JP6980359B1 - 加圧容器 - Google Patents

加圧容器 Download PDF

Info

Publication number
JP6980359B1
JP6980359B1 JP2021531546A JP2021531546A JP6980359B1 JP 6980359 B1 JP6980359 B1 JP 6980359B1 JP 2021531546 A JP2021531546 A JP 2021531546A JP 2021531546 A JP2021531546 A JP 2021531546A JP 6980359 B1 JP6980359 B1 JP 6980359B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bag
pressure
expansion
membrane
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021531546A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2022190260A1 (ja
Inventor
良次 土井原
チョン・カー・ウィー
紀之 古市
隆司 嶋田
良浩 加藤
ルリ子 唐澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Irie Koken Co Ltd
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Irie Koken Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Irie Koken Co Ltd filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Application granted granted Critical
Publication of JP6980359B1 publication Critical patent/JP6980359B1/ja
Publication of JPWO2022190260A1 publication Critical patent/JPWO2022190260A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/14Infusion devices, e.g. infusing by gravity; Blood infusion; Accessories therefor
    • A61M5/142Pressure infusion, e.g. using pumps
    • A61M5/145Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons
    • A61M5/148Pressure infusion, e.g. using pumps using pressurised reservoirs, e.g. pressurised by means of pistons flexible, e.g. independent bags

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Abstract

【課題】吐出の流量を一定にすることができ、かつ吐出できない流動体の残量を小さくすることができる加圧容器を提供する。【解決手段】第1実施形態の加圧容器1−1は、輸液バッグ2を収納する収納部12と、輸液バッグ2を圧迫するための空気6が注入されて膨張する加圧バッグ8と、輸液バッグ2や加圧バッグ8を支持する外板9とを備える。加圧バッグ8は、空気6を昇圧調整する手段との接続部7を有し、昇圧された空気6により輸液バッグ2を圧迫するように構成される。加圧バッグ8の膜面は、輸液バッグ2に接触して圧力を伝達する袋接触膜部13と、外板9に接触して形状が保持される外板接触膜部15と、外板9により膨張方向が制限され、周辺空間に対して膨張可能な膨張膜部16と、を有し、膨張膜部16が、薬液4の量の変化に伴う輸液バッグ2の変形に応じて、袋接触膜部13にシワが生じない方向へと移動可能な膨張空間部17が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、医療機器に係り、流動体が充填された充填袋を加圧するための加圧容器に関し、特に、加圧により流動体を充填袋から押し出すために使用される加圧容器に関する。
従来、例えば輸液を行う医療機器として、点滴スタンドへの吊り下げ、輸液シリンジポンプ、電動駆動式加圧輸液バッグなどの輸液装置が知られている。点滴スタンドへ吊り下げる場合、流量は比較的安定しているが設置場所の制約があり、移動する時にはスタンドを持ち歩く必要があり、転倒の危険があるため外出は難しい。輸液シリンジポンプの場合、流量変動が小さく高性能であるが電源や非常用バッテリーを必要とし、機器が大きく移動に適していない。これに対し、輸液バッグを空気圧などで加圧することにより、吊り下げる必要のない輸液バッグ加圧装置(特許文献1を参照)が提案されている。また、同様に袋状容器から内容物を押し出すための加圧バッグ(特許文献2を参照)や押出装置(特許文献3を参照)がある。
特開2004-230032号公報(株式会社日本ティーエムアイ) WO2018/181502A1(株式会社ジェイ・エム・エス) 特開2011-019709号公報(株式会社ジェイ・エム・エス)
しかしながら、従来の加圧バッグ(特許文献1、特許文献2)では、輸液バッグに接する加圧バッグの袋接触膜部が、フレームまたは外側膜面により外側へ拡大移動することが抑制されたまま内側へ向かって輸液バッグを潰すため、膜面にシワが生じやすい。輸液バッグにシワが生じると、シワ構造部の反力により圧力を伝達する力が削がれて薬液に伝わる圧力が小さくなる。その結果、吐出流量が低下してしまうという問題があった。これが第1の課題である。
