JP7026869B2 - 減結合回路 - Google Patents
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Description
また、高速化、高品質化や複数の無線通信システム搭載のために、無線通信装置を複数の周波数帯で動作させるニーズが高まっている。ダイバーシチやMIMOが効果を発揮するためには、複数のアンテナ間の結合をできる限り小さくし、アンテナ相関を低くする必要がある。
図1は、本実施の形態に係る減結合回路を示す回路図である。
図1において、減結合回路は、入出力端子1(第1の端子)、入出力端子2(第2の端子)、入出力端子3(第3の端子)、入出力端子4(第4の端子)と、共振回路11(第1の共振回路)、共振回路12(第2の共振回路)、共振回路13(第3の共振回路)、共振回路14(第4の共振回路)とが設けられている。
なお、参照面t1、参照面t2は、アンテナ側の2ポートのSパラメータを観測する面を表している。
共振回路12の一端は、入出力端子1に接続され、他端は入出力端子3に接続される。
共振回路13の一端は、入出力端子2に接続され、他端は入出力端子4に接続される。
共振回路14の一端は、入出力端子3に接続され、他端は入出力端子4に接続される。
図2の減結合回路では、図1の減結合回路で示した、共振回路11をインダクタ21とキャパシタ31の並列共振回路とし、共振回路12をインダクタ22とキャパシタ32の直列共振回路とし、共振回路13をインダクタ23とキャパシタ33の直列共振回路とし、共振回路14をインダクタ24とキャパシタ34の並列共振回路としている。
インダクタ22の一端は入出力端子1と接続されており、インダクタ22の他端はキャパシタ32の一端と接続されており、キャパシタ32の他端は入出力端子3と接続されている。
インダクタ24の一端とキャパシタ34の一端は、入出力端子3と接続されており、インダクタ24の他端とキャパシタ34の他端は、入出力端子4と接続されている。
インダクタ26の一端とキャパシタ36の一端は、入出力端子1と接続されており、インダクタ26の他端とキャパシタ36の他端は、入出力端子3と接続されている。
インダクタ28の一端は入出力端子3と接続されており、インダクタ28の他端はキャパシタ38の一端と接続されており、キャパシタ38の他端は入出力端子4と接続されている。
図4は、2素子アンテナ間の結合を1つの周波数で低減する減結合回路を示している。なお、図1と同一符号は、同一または、相当部分を示している。図4において、51~54はリアクタンスである。
リアクタンス52の一端は、入出力端子1に接続され、他端は入出力端子3に接続される。
リアクタンス53の一端は、入出力端子2に接続され、他端は入出力端子4に接続される。
リアクタンス54の一端は、入出力端子3に接続され、他端は入出力端子4に接続される。
また、アンテナ素子101は、入出力端子1に接続され、アンテナ素子102は、入出力端子2に接続される。
また、基準インピーダンス(給電系のインピーダンス)をR0とする。R0は、通常50Ωであるがここで限定するものではない。
図4の減結合回路において、リアクタンス51をX1、リアクタンス52及びリアクタンス53をX2、リアクタンス54をX3とし、Sa11=Sa22=0(反射が0)、もしくはSa11=-Sa22(アンテナ素子101、102の反射係数が等振幅逆相)となる場合には、
X 3 =±2R0 (3)
でX1~X3を定義すると、相互結合を0、すなわちSb21=0にすることができる。なお、式(1)~(3)は複合同順である。
このように、図4の減結合回路では、参照面t1からアンテナ素子側を見た場合のアンテナ間結合Sa21や周波数によらず、基準インピーダンスR0のみでリアクタンス51~54を決定できる。また、式(1)~(3)に示すように、相互結合を0にするX1、X2、X3の組み合わせは2通りある。
アンテナ間結合を低減したい周波数をf1、f2(f1<f2)とする。
周波数f1において、共振回路11のリアクタンスをXL1、共振回路12、13のリアクタンスをXL2、共振回路14のリアクタンスをXL3とする。
また、周波数f2において、共振回路11のリアクタンスをXH1、共振回路12、13のリアクタンスをXH2、共振回路14のリアクタンスをXH3とする。
XL1=R0、XL2=-R0、XL3=2R0 (4)
とし、周波数f2において、
XH1=-R0、XH2=R0、XH3=-2R0 (5)
とすると、f1とf2の2周波数でアンテナ間結合を低減できる。
また、8個の集中定数素子(インダクタ、キャパシタ)の値が、アンテナ間結合Sa21によらず、周波数と基準インピーダンスのみで決定される。したがって、汎用性の高い、2周波共用の減結合回路が得られる。更に、インダクタとキャパシタからなる8個の集中定数素子のみで構成されているので、回路を小型にすることができる。また、回路を簡易にすることができる。
XL1=-R0、XL2=R0、XL3=-2R0 (12)
とし、f2において、
XH1=R0、XH2=-R0、XH3=2R0 (13)
とすると、f1とf2の2周波数でアンテナ間結合を低減できる。
なお、ω1=2πf1、ω2=2πf2とすると、それぞれのインダクタンス及びキャパシタンスは以下のように定義できる。
