[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図10を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。また、図8は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図10はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図9及び図10等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面右下隅に取付けられており遊技球を遊技盤5の遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも下側で前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられており遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて遊技者に参加型の演出を提示することが可能な演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも上側の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベース600の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット320における上皿321での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861及び満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用のスピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図9及び図10等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1001及び内レール1002を有した前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル1100と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿321に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドル302を回転操作すると、球発射装置680によってハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿321に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿321内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図11乃至図16を参照して説明する。図11はパチンコ機における外枠の正面図であり、図12は外枠の右側面図である。また、図13は外枠を前から見た斜視図であり、図14は外枠を後ろから見た斜視図である。図15は、外枠を分解して前から見た分解斜視図である。図16(a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を、左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。
外枠2は、図示するように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。また、外枠2は、上枠部材10及び下枠部材20の左右両端面と、左枠部材30及び右枠部材40の左右方向の外側を向いた側面とが、同一面となるように組立てられている。
また、外枠2は、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、外枠側上ヒンジ部材60の下面に取付けられているロック部材66と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、幕板部材50の後側に取付けられていると共に両端が左枠部材30及び右枠部材40に夫々取付けられる幕板補強部材80と、幕板部材50の上面における左右中央から左寄りの位置に取付けられている平板状の左滑り部材81と、幕板部材50の上面における右端付近の位置に取付けられている平板状の右滑り部材82と、を備えている。幕板補強部材80は、中実の部材(例えば、木材、合板、等)によって形成されており、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40に、取付けられている。
更に、外枠2は、上枠部材10と左枠部材30、上枠部材10と右枠部材40、下枠部材20と左枠部材30、及び下枠部材20と右枠部材40を、夫々連結している連結部材85を備えている。また、外枠2は、右枠部材40の内側(左側面側)に取付けられており後述する施錠ユニット700の外枠用鉤703が係止される上鉤掛部材90及び下鉤掛部材91を、備えている。
[2−1.上枠部材]
外枠2の上枠部材10は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この上枠部材10は、左右両端における前後方向の中央に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部11を備えている。この係合切欠部11内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87が取付けられる。また、上枠部材10は、正面視左側端部の上面と前面に、一般面よりも窪んだ取付段部12を備えている。この取付段部12には、外枠側上ヒンジ部材60が取付けられる。
[2−2.下枠部材]
外枠2の下枠部材20は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この下枠部材20は、左右の長さ及び上下の厚さが、上枠部材10の左右の長さ及び上下の厚さと同じ寸法に形成されていると共に、前後の幅が、上枠部材10の前後の幅よりも長く形成されている。下枠部材20は、左右両端における前後方向の中央よりも後側寄りの位置に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部21を備えている。この係合切欠部21内には、連結部材85の後述する左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88が取付けられる。
また、下枠部材20は、左右両端の前面から後方へ窪んだ前端切欠部22を備えている。下枠部材20において、前端切欠部22の後端から下枠部材20の後面までの前後方向の幅が、上枠部材10の前後方向の幅と同じ寸法に形成されている。この下枠部材20は、外枠2に組立てた状態で、左右の前端切欠部22同士の間の部位が、幕板部材50内に挿入される。
[2−3.左枠部材及び右枠部材]
外枠2の左枠部材30及び右枠部材40は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金等の金属の押出形材によって形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、平面視において互いに対称の形状に形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、外枠2として組立てた時に、左右方向の外側となる側面において、前後方向中央に対して後寄りの位置から後端付近までの間に、内側へ窪んだ凹部31,41と、凹部31,41の反対側の側面から膨出しており内部が空洞に形成されている突出部32,42と、を備えている。この左枠部材30及び右枠部材40は、突出部32,42によって、強度・剛性が高められている。また、突出部32,42内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88が挿入されて取付けられる。
また、左枠部材30及び右枠部材40は、表面に上下に延びた複数の溝が形成されている。この複数の溝によって、パチンコ機1を遊技ホール等の島設備に設置したり運搬したりする等の際に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を持ち易くすることができると共に、パチンコ機1の外観の意匠性を高めることとができる。
[2−4.幕板部材]
外枠2の幕板部材50は、後側が開放された箱状に形成されている。幕板部材50は、上面における正面視左端付近に後方へ平板状に延出している後方延出部51と、後方延出部51の左端から遊技球が通過可能な大きさでU字状に切欠かれており上下に貫通している左排出孔52と、後方延出部51における左排出孔52の右側において遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している右排出孔53と、後方延出部51の後端を含む幕板部材50の上面の後端から上方へ平板状に延出している立壁部54と、立壁部54の上端付近から前方へ膨出しており前面が上方へ向かうに従って後方へ向かうように傾斜している返し部55と、を備えている。
幕板部材50は、後方延出部51の前側の上面と、後方延出部51の上面とに、外枠側下ヒンジ部材70が載置されるように、外枠側下ヒンジ部材70の後述する水平部71が取付けられる。また、幕板部材50の左排出孔52は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70の後述する排出孔74と一致する位置に形成されている。また、右排出孔53は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材70よりも右側となる位置に形成されている。右排出孔53は、左排出孔52よりも大きく形成されている。
また、幕板部材50は、後方延出部51よりも右側の上面が、前端側が低くなるように傾斜している。また、幕板部材50は、上面における後方延出部51よりも右側の部位に左滑り部材81を取付けるための左取付部56と、上面における右端付近に右滑り部材82を取付けるための右取付部57と、を備えている。幕板部材50は、上面に、左滑り部材81及び右滑り部材82を介して本体枠4の下面が載置される。
この幕板部材50は、図示するように、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されている。また、幕板部材50は、図示は省略するが、箱状の内部が複数のリブによって格子状に仕切られており、強度・剛性が高められている。また、幕板部材50は、幕板補強部材80の前側半分を、内部に収容可能に形成されている。
[2−5.外枠側上ヒンジ部材]
外枠2の外枠側上ヒンジ部材60は、図示するように、水平に延びた平板状で外形が四角形の上固定部61と、上固定部61の前端から前方へ延出している平板状の前方延出部62と、前方延出部62の右端から前方へ向かうに従って前方延出部62の左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝63と、上固定部61の平面視左辺から下方へ延びている平板状の横固定部64と、前方延出部62の左端から前端を周って軸受溝63が開口している部位までの端辺から下方へ延びており横固定部64と連続している平板状の垂下部65と、を備えている(図16(b)等を参照)。
外枠側上ヒンジ部材60は、外枠2が組立てられた状態で、上固定部61が、上枠部材10の取付段部12の上面に載置されており、図示しないビスによって固定されている。また、前方延出部62は、上枠部材10の前端よりも前方へ延出している。また、横固定部64は、左枠部材30の外側側面の凹部31内に上側から挿入された状態で、ビスによって左枠部材30に固定されている。
この外枠側上ヒンジ部材60は、軸受溝63内に本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入させることで、外枠側下ヒンジ部材70と協働して本体枠4を開閉可能に支持することができる。この外枠側上ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
[2−6.ロック部材]
外枠2のロック部材66は、図16に示すように、左右が所定幅で前後に延びている帯板状のロック本体66aと、ロック本体66aの後端から右方へ突出している操作部66bと、ロック本体66aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部66cと、ロック本体66aの後端付近で上下に貫通している取付孔66dと、を備えている。このロック部材66は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材66は、取付ビス67によって、外枠側上ヒンジ部材60における前方延出部62の下面に回動可能に取付けられる。
このロック部材66は、取付孔66dを通して、ロック本体66aの後端が、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62における軸受溝63よりも後側の位置に取付けられる。また、ロック部材66を外枠側上ヒンジ部材60に取付けた状態では、ロック本体66aが、平面視で軸受溝63を遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠側上ヒンジ部材60の垂下部65における軸受溝63の開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている(図18を参照)。
また、ロック本体66aの後端から左方へ延びている弾性部66cの先端は、外枠側上ヒンジ部材60における垂下部65の内周面に当接している。このロック部材66は、弾性部66cの付勢力によって取付孔66dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材66のロック本体66aの前端付近の右側面が、垂下部65に当接している(図18を参照)。この状態では、軸受溝63におけるロック本体66aよりも前側の部位に、本体枠側上ヒンジ部材620の後述する本体枠上ヒンジピン622を収容可能な空間が形成される。
このロック部材66は、操作部66bを操作することで、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aを回動させることができる。そして、操作部66bの操作によって、ロック本体66aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝63からロック本体66aを後退させることができ、軸受溝63が全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入したり、軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を外したりすることができる。
[2−7.外枠側下ヒンジ部材]
外枠2の外枠側下ヒンジ部材70は、図示するように、水平に延びている平板状の水平部71と、水平部71の左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上り部72と、水平部71の前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン73と、水平部71を上下に貫通しており遊技球が一つのみ通過可能な大きさの排出孔74と、を備えている。この外枠側下ヒンジ部材70は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン73は、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン73は、水平部71の前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔74は、水平部71において、立上り部72の前後方向中央の部位と接し、水平部71の左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔74は、幕板部材50の左排出孔52と、略同じ大きさに形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70は、外枠2が組立てられた状態では、水平部71が、幕板部材50の左端付近の上面と後方延出部51上に載置されており、水平部71が、幕板部材50の上面を貫通する図示しないビスによって幕板補強部材80に固定されている。また、外枠2が組立てられた状態では、立上り部72が、左枠部材30の内側側面における突出部32よりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠側下ヒンジ部材70は、外枠下ヒンジピン73を、本体枠4の本体枠側下ヒンジ部材640における本体枠用下ヒンジ孔(図示は省略)に挿通させることで、外枠側上ヒンジ部材60と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2が組立てられた状態では、排出孔74が、幕板部材50の左排出孔52と一致している。これにより、水平部71上の遊技球を、排出孔74及び左排出孔52を通して、幕板部材50の後側へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球が、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔74から排出させることができる。この際に、排出孔74が、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、排出孔74から排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位に遊技球が留まり難くすることができる。
[2−8.連結部材]
外枠2の連結部材85は、上枠部材10と左枠部材30とを連結する左上連結部材85Aと、上枠部材10と右枠部材40とを連結する右上連結部材85Bと、下枠部材20と左枠部材30とを連結する左下連結部材85Cと、下枠部材20と右枠部材40とを連結する右下連結部材85Dと、がある。
連結部材85は、水平に延びた平板状の水平固定部86と、水平固定部86の左右側辺の何れか一方から上方へ延出している平板状の上横固定部87と、水平固定部86における上横固定部87が延出している部位と同じ側から下方へ延出している平板状の下横固定部88と、を備えている。この連結部材85は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、水平固定部86の前後方向の中央から上横固定部87が上方へ延出していると共に、上横固定部87の前後両側から下横固定部88が下方へ延出している。つまり、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、下横固定部88が前後に離間して二つ備えられている。左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの水平固定部86は、上枠部材10の下面に当接した状態で上枠部材10に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87は、上枠部材10の係合切欠部21内に挿入されて、上枠部材10の左右方向の端部に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの前側の下横固定部88は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に夫々固定される。更に、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42内に挿入されて外側側面から捩じ込まれるビスにより左枠部材30及び右枠部材40に夫々固定される。
左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端が、水平固定部86の後端よりも後方へ突出していると共に、上横固定部87の水平固定部86よりも後方へ突出している部位の下端から下横固定部88が水平固定部86よりも下方へ延出している。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端から水平固定部86と同じ側へ突出している屈曲部89を更に備えている。左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの水平固定部86は、下枠部材20の上面に当接した状態で固定される。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの上横固定部87は、左枠部材30及び右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に夫々固定される。更に、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88は、下枠部材20の係合切欠部21内に挿入されて下枠部材20の左右方向の端部面に夫々固定される。
[2−9.外枠側上ヒンジ部材のロック機構]
次に、本実施形態のパチンコ機1の外枠2において、外枠側上ヒンジ部材60におけるロック部材66による本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620に対するロック機構について、図17及び図18を参照して説明する。図17(a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。図18は、外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。
外枠2におけるロック部材66は、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62に取付けた状態(通常の状態)では、弾性部66cの先端が垂下部65の内周面と当接しており、ロック本体66aがく字状に屈曲した軸受溝63の一部を閉塞するようになっていると共に、ロック本体66aの先端部分が、軸受溝63の最深部分を閉塞した状態とはならず、軸受溝63の最深部分に本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本実施形態における外枠側上ヒンジ部材60とロック部材66とを用いた本体枠上ヒンジピン622の支持機構は、本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の最深部分に挿入されてロック本体66aの前端の右側面が、右側の垂下部65と接近している状態(この状態ではロック本体66aの前端の右側面と右側の垂下部65との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲している軸受溝63の最深部分に位置する本体枠上ヒンジピン622とロック本体66aの前端面との夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。
そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠4を軸支している本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の前端部分に当接した状態となっているので、本体枠上ヒンジピン622からロック本体66aの前端面への負荷がほとんどかかっていない。つまり、ロック部材66の弾性部66cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ロック本体66aの前端面が円弧状に形成されているため、ロック部材66を回動させるために操作部66bを回動操作した時に、ロック部材66がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、ロック本体66aの前端面の円弧中心が、取付孔66dの中心(ロック部材66の回転中心)とされている。
従って、本体枠上ヒンジピン622がく字状に形成された軸受溝63の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって、ロック本体66aの円弧状の前端面に当接したとき、その作用力Fを、本体枠上ヒンジピン622と円弧状の前端面との当接部分に作用する分力F1(ロック本体66aの前端面の円弧の法線方向)と、本体枠上ヒンジピン622と軸受溝63の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向が取付孔66d(取付ビス67)の中心(ロック部材66の回転中心)を向くため、ロック部材66のロック本体66aの前端が、右側の垂下部65から離れる方向に回転させるモーメントが働かず、本体枠上ヒンジピン622がロック部材66のロック本体66aの前端部と軸受溝63の一側内面との間に挟持された状態が保持される。
このため、通常の軸支状態、或は、本体枠上ヒンジピン622の作用力がロック部材66にかかった状態でも、ロック部材66の弾性部66cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性部66cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って本体枠上ヒンジピン622の軸受溝63からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材66のロック本体66aの前端部が右方へ移動する方向へ回転させられても、ロック本体66aの前端右側面が垂下部65に当接してそれ以上回転しないので、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ないようになっている。
なお、ロック本体66aの前端面の形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材66をその前端部が前方延出部62の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材66の回転中心(取付ビス67により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材66の弾性部66cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材66が回転してもロック本体66aの前端の右側面が垂下部65に当接するだけであるため、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ることもない。
外枠側上ヒンジ部材60の軸受溝63に、本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を支持させる場合は、軸受溝63の開放されている側から軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入する。軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入すると、ロック部材66のロック本体66aの右側面に本体枠上ヒンジピン622が当接し、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66が取付ビス67を中心に回動する。これにより、軸受溝63を閉鎖していたロック本体66aが後退して軸受溝63が開放され、軸受溝63の最深部(前端)へ本体枠上ヒンジピン622を移動させることができるようになる。
そして、軸受溝63の最深部に本体枠上ヒンジピン622を移動させると、本体枠上ヒンジピン622とロック部材66のロック本体66aとの当接が解除され、弾性部66cの付勢力によってロック本体66aの前端が右方へ移動するようにロック部材66が回動し、ロック部材66が通常の状態に復帰する。これにより、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63内におけるロック本体66aの前端よりも前側の空間に収容された状態となり、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63の最深部において回動可能な状態で保持(ロック)された状態となる。
軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を取外す場合は、ロック部材66の操作部66bを操作して、ロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66を回動させ、弾性部66cの付勢力に抗して軸受溝63からロック本体66aを後退させる。これにより、軸受溝63の最深部と開口部とが連通した状態となり、軸受溝63から本体枠上ヒンジピン622を取外すことができる。
[2−10.外枠側下ヒンジ部材の部位における防犯機構と球噛み防止機構]
本実施形態のパチンコ機1における外枠2の外枠側下ヒンジ部材70の部位における防犯機構と外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止するための球噛み防止機構について説明する。
外枠2は、組立てた状態では、幕板部材50の上面における正面視左端部に外枠側下ヒンジ部材70が取付けられている。外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、幕板部材50の上面の左端付近と後方延出部51の上面とに載置された状態で取付けられている。この幕板部材50には、上面の後端から上方へ立上っている立壁部54を備えている。これにより、外枠側下ヒンジ部材70と本体枠側下ヒンジ部材640との間の隙間を通して、本体枠4(パチンコ機1)の後側へピアノ線等の不正な工具を侵入させようとしても、不正な工具の先端が幕板部材50の上面の後端から上方へ延出している立壁部54に当接するため、不正な工具がこれ以上後側へ挿入されるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを防止することができる。
また、立壁部54の上端に、前方へ延出している返し部55を備えているため、立壁部54に当接した不正な工具が上方へ曲がった場合、返し部55によって不正な工具の先端を更に前方へ折返させることができるため、本体枠4の後側に不正な工具が侵入させられるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを確実に阻止することができる。
ところで、幕板部材50の上面の後端に上方へ延出している立壁部54を備えるようにした場合、外枠2に対して本体枠4を開いている状態で、遊技球が外枠側下ヒンジ部材70(水平部71)上に落下した場合、水平部71上の遊技球が、立壁部54の存在によって水平部71の後端から後方へ排出されないため、外枠2と本体枠4との間に挟まれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71と、幕板部材50の後方延出部51とに、遊技球が通過可能な排出孔74、左排出孔52、及び右排出孔53を備えているため、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71上の遊技球を、排出孔74等から下方へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを低減させることができる。
従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれることで、外枠側下ヒンジ部材70の周りが破損したり、本体枠4が正常な状態で閉まらずに外枠2と本体枠4との間に隙間ができてしまい、その隙間を使って不正行為が行われてしまったりするのを防止することができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、図19乃至図30を参照して説明する。図19はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図20は扉枠の右側面図であり、図21は扉枠の左側面図であり、図22は扉枠の背面図である。図23は扉枠を右前から見た斜視図であり、図24は扉枠を左前から見た斜視図であり、図25は扉枠を後ろから見た斜視図である。図26は図19におけるA−A線で切断した断面図であり、図27は図19におけるB−B線で切断した断面図であり、図28は図19におけるC−C線で切断した断面図である。図29は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図30は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、図29及び図30等に示すように、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット300と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット320と、皿ユニット320の中央に取付けられている演出操作ユニット400と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット530と、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット550と、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット570と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、詳細は後述するが、正面視の外形が上下に延びた長方形(四角形)で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられ開閉可能とされている扉枠3と本体枠4、及び本体枠4と外枠2との間を施錠するための開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ遊技球を球発射装置680に送るための球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられ球発射装置680により発射されて遊技領域5a内に到達しなかった遊技球を受けて下皿322へ排出させるファールカバーユニット270と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット300は、詳細は後述するが、回転可能なハンドル302を遊技者が回転操作することで、上皿321内に貯留されている遊技球を、ハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
扉枠3の皿ユニット320は、詳細は後述するが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面において貫通口111の下側の部位に取付けられ、前面が前方へ膨出していると共に、左右方向中央の前端に演出操作ユニット400が取付けられる。皿ユニット320は、遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿321と、上皿321の下側に配置されており上皿321やファールカバーユニット270から供給される遊技球を貯留可能な下皿322と、上皿321に貯留されている遊技球を下皿322へ抜くための上皿球抜きボタン327と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残金の範囲内で遊技者に遊技球を貸し出すための球貸ボタン328と、球貸機から貸出された遊技球の分を差し引いた現金やプリペイドカードを返却させるための返却ボタン329と、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数等を表示する球貸返却表示部330と、所定の状態(例えば演出の実行時や後述する音量調節時や輝度調節時等)で遊技者の操作が受付可能とされている演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332と、下皿322内の遊技球を皿ユニット320の下方へ排出するための下皿球抜きボタン333と、を備えている。
扉枠3の演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。この演出操作ユニット400は、詳細は後述するが、遊技者が操作可能な大型の操作ボタン410と、操作ボタン410内に遊技者側から視認可能に配置され演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
扉枠3の扉枠左サイドユニット530は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の左外側を装飾するものである。扉枠左サイドユニット530は、発光装飾可能な左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)を備えている。
扉枠3の扉枠右サイドユニット550は、詳細な内容は後述するが、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも右側の前面右部に取付けられ、貫通口111(遊技領域5a)の右外側を装飾するものである。この扉枠右サイドユニット550は、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく突出しており、左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を備えている。扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させることができる。
扉枠3の扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられ、扉枠3の上部を装飾するものである。扉枠トップユニット570は、詳細な内容は後述するが、左右に離間した一対の上部スピーカ573と、前面中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、を備えている。扉枠トップユニット570は、トップ中装飾部材576、トップ左装飾レンズ部材579、及びトップ右装飾レンズ部材580を発光装飾させることができる。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、図31乃至図33を参照して詳細に説明する。図31(a)は扉枠における扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図32は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4の前面を閉鎖するように本体枠4に対して開閉可能(ヒンジ回転可能)に取付けられるものである。扉枠ベースユニット100は、前面下隅にハンドルユニット300が、貫通口111の下側前面に演出操作ユニット400が取付けられる皿ユニット320が、貫通口111の左外側前面に扉枠左サイドユニット530が、貫通口111の右外側前面に扉枠右サイドユニット550が、貫通口111の上外側前面に扉枠トップユニット570が、夫々取付けられるものである。
扉枠ベースユニット100は、図32及び図33に等に示すように、正面視の外形が上下に延びた長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており扉枠ベース110から前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板160と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材170と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット300を取付けるための筒状のハンドル取付部材180と、扉枠ベース110の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット190と、ガラスユニット190の後面下部を覆う防犯カバー200と、扉枠ベース110の後面に扉枠ベース110を貫通して前方に突出するように取付けられる開閉シリンダユニット210と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられる球送りユニット250と、扉枠ベース110の後面下部に取付けられるファールカバーユニット270と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、図示は省略するが、扉枠3に備えられている各種の装飾基板、球送ソレノイド255、ハンドル回転検知センサ307、ハンドルタッチセンサ310、単発ボタン操作センサ312、球貸ボタン328、返却ボタン329、球貸返却表示部330、演出選択左ボタン331、演出選択右ボタン332、振動モータ424、押圧検知センサ440、扉枠側演出表示装置460(液晶表示装置461)、上部スピーカ573、等と、本体枠4における基板ユニット900の扉枠用中継基板911との接続を中継するための扉本体中継基板を備えている。
[3−1a.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110について、主に図31乃至図33を参照して詳細に説明する。扉枠ベース110は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース110は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された貫通口111を備えている。貫通口111は、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース110の外周辺に夫々接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース110の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。従って、扉枠ベース110は、前後に貫通している貫通口111により全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース110は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース110は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面112と、ハンドル取付座面112と貫通口111との間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213が取付けられるシリンダ取付部113と、シリンダ取付部113において前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通孔114と、シリンダ挿通孔114及びハンドル取付座面112の正面視左側で前後に貫通しており球送りユニット250の進入口251a及び球抜口251bを前方に臨ませるための球送り開口115と、を備えている。
また、扉枠ベース110は、扉枠ベース110の左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面112と略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット270の球放出口276を前方に臨ませる下皿用通過口116と、扉枠ベース110の正面視左端付近で貫通口111の下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット270の貫通球通路273を前方に臨ませる上皿用通過口117と、貫通口111の内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット190のガラス枠191が挿入されるガラスユニット取付部118と、扉枠ベース110の左右両上隅において前後に貫通しており扉枠トップユニット570の上部スピーカ573の後端が挿通されるスピーカ挿通口119と、を備えている。
[3−1b.補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の補強ユニット130について、図31及び図33等を参照して詳細に説明する。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後側に取付けられることで扉枠ベース110を補強して、扉枠ベース110(扉枠3)の強度剛性を高めている。補強ユニット130は、扉枠ベース110の後面における上辺に沿って取付けられる左右に延びた上補強板金131と、扉枠ベース110の後面における貫通口111の下側に取付けられる左右に延びた中補強板金132と、扉枠ベース110の後面における正面視左辺に沿って取付けられる上下に延びた左補強板金133と、扉枠ベース110の後面における正面視右辺に沿って取付けられる上下に延びた右補強板金134と、右補強板金134の後面に取付けられており施錠ユニット700の扉枠用鉤702が係止される施錠係止部135と、を備えている。
補強ユニット130は、上補強板金131の左右両端が左補強板金133及び右補強板金134の夫々の上端にビスによって連結固定されており、中補強板金132の左端が左補強板金133にビスによって連結固定されている。中補強板金132の右端は、後述する開閉シリンダユニット210のシリンダ取付板金213を介して右補強板金134に連結固定されている。従って、補強ユニット130は、上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134等によって、枠状に形成されている。
補強ユニット130の上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、右補強板金134、及び施錠係止部135は、夫々金属板を適宜屈曲させて形成されている。中補強板金132は、扉枠ベース110の上皿用通過口117と対応する位置に、前後に貫通した切欠部132aが形成されている。
補強ユニット130は、詳細な図示は省略するが、各上補強板金131、中補強板金132、左補強板金133、及び右補強板金134において、夫々前後方向に屈曲された部位を有しており、その部位によって、強度剛性が高められていると共に、外部からのピアノ線やマイナスドライバー等の不正な工具の侵入を防止している。
[3−1c.扉枠側上ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側上ヒンジ部材140について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠ベース110に取付けられ上下に離間している一対の突出片141aを有した扉枠上ヒンジ軸ブラケット141と、扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aを貫通しており、上端が本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入される円柱状の扉枠上ヒンジピン142と、扉枠上ヒンジピン142における一対の突出片141aの間の位置に取付けられている円盤状の鍔部材143と、鍔部材143と一対の突出片141aのうちの下側の突出片141aとの間に介装されていると共に扉枠上ヒンジピン142が挿通されており、扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢しているロックバネ144と、を備えている。
扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、図示は省略するが一対の突出片141aの後端同士を連結している平板状の取付片を有しており、側面視の形状が前方へ開放されたコ字状に形成されている。扉枠上ヒンジ軸ブラケット141は、一対の突出片141a同士を連結している取付片が、ビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠上ヒンジピン142は、上側の突出片141aよりも上方に突出している部位(上端)が、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して回転可能に挿入される。また、扉枠上ヒンジピン142は、図示は省略するが、下側の突出片141aよりも下方に突出している部位が水平方向に屈曲している。この屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、扉枠上ヒンジピン142の上方への移動を規制している。
鍔部材143は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン142の外周に形成されている溝内に挿入保持されている。ロックバネ144は、扉枠上ヒンジピン142を挿通可能なコイルスプリングとされており、上端が鍔部材143に当接していると共に、下端が下側の突出片141aに当接している。このロックバネ144は、鍔部材143と下側の突出片141aとの間に、圧縮された状態で介装されており、鍔部材143を介して扉枠上ヒンジピン142を上方へ付勢している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142がロックバネ144により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位が下側の突出片141aの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン142の上端が、上側の突出片141aの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における下端の水平に屈曲している部位を作業者が持って、ロックバネ144の付勢力に抗してその部位を下方へ引っ張ると、扉枠上ヒンジピン142を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン142の上端を、上側の突出片141aの上面よりも下方へ没入させることができる。従って、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142の上端を、本体枠側上ヒンジ部材620の扉枠用上ヒンジ孔623に挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠側上ヒンジ部材140は、扉枠上ヒンジピン142における扉枠上ヒンジ軸ブラケット141の一対の突出片141aにより支持されている部位が、後述する扉枠側下ヒンジ部材150の扉枠下ヒンジピン152と同軸上に支持されている。これにより、扉枠側上ヒンジ部材140と扉枠側下ヒンジ部材150とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1d.扉枠側下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠側下ヒンジ部材150について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠ベース110に取付けられ前方に延出している平板状の延出片151aを有している扉枠下ヒンジ軸ブラケット151と、扉枠下ヒンジ軸ブラケットにおける延出片151aの前端部付近から下方に突出している円柱状の扉枠下ヒンジピン152(図21及び図22を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、水平に延びた平板状の延出片151aの後端から上方に延出した平板状の取付片(図示は省略)を有しており、側面視の全体形状が略L字状に形成されている。この扉枠下ヒンジ軸ブラケット151は、図示しない取付片がビスによって扉枠ベース110の後面に取付けられている。
扉枠下ヒンジピン152は、下端部が、下方へ向かうほど窄まる円錐台状に形成されている。この扉枠下ヒンジピン152は、後述する本体枠4における本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に、上方から回転可能に挿入される。扉枠下ヒンジピン152は、扉枠側上ヒンジ部材140の扉枠上ヒンジピン142と同軸上に配置されている。
この扉枠側下ヒンジ部材150は、扉枠下ヒンジピン152が本体枠側下ヒンジ部材640の扉枠用ヒンジ孔644に挿入されることで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1e.扉枠左サイド装飾基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠左サイド装飾基板160について、主に図31及び図32等を参照して詳細に説明する。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110の前面において、貫通口111の正面視左側に取付けられている。扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠ベース110における正面視左側のスピーカ挿通口119よりも下側の位置の高さから貫通口111の上下方向の中央付近の高さまで上下に延びている扉枠左サイド上装飾基板161と、扉枠左サイド上装飾基板161の下側の位置の高さから上皿用通過口117の下端と略同じ高さまで上下に延びている扉枠左サイド下装飾基板162と、を備えている。
扉枠左サイド装飾基板160の扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162は、夫々前面に、前方へ光を照射可能な複数のLED161a,162aを備えている。これらLED161a,162aは、フルカラーLEDとされている。
扉枠左サイド装飾基板160は、扉枠3を組立てた状態で、後述する扉枠左サイドユニット530の後方に位置しており、前面に備えられた(実装された)複数のLED161a,162aを適宜発光させることで、扉枠左サイドユニット530の左ユニット装飾レンズ部材を発光装飾させることができる。
[3−1f.ガラスユニット取付部材]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット取付部材170について、主に図31(b)等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット190を着脱可能に取付けるためのものである。ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部171と、基部171から回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部172と、を有している。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110の後面における一対のスピーカ挿通口119の下側で、ガラスユニット取付部118よりも外側の部位に、夫々回転可能に取付けられている。
ガラスユニット取付部材170は、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させた状態とすることで、背面視において扉枠ベース110のガラスユニット取付部118よりも突出部172が外側に位置した状態となり、扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に対してガラスユニット190を挿入したり、ガラスユニット取付部118からガラスユニット190を取外したりすることができる。
ガラスユニット取付部材170は、ガラスユニット190を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118に挿入させた状態で、突出部172が基部171から下方へ突出するように回転させると、突出部172がガラスユニット190の取付片191aの後側と当接し、ガラスユニット190上部の後方への移動を規制した状態となり、ガラスユニット190を扉枠ベース110に取付けることができる。
ガラスユニット取付部材170は、扉枠ベース110に回転可能に取付けられる円盤状の基部171から突出部172が突出しているため、ガラスユニット取付部材170の重心位置が突出部172内に位置している。このことから、ガラスユニット取付部材170が自由に回転できる状態では、突出部172が基部171から下方へ突出した状態で安定することとなる。そして、ガラスユニット取付部材170では、突出部172が基部171から下方へ突出している回転位置の時に、突出部172によりガラスユニット190の後方への移動を規制させるようにしているため、ガラスユニット取付部材170に振動等が作用しても、突出部172が基部171から上方へ突出するように全体が回転することはなく、ガラスユニット190の後方への移動の規制が自然に解除されることはない。
なお、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外す場合は、ガラスユニット取付部材170を、突出部172が基部171から上方へ突出するように回転させて、突出部172をガラスユニット190の取付片191aよりも外側へ移動させることで、ガラスユニット190の上部側を後方へ移動させることができるようになり、扉枠ベース110からガラスユニット190を取外すことができる。
[3−1g.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材180は、扉枠ベース110の前面にハンドルユニット300を取付けるためのものである。ハンドル取付部材180は、図32及び図33等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部181と、筒部181の後端から筒部181の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部182と、筒部181内に突出していると共に筒部181の軸方向全長に亘って延びており筒部181の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条183と、筒部181の外周面とフランジ部182の前面とを繋ぎ、筒部181の周方向に対して複数配置された補強リブ184と、を備えている。
ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面を、扉枠ベース110におけるハンドル取付座面112の前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面112に取付けられる。
筒部181は、内径がハンドルユニット300におけるハンドルベース301の基部301aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条183は、一つが筒部181内の上側に備えられており、残り二つが筒部181内の下側に備えられている。これら三つの突条183は、ハンドルベース301における三つの溝部301cと対応する位置に形成されている。従って、ハンドル取付部材180は、三つの突条183と、ハンドルベース301の三つの溝部301cとを一致させた状態でのみ、筒部181内にハンドルベース301の基部301aを挿入させることができ、扉枠ベース110に対してハンドルベース301(ハンドルユニット300)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材180は、フランジ部182の後面に対して、筒部181の軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース110の傾斜したハンドル取付座面112に取付けることで、筒部181の軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット300を同様に傾いた状態で扉枠ベース110に取付けることができる。
[3−1h.ガラスユニット]
扉枠ベースユニット100のガラスユニット190について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111を、前方から後方が視認できるように閉鎖するものである。ガラスユニット190は、扉枠ベース110の貫通口111の内周形状よりも大きくガラスユニット取付部118に取付可能な枠状のガラス枠191と、ガラス枠191の枠内を閉鎖し外周がガラス枠191に取付けられている透明な二つのガラス板192と、を備えている。二つのガラス板192は、ガラス枠191の前端側と後端側とに夫々取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図26等を参照)。
ガラス枠191は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片191aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片191bと、を有している。ガラス枠191の取付片191aは、ガラスユニット取付部材170の突出部172と当接可能とされている。係止片191bは、扉枠ベース110と補強ユニット130の中補強板金132との間の空間内に挿入可能とされている(図26を参照)。
このガラスユニット190は、扉枠ベース110の後側から、ガラス枠191の係止片191bを、扉枠ベース110と補強ユニット130の中補強板金132との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠191の前端を扉枠ベース110のガラスユニット取付部118の後面に当接させ、ガラスユニット取付部材170を回転させてガラスユニット取付部材170の突出部172をガラス枠191の取付片191aの後面と当接させることで、扉枠ベース110に取付けられる。
ガラスユニット190を扉枠ベース110から取外す場合は、上記と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット190は、扉枠ベース110に対して着脱可能となっている。
[3−1i.防犯カバー]
扉枠ベースユニット100の防犯カバー200について、主に図31乃至図33等を参照して詳細に説明する。防犯カバー200は、ガラスユニット190の後面下部を覆うように扉枠ベース110の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー200は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部201と、本体部201の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片202と、左右に離間して配置され本体部201よりも前方に突出し、扉枠ベース110の後側に係止可能とされている一対の係止片203と、を備えている。
防犯カバー200の本体部201は、扉枠ベース110に取付けた状態で下端がガラスユニット190の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部201は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部201の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片202は、本体部201の外周縁の略全周に亘って形成されている。従って、防犯カバー200は、本体部201と後方突片202とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片202は、図33に示すように、本体部201の外周縁とは異なる本体部201の後面の一部からも後方に突出している。この本体部201の後面の一部から後方に突出している後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片202は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球(球発射装置680により発射された遊技球)が、防犯カバー200の後方突片202に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球の打込みを阻害することはない。
一対の係止片203は、扉枠ベース110の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー200は、扉枠ベース110に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー200は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部201の前面がガラスユニット190の後面(ガラス枠191の後端)と当接し、本体部201の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片202が、後述する前構成部材1000の防犯凹部1008内に挿入された状態となる。また、防犯カバー200は、本体部201の下辺から後方に突出している後方突片202が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー200と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー200の後方突片202と前構成部材1000の防犯凹部1008とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー200と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片202や防犯凹部1008に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−1j.開閉シリンダユニット]
扉枠ベースユニット100の開閉シリンダユニット210について、主に図31乃至図33等を参照して説明する。開閉シリンダユニット210は、正面視において扉枠ベース110の右端付近で貫通口111とハンドル取付座面112との間の位置のシリンダ取付部113に後側から取付けられ、後述する施錠ユニット700と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉に使用されるものである。
開閉シリンダユニット210は、前面に鍵穴211aを有し前後に延びた円筒状のシリンダ錠211と、シリンダ錠211の後端に取付けられており鍵穴211aに挿入された鍵の回動操作を施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させる回転伝達部材212と、シリンダ錠211を扉枠ベース110(補強ユニット130)に取付けるシリンダ取付板金213と、を備えている。
シリンダ錠211は、対応する鍵(図示は省略)を鍵穴211aに差し込むことで、鍵を回転させることができるものであり、対応する鍵であれば、正面視において時計回り及び反時計回りの何れの方向へも所定角度回転させることができる。
回転伝達部材212は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部212aを有している。この回転伝達部材212は、本体枠4における施錠ユニット700の鍵シリンダ710が後方から挿入されるように形成されており、施錠ユニット700の鍵シリンダ710の突起が一対の切欠部212a内に挿入されることで、回転伝達部材212(シリンダ錠211の鍵穴211aに挿入された鍵)の回転を、施錠ユニット700の鍵シリンダ710に伝達させて鍵シリンダ710を回転させることができる。
シリンダ取付板金213は、一枚の金属板を屈曲させて形成されており、平面視の形状が前方へ突出している凸形状に形成されている。詳述すると、シリンダ取付板金213は、正面視において上下に延びた長方形で平板状の前板部213aと、前板部213aの左右両辺から後方へ平板状に延出している一対の側板部213bと、一対の側板部213bの夫々の後辺から互いに遠ざかる方向へ平板状に延出している一対の取付板部213cと、を備えている。シリンダ取付板金213の前板部213aは、上下方向略中央の位置で後方からシリンダ錠211が貫通し、前板部213aの後面にシリンダ錠211の後端が取付けられる。シリンダ取付板金213の一対の取付板部213cは、正面視左側の取付板部213cが補強ユニット130の中補強板金132の右端部に取付けられ、正面視右側の取付板部213cが補強ユニット130の右補強板金134に取付けられる。これにより、シリンダ取付板金213によって、補強ユニット130の中補強板金132と右補強板金134とが連結される。
開閉シリンダユニット210は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、シリンダ取付板金213の前板部213aから前方に突出しているシリンダ錠211の前端が、扉枠ベース110の後側からシリンダ挿通孔114に挿通されて扉枠ベース110の前方へ突出していると共に、シリンダ取付板金213の前板部213a及び一対の側板部213bが後方へ開放されている箱状のシリンダ取付部113内に収容されている。
[3−1k.球送りユニット]
扉枠ベースユニット100の球送りユニット250について、主に図34及び図35を参照して詳細に説明する。図34(a)は扉枠ベースユニットの球送りユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送りユニットを後ろから見た斜視図である。図35(a)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送りユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送りユニット250は、皿ユニット320の上皿321から供給される遊技球を一つずつ球発射装置680へ供給することができると共に、上皿321内に貯留された遊技球を、上皿球抜きボタン327の操作によって下皿へ抜くことができるものである。
球送りユニット250は、皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球が、皿ユニットベース323の上皿球送り口323d及び扉枠ベース110の球送り開口115を通して供給され前後方向に貫通した進入口251a、及び進入口251aの下側に開口する球抜口251bを有し後方が開放された箱状の前カバー251と、前カバー251の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー251の進入口251aから進入した遊技球を球発射装置680へ供給するための打球供給口252aを有した後カバー252と、後カバー252及び前カバー251の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー251の後側で進入口251aと球抜口251bとの間を仕切る仕切部253aを有した球抜き部材253と、球抜き部材253の仕切部253a上の遊技球を一つずつ後カバー252の打球供給口252aへ送り、前カバー251と後カバー252との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材254と、球送り部材254を回動させる球送ソレノイド255と、を備えている。
この球送りユニット250は、図示するように、正面視で、球送り部材254が進入口251aの右側に配置されており、球送り部材254の左側に球抜き部材253が、球送り部材254の右側に球送ソレノイド255が夫々配置されている。
球送りユニット250の前カバー251は、正面視で球抜口251bの左側に、球抜き部材253の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット251cを備えており、このスリット251cから後述する球抜き部材253の作動棹253cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー251は、進入口251aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、皿ユニットベース323の球送り誘導路323e及び球抜き誘導路323fの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜き部材253は、進入口251aよりも下側で進入口251aと球抜口251bとの間を仕切り上面が球送り部材254の方向へ向かって低くなる仕切部253aと、仕切部253aの球送り部材254とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口251bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部253bと、回動棹部253bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹253cと、作動棹253cよりも下側で回動棹部253bの側面から仕切部253aとは反対側へ突出した錘部253dと、を備えている。球抜き部材253の作動棹253cは、前カバー251に形成された円弧状のスリット251cを通して前方へ突出するように形成されている(図34(a)を参照)。作動棹253cは、扉枠ベース110の球送り開口115を介して皿ユニット320の上皿球抜きボタン327の押圧操作によって動作する作動伝達部327aの上端と当接する。
球送り部材254は、進入口251a及び球抜き部材253の仕切部253aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部254aと、遮断部254aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部254bと、球保持部254bの後端から下方へ延出する棒状の棹部254cと、を備えている。球送り部材254における遮断部254aと球保持部254bは、夫々回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送り部材254の球保持部254bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。球送り部材254は、球送ソレノイド255の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部254cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送り部材254は、遮断部254aが仕切部253aの方向を向くと同時に球保持部254bが打球供給口252aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部254bが仕切部253aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送り部材254が供給位置の時には、球保持部254bに保持された遊技球が、打球供給口252aから球発射装置680へ供給されると共に、進入口251aから仕切部253a上に進入した遊技球が、遮断部254aによって球保持部254b(打球供給口252a)側への移動が遮断されて仕切部253a上に留まった状態となる。一方、球送り部材254が保持位置へ回動すると、球保持部254bが仕切部253aの方向を向くと共に、球保持部254bの棹部254c側の端部が打球供給口252aを閉鎖した状態となり、仕切部253a上の遊技球が一つだけ球保持部254b内に保持される。
また、球送りユニット250は、球送ソレノイド255の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送り作動桿256と、球送り作動桿256における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材254を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク257と、を備えている。球送りクランク257は、球送り作動桿256の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部257aと、係合部257aの球送り作動桿256と係合する側とは反対側に配置され前カバー251と後カバー252との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部257bと、軸部257bから上方へ延出しており、球送り部材254における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部254c(図35(b)を参照)と係合する伝達部257cと、を備えている。
この球送りユニット250は、球送り作動桿256及び球送りクランク257によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド255の駆動により揺動する球送り作動桿256の動きを伝達させて球送り部材254を回動させることができる。なお、球送ソレノイド255の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿256が球送ソレノイド255の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送り部材254が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド255の駆動時では、球送り作動桿256が球送ソレノイド255の下端に吸引されて先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材254が保持位置へ回動する。つまり、球送ソレノイド255が駆動される(ONの状態)と、球送り部材254が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド255の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送り部材254が受入れた遊技球を球発射装置680側へ送る(供給する)ことができる。この球送りユニット250における球送ソレノイド255の駆動は、払出制御基板951の発射制御部(図示は省略)により発射ソレノイド682の駆動制御と同期して制御される。
また、球送りユニット250における回動可能に軸支された球抜き部材253は、錘部253dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹253cが皿ユニット320の上皿球抜きボタン327の押圧操作によって動作する作動伝達部327aの上端と当接することで、その回動が規制されるため、通常時では、球抜き部材253の仕切部253aが進入口251aと球抜口251bとの間を仕切っており、球抜口251b側へ遊技球が侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニット320の上皿球抜きボタン327を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ327bが作動伝達部327aと共に下方へスライドして、作動伝達部327aの下方への移動に伴って作動棹253cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部327aと共に作動棹253cが下方へ移動すると、球抜き部材253が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部253aによる進入口251aと球抜口251bとの間の仕切りが解除される。これにより、進入口251aから進入した遊技球が、球抜口251bから皿ユニット320の球抜き誘導路323fへと排出され、下皿球供給口323cを介して下皿322へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜き部材253の作動棹253cが当接する作動伝達部327aが形成されている上皿球抜きスライダ327bは、上皿球抜きバネ327cによって上方へ付勢されているので、仕切部253a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹253cを介して上皿球抜きバネ327cによって吸収させることができ、球抜き部材253等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部253aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送りユニット250は、後カバー252における打球供給口252aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部252b(図35(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部252b内に不正防止部材260が取付けられている。球送りユニット250の不正防止部材260は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー252の取付凹部252b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。
不正防止部材260は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している上片部261及び下片部262と、上片部261及び下片部262の互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状に夫々形成されている傾斜部263と、を備えている。不正防止部材260の上片部261は、不正防止部材260の一般面に対して、正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。下片部262は、不正防止部材260の一般面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、上片部261と下片部262とによって、右方に向かうに従って広がるV字状の溝を形成している。
不正防止部材260は、後カバー252の取付凹部252bに取付けられることで、上片部261と下片部262とで形成されるV字状の溝が、打球供給口252a内と連通した状態となる。
この不正防止部材260によれば、紐を取付けた不正な遊技球を、上皿321から球送りユニット250を介して球発射装置680により遊技領域5a内に打込み、不正な遊技球に取付けられた紐を操作して、不正な遊技球を第一左始動口2002a等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置680により発射(打球)された不正な遊技球の勢いによって、不正な遊技球に取付けられた紐を、上片部261と下片部262との間に挿入させた上で、上片部261と下片部262とによって形成されたV字状の狭くなった部位により切断させることができ、紐を取付けた不正な遊技球を用いた不正行為が行われるのを防止することができる。
[3−1l.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット270について、図36乃至図38を参照して詳細に説明する。図36(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図37(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。更に、図38は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。
ファールカバーユニット270は、図示するように、扉枠ベース110の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体271と、ユニット本体271の前面に取付けられている平板状の蓋部材272と、を備えている。ファールカバーユニット270は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861と皿ユニット320の上皿球供給口323aとを連通させる貫通球通路273と、貫通球通路273の正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862と連通可能な満タン球受口274と、を備えている。
また、ファールカバーユニット270は、満タン球受口274の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口275と、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口274及びファール球受口275に受入れられた遊技球を前方へ放出すると共に皿ユニット320の下皿球供給口323cと連通する球放出口276と、を備えている。
更に、ファールカバーユニット270は、ユニット本体271及び蓋部材272によって、満タン球受口274及びファール球受口275と球放出口276との間に形成されており所定量の遊技球を貯留可能な広さを有している貯留通路277と、貯留通路277の内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体271に取付けられている平板状の可動片278と、可動片278の貯留通路277から遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ279と、可動片278を貯留通路277の中心側へ付勢しているバネ280と、を備えている。
このファールカバーユニット270は、皿ユニット320の下皿322内が遊技球で一杯になって、球放出口276から遊技球が下皿322側へ放出されなくなると、貯留通路277内にある程度の数の遊技球を貯留することができる。そして、貯留通路277内にある程度の数の遊技球が貯留されると、遊技球の重さによって可動片278の上端がバネ280の付勢力に抗して貯留通路277から遠ざかる方向へ移動するように可動片278が回動し、その回動が満タン検知センサ279によって検知される。これにより、下皿322が遊技球で満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ279により満タンが検知されると、これ以上の遊技球の払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿322の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット270は、ユニット本体271の後側で貫通球通路273の下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット800における下部満タン球経路ユニット860の誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接可能な扉開閉当接部281を備えている(図112を参照)。扉開閉当接部281は、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部281は、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接するように形成されている。この扉開閉当接部281に誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接することで、誘導路開閉扉863が回動して通常誘導路861及び満タン誘導路862の下流端(前側開口)を開放させることができる。
[3−2.ハンドルユニット]
扉枠3のハンドルユニット300について、主に図39及び図40を参照して詳細に説明する。図39(a)は扉枠におけるハンドルユニットの正面図であり、(b)はハンドルユニットを前から見た斜視図であり、(b)はハンドルユニットを後ろから見た斜視図である。また、図40(a)はハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット300は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿321内の遊技球を遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット300は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材180の筒部181に取付けられるハンドルベース301と、ハンドルベース301の前端に回転可能に取付けられるハンドル302と、ハンドル302の前端側を覆うようにハンドルベース301に取付けられるハンドルカバー303と、を備えている。
また、ハンドルユニット300は、ハンドル302の後側でハンドルベース301の前面に取付けられるインナーベース304と、前端にハンドル302が取付けられると共にインナーベース304とハンドルベース301とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部305aを有している軸部材305と、軸部材305の駆動ギア部305aと噛合している伝達ギア306と、伝達ギア306と一体回転する検知軸307aを有しハンドルベース301とインナーベースとの間に挟持されているハンドル回転検知センサ307と、を備えている。
更に、ハンドルユニット300は、一端側がハンドルベース301に取付けられると共に他端側がハンドル302に取付けられハンドル302を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ308と、一端側がインナーベース304に取付けられると共に他端側が伝達ギア306に取付けられ伝達ギア306を介してハンドル回転検知センサ307の検知軸307aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ309と、インナーベース304の後方でハンドルベース301に取付けられているハンドルタッチセンサ310と、先端側がハンドルベース301の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース304の後方でハンドルベース301に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン311と、単発ボタン311の押圧操作を検知しハンドルベース301に取付けられている単発ボタン操作センサ312と、を備えている。
ハンドルユニット300のハンドルベース301は、前後に延びた円筒状の基部301aと、基部301aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部301bと、円筒状の基部301aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部301cと、を備えている。ハンドルベース301の基部301aは、外径がハンドル取付部材180の筒部181の内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部301cは、ハンドル取付部材180における筒部181の三つの突条183と対応した位置に形成されている。従って、三つの溝部301cを三つの突条183と一致させた状態で、基部301aをハンドル取付部材180の筒部181内に挿入させることができると共に、三つの溝部301c内に夫々突条183が挿入されることで、ハンドルベース301がハンドル取付部材180に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル302は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dと、回転軸(軸部材305)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット302eと、スリット302eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ308の他端側が係止される係止突部302fと、を備えている。
四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起302aは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起302bは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起302aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起302aよりはやや低く突出している。この第二突起302bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起302aと相似した形状に形成されている。
第三突起302cは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起302bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起302aの約半分の高さで突出している。この第三突起302cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起302dは、ハンドル302の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起302cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起302aよりもやや高く突出している。この第四突起302dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
ハンドルカバー303は、前面の中心が丸く前方へ膨出しており、後方へ突出している三つの取付ボス303aを備えている。三つの取付ボス303aは、ハンドル302のスリット302eを前方から貫通してハンドルベース301の前面に取付けられる。ハンドルカバー303の取付ボス303aが、ハンドル302のスリット302eを貫通していることから、取付ボス303aがスリット302eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル302の回転角度を規制している。本例では、ハンドル302を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
このハンドルユニット300は、扉枠ベース110のハンドル取付座面112に対して、ハンドル取付部材180を介して取付けられる。この扉枠ベース110のハンドル取付座面112は、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材180を介して取付けられるハンドルユニット300も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット300のハンドル302が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット300のハンドル回転検知センサ307は、可変抵抗器とされており、ハンドル302を回転させると、軸部材305及び伝達ギア306を介してハンドル回転検知センサ307の検知軸307aが回転する。この検知軸307aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ307の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ307の内部抵抗に応じて後述する球発射装置680における発射ソレノイド682の駆動力が変化して、ハンドル302の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドル302やハンドルカバー303の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者がハンドル302等に接触することでハンドルタッチセンサ310が接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ310が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル302を回動させると、ハンドル回転検知センサ307の検知が受付けられ、ハンドル302の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド682の駆動が制御されて、遊技球を打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル302に触れずに、何らかの方法でハンドル302を回転させて遊技球を遊技領域5a内に打込もうとしても、発射ソレノイド682は駆動されず、遊技球を打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル302を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット300は、遊技者がハンドル302を回転操作中に、単発ボタン311を押圧すると、単発ボタン操作センサ312が単発ボタン311の操作を検知し、払出制御基板951の発射制御部(図示は省略)によって発射ソレノイド682の回転駆動が停止させられる。これにより、ハンドル302の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン311の押圧操作を解除することで、単発ボタン311を操作する前の打込み強さで再び遊技球を遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット300は、ハンドル302に、四つの第一突起302a、第二突起302b、第三突起302c、及び第四突起302dを備えており、ハンドル302を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球を最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起302dが、ハンドル302を回転させていない時の第一突起302aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起302dを第一突起302aとしてハンドル302を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル302を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。ただし後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、通常遊技状態にあるときに右打ちすると持ち球の消費が大きい割に各種受入口に遊技球が受け入れ難くなっていることから、左打ちした場合と比較して遊技者にとって不利益である。
[3−3.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット320について、主に図41乃至図45を参照して詳細に説明する。図41(a)は扉枠の皿ユニットを右前から見た斜視図であり、(b)は皿ユニットを左前から見た斜視図である。また、図42(a)は皿ユニットを右上後ろから見た斜視図であり、(b)は皿ユニットを左下後から見た斜視図である。図43は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図44は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図45は、図28の断面図において下皿カバーを外した状態で下皿の部位を拡大して示す説明図である。皿ユニット320は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面において貫通口111の下側の部位に取付けられ、前面が前方へ膨出している。皿ユニット320の前面には、後述する演出操作ユニット400が取付けられる。
皿ユニット320は、遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿321と、上皿321の下側に配置されており上皿321やファールカバーユニット270から供給される遊技球を貯留可能な下皿322と、を備えている。
皿ユニット320は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110に取付けられる平板状の皿ユニットベース323と、皿ユニットベース323の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿321を形成している上皿本体324と、皿ユニットベース323の前面下部で左右中央よりも左側に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿322を形成している下皿本体325と、上皿本体324及び下皿本体325の前側を覆うように皿ユニットベース323の前面に取付けられている皿ユニットカバー326と、を備えている。
また、皿ユニット320は、皿ユニットカバー326の上面における上皿321の正面視右方で上方から押圧操作可能に取付けられている上皿球抜きボタン327と、上皿球抜きボタン327の正面視右方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている球貸ボタン328と、球貸ボタン328の正面視右方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている返却ボタン329と、球貸ボタン328及び返却ボタン329の後方で皿ユニットカバー326の上面に取付けられている球貸返却表示部330と、上皿321の前方で皿ユニットカバー326の前面における皿前上装飾部326bに取付けられている演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332と、下皿322の前方で皿ユニットカバー326の前面から前方に突出しており前方から押圧操作可能に取付けられている下皿球抜きボタン333と、を備えている。
[3−3a.上皿]
皿ユニット320の上皿321について、主に図41及び図44等を参照して詳細に説明する。皿ユニット320の上皿321は、皿ユニットベース323と上皿本体324とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿321(上皿本体324)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿321は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球の外径よりも若干大きい誘導通路部321aが形成されている。上皿321は、誘導通路部321aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部321aの正面視右端側が、皿ユニットカバー326の上面(上皿球抜きボタン327)の下方へ潜り込んでいる(図44を参照)。
上皿321は、皿ユニットベース323に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース323の上皿球供給口323aよりも下側の位置から上皿球送り口323dの上端に対して遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口323aから前方へ放出された遊技球が、上皿321内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球を誘導通路部321aの右端側から上皿球送り口323dへ供給させることができる。
上皿321は、上述したように、前後方向の奥行が狭くなる誘導通路部321aにおいて、その底面が下方へ向かって低くなるように形成されている。つまり、上皿321の一部が、後述する演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が取付けられる皿ユニットカバー326の取付空間326j内へ、上方から突出している。従って、上皿321において、遊技球の貯留量を十分に確保することができるようになっている。なお、上皿321(上皿本体324)は、皿ユニットカバー326の取付空間326j内へ、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)と接触しないように突出している。
なお、誘導通路部321aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具321bが備えられており、遊技球が接触(転動)することで、遊技球に帯電した静電気を除去させることができる。
[3−3b.下皿]
皿ユニット320の下皿322について、主に図41乃至図45等を参照して詳細に説明する。下皿322は、上皿321の下方で、正面視おいて皿ユニット320(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿322は、遊技球を貯留可能な容器状に形成されており、底壁部325aに上下に貫通し遊技球を排出可能とされた下皿球抜き孔322aと、皿ユニットカバー326に取付けられた演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)との接触を回避させるための逃し部322bと、を備えている。下皿322の逃し部322bは、右前隅が、後方へ向かって円弧状に窪むように形成されている。
下皿322は、上方及び後方が開放されている下皿本体325と、下皿本体325の左端側から上方を覆っている皿ユニットカバー326の下皿カバー部326kと、下皿本体325の開放されている後方を閉鎖している皿ユニットベース323と、下皿本体325における演出操作ユニット取付部326a内に突出している部位の上側を覆う下皿カバー340とによって、形成されており、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dから外方に臨んでいる。下皿322は、図28及び図45に示すように、平面視の外周形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の前辺を底辺とし底辺よりも短い上辺が前方側に配置された台形と、を組合せたような形状に形成されており、台形の斜めに延びた左右の辺が後方へ凹むように湾曲している。この下皿322は、平面視において、前方から後方へ向かうに従って、左右方向の幅が大きくなるように形成されている。
下皿本体325は、図43及び図44等に示すように、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体325は、平板状の底壁部325aと、底壁部325aの後端辺を除いた外周端から上方へ延出している本体立壁部325bと、底壁部325aを遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している下皿球抜き孔322aと、を備えている。底壁部325aの外周形状は、左右に延びた四角形と、その四角形の前辺を底辺とし底辺よりも短い上辺が前方側に配置され斜めに延びた左右の辺が後方へ凹むように湾曲した台形と、を組合せたような形状に形成されている。底壁部325a(の上面)は、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。本体立壁部325bは、底壁部325aから上方へ、遊技球の直径の2倍〜5倍の高さで立上っている。下皿球抜き孔322aは、下皿本体325(底壁部325a)の左右方向中央よりも右寄りの位置に形成されている。下皿本体325では、底壁部325a及び本体立壁部325bにおける正面視右前隅の湾曲している部位が、逃し部322bに相当している。
下皿カバー340は、下皿本体325の上方のおよそ右半部を覆うように形成されている。下皿カバー340は、図43及び図44等に示すように、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から上方へ立上っているカバー立壁部340aと、カバー立壁部340aの上端から略水平に延びている天井部340bと、を備えている。カバー立壁部340aは、下皿本体325の本体立壁部325bにおける前辺側の一部から右辺の後端までの部位から立上っている。下皿カバー340は、皿ユニット320に組立てた状態で、カバー立壁部340a及び天井部340bの後端が、皿ユニットベース323の前面に当接している。また、カバー立壁部340aの前端(前辺における左端側)が、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dの右端辺と当接している。更に、天井部340bの左端が、皿ユニットカバー326の下皿カバー部326kの右端に当接している。この下皿カバー340では、カバー立壁部340aにおける湾曲面状の部位と、その後側においてカバー立壁部340aと天井部340bとの間で斜めに延びている部位とが、逃し部322bに相当している。
下皿322は、前端側の左右に短く延びている部位の正面視左端付近から右側が、皿ユニットカバー326(演出操作ユニット400)によって覆われており、正面視において半分以上が演出操作ユニット400の後方に位置している。つまり、下皿322は、右半分が、演出操作ユニット400の後方へ回り込むように形成されている。従って、下皿322は、図45に示すように、後述する皿ユニットカバー326の下皿開口部326dの後方に位置する下皿第一領域A1(図45においてクロスハッチの領域)と、下皿開口部326dよりも右側(演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側)の後方に位置する下皿第二領域A2(図45において網掛けの領域)と、を有している。換言すると、下皿322は、遊技球を貯留可能な貯留領域(平面視における貯留面積に相当し、下皿第一領域A1と下皿第二領域A2とを合せた領域)の半分以上が、演出操作ユニット400の後方に位置している。なお、図45において点線ハッチの領域は、皿ユニットカバー326における取付空間326jの残りの空間(領域)である。