また、加圧力だけでは最終的にシワが潰せない場合に、シワにより生じた空隙に残液が残り、薬液を無駄なく吐出することができないという問題があった。これが第2の課題である。
さらに、従来の加圧バッグ(特許文献1、特許文献3)では、加圧バッグの袋接触膜部に、膜面張力が強く働く状態がある。その結果、たとえ加圧バッグ内の圧力が一定であっても、輸液バッグ内の薬液の圧力が変化し、吐出流量が変化してしまうという問題があった。これが第3の課題である。
輸液バッグ等を加圧する加圧容器では、加圧バッグ内の昇圧された空気の圧力を、輸液バッグ内の薬液に伝えて、薬液を出口へと押し出す。クレンメなどの簡単な構造の流量制御部の調整状態を一定に保ったまま、薬液の流量(流出速度)を一定にするためには、薬液の液圧を一定に保つことが重要になる。本発明は、これら課題を解決する構造を提案するものであるが、まず、それぞれの課題の原因について説明する。
第1の課題は、吐出の終盤に輸液バッグに生じるシワのために伝達される圧力が低下して流量が斬減する問題である。膜面のシワの発生は輸液バッグを潰す圧力に抗する力を生じさせる。図14にシワに生じる力の概略を示す。加圧バッグからの加圧の力が、輸液バッグ膜面の山を押しつぶすように働く場合、輸液バッグ膜面が押されるが、膜の反力も生じる。この反力は、輸液バッグ膜面が変形に抗する応力や、膜面同士の接触部分の摩擦による抗力が伝わることによって生じる。加圧の力に対して膜の反力が働く。その結果、内部の薬液の圧力を上昇させる力が減じられて、輸液の圧力は加圧空気の圧力よりも小さくなる。直感的にも、点滴袋のような厚手の樹脂製バッグのシワ部分を指で潰そうとすれば、内部に圧力がなくても潰す指に抗力が働くことは容易に想像できる。このような抗力が原因で、吐出が完了する前から薬液の圧力が低下する。その結果、吐出の終盤において流量が低下する。このシワによる抗力が第1の課題の原因である。
第2の課題は、このようなシワの空隙に薬液が残り、吐出できない残液が生じる問題である。シワが生じてしまった場合、吐出の最終盤においては図14に示すようなシワ膜面の曲率半径は小さくなるため、膜材料の曲げられまいとする応力は大きくなる。膜面同士が接触する面積も増えて、摩擦による抗力も生じる。空隙が残ったまま、加圧バッグの力とシワの抗力が拮抗してしまう。その結果、加圧バッグの圧力ではシワを伸ばしてしまうことができずに空隙が最後まで残る。これが輸液バッグに薬液が残液として残ってしまう第2の課題の原因である。
従来の加圧バッグ(特許文献2)では、図15に示されるように、輸液バッグに接する袋接触膜部の端部は、外側膜面があるために、袋接触膜部を伸ばす方向に移動することができない。また、従来の加圧バッグ(特許文献1)であっても、図16に示されるように、吐出の終盤においては袋接触膜部の端部は、剛体ホルダに突き当たるために袋接触膜部を伸ばす方向に移動し続けることができない。
加圧バッグの輸液バッグに対する袋接触膜部は、吐出前の膨らんだ輸液バッグに沿っていた曲面形状から、吐出後に潰れた平面形状に近づく。しかし、端部が輸液バッグから離れる方向に移動できないため、袋接触膜部において膜面の長さが余ってしまい、シワが生じる。加圧バッグの接触面にシワが生じることで輸液バッグの膜面にもシワを誘起させてしまう。その結果、第1の課題及び第2の課題を生じさせてしまう問題があった。
第3の課題は、膜面張力が強い場合に、主に吐出序盤において伝達圧力が変化し、流量が変化するという課題である。ここで、膜面張力が強い場合に、伝達圧力が変化する原因について説明する。
輸液バッグの表面に曲率がなく、平面となっている部分では、加圧バッグの膜面も平面になる。この場合の圧力伝達の仕組みは次のように考えられる。対面する平らな膜面に垂直な方向に加圧バッグの中の空気の圧力による力が働く。輸液バッグ内の薬液は押されるが、閉じ込められているために膜面から伝わる力に釣り合うまで液圧が上昇する。ここでは液体の深さに関係する水圧については考慮する必要のない条件を前提とした。この場合、仮に加圧バッグの膜面に膜面張力が働いたとしても、膜面が平らであるため、膜面に垂直な方向には、膜面張力による力は働かない。
図16に輸液バッグと加圧バッグの膜面に生じている力の関係の概略も示している。薬液が満たされている状態では輸液バッグの袋形状は凸型の曲面を持つことになる。これを外側から密着して圧迫する加圧バッグの膜面は、加圧バッグから見て凹型の曲面となる。曲率を持つ膜面に張力が働いている場合、曲率半径に応じ、張力の合力が膜面の曲面を平らにしようとする方向に働く。このため、輸液バッグ内の薬液の圧力は、加圧バッグ内の空気の圧力による力と、膜面張力の合力による力とを、足し合わせた力に対して、釣り合う力が発生するまで液圧が上昇することになる。その結果、薬液の圧力は、加圧している空気の圧力よりも高い圧力になる。これは、表面張力が働いているために、気泡の内部の圧力が、周囲の液体の圧力よりも高くなる現象と似ていると言える。
図17は気泡の内部の圧力が表面張力によって高くなることを説明する際に使用される概念図である。液中に半径Rの気泡が存在し、気泡内の圧力をPIN、液体の圧力POUTとすると、表面張力Tが図のように働いているために、力の平衡状態が保たれて静止状態となるためには、気泡内の圧力PINが大きくならなければならない。力の平衡を式で表すと式1となる。これを変形すると式2になり、この式はヤング・ラプラスの式と呼ばれている。球面でない場合にこの関係を一般化すると主曲率半径RとRから求まる平均曲率半径Rを表す式3を用いて、式4と表現できる。この現象では、同じ表面張力の大きさであれば、曲率半径が小さくなる小さな気泡になる程、気泡内部気圧が周囲液圧より大きくなる。また、曲率半径が同じであれば、表面張力が大きくなる気液界面の組み合わせになる程、この圧力差は大きくなる。
