JP7053058B2 - グリピカンエピトープおよびその使用 - Google Patents
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アミノ酸配列KVNPQGPGPEEK(配列番号1)によって定められるGPC-1可動性ループの一部分の中に位置する、抗グリピカン1(GPC-1)抗体のエピトープ。
(i)VNPQGPGPEEK(配列番号2);あるいは
(ii)VNPQGPGPEEK(配列番号2)の変異体であって、
2位、3位、7位、8位、9位、10位および/もしくは11位のうちのいずれか1つもしくは複数の位置;または
1位、2位、3位、4位、6位、8位、10位および/もしくは11位のうちのいずれか1つもしくは複数の位置;または
1位、2位、3位、4位、5位、8位、10位および/もしくは11位のうちのいずれか1つもしくは複数の位置
にのみ置換アミノ酸残基を含む変異体
から選択されるアミノ酸配列を含む第一のセグメントを含む、実施形態1に記載のエピトープ。
(i)KVNPQGPGP(配列番号6);または
(ii)KVNPQGPGP(配列番号6)の1位、3位、4位、8位および9位のうちのいずれか1つもしくは複数の位置にのみ置換アミノ酸残基を含む、配列番号6の変異体
から選択されるアミノ酸配列を含む第一のセグメントを含む、実施形態1に記載のエピトープ。
配列番号6の8位および9位のうちのいずれか1つまたは複数の位置にのみ置換アミノ酸残基を含む、実施形態3に記載の変異体。
(i)KVNPQGPGPE(配列番号5);または
(ii)KVNPQGPGPE(配列番号5)の1位、3位、4位、8位、9位および10位のうちのいずれか1つもしくは複数の位置にのみ置換アミノ酸残基を含む、配列番号5の変異体
から選択されるアミノ酸配列を含む第一のセグメントを含む、実施形態1に記載のエピトープ。
配列番号6の8位、9位および10位のうちのいずれか1つまたは複数の位置にのみ置換アミノ酸残基を含む、実施形態5に記載の変異体。
10位のE(glu)が他の任意のアミノ酸で置換されている、実施形態5または実施形態6に記載の変異体。
K(lys)がW(trp)、R(arg)、L(lys)、Y(tyr)またはF(phe)のいずれか1つで置換されている1位;
N(asn)がH(his)、P(pro)またはD(asp)のいずれか1つで置換されている3位;
P(pro)がR(arg)、K(lys)、W(trp)、S(ser)、H(his)またはN(asn)のいずれか1つで置換されている4位;
G(gly)がD(asp)、E(glu)、N(asn)、Q(gln)、K(lys)、R(arg)またはA(ala)のいずれか1つで置換されている8位;
P(pro)がM(met)、A(ala)、I(ile)、K(lys)、R(arg)、Q(gln)、S(ser)、T(thr)またはY(tyr)のいずれか1つで置換されている9位
のうちのいずれか1つまたは複数の位置にのみ置換を含む、実施形態3~7のいずれか1つに記載の変異体。
アミノ酸配列TQNARA(配列番号8)を含む第二のセグメントを含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載のエピトープ。
アミノ酸配列TQNARAFRD(配列番号7)を含む第二のセグメントを含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載のエピトープ。
(i)NPQGPGPEE(配列番号4);または
(ii)NPQGPGPEE(配列番号4)の1位、2位、3位、5位、7位および9位のうちのいずれか1つもしくは複数の位置にのみ置換アミノ酸残基を含む、配列番号4の変異体
から選択されるアミノ酸配列を含む第一のセグメントを含む、実施形態1または実施形態2に記載のエピトープ。
配列番号4の2位、7位および9位のうちのいずれか1つまたは複数の位置にのみ置換アミノ酸残基を含む、実施形態11に記載の変異体。
N(asn)がH(his)で置換されている1位;
P(pro)が他の任意のアミノ酸で置換されている2位;
Q(gln)がN(asn)、M(met)、T(thr)、S(ser)またはR(arg)のいずれか1つで置換されている3位;
P(pro)がA(ala)で置換されている5位;
P(pro)がA(ala)、D(asp)、C(cys)、E(glu)、Z(glx)、G(gly)、H(his)、K(lys)、M(met)、F(phe)、P(pro)、S(ser)、T(thr)、W(trp)またはY(tyr)のいずれか1つで置換されている7位;
E(glu)が他の任意のアミノ酸で置換されている9位
のうちのいずれか1つまたは複数の位置に置換を含む、実施形態11または実施形態12に記載の変異体。
アミノ酸配列ALSTASDDR(配列番号9)を含む第二のセグメントを含む、実施形態11~13のいずれか1つに記載のエピトープ。
(i)VNPQGPGPEE(配列番号3);または
(ii)VNPQGPGPEE(配列番号3)の1位、2位、3位、4位、5位、8位および10のうちのいずれか1つもしくは複数の位置にのみ置換アミノ酸残基を含む、配列番号3の変異体
から選択されるアミノ酸配列を含む第一のセグメントを含む、実施形態1または実施形
態2に記載のエピトープ。
配列番号3の1位、2位、3位および8位のうちのいずれか1つまたは複数の位置にのみ置換アミノ酸残基を含む、実施形態15に記載の変異体。
V(val)が他の任意のアミノ酸で置換されている1位;
N(asn)が他の任意のアミノ酸で置換されている2位;
P(pro)が他の任意のアミノ酸で置換されている3位;
Q(gln)がY(tyr)、A(ala)、E(glu)、V(val)、M(met)、F(phe)、L(leu)、I(ile)、T(thr)またはR(arg)のいずれか1つで置換されている4位;
G(gly)がA(ala)、S(ser)、T(thr)、H(his)、W(trp)、Y(tyr)、F(phe)またはM(met)のいずれか1つで置換されている5位;
P(pro)が他の任意のアミノ酸で置換されている8位;
E(glu)がQ(gln)、D(asp)、F(phe)、H(his)またはM(met)で置換されている10位
のうちのいずれか1つまたは複数の位置に置換を含む、実施形態15または実施形態16に記載の変異体。
アミノ酸配列PRERPP(配列番号10)または
アミノ酸配列QDASDDGSGS(配列番号11)
を含む第二のセグメントを含む、実施形態15~17のいずれか1つに記載のエピトープ。
