JP7036385B2 - 支持体の種別及び配置最適化支援装置 - Google Patents

支持体の種別及び配置最適化支援装置 Download PDF

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特許法第30条第2項適用 平成30年12月6日 一般社団法人日本建築学会発行の、日本建築学会 第41回情報・システム・利用・技術シンポジウム論文集にて公開
特許法第30条第2項適用 平成30年12月7日 建築会館(東京都港区芝5丁目26番20号)にて開催された、日本建築学会 第41回情報・システム・利用・技術シンポジウムにて公開
本発明は、支持体の種別及び配置最適化支援装置に関する。
大地震などの地震動に対して建物の揺れを低減するための免震材料は、鉛コア入り積層ゴム免震材料などの多数の種類が存在する(特許文献1参照)。
また、建物の杭基礎としても同様に多数の種類が存在する。
そのため、建物設計における免震材料や杭基礎の選択や配置に関する行為は、建物の構造性能を大きく左右する重要な決定行為である。
特開昭52-49609号公報
しかし、免震材料や杭基礎の決定において、選択しうる膨大な免震材料や杭基礎の組合せの中から、制約条件を満足し、かつ、地震時に建物に発生する最大応答加速度や最大変位、免震材料のコストなどから優れたものの組合せを選び取る必要がある。
一方、地震時の建物の正確な応答予測が困難であることから、設計者の見識と経験に頼る部分が大きく、限られた設計時間の中で性能の優れた設計を実現することが困難である。
本発明は、設計者の見識と経験に頼らず、免震材料や杭基礎の選択と配置とを効率的に行うことを可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の支持体の種別及び配置最適化支援装置は、構造物を支持する支持体の種別と配置に関する複数の学習用支持体配置データを入力するデータ入力部と、前記学習用支持体配置データを時刻歴応答解析し、解析結果を機械学習する機械学習部と、前記機械学習部の学習結果を格納する保存部と、前記学習結果を活用して前記支持体の配置の複数の組合せにおける構造物の応答量を推定し、当該推定された応答量を最適化する最適化部と、前記支持体の配置の複数の組合せについて、前記最適化部により推定された全応答量を取得し、所定のフィルタリングを実行して優良解を得る優良解部と、前記優良解を用いて、時刻歴応答解析を実行して、適正な支持体の種別及び支持体の配置の最終採用解に関する情報を出力する情報出力部と、を含んで構成される。
これにより、設計者の見識と経験に頼らず、免震材料や杭基礎の選択と配置とを効率的に行うことができる。また、支持体の種別及び支持体の配置の組合せが無数にあり、全ての支持体の種別及び支持体の配置の組合せについて時刻歴応答解析を実行することは不可能であるが、学習した学習結果を用いることで、時刻歴応答解析を実行する支持体の種別及び支持体の配置の組合せを少なくすることができる
本発明の学習用支持体配置データは、少なくとも地震動の大きさを示すレベルにおける前記支持体の固有周期であることを特徴とする。
本発明のフィルタリングは、少なくとも前記構造物の加速度及び変位から前記優良解を得ることを特徴とする。
本発明によれば、設計者の見識と経験に頼らず、免震材料や杭基礎の選択と配置とを効率的に行うことができる、という効果が得られる。
実施形態に係る免震材料の種別及び配置最適化支援装置の概略構成を示すブロック図である。 構造物と免震材料の配置とを説明するための説明図である。 免震材料の種別の一例を示す図である。 免震材料の配置の他の一例を示す図である。 免震材料の組合せの一例を示す図である。 免震材料の諸元の一例を示す図である。 最適化問題の定式化の一例を示す図である。 全探索解をプロットした結果を示す説明図である。 優良解の目的関数値を軸とする多次元解析チャートの一例を示す図である。 パレート最適解の一例を示す図である。 本実施形態の学習処理ルーチンの一例を示す図である。 本実施形態の免震材料の種別及び配置最適化支援処理ルーチンの一例を示す図である。
本発明の実施形態について詳細に説明する。
<本発明の実施形態に係る免震材料の種別及び配置最適化支援装置のシステム構成>
