JP7072312B1 - 高圧ケーブル接続部の温度測定装置及び温度測定システム - Google Patents

高圧ケーブル接続部の温度測定装置及び温度測定システム Download PDF

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Abstract

【課題】高圧電力ケーブルの接続部において、省電力、電池レス、小型、高寿命に優れ、長期にわたり、信頼性を損ねることなく、接続部の温度を正確に測定すること。【解決手段】高圧ケーブルの導体同士を接続する接続部の温度を測定する高圧ケーブル接続部の温度測定装置は、接続部が挿通される熱伝導金属環の外周側に絶縁環が嵌着され、かつ、絶縁環の内周側に形成される溝部に沿って、接続部の温度を検出する電池レスの温度センサ9が固着された金属製の台座を熱伝導金属環の内部に嵌着し、温度センサ9の通信端子に接続される第2アンテナAT2を絶縁環の側壁側に配置したホルダー110を備え、ホルダー110を半電導部材で包囲し、該半電導部材を絶縁層で包囲したケーブル接合部本体を収容する銅管内に、第2アンテナAT2と無線通信する第1アンテナAT1とを配置し、第1アンテナAT1を介して、温度センサ9が検出する接続部の温度情報を取得して解析する構成を特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、高圧ケーブル接続部の温度測定装置及び温度測定システムに関するものである。
従来、例えば33KVを送電する高圧電力ケーブルの接続部の導体温度を直接測定し、この測定値に基づいて外部で温度監視を、無線式温度センサを利用して行う技術として、下記特許文献1~3が公開されている。
また、高圧電力ケーブルの高圧電力伝送線路は、高架線及び地下ケーブルという二種類に分けられているが、都市化の進展に伴い、電力供給ネットワークを高架線から地下ケーブルに変更することを試してみた都市が多くなっている。
この際、地下ケーブルを採用する場合、都市電力供給部門は、高圧電力ケーブルを地下に埋めるための隠蔽工事が必要となる。
また、敷設された高圧電力ケーブルには、巨大な電力を伝送する役割を果たすため、都市電力供給部門は、高圧電力ケーブル敷設後において、高圧電力ケーブルの安全を確保、信頼性向上のため、高圧電力ケーブルの電力供給状態を監視する手段を備えるのが通例である。
ただし、高圧電力ケーブルの製造や輸送のため、ケーブルの単長は1000m前後レベルとなる長さ制限がある。
従って、数十や数百kmの線路として高圧電力ケーブルを敷設工事する場合においては、所定間隔毎に2つの高圧電力ケーブルをそれぞれ接続するジョイント部が発生する。
一方、RF技術を利用して高圧ケーブルのジョイン部で温度を検出する技術の一例として下記特許文献2が開示されている。
特許文献2の図7において、2つのケーブルを接続するジョイント部における銅接続菅と絶縁スリーブとの間で、かつ、ケーブル芯材や銅接続管に温度センサを設けることが記載されている。
また、内蔵温度測定器は、外部電源を有しておらず、内蔵温度測定器の内部のすべての回路には、外付け受信器によって、電磁誘導方式で電力が供給される。また、RFアンテナは、外付け受信機と分離させる位置に設けられている。
ここで、内蔵温度測定器は、温度センサ(温度センサは、熱電対、プラチナ抵抗、半導体部品等を含む)、温度変換回路、RF誘導コイル、RFインタフェース回路、MCU制御回路を備え、温度センサは、ケーブルジョイントの銅接続管に直接接触することが記載されている。
特開2009-53025号公報 特表2014-504358号公報 特表2018-502301号公報
〔特許文献1の課題〕
したがって、各高圧電力ケーブルを接続するジョイント部において、技術上の制限によって、導体接触抵抗が生じることは回避できなく、また、高圧絶縁性能を確保するために、ケーブル部より太い絶縁部が使われ、更に、防水処理もよくあるので、大電流を伝送する高圧電力ケーブルにとって、ジョイント部が発熱し易く、熱が逃げにくく、高温で絶縁層の劣化を早め、設計寿命に到達する前に、ブレークダウンの故障が生じ、火事になったことが報告されている。
また、上記ジョイント部の発熱による故障を確実に予測することができず、大きな停電故障になってしまうことがある。
これにより、大電力を消費する工場群で長時間にわたって生産ラインを停止したり、大ショッピングモール街の活動が長時間にわたって停止したりして、経済損失が莫大なものになってしまう。
近年、電力ケーブル中に、光ファイルケーブルを挿入することが多くて、DTS(Distributed Temperature Sensor)によって、温度変化時に、光ファイバーの屈折率が同時に変化している物理特性を利用し、ケーブル温度監視を行っている。
しかし、ケーブルジョイント部において、光ファイバーは絶縁部の外側を通す必要があるため、導体接続部の温度測定に問題を根本的に解決することはできない。
また、光ファイバー挿入式ケーブルは、地下まで敷設する間に、大きなトラクションと引張力を受けるとともに、湾曲変形も発生し、光ファイバーが割れ易く、光ファイバーによる情報送信能力が全部失われてしまう可能性がある。
したがって、電力ケーブルに光ファイバーを挿入することによって、オンラインで高圧電力ケーブルの温度を測定するという技術を適用することに大きな制限を受け、送電中に、各高圧電力ケーブルの間のジョイント部に対する温度測定を行うことが難しく、高圧電力ケーブルを監視する送電管理者は、高圧電線ケーブルのジョイント部における正確な温度を常時測定したいという要求を満たすことができないという課題が指摘されていた。
