JP7036590B2 - Biohazard countermeasure cabinet - Google Patents
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Description
本発明は、清浄環境に保持されたワークエリアを形成するバイオハザード対策用キャビネット(以下、単に「キャビネット」と記載)に関する。 The present invention relates to a biohazard countermeasure cabinet (hereinafter, simply referred to as "cabinet") that forms a work area maintained in a clean environment.
従来、例えば特許文献1に開示されるようなキャビネットが実用化されている。このようなキャビネットは、送風機を有している。この送風機によって、空気並びにワークエリア内で発生したガス及び汚染物質等(以下、これらをまとめて「ガス」と記載)がワークエリアから吸引される。吸引されたガスの一部は、フィルタを通過して清浄ガスとなった後に、再びワークエリアに供給される。吸引されたガスの他の一部は、フィルタを通過して清浄ガスとなった後に、キャビネット外に排出される。
Conventionally, for example, a cabinet as disclosed in
このような送風機の作動及びガスの流動に伴い、キャビネットからは騒音が発生する。当然ながらこの騒音は小さいほど良い。例えば、JISK3800:2009は、所定の位置での騒音値を67dB以下とすることを規定している。 Noise is generated from the cabinet due to the operation of the blower and the flow of gas. Naturally, the smaller this noise is, the better. For example, JIS K3800: 2009 stipulates that the noise level at a predetermined position should be 67 dB or less.
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであり、キャビネットから発生する騒音を低減することを課題とする。 The present invention has been made in view of such a situation, and an object of the present invention is to reduce noise generated from a cabinet.
本発明に係るバイオハザード対策用キャビネットは、内部にワークエリアが配置されたバイオハザード対策用キャビネットであって、前記ワークエリアの鉛直方向上方に配置された上部空間内に設置され、且つ、鉛直方向上方を向く吸い込み口を取り囲む枠部を有するベルマウスを有する送風機と、前記上部空間内且つ前記送風機の上方に固定設置された遮蔽板と、を備える。 The biohazard countermeasure cabinet according to the present invention is a biohazard countermeasure cabinet in which a work area is arranged, and is installed in an upper space arranged vertically above the work area and in the vertical direction. It comprises a blower having a bell mouth having a frame portion surrounding an upwardly facing suction port, and a shielding plate fixedly installed in the upper space and above the blower.
本発明によれば、キャビネットから発生する騒音を低減することができる。 According to the present invention, the noise generated from the cabinet can be reduced.
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本明細書では、キャビネットを使用する作業者が対面する側を正面側とし、その反対側を背面側とする。また、正面側にいる作業者から見て右側を右側とし、その反対側を左側とする。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In this specification, the side facing the worker using the cabinet is the front side, and the opposite side is the back side. In addition, the right side is the right side when viewed from the worker on the front side, and the opposite side is the left side.
図1は、本発明の一実施形態に係るキャビネット1の正面図である。キャビネット1は、キャビネット本体10と、キャビネット本体10を支持する台脚20とを備える。
FIG. 1 is a front view of a
