JP7064243B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
遊技の進行に応じて遊技球の打ち方を変更することが望ましい態様で電動役物が配設されている遊技機において、盤面中央の表示器に、遊技の進行に応じて、遊技者に有利な遊技球の打ち方についての案内表示をする。
特開2004-195017号公報
遊技者に有利な遊技球の打ち方についての案内表示は、遊技者に不測の不利益を与えないように十分な余裕をもってなされる。しかしながら、遊技者が案内表示にしたがって打ち方を変更しても電動役物が未だ開放されていないことで遊技球を無駄に消費してしまうことがあった。
1つの側面では、一層有利な遊技球の打ち方を遊技者に案内できる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下に示すような、遊技機が提供される。遊技機は、遊技球の打ち方変更を表示手段による案内表示によって案内する第1案内手段と、打ち方変更を振動手段による案内振動によって案内する第2案内手段と、を備える。第1案内手段は、変動入賞手段が遊技者にとって不利な状態から有利な状態となる第1のタイミングより早い第2のタイミングから第1のタイミングより遅い第3のタイミングまでの期間、案内表示をおこなう。第2案内手段は、第1のタイミングより早い第のタイミングから第1のタイミングより早い第のタイミングまでの期間、案内振動をおこなう。
1態様によれば、遊技機において、一層有利な遊技球の打ち方を遊技者に案内できる。
第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。 第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。 第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。 第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。 第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。 第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。 第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。 第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。 第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。 第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。 第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。 第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その1)である。 第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その2)である。 第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その3)である。 第1の実施形態の遊技演出の流れを示すタイミングチャート(その1)である。 第1の実施形態の遊技演出の流れを示すタイミングチャート(その2)である。 第1の実施形態の先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数と演出内容との関係を示す図である。 第1の実施形態の遊技演出の流れを示すタイミングチャート(その3)である。 第1の実施形態の変動パターン設定処理のフローチャートを示す図である。 第1の実施形態の変動コマンドに応じた変動パターンの一例を示す図(その1)である。 第1の実施形態の変動コマンドに応じた変動パターンの一例を示す図(その2)である。 第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その4)である。 第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その5)である。 第1の実施形態の遊技演出の流れを示すタイミングチャート(その4)である。 第2の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その1)である。 第2の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その2)である。 第2の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その3)である。 第2の実施形態の打方向変更の案内タイミングの一例を示す図である。 第2の実施形態の変形例1の打方向変更の案内タイミングの一例を示す図である。 第2の実施形態の変形例2の打方向変更の案内タイミングの一例を示す図である。 第2の実施形態の変形例3の打方向変更の案内タイミングの一例を示す図である。 第2の実施形態の変形例4の打方向変更の案内タイミングの一例を示す図である。 第2の実施形態の変形例5の打方向変更の案内態様の一例を示す図である。 第3の実施形態の保留予告演出における保留表示発展系列の表示態様の一例を示す図である。 第3の実施形態の保留予告演出における保留表示発展系列の発展順序の一例を示す図である。 第3の実施形態の保留待機表示と保留消化表示における保留表示発展確率の一例を示す図である。 第3の実施形態の保留予告演出における保留表示発展系列の選択確率と保留表示態様の発展率の一例を示す図である。 第3の実施形態の変形例1の保留予告演出における保留表示態様の発展率の一例を示す図である。 第3の実施形態の変形例2の保留予告演出の発展系列1における設定ごとの保留表示態様の発展率の一例を示す図である。 第3の実施形態の変形例2の保留予告演出の発展系列2における設定ごとの保留表示態様の発展率の一例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
まず、第1の実施形態を図面にもとづいて説明する。図1は、第1の実施形態の遊技機の一例を示す斜視図である。
第1の実施形態の遊技機10は、前面枠12を備え、該前面枠12は、外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は、前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明部材保持枠)15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の左右には、内部にランプやLED(Light Emitting Diode)等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(たとえば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(たとえば、赤色)で点灯(点滅)させる)のために発光する枠装飾装置18や、音響(たとえば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ19a,19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしてもよい。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23および打球発射装置の操作部24等が設けられている。
さらに、上皿21の上縁部には、遊技演出への介入操作等に用いられる演出ボタン25が設けられている。なお、演出ボタン25は、遊技演出への介入操作を受け付ける演出操作受付部として機能するとともに、所要の態様(たとえば、発光態様や振動や突出等の動作態様等)で演出可能な演出部としても機能する。また、上皿21の左縁部には、遊技者が各種オプションの設定をおこなうオプション設定部29が設けられている。オプション設定部29は、4方向の入力操作を受け付け可能な十字カーソルスイッチと、十字カーソルスイッチの中央部に決定操作等を受け付け可能な中央スイッチと、十字カーソルスイッチの周縁部にあって音量操作等に用いられる2つの付属スイッチとが設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
なお、遊技機10は、演出ボタン25(プッシュボタン)の操作(たとえば押下操作)を検出する演出ボタンスイッチ25a(図4参照)から受け付けた遊技者の操作にもとづいて、遊技者の操作を介入させた演出をおこなうことができる。たとえば、遊技者の操作を介入させた演出は、表示装置(変動表示装置)41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)における演出があり、遊技機10は、表示装置41に表示するキャラクタを動作させたり、表示装置41に表示される飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報を停止させたりすることができる。なお、このような遊技者の操作介入には、演出ボタン25のみならずオプション設定部29のスイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数が使用される構成でもよい。後述する図4では、オプション設定部29の各スイッチをまとめて設定スイッチ29aと表している。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。この第1の実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(図2参照)に向かって発射する。また、遊技者がオプション設定部29の前述した設定スイッチ29a(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)のうちの何れか一つまたは複数を操作することによって、たとえば、スピーカ19a,19bから放射される音量を設定したり、遊技盤30の明るさを設定したりすることができる。
次に、遊技盤30について図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態の遊技盤の一例を示す正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33およびガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置(変動表示装置)41を備えたセンターケース(遊技演出構成体)40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出し、周囲の遊技領域32から遊技球が飛び込みにくくなるように形成されている。
表示装置41は、たとえば、LCD(液晶表示器)、CRT(Cathode Ray Tube:ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームがおこなわれる。また、表示画面には、遊技の進行にもとづく演出のための画像(たとえば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
また、センターケース40の上部には、動作することによって遊技の演出をおこなう盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44は、図2に示す状態から表示装置41の中央へ向けて動作可能となっている。
遊技領域32におけるセンターケース40の側方右側には、普図変動表示ゲームの開始条件を与える普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34に入賞した遊技球(普図始動ゲート34を通過する遊技球)は、ゲートスイッチ34a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方左側には、二つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の下方右側であって後述する特別変動入賞装置38の右部には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ35a(図3参照)により検出される。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の下方には、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口(始動入賞領域)をなす始動入賞口36(始動口1)が設けられている。始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図3参照)により検出される。
また、始動入賞口36の下方には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
また、普図始動ゲート34よりも下方位置であって、センターケース40の右部には、第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第2始動入賞口、始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37(始動口2)は、上端側が右方に倒れる方向に回動することで開放して遊技球が流入し易い状態に変換可能な可動部材37bを備えており、この可動部材37bは、常時はほぼ鉛直となって遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって上端側が右方に倒れるように回動して普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図3参照)により検出される。なお、普通変動入賞装置37が閉状態でも入賞できるようにし、閉状態では開状態よりは入賞しにくいものとしても良い。普通変動入賞装置37は普通電動役物(普電)に相当する。
普通変動入賞装置37の右方には、遊技球が流下可能な流下路91が形成され、普通変動入賞装置37に入賞しなかった遊技球は流下路91を通って下方へ流下する。この流下路91の下方には誘導部93が設けられている。誘導部93は上面94が左方へ下る傾斜面とされており、下方へ流下する遊技球を上面94で受け止め、後述する特別変動入賞装置38が存在する左方へ誘導するようになっている。
また、遊技領域32におけるセンターケース40の右下には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。特別変動入賞装置38は、開閉部材(開閉扉)38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって開閉部材38cが大入賞口を閉じた閉状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開閉部材38cが退避して遊技領域32を流下する遊技球を受け入れ可能な開状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。すなわち特別変動入賞装置38は、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉部材38cによって開閉される大入賞口(大入賞口)を備え、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの結果による大当り遊技状態(第1特別遊技状態)中や、特図2変動表示ゲームの結果による小当り遊技状態(第2特別遊技状態)中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図3参照)が配設されている。
また、特別変動入賞装置38は、入賞口内に入賞した遊技球を誘導する誘導流路と、誘導流路から分岐して形成されたV流路を備える。特別変動入賞装置38は、V流路の流入部分となる位置にV扉が設けられる。V扉は、特定領域ソレノイド38d(図3参照)によって前後方向にスライド移動してV流路への遊技球の流入を阻止する阻止状態と、後方へ退避してV流路への遊技球の流入を許容する許容状態とに変化させられるようになっている。また、特別変動入賞装置38は、V流路に流入した遊技球を検出する特定領域スイッチ38e(図3参照)が設けられている。
なお、第1の実施形態の遊技機10では、特別遊技状態の終了後の確率状態が大当り図柄で決定されるのではなく、特別遊技状態においてV流路に遊技球が流入して特定領域スイッチ38eで検出されることにもとづき高確率状態となるようにされている。
また、特別変動入賞装置38は、大入賞口スイッチ38aが複数個(たとえば2個)配設されてもよい。また、特別変動入賞装置38は、1個に限らず、2個設けられるものであってもよく、大入賞口スイッチ38aは、大入賞口が複数個あるときには、それぞれに1個又は2個程度、全体としてx個(図3参照)設けられるものであってもよい。
また、センターケース40の左側側部には、ワープ口(ワープ入口)39aが設けられている。ワープ口39aからワープ流路に流入した遊技球は、センターケース40内のステージ上を転動し、その一部がワープ出口39bに案内される。ワープ出口39bは、始動入賞口36の直上に位置し、ワープ出口39bに案内された遊技球は、始動入賞口36に入賞しやすくなる。
第1の実施形態の遊技機10においては、遊技球が流下する遊技領域32のうち、センターケース40の左方の領域が左側遊技領域とされ、センターケース40の右方の領域が右側遊技領域とされている。そして、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで始動入賞口36や一般入賞口35(特別変動入賞装置38の右部にある一般入賞口35を除く)への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38などへの入賞を狙うことができるようになっている。
また、遊技領域32の外側(ここでは遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームの表示や、各種情報を表示する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、LED等で構成されたラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と状態表示部57とを備える(図5参照)。一括表示装置50の詳細は、後述する。
次に、遊技機の制御システムについて図3を用いて説明する。図3は、第1の実施形態の遊技機の制御システムの一例を示すブロック図である。
遊技機10は、遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU(Central Processing Unit)部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバ等を有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140等からなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC(Integrated Circuit))と呼ばれる遊技用マイコン111と、水晶振動子のような発振子を備え、遊技用マイコン111の動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113等を有する。遊技制御装置100および該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータ等の電子部品は、電源装置400で生成されたDC(Direct Current)32V、DC12V、DC5V等所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC(Alternating Current)-DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC-DCコンバータ等を有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAM(Random Access Memory)に対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部430等を備える。
第1の実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420および制御信号生成部430は、別個の基板上または遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30および遊技制御装置100は、機種変更の際に交換の対象となるので、第1の実施形態のように、電源装置400または主基板とは別の基板にバックアップ電源部420および制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中または電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、たとえば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれがたとえば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これにもとづき遊技用マイコン111内のRAM111Cおよび払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理がおこなわれる。特に限定されるわけではないが、初期化スイッチ信号は、電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
また、遊技制御装置100には設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127が設けられている。設定値変更スイッチ126は、たとえばプッシュスイッチであって、押下操作を検出する。設定キースイッチ127は、設定キーを挿入してON状態とOFF状態とを切り替え可能にする。遊技制御装置100は、遊技性能に関する設定を変更可能であって、停電中または電源遮断後もRAMに記憶された設定が保持されるようになっている。たとえば、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームおよび特図2変動表示ゲームの当り確率を6段階の設定に応じて変更可能にしている。
遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がON状態での電源投入で、遊技機10の設定変更をおこなうことができる設定変更モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定変更モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示しながら設定値変更スイッチ126の押下操作検出により設定1から設定6までをサイクリックに変更可能にする。確率設定値表示装置136は、設定値を表示可能な表示装置であり、たとえば1桁の7セグメントLEDであって基板上に実装される。
また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127がON状態かつRAM初期化スイッチ112がOFF状態での電源投入で、遊技機10の設定確認をおこなうことができる設定確認モードに制御状態を遷移する。たとえば、遊技制御装置100は、設定確認モードにおいて設定内容を確率設定値表示装置136に表示する。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(Read Only Memory)111Bおよび随時読出し書込み可能なRAM111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域あるいは各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111BまたはRAM111Cとして、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)のような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、たとえば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無等を規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1、変動パターン乱数2、および変動パターン乱数3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここで、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果があらかじめ定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、たとえば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示をおこなう状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、たとえば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(たとえば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、「リーチなし」<「ノーマルリーチ」<「スペシャル1リーチ」<「スペシャル2リーチ」<「スペシャル3リーチ」<「プレミアリーチ」の順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成し出力して遊技機10全体の制御をおこなう。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)にもとづいてCPU111Aに対する所定周期(たとえば、4m秒(ms))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(当り(大当りまたは小当り)またははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態または高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(時短動作状態)、始動記憶数等にもとづいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、遊技機10に設けられた払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御をおこなう。また、払出制御装置200は、遊技機10に付設される球貸機のカードユニットからの貸球要求信号にもとづいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御をおこなう。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置38の大入賞口スイッチ38a、特別変動入賞装置38の特定領域スイッチ38eに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V-5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。この近接I/F121には、遊技機10に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62の検出信号も入力される。また近接I/F121は、入力の範囲が7V-11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
