以下に、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
本発明に係るプロット調査システム1は、図1に示すように、携帯端末装置10と、三次元レーザースキャナー11と、カメラ12と、位置通信装置13とから基本的に構成される。ここで、図1では、三次元レーザースキャナー11と、カメラ12と、位置通信装置13とは、携帯端末装置10に付属の形態であるが、各部がそれぞれ携帯端末装置10に接続された形態であっても構わない。
携帯端末装置10は、画面を表示する表示部と、ユーザの操作により所定の指示キーの入力を受け付ける受付部(入力部)と、データを記憶させる記憶部と、各部を制御する制御部と、データを出力する出力部と、通信部と、を備えている。携帯端末装置10は、例えば、タブレット型端末装置、携帯用のノートパソコン、タッチパネル付きの携帯端末装置(スマートフォン)等を挙げることが出来る。
又、三次元レーザースキャナー11は、レーザー照射部と、散乱光検出部と、点群算出部と、を備える。ここで、レーザー照射部は、対象物にパルス状のレーザーを発光する。散乱光検出部は、対象物に照射したレーザーに対する散乱光を検出する。点群算出部は、検出された散乱光に基づいて、三次元レーザースキャナー10から対象物までの距離や対象物の表面における散乱光が散乱した位置の点群の三次元データを算出する。三次元レーザースキャナー10は、例えば、Lidar(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)センサーを挙げることが出来る。三次元レーザースキャナー11で取得される三次元点群データは、複数の三次元位置情報の集合体である。
又、カメラ12は、可視光カメラを基本とし、デジタル写真を撮影することが出来れば、どのような種類のカメラでも良い。又、位置通信装置13は、携帯端末装置10の位置情報を取得することが出来れば、どのような種類の位置通信装置13でも良いが、例えば、GPS受信装置(1周波GNSS受信機)や2周波マルチGNSS受信機を挙げることが出来る。
ここで、三次元レーザースキャナー11とカメラ12とは同等の方向を向いて携帯端末装置10に付属されている。そのため、三次元レーザースキャナー11とカメラ12とを所定の計測対象領域に向けると、三次元レーザースキャナー11とカメラ12とが同一の計測対象領域に対する三次元点群データと二次元画像の撮影画像とを得ることが出来る。
さて、携帯端末装置10は、図示しないCPU、ROM、RAM、HDD、SSD等を内蔵しており、CPUは、例えば、RAMを作業領域として利用し、ROM、HDD、SSD等に記憶されているプログラムを実行する。又、後述する各部についても、CPUがプログラムを実行することで当該各部を実現する。
次に、図1-図2を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。先ず、計測者が、携帯端末装置10を携帯して、計測を希望する所定の計測対象領域(例えば、複数の単木が存在する土地)に訪れ、携帯端末装置10を起動させる。そして、計測者は、携帯端末装置10の三次元レーザースキャナー11とカメラ12とを計測対象領域へ向けて、携帯端末装置10に計測キーを入力する。
すると、携帯端末装置10の第一の取得制御部101は、三次元レーザースキャナー11によって計測対象領域の三次元点群データを取得する(図2:S101)。
ここで、第一の取得制御部101の取得方法に特に限定は無い。例えば、計測者は、図3Aに示すように、三次元レーザースキャナー11のレーザー照射部を計測対象領域(例えば、傾斜状の地面)に向けて、計測キーを入力すると、第一の取得制御部101は、計測キーの入力を受けて、三次元レーザースキャナー11のレーザーの照射を開始する。
照射されたレーザーは、三次元レーザースキャナー11に対向する計測対象領域の一部で反射して散乱光として散乱する。そして、三次元レーザースキャナー11の散乱光検出部は、散乱光を検出し、三次元レーザースキャナー11の点群算出部は、散乱光が散乱した位置の点群の三次元点群データを取得する。
ここで、三次元点群データは、散乱光が三次元レーザースキャナー11に戻ってきた位置の点を含み、散乱光が三次元レーザースキャナー11に戻ってこなかった位置の点は含まれない。又、三次元点群データに含まれる点P1の位置情報(xp1、yp1、zp1)は、携帯端末装置10の位置を基準(原点)とした三次元座標系で構成される。
さて、第一の取得制御部101が三次元点群データを取得すると、次に、端末端末装置10の第二の取得制御部102は、カメラ12によって計測対象領域(傾斜状の地面)を写された二次元画像の撮影画像Iを取得する(図2:S102)。
ここで、第二の取得制御部102の取得方法に特に限定は無い。例えば、計測者は、図3Aに示すように、カメラ12を計測対象領域に向けているため、第二の取得制御部102は、計測対象領域を撮影して、計測対象領域を示した二次元画像の撮影画像Iを取得する。
ここで、三次元レーザースキャナー11とカメラ12とは同等の方向を向いているため、三次元レーザースキャナー11により取得された三次元点群データは、カメラ12により取得された撮影画像Iに含まれる計測対象領域の一部に対応することになる。
さて、第二の取得制御部102が撮影画像を取得すると、次に、端末端末装置10の第一の変換制御部103は、携帯端末装置10に付属の位置通信装置13で取得した地理座標系位置情報を用いて、三次元点群データを、地理座標系で表現された地理座標系三次元点群データに変換する(図2:S103)。
