JP7043317B2 - 医療システム - Google Patents

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Description

本発明は医療システムに関し、特に、体内に挿入される治療器具により組織を焼灼治療する医療システムに関する。
医療の分野においてRF焼灼治療装置が活用されている。RF焼灼治療装置は、対象組織(例えば悪性腫瘍)に対して高周波電流(ラジオ波)を流し、これにより対象組織を焼灼(ablation)して、それを熱凝固(thermal coagulation)させるものである。そのようなRF焼灼治療装置として、バイポーラ(bipolar)方式焼灼治療装置、及び、モノポーラ(monopolar)方式焼灼治療装置が知られている。
バイポーラ方式焼灼治療装置は、例えば、焼灼治療用穿刺針が2つの電極を備えている。生体内へ複数のバイポーラ型焼灼治療用穿刺針が同時に差し込まれた状態で、それらが有する電極群を利用して、対象組織を焼灼することも行われている(複数本穿刺方式)。その場合、典型的には、電極群の中から電極ペアが順次、選択及び駆動される。そのような複数本穿刺方式において最終的に得られる焼灼治療範囲は、複数の電極ペアによる複数の焼灼治療結果の総和となる。一方、モノポーラ方式焼灼治療装置は、一般に、単一の電極を有する焼灼治療用穿刺針と、体表面(例えば背中の表面)上に接合される対極板と、を有する。
焼灼治療に際しては、対象組織に対して焼灼治療範囲つまり熱凝固範囲を適切に定める必要があり、換言すれば、適切な熱凝固範囲が生じるように、対象組織の周囲又は内部に1又は複数の電極を適切に配置する必要がある。
特許文献1には、焼灼治療計画において参照される画像を表示する医療システムが開示されている。その医療システムでは、複数の電極からなる電極部が電荷モデルによって模擬され、電荷モデルに基づいて電場分布が演算され、その電場分布を表す画像が生成されている。その画像は生体内の温度分布を反映した画像とは言い難いものである。
特開2017-131434号公報
本発明の目的は、治療者に対して、焼灼治療の範囲やその程度を予測するための焼灼治療シミュレーション画像を提供することにある。あるいは、本発明の目的は、焼灼治療シミュレーション画像の信頼性を高めることにある。
本発明に係る医療システムは、生体内の対象組織を焼灼治療するための電極部により生じる電場分布を演算する電場分布演算手段と、前記電場分布を温度で規格化することにより規格化電場分布を演算する規格化手段と、前記規格化電場分布に基づいて焼灼治療シミュレーション画像を生成する生成手段と、を含む。
本発明によれば、治療者に対して、焼灼治療の範囲やその程度を予測するための焼灼治療シミュレーション画像を提供できる。あるいは、本発明によれば、焼灼治療シミュレーション画像の信頼性を高められる。
第1実施形態に係る医療システムを示すブロック図である。 治療用穿刺針の一例を示す図である。 対象組織に対する3つの穿刺針の配置を示す図である。 RF焼灼治療シミュレータを示すブロック図である。 標準温度分布を決定するためのパラメータセットを示す図である。 点電荷モデルを示す図である。 複数の電極ペアを示す図である。 複数の電極ペアに対応する複数の電位分布を示す図である。 複数の電極ペアに対応する複数の電場分布を示す図である。 合成電場分布を示す図である。 規格化電場分布の生成方法を示す図である。 規格化方法を説明するための図である。 第1の補正方法を説明するための図である。 表示値演算方法を説明するための図である。 熱凝固可能性の異なる複数の領域を説明するための図である。 第2の補正方法を説明するための図である。 パラメータ補正に伴う関数の変化を示す図である。 第1表示例を示す図である。 第2表示例を示す図である。 第2実施形態に係る医療システムを示すブロック図である。 第3実施形態に係る医療システムを示すブロック図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)実施形態の概要
実施形態に係る医療システムは、生体内の対象組織を焼灼治療するための電極部により生じる電場分布を演算する電場分布演算手段と、前記電場分布を温度で規格化することにより規格化電場分布を演算する規格化手段と、前記規格化電場分布に基づいて焼灼治療シミュレーション画像を生成する生成手段と、を含む。
上記構成によれば、温度によって規格化された、つまり温度に対応付けられた規格化電場分布に基づいて焼灼治療シミュレーション画像が生成される。焼灼治療に先立って、焼灼治療シミュレーション画像を参照することにより、熱凝固の範囲や熱凝固の程度を予想することが可能となる。
電極部は、1又は複数の電極により構成される。実施形態において、電場分布演算手段は、電極部を模擬した電荷モデルに基づいて電場分布を演算する。電荷モデルは、点電荷モデル、線電荷モデル、面電荷モデル等を含む概念である。そのような電荷モデルによれば、複数の電極の配置が複雑なものであっても、電場分布を比較的に容易に演算できる。実施形態においては、電荷モデルから電位分布が求められ、電位分布から電場分布が求められる。一回の演算で、電荷モデルから電場分布が求められてもよい。実施形態において、電位分布、電場分布及び規格化電場分布は、それぞれ、例えば、二次元分布又は三次元分布である。焼灼治療シミュレーション画像は、二次元空間又は三次元空間を表す画像である。
実施形態において、規格化手段は、基準凝固温度が所定の規格化電場値に対応付けられるように、電場分布を規格化する。規格化に際して、複数の温度が複数の電場値に対応付けられてもよい。
