入球)があると、特図抽選などを行うための各種乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この各種乱数は、特図保留として後述の特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、第1始動口11への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図1関係乱数」といい、第2始動口12への遊技球の入賞(入球)により取得された各種乱数のことを「特図2関係乱数」という。ここで、特図1関係乱数は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関係乱数は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1保留の数(特図1保留数)および特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2保留の数(特図2保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、特図1保留と特図2保留を総称して「特図保留」といい、特図1保留数と特図2保留数を総称して「特図保留数」という。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とを総称して「特図関係乱数」という。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞した後すぐに特図の可変表示が行われない場合、具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合、その入賞に対する特図の可変表示(あるいは、特図抽選の権利)を留保することができる。特図保留記憶部105に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特図の可変表示が可能となったときに消化される。すなわち、特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特図関係乱数等を判定して、その判定結果を示すための特図の可変表示を実行することをいう。
そして、特図保留数は、特図保留表示器83に表示される。特図1保留表示器83aと特図2保留表示器83bのそれぞれは、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示することが可能である。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が可変表示したあと停止表示する。停止表示される普図(停止普図、可変表示の表示結果として導出表示される普図)は、普図抽選によって複数種類の普図の中から選択された一つの普図である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図(所定の停止態様の普図すなわち当たり図柄)である場合には、第2始動口12(電チュー12D)を開放させる補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普図抽選の結果に応じた普図を表示する。普図抽選の結果が当たりである場合には、普図表示器82は、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDの点灯で構成される当たり図柄を表示する。また普図抽選の結果がハズレである場合には、「■□」というように右のLEDのみの点灯で構成されるハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の可変表示が行われる。普図の可変表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の可変表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
パチンコ遊技機PY1では、遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行うための普通図柄乱数(判定情報の一例)が取得されることがある。この乱数は、普図の可変表示または補助遊技が実行されていないことを条件に、後述の普図保留記憶部106に記憶される。普図保留記憶部106に記憶可能な普図保留の数(普図保留数)には上限(例えば4個)を設定することが可能である。なお、以下において、遊技球がゲート13を通過することにより取得された普通図柄乱数のことを「普図関係乱数」ともいう。また、本形態では、普図保留数を表示する普図保留表示器を設けていないが、普図保留表示器を表示器類8に加えてもよい。普図保留表示器としては、例えば特図保留表示器83と同様の構成のものを採用することが可能である。
次に、図5を用いて、遊技盤1の背面に取り付けられた演出用ユニット1Uについて説明する。演出用ユニット1Uは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット1Uには、画像表示装置50、第1盤可動装置(以下「盤上可動装置」)55、第2盤可動装置(以下「盤下可動装置」)56が搭載されている。
画像表示装置50は、例えば20インチの3D液晶ディスプレイで構成され、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。なお、画像表示装置50は、画像を表示することが可能であれば、複数枚の液晶ディスプレイで構成されるものや、EL(electro luminescence)ディスプレイで構成されるもの等、他の表示装置であってもよい。
盤上可動装置55は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤上可動体55kを具備する。盤下可動装置56は、表示部50aに沿って移動可能に構成され、装飾が施された盤下可動体56kを具備する。
図5(A)は、盤上可動体55kおよび盤下可動体56kが作動していない通常の待機状態(初期位置)で保持されている様子を概略化して表している。盤上可動装置55の駆動源が駆動すると、盤上可動体55kは下向きに移動(下降)し、盤下可動装置56の駆動源が駆動すると、盤下可動体56kは上向きに移動(上昇)する。このとき、画像表示装置50は下降した盤上可動体55kまたは上昇した盤下可動体56kに覆われ、画像表示装置50は視認困難となる。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に、図6~図7に基づいて、パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図6~図7に示すように、パチンコ遊技機PY1は、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などの遊技利益に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板(以下「主制御基板」)100、主制御基板100による遊技の進行に応じた遊技演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、大当たり遊技演出など)や客待ち演出などの演出に関する制御を行う演出制御基板(以下「サブ制御基板」)120、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170等を、遊技盤1の画像表示装置50よりさらに背面側に備えている。主制御基板100を、遊技の制御を行う遊技制御部(メイン制御部)と位置づけることができる。また、サブ制御基板120を、後述する画像制御基板140、ランプ制御回路151、および音声制御回路161とともに、演出の制御を行う演出制御部(サブ制御部)と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、および、可動装置55,56,58等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板190を備えている。電源基板190は、主制御基板100、サブ制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、主制御基板100の遊技用RAM104やサブ制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を主制御基板100に設けたり、サブ制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けたりしてもよい。
図6に示すように、主制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、および遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、当たり判定テーブル、普図変動パターン判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。また、遊技用RAM104には、前述した特図保留記憶部105や普図保留記憶部106などが設けられている。
また、主制御基板100には、データや信号の入出力を行うための遊技用I/O(Input/Output)ポート部118、および遊技用RAM104に記憶されている情報を遊技用CPU102にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ119が実装されている。
また、主制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やアクチュエータ類が接続されている。そのため、主制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
主制御基板100に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、一般入賞口センサ10a、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、特定領域センサ16a、および、非特定領域センサ17aが含まれている。
第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10毎に設けられている。ゲートセンサ13aは、ゲート13に設けられており、ゲート13を通過した遊技球を検知する。第1大入賞口センサ14aは、第1大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。第2大入賞口センサ15aは、第2大入賞口15に入賞した遊技球を検知する。特定領域センサ16aは、特定領域16を通過(特定領域16に進入)した遊技球を検知する。非特定領域センサ17aは、非特定領域17を通過(非特定領域17に進入)した遊技球を検知する。各センサは、遊技球を検知すると、その検知内容に応じた信号を主制御基板100に出力する。
なお、主制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また、主制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、第1大入賞口ソレノイド14s、第2大入賞口ソレノイド15sおよび振分ソレノイド16sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。第1大入賞口ソレノイド14sは、第1大入賞装置14Dの通常AT開閉部材14kを駆動する。第2大入賞口ソレノイド15sは、第2大入賞装置15DのVAT開閉部材15kを駆動する。振分ソレノイド16sは、振分装置16Dの振分部材16kを駆動する。
なお、主制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに主制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また主制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)、および賞球払出装置73が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。なお、発射装置72には、ハンドル72k(図1参照)が含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、賞球払出装置73の賞球モータ73mを駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のための賞球センサ73aにより検知されて、賞球センサ73aによる検知信号が払出制御基板170に出力される。
また、発射装置72には、遊技者などの人のハンドル72k(図1参照)への接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、検知信号を払出制御基板170に出力する。また、発射装置72には、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームつまみ72bが検出したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板100は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板120は、主制御基板100から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板100とサブ制御基板120との接続は、主制御基板100からサブ制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板100とサブ制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、サブ制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。演出制御用マイコン121には、主制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、および演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
また、演出用ROM123には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
また、サブ制御基板120には、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート部138、およびRTC(Real Time Clock)139が実装されている。RTC139は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。RTC139は、パチンコ遊技機PY1に、所定の島電源供給装置(図示なし)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置から電力が供給されていないときには、電源基板190が備えるバックアップ電源回路192から供給される電力によって動作する。このため、RTC139は、パチンコ遊技機PY1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC139に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板120に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内蔵電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。サブ制御基板120の演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板120と画像制御基板140との接続は、サブ制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140からサブ制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン121は、主制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ52から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類、駆動源となる各種アクチュエータ類、各種ランプ類が接続されている。サブ制御基板120には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。また、サブ制御基板120は、主制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路151を介して各種ランプ類の点灯制御を行う。
サブ制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、通常ボタン検出スイッチ40aおよび特殊ボタン検出スイッチ41aが含まれている。通常ボタン検出スイッチ40aは、通常ボタン40が押下操作されたことを検出する。特殊ボタン検出スイッチ41aは、特殊ボタン41が押下操作されたことを検出する。各検出スイッチ40a,41aは、検出内容に応じた信号をサブ制御基板120に出力する。なお、サブ制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤上可動装置55を駆動する盤上駆動モータ55m,盤下可動装置56を駆動する盤下駆動モータ56m,枠可動装置58を駆動する枠駆動モータ58m等が含まれている。演出制御用マイコン121は、これらのモータを駆動して、各可動装置に所定の動作を行わせることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各可動装置の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路151を介して、各可動装置の動作を制御する。なお、サブ制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
