JP7006459B2 - 冷却装置及び冷却システム - Google Patents

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Description

本発明は、冷却装置及び冷却システムに関するものである。
従来においては、大型の冷却装置の冷媒として、プロパン等の常温常圧において気体の可燃性流体を用いることがあった。しかしながら、常温常圧において気体の可燃性流体は、漏出等の対策を厳重に行う必要があり、取り扱いが難しい。このため、現在では、常温常圧において気体の非可燃性流体を冷媒として用いることが検討されている。例えば、特許文献1には、液化炭酸ガス(二酸化炭素)を冷媒として用いる方法が記載されている。
特開2007-225142号公報
しかしながら、二酸化炭素は、三重点(-56.6℃)以下の温度となると一部が固体状態(ドライアイス)となる。このため、冷却装置において-56.6℃以下まで二酸化炭素を温度低下させると、配管内に生成されたドライアイスにより配管が詰まる可能性があり、冷却サイクル内における二酸化炭素の搬送が難しい。したがって、二酸化炭素を冷媒とする冷却装置において、三重点以下まで冷却対象流体を冷却することが難しい。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、三重点以下の温度の二酸化炭素を冷媒として用いることを容易とすることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための第1の手段として、冷却装置は、冷却対象流体を収容するケーシングと、昇圧された液体状態の二酸化炭素を三重点以下の圧力まで減圧することにより三重点以下の温度の気体と固体の混合状態とすると共に、上記ケーシング内において固気混合状態の二酸化炭素を案内配管に向けて噴射する複数の噴射ノズルとを備えるという構成を採用する。
第2の手段として、上記第1の手段において、冷却装置は、上記冷却対象流体を案内する案内配管を備え、上記噴射ノズルは、上記案内配管の出口側において、上記流体の流れ方向に沿って配置される、という構成を採用する。
第3の手段として、上記第1または2の手段において、冷却装置は、上記ケーシングに設けられると共に上記噴射ノズルから噴射され、熱交換された後の残存した上記固体状態の二酸化炭素を加温する加温部を備える、という構成を採用する。
第4の手段として、上記第3の手段において、冷却装置は、上記加温部が上記ケーシングにおける上記二酸化炭素の出口に設けられる、という構成を採用する。
第5の手段として、上記第1~4のいずれかの手段において、冷却装置は、上記冷却対象流体の温度に基づいて上記噴射ノズルに供給される上記液体状態の二酸化炭素の供給量を調整する流量調整機構を備える、という構成を採用する。
第6の手段として、上記第5の手段において、冷却装置は、上記流量調整機構が上記液体状態の二酸化炭素の供給圧力を調整する、という構成を採用する。
第7の手段として、冷却システムは、冷却対象流体が1次側に供給され、気体または液体状態の二酸化炭素が2次側に供給される前段冷却装置と、上記前段冷却装置の後段に設けられる第1~5のいずれかの手段における冷却装置とを備える、という構成を採用する。
本発明によれば、液体状態の二酸化炭素を噴射ノズル内において減圧して固体状態とし、冷却対象流体へと噴射する。これにより、噴射ノズルに供給するまでは液体状態で二酸化炭素を供給できる。したがって、冷却装置は、固体状態の二酸化炭素により配管等を詰まらせることなく、冷却対象流体を三重点以下の温度の二酸化炭素により冷却することが容易である。
本発明の一実施形態における冷却システムの模式図である。 本発明の一実施形態に係る冷却装置の模式図である。 本発明の一実施形態に係る冷却装置が備える案内配管の配置図である。 本発明の一実施形態における噴射ノズルの模式図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る冷却システムの一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
