JP7041624B2 - 硬質の支持を有するカスタマイズされたマスク - Google Patents

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その内容を参照により本明細書に援用する２０１５年１２月２２日に出願した米国特許仮出願第６２／２７０，８１２号明細書の優先権を主張するものである。

本発明は、呼吸ガスの流れを患者に送達するために患者インターフェース装置が使用される非侵襲的な換気及び圧支持システムに関し、特に、患者インターフェース装置のためのカスタマイズされたマスクに関する。本発明は、さらに、カスタマイズされたマスクを製造する方法に関する。

患者の気道まで呼吸ガスの流れを非侵襲的に、すなわち患者に挿管することなく、又は、患者の食道に気管チューブを外科的に挿入することなく、送達することが必要であるか又は望ましい数多くの状況が存在する。例えば、非侵襲的換気として知られている技術を使用して患者に換気を行うことが知られている。最も注目すべきものは閉塞性睡眠時無呼吸（ＯＳＡ）である特定の医学的障害を治療するために、気道陽圧（ＰＡＰ）療法を行うことも知られている。既知のＰＡＰ療法には、一定の陽圧が患者の気道に提供されて患者の気道をスプリントにより開く持続的気道陽圧（ＣＰＡＰ）、及び、患者の気道に提供される圧力が患者の呼吸サイクルと共に変わる可変気道圧力が含まれる。そのような療法は、典型的には、患者が眠っている夜間に患者に提供される。上記のような非侵襲的換気及び圧支持療法は、呼吸ガスの流れを生成するためのガス流発生器と、患者の顔上のマスク要素を含む患者インターフェース装置の配置を含む。ガス流発生器は、周囲から空気を取り込み、且つ、ファンを回転させてマシンから、送達管を通って、患者インターフェース装置内に空気を押し出して患者に送達させることによって、気道陽圧を生成する。

従来のマスクは、シール形成機構と、シール形成機構に接続される支持機構とを含む。シール形成機構は、典型的には、非常に薄く、最小の固有強度を有して、シール形成機構が患者の顔に有意に影響を与えることなく患者の顔に従うことを可能にする。支持機構は、顔に加圧して頑強な密封をもたらし、さらに、顔にマスクを機械的に結合させて、マスクが夜間に動くのを防ぐ。支持機構は、シール形成機構とは異なり、患者の顔面に比較的大きな圧縮力を与える。現存しているマスクにおいては、支持機構もシール形成機構も、軟質材料（例えば、シリコーン、ゴム、ゲル及びフォーム等）から作製される。カスタマイズされたマスクを製造するために、カスタマイズされた支持機構は、典型的に、カスタム成形技術を要求し、これは、時間がかかり、比較的高価で不正確である。

従って、カスタマイズされたマスク、及び、カスタマイズされたマスクを製造する方法を提供することが本発明の目的である。

カスタマイズされたマスクを製造するステップには、患者の顔の表面幾何学的形状データを生成するステップであり、表面幾何学的形状データは、患者の顔の表面幾何学的形状に対応し且つ患者の顔の表面幾何学的形状を表している、ステップ；表面幾何学的形状データを使用してオリジナルのクッション幾何学的形状データを生成するステップであり、オリジナルのクッション幾何学的形状データは、第１顔面部分を表す第１データと、第１顔面部分から延びる第１ベース部分を表す第２データとを有し、第１顔面部分は、複数の領域を有し、表面幾何学的形状データによって表される患者の表面幾何学的形状と一致するように形づくられる、ステップ；オリジナルのクッション幾何学的形状データを使用して、修正されたクッション幾何学的形状データを生成するステップであり、修正されたクッション幾何学的形状データは、第２顔面部分を表す第３データと、第２ベース部分を表す第４データとを有し、第２顔面部分は、第１顔面部分の複数の領域のうちの少なくとも１つに対応する第１データの一部を変更することによって、第１顔面部分とは異なって形づくられる、ステップ；修正されたクッション幾何学的形状データに従って形づくられるように、修正されたクッション幾何学的形状データを使用して硬質の支持部材を作製するステップであり、支持部材は単一材料で作られる、ステップ；及び、患者の顔にかみ合うように構成されたシーリングフラップ（ｓｅａｌｉｎｇ ｆｌａｐ）を支持部材に結合させるステップ；が含まれる。

