JP7005280B2 - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像データに混入したノイズを低減する画像処理技術に関する。
デジタルビデオカメラなどのデジタル撮像装置が被写体を撮像して画像データを生成する際、光電荷変換素子(撮像素子)や回路の特性に起因する暗電流ノイズ、熱雑音、ショットノイズなどが画像データに混入してしまうことが知られている。近年、デジタル撮像装置における撮像素子の小型化および高画素化に伴い、撮像素子の画素ピッチの極小化も進み、画像データに混入するノイズも目立ちやすくなっている。特に、撮影感度を高くした場合、画像データに混入するノイズは顕著になり、画像データが表す画像が劣化する大きな要因となっている。
これらのようなノイズのうち、ショットノイズを除去するための最も原理的な手法として、同じ撮影条件で同じ被写体を連続撮影し、連続撮影して得られた複数の画像データの画素値を平均する手法が知られている。この原理に基づき、連続撮影して得られた複数の画像データにおいて着目画素と類似する類似画素を探索し、探索された類似画素をノイズ低減対象となる1枚の画像データに合成することによりノイズを低減する手法が提案されている(特許文献1)。
特表2007-536662号公報
しかしながら、ランダムノイズの影響により画像データにおけるエッジにがたつきが発生した場合、特許文献1のノイズ低減手法を適用しても、エッジのがたつきが残留してしまう場合があった。このとき、ノイズ低減量をエッジにがたつきが残留しないように調整する手法も考えられるが、ノイズ低減量をこのように調整した場合、コントラストの低いテクスチャにボケが発生してしまう場合があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、画像データに混入したノイズを良好に低減することを目的とする。
本発明の画像処理装置は、時系列的に連続する複数の画像データを用いてノイズ低減処理を実行する画像処理装置であって、前記複数の画像データのうち基準画像データにおける着目画素のエッジ強度を導出するエッジ強度導出手段と、前記複数の画像データのうち前記基準画像データ以外を参照画像データとしたとき、前記着目画素と、前記参照画像データにおいて前記着目画素に対応する画素と、の類似度を導出する類似度導出手段と、前記エッジ強度と、前記類似度とに基づいて、前記着目画素と類似している画素を探索する探索範囲、着目画素に対応する着目ブロックのサイズ、類似している画素の類似画素数の少なくとも何れか1つを決定する決定手段と、前記決定手段が決定した結果に従って、前記基準画像データと前記参照画像データそれぞれについて、前記探索範囲に含まれる画素に対応するブロックのうち着目ブロックに類似するブロックを探索することにより、前記着目画素に類似している類似画素を検出する検出手段と、前記着目画素と、前記類似画素とを合成することで前記着目画素の画素値を算出する合成手段と、を有し、前記決定手段は、前記エッジ強度が大きいほど、または前記類似度が小さいほど、前記探索範囲を小さくすることを特徴とする。
本発明によれば、画像データに混入したノイズを良好に低減することができる、という効果を奏する。
実施形態1における画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。 実施形態1における画像処理装置の機能構成例を示すブロック図である。 実施形態1におけるメイン処理手順例を示すフローチャートである。 実施形態1においてベイヤ配列を説明するための模式図である。 実施形態1における領域判定手順例を示すフローチャートである。 実施形態1における局所領域例を示す模式図である。 実施形態1における合成手順例を示すフローチャートである。 実施形態1における平滑化強度SVとノイズ低減量との関係を示すグラフの一例である。 実施形態1における類似画素の合成手順例を示すフローチャートである。 実施形態1における着目画素、着目領域、探索領域、参照画素および参照領域の一例を示す図である。 図11(a)は、実施形態1において平滑化強度SVと探索領域のサイズS3とが関連付けられたテーブルの一例である。図11(b)は、実施形態1において平滑化強度SVと探索領域のサイズとの関係を示すグラフの一例である。 実施形態2における領域判定手順例を示すフローチャートである。 実施形態2における合成手順例を示すフローチャートである。 実施形態3における画像処理装置の機能構成例を示すブロック図である。 実施形態3におけるメイン処理手順例を示すフローチャートである。 実施形態3における合成候補画素の選択手順例を示すフローチャートである。 実施形態3における合成手順例を示すフローチャートである。 実施形態4における画像処理装置の機能構成例を示すブロック図である。 実施形態4におけるメイン処理手順例を示すフローチャートである。 実施形態4における合成候補画素の選択手順例を示すフローチャートである。 図21(a)は、実施形態4において対応画素を導出する様子を示す模式図である。図20(b)は、実施形態4において補正量cと距離dとの関係を示すグラフの一例である。 実施形態4における合成手順例を示すフローチャートである。 図23(a)は、実施形態4における適応補間参照画像データの一例を示す図である。図23(b)は、実施形態4における局所領域の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成はあくまで例示であり、本発明の範囲を必ずしもそれらに限定する趣旨のものではない。
[実施形態1]
(画像処理装置のハードウェア構成)
本実施形態における画像処理装置の構成例について、図1を参照して説明する。図1において、画像処理装置100はCPU101、RAM102、HDD103、汎用インターフェース(以下インターフェースは「I/F」と記す)104、モニタ108、及びメインバス109を備える。汎用I/F104は、カメラなどの撮像装置105や、マウス、キーボードなどの入力装置106、及びメモリーカードなどの外部メモリ107をメインバス109に接続する。
以下、CPU101がHDD103に格納された各種ソフトウェア(コンピュータプログラム)をRAM102に読み出して実行する各種処理について説明する。まず、CPU101はHDD103に格納されているアプリケーションを起動し、RAM102に展開するとともに、モニタ108にユーザインターフェース(以下ユーザインターフェースは「UI」と記す)を表示する。次いで、HDD103や外部メモリ107に格納されている各種データ、撮像装置105で撮影されたRAW画像データ、入力装置106が入力を受け付けた指示などがRAM102に送出される。さらに、アプリケーションが実行する処理に従って、RAM102に格納されているデータはCPU101からの指令に基づき各種演算が施される。演算結果はモニタ108に表示されたり、HDD103または外部メモリ107に格納される。なお、HDD103や外部メモリ107に格納されているRAW画像データがRAM102に送出されてもよい。また、不図示のネットワークを介してサーバから送信されたRAW画像データがRAM102に送出されてもよい。
(画像処理装置の機能構成)
本実施形態における画像処理装置の機能構成例について、図2を参照して説明する。本実施形態の画像処理装置100は、入力制御部201と、記憶制御部202と、処理部203と、出力制御部204とを備える。処理部203は、領域判定部205と、合成部206と、現像部207とを含む。図2における各ブロックの機能は、CPU101がHDD103に格納されたアプリケーションのプログラムコードをRAM102に読み出して実行することにより実現される。あるいはまた、図2におけるブロックの一部または全部の機能をASICや電子回路等のハードウェアで実現してもよい。これらは図2以降の機能構成図についても同様である。
入力制御部201は、複数の画像データ、画像処理に用いられる各種パラメータ(以下、単に「パラメータ」とも記す)、ISO感度別のノイズ特性などの入力を制御する。本実施形態では、複数の画像データは時系列的に連続する複数のRAW画像データであり、ノイズ低減処理の対象となる基準画像データと、基準画像データに含まれる被写体と同じ被写体が含まれる1以上の参照画像データとが含まれる。パラメータは、後述する領域判定処理と合成処理とにおいて用いられる。ノイズ特性は予めISO感度別に算出されたノイズ分散値である。記憶制御部202は、入力を受け付けた複数の画像データ、パラメータ、及び画像処理が施された画像データなどを、RAM102、HDD103、及び外部メモリ107などの記憶領域(以下、単に「記憶領域」とも記す)に書き込む制御を実行する。また、記憶制御部202は、記憶領域に記憶された複数の画像データ、パラメータ、及び画像処理が施された画像データを読み出す制御を実行する。処理部203は、入力または記憶された画像データ、パラメータ、及びノイズ特性などを読み込み、読み込んだ各種データに画像処理を施す。画像処理が施された各種データは、記憶領域に格納されたり、汎用I/F104を介して外部装置(不図示)に出力される。処理部203における画像処理の詳細は後述する。出力制御部204は、画像処理が施された画像データや記憶領域に記憶された画像データなどをモニタ108やHDD103などに出力する制御を実行する。なお、出力先はこれに限られるものではなく、例えば、汎用I/F104に接続された外部メモリ107や不図示の外部サーバに出力してもよいし、プリンタなどに出力されても構わない。