冷却システム1は、図1に示すように、二酸化炭素を冷媒として天然ガス(冷却対象流体)を予冷する装置であり、圧縮装置2と、クーラ3a、3bと、減圧弁4と、2つの冷却装置5a、5bと、流量調整部6(流量調整機構)とを備えている。
圧縮装置2は、圧縮機2a、2bを備える2段式の装置である。圧縮機2a、2bは、内部を通過する二酸化炭素を段階的に圧縮し、高圧状態(本実施形態においては10MPaG程度)とする。圧縮機2aは、出口が下流側において隣接する圧縮機2bの入口と配管を介してそれぞれ接続されている。また、圧縮機2aには、冷却装置5aから排出された気体状態の二酸化炭素が供給される。
クーラ3a、3bは、圧縮機2aの下流側と、圧縮機2bの下流側とにそれぞれ設けられ、流路中を流れる二酸化炭素を冷却水等により冷却する。すなわち、クーラ3a、3bは、圧縮されることにより高温となった二酸化炭素を冷却する装置である。このようなクーラ3a、3bが圧縮装置2に設けられることにより、圧縮装置2の下流端において、二酸化炭素は40℃程度とされる。クーラ3a、3bの後段には、予冷器3cが設けられている。クーラ3により冷却された二酸化炭素は、さらに予冷器3cにより冷却される。予冷器3cについては、本開示では冷却装置5aの出口から圧縮機2bに向かう気体状態の二酸化炭素と熱交換をしているが、さらに冷却装置5bからの出口から圧縮機2aに向かう気体状態の二酸化炭素と熱交換をする形態であってもよい。
減圧弁4は、予冷器3cから供給される二酸化炭素が流れる流路中に設けられており、不図示の制御装置によって開弁/閉弁が制御されている。このような減圧弁4が開放されることにより、減圧弁4を通過する二酸化炭素が三重点の圧力を下回らない程度に減圧されて一部が気化することにより冷却され、気体と液体の混合状態へと変化する。
3つの冷却装置5a、5bは、天然ガスの流路に対して連続して設けられており、段階的に天然ガスを冷却する。
冷却装置5a(前段冷却装置)は、天然ガスの流れ方向において最上段に設けられている。冷却装置5aは、一次配管に天然ガスが供給され、2次配管には気液混合状態の二酸化炭素(三重点の温度以上であり例えば-40℃程度)が供給される。また、冷却装置5aを通過する二酸化炭素は、熱交換により一部が気化し、さらに気体状態の二酸化炭素と液体状態の二酸化炭素とに分離される。このため、冷却装置5aには、気体状態の二酸化炭素の出口と、液体状態の二酸化炭素の出口とが設けられている。また、冷却装置5aから排出される気体状態の二酸化炭素は、予冷器に供給される。
冷却装置5b(冷却装置)は、冷却装置5aの後段に設けられ、図2に示すように、ケーシング5b1と、案内配管5b2と、噴射ノズル5b3と、加温部5b4とを備えている。ケーシング5b1は、略円筒状の密閉された容器であり、案内配管5b2を収容している。また、ケーシング5b1には、案内配管5b2の入口端及び出口端と外部との接続口が設けられている。さらにケーシング5b1には、噴射ノズル5b3と一定の距離をおいて二酸化炭素の出口開口が設けられており、圧縮機2aと配管を介して接続されている。
案内配管5b2は、天然ガスが供給される配管であり、ケーシング5b1内部において屈曲されており、図3に示すように配置されている。また、ケーシング5b1において同一位置に入口端と出口端とが形成されている。
噴射ノズル5b3は、冷却装置5bの内部において、一定の間隔をあけてケーシング5b1に等間隔で設けられている。噴射ノズル5b3には、それぞれ冷却装置5aより液体状態の二酸化炭素が供給される。また、噴射ノズル5b3は、案内配管5b2の出口側に向けて、案内配管5b2の流れ方向に沿って設置され、図4に示すように、内部が噴射口近傍において縮径されている。これにより、噴射ノズル5b3において、液体状態の二酸化炭素が減圧されて固体と気体とに状態変化し、固体状態の二酸化炭素(ドライアイス)と気体状態の二酸化炭素とが同時に噴射される。
