JP7076126B2 - 羊膜間葉系幹細胞の抗腫瘍薬としての使用 - Google Patents

羊膜間葉系幹細胞の抗腫瘍薬としての使用 Download PDF

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本発明は、ヒトの羊膜間葉系幹細胞集団またはその細胞集団由来の細胞の使用であって、より詳しくは、抗腫瘍薬として使用する細胞医薬に関する。
羊膜は妊婦の子宮内にある胎盤の一部で、胎児を包み、羊水を保持している薄い膜であり、外胚葉由来の上皮細胞と中胚葉由来の間葉系細胞から構成される胚体外組織で、多能性幹細胞としての特性を有する細胞群を含有している。
羊膜に存在する多能性幹細胞を得るために、例えば、細胞に標識などの付加をすることなく細胞の大きさ・細胞質の電子密度のみで細胞を分離したのち、培養で性質の異なる幹細胞を得る方法が知られている(特許文献1)。
多能性幹細胞である胎盤幹細胞の中で、CD200などの特定のCD抗原を発現する胎盤幹細胞が、リンパ腫や白血球病などの腫瘍細胞の増殖を抑制することが知られている(特許文献2)。
また、羊水由来の間葉系幹細胞と乳がん細胞株を共培養すると、乳がん細胞の生育が抑制されることが報告されている(非特許文献1)。
WO2013/0077428号公報 特開2010-201159号公報
Cell. Mol. Biol. 2016, 62(6):102-106 顕微鏡 2011, 46(2):89-94.
癌の生育には、癌周囲の微小環境が多いに関係することが知られている。
近年、その中に存在する線維芽細胞が特に環境に影響を与えるとして通常の線維芽細胞と区別して癌関連線維芽細胞(cancer associated fibroblast:CAF)と称され、CAFは骨髄の間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell:MSC)由来であると考えられている。
近年、CAFが癌細胞と直接接することで、癌細胞へのシグナルに影響し、通常の癌細胞を癌幹細胞へと誘導するとの報告がされている(非特許文献2)。
本来、生体に存在するMSCは、抗炎症効果を持つとともに、炎症細胞の誘導など免疫系の調整に役立つ細胞である。
その為、MSCの活性がどちらの方向に向かっているかによって、癌の生育にも癌の抑制にも働く可能性が高い。
特に癌組織が生育しているときは、MSCが既にCAFという悪玉に変化している状況であり、癌組織環境を破壊し、正常にMSCが機能するような方策が求められている。
このような状況下、本発明者らは、特許文献1に記載され羊膜間葉系細胞、すなわち、標識などの付加をすることなく細胞の大きさ・細胞質の電子密度のみで細胞を分離したのち、培養で性質の異なる幹細胞を得る方法で調製された羊膜間葉系細胞と子宮体癌を共培養すると、癌細胞に対し、生育の抑制、貪食作用などの抗癌作用を示すことを見出した。
このことから、特許文献1に記載され羊膜間葉系細胞は、癌組織環境を破壊する細胞医薬として使用することができ、本発明を完成させるに至った。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、標識などの付加をすることなく細胞の大きさ・細胞質の電子密度のみで細胞を分離したのち、培養で性質の異なる幹細胞を得る方法で調製された、ヒトの羊膜間葉系幹細胞集団またはその細胞集団由来の細胞の使用であって、CA125タンパクを過剰に発現する腫瘍細胞に対する細胞医薬としての使用である。
標識などの付加をすることなく細胞の大きさ・細胞質の電子密度のみで細胞を分離したのち、培養で性質の異なる幹細胞を得る方法とは、以下の方法である。
(A)哺乳動物の羊膜から間葉系細胞の細胞集団を採取するステップと、
(B)前記間葉系細胞の細胞集団について、