〔特許文献2の課題〕
また、特許文献2に示すRF技術を利用する温度測定装置は、構造そのものが複雑であり、金属熱電対を付属させる必要があるので高圧ケーブル接続部(ジョイント部)には不向きである。
さらに、電子回路を内蔵するチップ内に樹脂材料を封入して構成されるRFIDタグの耐用年数は高圧ケーブルに要求される敷設からの寿命(約30年)よりも短いため、高圧ケーブルの接続部における温度検出装置としては不向きである。
また、RF技術を利用して高圧ケーブル接続部の温度測定装置では、電界解析や課電試験が十分になされていないため、信頼性が担保されていなかった。
〔特許文献3の課題〕
確かに、特許文献3には、ケーブルの接続部の温度を、SAWデバイスを用いて測定する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献3に示される図4には、ケーブル接合部組立体30内に密閉された、電気導体31の温度を監視又は測定するための、受動SAW温度センサ20、送受信ユニット40を備え、ケーブル接合部組立体30外に制御ユニット50を設ける構成が記載されている。さらに、制御ユニット50は、電線51を通じて送受信ユニット40と通信するように構成されている。
さらに、電線51は、通路153内に収容されることが可能と記載されている。
しかしながら、電気導体31の接続部は、熱伸縮や外部からの要因、例えば地震による突発的な外力が加わることがあり、受動SAW温度センサ20とそのアンテナの敷設状態が強固でないと、位置づれが生じて正常に温度測定ができなくなったり、最悪の場合は破損して温度測定不能となってしまったりする恐れもある。
したがって、上記課題で説明している通り、地下に埋設するような環境化で高圧ケーブルの導体が接続される部位(ジョイント部)の温度を測定するには不向きであり、機械的衝撃に対して強度的にも無理があり、装置全体として小型化することはかなり難しいとの課題も指摘されている。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、電池レスで駆動する温度センサであって、解析通信機から通信アンテナを介して送信される高周波数の電波を受信した際に、高圧ケーブルの導体同士が接続される接続部の温度に基づいて反射する電波を受信し、該送受信する電波を解析することで、高圧ケーブルの導体同士が接続される接続部の正確な表面温度を測定できる省電力、電池レス、小型、高寿命に優れた高圧電力ケーブル接続部の温度測定装置を提供することである。
上記目的を達成する本発明の高圧ケーブル接続部の温度測定装置は以下に示す構成を備える。
本発明は、高圧ケーブルの導体同士を接続する接続部の温度を測定する高圧ケーブル接続部の温度測定装置であって、前記接続部が挿通される熱伝導金属環の外周側に絶縁環が嵌着され、かつ、前記絶縁環の内周側に形成される溝部に沿って、前記接続部の温度を検出する電池レスの温度センサが固着された金属製の台座を前記熱伝導金属環の内部に嵌着し、前記温度センサの通信端子に接続される第1アンテナを前記絶縁環の側壁環の内部に配置したホルダーと、前記ホルダーを半電導部材で包囲し、該半電導部材を絶縁層で包囲したケーブル接合部本体を収容する銅管と、前記銅管内に、前記第1アンテナと無線通信する第2アンテナとを配置し、前記第2アンテナを介して、前記温度センサが検出する前記接続部の温度情報を取得して解析する解析部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、高圧電力ケーブルの接続部において、省電力、電池レス、小型、高寿命に優れ、長期にわたり、信頼性を損ねることなく、接続部の温度を正確に測定できる温度測定装置を提供できる。
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
(a)は高圧ケーブル接続部の断面図、(b)は高圧ケーブルの断面図。 図1に示した温度センサと、第1アンテナとの接続例を示す図。 図1に示したホルダー付き温度センサの構造を説明する断面図。 図1に示した高圧ケーブルの切断面を示す断面図。 図1に示した温度センサが測定したスリーブ近傍の表面温度変化特性を示す図。 図1に示した温度センサが高電圧条件下で測定したスリーブ近傍の表面温度変化特性を示す図。 (a)は本実施形態を適用する高圧電力ケーブルの温度監視装置の構成を示す側断面図、(b)は本実施形態を適用する高圧電力ケーブルの温度監視装置の構成を示す平面図。 (a)は本実施形態を示す高圧ケーブル接続部の温度データの送信先におけるデータ管理画面の一例を示す図、(b)は本実施形態を示す高圧ケーブル接続部の温度データの送信先におけるデータ測定結果画面の一例を示す図。 図1に示したホルダー付き温度センサの他の構造を説明する断面図。
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
下記の実施の形態は、高圧ケーブル接続部の温度監視装置、温度測定システムに関し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す高圧ケーブル接続部の温度監視装置の構成を示す断面図である。本例は、単芯ケーブルのジョイント部の接続例を示すが、後述するように送電する電力が3相交流の場合には、後述するように3本の高圧ケーブルを接続部で一纏めとなる。
本実施形態では、地下に埋設される高圧ケーブルの導体同士を接続して送電を行う高圧ケーブル接続部の温度測定装置として、以下の構成を備える。