図1は、本発明の実施形態に係る免震材料の種別及び配置最適化支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。免震材料の種別及び配置最適化支援装置100は、機能的には、図1に示されるように、データ入力部10、コンピュータ20、及び出力部30を含んだ構成で表すことができる。
データ入力部10は、学習用の構造物を支持する免震材料の種別と配置に関する複数の学習用支持体配置データを入力するものである。データ入力部10は、例えばキーボード、マウス、又は外部装置からの入力を受け付ける入出力装置等によって実現される。
本実施形態では、図2に示すように、構造物として、4スパンの建物を想定し、5×5の計25個(位置「1」~「25」)の免震材料の種別と配置に関する複数、例えば300パターンの学習用支持体配置データを入力する。
ここで、図2(a)は、免震材料が配置された構造物の正面図であり、図2(b)は、免震材料の配置を説明するために、免震材料の配置を平面図で示しているものである。
なお、本実施形態では構造物として4×4スパンの正方形の建物を想定しているが、これに限定されず、様々な建物、例えば、4×10スパンの長方形の建物や、長方形の建物を組み合わせたL字状の建物などであっても良い。
ここで、本実施形態では、図3に示すように、免震材料として、NRB(天然ゴム系積層ゴム支承)のNRB60(直径600mm)、NRB65(直径650mm)、NRB70(直径700mm)、NRB75(直径750mm)、NRB80(直径800mm)、LRB(鉛プラグ挿入型積層ゴム支承)のLRB60(直径600mm)、LRB65(直径650mm)、LRB70(直径700mm)、LRB75(直径750mm)、LRB80(直径800mm)、SB(L)(低摩擦(μ=0.01)弾性すべり支承)のSSR45L(直径450mm)、SSR55L(直径550mm)、SSR65L(直径650mm)、SB(H)(高摩擦(μ=0.13)弾性すべり支承)のSSR45H(直径450mm)、SSR55H(直径550mm)、SSR65H(直径650mm)、オイルダンパー(バイリニア型)の17種類の中から選択している。
なお、免震材料としては、上述した17種類に限定されず、他の種類の免震材料を選択しても良いし、又、17種類より多い免震材料から選択しても良いし、17種類より少ない免震材料から選択しても良い。
また、データ入力部10で入力された学習用支持体配置データは、図5を用いて後述する学習用データ記憶部にIDと関連づけられて記憶されることとなる。
なお、図4に示すように、免震材料が配置される位置を同種の位置毎にグルーピングして、同じグループ(Gr)では同じ免震材料が選択されるようにしても良い。
すなわち、四隅(位置「1」「5」「21」「25」)に配置される免震材料のグループ1(Gr1)、グループ1の免震材料の隣(位置「2」「4」「6」「10」「16」「20」「22」「24」)に配置される免震材料のグループ2(Gr2)、グループ2の免震材料の間(位置「3」「11」「15」「23」)に配置される免震材料のグループ3(Gr3)、グループ3の免震材料の間(位置「7」「9」「17」「19」)に配置される免震材料のグループ4(Gr4)、グループ4の免震材料の間(位置「8」「12」「14」「18」)に配置される免震材料のグループ5(Gr5)、中心(位置「13」)に配置される免震材料のグループ6(Gr6)に分け、例えば、グループ1には免震材料NRB60、グループ2には免震材料NRB65、グループ3には免震材料NRB60、グループ4には免震材料LRB70、グループ5には免震材料LRB60、グループ6には免震材料LRB80などを配置する学習用データを入力する。
また、データ入力部10は、後述する機械学習部23の学習結果を活用して構造物の応答量を推定する免震材料の配置の複数の組合せ、例えば、20個の免震材料の種別と配置に関する組合せを入力する。
例えば、位置「1」、「5」、「21」、「25」に「NRB60」を、位置「2」、「4」、「6」、「10」、「16」、「20」、「22」、「24」に「NRB80」を、位置「3」、「11」、「15」、「23」に「LRB60」を、位置「7」、「9」、「17」、「19」に「LRB70」を、位置「8」、「12」、「14」、「18」に「NRB70」を、位置「13」に「LRB80」を配置する組合せなどを入力する。
