JP6979275B2 - クローキング素子の設計方法、クローキング素子、クローキング素子の設計システム及びプログラム - Google Patents

クローキング素子の設計方法、クローキング素子、クローキング素子の設計システム及びプログラム Download PDF

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本発明は、クローキング素子の設計方法、クローキング素子、クローキング素子の設計システム及びプログラムに関する。
クローキングとは、物体の周囲に特殊な素子を配置し、可視光を曲げることによって、対象を遮蔽して不可視にする技術である。所謂、“透明マント”である。物体の周囲に配置する“透明マント”の働きをする素子を、クローキング素子と呼ぶ。これまで、クローキングは、SF世界の産物だと考えられてきたが、2006年に、インペリアル・カレッジ・ロンドンのペンドリー教授らが、変換光学と呼ばれる理論に基づいて、クローキングが可能であることを証明して以降、注目を集めており、クローキング実現のための研究が進展している。可視光だけでなく、他の電磁波、音波、応力波、熱、水の波、物質波等の波動に対して、クローキングが実現できることも知られている。
電磁場に対するクローキング素子のアプリケーションとして、自動車産業では、車両のフロントピラーに用いて、車両の死角をなくすことが期待されている。従来、車両のフロントピラーによって生じる死角をなくす他の技術として、外部カメラで撮影された映像をピラー内部に表示させる方法や、ピラーを透明材料で作る方法が提案されている。しかし、前者は、外部装置が必要であることによるコストや電力消費の増大が問題になり、また後者は、ピラーとして必要な強度を維持できないという問題が生じる。クローキング技術を用いれば、かかる問題が生じることなく、車両の死角をなくすことが可能になる。
また、医療産業の分野では、例えば外科における活用が期待されている。医者の手が患部に重なることによって患部が見えなくなる問題を、クローキング技術を用いた手袋を用いることによって解決できる。
また、エレクトロニクス産業の分野では、太陽電池やLEDへの適用が期待されている。(例えば、非特許文献1)。クローキングによって、電極等の障害物を迂回させるように光を曲げることができれば、太陽電池では、より多くの光を吸収でき、また、LEDでは、より多くの光を出力できるので、それぞれの効率を向上できる。
また、軍事産業では、クローキング技術を用いた、レーダーによって捕捉されない戦闘機や戦車の開発に興味が集まっている。
音波に対するクローキング素子のアプリケーションとしては、様々な用途の音響制御材料が期待されている。例えば、エンジン音を遮断した車内空間や航空機内空間、生活雑音を遮断した居住空間、ノイズ除去した高機能イヤホンやヘッドホン等が挙げられる。
代表的な応力波としては、地震波が挙げられる。従って、応力波に対するクローキング素子が実現できれば、地震波の進路を制御することによって、地震の被害を最小化できる可能性がある。また、水の波に対するクローキング素子が実現できれば、津波の進路を制御することで、津波の被害を最小化できる可能性もある。
熱に対するクローキング素子は、電気機器に用いられる電子回路や半導体チップ中において熱に対して弱い部分を保護するために活用できると期待される。
クローキング素子の物性値は、変換物理学によって決定することが可能である。変換光物理学から求められる物性値は位置に対する連続関数であり、この連続的な物性値の分布を実現できれば、完璧なクローキング性能が得られるはずである。また、変換物理学から得られる物性値の分布は複数存在し、いずれも完璧なクローキング性能を示す。
例えば、電磁場に対するクローキング素子の物性値である比誘電率テンソルと比透磁率テンソルは、変換物理学の一種である変換光学によって求めることができる。
クローキング素子の実証は、電磁波(例えば、非特許文献2)、音波(例えば、非特許文献3)、応力波(例えば、非特許文献4)、熱(例えば、非特許文献5、6及び7)で実施されている。
特許第5510946号
M. F. Schumann, S. Wiesendanger, J. C. Goldschmidt, B. Blasi, K. Bittkau, U. W. Paetzold, A. Sprafke, R. B. Wehrspohn, C. Rockstuhl, and M. Wegener, "Cloaked contact grids on solar cells by coordinate transformations: designs and prototypes", Optica Vol. 2, 850 (2015). D. Schurig, J. J. Mock, B. J. Justice, S. A. Cummer, J. B. Pendry, A. F. Starr, and D. R. Smith, "Metamaterial Electromagnetic Cloak at Microwave Frequencies," Science, Vol. 314, 977 (2006). S. Zhang, C. Xia and N. Fang, "Broadband Acoustic Cloak for Ultrasound Waves," Physical Review Letters, Vol. 106, 024301 (2011). N. Stenger, M. Wilhelm and M. Wegener, "Experiments on Elastic Cloaking in Thin Plates," Physical Review Letters, Vol. 108, 014301 (2012). R. Schittny, M. Kadic, S. Guenneau, and M. Wegener, "Experiments on transformation thermodynamics: Molding the flow of heat," Physical Review Letters, Vol. 110, 195901 (2013). S. Narayana, S. Savo, and Y. Sato, "Transient heat flux shielding using thermal metamaterials," Applied Physical Letter, Vol. 102, 201904 (2013). T. Han, X. Bai, D. Gao, J. T. L. Thong, B. Li and C. Qiu, "Experimental Demonstration of a Bilayer Thermal Cloak," Physical Review Letters, Vol. 112, 054302 (2014). D. Schurig, J. B. Pendry, and D. R. Smith, "Calculation of material properties and ray tracing in transformation media",Optics Express, Vol. 14, 9794 (2006).