実施形態に係る医療システムは、電極部に供給されるパワー、及び、血流の灌流率に基づいて、温度分布を演算する温度分布演算手段を含み、規格化手段は温度分布に基づいて電場分布を規格化する。あるいは、実施形態において、規格化手段は変換式に基づいて前記電場分布を規格化し、変換式は、電極部に供給されるパワー、及び、血流の灌流率から求められる温度分布に基づいて演算されるものである。パワーは生体内で発生するジュール熱量の泉源であり、電場分布はそのジュール熱量の空間的な分配率を定めるものとみなせる。つまり、パワーと電場分布から生体内の各位置において単位体積当たり生じるジュール熱を推定することが可能となる。一方、血流の灌流率は、血流による熱流出量を規定するものである。発生熱量及び流出熱量が既知となれば、生体内熱輸送方程式に基づいて、生体内の温度分布を推定することが可能となる。
実施形態において、パワーは標準パワーであり、灌流率は標準灌流率であり、温度分布は標準パワー及び標準灌流率に基づいて演算される標準温度分布である。特定のパワー及び特定の灌流率に基づいて温度分布を求め、それを規格化において利用してもよいが、その場合、例えば、パワーが変更された場合に温度分布を再計算する必要が生じる。一般に、温度分布を求めるための計算量は非常に大きい。上記構成によれば、パワー及び/又は血流の灌流率の変更の都度、温度分布や規格化用変換式を再計算する必要がないという利点を得られる。変換式は関数、テーブルその他によって構成され得る。
実施形態において、ジュール熱量分配方程式に対して電場分布及び標準パワーを与えることにより空間内の各位置でのジュール熱量が推定され、標準灌流率に基づいて空間内の各位置での流出熱量が推定され、生体熱輸送方程式に対して空間内の各位置でのジュール熱量及び流出熱量を与えることにより、標準温度分布が演算される。
実施形態に係る医療システムは、選択された特定パワー、及び、選択された特定灌流率に基づいて、規格化電場分布、又は、焼灼治療シミュレーション画像の生成条件を補正する補正手段を含む。この構成は、標準温度分布を求めた上で、実際のパワー及び実際の灌流率に基づいて事後的な調整を行って、焼灼治療シミュレーション画像の内容の正確性を高めるものである。
実施形態において、補正手段は、標準パワーと特定パワーの比、及び、標準灌流率と特定灌流率の比に基づいて、規格化電場分布を構成する各規格化電場値を補正する。実施形態において、規格化電場分布は空間的に広がる複数の規格化電場値により構成され、焼灼治療シミュレーション画像の生成条件は各規格化電場値を表示値に変換する表示値変換条件を含み、補正手段は、標準パワーと特定パワーの比、及び、標準灌流率と特定灌流率の比に基づいて、表示値変換条件を補正する。
実施形態において、生成手段は、規格化電場分布から焼灼治療シミュレーション画像を生成するためのカラーマップを有し、焼灼治療シミュレーション画像上において熱凝固可能性の異なる複数の領域が複数のカラーで表現される。実施形態において、熱凝固可能性の異なる複数の領域には、熱凝固することが推定される領域、熱凝固しないことが推定される領域、及び、それらのいずれにも分類できない領域が含まれる。
実施形態に係る医療システムは、対象組織を表す医療画像と焼灼治療シミュレーション画像とを合成して合成画像を生成する手段と、合成画像を表示する表示器と、を含む。この構成によれば、対象組織に対して焼灼治療範囲を比較することが可能となる。医療画像は、超音波画像、X線CT画像、MRI画像等である。
実施形態に係る方法は、医療システムにおいて焼灼治療シミュレーション画像を生成する方法であって、生体内の対象組織を焼灼治療するための電極部により生じる電場分布を演算する工程と、電場分布に基づいて温度分布に相当する規格化電場分布を演算する工程と、規格化電場分布に基づいて焼灼治療シミュレーション画像を生成する工程と、を含む。この方法は、ハードウエアの機能として又はソフトウエアの機能として実現され得る。後者の場合、焼灼治療シミュレーション画像生成方法を実行するプログラムが、ネットワークを介して又は可搬型記憶媒体を介して、医療システムへインストールされる。
(2)実施形態の詳細
図1には、第1実施形態に係る医療システムが示されている。この医療システムは、悪性腫瘍等の対象組織に対してRF焼灼治療を行うためのシステムである。図示された医療システムは、超音波診断装置10、RF焼灼治療装置12、及び、測位装置14により構成される。
RF焼灼治療装置12は、RF焼灼治療装置本体16、及び、複数の焼灼治療用穿刺針(焼灼治療器具であり、アプリケータともいう。)18,20を含む。焼灼治療時には、RF焼灼治療装置本体16から焼灼治療用穿刺針18,20に対してRF信号が供給される。RF信号のパワーは、治療者により指定され、又は、自動的に設定される。図示の例において、焼灼治療用穿刺針18,20は、それぞれバイポーラ型の焼灼治療用穿刺針であり、それぞれが2つの電極を有する。合計4つの電極により電極部が構成され、電極部中から、複数の電極ペアが順次、選択及び駆動され、これにより対象組織が焼灼治療される。図1において、穿刺経路40は、焼灼治療用穿刺針18の進路である。穿刺経路40は、対象組織38の内部を貫通し、あるいは、その周囲を通過している。1本又は3本以上の焼灼治療用穿刺針が利用されてもよい。モノポーラ方式RF焼灼治療装置が利用されてもよい。各焼灼治療用穿刺針18,20の基端部(対外部分)には、位置情報を取得するための磁気センサ22,24が設けられている。
測位装置14は、磁場発生器26、複数の磁気センサ22,24,36、及び、位置情報演算器(測位コントローラ)28により構成される。磁場発生器26は、三次元の磁場を生成する。磁場発生器26の動作が位置情報演算器28により制御される。各磁気センサ22,24,36は三次元の磁場を検出するものである。位置情報演算器28は、各磁気センサ22,24,36の検出信号に基づいて、磁気センサ22,24,36ごとに、その位置及び姿勢を位置情報として演算する。例えば、位置は三次元座標として特定され、姿勢は各座標軸周りの回転角度として特定される。
磁気センサ22,24,36ごとの位置情報は、超音波診断装置10内の制御部56に送られる。位置情報演算器28が超音波診断装置10内に組み込まれてもよい。測位装置14により、焼灼治療用穿刺針18,20の位置及び姿勢、並びに、後述するプローブ(プローブヘッド)32の位置及び姿勢を特定することが可能となる。測位方式としては、上記磁気方式の他に、光学的方式、電磁波方式、その他の方式があげられる。