ここで、第一の変換制御部103の変換方法に特に限定は無い。例えば、第一の変換制御部104は、携帯端末装置10に付属(内蔵)の位置通信装置13を介して、携帯端末装置10の現地点P0の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)を取得する。次に、第一の変換制御部104は、携帯端末装置10の現地点P0を基準とする三次元点群データに含まれる各点P1の位置情報(xp1、yp1、zp1)から携帯端末装置10の現地点P0の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)を減算して、その減算値(xp1-xp0、yp1-yp0、zp1-zp0)を、地理座標系を基準とした三次元点群データの各点P2の位置情報(xp2、yp2、zp2)として算出する。つまり、第一の変換制御部104は、三次元点群データの各点P1の位置情報(xp1、yp1、zp1)の基準点を携帯端末装置10の現地点P0の基準点から地理座標系の基準点に変更することで、地理座標系三次元点群データの各点P2の位置情報(xp2、yp2、zp2)に変換する。これにより、携帯端末装置10の現地点P0を基準とする三次元点群データを、地理座標系を基準とする地理座標系三次元点群データ(計測用のデータ)として取り扱うことが可能となる。
ここで、位置通信装置13に特に限定は無いが、例えば、図4Aに示すように、位置通信装置13が、携帯端末装置10に付属のGPS受信装置(1周波GNSS受信機)である場合、第一の変換制御部104が取得する携帯端末装置10の現地点P0の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)の精度(測定限界)は、一般的に、10m程度になる。一方、携帯端末装置10にRTK受信機40を取り付けて、位置通信装置13が、RTK受信機40の2周波マルチGNSS受信機である場合は、第一の変換制御部104が取得する携帯端末装置10の現地点P0の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)の精度は、数cm程度になり、携帯端末装置10の現地点P0の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)の精度が極めて向上する。この場合、変換される地理座標系三次元点群データの精度も向上するため、計測結果の精度を向上させることが出来る。尚、ここでの2周波マルチGNSS受信機による地理座標系位置情報(GNSS情報)は、タッチパネル付きの携帯端末装置10(スマートフォン)やタブレット型端末装置10に内蔵の受信機により取得されても良いし、上述のように2周波マルチGNSS受信機40を携帯端末装置10に別途装着して、この2周波マルチGNSS受信機40により取得されても良い。
さて、第一の変換制御部103が変換を完了すると、次に、携帯端末装置10の第二の変換制御部104は、地理座標系三次元点群データで表される形状の表面をメッシュ化して、多角形から構成された、前記計測対象領域の表面を表すメッシュデータに変換する(図2:S104)。
ここで、第二の変換制御部104の変換方法に特に限定は無い。例えば、第二の変換制御部104は、地理座標系三次元点群データを、図4Bに示すように、全ての面が三つの頂点の三角形から構成されるメッシュデータM1に変換する。ここで、メッシュ化のアルゴリズムに特に限定は無いが、例えば、三角形分割法等を挙げることが出来る。
例えば、地理座標系三次元点群データは、三次元座標IDと、画像IDと、地理座標系位置情報(地理座標系三次元位置情報)との各項目から構成される。一方、メッシュデータM1は、地理座標系三次元点群データをメッシュ(網目)として表現するデータであり、メッシュIDと、メッシュ頂点と、法線ベクトルとの各項目から構成される。メッシュ頂点には、地理座標系位置情報の頂点が所定数(1以上の数)格納される。法線ベクトルは、メッシュ面に対して垂直なベクトルであり、メッシュ面上の全ての直線と垂直であるベクトルと意味し、メッシュ面の法線ベクトルを三次元で表現したものが格納される。ここで、メッシュデータM1では、メッシュを構成する多角形の頂点と多角形の外向きの法線ベクトルであるため、個々の地理座標系三次元点群データと比較すると、データ量が圧縮される。
このように、地理座標系三次元点群データをメッシュ化することで、データ量の多い点群データを、データ量を圧縮したメッシュデータM1に変換し、簡単に取り扱うことが可能となる。又、メッシュデータM1は、計測対象領域の表面を表しており、上述した撮影画像上にAR(拡張現実)オブジェクトとして表示し易くなるため、計測者の指定点の指定に最適に表示することが出来る。尚、上述では、メッシュ形状として三角形を採用したが、このメッシュ形状の種類に特に限定は無く、三角形の他に、例えば、四角形、五角形等を挙げることが出来る。
ここで、第二の変換制御部104は、地理座標系三次元点群データをメッシュ化する前に、点のバラつきを除去するためのノイズ処理を行うことで、計測対象領域(地面)と無関係な点を地理座標系三次元点群データから除去し、計測対象領域の形状を精度高くメッシュデータM1にしても良い。ノイズ処理として、例えば、地理座標系三次元点群データに対して箱ひげ図を算出し、バラつきが大きい点を除去する処理を挙げることが出来る。
さて、第二の変換制御部104が変換を完了すると、次に、携帯端末装置10の表示制御部105は、メッシュデータM1の地理座標系を撮影画像Iのカメラ座標系に対応付けることで、当該撮影画像I内の計測対象領域にメッシュデータM1を重ねて表示させる(図2:S105)。