キャビネット本体10の内部には、各種実験の操作等が行われるワークエリアAが配置されている。ワークエリアAは、背面側、右側及び左側の三方を筐体11で囲まれており、正面側をシャッタ12で囲まれている。なお、シャッタ12は開閉可能である。
Inside the
筐体11の上部正面側には、ワークエリアA内で作業を行う作業者の手元等を照らすための照明13が設置されている。
On the upper front side of the
照明13の上側には、キャビネット1を操作するため各種ボタン等が配置されているコントロールパネル14が設置されている。
On the upper side of the
図2は、図1中のII-II断面模式図である。筐体11は、ワークエリアAの下側及び背面側が、二重壁で構成されている。
FIG. 2 is a schematic cross-sectional view taken along the line II-II in FIG. The
ワークエリアAの下側の二重壁は、ガスが流れる下側ダクトD1を構成している。下側ダクトD1は、略水平に配置され、正面側から背面側に向けてガスを流すように延在している。筐体11の下側且つ正面側であってワークエリアAに面する部分には、正面側ガス吸引口H1が設けられている。正面側ガス吸引口H1は、ワークエリアAの中、及び、シャッタ12の開口を介してワークエリアAの外から、下側ダクトD1にガスを吸引するための口である。なお、後に説明する排気部を介してキャビネット1から排出されるガスの量に相当する量の空気が、ワークエリアAの外から下側ダクトD1内に吸引される。
The lower double wall of the work area A constitutes the lower duct D1 through which gas flows. The lower duct D1 is arranged substantially horizontally and extends so as to allow gas to flow from the front side to the back side. A front side gas suction port H1 is provided on the lower side and the front side of the
ワークエリアAの背面側の二重壁(後に説明する第1平板部材111と第5平板部材115)は、ガスが流れる背面側ダクトD2を構成している。背面側ダクトD2は、略鉛直に配置され、下から上に向けてガスを流すように延在している。筐体11の下側且つ背面側であってワークエリアAに面する部分(第5平板部材115の下部)には、ワークエリアAから背面側ダクトD2にガスを吸引するための背面側ガス吸引口H2が設けられている。
The double wall on the back side of the work area A (the first
下側ダクトD1と背面側ダクトD2は、互いに連結され、側面視略L字形のダクトを構成している。 The lower duct D1 and the back duct D2 are connected to each other to form a substantially L-shaped side view duct.
ワークエリアAの鉛直方向上方、すなわち真上には、多数の貫通孔が設けられた整流板15が設置されている。整流板15は、ワークエリアAの天井板ともなっている。
A straightening
筐体11の内部であって、整流板15の鉛直方向上方、すなわち真上、つまり、ワークエリアAの真上には、プレナムユニット30が設置されている。
The
プレナムユニット30は、筐体11を構成する背面側の第1平板部材111と、正面側の第3平板部材113とで、前後方向に挟まれている。また、プレナムユニット30の右側及び左側には、それぞれ第2平板部材112及び第4平板部材114が取り付けられている(図3及び図5参照)。第1平板部材111、第2平板部材112、第3平板部材113及び第4平板部材114は、平面視時計回りに順に並んでいる。なお、第5平板部材115の上端位置は、第1平板部材111の上端位置よりも低くなっている。
The
よって、これらの第1平板部材111、第2平板部材112、第3平板部材113及び第4平板部材114によって前後左右が取り囲まれた空間が、ワークエリアAの真上に存在する。以降、この空間を上部空間Sと記載する。
Therefore, a space surrounded by the first
なお、上述のとおり、本実施形態において、第1平板部材111及び第3平板部材113は、筐体11を構成する部材であり、第2平板部材112及び第4平板部材114は、後に説明するプレナムユニット30を構成する部材である。但し、上部空間Sの右側及び左側に配置される各平板部材は、プレナムユニット30を構成する部材であってもよいし、上部空間Sの背面側及び正面側に配置される各平板部材は、プレナムユニット30を構成する部材であってもよい。
As described above, in the present embodiment, the first
プレナムユニット30は、送風機31、ベルマウス32、箱体33、給気用フィルタ34及び排気用フィルタ35等を有している。
The
送風機31は、鉛直な回転軸と、回転軸の周囲に設けられた複数枚の羽根を有する。送風機31は、吸い込み口を上面に有する。送風機31の上側には、吸い込み口を覆うように、整流部材であるベルマウス32が取り付けられている。ベルマウス32の形状については後に説明する。
The
なお、送風機31が吸い込み口からガスを適切に吸い込むことができる限り、ベルマウス32自体の形状は、図示されるものには限られないし、ベルマウス32とは異なる整流部材が取り付けられても良い。また、送風機31に、ベルマウス32またはその他の整流部材が一体的に形成されていても良い。
