JP6982512B2 - ポンプの健全性診断システム及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液化ガスを貯溜するタンク内に設置されたポンプの健全性を診断するシステム及び方法に関する。
従来、LNGやLPGなどの液化ガスを輸送するために特化した液化ガス運搬船が知られている。液化ガス運搬船は、低温断熱性能を有する巨大な荷役タンクを備え、この荷役タンクの内部に極低温の液化ガスを貯蔵する。荷役タンクは、荷揚げ時に荷役タンク内の液化ガスを汲み上げて陸上の設備へ送り出すためのカーゴポンプを備える。また、荷役タンクは、バラスト航海中に当該荷役タンク内を冷却したり、推進用燃料として主機へ供給したりするために荷役タンク内に残された液化ガスを汲み上げるスプレーポンプを備える。
カーゴポンプやスプレーポンプは、一般的に、荷役タンク内の底部に設置されている。例えば、特許文献1に記載された荷役タンクは、その内部中央に設けられたパイプタワー内に、カーゴポンプと、カーゴポンプから吐出した液化ガスが通る荷役用パイプとを備えている。
荷役タンクを開放しない限り、液化ガス中に沈んでいるカーゴポンプの状態を目視で確認することはできない。そこで、特許文献1では、荷役タンクを開放せずにカーゴポンプの健全性を診断する方法が提案されている。この診断方法は、荷役タンク内の液化ガスが所定の液位となったときのポンプモータの定常電流値を計測し、計測した定常電流値をポンプ吐出量と液化ガス液比重とを用いて標準化し、標準化された定常電流値を記録し、このようにして順次記録した標準化された定常電流値を時系列に解析し、この時系列解析結果を加味してカーゴポンプの健全性を評価するものである。
特許第5049335号公報
特許文献1では、荷役タンク内の液化ガスの液位変化に基づいてポンプ吐出量を求める。液位変化は、荷役タンク内に取り付けられた非接触式の液位計で計測される。定常電流でポンプの健全性を評価するためには、ポンプ吐出量の精確な計測が求められることから、上記のような液位計を用いた液位の計測は、液面の揺動が小さく安定した状態で行うことが望ましい。このような条件は、例えば、荷揚げのための接岸時に、液位が荷役タンクの赤道付近に到達したときに調う。従って、特許文献1の診断方法では、接岸時に稼働するカーゴポンプに適用できるが、液位が荷役タンクの赤道よりも著しく低く且つ液面が揺動するバラスト航海中に稼働するスプレーポンプに適用することは難しい。加えて、従来はタンクの液位から液量を求める際に、球形の算式や液位−液量換算テーブルを用いて行っているが、タンクが球形の算式が使えない非球形タンクである場合や、タンクの液位−液量換算テーブルの入手が困難な場合がある。
そこで本発明では、液化ガスを貯溜するタンク内に設置されたポンプの健全性を診断するポンプの健全性診断システム及び方法であって、診断のタイミングがタンクの液位によって制限されず、且つ、タンクが球形の算式が使えない非球形タンクである場合や、タンクの液位−液量換算テーブルの入手が困難な場合にも適用可能なものを提案することを目的とする。
本発明の一態様に係るポンプの健全性診断システムは、液化ガスを貯溜するタンク内に設置されたポンプの健全性を診断するためのシステムであって、
前記タンク内の前記液化ガスの液位を計測する液位計と、
前記ポンプのポンプモータの定常電流値を計測する定常電流測定装置と、
前記ポンプに接続された吐出管における所定位置の吐出圧を計測する吐出圧計と、
前記液化ガスの液比重が既知の所定の開始時からの経過時間を求める計時装置と、
前記ポンプの吐出口から前記吐出圧計までの圧力損失、及び、前記ポンプの吐出圧と吐出量との関係が予め記憶され、計測された前記定常電流値を標準化する標準化処理装置と、
標準化された前記定常電流値を当該定常電流値が計測された定常電流計測日時と関連付けて記憶する第1記憶装置と、
標準化された前記定常電流値の時系列変化に基づいて、前記ポンプの健全性を評価する健全性診断装置とを備え、
前記標準化処理装置は、前記経過時間に基づいて前記定常電流計測日時の前記液化ガスの液比重を推定し、前記吐出圧、前記液位、前記液比重、前記ポンプの吐出口から前記吐出圧計までの圧力損失、及び、前記吐出圧と吐出量との関係に基づいて前記定常電流計測日時のポンプ吐出量を推定し、前記液比重が所定の基準液比重で標準化され且つ前記ポンプ吐出量が所定の基準ポンプ吐出量で標準化された前記定常電流値を求めることを特徴としている。なお、上記タンクは、液化ガス運搬船に搭載されていてよい。
また、本発明の一態様に係るポンプの健全性診断方法は、液化ガスを貯溜するタンク内に設置されたポンプの健全性を診断する方法であって、
前記ポンプのポンプモータの定常電流値を計測し、
前記定常電流値が計測された定常電流計測日時の前記タンク内の前記液化ガスの液位を計測し、
前記定常電流計測日時の前記ポンプに接続された吐出管における所定位置の吐出圧を計測し、
前記定常電流計測日時の前記液化ガスの液比重が既知の所定の開始時からの経過時間を計測し、