まず、高圧ケーブル接続部を圧着するスリーブに接触する電池レスの温度センサ9と、電池レスの温度センサ9を含む高圧ケーブル接続部を絶縁する絶縁ユニット(絶縁部6)と、所定の通信アンテナ(通信アンテナ10(後述する第2アンテナAT2に対応する))を介して、絶縁ユニットを円周方向側に温度センサ9に対して所定周波数(例えば400MHz)の電波を送信し、温度センサ9から返信される電波を受信する解析通信機(読取解析通信機11)とを備える。以下、本実施形態を示す高圧電力ケーブルの温度監視装置の構成をさらに詳述する。
図1の(a)において、1a、1bは電力ケーブルの導体で、それぞれの切断面を突き合せた状態でスリーブ3により圧着されて固着される。なお、導体1a、1bの断面積は、630mmとするが、高圧ケーブルとしては、80~3500mmの各種サイズが用意されている。
特に、断面積を630mmとする場合、図7に示す高圧ケーブルをつなぎ合わせる接続部に対して厳しい施工基準が公表されている(例えば西日本電線株式会社提供HP参照)。
導体1a、1bの外側には、図2に示すように半導電層4を挟んで絶縁体2の層があり、その外側に、さらに半導電層を挟んで遮蔽層があり、その外側にシースが配置される構造となるのが一般的である。よって、高圧ケーブルの層構成によっては、別の層が配置される場合もある。
3はスリーブで、上記A+Bの部分に配置されて、導体1a、1b同士を突き当てた状態で圧着することで、導体1a、1b同士を強固に固着する。
半導電層4は、図4に示した第1の半導電層22に配置されている。なお、半導電層4に代えてシールドケースとして構成する場合もある。
5は半導電層で、スリーブ3を包囲して導電性を持たせることで、スリーブ3の表面に接触した電池レスのSAW((Surface Acoustic Wave)弾性表面波)センサ9(以下、単に温度センサ9と記す)からの信号をケーブルの外側に伝播させる。
なお、温度センサ9は、後述するようにホルダーが設けられている。6はゴムブロックで構成される絶縁部で、半導電層5を包囲している。なお、温度センサ9から発振される電波(高圧ケーブルの接続部の表面温度を示す情報)は、半導電層5と絶縁部6を透過し、銅管8内の所定位置に配置される外付け通信アンテナ10(第2アンテナAT2)により受信される。
11は読取解析通信機で、詳細は後述する温度センサ9から送信される電波をプログラムにより解析して得られる温度データ(デジタル信号)を無線通信により、後述する制御室に設ける外部管理装置とデータ送信が可能である。ここで、外部管理装置は、パーソナルコンピュータ、データ端末、スマートフォン等が好適である。
12はCT給電部で、電磁誘導により発生する起電力を読取解析通信機11に供給する。これにより、無線アンテナ11aを備える読取解析通信機11は、あらかじめ直流電源部または電池ユニットを外部に設ける構成としなくてよいため、温度測定部(測温部)の構成をより小型化できる。なお、後述するが無線アンテナ11aは、外部PCとの通信用またはRS485,USBの有線インタフェースとして構成してもよい。
なお、図中の温度センサ9、通信アンテナ10、読取解析通信機11、CT給電部を総称する場合、これを温度測定部(測温部)と呼ぶ。
ここで、読取解析通信機11は、高圧ケーブルが誘起する高磁界を利用して発電する誘導コイルを設けることにより無給電で駆動可能ある。具体的には、読取解析通信機11は、図示しない誘導コイルから発電される起電力を図示しない全波整流回路で整流した所定電位のDC電源により給電を受けることができる。
なお、給電方法は、太陽光電池からの給電や、充電可能な二次電池からの給電を選択的に切り替え可能に構成している。
また、導体1a、1b、絶縁体2、スリーブ3、半導電層4,5、絶縁部6、ストレスコーン7、ハウジングとしての銅管8等を総称する場合、これを電力ケーブルジョイント部と呼ぶ。
なお、ストレスコーン7は、ケーブル遮蔽端の電界を緩和して絶縁体の絶縁破壊を防止するために用いられる。
このように本実施形態に示す温度監視装置において、電力ケーブルの導体1a、1bは、それぞれのケーブルの銅線断面同士を突き当てた状態で、その外周の導体をスリーブ3で圧着接続する。このスリーブ3の表面に接触した状態で温度センサ9を配置している。なお、銅管8の内部には、樹脂が充填する構成を採用し、ケーブルの導体同士を高圧ケーブルに対して、外力による変形や圧力がかかっても接続状態が維持されるように保護している。
なお、本実施形態に示す高圧ケーブル接続部の温度測定装置は、導体1aと導体1bとが接続する接続部が挿通される熱伝導金属環(図3に示す102)の外周側に絶縁環(図3に示す101)が嵌着され、かつ、絶縁環101の内周側に形成される溝部に沿って、接続部の温度を検出する電池レスの温度センサ9(電池レスのSAW)が固着された金属製の台座(図3に示す103)を熱伝導金属環の内部に嵌着し、前記温度センサの通信端子に接続される第1アンテナを前記絶縁環の側壁側に配置したホルダー(図3に示す110)と、ホルダー110を半電導部材で包囲し、該半電導部材を絶縁層で包囲したケーブル接合部本体を収容する銅管8と、銅管8内に、第1アンテナAT1と無線通信する第2アンテナAT2(図1に示した通信アンテナ10)とを配置し、通信アンテナ10を介して、温度センサ9が検出する接続部の温度情報を取得して解析する解析部としての読取解析通信機11とを備えることを特徴としている。
なお、ホルダー110は、接続部の温度を検出する電池レスの温度センサが固着された金属製の台座を複数嵌着可能に構成されている。