加温部5b4は、ケーシング5b1における二酸化炭素の出口開口近傍に設けられたヒータである。加温部5b4は、ケーシング5b1の噴射ノズル5b3とは一定の距離をおいた端部に設けられ、気体状態の二酸化炭素に同伴する残存した固体状態の二酸化炭素を昇華させ、気体状態の二酸化炭素とする。
流量調整部6は、調節弁6aと、圧力制御装置6bと、温度センサ6cとを備えている。調節弁6aは、冷却装置5aと噴射ノズル5b3とを結ぶ配管中に設けられている。圧力制御装置6bは、温度センサ6cから取得した温度に基づいて、調節弁6aの開弁度を制御し、液体状態の二酸化炭素の噴射ノズル5b3への供給圧力を調節することで、供給量を調節している。なお、圧力制御装置6bは、予め設定された、噴射ノズル5b3において固体状態の二酸化炭素を噴出可能な圧力範囲を記憶しており、上記圧力範囲内において圧力制御を行う。温度センサ6cは、冷却装置5bの案内配管5b2の出口側に設けられ、天然ガスの出口温度を計測している。
すなわち、流量調整部6は、天然ガスの出口温度に基づいて、調節弁6aの開弁度を制御することにより、噴射ノズル5b3から噴射されるドライアイスの量を制御する装置である。
このような本実施形態における冷却システム1の動作を、図1を参照して説明する。
まず、気体状態の二酸化炭素は、圧縮機2a、クーラ3a、圧縮機2b、クーラ3bを通過することにより、約10MPaG、約40℃まで昇圧、昇温される。昇圧された気体状態の二酸化炭素は、減圧弁4が開弁されることにより、急速に減圧されて約1.0MPaGとなり気液混合状態へと変化し、約-40℃まで温度が低下する。
そして、減圧されて気液混合状態となった二酸化炭素は、冷却装置5aの2次配管へと供給され、1次配管を流れる天然ガスと熱交換される。これにより、液体状態の二酸化炭素は、一部が気体状態(約1.0MPa、-40℃)となり、予冷器の二次配管へと供給され、その後、圧縮機2bへと戻される。
また、冷却装置5aにおいて液体状態で排出された二酸化炭素(約-40℃)は、噴射ノズル5b3へと供給される。二酸化炭素は、噴射ノズル5b3内部において、縮径された部位を通過することにより急速に減圧され、液体状態から固気混合状態(約-70℃)へと変化する。そして、噴射ノズル5b3を通過した固体及び気体状態の二酸化炭素は、案内配管5b2の出口近傍に噴射され、案内配管5b2の出口近傍において最も低温となるように、天然ガスを冷却する。さらに、固体状態の二酸化炭素は、ケーシング内部において案内配管5b2内の天然ガスと熱交換し、連続的に気化しながら下降する。そして、ケーシング5b1内に残存した固体状態の二酸化炭素は、気体状態の二酸化炭素と共に加温部5b4により加温され、昇華して気体状態となり、圧縮機2aへと戻される。
このような冷却システム1において、常温(約25℃)状態の天然ガスは、まず冷却装置5aの1次配管に供給され、冷却装置5a約-35℃まで冷却された後、冷却装置5aにおいて約-65℃まで冷却される。
このような本実施形態における冷却装置5aによれば、液体状態の二酸化炭素を噴射ノズル5b3内において減圧して固体状態とし、案内配管5b2へと噴射する。これにより、噴射ノズル5b3に供給するまでは液体状態で二酸化炭素を供給できる。したがって、冷却装置5aは、固体状態の二酸化炭素により配管等を詰まらせることなく、案内配管5b2内の天然ガスに対して三重点以下の温度の二酸化炭素により間接熱交換を行うことが容易である。また、本実施形態においては、二酸化炭素と天然ガスとを間接的に熱交換しており、天然ガスの組成や成分に影響を与えることがない。
また、本実施形態によれば、噴射ノズル5b3は、案内配管5b2の出口側に、案内配管5b2の流れ方向に沿って配置されている。これにより、案内配管5b2を流れる天然ガスを出口側において効果的に冷却することができる。