図16の吐出前の状態に示すように、加圧バッグの袋接触膜部につながる面が空間に膨張できる部分があるような状態では、加圧バッグの袋接触膜部は強い張力が張った状態で、輸液バッグの膨らんだ面に沿うように接する。輸液バッグの袋形状は、輸液バッグ内の薬液が吐出されると潰されてくる。膨らんだ状態では輸液バッグ膜面の曲率半径は比較的に小さい。これが吐出されてくると、膜面の大部分は曲率半径が大きい平面に近づいてくる。したがって、加圧バッグの膜面に膜面張力が強く働いている場合、輸液の初期では加圧空気の圧力よりも、薬液の圧力が高くなる。そして、吐出が進むにつれて、だんだんと加圧空気の圧力に近づく現象が生じる。その結果、たとえ加圧空気の圧力を一定に保てたとしても、輸液の初期に比べて中期では、薬液圧力が下がり、流量が低下する現象が生じる。
つまり、輸液バッグの加圧容器において膜面張力が強く働く場合には、輸液バッグに曲面部が存在すると、薬液の圧力が加圧空気の圧力よりも余分に高くなる。膜面が平面に近づくにつれて余分な圧力増加がなくなるために輸液の圧力が変化する。このことが、流量が一定にならない第3の課題の原因である。
従来の輸液バッグ加圧容器(特許文献1、特許文献3)では、加圧バッグを空気により膨らませながら薬液入りの輸液バッグを圧迫する方式が取られているが、吐出の初期には、加圧バッグの圧迫面は膜面張力が強く張った状態になる構造であって、第3の課題に対する技術的対処が行われていない。周辺大気の空間へ膨張することができる膜部の曲率半径が大きい場合に膜面張力は大きくなる。大気圧と加圧バッグの圧力差を膜面の伸びに伴う膜面張力で釣り合わせる必要があるが、曲率半径が大きい場合には合力を形成する角度が浅いため、より強い膜面張力でなければ合力が大気圧と加圧バッグとの圧力差の力まで到達しないためである。一方で、膜面張力が強く、シワが生じにくい。そのため、シワ空間に残る残液量は少ないため第1の課題と第2の課題は生じにくい。
この第3の課題の対応のためには構造的に輸液バッグに接する膜の膜面張力を小さくすることが考えられる。従来の輸液バッグ加圧容器(特許文献2)では、外側の膜面同士が直接つながっており、強い膜面張力は外側膜面で発生し、輸液バッグに接触する内側の膜面は膜面張力がほとんど生じない構造になっている。さらに上述の通り、内側の膜面の幅が広がることなく潰れるために輸液バッグにシワが生じやすい。そのため第3の課題は解決するが、第1の課題と第2の課題の問題が生じる。このように従来の技術では課題解決の両立が困難であった。
図13は、従来の方法を模した加圧バッグによる吐出流量の変化を、初期の流量を1として表した。細い実線は、加圧バッグを用いない古典的な吊り下げ式の場合の吐出流量を示している。加圧容器の場合においては、空気圧力はレギュレータにより一定の圧力に制御されている。従来技術による方法のうち、膜面張力が強く生じる加圧バッグA(強い膜面張力:点線)では、吐出序盤において、吊り下げ式よりも流量低下が大きく、第3の課題(序盤の流量変化)が解決できていないことが示されている。一方で膜面張力がほとんど生じない加圧バッグB(弱い膜面張力:破線)では、吐出終盤において、吊り下げ式よりも早く流量低下が生じ、緩慢に流量低下しており、第1の課題(終盤の流量低下)が解決できていないことが示されている。
また、薬液が吐出される針先を秤量ビーカーの上で解放している場合に、充填された液量に対する吐出量の比率を調べた。吊り下げ式は100%吐出できるのに対し、加圧バッグAは98.7%を吐出して遜色がなく、第2の課題(残液)が生じないことを示しているのに対し、加圧バッグBは、95.3%しか吐出できずに残液が生じており、シワの発生による第2の課題が存在していることを示している。
そこで本発明は、袋接触膜部の外側に周辺大気の空間に対して膨張可能な膨張膜部を備え、輸液バッグの吐出に伴う変形に応じて、この膨張膜部が袋接触膜部にシワが生じない方向に移動することができるように構成することで、輸液バッグの膜にシワを生じさせないで、第1の課題と第2の課題を解決する加圧容器を提供する。さらに、この膨張膜部の面積を小さく制限し、膨張部の曲率半径を小さくすることにより膜面張力を弱くして、第3の課題を解決する輸液バッグ加圧容器を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明では以下の技術的手段を講じた。
請求項1に係る発明は、流動体が充填された充填袋の内容物を吐出するための加圧容器であって、充填袋を収納する収納部と、充填袋を圧迫するための圧力伝達流体が注入されて膨張する加圧バッグと、充填袋や加圧バッグを支持する外板と、を備えている。この加圧バッグと外板のいずれか、または、両方で充填袋を収納する収納部を構成している。加圧バッグを構成する袋体は一つであっても、二つであってもよい。収納部は、外板と加圧バッグの間であっても、二つの加圧バッグの間であってもよい。
加圧バッグは、圧力伝達流体を昇圧調整する手段との接続部を有し、昇圧された圧力伝達流体により充填袋を圧迫するように構成されている。
加圧バッグの膜面は、充填袋に接触して圧力を伝達する袋接触膜部と、外板に接触して形状が保持される外板接触膜部と、外板により膨張方向が制限され、周辺空間に対して膨張可能な膨張膜部と、を有している。外板は、加圧バッグの外板接触膜部の膨張を制限するものであればよく、容易に変形しない剛体外板であっても、容易に膨張伸長しない布のような柔軟な材料と骨組みの組み合わせであってもよい。
さらに、膨張膜部が、流動体の量の変化に伴う充填袋の変形に応じて、袋接触膜部にシワが生じない方向へと移動可能な膨張空間部が設けられている。膨張膜部は、袋接触膜部のシワを伸ばすように移動できるもので、充填袋の膜面が湾曲形状から、吐出に伴い平面形状に近づくような場合に、輸液バッグの両端幅が広がる状況に応じて充填袋から遠ざかる方向に移動する。
