本明細書において開示されるコンポーネントの利点及び他の特徴は、当業者にはより容易に明らかになるであろう。図面とともに併用される、或る特定の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、主題技術の代表的な実施形態を詳述し、同じ参照符号は類似の構造的要素を識別する。
簡潔及び明確に例示するために、図面は構成の一般的な方法を示し、既知の機構及び技法の説明及び細部は、本主題開示の説明される実施形態の検討を無用に分かりにくくするのを避けるために省略される場合がある。さらに、図面内の要素は必ずしも縮尺どおりに描かれていない。例えば、図面内の要素のうちの幾つかの要素の寸法は、本主題開示の実施形態を理解しやすくするのを助けるために、他の要素に対して誇張される場合がある。現実世界の条件下であれば極めて対称性が低く、秩序正しくない可能性がある、直線、鋭い角度及び/又は平行な平面等を有する構造が示されるときのように、或る特定の図は、理解するのを助けるために理想的に示される場合がある。
さらに、本明細書における教示は、多種多様の形態において具現できること、及び本明細書において開示される任意の具体的な構造及び/又は機能は典型にすぎないことは明らかにすべきである。詳細には、本明細書において開示される態様を、任意の他の態様から独立して実施できること、及び幾つかの態様を種々の方法で組み合わせることができることは当業者には理解されよう。
本開示は、1つ以上の例示的な実施形態による、方法、システム及びコンピュータープログラムの機能、エンジン、ブロック図及びフローチャートを参照しながら以下に説明される。説明される各機能、エンジン、ブロック図及びフローチャートのブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又は任意の適切なその組み合わせにおいて実現することができる。ソフトウェアにおいて実施される場合には、機能、エンジン、ブロック図及び/又はフローチャートのブロックは、コンピュータープログラム命令又はソフトウェアコードによって実施することができ、コンピュータープログラム命令又はソフトウェアコードは、コンピューター可読媒体に記憶されるか、又はコンピューター可読媒体を介して送信されるか、又は汎用コンピューター、専用コンピューター若しくは機械を作り出す他のプログラマブルデータ処理装置上にロードすることができ、それにより、コンピューター又は他のプログラマブルデータ処理装置上で実行されるコンピュータープログラム命令又はソフトウェアコードが、本明細書において説明される機能を実施するための手段を生み出す。
コンピューター可読媒体の実施形態は、限定はしないが、1つの場所から別の場所へのコンピュータープログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む、コンピューター記憶媒体及び通信媒体の両方を含む。本明細書において使用されるときに、「コンピューター記憶媒体」は、コンピューターによってアクセスすることができる任意の物理媒体とすることができる。コンピューター記憶媒体の例は、限定はしないが、フラッシュドライブ若しくは他のフラッシュメモリデバイス(例えば、メモリキー、メモリスティック、キードライブ)、CD-ROM又は他の光学記憶装置、DVD、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶デバイス、メモリチップ、RAM、ROM、EEPROM、スマートカード、固体ドライブ(SSD)デバイス若しくはハードディスクドライブ(HDD)デバイス、又はコンピュータープロセッサによって読み出すことができる命令又はデータ構造の形をとるプログラムコードを搬送又は記憶するために使用することができる任意の他の適切な媒体を含む。また、ルーター、ゲートウェイ、サーバー又は他の伝送デバイス、有線(同軸ケーブル、ファイバ、ツイストペア、DSLケーブル)又はワイヤレス(赤外線、無線、セルラー、マイクロ波)を含む、種々の形のコンピューター可読媒体が、命令をコンピューターに送信又は搬送することができる。命令は、限定はしないが、アセンブリ、C、C++、Visual Basic、HTML、PHP、Java(登録商標)、Javascript、Python及びbashスクリプトを含む、任意のコンピュータープログラミング言語からのコードを含むことができる。
具体的に他に明示されない限り、以下の説明を通して、処理、コンピューティング、計算、決定等の用語を利用する検討は、コンピューティングシステムのレジスタ又はメモリ内の電子的な量等の物理的な量として表されるデータを操作するか、又は、このデータを、コンピューティングシステムのメモリ、レジスタ若しくは他のそのような情報記憶装置、伝送デバイス若しくは表示デバイス内の物理的な量として同様に表される他のデータに変換する、コンピューター、又はコンピューティングシステム、又は類似の電子コンピューティングデバイスの動作又はプロセスを指していることは理解されよう。
「備える」、「含む」、「有する」及び任意のその変形のような用語は、非排他的包含を含むことを意図しており、それにより、要素のリストを含むプロセス、方法、物品又は装置は、必ずしもそれらの要素には限定されず、そのようなプロセス、方法、物品又は装置に明記されないか、又は固有でない他の要素を含む場合がある。
さらに、「例示的な」という言葉は、本明細書において用いられる場合、「一例、事例又は例示としての役割を果たすこと」を意味する。「例示的」として本明細書において説明される任意の態様又は設計は、必ずしも、他の態様又は設計より好ましいか、又は有利であると解釈されるべきではない。
以下の説明及び特許請求の範囲において、「結合される」及び「接続される」という用語が、その派生語とともに使用される場合がある。特定の実施形態において、「接続される」又は「結合される」は、2つ以上の要素が互いに直接、物理的に又は電気的に接触していることを示すために交換可能に使用される場合がある。しかしながら、「結合される」又は「接続される」は、2つ以上の要素が互いに直接、接触してはいないが、依然として互いに協働するか、又は相互に作用することを意味する場合もある。
本主題開示の実施形態は、種々の適用例又は衛星/地上統合ネットワークにおいて使用される場合があることは理解されたい。本主題開示が適用可能である衛星/地上統合ネットワークの種々のアーキテクチャが、「Satellite Earth Stations and Systems (SES);Combined Satellite and Terrestrial Networks scenarios」と題するETSI技術勧告TR103 124v1.1.1において記述されている。
本主題開示はこの点には限定されないが、本明細書において開示される衛星/地上統合ネットワークを管理するための方法は、衛星/地上統合ネットワークの任意のネットワークノード又はサーバー内のような、数多くの装置において使用することができる。明確にするために、以下の説明は、衛星/地上統合ネットワークを管理するための提案される方法が衛星/地上統合ネットワークのコアネットワーク内に位置するネットワークコントローラーにおいて実施される非限定的な事例に焦点を合わせる。しかしながら、本主題開示の技術的特徴は、それには限定されない。
さらに、本明細書において開示される衛星/地上統合ネットワークを管理するための方法は、衛星ネットワークコンポーネント又は地上ネットワークコンポーネントの種々のタイプ及びアーキテクチャのために使用することができる。地上ネットワークコンポーネントに関して、衛星/地上統合ネットワークを管理するための提案される方法は、限定はしないが、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)、シングルキャリア周波数分割多元接続(SC-FDMA)又はその組み合わせのような、種々の多元接続技術を使用するワイヤレス通信システムのために使用することができる。CDMA技術は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ユニバーサルモバイル電気通信ネットワーク(UMTS)ネットワーク又はCDMA2000ネットワークにおいて実現することができる。TDMA技術は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))システム、汎用パケット無線サービス(GPRS)システム、及び/又はGSM進化型高速データレート(EDGE)ネットワークにおいて実現することができる。OFDMA技術は、IEEE802.11(Wifi)、802.16(WIMAX)、802.20、3GPP進化型UMTS、E-UTRA、ロングタームエボリューション(LTE)及び/又はLTEアドバンスト(LTE-A)ネットワークにおいて実現することができる。
本明細書において開示される衛星/地上統合ネットワークを管理するための方法は、固定又はモバイルであり、衛星/地上統合ネットワークに対応するデュアルモード能力を有する、種々のタイプのワイヤレスデバイスのために使用することができる。そのようなデュアルモードワイヤレスデバイスは、デフォルトでは、衛星/地上統合ネットワークの地上ネットワークコンポーネントによってサービングされ、地上ネットワークコンポーネントにアクセスできないときに、衛星ネットワークコンポーネントへのアクセスを要求し、サービングされるように構成することができる。