前記経過時間に基づいて前記定常電流計測日時の前記液化ガスの液比重を推定し、
前記吐出圧、前記液位、前記液比重、前記ポンプの吐出口から前記吐出圧の計測位置までの圧力損失、及び、吐出圧と吐出量との関係に基づいて前記定常電流計測日時のポンプ吐出量を推定し、
前記液比重が所定の基準液比重で標準化され且つ前記ポンプ吐出量が所定の基準吐出量で標準化された前記定常電流値を求め、
標準化された前記定常電流値を前記定常電流計測日時と関連付けて記憶し、
標準化された前記定常電流値の時系列変化に基づいて、前記ポンプの健全性を評価することを特徴としている。
上記ポンプの健全性診断システム及び方法では、計測した定常電流値の標準化に際し、ポンプ吐出量を液位変化ではなく吐出圧に基づいて推定する。そのため、この健全性診断システム及び方法は、診断のタイミングがタンクの液位によって制限されない。換言すれば、液面の揺動が大きい航海中や、液位の変化に伴う液面の面積の変化が比較的大きいタンクの上部やタンクの下部に液位があるときに稼働するポンプにも、この健全性診断システム及び方法を適用することができる。また、液位から液量の換算をしなくてもポンプ吐出量を求めることができるので、タンクが球形の算式が使えない非球形タンクである場合や、タンクの液位−液量換算テーブルの入手が困難な場合にも、この健全性診断システム及び方法を適用することができる。
また、上記ポンプの健全性診断システムは、前記ポンプモータの始動電流値を計測する始動電流測定装置と、計測された前記始動電流値のピーク値を当該始動電流値が計測された始動電流計測日時と関連付けて記憶する第2記憶装置とを、更に備え、前記健全性診断装置が、計測された前記始動電流値のピーク値の時系列変化を加味して、前記ポンプの健全性を評価してよい。
同様に、上記ポンプの健全性診断方法は、前記ポンプモータの始動電流値を計測し、計測された前記始動電流値のピーク値を当該始動電流値が計測された始動電流計測日時と関連付けて記憶し、計測された前記始動電流値のピーク値の時系列変化を加味して、前記ポンプの健全性を評価してよい。
このように、始動電流値のピーク値の時系列変化も加味して、ポンプの健全性を診断することによって、より詳細にポンプの健全性を判断することができる。
また、上記ポンプの健全性診断システムにおいて、前記定常電流測定装置は、前記定常電流計測日時の前記液位が所定の範囲にあるときに、前記定常電流値の計測を行ってよい。
同様に、上記ポンプの健全性診断方法において、前記定常電流値の計測を、前記定常電流計測日時の前記液位が所定の範囲にあるときに行ってよい。
このように、液位が所定の範囲にあるときに定常電流値を計測することで、各回(各航海)での計測において、定常電流計測日時の計測条件を揃えることができる。
また、上記ポンプの健全性診断システムにおいて、前記定常電流測定装置は、前記定常電流計測日時の前記経過時間が所定の範囲にあるときに、前記定常電流値の計測を行ってよい。
同様に、上記ポンプの健全性診断方法において、前記定常電流値の計測を、前記定常電流計測日時の前記経過時間が所定の範囲にあるときに行ってよい。
経過時間が大きくなるにつれて、経過時間に基づいて推定される液化ガスの液比重と実際の液比重との誤差が大きくなる。そこで、経過時間が所定の範囲にあるときに定常電流値を計測することで、実際の液比重との誤差が小さい推定された液比重を使って定常電流値を標準化することが可能となり、ひいては、より正確なポンプの健全性の診断を行うことができる。
本発明によれば、液化ガスを貯溜するタンク内に設置されたポンプの健全性を診断するポンプの健全性診断システム及び方法であって、診断のタイミングがタンクの液位によって制限されないものを提案することができる。また、本発明によれば、液化ガスを貯溜するタンク内に設置されたポンプの健全性を診断するポンプの健全性診断システム及び方法であって、タンクが球形の算式が使えない非球形タンクである場合や、タンクの液位−液量換算テーブルの入手が困難な場合にも適用可能なものを提案することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る健全性診断システムが適用されるポンプが設置された荷役タンクの構成を示す概略断面図である。 図2は、健全性診断システムの構成を示すブロック図である。 図3は、船上管理装置の健全性診断に係る構成を示すブロック図である。 図4は、健全性診断処理の流れを示すフローチャートである。 図5は、Q−H曲線の一例を示すグラフである。 図6は、Q−A曲線の一例を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
本発明に係るポンプの健全性診断システムは、LNGやLPGなどの液化ガスを貯溜するタンクから液化ガスを汲み上げるポンプの健全性を診断するものである。本実施形態では、この健全性診断システムを、液化ガス運搬船の一種であるLNG船の荷役タンク内に設置されたポンプに適用して説明する。但し、ポンプの健全性診断システムは、液化ガス運搬船の荷役タンク内に設置されたポンプに限定されず、地上に設置された液化ガスタンク内に設置されたポンプ(図示略)などに適用されてもよい。