(b1)フローサイトメーターを用いて前方散乱光および側方散乱光を検出し、二次元分布図を作成し、
(b2)前記二次元分布図上に、四角形の3分割ゲートを設定することにより選択された細胞を分取するステップと、
(C)前記分取された細胞を継代培養するステップと
を含む、羊膜間葉系幹細胞集団の調製方法。
さらに、上記調製方法は、調製方法のステップ(B)における(b1)において、二次元分布図に示された細胞は、採取された間葉系細胞の細胞集団全体の85~95%であり、
調製方法のステップ(B)における(b2)において、四角形の3分割ゲートは、前方散乱光の強度に基づいて3分割したものであり、
調製方法のステップ(B)における(b2)において、四角形の3分割ゲートは、
(i)側方散乱光の検出上限を右辺、側方散乱光の検出限界を左辺とし、前方散乱光の検出限界を底辺として、前記二次元分布図に示された細胞集団の5~15%が含まれるように上辺を設定した第1のゲートと、
(ii)側方散乱光の検出上限を右辺、側方散乱光の検出限界を左辺とし、前記第1のゲートの上辺を底辺として、前記二次元分布図に示された細胞集団の35~45%が含まれるように上辺を設定した第2のゲートと、
(iii)側方散乱光の検出上限を右辺、側方散乱光の検出限界を左辺とし、前記第2のゲートの上辺を底辺として、前記二次元分布図に示された細胞集団の35%以上が含まれるように上辺を設定した第3のゲートと
からなるものであり、
調製方法のステップ(C)における継代培養は、
(c1)前記分取された細胞を400~3500/cm2の細胞濃度において播種し、2~3日間初期培養するステップと、
(c2)前記初期培養の1/500以上1/10未満の細胞濃度において播種し、1週間に2回の培地交換を行う継代培養を3~4回繰り返すステップと、
(c3)前記継代培養において紡錘状の形態を有する細胞のコロニーが形成されたとき、細胞がコンフルエントになるまで同一の培養皿で培養を維持するステップと
を含むものであり、
調製方法のステップ(c2)における細胞濃度は、前記初期培養の1/200以上1/50未満であるものである、調製方法。
上記の調製方法で得られる羊膜間葉系幹細胞集団は、紡錘状の形態を有する細胞を含み、かつ、50回以上の細胞分裂(population doublings)が可能であり、軟骨、骨、肝臓または心臓のいずれかの組織への分化能を有するものである。
CA125は、モノクローナル抗体OC125により認識される抗原で分子量約11万の糖蛋白であり、卵巣がんの腫瘍マーカーとして重要なものである。
また、CA125は、子宮がん、膵がん、胆のう胆管がんで高値となることから、CA125は、婦人科系のがんと消化器がんのマーカーとして診断と予後判定の指標として用いられている。
CA125タンパクを過剰に発現する腫瘍細胞とは、上記した卵巣がん、子宮頸がん、子宮体癌などの婦人科系のがん、膵がん、胆のう胆管がんなどの消化器がんが挙げられる。
本発明のヒトの羊膜間葉系幹細胞集団またはその細胞集団由来の細胞の使用として、卵巣がん、子宮頸がん、子宮体癌などの婦人科系のがんに対する使用が好ましい。
本発明の細胞医薬としての使用は、特に限定されないが、例えば、細胞製剤として使用が挙げられる。
具体的には、上記の調製方法で得られる羊膜間葉系幹細胞集団またはその細胞集団から単離された細胞(以下、羊膜間葉系幹細胞等と称する。)を生理食塩水や適切な緩衝液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水)に懸濁させることによって得られる。
この場合、細胞数が少ない場合には、細胞培養して、所定の細胞濃度が得られるまで増殖させてもよい。
増殖方法としては、例えば、WO2014/132936に記載の方法などを参照して、羊膜間葉系幹細胞等の培養及び増殖において、適宜、培地、抗生物質・血清などの添加物を選択し、所定濃度の羊膜間葉系幹細胞を含む溶液を調製することができる。