ワイヤレスデバイスは、ユーザー機器(UE)、モバイル局(MS)、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ハンドヘルドデバイス等の別の用語を用いて区別することなく使用される場合がある。また、ワイヤレスデバイスは、マシンツーマシン(M2M)デバイス、又はマシンタイプ通信(MTC)デバイスのようなデータ通信のみをサポートするデバイスとすることもできる。
図2は、4つのカラーを用いる均一のカバレッジ衛星ビームパターンの一例を示す。
図2は、円形ビームを有する理想的なフットプリントを示すが、実際には、地球の球面における現実のフットプリントは完全には円形でないことは当業者であれば理解されよう。
明確にするために、本主題開示の図は、円形ビームパターンを示す。しかしながら、本主題開示の技術的特徴、詳細には本明細書において開示される衛星/地上統合ネットワークを管理するための方法は、それには限定されない。
図2に示されるのは、実質的に円形である19個の衛星ビーム(1~19の番号を付される)を含む衛星フットプリント(20)である。各ビームは、4つの利用可能な異なるリソースの中の1つの周波数及び/又は偏波リソース(カラー)を割り当てられる。リソース割当てマップは、隣接するビーム間の干渉を制限するように設計される。
図2に示される衛星フットプリント(20)において、ビーム1、8、10、12、14、16及び18は第1のカラーを使用し、ビーム2、5、11及び17は第2のカラーを使用し、ビーム3、6、13及び19は第3のカラーを使用し、ビーム4、7、9及び15は第4のカラーを使用する。
図2では、簡単にするために、Ncolors=4個の異なるカラーを使用する19個のビームのみが示されるが、マルチビーム衛星は通常、所定の数Ncolorsのカラーを再利用する数十/数百個のビームを有する。
図3は、衛星/地上統合ネットワークの衛星ネットワークコンポーネントと地上ネットワークコンポーネントとの間の周波数リソース共有の一例を示す。
横軸は、衛星/地上統合ネットワークに割り当てられるリソースを示す。
垂直軸は異なるビームにおけるリソース使用の一例を示しており、衛星ネットワークコンポーネントは、Ncolors=4個の異なるカラーを使用する。例えば、衛星ネットワークコンポーネントは、Ncolors=4個の異なる周波数帯域(各カラーは周波数帯域に対応する)又はNcolors/2=2個の異なる周波数帯域及びNcolors/2=2個の異なる偏波を使用することができる。
第1のカラーを使用するビームの場合、それらのビームによってカバーされる地理的エリアをサービングするために、衛星コンポーネントは、Bsat1で示されるリソースを使用し、地上ネットワークコンポーネントは、BTer1で示されるリソースを使用する。
第2のカラーを使用するビームの場合、それらのビームによってカバーされる地理的エリアをサービングするために、衛星コンポーネントは、Bsat2で示されるリソースを使用し、地上ネットワークコンポーネントは、BTer2で示されるリソースを使用する。
第3のカラーを使用するビームの場合、それらのビームによってカバーされる地理的エリアをサービングするために、衛星コンポーネントは、Bsat3で示されるリソースを使用し、地上ネットワークコンポーネントは、BTer3で示されるリソースを使用する。
第4のカラーを使用するビームの場合、それらのビームによってカバーされる地理的エリアをサービングするために、衛星コンポーネントは、Bsat4で示されるリソースを使用し、地上ネットワークコンポーネントは、BTer4で示されるリソースを使用する。
周波数共有において、それゆえ、2つのコンポーネントは、リソースの同じ組を使用することができる。
図3に示される例において、各衛星ビームによってカバーされる地理的エリア内で、地上ネットワークコンポーネントは、そのビームにおいて衛星コンポーネントによって使用されない全ての利用可能なリソース(周波数及び/又は場合によっては偏波)を使用する。
コンポーネント間干渉は、周波数分割構成の場合より高い。ビームフットプリントエッジに位置するユーザー機器の場合に特に、例えば、ビームフットプリント内の衛星リソースを使用するユーザー機器と、同じリソースを使用するが、隣接するビームフットプリント内に位置する地上ネットワークコンポーネントを使用するユーザー機器との間のように、そのシステムは、漏れに起因する帯域外干渉を受けるだけでなく、帯域内干渉も受ける。
周波数共有は、より良好なスペクトル利用に起因してより高い利用可能なシステム帯域幅/スペクトル効率を提供するが、何らかの地上/衛星干渉軽減/解消を必要とする場合がある。
アップリンク信号及びダウンリンク信号が衛星コンポーネント及び地上ネットワークコンポーネントのためのリソースにいかにマッピングされるかに応じて、異なる干渉パターンが存在する。
図4は、本主題開示の実施形態による、衛星/地上統合ネットワークを管理する方法のフローチャートである。
地上ネットワークコンポーネントによってサービングされる地理的エリア内の異常事態の発生が最初に検出される(50)。
本主題開示は、例えば、自然災害又は緊急事態のような特定のタイプの異常事態に限定されない。詳細には、本主題開示は、任意の非緊急事態の結果として、例えば、衛星/地上統合ネットワークにおいて、所定の基準を考慮して異常事態が検出される場合にも当てはまる。そのような所定の検出基準によれば、例えば、地上ネットワークコンポーネント容量過負荷につながる非緊急事例(スポーツイベント、メディアイベント等)を含む、地上ネットワークコンポーネント容量過負荷の場合に異常事態の検出につながる場合がある。
幾つかの実施形態において、地上ネットワークコンポーネントによってサービングされる地理的エリア内の異常事態の発生の検出は、地上ネットワークコンポーネントと衛星ネットワークコンポーネントとの間のトラフィック負荷共有の変化の検出を含むことができる。他の実施形態では、それは、所定の変動閾値を超える地上ネットワークコンポーネントのトラフィック負荷の変化の検出を含むことができる。
上記のように、地上ネットワークコンポーネントによってサービングされるエリア内の異常事態の発生は、地上ネットワークコンポーネントへのアクセスを同時に要求するユーザー機器の数が地上トラフィック増加閾値を超えて増加することに起因して、地上ネットワークコンポーネントのトラフィック負荷の増加を引き起こす場合がある。それどころか、地上ネットワークコンポーネントのインフラストラクチャが損傷を受け、非稼動になる場合があり、それが、地上ネットワークへのトラフィック負荷が地上トラフィック減少閾値を超えて減少することにつながる場合がある。
幾つかの実施形態において、地上ネットワークコンポーネントによってサービングされる地理的エリア内の異常事態の発生の検出は、衛星ネットワークコンポーネントのトラフィック負荷の所定の閾値を超えた変化の検出を含むことができる。
上記のように、地上ネットワークコンポーネントによってサービングされるエリア内の異常事態の発生は、地上ネットワークコンポーネントにアクセスできず、衛星ネットワークコンポーネントへのアクセスを同時に要求するユーザー機器の数が衛星トラフィック増加閾値を超えて増加することに起因して、衛星ネットワークコンポーネントのトラフィック負荷の増加を引き起こす場合がある。
本主題開示の方法がネットワークコントローラーにおいて実施される実施形態において、地上ネットワークコンポーネントによってサービングされるエリア内の異常事態の発生の検出は、例えば、それぞれの所定の閾値を超えたトラフィック負荷の変化(減少又は増加)をネットワークコントローラーに通知することを通して、異常事態の発生をネットワークコントローラーに通知する地上ネットワークコンポーネント及び/又は衛星ネットワークコンポーネントからの報告をネットワークコントローラーが受信することを含むことができる。
実施形態によっては、ネットワークコントローラーにおいて、又は衛星ネットワークコンポーネント及び/又は地上ネットワークコンポーネントの1つ又は幾つかのそれぞれのノードにおいて、異常事態の発生に関する監視及び警告が実行される場合があり、その場合、ネットワークコントローラーは、衛星ネットワークコンポーネント及び/又は地上ネットワークコンポーネントから報告を受信し、受信された報告に基づいて、統合ネットワークを管理する方法の実行を必要とする状況の発生を検出するように構成することができる。
例えば、統合ネットワークは、異常事態の発生のインジケーターを監視するように構成することができる。ネットワークコントローラーは、各セル及び各ビーム内の接続ユーザー及びアイドルユーザーの数に関する報告を含む、地上及び衛星両方のコンポーネントから、定期的な情報を受信するように構成することができる。統計的に、(異常事態においてオンに切り替わる可能性があり、アクセスを要求する)オフ状態のユーザーの数を推定することができる。基地局との通信(データ、音声)に関与するユーザーは接続されていると見なすことができ、一方、端末がオン状態であるが、接続されていないユーザーはアイドルと見なすことができる。また、ネットワークコントローラーは、幾つかの実施形態において、各セル/ビームの地理的場所に関する知識を有し、隣接する地理的エリア内で発生しているネットワーク挙動の突然の変化を識別することができる。
或る特定の地理的エリアにおいて異常事態が発生するとき、地上コンポーネントが過負荷をかけられるシナリオ、地上コンポーネントの一部又は全てが非稼動になるシナリオのような、上記で論じられたような幾つかのシナリオが生じる場合がある。