また、加圧バッグが一つで、輸液バッグが湾曲状の外板に押し付けられるような場合にあっては、充填袋の膜面が平面から湾曲状の外板に押し付けられるように吐出する際に輸液バッグの両端幅が再び狭まる状況では、膨張膜部は、袋接触膜部のシワを伸ばした状態のまま充填袋に近づく方向に移動することがあってもよい。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の加圧容器において、膨張空間部には、膨張膜部の移動方向に対する垂直面の空間断面積が狭くなるように制限された狭小部が設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の加圧容器において、膨張空間部には、膨張膜部の移動方向に対する垂直面の空間断面積が、収納部に近い内側で狭くなるように制限された内側狭小部と、収納部から遠い外側で広くなるように拡大された外側拡大部と、が設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の加圧容器において、膨張空間部は、内側狭小部から外側拡大部に向かって空間断面積が徐々に拡大していくように構成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加圧容器において、加圧バッグが二つの袋体により構成され、膨張膜部と袋接触膜部との間に二つの袋体同士を接続する袋体接続部が設けられていることにより、充填袋を収納する収納部が構成されていることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の加圧容器において、加圧バッグには、袋体接続部に沿って骨棒が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、流体加圧による加圧容器において、充填された流動体の吐出に伴う充填袋の形状の変化に応じて膨張膜部が移動することによってシワの発生を抑制し、膨張部面積を小さくすることで膜面張力を小さく制御して伝達圧力の変化を小さくすることができる加圧バッグの構造を採用したことによって、吐出の流量を一定にすることができ、かつ吐出できない流動体の残量を小さくするという効果が得られる。
本発明に係る加圧容器と輸液バッグの構成を示す外観図である。 第1実施形態の加圧容器(2袋+2枚外板)における(a)輸液バッグを収納した状態、及び(b)吐出終盤の状態を示す断面図である。 第2実施形態の加圧容器(1袋+外板+曲面外板)における(a)輸液バッグを収納した状態、(b)吐出中盤の状態、及び(c)吐出終盤の状態を示す断面図である。 第3実施形態の加圧容器(2袋+2枚外板+突条)における(a)輸液バッグを収納した状態、及び(b)吐出終盤の状態を示す断面図である。 図4に示す矢印A方向から見たB−B線断面図である。 第3実施形態の加圧容器(1袋+外板+突条+曲面外板)における(a)輸液バッグを収納した状態、(b)吐出中盤の状態、及び(c)吐出終盤の状態を示す断面図である。 第4実施形態の加圧容器(2袋+2枚外板+細突条)における(a)輸液バッグを収納した状態、及び(b)吐出終盤の状態を示す断面図である。 図7に示す矢印A方向から見た(a)B−B線断面図、及び(b)C−C線断面図である。 第4実施形態の加圧容器の変形例(2袋+2枚外板+斜突条)における(a)輸液バッグを収納した状態、(b)吐出中盤の状態、及び(c)吐出終盤の状態を示す断面図である。 第5実施形態の加圧容器の(a)一例(2袋+袋体接続部+2枚外板)、(b)他の例(2袋+袋体接続部+2枚外板+突条)、(c)他の例(2袋+袋体接続部+2枚外板+細突条)の構成を示す断面図である。 二つの袋体で構成される加圧バッグの製造方法の(a)一例(2袋+袋体接続部)、(b)他の例(2袋+隣接溶着部)を示す説明図である。 第6実施形態の加圧容器の(a)一例(2袋+袋体接続部+骨棒+2枚外板)、(b)他の例(2袋+袋体接続部+骨棒+2枚外板+突条)、及び(c)他の例(2袋+袋体接続部+骨棒+2枚外板+細突条)の構成を示す断面図である。 測定時間と吐出流量の関係を示すグラフ図である。 シワに生じる力の概略を示す図である。 加圧バッグの袋接触膜部にシワが生じる原因を示す図である。 剛体ホルダを有する加圧バッグの袋接触膜部にシワが生じる原因を示す図である。 気泡の内部の圧力が周囲よりも高くなることを示す概念図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、以下の実施形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
以下に説明する実施形態は、図1に示すように輸液に使用する加圧容器1であって、輸液を行う際に内部に充填袋(以下の例では輸液バッグ)2を収容して加圧するための容器である。図1に示すように、使用する輸液バッグ2は、本体3の内部に流動体(以下の例では薬液)4が封入され、導管チューブ(図示略)を接続する吐出口5を有しており、既に市販されている一般的なものを使用することができる。なお、充填袋の一例として輸液バッグ2を挙げて説明するが、充填袋2は内部に流動体が充填されるものであればこれに限られない。
加圧容器1は、輸液バッグ2を加圧するために、内部に封入された圧力伝達流体(以下の例では空気)6を大気圧よりも高くする昇圧手段との接続部7を有する加圧バッグ8と、この加圧バッグ8を支持する2枚の外板9,9とで構成されている。2枚の外板9,9同士は四隅の連結棒10,…で連結され、板間の距離が一定に保たれている。なお、圧力伝達流体6は一般的には空気であるが、空気以外の気体、または水やシリコンオイルなどの液体であってもよい。
(第1実施形態)