なお、入賞口スイッチ35aについて説明すると、図3では入賞口スイッチ35aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(n個)の入賞口スイッチ35a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられており、それぞれの信号が異なる信号線で近接I/F121に入力されている。また、図3では大入賞口スイッチ38aが1個のブロックで示されているが、実際には複数(x個)の大入賞口スイッチ38a(本実施形態では3個)が遊技盤30に設けられている。そして、これら複数の大入賞口スイッチ38aが、それぞれ異なる信号線で接続されるか、あるいは、たとえばスイッチと遊技制御装置100(主基板)の間に存在する図示省略した中継基板上でワイヤードオア(wired OR)という方式で遊技制御装置100に接続されている。盤電波センサ62や後述する磁気センサ61も、異なる複数の信号線で接続されてもよいし、同様にワイヤードオアという方式で遊技制御装置100に接続されていてもよい。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123または第3入力ポート124へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、および特定領域スイッチ38eの検出信号は、第2入力ポート123へ入力される。なお、特図1の始動口スイッチである始動口1スイッチ36a,始動口2スイッチ37aの信号の出力(近接I/F121からの出力)については、図3では1本の信号線で示しているが、実際には2本ある。
また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号およびセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は、第3入力ポート124に入力される。また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号、設定値変更スイッチ126の検出信号、設定キースイッチ127の検出信号、払出制御装置200からのタッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力にもとづく信号)が入力されるようになっている。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要なたとえば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによって図示省略したチップイネーブル信号CE(Chip Enable)をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。第3入力ポート124や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、RAM初期化スイッチ112の検出信号、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することにもとづき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、アウト球検出スイッチ信号(アウト球を検出したときに出力される信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
なお、アウト球検出スイッチ信号は、アウトセンサ(図示せず)が遊技機10のアウト球を1個検出するごとにアウトセンサから出力される信号である。たとえば、アウト球検出スイッチ信号は、遊技機10から遊技球(アウト球)を排出する排出口(図示せず)とアウト口30aとの間に排出流路(図示せず)に設けられる。アウト球検出スイッチ信号は、所定の稼働(たとえば、アウト球が60,000個)当たりの遊技性能(たとえば、ベース)の算出に用いられ、算出した遊技性能は性能表示装置135に表示される。なお、アウト球検出スイッチ信号は、演出制御装置300に入力されるものであってもよい。その場合、アウト球検出スイッチ信号は、遊技演出や客待ち画面表示への切替トリガとなる稼働状態の判定等に用いられるものであってもよい。たとえば、性能表示装置135は、4桁の7セグメントLEDであって、10進数または16進数により遊技性能を表示することができる。
また、遊技機10は、振動を検出する振動センサスイッチを設け、この振動センサスイッチの検出信号が第1入力ポート122あるいは第3入力ポート124に入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御装置100には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号等の信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦、第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは、出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETは、中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成されるようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは、入力部120の第1乃至第3入力ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータは、システムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路および遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、遊技制御装置100から演出制御装置300および払出制御装置200へのシリアル通信は、演出制御装置300側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号等を中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は、遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチ等加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号または情報に加工されて、たとえば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタ等が設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CE(図示省略)も供給され、このチップイネーブル信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され、特別変動入賞装置38(大入賞口)の開閉部材38cを開閉させる大入賞口ソレノイド38bの開閉データ、特別変動入賞装置38のV扉を開閉させる特定領域ソレノイド38dの開閉データ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを開閉させる普電ソレノイド37cの開閉データ、および性能表示装置135の表示データを出力するための第1出力ポート134aが設けられている。
また、出力部130には、確率設定値表示装置136の表示データを出力するための第2出力ポート134bが設けられている。また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート134c、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート134dが設けられている。
また、出力部130には、大当り情報等遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート134eが設けられている。外部情報端子板71には、フォトリレーが備えられ、たとえば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)等)に接続可能であり、遊技機10に関する情報をフォトリレーを介して外部装置に供給することができるようになっている。なお、外部装置に供給する情報の一部は、第4出力ポート134dから出力される。また、第5出力ポート134eからは、シュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第1出力ポート134aから出力される大入賞口ソレノイド38b、特定領域ソレノイド38d、普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート134cから出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート134dから出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート134eや第4出力ポート134dから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第1出力ポート134aから出力される性能表示装置135の表示データ信号を受けて性能表示装置135の駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第1出力ポート134a、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。また、性能表示装置135、あるいは第5ドライバ138eと性能表示装置135は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、外部基板(図示せず)側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置490へ各遊技機の識別コードやプログラム等の情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置490との間でシリアル通信によってデータの送受信をおこなえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用しておこなわれるため、第1乃至第3入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について図4を用いて説明する。図4は、第1の実施形態の演出制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理をおこなうグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音等をスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるPROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM(Ferroelectric RAM)323、現在の日時(年月日や曜日、時刻等)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAM311aが設けられている。また、主制御用マイコン311には、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンド(演出コマンド)を解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312には、キャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信がおこなわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0~nおよび主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAIT等も入力される。
演出制御装置300には、LVDS(Low Voltage Differential Signaling:小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には、音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは、割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19aおよび前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19aおよび下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)などを有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(たとえば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(たとえば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータおよびソレノイド等を駆動制御するこれらの制御回路332~334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(たとえば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、演出ボタン25の演出ボタンスイッチ25aやオプション設定部29の設定スイッチ29aと、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。なお図4では、オプション設定部29の各スイッチを便宜上まとめて設定スイッチ29aと表しているが、詳細には、前述した各スイッチ(十字カーソルスイッチ、中央スイッチ、付属スイッチ)の状態がスイッチ入力回路336によりそれぞれ個別に検出されるように接続されており、各スイッチの各状態を示す検出信号がそれぞれ主制御用マイコン311へ入力される。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vまたは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5VにもとづいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC-DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC-DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314およびアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータ等を駆動制御する制御回路332~334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。また、演出制御装置300を構成する回路基板は、サブ制御基板(サブ基板ともいう)に相当する。
次に、これらの制御回路においておこなわれる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。そして、一括表示装置50の普図図柄表示部55に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図図柄表示部55に第1当り停止図柄~第3当り停止図柄の各々に対応した特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(たとえば、0.5秒間または1.7秒間)上述のように開放する制御をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御をおこなう変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図図柄表示部55にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶にもとづき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力にもとづき始動記憶を記憶し、この始動記憶にもとづき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理をおこなう。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド、演出コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に、識別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への入賞にもとづき変動表示ゲームの進行制御をおこなう遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理をおこなう。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号にもとづき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等をおこなう。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りや小当りの場合は、特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54に特別結果態様や小当り結果態様を表示するとともに、特別遊技状態や小当り遊技状態を発生させる処理(すなわち、特別遊技や小当り遊技を実行する処理)をおこなう。第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなったことによる特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。この特別遊技状態でCPU111Aは、たとえば大入賞口に所定個数(たとえば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)をおこなう。また、第1特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)あるいは第2特図変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)の結果が小当りとなったことによる小当り遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、たとえば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉部材38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御をおこなう。
なお、これら小当り遊技状態でおこなわれる大入賞口の開閉動作パターン(開閉動作態様)は、たとえば200m秒だけ開閉部材を開状態に維持する動作を1500m秒間隔で4回おこなうといったものである。このように、遊技制御装置100は、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御をおこなう大入賞口開閉制御手段をなす。またCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の特図1図柄表示部53や特図2図柄表示部54にはずれの結果態様を表示する制御をおこなう。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様にもとづき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態、普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常確率(普図低確率状態)である0よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。これにより、普通変動入賞装置37が普図低確率状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が多くなるように制御するようになっている。ここで、本実施形態における普通変動入賞装置37は、通常遊技状態においては可動部材37bを開放しないように普図確率が「0」に設定されている。
また、時短状態において、普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)は、たとえば、500m秒となり、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間は、たとえば、600m秒となり、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、第1当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、500m秒×1回)、第2当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×2回)、第3当り停止図柄の開放時間(普電開放時間)と開放回数(たとえば、1700m秒×3回)となるように設定することが可能である。
なお、普図変動表示ゲームおよび普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御をおこなうよう適宜普図変動表示ゲームの実行時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間を設定してもよく、たとえば、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(たとえば、10000m秒が1000m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(たとえば、1604m秒が704m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(たとえば、100m秒が1352m秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(たとえば、2回)よりも多い回数(たとえば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態、たとえば、1/251)よりも高い高確率(普図高確率状態、たとえば、250/251)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つまたは複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。また時短状態は、普電サポート状態(普電サポート中、或いは電サポ中)と称することもできる。
次に、一括表示装置の構成について図5を用いて説明する。図5は、第1の実施形態の一括表示装置の一例を示す図である。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18までの16個のLEDを備える。一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18の点灯態様により各種状態表示をおこなう。
一括表示装置50は、7セグメントLED_d1と7セグメントLED_d2、およびLED_d3からLED_d18に各種状態表示機能を振り分けることで、ラウンド表示部51と、特図1保留表示部52と、特図1図柄表示部53と、特図2図柄表示部54と、普図図柄表示部55と、普図保留表示部56と、状態表示部57と、特図2保留表示部58とを備える。ラウンド表示部51は、LED_d3からLED_d6の4個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおけるラウンド数を表示する。特図1保留表示部52は、LED_d11とLED_d12の2個のLEDの点灯態様により、特図1ゲームにおける保留数を表示する。特図1図柄表示部53は、7セグメントLED_d1の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図1ゲームにおける図柄を表示する。特図2図柄表示部54は、7セグメントLED_d2の8個のLED(7個のセグメントLEDと1個のドットLED)の点灯態様により、特図2ゲームにおける図柄を表示する。普図図柄表示部55は、LED_d8、LED_d10、およびLED_d18の3個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける図柄を表示する。普図保留表示部56は、LED_d15とLED_d16の2個のLEDの点灯態様により、普図ゲームにおける保留数を表示する。状態表示部57は、LED_d7、LED_d9、およびLED_d17の3個のLEDの点灯態様により、特図ゲームにおける遊技状態を表示する。特図2保留表示部58は、LED_d13とLED_d14の2個のLEDの点灯態様により、特図2ゲームにおける保留数を表示する。