The shape of the
送風機31の吐出口は、送風機31の側方に設けられているとともに箱体33によって取り囲まれている。
The discharge port of the
箱体33の底部には、例えばHEPAフィルタからなる給気用フィルタ34が配置されている。給気用フィルタ34の下面は、整流板15に対向している。
An
また、後に説明する排気ダクト37及び排気用箱体38を介して、例えばHEPAフィルタからなる排気用フィルタ35が箱体33と連結されている。
Further, an
図3及び図4は、それぞれプレナムユニット30の斜視図及び正面図である。図5は、図1中のV-V断面模式図である。
3 and 4 are a perspective view and a front view of the
プレナムユニット30は、枠体36を有している。先に説明した送風機31、箱体33、給気用フィルタ34、排気用フィルタ35、第2平板部材112及び第4平板部材114は、ブラケット等を介して、枠体36に取り付けられている。先に説明したとおり、上部空間Sの背面側及び正面側に配置される各平板部材は、プレナムユニット30を構成する部材であってもよい。その場合、これらの平板部材は、枠体36に取り付けられる。
The
ベルマウス32はその上端部に、半径Rである円形のベルマウス開口H3を有する。ベルマウス32が送風機31の吸い込み口を覆っているため、ベルマウス開口H3は、送風機31の吸い込み口として実質的に機能する。すなわち、ベルマウス開口H3は送風機31の吸い込み口であると見なすことができる。ベルマウス32は、ベルマウス開口H3を取り囲む円形の枠部321を有する。
The
箱体33と排気用フィルタ35は、排気ダクト37及び排気用箱体38を介して内部が連通している。排気ダクト37、排気用箱体38及び排気用フィルタ35は、排気部を構成している。ちなみに、排気用箱体38は、排気ダクト37を通過したガス(エアロゾル等を含む)を、排気用フィルタ35の下面全域から排気用フィルタ35内に進入させるために、当該ガスを水平方向に分散させるための部材である。なお、排気部を構成する部材には、これらの部材以外に、これらの部材を連結する連結部材等も当然含まれる。
The inside of the
ベルマウス32(すなわち送風機31)の上方部分において、枠体36には天板39が取り付けられている。天板39は、上部空間Sの天井の少なくとも一部を構成する。
In the upper part of the bell mouth 32 (that is, the blower 31), the
枠体36には、ヒューズ等の電気機器が収納される電気機器収納箱40が取り付けられている。電気機器収納箱40は略直方体の外形を有している。
An electric
上部空間S内には、遮蔽板50が設置されている。具体的には、遮蔽板50は、電気機器収納箱40の下方に取り付けられている。なお、遮蔽板50は、枠体36に直接取り付けられても良い。
A shielding
遮蔽板50は、平面視で、ベルマウス開口H3(すなわち、送風機31の吸い込み口)の一部と重なる位置に設置されている。なお、ここでいう「一部」に「全部」は含まれない。また、遮蔽板50は、水平に設置されている。
The shielding
遮蔽板50は、平面視で、大きな長方形の一部が小さな長方形で切り欠かれた形状(略C字状形状)を有する平板である。すなわち、遮蔽板50には、長方形状の切り欠き部が設けられている。この小さな長方形で切り欠かれて形成された切り欠き部には、電気機器収納箱40が収まっている。また、遮蔽板50の下面と電気機器収納箱40の下面は略面一となっている。
The shielding
遮蔽板50は、背面側の第1辺51、正面側の第2辺52、右側の第3辺53及び左側の第4辺54を有する。第1辺51は第1平板部材111に対向している。第2辺52は第3平板部材113に対向している。第3辺53は第2平板部材112に対向している。第4辺54は、排気部、具体的には排気用フィルタ35を介して、第4平板部材114に対向している。なお、遮蔽板50は、第4辺54が排気ダクト37を介して第4平板部材114に対向するように、電気機器収納箱40または枠体36に取り付けられても良い。遮蔽板50をこのように配置することによって、ワークエリアAの真上に、プレナムユニット30を構成する各機器及び遮蔽板50をコンパクトに配置することができ、且つ、後に説明するように、騒音低減効果を得ることができる。
The shielding
以上のように構成されているキャビネット1は、次のように作動する。コントロールパネル14に設けられた送風機31の運転スイッチが押されると、送風機31は運転を開始する。
The
すると、ワークエリアA内のガスは、図2中に矢印で示されるように、正面側ガス吸引口H1または背面側ガス吸引口H2を通じて、下側ダクトD1または背面側ダクトD2内に吸引される。これらのガスは、図2中に矢印で示されるように、これらのダクト内を流れ、上部空間Sに到達する。 Then, as shown by an arrow in FIG. 2, the gas in the work area A is sucked into the lower duct D1 or the back duct D2 through the front gas suction port H1 or the back gas suction port H2. .. These gases flow through these ducts and reach the upper space S, as indicated by the arrows in FIG.