アミノ酸配列PRERPP(配列番号10)を含む第二のセグメントと、アミノ酸配列QDASDDGSGS(配列番号11)を含む第三のセグメントとを含む、実施形態15~17のいずれか1つに記載のエピトープ。
アミノ酸配列CGELYTQNARAFRDLCGNPKVNPQGPGPEEKRRRGC(配列番号12)を含む、実施形態1~10のいずれか1つに記載のエピトープ。
直鎖状エピトープである、実施形態1~20のいずれか1つに記載のエピトープ。
エピトープの第二のセグメントと第三のセグメントが不連続である、実施形態19に記載のエピトープ。
エピトープの第一のセグメントと第二のセグメントが不連続である、実施形態9、10、14、18または22のいずれか1つに記載のエピトープ。
TQNARA(配列番号8)、ALSTASDDR(配列番号9)、PRERPP(配
列番号10)、QDASDDGSGS(配列番号11)、LGPECSRAVMK(配列番号13)およびTQNARAFRD(配列番号7)のいずれか1つまたは複数から選択されるアミノ酸配列を含む、抗グリピカン1(GPC-1)抗体のエピトープ。
単離ポリペプチドまたは合成ポリペプチドである、実施形態1~24のいずれか1つに記載のエピトープ。
2つ以上の異なるエピトープの組合せを含み、
前記異なるエピトープがそれぞれ、実施形態1~25のいずれか1つに記載のエピトープであるか;
前記エピトープがそれぞれ、表1に記載のエピトープであるか;
前記エピトープの組合せが、表3に記載されるいずれか1つまたは複数の組合せである、
エピトープの取合せ。
2つ以上の異なるエピトープの組合せを含み、
実施形態1~10のいずれか1つに記載の第一のエピトープと、
実施形態11~14のいずれか1つに記載の第二のエピトープと
を含む、
エピトープの取合せ。
2つ以上の異なるエピトープの組合せを含み、
実施形態1~10のいずれか1つに記載の第一のエピトープと、
実施形態15~19のいずれか1つに記載の第二のエピトープと
を含む、
エピトープの取合せ。
実施形態1~25のいずれか1つに記載のエピトープまたは実施形態26~28のいずれか1つに記載のエピトープの取合せと、薬学的に許容される担体または補形剤とを含む、組成物。
1つまたは複数の可溶性支持体または不溶性支持体に結合した実施形態1~25のいずれか1つに記載のエピトープまたは実施形態26~28のいずれか1つに記載のエピトープの取合せを含む、集成体。
酵素結合免疫測定法(ELISA)の構成要素である、実施形態30に記載の集成体。
実施形態1~25のいずれか1つに記載のエピトープをコードする核酸。
実施形態32に記載の核酸を含むベクター。
実施形態33に記載のベクターを含む宿主細胞。
実施形態1~25のいずれか1つに記載のエピトープと特異的に結合することが可能な単離された結合実体であって、抗体ではない結合実体。
実施形態1~25のいずれか1つに記載のエピトープと特異的に結合することが可能な単離された結合実体であって、抗体であり、ただし、抗体がMIL38抗体(CBA20140026)、ウサギ抗GPC-1ポリクローナル抗体(ab137604、abcam社)、マウス抗グリピカンモノクローナル抗体2600クローン4D1(Millipore社)またはヤギ抗グリピカン1抗体(AA24-530)ではない、結合実体。
対象の前立腺癌を検出する方法であって、対象から生体試料を採取することと、試料中に実施形態1~25のいずれか1つに記載のエピトープの存在を検出することと、試料中に検出されたエピトープの量に基づいて、対象に前立腺癌があるか、前立腺癌が発症する可能性が高いことを判定することとを含む、方法。
生体試料は体液試料であり得る。
生体試料は組織試料であり得る。
試料中にエピトープの存在を検出することが、試料と、実施形態1~25のいずれか1つに記載のエピトープと特異的に結合することが可能な結合実体とを接触させることを含む、実施形態37に記載の方法。
結合実体が抗体の集団である、実施形態38に記載の方法。
抗体の集団が、MIL38抗体(CBA20140026)、ウサギ抗GPC-1ポリクローナル抗体(ab137604、abcam社)、マウス抗グリピカンモノクローナル抗体2600クローン4D1(Millipore社)またはヤギ抗グリピカン1抗体(AA24-530)のいずれか1つまたは複数のものを含む、実施形態39に記載の方法。
抗体の集団が、MIL38抗体(CBA20140026)、ウサギ抗GPC-1ポリクローナル抗体(ab137604、abcam社)、マウス抗グリピカンモノクローナル抗体2600クローン4D1(Millipore社)またはヤギ抗グリピカン1抗体(AA24-530)のいずれも含まない、実施形態39に記載の方法。
生体試料中に存在するエピトープの量と対照試料中に存在するエピトープの量とを比較することを含み、体液試料中のエピトープの量が対照試料の同じ測定値よりも多いことが検出された場合、それは対象に前立腺癌があること、または対象に前立腺癌が発症する可能性が高いことを示す、実施形態37~41のいずれか1つに記載の方法。
試料中に検出されたエピトープの量が、対照試料中に検出されたエピトープの量よりも50%超多い、実施形態42に記載の方法。
エピトープの存在を検出することが、試料と、Cellbank Australiaにアクセッション番号CBA20140026で寄託されているMIL38抗体の集団とを接触させることを含む、実施形態37~43のいずれか1つに記載の方法。
エピトープの存在を検出することが、試料と、配列番号20の48位~58位によって定められるアミノ酸配列を含むかこれよりなる相補性決定領域1(CDR1);配列番号20の74位~80位によって定められるアミノ酸配列を含むかこれよりなる相補性決定領域2(CDR2);および/または配列番号20の113位~121によって定められるアミノ酸配列を含むかこれよりなる相補性決定領域3(CDR3)を含む軽鎖可変領域を含む抗体を含まない抗体の集団とを接触させることを含む、実施形態37~43のいずれか1つに記載の方法。
生体試料中の前立腺特異抗原(PSA)のレベルを求めることと、検出されたレベルと対照試料のものとを比較することとをさらに含む、実施形態37~45のいずれか1つに記載の方法。
生体試料が体液試料である、実施形態37~46のいずれか1つに記載の方法。
生体試料が組織試料である、実施形態37~46のいずれか1つに記載の方法。
実施形態1~25のいずれか1つに記載のエピトープを含む、融合タンパク質。