〔タンク1の構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る健全性診断システム100が適用されるポンプ14,15が設置されたタンク1の構成を示す概略断面図である。図1に示すタンク1は、球形を呈し、LNG船の船体に設けられた基台3にスカート2を介して支持されている。
タンク1の頂部にはドーム11が設けられており、タンク1の内部においてドーム11の下方には上下方向に延びるパイプタワー12が設けられている。ドーム11及びパイプタワー12の内部には、荷役用パイプ5やスプレーパイプ6などの各種配管や、各種配線が設けられている。更に、パイプタワー12内には、液位計50、梯子(図示略)などが設けられている。
荷役用パイプ5の下端にはカーゴポンプ14が設けられている。荷役用パイプ5は、カーゴポンプ14の吐出管であって、カーゴポンプ14が吐出した液化ガスをタンク1の外部へ送る液化ガスの搬送路を形成している。カーゴポンプ14として、例えば、渦巻きポンプや軸流ポンプなどの、羽根車とそれを回転駆動する電動のポンプモータ14aとを含むポンプが採用される。カーゴポンプ14は、主に、液化ガスの荷揚げ時に稼働する。
ドーム11外において、荷役用パイプ5には後述する統合自動制御装置24により開度が制御される吐出弁51が設けられている。更に、荷役用パイプ5の吐出弁51よりも液化ガスの流れの上流側には、吐出弁51からの吐出圧を検出する吐出圧計52が設けられている。
スプレーパイプ6の下端にはスプレーポンプ15が設けられている。スプレーパイプ6は、スプレーポンプ15の吐出管であって、スプレーポンプ15が吐出した液化ガスをタンク1の上部及び/又は他の荷役タンク(図示略)へ送る液化ガスの搬送路を形成している。スプレーパイプ6を通じてタンク1の底部から汲み上げられた液化ガスは、タンク1の冷却のために、タンク1内の上部に設けたスプレーノズル65から噴出する。スプレーポンプ15として、例えば、渦巻きポンプや軸流ポンプなどの、羽根車とそれを回転駆動する電動のポンプモータ15aとを含むポンプが採用される。スプレーポンプ15は、主に、バラスト航海時に稼働するが、タンク1に液化ガスが積載された航海時に稼働することもある。
ドーム11外において、スプレーパイプ6には後述する統合自動制御装置24により開度が制御される吐出弁61が設けられている。更に、スプレーパイプ6の吐出弁61よりも液化ガスの流れの上流側には、吐出弁61からの吐出圧を検出する吐出圧計62が設けられている。
〔健全性診断システム100の構成〕
図2は、健全性診断システム100の構成を示すブロック図である。図2に示す健全性診断システム100は、荷役配電盤21(CSB:Cargo Switch Board)と、荷役制御コンソール22(CCC:Cargo Control Console)と、計量計測装置23(CTS:Custody Transfer System)と、統合自動制御装置24(IAS:Integrated Automation System)と、船上管理装置25(SMS:Shipboard Management System)とを備えている。
荷役配電盤21は、ポンプモータ14a,15aへ電力を供給する手段である。荷役配電盤21は、電流値を計測するグラフモニタ、電圧変換器、及び電流変換器などを含む(いずれも図示略)。
荷役配電盤21は、船上管理装置25と情報通信手段により情報を送信できるように接続されており、ポンプ始動時にポンプモータ14a,15aへ与える始動電流値を船上管理装置25へ出力する。また、荷役配電盤21は、荷役制御コンソール22と情報通信手段により情報を送信できるように接続されており、ポンプモータ14a,15aへ与える定常電流値と系統電圧値(母線電圧値)とを荷役制御コンソール22へ出力する。
荷役制御コンソール22は、ポンプ14,15を制御するための手段である。荷役制御コンソール22は、統合自動制御装置24と情報通信手段により情報を送信できるように接続されている。荷役制御コンソール22は、荷役配電盤21から入力された定常電流値及び系統電圧値を統合自動制御装置24へ送信する。
計量計測装置23は、タンク1内の液化ガスの液位(液面高さ)、液体の容量、及び、液温度を計測する手段である。計量計測装置23は、タンク1内に設けられた液位計50と、タンク1の底部を含む各要所に設けられて液化ガスの液温度を検出する液温度計と、タンク1の最上部のガス相部分に設けられた圧力計と、液化ガス船の船体に設けられて船体の傾きを検出する船体傾斜計と、これらの検出値から補正計算を行いタンク1内の液化ガスの液位及び容量を算出するコンピュータとを含む(いずれも図示略)。
計量計測装置23は、統合自動制御装置24と情報通信手段により情報を送信できるように接続されている。そして、計量計測装置23は、液位、液体の容積、タンク圧力、及び、液温度を統合自動制御装置24へ送信する。