サブ制御基板120に接続された各種ランプ類には、枠ランプ53,盤ランプ54等が含まれている。演出制御用マイコン121は、各ランプを発光させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン121は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って各ランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路151を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、各ランプの点灯制御、および、各可動装置の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。また、サブ制御基板120に接続されるランプの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な遊技について、図8~図15を用いて説明する。なお、図8~図15に示す各テーブルは、本項目の説明のための一般的なものであり、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明においてこれらとは別のテーブルを示した場合、パチンコ遊技機PY1ではそのテーブルが用いられているものとする。但し、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示さない構成については、この項目で示したテーブルが用いられているものとし、また、後述する「パチンコ遊技機PY1の特徴部」の説明において別のテーブルを示した構成についても、この項目で示したテーブルに変更することが可能であるとする。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を行う。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、遊技球がゲート13を通過することを「普図始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図始動条件の成立により、普図関係乱数を取得する。取得する普図関係乱数には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、図9(A)に示すような当たり判定テーブルに従って、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに従って判定することにより、当たりかハズレかの当たり判定を行う。そして、当たり判定の結果に基づいて、普図の可変表示を行うための普図変動パターン判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。また、当たり判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
3-1-2.普図変動
普図変動パターン判定は、図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルに従って、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。なお、普図変動パターン判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PY1は、非時短状態においてと時短状態においてとで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が例えば5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。また、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。パチンコ遊技機PY1は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図9(C)に示すような補助遊技制御テーブルに従って補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。なお、これらの各要素における開放回数や開放時間については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PY1は、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせている。例えば、非時短状態における補助遊技では、第1の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な時間(例えば0.08秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。また、時短状態における補助遊技では、第1の開放時間よりも長い第2の開放時間(遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが容易な時間(例えば3.00秒))だけ電チュー12Dを開放する。以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。なお、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間が同じであってもよい。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PY1は、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PY1は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関係乱数を取得し、当該乱数について種々の判定を行う。取得する特図関係乱数には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数(大当たり乱数)、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数である。乱数を判定情報とも言う。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、図10(A)に示すような大当たり判定テーブルに従って、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PY1は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。また、大当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルに従って大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別毎に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄には複数種類の種別があり、各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
例えば、図10(B)に示すように、特図1についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Aが50%、大当たり図柄Bが50%にし、特図2についての大当たり図柄種別判定による大当たり図柄種別の振分率を、大当たり図柄Cが100%にすることが可能である。このように、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる特図1抽選と、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる特図2抽選とで、大当たり図柄種別の振分率を異ならせることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルに従って、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。なお、リーチ判定テーブルを遊技状態毎に分けなくてもよい。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに従って判定することにより、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数値の数が異なっている。なお、リーチ有りと判定される確率については、適宜に変更することが可能である。以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われる「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、図11~図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定であり、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも行われる。特図変動パターンとは、特図変動時間や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する識別情報が含まれている。特図変動パターンに含ませる識別情報は、適宜に変更することが可能である。また、特図変動パターンとして、それぞれ識別情報が異なる複数種類の特図変動パターンを用いることが可能であり、その数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特別図柄の種別(特図1/特図2)に応じて分けなくてもよい。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)とがある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、大当たり判定結果やリーチ判定結果に応じて分けなくてもよい。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。なお、特図変動パターン判定テーブルを、特図保留数に応じて分けなくてもよい。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の可変表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特図抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンには、図11~図12の表の右から2番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローが関連付けられている。なお、特図変動パターンに特図変動演出の演出フローを関連付けなくてもよい。
また、図11~図12の表の一番右の欄に示すように、特図変動パターンを、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けた名称で呼ぶことがある。例えば、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」と言う。そして、大当たり変動の中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SP大当たり変動」と言い、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「L大当たり変動」と言い、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「N大当たり変動」と言う。一方、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPハズレ変動」と言い、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lハズレ変動」と言い、リーチ有りハズレの中で、リーチの一種であるNリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nハズレ変動」と言い、リーチ無しハズレに係る特図変動パターンのことを「通常ハズレ変動」と言う。通常ハズレ変動には、変動時間が互いに異なる3種類の変動(通常Aハズレ変動、通常Bハズレ変動、通常Cハズレ変動)がある。また、SP大当たりとSPハズレ変動とを総称する場合、SP変動と言う。
また、リーチ後にすぐに特図変動演出が終わる大当たりに係る特図変動パターンを「リーチ即大当たり変動」という。一方、リーチ後にすぐに特図変動演出が終わるハズレに係る特図変動パターンのことを「即ハズレ変動」という。また本形態では、リーチを行わずにカウントアップ演出を行う特図変動パターンも存在する。カウントアップ演出が行われる大当たりに係る特図変動パターンのことを「カウント即大当たり変動」と言う。本形態の「カウント即大当たり変動」には、変動時間の異なる「カウントA即大当たり変動」、「カウントB即大当たり変動」がある。また、カウントアップ演出が行われるハズレに係る特図変動パターンのことを「カウントハズレ変動」と言う。本形態の「カウントハズレ変動」には、変動時間が異なる「カウントAハズレ変動」、「カウントBハズレ変動」がある。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PY1は、取得した特図関係乱数に基づいて、図13に示すような先読み判定テーブルに従って先読み判定を行う。先読み判定は、大当たり判定よりも前に(具体的には例えば始動口への入賞時に)行われる。先読み判定には、例えば、特別図柄乱数が大当たり判定で大当たりと判定されるか否かの判定、大当たり図柄種別乱数が大当たり図柄種別判定で何れの大当たり図柄の種別に決定されるかの判定、特図変動パターン乱数が特図変動パターン判定で何れの特図変動パターンに決定されるかの判定、などがある。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞した場合の先読み判定テーブル(第1先読み判定テーブル)と、第2始動口12に入賞した場合の先読み判定テーブル(第2先読み判定テーブル)と、がある。なお、先読み判定テーブルを、始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に応じて分けなくてもよい。
また、先読み判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(非時短用先読み判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる先読み判定テーブル(時短用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、非時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、時短状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。なお、先読み判定テーブルを、遊技状態毎に分けなくてもよい。また、先読み判定にどのような判定を含ませるかは適宜に変更可能である。
3-3.大当たり遊技
次に、大当たり遊技について説明する。大当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14あるいは第2大入賞口15)の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。また、OPやEDを設けないようすることが可能である。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」といい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」という。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。パチンコ遊技機PY1は、特図の停止表示後、図14に示すような大当たり遊技制御テーブルに従って大当たり遊技を制御する。
図14に示すように、大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技毎(例えば大当たり遊技A~C毎)に大当たり遊技構成要素が格納されている。各大当たり遊技では、1Rから15Rまでは、最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14が開放するラウンド遊技、が行われる。そして、16R(最終ラウンド)では、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、または、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技、が行われる。また、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14a,15aによって検出されると、大入賞口14,15の最大開放時間が経過する前であっても、ラウンド遊技を終了させる。
なお、図14に示す大当たり遊技Aは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄A(図11(B)参照)である場合に実行され、大当たり遊技Bは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Bである場合に実行され、大当たり遊技Cは、当選した大当たり図柄の種別が大当たり図柄Cである場合に実行される構成とすることが可能である。
また、各大当たり遊技構成要素における回数や時間については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり遊技を、第1大入賞口14および第2大入賞口15の両方を用いて行うことも一方だけを用いて行うことも可能である。第1大入賞口14だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成、あるいは、第2大入賞口15だけを用いる大当たり遊技しか行わない構成とする場合には、用いない方の大入賞口を備えない構成としてもよい。また、実行可能な大当たり遊技の種類は、複数種類であってもよいし、1種類であってもよい。
ここで、特定領域16について詳細に説明する。特定領域16は、振分部材16kによって、入賞不可能な閉状態と、入賞可能な開状態とをとるので、振分部材16kの作動態様は、特定領域16の開閉態様ということができる。以下において、振分部材16kの作動態様のことを「特定領域16の開閉態様」ともいう。また、特定領域16が開状態にあることを「V開放」ともいい、特定領域16が閉状態にあることを「V閉鎖」ともいう。
振分部材16kは一定の作動態様で制御される(つまり、特定領域16は一定の開閉態様で制御される)。例えば、第2大入賞口15の開放が開始してから15秒間、振分ソレノイド16sが通電され、振分部材16kが第2状態(図3(B))に制御される。よって、最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことが容易である。一方、最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15が開放するラウンド遊技では、第2大入賞口15の開放時間およびタイミングと、振分部材16kの第2状態に制御されている時間およびタイミングとの関係から、遊技球が特定領域16を通過する(遊技球を特定領域16に進入させる)ことはほぼ不可能(困難)である。このように、振分部材16kの一定の作動態様(特定領域16の一定の開閉態様)と、大当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様との組み合わせで、大当たり遊技において遊技球を特定領域16に進入させることの困難性(容易性)を設定することが可能である。
