JP7030937B1 - 土木構造物の3次元モデルを生成するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータ及び土木構造物の3次元モデルの生成システム - Google Patents

土木構造物の3次元モデルを生成するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータ及び土木構造物の3次元モデルの生成システム Download PDF

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Abstract

【課題】簡便に土木構造物の3次元モデルを生成することができるコンピュータプログラム、コンピュータ及び土木構造物の3次元モデルの生成システムを提供する。【解決手段】3次元モデル生成システム1において、システム構成は、土木構造物が形成される地形の3次元データを読み込む地形3次元データ読込手段と、地形に形成される土木構造物の種別を取得する土木構造物種別取得手段と、種別に応じた特徴領域、特徴線及び特徴値を3次元データから読み取る特徴領域等読取手段と、特徴領域、特徴線及び特徴値に基づいて、土木構造物の地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚及び最適高さを算出する最適位置等算出手段と、土木構造物の地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚及び最適高さに基づいて、土木構造物の3次元モデルを生成する3次元モデル生成手段と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、土木構造物の3次元モデルを生成するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータ及び土木構造物の3次元モデルの生成システムに関する。
従来、例えば砂防堰提等の土木構造物の立体図面を作成するに際し、まず正面図、側面図、平面図などの2次元データを作成し、これを基に3次元化することで、立体図面を作成している。
しかしながら、正面図等の2次元データを3次元化して立体図面を作成するには、土木工学を学んだ10年超の経験が必要であり、また正面図、側面図、平面図の一部に変更が生じると、立体図面を最初から作成し直すという作業が生じるため効率的ではないのが現状である。
特開2017-227565号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、土木工学を学んだ10年超の経験を必要とすることなく簡便に土木構造物の3次元モデルを生成することができるコンピュータプログラム、コンピュータ及び土木構造物の3次元モデルの生成システムの提供を目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る土木構造物の3次元モデルを生成するためのコンピュータプログラムは、
土木構造物が形成される地形を含む3次元データに基づいて、上記土木構造物の3次元モデルをコンピュータによって生成するためのコンピュータプログラムであって、
上記地形の3次元データを読み込む機能と、
上記地形に形成される土木構造物の種別を取得する機能と、
上記種別に応じた特徴領域、特徴線、特徴値を上記3次元データから読み取る機能と、
上記特徴領域、特徴線、特徴値に基づいて、上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さを算出する機能と、
上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さに基づいて、上記土木構造物の3次元モデルを生成する機能と、
をコンピュータに実現させることを特徴とする。
より具体的には、上記土木構造物の種別が砂防ダム(堰堤)であり、
上記特徴領域が、上記ダムが形成される渓流および谷地形に現れる流域、上記特徴線が谷底線及び尾根線(以下、「流域界線」ともいう。)、上記特徴値が上記谷底線の最高点と最低点及び上記最低点付近の山肌の傾斜角並びに山肌間の面積であり、
上記山肌の傾斜と上記山肌間の面積から上記ダムの最適位置を、上記谷底線の上記最適位置付近の方向から上記ダムの最適方向を、上記流域内の容量から上記ダムの最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さを算出し、上記ダムの3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させることを特徴とする。
さらに、上記地形の降水量・降雨強度及び地盤強度を読み込む機能を備え、
上記降水量・降雨強度及び上記地盤強度に基づいて、上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さを補正することをコンピュータに実現させるとよい。
別の態様では、上記土木構造物の種別が道路であり、
上記道路が、高速道路であるか、一般道路であるか、都市部に形成されるか、地方部に形成されるかという情報を取得する機能を備え、
上記情報に基づいて、上記道路の縦断(鉛直方向)勾配、平面(上面)視曲率半径の最適範囲を算出し、
上記道路の上記鉛直方向勾配及び上記平面(上面)視曲率半径が上記最適範囲内となるよう、上記道路の上記地形に対する最適位置、最適方向を算出し、上記道路の3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる。
上記態様において、切土量(上記道路が形成されることにより排出される土砂の量)と、盛土量(上記道路を形成するために使用される土砂の量)と、が略一致するように、上記道路の上記地形に対する最適位置、最適方向を補正することをコンピュータに実現させるとよい。
さらに別の態様では、上記土木構造物の種別がトンネルであり、
上記トンネルが形成される場所の地質、地盤強度、上記トンネルに掛かる荷重、上記トンネルの始点と終点の位置、上記トンネル内に形成される道路の幅長、上記道路からの高さ、道路管理及び避難に必要なスペースに関する情報を取得する機能を備え、
上記情報に基づいて、上記トンネルの上記地形に対する最適位置、最適方向、最適大きさを算出し、上記トンネルの3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる。
さらにまた別の態様では、上記土木構造物の種別が河川堤防であり、
上記河川堤防が形成される場所の地質、上記河川堤防付近の水の速度、上記河川堤防に対する水圧、上記河川堤防の始点と終点の位置に関する情報を取得する機能を備え、
上記情報に基づいて、上記河川堤防の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適構造、最適形状、最適厚さ、最適高さを算出し、上記河川堤防の3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる。
上記態様において、さらに、上記河川堤防を通過する水量、上記河川堤防の付近の土地利用や環境に関する情報を取得する機能を備え、
上記情報に基づいて、上記河川堤防を貫く水路等の構造物の最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適大きさを算出し、上記水路の3次元モデルを上記河川堤防の3次元モデルに重ねて生成することをコンピュータに実現させるとよい。
さらにまた別の態様では、上記土木構造物の種別が河川又は海岸護岸構造物であり、
上記護岸構造物が形成される場所の地質、上記護岸構造物付近の水の速度、上記護岸構造物に対する最大水圧、波力、上記護岸構造物の始点と終点の位置に関する情報を取得する機能を備え、
上記情報に基づいて、上記護岸構造物の上記地形に対する最適範囲、最適大きさ、最適深さを算出し、上記護岸構造物の3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる。
さらにまた別の態様では、上記土木構造物の種別が橋梁であり、
上記橋梁が形成される場所の地質、上記橋梁が形成される場所の水の速度、上記橋梁に対する水圧および自動車等の外的要因による荷重、上記橋梁の始点と終点の位置に関する情報を取得する機能を備え、
