JP6968665B2 - シート体収容容器 - Google Patents
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Description
特許文献1は、このシート体収容容器の従来例であり、その図3及び図4に示されるように、折り畳まれた多数のウエットティッシュを収容してなる収容袋20を収容する本体部100を備えている。収容袋20は、ウエットティッシュを取出すための取出口22を有し、この取出口22は使用前は貼付されたシールで塞がれている。
本発明は、このような課題を解決するものであり、蓋の開閉を容易にすると共に、蓋の閉め忘れを防止することができるシート体収容容器を提供することを目的とする。
そして、このシート体収容容器は、外側取出口を封止する蓋体を有するため、不使用の際は、蓋体を閉めて箱体内を封止し、シート体に含浸された液体の蒸発や埃の付着等を防止できる。
ここで、蓋体は、弾性部材が接続され、この弾性部材の付勢力により外側取出口を下から押さえて封止すると共に、付勢力に抗して介在空間内に挿入可能である。このため、該付勢力に抗して蓋体を上から介在空間側に手で押せば、操作部を押す必要もなく開蓋状態となり、そして、蓋体を押している手を離すだけで、弾性部材の付勢力で閉蓋状態とすることができる。
そして、内側取出口は、介在空間の横に配置されて介在空間に臨んで開口しており、かつ、蓋体を介在空間内に挿入することで、外部と連通するようになっている。従って、使用者は、蓋体を上から介在空間側に押して内側取出口を露出させ、内側取出口から出ている或いは露出しているシート体を摘んで、そのままシート体を外側取出口から引き抜ける。そして、シート体を引き抜けば、手が蓋体から離れるため、弾性部材の付勢力だけで蓋体は外側取出口を封止するように元に戻る。このように使用者は、蓋体を開けるために操作部を押す必要もなく、単に介在空間内に手を挿入してシート体を引き抜く感覚でシート体を取れるし、取った後は自動で閉蓋状態になるので蓋の閉め忘れがなくなり、シート体に含浸された液体の蒸発や埃の付着等を防止できる。
容器10は、ウエットタイプのティッシュやナプキン等の複数枚のウエットシート(以下、「ティッシュ」という)UTを収容し、全体を密封することでティッシュに含浸された薬液の蒸発や埃等の付着を防ぐと共に、使用時にティッシュUTを容易に取り出すために用いられる。この容器10はウエットシートに好適に用いることができるが、本発明はこれに限られるものではなく、容器10に収容されるシート体は乾燥したティッシュ等であっても構わない。
容器10を説明する前に、容器10に収容される複数枚のティッシュUTについて、図1及び図4を用いて説明する。
図1に示すように、容器10は全体が箱体とされている。図の箱体は略矩形状であるが、本発明はこれに限られるものではなく、球状や六角柱などの他の形状であっても構わない。
容器10は、少なくとも収納袋12に比べて硬度が高く、かつ、ティッシュUTに含浸した薬液に耐えて使用可能なプラスチック材料(例えばポリプロピレン、ABS樹脂)で形成されている。
この容器10は、ティッシュUTを収容するシート収容部45を有している。シート収容部45はその内側に、ティッシュUTを収納袋12に収納したまま収容可能な収容空間S1を有している。
本実施形態のシート収容部45は2箇所にあり、これにより、一方の収容空間S1内のティッシュUTを使用し終えた後、直ぐに、他方の収容空間S1内のティッシュUTを使用できる。シート収容部45は、開閉自在な蓋16を長手方向(折り畳まれたティッシュUTの長手方向)Xの側面に有し、蓋16を開けることで収納袋12を収容空間S1内に収容でき、蓋16を閉めることで収容空間S1を封止できる。このような収容空間S1の閉蓋状態を維持する構成として、マグネット等を利用することができる。
ここで、収納袋12を収容空間S1に挿入する際は、収納袋12を寝かさずに、図1のように立てて、開口部14が横(図の場合、Y方向)を向くようにして収容空間S1に挿入する。このように開口部14を横に向かせて挿入するのは、容器10内においてティッシュUTを横から取り出すためである。
そして、収容空間S1と内側取出口33と介在空間S2とは横並びに配置(水平に配列)され、内側取出口33は介在空間S2に臨んで開口している。
このような引き抜きを可能とするために、既述した通り、図1のように収納袋12は、開口部14が内側取出口33を介して介在空間S2を臨むように立てられて、収容空間S1に収容される。この収容の際、図1の収納袋12の開口部14がある主面12Aに、別部材である板部材20をあてがい、板部材20の貫通孔22からティッシュUTの頭UTbだけを出した後、収容空間S1に入れるのが好ましい。