なお、大当たり遊技中に、遊技球の特定領域16の通過(以下、「V通過」ともいう)が容易な第1開放パターン(Vロング開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vロング大当たり」といい、遊技球の特定領域16の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)でVAT開閉部材15k及び振分部材16kが作動する大当たりを、「Vショート大当たり」という。
3-4.遊技状態
次に、遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1は、図15に示すように、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」、「高確率高ベース遊技状態」および「大当たり遊技状態」の何れかの遊技状態にすることが可能である。なお、「低確率低ベース遊技状態」を「低確低ベース状態」と、「低確率高ベース遊技状態」を「低確高ベース状態」と、「高確率低ベース遊技状態」を「高確低ベース状態」と、「高確率高ベース遊技状態」を「高確高ベース状態」と、それぞれ略称することがある。遊技状態を構成する状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る状態と、電チュー12Dの開放の容易性に係る状態とがある。前者としては、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者としては、非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、「低確率低ベース遊技状態」または「低確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である状態である。高確率状態は、「高確率低ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である状態である。従って、高確率状態は通常確率状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。そして、大当たりに当選することによって通常確率状態から高確率状態に切り替えることが可能になる。例えば、大当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することによって高確率状態に切り替えることが可能である。また、大当たり図柄の種別によって高確率状態に切り替えることも可能である。高確率状態に切り替える契機をV通過とするか、大当たり図柄の種別とするかは、実現したい遊技性に応じて適宜定めておけばよい。高確率状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、高確率状態から通常確率状態に切り替えることが可能である。
非時短状態は、「低確率低ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」または「大当たり遊技状態」において設定される。時短状態は、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定され、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い遊技状態である。例えば、時短状態においては、非時短状態における電チュー12Dの開放時間(例えば0.08秒)よりも長い開放時間(例えば3.0秒)となる。また、時短状態では、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターン判定が行われる(図11~図12参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易くなっている。例えば、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30秒)よりも短い普図変動時間(5秒)が決定される(図9(B))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多い。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易くなっている。例えば、時短状態では、非時短状態で当たりと判定される確率(例えば6600/65536)よりも高い確率(例えば59936/65536)で当たりと判定される(図9(A))。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおいて当たり判定で当たりと判定される回数が多い。
このように時短状態では、非時短状態に比して、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞し易くなる。すなわち、時短状態は、電チュー12Dによる入球がサポートされる入球サポート状態である。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。従って、時短状態は非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。
パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。そして、例えば、大当たりに当選することによって時短状態が設定可能になる。時短状態では、大当たりに当選することなく所定回数の大当たり判定が行われることや、次回の大当たりに当選することで、時短状態から非時短状態に変更することが可能である。
なお、時短状態では、非時短状態に比して、当たりに当選し易く、普図変動時間が短くなり易く、且つ、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い。つまり、普図に係る遊技について3つの点で、遊技者に有利に設定されている。しかし、この遊技者に有利に設定されている点はこれらの中の一部であってもよい。また、時短状態における特図変動パターン判定テーブルが、非時短状態におけるものよりも、特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いものでなくてもよい。
なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態が設定される「低確率低ベース遊技状態」である。この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。なお、「大当たり遊技状態」では、普図抽選(普図に関する当たり判定)は行われるが特図抽選(大当たり判定)は行われないため、大当たり遊技の開始に伴って、非時短状態が設定される。また、遊技状態については、前述した遊技状態の全てを用いることも一部だけを用いることも可能である。また、本明細書で説明している各種の遊技状態については、「第n遊技状態」(nは1以上の整数)の形式で任意に表現できるものとする。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PY1により行われる主な演出について、図16~図22を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PY1は、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われていないときに設定可能であり、特図変動演出が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A―1)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PY1を紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに通常ボタン40が操作されると、図16(A―2)に示すように、パチンコ遊技機PY1の演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカ52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、実行される演出の頻度設定などがある。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」または「高確率低ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能であり、非時短状態であることを示す演出モードである。通常演出モードには、例えば、図16(B―1)に示すように、表示部50aにおいて昼間の山の景色を表す背景画像(昼間通常用背景画像G102)が表示される第1通常演出モードと、図16(B―2)に示すように、表示部50aにおいて夕方の山の景色を表す背景画像(夕方通常用背景画像G103)が表示される第2通常演出モードと、図16(B―3)に示すように、表示部50aにおいて夜間の山の景色を表す背景画像(夜間通常用背景画像G104)が表示される第3通常演出モードと、があり、大当たりに当選することなく1回または複数回の特図変動演出が行われることを1つの条件として切り替えられる。さらに、第1~第3通常演出モードのそれぞれには、特図変動演出において、リーチが成立する前の通常前段演出モードと、リーチが成立した後の通常後段演出モードと、がある。通常前段演出モードでは、表示部50aにおいて、昼間通常用背景画像G102、夕方通常用背景画像G103および夜間通常用背景画像G104の何れかが表示されるが、通常後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。また、「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定される特殊演出モードを設けても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、高確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。確変演出モードでは、例えば、図16(B―4)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G105)が表示される。さらに、確変演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の確変前段演出モードと、リーチが成立した後の確変後段演出モードと、がある。確変前段演出モードでは、表示部50aにおいて、確変用背景画像G105が表示されるが、確変後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」において特図変動演出が行われているときに設定可能な演出モードであり、通常確率状態且つ時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードでは、例えば、図16(B―5)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G106)が表示される。さらに、時短演出モードには、特図変動演出において、リーチが成立する前の時短前段演出モードと、リーチが成立した後の時短後段演出モードと、がある。時短前段演出モードでは、表示部50aにおいて、時短用背景画像G106が表示されるが、時短後段演出モードでは、リーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中には、図16(C―1)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G107や「右打ち」を促す右打ち画像G108が表示される大当たりオープニング演出が行われる。大当たり遊技におけるラウンド中には、図16(C―2)に示すように、表示部50aにおいて、ラウンド数を示すラウンド画像G109や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G110が表示されるラウンド演出が行われる。大当たり遊技におけるエンディング中には、図16(C―3)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G111や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G112が表示される大当たりエンディング演出が行われる。
なお、演出モードの種類については、適宜に変更または追加することが可能である。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出(単に「変動演出」とも言う)について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外に、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、通常ボタン40、特殊ボタン41などの様々な演出装置を用いた他の演出を行うことが可能である。この場合、演出図柄の停止表示後も、他の演出を継続して行うことが可能である。
4-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図17(A)に示すように、表示部50aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3を設けることが可能である。左演出図柄領域50b1は、特図変動演出における演出図柄の停止表示のときに、左演出図柄EZ1を表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を表示する領域である。
また、図17(A)に示すように、表示部50aの上端部の左端(左上隅)の一区画に、小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cは、特図の可変表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。
なお、図17(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。
4-2-2.通常変動
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特図の可変表示が開始されると、例えば、図17(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、図17(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」の場合には、図17(C―1)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが異なる停止態様で仮停止してから、図17(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」などのリーチ有りの特図変動パターンの場合には、図17(C―2)に示すように、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、特図変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PY1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、大当たり判定の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図18(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図18(B)に示すように、中演出図柄EZ2の変動速度が徐々に減速していく。そして、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図18(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「N大当たり変動」の場合には、図18(C―2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄EZ2が徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
また、ハズレを示唆する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン121によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン121によって選択される。
4-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、大あり判定の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図19(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図19(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」の場合には、図19(C―1)に示すように、表示部50aに、大当たりを示唆する演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタ)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特図の可変表示の特図変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」の場合には、図19(C―2)に示すように、ハズレを示唆する演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示)が行われるとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
ここで、各リーチに対する演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が大当たりを示す態様で停止される可能性(大当たり期待度)について詳細に説明する。各リーチに対する大当たり期待度は、大当たり判定の結果に基づく実行確率によって定められる。例えば、Nリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には10%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%として、SPリーチの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には4%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には100%とすれば、SPリーチの大当たり期待度を、Nリーチの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。また、SPリーチとしてSPリーチAとSPリーチBとを実行可能にし、SPリーチAの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には20%として、SPリーチBの実行確率を、大当たり判定の結果が「ハズレ」の場合には2%とし、大当たり判定の結果が「大当たり」の場合には30%とすれば、SPリーチBの大当たり期待度を、SPリーチAの大当たり期待度よりも高く設定することが可能である。このように、大当たり判定の結果に応じた実行確率を適宜に設定することで、大当たり期待度を設定することが可能である。
