JP6969632B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機には、遊技を統括管理する主制御装置や、主制御装置からの信号に基づいて音の出力などを制御する副制御装置などが設けられている。これら制御装置は、所定の配線パターンが付与された回路基板を有しており、この回路基板には、CPUやROM、RAMといった電子部品が表面実装等により搭載されている。電子部品が回路基板に対して表面実装された構成として、回路基板に取り付けられたソケットに電子部品が装着された構成がある(例えば特許文献1参照)。
特開2009−268548号公報
しかしながら、ソケットに対する電子部品の装着状態が適正でない場合には、電子部品が正常に動作しないことが懸念される。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、ソケット電子部品とにおいて通電状態が適切でない場合の処理を好適に行うことができる遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
パッケージを有する電子部品が、回路基板に取り付けられたソケットに装着されていることで該回路基板に実装されており、
前記ソケットのソケット端子と、該ソケット端子に通電可能に接触している前記パッケージのパッケージ端子とが複数組設けられ、前記パッケージ端子が前記パッケージの板面に沿って複数並べられた遊技機であって、
一組の前記ソケット端子と前記パッケージ端子とを1つの構成部として構成されており、前記構成部が複数接続されていることで形成され、各前記構成部において前記ソケット端子と前記パッケージ端子とが接触している場合に通電され、少なくとも1つの前記構成部において前記ソケット端子と前記パッケージ端子とが接触していない場合に通電が遮断される構成であり、
前記ソケット端子と前記パッケージ端子との通電状態に異常があり、音出力手段からの音の出力が可能である場合に、異常報知が実行され、前記ソケット端子と前記パッケージ端子との通電状態に異常があり、前記音出力手段からの音の出力が可能ではない場合に、前記音出力手段からの音の出力が可能である場合とは異なる態様で異常報知が実行されるようにすることが可能となっており、
前記ソケット端子と前記パッケージ端子との通電状態に異常があり、前記音出力手段からの音の出力が可能である状況において所定の場合には、遊技者に対する異常報知が実行されないようにすることが可能に構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、ソケット電子部品とにおいて通電状態が適切でない場合の処理を好適に行うことができる。
第1の実施形態におけるパチンコ機を示す正面図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 パチンコ機の主要な構成を展開して示す斜視図である。 遊技盤の構成を示す正面図である。 (a),(b)図柄表示装置の表示面における表示内容を説明するための説明図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 当否抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明するための説明図である。 メインMPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。 メインMPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 演出の実行制御に係る電気的構成を示すブロック図である。 (a)は直接用ROMのデータ構成を説明するための説明図、(b)は共通用ROMのデータ構成を説明するための説明図である。 共通用ROM周辺の斜視図である。 共通用ROM及びソケットを示す図である。 第1検出回路及び第2検出回路を示す図である。 第1検出回路及び第2検出回路について共通用ROM及び回路基板の各回路を示す図である。 共通用ROMが適正位置にある場合の図である。 共通用ROMが第1離脱位置にある場合の図である。 共通用ROMが第2離脱位置にある場合の図である。 サブMPUにて実行される演出制御処理を示すフローチャートである。 音出力LSIに設けられた音データ処理部における動作を示すフローチャートである。 サブMPUにて実行されるROM位置ずれ対応処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における共通用ROM及びソケットを示す図である。 第3検出回路及び第4検出回路を示す図である。 第3検出回路及び第4検出回路について回路基板の回路を示す図である。 共通用ROMが適正位置にある場合の図である。 共通用ROMが許容位置にある場合の図である。 共通用ROMが非許容位置にある場合の図である。 不正ROMがソケットに無理やり装着された場合の図である。 不正ROMがソケットに無理やり装着された場合の図である。 サブMPUにて実行されるROM位置ずれ対応処理を示すフローチャートである。 第3の実施形態における共通用ROM及びソケットを示す図である。 第5検出回路について共通用ROM及び回路基板の各回路を示す図である。 共通用ROMが適正位置にある場合の図である。 共通用ROMが第3離脱位置にある場合の図である。 第4の実施形態における共通用ROM及びソケットを示す図である。 第6検出回路について共通用ROM及び回路基板の各回路を示す図である。 共通用ROMが適正位置にある場合の図である。 共通用ROMが許容位置にある場合の図である。 不正ROMがソケットに無理やり装着された場合の図である。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口31に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部34bに連結されており、当該電動役物駆動部34bにより駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは可変入賞装置32として一体的に設けられた可変入賞駆動部32bに連結されており、当該可変入賞駆動部32bにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、大当たり当選又は特別外れとなった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示する図柄表示装置41が設けられているとともに、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。
図柄表示装置41の表示内容について、図5を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置41の表示面Gを示す図である。
図示は省略するが、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図5(b)に示すように、表示面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて表示面Gにおいて遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、後述する高確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、後述する低確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の偶数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。各大当たり結果の内容については、後に説明する。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、図4に示すように、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部(第1保留ランプ部)45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留発光部(第2保留ランプ部)46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、誘導レールに向けて延びる発射レール52と、後述する上皿61aに貯留されている遊技球を発射レール52上に供給する球送り装置53と、発射レール52上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド54と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射ハンドル55が操作されることによりソレノイド54が駆動制御され、遊技球が発射される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル57を通じて遊技領域を視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部58が窓部56の上方に設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。上皿61aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。また、下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
パチンコ機10は、そのパチンコ機10の上部に設けられたスピーカ部90を有している。スピーカ部90は、演出音や報知音といった音(音声メッセージを含む可聴音)を出力することが可能となっている。演出音は、遊技中の演出効果を高めることが可能な音であり、演出音としては、演出に応じたメロディや遊技状態に応じた効果音などが挙げられる。報知音としては、遊技者にパチンコ機10の状態を知らせる案内音や、ホール管理者に不正発生を知らせる不正発生音などが挙げられる。
スピーカ部90は、前扉枠14の上側の各隅角寄りの部分に1個ずつ設けられている。各スピーカ部90は、音信号が入力されることで音を出力する音出力手段としてのスピーカ91(図2参照)と、スピーカ91をパチンコ機前面側から覆うスピーカカバー92とをそれぞれ有している。スピーカカバー92は、前扉枠14における前面の一部を形成しており、各スピーカ91は、スピーカカバー92の裏面側に配置されている。この場合、右のスピーカ91と左のスピーカ91とは一対になっている。
スピーカカバー92には、厚み方向に貫通する孔(図示略)が複数形成されており、スピーカ91から出力された音がスピーカカバー92の孔を通じてパチンコ機10の前方に伝わるようになっている。なお、スピーカカバー92は、音を伝えるための孔を有していなくても、音を伝えることが可能な構成とされていればよい。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71と、音声やランプ表示及び図示しない表示制御装置の制御を司る報知・演出制御装置72と、が搭載されている。
なお、主制御装置71の基板ボックス71aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。なお、このような痕跡構造を、後述する払出制御装置78の基板ボックスに設けてもよい。
主制御装置71や報知・演出制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置77と、を備えている。払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。なお、払出機構部74には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット75は、払出装置77を制御する機能を有する払出制御装置78と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射ハンドル55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置79と、を備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
裏パック73には、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75以外にも、外部端子板81が設けられている。外部端子板81は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板81は、パチンコ機10の状態を遊技ホールの管理コンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図6のブロック図に基づき説明する。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板121と、電源を監視する停電監視基板(電断監視基板)125と、を具備している。主制御基板121には、メインMPU122が搭載されている。メインMPU122には、制御部及び演算部を含む中央演算処理装置であるCPUの他に、ROM123及びRWM124が内蔵されている。
ROM123は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM123は、メインMPU122により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。
RWM124は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM123よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM124は、ROM123内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。
また、メインMPU122又は主制御基板121には、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。なお、メインMPU122に対してROM123及びRWM124が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
メインMPU122には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。メインMPU122の入力側には、停電監視基板125、払出制御装置78及び各種入賞検知センサ126a〜126hなどが接続されている。停電監視基板125には電源及び発射制御装置79が接続されており、メインMPU122には停電監視基板125を介して電力が供給される。
また、各種入賞検知センサ126a〜126hには、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、各種入賞検知センサ126a〜126hの検知結果に基づいて、メインMPU122において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、メインMPU122では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート抽選を実行する。
メインMPU122の出力側には、停電監視基板125、払出制御装置78及び報知・演出制御装置72が接続されている。払出制御装置78には、例えば、上記入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。報知・演出制御装置72には、変動用コマンド、種別コマンド、最終停止コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
また、メインMPU122の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32aを開閉動作させる可変入賞駆動部32b、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、メイン表示部43及び役物用表示部44が接続されている。主制御基板121には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてメインMPU122は各種駆動部の駆動制御を実行する。また、図示による説明は省略するが、第1保留発光部45及び第2保留発光部46の発光制御もメインMPU122により行われる。
停電監視基板125は、主制御基板121と電源及び発射制御装置79とを中継し、また電源及び発射制御装置79から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置78は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置77により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置79は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板121や払出制御装置78等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置79は、遊技球発射機構51の発射制御を担うものであり、発射ハンドル55に対する所定の発射操作を特定したことに基づいて、遊技球発射機構51を駆動する。
報知・演出制御装置72には、表示ランプ部58及び表示制御装置128が接続されており、報知・演出制御装置72は、主制御装置71から入力された各種コマンドに基づいて、前扉枠14に設けられた表示ランプ部58及びスピーカ91を駆動制御するとともに、表示制御装置128を制御するものである。表示制御装置128では、報知・演出制御装置72から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。
<メインMPU122にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、メインMPU122にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図7を用いて説明する。
メインMPU122は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RWM124の抽選用カウンタエリア137aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留格納エリア137bに格納される。
保留格納エリア137bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア137bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM123における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリアに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア137bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間(上限継続期間)が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置32の大入賞口に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンド(15R)に設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置32の1回の開放態様が、大入賞口が開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間(開放継続期間)を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様(長期間態様)と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.06secに設定された短時間態様(短期間態様)と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射ハンドル55が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構51が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期よりも短い時間の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口に対して、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置32の1回の開放が行われた場合には、大入賞口への入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による大入賞口の開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による大入賞口の開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口の開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)と低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM123における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、低入賞高確大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)と、最有利大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モード(特別遊技状態)ではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
なお、高確大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示の低入賞高確大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示の低入賞高確大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示の低入賞高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留格納エリア137bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM123のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における変動表示時間(表示継続期間)と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間(表示継続期間)とをメインMPU122において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するメイン処理及びタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、ROM123の変動表示時間テーブル記憶エリア(変動表示時間情報記憶手段)に予め記憶されている変動表示時間テーブル(変動表示時間情報群)が参照される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRWM124に設けられた電役保留エリア137cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<メインMPU122にて実行される各種処理について>
次に、メインMPU122にて遊技を進行させるために実行される各処理を説明する。かかるメインMPU122の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に起動されるタイマ割込み処理とがある。
<メイン処理>
先ず、図8のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。
先ずステップS101では、電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102ではRWM124のアクセスを許可するとともに、ステップS103にてメインMPU122の内部機能レジスタの設定を行う。
その後、ステップS104では、電源及び発射制御装置79に設けられたRWM消去スイッチが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS105では、RWM124の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS106ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS107ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時にRWMデータを初期化する場合にはRWM消去スイッチを押しながら電源が投入される。したがって、RWM消去スイッチが押されていれば、ステップS108の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS108の処理に移行する。ステップS108では、RWM124の初期化として当該RWM124をクリアする。その後、ステップS109に進む。