GPC-1の検出方法の陽性対照要素としての実施形態1~25のいずれか1つに記載のエピトープ、実施形態26~28のいずれか1つに記載のエピトープの取合せまたは実施形態48に記載の融合タンパク質の使用。
方法が、実施形態37~48のいずれか1つに記載の前立腺癌の検出方法である、実施形態50に記載の使用。
本願で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに別の意味を表す場合を除き、複数の指示対象を包含する。例えば、「an antibody(抗体)」は複数の抗体も包含する。
ば、マウス抗体)に由来する配列を含む諸形態の抗体を指す。例えば、ヒト化抗体は、すべてまたは実質的にすべての超可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、すべてまたは実質的にすべてのFR領域がヒト免疫グロブリン配列に由来するものである少なくとも1つ、通常2つの可変ドメインを実質的にすべて含み得る。任意選択で、ヒト化抗体はほかにも、通常はヒト免疫グロブリンのものであり得る免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部分を含み得る。
n)またはH(his)への置換;D(asp)からE(glu)への置換;Q(gln)からN(asn)への置換;C(cys)からS(ser)への置換;E(glu)からD(asp)への置換;G(gly)からP(pro)への置換が挙げられる。
本発明者らは、抗体などの結合実体を用いてGPC-1レベルを検出および定量化するのに有利なグリピカン-1(GPC-1)内の特異的エピトープを同定した。これらのエピトープおよびその組合せは多く目的に有用であるが、前立腺癌の診断アッセイでGPC-1レベルを定量化するための標的となり得る。
本発明は、特異的結合実体(例えば、抗体)の標的となるグリピカン-1ヘパラン硫酸プロテオグリカン(GPC-1)内の一連のエピトープから生じる。
-グリピカン-1エピトープ
本発明は、GPC-1エピトープおよびその構成要素を提供するほか、前記エピトープおよび/またはエピトープ構成要素の組合せも含む。
本発明は、本明細書に記載されるGPC-1エピトープの変異体を提供する。
ある(「配列同一性」のパーセント)。したがって、本明細書に開示されるGPC-1エピトープの「変異体」は、本明細書に記載されるGPC-1エピトープの配列と少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、83%、85%、88%、90%、93%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有し得る。
えて、またはこれに代えて、この変異体は、7位にG(gly)、8位にP(pro)および/または9位にE(glu)をさらに含み得る。上記のものに加えて、またはこれに代えて、この変異体は、置換残基を1個、2個、3個、4個、5個、6個または7個含み得る。置換アミノ酸残基(1つまたは複数)は、配列番号2の2位、3位、7位、8位、9位、10位および/または11位のうちのいずれか1つまたは複数の位置に存在し得る。
は2位にP(pro)をさらに含み得る。上記のものに加えて、またはこれに代えて、この変異体は、6位にG(gly)、7位にP(pro)および/または8位にE(glu)をさらに含み得る。上記のものに加えて、またはこれに代えて、この変異体は、置換残基を1個、2個、3個、4個、5個または6個含み得る。置換アミノ酸残基(1つまたは複数)は、配列番号4の1位、2位、6位、7位、8位および/または9位のうちのいずれか1つまたは複数の位置に存在し得る。
n)、6位にG(gly)および7位にP(pro)を含み得る。この変異体は、1位にK(lys)、3位にN(asn)および/または4位にP(pro)をさらに含み得る。上記のものに加えて、またはこれに代えて、この変異体は、8位にG(gly)および/または9位にP(pro)をさらに含み得る。上記のものに加えて、またはこれに代えて、この変異体は、置換残基を1個、2個、3個、4個または5個含み得る。置換アミノ酸残基(1つまたは複数)は、配列番号6の1位、3位、4位、8位および/または9位のうちのいずれか1つまたは複数の位置に存在し得る。
本発明は、本明細書に記載されるGPC-1エピトープおよび変異体のフラグメントを提供する。
本発明の特定の実施形態は、融合ポリペプチド形態のGPC-1エピトープを提供する。例えば、表1から選択される2つ以上の完全長エピトープ、表2から選択される2つ以上のエピトープセグメント、表3から選択される2つ以上の完全長エピトープの組合せまたは表1の完全長エピトープと表2から選択されるいずれか1つもしくは複数のエピトープとの組合せを連結して融合ポリペプチドを形成し得る。
プチド構成要素を、各ポリペプチド構成要素が確実にしかるべき二次構造および/または三次構造にフォールドされるのに十分な距離を空けて分離させ得る。適切なリンカーの非限定的な例としては、当業者に公知のペプチド/ポリペプチド、アルキル鎖をはじめとする便利なスペーサー分子が挙げられる。柔軟な伸長立体配座をとることが可能であること、融合ポリペプチドのポリペプチド構成要素(1つまたは複数)内の機能的エピトープ(1つまたは複数)と相互作用し得る二次構造をとることが不可能であること、ならびに/あるいは融合ポリペプチドのポリペプチド構成要素(1つまたは複数)内の機能的エピトープ(1つまたは複数)と反応し得る疎水性残基および/または荷電残基がないことを含めた諸因子に応じて、適切なペプチドリンカー配列を選択し得る。
本発明はほかにも、本発明のGPC-1エピトープ(1つまたは複数)、GPC-1エピトープのセグメントならびにGPC-1エピトープおよび/またはそのセグメントを含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供する。
本発明のGPC-1エピトープ、GPC-1エピトープのセグメントならびにGPC-1エピトープおよび/またはそのセグメントを含む融合タンパク質は、当業者に周知の標準的な方法論に従って製造することができる。
のであると見なす。本明細書で言及される単離ポリペプチドは、精製されたものであってもよい。例えば、単離ポリペプチドは、純度が少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約99%であり得る。