上記情報に基づいて、上記橋梁の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適大きさ、最適形状、最適長さ、最適高さを算出し、上記橋梁の3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる。
さらにまた別の態様では、上記土木構造物の種別が上下水道であり、
上記上下水道が形成される場所の地質、地盤強度、上記上下水道に掛かる荷重、上記上下水道の始点と終点の位置、上記上下水道内を通過する上下水の流量に関する情報を取得する機能を備え、
上記情報に基づいて、上記上下水道の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さを算出し、上記上下水道の3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる。
上記全ての態様において、損壊した土木構造物を含む地形の3次元データを読み込む機能と、
損壊した箇所の始点と終点の位置、土木構造物の種別に関する情報を取得する機能と、
上記種別に応じた特徴領域、特徴線、特徴値を上記3次元データから読み取る機能と、
上記特徴領域、特徴線、特徴値に基づいて、上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さを算出する機能と、
上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さに基づいて、修復後の土木構造物の3次元モデルを上記損壊した土木構造物を含む地形の3次元データに重ねて生成することをコンピュータに実現させるとよい。
さらに、上記土木構造物の3次元モデルから6面図を作成する機能をコンピュータに実現させるとよい。
また、上記6面図をもとに、公的機関へ提出する書類を自動で作成する機能をさらにコンピュータに実現させるとよい。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る3次元モデル生成用コンピュータは、上述のコンピュータプログラムがインストールされている。
また、上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る3次元モデル生成システムは、上述の3次元モデル生成用コンピュータを備える。
本発明によれば、土木工学を学んだ10年超の経験を必要とすることなく簡便に土木構造物の3次元モデルを生成することができるコンピュータプログラム、コンピュータ及び土木構造物の3次元モデルの生成システムを提供することができる。
図1は、土木構造物の3次元モデルを生成する3次元モデル生成システムの構成を示すブロック図である。 図2は、図1の3次元モデル生成システムによる手順(3次元モデル生成方法)を示すフローチャートである。 図3は、第一実施形態に係るダムの3次元モデル生成方法に用いられる概略図である。 図4は、第一実施形態に係るダムの3次元モデル生成方法に用いられる概略図である。 図5は、第一実施形態に係るダムの3次元モデル生成方法に用いられる概略図である。 図6は、第一実施形態に係るダムの3次元モデル生成方法に用いられる概略図である。 図7は、第一実施形態に係るダムの3次元モデル生成方法に用いられる概略図である。 図8は、第一実施形態に係るダムの3次元モデル生成方法に用いられる概略図である。 図9は、第一実施形態に係るダムの概略図である。 図10は、第二実施形態に係る道路の3次元モデル生成方法に用いられる概略図である。
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。
<第一実施形態>
図1は、土木構造物の3次元モデルを生成する3次元モデル生成システムの構成を示すブロック図、図2は、図1の3次元モデル生成システムによる手順(3次元モデル生成方法)を示すフローチャートである。
(3次元モデル生成システム)
図1の3次元モデル生成システム1は、地形3次元データ読込手段2、土木構造物種別取得手段3、特徴領域等読取手段4、最適位置等算出手段5、3次元モデル生成手段6を備えている。この3次元モデル生成システム1は、具体的にはCPUなどからなる制御部、ROM、RAM、ハードディスク、モニター、キーボード、スキャナー、プリンターなどを備えるコンピューターにより構成されている。複数のコンピューターがインターネット回線を介して繋がることで、当該3次元モデル生成システム1が構成されていてもよい。この地形3次元データ読込手段2、土木構造物種別取得手段3、特徴領域等読取手段4、最適位置等算出手段5、3次元モデル生成手段6は、ROM、ハードディスク等の記録手段に記録されているコンピュータプログラムに基づいて制御部が各部を制御することで機能するよう構成されている。
第一実施形態では、土木構造物としてダムの3次元モデルを生成する場合について説明する。
地形3次元データ読込手段2は、土木構造物としてダムを形成する場所を含む地形の3次元データを読み込む。3次元データとしては、特に限定されるものではないが、点群データ、等高線データ、サーフェスデータ(面データ)、ポリゴンデータ、テクスチャー画像等が挙げられる。3次元データには、緯度経度情報に対応付けて記憶された記号、文字データなどの種々の地図データが含まれていてもよい。地形3次元データ読込方法としては、特に限定されず、例えば(a)ドローン等で撮影して得られた地形3次元データをインターネット等経由で受領し地形3次元データを3次元モデル生成システムに入力する方法、(b)特定場所に蓄積された地形3次元データをインターネット等経由して取得する方法などがある。
土木構造物種別取得手段3は、その地形上に形成されるべき土木構造物の種別を取得する。土木構造物種別取得手段3の具体的な土木構造物の種別の取得方法としては、特に限定されず、例えば(a)キーボードによりモニター上の土木構造物の種別の入力欄に例えば「ダム」と入力する方法、(b)モニターに表示されたプルダウンメニューの中から例えば「ダム」を選択する方法などがある。第一実施形態では、上記いずれかの方法で土木構造物として「ダム」を選択する。
特徴領域等読取手段4は、土木構造物種別取得手段3により取得された土木構造物の種別に応じて特徴領域、特徴線、特徴値(以下、特徴領域等と称することがある。)を上述の3次元データから読み取る。例えば、土木構造物が「ダム」である場合、特徴領域は、ダムの上流側に形成される流域であり、特徴線は、谷底線及び尾根線(「流域界線」ともいう。)であり、特徴点は、当該地形の最高点と最低点、及び上記最低点付近の山肌の傾斜角並びに山肌間の面積(又は距離)である。具体的な特徴領域等の読み取り方法については、以下、3次元モデルの生成方法の特徴領域等読取ステップS3において詳述する。
最適位置等算出手段5は、特徴領域等読取手段4により読み取られた特徴領域、特徴線、特徴値から上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さ(以下、最適位置等と称することがある。)を算出する。具体的な最適位置等の算出方法については、以下、3次元モデルの生成方法の最適位置等算出ステップS4において詳述する。
3次元モデル生成手段6は、最適位置等算出手段5により算出された最適位置等に基づいて、土木構造物の3次元モデルを生成する。具体的な土木構造物の3次元モデルの生成方法については、以下、3次元モデルの生成方法の3次元モデル生成ステップS5において詳述する。
(3次元モデルの生成方法)
当該3次元モデル生成システムによる3次元モデル生成方法を図2に従って説明する。当該3次元モデル生成方法は、地形3次元データ読込ステップS1、土木構造物種別取得ステップS2、特徴領域等読取ステップS3、最適位置等算出ステップS4、3次元モデル生成ステップS5を有している。
まず、土木構造物としてダムを形成する場所を含む地形の3次元データを3次元モデル生成システムに読み込ませる(地形3次元データ読込ステップS1)。3次元データとしては、上述したように、特に限定されるものではないが、点群データ、等高線データ、サーフェスデータ(面データ)、ポリゴンデータ、テクスチャー画像等が挙げられる。また、3次元データには、緯度経度情報に対応付けて記憶された記号、文字データなどの種々の地図データが含まれていてもよい。また、上述したように、地形3次元データの読み込み方法としては、特に限定されず、例えば(a)ドローン等で撮影して得られた地形3次元データをインターネット等経由で受領し地形3次元データを3次元モデル生成システムに入力する方法、(b)特定場所に蓄積された地形3次元データをインターネット等経由して3次元モデル生成システムに取得させる方法などがある。