一方、RWM消去スイッチが押されていない場合には、停電フラグに「1」がセットされていること、及びチェックサムが正常であることを条件に、ステップS108の処理を実行することなくステップS109に進む。ステップS109では、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といったRWM124の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを報知・演出制御装置72に送信する。また、払出制御装置78のRWMの初期化を実行すべきことを示す払出初期化コマンドを払出制御装置78に送信する。さらに、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS110〜ステップS113の残余処理に進む。つまり、メインMPU122はタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS110〜ステップS113の残余処理を繰り返し実行する。この点、当該ステップS110〜ステップS113の残余処理は非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、先ずステップS110にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS111では、乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS112にて変動種別カウンタの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、RWM124の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS113にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS113の処理を実行したら、ステップS110に戻り、ステップS110〜ステップS113の処理を繰り返す。
<タイマ割込み処理>
次に、図9のフローチャートを参照しながらタイマ割込み処理を説明する。
ここで、メインMPU122にてタイマ割込み処理を定期的に実行するためのハード構成について説明する。主制御基板121には所定周期でパルス信号を出力するパルス信号出力手段としてクロック回路が設けられており、さらに当該クロック回路とメインMPU122との間の信号経路の途中位置に存在するように分周回路が設けられている。
分周回路は、クロック回路からのパルス信号の周期を変更する周波数変更手段として機能し、タイマ割込み処理の起動タイミングをメインMPU122にて特定するためのパルス信号を出力するように構成されている。つまり、分周回路からメインMPU122に対して特定周期である4msec周期の間隔でパルス信号が供給されるようになっている。メインMPU122では、かかるパルス信号の立ち上がり又は立下りといった特定の信号形態の発生を確認する処理を実行し、特定の信号形態の発生を確認したことを少なくとも一の条件としてタイマ割込み処理を起動して実行する。
この場合、タイマ割込み処理の起動が禁止されている状況において上記特定の信号形態の発生を確認した場合には、その割込みが禁止されている状態から割込みが許可された状態となった場合にタイマ割込み処理が起動される。つまり、メインMPU122における処理の実行状況によっては前回のタイマ割込み処理が開始されてから4.1msec経過後に次のタイマ割込み処理が開始される場合が生じ、このような事象が発生した場合には次のタイマ割込み処理は直前のタイマ割込み処理が開始されてから3.9msec経過後に開始されることとなる。
但し、上記分周回路からのパルス信号の出力はメインMPU122における処理の経過内容に関係なく4msecといった特定周期で行われるため、基本的にはタイマ割込み処理は特定周期で起動される。さらにまた、メインMPU122の処理構成は、所定のタイミングにおけるタイマ割込み処理が前回のタイマ割込み処理が起動されてから特定周期を超える期間が経過した後に起動されたとしても、当該所定のタイミングの次のタイミングにおけるタイマ割込み処理にてその特定周期を超えた分が吸収されて、さらに次のタイミングにおけるタイマ割込み処理ではパルス信号の入力を確認したタイミングで起動されるように設定されている。
さて、タイマ割込み処理では、先ずステップS201にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、停電監視基板125から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には停電時処理を実行する。
続くステップS202では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS203ではステップS111と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS204にてステップS112と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS205では、遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS206では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS207以降の処理を実行する。
ステップS207では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部32b,34bに行うための処理を実行する。例えば、可変入賞装置32の大入賞口を開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部32bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口34の電動役物34aを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部34bへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS208では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS209では入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理では、各入賞検知センサ126a〜126hから受信している信号を読み込むとともに、一般入賞口31、可変入賞装置32の大入賞口、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35への入賞の有無を特定する処理を実行する。
続くステップS210では、RWM124に設けられている複数種類のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。この場合、記憶されている数値情報が減算されて更新されるタイマカウンタを集約して扱う構成であるが、減算式のタイマカウンタの更新及び加算式のタイマカウンタの更新の両方を集約して行う構成としてもよい。
続くステップS211では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行する。当該不正検知処理では、複数種類の事象の発生を監視し、所定の事象が発生していることを確認することで、次回のタイマ割込み処理における上記ステップS205にて遊技停止用の設定を行い、ステップS206にて肯定判定するようになる。
続くステップS212では、遊技球の発射制御を行うための発射制御処理を実行する。発射ハンドル55に対して発射操作が継続されている状況では、既に説明したとおり、所定の発射周期である0.6secに1個の遊技球が発射される。
続くステップS213では、入力状態監視処理として、ステップS208の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ126a〜126hの断線確認や、遊技機本体12や前扉枠14の開放確認を行う。
続くステップS214では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理では、保留格納エリア137bに記憶されている保留情報の数が上限数未満である状況で上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、その時点における大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留情報として、保留格納エリア137bに時系列的に格納していく処理を実行する。また、特図特電制御処理では、遊技回中及び開閉実行モード中ではなく且つ保留情報が記憶されていることを条件に、その保留情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。また、特図特電制御処理では、当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。そして、それら各処理の結果に応じた継続時間の情報を含む変動用コマンドと、遊技結果の情報を含む種別コマンドとを、報知・演出制御装置72に送信するとともに、メイン表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて遊技回用の演出が開始される。
また、特図特電制御処理では、1遊技回の実行中にはその遊技回の終了タイミングであるか否かを判定し、終了タイミングである場合には遊技結果に対応した表示を行った状態で、その遊技回を終了させる処理を実行する。この場合、遊技回を終了させるべきことを示す最終停止コマンド(又は確定コマンド)を報知・演出制御装置72に送信する。また、特図特電制御処理では、遊技回の結果が開閉実行モードへの移行に対応した結果である場合には、当該開閉実行モードを開始させるための処理を実行する。この開始に際しては、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを報知・演出制御装置72に送信する。また、特図特電制御処理では、各ラウンド遊技を開始させるための処理及び各ラウンド遊技を終了させるための処理を実行する。これら各処理に際して、ラウンド遊技が開始されること(又は可変入賞装置32が開放状態となること)を示す開放コマンドを報知・演出制御装置72に送信するとともに、ラウンド遊技が終了されること(又は可変入賞装置32が閉鎖状態となること)を示す閉鎖コマンドを報知・演出制御装置72に送信する。また、特図特電制御処理では、開閉実行モードを終了させる場合にそのことを示すエンディングコマンドを報知・演出制御装置72に送信するとともに、開閉実行モード後の当否抽選モードやサポートモードを設定するための処理を実行する。
タイマ割込み処理においてステップS214の特図特電制御処理を実行した後は、ステップS215にて普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート35への入賞が発生している場合に普図側の保留情報を取得するための処理を実行するとともに、普図側の保留情報が記憶されている場合にその保留情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口34の電動役物34aを開閉させる処理を実行する。
続くステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、メイン表示部43に係る保留情報の増減個数を第1保留発光部45に反映させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44に係る保留情報の増減個数を第2保留発光部46に反映させるための出力情報の設定を行う。また、ステップS216では、直前のステップS214及びステップS215の処理結果に基づいて、メイン表示部43の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、役物用表示部44の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS217では、遊技回及び開閉実行モードのいずれもが実行されていない状況において図柄表示装置41の表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行するとともに、ステップS218では、払出制御装置78から受信したコマンド及び信号の内容を確認し、その確認結果に対応した処理を行うための払出状態受信処理を実行する。また、ステップS219では、賞球コマンドを出力対象として設定するための払出出力処理を実行する。
続くステップS220では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するための外部情報設定処理を実行する。また、ステップS221では、試射試験情報を編集するための処理を実行する。
ステップS206にて肯定判定をした場合、又はステップS207〜ステップS221の処理を実行した後は、ステップS222に進む。ステップS222では、割込み終了宣言の設定を実行する。メインMPU122では、一度タイマ割込み処理が起動された場合、次のタイマ割込み処理が起動されるための条件の1つとして割込み終了宣言の設定を行うことが定められており、ステップS222では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み終了宣言の設定を行う。また、ステップS223では、割込み許可の設定を行う。メインMPU122では、タイマ割込み処理が一旦起動されると、割込み禁止の状態に設定されるため、ステップS223では、次のタイマ割込み処理の実行を可能とするために割込み許可の設定を行う。その後、本タイマ割込み処理を終了する。
<演出の実行制御に係る電気的構成>
次に、演出の実行制御に係る電気的構成について、図10のブロック図を参照しながら説明する。
既に説明したとおり、主制御装置71からの指示に基づき演出の実行を制御するための制御装置として、報知・演出制御装置72及び表示制御装置128を備えている。報知・演出制御装置72は、図24に示すように、サブMPU142が搭載された報知・演出制御基板141を備えている。サブMPU142には、制御部及び演算部を含む中央演算処理装置であるCPU143の他に、直接用ROM144及びRWM145が内蔵されている。これらCPU143、直接用ROM144及びRWM145はバスを介して相互に接続されている。
直接用ROM144は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該直接用ROM144は、各種の制御プログラムやそのプログラムに応じた処理の実行に際して利用される固定値データを記憶しており、CPU143は、直接用ROM144に記憶されている制御プログラムに従って処理を実行することで、主制御装置71からの指示に基づく演出の実行を制御する。直接用ROM144は、サブMPU142内の内部バスを介してCPU143と接続されていることに起因して、そのデータ容量を増大化することが比較的困難になっている。
RWM145は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に直接用ROM144よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM145は、直接用ROM144内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するものであり、各種フラグ格納エリアや各種カウンタ格納エリアを有している。なお、サブMPU142に対して直接用ROM144及びRWM145が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
サブMPU142では、主制御装置71からの指示に基づき、所定期間における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容に応じたコマンドを表示制御装置128に送信する。かかるコマンドは、サブMPU142と表示MPU162とを接続するように設けられた信号経路が利用される。
表示制御装置128は、表示MPU162、描画LSIとして設けられたVDP163及び画像用ROM164が搭載された表示制御基板161を備えており、表示MPU162ではサブMPU142から受信したコマンドに応じて所定期間における表示演出の内容を決定し、その決定した表示演出の内容に応じた内部コマンドをVDP163に対して定期的に送信する。
VDP163では、表示MPU162から受信した内部コマンドに応じて画像用ROM164から画像データを読み出し、その読み出した画像データを利用して各画像の更新タイミングにおける描画データを作成する。そして、その作成した描画データに応じた描画信号を図柄表示装置41に出力することで、各更新タイミングに対応した画像を図柄表示装置41の表示面Gにて表示させる。
報知・演出制御装置72の説明に戻り、サブMPU142は、所定期間における演出の内容を決定した場合、表示制御装置128だけでなく表示ランプ部58の発光制御を実行する。この場合、図24では、サブMPU142と表示ランプ部58とが直接接続されているように記載されているが、これに限定されることはなく、サブMPU142と表示ランプ部58との間に駆動回路が介在していてもよく、中継基板が介在していてもよい。
サブMPU142は、所定期間における演出の内容を決定した場合、スピーカ91の駆動制御を実行する。かかるスピーカ91の駆動制御に際しては、音出力LSI146及び共通用ROM147が利用される。
共通用ROM147は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されており、報知・演出制御基板141に搭載されている。当該共通用ROM147は、CPU143に直接接続されているのではなく、音出力LSI146に対して外付けされていることに起因して、そのデータ容量を増大化することは直接用ROM144に比べて容易であり、そのデータ容量は任意に設定されている。
音出力LSI146は、I/F151と、レジスタ152と、音データ処理部153と、DAC154と、データ転送部155と、を備えており、サブMPU142から送信されるデータに従ってスピーカ91から音を出力するための制御を実行する。
I/F151は、双方向通信用の信号経路群として設けられたバスB1を介してサブMPU142との間で音出力LSI146が通信を行うためのインターフェースである。このI/F151に接続されたバスB1は8本の信号経路J1〜J8から構成されており、各信号経路J1〜J8を介して、サブMPU142と音出力LSI146との間でデータの送受信が行われる。
レジスタ152は、音出力LSI146にて利用される各種データを一時的に記憶するための記憶手段としての機能を有しており、記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリを読み書き両用として利用するように構成されている。また、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合に、直接用ROM144及び共通用ROM147よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。
当該レジスタ152は、複数のデータを同時に記憶保持可能なように、多数バイトのデータ容量を有している。
レジスタ152には、複数のパラメータ用のエリア及びシーケンスデータ用のエリアが設けられている。パラメータ用のエリアには、メロディや効果音の出力を行う上で必要なパラメータデータが格納されるとともに、音声の出力を行う上で必要なパラメータデータが格納される。パラメータ用のエリアが複数設けられていることにより、複数の音をスピーカ91から同時に出力することが可能となっている。シーケンスデータ用のエリアには、シーケンスデータが格納される。
音データ処理部153は、サブMPU142から送信されレジスタ152に記憶されているシーケンスデータ及びパラメータデータを音の出力を行う上で利用可能なように変換するとともに、その変換結果の内容と共通用ROM147から読み出された音データとを利用してデジタル楽音データを作成する機能を有する。ちなみに、シーケンスデータには、一連の音の出力開始タイミングや出力順序を示す時間データが含まれており、パラメータデータには、所定のタイミングにおける音の音高、音量及び音色などを定めるデータが含まれている。
また、音データ処理部153は、同時に複数の異なる音を出力可能とするように複数の発音チャンネルの機能を有しており、発音チャンネル毎に作成したデジタル楽音データを合成してデジタル合成楽音データを作成する機能を有する。なお、複数の発音チャンネルとして、16チャンネル分の機能を有しているが、このチャンネル数は任意である。また、仮想トラックを利用することにより、実際の発音チャンネル数よりも多い数のトラック(例えば64トラック)を利用可能となっているが、かかる仮想トラックを利用しない構成としてもよい。
DAC154は、デジタル/アナログコンバータである。DAC154では、音データ処理部153にて作成されたデジタル楽音データ又はデジタル合成楽音データをアナログ信号に変換した音信号をアナログ音声信号としてスピーカ91に出力する機能を有している。つまり、音データから音信号を生成する機能を有している。
データ転送部155は、双方向通信用の信号経路群として設けられたバスB2を介して共通用ROM147と接続されており、当該共通用ROM147から読み出したデータをレジスタ152に転送する機能を有している。このデータ転送部155と共通用ROM147との間に設けられたバスB2は16本の信号経路から構成されており、その信号経路の数はサブMPU142とI/F151との間のバスB1よりも多い数となっている。そして、データ転送部155と共通用ROM147との間のデータの通信速度は、サブMPU142とI/F151との間のデータの通信速度よりも速いものとなっている。データ転送部155では、音データ処理部153においてシーケンスデータ及びパラメータデータから変換されたデータに基づき、音の出力に必要な音データを共通用ROM147から読み出し、レジスタ152に記憶させる。
ここで、データ転送部155は、音データ処理部153において必要な音データをレジスタ152に転送する機能だけでなく、サブMPU142において必要なデータを共通用ROM147から読み出してレジスタ152に記憶させるとともに、そのレジスタ152に記憶させたデータをサブMPU142に転送する機能を有している。かかるデータ転送に係る構成について以下に説明する。
<直接用ROM144及び共通用ROM147のデータ構成>
先ず、直接用ROM144及び共通用ROM147のデータ構成について、図11を参照しながら説明する。図11(a)は直接用ROM144のデータ構成を説明するための説明図であり、図11(b)は共通用ROM147のデータ構成を説明するための説明図である。
図11(a)に示すように、直接用ROM144には、サブMPU142のCPU143にて演出制御用の処理及び報知制御用の処理を実行するためのプログラム及び処理用データ(1),プログラム及び処理用データ(2),・・・,プログラム及び処理用データ(P)が予め記憶されている。これらプログラム及び処理用データには、各演出や報知を実行するために利用されるデータテーブルや、音出力LSI146に提供するためのシーケンスデータ及びパラメータデータを含む。当該CPU143にて演出制御用の処理及び報知制御用の処理を実行するために必要なプログラム及び処理用データは、直接用ROM144に全て記憶されている。
直接用ROM144には、プログラム及び処理用データ(1),プログラム及び処理用データ(2),・・・,プログラム及び処理用データ(P)だけでなく、表示ランプ部58の発光制御を行うために利用される発光データ(1),発光データ(2),・・・,発光データ(Q)が予め記憶されている。これら各発光データには、所定の演出の期間において、表示ランプ部58のうち点灯対象となる発光部の種類、点灯期間、及び点灯順序の情報が設定されており、これらの発光パターンの内容が各発光データの種類に応じて異なっている。直接用ROM144に記憶されている各発光データは、対象となる発光制御の期間が相違しているとともに、発光パターンの内容が異なっている。
一方、図11(b)に示すように、共通用ROM147には、スピーカ91から所定の音を出力するために利用される音データ(1),音データ(2),・・・,音データ(S)が予め記憶されている。これら各音データは、各種の音色に対応する楽器によって実際に発音させたメロディや音をサンプリングして得られた波形データを含むとともに、歌詞付きのメロディについては、各種の音色に対応する楽器によって発音させたメロディ及び音声をサンプリングして得られた波形データを含む。また、これら音データにより演出音や報知音が形成され、これら音データは、全て共通用ROM147に記憶されている。