本発明によるエピトープおよび融合ポリペプチドを支持体に付着させてもよい。支持体は、例えば、エピトープを保持し、反応混合物の大部分においてそれを自由に移動させない不溶性材料または基質であり得る。エピトープおよび融合ポリペプチドを固定化または局在化させるのに適した支持体は当業者に周知である。支持体は、マイクロアッセイに使用するのに好都合なビーズ、個別のウェルを有するプラスチック製およびガラス製のプレートをはじめとする反応条件に適合性のある材料を含めた様々な形態の多種多様な基質、ポリマーなどから選択することができる。特定の好ましい実施形態では、支持体は、プラスチック製材料、プラスチック製のビーズもしくはウエハなど、または特定のアッセイ(例えば、ELISA)を実施するプラスチック製のウェルもしくはチューブであり得る。
本発明は、本明細書に記載されるGPC-1エピトープと特異的に結合することが可能な結合実体を提供する。
ーの少なくとも10倍、好ましくは50倍、より好ましくは100倍、最も好ましくは100倍超の頻度で分子Bと優先的に結合する。分子Aは、分子B以外の分子とも微弱であるが検出可能なレベルで結合することが可能であり得る。これはバックグランド結合として一般に知られているものであり、例えば、しかるべき対照を用いることによって、分子Bに特異的な結合と容易に区別することができる。
Cancer Therapy」,pp.77-96,Alan R.Liss,Inc.)が挙げられる。融合以外の技術、例えば発癌性DNAによるBリンパ球の直接形質転換またはエプスタイン・バーウイルスによるトランスフェクションによって、不死性の抗体産生細胞系を作製することができる(例えば、M.Schreierら,(1980),「Hybridoma Techniques」,Cold Spring Harbor Laboratory;Hammerlingら,(1981),「Monoclonal Antibodies and T-cell Hybridomas」,Elsevier/North-Holland Biochemical Press,Amsterdam;Kennettら(1980),「Monoclonal Antibodies」,Plenum Pressを参照されたい)。
存在する。所与のGPC-1エピトープの組合せに対するポリクローナル抗体の作製には、エピトープの注射によって、特に限定されないが、ウサギ、ニワトリ、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギなどを含めた様々な宿主動物を感作させることができる。さらに、標的分子と免疫原性担体(例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)またはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH))とをコンジュゲートすることができる。このほか、特に限定されないが、フロイント(完全および不完全)アジュバント、水酸化アルミニウムなどの無機質ゲル、リゾレシチン(rysolecithin)などの界面活性剤、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、オイルエマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニン、ジニトロフェノールならびにBCG(カルメット・ゲラン桿菌)およびコリネバクテリウム・パルバム(Corynebacterium parvum)などのヒトに有用であると考えられるアジュバントを含めた様々なアジュバントを用いて免疫応答を増大させ得る。
Molecular Biology」,第1巻,John Wiley & Sons,Inc.,New Yorkを参照されたい)。抗体結合は、一次抗体上の検出可能な標識によって検出し得る。あるいは、適宜標識した二次抗体または試薬との結合によって抗体を検出してもよい。イムノアッセイで結合を検出する様々な方法が当該技術分野で公知であり、本発明の範囲内に含まれる。
(i)2014年8月22日、ブダペスト条約の条項に従ってCellbank Australia(ホークスベリーロード214、ウェストミード、NSW2145、オーストラリア)にアクセッション番号CBA20140026で寄託されたMIL38抗体;
(ii)抗グリピカン1/GPC1抗体(ab137604):ヒトGPC-1に特異的なウサギポリクローナル抗体(IgG)であり、abcam(登録商標)社から市販さ
れている(http://www.abcam.com/glypican-1-gpc1-antibody-ab137604.htmlを参照されたい);
(iii)MAB2600|抗グリピカン-1抗体、クローン4D1:ヒトおよびラットのGPC-1に特異的なマウスモノクローナル抗体(IgGk)であり、Millipore社から市販されている(http://www.emdmillipore.com/AU/en/product/,MM_NF-MAB2600?cid=BI-XX-BRC-A-BIOC-抗B033-1308を参照されたい);
(iv)ヤギ抗グリピカン1抗体(AA24-530):ヒトGPC-1に特異的なヤギポリクローナル抗体であり、LifeSpan BioSciences社から市販されている(https://www.lsbio.com/antibodies/抗gpc1-antibody-glypican-antibody-aa24-530-icc-wb-western-flow-ls-c330760/341104を参照されたい)。
本発明による組成物およびキットは以下のものを含み得る:
-本明細書(例えば、表1)に記載される1つまたは複数のGPC-1エピトープ、その変異体またはフラグメント;
-本明細書(例えば、表2)に記載される1つまたは複数のGPC-1エピトープセグメント、その変異体またはフラグメント;
-本明細書(例えば、表3)に記載される1つまたは複数のGPC-1エピトープの組合せ;
-本明細書に記載されるGPC-1エピトープ(1つまたは複数)、GPC-1エピトープのセグメント(1つまたは複数)および/またはその変異体もしくはフラグメントを含む1つまたは複数の融合タンパク質(上記の「融合ポリペプチド」と題するサブセクションを参照されたい);ならびに/あるいは
-本明細書に記載される1つまたは複数の結合実体(上記の「結合実体」と題するサブセクションを参照されたい)。