(メイン処理)
図3は、本実施形態におけるメイン処理手順例を示すフローチャートである。図3に示されるフローチャートの処理は、CPU101がHDD103に格納されているアプリケーションのプログラムコードをRAM102に展開し実行することにより行われる。以下の各記号Sは、フローチャートにおけるステップであることを意味する。これらは図3以降のフローチャートについても同様である。
S301において、入力制御部201は、複数のRAW画像データ、パラメータ、及びISO感度別のノイズ特性等の入力を受け付けて記憶領域に記憶する。なお、本実施形態ではRAW画像データはベイヤ配列のカラーフィルタを持つ撮像装置で撮影して得られた画像データであるものとして説明する。図4はベイヤ配列を説明するための模式図である。図4に示される通り、ベイヤ配列は、緑(G)画素と赤(R)画素とが交互に繰り返される行と、青(B)画素と緑(G)画素とが交互に繰り返される行とが交互に配列される。但し、本実施形態において処理対象となる画像データは、ベイヤ配列型の画像データに限定されない。本実施形態は、RAW画像データからカラー画像データを生成する際に、ノイズ低減処理及び画素補間が可能な種別であれば、任意のカラーフィルタを有する撮像装置で撮影された画像データに対して適用することができる。画像処理装置100に入力される画像データは、ノイズ低減対象である基準画像データと、複数のRAW画像データのうち基準画像データ以外の一以上の参照画像データである。なお、以下の説明において、撮像装置105が被写体を連続撮影して得られた複数の画像データのうち、1枚目を基準画像データ、それ以外は参照画像データであるものとする。さらに、これら画像データが表す画像の大きさはそれぞれ幅X画素、高さY画素であり、参照画像データの枚数はN枚であるものとして説明する。これら画像データが表す画像における画素位置は左上の画素(0,0)を基準とする座標系で表され、各画素の座標を(x,y)とする(但し、x,yは0≦x<X,0≦y<Yを満たす整数とする)。
S302において、領域判定部205は、S301で入力された基準画像データと1または複数の参照画像データとを用いて基準画像データの領域判定を行う。領域判定処理の詳細は後述する。
S303において、合成部206は、S301で入力された基準画像データと1または複数の参照画像データとを合成する。合成処理の詳細は後述する。
S304において、現像部207は、S303で合成された合成画像データの現像処理を行う。現像された画像データは記憶領域に記憶される。ここで、本実施形態における現像処理には、画素を補間するデモザイク処理、メリハリを増すためのエッジ強調や、明るさを補正するγ補正、鮮やかさを増すための色補正などが含まれる。つまり、本実施形態の現像処理には、出力画像が好適に見えるように補正する処理全般が含まれる。なお、現像処理の詳細は本実施形態の主眼ではないため説明は省略する。
S305において、出力制御部204は、S304で現像処理が施された画像データを記憶領域から読み出して外部装置などに出力する制御を実行する。画像データの出力が完了すると、本フローチャートの処理を終了する。
(領域判定処理)
図5は、本実施形態における領域判定手順(S302)の一例を示すフローチャートである。以下、図5のフローチャートを参照して本実施形態における領域判定手順について説明する。
S501において、領域判定部205は、領域判定結果を保持する領域判定マップと、エッジ強度を保持するエッジ強度マップと、エッジ類似度を保持するエッジ類似度マップとを初期化する。また、S501において、局所領域のサイズS1、閾値th1等のパラメータ、及び撮影時のISO感度に応じたノイズ分散σ2が読み込まれる。
S502において、領域判定部205は、基準画像データにおける着目画素を選択する。
S503において、領域判定部205は、着目画素のエッジ強度Eを導出する。
ここで、エッジ強度導出手法について具体的に説明する。先ず、着目画素と当該着目画素の周辺画素とを含む局所領域が決定される。局所領域のサイズS1はS501で入力されたパラメータに基づいて決定され、ここではS1=5であるものとして説明する。局所領域のサイズが5×5画素の例が図6(a)に示される。図6(a)において、着目画素601は黒色のブロックで、周辺画素602は灰色のブロックで、局所領域603は周辺画素602を囲む太線で表されている。局所領域603の形状は図6(a)に示される矩形に限定されない。例えば図6(b)に示されるような多角形のような形状でも問題はない。次いで、以下に示される(式1)を用いて、局所領域における分散値Vを色成分ごとに(本実施形態ではRGBごとに)算出する。
Figure 0007005280000001
Figure 0007005280000002
最後に、エッジ強度Er、Eg、Ebのうち最大値のエッジ強度Eを、エッジ強度マップにおいて着目画素と同座標に位置する画素に出力する。なお、本実施形態では、分散の比率を用いてエッジ強度Eを導出する手法について説明したが、例えばソーベルフィルタやラプラシアンフィルタなどを用いてエッジ強度Eを導出してもよい。
S504において、領域判定部205は、S503で導出したエッジ強度Eと、S501で入力された閾値th1とを比較する。E≧th1となる場合(S504:YES)はS505に移行し、E<th1となる場合(S504:NO)はS506に移行する。
S505において、領域判定部205は、着目画素はエッジ部に位置するエッジ画素であると判定し、領域判定マップにおいて着目画素と同座標に位置する画素に「1」を出力する。
S506において、領域判定部205は、着目画素は平坦部に位置する平坦画素であると判定し、領域判定マップにおいて着目画素と同座標に位置する画素に「0」を出力する。出力が完了するとS510の判定処理に移行する。
S507において、領域判定部205は、参照画像データを1つ選択し、選択された参照画像データにおいて着目画素と同座標に位置する画素(以後、本実施形態において「対応画素」と記す)を選択する。
S508において、領域判定部205は、着目画素と対応画素との間のエッジ類似度を導出する。ここで、本実施形態におけるエッジ類似度は、着目画素を中心とする着目領域と、対応画素を中心とする局所領域との間でのSAD(差分絶対値の和)の逆数である。S508において、領域判定部205は、算出されたSADの逆数を、エッジ類似度マップにおいて着目画素と同座標に位置する画素に出力する。複数の参照画像データそれぞれから対応画素が選択された場合、参照画像データの数だけ導出されたSADの逆数が累積される。着目領域および局所領域のサイズは、エッジ強度導出(S503)における局所領域のサイズと同じであり、本実施形態では5×5画素のサイズで着目領域および局所領域が区画される。
S509において、領域判定部205は、全ての参照画像データから対応画素を選択したか否かを判定する。全ての対応画素の選択が完了した場合(S509:YES)はS510に移行し、全ての対応画素の選択が完了していない場合(S509:NO)は再びS507に戻る。
S510において、領域判定部205は、基準画像データの全画素についてS502~S509が完了したか否かを判定する。完了している場合(S510:YES)は領域判定処理を終了して再びメインフローチャート(図3)に戻る。完了していない場合(S510:NO)は再びS502に戻る。
(合成処理)
図7は、本実施形態における合成手順(S303)の一例を示すフローチャートである。以下、図7のフローチャートを参照して本実施形態における合成手順について説明する。
S701において、合成部206は、領域判定処理(S302)で生成した領域判定マップと、エッジ強度マップと、エッジ類似度マップとを読み込む。また、S701において、合成処理で用いられる平滑化強度の基準値も読み込まれる。
S702において、合成部206は、基準画像データにおける着目画素を選択する。
S703において、合成部206は、領域判定マップにおいて着目画素と同座標に位置する画素を参照してその画素値が1であるか否かを判定する。すなわち、S703において、着目画素がエッジ画素であるか否かが判定される。着目画素がエッジ画素である場合(S703:YES)はS704に移行する。着目画素がエッジ画素ではない場合(S703:NO)はS705に移行する。
S704において、合成部206は、エッジ強度導出(S503)で導出されたエッジ強度Eと、エッジ類似度導出(S508)で導出されたエッジ類似度とを用いて平滑化強度SVを導出する。平滑化強度SVは(式3)によって導出することができる。
Figure 0007005280000003
平滑化強度SVは、その値が大きいほどノイズ低減量が多いことを示す値である。図8は、平滑化強度SVとノイズ低減量との関係を示すグラフの一例である。
S705において、合成部206は、平滑化強度SVをS701で読み込んだ基準値に設定する。
S706において、合成部206は、着目画素と当該着目画素に類似する画素とを合成する類似画素合成処理を行う。類似画素合成処理の詳細は後述する。
S707において、合成部206は、基準画像データの全画素についてS702~S706の処理が完了したか否かを判定する。完了している場合(S707:YES)は合成処理を終了して再びメインフローチャート(図3)に戻る。完了していない場合(S707:NO)は再びS702に戻る。