ここで、表示制御部105の表示方法に特に限定は無い。例えば、図5に示すように、現実世界におけるメッシュデータM1内の任意の点P2の地理座標系位置情報(xp2、yp2、zp2)と、撮影画像I内に示されたメッシュデータM1内の対応点Q2のカメラ座標系二次元位置情報(vq2、uq2)とは、三次元レーザースキャナー11とカメラ12の撮影位置や姿勢情報、カメラ12の焦点距離、キャリブレーションマトリックスなどの変換情報に基づいて対応付けることが出来る。
地理座標系は、地理座標における特定の点を原点として、横軸をx軸とし、縦軸をyとし、奥行軸(視野軸)をz軸とする。z軸は、三次元レーザースキャナー11から計測対象領域に向かった方向の軸を意味する。又、カメラ座標系は、撮影画像Iにおける所定の点を原点として、横軸をv軸とし、縦軸をu軸とする。撮影画像Iは、カメラ12の中心から計測対象領域に向かってz軸方向に焦点距離fだけ離れた位置に、z軸に対して垂直に位置する。ここで、x軸方向は、例えば、地理座標系の横方向(左右方向)であり、z軸方向は、地理座標系の奥行方向(前後方向)であり、y軸方向は、地理座標系の上下方向(垂直方向)である。
表示制御部105は、変換情報を用いて、現実世界のメッシュデータM1の各点P2の地理座標系位置情報(xp2、yp2、zp2)の地理座標系を、撮影画像Iのカメラ座標系に対応付けることで、地理座標系のメッシュデータM1の点P2の地理座標系位置情報(xp2、yp2、zp2)を撮影画像I内のメッシュデータM1の対応点Q2のカメラ座標系二次元位置情報(vq2、uq2)に変換する。そして、表示制御部105は、変換後のメッシュデータM1の対応点Q2のカメラ座標系二次元位置情報(vq2、uq2)を撮影画像I内に表示させることで、撮影画像I内の計測対象領域にメッシュデータMを重ね合わせる。
例えば、表示制御部105は、撮影画像I内の計測対象領域(ここでは、傾斜状の地面)にメッシュデータM1を表示受付部(例えば、タッチパネル)上に表示させる。これにより、撮影画像I内にメッシュデータMを、計測対象領域の表面を表すARオブジェクトとして表示させることが可能となる。
又、表示制御部105は、タッチパネルに表示されたメッシュデータM1の任意の点を指定可能に表示させても良い。
さて、表示制御部105が表示を完了すると、計測者が、計測対象領域にプロットを設定するための所定のプロットの作成キーを入力すると、携帯端末装置10の作成制御部106は、携帯端末装置10の現地点P0の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)を基準点として、地理座標系の上方向から見た場合の所定の形状を有するプロットの境界線を作成する(図2:S106)。
ここで、作成制御部106の作成方法に特に限定は無い。先ず、計測者が、携帯端末装置10のタッチパネルを介して、プロットの作成キーを入力すると、作成制御部106は、図6Aに示すように、タッチパネルの撮影画像I内に、プロットの形状を指定するためのプロット形状キー601を選択可能に表示する。
プロット形状キー601には、図6Aに示すように、「正方形」キー601aと、「円(自分中心)」キー601bと、「四角形(方向指定)」キー601cが選択可能に表示される。「正方形」キー601aは、プロットの形状が正方形であることを示し、「円(自分中心)」キー601bは、プロットの形状が円であることを示し、「四角形(方向指定)」キー601cは、プロットの形状が四角形であることを示す。
ここで、計測者が、プロット形状キー601を選択すると、作成制御部106は、タッチパネルの撮影画像I内に、プロットの条件を指定するためのプロット条件キー602を選択可能に表示する。
プロット条件キー602は、プロット形状キー601の種類に応じて変更される。図6Aに示すように、プロット形状キー601が「正方形」キー601aの場合、プロット条件キー602には、「辺の長さ(横、奥行)」キー602aと、「最初の辺から右に展開」キー602bと、「最初の辺から左に展開」キー602cとが選択可能に表示される。
ここで、「辺の長さ(横、奥行)」キー602aでは、図6Bに示すように、正方形の横方向(x軸方向)の辺の長さLxと奥行方向(z軸方向)の辺の長さLzを入力するためのキーである。又、「最初の辺から右に展開」キー602bでは、基準点P0から、三次元レーザースキャナー11とカメラ12とが向いている視準方向Dに正方形の最初の辺L1が設けられ、この最初の辺L1から右側に正方形のプロットA1が展開される。「最初の辺から左に展開」キー602cでは、基準点P0から視準方向Dに最初の辺L1から左側に正方形のプロットA2が展開される。ここで、「最初の辺から右に展開」キー602bと、「最初の辺から左に展開」キー602cとは、いずれかが選択される。
又、プロット形状キー601が「円(自分中心)」キー601bの場合、プロット条件キー602には、「面積入力」キー602dが選択可能に表示される。「面積入力」キー602dでは、円のプロットCの面積を入力することが出来る。例えば、円のプロットCの面積が100m2の場合、所定の点を円の中心として、半径rが約5.64mの円のプロットCが展開される(5.64m×5.64m×PI=100m2)。
尚、プロット形状キー601が「四角形(方向指定)」キー601cの場合、プロット条件キー602には、四角形のプロットを指定するための方向と各辺を指定するためのキーが選択可能に表示される。
ここで、例えば、計測者が、「正方形」キー601aを選択し、「辺の長さ(横、奥行)」キー602aを選択して、正方形の横方向の辺の長さLxに「10m」を入力し、奥行方向の辺の長さLzに「10m」を入力し、「最初の辺から右に展開」キー602bを選択する。すると、作成制御部106は、正方形のプロットの形状とプロットの条件を受け付ける。
