JP6995278B2 - 加圧ガス供給装置とこれを用いた衛星用推進装置 - Google Patents
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Description
この場合、液体推進薬には、一液式推進薬として例えば、ヒドラジン、HAN(硝酸ヒドラジンアンモニウム)、HAN/HN(硝酸ヒドラジンアンモニウム/硝酸アンモニウム)などが用いられる。
一液式推進薬を用いた燃焼手段は、例えば、特許文献1に開示されている。
相乗り(ピギーバック)の場合、主衛星への悪影響の排除が厳しく求められる。そのため、小型衛星又は超小型衛星には、加圧供給系の搭載が認められないことが多く、液体推進薬(一液式推進薬)を用いた飛行又は姿勢制御ができず、これを必要とする衛星の打上げ機会の確保が困難であった。
前記金属粉と前記液体とを接触させて前記加圧ガスを発生させるガス発生装置と、
前記加圧ガスの発生圧力が所定の圧力範囲を維持するように前記ガス発生装置を制御する制御装置と、を備え、
前記分離保有タンクは、前記金属粉と前記液体を仕切り壁で分離して保有する複数のユニットを有し、
前記仕切り壁は、通電により前記金属粉と前記液体を連通する形状に変化する形状記憶合金製であり、
前記ガス発生装置は、前記仕切り壁に個別に通電する通電装置を備える、加圧ガス供給装置が提供される。
衛星推進用のスラスタに供給する液体推進薬を内部に保有する液室と、該液室を加圧する加圧ガスを内部に保有するためのガス室と、前記液室と前記ガス室を分離する可撓性の隔壁と、を有する燃料タンクと、
前記液室に連通し前記液体推進薬を反応させて推進ガスを噴射するスラスタと、を備えた衛星用推進装置が提供される。
従って、分離保有タンクと燃料タンクは、従来のガスタンクや蓄圧器より耐圧が低い低圧タンクとすることができ、高圧タンクを搭載しないので、主衛星への悪影響を防止できる。
この図において、衛星用推進装置100は、加圧ガス供給装置10、燃料タンク20、及びスラスタ30を備える。
気密容器22は、加圧ガス3の最大圧力P1に耐える容器である。液室24、ガス室26、及び隔壁28は、気密容器22の内側に設けられている。
加圧ガス3の最大圧力P1は、後述する例では、2.1MPa又は1.15MPaである。なお、加圧ガス3の下限圧力P2は、例えば0.7MPaある。
推進薬供給元弁32は、液室24とスラスタ30を連通する推進薬供給ライン31を全閉又は全開する。なお、推進薬供給元弁32は、液体推進薬1の流量を制御可能な流量調整弁であってもよい。
フィルター34は、液体推進薬1に含まれる異物を除去する。
この図において、加圧ガス供給装置10は、分離保有タンク12、ガス発生装置14、及び制御装置16を備える。
金属粉4は、アルミニウム又はアルミニウム合金である。また、液体5は、水又はHAN(硝酸ヒドラジンアンモニウム)である。
アルミニウム系の金属粉4を使用して、アルミニウム成分を水と反応させて水酸化物に変化させ、同時に発生する水素ガスによって容易に高圧を得ることができる。
2Al+6H2O→2Al(OH)3+3H2・・・(1)
なお発生した水酸化物(Al(OH)3)は、固形分として水中に浮遊する。この水酸化物が水とアルミの間にあるとガス発生を阻害する可能性がある。
分離保有タンク12は、燃料タンク20と同様に、加圧ガス3の最大圧力P1に耐える低圧容器である。加圧ガス3の最大圧力P1は、後述する例では、2.1MPa又は1.15MPaである。
金属粉4(アルミニウム又はアルミニウム合金)と液体5(水又はHAN)は、低温(例えば90℃以下)において、それぞれ固体と液体である。従って、地上において分離保有タンク12の内圧は、実質的に金属粉4と液体5の充填時のガス圧である。このガスは、例えば不活性ガスであり、充填時の圧力は好ましくは常圧(約0.1MPa)である。
なお、作動時において、分離保有タンク12は、加熱装置13により加熱されており、上述した反応に適した温度(例えば60℃)に保持されていることが好ましい。
制御装置16による制御の具体例は後述する。
中空空洞19aは、好ましくは中空円筒形である。流入口19bは、中空空洞19aの側面に設けられ、中空空洞19aの内部に旋回流を形成するように、中心からオフセットにして設けられている。また、吐出口19cは、中空空洞19aの旋回流の中心から加圧ガス3を外部に排出するように、中心軸に沿って設けられている。