なお、ここで入力される免震材料の配置の複数の組合せは、上述した、学習用支持体配置データとは別の組合せであることが望ましいが、これに限定されず、同じであっても良い。
コンピュータ20は、CPU(Central Processing Unit)、各処理ルーチンを実現するためのプログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、記憶手段としてのメモリ、ネットワークインタフェース等を含んで構成されている。コンピュータ20は、機能的には、取得部21と、学習用データ記憶部22と、機械学習部23と、保存部24と、最適化部25と、優良解部26と、情報出力部27とを備えている。
取得部21は、データ入力部10によって受け付けられた、複数の学習用支持体配置データを取得する。
また、取得部21は、データ入力部10によって受け付けられた、機械学習部23の学習結果を活用して構造物の応答量を推定する免震材料の配置の複数の組合せを取得する。
学習用データ記憶部22には、取得部21によって取得された複数の学習用支持体配置データが格納される。例えば、図5に示されるように、配置される位置と免震材料の種別とが対応付けられて格納される。
図5に示すように、ID「1」の学習用支持体配置データでは、位置「1」~「25」の全てに「NRB60」を配置した場合の例、ID「2」の学習用支持体配置データでは、位置「1」~「25」の全てに「NRB65」を配置した場合の例、ID「3」の学習用支持体配置データでは、位置「1」~「25」の全てに「NRB70」を配置した場合の例、ID「4」の学習用支持体配置データでは、位置「1」~「25」の全てに「NRB80」を配置した場合の例、ID「11」の学習用支持体配置データでは、位置「1」~「13」に「NRB60」、位置「14」~「25」に「NRB65」を配置した場合の例、ID「15」の学習用支持体配置データでは、位置「1」~「13」に「NRB60」、位置「14」~「25」に「LRB60」を配置した場合の例、ID「99」の学習用支持体配置データでは、位置「1」に「SSR45H」、位置「2」に「NRB60」、位置「3」に「LRB60」、位置「4」に「NRB60」、位置「5」に「LRB70」、位置「6」に「SSR65H」、位置「7」に「NRB60」、位置「8」に「NRB80」、位置「9」に「LRB70」、位置「10」に「SSR45L」、位置「11」に「NRB65」、位置「12」に「NRB60」、位置「13」に「LRB70」、位置「14」に「NRB60」、位置「15」に「SSR45H」、位置「16」に「LRB60」、位置「17」に「NRB60」、位置「18」に「LRB60」、位置「19」に「SSR45L」、位置「20」に「NRB80」、位置「21」に「NRB60」、位置「22」に「LRB80」、位置「23」に「NRB60」、位置「24」に「LRB60」、位置「25」に「LRB70」を配置した場合の例、である。
また、ID「101」~「200」の学習用支持体配置データでは、免震材料の配置はID「1」~「100」と同じであるが、オイルダンパーを「1」個備えている例である。
また、ID「201」~「300」の学習用支持体配置データでは、免震材料の配置はID「1」~「100」と同じであるが、オイルダンパーを「8」個備えている例である。
なお、学習用支持体配置データとして「300」パターンを入力したがこれに限定されない。また、オイルダンパーの数として「0」個、「1」個、「8」個のパターンを入力したがこれに限定されない。
また、学習用支持体配置データは、免震特性の広範な分布をカバーすることが望ましいため、同じ免震材料を使用する場合と、複数の免震材料を組合せて使用する場合とを含むように入力される。
機械学習部23は、学習用データ記憶部22に格納された複数の学習用支持体配置データを元に、図6に示す入力に示す諸元を算定する。そして、算出された諸元を元に、後述するように学習用支持体配置データを時刻歴応答解析し、解析結果を機械学習することで学習結果(推定器)を得る。
具体的には、図6に示すように、免震層等価固有周期(sec)の5mm変形時、200mm変形時、400mm変形時の諸元、履歴減衰による等価粘性減衰定数(%)の5mm変形時、200mm変形時、400mm変形時の諸元、粘性ダンパーにより付加される等価粘性減衰定数(%)の5mm変形時、200mm変形時、400mm変形時の諸元、免震層の層せん断力係数のうち、免震層二次剛性により生じる分の5mm変形時、200mm変形時、400mm変形時の諸元、免震層の層せん断力係数のうち、免震層切片荷重により生じる分の5mm変形時、200mm変形時、400mm変形時の諸元、を算定する。
