JP7036385B2 - 支持体の種別及び配置最適化支援装置 - Google Patents
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Description
また、建物の杭基礎としても同様に多数の種類が存在する。
そのため、建物設計における免震材料や杭基礎の選択や配置に関する行為は、建物の構造性能を大きく左右する重要な決定行為である。
一方、地震時の建物の正確な応答予測が困難であることから、設計者の見識と経験に頼る部分が大きく、限られた設計時間の中で性能の優れた設計を実現することが困難である。
これにより、設計者の見識と経験に頼らず、免震材料や杭基礎の選択と配置とを効率的に行うことができる。また、支持体の種別及び支持体の配置の組合せが無数にあり、全ての支持体の種別及び支持体の配置の組合せについて時刻歴応答解析を実行することは不可能であるが、学習した学習結果を用いることで、時刻歴応答解析を実行する支持体の種別及び支持体の配置の組合せを少なくすることができる
図1は、本発明の実施形態に係る免震材料の種別及び配置最適化支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。免震材料の種別及び配置最適化支援装置100は、機能的には、図1に示されるように、データ入力部10、コンピュータ20、及び出力部30を含んだ構成で表すことができる。
ここで、図2(a)は、免震材料が配置された構造物の正面図であり、図2(b)は、免震材料の配置を説明するために、免震材料の配置を平面図で示しているものである。
なお、本実施形態では構造物として4×4スパンの正方形の建物を想定しているが、これに限定されず、様々な建物、例えば、4×10スパンの長方形の建物や、長方形の建物を組み合わせたL字状の建物などであっても良い。
なお、免震材料としては、上述した17種類に限定されず、他の種類の免震材料を選択しても良いし、又、17種類より多い免震材料から選択しても良いし、17種類より少ない免震材料から選択しても良い。
すなわち、四隅(位置「1」「5」「21」「25」)に配置される免震材料のグループ1(Gr1)、グループ1の免震材料の隣(位置「2」「4」「6」「10」「16」「20」「22」「24」)に配置される免震材料のグループ2(Gr2)、グループ2の免震材料の間(位置「3」「11」「15」「23」)に配置される免震材料のグループ3(Gr3)、グループ3の免震材料の間(位置「7」「9」「17」「19」)に配置される免震材料のグループ4(Gr4)、グループ4の免震材料の間(位置「8」「12」「14」「18」)に配置される免震材料のグループ5(Gr5)、中心(位置「13」)に配置される免震材料のグループ6(Gr6)に分け、例えば、グループ1には免震材料NRB60、グループ2には免震材料NRB65、グループ3には免震材料NRB60、グループ4には免震材料LRB70、グループ5には免震材料LRB60、グループ6には免震材料LRB80などを配置する学習用データを入力する。
例えば、位置「1」、「5」、「21」、「25」に「NRB60」を、位置「2」、「4」、「6」、「10」、「16」、「20」、「22」、「24」に「NRB80」を、位置「3」、「11」、「15」、「23」に「LRB60」を、位置「7」、「9」、「17」、「19」に「LRB70」を、位置「8」、「12」、「14」、「18」に「NRB70」を、位置「13」に「LRB80」を配置する組合せなどを入力する。
なお、ここで入力される免震材料の配置の複数の組合せは、上述した、学習用支持体配置データとは別の組合せであることが望ましいが、これに限定されず、同じであっても良い。
また、取得部21は、データ入力部10によって受け付けられた、機械学習部23の学習結果を活用して構造物の応答量を推定する免震材料の配置の複数の組合せを取得する。
また、ID「201」~「300」の学習用支持体配置データでは、免震材料の配置はID「1」~「100」と同じであるが、オイルダンパーを「8」個備えている例である。
また、学習用支持体配置データは、免震特性の広範な分布をカバーすることが望ましいため、同じ免震材料を使用する場合と、複数の免震材料を組合せて使用する場合とを含むように入力される。