下皿322は、後壁を形成している皿ユニットベース323の下皿球供給口323cが、後壁の正面視左右方向中央よりも右側に開口している。更に詳述すると、下皿322の下皿球供給口323cは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方となる下皿第二領域A2に配置されている。これにより、扉枠3を正面から見た時に、下皿球供給口323cが下皿開口部326dを通して遊技者側から見えないようになっている(図19等を参照)。従って、下皿322は、前方に膨出している皿ユニット320(皿ユニットカバー326)の左側面の下皿開口部326dから演出操作ユニット400の後方へ向かって抉れるように形成されており、正面から見える範囲よりも遊技球の貯留容積が大きく形成されている。換言すると、下皿322は、下皿第一領域A1よりも下皿第二領域A2の方が大きく形成されている。これにより、外側(遊技者側)から下皿322を見た時に、見た目以上に下皿322内に多くの遊技球を貯留させることができる。
下皿322は、下皿本体325の左右方向の右側半分(下皿第二領域A2)が、図41(a)に示すように、皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a(取付空間326j)内に突出しており、下皿本体325における演出操作ユニット取付部326a内に突出している部位の上側を、下皿カバー340が覆っている。この下皿カバー340により、下皿開口部326dから下皿322内に遊技者が手指を挿入した時に、その指先が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に触れるのを阻止することができる。
下皿322は、下皿第二領域A2内である下皿球供給口323cの真正面に、上下に貫通している下皿球抜き孔322aを備えている。下皿322の底面は、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿322の下皿球抜き孔322aは、下皿球抜きボタン333の押圧操作によって動作する蓋部材334によって開閉可能に閉鎖されている。下皿322は、通常の状態では、下皿球抜き孔322aが蓋部材334によって閉鎖されており、下皿322内に遊技球を貯留させることができる。そして、下皿球抜きボタン333を押圧操作して蓋部材334を開動作させると、下皿322内の遊技球を、下皿球抜き孔322aから皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
下皿322の下皿球抜き孔322aは、下皿322の後壁を形成している皿ユニットベース323の下皿球供給口323cの前方(真正面)に配置されている。従って、扉枠3に組立てた状態では、下皿球抜き孔322aが、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側で演出操作ユニット400におけるフレームユニット415の後方に位置しているため、遊技者(正面)側からは見えないようになっている。
この下皿322は、上述したように、外周形状が、左右に延びた四角形の前側に、前方側が窄まった台形を組合せた形状に形成されていると共に、底面が、下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って、蓋部材334が開いて下皿球抜き孔322aが開放されている状態で、下皿球供給口323cから下皿322内へ供給された遊技球は、下皿球供給口323cの真正面に開口している下皿球抜き孔322aから即座に下方へ排出される。この下皿球抜き孔322aの左端は、下皿球供給口323cの左端よりも若干左方に位置していることから、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから下皿322へ供給された遊技球が、下皿322内における下皿球抜き孔322aよりも左側の領域へ直接流通することはなく、下皿球抜き孔322aから排出されることとなる。
一方、下皿球抜き孔322aの右端は、下皿球供給口323cの右端よりも左方に位置していることから、下皿球供給口323cの右端付近から下皿322へ供給された遊技球が、本体立壁部325bにおける下皿322の右側の立壁を形成している部位に当接することとなる。この下皿322の右側の立壁は、下皿球抜き孔322aの方向を向くように前後方向に対して斜めに湾曲しているため、下皿球供給口323cから供給された遊技球が、この傾斜している部位に当接すると、下皿球抜き孔322aの方向へ反射することとなり、下皿球抜き孔322aよりも左側の領域へ行くことなく、下皿球抜き孔322aから排出される(図45を参照)。
このように、本実施形態の下皿322は、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿球抜き孔322aへ誘導するように形成しているため、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿322における下皿球抜き孔322aの左側の領域へ侵入させることなく、直ちに下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。これにより、下皿球抜き孔322aを開いたままの状態とすると、遊技者側からは下皿322上を流通している遊技球が見えないため、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、本実施形態の下皿322は、下皿本体325の本体立壁部325bと、本体立壁部325bの上端から上方へ延出した下皿カバー340,340Aとを備えているため、下皿322内に供給され遊技球が、下皿322内で跳ねて飛び上がっても、下皿322内から取付空間326j側へ遊技球が侵入するのを防止することができ、下皿322内の遊技球が演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に接触するのを阻止することができる。従って、下皿322内に供給された遊技球や下皿322に貯留されている遊技球が、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側に当接したり押圧したりするのを防止することができ、遊技球によって演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側が破損するのを防止することができる。
更に、下皿322において、下皿球供給口323cの前方に下皿球抜き孔322aを備えていることから、下皿球抜き孔322aが開いている状態では、下皿球供給口323cから放出された遊技球をそのまま下皿球抜き孔322aに進入させて下方(ドル箱)へ排出させることができるため、遊技球を下皿本体325の本体立壁部325bの前端側に到達し難くすることができる。また、下皿322の前端付近の下皿本体325の底壁部325aが、前方へ向かうほど高くなっているため、下皿本体325の本体立壁部325bの前端側へ向かう遊技球が、傾斜した底面を登ることとなり、遊技球の移動速度を減衰させることができる。従って、下皿球供給口323cから下皿322内に放出された遊技球が、下皿カバー340,340Aや本体立壁部325bに当接した時の衝撃を小さくすることができ、それらを破損し難くすることができる。
なお、本実施形態では、上皿球抜きボタン327に対して、下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を連動させるようにしても良い。これにより、上皿球抜きボタン327を操作すると、蓋部材334も可動して下皿球抜き孔322aが開くため、上皿321から下皿322へ排出された遊技球が、更に下皿球抜き孔322aから下方のドル箱へ排出されることとなる。つまり、上皿321から遊技球を抜くために上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜きボタン333を操作していないにも関わらず、上皿321の遊技球がドル箱に排出されるため、遊技者に対して上皿321の遊技球が直接ドル箱に排出されているように強く錯覚させることができ、上述した作用効果をより一層発揮させることができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
また、本実施形態では、下皿322を構成している下皿本体325と下皿カバー340とが分解可能な別体のものを示したが、下皿本体325と下皿カバー340とが分解不能な一体のものとしても良い。また、下皿カバー340のカバー立壁部340aが、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から立上った例を示したが、下皿本体325の底壁部325aから下皿カバー340のカバー立壁部340aが立上っていても良い。また、下皿カバー340の天井部340bが、カバー立壁部340aの上端から略水平に延びた例を示したが、下皿カバー340の天井部340bが、下皿本体325の本体立壁部325bの上端から略水平に延びるようにしても良い。
更に、本実施形態では、下皿322の演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)との接触を回避させるための逃し部322bを備えた例を示したが、逃し部322bを備えていない下皿322としても良い。
また、本実施形態では、下皿322(下皿本体325や下皿カバー340等)として、貫通した孔の無い一様な面状のものを示したが、遊技球が通過不能な複数の貫通した孔を有するものであっても良い。具体的には、下皿322の底壁部325a、本体立壁部325b、カバー立壁部340a、天井部340b等の少なくとも一部を、遊技球が通過不能な隙間を有した、柵状に形成したものや網状に形成したものとしても良い。なお、皿ユニットカバー326(取付空間326j)内に、LED等の発光体を配置し、下皿322の柵状や網状の隙間を通して下皿322内を照らす(発光装飾させる)ようにしても良い。
なお、本実施形態では、夫々別体に形成された下皿本体325、下皿カバー340、皿ユニットベース323、及び皿ユニットカバー326(下皿カバー部326k)によって、下皿322を形成したものを示したが、それら四つの部材が適宜の組合せで一体とされて下皿322を形成するようにしても良い。具体的には、下皿カバー340と下皿本体325とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットベース323とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿カバー340と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、下皿本体325と下皿カバー340と皿ユニットベース323と皿ユニットカバー326とが一体とされたもの、等としても良い。
[3−3b−1.下皿の球誘導部]
皿ユニット320の下皿322において、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ遊技球を誘導する球誘導部322c等を備えた実施形態について、図46を参照して詳細に説明する。図46(a)は下皿に球誘導部を備えた例を概略で示す説明図であり、(b)は下皿に(a)とは異なる球誘導部を備えた例を概略で示す説明図であり、(c)は更に異なる球誘導部を備えた例を概略で示す説明図である。図46では、上記と同じ構成については、同一の符号を付してある。
図46(a)の下皿322の例は、下皿322の底面における下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとの間の部位に、下皿球抜き孔322aの直径と略同じ距離で左右に離間して配置された一対の球誘導部322cを備えている。一対の球誘導部322cは、下皿322の底面から突出した状態で前後に延びたレール状(突条)に形成されている。また、下皿322は、底面が下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って、下皿球供給口323cから下皿322内へ供給された遊技球は、球誘導部322cを乗り越えることなく、一対の球誘導部322cにより下皿球抜き孔322aへ誘導され、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。
そして、この例の下皿322は、上記と同様に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2)に、下皿球供給口323cと下皿球抜き孔322aとが前後方向へ直線状に並んで配置されている。従って、下皿球供給口323c及び下皿球抜き孔322aは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方に位置しており、正面からは見えないようになっている。
このように、本例の下皿322は、一対の球誘導部322cを備えているため、下皿球抜き孔322aが開放されている状態では、下皿球供給口323cから供給された遊技球を、下皿322における下皿球抜き孔322aの左側の領域へ侵入させることなく、直ちに下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。そして、遊技者側からは下皿322上を流通している遊技球が見えないため、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
この図46(a)の例では、球誘導部322cとして、レール状のものを示したが、これに限らず、下皿球抜き孔322aへ向かって延びた溝のように、遊技球を下皿球抜き孔322aへ誘導できるものであれば良い。
次に、図46(b)の下皿322の例は、下皿322における下皿球抜き孔322aの右側の壁部を、下皿球供給口323cから右斜め前方へ放出された遊技球が、下皿球抜き孔322aの方向へ反射するような形状に形成していると共に、遊技球が当接する部位に緩衝部322dを備えるようにしたものである。この緩衝部322dは、ゴムや発泡体等で形成されている。
本例の下皿322も上記と同様に、下皿球供給口323cの真正面に下皿球抜き孔322aが配置されていると共に、下皿322の底面が下皿球抜き孔322aへ向かって低くなるように傾斜している。従って。下皿球供給口323cから真直ぐに前方へ放出された遊技球は、そのまま下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。一方、下皿球供給口323cから右前方へ放出された遊技球は、緩衝部322dで下皿球抜き孔322aの方向へ反射して、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出される。この際に、遊技球が緩衝部322dに当接して反射するため、反射時の衝突音が低減される。
更に、この例の下皿322も上記と同様に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2である演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方)に配置されており、正面からは見えないようになっている。
このように、本例の下皿322は、遊技球を反射させる壁部に緩衝部322dを備えているため、下皿球供給口323cから遊技球が真直ぐに前方へ放出されなかった場合でも、緩衝部322dにより音もなく下皿球抜き孔322aの方向へ反射させて下方(ドル箱)へ排出させることができる。従って、上皿321や払出装置830から払出された遊技球等がドル箱へ排出される際に、下皿322から遊技球の衝突音が聞こえないため、恰も直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
続いて、図46(c)の下皿322の例は、下皿322の底面(底壁部325a)における下皿球抜き孔322aを間にして下皿球供給口323cとは反対側の部位から上方へ突出し、下皿球抜き孔322aを飛び越えた遊技球を下皿球抜き孔322a側へ反射させる返し部322eを備えたものである。なお、返し部322eは、下皿322を形成している素材と同じ素材を用いても良いし、ゴムや発泡体等の反射時の衝突音を緩和させる緩衝材を用いても良い。また、返し部322eは、下皿322の側壁を構成していないものとしても良いし、下皿322の側壁(本体立壁部325b)の一部を構成するものとしても良い。
この下皿322では、下皿球供給口323c、下皿球抜き孔322a、及び返し部322eが、後方から前方へ向かって順番に直線上に配置されていると共に、皿ユニットカバー326の下皿開口部326dよりも右側の後方(下皿第二領域A2である演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a、及び下皿カバー340の前端側等の被覆壁の後方)に配置されており、正面からは見えないようになっている。この下皿322では、下皿球供給口323cから下皿球抜き孔322aへ流通する遊技球が、万が一、下皿球抜き孔322aを飛び越えても、返し部322eにより下皿球抜き孔322a側へ反射させて、下皿球抜き孔322aから下方(ドル箱)へ排出させることができる。従って、上記と同様の作用効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、下皿322に対して、上記の球誘導部322cと緩衝部322dとを、適宜に組合せても良い。これにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。
[3−3b−2.下皿の別の実施形態]
皿ユニット320の下皿322の別の実施形態について、図47を参照して説明する。図47(a)は分割可能とした下皿を概略で示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの後方の空間の大きさに応じて下皿の貯留領域を拡張した状態を概略で示す説明図であり、(c)は(b)の下皿を概略の斜視図で示す説明図である。図47に示す下皿322は、下皿本体325が下皿第二領域A2内に配置された分割線PLを境に分割可能とされているものである。なお、図47において点線ハッチで示す領域は、取付空間326jの残りの空間を示している。
まず、図47(a)に示す下皿本体325(下皿322)は、下皿第一領域A1及び下皿第二領域A2の一部を構成し下皿球抜き孔322aを有している本体部325Aと、本体部325Aの右側に取付けられており下皿第二領域A2の残りの領域を構成している第一増設部325Bとを備えている。第一増設部325Bは、本体部325Aよりも更に、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)が収容される取付空間326jの残りの空間(演出操作ユニット400や第二演出操作ユニット400Aの後方の空間)内へ突出している。この第一増設部325Bは、図示するように、前方から後方へ向かうに従って、左右方向の幅が大きくなるように形成されている。また、第一増設部325Bは、右前隅に、第二演出操作ユニット400Aとの接触を回避させるための逃し部322bが形成されている。
次に、図47(b)及び図47(c)の例は、演出操作ユニット400の後端が、下皿322の前端よりも後方へ突出しておらず、図47(a)の例よりも、演出操作ユニット400の後方の空間(取付空間326jの残りの空間)が広くなっている。そして、この下皿本体325(下皿322)は、下皿第一領域A1及び下皿第二領域A2の一部を構成し下皿球抜き孔322aを有している本体部325Aと、本体部325Aの右側に取付けられていると共に下皿第二領域A2の残りの領域を構成しており第一増設部325Bよりも大きい第二増設部325Cとを備えている。この第二増設部325Cは、図示するように、前端から後端までの左右方向の幅が一定に形成されており、第一増設部325Bよりも遊技球の貯留領域が大きく形成されている。また、この下皿322は、第二増設部325Cの形状と対応した形状の下皿カバー340Aが取付けられている(図47(c)を参照)。
図47に示した例では、本体部325Aに第一増設部325Bや第二増設部325Cを取付けることで、夫々の遊技球の貯留領域同士が連続(連通)した状態となり、遊技球の貯留領域が拡大する。また、本体部325Aと、第一増設部325Bや第二増設部325Cとの境が、分割線PLとなっている。また、下皿本体325における第一増設部325B及び第二増設部325Cは、演出操作ユニット400や第二演出操作ユニット400Aの後面との間に、所定の隙間(取付空間326jと連通している空間)が生じるように形成されている。
このように、上記の例では、下皿本体325(下皿322)を分割可能な構成とすると共に、分割された部材の少なくとも一方を交換可能としていることから、下皿322内における遊技球の貯留領域を、必要に応じて、大きくしたり、小さくしたりすることができる。また、下皿本体325(下皿322)を分割可能な構成としているため、皿ユニットカバー326に取付けられる演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方(取付空間326j内)への突出量に応じた大きさの増設部(第一増設部325B又は第二増設部325C)を取付けることができる。
なお、上記の実施形態では、演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後方となる下皿第二領域A2内に分割線PLを配置したものを示したが、分割線PLを、下皿第一領域A1と下皿第二領域A2との境界線上に配置しても良いし、下皿第一領域A1内に配置しても良い。
また、上記の実施形態では、下皿本体325(下皿322)における本体部325Aに、下皿球抜き孔322aを備えたものを示したが、第一増設部325Bや第二増設部325Cに下皿球抜き孔322aを備えるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、下皿本体325の本体部325Aの右側に、第一増設部325Bや第二増設部325Cを取付けたものを示したが、本体部325Aの右側に、遊技球の貯留領域を有しない、平板状の閉鎖部材を取付けるようにしても良い。
更に、上記の実施形態では、下皿322における下皿本体325について説明したが、下皿カバー340についても、下皿本体325と同様に分割可能としたり、第一増設部325Bや第二増設部325Cの大きさに合せた形状としたりしても良い。
[3−3c.皿ユニットベース]
皿ユニット320の皿ユニットベース323について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース323は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の下側に取付けられ、扉枠ベース110の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース323は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口323aと、上皿球供給口323aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット323bと、正面視左右中央から左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口323cと、下皿球供給口323cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体324の右端に位置する上皿球送り口323dと、を備えている。
また、皿ユニットベース323は、上皿球送り口323dを通って皿ユニットベース323の後側に送られた遊技球を球送りユニット250の進入口251aへ誘導する球送り誘導路323eと、球送り誘導路323eの下側から垂下した後に下皿球供給口323cの筒状の正面視右側面へ向かって低くなるように略L字状に延びており球送りユニット250の球抜口251bから放出された遊技球を下皿球供給口323cへ誘導する球抜き誘導路323fと、球送り誘導路323eの正面視左方で且つ球送り誘導路323eの下端と球抜き誘導路323fの上端との間の高さの位置で前後に貫通しており球送りユニット250の作動棹253cと当接し上皿球抜きボタン327により動作する作動伝達部327aが後方へ臨むように突出する開口部323gと、を備えている。球抜き誘導路323fは、下流端が下皿球供給口323cにおける筒状の部位内に開口している。
更に、皿ユニットベース323は、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180の筒部181が挿通されるハンドル挿通口323hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通口323iと、を備えている。
皿ユニットベース323の上皿球供給口323aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿321の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース110の上皿用通過口117を前側から貫通してファールカバーユニット270の貫通球通路273の前端と接続している。これにより、払出ユニット800から払出された遊技球が、上皿球供給口323aを通って上皿321内に供給(払出)される。
下皿球供給口323cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿322の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース110の下皿用通過口116を前側から貫通してファールカバーユニット270の球放出口276の前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット270の貯留通路277内を流通する遊技球が、下皿球供給口323cを通って下皿322内に供給される。この下皿球供給口323cは、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方に配置されており、扉枠3を正面から見た時に、下皿開口部326dを通して遊技者側から見えないようになっている。
[3−3d.皿ユニットカバー]
皿ユニット320の皿ユニットカバー326について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。皿ユニットカバー326は、上皿本体324及び下皿本体325の前側を覆うように皿ユニットベース323の前面に取付けられる。皿ユニットカバー326は、左右方向中央が前方へ膨出しており左右方向中央に前方へ大きく開口し演出操作ユニット400が取付けられる演出操作ユニット取付部326aと、演出操作ユニット取付部326aの左右両側における上皿321と略同じ高さに形成されている皿前上装飾部326bと、左右の皿前上装飾部326bの夫々の下側に形成されている皿前下装飾部326cと、を備えている。
演出操作ユニット取付部326aは、左右方向が皿ユニット320の左右方向の全幅に対して約1/3の大きさに形成されていると共に、上下方向が皿ユニット320の上下方向の高さと略同じ高さに形成されている。また、演出操作ユニット取付部326aは、前端が上方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。詳しくは、演出操作ユニット取付部326aの前端は、垂直線に対して27度の角度で傾斜している。
皿前上装飾部326bは、前面が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って後方へ移動しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側の端部と左右両端側の端部とを結んだ平面に対して、中間部が前方へやや膨出した湾曲面状に形成されている。また、皿前上装飾部326bは、下端が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側(演出操作ユニット取付部326a側)から左右両端側へ向かって上下方向が窄まるように形成されている。皿ユニットカバー326は、正面視左側の皿前上装飾部326bに、演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332が取付けられている。
皿前下装飾部326cは、前面が、皿ユニットカバー326の左右方向中央側から左右両端側へ向かうに従って後方へ移動しており、皿ユニットカバー326の左右方向中央側の端部と左右両端側の端部とを結んだ平面に対して、中間部が後方へ窪むような湾曲面状に形成されている。
正面視左側の皿前下装飾部326cには、前後に貫通している下皿開口部326dが形成されており、下皿開口部326dから下皿322が前方に臨んでいる。正面視左側の皿前下装飾部326cでは、下皿開口部326dの下側前面から下皿球抜きボタン333が前方へ突出している。また、正面視左側の皿前下装飾部326cにおける下皿開口部326dの左側には、パンチングメタルからなる下スピーカ口326eが形成されている。下スピーカ口326eは、皿ユニット320に組立てた状態で、皿ユニットベース323のスピーカスリット323bの前方に位置している。
正面視右側の皿前下装飾部326cには、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材180の筒部181が挿通されるハンドル挿通口326fと、正面視右隅付近におけるハンドル挿通口326fの上側で前後に貫通しており開閉シリンダユニット210のシリンダ錠211が挿通されるシリンダ挿通口326gと、が形成されている。
皿ユニットカバー326は、正面視右側の皿前上装飾部326bの上端から皿ユニットベース323の前端まで延びた板状の天板部326hを有しており、天板部326hにより上皿321の右側上方を覆っている。この天板部326hに、上皿球抜きボタン327、球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330が取付けられている。
皿ユニットカバー326は、皿前下装飾部326cの下端から皿ユニットベース323の前面まで延びている平板状の底板部326iを備えている。この底板部326iにより皿ユニット320の下側が閉鎖されている。なお、底板部326iは、下皿322の下方に位置する部位が下方から上方へ凹むように段状に形成されており、その部位に後述する下皿球抜きベース335が取付けられている。また、底板部326iには、下皿322の下皿球抜き孔322aと対応した位置に、上下に貫通した孔が形成されている。
皿ユニットカバー326は、演出操作ユニット取付部326aの部位で前方へ開口しており演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)の後側が挿入(収容)される取付空間326jを備えている。また、皿ユニットカバー326は、下皿開口部326dの左辺及び上辺から後方へ平板状に延出しており、下皿322を覆っている下皿カバー部326kを備えている(図44を参照)。下皿カバー部326kは、左端に、下皿本体325における本体立壁部325bの左辺の上端が当接していると共に、右端に、下皿カバー340における天井部340bの左端が当接するようになっている。
[3−3e.上皿球抜きボタン]
皿ユニット320の上皿球抜きボタン327について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。上皿球抜きボタン327は、上皿321の正面視右側で、皿ユニットカバー326の天板部326hに取付けられており、押圧操作することで、上皿321内の遊技球を下皿322へ抜くことができるものである。上皿球抜きボタン327は、詳細な図示は省略するが、皿ユニットカバー326の天板部326hの下側に取付けられている球抜きボタンホルダによって、天板部326hの下方で後端側が左右に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。上皿球抜きボタン327は、その前端下面に、上下に延びている球抜きレバーの上端が当接している。この球抜きレバーは、上皿球抜きボタン327の下方で皿ユニットベース323の前面に取付けられている球抜きベースによって上下方向へスライド可能に取付けられている。
そして、上皿球抜きボタン327の前端下面に上端が当接している球抜きレバーは、皿ユニットベース323によって上下にスライド可能に取付けられている上皿球抜きスライダ327bの上部に上側から当接している。この上皿球抜きスライダ327bは、後面から後方に突出している作動伝達部327aを備えており、扉枠3を組立てた状態で、この作動伝達部327aが、皿ユニットベース323における開口部323gから臨むように後方に突出すると共に、球送りユニット250における球抜き部材253の作動棹253cに下方から当接する。なお、上皿球抜きスライダ327bは、上皿球抜きバネ327cにより上方へ付勢されており、この上皿球抜きバネ327cの付勢力により、上皿球抜きスライダ327b及び球抜きレバーを介して上皿球抜きボタン327が上昇端に位置している。
従って、上皿球抜きボタン327を、上皿球抜きバネ327cの付勢力に抗して下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ327bの作動伝達部327aが下方へ移動し、作動伝達部327aの上端側に当接している球抜き部材253の作動棹253cも相対的に下方へ移動することとなるため、球抜き部材253が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部253aによる進入口251aと球抜口251bとの間の仕切りが解除され、それらが互いに連通した状態となる。これにより、上皿321内の遊技球が、球送りユニット250の球抜口251bから皿ユニット320の球抜き誘導路323fへと排出され、下皿球供給口323cを介して下皿322へ排出(供給)させることができる。
なお、上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334が連動して可動するようにしても良い。これにより、上皿球抜きボタン327を操作すると、蓋部材334も可動して下皿球抜き孔322aが開くため、上皿321から下皿322へ排出された遊技球が、更に下皿球抜き孔322aから下方のドル箱へ排出されることとなる。つまり、上皿321から遊技球を抜くために上皿球抜きボタン327を操作すると、下皿球抜きボタン333を操作していないにも関わらず、上皿321の遊技球がドル箱に排出されるため、遊技者に対して上皿321の遊技球が直接ドル箱に排出されているように強く錯覚させることができ、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることで、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
[3−3f.球貸ボタン、返却ボタン、及び球貸返却表示部]
皿ユニット320の球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330について、主に図41を参照して詳細に説明する。球貸ボタン328、返却ボタン329、及び球貸返却表示部330は、図示するように、皿ユニットカバー326の天板部326hにおける上皿球抜きボタン327の正面視右側で、円形状の装飾内に取付けられている。
球貸ボタン328は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、押圧操作することで、所定数の遊技球を皿ユニット320の上皿321内へ貸出す(払出す)ものである。返却ボタン329は、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを投入した状態で押圧操作すると、貸出された遊技球の分を差し引いた上で、現金やプリペイドカードを返却するものである。
球貸返却表示部330は、図示は省略するが、透明な表面の下側に三桁の7セグメントLEDが配置されており、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、を表示するものである。
[3−3g.演出選択左ボタン及び演出選択右ボタン]
皿ユニット320の演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332について、主に図41等を参照して詳細に説明する。演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332は、図示するように、皿ユニットカバー326における正面視左側の皿前上装飾部326bにおける演出操作ユニット取付部326aに近い右端付近に取付けられている。演出選択左ボタン331は、一つの頂点を左方へ向けた三角形状に形成されている。演出選択右ボタン332は、演出選択左ボタン331の右方で一つの頂点を右方へ向けた三角形状に形成されている。
演出選択左ボタン331及び演出選択右ボタン332は、正面視において遊技領域5a内に配置された遊技盤側演出表示装置1600や演出操作ユニット400の扉枠側演出表示装置460等において、遊技者に対して選択を促す演出画像が表示されると、押圧操作が受付可能となり、所定時間内に演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作して所望の選択肢を選択するためのものである。
[3−3h.下皿球抜きボタン]
皿ユニット320の下皿球抜きボタン333について、主に図41乃至図44等を参照して詳細に説明する。下皿球抜きボタン333は、下皿322の前方となる皿ユニットカバー326における下皿開口部326dの下側で、正面視左側の皿前下装飾部326cの前面下端から前方に突出している。この下皿球抜きボタン333は、押圧操作することで、下皿322の下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を回動させることができ、蓋部材334が回動することで下皿球抜き孔322aが開放されて、下皿322内に貯留されている遊技球を、皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
下皿球抜きボタン333は、下皿本体325の下側で皿ユニットカバー326の底板部326iに取付けられている下皿球抜きベース335(図42(b)を参照)によって前後方向へスライド可能に取付けられている。下皿球抜きボタン333は、下皿322の下皿球抜き孔322aに対して左方に配置されている(図28等を参照)。
下皿球抜きベース335には、皿ユニットカバー326の底板部326iにおいて、下皿322の下方の位置で下方から上方へ凹むように段状に形成されている部位に収容されるように、底板部326iに取付けられている。下皿球抜きベース335は、下皿322の下皿球抜き孔322aの直下となる位置に、下皿球抜き孔322aと同じ大きさで上下に貫通している排出口335aが形成されている。蓋部材334は、詳細な図示は省略するが、下皿本体325と下皿球抜きベース335との間に配置されている。これにより、下皿322の下皿球抜き孔322aを閉鎖している蓋部材334を開くと、下皿球抜きベース335の排出口335aも開くこととなり、下皿球抜き孔322aと排出口335aとが互いに連通した状態となる。
蓋部材334は、図示は省略するが、平面視において、下皿球抜きボタン333よりも左方の位置を中心として回動可能に下皿球抜きベース335に取付けられている。下皿球抜きボタン333には、蓋部材334における下皿球抜き孔322aを閉鎖する部位と、下皿球抜きベース335により回動可能に取付けられる部位との間の部位が連結されている。これにより、下皿球抜きボタン333を前後方向へ移動させると、蓋部材334が上下に延びた軸周りに回動し、下皿球抜き孔322a(排出口335a)を開閉させることができる。
下皿球抜きベース335には、図示は省略するが、下皿球抜きボタン333を後方へ押圧して移動させた時に、下皿球抜きボタン333を保持する保持装置と、下皿球抜きボタン333を前方へ付勢している下皿球抜きバネと、が取付けられている。下皿球抜きボタン333が前方に突出して下皿球抜き孔322aを蓋部材334により閉鎖している状態で、下皿球抜きボタン333を押圧して後方へ移動させると、蓋部材334が回動して下皿球抜き孔322aが開くと共に、下皿球抜きボタン333が保持装置に保持されて、後方へ移動したままの状態となる。この状態で、下皿球抜きボタン333の押圧を放しても、下皿球抜きボタン333が前方へ移動することはなく、下皿球抜き孔322aが開いたままの状態で維持され、下皿322内の遊技球を下皿球抜き孔322a及び排出口335aを通して皿ユニット320の下方へ排出させることができる。
そして、下皿球抜きボタン333が保持装置に保持されて下皿球抜き孔322aが開いている状態で、下皿球抜きボタン333を後方へ押圧すると、保持装置による保持が解除される。この状態で、下皿球抜きボタン333の押圧を放すと、下皿球抜きボタン333が下皿球抜きバネの付勢力により前方へ移動し、突出した状態に復帰すると共に、蓋部材334が回動して下皿球抜き孔322a(排出口335a)が閉鎖された状態となる。これにより、下皿322内に遊技球を貯留させることができる。
なお、下皿球抜きボタン333の押圧操作とは別に、上皿球抜きボタン327の押圧操作によっても、下皿球抜き孔322a(排出口335a)を閉鎖している蓋部材334が可動して下皿球抜き孔322aが開くようにしても良い。これにより、上皿321に貯留された遊技球を皿ユニット320の下方に配置されたドル箱に排出させたい時に、上皿球抜きボタン327を操作するだけで、下皿322を介してドル箱に排出させることができ、球抜きに係る手間を簡素化することができる。なお、上皿321及び下皿322の球抜きの同時開放は、モータやソレノイド等の駆動源の駆動による同時開放であっても良いし、機械的なリンク機構による同時開放であっても良い。
[3−4.演出操作ユニットの全体構成]
扉枠3における演出操作ユニット400の全体構成について、主に図48乃至図55等を参照して詳細に説明する。図48(a)は扉枠における演出操作ユニットの正面図であり、(b)は演出操作ユニットの右側面図である。また、図49(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図50は、演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。図51は図48(a)におけるD−D線で切断した断面図であり、図52は図48(b)におけるE−E線で切断した断面図である。図53(a)は図48(b)におけるF−F線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるA部の拡大図である。図54は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図55は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット400は、皿ユニット320の正面視左右方向中央の前部に取付けられるものであり、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。
演出操作ユニット400は、外形が円形で外周縁を除いた中央側が透明に形成されており遊技者が押圧操作可能な操作ボタン410と、操作ボタン410の外周を囲み皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる枠状のフレームユニット415と、操作ボタン410よりも後方に配置されており操作ボタン410の外周縁及びフレームユニット415を発光装飾させることが可能な装飾基板ユニット420と、フレームユニット415の後側に取付けられており操作ボタン410及び装飾基板ユニット420が前面に取付けられているベースユニット430と、操作ボタン410を通して遊技者側から視認可能にベースユニット430に取付けられており演出画像を表示可能な扉枠側演出表示装置460と、を備えている。
[3−4a.操作ボタン]
演出操作ユニット400の操作ボタン410について、主に図53乃至図56等を参照して詳細に説明する。図56(a)は操作ボタンを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は操作ボタンを分解して後ろから見た分解斜視図である。操作ボタン410は、外形が皿ユニット320の上下方向の高さよりも若干小さい直径の円形に形成されており、外周縁を除いた中央側が透明に形成されている。操作ボタン410は、外周が円形で中央側が前方へ膨出するように湾曲面状(球面の一部の形状)に形成されている透明なボタンレンズ411と、ボタンレンズ411の外周縁の前側に取付けられている円環状のボタンフレーム412と、ボタンフレーム412の後側にボタンレンズ411の外周縁を挟持するように取付けられている円筒状のボタンベース413と、を備えている。ボタンフレーム412及びボタンベース413は、光を通し難い部材によって形成されている。
ボタンレンズ411は、全体が略一定の厚さに形成されている。また、ボタンレンズ411は、表面側が凹凸の無い滑らかな湾曲面状に形成されている。ボタンレンズ411は、ボタンフレーム412の内周側となる位置に裏面から断面W字状に窪んだ状態で中央側(内側)へ所定長さで延びていると共に周方向に列設されている第一ボタン装飾部411aと、第一ボタン装飾部411aよりも外周側の位置に裏面から断面円弧状に窪んだ状態で中央側へ向かう軸線上に延びていると共に周方向に所定角度範囲内で列設されている複数(六つ)の第二ボタン装飾部411bと、を備えている。
ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aは、図示するように、操作ボタン410に組立てた状態では、ボタンフレーム412の内周から中央側へ延びており、左右両側の一群が、上下両側の一群よりも中央側へ長く延びている。
ボタンレンズ411の複数の第二ボタン装飾部411bは、夫々が同一の円周上において円弧状に延びており、左右両側に夫々三つずつ形成されている。これらの第二ボタン装飾部411bは、ボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨むように形成されていると共に、前面側がボタンフレーム412の前面と略同一面上となるように前方へ突出している。
ボタンレンズ411は、第一ボタン装飾部411a及び第二ボタン装飾部411bの部位において、裏面に形成されている断面W字状や断面円弧状の凹凸により、光が屈折するレンズ効果が発揮されるため、後側が明瞭に見えないようになっている。
ボタンフレーム412は、円環状に形成されており、前後方向に貫通し周方向へ所定長さで円弧状に延びた複数(六つ)のフレーム開口部412aを備えている。六つのフレーム開口部412aは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ411の六つの第二ボタン装飾部411bと対応している。このボタンフレーム412は、表面に金属光沢を有したメッキ層を備えている。
ボタンベース413は、前後方向に短く延びた略円筒状の本体部413aと、本体部413aの前端から外方へ突出している円環状のフランジ部413bと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ円柱状に突出しており周方向に略等間隔で複数(四つ)配置されているガイドボス部413cと、フランジ部413bの後側から本体部413aの外周に沿って後方へ帯板状に突出しており周方向に複数(三つ)配置されている検知片413dと、本体部413aよりも外側でフランジ部413bを前後に貫通していると共に外周に沿って所定長さで延びており周方向に複数(六つ)形成されているベース開口部413eと、本体部413aの前端から前方へ筒状に延出しており前端側がボタンレンズ411の内面に沿うように内側(中央側)へ窄まっている内側延出部413fと、を備えている。
ボタンベース413における内側延出部413fの外周面と、フランジ部413bの前面とにボタンレンズ411の外周縁及びボタンフレーム412が取付けられる。四つのガイドボス部413cは、本体部413aの周方向に対して、上下左右の四隅に相当する部位に夫々配置されている。これら四つのガイドボス部413cは、ベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431b内に夫々摺動可能に挿入される。三つの検知片413dは、本体部413aの周方向に対して、上側に二つ、下側に一つ、配されるように、周方向へ略等間隔に配置されている。これら三つの検知片413dは、操作ボタン410が押圧されると、ベースユニット430の押圧検知センサ440により検知される。
六つのベース開口部413eは、左右両側に夫々三つずつ備えられており、ボタンレンズ411の第二ボタン装飾部411b及びボタンフレーム412のフレーム開口部412aと対応している。ボタンベース413におけるベース開口部413eの部位では、本体部413a及び内側延出部413fの一部が、外周側から内側へ窪んでいる。内側延出部413fは、内側へ窄まっている前端の内径が、ボタンフレーム412の内径と略一致している。
この操作ボタン410は、前面が前方へ湾曲面状(略球面の一部の形状)に膨出していると共に、透明に形成されており、後側に配置されている扉枠側演出表示装置460の表示画面を前方から視認することができる。操作ボタン410は、四つのガイドボス部413cがベースユニット430におけるユニットベース431の保持孔431bに摺動可能に挿入されていると共に、ユニットベース431の保持孔に431bに挿入されている操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。操作ボタン410は、ベースユニット430の操作ボタンバネ438の付勢力により、外周縁の前面側がフレームユニット415に当接することで、前方へのこれ以上の移動が規制されており、操作ボタンバネ438の付勢力に抗して押圧操作することで、後端がベースユニット430の前面に当接するまで後方へ移動する。操作ボタン410は、押圧操作して後方へ移動させると、三つの検知片413dの少なくとも一つがベースユニット430の押圧検知センサ440に検知される。この押圧検知センサ440による検知片413dの検知によって、操作ボタン410が操作されたこととなる。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、透明なボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周端から中央側へ延びるように全周に亘って形成されている第一ボタン装飾部411aによって、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くすることができる。
更に、操作ボタン410は、円筒状のボタンベース413の前端開口を、ボタンレンズ411とボタンフレーム412とで閉鎖しており、ボタンレンズ411の外周縁に取付けられているボタンフレーム412により、操作ボタン410の外径に対して、後方が視認可能な透明な部分が、外周から内側へ窄まったように形成されている。このボタンフレーム412の存在によっても、ボタンベース413の内周面と、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432との間の隙間を、遊技者側から見え難くしている。
また、操作ボタン410は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、筒状のボタンベース413(本体部413a)の後端が、装飾基板ユニット420の内周側を通して装飾基板ユニット420の前面よりも後方へ突出した状態となる。これにより、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423に夫々実装されている第一LED422a,423a及び第二LED422b,423bから前方へ照射された光が、ボタンベース413の外側から内側へ漏れるのを防止することができると共に、ベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDから前方へ照射された光がボタンベース413の内側から外側へ漏れるのを防止することができる。従って、装飾基板ユニット420の第一LED422a,423a及び第二LED422b,423bやベースユニット430の操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436に実装されたLEDが、発光装飾対象としている部位以外が発光装飾されてしまうのを防止することができ、見栄え良く発光装飾を行うことができる。
[3−4b.フレームユニット]
演出操作ユニット400のフレームユニット415について、主に図53乃至図55等を参照して詳細に説明する。フレームユニット415は、操作ボタン410の前方側から外周を囲むように、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに前側から取付けられ、操作ボタン410の外側を装飾している。フレームユニット415は、外形が演出操作ユニット取付部326aの前端側に合せた形状に形成されている。
フレームユニット415は、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられ円形の中央開口部416aを有する枠状のフレーム本体416と、中央開口部416aの左右両側でフレーム本体416に後側から取付けられる透光性を有した一対のフレームサイドレンズ417と、中央開口部416aの上側でフレーム本体416に前側から取付けられる透光性を有したフレームトップレンズ418と、を備えている。
フレーム本体416は、操作ボタン410の外径よりも小径で前後に貫通している円形の中央開口部416aと、中央開口部416aよりも左右両外側で前後に貫通していると共に中央開口部416aの周縁に沿って円弧状に延びており周方向に列設されている複数(六つ)の外周開口部416bと、中央開口部416aの上側前面において所定幅で切欠かれている切欠部416cと、を備えている。中央開口部416aは、操作ボタン410におけるボタンフレーム412のフレーム開口部412aの外周側の直径と略同じ大きさに形成されている。これにより、フレーム開口部412aの外周後側に操作ボタン410におけるボタンベース413のフランジ部413bの前端側が当接できるようになっている。
六つの外周開口部416bは、中央開口部416aの左右両外側に、夫々三つずつ備えられており、後側からフレームサイドレンズ417によって閉鎖されている。切欠部416cは、前後方向にも貫通しており、前側からフレームトップレンズ418が嵌込まれている。
また、フレーム本体416は、中央開口部416aの周縁よりも若干外側の位置から後方へ延出している略筒状の内側筒部416dを備えている。内側筒部416dは、中央開口部416aと外周開口部416bとの間の位置から後方へ延出しており、切欠部416cと対応している部位が切欠かれている。内側筒部416dは、演出操作ユニット400を組立てた状態では、装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aと第二LED422b,423bとの間に位置しており、第一LED422a,423aと第二LED422b,423bとの間を仕切っている(図52を参照)。
更に、フレーム本体416は、外周の左右両側上部において夫々外方へ延出しており、皿ユニット320の皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる一対の取付部416eを備えている。フレーム本体416(演出操作ユニット400)は、一対の取付部416eと切欠部416cの左右両側の部位が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる。
フレーム本体416は、中央開口部416aを間にして切欠部416c側(フレームトップレンズ418が取付けられる側)とは反対側で切欠部416cと同じ幅の部位を除いて、表面の略全体に金属光沢を有したメッキ層が形成されている。
フレームサイドレンズ417は、フレーム本体416の左右に夫々三つずつ形成されている外周開口部416bを後側から閉鎖している。フレームサイドレンズ417は、前面側が凹凸の無い滑らかな面に形成されており、後面側に中央開口部416aの周縁に沿った複数の凹凸が形成されている(図53及び図63を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームサイドレンズ417の後側が見えないようになっている。
フレームトップレンズ418は、フレーム本体416の切欠部416cに前側から嵌込まれるように、外形が略四角形に形成されている。フレームトップレンズ418は、前面側が滑らかに形成されている。また、フレームトップレンズ418は、後面側に中央開口部416aの周縁に沿ってジグザグ状に延びた複数の凹凸が中央開口部416aの半径方向に複数列設されている(図51及び図63を参照)。これら複数の凹凸によって光が屈折することで、フレームトップレンズ418の後側が見えないようになっている。
フレームユニット415は、演出操作ユニット400を組立てた状態で、一対のフレームサイドレンズ417が装飾基板ユニット420の操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第二LED422b,423bの前方に位置すると共に、フレームトップレンズ418がベースユニット430のフレームトップレンズ装飾基板437の前方に位置し、それらに実装されている第二LED422b,423b等によって夫々が発光装飾可能となっている。
[3−4c.装飾基板ユニット]
演出操作ユニット400の装飾基板ユニット420について、主に図53乃至図57等を参照して詳細に説明する。図57は、演出操作ユニットの装飾基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。装飾基板ユニット420は、フレームユニット415の下方でベースユニット430の前面に取付けられ、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができると共に、演出操作ユニット400に振動を付与させることができるものである。
装飾基板ユニット420は、上方側が開放されたC字状の基板ベース421と、基板ベース421における左右両側の前面に夫々取付けられている操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423と、基板ベース421の前面下部に取付けられている振動モータ424と、振動モータ424の前側を覆うように基板ベース421の前面に取付けられているモータカバー425と、を備えている。
基板ベース421は、内周側が操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの外径よりも若干大きく形成されていると共に、外周側がボタンベース413におけるフランジ部413bの外径よりも大きく且つフレームユニット415の外径よりも小さく形成されている。
操作ボタン左外装飾基板422は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン左外装飾基板422は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED422aと、複数の第一LED422aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED422bと、を備えている。操作ボタン右外装飾基板423は、基板ベース421の前面に沿って円弧状に延びている。操作ボタン右外装飾基板423は、前面側に、基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第一LED423aと、複数の第一LED423aよりも半径方向外側で基板ベース421の内周に沿って実装された複数の第二LED423bと、を備えている。これら操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423は、前後両面が白色とされている。
振動モータ424は、回転軸に偏芯した錘424aが取付けられており、この錘424aを回転させることで振動を発生させることができる。
装飾基板ユニット420は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、基板ベース421の内側に、操作ボタン410におけるボタンベース413の筒状の本体部413a後端側が挿入されている。また、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aが操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bの後方に位置し、夫々の第二LED422b,423bがフレームユニット415のフレームサイドレンズ417の後方に位置している。また、演出操作ユニット400に組立てた状態では、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423の夫々の第一LED422a,423aと、夫々の第二LED422b,423bとの間に、フレームユニット415の内側筒部416dが位置している(図52を参照)。
従って、装飾基板ユニット420は、操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423における夫々の第一LED422a,423aからの光によって操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを発光装飾させることができると共に、夫々の第二LED422b,423bからの光によってフレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを発光装飾させることができる。
また、装飾基板ユニット420は、振動モータ424の錘424aを回転させることで、振動を発生させて、演出操作ユニット400全体を振動させることができる。
[3−4d.ベースユニット]
演出操作ユニット400のベースユニット430について、主に図58乃至図60等を参照して詳細に説明する。図58(a)は演出操作ユニットのベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットのベースユニットを後ろから見た斜視図である。図59は、演出操作ユニットのベースユニットを分解して前から見た分解斜視図である。また、図60は、演出操作ユニットのベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット400のベースユニット430は、操作ボタン410を前後方向へ進退可能に取付けていると共に、フレームユニット415の後側に取付けられるものである。
ベースユニット430は、フレームユニット415の後側に取付けられ中央部において上下に延びた略四角形に貫通している貫通孔431a、及び貫通孔431aの外側で前方に開放された止り孔からなる四つの保持孔431bを有する環状のユニットベース431と、ユニットベース431の前面で貫通孔431aを覆うように取付けられており前後に短く筒状延びた透光性を有する操作ボタン内装飾部材432と、操作ボタン内装飾部材432の後方でユニットベース431の前面における貫通孔431aの左右両側に夫々取付けられている操作ボタン左内装飾基板433及び操作ボタン右内装飾基板434と、操作ボタン内装飾部材432の後方でユニットベース431の前面における貫通孔431aの上下両側に取付けられている操作ボタン上内装飾基板435及び操作ボタン下内装飾基板436と、ユニットベース431の前面上部に取付けられているフレームトップレンズ装飾基板437と、を備えている。
また、ベースユニット430は、ユニットベース431の四つの保持孔431b内に夫々挿入されている四つの操作ボタンバネ438と、ユニットベース431の前面に取付けられている三つのセンサホルダ439と、各センサホルダ439に夫々取付けられており操作ボタン410の押圧操作を検知する三つの押圧検知センサ440と、ユニットベース431の後側に取付けられている演出操作ユニット中継基板441と、演出操作ユニット中継基板441の後側を覆うようにユニットベース431の後側に取付けられている中継基板カバー442と、を備えている。
ユニットベース431は、外形が略円形状で、フレームユニット415の外形よりも若干小さく形成されている。ユニットベース431は、中央において前後に貫通しており、上下に延びた略四角形の貫通孔431aが形成されている。この貫通孔431aは、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413a内に収まる大きさで、扉枠側演出表示装置460の表示画面が挿通可能な大きさに形成されている。このユニットベース431の後側に扉枠側演出表示装置460が取付けられる。
ユニットベース431の四つの保持孔431bは、貫通孔431aの外側の上下左右の四隅で、操作ボタン410におけるボタンベース413の四つのガイドボス部413cと対応する位置に形成されている。これら保持孔431bは、内径がガイドボス部413cの外径よりも若干大きく形成されており、ガイドボス部413cを摺動可能に挿入させることができる。
更に詳述すると、四つの保持孔431bのうちの左上側の保持孔431bは、ユニットベース431の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース431の中心に対して反時計周りの方向へ約30度回転した位置に形成されている。また、四つの保持孔431bのうちの右上側の保持孔431bは、ユニットベース431の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース431の中心に対して時計周りの方向へ約47度回転した位置に形成されている。一方、四つの保持孔431bのうちの下側に配置されている二つの保持孔431bは、上側の二つの保持孔431bに対してユニットベース431の中心の反対側の位置に夫々形成されている。
また、ユニットベース431は、前面上部において、操作ボタン上内装飾基板435が取付けられる部位と、フレームトップレンズ装飾基板437が取付けられる部位との間から平板状に前方へ突出している遮光壁部431cを備えている。この遮光壁部431cにより、フレームトップレンズ装飾基板437のみによってフレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
操作ボタン内装飾部材432は、前後方向へ短く延びた略円筒状の周壁部432aと、周壁部432aの前端側を閉鎖しており中央が前方へ突出するように湾曲面状に形成されている前板部432bと、前板部432bを前後に貫通しており上下延びた四角形状の開口部432cと、周壁部432aの後端から外方へ延出しているフランジ部432dと、フランジ部432dから後方へ突出しておりユニットベース431に取付けられる複数の取付ボス432eと、を備えている。
操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aは、外径が操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内径と略同じ大きさに形成されている。前板部432bを貫通している開口部432cは、扉枠側演出表示装置460の表示画面と略同じ大きさに形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの外周面と、前板部432bの前面が、凹凸のない滑らかな面に形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの内周面に形成されており、円弧状に窪んでいると共に前後方向へ延びており、周方向に複数備えられた第一ボタン内装飾部432fと、前板部432bの後面に形成されており、円弧状に膨出し、前板部432bの中央を中心とするような変八角形状に延びていると共に、前板部432bの中央を中心として同心円状に複数備えられている第二ボタン内装飾部432g(図63を参照)と、を備えている。第二ボタン内装飾部432gは、開口部432cの四つの内周辺と平行に延びている部位を有するように形成されている。
操作ボタン内装飾部材432は、透明な部材によって形成されている。操作ボタン内装飾部材432は、周壁部432aの第一ボタン内装飾部432fと、前板部432bの第二ボタン内装飾部432gとによるレンズ効果により、後方が明瞭に視認できないようになっている。
操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436は、夫々前面側に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることができる。この操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることで、操作ボタン410内や扉枠側演出表示装置460の外側を発光装飾させることができる。
フレームトップレンズ装飾基板437は、前面に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで、フレームユニット415におけるフレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、及びフレームトップレンズ装飾基板437に実装されているLEDは、夫々フルカラーLEDとされている。また、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、及びフレームトップレンズ装飾基板437は、前面が白色とされている。
操作ボタンバネ438は、コイルバネとされており、ユニットベース431における四つの保持孔431b内に前方から挿入されている。操作ボタンバネ438は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、後端が保持孔431bの底面に当接しており、前端が操作ボタン410におけるボタンベース413の本体部413aから後方へ突出しているガイドボス部413cの後端に当接している。これら操作ボタンバネ438により、操作ボタン410を前方へ付勢している。
三つの押圧検知センサ440は、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dと対応している位置に配置されている。詳述すると、三つの押圧検知センサ440は、ユニットベース431の前面において、一つが左上の保持孔431bの左下側に、もう一つが右上の保持孔431bの右下側に、残りの一つが左下の保持孔431bの右下側に夫々センサホルダ439を介して取付けられている。三つの押圧検知センサ440は、ユニットベース431の中央を中心として周方向へ略等間隔に取付けられている。これら三つの押圧検知センサ440は、操作ボタン410の三つの検知片413dを検知することができる。
演出操作ユニット中継基板441は、ユニットベース431の後側において、背面視で貫通孔431aの左側(正面視右側)に取付けられている。演出操作ユニット中継基板441は、操作ボタン左外装飾基板422、操作ボタン右外装飾基板423、振動モータ424、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、操作ボタン下内装飾基板436、フレームトップレンズ装飾基板437、押圧検知センサ440、及び扉枠側演出表示装置460と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。
中継基板カバー442は、演出操作ユニット中継基板441の後側を覆う部位の下端から正面視左方に延びており、ユニットベース431の後面下部に取付けられる脚部442aを備えている。中継基板カバー442の脚部442aは、扉枠3に組立てた状態では、下面が略水平に延びていると共に、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底面を形成している底板部326iとの間で僅かな隙間を形成している(図26を参照)。これにより、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、脚部442aの下面が皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に当接するまでの間では、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等が下方へ撓むことで衝撃を吸収することができる。そして、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接した後では、演出操作ユニット400の下方へ移動が規制され、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させて、それらの破損を防止することができる。
[3−4e.扉枠側演出表示装置]
演出操作ユニット400の扉枠側演出表示装置460について、主に図54及び図55等を参照して詳細に説明する。扉枠側演出表示装置460は、表示画面がベースユニット430における操作ボタン内装飾部材432の開口部432cから前方へ臨むようにユニットベース431の後側に取付けられており、操作ボタン410の透明な中央部分を通して前方側(遊技者側)から表示画面を視認することができると共に、表示画面に演出画像を表示させることができるものである。
扉枠側演出表示装置460は、前面に四角形の表示画面を有した液晶表示装置461と、液晶表示装置461の後側に取付けられていると共に、ベースユニット430のユニットベース431の後側に取付けられる有底角筒状の取付ブラケット462と、を備えている。液晶表示装置461は、縦横の比が、16:9で、対角線の長さが、約4.3inchの市販のカラー液晶ディスプレイである。取付ブラケット462は、外周が液晶表示装置461の外周と同じ形状に形成されており、有底筒状の底部が液晶表示装置461の後面と当接するように取付けられている。
扉枠側演出表示装置460は、演出操作ユニット400に組立てた状態では、液晶表示装置461がユニットベース431の貫通孔431aを後側から貫通して、操作ボタン内装飾部材432の周壁部432a内に突出している(図51を参照)。液晶表示装置461の前面(表示画面)は、操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aの前端付近に位置しており、前板部432bを貫通している開口部432cから前方に臨んでいる。
扉枠側演出表示装置460は、液晶表示装置461において周辺制御基板1510からの制御信号に基づいた所定の演出画像を表示することができる。
[3−4f.演出操作ユニットの作用効果]
演出操作ユニット400の作用効果について、主に図61乃至図63等を参照して詳細に説明する。図61は、図51の演出操作ユニットの断面図において操作ボタンを押圧した状態を示す説明図である。図62(a)は演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの一部を切欠いて操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。図63(a)は演出操作ユニットの外観を前から見た斜視図で示す説明図であり、(b)は演出操作ユニットの外観を操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。
本実施形態の演出操作ユニット400は、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて演出画像を遊技者に見せることができると共に、遊技者に操作ボタン410の操作をさせて遊技者に提示した演出に遊技者を参加させて楽しませることができるものである。
演出操作ユニット400は、全高が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の貫通口111の下側の部位の高さと略同じ高さに形成されている。また、演出操作ユニット400は、全幅が、扉枠3の全幅の1/3よりも若干大きく形成されている。演出操作ユニット400は、正面視において、遊技領域5a(扉枠ベース110の貫通口111)の下側で左右方向の中央に配置されている。
演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレーム本体416の上部が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられている。演出操作ユニット400は、皿ユニット320に取付けた状態で、底面となる中継基板カバー442の脚部442aの下面が、皿ユニット320の皿ユニットカバー326における底板部326iの上面との間に、隙間が形成されている。つまり、演出操作ユニット400は、皿ユニット320に対して上部のみが取付けられており、吊下げられた状態に取付けられている。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415の前面(フレーム本体416の中央開口部416aの前端内周により形成される面)が、演出操作ユニット取付部326aの前端開口の傾斜面と平行になるように取付けられている。これにより、演出操作ユニット400は、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明な操作ボタン410の中心軸線CLが、垂直線に対して63度の角度で、前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している。これにより、本パチンコ機1を用いて遊技を行うために本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、遊技者の頭部が皿ユニット320(演出操作ユニット400)の上方に配置されている遊技盤5における遊技領域5aの中央の前方に位置するため、操作ボタン410の中心軸線CLが、遊技者の頭部付近を通ることとなる。従って、遊技者が遊技領域5aから演出操作ユニット400(操作ボタン410)に視線を落すと、操作ボタン410がその正面視(中心軸線CLと平行な方向からの投影視)に可及的に近い状態で見えることとなり、操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側演出表示装置460等を良好な状態で視認することができる。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410の四つのガイドボス部413cがベースユニット430の四つの保持孔431bに夫々摺動可能に挿入されていると共に、操作ボタンバネ438により前方へ付勢されている。演出操作ユニット400は、通常の状態(操作ボタン410を押圧操作していない状態)では、操作ボタンバネ438の付勢力によって、操作ボタン410のボタンベース413のフランジ部413bの前端が、フレームユニット415のフレーム本体416の後面における中央開口部416a付近の部位に当接している。
演出操作ユニット400は、通常の状態では、操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内周付近から中央側(中心軸線CL側)が、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している。換言すると、操作ボタン410における湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明なボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周(内側)から前方へ突出している部位が、フレームユニット415のフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している(図51等を参照)。
因みに、本実施形態では、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aの直径が約15cmとされており、操作ボタン410の中心軸線CL方向に対してボタンレンズ411(の前端)がフレームユニット415の前面から約4cm前方へ突出している。
通常の状態において、遊技者が演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作すると、操作ボタン410は操作ボタンバネ438の付勢力に抗して中心軸線CLに沿って後方へ移動する。そして、操作ボタン410の後端がベースユニット430のユニットベース431の前面に当接すると、後方への移動が規制されて操作ボタン410の後方への移動が停止する。遊技者が操作ボタン410を押圧操作する時には、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出しているボタンレンズ411を押圧する。
この操作ボタン410は、従来のパチンコ機に備えられている演出用の操作ボタンと比較して、外径が非常に大きく形成されているため、ボタンレンズ411の中央部分から離れた周縁付近が押圧される可能性が高い。詳述すると、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、その中心軸線が垂直線と略平行に延びるように取付けられているのに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、中心軸線CLが垂直線に対して傾いて取付けられているため、遊技者が従来のパチンコ機と同様に上方から操作ボタン410を押圧すると、図61において白抜きの矢印で示すように、操作ボタン410の中心軸線CLから離れた部位を押圧することとなる。
ところで、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、遊技者が押圧操作する面が平坦な面に形成されていることから、押圧操作する部位を平坦な面としたまま操作ボタンを大きくした場合、操作ボタンの中央から外れた部位を押圧すると、その押圧された部位が先に後退するように押圧操作する面が傾いてしまい、操作ボタンが真直ぐに後退することができなくなって、操作ボタンを押圧操作することができなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態の演出操作ユニット400の操作ボタン410は、遊技者が押圧操作する部位(ボタンレンズ411)が、前方へ膨出した湾曲面状(略球面の一部の形状)としているため、操作ボタン410の中央から離れた位置を押圧操作した場合、その力が操作ボタン410の全体に分散されて操作ボタン410が傾き難くなり、操作ボタン410が真直ぐに後方へ移動することができる。従って、操作ボタン410の前面側のどの位置を押圧操作しても、操作ボタン410が傾くことなくスムーズに後退することができるため、押圧操作を確実に検知させることができ、操作ボタン410を押圧操作する演出を十分に楽しませることができる。
また、演出操作ユニット400は、装飾基板ユニット420における基板ベース421の前面下部に振動モータ424が取付けられている上で、上述したように、演出操作ユニット400が吊下げられるように上部のみが皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられているため、振動モータ424により錘424aを回転させて振動を発生させると、取付けられている部位から最も離れた部位で振動が発生することから、演出操作ユニット400全体を大きく(強く)振動させることができ、演出操作ユニット400に触れている遊技者に対して振動を伝達させることができる。また、振動モータ424を、比較的遊技者が押圧操作し易い位置(図61において白抜きの矢印の位置)の直下に配置しているため、操作ボタン410を押圧操作している遊技者に対して強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて演出を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400は、吊下げられたような状態で皿ユニットカバー326に取付けられていると共に、下面を形成している中継基板カバー442の脚部442aの下面と皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に隙間が形成されているため、操作ボタン410を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接するまでの間、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等が下方へ撓むことで衝撃を吸収することができる。また、脚部442aの下面が底板部326iの上面に当接した後では、演出操作ユニット400の下方への移動を規制し、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させることができ、演出操作ユニット400等の破損を防止することができる。従って、演出操作ユニット400の操作ボタン410を押圧操作する演出を遊技者に提示した時等に、強い力で操作ボタン410が押圧操作されたり叩かれたりしても、操作ボタン410や演出操作ユニット400等が破損することはないため、破損による遊技の中断を回避させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができると共に、破損し難くすることで遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
なお、上述したように、遊技者が押圧操作する操作ボタン410のボタンレンズ411を、前方へ突出している湾曲面状(略球面の一部の形状)に形成しているため、平板状とした場合と比較して強度・剛性が高くなっていると共に、強く叩かれても、その衝撃をボタンレンズ411全体へ分散させることができ、破損し難くなっている。
また、演出操作ユニット400は、図63に示すように、ボタンレンズ411、フレームサイドレンズ417、フレームトップレンズ418、及び操作ボタン内装飾部材432が、透明な部材で構成されているため、それらの裏面側に形成されている第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、第一ボタン内装飾部432f、及び第二ボタン内装飾部432g等の凹凸による装飾が、前方側(遊技者側)から視認することができる。また、それら凹凸の装飾が形成されている部位では、板厚が変化していることら光が複雑に屈折するため、凹凸の装飾が形成されている部位を通しては後側が視認し難くなっている。
演出操作ユニット400は、操作ボタン410のボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周から中央側へ延びている第一ボタン装飾部411aを備えているため、この第一ボタン装飾部411aの凹凸の装飾によりボタンレンズ411の内側となる部位の外周縁の部位において後方を見え辛くすることができる。第一ボタン装飾部411aが形成されている部位の後方(中心軸線CL方向の後方)には、操作ボタン410のボタンベース413の本体部413aの内周面と操作ボタン内装飾部材432の周壁部432aの外周面との間の隙間が位置しているが、その隙間の前方に位置する第一ボタン装飾部411aによって前方側(遊技者側)から、操作ボタン内装飾部材432の外周の隙間を見え難くすることができる。これにより、押圧操作可能な操作ボタン410内に、位置が固定されている操作ボタン内装飾部材432を備えても、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができ、操作ボタン410を見た遊技者が不快感を抱くのを防止することができると共に、透明な操作ボタン410内に操作ボタン内装飾部材432を問題なく配置することができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。
詳述すると、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412によって、ベースユニット430の操作ボタン内装飾部材432の外周よりも外側で後方側(奥側)にあるユニットベース431や装飾基板ユニット420等が、透明なボタンレンズ411を通して遊技者側から見えないように形成されている。具体的には、図62において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位が、遊技者側から見えないようにしている。このように、操作ボタン410に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等を備えているため、操作ボタン内装飾部材432の外側や奥側を見え難くして隠すことができ、操作ボタン410、ひいては、演出操作ユニット400全体の見栄えを良くすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aが、操作ボタン410の中心軸線CLへ向かうように延びていると共に周方向に列設されているのに対して、操作ボタン410の内側後方に配置されている操作ボタン内装飾部材432の前板部432bに形成されている第二ボタン内装飾部432gが中心軸線CLを中心とした変八角形状に延びていると共に同心円状に列設されているため、図63に示すように、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と第二ボタン内装飾部432gの凹凸線とが交差することとなり、幾何学的な装飾を遊技者に見せることができる。
また、演出操作ユニット400は、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが、前後方向(中心軸線CLの延びている方向)に離れているため、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとによって奥行のある立体的な感じの幾何学模様を遊技者に見せることができ、操作ボタン410内を含む装飾を楽しませることができる。
更に、演出操作ユニット400では、第一ボタン装飾部411aと第二ボタン内装飾部432gとが前後方向に離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、第一ボタン装飾部411aの凹凸線と、第二ボタン内装飾部432gの凹凸線との重なり具合が変化するため、動きのある装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
このように、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aと操作ボタン内装飾部材432の第二ボタン内装飾部432gとによって、動きがあり立体感のある装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410内(ボタンフレーム412の内側)で、操作ボタン内装飾部材432の後方には、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436が配置されており、それらの前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、操作ボタン410内の操作ボタン内装飾部材432を発光装飾させることができる。つまり、操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436によって、操作ボタン410内を発光装飾させることができる。これら操作ボタン左内装飾基板433、操作ボタン右内装飾基板434、操作ボタン上内装飾基板435、及び操作ボタン下内装飾基板436の前面に実装されているLEDは、図52に示すように、中心軸線CLの延びている方向から見て、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aの内側に配置されているため、それらからの光が本体部413aの外側に漏れることはなく、操作ボタン410内のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、操作ボタン410の外周付近に位置するボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨む第二ボタン装飾部411bの後方に、装飾基板ユニット420における操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aが配置されており、それら第一LED422a,423aを発光させることで、操作ボタン410の六つの第二ボタン装飾部411bを発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aは、図52に示すように、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aと、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとの間に位置しており、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの内側や内側筒部416dの外側へ漏れることはなく、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを良好に発光装飾させることができる。
更に、演出操作ユニット400は、フレームユニット415におけるフレーム本体416の六つの外周開口部416bから臨むフレームサイドレンズ417の後方に、操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bが配置されており、それら第二LED422b,423bを発光させることでフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bは、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとフレーム本体416の外周との間に位置しており、第二LED422b,423bからの光が内側筒部416dの内側やフレーム本体416の外側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを良好に発光装飾させることができる。
また、演出操作ユニット400は、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に、ベースユニット430におけるフレームトップレンズ装飾基板437が配置されており、フレームトップレンズ装飾基板437の前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。ベースユニット430におけるユニットベース431のフレームトップレンズ装飾基板437が取付けられている部位の下側からは、フレームトップレンズ418の下端後方付近まで平板状の遮光壁部431cが前方へ突出しており、フレームトップレンズ装飾基板437のLEDからの光が操作ボタン410やフレームサイドレンズ417側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームトップレンズ418のみを良好に発光装飾させることができる。
[3−4g.演出操作ユニットの第二実施形態の全体構成]
次に、上記の演出操作ユニット400の第二実施形態である第二演出操作ユニット400Aについて、主に図64乃至図71等を参照して詳細に説明する。図64(a)は図48乃至図63の演出操作ユニットとは実施形態の異なる第二演出操作ユニットの正面図であり、(b)は第二演出操作ユニットの右側面図である。図65(a)は第二演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は第二演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図66は、第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た説明図である。図67は、図64(a)におけるG−G線で切断した断面図である。図68は、図64(b)におけるH−H線で切断した断面図である。図69(a)は図64(b)におけるI−I線で切断した断面図であり、(b)は(a)におけるA部の拡大図である。図70は第二演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図71は第二演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
第二演出操作ユニット400Aは、上記の演出操作ユニット400に替えて皿ユニット320の演出操作ユニット取付部326aに取付けることができるものである。この第二演出操作ユニット400Aは、演出操作ユニット400と同様に、遊技者が押圧操作することができると共に、遊技者に対して演出画像を提示することができるものである。以下では、第二演出操作ユニット400Aにおいて、演出操作ユニット400と同一の構成部材については、同一の符号を付して説明する。
第二演出操作ユニット400Aは、外形が円形で外周縁を除いた中央側が透明に形成されており遊技者が押圧操作可能な操作ボタン410と、操作ボタン410の外周を囲み皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられる枠状のフレームユニット415と、操作ボタン410よりも後方に配置されており操作ボタン410の外周縁及びフレームユニット415を発光装飾させることが可能な装飾基板ユニット420と、フレームユニット415の後側に取付けられており操作ボタン410及び装飾基板ユニット420が前面に取付けられている第二ベースユニット450と、操作ボタン410を通して遊技者側から視認可能に第二ベースユニット450に取付けられており演出画像を表示可能な扉枠側第二演出表示装置460Aと、扉枠側第二演出表示装置460Aの下面に取付けられている緩衝ユニット510と、を備えている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、扉枠側第二演出表示装置460Aの正面視右側面に取付けられている第二演出操作ユニット中継基板515と、第二演出操作ユニット中継基板515の表面を覆うように扉枠側第二演出表示装置460Aの正面視右側面に取付けられている中継基板カバー516と、を備えている。第二演出操作ユニット中継基板515及び中継基板カバー516は、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるプロジェクタ取付部材505の正面視右側面に取付けられている。
第二演出操作ユニット中継基板515は、操作ボタン左外装飾基板422、操作ボタン右外装飾基板423、振動モータ424、押圧検知センサ454、フレームトップレンズ装飾基板482、切替駆動モータ492、プロジェクタ500、及び回転検知センサ507と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。
[3−4g−1.操作ボタン]
第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410について、主に図69乃至図72等を参照して詳細に説明する。図72(a)は第二演出操作ユニットの操作ボタンを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は第二演出操作ユニットの操作ボタンを分解して後ろから見た分解斜視図である。第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、外形が皿ユニット320の上下方向の高さよりも若干小さい直径の円形に形成されており、外周縁を除いた中央側が透明に形成されている。この操作ボタン410は、外周が円形で中央側が前方へ膨出するように湾曲面状(略球面の一部の形状)に形成されている透明なボタンレンズ411と、ボタンレンズ411の外周縁の前側に取付けられている円環状のボタンフレーム412と、ボタンフレーム412の後側にボタンレンズ411の外周縁を挟持するように取付けられている円筒状のボタンベース413と、を備えており、演出操作ユニット400の操作ボタン410と略同一の構成である。
具体的な相違点は、第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410と、演出操作ユニット400の操作ボタン410とでは、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411aの模様と、ボタンベース413のガイドボス部413cの形状が異なっている。
詳述すると、図示するように、第二演出操作ユニット400Aにおける操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aは、ボタンフレーム412の内周と接する部位に、ボタンレンズ411の中央側へ一つの頂点を向けた三角形と、中央とは反対側へ一つの頂点を向けた三角形とが、周方向へ交互に全周に亘って複数列設されたトラス状の模様と、トラス状の模様におけるボタンレンズ411の中央側を向いている底辺と、その底辺の両端からボタンレンズ411の中央側へ延びた辺と、その辺の先端から底辺の中央へ延びている斜辺とで構成された直角三角形状の模様と、直角三角形状の模様の斜辺と、トラス状の模様の三角形の底辺の中央からボタンレンズ411の中央側へ直角三角形状の模様よりも長く延びた辺と、その辺の先端から直角三角形状の模様の斜辺の先端へ延びた辺とで構成された変二等辺三角形状の模様と、で形成されている。
つまり、この第一ボタン装飾部411aは、複数の三角形の組合せによって構成されている。なお、図示は省略するが、第一ボタン装飾部411aを構成している各三角形は、夫々の面が異なる方向を向いており、多面体状に形成されている。これにより、ボタンレンズ411の表面側が滑らかな湾曲面状に形成されているのに対して、裏面側が第一ボタン装飾部411aの部位において多面体状に形成されているため、第一ボタン装飾部411aの部位では、ボタンレンズ411の板厚が複雑に変化しており、この部位を通る光が乱屈折することとなる。従って、第一ボタン装飾部411aの部位では、複数の三角形が組合わされた幾何学模様を遊技者に見せることができると同時に、乱屈折により後側の部材を見え難くすることができる。
第二演出操作ユニット400Aのボタンベース413におけるガイドボス部413cは、後方が開放されている円筒状に形成されている。このガイドボス部413cは、第二ベースユニット450の保持孔451d内に挿入されると共に、筒状の内部に第二ベースユニット450におけるユニットベース451の保持孔451d内に保持されているボタンシャフト452が摺動可能に挿入される。本例では、操作ボタン410が、ガイドボス部413c内に後方から挿入される第二ベースユニット450のボタンシャフト452によって前後方向へ進退可能に取付けられる。
[3−4g−2.フレームユニット]
第二演出操作ユニット400Aのフレームユニット415について、主に図69乃至図71等を参照して説明する。フレームユニット415は、操作ボタン410の前方側から外周を囲むように、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに前側から取付けられ、操作ボタン410の外側を装飾している。フレームユニット415は、外形が演出操作ユニット取付部326aの前端側に合せた形状に形成されている。
第二演出操作ユニット400Aのフレームユニット415は、演出操作ユニット400のフレームユニット415と同一の構成であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。
[3−4g−3.装飾基板ユニット]
第二演出操作ユニット400Aの装飾基板ユニット420について、主に図57、図69乃至図71等を参照して説明する。装飾基板ユニット420は、フレームユニット415の下方で第二ベースユニット450の前面に取付けられ、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411b及びフレームユニット415のフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができると共に、第二演出操作ユニット400Aに振動を付与させることができるものである。
装飾基板ユニット420は、上方側が開放されたC字状の基板ベース421と、基板ベース421における左右両側の前面に夫々取付けられている操作ボタン左外装飾基板422及び操作ボタン右外装飾基板423と、基板ベース421の前面下部に取付けられている振動モータ424と、振動モータ424の前側を覆うように基板ベース421の前面に取付けられているモータカバー425と、を備えている。
第二演出操作ユニット400Aの装飾基板ユニット420は、演出操作ユニット400の装飾基板ユニット420と同一の構成であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。
[3−4g−4.第二ベースユニット]
第二演出操作ユニット400Aの第二ベースユニット450について、主に図73等を参照して詳細に説明する。図73は、第二演出操作ユニットの第二ベースユニットを前から見た斜視図である。第二演出操作ユニット400Aの第二ベースユニット450は、操作ボタン410を前後方向へ進退可能に取付けていると共に、扉枠側第二演出表示装置460Aが取付けられ、フレームユニット415の後側に取付けられるものである。
第二ベースユニット450は、フレームユニット415の後側に取付けられるユニットベース451と、ユニットベース451の前面から突出しており操作ボタン410のボタンベース413における円筒状の四つのガイドボス部413c内に後方から摺動可能に夫々挿入される円柱状の四つのボタンシャフト452と、四つのボタンシャフト452の夫々が挿通され操作ボタン410のガイドボス部413cの後端を前方へ付勢している操作ボタンバネ(図示は省略)と、ユニットベース451の前面に取付けられており、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dを夫々検知する三つの押圧検知センサ454と、を備えている。
第二ベースユニット450のユニットベース451は、円環状の本体部451aと、本体部451aの内周縁から後方へ半球状に突出しているカバー部451bと、本体部451aの前面に対して垂直方向から見た時に上下に延びた略四角形でカバー部451bを前後に貫通している貫通口451cと、本体部451aの前面から後方へ止り孔状に窪んでいる四つの保持孔451dと、本体部451aの上部において前面から後方へ向かって半円状(U字状)に窪んでいる上軸受部451eと、本体部451aの下部において前面から後方へ向かって上軸受部451eと同軸上で半円状(U字状)に窪んでいる下軸受部451fと、本体部451aの上部前面で上軸受部451eの左右両側に形成されておりスクリーンユニット470の回動を規制する一対の回動規制部451gと、を備えている。
ユニットベース451の円環状の本体部451aは、内周と外周とが、C字状に形成されている装飾基板ユニット420の基板ベース421と略同じ大きさに形成されている。この本体部451aの前面に装飾基板ユニット420が取付けられる。カバー部451bは、上軸受部451e及び下軸受部451fにより回転可能に取付けられる扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470が回転した時に接触せずに収容可能な大きさに形成されている。貫通口451cは、扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ500が後方から通過可能な大きさに形成されている。
ユニットベース451の四つの保持孔451dは、本体部451aの前面の上下左右の四隅で、操作ボタン410におけるボタンベース413の四つのガイドボス部413cと対応する位置に形成されている。これら保持孔451dは、内径がガイドボス部413cの外径よりも大きく形成されており、ガイドボス部413cを挿入させることができる。これら四つの保持孔451d内には、その中心軸と同軸上にボタンシャフト452が取付けられている。保持孔451dに取付けられたボタンシャフト452の前端は、本体部451aの前面よりも前方へ突出している。保持孔451dに取付けられたボタンシャフト452が操作ボタン410の筒状のガイドボス部413c内に挿入されることで、ガイドボス部413cを介して操作ボタン410を前後方向へ摺動可能に取付けることができる。
四つの保持孔451dのうちの左上側の保持孔451dは、ユニットベース451の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース451の中心に対して反時計周りの方向へ約30度回転した位置に形成されている。また、四つの保持孔451dのうちの右上側の保持孔451dは、ユニットベース451の中心(操作ボタン410の中心)を通る上下に延びた中心線から、ユニットベース451の中心に対して時計周りの方向へ約47度回転した位置に形成されている。一方、四つの保持孔451dのうちの下側に配置されている二つの保持孔451dは、上側の二つの保持孔451dに対してユニットベース451の中心の反対側の位置に夫々形成されている。
また、四つの保持孔451d内には、図示しない操作ボタンバネが夫々挿入されており、これら操作ボタンバネの前端がガイドボス部413cの後端に当接することで、ガイドボス部413cを介して操作ボタン410を前方へ付勢している。
ユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451fは、前方が開放されて後方へ延びたU字状に形成されている。上軸受部451e及び下軸受部451fは、半円弧状に延びている部位の中心が同軸上に位置している。上軸受部451e及び下軸受部451fは、前方から扉枠側第二演出表示装置460Aの上軸部材473及び下軸部材474が挿入されたうえで、前側から上部軸受部材480及び下部軸受部材485が本体部451aの前面に取付けられることで、扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470を回転可能に支持することができる。
ユニットベース451の一対の回動規制部451gは、夫々の前面が、その延長線(面)が、U字状に後方へ窪んでいる上軸受部451eにおける半円形状の部位の中心軸を通るように形成されており、中心軸を中心として所定角度周方向へ離反している。これら一対の回動規制部451gは、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、スクリーンユニット470における作動ギア部材475のストッパ475bが当接することで、スクリーンユニット470の回動範囲を規制している。本実施形態では、一対の回動規制部451gによりスクリーンユニット470の回動範囲を、90度の角度範囲に規制している。
なお、図示は省略するが、一対の回動規制部451g内には、夫々磁石が埋設されており、ストッパ475bに取付けられている鉄板と磁着することで、回動規制部451gに当接しているストッパ475bを回動規制部451gから離れ難くしている。従って、回動規制部451g内の磁石と、ストッパ475bの鉄板とによって、スクリーンユニット470において、メインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態、或いは、サブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態、の何れかにスクリーンユニット470を保持することができ、操作ボタン410の押圧操作や振動モータ424等による振動によって、スクリーンユニット470が回動しようとする動きを抑制して扉枠側第二演出表示装置460Aによる演出画像を良好な状態で楽しませることができる。
三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の本体部451aの前面において、操作ボタン410におけるボタンベース413の三つの検知片413dと対応している位置に取付けられている。詳述すると、三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の本体部451aの前面において、一つが左上の保持孔451dの左下側に、もう一つが右上の保持孔451dの右下側に、残りの一つが左下の保持孔451dの右下側に夫々取付けられている。三つの押圧検知センサ454は、ユニットベース451の中央を中心として周方向へ略等間隔に取付けられている。これら三つの押圧検知センサ454は、操作ボタン410の三つの検知片413dを検知することができる。
[3−4g−5.扉枠側第二演出表示装置]
第二演出操作ユニット400Aの扉枠側第二演出表示装置460Aについて、主に図70及び図71等を参照視して詳細に説明する。扉枠側第二演出表示装置460Aは、第二ベースユニット450に取付けられており操作ボタン410の透明な部位を通して遊技者に演出画像を見せることができるものである。扉枠側第二演出表示装置460Aは、第二ベースユニット450の上軸受部451e及び下軸受部451fにより上下に延びた軸線周りを回動可能に取付けられているスクリーンユニット470と、第二ベースユニット450の前面上部に取付けられておりスクリーンユニット470の上部側を第二ベースユニット450と協働して回転可能に取付けている上部軸受部材480と、第二ベースユニット450の前面下部に取付けられておりスクリーンユニット470の下部側を第二ベースユニット450と協働して回転可能に取付けている下部軸受部材485と、を備えている。
また、扉枠側第二演出表示装置460Aは、スクリーンユニット470を回転駆動させ第二ベースユニット450の上部に取付けられている回動駆動ユニット490と、第二ベースユニット450のカバー部451b内に配置され後方からスクリーンユニット470に演出画像を投影表示可能なプロジェクタ500と、プロジェクタ500が取付けられていると共に第二ベースユニット450のカバー部451bを後側から覆うようにユニットベース451の後面取付けられており前方が開放されている箱状のプロジェクタ取付部材505と、第二ベースユニット450の上部における回動駆動ユニット490の正面視左側でスクリーンユニット470の作動ギア部材475を上方から覆うように取付けられている上部カバー506と、上部カバー506に取付けられておりスクリーンユニット470の回動位置(回転位置)を検知する二つの回転検知センサ507と、を備えている。
[3−4g−5a.スクリーンユニット]
扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470は、第二ベースユニット450に上下に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられており、プロジェクタ500から演出画像が投射されることで、その演出画像を遊技者から視認可能に表示(投影表示)することができるものである。
スクリーンユニット470は、半円筒状に形成されており乳白色で透光性を有しているメインスクリーン471と、メインスクリーン471の軸方向一端側を外周の一部としている円盤状で中央部が軸方向外方へ膨出するように湾曲しており乳白色で透光性を有しているサブスクリーン472と、メインスクリーン471の両端部の軸方向中央から軸直角方向外方へ夫々円柱状に突出している上軸部材473及び下軸部材474と、上軸部材473の先端に取付けられており外周の略半周に亘ってギア歯475aが形成されている作動ギア部材475と、サブスクリーン472を貫通する透明で所定のキャラクタ(ドクロ)を模したレリーフ状に形成されているサブスクリーン装飾部材476(図74及び図75等を参照)と、サブスクリーン472の裏面側に取付けられておりサブスクリーン472と対向する面に複数のLED477aが実装されているサブスクリーン装飾基板477(図75等を参照)と、メインスクリーン471のサブスクリーン472とは反対側の端部からメインスクリーン471の中心軸へ向かって短く延びている半円弧状の周縁装飾部材478と、を備えている。
スクリーンユニット470の半円筒状のメインスクリーン471は、半径が第二ベースユニット450のユニットベース451における円環状の本体部451aの内径よりも小さい大きさに形成されている。メインスクリーン471は、軸方向の長さが、半円筒状の半径の約4/3倍の大きさに形成されている。メインスクリーン471は、軸方向の両端が、サブスクリーン472の周縁装飾部472aと周縁装飾部材478とによって、縁取られるように装飾されている。
サブスクリーン472は、その中心軸が延びている方向から見た時に、外形が半円筒状のメインスクリーン471の半径と一致している円形状に形成されている(図74(b)を参照)。サブスクリーン472は、外周から中心側へ所定幅で円環状に形成されており四角錘状の凹凸が周方向に複数列設されている周縁装飾部472aと、周縁装飾部472aの内側を閉鎖している湾曲面状のスクリーン部472bと、を備えている。サブスクリーン472の周縁装飾部472aは、内周側がメインスクリーン471から遠ざかる方向へ突出するように全体が円錐台状に形成されている。スクリーン部472bは、メインスクリーン471から遠ざかる方向へ、半円筒状のメインスクリーン471の半径よりも大きい半径の球面状に膨出している。サブスクリーン472のスクリーン部472bには、貫通した穴が形成されており、その穴を閉鎖するようにサブスクリーン装飾部材476が取付けられている。
上軸部材473及び下軸部材474は、夫々第二ベースユニット450におけるユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451f内に夫々前方から挿入されて回転可能に取付けられる。
作動ギア部材475は、回動駆動ユニット490の第二伝達ギア495と噛合し略半周に亘って形成されているギア歯475aと、ギア歯475aの周方向端部の一方から外方へ突出しているストッパ475bと、ギア歯475aの周方向端部のストッパ475bとは反対側から外方へ平板状に突出している検知片475cと、を備えている。作動ギア部材475のストッパ475bは、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、上軸部材473の軸芯を中心として円弧状に窪んでいる上部軸受部材480の凹部481a内に位置しており、凹部481a内の両端部に位置している第二ベースユニット450におけるユニットベース451の一対の回動規制部451gに当接することでスクリーンユニット470の回動範囲が規制される。
なお、詳細な図示は省略するが、ストッパ475bにおける回動規制部451gと当接する部位には、鉄板が取付けられており、この鉄板が回動規制部451gに埋設されている磁石と磁着できるようになっている。
このスクリーンユニット470は、メインスクリーン471を前方へ向けた第一位置と、サブスクリーン472を前方へ向けた第二位置との間で回動することができる。検知片475cは、上部カバー506に取付けられている回転検知センサ507により検知される。
サブスクリーン装飾部材476は、サブスクリーン472におけるスクリーン部472bに取付けられている。サブスクリーン装飾部材476は、透明な部材によりドクロを模したレリーフ状に形成されており、その板厚が複雑に変化していることから、透過する光が複雑に乱屈折し、後方が視認し難くなっている。なお、詳細な図示は省略するが、サブスクリーン装飾部材476は、ドクロを模したレリーフ内に「PUSH」の文字が形成されている。
サブスクリーン装飾基板477は、サブスクリーン472の裏面側に、サブスクリーン472との間に隙間が形成されるように取付けられており、前面側(サブスクリーン472を向いている側)に複数のLED477aが実装されている。サブスクリーン装飾基板477は、外形がサブスクリーン装飾部材476よりも小さく形成されており、表面が白色とされている。このサブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させることで、サブスクリーン装飾部材476及びサブスクリーン472を発光装飾させることができる。詳述すると、サブスクリーン装飾基板477は、LED477aを発光させることで、ドクロの「目」の部分と「PUSH」の文字の部分とを、強く発光装飾させることができる。
また、サブスクリーン装飾基板477は、サブスクリーン472に対して比較的接近させて配置していると共に、サブスクリーン472との間に光を拡散させる部材を備えていないことから、LED477aを発光させると、LED477aの点光源を遊技者が認識することができるようになっている。更に、サブスクリーン装飾基板477は、プロジェクタ500からの光を遮ることができる。従って、プロジェクタ500によって、サブスクリーン472にサブスクリーン装飾基板477の影を投影させることができる。
周縁装飾部材478は、サブスクリーン472の周縁装飾部472aの一部と同じ形状に形成されており、周縁装飾部472aと同様に四角錘状の凹凸が円弧の周方向に複数列設されている。
[3−4g−5b.上部軸受部材及び下部軸受部材]
扉枠側第二演出表示装置460Aの上部軸受部材480及び下部軸受部材485について、主に図70及び図71を参照して詳細に説明する。上部軸受部材480及び下部軸受部材485は、第二ベースユニット450のユニットベース451における前方へ開放されている上軸受部451e及び下軸受部451fの前側を閉鎖するように、ユニットベース451の本体部451aの前面に取付けられるものである。また、上部軸受部材480及び下部軸受部材485は、ユニットベース451の上軸受部451e及び下軸受部451fに、スクリーンユニット470の上軸部材473及び下軸部材474を夫々前方から挿入させた状態で、ユニットベース451の前面に取付けることで、上軸部材473及び下軸部材474を第二ベースユニット450に対して回転可能に取付けることができる。
上部軸受部材480は、第二ベースユニット450のユニットベース451の本体部451aの上部に、前方側が開放されている上軸受部451eの前方側を閉鎖するように取付けられる軸受部材481と、軸受部材481の上部前面に取付けられるフレームトップレンズ装飾基板482と、を備えている。軸受部材481は、左右方向中央が最も深くなるように、後面から前方へ向かって円弧状に窪んでいる凹部481aを有している。上部軸受部材480における軸受部材481の凹部481aは、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、スクリーンユニット470の上軸部材473の軸芯を中心とした円弧状に窪んでおり、内部にスクリーンユニット470における作動ギア部材475のストッパ475bが挿入配置されていると共に、凹部481aの円弧の両端にユニットベース451の一対の回動規制部451gが位置している。この円弧状に窪んだ凹部481aにより、作動ギア部材475のストッパ475bが、一対の回動規制部451gの間で良好に回動することができる。
上部軸受部材480のフレームトップレンズ装飾基板482は、表面側に複数のLEDが実装されており、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に位置している。これにより、フレームトップレンズ装飾基板482のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を発光装飾させることができる。
下部軸受部材485は、略平板状に形成されており、第二ベースユニット450のユニットベース451における本体部451aの前面に、下軸受部451fの前方を閉鎖するように取付けられる。スクリーンユニット470の下軸部材474を、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の下軸受部451fに挿入させた状態で、下部軸受部材485をユニットベース451の前面に取付けることで、下軸部材474を回転可能に取付けることができる。
[3−4g−5c.回動駆動ユニット]
扉枠側第二演出表示装置460Aの回動駆動ユニット490について、主に図70及び図71を参照して詳細に説明する。回動駆動ユニット490は第二ベースユニット450のユニットベース451の上面に取付けられ、スクリーンユニット470を回動駆動させることができるものである。回動駆動ユニット490は、ユニットベース451の上面に取付けられ内部が中空のユニットケース491と、ユニットケース491の下面に取付けられており回転軸がユニットケース491内に突出している切替駆動モータ492と、切替駆動モータの回転軸に固定されている平歯車状の駆動ギア(図示は省略)と、駆動ギアと噛合しておりユニットケース491内に回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア(図示は省略)と、第一伝達ギアと噛合していると共にスクリーンユニット470における作動ギア部材475のギア歯475aと噛合可能とされておりユニットケース491内に回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア495と、を備えている。
回動駆動ユニット490は、第二演出操作ユニット400Aに組立てた状態で、第二伝達ギア495が、スクリーンユニット470における作動ギア部材475のギア歯475aと噛合している。回動駆動ユニット490は、切替駆動モータ492を回転駆動させることで、駆動ギア、第一伝達ギア、第二伝達ギア495、及びギア歯475aを介してスクリーンユニット470を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
[3−4g−5d.プロジェクタ]
扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ500について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。プロジェクタ500は、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の半球状のカバー部451b内に配置されており、プロジェクタ取付部材505を介してユニットベース451の後側に取付けられている。プロジェクタ500は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471又はサブスクリーン472へ向かって演出画像を照射することで、メインスクリーン471又はサブスクリーン472に演出画像を投影表示させることができる。
プロジェクタ500は、プロジェクタ取付部材505に取付けられる立方体状のプロジェクタ本体501と、プロジェクタ本体501から円柱状に前方へ突出しており前端から演出画像を前方へ照射するレンズ部502と、を備えている。
このプロジェクタ500は、プロジェクタ本体501の後部がプロジェクタ取付部材505に取付けられ、レンズ部502及びプロジェクタ本体501が、ユニットベース451の貫通口451cを後側から通って、カバー部451b内に配置されるように取付けられる。
プロジェクタ500は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471やサブスクリーン472の略前面に亘って演出画像を投影させることができ、演出画像として、静止画や動画を投影表示させることができる。このプロジェクタ500は、市販の液晶型プロジェクタとされており、自動焦点機能を有している。
[3−4g−5e.プロジェクタ取付部材]
扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ取付部材505について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。プロジェクタ取付部材505は、前方が開放された箱状に形成されており、内部にプロジェクタ500が取付けられると共に、第二ベースユニット450のユニットベース451の後側に取付けられるものである。このプロジェクタ取付部材505は、第二ベースユニット450のユニットベース451の後側に取付けられることで、ユニットベース451のカバー部451b及びプロジェクタ500の後側を覆うことができる。
プロジェクタ取付部材505は、底壁が水平方向に延びていると共に、後壁が垂直方向に延びており、プロジェクタ500を、操作ボタン410の傾きと一致するように傾斜させた状態で取付けることができる。プロジェクタ取付部材505の後壁には、前後に貫通している複数のスリット505aが形成されており、プロジェクタ500から放出される熱を、スリット505aを通して外部へ排出させることができる。
プロジェクタ取付部材505の正面視右側面には、第二演出操作ユニット中継基板515及び中継基板カバー516が取付けられる。
[3−4g−5f.上部カバー及び回転検知センサ]
扉枠側第二演出表示装置460Aの上部カバー506及び回転検知センサ507について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。上部カバー506は、スクリーンユニット470の作動ギア部材475の上方を覆うように、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の本体部451aの上面に取付けられている。回転検知センサ507は、スクリーンユニット470の回転位置を検知するためのものであり、上部カバー506の下面に、互いに離間している状態で二つ取付けられている。
二つの回転検知センサ507は、詳細な図示は省略するが、スクリーンユニット470の回転軸を中心にして周方向へ互いに90度の回転角度離れた位置に取付けられており、スクリーンユニット470における作動ギア部材475の検知片475cを検知することができる。具体的には、二つの回転検知センサ507は、スクリーンユニット470のメインスクリーン471が前方を向いている第一位置の時の検知片475cと、サブスクリーン472が前方を向いている第二位置の時の検知片475cと、を夫々検知することができる。これら二つの回転検知センサ507による検知片475cの検知信号に基づいて、回動駆動ユニット490の切替駆動モータ492の回転駆動が制御されている。
[3−4g−6.緩衝ユニット]
第二演出操作ユニット400Aの緩衝ユニット510について、主に図70及び図71等を参照して詳細に説明する。緩衝ユニット510は、扉枠側第二演出表示装置460Aの下面に取付けられており、上方から第二演出操作ユニット400Aが叩かれたりした時の衝撃を緩和させて、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底板部326iに伝達させるものである。
緩衝ユニット510は、上面が扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるプロジェクタ取付部材505の下面に接触している弾性変形可能な平板状の緩衝部材511と、緩衝部材511の下面に当接しておりプロジェクタ取付部材505の下面に対して相対的に接近可能に取付けられている緩衝ベース512と、を備えている。
緩衝ユニット510の緩衝ベース512は、緩衝部材511の下面と当接する平板状の本体部512aと、本体部512aの正面視左右両端辺から下方へ突出していると共に前後方向に延びている脚片部512bと、を備えている。緩衝ベース512の脚片部512bは、扉枠3に組立てた状態で、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に接触している。
この緩衝ユニット510は、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、ベースユニット430に取付けられているプロジェクタ取付部材505が、緩衝ユニット510における緩衝部材511を圧縮するように下方へ移動する。この緩衝部材511が圧縮されることで衝撃が吸収される。そして、プロジェクタ取付部材505が更に下方へ移動した場合、プロジェクタ取付部材505の下面が緩衝ベース512の本体部512aの上面側に当接する。この本体部512aは、左右の脚片部512bによって、皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に隙間が形成されているため、本体部512aの上面側に当接しているプロジェクタ取付部材505が更に下方へ移動すると、平板状の本体部512aが撓むこととなり、本体部512aの撓みによっても衝撃を吸収することができる。更に、プロジェクタ取付部材505が下方へ移動した場合、下方へ撓んでいる本体部512aの下面が、皿ユニットカバー326の底板部326iの上面に当接し、本体部512aのこれ以上の撓みが規制され、衝撃が皿ユニットカバー326に伝達されることとなる。このように、操作ボタン410やフレームユニット415を上方から強く叩かれた時に、その衝撃を多段階で吸収させることができ、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させて、それらの破損を防止することができる。
[3−4g−7.第二演出操作ユニットの作用効果]
第二演出操作ユニット400Aの作用効果について、主に図74乃至図77等を参照して詳細に説明する。図74(a)はスクリーンユニットのメインスクリーンを前方へ向けた状態で操作ボタンの中心軸が延びている方向から第二演出操作ユニットを見た説明図であり、(b)はスクリーンユニットのサブスクリーンを前方へ向けた状態で操作ボタンの中心軸が延びている方向から第二演出操作ユニットを見た説明図である。また、図75(a)は図74(a)におけるJ−J線で切断した断面図であり、(b)は図74(b)におけるK−K線で切断した断面図である。図76(a)はメインスクリーンを前方へ向けた状態で第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は(a)の状態の第二演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。図77(a)はサブスクリーンを前方へ向けた状態で第二演出操作ユニットを操作ボタンの中心軸の延びている方向から見た図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図であり、(b)は(a)の状態の第二演出操作ユニットの断面図において操作ボタンの第一ボタン装飾部やボタンフレーム等によって隠そうとしている部位を示す説明図である。
本実施形態の第二演出操作ユニット400Aは、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球が打込まれることで変化する遊技状態に応じて、操作ボタン410内の装飾を変化させたり、操作ボタン410内に演出画像を表示させたりして遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に操作ボタン410の操作をさせて、遊技者に提示した演出に遊技者を参加させることができるものである。
第二演出操作ユニット400Aは、全高が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の貫通口111の下側の部位の高さと略同じ高さに形成されている。また、第二演出操作ユニット400Aは、全幅が、扉枠3の全幅の1/3よりも若干大きく形成されている。第二演出操作ユニット400Aは、正面視において、遊技領域5a(扉枠ベース110の貫通口111)の下側で左右方向の中央に配置されている。
第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415のフレーム本体416の上部が、皿ユニット320における皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられている。第二演出操作ユニット400Aは、皿ユニット320に取付けた状態で、緩衝ユニット510の緩衝ベース512の脚片部512bの下端と、皿ユニット320の皿ユニットカバー326における底板部326iの上面との間に、隙間が形成されている。つまり、第二演出操作ユニット400Aは、皿ユニット320に対して上部のみが取付けられており、吊下げられた状態に取付けられている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415の前面(フレーム本体416の中央開口部416aの前端内周により形成される面)が、演出操作ユニット取付部326aの前端開口の傾斜面と平行になるように取付けられている。これにより、第二演出操作ユニット400Aは、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明な操作ボタン410の中心軸線CL(図67を参照)が、垂直線に対して63度の角度で、前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している。これにより、本パチンコ機1を用いて遊技を行うために本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、遊技者の頭部が皿ユニット320(第二演出操作ユニット400A)の上方に配置されている遊技盤5における遊技領域5aの中央の前方に位置するため、操作ボタン410の中心軸線CLが、遊技者の頭部付近を通ることとなる。従って、遊技者が遊技領域5aから第二演出操作ユニット400A(操作ボタン410)に視線を落すと、操作ボタン410がその正面視(中心軸線CLと平行な方向からの投影視)に可及的に近い状態で見えることとなり、操作ボタン410や操作ボタン410内の扉枠側第二演出表示装置460A等を良好な状態で視認することができる。
第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の四つの筒状のガイドボス部413cに、第二ベースユニット450におけるユニットベース451の四つの保持孔451d内に保持されているボタンシャフト452が夫々摺動可能に挿入されていると共に、図示しない操作ボタンバネにより前方へ付勢されている。第二演出操作ユニット400Aは、通常の状態(操作ボタン410を押圧操作していない状態)では、操作ボタンバネの付勢力によって、操作ボタン410のボタンベース413のフランジ部413bの前端が、フレームユニット415のフレーム本体416の後面における中央開口部416a付近の部位に当接している。
第二演出操作ユニット400Aは、通常の状態では、操作ボタン410におけるボタンフレーム412の内周付近から中央側(中心軸線CL側)が、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している。換言すると、操作ボタン410における湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出している透明なボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周(内側)から前方へ突出している部位が、フレームユニット415のフレーム本体416の中央開口部416aから前方へ突出している(図67等を参照)。
因みに、本実施形態では、フレームユニット415におけるフレーム本体416の中央開口部416aの直径が約15cmとされており、操作ボタン410の中心軸線CL方向に対してボタンレンズ411(の前端)がフレームユニット415の前面から約4cm前方へ突出している。
通常の状態において、遊技者が第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410を押圧操作すると、操作ボタン410は操作ボタンバネの付勢力に抗して中心軸線CLに沿って後方へ移動する。そして、操作ボタン410の後端が第二ベースユニット450のユニットベース451における本体部451aの前面に当接すると、後方への移動が規制されて操作ボタン410の後方への移動が停止する。遊技者が操作ボタン410を押圧操作する時には、湾曲面状(略球面の一部の形状)に前方へ膨出しているボタンレンズ411を押圧する。
この操作ボタン410は、従来のパチンコ機に備えられている演出用の操作ボタンと比較して、外径が非常に大きく形成されているため、ボタンレンズ411の中央部分から離れた周縁付近が押圧される可能性が高い。詳述すると、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、その中心軸線が垂直線と略平行に延びるように取付けられているのに対して、本実施形態の第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、中心軸線CLが垂直線に対して傾いて取付けられているため、遊技者が従来のパチンコ機と同様に上方から操作ボタン410を押圧すると、操作ボタン410の中心軸線CLから離れた部位を押圧することとなる(図61を参照)。
ところで、従来のパチンコ機における演出用の操作ボタンは、遊技者が押圧操作する面が平坦な面に形成されていることから、押圧操作する部位を平坦な面としたまま操作ボタンを大きくした場合、操作ボタンの中央から外れた部位を押圧すると、その押圧された部位が先に後退するように押圧操作する面が傾いてしまい、操作ボタンが真直ぐに後退することができなくなって、操作ボタンを押圧操作することができなくなる虞がある。
これに対して、本実施形態の第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410は、遊技者が押圧操作する部位(ボタンレンズ411)が、前方へ膨出した湾曲面状(略球面の一部の形状)としているため、操作ボタン410の中央から離れた位置を押圧操作した場合、その力が操作ボタン410の全体に分散されて操作ボタン410が傾き難くなり、操作ボタン410が真直ぐに後方へ移動することができる。従って、操作ボタン410の前面側のどの位置を押圧操作しても、操作ボタン410が傾くことなくスムーズに後退することができるため、押圧操作を確実に検知させることができ、操作ボタン410を押圧操作する演出を十分に楽しませることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、装飾基板ユニット420における基板ベース421の前面下部に振動モータ424が取付けられている上で、上述したように、第二演出操作ユニット400Aが吊下げられるように上部のみが皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326aに取付けられているため、振動モータ424により錘424aを回転させて振動を発生させると、取付けられている部位から最も離れた部位で振動が発生することから、第二演出操作ユニット400A全体を大きく(強く)振動させることができ、第二演出操作ユニット400Aに触れている遊技者に対して振動を伝達させることができる。また、振動モータ424を、比較的遊技者が押圧操作し易い位置(操作ボタン410の上部付近)の直下に配置しているため、操作ボタン410を押圧操作している遊技者に対して強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて演出を楽しませることができる。
更に、第二演出操作ユニット400Aは、吊下げられたような状態で皿ユニットカバー326に取付けられていると共に、扉枠側第二演出表示装置460Aのプロジェクタ取付部材505と皿ユニットカバー326の底板部326iの上面との間に、緩衝ユニット510を配置している。この緩衝ユニット510は、弾性変形可能な緩衝部材511を備えていると共に、緩衝部材511が上面に当接している本体部512aと皿ユニットカバー326の底板部326iとの間に隙間を形成しているため、操作ボタン410やフレームユニット415を強く下方へ押圧したり叩いたりした時に、その衝撃を緩衝部材511の弾性変形(圧縮)や、緩衝ベース512の本体部512aの撓み等によって多段階に吸収することができ、フレームユニット415の取付部416eや皿ユニットカバー326の演出操作ユニット取付部326a等に無理な力が作用するのを回避させることができ、第二演出操作ユニット400A等の破損を防止することができる。従って、第二演出操作ユニット400Aの操作ボタン410を押圧操作する演出を遊技者に提示した時等に、強い力で操作ボタン410やフレームユニット415が押圧操作されたり叩かれたりしても、操作ボタン410や第二演出操作ユニット400A等が破損することはないため、破損による遊技の中断を回避させることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができると共に、破損し難くすることで遊技ホール側の負担の増加を抑制させることができる。
なお、遊技者が押圧操作する操作ボタン410のボタンレンズ411を、前方へ突出している湾曲面状(略球面の一部の形状)に形成しているため、平板状とした場合と比較して強度・剛性が高くなっていると共に、強く叩かれても、その衝撃をボタンレンズ411全体へ分散させることができ、破損し難くなっている。
また、第二演出操作ユニット400Aは、ボタンレンズ411、フレームサイドレンズ417、及びフレームトップレンズ418が、透明な部材で構成されているため、それらの裏面側に形成されている第一ボタン装飾部411a、及び第二ボタン装飾部411b等の凹凸による装飾が、前方側(遊技者側)から視認することができる(図63を参照)。また、それら凹凸の装飾が形成されている部位では、板厚が変化していることら光が複雑に屈折するため、凹凸の装飾が形成されている部位を通しては後側が視認し難くなっている。
第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410のボタンレンズ411におけるボタンフレーム412の内周から中央側へ延びている第一ボタン装飾部411aを備えているため、この第一ボタン装飾部411aの複数の三角形を組合せた凹凸の装飾によりボタンレンズ411の内側となる部位の外周縁の部位において後方を見え辛くすることができる。第一ボタン装飾部411aが形成されている部位の後方(中心軸線CL方向の後方)には、操作ボタン410のボタンベース413の本体部413aの内周面と、扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470の外周との間の隙間が位置しているが、その隙間の前方に位置する第一ボタン装飾部411aによって前方側(遊技者側)から、スクリーンユニット470の外側や後側の部材を見え難くすることができる。これにより、押圧操作可能な操作ボタン410内に、扉枠側第二演出表示装置460Aを備えても、操作ボタン410の見栄えの悪化を防止することができ、操作ボタン410を見た遊技者が不快感を抱くのを防止することができると共に、透明な操作ボタン410内に扉枠側第二演出表示装置460Aを問題なく配置することができ、操作ボタン410の見栄えを良くすることができる。
詳述すると、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410におけるボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412によって、扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるメインスクリーン471やサブスクリーン472等の外周よりも外側で後方側(奥側)にある第二ベースユニット450、上軸部材473及び下軸部材474等が、透明なボタンレンズ411を通して遊技者側から見えないように形成されている。具体的には、スクリーンユニット470のメインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態では、メインスクリーン471の上下外側、サブスクリーン472の周縁装飾部472aの左外側、及び周縁装飾部材478の右外側の部位(図76において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位)が、遊技者側から見えないようにしている。
一方、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態では、サブスクリーン472の円環状の周縁装飾部472aの外側の部位(図76において、一点鎖線で囲んだクロスハッチの部位)が、遊技者側から見えないようにしている。このように、操作ボタン410に第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等を備えているため、メインスクリーン471やサブスクリーン472の外側や奥側を見え難くして隠すことができ、操作ボタン410、ひいては、第二演出操作ユニット400A全体の見栄えを良くすることができる。
また、メインスクリーン471が前方を向いている第一位置の状態では、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等によって、サブスクリーン472のスクリーン部472b及びサブスクリーン装飾部材476や、上軸部材473及び下軸部材474が、見え難くなっている(図76を参照)。これにより、遊技者が、サブスクリーン472の存在や、メインスクリーン471が回転可能であること等に、気付き難くなるため、スクリーンユニット470を回転させてメインスクリーン471からサブスクリーン472に切替えると、操作ボタン410内において遊技者の予想を超えた動きが行われることで遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、サブスクリーン472が前方を向いている第二位置の状態では、ボタンレンズ411の第一ボタン装飾部411a、第二ボタン装飾部411b、及びボタンフレーム412等によって、上軸部材473及び下軸部材474が見え難くなっている(図77を参照)。これにより、遊技者が、サブスクリーン472(サブスクリーン装飾部材476)が回転可能であることに気付き難くなるため、サブスクリーン472(スクリーンユニット470)を回転させた時のインパクトを高めることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410における後側に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aを視認することができるボタンレンズ411において、ボタンフレーム412の内周から中心側へ所定幅の範囲内に、複数の三角形状の面を組合せた多面体状の第一ボタン装飾部411aを備えていると共に、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aに、複数の四角錘を列設したサブスクリーン472の周縁装飾部472aや、周縁装飾部材478を備えている。これにより、前側に配置された三角形からなる装飾(第一ボタン装飾部411a)と後側に配置された四角形からなる装飾(周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478)とが、交差するように重なって見えることとなり、複雑な幾何学模様を遊技者に見せることができ、見栄えを良くして遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したように、三角形を主体とした第一ボタン装飾部411aと、四角形を主体とした周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478とが、前後方向に離れているため、遊技者の目の位置が移動すると、それらの重なり具合が変化するため、重なって見える幾何学模様が変化して動きのある装飾を遊技者に見せることができると共に、奥行きのある立体的な感じの装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
更に、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aでは、切替駆動モータ492の駆動によりスクリーンユニット470を回動させてメインスクリーン471を前方へ向けたり、サブスクリーン472を前方へ向けたりすることができ、複数の四角形からなる装飾を変化させることができる。詳述すると、メインスクリーン471を前方へ向けた状態では、図74(a)に示すように、周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478が左右に離間して上下に延びている状態となり、上下に列設された複数の四角錘からなる装飾が、ボタンレンズ411における第一ボタン装飾部411aの円環状に列設された複数の三角形からなる装飾を縦断しているような幾何学模様の装飾を遊技者に見せることができる。一方、サブスクリーン472を前方へ向けた状態では、図74(b)に示すように、周縁装飾部472aが円環状の延びている状態となり、環状に列設された複数の四角錘からなる装飾が、ボタンレンズ411における第一ボタン装飾部411aの円環状に列設された複数の三角形からなる装飾と重なった幾何学模様の装飾を遊技者に見せることができる。従って、スクリーンユニット470を回動させることで、操作ボタン410の装飾(物理的な装飾)を変化させることができるため、装飾の変化によって遊技者の関心を操作ボタン410に引付けたり、装飾の変化によって遊技者にチャンスの到来等を示唆させたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410内に備えられている扉枠側第二演出表示装置460Aに、切替可能な形態の異なるスクリーン(メインスクリーン471及びサブスクリーン472)を有したスクリーンユニット470と、スクリーンユニット470に演出画像を投影表示させるプロジェクタ500と、を備えているため、液晶表示装置による演出画像の表示とは全く異なる演出画像を表示させることができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることができる。詳述すると、スクリーンユニット470は、半円筒状のメインスクリーン471と、円盤状で中央にレリーフ状のサブスクリーン装飾部材476を有するサブスクリーン472とが、上軸部材473及び下軸部材474の中心軸を中心として90度の回転角度周方向へ離間して備えられている。
そして、扉枠側第二演出表示装置460Aにおいて、スクリーンユニット470のメインスクリーン471を前方へ向けた第一位置の状態では、半円筒状の中心軸が左右方向へ延びるように位置しており、正面から見ると上下に延びた四角形(長方形)に見える(図74(a)を参照)。このメインスクリーン471の後方に配置されているプロジェクタ500から演出画像を前方へ照射すると、その演出画像がメインスクリーン471の後面に投影され(図75(a)を参照)、透光性を有する乳白色のメインスクリーン471を通して、前方側から投影された演出画像を視認することができる。このメインスクリーン471は、表面が滑らかな半円筒状に形成されていることから、演出画像が表示画面も半円筒状に湾曲している。これにより、一般的な液晶表示装置の表示画面が平面であるのに対して、メインスクリーン471の表示画面が半円筒状に湾曲しているため、遊技者に対して一見して従来の表示画面とは異なるものであることを認識させることができ、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者をメインスクリーン471に注目させることができ、メインスクリーン471に投影表示される演出画像を楽しませることができる。
一方、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた第二位置の状態では、円盤状の中心軸が操作ボタン410の中心軸と略一致しており、正面から見ると円形の操作ボタン410の中央にドクロを模したサブスクリーン装飾部材476が位置した状態に見える(図74(b)を参照)。この状態で後方に配置されているプロジェクタ500から前方へ演出画像を照射すると、その演出画像がサブスクリーン472の後面に投影される。ところで、サブスクリーン472の後側には平板状で不透光性のサブスクリーン装飾基板477が取付けられているため、このサブスクリーン装飾基板477の部位ではプロジェクタ500から照射された演出画像(光)が遮られることとなり、サブスクリーン472の後面の中央部分には、サブスクリーン装飾基板477の影が投影されることとなる(図75(b)を参照)。従って、サブスクリーン472では、サブスクリーン装飾基板477の影が投影される中央部分を除いた外周の部分に、プロジェクタ500からの演出画像が投影表示される。この際に、サブスクリーン装飾基板477の前面に実装されているLED477aを発光させると、その光によってサブスクリーン472の中央部分を発光装飾させることができ、サブスクリーン472の中央に備えられているサブスクリーン装飾部材476を発光装飾させることができる。また、サブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させることで、プロジェクタ500からの光によりサブスクリーン472の後面に投影されるサブスクリーン装飾基板477の影を見え難くすることができ、サブスクリーン472の前面側全体を明るく発光装飾させることができる。
この扉枠側第二演出表示装置460Aは、スクリーンユニット470のサブスクリーン472を前方へ向けた状態で、サブスクリーン装飾基板477のLED477aを発光させると共に、プロジェクタ500から前方へ演出画像(動画)を照射させると、サブスクリーン472におけるサブスクリーン装飾基板477の影が投影されていない部位、つまり、ドクロを模した装飾からなるサブスクリーン装飾部材476の外側の部位に、演出画像が表示され、演出画像の内側となるサブスクリーン装飾部材476がサブスクリーン装飾基板477のLED477aによって発光装飾される。この状態では、固定されたサブスクリーン装飾部材476の発光装飾の外側が、演出画像(動画)によって装飾されることとなり、これまでのパチンコ機における装飾部材の発光装飾とは全く異なった装飾演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、サブスクリーン472に対して遊技者を強く注目させることができる。また、この状態では、演出画像の内側において、LED477aの光が、演出画像の明るさよりも明るく(高輝度で)輝くため、従来の液晶表示装置では成し得ない部分的に高輝度な演出画像を表示させることができ、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者をより楽しませられる演出画像を表示させることができる。
このように、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の第一ボタン装飾部411aと扉枠側第二演出表示装置460Aにおけるスクリーンユニット470の装飾(周縁装飾部472a及び周縁装飾部材478)とによって、動きがあり立体感のある装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者の関心を強く引付けることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410内(ボタンフレーム412の内側)の後方には、前面にLED477aが実装されているサブスクリーン装飾基板477や前方へ演出画像等の光を照射可能なプロジェクタ500を有する扉枠側第二演出表示装置460Aを備えており、扉枠側第二演出表示装置460Aによって操作ボタン410内を良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400A、操作ボタン410の外周付近に位置するボタンフレーム412のフレーム開口部412aから臨む第二ボタン装飾部411bの後方に、装飾基板ユニット420における操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aが配置されており、それら第一LED422a,423aを発光させることで、操作ボタン410の六つの第二ボタン装飾部411bを発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第一LED422a及び操作ボタン右外装飾基板423の第一LED423aは、図68に示すように、操作ボタン410のボタンベース413における筒状の本体部413aと、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとの間に位置しており、第一LED422a,423aからの光が本体部413aの内側や内側筒部416dの外側へ漏れることはなく、操作ボタン410の第二ボタン装飾部411bのみを良好に発光装飾させることができる。
更に、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415におけるフレーム本体416の六つの外周開口部416bから臨むフレームサイドレンズ417の後方に、操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bが配置されており、それら第二LED422b,423bを発光させることでフレームサイドレンズ417を発光装飾させることができる。操作ボタン左外装飾基板422の第二LED422b及び操作ボタン右外装飾基板423の第二LED423bは、フレームユニット415のフレーム本体416における筒状の内側筒部416dとフレーム本体416の外周との間に位置しており、第二LED422b,423bからの光が内側筒部416dの内側やフレーム本体416の外側へ漏れることはなく、フレームユニット415のフレームサイドレンズ417のみを良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、フレームユニット415のフレームトップレンズ418の後方に、扉枠側第二演出表示装置460Aにおける上部軸受部材480のフレームトップレンズ装飾基板482が配置されており、フレームトップレンズ装飾基板482の前面に実装されている複数のLEDを発光させることで、フレームトップレンズ418を良好に発光装飾させることができる。
また、第二演出操作ユニット400Aは、操作ボタン410の内側後方に配置されている扉枠側第二演出表示装置460Aのスクリーンユニット470を回動させることで、互いに形態の異なる表示画面を有したメインスクリーン471又はサブスクリーン472に切替えて演出画像を表示させることができ、表示画面の形状が変化する(切替わる)と言う従来のパチンコ機で有りえない演出を遊技者に提示することができ、遊技者に強いインパクトを与えて楽しませることができる。
[3−5.扉枠左サイドユニット]
扉枠3の扉枠左サイドユニット530について、主に図78乃至図81を参照して詳細に説明する。図78(a)は扉枠における扉枠左サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図79は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図80は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図81は図78(a)におけるL−L線で切断した断面図である。扉枠左サイドユニット530は、皿ユニット320の上側で扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162(扉枠左サイド装飾基板160)の前側を覆うように扉枠ベースユニット100における貫通口111よりも左側の前面左部に取付けられるものである。扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベース110の貫通口111の正面視左側を装飾するためのものである。
扉枠左サイドユニット530は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視左側に取付けられる上下に延びた帯板状の左ユニットベース531と、左ユニットベース531の前面に取付けられている透明な帯板状の左ユニット拡散レンズ部材532と、左ユニット拡散レンズ部材532の前方に配置されており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する左ユニット装飾レンズ部材(図示は省略)と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面上部に取付けられており前方へ筒枠状に突出していると共に上下に延びている左ユニット上装飾ベース534と、左ユニット装飾レンズ部材の前側から左ユニットベース531の前面下部に取付けられており左ユニット上装飾ベース534よりも短く前方へ枠状に突出している左ユニット下装飾ベース535と、左ユニット上装飾ベース534及び左ユニット下装飾ベース535の前側から左ユニット装飾レンズ部材の前端側を覆うように左ユニットベース531の前側に取付けられている透明な左ユニット装飾カバー536と、左ユニット装飾カバー536の前側に取付けられている複数の飾り部材537と、を備えている。
扉枠左サイドユニット530の左ユニットベース531は、後側が開放された浅い箱状に形成されており、前面に前後に貫通している複数の開口部531aを有している。複数の開口部531aは、図示するように、円形状の穴と、上下に延びた四角形状の穴とがある。左ユニットベース531は、扉枠左サイド装飾基板160(扉枠左サイド上装飾基板161及び扉枠左サイド下装飾基板162)の前面に実装されているLED161a,162aが、複数の開口部531aから前方へ臨むように、扉枠ベース110の前面左側に取付けられる。左ユニットベース531の各開口部531aは、扉枠3に組立てた時に、扉枠左サイド装飾基板160の各LED161a,162aが上下方向の略中央に位置するように夫々形成されている。この左ユニットベース531は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット拡散レンズ部材532は、透明な部材によって形成されており、上拡散レンズ部材532Aと下拡散レンズ部材532Bとに上下に分割されている。左ユニット拡散レンズ部材532は、左ユニットベース531における円形状の開口部531aと対応している正面視円形の円形レンズ部532aと、四角形状の開口部531aと対応している正面視四角形の角形レンズ部532bと、を備えている。扉枠左サイドユニット530は、扉枠3に組立てた状態で、円形レンズ部532a及び角形レンズ部532bの中央の直後に、扉枠左サイド装飾基板160の夫々のLED161a,162aが位置するように形成されている。
左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aは、前面及び後面が滑らかな凸レンズ状に形成されている。この円形レンズ部532aによって、後方に配置されているLED161a,162aからの光を、点状のまま前方へ照射させることができる。この円形レンズ部532aから前方へ照射された光によって、左ユニット装飾レンズ部材の円形装飾部を発光装飾させることができる。
左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bは、前面中央において円錐状に後方へ窪んだ中央拡散反射部532cと、前面における中央拡散反射部532cの外側に形成されている前面拡散レンズ部532dと、後面中央(中央拡散反射部532cの直後)において湾曲面状に後方へ膨出している入力レンズ部532eと、後面における入力レンズ部532eの外側で全体的に入力レンズ部532eから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜している前方反射部532fと、を備えている。
角形レンズ部532bの前面拡散レンズ部532dは、中央拡散反射部532cを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。更に詳述すると、前面拡散レンズ部532dは、半径方向に沿って切断した時の断面形状に、溝の部分が後方へ円弧状に窪んでおり、溝と溝の間の山の部分が前方へ円弧状に膨出しており、前面が滑らかな波状に形成されている。また、前面拡散レンズ部532dは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。
角形レンズ部532bの前方反射部532fは、入力レンズ部532eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら複数の溝は、後方から前方へ向かってV字状に窪んでおり、最深部が円弧状に形成されている。前方反射部532fは、半径方向に沿って切断した時の断面形状が、溝と溝との間の山の部分が後方へ尖った三角形状に形成されており、鋸状に形成されている。前方反射部532fは、中心から遠ざかるに従って溝及び山の部分が前方へ移動するように形成されている。また、前方反射部532fは、周方向へ分割している放射状に延びた線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に位置するように形成されている。この周方向へ分割している放射状に延びた線は、前面拡散レンズ部532dにおける放射状に延びた分割線と一致している。
この角形レンズ部532bは、扉枠3に組立てた状態で、入力レンズ部532eの直後に、扉枠左サイド装飾基板160の対応しているLED161a,162aが位置している。
角形レンズ部532bは、LED161a,162aから前方へ照射された光が、入力レンズ部532eから角形レンズ部532b内に入力される。この入力レンズ部532eは、後方へ湾曲面状(凸レンズ状)に膨出していることから、LED161a,162aから前方へ広がる光を、前方へ平行に進むように屈折させて、入力された光の略全てを円錐状の中央拡散反射部532cへ導くことができる。そして、中央拡散反射部532cへ導かれた光は、中央拡散反射部532cの傾斜している円錐面により、前後に延びた軸線に対して直角方向(扉枠左サイド装飾基板160の前面と平行な方向)へ拡散するように反射させられ、角形レンズ部532b内をその前面に沿って中央側から外側へ向かって進むこととなる。また、中央拡散反射部532cで反射した光は、角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って、中央側から外側(中央拡散反射部532cの中心線から遠ざかる方向)へ進む。
角形レンズ部532b内を扉枠左サイド装飾基板160の前面と略平行に中央側から外側へ向かって反射した光が、鋸状の前方反射部532fに到達すると、前方反射部532fの面により前方側へ反射する。この際に、前方反射部532fは、後面が中央拡散反射部532cから遠ざかるに従って前方へ移動するように傾斜していることから、角形レンズ部532bの前後方向の厚が、中央から遠ざかるに従って薄くなっている(図81を参照)。これにより、中央拡散反射部532cにおいて角形レンズ部532bの前後方向の厚さ全体に亘って外側へ向かって反射している光を、中心側から外側へ向かうに従って、前方反射部532fにより順次前方へ反射させることができる。
そして、前方反射部532fにより前方へ向かって反射させられた光は、前面拡散レンズ部532dを通って角形レンズ部532bから前方へ照射される。この際に、前面拡散レンズ部532dは、断面が波状に形成されているため、前方反射部532fで前方へ向かって反射させられた光を様々な方向へ拡散させることができ、角形レンズ部532bの前面から略均一に光を前方(左ユニット装飾レンズ部材の後面)へ照射させることができる。
この角形レンズ部532bは、前面拡散レンズ部532d及び前方反射部532fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、角形レンズ部532bの前面から前方へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を前方へ照射させることができる。これにより、左ユニット装飾レンズ部材における角形レンズ部532bの前方の多面装飾部を略均一に発光装飾させることができる。
図示しない左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット装飾カバー536の前面に沿うように形成されている。左ユニット装飾レンズ部材は、左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aの前方の位置する部位に形成されている円形装飾部と、左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bの前方に位置する部位に形成されている多面装飾部と、を備えている。円形装飾部は、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部は、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。円形装飾部及び多面装飾部は、扉枠右サイドユニット550における右ユニット装飾レンズ部材561の円形装飾部561a及び多面装飾部561bと、同じ形状に形成されている。
左ユニット装飾レンズ部材は、透明な左ユニット装飾カバー536を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。また、左ユニット装飾レンズ部材は、円形装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の円形レンズ部532aから前方へ照射された光により、多面装飾部が左ユニット拡散レンズ部材532の角形レンズ部532bから前方へ照射された光により、夫々発光装飾させられる。
左ユニット上装飾ベース534は、正面視の形状が上下に延びた四角形で、前後に延びた角筒状に形成されている。左ユニット上装飾ベース534は、外周における下面を構成する部位が、前端側から後端側へ向かうに従って下方へ突出するように傾斜していおり、その部位の下部が前後に貫通している。この左ユニット上装飾ベース534は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット下装飾ベース535は、正面視の形状が、上方へ開放されているコ字状に形成されている。左ユニット下装飾ベース535は、前端における上下方向略中央から上側が、上方へ向かうに従って後方へ移動するように後端まで傾斜している。この左ユニット下装飾ベース535は、不透光性の部材によって形成されている。
左ユニット装飾カバー536は、扉枠左サイドユニット530の全高に亘って上下に延びている。左ユニット装飾カバー536は、上下方向の中間部が後方へ凹むように屈曲しており、左ユニット上装飾ベース534の前端に沿うように下部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、左ユニット下装飾ベース535の前端に沿うように上部が後方へ折れ曲がっているく字状の部位と、上側のく字状の部位の下端と下側のく字状の部位の上端とを結んでいる直線状の部位と、で構成されている。
左ユニット装飾カバー536は、上下両端が左ユニット上装飾ベース534の前面と、左ユニット下装飾ベース535の前面とに夫々取付けられる。この左ユニット装飾カバー536は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている左ユニット装飾レンズ部材を前方側から視認することができる。
飾り部材537は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で左ユニット装飾カバー536の前面に取付けられている。飾り部材537は、不透光性の部材によって形成されている。
[3−6.扉枠右サイドユニット]
扉枠3の扉枠右サイドユニット550について、主に図82乃至図86等を参照して詳細に説明する。図82(a)は扉枠における扉枠右サイドユニットの正面図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図83は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図84は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図85は、図82(a)におけるM−M線で切断した断面図である。図86(a)は図82(a)におけるN−N線で切断した断面図であり、(b)は図82(a)におけるO−O線で切断した断面図である。扉枠右サイドユニット550は、皿ユニット320の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の右側に取付けられるものである。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前面で貫通口111の正面視右側に取付けられる上下に延びた箱状の右ユニットベース551と、右ユニットベース551の前面に取付けられている扉枠右サイド装飾基板552と、扉枠右サイド装飾基板552の前側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より左側に取付けられており上下方向及び前後方向に延びている透明平板状の右ユニット左拡散レンズ部材553と、右ユニット左拡散レンズ部材553の左側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット左装飾部材554と、右ユニット左装飾部材554の左側を覆うように右ユニット左拡散レンズ部材553に取付けられている透明平板状の右ユニット左カバー555と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、扉枠右サイド装飾基板552の前側且つ右ユニット左拡散レンズ部材553の正面視右側で右ユニットベース551の前面における正面視中央より右側と右ユニット左拡散レンズ部材553とに取付けられており上下方向及び前後方向に延びている透明平板状の右ユニット右拡散レンズ部材556と、右ユニット右拡散レンズ部材556の右側面に取付けられており装飾が施されているシート状の右ユニット右装飾部材557と、右ユニット右装飾部材557の右側を覆うように右ユニット右拡散レンズ部材556に取付けられている透明平板状の右ユニット右カバーと558、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553と右ユニット右拡散レンズ部材556との間に配置されており前方及び右方が開放された上下方向及び前後方向に延びた浅い箱状で不透光性の右ユニット左遮光部材559と、右ユニット右拡散レンズ部材556の左側で右ユニット左遮光部材559の開放されている右側を閉鎖するように取付けられている不透光性で平板状の右ユニット右遮光部材560と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット550は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられており前端部に多面体状の装飾を有している透光性を有する右ユニット装飾レンズ部材561と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側と右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端側を覆うように右ユニットベース551の前面に取付けられている前後に貫通した枠状の右ユニット装飾ベース562と、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖するように右ユニット装飾ベース562の前側に取付けられている透明な右ユニットカバー563と、右ユニットカバー563の前側に取付けられている複数の飾り部材564と、を備えている。なお、図示は省略するが、扉枠右サイドユニット550は、右ユニットベース551を上下に貫通するように取付けられ、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板と、扉枠トップユニット570の扉枠トップユニット中継基板589とを接続するための接続ケーブルを備えている。
扉枠右サイドユニット550の右ユニットベース551は、正面視の形状が上下に長く延びた四角形で、前後に短く角筒状に延びており、前後方向の中央付近が閉鎖された箱状に形成されている。この右ユニットベース551は、不透光性の部材によって形成されている。
扉枠右サイド装飾基板552は、上下に延びた帯板状に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、前面における左右方向中央より左側に実装されている複数の左LED552aと、前面における左右方向中央より右側に実装されている右LED552bと、前面における左右方向中央に実装されている複数の中LED552cと、を備えている。扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aは、右ユニット左拡散レンズ部材553を介して右ユニット左装飾部材554を発光装飾させためのものである。また、右LED552bは、右ユニット右拡散レンズ部材556を介して右ユニット右装飾部材557を発光装飾させるためのものである。中LED552cは、右ユニット装飾レンズ部材561を発光装飾させるためのものである。
扉枠右サイド装飾基板552は、前後両面が白色に形成されている。扉枠右サイド装飾基板552は、上側の扉枠右サイド上装飾基板552Aと、下側の扉枠右サイド下装飾基板552Bとに上下に分割されている。図示は省略するが、扉枠右サイド下装飾基板552Bは、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板に接続されており、扉枠右サイド上装飾基板552Aは、扉枠右サイド下装飾基板552Bに接続されている。
右ユニット左拡散レンズ部材553は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部553aと、本体部553aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部553bと、後壁部553bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部553cと、本体部553aの正面視左面側において右ユニット左装飾部材554を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部553dと、本体部553aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部553eと、本体部553aの正面視右面側において各入力レンズ部553eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部553fと、を備えている。
右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されている。また、本体部553aは、図86に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視右方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部553aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部553bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その右端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部553bの右端には、右ユニット右拡散レンズ部材556の後壁部556bの左端が当接する。
複数の切欠部553cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部553cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨んでおり、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部553dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット左装飾部材554の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット左装飾部材554を収容することができる。
複数の入力レンズ部553eは、本体部553aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット左拡散レンズ部材553を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部553eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部553eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aの直前に夫々位置している。これにより、左LED552aからの光を、本体部553a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部553fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部553eに近い側の面が本体部553aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部553eから遠い側の面が本体部553aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部553fは、入力レンズ部553eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部553fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット左拡散レンズ部材553は、扉枠右サイド装飾基板552の左LED552aから前方へ照射された光が、入力レンズ部553eの後面から右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553a内へと入射される。この入力レンズ部553eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により左LED552aからの光が広がるように屈折し、本体部553a内において、各入力レンズ部553eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部553aは、全体が前方へ向かうに従って正面視右方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の前面から垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている左LED552aから照射されて入力レンズ部553eから本体部553a内に入射された光が、本体部553a内の平坦な左面に当ることとなる。しかしながら、左LED552aからの直接光は、本体部553aの左面に対する入射角度の関係で、本体部553aの左面から外部へ放射されることはなく、左面の内面で側面反射部553f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部553eから本体部553a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部553fに当ることで正面視左方へ反射し、本体部553aの左面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部553aの右面(側面反射部553f)からも外方(正面視右方)へ光が照射されるが、本体部553aの右側に配置されている右ユニット左遮光部材559が白色の部材とされているため、右ユニット左遮光部材559の左面が明るく照らされることとなり、右ユニット左遮光部材559で反射した間接光が本体部553aを通って左方側へ照射されることとなる。従って、本体部553aの左面からは、本体部553a内において側面反射部553fにより左方へ反射された光と、側面反射部553fから右方へ照射されて右ユニット左遮光部材559の左面で左方へ反射して本体部553aを通過した光とが、左方へ照射されるため、本体部553aの左側に取付けられている右ユニット左装飾部材554を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部553fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部553aの左面から外方(左方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を左方へ照射させることができる。これにより、本体部553aの左面の収容凹部553dに収容されている右ユニット左装飾部材554を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット左拡散レンズ部材553は、透明な部材により形成されているため、本体部553aの正面視左側(収容凹部553dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部553fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット左装飾部材554において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット左拡散レンズ部材553の側面反射部553fの模様が視認できることとなり、右ユニット左装飾部材554における透明な部分を側面反射部553fによって装飾することができる。
右ユニット左装飾部材554は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット左カバー555は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット左装飾部材554の外面を保護している。
右ユニット右拡散レンズ部材556は、右ユニット左拡散レンズ部材553とは略左右対称に形成されており、同じような構成を備えている。詳述すると、右ユニット右拡散レンズ部材556は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部556aと、本体部556aの後辺から正面視左方へ短く平板状に突出している後壁部556bと、後壁部556bの正面視左端側から右方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部556cと、本体部556aの正面視右面側において右ユニット右装飾部材557を収容可能に浅く窪んでいる収容凹部556dと、本体部556aの後端面から後方へ突出しており上下方向に複数備えられている入力レンズ部556eと、本体部556aの正面視左面側において各入力レンズ部556eが上下方向の中央となるように上下方向に複数配置されている側面反射部556fと、を備えている。
右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553の本体部553aと外形が略同じ形状に形成されている。また、本体部556aは、図86に示すように、後端側から前方へ向かうに従って、正面視左方へ移動するように全体が、扉枠右サイド装飾基板552の前面の垂直線に対して僅かに傾斜している。本体部556aの前端は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530の前端よりも大きく前方へ突出している。
後壁部556bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央まで延びている。この後壁部556bの左端には、右ユニット左拡散レンズ部材553の後壁部553bの右端が当接する。
複数の切欠部556cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。これら複数の切欠部556cは、右ユニット左拡散レンズ部材553の複数の切欠部553cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、右ユニット左拡散レンズ部材553の切欠部553cと、右ユニット右拡散レンズ部材556の切欠部556cとで、前後に貫通している四角い開口部が形成され、その開口部から扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
収容凹部556dは、底面が平坦面に形成されており、外周の形状が右ユニット右装飾部材557の外形形状に略一致している。これにより、右ユニット右装飾部材557を収容することができる。
複数の入力レンズ部556eは、本体部556aの後端面から上下方向へ所定間隔で後方へ突出している。具体的には、右ユニット右拡散レンズ部材556を上下方向へ6等分した時の夫々の上下方向略中央に形成されている。入力レンズ部556eは、詳細な図示は省略するが、上下に延びた四角形が後方へ突出した直方体の部位と、その直方体の部位の後面から球面状に湾曲するように前方へ向かって窪んでいる部位と、を有している。これら入力レンズ部556eは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bの直前に夫々位置している。これにより、右LED552bからの光を、本体部556a内で広く拡散されるように入力させることができる。
側面反射部556fは、上下方向に複数(六つ)備えられている。各側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心にした放射状に延びている線により周方向へ分割されている同心円弧状の複数の溝により形成されている。これら同心円弧状の複数の溝は、夫々の溝において、入力レンズ部556eに近い側の面が本体部556aの面に対して傾斜していると共に、入力レンズ部556eから遠い側の面が本体部556aの面に対して垂直に延びており、最深部が円弧状に形成されている。側面反射部556fは、入力レンズ部556eを中心とした半径方向に切断した時に断面形状が、溝と溝との間の山の部分が中心側へ向くような尖った三角形状に形成されており、全体が鋸状に形成されている。また、側面反射部556fは、複数の同心円弧状の溝を周方向に分割している放射状の線を境に、溝の部分と山の部分とが周方向へ交互に配置されるように形成されている。
この右ユニット右拡散レンズ部材556は、扉枠右サイド装飾基板552の右LED552bから前方へ照射された光が、入力レンズ部556eの後面から右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部556a内へと入射される。この入力レンズ部556eの後端は、前方へ向かって湾曲状に窪んでいることから、その湾曲面により右LED552bからの光が広がるように屈折し、本体部556a内において、各入力レンズ部556eを中心として前方へ向かって放射状に拡散することとなる。
本体部556aは、全体が前方へ向かうに従って正面視左方へ移動するように、扉枠右サイド装飾基板552の前面から垂直に延びている線に対して僅かに傾斜しているため、扉枠右サイド装飾基板552の前面に実装されている右LED552bから照射されて入力レンズ部556eから本体部556a内に入射された光が、本体部556a内の平坦な右面に当ることとなる。しかしながら、右LED552bからの直接光は、本体部556aの右面に対する入射角度の関係で、本体部556aの左面から外部へ放射されることはなく、右面の内面で側面反射部556f側へ反射することとなる。
そして、入力レンズ部556eから本体部556a内に前方へ向かって入射された光は、鋸状の側面反射部556fに当ることで正面視右方へ反射し、本体部556aの右面から外方へ照射されることとなる。なお、本体部556aの右面(側面反射部556f)からも外方(正面視左方)へ光が照射されるが、本体部556aの左側に配置されている右ユニット右遮光部材560が白色の部材とされているため、右ユニット右遮光部材560の右面が明るく照らされることとなり、右ユニット右遮光部材560で反射した間接光が本体部556aを通って右方側へ照射されることとなる。従って、本体部556aの右面からは、本体部556a内において側面反射部556fにより右方へ反射された光と、側面反射部556fから左方へ照射されて右ユニット右遮光部材560の右面で右方へ反射して本体部556aを通過した光とが、右方へ照射されるため、本体部556aの右側に取付けられている右ユニット右装飾部材557を良好な明るさで発光装飾させることができる。
また、側面反射部556fでは、同心円状の複数の溝を放射状に延びた複数の線で分割した上で、分割線を境に同心円弧状の複数の溝を半径方向へずらして、同心円弧状の溝を周方向において交互に配置するようにしているため、本体部556aの右面から外方(右方)へ照射される光が、同心円状の縞模様の濃淡を有した光となるのを回避させることができ、より濃淡の均一な光を右方へ照射させることができる。これにより、本体部556aの右面の収容凹部556dに収容されている右ユニット右装飾部材557を、略均一に発光装飾させることができる。
なお、右ユニット右拡散レンズ部材556は、透明な部材により形成されているため、本体部556aの正面視右側(収容凹部556dが形成されている側)から、反対側に形成されている側面反射部556fの複数の同心円弧状の溝と放射状に延びている線とからなる模様を視認することができる。従って、右ユニット右装飾部材557において、透明な部分を形成した場合、その透明な部分を通して右ユニット右拡散レンズ部材556の側面反射部556fの模様が視認できることとなり、右ユニット右装飾部材557における透明な部分を側面反射部556fによって装飾することができる。
右ユニット右装飾部材557は、薄いシート状に形成されており、パチンコ機1のメーカーロゴや、遊技盤5において遊技者に提示する演出のコンセプトに沿ったロゴ、等の装飾が、透光性を有するように施されている。右ユニット右カバー558は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット右装飾部材557の外面を保護している。右ユニット右装飾部材557及び右ユニット右カバー558は、右ユニット左装飾部材554及び右ユニット左カバー555とは、略左右対称に形成されている。また、右ユニット左装飾部材554と右ユニット右装飾部材557とに施される装飾は、同じ装飾であっても良いし、異なる装飾であっても良い。
右ユニット左遮光部材559は、側面視の形状が右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の側面視の形状と、略同じ形状に形成されている。右ユニット左遮光部材559は、前方及び右方が開放された浅い箱状に形成されている。右ユニット左遮光部材559は、上下方向及び前後方向に延びた平板状の本体部559aと、本体部559aの後辺から正面視右方へ短く平板状に突出している後壁部559bと、後壁部559bの正面視右端側から左方へ四角形状に切欠かれており上下方向に所定間隔で複数形成されている切欠部559cと、本体部559aの右面から右方へ延出していると共に後壁部559bから本体部559aの前端まで延びている平板状の複数の補強部559dと、を備えている。
右ユニット左遮光部材559の本体部559aは、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと外形が略同じ形状に形成されている。
後壁部559bは、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、その左端が、右ユニットベース551の左右方向略中央よりも右側へ延出している。この後壁部559bの右端には、右ユニット右遮光部材560の左面が当接する。
複数の切欠部559cは、上下方向へ所定間隔で複数形成されており、一部が扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cと対応している。これら複数の切欠部559cは、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の複数の切欠部553c,556cと対応した位置に形成されている。従って、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態では、複数の切欠部559cから扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cが前方に臨み、複数の中LED552cによって右ユニット装飾レンズ部材561を良好に発光装飾させることができる。
複数の補強部559dは、左右の幅と略同じ高さで上下方向に離間している一対の補強部559dを一組として、上下方向へ所定距離離間して三組備えられている。各組の補強部559dは、右ユニットカバー563に取付けられる飾り部材564の後方となる位置に夫々形成されている。これら複数の補強部559dによって、扉枠右サイドユニット550の全体の強度・剛性を高めている。
右ユニット右遮光部材560は、側面視の形状が、上下に延びた四角形の前端側の上隅がC面取り状に斜めに切欠かれていると共に、下辺が前方へ向かうに従って上方へ移動するように傾斜している形状に形成されており、右ユニット左遮光部材559における本体部559aと略同じ形状に形成されている。右ユニット右遮光部材560は、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、浅い箱状に形成されている右ユニット左遮光部材559の右方へ開放されている右側開口を閉鎖している。
右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、白色の部材によって夫々形成されている。右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、図86に示すように、扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、夫々の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560が、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の本体部553a,556aと近接するように配置されている。これにより、右ユニット左遮光部材559の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560同士が左右方向に離間しており、左右方向に所定幅で上下方向及び前後方向に延びた空間を形成している。この右ユニット左遮光部材559の本体部559a及び右ユニット右遮光部材560同士の間に形成された空間を通して、扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cから前方へ放射された光が、右ユニット装飾レンズ部材561の後側に照射される。
また、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、不透光性の部材によって形成されており、扉枠右サイド装飾基板552における左LED552a、中LED552c、右LED552bから夫々前方へ照射される光が、互いに干渉するのを防止しており、右ユニット左装飾部材554、右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561を、夫々対応している左LED552a、右LED552b、及び中LED552cによってのみ発光装飾させることができる。
更に、右ユニット左遮光部材559及び右ユニット右遮光部材560は、三組の補強部559dによって内部空間が上下方向へ四つに分割されているため、分割された夫々の空間の後側に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、各空間同士の間で光が干渉しないようにすることができ、右ユニット装飾レンズ部材561の各空間の前方に位置している部位を、夫々独立して発光装飾させることができる。つまり、扉枠右サイドユニット550の前端側において、上下方向へ複数(四つ)の領域に分割して夫々を独立して発光装飾させることができる。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾レンズ部材561は、正面視において円形状に形成されている円形装飾部561aと、上下に延びており複数の多面体が形成されている多面装飾部561bと、を備えている。円形装飾部561aは、前面が窪み前後に短く延びた円柱状の部位の外周に三角形のリブを周方向に複数備えた形状に形成されている。多面装飾部561bは、上下に延びた直方体の前面に四角錘状の部位が上下方向に複数列設されていると共に、直方体の部位の左右両側に複数の三角形からなる多面体が上下方向に複数列設したような形状に形成されている。
詳述すると、右ユニット装飾レンズ部材561は、複数の円形装飾部561a及び多面装飾部561bが、右ユニット左遮光部材559における三組の補強部559dによって四つに分割されている夫々の空間の前方に位置する部位において、上から三つの部位では、上下方向の中央に配置された円形装飾部561aの上下両側に一つずつ多面装飾部561bが配置され、最も下側の部位では、多面装飾部561bのみが配置されるように形成されている。
右ユニット装飾レンズ部材561は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端に取付けられている。右ユニット装飾レンズ部材561は、透明な右ユニットカバー563を通して前方側(遊技者側)から視認することができる。この右ユニット装飾レンズ部材561は、後方に配置されている扉枠右サイド装飾基板552の中LED552cによって、発光装飾させられる。
右ユニット装飾ベース562は、前後方向に貫通している筒枠状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556の前端及び上端の形状に沿った形状に形成されている。右ユニット装飾ベース562は、右ユニット左拡散レンズ部材553及び右ユニット右拡散レンズ部材556における前端付近の左右両外側と、右ユニット装飾レンズ部材561の左右両側を被覆可能に形成されている。扉枠右サイドユニット550に組立てた状態で、右ユニット装飾ベース562の前端よりも、右ユニット装飾レンズ部材561の前端が、僅かに前方へ突出している。この右ユニット装飾ベース562は、不透光性の部材によって形成されている。
右ユニットカバー563は、右ユニット装飾ベース562の前端開口を閉鎖可能に形成されている。この右ユニットカバー563は、透明な部材によって形成されており、後側に配置されている右ユニット装飾レンズ部材561を前方側から視認することができる。
飾り部材564は、上下に短く延びており、上下方向へ所定間隔で右ユニットカバー563の前面に取付けられている。飾り部材564は、不透光性の部材によって形成されている。三つの飾り部材564は、右ユニットカバー563(右ユニット装飾レンズ部材561)を上下方向へ四つに分割している。
扉枠右サイドユニット550は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠左サイドユニット530よりも前方へ大きく板状に突出しており、皿ユニット320の上皿321前端よりも若干前方へ突出している。扉枠右サイドユニット550は、突出した左右両面側に備えられている右ユニット左装飾部材554及び右ユニット右装飾部材557と、前端に備えられている右ユニット装飾レンズ部材561と、を夫々独立して発光装飾させることができる。
扉枠右サイドユニット550は、板状で前方へ大きく突出していることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切りのような作用効果を発揮することができる。これにより、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているように錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
また、扉枠右サイドユニット550は、前方へ大きく突出していることから、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホールでは、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向からでも視認することができ、多数のパチンコ機が列設されている遊技ホール内において本パチンコ機1を目立たせることができる。従って、扉枠右サイドユニット550の左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557を発光装飾させると、本パチンコ機1の前方近辺に位置していなくても、遠くから本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠右サイドユニット550において、本パチンコ機1で球詰りやエラー等の不具合が発生した時に、左右両面側の右ユニット左装飾部材554や右ユニット右装飾部材557、及び右ユニット装飾レンズ部材561等を特有な態様で発光装飾させるようにすることで、遊技ホールの係員に対して、不具合の発生を直ち知らせて認識させることができ、不具合に対して素早い対応ができるようになることから、遊技者の遊技の中断を早期に解決させることができ、遊技者が苛立ちを覚えて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−7.扉枠トップユニット]
扉枠3の扉枠トップユニット570について、主に図87乃至図90等を参照して詳細に説明する。図87(a)は扉枠における扉枠トップユニットの正面図であり、(b)は扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(c)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図である。図88は扉枠トップユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図89は扉枠トップユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図90は、図87におけるP−P線で切断した断面図である。扉枠トップユニット570は、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の上側で扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側に取付けられるものである。
扉枠トップユニット570は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース110の前面における貫通口111の上側で左右方向の中央に取付けられる中央ベース571と、中央ベース571の左右両側に取付けられていると共に扉枠ベース110の前面に取付けられる一対のサイドベース572と、一対のサイドベース572の前面に夫々取付けられている一対の上部スピーカ573と、左右に延びていると共に左右方向中央が前方へ突出しており後方が開放されている箱状で一対の上部スピーカ573の前方位置で前後に夫々貫通している一対の開口部574a、及び一対の開口部574aよりも左右方向中央寄りの位置から中央付近まで夫々延びていると共に前後方向に夫々貫通しており上下に離間している複数(左右夫々三つ)のスリット574bを有しており中央ベース571及び一対のサイドベース572の前側に取付けられているユニット本体271と、一対の上部スピーカ573の前側に夫々配置されており一対の開口部574aを閉鎖するようにユニット本体271の後側に取付けられているパンチングメタルからなるスピーカカバー575と、を備えている。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271の左右方向中央の前面に取付けられており透光性を有しているトップ中装飾部材576と、トップ中装飾部材576の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中装飾基板577と、ユニット本体271の前面に夫々取付けられており複数のスリット574bを夫々閉鎖していると共にトップ中装飾部材576の左右両端付近から開口部574aを跨いでユニット本体271の左右両端付近まで夫々延びている透明平板状の複数(左右夫々三つ)の導光部材578と、ユニット本体271の前面におけるトップ中装飾部材576の左右両側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578の前面を夫々覆っているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580と、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の前方側からユニット本体271の前面に夫々取付けられておりトップ中装飾部材576の左右両側から開口部574aの中央側端部付近まで夫々延びているトップ中左装飾部材581及びトップ中右装飾部材582と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271における左右両側面の内側に夫々取付けられており複数(三つ)の導光部材578における左右方向外側端部と対面する部位にLEDが夫々実装されている扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ右装飾基板584と、ユニット本体271の後側における左右方向中央の左右両側に夫々形成されている複数(三つの)スリット574bが貫通している部位に夫々取付けられている一対の基板ベース585と、一対の基板ベース585の前面に夫々取付けられておりユニット本体271のスリット574bの後方となる位置に複数のLED586a,587aが実装されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の前側でユニット本体271の後側に夫々取付けられている一対の遮光部材588と、を備えている。
また、扉枠トップユニット570は、ユニット本体271内で中央ベース571の前面に取付けられている扉枠トップユニット中継基板589と、扉枠トップユニット中継基板589の前面を覆うように中央ベース571に取付けられている中継基板カバー590と、ユニット本体271の上開口部574cを閉鎖するようにユニット本体271に取付けられている上カバー591と、ユニット本体271の下開口部574dを閉鎖するようにユニット本体271に取付けられている下カバー592と、を備えている。
扉枠トップユニット570の中央ベース571は、正面視の形状が左右に延びた四角形に形成されている。中央ベース571は、後方へ開放された箱状に形成されており、前面に複数の凹凸を備えている。一対のサイドベース572は、中央ベース571の左右両端に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、各サイドベース572の前面に夫々取付けられる。一対の上部スピーカ573は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、夫々の前面が、扉枠トップユニット570の左右方向中央に近い側が後方へ移動するように斜めに取付けられている。一対の上部スピーカ573は、広い周波数帯域で音を出力可能なフルレンジのコーン型スピーカである。
ユニット本体271は、正面視の形状が、左右に延びた四角形の左右両端付近の下部が下方へ膨出したような形状に形成されている。換言すると、ユニット本体271は、正面視の形状が、左右に延びた四角形を、下端辺側から上方へ窄まった台形で切欠いたような形状に形成されている。ユニット本体271は、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の前端辺側における左右方向中央を中心にして全幅(左右方向の長さ)の約1/2の部位を底辺とする前方へ突出した台形と、その台形の前端辺を長辺として前方へ短く突出した四角形と、を組合せた形状に形成されている。従って、ユニット本体271は、前面における左右方向中央で前方へ突出した部位の両側が、ユニット本体271の左右方向の端部と、前方へ突出した部位の前端の左右方向端部とを結んだ線よりも後方に位置している(窪んでいる)。
ユニット本体271は、前面における左右方向両端から前方へ突出している部位よりも外側の位置までの部位に、夫々前後に貫通している開口部574aが形成されている。また、ユニット本体271は、前面における前方へ台形に突出している部位の斜めに延びている部位に、上下方向に所定の高さで左右に延びていると共に前後方向に貫通している複数のスリット574bが形成されている。複数のスリット574bは、ユニット本体271の前面における前方へ斜めに延びている部位の前端付近から、開口部574a付近まで左右に延びている。また、複数のスリット574bは、ユニット本体271の左右方向中央の両側に、夫々三つずつ上下に離間して形成されている。
また、ユニット本体271は、上面における左右方向中央に後端から前方へ向かって四角く切欠かれた上開口部574cと、下面における左右方向に後端から前方へ向かって切欠かれた下開口部574dと、を備えている。ユニット本体271の上開口部574cは、上カバー591によって閉鎖される。また、下開口部574dは、下カバー592によって閉鎖される。
また、ユニット本体271は、左右両端に上下に延びたトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fを備えている。トップ左装飾部574eは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面と、前後方向が略同じ位置に形成されている。トップ右装飾部574fは、その前面が、開口部574aの形成されている部位の前面よりも前方へ位置するように形成されている。このユニット本体271は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中装飾部材576は、ユニット本体271の前面における左右方向中央において前方へ突出している部位の前端に取付けられる。トップ中装飾部材576は、正面視の形状が、略正方形の下辺の左右方向中央部が下方へ位置するように折れ曲がった変五角形と、変五角形の左右の辺の上端から左右方向外側へ延出した辺の先端と辺五角形の左右の辺の下端とを結んだ略直角三角形と、を組合せたような形状に形成されている。トップ中装飾部材576は、前面の変五角形の部位が、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜している。このトップ中装飾部材576は、全体が立体的な形状に形成されており、透光性を有している。
扉枠トップ中装飾基板577は、前面が、トップ中装飾部材576の変五角形の部位の前面と沿うように、下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜した状態でトップ中装飾部材576の後側に取付けられる。扉枠トップ中装飾基板577は、前面に複数のLEDが実装されており、それらLEDを発光させることで、トップ中装飾部材576を発光装飾させることができる。