第1実施形態の加圧容器1−1は、図2に示すように、加圧バッグ8を構成する二つの袋体11,11に挟まれた空隙部分を収納部12として内部に輸液バッグ2を収納する。加圧バッグ8は昇圧された空気6により膨張する二つの袋体11,11で輸液バッグ2を挟みこんで圧迫する。加圧バッグ8が輸液バッグ2に直接的に接触した膜面が袋接触膜部13となる。本実施形態では、二つの袋体11,11で構成された加圧バッグ8を採用しているため、袋体11,11同士が互いに接触する相互接触膜部14も形成される。加圧バッグ8は外側にある外板9,9により支えられており、加圧バッグ8が外板9に接触して形状が保持されている部分が外板接触膜部15となる。本実施形態において加圧バッグ8の膜面には、袋接触膜部13でもなく、相互接触膜部14でもなく、外板接触膜部15でもなく、周辺大気に接して膨張可能な膨張膜部16がある。
使用時には、図1、図2に示すように、加圧バッグ8の収納部12に輸液バッグ2を挿入して収納する。ここで昇圧手段により加圧バッグ8内に空気を注入しながら圧力を所定の圧力まで上昇させる。加圧バッグ8は膨張するが、このとき、膨張膜部16は、外板9が無く、開放されている方向(図2においては、左右の横方向で輸液バッグ2から遠ざかる方向)に向かって広がるように移動しながら膨張する。加圧バッグ8の膜材料が伸びることによって膜面張力が発生するが、この張力は袋接触膜部13を図2の左右方向に引っ張り伸ばすように働く。膨張膜部16のこの動きと膜面張力により袋接触膜部13は伸ばされるため、シワが発生しない。加圧を始めた初期からシワが生じにくい効果がある。図2に示すように、この袋接触膜部13にシワが生じない方向へと膨張膜部16が移動可能な空間を本発明では膨張空間部17という。この膨張空間部17は、外板9により制限されている制限空間部18と、外板9の外部に広がる自由空間部19の両方を含む。
輸液バッグ2内に薬液4がある段階では、輸液バッグ2は湾曲面をもつように膨らんでいる。薬液4の吐出に伴い、輸液バッグ2の膜面にシワを発生させずに潰すためには、輸液バッグ2の端に接している袋接触膜部13の端部同士(図2では輸液バッグ2の左右の端で、輸液バッグ2と袋接触膜部13と相互接触膜部14の接点)の直線距離は、薬液4の吐出に対する変形に応じて、次第に長くすることが望ましい。その理由は湾曲面を次第に真っ直ぐな平面に変形させるためである。本実施形態では、膨張膜部16は、外板9や外板接触膜部15などで移動が制限されておらず、外側へ膨張しようとする力があるため、薬液4の吐出に応じて、常に左右方向に引っ張りながらシワを発生させずに袋接触膜部13を平面に近づけるように移動することできる。このため、吐出の最終段階まで常にシワを発生させない効果がある。その結果、第1の課題及び第2の課題を解決することができる。
一方で、従来の加圧バッグ(特許文献2)では、図15のように外側膜面は横広形状よりも、常に円形に近づこうとするため、袋接触膜部の端部は左右の外側へ向かって移動することができない。むしろ内側に向かって、直線距離が短くなるように変形する傾向にある。その結果、袋接触膜部は蛇行するようになり、シワが発生するようになる。このようにシワの発生を防止する技術的な対応が取られていないことは明らかである。
また、従来の輸液バッグ加圧装置(特許文献1)のような四角柱状の剛体ホルダの中で加圧するようなものは、図16に示されるように、袋接触膜部の端部が剛体ホルダのために外側へ向かって移動することができない。このような構造も、シワを防止する技術的対応が取られていないことは明らかである。
また、従来の押出装置(特許文献3)では、図16の配置における上下の袋接触膜部を、上下方向に移動させる構造を持たせることと、強い膜面張力を発生させて袋接触膜部をできるだけ平面にすることでシワを防止する技術的対処を行なっている。本発明では、袋接触膜部は輸液バッグに密着湾曲させて加圧し、吐出に伴う変形に追随させながら、膨張膜部の膨張方向を外板で図2の配置方向において、左右方向に移動するように制限して袋接触膜部を外側へ引っ張ることによりシワを防止している。このように従来の押出装置(特許文献3)とは技術的な対応方法が異なる。
本実施形態は、二つの袋体11,11で構成された加圧バッグ8により輸液バッグ2を加圧し、袋接触膜部13のシワを防止することで第1の課題と第2の課題を解決して、安定した流量を得て、残液量を少なくする効果を得ることができる。
(第2実施形態)
図3に示すように、第2実施形態の加圧容器1−2は、一つの袋体11で構成された加圧バッグ8を有し、輸液バッグ2の膜面のうち、加圧バッグ8と相対する反対側の膜面が容易に変形しない部材の曲面外板20により接している。その曲面外板20の内面形状を輸液バッグ2に薬液4が充填された状態の形状に相似した曲面形状とすることができる。
本実施形態では、充填された状態のシワのない形状にフィットした硬い湾曲面21に輸液バッグ2が接しており初期状態からシワが生じない。さらに曲面外板20に接した輸液バッグ2の膜面は移動も変形もしないので最終段階までシワが生じにくい。初期の加圧バッグ8の袋接触膜部13は凸型に膨らんだ輸液バッグ2に接するように凹型の面形状で加圧する。
吐出中盤では、輸液バッグ2の加圧バッグ8と接触する面は平坦になってくるが、膨張膜部16が左右方向の外側へ移動する方向に膜面張力が働いているのでシワが生じることなく平面形状に近づけることができる。吐出終盤では輸液バッグ2の加圧バッグ8と接触する面は、図3下側の湾曲した曲面外板20に向かって押し潰すように移動する。この際、外側へ伸ばし出されていた輸液バッグ2の膜面及び加圧バッグ8の袋接触膜部13は、内側へ引き込まれることになる。ただし、膨張膜部16は外側へ引っ張りながらも、加圧バッグ8の袋接触膜部13が圧力伝達流体(空気)6に押される力によって引きずり込まれるため、常にシワを伸ばす力が働きながら移動することができる。
(第3実施形態)
図4、図5及び図6に示されるように、第3実施形態の加圧容器1−3は、外板9の形状により、膨張膜部16の面積を小さく制限している。膨張空間部17には、外板9の内面に形成された突条22によって、図5に示すように、膨張膜部16の移動方向に対する垂直面の空間断面積が狭くなるように制限された狭小部23が設けられている。