以下、このような遊技をおこなう遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイコン111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主にメイン処理と、所定時間周期(たとえば4m秒)でおこなわれるタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、第1の実施形態の遊技制御装置のメイン処理について図6から図10を用いて説明する。図6は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その1)である。図7は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その2)である。図8は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その3)である。図9は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その4)である。図10は、第1の実施形態のメイン処理のフローチャートを示す図(その5)である。
メイン処理は、電源が投入されることで制御部(遊技用マイコン111)によって開始される。このメイン処理においては、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)をおこなってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS2)をおこなう。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップS3)、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS4)。RAM111Cのアドレスの範囲は、0000h~01FFhで、上位としては00hか01hをとる。ステップS4ではRAM111Cのアドレスの範囲のうち先頭側にある00hをセットする。
次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップS5)。発射許可信号は、遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を第1レジスタ(たとえばBレジスタ)に読み込み(ステップS6)、続けて入力ポート3(第3入力ポート124)の状態を第2レジスタ(たとえばCレジスタ)に読み込む(ステップS7)。
ここで、第1レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS8)。たとえば、RAM初期化スイッチ112からの検出信号に対応するBレジスタの第2ビットだけを保持し、第0ビットと第1ビットと、第3ビットから第7ビットをクリアする。そして、第2レジスタの所定ビットをマスクし、その他のビットをクリアする(ステップS9)。たとえば、設定キースイッチ127からの検出信号に対応するCレジスタの第4ビットだけを保持し、第0ビットから第3ビットと第5ビットから第7ビットをクリアする。
第1レジスタの情報を第2レジスタに統合し、第2レジスタが保持する情報をRAM111Cに頼らない参照用の情報として保持する(ステップS10)。たとえば、BレジスタとCレジスタの論理和をCレジスタに格納し、Cレジスタを状態参照用レジスタとして保持する。
たとえば、状態参照用レジスタ(Cレジスタ)の値「00000000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定変更状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オンに対応する「0」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010000B」は、RAM初期化スイッチ112がオン(ON)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)であるRAM初期化状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オンに対応する「0」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00000100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオン(ON)である設定確認状態を示す。
また、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、第0ビットと第1ビット、第3ビットと第5ビットから第7ビットがクリアされて「0」であり、第2ビットがRAM初期化スイッチ112からの検出信号オフに対応する「1」であり、第4ビットが設定キースイッチ127からの検出信号オフに対応する「1」であることを示す。すなわち、状態参照用レジスタの値「00010100B」は、RAM初期化スイッチ112がオフ(OFF)、かつ設定キースイッチ127がオフ(OFF)である復電(停電復旧)状態を示す。
これにより、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号とがCレジスタに保持される。なお、RAM初期化スイッチ112からの検出信号のBレジスタにおける格納位置(第2ビット)と設定キースイッチ127からの検出信号のCレジスタにおける格納位置(第4ビット)とが異なるためBレジスタとCレジスタの論理和によっても、RAM初期化スイッチ112からの検出信号と設定キースイッチ127からの検出信号は、失われずに保存される。
その後、電源投入ディレイタイマを設定する処理をおこなう(ステップS11)。この処理では、所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(たとえば、払出制御装置200や演出制御装置300等の従制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(たとえば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御手段が立ち上がる前にコマンドを従制御手段へ送ってしまい、従制御手段がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAM領域が保持するデータの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域またはレジスタ等)を用いておこなわれる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第2レジスタ(Cレジスタ)には、RAM初期化スイッチ112の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、RAM初期化スイッチ112の操作を確実に保存できる。すなわち、待機時間の経過後にRAM初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってからRAM初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過までRAM初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
また、第2レジスタ(Cレジスタ)には、設定キースイッチ127の検出信号が保存されるようになっているが、待機時間の開始前までに保存されることで、設定キースイッチ127の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に設定キースイッチ127の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから設定キースイッチ127を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで設定キースイッチ127を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作をおこなわなくても電源投入後すぐに操作をおこなうことで検出されるようになり、電源投入時におこなった設定変更操作あるいは設定確認操作が受け付けられないような事態を防止できる。
次に、電源投入ディレイタイマ(たとえば、約3秒)を設定する処理(ステップS11)をおこなった後、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理(ステップS12からS16)をおこなう。まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数(たとえば2回)を設定し(ステップS12)、停電監視信号がオンであるか否かの判定をおこなう(ステップS13)。
停電監視信号がオンである場合(ステップS13;Y)は、ステップS12で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(ステップS14)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合(ステップS14;N)は、停電監視信号がオンであるか否かの判定(ステップS13)に戻される。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(ステップS14;Y)、すなわち、停電が発生していると判定した場合は、遊技機10の電源が遮断されるのを待つ。このように、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズ等により停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAM111Cへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等はおこなう必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAM111Cのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電監視信号がオンでない場合(ステップS13;N)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを「-1」更新し(ステップS15)、タイマの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS16)。タイマの値が0でない場合(ステップS16;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合は、停電監視信号のチェック回数を設定する処理(ステップS12)に戻される。また、タイマの値が「0」である場合(ステップS16;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合、RAM111CやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(Read Write Memory)のアクセス許可をし(ステップS17)、全出力ポートにオフデータを出力(出力がない状態に設定)する(ステップS18)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111にあらかじめ搭載されているポートで、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(ステップS19)。
ステップS20では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC回路を起動する処理をおこなう。
ステップS21では、RAM異常フラグをセットする処理をおこなう。なお、RAM異常フラグのセットは、暫定的なものであって後で実行されるRAMの異常を検査する処理において更新され得る。
ステップS22では、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(たとえば5Ah)であるか否かを判定する。停電検査領域1の値が正常であれば(ステップS22;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(たとえばA5h)であるか否かを判定し(ステップS23)、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS23;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS24)をおこなう。
なお、チェックサム算出処理では、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータを合算したものをチェックサムとして算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータと状態表示用ワーク領域のデータからそれぞれ別々にチェックサムを算出してもよいし、遊技制御用ワーク領域のデータだけからチェックサムを算出してもよい。遊技制御用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち遊技制御用に使用される作業領域である。状態表示用ワーク領域とは、RWM内の記憶領域のうち状態表示用に使用される作業領域である。
次に、ステップS24で算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定(ステップS25)し、チェックサムが一致する(正常である)と判定された場合(ステップS25;Y)は、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグをクリアする(ステップS26)。
なお、チェックサムが一致しない(正常でない)と判定された場合(ステップS25;N)は、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。停電検査領域のチェックデータが正常なデータでない(ステップS22;NまたはステップS23;N)と判定された場合も、ステップS26をパスしてステップS27へ移行することで、ステップS21で暫定的にセットしたRAM異常フラグが確定的になる。
ステップS27では、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合には、ステップS33に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合には、ステップS28に進む。
なお、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを同時に判定することができる。また、遊技制御装置100は、設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを第2レジスタ(Cレジスタ)に保持しているため、RAMの正当性判定をおこなう以前の設定キースイッチ127の検出信号とRAM初期化スイッチ112の検出信号とを判定対象にすることができる。
ステップS28では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合(すなわち、RAM異常フラグがセットされている場合)にステップS30に進み、RAM異常フラグがオンでない場合(すなわち、RAM異常フラグがクリアされている場合)にステップS29に進む。
ステップS29では、制御部は、設定変更モード中フラグがオンか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中フラグがオンである場合にステップS48に進み、設定変更モード中フラグがオンでない場合にステップS30に進む。
ステップS30からステップS32は、RAM異常時、あるいは設定中に電源遮断があったときにRAMクリアされずに再起動された時に実行される処理である。ステップS30では、制御部は、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、RAMクリアを伴う再起動を案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、メイン異常エラー報知のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44によりメイン異常エラーを報知する。
ステップS31では、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを性能表示装置135に出力する。このとき、制御部は、性能表示装置135にメイン異常エラーに対応するステータスを表示することができる。また、制御部は、遊技停止時の7セグ表示データを確率設定値表示装置136に出力する。このとき、制御部は、確率設定値表示装置136に確率設定値にない数値や文字を表示することができる。なお、制御部は、遊技停止時のLED表示データを含む7セグ表示データを一括表示装置50に出力するようにしてもよい。このとき、制御部は、一括表示装置50を全消灯あるいは全点灯としてもよい。
ステップS32では、制御部は、セキュリティ信号のオンデータを外部情報端子板71から出力する。このとき、制御部は、外部情報端子板71から出力するその他の信号の出力データをオフにする。制御部は、ステップS31とステップS32とを繰り返し実行して電源遮断を待つ。すなわち、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号を出力する。また、遊技機10は、電源遮断を待つまでの間、外部情報端子板71からセキュリティ信号以外の信号を出力しない。
なお、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止していない。これにより、遊技機10は、NMI(Non-Maskable Interrupt)発生時に戻りアドレスをRAMに格納可能にして、プログラム暴走の危険を低減している。このように、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行中のRAMの記憶内容をRAMアクセス禁止により保護しないが、再起動時のRAMクリアが遊技制御開始の条件となるため、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にしている。すなわち、遊技機10は、RAMの記憶内容が保護されない危険を限定的にして引き受けながら、プログラム暴走の危険低減効果を得る。また、制御部は、電源遮断を待つまでのステップS31とステップS32の繰り返し実行において、RAMアクセスを禁止しないことにより、ステップS31やステップS32においてサブルーチンを呼出可能にしてプログラム効率の向上を図ることができる。
ステップS33からステップS36は、設定変更準備に関する処理であり、ステップS27において、設定キースイッチ127の検出信号がオンかつRAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合に実行される処理である。
ステップS33では、制御部は、RAM異常フラグがオンか否かを判定する。制御部は、RAM異常フラグがオンである場合にステップS34に進み、RAM異常フラグがオンでない場合にステップS35に進む。
ステップS34では、制御部は、RAM異常フラグがオンであることから設定値をクリアする。なお、設定値のクリアは、設定値として無効な値をセットすることによってもよいし、不正対策の観点から遊技者にとって最も不利な値をセットすることによってもよい。
ステップS35では、制御部は、設定変更モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定変更モード中フラグは、遊技機10が設定変更中か否かを示すフラグであって、設定変更中であるときに設定変更モード中フラグがセットされ、設定変更中でないときに設定変更モード中フラグがクリア(リセット)される。
ステップS36では、制御部は、設定変更中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドを受信して、設定変更中であることを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
ステップS37は、設定変更準備(ステップS33からステップS36)の後、または設定確認準備(ステップS49、ステップS50)の後に実行される処理である。ステップS37では、制御部は、セキュリティ信号制御タイマに128msを設定する。これにより、遊技機10は、少なくともセキュリティ信号制御タイマがタイムアップされるまでの間、セキュリティ信号を出力する。
ステップS38からステップS40は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理である。遊技機10は、ステップS37でセキュリティ信号を出力セットしていることにより設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理の実行を外部から把握可能にしている。
制御部は、割込みを許可(ステップS38)した後、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオフであるか否かを判定する(ステップS39)。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオフである場合にステップS55に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオフでない場合にステップS40に進む。
ステップS40では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS39に進む。すなわち、制御部は、ステップS38で割込みを許可した状態で、停電発生までの間、設定キーのオフを待ち受ける。
制御部は、停電が発生していると判定した場合、割込みを禁止する処理(ステップS41)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS42)をおこなう。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS43)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS44)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップS45)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS46)をおこなった後、RAMへのアクセスを禁止する処理(ステップS47)をおこなってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することができる。
ステップS48は、ステップS29で設定変更モード中フラグがオンであると判定された場合に実行される。ステップS48では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、設定キースイッチ127の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、設定キースイッチ127の検出信号がオンである場合にステップS49に進み、設定キースイッチ127の検出信号がオンでない場合にステップS51に進む。
ステップS49、ステップS50は、設定確認準備に関する処理である。ステップS49では、制御部は、設定確認モード中フラグをセットする処理をおこなう。設定確認モード中フラグは、遊技機10が設定確認中か否かを示すフラグであって、設定確認中であるときに設定確認モード中フラグがセットされ、設定確認中でないときに設定確認モード中フラグがクリア(リセット)される。ステップS50では、制御部は、設定確認中のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、設定確認中であることを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、設定確認中のコマンドを受信して、枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により設定確認中であることを報知する。この後、制御部は、ステップS37に進む。
一方、制御部は、ステップS48において設定キースイッチ127の検出信号がオンでないと判定した場合に、ステップS51を実行する。ステップS51では、制御部は、第2レジスタ(Cレジスタ)を参照して、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンであるか否かを判定する。制御部は、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンである場合にステップS52に進み、RAM初期化スイッチ112の検出信号がオンでない場合にステップS58に進む。すなわち、遊技機10は、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴う起動検出によりRAM初期化(RAMクリア)に関する処理の実行に進み、RAM初期化スイッチ112の押下操作を伴わない起動検出により停電復旧に関する処理の実行に進む。
次に、ステップS52以降でおこなうRAM初期化に関する処理について説明する。RAM初期化に関する処理では、制御部は、設定値以外のRAM領域を0クリア(ゼロクリア)し(ステップS52)、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップS53)。たとえば、制御部は、RAMクリア時の先頭アドレスとしてRAMクリア先頭アドレス2を設定し、RWM(たとえばRAM111C)の記憶領域(アクセス禁止領域を含まない領域)のうちのクリア対象領域(遊技制御用ワーク領域)のデータをゼロクリアする。