共通用ROM147には、音データ(1),音データ(2),・・・音データ(S)だけでなく、発光データ(Q+1),発光データ(Q+2),・・・,発光データ(R)が予め記憶されている。これら各発光データは、対象となる発光制御の期間が相違しているとともに、発光パターンの内容が異なっている。
上記のようにサブMPU142にて利用される発光データは、当該サブMPU142のCPU143に対してバスを介して直接接続された直接用ROM144だけではなく、音出力LSI146に接続された共通用ROM147にも記憶されている。換言すれば、発光データは、直接用ROM144と、共通用ROM147とに分配して記憶されている。
<共通用ROM147>
報知・演出制御基板141は、所定の配線パターンが付与されたプリント基板等の回路基板168を有しており、共通用ROM147は、回路基板168に表面実装されていることで報知・演出制御基板141に搭載されている。ここでは、共通用ROM147の構成について、図12、図13を参照しつつ説明する。図12は共通用ROM147周辺の斜視図、図13は共通用ROM147及びソケット174を示す図である。なお、図12においては、(a)に共通用ROM147がソケット174に装着された状態を示し、(b)に共通用ROM147がソケット174に装着されていない状態を示す。また、図13においては、(a)に共通用ROM147の表面を示し、(b)にソケット174の平面図を示す。
図12(b)、図13(a)に示すように、共通用ROM147は、集積回路(IC)が形成されたICチップを複数収納しているパッケージ171と、その集積回路に接続されたパッケージ端子172とを有しており、電子部品に相当するものである。共通用ROM147においては、各チップに各種データが記憶されている。
パッケージ171は、全体として長方形板状に形成されており、パッケージ端子172は、パッケージ171の裏面に沿って複数列でマトリックス状に複数(例えば88個)設けられている。例えば、パッケージ171の長辺に沿ってm列(例えば4列)並べられ、各列においてパッケージ171の短辺に沿ってn個ずつ(例えば22個ずつ)並べられている。パッケージ171においては、その長辺方向に並ぶパッケージ端子172の間隔が、その短辺方向に並ぶパッケージ端子172の間隔よりも大きくされている。
パッケージ端子172は、長方形板状の電極パッドであり、その平坦面がパッケージ171の裏面側に露出した状態で設けられている。パッケージ端子172においては、その長辺がパッケージ171の長辺と平行に延びており、その短辺がパッケージ171の短辺と平行に延びている。
図12(a),(b)、図13(b)に示すように、回路基板168には、共通用ROM147が装着されたソケット174が設けられている。ソケット174は、回路基板168に取り付けられたソケット本体175と、回路基板168の配線パターンに接続されたソケット端子176とを有している。ソケット本体175は、回路基板168側に向けて凹んだ凹部177を有しており、この凹部177内に共通用ROM147が入り込んだ状態になっている。
ソケット端子176は、凹部177の底部に設けられ、凹部177の開放側(共通用ROM147側)に向けて延びており、その先端部がパッケージ端子172の板面に接触していることでそのパッケージ端子172に導通している。ソケット端子176は、各パッケージ端子172に1対1で対応するように複数設けられており、ソケット174に対して共通用ROM147が適正に装着された状態では、各パッケージ端子172が対応するソケット端子176のそれぞれに通電可能に接触している。なお、各ソケット端子176は、パッケージ端子172の配置に合わせて、凹部177の底面(回路基板168)に沿って所定間隔で並べられている。この場合、パッケージ端子172とソケット端子176とが複数組設けられていることになる。
ソケット端子176は、凹部177内に対して出没可能になっている。例えば、ソケット端子176は、弾性変形可能な導電性材料により形成されており、ソケット174に共通用ROM147が装着されていない状態では凹部177内に突出している一方で、共通用ROM147が装着された状態ではその共通用ROM147により押圧されることで回路基板168側に押し込まれた状態になっている。これにより、パッケージ端子172がソケット端子176に対して確実に接触するようになっている。
パッケージ端子172に対するソケット端子176の接触部分(先端部)は、そのソケット端子176の出没に伴って、ソケット174の厚み方向に対して斜めに移動するようになっている。例えば、ソケット端子176がソケット174の厚み方向に対して斜めに延びている。この場合、ソケット端子176の先端部がパッケージ端子172の板面に接触しながらその板面に沿って移動することで、ソケット端子176及びパッケージ端子172のそれぞれの接触部分がクリーニングされることになる。このため、ソケット端子176とパッケージ端子172とが接触しているにもかかわらず通電しないという事態を回避できる。
ソケット174には、ソケット端子176の弾性力に抗して共通用ROM147を凹部177内に押し込んでいる押さえ部材179が取り付けられている。共通用ROM147は、押さえ部材179とソケット174との間に挟み込まれた状態になっており、それによって、パッケージ端子172とソケット端子176とが接触した状態が保持されている。押さえ部材179は、ソケット174に引っ掛けられた引っ掛け部を有しており、ソケット174に対する押さえ部材179の取り付け状態がその引っ掛け部により保持されている。
<検出回路181,182>
ここで、ソケット174に対する押さえ部材179の引っ掛かり状態が適正でない場合や、ソケット174の凹部177内への共通用ROM147の入り込みが浅い場合などは、ソケット174に対する共通用ROM147の装着状態が適正になっていないことが懸念される。これに対して、報知・演出制御装置72には、ソケット174に対する共通用ROM147の装着状態が適正になっていないことを検出する検出回路181,182が設けられている。検出回路181,182は、ソケット174に装着された共通用ROM147が適正な位置からずれていることを検出する位置ずれ検出回路と称することもできる。
検出回路181,182について、図13〜図18を参照しつつ説明する。図14は検出回路181,182を示す図、図15は検出回路181,182について共通用ROM147及び回路基板168の各回路を示す図、図16は共通用ROM147が適正位置N0にある場合の図である。なお、図15においては、(a)に共通用ROM147の回路を示し、(b)に回路基板168の回路を示す。図16においては、(a)に共通用ROM147の位置を示し、(b)に第1検出回路181の状態を示し、(c)に第2検出回路182の状態を示す。
図14に示すように、共通用ROM147は、アドレスが入力されるA1,A2…等のA端子と、データを入出力可能にするD1,D2…等のD端子と、データの入出力を行うチップを選択するCE端子と、データを出力可能にするOE端子と、データを入力可能にするWE端子と、所定電圧(+V)が印加されることで共通用ROM147の動作電力が供給されるVCC端子と、基準電位とされるVSS端子とを有しており、これらの端子がパッケージ端子172のいずれかに割り当てられている。
VSS端子は、接地ラインに接続されていることで接地されており、それによって、基準電圧が0Vとされている。VCC端子は、バイパスコンデンサCを介して接地ラインに接続されており、それによって、VCC端子に印加される電圧が安定化されるとともに、ノイズの発生が抑制される。また、VCC端子は、電源ラインに接続されていることで所定電圧(+V)として電源電圧が印加されている。
なお、VCC端子及びVSS端子は複数ずつ設定されており、それによって、共通用ROM147に大きな電力を供給することが可能になっている。また、共通用ROM147がチップを複数有していることに起因して、CE端子も複数設けられている。
共通用ROM147は、上記のA端子等に加えて、データの入出力には用いられないテスト端子としてT1端子〜T8端子を有している。これらT1端子〜T8端子は、A端子等とは異なるパッケージ端子172に割り当てられており、検出回路181,182に含まれている。検出回路181,182のうち、第1検出回路181は、ソケット174に対する共通用ROM147の比較的小さい位置ずれを検出することが可能になっており、T1端子〜T4端子を含んで構成された回路になっている。一方、第2検出回路182は、比較的大きい位置ずれを検出することが可能になっており、T5端子〜T8端子を含んで構成された回路になっている。
第1検出回路181は、T1端子〜T4端子が直列に接続されることで形成された直列経路181aを有している。直列経路181aにおいては、T1端子が最も上流側に配置され、T2端子が最も下流側に配置され、T3端子及びT4端子がT1端子とT2端子との間に配置されており、上流側からT1端子、T3端子、T4端子、T2端子の順で並んでいる。直列経路181aは、T2端子が接地ラインに接続されていることで接地されている。
同様に、第2検出回路182は、T5端子〜T8端子が直列に接続されることで形成された直列経路182aを有している。直列経路182aにおいては、T5端子が最も上流側に配置され、T6端子が最も下流側に配置され、T7端子及びT8端子がT5端子とT6端子との間に配置されており、上流側からT5端子、T7端子、T8端子、T6端子の順で並んでいる。直列経路182aは、T6端子が接地ラインに接続されていることで接地されている。
なお、直列経路181a,182aにおいて、T1端子とT3端子とを接続する経路、T3端子とT4端子とを接続する経路、T5端子とT7端子とを接続する経路、T7端子とT8端子とを接続する経路は、共通用ROM147の内部に設けられており、図14では図示を省略しているが、これら経路についての詳細は後述する。
サブMPU142は、検出回路181,182からの検出信号が入力される検出端子としてTEST1端子及びTEST2端子とを有しており、TEST1端子には第1検出回路181が接続され、TEST2端子には第2検出回路182が接続されている。検出回路181,182は、サブMPU142に向けて検出信号を出力する出力経路181b,182bを有している。第1検出回路181においては、出力経路181bがT1端子に接続されていることで、その出力経路181bを介して直列経路181aとTEST1端子とが接続されている。第2検出回路182においては、出力経路182bがT5端子に接続されていることで、その出力経路182bを介して直列経路182aとTEST2端子とが接続されている。
なお、検出回路181,182は、直列経路181a,182aと接地ラインとを接続する接地経路181c,182cを有している。共通用ROM147においては、T2端子に第1検出回路181の接地経路181cが接続されており、T6端子に第2検出回路182の接地経路182cが接続されている。
出力経路181b,182bは、それぞれプルアップ抵抗Rを介して、所定電圧(例えば3.3V)が印加された電圧端子Vtに接続されている。このため、検出回路181,182においては、直列経路181a,182aが通電状態にある場合には、TEST1端子やTEST2端子に電圧端子Vtの所定電圧が印加されず、直列経路181a,182aから通電信号として0V(LOWレベル)が入力される。その一方で、直列経路181a,182aが遮断状態にある場合には、TEST1端子やTEST2端子に電圧端子Vtの所定電圧が印加され、直列経路181a,182aから遮断信号として所定電圧(HIレベル)が入力される。
次に、共通用ROM147におけるT1端子〜T8端子の配置や、接続構成について説明する。
共通用ROM147においては、T1端子〜T8端子が、あらかじめ定められた所定のパッケージ端子172に割り当てられている一方、A端子やCE端子などその他の端子は、T1端子〜T8端子とは異なる端子に任意に割り当てられている。
図13(a)に示すように、複数のパッケージ端子172には、マトリックス状の配列の隅角位置に配置されたパッケージ端子172a〜172dが含まれており、これらパッケージ端子172a〜172dにT1端子〜T4端子が割り当てられている。この場合、パッケージ端子172a〜172dは、4列のうち外側の2列のそれぞれの各端部に配置されていることで、パッケージ171の四隅のそれぞれに最も近い位置に配置されている。これらパッケージ端子172a〜172dは、パッケージ171の長手方向及び短手方向の2方向に沿って2列に2つずつ配置されている。
また、複数のパッケージ端子172には、4列のうち内側の2列のそれぞれの各端部に配置されたパッケージ端子172e〜172hが含まれており、これらパッケージ端子172e〜172hにT5端子〜T8端子が割り当てられている。パッケージ端子172e〜172hも、パッケージ端子172a〜172dと同様に、パッケージ171の長手方向及び短手方向の2方向に沿って2列に2つずつ配置されている。
なお、D端子やOE端子などのうち報知音を出力するために必要な端子は、複数のパッケージ端子172のうち内側の2列において中央寄りの位置に配置されたパッケージ端子172に割り当てられている。この場合、共通用ROM147がソケット174に対して位置ずれしたとしても、報知音を出力するために必要なパッケージ端子172とソケット端子176との導通状態が保持されやすくなっている。
ソケット174においては、図13(b)に示すように、複数のソケット端子176のうち、パッケージ171のパッケージ端子172a〜172dに対応するものがソケット端子176a〜176dとされ、パッケージ端子172e〜172hに対応するものがソケット端子176e〜176hとされている。
検出回路181,182においては、互いに対応するパッケージ端子172及びソケット端子176により、ソケット174に対する共通用ROM147の着脱に伴って経路を開閉する開閉部が形成されている。図16(b),(c)に示すように、第1検出回路181においては、パッケージ端子172a〜172d及びソケット端子176a〜176dにより隅角開閉部185a〜185dが形成されており、これら隅角開閉部185a〜185dが直列に接続されている。これにより、T1端子〜T4端子が直列に接続され、直列経路181aが形成されている。
また、第1検出回路181の直列経路181aにおいては、隅角開閉部185a〜185dのうち最も上流側に配置された上流開閉部185aと、最も下流側に配置された下流開閉部185bとの間に、中間開閉部185c,185dが配置されている。中間開閉部185c,185dのうち、第1中間開閉部185cが上流開閉部185a側に配置され、第2中間開閉部185dが下流開閉部185b側に配置されている。
第2検出回路182においては、パッケージ端子172e〜172h及びソケット端子176e〜176hにより内側開閉部186a〜186dが形成されており、これら内側開閉部186a〜186dが直列に接続されている。これにより、T5端子〜T8端子が直列に接続され、直列経路182aが形成されている。
また、第2検出回路182の直列経路182aにおいては、内側開閉部186a〜186dのうち最も上流側に配置された上流開閉部186aと、最も下流側に配置された下流開閉部186bとの間に、中間開閉部186c,186dが配置されている。中間開閉部186c,186dのうち、第1中間開閉部186cが上流開閉部186a側に配置され、第2中間開閉部186dが下流開閉部186b側に配置されている。
図16(a)に示すように、ソケット174に対する共通用ROM147の装着状態が適正である場合には、共通用ROM147が適正位置N0にあり、各パッケージ端子172がそれぞれ対応するソケット端子176に接触している。この場合、パッケージ端子172a〜172d及びパッケージ端子172e〜172hがそれぞれソケット端子176a〜176hに接触しており、直列経路181a,182aがいずれも通電状態になっている。
図15(a),(b)、図16(b)に示すように、第1検出回路181の直列経路181aは、共通用ROM147に設けられた第1接続路191及び第2接続路192と、回路基板168側に設けられた第3接続路193とを有している。
第1接続路191は、上流開閉部185aのパッケージ端子172aと第1中間開閉部185cのパッケージ端子172cとを接続しており、第2接続路192は、下流開閉部185bのパッケージ端子172bと第2中間開閉部185dのパッケージ端子172dとを接続している。これら第1接続路191及び第2接続路192は、いずれもパッケージ171の長辺に沿って延びている。第3接続路193は、第1中間開閉部185cのソケット端子176cと第2中間開閉部185dのソケット端子176dとを接続している。なお、第1接続路191及び第2接続路192がパッケージ171側に設けられたパッケージ側接続路に相当し、第3接続路193が回路基板168側に設けられた基板側接続路に相当する。
また、第1検出回路181においては、出力経路181bが上流開閉部185aのソケット端子176aに接続され、接地経路181cが下流開閉部185bのソケット端子176bに接続されており、これら出力経路181b及び接地経路181cは、いずれも回路基板168側に設けられている。
つまり、第1検出回路181においては、出力経路181b、第1接続路191、第3接続路193、第2接続路192、接地経路181cの順で上流側から並べられているとともに、上流側から回路基板168側と共通用ROM147側とに交互に配置されている。これにより、これら経路の接続部分(隅角開閉部185a〜185d)が1つでも遮断されたることで、サブMPU142のTEST1端子に遮断信号が入力されることになる。
第1検出回路181と同様に、図15(a),(b)、図16(c)に示すように、第2検出回路182の直列経路182aは、共通用ROM147に設けられた第1接続路195及び第2接続路196と、回路基板168側に設けられた第3接続路197とを有している。
第1接続路195は、上流開閉部186aのパッケージ端子172eと第1中間開閉部186cのパッケージ端子172gとを接続しており、第2接続路196は、下流開閉部186bのパッケージ端子172fと第2中間開閉部186dのパッケージ端子172hとを接続している。これら第1接続路195及び第2接続路196はパッケージ171の長辺に沿って延びている。第3接続路197は、第1中間開閉部186cのソケット端子176fと第2中間開閉部186dのソケット端子176gとを接続している。なお、第1接続路195及び第2接続路196がパッケージ171側に設けられたパッケージ側接続路に相当し、第3接続路197が回路基板168側に設けられた基板側接続路に相当する。
また、第2検出回路182においては、出力経路182bが上流開閉部186aのソケット端子176eに接続され、接地経路182cが下流開閉部186bのソケット端子176hに接続されており、これら出力経路182b及び接地経路182cは、いずれも回路基板168側に設けられている。
つまり、第2検出回路182においては、出力経路182b、第1接続路195、第3接続路197、第2接続路196、接地経路182cの順で上流側から並べられているとともに、上流側から回路基板168側と共通用ROM147側とに交互に配置されている。これにより、これら経路の接続部分(内側開閉部186a〜186d)が1つでも遮断されることで、サブMPU142のTEST2端子に遮断信号が入力されることになる。
<共通用ROM147の装着状態>
次に、ソケット174に対する共通用ROM147の装着状態について、図16〜図18を参照しつつ説明する。図17は共通用ROM147が第1離脱位置N1にある場合の図、図18は共通用ROM147が第2離脱位置N2にある場合の図である。なお、図17、図18においては、(a)に共通用ROM147の位置を示し、(b)に第1検出回路181の状態を示し、(c)に第2検出回路182の状態を示す。
図16(a)に示すように、共通用ROM147がソケット174に適正に装着されている場合、その共通用ROM147は適正位置N0にあり、パッケージ端子172a〜172hとソケット端子176a〜176hとが接触しているため、図16(b),(c)に示すように、検出回路181,182の開閉部185a〜185d,186a〜186dの全てが閉状態にあり、サブMPU142のTEST1端子及びTEST2端子のそれぞれに通電信号としてLOWレベルが入力される。
ここで、隅角開閉部185a〜185dのパッケージ端子172a〜172dが隅角位置に配置された構成では、これらパッケージ端子172a〜172dとソケット端子176a〜176dとが接触している場合に、全てのパッケージ端子172がソケット端子176に接触していることになる。このため、第1検出回路181の隅角開閉部185aが閉状態にあることでTEST1端子に通電信号が入力された場合には、ソケット174に対する共通用ROM147の装着状態が適正であると判断してよいことになる。
これに対して、図17(a)に示すように、共通用ROM147がソケット174に対して位置ずれすることで、適正位置N0から離脱した第1離脱位置N1にある場合、パッケージ端子172c〜172hとソケット端子176c〜176hとが接触しているものの、パッケージ端子172a,172bとソケット端子176a,176bとが接触しない状態になっている。なお、図には、パッケージ端子172e,172fの一部だけがソケット端子176e,176fに重なっている状態を図示しているが、この状態でもパッケージ端子172e,172fとソケット端子176e,176fとが互いに接触して導通しているものとする。
この場合、図17(b)に示すように、第1検出回路181においては、中間開閉部185c,185dが閉状態になっているものの、上流開閉部185a及び下流開閉部185bは開状態になっているため、直列経路181aが遮断され、TEST1端子がHIレベルになって遮断信号が入力される。このため、共通用ROM147がソケット174に対して適正に装着されていないと判断してよいことになる。
その一方で、図17(c)に示すように、第2検出回路182においては、内側開閉部186a〜186dが全て閉状態になっているため、直列経路182aが遮断されず、TEST2端子がLOWレベルで維持されて通電信号が入力される。この場合、共通用ROM147の全てのパッケージ端子172がソケット端子176に導通していないわけではなく、一部のパッケージ端子172はソケット端子176に導通していると判断してよいことになる。
図18(a)に示すように、共通用ROM147が第1離脱位置N1よりも大きく離脱して第2離脱位置N2にある場合、パッケージ端子172a,172b,172e,172fとソケット端子176a,176b,176e,176fとが接触しているものの、パッケージ端子172c,172d,172g,172hとソケット端子176c,176d,176g,176hとが接触しない状態になっている。
この場合、図18(b)に示すように、第1検出回路181においては、上流開閉部185a及び下流開閉部185bが閉状態になっているものの、中間開閉部185c,185dが開状態になっている。この場合、共通用ROM147が第1離脱位置N1にある場合と同様に、直列経路181aが遮断され、TEST1端子がHIレベルになって遮断信号が入力されるため、共通用ROM147がソケット174に対して適正に装着されていないと判断してよいことになる。
また、図18(c)に示すように、第2検出回路182においても、上流開閉部186a及び下流開閉部186bが閉状態になっているものの、中間開閉部186c,186dが開状態になっているため、共通用ROM147が第1離脱位置N1にある場合とは異なり、直列経路182aが遮断され、TEST2端子もHIレベルになって遮断信号が入力される。この場合、共通用ROM147が第1離脱位置N1にある場合に比べて、共通用ROM147の位置ずれが大きいことで、共通用ROM147においてソケット端子176に導通していないパッケージ端子172の数が多く、導通しているパッケージ端子172の数が少ないと判断してよいことになる。
<サブMPU142にて実行される各種処理について>
次に、サブMPU142にてプログラムに基づき実行される処理を説明する。
サブMPU142では、図19のフローチャートに示す演出制御処理を、所定の周期(例えば2msec)で繰り返し実行する。ちなみに、演出制御処理を実行する前段階において、当該演出及び演出制御処理を実行するためのプログラムが直接用ROM144から読み出されている。
演出制御処理では、先ずステップS301にて、主制御装置71から報知系コマンド又は演出系コマンドを受信しているか否かを判定する。報知系コマンドとしては、既に説明した、磁石検知コマンド、不正入賞コマンド、電波検知コマンド、タンク球無しコマンド及び下皿満杯コマンドが挙げられ、演出系のコマンドとしては、既に説明した、変動用コマンドと種別コマンドとの組合せ、最終停止コマンド、オープニングコマンド、開放コマンド、閉鎖コマンド、エンディングコマンドが挙げられる。報知系コマンド又は演出系コマンドを受信している場合には、ステップS302に進む。