上述の地形3次元データ読込ステップS1と前後して、その地形上に形成されるべき土木構造物の種別を3次元モデル生成システムに取得させる(土木構造物種別取得ステップS2)。土木構造物の種別の取得方法としては、上述したように、特に限定されるものではないが、例えば(a)キーボードによりモニター上の土木構造物の種別の入力欄に例えば「ダム」と入力する方法、(b)モニターに表示されたプルダウンメニューの中から例えば「ダム」を選択する方法などがある。第一実施形態では、上記いずれかの方法で土木構造物として「ダム」を選択する。
土木構造物種別取得ステップS2で取得された土木構造物の種別に応じた特徴領域等を、地形3次元データ読込ステップS1で読み込まれた地形3次元データから読み取る(特徴領域等読取ステップS3)。例えば、土木構造物が「ダム」である場合、図3に示すように、特徴領域は、ダム10の上流側に形成される流域Rであり、特徴線は、谷底線T及び尾根線Oであり、特徴点は、当該地形の最高点Hと最低点L、及び上記最低点L付近の山肌Mの傾斜角並びに山肌M間の面積S(又は距離)である。ここで、流域Rとは、図3に示すように、川などを流れる水のもととなった雨の降下範囲、すなわち山の尾根線(分水嶺・流域界線)Oにより囲まれる領域を意味し、流域界とは、流域Rと流域Rとの境界を意味する。
まず、図4に示すサーフェスデータから、特徴点である当該地形の最高点Hと最低点Lとを読み取る。最高点又は最低点が2以上ある場合は、次に算出する谷底線がより直線に近くなる方を採用する。また、最低点L付近の山肌Mの傾斜角及び山肌M間の面積S(又は距離)を図3の等高線図から読み取ってもよい。最低点L付近の山肌Mの傾斜角及び山肌M間の面積S(又は距離)を読み取ることで、ダム10の設置位置として適しているか否か判断してもよい。
続いて、特徴線として谷底線T及び尾根線Oを読み取る。図5に示すように、特徴点として読み取った当該地形の最高点Hと最低点Lとを一点鎖線(線A)で結び、この線Aに対して垂直な断面図DTM3〜22を所定ピッチで生成する。各断面図の中で最も低い点及び頂点を選び出し、各断面図DTM3〜22の最も低い点を結んだ線を谷底線Tとし、各断面図DTM3〜22の頂点を結んだ線を尾根線Oとする。図6において実線で示したものが谷底線Tである。一の断面の中に最も低い点が2以上ある場合は、谷底線がより直線に近くなる方を採用する。ここで特徴線として読み取った谷底線Tの方向は、ダム10の最適方向を決定する際用い、尾根線Oは流域Rを読み取る際に用いる。
続いて、特徴領域としてダム10の上流側に形成される流域Rを読み取る。流域Rは上述のように尾根線(分水嶺)Oにより囲まれる領域であるため、尾根線Oを確定することで流域Rが明らかになり、これにより流域Rの面積を算出することができる。この流域Rの面積は、ダム10の最適容積、最適厚さ、最適形状を決定する際用いる。
また、別の態様では、谷底線を以下のようにして読み取ってもよい。谷候補の中で一番高い点を選び出し、この点の隣接点の中で最も低く傾斜が最も大きい点を谷の次の候補点とする。これを反復的に繰り返して順次候補点を選び出し、これらの点を繋ぐことで谷底線とする。
同様に、尾根線を以下のようにして読み取ってもよい。尾根候補の中で一番低い点を選び出し、この点の隣接点の中で最も高く傾斜が最も大きい点を尾根の次の候補点とする。これを反復的に繰り返して順次候補点を選び出し、これらの点を繋ぐことで尾根線とする。
以上のようにして、特徴領域等読取ステップS3では、土木構造物の種別に応じた特徴領域等を地形3次元データから読み取る。
続いて特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する(最適位置等算出ステップS4)。
まず、ダム10の最適位置と最適方向を算出する。図8に示すように、保全家屋Kより上流側においてダム10の候補位置Q1~Q5を選定する。候補位置Q1~Q5は、谷底線Tに沿って所定間隔で設定する。候補位置の数は特に限定されるものではないが、3~5が好適に用いられる。以下では、候補位置として5ヶ所選定する場合について説明する。勿論、上述のように、山肌Mの傾斜角、山肌M間の面積S(距離)等を算出することで最も好適な一の候補位置を選定してもよい。
候補位置Q~Qそれぞれについて、ダム10の最適方向を導き出す。以下では図7を用いてダム10の最適方向の決定方法の一例を示す。しかしながら、ダム10の最適方向の決定方法は以下に限定されるものではなく、如何なる方法によりダム10の最適方向を決定してもよい。例えば、図7に示すように、谷底線Tの最下流の点P(基準点)から右に2マス、下に2マス進めば、この線分は谷底線Tと交差する。この交差する点をPとする。同様に、点Pから右に4マス、下に2マス進めば、この線分は谷底線Tと交差し、この交差する点をPとする。同様にして、点P、P、Pの位置を決定する。そして、これらの点をそれぞれ結ぶことで、線分P、P、P、P、Pを描写する。この線分を基に各候補位置Q~Qにおけるダム10の最適方向を導き出す。例えば、候補位置Qは、線分Pに近いため、ダム10を候補位置Qに設ける場合はダム10の最適方向としては線分Pに垂直な方向を採用する。また、ダム10を候補位置Qに設ける場合は、ダム10の最適方向としては線分Pに垂直な方向、候補位置Qに設ける場合は、線分Pに垂直な方向、候補位置Qに設ける場合は、線分Pに垂直な方向、そして、候補位置Qに設ける場合は、線分Pに垂直な方向を採用する。このようにして、各候補位置Q~Qにおけるダム10の最適方向を決定する。
ダム10の位置と方向が決まれば、ダム10の保有する容量(貯砂量、捕捉量、堆積量、抑制量)が定まり、後述の手順に従い、このダム10に使用されるコンクリートの量が定まり、周辺に対する環境影響度、施設形式、土工、コスト等が算出できる。候補位置Q~Qを周辺に対する環境影響度、土工、施工性の観点から順位付けし、ダムの設計担当者が候補位置Q~Qの中から最適なものを選択してもよい。また、コストの観点から順位付けし選択してもよい。候補位置の選択方法としては、特に限定されず、例えば(a)キーボードによりモニター上の候補位置の欄に例えば「Q」と入力する方法、(b)モニターに表示されたプルダウンメニューの中から例えば「Q」を選択する方法などがある。
ダム10の最適容積、最適高さ、最適規模は、ダム10が建設される流域Rが保有する面積及び計画流出量、洪水流量、高水流量から算定する。
ダム10の最適形状として、まず取得した地形データよりダム10の大まかな形状を自動生成する。ダム10が備えるべき耐久性、強度等を考慮して選択可能な大まかな形状がプルダウンメニューに表示され、その中から担当者が選択してもよい。ダム10を正面から見た正面形状、上方から見た平面形状、本体形状についてそれぞれ大まかな形状を選択していく。例えば、平面形状としては、直線型、袖折れ型がある。また、本体形状としては、完全開口型、完全閉塞型、部分開口型がある。ダム10が備えるべき耐久性、強度等を考慮していずれかを推奨するレコメンド機能を備えていてもよい。
続いてダム10の詳細形状を国土交通省等の所定の指針・マニュアル・ガイドライン等を基に決定する。図9は、詳細形状が決定されたダム10の概略図である。まず、水通しの標高(ダム天端高)を決定する。これは、整備率が100%以上となるよう選択することで決定する。続いて、水通し形状を決定する。水通しの形状は、流域面積、設計流量、水通し幅から設計水深を算出し、余裕高、水通し高の順に決定する。水通し断面は以下のように決定する。最寄りの雨量観測所により降雨強度を入手し、この降雨強度を基に設計流量を算出する。また、谷底幅や設計流量等より水通し幅を決定する。これにより、設計水深を算出することができ、設計流量と水深から余裕高を決定、それにより水通し高を決定する。続いて、袖部勾配、袖高、袖部根入れ、堤長、堤体底幅、段切り高・幅・勾配を適宜照査・修正し、ダム10の詳細な最適形状を決定する。
ダム10の設置位置において、谷底線Tと山肌Mとの間の距離が10メートル未満である場合は、水通しを山肌Mから10メートル離した位置に設けるとよい。