具体的には、図6に示すように、免震層等価固有周期(sec)の5mm変形時、200mm変形時、400mm変形時の諸元、履歴減衰による等価粘性減衰定数(%)の5mm変形時、200mm変形時、400mm変形時の諸元、粘性ダンパーにより付加される等価粘性減衰定数(%)の5mm変形時、200mm変形時、400mm変形時の諸元、免震層の層せん断力係数のうち、免震層二次剛性により生じる分の5mm変形時、200mm変形時、400mm変形時の諸元、免震層の層せん断力係数のうち、免震層切片荷重により生じる分の5mm変形時、200mm変形時、400mm変形時の諸元、を算定する。
なお、学習用支持体配置データを元に算定される諸元は、図6に示すものに限定されず、又、図6に示す全てを算定する場合に限定されず、一部のみ、例えば、免震層等価固有周期(s)のみを算定するようにしても良い。
図6に示すように、全ての位置に免震材料「NRB60」を配置し、オイルダンパーを8個使用した場合の免震層等価固有周期(s)の諸元は、5mm変形時では4.804[sec]、200mm変形時では4.804[sec]、400mm変形時では4.804[sec]、であり、履歴減衰による等価減衰定数の諸元は、5mm変形時では0[%]、200mm変形時では0[%]、400mm変形時では0[%]、であり、オイルダンパーにより付加される等価粘性減衰定数の諸元は、5mm変形時では96.88[%]、200mm変形時では96.88[%]、400mm変形時では61.81[%]であり、免震層の層せん断力係数のうち免震層二次剛性により生じる分の諸元は、5mm変形時では0.0009、200mm変形時では0.0349、400mm変形時では0.0698であり、免震層の層せん断力係数のうち免震層切片荷重により生じる分の諸元は、5mm変形時では0.000、200mm変形時では0.000、400mm変形時では0.000である。
ここで、本実施形態では、時刻歴応答解析は質点系モデルで行い、機械学習にはR言語の機械学習プログラムを用い、アルゴリズムにはランダムフォレストを採用したが、これに限定されない。
ここで、目的関数である、DISP、ACC、COST、Ndevは、それぞれ、地震時に免震層上部に生じる最大応答変位、最大応答加速度、免震材料とオイルダンパーとを合わせた総コスト、使用する免震材料の種別数、を表す。また、Xは、免震材料の選択を表す設計変数、Lisoは選択候補とする免震材料のリスト、Cvは付加する粘性ダンパーの減衰係数を表す設計変数、Cv UおよびCv Lはその上下限値を表す。Liso,Cv UおよびCv Lは,軸力レベルや建物規模等から設計者が事前に定める。g(X)≧0は免震装置の設計時に満たすべき全ての制約条件で、長期および短期の軸力上下限値制約、偏心率の制約などからなる。
なお、実際の設計において、オイルダンパーは既製のものを使用し、またその種類はあらかじめ決めたうえで、その個数を調整するのが一般的である。よって、以降は問題(P)中のCv,Cv U,Cv Lをそれぞれ、オイルダンパーの個数を表す設計変数nvおよびその上下限値nv U,nv Lに読み替えて扱う。
具体的には、免震材料の配置の複数の組合せの1つ1つについて、学習結果(推定器)を使用して、時刻歴応答解析を実行して構造物の応答量を推定し、推定された応答量を多目的SA法(焼きなまし法(MOSA:Multiple-Objective Simulated Anealing))によって所定回数、例えば1500回、繰り返し最適化を行う。
そして、全探索解をプロットした結果を図8に示す。
ここで、多目的SA法を用いた最適化は、汎用の最適化パッケージである「modeFRONTIER」(登録商標)を用いたが、これに限定されない。
ここで、上述したように、本実施形態では、全応答量は、図8にプロットした30,000個の探索解である。
具体的には、図8にプロットする30,000個の探索解の中から、横軸である最大加速度と、縦軸である最大変位との両方が小さくなる探索解、すなわち、図8に示す探索解の中から点線で囲まれた複数個、例えば、200個の優良解を抽出する。
かかる探索解の抽出は、横軸である最大加速度の数値と、縦軸である最大変位との計を比較し、小さくなる探索解を抽出することとなる。
この場合には、データ入力部10を用い、選択した優良解を入力することとなる。
これらの中から、例として(a)推定加速度最小の免震材料の配置、(b)推定変位最小の免震材料の配置、(c)コスト最小の免震材料の配置、(d)これらの目的関数値がいずれも中間的な値を取る免震材料の配置、についてオイルダンパーの数と共に図10に示す。