袋接触膜部13に働く膜面張力の大きさは、膨張膜部16の膨張部面積に比例する。加圧バッグ8内の圧力伝達流体6の圧力は昇圧手段によって制御されており、ここではある一定値に制御されているとすると、周辺大気圧との差圧も一定になるように制御されている。図17の式4に示されるように、ここでの差圧であるPIN−POUTが一定となる条件では、膨張膜部16の曲率半径Rが大きくなれば、張力Tも大きくなる関係にある。また、図1、図2を参照してみた場合にも、膨張膜部16の周辺大気に接している部分の投影面積に、上述の差圧が生じており、この差圧と投影面積の積に相当する力が外側へ向かって働いている。この力の一部が袋接触膜部13を外側へ引っ張る力となっている。
強すぎる膜面張力は第3の課題となる問題を生じさせる。外板9の形状により膨張膜部16の面積を小さくし、膜面張力を弱くすることで伝達圧力の変化を小さくし、吐出序盤での流量変化を小さくする効果がある。
(第4実施形態)
図7及び図8に示されるように、第4実施形態の加圧容器1−4は、外板9の形状により、膨張膜部16の膨張部面積が、輸液バッグ2に流動体(薬液)4が充満している状態では、外板9の形状により小さく制限されるように構成され、流動体(薬液)4が吐出されて充填袋(輸液バッグ)2の体積が小さくなった状態では、外板9の形状により、膨張部面積が拡大されるように構成されている。膨張空間部17には、外板9の内面に向かい合うように形成された幅の狭い細突条24,24によって、膨張膜部16の移動方向に対する垂直面の空間断面積が、収納部12に近い内側で狭くなるように制限された内側狭小部25と、収納部12から遠い外側で広くなるように拡大された外側拡大部26と、が設けられている。
強すぎる膜面張力は、特に吐出の序盤に流量変動を生じさせる。これは輸液バッグ2の膜面の曲率変化が序盤において大きいためである。そのため序盤においては膜面張力が弱い方が第3の課題の問題を解決するために望ましい。しかし、吐出の終盤においては膜面張力がたとえ強くとも悪影響が小さい。これは輸液バッグ2の膜面が平面に近づき、曲率半径が大きくなるからである。膜面の曲面に働く合力が小さくなるため余分な圧力上昇は大きくならない。むしろ、序盤での余分な圧力上昇が低下してきているので、それを補う上で膜面張力は中盤から終盤にかけて大きくなる方が望ましい。また、シワを伸ばす目的においても終盤に膜面張力が大きくなることは望ましい。
吐出の中盤から終盤では膨張膜部16は外側へ移動してくる。このことを利用して、外板9の内側狭小部25で制限している膨張膜部面積を外側の外側拡大部26では大きくすることで、吐出中盤以降の膜面張力を大きくすることができる。その結果、中盤以降の圧力低下を少なくして流量変化を小さくし、シワ伸ばしの力を大きくして、シワの発生をより抑制する効果がある。なお、図9に示すように、外板9の内面にテーパー状の斜面を有する斜突条27,27を設けることにより、膨張空間部17が内側狭小部25から外側拡大部26に向かって空間断面積が徐々に拡大していくように構成されてもよい。
(第5実施形態)
図10に示されるように、第5実施形態の加圧容器1−5は、二つの袋体11,11で構成された加圧バッグ8を有し、膨張膜部16と袋接触膜部13との間に二つの袋体11,11同士を接続(溶着)する袋体接続部28を有している。この両側に設けられた袋体接続部28,28間の空隙部分に輸液バッグ2を収納する収納部12が構成されることを特徴としている。
このような場所を溶着することで収納部12が明確になり、輸液バッグ2を挿入する際に入れやすく、加圧バッグ8の加圧部分から輸液バッグ2がはみ出すような設置上の失敗が少なくなる効果がある。また、請求項1に関わる加圧バッグ8においては、膨張膜部16により袋接触膜部13を輸液バッグ2から遠ざかる方向に引っ張る。膨張膜部16と袋接触膜部13との間で、二つの袋接触膜部13,13を物理的に接着することで、片側1枚の袋接触膜部13のみが伸びることを防ぐことができる。膨張膜部16に生じる外側へ出ようとする力に偏りがあった場合でも両方の袋接触膜部13,13を引き伸ばすことができる。
このような二つの袋体11,11で構成される加圧バッグ8は、図11に示される方法で容易に製造することができる。まず長尺状のウレタンシートを折り目に沿って縦に折り畳み、2枚目と3枚目の左右両側に沿って部分的に溶着し、袋体接続部28とする。次に、1枚目と2枚目の横端を溶着し、3枚目と4枚目も横端を溶着するが、2枚目と3枚目は着かないようにする。最後に、1枚目と2枚目の下端に昇圧手段との接続部7となるチューブを入れて溶着し、3枚目と4枚目も溶着するが、2枚目と3枚目は着かないようにする。これにより、1枚目及び2枚目からなる袋体11と、3枚目及び4枚目からなる袋体11の二つの袋体11,11で構成され、2枚目と3枚目の間の空隙部分に収納部12が形成された加圧バッグ8が完成する。
(第6実施形態)
図12に示されるように、第6実施形態の加圧容器1−6は、袋体接続部28のそれぞれの箇所で2本の隣接した隣接溶着部29,29を有し、これらの隣接溶着部29,29の間に強度のある骨棒30が設けられている。このような骨棒30で薄い袋体11を支持することにより袋接触膜部13のシワを防止する効果があり、流量安定性の獲得と残液量を小さくする効果が得られる。なお、このような隣接溶着部29,29を有する加圧バッグ8は、図11(b)に示すように、2枚目と3枚目を溶着する際に骨棒30が入る隙間を隔てて隣接溶着部29,29を設けることにより製造することができる。
以上の構成からなる加圧容器であれば、クレンメやオリフィス等の流量制限器に対して、加圧の大きさで流量が概ね決まってしまい、安定した流量を得ることができる。設置の方向や高さの自由度が高く、携帯して持ち運ぶことも可能になる。また、輸液バッグ内の液体を吐出し終わった後も逆流することはなく、流れが停止するため安全である。したがって、使用する患者のQOLを向上させることが可能である。なお、本発明は上記の実施形態に限定されず、種々に変更することができる。