以上のようにして、最適位置等算出ステップS4では、特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する。
続いて、3次元モデル生成ステップS5では、最適位置等算出ステップS4において算出された最適位置等に基づいて、土木構造物の3次元モデルを生成する。土木構造物の3次元モデルを当該地形3次元データと併せてモニター上に回転可能に表示してもよい。
以上、本発明の第一実施形態に係る当該3次元モデル生成システム及び当該3次元モデル生成方法によれば、土木工学を学んだ10年超の経験を必要とすることなく簡便に砂防ダムの3次元モデルを生成することができる。なお、上記においては、ダムの具体例として砂防ダム(砂防堰堤)について説明したが、貯水のためのダムにも適用することができる。
<第二実施形態>
第一実施形態では、土木構造物がダムであるのに対して、第二実施形態では、これが道路である点で異なる。これに伴い、第一実施形態では、特徴領域は、ダムの上流側に形成される流域、特徴線は、谷底線及び尾根線、特徴点は、当該地形の最高点と最低点、及び上記最低点付近の山肌の傾斜角並びに山肌間の面積(又は距離)であるのに対して、第二実施形態では、特徴点が起点高さ及び終点高さであり、特徴線が起点の3次元ポジション(起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と起点の高さポジション(Z))と終点の3次元ポジション(終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と終点の高さポジション(Z))とを結ぶ線A、特徴領域が上記線Aを含む平面のうち鉛直方向ベクトルを含む平面Bにより当該地形Mが切断された断面D、及び、上記線Aを含む平面のうち平面Bに垂直な平面Cにより当該地形Mが切断された断面Dである。
(3次元モデルの生成方法)
第二実施形態に係る3次元モデル生成方法は、第一実施形態と同様、地形3次元データ読込ステップS1、土木構造物種別取得ステップS2、特徴領域等読取ステップS3、最適位置等算出ステップS4、3次元モデル生成ステップS5を有している。
まず、土木構造物として道路を形成する場所を含む地形の3次元データを3次元モデル生成システムに読み込ませる(地形3次元データ読込ステップS1)。
上述の地形3次元データ読込ステップS1と前後して、その地形上に形成されるべき土木構造物の種別を3次元モデル生成システムに取得させる(土木構造物種別取得ステップS2)。第二実施形態では、土木構造物として「道路」を選択する。土木構造物として「道路」を選択する場合は、さらに道路の種別を「高速道路」、「自動車専用道路」、「一般道路」の中から選択し、これらの道路が形成される地域を「都市部」、「地方部」の中から選択する。ここで、「都市部」とは、市街地を形成している地域又は市街地を形成する見込みの高い地域をいい、「地方部」とは、都市部以外の地域をいう。また、道路の起点と終点の位置、予想される交通量、「平地部」「山地部」の別、「一般国道」「都道府県道」「市町村道」の別、「自動車道」「軽車道」「単線軌道」の別を入力する。これらの情報は、例えば(a)キーボードによりモニター上の入力欄に入力する方法、(b)モニターに表示されたプルダウンメニューの中から選択する方法などにより3次元モデル生成システムに取得させる。土木構造物として「道路」を選択した場合のみ、道路に関連する情報を入力する入力欄、プルダウンメニューが現れるようにしてもよいし、これらの入力欄、プルダウンメニューを予め設けておいて土木構造物として「道路」を選択した場合のみ入力欄に入力可能又はプルダウンメニューから選択可能とし、「道路」を選択しない場合は入力不能又は選択不能としてもよい。
土木構造物種別取得ステップS2で取得された土木構造物の種別に応じた特徴領域等を、地形3次元データ読込ステップS1で読み込まれた地形3次元データから読み取る(特徴領域等読取ステップS3)。土木構造物が「道路」である場合、特徴点が起点高さ及び終点高さであり、特徴線が起点の3次元ポジション(起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と起点の高さポジション(Z))と終点の3次元ポジション(終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と終点の高さポジション(Z))とを結ぶ線A、特徴領域が上記線Aを含む平面のうち鉛直方向ベクトルを含む平面Bにより当該地形Mが切断された断面D、及び、上記線Aを含む平面のうち平面Bに垂直な平面Cにより当該地形Mが切断された断面Dである。
まず、特徴点である起点高さと終点高さとを読み取る。起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を地形の3次元データに入力することで起点の高さポジション(Z)を取得し、終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を上述の3次元データに入力することで終点の高さポジション(Z)を取得する。以降、起点の3次元ポジションを(X、Y、Z)、終点の3次元ポジションを(X、Y、Z)と表す。
続いて、図10に示すように、特徴線として起点の3次元ポジション(X、Y、Z)と終点の3次元ポジション(X、Y、Z))とを結ぶ直線Aを読み取る。
さらに、特徴領域として、直線Aを含む平面のうち鉛直方向ベクトルを含む平面Bにより当該地形Mが切断された断面D、及び、直線Aを含む平面のうち平面Bに垂直な平面Cにより当該地形Mが切断された断面Dを読み取る。
以上のようにして、特徴領域等読取ステップS3では、土木構造物「道路」に応じた特徴領域等を地形3次元データから読み取る。
特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する(最適位置等算出ステップS4)。
まず、道路の最適方向、最適位置を算出する。特徴領域等読取ステップS3で読み取られた断面Dの輪郭に沿って起点Sから終点Gまで移動した時の各点における縦断勾配を算出する。土木構造物種別取得ステップS2においてサブ項目として入力した「高速道路」、「自動車専用道路」、「一般道路」の別、「都市部」、「地方部」の別、予想される交通量、「平地部」「山地部」の別、「一般国道」「都道府県道」「市町村道」の別、「自動車道」「軽車道」「単線軌道」の別から許容される縦断勾配を公益社団法人日本道路協会発行「道路構造令」(令和2年3月13日発行)に基づき求め、上記算出した縦断勾配が「道路構造令」による縦断勾配の範囲内か確認する。上記算出された縦断勾配が所定の範囲内であれば、これを道路の経路Rとし、道路の最適方向、最適位置とする。
上記算出した縦断勾配が「道路構造令」による縦断勾配の範囲内にない場合は、特徴領域等読取ステップS3で読み取られた断面Dの輪郭に沿って起点Sから終点Gまで移動した時の各点における曲率半径を算出する。土木構造物種別取得ステップS2においてサブ項目として入力した「高速道路」、「自動車専用道路」、「一般道路」の別、「都市部」、「地方部」の別、予想される交通量、「平地部」「山地部」の別、「一般国道」「都道府県道」「市町村道」の別、「自動車道」「軽車道」「単線軌道」の別から許容される曲率半径を公益社団法人日本道路協会発行「道路構造令」(令和2年3月13日発行)に基づき求め、上記算出した曲率半径が「道路構造令」による曲率半径の範囲内か確認する。上記算出された曲率半径が所定の範囲内であれば、これを道路の経路Rとし、道路の最適方向、最適位置とする。
続いて、道路の最適形状を求める。土木構造物種別取得ステップS2においてサブ項目として入力した「高速道路」、「自動車専用道路」、「一般道路」の別、「都市部」、「地方部」の別、予想される交通量、「平地部」「山地部」の別、「一般国道」「都道府県道」「市町村道」の別、「自動車道」「軽車道」「単線軌道」の別から車道幅員、路肩幅員、保護路肩幅員等、諸パラメータを「道路構造令」を基に割り出し、道路の形状を決定する。
以上のようにして、最適位置等算出ステップS4では、特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する。
続いて、3次元モデル生成ステップS5では、最適位置等算出ステップS4において算出された最適位置等に基づいて、土木構造物の3次元モデルを生成する。