超音波診断装置10は、超音波診断装置本体30及びプローブ32により構成される。プローブ32は可搬型の超音波送受波器である。プローブ32は、一次元配列された複数の振動素子からなる振動素子アレイを有する。図示の例では、複数の振動素子は円弧状に配列されている。振動素子アレイによって超音波ビームBが形成され、その超音波ビームBが電子的に走査される。rは深さ方向を示しており、θは電子走査方向を示している。超音波ビームの電子走査により、二次元データ取込み領域としてのビーム走査面34が形成される。ビーム走査面34から得られた複数のエコーデータのマッピングにより、超音波画像としての断層画像(Bモード断層画像)が形成される。図示の例において、ビーム走査面34は穿刺経路40を含んでいる。電子走査方式として、電子リニア走査方式、電子セクタ走査方式等が知られている。1D振動素子アレイに代えて、2D振動素子アレイが設けられてもよい。2D振動素子アレイによれば、生体内の三次元空間からボリュームデータを取得することができる。
プローブ32には磁気センサ36が設けられている。プローブ32に穿刺針保持用アダプタを装着し、そのアダプタによって穿刺針が保持又は案内されてもよい。その場合には、磁気センサ36の出力信号に基づいて、穿刺針の位置及び姿勢を特定することが可能となる。図1に示す超音波診断装置10によれば、リアルタイム表示される断層画像上において対象組織及び穿刺針を確認しつつ、対象組織38に対して穿刺針を位置決めることが可能となる。
次に、超音波診断装置本体30について説明する。送受信部42は、送信ビームフォーマー及び受信ビームフォーマーとして機能する電子回路である。送信時において、送受信部42は、遅延処理された複数の送信信号を振動素子アレイに並列的に供給する。これにより送信ビームが形成される。受信時において、生体内からの反射波が振動素子アレイで受波される。これにより振動素子アレイから送受信部42へ複数の受信信号が並列的に出力される。送受信部42においては、複数の受信信号がデジタル信号に変換された後に、整相加算(遅延加算)され、これによって受信ビームに相当するビームデータが生成される。
電子走査方向に並ぶ複数のビームデータにより、ビーム走査面34に対応するフレームデータが構成される。各ビームデータは深さ方向に並ぶ複数のエコーデータにより構成される。送受信部42の後段にはビームデータ処理回路が設けられているが、それについては図示省略されている。
超音波画像形成部44は、順次入力されるフレームデータに基づいて断層画像を順次形成する電子回路である。超音波画像形成部44は、デジタルスキャンコンバータ(DSC)を有する。それは、座標変換機能、画素補間機能、フレームレート調整機能等を有する。断層画像のデータが表示処理部46に送られている。表示処理部46は、画像合成機能、カラー変換機能、等を有する。表示器54には、断層画像、参照画像、後述する治療シミュレーション画像、合成画像、等の各種の画像が選択的又は同時に表示される。表示器54は、LCD、有機EL表示デバイス、等により構成される。
メモリ48には、ボリュームデータが格納される。そのボリュームデータは、対象組織38を含む生体内三次元空間から取得されたデータであり、具体的には、X線CT装置、MRI装置、又は、超音波診断装置(超音波診断装置10又は他の超音波診断装置)によって、同一の被検者から取得された過去のデータである。ネットワーク上におけるファイルサーバー等に格納されたボリュームデータが参照されてもよい。
二次元参照画像形成部50は、ボリュームデータから、ビーム走査面34に対応する面データを切り出し、その面データに基づいて断層画像としての二次元参照画像を形成する機能を有する。また、二次元参照画像形成部50は、ボリュームデータから、穿刺経路40に直交する面に相当する面データを切り出し、その面データに基づいて断層画像としての二次元参照画像を形成する機能を有する。他の二次元参照画像が形成されてもよい。
三次元参照画像形成部52は、ボリュームデータに基づくボリュームレンダリング、サーフェイスレンダリング等の方法により、三次元参照画像を形成する機能を有する。三次元参照画像は、三次元空間を立体的に表現した平面的な画像である。
図1に示す医療システムにおいては、プローブ32の位置情報がリアルタイムで取得されており、それに基づいて、ビーム走査面34の位置及び姿勢がリアルタイムで特定されている。また、焼灼治療用穿刺針18,20の位置情報がリアルタイムで取得されており、それらに基づいて焼灼治療用穿刺針18,20についての穿刺経路の位置及び姿勢が特定される。更に、ビーム走査面34の位置情報に基づいてボリュームデータから面データが切り出される。複数の画像の合成に際しても各画像の位置情報が参照される。例えば、後述するように、断層画像と治療シミュレーション画像とを合成する際には、断層画像の位置情報及び治療シミュレーション画像の位置情報が参照される。あるいは、断層画像の位置情報に基づいて、それに重畳表示される治療シミュレーション画像が生成されてもよい。
制御部56は、CPU及び動作プログラムにより構成される。制御部56によって、超音波診断装置10内の各構成の動作が制御される。制御部56は、複数の機能を有し、図1においては、それらの中で代表的な機能がブロックによって表現されている。
具体的には、制御部56は、RF焼灼治療シミュレータ58を有する。その実体はソフトウエア(プログラム)である。RF焼灼治療シミュレータ58は、焼灼治療を行う前の焼灼治療計画段階において、治療シミュレーション画像を生成し、それを治療者である医師に提供するものである。穿刺後であって焼灼治療前に、治療シミュレーション画像が生成されてもよい。