本発明の上記及び他の目的、特徴、並びに特性だけでなく、関連する構造要素及び部品の組み合わせの操作方法及び機能も製造のむだを省くことも、付随の図面を参考にして以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考慮することによってより明らかになり、付随の図面の全てが本明細書の一部を形成し、類似の参照番号は種々の図において対応する部分を示している。しかし、図面は例示及び説明目的のためだけにあり、本発明の範囲を規定するとして意図されないことを明確に理解されたい。

開示された概念の非限定的な実施形態による、患者に利用されているとして示されるカスタマイズされたマスクを含む圧支持システムの簡略図である。 図１の圧支持システムのためのカスタマイズされたマスクの分解組立図である。 図１のカスタマイズされたマスクに対する製造プロセスをブロックの形で示した概略図である。 患者の顔の表面幾何学的形状データに対応するレンダリングの平面図である。 オリジナルのクッション幾何学的形状データに対応するレンダリングの側面図である。 修正されたクッション幾何学的形状データに対応するレンダリングの側面図である。 患者に利用されているとして示される図１のカスタマイズされたマスクの一部の拡大図である。 開示された概念の別の非限定的な実施形態による、患者に利用されているとして示される別の硬質の支持部材の簡略図である。

本明細書において使用される場合、単数形の不定冠詞又は定冠詞は、その内容が何か他に明確に指示していない限り、その複数形を含む。本明細書において使用される場合、２つ以上の部品又は構成要素が「連結される」という記載は、連接が生じる限り、その部品が結合されるか、又は、直接的若しくは間接的に、すなわち、１つ以上の中間の部品又は構成要素を介して共に作動することを意味するものとする。本明細書において使用される場合、「直接連結される」は、２つの要素が互いに直接接触していることを意味する。本明細書において使用される場合、「固定して連結される」又は「固定される」は、２つの構成要素が、互いに対して一定の向きを維持しながら１つのものとして動くように連結されることを意味する。

本明細書において使用される場合、「幾何学的形状」という用語は、表面又は物体の３次元特性を意味するものとする。本明細書において使用される場合、「単一（ｕｎｉｔａｒｙ）」という用語は、通じて一定の材料性質を有する同種の材料を意味するものとする。本明細書において利用される場合、２つ以上の部品又は構成要素が互いに「かみ合う／係合する」という記載は、その部品が、直接又は１つ以上の中間の部品又は構成要素を介して互いに対して力を及ぼすことを意味するものとする。本明細書において利用される場合、「数」という用語は、１又は１以上の整数（すなわち、複数）を意味するものとする。

本明細書において利用される場合、「３次元スキャナ」という用語は、実世界の物体を分析し、３次元で物体の形状を表すデータ（例えばデジタルデータ）を生成する装置を意味するものとし、さらに、物理的接触を介して対象を探索して形状データを生成する接触式スキャナと、ある種の放射線又は光を放ち、その反射又は対象を通過するものを検出して形状データを生成する非接触式アクティブスキャナと、反射された周囲放射線を検出して形状データを生成する非接触式パッシブスキャナとを含むものとするが、これらに限定されない。

本明細書において利用される場合、「レンダリング」という用語は、物体の形状を表す２次元又は３次元のデータから生成された画像を意味するものとする。

例えば限定することなく、上、下、左、右、上方、下方、前、後ろ、及びその派生語等、方向を示す句は、本明細書において使用される場合、図面において示されている要素の向きに関し、明確に記載されていない限り、請求項の範囲を限定しない。

図１は、開示された概念の非限定的な実施形態による圧支持システム２を示している。圧支持システム２は、ガス流発生器４、ガス送達管（例えばホース６）、及びカスタマイズされたマスク１００を含む。ホース６は、ガス流発生器４をカスタマイズされたマスク１００に流体連結させて、呼吸ガスの流れを患者１０まで導いている。図２において示されているように、カスタマイズされたマスク１００は、硬質の支持部材１０２、及び、支持部材１０２に連結するように構成されたシーリングフラップ１０４を含む。シーリングフラップ１０４は、患者１０の顔にかみ合うように構成される。支持部材１０２は、単一材料から作製される。例えば限定することなく、例証的な実施形態において、支持部材１０２は、４００から３，０００メガパスカルである通じて一定の弾性率を有する。すなわち、支持部材１０２の所与の位置が１，０００メガパスカルの弾性率（例えば、又は、４００から３，０００メガパスカルのいかなる他の弾性率）を有する場合、支持部材１０２の全ての他の位置も同じ弾性率を有する（すなわち、１，０００メガパスカルの場合、支持部材１０２の全ての他の位置も、１，０００メガパスカルの弾性率を有する）。典型的な先行技術のカスタマイズされた支持部材はより軟質であり、１０から１００メガパスカルの弾性率を有する。従って、支持部材１０２は、先行技術のカスタム支持部材よりも剛性が高いため、以下においてより詳細に論じられるように、新規の利点をもたらすより信頼できる製造方法を利用することができる。