以上、本発明の第二実施形態に係る当該3次元モデル生成システム及び当該3次元モデル生成方法によれば、土木工学を学んだ10年超の経験を必要とすることなく簡便に「道路」の3次元モデルを生成することができる。
<第三実施形態>
第一実施形態では、土木構造物がダムであるのに対して、第三実施形態では、これがトンネルである点で異なる。これに伴い、第一実施形態では、特徴領域は、ダムの上流側に形成される流域、特徴線は、谷底線及び尾根線、特徴点は、当該地形の最高点と最低点、及び上記最低点付近の山肌の傾斜角並びに山肌間の面積(又は距離)であるのに対して、第三実施形態では、特徴点が起点高さ及び終点高さであり、特徴線が起点の3次元ポジション(起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と起点の高さポジション(Z))と終点の3次元ポジション(終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と終点の高さポジション(Z))とを結ぶ線である。
(3次元モデルの生成方法)
第三実施形態に係る3次元モデル生成方法は、第一実施形態と同様、地形3次元データ読込ステップS1、土木構造物種別取得ステップS2、特徴領域等読取ステップS3、最適位置等算出ステップS4、3次元モデル生成ステップS5を有している。
まず、土木構造物としてトンネルを形成する場所を含む地形の3次元データを3次元モデル生成システムに読み込ませる(地形3次元データ読込ステップS1)。
上述の地形3次元データ読込ステップS1と前後して、その地形上に形成されるべき土木構造物の種別を3次元モデル生成システムに取得させる(土木構造物種別取得ステップS2)。第三実施形態では、土木構造物として「トンネル」を選択する。土木構造物として「トンネル」を選択する場合は、さらにこのトンネル内を通過する道路の種別を「高速道路」、「自動車専用道路」、「一般道路」の中から選択する。また、トンネルの起点と終点の位置、トンネル内の道路の交通量、「一般国道」「都道府県道」「市町村道」の別、「自動車道」「軽車道」「単線軌道」の別、トンネルを形成する地形の固さ、地質、非常駐車場設置部の数を入力する。これらの情報は、上記同様、例えば(a)キーボードによりモニター上の入力欄に入力する方法、(b)モニターに表示されたプルダウンメニューの中から選択する方法などにより3次元モデル生成システムに取得させる。土木構造物として「トンネル」を選択した場合のみ、トンネルに関連する情報を入力する入力欄、プルダウンメニューが現れるようにしてもよいし、これらの入力欄、プルダウンメニューを予め設けておいて土木構造物として「トンネル」を選択した場合のみ入力欄に入力可能又はプルダウンメニューから選択可能とし、「トンネル」を選択しない場合は入力不能又は選択不能としてもよい。
土木構造物種別取得ステップS2で取得された土木構造物の種別に応じた特徴領域等を、地形3次元データ読込ステップS1で読み込まれた地形3次元データから読み取る(特徴領域等読取ステップS3)。土木構造物が「トンネル」である場合、特徴点が起点高さ及び終点高さであり、特徴線が起点の3次元ポジション(起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と起点の高さポジション(Z))と終点の3次元ポジション(終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と終点の高さポジション(Z))とを結ぶ線である。
まず、特徴点である起点高さと終点高さとを読み取る。起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を地形の3次元データに入力することで起点の高さポジション(Z)を取得し、終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を上述の3次元データに入力することで終点の高さポジション(Z)を取得する。
続いて、特徴線として起点の3次元ポジション(X、Y、Z)と終点の3次元ポジション(X、Y、Z))とを結ぶ直線Aを読み取る。
以上のようにして、特徴領域等読取ステップS3では、土木構造物「トンネル」に応じた特徴領域等を地形3次元データから読み取る。
特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する(最適位置等算出ステップS4)。
まず、トンネルの最適方向、最適位置を算出する。特徴領域等読取ステップS3で読み取られた直線Aの縦断勾配を算出する。土木構造物種別取得ステップS2においてサブ項目として入力した「高速道路」、「自動車専用道路」、「一般道路」の別、予想される交通量、「一般国道」「都道府県道」「市町村道」の別、「自動車道」「軽車道」「単線軌道」の別から許容される縦断勾配を公益社団法人日本道路協会発行「道路構造令」(令和2年3月13日発行)に基づき求め、算出された縦断勾配が「道路構造令」による縦断勾配の範囲内か確認し、上記算出された縦断勾配が所定の範囲内であれば、直線Aの方向及び直線Aが描写された位置をトンネルの最適方向、最適位置とする。
続いて、道路の最適形状を求める。土木構造物種別取得ステップS2においてサブ項目として入力した「高速道路」、「自動車専用道路」、「一般道路」の別、予想される交通量、「一般国道」「都道府県道」「市町村道」の別、「自動車道」「軽車道」「単線軌道」の別、トンネルを形成する地形の固さ、地質、非常駐車場設置部の数から、トンネルの断面の大きさ、トンネルの補強構造物の設置数及び設置位置、トンネル内を通過する道路の車道幅員、路肩幅員、保護路肩幅員等、諸パラメータを「道路構造令」を基に割り出し、トンネルの形状を決定する。
以上のようにして、最適位置等算出ステップS4では、特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する。
続いて、3次元モデル生成ステップS5では、最適位置等算出ステップS4において算出された最適位置等に基づいて、土木構造物の3次元モデルを生成する。
以上、本発明の第三実施形態に係る当該3次元モデル生成システム及び当該3次元モデル生成方法によれば、土木工学を学んだ10年超の経験を必要とすることなく簡便に「トンネル」の3次元モデルを生成することができる。
<第四実施形態>
第一実施形態では、土木構造物がダムであるのに対して、第四実施形態では、これが河川である点で異なる。これに伴い、第一実施形態では、特徴領域は、ダムの上流側に形成される流域、特徴線は、谷底線及び尾根線、特徴点は、当該地形の最高点と最低点、及び上記最低点付近の山肌の傾斜角並びに山肌間の面積(又は距離)であるのに対して、第四実施形態では、特徴点が起点高さ及び終点高さであり、特徴線が現在流れる河川の堤防線形であり、特徴領域が現在流れる河川が形成されている領域である。
(3次元モデルの生成方法)
第四実施形態に係る3次元モデル生成方法は、第一実施形態と同様、地形3次元データ読込ステップS1、土木構造物種別取得ステップS2、特徴領域等読取ステップS3、最適位置等算出ステップS4、3次元モデル生成ステップS5を有している。
まず、土木構造物として河川及び河川構造物を形成する場所を含む地形の3次元データを3次元モデル生成システムに読み込ませる(地形3次元データ読込ステップS1)。
上述の地形3次元データ読込ステップS1と前後して、その地形上に形成されるべき土木構造物の種別を3次元モデル生成システムに取得させる(土木構造物種別取得ステップS2)。第四実施形態では、土木構造物として「河川及び河川構造物」を選択する。土木構造物として「河川及び河川構造物」を選択する場合は、さらに河川の設計流量を入力する。
土木構造物種別取得ステップS2で取得された土木構造物の種別に応じた特徴領域等を、地形3次元データ読込ステップS1で読み込まれた地形3次元データから読み取る(特徴領域等読取ステップS3)。土木構造物が「河川及び河川構造物」である場合、特徴点が起点高さ及び終点高さであり、特徴線が現在流れる河川の堤防線形であり、特徴領域が現在流れる河川が形成されている領域である。
まず、特徴点である起点高さと終点高さとを読み取る。起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を地形の3次元データに入力することで起点の高さポジション(Z)を取得し、終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を上述の3次元データに入力することで終点の高さポジション(Z)を取得する。