なお、学習用支持体配置データを元に算定される諸元は、図6に示すものに限定されず、又、図6に示す全てを算定する場合に限定されず、一部のみ、例えば、免震層等価固有周期(s)のみを算定するようにしても良い。
算定された諸元の一例を、全ての位置に免震材料「NRB60」を配置し、オイルダンパーを8個使用したID「201」の場合を挙げて説明する。
図6に示すように、全ての位置に免震材料「NRB60」を配置し、オイルダンパーを8個使用した場合の免震層等価固有周期(s)の諸元は、5mm変形時では4.804[sec]、200mm変形時では4.804[sec]、400mm変形時では4.804[sec]、であり、履歴減衰による等価減衰定数の諸元は、5mm変形時では0[%]、200mm変形時では0[%]、400mm変形時では0[%]、であり、オイルダンパーにより付加される等価粘性減衰定数の諸元は、5mm変形時では96.88[%]、200mm変形時では96.88[%]、400mm変形時では61.81[%]であり、免震層の層せん断力係数のうち免震層二次剛性により生じる分の諸元は、5mm変形時では0.0009、200mm変形時では0.0349、400mm変形時では0.0698であり、免震層の層せん断力係数のうち免震層切片荷重により生じる分の諸元は、5mm変形時では0.000、200mm変形時では0.000、400mm変形時では0.000である。
また、機械学習部23は、学習用データ記憶部22に格納された複数の学習用支持体配置データを諸元を元に時刻歴応答解析し、解析結果を機械学習して学習結果(推定器)を得る。
ここで、本実施形態では、時刻歴応答解析は質点系モデルで行い、機械学習にはR言語の機械学習プログラムを用い、アルゴリズムにはランダムフォレストを採用したが、これに限定されない。
本免震材料の種別及び配置最適化支援については、多目的組み合わせ最適化問題として図7に示す式で定式化される。
ここで、目的関数である、DISP、ACC、COST、Ndevは、それぞれ、地震時に免震層上部に生じる最大応答変位、最大応答加速度、免震材料とオイルダンパーとを合わせた総コスト、使用する免震材料の種別数、を表す。また、Xは、免震材料の選択を表す設計変数、Lisoは選択候補とする免震材料のリスト、Cvは付加する粘性ダンパーの減衰係数を表す設計変数、Cv UおよびCv Lはその上下限値を表す。Liso,Cv UおよびCv Lは,軸力レベルや建物規模等から設計者が事前に定める。g(X)≧0は免震装置の設計時に満たすべき全ての制約条件で、長期および短期の軸力上下限値制約、偏心率の制約などからなる。
なお、実際の設計において、オイルダンパーは既製のものを使用し、またその種類はあらかじめ決めたうえで、その個数を調整するのが一般的である。よって、以降は問題(P)中のCv,Cv U,Cv Lをそれぞれ、オイルダンパーの個数を表す設計変数nvおよびその上下限値nv U,nv Lに読み替えて扱う。
例えば、X=[NRB60,NRB60,・・・NRB60,NRB60]として、ID「201」の場合、すなわち、位置「1」~「25」の全てに「NRB60」を使用し、n(オイルダンパーの個数)「8」の場合、の時刻歴応答解析によって求められるDISPは、14.9cm、ACCは102.46 [cm/sec2]、COSTは、1,900×25+3,000×8=71,500 [千円]、Ndev=1、となる。
保存部24には、機械学習部23によって得られた学習結果(推定器)が格納される。
最適化部25は、学習結果(推定器)を活用して、取得部21によって取得された免震材料の配置の複数の組合せにおける構造物の応答量(最大変位、最大加速度)の推定と、推定された応答量の最適化とを行う。
具体的には、免震材料の配置の複数の組合せの1つ1つについて、学習結果(推定器)を使用して、時刻歴応答解析を実行して構造物の応答量を推定し、推定された応答量を多目的SA法(焼きなまし法(MOSA:Multiple-Objective Simulated Anealing))によって所定回数、例えば1500回、繰り返し最適化を行う。