上部空間Sに到達したガスは、ベルマウス開口H3を介して送風機31に吸い込まれる。送風機31によって吸い込まれたガスは、図2中に矢印で示されるように、送風機31の吐出口から箱体33の中に吐出される。
The gas that has reached the upper space S is sucked into the
箱体33の中に吐出されたガスの一部は、図2中に矢印で示されるように、給気用フィルタ34を通過して清浄ガスとなった後に、整流板15を介して、ワークエリアA内に供給される。
As shown by an arrow in FIG. 2, a part of the gas discharged into the
箱体33の中に吐出されたガスの他の一部は、排気ダクト37及び排気用フィルタ35を通過して清浄ガスとなった後に、図2中に矢印で示されるように、外部に放出される。
The other part of the gas discharged into the
上記のように送風機31が作動し、ガスが流動すると、キャビネット1から騒音が発生する。しかしながら、本実施形態に係るキャビネット1においては、上部空間S内に遮蔽板50が設置されている。この場合、意外なことに、遮蔽板50が設置されていない場合と比較して、騒音は低減する。
When the
上部空間S内に遮蔽板50を設置することによって騒音が低減する理由を解明すべく、以下に説明する実験1を行った。
In order to clarify the reason why the noise is reduced by installing the shielding
(実験1)
実験1では、遮蔽板50に相当する部材として、以下のような試験板を用いた。実験1に用いた試験板は、遮蔽板50と似た形状を有しており、第3辺53に相当する辺と第4辺54に相当する辺との距離が455mmの平板である。第1辺51、第2辺52、及び第3辺53に相当する各辺と、第1平板部材111、第3平板部材113及び第2平板部材112との間に隙間が形成されるように、遮蔽板50は水平に設置されている。実験1に用いたキャビネット1において、上部空間Sの上端(天板39下面)と、ベルマウス32の枠部321(ベルマウス開口H3の上端)との距離は、228.2mmである。また、送風機31とベルマウス開口H3の共通の中心軸Oと、第2平板部材112との距離は、378.8mmである。
(Experiment 1)
In
実験1では、試験板を設置しない場合(対照)、及び、種々の高さに試験板を設置した場合の、騒音及び総風量を測定した。測定条件及び測定結果を表1に示す。なお、騒音値の測定は、JISK3800:2009に規定されている方法に従っておこなった。
In
表1に示されるように、試験板と枠部321(ベルマウス開口H3の上端)との距離が、上部空間Sの上端と枠部321との距離(228.2mm)の57.0%(130mm)未満であると、騒音低減効果が得られた。また、試験板と枠部321との距離が、上部空間Sの上端と枠部321との距離の30.7%(70mm)以上44.4%(101.4mm)以下であると、騒音低減効果が更に得られた。特に、試験板と枠部321(ベルマウス開口H3の上端)との距離が、上部空間Sの上端と枠部321との距離(228.2mm)の44.4%(101.4mm)である場合、試験板がない場合に比べて1.1(=66.8-65.7)dB低減した。騒音1.1dBの減少は、音圧に換算すると11.9%の減少である。これは、体感的には相当大きな減少であり、決して小さな値ではない。
As shown in Table 1, the distance between the test plate and the frame portion 321 (upper end of the bell mouth opening H3) is 57.0% (228.2 mm) of the distance between the upper end of the upper space S and the frame portion 321 (228.2 mm). When it was less than 130 mm), a noise reduction effect was obtained. Further, when the distance between the test plate and the
また、試験板と枠部321(ベルマウス開口H3の上端)との距離が、上部空間Sの上端と枠部321との距離(228.2mm)の44.4%(101.4mm)である場合、総風量が増大した。これは、試験板遮蔽板を適切に設置することによって、より低消費電力で送風機31ひいてはキャビネット1を運転させることが可能であることを意味している。
Further, the distance between the test plate and the frame portion 321 (the upper end of the bell mouth opening H3) is 44.4% (101.4 mm) of the distance (228.2 mm) between the upper end of the upper space S and the