続いて、特徴線として現在流れる河川の堤防線形を読み取る。
さらに、特徴領域として、現在流れる河川が形成されている領域を読み取る。
以上のようにして、特徴領域等読取ステップS3では、「河川及び河川構造物」に応じた特徴領域等を地形3次元データから読み取る。
特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する(最適位置等算出ステップS4)。
まず、河川の最適方向、最適位置を算出する。特徴領域等読取ステップS3で読み取られた起点高さと終点高さから現況河川縦断勾配を算出する。土木構造物種別取得ステップS2においてサブ項目として入力した河川の設計流量、及び、現況河川縦断勾配から算出される河川の流速、河幅等から許容される曲率半径を公益社団法人日本河川協会発行「改定 解説・河川管理施設等構造令」(平成12年1月20日発行)に基づき求め、上記算出した曲率半径が「改定 解説・河川管理施設等構造令」による曲率半径の範囲内か確認する。上記算出された曲率半径が所定の範囲内であれば、これを河川の経路とし、河川の最適方向、最適位置とする。
上記算出した曲率半径が「改定 解説・河川管理施設等構造令」による曲率半径の範囲内にない場合は、曲率半径が所定の範囲内となるように河川の方向、位置を変更する。
続いて、河川堤防の最適形状を求める。土木構造物種別取得ステップS2においてサブ項目として入力した河川の設計流量、及び、河川縦断勾配・河川素材の粗度(水との接する面の粗さざらざら感)、算出される河川の流速から堤防の高さ、堤防の傾斜、天端の幅長、堤防敷の幅長、護岸本体の形状、根固ブロックの種類等を「改定 解説・河川管理施設等構造令」を基に割り出し、河川堤防の形状を決定する。
以上のようにして、最適位置等算出ステップS4では、特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する。
続いて、3次元モデル生成ステップS5では、最適位置等算出ステップS4において算出された最適位置等に基づいて、土木構造物の3次元モデルを生成する。
以上、本発明の第四実施形態に係る当該3次元モデル生成システム及び当該3次元モデル生成方法によれば、土木工学を学んだ10年超の経験を必要とすることなく簡便に「河川及び河川構造物」の3次元モデルを生成することができる。
<第五実施形態>
第一実施形態では、土木構造物がダムであるのに対して、第五実施形態では、これが海岸構造物である点で異なる。これに伴い、第一実施形態では、特徴領域は、ダムの上流側に形成される流域、特徴線は、谷底線及び尾根線、特徴点は、当該地形の最高点と最低点、及び上記最低点付近の山肌の傾斜角並びに山肌間の面積(又は距離)であるのに対して、第五実施形態では、特徴点が起点高さ及び終点高さであり、特徴線が汀線(水位と地形とがぶつかる地点を結んだ線)である。
(3次元モデルの生成方法)
第四実施形態に係る3次元モデル生成方法は、第一実施形態と同様、地形3次元データ読込ステップS1、土木構造物種別取得ステップS2、特徴領域等読取ステップS3、最適位置等算出ステップS4、3次元モデル生成ステップS5を有している。
まず、土木構造物として海岸護岸構造物を形成する場所を含む地形の3次元データを3次元モデル生成システムに読み込ませる(地形3次元データ読込ステップS1)。
上述の地形3次元データ読込ステップS1と前後して、その地形上に形成されるべき土木構造物の種別を3次元モデル生成システムに取得させる(土木構造物種別取得ステップS2)。第五実施形態では、土木構造物として「海岸護岸構造物」を選択する。土木構造物として「海岸護岸構造物」を選択する場合は、さらに海岸付近の海水の流速、波力、波の入射角等を入力する。
土木構造物種別取得ステップS2で取得された土木構造物の種別に応じた特徴領域等を、地形3次元データ読込ステップS1で読み込まれた地形3次元データから読み取る(特徴領域等読取ステップS3)。土木構造物が「海岸護岸構造物」である場合、特徴点が起点高さ及び終点高さであり、特徴線が汀線(水位と地形とがぶつかる地点を結んだ線)である。
まず、特徴点である起点高さと終点高さとを読み取る。起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を地形の3次元データに入力することで起点の高さポジション(Z)を取得し、終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を上述の3次元データに入力することで終点の高さポジション(Z)を取得する。
続いて、特徴線として汀線(水位と地形とがぶつかる地点を結んだ線)を読み取る。
以上のようにして、特徴領域等読取ステップS3では、「海岸護岸構造物」に応じた特徴領域等を地形3次元データから読み取る。
特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する(最適位置等算出ステップS4)。
まず、海岸護岸構造物の最適形状を求める。土木構造物種別取得ステップS2においてサブ項目として入力した海岸付近の海水の流速、波力、波の入射角等から海岸護岸構造物の高さ、傾斜、護岸形式、根固ブロックの種類等を「海岸保全施設の技術上の基準・同解説(平成16年6月)」及び「国土交通省河川砂防技術基準 (案))」から割り出し、海岸護岸構造物の形状を決定する。
以上のようにして、最適位置等算出ステップS4では、特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する。
続いて、3次元モデル生成ステップS5では、最適位置等算出ステップS4において算出された最適位置等に基づいて、海岸護岸構造物の3次元モデルを生成する。
以上、本発明の第五実施形態に係る当該3次元モデル生成システム及び当該3次元モデル生成方法によれば、土木工学を学んだ10年超の経験を必要とすることなく簡便に「海岸護岸構造物」の3次元モデルを生成することができる。
<第六実施形態>
第一実施形態では、土木構造物がダムであるのに対して、第六実施形態では、これが橋梁である点で異なる。これに伴い、第一実施形態では、特徴領域は、ダムの上流側に形成される流域、特徴線は、谷底線及び尾根線、特徴点は、当該地形の最高点と最低点、及び上記最低点付近の山肌の傾斜角並びに山肌間の面積(又は距離)であるのに対して、第六実施形態では、特徴点が起点高さ及び終点高さ並びに堤防高さであり、特徴線が起点の3次元ポジション(起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と起点の高さポジション(Z))と終点の3次元ポジション(終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と終点の高さポジション(Z))とを結ぶ線である。
(3次元モデルの生成方法)
第六実施形態に係る3次元モデル生成方法は、第一実施形態と同様、地形3次元データ読込ステップS1、土木構造物種別取得ステップS2、特徴領域等読取ステップS3、最適位置等算出ステップS4、3次元モデル生成ステップS5を有している。
まず、土木構造物として橋梁を形成する場所を含む地形の3次元データを3次元モデル生成システムに読み込ませる(地形3次元データ読込ステップS1)。
上述の地形3次元データ読込ステップS1と前後して、その地形上に形成されるべき土木構造物の種別を3次元モデル生成システムに取得させる(土木構造物種別取得ステップS2)。第六実施形態では、土木構造物として「橋梁」を選択する。土木構造物として「橋梁」を選択する場合は、さらにこの橋梁を通過する道路の種別を「高速道路」、「自動車専用道路」、「一般道路」の中から選択する。また、橋梁の起点と終点の位置、橋梁の道路の交通量、「一般国道」「都道府県道」「市町村道」の別、「自動車道」「軽車道」「単線軌道」の別、橋脚を形成する地形、地質を入力する。これらの情報は、上記同様、例えば(a)キーボードによりモニター上の入力欄に入力する方法、(b)モニターに表示されたプルダウンメニューの中から選択する方法などにより3次元モデル生成システムに取得させる。土木構造物として「橋梁」を選択した場合のみ、橋梁に関連する情報を入力する入力欄、プルダウンメニューが現れるようにしてもよいし、これらの入力欄、プルダウンメニューを予め設けておいて土木構造物として「橋梁」を選択した場合のみ入力欄に入力可能又はプルダウンメニューから選択可能とし、「橋梁」を選択しない場合は入力不能又は選択不能としてもよい。