カスタマイズされたマスク１００は、患者１０に望ましくない不快感を引き起こすことなく、圧支持システム２において利用されるように有利に構成されている。より具体的には、患者１０は、２つの頬の領域（例えば、１つの頬の領域１２のみが図１において描かれている）、鼻梁の領域１４及び顎の領域１６を有する。頬の領域１２は、鼻梁の領域１４及び顎の領域１６における皮膚の下の骨構造のため、鼻梁の領域１４及び顎の領域１６より剛性が低い。カスタマイズされたマスク１００は、接触圧力（すなわち、単位表面積あたりの力）が患者の顔の全ての領域に対して比較的快適な範囲になるように、比較的堅い鼻梁の領域１４及び顎の領域１６よりも比較的柔らかい頬の領域１２を加圧する（すなわち動かす）ように構成されている。

図３は、カスタマイズされたマスク１００を製造するプロセスの概略図をブロックの形で示している。第１のステップ２００は、患者１０の顔の表面幾何学的形状に対応し且つ患者１０の顔の表面幾何学的形状を表している表面幾何学的形状データを生成するステップである。１つの例証的な実施形態では、生成するステップ２００は、表面幾何学的形状データを生成するために３次元スキャナ２０１を用いて患者１０の顔をスキャンすることを含む。開示された概念の範囲から逸脱することなく、表面幾何学的形状データを生成する他の適した代替的な方法も利用することができるということが正しく理解されることになる。例えばコンピュータスクリーン上の、ステップ２００において生成された表面幾何学的形状データに対応する例となるレンダリング２０２が、図４において示されている。次のステップ３００は、ステップ２００において生成された表面幾何学的形状データを使用してオリジナルのクッション幾何学的形状データを生成するステップである。オリジナルのクッション幾何学的形状データは、所定のクッションタイプ（例えば、フルフェイス、鼻、クレイドルスタイル）の三次元形状を表しており、その一部として、ステップ２００において生成される表面幾何学的形状データによって表される患者１０の表面幾何学的形状とマッチし且つ一致するように形づくられた顔面部分を含む。

例えばコンピュータスクリーン上に示される、ステップ３００において生成されたオリジナルのクッション幾何学的形状データに対応する例となるレンダリング３０２が、図５において示されている。レンダリング３０２に対応するオリジナルのクッション幾何学的形状データは、顔面部分３０３を表すデータと、顔面部分３０３から延びるベース部分３０４を表すデータとを有する。描かれている例証的な実施形態では、レンダリング３０２はフルフェイスマスク用である。結果として、顔面部分３０３は、円環状であり、患者１０の鼻及び口を取り囲むためのものである。顔面部分３０３は、レンダリング２０２とマッチし且つ一致するようにも形づくられている。すなわち、顔面部分３０３は、顔面部分３０３がレンダリング２０２に適用された（すなわちレンダリング２０２の上に導入された）場合に、レンダリング２０２と顔面部分３０３との間に間隙はなく、さらに、レンダリング２０２内への顔面部分３０３の延長はないように、レンダリング２０２と同じ（すなわち、レンダリング２０２に重なる、レンダリング２０２に対応する）輪郭を有する。言い換えると、互いに対応するレンダリング２０２及び顔面部分３０３の部分（すなわち、レンダリング２０２及び顔面部分３０３のそれぞれの鼻、頬及び顎の領域）は、全く同じである輪郭又は形状を有する。示されているように、顔面部分３０３は、複数の領域３０６、３０７、３０８を含む。