4-2-5.Lリーチ
パチンコ遊技機PY1は、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性が、SPリーチよりは低いがNリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチのリーチ演出の実行時間は、SPリーチのリーチ演出の演出時間よりも短い(図11および図12)。よって、Lリーチのリーチ演出では、例えば、SPリーチのリーチ演出よりも短い動画が表示部50aに表示される。なお、Lリーチのリーチ演出の内容は適宜変更可能である。また、Lリーチのリーチ演出の後にSPリーチのリーチ演出が発展的に実行される特図変動パターンを設けてもよい。
4-3.保留アイコン表示領域
画像表示装置50の表示部50aには、図20(A)に示すように、4つの表示領域からなる保留アイコン表示領域50dを設けることが可能である。保留アイコン表示領域50dは、第1表示領域50d1、第2表示領域50d2、第3表示領域50d3および第4表示領域50d4で構成され、特図1保留数または特図2保留数に応じて、各表示領域50d1,50d2,50d3,50d4に、保留アイコンHAを表示することが可能である。例えば、特図1保留数が『1』の場合には、第1表示領域50d1に保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』の場合には、第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示される。
また、保留アイコン表示領域50dの近傍に、図20(A)に示すように、1つの表示領域からなる当該アイコン表示領域50eを設けることが可能である。当該アイコン表示領域50eは、特図変動演出が開始されることに応じて、保留アイコンHAと同じまたは異なる当該アイコンTAを表示することが可能である。
なお、保留アイコン表示領域50dを構成する表示領域の数については、適宜に変更することが可能である。また、保留アイコン表示領域50dを、特図1保留数および特図2保留数の両方を表示する表示領域とすることも一方だけを表示する表示領域とすることも可能である。また、保留アイコン表示領域50dを設けるが当該アイコン表示領域50eを設けない構成としたり、両者を設けない構成としたりすることも可能である。
4-3-1.保留演出
パチンコ遊技機PY1は、遊技球が第1始動口11または第2始動口12に入賞することに応じて、保留演出を行うことが可能である。保留演出は、特図1保留または特図2保留の数を遊技者に報知することが可能である。
保留演出では、特図1保留数が『0』のときに遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図変動演出が開始され、例えば、図20(B)に示すように、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAが表示される。そして、特図変動演出中に更に2個の遊技球が第1始動口11に入賞すると、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1と第2表示領域50d2とに保留アイコンHAが表示され、特図1保留数が『2』であることが遊技者に報知される。その後、特図変動演出が終了し、新たな特図変動演出が開始されると、図20(D)に示すように、保留アイコン表示領域50dの第1表示領域50d1に表示されていた保留アイコンHAが、当該アイコン表示領域50eに移動して当該アイコンTAとして表示され、保留アイコン表示領域50dの第2表示領域50d2に表示されていた保留アイコンHAが、第1表示領域50d1に移動して表示され、特図1保留数が『1』であることが遊技者に報知される。
4-4.予告演出
パチンコ遊技機PY1は、特図変動演出中の任意のタイミングで予告演出を行うことが可能である。予告演出は、画像表示装置50、スピーカ52、枠ランプ53、盤ランプ54、可動装置55,56,58、入力装置(通常ボタン40、特殊ボタン41)等を用いた演出であり、大当たり判定の結果や特図変動パターン判定の結果を示唆することが可能である。
4-4-1.可動体演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、可動装置55,56,58を用いた可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、可動装置55,56,58を作動させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
可動体演出では、例えば、NリーチからSPリーチに発展する際に、図21(A)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56が作動し、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、表示部50a上に重なるように移動して、SPリーチに発展することが示唆される。このとき、表示部50aの盤上可動体55kおよび盤下可動体56kと重なっていないスペースにはエフェクト画像が表示される。その後、図21(B)に示すように、盤上可動体55kと盤下可動体56kとが、通常の待機状態(初期位置)に戻ってSPリーチに発展する。この可動体演出は、発展演出の一例である。なお、可動体演出については、SPリーチへの発展示唆に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。また、演出が発展しない場合(例えばNハズレ変動の場合)に、所謂ガセ演出として、可動体演出を行うようにすることも可能である。
4-4-2.操作演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、通常ボタン40や特殊ボタン41を用いた操作演出を行うことが可能である。操作演出は、遊技者に通常ボタン40や特殊ボタン41を操作させる演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
操作演出では、例えば、SPリーチにおいて、入力装置(特殊ボタン41)の押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、図22(A)に示すように、特殊ボタン41の操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。操作促進演出において、表示部50aに、操作促進画像G3が表示される。操作促進画像G3は、特殊ボタン41を模した画像(特殊ボタン画像G31)と、特殊ボタン41の操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像G32)と、操作有効期間の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像G33)と、を含む。なお、操作有効期間残り時間画像G33は、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。その後、操作有効期間において特殊ボタン41が押下操作されることに応じて、または、操作有効期間において特殊ボタン41が操作されることなく操作有効期間が経過した後、図22(B)に示すように、盤上可動装置55が作動し、盤上可動体55kが表示部50a上に重なるように移動して、大当たり期待度が示唆される。なお、操作演出については、盤上可動装置55の作動に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4-3.先読み演出
パチンコ遊技機PY1は、予告演出として、特図抽選が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する特図抽選の抽選結果を事前に示唆するための演出として機能する。
先読み演出では、例えば、特図1保留に対する先読み判定の結果が「大当たり」の場合、図20(C)に示すように、保留アイコン表示領域50dに通常は「〇」で表示される保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。また、先読み判定の結果が「ハズレ」の場合に、所謂ガセ演出として、保留アイコンHAを「☆」で表示することがある。なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、保留アイコンHAの表示態様の変化に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
次に図23~図24に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。
[1.主制御メイン処理]
主制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM103から図23に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図8(A)および図8(B)に示した種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[2.メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図24に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、例えば、下皿35の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図23の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図8(A)および図8(B)に示した各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
特別動作処理(S106)に次いで、振分装置16Dを制御するための振分装置制御処理を行う(S107)。なお、振分装置16Dを作動させるのは、第2大入賞装置15Dを用いた特別遊技を行う場合である。但し、振分装置16Dを、電源投入から常に一定動作で作動させてもよい。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S108)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、各入賞口への遊技球の入賞に応じて、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。つまり、払出制御基板170は、賞球要求信号に基づいて、賞球を払い出す。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し(図23参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[2-1.センサ検出処理]
センサ検出処理(S104)では、一般入賞口センサ処理、ゲートセンサ処理、第2始動口センサ処理、第1始動口センサ処理、第1大入賞口センサ処理、第2大入賞口センサ処理、特定領域センサ処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
一般入賞口センサ処理では、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じて、一般入賞口センサ用コマンドを生成する。
ゲートセンサ処理では、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、普通図柄乱数カウンタのカウンタ値が示す普通図柄乱数を取得し、取得した普通図柄乱数を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部106に記憶する。なお、普図保留記憶部106に普通図柄乱数が所定数(例えば4個)記憶されている場合には、新たに取得された普通図柄乱数は記憶されない。また、当該処理の結果に応じて、ゲートセンサ用コマンドを生成する。
第2始動口センサ処理では、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図2関係乱数を取得し、取得した特図2関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図2保留記憶部105bに記憶する。特図2保留記憶部105bは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図2関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図2関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得された特図2関係乱数は記憶されない。また、取得した特図2関係乱数と第2先読み判定テーブル(図13参照)とを用いて第2先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)を表す特図2保留数コマンドおよび第2先読み判定の結果を表す第2始動入賞コマンドを含む第2始動口センサ用コマンドを生成する。
第1始動口センサ処理では、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。遊技球が検出されたと判定されると、特別図柄乱数カウンタ、大当たり図柄種別乱数カウンタ、リーチ乱数カウンタ及び特図変動パターン乱数カウンタからなる特図1関係乱数を取得し、取得した特図1関係乱数を、遊技用RAM104に設けられた特図1保留記憶部105aに記憶する。特図1保留記憶部105aは、第1領域から第n領域まで(nは2以上の整数、例えば「4」)の複数の記憶領域があり、取得された特図1関係乱数は、第1領域から順に記憶される。なお、第n領域まで特図1関係乱数が記憶されている場合には、新たに取得した特図1関係乱数は記憶されない。また、取得した特図1関係乱数と第1先読み判定テーブル(図13参照)とを用いて第1先読み判定を行う。また、当該処理の結果に応じて、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)を表す特図1保留数コマンドおよび第1先読み判定の結果を表す第1始動入賞コマンドを含む第1始動口センサ用コマンドを生成する。
第1大入賞口センサ処理では、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第1大入賞口センサ用コマンドを生成する。
第2大入賞口センサ処理では、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。また、当該処理の結果に応じた第2大入賞口センサ用コマンドを生成する。
特定領域センサ処理では、特定領域センサ16aによって遊技球が検出されたか否か判定する。また、当該処理の結果に応じて、特定領域センサ用コマンドを生成する。
[2-2.普通動作処理]
普通動作処理(S105)では、普通図柄待機処理、普通図柄変動処理、普通図柄確定処理、補助遊技制御処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄待機処理は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理では、普図保留記憶部106に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。また、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定する。そして、当たり判定および普図変動パターンの結果に関する情報を含む普図変動開始コマンドを生成する。それから、決定した普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間に基づいて、普図の可変表示を普図表示器82に開始させる。
普通図柄変動処理は、普図の可変表示中に行われる処理である。普通図柄変動処理では、実行中の普図の可変表示が開始してから普図変動時間が経過することに応じて、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行う。そして、普図の可変表示の終了を示す普図変動停止コマンドを生成する。
普通図柄確定処理は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過することに応じて、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄が停止表示していれば、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させ、補助遊技の開始を示す補助遊技開始コマンドを生成する。
補助遊技制御処理は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。また、当該処理の結果に応じて、補助遊技制御用コマンドを生成する。
[2-3.特別動作処理]
特別動作処理(S106)では、特別図柄待機処理、特別図柄変動処理、特別図柄確定処理、大当たり遊技制御処理、遊技状態設定処理を順次行う。そして、各処理において生成されたコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[2-3-1.特別図柄待機処理]
特別図柄待機処理は、大当たり遊技状態ではなく、特図の可変表示が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数に基づいて、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理を行うとともに、特図2保留記憶部シフト処理を行う。また、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数に基づいて、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理を行うとともに、特図1保留記憶部シフト処理を行う。
特図2判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図2関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特図2大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