なお、設定変更モード中フラグ、および設定確認モード中フラグは、クリア対象領域のデータに含まれることから、クリア対象領域のデータのゼロクリアによってクリアされる。
ステップS54では、制御部は、RAM初期化時のコマンドを演出制御装置300に送信する。これにより、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドに対応する演出制御をおこなう。たとえば、演出制御装置300は、RAM初期化時のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを案内するメッセージを表示装置41に表示させたり、スピーカ19a,19bから音出力させたりする。また、演出制御装置300は、RAM初期化のコマンドを受信して、RAMが初期化されたことを枠装飾装置18や盤装飾装置46、盤演出装置44により報知する。
また、制御部は、設定変更終了待ち、あるいは設定確認終了待ちに関する処理(ステップS38からステップS40)の実行後に、設定キースイッチ127の検出信号がオフであることを検出した場合に、ステップS55を実行する。制御部は、割込みを禁止(ステップS55)した後、報知終了のコマンドを演出制御装置300に送信する(ステップS56)。
これにより、演出制御装置300は、設定変更中のコマンドの受信により開始した設定変更中であることの報知、あるいは設定確認中のコマンドの受信により開始した設定確認中であることの報知を終了する。
次に、制御部は、設定変更モード中フラグを参照して、設定変更モード中であるか否かを判定する(ステップS57)。制御部は、設定変更モード中である場合にステップS52に進み、RAM初期化に関する処理を実行する。一方、制御部は、設定変更モード中でない場合にステップS58に進み、停電復旧に関する処理を実行する。
ステップS58では、制御部は、停電復旧処理を実行する。停電復旧処理は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブし、特図ステータスを参照して特図ゲームが高確率中であるか否かを判定し、特図ゲームが高確率中である場合に高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし、高確率報知LEDのオンデータをセグメント領域にセーブする処理を含む。
なお、停電復旧処理における初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域、設定変更モード中フラグ、設定確認モード中フラグ、およびエラー不正監視に係る領域である。なお、停電復旧処理では、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。同様にタッチスイッチ信号の状態を記憶するタッチスイッチ信号状態監視領域もクリアされ、タッチスイッチ信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。
次に、制御部は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップS59)、ステップS60へ進む。なお、ステップS59では、機種指定コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、確率設定値情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報や高確率回数情報を送信する。なお、画面指定のコマンドとは、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームの制御状態がいずれも普段処理中(変動中、大当り中(第1特別遊技状態)、小当り中(第2特別遊技状態)のうちの何れでもない状態)である場合には、客待ちデモ画面の表示を指令するコマンドであり、それ以外である場合には復旧画面の表示を指令するコマンドである。
ステップS60では、制御部は、乱数生成回路を起動設定する処理をおこなう。その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1~n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄初期値乱数、小当り図柄初期値乱数、当り初期値乱数、当り図柄初期値乱数)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS61)、割込みを許可する(ステップS62)。
続いて、制御部は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS63)をおこなう。この初期値乱数更新処理は、各初期値乱数をたとえばそれぞれ「+1」更新(インクリメント)する処理である。このように、遊技機10は、メイン処理の中で時間が許す限り初期値乱数を更新し続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
ここで、制御部は、一旦、割込みを禁止(ステップS64)して、性能表示編集処理を実行(ステップS65)し、性能表示編集処理の実行後に、割込みを許可する(ステップS66)。性能表示編集処理は、ベースの算出と表示に関する処理である。制御部は、性能表示編集処理の処理負荷が比較的高いため、割込みを禁止してより速やかな処理結果導出を図っている。これにより、遊技機10は、タイマ割込みにより遊技状態が更新されるまでに、性能表示編集処理の処理結果導出を担保する。
ステップS67では、制御部は、停電が発生したか否かを判定する。なお、制御部は、停電監視信号の所定時間の継続検出により、停電発生を判定することができる。制御部は、停電が発生した場合にステップS41に進み、停電が発生していない場合にステップS63に進む。
すなわち、制御部は、停電が発生しない限り、ステップS63からステップS67までの処理を繰り返し実行する。詳しくは、制御部は、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返しおこなう。
そして、初期値乱数更新処理(ステップS63)の前に割込みを許可する(ステップS66)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
同様に、性能表示編集処理(ステップS65)の前に割込みを禁止する(ステップS64)ことによって、タイマ割込みに優先して性能表示編集処理が実行されるようになり、性能表示編集処理が圧迫されるのを回避することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示にしたがい種々の制御をおこなう従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御手段の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間にわたり停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化操作部の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
なお、遊技制御装置100は、データ異常時の初期化の処理(第1初期化処理)と、初期化操作時の初期化の処理(第2初期化処理)とを区別して実行する機能(第1初期化手段、第2初期化手段)を有するため、状況に応じた最適かつ無駄のない初期化の処理が実現できる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な設定操作部(設定値変更スイッチ126、設定キースイッチ127)と、設定操作部が操作されたことにもとづきRAM111Cに記憶された設定値を変更する設定変更手段(遊技制御装置100)とを備えることで設定変更を可能にするとともに、設定表示部(確率設定値表示装置136)を備えることで設定(設定値)を確認可能にしている。また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、RAM(RAM111C)へのアクセスを禁止(ステップS47)してすべての処理の実行停止を待機する停電発生時待機処理(ステップS47の後のループ)と、RAM(RAM111C)へのアクセスを許可(ステップS17)しながらすべての処理の実行停止を待機するRAM異常時待機処理(ステップS31、ステップS32のループ)と、を実行可能にしている。
ここで、停電発生時待機処理とRAM異常時待機処理について説明する。停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS47でRAMへのアクセスを禁止された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、停電発生時待機処理は、メイン処理のステップS41で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。ただし、停電発生時待機処理は、停電発生時に実行される処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が小さい。また、停電発生時待機処理は、異常報知を伴わない待機処理である。これにより、遊技機10は、電源遮断までの電力を停電処理に振り向けることができる。なお、遊技機10は、停電発生時待機処理にRAMへのアクセスを禁止することで、不安定な電圧によりRAMの記憶内容が変化する危険を低減している。
RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS17でRAM(RWM)へのアクセスを許可された後に実行されて、すべての処理の実行停止を待機するループ処理である。また、RAM異常時待機処理は、メイン処理のステップS1で割込みを禁止された後に実行されることから、NMI割込みでない割込み(タイマ割込み)が禁止される。なお、停電発生時待機処理は、NMI割込みについて割込みを禁止することができないことからNMI割込みが発生し得る。RAM異常時待機処理は、電源遮断を待つ処理であることから、当該処理の実行中にNMI割込みが発生する危険が停電発生時待機処理よりも大きい。しかしながら、RAM異常時待機処理は、NMI割込みが発生してもRAMへのアクセスが許可されていることから戻りアドレスをRAMに格納可能であって、NMI割込み発生によるプログラム暴走の危険が小さい。また、遊技機10は、ステップS30においてメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御装置300に送信することから、RAM異常時待機処理の実行中に、演出制御装置300による異常報知を並行しておこなうことができる。これにより、遊技機10は、速やかな再起動が期待できる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、遊技制御装置100のタイマ割込み処理について図11を用いて説明する。図11は、第1の実施形態のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。このタイマ割込み処理は、上述のメイン処理において、割込み許可が出てから割込みが禁止されるまでの間(ステップS38からステップS41まで、ステップS38からステップS55まで、ステップS66からステップS64まで、ステップS66からステップS41まで)に生じる割込み処理である。タイマ割込み処理は、CPU111Aが実行する処理である。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111において、タイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップS71)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(たとえば、メイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理をおこなったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(たとえばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップS72)。ステップS72では、メイン処理におけるステップS4と同じ処理をおこなっているが、レジスタバンクが異なる。
次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS73)をおこなう。ステップS74では、制御部は、設定変更モード中フラグと設定確認モード中フラグとを参照し、設定変更モード中または設定確認モード中であるか否かを判定する。制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中である場合にステップS75に進み、設定変更/確認処理を実行し、タイマ割込み処理を終了する。一方、制御部は、設定変更モード中または設定確認モード中のいずれでもない場合にステップS76に進む。
ステップS76では、制御部は、各種処理でセットされた出力データにもとづき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御等をおこなうための出力処理を実行する。
なお、メイン処理におけるステップS5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理がおこなわれることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は、払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等はおこなわれない。また、当該発射許可信号は、遊技制御装置100から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置200から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置200内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者がともに発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、制御部は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップS77)、乱数更新処理1(ステップS78)、乱数更新処理2(ステップS79)を実行する。ここで、乱数更新処理1は、初期値乱数更新処理の対象となっている大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数、当り図柄乱数の初期値(スタート値)を更新するための処理である。また、乱数更新処理2は、特図1,特図2の変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する処理である。なお、乱数更新処理1、あるいは乱数更新処理1に加えて乱数更新処理2は、設定変更中の乱数更新の停止や更新周期の変更をおこなうようにしてもよい。
次に、制御部は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a、特定領域スイッチ38eから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないか等)をおこなう入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップS80)をおこなう。また、始動口1スイッチ36aおよび始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップS81)をおこなう。なお、始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、または第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数等)の抽出をおこない、特図変動表示ゲームの開始前の段階で当該入賞にもとづく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定をおこなう。
次に、制御部は、特図1変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図1ゲーム処理(ステップS82)、特図2変動表示ゲームに関する処理をおこなう特図2ゲーム処理(ステップS83)、普図変動表示ゲームに関する処理をおこなう普図ゲーム処理(ステップS84)を実行する。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLED(たとえば、一括表示装置50の特図1図柄表示部53等のLED)を所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS85)、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう磁石不正監視処理(ステップS86)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理をおこなう盤電波不正監視処理(ステップS87)をおこなう。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS88)、性能表示装置制御処理(ステップS89)をおこなって、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、第1の実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的におこなわれる。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔メイン処理〕
次に、演出制御装置300のメイン処理を図12を用いて説明する。図12は、第1の実施形態の演出制御装置におけるメイン処理のフローチャートを示す図である。
メイン処理は、パチンコ機1の電源供給が開始された時点で演出制御装置300の制御部(CPU311)によって実行される処理である。
[ステップD11]制御部は、割込みを禁止する。
[ステップD12]制御部は、CPU311の初期設定をおこなう。
[ステップD13]制御部は、VDP312の初期設定をおこなう。
[ステップD14]制御部は、割込みを許可する。
[ステップD15]制御部は、表示用データ生成を許可する。すなわち、制御部は、VDP312内の表示回路(図示省略)がVDP312内のVRAM(図示省略)へアクセスをおこない、表示データを生成することを許可する。
[ステップD16]制御部は、乱数シードを設定する。これは、たとえばsrand関数を用いて擬似乱数の発生系列を設定する処理である。ここで、制御部は、srand関数に与える引数として0(ゼロ)等の固定値を使用してもよいし、遊技機ごとに異なるようにCPU等のID値等を基に作成した値を使用してもよい。
[ステップD17]制御部は、演出制御装置300のRWM(たとえばRAM322)における初期化すべき領域(たとえば、演出用フラグ領域(当該演出制御装置300の制御処理において後述する各種のフラグとして使う記憶領域))に電源投入時の初期値をセーブする。
[ステップD18]制御部は、WDT(ウォッチドッグ・タイマ)をクリアする。
[ステップD19]制御部は、演出ボタン入力処理を実行する。演出ボタン入力処理は、演出ボタン25(演出ボタンスイッチ25a)が有効時に操作された場合の編集をおこなう処理である。なお、演出ボタンは高速でオンオフしないので、制御部は、演出ボタンの入力を感知する処理を演出ボタン入力処理内でおこなってもよいし、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなってもよい。
[ステップD20]制御部は、ホール・遊技者設定モード処理を実行する。ホール・遊技者設定モード処理は、LEDや表示装置41の輝度、音量等の変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや表示装置41の輝度、音量の変更等の操作を受け付ける処理である。
[ステップD21]制御部は、乱数更新処理を実行する。乱数更新処理は、たとえばrand関数を用いてメイン処理の制御周期ごとに少なくとも1回の擬似乱数の更新をおこなう処理である。rand関数は、再計算がおこなわれる度に指定の生成系列にもとづいて乱数を生成するので、制御部は、rand関数を実行するだけで乱数を得ることができる。なお、主基板(遊技制御装置100)のように「1」ずつインクリメントするカウンタを乱数として用いてもよい。
[ステップD22]制御部は、受信コマンドチェック処理を実行する。受信コマンドチェック処理は、遊技制御装置100から受信したコマンドを所定数単位で解析する処理である。
[ステップD23]制御部は、演出表示編集処理を実行する。演出表示編集処理は、VDP312に表示装置41での描画内容を指示するための各種コマンドとそのパラメータの設定をおこなう処理である。たとえば、制御部は、演出表示編集処理においてコマンドをテーブル状に設定する。
[ステップD24]制御部は、描画コマンド準備終了設定を実行する。描画コマンド準備終了設定は、演出表示編集処理で設定されるVDP312へのすべてのコマンドの準備が終了したことを設定する処理である。
[ステップD25]制御部は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定し、フレーム切替タイミングであればステップD26に進み、フレーム切替タイミングでなければフレーム切替タイミングを待つ。ここで、フレーム切替タイミングは、Vブランク割込み(Vシンク割込みともいう)の周期(たとえば1/60秒)を基に作成された処理周期(たとえば1/30秒≒33.333ms)に相当する時間的間隔で到来するタイミングである。なお、Vブランク割込みは、VDP312によって描画のための画面全体の1回の走査が終了する度に発生する。このVブランク割込みの発生周期は、前述したように、たとえば1/60秒である。本実施例の場合、同じ描画が2回繰り返されてVブランク割込みが2回発生するとフレーム切替がおこなわれ、フレーム切替タイミングの周期は、Vブランク割込みの周期(たとえば1/60秒)の2倍(たとえば1/30秒≒33.33ms)になる。但し、この態様に限られず、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、たとえば、1/30秒以上の周期でフレーム切替(画像の更新)をおこなってもよいし、1/30秒未満の周期でフレーム切替をおこなってもよい。
フレーム切替タイミングの判定処理によって、これより後の処理(ステップD26乃至ステップD30、およびその後のステップD18乃至ステップD24)は、このフレーム切替タイミングで上記処理周期ごとに実行される。なお、演出内容と同期する必要のある時間管理は、このフレーム単位(即ち、上記処理周期単位)でおこなわれる。上記処理周期が、1/30秒の場合、たとえば3フレームでは100msになる。このことは、主基板(遊技制御装置)がタイマ割込み周期の4ms単位で時間値管理しているのと同様である。
[ステップD26]制御部は、ステップD23で設定したコマンドにしたがいVDP312に画面描画を指示する。たとえば、制御部は、テーブル状に設定したコマンドを順次送信して、VDP312に画面描画を指示する。
[ステップD27]制御部は、サウンド制御処理を実行する。サウンド制御処理は、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の音量制御に関する処理である。
[ステップD28]制御部は、装飾制御処理を実行する。装飾制御処理は、盤装飾装置46や枠装飾装置18等の各種LED等を制御する処理である。
[ステップD29]制御部は、可動体制御処理を実行する。可動体制御処理は、各種モータやSOL(ソレノイド)を含む可動体(たとえば、盤演出装置44)を制御する処理である。
[ステップD30]制御部は、発射情報制御処理を実行する。発射情報制御処理は、発射状態フラグにもとづいて、発射関連情報を設定するとともに、特図回転状態(所定金額分(即ち所定貸球数分)の遊技あたりの特図変動回数)に応じた演出のモード補正をおこなう処理である。
[ステップD31]制御部は、情報開示処理を実行する。情報開示処理は、遊技者に対して遊技性能に関する性能情報を開示する処理である。
制御部は、ステップD31を実行した後にステップD18に戻り、以降、ステップD18乃至ステップD31の処理を繰り返し実行する。即ち、ステップD18乃至ステップD31は、演出制御装置300の起動後に上記処理周期で繰り返し実行されるループ処理(場合によりメインループ処理という)を構成している。
なお、制御部は、画面の演出に合わせるためメインループ処理内でステップD27乃至ステップD29の処理を実行しているが、これら制御処理で生成または設定された信号やデータ(特に各種LEDやモータを駆動制御する信号等)を実際にポートに出力する処理は、図示していない短周期のタイマ割込み内でおこなわれる。ただし、各種デバイスの制御に特化したICを使用している場合は、シリアル通信等で指示するだけで、タイマ割込みで信号等の出力をおこなわない場合もある。
次に、遊技機10の遊技中に演出制御装置300が実行する表示について図13を用いて説明する。図13は、第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その1)である。ここで表示画面(単に「画面」という場合もある)とは、表示装置41の表示領域に表示される一つまたは複数の画像からなる画面であり、原則的に表示内容が異なるごとに異なる符号を付している。
図13(1)に示す表示画面500は、図柄停止中の表示画面であり、変動表示ゲームにおける変動表示終了後(次の変動表示ゲーム開始前)に変動表示ゲームの結果態様である図柄を所定期間停止表示するものである。表示画面500は、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを表示する。