ステップS302では、データテーブルの読み出し処理を実行する。当該読み出し処理では、今回受信した報知系コマンド又は演出系コマンドに対応したデータテーブルを直接用ROM144から読み出す。当該データテーブルは、図25(a)についての説明において既に述べたように、直接用ROM144においてプログラム及び処理用データとして記憶されており、報知又は演出の種類に応じて複数種類設定されている。そして、サブMPU142では、このデータテーブルを参照しながら、それに定められている処理を実行することで、報知系コマンド又は演出系コマンドの種別に応じた発光制御及び音出力制御を実行する。
具体的には、データテーブルには、対応する報知系コマンド又は演出系コマンドの概要が時間の経過に即して定められており、サブMPU142ではデータテーブルを参照することで、読み出すべき発光データの種類の情報、実行すべき発光データの種類や内容の情報、出力指示すべきシーケンスデータやパラメータデータの種類の情報を把握する。ちなみに、サブMPU142では、データテーブルのポインタの更新を利用して、各処理タイミングにおいてデータテーブルの参照すべき情報を特定する。
続くステップS303では、表示系コマンドの出力処理を実行する。当該出力処理では、ステップS302にて読み出したデータテーブルに対して1対1で対応する表示系コマンドを直接用ROM144から読み出し、その読み出した表示系コマンドを表示制御装置128に出力する。これにより、表示制御装置128において今回の実行指示に係る報知に対応した画像を図柄表示装置41に表示させることが可能となる。なお、表示系コマンドは、直接用ROM144においてプログラム及び処理用データとして記憶されている。
ステップS301にて否定判定をした場合、又はステップS303の処理を実行した場合には、ステップS304に進む。ステップS304では、データテーブルの情報に基づいて、音出力制御の実行タイミングであるか否かを判定する。音出力制御の実行タイミングである場合には、ステップS305にて、今回の音出力制御対象のシーケンスデータ及びパラメータデータを直接用ROM144のプログラム及び処理用データから読み出し、続くステップS306にて、その読み出したシーケンスデータ及びパラメータデータをバスB1を介して音出力LSI146に送信する。この場合、音出力LSI146に送信されたパラメータデータ及びシーケンスデータは、音出力LSI146のレジスタ152に保存される。
ステップS304にて否定判定をした場合、又はステップS306の処理を実行した場合には、ステップS307に進み、ソケット174に対する共通用ROM147の装着状態が適正であるか否かを判定する。ここでは、第1検出回路181からTEST1端子に通電信号が入力されているか否かを判定し、通電信号が入力されている場合に共通用ROM147の装着状態が適正であるとする。これに対して、TEST1端子に通電信号が入力されていない場合、つまり、遮断信号が入力されている場合には、共通用ROM147の装着状態が適正でなく、共通用ROM147が適正位置N0から位置ずれしていることになる。
ここで、共通用ROM147において、隅角開閉部185a〜185dのパッケージ端子172a〜172dが内側開閉部186a〜186dのパッケージ端子172e〜172hよりも外側(パッケージ171の角部に近い位置)に配置されていることに起因して、隅角開閉部185a〜185dが閉状態であるにもかかわらず内側開閉部186a〜186dが開状態になっているという状況は、共通用ROM147が適正位置N0から位置ずれしただけでは発生しない。このため、共通用ROM147が適正位置N0から位置ずれしたか否かの判定に第2検出回路182の検出信号が用いられなくても、それを理由に判定精度が低下するということは生じない。ちなみに、この判定に第2検出回路182の検出信号が用いられてもよい。
共通用ROM147の装着状態が適正である場合は、そのまま本演出制御処理を終了し、共通用ROM147の装着状態が適正でない場合は、共通用ROM147が適正位置N0から位置ずれしているとして、ステップS308に進み、ROM位置ずれ対応処理を行う。
<音出力LSI146の音データ処理部153における動作>
次に、音出力LSI146の音データ処理部153における動作について図20のフローチャートを参照しながら説明する。
音データ処理部153は、サブMPU142及びデータ転送部155とは独立して動作する専用回路として設けられており、サブMPU142から送信されたシーケンスデータ及びパラメータデータに基づいてデジタル楽音データを作成し、その作成したデジタル楽音データをDAC154に供給することで、スピーカ91から報知音や演出音を出力するものである。デジタル楽音データには、案内音としてのメッセージや、不正発生音としての警報音(ベル音、ブザー音、サイレン音など)といった報知音を出力するためのデータと、歌詞無しのメロディや歌詞付きのメロディ、効果音、音声といった演出音を出力するためのデータとが含まれている。
その動作を詳細に説明すると、先ず処理対象のシーケンスデータ及びパラメータデータがレジスタ152における各パラメータ用のエリア及びシーケンスデータ用のエリアに格納されているか否かを判定する(ステップS401)。この判定に際しては、例えば、シーケンスデータ用のエリア及びパラメータ用のエリアには、サブMPU142からの信号出力により新たにシーケンスデータ及びパラメータデータが設定された場合に「1」がセットされるとともに、音データ処理部153において処理した際に「0」がセットされるエリアが設けられており、音データ処理部153ではそのエリアのデータに基づいて、処理対象のシーケンスデータ及びパラメータデータが存在しているか否かを判定する。
処理対象のシーケンスデータ及びパラメータデータが存在している場合(ステップS401:YES)には、処理対象のシーケンスデータに含まれる時間データに従って、各パラメータデータを、レジスタ152に設けられた各発音チャンネル用のエリアのうち、シーケンスデータにより定められた対応するエリアに書き込む(ステップS402)。ちなみに、音データ処理部153は、各パラメータ用のエリア及びシーケンスデータ用のエリアにアクセス可能となっている。
1回に設定されるシーケンスデータ及び各パラメータデータは、複数の発音チャンネルについて連続する複数サンプル分のデジタル楽音データを作成可能なデータとして設定されている。そして、シーケンスデータに含まれる時間データに従うことで、各発音チャンネル用のエリアに対して、対応する複数サンプル分のパラメータデータが1サンプル分ずつ時系列で書き込まれる。
また、ここで書き込みが行われるパラメータデータには、対応する発音チャンネル及び対応する出力タイミングにおいて必要となる音データのアドレスが設定されている。データ転送部155は、各発音チャンネル用のエリアにアクセス可能であり、直近のサンプル分のパラメータデータに設定されているアドレスの音データを共通用ROM147から読み出してレジスタ152に書き込む。
なお、上記複数サンプルは、一連の音(例えばメロディについてその開始から終了まで)の全部であっても一部であってもよいが、一度に転送するデータ量を抑える上では一部であることが好ましい。また、音データ処理部153では、既に受け取っているシーケンスデータ及びパラメータデータに従って一連の音の出力を行っている途中であっても、サブMPU142からの指示に基づき中止し、新たな一連の音の出力を開始可能な構成としてもよい。
音データ処理部153では、音出力LSI146に設けられた図示しないクロック回路からの信号入力に基づきデジタル楽音データの作成タイミングであるか否かを判定する(ステップS403)。このクロック回路からの信号出力周期はサンプリング周期に対応している。
作成タイミングである場合(ステップS403:YES)には、各発音チャンネルについて、該当するサンプルのパラメータデータと、データ転送部155により既にレジスタ152に転送されている音データとに基づき、デジタル楽音データを作成する(ステップS404)。また、それら各発音チャンネルに対して作成した各デジタル楽音データを合成してデジタル合成楽音データを作成する(ステップS405)。ちなみに、各発音チャンネル用のエリアに書き込まれているパラメータデータのうちデジタル楽音データの作成が完了したものは消去され、直近のサンプル分のパラメータデータが更新される。
音データ処理部153では、音出力LSI146に設けられた図示しないクロック回路であってステップS403の場合とは異なるタイミングで信号出力を行うクロック回路からの信号入力に基づき、デジタル合成楽音データの出力タイミングであるか否かを判定する(ステップS406)。このクロック回路からの信号出力周期はサンプリング周期に対応している。なお、報知音を出力するためのデジタル合成楽音データの出力タイミングである場合、演出音を出力するためのデジタル楽音データの出力は行わない。これにより、スピーカ91から報知音が出力されている場合には演出音が出力されないようになっている。
出力タイミングである場合(ステップS406:YES)には、今回の出力に対応した作成済みのデジタル合成楽音データをDAC154に供給する(ステップS407)。DAC154では、音データ処理部153から供給されてくるデジタル合成楽音データをアナログ信号に変換してアナログ楽音信号としてそれをスピーカ91に出力する。これにより、当該スピーカ91から所定の音が出力される。なお、複数種類の音が同時に出力されない場合もあり、この場合にはデジタル合成楽音データの作成は行われず、単一のデジタル楽音データがDAC154に供給されて、それに対応する単一の音がスピーカ91から出力される。
音データ処理部153では、データ転送部155からレジスタ152への音データの転送が必要に応じて行われているか否か、及びDAC154からスピーカ91へのアナログ楽音信号の出力が行われているか否かといった監視を行うことを通じて音の出力中であるか否かを判定する(ステップS408)。そして、音の出力中である場合(ステップS408:YES)に、サブMPU142と音出力LSI146とを接続するバスB1を介して音出力中信号を出力する(ステップS409)。この場合、バスB1において利用する信号経路は、サブMPU142からセレクタ用エリアにアクセスする場合に利用される第8信号経路J8であり、サブMPU142において当該第8信号経路J8を介した信号出力を行わないタイミングで、音出力中信号の出力が行われる。
<ROM位置ずれ対応処理>
次に、演出制御処理(図19)のステップS308にて実行されるROM位置ずれ対応処理について、図21のフローチャートを参照しつつ説明する。
ROM位置ずれ対応処理において、ステップS501では、検出回路181,182の検出信号に基づいて、位置ずれのレベルを特定する。ここでは、第1検出回路181に加えて、第2検出回路182からも遮断信号が入力されているか否かを判定し、第2検出回路182から遮断信号が入力されていない場合には、共通用ROM147が第1離脱位置N1にあるとして、位置ずれのレベルをLv1に設定する。第2検出回路182から遮断信号が入力されている場合には、共通用ROM147が第2離脱位置N2にあるとして、位置ずれのレベルをLv2に設定する。
ステップS502では、音出力中信号を受信しているか否かを判定する。音出力中信号は、音出力LSI146においてサブMPU142からの出力指示に係る音の出力を実行できている状況で定期的に音出力LSI146からバスB1を介して出力される信号であり、サブMPU142では当該報知及び演出制御処理とは別の処理にてその音出力中信号を定期的に監視している。そして、本来なら受信しているはずの状況で音出力中信号を受信していない場合に、ステップS502にて音出力中信号を受信していないと判定する。
音出力中信号を受信していない場合には、音出力中信号を受信していない原因が共通用ROM147の位置ずれにあるとして、ステップS503に進み、共通用ROM147の位置ずれレベルをLv3に設定する。なお、この場合は、共通用ROM147が離脱位置N1,N2のいずれにあるかに関係なく位置ずれレベルをLv3に設定することになる。
ちなみに、音出力中信号を受信していない場合としては、報知音を出力するために必要なパッケージ端子172と、そのパッケージ端子172に対応したソケット端子176とが非導通状態になっている場合が想定される。このため、位置ずれレベルをL3に設定した場合には、報知音を出力することができない状態になっている。その一方で、位置ずれレベルをLv1やLv2に設定した場合には、共通用ROM147の位置ずれが発生してはいるものの、報知音を出力することは可能な状態になっている。
ステップS504では、位置ずれレベルがLv3にあること、つまり、音の出力が良好に実行できない状況であることを報知する処理を実行する。ここでは、表示ランプ部58を所定の態様で発光させる発光処理や、共通用ROM147の位置ずれが原因で音が適正に出力されていない旨を図柄表示装置41に表示させる表示処理を実行する。なお、この表示処理においては、表示制御装置128に対してエラーコマンドを出力する。また、この報知処理は、現在の遊技状態に関係なく実行することになる。
ステップS505では、位置ずれレベルがLv3の場合の外部出力処理を実行する。ここでは、主制御装置71のメインMPU122にエラーコマンドを出力することで、異常用の外部出力処理をメインMPU122に実施させる。メインMPU122に対して出力するエラーコマンドは、共通用ROM147の位置ずれが原因で音が適正に出力されていない旨をメインMPU122及び遊技ホールの管理コンピュータ等に認識させるためのコマンドになっている。共通用ROM147の位置ずれが管理コンピュータ等に認識されることで、そのことをホール管理者が知ることになるため、そのホール管理者は共通用ROM147の位置ずれに対して対応作業を行うことが可能となる。
音出力中信号を受信している場合(ステップS502がYES判定の場合)は、ステップS506にて、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定し、ステップS507にて、位置ずれレベルがLv2であるか否かを判定する。これらの判定処理は、共通用ROM147の位置ずれ対応処理を、現在の遊技状態や位置ずれレベルの高さに応じて異なる内容に設定するための処理である。
現在の遊技状態が通常遊技状態であり且つ位置ずれレベルがLv2である場合、ステップS508に進み、位置ずれレベルがLv2にあること、つまり、共通用ROM147の位置ずれが比較的大きいことを報知する処理を実行する。ここでは、表示ランプ部58を位置ずれレベルがLv3の場合とは異なる態様で発光させる発光処理や、共通用ROM147の位置ずれが生じている旨を図柄表示装置41に表示させる表示処理、その旨をスピーカ91から音声で出力させる音声処理を実行する。
共通用ROM147が離脱位置N1,N2にある場合でも、複数のパッケージ端子172のうちA端子やD端子などデータの入出力に必要な端子がソケット端子176に接触していることで、スピーカ91から音が良好に出力されている状況が生じことが想定される。音出力中信号を受信している場合(ステップS502がYES判定の場合)は、この状況に該当しているため、位置ずれの報知をスピーカ91からの音声により実行することが可能になっていると考えられる。
ステップS509では、位置ずれレベルがLv2の場合の外部出力処理を実行する。ここでは、メインMPU122に対して出力するエラーコマンドが、位置ずれレベルがLv3にある場合の報知処理とは異なり、音は良好に出力されているが共通用ROM147が大きく位置ずれしている旨を管理コンピュータ等に認識させるためのコマンドになっている。
現在の遊技状態が通常遊技状態でない場合(ステップS506がNO判定の場合)、又は位置ずれレベルがLv2でない場合(ステップS507がNO判定の場合)は、ステップS510に進み、デモ表示中であるか否かを判定する。ここで、デモ表示とは、予め定められた開始待ち期間が経過している場合に、図柄表示装置41の表示面Gにて表示される開始待ち演出のことをいう。デモ表示では、メーカ名、機種名若しくは所定のキャラクタによる動画が表示されるが、これに限定されることはなく任意に変更できる。但し、デモ表示では、表示面Gからの光の強度が予め定められた所定値よりも低い強度で表示を行うように設定されており、そのため、デモ表示を行うことにより開始待ち時の電力消費量の抑制が図られている。
デモ表示中である場合、ステップS511に進み、位置ずれレベルがL1にあること、つまり、共通用ROM147の位置ずれが比較的小さいことを報知する処理を実行する。ここでは、表示ランプ部58を位置ずれレベルがLv2やLv3の場合とは異なる態様で発光させる発光処理や、共通用ROM147の位置ずれが生じている旨をデモ表示中の図柄表示装置41に表示させる表示処理、その旨をスピーカ91から音声で出力させる音声処理を実行する。
ステップS512では、位置ずれレベルがLv1の場合の外部出力処理を実行する。ここでは、メインMPU122に対して出力するエラーコマンドが、位置ずれレベルがLv2及びLv3にある場合の報知処理とは異なり、音は良好に出力されているが共通用ROM147が小さく位置ずれしている旨を管理コンピュータ等に認識させるためのコマンドになっている。
デモ表示中でない場合(ステップS510がNO判定の場合)、ステップS504,S508,S511のような報知処理を行わずにそのままステップS513に進み、報知処理を行わない場合の外部出力処理を実行する。ここでは、メインMPU122に対して出力するエラーコマンドが、音は良好に出力されているが共通用ROM147が位置ずれしている旨、及び遊技者に対する報知処理は実行していない旨を管理コンピュータ等に認識させるためのコマンドになっている。
共通用ROM147の位置ずれが管理コンピュータ等に認識されることで、そのことをホール管理者が知ることになるため、そのホール管理者は、異常報知がパチンコ機10において実行されていなくても、共通用ROM147の位置ずれに対して対応作業を行うことが可能となる。
ここで、デモ表示中でない場合には、通常遊技状態でない場合(ステップS506がNO判定の場合)が含まれており、通常遊技状態でない場合としては、開閉実行モード(特別遊技状態)や高頻度入賞モードにある場合などが挙げられる。これらの場合に報知処理を行わないことで、開閉実行モードや高頻度入賞モードにあるタイミングで報知処理をきっかけとして遊技者が遊技を中断してしまうということを抑制できる。つまり、報知処理を実行することで遊技者の利益を阻害してしまうということを抑制できる。これは、音が良好に出力されている状況であれば、共通用ROM147の位置ずれが生じていても、その位置ずれを改善することよりも遊技者の利益を優先することになる。
また、デモ表示中でない場合には、通常遊技状態であっても位置ずれレベルがLv1である場合(ステップS507がNO判定の場合)が含まれている。通常遊技状態中においては、遊技者が些細なきっかけで遊技を終了してしまうことが想定され、報知処理がその些細なきっかけになり得ると考えられる。このため、共通用ROM147の位置ずれが小さなもの(Lv1)であり且つ音が良好に出力されている状況であれば、報知処理を行わないことで、共通用ROM147の小さな位置ずれを改善することよりも、遊技者に遊技を継続してもらうことを優先することができる。これにより、遊技者の利益を阻害してしまうことや、本パチンコ機10の稼働率が低下することなどを抑制できる。
以上詳述した第1の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1検出回路181の直列経路181aは、隅角開閉部185a〜185dのうち1つでも開状態になることで遮断状態になるため、共通用ROM147の位置ずれを精度良く検出することができる。特に、第1検出回路181のパッケージ端子172a〜172dは、パッケージ171の四隅のそれぞれに近い位置に配置されているため、パッケージ171の全てのパッケージ端子172の中で、対応するソケット端子176a〜176dから最も離間しやすくなっている。このため、第1検出回路181は、第2検出回路182では検出できないような共通用ROM147の小さな位置ずれ(第1離脱位置N1にある状態)を検出することができる。
第2検出回路182の直列経路182aは、第1検出回路181の直列経路181aと同様に、内側開閉部186aのうち1つでも開状態になることで遮断状態になるため、共通用ROM147の位置ずれを精度良く検出することができる。しかも、第2検出回路182のパッケージ端子172e〜172hは、第1検出回路181のパッケージ端子172a〜172dよりもパッケージ内側に配置されているため、第1検出回路181よりも共通用ROM147の大きな位置ずれ(第2離脱位置N2にある状態)を検出することができる。
検出回路181,182の直列経路181a,182aにおいては、第1接続路191,195及び第2接続路192,196が共通用ROM147に設けられているため、回路基板168側からの給電に伴ってこれら接続路191,192,195,196に通電がなされることで、隅角開閉部185a〜185d及び内側開閉部186a〜186dが閉状態になっていることが検出される。したがって、直列経路181a,182aに電圧を印加するという容易な構成により共通用ROM147の装着状態を検出できる。
ここで、共通用ROM147が不正ROMに取り替えられてしまった場合、不正行為者が不正に利益を得てしまうことが懸念される。例えば、共通用ROM147が不正ROMに取り替えられていることで異常報知音が出力されない状態になっている場合、遊技球の払い出しが不正に行われていても、そのことにホール管理者が気付かないことが考えられる。これに対して、共通用ROM147にはパッケージ側接続路として接続路191,192,195,196が設けられているため、共通用ROM147が不正ROMに取り替えられた場合には、接続路191,192,195,196が存在しなくなることで直列経路181a,182aが遮断状態になり、検出回路181,182により共通用ROM147の位置ずれが検出される。このように、共通用ROM147に対する不正行為が行われた場合でも、その行為を検出回路181,182により検出できる。
第1検出回路181のパッケージ端子172a〜172d、及び第2検出回路182のパッケージ端子172e〜172hは、それぞれ2列で2つずつ配置されているため、適正位置N0に対する共通用ROM147の位置ずれを1方向だけでなく2方向について検出することができる。しかも、これら検出回路181,182においては、第1接続路191,195と第2接続路192,196とが平行に延びているため、共通用ROM147におけるこれら接続路191,192,195,196に配置領域を極力小さくすることができる。これにより、共通用ROM147において他の配線パターンの配置が接続路191,192,195,196によって制限されるということを抑制できる。
パッケージ171の全てのパッケージ端子172のうち、どの端子を検出回路181,182に含まれるパッケージ端子172a〜172hに割り当てるのかによって、検出回路181,182による共通用ROM147の位置ずれの検出精度を高過ぎず低過ぎず適度に設定することができる。このため、位置ずれの検出精度が高過ぎて遊技者の遊技を過剰に中断させてしまうことや、位置ずれの検出精度が低過ぎて共通用ROM147の位置ずれが検出されていないにもかかわらずスピーカ91からの音の出力が停止してしまうことなどを抑制できる。
検出回路181,182においては、出力経路181b,182bがプルアップ抵抗Rを介して電圧端子Vtに接続されていることで、共通用ROM147が適正位置N0にある場合にTEST1端子及びTEST2端子にLOWレベルが入力されるため、停電など他の原因で出力経路181b,182bからの出力がLOWレベルになったとしても、その場合と共通用ROM147の装着状態の不適とを判別することができる。
共通用ROM147においては、検出回路181,182に含まれたパッケージ端子172a〜172h(T1端子〜T8端子)がテスト端子とされているため、検出回路181,182の動作に関係なく、共通用ROM147からのデータの入出力が行われる。したがって、検出回路181,182の検出精度が低下することや、共通用ROM147の動作の信頼度が低下することを回避できる。
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、検出回路181,182の接続路191,192,195,196が共通用ROM147に設けられていたが、本第2の実施形態では、これら接続路が共通用ROM147に設けられていない。第2の実施形態では、主に検出回路の構成について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、報知・演出制御装置72が第3検出回路201及び第4検出回路202を有しており、これら検出回路201,202の構成について、図22〜図25を参照しつつ説明する。
図22は共通用ROM147及びソケット174を示す図であり、(a)に共通用ROM147の表面を示し、(b)にソケット174の平面図を示す。図23は検出回路201,202を示す図、図24は検出回路201,202について共通用ROM147及び回路基板168の回路を示す図、図25は共通用ROM147が適正位置N0にある場合の図である。なお、図24においては、(a)に共通用ROM147のパッケージ端子172i,172jを示し、(b)に回路基板168の回路を示す。図25においては、(a)に共通用ROM147の位置を示し、(b)に第3検出回路201の状態を示し、(c)に第4検出回路202の状態を示す。