特図2変動パターン判定処理は、特図2判定処理の後に行われる処理である。特図2変動パターン判定処理では、特図2保留記憶部105bの第1領域に記憶されていた特図2関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図2変動パターン判定テーブルとを用いて、特図2変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図2変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図2変動パターンが判定される。なお、特図2変動パターンの判定は、特図2保留記憶部105bに記憶されている特図2関係乱数の数(特図2保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特図2変動パターンを表す特図2変動開始コマンドを生成する。特図2変動開始コマンドには、特図2であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図2変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の可変表示を開始させる。
特図2保留記憶部シフト処理は、特図2判定処理及び特図2変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図2保留記憶部シフト処理では、特図2保留記憶部105bに記憶されていた特図2関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図2関係乱数を特図2保留記憶部105bからクリアする。このようにして、特図2関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図2保留数を表す特図2保留数コマンドを生成する。
特図1判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特別図柄乱数と、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルとを用いて、大当たり、または、ハズレの何れであるかを判定する大当たり判定を行う。大当たり判定の結果が大当たりであれば、特図1関係乱数のうちの大当たり図柄種別乱数と、特図1大当たり図柄種別判定テーブルとを用いて、大当たり図柄の種別を判定する大当たり図柄種別判定を行う。そして、判定された大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを生成する。また、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを表す図柄指定コマンドを生成する。なお、ハズレの種別を複数設け、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレ図柄の種別を判定するようにしてもよい。この場合、図柄指定コマンドにはハズレ図柄の種別を示す情報を含ませるとよい。
特図1変動パターン判定処理は、特図1判定処理の後に行われる処理である。特図1変動パターン判定処理では、特図1保留記憶部105aの第1領域に記憶されていた特図1関係乱数のうちの特図変動パターン乱数と、現在の遊技状態に応じた特図1変動パターン判定テーブルとを用いて、特図1変動パターンを判定する。大当たり判定の結果がハズレであった場合の特図1変動パターン判定処理では、リーチ判定がなされ、そのリーチ判定の結果に応じて、特図1変動パターンが判定される。なお、特図1変動パターンの判定は、特図1保留記憶部105aに記憶されている特図1関係乱数の数(特図1保留数)にも関連付けられている。そして、判定された特図1変動パターンを表す特図1変動開始コマンドを生成する。特図1変動開始コマンドには、特図1であることに関する情報、大当たり判定の結果に関する情報、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報、リーチ判定の結果に関する情報、特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間の情報などが含まれる。そして、判定された特図1変動パターンに対応付けられた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の可変表示を開始させる。
特図1保留記憶部シフト処理は、特図1判定処理及び特図1変動パターン判定処理が行われる際に行われる処理である。特図1保留記憶部シフト処理では、特図1保留記憶部105aに記憶されていた特図1関係乱数を第1領域側に一つシフトするとともに、第1領域の特図1関係乱数を特図1保留記憶部105aからクリアする。このようにして、特図1関係乱数は取得された順に消化される。そして、当該処理後の特図1保留数を表す特図1保留数コマンドを生成する。
なお、特図2保留数および特図1保留数の何れも存在する場合、特図2判定処理が優先して行われ、特図2の可変表示と特図1の可変表示とが並行して行われないようになっている。
[2-3-2.特別図柄変動処理]
特別図柄変動処理は、特図の可変表示中に行われる処理である。特別図柄変動処理では、特図変動時間が経過することに応じて、特図表示器81に、特図の可変表示を終了させるとともに、大当たり判定の結果に応じた特図を停止表示させる。大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たりを示す大当たり図柄を停止表示させ、大当たり判定の結果がハズレであれば、ハズレを示すハズレ図柄を停止表示させる。そして、特図の可変表示の終了を示す特図変動停止コマンドを生成する。
[2-3-3.特別図柄確定処理]
特別図柄確定処理は、特図が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理では、現在停止表示している特図が大当たり図柄である場合には、大当たり遊技状態に移行させる。そして、大当たり遊技の開始を示すオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ高確率状態を終了させる場合には、通常確率状態を設定する。そして、通常確率状態への移行を示す高確率終了コマンドを生成する。また、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ時短状態を終了させる場合には、非時短状態を設定する。そして、非時短状態への移行を示す時短終了コマンドを生成する。なお、現在停止表示している特図がハズレ図柄であり且つ特図2保留数および特図1保留数が「0」の場合には、パチンコ遊技機PY1が待機状態であることを示す客待ちコマンドを生成する。
[2-3-4.大当たり遊技制御処理]
大当たり遊技制御処理は、大当たり遊技状態において行われる処理である。大当たり遊技制御処理では、大当たり遊技制御テーブルに従って、大当たり遊技を行う。大当たり遊技状態への移行後、オープニング時間または閉鎖時間の経過に応じて、各ラウンド遊技を開始する。そして、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技コマンドを生成する。また、最終のラウンド遊技を終了させることに応じて、エンディングを開始する。そして、大当たり遊技の終了を示すエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドには、大当たり図柄種別判定の結果に関する情報が含まれる。
[2-3-5.遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理は、大当たり遊技状態が終了する際に行われる処理である。遊技状態設定処理では、通常確率状態から高確率状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に高確率状態を設定する。高確率状態の継続期間を制限する場合には、高確率状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく高確率状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、高確率状態の設定を示す高確率設定コマンドを生成する。また、非時短状態から時短状態に変更する場合は、大当たり遊技状態の終了の際に時短状態を設定する。時短状態の継続期間を制限する場合には、時短状態の継続期間(例えば、大当たりに当選することなく時短状態が継続できる特図の可変表示の回数)も併せて設定する。そして、時短状態の設定を示す時短設定コマンドを生成する。
なお、遊技制御用マイコン101が各処理において生成するコマンドは、適宜に追加または変更することが可能である。
6.演出制御用マイコン121による演出の制御
次に、図25~図27に基づいて演出制御用マイコン121による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン121による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。
[1.サブ制御メイン処理]
サブ制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図25に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板140に送信する。コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカ52から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御回路151を介して枠ランプ53、および盤ランプ54を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、可動装置55,56,58を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(特図変動演出、保留演出、操作演出、先読み演出、大当たり遊技演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は主制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[2.1msタイマ割り込み処理]
1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図26に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理では、通常ボタン検出スイッチ40aや特殊ボタン検出スイッチ41aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53、および盤ランプ54などのランプを発光させるべく、発光データをランプ制御回路151に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53、および盤ランプ54などを所定の発光態様で発光させる。可動装置制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで可動装置55,56,58などの可動装置を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、可動装置55,56,58などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[3.10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図27に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によって演出用RAM124の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、通常ボタン40や特殊ボタン41といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン121が遊技制御用マイコン101からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン121が受信するコマンドは、特図変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理(S4201)において、特図変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SP大当たり変動やSPハズレ変動)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動装置制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する特図変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、大当たり遊技演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出などの他の演出についても基本的には同じである。
7.パチンコ遊技機PY1の特徴部
以下、パチンコ遊技機PY1の特徴部を詳細に説明する。なお、パチンコ遊技機PY1の特徴の1つは、時短状態において大当たりに当選した場合の特図変動演出にある。
最初に、遊技制御用マイコン101が実行可能な大当たり遊技について説明する。遊技制御用マイコン101は、図28の大当たり遊技制御テーブルに示す各種の大当たり遊技(大当たり遊技A~C)を実行可能である。
図28に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図1判定処理(第1始動口11への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄1」又は「大当たり図柄2」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄1」を60%の割合で決定し、「大当たり図柄2」を40%の割合で決定する。また、遊技制御用マイコン101は、特図2判定処理(第2始動口12への入賞に基づく特図判定処理)における大当たり図柄種別判定では、「大当たり図柄3」又は「大当たり図柄4」の何れかを決定可能である。より詳細には、遊技制御用マイコン101は、「大当たり図柄3」を60%の割合で決定し、「大当たり図柄4」を40%の割合で決定する。
そして、遊技制御用マイコン101は、決定した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。具体的には、「大当たり図柄1」が決定された場合に実行される「大当たり遊技A」では、ラウンド遊技が16回行われる。1Rから8Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放する。9Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14を開放する。この大当たり遊技の9Rから15Rまでは、第1大入賞口14の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口14への入賞が見込めないラウンドとなっている。16Rでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15を開放する。そして、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は9回である。
また、「大当たり図柄2」が決定された場合に実行される「大当たり遊技B」では、ラウンド遊技が16回行われる。1Rから8Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放する。9Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14を開放する。16Rでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15を開放する。そして、この大当たり遊技の9Rから16Rまでは、第1大入賞口14、第2大入賞口15の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口14、第2大入賞口15への入賞が見込めないラウンドとなっている。そして、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は8回である。
また、「大当たり図柄3」が決定された場合に実行される「大当たり遊技C」では、ラウンド遊技が16回行われる。1Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放する。16Rでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第2大入賞口15を開放する。そして、この大当たり遊技は、ラウンド遊技の総数も実質的なラウンド遊技の回数も16回である。
また、「大当たり図柄4」が決定された場合に実行される「大当たり遊技B」では、ラウンド遊技が16回行われる。1Rから8Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって第1大入賞口14を開放する。9Rから15Rまでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第1大入賞口14を開放する。16Rでは1回のラウンド遊技当たり最大で0.1秒にわたって第2大入賞口15を開放する。そして、この大当たり遊技の9Rから16Rまでは、第1大入賞口14、第2大入賞口15の開放時間が極めて短く、現実的には第1大入賞口14、第2大入賞口15への入賞が見込めないラウンドとなっている。そして、この大当たり遊技におけるラウンド遊技の総数は16回であるものの、実質的なラウンド遊技の回数は8回である。
従って、実質的なラウンド遊技の回数が16回である「大当たり遊技C」は、実質的なラウンド遊技の回数が9回である「大当たり遊技A」、実質的なラウンド遊技の回数が8回である「大当たり遊技B」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言え、「大当たり遊技C」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技A」、「大当たり遊技B」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。