羊膜間葉系幹細胞等の細胞製剤への使用においては、細胞を保護するためにジメチルスルフォキシド(DMSO)や血清アルブミンなどを、また、細菌の混入及び増殖 を防ぐために抗生物質などを細胞製剤に含有させてもよい。
さらに、製剤上許容される他の成分(例えば、担体、賦形剤、崩壊剤、緩衝剤、乳化剤、懸濁剤、無痛化剤、安定剤、保存剤、防腐剤、生理食塩水など)や羊膜間葉系幹細胞等以外の細胞または成分を細胞製剤に含有させてもよく、上記成分などは適切な濃度で細胞製剤に添加すればよい。
このように、羊膜間葉系幹細胞等は、各種添加物を含む医薬組成物として使用することもできる。
上記で調製される細胞製剤中に含有する羊膜間葉系幹細胞数は、癌細胞に対し、生育の抑制、貪食作用などの抗癌作用を発揮するよう、対象の性 別、年齢、体重、患部の状態、使用する細胞の状態等を考慮して、適宜、調整することができる。
本発明の細胞製剤は、所望の治療効果が得られるまで、複数回を、適宜、間隔をおいて患部または静脈内に、治療上有効量、例えば、一個体あたり1×103細胞~1×107細胞で1~10回程度の投与量が好ましいが、一個体における投与総量は、特に限定されない。
標識などの付加をすることなく細胞の大きさ・細胞質の電子密度のみで細胞を分離したのち、培養で性質の異なる幹細胞を得る方法で調製された羊膜間葉系幹細胞は、癌細胞に対し、生育の抑制、貪食作用などの抗癌作用を示し、該羊膜間葉系幹細胞は、抗癌効果を発揮する細胞製剤として使用することができ、この細胞製剤の使用は、癌組織を撲滅するに際し、癌そのものへの攻撃だけでなく、癌組織が存在する微小環境へ影響を与えることにより、癌を根本から根絶することが可能な方法である。
また、微小環境への効果であることから、現在開発の主流である標的薬のように癌のタイプが限定されることがなく、スペクトルの広い治療の可能性が期待される
「HAMαM+癌細胞」、「HSF+癌細胞」ともに、左から順に0、240分(4時間)、855分(14時間)後の蛍光像である。 HAMαM+癌細胞をの0分、240分(4時間)、645分(10.75時間)、855分(14.25時間)で経時的に観察した写真である。「→」はHAMαMである。 14時間目のHAMαM+癌細胞(A)およびHSF+癌細胞(B)において、A-1:癌細胞を取り込んでいる像が観察された。→丸の1(記号)A-2:癌細胞と接触し、広がっている像が観察された。A-3:癌細胞を取り込んだHAMαMA-4:多くの癌細胞の中で細胞質を広げ接触している像A-5:A-1丸の1(記号)の拡大像A-6:A-2の拡大像A-7:A-4の拡大像B-1:HSFと癌細胞の共培養。いずれの細胞も元気よく紡錘状に伸展している。B-2:HSFと癌細胞の共培養。B-3:HSFと癌細胞の共培養の拡大像。癌細胞およびHSF細胞が接触して存在しているが、図A-6やA-7に見られるような触手をのばしたような図は観察されない。 HAMαM細胞と癌細胞およびHSF細胞と癌細胞の共培養時の形態の模式図である。
羊膜は羊膜上皮細胞(Humanamnion epithelial cells:HAE)および羊膜間葉系細胞(Human amnion mesenchymal cells:HAM)から構成され、それぞれに幹細胞が存在する。
しかし、他の組織同様に、羊膜幹細胞はheterogeneousな細胞群であるため、単に羊膜間葉系幹細胞を単離しただけでは、含まれる幹細胞の細胞特性に違いがあり、分化能や移植時の効果にばらつきが生じる。
そこで、本発明者らは、次の3つのステップにより得られる羊膜間葉系幹細胞を、HAMα、HAMα-S、HAMα-M、HAMα-Lに分類している。
ステップ1:羊膜から羊膜上皮細胞と羊膜間葉系細胞を分取する。
ステップ2:フローサイトメトリーを用い、前方散乱光および側方散乱光を測定し、その測定値に基づいて二次元分布図を作成し、これにより三分割ゲートを設定する。