導光部材578は、透明な部材によって形成されている。導光部材578は、ユニット本体271の前面における前方へ突出した部位の前端よりも左右両外側の形状に沿った形状に形成されている。ユニット本体271の左右方向両端部に近い側を端部側、中央に近い側を中央側として説明すると、導光部材578は、端部側から中央側へ向かって左右に真っすぐに延びた直部578aと、直部578aの中央側の端部側から中央側へ向かうに従って前方へ移動するように半径の大きい円弧状に延びた円弧部578bと、で構成されている。導光部材578は、直部578aでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも小さく形成されており、円弧部578bでは前後方向の奥行きが上下方向の高さよりも大きく形成されている。また、導光部材578は、直部578aでは上下方向の高さが一定に形成されており、円弧部578bでは上下方向の高さが中央側へ向かうに従って小さくなるように形成されている。導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、直部578aがユニット本体271の開口部574aの直前に位置し、円弧部578bがユニット本体271のスリット574bを前方から閉鎖している。
導光部材578は、直部578aの後面に形成されている鋸状の凹凸からなる拡散反射部578cと、円弧部578bの後面側に形成されている複数の凹凸からなる拡散入力部578dと、を備えている。
導光部材578は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、左右方向両外側の端部が、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aと対面していると共に、拡散入力部578dが扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aと対面している。この導光部材578は、左右方向両外側の端部から、扉枠トップ左装飾基板583又は扉枠トップ右装飾基板584のLED583a,584aからの光が入射されると、その光が直部578a内を中央側へ進むと共に、直部578aの後面に形成されている拡散反射部578cにより端部側から順次前方へ反射され、直部578aの前面全体から光が前方へ照射される。導光部材578の前方にはトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580が配置されており、それらのうちの直部578aの前方となる部位が発光装飾させられる。
また、導光部材578は、円弧部578bの後面に形成されている拡散入力部578dから、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587のLED586a,587aからの光が入射されると、その光が拡散入力部578dの凹凸により円弧部578b内へ広く拡散され、円弧部578bの前面全体から光が前方へ照射される。これにより、トップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580における円弧部578bの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
このように、導光部材578は、扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586a、又は、扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587a、からの光を導いて、前方に配置されているトップ左装飾レンズ部材579又はトップ右装飾レンズ部材580の全体を良好(均一)な状態で発光装飾させることができる。
トップ左装飾レンズ部材579は、ユニット本体271の前面における左右方向中央より左側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体271の前面に取付けられる。トップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部579aを有している。トップ左装飾レンズ部材579の装飾レンズ部579aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部579aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左端から、ユニット本体271のトップ左装飾部574eの右端まで延びている。つまり、トップ左装飾レンズ部材579は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも左側の略全体を装飾している。このトップ左装飾レンズ部材579は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ左装飾基板583及び扉枠トップ中左装飾基板586のLED583a,586aによって発光装飾させられる。
トップ右装飾レンズ部材580は、ユニット本体271の前面における左右方向中央より右側に配置される三つの導光部材578の前方を覆うように、ユニット本体271の前面に取付けられる。トップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を夫々独立して前方から収容する三つの装飾レンズ部580aを有している。トップ右装飾レンズ部材580の装飾レンズ部580aは、導光部材578に倣った形状に形成されており、導光部材578の前面及び上下両面を被覆している。各装飾レンズ部580aの前面には、前方へ突出した四角錘台の凹凸が左右に列設されている。
トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の右端から、ユニット本体271のトップ右装飾部574fの左端まで延びている。つまり、トップ右装飾レンズ部材580は、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576よりも右側の略全体を装飾している。このトップ右装飾レンズ部材580は、三つの導光部材578を介して扉枠トップ右装飾基板584及び扉枠トップ中右装飾基板587のLED584a,587aによって発光装飾させられる。
トップ中左装飾部材581は、ユニット本体271の前面における左側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ左装飾レンズ部材579の前方からユニット本体271の前面に取付けられる。トップ中左装飾部材581は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ左装飾レンズ部材579の三つの装飾レンズ部579aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ左装飾レンズ部材579の前面よりも前方に突出している。このトップ中左装飾部材581は、不透光性の部材によって形成されている。
トップ中右装飾部材582は、ユニット本体271の前面における右側の開口部574aとトップ中装飾部材576との間で、トップ右装飾レンズ部材580の前方からユニット本体271の前面に取付けられる。トップ中右装飾部材582は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、トップ右装飾レンズ部材580の三つの装飾レンズ部580aの間を埋めるように取付けられており、前面の中央寄りがトップ右装飾レンズ部材580の前面よりも前方に突出している。このトップ中右装飾部材582は、不透光性の部材によって形成されている。
扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体271内における左側面(トップ左装飾部574e)の内側に、LED583aが実装されている面を右方へ向けて取付けられている。扉枠トップ左装飾基板583は、ユニット本体271の左右方向中央より左側の前面に取付けられている三つの導光部材578の左端面と対向する位置にLED583aが実装されている(図90を参照)。三つのLED583aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ左装飾基板583のLED583aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ左装飾レンズ部材579におけるユニット本体271の左側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体271内における右側面(トップ右装飾部574f)の内側に、LED584aが実装されている面を左方へ向けて取付けられている。扉枠トップ右装飾基板584は、ユニット本体271の左右方向中央より右側の前面に取付けられている三つの導光部材578の右端面と対向する位置にLED584aが実装されている(図90を参照)。三つのLED584aは、夫々独立して発光させることができる。扉枠トップ右装飾基板584のLED584aにより、三つの導光部材578の直部578aを介して、トップ右装飾レンズ部材580におけるユニット本体271の右側の開口部574aの前方に位置している部位を発光装飾させることができる。
一対の基板ベース585は、ユニット本体271内における複数のスリット574bが形成されている部位の後側に取付けられるものである。一対の基板ベース585は、互いが略左右対称に形成されている。基板ベース585は、上下及び前後に延びた辺を有する側面視略正方形の側壁と、側壁の後辺から直角に左右方向外方へ延びた正面視四角形の後壁と、側壁の上辺の前端から側壁の上辺途中までを結んだ線を斜辺として側壁と後壁の上辺同士を結んでいる略直角三角形の上壁と、上壁とは反対側で側壁と後壁の下辺同士を結んでいる略直角三角形の下壁と、を備え、上下の斜辺同士の間が開放された三角柱状の箱状に形成されている。基板ベース585は、開放されている部位が、ユニット本体271によって閉鎖されるようにユニット本体271に取付けられる。この基板ベース585は、開放されている部位が閉鎖されるように、扉枠トップ中左装飾基板586又は扉枠トップ中右装飾基板587が取付けられる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体271における左右中央より左側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中左装飾基板586は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体271の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体271の左右方向中央より左側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中左装飾基板586は、ユニット本体271の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED586aが実装されている。これにより、扉枠トップ中左装飾基板586は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体271の中央より左側の三つのスリット574bから、複数のLED586aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中左装飾基板586は、複数のLED586aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ左装飾レンズ部材579のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体271における左右中央より右側の後側に取付けられる基板ベース585において、箱状の開放されている部位を前方から閉鎖するように、基板ベース585に取付けられる。扉枠トップ中右装飾基板587は、基板ベース585の前面に取付けられることで、前面が、ユニット本体271の左右方向中央側へ向かうに従って前方へ移動するように、左右に延びた面に対して傾斜した状態となる。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、その前面が、ユニット本体271の左右方向中央より右側の三つのスリット574bが形成されている部位の面と略平行な状態となる。
扉枠トップ中右装飾基板587は、ユニット本体271の三つのスリット574bと対応している位置に、複数のLED587aが実装されている。これにより、扉枠トップ中右装飾基板587は、扉枠トップユニット570に組立てた状態で、ユニット本体271の中央より右側の三つのスリット574bから、複数のLED587aが前方に臨んだ状態となる。扉枠トップ中右装飾基板587は、複数のLED587aを発光させることで、導光部材578の円弧部578bを介して、トップ右装飾レンズ部材580のトップ中装飾部材576に近い部位を発光装飾させることができる。
一対の遮光部材588は、扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587とユニット本体271との間の位置で、ユニット本体271の前面後側に取付けられるものである。一対の遮光部材588は、不透光性の部材によって、互いが略左右対称に形成されている。遮光部材588は、ユニット本体271における三つのスリット574bと対応して列設されている扉枠トップ中左装飾基板586及び扉枠トップ中右装飾基板587の複数のLED586a,587aの上下の間を仕切っている。この遮光部材588により、各導光部材578の直後に位置しているLED586a,587aによってのみ、その導光部材578により光を前方へ誘導させることができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の夫々の装飾レンズ部579a,580aを夫々独立させた状態で良好に発光装飾させることができる。
扉枠トップユニット中継基板589は、中央ベース571の前面に取付けられている。扉枠トップユニット中継基板589は、一対の上部スピーカ573、扉枠トップ中装飾基板577、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587と、扉枠ベースユニット100の扉本体中継基板との接続を中継している。扉枠トップユニット中継基板589は、扉枠右サイドユニット550に備えられている図示しない接続ケーブルを介して、扉本体中継基板と接続されている。この扉枠トップユニット中継基板589は、前側が中継基板カバー590によって覆われている。
この扉枠トップユニット570は、左右方向中央において前方へ突出したトップ中装飾部材576を備えていると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ抉れているように湾曲しているため、トップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように遊技者を錯覚させることができ、遊技者の関心を本パチンコ機1に対して強く引付けさせることができる。
また、扉枠トップユニット570は、中央に配置されているトップ中装飾部材576の左右両側を装飾しているトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を、トップ中装飾部材576の左右両側から、ユニット本体271の左右両端に形成されているトップ左装飾部574e及びトップ右装飾部574fまで延びるように形成している。これにより、扉枠トップユニット570によって、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができる。
この際に、扉枠トップユニット570では、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580が配置されている左右方向両端付近の夫々の後方に、パンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された上部スピーカ573を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の上下に離間している三つの装飾レンズ部579a,580aの間からスピーカカバー575が前方へ臨むようにしているため、左右の上部スピーカ573から出力されるサウンドを、良好な状態で遊技者に聴かせることができ、良質なステレオサウンドを楽しませることができる。
また、扉枠トップユニット570は、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の後側に備えられた複数の導光部材578により、扉枠トップ左装飾基板583、扉枠トップ右装飾基板584、扉枠トップ中左装飾基板586、及び扉枠トップ中右装飾基板587からの光を、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580に導くことができ、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を良好に発光装飾させることができる。従って、扉枠トップユニット570は、左右の上部スピーカ573の前方を含む扉枠3の上部の前面全体を発光装飾させることができる。
[3−8.扉枠の作用効果]
扉枠3の作用効果について説明する。本実施形態のパチンコ機1における扉枠3は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース110の前後に貫通している貫通口111を、従来のパチンコ機よりは上下及び左右方向へ大きくしており、貫通口111の拡大に合せて、皿ユニット320及び扉枠トップユニット570の上下方向の高さを小さくしていると共に、扉枠左サイドユニット530及び扉枠右サイドユニット550の左右方向の幅を小さくしている。これにより、貫通口111(ガラスユニット190)を通して、本体枠4に取付けられた遊技盤5(遊技領域5a)の前面を、可及的に広く遊技者(前方)から見えるようにすることができ、遊技領域5aの広い遊技盤5に対応している。
扉枠3は、貫通口111の下側において、前方へ膨出している皿ユニット320の左右方向中央に大きな半球面状の操作ボタン410を有した演出操作ユニット400(第二演出操作ユニット400A)を備え、演出操作ユニット400の左右両側における下半分(上皿321よりも下側の部分)の前面(皿前下装飾部326cの前面)を、後方へ抉れるように窪んだ形状(皿ユニット320の左右両端の前端と、演出操作ユニット400の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、演出操作ユニット400の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、皿ユニット320の左右方向中央の前面に取付けられている演出操作ユニット400が前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対して演出操作ユニット400を目立たせて強調して見せることができ、演出操作ユニット400に強く注目させることができる。
扉枠3は、貫通口111よりも下側の皿ユニット320の前面に配置されている演出操作ユニット400を、大きな半球面状の透明な操作ボタン410が、斜め上前方を向くように傾けた状態で取付けているため、本パチンコ機1の前で遊技者が着座すると、操作ボタン410が遊技者の頭部(顔)を向いた状態となり、遊技者が視線を落として演出操作ユニット400を見ると、操作ボタン410が略正面に近い状態で見えることとなり、大きくて丸い操作ボタン410を強烈に視認させることができ、操作ボタン410を用いた演出に対して期待感を高めさせることができると共に、透明な操作ボタン410内に配置されている扉枠側演出表示装置460に表示される演出画像を良好な状態で視認させることができ、演出画像を十分に楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の全高と略同じ直径の大きくて前方へ丸く膨出した操作ボタン410を備えているため、操作ボタン410を操作する際に、短い距離の手の移動で操作ボタン410の何れかの部位に触れることができ、操作ボタン410の「早押し」を比較的容易に行うことができる。また、大径で前方へ丸く膨出した操作ボタン410を、傾けた状態で取付けているため、従来のパチンコ機の操作ボタンのように上から押圧操作することができるだけでなく、左方や右方、或いは、前方からでも良好に操作することができ、操作性の良い操作ボタン410によって操作ボタン410を用いた演出をより楽しませることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320によって演出操作ユニット400を、吊り下げたような状態で取付けていると共に、演出操作ユニット400の下部に振動を発生させる振動モータ424を備えているため、遊技状態に応じて振動モータ424を回転させて振動を発生させると、操作ボタン410の上部に触れている遊技者の手に対して、強い振動を伝達させることができ、遊技者を驚かせて操作ボタン410を用いた演出をより一層楽しませることができる。
更に、扉枠3は、皿ユニット320の前面中央に、皿ユニット320の全高に亘る大きな操作ボタン410(演出操作ユニット400)を備えていることから、従来のパチンコ機と比較して上皿321の下にある下皿322が目立ち難くなるため、従来のパチンコ機を見慣れた遊技者に対して、明らかに異なっていると認識させ易くすることができ、遊技者の関心を強く引付けられる訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、皿ユニット320の前面における演出操作ユニット400の左側に開口している下皿開口部326dに対して、下皿322を、演出操作ユニット400の後側へ回り込むように形成しているため、下皿開口部326dの大きさに対して、下皿322の容積を大きくすることができ、下皿322での遊技球の貯留数を十分に確保することができる。また、下皿322の後部が演出操作ユニット400の後側へ回り込んでいることから、遊技者が下皿322内に左手を入れたり、下皿開口部326dに左手の指を掛けたりした時に、指先が下皿322の後の壁に触れ難くなるため、遊技者に対して違和感を与え難くすることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができると共に、下皿開口部326dの大きさに比べて下皿322の容積が大きいことを触覚でも認識させることができる。
更に、扉枠3は、上皿321からの遊技球が下皿322に放出される下皿球供給口323cと下皿322の遊技球を皿ユニット320の下方のドル箱等に抜くための下皿球抜き孔322aとを、前後に直線状に配置すると共に、正面視において下皿開口部326dの右外側(演出操作ユニット400のフレームユニット415の左端よりも右側)に配置している。つまり、下皿球供給口323c及び下皿球抜き孔322aを、演出操作ユニット400、皿ユニットカバー326における演出操作ユニット取付部326a(下皿開口部326dの右外側)、下皿カバー340の前端側、等の後方に配置しているため、遊技者側から下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えず、皿ユニット320(パチンコ機1)の外観をスッキリさせることができ、パチンコ機1の見栄えを良くすることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方(真正面)の下方に下皿球抜き孔322aを配置しているため、下皿球抜き孔322aを開いた状態とすると、上皿321等から下皿322へ放出された遊技球が、下皿322に入ると直ぐに下皿球抜き孔322aから下方のドル箱等へ排出されることとなる。この際に、遊技者側からは、下皿球供給口323cや下皿球抜き孔322aが見えないため、上皿321等から下皿322を通ってドル箱へ排出される遊技球の流れも見ることができない。これにより、遊技者に対して上皿321の遊技球や上皿321が満タンな状態で払出装置830から払出された遊技球等が、直接ドル箱へ排出されているように錯覚させることができるため、遊技球が下皿322を通る煩わしさを感じさせ難くすることができ、遊技者を遊技(遊技球の打込操作や演出画像等)に専念させて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、下皿322において、下皿球供給口323cの前方左寄りの位置に下皿球抜き孔322aを配置すると共に、下皿球抜き孔322aよりも右側の下皿322の立上った壁部を下皿球抜き孔322aの方向を向くように斜めに湾曲させているため、下皿球供給口323cから下皿322へ供給された遊技球を、直接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したり、右側の壁部に反射させて間接的に下皿球抜き孔322aへ誘導したりすることができる。これにより、下皿球抜き孔322aが開いたままの状態では、下皿球供給口323cから下皿322に供給された遊技球が、下皿322における下皿球抜き孔322aよりも左側の領域(下皿第一領域A1)へ侵入することなく、下皿球抜き孔322aから下方へ排出させることができるため、下皿322内を流通する遊技球を遊技者に見せることなく下皿322の下方(ドル箱)へ遊技球を排出させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、扉枠3は、下皿322が前方へ臨む皿ユニットカバー326の下皿開口部326dを、演出操作ユニット取付部326a(演出操作ユニット400)と下スピーカ口326eとの間に備えているため、遊技者が下皿開口部326dに手を掛けたり、下皿322に手を入れたりしても、下スピーカ口326eの前方が遊技者の手によって遮られることはないため、本体枠4の基板ユニット900におけるスピーカ921からのサウンドを、良好に前方へ出力させることができ、本パチンコ機1によるサウンドを楽しませることができる。また、遊技者が下皿322に手を入れたり近付けたりすると、下スピーカ口326eから前方へ出力されるスピーカ921からの重低音による振動を、遊技者に触覚的に感じさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の右側から板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550を備えていることから、本パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置すると、扉枠右サイドユニット550が右側に隣接しているパチンコ機との間で仕切りのような作用効果を発揮することができるため、本パチンコ機1で遊技する遊技者に対して、個室で遊技しているような感じに錯覚させることができ、周りの他の遊技者に気兼ねすることなくリラックスした雰囲気で遊技を行わせることができる。
更に、扉枠3は、板状で前方へ大きく突出している扉枠右サイドユニット550の前端や左右両面を、発光装飾させることができるため、パチンコ機1が並んだ状態で設置される遊技ホール内において、本パチンコ機1の前方に位置していなくても、島設備に沿った横方向から等の遠くからでも本パチンコ機1の存在を知らせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、貫通口111の上側の扉枠トップユニット570において、左右方向中央で前方へ突出しているトップ中装飾部材576を備えると共に、トップ中装飾部材576の左右両側の前面を、後方へ抉れるように窪んだ形状(扉枠トップユニット570の左右両端の前端と、トップ中装飾部材576の左右両端の前端とを結んだ直線よりも、扉枠トップユニット570におけるトップ中装飾部材576の左右両側の前面が後方へ位置するように凹状に湾曲した形状)に形成されている。これにより、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576のみが前方へ大きく突出しているように見えるため、遊技者に対してトップ中装飾部材576を目立たせて強調して見せることができ、トップ中装飾部材576に強く注目させることができる。
ところで、従来のパチンコ機における扉枠の上部には、左右に離間した一対の上部スピーカが備えられており二つの上部スピーカが目立っていた。これに対して、本実施形態の扉枠3は、貫通口111の上側に取付けられている扉枠トップユニット570において、左右両端にパンチングメタルからなるスピーカカバー575により前面が保護された一対の上部スピーカ573を備えた上で、中央のトップ中装飾部材576の左右両側からスピーカカバー575の前を通って左右方向両端まで延びたトップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580を備え、トップ左装飾レンズ部材579及びトップ右装飾レンズ部材580の前面全体を、発光装飾できるようにしている。これにより、扉枠3の前面上部を全体的に装飾することができるため、扉枠3の上部において、一対の上部スピーカ573が目立たなくなり、従来のパチンコ機とは明らかに異なる装飾が施されていることを一見して遊技者に認識させることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、一対の上部スピーカ573により良質なステレオサウンドを遊技者に楽しませることができる。
このように、本実施形態の扉枠3は、貫通口111より下側と上側において、皿ユニット320に取付けられている演出操作ユニット400と、扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576とが、夫々左右方向の中央で前方へ大きく突出しているため、左右方向中央を通る仮想線が目立つような上下において統一感のある装飾を遊技者に見せることができると共に、洗練された感じの装飾により他のパチンコ機よりも目立たせることができ、訴求力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠3は、左右方向の中央において上下に配置されている扉枠トップユニット570のトップ中装飾部材576と演出操作ユニット400とを、前方へ突出させているため、トップ中装飾部材576及び演出操作ユニット400を発光装飾させると、扉枠3の前面の左右方向中央で上下に延びたような発光ラインを遊技者に見せることができ、遊技者の視線を左右方向中央に配置された演出操作ユニット400の操作ボタン410等に誘導させることができる。
[4.本体枠の全体構成]
本実施形態のパチンコ機1における本体枠4について、図91乃至図94を参照して説明する。図91は本体枠を前から見た斜視図であり、図92は本体枠を後ろから見た斜視図である。また、図93は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図94は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。本実施形態の本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に遊技盤5が着脱可能に収容される。この本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられるものである。
本実施形態の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベース600の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
[4−1.本体枠ベース]
本実施形態における本体枠4の本体枠ベース600は、図91乃至図94に示すように、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されている。この本体枠ベース600は、上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口601と、遊技盤挿入口601の下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部602と、遊技盤載置部602の左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤載置部602の正面視右下側に形成されている球発射装置680を取付けるための発射装置取付部604と、発射装置取付部604の正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口605と、遊技盤載置部602の正面視左右中央から左寄り下側で前後に貫通しており基板ユニット900の扉枠用中継基板911を前方へ臨ませる接続用開口部606と、遊技盤載置部602の正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット900におけるスピーカユニット920を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部607と、を備えている。
更に、本体枠ベース600は、遊技盤挿入口601の正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット700が取付けられると共に、後端に裏カバー980が回動可能に取付けられる後方延出部608を備えている。また、本体枠4の本体枠ベース600は、後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640を取付けるための上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610を備えている。
また、本体枠ベース600は、接続用開口部606を開閉可能に閉鎖する開口カバー615と、遊技盤載置部602の正面視左右中央より左側でやや下側の位置に回動可能に取付けられ、遊技盤挿入口601に挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能な遊技盤ロック部材616と、を備えている。
[4−2.本体枠側上ヒンジ部材及び本体枠側下ヒンジ部材]
本実施形態における本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620と本体枠側下ヒンジ部材640について、図91乃至図94を参照して説明する。この本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640は、本体枠ベース600の上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610に取付けられるものである。
本体枠側上ヒンジ部材620は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体621と、上ヒンジ本体621の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠側上ヒンジ部材60に軸支される本体枠上ヒンジピン622と、本体枠上ヒンジピン622の正面視左側で上ヒンジ本体621を貫通しており扉枠側上ヒンジ部材140を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔623と、を備えている。本体枠側上ヒンジ部材620は、上ヒンジ本体621における下方へ折り曲げられた部位が、本体枠ベース600の上ヒンジ取付部609に取付けられる。
本体枠側下ヒンジ部材640は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体641と、下ヒンジ第一本体641の前端で上下に貫通しており外枠2の外枠側下ヒンジ部材70に軸支される外枠用下ヒンジ孔(図示は省略)と、下ヒンジ第一本体641の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体643と、下ヒンジ第二本体643の前端で上下に貫通しており扉枠3の扉枠側下ヒンジ部材150を軸支するための扉枠用ヒンジ孔644と、下ヒンジ第二本体643の水平に延びている部位における扉枠用ヒンジ孔644よりも後側で左端から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片645と、を備えている。
下ヒンジ第二本体643は、水平に延びた部位が、下ヒンジ第一本体641の水平に延びた部位の上側に一定の間隔を開けた状態で、上方へ折り曲げられた部位が下ヒンジ第一本体641の上方へ折り曲げられた部位の前面に当接している。この本体枠側下ヒンジ部材640は、下ヒンジ第一本体641及び下ヒンジ第二本体643の上方へ折り曲げられた部位が、本体枠ベース600の下ヒンジ取付部610に取付けられる。
[4−3.補強フレーム]
本実施形態における本体枠4の補強フレーム660について、図91乃至図94を参照して説明する。補強フレーム660は、本体枠ベース600の左側面に取付けられるものである。この補強フレーム660は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。また、補強フレーム660には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース600の遊技盤挿入口601に挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置決め部材661が、上下に離間して一組取付けられている。
この補強フレーム660によって本体枠ベース600のヒンジ側(正面視左側)を補強することができると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止することができる。
[4−4.球発射装置]
本実施形態における本体枠4の球発射装置680について、図91、図93及び図94を参照して説明する。球発射装置680は、皿ユニット320の上皿321に貯留されている遊技球を、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むための装置である。この球発射装置680は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット300のハンドル302の回動角度に応じて、遊技球の打込強さが変化する。
球発射装置680は、本体枠ベース600の発射装置取付部604に取付けられる平板状の発射ベース681と、発射ベース681の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース681を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド682と、発射ソレノイド682の回転軸に基端が取付けられている打球槌683と、打球槌683の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース681の前面に取付けられており遊技球が転動可能な発射レール684と、を備えている。
この球発射装置680は、扉枠3の球送りユニット250から遊技球が発射レール684の上面右端に供給されるようになっており、発射レール684の上面右端に遊技球が供給されている状態で、ハンドル302を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド682が駆動して、打球槌683により遊技球を打球する。そして、打球槌683により打たれた遊技球は、発射レール684を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球の打込強さ等の関係で、打球した遊技球が遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール684と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット270のファール球受口275へ落下し、ファールカバーユニット270内を通って下皿322に排出される。
[4−5.施錠ユニット]
本実施形態における本体枠4の施錠ユニット700について、図91乃至図94を参照して説明する。本実施形態の施錠ユニット700は、本体枠4の本体枠ベース600に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠することができる。施錠ユニット700は、本体枠ベース600の後方延出部608の右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース701と、ユニットベース701から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤702と、ユニットベース701から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤703と、ユニットベース701の下部にから前方に円柱状に突出していると共に、前端部から軸直角方向へ突起が突出しており、扉枠3の開閉シリンダユニット210の回転伝達部材212と係合することでシリンダ錠211の回転が伝達され、鍵の回動方向に応じて扉枠用鉤702又は外枠用鉤703の何れかの係止を開錠させる鍵シリンダ710と、を備えている。
[4−6.払出ユニット]
本実施形態における本体枠4の払出ユニット800について、図95乃至図113を参照して説明する。図95は払出ユニットを前から見た斜視図であり、図96は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図97は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図98は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図99(a)は払出ユニットの球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図100は、球誘導ユニットの分解斜視図である。また、図101(a)は払出ユニットの払出装置を前から見た斜視図であり、(b)は払出装置を後ろから見た斜視図である。また、図102は払出装置を分解して前から見た分解斜視図であり、図103は払出装置を分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図104(a)は払出装置の正面図であり、(b)は(a)におけるQ−Q線で切断した断面図である。また、図105(a)は払出装置において球抜き可動片により球抜き通路を閉鎖した状態を示す説明図であり、(b)は球抜き可動片により球抜き通路を開放した状態を示す説明図である。
また、図106(a)は払出ユニットにおける上部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図107(a)は上部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図108(a)は払出ユニットにおける下部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図109は下部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図110は下部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図111(a)は下部満タン球経路ユニットにおいて誘導路開閉扉が閉じている状態を示す説明図であり、(b)は誘導路開閉扉が開いている状態を示す説明図である。また、図112は、扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。図113は、払出ユニットにおける遊技球の流れを示す説明図である。
本実施形態の払出ユニット800は、図95及び図96等に示すように、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない遊技ホールの島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、を備えている。タンクレール803内では、遊技球を左方へ誘導させながら、上方から揺動可能に垂下している球均し部材804(図113を参照)によって、前後二列に整列させる。
また、払出ユニット800は、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、を備えている。タンクレール803から払出装置830までは、遊技球が二列で流通し、払出装置830からは、遊技球が一つずつ払出される。
更に、払出ユニット800は、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット320における上皿321での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861、満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862、及び通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863、を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
[4−6a.球誘導ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の球誘導ユニット820について、図99及び図100を参照して説明する。球誘導ユニット820は、上下に延びており後側が開放された箱状の前ケース821と、前ケース821の後側に取付けられており前側が開放された箱状の後ケース822と、前ケース821と後ケース822との間に取付けられており前ケース821と後ケース822と間を仕切る平板状の仕切板823と、仕切板823を貫通して前後両端が前ケース821及び後ケース822に取付けられている棒状の軸部材824と、軸部材824によって回動可能に取付けられており前ケース821内及び後ケース822内に夫々配置されている一対の可動片部材前825及び可動片部材後826と、前ケース821内に取付けられており一対の可動片部材前825及び可動片部材後826の回動位置を検知可能な球切れ検知センサ827と、を備えている。
前ケース821は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口821aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口821bと、球誘導入口821aと球誘導出口821bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路821cと、を備えている。誘導通路821cは、球誘導入口821aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部821dと、導入部821dから前ケース821の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部821eと、検知部821eから前ケース821の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部821fと、で構成されている。また、前ケース821は、誘導通路821cにおける検知部821eの正面視右側の壁に切欠部821gを備えている。
後ケース822は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口822aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口822bと、球誘導入口822aと球誘導出口822bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路822cと、を備えている。誘導通路822cは、球誘導入口822aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部822dと、導入部822dから後ケース822の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部822eと、検知部822eから後ケース822の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部822fと、で構成されている。また、後ケース822は、誘導通路822cにおける検知部822eの正面視右側の壁に切欠部822gを備えている。
この後ケース822は、前ケース821に対して左右に略対称に形成されており、球誘導ユニット820に組立てた状態で、誘導通路821cと誘導通路822cとが前後に一致するように形成されている。
軸部材824は、前ケース821及び後ケース822における切欠部821g,822gの上端の下側且つ誘導通路821c,822cの外側の位置に前後の端部が取付けられている。
可動片部材前825は、上下に延びた平板状の可動片825aと、可動片825aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔825bと、可動片825aの上端から可動片825aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部825cと、延出部825cと可動片825aとを連結しており軸孔825bを中心に扇状に延びている連結部825dと、延出部825cの上部及び連結部825dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部825eと、延出部825cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片825fと、連結部825dの外周における可動片825aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片825gと、を備えている。
この可動片部材前825は、軸孔825bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部825dの外周から突出している錘取付部825eが、軸孔825bの直下に位置するように回動し、可動片825aが軸孔825bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部825dが前ケース821の切欠部821gに挿通されて、可動片825aの下端が誘導通路821c内に突出した状態となると共に、ストッパ片825gが誘導通路821c(検知部821e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片825gが誘導通路821cの外壁に当接することで、可動片825aの下端が、誘導通路821c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前825は、可動片825aの下端を、誘導通路821cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片825aの左側の面が、誘導通路821cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前825の検知片825fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路821c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
可動片部材後826は、上下に延びた平板状の可動片826aと、可動片826aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔826bと、可動片826aの上端から可動片826aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部826cと、延出部826cと可動片826aとを連結しており軸孔826bを中心に扇状に延びている連結部826dと、延出部826cの上部及び連結部826dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部826eと、延出部826cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片826fと、連結部826dの外周における可動片826aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片826gと、を備えている。
この可動片部材後826は、軸孔826bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部826dの外周から突出している錘取付部826eが、軸孔826bの直下に位置するように回動し、可動片826aが軸孔826bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部826dが後ケース822の切欠部822gに挿通されて、可動片826aの下端が誘導通路822c内に突出した状態となると共に、ストッパ片826gが誘導通路822c(検知部822e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片826gが誘導通路822cの外壁に当接することで、可動片826aの下端が、誘導通路822c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材後826は、可動片826aの下端を、誘導通路822cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片826aの左側の面が、誘導通路822cの内面と一致する。この状態では、可動片部材後826の検知片826fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路822c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
本実施形態の球誘導ユニット820は、タンクレール803によって複数の遊技球が前後に夫々一列で並ばされた状態で供給され、複数の遊技球が一列に並んだ状態で、前ケース821及び後ケース822によって、前後に二列の状態で下方の払出装置830へ誘導することができる(図113を参照)。この際に、前ケース821と後ケース822とは仕切板823によって仕切られているため、夫々の誘導通路821c,822cを流通する遊技球が、互いに干渉し合うことはなく、良好に流通することができる。
また、球誘導ユニット820の誘導通路821c,822c内を遊技球が流通すると、遊技球が可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aに当接し、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁面と一致する方向へ可動片部材前825及び可動片部材後826が回動する。これにより、可動片部材前825及び可動片部材後826の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となり、誘導通路821c,822c内に遊技球があることが判る。
そして、球誘導ユニット820の下流側の払出装置830により遊技球の払出し等が行われると、誘導通路821c,822c内の遊技球が下流へ流れることとなる。誘導通路821c,822c内を遊技球が流れると、導入部821d,822dを流れる遊技球の勢いが強くなり、導入部821d,822dを流れた遊技球が、検知部821e,822eの上部で可動片825a,826a側へ跳ね返り、可動片825a,826aに当接することとなる。この遊技球の当接により、可動片825a,826aが振動することとなるため、その振動により可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの切欠部821g,822gとの間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片825a,826aが良好に回動できるようになる。
また、球誘導ユニット820は、各誘導通路821c,822c内を流通する遊技球を夫々別々の可動片部材前825及び可動片部材後826によって検知するようにしていると共に、可動片部材前825及び可動片部材後826の夫々の検知片825f,826fを一つの球切れ検知センサ827で検知するようにしているため、何れかの誘導通路821c,822c内の遊技球がなくなると、可動片部材前825又は可動片部材後826の可動片825a,826aが誘導通路821c,822c内へ突出するように回動し、遊技球のなくなった側の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827で検知される。従って、遊技球の球切れを早期に検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
更に、可動片部材前825及び可動片部材後826の錘取付部825e,826eに、錘として金属ビスを捩じ込んで取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を、誘導通路821c,822c内に突出する方向へ回動させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826aが回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
このように、本実施形態の球誘導ユニット820は、自重によって下端側が遊技球の流通する誘導通路821c,822c内へ突出する可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aにおいて、遊技球と当接する面の反対側の錘取付部825e,826eに金属ビスからなる錘を取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826の自重と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を誘導通路821c,822c内に回動(突出)させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826a(可動片部材前825及び可動片部材後826)が回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部825e,826eに捩じ込んで取付けるため、可動片部材前825及び可動片部材後826が頻繁に回動しても、錘が可動片部材前825及び可動片部材後826(錘取付部825e,826e)から外れることがなく、長期に亘って可動片部材前825及び可動片部材後826を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部825e,826eに金属ビスを捩じ込むだけで、可動片部材前825及び可動片部材後826に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
更に、誘導通路821c,822c内において可動片825a,826aが内部に突出する部位よりも上流側に、可動片825a,826aへ向かって遊技球を誘導させる導入部821d,822dを備えていることから、誘導通路821c,822c内を遊技球が流れることで、遊技球が可動片825a,826aに当接するため、遊技球の当接によって可動片825a,826aを振動させることができる。従って、可動片825a,826aの振動により、可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの壁との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片部材前825及び可動片部材後826が良好に回動するようにできる。
従って、可動片部材前825及び可動片部材後826を良好に回動させることができるため、誘導通路821c,822c内の遊技球の状態(有無)を確実に検知させることができ、遊技球の誤検知等による不具合の発生を抑制させることができる。また、払出装置830へ供給される遊技球が誘導通路821c,822c内からなくなっても、可動片825a,826aを介して確実に誘導通路821c,822c内の有無を検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
[4−6b.払出装置]
本実施形態における払出ユニット800の払出装置830について、図101乃至図105を参照して説明する。払出装置830は、後側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口831a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口831b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口831c、払出入口831aと払出出口831bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路831d、及び払出通路831dの途中から分岐して球抜き出口831cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路831e、を有している前箱831と、前箱831の後側に取付けられており前側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口832a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口832b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口832c、払出入口832aと払出出口832bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路832d、及び払出通路832dの途中から分岐して球抜き出口832cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路832e、を有している後箱832、を備えている。
また、払出装置830は、前箱831の前側に取付けられており後側が開放されている浅い箱状の前カバー833と、前箱831内に取付けられており回転軸が前箱831を貫通して前カバー833内に延出している払出モータ834と、払出モータ834の回転軸に取付けられている駆動ギア835と、駆動ギア835と噛合しており前箱831と前カバー833とで回転可能に取付けられている平歯車状の中間ギア836と、中間ギア836と噛合している従動ギア837と、従動ギア837が回転可能に貫通しており前端が前カバー833に取付けられていると共に後端が前箱831を貫通して後箱832に取付けられている軸部材838と、軸部材838を貫通して回転可能に取付けられていると共に前箱831及び後箱832の払出通路831d,832d内に配置されており従動ギア837と一体回転する払出羽根839と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840と、を備えている。
更に、払出装置830は、前箱831と後箱832の間に取付けられており前箱831の払出通路831dと後箱832の払出通路832dとを仕切る平板状の仕切板841と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転により払出されて払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842と、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位で前箱831と後箱832とによって回動可能に取付けられており球抜き通路831e,832eを閉鎖可能な球抜き可動片843と、前箱831及び後箱832の正面視右側面上部で上下にスライド可能に取付けられており球抜き可動片843を回動可能又は回動不能とする球抜きレバー844と、を備えている。
前箱831の払出通路831dは、払出入口831aから球抜き出口831cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、前箱831の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、前箱831の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口831bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口831bへ垂直に延びている。払出通路831d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路831eは、払出通路831dにおいて払出入口831aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、前箱831は、払出通路831d内の払出出口831bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って後方へ突出している誘導棚831fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部831gと、を備えている。
後箱832の払出通路832dは、払出入口832aから球抜き出口832cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、後箱832の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、後箱832の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口832bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口832bへ垂直に延びている。払出通路832d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路832eは、払出通路832dにおいて払出入口832aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、後箱832は、払出通路832d内の払出出口832bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って前方へ突出している誘導棚832fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部832gと、を備えている。
前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eは、同じ形状に形成されている。払出通路831d,832dは、払出羽根839が配置されている部位の上流までが仕切板841によって仕切られている。また、誘導棚831f,832fと払出出口831b,832bとの間に、払出検知センサ842が取付けられている。つまり、前箱831の払出通路831dを流通した遊技球と、後箱832の払出通路832dを流通した遊技球とは、夫々の誘導棚831f,832fによって前箱831と後箱832との前後の境界付近に寄せられて、一つの払出検知センサ842により検知される。
従動ギア837は、中間ギア836と噛合する平歯車状のギア部837aと、ギア部837aの後面から周方向へ60度の角度の間隔で放射状に突出しており羽根回転検知センサ840によって検知可能な複数の検知片837bと、ギア部837aの中心から後方へ円筒状に突出していると共に後端の周面に凹凸が形成されており払出羽根839と連結可能な連結部837cと、を備えている。
払出羽根839は、前後に円筒状に延びており軸部材838が挿通されるベース筒部839aと、ベース筒部839aの前端から周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の前羽根839bと、ベース筒部839aの後端から前羽根839bとは互い違いとなるように周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の後羽根839cと、ベース筒部839aの前端から前方へ筒状に突出していると共に前端の周面に従動ギア837の連結部837cと連結可能な凹凸が形成されている被連結部839dと、を備えている。
払出羽根839の前羽根839b及び後羽根839cは、周方向へ120度の角度の間隔で夫々三つずつ備えられており、互い違いとなるように、前羽根839bに対して後羽根839cが、周方向へ60度の角度でオフセットして外方へ延出している。本実施形態の払出羽根839は、三つの前羽根839b(後羽根839c)同士の間が中心側へ窪んだ円弧によって結ばれており、その円弧の直径が遊技球の直径と同じか若干大きい。これにより、前羽根839b(後羽根839c)同士の間には、遊技球が一つのみ収容することが可能な球収容部839eが形成されている。
また、三つの前羽根839b及び後羽根839cは、ベース筒部839aの軸を中心としたそれらの外周の直径D1が、遊技球の外径の1〜1.4倍に形成されている。また、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)におけるベース筒部839aの軸に最も接近した部位までの、ベース筒部839aの軸を中心とした直径D2は、遊技球の外径の約0.3〜0.4倍に形成されている。つまり、前羽根839b及び後羽根839cの外周から球収容部839eの最も凹んだ部位までの深さ[(直径D1−直径D2)/2]が、遊技球の外径の0.1〜0.4倍とされている。
従って、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)により、遊技球の外周の約3/10(1/4〜1/3の間)を保持することができる。換言すると、遊技球の外径の約1/5(1/7〜1/4)の深さを収容することができる。これにより、払出通路831d,832d内の遊技球を、速やかに前羽根839b(後羽根839c)同士の間(球収容部839e)に収容することができる。
本実施形態の払出羽根839は、払出装置830を組立てた状態で、前羽根839bが前箱831の払出通路831d内に、後羽根839cが後箱832の払出通路832d内に位置し、夫々の払出通路831d,832d内の遊技球を、夫々払出すことができる。また、払出羽根839は、払出通路831d,832dにおいて、前箱831及び後箱832の全高の中央よりも下側でクランク状に折れ曲がっている部位に配置されている。詳しくは、払出通路831d,832dにおいて、前箱831及び後箱832の全高の中央付近から下方へ垂直に延びている部位の直下に、払出羽根839の回転中心が位置している。そして、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位では、払出羽根839から遠い側の壁(内壁)が、払出羽根839の回転中心を中心とし、前羽根839b及び後羽根839cの外周から遊技球の外径よりも小さい距離Sだけ離れた円弧状に形成されている。なお、本実施形態では、距離Sが、遊技球の外径の0.7〜0.9倍とされている。換言すると、球収容部839eの最も凹んだ部位から払出通路831d,832dの円弧状に形成されている部位までの距離が、遊技球の外径の1.03〜1.1倍とされている。
これにより、払出装置830は、払出羽根839上に流下してきた遊技球が、前羽根839b及び後羽根839cの外周に当接すると、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができず、払出出口831b,832bから下方へ放出されることはない。一方、遊技球が、球収容部839eに収容されると、払出羽根839の回転と共に移動し、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができ、払出出口831b,832bから下方へ放出される。
また、払出装置830では、前羽根839b及び後羽根839cの直径D1を、遊技球の外径の約1.2〜1.4倍とすると共に、球収容部839eにより遊技球の外径の1/7〜1/4の深さを収容するようにしているため、払出羽根839の外径を可及的に小さくしつつ、遊技球の収容にかかる時間を短くすることができる。これにより、払出羽根839を速く回転させても、球収容部839eに遊技球を収容させて、払出出口831b,832b側へ送ることができる。従って、従来よりも単位時間当りの遊技球の払出数を多くすることができ、遊技球の払出しにかかる時間を短縮することができる。
球抜き可動片843は、上下及び前後に板状に延びており下部が折れ曲がって正面視く字状に形成されている本体部843aと、本体部843aの上端で前後に筒状に延びており両端が夫々前箱831及び後箱832に回動可能に取付けられる軸筒部843bと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている外側面の上部から突出している突出部843cと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている下部において前後に貫通している貫通孔からなる錘取付部843d(図105を参照)と、を備えている。
球抜き可動片843は、払出装置830を組立てた状態では、本体部843aの下部が正面視斜め左下へ延びるような向きで、上端の軸筒部843bが、前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dにおいて、払出入口831a,832aから正面視右下へ斜めに延びている部位で、且つ、下方へ折れ曲がる部位よりもやや上側の正面視右側の壁の外側の位置で、回動可能に取付けられている。
本実施形態の払出装置830は、通常の状態では、球抜きレバー844を下方へスライドさせた状態としており、球抜きレバー844の下部が球抜き可動片843の突出部843cに正面視右側から当接している。これにより、球抜き可動片843は、正面視反時計回りへの回動が規制されている(図105(a)を参照)。
この通常の状態では、球抜き可動片843のく字状に折れ曲がっている本体部843aにおいて、曲がっている部位よりも上側が垂直に延びていると共に、曲がっている部位の下側が正面視斜め左下へ延びている。そして、本体部843aの下端は、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位の近傍に位置している。従って、球抜き可動片843(本体部843a)によって、球抜き通路831e,832eを閉鎖していると共に、本体部843aの左側を向いた面が、払出通路831d,832dの一部の壁を形成している。
本実施形態の球抜き可動片843は、通常の状態において、球抜き可動片843の重心が、軸筒部843bの中心を通る垂直線の正面視左側に位置するように形成されており、自重によって正面視反時計回りに回転させようとする力が作用しているが、球抜きレバー844によって反時計回りへの回動が規制されているため、通常の状態が維持される。
通常の状態から、球抜きレバー844を上方へスライドさせると、球抜きレバー844の下部が、球抜き可動片843の突出部843cから離れ、球抜き可動片843の正面視反時計回りへの回動の規制が解除される。従って、球抜き可動片843は、重心が軸筒部843bの直下へ位置するように、自重によって反時計回りへ回動することとなる。なお、球抜き可動片843は、本体部843aの下部の右側側面が、前箱831及び後箱832の右側面を形成している部材の左面に当接するまで、反時計回りに回動することができる(図105(b)を参照)。これにより、球抜き通路831e,832eが開放された状態となり、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、払出通路831d,832dの途中で、球抜き可動片843の本体部843aに当接して球抜き可動片843を正面視反時計回りへ回動させて球抜き通路831e,832eを開放し、開放された球抜き通路831e,832eを流通して球抜き出口831c,832cから下方へ放出されることとなる。
本実施形態では、球抜き可動片843に錘取付部843dを備えているため、この錘取付部843dに金属ビスからなる錘を捩じ込んで取付けることで、球抜きレバー844を上方へスライドさせて、正面視反時計回りへの回動の規制を解除した時に、球抜き可動片843の自重と錘の重量とによって、球抜き可動片843の下端を球抜き通路831e,832e内へ突出する方向へ(正面視反時計回りに)回動させ易くすることができる。
また、球抜きレバー844を下方へスライドさせて球抜き通路831e,832eを閉鎖している通常の状態において、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、遊技球の当接によって球抜き可動片843を振動させることができる。従って、球抜き可動片843の下端と球抜き通路831e,832eの内面との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を、球抜き可動片843の振動によって除去することができ、埃やゴミ等を噛み込んで球抜き可動片843が回動できなくなるのを防止することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部843dに捩じ込んで取付けることができるため、球抜き可動片843が頻繁に回動しても、錘が球抜き可動片843(錘取付部843d)から外れることがなく、長期に亘って球抜き可動片843を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部843dに金属ビスを捩じ込むだけで、球抜き可動片843に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
ところで、球抜き可動片843によって球抜き通路831e,832eを長期に亘って閉鎖していると、球抜き可動片843の回転軸に微細な埃が付着したり回転軸が錆びたりして、球抜き可動片843が回動し辛くなることがある。これに対して、本実施形態では、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、球抜き可動片843により球抜き通路831e,832eを閉鎖している状態から、閉鎖を解除する球抜きレバー844を上方へスライドさせてロックを外した時に、遊技球が球抜き可動片843に当接することで、その当接の衝撃によって球抜き可動片843を回動させることができ、球抜き通路831e,832eを確実に開放させることができる。
従って、球抜きレバー844を操作して球抜き通路831e,832eを開放させる際に、球抜き可動片843が良好に回動することができるため、遊技球の抜取り作業を確実に行うことができ、メンテナンス等の際の作業性を良くすることができる。
[4−6c.上部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の上部満タン球経路ユニット850について、図106及び図107を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801において、払出装置830の下側の位置に取付けられるものである。この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース851と、上部満タンベース851の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー852と、上部満タンカバー852の後側に回転可能に取付けられており払出装置830を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材853と、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上面における正面視左右中央から左側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部払出球受口850aと、上面における正面視左右中央から右側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部球抜き入口850bと、上部満タンベース851と上部満タンカバー852との間に形成されており上部払出球受口850aに受けられた遊技球が流通する所定広さの上部球貯留通路850cと、上部球貯留通路850cの下端における上部払出球受口850aの直下の部位で下方へ開口している通常放出口850dと、上部球貯留通路850cの下端における通常放出口850dを除いた部位で下方へ開口している満タン放出口850eと、通常放出口850dと満タン放出口850eとの間から上方へ突出しており上部球貯留通路850c内の下部を左右に仕切っている仕切片850fと、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上部球抜き入口850bから進入した遊技球を下方へ誘導する上部球抜き通路850gと、上部球抜き通路850gの下端で下方へ向かって開口している上部球抜き出口850hと、を備えている。この上部満タン球経路ユニット850は、正面視で左側から、通常放出口850d、満タン放出口850e、上部球抜き出口850hが順に並んで下方へ開口している。また、上部満タン球経路ユニット850は、上部満タンベース851の右端に裏カバー980を取付けるための裏カバー取付部854を備えている。
この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、上部払出球受口850aが、払出装置830の払出出口831b,832bの直下に位置していると共に、上部球抜き入口850bが、払出装置830の球抜き出口831c,832cの直下に位置している。また、上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、通常放出口850d、満タン放出口850e、及び上部球抜き出口850hは、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865の夫々後端開口の直上に夫々開口している(図113を参照)。
上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830によって払出されて払出出口831b,832bから下方へ放出された遊技球が、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入する。上部球貯留通路850cの下端の通常放出口850dが閉鎖されていない状態では、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入した遊技球が、上部払出球受口850aの直下に開口している通常放出口850dから放出される。
扉枠3の上皿321内が遊技球で満たされて遊技球を貯留させることができなくなり、更に、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で満たされると、通常放出口850dが閉鎖された状態となる。この状態で上部球貯留通路850c内に遊技球が進入すると、通常放出口850dの上側に貯留される。そして、通常放出口850dの上側に貯留されている遊技球の量が、仕切片850fよりも高くなると、新たに上部球貯留通路850c内に進入してきた遊技球は、仕切片850fを乗り越えて満タン放出口850eから下方へ放出されることとなり、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862を通って下皿322に送られることとなる。
このように、上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830から払出された遊技球を、扉枠3における上皿321での遊技球の貯留量に応じて、自動的に上皿321から下皿322へ振分けることができる。
[4−6d.下部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の下部満タン球経路ユニット860について、図108乃至図112を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット860は、払出ユニットベース801における上部満タン球経路ユニット850の下側に取付けられるものである。下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路273へ誘導する通常誘導路861と、上部満タン球経路ユニット850の満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口274へ誘導する満タン誘導路862と、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863と、誘導路開閉扉863を通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖する方向へ付勢している閉鎖バネ864と、を備えている。
また、下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の上部球抜き出口850hから放出された遊技球を前方へ誘導し前後方向の中央右端から基板ユニット900の基板ユニットベース910上へ放出する下部球抜き誘導路865を、備えている。
下部満タン球経路ユニット860は、通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865が、正面視において、左側から順に右側へ並んでいる。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、後端が上方へ向かって開口している。また、通常誘導路861、及び満タン誘導路862は、左右に遊技球が複数並ぶ幅で、前端側が低くなるように本体枠4の前端付近まで前方へ延びている。更に、満タン誘導路862は、通常誘導路861よりも低い位置で前方へ延びている。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、図示するように、上下に分割可能な上ケース866及び下ケース867によって形成されている。
誘導路開閉扉863は、下ケース867の前端における通常誘導路861と満タン誘導路862との間の部位に、回動可能に取付けられており、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されている。更に詳述すると、下部満タン球経路ユニット860の前端において、正面視で通常誘導路861の前端開口の右側に開口している満タン誘導路862は、通常誘導路861に対して一つの遊技球の高さ分低い位置に配置されている。そして、誘導路開閉扉863は、通常誘導路861の下側で、且つ、満タン誘導路862の左側の位置で、前後に延びた軸周りに対して回動可能に取付けられている。
誘導路開閉扉863は、回転可能に取付けられる円盤状の基部863aと、基部863aから斜め左上側に平板状に延びており通常誘導路861の前端開口を閉鎖可能な第一扉板部863bと、基部863aから右側に平板状に延びており満タン誘導路862の前端開口を閉鎖可能な第二扉板部863cと、基部863aから斜め左下側に平板状に延びている延出部863dと、延出部863dの先端部前面から前方へ突出しており扉枠3におけるファールカバーユニット270の扉開閉当接部281と当接可能な作動突部863eと、を備えている。
ここで、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖するとは、開口を密閉する必要はなく、遊技球が通過不能となれば良いことである。作動突部863eは、正面視の形状が、基部863aを中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。
誘導路開閉扉863は、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、第二扉板部863cが、下ケース867の前端における満タン誘導路862の前端開口の下側から前方へ突出しているボス部867aに当接することで、時計回りの方向への回動が規制される。
本実施形態の下部満タン球経路ユニット860は、パチンコ機1を組立てた状態で、前端が、扉枠3のファールカバーユニット270における貫通球通路273、満タン球受口274、及び扉開閉当接部281と対向する位置に取付けられている(図112を参照)。そして、誘導路開閉扉863は、本体枠4に対して扉枠3が開いている状態では、作動突部863eに何も当接していないため、誘導路開閉扉863は閉鎖バネ864の付勢力によって、正面視時計回りの方向へ回動させられ、第二扉板部863cが下ケース867のボス部867aに当接した状態で停止する。この状態では、第一扉板部863bと第二扉板部863cが、通常誘導路861と満タン誘導路862の前端開口の前面に位置しており、前端開口を閉鎖している(図111(a)を参照)。従って、この状態では、通常誘導路861及び満タン誘導路862内の遊技球が、前端開口から前方へ移動することができず、扉枠3を開けても、通常誘導路861や満タン誘導路862から遊技球がこぼれることはない。
そして、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eの前端面に、扉枠3におけるファールカバーユニット270の扉開閉当接部281が当接し、作動突部863eの前端面の傾斜によって、閉鎖バネ864の付勢力に抗して誘導路開閉扉863を正面視反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用する。これにより、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖していた第一扉板部863bと第二扉板部863cが、前端開口から離れる方向へ回動し、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が開放された状態となる(図111(b)を参照)。この状態では、図示するように、第一扉板部863bが通常誘導路861の前端開口の下側に、第二扉板部863cが満タン誘導路862の前端開口の上側に位置している。
この通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開放させた状態では、本体枠4に対して扉枠3が完全に閉じられた状態となっていると共に、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口の前側に、扉枠3におけるファールカバーユニット270の貫通球通路273及び満タン球受口274が位置しており、通常誘導路861及び満タン誘導路862側から、貫通球通路273及び満タン球受口274側へ遊技球を受渡すことができる。
このように、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を上下方向に異ならせると共に、誘導路開閉扉863を回動させることで通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開閉させるようにしているため、誘導路開閉扉863の動作範囲を可及的に狭くすることができ、通常誘導路861及び満タン誘導路862の開閉機構を小型化することができる。従って、相対的に他の部材のためのスペースを広くすることができ、パチンコ機1の内部空間をより有効活用することができる。
本実施形態の払出ユニット800は、扉枠3の上皿321が遊技球で一杯になり、上皿321へ遊技球を放出することができなくなった状態で、払出装置830から更に多くの遊技球が払出されると、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で一杯になるまで遊技球を貯留することができる。そして、通常誘導路861が遊技球で一杯になった状態で払出装置830から更に遊技球が払出されると、上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内において、遊技球が通常放出口850dよりも上側に留って仕切片850fを超えると、満タン放出口850e側へ流通するようになり、満タン放出口850eから、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、ファールカバーユニット270を通って下皿322へ遊技球の払出しが自動的に切換えられる。その後、払出装置830から更に遊技球が払出されて、上皿321に加えて下皿322も遊技球で一杯になって下皿322へ遊技球を供給することができなくなると、ファールカバーユニット270の貯留通路277内に遊技球が貯留される。そして、貯留通路277内に遊技球が貯留されることで可動片278が回動して満タン検知センサ279により検知されると、上皿321及び下皿322が遊技球で満タンであることが報知されると共に、満タン検知センサ279による可動片278の検知が解除されるまで払出装置830による遊技球の払出しが一時的に停止される。
なお、満タン検知センサ279による可動片278の検知に対する払出装置830による遊技球の払出しの停止を、例えば、ファールカバーユニット270の貯留通路277内に可動片278が検知されるまで遊技球が貯留されている状態で、その上流側の貯留通路277、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、及び上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内を満たすことが可能な数の遊技球が払出されると、払出装置830による遊技球の払出しを停止させるようにしても良い。これにより、従来のパチンコ機よりも多くの遊技球を貯留することができるため、大当り遊技状態中等の多くの遊技球が払出される遊技状態において、遊技球の払出しによって上皿321や下皿322が遊技球で一杯になることに対して気に掛ける必要を低減させることができ、遊技者を大当り遊技状態に専念させて楽しませることができる。
[4−7.基板ユニット]
本実施形態における本体枠4の基板ユニット900について、図91乃至図94を参照して説明する。本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用のスピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
基板ユニット900は、基板ユニットベース910の前面で、本体枠ベース600の接続用開口部606から前方へ臨むように取付けられている扉枠用中継基板911を備えている。この扉枠用中継基板911は、払出制御基板951、主制御基板1310、及び周辺制御基板1510と、扉枠3の扉枠ベースユニット100に取付けられている扉本体中継基板との接続を中継するためのものである。払出制御基板ボックス950内に収容された払出制御基板951によって、払出装置830が制御されている。
[5.遊技盤の全体構成]
次に、パチンコ機1の遊技盤5の全体構成について、図114乃至図119等を参照して詳細に説明する。図114は、遊技盤5の正面図である。図115は、振分部材2011によって遊技球が振り分けられる通路を説明する図である。図116は、振分部材2011によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球の流れを説明する図であり、図117及び図118は、振分部材2011によって第2通路2014の側に振り分けられた遊技球の流れを説明する図である。図119は、遊技盤をパチンコ機に取付けた状態で機能表示ユニットの部位を正面から拡大して示す説明図である。
遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット300のハンドル302を操作することで遊技球が打込まれる遊技領域5aを有している。また、遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球を遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、を備えている。遊技パネル1100の前面において遊技領域5a内となる部位には、遊技球と当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている(図示は省略)。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に取付けられている周辺制御ユニットと、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な遊技盤側演出表示装置1600と、を更に備えて構成されている。また、遊技盤5の後面には、遊技盤側演出表示装置1600が取付けられていると共に、遊技盤側演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニットが取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニットが取付けられる枠状のパネルホルダと、を備えている。なお、裏ユニットは、パネルホルダの後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部を有している裏箱や、裏箱の後面に取付けられており遊技盤側演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構などを備えて構成されるものである。
図114に示すように、パチンコ機1の遊技盤5のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の表示領域を有する遊技盤側演出表示装置1600が配設されている。遊技盤側演出表示装置1600においては、複数の図柄列(本実施形態では3列)にそれぞれ含まれる複数種の装飾図柄を変動表示させる変動ゲームが行われ、該変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。
なお後述するが、遊技盤5の左下に設けられる機能表示ユニット1400は、八つのLEDからなる第一特別図柄表示器1403や、八つのLEDからなる第二特別図柄表示器1405などを備えて構成されている。第一特別図柄表示器1403及び第二特別図柄表示器1405では、特別図柄を変動させて表示する図柄変動が行われる。特別図柄は、大当りまたは小当りか否かの判定(大当り判定)の結果を示す報知用の図柄である。そして、本実施形態において、上記装飾図柄を用いた変動ゲームは、第一特別図柄表示器1403または第二特別図柄表示器1405において特別図柄を変動させて表示する図柄変動が開始されてから停止されるまでを1回のゲームとして実行されるものとなっている。以下、第一特別図柄表示器1403で行われる図柄変動を「第1側図柄変動」と示すことがあり、第二特別図柄表示器1405で行われる図柄変動を「第2側図柄変動」と示すことがある。
この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図柄変動が開始されるに際して、複数種類の特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)のなかから、いずれの特別図柄を用いた大当り判定を行うかが選択されるようになっている。そして、選択された側の特別図柄を用いた大当り判定が行われたとき、該大当り判定の結果に基づいて上記選択された側の特別図柄に対応する図柄表示器で図柄変動を開始させる制御が行われる(主制御基板1310)。こうして開始された図柄変動では、大当り判定の結果に基づいて選択された変動時間だけ変動状態を維持した後、大当りを認識し得る特別図柄の停止態様である大当り図柄(大当り表示結果)と、小当りを認識し得る特別図柄の停止態様である小当り図柄(小当り表示結果)と、はずれを認識し得る特別図柄の停止態様であるはずれ図柄(はずれ表示結果)とのいずれかが現れるかたちで停止されることで、遊技者は、大当りに当選したのか小当りに当選したのか落選(ハズレ)したのかを認識することができるようになる。なお、大当り図柄が現れるかたちで停止された場合は、遊技者によって賞球が獲得可能とされる大当り遊技が付与される。また、小当り図柄が現れるかたちで停止された場合は、遊技者によって賞球が獲得可能とされる小当り遊技が付与される。
これに対し、遊技盤側演出表示装置1600は、各図柄表示器1403,1405よりも大きい表示領域で構成されており、該表示領域において、複数の図柄列(本実施形態では3列)にそれぞれ含まれる複数種の装飾図柄(複数種類の数字)を、特別図柄よりも大きく表示させるものとなっている。
そして、遊技盤側演出表示装置1600には、各図柄表示器1403,1405の表示結果に応じた表示結果が表示される。より具体的には、第一特別図柄表示器1403または第二特別図柄表示器1405に大当り図柄が停止表示される場合には、遊技盤側演出表示装置1600においても特別な図柄組み合わせ(全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせなど)が確定停止表示され、第一特別図柄表示器1403または第二特別図柄表示器1405に小当り図柄が停止表示される場合には、遊技盤側演出表示装置1600においても大当り時とは別の特別な図柄組み合わせ(全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせなど)が確定停止表示され、第一特別図柄表示器1403または第二特別図柄表示器1405にはずれ図柄が停止表示される場合には、遊技盤側演出表示装置1600においてもハズレ時の図柄組み合わせ(全列の図柄が同一図柄とならない図柄組み合わせなど)が確定停止表示される。これにより、遊技者は、遊技盤側演出表示装置1600にて行われる変動ゲームを確認することで、大当りに当選したのか小当りに当選したのか落選(ハズレ)したのかをより簡単に認識することができるようになる。
また、遊技盤側演出表示装置1600では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に装飾図柄の変動表示が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の装飾図柄が先行するかたちで一旦停止表示された場合、リーチ状態が形成される。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列となり、左列及び右列がリーチ状態を形成するリーチ形成列となる。
ここで、「一旦停止表示」とは、第一特別図柄表示器1403または第二特別図柄表示器1405において特別図柄が変動状態を維持している期間中に現れうるものであって、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内で特定の装飾図柄がゆれ変動状態で表示されている状態のことである。これに対し、「確定停止表示」とは、第一特別図柄表示器1403または第二特別図柄表示器1405において特別図柄が停止されるとき、若しくはそれ以降に現れうるものであって、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域内でいずれの装飾図柄もゆれ変動せず停止している状態のことである。
なお、これも後述するが、機能表示ユニット1400には、さらに、第一左始動口2002aや第一右始動口2002bへの遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器1404と、第二始動口2004への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器1406と、ゲート部2003に対する遊技球の通過により判定される普通判定結果を表示する四つのLEDからなる普通図柄表示器1402と、ゲート部2003に対する遊技球の通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器1408とが設けられている。
ここで、第一特別保留数表示器1404は、未実行の状態にて保留されている第1特別図柄側の大当り判定の記憶数(以下、第一保留記憶数とも言う)を遊技者に報知するものである。第一保留記憶数は、遊技盤5に配設した第一左始動口2002aや第一右始動口2002bに遊技球が入賞することで「1」加算される一方で、第1側図柄変動が開始されることにより「1」減算される。したがって、第1側図柄変動が行われている期間内で第一始動口2002に遊技球が受け入れられると、第一保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(第1上限数、本実施形態では「4」)まで累積される。
また、第二特別保留数表示器1406は、未実行の状態にて保留されている第2特別図柄側の大当り判定の記憶数(以下、第二保留記憶数とも言う)を遊技者に報知するものである。第二保留記憶数は、遊技盤5に配設した第二始動口2004に遊技球が入賞することで「1」加算される一方で、第2側図柄変動が開始されることにより「1」減算される。したがって、第2側図柄変動が行われている期間内で第二始動口2004に遊技球が受け入れられると、第二保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(第2上限数、本実施形態では「4」)まで累積される。
また、普通図柄表示器1402においては、普通当りか否かの判定(普通判定)が行われるとき、該普通判定の結果に基づいて複数種類の普通図柄を変動させる普通図柄変動が行われる。この普通図柄変動は、普通判定の結果に基づいて選択された変動時間だけ変動状態を維持した後、普通当りを認識し得る普通図柄の停止態様である普通当り図柄(普通当り表示結果)と、普通はずれを認識し得る普通図柄の停止態様である普通はずれ図柄(はずれ表示結果)とのいずれかが現れるかたちで停止されることで、遊技者は、普通当りに当選したのか落選(普通ハズレ)したのかを認識することができるようになる。なお、普通当り図柄が現れるかたちで停止された場合は、後述の普通電動入賞口2011が開放状態にされる。
また、普通保留表示器1408は、未実行の状態にて保留されている普通判定の記憶数(以下、普図保留記憶数とも言う)を遊技者に報知するものである。普図保留記憶数は、遊技盤5に配設したゲート部2003に遊技球が受け入れられることで「1」加算される一方で、普通図柄変動が開始されることにより「1」減算される。したがって、普通図柄変動が行われている期間内でゲート部2003に遊技球が受け入れられると、普図保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(普図上限数、本実施形態では「4」)まで累積される。
また、本実施形態において、第1側図柄変動と第2側図柄変動とは同時に実行されないように構成されており、特別図柄を用いた図柄変動(第1側図柄変動または第2側図柄変動)が終了した場合に第一保留記憶数と第二保留記憶数とが共に「1」以上であるときには、第二保留記憶数に基づく第2側図柄変動が優先して実行される。また、本実施形態において、特別図柄を用いた図柄変動(第1側図柄変動または第2側図柄変動)と普通図柄変動とは同時に実行可能である。
[5−1.遊技盤の盤面構成]
以下、図114〜図116を参照して遊技盤の盤面構成について詳述する。
図114に示すように、遊技盤5における遊技領域5aの略中央部分には、枠状のセンター役物2500が設けられている。また、遊技領域5aにおけるセンター役物2500の下側の領域には、センター役物2500の左側に打ち込まれた遊技球が受入可能とされる第一左始動口2002aと、遊技領域5aの最下端にまで流下した遊技球を回収して当該遊技領域5aから排出するアウト口1003と、が設けられている。
ここで、第一左始動口2002aは、上方が開口し、センター役物2500の左側に打ち込まれた遊技球を常時受け入れることを可能としている。この第一左始動口2002aは、遊技領域5aにおける左右方向の略中央で、センター役物2500におけるステージ2530の中央部分の直下に配置されており、そのステージ2530の中央部分から放出された遊技球を高い確率で受け入れることができる。なお、第一左始動口2002aには、受け入れられた遊技球を検出する第一左始動口センサ4002aが設けられている。
また、遊技領域5aにおけるセンター役物2500の右側の領域には、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球を第1通路2012と第2通路2014とに交互に振り分ける振分部材2011と、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球が受入可能とされる第一右始動口2002b及び第二始動口2004と、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球が通過可能とされるゲート部2003と、が設けられている。また、遊技領域5aにおけるセンター役物2500の右下側の領域には、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球が通過可能とされる一般入賞口2001、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2005bが設けられている。
なお、詳細は後述するが、振分部材2011は、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球を第1通路2012と第2通路2014とに交互に振り分ける部材であり、第一右始動口2002bは、振分部材2011によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球が受入可能とされている。同様に、ゲート部2003は、振分部材2022によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球が通過可能とされている。一方、第二始動口2004は、振分部材2011によって第2通路2014の側に振り分けられた遊技球が受入可能とされている。そして、一般入賞口2001、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2005bは、振分部材2011によって第1通路2012と第2通路2014とのいずれの側に振り分けられた遊技球も受入可能とされている。