また、本実施形態によれば、冷却装置5bの二酸化炭素の出口近傍に加温部5b4を設けることにより、ケーシング5b1内において固体状態の二酸化炭素を加温し、気体状態にすることができる。これにより、冷却装置5bより排出される二酸化炭素を気体状態とすることができ、固体状態の二酸化炭素を搬送する必要がなく、配管等を固体状態の二酸化炭素が詰まらせることがない。
また、本実施形態によれば、流量調整部6により、天然ガスの出口温度に基づいて、噴射ノズル5b3に供給される二酸化炭素の量を調整することができる。これにより、天然ガスの温度を適切に保つことが可能である。
さらに、流量調整部6は、予め設定された上記圧力範囲内において、液体状態の二酸化炭素の供給圧力を調整することで、供給流量を調整している。したがって、容易に天然ガスの温度を適切に保つことが可能である。
また、本実施形態の冷却システム1において、冷却装置5bが最後段に設けられており、固体状態の二酸化炭素を他の冷却装置5a、5bに供給する必要がなく、昇華させて圧縮機2aへと戻すことが可能である。したがって、固体状態の二酸化炭素を搬送する必要がなく、固体状態の二酸化炭素が配管を詰まらせることがない。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
上記実施形態においては、圧縮機を連続で2個設ける構成としたが、本発明はこれに限定されず、10MPa程度まで昇圧できるものであれば、1つのみまたは2つ以上としてもよい。
また、上記実施形態においては、天然ガスの予冷を行う冷却装置としたが、本発明はこれに限定されない。冷却システム1は、例えば食品等の冷却対象流体を冷凍装置とすることも可能である。
また、上記実施形態においては、クーラ3a、3bを圧縮機2a、2bの後段に設けるものとしたが、本発明はこれに限定されない。圧縮機2aが吸引する二酸化炭素の温度が十分に低温であり、吐出側の二酸化炭素についても低温である場合には、クーラ3aを設けない構成としてもよい。
1 冷却システム
2 圧縮装置
2a 圧縮機
2b 圧縮機
3a クーラ
3b クーラ
4 減圧弁
5a 冷却装置
5b 冷却装置
5b1 ケーシング
5b2 案内配管
5b3 噴射ノズル
5b4 加温部
6 流量調整部
6a 調節弁
6b 圧力制御装置
6c 温度センサ

Claims (6)

  1. 冷却装置は、冷却対象流体を収容するケーシングと、
    前記冷却対象流体を案内する案内配管と、
    昇圧された液体状態の二酸化炭素を三重点以下の圧力まで減圧することにより三重点以下の温度の気体と固体の混合状態とすると共に、前記ケーシング内において固気混合状態の二酸化炭素を前記案内配管に向けて噴射する複数の噴射ノズルとを備え
    前記噴射ノズルは、前記案内配管の出口側において、前記冷却対象流体の流れ方向に沿って配置されることを特徴とする冷却装置。
  2. 冷却装置は、前記ケーシングに設けられると共に前記噴射ノズルから噴射され、熱交換された後の残存した前記固体状態の二酸化炭素を加温する加温部を備えることを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  3. 前記加温部は、前記ケーシングにおける前記二酸化炭素の出口に設けられることを特徴とする請求項2記載の冷却装置。
  4. 前記冷却対象流体の温度に基づいて前記噴射ノズルに供給される前記液体状態の二酸化炭素の供給量を調整する流量調整機構を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の冷却装置。
  5. 前記流量調整機構は、前記液体状態の二酸化炭素の供給圧力を調整することを特徴とする請求項4記載の冷却装置。
  6. 冷却対象流体が1次側に供給され、気体または液体状態の二酸化炭素が2次側に供給される前段冷却装置と、
    前記前段冷却装置の後段に設けられる請求項1~4のいずれか一項に記載の冷却装置と
    を備えることを特徴とする冷却システム。
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