土木構造物種別取得ステップS2で取得された土木構造物の種別に応じた特徴領域等を、地形3次元データ読込ステップS1で読み込まれた地形3次元データから読み取る(特徴領域等読取ステップS3)。土木構造物が「橋梁」である場合、特徴点が起点高さ及び終点高さ並びに堤防高さであり、特徴線が起点の3次元ポジション(起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と起点の高さポジション(Z))と終点の3次元ポジション(終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)と終点の高さポジション(Z))とを結ぶ線である。
まず、特徴点である起点高さと終点高さとを読み取る。起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を地形の3次元データに入力することで起点の高さポジション(Z)を取得し、終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を上述の3次元データに入力することで終点の高さポジション(Z)を取得する。
続いて、特徴線として起点の3次元ポジション(X、Y、Z)と終点の3次元ポジション(X、Y、Z))とを結ぶ直線を読み取る。
以上のようにして、特徴領域等読取ステップS3では、土木構造物「橋梁」に応じた特徴領域等を地形3次元データから読み取る。
続いて特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する(最適位置等算出ステップS4)。
まず、橋梁の最適高さを求める。橋梁の最適高さは、堤防の高さから算出する。
続いて、橋梁の最適形状を求める。土木構造物種別取得ステップS2においてサブ項目として入力した「高速道路」、「自動車専用道路」、「一般道路」の別、予想される交通量、「一般国道」「都道府県道」「市町村道」の別、「自動車道」「軽車道」「単線軌道」の別、橋梁を形成する地形、地質、橋脚が設けられた河川の水深や流速から、橋梁の長さ、橋梁の大きさ、橋脚の大きさ、橋脚を通過する道路の車道幅員、路肩幅員、保護路肩幅員等、諸パラメータを「道路橋示方書・同解説 I~V(平成29年11月)」を基に割り出し、橋梁の形状を決定する。
以上のようにして、最適位置等算出ステップS4では、特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する。
続いて、3次元モデル生成ステップS5では、最適位置等算出ステップS4において算出された最適位置等に基づいて、橋梁の3次元モデルを生成する。
以上、本発明の第六実施形態に係る当該3次元モデル生成システム及び当該3次元モデル生成方法によれば、土木工学を学んだ10年超の経験を必要とすることなく簡便に「橋梁」の3次元モデルを生成することができる。
<第七実施形態>
第一実施形態では、土木構造物がダムであるのに対して、第七実施形態では、これが上下水道である点で異なる。これに伴い、第一実施形態では、特徴領域は、ダムの上流側に形成される流域、特徴線は、谷底線及び尾根線、特徴点は、当該地形の最高点と最低点、及び上記最低点付近の山肌の傾斜角並びに山肌間の面積(又は距離)であるのに対して、第七実施形態では、特徴点が起点高さ及び終点高さであり、特徴線が道路線形である。
(3次元モデルの生成方法)
第七実施形態に係る3次元モデル生成方法は、第一実施形態と同様、地形3次元データ読込ステップS1、土木構造物種別取得ステップS2、特徴領域等読取ステップS3、最適位置等算出ステップS4、3次元モデル生成ステップS5を有している。
まず、土木構造物として上下水道を形成する場所を含む地形の3次元データを3次元モデル生成システムに読み込ませる(地形3次元データ読込ステップS1)。
上述の地形3次元データ読込ステップS1と前後して、その地形上に形成されるべき土木構造物の種別を3次元モデル生成システムに取得させる(土木構造物種別取得ステップS2)。第七実施形態では、土木構造物として「上下水道」を選択する。
土木構造物種別取得ステップS2で取得された土木構造物の種別に応じた特徴領域等を、地形3次元データ読込ステップS1で読み込まれた地形3次元データから読み取る(特徴領域等読取ステップS3)。土木構造物が「上下水道」である場合、特徴点が起点高さ及び終点高さであり、特徴線が主に道路線形である。
まず、特徴点である起点高さと終点高さとを読み取る。起点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を地形の3次元データに入力することで起点の高さポジション(Z)を取得し、終点の平面(上面)視位置ポジション(X、Y)を上述の3次元データに入力することで終点の高さポジション(Z)を取得する。
続いて、特徴線として主に道路線形を読み取る。
以上のようにして、特徴領域等読取ステップS3では、土木構造物「上下水道」に応じた特徴領域等を地形3次元データから読み取る。
特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する(最適位置等算出ステップS4)。
まず、上下水道の最適方向、最適位置、最適経路を算出する。特徴領域等読取ステップS3で読み取られた道路線形を元に、起点から終点までできるだけ道路下地中内を最短で通過するように経路を選択する。
続いて、上下水道の最適形状を求める。土木構造物種別取得ステップS2においてサブ項目として入力した上下水道を通過する上下水の流量から、上下水道の断面の大きさ等、諸パラメータを「水道施設設計指針」「下水道施設計画・ 設計指針」を基に割り出し、上下水道の形状を決定する。
以上のようにして、最適位置等算出ステップS4では、特徴領域等読取ステップS3で読み取られた特徴領域等から最適位置等を算出する。
続いて、3次元モデル生成ステップS5では、最適位置等算出ステップS4において算出された最適位置等に基づいて、土木構造物の3次元モデルを生成する。
以上、本発明の第七実施形態に係る当該3次元モデル生成システム及び当該3次元モデル生成方法によれば、土木工学を学んだ10年超の経験を必要とすることなく簡便に「上下水道」の3次元モデルを生成することができる。
<第八実施形態>
第八実施形態では、損壊した土木構造物を含む地形の3次元データを読み込み、修復された土木構造物の3次元モデルを生成する。まず、損壊した土木構造物を含む地形の3次元データを読み込み、損壊した箇所の始点と終点の位置、土木構造物の種別に関する情報を取得し、上記種別に応じた特徴領域、特徴線、特徴値を上記3次元データから読み取り、上記特徴領域、特徴線、特徴値に基づいて、上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さを算出し、上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さに基づいて、修復後の土木構造物の3次元モデルを上記損壊した土木構造物を含む地形の3次元データに重ねて生成する。損壊箇所は、損壊前の当該地形の3次元データと損壊後のものとを比較することで明らかにすることができる。
第八実施形態では、修復された土木構造物の3次元モデルを生成することができる。
<その他の実施形態>
上述のようにして得られた土木構造物の3次元モデルから、6面図(平面図、底面図、正面図、背面図、左側面図、右側面図)が自動に作成されるようにしてもよい。また、公的機関へ提出する書類を自動で作成するようにしてもよい。これにより、設計者にとっての利便性を向上させることができる。さらに、自動生成された構造物から必要資材の積算を自動計算してもよい。また、自動生成された土工図をもとに土工についても自動積算してもよい。その他、足場や作業現場の動線、飯場や事務所の建設場所についても、取得した地形情報や生成した3次元モデルをもとに自動で算出してもよい。
以上のように、本発明の一態様に係る3次元モデル生成システムは、特に土木構造物を設計する設計事務所の設計設備として有用である。
1 3次元モデル生成システム
2 地形3次元データ読込手段
3 土木構造物種別取得手段
4 特徴領域等読取手段
5 最適位置等算出手段
6 3次元モデル生成手段