また、遊技パネル1100の前面において遊技領域5a内となる所定の部位には、遊技球と当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設(図示は省略)されているが、少なくともセンター役物2500の右側の領域に設けられた第1通路2012及び第2通路2014、すなわちゲート部2003、第一右始動口2002b、第二始動口2004、第二大入賞口20052005bの周辺には、障害釘が植設されていない。
[5−1−1.振分部材について]
次に、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球を第1通路2012と第2通路2014とに交互に振り分ける振分部材2011について、図115を参照して説明する。
図115に示すように、振分部材2011は、それぞれが遊技球を保持することが可能な2つの凹部を有し、第1通路2012に遊技球を振り分けることとなる位置(図115(A)に示される位置)と、第2通路2014に遊技球を振り分けることとなる位置(図115(C)に示される位置)と、の間で回転可能に設けられている。
具体的には、図115(A)に示すように、振分部材2011における左側の凹部が上方に向けられている場合、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球が、その凹部に嵌まり込む。そして、図115(B)に示すように、振分部材2011における左側の凹部に嵌まり込んだ遊技球は、その遊技球の自重によって振分部材2011が左方向に回転し、第1通路2012の側に放出されることとなる。このとき、振分部材2011における右側の凹部が上方に向けられている。
これに対し、図115(C)に示すように、振分部材2011における右側の凹部が上方に向けられている場合、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球が、その凹部に嵌まり込む。そして、図115(D)に示すように、振分部材2011における右側の凹部に嵌まり込んだ遊技球は、その遊技球の自重によって振分部材2011が右方向に回転し、第2通路入口2013(第2通路2014)の側に放出されることとなる。このとき、振分部材2011における左側の凹部が上方に向けられている。
このように、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球が第1通路2012の側に振り分けられた後には、次の遊技球が第2通路2014の側に振り分けられるようにし、センター役物2500の左側に打ち込まれた遊技球が第2通路2014の側に振り分けられた後には、次の遊技球が第1通路2012の側に振り分けられるようにしている。すなわち、センター役物2500の右側に遊技球が打ち込まれた場合においては、必ず第1通路2012と第2通路2014とに交互に振り分けるようにし、第1通路2012と第2通路2014との一方の側に複数の遊技球が連続して振り分けられることがないようにしている。
[5−1−2.第1通路及び第2通路での遊技球の流れについて]
次に、振分部材2011によって振り分けられた遊技球の流れについて、図116乃至図118を参照して説明する。図116は、振分部材2011によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球の流れを説明する図であり、図117及び図118は、振分部材2011によって第2通路2014の側に振り分けられた遊技球の流れを説明する図である。
まず、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球は、振分部材2011に到達するよりも前に右領域部進入センサ4006を通過する。このように、センター役物2500の右側の領域に遊技球が進入したことを検知するセンサとして右領域部進入センサ4006が設けられることで、第一右始動口2002b、ゲート部2003、第二始動口2004、第一大入賞口2005、第二大入賞口2005bを狙うべき好ましい時期(例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態、時短状態)にセンター役物2500の右側に遊技球が打ち込まれているか否かを把握することができる。
図116に示すように、振分部材2011によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球は、ロート状に形成されたクルーン2017を通過する。このように、常時駆動扉2021に遊技球が到達するよりも前にクルーン2017が設けられることで、振分部材2011によって第1通路2012の側に遊技球が振り分けられてから常時駆動扉2021に到達するまでの距離が一定でありながらも、その常時駆動扉2021に到達するまでの時間がその都度異なるようにしている。すなわち、常時駆動扉2021が退避状態になるタイミングを狙われないようにし、第一右始動口2002bへの入球が可能となるタイミングが狙われることを防止することができる。
次いで、クルーン2017を通過した遊技球は、常時駆動扉2021の上側を流下するが、常時駆動扉2021が退避状態にあるときには、第一右始動口2002bの側に進入する。一方、常時駆動扉2021が突出状態にあるときには、第一右始動口2002bの側に遊技球が進入することがなく(第一右始動口2002bへの入球が可能となることがなく)、第一右始動口2002bの右方を迂回して流下することとなる。つまり、常時駆動扉2021の上側を遊技球が流下するときには、常時駆動扉2021が退避状態となるか否か、すなわち第一右始動口2002bへの入球が可能となるか否かに注目させることができる。
そして、常時駆動扉2021から第一右始動口2002bの側に進入した遊技球は、第一右始動口2002bが常時駆動扉2021の直下に配置されていることから、高い確率で第一右始動口2002bに受け入れられる。一方、第一右始動口2002bに受け入れられなかった遊技球は、第一右始動口2002bの左右いずれかを流下し、常時駆動扉2021が突出状態にあるときに第一右始動口2002bの右方を迂回して流下した遊技球と、再び合流して流下することとなる。
上記した第一右始動口2002bは、第1通路2012の側に配置され、振分部材2011によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球のうち、常時駆動扉2021が退避状態にあるときに内部に進入した遊技球を受け入れることを可能としている。なお、第一右始動口2002bには、受け入れられた遊技球を検出する第一右始動口センサ4002bが設けられている。
また、常時駆動扉2021は、常時駆動ソレノイド2107によって前方向に突出した突出状態と、後方向に退避した退避状態と、に変化するものであって、0.5秒の突出状態と、0.04秒の退避状態と、が常に繰り返されるようになっている。このように、常時駆動扉2021が退避状態となる時間を、突出状態となる時間と比べて極端に短くすることで、振分部材2011によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球のうち2/100程度が、常時駆動扉2021の内部に進入するとともに、第一右始動口2002bに受け入れられることとしている。詳細は後述するが、大当り遊技状態中には、第一大入賞口2005に遊技球が入球するようにセンター役物2500の右側に多量の遊技球が打ち込まれるため、上記した2/100程度であったとしても、その大当り遊技状態中に第一右始動口2002bに入球させることができる。
次いで、第一右始動口2002bに受け入れられずに合流した遊技球は、ゲート部2003がその合流部の直下に配置されていることから、高い確率でゲート部2003を通過する。このように、第一右始動口2002bに受け入れられなかった遊技球が合流した後に、その遊技球がゲート部2003に向かうため、ゲート部2003に効率よく遊技球を通過させることができる。一方、ゲート部2003を通過しなかった遊技球は、ゲート部2003の左右いずれかを流下し、ゲート部2003を通過した遊技球と、再び合流して流下することとなる。
ここで、ゲート部2003は、第1通路2012の側に配置され、振分部座2011によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球が通過することを可能としている。このゲート部2003は、第一右始動口2002bよりも第1通路2012の下流側に配置されており、常時駆動扉2021の内部に遊技球が進入したか否かにかかわらず第一右始動口2002bに受け入れられなかった遊技球が高い確率で通過するように、第1通路2012が形成されている。なお、ゲート部2003には、通過した遊技球を検出するゲートセンサ4003が設けられている。
次いで、ゲート部2003を通過したか否かにかかわらず合流した遊技球は、第二始動口2004の上側に導かれることとなるが、その部分での通路が左下方向(受入口2016とは反対方向)に傾斜しているため、受入口2016に進入することがなく(第二始動口2004への入球が可能となることがなく)、第二始動口2004の左側を迂回して流下することとなる。
そして、第二始動口2004の左側を迂回して流下した遊技球、すなわち第1通路2012を流下しながらも第一右始動口2002bに入球しなかった遊技球は、第二大入賞口2005bの直上に放出され、第二大入賞口2005の開閉部材が退避状態にあるときには、その第二大入賞口2005bに受け入れられる。一方、第二大入賞口2005bの開閉部材が突出状態にあるときには、第二大入賞口2005bに遊技球が受け入れられることがなく、第二大入賞口2005bの開閉部材での左下方向への傾斜に沿って、第一大入賞口2005の側に遊技球が放出されることとなる。
一方、図117に示すように、振分部材2011によって第2通路入口2013(第2通路2014)の側に振り分けられた遊技球は、第2通路入口2013から奥方へと進入し、第1通路2012の背面側に設けられた第2通路2014(斜線の部分)を流下して、第2通路出口2015から前方へと放出される。図118に示すように、第2通路2014には、鋸歯状の段差が設けられているが、そのような鋸歯状の段差が設けられることで、振分部材2011によって第2通路入口2013(第2通路2014)の側に遊技球が振り分けられてから第二始動口扉2022に到達するまでの時間がその都度異なるようにしている。すなわち、第二始動口扉2022が突出状態になるタイミングを狙われないようにし、第二始動口2004への入球が可能となるタイミングが狙われることを防止することができる。
次いで、第2通路出口2015から前方へと放出された遊技球は、受入口2016が第2通路出口2015の直下に配置されていることから、高い確率で受入口2016に進入する。一方、受入口2016に遊技球が進入しなかったときには、第二始動口2004の側に遊技球が進入することがなく(第二始動口2004への入球が可能となることがなく)、受入口2016の右方を迂回して流下することとなる。
このとき、受入口2016に進入した遊技球は、第二始動口扉2022が突出状態にあるときには、第二始動口2004の側に誘導され、その第二始動口2004に受け入れられる。一方、第二始動口扉2022が退避状態にあるときには、第二始動口2004の側に遊技球が誘導されることがなく(第二始動口2004への入球が可能となることがなく)、そのまま退避状態にある第二始動口扉2022の前方を通過して流下することとなる。つまり、受入口2016から遊技球が進入したときには、第二始動口扉2022が突出状態となるか否か、すなわち第二始動口2004への入球が可能となるか否かに注目させることができる。そして、このような遊技球は、受入口2016の右方を迂回して流下した遊技球と、再び合流して流下することとなる。
ここで、第二始動口2004は、第2通路2103の側に配置され、振分部材2011によって第2通路2014の側に振り分けられた遊技球、すなわち第2通路入口203に進入して第2通路出口2015から放出された遊技球のうち、受入口2016に遊技球が進入し、第二始動口扉2022が突出状態にあるときに誘導された遊技球を受け入れることを可能としている。なお、第二始動口2004には、受け入れられた遊技球を検出する第二始動口センサ4004が設けられている。
また、第二始動口扉2022は、第二始動口ソレノイド2108によって前方向に突出した突出状態と、後方向に退避した退避状態と、に変化するものであって、通常時には退避状態であるのに対し、ゲートセンサ4003によって遊技球の通過が検出されることで抽選される普通判定の結果に応じて、すなわち普通判定の結果が「普図当り」であるときに、退避状態から突出状態に変化するようになっている。この第二始動口扉2022は、第2通路出口2015及び受入口2016の直下に配置されており、第二始動口扉2022が突出状態にあるときには、第2通路出口2015から放出されて受入口2016に進入した遊技球を受け止めるとともに、その遊技球を第二始動口扉2022の左側に位置する第二始動口2004に向けて誘導することができる。一方、第二始動口扉2022が退避状態にあるときには、第2通路出口2015から放出されて受入口2016に進入した遊技球を受け止めることがなく、そのまま第二始動口扉2022の前側を通過して下方へと落下するようになっている。
次いで、第2通路2014を流下しながらも第二始動口2004に入球しなかった遊技球は、第二大入賞口2005bの直上に放出され、第二大入賞口2005の開閉部材が退避状態にあるときには、その第二大入賞口2005bに受け入れられる。一方、第二大入賞口2005bの開閉部材が突出状態にあるときには、第二大入賞口2005bに遊技球が受け入れられることがなく、第二大入賞口2005bの開閉部材での左下方向への傾斜に沿って、第一大入賞口2005の側に遊技球が放出されることとなる。
上記したように、振分部材2011によって第1通路2012の側に遊技球が振り分けられた場合には、第一右始動口2002bへの入球が可能になるとともに、ゲート部2003への遊技球の通過が可能になっている。一方、振分部材2011によって第2通路入口2013(第2通路2014)の側に遊技球が振り分けられた場合には、第二始動口2004への入球が可能になっている。また、振分部材2011によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球と、第2通路入口2013(第2通路2014)の側に振り分けられた遊技球とは、第二大入賞口2005bの直上まで合流することがないようになっている。このため、振分部材2011によって第1通路2012の側に遊技球が振り分けられた場合には、第二始動口2004への入球が可能となることがなく、振分部材2011によって第2通路入口2013(第2通路2014)の側に遊技球が振り分けられた場合には、第一右始動口2002bへの入球や、ゲート部2003への遊技球の通過が可能となることがない。
また、振分部材2011は、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球を第1通路2012と第2通路2014とに交互に振り分けることから、第1通路2012の側に設けられた第一右始動口2002bに入球するチャンスと、第2通路2014の側に設けられた第二始動口2004に入球するチャンスと、が交互に発生することとなる。詳細は後述するが、第一右始動口2002bへの入球に基づいた当り判定よりも、第二始動口2004への入球に基づいた当り判定のほうが遊技者にとって有利な当り判定(第二始動口2004への入球に基づいた当り判定では、殆どの場合で「小当り」となる。)が行われることから、第二始動口2004へ複数の遊技球が連続して入球しうる状態が発生すると、遊技者にとって有利な当り判定ばかりが行われてしまい、遊技管理者(ホール側)に不利益を与えかねない。これに対し、本実施形態では、センター役物2500の右側に遊技球が打ち込まれた場合に、振分部材2011によって第1通路2012と第2通路2014とに交互に振り分けるようにし、センター役物2500の右側に遊技球が打ち込まれるごとに、第一右始動口2002bに入球するチャンスと、第二始動口2004に入球するチャンスと、が均等に与えられている。これにより、遊技者にとって有利な当り判定ばかりが行われることがなく、遊技管理者(ホール側)が一方的に不利益を被ることを防止している。
また、振分部材2011によって第1通路2012の側に遊技球が振り分けられた場合には、第一右始動口2002bに入球するチャンスが得られるものの、常時駆動扉2021が退避状態とならなければ第一右始動口2002bの側に遊技球が進入することがなく、第一右始動口2002bへの入球が可能となることがない。一方、振分部材2011によって第2通路2014の側に遊技球が振り分けられた場合には、第二始動口2004に入球するチャンスが得られるものの、第二始動口扉2022が突出状態とならなければ第二始動口2004の側に遊技球が誘導されることがなく、第二始動口2004への入球が可能となることがない。つまり、振分部材2011によって第1通路2012と第2通路2014とのいずれかの側に遊技球が振り分けられただけでは、第一右始動口2002bや第二始動口2004に遊技球が入球するとは限らず、第一右始動口2002bや第二始動口2004に遊技球が入球するか否かを判別しうるまでは、期待をもって注目させることができる。
また、振分部材2011は、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球を第1通路2012と第2通路2014とに交互に振り分けることから、第1通路2012の側に設けられたゲート部2003を遊技球が通過するチャンスと、第2通路2014の側に設けられた第二始動口2004に入球するチャンスと、が交互に発生することとなる。ここで、第二始動口2004は、ゲート部2003を遊技球が通過することに基づいて普通判定を行い、普通判定の結果が「普図当り」であるときに第二始動口扉2022が突出状態に変化することで入球可能とするものである。すわなち、ゲート部2003に遊技球を通過させなければ、第二始動口2004に入球させることができない。この点、ゲート部2003と第二始動口2004とに遊技球を交互に向かわせようとしても、ゲート部2003と第二始動口2004とのいずれか一方ばかりに遊技球が向かってしまう場合、例えば、ゲート部2003ばかりに遊技球が通過したとしても第二始動口2004への入球に基づいた当り判定が得られず、また、第二始動口2004ばかりに遊技球が向かったとしても第二始動口2004が入球可能な状態とならずに入球させることができず、時短状態での遊技を円滑に行うことができなくなる。
これに対し、本実施形態では、センター役物2500の右側に遊技球が打ち込まれた場合に、振分部材2011によって第1通路2012と第2通路2014とに交互に振り分けるようにし、センター役物2500の右側に遊技球が打ち込まれるごとに、ゲート部2003が配置された第1通路2012の側と、第二始動口2004が配置された第2通路2014の側と、での役割を異ならせている。つまり、センター役物2500の右側に遊技球が打ち込まれた場合に、振分部材2011によって第1通路2012の側に遊技球が振り分けられることによりゲート部2003に遊技球を通過させた後、振分部材2011によって第2通路2014の側に遊技球が振り分けられることにより第二始動口2004に入球するチャンスが得られることとなり、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球を第二始動口2004へ効率よく入球させることができる。このため、振分部材2011によって第1通路2012と第2通路2014とのいずれかの側に遊技球が振り分けられた場合にも、遊技を進行させるうえで、有益な役割を果たしている。そして、ゲート部2003と第二始動口2004とのいずれか一方ばかりに遊技球が向かうことがないことで、時短状態での遊技が円滑に行いうるようにしている。
なお、本実施形態では、第二始動口2004に遊技球が入球したときに、遊技者に賞球が払い出されるが、その賞球の数は「1球」としている。一方で、第二始動口2004への入球に基づいた第二特別図柄側の当り判定が行われるためには、振分部材2011によって第1通路2012の側に振り分けられてゲート部2003を通過する遊技球と、振分部材2011によって第2通路2014の側に振り分けられて第二始動口2004へ入球する遊技球と、の「2球」が最低でも必要である。加えて、振分部材2011によって第2通路2014の側に遊技球が振り分けられたとしても、受入口2016に遊技球が進入しなかった場合や、第二始動口扉2022が退避状態である場合には、第二始動口2004へ遊技球が入球することがない。このように、第二始動口2004への入球時に払い出される賞球の数としては、第二特別図柄側の当り判定が行われるために最低でも必要とする「2球」以下とすることで、センター役物2500の右側に遊技球を打ち込み続けたとしても、遊技者が保有する遊技球の数が増大しないようにしている。
図114に示すように、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球は、振分部材2011によって第1通路2012と第2通路入口2013(第2通路2014)とのいずれかの側に振り分けられるが、第1通路2012と第2通路入口2013(第2通路2014)とのいずれの側を流下した遊技球も、第二大入賞口2005bの直上に放出されることとなる。この第二大入賞口2005bは、センター役物2500の右下側の領域に設けられているが、その右下側の領域には、第二大入賞口2005bの他、一般入賞口2001や第一大入賞口2005が設けられている。
ここで、一般入賞口2001は、上方が開口し、センター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球(振分部材2011によって第1通路2012と第2通路2013とのいずれの側に振り分けられた遊技球であってもよい。)を常時受け入れることを可能としている。この一般入賞口2001は、第二大入賞口2005bの左下側に配置されており、その第二大入賞口2005bの側から放出された遊技球を受け入れることができる。なお、一般入賞口2001には、受け入れられた遊技球を検出する一般入賞口センサ4020が設けられている。
また、第一大入賞口2005は、開閉部材を有し、その開閉部材が退避状態にあるときにセンター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球(振分部材2011によって第1通路2012と第2通路2013とのいずれの側に振り分けられた遊技球であってもよい。)を受け入れることを可能としている。この第一大入賞口2005は、第二大入賞口2005bの左下側に配置されており、第一大入賞口2005の開閉部材が退避状態にあるときには、その第二大入賞口2005bの側から放出された遊技球を高い確率で受け入れることができる。つまり、後述する第二大入賞口2005bと同じく、振分部材2011によって第1通路2012と第2通路2013とのいずれの側に振り分けられた遊技球も受け入れ可能であることから、第一大入賞口2005の開閉部材が退避状態にあるときには、センター役物2500の右側に遊技球を打ち込むだけで第一大入賞口2005に効率よく入球させることができる。なお、第一大入賞口2005には、受け入れられた遊技球を検出する第一カウントセンサ4005aが設けられている。
上記した第一大入賞口2005の開閉部材は、第一アタッカソレノイド2109によって前方向に突出した突出状態と、後方向に退避した退避状態と、に変化するものであって、通常時には突出状態であるのに対し、第一左始動口センサ4002a、第一右始動口センサ4002b、第二始動口センサ4004によって遊技球の入球が検出されることで抽選される当り判定の結果に応じて、すなわち当り判定の結果が「大当り」であるときなどに、突出状態から退避状態に変化するようになっている。
また、第二大入賞口2005bは、開閉部材を有し、その開閉部材が退避状態にあるときにセンター役物2500の右側に打ち込まれた遊技球を受け入れることを可能としている。この第二大入賞口2005bは、第1通路2012を流下した遊技球と第2通路2013を流下した遊技球との合流地点付近に配置されており、第二大入賞口2005bの開閉部材が退避状態にあるときには、振分部材2011によって第1通路2012と第2通路2013とのいずれの側に振り分けられた遊技球も高い確率で受け入れることができる。つまり、第二大入賞口2005bの開閉部材が退避状態にあるときには、センター役物2500の右側に遊技球を打ち込むだけで第二大入賞口2005bに効率よく入球させることができる。なお、第二大入賞口2005bには、受け入れられた遊技球を検出する第二カウントセンサ4005bが設けられている。
上記した第二大入賞口2005bの開閉部材は、第二アタッカソレノイド2110によって前方向に突出した突出状態と、後方向に退避した退避状態と、に変化するものであって、通常時には突出状態であるのに対し、第二始動口センサ4004によって遊技球の入球が検出されることで抽選される特別抽選結果に応じて、すなわち特別抽選結果が「小当り」であるときに、突出状態から退避状態に変化するようになっている。
また、第二大入賞口2005bの内部には、第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球をV入賞口2411と排出口2412とのいずれか一方の側に振り分けるV入賞装置2400を備えている。このV入賞装置2400は、第二大入賞口2005bの開閉部材が退避状態になって第二大入賞口2005bに受け入れられた1つ目の遊技球を保持することが可能な回転体2410と、回転体2410に1つの遊技球が保持されている状態で回転体2410が右回転したときにその遊技球を受け入れることが可能となるV入賞口2411と、回転体2410に1つの遊技球が保持されている状態で第二大入賞口2005bに2つ目以降の遊技球が受入られたときにその遊技球を排出することが可能となる排出口2412と、を備えている。
つまり、第二大入賞口2005bの開閉部材が退避状態になった後、第二大入賞口2005bに1つ目の遊技球が受け入れられたときには、その1つ目の遊技球が回転体2410によって保持されるのに対し、2つ目以降の遊技球が受け入れられたときには、その2つ目以降の遊技球が回転体2410によって保持されることなく、排出口2412から排出されることとなる。そして、第二大入賞口2005bの開閉部材が突出状態に戻されたときには、V入賞口ソレノイド2111によって回転体2410が右回転し、回転体2410に保持されている1つの遊技球がV入賞口2411に振り分けられることとなる。なお、V入賞口ソレノイド2111によって回転体2410が右回転した後には、左回転することで、第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球を保持することが可能な位置に再び戻すようになっている。
上記のことから、第二始動口センサ4004によって遊技球の入球が検出されることで抽選される特別抽選結果に応じて、すなわち特別抽選結果が「小当り」であるときに、突出状態から退避状態に変化し、第二大入賞口2005bに遊技球を受け入れることが可能となるが、この退避状態の期間中(小当り遊技状態中)において、1つでも遊技球を第二大入賞口2005bに入球させることができれば、その遊技球が回転体2410によってV入賞口2411に振り分けられることとなる。そして、V入賞口2411に遊技球が振り分けられ、第一V入賞口センサ4007a及び第二V入賞口センサ4007bによって遊技球の入球が検出されることで、「大当り(役物大当り)」となり、特別抽選結果が「大当り」であるときと同様に、第一大入賞口2005の開閉部材が突出状態から退避状態へと変化するようになっている。
なお、V入賞口2411には、通過する遊技球を検出するセンサとして、第一V入賞口センサ4007aと、第二V入賞口センサ4007bと、が設けられている。また、排出口2412には、通過する遊技球を検出する排出口センサ4008が設けられている。これによれば、回転体2410によってV入賞口2411に振り分けられた遊技球は、第一V入賞口センサ4007aと第二V入賞口センサ4007bとのいずれのセンサにも検出されるはずであるが、いずれか一方のセンサのみが検出された場合には、V入賞口2411に遊技球が入球していないと判断するようにし、不正行為が行われることを防止している。また、第一V入賞口センサ4007a及び第二V入賞口センサ4007bによって検出された遊技球の数と、排出口センサ4008によって検出された遊技球の数と、の合計は、第二カウントセンサ4005bによって検出された遊技球の数と一致するはずであり、これらが一致しない場合には、V入賞口2411に遊技球が入球していないと判断するようにし、不正行為が行われることを防止している。
上記したように、第二大入賞口2005bや、該第二大入賞口2005bの左下側に配置された第一大入賞口2005は、振分部材2011によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球と、第2通路入口2013(第2通路2014)の側に振り分けられた遊技球と、が合流した後の流路に配置されている。すなわち、振分部材2011によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球と、第2通路入口2013(第2通路2014)の側に振り分けられた遊技球と、のいずれもが、第一大入賞口2005や第二大入賞口2005bに入球することを可能としている。このため、振分部材2011によって第1通路2012と第2通路入口2013(第2通路2014)とのいずれかの側に遊技球が振り分けられる構成でありながらも、振分部材2011による振分のない通常の遊技機(遊技球の打ち分けにより第一大入賞口2005や第二大入賞口2005bに入球させる遊技機)の構成と同様に、大当り遊技状態で開放状態とされる第二大入賞口2005bや、小当り遊技状態で開放状態とされる第一大入賞口2005への入球が妨げられることがない。つまり、第一大入賞口2005や第二大入賞口2005bに入球させがたいといった不利益を、遊技者が一方的に被ることを防止することで、大当り遊技状態や小当り遊技状態での遊技が円滑に行いうるようにしている。
[5−2.前構成部材]
次に、前構成部材1000について、主に図114等を参照して説明する。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球が当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1008を備えている。この防犯凹部1008は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー200の後方へ突出した後方突片202が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー200と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー200の後方突片202と前構成部材1000の防犯凹部1008とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー200と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片202や防犯凹部1008に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[5−3.遊技パネル]
次に、遊技パネル1100について、主に図114等を参照して説明する。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニットが取付けられる枠状のパネルホルダと、を備えている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダ(遊技パネル1100)よりも薄く、障害釘を前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
遊技パネル1100のパネルホルダは、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本例では、約20mm)形成されている。パネルホルダは、合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。
また、パネルホルダは、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位に前後に貫通しているアウト口1126を備えている。パネルホルダは、アウト口1126の後面下側が、アウト口1126と同じ幅で下端まで前方へ窪んでいる。
遊技パネル1100は、前構成部材1000の後側に取付けた状態では、前構成部材1000のアウト誘導部1003の後側にパネルホルダのアウト口1126が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1126へ誘導され、アウト口1126を通って遊技パネル1100の後側へ排出される。
[5−4.基板ホルダ]
次に、基板ホルダ1200について説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側から覆うことができる。これにより、アウト口1126を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球、及び、表ユニット2000及び裏ユニットから下方へ排出された遊技球、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方へ排出させることができる。
[5−5.主制御基板ユニット]
次に、主制御ユニット1300について説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。この主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する主制御基板1310と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
なお、主制御基板ボックス1320をはじめとした各種の基板ボックス930,950,1320,1520,3042はいずれも、外部からの目視確認が可能とされるように透過性をもった部材として設けられている。すなわち後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特に、上記払出制御基板ボックス950内の払出制御基板951や上記主制御基板ボックス1320内の主制御基板1310において不正抑制性能で劣る表面実装領域が設けられるようになっていることから、後述の不正対策に関わる各種の作用効果を得る上でこのような透過性を確保しておくことは重要である。
[5−6.機能表示ユニット]
次に、機能表示ユニット1400について、主に図119等を参照して説明する。機能表示ユニット1400は、図示するように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左下隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、遊技盤5をパチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の貫通口111を通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、図119に示すように、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器1401と、ゲート部2003に対する遊技球の通過により抽選される普通抽選結果を表示する四つのLEDからなる普通図柄表示器1402と、ゲート部2003に対する遊技球の通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器1408と、第一始動口2002への遊技球の受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器1403と、第一始動口2002への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器1404と、第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器1405と、第二始動口2004への遊技球の受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器1406と、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、第一大入賞口2005及び第二大入賞口2005bの開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する三つのLEDからなるラウンド表示器1407と、を主に備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−7.周辺制御ユニット]
次に、周辺制御ユニットについて説明する。周辺制御ユニットは、裏ユニットの裏箱の後面に取付けられる遊技盤側演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニットは、主制御基板1310からの制御信号に基いて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板1510は、図示は省略するが、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部と、演出画像を制御するための演出表示制御部と、を備えている。
[5−8.遊技盤側演出表示装置]
次に、遊技盤側演出表示装置1600について、図114を参照して説明する。遊技盤側演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニットの裏箱を介して取付けられている。詳述すると、遊技盤側演出表示装置1600は、裏箱の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。この遊技盤側演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。この遊技盤側演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの液晶表示装置であり、静止画像や動画を表示することができる。
[6.主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図120〜図123を参照して説明する。図120は主制御基板、払出制御基板及び周辺制御基板のブロック図であり、図121は図120のつづきを示すブロック図であり、図122は主基板を構成する払出制御基板とCRユニット及び度数表示板との電気的な接続を中継する遊技球等貸出装置接続端子板に入出力される各種検出信号の概略図であり、図123は図120のつづきを示すブロック図であり、図124は周辺制御MPUの概略を示すブロック図であり、図125は液晶表示制御部における音源内蔵VDP周辺のブロック図である。
パチンコ機1は、その制御構成として、図120に示すように、制御用電源(例えば、+5Vなど)の生成処理のほか、賞球の払出しを含めた遊技に関する制御を行う第1制御部MCGと、該第1制御部MCGによって進行される遊技に関する演出を行う第2制御部SCGとを備えている。
より具体的には、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、複数の基板を用意することにより各種制御が分担される構造を採用しており、上記第1制御部MCGとして、主制御基板1310、払出制御基板951、及び電源基板931を備えており、上記第2制御部SCGとして、周辺制御基板1510を備えている。以下、この実施の形態にかかるパチンコ機1の制御構成を説明するにあたり、まず、主制御基板1310、払出制御基板951、電源基板931の順に上記第1制御部MCGについて説明し、その後、上記第2制御部SCG(周辺制御基板1510)について説明する。
[6−1.主制御基板]
上記第1制御部MCGのうち、遊技の進行を制御する主制御基板1310は、図120に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどの各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路1310cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路1310dと、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する停電監視回路1310eと、を主として備えている。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ1310af(以下、「主制御内蔵WDT1310af」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU1310aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路1310an(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路1310an」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値32767という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されておらず(つまり、初期値が固定されておらず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路1310anは、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(後述する主制御水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路1310anが繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路1310anから値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路1310anが抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路1310bは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路1310cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路1310caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路1310cbと、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路1310caは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路1310caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路1310cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
図114に示した、第一左始動口2002aに入球した遊技球を検出する第一左始動口センサ4002a、第一右始動口2002bに入球した遊技球を検出する第一右始動口センサ4002b、第二始動口2004に入球した遊技球を検出する第二始動口センサ4004、図9に示した裏ユニット3000に取り付けられて磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出センサ4024、第一大入賞口2005に入球した遊技球を検出する第一カウントセンサ4005a、第二大入賞口2005bに入球した遊技球を検出する第二カウントセンサ4005b、一般入賞口2001に入球した遊技球を検出する一般入賞口センサ4020、ゲート部2003を通過した遊技球を検出するゲートセンサ4003、センター役物2500の右側の領域に進入した遊技球を検出する右領域部進入センサ4006、第二大入賞口2005b内のV入賞口2411に振り分けられた遊技球を検出するV入賞口センサ4007a及びV入賞口センサ4007b、第二大入賞口2005b内の排出口2412に振り分けられた(V入賞口2411に振り分けられなかった)遊技球を検出する排出口センサ4008からの検出信号は、遊技盤5に取り付けられたパネル中継基板4161、そして主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。なお、停電監視回路1310eからの信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの各スイッチからの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから主制御ソレノイド駆動回路1310dに制御信号を出力し、主制御ソレノイド駆動回路1310dからパネル中継基板4161を介して常時駆動ソレノイド2107、第二始動口ソレノイド2108、第一アタッカソレノイド2109、第二アタッカソレノイド2110に駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caからパネル中継基板4161、そして機能表示ユニット1400を介して第一特別図柄表示器1403、第二特別図柄表示器1405、第一特別保留数表示器1404、第二特別保留数表示器1406、普通図柄表示器1402、状態表示器1401、及びラウンド表示器1407に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板951に遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路1310caから停電監視回路1310eに信号(停電クリア信号)を出力したりする。
なお、本実施形態において、第一左始動口センサ4002a、第一右始動口センサ4002b、第二始動口センサ4004、第一カウントセンサ4005a、第二カウントセンサ4005b、ゲートセンサ4003、右領域部進入センサ4006、第一V入賞口センサ4007a、第二V入賞口センサ4007b、排出口センサ4008には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ4020には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一左始動口2002aや第一右始動口2002b、第二始動口2004に頻繁に入球するし、ゲート部2003や右領域部進入センサ4006を頻繁に通過するため、第一左始動口センサ4002a、第一右始動口センサ4002b、第二始動口センサ4004、ゲートセンサ4003、右領域部進入センサ4006による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一左始動口センサ4002a、第一右始動口センサ4002b、第二始動口センサ4004、ゲートセンサ4003、右領域部進入センサ4006には、寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態や小当り遊技状態が発生すると、第一大入賞口2005や第二大入賞口2005bが開放されて遊技球が頻繁に入球するし、第二大入賞口2005b内のV入賞口2411や排出口2412に遊技球が頻繁に振り分けられるため、第一カウントセンサ4005a、第二カウントセンサ4005b、第一V入賞口センサ4007a、第二V入賞口センサ4007b、排出口センサ4008による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、第一カウントセンサ4005a、第二カウントセンサ4005b、第一V入賞口センサ4007a、第二V入賞口センサ4007b、排出口センサ4008による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントセンサ4005にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球が頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ4020による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ4020には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから払出制御基板951に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板951は、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板1310に出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、払出制御基板951からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路1310bで受信することにより、主制御入力回路1310bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに出力し、リセット機能付き主制御出力回路1310caから払出制御基板951に信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路1310cbに遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路1310cbから周辺制御基板1510に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
なお、主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板931は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図132を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に後述する払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されると、操作スイッチ954からの操作信号(RAMクリア信号)が払出制御基板951から出力され、主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU1310aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[6−2.払出制御基板]
上記第1制御部MCGのうち、遊技球の払い出し等を制御する払出制御基板951は、図121に示すように、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部952と、各種機能を兼用する操作スイッチ954と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器860bと、を備えている。また、RAMクリアスイッチとしての機能を兼ね備える操作スイッチ954は、操作されることによって出力された検出信号に基づいて、主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号を出力する。
[6−2−1.払出制御部]
払い出しに関する各種制御を行う払出制御部952は、図121に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU952aと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路952bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路952cと、図103に示した払出装置830の払出モータ834に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路952dと、CRユニット6との各種信号をやり取りするためのCRユニット入出力回路952eと、を備えている。払出制御MPU952aには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御プログラムは、払出制御MPU952aの制御によって、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドをそれぞれ払出制御入力回路952bを介して主払シリアルデータ受信信号としてシリアル方式でシリアルデータを受信する。また、払出制御プログラムは、遊技球の払出動作にエラーが発生したことを契機として枠状態1コマンド(第1のエラー発生コマンドに相当)を生成したり、エラー解除部としての操作スイッチ954の操作信号(検出信号)に基づいて16ビット(2バイト)のエラー解除ナビコマンド(第1のエラー解除コマンドに相当)を作成し、これらエラー発生コマンド及びエラー解除ナビコマンドをそれぞれ、払主シリアルデータ送信信号としてシリアル方式のシリアルデータとして、払出制御I/Oポート952bを介して主制御基板1310の受信ポートに対して出力する(コマンド送信手段)。また、この払出制御プログラムは、電源投入時から所定時間が経過した後、即ち、払出制御部メイン処理が実行されたり払出制御部タイマ割り込み処理が実行されて払出制御が開始された後に、その払出動作に関してエラーが発生した場合、操作スイッチ954の操作に伴って発生した検出信号に基づいて当該エラーを解除するとともに当該エラーに応じた警告情報の出力などを停止させる(エラー解除制御手段)。
また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその開放操作に伴う検出信号(扉枠開放検出信号)が入力されると扉枠開放コマンドの(第1の扉開放コマンド)を出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその開放操作に伴う検出信号(本体枠開放検出信号)が入力されると本体枠開放コマンド(第1の本体枠開放コマンド)を出力する。一方、また、この払出制御プログラムは、扉枠開放スイッチ618からその閉鎖操作に伴う検出信号(扉枠閉鎖検出信号)が入力されると扉枠閉鎖コマンド(第1の扉枠閉鎖コマンド)のを出力するともに、本体枠開放スイッチ619からその閉鎖操作に伴う検出信号(本体枠閉鎖検出信号)が入力されると本体枠閉鎖コマンド(第1の本体枠閉鎖コマンド)を出力する。
払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路952bは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、払出制御入力回路952bは、その各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路952cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路952caと、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路952cbと、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路952caは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路952caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、後述する払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路952cbは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出ユニット800の球誘導ユニット820の供給通路内の遊技球の球切れを検知する球切れ検知センサ827、及び払出装置830の払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842、払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。なお、後述の説明上、羽根回転検知センサ840を、この明細書において単に回転検知センサ840ということにする。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、図1に示したファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ279からの検出信号は、まずハンドル中継端子板315、電源基板931、そして払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを、払出制御入力回路952bを介して、そのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式で受信したり、操作スイッチ954の操作信号(検出信号)を払出制御入力回路952bを介して主制御基板1310に対して出力する。払出制御MPU952aは、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから主制御基板1310に信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU952aは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路952cbに送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。主制御基板1310は、払出制御基板951からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板951に出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路952bを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータ834を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号を払出モータ駆動回路952dに出力し、払出モータ駆動回路952dから駆動信号を払出モータ834に出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器860bに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから駆動信号をエラーLED表示器860bに出力したりする。
エラーLED表示器860bは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器860bが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れ検知センサ827からの検出信号に基づいて払出装置830の供給通路内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転検知センサ840からの検出信号に基づいて払出装置830の供給通路と連通する振分空間の入り口において払出回転体と遊技球とがその入り口近傍でかみ合って払出回転体が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「払出検知センサエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ842からの検出信号に基づいて払出検知センサ842に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ279からの検出信号に基づいてファールカバーユニット270の収容空間が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板951からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU952aは、その所定の出力ポートの出力端子から、実際に払い出した遊技球の球数等をリセット機能付き払出制御出力回路952caに出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路952caから図示しない抵抗を介して外部端子板784に実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板951は、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板784に出力している。外部端子板784は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球の球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容或いはエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。
外部端子板784とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ機1の外部端子板784を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ機1の外部端子板784を経由して遊技を進行する主制御基板1310や払出等を制御する払出制御基板951に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数等やパチンコ機1の遊技情報を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
球貸ボタン328からの遊技球の球貸要求信号、及び返却ボタン329からのプリペイドカードの返却要求信号は、まず度数表示板365、主扉中継端子板880、そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板951にシリアル方式で送信し、この信号がCRユニット入出力回路952eを介して払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を球貸返却表示部330に表示するための信号を、遊技球等貸出装置接続端子板869、主扉中継端子板880、そして度数表示板365に出力し、この信号が球貸返却表示部330に入力されるようになっている。また、球貸返却表示部330に隣接するCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの供給電圧が遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されるようになっている。
なお、払出制御基板951に各種電圧を供給する電源基板931は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板951に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(図132を参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU952aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に操作スイッチ954が操作されると、その操作信号が払出制御入力回路952bを介して、払出制御MPU952aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、払出制御MPU952aは払出制御内蔵RAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリア信号として判断し、これを契機として、払出制御MPU952aによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし払出制御出力回路952cbに出力され、リセット機能なし払出制御出力回路952cbから主制御基板1310に出力されるようにもなっている。
[6−2−2.遊技球等貸出装置接続端子板との各種信号のやり取り]
ここで、払出制御部952とCRユニット6とにおける各種信号のやり取り、及びCRユニット6と度数表示板365とにおける各種信号のやり取りについて、図122に基づいて説明する。遊技球等貸出装置接続端子板869は、図122に示すように、CRユニット6と払出制御基板951との基板間の電気的な接続を中継するほかに、CRユニット6と度数表示板365との基板間の電気的な接続も中継している(正確には、遊技球等貸出装置接続端子板869は、主扉中継端子板880を介して度数表示板365と電気的に接続されており、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続され、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880とが電気的に接続され、そして主扉中継端子板880と度数表示板365とが電気的に接続されている)。CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と払出制御基板951との基板間、遊技球等貸出装置接続端子板869と主扉中継端子板880との基板間、及び遊技球等貸出装置接続端子板869と度数表示板365との基板間は、各配線(ハーネス)によって電気的にそれぞれ接続されている。また、電源基板931からの後述するAC24Vが遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に供給されている。CRユニット6は、この供給されたAC24Vから所定電圧VL(本実施形態では、直流+12V(DC+12V、以下「+12V」記載する。))を、内蔵する図示しない電圧作成回路により作成してグランドLGとともに、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して払出制御基板951に供給する一方、遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して度数表示板365に供給している。
度数表示板365は、その部品面に、の球貸ボタン328と対応する位置に押ボタンスイッチである球貸ボタン328が実装され、貸球ユニット360の返却ボタン329と対応する位置に押ボタンスイッチである返却ボタン329が実装され、貸球ユニット360の貸出残表示部363と対応する位置にセグメント表示器である球貸返却表示部330が実装されている。
球貸ボタン328及び返却ボタン329は、CRユニット6からのグランドLGが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して電気的に接続されている。球貸ボタン328は、球貸ボタン328が押圧操作されると、球貸ボタン328のスイッチが入り(ONし)、球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。返却ボタン329は、返却ボタン329が押圧操作されると、返却ボタン329のスイッチが入り(ONし)、返却ボタン329からの返却操作信号RESが主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介してCRユニット6に入力されるようになっている。
球貸返却表示部330は、セグメント表示器が3個一列に並設されたものであり、これら3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器ずつ順次駆動する、いわゆるダイナミック点灯方式によって3桁のセグメント表示器が点灯制御されるようになっている。このような点灯制御によって、球貸返却表示部330は、CRユニット6に挿入されたプリペイドカードの残額を表示したり、CRユニット6のエラーを表示したりする。球貸返却表示部330は、3桁のセグメント表示器のうち1桁のセグメント表示器を指定するためのデジット信号DG0〜DG2(計3本の信号)と、この指定した1桁のセグメント表示器を点灯させて表示させる内容を指定するためのセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−G(計7本の信号)と、がCRユニット6から遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されると、この入力された、デジット信号DG0〜DG2及びセグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gに従って1桁のセグメント表示器が順次発光され、これらの3桁のセグメント表示器の発光による内容が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。
なお、球貸返却表示部330に隣接してCRユニットランプ365dが度数表示板365に実装されている。このCRユニットランプ365dは、CRユニット6からの所定電圧VLが遊技球等貸出装置接続端子板869そして主扉中継端子板880を介して入力されている。所定電圧VLは、CRユニットランプ365dを介して遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸可能信号TDLとしてCRユニット6に入力されている。CRユニット6は、内蔵する電圧作成回路で電源基板931から供給されたAC24Vから所定電圧VLを作成しており、球貸ボタン328及び返却ボタン329が有効である球貸可能な状態である場合には球貸可能信号TDLの論理を制御してCRユニットランプ365dを発光させ、この発光が貸出残表示部363を通して視認することができるようになっている。また、セグメント駆動信号SEG−A〜SEG−Gは、遊技球等貸出装置接続端子板869に実装された電流制限抵抗を通って球貸返却表示部330に入力されている。
CRユニット6は、球貸ボタン328が押圧操作されて球貸ボタン328からの球貸操作信号TDSが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、貸球要求信号であるBRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。そしてCRユニット6は、1回の払出動作で所定の貸球数(本実施形態では、25球であり、金額として100円に相当する。)を払い出すための1回の払出動作開始要求信号であるBRQを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、払出制御基板951(払出制御MPU952a)に出力するようになっている。BRDY及びBRQが入力される払出制御基板951(払出制御MPU952a)は、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるための信号であるEXSを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したり、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨又は不可能である旨を伝えるための信号であるPRDYを、遊技球等貸出装置接続端子板869を介して、CRユニット6に出力したりする。なお、例えば、球貸ボタン328が押圧操作されると、200円分の遊技球が払い出されるように、ホールの店員等がCRユニット6に予め設定している場合には、1回の払出動作が連続して2回行われるようになっており、100円分の25球が払い出されると、続けて100円分の25球が払い出され、計200円分の50球が払い出されることとなる。
CRユニット6は、返却ボタン329が押圧操作されて返却ボタン329からの返却操作信号RESが度数表示板365から主扉中継端子板880そして遊技球等貸出装置接続端子板869を介して入力されると、プリペイドカードを図示しない挿入口から排出して返却するようになっている。この返却されたプリペイドカードは、球貸ボタン328が押圧操作された結果、払い出された遊技球の球数に相当する金額が減算された残額が記憶されている。
[6−3.電源基板931]
次に、上記第1制御部MCGのうち、電源基板931について簡単に説明する。電源基板931は、パチンコ島設備から供給され交流24ボルト(AC24V)を電気的に接続したり、電気的に遮断したりすることができる電源スイッチ934と、各種電源を生成する電源制御部935と、図5に示した打球発射装置650の発射ソレノイド682による発射制御及び図1に示した球送りユニット250の球送ソレノイド255による球送制御を行う発射制御部953と、を備えている。
[6−3−1.電源制御部]
電源制御部935は、電源スイッチ934が操作されてパチンコ島設備から供給される交流24ボルト(AC24V)を整流する同期整流回路935aと、同期整流回路935aで整流された電力の力率を改善する力率改善回路935bと、力率改善回路935bで力率が改善された電力を平滑化する平滑化回路935cと、平滑化回路935cで平滑化された電力から各種基板に供給するための各種直流電源を作成する電源作成回路935dと、を備えている。
[6−3−2.発射制御部]
発射ソレノイド682による発射制御と、球送ソレノイド255による球送制御と、を行う発射制御部953は、発射制御回路953aを主として構成されている。発射制御回路953aは、ハンドル302の回転位置に応じて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す強度(発射強度)を電気的に調節するハンドル回転検知センサ307からの操作信号と、ハンドル302に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ310からの検出信号と、遊技者の意志によって遊技球の打ち出し(発射)を強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ312からの検出信号と、がハンドル中継端子板315を介して、入力されている。また、発射制御回路953aは、CRユニット6と遊技球等貸出装置接続端子板869とが電気的に接続されると、その旨を伝えるCR接続信号が払出制御基板951を介して入力されている。
発射制御回路953aは、ハンドル回転検知センサ307からの操作信号に基づいて遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出す(発射する)ための駆動電流を調整して発射ソレノイド682に出力する制御を行っている一方、ハンドル中継端子板315を介して球送ソレノイド255に一定電流を出力することにより球送りユニット250の球送部材が皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球を1球受け入れ、球送部材が受け入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る制御を行っている。
[6−4.周辺制御基板]
こうした第1制御部MCGに対し、上記第2制御部SCGのうちの周辺制御基板1510では、図123に示すように、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて演出制御を行い、かつ、図19に示す扉枠側演出表示装置460の表示領域の描画を行う演出表示駆動基板4450と制御コマンドや各種情報(各種データ)をやり取りする周辺制御部1511と、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う一方、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の音制御を行う液晶表示制御部1512と、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するリアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節する音量調整ボリューム1510aと、を備えている。
[6−4−1.周辺制御部]
演出制御を行う周辺制御部1511は、図123に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU1511aと、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに演出動作を制御するサブ制御プログラムなどの各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する周辺制御ROM1511bと、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に描画する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する周辺制御RAM1511cと、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する周辺制御SRAM1511dと、周辺制御MPU1511aが正常に動作しているか否かを監視するための周辺制御外部ウォッチドックタイマ1511e(以下、「周辺制御外部WDT1511e」と記載する。)と、を備えている。
周辺制御RAM1511cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)ではその内容を失うのに対して、周辺制御SRAM1511dは、電源基板931に設けられた図示しない大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持することができるようになっている。電源基板931にSRAM用電解コンデンサが設けられることにより、遊技盤5をパチンコ機1から取り外した場合には、周辺制御SRAM1511dにバックアップ電源が供給されなくなるため、周辺制御SRAM1511dは、記憶された内容を保持することができなくなってその内容を失う。
周辺制御外部WDT1511eは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御MPU1511aは、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT1511eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御MPU1511aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT1511eに出力するときには、周辺制御外部WDT1511eのタイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御MPU1511aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310からの各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介してランプ駆動基板4170に送信したり、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路を介してモータ駆動基板4180に送信したり、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したり、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信したりする。
主制御基板1310からの各種コマンドは、図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、演出操作ユニット400に設けられた、操作ボタン410の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板194に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された演出操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板882、枠周辺中継端子板868、そして周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aの演出操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど。)からの検出信号は、モータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化され、このシリアル化された可動体検出データが遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートに入力されている。周辺制御MPU1511aは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの入出力を切り替えることにより周辺制御基板1510とモータ駆動基板4180との基板間における各種データのやり取りを行うようになっている。
なお、周辺制御MPU1511aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT1511eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[6−4−1a.周辺制御MPU]
次に、マイクロコンピュータである周辺制御MPU1511aについて説明する。周辺制御MPU1511aは、図124に示すように、周辺制御CPUコア1511aaを中心として、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMA(Direct Memory Accessの略)コントローラ1511ac、周辺制御バスコントローラ1511ad、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御アナログ/デジタルコンバータ(以下、周辺制御A/Dコンバータと記載する)1511ak等から構成されている。
周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御DMAコントローラ1511acに対して、内部バス1511ahを介して、各種データを読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511akに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして周辺バス1511aiを介して、各種データを読み書きする。
また、周辺制御CPUコア1511aaは、周辺制御ROM1511bに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み込む一方、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511dに対して、内部バス1511ah、周辺制御バスコントローラ1511ad、そして外部バス1511hを介して、各種データを読み書きする。
周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行う専用のコントローラであり、DMA0〜DMA3という4つのチャンネルを有している。
具体的には、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに内蔵される周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御内蔵RAM1511abの記憶装置に対して、内部バス1511ahを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
また、周辺制御DMAコントローラ1511acは、周辺制御MPU1511aに外付けされる、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御MPU1511aに内蔵される、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の装置間において、周辺制御CPUコア1511aaを介すことなく、独立してデータ転送を行うために、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び外部バス1511hを介して、読み書きする一方、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置に対して、周辺制御バスコントローラ1511ad及び周辺バス1511aiを介して、読み書きする。
周辺制御バスコントローラ1511adは、内部バス1511ah、周辺バス1511ai、及び外部バス1511hをコントロールして周辺制御MPUコア1511aaの中央処理装置と、周辺制御内蔵RAM1511ab、周辺制御ROM1511b、周辺制御RAM1511c、及び周辺制御SRAM1511d等の記憶装置と、周辺制御各種シリアルI/Oポート1511ae、周辺制御内蔵WDT1511af、周辺制御各種パラレルI/Oポート1511ag、及び周辺制御A/Dコンバータ1511ak等の入出力装置と、の各種装置間において、各種データのやり取りを行う専用のコントローラである。
周辺制御各種シリアルI/Oポート1511aeは、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポート、モータ駆動基板用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポート、枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポート、主制御基板用シリアルI/Oポート、演出操作ユニット情報取得用シリアルI/Oポートを有している。
周辺制御内蔵ウォッチドックタイマ(周辺制御内蔵WDT)1511afは、周辺制御MPU1511aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかけるようになっている。つまり、周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせた場合には、一定期間内(タイマがタイマアップするまで)にそのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力しないときには、リセットがかかることとなる。周辺制御CPUコア1511aaは、ウォッチドックタイマをスタートさせて一定期間内にクリア信号を周辺制御内蔵WDT1511afに出力するときには、タイマカウントを再スタートさせることができるため、リセットがかからない。
周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agは、遊技盤側モータ駆動ラッチ信号、扉側モータ駆動発光ラッチ信号等の各種ラッチ信号を出力するほかに、周辺制御外部WDT1511eにクリア信号を出力したり、遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチからの検出信号をモータ駆動基板4180に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化して、このシリアル化された可動体検出データを遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御MPU1511aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートで受信するための可動体情報取得ラッチ信号を出力したりする。このLEDは、高輝度の白色LEDであり、大当り遊技状態の発生が確定している旨を伝えるための確定告知ランプとなっている。本実施形態では、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとが電気的に直接接続された構成を採用することにより、LEDと周辺制御各種パラレルI/Oポート1511agとの経路を短くすることで遊技上重量な意味を持つLEDの点灯制御についてノイズ対策を講ずることができる。なお、LEDの点灯制御については、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理において実行されるようになっており、このLEDを除く他のLED等は、後述する周辺制御部定常処理において実行されるようになっている。
周辺制御A/Dコンバータ1511akは、音量調整ボリューム1510aと電気的に接続されており、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変し、つまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御してスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が出力されるようになっている。このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整によりスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が出力されるようになっている。
なお、本実施形態では、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりする等。)ための告知音もスピーカ921及び上部スピーカ573から出力されるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに出力される仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(後述する音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合には、後述する複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには後述する複数の出力チャンネルのうちエラー報知専用チャンネルに割り当てられて大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を出力させることができる。即ち、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することで演出用チャンネルに割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の音量を調整することが可能であるものの、エラー報知専用チャンネルに割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される報知音の音量を調整することはできないようになっている。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を出力する音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を出力する音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
[6−4−1b.周辺制御ROM]
周辺制御ROM1511bは、周辺制御部1511、液晶表示制御部1512、RTC制御部4165等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータを予め記憶されている。各種スケジュールデータには、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が出力される順番が規定されている。この音指令データには、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネル(本実施形態では、チャンネル1(CH1)〜チャンネル32(CH32)の32チャンネル)のうち、どの出力チャンネルに割り当てるのかを指示するための出力チャンネル番号(CH1〜CH32)と、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。上記したように本実施形態では左右一対の上部スピーカ573を備えて音楽や効果音等をステレオ再生するため、音生成用スケジュールデータには左の上部スピーカ573から音楽や効果音等を出力するために割り当てられる出力チャンネル番号と右の上部スピーカ573から音楽や効果音等を出力するために割り当てられる出力チャンネル番号との2つの出力チャンネル番号が規定されている。また、電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
なお、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムは、周辺制御ROM1511bから直接読み出されて実行されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御プログラムコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されて実行されるものもある。また周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータも、周辺制御ROM1511bから直接読み出されるものもあれば、後述する周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリアに電源投入時等においてコピーされたものが読み出されるものもある。
また、周辺制御ROM1511bには、RTC制御部4165を制御する各種制御プログラムの1つとして、遊技盤側演出表示装置1600の使用時間に応じて遊技盤側演出表示装置1600の輝度を補正するための輝度補正プログラムが含まれている。この輝度補正プログラムは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正するものであり、後述するRTC制御部4165の内蔵RAMから遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時、現在の日時、輝度設定情報等を取得して、この取得した輝度設定情報を補正情報に基づいて補正する。この補正情報は、周辺制御ROM1511bに予め記憶されている。輝度設定情報は、後述するように、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれているものであり、例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
[6−4−1c.周辺制御RAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御RAM1511cは、図124に示すように、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511caと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccと、周辺制御ROM1511bに記憶されている各種制御プログラムがコピーされたものを専用に記憶する各種制御プログラムコピーエリア1511cdと、周辺制御ROM1511bに記憶されている、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータ等がコピーされたものを専用に記憶する各種制御データコピーエリア1511ceと、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっていないものを専用に記憶するバックアップ非管理対象ワークエリア1511cfと、が設けられている。
なお、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)には、バックアップ非管理対象ワークエリア1511cfに対して値0が強制的に書き込まれてゼロクリアされる一方、バックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccについては、パチンコ機1の電源投入時に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図146を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図127に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)であるときにはゼロクリアされる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511caは、後述する液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理において更新される各種情報である演出情報(1fr)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1fr)と、後述する1msタイマ割り込みが発生するごとに実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理において更新される各種情報である演出情報(1ms)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(1ms)と、から構成されている。ここで、Bank0(1fr)及びBank0(1ms)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511cbからバックアップ第2エリア1511ccに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(1fr)」は、後述するように、音源内蔵VDP1512aが1画面分(1フレーム分)の描画データを遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力するようになっているため、Vブランク信号が入力されるごとに、換言すると、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1fr)や後述する演出バックアップ情報(1fr)についても、同一の意味で用いる)。「(1ms)」は、後述するように、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるところから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(1ms)や後述する演出バックアップ情報(1ms)についても、同一の意味で用いる)。
Bank0(1fr)には、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cab、受信コマンド記憶領域1511cac、RTC情報取得記憶領域1511cad、及びスケジュールデータ記憶領域1511cae等が設けられている。ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaには、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLEDへの点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データSL−DATがセットされる記憶領域であり、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabには、扉枠3の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データSTL−DATがセットされる記憶領域であり、受信コマンド記憶領域1511cacには、主制御基板1310から送信される各種コマンドを受信してその受信した各種コマンドがセットされる記憶領域であり、RTC情報取得記憶領域1511cadには、RTC制御部4165(後述するRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aa)から取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、スケジュールデータ記憶領域1511caeには、主制御基板1310(主制御MPU1310a)から受信したコマンドに基づいて、この受信したコマンドと対応する各種スケジュールデータがセットされる記憶領域である。スケジュールデータ記憶領域1511caeには、周辺制御ROM1511bから各種制御データコピーエリア1511ceにコピーされた各種スケジュールデータが読み出されてセットされるものもあれば、周辺制御ROM1511bから各種スケジュールデータが直接読み出されてセットされるものもある。
Bank0(1ms)には、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cag、可動体情報取得記憶領域1511cah、及び演出操作ユニット情報取得記憶領域1511cai、及び描画状態情報取得記憶領域1511cak等が設けられている。枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafには、扉枠3に設けたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされる記憶領域であり、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagには、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされる記憶領域であり、可動体情報取得記憶領域1511cahには、遊技盤5に設けた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて遊技盤5に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得した各種情報がセットされる記憶領域であり、演出操作ユニット情報取得記憶領域1511caiには、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて操作ボタン410の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて作成する操作ボタン410の操作履歴情報など。)がセットされる記憶領域であり、描画状態情報取得記憶領域1511cakには、演出表示駆動基板4450が周辺制御基板1510の音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝えるために出力する後述するLOCKN信号に基づいて周辺制御基板1510と演出表示駆動基板4450との接続間における不具合の頻度や不具合の発生状態を取得した各種情報がセットされる記憶領域である。
なお、Bank0(1fr)のランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caa及び枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabと、Bank0(1ms)の枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511caf及びモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagとは、第1領域及び第2領域という2つの領域にそれぞれ分割されている。
ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaは、後述する周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域に、遊技盤側発光データSL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域、第2領域に遊技盤側発光データSL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理においてランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第2領域に遊技盤側発光データSL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、ランプ駆動基板側送信データ記憶領域1511caaの第1領域にセットした遊技盤側発光データSL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabは、周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域に、扉側発光データSTL−DATがセットされ、次の周辺制御部定常処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるようになっており、周辺制御部定常処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域、第2領域に扉側発光データSTL−DATが交互にセットされる。周辺制御部定常処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部定常処理において枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第2領域に扉側発光データSTL−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部定常処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側LED用送信データ記憶領域1511cabの第1領域にセットした扉側発光データSTL−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafは、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域に、扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域、第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理において枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第2領域に扉側モータ駆動データSTM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、枠装飾駆動アンプ基板側モータ用送信データ記憶領域1511cafの第1領域にセットした扉側モータ駆動データSTM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagは、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域に、遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされ、次の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されると、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるようになっており、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域、第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATが交互にセットされる。周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行され、例えば、今回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理においてモータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第2領域に遊技盤側モータ駆動データSM−DATがセットされるときには、前回の周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された際に、モータ駆動基板側送信データ記憶領域1511cagの第1領域にセットした遊技盤側モータ駆動データSM−DATに基づいて処理を進行するようになっている。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511caに記憶されている各種情報である演出情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccについて説明する。バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccは、2つのバンクを1ペアとする2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される記憶は、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)の内容が一致しているか否かにより行うとともに、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511cbは、Bank1(1fr)及びBank2(1fr)を1ペアとし、Bank1(1ms)及びBank2(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511ccは、Bank3(1fr)及びBank4(1fr)を1ペアとし、Bank3(1ms)及びBank4(1ms)を1ペアとする、計2ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