一方、試験板と枠部321(ベルマウス開口H3の上端)との距離が、上部空間Sの上端と枠部321との距離(228.2mm)の57.0%(130mm)である場合、騒音値は減少しなかった。
On the other hand, when the distance between the test plate and the frame portion 321 (the upper end of the bell mouth opening H3) is 57.0% (130 mm) of the distance (228.2 mm) between the upper end of the upper space S and the
実験1の結果から、次のような理由によって、騒音値が低減するのではないかと推測される。
From the results of
試験板すなわち遮蔽板50が、送風機31の吸い込み側における圧力損失(抵抗)を低減させることにより、送風機31の効率が良くなり(総風量が増加し)、送風機31そのものから発生する騒音が低減するのではないかと推測される。
The test plate, that is, the shielding
また、上部空間S内には、ガスの流れの抵抗となる様々な部材が配置されている。そのため、上部空間Sの内部は、ガスがスムーズに流れにくい環境となっている。このような上部空間S内に、試験板すなわち遮蔽板50を設置すると、図4及び図5中に矢印で示されるように、少なくとも一部のガスの流路長が短くなるとともにガス流れが整えられるのではないかと推測される。その結果、上部空間S内をガスが流動する際に発生する乱流に起因する騒音、ガスが上部空間S内に設置された部材に衝突する際に発生する騒音、又はこの部材の振動に起因する騒音等が低減するのではないかと推測される。
Further, in the upper space S, various members that act as resistance to the flow of gas are arranged. Therefore, the inside of the upper space S is an environment in which it is difficult for gas to flow smoothly. When a test plate, that is, a shielding
ただし、試験板すなわち遮蔽板50が送風機31の吸い込み口からある程度以上遠くなると、試験板すなわち遮蔽板50がない場合と同様のガスの流れとなり、騒音低減効果がなくなってしまうのではないかと推測される。
However, if the test plate, that is, the
また、試験板すなわち遮蔽板50が送風機31の吸い込み口にある程度以上近くなると、逆に、試験板すなわち遮蔽板50がガスの流れの抵抗となって吸い込み側の圧力損失が増加する可能性がある。その結果、送風機31の効率が悪くなり、送風機31そのものから発生する騒音が増加するのではないかと推測される。その結果、ガス流れを整えることで減少する騒音値と、送風機31の効率悪化で増加する騒音値が相殺され、騒音は低減されるものの、その効果が若干小さくなるのではないかと推測される。
Further, when the test plate, that is, the shielding
(実験2)
続いて、遮蔽板50と送風機31の吸い込み口との平面視での重なり具合が変化した場合に、騒音が変化するか否かを調べるため、以下に説明する実験2を行った。
(Experiment 2)
Subsequently, in order to investigate whether or not the noise changes when the degree of overlap between the shielding
実験2では、実験1と同じキャビネット1を用いた。実験2では、遮蔽板50に相当する部材として、第3辺53に相当する辺と第4辺54に相当する辺の距離が互いに異なる4種類の試験板を用いた。すなわち、第2平板部材112との間にわずかな隙間が形成されるように設置した場合、送風機31とベルマウス開口H3の共通の中心軸Oとの距離が互いに異なる4種類の試験板を用いた。各試験板は、上部空間S内に水平に設置された。いずれの場合も、試験板とベルマウス32の枠部321との距離は、101.4mmであった。
In Experiment 2, the
これらのキャビネット1及び試験板を用いて、騒音を測定した。測定条件及び測定結果を表2に示す。なお、表2中の辺間距離(mm)とは、遮蔽板50の第3辺53および第4辺54に相当する試験板の2つの辺の間の距離である。また、表2中の重複率(%)とは、平面視における、送風機31の吸い込み口(すなわち、ベルマウス開口H3)の面積に対する、送風機31の吸い込み口と試験板とが重なる部分の面積の比率である。また、騒音値の測定は、JISK3800:2009に規定されている方法に従っておこなった。