そして、蓋体26は、弾性部材37の付勢力に抗して上から押すだけで介在空間S2内に挿入可能であり、介在空間S2内を上下自在とされている。少なくとも、蓋体26は内側取出口33を介して介在空間S2内に露出した開口部14よりも下側に押し込めるようになっている。このため、図5に示すように、手指で蓋体26を上から押して、蓋体26を介在空間S2内に挿入することで、内側取出口33と外部(容器10の外側の空間)との連通が可能となる(即ち、蓋体26を押すことで、内側取出口33が介在空間S2及び外側取出口35を介して外部に露出可能となる)。なお、図2及び図5に示すように弾性部材37は、蓋体26を内側取出口33よりも下方に押し込める構成としているが、本発明は、収納袋12の開口部14が容器10の外部と挿通すれば、図のような構成に限られるものではなく、内側取出口33の一部だけが露出するように、内側取出口33の垂直方向Zの途中まで蓋体26を押し込めるようにしても構わない(それも内側取出口33と外部とが挿通する構成の一つである)。
〔外側取出口と介在空間の大きさについて〕
外側取出口35は、使用者の拳が挿入可能であり、拳の挿入時に拳を傷つけることの無い形状とするのが好ましく、本実施形態では、図1に示すように、さらに指を伸ばした手(手の平と指)HDを水平にして挿入可能な面積と角部の無い丸みを帯びた形状を有している。なお、外側取出口35は折り畳まれたティッシュUTの長手方向Xに沿って長く形成され、外側取出口35に挿入される手HDの長手方向とティッシュUTの長手方向Xとが一致している。
また、介在空間S2については、使用者の指を伸ばした手(手の平と指)HDを水平に収容可能な形状とするのが好ましく、本実施形態では、さらに指を広げた手HDが収容可能とされている。
従って、使用者は、外側取出口35の大きさを左程気にすることなく、介在空間S2に躊躇なく手を入れて、容易にティッシュUTの先端を摘まんで、それを容器10から取り出すことができる。
図2に示すように、弾性部材37は2本であるが、左側の弾性部材37−1と右側の弾性部材37−2とは配置が対称であるだけで、自身の構成は同じである。各弾性部材37は、一端部37Aが蓋体26に接続され、他端部37Bが箱体の内側底面10B以外の領域に接続されることで、垂直方向Zに対して傾斜している。具体的には、弾性部材37は、外側取出口35の周囲19を押さえつける蓋体26の下面部分(後述する両端部26A,26Bの下面)に一端部37Aが接続され、そこから容器10の内側側面(内側取出口33がない側面)10Cに向って斜めに配置されている。図2の場合、弾性部材37の他端部37Bは、介在空間S2に突出した突出部29に接続されている。図の突出部29は、内側側面10Cから突出しているが、内側底面10Bから上方に向って突出した構成にしてもよい。
なお、本発明はこのような構成に限られず、例えば弾性部材37の他端部37Bを内側側面10Cの上部に接続して、概ね水平に配置してもよい。しかし、弾性部材37を概ね水平にすると、蓋体26を上に向って押す力が弱まり、外側取出口35の密封性が弱まる。また、蓋体26を下に押し込むに従って大きい押圧力が必要になり、押し込み難くなる。このため、弾性部材37の他端部37Bは、内側側面10Cの垂直方向Zの中程(図の場合は、内側取出口33の若干下側)に接続している。
さらに、図5に示すように蓋体26を介在空間S2に押し入れた際、蓋体26は内側取出口33に向って傾斜可能とされている。即ち、弾性部材37を軸にした回動が可能となり、図の場合、蓋体26の短手方向Yの一端部26Cが内側取出口33より下方に位置する場合に、他端部26Dが内側取出口33、或いは、それより上方に位置することが可能なように傾斜する。このため、弾性部材37を余り押すことなく、開口部14からティッシュUTを取り出すことができる。
弾性部材37は蓋体26の安定性を考慮して複数本設けるのが好ましく、本実施形態の場合、図1に示すように2本であり、蓋体26の長手方向Xの両端部26A,26Bの夫々に1本ずつ接続されている。なお、本発明はこれに限られず、弾性部材37は3本以上であっても構わない。
図2及び図3に示すように、蓋体26は、外側取出口35の周囲19の下面19Aを下から押さえて封止している状態において、下面19Aに対して弾性部材37の付勢力で押さえ付ける上面26Eを有している。従って、この上面26Eと周囲19の下面19Aとを密着させて、ティッシュの乾燥を防止できる。
また、蓋体26は、この上面26Eから外側取出口35の開口形状に対応するように突出して、外側取出口35の内側に挿入される凸部39を有している。従って、この凸部39と外側取出口35の内周面35Aとを密着させて、ティッシュの乾燥を防止できる。
