JP7049061B2 - 血流の評価方法 - Google Patents
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Description
近年、フレームレートが早いというOCTの特徴を生かし、OCTを用いて生体組織内の血流情報を得ることが可能となった。例えば、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症などの眼科疾患の診断法として急速に普及している。OCTは光の入射方向(深さ方向)と水平方向に対する分解能を有し、生体組織内の血流情報も空間分解能を持って評価することができる。
PVは、血流により生じたOCT信号の位相変化を利用したものである。一方でSVは、生体中の組織の動きに由来するスペックルパターン(speckle pattern)の時間変動を利用したものである。例えば、同一部位で連続的に撮影されたOCT断層画像(Bscan)において、同一ピクセル座標でのOCT信号の時間変動は静体に比較して動体(血流)で大きくなる。
そこで、OCTによる血流信号の画像中のシャドウイング・アーティファクツを軽減する方法について、研究が行われている。例えば、画像フィルターを用いてシャドウイング・アーティファクツを軽減する方法(非特許文献1参照)や、特殊なレーザーによりシャドウイング・アーティファクツを軽減する方法(非特許文献2参照)が提案されている。
しかし、OCTによる血流信号の画像中の一定深度における血流信号の平均値を求め平均プロファイルを求めた場合、平均した血流信号には、実際の血流信号に、シャドウイング・アーティファクツと呼ばれる偽陽性信号が加わり、正確な血流評価を妨げる。
前述のように、皮膚は表皮、真皮乳頭層、真皮網状層、皮下組織などから層状に構成されており、それに応じて血流(血管)構造も層状に構成され、各層で血流動態は異なる。そのため本発明者らは、OCTによる血流動態の解析には、OCTによる皮膚の血流信号を皮膚表面方向に平均化することが重要だと考えた。
しかし、一定深度で平均化された血流信号はその深度の赤血球の動きに由来する真の血流信号に、その浅部の血流により生じた、シャドウイング・アーティファクツが加わったものである。
本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
OCTにより、皮膚に照射されて皮膚内部から反射される測定光に対し、参照光を合波して干渉光を検出し、
前記干渉光より得られたOCTの信号強度の時間変動に基づき、皮膚のOCT時系列画像を取得し、
前記OCT時系列画像において静的なOCT信号を除去することにより、血流に由来する動的スペックル情報が記録されたOCT血流画像を取得し、
前記OCT血流画像に基づいて皮膚の表皮から真皮までの深さ範囲内で皮膚表面に沿って一定の深さ毎に血流信号を平均化することにより、皮膚の深さ方向に対する血流信号の平均化プロファイルを作成し、
作成した前記平均化プロファイルに応じて定まる評価指標に基づいて血流を評価する、
血流の評価方法に関する。
前記干渉光より得られたOCTの信号強度の時間変動に基づき、皮膚のOCT時系列画像を取得し、
前記OCT時系列画像において静的なOCT信号を除去することにより、血流に由来する動的スペックル情報が記録されたOCT血流画像を取得し、
前記OCT血流画像に基づいて皮膚の表皮から真皮までの深さ範囲内で皮膚表面に沿って一定の深さ毎に血流信号を平均化することにより、皮膚の深さ方向に対する血流信号の平均化プロファイルを作成する、
作成した前記平均化プロファイルに応じて定まる評価指標に基づいて血流を評価するために用いる、OCT信号の処理方法に関する。
本発明で作成した血流信号は階段関数であるため、平均化プロファイルにおいて、ある深度の血管の血流信号はその深度より深部の平均血流信号の傾きに影響しない。よって、上層の血流信号に由来するシャドウイング・アーティファクツの影響のない、特定深度の血流指標を正確に得ることができる。
以下本発明について、図面を参照しながら詳細に説明する。しかし本発明は、これに制限するものではない。
本発明において、OCT時系列画像のフレームレートは適宜設定することができるが、体動の影響によるノイズを低減する観点から、好ましくは2fps以上、より好ましくは10~300fps、さらに好ましくは20~100fps、さらに好ましくは25fps程度に設定する。