本発明のGPC-1エピトープ、GPC-1エピトープのセグメントならびにGPC-1エピトープおよび/またはそのセグメントを含む融合タンパク質は、診断方法に用いることができる。具体的には、本発明者らは、グリピカン-1が新規な前立腺癌のマーカーとなることを発見した(Walshらの「Cell Surface Prostate
Cancer Antigen for Diagnosis」と題する米国特許仮出願第61/928/776号(未公開))。
(i)2014年8月22日、ブダペスト条約の条項に従ってCellbank Australia(ホークスベリーロード214、ウェストミード、NSW 2145、オーストラリア)にアクセッション番号CBA20140026で寄託されたMIL38抗体;
(ii)抗グリピカン1/GPC1抗体(ab137604):ヒトGPC-1に特異的なウサギポリクローナル抗体(IgG)であり、abcam(登録商標)社から市販されている(http://www.abcam.com/glypican-1-gpc1-antibody-ab137604.htmlを参照されたい);
(iii)MAB2600抗グリピカン-1抗体、クローン4D1:ヒトおよびラットのGPC-1に特異的なマウスモノクローナル抗体(IgGk)であり、Millipore社から市販されている(http://www.emdmillipore.com/AU/en/product/,MM_NF-MAB2600?cid=BI-XX-BRC-A-BIOC-抗B033-1308を参照されたい);
(iv)ヤギ抗グリピカン1抗体(AA24-530):ヒトGPC-1に特異的なヤギポリクローナル抗体であり、LifeSpan BioSciences社から市販されている(https://www.lsbio.com/antibodies/抗gpc1-antibody-glypican-antibody-aa24-530-icc-wb-western-flow-ls-c330760/341104を参照されたい)。
(i)2014年8月22日、ブダペスト条約の条項に従ってCellbank Australia(ホークスベリーロード214、ウェストミード、NSW2145、オー
ストラリア)にアクセッション番号CBA20140026で寄託されたMIL38抗体;
(ii)抗グリピカン1/GPC1抗体(ab137604):ヒトGPC-1に特異的なウサギポリクローナル抗体(IgG)であり、abcam(登録商標)社から市販されている(http://www.abcam.com/glypican-1-gpc1-antibody-ab137604.htmlを参照されたい);
(iii)MAB2600抗グリピカン-1抗体、クローン4D1:ヒトおよびラットのGPC-1に特異的なマウスモノクローナル抗体(IgGk)であり、Millipore社から市販されている(http://www.emdmillipore.com/AU/en/product/,MM_NF-MAB2600?cid=BI-XX-BRC-A-BIOC-抗B033-1308を参照されたい);
(iv)ヤギ抗グリピカン1抗体(AA24-530):ヒトGPC-1に特異的なヤギポリクローナル抗体であり、LifeSpan BioSciences社から市販されている(https://www.lsbio.com/antibodies/抗gpc1-antibody-glypican-antibody-aa24-530-icc-wb-western-flow-ls-c330760/341104を参照されたい)。
1.1.材料および方法
様々な立体配座拘束を有する参照配列をカバーした実験的セットを作製し、ペプチドアレイで抗体をプローブした。
下の表6に記載する通りにマウス抗ヒトグリピカン1モノクローナル抗体MIL38-AM4を準備した。
用いたCLIPS技術の一般的原理を以下に説明する。
含めた様々な構造を有するCLIPS構築物に変換する(Timmermanら,J.Mol.Recognit.2007;20:283-29)。
標的分子の不連続エピトープを再構築するため、構造化ペプチドのライブラリーを合成した。この合成はペプチドを足場に化学結合させる(Chemically Linked Peptides on Scaffolds)(CLIPS)技術を用いて実施した。CLIPS技術によって、単一のループ、二重ループ、三重ループ、シート様フォールド、ヘリックス様フォールドおよびその組合せの構造化ペプチドを作製することができた。CLIPS鋳型をシステイン残基と結合させた。ペプチド内の複数のシステインの側鎖を1つまたは2つのCLIPS鋳型と結合させた。例えば、T2のCLIPS鋳型1,3-ビス(ブロモメチル)ベンゼンの0.5mM溶液を炭酸水素アンモニウム(20mM、pH7.9)/アセトニトリル(1:1(v/v))に溶かした。この溶液をペプチドアレイ上に加えた。CLIPS鋳型は、ペプチドアレイ(4553μlウェルを備えたウェルプレート)の固相結合ペプチドに存在する2つのシステインの側鎖と結合した。ペプチドアレイを溶液で完全に覆って、溶液中で30~60分間、穏やかに振盪した。最後に、ペプチドアレイを過剰のH2Oで十分に洗浄し、PBS(pH7.2)中1パーセントのSDS/0.1パーセントのベータ-メルカプトエタノールを含有する破壊緩衝液中、70℃で30分間超音波処理した後、H2O中でさらに45分間超音波処理した。システインが3つであること以外は同じ方法で、ペプチドを担持するT3のCLIPSを作製した。
抗体と各合成ペプチドとの結合をPEPSCANベースのELISAで試験した。ペプチドアレイを一次抗体溶液とインキュベートした(4℃で一晩)。洗浄後、ペプチドアレイを1/1000希釈の抗体ペルオキシダーゼコンジュゲート(SBA社、カタログ番号2010-05)と25℃で1時間インキュベートした。洗浄後、ペルオキシダーゼ基質2,2’-アジノ-ジ-3-エチルベンゾチアゾリンスルホナート(ABTS)および2μl/mlの3パーセントH2O2を加えた。1時間後、発色を測定した。電荷結合素子(CCD)カメラおよび画像処理システムで発色を定量化した。
CCDカメラで得られた値は、標準的な96ウェルプレートELISAリーダーとほぼ同じ0~3000mAUの範囲であった。この結果を定量化し、Peplabデータベースに保管した。時折、気泡が含まれ偽陽性の値を示すウェルがみられた。カードを手作業で調べ、気泡による値はいずれもスコアを0とした。
合成ペプチドの品質を確認するため、陽性対照ペプチドと陰性対照ペプチドの組を別個に並行して合成した。これを抗体57.9でスクリーニングした(Posthumusら,J.Virology,1990,64:3304-3309を参照されたい)。