本実施形態の場合、外側取出口35は、下側(介在空間S2側)に向うに従って除々にその開口面積が大きくなるように内周面35Aが傾斜している。そして、蓋体26の凸部39は、上側(外部側)に向うに従って除々に窄まるように形成されている。従って、ティッシュを取り出して蓋体26への押圧を解除した際、弾性部材37の付勢力により、蓋体26の凸部39を外側取出口35の内周面35Aに自動で密着し易くすることができる。
なお、躊躇なく蓋体26を押すためには、外側取出口35の開口面積は大きい程好ましいが、大き過ぎると、外側取出口35と蓋体26との隙間からティッシュUTの薬液が蒸発する恐れが高まる。従って、外側取出口35は、使用者の拳以上であって、使用者の指を広げた手(手の平と指)が水平に挿入可能な開口面積以下であることが好ましい。
次に、上述した実施形態の第1変形例に係る容器40を図6を用いて説明する。図6は図1のB−B線の位置で切断した場合の端面図であり、切断した奥の形状は図示されていない。なお、図6ではティッシュをを収容していない状態を図示している。
図6の容器40が図1〜図5の容器10と異なるのは、収容空間S1の数と固定手段42の有無である。すなわち、容器40の場合、ティッシュを収納可能な収容空間S1は一つのみで、収納空間S1と介在空間S2が横並びになっている。従って、介在空間S2が2つの収容空間S1に挟まれている図5では、いずれの収容空間S1にティッシュが入っているかの判断が必要となるが、第1変形例ではそのような判断は不要となる。
なお、本発明の収容空間S1は、介在空間S2と挿通するように介在空間S2と横並びであれば、いくつでも構わず、図1や図6のようにY方向に並べられるだけではなく、例えば図1のX方向に並べられても構わない。そして、図1のように、収容空間S1が複数ある場合は、介在空間S2の上方にある本容器の上面10A及び/又は蓋体26を透明にして、介在空間S2内の様子を視認できるようにしてもよい。
また、図6の容器40は、これを載置台に固定するための固定手段42が設けられている。図の固定手段42は、容器底部10Dに接続された吸盤であるが、マグネットでも構わない。この固定手段42は着脱自在であるのが好ましい。
次に、上述した実施形態の第2変形例に係る容器50を図7を用いて説明する。図7は図1のA−A線の位置で切断した場合の断面図である。なお、弾性部材52はこの切断面に位置するが、断面を省略している。
図7の容器50が図1〜図5の容器10と異なるのは、弾性部材52の構成と、外側取出口35の封止構造のみである。すなわち、容器50の弾性部材52は垂直に立った状態とされている。このため、図1〜図5で説明した「蓋体の押圧の容易性」「手の可動範囲の大きさ」という効果は得られないものの、蓋体26をより確実に外側取出口35の周囲19に押し付けることはでき、容器50の密封性を高めることができる。
図7の弾性部材52は図2と同様にコイルバネであり、蓋体26の両端部26A,26Bの夫々と内側底面10Bとを結ぶ2本とされているが、本発明はこれに限られず、例えば、蓋体26の中央部と内側底面10Bとを結ぶ1本のコイルバネであっても構わない。
また、本変形例では、外側取出口35の周囲19の下面と蓋体26の上面との間に、パッキング材54を設けることで、容器50の密封性を高めている。
次に、上述した実施形態の第3変形例に係る容器60を図8〜図10を用いて説明する。図8は該第3変形例に係る容器60の斜視図、図9は図8のC−C断面図、図10は図8のD−D断面図である。なお、図9における弾性部材37は切断面に位置するが、断面を省略している。また、図10では収容したティッシュを省略して図示している。
これらの図の容器60が図1〜図5の容器10と異なるのは、蓋体26の位置、蓋体26の裏側の構成、及び収容空間S1内の構成である。
なお、引掛け部64は厚みは大きくても構わないが、本変形例の場合は板状体とされ、先端のエッジを効かせてティッシュUTとの引っ掛かりを良くしている。また、引掛け部64は、蓋体26の内側取出口33に最も近い端部26A,26Bに設けられ、その先端64Aは蓋体26の裏面から少し距離Dが置かれている。
なお、本変形例ではコイルバネを用いているが、これに限らず、例えば板ばね、或いはスポンジ等の弾力性のある部材であってもよい。スポンジの場合は、そこに薬液を含浸させて、収容空間S1内の湿気を維持するようにしてもよい。
次に、上述した実施形態の第4変形例に係る容器70を図11〜図13を用いて説明する。図11は該第4変形例に係る容器70の平面図、図12は図11のE−E断面図、図13は第4変形例の容器70の使用状態図である。なお、図11及び図12はティッシュを収容していない状態であり、図13では弾性部材を省略して図示している。また、図13の一点鎖線で囲った図は、蓋体26の端部付近の拡大断面図である。