異常事態が、地上コンポーネントの大きな障害を引き起こすことなく、地上表面に影響を及ぼす場合、統合ネットワークは、地上コンポーネントにおいてトラフィック需要増加を受ける場合があり、その需要は飽和状態になる場合がある(スタンバイ状態のユーザーが通信を確立しようと試みる場合がある)。地上コンポーネントに接続できないユーザーのうちの幾つかが衛星コンポーネントに接続しようと試みる可能性があり、その結果として、衛星コンポーネントがトラフィック需要増加を受けることになる。
特定の地理的領域内のセルの場合に地上コンポーネント飽和が生じる場合があり、その領域は、潜在的な異常事態領域と識別することができる。また、機能不全になりつつある場合がある潜在的な異常事態領域に属する幾つかのセル(報告を果たせないセル、又はそれぞれのユーザーからの大きな無線リンク障害を報告するセル)に基づいて、潜在的な異常事態領域を識別することもできる。異常事態がビーム境界付近において生じるとき、ビーム境界に局在する増加したアップリンクトラフィックが、地理的に近いが、隣接するビーム内に位置する地上セル上で干渉レベルの増加を引き起こす場合がある。干渉レベルが顕著になる場合には、これらのセル内の幾つかのユーザーが、それぞれの衛星コンポーネントに切り替わろうと試みる場合がある。
1つ以上の実施形態において、ネットワークコントローラーは、以下に基づいて、異常/災害/緊急事態を識別するように構成することができる。
i.幾つかの地理的に近い地上セルが過負荷をかけられており、及び/又は同じ領域内の幾つかのセルが機能不全になりつつあり、それゆえ、潜在的な異常事態領域を識別することができることを示す報告をネットワークコントローラーが受信すること;
ii.潜在的な異常事態領域が位置する1つ以上のビーム内の衛星トラフィック需要が増加すること、及び/又は
iii.潜在的な異常事態領域を含むビームに隣接する1つ又は幾つかのビーム内の衛星トラフィック需要がわずかに増加すること。
ネットワークの現在の構成が需要に対処することができる場合には、ネットワークコントローラーは、統合ネットワークのいかなる変化も引き起こさないように構成することができる。一方、衛星コンポーネント上のトラフィックも飽和に接近する場合には、ネットワークコントローラーは、特別な措置を講じることが、ネットワーク容量を改善する可能性があるか否かを評価するように構成することができる。特別な措置は、例えば、地上ネットワークへのアクセスを地上の限られた領域(潜在的な異常事態領域、そして場合によっては、その周囲の除外エリアを含む)内に限定することを含むことができる。
大きな災害(大きな地震、大洪水、火災等)の場合、地上ネットワークは、限られた地理的エリアにおいて機能不全に陥る可能性がある。機能不全になりつつある地上セルに接続される地上表面のユーザーは、大きな無線リンク障害(RLF)を被ることになり、衛星ネットワークにアクセスしようと試みることになる。アイドル状態又はオフ状態にあったユーザーも、衛星ネットワークにアクセスし、通信を確立しようと試みる場合がある。また、そのような場合に予想されるのは、特殊サービス(緊急部隊、警察、医療介入グループ、メディア等)から生じるトラフィック需要の増加である。ビーム境界付近において災害が生じるとき、ビーム境界に局在するアップリンクトラフィックの増加が、地理的に近いが、隣接するビーム内に位置する地上セル上の干渉レベルの増加を引き起こす。干渉レベルが顕著になる場合には、これらのセル内の幾つかのユーザーが、それぞれの衛星コンポーネントに切り替わろうと試みる場合がある。
1つ以上の実施形態において、ネットワークコントローラーは、以下に基づいて、大きな異常/災害/緊急事態を識別するように構成することができる。
i.幾つかの地理的に近い地上セルが機能不全になりつつあり、及び/又は同じ領域内の幾つかのセルが過負荷をかけられることを示す報告をネットワークコントローラーが受信すること;
ii.潜在的な異常事態領域が位置する1つ以上のビーム内の衛星トラフィック需要が増加し、飽和に接近しつつあること;及び/又は
iii.潜在的な異常事態領域を含むビームに隣接する1つ又は幾つかのビーム内の衛星トラフィック需要が増加すること。
1つ以上の実施形態において、ネットワークコントローラーは、異常事態を検出するために、ネットワークインジケーターを監視するように構成することができる。ネットワークコントローラーは、過負荷及び/又は障害を被っている幾つかの地理的に近い地上セルから構成される異常事態領域の識別、異常事態領域が位置する1つ以上のビーム内の衛星トラフィック需要の増加、及び/又は異常事態領域を含むビームに隣接する1つ又は幾つかのビームの衛星トラフィック需要のわずかな増加に基づいて、異常事態の存在を識別し、異常事態エリアのサイズ及び影響を受けるユーザーの数、異常事態領域内の機能不全になりつつあるセルの割合、及び/又は異常事態領域を含む1つ以上のビーム内のトラフィック負荷の顕著さ(importance)に基づいて、異常事態の深刻度を判断するように構成することができる。
異常事態の発生を検出すると、異常事態を管理する第1の方法が実行される(51)。
異常事態を管理する第1の方法を実行することは、異常事態の発生のエリアを少なくとも部分的にカバーするターゲットビームフットプリントの決定(51a)を含む。
幾つかの実施形態において、ターゲットビームフットプリントのために円形モデルを使用することができる。しかしながら、本主題開示は、この点において制限されない。
本主題開示によるターゲットビームフットプリントを決定するための幾つかの方法が以下に説明されることになる。
幾つかの実施形態において、ターゲットビームフットプリントは、少なくとも異常事態の発生エリアを完全にカバーするように決定されることになる。他の実施形態において、決定されるターゲットビームフットプリントは、異常事態の発生エリアの一部のみをカバーすることができる。
その後、決定されたターゲットビームフットプリントに従って衛星ネットワークコンポーネントによって送信される少なくとも1つの衛星ビームを構成するためのビーム再構成要求が生成される(51b)。
提案される方法が、衛星ネットワークコンポーネントに動作可能に結合されるネットワークコントローラーにおいて実行される実施形態では、ビーム再構成要求はネットワークコントローラーにおいて生成し、衛星ネットワークコンポーネントによって送信される衛星ビームを要求に従って再構成できるように衛星ネットワークコンポーネントに送信することができる。
幾つかの実施形態において、ビーム再構成要求を生成した後に、衛星ネットワークコンポーネントに対して要求された再構成に基づいて、地上ネットワークコンポーネントを再構成するための地上コンポーネント再構成要求が生成される場合がある。衛星ネットワークコンポーネントに対して要求された再構成に基づいて規定される地上ネットワークコンポーネントの再構成は、有利には、衛星ネットワークコンポーネント再構成から生じる2つのコンポーネント間の干渉を防ぐことができる。
例えば、図3を参照すると、第1のビームによってカバーされるときに周波数リソース共有方式下で第1のカラーリソースを用いて地上ネットワークコンポーネントによってカバーされるエリアは、衛星ネットワークコンポーネント再構成の結果として、第2の異なるビームによってカバーされる場合があり、その結果、有利には、周波数リソース共有方式下で第2のビームに対応する第2のカラーリソースを使用するように要求される場合がある。
提案される方法が地上ネットワークコンポーネントに動作可能に結合されるネットワークコントローラーにおいて実行される実施形態では、地上コンポーネント再構成要求は、ネットワークコントローラーにおいて生成し、要求に従って地上ネットワークを再構成できるように地上ネットワークコンポーネントに送信することができる。
図5aは、本主題開示の実施形態による、衛星/地上統合ネットワークを管理する別の方法のフローチャートである。
幾つかの実施形態において、異常事態を管理する1つの方法のみが衛星/地上統合ネットワークにおいて利用可能な場合があり、すなわち、実施される場合があり、その結果、異常事態の発生を検出すると、異常事態を管理する1つの方法が実行される場合がある。
他の実施形態では、異常事態を管理する幾つかの方法が、衛星/地上統合ネットワークにおいて利用可能な場合があり、すなわち、実施される場合がある。この場合、提案される方法は、異常事態の発生の検出(60)に加えて、衛星/地上統合ネットワークにおいて利用可能な異常事態を管理する複数の方法の中からの、異常事態を管理するための第1の方法の選択(61)を含むことができる。
その後、選択された第1の方法が実行され(62)、その方法は、図4を参照しながら上記で説明されたように、ターゲットビームフットプリントの決定(62a)と、決定されたターゲットビームフットプリントに従って衛星ネットワークコンポーネントによって送信されるビームを構成するためのビーム再構成要求の生成(62b)とを伴う。
実施形態に応じて、衛星/地上統合ネットワークにおいて利用可能な異常事態を管理する複数の方法の中から第1の方法を選択するために種々の基準を使用することができる。例えば、第1の方法が最も高い優先順位を割り振られるように、異常事態を管理する各方法に優先順位を割り振ることができる。この場合、第1の方法の選択は、最も高い優先順位を有する方法の選択から生じる場合がある。
優先順位は、異常事態を管理する利用可能な各方法の特徴に基づいて割り振ることができる。例えば、全ての利用可能なリソースが使用中である統合ネットワークの事業者は、動的ビーム再構成方法に、リソース再割当て方法に割り振られる優先順位より高い優先順位を割り振ることを選択することができる。また、地上ネットワークコンポーネントによってサービングされる地理的エリア内で発生する可能性がある異常事態のタイプと、それらの異常事態に対処する各方法の予想される効率とを考慮して優先順位を割り振ることもできる。