しかしながら、実際のクローキング素子の作製では、作製に利用する加工技術が実現できる分解能に応じて、離散的に比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを設定する必要がある。分解能が高いほど、連続値に近づくので、性能は向上するが、分解能が低いほど、作製は容易である。従って、作製を容易にする観点からすれば、要求性能を実現できる最低の分解能を決定する必要がある。また、分解能を考慮した場合、変換光学から得られる複数の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布の中で、クローキング性能に差が生じるので、その中で最もクローキング性能が高くなる比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を見つける必要がある。しかし、これまで、最適な比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を探索しつつ、要求性能を実現できる最低の分解能をシステマティックに決定する方法が提案されていなかった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、加工技術が実現できる分解能を考慮してクローキング素子を設計可能なクローキング素子の設計方法、クローキング素子、クローキング素子の設計システム及びプログラムを提供することをその目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため、加工技術が実現できる分解能を考慮してクローキング素子を設計可能なクローキング素子の設計方法を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1)波動に対するクローキング素子の設計方法であって、クローキング素子を構成するセルのサイズを決定するステップを含む、複数のセルから構成されるクローキング素子の設計方法、
(2)各セルの物性値が線形に変化したクローキング素子を設計する、上記(1)に記載のクローキング素子の設計方法、
(3)最適な物性値分布を探索するステップを含む、上記(1)〜(2)のいずれかに記載のクローキング素子の設計方法、
(4)電磁波に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のクローキング素子の設計方法、
(5)1,000nmより小さい電磁波の波長領域に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、上記(4)に記載のクローキング素子の設計方法、
(6)音波に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のクローキング素子の設計方法、
(7)応力波に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のクローキング素子の設計方法、
(8)熱に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のクローキング素子の設計方法、
(9)水の波に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のクローキング素子の設計方法、
(10)
上記(1)〜(9)のいずれかに記載のクローキング素子の設計方法によって設計されたクローキング素子、
(11)セルサイズの最大値が、クローキング素子の外径の0.2%以下である、上記(5)に記載のクローキング素子の設計方法によって設計されたクローキング素子、
(12)波動に対するクローキング素子の設計システムであって、コンピューターシミュレーションを用いてクローキング素子を構成するセルの大きさであるセルサイズを決定する決定手段として機能するコンピューターを含む、複数のセルから構成されるクローキング素子の設計システム、
(13)コンピューターを用いて、各セルの物性値が線形に変化したクローキング素子を設計する、上記(12)に記載のクローキング素子の設計システム、
(14)コンピューターを、最適な物性値分布を探索する手段としても機能させる、上記(12)〜(13)のいずれかに記載のクローキング素子の設計システム、
(15)電磁波に対するクローキング素子を設計する設計システムであって、上記(12)〜(14)のいずれかに記載のクローキング素子の設計システム、
(16)1,000nmより小さい特定の電磁波の波長領域において、クローキング素子を設計する設計システムであって、上記(15)に記載のクローキング素子の設計システム、
(17)音波に対するクローキング素子を設計する設計システムであって、上記(12)〜(14)のいずれかに記載のクローキング素子の設計システム、
(18)応力波に対するクローキング素子を設計する設計システムであって、上記(12)〜(14)のいずれかに記載のクローキング素子の設計システム、
(19)熱に対するクローキング素子を設計する設計システムであって、上記(12)〜(14)のいずれかに記載のクローキング素子の設計システム、
(20)水の波に対するクローキング素子を設計する設計システムであって、上記(12)〜(14)のいずれかに記載のクローキング素子の設計システム、
(21)コンピューターを、クローキング素子の設計システムにおいてクローキング素子を構成するセルの大きさであるセルサイズを決定する決定手段として機能させるためのプログラムである。
本発明によれば、クローキング素子の作製に利用する加工技術によって実現できる分解能を考慮してクローキング素子を設計できる。