大図柄群501は、興趣向上を目的として遊技演出を担当する。そのため、大図柄群501は、表示装置41の略中央部に変動表示領域を設定して大きく表示される。大図柄群501は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。
表示画面500では、左図柄は、図柄が「3」で停止していることを示し、中図柄は、図柄が「5」で停止していることを示し、右図柄は、図柄が「7」で停止していることを示す。すなわち、表示画面500では大図柄群501は、特図変動表示ゲームが停止状態(図柄停止中)であることを示す。
小図柄群502は、遊技者の遊技状態把握の容易性向上を目的として変動表示状態の報知を担当する。そのため、小図柄群502は、大図柄群501による表示演出を邪魔せず視認性を確保するように表示装置41の周縁部に小さく表示される。小図柄群502は、左図柄と中図柄と右図柄とを含む。表示画面500では、小図柄群502を構成する左図柄と中図柄と右図柄は、いずれも対応する特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。
一般に、大図柄群501は、小図柄群502と比較して、大きく表示され、表示位置の自由度が高く、またその表示態様が大きく変化可能である。反対に、小図柄群502は、大図柄群501と比較して、小さく表示され、表示位置の自由度が低い(たとえば位置固定)。
特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「4」であることを示す。特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数を表示する。表示画面500では、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示す。保留表示505が表示する保留記憶数は、特図1保留数表示503が表示する保留記憶数と特図2保留数表示504が表示する保留記憶数の和に相当する。
たとえば、表示画面500に示すように特図1保留数表示503が「4」を表示し、特図2保留数表示504が「0」を表示するとき、保留表示505は、4つの保留記憶表示により保留記憶数が「4」であることを示す。なお、保留数または保留記憶数とは、特図の変動表示ゲームが未実行である始動記憶の数を意味する。
保留表示505は、その表示態様(保留表示505に表示した保留記憶表示)により、特図変動表示ゲームの保留記憶数を明示するとともに、保留記憶ごとのゲーム結果に対する期待度を報知できる。
保留消化表示506は、その表示態様により、特図変動表示ゲームが変動表示状態にあるか否かを示すとともにゲーム結果に対する期待度を報知できる。表示画面500では保留消化表示506は、枠内をブランク(空白)にして、特図変動表示ゲームが停止状態であることを示す。この後、遊技機10は、変動表示を開始する。
図13(2)に示す表示画面510は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面510は、表示画面500の後の画面であって、変動表示中(三図柄変動中)の画面を示す。表示画面510では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面510では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
表示画面510では、特図1保留数表示503は、特図1ゲームの保留記憶数が「3」であることを示し、特図2保留数表示504は、特図2ゲームの保留記憶数が「0」であることを示し、保留表示505は、特図変動表示ゲームの保留記憶数が「3」であることを示す。また、表示画面510では、保留消化表示506は、消化中の保留記憶表示を表示し、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
次に遊技機10が実行する遊技演出について図14~図15を用いて説明する。図14は、第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その2)である。図15は、第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その3)である。
図14(1)の表示画面511は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面511では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面511では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図14(2)の表示画面512は、表示画面511の後の表示画面であって、大図柄群501の各図柄が仮停止した状態の表示画面である。
表示画面512では、大図柄群501の左図柄が「3」を構成要素に含む図柄で仮停止し、大図柄群501の中図柄が「5」を構成要素に含む図柄で仮停止し、大図柄群501の右図柄が「7」を構成要素に含む図柄で仮停止しており(大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とに仮停止した図柄の組み合わせ態様が、所定の組み合わせ態様(チャンス目として設定された図柄の組み合わせ態様)となっており)、チャンス目を表示(導出)する演出(以下、チャンス目表示演出(第1の演出))により先読み予告をおこなっている状態であることを示す。チャンス目表示演出は、チャンス目の導出過程を含むチャンス目を表示する演出である。
チャンス目として設定された図柄の組み合わせ態様としては、たとえば、予め規定した数字を構成要素に含む図柄の組み合わせからなるはずれ態様(たとえば、「3」,「5」,「7」を構成要素に含む図柄からなるはずれ態様や「2」,「4」,「6」を構成要素に含む図柄からなるはずれ態様)の図柄の組み合わせなどがある。
先読み予告(先読み演出、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図の変動表示ゲームが未実行の始動入賞記憶(始動入賞記憶の保留、あるいは単に保留という)に対応する変動表示ゲーム(後に実行される変動表示ゲーム)がその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、おこなう演出である。
なお、遊技機10は、チャンス目表示演出において、大図柄群501の組み合わせ態様がチャンス目であること(先読み予告中であること)が把握容易になるように、大図柄群501の各図柄を発光表示させてもよい。
なお、遊技機10は、チャンス目表示演出によって先読み予告をおこなうことに限らない。たとえば、遊技機10は、キャラクタを表示(出現)させる演出(以下、キャラクタ表示演出(第1の演出))によって先読み予告をおこなってもよい。また、遊技機10は、表示によって先読み予告をおこなうことに限らない。たとえば、遊技機10は、音や可動役物の可動によって先読み予告をおこなってもよい。
また、表示画面512では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図14(3)の表示画面513は、表示画面512の後の表示画面であって、変動表示が終了した状態の表示画面である。
表示画面513では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、停止しており、特図変動表示ゲームが停止表示中であることを示す。また、表示画面513では、大図柄群501の左図柄が「3」を構成要素に含む図柄で停止し、大図柄群501の中図柄が「5」を構成要素に含む図柄で停止し、大図柄群501の右図柄が「7」を構成要素に含む図柄で停止しており(大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とに停止した図柄の組み合わせ態様が、所定の組み合わせ態様(チャンス目として設定された図柄の組み合わせ態様)となっており)、チャンス目表示演出により先読み予告をおこなっている状態であることを示す。
また、表示画面513では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、停止しており、特図変動表示ゲームが停止表示中であることを示す。
図15(1)の表示画面514は、表示画面513の後の表示画面であって、次の変動表示ゲーム(先読み予告の対象(先読み対象ともいう)の変動表示ゲーム)が変動表示開始した後の表示画面である。表示画面514は、チャンス目を導出中(チャンス目表示演出中)の表示画面である。
表示画面514では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。表示画面514では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、通常時と逆方向(上方向)に変動しており、これにより遊技者の演出(図柄変動)に対する注意向上を図っている。
また、表示画面514では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図15(2)の表示画面515は、表示画面514の後の表示画面であって、先読み予告の対象の変動表示ゲームであることを示している状態(先読み予告対象示唆をしている状態)の表示画面である。
表示画面515では、チャンス目を表示することで先読み予告と同じ演出(チャンス目表示演出)を実行していることを遊技者が把握可能に示すことにより、当該変動表示ゲームが先読み予告の対象の変動表示ゲームであることを示(示唆)している。
具体的には、表示画面515では、大図柄群501の左図柄に「7」を構成要素に含む図柄を仮停止させ、大図柄群501の中図柄に「3」を構成要素に含む図柄を仮停止させ、大図柄群501の右図柄に「5」を構成要素に含む図柄を仮停止させること(チャンス目として設定された図柄の組み合わせ態様を表示すること)により、先に実行したチャンス目表示演出による先読み予告の対象の変動表示ゲームであることを示(示唆)している。
なお、遊技機10は、表示画面515のように図柄の組み合わせを表示画面512(停止図柄)と異なる図柄の組み合わせとすることにより、変化が生じたこと(新たな変動表示ゲームの実行中であること)を理解容易にしている。
また、表示画面515では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図15(3)の表示画面516は、表示画面515の後の表示画面であって、図柄変動を再開した状態(先読み予告に応じた演出(第2の演出)を開始した状態)の表示画面である。
表示画面516では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが再開したことを示す。また、表示画面516では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
このように遊技機10は、先読み予告と同じ演出(第1の演出)を先読み予告の対象の変動表示ゲーム内(開始時)においておこなう(先読み予告関連演出(先読み予告,先読み予告対象示唆)のうち一部を先の変動表示ゲームでおこない、残りを先読み予告の対象の変動表示ゲーム内においておこなう)ことにより、先読み予告の対象の変動表示ゲームであることを遊技者にとって分かり易くすることができる(理解容易な遊技を実行できる)。
このように理解容易な遊技を実行することで遊技機10は、遊技者の遊技演出に対する理解度を高めることができ、遊技演出により効果的に興趣を向上できる。
なお、遊技機10は、先読み予告をおこなった場合に、先読み予告の対象の変動表示ゲームに対応する保留記憶の態様を変化させてもよい。これによっても遊技機10は、先読み予告の対象の変動表示ゲームであることを遊技者にとって分かり易くすることができる。
次に一連の遊技演出(表示画面511~516)の流れについて図16を用いて説明する。図16は、第1の実施形態の遊技演出の流れを示すタイミングチャート(その1)である。
図16に示すタイミングチャートは、先読み予告をしてから先読み予告の対象の変動表示ゲームを実行する一連の遊技演出の流れを示すタイミングチャートである。
遊技機10は、N回目の変動表示ゲームの実行中(表示画面511)のタイミングt11からチャンス目表示演出(先読み予告,第1の演出)を開始する(表示画面512)。遊技機10は、タイミングt12までチャンス目表示演出をおこなった後、N回目の変動表示ゲームを終了し(表示画面513)、先読み予告の対象の変動表示ゲームであるN+1回目の変動表示ゲームを開始する(表示画面514)。
遊技機10は、N+1回目の変動表示ゲームの開始とともに、チャンス目表示演出(先読み予告対象示唆,第1の演出)を開始し(表示画面514,515)、チャンス目表示演出をタイミングt13までおこなった後、図柄を再変動させて第2の演出を開始する(表示画面516)。
以上が先読み予告をしてから先読み予告の対象の変動表示ゲームを実行する一連の遊技演出の流れである。なお、遊技機10は、N+1回目の変動表示ゲームの開始とともにチャンス目表示演出をおこなうとして説明したがこれに限らない。たとえば、遊技機10は、所定時間の間、図柄変動をおこなった後に、チャンス目の導出を開始(チャンス目表示演出を開始)してもよい。
なお、遊技機10は、先読み予告をした次の変動表示ゲームを先読み予告の対象の変動表示ゲームとすることに限らない。遊技機10は、先読み予告をしてから先読み予告の対象の変動表示ゲームを実行するまでの間に所定数の変動表示ゲームを挟んでもよい。
ここで所定数の変動表示ゲームを挟む場合の一連の遊技演出の流れについて図17を用いて説明する。図17は、第1の実施形態の遊技演出の流れを示すタイミングチャート(その2)である。
図17に示すタイミングチャートは、先読み予告をしてから所定数の変動表示ゲームを挟んだ後に先読み予告の対象の変動表示ゲームを実行する場合の一連の遊技演出の流れを示すタイミングチャートである。
遊技機10は、N回目の変動表示ゲームの実行中のタイミングt21からチャンス目表示演出(先読み予告,第1の演出)を開始する。遊技機10は、タイミングt22までチャンス目表示演出をおこなった後、N回目の変動表示ゲームを終了し、次の変動表示ゲームを開始する。
遊技機10は、タイミングt22からタイミングt23までの間に所定数の変動表示ゲームをおこない、先読み予告の対象の変動表示ゲームであるN+m回目の変動表示ゲームを開始する。
遊技機10は、N+m回目の変動表示ゲームの開始とともに、チャンス目表示演出を開始し、タイミングt24までチャンス目表示演出(先読み予告対象示唆,第1の演出)をおこなった後、図柄を再変動させて第2の演出を開始する。
以上が先読み予告をしてから所定数の変動表示ゲームを挟んだ後に先読み予告の対象の変動表示ゲームを実行する場合の一連の遊技演出の流れである。
なお、遊技機10は、先読み予告の対象の変動表示ゲームに対応する保留記憶の発生に先立って(先読み予告の対象の変動表示ゲームに対応する保留記憶が存在しない状態において)第1の演出をおこない、第1の演出がおこなわれたことを記憶しておき、後(たとえば、所定数の変動表示ゲーム以内)に先読み予告の対象の変動表示ゲームに対応する保留記憶が発生した場合には、当該変動表示ゲームの先読み予告として機能させ、発生しなかった場合には、ガセとして機能させるようにしてもよい。すなわち、遊技機10は、後付的に先の変動表示ゲームでおこなった第1の演出を先読み予告として機能させることができる。これによれば遊技機10は、演出のバリエーションを増加させることができる。これによって遊技機10は、遊技の興趣を向上できる。
また、遊技機10は、先読みをしてから先読み予告の対象の変動表示ゲームまでの間に所定数の変動表示ゲームを挟む場合にのみ、先読み予告の対象の変動表示ゲームにおいて第1の演出をおこなうようにしてもよい。または、遊技機10は、先読みをしてから先読み予告の対象の変動表示ゲームまでに所定時間経過している場合にのみ、先読み予告の対象の変動表示ゲームにおいて第1の演出をおこなうようにしてもよい。このように、遊技機10は、一定以上の期間が開いた場合にのみ、先読み予告の対象の変動表示ゲームにおいて第1の演出をおこない、先読み予告の対象であることを分かり易くすることで、過度に演出が冗長となるのを抑止できる。
なお、遊技機10は、先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数を、先読み予告(第1の演出)の種類(演出内容)や、遊技状態に応じて異ならせてもよい。
ここで先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数と、演出内容および遊技状態との関係の一例について図18を用いて説明する。図18は、第1の実施形態の先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数と演出内容との関係を示す図である。
図18(1)に示すテーブルは、通常時(通常遊技状態,通常確率状態)における先読み予告としておこなう演出内容と、先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数との関係を示すテーブルの一例である。
図18(1)に示すテーブルでは、演出内容毎に先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数が設定されている。演出内容としては、チャンス目表示演出と、キャラクタ表示演出との2種類がある。
図18(1)に示すテーブルは、通常時においてチャンス目表示演出を先読み予告としておこなう場合、先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数は、0~2ゲームのいずれかとなることを示す。
図18(1)に示すテーブルは、通常時においてキャラクタ表示演出を先読み予告としておこなう場合、先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数は、0~4ゲームのいずれかとなることを示す。
図18(2)に示すテーブルは、時短時(時短状態,時短遊技状態)における先読み予告としておこなう演出内容と、先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数との関係を示すテーブルの一例である。
図18(2)に示すテーブルでは、演出内容毎に先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数が設定されている。演出内容としては、チャンス目表示演出と、キャラクタ表示演出との2種類がある。
図18(2)に示すテーブルは、時短時においてチャンス目表示演出を先読み予告としておこなう場合、先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間の変動表示ゲーム数は、0~4ゲームのいずれかとなることを示す。
図18(2)に示すテーブルは、時短時においてキャラクタ表示演出を先読み予告としておこなう場合、先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間の変動表示ゲーム数は、0~6ゲームのいずれかとなることを示す。
このように、先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間の変動表示ゲーム数を、遊技状態や演出内容に応じて変化させることで遊技機10は、遊技演出にバリエーション(変化)をもたせることができる。これにより、遊技機10は、興趣を向上できる。
なお、遊技機10は、キャラクタ表示演出のインパクト(印象)をチャンス目表示演出のインパクトよりも強くすることが好ましい。たとえば、遊技機10は、キャラクタ表示演出の発生頻度を低くすることや演出内容を派手にすることで、発生時のインパクトを強くする。
このように発生時のインパクトを強くすることで、遊技機10は、変動表示ゲーム数の上限を大きくした場合であっても、遊技の理解容易性を維持できる(遊技者に演出内容を強く印象付けることができ、先読み予告をしてから先読み予告の対象の変動表示ゲームをおこなうまでの間隔を長くした場合であっても分かり難くなりにくくできる)。
なお一般に、時短状態の場合には1回当たりの変動表示ゲームの時間が短い。そのため、遊技機10は、バリエーションを増加させるべく、図18(1)(2)に示すテーブルのように時短状態における先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数の上限を通常状態よりも大きくした場合であっても、遊技の理解容易性を維持できる(先読み予告をしてから先読み予告の対象の変動表示ゲームをおこなうまでの間隔が過度に長くなる虞がない)。
なお、遊技機10は、遊技状態や演出内容に応じて先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間の変動表示ゲーム数を変化させることに限らない。遊技機10は、信頼度(大当りとなる信頼度)やその他の条件に応じて先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間の変動表示ゲーム数を異ならせてもよい。
たとえば、遊技機10は、信頼度が高いほど先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数が大きくなるようにしてもよい。このように遊技機10は、信頼度が高いほど先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数を大きくすることで、期待感を長期に渡って維持向上させることができる。
なお、遊技機10は、先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数を、変動表示ゲームが途切れるまでとしてもよい。たとえば、遊技機10は、先読み予告の対象の変動表示ゲームに対応する保留記憶の発生に先立って第1の演出をおこない、第1の演出がおこなわれたことを記憶しておき、後に先読み予告の対象の変動表示ゲームに対応する保留記憶が発生した場合には、当該変動表示ゲームの先読み予告として機能させることで、先読み予告と先読み予告の対象の変動表示ゲームとの間に挟む変動表示ゲーム数を、保留記憶数以上とすることができる。
なお、遊技機10は、先読み予告を1回した後に、先読み予告の対象の変動表示ゲームをおこなうことに限らない。たとえば、遊技機10は、規定回数の先読み予告をしてから先読み予告の対象の変動表示ゲームを実行するようにしてもよい。
ここで先読み予告を規定回数した後に先読み予告の対象の変動表示ゲームをおこなう場合の一連の遊技演出について図19を用いて説明する。図19は、第1の実施形態の遊技演出の流れを示すタイミングチャート(その3)である。
図19に示すタイミングチャートは、規定回数の先読み予告をしてから先読み予告の対象の変動表示ゲームを実行する場合の一連の遊技演出の流れを示すタイミングチャートである。
遊技機10は、N回目の変動表示ゲームの実行中のタイミングt31から1回目のチャンス目表示演出(先読み予告,第1の演出)を開始する。遊技機10は、タイミングt32までチャンス目表示演出をおこなった後、N回目の変動表示ゲームを終了し、次の変動表示ゲームを開始する。
遊技機10は、タイミングt32からタイミングt33までの間に所定数の変動表示ゲームをおこない、タイミングt33からN+m-1回目の変動表示ゲームを開始する。
遊技機10は、N+m-1回目の変動表示ゲームの実行中のタイミングt34から規定回数目のチャンス目表示演出(先読み予告,第1の演出)を開始する。遊技機10は、タイミングt35までチャンス目表示演出をおこなった後、N+m-1回目の変動表示ゲームを終了し、先読み予告の対象の変動表示ゲームであるN+m回目の変動表示ゲームを開始する。
遊技機10は、N+m回目の変動表示ゲームの開始とともにチャンス目表示演出を開始し、タイミングt36までチャンス目表示演出(先読み予告対象示唆,第1の演出)をおこなった後、図柄を再変動させて第2の演出を開始する。
以上が規定回数の先読み予告をしてから先読み予告の対象の変動表示ゲームを実行する場合の一連の遊技演出の流れである。なお、遊技機10は、先読み予告をおこなう変動表示ゲームを連続ですることに限らず、間に先読み予告(チャンス目表示演出)をおこなわない変動表示ゲームを挟んでもよい。
また、遊技機10は、先読み予告をおこなう規定回数を、遊技状態や先読み予告の演出内容や信頼度やその他条件に応じて異ならせてもよい。このように遊技機10は、先読み予告をおこなう規定回数を、遊技状態や先読み予告の演出内容や信頼度やその他条件に応じて異ならせることで、演出にバリエーションを持たせることができる。これにより、遊技機10は、興趣を向上できる。また、先読み予告をおこなう規定回数にも意味を持たせる(たとえば規定回数で信頼度を示唆するなど変動表示ゲームに関する情報を報知させる)ことで遊技機10は、従来にはない新たな興趣を創出できる。
次に、演出制御装置300による変動(演出)パターンの設定処理について図20を用いて説明する。図20は、第1の実施形態の変動パターン設定処理のフローチャートを示す図である。
変動パターン設定処理は、メイン処理のD23(演出表示編集処理)においておこなわれる処理である。
[ステップD41]制御部は、変動コマンドを取得する。
[ステップD42]制御部は、取得した変動コマンドの対象である保留記憶の先読みフラグがONであるか否かを判定する。先読みフラグは、先読み予告の対象となる変動表示ゲームであるか否かを判別するためのフラグである。先読みフラグは、事前に先読み予告がおこなわれた場合にONにされる。制御部は、先読みフラグがONである場合にステップD43にすすみ、先読みフラグがONでない場合(OFFである場合)にステップD44にすすむ。
[ステップD43]制御部は、変動コマンドに基づいて変動パターン候補として第1の演出をおこなう変動パターンを特定する。
[ステップD44]制御部は、変動コマンドに基づいて変動パターン候補として第1の演出をおこなわない変動パターンを特定する。
[ステップD45]制御部は、特定した変動パターン候補のうちから1の変動パターンを決定する。
[ステップD46]制御部は、決定した変動パターンをセットし、変動パターン設定処理を終了する。
次に、変動パターンの具体例について図21を用いて説明する。図21は、第1の実施形態の変動コマンドに応じた変動パターンの一例を示す図(その1)である。
演出制御装置300は、遊技制御装置100が送信する変動コマンドの受信にもとづいて変動パターンを決定する。