統合自動制御装置24は、液化ガス運搬船のメインエンジンやボイラなどの機関室機器と、タンク1やポンプ14,15などの荷役機器とを統合して管理し制御するための手段である。統合自動制御装置24は、吐出弁51,61の開度を制御する。統合自動制御装置24は、吐出圧計52,62で計測された吐出圧を取得する。統合自動制御装置24は、荷役制御コンソール22、計量計測装置23、及び船上管理装置25と情報通信手段により情報を送受信できるように接続されている。
統合自動制御装置24は、ポンプモータ14a,15aの定常電流値Ic[A]、系統電圧値[V]、吐出弁51,61の吐出圧Ds[kPa]、吐出弁51,61の開度[%]、ポンプ14,15の稼働時間[h]、タンク1の液位L[m]、タンク1内の圧力[kPa]、タンク1内の液化ガスの容積[m]、及び、タンク1内のボトム液温度[℃]、を含むデータ(以下、「IASからのデータ」と称することがある)を船上管理装置25へ送信する。船上管理装置25は、IASからのデータを所定時間ごとに受信する。
船上管理装置25は、機関室内の主要機器の運転状態などを統括管理するとともに、船舶の船体、機関室機器、貨物機器、及びこれらの備品などの管理及び整備作業などを統括管理する手段である。船上管理装置25は、船舶の船体、機関室機器、貨物機器、及びこれらの備品などの管理ソフトウェアや、ポンプの健全性診断ソフトウェアなどがインストールされた少なくとも1基のコンピュータで構成される。なお、船上管理装置25は、陸上船舶管理会社との間で業務連絡を行うことができるように船陸間通信手段を備えることもできる。
図3は、船上管理装置25の健全性診断に係る構成を示すブロック図である。この図では、健全性診断に関与しない要素は省略されている。図3に示すように、船上管理装置25は、ポンプモータ14a,15aの始動電流値を計測する始動電流測定装置71、ポンプモータ14a,15aの定常電流値を計測する定常電流測定装置72、計測された定常電流値を標準化処理する標準化処理装置73、始動電流ピーク値を時系列解析する始動電流時系列解析装置74、標準化された定常電流値を時系列解析する定常電流時系列解析装置75、及び、これらの解析結果に基づいてポンプ14,15の健全性を診断する健全性診断装置76を含む。船上管理装置25はこれらの装置としての機能を、所定のプログラムを実行することによって備える。
また、船上管理装置25は、標準化された定常電流値を記憶する第1記憶装置78、始動電流ピーク値を記録する第2記憶装置79、健全性診断に使用される各種パラメータや演算式などが記憶された第3記憶装置80を含む記憶装置を備えている。第3記憶装置80には、例えば、初期液比重、液比重の演算式、ポンプ14の吐出口から吐出圧計52までの圧損、ポンプ15の吐出口から吐出圧計62までの圧損、Q−H曲線、Q−A曲線、計測処理開始条件、定常電流処理条件、始動電流処理条件などが記憶されている。
また、船上管理装置25は、バラスト航海開始時からの経過時間(航海日数)を計測する計時装置81を備えている。バラスト航海開始時は、タンク1内の液化ガスの液比重が既知の所定の開始時の一例である。
続いて、図4のフローチャートを用いて、健全性診断システム100を用いたポンプの健全性診断方法について説明する。ここでは、タンク1に設置された2種のポンプ14,15のうち、スプレーポンプ15の健全性診断方法について詳細に説明する。
船上管理装置25は、健全性診断に利用する各種データを取得する(ステップS1)。データ取得トリガは、例えば、バラスト航海中の、スプレーポンプ15の始動の検出であってよい。ポンプ15を始動する際には、始動から所定の時間をかけて定格回転数まで回転数を上昇させるように、低電圧から定常電圧まで連続的に変化する電圧が付与される。ポンプモータ15aが定常回転数まで加速する間、負荷が大きくなっているため定常電流よりも大きな電流(始動電流)が流れる。船上管理装置25は、ポンプモータ15aの始動電流値を常に監視しており、始動電流値に基づいてスプレーポンプ15の始動を検出することができる。但し、スプレーポンプ15は、バラスト航海中に計画的に稼働されることがあり、この場合のデータ取得トリガはスプレーポンプ15の予定された稼働時の経過であってもよい。
健全性診断に利用する各種データは、IASからのデータに含まれる各種データ、始動電流値Is[A]、液化ガスの液比重ρ[kg/m]、及び、バラスト航海開始時からの経過時間(航海日数)を含む。液化ガスの荷揚げが完了した時点からタンク1に残された液化ガスの自然蒸発が始まるので、バラスト航海開始時は、液化ガスの荷揚げの完了後(例えば、荷揚げのために稼働したカーゴポンプ14が全て停止した後)、本船の主機が或る一定以上の出力を継続した時としてよい。但し、バラスト航海開始時の定義はこれに限定されず、適宜定めてよい。