表7に抗体結合条件をまとめる。Pepscan緩衝液および前準備(SQ)については、数値は競合タンパク質(ウマ血清とオボアルブミンの組合せ)の相対量を表す。
-主な実験結果およびシグナル/ノイズ比の決定
スクリーニングによって得られた未処理のELISAの結果のデータセット全体の概要を図2にグラフで示す。この図では、箱ひげ図が各データセットを示し、各データセット内での平均ELISAシグナル、分布および外れ値を表す。実験条件(抗体量、ブロッキング強度など)に応じて様々なELISAデータの分布が得られた。このデータからエピトープを同定することができた。
この試験は、マウス抗ヒトグリピカン1(MIL38-AM4)のエピトープをマッピングすることを目的としたものである。様々な立体配座拘束を有する参照配列をカバーした実験的セットを作製し、ペプチドアレイで抗体をプローブした。有意な結合から、可動性ループ348VNPQGPGPEEK358(配列番号2)が寄与する主要部分と、ヘリックス135TQNARAFRD143(配列番号7)(の残基)が寄与する副次的部分とからなる不連続エピトープの存在がうかがえた。
2.1.材料および方法
下の表8に、この試験に使用した抗体に関する情報を記載する。記載する抗体のうち最初の3つは市販のものである。
配列番号14によって定められるヒトグリピカン-1(GPC-1)配列を土台に用いて構造化ペプチドのライブラリーを作製した。
この実験に用いたCLIPS技術の一般的原理については上の実施例1に記載されている。
実施例1で言及した方法を用いてペプチド合成を実施した。実施例1に示した設計(セット1~5)に従って化学合成直鎖状ペプチドおよびCLIPSペプチドを合成した。
抗体と各合成ペプチドとの結合を、実施例1に記載した通りにPEPSCANベースのELISAで試験した。
データ処理および合成の品質管理を実施例1の通りに実施した。
表9に抗体結合条件をまとめる。Pepscan緩衝液および前準備(SQ)については、数値は競合タンパク質(ウマ血清とオボアルブミンの組合せ)の相対量を表す。このほか、結合のストリンジェンシーを低下させるのにP/Tw(PBS-Tween)を用いた。
-主な実験結果およびシグナル/ノイズ比の決定
スクリーニングによって得られた未処理のELISAの結果のデータセット全体の概要を図5にグラフで示す。この図では、箱ひげ図が各データセットを示し、各データセット内での平均ELISAシグナル、分布および外れ値を表す。実験条件(抗体量、ブロッキング強度など)に応じて様々なELISAデータの分布が得られる。このデータから、モノクローナル血清およびポリクローナル血清のエピトープは同定することができたが、MIL38-AM3のものは同定することができなかった。
高濃度(10μg/ml)かつ低ストリンジェンシー(PBS-Tween)で試験しても、MIL38-AM3を検出することはできなかった。同試料には異なる二次抗体(ヒツジ抗マウスIgG HRP;GE Healthcare社、NXA931)も試みたが、同じく結果は得られなかった。
図6の対応するパネルからわかるように、ウサギ抗GPC1では主要なシグナルが3つ見られる。これらのシグナルは、区間348VNPQGPGPEEK358(配列番号2)、366PRERPP371(配列番号10)および478QDASDDGSGS487(配列番号11)に対応する。
マウス抗体2600は、共通の核242LGPECSRAVMK252(配列番号13)を有する全ペプチドの1つの明確なピークを認識する。このことは、図6の対応するパネルからわかる。
図6の対応するパネルからわかるように、ヤギ抗GPC-1では主要なシグナルが2つ見られる。これらのシグナルは、区間348VNPQGPGPEEK358(配列番号2)および408ALSTASDDR414(配列番号9)に対応する。
この試験は、同じアレイで市販の抗グリピカン1抗体3種類および追加のmAb(MIL38-AM3)の特性を明らかにすることを目的としたものである。実施例1に記載した通りに既存のペプチドアレイで抗体をプローブした。市販の抗GPC-1抗体はいずれも、上記のアレイを用いてマッピングすることができた。抗体MIL38-AM3は、エピトープの不連続な性状または試料の劣化により、いずれのアレイでもシグナルを生じなかったことから、マッピングが無効であることがわかった。
不連続エピトープを形成するのか、試料のポリクローナル性が現れたものであるのかを評価することはできない。いずれのpAbも、MIL38-AM4結合に寄与すると考えられる区間135TQNARA140は認識しない。
3.1.材料および方法
下の表10に、この試験に使用した抗体に関する情報を記載する。上の実施例1および/または実施例2に記載した前の実験にそれぞれ使用した3種類の抗グリピカン1抗体を用いた。
この試験で土台としたヒトグリピカン-1(GPC-1)配列は配列番号14で定められるものである。以下の残基の配列を用いた:
GPC1_残基番号344-366 GNPKVNPQGPGPEEKRRRGKLAP(配列番号15)
GPC1_残基番号131-149 GELYTQNARAFRDLYSELR(配列番号16)
実施例1で言及した方法を用いてペプチド合成を実施した。以下に示す設計に従って化学合成直鎖状ペプチドおよびCLIPSペプチドを合成した:
抗体と各合成ペプチドとの結合を、実施例1に記載した通りにPEPSCANベースのELISAで試験した。
データ処理および合成の品質管理を実施例1の通りに実施した。
用いたヒートマップ方法論に関する簡潔な概要を以下に記載する。
観察されたデータを4×4のマトリックスにプロットすることができ、この場合、X座標はそれぞれ第一のループの配列に対応し、Y座標はそれぞれ第二のループの配列に対応する。
表11に抗体結合条件をまとめる。Pepscan緩衝液および前準備(SQ)については、数値は競合タンパク質(ウマ血清とオボアルブミンの組合せ)の相対量を表す。
-主な実験結果およびシグナル/ノイズ比の決定
スクリーニングによって得られた未処理のELISAの結果のデータセット全体の概要を図8にグラフで示す。この図では、箱ひげ図が各データセットを示し、各データセット内での平均ELISAシグナル、分布および外れ値を表す。実験条件(抗体量、ブロッキング強度など)に応じて様々なELISAデータの分布が得られる。