そして、作成制御部106は、図8に示すように、携帯端末装置10の現地点P0の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)を基準点として、地理座標系の上方向から見た場合の正方形を有するプロットA1の境界線Lを作成する。具体的には、作成制御部106は、携帯端末装置10の現地点P0の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)を第一の頂点a1とし、地理座標系の上方向から見て、第一の頂点a1から、視準方向Dに沿って、入力された奥行方向の辺の長さLzだけ離れた点を第二の頂点a2とする。次に、作成制御部106は、第二の頂点a2から視準方向Dと直角方向で、且つ、右方向に沿って、入力された横方向の辺の長さLxだけ離れた点を第三の頂点a3とし、第一の頂点a1から視準方向Dと直角方向で、右方向に沿って、入力された横方向の辺の長さLxだけ離れた点を第四の頂点a4とする。
ここで、第二の頂点a2から第四の頂点a4までの地理座標系位置情報は、第一の頂点a1の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)から、横方向又は奥行方向に平行移動しているだけであるため、例えば、第二の頂点a2の地理座標系位置情報は、z座標値に奥行方向の辺の長さLzを加算した位置情報(xp0、yp0、zp0+Lz)となり、第三の頂点a3の地理座標系位置情報は、x座標値に横方向の辺の長さLxを加算し、座標値に奥行方向の辺の長さLzを加算した位置情報(xp0+Lx、yp0、zp0+Lz)となり、第四の頂点a4の地理座標系位置情報は、x座標値に横方向の辺の長さLxを加算した位置情報(xp0+Lx、yp0、zp0)となる。
そして、作成制御部106は、第一の頂点a1から第四の頂点a4までの頂点について、相互に隣接する頂点間を連結した4つの辺L1、L2、L3、L4をプロットA1の境界線Lとして作成する。これにより、地理座標系においてプロットA1の境界線Lを簡単に作成することが可能となる。
ところで、作成制御部106は、各頂点に、プロットA1の境界線Lの頂点を示す頂点画像S(例えば、棒の上方先端に球を有するポール)を表示させても良い。これにより、計測者が頂点画像Sを確認することで、各頂点の位置を直ぐに見つけることが可能となる。尚、頂点画像Sの形態に特に限定は無く、例えば、ポールの他に矢印や旗印等を挙げることが出来る。
さて、作成制御部106が作成を完了すると、次に、携帯端末装置10の変更制御部107は、作成されたプロットA1の境界線LがメッシュデータM1と重複する場合、重複するメッシュデータM1の地理座標系位置情報の上下方向の座標値を用いて、重複したプロットA1の境界線Lの地理座標系位置情報の上下方向の座標値を変更することで、重複したプロットA1の境界線LをメッシュデータM1の上方に表示させる(図2:S107)。
ここで、変更制御部107の変更方法に特に限定は無い。例えば、図7、図8に示すように、プロットA1の境界線Lのうち、第一の頂点a1の近傍には、先ほどのメッシュデータM1が広がっている。そこで、変更制御部107は、先ず、第一の頂点a1と重複するメッシュデータM1の対応点m1の地理座標系位置情報(xm1、ym1、zm1)の上下方向の座標値(ここでは、ym1)に所定値y0(例えば、10cm)を加算した加算値(ym1+y0)を算出する。次に、変更制御部107は、メッシュデータM1と重複する第一の頂点a1の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)の上下方向の座標値(yp0)を加算値(ym1+y0)に変更して、地理座標系位置情報(xp0、ym1+y0、zp0)とする。尚、第一の頂点a1は、地理座標系の上方向から見て対応点m1と重複するため、第一の点a1の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)の左右方向の座標値(xp0)は、対応点m1の地理座標系位置情報(xm1、ym1、zm1)の左右方向の座標値(xm1)と同一であり、第一の点a1の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)の前後方向の座標値(zp0)は、対応点m1の地理座標系位置情報(xm1、ym1、zm1)の前後方向の座標値(zm1)と同一である。これにより、第一の頂点a1をメッシュデータMの対応点m1の上方に配置させることが可能となり、計測者が、撮影画像Iを確認した際に、メッシュデータMの対応点m1の上方に存在する第一の頂点a1を直ぐに確認することが出来る。
次に、変更制御部107は、境界線Lを構成する4つの辺L1、L2、L3、L4のそれぞれを所定数(例えば、4つ)に分割し、分割した分割点(例えば、3つの分割点)が、メッシュデータM1と重複するか否かを判定する。
ここで、分割点が、メッシュデータM1で対応する対応点と重複する場合、変更制御部107は、分割点と重複するメッシュデータM1の対応点の地理座標系位置情報の上下方向の座標値に所定値(y0)を加算した加算値を算出し、メッシュデータM1の対応点と重複する分割点の地理座標系位置情報の上下方向の座標値を加算値に変更する。
例えば、図7では、例えば、最初の辺L1の第一の頂点a1と第二の頂点a2との間には、3つの分割点b1、b2、b3が設けられる。ここで、図9に示すように、第一の頂点a1から第二の頂点a2に向かって第一の分割点b1と第二の分割点b2(境界線Lの最初の辺L1の一部)とは、メッシュデータM1と重複し、第三の分割点b3と第二の頂点a2(境界線Lの最初の辺L1の他部)は、メッシュデータM1に重複しない。