次に、遊技制御用マイコン101が制御可能な遊技状態について説明する。遊技制御用マイコン101は、「大当たり遊技A」、「大当たり遊技B」、「大当たり遊技C」の何れの大当たり遊技を実行した場合でも、大当たり遊技後の遊技状態を、時短状態に設定する。また、「大当たり遊技A」又は「大当たり遊技C」の何れかの大当たり遊技を実行した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を、高確率状態に設定する一方、「大当たり遊技B」の大当たり遊技を実行した場合には、大当たり遊技後の遊技状態を、通常確率状態に設定する。つまり、「大当たり遊技A」又は「大当たり遊技C」の後は、「高確率高ベース遊技状態」(高確率状態且つ時短状態)に制御し、「大当たり遊技B」の後は、「低確率高ベース遊技状態」(通常確率状態且つ時短状態)に制御する。
本形態では、「高確率高ベース遊技状態」は、次回の大当たり遊技が実行されるまで継続可能とする。一方、「低確率高ベース遊技状態」は、特図の可変表示の回数が100回となるまで継続可能とする。なお、「高確率高ベース遊技状態」は、例えば10000回等、所定の回数となるまで継続することとしてもよく、「低確率高ベース遊技状態」は、「高確率高ベース遊技状態」とは異なる回数となるまで継続することとしてもよい。
従って、その後に高確率状態が設定される「大当たり遊技A」又は「大当たり遊技C」は、その後に高確率状態が設定されない「大当たり遊技B」よりも遊技者に有利な大当たり遊技であると言える。また、「大当たり遊技A」又は「大当たり遊技C」が実行される大当たり遊技状態は、「大当たり遊技B」が実行される大当たり遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。さらに、本形態では、「大当たり遊技C」が最も遊技者に有利な大当たり遊技であり、これが実行される大当たり遊技状態が最も遊技者に有利な遊技状態と言える。
なお、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の種類を問わず、通常遊技状態よりも有利な遊技状態と言える。また、高確率状態の1つである「高確率高ベース遊技状態」は、通常確率状態の1つである「低確率高ベース遊技状態」よりも遊技者に有利な遊技状態と言える。本明細書では、遊技者に有利な遊技状態を有利遊技状態と言うことがある。
次に、遊技制御用マイコン101が決定可能な特図2変動パターンについて詳細に説明する。遊技制御用マイコン101は、図29に示す特図2変動パターン判定テーブルを用いて、特図2変動パターンを決定可能である。
遊技制御用マイコン101は、時短状態に設定しているときの特図2変動パターン判定処理において、特図2判定処理で行った大当たり判定の結果、大当たり図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、および特図変動パターン乱数に基づいて、特図2変動パターンを決定する。図29に示すように、時短状態における特図2変動パターンとしては、「P61」~「P70」の10種類のうちの何れかを決定することが可能である。何れの特図2変動パターンに決定するかは、特図変動パターン乱数によって振り分けられる。なお、本形態における決定割合(振分率)は図29に示す通りである。この決定割合については、適宜に変更することが可能である。
より詳細には、パチンコ遊技機PY1は、大当たり判定の結果が「大当たり」であり且つ大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄3」であった場合は、特図2変動パターンとして、「P61」、「P62」、「P64」の3種類を決定することが可能である。大当たり判定の結果が「大当たり」であり且つ大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄4」であった場合は、特図2変動パターンとして、「P61」、「P63」、「P64」の3種類を決定することが可能である。また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であり、リーチ判定の結果が「リーチ有り」であった場合は、特図2変動パターンとして、「P65」、「P66」の2種類を決定することが可能である。また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であり、リーチ判定の結果が「リーチ無し」であった場合は、特図2変動パターンとして、「P67」~「P70」の4種類を決定することが可能である。この4種類の特図2変動パターンのうち何れに決定するかは、特図2保留数によって割り振られている。特図2保留数が0~2個の場合には、特図変動時間が6000msと比較的長い「P67」、「P68」が決定され易く、特図2保留数が3~4個の場合には、特図変動時間が3000msと比較的短い「P69」、「P70」が決定され易くなっている。
ここで、本形態では、カウントアップ演出が行われる特図2変動パターンを備えている。具体的には、「大当たり図柄3」に係る「P62」の「カウントA即大当たり変動」、「大当たり図柄4」に係る「P63」の「カウントB即大当たり変動」、「ハズレ」の「リーチ無し」の特図2保留数が0~2個の場合に係る「P68」の「カウントAハズレ変動」、「ハズレ」の「リーチ無し」の特図2保留数が3~4個の場合に係る「P69」の「カウントBハズレ変動」、である。これら「カウントA即大当たり変動」、「カウントB即大当たり変動」、「カウントAハズレ変動」、「カウントBハズレ変動」では、その他の特図2変動パターンとは異なり、数値をカウントアップするカウントアップ演出が行われる。
また、図30には、本形態に係る特図2変動パターンにおける特図変動演出の演出フローを示している。特図2変動パターンが「SP大当たり変動」である場合の特図変動演出の演出フローは、図30(A)に示すように、「通常変動」→「リーチ煽り(成功)」→「バトルリーチ(勝利)」で構成される。また、特図2変動パターンが「SPハズレ変動」である場合の特図変動演出の演出フローは、図30(B)に示すように、「通常変動」→「リーチ煽り(成功)」→「バトルリーチ(敗北)」で構成される。
また、特図2変動パターンが「カウントA即大当たり変動」、「カウントB即大当たり変動」である場合の特図変動演出の演出フローは、図30(C)、(D)に示すように、「通常変動」→「カウントアップ」で構成される。なお、特図2変動パターンが「カウントA即大当たり変動」である場合の特図変動演出では、カウントアップ演出において「999」までカウントアップされる。特図2変動パターンが「カウントB即大当たり変動」である場合の特図変動演出では、カウントアップ演出において「100」までカウントアップされる。
また、特図2変動パターンが「リーチ即大当たり変動」である場合の特図変動演出の演出フローは、図30(E)に示すように、「通常変動」→「リーチ煽り(成功)→即ゾロ目」で構成される。特図2変動パターンが「即ハズレ変動」である場合の特図変動演出の演出フローは、図30(F)に示すように、「通常変動」→「リーチ煽り(失敗)→即バラケ目」で構成される。
また、特図2変動パターンが「カウントAハズレ変動」、「カウントBハズレ変動」である場合の特図変動演出の演出フローは、図30(G)、(H)に示すように、「通常変動」→「カウントアップ」で構成される。なお、特図2変動パターンが「カウントAハズレ変動」である場合の特図変動演出では、カウントアップ演出において「99」までカウントアップされる。特図2変動パターンが「カウントBハズレ変動」である場合の特図変動演出では、カウントアップ演出において「50」までカウントアップされる。つまり、特図2変動パターンが「カウントAハズレ変動」、「カウントBハズレ変動」である場合の特図変動演出では、カウントアップ演出におけるカウントアップが、「100」未満の値までとなっている。
ここで、これらの特図2変動パターンにおける特図変動演出を構成する主要な演出について説明する。なお、演出制御用マイコン121は、特図変動演出を構成する各演出において、表示部50aに演出画像を表示するとともに、演出画像の表示に応じて、枠ランプ53や盤ランプ54を用いた発光演出や、スピーカ52を用いた音演出等を実行可能である。
A.通常変動
通常変動は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を変動表示させる演出であり、特図の可変表示の開始に応じて行われることがある演出である。特図変動演出において最初に行われるため、特図変動演出が開始されたことを示唆する演出として機能する。
B.リーチ煽り
リーチ煽りは、「通常変動」の後に、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一の図柄で仮停止表示されるかを煽る演出である。具体的には、左演出図柄EZ1をある図柄で仮停止表示した後、右演出図柄EZ3の変動速度を徐々に遅くしていき、左演出図柄EZ1と同じ図柄で仮停止表示されそうに見せる演出である(図31(A))。リーチ煽りには、成功の態様と失敗の態様とがある。失敗のリーチ煽りでは、右演出図柄EZ3を左演出図柄EZ1とは異なる図柄で仮停止表示させる(図31(B))。つまり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチにしない。この場合、中演出図柄EZ2の停止表示によりバラケ目を形成させ(図31(C))、ハズレである旨を報知する。このパターンの演出は、特図2変動パターンとして「即ハズレ変動」が選択された場合に実行される。
これに対して、成功のリーチ煽りでは、右演出図柄EZ3を左演出図柄EZ1と同じ図柄で仮停止表示させる(図31(D))。つまり、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をリーチにする。この場合、特図2変動パターンが「SP大当たり変動」、「SPハズレ変動」のどちらかであれば、バトル演出(バトルリーチ)に発展させる(図31(E))。一方、特図2変動パターンが「リーチ即大当たり変動」であれば、バトル演出に発展させることなく演出図柄EZ1,EZ2,EZ3をゾロ目で停止表示させ、大当たりである旨を報知する。
このように、リーチ煽りの演出は、大当たり判定の結果が「大当たり」であった場合に
行われることがあるため、大当たり遊技が行われる可能性がある演出として機能する。また、その後に「バトルリーチ」などのリーチ演出に発展することがあるため、リーチ演出が行われる可能性があることを示唆する演出としても機能する。また、「リーチ即大当たり変動」は、バトル演出に発展することなく演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がゾロ目で停止表示されるため、遊技者に驚きを与え、遊技興趣を向上させる変動パターンとして機能する。
なお、リーチ煽りの演出は、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3がリーチになるかを煽ることができる演出であれば、どのような演出態様であってもよい。ちなみにリーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で、遊技者に有利な遊技状態になること(例えば大当たり遊技状態になること)を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。
C.バトルリーチ(バトル演出)
バトルリーチは、「リーチ煽り」の後に行われることがある演出であり、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを行う様子を示すリーチ演出である。バトルリーチには、勝利の態様と敗北の態様とがある。勝利のバトルリーチでは、味方キャラクタが勝利する勝利演出(後述の逆転勝利演出も含む)が行われる。これに対して、敗北のバトルリーチでは、味方キャラクタが敗北する敗北演出が行われる。
バトルリーチは、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合よりも「大当たり」であった場合の方が行われ易いため、大当たり遊技が行われる可能性が高いことを示唆する演出として機能する。また、バトルリーチにおける勝利演出は、大当たり判定の結果が「ハズレ」であった場合に実行されることがないため、大当たり当選を報知する演出として機能する。
D.カウントアップ演出
カウントアップ演出は、「通常変動」の後に、リーチ(SPリーチ、Lリーチ、Nリーチ)が行われることなく、数値を所定の態様でカウントアップする演出である。本形態のカウントアップ演出は、カウントアップされた後の数値により、大当たりまたはハズレを示すことが可能な演出となっている。さらに、本形態のカウントアップ演出は、大当たりである場合には、その大当たり遊技後の遊技状態(高確率状態且つ時短状態、通常確率状態且つ時短状態)を示すことが可能な演出となっている。よって、通常の演出図柄を用いたリーチ演出や、一般的なバトル演出等とは異なる斬新な演出を行うことが可能である。
次に、特図変動演出において実行される「カウントアップ演出」の詳細について図32~図35に基づいて説明する。本形態のカウントアップ演出は、時短状態(高確率状態且つ時短状態、通常確率状態且つ時短状態)において実行されることがある特図変動演出である。そこで、まず、時短状態における特図変動演出について説明する。
図32は、時短状態である「低確高ベース状態」(つまり時短演出モード)における特図変動演出を示す図である。図32に示すように、「低確高ベース状態」では、表示部50aにおいて空を表す背景画像である時短用背景画像G106が表示されており、表示部50aの右上の領域に「右打ち」を促す右打ち画像G108、左下の保留アイコン表示領域50dに保留アイコンHA、当該アイコン表示領域50eに当該アイコンTAがそれぞれ表示される。また、表示部50aの中央付近の領域で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の可変表示が、左上の領域で小図柄KZ1,KZ2,KZ3の可変表示が行われる。
さらに、特図の変動回数に上限がある「低確高ベース状態」においては、表示部50aの右下の残回数示唆表示領域50fに残回数示唆表示200を表示する。「低確高ベース状態」は、特図抽選の結果が大当たりであった場合、当状態への移行後に大当たりに当選することなく(つまりハズレばかり)特図抽選(特図の変動回数)が上限回数まで行われた場合に、他の状態へと移行する。そして、残回数示唆表示200は、「低確高ベース状態」において表示されるとともに、当該「低確高ベース状態」にて特図の可変表示が可能な残りの回数(以下、残回数ということがある)を示唆することが可能な表示である。
本形態では、「低確高ベース状態」における特図の可変表示の回数の上限回数は、100回である。よって、残回数示唆表示200には、「低確高ベース状態」に移行した後、第1回目の特図の可変表示が開始される前に、まず、初期の残り回数(以下、初期残回数ということがある)を示す「100」が表示される。その後、残回数示唆表示200には、ハズレに係る特図が変動表示されて停止表示される毎に、残り回数を「100」から1ずつカウントダウンされる態様で残回数が示される。すなわち、残回数示唆表示200には、残回数として、ハズレに係る特図の可変表示毎に、その前の数値から1だけ減算された数値が示される。これにより、「低確高ベース状態」では、制限のある特図の可変表示の残回数を適切に示すことが可能となっている。よって、遊技者には、残回数を適切に把握させることが可能である。なお、「低確高ベース状態」に移行した後、第1回目の特図の可変表示を開始した後に残回数示唆表示200を行う場合には、初期残回数の100から1をすでに減算した「99」を、残回数示唆表示200として最初に表示してもよい。
図32(A)には、「低確高ベース状態」における残回数が2回となった状態を示している。このため、図32(A)においては、残回数示唆表示200が「02」となっている。図32(B)は、ハズレに係る特図が変動表示後、停止表示されたときの状態(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3、小図柄KZ1,KZ2,KZ3としてともに「748」が表示されている状態)を示している。よって、その次の特図の可変表示が開始された図32(C)においては、残回数示唆表示200が「01」となっている。
続いて、カウントアップ演出について説明する。カウントアップ演出は、「低確高ベース状態」においてハズレに係る特図の可変表示が行われることで減った残回数が、回復、または追加されたかのように示すことが可能な演出である。
図30に示すように、カウントアップ演出が行われるのは、特図2変動パターンがカウント即大当たり変動(カウントA即大当たり変動、カウントB即大当たり変動)の場合と、カウントハズレ変動(カウントAハズレ変動、カウントBハズレ変動)との場合である。
まず、「低確高ベース状態」にて大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄4」であった場合のカウントB即大当たり変動におけるカウントアップ演出について説明する。図33には、時短状態の残回数が1であるときに、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄4」であった場合に行われるカウントB即大当たり変動を示している。なお、図28に示したように、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄4」であった場合、「大当たり遊技B」が行われた後には、「低確高ベース状態」へと制御する。このように、大当たり遊技の後に、時短状態かつ通常確率状態に制御される大当たりを、以下、通常大当たりということがある。また、カウントB即大当たり変動にて行われるカウントアップ演出を、以下、第1カウントアップ演出ということがある。
カウントB即大当たり変動では、まず、図33(A)に示すように、表示部50aにて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の通常変動が時短用背景画像G106において開始される。その後、図33(B)に示す態様で第1カウントアップ演出が開始される。すなわち、第1カウントアップ演出が開始されると、背景画像を時短用背景画像G106からカウントアップ背景画像G200に変更するとともに、カウントアップ表示210を表示する。
また、本形態の第1カウントアップ演出では、カウントアップ表示210には、その初期の数値として、その特図の可変表示における残回数「1」を示す「01.0」が表示される。よって、本形態では、残回数「1」を基準とした第1カウントアップ演出が開始されたことを遊技者に容易に認識させることが可能である。
ここで、通常大当たりである場合、大当たり遊技B後に移行する「低確高ベース状態」は、特図の可変表示の回数の上限回数、つまり初期残回数が100回である。よって、第1カウントアップ演出では、カウントアップ表示210に「01.0」を表示した後、カウントアップ表示210を「100」に向けて変化させる。本形態の第1カウントアップ演出では、カウントアップ表示210を表示したまま、初期の数値から「100」に向けて、途切れることなく連続的に変化させる。