図5bは、本主題開示の実施形態による、衛星/地上統合ネットワークを管理する更に別の方法のフローチャートである。
図5aと、図5bに示される対応する特徴に関する上記の説明とが参照される。さらに、(衛星/地上統合ネットワークにおいて利用可能な異常事態を管理する複数の方法の中から)異常事態を管理する第2の方法が選択される場合がある(63)。第2の方法の選択(63)は、第1の方法を選択する(61)ために使用された基準に基づいて、又は例えば、異常事態を管理する際の第1の方法の効率を考慮に入れる異なる基準に基づいて行うことができ、第1の方法が実行されている間に(例えば、ターゲットビームフットプリントの決定中、ビーム再構成要求の生成中、又は衛星ネットワークコンポーネントにおけるビーム再構成中)に行うことができる。
第2の方法の選択(63)は、例えば、所定の優先順位に基づいて、あらかじめ構成することもできる。
選択すると、異常事態を管理する第2の方法を実行することができる(64)。その実施形態によっては、第1の方法の実行(62)後に、第1の方法が完了した場合にのみ、又は第1の方法と同時に、第2の方法が実行される場合がある(64)。
1つ以上の実施形態において、異常事態を管理する第2の方法は、衛星/地上統合ネットワークのリソースの再構成を使用することができる。リソース再割当ての例示的な方法が以下に説明され、図9a、図9b及び図9cに示される。
ここで、衛星フットプリント再構成の方法が、図2の例示的な衛星ビームフットプリントを参照しながら説明される。
異常事態(災害等)が発生した地理的エリアをカバーする円形領域の、中心Cb及び半径Rbのようなパラメーターが決定される。このエリアは、以下において、「ターゲットビームフットプリント」と呼ばれることになる。上記で論じられたように、ターゲットビームフットプリントのために円形モデルが使用されるが、本主題開示はそれには限定されない。
実施形態によっては、そして、経時的な異常事態領域の展開によって、ターゲットビームフットプリントは、異常事態の発生エリアの一部のみをカバーする場合がある。
図6は、頂点として、ビーム1の中心と、ビーム1、2及び3の交点と、ビーム1及び2の中心を結ぶ線分の中点とを有する三角形内に中心Cbがあるターゲットビームフットプリントを示す。
対称性及び/又はビーム再ナンバリングによって、Cbの任意の他の位置を図6上に示される位置に変換できることは当業者であれば理解されよう。
衛星フットプリント内のビーム1~19は、中心Ci(複素平面内の点C1の付随値(affix)を表す複素数)及び半径Riの円として表される。ただし、i=1...19である。
以下において、ビーム1に直に隣接するビーム、すなわち、図6を参照すると、ビーム2~7は、「第1のリングビーム」と呼ばれ、第1のリングビームに隣接するビーム、すなわち、図6を参照すると、ビーム8~19は、「第2のリングビーム」と呼ばれる。衛星フットプリント内の他のビームは、本説明に関与しないので、図6には表されない。
幾つかの実施形態において、衛星フットプリントは、地上ネットワークによってサービングされるエリア内の災害の発生のような異常事態を管理するために、或る特定のアンテナ放射パターンを変更することによって再構成される。
実施形態に応じて、本主題開示の衛星フットプリント再構成方法のために以下の目的のうちの1つ以上が考慮される場合がある。
-例えば、異常事態エリアをサービングするビームを狭くし、ビームの中心を変更することによって、異常事態エリアの上方の衛星リンクの容量を改善する。
-異常事態エリアをサービングするビームに隣接するビーム(第1のリングビーム)を再調整することによって、最大衛星リンクカバレッジを維持する。
-異常事態エリアをサービングするビームに直に隣接しない全てのビーム(第2のリングビーム)を強制的に変更されないままにすることによって、これらの変更の影響を地理的に制限する。
図7aは、本主題開示の一実施形態による、衛星フットプリント再構成のフローチャートである。
上記で論じられたように、ターゲットビームフットプリントを規定するパラメーター、例えば、異常事態領域の中心Cb及び半径Rbが決定される(80)。
1つ以上の実施形態において、ネットワークコントローラーは、ターゲットビームフットプリントの中心Cbを計算するように構成することができる。この決定のための目的は、ターゲットビームフットプリントから恩恵を受ける潜在的なユーザーの最大数を可能な限りその中心Cbの近くに集中させることである場合がある。幾つかの実施形態において、ターゲットビームフットプリント中心は、例えば、異常事態領域の重み付けされた中心として計算することができ、重み付けは、異常事態領域内の各セルにアタッチされるユーザー(接続、アイドル又はオフ状態)の数の関数である。
幾つかの実施形態において、ネットワークコントローラーは、各セルの中心を表す複素数として表されるデカルト座標におけるマップ上のセル位置を表すように構成することができる。c
i、i=1...N
dが、異常事態領域に属すると識別されたセルの複素座標であり、インデックスiの各セルは、異常事態の発生前(好ましくは直前)の時点において、それにアタッチされたu
i個のユーザーを有すると仮定しよう。ターゲットビームフットプリントの中心C
bは、例えば、
として計算することができる。関数f(u
i)は、ユーザーの数に与えたい重要性に応じて、異なる形を有することができ、例えば、潜在的な異常事態領域内のセルの場所のみが考慮される場合には、f(u
i)=1であり、ユーザーの数が考慮される場合には、f(u
i)=u
iである。種々の実施形態において、他のタイプの表現(極座標等)及び他のタイプの重み付けを使用することができ、上記の式をそれに応じていかに適応させるかは当業者であれば理解されよう。
実施形態に応じて、ターゲットビームフットプリントの中心Cbの位置を計算するのに、他のタイプの基準を考慮することができる。例えば、異常事態領域が、利用可能なビームフットプリントの最大フットプリントサイズより大きい場合には、最も都合の良い(例えば、最も多くの数の潜在的なユーザーをサービングする)方向を選択するために、ターゲットビームフットプリントの中心Cbの所定の数の異なる位置を試験することができる(例えば、所定のグリッドを使用することによる)。
ネットワークコントローラーは更に、衛星ネットワークコンポーネント内の衛星ノードのタイプ(幾つかの衛星システムでは、ビームサイズはあらかじめ決定することができ、変更することはできない)に応じて、可能であるときに、ターゲットビームフットプリントのビームサイズを計算するように構成することができる。1つ以上の実施形態において、ターゲットビームフットプリントの幾つかの位置が試験されるとき、そのような位置ごとにビームサイズを計算することができる。ビームに割り当てられる全電力が制限されると仮定すると、フットプリントサイズは、地上表面においてユーザーによって経験される電力密度を決定する。電力をより大きなフットプリントに分散させることによって、カバレッジを大きくできるようになるが、リンクマージンが小さくなる(それゆえ、ユーザーのためのスループットが潜在的に制限される)。逆に、高電力スポットビームは、より制限された地理的エリアにおいて良好なサービス品質を確保する。ビーム位置ごとに、所定の数のビームサイズを試験することができる。
ターゲットビームフットプリントは、潜在的な異常事態エリアをカバーし、及び/又はこのエリア内のユーザーの大部分をカバーするように優先的に決定することができる。幾つかの実施形態において、ターゲットビームフットプリントのフットプリントの周囲に余分な除外領域が画定される場合があり、それにより、地上制限領域を決定する。
円形領域に対応する衛星ネットワークコンポーネントによって現在送信されている1つ以上のビームの中の1つのビーム(以下において、「中央再構成ビーム」と呼ばれる)が識別される(81)。幾つかの実施形態において、中央再構成ビームは、その決定されたパラメーターによって規定されるような、そのビームフットプリントとターゲットビームフットプリントとの間の対応に基づいて、識別することができる。
幾つかの実施形態において、そのフットプリントが中心Cbに最も近い中心Ciを有するビームを、異常事態領域に対応する中央再構成ビームとして選択することができる。
それに加えて、又はその代わりに、中心Cbが1つのビームフットプリント内に含まれる場合、そのようなビームフットプリントに対応するビームを、異常事態領域に対応する中央再構成ビームとして選択することができる。
その後、異常事態領域に対応すると判断されたビームが、そのフットプリントが再構成される(82)ように調整される。好ましくは、ビームフットプリント再構成は、円形又は準円形ビームフットプリントモデルを用いて新たなビームフットプリントを規定する値を決定する。
幾つかの実施形態において、ビームフットプリント再構成は、ターゲットビームフットプリント領域(ターゲットビームフットプリント)を画定する以前に決定されたパラメーターに基づき、その結果、中央再構成ビームのパラメーターは、円形領域を画定するパラメーターに基づいて、再構成されたビームのために決定される。
図6及び図8aに示される例を参照すると、ビーム1は、例えば、(Cb,Rb)によって画定されるターゲットビームフットプリント領域に対応するものと決定することができる。