そこで、変更制御部107は、第一の分割点b1と重複するメッシュデータM1の対応点m2の地理座標系位置情報(xm2、ym2、zm2)の上下方向の座標値(ym2)に所定値(y0)を加算した加算値(ym2+y0)を算出し、第一の分割点b1の地理座標系位置情報(xb1、yb1、zb1)の上下方向の座標値(yb1)を加算値(ym2+y0)に変更する。第二の分割点b2の地理座標系位置情報(xb2、yb2、zb2)も同様に、重複するメッシュデータM1の対応点m3の地理座標系位置情報(xm3、ym3、zm3)を用いて、第二の分割点b2の地理座標系位置情報(xb2、yb2、zb2)の上下方向の座標値(yb2)を加算値(ym3+y0)に変更する。これにより、第一の頂点a1と同様に、第一の分割点b1と第二の分割点b2とをメッシュデータM1の上方に配置させることが出来る。
一方、第三の分割点b3と第二の頂点a2とは、メッシュデータM1に重複しないため、変更制御部107は、第三の分割点b3と第二の頂点a2とのそれぞれの点の地理座標系位置情報の上下方向の座標値に初期値(y00)を設定する。初期値に特に限定は無く、予め設定された値であっても、プロットA1の設定の際の携帯端末装置10の現地点P0の地理座標系位置情報(xp0、yp0、zp0)の上下方向の座標値(yp0)で合っても良い。例えば、第三の分割点b3では、地理座標系位置情報(xb3、y00、zb3)となり、第二の頂点a2では、地理座標系位置情報(xa2、y00、za2)となる。これにより、メッシュデータM1と重複しない点では、一定の高さのプロットA1の境界線Lを設けることが出来る。
ここで、プロットA1の境界線Lの構成に特に限定は無いが、例えば、図8に示すように、最初の辺L1は、3つの分割点b1、b2、b3により4つの分割辺L11、L12、L13、L14に分割され、第一の頂点a1から隣接する第一の分割点b1までの第一の分割辺L11は、第一の頂点a1又は第一の分割点b1のいずれかの一方の点(ここでは、第一の頂点a1)の地理座標系位置情報の上下方向の座標値(ym1+y0)を同一にし、一方の点から他方の点(ここでは、第一の分割点b1)まで伸ばした辺として構成される。つまり、分割辺は、分割辺の両方の2点のうち、いずれかの一方の点を基準として、一方の点の地理座標系位置情報の上下方向の座標値を同一にし、一方の点から他方の点まで伸ばした辺とする。ここで、基準となる点の選択方法に特に限定は無いが、例えば、分割辺の両方の2点のうち、地理座標系位置情報の上下方向の座標値が高い点を選択すると好ましい。このように、分割辺は、両方の2点のいずれかの高さを基準とした辺として構成される。ここで、メッシュデータM1と重複する第一の分割辺L11から第三の分割辺L13では、メッシュデータM1の高低に合せて階段状の辺となることから、計測者にプロットA1の境界線Lを発見し易くすることが可能となる。メッシュデータM1と重複しない第四の分割辺L14では、地理座標系位置情報の上下方向の座標値が同じとなるため、この領域について、メッシュデータM1の取得を促すことが可能となる。尚、境界線Lを構成する4つの辺L11、L12、L13、L14についても同様に処理される。
ここで、上述では、境界線Lを構成する4つの辺L1、L2、L3、L4のそれぞれを所定数(4つ)に分割するように構成したが、他の構成で分割しても構わない。例えば、4つの辺L1、L2、L3、L4のそれぞれを所定の長さ(例えば、1m)毎に分割するように構成しても良い。又、分割辺L11、L12、L13、L14は、上述の階段状の構成の他に、例えば、隣接する2点を相互に連結する辺にして、折れ線状の構成であっても構わない。階段状の構成でも折れ線状の構成でも、分割点の数が増加する程、境界線Lは、メッシュデータM1の高低に追従するように構成される。プロットA1の境界線LをメッシュデータM1の高低に合わせて表示することで、プロットA1の境界線Lを容易に確認することが可能となる。又、プロットの形状が円の場合であっても、その境界線Lの分割方法は同様である
ここで、変更制御部107が変更を完了すると、図9-図11に示すように、地理座標系のメッシュデータM1には、プロットA1の境界線Lがデータとして3次元的に追加される。分割辺L11、L12、L13は、メッシュデータM1の上方に配置されている。そして、地理座標系でのプロットA1の境界線Lは、変換情報により、撮影画像Iのカメラ座標系に変換され、撮影画像Iにおいても確認可能となる。
そして、計測者が、撮影画像Iを確認すると、図12に示すように、例えば、撮影画像IのメッシュデータM1には、プロットA1の境界線Lのうち、最初の辺L1と、第四の辺L4と、第一の頂点画像Sとが表示される。このように、計測者は、撮影画像IのプロットA1の境界線Lを見ながら、計測対象領域のうち、どこの領域の三次元点群データ(メッシュデータ)を取得する必要があるかを直ぐに確認することが出来る。これにより、従来、手間と時間が掛かっていたプロットA1の設定を地理座標系でのデータ上で簡単に行い、上述した撮影画像I内にプロットA1の境界線LをAR(拡張現実)オブジェクトとして表示することが可能となり、計測者の手間と時間を飛躍的に軽減することが可能となるのである。
尚、例えば、計測者が、プロットA1の境界線Lを誤って設定した場合は、例えば、キャンセルキー(図示せず)を携帯端末装置10に入力することで、作成制御部106は、設定したプロットA1の境界線Lを削除する。これにより、計測者は、プロットA1の設定のやり直しを簡単にすることが出来る。