そして、変化したカウントアップ表示210が「100」に到達(図33(C))した後には、カウントアップ表示210を「100」のまま、所定時間だけ維持する通常初期残回数示唆表示を行う。この通常初期残回数示唆表示は、通常大当たりに基づいて制御される「低確高ベース状態」での初期残回数を示唆することが可能な表示である。すなわち、第1カウントアップ演出におけるカウントアップ表示210、通常初期残回数示唆表示は、その後、移行する「低確高ベース状態」における時短状態が終了するときを示唆可能な表示となっている。これにより、第1カウントアップ演出は、大当たりの種類を示すことが可能となっている。
なお、第1カウントアップ演出におけるカウントアップ表示210の初期の数値は、必ずしも、その特図の可変表示における残回数でなくてもよい。その他、毎回、所定の数値、例えば「00.0」から開始することとしてもよい。この場合、例えば、残回数が多い状態でカウントB即大当たり変動が行われた場合であっても、遊技者に、より残回数が回復、または追加されるように感じさせることが可能である。
また、本形態の第1カウントアップ演出においては、図33(B)、(C)に示すように、カウントアップ表示210の右方に、砂時計であるカウントアップ示唆表示220を示す。第1カウントアップ演出は、カウントアップ表示210が「100」に向けて変化する態様を示す演出である。よって、第1カウントアップ演出では、カウントアップ表示210の変化とともに、砂時計であるカウントアップ示唆表示220を示すことで、カウントアップ表示210における数字の変化が、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3における変動表示とは明確に違うことを示すことが可能である。よって、第1カウントアップ演出では、通常変動のような演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示とは異なる数字の変化が行われたことによる期待感を遊技者に持たせることが可能になっている。さらには、第1カウントアップ演出は、遊技者に、あたかも時間が「低確高ベース状態」の最初まで巻き戻されるかのように感じさせることが可能な斬新な演出となっている。
また、通常大当たりに係るカウントB即大当たり変動では、図33(C)の通常初期残回数示唆表示の後には、図33(D)に示すように、背景画像を時短用背景画像G106に戻すとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3として「大当たり図柄4」に対応した演出図柄EZを停止表示する。具体的に、図33の例では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3として、偶数である4がそろった「444」の態様で示される。そして、その後、大当たり遊技Bが実行された後、第1カウントアップ演出にて示したように、特図の可変表示の回数の上限回数が100回の「低確高ベース状態」へと制御される。
次に、「低確高ベース状態」にて大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄3」であった場合のカウントA即大当たり変動におけるカウントアップ演出について図34に基づいて説明する。図34には、カウントA即大当たり変動におけるカウントアップ演出の後半を示している。なお、図28に示したように、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄3」であった場合、「大当たり遊技C」が行われた後には、「高確高ベース状態」へと制御される。このように、大当たり遊技の後に、時短状態かつ高確率状態に制御される大当たりを、以下、確変大当たりということがある。
カウントA即大当たり変動の場合にも、本形態では、まず、図33で説明したような第1カウントアップ演出、通常初期残回数示唆表示を行う。すなわち、通常変動の開始後(図33(A))、背景画像をカウントアップ背景画像G200に変更するとともに、カウントアップ表示210およびカウントアップ示唆表示220を示し、カウントアップ表示210を「100」に向けて変化させる(図33(B))。また、カウントアップ表示210が「100」に到達した後には、カウントアップ表示210を「100」のまま維持する通常初期残回数示唆表示を行う(図33(C))。
また、本形態のカウントA即大当たり変動では、通常初期残回数示唆表示において、図34(A)に示すように、カウントアップ表示210を振動(微振動)しているように表示する。これにより、カウントアップ表示210が、「100」に到達して変化が終わってしまったのではなく、まだ変化するのではないかという期待感を遊技者に抱かせることが可能となっている。
そして、通常初期残回数示唆表示の後、図34(B)に示すように、カウントアップ表示210のカウントアップを続ける。つまり、カウントアップ表示210のカウントアップを、「低確高ベース状態」における特図の可変表示の回数の上限回数である「100」を超えて数値を上昇させる第2カウントアップ演出を行う。すなわち、カウントA即大当たり変動では、「100」に向けてカウントアップ表示210を変化させる第1カウントアップ演出、カウントアップ表示210を「100」で所定時間、微振動させつつ示す通常初期残回数示唆表示を行った後、さらに、カウントアップ表示210を「100」を超えて変化させる第2カウントアップ演出を行う。
そして、本形態のカウントA即大当たり変動では、通常初期残回数示唆表示においてカウントアップ表示210を「100」としておく時間が、第1カウントアップ演出におけるカウントアップ表示210の変化間隔よりも長くなっている。これにより、通常初期残回数示唆表示において、遊技者に、カウントアップが止まった(つまりカウントアップ演出が終わった)かのように思わせることが可能となっている。よって、その後に第2カウントアップ演出が開始されることで、カウントアップ演出がまだ終了していなかったという驚きを与えることが可能である。
また、第2カウントアップ演出では、カウントアップ表示210を、「100」を超えた後(図34(B))、「999」まで変化させる(図34(C))。具体的には、本形態の第2カウントアップ演出では、カウントアップ表示210を、「101」から「999」に向けて、途切れることなく連続的に変化させる。すなわち、第2カウントアップ演出でも、カウントアップ表示210を、第1カウントアップ演出における変化間隔と同等の間隔で(つまり同様の態様で)変化させる。これにより、通常初期残回数示唆表示にて中断されたカウントアップが、第2カウントアップ演出において再開されたことを、遊技者に適切に認識させることが可能となっている。なお、遊技者に第2カウントアップ演出が開始されたことを適切に把握させるため、第2カウントアップ演出では、それまでと背景画像を異なる態様(例えば、異なる色)に変化させることとしてもよい。
また本形態では、図28に示したように、確変大当たりに基づいて「高確高ベース状態」に移行した場合、その「高確高ベース状態」は次回の大当たりに当選するまで継続される。よって、第2カウントアップ演出において「999」のように、「100」を大きく超えた数値を示すことで、特図の可変表示が次回の大当たりに当選するまで100回を超えて継続し得る「高確高ベース状態」を適切に示唆することが可能となっている。すなわち、第2カウントアップ演出におけるカウントアップ表示210は、その後、移行する「高確高ベース状態」における時短状態が終了するときを示唆可能な表示となっている。よって、本形態では、確変大当たりである場合には、第2カウントアップ演出により、その後、通常大当たりである場合よりも遊技者にとって有利な遊技状態に移行可能であることを適切に示し、遊技者に高揚感を与えることが可能である。
なお、第2カウントアップ演出は、特図の可変表示が次回の大当たりに当選するまで100回を超えて継続し得ることを示唆可能であればよい。よって、当然、「999」に限らず、例えば200や、1000等のような数値であってもよい。また、「高確高ベース状態」では、特図の可変表示が次回の大当たりに当選するまで無限に継続するともいえる。よって、第2カウントアップ演出では、例えば、カウントアップ表示210を、「100」を超えて変化させ、最後に無限を表す「∞」を表示する態様としてもよい。
また、カウントA即大当たり変動では、第2カウントアップ演出後、図34(D)に示すように、盤上可動装置55および盤下可動装置56を待機状態から、待機状態よりも表示部50aの前方側へと進出した進出状態へと移動させる。この盤上可動装置55および盤下可動装置56の動作によって、より遊技者の高揚感を高めることが可能となっている。
また、確変大当たりに係るカウントA即大当たり変動では、図34(D)の後、図34(E)に示すように、背景画像を時短用背景画像G106に戻すとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3として「大当たり図柄3」に対応した演出図柄EZを停止表示する。具体的に、図34の例では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3として、奇数である7がそろった「777」の態様で示される。よって、その後、大当たり遊技Cが実行された後、特図の可変表示が「低確高ベース状態」の100回を超えて継続可能であり、さらに大当たりの確率が「低確高ベース状態」よりも高い「高確高ベース状態」へと移行する。
次に、カウントAハズレ変動にて行われるカウントアップ演出について説明する。図35は、時短状態の残回数が1であるときに、大当たり図柄種別判定の結果が「ハズレ」であった場合に行われるカウントAハズレ変動におけるカウントアップ演出を示している。なお、カウントAハズレ変動において行われるカウントアップ演出を、以下、ハズレカウントアップ演出ということがある。
カウントAハズレ変動では、まず、図35(A)に示すように、表示部50aにて、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の可変表示による通常変動が時短用背景画像G106において開始される。その後、図35(B)に示すように、ハズレカウントアップ演出が開始されると、背景画像を時短用背景画像G106からカウントアップ背景画像G200に変更するとともに、カウントアップ表示210、カウントアップ示唆表示220を表示する。
ハズレカウントアップ演出において、カウントアップ表示210には、その初期の数値として、その特図の可変表示における残回数「1」を示す「01.0」が表示されている。また、ハズレカウントアップ演出では、カウントアップ表示210に「01.0」を表示した後、その後、カウントアップ表示210を「100」に向けて変化させているかのように変化させる。ただし、ハズレカウントアップ演出では、第1カウントアップ演出とは異なり、変化したカウントアップ表示210が「100」に到達することはない。すなわち、具体的には、図35に示すように、カウントAハズレ変動に係るハズレカウントアップ演出は、カウントアップ表示210が「99.9」に到達したときに終了する。
すなわち、本形態では、ハズレカウントアップ演出、第1カウントアップ演出は、その開始された初期には、カウント即大当たり変動に係るものであるのかカウントハズレ変動に係るものであるのか、打見には判別できないようになっている。このため、本形態では、ハズレの場合にもカウントアップ演出が実行可能であることで、カウントアップ演出を遊技者がドキドキしながら楽しむことが可能となっている。
また、カウントAハズレ変動では、ハズレカウントアップ演出(図35(C))の後、図35(D)に示すように、背景画像を時短用背景画像G106に戻すとともに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3としてバラケ目を停止表示し、ハズレであることを報知する。具体的に、図35の例では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3として、「748」のバラケ目が示されている。
また、カウントBハズレ変動の場合にも、カウントAハズレ変動と同様にハズレカウントアップ演出を開始する。ただし、カウントBハズレ変動の場合には、カウントAハズレ変動とは異なり、ハズレカウントアップ演出を、カウントアップ表示210が「50.0」に到達したときに終了する。このように、ハズレカウントアップ演出にバリエーションがあることにより、本形態では、より遊技者をドキドキさせることが可能な構成となっている。
8.実施形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機PY1は、遊技者に有利な大当たり遊技の終了後の遊技状態を、「低確高ベース状態」または「高確高ベース状態」に制御可能である。具体的には、大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄4」(通常大当たり)であった場合には、大当たり遊技Bの実行後の遊技状態を、「低確高ベース状態」に制御する。大当たり図柄種別判定の結果が「大当たり図柄3」(確変大当たり)であった場合には、大当たり遊技Cの実行後の遊技状態を、「高確高ベース状態」に制御する。「低確高ベース状態」および「高確高ベース状態」はどちらも、第2始動口12への遊技球の入球が電チュー12Dによってサポートされる時短状態(入球サポート状態)である。また、「低確高ベース状態」は、特図の可変表示の回数が上限回数である100回に至ると終了することがあり、「高確高ベース状態」は、特図の可変表示が100回を超えて継続し得る。さらに、画像表示装置50の表示部50aには、時短状態の終了するときを示唆可能な特定表示であるカウントアップ表示210を表示可能である。そして、通常大当たりであった場合のカウントB即大当たり変動では、第1カウントアップ演出を行うことがある。第1カウントアップ演出は、「低確高ベース状態」における特図の可変表示の回数の上限回数を示す「100」に向けてカウントアップ表示210を変化させる演出である。また、確変大当たりであった場合のカウントA即大当たり変動では、第2カウントアップ演出を行うことがある。第2カウントアップ演出は、第1カウントアップ演出とは異なる「999」に向けてカウントアップ表示210を変化させる演出である。このため、第1カウントアップ演出、第2カウントアップ演出はともに、大当たりの種類を示すことが可能な新しい演出となっている。よって、本形態のパチンコ遊技機PY1は、第1カウントアップ演出および第2カウントアップ演出という新たな演出を通じて遊技興趣の向上に寄与可能なものとなっている。
また本形態のパチンコ遊技機PY1は、カウントA即大当たり変動では、第2カウントアップ演出の前に、カウントアップ表示210を「100」のまま所定時間、維持する通常初期残回数示唆表示を行うことが可能である。このため、遊技者には、通常初期残回数示唆表示により通常大当たりかと思わせ、その後の第2カウントアップ演出により確変大当たりであることを示すことが可能である。これにより、遊技者に高揚感を与え、遊技興趣の向上を図ることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、カウントA即大当たり変動が行われる確変大当たりである場合に行われる「大当たり遊技C」では、実質的なラウンド遊技の回数が16回である。一方、通常大当たりである場合に行われる「大当たり遊技B」では、実質的なラウンド遊技の回数が8回である。つまり、カウントA即大当たり変動が行われる確変大当たりは、通常大当たりよりも、大当たり遊技において獲得可能な賞球の数が多い当たりとなっている。これにより、遊技者に、獲得可能な賞球の少ない通常大当たりかと思わせた後に、実は獲得可能な賞球の多い確変大当たりであることを示すことが可能である。このため、カウントA即大当たり変動における第2カウントアップ演出によって、より遊技者の高揚感を高めることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、カウントA即大当たり変動における通常初期残回数示唆表示においてカウントアップ表示210を「100」としておく時間を、第1カウントアップ演出におけるカウントアップ表示210の変化間隔よりも長くされている。これにより、通常初期残回数示唆表示において、遊技者に、カウントアップが止まったかのように思わせることが可能な時間が長く確保されており、その後に第2カウントアップ演出が開始されるときに、カウントアップ演出がまだ終了していなかったという驚きを与えることが可能である。これにより、第2カウントアップ演出における遊技者の高揚感をより高めることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、「低確高ベース状態」において、画像表示装置50の表示部50aに、その「低確高ベース状態」が終了するときを示唆可能な特定表示である残回数示唆表示200を表示可能である。これにより、遊技者に、「低確高ベース状態」の終了するときを分かり易く示すことが可能である。また、カウントアップ演出では、遊技者に、残回数示唆表示200で表示されていた数字が、カウントアップ表示210にてカウントアップされるように変化しているように見せることが可能となる。これにより、遊技者に、「低確高ベース状態」において、ハズレに係る特図の可変表示に伴って減少していた残回数が、あたかも回復や追加されたかのように見せることが可能である。さらには、例えば、「低確高ベース状態」でのハズレに係る特図の可変表示の回数がその上限である100回に近づき、「低確高ベース状態」の終了を意識して緊張感が高まった状態の遊技者に、時短状態の終了がまだ先であることを示すことが可能である。これにより、遊技者に、高揚感に加えて安心感を与えることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、カウントA即大当たり変動における通常初期残回数示唆表示において、カウントアップ表示210を、振動しているように表示することが可能である。すなわち、カウントアップ表示210が、まだ完全には停止していない態様で通常初期残回数示唆表示を行うことが可能である。このため、通常初期残回数示唆表示にて第2カウントアップ演出を示唆可能であり、遊技者に、カウントアップ表示210がまだ変化するのではないかという期待感を抱かせることが可能である。よって、遊技者をよりドキドキさせることが可能であることで、遊技興趣を向上可能である。
また本形態のパチンコ遊技機PY1では、特図抽選の結果がハズレである場合にも、ハズレカウントアップ演出を行うことが可能である。このため、ハズレである場合にも、遊技者に、大当たりに当選したのではないかという期待やドキドキ感を抱かせることが可能である。また、特図抽選の結果がハズレである場合にもハズレカウントアップ演出を行うことで、大当たりである場合のカウントアップ演出における高揚感をより高めることが可能である。
9.変更例
以下、パチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成しても良い。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