請求項2、請求項5の実施例では加圧バッグについて請求項5の発明を用い、外板に関しては請求項2の発明を用いた構成の加圧容器(図10(b)に相当)を作成した。加圧バッグはウレタンシートを用いて、図11(a)に示すような作成方法で作成した。この加圧バッグを、図1に示すような外観の外板において、膨張膜部の移動方向への力が小さくなるように膨張空間部を制限した形状の外板を作成し、これらを組み合わせて加圧容器を作成した。外板の形状はテーパーやRがついていてもよい。そして、二つのバッグの接続部を定圧レギュレータに接続した。
また、請求項3、請求項6の実施例では加圧バッグについて請求項6の発明を用い、外板に関しては請求項3の発明を用いた構成の加圧容器(図12(c)に相当)を作成した。加圧バッグはウレタンシートを用いて、図11(b)に示すような作成方法で作成した。この加圧バッグを、図1に示すような外観の外板において、流動体が吐出されて充填袋の体積の変化により、膨張空間部の断面積が小さくなった状態から大きくなる形状の外板を作成し、これらを組み合わせて加圧容器を作成した。外板の形状はテーパーやRがついていてもよい。そして、二つのバッグの接続部を定圧レギュレータに接続した。
そして流動体が充填された充填袋として、扶桑社製の生理食塩水(500mL)の輸液バッグを用いた。この輸液バッグにチューブを接続し、クレンメを通して秤量計の上にのせられたビーカーへ薬液を滴下した。加圧バッグ内の空気圧を約13kPaに加圧した後、チューブのクレンメを開いて薬液を押し出した。薬液の秤量値の時間経過から吐出流量を算出した。結果を図13に示す。
比較例として、古典的な吊り下げ方式の点滴、加圧バッグA(強い膜面張力)、加圧バッグB(弱い膜面張力)と同じグラフに示した。
これらの実測から本発明による実施例(請求項2及び請求項5)と実施例(請求項3及び請求項6)の加圧容器によれば、図13に示されているように、第1の課題とされた部分の流量変化が、従来技術(加圧バッグB:弱い膜面張力)に比べて改善していることが分かる。また、残液量は少なく吐出率は98.3%で、従来技術(加圧バッグB:弱い膜面張力)による方法の95.3%に比べて改善していることが分かる。このことから請求項2、請求項5の発明の効果により吐出終盤の輸液バッグのシワが少なかったことが示されている。更には請求項3、請求項6では吐出終盤の吐出流量の低下を抑制していることが示されている。
また、吐出序盤の流量低下が従来技術(加圧バッグA:強い膜面張力)に比べて改善していることから、請求項2及び請求項3の発明の効果により、シワが発生しない程度の小さい膜面張力に制御することができたことが示されている。
すなわち本発明によれば、全般に渡って吐出流量を安定させ、かつ、残液量を少なくすることができた。
1:加圧容器
2:充填袋(輸液バッグ)
3:本体
4:流動体(薬液)
5:吐出口
6:圧力伝達流体(空気)
7:接続部
8:加圧バッグ
9:外板
10:連結棒
11:袋体
12:収納部
13:袋接触膜部
14:相互接触膜部
15:外板接触膜部
16:膨張膜部
17:膨張空間部
18:制限空間部
19:自由空間部
20:曲面外板
21:湾曲面
22:突条
23:狭小部
24:細突条
25:内側狭小部
26:外側拡大部
27:斜突条
28:袋体接続部
29:隣接溶着部
30:骨棒

Claims (6)

  1. 流動体が充填された充填袋の内容物を吐出するための加圧容器であって、
    前記充填袋を収納する収納部と、
    前記充填袋を圧迫するための圧力伝達流体が注入されて膨張する加圧バッグと、
    前記充填袋や前記加圧バッグを支持する外板と、を備え、
    前記加圧バッグは、
    前記圧力伝達流体を昇圧調整する手段との接続部を有し、
    昇圧された前記圧力伝達流体により前記充填袋を圧迫するように構成され、
    前記加圧バッグの膜面は、
    前記充填袋に接触して圧力を伝達する袋接触膜部と、
    前記外板に接触して形状が保持される外板接触膜部と、
    前記外板により膨張方向が規制され、周辺空間に対して膨張可能な膨張膜部と、を有し、
    前記膨張膜部が、前記流動体の量の変化に伴う前記充填袋の変形に応じて、前記袋接触膜部にシワが生じない方向へと移動可能な膨張空間部が前記充填袋から遠ざかる方向のうち直交する二方向を含む四つの方向に設けられている
    ことを特徴とする加圧容器。
  2. 前記膨張空間部には、
    前記膨張膜部の移動方向に対する垂直面の空間断面積が狭くなるように制限された狭小部が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の加圧容器。
  3. 前記膨張空間部には、
    前記膨張膜部の移動方向に対する垂直面の空間断面積が、前記収納部に近い内側で狭くなるように制限された内側狭小部と、前記収納部から遠い外側で広くなるように拡大された外側拡大部と、が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の加圧容器。
  4. 前記膨張空間部は、前記内側狭小部から前記外側拡大部に向かって空間断面積が徐々に拡大していくように構成されている
    ことを特徴とする請求項3に記載の加圧容器。
  5. 前記加圧バッグが二つの袋体により構成され、
    前記膨張膜部と前記袋接触膜部との間に前記二つの袋体同士を接続する袋体接続部が設けられていることにより、前記充填袋を収納する前記収納部が構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の加圧容器。
  6. 前記加圧バッグには、前記袋体接続部に沿って骨棒が設けられている
    ことを特徴とする請求項5に記載の加圧容器。