治療シミュレーション画像によれば、対象組織との関係で、電極配置を最適化したり、パワーを最適化したりすることが容易となる。治療シミュレーション画像は、実施形態において、白黒の断層画像上に重畳表示される二次元カラー画像である。治療シミュレーション画像が二次元参照画像上に重畳表示されてもよい。治療シミュレーション画像が三次元参照画像に合成されてもよい。治療シミュレーション画像が三次元カラー画像として構成されてもよい。
後に詳述するように、RF焼灼治療シミュレータ58は、電極部を模擬する電荷モデルを定義する機能、電荷モデルに基づいて電場分布を演算する機能、標準温度分布を演算する機能、標準温度分布に基づいて電場分布を規格化する機能、規格化された電場分布を直接的又は間接的に補正する機能、規格化された電場分布に基づいて治療シミュレーション画像(熱凝固領域を特定するための画像)を生成する機能、等を有するものである。RF焼灼治療シミュレータ58が、専用プロセッサにより構成されてもよく、後述するように、それが別の情報処理装置により構成されてもよい。
制御部56は、グラフィック画像を生成する機能を備えている。グラフィック画像は、表示処理部46を経由して表示器54に表示され、あるいは、表示処理部46において他の画像に合成される。制御部56には操作パネル60が接続されている。操作パネルは、複数のボタン、複数のスイッチ、トラックボール、等の各種の入力デバイスを有する。超音波診断装置10、RF焼灼治療装置12等を統合的に管理する制御装置が別途設けられてもよい。
図2には、焼灼治療器具としての焼灼治療用穿刺針18の先端部が示されている。軸体62の先端64は尖塔形を有している。軸体62には、絶縁体70を介して、2つの電極66,68が設けられている。
図3には、対象組織72に対する3本の焼灼治療用穿刺針74,76,78の配置が示されている。図示の例では、対象組織72を取り囲むように、3本の焼灼治療用穿刺針74,76,78が非平行に配置されている。そのような非典型的な電極配置であっても、実施形態に係る医療システムおいては、点電荷モデルの採用により、焼灼治療シミュレーション画像を比較的に容易に形成することが可能である。
図4には、図1に示したRF焼灼治療シミュレータ58の構成例が示されている。電場演算部80は、電極部を模擬する点電荷モデル82を定義し、点電荷モデル82に従って電位分布を演算し、その電位分布に基づいて電場分布を演算するモジュールである(必要であれば特許文献1を参照)。
具体的に説明する。実施形態においては、個々の電極が複数の電荷の並び(電荷列)によって模擬される。すなわち、複数の電極が複数の電荷列によって模擬される。点電荷モデル82を定義するために、符号81で示されるように、ユーザーによって、焼灼方式、電極タイプ、電極数、電極配列(座標情報)等の必要な情報が入力される。それらの情報の内の一部又は全部がRF焼灼治療シミュレータ58に事前に登録されてもよい。
例えば、バイポーラ方式に従う電極A及び電極Bが配置されている場合、それぞれの電極が直線上に均等間隔で並ぶN個の点電荷Qによって模擬される。電極Aを模擬する複数の点電荷の座標をA,A,A,…,Aとする。同様に、電極Bを模擬する複数の点電荷の座標をB,B,B,…,Bとする。三次元空間内のある点P(x,y,z)における電位φ(x,y,z)は、次の(1)式で求まる。
Figure 0007043317000001
なお、バイポーラ方式の場合には各点電荷Qの大きさを電極長の1/2乗に比例する値にし、モノポーラ方式の場合には点電荷Qの大きさを電極長に比例する値にしてもよい。
電位φ(x,y,z)の空間微分により、以下の(2)式により電場ベクトルが演算される。
Figure 0007043317000002
電場ベクトルの大きさつまり電場の強さEは、以下の(3)式により演算される。
Figure 0007043317000003
なお、モノポーラ方式では、例えば、1つの電極がN個の点電荷Qによって模擬される。その場合、対極板は無限遠に配置されているものとみなせる。それに基づき、以下の(4)式のように電位が演算される。
Figure 0007043317000004
バイポーラ方式において、複数の電極ペアが定義され、それらが順番に動作する場合、以下の(5)式に従って合成電場分布が計算される。Mは組み合わせの個数(電極ペアの個数)である。電場演算部80により演算された電場分布84は、標準温度分布の演算で利用され、また、規格化の対象となる。
Figure 0007043317000005
図4において、標準温度分布演算部86は、生体熱輸送方程式(Pennes' bio-heat transfer equation)88及びジュール熱量分配方程式90に基づいて、標準温度分布92を演算するモジュールである。標準温度分布演算部86には、パラメータセットとして、組織の熱伝導率κ、血液の標準灌流率ωb0、血液の密度ρb、血液の比熱Cb、組織の温度(初期温度)Tt、血流の温度Tb、標準パワーP0がユーザーにより与えられる。それらがプリセットされていてもよい。図5には、それらのパラメータに与える数値が例示されている。なお、本願明細書で記載する温度はいずれも摂氏温度(℃)である。血液の標準灌流率ωb0は、文献値を設定するのが望ましい。その場合、標準灌流率ωb0は臓器ごとに値を設定するようにしてもよい。標準パワーP0は、RF焼灼治療装置本体側のプロトコールで定義された標準値を設定するのが望ましい。その場合、標準パワーP0は電極長に比例する値、もしくは電極長の二乗に比例する値などになる。
標準温度分布は、標準パワーP及び血液の標準灌流率ωb0を前提として演算される、生体内の温度分布である。具体的には、以下のように標準温度分布が演算される。
生体熱輸送方程式88は以下の(6)式である。
Figure 0007043317000006
ここで、ρは生体組織の密度であり、Cは生体組織の比熱であり、κは生体組織の熱伝導率である。qはラジオ波が生体組織に吸収されて発生する、単位体積当たりのジュール熱量(発生熱量)であり、qは血液の灌流による流出熱量である。
上記の(6)式は、定常状態(平衡状態)では、以下の(7)式として表される。
