JP7020229B2 - 微細藻類の培養方法及び微細藻類 - Google Patents
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Description
<1-1.微細藻類の培養装置の構成>
まず、図1に基づいて、本発明の第1の実施形態に係る微細藻類の培養装置の構成について説明する。微細藻類の培養装置は、藻類培養槽3と、光源4と、固液分離層5とを備える。藻類培養槽3は、微細藻類2を培養するための培養槽である。藻類培養槽3には、少なくとも、排水1、及び微細藻類2が投入される。
つぎに、図1に示す培養装置を用いた微細藻類の培養方法を説明する。まず、藻類培養槽3に、排水1、及び微細藻類2を投入する。ついで、微細藻類2に光源4から光を照射する。これにより、藻類培養槽3中で微細藻類2が培養される。微細藻類2の生育状況に応じて、光源4からの光量を適宜調整してもよい。ついで、排水1は、微細藻類2とともに固液分離層5に投入される。固液分離層5では、排水1及び微細藻類2の混合物が排水1と微細藻類2とに分離される。分離後の排水1は、処理完了水6として装置外に排出される。
<2-1.微細藻類の培養装置の構成>
まず、図3及び図4に基づいて、本発明の第2の実施形態に係る微細藻類の培養装置の構成について説明する。微細藻類の培養装置は、藻類支持担体7と、光源4と、培養液槽8とを備える。藻類支持担体7は、微細藻類2を表面に担持するための担体である。藻類支持担体7には、少なくとも、排水1が供給される。このとき、培養液槽8に投入された排水1が藻類支持担体7に供給されるか、または藻類支持担体7に供給された排水1が培養液槽8に回収される。
つぎに、図3及び図4に示す培養装置を用いた微細藻類の培養方法を説明する。まず、藻類支持担体7の表面に微細藻類2を担持する。ついで、排水1を藻類支持担体に供給する。このとき、藻類支持担体7への排水1の供給方法は特に制限されない。例えば、藻類支持担体7が地面に角度を成して設置されている場合は、藻類支持担体7の上方から、排水1を滴下または流下することにより、藻類支持担体7全体に排水1を供給することができる。また、藻類支持担体7に高い吸水性を有する高い素材を用いれば、藻類支持担体7の一部を排水1に接触させることより、毛管現象を利用して藻類支持担体7全体に排水1を浸透させることができる。ついで、微細藻類2に光源4から光を照射する。これにより、藻類支持担体7上で微細藻類2が培養される。微細藻類2の生育状況に応じて、光源4からの光量を適宜調整してもよい。微細藻類2が培地として利用した排水1は、培養液槽8に溜められる。培養液槽8に溜められた排水1は再度汲み上げて、藻類支持担体7に供給することもできる。また、使用後の排水1は、処理完了水6として装置外に排出される。
試験例1では、フェノール耐性のある微細藻類、すなわち本実施形態に係る微細藻類を獲得した過程について説明する。
表3に示す組成(Provasoli, L. (1968): Media and prospects for the cultivation of marine algae. In Watanabe, A. & Hattori, A. [Ed.] Culture and Collection of Algae. Proc.U. S.-Japan Conf., Hakone, Sept. 1966, Jpn. Soc. Plant Physiol., Kyoto, pp. 63-75.)から硝酸ナトリウムとグリセロリン酸ナトリウムを除いた組成を有する改変PES溶液を作製した。
孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過滅菌した天然海水(試験例3-3)、イオン交換水(試験例3-1)、及びそれらを等容量で混合した希釈海水(試験例3-2)に、試験例2で作製した改変PES溶液を終濃度2%(v/v)で、さらにフェノールを1mg/Lで添加することで、試験例3-1~3-3に係る液体培地を作製した。各液体培地は、グリセロリン酸ナトリウムをリン酸態リン濃度換算で3mg-P/L、塩化アンモニウムをアンモニア態窒素濃度換算で50mg-N/L含む。また、試験例3-1~3-3に係る液体培地の塩分濃度は、それぞれ0質量%、約1.5質量%、約3質量%であった。
<4.試験例4:アンモニア態窒素濃度を変化させた場合におけるNS001C株の増殖>
孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過滅菌したイオン交換水に、試験例2で作製した改変PES溶液を終濃度2%(v/v)で添加することで、試験例4に係る液体培地を作製した。液体培地は、グリセロリン酸ナトリウムをリン酸態リン濃度換算で3mg-P/L含む。また、試験例4に係る液体培地に塩化アンモニウムをアンモニア態窒素濃度換算で50~1000mg-N/Lの範囲で添加した。
表1の組成を有する液体培地に1mg/Lの濃度でフェノールを添加することで、高フェノール液体培地を調製した。当該高フェノール液体培地の塩分濃度は3.5質量%、アンモニア態窒素濃度は200mg-N/L、リン酸態リン濃度は5mg-P/L、フェノール濃度は1mg/Lであった。当該高フェノール液体培地を容積50Lのアクリル製の角型水槽に入れた。ついで、高フェノール液体培地にNS001C株を植種した。ついで、NS001C株を光量子密度60μmol/m2/秒、光照射周期14時間明期/10時間暗期、温度20~25℃の培養条件とした培養庫にセットした。ついで、培養庫内でNS001C株を7日間培養した。培養中、1日ごとに、細胞密度の指標としてクロロフィルa濃度を測定した。クロロフィルa濃度は多波長励起蛍光光度計(独bbe Moldaenke GmbH社製Algae Online Analyser (AOA))を用いて測定した。結果を図8に示す。試験例5によれば、安水被処理水内でNS001C株を培養可能であることが明らかになった。
孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過滅菌した天然海水に、試験例2で作製した改変PES溶液を終濃度2%(v/v)で添加することで、試験例6に係る液体培地を作製した。液体培地は、塩化アンモニウムをアンモニア態窒素濃度換算で100~1000mg-N/Lの範囲で、また、グリセロリン酸ナトリウムをリン酸態リン濃度換算で1~6mg-P/Lの範囲で添加し、N/P比として16.7~1000の範囲に調整した。
孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過滅菌した天然海水に、試験例2で作製した改変PES溶液を終濃度2%(v/v)で添加することで、液体培地を作製した。ついで、液体培地に、グリセロリン酸ナトリウムをリン酸態リン濃度換算で3mg-P/L、塩化アンモニウムをアンモニア態窒素濃度換算で100mg-N/Lを添加した。さらにNS001C株を1×104cell/mLとなるように植種した。NS001C株を光量子密度40~200μmol/m2/秒、光照射周期12時間明期/12時間暗期、温度30℃の培養条件で7日間培養した。光源は白色LEDパネルとした。培養中、1日ごとに血球計算盤を使って細胞密度を計数した。結果を図11に示す。NS001C株はいずれの例においても増殖することが確認された。しかし、光量子密度40μmol/m2/秒で培養した場合、0.1×106cell/mL程度の増殖に過ぎなかったが、光量子密度60μmol/m2/秒以上で培養した場合、2~3×106cell/mLまで増殖した。このことから、NS001C株を培養するための光量子密度は、60μmol/m2/秒以上が好ましいことが分かった。
孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過滅菌した天然海水に、改変PES溶液を終濃度2%(v/v)で、さらにグリセロリン酸ナトリウムをリン酸態リン濃度換算で3mg-P/Lで添加して液体培地を作製した。さらに、当該液体培地に塩化アンモニウムをアンモニア態窒素換算で50mg/Lで加え、参照培地(試験例8-1)を作製した。また、アンモニア態窒素を100mg/Lで含み、かつフェノールをそれぞれ1mg/L、100mg/Lで含む第1のフェノール液体培地(試験例8-2)及び第2のフェノール液体培地(試験例8-3)を作製した。また、アンモニア態窒素を1000mg/Lで含み、かつフェノールを1mg/Lを含む高アンモニア培地(試験例8-4)を作製した。さらに、前述のろ過滅菌海水と純水を等量混合した溶液に改変PES溶液を終濃度2%(v/v)で、さらにグリセロリン酸ナトリウムをリン酸態リン濃度換算で3mg-P/L、アンモニア態窒素濃度が100mg./L、フェノールが1mg./Lで含む汽水培地(試験例8-5)を作製した。さらに、純水に改変PES溶液を終濃度2%(v/v)で、さらにグリセロリン酸ナトリウムをリン酸態リン濃度換算で3mg-P/L、アンモニア態窒素濃度が100mg./L、フェノールが1mg./Lで含む純水培地(試験例8-6)を作製した。
孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過滅菌した天然海水に改変PES溶液を終濃度2%(v/v)で、さらにグリセロリン酸ナトリウムをリン酸態リン濃度換算で3mg-P/L、また塩化アンモニウムをアンモニア態窒素換算で100mg/L、さらにフェノールを1mg/Lで加え参照培地(試験例9-1)を作製した。また、製鉄所の安水処理槽から安水処理水(コークス炉排水に活性汚泥処理を施したもの)を採取し、これを安水処理水培地(試験例9-2)とした。この時の安水処理水培地のアンモニア態窒素濃度は100mg/L以上、フェノール濃度は1mg/L以上であった。さらに、安水処理水にリン酸態リンを3mg/Lで添加し、安水処理水リン添加培地(試験例9-3)を作製した。
孔径0.45μmのメンブレンフィルターでろ過滅菌した天然海水に改変PES溶液を終濃度2%(v/v)で、さらにグリセロリン酸ナトリウムをリン酸態リン濃度換算で3mg-P/L、また塩化アンモニウムをアンモニア態窒素換算で100mg/L、さらにフェノールを1mg/Lで加え液体培地(試験例10)を作製した。
2 微細藻類
3 藻類培養槽
4 光源
5 固液分離槽
6 処理完了水
7 藻類支持担体
8 培養液槽
Claims (7)
- フェノールを1mg/L以上、アンモニア態窒素を100mg-N/L以上含む排水中で増殖可能な微細藻類を前記排水と接触させた状態で、前記微細藻類に光を照射し、
前記微細藻類は、NS001C株を含み、
前記排水は、塩分を3.5質量%以下1.5質量%以上の割合で含むことを特徴とする、微細藻類の培養方法。 - 前記微細藻類と、前記排水とを藻類培養槽に投入し、前記微細藻類に光を照射することを特徴とする、請求項1に記載の微細藻類の培養方法。
- 前記微細藻類を、吸水性または保水性を有する担体の表面に担持し、前記担体に前記排水を保持させ、かつ気相に露出した前記微細藻類に光を照射することを特徴とする、請求項1に記載の微細藻類の培養方法。
- 前記微細藻類は、NS001C株であることを特徴とする、請求項1~3の何れか1項に記載の微細藻類の培養方法。
- 前記排水は、コークス炉から排出されるコークス炉排水を含むことを特徴とする、請求項1~4の何れか1項に記載の微細藻類の培養方法。
- フェノールを1mg/L以上、アンモニア態窒素を100mg-N/L以上、及び塩分を3.5質量%以下1.5質量%以上の割合で含む排水中で増殖可能であって、NS001C株を含むことを特徴とする、微細藻類。
- フェノールを1mg/L以上、アンモニア態窒素を100mg-N/L以上、及び塩分を3.5質量%以下1.5質量%以上の割合で含む排水中で増殖可能であり、NS001C株からなる微細藻類。
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