図３を再び参照すると、当該製造方法は、ステップ３００において生成されたオリジナルのクッション幾何学的形状データを使用して、修正されたクッション幾何学的形状データを生成するステップ４００をさらに含む。例えばコンピュータスクリーン上に示される、ステップ４００において生成された修正されたクッション幾何学的形状データに対応する例となるレンダリング４０２が、図６において示されている。図示されているように、レンダリング４０２は、レンダリング３０２とは異なって形づくられている（例えば、レンダリング３０２は、図６において破線の図面で部分的に導入されている）。修正されたクッション幾何学的形状データは、顔面部分４０３を表すデータと、顔面部分４０３から延びるベース部分４０４を表すデータとを有する。顔面部分４０３は、複数の領域４０６、４０７、４０８を有する。顔面部分４０３は、顔面部分３０３の領域３０６、３０７、３０８のうちの少なくとも１つに対応するデータの一部を変更することによって、顔面部分３０３（図５）とは異なって形づくられている。

より具体的には、ステップ４００は、顔面部分３０３を表すデータの一部を変更するために、所定のアルゴリズムを利用することをさらに含む。アルゴリズムは、典型的な患者の顔の組織の深さ／硬度の既知の情報に基づく。しかし、適した代替的な実施形態では、アルゴリズムは、患者１０に対するカスタマイズされた組織の深さ／硬度の情報に基づいてもよい。顔面部分３０３と患者１０の表面幾何学的形状との間の接触位置（例えば、顔面部分３０３及びレンダリング２０２が一致する位置）に対応するデータをアルゴリズム内に入力することによって、修正されたクッション幾何学的形状データを生成することができる。異なるアルゴリズムが、異なるマスクタイプごとに利用されてもよいということが正しく理解されることになる。例えば、フルフェイスのアルゴリズムが、フルフェイスのカスタマイズされたマスク１００に対して利用されてもよく、異なるアルゴリズムが、クレイドルスタイルのマスクに対して利用されてもよい。顔面部分３０３を表すデータの一部を変更する他の適した代替的な方法が、開示された概念の範囲から逸脱することなく、利用されてもよいということも正しく理解されることになる。

顔面部分３０３を表すデータは、領域３０６、３０７、３０８を表すデータを有し、顔面部分４０３を表すデータは、領域４０６、４０７、４０８を表すデータを有する。ステップ４００（図３）は、領域３０６（すなわち頬の領域）がベース部分３０４から外側に延びて領域４０６（すなわち頬の領域）を形成するように、領域３０６を表すデータを使用して、領域４０６を表すデータを生成することをさらに含む。図示されているように、領域３０６は、方向４１２において延びて領域４０６を形成する。方向４１２は、限定されることなく、頬の領域１２の表面１３（図１）に垂直であり且つ患者１０の顔に向かう方向であってもよい。方向４１２は、限定されることなく、患者１０の正面顔の面４１３に垂直であり（面４１３は、レンダリング４０２の側面方向による例示の目的で図６において示されている）、且つ、カスタマイズされたマスク１００が患者１０の上に引っ張られる方向により患者１０の顔に向かう方向であってもよい。加えて、ステップ４００（図３）は、領域３０７、３０８がベース部分３０４の内部に関して外側に延ばされて領域４０７、４０８をそれぞれ形成するように、領域３０７、３０８を表すデータをそれぞれ使用して、領域４０７（すなわち鼻梁の領域）、４０８（すなわち顎の領域）を表すデータを生成することをさらに含む。

図３を再び参照すると、次のステップは、修正されたクッション幾何学的形状データに従って形づくられるように、ステップ４００において生成された修正されたクッション幾何学的形状データを使用して硬質の支持部材１０２を作製するステップである。１つの例証的な実施形態では、作製するステップは、修正されたクッション幾何学的形状データに基づき、３次元プリンタ４０１を用いて支持部材１０２をプリントするステップを含む。他の適した代替的な作製方法（例えば、限定されることなく、コンピュータ数値制御マシンを利用して、１つの原材料から不要な材料を除去することによって硬質の支持部材を作製する等）が、開示された概念の範囲から逸脱することなく利用されてもよいということが正しく理解されることになる。次のステップは、シーリングフラップ１０４を支持部材１０２に結合させるステップである。