さて、計測者が、更に、計測対象領域の三次元点群データを取得する場合は、下記のようになる。即ち、計測者が携帯端末装置10の位置を動かして、三次元レーザースキャナー11とカメラ12とを計測対象領域の他の部分(例えば、第二の頂点a2の近傍部分)へ向ける。すると、上述と同様に、第一の取得制御部101が、三次元レーザースキャナー11によって他の部分の三次元点群データを取得し(図2:S101)、第二の取得制御部102は、カメラ12によって他の部分を示した二次元画像の撮影画像Iを取得する(図2:S102)。次に、第一の変換制御部103は、三次元点群データを地理座標系三次元点群データに変換し(図2:S103)、第二の変換制御部104は、地理座標系三次元点群データをメッシュデータM2に変換する(図2:S104)。そして、表示制御部105は、メッシュデータM2の地理座標系を撮影画像のカメラ座標系に対応付けることで、当該撮影画像Iの他の部分にメッシュデータM2を重ねて表示させる(図2:S105)。
ここで、既に、作成制御部106がプロットA1の境界線Lを作成していることから、プロットA1の境界線Lの作成は省略される(図2:S106)。一方、変更制御部107は、新たにメッシュデータM2が表示されると、新たに表示された新規メッシュデータM2と境界線Lが重複するか否かを判定する。ここで、新規メッシュデータM2は、第二の頂点a2の近傍部分であることから、例えば、今まで重複していなかった第二の頂点a2を含む境界線LがメッシュデータM2と重複する。
そこで、変更制御部107は、第二の点a2を含む境界線Lが新規メッシュデータM1と重複する場合、重複する新規メッシュデータM2の地理座標系位置情報の上下方向の座標値を用いて、重複したプロットA1の境界線Lの地理座標系位置情報の上下方向の座標値を変更することで、重複したプロットA1の境界線Lを新規メッシュデータM2の上方に表示させる(図2:S107)。
ここでは、例えば、図13に示すように、第三の分割点b3と第二の頂点a2とが、新規メッシュデータM2と重複した場合、変更制御部107は、第三の分割点b3と重複する新規メッシュデータM2の対応点m4の地理座標系位置情報(xm4、ym4、zm4)の上下方向の座標値(ym4)に所定値(y0)を加算した加算値(ym4+y0)を算出し、第三の分割点b3の地理座標系位置情報(xb3、y00、zb3)の上下方向の座標値(y00)を加算値(ym4+y0)に変更する。第二の頂点a2の地理座標系位置情報(xa2、y00、za2)も同様に、重複する新規メッシュデータM2の対応点m5の地理座標系位置情報(xm5、ym5、zm5)を用いて、第二の頂点a2の地理座標系位置情報(xa2、y00、za2)の上下方向の座標値(y00)を加算値(ym5+y0)に変更する。尚、第三の分割点b3と第二の頂点a2との間の第四の分割辺L14は、第三の分割点b3の地理座標系位置情報の上下方向の座標値(ym4+y0)を同一にし、第三の分割点b3から第二の頂点a2まで伸ばした辺として構成される。これにより、第三の分割点b3と第二の点a2と第四の分割辺L14とを新規メッシュデータM2の上方に配置させることが出来るため、計測者は、プロットA1の境界線Lを見失うことなく確認することが可能となる。又、計測者が、計測対象領域の三次元点群データを取得する度に、新規メッシュデータが追加され、それに対応して、プロットA1の境界線Lが新規メッシュデータの上方に配置されることから、計測者は、プロットA1の内外を正確に把握しながら、計測対象領域の三次元点群データを効率的に取得することが可能となる。
ここで、例えば、計測対象領域のプロットA1内に単木が存在する場合、計測者が、三次元レーザースキャナー11とカメラ12とを単木へ向けると、第一の取得制御部101が、三次元レーザースキャナー11によって単木の三次元点群データを取得し(図2:S101)、第二の取得制御部102は、カメラ12によって単木を示した二次元画像の撮影画像Iを取得する(図2:S102)。次に、第一の変換制御部103は、三次元点群データを地理座標系三次元点群データに変換し(図2:S103)、第二の変換制御部104は、地理座標系三次元点群データをメッシュデータM3に変換する(図2:S104)。そして、表示制御部105は、メッシュデータM3の地理座標系を撮影画像Iのカメラ座標系に対応付けることで、当該撮影画像I上にメッシュデータM3を重ねて表示させる(図2:S105)。
この場合、図14に示すように、単木TがメッシュデータM2として取得される。計測者が、単木TをメッシュデータM2として取得する場合であっても、既に作成したプロットA1の境界線Lが撮影画像I内に反映されることから、計測者は、プロットA1内の単木Tの三次元点群データ(メッシュデータM2)を効率よく取得することが可能となる。
ここで、プロットA1内の単木TのメッシュデータM2が取得された場合、携帯端末装置10が、例えば、単木TのメッシュデータM2を活用することで、単木Tの胸高直径等を算出するよう構成しても良い。
さて、計測者が、プロットA1内を動き回って、プロットA1内の単木T等を全てメッシュデータMとして取得し、結果キーを携帯端末装置10に入力すると、携帯端末装置10は、今まで取得したメッシュデータMを地理座標系のベクタデータとして変換して出力する。ここで、ベクタデータとは、複数の点の地理座標系位置情報(座標値)とそれらを結ぶ線や面の方程式及び所定のパラメータで表現される図形データを意味する。ベクタデータは、メッシュデータMと互換性が高く、且つ、他の端末装置のソフトウェア(又はアプリケーション)で読み取って利用することが出来るため、メッシュデータMをベクタデータに変換することで、今まで取得したメッシュデータMの汎用性を高めることが可能となる。