識別されると、幾つかの実施形態において、異常事態エリアにわたる衛星リンクの容量を改善する目的で、そのフットプリントがターゲットビームフットプリントに対応するビームが再構成される。
図8aにおいて、再構成されたビーム1は、中心C’1及び半径R’1の円によって衛星フットプリント上に表され、ビーム1’と示される。
ビームフットプリント(C1,R1)の(C’1,R’1)への再構成は、決定された値Cb及び/又はRbに基づくことができる。
例えば、一実施形態において、再構成されたビームは、その中心及び半径を異常事態領域のそれぞれの値に調整することによって再構成される:C’1=Cb及びR’1=Rb。
別の実施形態において、取り得る位置/半径の所定の組が利用可能であり、(Cb,Rb)に最も近い値(C’1,R’1)が所定の組から選択される。
更に他の実施形態において、以下の制約が考慮される。
最初に、再構成されるべきビームを送信する衛星ノードは、例えば、アンテナダイヤグラム制限、電力制限等に起因して、任意のサイズのビームを生成することができない場合がある。
非常に小さな中央再構成ビームが、再調整後に、第1のリングビーム間の高い重ね合わせエリアにつながる。これは、同じカラービームを互いに接近させる場合があるか、又は更には重ね合わせる場合もある(それは、高いレベルのビーム間干渉につながる)。
さらに、非常に大きな中央再構成ビームは、容量が増加したスポットビームを与えることはできない。それゆえ、異常事態エリアが非常に大きい(例えば、所定の半径Rの「デフォルト」ビームより大きい)場合には、それを単一のビームでカバーしようと試みるのは実効的でない場合がある。さらに、これは、異常事態エリアをカバーするビームと、第2のリング上の同じカラーのビームとを互いに接近させ、それが高いレベルのビーム間干渉につながるおそれがある。
幾つかの実施形態において、Cbの場所がC1の場所に非常に近いとき(例えば、abs(Cb-C1)、すなわち、差Cb-C1の絶対値が所定の閾値Cminより小さいとき)、C’1はC1に等しい(C’1=C1)と判断される。Cminの値は、ネットワークトポロジ、ビームサイズ等の関数において決定することができる。
幾つかの実施形態において、Cbの場所がC1の場所から離れているとき(例えば、abs(Cb-C1)が所定の閾値Cmaxより大きいとき)、C’1は、C’1=C1+Cmaxexp(j*arg(Cb-C1))を選択することによって、最大距離に制限される場合がある。Cmaxの値は、各ネットワークトポロジ及び許容干渉レベルの関数において決定することができる。
幾つかの実施形態において、Cbの場所が、C1の場所に非常に近くもなく、そこから離れてもいないとき(例えば、Cmin<abs(Cb-C1)<Cmaxであるとき)、C’1は、Cbに等しい(C’1=Cb)と判断される。
幾つかの実施形態において、Rbの値が所定の閾値Rbminより小さいとき、R’1は、Rbminに等しい(R’1=Rbmin)と判断される。Rbminの値は、各ネットワークトポロジ、衛星能力及び許容干渉レベルの関数において決定することができる。
幾つかの実施形態において、Rbの値が所定の閾値Rbmaxより大きいとき、R’1は、Rbmaxに等しい(R’1=Rbmax)と判断される。Rbmaxの値は、各ネットワークトポロジ、衛星能力及び許容干渉レベルの関数において決定することができる。Rbmaxは、第2のリング上の同じカラービームとのビーム間干渉を制限するために、Cbの位置(C1から更に離れたCb位置のための下側許容最大値)に依存することができる。
幾つかの実施形態において、Rbの値がRbminより大きく、かつRbmaxより小さいとき、少なくとも識別された異常事態エリアをカバーできるようにするために、R’1の値は、Rbに等しく、又はa×Rbに等しく選択される。ただし、aは1よりわずかに大きい係数である。
図7bは、Rb及びCbに基づいて、R’1及びC’1をそれぞれ決定するための2つの作業の流れを示す。
Cbの値が決定されると、絶対値|Cb-C1|がCminと比較される。|Cb-C1|<Cminである場合には、C’1=C1である。そうでない場合には、絶対値|Cb-C1|がCmaxと比較される。|Cb-C1|>Cmaxである場合には、C’1=C1+Cmaxexp(j*arg(Cb-C1))である。そうでない場合には、C’1=Cbである。
Rbの値が決定されると、RbがRbminと比較される。Rb<Rbminである場合には、R’1=Rbminである。そうでない場合には、RbがRbmaxと比較される。Rb>Rbmaxである場合には、R’1=Rbmaxである。そうでない場合には、或る実施形態では、R’1=Rbであり、他の実施形態では、R’1=a×Rbである。ただし、aは所定の係数である。
図7cは、本主題開示の別の実施形態による、衛星フットプリント再構成のフローチャートである。
この実施形態において、異常事態領域をカバーする円形領域を画定するパラメーター(ターゲットビームフットプリントを画定するパラメーター)を決定すること(80b)と、円形領域(ターゲットビームフットプリント)に対応する既存のビーム(中央再構成ビーム)を識別すること(81b)と、識別された中央再構成ビームを再構成すること(82b)とは、図7aを参照して上記で説明された(80a、81a、82a)と同じである。
図7cに示される実施形態は、中央再構成ビームの再構成に加えて、中央再構成ビームの第1のリングビームのうちの少なくとも1つの再構成を含む。
第1のリングビームのうちの少なくとも1つが識別され(83b)、識別された第1のリングビームが、以下に説明されるように再構成される(84b)。
実施形態に応じて、第1のリングビームのうちの限られた数又は全てを、例えば、第1のリングビームを再構成するための反復プロセスに従って識別し、再構成することができる。
図6に示される例示的なビームでは、中央再構成ビーム(インデックス1)は、6個の第1のリングビーム:ビーム2~7を有する。この場合、1つの第1のリングビームを再構成するためのプロセスは、インデックス2~7を有するビームごとに繰り返すことができるか、そのうちの幾つかに対してのみ繰り返すことができる。
図6~図8aを参照すると、幾つかの実施形態における中央再構成ビームの第1のリングビームの再構成は、ビーム2の再構成で開始することができる。ビーム2を2’で示されるビームに再構成することは、以下に説明されるような、以下の再構成条件のうちの1つ又は幾つかに基づいて行われる。
-ビーム2’及びビーム1’(再構成された中央再構成ビーム)は、カバレッジを損失することなく隣接している必要がある。例えば、以下の条件を満たすことができる:abs(C’2-C’1)<R’2+R’1。
-ビーム2’とビーム1’との間の重なりの維持を確保するために、ビーム1とビーム2’との間の交点によってビーム1’内に画定される円形セクタは、少なくともθminであるように選択することができる。ただし、θminの値は、許容干渉レベルの関数として決定され、低い値のθminは、同じカラービームが互いにより接近するか、又は更には重なり合うことにつながる場合がある。
-ビーム2’、及びビーム2に隣接する第2のリング上のビームは、カバレッジを損失することなく隣接している必要がある。例えば、ビーム2’は、ビーム2とビーム8との間の交点がビーム2’によってカバーされるように選択することができる。
1つ以上の実施形態において、ビーム2’は、上記の条件のうちの1つ以上を満たす最小包囲円に対応するフットプリントで決定される。例えば、ビーム2’は、そのフットプリントが上記の条件の全てを満たす最小包囲円に対応するような再構成されたビーム2として決定することができる。
他の実施形態では、ビーム2が上記の条件のうちの1つ以上を満たす場合には、ビーム2’はビーム2と同じであると判断される。そうでない場合には、ビーム2’は、上記のように、上記の条件のうちの1つ以上を満たす最小包囲円に対応するフットプリントで決定される。例えば、ビーム2’は、そのフットプリントが上記の条件を満たす最小包囲円に対応するような再構成されたビーム2と決定することができ、上記の最小包囲円は、ビーム2が上記の条件を満たさない場合にのみ計算される。
それゆえ、第1のリングビームの再構成は、点の組の最小包囲円の決定を含むことができる。1つ以上の実施形態において、点の有限の組を包囲する最小半径の円を決定するために種々の既知のアルゴリズムを使用することができ、その問題は、数学において、最小包囲円の問題又は「施設配置問題」として知られている。点の組の最小包囲円が存在し、それは唯一である。最小包囲円は、点の所与の組のうちの少なくとも2点、そして多くても3点によって特徴付けることができる。
幾つかの実施形態において、直径として、互いから最も離れて位置する点の組のうちの2つの点(以下において複素平面内の付随値a1及びa2の示される点)を有する円が、点の組の他の全ての点を包囲する場合には、この円が、点の組の最小包囲円として選択される。その中心は、付随値(a1+a2)/2と、半径abs(a1-a2)/2とを有する。そうでない場合には、頂点としてこれら3つの点を有する三角形が鋭角である場合には、全ての他の点を含む組内の3つの点の外接円が最小包囲円として選択される。円を画定する3つの点が見つけられると、例えば、URL https://cral.univ-lyon1.fr/labo/fc/Ateliers_archives/ateliers_2005-06/cercle_3pts.pdfにおいてオンラインリソースにおいて与えられているような、既知の数式を通して、外接円の半径及び中心を計算することができる。