図9中のチャート(a)(b)(c)(d)は、図10の(a)(b)(c)(d)にそれぞれ相当する。
すなわち、本発明は、免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せが無数にあり、全ての免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せについて時刻歴応答解析を実行することは不可能であるが、学習した推定器を用いることで、時刻歴応答解析を実行する免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せを少なくすることを可能とするものである。
免震材料の種別及び配置最適化支援装置のユーザである設計者は、出力された免震材料の種別及び免震材料の配置を参考にして、対象の構造物の免震材料の種別及び免震材料の配置を決定する。
このような複数パターン出力される場合であっても、設計者が、複数の出力された免震材料の種別及び免震材料の配置を参考にして、対象の構造物の免震材料の種別及び免震材料の配置を決定することとなる。
また、本実施形態では、免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せが無数にあり、全ての免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せについて時刻歴応答解析を実行することは不可能であるが、学習した推定器を用いることで、時刻歴応答解析を実行する免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せを少なくすることを可能にすることができる。
杭基礎の種別としては、杭基礎の径の大きさや、コンクリート杭、鋼杭などの杭の種類、場所打ち杭による工法、既製杭による工法などの工法の種類、などがあり、上記実施形態を変形して、杭基礎の種別及び配置の最適化を支援するようにしても良い。
この場合には、構造物を支持する支持体の種別と配置に関する複数の学習用支持体配置データを入力するデータ入力ステップと、学習用支持体配置データを時刻歴応答解析し、解析結果を機械学習する機械学習ステップと、機械学習ステップの学習結果を格納する学習結果保存ステップと、学習結果を活用して支持体の配置の複数の組合せの内、一つの組合せにおける構造物の応答量を推定し、当該推定された応答量を最適化する最適化ステップと、支持体の配置の複数の組合せについて、最適化ステップにより推定された全応答量を取得し、所定のフィルタリングを実行して優良解を得る優良解ステップと、優良解を用いて、時刻歴応答解析を実行して、適正な支持体の種別及び支持体の配置の最終採用解に関する情報を出力する情報出力ステップと、を含む支持体の種別及び配置最適化支援方法、としてとらえることが可能である。
20 コンピュータ
21 取得部
22 学習用データ記憶部
23 機械学習部
24 保存部
25 最適化部
26 優良解部
27 情報出力部
30 出力部
100 免震材料の種別及び配置支援装置
Claims (3)
- 構造物を支持する支持体の種別と配置に関する複数の学習用支持体配置データを入力するデータ入力部と、
前記学習用支持体配置データを時刻歴応答解析し、解析結果を機械学習する機械学習部と、
前記機械学習部の学習結果を格納する保存部と、
前記学習結果を活用して前記支持体の配置の複数の組合せにおける構造物の応答量を推定し、当該推定された応答量を最適化する最適化部と、
前記支持体の配置の複数の組合せについて、前記最適化部により推定された全応答量を取得し、所定のフィルタリングを実行して優良解を得る優良解部と、
前記優良解を用いて、時刻歴応答解析を実行して、適正な支持体の種別及び支持体の配置の最終採用解に関する情報を出力する情報出力部と、
を含む支持体の種別及び配置最適化支援装置。 - 前記学習用支持体配置データは、少なくとも地震動の大きさを示すレベルにおける前記支持体の固有周期であることを特徴とする請求項1に記載の支持体の種別及び配置最適化支援装置。
- 前記フィルタリングは、少なくとも前記構造物の加速度及び変位から前記優良解を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の支持体の種別及び配置最適化支援装置。
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