回転磁界発生装置18cは、中空空洞19aの内部に水平に旋回する回転磁界を発生させ、この回転磁界によりスターラー18bを水平に旋回する。
この図において、横軸は推薬消費率(最大1.0)、縦軸の左は、加圧ガス3の発生圧力(MPa)、縦軸の右は、ガス発生率(最大1.0)である。
加圧ガス3の発生圧力(MPa)は、この例ではガス室26の圧力である。
加圧部の空隙容積(すなわち、ガス室26の容積)は液体推進薬1の消費に伴って増加していくので、1回ごとの反応ガスの発生量が同じでも、各段階のピーク圧は順次下がっていく。
この例において、制御装置16は、加圧ガス3の発生圧力を圧力検出器21で検出し検出圧力が下限圧力P2まで下がったときに、次のユニット12aからガスを発生させることで、所定の圧力範囲を維持する。
この例の場合も、制御装置16は、加圧ガス3の発生圧力が下限圧力P2まで下がったときに、次のユニット12aからガスを発生させることで、所定の圧力範囲を維持する。
この図において、分離保有タンク12は、金属粉4を保有する金属粉タンク17aと、液体5を保有する液体タンク17bと、逆止弁17cと、を有する。逆止弁17cは、金属粉タンク17aと液体タンク17bとを連通しかつ金属粉タンク17aから液体タンク17bへの流体(金属粉4と液体5の混合物)の逆流を防止する。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
従って、分離保有タンク12と燃料タンク20は、従来のガスタンクや蓄圧器より耐圧が低い低圧タンクとすることができ、高圧タンク(例えば耐圧が10MPa以上)を搭載しないので、主衛星への悪影響を防止できる。
4 金属粉(アルミニウム又はアルミニウム合金)、5 液体(水又はHAN)、
10 加圧ガス供給装置、11 液体供給装置、12 分離保有タンク、
12a ユニット(タンクユニット)、13 加熱装置、14 ガス発生装置、
14a 通電装置、15 液体供給装置、15a ピストン、
15b 直動アクチュエータ、16 制御装置、17a 金属粉タンク、
17b 液体タンク、17c 逆止弁、18 ガス分離装置、18a 気密容器、
18b スターラー、18c 回転磁界発生装置、19a 中空空洞、
19b 流入口、19c 吐出口、20 燃料タンク、21 圧力検出器、
22 気密容器、24 液室、26 ガス室、28 隔壁、30 スラスタ、
31 推進薬供給ライン、32 推進薬供給元弁、34 フィルター、
100 衛星用推進装置
Claims (4)
- アルミニウム系の金属粉と、該金属粉と接触して加圧ガスを発生する液体と、を分離して保有する分離保有タンクと、
前記金属粉と前記液体とを接触させて前記加圧ガスを発生させるガス発生装置と、
前記加圧ガスの発生圧力が所定の圧力範囲を維持するように前記ガス発生装置を制御する制御装置と、を備え、
前記分離保有タンクは、前記金属粉と前記液体を仕切り壁で分離して保有する複数のユニットを有し、
前記仕切り壁は、通電により前記金属粉と前記液体を連通する形状に変化する形状記憶合金製であり、
前記ガス発生装置は、前記仕切り壁に個別に通電する通電装置を備える、加圧ガス供給装置。 - 前記金属粉は、アルミニウム又はアルミニウム合金であり、
前記液体は、水又はHAN(硝酸ヒドラジンアンモニウム)である、請求項1に記載の加圧ガス供給装置。 - 発生した前記加圧ガスを前記金属粉及び前記液体から分離するガス分離装置を備える、請求項1に記載の加圧ガス供給装置。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の加圧ガス供給装置と、
衛星推進用のスラスタに供給する液体推進薬を内部に保有する液室と、該液室を加圧する前記加圧ガスを内部に保有するためのガス室と、前記液室と前記ガス室を分離する可撓性の隔壁と、を有する燃料タンクと、
前記液室に連通し前記液体推進薬を反応させて推進ガスを噴射するスラスタと、を備えた衛星用推進装置。
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JP2018012673A JP6995278B2 (ja) | 2018-01-29 | 2018-01-29 | 加圧ガス供給装置とこれを用いた衛星用推進装置 |
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