また、本実施形態では、通常使用する記憶領域であるBank0(1fr)に記憶される内容である演出情報(1fr)は、演出バックアップ情報(1fr)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるとともに、通常使用する記憶領域であるBank0(1ms)に記憶される内容である演出情報(1ms)は、演出バックアップ情報(1ms)として、1msタイマ割り込みが発生するごとに周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511cb及びバックアップ第2エリア1511ccに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされるようになっているが、これらの周辺制御DMAコントローラ1511acによる高速コピーを実行するプログラムは共通化されている。つまり本実施形態では、演出情報(1fr)、演出情報(1ms)を、共通の管理手法(共通のプログラムの実行)で情報を管理している。
[6−4−1d.周辺制御SRAM]
周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dは、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報のうち、バックアップ対象となっているものを専用に記憶するバックアップ管理対象ワークエリア1511daと、このバックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcと、が設けられている。なお、周辺制御SRAM1511dに記憶された内容は、パチンコ機1の電源投入時(瞬停や停電による復電時も含む。)に主制御基板1310からの電源投入時状態コマンド(図146を参照)がRAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである(例えば、電源投入時から予め定めた期間内に図120に示した操作スイッチ954が操作された時における演出の開始を指示したりするものである)ときにおいても、ゼロクリアされない。この点については、上述した周辺制御RAM1511cのバックアップ管理対象ワークエリア1511ca、バックアップ第1エリア1511cb、及びバックアップ第2エリア1511ccがゼロクリアされる点と、全く異なる。また、パチンコ機1の電源投入後、所定時間内において、演出操作ユニット400の操作ボタン410を操作すると、設定モードを行うための画面が扉枠側演出表示装置460に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400の演出選択左ボタン331、演出選択右ボタン332、及び操作ボタン410を操作することで、周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容(項目)ごとに(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴など。)クリアすることができる一方、周辺制御RAM1511cに記憶されている内容(項目)については、全く表示されず、設定モードにおいてクリアすることができないようになっている。この点についても、周辺制御RAM1511cと周辺制御SRAM1511dとで全く異なる。
バックアップ管理対象ワークエリア1511daは、日をまたいで継続される各種情報である演出情報(SRAM)(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)をバックアップ対象として専用に記憶するBank0(SRAM)から構成されている。ここで、Bank0(SRAM)の名称について簡単に説明すると、「Bank」とは、上述したように、各種情報を記憶するための記憶領域の大きさを表す最小管理単位であり、「Bank」に続く「0」は、各種制御プログラムが実行されることにより更新される各種情報を記憶するための通常使用する記憶領域であることを意味している。つまり「Bank0」とは、通常使用する記憶領域の大きさを最小管理単位としているという意味である。そして、後述するバックアップ第1エリア1511dbからバックアップ第2エリア1511dcに亘るエリアに設けられる、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」とは、「Bank0」と同一の記憶領域の大きさを有していることを意味している。「(SRAM)」は、周辺制御MPU1511aに外付けされる周辺制御SRAM1511dに記憶されている各種情報がバックアップ対象となっていることから、「Bank0」、「Bank1」、「Bank2」、「Bank3」、及び「Bank4」にそれぞれ付記されている(演出情報(SRAM)や後述する演出バックアップ情報(SRAM)についても、同一の意味で用いる)。
次に、バックアップ管理対象ワークエリア1511daに記憶されている各種情報である演出情報(SRAM)がコピーされたものを専用に記憶するバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcについて説明する。バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcは、2つのバンクを1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容である演出情報(SRAM)は、演出バックアップ情報(SRAM)として、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、バックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcに周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされる。1ページの整合性は、そのページを構成する2つのバンクの内容が一致しているか否かにより行う。
具体的には、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
また、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアが1ページとして管理されている。通常使用する記憶領域であるBank0(SRAM)に記憶される内容は、1フレーム(1frame)ごとに周辺制御部定常処理が実行されるごとに、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)に周辺制御DMAコントローラ1511acにより高速にコピーされ、このページの整合性は、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)の内容が一致しているか否かにより行う。
このように、本実施形態では、バックアップ第1エリア1511dbは、Bank1(SRAM)及びBank2(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアであり、バックアップ第2エリア1511dcは、Bank3(SRAM)及びBank4(SRAM)を1ペアとする、この1ペアを1ページとして管理するためのエリアである。各ページの先頭と終端とには、つまりバックアップ第1エリア1511db及びバックアップ第2エリア1511dcの先頭と終端とには、それぞれ異なるIDコートが記憶されるようになっている。
[6−4−2.液晶表示制御部]
遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御とスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の音制御とを行う液晶表示制御部1512は、図123に示すように、音楽や効果音等の音制御を行うための音源が内蔵(以下、「内蔵音源」と記載する。)されるとともに遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の描画制御を行う音源内蔵VDP(Video Display Processorの略)1512aと、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示される画面の各種キャラクタデータに加えて音楽や効果音等の各種音データを記憶する液晶及び音制御ROM1512bと、シリアル化された音楽や効果音等をオーディオデータとして枠装飾駆動アンプ基板194に向かって送信するオーディオデータ送信IC1512cと、扉枠側演出表示装置460へシリアル化された描画データを扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450へ向かって送信する扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データをプラス信号とマイナス信号とに差動化する差動化回路1512eと、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、差動化回路1512eからの信号が入力されるとともに、差動化回路1512eからの信号が入力されているときには、この信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eからの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続する強制切替回路1512fと、を備えている。この液晶及び音制御ROM1512bには、後述する画面や画像の表示に用いるスプライトデータとして、例えばリング状表示物(環状の表示物)の表示に用いる環状画像データ、後述する操作メニュー背景画像の表示に用いる操作メニュー背景画像データ、後述する少なくとも1つの選択表示物の表示に用いる選択表示物画像データ、後述するボリュームスケールを含む音量調整画面の表示に用いる音調調整背景画像データ、後述する音量調整アイコンの表示に用いる音量設定アイコン画像データ等の他、遊技者から見て本体枠4の背面における各部位の位置が視認可能な本体枠背面画像の表示に用いる本体枠背面画像データ、サービスモード画面の表示に用いるサービスモード画面画像データ、休憩タイマー設定画面の表示に用いる休憩タイマー設定画面画像データ、及び、休憩中画面の表示に用いる休憩中画面画像データが格納されている。なお、液晶及び音制御ROM1512bは、演出操作ユニット400の操作ボタン410(操作部)を操作すべき旨を促すための示唆表示物の表示に用いる示唆表示物画像データをも格納している。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する画面生成用スケジュールデータを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータの先頭の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、後述するVブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って先頭の画面データに続く次の画面データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた画面生成用スケジュールデータに従って、この画面生成用スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の画面データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
また、周辺制御MPU1511aは、主制御基板1310からのコマンドと対応する音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して周辺制御RAM1511cのスケジュールデータ記憶領域に1511caeにセットし、このスケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータの先頭の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力した後に、Vブランク信号が入力されたことを契機として、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って先頭の音指令データに続く次の音指令データを、周辺制御部1511の周辺制御ROM1511b又は周辺制御RAM1511cの各種制御データコピーエリア1511ceから抽出して音源内蔵VDP1512aに出力する。このように、周辺制御MPU1511aは、スケジュールデータ記憶領域1511caeにセットされた音生成用スケジュールデータに従って、この音生成用スケジュールデータに時系列に配列された音指令データを、Vブランク信号が入力されるごとに、先頭の音指令データから1つずつ音源内蔵VDP1512aに出力する。
[6−4−2a.音源内蔵VDP]
音源内蔵VDP1512aは、上述した内蔵音源のほかに、周辺制御MPU1511aから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、図125に示すように、液晶及び音制御ROM1512bから遊技盤側キャラクタデータ及び上皿側キャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを生成するためのVRAMも内蔵(以下、「内蔵VRAM」と記載する。)している。音源内蔵VDP1512aは、内蔵VRAM上に生成した描画データのうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する描画データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する描画データをチャンネルCH2から、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して、扉枠側演出表示装置460に出力(送信)することで、遊技盤側演出表示装置1600と扉枠側演出表示装置460との同期化を図っている。
チャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるのに対して、チャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320の右側に取り付けられている扉枠側演出表示装置460の下方近傍に配置されて皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)される。このように、チャンネルCH1から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、周辺制御基板1510及び遊技盤側演出表示装置1600は遊技盤5にそれぞれ取り付けられていることによりチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路に要する配線の長さが短いものの、チャンネルCH2から出力される描画データは、上述したように、周辺制御基板1510から扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力されるため、周辺制御基板1510は遊技盤5に取り付けられているのに対して、演出表示駆動基板4450は扉枠3の皿ユニット320内に収納されていることによりチャンネルCH2から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして演出表示駆動基板4450までの経路に要する配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなることでノイズの影響を極めて受けやすくなる。このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。
チャンネルCH1は、LVDS(Low Voltage Differential Signaling)というシリアル方式による差動インターフェイスを使用しているのに対して、チャンネルCH2は、パラレル方式によるインターフェイスを使用している。チャンネルCH2から出力される描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、扉枠側演出用トランスミッタIC4610dでシリアル化されて、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。そして、このシリアル化された各種信号は、演出表示駆動基板4450においてパラレル信号に復元されて扉枠側演出表示装置460に出力されるようになっている。
このように、周辺制御MPU1511aが遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の画面データを音源内蔵VDP1512aに出力すると、音源内蔵VDP1512aは、この入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM1512bからキャラクタデータを抽出してスプライトデータを作成して遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成し、この生成した描画データうち、遊技盤側演出表示装置1600に対する画像データをチャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)する。つまり、「1画面分(1フレーム分)の画面データ」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM上で生成するためのデータのことである。
また、音源内蔵VDP1512aは、1画面分(1フレーム分)の描画データを、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、扉枠側演出表示装置460に対する画像データをチャンネルCH2から図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)すると、周辺制御MPU1511aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号を周辺制御MPU1511aに出力する。本実施形態では、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が出力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。周辺制御MPU1511aは、このVブランク信号が入力されたことを契機として、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理を実行するようになっている。ここで、Vブランク信号が出力される間隔は、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の液晶サイズによって多少変化する。また、周辺制御MPU1511aと音源内蔵VDP1512aとが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合がある。
なお、音源内蔵VDP1512aは、フレームバッファ方式が採用されている。この「フレームバッファ方式」とは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460の画面に描画する1画面分(1フレーム分)の描画データをフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持し、このフレームバッファ(内蔵VRAM)に保持した1画面分(1フレーム分)の描画データを、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460に出力する方式である。
また、音源内蔵VDP1512aは、主制御基板1310からのコマンドに基づいて周辺制御MPU1511aから上述した音指令データが入力されると、図125に示すように、液晶及び音制御ROM1512bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データをトラックに組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って割り当てる出力チャンネルを設定してスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。具体的には、複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される演出音に対しては、上述した、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、複数の出力チャンネルのうちエラー報知専用チャンネルに割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される報知音に対しては、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、演出操作ユニット400の操作ボタン410を操作することで後述する設定モードへ移行して調節することができるようになっている。具体的には、演出操作ユニット400の操作ボタン410を操作することで設定モードに移行し、扉枠側演出表示装置460に設定モードを行うための画面が表示される。この設定モードでは、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作して、扉枠側演出表示装置460に表示されるカレンダー情報の変更、時刻情報の再設定、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度調節、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の演出音の音量調節、及び周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容(大当り遊技状態が発生した履歴等)のクリア、等の複数の項目のうちいずれかにカーソルを合わせた状態で操作ボタン410を操作してカーソルが指す項目を選択する。そして、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の演出音の音量調節を選択した場合には、演出選択左ボタン331を操作することで音量を小さくしたり、演出選択右ボタン332を操作することで音量を大きくしたりすることができるようになっている。また、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の演出音の音量は設定1〜設定5の5段階設定され、通常は設定3に設定されているが、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作することで設定1〜設定5のいずれかの音量に調節することができるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される演出音に対しては、複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力し、複数の出力チャンネルのうちエラー報知専用チャンネルに割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
ここで、複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられて演出音がスピーカ921及び上部スピーカ573から出力されている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため複数の出力チャンネルのうちエラー報知専用チャンネルに割り当てられて報知音を出力する制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC1512cに出力する。
つまり、実際に、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音は、最大音量の報知音だけが出力されることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力されないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけスピーカ921及び上部スピーカ573から出力されるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、演出操作ユニット400の操作ボタン410を操作することで設定モードへ移行して調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力されるようになっている。
このように、複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられて演出音がスピーカ921及び上部スピーカ573から出力されている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため複数の出力チャンネルのうちエラー報知専用チャンネルに割り当てられて報知音が出力されるときには、演出音の音量が消音になって報知音がスピーカ921及び上部スピーカ573から出力されるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過してスピーカ921及び上部スピーカ573から出力されなくなると、演出音は、報知音が出力し始めたところから再び出力し始めるのではなく、報知音が出力し始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び出力し始めるようになっている。
[6−4−2b.液晶及び音制御ROM]
液晶及び音制御ROM1512bは、図125に示すように、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に描画するための遊技盤側キャラクタデータと、扉枠側演出表示装置460の表示領域に描画するための上皿側キャラクタデータと、が予め記憶されるとともに、音楽、効果音、報知音、及び告知音等の各種の音データも予め記憶されている。
[6−4−2c.オーディオデータ送信IC]
オーディオデータ送信IC1512cは、音源内蔵VDP1512aからのシリアル化したオーディオデータが入力されると、右側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信するとともに、左側オーディオデータをプラス信号、マイナス信号とする差分方式のシリアルデータとして、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882を介して、枠装飾駆動アンプ基板194に送信する。これにより、スピーカ921及び上部スピーカ573から各種演出に合わせた音楽や効果音等がステレオ再生されるようになっている。
なお、オーディオデータ送信IC1512cは、周辺制御基板1510から枠装飾駆動アンプ基板194に亘る基板間を、左右それぞれ差分方式のシリアルデータとしてオーディオデータを出力することにより、例えば、左側オーディオデータのプラス信号、マイナス信号にノイズの影響を受けても、プラス信号に乗ったノイズ成分と、マイナス信号に乗ったノイズ成分と、を枠装飾駆動アンプ基板194で合成して1つの左側オーディオデータにする際に、互いにキャンセルし合ってノイズ成分が除去されるようになっているため、ノイズ対策を講じることができる。
[6−4−2d.扉枠側演出用トランスミッタIC]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、図125に示すように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが入力されている。チャンネルCH2は、上述したように、パラレル方式によるインターフェイスが使用されている。描画データは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、から構成されており、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ8ビット、計24ビットで構成されている。本実施形態では、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力可能な赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号がそれぞれ6ビット、計18ビットであるため、各映像信号における上位6ビットが扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されている。下位2ビットは、人間の目にとって判別困難な極めて微弱な色情報であるため、音源内蔵VDP1512aから出力されているものの、微弱な色情報を含む下位2ビットを無効化している。
音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データである、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、が扉枠側演出用トランスミッタIC1512dに入力されると、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dは、赤色映像信号、緑色映像信号、及び青色映像信号という3つの映像信号と、水平同期信号、垂直同期信号、及びクロック信号という3つの同期信号と、がザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化して差動1ペアケーブルのみでこれらの各種信号を、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信する。
上述したように、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1から出力される描画データは、周辺制御基板1510から遊技盤側演出表示装置1600に出力されるため、チャンネルCH1から遊技盤側演出表示装置1600までの経路(第1経路)に要する配線の長さが短いものの、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450を介して扉枠側演出表示装置460に出力(送信)されるため、チャンネルCH2から扉枠側演出表示装置460までの経路(第2経路)に要する配線の長さが第1経路に要する配線の長さより極めて長くなることによりノイズの影響を極めて受けやすくなる。
具体的には、図1に示した本体枠4に対して開閉自在に扉枠3が軸支されているため、本体枠4の開放側辺に沿って図5に示した施錠ユニット700の反対側である閉塞側に、例えば本体枠4に装着される遊技盤5に備える周辺制御基板1510から扉枠3に備える皿ユニット320に収納される演出表示駆動基板4450などの、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線を通す必要がある。ところが、本体枠4の閉塞側には、払出装置830のほかに、この払出装置830によって払出された遊技球を、皿ユニット320の上皿321へ誘導することができると共に上皿321が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿322側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770が配置されている。また、本体枠4の下側には、パチンコ島設備から電源が供給される図6に示した電源基板931等を一纏めにしてユニット化した図5に示した払出ユニット800が配置されている。このように、本体枠4側に備える各種基板と扉枠3側に備える各種基板とを電気的に接続する各種配線は、払出装置830、満タン分岐ユニット770、電源基板931等の近傍に引き回されることとなり、払出装置830に備える払出モータ834が駆動されることによるノイズのほかに、遊技球による静電放電によるノイズやパチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等を受ける環境下にある。
このため、描画データを送るための配線の長さがチャンネルCH1と比べて極めて長くなるというチャンネルCH2に対しては、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用することにより、ノイズの影響を受け難い仕組みとなっている。本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続するための配線として、上述したように、差動1ペアケーブルを用いているが、この差動1ペアケーブルは、2本の配線が単に平行に設けられる平行線ではなく、ツイストペアケーブルである。このツイストペアケーブルは、2本の配線を撚り合わせたケーブルであって、撚り対線とも呼ばれるものである。
ここで、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして平行線を採用した場合について簡単に説明する。描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとしても、このようなハードウェアによる構成だけでは、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、平行線におけるシリアルデータが影響を受けると、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されないため、シリアルデータが影響を受けた状態のまま扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信されることとなり、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データが正規なものと異なる乱れたものとして扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信され、扉枠側演出表示装置460の表示領域では、いわゆる砂嵐のような画像が表示されて何の画像であるのかを全く認識することができなくなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、描画データを送るための配線の長さが音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH1と比べて極めて長くなるという音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2に対して、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。これにより、遊技球の静電放電によるノイズ、パチンコ機1が設置されるパチンコ島設備から供給される電源ラインに侵入したノイズ等により、ツイストペアケーブルにおいてシリアルデータが影響を受けたとしても、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信する際にそのノイズがキャンセル(除去)されるようになっているため、音源内蔵VDP1512aのチャンネルCH2から出力される描画データは、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える扉枠側演出用レシーバICSDIC0で確実に受信されて扉枠側演出表示装置460に出力されることにより、扉枠側演出表示装置460において、液晶表示制御部1512の音源内蔵VDP1512aが生成した画像を確実に表示することができる。ノイズをキャンセル(除去)することにより、砂嵐のような何の画像であるのかを全く認識することができなくなるような画像が扉枠側演出表示装置460で表示されることを防止することができるため、遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。したがって、ノイズの影響による遊技者の遊技意欲の低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間においては、枠周辺中継端子板868、そして周辺扉中継端子板882が介在している。これは、本体枠4と扉枠3とが一体的に構成されるものではなく、別々に組み立てられたものを、本体枠4に扉枠3を取り付けるという構造を採用しているため、本体枠4に扉枠3を取り付ける作業のあとに、扉枠3側に備える各種基板からのハーネスやツイストケーブルなどの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備える各種基板と、扉枠3側に備える各種基板と、を電気的に接続することができるようになっている。このような構成により、本体枠4から扉枠3を開放して各種配線を取り外す作業を行ったあとに、本体枠4から扉枠3を取り外すことで、本体枠4や扉枠3のメンテナンスを行うことができるし、扉枠3に生じた不具合が解消することができない場合には、この不具合のある扉枠3に替えて他の扉枠3'を本体枠4に取り付けて、扉枠3'側に備える各種基板からの各種配線を本体枠4側に備える周辺扉中継端子板882に電気的に接続することによって、本体枠4側に備える各種基板と、扉枠3'側に備える各種基板と、を電気的に接続することができる。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにおいてザインエレクトロニクス株式会社の「V−by−One(登録商標)」というディファレンシャル方式の通信を採用してノイズの影響を受け難い仕組みとするとともに、このようなハードウェアによる構成に加えて、ディファレンシャル方式によるシリアルデータが配線に侵入したノイズの影響を受けたとしても受信側においてそのノイズをキャンセル(除去)することができるツイストペアケーブルを、トランスミッタとレシーバとの間を電気的に接続する差動1ペアケーブルとして採用した。具体的には、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されている。これにより、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882とには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送するための映像伝送用配線パターンのほかに、電源用配線パターンやその他の各種信号を伝送するための各種信号用配線パターンと、が混在している。このため、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882には、電源用配線パターンや各種信号用配線パターンから所定寸法だけ離して上述した映像伝送用配線パターンがそれぞれ形成されている。トランスミッタからレシーバまでの経路には、枠周辺中継端子板868、及び周辺扉中継端子板882という複数の中継端子板をまたぐこととなるため、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンの入出力間において、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dにより送信されるディファレンシャル方式によるシリアルデータを伝送する信号の一部が反射されてノイズとなったり、その信号の出力レベルが低下するという問題が生ずる。そこで、本実施形態では、これらの複数の中継端子板に形成される映像伝送用配線パターンには、インピーダンス整合が施されている。
また、本実施形態では、上述したように、周辺制御基板1510と枠周辺中継端子板868との基板間、枠周辺中継端子板868と周辺扉中継端子板882との基板間、そして周辺扉中継端子板882と演出表示駆動基板4450との基板間においては、それぞれツイストペアケーブルにより電気的に接続されているのに対して、電源配線やその他の各種信号を伝える配線においては、それぞれハーネスにより電気的に接続されているが、ツイストペアケーブルのうち、一方の配線を赤色とし、他方の配線を灰色とするとともに、ハーネスのうち、電源を供給する配線を赤色とし、他の複数の配線を灰色としている。なお、電源を供給する配線を赤色とせず、黄色としてもよい。
[6−4−2e.強制切替回路、差動化回路]
扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号は、強制切替回路1512f、図示しない周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信されるようになっている。この強制切替回路1512fには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号のほかに、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aから出力されるシリアルデータであるLOCKN信号出力要求データが差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化されて入力されている。この差動化回路1512eでは、LOCKN信号出力要求データをディファレンシャル方式のシリアル信号(シリアルデータ)にシリアル化している。このLOCKN信号出力要求データは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、周辺制御基板1510に備える扉枠側演出用トランスミッタIC1512dと、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に備える後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0と、の接続間、つまりトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているか否かを確認するために、扉枠側演出表示装置460の動作確認要求として送信されるものである。強制切替回路1512fは、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、この2つの信号を伝送するように回路接続する一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するように回路構成されている。これにより、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されているときには、その2つの信号を伝送するように回路接続するため、その2つの信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される一方、差動化回路1512eにおいてプラス信号とマイナス信号とに差動化された2つの信号が入力されていないときには、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号を伝送するように回路接続するため、扉枠側演出用トランスミッタIC1512dから出力される信号が、周辺制御基板1510から枠周辺中継端子板868、周辺扉中継端子板882、そして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に送信される。周辺制御MPU1511aは、パチンコ機1の電源投入時における起動画面を遊技盤側演出表示装置1600に表示している期間や、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションを行っている期間において、LOCKN信号出力要求データを、扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450(実際には、周辺制御基板1510に備える差動化回路1512e)に向かって送信する。
扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450は、周辺制御基板1510からのシリアル信号(シリアルデータ)を後述する扉枠側演出用レシーバICSDIC0で受信すると、シリアル化された各種信号をパラレル信号に復元して扉枠側演出表示装置460に出力する液晶モジュール回路4450Vと、から主として構成されている。
扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、音源内蔵VDP1512aからの描画データを受信し、この受信した描画データが異常なデータであると判断すると、その旨を伝える後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。周辺制御MPU1511aは、入力されるLOCKN信号に基づいて、所定の条件が成立すると、その旨を伝えるための画像を音源内蔵VDP1512aを制御して生成して遊技盤側演出表示装置1600に出力することにより遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示して報知する。
また、扉枠側演出用レシーバICSDIC0は、受信したその2つの信号がLOCKN信号出力要求データであると判断したときには、後述するLOCKN信号を周辺扉中継端子板882、そして枠周辺中継端子板868を介して、周辺制御基板1510に出力する。このLOCKN信号は、周辺制御基板1510の図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御基板1510の周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aに入力される。これにより、周辺制御MPU1511aは、LOCKN信号出力要求データの送信に対する応答信号として、LOCKN信号が入力されているときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生していないとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に不具合が発生していないと判断することができる一方、LOCKN信号が入力されていないときにはトランスミッタとレシーバとの間の接続に不具合が発生しているとして扉枠3の皿ユニット320内に収納される演出表示駆動基板4450に不具合が発生していると判断して、その旨を伝える報知画像(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しました。店員をお呼びください。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御して遊技盤側演出表示装置1600に出力するとともに、その旨を伝える報知音(例えば、「上皿側液晶表示装置に不具合が発生しています。」)を、音源内蔵VDP1512aを制御してオーディオデータ送信IC1512cに出力することにより扉枠3に設けたスピーカから報知音が出力される。これにより、遊技盤側演出表示装置1600の表示領域に表示される報知画像と、扉枠3に設けたスピーカ等から繰り返し出力される報知音と、により報知を行うことができるようになっている。このとき、扉枠3に備える発光装飾用のLEDや遊技盤5に備える各種装飾基板に実装される各種LEDをすべて点灯してもよい。
[6−4−3.RTC制御部]
年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持するRTC制御部4165は、図123に示すように、RTC4165aを中心として構成されている。このRTC4165aには、カレンダー情報と時刻情報とが保持されるRAM4165aaが内蔵(以下、「RTC内蔵RAM4165aa」と記載する。)されている。RTC4165aは、駆動用電源及びRTC内蔵RAM4165aaのバックアップ用電源として電池4165b(本実施形態では、ボタン電池を採用している。)から電力が供給されるようになっている。つまりRTC4165aは、周辺制御基板1510(パチンコ機1)からの電力が全く供給されずに、周辺制御基板1510(パチンコ機1)と独立して電池4165bから電力が供給されている。これにより、RTC4165aは、パチンコ機1の電力が遮断されても、電池4165bからの電力供給により、カレンダー情報や時刻情報を更新保持することができるようになっている。
周辺制御部1511の周辺制御MPU1511aは、RTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaからカレンダー情報や時刻情報を取得して上述した周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにセットし、この取得したカレンダー情報や時刻情報に基づく演出を遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げることができるようになっている。このような演出としては、例えば、12月25日であればクリスマスツリーやトナカイの画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたり、大晦日であれば新年カウントダウンを実行する画面が遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられたりする等を挙げることができる。カレンダー情報や時刻情報は、工場出荷時に設定される。
なお、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合にはLEDの輝度設定情報が記憶保持されている。周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、RTC内蔵RAM4165aaから輝度設定情報を取得してバックライトの輝度調整をPWM制御により行う。輝度設定情報は、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と、現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトであるLEDの輝度と、が含まれている。
また、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報、時刻情報や輝度設定情報のほかに、カレンダー情報、時刻情報、及び輝度設定情報をRTC内蔵RAM4165aaに最初に記憶した年月日及び時分秒の情報として入力日時情報も記憶されている。
周辺制御MPU1511aは、遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460のバックライトが冷陰極管タイプのものが装着されている場合には、バックライトのON/OFF制御もしくはONのみとするようになっている。
RTC内蔵RAM4165aaに記憶される、カレンダー情報、時刻情報、輝度設定情報、及び入力日時情報等の各種情報は、遊技機メーカの製造ラインにおいて設定される。製造ラインにおいては、例えば遊技盤側演出表示装置1600の表示テスト等の各種テストを行うため、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時として入力日時情報が製造ラインで入力された年月日及び時分秒である製造日時に設定される。
このように、RTC内蔵RAM4165aaには、カレンダー情報や時刻情報のほかに、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合における輝度設定情報、及び入力日時情報等、パチンコ機1の機種情報(例えば、低確率や高確率における大当り遊技状態が発生する確率など)とは独立して維持が必要な情報を記憶保持することができるようになっている。
また、RTC内蔵RAM4165aaに記憶保持される輝度設定情報等は、パチンコ機1が設置されるホールの環境によっては製造日時に設定された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度では明るすぎたり、暗すぎたりする場合もある。そこで、演出操作ユニット400の操作ボタン410を操作することで設定モードへ移行してバックライトの輝度を所定の輝度に調節することができるようになっている。パチンコ機1の電源投入後、演出操作ユニット400の操作ボタン410を操作すると、設定モードを行うための画面が扉枠側演出表示装置460に表示されるようになっている。この設定モードの画面に従って演出操作ユニット400の演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作することでカレンダー情報、時刻情報を再設定したり、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を所望の輝度に調節したり、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の演出音を所望の音量に調節したり、周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容(大当り遊技状態が発生した履歴等)をクリアしたりすることができる。具体的には、演出操作ユニット400の操作ボタン410を操作することで設定モードに移行し、扉枠側演出表示装置460に設定モードを行うための画面が表示される。この設定モードでは、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作して、扉枠側演出表示装置460に表示されるカレンダー情報の変更、時刻情報の再設定、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度調節、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の演出音の音量調節、及び周辺制御SRAM1511dに記憶されている内容(大当り遊技状態が発生した履歴等)のクリア、等の複数の項目のうちいずれかにカーソルを合わせた状態で操作ボタン410を操作してカーソルが指す項目を選択する。そして、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度調節を選択した場合には、演出選択左ボタン331を操作することで遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を低下させたり、演出選択右ボタン332を操作することで輝度を高くしたりすることができるようになっている。また、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度は設定1〜設定5の5段階設定され、通常は設定3に設定されているが、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作することで設定1〜設定5のいずれかの輝度に調節することができるようになっている。そしてこの調節された遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの所望の輝度は、輝度設定情報に記憶されるLEDの輝度としてそれぞれ上書き(更新記憶)されるようになっている。
なお、設定モードでは、周辺制御MPU1511aは、上述した輝度補正プログラムを実行することにより、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトがLEDタイプのものが装着されている場合には、遊技盤側演出表示装置1600の経年変化にともなう輝度低下を補正する。周辺制御MPU1511aは、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、入力日時情報を取得して遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時を特定し、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定し、遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度が100%〜70%までに亘る範囲を5%刻みで調節するための輝度調節情報と現在設定されている遊技盤側演出表示装置1600のバックライトであるLEDの輝度とを有する輝度設定情報を取得する。この取得した輝度設定情報を周辺制御ROM1511bに予め記憶されている補正情報に基づいて補正する。
例えば、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時と現在の日時とから、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに6月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、5%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である5%だけさらに上乗せした80%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯し、遊技盤側演出表示装置1600を最初に電源投入した日時からすでに12月を経過している場合には、周辺制御ROM1511bから対応する補正情報(例えば、10%)を取得するとともに、輝度設定情報に含まれるLEDの輝度が75%で遊技盤側演出表示装置1600のバックライトを点灯するときには、この75%に対して取得した補正情報である10%だけさらに上乗せした85%の輝度となるように、輝度設定情報に含まれる輝度調節情報に基づいて遊技盤側演出表示装置1600のバックライトの輝度を調節して点灯する。
なお、RTC制御部4165のRTC内蔵RAM4165aaから、直接、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して現在の日時を特定してもいいし、後述する周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1002の現在時刻情報取得処理において周辺制御RAM1511cのRTC情報取得記憶領域1511cadにおける、カレンダー情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在のカレンダー情報と、時刻情報記憶部にセットされて周辺制御基板1510のシステムにより更新される現在の時刻情報と、を取得して現在の日時を特定してもいい。
[6−4−4.音量調整ボリューム]
音量調整ボリューム1510aは、上述したように、複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の音量をつまみ部を回動操作することにより調節することができるようになっている。音量調整ボリューム1510aは、上述したように、そのつまみ部が回動操作されることにより抵抗値が可変するようになっており、電気的に接続された周辺制御A/Dコンバータ1511akがつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0〜値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、上述したように、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0〜6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0〜6に設定された音量となるように液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御してスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が出力されるようになっている。
このように、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から音楽や効果音が出力されるようになっている。また、本実施形態では、上述したように、音楽や効果音のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための複数の出力チャンネルのうちエラー報知専用チャンネルに割り当てられて出力される報知音や、遊技演出に関する内容等を告知する(例えば、遊技盤側演出表示装置1600に繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したり等。)ための複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられて出力される告知音もスピーカ921及び上部スピーカ573から出力されるが、報知音や告知音は、つまみ部の回動操作に基づく音量調整に全く依存されずに出力される仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより液晶表示制御部1512(音源内蔵VDP1512a)を制御して調整することができるようになっている。
このプログラムにより調整される音量は、上述した7段階に分けられた基板ボリュームと異なり、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。これにより、例えば、ホールの店員等が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作して音量を小さく設定した場合には、複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには複数の出力チャンネルのうちエラー報知専用チャンネルに割り当てられることで大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を出力させることができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音によりホールの店員等が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
また、つまみ部の回動操作に基づく音量調整により設定されている現在の基板ボリュームに基づいて、広告音を出力する音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を出力する音量を大きくして音楽や効果音に加えて遊技盤側演出表示装置1600及び扉枠側演出表示装置460で繰り広げられている画面をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
なお、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節するようになっていることに加えて、パチンコ機1の電源投入後に演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作することで複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられて出力される音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。具体的には、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、周辺制御A/Dコンバータ1511akがアナログ値からデジタル値に変換して、この変換した値に対して、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることができるようになっている。この調節された音量は、音源内蔵VDP1512aの内蔵音源における複数のトラックのうち、複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられて出力される音楽や効果音等の演出音の音データが組み込まれたトラックに対して、サブボリューム値として設定更新されて演出音の音量の調節に反映されるものの、上述した複数の出力チャンネルのうちエラー報知専用チャンネルに割り当てられて出力される報知音や複数の出力チャンネルのうち演出用チャンネルに割り当てられて出力される告知音の音量に調節に反映されないようになっている。
このように、本実施形態では、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作することにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりすることにより音楽や効果音の音量を調節する場合と、の2つの方法がある。音量調整ボリューム1510aは、周辺制御基板1510に実装されているため、本体枠4を外枠2から必ず開放した状態にする必要がある。そうすると、音量調整ボリューム1510aのつまみ部を回動操作することができるのは、ホールの店員となる。ところが、ホールの店員が調節した音量では、遊技者にとって小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合もあるし、遊技者にとって大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合もある。そこで、パチンコ機1の電源投入後に演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作した場合には、音楽や効果音の音量を所望の音量に調節することができるようになっている。これにより、遊技者は所望の音量に音楽や効果音の音量を調節することができるため、ホールの店員が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、ホールの店員が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
また、本実施形態では、パチンコ機1において遊技が行われていない状態が所定時間継続され、客待ち状態となって遊技盤側演出表示装置1600によるデモンストレーションが繰り返し行われると(例えば、10回)、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量がキャンセルされて、音量が初期化されるようになっている。この音量の初期化では、ホールの店員が調節した音量、つまりホールの店員が音量調整ボリューム1510aのつまみ部を直接回動操作して調節した音量となるようになっている。これにより、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を小さく感じて音楽や効果音を聞き取り難い場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作して所望の音量まで大きくすることができるし、前回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行っていた遊技者が調節した音量を大きく感じて音楽や効果音をうるさく感じる場合には、今回、パチンコ機1の前面に着座して遊技を行う遊技者が演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作して所望の音量まで小さくすることができる。
[7.主制御基板の送受信に関する各種コマンド]
次に、主制御基板1310から払出制御基板951へ送信される各種コマンドと、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドについて、図126〜図129を参照して説明する。図126は主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図127は主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドの一例を示すテーブルであり、図128は図127の主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドのつづきを示すテーブルであり、図129は主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドの一例を示すテーブルである。まず、主制御基板から払出制御基板へ送信される払い出しに関するコマンドである賞球コマンドについて説明し、続いて主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンドについて説明し、主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンドについて説明する。
[7−1.主制御基板から払出制御基板へ送信される各種コマンド]
主制御基板1310の主制御MPU1310aは、図120に示した、一般入賞口センサ4020、第一始動口センサ4002a,4002b、第二始動口センサ4004、及びカウントセンサ4005等の各種入賞スイッチからの検出信号が入力されると、これらの検出信号に基づいて、予め定めた球数の遊技球を賞球として払い出すための賞球コマンドを払出制御基板へ送信する。この賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドである。本実施形態では、パチンコ機1とCRユニット6(パチンコ機1と通信して、パチンコ機1(払出装置830)の払出モータ834を駆動して貯留皿である、上皿321や下皿322に貸球として遊技球を払い出す装置)とが電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「CR機」という。)、図126(a)に示すように、主制御基板1310から払出制御基板951に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板951は、払出モータ834を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ機1と球貸し機(遊技球を貯留皿である、上皿321や下皿322に貸球として直接払い出す装置)とが遊技場(ホール)に隣接して設置され、パチンコ機1と球貸し機が電気的に接続されている場合には(このようなパチンコ機を「一般機」という。)、図126(b)に示すように、主制御基板1310から払出制御基板951に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15個が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板951は、払出モータ834を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンドとして、図126(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。
送信側は、コマンド送信後、所定期間、受信側からコマンドの受け取り確認として出力するACK信号が入力されない場合に、コマンド30Hを送信して、ACK信号が入力されるか否かをチェックすることで接続状態を確認する。本実施形態におけるCR機の場合では、払出制御基板951がCRユニット6との接続状態を確認する。
[7−2.主制御基板から周辺制御基板へ送信される各種コマンド]
次に、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信される各種コマンドについて説明する。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、遊技の進行に基づいて周辺制御基板1510に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、図127及び図128に示すように、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。
各種コマンドは、図127及び図128に示すように、特図1同調演出関連、特図2同調演出関連、大当り関連、電源投入、普図同調演出関連、普通電役演出関連、報知表示、状態表示、及びその他に区分されている。
[7−2−1.特図1同調演出関連]
特図1同調演出関連は、図127に示した第一始動口センサ4002からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図127に示すように、図120に示した機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403に関する、特図1同調演出開始、特別図柄1指定、特図1同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「A*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図1同調演出開始コマンド(変動パターンコマンド)は、モードで指定された演出パターン(変動パターン)で特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄1指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図1同調演出終了コマンドは、特図1同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、遊技状態を指示するものである。なお、遊技状態には、時短状態であることを指示する時短状態と、時短状態でないことを指示する非時短状態(通常遊技状態)と、から構成されている。ここで、時短状態は、例えば、普通図柄表示器1402による普通図柄を変動表示する時間を、非時短状態(通常遊技状態)と比べて、短くして普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示することにより、所定時間における後述する普通抽選による普通抽選結果の停止表示回数を非時短状態と比べて多くするとともに、さらに、第二始動口扉2022を突出動作させる期間を、非時短状態(通常遊技状態)と比べて、長くして第二始動口2004への遊技球の受入率(入球率)を高めることにより持ち球を減らさず特別図柄の抽選機会を得ることができるという状態(換言すると、非時短状態と比べて、第二始動口扉2022を突出動作させるか否かの決定を多くするとともに、第二始動口扉2022を突出動作させる場合には第二始動口扉2022の突出動作の期間を長くすることにより、第二始動口2004への遊技球の受入率(入球率)を高めるという状態)である。なお、第二始動口扉2022が突出状態にあるときにこのような時短状態が終了して通常遊技状態(非時短状態)に制御された場合であっても、該第二始動口2004に予め定められた数の遊技球が受け入れられていないときには該通常遊技状態(非時短状態)に制御された以降も当該突出状態は維持されうる。ただし、通常遊技状態(非時短状態)において所定の閉鎖条件(予め定められた数の遊技球が受け入れられたか、予め設定された開放時間が経過すること)が満たされたときには該維持された突出状態が終了して退避状態にされることとなる。
ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短状態に制御されている場合であっても、右打ちしたときに第一右始動口2002bや第二始動口2004などの入賞口に遊技球が受け入れられることに基づいて賞の払い出しが見込まれる賞球獲得期待値と、該見込まれる賞球獲得期待値を得るために要する持ち球の消費量とを比較したとき、持ち球の消費量のほうが大きくなるように設定されている。したがって、時短状態に制御されているときに、例えば、大当り判定の保留数が上限に達している状況においては、遊技球の新たな打ち出しを行わないようにすることが遊技者にとっては望ましいと言える。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図1同調演出開始コマンドは、特別図柄1変動開始時に送信され、特別図柄1指定コマンドは、特図1同調演出開始の直後に送信され、特図1同調演出終了コマンドは、特別図柄1変動時間経過時(特別図柄1確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、特図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS16の特別図柄コマンド制御処理で送信される。
[7−2−2.特図2同調演出関連]
特図2同調演出関連は、図120に示した第二始動口センサ4004からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図147に示すように、図120に示した機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405に関する、特図2同調演出開始、特別図柄2指定、及び特図2同調演出終了という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「B*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
特図2同調演出開始コマンド(変動パターンコマンド)は、モードで指定された演出パターン(変動パターン)で特図同調演出開始を指示するものであり、特別図柄2指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、特図2同調演出終了は、特図2同調演出終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、特図2同調演出開始コマンドは、特別図柄2変動開始時に送信され、特別図柄2指定コマンドは、特図2同調演出開始の直後に送信され、特図2同調演出終了コマンドは、特別図柄2変動時間経過時(特別図柄2確定時)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理で送信される。
[7−2−3.大当り関連]
大当り関連という区分には、図127に示すように、大当りオープニング、大入賞口1開放N回目表示、大入賞口1閉鎖表示、大入賞口1カウント表示、大当りエンディング、大当り図柄表示、小当りオープニング、小当り開放表示、小当りカウント表示、及び小当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「C*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始を指示するものであり、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜15ラウンド目の大入賞口1開放中開始(第一大入賞口2005のN回目のラウンドの開放中又は開放開始)を指示するものであり、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、ラウンド間の大入賞口1閉鎖中開始(第一大入賞口2005のラウンド間の閉鎖中又は閉鎖開始)を指示するものであり、大入賞口1カウント表示コマンドは、カウント0〜10個の遊技球の球数をカウントした旨(図120に示した第一カウントセンサ4005aによって検出された、第一大入賞口2005に入球した遊技球の球数)を伝えるものであり、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始を指示するものであり、大当り図柄表示コマンドは、大当り図柄情報表示を指示するものである。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始を指示するものであり、小当り開放表示コマンドは、小当り開放中開始(小当り時における、第二大入賞口2005bの開放中又は開放開始)を指示するものであり、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞演出(小当り中における、第二大入賞口2005bに入球した遊技球が第二カウントセンサ4005bによって検出された場合における演出)を指示するものであり、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、大当りオープニングコマンドは、大当りオープニング開始時に送信され、大入賞口1開放N回目表示コマンドは、1〜15ラウンド目の大入賞口1開放時(第一大入賞口2005のN回目のラウンドの開放時)に送信され、大入賞口1閉鎖表示コマンドは、大入賞口1閉鎖時(第一大入賞口2005の閉鎖開始)に送信され、大入賞口1カウント表示コマンドは、大入賞口1開放時及び大入賞口1へのカウント変化時(第一大入賞口2005の開放時、及び第一大入賞口2005に入球した遊技球が第一カウントセンサ4005aによって検出された時)に送信され、大当りエンディングコマンドは、大当りエンディング開始時に送信され、大当り図柄表示コマンドは、大入賞口開放時(第一大入賞口2005の開放時)に送信される。
また、小当りオープニングコマンドは、小当りオープニング開始時に送信され、小当り開放表示コマンドは、小当り開放時(小当り時における、第二大入賞口2005bの開放時)に送信され、小当りカウント表示コマンドは、小当り中大入賞口入賞時(小当り中における、第二大入賞口2005bに入球した遊技球が第二カウントセンサ4005bによって検出された時)に送信され、小当りエンディングコマンドは、小当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS16の特別図柄コマンド制御処理で送信される。
[7−2−4.電源投入]
電源投入という区分には、図127に示すように、電源投入時状態、及び電源投入時主制御復帰先という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「D*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
電源投入時状態コマンドは、RAMクリア演出開始及び遊技状態を指示するものである。電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、図121に示した払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、時短状態及び非時短状態のうち、いずれの状態で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。このパチンコ機の機種コードは、例えば、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など)であるのか、を特定するものである。つまり、パチンコ機の機種コードの情報は、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、から主として構成されている。
電源投入時主制御復帰先コマンドは、主制御基板1310自体の復帰先を指示するものである。電源投入時主制御復帰先コマンドは、図120に示した第二始動口ソレノイド2108の駆動状態を指示する情報と、図120に示した第一アタッカソレノイド2109や第二アタッカソレノイド2110の駆動状態を指示する情報と、を主としてから構成されている。
電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときに、後述する主制御側遊技制御メイン処理におけるステップS1の初期化処理で電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとが送信される。
[7−2−5.普図同調演出関連]
普図同調演出関連は、図120に示したゲートセンサ4003からの検出信号に基づくものであり、その区分には、図127に示すように、図120に示した機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402に関する、普図同調演出開始、普図柄指定、普図同調演出終了、及び変動時状態指定という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「E*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図同調演出開始コマンド(普図変動パターンコマンド)は、モードで指定された演出パターン(普図変動パターン)で普図同調演出開始を指示するものであり、普図柄指定コマンドは、はずれ、特定大当り、非特定大当りを指定するものであり、普図同調演出終了コマンドは、普図同調演出終了を指示するものであり、変動時状態指定コマンドは、遊技状態を指示するものである。なお、遊技状態には、上述したように、時短状態であることを指示する時短状態と、時短状態でないことを指示する非時短状態(通常遊技状態)と、から構成されている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図同調演出開始コマンドは、普通図柄変動開始時に送信され、普図柄指定コマンドは、普図同調演出開始の直後に送信され、普図同調演出終了コマンドは、普通図柄変動時間経過時(普通図柄確定時)に送信され、変動時状態指定コマンドは、普図当落情報指定の直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS17の普通図柄コマンド制御処理で送信される。
[7−2−6.普通電役演出関連]
普通電役演出関連は、図120に示した第二始動口ソレノイド2108の駆動により進退される第二始動口扉2022に関するものであり、その区分には、図127に示すように、普図当りオープニング、普電開放表示、及び普図当りエンディングという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「F*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始を指示するものであり、普電開放表示コマンドは、普電開放中開始(第二始動口扉2022が第二始動口ソレノイド2108の駆動により前方向に突出した状態、又は突出する時)を指示するものであり、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、普図当りオープニングコマンドは、普図当りオープニング開始時に送信され、普電開放表示コマンドは、普電開放時(第二始動口扉2022が第二始動口ソレノイド2108の駆動により前方向へ突出する時)に送信され、普図当りエンディングコマンドは、普図当りエンディング開始時に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS17の普通図柄コマンド制御処理で送信される。
[7−2−7.報知表示]
報知表示の区分には、図128に示すように、入賞異常表示、接続異常表示、断線・短絡異常表示、磁気検出スイッチ異常表示、扉開放、及び扉閉鎖という名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「6*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時(大当り中でもないのに、第一大入賞口2005や第二大入賞口2005bに遊技球が入球してその遊技球をカウントセンサ4005が検出した時)に入賞異常報知の開始を指示するものであり、接続異常表示コマンドは、例えば、主制御基板1310と払出制御基板951との基板間に亘る経路において電気的な接続異常がある場合に接続異常報知の開始を指示するものであり、断線・短絡異常表示コマンドは、例えば、主制御基板1310と、第一始動口センサ4002a,4002b、第二始動口センサ4004、第一カウントセンサ4005a,第二カウントセンサ4005b等との電気的な接続の断線・短絡が生じた場合に断線・短絡異常表示の開始を指示するものであり、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、図120に示した磁気検出センサ4024に異常が生じた場合に磁気検出スイッチ異常報知の開始を指示するものである。
また、扉開放コマンドは、図121に示した、払出制御基板951を介して入力される扉枠開放スイッチ618からの検出信号(開放信号)に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合に、扉開放報知を指示するものであり、扉枠閉鎖コマンドは、その扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態である場合に扉開放報知終了を指示するものである。一方、本体枠開放コマンドは、図121に示した、払出制御基板951を介して入力される本体枠開放スイッチ619からの検出信号(開放信号)に基づいて、本体枠4が外枠2に対して開放された状態である場合に、本体枠開放報知を指示するものであり、本体枠閉鎖コマンドは、その本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して閉鎖された状態である場合に本体枠開放報知終了を指示するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、入賞異常表示コマンドは、大当り中(条件装置作動中)以外に大入賞口に入賞した時に送信され、接続異常表示コマンドは、主制御基板1310から払出制御基板951へのコマンド送信時に払出制御基板951からのACK返信(ACK信号)がなかった時に送信され、断線・短絡異常表示コマンドは、第一始動口センサ4002a,4002b、第二始動口センサ4004、第一カウントセンサ4005a,第二カウントセンサ4005b等のうち、いずれが断線または短絡状態となった時に送信され、磁気検出スイッチ異常表示コマンドは、磁気検出センサ4024の異常を検知した時に送信される。また、扉開放コマンドは、扉開放を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して開放された状態である場合)に送信され、扉枠閉鎖コマンドは、扉閉鎖を検知した時(扉枠開放スイッチ618からの検出信号に基づいて、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。本体枠開放コマンドは、本体枠開放を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して開放された状態である場合)に送信され、本体枠閉鎖コマンドは、本体枠閉鎖を検知した時(本体枠開放スイッチ619からの検出信号に基づいて、本体枠4が外枠2に対して閉鎖された状態である場合)に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS12のスイッチ処理で送信される。
[7−2−8.状態表示]
状態表示の区分には、図128に示すように、枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)、エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)及び枠状態2コマンドという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「7*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンドは、それぞれ、払出制御基板951から送信された1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、これらの詳細な説明は、後述する。なお、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、図128に示すように、「7*H」をステータスとして設定するとともに、その受信したコマンドをそのままモードとして設定する。つまり、主制御MPU1310aは、払出制御基板951からの枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドを受信すると、これら受信したコマンドに付加情報である「7*H」を付加することにより、2バイト(16ビット)の記憶容量を有するコマンドに整形する。
整形された、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。なお、これら整形された、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS12のスイッチ処理で送信される。
[7−2−9.テスト関連]
テスト関連の区分には、図128に示すように、テストという名称の各種コマンドから構成されている。このテストコマンドには、ステータスとして「8*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
テストコマンドは、周辺制御基板1510の各種検査を指示するものである(例えば、図123に示した、周辺制御部1511、液晶表示制御部1512、ランプ駆動基板4170、モータ駆動基板4180、及び枠装飾駆動アンプ基板194等の各種基板の検査を行うものである)。
テストコマンドの送信タイミングとして、主制御基板電源投入時RAMクリア及びRAMクリア以外の時に送信される。具体的には、パチンコ機1の電源投入時、停電又は瞬停から復帰するときであって、払出制御基板951の操作スイッチ954が操作されたときに、後述する後述する主制御側遊技制御メイン処理におけるステップS1の初期化処理でテストコマンドが送信される。
[7−2−10.その他]
その他の区分には、図128に示すように、始動口入賞、変動短縮作動終了指定、特別図柄1記憶、特別図柄2記憶、特別図柄種別先読み、変動パターン先読み、ゲート通過、普通図柄記憶、普通図柄種別先読み、普図変動パターン先読みという名称のコマンドから構成されている。これらの各種コマンドには、ステータスとして「9*H」、モードとして「**H」(「H」は16進数を表す。)が割り振られている(「*」は、特定の16進数であることを示し、パチンコ機1の仕様内容によって予め定められたものである)。
始動口入賞コマンドは、始動口入賞演出開始を指示するものであって、第一始動口センサ4002a,4002bからの検出信号に基づいて第一始動口2002a,2002bに遊技球が入球した場合における演出の開始と、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した場合における演出の開始と、をそれぞれ指示するものであり、変動短縮作動終了指定コマンドは、変動短縮作動状態から変動短縮非作動状態への状態移行を指示するものであり、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1保留0〜4個(第一始動口2002a,2002bに遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2保留0〜4個(第二始動口2004に遊技球が入球して機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、特別図柄種別先読みコマンドは、特別図柄1保留が機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく第一特別図柄表示器1403による表示結果(はずれ図柄、大当り図柄)と、特別図柄2保留が機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく第二特別図柄表示器1405による表示結果(小当り図柄、大当り図柄)と、をそれぞれ指定するものであり、変動パターン先読みコマンドは、特別図柄1保留が機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄1保留に基づく特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンと、特別図柄2保留が機能表示ユニット1400の第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその特別図柄2保留に基づく特別図柄の変動表示で用いられる変動パターンと、をそれぞれ指定するものである。また、ゲート通過コマンドは、ゲート部2003への遊技球の通過を指示するものであり、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄保留0〜4個(ゲート部2003を遊技球が通過して機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に未だ使用されていない球数(保留数))を伝えるものであり、普通図柄種別先読みコマンドは、普通図柄保留が機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその普通図柄保留に基づく普通図柄表示器1402による表示結果(はずれ図柄、普図当り図柄)を指定するものであり、普図変動パターン先読みコマンドは、普通図柄保留が機能表示ユニット1400の普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に使用される前に、先読みしてその普通図柄保留に基づく普通図柄の変動表示で用いられる普図変動パターンを指定するものである。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、始動口入賞コマンドは、始動口入賞時(第一始動口センサ4002a,4002bからの検出信号に基づいて第一始動口2002a,2002bに遊技球が入球した時や、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、図5に示したスピーカ921及び図2に示した上部スピーカ573から主に音声でその旨を報知するために送信され、変動短縮作動終了指定コマンドは、規定回数の変動短縮を消化した変動確定後の停止期間終了時(はずれ停止期間経過後)に送信され、特別図柄1記憶コマンドは、特別図柄1作動保留球数変化時(第一始動口2002a,2002bに遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第一特別図柄表示器1403で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄2記憶コマンドは、特別図柄2作動保留球数変化時(第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時や、その保留数から第二特別図柄表示器1405で特別図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、特別図柄種別先読みコマンドは、特別図柄1,2作動保留球数増加時(第一始動口2002a,2002bや第二始動口2004に遊技球が入球して保留数が増加した時)に送信され、変動パターン先読みコマンドは、特別図柄種別先読みコマンドの送信直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS16の特別図柄コマンド制御処理で送信される。
また、ゲート通過コマンドは、ゲート部2003への遊技球の通過時に送信され、普通図柄記憶コマンドは、普通図柄作動保留球数変化時(ゲート部2003を遊技球が通過して保留数が増加した時や、その保留数から普通図柄表示器1402で普通図柄の変動表示に使用してその保留数が減少した時)に送信され、普通図柄種別先読みコマンドは、普通図柄作動保留球数増加時(ゲート部2003を遊技球が通過して保留数が増加した時)に送信され、普図変動パターン先読みコマンドは、普通図柄種別先読みコマンドの送信直後に送信される。なお、これらの各種コマンドは、実際には主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS17の普通図柄コマンド制御処理で送信される。
ところで、始動口入賞コマンドは、上述したように、始動口入賞時(第一始動口センサ4002a,4002bからの検出信号に基づいて第一始動口2002a,2002bに遊技球が入球した時や、第二始動口センサ4004からの検出信号に基づいて第二始動口2004に遊技球が入球した時)に、スピーカ921及び上部スピーカ573から主に音声でその旨を報知するために送信されるが、図123に示した周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドをどのように利用するかについては、パチンコ機の仕様によって異なる場合もある。例えば、本実施形態におけるパチンコ機1では、スピーカ921及び上部スピーカ573から音声で報知するほかに、不正行為の有無を監視するためにも利用するという仕様のものである。これに対して、他のパチンコ機では、周辺制御基板1510が始動口入賞コマンドを単に受信するだけで、スピーカ921及び上部スピーカ573から音声で報知しない仕様のものもある。
[7−3.主制御基板が受信する払出制御基板からの各種コマンド]
次に、主制御基板1310が受信する払出制御基板951からの各種コマンドについて説明する。
払出制御基板951からの各種コマンドの区分には、図129に示すように、枠状態1、エラー解除ナビ及び枠状態2という名称のコマンドから構成されており、枠状態1、エラー解除ナビ、そして枠状態2の順で優先順位が設定されている。
枠状態1コマンド(エラー発生コマンドに相当)には、球切れ、満タン、50個以上のストック中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、満タンではビット1(B1)に値1がセットされ、50個以上のストック中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。枠状態1コマンドのビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビコマンド(エラー解除コマンドに相当)には、球がみ、払出検知センサエラー及びリトライエラーが用意されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、払出検知センサエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライエラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「払出検知センサエラー」とは、図127に示した払出検知センサ842の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライエラー」とは、リトライ動作によるつじつまの合わない遊技球の払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。エラー解除ナビコマンドのビット(B0)、ビット(B1)、及びビット5(B5)〜ビット7(B7)には、B0に値0、B1に値0、B5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
枠状態2コマンドには、球抜き中が用意されており、球抜き中ではビット0(B0)に値1がセットされる。枠状態2コマンドのビット1(B1)〜ビット7(B7)には、B1に値0、B2に値0、B3に値0、B4に値0、B5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
これらの各種コマンドの送信タイミングとして、枠状態1コマンドは、電源復旧時、枠状態の変化時、及びエラー解除ナビ時に送信され、エラー解除ナビコマンドは、エラー解除ナビ時に送信され、枠状態2コマンドは、電源復旧時、及び枠状態の変化時に送信される。
[8.遊技内容]
次に、本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図130等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット300のハンドル302を遊技者が回転操作することで、皿ユニット320の上皿321に貯留された遊技球が、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球による遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球は、その打込強さによってセンター役物2500の左側(左打ち)、或いは、右側(右打ち)の何れかを流下する。なお、遊技球の打込み強さは、ハンドル302の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球、つまり、0.6秒間隔で遊技球を打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘(図示は省略)が遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球が障害釘に当接することで、遊技球の流下速度が抑制されると共に、遊技球に様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘の他に、遊技球の当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球は、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、図示しない複数の障害釘に当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球が、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2520に進入すると、ワープ出口2522からステージ2530に供給される。
ステージ2530に供給された遊技球は、ステージ2530上を転動して左右に行ったり来たりして前方へ放出される。ステージ2530の中央から遊技球が遊技領域5a内に放出されと、第一左始動口2002aが直下に位置していることから、高い確率で第一左始動口2002aに受入れられる。この第一左始動口2002aに遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、3個)の遊技球が、上皿321に払出される。
ステージ2530を転動している遊技球が、中央以外から遊技領域5a内に放出されると、第一左始動口2002aへ向かって流下する。センター役物2500のステージ2530から遊技領域5a内に放出された遊技球は、第一左始動口2002aに受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球が、ワープ入口2520に進入しなかった場合、障害釘等により左右方向中央側へ寄せられ、第一左始動口2002aに受入れられる可能性がある。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球が、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(所謂、右打ちする)と、その下流側に、第一右始動口2002bや第二始動口2004、ゲート部2003などが備えられている領域(特定の領域)を流下することとなる。また、特定の領域の上流側には遊技球を第1通路2012と第2通路2014とに交互に振り分ける振分部材2011が設けられ、振分部材2011によって第1通路2012に振り分けられた遊技球は、第一右始動口2002bへの受け入れとゲート部2003の通過とが可能にされ、振分部材2011によって第2通路2014に振り分けられた遊技球は、第二始動口2004への受入れが可能にされるようになっている。
こうして右打ちされた遊技球がゲート部2003を通過すると、主制御基板1310において普通判定が行われる。この普通判定にて普図当りに当選し、該当選したことが普通図柄変動において示されると、第二始動口2004の第二始動口扉2022が前進して遊技者側に突出した状態(突出状態)となり、受入口2016を通過した遊技球が第二始動口扉2022で受け止められて第二始動口2004へ受け入れ可能になる。また、一般入賞口2001に遊技球が受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板951を介して払出装置830から所定数(例えば、10個)の遊技球が、上皿321に払出される。
なお、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、普図当りに当選した場合、普通図柄が普図当りの態様にて停止した後に第二始動口2004の第二始動口扉2022を後退させて第二始動口2004の第二始動口扉2022が遊技盤5内に入り込んだ状態(退避状態)となる。ただし、第二始動口扉2022を突出状態へと動作させてから予め定められた時間が経過していない状況であったとしても、予め定められた上限個数(この例では1球)の遊技球が第二始動口2004に受け入れられたときにはその時点で第二始動口2004の第二始動口扉2022を後退させて退避状態へと動作させることにより遊技球が第二始動口2004へ受け入れ不能になる。
また上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第一始動口(第一左始動口2002a,第一右始動口2002b)や第二始動口2004に遊技球が受け入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り遊技状態」、「小当り遊技状態」、「時短状態」、等)を発生させるか否かについての当り判定(第一特別図柄側、若しくは第二特別図柄側)が行われる。なお、当り判定で大当りに当選した場合、入球時に取得されている図柄乱数(以下、図柄乱数(第一特別図柄乱数、第二特別図柄乱数)とも言う)に基づいて大当り種別を判断し、該判断した種別の大当り(決定された大当り種別)に対応する遊技特典(大当り遊技状態や、大当り遊技状態後の遊技状態)が付与されるようになっている。同様に当り判定で小当りに当選した場合、入球時に取得されている図柄乱数(以下、図柄乱数(第一特別図柄乱数、第二特別図柄乱数)とも言う)に基づいて小当り種別を判断し、該判断した種別の小当り(決定された小当り種別)に対応する遊技特典(小当り遊技状態や、小当り遊技状態でV入賞した場合に実行される大当り遊技状態、大当り遊技状態後の遊技状態)が付与されるようになっている。