本実施形態では、免震材料の配置の複数の組合せとして20個を取得し、各組合せに対し最適化を1500回繰り返すため、20×1,500=30,000の探索解を得ることとなる。
そして、全探索解をプロットした結果を図8に示す。
ここで、多目的SA法を用いた最適化は、汎用の最適化パッケージである「modeFRONTIER」(登録商標)を用いたが、これに限定されない。
優良解部26は、免震材料の配置の複数の組合せについて、最適化部25により推定された全応答量を取得し、所定のフィルタリングを実行して、優良解を得る。
ここで、上述したように、本実施形態では、全応答量は、図8にプロットした30,000個の探索解である。
フィルタリングは、少なくとも構造物の加速度及び変位から優良解を得ることである。
具体的には、図8にプロットする30,000個の探索解の中から、横軸である最大加速度と、縦軸である最大変位との両方が小さくなる探索解、すなわち、図8に示す探索解の中から点線で囲まれた複数個、例えば、200個の優良解を抽出する。
かかる探索解の抽出は、横軸である最大加速度の数値と、縦軸である最大変位との計を比較し、小さくなる探索解を抽出することとなる。
なお、かかる探索解の抽出は、優良解部26(コンピュータ)が行っても良いが、設計者が探索解の中から選択することによっても実現することが可能である。
この場合には、データ入力部10を用い、選択した優良解を入力することとなる。
ここで、フィルタリングにより抽出された200個の優良解について、図7の各目的関数値を軸とする多次元解析チャートを図9に示す。
これらの中から、例として(a)推定加速度最小の免震材料の配置、(b)推定変位最小の免震材料の配置、(c)コスト最小の免震材料の配置、(d)これらの目的関数値がいずれも中間的な値を取る免震材料の配置、についてオイルダンパーの数と共に図10に示す。
図9中のチャート(a)(b)(c)(d)は、図10の(a)(b)(c)(d)にそれぞれ相当する。
ここで、図10における四角で囲った数字は各位置に配置される免震材料の種別を示す数値であり、「1」はNRB60、「2」はNRB70、「3」はNRB80、「4」はLRB60、「5」はLRB70、「6」はLRB80、「7」はSSR45L、「8」はSSR55L、「9」はSSR65L、「10」はSSR45H、「11」はSSR55H、「12」はSSR65H、をそれぞれ示すものである。
例えば、(a)推定加速度最小の免震材料の配置は、位置「1」にSSR45L、位置「2」にSSR55L、位置「3」にNRB70、位置「4」にSSR55L、位置「5」にSSR45L、位置「6」にSSR55L、位置「7」にSSR65L、位置「8」にSSR65L、位置「9」にSSR65L、位置「10」にSSR55L、位置「11」にNRB70、位置「12」にSSR65L、位置「13」にSSR65L、位置「14」にSSR65L、位置「15」にNRB70、位置「16」にSSR55L、位置「17」にSSR65L、位置「18」にSSR65L、位置「19」にSSR65L、位置「20」にSSR55L、位置「21」にSSR45L、位置「22」にSSR55L、位置「23」にNRB70、位置「24」にSSR55L、位置「25」にSSR45L、をそれぞれ配置し、オイルダンパーを3個使用すると、推定加速度が最小になることを示している。
情報出力部27は、優良解部によって得られた優良解を用いて、時刻歴応答解析を実行して、適正な免震材料の種別及び免震材料の配置の最終採用解に関する情報を出力する。
すなわち、本発明は、免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せが無数にあり、全ての免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せについて時刻歴応答解析を実行することは不可能であるが、学習した推定器を用いることで、時刻歴応答解析を実行する免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せを少なくすることを可能とするものである。
ここで、出力される適正な免震材料の種別及び免震材料の配置の最終採用解に関する情報としては、位置「1」には免震材料「NRB70」を、位置「2」には免震材料「LRB60」を、というような形式の免震材料の種別及び免震材料の配置に関する情報が出力される。