クローキング素子の設計システムのハードウェア構成の一例を示す図である。 クローキング素子の設計方法の一例のうちの前半部分を示すフローチャートである。 クローキング素子の設計方法の一例のうちの後半部分を示すフローチャートである。 設計対象のクローキング素子の概略を示す図である。 座標変換について説明する図である。 セルのサイズが均等な場合のクローキング素子の分割の様子を示す図である。 セルのサイズが不均等な場合のクローキング素子の分割の様子を示す図である。 クローキング素子の性能評価方法1について説明する図である。 クローキング素子の別の性能評価方法について説明する、(A)クローキング素子、不可視としたい物およびカメラの側面図、(B)クローキング素子および不可視としたい物の平面図、(C))クローキング素子及び不可視としたい物体を配置してカメラから見た画像、(D)クローキング素子及び不可視としたい物体を配置せずにカメラから見た画像である。 実施例1における円柱型クローキング素子とそれを用いた評価方法について説明する図である。 変換光学から得られる連続関数を物性値として与えた場合の光線経路を示す図である。 (a)〜(e)は、それぞれ、変換光学から得られる連続関数の物性値を2.5、1.0、0.50、0.25、0.10mmのサイズのセルに割り当て方法2を用いて割り当てたときの光線経路を示す図である。 評価方法1によって得られた性能指標C1の結果を示す図である。 実施例2について説明する、(a)円柱型クローキング素子を示す図、(b)円柱型クローキング素子の中心から距離dを変化させた場合のRとヤング率との関係を示す図である。 (a)円柱型クローキング素子を示す図、(b)〜(d)ヤング率の分布を変動させることによって、ナビエ方程式を用いた変換光学から得られる比誘電率テンソルの分布を示す図であり、そのうち、(b)主誘電率軸のうち円周方向における比誘電率(Permittivity)の分布εθ、(c)主誘電率軸のうち動径方向における比誘電率の分布εr、(d)主誘電率軸のうちZ方向における比誘電率の分布εz をそれぞれ表す。 セルサイズとして、0.25mmを採用したときの、それぞれの比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布における性能指標C1の値を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。本実施の形態にかかるクローキング素子の設計を行う設計システムは、例えばクローキング素子を構成するセルの大きさであるセルサイズを決定する手段と、最適な物性値分布を探索する手段と、を有している。
図1は、本実施の形態におけるクローキング素子の設計システム1のハードウェア構成図である。
設計システム1は、例えばCPU(コンピューター)10、記憶装置11、入力装置12、表示装置13、出力装置14等を有している。
CPU10は、クローキング素子の設計方法を実現するためのプログラムを、上記の決定手段、あるいは探索手段として機能させる。これにより、本実施形態の設計システム1はこれら決定手段、探索手段を実現している。
記憶装置11は、ハードディスクや、光ディスクなどのストレージ手段であり、例えばクローキング素子の設計方法を実行するためのプログラムや、クローキング素子の設計を行うための各種条件や、その他各種データが記憶されている。なお、データの一部(例えば物質データベース、等)を外部のサーバー20に格納しておき、インターネット等の通信手段を使って利用してもよい。
入力装置12は、キーボードや、マウス等のポインティングデバイスからなり、クローキング素子の設計のために必要なデータを入力できる。表示装置13は、クローキング素子の設計のために必要なデータやクローキング素子の設計結果等を表示し、出力装置14は、必要に応じてクローキング素子の設計結果等を出力できる。
次に、上記設計システム1で実行される可視光におけるクローキング素子の設計方法について説明する。当該クローキング素子の設計方法は、クローキング素子を構成するセルの大きさであるセルサイズを決定するステップを有している。
以下に、かかるクローキング素子の設計方法を具体的に説明する。図2は、かかる設計方法の一例を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1として、図3に示すような設計対象のクローキング素子30を、3DCADソフトウエアによって構築する。クローキング素子30は、不可視としたい対象の周囲に配置する。従って、クローキング素子30は、外境界面31、内境界面32を有する。不可視としたい対象が複数ある場合は、内境界面32は複数存在する。
次に、ステップS2として、クローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを離散化するための最大セルサイズSを指定する。また、最大セルサイズを変更するサイクル数を示す変数Ncellcycleを1とする。
なお、本明細書における「セルサイズ」とは以下のことである。すなわち、多面体で定義されるセルにおける、各面のそれぞれの辺の長さの平均値をいう。
次に、ステップS3として、ステップS1で構築したクローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を、変換光学を用いて決定する。ここで、比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を変更するサイクル数を示す変数Ntransを1とする。
ここで、図4に示すようなr=(x,y,z)からr'=(x', y', z')への座標変換(符号40で示す)を考える。r'=(x', y', z')における形状がクローキング素子30に相当する。変換光学に依ると、クローキング素子30の比誘電率テンソルε'及び比透磁率テンソルμ'は、次式(1)〜(2)のように表せる。
Figure 0006979275
Figure 0006979275
ここで、εとμは、変換前の座標における比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルである。Aは、座標変換のヤコブ変換行列であり、次式(3)で定義される。