当り判定が行われると、該当り判定の結果に基づいて選択された変動時間だけ特別図柄(第一特別図柄、若しくは第二特別図柄)を変動表示させた後、該結果に応じた図柄態様(大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄)で特別図柄を停止させることで、遊技者が認識可能とされるようになる。そしてこの結果、停止された特別図柄(第一特別図柄、若しくは第二特別図柄)が大当り図柄及び小当り図柄でなければ、次の当り判定にかかる始動条件が満たされることとなり、主制御基板1310において、未実行の状態にて保留されている特別図柄(第一特別図柄、若しくは第二特別図柄)のうち、消化順位の最も高い当り判定が消化(実行)されることとなる。
これに対し、停止された特別図柄(第一特別図柄、若しくは第二特別図柄)が大当り図柄であれば、主制御基板1310において、遊技者により賞が獲得可能とされる大当り遊技状態が行われる。大当り遊技状態の実行に際しては、まず、大当り遊技状態の開始を示すオープニング演出が行われるオープニング期間を発生させる。そして、このオープニング期間が終了すると、決定されている大当り種別に応じて予め定められている規定ラウンド数(本実施形態では第一特別図柄が大当り図柄である場合に10ラウンドまたは15ラウンド、第二特別図柄が大当り図柄である場合に15ラウンド)を上限として第一大入賞口2005が開放される(第一大入賞口2005が遊技球を受け入れ可能な状態にされる)ラウンド遊技が行われる。1回のラウンド遊技は、第一大入賞口2005の開閉が所定回数(本実施形態では1回)行われる迄であり、1回のラウンド遊技中に第一大入賞口2005に、規定個数(入賞上限個数:この例では9球)の遊技球が入賞する迄の間、又は規定時間(ラウンド遊技時間:この例では28.5秒)が経過するまでの間、開放される。ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、規定ラウンド数のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技状態の終了を示すエンディング演出が行われるエンディング期間(本実施形態では5秒)を発生させ、該エンディング期間が終了すると、大当り遊技状態は終了される。
また、停止された特別図柄(この例では第二特別図柄)が小当り図柄であれば、主制御基板1310において、遊技者により賞が獲得可能とされる小当り遊技状態が行われる。小当り遊技状態の実行に際しては、まず、小当り遊技状態の開始を示すオープニング演出が行われるオープニング期間を発生させる。そして、このオープニング期間が終了すると、第二大入賞口2005bが開放される(第二大入賞口2005bが遊技球を受け入れ可能な状態にされる)開放遊技が予め定めた規定開放回数(本実施形態では1回)を上限として行われる。1回の開放遊技中に第二大入賞口2005bに、規定個数(入賞上限個数:この例では9球)の遊技球が入賞する迄の間、又は規定時間(開放遊技時間:この例では28.5秒)が経過するまでの間、開放される。開放遊技では、開放演出が行われる。そして、規定開放回数の開放遊技が終了すると、小当り遊技状態の終了を示すエンディング演出が行われるエンディング期間(本実施形態では5秒)を発生させ、該エンディング期間が終了すると、小当り遊技状態は終了される。
また、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、小当り遊技状態の終了後に、大当り遊技状態を継続して発生させる場合がある。具体的には、小当り遊技状態において第二大入賞口2005bに遊技球が入賞し、且つ、その入賞した遊技球が内部のV入賞口2411に振り分けられる(V入賞)ことを条件として、決定されている小当り種別に応じて予め定められている規定ラウンド数(本実施形態では第一特別図柄が大当り図柄である場合には10ラウンド、第二特別図柄が大当り図柄である場合には15ラウンド)を上限として第一大入賞口2005が開放されるラウンド遊技が行われる。このため、上記した小当り遊技状態の終了時点でのエンディング演出では、小当り遊技状態の終了を示すだけでなく、第二大入賞口2005bの内部のV入賞口2411に遊技球が入球したか否か、すなわち小当り遊技状態から継続して大当り遊技状態が行われるか否かも示される。なお、小当り遊技状態の終了後に大当り遊技状態を継続して発生させる場合には第二大入賞口2005bが開放される小当り遊技状態を1回のラウンドとなり、この1回のラウンドを含む数のラウンド遊技が規定ラウンド数に達するまでは(2ラウンド目から15ラウンド目までは)第一大入賞口2005が開放されるラウンド遊技が行われる。
また、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、第一特別図柄が大当り図柄である場合の一部を除いて、大当り遊技状態の終了後に、時短状態に制御する。即ち、本例のパチンコ機1では第二特別図柄が大当り図柄である場合や第二特別図柄が小当り図柄であることに基づいて実行された小当り遊技状態中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられた場合には、大当り遊技状態の終了後に必ず時短状態に制御するようになっている。この時短状態では、時短状態が発生していない非時短状態(通常遊技状態など)と比較して、第二始動口2004に遊技球を入賞させ易くするか否かの普通判定の結果を導出する普通図柄変動の変動時間が短縮される。また、時短状態では、普通判定において普図当りに当選した場合、非時短状態とは異なる進退パターンで第二始動口2004の第二始動口扉2022が前進及び後退動作(進退動作)するようになっている。
本実施形態において、非時短状態で普図当りに当選する場合には、第二始動口2004の第二始動口扉2022が短進退態様(この例では0.2秒)で進退動作する進退パターンAが行われる一方で、時短状態で普図当りに当選する場合には、第二始動口2004の第二始動口扉2022が長進退態様(この例では6秒)で進退動作する進退パターンBが行われる。つまり、第二始動口2004の第二始動口扉2022は、時短状態では、非時短状態と比較して、1回の普図当りに対応する合計突出時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。このため、時短状態では、非時短状態の場合と比較すると、第二始動口2004の第二始動口扉2022が突出状態に動作し易い入球率向上状態であり、右打ちを継続して行ったときに第二始動口2004に遊技球が受け入れられて普通判定に応じた普通図柄変動が行われ易くなる。本例のパチンコ機1では時短状態で普図当りに当選した場合に右打ちを継続して行っていれば少なくとも1球の遊技球が第二始動口2004に受け入れられる一方、非時短状態で普図当りに当選した場合に右打ちを継続して行っていても第二始動口2004に遊技球が受け入れられることは滅多にない。
また、この実施の形態にかかる時短状態は、大当り遊技状態の終了後に予め定められた回数(この例では、1回)の特別図柄の図柄変動が実行されたときに終了するものとなっている。同様に、第二特別図柄側の小当り図柄(小当りA、小当りB、小当りC)であり、さらに第二大入賞口2005bの内部のV入賞口2411に遊技球が入球したときには、大当り遊技状態の終了後に予め定められた回数(この例では、1回)の特別図柄の図柄変動が実行されたときに終了するものとなっている。
なお、本実施形態におけるパチンコ機1での仕様は以下の通りである。装飾図柄としては[1]〜[8]の8種類の数字が採用されており、大当り図柄としては[222][333][444][555][666][777][888]、小当り図柄としては[111]が採用されている。また、第一特別図柄側及び第二特別図柄側の大当りの当選確率としては、1/300が規定されている。第一特別図柄側の小当りの当選確率としては、0/300、第二特別図柄側の小当りの当選確率としては、299/300がそれぞれ規定されている。普図当りの当選確率としては、1/20が規定されている。また、遊技球の賞球数としては、第一左始動口2002a、第一右始動口2002b、及び第二始動口2004に対して3個が、第一大入賞口2005、及び第二大入賞口2005bに対して15個がそれぞれ規定されている。また、第二始動口2004の第二始動口扉2022が短進退態様で進退動作する進退パターンAとしては、該第二始動口扉2022が1回突出状態に動作し、突出状態に動作してから20ms経過するまで突出状態を維持する態様が規定されている。また、第二始動口2004の第二始動口扉2022が長進退態様で進退動作する進退パターンBとしては、該第二始動口扉2022が1回突出状態に動作し、突出状態に動作してから6s経過するまで突出状態を維持する態様が規定されている。また、第二始動口2004の第二始動口扉2022の後退条件である入賞上限個数としては、「1球」が規定されている。また、大当り遊技状態の各ラウンド遊技では、第一大入賞口2005の開放回数として「1回」が、入賞上限個数として「9球」が、それぞれ設定されている。また、小当り遊技状態では、第二大入賞口2005bの開放回数として「1回」が、入賞上限個数として「9球」が、それぞれ規定されている。
このように、非時短状態では第二始動口2004への遊技球の入賞が殆ど発生せず、第一始動口(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)への遊技球の受け入れに基づいて第一特別図柄の変動表示が実行される。なお、この非時短状態で実行される遊技が通常の遊技であり、以下において通常モードという。
通常モード(非時短状態)で、第一始動口(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)へ遊技球が受け入れられると、主制御基板1310において当り判定を行い、当り判定で大当りに当選していれば大当り遊技状態後に時短状態に制御するか否かに係る大当り種別を判断した後、第一特別図柄を変動表示して当り判定の結果に応じた図柄態様(大当り図柄、ハズレ図柄)で第一特別図柄を停止させる。このとき、第一特別図柄が大当り図柄で停止表示されると大当り遊技状態が行われる。
そして、大当り種別が大当り遊技状態後に制御するものでない場合には、大当り遊技状態後に再び通常モード(非時短状態)を継続する。一方、大当り種別が大当り遊技状態後に時短状態に制御するものである場合には、大当り遊技状態後に時短状態に制御する。
ここで、本例のパチンコ機1では第一左始動口2002a(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)及び第二始動口2004への遊技球の受入れに基づいて特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始してからこれらの図柄を停止させるまでの間に、第一左始動口2002a(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)及び第二始動口2004に遊技球が受入れられると、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始することができないため、先に開始された特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が停止するまで、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示の開始が保留される。この保留される特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示の保留記憶数は、第一左始動口2002a(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一左始動口2002a(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)及び第二始動口2004に遊技球が受入れられても特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示の開始を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400では、主制御基板1310によって直接制御されて特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が行われる。機能表示ユニット1400での特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示の結果(当り判定の結果に応じた図柄態様)を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基いて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として当り判定の結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での当り判定の結果を示唆する演出画像は、複数の図柄からなる図柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各図柄列を変動させ、変動表示されている図柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの図柄列の図柄が、当り判定の結果と対応した組合せとなるように夫々の図柄列が停止表示される。当り判定の結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの図柄列が停止して各図柄が停止表示された後に、当り判定の結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された当り判定の結果に応じた有利遊技状態(例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態等)が発生する。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による当り判定の結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された当り判定の結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット400の操作ボタン410や扉枠側演出表示装置460、センター役物2500の各種装飾体、裏ユニットの各種装飾体、裏下後可動演出ユニット、裏上左可動演出ユニット、裏左可動演出ユニット、裏上中可動演出ユニット、及び裏下前可動演出ユニット、等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また本例のパチンコ機1では未実行の状態にて保留されている第一特別図柄側の当り判定の記憶数である第一保留記憶数がある場合であっても、未実行の状態にて保留されている第二特別図柄側の当り判定の記憶数である第二保留記憶数がある場合には第二特別図柄の変動表示を第一特別図柄の変動表示よりも優先して実行するようになっている。そして、大当り遊技状態中には時短状態に制御しない(非時短状態に制御される)ため、仮にゲート部2003への遊技球の通過に基づく普図当りか否かの判定(普通判定)の結果として普図当り図柄が停止表示されて第二始動口2004の第二始動口扉2022が進退動作してもその進退態様は第二始動口2004への遊技球の受け入れが殆どない短進退態様となり、第二始動口2004への遊技球の入賞は殆ど発生しない。これにより、通常モード(非時短状態)で第一特別図柄を変動表示して第一特別図柄が大当り図柄で停止表示された場合には、殆どの場合に大当り遊技状態後には先ず第一特別図柄が変動表示されることになる。
また、この例では時短状態における第一特別図柄の変動時間として当り判定の結果にかかわらず通常の変動時間に比べて長いロング変動時間(この例では120秒)で変動表示するようになっている。なお、時短状態で第一特別図柄がロング変動時間で変動表示されている状態は第二特別図柄の大当りとなる権利(当選権利)を獲得し得る状態であるため、以下においてこの状態をチャンスモードという。そして、この第一特別図柄をロング変動時間で変動表示するチャンスモード中にはゲート部2003への遊技球の通過を狙った遊技が行われる。
上記したようにゲート部2003を遊技球が通過すると普図当りか否かの判定(普通判定)が行われ、この判定結果に基づいて普通図柄が変動表示される。そして、普通図柄の停止態様が普図当り図柄である場合には第二始動口扉2022が突出状態に制御されて第二始動口2004への遊技球の受け入れが可能になり、第二始動口2004へ遊技球が受け入れられることで第二特別図柄側の当り判定の記憶数である第二保留記憶数が増加する。
なお、本例のパチンコ機1では第二特別図柄側の当り判定の結果として必ず大当りと小当りとの一方が得られるようになっている。また、本例のパチンコ機1では第二特別図柄側の当り判定の結果として小当りとなった場合には小当り遊技状態中に第二大入賞口2005bに遊技球が1球でも受け入れられると必ずそのうちの1球はV入賞口2411に振り分けられるようになっている。また、この例では小当り遊技状態中に右打ちを継続していれば第二大入賞口2005bに少なくとも1球は遊技球が受け入れられるように制御される。即ち、第二特別図柄側の当り判定の結果として小当りとなった場合には殆どの場合に大当りとなるため、第二特別図柄側の当り判定の結果として小当りとなったことは実質的に大当りとなる権利(当選権利)を獲得した状態といえる。即ち、第二始動口2004へ遊技球が受け入れられて第二保留記憶数がある状態とは実質的に大当りとなる権利(当選権利)を獲得した状態である。
そして、第一特別図柄の変動表示を開始してからロング変動時間の経過時に第一特別図柄を当り判定の結果に応じた図柄態様(大当り図柄、ハズレ図柄)で停止させる。このとき第一特別図柄が大当り図柄で停止されていれば大当り遊技状態を行い、大当り遊技状態後に第二保留記憶数がある場合には後述する当選権利行使タイムに移行させ、大当り遊技状態後に第二保留記憶数がない場合に大当り遊技状態を開始するときの第一特別図柄側の当り判定の結果が大当り遊技状態後に時短状態に制御するものであればチャンスモードを継続して第一特別図柄をロング変動時間で変動表示させ、第二保留記憶数がない場合に大当り遊技状態を開始するときの第一特別図柄側の当り判定の結果が大当り遊技状態後に時短状態に制御するものでなければチャンスモードを終了して通常モードに移行させる。一方、第一特別図柄の変動表示を開始してからロング変動時間の経過時に第一特別図柄がハズレ図柄で停止された場合に、第二保留記憶数があれば当選権利行使タイムに移行させ、第二保留記憶数がなければチャンスモードを終了して通常モードに移行させる。
このように当選権利行使タイムは、第二保留記憶数がある場合に移行されるものであり、第二特別図柄を変動表示する遊技が行われる。なお、上記したように第二特別図柄側の当り判定の結果として必ず大当りと小当りとの一方が得られるようになっていることに加えて、第二特別図柄側の当り判定の結果として小当りとなった場合には実質的に大当りとなる権利(当選権利)を獲得した状態である。そのため、当選権利行使タイムでは第二保留記憶数の分だけ大当り遊技状態が実行される。
具体的には、当選権利行使タイムに移行されると先ず第二特別図柄が変動表示される。そして、第二特別図柄の停止時の図柄態様が大当り図柄であれば決定されている大当り種別に応じて第一大入賞口2005が開放される大当り遊技状態を実行し、第二特別図柄の停止時の図柄態様が小当り図柄であれば小当り遊技状態を実行して第二大入賞口2005bを遊技球が受け入れ可能な状態にさせ、第二大入賞口2005bに入賞した遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことを条件として第一大入賞口2005が開放される大当り遊技状態を実行する。
本例では小当り遊技状態中に右打ちを継続することで第二大入賞口2005bに少なくとも1球は遊技球が受け入れられるように制御されるため可能性は低いが小当り遊技状態中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられることなく小当り遊技状態を終了した場合や、第二特別図柄の停止時の図柄態様が大当り図柄となったことに基づいて実行された大当り遊技状態が終了した場合、さらに小当り遊技状態中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことに基づいて実行された大当り遊技状態が終了した場合、には第二保留記憶数があることを条件に当選権利行使タイムを継続する。
上記したように本例のパチンコ機1では第二特別図柄が大当り図柄である場合や第二特別図柄が小当り図柄であることに基づいて実行された小当り遊技状態中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられた場合には、大当り遊技状態の終了後に必ず時短状態に制御するようになっている。そのため、小当り遊技状態中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられることなく小当り遊技状態を終了した場合や、第二特別図柄の停止時の図柄態様が大当り図柄となったことに基づいて実行された大当り遊技状態が終了した場合、さらに小当り遊技状態中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことに基づいて実行された大当り遊技状態が終了した場合に、第二保留記憶数がなければ再び時短状態が発生してチャンスモードに移行される。
このように、本例のパチンコ機1では通常モードで遊技を開始し、通常モード中に大当りに当選して大当り遊技状態後に時短状態が発生することで通常モードよりも有利な状態であるチャンスモードに移行し、チャンスモード中に普通判定に当選すれば当選権利タイムとチャンスモードとの間でループする遊技者にとって有利な状態となり、チャンスモード中に普通判定に当選しなければチャンスモードから通常モードに転落して遊技者にとって不利な状態となる。
[9.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU1310a)で実行される制御処理の例について説明する。図131(a)は、当該パチンコ機1に電源が投入されたとき、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aによって行われる制御処理の手順を示すフローチャートである。
同図131(a)に示されるように、この実施の形態にかかる主制御基板1310はまず、操作スイッチ954が操作されていることを条件にステップS1の処理として、各種のレジスタや主制御内蔵RAMに格納されているデータを初期化する。操作スイッチ954はパチンコ機1の背面側に設けられ、本体枠4が開放されなければ操作できないようになっている。また、操作スイッチ954は電源投入から所定期間(例えば1秒)が経過する以前の操作に応じてクリア信号を主制御基板1310に出力し、電源投入時に主制御MPU1310aがクリア信号を入力されていると判断した場合に初期化処理(ステップS1)を実行して各種のレジスタや主制御内蔵RAMに格納されているデータを初期化するようになっている。
なお、図示していないがこの例では、パチンコ機1への電源を遮断するときには遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御内蔵RAMに保存するバックアップ処理を実行する。そしてパチンコ機1への電源を投入したときに操作スイッチ954が操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御内蔵RAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復旧させる復旧処理を実行する。また、パチンコ機1への電源投入時に操作スイッチ954を操作した場合には、復旧処理を実行することなく初期化処理を実行してパチンコ機1を初期状態に設定するようになっている。また、初期化処理を実行した場合には遊技状態を非時短状態に制御することになる。
次いで、ステップS2の処理として、予め定められた数値範囲内で更新される数である乱数の更新を行う。すなわち、この実施の形態にかかる主制御基板1310では、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)、上記特別図柄の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)についての抽選処理に供される変動乱数、上記特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか否かの抽選処理に供されるリーチ乱数、上記特別乱数に基づいて大当りとすると判定された場合に大当りの種類を決定するための抽選処理に供される図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)、上記第二始動口扉2022の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理に供される乱数(普通乱数))等々、といった乱数を保持する乱数カウンタを備えている。
なお、本例では第一特別図柄と第二特別図柄とで共通のリーチ乱数を用いるように、すなわち第一始動口(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)に始動入賞した場合であっても、第二始動口2004に始動入賞した場合であっても、リーチ乱数を更新する同一のカウンタからリーチ乱数を取得するように構成しているが、リーチ乱数を更新する乱数の範囲が異なるカウンタから取得することによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよいし、取得したリーチ乱数と比較するリーチ判定テーブルとして第一特別図柄に対応する第一リーチ判定テーブルと、第二特別図柄と対応し、第一リーチ判定テーブルとは異なる判定値が設定される第二リーチ判定テーブルとを備えることによりリーチ演出の実行割合を異ならせるようにしてもよい。
このステップS2の処理では、これら乱数のうちの当落に関わらない乱数(変動乱数)のみが更新されるかたちで当該乱数カウンタのカウンタ操作が行われることとなる。なお、こうしてステップS1及びS2の処理が行われた後は、上記ステップS2の処理のみが基本的に繰り返し行われる。ただし、この実施の形態では、例えば4mS毎に以下のタイマ割込制御が行われる。
図131(b)は、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aによって定期的に行われるタイマ割込制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
同図131(b)に示されるように、この割込制御ではまず、ステップS11の処理として、レジスタの退避処理が行われる。次いで、ステップS12の処理として、上記ゲートセンサ4003、上記第一左始動口センサ4002a、上記第一右始動口センサ4002b、上記第二始動口センサ4004、上記第一カウントセンサ4005a、上記第二カウントセンサ4005b、上記一般入賞口センサ4020など、各種のセンサからの検出信号が入力される。そして次に、ステップS13の処理として、上記乱数を発生させる乱数カウンタの値を更新するための乱数更新処理が行われる。なお、このステップS13の処理では、上記乱数のうち、上記特別図柄及び上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(特別乱数、普通乱数)が更新されるかたちで上記乱数カウンタのカウンタ操作が行われる。
そして、こうして乱数の更新が行われた後、当該主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS14の処理として、上記特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む特別図柄プロセス処理を実行する。なお、この特別図柄プロセス処理については後述するが、ここでは、基本的に、上記主制御内蔵RAMに格納されている遊技の進行状況を示す特別図柄プロセスフラグ(第一特別図柄プロセスフラグ、第二特別図柄プロセスフラグ)に基づいて該当する処理が選択的に実行されることとなる。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS15の処理として、上記第二始動口扉2022の動作契機となる当りの当落にかかる抽選処理を含む普通図柄プロセス処理を実行する。なお、この普通図柄プロセス処理でも、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。
また、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)及び普通図柄プロセス処理(ステップS15)が行われると、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、次にステップS16の処理として、同特別図柄プロセス処理にて主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。次いで、ステップS17の処理として、上記普通図柄プロセス処理にて同じく主制御内蔵RAMの所定の領域に設定されたコマンドを例えば上記周辺制御基板1510などに送信する処理を行う。
また、同主制御基板1310の主制御MPU1310aは、次にステップS18の処理として、例えばホール管理用コンピュータに供給される当り情報などのデータを出力する情報出力処理を行う。
そして次に、同主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS19の処理として、上記第一左始動口センサ4002a、上記第一右始動口センサ4002b、上記第二始動口センサ4004、上記第一カウントセンサ4005a、上記第二カウントセンサ4005b、一般入賞口センサ4020などの検出信号がオン状態にあるときは、それら信号に応じた賞球が遊技者に払い出されるよう上記払出制御基板951に払出制御コマンドを出力する賞球処理を実行する。これにより、上記払出制御基板951に搭載される払出制御MPU952aは、払出モータ駆動回路952dから払出モータ834に駆動信号を出力し、遊技者に賞球を払い出すようになる。本例では上記第一左始動口2002aに遊技球が入賞して上記第一左始動口センサ4002aがオン状態になった場合及び上記第一右始動口2002bに遊技球が入賞して上記第一右始動口センサ4002bがオン状態になった場合には「3球」、上記第二始動口2004に遊技球が入賞して上記第二始動口センサ4004がオン状態になると「1球」、上記第一大入賞口2005に遊技球が入賞して第一カウントセンサ4005aがオン状態になると「14球」、上記第二大入賞口2005bに遊技球が入賞して第二カウントセンサ4005bがオン状態になると「14球」、上記一般入賞口2001に遊技球が入賞して上記一般入賞口センサ4020がオン状態になると「10球」の賞球をそれぞれ遊技者に払い出すようになっている。
また、同主制御基板1310の主制御MPU1310aは、次にステップS20の処理として、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する。次いで、ステップS21の処理として、パチンコ機1の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する。そしてその後、常時動作するアクチュエータの駆動制御を行うとともに(ステップS22)、上記レジスタの内容を復帰させ(ステップS23)、割込許可状態に設定した時点で(ステップS24)、この制御が終了することとなる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4mS毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマによる割込処理によって遊技制御処理を実行することとしたが、当該割込処理では例えば割り込みが発生したことを示すフラグのセットのみを行うようにしてもよい。ただしこの場合、遊技制御処理をメイン処理にて実行することとなる。
図132は、上記特別図柄プロセス処理(ステップS14)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図132に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPU1310aはまず、上記第一始動口センサ(第一左始動口センサ4002a、第一右始動口センサ4002b)による検出信号がオン状態(第一始動口(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)への入球あり)にあることを条件に(ステップS31)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS32)。また、上記第二始動口センサ4004による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS33)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれを主制御内蔵RAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS34)。
次いで、主制御MPU1310aは大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS35)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS40)を実行する。なお、大当り制御処理では、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果(当り判定の結果と大当り種別の内容)が「10R大当り」を示唆する態様となったときに、第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記第一カウントセンサ4005aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを10回繰り返す10R大当り遊技状態に制御する処理を実行し、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果(当り判定の結果と大当り種別の内容)が「15R大当り」を示唆する態様となったときに、第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記第一カウントセンサ4005aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返す15R大当り遊技状態に制御する処理を実行する。
また、大当り制御処理では、このような第一大入賞口2005の開放制御を行った後、時短フラグのセット処理を実行する。時短フラグは、時短制御(時短状態で実行される制御)の実行中であることを示すフラグであり、大当り遊技状態終了後に時短制御する大当りに基づく大当り遊技状態を終了するときにセットされ、後述する図143に示す第一特別図柄停止処理又は後述する図146に示す第二特別図柄停止処理でリセットされる。このように本例のパチンコ機1では時短回数として1回に設定され、大当り遊技状態終了後に時短制御を開始して特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を1回実行したときに時短制御を終了するようになっている。
また、主制御MPU1310aは大当り実行中フラグがセットされていなければ、小当り遊技状態に制御している旨を示す小当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS36)、小当り実行中フラグがセットされていれば、小当り遊技状態の制御を行う小当り制御処理(ステップS41)を実行する。なお、小当り制御処理では、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「小当り」を示唆する態様となったときに第二大入賞口2005bを所定期間(例えば28.5秒)開放した後又は第二大入賞口2005bに遊技球が1個入賞したことが上記第二カウントセンサ4005bで検出されたときに閉鎖させる処理を実行する。また、第二大入賞口2005b内に入賞した遊技球がV入賞口2411に進入した場合には大当り遊技状態に制御して第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記第一カウントセンサ4005aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを14回繰り返す15R大当り遊技状態に移行制御する。
また、主制御MPU1310aは大当り実行中フラグと小当り実行中フラグとのいずれもセットされていなければ第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS37)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS38)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS37)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS39)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図133は、上記第一始動口通過処理(ステップS32)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS31の処理において、上記第一左始動口センサ4002aがオン状態にあり、上記第一左始動口2002aへの遊技球の入球があった、又は上記第一右始動口センサ4002bがオン状態にあり、上記第一右始動口2002bへの遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図133に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS41の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS42)。このステップS42の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS43〜S45の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS43の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS44の処理として、上記ステップS41で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納し、処理を終了する。
また、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS41で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS45)、処理を終了する。
一方、上記ステップS42の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS43〜ステップS45の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第一始動口(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)へ遊技球が入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると上記記憶処理(ステップS20)にて第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御MPU1511aは第一保留数指定コマンド0〜4を受信したことに基づいて第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図134は、上記演出事前判定処理(ステップS45)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、演出事前判定処理を開始すると、図示しない事前判定テーブルと上記ステップS41で取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合にはメイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS61)。
そして、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合にはメイン液晶表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留記憶数(保留数カウンタの値)と、に応じた事前判定コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS45で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一保留記憶数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄事前判定コマンドをセットする(ステップS62)。
そして、上記特別図柄コマンド制御処理(ステップS16)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前判定コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した始動口(第一左始動口2002a、第一右始動口2002bのいずれか一方)、該始動口に対応して記憶される保留記憶数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPU1511aが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPU1511aは主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御MPU1511aの周辺制御RAM1511cには、第一特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第一保留記憶領域が設けられている。
また、第一保留記憶領域は保留記憶数に対応する1〜4の記憶領域を有しており、周辺制御MPU1511aは受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に事前判定情報が格納されている場合に事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に通知された事前判定情報を格納し、第一特別図柄の変動表示開始を通知する第一変動パターンコマンドを受信すると受信した第一変動パターンコマンドに応じて第一保留記憶領域の1番目の記憶領域に格納されている事前判定情報を破棄してN番目(N=2〜4)の記憶領域に格納されている事前判定情報をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる(保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする)。これにより、上記第一特別図柄の事前判定情報が、変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の事前判定情報から順に破棄されるようになる。
このように変動表示制御が保留の状態とされた時点では、その変動表示制御を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その変動表示制御の大当り期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じた保留表示のシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図135は、上記第二始動口通過処理(ステップS34)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS33の処理において、上記第二始動口センサ4004がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球の入球があったと判断されたとすると、同図135に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS51の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二保留記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS52)。このステップS52の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS53〜S54の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS53の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS54の処理として、上記ステップS51で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納し、処理を終了する。
一方、上記ステップS52の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS53〜ステップS54の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると上記記憶処理(ステップS20)にて第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板4140に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御MPU1511aは第二保留数指定コマンド0〜4を受信したことに基づいて第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図136は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS38)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS38で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上記第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。なお、後述する当り判定処理(ステップS105)にて第一特別乱数との比較の結果、小当りとすると判定する場合がないため、第一特別図柄プロセス処理で実行される当り判定処理と、第二特別図柄プロセス処理で実行される当り判定処理と、を別処理とし、第一特別図柄プロセス処理における各々のプロセス処理においては、小当りに関する処理を実行しないように制御してもよい。
1.主制御内蔵RAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS80)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)
3.変動乱数に基づいて上記第一特別図柄表示器1403に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置1600に第一特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS82)
4.第一特別図柄表示器1403における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS83)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記第一特別図柄表示器1403に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS84)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図131参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図137は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS80)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図137に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS102の処理として、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同主制御内蔵RAMから読み出す。そして次に、ステップS103及びS104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御内蔵RAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第一特別図柄保留記憶領域a〜第一特別図柄保留記憶領域d)を有し、第一始動口(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。同様に第二特別図柄保留記憶領域は4つの記憶領域(第二特別図柄保留記憶領域a〜第二特別図柄保留記憶領域d)を有し、第二始動口2004への始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第二特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りや小当りの当落についての抽選処理である当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS106)、この処理を終了する。
図138は、上記当り判定処理(ステップS105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、図139(A)に示す当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)とを比較する(ステップS114)。
図139(A)に示すように当り判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、特別乱数の種類毎(第一特別乱数、第二特別乱数)に備えている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、1種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、299種類の第一特別乱数が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(大当り確率;300分の1)。また、本例では特別図柄プロセス処理のステップS39で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは、1種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、大当り判定値とは異なる299種類の第二特別乱数が小当りに当選したことを示す小当り判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(大当り確率;300分の1、小当り確率;300分の299)。即ち、第一特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは小当りと判定されることがなく、大当りとハズレとの一方にすると判定されるようになっており、第二特別乱数と比較するために参照される当り判定テーブルでは必ず大当りと小当りとのいずれか一方にすると判定されるようになっている。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットし(ステップS116)、当り判定処理を終了する。
また、選択した当り判定テーブルと特別乱数(第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一特別乱数、または第二特別図柄通常処理で読みだした第二特別乱数)との比較の結果、小当りとすると判定した場合には(ステップS117)、当該変動が小当りに当選していることを示す小当りフラグをセットし(ステップS118)、当り判定処理を終了する。
一方、大当りと小当りとのいずれにも当選していない場合、即ちハズレとすると判定した場合には、リーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS119)。
図示しないリーチ判定テーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶され、遊技状態が時短状態時の場合に使用する時短状態時のリーチ判定テーブルと、遊技状態が非時短状態時の場合に使用する非時短状態時のリーチ判定テーブルと、を備えている。そして、時短状態時のリーチ判定テーブルでは、1種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、71種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、非時短状態時のリーチ判定テーブルでは、時短状態時のリーチ判定テーブルに設定されるリーチ乱数と同一のリーチ乱数を含む5種類のリーチ乱数がリーチすることを示すリーチ判定値と一致し、67種類のリーチ乱数がリーチしないことを示すリーチ判定値と一致するように上記リーチ乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、非時短状態時では、リーチすることを示すリーチ判定値が時短状態時よりも高められる。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択したリーチ判定テーブルとステップS102で読み出したリーチ乱数との比較の結果(ステップS119)、リーチハズレとすると判定した場合には(ステップS120)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS121)。
図140は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS81)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図140に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記当り判定処理(ステップS105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS131)を判別することにより行う。
主制御MPU1310aは、ステップS131で大当りフラグがセットされていれば、図139(B)に示す大当り図柄決定テーブルを選択して、第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した第一図柄乱数と選択した大当り図柄決定テーブルとを比較することにより第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)としての大当り図柄を決定する(ステップS132)。
図139(B)に示すように大当り図柄決定テーブルには、判定結果(10R大当りA、10R大当りB、15R大当り)に応じて各々図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の大当り図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、
1.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記第一カウントセンサ4005aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを10回繰り返すことで遊技球が第一大入賞口2005に入球可能(容易)な10R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する10R大当りA
2.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記第一カウントセンサ4005aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを10回繰り返すことで遊技球が第一大入賞口2005に入球可能(容易)な10R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に非時短状態に制御する10R大当りB
3.第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記第一カウントセンサ4005aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返すことで遊技球が第一大入賞口2005に入球可能(容易)な15R大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する15R大当り
なお、第一図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、10R大当りAとなる場合に80個の判定値が振り分けられ、10R大当りBとなる場合に20個の判定値が振り分けられている。即ち、第一特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には80%の確率で10R大当りAとなり、20%の確率で10R大当りBとなる。一方、第二図柄乱数と比較される大当り図柄決定テーブルは、15R大当りとなる場合に100個全ての判定値が振り分けられ、第二特別乱数に基づく抽選により大当りとする抽選結果が得られた場合には必ず15R大当りとなる。
また、大当りとする抽選結果が得られた場合には大当りの種類に応じて大当り遊技状態が終了した後の遊技状態が決定される。そして、大当り制御処理(ステップS40)では、大当り遊技状態の制御を行った後、その決定結果に基づいて時短フラグのセット処理が実行される。
具体的には、「10R大当りA」の大当りが得られた旨を判断したときは、10ラウンド分の大当り遊技状態が実行された後に、特別図柄の図柄変動が1回実行されるまで時短状態に制御され、「10R大当りB」の大当りが得られた旨を判断したときは、10ラウンド分の大当り遊技状態が実行された後に、非時短状態に制御され、「15R大当り」の大当りが得られた旨を判断したときは、15ラウンド分の大当り遊技状態が実行された後に、特別図柄の図柄変動が1回実行されるまで時短状態に制御される。
なお、第一特別図柄停止図柄設定処理において10R大当りAに決定した場合には大当り図柄として10R大当りA図柄に決定し、10R大当りBに決定した場合には大当り図柄として10R大当りB図柄に決定する。また、後述する図144に示す第二特別図柄停止図柄設定処理において15R大当りに決定した場合には大当り図柄として15R大当り図柄に決定する。
また、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大当りフラグがセットされていない場合にはハズレ図柄に決定する(ステップS136)。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS137の処理として、上記抽選結果(大当りの種類、小当り、リーチハズレ、ハズレのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS138の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
周辺制御MPU1511aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて演出表示装置1600を表示制御する(左・中・右の装飾図柄を変動表示して左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示させる(なお左・中・右の装飾図柄を同一図柄で同期して変動表示し同時に停止表示する場合もある))。具体的には、周辺制御MPU1511aは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから大当りのうち10R大当りAを特定した場合には10R大当りA図柄(左・中・右の装飾図柄が[1]〜[8]の図柄のうち[1]を除く同一の図柄となる組合せ)に決定し、10R大当りBを特定した場合には10R大当りB図柄(左・中・右の装飾図柄が[0]〜[8]の図柄のうち[1]を除く同一の図柄となる組合せ)に決定し、15R大当りを特定した場合には15R大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が[0]〜[8]の図柄のうち[1]を除く同一の図柄となる組合せ)に決定する。また、小当りを特定した場合には小当り図柄(左・中・右の装飾図柄が全て[1]となる組合せ;[111])に決定し、リーチハズレを特定した場合にはリーチを伴ったハズレ図柄(左・右の装飾図柄が[0]〜[8]の同一の図柄の組み合わせであって中装飾図柄が異なる図柄の組み合わせ;リーチハズレ図柄)に決定し、ハズレを特定した場合には、リーチを伴わないハズレ図柄(左・中・右の装飾図柄のうち少なくとも左・右の装飾図柄が異なる図柄となる組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。
図141は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図141に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS132で決定した大当りの種類に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS145)、リーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS146)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のハズレ(リーチ演出を実行しないハズレ)となる場合には、ハズレ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS147)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器1403に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149)。また、主制御MPU1310aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器1403にて第一特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU1310aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御内蔵ROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、241種類の変動乱数のうち164種類の変動乱数がノーマルリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(0〜163)として設定され、59種類の変動乱数が大当り期待度の低いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(164〜222)として設定され、18種類の変動乱数が大当り期待度の高いスーパーリーチ演出のいずれかを実行することを示す判定値(223〜240)として設定される。なお、スーパーリーチ演出とは、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、大当り遊技状態の発生を望む遊技者に対してはスーパーリーチ演出が実行されたときに大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、図139(D)に示すように本例の変動パターンテーブルでは、第一特別乱数に対応する変動時間として非時短状態では10秒〜90秒が設定され、時短状態では120秒が設定され、第二特別乱数に対応する変動時間として非時短状態と時短状態とに共通して2秒が設定されている。
そして、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で(ステップS155)、この処理を終了する。
図142は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS83)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図142に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS82)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS172)、次にステップS173の処理に移行する。すなわち、このステップS173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)にプロセス移行されるよう上記第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図143は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS84)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図143に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記第一特別図柄表示器1403に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS182)。
次いで、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記時短フラグがセットされているときには(ステップS183)、時短フラグをリセットする(ステップS185)。これにより特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示が1回実行されたときに時短制御を終了させて非時短状態の制御を開始するようになる。
また、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS186)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS187)、大当り遊技状態の開始までの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS188)。なお、図示しないがステップS188では大当りの種類に応じたラウンド数を、ラウンドの残り回数を示す大当り回数カウンタにセットする処理も実行される。大当り回数カウンタは後述する大当り制御処理においてラウンドの実行毎に1ずつ減算され、大当り回数カウンタが「0」になったときに主制御基板1310の主制御MPU1310aが規定ラウンド数を実行したと判断して大当り遊技状態を終了させるように制御する。具体的には後述する大当り制御処理において大当り回数カウンタが「0」になるまでは大入賞口開放前処理(ステップS91)と大入賞口開放中処理(ステップS92)とを繰り返し実行し、大入賞口開放中処理(ステップS92)でラウンドを終了するときに大当り回数カウンタを1減算して「0」なったことに基づいて大入賞口開放後処理(ステップS93)に移行して大当り遊技状態を終了させる制御を実行する。
そして、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットする(ステップS189)。なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS187では、大当りの種類(10R大当りA、10R大当りB、15R大当り)に応じた大当り開始コマンド(10R大当りA開始コマンド、10R大当りB開始コマンド、15R大当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた大当り遊技状態の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
また、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグは、大当り遊技状態を終了するとき、具体的には大当り制御処理(ステップS40)の大入賞口開放後処理(ステップS93)で大当りの種類に応じた第一大入賞口2005の開閉制御(例えば「15R大当り」であれば第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記第一カウントセンサ4005aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを15回繰り返す開閉制御)を終了したとき(大当り遊技状態で実行可能な全てのラウンド)にリセットされる。大当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄プロセス処理(ステップS14)のステップS35で大当り制御処理(ステップS40)を実行しないようにされる一方、第一特別図柄表示器1403における第一特別図柄の変動表示及び第二特別図柄表示器1405における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、大当りフラグがセットされていない場合、即ちハズレとなるときにはステップS187〜ステップS189の処理を実行することなくステップS194に移行する。
上記ステップS186〜ステップS189の処理を実行すると、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS194)、この処理を終了する。
図144は、上記第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)で実行される第二特別図柄停止図柄設定処理についてその手順を示すフローチャートである。
なお、上記したように第二特別図柄プロセス処理は第一特別図柄プロセス処理と略同様のプログラムモジュールであり、一部の処理を除き判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、以下においては第一特別図柄プロセス処理で実行される処理とは異なる処理についてのみ説明する。
上記したように本例のパチンコ機1では、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果として小当りとなるものを含まないのに対し、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果として小当りとなるものも含むため、第二特別図柄停止図柄設定処理では第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果として、小当りとなったか否かについても判別している。この抽選処理結果の判別は、小当りフラグがセットされているか否かを判別することにより行う。
具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS131a)、小当りフラグがセットされているか否かを判別し(ステップS133a)、小当りフラグがセットされていれば図139(C)に示す小当り図柄決定テーブルを選択して、図示しない第二特別図柄通常処理で読み出した第二図柄乱数と選択した小当り図柄決定テーブルとを比較することにより第二特別図柄の変動制御停止時の態様(第二特別図柄の停止図柄)としての小当り図柄を決定する(ステップS134a)。
図139(D)に示すように小当り図柄決定テーブルには、判定結果(小当りA、小当りB、小当りC)に応じて各々図柄乱数(第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aでは、取得した第二図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、小当りの種類を決定する。
具体的には、
1.第二大入賞口2005bを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第二大入賞口2005bに遊技球が9個入賞したことが上記第二カウントセンサ4005bで検出されたときに閉鎖させる小当り遊技状態に制御し、小当り遊技状態中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球がV入賞口2411に振り分けられた場合に、第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記第一カウントセンサ4005aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを14回繰り返すことで遊技球が第一大入賞口2005に入球可能(容易)な大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する小当りA
2.第二大入賞口2005bを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第二大入賞口2005bに遊技球が9個入賞したことが上記第二カウントセンサ4005bで検出されたときに閉鎖させる小当り遊技状態に制御し、小当り遊技状態中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球がV入賞口2411に振り分けられた場合に、第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記第一カウントセンサ4005aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを9回繰り返すことで遊技球が第一大入賞口2005に入球可能(容易)な大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する小当りB
3.第二大入賞口2005bを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第二大入賞口2005bに遊技球が9個入賞したことが上記第二カウントセンサ4005bで検出されたときに閉鎖させる小当り遊技状態に制御し、小当り遊技状態中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球がV入賞口2411に振り分けられた場合に、第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記第一カウントセンサ4005aで検出されたときに閉鎖させる開閉パターンを4回繰り返すことで遊技球が第一大入賞口2005に入球可能(容易)な大当り遊技状態に制御し、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する小当りC
なお、第二図柄乱数と比較される小当り図柄決定テーブルは、小当りAとなる場合に10個の判定値が振り分けられ、小当りBとなる場合に20個の判定値が振り分けられ、小当りCとなる場合に70個の判定値が振り分けられている。即ち、第二特別乱数に基づく抽選により小当りとする抽選結果が得られた場合には10%の確率で小当りAとなり、20%の確率で小当りBとなり、70%の確率で小当りBとなる。
また、小当りとする抽選結果が得られた場合には小当りの種類に応じて小当り遊技状態中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球がV入賞口2411に振り分けられることで発生する大当り遊技状態終了後の遊技状態が決定される。そして、大当り制御処理(ステップS40)では、小当り遊技状態中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことに基づいて大当り遊技状態の制御を行った後、その決定結果に基づいて時短フラグのセット処理が実行される。
具体的には、「小当りA」の小当りが得られた旨を判断したときは、15ラウンド分の大当り遊技状態が実行された後に、特別図柄の図柄変動が1回実行されるまで時短状態に制御され、「小当りB」の小当りが得られた旨を判断したときは、10ラウンド分の大当り遊技状態が実行された後に、特別図柄の図柄変動が1回実行されるまで時短状態に制御され、「小当りC」の小当りが得られた旨を判断したときは、5ラウンド分の大当り遊技状態が実行された後に、特別図柄の図柄変動が1回実行されるまで時短状態に制御される。
なお、第二特別図柄停止図柄設定処理において小当りAに決定した場合には小当り図柄として小当りA図柄に決定し、小当りBに決定した場合には小当り図柄として小当りB図柄に決定し、小当りCに決定した場合には小当り図柄として小当りC図柄に決定する。
図145は、上記第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)で実行される第二変動パターン設定処理についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第二変動パターン設定処理において大当りフラグがセットされていない場合に(ステップS141a)、小当りフラグがセットされていれば(ステップS143a)、小当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS144a)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第二特別図柄通常処理で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS148a)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして第二特別図柄表示器1405に表示される第二特別図柄の変動表示を開始する(ステップS149a)。また、主制御MPU1310aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS150a)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第二特別図柄表示器1405にて第二特別図柄の変動表示制御が行われるとともに該特別図柄の変動表示に同期して上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
図146は、上記第二特別図柄プロセス処理(ステップS39)で実行される第二特別図柄停止処理についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大当りフラグがセットされていない場合に(ステップS186a)、上記小当りフラグがセットされていれば(ステップS190a)、小当り遊技状態を開始することを示す小当り開始コマンドをセットし(ステップS191a)、小当り遊技状態の開始までの待機時間(小当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う時間)をインターバルタイマにセットする(ステップS192a)。そして、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り実行中フラグをセットする(ステップS193a)。なお、小当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、小当りの種類に応じて個々に用意されている。ステップS191aでは、小当りの種類(小当りA、小当りB、小当りC)に応じた小当り開始コマンド(小当りA開始コマンド、小当りB開始コマンド、小当りC開始コマンド)をセットする。これにより、小当り開始コマンドによって指示された小当りの種類に応じた小当り遊技状態の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
また、小当り遊技状態の実行中であることを示す小当り実行中フラグは、小当り遊技状態を終了するとき、具体的には後述する小当り制御処理(ステップS41)の小当り中処理(ステップS401)で小当りの種類に応じた第二大入賞口2005bの開閉制御(例えば「小当りC」であれば第二大入賞口2005bを長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第二大入賞口2005bに遊技球が9個入賞したことが上記第二カウントセンサ4005bで検出されたときに閉鎖させる開閉制御)を終了したときにリセットされる。小当り実行中フラグがリセットされることにより特別図柄プロセス処理(ステップS14)のステップS36で小当り制御処理(ステップS41)を実行しないようにされる一方、第一特別図柄表示器1403における第一特別図柄の変動表示及び第二特別図柄表示器1405における第二特別図柄の変動表示を実行可能な状態になる。
また、小当りフラグがセットされていない場合、即ちハズレとなるときにはステップS190a〜ステップS193aの処理を実行することなくステップS194aに移行する。
図147は、上記大当り制御処理(ステップS40)についてその手順を示すフローチャートである。大当り制御処理では、大当りプロセスフラグに応じて、以下の3つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて上記大当り遊技状態に移行する旨などの遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機したり、次のラウンドが開始されるまで待機する大入賞口開放前処理(ステップS91)
2.特別図柄の変動表示停止時の態様が大当り図柄となったことに基づいて第一大入賞口2005を開放状態に制御したり、次のラウンドが開始されることに基づいて第一大入賞口2005を開放状態に制御し、第一大入賞口2005を長時間開放(例えば28.5秒)した後又は第一大入賞口2005に遊技球が9個入賞したことが上記第一カウントセンサ4005aで検出されたときに閉鎖させる大入賞口開放中処理(ステップS92)
3.全てのラウンドを終了するときに大当り遊技状態が終了する旨の遊技者への報知が上記周辺制御基板1510によって行われるまで待機する大入賞口開放後処理(ステップS93)
なお、上記大当りプロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図131参照)において、上記大入賞口開放前処理(ステップS91)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図148は、上記小当り制御処理(ステップS41)についてその手順を示すフローチャートである。小当り処理では、小当りプロセスフラグに応じて、以下の2つのプロセス処理のうち1つを選択的に実行することとなる。
1.小当り遊技状態を開始するための設定処理を実行する小当り開始処理(ステップS400)
2.小当り遊技状態中の遊技球の入球や開放時間を監視する小当り中処理(ステップS401)
なお、上記小当りプロセスフラグは、上記ステップS1の処理(図131参照)において、上記小当り開始処理(ステップS400)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図149は、上記小当り開始処理(ステップS400)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS411の処理として小当り遊技状態開始までの待機時間を示すインターバルタイマを1減算し、このインターバルタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS412でNO)以降の処理を実行することなく処理を終了する。なお、インターバルタイマは上記したように第二特別図柄の変動表示停止時に小当りフラグがセットされていることに基づいてセットされる(第二特別図柄停止処理)。
一方、インターバルタイマがタイムアウトしていれば(ステップS412でYES)、第二大入賞口2005bの開放時間を開放タイマにセットするとともに(ステップS413)、小当り開放時演出コマンドをセットした後(ステップS415)、第二大入賞口2005bを開放状態に制御する(ステップS416)。
その後、上記小当り中処理(ステップS401)にプロセス移行されるよう上記小当りプロセスフラグが更新された時点で(ステップS417)、この処理を終了する。
図150は、上記小当り中処理(ステップS401)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS421の処理として第二カウントセンサ4005bにより第二大入賞口2005b内へ受け入れられた遊技球の個数が「9個」に達したか否かを判別し、第二大入賞口2005b内へ受け入れられた遊技球の個数が「9個」に達した場合には、ステップS427に進む。
ステップS421で第二大入賞口2005b内へ受け入れられた遊技球の個数が「9個」に達していない場合には、第二大入賞口2005bを開放状態に制御してから閉鎖状態に制御するまでの開放時間を示す開放タイマを1減算し(ステップS425)、該開放タイマがタイムアウトしているか否かを判別して(ステップS426)、タイムアウトしていなければ(ステップS426でNO)以降の処理を実行することなく処理を終了し、タイムアウトしていれば(ステップS426でYES)ステップS427に進む。
次いで、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記小当り実行中フラグをリセットするとともに(ステップS427)、開放状態の第二大入賞口2005bを閉鎖状態に制御する(ステップS428)。
このとき、V入賞口2411に遊技球が進入していれば(ステップS429)、大当り遊技状態の1ラウンドを終了することを示す1R終了コマンドをセットするとともに(ステップS430)、大当り遊技状態開始までの待機時間をインターバルタイマにセットした後(ステップS431)、上記大当り実行中フラグと小当り遊技状態中にV入賞したことに基づいて大当り遊技状態となったことを示す役物当選フラグをセットする(ステップS432)。役物当選フラグは上記大当り制御処理(ステップS40)で小当り遊技状態中にV入賞したことに基づいて大当り遊技状態となったか大当り図柄が停止表示されて大当り遊技状態となったかの判別に用いられ、役物当選フラグがセットされている場合には15R大当り遊技状態が実行されたときに15ラウンドに亘って実行される15R大当り遊技状態の2ラウンド目が実行されているかのように通知されて遊技者は小当り遊技状態を含めて15R大当り遊技状態が実行されていると認識するようになる。
なお、図示しないがステップS431では小当りの種類に応じた大当りのラウンド数のうち未実行のラウンド数(小当り遊技状態を1回のラウンドとした場合の残りラウンド数(例えばV入賞口2411に遊技球が進入したことに基づいて15R大当り遊技状態に制御する小当りAであれば残りラウンド数として14回))を、ラウンドの残り回数を示す大当り回数カウンタにセットする処理も実行される。上記したように大当り回数カウンタは大当り制御処理においてラウンドの実行毎に1ずつ減算されるものであり、大当り回数カウンタが「0」になったときに主制御基板1310の主制御MPU1310aが規定ラウンド数を実行したと判断して大当り遊技状態を終了させるようになっている。
ステップS432の処理を終了した場合及びステップS429でV入賞なしと判別した場合には、上記小当り開始処理(ステップS400)にプロセス移行されるよう上記小当りプロセスフラグが更新された時点で(ステップS417)、この処理を終了する。
図151は、上記普通図柄プロセス処理(ステップS15)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ4003による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図151に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPU1310aのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS803)
2.普図変動乱数に基づいて上記普通図柄表示器に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)
3.普通図柄表示器における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記普通図柄表示器に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記第二始動口2004への遊技球の受入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS1の処理(図131参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図152は、上記ゲート部通過処理(ステップS802)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ4003による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、同図152に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS811の処理として、まず、普通図柄保留記憶領域に記憶される普通乱数の個数を示す普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU1310aのRAMから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS811の処理において、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS812〜S814の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS812の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS813の処理として、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS814の処理として、こうして取得された各乱数を、上記主制御MPU1310aのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS811の処理において、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS812〜ステップS814の処理を実行しない(上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得しない)ことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
なお、ゲート部通過処理(ステップS802)としては、以下に記載する別例のようにしても良い。例えば、いま、上記ゲートセンサ4003による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球の通過があったと判断されたとすると、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得し、暫定記憶領域に格納する。その後に、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU1310aのRAMから取得し、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留記憶数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。そして、上記普通図柄の保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)し、次いで、先に取得された上記普通乱数、上記普図変動乱数(暫定記憶領域に記憶された上記普通乱数、上記普図変動乱数)を、上記主制御MPU1310aのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。一方、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU1310aのRAMから取得した結果、このカウンタ値がその最大値である「4」であると判断された場合(上記普通図柄の保留記憶数がその最大値である場合)には、先に取得された上記普通乱数、上記普図変動乱数を、普通図柄保留記憶領域に格納することなく破棄し、上記取得した普通図柄の変動表示制御は新たに保留されないようにすることとしてもよい。
また、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS813で取得した上記普通乱数、上記普通変動乱数に基づいて、普通図柄の変動表示の表示結果を普図当りとするか否か、実行する普通図柄変動の態様種別(普図変動パターンの種別)などの事前判定情報を、当該ゲート部2003への遊技球の通過に応じた普通図柄変動を開始する以前に判定する普図事前判定処理を実行した後(ステップS815)、処理を終了する。
図153は、上記普図事前判定処理(ステップS815)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、普図事前判定処理を開始すると、図示しない普図事前判定テーブルと上記ステップS813で取得した乱数、具体的には普通乱数、普通変動乱数とを比較することにより普図当りとなるか否か、普図当りとなる場合には普図当りの種類、実行する普通図柄変動の態様種別、を特定する(ステップS881)。
そして、特定した普図事前判定情報(普図当りとなるか否か、普図当りとなる場合には普図当りの種類、実行する普通図柄変動の態様種別など)と、普通図柄の保留記憶数(普通保留数カウンタの値)と、に応じた普図事前判定コマンドをセットする。
そして、上記普通図柄コマンド制御処理(ステップS17)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に普図事前判定コマンドが送信されることにより、普通図柄の保留記憶数に加え、発生したゲート部2003への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の表示結果を普図当りとするか否か、普図当りとなる場合には普図当りの種類、実行する普通図柄変動の態様種別などの普図事前判定情報を、当該ゲート部2003への遊技球の通過に応じた普通図柄変動を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPU1511aが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPU1511aは主制御基板1310から普図事前判定コマンドを受信すると、受信した普図事前判定コマンドによって示される普図事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御MPU1511aの周辺制御RAM1511cには、普図事前判定情報を記憶する普図保留記憶領域が設けられている。
また、普図保留記憶領域は保留記憶数に対応する1〜4の記憶領域を有しており、周辺制御MPU1511aは受信した普図事前判定コマンドによって示される普図事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に普図事前判定情報が格納されている場合に普図事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に通知された普図事前判定情報を格納し、普通図柄の変動表示開始を通知する普図変動パターンコマンドを受信すると受信した普図変動パターンコマンドに応じて普図保留記憶領域の1番目の記憶領域に格納されている普図事前判定情報を破棄してN番目(N=2〜4)の記憶領域に格納されている普図事前判定情報をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる(普図保留記憶領域に格納されている普図事前判定情報をシフトする)。これにより、上記普通図柄の普図事前判定情報が、普通図柄変動の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の普図事前判定情報から順に破棄されるようになる。
このように普通図柄変動が保留の状態とされた時点では、その普通図柄変動を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その普通図柄変動の普図当り期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じた保留表示のシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。具体的には、周辺制御MPU1511aはチャンスモード中に普通図柄についての抽選処理(普通判定)の結果が普通当りであることを示す普図事前判定コマンドを受信すると普通当りであることを示唆する演出を実行するか否かの抽選を行い、抽選の結果普通当りであることを示唆する演出を実行することに決定した場合には普図事前判定コマンドに対応する普図保留表示領域1609(図165参照)の表示態様を通常とは異なる特別な態様に変更して表示するようになっている。本例では普図保留表示領域1609の通常の表示態様として青色で塗りつぶされた丸を表示し、通常とは異なる特別な態様として赤色で塗りつぶされた丸を表示する。なお、周辺制御MPU1511aはチャンスモード中に普通図柄についての抽選処理(普通判定)の結果が普通ハズレであることを示す普図事前判定コマンドを受信した場合にも実際には普通当りとならないものの普通当りであることを示唆する演出を実行するか否かの抽選を行い、抽選の結果普通当りであることを示唆する演出を実行することに決定した場合には普図事前判定コマンドに対応する普図保留表示領域1609の表示態様を特別な態様に変更して表示するようになっている。しかし、普通図柄についての抽選処理(普通判定)の結果が普通ハズレであることを示す普図事前判定コマンドを受信した場合には普通図柄についての抽選処理(普通判定)の結果が普通当りであることを示す普図事前判定コマンドを受信した場合よりも普通当りであることを示唆する演出を実行することに決定される割合は低くされ、これにより普図保留表示領域1609に特別な態様が表示された場合に普通当り、ひいては第二特別図柄の大当りの発生に対する期待を向上させることができる。
また、普通当りであることを示唆する演出としては上記したものに限らず、普図事前判定コマンドを受信したことに基づいて特別な音声(例えばピコピコーン等)を出力するものや(普通当りであることを示唆する演出を実行しない場合には音声を出力しないようにしてもよいし、特別な音声とは異なる音声(ピコッ等)を出力するようにしてもよい)、扉枠3や遊技盤5に設けられているランプやLED等を特別な発光パターン(普通当りであることを示唆する演出を実行しない場合にはランプやLED等を点灯させないようにする一方で、普通当りであることを示唆する演出を実行する場合にはランプやLED等を短時間で複数回点滅させる等)や特別な発光色(普通当りであることを示唆する演出を実行しない場合にはランプやLED等を青色で点灯させるようにする一方で、普通当りであることを示唆する演出を実行する場合にはランプやLED等を赤色で点灯させる等)で発光させたりするもの等を実行するようにしてもよいし、これらを複数組み合わせて実行することで普通当りであることを示唆する演出を実行するようにしてもよい。
図154は、上記普通図柄通常処理(ステップS803)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図154に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS822の処理として、上記主制御MPU1310aのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS823及びS824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU1310aのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球の通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球が通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、図155(A)に示す普図当り判定テーブルとステップS822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS828)。
図155(A)に示す普図当り判定テーブルは、上記主制御MPU1310aのROMに記憶されている。そして、普通乱数と比較するために参照される普図当り判定テーブルでは、1種類の普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、19種類の普通乱数が普図ハズレであることを示す普図ハズレ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS829)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットし(ステップS830)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)として普図当り図柄に決定する(ステップS831)。一方、ステップS829で普図当りとしないと判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)として普図ハズレ図柄に決定する(ステップS833)。
そして、こうして普通図柄についての抽選処理が行われた後は、ステップS834の処理として、これら抽選結果(普図当りとハズレとのいずれかを指示)が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた普図判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS835の処理として、上記普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図156は、上記普通図柄変動パターン決定処理(ステップS804)についてその手順を示すフローチャートである。上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄変動パターン決定処理を行うべき旨を示しているときは、同図156に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、時短フラグがセットされていれば(ステップS841)、図157に示す時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルを選択し(ステップS842)、時短フラグがセットされていれば(ステップS841)、図157に示す非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルを選択する(ステップS843)。
そして、選択した普通図柄変動パターン決定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普図変動乱数とを比較することにより実行する普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)を決定し(ステップS844)、決定した普図変動パターンのでの普通図柄変動の開始を周辺制御基板1510に通知する普図変動パターンコマンドをセットして普通図柄表示器1402に表示される普通図柄の変動表示を開始する(ステップS845)。周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPU1511aは上記普通図柄通常処理のステップS834でセットされた普図判定結果通知コマンドと普通図柄変動パターン決定処理のステップS845でセットされた普図変動パターンコマンドとを受信することにより普通図柄の変動表示を開始してから普通図柄の変動表示を停止するまでの変動時間と普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)とを特定して演出表示装置1600にて普通図柄の変動表示を開始し、普図変動パターンコマンドから特定される普通図柄の変動時間の経過時において普図判定結果通知コマンドから特定される普通図柄の停止図柄を演出表示装置1600に表示する。
また主制御MPU1310aは、普図変動パターンを決定するとこの決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間を普図変動タイマに設定する(ステップS846)。これにより、決定された普図変動パターンに応じた普図変動時間だけ普通図柄表示器1402(における普通図柄の変動表示)及び上記演出表示装置1600(における装飾普通図柄の変動表示)にて演出制御が行われるようになる。
図157に示すように本例では、時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルと、非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルとを備えている。そして、非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルでは、時短時の普図変動時間決定テーブルと比べて判定値の振分けが異なるように設定されており、普通図柄の普図変動時間が異なるようにしている。具体的には、図157に示すように、時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルには、普通図柄のハズレ時の普図変動時間として2秒に設定された時短時ハズレ変動パターンに対して判定値の振分けが設定されているのに対し、非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルには、普通図柄のハズレ時の普図変動時間として4秒に設定された非時短時ハズレ変動パターン1と5秒に設定された非時短時ハズレ変動パターン2とに対して判定値の振分けが設定されている。すなわち、時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルには、非時短時の普通図柄変動パターン決定テーブルと比べると、普通図柄の変動時間が極めて短時間となるように設定されている。なお、普通図柄変動パターン決定テーブルは、上記主制御MPU1310aのROMに記憶されている。
また、普通図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS847の処理として、上記普通図柄変動処理(ステップS805)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図158は、上記普通図柄変動処理(ステップS805)についてその手順を示すフローチャートである。上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図158に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS851の処理として、上記ステップS846で普図変動時間が設定された普図変動タイマを1減算する。そして、普図変動時間タイマが0、すなわち、上記普通図柄の変動時間が経過したと判断されると(ステップS852)、以下のステップS853〜S856の処理を行うこととなる。
すなわち、まず、ステップS853の処理として、上記普通図柄通常処理にて決定された普通図柄の停止図柄を上記普通図柄表示器1402に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に普通図柄の停止図柄に応じた装飾普通図柄の表示結果の導出表示を指示する普図停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS854)。また、ステップS853で上記普通図柄表示器1402に表示された普通図柄の停止図柄を維持する時間として所定の普図確定時間(本例では、0.5秒)を普図停止タイマ1に設定する(ステップS855)。これにより、普通図柄表示器1402における普通図柄の変動表示を停止した後、所定の普図確定時間だけ普通図柄表示器1402に普通図柄の停止図柄を表示させる制御が行われるようになる。そして次に、ステップS856の処理において、上記普通図柄停止処理(ステップS806)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図159は、上記普通図柄停止処理(ステップS806)についてその手順を示すフローチャートである。上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図159に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS861の処理として、上記普通図柄変動処理のステップS855で所定の普図確定時間が設定される普図停止タイマを1減算する。そして、普図停止タイマが0、すなわち、上記所定の普図確定時間が経過したと判断されると(ステップS862)、上記普通図柄表示器1402に表示されている普通図柄の停止図柄の表示制御を終了するとともに、上記演出表示装置1600に表示されている普通図柄の停止図柄に応じた装飾普通図柄の表示結果の確定表示を指示する普図確定コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS863)。