免震材料の種別及び配置最適化支援装置のユーザである設計者は、出力された免震材料の種別及び免震材料の配置を参考にして、対象の構造物の免震材料の種別及び免震材料の配置を決定する。
なお、出力される免震材料の種別及び免震材料の配置に関する情報は、1パターンに限定されず、複数パターン出力されても良い。
このような複数パターン出力される場合であっても、設計者が、複数の出力された免震材料の種別及び免震材料の配置を参考にして、対象の構造物の免震材料の種別及び免震材料の配置を決定することとなる。
出力部30は、情報出力部27によって出力された、免震材料の種別及び免震材料の配置に関する情報を結果として出力する。例えば、出力部30は、ディスプレイによって実現される。
免震材料の種別及び免震材料の配置を設計する設計者は、出力部30によって出力された免震材料の種別及び免震材料の配置に関する情報を確認し、対象の構造物の免震材料の種別及び免震材料の配置を決定する際の参考にする。そして、設計者は、最終的な免震材料の種別及び免震材料の配置を決定すると、実際の建設工事が行われる。
<免震材料の種別及び配置最適化支援装置の作用>
つぎに、免震材料の種別及び配置最適化支援装置100の作用を説明する。免震材料の種別及び配置最適化支援装置100は、学習処理ルーチンと免震材料の種別及び配置最適化支援処理ルーチンとを実行する。
<学習処理ルーチン>
図1に示すように、免震材料の種別及び配置最適化支援装置100のデータ入力部10による学習用の構造物を支持する免震材料の種別と配置に関する複数の学習用支持体配置データの入力を受け付けると、学習用データ記憶部22へ格納する。そして、免震材料の種別及び配置最適化支援装置100のコンピュータ20は、学習処理の実行の指示信号を受け付けると、図11に示す学習処理ルーチンを実行する。
ステップS100において、機械学習部23は、学習用データ記憶部22に格納された複数の学習用支持体配置データを取得する。
ステップS102において、機械学習部23は、上記ステップS100で取得された複数の学習用支持体配置データを元に諸元を算定し、算定された諸元を元に時刻歴応答解析を実行し、解析結果を機械学習して、学習結果として推定器を作成する。
ステップS104において、機械学習部23は、上記ステップS102で作成された推定器を保存部24に格納して、学習処理ルーチンを終了する。
<免震材料の種別及び配置最適化支援処理ルーチン>
免震材料の種別及び配置最適化支援装置100は、保存部24に推定器が格納され、且つデータ入力部10が、機械学習部の学習結果を活用して構造物の応答量を推定する免震材料の配置の複数の組合せを受け付けると、図12に示す免震材料の種別及び配置最適化支援処理ルーチンを実行する。
ステップS200において、最適化部25は、データ入力部10によって受け付けた、構造物の応答量を推定する免震材料の配置の複数の組合せを取得する。
ステップS202において、最適化部25は、保存部24に格納された推定器を読み出し、読み出した推定器を使用して、構造物の応答量を推定する免震材料の配置の複数の組合せについて構造物の応答量を推定し、推定された応答量を多目的SA法によって最適化を行う。
ステップS204において、優良解部26は、上記ステップS202で推定された応答量を取得し、フィルタリングをして、優良解を得る。
ステップS206において、情報出力部27は、上記ステップS204で取得された優良解を用いて時刻歴応答解析を実行して、免震材料の種別及び免震材料の配置の最終採用解に関する情報を出力する。
出力部30は、情報出力部27によって出力された最終採用解に関する情報を結果として出力する。設計者は、出力された免震材料の種別及び免震材料の配置を参考にして、対象の構造物の免震材料の種別及び免震材料の配置を決定する。
以上詳細に説明したように、本実施形態では、設計者の見識と経験に頼らず、免震材料の選択と配置とを効率的に行うことを可能にすることができる。