Figure 0006979275
従って、クローキング素子30の比誘電率テンソルε'及び比透磁率テンソルμ'は、ヤコブ変換行列Aの成分から決定することができる。
次に、ヤコブ変換行列Aの計算を行う。もし、座標変換後の座標r'= (x', y', z')が変換前の座標r=(x,y,z)の解析関数で表現できれば、ヤコブ変換行列Aも解析関数として求めることができ、さらには、比誘電率テンソルε'及び比透磁率テンソルμ'も解析関数として表現できる。
例えば、円柱型のクローキング素子であれば、次式(4)のように、比誘電率テンソルε'及び比透磁率テンソルμ'を表現できる。
Figure 0006979275
ここで、ρ=(x', y', 0)、ρ=|ρ|、aは、円柱クローキングの内径、bは円柱クローキングの外径である。座標の中心は円柱の中心に配置している。T とZは次式(5)〜(6)に示すような行列である。
Figure 0006979275
Figure 0006979275
一方、任意形状のクローキング素子30では、座標変換後の座標r'= (x', y', z')を変換前の座標r=(x,y,z)の解析関数で表現することが難しいので、比誘電率テンソルε'及び比透磁率テンソルμ'も解析関数として表現することが難しい。そこで、解析的ではなく、数値的に比誘電率テンソルε'及び比透磁率テンソルμ'を表現する方法が提案されている。
数値的に比誘電率テンソルε'及び比透磁率テンソルμ'を表現する方法では、図4に示した座標変換を構造解析における強制変位問題と考える、即ち、bという境界をb’という境界に、aという点をa’という境界に強制的に変位させると考える。
そうすると、変換後の座標r'= (x', y', z')は、次式(7)のように表現できる。
Figure 0006979275
ここで、U=(Ux,Uy,Uz)は、変位場である。
式(3)及び(4)から、ヤコブ変換行列は、次式(8)のように表現できる。
Figure 0006979275
ここで、Gは、構造解析における変形勾配テンソルである。
bという境界をb’という境界に、aという点をa’という境界に強制変位させるとすると、境界条件は、次式(9)〜(10)のように記述できる。
Figure 0006979275
Figure 0006979275
ここで、a'i (i=x, y, z) は、a'の位置座標、ai(=0) (i=x, y, z)はaの位置座標である。
変位場U及び変形勾配テンソルGは、式(9)及び(10)を境界条件として、次式(11)に示したようなラプラス方程式を解くことによって得られる。
Figure 0006979275
しかし、式(11)の解は、点aにおいて特異的になることが分かっている。そこで、特異性を回避するために、逆変換、r'→rを考えると、rは式(12)のように表現できる。
Figure 0006979275
ここで、U'=(U'x,U'y,U'z)は逆変換における変位場である。
逆変換に相当する境界条件は、次式(13)〜(14)のように記述できる。
Figure 0006979275
Figure 0006979275
よって、式(13)〜(14)を境界条件として、次式(15)のラプラス方程式を解くことによって、変位場を計算することができる。
Figure 0006979275
さらに、逆変換における変形勾配テンソルG'は、次式(16)で計算できる。
Figure 0006979275
変形勾配テンソルG'から、逆変換におけるヤコブ変換行列が、次式(17)のように、計算できる。
Figure 0006979275
順変換のヤコブ変換行列Aは、 逆変換のヤコブ変換行列A'の逆行列として計算できる。最終的に、ヤコブ変換行列Aを、式(1)〜(2)に代入することによって、クローキング素子の比誘電率テンソルε'及び比透磁率テンソルμ'を計算することができる。
変位場を求めるために、式(15)に示したラプラス方程式以外の偏微分方程式も用いてもよい。例えば、次式(18)に示したようなナビエ方程式を用いてもよい。
Figure 0006979275
ここで、(は応力テンソルであり、次式(19)によって表現できる。
Figure 0006979275
ここで、Yはヤング率、κはポアソン比、Iは単位行列、tr(・)はトレース関数、そして、ζは次式(20)で定義される歪テンソルである。
Figure 0006979275
ここで、Uは、変位場である。
式(15)及び(18)の解法は、有限要素法を用いて実施することができる。
次に、ステップS3−2として、ステップS3で求められた比誘電率テンソルと比透磁率テンソルの分布を以下のように線形関数に置き換えてもよい。まず、比誘電率テンソルと比透磁率テンソルが求められている領域を、四面体、五面体、六面体の何れかの多面体で分割する。多面体のサイズは、次のステップで離散化する際に用いるセルサイズ以上で、且つ、クローキング素子の全長の1/10以下とする。各多面体における頂点における比誘電率テンソルと比透磁率テンソルの値を用いて、その多面体内部の比誘電率テンソルと比透磁率テンソルの値を座標成分、即ち、x、y及びzの線形関数として表現する。例えば、四面体で分割する場合、頂点の数は4個ある。それぞれの頂点の座標を、xi, yi, zi (i=1,2,3,4)とし、ステップS3で求められた比誘電率テンソルと比透磁率テンソルを各頂点におけるεjk(x,y,z)とμjk(x,y,z) (j,k=1,2,3)とすると、各頂点の比誘電率テンソルと比透磁率テンソルは、εjk(xi,yi,zi)とμjk(xi,yi,zi) (i=1,2,3,4、j,k =1,2,3)と書ける。四面体内部の比誘電率テンソルと比透磁率テンソルは、εjk(xi,yi,zi)とμjk(xi,yi,zi) (i=1,2,3,4、 j,k =1,2,3)を用いて以下のように表現できる。
Figure 0006979275
ここで、ajk,bjk,cjk及びdjk(j,k=1,2,3)は、以下のように書ける。