また、図1に示した読取解析通信機11は、1つの接続部に対して、複数の電池レスの温度センサが検出する複数の温度情報を取得して解析することが可能に構成されている。
さらに、図1に示した読取解析通信機11は、複数の高圧ケーブルに割り当てた各接続部において、複数の電池レスの温度センサが検出する複数の温度情報を取得して解析することが可能に構成されている。
図2は、図1に示した温度センサ9と、第1アンテナAT1との接続例を示す図である。
図2に示すように、本実施形態において、温度センサ9が基盤上に配置され、基盤のアンテナ端子と、第1アンテナAT1とがケーブルで接続される。
図3は、図1に示したホルダー付き温度センサ9の構造を説明する断面図である。
図3において、101は絶縁環で、外径は接続ケーブルの絶縁体外径より数ミリ(mm)小さい。絶縁環101の材料は、例えば高密度ポリエチレン(PE)や繊維強化プラスチック(FRP)である。
102は熱伝導金属環で、例えば熱伝導性に優れたCu(銅)で構成されている。これにより、ケーブル接続部の温度状態を熱伝導金属環102から伝播する温度を正しく測定することができる。
103はセンサ台で、熱伝導金属環102の外輪形状に接触する形状を備え、センサ台103の平面部上に温度センサ9が載置するように固定される。
なお、図に示す第アンテナAT1は、絶縁環101の側壁環の内部に配置する構成としている。
104はネジ孔で、ボルト105が内芯側にボルト締めされることで、ボルト105の先端が導体1aに当接して係止する。これにより、温度センサ9を含むホルダーが回動しないように静止させておくことができる。また、高圧ケーブルの接続部に外的な振動が加わる自体が生じても、温度センサ9の配置位置が移動してしまう事態を回避することも可能である。
本実施形態では、温度センサ9がホルダー構造を備えるため、温度センサ9自体を保護し、使用寿命を延ばすことができる。
また、第2アンテナAT2(図1では通信アンテナ10に対応する)を保護でき、温度や外力によりアンテナの変形がなくなり、温度信号の安定性と精度を格段に向上できる。
つまり、ホルダー構造を備えていない温度センサ9のアンテナを高圧ケーブルの導体近傍に配置した場合、アンテナ自体が変形してしまうと、温度信号の周波数が変更してしまい、高圧ケーブル接続部の温度を測定できない状態に陥る。
しかしながら、本実施形態に示すように、温度センサ9をホルダー内に配置することで、第1アンテナAT1を保護しつつ、高圧ケーブル接続部の温度を長年にわたって正確に測定することができる。以下に、SAWセンサホルダーの組立例を示す。
まず、接続部の導体1aに、熱伝導金属環102を装着する。次に、センサ台103を熱伝導金属環102に載置する。
次に、第1アンテナAT1が接続された温度センサ9をセンサ台103に載置し、図示しない小ネジを用いて温度センサ9をセンサ台103に固着した後、センサ台103を絶縁環101に嵌着して、該センサ台103の下側と熱伝導金属環102とが係止させて固着する。これにより、センサ台103の円弧面と、熱伝導金属環102の円弧面が隙間なく一体となるため、温度センサ9がより正確な温度測定が可能となる。
次に、事前加工済みの絶縁環101を組み立て完了部に装着し、最後に、ネジ孔104にボルト105を内芯側に挿通してボルト締めすることで、ホルダー本体は位置決めされた状態で強固に固着される。
図4は、図1に示した高圧ケーブルの切断面を示す断面図である。なお、図1において説明したものと同一のものには同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、高圧ケーブルは、導体21、第1の半導電層22、絶縁体23、第2の半導電層24、遮蔽層26、シース25が層配置される構成である。
なお、高圧ケーブルも経年変化(例えば30年)により半導電層下面が劣化することで、ケーブル内の温度が規定温度値よりも高くなる特性を示す場合がある。
なお、本実施形態において、高圧ケーブルの層構造は、高圧ケーブルは、導体21、第1の半導電層22、絶縁体23、第2の半導電層24、遮蔽層26、シース25が層配置されている例を説明するが、これ以外の層構造となる高圧ケーブルであってもよい。
温度センサ9は、上述した高圧ケーブルの経年変化に伴う送電時における導体接続部の温度上昇状態を検知するために最適な材料であって、何ら温度センサ9自体を駆動させるために、該温度センサ9に近接して特別な電源を設ける必要もない。
また、上述した高圧ケーブルの経年変化には、半導電層下面内における水の浸入により、水トリー現象が発生するが詳細の説明は省略する。
図1に示した温度センサ9は、外部の読取解析通信機11の第2アンテナAT2から送られる電波を、第1アンテナAT1を介して受信する。温度センサ9内で生じた表面弾性波が反射体(リフレクタ)から反射して戻るので、この反射波を第1アンテナAT1から再び第2アンテナAT2に対して無線送信する。高圧ケーブルのスリーブ3の温度(密着温度)によって、表面弾性波の伝搬速度が戻るまでの時間が変わる。本実施形態では、この伝搬速度による時間差分の分析から温度を正確に測定することを特徴としている。
一般にRF(無線周波数)回路などで使うSAWデバイスは温度補償回路を載せているが、温度補償回路を備えないSAWデバイスもある。
具体的には、温度センサ9は、圧電性結晶基板の上に金属薄膜で構成された電極・反射パターンが形成された構造で、特定の周波数の電気信号を選択的に取り出すフィルタとして使われる。SAWは固体表面を伝搬する機械的振動の波です。圧電性基板の表面にアルミニウム(AL)薄膜の線状の電極(IDT:Inter-Digital Transducer)を形成することで、電気信号とSAWのエネルギー変換を行う。