また、本実施形態では、免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せが無数にあり、全ての免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せについて時刻歴応答解析を実行することは不可能であるが、学習した推定器を用いることで、時刻歴応答解析を実行する免震材料の種別及び免震材料の配置の組合せを少なくすることを可能にすることができる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、免震材料の種別及び配置の最適化を支援する場合を例に説明したが、免震材料に限定されず、杭基礎の種別及び配置の最適化を支援する場合に用いても良い。
杭基礎の種別としては、杭基礎の径の大きさや、コンクリート杭、鋼杭などの杭の種類、場所打ち杭による工法、既製杭による工法などの工法の種類、などがあり、上記実施形態を変形して、杭基礎の種別及び配置の最適化を支援するようにしても良い。
また、最適化を行うモデルとして、多目的SA法を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、遺伝的アルゴリズム、モンテカルロ法などを用いても良い。
また、優良解について時刻歴応答解析を実行することにより最終採用解を得るようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、時刻歴応答解析ではなく、ニューラルネットワークによる機械学習などを用いて最終採用解を得るようにしても良い。
また、上記ではプログラムがHDDなどの記憶部(図示省略)に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、プログラムは、CD-ROM、DVD-ROM及びマイクロSDカード等の記録媒体の何れかに記録されている形態で提供することも可能である。
また、本発明は、支持体の種別及び配置最適化支援装置として説明しているが、支持体の種別及び配置最適化支援方法とすることも可能である。
この場合には、構造物を支持する支持体の種別と配置に関する複数の学習用支持体配置データを入力するデータ入力ステップと、学習用支持体配置データを時刻歴応答解析し、解析結果を機械学習する機械学習ステップと、機械学習ステップの学習結果を格納する学習結果保存ステップと、学習結果を活用して支持体の配置の複数の組合せの内、一つの組合せにおける構造物の応答量を推定し、当該推定された応答量を最適化する最適化ステップと、支持体の配置の複数の組合せについて、最適化ステップにより推定された全応答量を取得し、所定のフィルタリングを実行して優良解を得る優良解ステップと、優良解を用いて、時刻歴応答解析を実行して、適正な支持体の種別及び支持体の配置の最終採用解に関する情報を出力する情報出力ステップと、を含む支持体の種別及び配置最適化支援方法、としてとらえることが可能である。
10 データ受付部
20 コンピュータ
21 取得部
22 学習用データ記憶部
23 機械学習部
24 保存部
25 最適化部
26 優良解部
27 情報出力部
30 出力部
100 免震材料の種別及び配置支援装置

Claims (3)

  1. 構造物を支持する支持体の種別と配置に関する複数の学習用支持体配置データを入力するデータ入力部と、
    前記学習用支持体配置データを時刻歴応答解析し、解析結果を機械学習する機械学習部と、
    前記機械学習部の学習結果を格納する保存部と、
    前記学習結果を活用して前記支持体の配置の複数の組合せにおける構造物の応答量を推定し、当該推定された応答量を最適化する最適化部と、
    前記支持体の配置の複数の組合せについて、前記最適化部により推定された全応答量を取得し、所定のフィルタリングを実行して優良解を得る優良解部と、
    前記優良解を用いて、時刻歴応答解析を実行して、適正な支持体の種別及び支持体の配置の最終採用解に関する情報を出力する情報出力部と、
    を含む支持体の種別及び配置最適化支援装置。
  2. 前記学習用支持体配置データは、少なくとも地震動の大きさを示すレベルにおける前記支持体の固有周期であることを特徴とする請求項1に記載の支持体の種別及び配置最適化支援装置。
  3. 前記フィルタリングは、少なくとも前記構造物の加速度及び変位から前記優良解を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載の支持体の種別及び配置最適化支援装置。
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