次に、船上管理装置25は、取得した各種データに基づいて、所定の計測処理開始条件が調っているかどうかを判断する(ステップS2)。なるべく同じコンディションでポンプの診断を行うために、計測処理開始条件が調ったときの計測データを診断に利用する。計測処理開始条件は、予め船上管理装置25に記憶されている。計測処理開始条件は、例えば、液位L、吐出圧、経過時間、定常電流値Ic、及び始動電流値Isが、それぞれ所定の範囲内にあることである。船上管理装置25は、計測処理開始条件が調わない場合には(ステップS2でNO)、ステップS1に戻る。また、船上管理装置25は、計測処理開始条件が調う場合は(ステップS2でYES)、診断のための計測を開始する(ステップS3)。
船上管理装置25は、診断のための計測を開始するにあたり、先ず、所定の始動電流処理条件を満足しているかどうかを判断する(ステップS3)。始動電流処理条件は、予め船上管理装置25に記憶されている。始動電流処理条件は、例えば、液位Lが所定の範囲内にあり、且つ、始動電流値Isが所定回数連続して所定の閾値以上である。始動電流処理条件を満足していれば(ステップS3でYES)、始動電流計測開始トリガが生じ、始動電流処理条件を満足していなければ(ステップS3でNO)、処理はステップS1に戻る。
<始動電流計測処理>
始動電流計測開始トリガが生じると、船上管理装置25は、始動電流の計測を行う(ステップS4)。ここで、船上管理装置25は、始動電流計測開始トリガの時点から所定の時間間隔で、所定の始動電流計測時間が経過するまで始動電流値Isを計測する。所定の時間間隔は、始動電流計測開始トリガの時点から始動電流のピーク値が出るまでのポンプの稼働時間であってよい。また、所定の始動電流計測時間は、或る一定のサンプリングタイムである。
更に、船上管理装置25は、計測した始動電流値Isから始動電流最大値を求め、それを始動電流ピーク値とする。船上管理装置25は、始動電流ピーク値を始動電流計測日時及び始動電流計測日時の液位Lと関連付けて第2記憶装置79に記憶する(ステップS5)。
次に、船上管理装置25は、始動電流計測開始トリガの時点から、所定時間経過後(例えば、1時間後)の各種データが所定の定常電流処理条件を満たしているかどうかを判断する(ステップS6)。定常電流処理条件は予め船上管理装置25に記憶されている。定常電流処理条件は、液位Lが所定の範囲内であり、経過時間が所定の日数未満であり、且つ、吐出圧Dsが所定の範囲内である。定常電流処理条件を満足していれば(ステップS6でYES)、定常電流計測開始トリガが生じ、定常電流処理条件を満足していなければ(ステップS6でNO)、処理はステップS1に戻る。
<定常電流計測処理>
定常電流計測開始トリガが生じると、船上管理装置25は、定常電流値Icの計測を行う(ステップS7)。ここで、船上管理装置25は、定常電流計測開始トリガの時点から所定の計測時間間隔で所定回数の定常電流値Icを取得する。
船上管理装置25は、計測した定常電流値Icの平均値を求め、それを定常電流値Icとして記憶する(ステップS8)。更に、船上管理装置25は、定常電流値を計測している間のISAからのデータに含まれる各種データの平均値を求め、それを定常電流値Icに関連付けて記憶する。
<定常電流標準化処理>
続いて、船上管理装置25は、定常電流値Icに対し標準化処理を行い、標準化された定常電流値を求めてそれを記憶する(ステップS9)。ここで「標準化」とは、ポンプ吐出量と液化ガスの液比重とにより変化する定常電流値を、基準ポンプ吐出量と基準液比重という条件での電流値へ換算することをいう。基準ポンプ吐出量は、例えば、定格ポンプ吐出量であってよい。また、基準液比重は、例えば、工場試験時の液比重や、バラスト航海開始時の初期液比重であってよい。
まず、船上管理装置25は、液比重が補正された定常電流値Ic’を求める。比重補正された定常電流値Ic’は次式1を用いて求めることができる。
[式1]
Ic’=Ic×ρ0/ρi
(但し、式1において、Ic’;液比重が補正された定常電流値、Ic;計測した定常電流値、ρ0;基準液比重、ρi;定常電流計測日時の液化ガスの液比重、である)
バラスト航海中に、タンク1内の液化ガスは自然蒸発する。液化ガスのうち、メタンが優先的に蒸発することから、経過時間が増加するに従って、液化ガスの重質化が進んで、液化ガスの液比重が大きくなる。そこで、バラスト航海開始時からの経過時間と、液化ガスの液量の変化とに基づいて、経過時間経過時の液化ガスの液比重ρiを物性計算して、経過時間をパラメータとする液比重の近似式を作成する。そして、定常電流値Ic’の演算において、上記近似式で近似した経過時間経過時の液化ガスの液比重ρiを、定常電流計測日時の液化ガスの液比重として用いる。なお、経過時間が所定日数(例えば、10日)を超えると、近似式を用いて求めた液比重ρiと実際の液比重との誤差が大きくなるので、定常電流処理条件に経過時間が所定日数を超えないことが含まれる。
次いで、船上管理装置25は、ポンプ吐出量Qを推定する。ここで、船上管理装置25は、吐出圧計52で計測された吐出弁51の上流の吐出圧Ds、定常電流計測日時の液比重ρiなどを用いて、スプレーポンプ15の吐出口の吐出圧H[m]を求める。スプレーポンプ15の吐出口は、荷役用パイプ5と接続されるスプレーポンプ15のフランジとしてよい。スプレーポンプ15の吐出圧Hは、次式2を用いて算出することができる。