実施例2では、ウサギポリクローナルAb137604由来の一部のIgGと結合するのに区間348VNPQGPGPEEK358(配列番号2)があれば十分であることがわかった。この試験では、348VNPQGPGPEE357(配列番号3)が含まれる構築物のいずれも同じように、この試料由来の1/2500希釈のIgGと結合した。セット1のマトリックスでは、特定の構築物にシグナルの増強は見られない。
実施例2ではほかにも、ヤギポリクローナル抗GPC-1由来の一部のIgGと結合するのに区間348VNPQGPGPEEK358(配列番号2)があれば十分であった。この抗体は、ウサギポリクローナル抗体と同じループを認識するが、認識するときの微細な特異性がわずかに異なる。図10の文字プロットでは、最も重要な残基がG352、G
354およびE356であるとともに、N349、Q351およびP353の位置で可能な置換は限られていることがわかる。セット1のマトリックスではシグナルの増強が見られる。この抗体の主要なマッピングに残基140~149付近の区間は示されなかったが、この区間を含む別の構築物は、このポリクローンの一部のIgGを結合させるのに優れたベイトとなる。
実施例1および2では、MIL38-AM4がグリピカンの区間348VNPQGPGPEEK358(配列番号2)のほか区間135TQNARA140(配列番号8)とも結合することが確認され、このことは不連続エピトープの存在を示すものと考えられた。
図13の散布図からわかるように、抗体には、類似した構築物に結合するものとそうでないものとがある。しかし、多くの構築物は、もっぱら調製物のうちの1つに認識される(軸に沿った点または右下端および左上端)。
実施例1および2を補足する形で、抗体MIL38-AM4の立体構造エピトープの特性を明らかにした。ポリクローナル抗体であるAB137604(ウサギ)および抗GPC-1 24-530(ヤギ)が類似したエピトープを認識することがわかった。この2つを同じアレイで比較対照した。
認識する。構造化模倣物に対してある程度の選好性はあるが、大きなものではない。この調製物中の抗体がすべて同じようにして可動性ループを認識するわけではないとも考えられる。モノクローナル抗体MIL38-AM4は主としてグリピカン1の残基347~355のループと結合するが、そのペプチドに135~143の範囲の残基を付加することがこの抗体に有効であるのは明らかである。作製した模倣物は未だ最適なものであるとはいえず、このことは、ウサギAb137604で記録されるものと同程度のシグナル強度を得るのに1000倍の濃度の抗体が必要であるという事実に反映されており、さらには、結合基質に必要なことがほかにもあることを示している。
ウサギ抗GPC-1抗体ab137604は、分子量約60kDa(MIL38によって検出された分子量と同じ)でグリピカン-1のコアタンパク質との反応性を示した。MIL38がグリピカン-1を認識することを裏付けるため、前立腺癌DU-145のMPEK抽出物を2次元電気泳動およびウエスタンブロット法に供した。
MIL38抗体またはウサギ抗GPC-1抗体を用いて、DU-145またはC3(MIL38陰性)のMPEK抽出物由来のそれぞれの抗原を免疫沈降させた。免疫沈降物(IP)をMIL38抗体または抗GPC-1抗体とウエスタンブロットに供した(図15)。
IP-抗体を用いた免疫沈降物;C3 MPEK-(MIL38陰性)対照膜タンパク質抽出物(免疫沈降しなかった);C3 FT-免疫沈降で得られたフロースルー;C3
IP溶出物-抗体を用いた(MIL38陰性)免疫沈降物である。MIL38は、rGPC1抗体による免疫沈降物を検出することができ、その逆も同様である。MIL38はほかにも、DU145 MPEKを含めた全対照およびMIL38によって得られたIPと結合することができる。
正常患者1例(042)および前立腺癌患者1例(046)の血漿試料をMIL38抗体と免疫沈降させ、IP試料をMIL38抗体および抗GPC-1抗体とウエスタンブロットに供した(図16A)。
できるかどうかを明らかにするため、Novus Bio社から試料をそれぞれ1例入手した。MIL38抗体を用いて等量のタンパク質にウエスタンブロットを実施した(図16B)。正常な前立腺の試料よりも前立腺癌抽出物の方がMIL38抗原の発現がはるかに高いことがわかった。
MIL38は前立腺癌患者の尿中の細胞を検出することができる。この検出方法の感度および特異性を試験するため、年齢の一致した尿試料125例を入手した。尿から細胞を沈降させ、MIL38を用いた直接免疫蛍光アッセイにより分析した。健常対照計47例、良性前立腺肥大(BPH)計37および生検で確定された前立腺癌計41例を分析した。
Claims (9)
- アミノ酸配列KVNPQGPGPEEK(配列番号1)によって定められるGPC-1可動性ループの一部分の中に位置するグリピカン1(GPC-1)のエピトープに、特異的に結合する抗体であって、
前記エピトープまたはエピトープセグメントが:
(i)KVNPQGPGPEEK(配列番号1);
(ii)VNPQGPGPEEK(配列番号2)、VNPQGPGPEE(配列番号3)、NPQGPGPEE(配列番号4)、KVNPQGPGPE(配列番号5)またはKVNPQGPGP(配列番号6)からなる、KVNPQGPGPEEK(配列番号1)のフラグメント;
(iii)VNPQGPGPEE(配列番号3)の変異体であって、
V(val)が他の任意のアミノ酸で置換されている1位;
N(asn)が他の任意のアミノ酸で置換されている2位;
P(pro)が他の任意のアミノ酸で置換されている3位;
Q(gln)がY(tyr)、A(ala)、E(glu)、V(val)、M(met)、F(phe)、L(leu)、I(ile)、T(thr)またはR(arg)のいずれか1つで置換されている4位;
G(gly)がA(ala)、S(ser)、T(thr)、H(his)、W(trp)、Y(tyr)、F(phe)またはM(met)で置換されている5位;
P(pro)が他の任意のアミノ酸で置換されている8位;または
E(glu)がQ(gln)、D(asp)、F(phe)、H(his)またはM(met)で置換されている10位
のうちのいずれか1つの位置に置換を含む、前記VNPQGPGPEE(配列番号3)の変異体;
(iv)NPQGPGPEE(配列番号4)の変異体であって、
N(asn)がH(his)で置換されている1位;
P(pro)が他の任意のアミノ酸で置換されている2位;
Q(gln)がN(asn)、M(met)、T(thr)、S(ser)またはR(arg)のいずれか1つで置換されている3位;
P(pro)がA(ala)で置換されている5位;