Figure 0006979275
五面体及び六面体によって分割する場合も、同様に、それぞれの内部における比誘電率テンソルと比透磁率テンソルを線形関数として表現できる。
次に、ステップS4として、クローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを離散化する。即ち、図5に示したように、クローキング素子30を所定サイズのセル50に分割し(なお、図5では、複数のセルのうちある一つのセルにのみ符号50を付している)、それぞれのセル50に、ステップS2で求められたクローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを割り当てる。セル50の形状としては、4面体、6面体、プリズム形状の5面体等を含む。また、セル50のサイズが均等な場合と不均等な場合を含む。図5はセル50のサイズが均等な場合のクローキング素子30の分割の様子である。一方、セル50のサイズが不均等な場合のクローキング素子30の分割の様子を図6に示した。
クローキング素子30をセル50で分割する際には均等サイズのセル50で分割する方法と、不均等サイズのセルで分割する方法が考えられる。本実施形態では、これら両方法を含めるために、最大セルサイズの指定をすることとしている(ステップS4)。
各セル50にステップS2で求められたクローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを割り当てる方法としては、例えば、各セル50の節点(多面体から成るセルの当該多面体を構成する各面において、辺が交差する点のことをいう)上の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを、ステップS3で求めた比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布から決め、各セル50における全節点51上の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの平均値を、それぞれ、各セル50の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルとして比誘電率テンソル及び比透磁率テンソル、均一に割り当てる割り当て方法1がある。
しかし、この割り当て方法では、変換光学から求められた比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布と割り当て後の分布の差が大きいので、クローキング性能が低下する可能性が高い。
そこで、各セルにステップS3で求められたクローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを割り当てる方法として、各セル50の節点51上の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを、ステップS2で求めた比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布から決め、各セル50内の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを、節点51上の値の線形補間によって与える割り当て方法2を用いてもよい。
次に、ステップS5として、ステップS3において比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを離散化したクローキング素子30の性能を評価する。
評価方法としては、図7に示したように、点60から特定の放射角範囲61内で光線62を出射したときの光線経路63に基づいて評価する評価方法1がある。具体的には、一本の光線に対して、クローキング素子30を配置した場合と配置しない場合、それぞれについて、光線検出用スクリーン64と光線との交点の座標xi(符号65で示す)とxref i(符号66で示す)を求め、次式(23)に示すような、xiとxref iの差の2乗平均平方根を性能指標C1として定義する。
Figure 0006979275
ここで、 i は、光線のインデックス、Nrayは光線本数である。
クローキング素子無の場合の交点xref i66は、完璧なクローキング素子における交点に相当するので、C1の値が小さいほど、クローキング素子30の性能は高いことを示し、C1=0は完璧なクローキング素子30であることを意味する。
なお、光線の出射位置60、放射角範囲61、及びスクリーン64の位置は、クローキング素子のアプリケーションの目的に応じて、任意に調整することができる。
別の評価方法としては、図8に示したように、カメラの位置70から見たときの画像に基づき評価する評価方法2がある。具体的には、不可視としたい対象71の周囲にクローキング素子30を配置し、その背景として、適当な物体73を配置したときにおいて、カメラから見たときの画像74を光線追跡によって計算する。また、参照として、不可視としたい対象71及びクローキング素子30を配置しないときにおける、カメラの位置70から見たときの画像75を光線追跡によって計算する。そして、次式(24)に示すような相関関数によって性能指標C2を定義する。
Figure 0006979275
ここで、f(x,y)とg(x,y) は、画像75と画像74、それぞれのグレイレベル、<f> と<g>は、それぞれ、fとgの平均値、σ(f)とσ(g)は、それぞれ、fとgの標準偏差である。式(24)の積分は、クローキング素子30がない場合に、不可視としたい対象71が見える領域で行う。従って、C2が大きいほど、クローキング素子30の性能が高いことを示し、C2=1は完璧なクローキング素子30であることを意味する。
カメラの焦点距離、視野角は、クローキング素子30のアプリケーションの目的に応じて、調整することができる。