[式2]
H=Ds/(ρi×9.8×10−3)+ΔPh+ΔL
(但し、式2において、H;スプレーポンプ15の吐出口の吐出圧[m]、Ds;吐出弁51の吐出圧[MPa]、ρi;液化ガス(LNG)の液比重、ΔPh;スプレーポンプ15の吐出口から吐出圧計52までの圧損[MPa]、ΔL;吐出圧計52と液面との高低差[m]、である)
求めた吐出圧Hから、所与のQ−H曲線(ポンプ性能特性情報)を用いて吐出圧Hと対応する吐出量Qを求める。Q−H曲線は、縦軸が吐出圧を表し、横軸が吐出量を表すQ−Hグラフ上に、吐出圧と吐出量との関係を表した曲線であって、通常ポンプメーカから提供される。図5は、Q−H曲線の一例を示している。このQ−H曲線を次式3に示す二次式で近似し、求めた吐出圧Hから推定された吐出量Qを求める。
[式3]
Q=aH+bH+c
(但し、式3において、H;吐出圧[m]、Q;吐出量、a,b,c;係数、である)
そして、船上管理装置25は、縦軸が電流値を表し、横軸が吐出量を表すQ−Aグラフ上に、推定した吐出量Qと比重補正された定常電流値Ic’とから成る計測点をプロットする。図6に示すQ−Aグラフでは、実線で工場試験時のQ−A曲線が表されている。工場試験時のQ−A曲線は、ポンプの電流値と吐出量との関係を表した曲線であって、通常ポンプメーカから提供される。推定した吐出量Qと比重補正された定常電流値Ic’との関係は、ポンプの経年変化などにより、工場試験時のQ−A曲線から外れてくる。船上管理装置25は、所与の演算式などを用いて、基準ポンプ吐出量で標準化された比重補正された定常電流値Ic’を推定し、それを標準化された定常電流値とする。船上管理装置25は、標準化された定常電流値を、定常電流計測日時と関連付けて第1記憶装置78に記憶する。
<トレンド解析処理>
始動電流ピーク値は、例えば、航海の度に計測されて、第2記憶装置79に蓄積される。船上管理装置25は、蓄積された始動電流ピーク値を時系列解析する(ステップS10)。ここで、始動電流ピーク値を直接に時系列解析するのではなく、始動電流ピーク値を第一の評価指標に換算し、第一の評価指標の時系列解析を行ってもよい。更に、船上管理装置25は、始動電流ピーク値(又は、第一の評価指標)の時系列変化から、ポンプの健全性を評価する(ステップS11)。上記のような始動電流ピーク値の時系列解析の手法、及び、ポンプの健全性の評価手法は、例えば、ここに参照として援用する、特許第5049335号公報に記載されている。
標準化された定常電流値は、例えば、航海の度に計測されて、第1記憶装置78に蓄積される。船上管理装置25は、蓄積された標準化された定常電流値を、時系列解析する(ステップS12)。ここで、標準化された定常電流値を直接に時系列解析するのではなく、標準化された定常電流値を第二の評価指標に換算し、第二の評価指標の時系列解析を行ってもよい。更に、船上管理装置25は、標準化された定常電流値(又は、第二の評価指標)の時系列変化から、ポンプの健全性を評価する(ステップS13)。上記のような標準化された定常電流値の時系列解析の手法、及び、ポンプの健全性の評価手法は、例えば、ここに参照として援用する、特許第5049335号公報に記載されている。
始動電流ピーク値の時系列解析結果と定常電流値の時系列解析結果とは独立してポンプの健全性の評価に利用することができる。但し、これらの時系列解析結果はそれぞれ別の観点からポンプの状態を表しているので、これらの時系列解析結果に基づく健常性の診断を相互に組み合わせることによって、より詳細にポンプの健全性を診断することができる。
以上では、スプレーポンプ15の健全性の診断方法について説明したが、それと実質的に同じ手順でカーゴポンプ14の健全性を診断することができる。スプレーポンプ15の健全性の診断する場合はバラスト航海時に始動電流値及び定常電流値の計測を行うが、カーゴポンプ14の健全性を診断する場合は荷揚げ時に始動電流値及び定常電流値の計測を行う。その点を除いて、前述の健全性診断方法のステップS1〜S13において、「スプレーポンプ15」とあるのを「カーゴポンプ14」と読み替えれば、カーゴポンプ14の健全性の診断方法が説明できる。
以上説明したように、本実施形態に係るポンプの健全性診断システム100は、タンク1内の液化ガスの液位を計測する液位計50と、ポンプ14/15のポンプモータ14a/15aの定常電流値を計測する定常電流測定装置72と、ポンプ14/15に接続された吐出管(荷役用パイプ5/スプレーパイプ6)における所定位置の吐出圧を計測する吐出圧計52/62と、液化ガスの液比重が既知の所定の開始時からの経過時間を計測する計時装置81と、ポンプ14/15の吐出口から吐出圧計52/62までの圧力損失、及び、吐出圧と吐出量との関係が予め記憶され、計測された定常電流値を標準化する標準化処理装置73と、標準化された定常電流値を定常電流計測日時と関連付けて記憶する第1記憶装置78と、標準化された定常電流値の時系列変化に基づいて、ポンプ14/15の健全性を評価する健全性診断装置76とを備えている。そして、標準化処理装置73が、経過時間に基づいて定常電流計測日時の液化ガスの液比重を推定し、吐出圧、液位、液比重、ポンプ14/15の吐出口から吐出圧計52/62までの圧力損失、及び、吐出圧と吐出量との関係に基づいて定常電流計測日時のポンプ吐出量を推定し、液比重が所定の基準液比重で標準化され且つポンプ吐出量が所定の基準ポンプ吐出量で標準化された定常電流値を求めることを特徴としている。