(類似画素合成処理)
図9は、本実施形態における類似画素の合成手順(S706)の一例を示すフローチャートである。以下、図9のフローチャートを参照して本実施形態における類似画素合成手順について説明する。
S901において、合成部206は、合成の候補となる画素を記録するための合成候補画素リストを初期化する。また、S901において、平滑化強度SV、着目領域のサイズS2、及び閾値th2、th3、合成画素数Num等のパラメータが入力される。本実施形態では、連続撮影によって取得された画像データの数が、合成画素数Numに設定される(Num=N)。
S902において、合成部206は、着目画素を中心とする着目領域を決定する。着目領域のサイズS2は、S901で入力されたパラメータから取得される。図10(a)は、基準画像データにおける着目画素と着目領域とを示す模式図である。図10(a)に示される通り、例えば着目領域サイズS2=5の場合、基準画像データ1001において着目画素1002を中心とする5×5の矩形領域が着目領域1003として決定される。
S903において、合成部206は、複数の参照画像データのなかから1つを選択する。
S904において、合成部206は、S903で選択した参照画像データにおける探索領域を決定する。探索領域のサイズS3は、S901で入力された平滑化強度SVに基づいて決定される。具体的には、平滑化強度SVと探索領域のサイズS3とが関連づけられたテーブルを予め記憶領域に記憶しておき、そのテーブルを参照して探索領域のサイズS3が決定される。
図11(a)は、本実施形態において、平滑化強度SVと探索領域のサイズS3とが関連付けられたテーブルの一例であり、例えば平滑化強度SV=18の場合は探索領域のサイズS3が「5」に決定される。平滑化強度SVが大きいほど探索範囲のサイズS3が小さくなるように決定すればよく、図11(b)に示されるようなグラフを満たすように、平滑化強度SVから探索領域のサイズS3が導出されるようにしてもよい。
図10(b)は、参照画像データにおける探索領域を示す模式図である。図10(b)に示される通り、例えば探索領域サイズS3=5の場合、参照画像データ1004において着目画素1002と同座標に位置する画素1005を中心とする5×5の矩形領域が探索領域1006として決定される。
ここで、着目画素とその周辺に位置する参照画素とを加重平均する、一般的なノイズ低減手法(例えば、特許文献1)によれば、全ての参照画素が加重平均されるため、探索領域のサイズを大きくすると、平滑化強度が上がる(ボケる)効果を得ることができる。しかしながら、本実施形態のノイズ低減手法によれば、着目画素と類似する上位Num番目までの画素が平均または加重平均されるため、探索領域のサイズが大きくなるほど平滑化強度が下がる(鮮鋭化する)効果を得ることができる。逆に、探索領域が小さくなるほど平滑化強度が上がる(ボケる)効果を得ることができる。本実施形態ではこの結果、平滑化強度SVが大きいほど探索領域を小さくすることにより、エッジのがたつきを抑制しつつ、画像データに混入したノイズを抑制することができる。
S905において、合成部206は、S904で決定した探索領域のなかから着目画素と同じ色成分を有する画素を参照画素として選択する。
S906において、合成部206は、S905で選択された参照画素を中心とする参照領域を決定する。参照領域のサイズは着目領域サイズS2と同じであり、S901で入力されたパラメータから取得される。図10(c)に示される通り、例えばS2=5の場合、参照画素1007を中心とする5×5の矩形領域が参照領域1008として設定される。
S907において、合成部206は、S902で決定した着目領域とS906で決定した参照領域との差分絶対値の和(SAD)を導出する。
S908において、合成部206は、S907で導出されたSADと閾値th2とを比較する。SAD<th2である場合(S908:YES)はS909に移行する。SAD≧th2である場合(S908:NO)はS909をスキップしてS910に移行する。
S909において、合成部206は、S905で選択した参照画素を合成候補画素リストに追加する。S909において、S905で選択した参照画素の画素情報が合成候補画素リストに追加される。
S910において、合成部206は、探索領域における全ての参照画素が選択されたか否かを判定する。全ての参照画素が選択された場合(S910:YES)はS911に移行する。全ての参照画素が選択されていない場合(S910:NO)はS905に戻る。
S911において、合成部206は、全ての参照画像データが選択されたか否かを判定する。全ての参照画像データが選択された場合(S911:YES)はS912に移行する。全ての参照画像データが選択されていない場合(S911:NO)はS903に戻る。
S912において、合成部206は、SADが最も小さくなる参照画素を最上位とし、SADが昇順となるように合成候補画素リスト上の参照画素をソートする。
S913において、合成部206は、合成候補画素リストにおける上位Num番目までの参照画素を選択する。すなわち、SADが最も小さくなる参照画素からNum番目までの参照画素が選択される。
S914において、合成部206は、ノイズ低減処理後の着目画素の画素値を導出する。本実施形態の合成部206は、着目画素の画素値と、S913で選択されたNum番目までの画素の画素値との平均値を、以下の(式4)を用いて導出することができる。
Figure 0007005280000004
ここで、I0は着目画素の画素値を、IiはNum番目までの画素の画素値(iはS913で選択した順番)をそれぞれ意味する。上記のような単純な平均ではなく、例えば、選択した各画素のSADの逆数を重みとして、(式5)で加重平均することにより平均値が導出されてもよい。
Figure 0007005280000005
ここで、wiはi番目画素の重みを示し、SADとの関係はwi=1/SADiで表される。なお、本実施形態では、合成候補画素を決定するために、差分絶対値の和(SAD)を用いたが、これに限らず着目画素と類似する画素を見つけることが可能であれば、上記以外の手法を用いてもよい。例えば、着目領域と参照領域との平均値の差分絶対値に基づいて合成候補画素を決定してもよい。また、差分率に応じて設定された閾値以下に合成候補画素数を設定してもよい。あるいはまた、SADと平均値の差分絶対値との組み合わせに基づいて合成候補画素を決定してもよい。
本実施形態では、平滑化強度SVに応じて探索領域のサイズS3を切り替えることによりノイズ低減量を調整したが、実施形態はこの手法に限られない。例えば、平滑化強度SVが大きいほど着目領域のサイズS2を小さくすることにより、ノイズ低減量を調整することもできる。あるいはまた、平滑化強度SVが大きいほど合成対象となる画素数をNumよりも多くすることによりノイズ低減量を調整することもできる。
また、S909において合成候補画素リストに追加された参照画素の個数がNum個に満たない場合、S913をスキップしてもよい。この場合、S914において、合成候補画素リストに追加されている全参照画素について式(4)または式(5)が適用されてもよい。さらに、合成候補画素リストに追加された参照画素が0個の場合、th2の値を大きくしてから、再度合成処理(S303)が実行されてもよい。
S914が終了すると、本フローチャートの処理を終了して再び図7のフローチャートに戻る。
以上説明した通り、本実施形態のノイズ低減処理によれば、エッジ強度とエッジ類似度とに応じた平滑化強度に基づいて、ノイズ低減処理後の画素値が導出される。そのため、エッジのがたつきを抑制しつつノイズを低減するなど、画像データに混入したノイズを良好に低減することができる。
[実施形態2]
実施形態1では、ノイズ低減対象となる基準画像データをエッジ部と平坦部とに分類し、それぞれに適した平滑化強度でノイズ低減処理が行われていた。しかしながら、複数の画像データに含まれる被写体が動体の場合、動体のエッジ部と非動体のエッジ部とでは、基準画像データと参照画像データとの間で類似画素の見つけやすさが異なる。そうすると、動体エッジは類似画素が見つかり難いためノイズ低減量が少なくなり、非動体エッジは動体エッジと比較して類似画素が見つかり易いため相対的にノイズ低減量が多くなる。そのため、動体エッジと非動体エッジとで、平滑化強度を変更することが望ましい。そこで、実施形態2では、着目画素が非動体のエッジ部に位置する非動体エッジ画素であるか、動体のエッジ部に位置する動体エッジ画素であるかを判定し、それぞれに適した平滑化強度を設定してノイズを低減する手法について説明する。なお、実施形態1と共通する部分については説明を簡略化ないし省略し、以下では本実施形態に特有な点を中心に説明する。
(領域判定処理)
図12は、本実施形態における領域判定手順(S302)の一例を示すフローチャートである。以下、図12のフローチャートを参照して本実施形態における領域判定手順について説明する。
S1201において、領域判定部205は、領域判定結果を保持する領域判定マップと、エッジ強度を保持するエッジ強度マップと、エッジ類似度を保持するエッジ類似度マップとを初期化する。また、S1201において、局所領域のサイズS1、閾値th3、th4等のパラメータ、及び撮影時のISO感度に応じたノイズ分散σ2が読み込まれる。なお、実施形態1とは異なり、領域判定マップは0,1,2の3値情報を保持することができる。