P(pro)がA(ala)、D(asp)、C(cys)、E(glu)、Z(glx)、G(gly)、H(his)、K(lys)、M(met)、F(phe)、P(pro)、S(ser)、T(thr)、W(trp)またはY(tyr)のいずれか1つで置換されている7位;または
E(glu)が他の任意のアミノ酸で置換されている9位
のうちのいずれか1つの位置に置換を含む、前記NPQGPGPEE(配列番号4)の変異体;または
(v)KVNPQGPGPE(配列番号5)またはKVNPQGPGP(配列番号6)の変異体であって、
K(lys)がW(trp)、R(arg)、L(lys)、Y(tyr)またはF(phe)のいずれか1つで置換されている1位;
N(asn)がH(his)、P(pro)またはD(asp)のいずれか1つで置換されている3位;
P(pro)がR(arg)、K(lys)、W(trp)、S(ser)、H(his)またはN(asn)のいずれか1つで置換されている4位;
G(gly)がD(asp)、E(glu)、N(asn)、Q(gln)、K(lys)、R(arg)またはA(ala)のいずれか1つで置換されている8位;または
P(pro)がM(met)、A(ala)、I(ile)、K(lys)、R(arg)、Q(gln)、S(ser)、T(thr)またはY(tyr)のいずれか1つで置換されている9位
のうちのいずれか1つの位置にのみ置換を含む、前記KVNPQGPGPE(配列番号5)またはKVNPQGPGP(配列番号6)の変異体
からなるものである、前記抗体。 - 前記抗体が単離された抗体である、請求項1に記載の抗体。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項1または2に記載の抗体。
- 前記抗体がポリクローナル抗体である、請求項1または2に記載の抗体。
- 前記エピトープまたはエピトープセグメントが、KVNPQGPGPEEK(配列番号1)からなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体。
- 前記エピトープまたはエピトープセグメントが、VNPQGPGPEEK(配列番号2)、VNPQGPGPEE(配列番号3)、NPQGPGPEE(配列番号4)、KVNPQGPGPE(配列番号5)またはKVNPQGPGP(配列番号6)からなる、KVNPQGPGPEEK(配列番号1)のフラグメントからなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体。
- 前記エピトープまたはエピトープセグメントが:
(i)VNPQGPGPEE(配列番号3)の変異体であって、
V(val)が他の任意のアミノ酸で置換されている1位;
N(asn)が他の任意のアミノ酸で置換されている2位;
P(pro)が他の任意のアミノ酸で置換されている3位;
Q(gln)がY(tyr)、A(ala)、E(glu)、V(val)、M(met)、F(phe)、L(leu)、I(ile)、T(thr)またはR(arg)のいずれか1つで置換されている4位;
G(gly)がA(ala)、S(ser)、T(thr)、H(his)、W(trp)、Y(tyr)、F(phe)またはM(met)で置換されている5位;
P(pro)が他の任意のアミノ酸で置換されている8位;または
E(glu)がQ(gln)、D(asp)、F(phe)、H(his)またはM(met)で置換されている10位
のうちのいずれか1つの位置に置換を含む、前記VNPQGPGPEE(配列番号3)の変異体;
(ii)NPQGPGPEE(配列番号4)の変異体であって、
N(asn)がH(his)で置換されている1位;
P(pro)が他の任意のアミノ酸で置換されている2位;
Q(gln)がN(asn)、M(met)、T(thr)、S(ser)またはR(arg)のいずれか1つで置換されている3位;
P(pro)がA(ala)で置換されている5位;
P(pro)がA(ala)、D(asp)、C(cys)、E(glu)、Z(glx)、G(gly)、H(his)、K(lys)、M(met)、F(phe)、P(pro)、S(ser)、T(thr)、W(trp)またはY(tyr)のいずれか1つで置換されている7位;または
E(glu)が他の任意のアミノ酸で置換されている9位
のうちのいずれか1つの位置に置換を含む、前記NPQGPGPEE(配列番号4)の変異体;または
(iii)KVNPQGPGPE(配列番号5)またはKVNPQGPGP(配列番号6)の変異体であって、
K(lys)がW(trp)、R(arg)、L(lys)、Y(tyr)またはF(phe)のいずれか1つで置換されている1位;
N(asn)がH(his)、P(pro)またはD(asp)のいずれか1つで置換されている3位;
P(pro)がR(arg)、K(lys)、W(trp)、S(ser)、H(his)またはN(asn)のいずれか1つで置換されている4位;
G(gly)がD(asp)、E(glu)、N(asn)、Q(gln)、K(lys)、R(arg)またはA(ala)のいずれか1つで置換されている8位;または
P(pro)がM(met)、A(ala)、I(ile)、K(lys)、R(arg)、Q(gln)、S(ser)、T(thr)またはY(tyr)のいずれか1つで置換されている9位
のうちのいずれか1つの位置にのみ置換を含む、前記KVNPQGPGPE(配列番号5)またはKVNPQGPGP(配列番号6)の変異体
からなる、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗体。 - 請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体をコードする、核酸。
- 対象の前立腺癌を検出する方法であって、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体を使用して、前記対象から採取された生体試料中のグリピカン1(GPC-1)のエピトープを検出することと、前記試料中に検出された前記エピトープの量に基づいて、前記対象に前立腺癌があるか、前立腺癌が発症する可能性が高いことを判定することとを含み、
前記対象から採取された生体試料中のエピトープの量が対照試料中のエピトープの量よりも多いことが検出された場合、それは対象に前立腺癌があること、または対象に前立腺癌が発症する可能性が高いことを示す、
方法。
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