また、本発明の一態様に係るポンプの健全性診断方法は、液化ガスを貯溜するタンク1内に設置されたポンプ14/15の健全性を診断する方法であって、ポンプ14/15のポンプモータ14a/15aの定常電流値を計測し、定常電流計測日時のタンク1内の液化ガスの液位を計測し、定常電流計測日時のポンプ14/15に接続された吐出管(荷役用パイプ5/スプレーパイプ6)における所定位置の吐出圧を計測し、定常電流計測日時の液化ガスの液比重が既知の所定の開始時からの経過時間を計測し、経過時間に基づいて定常電流計測日時の液化ガスの液比重を推定し、吐出圧、液位、液比重、ポンプ14/15の吐出口から吐出圧の計測位置までの圧力損失、及び、吐出圧と吐出量との関係に基づいて定常電流計測日時のポンプ吐出量を推定し、液比重が所定の基準液比重で標準化され且つポンプ吐出量が所定の基準吐出量で標準化された定常電流値を求め、標準化された定常電流値を定常電流計測日時と関連付けて記憶し、標準化された定常電流値の時系列変化に基づいて、ポンプ14/15の健全性を評価することを特徴としている。
上記ポンプの健全性診断システム100及び方法では、計測した定常電流値の標準化に際し、ポンプ吐出量を液位変化ではなく吐出圧に基づいて推定する。そのため、タンク1の液位によって制限されずに、診断のためのデータ(即ち、定常電流値)を計測できる。例えば、液面の揺動が大きい航海中や、液位の変化に伴う液面の面積の変化が比較的大きいタンク1の上部やタンク1の下部に液位があるとき(即ち、液位がタンク1の赤道付近以外にあるとき)にも、診断のためのデータを計測できる。よって、スプレーポンプ15などの航海中に稼働するポンプの健全性を診断することができる。更に、液位から液量の換算をしなくてもポンプ吐出量を求めることができるので、タンク1が球形の算式が使えない非球形タンクである場合や、タンク1の液位−液量換算テーブルの入手が困難な場合にも、この健全性診断システム及び方法を適用することができる。
また、本実施形態に係るポンプの健全性診断システム100は、ポンプモータ14a/15aの始動電流値を計測する始動電流測定装置71と、計測された始動電流値のピーク値を始動電流計測日時と関連付けて記憶する第2記憶装置79とを、更に備え、健全性診断装置76が、計測された始動電流値のピーク値の時系列変化を加味して、ポンプ14/15の健全性を評価する。
同様に、本実施形態に係るポンプの健全性診断方法は、ポンプモータ14a/15aの始動電流値を計測し、計測された始動電流値のピーク値を始動電流計測日時と関連付けて記憶し、計測された始動電流値のピーク値の時系列変化を加味して、ポンプ14/15の健全性を評価する。
このように、始動電流値のピーク値の時系列変化も加味して、ポンプ14/15の健全性を診断することによって、より詳細にポンプ14/15の健全性を判断することができる。
また、本実施形態に係るポンプの健全性診断システム100において、定常電流測定装置72は、定常電流計測日時の液位が所定の範囲にあるときに、定常電流値の計測を行う。同様に、本実施形態に係るポンプの健全性診断方法において、定常電流値の計測を、定常電流計測日時の液位が所定の範囲にあるときに行う。液位の範囲は任意に定めてよい。
このように、液位が所定の範囲にあるときに定常電流値を計測することで、各回(各航海)での計測において、定常電流計測日時の計測条件を揃えることができる。
また、本実施形態に係るポンプの健全性診断システム100において、定常電流測定装置72は、定常電流計測日時の経過時間が所定の範囲にあるときに、定常電流値の計測を行う。同様に、本実施形態に係るポンプの健全性診断方法において、定常電流値の計測を、定常電流計測日時の経過時間が所定の範囲にあるときに行う。
経過時間が大きくなるにつれて、経過時間に基づいて推定される液化ガスの液比重と実際の液比重との誤差が大きくなる。そこで、経過時間が所定の範囲にあるときに定常電流値を計測することで、実際の液比重との誤差が小さい推定された液比重を使って定常電流値を標準化することが可能となり、ひいては、より正確なポンプの健全性の診断を行うことができる。
100 健全性診断システム
1 :荷役タンク
2 :スカート
3 :基台
5 :荷役用パイプ
6 :スプレーパイプ
11 :ドーム
12 :パイプタワー
14 :カーゴポンプ
14a :ポンプモータ
15 :スプレーポンプ
15a :ポンプモータ
21 :荷役配電盤
22 :荷役制御コンソール