図22(a)、図23に示すように、共通用ROM147において、複数のパッケージ端子172には、マトリックス状の配列の隅角位置に配置されたパッケージ端子172i,172jが含まれており、これら172i,172jは対角位置に配置されている。また、共通用ROM147は、テスト端子としてT9端子及びT10端子を有しており、T9端子及びT10端子はパッケージ端子172i,172jにそれぞれ割り当てられている。パッケージ端子172i,172jのうち、第1パッケージ端子172i(T9端子)が第3検出回路201に含まれており、第2パッケージ端子172j(T10端子)が第4検出回路202に含まれている。
第2の実施形態では、検出回路201,202のそれぞれが共通用ROM147のテスト端子を1つずつ有しているため、第1の実施形態とは異なり、複数のテスト端子を接続する接続路を共通用ROM147に設ける必要がない。このため、市販のROMをそのまま検出回路201,202に組み込むことが可能になっている。
図22(b)に示すように、ソケット174のソケット端子176は、基本的にパッケージ端子172と1対1で接触するように複数列でマトリックス状に配置されているが、検出回路201,202が有するパッケージ端子172i,172jに対しては、それぞれ複数のソケット端子176i〜176nが接触するように配置されている。この場合、第1パッケージ端子172iにソケット端子176i〜176kが接触しており、これらソケット端子176i〜176kが第3検出回路201に含まれている。また、第2パッケージ端子172jにソケット端子176l〜nが接触しており、これらソケット端子176l〜176nが第4検出回路202に含まれている。
ソケット174において複数のソケット端子176には、マトリックス状に配置された複数の標準ソケット端子と、その標準ソケット端子に付属して設けられた付属ソケット端子とが含まれている。この場合、ソケット端子176i,176lは標準ソケット端子として設けられており、ソケット端子176j,176k,176m,176nは付属ソケット端子として設けられている。
図23の説明に戻り、サブMPU142は、検出回路201,202からの検出信号が入力される検出端子としてTEST3a端子、TEST3b端子、TEST4a端子、TEST4b端子を有している。TEST3a,3b端子には第3検出回路201が接続され、TEST4a,4b端子には第4検出回路202が接続されている。
図23、図24(a),(b)に示すように、検出回路201,202は、出力経路を2つずつ有している。第3検出回路201は、TEST3a端子に接続された第1出力経路201aと、TEST3b端子に接続された第2出力経路201bとを有しており、第4検出回路202は、TEST4a端子に接続された第1出力経路202aと、TEST4b端子に接続された第2出力経路202bとを有している。第1出力経路201a,202aは、第1プルアップ抵抗R1a,R2aを介して電圧端子Vtに接続されており、第2出力経路201b,202bは、第2プルアップ抵抗R1b,R2bを介して電圧端子Vtに接続されている。
検出回路201,202は、接地ラインに接続された接地経路201c,202cをそれぞれ有している。検出回路201,202においては、第1出力経路201a,202a及び第2出力経路201b,202bがパッケージ端子172i,172jを介して接地経路201c,202cに接続されている。
第3検出回路201においては、接地経路201cがソケット端子176iに接続され、第1出力経路201aがソケット端子176jに接続され、第2出力経路201bがソケット端子176kに接続されている。このため、これらソケット端子176i〜176kの全てが第1パッケージ端子172iが接触している場合に、出力経路201a,201bの両方が通電され、TEST3a端子及びTEST3b端子のそれぞれにLOWレベルが入力される。
第4検出回路202においては、接地経路202cがソケット端子176lに接続され、第1出力経路202aがソケット端子176mに接続され、第2出力経路202bがソケット端子176nに接続されている。このため、これらソケット端子176l〜176nの全てが第2パッケージ端子172jに接触している場合に、出力経路202a,202bの両方が通電され、TEST4a端子及びTEST4b端子のそれぞれにLOWレベルが入力される。
ここで、検出回路201,202において、ソケット端子176i,176lを、接地経路201c,202cに接続された接地ソケット端子176i,176lと称し、ソケット端子176j,176mを、第1出力経路201a,202aに接続された第1ソケット端子176j,176mと称し、ソケット端子176k,176nを、第2出力経路201b,202bに接続された第2ソケット端子176k,176nと称する。
なお、第1パッケージ端子172i及び第2パッケージ端子172jは、出力経路201a,202a,201b,202bを接地経路201c,202cに接続する接続パッケージ端子に相当する。また、第1出力経路201a,202aが第1上流経路に相当し、第2出力経路201b,202bが第2上流経路に相当し、接地経路201c,202cが下流経路に相当する。さらに、接地ソケット端子176i,176lが下流ソケット端子に相当し、第1ソケット端子176j,176m及び第2ソケット端子176k,176nが上流ソケット端子に相当する。
図22、図24(b)に示すように、接地ソケット端子176i,176lは、ソケット端子176(標準ソケット端子)の列が並んでいる方向(ソケット174の長手方向)において、第1ソケット端子176j,176mと第2ソケット端子176k,176nとの間に配置されている。この場合、接地ソケット端子176i,176l、第1ソケット端子176j,176m及び第2ソケット端子176k,176nは、ソケット174の長手方向に直線上に並べられており、接地ソケット端子176i,176lは第1ソケット端子176j,176mと第2ソケット端子176k,176nとの中央位置に配置されている。
接地ソケット端子176i,176l、第1ソケット端子176j,176m、第2ソケット端子176k,176nの並び順は、第3検出回路201と第4検出回路202とで同じにされている。この場合、図24(b)において、接地ソケット端子176i,176lに対して右側に第1ソケット端子176j,176mが配置され、左側に第2ソケット端子176k,176nが配置されている。
なお、第3検出回路201の接地ソケット端子176iが右上の隅角位置に配置され、第4検出回路202の接地ソケット端子176lが左下の隅角位置に配置されている。この場合、第3検出回路201においては、第1ソケット端子176jがソケット174の外周側に配置され、第2ソケット端子176kがソケット174の内側に配置されていることになる。一方、第4検出回路202においては、第1ソケット端子176mがソケット174の外周側に配置され、第2ソケット端子176nがソケット174の内側に配置されていることになる。
<共通用ROM147の装着状態>
次に、ソケット174に対する共通用ROM147の装着状態について、図25〜図29を参照しつつ説明する。図26は、共通用ROM147が許容位置Pにある場合の図、図27は、共通用ROM147が非許容位置Qにある場合の図、図28は、不正ROM1がソケット174に無理やり装着された場合の図、図29は、不正ROM2がソケット174に無理やり装着された場合の図である。なお、図26〜図29においては、(a)に共通用ROM147や不正ROM1、不正ROM2の位置を示し、(b)に第3検出回路201の状態を示し、(c)に第4検出回路202の状態を示す。
図25(a)に示すように、共通用ROM147が適正位置N0にある場合、第1パッケージ端子172iに、接地ソケット端子176i、第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kがそれぞれ接触しているとともに、第2パッケージ端子172jに、接地ソケット端子176l、第1ソケット端子176m及び第2ソケット端子176nがそれぞれ接触している。この場合、図25(b),(c)に示すように、第3検出回路201及び第4検出回路202のいずれにおいても、第1出力経路201a,202a及び第2出力経路201b,202bがパッケージ端子172i,172jを介して接地経路201c,202cに接続されていることで、これら第1出力経路201a,202a及び第2出力経路201b,202bからは通電信号が出力される。つまり、TEST3a端子、TEST3b端子、TEST4a端子及びTEST4b端子のそれぞれがLOWレベルとなる。
ここで、共通用ROM147において第1パッケージ端子172iと第2パッケージ端子172jとが隅角の対角位置に配置されているため、パッケージ端子172i,172jのそれぞれに接地ソケット端子176i,176lが接触している状態であれば、各標準ソケット端子がパッケージ端子172に接触していることになり、共通用ROM147が正常に動作すると想定される。この場合、共通用ROM147の位置ずれが許容範囲内にあるとして、この場合の共通用ROM147の位置を許容位置と称する。
また、パッケージ端子172i,172jの少なくとも一方に接地ソケット端子176i,176lが接触していない状態であれば、一部又は全ての標準ソケット端子がパッケージ端子172に接触していないことになり、共通用ROM147が正常に動作しない可能性が生じる。この場合、共通用ROM147の位置ずれが許容範囲内にはないとして、この場合の共通用ROM147の位置を非許容位置と称する。
なお、適正位置N0が、許容位置や非許容位置に対する基準となる基準位置に相当する。この場合、許容位置及び非許容位置はいずれも、基準位置ではない非基準位置に含まれていることになる。
図26(a)に示すように、共通用ROM147が右側に位置ずれしたことで許容位置Pにある場合、パッケージ端子172i,172jには、接地ソケット端子176i,176l及び第1ソケット端子176j,176mがそれぞれ接触している一方で、第2ソケット端子176k,176nは接触していない。
この場合、図26(b),(c)に示すように、第3検出回路201及び第4検出回路202のいずれにおいても、第1出力経路201a,202aが通電されている一方で、第2出力経路201b,202bの通電が停止されている。このため、TEST3a端子及びTEST4a端子には、通電信号(LOWレベル)が入力される一方で、TEST3b端子及びTEST4b端子には、遮断信号(HIレベル)が入力される。このように、検出回路201,202のいずれにおいても、第1出力経路及び第2出力経路の少なくとも一方が通電されている場合には、共通用ROM147が許容位置にあることになる。
図27(a)に示すように、共通用ROM147が回動したことで非許容位置Qにある場合、第1パッケージ端子172iには、第2ソケット端子176kが接触している一方で、接地ソケット端子176i及び第1ソケット端子176jは接触していない。また、第2パッケージ端子172jには、接地ソケット端子176l及び第2ソケット端子176nが接触している一方で、第1ソケット端子176mは接触していない。なお、非許容位置Qは、第1の実施形態における離脱位置に相当する位置である。
この場合、図27(b)に示すように、第3検出回路201においては、第1出力経路201a及び第2出力経路201bのいずれも通電が停止されている。このため、TEST3a端子及びTEST3b端子のそれぞれに遮断信号が入力される。第3検出回路201においては、第1出力経路202aの通電が停止されている一方で、第2出力経路202bが通電されている。このため、TEST4a端子には遮断信号が入力される一方で、TEST4b端子には通電信号が入力される。このように、第3検出回路201及び第4検出回路202の少なくとも一方において、第1出力経路及び第2出力経路の両方の通電が遮断されている場合には、共通用ROM147が非許容位置にあることになる。
ここで、検出回路201,202のソケット端子176i〜176nは、共通用ROM147がその板面に沿って回動する向きで位置ずれしたとしても、接地ソケット端子176i,176lの外側に配置されたソケット端子176j,176nがパッケージ端子172i,172jに接触する一方で、内側に配置されたソケット端子176k,176mが接触しない、という状況が生じないように配置されている。この場合、接地ソケット端子176i,176lの外側に配置されたソケット端子176j,176nがパッケージ端子172i,172jに接触していない一方で、内側に配置されたソケット端子176k,176mが接触している、という状況が生じないようにもなっている。
ソケット174に共通用ROM147ではない不正ROMが装着された場合、その不正行為者に不正に利益を得られてしまうことが懸念される。例えば、異常発生を報知するための音データが共通用ROM147に記憶されている場合に、その音データを記憶していない不正ROMに取り替えられることで、報知音がスピーカ91から出力されない状態でパチンコ機10から遊技球を不正に払い出させるという不正行為が考えられる。
不正ROMがソケット174に装着された状態では、その不正ROMがソケット174に適合していないことなどに起因して、不正ROMの各パッケージ端子がそれぞれソケット端子176に接触はしているものの、それらパッケージ端子に対するソケット端子176の接触位置が、正規の共通用ROM147がソケット174に装着された場合とは異なると考えられる。つまり、正規の共通用ROM147がソケット174に装着されている場合には生じ得ない検出結果が検出回路201,202により得られた場合には、不正ROMがソケット174に無理やり装着されていることが可能性があると考えられる。
図28(a)に示すように、パッケージ端子の列の間隔が大きい不正ROM1がソケット174に無理やり装着された場合、その不正ROM1において、第3検出回路201に含まれたパッケージ端子X1は、接地ソケット端子176i及び第2ソケット端子176kに接触しているものの、第1ソケット端子176jには接触していない。その一方で、第4検出回路202に含まれたパッケージ端子X2は、接地ソケット端子176l及び第1ソケット端子176mに接触しているものの、第2ソケット端子176nには接触していない。
この場合、図28(b),(c)に示すように、第3検出回路201においては、第1出力経路201aからTEST3a端子に遮断信号が出力され、第2出力経路201bからTEST3b端子に通電信号が出力される。一方で、第4検出回路202においては、第1出力経路202aからTEST4a端子に通電信号が出力され、第2出力経路202bからTEST4b端子に遮断信号が出力される。
上述したように、検出回路201,202において、接地ソケット端子176i,176lの外側に配置されたソケット端子176j,176nの通電が停止され、内側に配置されたソケット端子176k,176mが通電されるという状況は、正規の共通用ROM147がソケット174に装着された場合には生じ得ない状況であるため、ソケット174に不正ROM1が無理やり装着されたという疑いを持つことができる。
また、図29(a)に示すように、パッケージ端子の列の間隔が小さい不正ROM2がソケット174に無理やり装着された場合、その不正ROM2において、第3検出回路201に含まれたパッケージ端子X3は、接地ソケット端子176i及び第1ソケット端子176jに接触しているものの、第2ソケット端子176kには接触していない。その一方で、第4検出回路202に含まれたパッケージ端子X4は、接地ソケット端子176l及び第2ソケット端子176nに接触しているものの、第1ソケット端子176mには接触していない。
この場合、図29(b),(c)に示すように、第3検出回路201においては、第1出力経路201aからTEST3a端子に通電信号が出力され、第2出力経路201bからはTEST3b端子に遮断信号が出力される。一方で、第4検出回路202においては、第1出力経路202aからはTEST4a端子に遮断信号が出力され、第2出力経路202bからはTEST4b端子に通電信号が出力される。
上述したように、検出回路201,202において、接地ソケット端子176i,176lの外側に配置されたソケット端子176j,176nが通電され、内側に配置されたソケット端子176k,176mの通電が停止されるという状況は、正規の共通用ROM147がソケット174に装着された場合には生じ得ない状況であるため、不正ROM1が無理やり装着されたという疑いを持つことと同様に、ソケット174に不正ROM2が無理やり装着されたという疑いを持つことができる。
第2の実施形態では、演出制御処理のステップS308にて実行されるROM位置ずれ対応処理の内容が、第1の実施形態とは異なっており、ここでは、ROM位置ずれ対応処理について、図30のフローチャートを参照しつつ説明する。
なお、第1の実施形態とは異なり、演出制御処理のステップS307では、共通用ROM147が適正位置N0にあるか否かを判定する。つまり、サブMPU142のTEST3a端子、TEST3b端子、TEST4a端子及びTEST4b端子の全てに通電信号が入力されているか否かを判定する。これら端子の全てに通電信号が入力されている場合は、演出制御処理をそのまま終了し、1つでも遮断信号の入力された端子があれば、共通用ROM147が適正位置N0にないとして、ステップS308に進み、ROM位置ずれ対応処理を行う。
ROM位置ずれ対応処理において、ステップS601では、音出力中信号を受信しているか否かを判定する。受信していない場合は、ステップS602に進み、共通用ROM147が適正位置N0にない旨、及びスピーカ91からの音出力に異常が発生している旨を報知し、ステップS603では、これらの旨を管理コンピュータ等に通知する外部出力処理を実行する。
音出力中信号を受信している場合、ステップS604に進み、検出回路201,202により検出されたROMの位置ずれ態様が異常であるか否かを判定する。ここでは、通電信号及び遮断信号のうち、一方の信号がTEST3a端子及びTEST4b端子のそれぞれに入力され、且つ他方の信号がTEST3b端子及びTEST4a端子のそれぞれに入力されているか否かを判定し、この判定が肯定された場合にROMの位置ずれ態様が異常であるとする。
ROMの位置ずれ態様が異常でない場合、ステップS605に進み、現在の遊技状態に関係なく、共通用ROM147が適正位置N0にない旨、スピーカ91からの音出力に異常は発生していない旨を報知し、ステップS606では、これらの旨を管理コンピュータ等に通知する外部出力処理を実行する。なお、共通用ROM147が許容位置Pにある場合には、位置ずれを示す報知処理を実行しなくてもよいが、共通用ROM147が適正位置N0から許容位置Pに位置ずれした段階で報知することにより、共通用ROM147の位置ずれに伴って出力音に異常が発生することを未然に防ぐことができる。
ROMの位置ずれ態様が異常である場合、ステップS607に進み、正規の共通用ROM147が不正ROMに取り替えられている可能性を報知し、ステップS608では、その旨を管理コンピュータ等に通知する外部出力処理を実行する。なお、実際に不正ROMがソケット174に不正に装着されている場合には、その不正行為者が遊技者として本パチンコ機10で遊技を行っている可能性があるため、不正ROMの装着可能性を示す報知は本パチンコ機10では行わず、管理コンピュータ等にだけ通知してもよい。
以上詳述した第2の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
検出回路201,202のそれぞれにおいては、1つのパッケージ端子172i,172jに対する複数のソケット端子176i〜176nの接触が検出されるため、共通用ROM147に専用配線を付与しなくても、適正位置N0に対する共通用ROM147の位置ずれの有無を判定することができる。
しかも、パッケージ端子172i,172jに対して、接地ソケット端子176i,176lが接触していれば、第1ソケット端子176j,176mや第2ソケット端子176k,176nが接触していなくても、共通用ROM147が許容位置Pに存在するため、共通用ROM147の装着状態が不適から遠い状態(適正位置N0にある状態)にあるのか、不適から近い状態(許容位置Pにある状態)にあるのかを判定することが可能となる。したがって、共通用ROM147の装着状態について、検出回路201,202による検出精度を高めることができる。
第3検出回路201についての効果を述べると、第3検出回路201のソケット端子176i〜176kが、ソケット174においてソケット174の列の並び方向に延びているため、ソケット端子176i〜176kの間隔を適度に確保することができる。例えば、これらソケット端子176i〜176kがソケット端子176の列の延びる方向に沿って並べられた構成では、第1ソケット端子176jや第2ソケット端子176kを接地ソケット端子176iとその隣の標準ソケット端子との間に配置する必要が生じるため、ソケット端子176i〜176kが互いに接近し過ぎてしまう。
ソケット端子176i〜176kが適度に離間しているため、共通用ROM147が適正位置N0から僅かに位置ずれしただけで許容位置Pに移動したと検出されるということを回避できる。したがって、検出回路201,202の検出精度が高くなり過ぎて共通用ROM147の装着状態が適正であるにもかかわらずその装着状態について異常検出がなされる、ということを抑制できる。
第3検出回路201は、第1出力経路201a及び第2出力経路201bという2つの出力経路を有しているため、これら出力経路201a,201bの出力結果により共通用ROM147の4つの位置を検出することが可能となる。
また、接地ソケット端子176iが第1ソケット端子176jと第2ソケット端子176kとの間に配置されているため、共通用ROM147が位置ずれした場合でも、第1出力経路201aと第2出力経路201bとが接地経路201cを介さずに短絡されにくくなっている。これにより、共通用ROM147の第1ソケット端子176jや第2ソケット端子176k、サブMPU142のTEST3a端子やTEST3b端子に不安定な電圧が印加されるということを抑制できる。
電圧端子Vtからの第1出力経路201a及び第2出力経路201bへの印加電圧が同じ値とされているため、第1パッケージ端子172iに対するソケット端子176i〜176kの接触状態によって出力経路201a,201bからの出力電圧が不安定に変動するということを抑制できる。
第3検出回路201についてのこれらの効果は、第4検出回路202においても同様に奏することができる。
第3検出回路201の接地ソケット端子176iと第4検出回路202の接地ソケット端子176lとが、ソケット174の列の延びる方向において離間した位置に配置されているため、これら検出回路201,202により、共通用ROM147がソケット174の複数列の並び方向に移動したことを適正に検出することができる。
また、これら接地ソケット端子176i,176lがソケット174の複数列の並び方向に離間しているため、その並び方向において、共通用ROM147が位置ずれした方向を特定できる。しかも、検出回路201,202においては、通電信号及び遮断信号のうち一方が、接地ソケット端子176i,176lよりもソケット外周側に配置されたソケット端子176j,176nから出力され、且つ、他方が、内側に配置されたソケット端子176k,176mから出力されることは、共通用ROM147がソケット174に装着されている状態では生じ得ないため、不正ROMの存在を検出できる。
<第3の実施形態>
上記第1の実施形態では、共通用ROM147が適正位置N0にある場合に検出回路181,182が通電状態になっていたが、本第3の実施形態では、共通用ROM147が適正位置N0にある場合に検出回路が遮断状態になる。第3の実施形態では、主に検出回路の構成について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、報知・演出制御装置72が第5検出回路211を有しており、この第5検出回路211の構成について、図31〜図34を参照しつつ説明する。
図31は共通用ROM147及びソケット174を示す図であり、(a)に共通用ROM147の表面を示し、(b)にソケット174の平面図を示す。図32は第5検出回路211について共通用ROM147及び回路基板168の回路を示す図、図33は共通用ROM147が適正位置N0にある場合の図、図34は共通用ROM147が第3離脱位置N3にある場合の図である。なお、図32においては、(a)に共通用ROM147の回路を示し、(b)に回路基板168の回路を示す。図33、図34においては、(a)に共通用ROM147の位置を示し、(b)に第5検出回路211の状態を示す。