また、SAWは基板上の伝搬損失が少なく、その一方で表面状態に極めて敏感なので反射用電極の形成により容易に反射を生じる特性を有する。
さらに、移動体通信機器の小型化のため,SAWフィルタも小型化が求められている。特に,パッケージ内にチップを下向きにして金バンプで接続するフェイスダウンボンディング(FDB)技術を利用することで、ワイヤボンディングのためのパッド部及びワイヤループがなくなるので、小型で薄型のパッケージングが可能になる。
本実施形態では、温度センサ9をケーブルのジョイント部を包含するスリーブ3の表面に接触する態様で、かつ、後述する所定位置に設け、高圧ケーブルの送電中に発生する熱エネルギー(温度変化)に比例する発振周波数の変化を捉えて読取解析通信機11がスリーブ3に近接した温度を解析できる構成を採用している。
具体的には、読取解析通信機11が第2アンテナAT2を介して所定周波数の電磁波として発振する。当該電磁波が圧電材料で構成される温度センサ9に到達して、弾性表面波に変換される。ここで、プログラムされた所定タイミングで、スリーブ3の表面温度に比例して温度センサ9(SAW)の伝播遅延(時間差)が発生し、現在の高圧ケーブルの接続部の表面温度に比例して遅延する電波として第2アンテナAT2側に発信される。
読取解析通信機11は、高圧ケーブルのスリーブ3の温度(密着温度)によって温度センサ9の伝播遅延が変わるので、第2アンテナAT2(図1に示した通信アンテナ10に対応する)を介して第1アンテナAT1から反射波を受信して、高圧ケーブルの導体接続部の温度に換算する演算を行うことで、高圧ケーブルの接続部の導体温度を正確に測定することができる。
本実施形態では、読取解析通信機11は、解析した高圧ケーブルの導体温度データをRS485またはWI-FIに基づくプロトコルを用いて外部の管理端末に送信する。
このように外部の管理端末は、図示しないアプリケーションプログラムを起動して、受信して解析した高圧ケーブルの表面温度データを定期的、不定期に受信して波形解析を行い、管理者に対して高圧ケーブルの状態を段階的に評価し、安全な温度であれば波形特性を緑色で画面表示し、送電を停止させる程の急激な温度上昇特性を示す場合には、その波形の色を赤色で画面表示するとともに、音声アラートを発出する。
これにより、遠方で高圧ケーブルの温度上昇を監視する管理者に有効、かつ、タイムリーに測定している高圧ケーブルの温度データを送信することができる。
〔高圧ケーブル接続部における各種の試験結果〕
通電条件として、高圧ケーブル(110kV(断面積(630mm)を使用して、通電した際に温度センサ9がスリーブ3近傍から検出した表面温度の測定結果を図5に示す。
図5は、図1に示した温度センサ9が測定したスリーブ3近傍の表面温度変化特性を示す図である。なお、縦軸は温度(Temprature/℃)を示し、横軸は時間(Time)を示す。
また、L1は熱電対センサによる温度測定特性を示し、L2は温度センサ9による温度測定特性を示し、温度測定特性L1と、温度測定特性L2とはほぼオーバーラップしており、測定誤差を生じることなく高圧ケーブル接続部の温度を正確に測定できることを考察した。
〔高圧通電テスト〕
課電条件として、高圧ケーブル(128kV(断面積(630mm)を使用して、高圧通電した際に温度センサ9がスリーブ3近傍から検出した表面温度の測定結果を図6に示す。
図6は、図1に示した温度センサ9が課電下で測定したスリーブ3近傍の表面温度変化特性を示す図である。なお、左縦軸は温度(Temprature/℃)を示し、横軸は時間(Time)を示す。また、右縦軸は電流(Current/A)を示す。なお、高圧通電テストでは、敷設される高圧ケーブルの温度回路で直接測定することはできないので、参照用のダミー回路を用いて実験する。
図6において、I1は接続部の温度(Joint temperature)を示し、I2はダミー回路の導体温度(Conductor temperature dummy loop)を示し、I3は本回路のシース温度(Sheeth temperature of main loop)を示し、I4はダミー回路のシース温度(Sheeth temperature of dummy loop)を示し、I5は本回路の電流値(Main loop current)を示し、I6はダミー回路の電流値(Dummy loop current)を示す。
上記高圧通電テストにおいて、時間T(0:00~8:00)の間で、ダミー回路に電流値I6を印加して、導体接続部の温度およびシース温度を測定してみると、導体温度に対応する導体温度値I2に対応する接続部の温度値I1の温度特性およびシースの温度値I3に対応するシースの温度値I4の温度特性はほぼオーバーラップする特性を示した。本図に示すように、電流印加開始から接続部の温度は、ダミー回路の導体温度と同様に上昇し、95~100℃の間に2時間以上保温してから電流を遮断した。その後、緩やかに温度が下降する。
本課電結果により、本発明システムで高圧電力ケーブル接続部の温度特性を正確に測定できることを考察した。
よって、高圧ケーブルの導体接続部における温度検出デバイスとして、SAWデバイスが最適であることが証明できた。
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態において適用した温度センサは、すなわち薄型で体積が小さいSAWデバイスは、以下の優れた特性を備える。