図5は、電磁界シミュレーションを行った際に用いた2素子アンテナの構成を示す図である。なお、図1と同符号は、同一または相当部分を示している。図5において、151はグランド導体板、201と202は給電点である。λ1は、周波数f1における自由空間波長である。
なお、アンテナ素子101とグランド導体板151との間には給電点201、アンテナ素子102をとグランド導体板151との間には、給電点202を設ける。
アンテナ素子101、102の長さはそれぞれ0.20λ1、アンテナ素子101とアンテナ素子102の間隔は0.25λ1とする。
グランド導体板151の大きさは0.50λ1×1.00λ1とする。また、基準インピーダンスR0=50Ωとする。
図6に、図2の減結合回路が無い場合と有る場合の相互結合の計算結果を示す。横軸は、f1で規格化した周波数である。また、減結合回路が有る場合の相互結合は、図2の参照面t2から見た結合|Sb21|である。図6から分かるように、図2の減結合回路を適用することにより、相互結合が低減し、f1において-37.9dB、f2において-38.0dBとなることが確認できる。
また、本実施の形態に係る減結合回路を適用しない場合のアンテナ素子101とアンテナ素子102の相互結合の振幅および位相がいくつであっても、相互結合を2周波数帯で低減することができる、汎用性の高い減結合回路が得られるという効果を有する。
実施の形態1に係る減結合回路を2素子アンテナに適用した場合には、相互結合は低減できるが、反射振幅は低減させることができない(反射振幅が高くなる場合もある)。
本実施の形態では、反射振幅を低減する減結合回路について述べる。
t3は参照面であり、参照面t3からアンテナ素子101、アンテナ素子102側を見た2ポートのSパラメータをScとする。
なお、整合回路61、62は、インダクタやキャパシタ等の集中定数素子で構成しても良く、分布定数線路で構成しても良い。また、これらの組み合わせによって構成しても良い。
実施の形態1では、アンテナ素子101、102の反射振幅が2周波数f1、f2で予め低減されている場合を検討した。本実施の形態では、アンテナ素子101、102の後に整合回路を挿入した減結合回路について述べる。
このように整合回路63、64を設置することで、所望の2周波数f1、f2で参照面t1における反射振幅|Sa11|、|Sa22|を低減させることができる。すなわち、アンテナ素子101、102だけで反射振幅が低減されている必要はなくなり、減結合回路の汎用性を更に向上させることができる。
実施の形態2及び3では、実施の形態1に係る減結合回路に対し、整合回路を挿入した場合について説明した。
本実施の形態では、実施の形態1に係る減結合回路に対し、伝送線路を挿入した場合について説明する。図9は、本実施の形態で用いた減結合回路の構成を示す図である。なお、図1と同符号は、同一または相当部分を示している。図9に示す減結合回路において、71は入出力端子1と共振回路11の一端の間に挿入した伝送線路71、72は入出力端子2と共振回路11の他端の間に挿入した伝送線路である。
Claims (6)
- 第1の端子と、
第2の端子と、
第3の端子と、
第4の端子と、
前記第1の端子と前記第2の端子との間に接続された第1の共振回路と、
前記第1の端子と前記第3の端子との間に接続された第2の共振回路と、
前記第2の端子と前記第4の端子との間に接続された第3の共振回路と、
前記第3の端子と前記第4の端子との間に接続された第4の共振回路と
を備え、
前記第1の共振回路と前記第4の共振回路は、ともにインダクタとキャパシタからなる並列共振回路またはインダクタとキャパシタから成る直列共振回路であり、
前記第2の共振回路と前記第3の共振回路は、ともにインダクタとキャパシタからなる共振回路であって、前記第1の共振回路が直列共振回路の場合は並列共振回路であり、前記第1の共振回路が並列共振回路の場合は直列共振回路である減結合回路。 - 動作周波数において、前記第2の共振回路のリアクタンスと前記第3の共振回路のリアクタンスは前記第1の共振回路のリアクタンスの反数であり、前記第4の共振回路のリアクタンスが前記第1の共振回路のリアクタンスの2倍である請求項1に記載の減結合回路。
- 前記第2の共振回路と前記第4の共振回路との接続点と前記第3の端子との間に接続した第1の整合回路と、
前記第3の共振回路と前記第4の共振回路との接続点と前記第4の端子との間に接続した第2の整合回路を備えた請求項1または請求項2に記載の減結合回路。 - 前記第1の共振回路と前記第2の共振回路との接続点と前記第1の端子との間に接続した第3の整合回路と、
前記第1の共振回路と前記第3の共振回路との接続点と前記第2の端子との間に接続した第4の整合回路を備えた請求項1または請求項2に記載の減結合回路。 - 前記第1の共振回路と前記第2の共振回路との接続点と前記第1の端子との間に接続した第1の伝送線路と、
前記第1の共振回路と前記第3の共振回路との接続点と前記第2の端子との間に接続した第2の伝送線路を備えた請求項1または請求項2に記載の減結合回路。 - 前記第1の端子に接続された第1のアンテナ素子と、
前記第2の端子に接続された第2のアンテナ素子と
を備え、
前記第1の伝送線路の電気長と前記第2の伝送線路の電気長が、前記第1のアンテナ素子と前記第2のアンテナ素子で用いる第1の周波数と第2の周波数の中心周波数で90度異なる請求項5に記載の減結合回路。
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