次に、ステップS6として、ステップS5で得られた性能指標に基づいて、クローキング素子30のセルサイズが十分小さいかを判断する。クローキング素子30のセルサイズが十分小さいかを判別するための性能指標の閾値は、クローキング素子30のアプリケーションの目的に応じて、調整することができる。
ステップS6において、性能指標の閾値を満たさない場合、ステップS7に進み、そこで、変数Ntrans が比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を変更するサイクル数の許容最大値Nmaxtrans以下であれば、ステップS8に進み、変数Ntransを1だけ増加させ、座標変換を変更し、変換光学を用いてクローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を決定し、ステップS8−2で、クローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を線形関数に変換し、ステップS4に戻る。即ち、本実施形態の設計方法は、比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を最適化させるプロセスを含む。
なお、偏微分方程式の厳密解から求められる誘電率テンソル・透磁率テンソルの分布は、いずれも完璧なクローキングを示すが、離散化させた分布ではクローキング性能に差が生じる。本実施形態では、ステップS8において偏微分方程式を取り換えて、誘電率テンソル・透磁率テンソルを求めることで、高いクローキング性能を実現できる誘電率テンソル・透磁率テンソルを探索する。
座標変換を変更する具体的な方法としては、式(15)、式(18)を挙げつつ説明したように、変位場を求めるための微分方程式を取り換えることが挙げられる。例えば、ナビエ方程式の係数であるヤング率の分布を変更することによって、微分方程式を取り換えることが可能である。また、ヤング率の分布の変更は、ヤング率の分布を多項式展開、もしくはフーリエ展開し、各項の係数を変更することによって実現できる。
ステップS7において、変数Ntrans が比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を変更するサイクル数の許容最大値Nmaxtransより大きい場合、ステップS9に進み、変数Ncellcycleを1だけ増加させ、最大セルサイズSを減少させる。
次に、ステップS10において、変数Ntransを1に戻し、ここまでの性能評価の中で、最も性能がよい座標変換を用いて、変換光学によってクローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を決定し、ステップS8−2で、クローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を線形関数に変換し、ステップS4に戻る。
ステップS6において、性能指標の閾値を満たす場合、ステップS11に進む。そこで、変数Ncellcycleが1より大きければ、最大セルサイズをSと決定し、設計を終了する。
一方、ステップS11において、変数Ncellcycleが1である場合は、初期に設定した最大セルサイズSで性能指標の閾値を満たしたことを示すので、ここでのSよりも大きい最大セルサイズが性能指標の閾値を満たす可能性がある。
そこで、ステップS11において、変数Ncellcycleが1である場合は、ステップS12〜ステップS19によって、Sよりも大きい最大セルサイズが性能指標の閾値を満たすか否かについて調べる。
ステップS12では、性能指標の閾値を満たした最大セルサイズSを変数Stmpに保存する。
次に、ステップS13で、Stmpよりも大きい値、一例として1.1倍大きい値を最大セルサイズSとして指定する。
次に、ステップS14で、クローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布として、既に性能指標の閾値を満たしている比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を指定する。
次に、ステップS15では、ステップS4同様に、クローキング素子の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを離散化する。
次に、ステップS16では、ステップS5同様に、比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルを離散化したクローキング素子の性能を評価する。
次に、ステップS17で、ステップS6同様に、性能指標の閾値を満たすか否か判断する。ここで、性能指標の閾値を満たす場合は、ステップS12に戻って、更に大きいSで、性能指標を満たすか否かを調べる。
ステップS17において、性能指標の閾値を満たさない場合、ステップS18に進み、変数Ntrans が比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を変更するサイクル数の許容最大値Nmaxtrans以下であれば、ステップS19に進み、変数Ntransを1だけ増加させ、座標変換を変更し、変換光学を用いてクローキング素子の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を決定し、そして、ステップS19−2で、クローキング素子30の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を線形関数に変換し、ステップS15に戻る。
ステップS18において、変数Ntrans が比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を変更するサイクル数の許容最大値Nmaxtransより大きい場合、最大セルサイズをStmpと決定し、設計を終了する。
上記のスキームよって、要求性能を満たすために必要なセルサイズを決定することができる。