変動コマンドは、特定演出(たとえば、振動演出等)をともなう変動表示(変動表示ゲーム)をおこなうコマンドである。演出制御装置300は、変動コマンドを受信した場合に、変動パターン1および変動パターン2のいずれかに振り分ける(いずれかをセットする)。変動パターン1は、第1の演出(チャンス目表示演出)をおこなわない変動パターンであり、先読みフラグがOFFである場合に振り分けられる変動パターン(先読みフラグがOFFである場合に変動パターン候補となる変動パターン)である。変動パターン2は、第1の演出(チャンス目表示演出)をおこなう変動パターンであり、先読みフラグがONである場合に振り分けられる変動パターン(先読みフラグがONである場合に変動パターン候補となる変動パターン)である。
まず、図21(1)に示す変動コマンドに応じた変動パターン1,2について説明する。
図21(1)に示す変動パターン1は、タイミングt41に変動開始した場合、タイミングt42から特定演出をおこなう変動パターンである。
図21(1)に示す変動パターン2は、タイミングt41に変動開始した場合、第1の演出の実行にともない特定演出の実行タイミングをタイミングt43とした(繰り下げた)変動パターンである。
このように遊技機10は、第1の演出(チャンス目表示演出)をおこなう変動パターン2における特定演出の実行タイミングを、第1の演出(チャンス目表示演出)をおこなわない変動パターン1の特定演出の実行タイミングよりも遅らせてもよい(たとえば、第1の演出に要する時間だけ遅らせてもよい)。
次に、図21(2)に示す変動コマンドに応じた変動パターン1,2について説明する。
図21(2)に示す変動パターン1は、タイミングt41に変動開始した場合、タイミングt42から特定演出をおこなう変動パターンである。
図21(2)に示す変動パターン2は、タイミングt41に変動開始した場合、、第1の演出の実行にともない特定演出の実行タイミングをタイミングt41とした(繰り上げた)変動パターンである。
このように遊技機10は、第1の演出(チャンス目表示演出)をおこなう場合、特定演出の実行タイミングを第1の演出(チャンス目表示演出)をおこなわない場合よりも早めてもよい(たとえば、第1の演出(チャンス目表示演出)の一環として特定演出をおこなってもよい)。
なお、遊技機10は、第1の演出(チャンス目表示演出)の実行にともない特定演出の実行タイミングを変化させることに限らない。たとえば、遊技機10は、第1の演出(チャンス目表示演出)をおこなう変動パターン2における特定演出の実行タイミングを、第1の演出(チャンス目表示演出)をおこなわない変動パターン1と同じタイミングとしてもよい。また、遊技機10は、変動パターン2においては第1の演出をおこなうことにともない、特定演出をおこなわないようにしてもよい。
ところで特定演出が遊技者の参加をともなう演出(たとえば、プッシュボタンの操作演出)である場合、特定演出をおこなうタイミングを開始直後とすると不意打ちとなり遊技者の参加の機会を損ねてしまう虞がある。
そこで遊技機10は、特定演出を開始直後におこなう場合には、遊技者に不意打ちとならないようにすることが好ましい。ここで遊技者に不意打ちとならないように特定演出を変動表示ゲームの開始直後におこなう変動パターンの具体例について図22を用いて説明する。図22は、第1の実施形態の変動コマンドに応じた変動パターンの一例を示す図(その2)である。
図22に示す変動コマンドは、図21(2)の変動パターン1,2の変形例である。
図22に示す変動パターン1は、タイミングt41に変動開始した場合、タイミングt42から特定演出をおこなう変動パターンである。
図22に示す変動パターン2は、タイミングt41に変動開始する場合、タイミングt41よりも前(事前)に特定演出がおこなわれることを示唆する事前示唆演出をおこない、タイミングt41から特定演出をおこなう変動パターンである。
遊技機10は、第1の演出をおこなう場合(先読み予告の対象の変動表示ゲームである場合)、先読みによりどんな変動パターンとなるか事前に把握可能であるため、変動パターン2に示したように前の変動表示ゲームに跨って特定演出の実行を示唆する事前示唆演出をおこなうことができる。
これによれば遊技機10は、特定演出を変動表示ゲームの開始直後からおこなう場合であっても、遊技者に不意打ちとなることを防止して、遊技者の参加の機会を損ねる(特定演出を見損なう)ことを抑止できる。このように、参加の機会を損ねる(特定演出を見損なう)ことを抑止することにより、遊技機10は、遊技演出により効果的に興趣を向上できる。
また、遊技機10は、前の変動表示ゲームに跨る事前示唆演出をおこなうことで、演出の自由度(特定演出の実行タイミングの自由度)を高めるとともに、演出のバリエーションを増加させることができる。これによっても遊技機10は、遊技の興趣を向上できる。
また、遊技機10は、前の変動表示ゲームに跨る事前示唆演出をおこなうことで、先読み予告の対象となる変動表示ゲームの演出時間を長く確保することができる。これによっても遊技機10は、遊技の興趣を向上できる。
さらには、前の変動表示ゲームに跨る事前示唆演出をおこなうという今までにない斬新な演出をおこなうことで、遊技機10は、遊技の興趣を向上させることができる。
ここで事前示唆演出をおこなった後に特定演出(プッシュボタンの操作演出)をおこなう場合の一連の遊技演出について図23~図24を用いて説明する。なお、特定演出を第1の演出(チャンス目表示演出)の一環としておこなう場合を例に用いて説明する。図23は、第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その4)である。図24は、第1の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その5)である。
図23(1)の表示画面517は、変動表示開始した後の表示画面である。表示画面517では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。また、表示画面517では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図23(2)の表示画面518は、表示画面517の後の表示画面であって、大図柄群501の各図柄が仮停止した状態の表示画面である。
表示画面518では、大図柄群501の左図柄が「3」を構成要素に含む図柄で仮停止し、大図柄群501の中図柄が「5」を構成要素に含む図柄で仮停止し、大図柄群501の右図柄が「7」を構成要素に含む図柄で仮停止しており(大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とに仮停止した図柄の組み合わせ態様が、所定の組み合わせ態様(チャンス目として設定された図柄の組み合わせ態様)となっており)、チャンス目表示演出により先読み予告をおこなっている状態であることを示す。
また、表示画面518では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図23(3)の表示画面519は、表示画面518の後の表示画面であって、事前示唆演出がおこなわれている状態の表示画面である。
表示画面519は、事前示唆演出表示520を表示内容に含む。事前示唆演出表示520は、事前示唆演出を表示する。事前示唆演出表示520は、プッシュボタン(演出ボタン25)を模した画像と、「Ready?」という文字を表示することで、プッシュボタンの操作演出が始まること(プッシュボタンが操作可能になること)を事前に示唆している(予告している)。
図24(1)の表示画面521は、表示画面519の後の表示画面であって、変動表示が終了した状態の表示画面である。
表示画面521では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、停止しており、特図変動表示ゲームが停止表示中であることを示す。また、表示画面521では、大図柄群501の左図柄が「3」を構成要素に含む図柄で停止し、大図柄群501の中図柄が「5」を構成要素に含む図柄で停止し、大図柄群501の右図柄が「7」を構成要素に含む図柄で停止しており(大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とに停止した図柄の組み合わせ態様が、所定の組み合わせ態様(チャンス目として設定された図柄の組み合わせ態様)となっており)、チャンス目表示演出により先読み予告をおこなっている状態であることを示す。
また、表示画面521では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、停止しており、特図変動表示ゲームが停止表示中であることを示す。
図24(2)の表示画面522は、表示画面521の後の表示画面であって、次の変動表示ゲーム(先読み予告の対象の変動表示ゲーム)が変動表示開始した後の表示画面である。
表示画面522は、特定演出表示523を表示内容に含む。特定演出表示523は、特定演出を表示する。特定演出表示523は、プッシュボタンを模した画像と、「押せ!」という文字を表示することで、プッシュボタンの操作演出がおこなわれている(操作可能なタイミングである)ことを示唆している。また、特定演出表示523は、ゲージ表示を表示し、ゲージ表示の表示態様により特定演出(プッシュボタンの操作演出)の残り時間を示唆している。
表示画面522では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。表示画面522では、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とは、通常時と逆方向(上方向)に変動しており、これにより遊技者の演出(図柄変動)に対する注意向上を図っている。
また、表示画面522では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
図24(3)の表示画面524は、表示画面522の後の表示画面であって、先読み予告の対象の変動表示ゲームであることを示している状態(先読み予告対象示唆をしている状態)の表示画面である。
表示画面524では、チャンス目を表示することで先読み予告と同じ演出(チャンス目表示演出)を実行していることを遊技者が把握可能に示すことにより、当該変動表示ゲームが先読み予告の対象の変動表示ゲームであることを示(示唆)している。
具体的には、表示画面524では、大図柄群501の左図柄に「7」を構成要素に含む図柄を仮停止させ、大図柄群501の中図柄に「3」を構成要素に含む図柄を仮停止させ、大図柄群501の右図柄に「5」を構成要素に含む図柄を仮停止させること(チャンス目として設定された図柄の組み合わせ態様を表示すること)により、先に実行したチャンス目表示演出による先読み予告の対象の変動表示ゲームであることを示(示唆)している。
また、表示画面524では、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とは、変動しており、特図変動表示ゲームが変動表示中であることを示す。
表示画面524を所定時間表示すると、遊技機10は、図柄変動を再開し第2の演出を開始する。
次に一連の遊技演出(表示画面517~524)の流れについて図25を用いて説明する。図25は、第1の実施形態の遊技演出の流れを示すタイミングチャート(その4)である。
図25に示すタイミングチャートは、先読み予告をしてから先読み予告の対象の変動表示ゲームを実行する一連の遊技演出の流れを示すタイミングチャートである。
遊技機10は、N回目の変動表示ゲームの実行中(表示画面517)のタイミングt51からチャンス目表示演出(先読み予告,第1の演出)を開始し(表示画面518)、N回目の変動表示ゲームの実行中のタイミングt52から事前示唆演出を開始する(表示画面519)。
遊技機10は、タイミングt53までチャンス目表示演出および事前示唆演出をおこなった後、N回目の変動表示ゲームを終了し(表示画面521)、先読み予告の対象の変動表示ゲームであるN+1回目の変動表示ゲームを開始する(表示画面522)。
遊技機10は、N+1回目の変動表示ゲームの開始とともに、チャンス目表示演出(先読み予告対象示唆,第1の演出)を開始してチャンス目の導出過程(逆回転表示)を表示し始めるとともにチャンス目表示演出の一環として特定演出を開始する(表示画面522)。
遊技機10は、タイミングt54に時間切れまたはプッシュ操作により特定演出を終了するとチャンス目表示演出におけるチャンス目の導出を終了してチャンス目を表示し始める(表示画面524)。
遊技機10は、チャンス目表示演出をタイミングt54までおこなった後、図柄を再変動させて第2の演出を開始する。
上述した第1の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、ゲームの実行権利として始動記憶(保留)を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して先読み予告演出を実行可能な遊技機であって、第1のゲームにおいて第1のゲームよりも後におこなわれる第2のゲームの結果に関連して先読み予告演出を第1の演出(チャンス目表示演出)によりおこない、第2のゲームにおいて第1の演出をおこなった後に、第1の演出と異なる第2の演出をおこなう制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)、を備える。
(2)(1)の制御手段は、第1の変動表示ゲームをおこなった後、所定数の変動表示ゲームをおこない、その後、第2の変動表示ゲームをおこなう。
(3)(1)の制御手段は、第1の変動表示ゲームと、第2の変動表示ゲームとの間でおこなう第3の変動表示ゲームにおいて第2の変動表示ゲームに関する情報を第1の演出により報知する。
(4)(2)の制御手段は、第1の演出の演出内容に応じて第1の変動表示ゲームと第2の変動表示ゲームとの間におこなう所定数の変動表示ゲーム数を決定する。
(5)遊技機10は、ゲームの実行権利として始動記憶(保留)を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して先読み予告演出を実行可能な遊技機であって、先読み対象となる第1のゲーム(たとえば、図16のN+1回目の変動表示ゲーム)において第1の演出をおこなった後に第1の演出と異なる第2の演出をおこなうとき、第1のゲームに先立っておこなう第2のゲーム(たとえば、図16のN回目の変動表示ゲーム)において第1のゲームの結果に関連した先読み予告演出として第1の演出をおこなう制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)、を備える。
(6)(5)の第1の演出は、表示するキャラクタによって第1のゲームの結果に関連した情報を報知する先読み予告演出である。
(7)(5)の第1の演出は、表示する図柄の組み合わせによって第1のゲームの結果に関連した情報を報知する先読み予告演出である。
(8)(5)の第1の演出は、音または可動役物によって第1のゲームの結果に関連した情報を報知する先読み予告演出である。
(9)遊技機10は、ゲームの実行権利として始動記憶(保留)を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して先読み予告演出を実行可能な遊技機であって、第1のゲームにおいて第1のゲームの後におこなわれる第2のゲーム(たとえば、図16のN+1回目の変動表示ゲームの第2の演出)の結果に関連した先読み予告演出の一部(たとえば、図16のN回目の変動表示ゲームの第1の演出)を実行し、第2のゲームにおいて先読み予告演出の残りの部分(たとえば、図16のN+1回目の変動表示ゲームの第1の演出)を実行した後に第2のゲームの結果に関連した第2の演出をおこなう制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)、を備える。
(10)遊技機10は、ゲームの実行権利として始動記憶(保留)を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して先読み予告演出を実行可能な遊技機であって、先読み対象となる第1のゲーム(図17のN+m回目の変動表示ゲーム)があるときに第1のゲームに先立っておこなわれた第2のゲーム(図17のN回目の変動表示ゲーム)において第1の演出(チャンス目表示演出)がおこなわれているとき、第1のゲームにおいて第1の演出(チャンス目表示演出)をおこなった後に第1の演出と異なる第2の演出をおこなう制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)、を備える。
(11)遊技機10は、ゲームの実行権利として始動記憶(保留)を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して先読み予告演出を実行可能な遊技機であって、先読み対象となる第1のゲーム(図17のN+m回目の変動表示ゲーム)に先立っておこなう第2のゲーム(図17のN回目の変動表示ゲーム)において第1のゲームに対応する始動記憶の有無に関わらず第1の演出(チャンス目表示演出)を実行可能とし、第1のゲームにおいて第1の演出(チャンス目表示演出)をおこなった後に第1の演出と異なる第2の演出をおこなう制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)、を備える。
(12)遊技機10は、ゲームの実行権利として始動記憶(保留)を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して先読み予告演出を実行可能な遊技機であって、先読み対象となる第1のゲーム(図22のN+1回目の変動表示ゲーム)と、第1のゲームの直前の第2のゲーム(図22のN回目の変動表示ゲーム)とに跨って第1のゲームに関する演出(事前示唆演出、特定演出)をおこなう制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)、を備える。
(13)遊技機10は、ゲームの実行権利として始動記憶(保留)を記憶し、該始動記憶に対応するゲームの結果に関連して先読み予告演出を実行可能な遊技機であって、先読み対象となる第1のゲーム(図22のN+1回目の変動表示ゲーム)において第1の演出(特定演出)をおこなう場合に、第1のゲームの直前の第2のゲーム(図22のN回目の変動表示ゲーム)において第1の演出の実行を示唆する第2の演出(事前示唆演出)をおこなう制御手段(遊技制御装置100、演出制御装置300)、を備える。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態を図面にもとづいて説明する。第2の実施形態の遊技機は、遊技者に有利な遊技球の打ち方(たとえば、右打ち、左打ち、あるいは発射勢の強弱等)についての案内表示をおこなうことができるものであり、従来の遊技機と比較して一層有利な遊技球の打ち方を遊技者に案内できるものである。なお、第2の実施形態の遊技機は、断りのない限りにおいて第1の実施形態と同様の構成を有し、また第1の実施形態との組合せが排除されない。
まず、第2の実施形態の遊技機10の表示装置41における表示画面について図26から図28を用いて説明する。図26は、第2の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その1)である。図27は、第2の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その2)である。図28は、第2の実施形態の遊技中の表示画面の一例を示す図(その3)である。
図26(1)に示す表示画面600は、変動表示ゲーム(特図ゲーム)において変動表示開始後の変動表示中の表示画面である。たとえば、表示画面600は、図13(1)に示した表示画面500と同様の表示画面に続く表示画面である。第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の構成については、符号を同じにして説明を省略する。
表示画面600は、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを含んで表示する。なお、表示画面500の保留表示505は、特図1ゲームの保留数と特図2ゲームの保留数の合計保留数を保留アイコン507により表示していたが、表示画面600の保留表示505は、遊技状態に応じて特図1ゲームの保留数と特図2ゲームの保留数のうちいずれか一方の保留数を保留アイコン507により表示する点で相違する。
表示画面600は、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とが変動表示する様子を示す。大図柄群501の変動表示は、アニメーション等により動きを伴った表示演出の1つである。また、表示画面600は、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とが変動表示する様子を示す。小図柄群502の変動表示は、アニメーション等により動きを伴った表示演出の1つである。
また、表示画面600は、現在の遊技状態(たとえば、通常遊技状態)に対応して保留表示505に特図1ゲームの保留数に対応する数の保留アイコン507が表示される様子を示す。保留アイコン507は、たとえば、球形状であり、保留アイコン507もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。また、表示画面600は、保留消化表示506に特図ゲームの保留消化に対応する保留消化アイコン508が表示される様子を示す。保留消化アイコン508は、たとえば、球形状であり、保留消化アイコン508もまたアニメーション(たとえば、変形、色変化、上下動等)により動きを伴った表示を演出可能である。
また、表示画面600は、図示しない背景表示やキャラクタ表示、文字表示等の演出表示要素を含むものであってもよく、演出表示要素もまたアニメーション等により動きを伴った表示を演出可能であってもよい。
図26(2)に示す表示画面602は、表示画面600の後の変動停止時の表示画面であって変動表示ゲームの結果として当りを導出した様子を示す。表示画面602は、大図柄群501と、小図柄群502とを含んで表示する。大図柄群501の各図柄は、当り図柄の組合せとなる図柄「7」を表示する。また、小図柄群502の各図柄は、当り図柄の組合せとなる図柄「7」を表示する。なお、表示画面602は、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506のうち1つ以上を含んで表示するものであってもよい。
遊技機10は、変動表示ゲームにおいて当りを導出したことで、遊技状態が通常遊技状態から当り状態となる。これにより、遊技機10は、左打ち遊技状態から右打ち遊技状態になる。遊技機10は、大入賞口の開放に先立ち、ファンファーレで当りの発生を遊技者に案内する。また、遊技機10は、大入賞口の開放に先立つファンファーレから遊技者に対して左打ちから右打ちへの打方向変更を案内する。
図26(3)に示す表示画面604は、表示画面602の後のファンファーレ中の表示画面を示す。表示画面604は、打ち方案内表示605とファンファーレ演出表示606とを含んで表示する。打ち方案内表示605は、遊技者に対して左打ちから右打ちへの打方向変更を案内する表示である。たとえば、打ち方案内表示605は、矢印等のピクトグラムとメッセージ「右打ちしてください」等を含む。打ち方案内表示605は、大入賞口の開放に先立つため、直ちに右打ちを開始しても発射球の多くが入賞機会を得ずにアウト球となる。そのため、打ち方案内表示605は、遊技者が打ち方変更をおこなわないことによる不測の不利益を防止するため、比較的大きな表示により遊技者に対して確実に注意喚起をおこなうようにしている。一方で、打ち方案内表示605は、不測の不利益を防止する効果が期待できるものの、大入賞口の開放に先立って表示されるため、遊技者に対して少なくない無駄玉を打たせることとなる側面を有する。打ち方案内表示605は、左打ち遊技状態から右打ち遊技状態への切替時に表示される。
ファンファーレ演出表示606は、遊技者に対して当りの発生を案内するとともに遊技者の高揚感を盛り上げる表示である。たとえば、ファンファーレ演出表示606は、メッセージ「大当り!!」等を含む。また、ファンファーレ演出表示606は、メッセージに限らず、キャラクタや背景、エフェクト、ムービー等を含むものであってもよい。
図27(1)に示す表示画面608は、表示画面606の後の当り中の表示画面を示す。表示画面608は、打ち方案内表示609と当り演出表示610とを含んで表示する。打ち方案内表示609は、遊技者に対して左打ちから右打ちへの打方向変更を案内する表示である。たとえば、打ち方案内表示609は、矢印等のピクトグラムとメッセージ「右打ち」等を含む。打ち方案内表示609は、打ち方案内表示605に続いて表示されるため、打ち方案内表示605と比較して簡潔な表示となっている。また、打ち方案内表示609は、当り演出表示610の障害にならないよう比較的小さな表示により遊技者に対して注意喚起をおこなうようにしている。
当り演出表示610は、遊技者に対して当り中であることを案内するとともに遊技者の高揚感を盛り上げる表示である。たとえば、当り演出表示610は、ラウンド表示や、キャラクタ、背景、エフェクト、ムービー等を含む。
なお、遊技機10は、ラウンドごとの大入賞口開放の間に大入賞口を閉塞するインターバルがある。そのため、当り中の発射球は、そのすべてに入賞機会があるわけでなく、ある程度の無駄玉が生ずる。しかしながら、遊技機10は、無駄玉の節約効果が大きくないこと、案内自体が煩雑になること、遊技者の対応が容易でないこと等を理由にして、大入賞口の開放状態を区別することなく打ち方案内表示609を継続表示する。
図27(2)に示す表示画面612は、表示画面608の後のエンディング中の表示画面を示す。表示画面612は、打ち方案内表示609とエンディング演出表示613とを含んで表示する。
なお、遊技機10は、当りの後に普電開放を頻回におこなう普電サポート状態に移行するため打ち方案内表示609を継続表示するが、当りの後に普電サポート状態に移行せずに通常遊技状態に復帰する場合に打ち方案内表示609を表示せずに左打ち遊技を案内する。
また、遊技機10は、大入賞口開放に代えて普電開放をおこなうまでの間にエンディングがある。そのため、エンディング中の発射球は、入賞機会がなく無駄玉が生ずる。しかしながら、遊技機10は、無駄玉の節約効果が大きくないこと、案内自体が煩雑になること、遊技者の対応が容易でないこと等を理由にして、大入賞口の開放から普電開放への切替を区別することなく打ち方案内表示609を継続表示する。