修正されたクッション幾何学的形状データに従って形づくられた（すなわち、修正されたクッション幾何学的形状データに直接対応するか、又は、修正されたクッション幾何学的形状データから逸脱することのない形状を有する）支持部材１０２は、比較的堅い鼻梁の領域１４及び顎の領域１６よりも比較的柔らかい頬の領域１２を加圧する（すなわち動かす）ように有利に構成されるということが正しく理解されることになる。例示のために、図１の一部の拡大図を示す図７を参照する。図示されているように、シーリングフラップ１０４及び支持部材１０２は、鼻梁の領域１４の一部から距離１５だけ離間されている。シーリングフラップ１０４及び支持部材１０２は、患者の１０の顎の領域１６の一部からある距離だけ離間されるということが同様に正しく理解されることになる。

これは、マスクの顔の幾何学的形状が患者の顔の幾何学的形状に正確に対応するように構成されている典型的な先行技術のカスタマイズされたマスクの構成、すなわち、マスクが支持部材１０２と類似の弾性率を有する硬質の材料から作製された場合に望ましくない不快感及び／又は痛みを患者にもたらすであろう構成とは異なる。加えて、シーリングフラップ１０４及び支持部材１０２は、領域４０６に対応するデータを生成するための領域３０６に対応するデータの修正のため、比較的堅い鼻梁の領域１４及び顎の領域１６よりも比較的柔らかい頬の領域１２を加圧する（すなわち動かす）ように構成される。すなわち、患者の顔の頬の領域と同じに形づくられた頬の領域を有する類似のマスクと比較して、患者１０の頬の領域１２に近接した延ばされた領域を有するカスタマイズされたマスク１００は、患者１０によって着用された場合に、頬の領域１２をより遠くに動かす。頬の領域１２の下にある組織は比較的柔らかい（すなわち、鼻梁の領域１４及び顎の領域１６の下にある骨組織よりも柔らかい）ため、支持部材１０２が修正されたクッション幾何学的形状データに従って形づくられる結果としての望ましくない不快感の可能性は、有意に最小化される。

さらに、支持部材１０２は、従来の柔らかい材料の代わりに（すなわち、オリジナルのクッション幾何学的形状データの代わりに修正されたクッション幾何学的形状データを使用する結果として）堅い材料で作ることができるため、３次元プリンタ４０１（図３）を利用することによって、正確性、耐久性、（例えば、限定されることなく、プリント材料として樹脂を利用することにより）生体適合性、コスト、速度及び／又は利用可能な材料の数という点で利点が提供される。加えて、３次元プリンタ４０１（図３）を利用することによって、プリントされることになる熱可塑性物質（例えば、限定されることなくポリカーボネート）を操作することが可能になる。

図８は、開示された概念の別の非限定的な実施形態による、患者５１０に利用されている硬質の支持部材６０２の簡略図を示している。支持部材６０２は、クレイドルスタイルの支持部材の一般的な形状の簡略図であるということが正しく理解されることになる。支持部材６０２は、上記の支持部材１０２と類似のプロセスによって作られる。すなわち、支持部材６０２は、オリジナルのクッション幾何学的形状データに基づくがそれとは異なる修正されたクッション幾何学的形状データに従って形づくられる（すなわち、患者５１０の鼻の１つの領域の、患者５１０の鼻の別の領域に対する剛性のため修正される）。患者５１０の鼻の中隔領域は、比較的柔らかい鼻孔の最も外側の領域よりも堅いため、支持部材６０２は、支持部材１０２が比較的堅い鼻梁の領域１４及び顎の領域１６よりも比較的柔らかい頬の領域１２を加圧する（すなわち動かす）ように構成されるのと同様に、比較的堅い患者５１０の鼻の中隔領域よりも比較的柔らかい患者５１０の鼻孔の最も外側の領域を加圧する（すなわち動かす）ように構成される。従って、カスタマイズされたマスク１００に付随した利点が、類似のプロセスによって作られ、支持部材１０２と同じ材料特性を有する単一材料で作られた支持部材６０２を含むカスタマイズされたマスクに適用される。さらに、開示された方法は、開示された概念の範囲から逸脱することなく、適した代替的なカスタマイズされたマスク（例えば、限定されることなく、ピロースタイルの支持部分を含むカスタマイズされたマスク）を製造するために利用されてもよいということが正しく理解されることになる。