本発明で用いることができるOCTシステムは、タイムドメイン型であってもよいし、フーリエドメイン型であってもよい。OCTシステムがタイムドメイン型である場合、皮膚に照射されて皮膚内部から順次反射される測定光に対し、前記測定光が反射された皮膚の深さ位置に応じた光路長を移動する参照光を合波して、干渉光を検出する。これに対し、この光の干渉をフーリエ空間(周波数領域又は波長領域)で行う検出技術をフーリエドメイン型と呼ぶ。本発明において、フレームレートを前記範囲に設計する観点から、フーリエドメイン型のOCTシステムを用いるのが好ましい。
なお、図1(A)、図2(A)及び図5に示す血流画像は、thorlab社製(USA)のswept-source OCT(ssOCT OCS1300SS、フーリエドメイン型)を使用して取得した。
OCT画像には、スペックルと呼ばれる、ランダムな光路長を有する光の干渉信号に由来する塩胡椒状(salt-and-pepper-like)ノイズが存在する。従来法においてノイズとして扱われてきたスペックルに生体由来の情報が含まれていることが知られている。サンプルが静的である場合スペックルは時間的に静的である。しかし、サンプル中に血管が存在し血流に含まれる赤血球のような動く粒子等により光が散乱される場合、スペックルは動的に変化する。
よって、得られたOCT差分画像からは、静的スペックル情報は除かれ、血流に由来した動的スペックル情報、つまり赤血球等の動きに由来した情報のみが記録される。これら差分画像を加算することで得られた血流画像から、血流に由来した情報(以下、「OCT血流画像」)が読み取れる。
つまりOCT血流画像は、下記式で表現することができる。
図1(A)に示すOCT血流画像上の4つの血管に対応する縦縞状信号について、立ち上がり(各血管の深度)を揃えたうえで平均化プロファイルを求めた。その結果、求めた平均化プロファイルが、血管の存在する深度において出現する急峻な傾き(真の血流信号)と、急峻な傾きが出現する部位よりも深部に続く一定値を示す領域(シャドウイング・アーティファクツ)とを含む、階段関数であることを確認した(図1(B)参照)。
図2(B)に示すように、傾きが零の領域と、正の傾きを持つ領域とが、交互に現れるプロファイルが得られた。そして、小さな血管(細い血流信号)が存在する深度には小さな段差が、大きな血管(太い血流信号)が存在する深度に大きな段差がそれぞれ生じ、血流が平均化プロファイルに傾きを与える。
よって、ある深度での平均化プロファイル値は、その深度より浅部の血流信号による段差の合計値である。そして、シャドウイング・アーティファクツは階段関数であるため、表層の血流は皮膚深部の血流によって生じる傾きには影響しない。したがって、血流信号を上記式で求めること、かつ、平均化プロファイルの傾きを血流の指標とすることで、シャドウイング・アーティファクツの影響を受けることなく、特定の深度での血流の評価が可能となる。
なお、本明細書における「血流の評価」とは、基本的に赤血球等の動きに由来する血流を評価することを指し、一義的には血流量を評価することを指す。一般的に、血流量が多い場合、平均化プロファイルの傾きが大きくなる。ただし、観察した血管が太い場合には、赤血球等の速度が同じでも、傾きが大きくなる。
この場合、時系列の異なる血流信号の各平均化プロファイルの差分プロファイルを作成し、作成した差分プロファイルから血流量の変化を評価することが好ましい。
10名の被験者の前腕部に、血流増加作用が知られている炭酸水(1.89v/v)2mLを2分間接触させた。
炭酸水処理前、2分間の炭酸水処理終了から2~3秒後(以下、「炭酸水処理直後」という)、及び炭酸水処理終了から3分後に、同一部位で5秒程度のOCT時系列画像を取得した。なお、画像はthorlab社製(USA)のswept-source OCT(ssOCT OCS1300SS、フーリエドメイン型)を使用して取得した。各OCT時系列データについて、OCT差分画像30枚を作成し、それらを加算することでOCT血流画像を作成した。OCT差分画像やOCT血流画像の作成は、画像処理ソフトImageJを用いて行った。