S1202において、領域判定部205は、基準画像データにおける着目画素を選択する。
S1203において、領域判定部205は、着目画素のエッジ強度Eを導出する。エッジ強度Eを導出する手法は実施形態1と同じである。
S1204において、領域判定部205は、S1203で導出したエッジ強度Eと、S1201で入力された閾値th3とを比較する。E≧th3となる場合(S1204:YES)はS1205に移行し、E<th3となる場合(S1204:NO)はS1211に移行する。
S1205において、領域判定部205は、参照画像データにおける探索領域のなかから着目画素と同じ色成分を有する画素を参照画素として選択する。参照画素を選択する手法は実施形態1と同じである。
S1206において、領域判定部205は、着目領域と参照領域との差分絶対値の和(SAD)を導出する。差分絶対値の和(SAD)を導出する手法は実施形態1と同じである。
S1207において、領域判定部205は、探索領域における全ての参照画素が選択されたか否かを判定する。全ての参照画素が選択された場合(S1207:YES)はS1208に移行する。全ての参照画素が選択されていない場合(S1207:NO)はS1205に戻る。
S1208において、領域判定部205は、S1201で入力された閾値th4とS1206で導出した差分絶対値の和(SAD)の累積値とを比較する。SADの累積値<th4となる場合(S1208:YES)はS1209に移行し、SADの累積値≧th4となる場合(S1208:NO)はS1210に移行する。
S1209において、領域判定部205は、着目画素を非動体エッジ画素と判定し、領域判定マップにおいて着目画素と同座標に位置する画素に「1」を出力する。
S1210において、領域判定部205は、着目画素を動体エッジ画素と判定し、領域判定マップにおいて着目画素と同座標に位置する画素に「2」を出力する。
S1211において、領域判定部205は、着目画素を平坦画素と判定し、領域判定マップにおいて着目画素と同座標に位置する画素に「0」を出力する。
S1212において、領域判定部205は、参照画像データにおいて着目画素と同座標に位置する画素(以後、本実施形態において「対応画素」と記す)を選択する。
S1213において、領域判定部205は、着目画素と対応画素との間のエッジ類似度を導出する。エッジ類似度を導出する手法は実施形態1と同じである。
S1214において、領域判定部205は、全ての参照画像データから対応画素を選択したか否かを判定する。全ての対応画素の選択が完了した場合(S1214:YES)はS1215に移行し、全ての対応画素の選択が完了していない場合(S1214:NO)は再びS1212に戻る。
S1215において、領域判定部205は、基準画像データの全画素についてS1202~S1214が完了したか否かを判定する。完了している場合(S1215:YES)は領域判定処理を終了して再びメインフローチャート(図3)に戻る。完了していない場合(S1215:NO)は再びS1202に戻る。
(合成処理)
図13は、本実施形態における合成手順(S303)の一例を示すフローチャートである。以下、図13のフローチャートを参照して本実施形態における合成手順について説明する。
S1301において、合成部206は、領域判定処理(S302)で生成した領域判定マップと、エッジ強度マップと、エッジ類似度マップとを読み込む。また、S1301において、合成処理で用いられる平滑化強度の基準値及び補正係数cも読み込まれる。
S1302において、合成部206は、基準画像データにおける着目画素を選択する。
S1303において、合成部206は、領域判定マップにおける着目画素と同座標に位置する画素を参照し、その画素値が1であるか否かを判定する。すなわち、S1303において、着目画素が非動体エッジ画素であるか否かが判定される。着目画素が非動体エッジ画素である場合(S1303:YES)はS1305に移行する。着目画素が非動体エッジ画素ではない場合(S1303:NO)はS1304に移行する。
S1304において、合成部206は、領域判定マップにおける着目画素と同座標に位置する画素を参照し、その画素値が2であるか否かを判定する。すなわち、S1304において、着目画素が動体エッジ画素であるか否かが判定される。着目画素が動体エッジ画素である場合(S1304:YES)はS1305に移行する。着目画素が動体エッジ画素ではない場合(S1304:NO)はS1306に移行する。
S1305において、合成部206は、エッジ強度マップから取得したエッジ強度Eと、エッジ類似度マップから取得したエッジ類似度とを用いて平滑化強度SVを導出する。平滑化強度SVは(式6)によって導出することができる。
Figure 0007005280000006
平滑化強度SVは値が大きいほどノイズ低減量が多いことを示す値であり(図8)、cはエッジ類似度を補正するための補正係数である。このとき、着目画素が非動体エッジの場合は補正係数cにc1が用いられ、着目画素が動体エッジの場合は補正係数cにc2が用いられる(ただし、補正係数c1,c2は、c1<c2の関係を有するものとする)。
S1307において、合成部206は、着目画素と当該着目画素に類似する画素とを合成する類似画素合成処理を行う。類似画素合成処理は実施形態1と同じである。
S1308において、合成部206は、基準画像データの全画素についてS1302~S1307の処理が完了したか否かを判定する。完了している場合(S1308:YES)は合成処理を終了して再びメインフローチャート(図3)に戻る。完了していない場合(S1308:NO)は再びS1302に戻る。
以上説明した通り、本実施形態のノイズ低減処理によれば、実施形態1の構成に加えてエッジを動体エッジと非動体エッジとに分類し、それぞれに適した平滑化強度に応じたノイズ低減処理が行われる。そのため、複数の画像データに含まれる被写体が動体か非動体かに関わらず、エッジのがたつきを抑制しつつノイズを低減するなど、画像データに混入したノイズを良好に低減することができる。
また、実施形態1、2では、参照画像データにおいて着目画素と同座標に位置する画素を対象画素として選択したが、これに限定されるものではない。例えば、撮像装置を手に持って被写体を撮影すると、大きく位置ずれが発生する場合があるため、S301で基準画像データを選択した後、各参照画像データを基準画像データに位置合わせしてからS302~S305の処理を行っても構わない。
[実施形態3]
実施形態1、2では、基準画像データをエッジ部と平坦部とに分類し、それぞれに適した平滑化強度でノイズ低減処理が行われていた。そのため、エッジのがたつきを抑制しつつノイズを低減するなど、画像データに混入したノイズを良好に低減することができる。
ところで、特許文献1のノイズ低減手法によれば、RAW画像データに対してノイズ低減処理を行う他、RAW画像データを適応的に補間して得られるRGB画像データに対してノイズ低減処理を行う手法も知られている。通常、RGB画像データは、適応補間処理においてノイズが低減されているため、RGB画像データに対して特許文献1のノイズ低減手法を適用した場合、低コントラストのテクスチャにボケが発生してしまうという新たな課題が発生する場合があった。そこで、実施形態3では、着目画素がエッジ画素か非エッジ画素かに応じて、参照画像データの種別を切り替える手法について説明する。なお、実施形態1、2と共通する部分については説明を簡略化ないし省略し、以下では本実施形態に特有な点を中心に説明する。
(画像処理装置の機能構成)
本実施形態における画像処理装置の機能構成例について、図14を参照して説明する。本実施形態の画像処理装置100は、入力制御部201と、記憶制御部202と、処理部203と、出力制御部204とを備える。処理部203は、適応補間部1401と、選択部1402と、合成部206と、現像部207とを含む。処理部203における画像処理の詳細は後述する。
(メイン処理)
図15は、本実施形態におけるメイン処理手順例を示すフローチャートである。以下、図15のフローチャートを参照して本実施形態におけるメイン処理手順について説明する。
S1501において、入力制御部201は、時系列的に連続する複数のRAW画像データ、パラメータ、及びISO感度別のノイズ特性等の入力を受け付けて記憶領域に記憶する。
S1502において、適応補間部1401は、S1501で入力された複数のRAW画像データに対して適応補間処理を行い、適応補間画像データを生成する。以下、説明の便宜上、適応補間画像データのうち、後述の合成処理(S1504)で参照される画像データを「適応補間参照画像データ」と記す。適応補間処理には、勾配に基づく補間、色相を考慮した補間、高周波成分を推定する補間などが挙げられ、いずれの手法も適用することができる。適応補間参照画像データは記憶領域に記憶される。なお、適応補間処理の詳細は本実施形態の主眼ではないため説明は省略する。
S1503において、選択部1402は、参照画像データから、基準画像データに合成する候補となる画素を選択する。合成候補画素選択処理の詳細は後述する。
S1504において、合成部206は、S1503で選択された合成候補画素に基づいて基準画像データと参照画像データとを、および、基準画像データと適応補間参照画像データとを合成する。合成処理の詳細は後述する。