具体的には、温度測定部を導体接続部内に埋め込むことができ、しかも耐高温環境化でも正常に動作させることを数十年単位で保証することができる。
また、SAWデバイスは、高電圧、大電流の高電界・高磁界環境でも使用することができる。
さらに、SAWデバイスは、耐熱温度が150℃を超え、かつ、高ノイズ環境で使用でき、センサ自身に対する電源を無給電とするため、高圧ケーブル接続部に最適な温度検出デバイスである。
これらのことから、本実施形態によれば、高圧地中ケーブルの接続部において、導体接続部の温度を直接監視できるため、測定されて送信される温度データの変動状態から送電負荷を予測して、高圧ケーブルの設置環境に依存した送電事故の発生を未然防止することができる。
また、高圧地中ケーブルの接続部において、導体接続部の温度を直接監視できるため、測定されて送信される温度データの履歴を解析することで高圧ケーブルの状態を的確に診断して適正な安全対策を講じることが可能となる。
さらに、高圧電力ケーブルの接続部において、省電力、電池レス、小型、高寿命に優れ、長期にわたり、信頼性を損ねることなく、接続部の温度を、正確に温度を測定できる。
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、読取解析通信機11に関わる特有の温度データ通信方法について言及していない。
そこで、本実施形態では、本発明に係る高圧ケーブル接続部の温度測定装置における特有の温度データの通信方法を説明する。
読取解析通信機11は、複数のチャンネルを備え、各チャンネルに対応づけられて通信アンテナ10が接続される構成となっている。しかも、1つの通信アンテナ10は、複数の温度センサ9をそれぞれ認識し合いながら、温度データに関わる送受信処理を行う。
また、読取解析通信機11と、複数の温度センサ9とは、独自のアルゴリズムに基づいて、同時に温度データ信号の送受信処理を行う。
具体的には、1台の読取解析通信機11が4チャンネルを備え、1チャンネルに対して3個の温度センサ9を対応づけた場合を想定すると、1台の読取解析通信機11は、4チャンネル×3個で、計12個の温度センサ9と同時に温度データを送受信することが可能となる。
これにより、1つのケーブルジョイントに複数の温度センサ(2~3個)を装着させることで、1つの高圧ケーブル導体同士接続部の温度を異なる地点の温度を同時に監視でき、20年から30年の使用が想定される高圧ケーブル接続部における温度測定に求められる信頼性を向上させることができる。
また、3相交流を送電する3本の高圧ケーブル接続部の各温度についても、1台の読取解析通信機11ですべて測定することができる。
これにより、3本の高圧ケーブル接続部の温度測定装置における読取解析通信機11に対するコストを削減することができる。
また、本実施形態に示す読取解析通信機11は、外部の管理装置、例えばコンピュータと無線通信(WiFi、LTE等を含む)する無線通信インタフェースを備える。
これにより、外部監視する拠点との通信配線が不要となり、公共の通信インフラを利用して、測定した高圧ケーブル接続部の温度データを随時、安価に送信することができる。
一方、本実施形態に示す読取解析通信機11は、外部の管理装置、例えばコンピュータと有線通信(RS485、USB、光ファイバ等を含む)する有線通信インタフェースも備える。
これにより、高圧ケーブル接続部の温度を外部監視する拠点との間を所定のプロトコルで温度データを通信する通信網を構築して、測定した高圧ケーブル接続部の温度データを随時、確実に送信することができる。
なお、高圧ケーブル接続部の温度を外部監視する拠点との距離が比較的短い場合は、通信インタフェースとしてRS485ケーブルやUSBインタフェースケーブルが好適であり、高圧ケーブル接続部の温度を外部監視する拠点との距離が比較的遠い場合は、通信インタフェースとして光ファイバーケーブルが好適である。
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、読取解析通信機11が取得した高圧ケーブル接続部の温度情報を外部のデータ管理装置に対して通信インフラに対応した通信インタフェースを介して送信することができる。
これにより、データ管理装置は、多数の接続拠点を識別して各接続部の温度情報を一元管理し、接続部の温度が正常な温度範囲を逸脱する自体を回避して、迅速な対応を管理者に通知できる。
〔第3実施形態〕
上記第1実施形態では、高圧ケーブルの導体を圧着したスリーブの外周上の1点に温度センサ9を設ける例を説明したが、高圧ケーブルの導体を圧着したスリーブの外周上に複数の温度センサ9を設ける構成としてもよい。
〔第3実施形態の効果〕
1つの通信アンテナ10を介して、間欠的に各温度センサから送信される反射波を検知しその時間差から温度を測定する際、1つの温度センサが何らかの動作不良を起こした場合でも、他方の温度センサがバックアップすることで温度測定の信頼性を格段に向上させることができる。
〔第4実施形態〕
上記第1実施形態では、高圧ケーブルの導体を圧着したスリーブの外周上の1点に温度センサ9を設ける例を説明したが、通常の60Hz、または50Hzの三相交流で送電を行う3本の高圧ケーブルを一体とする高圧ケーブルの導体接続にも本発明を適用することができる。
図7は、本実施形態を適用する本実施形態を示す高圧電力ケーブルの温度監視装置の構成を示す断面図である。
図7の(a)は、3相高圧ケーブルの側面図を示し、(b)は(a)に示した3相高圧ケーブルの平面図に対応する。