図31(a),(b)に示すように、共通用ROM147にはパッケージ端子172a〜172dが配置され、ソケット174にはソケット端子176a〜176dが配置されている。ソケット174には、ソケット端子176a〜176d等の標準ソケット端子に加えて、共通用ROM147が適正位置N0にある場合にはパッケージ端子172のいずれにも接触しないソケット端子176o〜176qが設けられており、これらソケット端子176o〜176qは第5検出回路211に含まれている。ここで、ソケット174においては、パッケージ端子172に対して1対1で設けられたソケット端子176が標準ソケット端子であり、ソケット端子176o〜176qは、これら標準ソケット端子とは別に設けられた外れ端子に相当する。
図33(b)に示すように、第5検出回路211は、パッケージ端子172a,172cを接続した第1接続路191と、外側のソケット端子176oをTEST5a端子に接続した第1出力経路211aと、内側のソケット端子176pをTEST5b端子に接続した第2出力経路211bと、接地ラインに接続された接地経路211cとを有している。なお、ソケット端子176oを第1ソケット端子176oと称し、ソケット端子176pを第2ソケット端子176pと称し、ソケット端子176qを接地ソケット端子176qと称する。
図31(a),(b)の説明に戻り、第1ソケット端子176o及び第2ソケット端子176pは、共通用ROM147が適正位置N0にある状態でパッケージ端子172aに接触しない範囲でソケット端子176aに近接して横並びに配置されている。ソケット端子176o,176pは、ソケット174の長手方向に並べられており、これらソケット端子176o,176pの中間位置にソケット端子176aが配置されている。この場合、第1ソケット端子176oがソケット端子176aの外側に配置され、第2ソケット端子176pがソケット端子176aの内側に配置されている。ソケット端子176o,176pとソケット端子176aとの離間距離は、パッケージ171の長手方向においてパッケージ端子172aの長さ寸法よりも若干大きくされている。
接地ソケット端子176qは、共通用ROM147が適正位置N0にある状態でパッケージ端子172cに接触しない範囲でソケット端子176cに近接して横並びに配置されている。接地ソケット端子176qは、ソケット174の短手方向においてソケット端子176cの外側に配置されており、これらソケット端子176q,176cの離間距離は、パッケージ171の短手方向においてパッケージ端子172cの長さ寸法よりも若干大きくされている。
図32(a),(b)に示すように、第1接続路191は共通用ROM147に設けられており、出力経路211a,211b及び接地経路211cは回路基板168に設けられている。出力経路211a,211bは、いずれもプルアップ抵抗Rを介して電圧端子Vtに接続されている。なお、TEST5a端子及びTEST5b端子は、サブMPU142に設けられている。
図33(a)に示すように、共通用ROM147が適正位置N0にある場合、第1ソケット端子176o及び第2ソケット端子176pがいずれもパッケージ端子172aに接触しておらず、接地ソケット端子176qもパッケージ端子172cに接触していない。この場合、図33(b)に示すように、第5検出回路211においては、第1出力経路211a及び第2出力経路211bのいずれも第1接続路191(接地経路211c)に接続されておらず、TEST5a端子及びTEST5b端子のいずれにもHIレベルが入力される。第2の実施形態においては、TEST5a端子やTEST5b端子に入力されるHIレベルが、共通用ROM147が適正位置N0にあることを示す適正信号であり、LOWレベルが、共通用ROM147が適正位置N0から離脱したことを示す離脱信号である。なお、離脱信号は、ソケット174に対する共通用ROM147の装着状態に異常が発生したことを示す異常信号に相当する。
図34(a)に示すように、共通用ROM147が回動したことで第3離脱位置N3にある場合、パッケージ端子172aが第2ソケット端子176pに接触し、且つパッケージ端子172cが接地ソケット端子176qに接触している。この場合、第2出力経路211bが第1接続路191を介して接地経路211cに接続され、第2出力経路211bが通電状態になることでTEST5b端子にLOWレベルが入力される。つまり、共通用ROM147が第3離脱位置N3にあることを示す離脱信号がTEST5b端子に入力されることになる。
その一方で、パッケージ端子172aは第1ソケット端子176oに接触しておらず、第1出力経路211aは通電状態にはならない。この場合、TEST5a端子にはHIレベルが継続して入力されている。このため、サブMPU142は、TEST5a端子及びTEST5b端子に異なる信号が入力されることで、適正位置N0に対する共通用ROM147の位置ずれ態様(回動方向)を特定することが可能になる。
以上詳述した第3の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第5検出回路211において、外れ端子であるソケット端子176o〜176qは、共通用ROM147が適正位置N0にある場合にパッケージ端子172a,172cに接触しない位置に配置されているため、例えば第2の実施形態のように、パッケージ端子172a,172cに接触する位置に配置された構成に比べて、パッケージ端子172a,172cに対するソケット端子176o〜176qの相対位置に関する自由度を高めることができる。
また、ソケット端子176aに対する第1ソケット端子176o及び第2ソケット端子176pの離間距離を、パッケージ端子172aの長手寸法より大きくすることや、ソケット端子176cに対する接地ソケット端子176qの離間距離を、パッケージ端子172cの長手寸法より大きくすることが可能となる。さらに、共通用ROM147の設計に際して、ソケット端子176a等の標準ソケット端子の設置位置が外れ端子であるソケット端子176o〜176qの存在により制限されるということを抑制できる。
パッケージ端子172aが第1ソケット端子176oや第2ソケット端子176pに接触した場合には、そのパッケージ端子172aがソケット端子176aに接触しないようになっており、且つパッケージ端子172cが接地ソケット端子176qに接触した場合には、そのパッケージ端子172cがソケット端子176cに接触しないようになっているため、共通用ROM147が適正位置N0から許容範囲外の位置に離脱したことを第5検出回路211により確実に検出できる。したがって、共通用ROM147の装着状態が適正であるにも関わらず不適であるとして検出されることを抑制できる。
<第4の実施形態>
上記第2の実施形態では、共通用ROM147が適正位置N0にある場合に検出回路201,202が通電状態になっていたが、本第4の実施形態では、共通用ROM147が適正位置N0にある場合に検出回路が遮断状態になる。第4の実施形態では、主に検出回路の構成について、第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、報知・演出制御装置72が第6検出回路215を有しており、この第3検出回路201の構成について、図35〜図39を参照しつつ説明する。なお、第6検出回路215は、第2の実施形態の第3検出回路201に相当するものであり、第3検出回路201とはソケット端子176j,176kの配置が異なるだけのものである。
図35は共通用ROM147及びソケット174を示す図であり、(a)に共通用ROM147の表面を示し、(b)にソケット174の平面図を示す。図36は第6検出回路215について共通用ROM147及び回路基板168の回路を示す図、図37は共通用ROM147が適正位置N0にある場合の図、図38は共通用ROM147が許容位置P1にある場合の図、図39は不正ROM3がソケット174に無理やり装着された場合の図である。なお、図36においては、(a)に共通用ROM147のパッケージ端子172iを示し、(b)に回路基板168の回路を示す。図37〜図39においては、(a)に共通用ROM147の位置を示し、(b)に第6検出回路215の状態を示す。
図35(a),(b)に示すように、共通用ROM147には第1パッケージ端子172iが配置されており、ソケット174には、第1パッケージ端子172iに合わせてソケット端子176i〜176kが配置されている。第4の実施形態では、第2の実施形態とは異なり、第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kは、共通用ROM147が適正位置N0にある状態で第1パッケージ端子172iに接触しない位置に配置されている(図37(a)参照)。この場合、第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kは、標準ソケット端子に含まれない外れ端子に相当する。
接地ソケット端子176iに対するソケット端子176j,176kの相対位置は、第3の実施形態において接地ソケット端子176qに対するソケット端子176o,176pの相対配置と同じになっている。ただし、ソケット174の長手方向において、接地ソケット端子176iとソケット端子176j,176kとの離間距離は、第1パッケージ端子172iの長さ寸法より小さくされており、第1パッケージ端子172iが第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kのうち一方と接地ソケット端子176iとの両方に同時に接触することが可能になっている。
また、第1ソケット端子176jと第2ソケット端子176kとの離間距離は、第1パッケージ端子172iの長さ寸法より大きくされており、第1パッケージ端子172iが第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kの両方に同時には接触しないようになっている。
図36(a),(b)、図37(b)に示すように、第6検出回路215は、第1出力経路215a、第2出力経路215b及び接地経路215cを有しており、これら経路215a〜215cはいずれも回路基板168に設けられている。
図37(a)に示すように、共通用ROM147が適正位置N0にある場合、第1パッケージ端子172iには、接地ソケット端子176iが接触している一方で、第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kがいずれも接触していない。この場合、図37(b)に示すように、第6検出回路215においては、第1出力経路215a及び第2出力経路215bのいずれも接地経路215cに接続されておらず、TEST3a端子及びTEST3b端子のいずれにもHIレベルが入力される。
第4の実施形態においては、第2の実施形態と同様に、TEST3a端子やTEST3b端子に入力されるHIレベルが適正信号であり、LOWレベルが離脱信号(異常信号)である。ただし、第6検出回路215は、共通用ROM147の位置ずれが許容範囲内にあることも検出可能であるため、離脱信号を位置ずれ信号と称することもできる。
図38(a)に示すように、共通用ROM147が右側に位置ずれしたことで許容位置P1にある場合、第1パッケージ端子172iには、接地ソケット端子176iに加えて第1ソケット端子176jが接触している一方で、第2ソケット端子176kは接触していない。この場合、第1出力経路215aが第1パッケージ端子172iを介して接地経路215cに接続され、第1出力経路215aが通電状態になることでTEST3a端子にLOWレベルが入力される。また、第2出力経路215bは接地経路215cに接触しておらず、第2出力経路215bは通電状態にならないことでTEST3b端子にHIレベルが入力される。
このように、第6検出回路215によりTEST3a端子に位置ずれ信号が入力され、TEST3b端子に適正信号が入力された場合、サブMPU142は、共通用ROM147が適正位置N0から右側に位置ずれした許容位置P1にあると特定する。
上述したように、共通用ROM147がどのように位置ずれした場合でも、第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kの両方が第1パッケージ端子172iに同時に接触しないようになっているため、TEST3a端子及びTEST3b端子の両方に位置ずれ信号が同時に入力される、という状況が生じないようになっている。
ところが、不正ROMがソケット174に無理やり装着された場合には、不正ROMのパッケージ端子が第1パッケージ端子172iよりも大きいことなどに起因して、TEST3a端子及びTEST3b端子の両方に位置ずれ信号が同時に入力されることが想定される。
図39(a)に示すように、パッケージ端子の長さ寸法が大きい不正ROM3がソケット174に無理やり装着された場合、その不正ROM3において、第6検出回路215に含まれたパッケージ端子X5は、第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kの両方に接触している。これにより、図39(b)に示すように、第6検出回路215においては、第1出力経路215a及び第2出力経路215bの両方から通電信号が出力され、TEST3a端子及びTEST3b端子の両方に位置ずれ信号(LOWレベル)が同時に入力される。
この場合、サブMPU142は、第6検出回路215からTEST3a端子及びTEST3b端子のそれぞれに入力された検出信号に基づいて、共通用ROM147の位置ずれが生じたのではなく、不正ROMがソケット174に無理やり装着された、という判定を行う。
以上詳述した第4の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第6検出回路215において、外れ端子である第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kは、共通用ROM147が適正位置N0にある場合に第1パッケージ端子172iに接触しない位置に配置されているため、例えば、第2の実施形態のように、第1パッケージ端子172iに接触する位置に配置された構成に比べて、第1パッケージ端子172iに対する第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kの相対位置に関する自由度を高めることができる。
第1パッケージ端子172iが、第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kのうち一方と接地ソケット端子176iとに架け渡された状態で同時に接触することが可能になっているため、ソケット174に対する共通用ROM147の装着状態が適正範囲に含まれている場合でも、適正位置N0に対する共通用ROM147の位置ずれを第6検出回路215により検出することができる。これにより、共通用ROM147の装着状態について、第6検出回路215による検出精度を高めることができる。
第6検出回路215においては、第1パッケージ端子172iが、第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kのうち一方と接地ソケット端子176iと同時に接触することで、共通用ROM147の位置ずれが検出されるため、第1の実施形態や第3の実施形態とは異なり、検出回路を構成する専用経路を共通用ROM147に設ける必要がない。この場合、汎用品のICチップを共通用ROM147として使用することが可能となるため、コスト負担を低減できる。また、この場合、不正ROMがソケット174に無理やり装着されたことを検出することができる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(a1)上記第1の実施形態では、共通用ROM147において第1接続路191,195及び第2接続路192,196が隣り合うパッケージ端子172を接続していたが、これら接続路191,192,195,196は、パッケージ171において対角位置に配置されたパッケージ端子172を接続していてもよい。例えば、第1検出回路181において、上流開閉部185aのパッケージ端子172aと、第1中間開閉部185cのパッケージ端子172cとがパッケージ171において対角位置に配置され、これらパッケージ端子172a,172cを接続する第1接続路191がパッケージ171の対角線に沿って延びるように配置された構成とする。
(a2)上記第1の実施形態では、隅角開閉部185a〜185dのパッケージ端子172a〜172dがパッケージ171の四隅に対して設けられていたが、これらパッケージ端子172a〜172dは、パッケージ端子172の配列の隅角位置より内側に配置されていてもよい。この場合でも、これらパッケージ端子172a〜172dが、内側開閉部186a〜186dのパッケージ端子172e〜172hよりも外側に配置されていることが好ましい。
(a3)上記第1の実施形態では、パッケージ端子172a〜172hは、パッケージ171の板面に沿って直交する2方向に並べられていたが、これらパッケージ端子172a〜172hの配置はこれに限られない。例えば、パッケージ端子172a〜172dが仮想台形の頂点に配置されていてもよく、パッケージ端子172e〜172hが仮想菱形の頂点に配置されていてもよい。
(a4)上記第1の実施形態では、検出回路181,182がそれぞれ4つの開閉部を有していたが、有する開閉部は複数であれば2つでも3つでもよい。例えば、第1検出回路181が上流開閉部185a及び下流開閉部185bの2つの開閉部を有している構成とする。この構成では、開閉部185a、185dのパッケージ端子172a,172dを接続する接続路が共通用ROM147に設けられている。また、これらパッケージ端子172a,172dはパッケージ171において対角位置に配置されていることが好ましい。これにより、共通用ROM147の全てのパッケージ端子172のうち一部がソケット端子176から離間する程度の共通用ROM147の位置ずれであっても、その離間する一部のパッケージ端子172がパッケージ端子172a,172dとなる構成を実現できる。しかも、第1検出回路181に含まれるパッケージ端子172a,172dの数が2つだけになるため、4つのパッケージ端子が第1検出回路181に含まれている構成に比べて、共通用ROM147に関する回路設計の制約を小さくすることができる。
また、第1検出回路181及び第2検出回路182のうち一方の開閉部を4つとし、他方の開閉部を2つにするなど、検出回路ごとに開閉部(パッケージ端子)の数が異なっていてもよい。
(a5)上記第1の実施形態では、共通用ROM147において、第2検出回路182のパッケージ端子172e〜172hが、第1検出回路181のパッケージ端子172a〜172dの内側に配置されていたが、第2検出回路182のパッケージ端子が第1検出回路181のパッケージ端子より外側に配置されていてもよい。また、第1検出回路181と第2検出回路182とでそれぞれのパッケージ端子が横並びに配置されていてもよい。この場合、第1検出回路181だけが遮断信号を出力した場合と、第2検出回路182だけが遮断信号を出力した場合とで、共通用ROM147の位置ずれの向きが異なると判定することが可能となる。また、第1検出回路181及び第2検出回路182の両方が遮断信号を出力した場合には、いずれか一方だけが遮断信号を出力した場合に比べて、共通用ROM147の位置ずれレベルが高いと判定することが可能となる。
(a6)上記第1の実施形態では、共通用ROM147の位置ずれが発生した場合に、対策処理として遊技状態に応じた報知処理が行われたが、報知処理は遊技状態に関係なく実行されてもよい。また、対策処理として、遊技を中断させる処理などが行われてもよい。
(b1)上記第2の実施形態では、接地ソケット端子176i,176l、第1ソケット端子176j,176m及び第2ソケット端子176k,176nが直線的に並べられていたが、接地ソケット端子が第1ソケット端子と第2ソケット端子との間に配置されているのであれば、これらソケット端子は直線的に並べられていなくてもよい。
(b2)上記第2の実施形態では、接地ソケット端子176i,176lが標準ソケット端子として設けられていたが、第1ソケット端子176j,176m又は第2ソケット端子176k,176nが標準ソケット端子として設けられていてもよい。また、検出回路201,202に含まれるソケット端子のいずれも標準ソケット端子とは異なる位置に配置されていてもよい。例えば、第3検出回路201において、標準ソケット端子が接地されるはずの位置を中心として仮想三角形を想定し、その仮想三角形の各頂点に接地ソケット端子176i、第1ソケット端子176j及び第2ソケット端子176kが配置された構成とする。
(b3)上記第2の実施形態では、検出回路201,202において、出力経路が複数設けられ、接地経路が1つ設けられていたが、出力経路及び接地経路のそれぞれが1つずつ設けられていてもよく、接地経路だけが複数設けられていてもよい。つまり、上流ソケット端子及び下流ソケット端子のそれぞれが1つずつ設けられていてもよく、下流ソケット端子だけが複数設けられていてもよい。
なお、出力経路及び接地経路が複数ずつ設けられていてもよいが、この場合は、パッケージ端子172i,172jを通じて通電される出力経路と接地経路との組み合わせによって、出力経路からの出力電圧が不安定に変化することなどが懸念されるため、出力経路及び接地経路のうち一方だけを複数設けることが好ましい。
(b4)上記第2の実施形態では、第3検出回路201の接地ソケット端子176iと第4検出回路202の接地ソケット端子176lとが、ソケット174において対角位置に配置されていたが、これら接地ソケット端子176i,176lは、その並び方向がソケット端子176の列の並び方向と平行になるように配置されていてもよく、ソケット端子176の列が延びている方向と平行になるように配置されていてもよい。
(c1)外れ端子としてのソケット端子176o〜176q,176j,176kは、共通用ROM147が適正位置N0にある場合にパッケージ端子172のいずれにも接触しない位置に配置されていれば、上記第3及び第4の実施形態における位置に配置されていなくてもよい。
(c2)上記第3及び第4の実施形態では、検出回路211,215に、パッケージ端子172及びソケット端子176のうち少なくとも一方の端子が複数含まれていたが、パッケージ端子172及びソケット端子176が1つずつ含まれていてもよい。例えば、検出回路において、1つのパッケージ端子が外れ端子としての1つのソケット端子に接触したことが検出される構成とする。この構成としては、外れ端子に接触する可能性の高いパッケージ端子に接触センサが設けられた構成が挙げられる。この場合、検出回路211,215に含まれるパッケージ端子は、共通用ROM147が適正位置にある場合には共通用ROM147の動作に用いられる端子とすることが可能となる。つまり、テスト端子とする必要がない。
(c3)上記第3及び第4の実施形態では、外れ端子がソケット端子176o〜176q,176j,176kとしてソケット174に設けられていたが、外れ端子はパッケージ端子172としてパッケージ171に設けられていてもよい。この場合は、外れ端子をソケット174に設ける必要がない。
(c4)上記第3の実施形態では、外れ端子であるソケット端子176o〜176qが、共通用ROM147が位置ずれした場合でもパッケージ端子172a,172cが複数のソケット端子176に接触しないように配置されていたが、外れ端子は、共通用ROM147が位置ずれした場合にパッケージ端子172a,172cが複数のソケット端子176に接触するように配置されていてもよい。例えば、ソケット174の長手方向において、ソケット端子176aに対するソケット端子176o,176pの離間距離が、パッケージ端子172aの長さ寸法より小さくされた構成とする。
(d1)上記第1及び第2の実施形態では、検出回路181,182,201,202から出力されたLOWレベルが通電信号とされ、HIレベルが遮断信号とされていたが、LOWレベルが遮断信号とされ、HIレベルが通電信号とされていてもよい。例えば、第1の実施形態においては、出力経路181bにプルアップ抵抗Rが接続されておらず、第1検出回路181の接地経路181cにプルダウン抵抗が設けられた構成とする。
(d2)上記各実施形態では、検出回路の接地経路が出力経路としてサブMPU142に接続されていてもよい。例えば、第1の実施形態において、第1検出回路181の出力経路181bが電圧端子Vtに接続されている一方で、TEST1端子に接続されておらず、接地経路181cがTEST1端子に接続された構成とする。この場合でも、TEST1端子には、共通用ROM147が適正位置N0にある場合にLOWレベルが入力され、共通用ROM147が第1離脱位置N1などに位置ずれすることでHIレベルが入力される。
(d3)上記第1及び第2の実施形態では、検出回路181,182,201,202に含まれたパッケージ端子172a〜172jがテスト端子とされていたが、これらパッケージ端子172a〜172jがVCC端子やOE端子、CE端子とされていてもよい。例えば、第1の実施形態の第1検出回路181において、パッケージ端子172aにVCC端子が割り当てられた構成では、パッケージ端子172aがプルアップ抵抗Rを介さずに電圧端子Vtに接続され、出力経路181bにプルダウン抵抗が設けられた構成とする。この構成によれば、共通用ROM147が位置ずれして直列経路181aの通電が停止した場合に、VCC端子への給電が停止されて共通用ROM147の動作が停止することが懸念されるが、共通用ROM147が適正位置N0にある場合には、パッケージ端子172a(VCC端子)に電圧端子Vtから所定電圧が印加されることで共通用ROM147を正常に動作させることが可能となる。