S1 地形3次元データ読込ステップ
S2 土木構造物種別取得ステップ
S3 特徴領域等読取ステップ
S4 最適位置等算出ステップ
S5 3次元モデル生成ステップ

Claims (16)

  1. 土木構造物が形成される地形を含む3次元データに基づいて、上記土木構造物の3次元モデルをコンピュータによって生成するためのコンピュータプログラムであって、
    上記地形の3次元データを読み込む機能と、
    上記地形に形成される土木構造物の種別を取得する機能と、
    上記種別に応じた特徴領域、特徴線、特徴値を上記3次元データから読み取る機能と、
    上記特徴領域、特徴線、特徴値に基づいて、上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さを算出する機能と、
    上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さに基づいて、上記土木構造物の3次元モデルを生成する機能と、
    をコンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
  2. 上記土木構造物の種別がダムであり、
    上記特徴領域が、上記ダムが形成される渓流および谷地形に現れる流域、上記特徴線が谷底線及び尾根線、上記特徴値が上記谷底線及び上記尾根線の最高点と最低点及び上記最低点付近の山肌の傾斜角並びに山肌間の面積であり、
    上記山肌の傾斜と上記山肌間の面積から上記ダムの最適位置を、上記谷底線の上記最適位置付近の方向から上記ダムの最適方向を、上記流域内の容量から上記ダムの最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さを算出し、上記ダムの3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  3. さらに、上記地形の降水量・降雨強度及び地盤強度を読み込む機能を備え、
    上記降水量・降雨強度及び上記地盤強度に基づいて、上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さを補正することをコンピュータに実現させる請求項1又は請求項2に記載のコンピュータプログラム。
  4. 上記土木構造物の種別が道路であり、
    上記道路が、高速道路であるか、一般道路であるか、都市部に形成されるか、地方部に形成されるかという情報を取得する機能を備え、
    上記情報に基づいて、上記道路の縦断(鉛直方向)勾配、平面(上面)視曲率半径の最適範囲を算出し、
    上記道路の上記縦断(鉛直方向)勾配及び上記平面(上面)視曲率半径が上記最適範囲内となるよう、上記道路の上記地形に対する最適位置、最適方向を算出し、上記道路の3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  5. 切土量(上記道路が形成されることにより排出される土砂の量)と、盛土量(上記道路を形成するために使用される土砂の量)と、が略一致するように、上記道路の上記地形に対する最適位置、最適方向を補正することをコンピュータに実現させる請求項4に記載のコンピュータプログラム。
  6. 上記土木構造物の種別がトンネルであり、
    上記トンネルが形成される場所の地質、地盤強度、上記トンネルに掛かる荷重、上記トンネルの始点と終点の位置、上記トンネル内に形成される道路の幅長、上記道路からの高さ、道路管理及び避難に必要なスペースに関する情報を取得する機能を備え、
    上記情報に基づいて、上記トンネルの上記地形に対する最適位置、最適方向、最適大きさを算出し、上記トンネルの3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  7. 上記土木構造物の種別が河川堤防であり、
    上記河川堤防が形成される場所の地質、上記河川堤防付近の水の速度、上記河川堤防に対する水圧、上記河川堤防の始点と終点の位置に関する情報を取得する機能を備え、
    上記情報に基づいて、上記河川堤防の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適構造、最適形状、最適厚さ、最適高さを算出し、上記河川堤防の3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  8. さらに、上記河川堤防を通過する水量、上記河川堤防の付近の土地利用や環境に関する情報を取得する機能を備え、
    上記情報に基づいて、上記河川堤防を貫く水路等の構造物の最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適大きさを算出し、上記水路の3次元モデルを上記河川堤防の3次元モデルに重ねて生成することをコンピュータに実現させる請求項7に記載のコンピュータプログラム。
  9. 上記土木構造物の種別が河川又は海岸護岸構造物であり、
    上記護岸構造物が形成される場所の地質、上記護岸構造物付近の水の速度、上記護岸構造物に対する最大水圧、波力、上記護岸構造物の始点と終点の位置に関する情報を取得する機能を備え、
    上記情報に基づいて、上記護岸構造物の上記地形に対する最適範囲、最適大きさ、最適深さを算出し、上記護岸構造物の3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  10. 上記土木構造物の種別が橋梁であり、
    上記橋梁が形成される場所の地質、上記橋梁が形成される場所の水の速度、上記橋梁に対する水圧、及び自動車等の外的要因による荷重、上記橋梁の始点と終点の位置に関する情報を取得する機能を備え、
    上記情報に基づいて、上記橋梁の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適大きさ、最適形状、最適長さ、最適高さを算出し、上記橋梁の3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  11. 上記土木構造物の種別が上下水道であり、
    上記上下水道が形成される場所の地質、地盤強度、上記上下水道に掛かる荷重、上記上下水道の始点と終点の位置、上記上下水道内を通過する上下水の流量に関する情報を取得する機能を備え、
    上記情報に基づいて、上記上下水道の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さを算出し、上記上下水道の3次元モデルを生成することをコンピュータに実現させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
  12. 損壊した土木構造物を含む地形の3次元データを読み込む機能と、
    損壊した箇所の始点と終点の位置、土木構造物の種別に関する情報を取得する機能と、
    上記種別に応じた特徴領域、特徴線、特徴値を上記3次元データから読み取る機能と、
    上記特徴領域、特徴線、特徴値に基づいて、上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さを算出する機能と、
    上記土木構造物の上記地形に対する最適位置、最適方向、最適容積、最適形状、最適厚さ、最適高さに基づいて、修復後の土木構造物の3次元モデルを上記損壊した土木構造物を含む地形の3次元データに重ねて生成することをコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
  13. さらに、上記土木構造物の3次元モデルから6面図を作成する機能をことをコンピュータに実現させる請求項1~~請求項12のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
  14. 上記6面図をもとに、公的機関へ提出する書類を自動で作成する機能をさらにコンピュータに実現させる請求項13に記載のコンピュータプログラム。
  15. 請求項1~請求項14のいずれか1項に記載されたコンピュータプログラムがインストールされた3次元モデル生成用コンピュータ。
  16. 請求項15に記載のコンピュータを備える3次元モデル生成システム。
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