このように、本発明では、地理座標系でのメッシュデータMの上方にプロットA1の境界線Lを作成して、撮影画像I内に表示させることが出来るため、計測者は、現場でプロットA1の境界線Lを設置する必要が無く、計測者は、撮影画像I内のプロットA1の境界線Lを見ながら、プロットA1内の単木Tの三次元点群データの取得を行うことが可能となる。そのため、本発明では、プロット調査に要する計測者の手間と時間を飛躍的に軽減することが出来るとともに、計測者の人的ミス等も軽減することが出来るため、プロット調査の精度を高めることが可能となる。
さて、本発明に係る実施例について説明する。図1、図2に示すプロット調査システム1及びプロット調査方法を携帯端末装置10に具現化し、所定の計測対象領域について計測を行った。計測者は、先ず、所定の計測対象領域に対して三次元レーザースキャナー11で三次元点群データを取得し、同一の計測対象領域に対してカメラ12で撮影画像を取得した。携帯端末装置10では、三次元点群データを地理座標系三次元点群データに変換し、それをメッシュデータに変換した。又、携帯端末装置10では、撮影画像Iをタッチパネル上に表示するとともに、メッシュデータの地理座標系を撮影画像のカメラ座標系に対応付けることで、撮影画像I内にメッシュデータを表示させた。
図15Aには、携帯端末装置10のタッチパネル上の撮影画像I内に、うっすらとメッシュデータMが重ねて表示されている。メッシュデータMは、計測対象領域の表面を表すデータであるため、撮影画像Iの計測対象領域に対応して表示される。撮影画像Iの右上の四角部分W(小型ウインドウ)には、地上の上方向から見た携帯端末装置10の位置を示した地上写真が表示される。
ここで、計測者が、プロットの作成キーを携帯端末装置10に入力すると、所定のメッセージ「目印を設置 スキャン中の目印として以下のオブジェクトを設置できます。」1500が表示されるとともに、「マーカー(指定水平距離)」キー1501と、「円(自分中心)」キー1502と、「正方形(自分中心)」キー1503と、「四角形(方向を指定)」キー1504とが選択可能に表示される。
ここでは、計測者が、「正方形(自分中心)」キー1503を選択すると、図15Bに示すように、所定のメッセージ「辺の長さを設定 長方形の奥行き(m)と幅(m)の順に指定して下さい。」1505が表示されるとともに、奥行きの入力欄1506と、幅の入力欄1507と、「最初の辺から右に展開」キー1508と、「最初の辺から左に展開」キー1509と、「キャンセル」キー1510とが選択可能に表示される。
そこで、計測者が、奥行きの入力欄1506に「10.0」を入力し、幅の入力欄1507に「10.0」を入力して、「最初の辺から右に展開」キー1508を選択すると、図16Aに示すように、所定のメッセージ「最初の辺を設置したい方向にカメラを向けて「+」ボタンを押してください。」1600が表示されるとともに、「+」ボタン1601が撮影画像I内のメッシュデータM上に選択可能に表示される。
そこで、計測者が、所定の位置で「+」ボタン1601を選択すると、作成制御部106は、携帯端末装置10の現地点の地理座標系位置情報を基準点として、現地点から「+」ボタン1061の指定点までの方向を最初の辺の方向(視準方向)として、地理座標系の上方向から見て、視準方向に沿って、10mの最初の辺L1を設置し、この最初の辺L1から右側に正方形のプロットA1の境界線Lを作成する(図2:S106)。
ここで、最初の辺L1は、メッシュデータMに重複するため、変更制御部107は、重複するメッシュデータMの地理座標系位置情報の上下方向の座標値を用いて、重複した最初の辺L1の地理座標系位置情報の上下方向の座標値を変更することで、重複したプロットA1の最初の辺L1をメッシュデータM1の上方に表示させる(図2:S107)。
撮影画像Iには、図16Bに示すように、最初の辺L1がメッシュデータMの上方に表示される。これにより、計測者は、撮影画像I内でプロットA1の境界線LをメッシュデータMの上方で確認することが出来る。
ここで、例えば、計測者が、最初の辺L1に沿って歩くと、最初の辺L1が所定の長さ毎に分割され、分割された複数の分割辺がメッシュデータM1の高低に合わせて階段状に構成される。そのため、図17Aに示すように、撮影画像IのメッシュデータMに対応して、最初の辺L1が階段状に表示される。
そして、計測者が、最初の辺L1から第二の頂点a2に近づくと、図17Bに示すように、撮影画像IのメッシュデータMに対応して、最初の辺L1と第二の辺L2との間の第二の頂点a2に頂点画像Sが表示される。これにより、計測者が計測対象領域を動き回ったとしても、撮影画像I内のメッシュデータMの上方にプロットA1の境界線Lを示す最初の辺L1と第二の辺L2が表示されることから、プロットA1から外すことなく、プロットA1内を正確に動き回ることが可能となる。
ここで、計測者が、例えば、プロットA1内の単木に向かって三次元レーザースキャナー11とカメラ12とを単木へ向けると、図18Aに示すように、携帯端末装置10は、単木TのメッシュデータMを取得し、撮影画像I内に単木TのメッシュデータMを表示させる。これにより、プロットA1内の単木TのメッシュデータMを効率よく取得することが出来る。
尚、撮影画像Iの右上の四角部分Wには、所定の切替キーの入力により、三次元レーザースキャナー11で取得した三次元点群データが表示される。四角部分Wのうち、三次元点群データが得られていない部分は所定の色(黒色)で表示されている。これにより、測定者に、三次元点群データが得られていない部分を三次元レーザースキャナー11でスキャンするように促すことが出来る。