これらの皮膚表面位置を揃える操作、平均化処理は汎用の表計算ソフトであるエクセルを用いて行った。
図3に示すように、炭酸水処理により、深さ0μm(皮膚表面)から200μmの領域で、炭酸水処理直後のプロファイルの傾きが大きく増加し、血流が上昇したことが読み取れる。また、炭酸水処理終了から3分後では、プロファイルの傾きが大きく減少し、血流が減少したことが読み取れる。従来機器であるレーザドップラー血流計での同様の実験においても、炭酸水処理による血流の上昇と炭酸水除去後の速やかな血流の減少が見られる(Eur. J. Appl. Physiol., 2002, vol. 87(4-5), p. 337-342)。よって、本発明における血流評価の指標の妥当性が示されたと考えられる。
図4の「炭酸水処理直後-炭酸水処理前」の差分プロファイルからは、炭酸水処理による血流上昇が、深さ0μmから200μmの真皮上層領域で主に生じていることがよりはっきりと読み取れる。
皮膚血管の基本構造は層状であると言われる。真皮中層の細動脈叢、より表面に近い真皮乳頭近くで形成される乳頭下細動脈叢、真皮乳頭内では毛細血管係蹄(キャピラリーループ)が形成される。また、各動脈層と同じレベルで各静脈層も形成される(標準生理学、医学書院、p870、2014年)。図4に示す「炭酸水処理直後-炭酸水処理前」のグラフにおいて血流が増加した深さ0μm(皮膚表面)から200μmまでの領域は、上述のキャピラリーループと乳頭下細動(静)脈叢が対応する。深さ200μmから500μmまでの領域は細動(静)脈叢が対応し、図4に示す「炭酸水処理直後-炭酸水処理前」のグラフにおいては差分プロファイルの傾きはフラットあるいは若干の負の傾きであった。このことから、炭酸水による血流増加は、真皮浅部の乳頭下血管叢を中心とした血流増加を特徴とすると推察された。
このような深度情報も含めた血流情報を得るためには、従来、観察深度が異なる機種を用いなければならなかった。例えば、深さ約100μmまでの毛細血管を観察するビデオマイクロスコープと、深さ約1mmまでの深度の血流を評価するレーザードップラー血流計等を利用することにより、血流変動を深度情報も含めて評価していた。しかし、複数の評価装置で一度に血流情報を取得することが困難であり、厳密に同一部位の血流評価は難しい。これに対して本発明の血流評価法は、同一評価部位での皮膚血流変動を深度毎に評価することを可能とした。
皮膚血流は、細動脈と細静脈をバイパスする動静脈吻合等の制御機構により複雑に調整されることが知られ、これら制御機構が血流変動の深度依存性に関連していると考えられる。皮膚深部から細動脈により運ばれた血流は、浅部の乳頭下血管叢、キャピラリーループに運ばれ、細静脈により皮膚深部に戻る。しかし、細動脈と細静脈が直接バイパスする動静脈吻合が開くと、乳頭下血管叢、キャピラリーループを経由しない血液循環が形成される。キャピラリーループを経由しない血液循環が形成された場合、乳頭下血管叢、キャピラリーループを含む動静脈吻合より浅部の血流が減少する一方で、動静脈吻合より深部の細動(静)脈の血流が増加する可能性があると考えられる。
深さ分解能がなく測定深度約1mmまでの平均的血流を評価するレーザードップラー血流計等では、深さにより血流減少、血流増加の両方を併せ持つような血流変化に対して、正確な評価を与えることができない。これに対して、本発明により、差分プロファイルで見出された変曲点深度を境界として分離された皮膚層毎に血流信号を評価することで、より精度の高い血流状態が評価できると考えられる。
炭酸水処理による血流増加は広く知られている。この知見に対して、炭酸水処理後の血流減少についての報告はなく新たな知見と考えられる。OCTによる測定は優れた深さ分解能を有し、測定深度領域を厳密に規定した血流変化が解析可能である。このため、測定深度がややあいまいなレーザードップラー血流計等の従来法では観察できない血流変動が観察されたと考えられる。