S1505において、現像部207は、S1504で合成された合成画像データの現像処理を行う。
S1506において、出力制御部204は、S1505で現像処理が施された画像データを記憶領域から読み出して外部装置などに出力する制御を実行する。画像データの出力が完了すると、本フローチャートの処理を終了する。
(合成候補画素選択処理)
図16は、本実施形態における合成候補画素の選択手順(S1503)の一例を示すフローチャートである。以下、図16のフローチャートを参照して本実施形態における合成候補画素の選択手順について説明する。
S1601において、選択部1402は、合成の候補となる画素を記録するための合成候補画素リストを初期化する。また、S1601において、着目領域のサイズS2、探索領域のサイズS3、及び閾値th5、th6などのパラメータが読み込まれる。
S1602において、選択部1402は、基準画像データにおける着目画素を選択する。
S1603において、選択部1402は、着目画素を中心とする着目領域を決定する。着目領域を決定する手法は実施形態1と同じである。
S1604において、選択部1402は、複数の参照画像データのなかから1つを選択する。
S1605において、選択部1402は、S1604で選択した参照画像データにおける探索領域を決定する。本実施形態において、探索領域のサイズS3は、S1601で入力されたパラメータから取得される。図10(b)に示される通り、例えば探索領域のサイズS3が「5」の場合、着目画素1002と同座標の画素1005を中心とする5×5の矩形領域が探索領域1006として決定される。あるいはまた、実施形態1と同様に平滑化強度SVに応じてS3を可変させてもよい。
S1606において、選択部1402は、S1605で決定した探索領域のなかから着目画素と同じ色成分を有する画素を参照画素として選択する。
S1607において、選択部1402は、S1606で選択した参照画素を中心とする参照領域を決定する。参照領域を決定する手法は実施形態1と同じである。
S1608において、選択部1402は、S1603で決定した着目領域とS1607で決定した参照領域との差分絶対値の和(SAD)を導出する。
S1609において、選択部1402は、S1608で導出されたSADと閾値th5とを比較する。SAD<th5である場合(S1609:YES)はS1610に移行する。SAD≧th5である場合(S1609:NO)はS1610~S1612をスキップしてS1613に移行する。
S1610において、選択部1402は、S1603で決定した着目領域とS1607で決定した参照領域とについて、平均値変化率(Ratio)を導出する。具体的には、以下の(式7)を用いて、色成分ごとに平均値変化率Ratio_R,Ratio_G,Ratio_Bを算出し、それらの最大値をRatioとする。
Figure 0007005280000007
ここで、R0,G0,B0は順に着目領域におけるR,G,Bの画素値の平均値を、R1,G1,B1は順に参照領域におけるR,G,Bの画素値の平均値を表す。
S1611において、選択部1402は、S1610で導出した平均値変化率(Ratio)と閾値th6とを比較する。Ratio<th6である場合(S1611:YES)はS1612に移行し、Ratio≧th6である場合(S1611:NO)はS1612をスキップしてS1613に移行する。
S1612において、選択部1402は、S1606で選択した参照画素の座標を合成候補画素リストに追加する。
S1613において、選択部1402は、探索領域における全ての参照画素が選択されたか否かを判定する。全ての参照画素が選択された場合(S1613:YES)はS1614に移行する。全ての参照画素が選択されていない場合(S1613:NO)はS1606に戻る。
S1614において、選択部1402は、全ての参照画像データが選択されたか否かを判定する。全ての参照画像データが選択された場合(S1614:YES)はS1615に移行する。全ての参照画像データが選択されていない場合(S1614:NO)はS1604に戻る。
S1615において、選択部1402は、基準画像データの全画素についてS1602~S1614が完了したか否かを判定する。完了している場合(S1615:YES)は合成候補画素選択処理を終了して再びメインフローチャート(図15)に戻る。完了していない場合(S1615:NO)は再びS1602に戻る。
なお、本実施形態の合成候補画素選択処理では、合成候補画素を選択するために、差分絶対値の和(SAD)と平均値変化率(Ratio)との両方が用いられたが、少なくともいずれか一方だけが用いられてもよい。さらには、これらの手法に限られず着目画素と類似する画素を見つけることが可能な手法であれば何でもよい。これは、実施形態4においても同様である。
(合成処理)
図17は、本実施形態における合成手順(S1504)の一例を示すフローチャートである。以下、図17のフローチャートを参照して本実施形態における合成手順について説明する。
S1701において、合成部206は、S1503で生成した合成候補画素リストを読み込む。また、S1701において、合成対象となる画素数Numと、閾値th7などのパラメータ、及びISO感度別のノイズ分散σ2が読み込まれる。本実施形態では、画素数Numは、参照画像データの数に設定されている。さらに、S1701において、合成部206は、合成対象となる画素をカウントするための変数iを初期化してi=1とする。
S1702において、合成部206は、基準画像データにおける着目画素を選択する。
S1703において、合成部206は、着目画素のエッジ強度Eを導出する。エッジ強度Eを導出する手法は実施形態1と同じである。
S1704において、合成部206は、SADが最も小さくなる参照画素を最上位とし、SADが昇順となるように合成候補画素リスト上の参照画素をソートする。
S1705において、合成部206は、S1704でソートした参照画素のうち、i番目の参照画素の座標を取得する。
S1706において、合成部206は、S1703で導出したエッジ強度Eと、閾値th7とを比較する。E≧th7の場合(S1706:YES)はS1707に移行し、E<th7の場合(S1706:NO)はS1708に移行する。
S1707において、合成部206は、S1705で取得した座標に対応する画素を適応補間参照画像データから取得する。
S1708において、合成部206は、S1705で取得した座標に対応する画素を参照画像データから取得する。
S1709において、合成部206は、iを1つインクリメントする。
S1710において、合成部206は、Num個の画素を取得したか否かを判定する。i=Numである場合(S1710:YES)はS1711に移行する。i≠Numである場合(S1710:NO)はS1705に戻る。
S1711において、合成部206は、ノイズ低減後の着目画素の画素値を導出する。具体的には、着目画素の画素値と、S1707及びS1708で取得されたNum番目までの画素の画素値との平均値または加重平均値が導出される。これらの手法は実施形態1と同じである。
S1712において、合成部206は、基準画像データにおける全ての画素について処理が完了したか否かを判定する。全ての画素について処理が完了した場合(S1712:YES)は本フローチャートの処理を終了して再びメインフローチャート(図15)に戻る。全ての画素について処理が完了していない場合(S1712:NO)は再びS1702に戻る。
以上説明した通り、本実施形態のノイズ低減処理によれば、エッジ部に位置するエッジ画素については適応補間参照画像データから、非エッジ部に位置する非エッジ画素については参照画像データから合成対象となる画素を取得する。そのため、エッジのがたつきや、コントラストの低いテクスチャのボケを抑制しつつ、画像データに混入したノイズを良好に低減することができる。
[実施形態4]
実施形態3では、着目画素がエッジ画素の場合は適応補間後の画像データから合成対象の画素が取得され、着目画素が非エッジ画素の場合は適応補間前の画像データから合成対象の画素が取得される。
ところで、撮像装置を手に持って被写体を撮像した場合、被写体が静止していても画像ごとに被写体の位置が大きくずれる場合がある。このような場合、探索領域を探索しても着目画素と類似する類似画素を見つけることができない可能性がある。そこで、本実施形態では、先ず参照画像データを基準画像データに位置合わせする。次いで、エッジ画素については適応補間後の画像データから合成対象の画素を取得し、非エッジ画素については適応補間前の画像データから合成対象の画素を取得する手法について説明する。なお、上述の実施形態と共通する部分については説明を簡略化ないし省略し、以下では本実施形態に特有な点を中心に説明する。
(画像処理装置の機能構成)
本実施形態における画像処理装置の機能構成例について、図18を参照して説明する。図18に示される通り、本実施形態では、実施形態3の画像処理装置100の機能構成に加えて、処理部203に位置合わせ部1801をさらに備える。処理部203における画像処理の詳細は後述する。
(メイン処理)
図19は、本実施形態におけるメイン処理手順例を示すフローチャートである。以下、図19のフローチャートを参照して本実施形態におけるメイン処理手順について説明する。
S1901において、入力制御部201は、時系列的に連続する複数のRAW画像データ、パラメータ、及びISO感度別のノイズ特性等の入力を受け付けて記憶領域に記憶する。