図7の(b)において、61-1~61-3は図1に示した温度センサ9と同等の温度センサである。
〔第4実施形態の効果〕
本実施形態によれば、1つの読取解析通信機11が共通する通信アンテナ10を用いて高圧の3相交流を送電する高圧ケーブルの相毎の接続部の温度を正確に測定することができる。
〔第5実施形態〕
上記第1実施形態では、読取解析通信機11が測定した高圧ケーブル接続部の温度データの送信先におけるデータ管理装置におけるデータ管理方法については言及していない。なお、第1実施形態に示した高圧ケーブル接続部の温度測定装置と、データ管理装置とを通信してなる温度測定装システムとして構成可能である。
そこで、読取解析通信機11が測定した高圧ケーブル接続部の温度データの送信先におけるデータ管理装置上の温度データ管理方法について説明する。
図8は、本実施形態を示す高圧ケーブル接続部の温度データの送信先におけるデータ管理画面の一例を示す図である。なお、本画面は、図1に示した読取解析通信機11と通信可能なデータ処理装置にインストールされた管理プログラムが表示装置に表示する温度監視画面に対応する。
図8において、(a)は各チャンネル別の温度表示部で、監視拠点中から選択した1拠点における計12か所の接続部温度を数値表示した例である。
BT1からBT4は選択ボタンで、選択ボタンBT1を管理拠点のデータ処理装置の監視人がポインティングデバイスを操作してクリックすることで、登録された監視ポイントを選択することができるように構成されている。
また、選択ボタンBT2を管理拠点のデータ処理装置の監視人がポインティングデバイスを操作してクリックすることで、接続部温度の表示態様を数値表示からグラフ表示に変更することができる。
さらに、選択ボタンBT3を管理拠点のデータ処理装置の監視人がポインティングデバイスを操作してクリックすることで、後述する外部記憶装置に記憶された温度データと、設定された接続部温度の正常特性データと比較して、所定の温度変動幅のしきい値を超える温度データを検出した詳細を画面表示することができる。
なお、後述する(b)に示すグラフモード表示された温度特性データが上記正常特性データから逸脱する温度を、その監視場所、日時、天候、気温、湿度を紐づけて図示しない外部記憶装置に記憶している。
さらに、(b)において、T1~T3は、接続部温度特性を示し、接続部温度特性T1、T2は正常状態を示し、接続部温度特性T3は、24時間以内で、正常な接続部温度を超えた状態を示している。
データ処理装置にインストールされた管理プログラムは、上記正常な接続部温度を超えた状態を示していると判断した場合、管理者等に対してメールにて緊急対応を示すメッセージを含む必要な諸所の情報を自動送信することができるように構成されている。
〔第5実施形態の効果〕
本実施形態によれば、高圧ケーブル接続部の温度測定装置から送信される各接続ポイントにおける測定温度データを収集して解析することで、高圧ケーブルの異常を早期に発見し、適切な対応を講じることが可能となる。
また、高圧ケーブル接続部の温度測定装置から送信される各接続ポイントにおける測定温度データを収集してデータベース化し、高圧ケーブルが敷設される地域ごとに特有の症状を長期にわたり分析することも可能となる。
なお、各実施形態において、ホルダー110は非分割型の1つのホルダーとして構成した例を示したが、図9に示すように、半円状に2分割した半円状のホルダー部110A、110Bとに分割可能な構造とし、作業者が高圧ケーブルの導体接続工事の際、温度センサの取り付け作業負担を軽減できるように構成してもよい。
特に、導体接続作業後、温度センサを取り付け可能となるため、導体同士を接続する前に、ホルダーの中空に挿通する作業を行わずに済み、作業者の負担を軽減するとともに、導体同士を接続した後でも、センサ取り付け位置を微調整することができる。
なお、図9に示すように、半円状に2分割した半円状のホルダー部110A、110Bをそれぞれ第1のホルダー部と、第2のホルダー部とした場合、高圧ケーブルの導体同士を接続した後、ホルダー部110Aと、ホルダー部110Bとで2つの高圧ケーブルの導体同士の接続部を挟持するように固着可能とする。
その際、第1のホルダー部または第2のホルダー部のいずれか一方に前記温度センサを備える構成としてもいいし、第1のホルダー部および第2のホルダー部に温度センサを備える構成としてもよい。
また、ホルダーの分割数は、2分割に限らず、3分割であってもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
本実施形態に開示した高圧電力ケーブルの接続部における温度測定装置によれば、高圧電力ケーブルの導体同士を突き当てた状態でその外周に嵌着して接続した導体接続スリーブの表面に電池レスのSAWセンサを接触させる構成を採用することで、引用文献2に示されるRFID無線式温度センサに比べて、さらに小型化が図れる。また、設置環境が、耐高温環境化でも正常に温度測定が可能となり、動作保証期間も数十年単位と長期化できる。
また、送信する周波数もRFIDが312MHz程度の周波数帯に対して、本実施形態では426~449MHzもしくは451~474MHzを送受信することができるため、高電圧、大電流の高電界・高磁界環境でも安定して温度測定処理を実現できる。
よって、従来では困難であった高圧電力ケーブルの接続部の温度を直接測定し、外部から容易に温度管理を行い、より精度の高いメンテナンスを行うことができる。
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