Figure 0007043317000007
なお、タンパク質の熱凝固は温度及び時間に依存する。一般に、50度から52度程度の加熱状態が4分間から6分間くらい継続した場合にタンパク質が熱凝固し、一方、加熱により60度以上になった場合にタンパク質が即座に熱凝固すると言われている。後者に着目する場合、あるいは、計算量の削減を図りつつ熱凝固範囲の大凡の目安を得たい場合、定常状態を想定すればよく、その上で、空間的及び時間的な予測誤差を焼灼治療シミュレーション画像に反映させればよい。もちろん、時間的条件、特に組織性状の時間的な変化を考慮して、動的に変化する温度分布を演算することも可能である。
ところで、空間内の個々の位置において、ラジオ波により、単位体積当たり発生するジュール熱量qは、電場Eの大きさの二乗に比例する(ジュールの法則)。RF焼灼治療装置本体から供給されるパワーP(ここでは標準パワーPを想定する)の全部がジュール熱に変換されると仮定すると、その仮定の下では、各位置における、単位体積当たりのジュール熱量qが次の(8)式のように表現される。
Figure 0007043317000008
一方、血液の灌流による流出熱量qは以下の(9)式のように表現される。ここでは標準灌流率ωb0を前提とする。Tbは流入血流の温度である。
Figure 0007043317000009
以上のように特定されるジュール熱量q及び流出熱量qを上記の(6)式(生体熱輸送方程式)に代入し、Tについてその方程式を解けば、標準パワーP0及び標準灌流率ωb0を前提としたところでの標準温度分布を求めることが可能となる。
ちなみに、標準パワーP0及び標準灌流率ωb0に代えて、選択された特定のパワーP、及び、選択された特定の灌流率ωbを用いて、温度分布を求めることも可能である。しかし、その場合には、パワーP及び特定の灌流率ωbのいずれかを変化させた場合、すべての計算をし直さなければならず、応答性又はリアルタイム性が低下してしまう。そこで、本実施形態では、標準パワーP0及び標準灌流率ωb0を用いて標準温度分布を求め、それを規格化のための情報として利用し、必要に応じて、規格化後に事後的な補正を実行するようにしている。
図4において、規格化部94は、電場演算部80が演算した電場分布84を標準温度分布92によって規格化し、規格化電場分布95を求めるものである。具体的には、基準凝固温度(60度)が規格化後の電場の大きさ(以下において、それを電場値及びEF値という。)0.5で表されるように、電場分布84の規格化を行っている。例えば、温度分布において60度のラインを特定し、電場分布84の中において、そのラインに対応する電場値列(又はその平均値)が規格化後に0.5に変換されるように、電場分布の変換又は校正が行われる。電場の大きさが0の地点は、EF値0.0(又は最低のEF値)で表される。
規格化のための変換式としては、線形変換式の他、非線形変換式が考えられる。演算量の削減のためには前者を利用するのが望ましく、電場値と温度との間に非線形関係又は準非線形関係を認められる場合において正確な規格化を行うためには、後者を利用するのが望ましい。後者の場合、例えば、基準となる2つ以上の温度に2つ以上のEF値が対応付けられるように、関数フィッティングその他を行ってもよい。後述するように、標準温度分布が事前に演算され、標準温度分布から求まる変換式が規格化部94に事前に登録されてもよい。変換式が規格化部に事前に登録された場合、RF焼灼治療シミュレータ58から標準温度分布演算部86を除外し得る。一方、必要に応じて標準温度分布を事後的に演算するためには、RF焼灼治療シミュレータ58に標準温度分布演算部86を含めておくのが望ましい。
図4において、補正部96は、符号97で示されているように、実際に選択又は指定された特定のパワーP及び特定の灌流率ωbに基づいて、規格化後の電場分布を補正するモジュールである。例えば、以下の(10)式に示されるように、規格化後の電場値E’が補正後且つ規格化後の電場値(EF値)E”に補正される。
Figure 0007043317000010
上記(10)式において、分子は、実際のパワーPと標準パワーP0の比であり、分母は、実際の灌流率ωbと標準灌流率ωb0の比である。k1,k2は、実験から求められる係数である。例えば、k1及びk2は、それぞれ例えば0.5~0.6程度である。
図4において、メモリ99内には、補正後の規格化電場分布を示すデータ(EF値集合)が格納される。治療シミュレーション画像生成部100は、そのデータから、指定された断面座標102に対応する面データを切り出し、その面データに基づいて治療シミュレーション画像を生成する。それは断面上の各位置についての電場を示すものであるが、その電場は温度によって規格化されているので、温度分布を反映した画像と言える。メモリに格納されたデータが二次元電場分布を示すものである場合、それに基づいて治療シミュレーション画像が生成される。
治療シミュレーション画像生成部100は、各EF値を表示値に変換し、更に各表示値をカラーに変換することにより、カラーの治療シミュレーション画像を生成するものである。治療シミュレーション画像として、二次元画像ではなく、三次元画像が生成されてもよい。特定ライン上の温度分布を示す一次元の治療シミュレーション画像が生成されてもよい。
以上説明したRFシミュレータでの一連の処理を図6乃至図15を用いて更に具体的に説明する。
図6には、点電荷モデルが例示されている。図示の例では、4つの電極A,B,C,Dを模擬した4つの電荷列が示されている。4つの電極は、y=0の位置にあるxz面内に配列されている。すなわち、図6に示した点電荷モデルは、z方向に平行に並んだ2本の焼灼治療用穿刺針を模擬したものである。
図7に示すように、4つの電極A,B,C,Dを前提とした場合、2つの電極の組み合わせ(電極ペア)の個数は、6個である(符号110~120を参照)。それらに対応する6個の電位分布が図8に示されている(符号122~134を参照)。白色の部分は正電位が大きい部分であり、黒色の部分は負電位が大きい部分である。それらから演算される電場分布が図9に示されている(符号136~146を参照)。更に、図10には、複数の電場分布を加算することにより得られる電場分布(合成電場分布)が示されている。