(d4)上記各実施形態では、パッケージ端子172及びソケット端子176がそれぞれ4列で設けられていたが、2列や3列といった他の複数列で設けられていてもよく、1列で設けられていてもよい。
(d5)上記各実施形態では、ソケットに装着された電子部品を報知・演出制御装置72の共通用ROM147としたが、この電子部品は、報知・演出制御装置72のCPU143や、表示制御装置128の表示MPU162、主制御装置71のRWM124としてもよい。いずれの場合でも、ソケットに対する電子部品の装着状態を検出できる。
(d6)主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、報知・演出制御装置72により表示制御装置128が制御される構成に代えて、主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置128が報知・演出制御装置72を制御する構成としてもよい。また、報知・演出制御装置72と表示制御装置128とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置71に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置71に集約されていてもよい。また、主制御装置71から報知・演出制御装置72に出力されるコマンドの構成や、報知・演出制御装置72から表示制御装置128に出力されるコマンドの構成も任意である。
(d7)遊技回用の演出が実行される装置は、図柄表示装置41に限定されることはなく、可動式に設けられた装飾部材が動作することで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、所定の発光部を点灯させることで遊技回用の演出が実行される構成としてもよく、上記各態様の全部又は一部の組み合わせによって遊技回用の演出が実行される構成としてもよい。
(d8)上記各実施形態では、主制御装置71において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部43における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置71において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の表示態様、表示継続時間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置71では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、表示継続時間の決定及び種別判定を行った場合に、時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。
(d9)上記各実施形態では、メイン表示部43において各遊技結果に対応した停止結果が表示される構成としたが、これに代えて、メイン表示部43を不具備としてもよく、いずれの遊技結果であってもメイン表示部43において共通の停止結果が表示される構成としてもよく、メイン表示部43において停止結果がランダムに表示されることで、結果的にメイン表示部43の表示からはいずれの遊技結果であるかを識別できない構成としてもよい。
(d10)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
下記特徴A群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技を統括管理する主制御装置や、主制御装置からの信号に基づいて音の出力などを制御する副制御装置などが設けられている。これら制御装置は、所定の配線パターンが付与された回路基板を有しており、この回路基板には、CPUやROM、RAMといった電子部品が表面実装等により搭載されている。電子部品が回路基板に対して表面実装された構成としては、回路基板に取り付けられたソケットに電子部品が装着された構成がある(例えば特許文献1:特開2009−268548号公報参照)。電子部品及びソケットはそれぞれ電極を複数有しており、これら電極が端子として互いに接触することで電子部品が制御装置において動作可能な状態になっている。
しかしながら、電子部品がソケットに装着された構成では、例えば電子部品の端子が回路基板に対して半田付けされたスルーホール実装とは異なり、電子部品の端子とソケットの端子とが半田付けされていない。このため、ソケットに対する電子部品の装着状態が適正でない場合には、電子部品が正常に動作しないことが懸念される。
ここで、電子部品の装着状態が適正でない場合としては、電子部品の全ての端子がソケットの端子に接触していない場合はもちろんのこと、電子部品の一部の端子だけがソケットの端子に接触している場合が挙げられ、この場合には端子同士の接触が不安定な状態になっていると想定されるため、仮に電子部品が正常に動作していたとしても、僅かな振動などにより端子間の接触不良が発生して電子部品の正常な動作が停止することになってしまうと考えられる。
特徴A1.パッケージ(パッケージ171)を有する電子部品(共通用ROM147)が、回路基板(回路基板168)に取り付けられたソケット(ソケット174)に装着されていることで該回路基板に実装されており、
前記ソケットのソケット端子(ソケット端子176)と、該ソケット端子に通電可能に接触している前記パッケージのパッケージ端子(パッケージ端子172)とが複数組設けられ、前記パッケージ端子が前記パッケージの板面に沿って複数並べられた遊技機であって、
前記ソケットに対する前記電子部品の装着状態の不適を検出する検出回路(第1検出回路181、第2検出回路182)を備え、
前記検出回路は、
一組の前記ソケット端子と前記パッケージ端子とを1つの開閉部(隅角開閉部185a〜185d、内側開閉部186a〜186d)として、この開閉部が複数直列に接続されていることで形成され、各開閉部において前記ソケット端子と前記パッケージ端子とが接触している場合に通電され、少なくとも1つの前記開閉部において前記ソケット端子と前記パッケージ端子とが接触していない場合に通電が遮断される直列経路(直列経路181a,182a)を有しており、前記直列経路の通電状態を検出することで前記装着状態の不適を検出するものであることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、直列経路が通電されていない場合、ソケットに対する電子部品の装着状態が適正でないことに起因して、少なくとも1つの開閉部においてパッケージ端子とソケット端子とが接触していないことになる。つまり、開状態になっていることになる。このため、全ての開閉部が開状態にならなくても、1つでも開状態になれば電子部品の装着状態の不適が検出されるため、その検出精度を高めることができる。この場合、電子部品の装着状態が不適であるにもかかわらずその不適が検出されないことや、装着状態が適正であるにもかかわらず不適であるとして検出されることが抑制されるため、電子部品の装着状態を好適に管理できる。
特徴A2.前記直列経路は、当該直列経路において隣り合う前記開閉部の各パッケージ端子を接続していることでこれら開閉部を直列に接続しているパッケージ側接続路(第1接続路191,195、第2接続路192,196)を有しており、
前記パッケージ側接続路は、前記電子部品に設けられていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、検出回路の直列経路においては、2つの開閉部を接続したパッケージ側接続路が電子部品に設けられているため、直列経路の通電状態を検出することで、少なくとも2つのパッケージ端子についてソケット端子との接触状態をまとめて検出することができる。したがって、例えばパッケージ端子とソケット端子との接触状態を検出するために所定のデータを電子部品から読み出すという構成に比べて、パッケージ端子とソケット端子との接触状態を検出する手順が煩雑になることを抑制できる。
特徴A3.複数の前記パッケージ端子は、前記パッケージの板面に沿って複数列で設けられており、
前記直列経路は、前記パッケージ側接続路として、2つの前記パッケージ端子を接続している第1接続路(第1接続路191,195)と、該第1接続路とは異なる2つの前記パッケージ端子を接続している第2接続路(第2接続路192,196)とが前記電子部品に設けられていることで、前記開閉部を4つ有しており、
4つの前記開閉部の各パッケージ端子は、前記複数列のうち2列に2つずつ配置されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、直列経路に含まれた4つのパッケージ端子が、パッケージの板面に沿って互いに交差する2方向に沿って並べられているため、適正位置に対する電子部品の位置ずれを1方向だけでなく2方向について検出することができる。
特徴A4.前記第1接続路により接続された2つの前記パッケージ端子の並び方向と、前記第2接続路により接続された2つの前記パッケージ端子の並び方向とが同じであることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、第1接続路及び第2接続路を互いに平行に延びた状態で配置することで、これら接続路がそれぞれ2つのパッケージ端子を接続することができる。このため、例えば第1接続路と第2接続路とが交差した状態で配置された構成に比べて、第1接続路及び第2接続路の長さ寸法や配置領域を小さくできる。このため、電子部品において、第1接続路及び第2接続路の存在によって電子部品の他の配線パターンの配置が制限されるということを抑制できる。
特徴A5.前記複数列のそれぞれにおいて各パッケージ端子は、矩形状の前記パッケージの一の辺が延びる方向に並べられており、
4つの前記開閉部の各パッケージ端子は、前記複数列で配置された複数の前記パッケージ端子のうち隅角位置に配置されたものであることを特徴とする特徴A3又はA4に記載の遊技機。
電子部品が位置ずれした場合、その位置ずれ方向がパッケージの板面が延びる方向及びパッケージの厚み方向のいずれであっても、パッケージの角部分の変位量がパッケージの中央部分の変位量よりも大きくなる。そこで、特徴A5のように、4つの開閉部の各パッケージ端子がパッケージの四隅のそれぞれに最も近い隅角位置に配置されていることで、電子部品の全てのパッケージ端子のうち一部がソケット端子から離間する程度の電子部品の位置ずれであっても、その離間する一部のパッケージ端子が検出回路に含まれる構成を実現できる。これにより、電子部品の位置ずれの検出精度を高めることができる。
特徴A6.複数の前記パッケージは、前記パッケージの板面に沿って複数列で設けられており、
前記複数列のそれぞれにおいて各パッケージ端子は、矩形状の前記パッケージの一の辺が延びる方向に並べられており、
前記パッケージ側接続路により接続された2つの前記パッケージ端子は、前記複数列で配置された複数の前記パッケージ端子のうち隅角位置であり且つ対角位置に配置されたものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上述したように、電子部品が位置ずれした場合、その位置ずれ方向がパッケージの板面が延びる方向及びパッケージの厚み方向のいずれであっても、パッケージの角部分の変位量がパッケージの中央部分の変位量よりも大きくなる。そこで、特徴A6のように、2つの開閉部の各パッケージ端子がパッケージの四隅のうち一対の対向角のそれぞれに最も近い隅角位置に配置されていることで、電子部品の全てのパッケージ端子のうち一部がソケット端子から離間する程度の電子部品の位置ずれであっても、その離間する一部のパッケージ端子が検出回路に含まれる構成を実現できる。
しかも、この構成を1つの直列経路及び2つのパッケージ端子により実現できるため、検出回路に含まれるパッケージ端子の数を極力少なくすることができる。これにより、電子部品の位置ずれの検出精度を高めた上で、検出回路のパッケージ端子を確保するために電子部品に関する回路設計の制約が大きくなるということを抑制できる。
特徴A7.前記検出回路として、
複数の前記パッケージ端子のうち所定のパッケージ端子を有している第1検出回路(第1検出回路181)と、
前記第1検出回路とは異なるパッケージ端子を有している第2検出回路(第2検出回路182)と、
を備え、
前記第1検出回路及び前記第2検出回路の各検出結果に基づいて、前記装着状態が適正である場合の前記電子部品の適正位置(適正位置N0)からの離脱態様を位置ずれレベルとして特定する特定手段(ステップS501の処理を実行する機能)が設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A7によれば、2つの検出回路により電子部品の位置ずれの大きさなどを位置ずれレベルとして特定することができる。この場合、適正位置からの電子部品の離脱態様が遊技を優先してもよい程度のものであるのか、装着状態を改善した方がよい程のものであるのかを判定することで、電子部品の位置ずれが発生した場合の対応処理を、位置ずれレベルに合わせてきめ細かく設定することができる。
特徴A8.前記特定手段は、前記第2検出回路により前記装着状態の不適が検出された場合に、前記第1検出回路により前記装着状態の不適が検出された場合に比べて、前記位置ずれレベルが高いものとして特定することを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、電子部品が位置ずれした場合に、第1検出回路と第2検出回路とで検出可能な位置ずれの態様が異なるように、これら検出回路について各パッケージ端子の配置を設定することで、特定手段が複雑な判定を行うことなく位置ずれレベルを特定することができる。これにより、特定手段が位置ずれレベルを特定するための判定処理を遊技機ごとに個別に設定するという手間を省くことができる。
特徴A9.前記パッケージにおいて、前記第2検出回路の各パッケージ端子は、前記第1検出回路の各パッケージ端子に比べて、当該パッケージの板面の周縁部からの離間距離が大きい位置に配置されており、
前記特定手段は、前記第2検出回路により前記装着状態の不適が検出された場合に、前記第1検出回路により前記装着状態の不適が検出された場合に比べて、前記位置ずれレベルが高いものとして特定することを特徴とする特徴A7又はA8に記載の遊技機。
上述したように、電子部品が位置ずれした場合、その位置ずれ方向がパッケージの板面が延びる方向及びパッケージの厚み方向のいずれであっても、パッケージの周縁部の変位量がパッケージの中央部分の変位量よりも大きくなる。このため、特徴A9のように、第2検出回路の各パッケージ端子が第1検出回路の各パッケージ端子よりもパッケージの内側に配置された構成では、第2検出回路が第1検出回路よりも電子部品の大きな位置ずれを検出できる。また、この場合、例えば設計者がパッケージの全てのパッケージ端子の配置を視認した上で、いずれのパッケージ端子を検出回路に含めるのかを判断することができるため、各検出回路による位置ずれの検出精度を高過ぎず低過ぎず適度に設定することができる。
特徴A10.あらかじめ定められた移行条件が成立した場合に、遊技状態を通常遊技状態とは遊技媒体の獲得期待値が異なる他の遊技状態に移行させる手段(ステップS214の処理を実行する機能)と、
遊技が行われていないことで遊技機を待機状態に移行させる手段(ステップS217の処理を実行する機能)と、
前記第1検出回路及び前記第2検出回路のうち前記第1検出回路により前記装着状態の不適が検出され、且つ遊技状態が前記通常遊技状態にある場合に、異常発生を報知する手段(S511の処理を実行する機能)と、
前記第1検出回路及び前記第2検出回路の両方により前記装着状態の不適が検出され、且つ遊技機が前記待機状態にある場合に、異常発生を報知する手段(S508の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、第1検出回路だけにより電子部品の装着状態の不適が検出された場合は、遊技機が待機状態にあるタイミングで報知されるため、その報知が遊技者に遊技を終了させるきっかけになることや、遊技者の利益を阻害することを抑制できる。なお、第1検出回路の各パッケージ端子は、電子部品の軽微な位置ずれを検出できる位置に配置されていることが好ましい。
また、第1検出回路及び第2検出回路の両方により電子部品の装着状態の不適が検出された場合は、遊技状態が通常遊技状態にあるタイミングで報知されるため、例えば遊技状態が遊技媒体の獲得期待値が通常遊技状態より高い特別遊技状態にあるタイミングで報知された場合に比べて、遊技者の利益を阻害することを抑制できる。
特徴A11.前記検出回路により前記装着状態の不適が検出された場合に、異常発生を報知するか否かの判定を遊技機の状態に基づいて判定する手段(ステップS506,S510の処理を実行する機能)と、
前記報知を実施しない場合に、異常発生を遊技機外部の管理装置に通知する外部通知手段(ステップS513の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A11によれば、検出回路により電子部品の装着状態の不適が検出された場合でも、遊技状態が特別遊技状態にある場合などには異常発生の報知が行われないことで、遊技者の利益を阻害することを抑制できる。その一方で、管理装置には異常発生が通知されるため、ホール管理者等は電子部品の位置ずれ発生に対して対応作業を行うことが可能となる。
特徴A12.前記電子部品は、音出力手段(スピーカ91)から出力される音に関する情報を記憶した記憶手段である遊技機であって、
前記音出力手段からの音の出力が行われているか否かを判定する手段(ステップS408の処理を実行する機能)と、
前記検出回路により前記装着状態の不適が検出されている一方で、前記音出力手段からの音の出力が行われている場合に、異常発生を報知する手段(ステップS508,S511の処理を実行する機能)と、
前記検出回路により前記装着状態の不適が検出され、且つ前記音出力手段からの音の出力が行われていない場合に、異常発生を報知する手段(ステップS505の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1つに記載の遊技機。
電子部品の装着状態が不適になっている場合でも、音データの入出力に用いられるパッケージ端子がソケット端子に導通している状態であれば、電子部品が正常に動作して音出力手段から音が出力すると想定される。これに対して、特徴A12によれば、電子部品の装着状態が不適になっていても、音出力手段から音が出力している場合と出力していない場合とで異なる態様で報知を実施することが可能となる。このため、音出力手段から音が出力されていることで遊技に支障が生じていないのであれば、報知を行わずに遊技者に遊技を継続してもらうことが可能となる。その一方で、音出力手段から音が出力されていないのであれば、遊技に支障が生じる可能性が高いとして報知を行うことで、音が適正に出力されるように電子部品の装着状態を改善することが可能となる。
特徴A13.前記検出回路は、
前記直列経路の上流端に接続され、当該検出回路の検出信号を出力する出力経路(出力経路181b,182b)を有しており、
前記出力経路には、当該出力経路に所定電圧を印加する電源部がプルアップ抵抗(プルアップ抵抗R)を介して接続されていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A13によれば、電子部品の装着状態が適正である場合に、直列経路が通電されていることで出力経路からは通電信号として0V(LOWレベル)が出力され、装着状態が不適である場合に、直列経路の通電が遮断されることで出力経路からは遮断信号としてLOWレベルよりも高い所定電圧(HIレベル)が出力される。このため、電源電圧の不安定化など他の原因で出力経路からの出力がLOWレベルになったとしても、その場合と電子部品の装着状態の不適とを適正に判別することができる。
これに対して、例えば通電信号としてHIレベルが出力され、遮断信号としてLOWレベルが出力される構成(プルダウン抵抗が設けられた構成)では、出力経路からの出力がLOWレベルになった場合に、その原因が電子部品の装着状態の不適なのか電源電圧の不安定化など他の原因なのかを判別することが困難になってしまう。また、この構成では、出力経路がプルアップ抵抗を介さずに電源部に接続されているため、出力経路が接続された開閉部のソケット端子が他のパッケージ端子に接触してしまうと、そのパッケージ端子に大電流が流れて電子部品に異常が生じることが懸念される。特徴A13によれば、これら懸念を解消することができる。
特徴A14.前記直列経路に含まれる前記パッケージ端子は、前記電子部品が動作する上で機能しないテスト端子であることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴A14によれば、検出回路においては、電子部品のテスト端子が開閉部に含まれているため、電子部品の装着状態の不適の検出と電子部品の動作とがお互いに独立して行われることになる。したがって、検出回路の検出精度が低下することや、電子部品の動作の信頼度が低下することを回避できる。
<特徴B群>
下記特徴B群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技を統括管理する主制御装置や、主制御装置からの信号に基づいて音の出力などを制御する副制御装置などが設けられている。これら制御装置は、所定の配線パターンが付与された回路基板を有しており、この回路基板には、CPUやROM、RAMといった電子部品が表面実装等により搭載されている。電子部品が回路基板に対して表面実装された構成としては、回路基板に取り付けられたソケットに電子部品が装着された構成がある(例えば特許文献1:特開2009−268548号公報参照)。電子部品及びソケットはそれぞれ電極を複数有しており、これら電極が端子として互いに接触することで電子部品が制御装置において動作可能な状態になっている。
しかしながら、電子部品がソケットに装着された構成では、例えば電子部品の端子が回路基板に対して半田付けされたスルーホール実装とは異なり、電子部品の端子とソケットの端子とが半田付けされていない。このため、ソケットに対する電子部品の装着状態が適正でない場合には、電子部品が正常に動作しないことが懸念される。
ここで、電子部品の装着状態が適正でない場合としては、正規の電子部品が適正位置から位置ずれした場合はもちろんのこと、不正な電子部品がソケットに無理やり装着された場合が挙げられる。この場合は、電子部品の全ての端子がそれぞれソケットの端子に接触していたとしても、正規の電子部品がソケットに装着された場合に比べて、その接触状態が不安定になっていると考えられるが、その状態でも不正な電子部品が動作することで不正行為者に不正に利益を得られてしまうことが懸念される。
特徴B1.パッケージ(パッケージ171)を有する電子部品(共通用ROM147)が、回路基板(回路基板168)に取り付けられたソケット(ソケット174)に装着されていることで該回路基板に実装されており、
前記ソケットのソケット端子(ソケット端子176)と、該ソケット端子に通電可能に接触している前記パッケージのパッケージ端子(パッケージ端子172)とが複数組設けられ、複数の前記パッケージ端子が前記パッケージの板面に沿って複数並べられた遊技機であって、
前記ソケットに対する前記電子部品の装着状態を検出する検出回路(第3検出回路201、第4検出回路202)を備え、
前記検出回路は、
所定電圧が印加された上流経路(第1出力経路201a,202a、第2出力経路201b,202b)と、該上流経路よりも下流に設けられた下流経路(接地経路201c,202c)と、これら上流経路と下流経路とを接続する一の前記パッケージ端子である接続パッケージ端子(第1パッケージ端子172i、第2パッケージ端子172j)とを有しており、これら上流経路と下流経路とが前記接続パッケージ端子を通じて通電されている場合に通電信号を出力し、これら上流経路と下流経路との通電が遮断された場合に遮断信号を出力するものであり、
複数の前記ソケット端子には、前記上流経路が接続された上流ソケット端子(第1ソケット端子176j,176m、第2ソケット端子176k,1767n)と、前記下流経路が接続された下流ソケット端子(接地ソケット端子176i,176l)とが含まれており、
前記上流経路と前記下流経路とは、前記上流ソケット端子及び前記下流ソケット端子の両方が前記接続パッケージ端子に接触している場合に通電され、前記上流ソケット端子及び前記下流ソケット端子の少なくとも一方が前記接続パッケージ端子に接触していない場合に通電が遮断されることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、検出回路においては、上流ソケット端子及び下流ソケット端子の両方が接続パッケージ端子に接触している場合に通電信号が出力され、これらソケット端子の少なくとも一方が接続パッケージ端子に接触していない場合に遮断信号が出力される。このため、通電信号が出力された場合はもちろんのこと、遮断信号が出力された場合でも、電子部品の装着状態が適正範囲に含まれているものとすれば、電子部品の装着状態の適正レベルを特定することが可能となる。つまり、電子部品の装着状態が適正である場合に、その電子部品が不適から遠い状態(適正レベルが高い状態)にあるのか近い状態(適正レベルが低い状態)にあるのかということまで特定することが可能となる。したがって、電子部品の装着状態について、検出回路による検出精度を高めることができる。