又、単木TのメッシュデータMが取得された場合、所定のメッセージ「タップした木を単木としてマークします。」1800が表示される。計測者が、「+」ボタン1601を介して、撮影画像I内の単木TのメッシュデータMの任意の点を選択する(タッピングする)と、携帯端末装置10が、選択された単木TのメッシュデータMから単木Tの胸高直径を算出し、図18Bに示すように、この単木Tに番号(「1」)1801を付与し、算出した胸高直径(17.9cm)1802を表示する。これにより、計測者が、取得したメッシュデータMの単木Tの胸高直径を容易に計測することが可能となる。又、計測者は、単木TのメッシュデータMを簡単にマーキングすることが可能となる。
さて、計測者は、プロットA1内を動き回って、プロットA1内の単木TのメッシュデータMを取得していく。ここで、計測者が移動することで、携帯端末装置10の位置も移動するが、設定されたプロットA1は、地理座標系で設定されているため、図19A、図19Bに示すように、携帯端末装置10の位置が、プロットA1の境界線Lに近づけば、撮影画像I内にプロットA1の境界線Lが表示される。これにより、プロットA1内の単木Tに限定して、単木TのメッシュデータM(三次元点群データ)を取得することが可能となる。
さて、計測者が、プロットA1内の単木TのメッシュデータMをある程度取得して、例えば、結果キーを携帯端末装置10に入力すると、携帯端末装置10は、図20Aに示すように、地理座標系において取得したメッシュデータMと、プロットA1の境界線Lとを横方向から見た場合で三次元的に表示させる。計測者が、携帯端末装置10のタッチパネルを操作することで、携帯端末装置10は、図20Bに示すように、取得したメッシュデータMと、プロットA1の境界線Lとが上方向から見た場合で三次元的に表示させる。又、単木TのメッシュデータMには、計測された胸高直径2000が表示される。ここで、メッシュデータMが存在しない領域は、所定の色(例えば、紺色)で表示される。これにより、計測者は、プロットA1内のメッシュデータMと単木Tの胸高直径を一見して確認することが可能となる。又、計測者に、メッシュデータMが存在しない領域をスキャンするように促すことが出来る。
ところで、上述では、プロットの形状が正方形の場合について説明したが、プロットの形状が円の場合は、下記のようになる。即ち、計測者が、プロットの作成キーを選択して、「円(自分中心)」キー1502を選択すると、図21Aに示すように、所定のメッセージ「面積を設定 設置する領域の面積(m2)を指定して下さい。」2100が表示されるとともに、面積入力欄2101と、キャンセルキー2102と、OKキー2103とが選択可能に表示される。
そこで、計測者が、面積入力欄2101に「100.0」を入力し、OKキー2102を選択すると、図21Bに示すように、作成制御部106は、携帯端末装置10の現地点の地理座標系位置情報を中心として、半径が約5.64mの円のプロットCの境界線Lを作成する(図2:S106)。更に、変更制御部107は、プロットCの境界線LがメッシュデータMと重複する場合、重複したプロットCの境界線LをメッシュデータMの上方に表示させる(図2:S107)。ここでは、プロットCの中心が携帯端末装置10の現地点であるため、撮影画像I内には、境界線Lが表れず、「+」ボタン2100が表示されている。
ここで、例えば、計測者が、現地点から動き回って、近くに存在する単木に向かって三次元レーザースキャナー11とカメラ12とを単木Tへ向けると、図22Aに示すように、携帯端末装置10は、単木TのメッシュデータMを取得し、撮影画像I内に単木TのメッシュデータMを表示させる。ここで、単木Tの背面には、プロットCの境界線Lが、地面のメッシュデータMの上方に浮かんだように表示される。これにより、計測者は、プロットC内を確認しながら、単木TのメッシュデータMを取得することが出来る。ここで、単木TのメッシュデータMが取得された場合、上述と同様に、計測者が、「+」ボタン2100を介して、撮影画像I内の単木TのメッシュデータMの任意の点を選択すると、携帯端末装置10が、選択された単木TのメッシュデータMから単木Tの胸高直径を算出し、図22Bに示すように、この単木Tに番号(「1」)2200を付与し、算出した胸高直径(17.9cm)2201を表示する。
又、計測者は、プロットC内を動き回るが、設定されたプロットCは、地理座標系に設定されるため、図23A、図23Bに示すように、携帯端末装置10の位置が、プロットCの境界線Lに近づけば、撮影画像I内にプロットCの境界線Lが表示される。これにより、上述と同様に、計測者は、プロットC内を確認しながら、単木TのメッシュデータMを取得することが出来る。
更に、計測者が、結果キーを携帯端末装置10に入力すると、携帯端末装置10は、図24Aに示すように、取得したメッシュデータMと、プロットCの境界線Lとを横方向から見た場合d三次元的に表示させる。又、単木TのメッシュデータMには、計測された胸高直径2400が表示される。計測者が、携帯端末装置10のタッチパネルを操作することで、携帯端末装置10は、図24Bに示すように、取得したメッシュデータMと、プロットCの境界線Tとが斜め方向から見た場合で三次元的に表示させたり、図24Cに示すように、上方向から見た場合で三次元的に表示させたりする。このように、計測者は、プロットC内のメッシュデータMと単木Tの胸高直径2400を一見して確認することが可能となる。
尚、本発明の実施形態では、携帯端末装置10が各部を備えるよう構成したが、当該各部を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、プログラムを装置に読み出させ、当該装置が各部を実現する。その場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各部が実行する工程をハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。