図11に示すように、電場分布84を利用して標準温度分布92が演算される。また、標準温度分布92に基づいて、電場分布84が規格化され、規格化電場分布95が生成される。図11においては、電場分布84、標準温度分布92及び規格化電場分布95がそれぞれ三次元分布として模式的に表現されている。以下に説明するように、標準温度分布に基づく変換式が事前に登録されてもよい。なお、規格化を行うことなく、標準温度分布92に基づいて温度シミュレーション画像を生成することも可能である。もっとも、演算量や演算時間の観点からは、実施形態の方法を採用するのが望ましい。
図12には、温度T、電場の大きさE、及び、規格化電場値(EF値)の相互関係が示されている。実施形態においては、60度に相当する電場の大きさEがEF値0.5に変換されるように、電場分布が規格化される。規格化部は、そのための変換式150を有している。実施形態においては、例えば、設計開発段階において、標準温度分布が演算され、その標準温度分布に基づいて変換式150が演算され、それが規格化部に登録される。実施形態によれば、パワーP及び灌流率ωbが変更されても、同じ変換式150を利用することが可能である。同じ変換式150を利用しても、以下に説明する補正により、実際に選択されるパワーP0及び灌流率ωb0が反映された治療シミュレーション画像を生成することが可能である。なお、実験によれば、上記のように求められた変換式は、EF値0.5と60度の関係で見る限り、電極サイズ、電極配置等によらずに、一般的に利用可能であることが確認されている。すなわち、厳密な精度を求めない場合においては、特殊なケースを除いて、様々な点電荷モデルに対して同じ変換式を適用することが可能である。もっとも、点電荷モデルあるいは電場分布演算条件ごとに変換式を用意しておくことも考えられる。また、例えば、キャリブレーション時、穿刺針交換時、ユーザー指示の発生時等において、標準温度分布が演算され、それに基づいて変換式が演算されてもよい。焼灼シミュレーションの都度、それに先立って、標準温度分布及びそれに基づく変換式が演算されてもよい。
図13には、第1の補正方法が示されている。この第1の補正方法は、図4に示した補正部96において実行されるものである。補正部96は、補正係数算出用関数152を有する。補正係数は、上記(10)式に従って、パワーP及び標準パワーP0の比、並びに、灌流率ωb及び標準灌流率ωb0の比から、演算される。乗算器154において、規格化電場分布95を構成する各規格化電場値に対して補正係数が乗算され、これにより補正後の規格化電場分布98が生成される。それは、専ら熱凝固の観点から見た、組織温度分布に相当するものである。他の補正演算が実行されてもよい。
図14には、図4に示した治療シミュレーション画像生成部が有する表示値変換関数156が示されている。図14において、横軸は、電場の大きさAを示しており、縦軸は表示値(色相)Bを示している。縦軸の最大値はこの例では255である。表示値変換関数156においては、横軸上の大きさWWを有する区間が線形増加区間であり、その前後の2つの区間がいずれも平坦区間である。WLは、WWを有する区間における中央値を示している。表示値変換関数156は、具体的には、B=(A-WL)*255/WW+128、という関数である。この表示値変換関数156に従って、電場の大きさAに応じて、表示値Bが決まる。使用するカラーマップに応じて、WL及びWWを決めるのが望ましい。もっとも、WL及びWWをユーザーによって任意に可変することも可能である。表示値変換関数ではなく、表示値変換テーブルを利用してもよい。
規格化により、電場の大きさ(EF値)0.5が60度に対応付けられている。EF値0.5がWLに相当している。WWは例えば0.2である。図14には、選択的に使用される2つのカラーマップ158,160も示されている。カラーマップ158が選択された場合、EF値0.5以上がカラーC6で表現され、EF値0.5未満がカラーC7で表現される。既に説明したように、タンパク質が瞬時に熱凝固する温度は60度以上であると言われている。それに基づいて、焼灼治療過程で60℃以上になることが見込まれる領域が赤系のカラーC6で表現され、60℃未満に留まることが見込まれる領域が青系のカラーC7で表現される。
しかし、実際には、上記で説明した幾つかの推定誤差が想定されるので、実際には60度に到達していない部分が赤系のカラーC6で表示されたり実際には60℃に到達している部分が青系のカラーC7で表現されたりする問題が生じ得る。
そこで、カラーマップ160の採用が望まれる。カラーマップ160において、カラーC1は、ほぼ確実に熱凝固が生じる第1領域を表現するカラーであり、カラーC5は、ほぼ確実に熱凝固が生じない第3領域を表現するカラーである。カラーC3は熱凝固する可能性及び熱凝固しない可能性の両方が認められる不確定な第2領域を表現するカラーである。なお、カラーC2は、第1領域と第2領域の境界を目立たせるためのカラーであり、それを所定のEF値に対応付けてもよい。カラーC4は、第2領域と第3領域の境界を目立たせるためのカラーであり、それを別の所定のEF値に対応付けてもよい。
図15には、上記カラーマップ160を適用した結果が模式的に示されている。領域320は上記第1領域であり、熱凝固することをほぼ確実視できる領域であって、その領域はカラーC1で表現される。領域324は上記第3領域であり、熱凝固しないことをほぼ確実視できる領域であって、その領域はカラーC5で表示される。領域322は上記第2領域であり、熱凝固の有無が不確かな領域である。その領域322はカラーC3で表現される。領域320と領域322との間の境界がカラーC2で表現され(符号326を参照)、領域322と領域324との間の境界がカラーC4で表現されている(符号328を参照)。このような治療シミュレーション画像によれば、推定誤差を考慮しつつ治療計画を立てることが可能となる。例えば、C1は黄であり、C2は緑であり、C3は薄い青緑であり、C4は青であり、C5は薄紫である。