ステップ3:ステップ2において、分離した細胞について、細胞濃度を変えて、3から4継代培養し、紡錘状のコロニーを単離する。
具体的には、本発明において、上記した、(A)~(C)のステップの調製方法により得られた羊膜間葉系幹細胞集団から作製された羊膜間葉系幹細胞を「HAMα」、フローサイトメーターによりゲートS、M、Lから採取され、それぞれ継代培養された羊膜間葉系幹細胞を「HAMα-S」、「HAMα-M」、「HAMα-L」と称する。
HAMα-S、HAMα-M、HAMα-Lは、それぞれ、羊膜由来間葉系幹細胞のサブクラスである。
HAMα、HAMα-S、HAMα-MおよびHAMα-Lは、Oct3/4、c-Myc、Sox2およびKLF4(山中4因子)を発現し、また、HAMα、HAMα-S、HAMα-MおよびHAMα-Lは、間葉系細胞マーカーであるVimentinを強く発現する。
特に、HAMα-Sは、HAMα-MおよびHAMα-Lに比較して、山中4因子を顕著に発現する。
また、HAMα、HAMα-S、HAMα-MおよびHAMα-Lは、神経幹細胞マーカーであるNestinおよびMusashiを発現する。
HAMα、HAMα-S、HAMα-MおよびHAMα-Lの心筋組織への分化能を有し、特に、HAMα-Sは、心筋への分化能が高い。
HAMα、およびHAMα-Mは、肝細胞への分化能を有し、特にHAMα-LMは、肝分化能が高い。
以下、特に、HAMα-Mの特性について説明する。
HAMα-Mは、採取時には、中等度の大きさであるが、培養を繰り返す間に細胞質が豊富な細胞となり、サイトスピン標本で観察すると、HAMα-Lよりも大型の細胞として観察される。
細胞質がOct3/4によく染まり、SSEA4や神経幹細胞のマーカーであるNestinやMusashiに良く染まる細胞である。
また、間葉系幹細胞では染まり難い、Tra-1-60に陽性の細胞が散在する。
一方で、Sox2やKLF4の発現が弱い。
FACSによる細胞表面マーカーの観察では、間葉系マーカーであるCD105,CD90、CD73、CD44の発現が見られ、特にCD90の発現は90%以上である。
一方、造血系幹細胞の発現はほとんどなくHLA-DRの発現は認められない。
さらに、分化誘導をかけると間葉系の特徴である軟骨細胞、骨細胞、脂肪細胞への分化能は有するが、脂肪への分化能は弱い。
肝細胞への分化誘導では、他のサブクラスとは異なり、albuminやCYP2D6など肝細胞特有のmRNAの発現が顕著であった。
しかし、心臓への分化誘導では、他の素部クラスと異なり、GATA4の発現が認められなかった。
他のサブクラスと同様に、HAMα-Mは、肝硬変モデルマウスへの移植で、拒絶反応は起こさず、線維化の減少が見られた。抗原で刺激したNK細胞や単球との共培養で抗炎症性のサイトカインイIL-4やIL-10を分泌する細胞である。
実施例1
羊膜由来間葉系幹細胞のサブクラスHAMαMと子宮体癌を共培養し、HAMαMの動態をタイムラプス撮影装置により12時間および24時間観察した。
対象として、normal Human skin Fibroblasts,(HSF:C-12302)を使用し、HAMαと比較した。
また、経時的な観察後、上皮細胞のマーカーであるCK18で免疫染色し、癌細胞の残存を計量した。
<共培養>
子宮体癌細胞を24well dishに1ウエル500個ずつ播種し、10%ウシ胎児血清、1% L-グルタミンおよび1% anti biotics添加high glucose DMEM培地 (SIGMA-ALDRICH社)を使用し、37℃、5%CO2で一晩培養した。
<観察>
HAMα-MあるいはHSF細胞は、癌細胞と区別する為に、あらかじめPKH26 (生細胞染色液:SIGMA-ALDRICH社)で染色し、上記dishに1wellあたり2000個ずつ添加し、撮影を開始した。