23 :計量計測装置
24 :統合自動制御装置
25 :船上管理装置
50 :液位計
51 :吐出弁
52 :吐出圧計
61 :吐出弁
62 :吐出圧計
71 :始動電流測定装置
72 :定常電流測定装置
73 :標準化処理装置
74 :始動電流時系列解析装置
75 :定常電流時系列解析装置
76 :健全性診断装置
78,79,80 :記憶装置
81 :計時装置

Claims (9)

  1. 液化ガスを貯溜するタンク内に設置されたポンプの健全性を診断するためのシステムであって、
    前記タンク内の前記液化ガスの液位を計測する液位計と、
    前記ポンプのポンプモータの定常電流値を計測する定常電流測定装置と、
    前記ポンプに接続された吐出管における所定位置の吐出圧を計測する吐出圧計と、
    前記液化ガスの液比重が既知の所定の開始時からの経過時間を求める計時装置と、
    前記ポンプの吐出口から前記吐出圧計までの圧力損失、及び、前記ポンプの吐出圧と吐出量との関係が予め記憶され、計測された前記定常電流値を標準化する標準化処理装置と、
    標準化された前記定常電流値を当該定常電流値が計測された定常電流計測日時と関連付けて記憶する第1記憶装置と、
    標準化された前記定常電流値の時系列変化に基づいて、前記ポンプの健全性を評価する健全性診断装置とを備え、
    前記標準化処理装置は、前記経過時間に基づいて前記定常電流計測日時の前記液化ガスの液比重を推定し、前記吐出圧、前記液位、前記液比重、前記ポンプの吐出口から前記吐出圧計までの圧力損失、及び、前記吐出圧と吐出量との関係に基づいて前記定常電流計測日時のポンプ吐出量を推定し、前記液比重が所定の基準液比重で標準化され且つ前記ポンプ吐出量が所定の基準ポンプ吐出量で標準化された前記定常電流値を求める、
    ポンプの健全性診断システム。
  2. 前記ポンプモータの始動電流値を計測する始動電流測定装置と、
    計測された前記始動電流値のピーク値を当該始動電流値が計測された始動電流計測日時と関連付けて記憶する第2記憶装置とを、更に備え、
    前記健全性診断装置が、計測された前記始動電流値のピーク値の時系列変化を加味して、前記ポンプの健全性を評価する、
    請求項1に記載のポンプの健全性診断システム。
  3. 前記定常電流測定装置は、前記定常電流計測日時の前記液位が所定の範囲にあるときに、前記定常電流値の計測を行う、
    請求項1又は2に記載のポンプの健全性診断システム。
  4. 前記定常電流測定装置は、前記定常電流計測日時の前記経過時間が所定の範囲にあるときに、前記定常電流値の計測を行う、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のポンプの健全性診断システム。
  5. 前記タンクが、液化ガス運搬船に搭載されている、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のポンプの健全性診断システム。
  6. 液化ガスを貯溜するタンク内に設置されたポンプの健全性を診断する方法であって、
    前記ポンプのポンプモータの定常電流値を計測し、
    前記定常電流値が計測された定常電流計測日時の前記タンク内の前記液化ガスの液位を計測し、
    前記定常電流計測日時の前記ポンプに接続された吐出管における所定位置の吐出圧を計測し、
    前記定常電流計測日時の前記液化ガスの液比重が既知の所定の開始時からの経過時間を計測し、
    前記経過時間に基づいて前記定常電流計測日時の前記液化ガスの液比重を推定し、
    前記吐出圧、前記液位、前記液比重、前記ポンプの吐出口から前記吐出圧の計測位置までの圧力損失、及び、吐出圧と吐出量との関係に基づいて前記定常電流計測日時のポンプ吐出量を推定し、
    前記液比重が所定の基準液比重で標準化され且つ前記ポンプ吐出量が所定の基準吐出量で標準化された前記定常電流値を求め、
    標準化された前記定常電流値を前記定常電流計測日時と関連付けて記憶し、
    標準化された前記定常電流値の時系列変化に基づいて、前記ポンプの健全性を評価する、
    ポンプの健全性診断方法。
  7. 前記ポンプモータの始動電流値を計測し、
    計測された前記始動電流値のピーク値を当該始動電流値が計測された始動電流計測日時と関連付けて記憶し、
    計測された前記始動電流値のピーク値の時系列変化を加味して、前記ポンプの健全性を評価する、
    請求項6に記載のポンプの健全性診断方法。
  8. 前記定常電流値の計測を、前記定常電流計測日時の前記液位が所定の範囲にあるときに行う、
    請求項6又は7に記載のポンプの健全性診断方法。
  9. 前記定常電流値の計測を、前記定常電流計測日時の前記経過時間が所定の範囲にあるときに行う、
    請求項6〜8のいずれか一項に記載のポンプの健全性診断方法。
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