それゆえ、最小包囲円は、幾つかの実施形態において、所与の組のうちの2点及び3点の異なるサブセットを試験することによって決定することができる。他の実施形態では、Megiddo, Nimrod(1983)「Linear-time algorithms for linear programming in R3 and related problems」SIAM Journal on Computing 12(4):759-776, doi:10.1137/0212052, MR 721011、Welzl, Emo(1991)「Smallest enclosing disks(balls and ellipsoids)」、Maurer, H.「New Results and New Trends in Computer Science, Lecture Notes in Computer Science 555」Springer-Verlag, pp.359-370, doi:10.1007/BFb0038202又はShamos, M. I.;Hoey, D.(1975)「Closest point problems」Proceedings of 16th Annual IEEE Symposium on Foundations of Computer Science, pp.151-162, doi:10.1109/SFCS.1975.8において記述されているような、より計算効率の良いアルゴリズムを使用することもできる。
第1のリングビームの再構成が完了すると、幾つかの実施形態において、再構成されたビームの組を試験することができる。同じカラーの再構成されたビーム間の制限された干渉を確保するために、再構成されたビームが重なり合わないこと、又は再構成されたビーム間の最小距離のような要件を使用することができる。
例えば、その試験は、同じカラーの任意の2つの再構成されたビームの場合に以下の不等式abs(C’i-C’j)-R’i-R’j≧dminを試験することを含むことができる。ただし、dminは、許容干渉レベルに基づいて決定することができる正の値である。
試験された再構成されたビームが上記の要件(複数の場合もある)を満たさない場合、Rbのためのより高い値、及び/又はC1により近いCbのための位置を選択することができる。
1つ以上の実施形態において、アルゴリズム2を用いて、潜在的に有効なフットプリントの組をあらかじめ決定し、すなわち、ビームフットプリント再構成を実行する前に決定し、所定の値(C’1,R’1)のデータベースに記憶することができる。パラメーター(Cb,Rb)によって画定されるエリアに対応する異常事態が発生するとき、(Cb,Rb)に最も近い(そして、少なくとも(Cb,Rb)によって指定されるエリアをカバーする)値(C’1,R’1)が、所定の値(C’1,R’1)のデータベースから選択され、対応するフットプリント設計を再構成のために適用することができる。
図6及び図8aを参照すると、フットプリント再構成の提案される方法は、幾つかの実施形態において、以下のことを含むことができる。
最初に、中央再構成ビーム(ビーム1)を再調整し、異常事態エリアにわたる衛星リンクの容量を改善する。再構成後に、ビーム1’が、中心C’1及び半径R’1の円によって衛星フットプリント上に表される。
次に、ビーム2の適切な調整を(上記で説明されたように)選択することによって、第1のリングビームの再構成を初期化する。再構成後に、ビーム2’が、中心C’2及び半径R’2の円によって衛星フットプリント上に表される。
i=3...7を有する調整されるべき後続のビーム、ビームiごとに、以下のように、中心C’1及び半径R’1の円によって衛星フットプリント上に表される調整済みビーム、ビームi’を計算する。
a)少なくとも以下の点を含む、包含点li(調整済みビームのカバレッジエリア内に入る必要がある)の組を規定する。
・点Ciに最も近いビーム1’及びビーム(i-1)’を表す円の交点。
・ビーム(i-1)’を表す円と、ビームiに隣接する第2のリング上の最もインデックスが低いビーム(すなわち、図6において採用されるビームナンバリングにおけるビーム(2*i+3))を表す円との交点。上記の円の2つの交点から、点Ciに最も近い1つの点を選択する。
・ビームiに隣接する第2のリング上のビーム(すなわち、図6において採用されるビームナンバリングにおけるビーム(2*i+3)、ビーム(2*i+4)及びビーム(2*i+5))を表す円の交点。上記の円の4つの交点から、点Ciに最も近い2つの点を選択する。
・i=7である場合には、1つの余分な点、すなわち、点C7に最も近いビーム2及びビーム19を表す円の交点が含まれる。
b)ステップa)において計算された全ての包含点liの最小包囲円の中心及び半径としてC’i及びR’iを計算する。
c)幾つかの実施形態において、ビーム2’は、ビーム2’に隣接する全てのビームを表す円の交点によって規定される12個の交点から、C’2に最も近い6個の交点の最小包囲円に再調整することができる。
ビーム1~7のための再構成されたビームが決定されると、新たに再構成された衛星フットプリントを試験する。不適合(例えば、同じカラーのビームの重ね合わせ)の場合、Cb及びRbの値を変更し、第1のリングビームの再構成を再反復する。
幾つかの実施形態において、1つ又は幾つかの再構成されたビーム(例えば、第1のリングビーム)の計算は、現在の状態における対応するビームが、再構成されたビームのための目的を規定するために使用される基準を既に満たしている場合には、実行されない場合がある。
4つのカラーを用いる衛星フットプリントのための上記の方式による衛星フットプリント再構成の一例が図8aに与えられる。
この例において、衛星フットプリントのグラフィック表現が複素平面において与えられ、平面の原点はビーム1の中心である。さらに、軸の単位は、ビーム1を表す円が半径R1=1からなるように正規化される。再構成前のビーム1~19が、中心Ci及び半径Riの円として衛星フットプリントにおいて図8a上に表される。ただし、i=1...19である。各ビーム、ビームiは(Ci,Ri)対によって表される。ただし、Ciはビームiの中心の付随値を表す複素数であり、Riは、正規化された座標におけるビーム半径を表す実数である。
以下の表1において、数値例も与えられる。表1において、Ci及びRiの値はそれぞれ、表1の第2の列及び第3の列において与えられる。再構成されるべきビーム(図8aの例において、ビーム1及びその第1のリングビーム)は点線においてプロットされ、一方、再構成されないビーム(ビーム1の第2のリングビーム)は図8aにおいて実線においてプロットされる。
図示される例において、識別された異常事態エリアは、
によって示されるビームフットプリントに対応する異常事態領域によってカバーされると仮定される。再構成されたビームは破線においてプロットされ、その中心は図8aにおいて円形マーカーとして表される。
第1のビーム1は、異常事態領域に対応すると識別され、再構成されたビーム1は、図7bを参照しながら上記で説明された異常事態領域に対応すると識別されたビームを再構成するための提案された方法を用いて決定される。これは以下の結果を与える。C’1=Cb=0.6928+0.4000i及びR’1=Rb=0.7、ただし、a=1で計算された。
その後、第1のリングビームが、同じく上記の方法を用いて構成され(図8aにおけるビーム2)、それは以下の結果を与える。(C’2,R’2)=(1.9437,0.8236)、ただし、θmin=2π/6で計算された。
第1のリングビーム、ビームi、i=3~7の再構成に関して、i=3の場合に、以下の点が決定される。
-点C2に最も近いビーム1’及びビーム2’を表す円の交点は図8aにおいて点Aである。
-点C3に最も近い、ビーム2’を表す円と、ビーム3に隣接する第2のリング上の最もインデックスが低いビーム(すなわち、ビーム9)を表す円との交点は図8aにおいて点Bである。
-点C3に最も近い、ビーム3に隣接する第2のリング上のビーム(すなわち、ビーム9、ビーム10及びビーム11)を表す円の2つの交点は図8aにおいて点C及びDである。
-点A、B、C及びDを含む最小包囲円は、(C’3,R’3)=(1.2133+1.5694i,0.9933)である。
以下の第1のリングビーム(i=4~7)が同じ方式に従って再構成され、結果として、それぞれの値(C’i,R’i)が以下の表1の輪郭線の部分において報告される。
この第1の例において、再構成は、Rに等しい所定のdmin値の場合に有効であるとの試験結果が得られた。
3つのカラーを用いる衛星フットプリントのための上記の方式による衛星フットプリント再構成の別の例が図8bに与えられる。
再構成されたビームを決定するための方式が、例1の数値例において適用されたのと同じである(しかしながら、3カラー衛星フットプリント再構成に適用される)とき、図8bの再構成された衛星フットプリントが得られる。
例1とは対照的に、abs(C’5-C’7)<R’5+R’7であり、同じカラーを有するビーム5及び7が重なり合うので、再構成されたフットプリントの有効性試験(dmin=0で実行された)は失敗する。
この場合、初期選択より大きい
(先行する反復の場合よりもC
1に近い)及びR’
2=0.8の初期選択で、第1のリングビーム再構成が再反復される。
再構成されたビームの別の決定が以下の表2において報告される値を与える。再調整されたビームのための値のみが表2において報告される。表2に詳述される値に対応する再調整されたフットプリントが図8cに示される。この第2の反復において決定されたこれらの再構成されたビームのために実行された別の有効性試験によれば、dmin=0の場合に肯定的な結果が得られる。