すなわち、クローキング素子の設計するにあたり、本実施形態においては、コンピューターシミュレーションによる性能評価を用いて要求性能を実現できる最低分解能(最大セルサイズ)を決定するステップを経ることで、要求性能を満たしつつ、より容易な加工技術を実現することを可能としている。
本実施の形態によれば、1,000nmより小さい特定の電磁波の波長領域において要求されるクローキング素子30の性能を満たす、クローキング素子30の作製に利用する加工技術で採用する分解能を決定できるので、クローキング素子30の作製に利用する加工技術によって実現できる分解能を考慮してクローキング素子30を設計できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば以上の実施の形態において、また、1,000nmより小さい特定の電磁波の波長領域において、要求されるクローキング素子30の性能を満たす、クローキング素子の作製に利用する加工技術で採用する分解能を決定できるので、クローキング素子30の作製に利用する加工技術によって実現できる分解能を考慮してクローキング素子30を設計していたが、電磁波の他の波長領域において、また他の波動、例えば、音波、応力波、水の波、もしくは熱において、クローキング素子30の作製に利用する加工技術によって実現できる分解能を考慮してクローキング素子30を設計する際に適用してもよい。
図9に示すような、外径30mm、内径10mmの円柱型クローキング素子80において、評価方法1を用いたセルサイズ決定の結果を実施例1として示す。ここでは、変位場を求めるための偏微分方程式としてラプラス方程式を用いた。光線の出射位置81は、図9に示すように、円柱型クローキングの中心から50mm離れた場所に設定した。光線の放射角範囲82は、図9に示したように、60度とした。上記放射角の範囲で、等しい角度間隔で100本の光線を出射した。光線を検出するためのスクリーン83は、図9に示したように、円柱型クローキング素子80の中心から50mm離れた場所に設定した。
図10は、変換光学から得られる連続関数を物性値として与えた場合の光線経路である。図11(a)〜(e)は、それぞれ、変換光学から得られる連続関数の物性値を2.5、1.0、0.50、0.25、0.10mmのサイズのセルに割り当て方法2を用いて割り当てたときの光線経路である。
図12は、評価方法1によって得られた性能指標C1の結果である。ただし、最大のxi-xref i の絶対値を120mmと決めて、-120 < xi < 120 mm もしくは、光線がスクリーンに到達しない場合は、xi-xref i = 120と置いて、性能指標C1を計算した。図12から、0.1mm以下のセルサイズでは、高いクローキング性能を期待できるという結論が得られた。
実施例1と同じ円柱型クローキング素子において、物性値の最適化のプロセスを含む、評価方法1を用いたセルサイズ決定の結果を示す。
クローキング素子の比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を変動させるために、実施例1で用いたラプラス方程式の代わりにナビエ方程式を用いて、その係数であるヤング率の分布を変動させることによって、比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布を変化させた。
ヤング率の分布は、図13に示したように、円柱型クローキング素子の中心から距離dのべき乗で変化させた。
ヤング率の分布を変動させることによって、ナビエ方程式を用いた変換光学から得られる比誘電率テンソルの分布を図14に示した。ここで、主誘電率軸である動径方向、円周方向、Z方向の3成分、εr、ε(及びεzの分布は、軸対称になるので、円柱型クローキング素子の中心から距離dに対して、εr、ε(及びεzをプロットした。
セルサイズとして、0.25mmを採用したときの、それぞれの比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布における性能指標C1の値を図15に示した。図15の横軸は比誘電率テンソル及び比透磁率テンソルの分布の種類(Navierはナビエ方程式の場合、Laplaceはラプラス方程式、Yはヤング率の分布の種類、縦軸は式(23)の性能指標のC1の大きさを示す。
図15から、物性値分布を変化させることによって、クローキング性能が変化し、特に、べき乗の指数が小さいほど、性能が高くなる傾向があることが分かる。またラプラス方程式と比較して、べき乗の指数が-3より小さい場合では、性能が高くなっていることが分かる。ただし、この性能の序列は、円柱型クローキングでの結果であり、他の形を有したクローキング素子での性能序列は今回と異なる可能性があるので、べき乗の指数が小さいほど性能が必ず高くなるとも限らない。
本発明は、産業用車両、医療、エレクトロニクス、災害対策、軍事等の分野で好適に利用できる。
1…設計システム、10…CPU(コンピューター)、30,80…クローキング素子、50…セル

Claims (19)

  1. 波動に対するクローキング素子の設計の際、プログラムにより、前記クローキング素子を構成するセルの大きさであるセルサイズを決定する決定手段としてコンピューターを機能させる方法であって、
    設計対象のクローキング素子を構築するステップと、
    前記クローキング素子を構成する複数のセルのセルサイズを決定するステップと、
    前記クローキング素子の比誘電率テンソルおよび比透磁率テンソルの分布を決定するステップと、
    前記セルサイズと前記分布とに基づいて、前記複数のセルに対し、比誘電率テンソルおよび比透磁率テンソルを割り当てることで前記分布の離散化を行うステップと、
    前記離散化が行われた前記クローキング素子について、予め定められた性能を満たすかを評価するステップと、
    前記クローキング素子を構成する複数のセルのセルサイズを変更するステップと、