S1902において、適応補間部1401は、S1901で入力された複数のRAW
画像データに対して適応補間処理を行い、適応補間画像データを生成する。適応補間画像データを生成する手法は実施形態3と同じである。
S1903において、位置合わせ部1801は、基準画像データと参照画像データとの位置合わせ処理を行う。S1903の位置合わせ処理では、基準画像データと参照画像データとのそれぞれの局所領域における特徴点が対応付けられて、基準画像データと参照画像データとの間で画素ごとの対応関係を導出可能な射影変換行列が生成される。この射影変換行列は、参照画像の枚数分生成される。なお、位置合わせ処理は、基準画像データと参照画像データ間で画素ごとの対応関係を導出可能な手法であれば何でもよい。
S1904において、選択部1402は、基準画像データと、参照画像データと、S1903で生成した射影変換行列とに基づいて、基準画像データに合成する候補となる画素を選択する。合成候補画素選択処理の詳細は後述する。
S1905において、合成部206は、S1904で選択された合成候補画素に基づいて基準画像データと参照画像データとを、および、基準画像データと適応補間参照画像データとを合成する。合成処理の詳細は後述する。
S1906において、現像部207は、S1905で合成された合成画像データの現像処理を行う。
S1907において、出力制御部204は、S1906で現像処理が施された画像データを記憶領域から読み出して外部装置などに出力する制御を実行する。画像データの出力が完了すると、本フローチャートの処理を終了する。
(合成候補画素選択処理)
図20は、本実施形態における合成候補画素の選択手順(S1904)の一例を示すフローチャートである。以下、図20のフローチャートを参照して本実施形態における合成候補画素の選択手順について説明する。
S2001において、選択部1402は、S1601の処理に加え、対応画素の画素情報を記録するための対応画素リストを初期化する。また、S2001において、S1903で生成された射影変換行列も読み込まれる。
S2002において、選択部1402は、基準画像データにおける着目画素を選択する。
S2003において、選択部1402は、着目画素を中心とする着目領域を決定する。着目領域を決定する手法は実施形態1と同じである。
S2004において、選択部1402は、複数の参照画像データのなかから1つを選択する。S2004において、選択された参照画像データに対応する射影変換行列も選択される。
S2005において、選択部1402は、S2004で選択された参照画像データと、射影変換行列とに基づいて、着目画素に対応する画素(以下、本実施形態において「対応画素」と記す)を導出する。
ここで、対応画素を導出する手法の詳細について説明する。まず、選択部1402は、着目画素の座標に射影変換行列をかけて射影変換後の座標を取得する。取得された座標に位置する画素の色成分が着目画素の色成分と同じ場合、取得された座標に位置する画素が対応画素として導出される。一方、取得された座標に位置する画素の色成分が着目画素の色成分と異なる場合、取得された座標の近傍に位置する画素であって、着目画素の色成分と同じ画素が対応画素として導出される。
図21(a)は、参照画像データにおいて着目画素の色成分がRである場合、射影変換後の座標の近傍に位置する画素が対応画素として導出される様子を示す図である。図21(a)では、参照画像データにおける局所領域2101が示されている。局所領域2101は、画素2102,2103,2104,2105を含み、それぞれの色成分はR,G,G,Bである。黒丸2016は射影変換後の座標を示しており、この座標に位置している画素の色成分は「B」である。そのため、局所領域2101において色成分Rを有する画素2102が対応画素として導出される。このように、本実施形態において、射影変換後の座標から着目画素と同じ色成分の画素を探索することを「クリップする」と記す。選択部1402は、射影変換後の座標と、クリップされた対応画素の座標とを関連付けて対応画素リストに追加する。なお、図21(a)において、白丸2107は画素2102の座標(中心位置)を、符号dは射影変換後の座標とクリップされた対応画素の座標との距離を示す。
S2006において、選択部1402は、S2005で導出した対応画素について補正量cを導出する。ここで、補正量cは、クリップ前後の座標間の距離dとの関係において、図21(b)に示されるような比例関係となる。本実施形態では、補正量cは、例えばc=k・dのように算出される。kは任意の係数であり、正の実数値をとる。導出された補正量cは、対応画素リストに追加される。
S2007において、選択部1402は、S2004で選択した参照画像データにおける探索領域を決定する。本実施形態では、S2005で導出した対応画素を中心とするサイズS3の矩形領域が探索領域として決定される。
S2008において、選択部1402は、S2007で決定した探索領域のなかから着目画素と同じ色成分を有する画素を参照画素として選択する。
S2009において、選択部1402は、S2008で選択した参照画素を中心とする参照領域を決定する。参照領域を決定する手法は実施形態1と同じである。
S2010において、選択部1402は、S2003で決定した着目領域とS2009で決定した参照領域との差分絶対値の和(SAD)を導出する。
S2011において、選択部1402は、S2010で導出したSADに、S2006で導出した補正量cを加算した値と、閾値th8とを比較する。SAD+c<th8である場合(S2011:YES)はS2012に移行する。SAD+c≧th8である場合(S2011:NO)はS2012~S2014をスキップしてS2015に移行する。
S2012において、選択部1402は、S2003で決定した着目領域とS2009で決定した参照領域について、平均値変化率(Ratio)を導出する。平均値変化率(Ratio)を導出する手法は実施形態3と同じである。
S2013において、選択部1402は、S2012で導出した平均値変化率(Ratio)と、閾値th9とを比較する。Ratio<th9である場合(S2013:YES)はS2014に移行し、Ratio≧th9である場合(S2013:NO)はS2014をスキップしてS2015に移行する。
S2014において、選択部1402は、S2008で選択した参照画素の座標を合成候補画素リストに追加する。
S2015において、選択部1402は、探索領域おける全ての参照画素が選択されたか否かを判定する。全ての参照画素が選択された場合(S2015:YES)、S2016に移行する。全ての参照画素が選択されていない場合(S2015:NO)、S2008に戻る。
S2016において、選択部1402は、全ての参照画像データが選択されたか否かを判定する。全ての参照画像データが選択された場合(S2016:YES)、S2017に移行する。全ての参照画像データが選択されていない場合(S2016:NO)、S2004に戻る。
S2017において、選択部1402は、基準画像データの全画素についてS2002~S2016が完了したか否かを判定する。完了している場合(S2017:YES)は合成候補画素選択処理を終了して再びメインフローチャート(図19)に戻る。完了していない場合(S2017:NO)は再びS2002に戻る。
(合成処理)
図22は、本実施形態における合成手順(S1905)の一例を示すフローチャートである。以下、図22のフローチャートを参照して本実施形態における合成手順について説明する。
S2201において、合成部206は、S1701の処理に加え、S1904で生成した対応画素リストを読み込む。
S2202において、合成部206は、基準画像データにおける着目画素を選択する。 S2203において、合成部206は、着目画素のエッジ強度Eを導出する。エッジ強度Eを導出する手法は実施形態1と同じである。
S2204において、合成部206は、SADが最も小さくなる参照画素を最上位とし、SADが昇順となるように合成候補画素リスト上の参照画素をソートする。
S2205において、合成部206は、S2204でソートした参照画素のうち、i番目の参照画素の座標を取得する。
S2206において、合成部206は、S2203で導出したエッジ強度Eと、閾値th10とを比較する。E≧th10の場合(S2206:YES)はS2207に移行し、E<th10の場合(S2206:NO)はS2210に移行する。
S2207において、合成部206は、S2205で取得した座標に対応する画素を適応補間参照画像データから取得する。
S2208において、合成部206は、S2205で取得した座標は、S2005で導出した対応画素の座標と同じか否かを判定する。対応画素の座標と同じ場合(S2208:YES)はS2209に移行し、対応画素の座標とは異なる場合(S2208:NO)はS2211に移行する。
S2209において、合成部206は、S2207で取得された画素とその周辺に位置する周辺画素とから、S2214で用いられる画素値を導出する。
ここで、S2209における画素値の導出手法について、図23(a)および図23(b)を参照して説明する。図23(a)は、S1902で生成された適応補間参照画像データ2301を示す図である。適応補間参照画像データ2301には、S2207で取得された画素2303とその周辺画素とを有する局所領域2302が含まれている。なお、図23(a)の適応補間参照画像データにおける符号「R’」は、各画素の色成分が、着目画素の色成分Rと同じ色成分に補間されていることを表している。