しかも、1つの接続パッケージ端子に上流ソケット端子及び下流ソケット端子の両方が接触するため、複数のパッケージ端子を接続する専用経路を電子部品に設ける必要がない。このため、市販品が電子部品として用いられた場合でも、その電子部品により検出回路を構築することができる。
以上により、ソケットに対する電子部品の装着状態を好適に管理することができる。
なお、電子部品の装着状態が適正範囲に含まれている場合でも、その適正レベルが低い場合には、正規の電子部品ではなく不正な電子部品がソケットに無理やり装着された状態であることが懸念される。これに対して、本特徴によれば、検出回路により電子部品の装着状態について適正レベルが低いこと、つまり、不正な電子部品がソケットに無理やり装着されていることを検出できる。これにより、不正行為者が不正に利益を得ることに対して抑止力を発揮できる。
特徴B2.複数の前記パッケージ端子は、前記パッケージの板面に沿って複数列で設けられており、
前記上流ソケット端子と前記下流ソケット端子とは、各列において前記パッケージ端子が並ぶ並び方向とは交差する方向において横並びに設けられていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上流ソケット端子及び下流ソケット端子の両方が接続パッケージ端子に接触している場合の電子部品の位置を基準位置と称し、いずれか一方だけが接続パッケージ端子に接触している場合の位置を非基準位置と称すれば、上流ソケット端子と下流ソケット端子との離間距離が小さ過ぎると、基準位置と非基準位置とがほぼ同じ位置になってしまう。この場合、電子部品の位置(装着状態)の僅かな違いが検出回路により検出されるため、検出精度が高くなることにはなるが、電子部品が不適から遠い状態及び近い状態という2つの異なる状態を検出することはできない。
これに対して、特徴B2によれば、上流ソケット端子と下流ソケット端子とがパッケージ端子の列が延びる方向とは異なる方向に並べられているため、例えば、これらソケット端子がパッケージ端子の列と同じ向きに並べられた構成に比べて、上流ソケット端子と下流ソケット端子との離間距離を大きく確保できる。この場合、電子部品が不適から遠い状態及び近い状態という2つの異なる状態を検出回路により検出できるため、電子部品の装着状態を改善する必要がない場合にもその装着状態を改善してしまうという余分な作業を回避できる。
特徴B3.前記検出回路は、前記上流経路として、第1上流経路(第1出力経路201a,202a)と該第1上流経路とは異なる第2上流経路(第2出力経路201b,202b)とを有しており、
前記上流ソケット端子として、前記第1上流経路に接続された第1ソケット端子(第1ソケット端子176j,176m)と、前記第1ソケット端子とは異なり且つ前記第2上流経路に接続された第2ソケット端子(第2ソケット端子176k,176n)とが含まれていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、上流ソケット端子が2つ設けられているため、下流ソケット端子を含めた3つの端子の通電状態が検出されることで、電子部品の装着状態を4つの状態で評価することが可能となる。このため、電子部品の位置について、3つの端子の全てが接続パッケージ端子に接触している位置を基準位置と称し、3つの端子のうち2つが接続パッケージ端子に接触している位置を許容位置と称すれば、接続パッケージ端子に接触している2つの端子の組み合わせを特定することで、電子部品が基準位置から位置ずれした向きを判定することが可能となる。また、3つの端子のうち少なくとも2つの端子が接続パッケージ端子から離間している位置を離脱位置と称すれば、電子部品が非基準位置にあるか否かを判定することも可能となる。以上のように、電子部品が4つの位置のいずれにあるのかを特定することが可能となるため、電子部品の位置についての検出精度を高めることができる。
特徴B4.複数の前記ソケット端子には、前記回路基板の板面に沿って複数列で並べられた複数の標準ソケット端子(接地ソケット端子176i,176l)が含まれており、
前記複数の標準ソケット端子には、前記下流ソケット端子が含まれている一方で、前記第1ソケット端子及び前記第2ソケット端子は含まれておらず、
前記第1ソケット端子及び前記第2ソケット端子は、前記複数列の並び方向において前記下流ソケット端子に横並びに設けられており、
前記第1ソケット端子は、前記複数列の並び方向において前記下流ソケット端子を挟んで前記第2ソケット端子とは反対側に配置されていることを特徴とする特徴B3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、電子部品の位置ずれの向きを標準ソケット端子の複数列の並び方向(各列における標準ソケット端子の並び方向に交差する方向)について特定することができる。ここで、電子部品が許容位置にある状態において、第1上流経路だけが接続パッケージ端子を介して下流経路に通電されている場合の位置と、第2上流経路だけが接続パッケージ端子を介して下流経路に通電されている場合の位置とは、基準位置に対して互いに反対側にずれた位置ということになる。このため、標準ソケット端子の複数列の並び方向において、電子部品が第1ソケット端子側及び第2ソケット端子側のいずれに位置ずれしているのかを特定することができる。したがって、電子部品の位置についての検出精度を更に高めることができる。
なお、第1上流経路と第2上流経路とが下流経路に接続されずに接続パッケージ端子を通じて短絡された場合、検出回路から不安定な電圧が出力されることが懸念される。これに対して、本特徴によれば、標準ソケット端子の複数列の並び方向において、第1ソケット端子と第2ソケット端子との間に下流ソケット端子が配置されているため、電子部品が複数列の並び方向に位置ずれした場合に、第1上流経路と第2上流経路とが下流経路に接続されずに接続パッケージ端子を通じて短絡されて検出回路から不安定な電圧が出力されるということを抑制できる。
特徴B5.前記検出回路として、
前記接続パッケージ端子として第1パッケージ端子(第1パッケージ端子172i)を有している第1検出回路(第3検出回路201)と、
前記接続パッケージ端子として前記第1パッケージ端子とは異なる第2パッケージ端子(第2パッケージ端子172j)を有している第2検出回路(第4検出回路202)と、を備え、
前記第1検出回路の前記下流ソケット端子と前記第2検出回路の前記下流ソケット端子とが、前記標準ソケット端子の列が延びる方向において離間して配置されており、
前記第1検出回路及び前記第2検出回路のそれぞれにおいて、前記第1ソケット端子、前記第2ソケット端子及び前記下流ソケット端子が前記複数列の並び方向において同じ並び順で設けられていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1検出回路及び第2検出回路により、それぞれの第1ソケット端子だけが接続パッケージ端子に接触していること(第1上流経路の通電だけ)が検出された場合、電子部品が第1ソケット端子側に位置ずれしていることになる。また、それぞれの第2ソケット端子だけが接続パッケージ端子に接触していること(第2上流経路の通電だけ)が検出された場合、電子部品が第2ソケット端子側に位置ずれしていることになる。したがって、第1検出回路及び第2検出回路の検出結果に基づいて電子部品の位置ずれの方向まで特定することが可能となる。
特徴B6.前記検出回路として、
前記接続パッケージ端子として第1パッケージ端子(第1パッケージ端子172i)を有している第1検出回路(第3検出回路201)と、
前記接続パッケージ端子として前記第1パッケージ端子とは異なる第2パッケージ端子(第2パッケージ端子172j)を有している第2検出回路(第4検出回路202)と、を備え、
前記複数列において、前記第1検出回路の前記下流ソケット端子と前記第2検出回路の前記下流ソケット端子とは異なる列に配置されており、
前記第1検出回路及び前記第2検出回路のそれぞれにおいて、前記第1ソケット端子、前記第2ソケット端子及び前記下流ソケット端子が前記複数列の並び方向において同じ並び順で設けられていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B6によれば、第1検出回路及び第2検出回路において、それぞれの第1ソケット端子及び第2ソケット端子のうち外側に配置された各端子が接続パッケージ端子に接触していない場合、パッケージ端子の列の間の離間距離が正規の電子部品より小さい不正な電子部品がソケットに無理やり装着されている可能性が考えられる。また、それぞれの第1ソケット端子及び第2ソケット端子のうち内側に配置された各端子が接続パッケージ端子に接触していない場合、パッケージ端子の列の間の離間距離が正規の電子部品より大きい不正な電子部品がソケットに無理やり装着されている可能性が考えられる。したがって、仮に不正な電子部品がソケットに無理やり装着されていたとしても、そのことを第1検出回路及び第2検出回路により検出することができる。
特徴B7.前記検出回路として、
前記接続パッケージ端子として第1パッケージ端子(第1パッケージ端子172i)を有している第1検出回路(第3検出回路201)と、
前記接続パッケージ端子として前記第1パッケージ端子とは異なる第2パッケージ端子(第2パッケージ端子172j)を有している第2検出回路(第4検出回路202)と、を備え、
前記複数列のそれぞれにおいて各パッケージ端子は、矩形状の前記パッケージの一の辺が延びる方向に並べられており、
前記第1検出回路の前記下流ソケット端子と前記第2検出回路の前記下流ソケット端子とは、前記複数列で配置された複数の前記標準ソケット端子のうち隅角位置であり且つ対角位置に配置されており、
前記第1検出回路及び前記第2検出回路のそれぞれにおいて、前記第1ソケット端子、前記第2ソケット端子及び前記下流ソケット端子が前記複数列の並び方向において同じ並び順で設けられていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
電子部品が位置ずれした場合、その位置ずれ方向がパッケージの板面が延びる方向及びパッケージの厚み方向のいずれであっても、パッケージの角部分の変位量がパッケージの中央部分の変位量よりも大きくなる。そこで、特徴B7のように、第1検出回路及び第2検出回路の各下流ソケット端子がパッケージの四隅のうち一対の対向角のそれぞれに最も近い隅角位置に配置されていることで、電子部品の小さな位置ずれも第1検出回路や第2検出回路により検出することができる。
しかも、第1パッケージ端子と第2パッケージ端子とが対角位置に配置されている構成では、これら第1パッケージ端子と第2パッケージ端子とが2方向(列の並び方向、列の延びる方向)のいずれにおいても離間していることになるため、特徴B5により得られる効果(列の並び方向への電子部品の位置ずれ検出)、及び特徴B6により得られる効果(不正な電子部品の発見)の両方を奏することができる。
特徴B8.前記検出回路は、
前記第1上流経路と前記下流経路とが前記接続パッケージ端子を通じて通電している場合に第1通電信号を出力し、これら第1上流経路と下流経路との通電が遮断された場合に第1遮断信号を出力し、前記第2上流経路と前記下流経路とが前記接続パッケージ端子を通じて通電している場合に第2通電信号を出力し、これら第2上流経路と下流経路との通電が遮断された場合に第2遮断信号を出力するものであることを特徴とする特徴B3乃至B7のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴B8によれば、電子部品の位置に応じた信号が検出回路により出力されるため、電子部品の位置を特定する上での判定処理等が複雑になることを抑制できる。
特徴B9.前記第1上流経路及び前記第2上流経路に印加される各電圧は同じ電圧値であることを特徴とする特徴B3乃至B8のいずれか1項に記載の遊技機。
特徴B9によれば、第1上流経路及び第2上流経路のそれぞれが通電している場合としていない場合とで、検出回路から出力される電圧値を同じにできる。これに対して、例えば第1上流経路及び第2上流経路に印加される各電圧値が異なっている構成では、第1上流経路及び第2上流経路の両方が通電している場合には、各電圧値のうち大きい方の印加電圧が第1上流経路及び第2上流経路のそれぞれについての出力電圧値になる一方で、第1上流経路及び第2上流経路のうち電圧値の小さい方の経路だけが通電している場合には、その経路についての出力電圧値が小さくなる。このため、検出回路からの出力電圧が通電信号及び遮断信号のいずれであるのかの判定精度が低下することが懸念される。この点、本特徴によれば、通電時における検出回路からの出力電圧が一定であるため、前記判定精度が低下することを抑制できる。
特徴B10.前記第1上流経路及び前記第2上流経路は、前記検出回路の検出信号をそれぞれ出力する出力経路であり、
前記第1上流経路及び前記第2上流経路のそれぞれに所定電圧を印加する電源部(電圧端子Vt)が、前記第1上流経路には第1プルアップ抵抗(第1プルアップ抵抗R1a,R2a)を介して接続されており、前記第2上流経路には第2プルアップ抵抗(第2プルアップ抵抗R1b,R1b)を介して接続されていることを特徴とする特徴B9に記載の遊技機。
特徴B10によれば、電子部品が基準位置にある場合、第1上流経路及び第2上流経路は、それぞれ通電されていることで通電信号として0V(LOWレベル)を個別に出力し、電子部品が非基準位置にある場合、第1上流経路及び第2上流経路のうち通電されていない経路は、遮断信号としてLOWレベルよりも高い所定電圧(HIレベル)を出力することになる。このため、電源電圧の不安定化など他の原因で第1上流経路や第2上流経路からの出力がLOWレベルになったとしても、その場合と電子部品が非基準位置にある場合とを適正に判別することができる。
これに対して、第1上流経路及び第2上流経路について、例えば通電信号としてHIレベルが出力され、遮断信号としてLOWレベルが出力される構成(プルダウン抵抗が設けられた構成)では、出力経路からの出力がLOWレベルになった場合に、その原因が電子部品が非基準位置にあることなのか電源電圧の不安定化など他の原因なのかを判別することが困難になることが懸念される。また、この構成では、第1上流経路や第2上流経路がプルアップ抵抗を介さずに電源部に接続されているため、これら上流経路が接続された第1ソケット端子や第2ソケット端子が他のパッケージ端子に接触してしまうと、そのパッケージ端子に大電流が流れて電子部品に異常が生じることが懸念される。特徴B10によれば、これら懸念を解消することができる。
特徴B11.前記接続パッケージ端子は、前記電子部品が動作する上で機能しないテスト端子であることを特徴とする特徴B1乃至B10のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B11によれば、検出回路においては、電子部品のテスト端子が接続パッケージ端子とされているため、電子部品の位置検出とその電子部品の動作とがお互いに独立して行われることになる。したがって、検出回路の検出精度が低下することや、電子部品の動作の信頼度が低下することを回避できる。
<特徴C群>
下記特徴C群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
パチンコ機等の遊技機には、遊技を統括管理する主制御装置や、主制御装置からの信号に基づいて音の出力などを制御する副制御装置などが設けられている。これら制御装置は、所定の配線パターンが付与された回路基板を有しており、この回路基板には、CPUやROM、RAMといった電子部品が表面実装等により搭載されている。電子部品が回路基板に対して表面実装された構成としては、回路基板に取り付けられたソケットに電子部品が装着された構成がある(例えば特許文献1:特開2009−268548号公報参照)。電子部品及びソケットはそれぞれ電極を複数有しており、これら電極が端子として互いに接触することで電子部品が制御装置において動作可能な状態になっている。
しかしながら、電子部品がソケットに装着された構成では、例えば電子部品の端子が回路基板に対して半田付けされたスルーホール実装とは異なり、電子部品の端子とソケットの端子とが半田付けされていない。このため、ソケットに対する電子部品の装着状態が適正でない場合には、電子部品が正常に動作しないことが懸念される。
ここで、電子部品の装着状態が適正でない場合としては、電子部品の全ての端子がソケットの端子に接触していない場合はもちろんのこと、電子部品の一部の端子だけがソケットの端子に接触している場合が挙げられ、この場合には端子同士の接触が不安定な状態になっていると想定されるため、仮に電子部品が正常に動作していたとしても、僅かな振動などにより端子間の接触不良が発生して電子部品の正常な動作が停止することになってしまうと考えられる。
特徴C1.パッケージ(パッケージ171)を有する電子部品(共通用ROM147)が、回路基板(回路基板168)に取り付けられたソケット(ソケット174)に装着されていることで該回路基板に実装されており、
前記ソケットのソケット端子(ソケット端子176)と、該ソケット端子に通電可能に接触している前記パッケージのパッケージ端子(パッケージ端子172)とが複数組設けられ、複数の前記パッケージ端子が前記パッケージの板面に沿って複数並べられた遊技機であって、
前記ソケットに対する前記電子部品の装着状態を検出する検出回路(第5検出回路211、第6検出回路215)を備え、
前記複数組に含まれず、前記装着状態が適正である場合には前記パッケージ端子及び前記ソケット端子のいずれにも接触しない外れ端子(ソケット端子176o〜176q,176j,176k)が、前記パッケージ又は前記ソケットにおいて前記パッケージ端子又は前記ソケット端子に横並びに設けられており、
前記検出回路は、
前記パッケージ端子及び前記ソケット端子のうち前記外れ端子が横並びに配置されていない方の端子に対する前記外れ端子の接触の有無を検出することで前記電子部品の装着状態を検出するものであることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、外れ端子がパッケージ端子及びソケット端子のいずれにも接触していない場合には、電子部品の装着状態が適正であることを検出し、外れ端子がパッケージ端子又はソケット端子に接触している場合には、電子部品の装着状態が不適であることを検出できる。
しかも、外れ端子は、電子部品の装着状態が適正である場合にパッケージ端子及びソケット端子のいずれにも接触しない位置に配置されているため、例えばパッケージ端子又はソケット端子に接触する位置に配置された構成に比べて、外れ端子の設置位置に関する自由度を高めることができる。この場合、外れ端子の設置位置を任意に設定することで、電子部品の装着状態が完全に不適であることに加えて、電子部品が位置ずれしてもその装着状態が適正範囲に含まれるものであることも検出可能となる。また、この場合、パッケージ端子及びソケット端子の設置位置が外れ端子の存在により制限されるということも抑制できる。
以上により、ソケットに対する電子部品の装着状態を好適に管理することができる。
特徴C2.前記外れ端子は、前記パッケージ端子及び前記ソケット端子のうち当該外れ端子に対して横並びではない方の端子が横並びである方の端子と当該外れ端子とに跨った状態にはならない位置に配置されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、一組になっているパッケージ端子及びソケット端子のうち一方の端子が外れ端子に接触した場合、その一方の端子は他方の端子には接触していないことになる。このため、電子部品の装着状態が不適になっている場合に限って、外れ端子への他の端子の接触が検出回路により検出されることになる。したがって、電子部品の装着状態が適正であるにも関わらず不適であるとして検出されることを抑制できる。
特徴C3.前記外れ端子は、前記パッケージ端子及び前記ソケット端子のうち当該外れ端子に対して横並びではない方の端子が横並びである方の端子と当該外れ端子とに跨った状態になることが可能な位置に配置されていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C3によれば、一組になっているパッケージ端子及びソケット端子のうち一方の端子が外れ端子に接触した場合に、その一方の端子は他方の端子にも接触することが可能になっている。このため、電子部品の装着状態が適正範囲に含まれている場合でも、その電子部品が適正位置に対して位置ずれしたことを検出回路により検出することが可能になっている。したがって、電子部品の装着状態について、検出回路による検出精度を高めることができる。
特徴C4.前記外れ端子は、前記パッケージ及び前記ソケットのうち前記ソケットに設けられており、前記ソケット端子が当該外れ端子に対して横並びの端子であり、前記パッケージ端子が当該外れ端子に対して横並びではない方の端子であることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4によれば、外れ端子がソケットに設けられているため、検出回路を構築するための専用経路を電子部品に設ける必要がない。このため、市販品が電子部品として用いられた場合でも、その電子部品により検出回路を構築することができる。
しかも、外れ端子に他の端子が接触している場合としては、電子部品が適正位置から位置ずれした場合に加えて、不正な電子部品がソケットに無理やり装着された場合が想定される。この場合、外れ端子を備える検出回路により、不正な電子部品がソケットに無理やり装着されたことを検出できるため、不正行為者が不正に利益を得ることに対して抑止力を発揮できる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
10…遊技機としてのパチンコ機、91…音出力手段としてのスピーカ、147…電子部品としての共通用ROM、168…回路基板、171…パッケージ、172…パッケージ端子、172i…接続パッケージ端子としての第1パッケージ端子、172j…接続パッケージ端子としての第2パッケージ端子、174…ソケット、176…ソケット端子、176i…下流ソケット端子及び標準ソケット端子としての接地ソケット端子、176j…上流ソケット端子としての第1ソケット端子、176k…上流ソケット端子としての第2ソケット端子、176l…下流ソケット端子及び標準ソケット端子としての接地ソケット端子、176m…上流ソケット端子としての第1ソケット端子、176n…上流ソケット端子としての第2ソケット端子、181…第1検出回路、181a…直列経路、181b…出力経路、182…第2検出回路、182a…直列経路、182b…出力経路、185a…上流開閉部、185b…下流開閉部、185c…第1中間開閉部、185d…第2中間開閉部、186a…上流開閉部、186b…下流開閉部、186c…第1中間開閉部、186d…第2中間開閉部、191…パッケージ側接続路としての第1接続路、192…パッケージ側接続路としての第2接続路、195…パッケージ側接続路としての第1接続路、196…パッケージ側接続路としての第2接続路、201…第1検出回路としての第3検出回路、201a…第1上流経路としての第1出力経路、201b…第2上流経路としての第2出力経路、201c…下流経路としての接地経路、202…第2検出回路としての第4検出回路、202a…第1上流経路としての第1出力経路、202b…第2上流経路としての第2出力経路、202c…下流経路としての接地経路、N0…適正位置、R…プルアップ抵抗、R1a…第1プルアップ抵抗、R1b…第2プルアップ抵抗、R2a…第1プルアップ抵抗、R2b…第2プルアップ抵抗、Vt…電源部としての電圧端子Vt。

Claims (1)

  1. パッケージを有する電子部品が、回路基板に取り付けられたソケットに装着されていることで該回路基板に実装されており、
    前記ソケットのソケット端子と、該ソケット端子に通電可能に接触している前記パッケージのパッケージ端子とが複数組設けられ、前記パッケージ端子が前記パッケージの板面に沿って複数並べられた遊技機であって、
    一組の前記ソケット端子と前記パッケージ端子とを1つの構成部として構成されており、前記構成部が複数接続されていることで形成され、各前記構成部において前記ソケット端子と前記パッケージ端子とが接触している場合に通電され、少なくとも1つの前記構成部において前記ソケット端子と前記パッケージ端子とが接触していない場合に通電が遮断される構成であり、
    前記ソケット端子と前記パッケージ端子との通電状態に異常があり、音出力手段からの音の出力が可能である場合に、異常報知が実行され、前記ソケット端子と前記パッケージ端子との通電状態に異常があり、前記音出力手段からの音の出力が可能ではない場合に、前記音出力手段からの音の出力が可能である場合とは異なる態様で異常報知が実行されるようにすることが可能となっており、
    前記ソケット端子と前記パッケージ端子との通電状態に異常があり、前記音出力手段からの音の出力が可能である状況において所定の場合には、遊技者に対する異常報知が実行されないようにすることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
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