特許請求の範囲において、括弧内に置かれたいかなる参照番号も特許請求の範囲を限定するとして解釈するべきではない。「含む」という動詞及びその変化形の使用は、請求項に述べられたもの以外の要素又はステップの存在を除外しない。いくつかの手段を列挙する装置の請求項において、これらの手段のうちいくつかは、１つの且つ同じハードウェアのアイテムによって実現することができる。単数名詞を言及する際に不定冠詞又は定冠詞が使用されている場合は、その名詞の複数形の存在を除外しない。いくつかの手段を列挙するいかなる装置の請求項においても、これらの手段のうちいくつかは、１つの且つ同じハードウェアのアイテムによって実現することができる。特定の要素が互いに異なる従属項において列挙されるという単なる事実は、これらの要素を組み合わせて使用することができないと示しているのではない。

本発明は、最も実用的で好ましい実施形態であると現在考慮されるものに基づき例示を目的として詳細に記述されてきたけれども、そのような詳細は単にその目的のためだけであり、本発明は開示された実施形態に限定されないが、それどころか、付随の特許請求の範囲の真意及び範囲内にある修正及び同等の構成をカバーするよう意図されることを理解されたい。例えば、本発明は、可能な限り、いかなる実施形態の１つ又は複数の特徴もいかなる他の実施形態の１つ又は複数の特徴とも組み合わせることができると熟考していることを理解されたい。

Claims (6)

1. カスタマイズされたマスクを製造する方法であって、
   患者の顔の表面幾何学的形状データを生成するステップであり、前記表面幾何学的形状データは、前記患者の顔の表面幾何学的形状に対応し且つ前記患者の顔の表面幾何学的形状を表している、ステップ、
   前記表面幾何学的形状データを使用してオリジナルのクッション幾何学的形状データを生成するステップであり、前記オリジナルのクッション幾何学的形状データは、第１顔面部分を表す第１データと、前記第１顔面部分から延びる第１ベース部分を表す第２データとを有し、前記第１顔面部分は、複数の領域を有し、前記表面幾何学的形状データによって表される前記患者の表面幾何学的形状と一致するように形づくられ、前記複数の領域は、頬領域及び鼻梁領域を含む、ステップ、
   前記オリジナルのクッション幾何学的形状データを使用して、修正されたクッション幾何学的形状データを生成するステップであり、前記修正されたクッション幾何学的形状データは、第２顔面部分を表す第３データと、前記第１ベース部分と一致する第２ベース部分を表す第４データとを有し、前記第２顔面部分は、前記第１顔面部分の複数の領域のうちの少なくとも１つに対応する前記第１データの一部を変更することによって、前記第１顔面部分とは異なって形づくられる、ステップ、
   前記修正されたクッション幾何学的形状データに従って形づくられるように、前記修正されたクッション幾何学的形状データを使用して硬質の支持部材を作製するステップであり、前記支持部材は単一材料で作られる、ステップ、及び、
   前記患者の顔にかみ合うように構成されたシーリングフラップを前記支持部材に結合させるステップ、
   を含み、
   前記第１データは、頬領域を表す第１頬領域データ、及び、鼻梁領域を表す第１鼻梁領域データを有し、
   前記第３データは、前記第２顔面部分の修正された頬領域を表す修正された頬領域データ、及び、前記第２顔面部分の修正された鼻梁領域を表す修正された鼻梁領域データを有し、前記修正されたクッション幾何学的形状データを生成するステップは、
   前記頬領域が前記第１ベース部分から外側に延ばされて、前記修正された頬領域を形成するように、前記第１頬領域データを使用して前記修正された頬領域データを生成するステップ、及び、
   前記鼻梁領域が前記第１ベース部分から外側に延ばされて、前記修正された鼻梁領域を形成するように、前記第１鼻梁領域データを使用して前記修正された鼻梁領域データを生成するステップ
   をさらに含む、方法。
2. 前記修正されたクッション幾何学的形状データを生成するステップは、
   前記第１データの一部を変更するために所定のアルゴリズムを利用するステップ、
   をさらに含む、請求項１に記載の方法。
3. 前記作製するステップは、
   ３次元プリンタを用いて前記支持部材をプリントするステップ、
   をさらに含む、請求項１に記載の方法。
4. 前記支持部材は、一定の弾性率を有する、請求項１に記載の方法。
5. 前記支持部材は、４００から３，０００メガパスカルの弾性率を有する、請求項１に記載の方法。
6. 前記表面幾何学的形状データを生成するステップは、
   ３次元スキャナを用いて前記患者の顔をスキャンして、前記表面幾何学的形状データを生成するステップ
   をさらに含む、請求項１に記載の方法。

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