Noise was measured using these
表2から明らかなように、試験板を設置しない場合(対照)と比較して、いずれの試験板を設置した場合も、騒音値が低減した。実験2から、重複率が少なくとも2%になれば、重複率の増加量に関わらず略一定量、騒音値が低減すると合理的に推認できる。さらに、重複率が0%であっても、すなわち試験板が存在しさえすれば、重複率が2~21%の場合と同等の騒音値低減効果が得られることが合理的に推認できる。また、送風機31の吸い込み側における圧力損失(抵抗)を低減させることができる限り、重複率が100%であっても、重複率が2~21%の場合と同等の騒音値低減効果が得られることが合理的に推認できる。
As is clear from Table 2, the noise level was reduced when any of the test plates was installed as compared with the case where the test plate was not installed (control). From Experiment 2, it can be reasonably inferred that if the overlap rate is at least 2%, the noise level is reduced by a substantially constant amount regardless of the amount of increase in the overlap rate. Further, it can be reasonably inferred that even if the overlap rate is 0%, that is, as long as the test plate is present, the same noise level reduction effect as in the case where the overlap rate is 2 to 21% can be obtained. Further, as long as the pressure loss (resistance) on the suction side of the
なお、遮蔽板50の形状及び設置態様は、これまでに説明したものには限られない。例えば、遮蔽板50は、ガス流れを整えることができる限り、水平とはならないように設置されても良いし、その形状は平板ではなく曲面を有する板であってもよい。例えば、背面側ダクトD2の上方から、ベルマウス開口H3の上方に向けて上に凸の弧を描くような曲面を有する板であってもよい。また、平面視、大きな長方形の一部が小さな長方形で切り欠かれた形状ではなく、平面視、単なる長方形又は正方形であってもよい。また、単数または複数の凹凸を表面に有していてもよい。
The shape and installation mode of the shielding
また、遮蔽板50の一部に鉛直に起立する平板部が設けられていても良い。例えば、第4辺54から連続して鉛直方向上方に延在する鉛直な平板部を有していても良い。この場合、鉛直な平板部は、上部空間Sの上端まで達しても良いし、達しなくても良い。遮蔽板50がこのような平板部を有する場合、遮蔽板50の上側にガスが回り込むことをより確実に防止することができる。よって、遮蔽板50の上部に設置される機器又は部材の形状が比較的複雑である場合、より確実にガスの流れに起因する騒音が低減することが期待できる。
Further, a flat plate portion that stands vertically may be provided on a part of the shielding
また、遮蔽板50の一部に鉛直に垂下する平板部が設けられても良い。この場合、第1平板部材111に直行する方向に平板部を設けることで、この平板部を整流部材として機能させ、より確実にガスの流れに起因する騒音を低減させることが期待できる。特に、平板部を互いに平行に複数枚設けることで、さらに確実にガスの流れに起因する騒音が低減することが期待できる。
Further, a flat plate portion that hangs vertically may be provided on a part of the shielding
また、遮蔽板50の設置位置は、ベルマウス32の枠部321から離れすぎない限り、遮蔽板50の下面が電気機器収納箱40の下面と略面一とはならない位置でも良い。例えば、遮蔽板50の下面が、電気機器収納箱40の下面よりも上方に位置するように遮蔽板50を設置しても良い。また、遮蔽板50の下面が、電気機器収納箱40の下面よりも下方に位置するように遮蔽板50を設置しても良いことは勿論である。
Further, the installation position of the shielding
本発明は、バイオハザード対策用キャビネットとして好適に利用される。 The present invention is suitably used as a biohazard countermeasure cabinet.