(1)高圧ケーブルの導体同士を接続する接続部の温度を測定する高圧ケーブル接続部の温度測定装置であって、前記接続部が挿通される熱伝導金属環の外周側に絶縁環が嵌着され、かつ、前記絶縁環の内周側に形成される溝部に沿って、前記接続部の温度を検出する電池レスの温度センサが固着された金属製の台座を前記熱伝導金属環の内部に嵌着し、前記温度センサの通信端子に接続される第1アンテナを前記絶縁環の側壁側に配置したホルダーと、前記ホルダーを半電導部材で包囲し、該半電導部材を絶縁層で包囲したケーブル接合部本体を収容する銅管と、前記銅管内に、前記第1アンテナと無線通信する第2アンテナとを配置し、前記第2アンテナを介して、前記温度センサが検出する前記接続部の温度情報を取得して解析する解析部と、を備えることを特徴とする。
上記本発明は、少なくとも下記の実施の形態を含むことができる。
(2)前記ホルダーは、前記接続部の温度を検出する電池レスの温度センサが固着された金属製の台座を複数嵌着可能であることを特徴とする。
(3)前記解析部は、1つの接続部に対して、複数の電池レスの温度センサが検出する複数の温度情報を取得して解析することを特徴とする。
(4)前記解析部は、複数のケーブルに割り当てた各接続部において、複数の電池レスの温度センサが検出する複数の温度情報を取得して解析することを特徴とする。
(5)電池レスの温度センサは、弾性表面波(Surface Acoustic Wave)センサで構成したことを特徴とする。
(6)前記ホルダーは、第1のホルダー部と、第2のホルダー部に分割され、前記高圧ケーブルの導体同士を接続した後、前記第1のホルダー部と、前記第2のホルダー部とで前記接続部を挟持するように固着可能とすることを特徴とする。
(7)前記第1のホルダー部または前記第2のホルダー部のいずれか一方に前記温度センサを備えることを特徴とする。
(8)前記第1のホルダー部および前記第2のホルダー部に前記温度センサを備えることを特徴とする。
(9)前記解析部は、外部のデータ管理装置と通信する通信インタフェースを備えることを特徴とする。
(10)高圧ケーブル接続部の温度測定装置と、外部のデータ管理装置とが通信することを特徴とする。
(11)前記外部のデータ管理装置は、前記解析部から特定の温度管理画面を取得することを特徴とする。
6 絶縁部
9 温度センサ
10 通信アンテナ
11 読取解析通信機
110 ホルダー
AT1 第1アンテナ
AT2 第2アンテナ(通信アンテナ10)

Claims (11)

  1. 高圧ケーブルの導体同士を接続する接続部の温度を測定する高圧ケーブル接
    続部の温度測定装置であって、
    前記接続部が挿通される熱伝導金属環の外周側に絶縁環が嵌着され、かつ、前記絶縁環の内周側に形成される溝部に沿って、前記接続部の温度を検出する電池レスの温度センサが固着された金属製の台座を前記熱伝導金属環の内部に嵌着し、前記温度センサの通信端子に接続される第1アンテナを前記絶縁環の側壁環の内部に配置したホルダーと、
    前記ホルダーを半電導部材で包囲し、該半電導部材を絶縁層で包囲したケーブル接合部本体を収容する銅管と、
    前記銅管内に、前記第1アンテナと無線通信する第2アンテナとを配置し、
    前記第2アンテナを介して、前記温度センサが検出する前記接続部の温度情報を取得して解析する解析部と、
    を備えることを特徴とする高圧ケーブル接続部の温度測定装置。
  2. 前記ホルダーは、前記接続部の温度を検出する電池レスの温度センサが固着された金属製の台座を複数嵌着可能であることを特徴とする請求項1に記載の高圧ケーブル接続部の温度測定装置。
  3. 前記解析部は、1つの接続部に対して、複数の電池レスの温度センサが検出する複数の温度情報を取得して解析することを特徴とする請求項1に記載の高圧ケーブル接続部の温度測定装置。
  4. 前記解析部は、複数のケーブルに割り当てた各接続部において、複数の電池レスの温度センサが検出する複数の温度情報を取得して解析することを特徴とする請求項1に記載の高圧ケーブル接続部の温度測定装置。
  5. 電池レスの温度センサは、弾性表面波(Surface Acoustic Wave)センサで構成したことを特徴とする請求項1に記載の高圧ケーブル接続部の温度測定装置。
  6. 前記ホルダーは、第1のホルダー部と、第2のホルダー部に分割され、前記高圧ケーブルの導体同士を接続した後、前記第1のホルダー部と、前記第2のホルダー部とで前記接続部を挟持するように固着可能とすることを特徴とする請求項1に記載の高圧ケーブル接続部の温度測定装置。
  7. 前記第1のホルダー部または前記第2のホルダー部に前記温度センサを備えることを特徴とする請求項6に記載の高圧ケーブル接続部の温度測定装置。
  8. 前記第1のホルダー部および前記第2のホルダー部に前記温度センサを備えることを特徴とする請求項6に記載の高圧ケーブル接続部の温度測定装置。
  9. 前記解析部は、外部のデータ管理装置と通信する通信インタフェースを備えることを特徴とする請求項1に記載の高圧ケーブル接続部の温度測定装置。
  10. 請求項1に記載の高圧ケーブル接続部の温度測定装置と、外部のデータ管理装置とが通信することを特徴とする温度測定システム。
  11. 前記外部のデータ管理装置は、前記解析部から特定の温度管理画面を取得することを特徴とする請求項10に記載の温度測定システム。
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