図23(b)は、局所領域2302の拡大図である。図23(b)に示される通り、局所領域2302には、S2207で取得された画素2303と、その周辺画素2304,2305,2306とが含まれる。画素2303において、「R→R’」は、色成分「R」が適応補間後に色成分「R’」に変化したことを示している。これは、画素2304~2306においても同じである。本実施形態ではこのように、参照画像データにおいて色成分R,G,G,Bを有していた4画素からなる局所領域2302が区画される。なお、S2005において対応画素がクリップされて導出されている場合、S2201で読み込んだ対応画素リストが参照され、射影変換後の座標と対応画素の座標(クリップ前後の座標)とが含まれるように局所領域2302が区画される。
図23(b)において、×印2307は、着目画素を射影変換して得られる射影変換後の座標を示している。そして、合成部206は、画素(x,y)2303の画素値IR1と、画素(x+1,y)2304の画素値IR2と、画素(x,y+1)2305の画素値IR3と、画素(x+1,y+1)2306の画素値IR4とを取得する。
次いで、合成部206は、射影変換後の座標(x’,y’)2307と、画素値IR1~画素値IR4の各座標との距離の逆数を、重みWm(m=1~4)として算出する。合成部206は、画素値IR1~画素値IR4それぞれに対応する重みWmに基づいて、S2214で用いられる画素値IRが導出される。画素値IRは(式7)を用いて導出することができる。
Figure 0007005280000008
S2210において、合成部206は、S2205で取得された座標に対応する画素を参照画像データから取得する。
S2211において、合成部206は、S2207またはS2210で取得された画素の画素値を取得する。S2210で取得された画素値は後述のS2214で用いられる。
S2212において、合成部206は、iを1つインクリメントする。
S2213において、合成部206は、Num個の画素を選択したか否かを判定する。i=Numである場合(S2213:YES)はS2214に移行し、i≠Numである場合(S2213:NO)はS2205に戻る。
S2214において、合成部206は、ノイズ低減後の着目画素の画素値を導出する。具体的には、着目画素の画素値と、S2209及びS2211で導出されたNum番目までの画素の画素値との平均値または加重平均値が導出される。これらの手法は実施形態1と同じである。
S2215において、合成部206は、基準画像データにおける全ての画素について処理が完了したか否かを判定する。全ての画素について処理が完了した場合(S2215:YES)は本フローチャートの処理を終了して再びメインフローチャート(図19)に戻る。全ての画素について処理が完了していない場合(S2215:NO)は再びS2202に戻る。
以上説明した通り、本実施形態のノイズ低減処理によれば、実施形態3の構成に加えて、画像データ間で位置合わせ処理が行われる。そのため、撮像装置を手に持って被写体を撮像した場合など、画像データ間で被写体の位置がずれる場合であっても、エッジのがたつきや、コントラストの低いテクスチャのボケを抑制しつつ、画像データに混入したノイズを良好に低減することができる。
なお、上述の実施形態では、撮像装置が被写体を連続撮影することにより取得した画像データの数と、合成画素数Numとが同数である場合について説明した。しかしながら、任意の合成画素数を設定し、この画素数を満足するように合成処理を行うことができれば、合成画素数は上述したものに限定されない。
また、上述の実施形態では、撮像装置が被写体を連続撮影することにより取得した画像データの内、最初に取得した画像データを基準画像データに設定したが、これに限定されるものではない。例えば、主被写体を最も良好に捉えた画像データを基準画像データに設定しても構わない。
また、上述の実施形態では、合成候補画素リストに含まれる画素のうち、着目領域と参照領域とのSADが小さい参照画素から順に合成対象の画素として選択したが、これに限定されるものではない。例えば、合成候補画素リストからランダムに合成対象の画素として選択しても構わない。
また、実施形態3、4では、参照画像データのみから適応補間参照画像データを生成したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、基準画像データについても適応補間処理した画像データを生成して、エッジ画素については適応補間処理後の画像データを用いて合成処理を行ってもよい。
また、実施形態3、4では、時系列的に連続する画像データは静止被写体を含むことを前提に説明したが、動被写体を含む場合であっても本実施形態のノイズ低減手法を適用することができる。この場合、基準画像データと参照画像データとを位置合わせしたとしても、探索領域において類似画素が見つからないことがある。つまり、合成候補画素リストに合成画素数Numだけの画素数が記録されないことがある。そこで、動被写体の有無を判別しておき、動被写体が存在する場合は基準画像データを適応補間処理した画像データ(以後、「適応補間基準画像データ」と記す)を生成し、動被写体におけるエッジ画素は適応補間基準画像データの画素を用いて合成する。動被写体の判別は、例えば、画像データ間の画素ごとの差分絶対値和を閾値処理するなど動被写体を判別できる手法であれば何でもよい。また、合成画素数Numが0の場合は、着目画素を適応補間基準画像データの同座標の画素と置き換える。かかる構成により、時系列的に連続する画像データ群が動被写体を含む場合であっても、低コントラストのテクスチャのボケを抑制しつつノイズを低減するなど、画像データに混入したノイズを良好に低減することができる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100・・・画像処理装置
101・・・CPU
102・・・RAM
203・・・処理部
205・・・領域判定部
206・・・合成部
207・・・現像部
1401・・適応補間部
1402・・選択部
1801・・位置合わせ部

Claims (22)

  1. 時系列的に連続する複数の画像データを用いてノイズ低減処理を実行する画像処理装置であって、
    前記複数の画像データのうち基準画像データにおける着目画素のエッジ強度を導出するエッジ強度導出手段と、
    前記複数の画像データのうち前記基準画像データ以外を参照画像データとしたとき、前記着目画素と、前記参照画像データにおいて前記着目画素に対応する画素と、の類似度を導出する類似度導出手段と、
    前記エッジ強度と、前記類似度とに基づいて、前記着目画素と類似している画素を探索する探索範囲、着目画素に対応する着目ブロックのサイズ、類似している画素の類似画素数の少なくとも何れか1つを決定する決定手段と、
    前記決定手段が決定した結果に従って、前記基準画像データと前記参照画像データそれぞれについて、前記探索範囲に含まれる画素に対応するブロックのうち着目ブロックに類似するブロックを探索することにより、前記着目画素に類似している類似画素を検出する検出手段と、
    前記着目画素と、前記類似画素とを合成することで前記着目画素の画素値を算出する合成手段と、を有し、
    前記決定手段は、前記エッジ強度が大きいほど、または前記類似度が小さいほど、前記探索範囲を小さくする
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記合成手段は、前記着目画素の画素値と、前記類似画素の画素値との平均値または加重平均値を、ノイズ低減処理後の着目画素の画素値として導出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記決定手段は、前記エッジ強度が大きいほど、または前記類似度が小さいほど、前記類似画素の数を多い数を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記類似度は、前記着目ブロックと、前記対応する画素を含む局所ブロックとの差分絶対値の和の逆数であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記エッジ強度及び前記類似度を用いて、ノイズ低減量の程度を示す値である平滑化強度を導出する平滑化強度導出手段をさらに有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記着目画素がエッジ部に位置するエッジ画素である場合、前記着目画素と、前記参照画像データにおける参照画素との類似度に基づいて、前記着目画素が非動体のエッジ部に位置する非動体エッジ画素か、着目画素が動体のエッジ部に位置する動体エッジ画素かを判定する判定手段をさらに有し、
    前記合成手段は、前記非動体エッジ画素よりも、前記動体エッジ画素の方が大きい平滑化強度で、前記着目画素と前記類似画素とを合成する
    ことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  7. 前記類似度は、前記着目ブロックと、前記探索範囲に含まれる画素に対応するブロックとの差分絶対値の和であることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  8. 時系列的に連続する複数の画像データを用いてノイズ低減処理を実行する画像処理装置であって、