エンディング演出表示613は、遊技者に対してエンディング中であることや、遊技者の継続遊技に対する高揚感を盛り上げる表示である。たとえば、エンディング演出表示613は、キャラクタ、背景、エフェクト、ムービー等を含む。また、エンディング演出表示613は、初回当りにおいては遊技への過度ののめり込みやプリペイドカード等の取り忘れを注意喚起する表示を含む。
図27(3)に示す表示画面614は、表示画面612の後の普電サポート状態中の表示画面を示す。表示画面614は、打ち方案内表示609と、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを含んで表示する。
表示画面614は、大図柄群501の左図柄と中図柄と右図柄とが変動表示する様子を示す。大図柄群501の変動表示は、アニメーション等により動きを伴った表示演出の1つである。また、表示画面600は、小図柄群502の左図柄と中図柄と右図柄とが変動表示する様子を示す。小図柄群502の変動表示は、アニメーション等により動きを伴った表示演出の1つである。
また、表示画面614は、現在の遊技状態(たとえば、普電サポート状態)に対応して保留表示505に特図2ゲームの保留数に対応する数の保留アイコン507が表示される様子を示す。また、表示画面614は、図示しない背景表示やキャラクタ表示、文字表示等の演出表示要素を含むものであってもよく、演出表示要素もまたアニメーション等により動きを伴った表示を演出可能であってもよい。
なお、遊技機10は、普電開放と普電閉塞とを繰り返すため、普電サポート状態の発射球は、そのすべてに入賞機会があるわけでなく、ある程度の無駄玉が生ずる。しかしながら、遊技機10は、無駄玉の節約効果が大きくないこと、案内自体が煩雑になること、遊技者の対応が容易でないこと等を理由にして、普電開放と普電閉塞とを区別することなく打ち方案内表示609を継続表示する。
図28(1)に示す表示画面616は、表示画面614の後の普電サポート状態終了時の表示画面を示す。表示画面616は、打ち方案内表示617と、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを含んで表示する。なお、表示画面616の保留表示505は、特図2ゲームの保留数に対応する数が「0」のため保留アイコン507を表示しない様子を示す。
打ち方案内表示617は、遊技者に対して右打ちから左打ちへの打方向変更を案内する表示である。たとえば、打ち方案内表示617は、矢印等のピクトグラムとメッセージ「左打ちに戻してください」等を含む。打ち方案内表示617は、右打ちによる発射球の入賞機会喪失後に表示される。そのため、打ち方案内表示617は、遊技者が打ち方変更をおこなわないことによる不測の不利益を防止するため、比較的大きな表示により遊技者に対して確実に注意喚起をおこなうようにしている。一方で、打ち方案内表示617は、不測の不利益を防止効果が期待できるものの、右打ちによる発射球の入賞機会喪失後に表示されるため、遊技者に対して少なくない無駄玉を打たせることとなる側面を有する。打ち方案内表示617は、右打ち遊技状態から左打ち遊技状態への切替時に表示される。
図28(2)に示す表示画面618は、表示画面616の後の通常遊技状態の表示画面を示す。表示画面618は、打ち方案内表示617を含むことなく、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを含んで表示する。表示画面618は、打ち方案内表示617が遊技演出表示の障害とならないように、通常遊技状態において原則的に表示することをしない。
図28(3)に示す表示画面620は、表示画面616の後の通常遊技状態の表示画面であって、遊技者が右打ち遊技していることを検出した場合の表示画面である。表示画面620は、打ち方案内表示621と、大図柄群501と、小図柄群502と、特図1保留数表示503と、特図2保留数表示504と、保留表示505と、保留消化表示506とを含んで表示する。遊技機10は、遊技者が打ち方変更をおこなわないことによる不測の不利益を防止するため、表示画面620において打ち方案内表示621が遊技演出表示の障害となることを許容する。
このように、遊技機10は、状況に応じた打ち方案内表示をおこなうことで、遊技者が打ち方変更をおこなわないことによる不測の不利益を防止する。しかしながら、遊技機10は、十分な余裕をもって遊技者が打ち方を変更できるように余裕時間をもって案内表示をおこなうあまり、打ち方案内表示だけに頼った遊技者に無駄打ちを強いる場合がある。
そこで、遊技機10は、打ち方案内表示による打方向切替案内に加えて、打ち方案内振動により打方向切替タイミングを案内可能にする。次に、打方向変更の案内タイミングについて図29を用いて説明する。図29は、第2の実施形態の打方向変更の案内タイミングの一例を示す図である。
なお、打方向変更案内表示(打ち方案内表示)は、遊技制御装置100から所定のコマンドを受信した演出制御装置300が表示装置41の表示状態を切替制御することによりおこなう。なお、演出制御装置300は、表示装置41に代えて、あるいは表示装置41に加えて、盤装飾装置46や枠装飾装置18、盤演出装置44等により打方向変更案内表示をおこなうものであってもよい。
また、打方向変更案内振動(打ち方案内振動)は、遊技制御装置100から所定のコマンドを受信した演出制御装置300が演出ボタン25に備えられるバイブレータ機能の出力状態を切替制御することによりおこなう。なお、演出制御装置300は、演出ボタン25が備えるバイブレータ機能に代えて、その他の装置(たとえば、ハンドル24や上皿21等)により打方向変更案内振動をおこなうものであってもよい。なお、打方向変更案内振動は、所定周期の振動に限らず、単発で触覚に刺激を与えるもの(たとえば演出ボタン25の突出)等、遊技者が視覚に頼らずに触覚で知覚できるものを含む。
遊技機10は、タイミングt11で変動表示の結果として当りを導出し変動表示状態からファンファーレ状態に遷移し、タイミングt13でファンファーレ状態から当り状態に遷移する。遊技機10は、当り状態において大入賞口を閉塞状態から開放状態に切り替える。なお、大入賞口の閉塞状態と開放状態との切替は、遊技制御装置100が大入賞口ソレノイド38bの出力状態を切替制御することによりおこなう。
遊技機10は、タイミングt11で打方向変更案内表示を開始する。たとえば、遊技機10は、タイミングt11で打ち方案内表示605を表示し、タイミングt13で打ち方案内表示609を表示する。
遊技機10は、タイミングt11から期間P11だけ遅れたタイミングt12で打方向変更案内振動(打ち方案内振動)をおこなう。なお、タイミングt12は、タイミングt13から期間P12だけ早い。これにより、遊技機10は、打方向変更案内表示よりも時機に適した打方向変更案内を打方向変更案内振動によりおこなうことができる。遊技機10は、打方向変更案内振動が打方向変更案内表示に遅れることで無駄玉の発生を抑制できる。また、遊技機10は、打方向変更案内振動が大入賞口開放タイミングに先立つことで遊技者操作のタイムラグを吸収できる。なお、遊技機10は、大入賞口開放期間が十分であるとされる場合に、期間P12を設けないようにしてもよい。
また、遊技機10は、打方向変更案内振動を終始おこなうことなく期間P13に限っておこなう。これにより、遊技機10は、打方向変更案内振動が遊技演出の障害となることを限定することができる。また、遊技機10は、期間P13を期間P12より短い時間とする。これにより、遊技機10は、打方向変更案内振動が大入賞口開放中の遊技の障害や遊技演出の障害となることを限定することができる。また、遊技機10は、打方向変更案内振動をファンファーレ動作の一演出としておこなうことができる。
また、遊技機10は、当り中の演出に演出ボタン25を用いる場合があっても、打方向変更案内振動が当り中の演出と重複することを排除できる。なお、遊技機10は、打方向変更案内振動が当り中の演出と重複する場合に、打方向変更案内振動を優先するようにしてもよいし、当り中の演出を優先するようにしてもよい。また、遊技機10は、打方向変更案内振動が当り中の演出と重複する場合に、当り中の演出と振動パターンを違えて打方向変更案内振動を優先出力するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、低周波振動による当り中の演出に、打方向変更案内振動を高周波振動により優先出力することができる。
このような遊技機10は、打ち方案内表示による打方向切替案内に加えて、打ち方案内振動により打方向切替タイミングを案内可能にすることで、一層有利な遊技球の打ち方を遊技者に案内できる。
なお、打方向切替タイミングの案内は、発射勢の切替タイミングを案内するという側面を有するとともに、案内された発射勢により発射開始タイミングを案内するという側面も有する。たとえば、遊技者は、打方向変更案内表示により発射勢の切替準備をおこない、打方向変更案内振動により切替後の発射勢で遊技球を発射することができる。また、遊技者は、打方向変更案内振動の前後で遊技球の発射を継続することもできるし、打方向変更案内振動を待って遊技球の発射を開始することもできる。このように、遊技機10は、遊技者に対して遊技方法選択の幅を広げる機会を提供できる。
次に、打方向変更の案内タイミングの変形例1について図30を用いて説明する。図30は、第2の実施形態の変形例1の打方向変更の案内タイミングの一例を示す図である。変形例1の遊技機10は、遊技者が打方向変更をおこなっていないことを検出して再度の打方向変更振動をおこなう。
遊技機10は、タイミングt21で変動表示の結果として当りを導出し変動表示状態からファンファーレ状態に遷移し、タイミングt23でファンファーレ状態から当り状態に遷移する。
遊技機10は、タイミングt21で打方向変更案内表示を開始する。たとえば、遊技機10は、タイミングt21で打ち方案内表示605を表示し、タイミングt23で打ち方案内表示609を表示する。
遊技機10は、タイミングt21から期間P21だけ遅れたタイミングt22で打方向変更案内振動をおこなう。なお、タイミングt22は、タイミングt23から期間P22だけ早い。また、遊技機10は、打方向変更案内振動を終始おこなうことなく期間P23に限っておこなう。
通常であれば、遊技機10は、期間P24以内に大入賞口内に入賞した遊技球を検出するカウントセンサから入賞球の検出信号を得る。具体的には、遊技制御装置100が大入賞口スイッチ38a(カウントセンサ)からの入力信号を監視することで大入賞口内に入賞した遊技球を検出することができる。遊技制御装置100が大入賞口内への入賞をコマンドにより演出制御装置300に通知することにより、演出制御装置300は、打方向変更案内表示と打方向変更案内振動とをおこなうことができる。
すなわち、遊技機10は、期間P24以内に大入賞口内への入賞を検出しない場合、遊技者が打方向変更をおこなっていない、あるいは遊技球を発射することすらしていない蓋然性が高い。そこで、遊技機10は、期間P24経過後に再度の打方向変更案内振動をおこなって、遊技者に打方向変更を促す。遊技機10は、再度の打方向変更案内振動をカウントセンサの検出までの期間P25だけおこなう。なお、遊技機10は、再度の打方向変更案内振動をカウントセンサの検出に関わらず、最初の打方向変更案内振動の期間P23より長いものとして、遊技者により強く注意喚起を促すようにしてもよい。
また、遊技機10は、当り中の演出に演出ボタン25を用いる場合があって、打方向変更案内振動が当り中の演出と重複する場合に、打方向変更案内振動を優先し、カウントセンサの検出まで演出ボタン25を用いる当り中の演出をおこなわないようにしてもよい。また、遊技機10は、打方向変更案内振動が当り中の演出と重複する場合に、当り中の演出と振動パターンを違えて打方向変更案内振動を優先出力するようにしてもよい。たとえば、遊技機10は、低周波振動による当り中の演出に、打方向変更案内振動を高周波振動により優先出力することができる。
次に、打方向変更の案内タイミングの変形例2について図31を用いて説明する。図31は、第2の実施形態の変形例2の打方向変更の案内タイミングの一例を示す図である。
変形例2の遊技機10は、遊技者が打方向変更をおこなったことを検出するまで打方向変更振動を継続する。
遊技機10は、タイミングt31で変動表示の結果として当りを導出し変動表示状態からファンファーレ状態に遷移し、タイミングt33でファンファーレ状態から当り状態に遷移する。
遊技機10は、タイミングt31で打方向変更案内表示を開始する。たとえば、遊技機10は、タイミングt31で打ち方案内表示605を表示し、タイミングt33で打ち方案内表示609を表示する。
遊技機10は、タイミングt31から期間P31だけ遅れたタイミングt32で打方向変更案内振動をおこなう。なお、タイミングt32は、タイミングt33から期間P32だけ早い。また、遊技機10は、打方向変更案内振動の振動期間を遊技者に注意喚起を図るのに十分に長い時間を設定する。たとえば、遊技機10は、打方向変更案内振動の振動期間を大入賞口の最長開放期間に相当する30秒に設定する。
遊技機10は、カウントセンサから入賞球の検出信号を設定された振動期間内に得なければ、設定された期間だけ打方向変更案内振動をおこなう。また、遊技機10は、カウントセンサから入賞球の検出信号を設定された振動期間内に得れば、検出信号を得たタイミングまで打方向変更案内振動をおこなう。たとえば、遊技機10は、カウントセンサから入賞球の検出信号をタイミングt34に得れば、タイミングt32からタイミングt34までの期間P33だけ打方向変更案内振動をおこなう。
これにより、遊技機10は、打方向変更についてより強く遊技者に注意喚起を促すことができる。また、遊技機10は、制限なく打方向変更案内振動を継続することを抑制できる。なお、遊技機10は、設定された期間だけ打方向変更案内振動をおこなう場合に、時間経過にしたがい、低周波振動から高周波振動に切り替える等、振動態様を変更するようにしてもよい。
次に、打方向変更の案内タイミングの変形例3について図32を用いて説明する。図32は、第2の実施形態の変形例3の打方向変更の案内タイミングの一例を示す図である。変形例3の遊技機10は、打方向切替時の発射開始タイミングに加えて打方向切替中の発射停止タイミングを案内することができる。
遊技機10は、タイミングt41で当り状態からエンディング状態に遷移し、タイミングt42でエンディング状態から普電サポート状態に遷移する。遊技機10は、当り状態終了によりタイミングt41で大入賞口を開放状態から閉塞状態に切り替える。一方で、遊技機10は、普電サポート状態以降によりタイミングt42で普電を頻回に開放する。
遊技機10は、タイミングt41からタイミングt42まで遊技者にとって右打ちの利益がない。遊技者に無用の混乱を生じさせることを避けるため、遊技機10は、タイミングt41からタイミングt42までを挟んで打方向変更案内表示を継続する。すなわち、遊技機10は、当り状態からエンディング状態を経て普電サポート状態に移行する場合に、エンディング状態において打方向変更案内表示を中断することなく打方向変更案内表示を継続する。これにより、遊技機10は、遊技者に理解容易な打方向変更案内をおこなうことができる。
一方で、エンディング状態の期間によっては、遊技機10は、遊技者に対して少なくない無駄玉を消費させることとなる場合がある。そこで、遊技機10は、タイミングt41で期間P41だけ打方向変更案内振動をおこなう。これにより、遊技機10は、大入賞口が開放状態から閉塞状態に切り替わったことを案内し、遊技者が無駄玉を消費する危険を低減する。
また、遊技機10は、タイミングt42で期間P41と異なる期間P42だけ打方向変更案内振動をおこなう。なお、期間P41と期間P42とは、同じ期間であってもよい。これにより、遊技機10は、大入賞口が閉塞状態から開放状態に切り替わったことを案内し、遊技者が入賞機会を逸する危険を低減する。
なお、近時の遊技機の大入賞口は、周辺装飾が華美になったり、大型化したりしたことで、小型化し目立ちにくい。また、近時の遊技機は、当り中の表示演出や装飾演出を華美にすることで、大入賞口の注目度が低下する傾向にある。そのため、近時の遊技機は、遊技者にとって大入賞口の開放態様の切替がわかりにくい。遊技機10は、大入賞口の注目度が低下していても、打方向変更案内振動が大入賞口の開放態様の切替を案内する機能を有することで遊技者による操作をサポートすることができる。
なお、大入賞口の開放態様の切替を案内する打方向変更案内振動の振動態様は、大入賞口を閉塞状態から開放状態に切り替えるときと、大入賞口を開放状態から閉塞状態に切り替えるときとで、遊技機10は、打方向変更案内振動を違えたが、振動期間に限らず、振動パターンや振動周期を違えるようにしてもよい。また、打方向変更案内表示の開始時に最初におこなう打方向変更案内振動(図29から図31参照)と、打方向変更案内表示の継続中におこなう打方向変更案内振動(図32参照)とは、振動態様を違えるようにしてもよい。
次に、打方向変更の案内タイミングの変形例4について図33を用いて説明する。図33は、第2の実施形態の変形例4の打方向変更の案内タイミングの一例を示す図である。変形例4の遊技機10は、遊技者に対して右打ちから左打ちへの打方向変更を案内することができる。
遊技機10は、タイミングt52で普電サポートがある普電サポート状態から普電サポートがない通常遊技状態に遷移する。遊技機10は、普電サポート状態において右打ちを案内する打方向変更案内表示をおこなっており、タイミングt52で打方向変更案内表示を右打ちの案内から左打ちに案内に切り替えて期間P52だけおこなう。さらに、遊技機10は、タイミングt52で打方向変更案内振動を期間P51だけおこなう。
なお、遊技機10は、遊技者の右打ち遊技を検出できる。具体的には、遊技制御装置100は、右側遊技領域にゲートスイッチ(ゲートSW)34aを備えるので、ゲートスイッチ34aからの入力信号を監視することでゲートスイッチ34aにおける遊技球の通過検出することができる。遊技制御装置100がゲートスイッチ34aの遊技球の通過検出をコマンドにより演出制御装置300に通知することにより、演出制御装置300は、遊技者の打方向に応じた打方向変更案内表示と打方向変更案内振動とをおこなうことができる。なお、遊技機10は、同様にして左側遊技領域に位置するスイッチ(たとえば、左側遊技領域に位置する一般入賞口35に対応する入賞口スイッチ35a)の入力信号を監視することで左打ち遊技についても検出することができる。
遊技機10は、遊技者が打方向案内に従わない打ち方をしていた場合に、再度の打方向案内をおこなう。たとえば、遊技機10は、タイミングt53で右打ち遊技を検出した場合に左打ちを案内する打方向変更案内表示を期間P52と異なる期間P54だけおこなう。なお、期間P52と期間P54とは、同じ期間であってもよい。さらに、遊技機10は、タイミングt53で打方向変更案内振動を期間P51と異なる期間P53だけおこなう。なお、期間P51と期間P53とは、同じ期間であってもよい。
このような遊技機10は、打ち方案内表示による打方向切替案内に加えて、打ち方案内振動により打方向切替タイミングを案内可能にすることで、一層有利な遊技球の打ち方を遊技者に案内できる。
次に、打方向変更の案内態様の変形例について図34を用いて説明する。図34は、第2の実施形態の変形例5の打方向変更の案内態様の一例を示す図である。変形例5の遊技機10は、打方向変更案内表示の表示態様を変更することで、打方向切替タイミングを案内することができる。
打方向変更案内表示の表示態様を変更する変更系列の一例を図34(1)から(3)に示す。図34(1)に示す打方向変更案内表示630は、打方向切替タイミングに先立つ案内表示であり、ピクトグラム631とメッセージ632とを含む。ピクトグラム631は、図示(矢印)により打方向が右であることを案内する。メッセージ632は、文字(「右打ち」)により打方向が右であることを案内する。
図34(2)に示す打方向変更案内表示633は、打方向変更案内表示630に続いて打方向切替タイミングから表示される案内表示であり、ピクトグラム634とメッセージ635とを含む。ピクトグラム634は、図示(矢印)により打方向が右であることを、ピクトグラム631と異なる表示態様(たとえば、色違い、大きさ違い、表示位置の違い、アニメーションの違い等)で案内する。メッセージ635は、文字(「右打ち!!!」)により打方向が右であることを、メッセージ632と異なる表示態様(たとえば、内容違いや大きさ違い、色違い、表示位置の違い等)で案内する。
図34(3)に示す打方向変更案内表示636は、打方向変更案内表示633に続く案内表示であり、ピクトグラム637は、図示(矢印)により打方向が右であることを、ピクトグラム634と異なる表示態様(たとえば、色違い、大きさ違い、表示位置の違い、アニメーションの違い等)で案内する。なお、ピクトグラム637は、ピクトグラム631と同じであってもよいし、表示態様を違えて打方向切替タイミング経過を案内するようにしてもよい。メッセージ638は、文字により打方向が右であることを、メッセージ635と異なる表示態様(たとえば、内容違いや大きさ違い、色違い、表示位置の違い等)で案内する。なお、メッセージ638は、メッセージ632と同じであってもよいし、表示態様を違えて打方向切替タイミング経過を案内するようにしてもよい。
また、メッセージ638は、遊技者の打方向切替を確認後に確認前の文字(たとえば、「右打ち」)を確認後の文字(たとえば、「右打ち良好」)に変更するようにしてもよい。
このような遊技機10は、打ち方案内表示による打方向切替案内に加えて、打ち方案内表示の表示態様変更により打方向切替タイミングを案内可能にすることで、一層有利な遊技球の打ち方を遊技者に案内できる。なお、変形例5の遊技機10は、打方向変更案内表示の表示態様の変更に加えて、で打方向変更案内振動を併用するものであってもよい。
なお、遊技機10は、遊技領域を左側遊技領域と右側遊技領域とを区別して打方向を案内するとしたが、これに限らない領域区分によって打方向を案内するものであってもよい。
上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、第1案内手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、表示装置41による打方向変更案内表示)と、第2案内手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、演出ボタン25が備えるバイブレータによる打方向変更案内振動)と、を備える。第1案内手段は、第1の遊技領域(たとえば、左側遊技領域)から第1の遊技領域と異なる第2の遊技領域(たとえば、右側遊技領域)への遊技球の打ち方変更を表示手段(たとえば、表示装置41)による案内表示(たとえば、打方向変更案内表示)によって第1のタイミング(たとえば、タイミングt11)で案内する。第2案内手段は、打ち方変更を振動手段(たとえば、演出ボタン25が備えるバイブレータ)による案内振動(たとえば、打方向変更案内振動)によって第1のタイミングより遅い第2のタイミング(たとえば、タイミングt12)で案内する。(図29参照)
(2)遊技機10は、遊技球の打ち方変更を振動手段(たとえば、演出ボタン25が備えるバイブレータ)による案内振動(たとえば、打方向変更案内振動)によって案内する案内手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、演出ボタン25が備えるバイブレータによる打方向変更案内振動)を備える。案内手段は、変動入賞手段(たとえば、大入賞口、普電等)が遊技者にとって不利な状態(たとえば、閉塞状態)から有利な状態(たとえば、開放状態)となる第1のタイミング(たとえば、タイミングt13)より早い第2のタイミング(たとえば、タイミングt12)から第1のタイミングより早い第3のタイミング(たとえば、タイミングt12から期間P13経過タイミング)までの期間、案内振動をおこなう。(図29参照)
(3)遊技機10は、遊技球の打ち方変更を振動手段(たとえば、演出ボタン25が備えるバイブレータ)による案内振動(たとえば、打方向変更案内振動)によって案内する案内手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、演出ボタン25が備えるバイブレータによる打方向変更案内振動)を備える。案内手段は、変動入賞手段(たとえば、大入賞口、普電等)が遊技者にとって不利な状態(たとえば、閉塞状態)から有利な状態(たとえば、開放状態)となる第1のタイミング(たとえば、タイミングt23)より早い第2のタイミング(たとえば、タイミングt22)から所定期間(たとえば、期間P23)、案内振動をおこない、第1のタイミングを超えて変動入賞手段への入賞を検出しない場合に案内振動を再度おこなう(たとえば、タイミングt24からタイミングt25までの期間P25)。(図30参照)
(4)遊技機10は、遊技球の打ち方変更を振動手段(たとえば、演出ボタン25が備えるバイブレータ)による案内振動(たとえば、打方向変更案内振動)によって案内する案内手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300、演出ボタン25が備えるバイブレータによる打方向変更案内振動)を備える。案内手段は、変動入賞手段(たとえば、大入賞口、普電等)が遊技者にとって不利な状態(たとえば、閉塞状態)から有利な状態(たとえば、開放状態)となる第1のタイミング(たとえば、タイミングt23)より早い第2のタイミング(たとえば、タイミングt22)から所定期間(たとえば、期間P23)の案内振動と、第2のタイミングよりも後に再度の案内振動とをおこなう(たとえば、タイミングt24からタイミングt25までの期間P25)。(図30参照)
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態を図面にもとづいて説明する。第3の実施形態の遊技機は、先読み予告演出として実行される保留予告演出において2つの異なる発展系列(保留表示発展系列)で保留表示の表示態様変更をおこなうことができる。なお、第3の実施形態の遊技機は、断りのない限りにおいて第1の実施形態と同様の構成を有し、また第1の実施形態や第2の実施形態との組合せが排除されない。
まず、第3の実施形態の遊技機10における保留予告演出における保留表示発展系列の表示態様について図35を用いて説明する。図35は、第3の実施形態の保留予告演出における保留表示発展系列の表示態様の一例を示す図である。
遊技機10は、保留表示発展系列として発展系列1と、発展系列1と異なる発展系列2とを含む。発展系列1は、シーケンシャルタイプの発展系列である。発展系列2は、フォークタイプの発展系列である。