タイムラプス撮影装置(BZ-X700:キーエンス社)を使用いた観察では、培養環境を37℃、5%CO2で保持し、各wellの観察点を設定し、20倍の対物レンズで15分ごとに24時間観察した。
その結果、HAMαMと共培養すると子宮体癌細胞の増殖が抑えられた (培養開始時の74~80%が残存:図1)。
経時的観察により、HAMαMは癌細胞に近づき(図2の「240→」)、細胞内に取り込み、大型化している像が観察された(図2の「645、855→」)。
また、14時間後にも、HAMαMが癌細胞を取り込んでいる像(図3A丸の1(記号))や癌細胞と接触し、触手をのばしている像(図3A丸の2(記号)、丸の3(記号))が観察された。
ここで「→」はHAMαM。
一方、HSFとの共培養では、どちらの細胞も紡錘状で互いに緩衝せず生育しており、HSF細胞を追加することにより、癌細胞が減少することはなかった。
標識などの付加をすることなく細胞の大きさ・細胞質の電子密度のみで細胞を分離したのち、培養で性質の異なる幹細胞を得る方法で調製された羊膜間葉系幹細胞は、癌細胞に対し、生育の抑制、貪食作用などの抗癌作用を示し、抗癌作用を有する移植用細胞材料として、婦人科癌、膵臓癌など固形癌を対象とする細胞製剤として有用である。

Claims (2)

  1. ヒトの羊膜間葉系幹細胞集団またはその細胞集団由来の細胞からなり、CA125タンパクを過剰に発現する腫瘍細胞に対する癌細胞の増殖抑制用細胞医薬の調製方法であって、
    前記羊膜間葉系幹細胞集団が以下の調製方法により得られるものであり、
    (A)哺乳動物の羊膜から間葉系細胞の細胞集団を採取するステップと、
    (B)前記間葉系細胞の細胞集団について、
    (b1)フローサイトメーターを用いて前方散乱光および側方散乱光を検出し、二次元分布図を作成し、
    (b2)前記二次元分布図上に、四角形の3分割ゲートを設定することにより選択された細胞を分取するステップと、
    (C)前記分取された細胞を継代培養するステップとを含み、
    前記ステップ(B)における(b2)において、四角形の3分割ゲートは、前方散乱光の強度に基づいて3分割したものであり、
    前記ステップ(B)における(b2)において、四角形の3分割ゲートは、
    (i)側方散乱光の検出上限を右辺、側方散乱光の検出限界を左辺とし、前方散乱光の検出限界を底辺として、前記二次元分布図に示された細胞集団の5~15%が含まれるように上辺を設定した第1のゲートと、
    (ii)側方散乱光の検出上限を右辺、側方散乱光の検出限界を左辺とし、前記第1のゲートの上辺を底辺として、前記二次元分布図に示された細胞集団の35~45%が含まれるように上辺を設定した第2のゲートと、
    (iii)側方散乱光の検出上限を右辺、側方散乱光の検出限界を左辺とし、前記第2のゲートの上辺を底辺として、前記二次元分布図に示された細胞集団の35%以上が含まれるように上辺を設定した第3のゲートとからなり、
    前記第2のゲートから分取された細胞を有効成分とする前記癌細胞の増殖抑制用細胞医薬の調製方法。
  2. 前記ステップ(C)における継代培養は、
    (c1)前記分取された細胞を400~3500/cm2の細胞濃度において播種し、2~3日間初期培養するステップと、
    (c2)前記初期培養の1/500以上1/10未満の細胞濃度において播種し、1週間に2回の培地交換を行う継代培養を3~4回繰り返すステップと、
    (c3)前記継代培養において紡錘状の形態を有する細胞のコロニーが形成されたとき、細胞がコンフルエントになるまで同一の培養皿で培養を維持するステップと
    を含む、請求項1記載の細胞医薬の調製方法。
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