1 キャビネット
10 キャビネット本体
11 筐体
111 第1平板部材
112 第2平板部材
113 第3平板部材
114 第4平板部材
115 第5平板部材
12 シャッタ
13 照明
14 コントロールパネル
15 整流板
20 台脚
30 プレナムユニット
31 送風機
32 ベルマウス
321 枠部
33 箱体
34 給気用フィルタ
35 排気用フィルタ
36 枠体
37 排気ダクト
38 排気用箱体
39 天板
40 電気機器収納箱
50 遮蔽板
51 第1辺
52 第2辺
53 第3辺
54 第4辺
A ワークエリア
D1 下側ダクト
D2 背面側ダクト
H1 正面側ガス吸引口
H2 背面側ガス吸引口
H3 ベルマウス開口
S 上部空間
R ベルマウス開口半径
O 送風機及びベルマウス開口の中心軸
1
Claims (8)
前記ワークエリアの鉛直方向上方に配置された上部空間内に設置され、且つ、鉛直方向上方を向く吸い込み口を取り囲む枠部を有するベルマウスを有する送風機と、
前記上部空間内且つ前記送風機の上方に固定設置された遮蔽板と、
を備える、バイオハザード対策用キャビネット。 It is a biohazard countermeasure cabinet with a work area inside.
A blower having a bell mouth installed in an upper space arranged vertically above the work area and having a frame portion surrounding a suction port facing vertically upward.
A shielding plate fixedly installed in the upper space and above the blower,
A biohazard countermeasure cabinet equipped with.
請求項1に記載のバイオハザード対策用キャビネット。 The shielding plate has a horizontal flat plate portion.
The biohazard countermeasure cabinet according to claim 1.
請求項1または2に記載のバイオハザード対策用キャビネット。 The shielding plate has a first side and a second side parallel to each other in a plan view, and a third side and a fourth side parallel to each other in a plan view and perpendicular to the first side in a plan view.
The biohazard countermeasure cabinet according to claim 1 or 2.
前記上部空間内に設置され、前記送風機から吐出されたガスの一部を導く排気部と、をさらに備え、
前記第1辺は、前記第1平板部材に対向し、
前記第2辺は、前記第3平板部材に対向し、
前記第3辺は、前記第2平板部材に対向し、
前記第4辺は、前記排気部を介して前記第4平板部材に対向する、
請求項3に記載のバイオハザード対策用キャビネット。 A first flat plate member, a second flat plate member, a third flat plate member, and a fourth flat plate member that are arranged in order clockwise in a plan view and surround the front, back, left, and right of the upper space.
Further provided with an exhaust unit installed in the upper space and guiding a part of the gas discharged from the blower.
The first side faces the first flat plate member and faces the first flat plate member.
The second side faces the third flat plate member, and the second side faces the third flat plate member.
The third side faces the second flat plate member and faces the second flat plate member.
The fourth side faces the fourth flat plate member via the exhaust portion.
The biohazard countermeasure cabinet according to claim 3.
前記第4辺は、前記排気用フィルタ、前記排気用箱体または前記排気用ダクトを介して前記第4平板部材に対向する、
請求項4に記載のバイオハザード対策用キャビネット。 The exhaust unit has at least one of an exhaust filter, an exhaust box body, and an exhaust duct.
The fourth side faces the fourth flat plate member via the exhaust filter, the exhaust box body, or the exhaust duct.
The biohazard countermeasure cabinet according to claim 4.
請求項1から5のいずれかに記載のバイオハザード対策用キャビネット。 The shielding plate overlaps a part of the suction port in a plan view.
The biohazard countermeasure cabinet according to any one of claims 1 to 5.
請求項6に記載のバイオハザード対策用キャビネット。 The area of the region where a part of the suction port and the shielding plate overlap in the plan view is 2% or more of the area of the suction port in the plan view.
The biohazard countermeasure cabinet according to claim 6.
請求項1から7のいずれかに記載のバイオハザード対策用キャビネット。 The distance between the shielding plate and the frame portion is less than 57.0% of the distance between the upper end of the upper space and the frame portion.
The biohazard countermeasure cabinet according to any one of claims 1 to 7.
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