図16には、第2の補正方法が適用されるRF治療シミュレータ58Aが示されている。なお、図4を用いて説明した構成については、同一の符号を付し、その説明を省略することにする。
図16において、表示値変換部162は、表示値変換関数164に基づいて、規格化電場値(EF値)を表示値に変換するモジュールである。パラメータ補正部166は、パワーP及び標準パワーP0の比、並びに、灌流率ωb及び標準灌流率ωb0の比に基づいて、補正されたパラメータWLを求めるものである。具体的には、以下の(11)式に基づいて、パラメータWLが演算される。
Figure 0007043317000011
この(11)式によれば、規格化電場分布を補正する代わりに、表示値変換関数を補正して、パワーP及び灌流率ωbが反映された治療シミュレーション画像を生成することが可能となる。具体的には、補正後の表示値集合(又は色相データ集合)がメモリ99Aに格納される。治療シミュレーション画像100Aは、格納された表示値集合(又は色相データ集合)に基づいて、二次元又は三次元の治療シミュレーション画像を生成する。
図17には、以上説明した第2の補正方法が更に具体的に示されている。上記(11)式は、2つの比に基づいて、WLを横軸に沿ってシフトさせるものである(符号170を参照)。WWは維持される。WLのシフトにより、表示値変換関数156における線形変化部分156aが横軸に沿ってシフトする(符号172を参照)。カラーマップ158,160は変化せず、それに当てはめるEF値の操作によって、結果として、補正後の表示値が得られている。符号174で示されるように、基準となる温度は60℃である。
第1の補正方法によれば、表示値変換前に補正が完了するので、補正後の規格化電場値に基づいて他の画像を形成したり他の演算を行ったりすることが可能となる。第2の補正方法によれば、表示値変換関数を修正する仕組みを使って簡便に補正を行える。
図18には、第1表示例が示されている。表示画面175上には、複数の画像176,178,180,182が表示されている。
画像176はxz面を表す合成画像であり、具体的には、背景画像に対して治療シミュレーション画像184を重畳したものである。背景画像は、例えば、ボリュームデータに基づく断層画像である。背景画像には、2つの穿刺針像196,198が含まれている。各穿刺針像196,198は、人工的に生成されたグラフィック画像である。超音波の送受波により得られたリアルタイムBモード断層画像が背景画像として表示されてもよい。
画像178はyz面を示す合成画像である。その画像も、背景画像に対して治療シミュレーション画像200を重畳したものである。画像178の近傍には、カラーマップ見本186が表示されている。画像180はxy面を示す合成画像である。その画像も、背景画像に対して治療シミュレーション画像202を重畳したものである。その画像180には、2つの穿刺針像204,206が含まれている。画像182は、三次元空間と2本の穿刺針との関係を示すグラフィック画像である。画像182には、三次元空間を表現した表示オブジェクト208、及び、2つの穿刺針を表現した2つの表示オブジェクト210,212が含まれる。更に、対象組織を表示した表示オブジェクト、ビーム走査面を表現した表示オブジェクトが表示されてもよい。
例えば、画像176中の治療シミュレーション画像184は、カラー表現された複数の領域188,192,195を有する。領域188は上記第1領域であり、領域192は上記第2領域であり、領域195は上記第3領域である。領域間の境界190,194もカラーで表示されている。画像178,180における治療シミュレーション画像200,202も、上記治療シミュレーション画像184と同様にカラー表現されている。
図19には、第2表示例が示されている。表示画面175上には、上記第1表示例と同様に、複数の画像176,178,180,182Aが表示されている。もっとも、第1表示例とは異なり、電極の配列として、非平行配列が採用されている。それに従って、治療シミュレーション画像184A,200A,202Aは、第1表示例における治療シミュレーション画像184,200,202とは異なっている。同様に、画像182Aの内容も第1表示例とは異なっている。
図20には、第2実施形態に係る医療システムが示されている。図1に示した構成と同様の構成には同一符号を付し、その説明を省略する。図20に示す構成例では、医療システムがRF焼灼治療シミュレーション装置213を有している。それは、情報処理装置等によって構成されるものであり、図1に示したRF焼灼治療シミュレータと同様の機能を有している。RF焼灼治療シミュレーション装置213で生成された治療シミュレーション画像が表示処理部46Aに入力されており、そこで他の画像と合成される。治療シミュレーション画像がそれ単独で表示器54に表示されてもよい。第2実施形態によれば、超音波診断装置の動作制御を行う制御部56の負担が軽減される。
図21には、第3実施形態に係る医療システムが示されている。この医療システムは、情報処理装置により構成され、具体的には、プロセッサ214、入力器216、記憶部218、及び、表示器220を有する。プロセッサ214は、RF焼灼治療シミュレータ222として機能する。RF焼灼治療シミュレータ222は、図1に示したRF焼灼治療シミュレータと同一のものである。プロセッサ214は、CPU及び動作プログラムにより構成される。第3実施形態によれば、医療装置が存在しない状況下であっても、あるいは、情報処理装置に医療装置が接続されていない状況下であっても、治療シミュレーション画像を生成することが可能である。
各実施形態に係る医療システムによれば、治療者に対して、焼灼治療の範囲やその程度を予測するための信頼性の高い焼灼治療シミュレーション画像を提供できる。上記実施形態において、更に、パワーの時間的変化、組織性状の動的変化、パワーの動的変動、具体的な血流形態、熱変換効率、等が考慮されてもよい。