    前記複数の画像データのうち基準画像データにおける着目画素のエッジ強度を導出するエッジ強度導出手段と、
    前記複数の画像データのうち前記基準画像データ以外を参照画像データとしたとき、前記着目画素と、前記参照画像データにおいて前記着目画素に対応する画素と、の類似度を導出する類似度導出手段と、
    前記エッジ強度と、前記類似度とに基づいて、前記着目画素と類似している画素を探索する探索範囲、着目画素に対応する着目ブロックのサイズ、類似している画素の類似画素数の少なくとも何れか1つを決定する決定手段と、
    前記決定手段が決定した結果に従って、前記基準画像データと前記参照画像データそれぞれについて、前記探索範囲に含まれる画素に対応するブロックのうち着目ブロックに類似するブロックを探索することにより、前記着目画素に類似している類似画素を検出する検出手段と、
    前記着目画素と、前記類似画素とを合成することで前記着目画素の画素値を算出する合成手段と、を有し、
    前記決定手段は、前記エッジ強度が大きいほど、または前記類似度が小さいほど、前記着目ブロックのサイズを小さくする
    ことを特徴とする画像処理装置。
  9. 時系列的に連続する複数のRAW画像データを用いてノイズを低減するノイズ低減処理を実行する画像処理装置であって、
    前記RAW画像データを適応的に補間して適応補間参照画像データを生成する生成手段と、
    前記複数のRAW画像データのうちノイズ低減対象となる基準画像データ以外を参照画像データとしたとき、前記基準画像データにおける着目画素がエッジ部に位置するエッジ画素である場合は前記適応補間参照画像データから合成対象となる画素を取得し、前記着目画素が平坦部に位置する平坦画素である場合は前記参照画像データから合成対象となる画素を取得する取得手段と、
    前記着目画素と、前記参照画像データから取得された前記着目画素に類似する類似画素とを、または、前記着目画素と、前記適応補間参照画像データから取得された前記着目画素に類似する類似画素とを合成する合成手段と、を有する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  10. 前記取得手段は、前記着目画素について導出されたエッジ強度に応じて、前記着目画素が前記エッジ画素であるか、または、前記着目画素が前記平坦画素であるかを決定することを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  11. 前記基準画像データと、前記参照画像データとの間で画素ごとの対応関係を導出する位置合わせ手段をさらに有することを特徴とする請求項または10に記載の画像処理装置。
  12. 前記着目画素と、前記参照画像データにおける参照画素との類似度に基づいて、前記類似度の高い参照画素のなかから前記類似画素を選択する選択手段をさらに有することを特徴とする請求項から11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記選択手段は、前記参照画像データにおいて前記着目画素に対応する画素が前記着目画素とは異なる色成分を有する場合、前記対応する画素の周辺に位置する周辺画素であって、前記着目画素と同じ色成分を有する周辺画素を中心とする探索範囲を探索することにより前記類似度の高い参照画素を導出することを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記対応する画素の画素位置から前記周辺画素の画素位置までの距離が長いほど前記類似度が小さくなるように補正されることを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記類似度は、前記着目画素を含む着目ブロックと、前記参照画素を含む参照ブロックとの差分絶対値の和、および、前記着目ブロックと前記参照ブロックとの平均値変化率のうち少なくともいずれか1つであることを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  16. 前記合成手段は、前記着目画素の画素値と、前記参照画像データまたは前記適応補間参照画像データから取得された前記類似画素の画素値と、の平均値または加重平均値を、ノイズ低減処理後の着目画素の画素値として導出することを特徴とする請求項から15のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  17. 前記合成手段は、前記類似画素が、前記適応補間参照画像データにおいて前記着目画素に対応する画素であった場合、前記類似画素と当該類似画素の周辺に位置する周辺画素の画素値とから、前記平均値または前記加重平均値の導出に用いられる画素値を算出することを特徴とする請求項16に記載の画像処理装置。
  18. 前記合成手段は、前記適応補間参照画像データにおいて前記着目画素に対応する画素の画素位置から、前記類似画素の画素位置および前記周辺画素の画素位置までのそれぞれの距離に応じたそれぞれの重みを用いて、前記平均値または前記加重平均値の導出に用いられる画素値を算出することを特徴とする請求項17に記載の画像処理装置。
  19. 時系列的に連続する複数の画像データを用いてノイズ低減処理を実行する画像処理方法であって、
    前記複数の画像データのうち基準画像データにおける着目画素のエッジ強度を導出するエッジ強度導出ステップと、
    前記複数の画像データのうち前記基準画像データ以外を参照画像データとしたとき、前記着目画素と、前記参照画像データにおいて前記着目画素に対応する画素と、の類似度を導出する類似度導出ステップと、
    前記エッジ強度と、前記類似度とに基づいて、前記着目画素と類似している画素を探索する探索範囲、着目画素に対応する着目ブロックのサイズ、類似している画素の類似画素数の少なくとも何れか1つを決定する決定ステップと、
    前記決定ステップで決定された結果に従って、前記基準画像データと前記参照画像データそれぞれについて、前記探索範囲に含まれる画素に対応するブロックのうち着目ブロックに類似するブロックを探索することにより、前記着目画素に類似している類似画素を検出する検出ステップと、
    前記着目画素と、前記類似画素とを合成することで前記着目画素の画素値を算出する合成ステップと、を有し、
    前記決定ステップは、前記エッジ強度が大きいほど、または前記類似度が小さいほど、前記探索範囲を小さくする
    ことを特徴とする画像処理方法。
  20. 時系列的に連続する複数の画像データを用いてノイズ低減処理を実行する画像処理方法であって、
    前記複数の画像データのうち基準画像データにおける着目画素のエッジ強度を導出するエッジ強度導出ステップと、
    前記複数の画像データのうち前記基準画像データ以外を参照画像データとしたとき、前記着目画素と、前記参照画像データにおいて前記着目画素に対応する画素と、の類似度を導出する類似度導出ステップと、
    前記エッジ強度と、前記類似度とに基づいて、前記着目画素と類似している画素を探索する探索範囲、着目画素に対応する着目ブロックのサイズ、類似している画素の類似画素数の少なくとも何れか1つを決定する決定ステップと、
    前記決定ステップが決定した結果に従って、前記基準画像データと前記参照画像データそれぞれについて、前記探索範囲に含まれる画素に対応するブロックのうち着目ブロックに類似するブロックを探索することにより、前記着目画素に類似している類似画素を検出する検出ステップと、
    前記着目画素と、前記類似画素とを合成することで前記着目画素の画素値を算出する合成ステップと、を有し、
    前記決定ステップは、前記エッジ強度が大きいほど、または前記類似度が小さいほど、前記着目ブロックのサイズを小さくする
    ことを特徴とする画像処理方法。
  21. 時系列的に連続する複数のRAW画像データを用いてノイズを低減するノイズ低減処理を実行する画像処理方法であって、
    前記RAW画像データを適応的に補間して適応補間参照画像データを生成する生成ステップと、
    前記複数のRAW画像データのうちノイズ低減対象となる基準画像データ以外を参照画像データとしたとき、前記基準画像データにおける着目画素がエッジ部に位置するエッジ画素である場合は前記適応補間参照画像データから合成対象となる画素を取得し、前記着目画素が平坦部に位置する平坦画素である場合は前記参照画像データから合成対象となる画素を取得する取得ステップと、
    前記着目画素と、前記参照画像データから取得された前記着目画素に類似する類似画素とを、または、前記着目画素と、前記適応補間参照画像データから取得された前記着目画素に類似する類似画素とを合成する合成ステップと、を有する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  22. コンピュータを、請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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