噴霧装置72は、介在空間S2に薬液を噴霧するためのもので、薬液は、ティッシュに含浸された薬液と同じものが好ましい。この噴霧装置72は、介在空間S2に押し込まれた蓋体26に押圧されたことを契機として、薬液を噴霧する装置である。
具体的には、噴霧装置72は、内側取出口33よりも下側に配置され、押圧されると薬液を噴霧するノズルヘッド74を有する公知のポンプディスペンサーを利用できる。即ち、図13に示すように、介在空間S2内に押し込まれた蓋体26がノズルヘッド74を押圧するとステム79が押し下げられ、図示しないピストンが下降して、内部の薬液が加圧される。そうすると、薬液はステム79を通じてノズルヘッド74へ送られ、ノズルヘッド74の上部に設けられた孔76から吐出される。なお、ノズルヘッド74への押圧を解除すると、バネ78の付勢により押し下げられたノズルヘッド74は上昇して元に戻る。
また、貫通孔17は、蓋体26が外側取出口35を封止している状態において、蓋体26の外部に露出しない領域(外側取出口35よりも外側の領域)に形成されている。従って、図11及び図12に示す閉蓋状態において、貫通孔17は外側取出口35から外部に露出しないため、容器70内の湿気を維持できる。
例えば、上記実施形態では、収納袋12に板部材20を付けてから、収容空間S1内に収容するようにしているが、板部材20は必ずしも必要ではない。
また、上記実施形態では、内側取出口33は横向きの開口であるが、本発明はこれに限られず、内側取出口33の開口は例えば斜め上を向いても構わない。
また、上記実施形態及び変形例の蓋体26は上からの押圧により、例えば図5のように傾斜はするものの、内側底面10Bに向って全体が下降するようになっている。しかし、本発明の蓋体はこれに限られず、外側取出口35の周辺にねじりコイルバネを接続し、ねじりコイルバネを軸にして、蓋体を上からの手指の押圧によって回動させて、介在空間S2内に挿入するようにしてもよい。このような回動動作によっても内側取出口33と外部とを連通することができ、また、蓋体の押圧を解除すれば、ねじりコイルバネにより蓋体を元に戻して外側取出口35を封止できる。
Claims (7)
- シート体を収容できる収容空間を内側に有するシート収容部を備えた箱体であって、
前記シート収容部から前記シート体を取り出すために、前記箱体の内側に形成された内側取出口と、
前記内側取出口から取り出された前記シート体を、前記箱体内の介在空間を介して外部に引き抜くために、前記箱体の外壁に形成された外側取出口と、
前記外側取出口を封止する蓋体と、
を備え、
前記蓋体は、弾性部材が接続され、前記弾性部材の付勢力により前記外側取出口を下から押さえて封止すると共に、前記付勢力に抗して前記介在空間内に挿入可能であり、
前記内側取出口は、前記介在空間の横に配置されて、前記介在空間に臨んで開口しており、かつ、前記蓋体を前記介在空間内に挿入することで外部と連通される
ことを特徴とするシート体収容容器。 - 前記弾性部材は、一端部が前記蓋体に接続され、他端部が前記箱体の内側底面以外の領域に接続されることで、垂直方向に対して傾斜して、或いは水平に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシート体収容容器。
- 前記蓋体は、前記シート収容部の上面の位置に比べて、低く配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシート体収容容器。
- 前記蓋体は、前記外側取出口を封止している状態において、前記外側取出口の周囲に対して前記弾性部材の前記付勢力により押し付ける上面と、前記上面から前記外側取出口の形状に対応するように突出して、前記外側取出口の内側に挿入される凸部と、を有する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のシート体収容容器。 - 前記蓋体の裏側には、前記外側取出口から取り出す際の前記シート体に引っ掛かる引掛け部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のシート体収容容器。
- 前記収容空間内には、前記収容空間に前記シート体が収納された状態において、前記シート体を前記内側取出口に向けて押圧する押圧部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のシート体収容容器。
- 前記介在空間内には、薬液を収容した噴霧装置が配置されており、
前記噴霧装置は、前記介在空間内に挿入された前記蓋体に押圧されたことを契機として、前記薬液を噴霧するようになっている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のシート体収容容器。
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