皮膚最表層の表皮厚には、一般的に部位差や個人差が存在する。例えば、前腕内側の表皮厚は平均で約130μmあり、背部では平均で約101μmであり、部位によって約30μmもの差が生じる(J Invest. Dermatol., 2001, vol. 116(6), p. 846-852参照)。また、若齢者と高齢者との間でも、約20μmの差が報告されている(日皮会誌、99(1)、1-7、1989年)。よって本発明において、キャピラリーループと乳頭下細動(静)脈叢が対応する領域と、細動(静)脈叢が対応する領域を決定する際、これらの境界点となる皮膚表面からの深さを150μm~250μmの範囲で設定することが好ましく、200μm程度に設定することがより好ましい。また、予めOCT画像や反射型共焦点レーザ顕微鏡により得た表皮厚の情報により、境界点となる皮膚表面からの深さを設定することも可能である。
本発明の血流の評価方法及び血流信号の処理方法は、環境の変化に伴う血流動態の変化を把握するのに好適に用いることができる。例えば、被験者を異なる温度条件下や湿度条件下におき、それぞれの条件下での血流動態を本発明の方法で評価し、環境の変化に伴う血流動態の変化を確認することができる。
具体的には、年齢若しくは年代毎に、特定の皮膚深度若しくは深度範囲における血流信号の平均化プロファイルの傾きを予め測定してその平均値を基礎データとして取得しておく。そして、血流量の指標である平均化プロファイルの傾きの平均値と年齢(年代)との相関関係から、被験者の皮膚血管年齢(年代)を評価することができる。あるいは、年齢若しくは年代毎の血流信号の平均化プロファイルの傾きの平均値と標準偏差から、被験者の年齢(年代)における偏差値を計算して、加齢(老化)状態を評価することもできる。
前記干渉光より得られたOCTの信号強度の時間変動に基づき、皮膚のOCT時系列画像を取得し、
前記OCT時系列画像において静的なOCT信号を除去することにより、血流に由来する動的スペックル情報が記録されたOCT血流画像を取得し、
前記OCT血流画像に基づいて皮膚の表皮から真皮までの深さ範囲内で皮膚表面に沿って一定の深さ毎に血流信号を平均化することにより、皮膚の深さ方向に対する血流信号の平均化プロファイルを作成し、
作成した前記平均化プロファイルに応じて定まる評価指標に基づいて血流を評価する、
血流の評価方法。
<2>OCTにより、皮膚に照射されて皮膚内部から反射される測定光に対し、参照光を合波して干渉光を検出し、
前記干渉光より得られたOCTの信号強度の時間変動に基づき、皮膚のOCT時系列画像を取得し、
前記OCT時系列画像において静的なOCT信号を除去することにより、血流に由来する動的スペックル情報が記録されたOCT血流画像を取得し、
前記OCT血流画像に基づいて皮膚の表皮から真皮までの深さ範囲内で皮膚表面に沿って一定の深さ毎に血流信号を平均化することにより、皮膚の深さ方向に対する血流信号の平均化プロファイルを作成する、
作成した前記平均化プロファイルに応じて定まる評価指標に基づいて血流を評価するために用いる、OCT信号の処理方法。
<4>使用するOCTシステムがフーリエドメイン型である、前記<1>~<3>のいずれか1項に記載の方法。
<5>前記OCT血流画像が、下記式により取得される、前記<1>~<4>のいずれか1項に記載の方法。
<7>時系列の異なる2つ以上の血流信号の平均化プロファイル間で比較した任意の深度における傾きの大きさの変化から、その深度における血流量の変化を評価する、前記<1>~<6>のいずれか1項に記載の方法。
<8>時系列の異なる2つ以上の血流信号の平均化プロファイルから血流信号の差分プロファイルを作成し、該差分プロファイル上の任意の深度における傾きから血流量の変化を評価する、前記<1>~<6>のいずれか1項に記載の方法。
<9>前記差分プロファイル上の任意の深度における傾きが正の値を有する場合、その深度において血流量が増加したと評価し、傾きが負の値を有する場合、血流量が減少したと評価する、前記<8>項に記載の方法。
<10>皮膚層を、予め設定した境界深度により、皮膚表面に沿って2つ以上の皮膚層に区別し、前記血流信号の平均化プロファイル又は差分プロファイルに基づき区別した皮膚層毎に傾きを算出し、算出した傾きから各皮膚層における血流量を評価する、前記<6>~<9>のいずれか1項に記載の方法。
<11>予め設定した境界深度が、キャピラリーループと乳頭下細動(静)脈叢が対応する領域と細動(静)脈叢が対応する領域の境界深度又は差分プロファイルにおける変曲点深度である、前記<10>項に記載の方法。