ここで、リソース再割当ての方法が、図9aに示される例示的なリソースプランニングを参照しながら説明される。
図9aは、周波数及び/又は偏波リソースを含む、Btotで表される統合システムの総合帯域幅に関する例示的なリソースプランニングを示す。幾つかのリソースが図9a上で隣接するように表される場合であっても、本主題開示はそれには限定されず、総合帯域幅Btotに含まれるリソースは必ずしも周波数領域において隣接しないことは当業者であれば理解されよう。
衛星ビームは、その周波数再利用パターンのためにN
colors個の異なるカラーを使用することができる。通常動作モードにおける固定フットプリントカバレッジの場合に衛星ネットワークコンポーネントによって使用される総合帯域幅B
satは、
である。ただし、
は第iのカラーを有するビームによって使用される帯域幅であり、B
sat≦B
totである。ビームが同じ帯域幅B
beamを有する実施形態において、B
sat=N
colorsB
beamである。
図9aに示されるように、所定のカラー
のビームによって使用されるリソースの各組は、幾つかの実施形態において、衛生ビームに常に割り当てられる部分
と、再構成可能な衛星リソースの部分
とに分割することができる。実施形態によって、再構成可能な衛星リソースの利用は、異常事態領域の存在及び/又は顕著さに応じて異なる。
は、図9aにおいて示される例において太線で表される。これらのリソースの使用は災害の場合に再構成し、例えば、異常事態エリアをサービングするビームに再割当てすることができる。リソースの2つのサブセットが、
となるように規定される。
地上サービスのみが存在する場合、及び衛星-地上共存がない場合のそれらのリソースを地上専用リソースと規定しよう。BTOによって、サイズ、BTO≧0の地上専用リソースに対応する帯域幅を表す。
帯域幅Brを有する予約リソースを規定し、その利用は、以下に説明されるように、異常事態領域の存在及び/又は顕著さに応じて異なる。帯域幅Brは、不等式Br≧0を満たす。
BTO>0であるとき、特定の範囲のリソースが地上ネットワークコンポーネントによってのみ使用され、この範囲は、地上ワイヤレスカバレッジの場所にかかわらず(例えば、地上ネットワークコンポーネントカバレッジエリアがビーム境界に位置する場合であっても)、衛星コンポーネントからの干渉を受けない。セルラー地上ネットワークコンポーネントの場合、干渉は隣接する地上セルからのみ到来する場合があり、(例えば、ICIC(セル間干渉協調)又はCoMP(協調マルチポイント)法を利用することによって)、地上ネットワークコンポーネント内で管理される。
それゆえ、BTO>0の存在の結果として、地上ネットワークコンポーネント帯域幅においてコンポーネント間干渉が存在するパーセンテージは低いので、ビーム境界に位置する地上ネットワークコンポーネントカバレッジエリア内で地上ネットワークコンポーネントによって受けるコンポーネント間干渉は低減される。
しかしながら、BTO>0は、衛星ネットワークコンポーネントのための他の恩恵を何も受けることなく、衛星サービスの実効的な周波数範囲Bsat、そして結果として、衛星ネットワークコンポーネント容量を小さくする。BTOの存在及びサイズは通常、干渉プロファイル、最大負荷における予想衛星トラフィック、及び地上ネットワークコンポーネント性能と衛星ネットワークコンポーネント容量との間のトレードオフに基づいて、衛星/地上統合ネットワーク設計の初期段階において決定されることになる。
再構成可能な衛星リソースB’r及び予約リソースBrは、図9bに示されるように、異常事態(例えば、緊急事態又は災害事態)の場合に、柔軟に再割当てすることができるリソースである。
異常事態がビーム1において検出された(図2の衛星ビームナンバリングを参照)例示的な事例において、全ての隣接するビーム(ビーム2~7、異常事態エリアをサービングするビームの周囲のビームの第1のリング)の再構成可能な衛星リソースB’rは、幾つかの実施形態において、ビームの容量を増やすために、異常事態エリアをサービングするビーム1に、部分的に又は完全に再割当てすることができる。幾つかの実施形態において、他のビーム(例えば、図2のビーム8~19又は図2に示されない他のビーム)に関する再割当ては実行されない場合がある。これは、ネットワークレベルにおいて任意の大規模な影響を与えることなく、異常事態エリア(例えば、災害エリア)に隣接するエリアに対する本主題開示の異常事態管理方法の影響を低減する。
幾つかの実施形態において、異常事態エリアをサービングするビームにおいて地上コンポーネントによって使用される予約リソースBrは、ビームの容量を増やすために、異常事態エリアをサービングするビーム1内の衛星コンポーネントに、部分的に又は完全に再割当てすることができる。幾つかの実施形態において、ネットワークの残りの部分に対する災害管理方法の影響を低減するために、他のビームに関する再割当ては実行されない場合がある。
幾つかの実施形態において、再構成可能な衛星リソースB’r及び予約リソースBrは、緊急事態が検出されないとき、ネットワークによって他の態様において使用することができる。例えば、構成可能な衛星リソースB’rは、図9aに示されるように使用することができる。例えば、予約リソースBrは、地上ネットワークコンポーネントによって使用される。これらのリソースは、異常事態が発生した場合に動的に再割当てされる可能性が高いので、地上ネットワークコンポーネントは、任意のシステム又は制御情報を(アップリンク及びダウンリンクの両方において)転送するためにBrを使用するのを控えるべきであり、そのリソースを物理チャネル通信のみのために使用すべきである。例えば、地上ネットワークコンポーネントがLTEアドバンストを使用する場合には、キャリアアグリゲーションを使用することができ、キャリアのうちの1つがBrに及ぶことができ、レイヤ1制御シグナリング(物理ダウンリンク制御チャネル、PDCCH)を決して搬送することはない。
再構成可能な衛星リソースB’r及び予約リソースBrの量は、典型的な異常事態によって引き起こされるトラフィックを、容量停止を伴うことなく、ネットワークによって対処することができるのを確実にするほど十分でなければならない。一方、予約リソースを大量に使用することは、通常動作モードにおける衛星ネットワークコンポーネントのための他の恩恵を何も受けることなく、衛星サービスBsatの実効的な周波数範囲、それゆえ、衛星ネットワークコンポーネント容量を小さくする。再構成可能な衛星リソースを大量に使用することは、異常事態が発生した場合に、隣接するビームの容量を小さくする。衛星/地上統合ネットワーク設計の早期の段階において、ネットワークが対処するように設計される緊急事態の推定トラフィック負荷と、緊急時に動的に割り当てることができる余分な容量の量と通常動作モードにおける衛星コンポーネント容量との間のトレードオフとに基づいて、予約リソースBrの量及び再構成可能な衛星リソースの量が決定される。
図9cは、異常事態が発生した場合の本主題開示によって提案されるリソース再割当て方式を示すフローチャートである。
異常事態エリアをカバーするビームが識別されると、その容量需要が評価される(90)。
異常事態エリアをサービングするビームに隣接する第1のリングビームの容量需要も評価される(91)。
これら2つの評価に基づいて、再構成可能な衛星リソースB’rのうちの一部又は全て、及び/又は予約リソースBrの一部又は全てが異常事態エリアをサービングするビームに再割当てされるべきであるか否かに関する判断が行われる(92)。
幾つかの実施形態において、再割当てされるべきリソースを解放するために、アタッチされたユーザーを再スケジューリングする要求が生成され、衛星ネットワークコンポーネント及び/又は地上ネットワークコンポーネントに送信される。
リソース再割当て方式が実行されるネットワークノードによっては、衛星ネットワークコンポーネントは、幾つかの実施形態において、異常事態エリアをサービングするビームが新たに再割当てされたリソースを用いて始動できることを通知される場合がある。
図10は、本主題開示の別の実施形態による、異常事態を管理する方法を示す。
この方法を実施する衛星/地上統合ネットワークのネットワークコントローラーは、異常事態を識別し、場所を特定するために監視するように構成することができる(95)。
幾つかの実施形態において、ネットワークコントローラーは、過負荷及び/又は障害を被る幾つかの地理的に近い地上セルから構成される災害領域の識別、災害領域が位置する1つ以上のビーム内の衛星トラフィック需要の増加、及び/又は災害領域を含むビームに隣接する1つ又は幾つかのビーム内の衛星トラフィック需要のわずかな増加に基づいて、災害/緊急事態の存在を識別するように構成することができる。その際、ネットワークコントローラーは、災害領域内のセルの場所、及び/又は災害が発生する前にこれらのセルにアタッチされたユーザーの数に基づいて、災害エリアの中心及び半径(Cb,Rb)を計算することができる。そのような識別、決定及び計算を実行するための種々の方式が、本主題開示の他の実施形態を参照しながら上記で説明された。
ネットワークコントローラーは更に、異常事態発生を識別すると、衛星/地上統合ネットワークを再構成するように構成することができる(96)。