発展系列1は、デフォルト表示態様Dfと、発展表示態様A1,A2,A3,A4,A5とを含む。デフォルト表示態様Dfは、白色の球形状の保留アイコンであり、保留予告演出をおこなわないときの表示態様、または保留予告演出をおこなうときの発展前の表示態様として表示される。発展表示態様A1は、青色の球形状の保留アイコンであり、保留予告演出をおこなうときの表示態様として表示される。発展表示態様A2は、黄色の球形状の保留アイコンであり、保留予告演出をおこなうときに発展表示態様A1よりも高い期待度を演出する表示態様として表示される。発展表示態様A3は、赤色の球形状の保留アイコンであり、保留予告演出をおこなうときに発展表示態様A2よりも高い期待度を演出する表示態様として表示される。発展表示態様A4は、桜柄の球形状の保留アイコンであり、保留予告演出をおこなうときに発展表示態様A3よりも高い期待度(たとえば、激熱)を演出する表示態様として表示される。発展表示態様A5は、虹模様の球形状の保留アイコンであり、保留予告演出をおこなうときに発展表示態様A4よりも高い期待度(たとえば、当確)を演出する表示態様として表示される。
発展系列2は、デフォルト表示態様Dfと、中間表示態様B1と、発展表示態様B2,B3,B4,B5とを含む。デフォルト表示態様Dfは、白色の球形状の保留アイコンであり、保留予告演出をおこなわないときの表示態様、または保留予告演出をおこなうときの発展前の表示態様として表示される。中間表示態様B1は、蓋を閉じた宝箱の保留アイコンであり、保留予告演出をおこなうときに、発展期待度が高い中間段階の表示態様として表示される。発展表示態様B2は、蓋を開けた宝箱からメッセージ「気配」が覗く保留アイコンであり、保留予告演出をおこなうときに中間表示態様B1よりも高い期待度を演出する表示態様として表示される。発展表示態様B3は、蓋を開けた宝箱からメッセージ「好機」が覗く保留アイコンであり、保留予告演出をおこなうときに発展表示態様B2よりも高い期待度を演出する表示態様として表示される。発展表示態様B4は、蓋を開けた宝箱からメッセージ「激熱」が覗く保留アイコンであり、保留予告演出をおこなうときに発展表示態様B3よりも高い期待度を演出する表示態様として表示される。発展表示態様B5は、蓋を開けた宝箱からメッセージ「鉄板」(当確)が覗く保留アイコンであり、保留予告演出をおこなうときに発展表示態様B4よりも高い期待度を演出する表示態様として表示される。
次に、第3の実施形態の保留表示発展系列の発展順序について図36を用いて説明する。図36は、第3の実施形態の保留予告演出における保留表示発展系列の発展順序の一例を示す図である。
まず、発展系列1の発展順序を、図36(1)に示す。発展系列1は、デフォルト表示態様Dfから発展表示態様A1,A2,A3,A4,A5の順に発展順序が並ぶシーケンシャルタイプの発展系列である。デフォルト表示態様Dfは、発展表示態様A1,A2,A3,A4,A5のいずれにも遷移し得るが、発展表示態様A1,A2,A3,A4,A5のいずれもデフォルト表示態様Dfに遷移し得ない。発展表示態様A1は、発展表示態様A2,A3,A4,A5のいずれにも遷移し得るが、発展表示態様A2,A3,A4,A5のいずれも発展表示態様A1に遷移し得ない。発展表示態様A2は、発展表示態様A3,A4,A5のいずれにも遷移し得るが、発展表示態様A3,A4,A5のいずれも発展表示態様A2に遷移し得ない。発展表示態様A3は、発展表示態様A4,A5のいずれにも遷移し得るが、発展表示態様A4,A5のいずれも発展表示態様A3に遷移し得ない。発展表示態様A4は、発展表示態様A5に遷移し得るが、発展表示態様A5は発展表示態様A4に遷移し得ない。なお、発展系列1は、保留発生時にデフォルト表示態様Dfを起点にして発展するだけでなく、保留発生時に発展表示態様A1,A2,A3,A4,A5のいずれをも起点にし得る。
次に、発展系列2の発展順序を、図36(2)に示す。発展系列2は、デフォルト表示態様Dfから中間表示態様B1、発展表示態様B2,B3,B4,B5の順に発展順序が並ぶフォークタイプの発展系列である。デフォルト表示態様Dfは、中間表示態様B1に遷移し得るが、中間表示態様B1、発展表示態様B2,B3,B4,B5のいずれもデフォルト表示態様Dfに遷移し得ない。中間表示態様B1は、発展表示態様B2,B3,B4,B5のいずれにも遷移し得るが、発展表示態様B2,B3,B4,B5のいずれも中間表示態様B1に遷移し得ない。なお、発展系列2は、保留発生時にデフォルト表示態様Dfを起点にして発展するだけでなく、保留発生時に中間表示態様B1をも起点にし得るが、保留発生時に発展表示態様B2,B3,B4,B5のいずれをも起点にし得ない。
このように、遊技機10は、保留予告演出における2つの発展系列について遷移態様を異ならせることで、単なる表示態様の相違と明確に区別され、遊技者による2つの発展系列の区別を容易にすることができる。
次に、保留待機表示と保留消化表示における表示態様変更(発展)確率について図37を用いて説明する。図37は、第3の実施形態の保留待機表示と保留消化表示における保留表示発展確率の一例を示す図である。
遊技機10は、始動記憶が発生した場合、まず保留表示(保留待機表示)505において保留アイコンとして表示する。たとえば、1つ目の始動記憶(始動記憶数「1」)が発生した場合、保留表示5051にて保留アイコン507を発生表示する。また、2つ目の始動記憶(始動記憶数「2」)が発生した場合、保留表示5052にて保留アイコン507を発生表示する。また、3つ目の始動記憶(始動記憶数「3」)が発生した場合、保留表示5053にて保留アイコン507を発生表示する。また、4つ目の始動記憶(始動記憶数「4」)が発生した場合、保留表示5054にて保留アイコン507を発生表示する。
遊技機10は、通常、発生表示する保留アイコン507をデフォルト表示態様Dfとするが、保留予告演出をおこなうときには発生表示する保留アイコン507の表示態様を発展系列にしたがい所定確率で変更する。遊技機10は、発生表示する保留アイコン507の表示態様の変更確率を始動記憶数に応じて違える。
たとえば、遊技機10は、1つ目の始動記憶が発生した場合、保留アイコン507の表示態様をデフォルト表示態様Dfから確率pr01で変更し、確率(1-pr01)でデフォルト表示態様Dfのままとする。同様に、遊技機10は、2つ目の始動記憶が発生した場合、保留アイコン507の表示態様をデフォルト表示態様Dfから確率pr02で変更し、確率(1-pr02)でデフォルト表示態様Dfのままとする。同様に、遊技機10は、3つ目の始動記憶が発生した場合、保留アイコン507の表示態様をデフォルト表示態様Dfから確率pr03で変更し、確率(1-pr03)でデフォルト表示態様Dfのままとする。同様に、遊技機10は、4つ目の始動記憶が発生した場合、保留アイコン507の表示態様をデフォルト表示態様Dfから確率pr04で変更し、確率(1-pr04)でデフォルト表示態様Dfのままとする。なお、確率pr01,pr02,pr03,pr04は、すべて同じ値とするが、昇順あるいは降順で異なる値であってもよい。
また、遊技機10は、保留シフトする保留アイコン507の表示態様を発展系列にしたがい所定確率で変更する。遊技機10は、保留シフトする保留アイコン507の表示態様の変更確率を保留シフト位置に応じて違える。
たとえば、遊技機10は、保留アイコン507を保留表示5054から保留表示5053に保留シフトする場合、保留アイコン507の表示態様を確率pr43で変更し、確率(1-pr43)でそのままとする。同様に、遊技機10は、保留アイコン507を保留表示5053から保留表示5052に保留シフトする場合、保留アイコン507の表示態様を確率pr32で変更し、確率(1-pr32)でそのままとする。同様に、遊技機10は、保留アイコン507を保留表示5052から保留表示5051に保留シフトする場合、保留アイコン507の表示態様を確率pr21で変更し、確率(1-pr21)でそのままとする。同様に、遊技機10は、保留表示5051にある保留アイコン507を保留消化表示506にある保留消化アイコン508とする場合、保留消化アイコン508の表示態様を確率pr10で保留アイコン507から変更し、確率(1-pr10)で保留アイコン507のままとする。なお、確率pr43,pr32,pr21は、すべて同じ値でとするが、昇順あるいは降順で異なる値であってもよい。確率pr10は、後述するが、確率pr43,pr32,pr21と異なる値が設定される。
なお、保留シフトする保留アイコン507の表示態様の変更は、保留シフト動作中におこなうものであってもよいし、保留シフト後におこなうものであってもよい。また、保留アイコン507の表示態様の変更抽選は、始動記憶発生時と保留シフト時のいずれも変更の是非を決定するものであって、いずれの表示態様に発展するかは別途の抽選によって決定することができる。
このような保留アイコン507の表示態様の変更抽選の確率は、発展系列ごとに異なるものとして設定される。次に、第3の実施形態の保留予告演出における保留表示発展系列の選択確率と保留表示態様の発展率について図38を用いて説明する。図38は、第3の実施形態の保留予告演出における保留表示発展系列の選択確率と保留表示態様の発展率の一例を示す図である。
まず、保留予告演出実行時の発展系列選択率(保留表示発展系列の選択確率)を図38(1)に示す。遊技機10は、はずれを導出する保留予告演出実行時に、発展系列1を75%の確率で選択し、発展系列2を25%の確率で選択する。また、遊技機10は、当りを導出する保留予告演出実行時に、発展系列1を25%の確率で選択し、発展系列2を75%の確率で選択する。したがって、遊技機10は、発展系列1を発展系列2よりも期待度が低い保留予告として演出し、発展系列2を発展系列1よりも期待度が高い保留予告として演出する。
次に、保留予告演出実行時の保留態様変化率(保留表示態様の発展率,保留態様発展率)を図38(2)に示す。遊技機10は、待機保留発生時、待機保留シフト時、および消化保留シフト時のうち1以上の機会で重複を許して保留予告演出における保留態様変化をおこなうことができる。また、遊技機10は、待機保留シフト時のうちでも2以上の機会で重複を許して保留予告演出における保留態様変化をおこなうことができる。
遊技機10は、保留予告演出を発展系列1でおこなうとするとき、待機保留発生時の保留態様変化率を50%とし、待機保留シフト時の保留態様変化率を50%とし、消化保留シフト時の保留態様変化率を20%とする。また、遊技機10は、保留予告演出を発展系列2でおこなうとするとき、待機保留発生時の保留態様変化率を99%とし、待機保留シフト時の保留態様変化率を1%とし、消化保留シフト時の保留態様変化率を99%とする。なお、図37を用いて説明した確率pr01,pr02,pr03,pr04が待機保留発生時の保留態様変化率に相当し、確率pr43,pr32,pr21が待機保留シフト時の保留態様変化率に相当し、確率pr10が消化保留シフト時の保留態様変化率に相当する。
このように、遊技機10は、発展系列1が保留表示505(待機保留)において保留表示態様を変更する確率よりも発展系列2が保留表示505において保留表示態様を変更する確率を小さくし、発展系列1が保留消化表示506(消化保留)において保留表示態様を変更する確率よりも発展系列2が保留消化表示506において保留表示態様を変更する確率を大きくする。
したがって、遊技機10は、発展系列1について消化保留よりも待機保留での保留態様変化の期待度を高く演出し、発展系列2について待機保留よりも消化保留での保留態様変化の期待度を高く演出する。これにより、遊技機10は、保留予告演出における期待感の持続性を高めることができる。
なお、遊技機10は、待機保留発生時、待機保留シフト時、および消化保留シフト時のうち1の機会に限り保留予告演出における保留態様変化をおこなうものであってもよい。次に、保留予告演出実行時の保留態様変化率の変形例について図39を用いて説明する。図39は、第3の実施形態の変形例1の保留予告演出における保留表示態様の発展率の一例を示す図である。
遊技機10は、保留予告演出における保留態様変化を発展系列1でおこなう場合、待機保留発生時の保留態様変化率(保留表示態様の発展率)を70%とし、待機保留発生時に保留態様変化するとしたとき、その余の待機保留シフト時および消化保留シフト時に保留態様変化しない。また、遊技機10は、保留予告演出における保留態様変化を発展系列1でおこなう場合、待機保留シフト時の保留態様変化率を10%とし、待機保留シフト時に保留態様変化するとしたとき、その余の待機保留発生時および消化保留シフト時に保留態様変化しない。また、遊技機10は、保留予告演出における保留態様変化を発展系列1でおこなう場合、消化保留シフト時の保留態様変化率を20%とし、消化保留シフト時に保留態様変化するとしたとき、その余の待機保留発生時および待機保留シフト時に保留態様変化しない。
また、遊技機10は、保留予告演出における保留態様変化を発展系列2でおこなう場合、待機保留発生時の保留態様変化率を100%とし、中間表示態様B1で保留発生する。また、遊技機10は、保留予告演出における保留態様変化を発展系列2でおこなう場合、待機保留シフト時の保留態様変化率を0%とし、保留表示505において保留態様変化しない。また、遊技機10は、保留予告演出における保留態様変化を発展系列2でおこなう場合、消化保留シフト時の保留態様変化率を100%とし、消化保留シフト時に中間表示態様B1から発展表示態様B2,B3,B4,B5のいずれかに保留態様変化する。
このようにしても、遊技機10は、発展系列1が保留表示505の待機保留シフト時において保留表示態様を変更する確率よりも発展系列2が保留表示505の待機保留シフト時において保留表示態様を変更する確率を小さくし、発展系列1が保留消化表示506において保留表示態様を変更する確率よりも発展系列2が保留消化表示506において保留表示態様を変更する確率を大きくする。
したがって、遊技機10は、発展系列1について消化保留よりも待機保留での保留態様変化の期待度を高く演出し、発展系列2について待機保留よりも消化保留での保留態様変化の期待度を高く演出する。これにより、遊技機10は、保留予告演出における期待感の持続性を高めることができる。
また、遊技機10は、発展系列1が保留表示505の待機保留発生時において保留表示態様を変更する確率よりも発展系列2が保留表示505の待機保留発生時において保留表示態様を変更する確率を大きくする。これにより、遊技機10は、発展系列1が保留表示505の待機保留シフト時において保留表示態様を変更する確率よりも発展系列2が保留表示505の待機保留シフト時において保留表示態様を変更する確率を小さくすることができる。
次に、第3の実施形態の変形例2の遊技機10について図40と図41を用いて説明する。第3の実施形態の変形例2の遊技機10は、保留表示態様の変更に関連して設定示唆をおこなうことができる。なお、ここで示唆対象となる設定は、設定値変更スイッチ126と設定キースイッチ127とを用いて設定される設定値をいう。
まず、発展系列1でおこなう設定示唆について図40を用いて説明する。図40は、第3の実施形態の変形例2の保留予告演出の発展系列1における設定ごとの保留表示態様の発展率の一例を示す図である。
遊技機10は、発展系列1が第1待機保留(保留表示5051)、第2待機保留(保留表示5052)、第3待機保留(保留表示5053)、および第4待機保留(保留表示5054)のうちいずれの位置で保留態様変化するかにより、すなわち待機保留がいずれの待機順序で保留態様変化するかにより設定を示唆するようにしている。具体的には、待機保留発生時および待機保留シフト時における保留態様変化の確率を、設定ごとに違えることで実現している。
たとえば、第1待機保留における保留態様変化の確率は、設定「1」において25%、設定「2」において30%、設定「3」において30%、設定「4」において40%、設定「5」において75%、設定「6」において5%となっている。同様に、第2待機保留における保留態様変化の確率は、設定「1」において25%、設定「2」において25%、設定「3」において30%、設定「4」において30%、設定「5」において10%、設定「6」において10%となっている。同様に、第3待機保留における保留態様変化の確率は、設定「1」において25%、設定「2」において25%、設定「3」において20%、設定「4」において20%、設定「5」において10%、設定「6」において10%となっている。同様に、第4待機保留における保留態様変化の確率は、設定「1」において25%、設定「2」において20%、設定「3」において20%、設定「4」において10%、設定「5」において5%、設定「6」において75%となっている。
これにより、遊技機10は、発展系列1において待機保留のいずれの位置で保留態様変化がおこなわれるかを遊技者に観察させて設定値を推定する興趣を提供する。また、遊技機10は、第1待機保留から第4待機保留までを用いて設定示唆を演出することから、遊技者がより確かに設定値を推定しようとする動機付けを与え、このような動機付けが始動記憶を4つまで貯める遊技を遊技者に促す。したがって、遊技機10は、遊技者に新たな興趣を提供するとともに、遊技機10の稼働向上を図ることができる。
次に、発展系列2でおこなう設定示唆について図41を用いて説明する。図41は、第3の実施形態の変形例2の保留予告演出の発展系列2における設定ごとの保留表示態様の発展率の一例を示す図である。
遊技機10は、発展系列2が保留消化表示506においていずれの表示態様で保留態様変化するかにより、設定を示唆するようにしている。具体的には、遊技機10は、発展表示態様B2,B3,B4,B5により期待度を演出することから発展表示態様B2,B3,B4,B5の一部の表示態様を違えて設定示唆をおこなう。ここでは、発展表示態様B3を例示して説明するが、発展表示態様B2,B4,B5についても同様である。
遊技機10は、発展表示態様B3について第1消化態様から第4消化態様を用意する。第1消化態様は、宝箱の側面を赤色にして設定を示唆し、第2消化態様は、宝箱の側面を黄色にして設定を示唆し、第3消化態様は、宝箱の側面を青色にして設定を示唆し、第4消化態様は、宝箱の側面を白色にして設定を示唆する。
たとえば、保留消化表示506において第1消化態様が選択される確率は、設定「1」において25%、設定「2」において30%、設定「3」において30%、設定「4」において40%、設定「5」において75%、設定「6」において5%となっている。同様に、保留消化表示506において第2消化態様が選択される確率は、設定「1」において25%、設定「2」において25%、設定「3」において30%、設定「4」において30%、設定「5」において10%、設定「6」において10%となっている。同様に、保留消化表示506において第3消化態様が選択される確率は、設定「1」において25%、設定「2」において25%、設定「3」において20%、設定「4」において20%、設定「5」において10%、設定「6」において10%となっている。同様に、保留消化表示506において第4消化態様が選択される確率は、設定「1」において25%、設定「2」において20%、設定「3」において20%、設定「4」において10%、設定「5」において5%、設定「6」において75%となっている。
これにより、遊技機10は、発展系列2において保留消化表示506でどのような保留態様変化がおこなわれるかを遊技者に観察させて設定値を推定する興趣を提供する。また、遊技機10は、発展表示態様B2,B3,B4,B5のいずれであるかという興趣と、第1消化態様から第4消化態様のいずれであるかという興趣を同時に提供できる。このような遊技機10は、発展表示態様が遊技者にとって望ましくない場合にあっても消化態様が示唆する設定により興趣を得ることを可能にする。また、遊技機10は、消化態様が示唆する設定が遊技者にとって望ましくない場合にあっても発展表示態様により興趣を得ることを可能にする。したがって、遊技機10は、遊技者に新たな興趣を提供するとともに、遊技機10の稼働向上を図ることができる。
上述した第2の実施形態の遊技機10(変形例を含む)は、一側面において以下のような特徴を有する。
(1)遊技機10は、変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)の実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果に関連して始動記憶の保留表示態様を変更して保留予告演出を実行可能であって、表示手段(たとえば、表示装置41)と、変動表示ゲームの実行前の始動記憶を待機保留(保留表示505、保留アイコン507)として表示手段に表示させ、変動表示ゲームの実行中の始動記憶を消化保留(保留消化表示506、保留消化アイコン508)として表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を備える。制御手段は、始動記憶の保留表示態様を第1系列で変更する第1保留予告演出(発展系列1)と、始動記憶の保留表示態様を第1系列と異なる第2系列で変更する第2保留予告演出(発展系列2)とを実行可能であり、第1保留予告演出が待機保留において保留表示態様を変更する確率よりも第2保留予告演出が待機保留において保留表示態様を変更する確率を小さくし、第1保留予告演出が消化保留において保留表示態様を変更する確率よりも第2保留予告演出が消化保留において保留表示態様を変更する確率を大きくする(図38参照)。
(2) (1)の遊技機10は、2以上の異なる遊技性能のうちから1の遊技性能を設定変更可能な設定手段を備える。制御手段は、第1保留予告演出と第2保留予告演出のうち少なくともいずれか一方の保留予告演出が待機保留において保留表示態様を変更する確率を、待機保留の待機順序および設定変更された遊技性能にしたがい異ならせる。
(3)遊技機10は、変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)の実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果に関連して始動記憶の保留表示態様を変更して保留予告演出を実行可能であって、2以上の異なる遊技性能のうちから1の遊技性能を設定変更可能な設定手段と、表示手段(たとえば、表示装置41)と、変動表示ゲームの実行前の始動記憶を待機保留(保留表示505、保留アイコン507)として表示手段に表示させ、変動表示ゲームの実行中の始動記憶を消化保留(保留消化表示506、保留消化アイコン508)として表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を備える。制御手段は、始動記憶の保留表示態様を変更する保留予告演出(発展系列1)を実行可能であり、保留予告演出が待機保留において保留表示態様を変更する確率を、待機保留の待機順序(保留表示5051,5052,5053,5054)および設定変更された遊技性能にしたがい異ならせる(図40参照)。
(4)遊技機10は、変動表示ゲーム(たとえば、特図1ゲーム、特図2ゲーム)の実行権利として始動記憶を記憶し、該始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果に関連して始動記憶の保留表示態様を変更して保留予告演出を実行可能であって、2以上の異なる遊技性能のうちから1の遊技性能を設定変更可能な設定手段と、表示手段(たとえば、表示装置41)と、変動表示ゲームの実行前の始動記憶を待機保留(保留表示505、保留アイコン507)として表示手段に表示させ、変動表示ゲームの実行中の始動記憶を消化保留(保留消化表示506、保留消化アイコン508)として表示手段に表示させる制御手段(たとえば、遊技制御装置100、演出制御装置300)と、を備える。制御手段は、始動記憶の保留表示態様を第1系列で変更する第1保留予告演出(発展系列1)と、始動記憶の保留表示態様を第1系列と異なる第2系列で変更する第2保留予告演出(発展系列2)とを実行可能であり、第1保留予告演出と第2保留予告演出のうちいずれか一方(たとえば、発展系列2)について、消化保留として表示手段に最終表示態様(発展表示態様B2,B3,B4,B5)で表示させるすべての始動記憶を、待機保留として表示手段に特定表示態様(中間表示態様B1)で表示させる(図36参照)。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、実施形態の遊技機が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD-RAM、CD(Compact Disk)-ROM/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
また、上記の処理機能の少なくとも一部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)等の電子回路で実現することもできる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、開示した実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、たとえば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用するすべての遊技機、およびメダルを使用する遊技機であるスロットマシンに適用可能である。
また、開示した実施形態はすべての点で例示されるものであって制限的なものではないと考えられるべきである。また、上述の実施形態および変形例の各構成を組み合わせて適用してもよい。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 遊技機
25 演出ボタン
41 表示装置
100 遊技制御装置
300 演出制御装置

Claims (1)

  1. 遊技球の打ち方変更を表示手段による案内表示によって案内する第1案内手段と、
    前記打ち方変更を振動手段による案内振動によって案内する第2案内手段と、
    を備え、
    前記第1案内手段は、変動入賞手段が遊技者にとって不利な状態から有利な状態となる第1のタイミングより早い第2のタイミングから前記第1のタイミングより遅い第3のタイミングまでの期間、前記案内表示をおこない、
    前記第2案内手段は、前記第1のタイミングより早い第のタイミングから前記第1のタイミングより早い第のタイミングまでの期間、前記案内振動をおこなう、
    遊技機。
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