10 超音波診断装置、12 RF焼灼治療装置、14 測位装置、30 超音波診断装置本体、32 プローブ、58 RF焼灼治療シミュレータ、80 電場演算部、82 点電荷モデル、94 規格化部、96 補正部、100 治療シミュレーション画像生成部。

Claims (14)

  1. 生体内の対象組織を焼灼治療するための電極部により生じる電場分布を演算する電場分布演算手段と、
    前記電場分布を温度で規格化することにより規格化電場分布を演算する規格化手段と、
    前記規格化電場分布に基づいて焼灼治療シミュレーション画像を生成する生成手段と、
    を含むことを特徴とする医療システム。
  2. 請求項1記載の医療システムにおいて、
    前記電場分布演算手段は前記電極部を模擬した電荷モデルに基づいて前記電場分布を演算する、
    ことを特徴とする医療システム。
  3. 請求項1記載の医療システムにおいて、
    前記規格化電場分布は複数の規格化電場値により構成され、
    前記規格化手段は、基準熱凝固温度が所定の規格化電場値に対応付けられるように、前記電場分布を規格化する、
    ことを特徴とする医療システム。
  4. 請求項1記載の医療システムにおいて、
    前記電極部に供給されるパワー、及び、血流の灌流率に基づいて、温度分布を演算する温度分布演算手段を含み、
    前記規格化手段は前記温度分布に基づいて前記電場分布を規格化する、
    ことを特徴とする医療システム。
  5. 請求項1記載の医療システムにおいて、
    前記規格化手段は変換式に基づいて前記電場分布を規格化し、
    前記変換式は、前記電極部に供給されるパワー、及び、血流の灌流率から求まる温度分布に基づいて演算されるものである、
    ことを特徴とする医療システム。
  6. 請求項5記載の医療システムにおいて、
    前記パワーは標準パワーであり、
    前記灌流率は標準灌流率であり、
    前記温度分布は前記標準パワー及び前記標準灌流率に基づいて演算される標準温度分布であ
    前記標準パワーは、前記標準温度分布を演算するために設定されたパラメータセット中のパラメータであり、
    前記標準灌流率は、前記標準温度分布を演算するために設定されたパラメータセット中の他のパラメータである、
    ことを特徴とする医療システム。
  7. 請求項6記載の医療システムにおいて、
    ジュール熱量分配方程式に対して前記電場分布及び前記標準パワーを与えることにより、空間内の各位置でのジュール熱量が推定され、
    前記標準灌流率に基づいて前記空間内の各位置での流出熱量が推定され、
    生体熱輸送方程式に対して前記空間内の各位置での前記ジュール熱量及び前記流出熱量を与えることにより、前記標準温度分布が演算される、
    ことを特徴とする医療システム。
  8. 請求項1記載の医療システムにおいて、
    前記規格化電場分布は、標準パワー及び血流の標準灌流率に基づくものであり、
    前記電極部に供給される実際のパワーとして選択された特定パワー、及び、実際の血液の灌流率として選択された特定灌流率に基づいて、前記規格化電場分布、又は、前記焼灼治療シミュレーション画像の生成条件を補正する補正手段を含
    前記標準パワーは、前記電極部に供給されるパワーであって前記電場分布を温度で規格化するために設定されたパラメータセット中のパラメータであり、
    前記標準灌流率は、前記電場分布を温度で規格化するために設定されたパラメータセット中の他のパラメータである、
    ことを特徴とする医療システム。
  9. 請求項8記載の医療システムにおいて、
    前記補正手段は、前記標準パワーと前記特定パワーの比、及び、前記標準灌流率と前記特定灌流率の比に基づいて、前記規格化電場分布を構成する各規格化電場値を補正する、
    ことを特徴とする医療システム。
  10. 請求項8記載の医療システムにおいて、
    前記規格化電場分布は複数の規格化電場値により構成され、
    前記焼灼治療シミュレーション画像の生成条件は前記各規格化電場値を表示値に変換する表示値変換条件を含み、
    前記補正手段は、前記標準パワーと前記特定パワーの比、及び、前記標準灌流率と前記特定灌流率の比に基づいて、前記表示値変換条件を補正する、
    ことを特徴とする医療システム。
  11. 請求項1記載の医療システムにおいて、
    前記生成手段は、前記規格化電場分布から前記焼灼治療シミュレーション画像を生成するためのカラーマップを有し、
    前記焼灼治療シミュレーション画像上において熱凝固可能性の異なる複数の領域が複数のカラーで表現される、
    ことを特徴とする医療システム。
  12. 請求項11記載の医療システムにおいて、
    前記熱凝固可能性の異なる複数の領域には、熱凝固することが推定される領域、熱凝固しないことが推定される領域、及び、それらのいずれにも分類できない領域が含まれる、
    ことを特徴とする医療システム。
  13. 請求項1記載の医療システムにおいて、
    前記対象組織を表す医療画像と前記焼灼治療シミュレーション画像とを合成して合成画像を生成する手段と、
    前記合成画像を表示する表示器と、
    を含むことを特徴とする医療システム。
  14. 医療システムにおいて焼灼治療シミュレーション画像を生成するためのプログラムであって、
    生体内の対象組織を焼灼治療するための電極部により生じる電場分布を演算する機能と、
    前記電場分布に基づいて温度分布に相当する規格化電場分布を演算する機能と、
    前記規格化電場分布に基づいて前記焼灼治療シミュレーション画像を生成する機能と、
    を含むことを特徴とするプログラム。
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