<13>被験者を異なる温度条件下又は湿度条件下におき、それぞれの条件下での血流動態を前記<7>~<11>のいずれか1項に記載の方法で評価し、前記異なる温度条件下又は湿度条件による血流量の変化を確認する方法。
<14>前記<1>~<6>のいずれか1項に記載の方法で得た前記血流信号の平均化プロファイルに応じ定まる評価指標により、加齢状態を評価する方法。
Claims (9)
- 光コヒーレンストモグラフィにより、皮膚に照射されて皮膚内部から反射される測定光に対し、参照光を合波して干渉光を検出し、
前記干渉光より得られた光コヒーレンストモグラフィの信号強度の時間変動に基づき、皮膚の光コヒーレンストモグラフィ時系列画像を取得し、
前記光コヒーレンストモグラフィ時系列画像において静的な光コヒーレンストモグラフィ信号を除去することにより、血流に由来する動的スペックル情報が記録された光コヒーレンストモグラフィ血流画像を取得し、
前記光コヒーレンストモグラフィ血流画像に基づいて皮膚の表皮から真皮までの深さ範囲内で皮膚表面に沿って一定の深さ毎に血流信号を平均化することにより、皮膚の深さ方向に対する血流信号の平均化プロファイルを作成し、
作成した前記平均化プロファイルに応じて定まる評価指標に基づいて血流を評価する、
血流の評価方法であって、
血流信号の平均化プロファイルに応じて定まる前記評価指標が、該平均化プロファイル上の任意の深度における傾きであり、該傾きの大きさがその深度における血流量であると評価する、血流の評価方法。 - 光コヒーレンストモグラフィにより、皮膚に照射されて皮膚内部から反射される測定光に対し、参照光を合波して干渉光を検出する工程と、
前記干渉光より得られた光コヒーレンストモグラフィの信号強度の時間変動に基づき、皮膚の光コヒーレンストモグラフィ時系列画像を取得する工程と、
前記光コヒーレンストモグラフィ時系列画像において静的な光コヒーレンストモグラフィ信号を除去することにより、血流に由来する動的スペックル情報が記録された光コヒーレンストモグラフィ血流画像を取得する工程と、
前記光コヒーレンストモグラフィ血流画像に基づいて皮膚の表皮から真皮までの深さ範囲内で皮膚表面に沿って一定の深さ毎に血流信号を平均化することにより、皮膚の深さ方向に対する血流信号の平均化プロファイルを作成する工程と、
作成した血流信号の平均化プロファイル上の任意の深度における傾きを算出する工程と、
血流を評価するための評価指標として、平均化プロファイル上の任意の深度における前記傾きの大きさを、その深度における血流量であると決定する工程を含む、
光コヒーレンストモグラフィ信号を処理する方法。 - 時系列の異なる2つ以上の血流信号の平均化プロファイル間で比較した任意の深度における傾きの大きさの変化から、その深度における血流量の変化を評価する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
- 時系列の異なる2つ以上の血流信号の平均化プロファイルから血流信号の差分プロファイルを作成し、該差分プロファイル上の任意の深度における傾きから血流量の変化を評価する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記差分プロファイル上の任意の深度における傾きが正の値を有する場合、その深度において血流量が増加したと評価し、傾きが負の値を有する場合、血流量が減少したと評価する、請求項5に記載の方法。
- 皮膚層を、予め設定した境界深度により、皮膚表面に沿って2つ以上の皮膚層に区別し、血流信号の平均化プロファイル又は差分プロファイルに基づき、区別した皮膚層毎に傾きを算出し、算出した傾きから各皮膚層における血流量を評価する請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
- 予め設定した境界深度が、キャピラリーループと乳頭下細動(静)脈叢が対応する領域と細動(静)脈叢が対応する領域の境界深度又は差分プロファイルにおける変曲点深度である、請求項7記載の方法。
- 被験者を異なる温度条件又は湿度条件下におき、それぞれの条件下での血流動態を請求項4~8のいずれか1項に記載の方法で評価し、前記異なる温度条件下又は湿度条件による血流量の変化を評価する方法。
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