JP2021531546A 2021-03-10 2021-03-10 加圧容器 Active JP6980359B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2021/009543 WO2022190260A1 (ja) 2021-03-10 2021-03-10 加圧容器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6980359B1 true JP6980359B1 (ja) 2021-12-15
JPWO2022190260A1 JPWO2022190260A1 (ja) 2022-09-15

Family

ID=78870856

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021531546A Active JP6980359B1 (ja) 2021-03-10 2021-03-10 加圧容器

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6980359B1 (ja)
WO (1) WO2022190260A1 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05337177A (ja) * 1992-06-10 1993-12-21 Jun Kushishitamachi 薬液などの押出装置とその方法
JP2004230032A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Nippon Tmi Co Ltd 輸液バッグ加圧装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05337177A (ja) * 1992-06-10 1993-12-21 Jun Kushishitamachi 薬液などの押出装置とその方法
JP2004230032A (ja) * 2003-01-31 2004-08-19 Nippon Tmi Co Ltd 輸液バッグ加圧装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022190260A1 (ja) 2022-09-15
JPWO2022190260A1 (ja) 2022-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5169037A (en) Product bag for dispensing and method for producing the same
US4379453A (en) Infusion system with self-generating pressure assembly
US20230277793A1 (en) Customizable respiratory mask
US2766907A (en) Pressure infusion apparatus
US5228156A (en) Fluid operated device
US8496136B2 (en) Apparatus for delivering a fluid and methods relating thereto
JP6980359B1 (ja) 加圧容器
US6406458B1 (en) Pressure infusion apparatus
CN109973821B (zh) 推进剂加注系统
US20210322681A1 (en) Fluid delivery device
US5040704A (en) Method and apparatus for dispensing product from a product bag
Frank et al. Static volume-pressure interrelations of the lungs and pulmonary blood vessels in excised cats' lungs
US5137186A (en) Method and apparatus for dispensing product from a product bag
US20150151040A1 (en) Controller for the automatic control of an injection device
TW457141B (en) Tube continuous extrusion press
CA2075659C (en) Product bag for dispensing and method for producing the same
US20130284768A1 (en) Apparatus for delivering a fluid and methods relating thereto
CN211724241U (zh) 加压输液辅助装置
KR102412854B1 (ko) 가압백을 구비한 수액백 가압 장치
WO2021181475A1 (ja) 輸液バッグ加圧容器、輸液バッグ加圧装置
JP2002239002A (ja) ポータブル点滴装置
JP2020172306A (ja) 液体排出装置および貯留容器の残液排出方法
Flaud et al. Experiments of draining and filling processes in a collapsible tube at high external pressure
CN206896434U (zh) 一种可撑开腰椎椎间融合器
JPH0314430A (ja) 流状物充填袋の整袋方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210602

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6980359

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150