1つ以上の実施形態において、ネットワークコントローラーは、ネットワーク再構成の第1の方法(例えば、衛星フットプリント再構成)を実行し(96a)、その後、異常事態に対処する際の第1の方法の有効性と、衛星/地上統合ネットワークにおけるその結果とを評価する(96b)ように構成することができる。新たなフットプリントが展開される実施形態において、サービスを受けられないユーザーの数を最小化するために、ビーム展開の順序を選択することができる。
異常事態に対処する際の第1の方法の有効性がない場合には(例えば、ネットワークの異常動作モードが付随する場合には、又は地上ネットワークコンポーネントが依然として使用不能である場合には)、ネットワークコントローラーは、ネットワーク再構成の第2の方法(例えば、リソース再割当て方法)を実行するように構成することができる(96c)。
1つ以上の実施形態において、ネットワークコントローラーは、ネットワーク再構成の第2の方法(例えば、リソース再割当て方法)を最初に実行し、その後、異常事態に対処する際の第2の方法の有効性と、衛星/地上統合ネットワークにおけるその結果とを評価するように構成することができる。
異常事態に対処する際の第2の方法が有効でない場合には、ネットワークコントローラーは、ネットワーク再構成の第1の方法(例えば、衛星フットプリント再構成)を実行するように構成することができる。
ネットワーク再構成のあらかじめ構成された第1の方法及び第2の方法に応じて、軽度の異常事態の発生時に過度のネットワーク再構成を回避するために、又はそうでない場合、ネットワークが最適に応答して災害事態を管理できるようにするために、方法を実行する順序を決定することができる。
幾つかの実施形態において、ネットワークコントローラーは、災害事態の終了を識別するためにネットワークを監視するように更に構成することができる。例えば、ネットワークコントローラーは、災害の終了を示すネットワークインジケーター(災害領域内の地上セルからの報告又は通常動作モードに戻るための手動コマンド)を監視するように構成することができる。また、衛星コンポーネントに接続されたユーザーは、地上リンクの存在を定期的に監視することもできる。地上リンクが利用可能になるとき、ユーザーは地上リンクに対するハンドオーバに進むことができる。幾つかの実施形態において、ネットワークコントローラーは、ユーザーの数が増加するのに伴って災害領域において通常動作報告を送信するセルの数に応じて、災害事態の終了を決定するように構成することができる。他の実施形態では、ネットワークコントローラーは、衛星コンポーネントに接続されるユーザーの数が持続的に減少しているとき、災害事態の終了を決定するように構成することができる。
幾つかの実施形態において、ネットワークコントローラーは更に、衛星ネットワークコンポーネント及び/又は地上ネットワークコンポーネントに、デフォルト又は通常動作モードへの復帰を要求するように構成することができる。好ましくは、通常モードへの復帰は、高い干渉発生を回避することによって実行される。災害エリアをサービングするビームに余分なリソースが割り当てられた場合には、それらのリソースは、ユーザー再スケジューリングによって最初に解放することができる。その後、地上コンポーネント及び衛星コンポーネントは、解放されたリソースを再利用し始めるように通知される場合がある。また、デフォルトフットプリントを展開するとき、サービスを受けられないユーザーの数を最小化するように、ビーム展開の順序を選択することもできる。
図11は、本主題開示の実施形態による、衛星/地上統合ネットワーク管理機構を実施するように構成される衛星/地上統合ネットワーク内の例示的なネットワークノード100を示す。
ネットワークノード100は、制御エンジン101と、異常事態検出エンジン103と、異常事態管理方法選択エンジン104と、第1の異常事態管理方法エンジン105と、第2の異常事態管理方法エンジン106と、メモリ102とを含む。
図11に示されるアーキテクチャにおいて、異常事態検出エンジン103、異常事態管理方法選択エンジン104、第1の異常事態管理方法エンジン105、第2の異常事態管理方法エンジン106及びメモリ102は全て、制御エンジン101を通して互いに動作可能に結合される。
異常事態検出エンジン103は、本主題開示の実施形態に関して上記で説明された異常事態を検出するための方式に従って異常事態検出機能を提供するように構成することができる。異常事態検出エンジン103は更に、異常事態を検出すると、制御エンジン101に異常事態の発生を示す信号を与えるように構成することができる。
異常事態管理方法選択エンジン104は、異常事態を管理する2つ以上の方法がネットワークノード100において利用可能である、図11に示される非限定的な例において、異常事態を管理する方法を選択するために、異常事態管理方法選択機能を提供するように構成することができる。幾つかの実施形態において、異常事態管理方法選択エンジン104は、適用されるべき異常事態を管理する第1の方法があらかじめ決定されるように構成することができる。また、利用可能な場合には、適用されるべき異常事態を管理する第2の方法をあらかじめ決定することができ、その場合、異常事態管理方法選択エンジン104は、異常事態を管理する利用可能な方法の実行順序を提供するように構成することができる。
第1の異常事態管理方法エンジン105は、上記の衛星フットプリント再構成方式のうちの1つのような、第1の異常事態管理方法機能を提供することができる。
第2の異常事態管理方法エンジン106は、上記のリソース再割当て方式のうちの1つのような、第2の異常事態管理方法機能を提供することができる。
制御エンジン101はプロセッサを含み、プロセッサは、任意の適切なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラー、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッシングチップ及び/又は状態機械、又はその組み合わせとすることができる。また、制御エンジン101は、限定はしないが、メモリ102のようなコンピューター記憶媒体を備えることができるか、又はコンピューター記憶媒体と通信することができ、コンピューター記憶媒体は、プロセッサによって実行されるときに、プロセッサに本明細書において説明された要素を実行させるコンピュータープログラム命令又はソフトウェアコード記憶することができる。さらに、メモリ102は、制御エンジン101に結合され、幾つかの実施形態の場合に本明細書において説明された種々の方式の計算結果を記憶することができる任意のタイプのデータ記憶コンピューター記憶媒体とすることができる。
図11を参照しながら図示及び説明されたネットワークノード100は、一例として提供されるにすぎないことは理解されよう。数多くの他のアーキテクチャ、動作環境及び構成が可能である。ノードの他の実施形態は、それより少ない数又はそれより多くの数のコンポーネントを含む場合があり、図11に示されるネットワークノードコンポーネントに関して説明された機能のうちの幾つか又は全てを組み込むことができる。したがって、制御エンジン101、異常事態検出エンジン103、異常事態管理方法選択エンジン104、第1の異常事態管理方法エンジン105、第2の異常事態管理方法エンジン106及びメモリ102は、ネットワークノード100の一部として示されるが、コンポーネント101~106の場所及び制御に関する制約は課せられない。詳細には、他の実施形態では、コンポーネント101~106は、異なるエンティティ又はコンピューティングシステムの一部とすることができる。
さらに、幾つかの実施形態において、ネットワークノード100は、上記のようなネットワークコントローラー内に構成され、地上ネットワークコンポーネント、及び衛星ネットワークコンポーネントと通信するように構成され、幾つかの実施形態では、衛星/地上統合ネットワークのコアネットワーク内に含まれる場合がある。
本発明は好ましい実施形態に関して説明されてきたが、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本発明に対して種々の変更及び/又は修正を加えることができることは当業者には容易に理解されよう。
本発明は或る特定の好ましい実施形態との関連で開示されてきたが、そのシステム、デバイス及び方法の或る特定の利点、特徴及び態様は種々の他の実施形態において実現される場合があることは理解されたい。さらに、本明細書において説明される種々の態様及び特徴は、別々に実践することができるか、互いに組み合わせることができるか、又は互いに代用することができること、並びに特徴及び態様の種々の組み合わせ及び部分的な組み合わせを行うことができ、それでも本発明の範囲に入ることを意図している。さらに、上記のシステム及びデバイスは、好ましい実施形態において説明されたモジュール及び機能の全てを含む必要はない。
本発明において説明される情報及び信号は、種々の異なる技術及び技法のいずれかを用いて表すことができる。例えば、データ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁気粒子、光場若しくは光子、又はその任意の組み合わせによって表すことができる。
実施形態によっては、本明細書において説明された方法のいずれかの或る特定の動作、イベント又は機能は、異なる順序において実行することができるか、追加されるか、統合されるか、又は全て除外される場合がある(例えば、方法を実践するために、説明される全ての動作又はイベントが必要とされるとは限らない)。さらに、或る特定の実施形態では、動作又はイベントは、順次にではなく、同時に実行される場合がある。