例えば、上記形態では、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機としたが、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成したが、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成してもよい。また、高確率状態において、当選により高確率状態に制御される大当たり抽選と、当選により低確率状態へと制御される転落抽選とを行う、いわゆる転落機として構成してもよい。さらに、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本明細書に示されている発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また、上記形態では、時短状態の終了するときを示唆可能な特定表示として、残回数示唆表示200、カウントアップ表示210等をいずれも行うこととして説明した。しかし、例えば、残回数示唆表示200については表示せず、カウントアップ表示210だけを表示することとしてもよい。
また、上記形態では、カウントアップ演出は、通常変動後に行うこととして説明している。すなわち、カウントアップ演出を行う特図変動パターンが選択された場合には、リーチ演出やバトル演出を行わないこととしている。しかし、例えば、通常演出後、リーチ演出やバトル演出等の他の演出を挟んでカウントアップ演出を行うこととしてもよい。また例えば、バトル演出の途中でカウントアップ演出に移行することとすることも可能である。
また、上記形態では、残回数示唆表示200は、ハズレに係る特図の可変表示毎にカウントダウンされる態様で残回数を示す表示として説明した。また、カウントアップ表示210は、カウントアップ演出において、当選した大当たりに係る特別遊技の後に制御される時短状態の初期残回数をカウントアップする態様で示す表示として説明した。しかし、残回数示唆表示200は必ずしもカウントアップの態様で変化するものでなくてもよい。すなわち、特定表示は、例えば、必ずしも数字でなくてもよい。すなわち、例えば、特定表示は、これにより示される数値に対応した柱状や円状のグラフのような形式により表示することとしてもよい。また例えば、特定表示では、所定の表示の個数等により数値を示すこととしてもよい。具体的には、例えば、時短状態での特図の変動回数10回につき、所定の画像を1つ、表示部50aに表示することとしてもよい。またこのため、特定表示を変化させる上記形態における第1カウントアップ演出、第2カウントアップ演出は、特定表示をそれぞれ異なる数値を示す態様に向けて変化させる第1変化演出、第2変化演出ということができる。
また例えば、上記形態では、「低確高ベース状態」における特図の可変表示に合わせて行われるカウントA即大当たり変動、カウントB即大当たり変動におけるカウントアップ演出について説明している。しかし、その他の状態、例えば、「高確高ベース状態」、「低確低ベース状態」、「高確低ベース状態」においてカウントアップ演出を行うこととしてもよい。
具体的には、例えば、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の両方ともにおいて特図の可変表示の回数に上限回数を設けた遊技機の構成(例えばST機)とし、「高確高ベース状態」でもカウントA即大当たり変動、カウントB即大当たり変動を行うこととする。この場合、第1カウントアップ演出では、「低確高ベース状態」の初期残回数(上限回数)、または、「高確高ベース状態」の初期残回数のいずれか一方を示す態様に向けてカウントアップ表示を変化させ、第2カウントアップ演出では、他方を示す態様に向けてカウントアップ表示を変化させることとすればよい。なお、この場合には、第1カウントアップ演出にて「低確高ベース状態」の初期残回数を示す態様に向けてカウントアップ表示を変化させ、第2カウントアップ演出では、「高確高ベース状態」の初期残回数を示す態様に向けてカウントアップ表示を変化させることとすることが好ましい。第2カウントアップ演出による遊技興趣の向上効果をより発揮可能だからである。
また、上記形態では、確変大当たり後に制御される「高確高ベース状態」では、入球サポート状態での特図の可変表示が、通常大当たり後に制御される「低確高ベース状態」における初期残回数を超えて継続可能な構成として説明した。しかし、確変大当たり後に制御される「高確高ベース状態」では、入球サポート状態での特図の可変表示を行うことが可能な回数が、通常大当たり後に制御される「低確高ベース状態」における初期残回数よりも少ないこととしてもよい。そしてこの場合、特定表示を変化させる第1変化演出では、「低確高ベース状態」の初期残回数、または、「高確高ベース状態」の初期残回数のいずれか一方を示す態様に向けて特定表示を変化させ、第2変化演出では、他方を示す態様に向けて特定表示を変化させることとすればよい。なお、この場合において、確変大当たり時に第1変化演出、第2変化演出をこの順で行う際には、第1変化演出では、「低確高ベース状態」の初期残回数を示す態様に向けて特定表示をカウントアップする態様で変化させ、第2変化演出では、「高確高ベース状態」の初期残回数を示す態様に向けて特定表示をカウントダウンする態様で変化させることが好ましい。第1変化演出により通常大当たりかと思わせた後に、第2変化演出により確変大当たりであることを示すことが可能であることで、遊技興趣の向上効果をより発揮可能だからである。
また、上記形態では、第1変化演出(第1カウントアップ演出)、第2変化演出(第2カウントアップ演出)において、特定表示(カウントアップ表示)の数値を途切れることなく連続的に変化させるものとして説明した。しかし、例えば、特定表示の数値を「100」に向けて変化させる第1変化演出において、特定表示を、「1」、「50」、「100」のように、断続的に変化させることとしてもよい。第2変化演出についても同様である。そして、特定表示を断続的に変化させることで、第1変化演出、第2変化演出の開始をやや把握困難にすることが可能であり、遊技者を、より自然と演出へ集中させることが可能である。
また例えば、第1変化演出、第2変化演出において、特定表示は必ずしも、常に表示されていなくてもよく、表示と非表示が切り替わるものであってもよい。例えば、特定表示は、「1」を表示した後に非表示とし、次に、「50」を表示した後に非表示とし、最後に「100」を表示するような、その表示自体が断続的であってもよい。第2変化演出についても同様である。そして、特定表示を断続的に表示させることで、第1変化演出、第2変化演出の開始をやや把握困難にすることが可能であり、遊技者を、より自然と演出へ集中させることが可能である。
また、上記形態では、第1変化演出、第2変化演出はともに、「低確高ベース状態」における特図の可変表示中の演出(時短演出モード)の一部にて行うこととして説明した。しかし、第1変化演出、第2変化演出は、大当たり遊技中(大当たり演出モード)にて行う演出であってもよい。また例えば、第1変化演出、第2変化演出は、特図の可変表示中と大当たり遊技中とにわたって行うこととしてもよい。具体的には、例えば、第1変化演出の途中まで(例えば前半)を特図の可変表示中に行い、それ以降(例えば後半)を大当たり遊技中に行うこととしてもよい。第2変化演出についても同様である。また例えば、第1変化演出、第2変化演出をこの順で行う場合には、第1変化演出を特図の可変表示中に行い、第2変化演出については大当たり遊技中に行うこととしてもよい。
また、上記形態では、第1カウントアップ演出、第2カウントアップ演出ではともに、カウントアップ表示を、最初の数値から最後の数値まで、常に数値を上昇させる態様で表示することとして説明した。しかし、例えば、一旦、数値を下降させた後、上昇させる等の態様で表示することとしてもよい。すなわち、特定表示を所定の態様に向けて変化させる第1変化演出、第2変化演出において、一端、その所定の態様から離れるように変化させる離間変化演出を行うこととしてもよい。これによって、遊技者に、カウントアップ演出における変化先の態様を容易に把握されてしまうことを抑制可能とし、よりドキドキ感を与えることが可能である。
また上記形態では、本発明をパチンコ遊技機に適用したが、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機などに適用することも可能である。
また実施形態では、特図可変表示に略同調して小図柄KZ1,KZ2,KZ3の可変表示が行われるが、小図柄KZ1,KZ2,KZ3のように3つの図柄で構成させるのではなく、2つなど3つ以外の図柄で構成させてもよい。例えば、特図1と特図2とで分けた2つの図柄を設けても良い。また、特図1と特図2とで共通の1つの図柄を設けても良い。そして、これらの場合、画像表示装置50の表示部50aで表示し、サブ制御基板120にその制御を行わせても良い。また、遊技盤1の遊技領域6以外の領域において、図柄を表示するLED装置を設けても良い。この場合、そのLED装置の制御を主制御基板100またはサブ制御基板120に行わせても良い。
また実施形態では、特図2判定処理が優先的に行われるが、特図1判定処理が優先的に行われるように構成しても良い。また、特図1関係乱数と特図2関係乱数とについて、保留記憶部に記憶された順番で特図判定処理が行われるようにしても良い。
また実施形態では、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われていないが、特図1の可変表示と特図2の可変表示とが並行して行われるように構成しても良い。
また実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
10.本明細書に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
発明A1:
遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)の終了後の遊技状態を、遊技球の入球のし易さが可変可能な可変入球口(第2始動口12)に遊技球が入球し易い入球サポート状態(時短状態)に制御可能である遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン101)を備え、
遊技状態制御手段は、前記入球サポート状態における所定の図柄(特別図柄)の変動表示の回数が予め定められた上限回数に至ると、前記入球サポート状態を終了させることがあり、
前記特別遊技の実行契機となる当たりには、当該特別遊技の終了後の前記入球サポート状態について、
前記上限回数が所定数(100回)に設定される第1の当たり(大当たり図柄4)と、
前記上限回数が前記所定数よりも少なく設定されるか、前記所定数を超えて継続し得る第2の当たり(大当たり図柄3)と、がある遊技機(パチンコ遊技機PY1)であって、
所定の表示手段(画像表示装置50の表示部50a)を含む演出手段を用いて演出を行うことが可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)を備え、
前記演出実行手段は、
前記入球サポート状態が終了するときを示唆する特定表示(カウントアップ表示210)を前記表示手段に行わせることが可能であり、
前記第1の当たりに当選した場合には、前記特定表示を前記所定数を示す第1態様(「100」)に向けて変化させる第1変化演出(第1カウントアップ演出)を行うことがあり、
前記第2の当たりに当選した場合には、前記特定表示を前記所定数ではない数を示す第2態様(「999」)に向けて変化させる第2変化演出(第2カウントアップ演出)を行うことがあることを特徴とする遊技機。
従来よりパチンコ遊技機では、入賞口への入賞に応じて付与される特典の量(電チューを開放させる補助遊技を伴う時短状態での特図の可変表示の回数など)を示唆する演出が行われている。例えば特開2016-101238号公報には、大当たり当選に基づいて付与された時短遊技状態において、その時短遊技状態の残り回数を示す演出を行う遊技機が記載されている。しかしながら、入賞口への入賞に応じて行われる演出については、遊技興趣の向上のため、改善の余地があった。そして、本構成の遊技機は、特開2016-101238号公報に記載の遊技機に対して、「第1の当たりに当選した場合には、特定表示を所定数を示す第1態様に向けて変化させる第1変化演出を行うことがあり、第2の当たりに当選した場合には、特定表示を所定数ではない数を示す第2態様に向けて変化させる第2変化演出を行うことがある」という点で相違している。よって、本構成の遊技機は、特定表示の変化で当たりの種類を示すことが可能な新たな演出を行うことが可能であり、これにより、
「演出を通じて遊技興趣の向上に寄与する遊技機を提供する」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
発明A2:
発明A1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第2の当たりに当選した場合には、前記第2変化演出の前に、前記特定表示を前記第1態様で表示する第1態様表示(通常初期残回数示唆表示)を行うことが可能であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機では、第1態様表示によって第1の当たりかと思わせておいて、実は第2の当たりであることを示すことが可能である。このため、第2変化演出において、遊技者の高揚感を高めることが可能である。これにより、さらなる遊技興趣の向上が可能である。
発明A3:
発明A2に記載の遊技機であって、
前記第2の当たりは、前記第1の当たり(大当たり図柄4に係る大当たり遊技Bでは実質的なラウンド遊技の回数が8回)よりも、前記特別遊技において獲得可能な賞球の数が多い当たりである(大当たり図柄3に係る大当たり遊技Cでは実質的なラウンド遊技の回数が16回)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機では、遊技者に、獲得可能な賞球の数が少ない(利益の少ない)第1の当たりかと思わせた後に、実は獲得可能な賞球の数が多い(利益の多い)第2の当たりであることを示すことが可能である。このため、第2変化演出において、遊技者の高揚感を高めることが可能である。これにより、さらなる遊技興趣の向上が可能である。
発明A4:
発明A2または発明A3に記載の遊技機であって、
前記特別遊技の終了後の遊技状態を、通常確率状態よりも前記当たりに当選し易い高確率状態に制御可能な高確率状態制御手段(遊技制御用マイコン101)を備え、
前記第1の当たりは、前記特別遊技の終了後の遊技状態が前記通常確率状態(低確低ベース状態)に制御される当たりであり、
前記第2の当たりは、前記特別遊技の終了後の遊技状態が前記高確率状態に制御される当たり(高確高ベース状態)であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機では、遊技者に、大当たりに当選しにくい(利益の少ない)第1の当たりかと思わせた後に、実は大当たりに当選し易い(利益の多い)第2の当たりであることを示すことが可能である。このため、第2変化演出において、遊技者の高揚感を高めることが可能である。これにより、さらなる遊技興趣の向上が可能である。
発明A5:
発明A2から発明A4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第2の当たりに当選した場合には、前記第1態様表示の前に前記第1変化演出を行うとともに、前記第1変化演出における前記特定表示の変化の間隔よりも長い時間、前記第1態様表示を行うことがあることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機では、第1態様表示により、遊技者に、例えば、利益の少ない第1の当たりであると思わせることが可能な時間を、より長く確保することが可能である。よってその後、第2変化演出によって実は利益の多い第2の当たりであることを示した際の遊技者の高揚感をより高めることが可能である。これにより、さらなる遊技興趣の向上が可能である。
発明A6:
発明A2から発明A5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記特定表示(残回数示唆表示200)を、前記入球サポート状態において前記表示手段に行わせることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機では、入球サポート状態において表示されている特定表示を、第1変化演出や第2変化演出によって変化させることが可能である。これにより、例えば、入球サポート状態での図柄の変動表示の回数が上限回数に近づき(つまり入球サポート状態の終了が近づき)、緊張感が高まった状態の遊技者に、入球サポート状態の終了がまだ先であることを示すことが可能である。これにより、遊技者に、高揚感とともに安心感をも与えることが可能である。よって、さらなる遊技興趣の向上が可能である。
PY1…パチンコ遊技機
12…第2始動口
12D…第2始動入賞装置(電チュー)
50…画像表示装置
50a…表示部
101…遊技制御用マイコン
121…演出制御用マイコン
200…残回数示唆表示
210…カウントアップ表示

Claims (2)

  1. 遊技者に有利な特別遊技の終了後の遊技状態を、遊技球の入球のし易さが可変可能な可変入球口に遊技球が入球し易い入球サポート状態に制御可能である遊技状態制御手段を備え、
    前記遊技状態制御手段は、前記入球サポート状態における所定の図柄の変動表示の回数が予め定められた上限回数に至ると、前記入球サポート状態を終了させることがあり、
    前記特別遊技の実行契機となる当たりには、当該特別遊技の終了後の前記入球サポート状態について、
    前記上限回数が所定数に設定される第1の当たりと、
    前記上限回数が前記所定数よりも少なく設定されるか、前記所定数を超えて継続し得る第2の当たりと、がある遊技機であって、
    所定の表示手段を含む演出手段を用いて演出を行うことが可能な演出実行手段を備え、
    前記演出実行手段は、
    前記入球サポート状態が終了するときを示唆する特定表示を前記表示手段に行わせることが可能であり、
    前記第1の当たりに当選した場合には、前記特定表示を前記所定数を示す第1態様に向けて変化させる第1変化演出を、当該当選に応じた前記特別遊技が開始される前に行うことがあり、
    前記第2の当たりに当選した場合には、前記特定表示を前記所定数ではない数を示す第2態様に向けて変化させる第2変化演出を、当該当選に応じた前記特別遊技が開始される前に行うことがあることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    前記演出実行手段は、
    前記特定表示を、前記入球サポート状態において前記表示手段に表示可能であり、
    前記入球サポート状態中の当選に応じて前記第1変化演出を行う場合には、前記特定表示を、当該入球サポート状態が終了するときを示唆する態様から、前記第1態様に向けて変化させることがあることを特徴とする遊技機。
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