    予め定められた性能を満たすクローキング素子のうち、セルサイズが相対的に大きいクローキング素子のセルサイズを最大セルサイズとして決定するステップと、
    前記最大セルサイズとして、離散化により算出された性能指標が要求性能を満たすサイズを探索するステップと、を含む、
    複数のセルから構成されるクローキング素子の設計方法。
  2. 各セルの物性値が線形に変化したクローキング素子を設計する、請求項1に記載のクローキング素子の設計方法。
  3. 電磁波に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、請求項1または2に記載のクローキング素子の設計方法。
  4. 1,000nmより小さい電磁波の波長領域に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、請求項に記載のクローキング素子の設計方法。
  5. 音波に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、請求項1または2に記載のクローキング素子の設計方法。
  6. 応力波に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、請求項1または2に記載のクローキング素子の設計方法。
  7. 熱に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、請求項1または2に記載のクローキング素子の設計方法。
  8. 水の波に対するクローキング素子を設計する方法に適用される、請求項1または2に記載のクローキング素子の設計方法。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載のクローキング素子の設計方法によって設計されたクローキング素子。
  10. セルサイズの最大値が、クローキング素子の外径の0.2%以下である、請求項に記載のクローキング素子の設計方法によって設計されたクローキング素子。
  11. 波動に対するクローキング素子の設計システムであって、
    設計対象のクローキング素子を構築するステップと、
    前記クローキング素子を構成する複数のセルのセルサイズを決定するステップと、
    前記クローキング素子の比誘電率テンソルおよび比透磁率テンソルの分布を決定するステップと、
    前記セルサイズと前記分布とに基づいて、前記複数のセルに対し、比誘電率テンソルおよび比透磁率テンソルを割り当てることで前記分布の離散化を行うステップと、
    前記離散化が行われた前記クローキング素子について、予め定められた性能を満たすかを評価するステップと、
    前記クローキング素子を構成する複数のセルのセルサイズを変更するステップと、
    予め定められた性能を満たすクローキング素子のうち、セルサイズが相対的に大きいクローキング素子のセルサイズを最大セルサイズとして決定するステップと、
    前記最大セルサイズとして、離散化により算出された性能指標が要求性能を満たすサイズを探索するステップと、
    を含む処理をプログラムに基づき実行し、コンピューターシミュレーションを用いてクローキング素子を構成するセルの大きさであるセルサイズを決定する決定手段として機能するコンピューターを含む、複数のセルから構成されるクローキング素子の設計システム。
  12. 前記コンピューターを用いて、各セルの物性値が線形に変化したクローキング素子を設計する、請求項11に記載のクローキング素子の設計システム。
  13. 電磁波に対するクローキング素子を設計する設計システムであって、請求項11または12に記載のクローキング素子の設計システム。
  14. 1,000nmより小さい特定の電磁波の波長領域において、クローキング素子を設計する設計システムであって、請求項13に記載のクローキング素子の設計システム。
  15. 音波に対するクローキング素子を設計する設計システムであって、請求項11または12に記載のクローキング素子の設計システム。
  16. 応力波に対するクローキング素子を設計する設計システムであって、請求項11または12に記載のクローキング素子の設計システム。
  17. 熱に対するクローキング素子を設計する設計システムであって、請求項11または12に記載のクローキング素子の設計システム。
  18. 水の波に対するクローキング素子を設計する設計システムであって、請求項11または12に記載のクローキング素子の設計システム。
  19. コンピューターを、クローキング素子の設計システムにおいて前記クローキング素子を構成するセルの大きさであるセルサイズを決定する決定手段として機能させるためのプログラムであって、前記コンピューターに、
    設計対象のクローキング素子を構築するステップと、
    前記クローキング素子を構成する複数のセルのセルサイズを決定するステップと、
    前記クローキング素子の比誘電率テンソルおよび比透磁率テンソルの分布を決定するステップと、
    前記セルサイズと前記分布とに基づいて、前記複数のセルに対し、比誘電率テンソルおよび比透磁率テンソルを割り当てることで前記分布の離散化を行うステップと、
    前記離散化が行われた前記クローキング素子について、予め定められた性能を満たすかを評価するステップと、
    前記クローキング素子を構成する複数のセルのセルサイズを変更するステップと、
    予め定められた性能を満たすクローキング素子のうち、セルサイズが相対的に大きいクローキング素子のセルサイズを最大セルサイズとして決定するステップと、
    前記最大セルサイズとして、離散化により算出された性能指標が要求性能を満たすサイズを探索するステップと、
    を実行させる、プログラム
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