そして次に、上記普図当りフラグがセットされているときは(ステップS864)、図155(B)に示す普図当り時開放パターンテーブルを用いて、現在の遊技状態に応じた第二始動口扉2022の進退パターンを設定する(ステップS865)。
具体的には、図155(B)に示すように、第二始動口扉2022の開放開始時に非時短状態に制御されていれば、第二始動口扉2022の開放パターンとして進退パターンAを設定する。即ち、第二始動口扉2022の進退動作開始時に非時短状態に制御されていれば、普通乱数に基づく抽選により普図当りとする抽選結果が得られた場合に第二始動口扉2022が短進退態様(この例では0.2秒)で進退動作する進退パターンAを実行することとなる。
一方、現在の遊技状態として第二始動口扉2022の進退動作開始時に時短状態に制御されていれば、第二始動口扉2022の開放パターンとして進退パターンBを設定する。即ち、第二始動口扉2022の進退動作開始時に時短状態に制御されていれば、普通乱数に基づく抽選により普図当りとする抽選結果が得られた場合に第二始動口扉2022が長進退態様(この例では6秒)で進退動作する進退パターンBを実行することとなる。
第二始動口扉2022の進退パターンが設定されると、次にステップS886の処理として、普図当り遊技を開始することを示す普図当り開始コマンドをセットし、普通図柄プロセスフラグを普通電動役物開放処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS867)、この処理を終了する。なお、普図当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、普図当り開始コマンドによって指示された普図当りの種類に応じた普図当り遊技の演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
また、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS864で上記普図当りフラグがセットされていない場合において、普通図柄プロセスフラグを初期値である普通図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS868)、この処理を終了する。
図160は、上記普通電動役物開放処理(ステップS807)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS871の処理において、上記第二始動口扉2022が突出状態にあり、第二始動口2004が開放状態にあると判断されるとすると、同図160に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第二始動口2004の開放状態を開始してから所定時間(ステップS865で設定した進退パターンにおける第二始動口2004の開放時間)が経過したときには(ステップS872)、第二始動口扉2022を後退させて開放状態の第二始動口2004を閉鎖状態に制御した時点で(ステップS873)、この処理を終了する。
また、ステップS871の処理において、上記第二始動口扉2022が退避状態にあり、第二始動口2004が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図160に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記第二始動口扉2022を開放状態とするタイミングになったときには(ステップS874)、第二始動口扉2022を前進させて閉鎖状態の上記第二始動口扉2022を開放状態に制御した時点で(ステップS875)、この処理を終了する。
また、ステップS871の処理において、第二始動口2004を開放状態とするタイミングではないと判断されるとすると、同図160に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第二始動口2004の開放回数が所定回数(ステップS865で設定した進退パターンにおける第二始動口扉2022の進退動作開放回数)となったときには(ステップS876)、普図当り終了コマンドをセットする(ステップS877)。そして、普通図柄プロセスフラグを初期値である普通図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS878)、この処理を終了する。なお、普図当り終了コマンドは周辺制御基板1510に送信され、周辺制御基板1510では普図当り終了コマンドを受信すると演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行中の普図当り遊技の演出を終了する。
[10.周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPU1511aによって実行される処理について説明する。図161は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPU1511aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図161に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU1511aは、初期設定処理を行う(ステップS501)。この初期設定処理は、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPU1511aに内蔵されているRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS501)が終了すると、16mS経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS502)。
この実施の形態では、周辺制御MPU1511aは、2mS経過毎に割込を発生させ、2mS定常処理を実行する。2mS定常処理では、16mS経過監視カウンタをカウントアップする(16mS経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16mS経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16mS経過したときに16mS経過フラグTをセットするとともに、16mS経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16mS経過フラグTは、2mS定常処理にて16mS毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS502で16mS経過フラグがセットされている(16mS経過フラグTが「1」)ときには、16mS経過フラグをリセットした後(ステップS503)、16mS定常処理を行う(ステップS504)。
この16mS定常処理では、主制御基板1310から受信したコマンドにもとづいて演出表示装置1600、ランプ・LED、スピーカ等を制御する処理が実行される。16mS定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16mS経過フラグTがセットされる毎に、つまり16mS毎に上記したステップS503〜ステップS504を繰り返し行う。一方、ステップS502で16mS経過フラグTがセットされていない(16mS経過フラグTが「0」)ときには、16mS経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図162は、サブメイン処理にて16mS毎に実行される16mS定常処理の一例を示すフローチャートである。16mS定常処理において、周辺制御MPU1511aは、ステップS601〜ステップS606の処理を実行する。ステップS601のコマンド解析処理では、主制御基板1310から受信したコマンドを解析する。ステップS602の演出制御処理では、変動パターン設定処理(第一変動パターン設定処理のステップS149、第二変動パターン設定処理)でセットされることにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出表示装置1600に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS603の音制御処理では、パチンコ機1に設けられたスピーカに関わる制御処理を実行する。ステップS604のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS605の情報出力処理では、ランプ駆動基板4170にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS606の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS602)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16mS定常処理におけるステップS601〜ステップS606の処理は16mS以内に終了する。仮に、16mS定常処理を開始してから当該16mS定常処理の終了までに16mS以上かかったとしても、16mS定常処理を開始してから16mS経過したときに直ぐに16mS定常処理を最初から(ステップS601のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16mS定常処理の実行中に16mS経過したときには、16mS経過フラグのセットのみを行い、当該16mS定常処理の終了後にステップS502で16mS経過フラグがセットされていると判定されたときに16mS定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16mS定常処理にて乱数更新処理(ステップS606)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16mS定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図163は、演出制御処理(ステップS602)の一例を示すフローチャートである。
演出制御処理において、周辺制御MPU1511aは上記周辺制御基板1510の周辺制御MPU1511aに格納されている遊技の進行状況を示す演出プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.上記コマンド解析処理にて解析された特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを指示する変動パターンコマンド(第一特別図柄の変動パターンを指示する第一変動パターンコマンド、第二特別図柄の変動パターンを指示する第二変動パターンコマンド)に基づいて演出表示装置1600、LED及びスピーカ921等を制御する処理などを行った後、上記演出プロセスフラグを変動演出中処理に応じた値に変更する変動演出開始処理(ステップS711)
2.演出表示装置1600、LED及びスピーカ921等の制御を開始してからの経過時間を計測し、経過時間に応じて演出表示装置1600、LED及びスピーカ921等を制御する処理などが行い、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンに応じた変動時間が経過したことに応じて上記演出プロセスフラグを変動終了処理に応じた値に変更する変動演出中処理(ステップS712)
3.特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止を指示する停止表示コマンドを受信したことに基づいて所定の表示結果を導出表示するための処理を行い、ハズレであれば上記演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更し、大当りであれば大当り演出処理に応じた値に変更し、小当りであれば小当り演出処理に応じた値に変更する変動演出終了処理(ステップS713)
4.大当り遊技状態の開始を指示する大当り開始コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置1600に大当り遊技状態中の表示制御を実行するための処理を行い、大当り遊技状態を終了するときに上記演出プロセスフラグを変動演出開始処理に応じた値に変更する大当り演出処理(ステップS714)
5.小当り遊技状態の開始を指示する小当り開始コマンドを受信したことに基づいて演出表示装置1600に小当り遊技状態中の表示制御を実行するための処理を行い、小当り遊技状態中に第二大入賞口2005bに受け入れられた遊技球がV入賞口2411に振り分けられていれば小当り遊技状態を終了するときに上記演出プロセスフラグを大当り演出開始処理に応じた値に変更し、遊技球がV入賞口2411に振り分けられていなければ変動演出開始処理に応じた値に変更する小当り演出処理(ステップS715)
以上の処理によって特別図柄表示器(第一特別図柄表示器1403、第二特別図柄表示器1405)で実行される特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示に同期して演出表示装置1600で装飾図柄の変動表示が実行されるようになる。
[11.チャンスモード及び当選権利行使タイムでの遊技について]
本実施形態では、通常モードで遊技を開始し、通常モード中に大当りに当選して大当り遊技状態後に時短状態が発生することで通常モードよりも有利な状態であるチャンスモードに移行し、チャンスモード中に第二保留記憶が発生することで当選権利行使タイムに移行するが、そのようなチャンスモード及び当選権利行使タイムでの遊技について、図164を参照して説明する。
まず、通常モード(非時短状態)で第一特別図柄を変動表示して第一特別図柄が大当り図柄で停止表示された場合には、大当り遊技状態の各ラウンド遊技として第一大入賞口2005が開放状態(退避状態)となり、その開放状態となった第一大入賞口2005に多量の遊技球を入球させるためにセンター役物2500の右側に次々と遊技球を打ち込まなければならない。上記したように、センター役物2500の右側に遊技球が打ち込まれた場合には、振分部材2011によって第1通路2012の側に振り分けられた遊技球のうち2/100程度が、常に進退動作している常時駆動扉2021の内部に進入し、第一右始動口2002bへの遊技球の入賞が発生するようになっている。このため、大当り遊技状態中には、高い確率で1つ以上の遊技球が第一右始動口2002bに入賞し、第一特別図柄側の当り判定の記憶数である第一保留記憶数として保留されるようになっている。
これに対し、大当り遊技状態中には時短状態に制御しない(非時短状態に制御される)ため、仮にゲート部2003への遊技球の通過に基づく普図当りか否かの判定(普通判定)の結果として普図当り図柄が停止表示されて第二始動口2004の第二始動口扉2022が進退動作してもその進退態様は第二始動口2004への遊技球の受け入れが殆どない短進退態様となり、第二始動口2004への遊技球の入賞は殆ど発生しない。これにより、通常モード(非時短状態)で第一特別図柄を変動表示して第一特別図柄が大当り図柄で停止表示された場合には、殆どの場合に大当り遊技状態後には先ず第一特別図柄が変動表示されることになる。
次いで、第一特別図柄の大当り図柄として10R大当りA図柄が停止表示された場合には、大当り遊技状態の終了後に時短状態に制御する。このとき、第一特別図柄の変動表示が開始されると、第一特別図柄の変動時間として当り判定の結果にかかわらず通常の変動時間に比べて長いロング変動時間(この例では120秒)での変動表示が行われることになる。そして、この第一特別図柄をロング変動時間で変動表示するチャンスモード中には、ゲート部2003への遊技球の通過を狙った遊技が行われる。
上記したチャンスモード中にゲート部2003を遊技球が通過すると、普図当りか否かの判定(普通判定)が行われ、この判定結果に基づいて普通図柄が変動表示される。このとき、普通図柄の変動表示では、普図変動パターンとして設定された普通図柄の変動時間である2〜21秒のいずれかで変動表示が行われることになる。つまり、第一特別図柄をロング変動時間(この例では120秒)で変動表示するチャンスモード中には、最大で60回程度の普通判定を行うことが可能となっている。
また、上記したチャンスモード中における普通図柄の停止態様が普図当り図柄である場合には、時短状態での第二始動口扉2022の開放時間として6秒の間、突出状態に制御されて第二始動口2004への遊技球の受け入れが可能になる。そして、第二始動口2004へ遊技球が受け入れられたときには、第二特別図柄側の当り判定の記憶数である第二保留記憶数が増加するとともに、第二始動口扉2022が退避状態に制御されることになる。
なお、本例のパチンコ機1では第二特別図柄側の当り判定の結果として必ず大当りと小当りとの一方が得られるようになっている。また、本例のパチンコ機1では第二特別図柄側の当り判定の結果として小当りとなった場合には小当り遊技状態中に第二大入賞口2005bに遊技球が1球でも受け入れられると必ずそのうちの1球はV入賞口2411に振り分けられるようになっている。また、この例では小当り遊技状態中に右打ちを継続していれば第二大入賞口2005bに少なくとも1球は遊技球が受け入れられるように制御される。即ち、第二特別図柄側の当り判定の結果として小当りとなった場合には殆どの場合に大当りとなるため、第二特別図柄側の当り判定の結果として小当りとなったことは実質的に大当りとなる権利(当選権利)を獲得した状態といえる。
本例のチャンスモード中には、普通図柄が普図当り図柄で2回停止表示された場合が示されている。このような場合には、それぞれ第二始動口扉2022が突出状態であるときに第二始動口2004へ遊技球が受け入れられることで、第二特別図柄側の当り判定の記憶数である第二保留記憶数が2つ増加し、実質的に大当りとなる権利(当選権利)が2回獲得されている。なお、本例のチャンスモード中には、20〜40回程度の普通判定が行われるのに加えて、普通判定の結果が普図当り図柄となる確率が1/20に設定されていることで、平均として第二保留記憶数が1〜2つ増加し、実質的に大当りとなる権利(当選権利)が1〜2回獲得できるようになっている。
次いで、第一特別図柄の変動表示を開始してからロング変動時間の経過時に第一特別図柄を当り判定の結果に応じた図柄態様としてハズレ図柄が停止された場合には、非時短状態に移行するとともに、第二保留記憶数が2つあることに基づいて当選権利行使タイムに移行する。本例のパチンコ機1では第二保留記憶数がある場合に第一特別図柄よりも優先して第二特別図柄の変動表示が行われるため、当選権利行使タイムに移行すると、第一保留記憶数があるか否かにかかわらず第二保留記憶に基づいて第二特別図柄の変動表示が行われることになる。このとき、第二特別図柄の変動表示では、非時短状態での第二特別図柄の変動時間である2秒で変動表示が行われることになる。
本例の当選権利行使タイム中には、第二特別図柄が小当り図柄で停止表示された場合が示されている。このような場合には、小当り遊技状態を実行して第二大入賞口2005bを遊技球が受け入れ可能な状態にさせ、第二大入賞口2005bに入賞した遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことを条件として大当り遊技状態を実行し、その大当り遊技状態の各ラウンド遊技として第一大入賞口2005が開放状態(退避状態)となる。
また、第二特別図柄が小当り図柄であることに基づいて実行された小当り遊技状態中に遊技球がV入賞口2411に振り分けられた場合には、大当り遊技状態の終了後に必ず時短状態に制御する。また、当選権利行使タイムにおける1回目の大当り遊技状態の終了後には、2つ目の第二保留記憶に基づいて第二特別図柄の変動表示が行われる。このとき、第二特別図柄の変動表示では、非時短状態と同じく、時短状態での第二特別図柄の変動時間である2秒で変動表示が行われることになる。そして、第二特別図柄が小当り図柄で停止表示された場合には、小当り遊技状態を実行して第二大入賞口2005bを遊技球が受け入れ可能な状態にさせ、第二大入賞口2005bに入賞した遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことを条件として、当選権利行使タイムにおける2回目の大当り遊技状態が実行されることになる。
なお、当選権利行使タイムにおける2回目の大当り遊技状態の終了後には、時短状態が継続されるとともに、再びチャンスモードに移行する。つまり、チャンスモード中に普通判定に当選する限りは、当選権利タイムとチャンスモードとの間でループする遊技者にとって有利な状態を継続させることができる。
また、大当り遊技状態後に第一保留記憶数がない状態で時短状態を発生させる場合には、第一右始動口2002bへ遊技球が入賞する以前に第二始動口2004へ遊技球が入賞することがある。この場合には、第二特別図柄の変動表示が行われて小当り図柄や大当り図柄で停止表示されることにより発生した大当り遊技状態(小当り遊技状態中に第二大入賞口2005bbに入賞した遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことを条件として実行される大当り遊技状態を含む)を1回だけ実行した後に再びチャンスモードに移行することになる。即ち、大当り遊技状態後に第一保留記憶数がない状態で時短状態が発生して第一右始動口2002bへ遊技球が入賞する以前に第二始動口2004へ遊技球が入賞した場合、換言すると大当り遊技状態後に第一保留記憶数がない状態で時短状態が発生して第一特別図柄の変動表示以前に第二特別図柄の変動表示が実行された場合には実質的に大当りとなる権利(当選権利)が1回だけしか獲得できない。
一方、大当り遊技状態後に第一保留記憶数がある状態で時短状態を発生させる場合には、上記したように大当り遊技状態中には第二始動口2004への遊技球の入賞が殆ど発生しないことから大当り遊技状態後に第一特別図柄がロング変動時間で変動表示されるチャンスモードに移行する。このチャンスモード中には第二始動口2004への遊技球の入賞が発生してもロング変動時間で実行されている第一特別図柄の変動表示が停止するまでは第二始動口2004への遊技球の入賞に基づく第二特別図柄の変動表示が待機状態(保留)となる。即ち、チャンスモード中に第二始動口2004への遊技球の入賞が複数回発生することで第二特別図柄の複数回の変動表示が待機状態(保留)となり、実質的に大当りとなる権利(当選権利)を複数回獲得できる。
このように、本例のパチンコ機1は第二保留記憶数がある場合に第一特別図柄よりも優先して第二特別図柄の変動表示を行い、更に時短状態では第二保留記憶数を加算させる第二始動口2004に遊技球を入賞させ易くする制御を実行するものでありながらも、大当り遊技状態後に時短状態が発生した場合に第一特別図柄の変動表示以前に第二特別図柄の変動表示が行われるよりも第二特別図柄の変動表示以前に第一特別図柄の変動表示が行われた方が実質的に大当りとなる権利(当選権利)を複数回獲得できる可能性が高い状態となっている。換言すると、通常状態では主に第一特別図柄の変動表示を実行し、時短状態では主に第二特別図柄の変動表示を実行するものでありながらも、時短状態で第一特別図柄の変動表示が実行された場合には第二特別図柄の変動表示が実行された場合よりも実質的に大当りとなる権利(当選権利)を複数回獲得する可能性が高い状態となる。このように、主に第二特別図柄の変動表示が実行される時短状態において第一特別図柄の変動表示が実行された場合に有利度合いの高い状態が発生するという新規なゲーム性を実現でき、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、時短状態におけるロング変動時間での第一特別図柄の変動表示中(チャンスモード中)は、第二始動口2004への遊技球の入賞が1回だけ発生した状況下では、第二特別図柄の変動表示が実行された場合と同等の利益(実質的に大当りとなる権利(当選権利)を1回獲得)が遊技者に付与されるだけであるものの、2回目の第二始動口2004への遊技球の入賞が発生すると、その時点で、第二特別図柄の変動表示が実行された場合よりも遊技者に付与される利益度合いが大きくなる。これにより、時短状態におけるロング変動時間での第一特別図柄の変動表示の残り期間等に注目させつつ、ロング変動時間での第一特別図柄の変動過程で遊技者が獲得しうる利益度合いが変化するという新規なゲーム性も実現でき、この点でも遊技興趣の低下を抑止できる。
また、大当り遊技状態後に時短状態が発生した時点で第二保留記憶数がある場合には第一特別図柄よりも優先して第二特別図柄の変動表示を行うことで第一特別図柄の変動表示を抑制して、第一特別図柄がロング変動時間で変動表示されるチャンスモードが多発することを抑止するため、遊技者に過度に有利な状態となって射幸性が高くなり過ぎることを抑止できる。
[12.演出表示装置の表示内容について]
図165は、チャンスモード中の演出表示装置1600の表示内容を示す説明図である。通常モード中には演出表示装置1600の中央に左・中・右の3列からなる装飾図柄1605(左装飾図柄1605a、中装飾図柄1605b、右装飾図柄1605c)が拡大表示され、第一特別図柄の変動表示に同期して変動表示するようになっている。これに対し、図165に示すようにチャンスモード中には通常モード中と同様に演出表示装置1600の中央に左・中・右の3列からなる装飾図柄1605が拡大表示されるものの、これらの装飾図柄1605は第一特別図柄の変動表示に同期して変動表示されることはなく、普通図柄の変動表示に同期して変動表示するようになっている。
なお、演出表示装置1600の左下部には第一特別図柄の変動表示に対応して第一特図対応装飾図柄を変動表示する第一特図対応装飾表示領域1606と、第二特別図柄の変動表示に対応して第二特図対応装飾図柄を変動表示する第二特図対応装飾表示領域1607とが設けられている。この第一特図対応装飾表示領域1606と第二特図対応装飾表示領域1607とは上記通常モード中にも表示されるものであり、通常モード中に演出表示装置1600の中央部に表示されている装飾図柄に替えてキャラクタ等を表示した場合や、チャンスモード中に演出表示装置1600の中央部に表示されている装飾図柄を普通図柄の変動表示に同期させている場合であっても第一特別図柄や第二特別図柄の変動表示の状態を確認できるようになっている。
また、演出表示装置1600の右下部には普通図柄の変動表示に対応して普図対応装飾図柄を変動表示する普図対応装飾表示領域1608が設けられている。この普図対応装飾表示領域1608は上記第一特図対応装飾表示領域1606及び第二特図対応装飾表示領域1607と同様に上記通常モード中にも表示されるものであり、液晶表示装置1600の中央部に表示されている装飾図柄を第一特別図柄の変動表示に同期させている場合や、チャンスモード中に演出表示装置1600の中央部に表示されている装飾図柄に替えてキャラクタ等を表示した場合であっても普通図柄の変動表示の状態を確認できるようになっている。
また、演出表示装置1600の左端部には普通図柄の保留記憶数を普通図柄保留記憶領域に記憶される普通乱数に対応して表示する普図保留表示領域1609a〜1609dが設けられ、演出表示装置1600の右端部には第二保留記憶数を第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数に対応して表示する第二特図保留表示領域1610a〜1610dが設けられている。なお、上記したように第二保留記憶数がある状態とは実質的に大当りとなる権利(当選権利)を獲得した状態であるため、チャンスモード中に第二始動口2004へ遊技球が受け入れられると第二保留記憶数を星マークで表示することにより、特別な保留が発生したことを認識し得るようになっている。
また、チャンスモード中には演出表示装置1600の下部にチャンスモードの残り時間を表示するタイマ表示領域1611が表示される。上記したようにチャンスモードは第一特別図柄がロング変動時間(120秒)で変動表示されている期間に亘って制御されるものであり、この期間内にはゲート部2003に遊技球を通過させて普図当りを狙う遊技が行われる。タイマ表示領域1611には残り時間をカウントダウン方式で表示されており、遊技者はタイマ表示領域1611に表示されるチャンスモードの残り時間を意識しつつ普図当りの発生を狙うことで焦りや不安を抱くようになり、ドキドキハラハラした状態で遊技を行わせるとともに普図当りが発生して第二始動口2004へ遊技球が受け入れられた場合には達成感や満足感を与えることができ、遊技興趣が向上する。
また、チャンスモード中には演出表示装置1600の右上部にモード情報表示領域1612が表示される。このモード情報表示領域1612はチャンスモード中であること、及び右打ちすることを遊技者に通知するものであり、これによって遊技者が不利益を与えないようにしている。
[13.チャンスモード中の演出について]
本実施形態では、通常モードで遊技を開始し、通常モード中に大当りに当選して大当り遊技状態後に時短状態が発生することで通常モードよりも有利な状態であるチャンスモードに移行するが、そのようなチャンスモードでの演出表示装置1600を用いた演出について、図166を参照して説明する。
まず、チャンスモード中には、ゲート部2003を遊技球が通過すると、普図当りか否かの判定(普通判定)が行われ、この判定結果に基づく普通図柄の変動表示に同期して、演出表示装置1600にて装飾図柄の変動表示が行われる。そして、普通図柄の停止態様が普図当り図柄である場合には、装飾図柄の停止態様も当り図柄が表示され、第二始動口2004への入球が可能となる。このとき、第二始動口2004へ遊技球が入球したときには、第二特別図柄側の当り判定の記憶数である第二保留記憶数が増加することになる。
次いで、第一特別図柄をロング変動時間(この例では120秒)で変動表示するチャンスモード中には、ロング変動時間が経過するよりも前である残り10秒の段階(第一特別図柄の変動表示を開始してから110秒の段階)で、第二特別図柄側の当り判定の記憶数である第二保留記憶数があるか否かを判断する。そして、残り10秒の段階で、第二保留記憶数があった場合には、そのまま装飾図柄の停止態様が当り図柄となるか否かの演出を継続し、ロング変動時間の経過後には、第二保留記憶数があることに基づいて当選権利行使タイムに移行する。
一方で、ロング変動時間が経過するよりも前である残り10秒の段階で、第二保留記憶数がなかった場合には、演出表示装置1600を用いた演出として、装飾図柄の停止態様が当り図柄となるか否かの演出に変えて、変動表示中の第一特別図柄が大当り図柄で停止されるか否かの演出を実行する。具体的には、変動表示中の第一特別図柄が大当り図柄で停止されるか否かの演出として、バトル形式で演出(ラストバトル演出)を展開する。
次いで、変動表示中の第一特別図柄が大当り図柄で停止される場合には、ロング変動時間の経過時にラストバトル演出におけるバトルに勝利し、その後に第一特別図柄の変動表示が大当り図柄で停止されることに基づいて大当り遊技状態が実行されることになる。
一方で、変動表示中の第一特別図柄がハズレ図柄で停止される場合には、ロング変動時間の経過時にラストバトル演出におけるバトルに敗北し、そのラストバトル演出の実行中(ロング変動時間が経過するよりも前である残り10秒の期間)において第二保留記憶数が増加したか否かを判断する。すなわち、ロング変動時間が経過するよりも前である残り10秒の段階では、第二保留記憶数がなかったが、残り10秒が経過してロング変動時間が経過した時点で第二保留記憶数があることとなったか否かを判断する。
そして、ロング変動時間が経過するよりも前である残り10秒の段階では、第二保留記憶数がなかったが、ロング変動時間が経過した時点で第二保留記憶数があった場合には、ラストバトル演出におけるバトルの敗北から一転して、バトルに勝利する復活演出を実行し、その後に第二保留記憶数があることに基づいて当選権利行使タイムに移行する。なお、復活演出を実行する場合には、ロング変動時間が経過した時点(ラストバトル演出におけるバトルに敗北した時点)から、その後に第二保留記憶に基づいて開始される第二特別図柄の変動表示において、大当り図柄が停止表示されるまでの期間中に、その復活演出を実行するようにしている。これに対し、ロング変動時間が経過するよりも前である残り10秒の段階では、第二保留記憶数がなく、ロング変動時間が経過した時点でも第二保留記憶数がなかった場合には、ラストバトル演出におけるバトルの敗北が覆ることはなく、その後に第二保留記憶数がないことに基づいて通常モード(非時短状態)に移行する。
[14.チャンスモード及び当選権利行使タイム中の第二保留記憶の秘匿について]
本実施形態では、通常モードで遊技を開始し、通常モード中に大当りに当選して大当り遊技状態後に時短状態が発生することで通常モードよりも有利な状態であるチャンスモードに移行し、チャンスモード中に第二保留記憶が発生した場合には、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知しているが、所定の秘匿条件が成立した場合には、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知せず、第二保留記憶が発生した後の予め決められたタイミングでその旨を報知している。
上記したように、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第二始動口2004へ遊技球が入球したとき、主制御内蔵RAMの第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値を「1」加算するとともに、第二特別保留数表示器1406に表示される第二保留記憶数を「1」増加させている。また、周辺制御基板1510の周辺制御MPU1511aは、所定の秘匿条件が成立していない場合、第二保留記憶数を指示する特別図柄2記憶コマンド(第二保留数指定コマンド)に基づいて、第二保留記憶数が「1」増加したことを把握し、演出表示装置1600に表示される第二保留記憶数を「1」増加させている。なお、特別図柄2記憶コマンドは、第二保留記憶数が変化するときに主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信されるコマンドである。すなわち、第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二保留記憶数が「1」増加したとき、及び第二特別図柄の変動表示制御が開始されることに基づいて第二保留記憶数が「1」減少したときには、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ特別図柄2記憶コマンドが送信され、第二保留記憶数が増加したか否かを把握することができる。
一方で、周辺制御基板1510の周辺制御MPU1511aは、所定の秘匿条件が成立している場合、第二保留記憶数を指示する特別図柄2記憶コマンド(第二保留数指定コマンド)に基づいて、第二保留記憶数が「1」増加したことを把握するものの、演出表示装置1600に表示される第二保留記憶数を「1」増加させることなく維持させている。
具体的には、第二保留記憶が発生する際に秘匿条件が成立する場合とは、当選権利行使タイム中における小当り遊技状態や大当り遊技状態中において、第二始動口2004へ遊技球が入球した場合(後述する具体例1を参照)が挙げられる。また、チャンスモードの開始前の大当り遊技状態の終了間際に普通図柄の変動表示を開始し、大当り遊技状態の終了後に普通図柄が普図当り図柄で停止表示されることに基づいて第二始動口2004が入球可能状態となり、その入球可能状態となった第二始動口2004へ遊技球が入球した場合(後述する具体例2を参照)が挙げられる。また、チャンスモード中における第二始動口2004の入球可能状態において、その1回の入球可能状態(1回の第二始動口2004の開放)で、第二始動口2004へ2つ目以降の遊技球が入球した場合(後述する具体例3を参照)が挙げられる。
そして、上記した秘匿条件が成立し、第二保留記憶の発生が秘匿されている場合には、予め決められたタイミングが到来すると、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知している。本実施形態では、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知するタイミング(報知タイミング)として、「A:ラストバトル演出敗北後の復活演出」、「B:大当り遊技状態での4ラウンド目のボタン演出」、「C:大当り遊技状態や小当り遊技状態のエンディング期間での継続演出」を設けており、第二保留記憶の発生を秘匿したときの遊技状況(チャンスモード中であるか当選権利行使タイム中であるか等)、および、秘匿している第二保留記憶の個数、秘匿していない第二保留記憶の個数(開示している第二保留記憶の個数)に基づいて、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を、報知タイミングA〜Cのうちの所定の報知タイミング(例えば、最も早く報知できるタイミング)で報知することとしている。なお、報知タイミングとしては、予め定めておくものに限らず、報知タイミングを決定する抽選等を行うこととし、ランダムに設定するようにしてもよい。
一例として、当選権利行使タイム中における小当り遊技状態や大当り遊技状態中において、第二始動口2004へ遊技球が入球した場合には、その第二保留記憶の発生を秘匿することとしているが、たとえば、その秘匿の結果、秘匿している第二保留記憶が1個になる場合には、大当り遊技状態終了時のエンディング期間(本実施形態では5秒)が到来すると、通常時に行うエンディング演出ではなく後述の継続演出を実行することによって、秘匿している第二保留記憶を1つ報知する(後述する具体例1参照)。また、その秘匿の結果、秘匿している第二保留記憶が複数(例えば、秘匿している第二保留記憶が2個など)となる場合には、その大当り遊技状態終了時のエンディング期間(本実施形態では5秒)が到来すると、先に秘匿された第二保留記憶について報知し、且つ、次に開始された大当り遊技状態での4ラウンド目のボタン演出(後述)で、後に秘匿した第二保留記憶について報知することとしている。
また、チャンスモード中において第二保留記憶を発生した場合にその発生した第二保留記憶の全てが秘匿したものである場合には、チャンスモードの終了前(ロング変動時間の経過前)である残り10秒の期間において実行されるラストバトル演出(図166参照)においてバトルに敗北するものの、チャンスモードの終了後(ロング変動時間の経過後)にバトルの敗北から一転してバトルに勝利する復活演出を実行することで、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知している(後述する具体例2参照)。また、チャンスモード中に発生した第二保留記憶の全てが秘匿したものである場合にその秘匿した第二保留記憶が2つ以上である場合には、上記した復活演出において1つ目の第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知するのに加えて、当選権利行使タイム中における大当り遊技状態の実行中にボタン演出を実行することで、2つ目の第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知している。具体的には、当選権利行使タイム中における大当り遊技状態の実行中には、演出表示装置1600を用いた演出として、各々のラウンドが示されているが、例えば4ラウンド目で、第二保留記憶の発生が秘匿されているか否かを報知するボタン演出(追加演出)を実行している。このようなボタン演出において、操作ボタン410を操作したときには、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知し、操作ボタン410を操作しなかったときには、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知しないようにする。加えて、第二保留記憶の発生が秘匿されていない場合にもボタン演出を実行してもよく、このような場合、ボタン演出において操作ボタン410を操作したときには、第二保留記憶の発生が秘匿されていない旨を報知するようになっている。なお、2つ目の第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知した後、未だ第二保留記憶の発生が秘匿されている場合には、当選権利行使タイム中における大当り遊技状態が実行されるごとにボタン演出を実行することで、順次、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知している。
また、チャンスモード中において第二保留記憶を発生した場合にその発生した第二保留記憶の一部が秘匿したものである場合(例えば、2つのうち1つの第二保留記憶が秘匿である場合)には、第二保留記憶の発生が秘匿されていないもの(第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知したもの)が存在することから、ラストバトル演出は実行されない。このような場合には、当選権利行使タイム中における大当り遊技状態の実行中に、上記したボタン演出(追加演出)を実行することで、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知している(後述する具体例3参照)。なお、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知した後、未だ第二保留記憶の発生が秘匿されている場合には、当選権利行使タイム中における大当り遊技状態が実行されるごとにボタン演出を実行することで、順次、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知している。
なお、上記したように、当選権利行使タイム中における大当り遊技状態の実行中において、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知してもよいが、当選権利行使タイム中において、第二特別図柄が小当り図柄で停止表示されることに基づいて小当り遊技状態を実行しながらも、その小当り遊技状態にて第二大入賞口2005bに入球させることができず、大当り遊技状態が発生しない場合がある。このような場合には、小当り遊技状態の終了後、その小当り遊技状態の終了を示すエンディング演出(例えば、演出表示装置1600に「残念」の表示)を実行しうるエンディング期間(本実施形態では5秒)が設けられているが、そのエンディング期間において、小当り遊技状態の終了を示すエンディング演出ではなく、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知する演出(継続演出)を実行すればよい。
また、上記した秘匿条件が複数回成立し、複数の第二保留記憶の発生が秘匿されている場合には、予め決められた複数回のタイミングで第二保留記憶の発生が1つ秘匿されている旨を順次報知しているが、予め決められた1回のタイミングで複数の第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を一括して報知するようにしてもよい。
ところで、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知する場合において、その報知内容としては、第二保留記憶数が限度数(本例では、4個)に到達したか否かに応じて変化させている。具体的には、演出表示装置1600を用いた演出として、第二保留記憶数が限度数に到達していない場合には、第二保留記憶が1つ発生した旨を報知する演出を実行し、第二保留記憶数が限度数に到達した場合には、それ以降の演出として、通常時には実行されることがない特別演出(スペシャルムービーを流す等)を実行している。これにより、特別演出が実行された場合には、第二保留記憶数が限度数に到達した旨を認識することができる。また、上記した秘匿条件が成立した場合には、第二保留記憶数が限度数に到達したか否かにかかわらず、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知していないが、第二保留記憶数が限度数に到達した場合には、上記した特別演出を実行している。これにより、上記した秘匿条件が成立した場合であっても、少なくとも特別演出の実行によって第二保留記憶数が限度数に到達した旨を認識することができ、チャンスモード中における第二始動口2004への不要な打ち込みが避けられるようにしている。なお、上記した秘匿条件が成立した場合には、第二保留記憶が発生した後、予め決められたタイミングで既に第二保留記憶が発生している旨を報知する演出を実行しているが、上記した特別演出が実行された場合には、そのような演出を実行しないようにしている。
次に、第二保留記憶が発生した旨を秘匿する場合の具体例について、図167及び図170を参照して説明する。
まず、第一の具体例について、図167を参照して説明する。図167には、チャンスモード中において、第二特別図柄側の当り判定の記憶数である第二保留記憶が1つ発生した場合が示されている。このような場合には、演出表示装置1600を用いた演出として、第二保留記憶が1つ発生した時点でその旨を報知する報知演出を実行している。そして、チャンスモードの終了後には、第二保留記憶が1つ発生したことに基づいて当選権利行使タイムに移行するが、その当選権利行使タイム中には、第二特別図柄が小当り図柄で停止表示されることに基づいて小当り遊技状態を実行し、小当り遊技状態にて第二大入賞口2005bに入賞した遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことを条件として大当り遊技状態を実行している。このような大当り遊技状態中において、第二始動口2004へ遊技球が入球し、第二保留記憶が発生した場合には、大当り遊技状態における第二大入賞口2005bへの入球に集中させるため、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知していない。
そしてその後、実行中の大当り遊技状態が終了する場合には、演出表示装置1600を用いた演出として、大当り遊技状態の終了を示すエンディング演出を実行しうるエンディング期間(本実施形態では5秒)が設けられているが、そのエンディング期間には、大当り遊技状態の終了を示すエンディング演出ではなく、演出表示装置1600に「まだまだ!」の表示が行われることで第二保留記憶が発生した旨を報知する継続演出を実行し、当選権利行使タイムが継続することを認識させている。なお、エンディング期間では、大当り遊技状態の終了を示すエンディング演出を実行した後、例えば3秒が経過した時点で、継続演出に切り替えて実行するようにしてもよい。このように、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知せず、第二保留記憶が発生した後であるエンディング演出の実行中にその旨を報知することで、当選権利行使タイムが終了するとの認識から一転し、遊技者に意外性を与えることができる。
次に、第二の具体例について、図168を参照して説明する。図168には、チャンスモードの開始前の大当り遊技状態の終了間際に普通図柄の変動表示を開始し、チャンスモードの開始後に普通図柄の停止態様が普図当り図柄となり、時短状態での第二始動口扉2022の開放時間として6秒の間、突出状態に制御されて第二始動口2004への遊技球の入球が可能になる場合が示されている。このようなチャンスモードの開始前後にまたがった普通図柄の変動表示に対しては、演出表示装置1600を用いた演出が実行されていないため、チャンスモードの開始後に第二始動口2004へ遊技球が入球し、第二保留記憶が発生した場合であっても、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知していない。
そして、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知していない場合には、チャンスモードの終了前(ロング変動時間の経過前)である残り10秒の期間において、ラストバトル演出(図166参照)を実行している。このようなラストバトル演出では、チャンスモードの終了時(ロング変動時間の経過時)においてバトルに敗北するものの、チャンスモードの終了後(ロング変動時間の経過後)には、バトルの敗北から一転してバトルに勝利する復活演出を実行し、第一特別図柄の変動表示後に当選権利行使タイムが開始されることを認識させている。このように、チャンスモードの開始前後で普通図柄の変動表示がまたがった場合には、チャンスモードの開始直後に第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知せず、第二保留記憶の発生後にその旨を報知することで、当選権利行使タイムが開始されないとの認識から一転し、遊技者に意外性を与えることができる。
なお、第二の具体例では、チャンスモードの開始直後でのみ第二保留記憶が発生した場合が示されているが、チャンスモード中に第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて2つ目の第二保留記憶が発生し、2つ目の第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知し、当選権利行使タイムでの大当り遊技状態への移行が確定している場合がある。このような場合には、第二保留記憶が2つ発生したことに基づいて当選権利行使タイムに移行するが、その当選権利行使タイム中には、第二特別図柄が小当り図柄で停止表示されることに基づいて小当り遊技状態を実行し、小当り遊技状態にて第二大入賞口2005bに入賞した遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことを条件として大当り遊技状態を実行している。そのような大当り遊技状態の実行中には、演出表示装置1600を用いた演出として、各々のラウンドが示されているが、所定のラウンド(例えば、4ラウンド目)では、チャンスモードの開始直後に第二保留記憶が発生していた旨を報知する追加演出を実行し、大当り遊技状態の終了後に当選権利行使タイムが継続することを認識させている。このように、チャンスモードの開始直後に第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知せず、当選権利行使タイム中における大当り遊技状態の実行中にその旨を報知することで、当選権利行使タイムが終了するとの認識から一転し、遊技者に意外性を与えることができる。
次に、第三の具体例について、図169を参照して説明する。図169には、チャンスモード中において、普通図柄の停止態様が普図当り図柄である場合に、時短状態での第二始動口2004の開放時間として6秒の間、第二始動口扉2022が突出状態に制御されて第二始動口2004への遊技球の入球が可能になるが、その突出状態となった第二始動口2004へ2つの遊技球が入球し、第二特別図柄側の当り判定の記憶数である第二保留記憶が2つ連続して発生した場合が示されている。原則として、第二始動口2004へ遊技球が入球したときには、第二始動口扉2022が退避状態に制御されるが、その第二始動口扉2022が退避状態に制御されるよりも前に、第二始動口2004へ2つ目の遊技球が入球する場合がある。このような場合には、演出表示装置1600を用いた演出として、第二保留記憶が1つ発生した時点でその旨を報知する報知演出を実行している。しかしながら、2つ目の第二保留記憶が発生した時点では、1つの遊技球が第二始動口2004へ入球することで第二始動口扉2022が退避状態に制御されることを意識付けるため、その旨を報知していない。
そして、チャンスモードの終了後には、第二保留記憶が2つ発生したことに基づいて当選権利行使タイムに移行するが、その当選権利行使タイム中には、第二特別図柄が小当り図柄で停止表示されることに基づいて小当り遊技状態を実行し、小当り遊技状態にて第二大入賞口2005bに入賞した遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことを条件として大当り遊技状態を実行している。そのような大当り遊技状態の実行中には、演出表示装置1600を用いた演出として、各々のラウンドが示されているが、所定のラウンド(例えば、4ラウンド目)では、チャンスモード中に2つ目の第二保留記憶が発生していた旨を報知する追加演出を実行し、大当り遊技状態の終了後に当選権利行使タイムが継続することを認識させている。このように、チャンスモード中に2つ目の第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知せず、1つ目の第二保留記憶が発生したことに基づいた大当り遊技状態の実行中にその旨を報知することで、当選権利行使タイムが終了するとの認識から一転し、遊技者に意外性を与えることができる。
次に、第四の具体例について、図170を参照して説明する。なお、第四の具体例では、図166に示したラストバトル演出を実行しない場合が示されている。
図170には、チャンスモード中において、第二特別図柄側の当り判定の記憶数である第二保留記憶が1つ発生した場合が示されている。このような場合には、演出表示装置1600を用いた演出として、第二保留記憶が1つ発生した時点でその旨を報知する報知演出を実行している。そして、チャンスモードの終了間際(残り3秒未満)に普通図柄の変動表示を開始し、チャンスモードの終了前後で普通図柄の停止態様が普図当り図柄となり、時短状態での第二始動口2004の開放時間として6秒の間、第二始動口扉2022が突出状態に制御されて第二始動口2004への遊技球の入球が可能になる場合がある。このようなチャンスモードの終了前後で第二始動口2004へ遊技球が入球し、第二保留記憶が発生した場合には、チャンスモード中にその旨を報知することが間に合わず、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知していない。
そして、チャンスモードの終了後には、第二保留記憶が発生したことに基づいて当選権利行使タイムに移行するが、その当選権利行使タイム中には、第二特別図柄が小当り図柄で停止表示されることに基づいて小当り遊技状態を実行し、小当り遊技状態にて第二大入賞口2005bに入賞した遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことを条件として大当り遊技状態を実行している。そのような大当り遊技状態の実行中には、演出表示装置1600を用いた演出として、各々のラウンドが示されているが、所定のラウンド(例えば、4ラウンド目)では、チャンスモードの終了前後で第二保留記憶が発生していた旨を報知する追加演出を実行し、大当り遊技状態の終了後に当選権利行使タイムが継続することを認識させている。このように、チャンスモードの終了前後で第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知せず、1つ目の第二保留記憶が発生したことに基づいた大当り遊技状態の実行中にその旨を報知することで、当選権利行使タイムが終了するとの認識から一転し、遊技者に意外性を与えることができる。
なお、第四の具体例では、チャンスモードの終了間際(残り3秒未満)よりも前において、第二始動口2004へ遊技球が入球し、1つ目の第二保留記憶が発生したことに基づいて当選権利行使タイムでの大当り遊技状態に移行した場合が示されているが、その時点では第二始動口2004へ遊技球が入球しておらず、当選権利行使タイムでの大当り遊技状態への移行が確定していない場合がある。このような場合、例えば、チャンスモードの終了間際(残り3秒未満)に第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二保留記憶が発生し、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知しない場合には、チャンスモードの終了後にそのチャンスモードの終了を示すエンディング演出を実行しうるエンディング期間(本実施形態では5秒)において、チャンスモードの終了間際(残り3秒未満)に第二保留記憶が発生していた旨を報知する追加演出を実行し、チャンスモードの終了後に当選権利行使タイムが開始されることを認識させてもよい。また、例えば、チャンスモードの終了後に第二始動口2004へ遊技球が入球したことに基づいて第二保留記憶が発生し、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知しない場合には、チャンスモードの終了後(チャンスモードのエンディング演出の終了後)に行われる第一特別図柄の変動表示中(ハズレ変動)において、チャンスモードの終了後に第二保留記憶が発生していた旨を報知する追加演出を実行し、第一特別図柄の変動表示後に当選権利行使タイムが開始されることを認識させてもよい。これらによっても、チャンスモードの終了前後で第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知せず、第二保留記憶の発生後にその旨を報知することで、当選権利行使タイムが開始されないとの認識から一転し、遊技者に意外性を与えることができる。
[14−1.チャンスモード及び当選権利行使タイム中に電源遮断が発生した場合について]
本実施形態では、停電や瞬停など、パチンコ機1への電源が遮断されたとき、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御内蔵RAMに保存するバックアップ処理(図示しない)を実行している。そして、パチンコ機1への電源を投入したときに操作スイッチ954が操作されていなければ、初期化処理(ステップS1)を実行することなくバックアップ処理で主制御内蔵RAMに保存された情報を参照し、該情報に応じた状態に復帰させる復帰処理を実行している。このため、主制御基板1310側では、チャンスモード及び当選権利行使タイム中に電源が遮断された場合であっても、電源の投入により、電源遮断前の状態に復帰することとなる。
すなわち、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、チャンスモードの残り時間(第一特別図柄の変動時間の残り時間)の分だけ、第一特別図柄表示器1403での第一特別図柄の変動表示が再開されることとなる。また、チャンスモード中における普通図柄の変動表示中に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、普通図柄の変動時間の残り時間の分だけ、普通図柄表示器1402での普通図柄の変動表示が再開されることとなる。また、チャンスモード中における第二始動口2004の開放中(第二始動口扉2022が突出状態に制御中)に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、第二始動口2004の開放時間の残り時間の分だけ、第二始動口2004の開放(第二始動口扉2022の突出状態)が再開されることとなる。また、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、第一保留記憶数、第二保留記憶数、普図保留記憶数(普通図柄の保留記憶数)が電源遮断前の状態に復帰し、第一特別保留数表示器1404、第二特別保留数表示器1406、普通保留表示器1408での表示が再開されることとなる。
一方で、当選権利行使タイム中における第二特別図柄の変動表示中に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、第二特別図柄の残り時間の分だけ、第二特別図柄表示器1405での第二特別図柄の変動表示が再開されることとなる。また、当選権利行使タイム中における第二大入賞口2005bの開放中(小当り遊技状態中)に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、第二大入賞口2005bの開放時間の残り時間の分だけ、第二大入賞口2005bの開放が再開されることとなる。また、当選権利行使タイム中における第一大入賞口2005(大当り遊技状態中)の開放中に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、第一大入賞口2005の開放時間の残り時間の分だけ、第一大入賞口2005の開放が再開されることとなる。また、当選権利行使タイム中に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、第一保留記憶数、第二保留記憶数、普図保留記憶数(普通図柄の保留記憶数)が電源遮断前の状態に復帰し、第一特別保留数表示器1404、第二特別保留数表示器1406、普通保留表示器1408での表示が再開されることとなる。
ところで、主制御基板1310側では、チャンスモード及び当選権利行使タイム中に電源が遮断された場合、電源遮断時に主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源があり、遊技の進行状況を示す情報(例えば各種フラグ等)を主制御内蔵RAMに保存するバックアップ処理を実行するため、電源の投入により、電源遮断前の状態に復帰するのに対し、周辺制御基板1510側では、電源遮断時に周辺制御基板1510に電力を供給するためのバックアップ電源がなく、バックアップ処理も実行しないため、電源が投入されても、電源遮断前の状態に復帰することができない。
すなわち、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、周辺制御基板1510側が制御する演出表示装置1600の表示が再開されることとなる。しかしながら、電源遮断前には、演出表示装置1600における第一特図対応装飾表示領域1606(図165参照)に第一特図対応装飾図柄が変動表示されているが、電源投入により、周辺制御基板1510側では第一特別図柄表示器1403での第一特別図柄の変動表示が再開されることを把握することができず、演出表示装置1600における第一特図対応装飾表示領域1606に第一特図対応装飾図柄の変動表示を再開することがない。また、電源遮断前には、演出表示装置1600にチャンスモードの残り時間を示すタイマ表示領域1610(図165参照)が表示されているが、電源投入により、周辺制御基板1510側では第一特別図柄表示器1403での第一特別図柄の変動時間の残り時間(チャンスモードの残り時間)を把握することができず、演出表示装置1600におけるタイマ表示領域1610にチャンスモードの残り時間を示すことなく、電源投入時用の特定の表示(例えば「??:??」のように遊技者に残り時間を伝えられない表示)を行っている。また、チャンスモード中に電源遮断しなければ、チャンスモードの終了前(ロング変動時間の経過前)である残り10秒の期間においてラストバトル演出を実行しうるが、電源投入により、周辺制御基板1510側では第一特別図柄表示器1403での第一特別図柄の変動時間の残り時間(チャンスモードの残り時間)を把握することができず、演出表示装置1600を用いた演出としてラストバトル演出を実行することがなく、ラストバトル演出の実行前における演出(背景表示など)と同様の演出を行う。ただし、電源投入時(電源復帰時)には、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ電源投入時の遊技状態を示す電源投入時状態コマンドが送信されるため、周辺制御基板1510側では時短状態中(チャンスモード中)であることを把握し、演出表示装置1600にはチャンスモード中であることを示すモード情報表示領域1612(図165参照)などの表示態様を復帰させることができる。
また、電源遮断前には、演出表示装置1600における普図対応装飾表示領域1608に普図対応装飾図柄を変動表示するとともに左・中・右の装飾図柄1605を変動表示(図165参照)しているが、チャンスモード中における普通保留表示器1408での普通図柄の変動表示中に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、周辺制御基板1510側では普通図柄の変動表示が再開されることを把握することができず、演出表示装置1600における普図対応装飾表示領域1608での普図対応装飾図柄の変動表示や、左・中・右の装飾図柄1605の変動表示を再開することなく、電源投入時用の装飾図柄1605の組合せ表示(例えば「123」のように予め定められた組合せ表示)を行っている。ただし、電源投入後(電源復帰後)において、普通保留表示器1408での新たな普通図柄の変動表示が開始される場合には、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ普図同調演出開始コマンドが送信されるため、そのタイミングで周辺制御基板1510側では新たな普通図柄の変動表示が開始されることを把握でき、、演出表示装置1600には普図対応装飾表示領域1608での普図対応装飾図柄の変動表示や、左・中・右の装飾図柄1605の変動表示を再開することができる。
また、電源遮断前には、演出表示装置1600における普図保留表示領域1609a〜1609dに普図保留記憶数(普通図柄の保留記憶数)を表示(図165参照)しているが、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、周辺制御基板1510側では普図保留記憶数を把握することができず、演出表示装置1600における普図保留表示領域1609a〜1609dでの普図保留記憶数の表示を再開することなく、普図保留記憶数の表示を非表示としている。ただし、電源投入後(電源復帰後)において、普図保留記憶数が変化するとき(ゲート部2003への遊技球の通過時や、普通図柄表示器1402における普通図柄の変動表示制御の開始時)には、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ普通図柄記憶コマンドが送信されるため、そのタイミングで周辺制御基板1510側では普図保留記憶数を把握でき、その後に普図保留記憶数の表示を再開することができる。
また、電源遮断前には、演出表示装置1600における第二特図保留表示領域1610a〜1610dに第二保留記憶数(第二保留記憶の発生が秘匿されているものを除く。)を表示(図165参照)しているが、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合には、電源投入により、周辺制御基板1510側では第二保留記憶数を把握することができず、演出表示装置1600における第二特図保留表示領域1610a〜1610dでの第二保留記憶数の表示を再開することなく、第二保留記憶数の表示を非表示としている。そして、電源投入後(電源復帰後)において、第二保留記憶数が変化するとき(第二始動口2004への遊技球の入球時や、第二特別図柄表示器1405における第二特別図柄の変動表示制御の開始時)には、主制御基板1310から周辺制御基板1510へ特別図柄2記憶コマンド(保留数コマンド)が送信されるため、そのタイミングで周辺制御基板1510側では第二保留記憶数を把握することができる。しかしながら、第二保留記憶数については、普図保留記憶数のときとは異なり、電源投入後(電源復帰後)における第二保留記憶数の変化時に、周辺制御基板1510側では第二保留記憶数を把握しながらも、演出表示装置1600における第二特図保留表示領域1610a〜1610dに第二保留記憶数の表示を再開することなく第二保留記憶数の非表示を継続し、チャンスモード中には第二保留記憶の全てを秘匿した状態に変化させている。すなわち、チャンスモード中における電源遮断前に第二保留記憶の発生が秘匿されていなかったものは、チャンスモード中における電源投入後(電源復帰後)において、第二保留記憶の発生が秘匿した状態に変化することとしている。一方で、チャンスモード中における電源遮断前に第二保留記憶の発生が秘匿されていたものは、チャンスモード中における電源投入後(電源復帰後)において、第二保留記憶の発生が秘匿した状態が維持することとしている。
上記したように、チャンスモード中や当選権利行使タイム中において、電源投入後(電源復帰後)における第二保留記憶数の変化時には、周辺制御基板1510側では第二保留記憶数を把握しうるものの、電源遮断前における第二保留記憶の発生が秘匿されていたか否かについては、周辺制御基板1510側で決定されていたことから、電源投入後(電源復帰後)には把握することができない。例えば、チャンスモード中や当選権利行使タイム中において、電源遮断前に第二保留記憶の発生が秘匿されていたか否かに関わらず、電源投入後(電源復帰後)における第二保留記憶数の変化時に、第二保留記憶数の全てを開示した状態に変化させた場合、電源遮断前に第二保留記憶の発生が秘匿されていたものまで開示した状態となり、演出表示装置1600に表示される第二保留記憶数が突然増加することにより、遊技者に違和感を与えてしまう。これに対し、本実施形態では、チャンスモード中や当選権利行使タイム中において、電源遮断前に第二保留記憶の発生が秘匿されていたか否かに関わらず、電源投入後(電源復帰後)には、第二保留記憶数の変化時であっても、すべての第二保留記憶を秘匿しておき、前述した報知タイミングA〜Cの到来により、電源投入後(電源復帰後)に秘匿された第二保留記憶について1つずつ個別に報知するようにすることで、第二保留記憶数が突然増加することによる違和感を遊技者に与えることを抑制している。すなわち、電源投入(電源復帰)後に第二保留記憶数に関する情報を周辺制御基板1510側で把握したときの遊技状況(チャンスモード中であるか当選権利行使タイム中であるか等)、および把握した第二保留記憶の個数に基づき、前述した報知タイミングA〜Cが順次に到来するたびに電源投入後(電源復帰後)に秘匿された第二保留記憶について1つずつ個別に報知するようにしている。また、秘匿した第二保留記憶を個別に報知するにあたり、少なくとも次の大当り遊技状態が開始されるよりも前のタイミングで1つの第二保留記憶を報知することとしているため、遊技者に損失を与えることも防止できる。
また、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合には、電源投入後(電源復帰後)に第二始動口2004へ遊技球が入球し、新たな第二保留記憶が発生したとしても、その第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知しないようにしている(第二保留記憶の発生を秘匿した状態としている)。すなわち、チャンスモード中に電源遮断が発生しない場合には、第二保留記憶が発生する際に秘匿条件が成立しない入球タイミングであって、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知するもの(第二保留記憶の発生を開示した状態とするもの)であっても、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合における電源投入後(電源復帰後)には、第二保留記憶が発生した時点でその旨を報知しないようにしている(第二保留記憶の発生を秘匿した状態としている)。このように、本実施形態では、チャンスモード中に電源遮断が発生しない場合と、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合とで、第二保留記憶が発生した際に秘匿するか否かの態様を相違させている。これによって、例えば、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合における電源投入後(電源復帰後)には、その電源投入(電源復帰)の前後において発生した第二保留記憶の全てが秘匿されていることで、チャンスモード中に第二保留記憶がいくつ発生したかを遊技者が認識しがたくなり、その後の当選権利行使タイム中における大当り遊技状態の発生に期待をもちながら遊技を行わせるという、新たなゲーム性を与えることができる。なお、電源投入後(電源復帰後)に新たな第二保留記憶が発生した際に、その第二保留記憶の発生を秘匿する処理を継続する期間としては、一連の有利状態(チャンスモードおよび当選権利行使タイム)がすべて終了して通常の状態に制御されるまでとしてもよいし、電源投入後(電源復帰後)に大当り遊技状態を終了して次のチャンスモード(残り時間のタイマーが作動する正常なチャンスモード)が開始されるまでとしてもよい。
なお、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合における電源投入後(電源復帰後)には、電源投入後(電源復帰後)に新たに行われた普通図柄についての抽選処理(普通判定)の結果が普通当りであれば普図対応装飾表示領域1608に普図対応装飾図柄の当り図柄を停止表示するとともに、左・中・右の装飾図柄1605の当り図柄を停止表示することとしているが、別例として、次のように構成してもよい。すなわち、電源投入後(電源復帰後)に新たに行われた普通図柄についての抽選処理(普通判定)の結果が普通当りであった場合に、左・中・右の装飾図柄1605として当り図柄ではない図柄(例えば、バラケ目)を停止表示してもよい。このような場合には、電源投入後(電源復帰後)において、第一特別図柄の変動時間の残り時間(チャンスモードの残り時間)だけでなく、第二保留記憶が発生する可能性すらも遊技者が認識しがたくし、突如として現れる第二始動口2004の開放(第二始動口扉2022の突出状態)等に関する遊技領域5aでの変化に一層注視させる遊技状況を創り得ることが可能となる。
そして、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合には、電源投入(電源復帰)の前後において発生した第二保留記憶の全てが秘匿されているが、その後の当選権利行使タイム中において、順次、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知している。なお、上記したように、チャンスモード中に電源遮断が発生しない場合には、第二保留記憶の発生を秘匿したときの遊技状況(チャンスモード中であるか当選権利行使タイム中であるか等)、および、秘匿している第二保留記憶の個数、秘匿していない第二保留記憶の個数(開示している第二保留記憶の個数)に基づいて、報知タイミングを異ならせているのに対し、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合には、電源投入(電源復帰)の前後において発生した第二保留記憶の全てが秘匿されているため、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知するタイミングとして別の決め方がなされている。
具体的には、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合には、その後の当選権利行使タイムの開始時(第二特別図柄の変動表示中)において、演出表示装置1600を用いた演出として当選権利行使タイムが開始されることを示す開始時演出を実行することで、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知している。また、電源投入(電源復帰)の前後において発生した第二保留記憶の全てが秘匿されているが、その秘匿した第二保留記憶が2つ以上である場合には、上記した開始時演出において1つ目の第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知するのに加えて、当選権利行使タイム中における大当り遊技状態の実行中に、上記したボタン演出を実行することで、2つ目の第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知している。なお、2つ目の第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知した後、未だ第二保留記憶の発生が秘匿されている場合には、当選権利行使タイム中における大当り遊技状態が実行されるごとにボタン演出を実行することで、順次、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知している。このように、電源投入後(電源復帰後)にすべての第二保留記憶を秘匿し、且つ、秘匿した第二保留記憶を所定のタイミングで個別に報知することで、前述したように第二保留記憶数が突然増加することによる違和感を遊技者に与えてしまうことを抑制できる。また、秘匿した第二保留記憶を個別に報知するにあたり、少なくとも次の大当り遊技状態が開始されるよりも前に1つの第二保留記憶を報知することとしているため、遊技者に損失を与えることも防止できる。
なお、上記したように、演出表示装置1600を用いた演出として、第二保留記憶数が限度数に到達した場合には、それ以降の演出として、通常時には実行されることがない特別演出(スペシャルムービーを流す等)を実行しているが、チャンスモード中における電源投入(電源復帰)の前後において、第二保留記憶数が限度数に到達した場合にも、上記した特別演出を実行している。これにより、電源投入(電源復帰)の前後において、第二保留記憶の発生が全て秘匿されている場合であっても、少なくとも特別演出の実行によって第二保留記憶数が限度数に到達した旨を認識することができ、チャンスモード中における第二始動口2004への不要な打ち込みが避けられるようにしている。
次に、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合の具体例(第五の具体例)について、図171を参照して説明する。図171には、チャンスモード中における電源遮断が発生するよりも前に、第三の具体例と同じく、突出状態となった第二始動口2004へ2つの遊技球が入球し、第二特別図柄側の当り判定の記憶数である第二保留記憶が2つ連続して発生した場合が示されている。このような場合には、演出表示装置1600を用いた演出として、第二保留記憶が1つ発生した時点でその旨を報知する報知演出を実行しているが、2つ目の第二保留記憶が発生した時点では、その旨を報知することなく、演出表示装置1600に表示される第二保留記憶数も増加させずに秘匿した状態としている。
そして、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合における電源投入後(電源復帰後)には、演出表示装置1600に第二保留記憶数が表示されないことで、電源遮断前に発生した2つの第二保留記憶のいずれもが秘匿した状態となっている。また、チャンスモード中に電源遮断が発生した場合における電源投入後(電源復帰後)において、3つ目の第二保留記憶が発生した場合には、その3つ目の第二保留記憶が発生した時点では、その旨を報知しておらず、演出表示装置1600に表示される第二保留記憶数も増加させていない。
そして、チャンスモードの終了後には、第二保留記憶が3つ発生したことに基づいて当選権利行使タイムに移行するが、その当選権利行使タイムの開始時(第二特別図柄の変動表示中)において、演出表示装置1600を用いた演出として当選権利行使タイムが開始されることを示す開始時演出を実行することで、第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知している。また、当選権利行使タイム中における1回目の大当り遊技状態の実行中には、演出表示装置1600を用いた演出として、各々のラウンドが示されているが、所定のラウンド(例えば、4ラウンド目)では、チャンスモード中に2つ目の第二保留記憶が発生していた旨を報知する追加演出を実行し、大当り遊技状態の終了後に当選権利行使タイムが継続することを認識させている。このように、チャンスモード中に発生した2つ目の第二保留記憶を秘匿した状態とし、1つ目の第二保留記憶が発生したことに基づいた大当り遊技状態の実行中にその旨を報知することで、当選権利行使タイムが終了するとの認識から一転し、遊技者に意外性を与えることができる。
同様に、当選権利行使タイム中における2回目の大当り遊技状態の実行中には、演出表示装置1600を用いた演出として、各々のラウンドが示されているが、所定のラウンド(例えば、4ラウンド目)では、チャンスモード中に3つ目の第二保留記憶が発生していた旨を報知する追加演出を実行し、大当り遊技状態の終了後に当選権利行使タイムが継続することを認識させている。このように、チャンスモード中に発生した3つ目の第二保留記憶を秘匿した状態とし、2つ目の第二保留記憶が発生したことに基づいた大当り遊技状態の実行中にその旨を報知することで、当選権利行使タイムが終了するとの認識から一転し、遊技者に意外性を与えることができる。
次に、当選権利行使タイム中に電源遮断が発生した場合の具体例(第六の具体例)について、図172を参照して説明する。図172には、チャンスモード中において、第三の具体例と同じく、突出状態となった第二始動口2004へ2つの遊技球が入球し、第二特別図柄側の当り判定の記憶数である第二保留記憶が2つ連続して発生した場合が示されている。このような場合には、演出表示装置1600を用いた演出として、第二保留記憶が1つ発生した時点でその旨を報知する報知演出を実行しているが、2つ目の第二保留記憶が発生した時点では、その旨を報知しておらず、演出表示装置1600に表示される第二保留記憶数も増加させていない。
そして、チャンスモードの終了後には、第二保留記憶が2つ発生したことに基づいて当選権利行使タイムに移行するが、その当選権利行使タイム中における大当り遊技状態の実行中には、演出表示装置1600を用いた演出として、各々のラウンドが示されている。そして、当選権利行使タイム中における大当り遊技状態の実行中に電源遮断が発生した場合には、電源遮断前における第二保留記憶の発生が秘匿されていたか否かについては、電源投入後(電源復帰後)、周辺制御基板1510側で把握することができない。このため、第三の具体例では、大当り遊技状態の実行中における所定のラウンド(例えば、4ラウンド目)で、演出表示装置1600を用いた演出として、チャンスモード中に第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知する追加演出を実行していたのに対し、第六の具体例では、大当り遊技状態の実行中における所定のラウンド(例えば、4ラウンド目)で、そのような追加演出を実行せず、他の演出(例えば3ラウンド目と同様の演出)を行うこととしている。
そして、大当り遊技状態の終了後には、2つ目の第二保留記憶が発生したことに基づいた第二特別図柄の変動表示が開始されているが、その第二特別図柄の変動表示中には、演出表示装置1600に「まだまだ!」の表示が行われることで、チャンスモード中に第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知する継続演出を実行し、当選権利行使タイムが継続することを認識させている。このように、当選権利行使タイム中における大当り遊技状態の実行中に電源遮断が発生した場合には、予め決められたタイミングとしての大当り遊技状態の実行中における所定のラウンド(例えば、4ラウンド目)で、第三の具体例のような追加演出を実行することがなく、代わりに、2つ目の第二保留記憶が発生したことに基づいた第二特別図柄の変動表示中にその旨を報知することで、当選権利行使タイムが終了するとの認識から一転し、遊技者に意外性を与えることができる。
なお、演出表示装置1600には、第二特図保留表示領域1610a〜1610dに第二保留記憶数(第二保留記憶の発生が秘匿されているものを除く。)を表示(図165参照)しているが、それとは別に、演出表示装置1600の画面端部に第二特図保留表示領域1610a〜1610dよりも小さい数字保留表示領域を設け、その数字保留表示領域に第二保留記憶数を数字保留(例えば、第二保留記憶数が1個であれば「1」、2個であれば「2」など)によって表示するようにしてもよい。このとき、数字保留表示領域の前方においては、センター役物2500に設けられた役物(可動体など)が被さることとし、遊技者が覗き込まなければ数字保留表示領域に表示された数字保留が視認できないように構成している。また、第二特図保留表示領域1610a〜1610dには、第二保留記憶の発生が秘匿されているものが表示されていないのに対し、数字保留表示領域には、第二特図保留表示領域1610a〜1610dで第二保留記憶の発生が秘匿されているか否かに関わらず、数字保留の表示によって第二保留記憶の正確な個数が示されている。これにより、第二特図保留表示領域1610a〜1610dにおいて、第二保留記憶の発生が秘匿された時点でその秘匿を楽しみたい遊技者にとっては、数字保留表示領域に表示された数字保留を視認しないようにすればよい。一方で、第二保留記憶の個数を正確に把握したい遊技者にとっては、役物(可動体など)の裏側を覗き込むことで数字保留表示領域に表示された数字保留を視認するようにすればよい。なお、第二保留記憶数については、普図保留記憶数のときとは異なり、電源投入後(電源復帰後)における第二保留記憶数の変化時に、周辺制御基板1510側では第二保留記憶数を把握しながらも、演出表示装置1600における第二特図保留表示領域1610a〜1610dに第二保留記憶数の表示を再開することなく第二保留記憶数の非表示を継続し、チャンスモード中には第二保留記憶の全てを秘匿した状態に変化させている。これに対し、演出表示装置1600における数字保留表示領域では、電源投入後(電源復帰後)における第二保留記憶数の変化時に、数字保留の表示を復帰させることで第二保留記憶の個数を正確に把握しうるようになっている。
また、本実施形態では、チャンスモード中に電源遮断することを契機として、電源投入後(電源復帰後)に発生した第二保留記憶の全てを秘匿するように切り替えているが、チャンスモード中に第二保留記憶の発生を秘匿することとする「秘匿有りモード」と、チャンスモード中に第二保留記憶の発生を秘匿しない(全て開示する)こととする「秘匿なしモード」と、を操作ボタン410の操作によって遊技者が選択しうるようにしてもよい。このような場合、「秘匿有りモード」では、第二保留記憶の発生した時点でその旨を報知せず、チャンスモード終了後の当選権利行使タイム中に第二保留記憶の発生が秘匿されている旨を報知しているのに対し、「秘匿なしモード」では、第二保留記憶の発生した時点でその旨を報知することから、第二保留記憶の発生を遊技者が認識するタイミングが異なることとなり、遊技者が選択したモードによって異なるゲーム性を楽しませることができる。
[15.演出例]
次に、演出表示装置1600で実行される演出表示の態様例について説明する。図173は通常モードからチャンスモードに移行制御し、チャンスモード中に第二始動口2004に遊技球が受け入れられた場合に実行される演出表示の一例であり、図174はチャンスモード中に第二始動口2004に遊技球が受け入れられることなくチャンスモードを終了する場合に実行される演出表示の一例であり、図175はチャンスモードの残り時間が10秒となった場合に第二保留記憶数がなければ実行されるラストバトル演出中の演出表示の一例であって、第一特別図柄のロング変動時間での変動表示の結果としてハズレとなる場合に第二始動口2004に遊技球が受け入れられたときに実行される演出表示の一例であり、図176は第一特別図柄のロング変動時間での変動表示の結果として大当りとなる場合のラストバトル演出で実行される演出表示の一例である。
図173(A)に示すように、第一特別図柄側の当り判定の結果として大当り遊技状態後に時短状態に制御する大当り(10R大当りA)となった場合に第一特別図柄の変動表示に同期して第一特図対応装飾表示領域1606に第一特図対応装飾図柄を変動表示するとともに左・中・右の装飾図柄1605を変動表示し、所定期間経過後に第一特図対応装飾表示領域1606に第一特図対応装飾図柄の大当り図柄を停止表示するとともに左・中・右の装飾図柄1605の大当り図柄を停止表示すると、大当りとなったことを通知した後、大当り遊技状態の制御を開始する(図173(B))。なお、図173(A)に示すように通常モード中には演出表示装置1600に上記第一特図対応装飾表示領域1606、第二特図対応装飾表示領域1607、及び普図対応装飾表示領域1608に加えて、下部に第一保留記憶数を第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数に対応して表示する第一特図保留表示領域1613a〜1613dが設けられている。
そして、大当り遊技状態後にチャンスモード(時短状態)に制御することを通知するとともに、モード情報表示領域1612に右打ちすることを表示し(図173(C))、第一保留記憶数が0でなくなった時点で第一特別図柄をロング変動時間で変動表示させるとともに、第一特別図柄の変動表示に同期して第一特図対応装飾表示領域1606に第一特図対応装飾図柄を変動表示する(図173(D))。なお、上記したようにチャンスモード中にはチャンスモードの残り時間を示すタイマ表示領域1610が表示され、第一特別図柄の変動表示を開始してからの経過時間に応じてタイマ表示領域1610に表示される残り時間を更新表示している。
また、普通図柄の保留記憶数が0でなくなった時点で普通図柄の変動表示に同期して、普図対応装飾表示領域1608に普図対応装飾図柄を変動表示するとともに左・中・右の装飾図柄1605を変動表示し、所定期間経過後に普図対応装飾表示領域1608に普図対応装飾図柄を普通図柄についての抽選処理の結果に応じた図柄で停止表示するとともに、左・中・右の装飾図柄1605を普通図柄についての抽選処理の結果に応じた図柄で停止表示する(図173(E))。このとき、普通図柄についての抽選処理(普通判定)の結果が普通当りであれば普図対応装飾表示領域1608に普図対応装飾図柄の当り図柄を停止表示するとともに、左・中・右の装飾図柄1605の当り図柄を停止表示する(図173(F))。
主制御基板1310は普通図柄表示器1402に普通図柄の当り図柄が停止表示すると、第二始動口2004の第二始動口扉2022を前進させて所定期間に亘って突出状態にすることで第二始動口2004の状態を遊技球の受け入れ可能な開放状態に制御する。そして、この第二始動口2004の開放状態中に第二始動口2004に遊技球が受け入れられて第二特別図柄の保留が発生すると、演出表示装置1600に「大当りゲット」と表示するとともに第二特図保留表示領域1610a〜1610dのうち発生した保留に対応する領域(図173(G)の例では第二特図保留表示領域1610a)の星マークを特別な態様(例えば赤色等)で表示することで実質的に大当りとなる権利(当選権利)を獲得したことを通知する(図173(G))。
その後、チャンスモードの残り時間と普通図柄の保留記憶数とがあれば再び普通図柄の変動表示に同期して、普図対応装飾表示領域1608に普図対応装飾図柄を変動表示するとともに左・中・右の装飾図柄1605を変動表示する(図173(H))。
また、チャンスモード中に第二始動口2004に遊技球が受け入れられることなくチャンスモードの残り時間が10秒になると(図174(A)〜図174(C))、本例ではラストバトル演出を実行して第一特別図柄の変動表示の結果を示唆するようになっている。即ち、図174(C)に示すように、左・中・右の装飾図柄に替えて遊技者側のキャラクタAと敵キャラクタBとを表示し、キャラクタAと敵キャラクタBとの決闘シーンを表示する(図174(D))。
そして、第一特別図柄側の当り判定の結果がハズレであれば、キャラクタAが敵キャラクタに敗北する態様を表示した後(図174(E))、第二保留記憶数が0であればチャンスモードを終了させるとともにチャンスモードを終了させることを遊技者に通知した後(図174(F))、通常モードの制御を開始する(図174(G))。
このように、チャンスモードの残り時間が残り僅かとなった場合にはチャンスモード中の通常の表示とは異なる演出表示を実行することで遊技者の焦りや不安を煽るだけでなく大当りに対する期待を抱かせることで遊技興趣を向上させるようになっている。
なお、第一特別図柄側の当り判定の結果がハズレとなる場合であっても、ラストバトル演出の実行中に第二始動口2004に遊技球が受け入れて第二特別図柄の保留が発生すると(図175(C)〜図175(D))、キャラクタAが敵キャラクタに敗北する態様を表示した後(図175(D))、キャラクタAが復活する態様を表示するようになっている(図175(E))。
そして、チャンスモードを終了して当選権利行使タイムに移行制御し、第二特別図柄の変動表示に同期して、第二特図対応装飾表示領域1607に第二特図対応装飾図柄を変動表示するとともに左・中・右の装飾図柄1605を変動表示し、第二特別図柄側の当り判定の結果が小当りであれば所定期間経過後に第二特図対応装飾表示領域1607に第二特図対応装飾図柄の小当り図柄を停止表示するとともに左・中・右の装飾図柄1605の小当り図柄を停止表示する(図175(F))。
主制御基板1310は第二特別図柄表示器に1405に第二特別図柄の小当り図柄が停止表示されると、所定期間に亘って第二大入賞口2005bを遊技球が受け入れ可能な状態とし、周辺制御MPU1511aは演出表示装置1600に「Vを狙え!」と表示することでV入賞口2411を狙うべく右打ちを継続するように通知する(図175(G))。そして、第二大入賞口2005bに遊技球が受け入れられてそのうちの1個の遊技球がV入賞口2411に振り分けられたことに基づいて「大当り」となったことを通知するとともに、大当り遊技状態に移行制御する(図175(H))。
このように、ラストバトル演出の結果を第一特別図柄側の当り判定の結果だけでなく、第二特別図柄側の保留記憶数の発生に応じて変化させることで大当りの発生を強く期待させることができるため、遊技興趣の低下を抑止できる。
また、第一特別図柄側の当り判定の結果が大当りとなる場合には、ラストバトル演出の結果としてキャラクタAが敵キャラクタに勝利する態様を表示した後(図176(E))、大当り遊技状態に制御する(図176(F))。
大当り遊技状態の終了後は、第二保留記憶数がなければ再びチャンスモードに移行制御され(図176(C))、第二保留記憶数があれば当選権利行使タイムに移行制御されることになる。
なお、第一特別図柄側の当り判定の結果が大当りとなる場合にはチャンスモードを終了すると第二保留記憶数の有無に関わらず第一特別図柄が大当り図柄で停止表示されたことに基づく大当り遊技状態の制御が実行される。そして、大当り遊技状態の終了後に第二保留記憶数があれば当選権利行使タイムに移行して第二特別図柄の変動表示が開始される。即ち、チャンスモード中に貯めた大当りとなる権利の行使に先立って第一特別図柄側の大当り遊技状態という利益が付与される。
また、ラストバトル演出は基本的に第一特別図柄側の当落抽選の結果に応じてその結果を変化させるものであるが、遊技者にはその旨を通知することなく、少なくともチャンスモードが終了するまでは第一特別図柄の大当りとなったことを遊技者に秘匿とされる。これによりチャンスモード中に貯めた大当りとなる権利を行使するものと認識している遊技者に、第一特別図柄の大当りという予期しない利益を付与することができ、利益の上乗せされることによって遊技興趣を向上させることができる。また、上記したように第二保留記憶数が0でなければ第二特別図柄を第一特別図柄よりも優先して変動表示する。そのため、第一特別図柄が大当り図柄で停止表示されたことに基づく大当り遊技状態が終了した後には当選権利行使タイムに移行してチャンスモード中に貯めた大当りとなる権利を行使する状態となる。これにより、チャンスモード中に貯めた大当りとなる権利を行使する機会がなかなか訪れないことで遊技興趣が低下するという状態が回避される。
また、上記したように当選権利行使タイムでは右打ちすることで第二大入賞口2005bに遊技球を入賞させることができるとともに、第二大入賞口2005bに入賞した遊技球がV入賞口2411に振り分けられて大当り遊技状態が発生した場合にも右打ちを継続することで第一大入賞口2005に遊技球を入賞させることができるようになっている。即ち、チャンスモードに移行制御された後には再び通常モードに移行制御されるまでは右打ちを継続して行うようになっている。
また、本例では遊技球を右打ちした場合にも第一右始動口2002bへ遊技球が受け入れ可能であるため、通常はチャンスモードに移行制御されてからチャンスモードを終了するまで、若しくは当選権利行使タイムを終了するまでの期間内に第一右始動口2002bへ遊技球が受け入れられるようになっており、チャンスモードの終了時や当選権利行使タイムの終了時には第一保留記憶数がある状態となっている。即ち、チャンスモードに移行して第二始動口2004への入球を狙う期間や、当選権利行使タイムに移行して第二保留記憶数の分だけ大当り遊技状態を実行して賞球を獲得する期間に、次の遊技に係る条件(第一始動口2002への遊技球の受け入れ)を発生させることができる。
なお、チャンスモード中や当選権利行使タイム中に第一始動口2002(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)へ遊技球が受け入れられた場合にはその旨を通知するようにしてもよい(第一始動口2002(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)に遊技球が受け入れられたことを通知する表示を行うものに限らず、音声やランプ等で通知するものも含む。またチャンスモード中や当選権利行使タイム中にも第一保留記憶数を表示する領域を演出表示装置1600に設けて、第一始動口2002(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)に遊技球が受け入れられたときに保留記憶数の表示を更新するものであってもよい。)。これにより特に権利行使タイム中に第一始動口2002(第一左始動口2002a、第一右始動口2002b)へ遊技球が受け入れられることで再びチャンスモードに移行して第一特別図柄のロング変動時間での変動表示が開始されることを認識することができ、さらなる大当りとなる権利(当選権利)の獲得に向けて興趣を高めることができる。
また、上記したようにチャンスモード中には第二特別図柄の保留(第二特別乱数)を貯める遊技が行われる。そして、第二保留記憶数の上限は4個であるため、チャンスモード中には第二特別図柄の保留(第二特別乱数)を最大で4つまで貯めることができるようになっている。本例ではチャンスモード中に第二保留記憶数が上限である4個に達した場合には周辺制御MPU1511aが演出表示装置1600における装飾図柄やタイマ表示領域1611の表示に替えて特別演出(スペシャルムービーを流す等)を実行するようにしてもよい。即ち、第二保留記憶数が上限である4個に達すると遊技者は当選権利行使タイムに移行されるまで遊技球の打ち込みを停止するため、特別演出(スペシャルムービーを流す等)を実行することで手持無沙汰を解消させることができる。
なお、第二特別図柄の保留記憶数はセンター役物2500の右側に設けられる第二始動口2004への遊技球の受け入れに基づいて増加するものであるため、通常チャンスモード中には右打ちを促す表示(モード情報表示領域1612)が行われる。一方、チャンスモード中に第二保留記憶数が上限である4個に達したことに基づいて周辺制御MPU1511aが演出表示装置1600にて特別演出(スペシャルムービーを流す等)を実行する場合には右打ちを促す表示(モード情報表示領域1612)を消失させる。これによって不要な打ち込みを回避させて遊技者に不利益とならないようにするとともに、不要な打ち込みを促されることで遊技興趣が低下することを回避できる。また、この場合に右打ちを促す表示(モード情報表示領域1612)を消失させるものに限らず、チャンスモード中の通常の表示状態よりも表示が抑制(控えめな表示)されるものであればよく、例えば右打ちを促す表示(モード情報表示領域1612)を縮小する、文字を薄く(半透明)する、表示位置を目立たない位置に変更する、等のうち一もしくは二以上を組み合わせて実行するようにしてもよい。
また、上記した例では第一特別図柄のロング変動時間を120秒とし、この期間にのみチャンスモードに制御するように構成したが、第一特別図柄のロング変動時間として複数種類設けてチャンスモードの期間が異なることで有利度合いの異なる複数種類のチャンスモードに制御するようにしてもよい。例えば、第一特別図柄のロング変動時間として68秒と128秒との二種類設け、時短状態で第一特別図柄の変動表示を開始するときに変動乱数に基づいていずれかに決定するようにしてもよい。
このように、本例のパチンコ機1では第一特別図柄側の当り判定の結果が大当り遊技状態後に時短状態に制御する大当り(本例では10R大当りA)である場合に、大当り遊技状態後の時短状態で第一特別図柄をロング変動時間で変動表示し、このロング変動時間内に第二特別図柄の保留(第二特別乱数)を貯めていき、第二保留記憶数に相当する数の大当りをロング変動時間の経過後に順次発生させ、その後に再び第一特別図柄をロング変動時間で変動表示させるという遊技が繰り返し実行し得るようになっている。なお、上記したように第二特別図柄の保留が発生した状態(第二始動口2004へ遊技球が受け入れられた状態)は実質的に大当りとなる権利(当選権利)を獲得した状態であるため、「当り(大当り)に繋がる特別情報」と言い換えることができる。
また、本例のパチンコ機1では当りに繋がる特別情報を貯める状態と貯まった特別情報の数に相当する当りを順次放出する状態とを繰り返すサイクルを有する斬新な遊技性を実現できる。これにより、大当り遊技状態の終了後に新たな当りとなることを単純に待つ遊技が実行されるだけではなく、「制限時間内(ロング変動時間内)に当りに繋がる特別情報をどれだけ貯める(貯留する)ことができるか」に注目させるとともに、制限時間内に特別情報を貯めるという緊張感と、制限時間後にまとめて利益(大当り遊技状態)を得る満足感との両方を与えて遊技させることができ、大当り遊技状態後の遊技興趣の低下を抑止できる。
また、第一特別図柄の変動表示中に第二特別図柄の保留(第二特別乱数)を貯めるという構成は、少なくとも以下の条件が必要である。
「時短状態中の第一特別図柄の変動時間>(時短状態中の普通図柄の変動時間+時短状態中の普図当り時に第二始動口扉2022が突出状態とされる最大時間)×N(N≧2)」即ち、第一特別図柄の変動期間内に普通図柄の変動表示を複数回実行可能であるとともに、普図当りとなったときに第二始動口2004へ遊技球を受け入れ可能な状態に複数回制御可能であることが必要である。
[16.エラー報知]
次に、通常時(非時短状態)に実行される左打ち警告のエラー報知について説明する。図177(a)は上記演出用チャンネルに割り当てられる演出音データの一例を示すテーブルであり、図177(b)は上記エラー報知専用チャンネルに割り当てられるエラー報知音データの一例を示すテーブルであり、図178は左打ち警告のエラー報知が実行される場合の一例を示すタイムチャートである。
上記したように本例のパチンコ機1は、通常時(非時短状態)には左打ちの遊技が実行され、時短時(時短状態)には右打ちの遊技が実行されることで遊技状態に応じた利益を得ることができるようになっている。ところが、通常時に右打ちの遊技を実行したり、時短時に左打ちの遊技を実行したりすると、遊技状態に応じた利益を獲得できないばかりか、遊技者や遊技店に不利益を与えるおそれもある。特に通常時に右打ちの遊技を実行した場合には、持ち球の消費が大きい割に各種受入口に遊技球が受け入れ難くなっていることから、左打ちした場合と比較して遊技者にとって不利益な状態となっている。また、上記したように本例のパチンコ機1では、第二始動口2004へ遊技球が受け入れられて第二保留記憶数が発生すると実質的に大当りとなる権利(当選権利)を獲得した状態となるため、左打ちの遊技が実行される通常時(非時短状態)であるにもかかわらず右打ちの遊技が実行されている場合には、不正に第二始動口2004を開放させて遊技球を入球させる不正行為が行われている可能性もある。本例のパチンコ機1では遊技状態に応じた遊技が実行されていない場合に遊技者に警告することで正規の遊技者や遊技店に対する不利益の発生を抑止するとともに、不正な遊技者による不正行為を抑制している。
図177に示すように本例のパチンコ機1の液晶及び音制御ROM1512bには、各種の演出音に対応する複数の演出音データと(図177(a))、各種の報知音に対応する複数のエラー報知音データと(図177(b))、が記憶されている。また、上記したように本例のパチンコ機1では、32個の出力チャンネルのうちチャンネル1(CH1)〜チャンネル2(CH2)は、上記したエラー報知音データが割り当てられることに基づいて報知音を出力するためのエラー報知専用チャンネルとして用いられ、演出音を出力するためには用いられないようにされている。また、チャンネル3(CH3)〜チャンネル32(CH32)は、上記した演出音データが割り当てられることに基づいて主に演出音を出力するための演出用チャンネルとして用いられるようになっている。
そして、通常時(非時短状態)にセンター役物2500の右側に遊技球を打ち込む右打ちの遊技が実行されている場合には遊技者に左打ちの遊技を行うように警告(左打ち警告)をするようになっている。なお、図177(a),(b)に示すように本例のパチンコ機1において左打ち警告は、エラー報知音データのグループに属する左打ち警告LV2データからなる報知音と、演出音データのグループに属する左打ち警告LV1データからなる報知音との2種類の報知音を用いて左打ち警告が行われるようになっている。左打ち警告LV1データは、第1時間(本実施例では3秒)に亘って演出用チャンネル(CH3〜CH32)に割り当てられるものであって、左打ち警告LV1データが演出用チャンネル(CH3〜CH32)に割り当てられると、第一段階目(レベル1=LV1;初期段階ともいう)の左打ち警告として「左打ちに戻してください」の音声を第1時間内で1回だけ行う左打ち警告LV1の報知音がスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される。また、左打ち警告LV2データは、第2時間(本実施例では9秒)に亘って演出用チャンネル(CH3〜CH32)に割り当てられるものであって、左打ち警告LV2データがエラー専用チャンネル(CH1〜CH2)に割り当てられると、第二段階目(レベル2=LV2;最終段階ともいう)の左打ち警告として「左打ちに戻してください」の音声が第2時間内で3回繰り返す左打ち警告LV2の報知音がスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される。
具体的には図178(a)に示すように、通常時(非時短状態)にセンター役物2500の右側の領域に進入した遊技球を検出する右領域部進入センサ4006からの検出信号が主制御MPU1310aに所定回数(本例では10回、なお任意の回数を設定すればよく1回でもよいし他の複数回であってもよい)入力されると、換言するとセンター役物2500の右側の領域に10個の遊技球が打ち込まれると、主制御MPU1310aは先ず演出用チャンネル(CH3〜CH32)のいずれか(この例ではCH31,CH32)に対して左打ち警告LV1データを割り当てて、スピーカ921及び上部スピーカ573から左打ち警告LV1の報知音(「左打ちに戻してください」×1)を出力する。
なお、上記したように演出用チャンネル(CH3〜CH32)のいずれか(この例ではCH31,CH32)に対して割り当てられた左打ち警告LV1データは、上記演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する遊技者操作によって調節された音量で実行される(このとき遊技店員によって音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて基板ボリュームが調節されていれば、調節後の基板ボリュームを基準として演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作することによってさらに調節されて設定されたサブボリューム値に応じた音量)。即ち、演出用チャンネル(CH3〜CH32)のいずれか(この例ではCH31,CH32)に左打ち警告LV1データが割り当てられた際には、第一段階目の左打ち警告として前述した演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する遊技者操作によって調節された音量を反映したかたちで左打ち警告LV1の報知音(「左打ちに戻してください」×1)をスピーカ921及び上部スピーカ573から出力するため、同等の音量に調整された他の演出音に紛れて左打ち警告LV1の報知音が遊技者に認知されることとなり、誤って右打ちしている正規の遊技者に不快感や嫌悪感を与えることなく発射態様を是正させることができる。
また、主制御MPU1310aは右領域部進入センサ4006から検出信号が所定回数(本例では10回、なお任意の回数を設定すればよく1回でもよいし他の複数回であってもよい)入力されると、左打ち警告フラグをセットするとともに所定期間(本例では60秒、なお任意の時間を設定すればよい)をタイマ計測する。そして、右領域部進入センサ4006から検出信号が入力されることなくこの所定期間が経過すると、即ち所定期間内に再びセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれなければ、左打ち警告フラグをリセットする。これにより、その後に右領域部進入センサ4006から検出信号が入力された場合であってもすぐに左打ち警告(左打ち警告LV1、左打ち警告LV2)の報知音をスピーカ921及び上部スピーカ573から出力することなく、右領域部進入センサ4006から入力された検出信号の回数が所定回数(本例では10回)に達したことに基づいて左打ち警告LV1の警告音を出力するようになっている。
このように、通常時(非時短状態)に演出用チャンネル(CH3〜CH32)のいずれか(この例ではCH31,CH32)に演出用データに設けられる左打ち警告LV1の報知音(「左打ちに戻してください」×1)を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から出力した後、所定期間(本例では60秒)が経過するまでに再びセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれて右領域部進入センサ4006から検出信号が入力されなければ初期状態(通常時においてセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれていない状態)に戻って右領域部進入センサ4006からの検出信号が所定回数に達するまでは左打ち警告を行わないようになっている。
また、上記した各種の演出音に対応する演出音データと各種の報知音に対応する複数のエラー報知音データとにはそれぞれ優先番号が付されており、優先番号の小さい演出音(本例では最も優先番号の小さい演出音として「告知1」)や優先番号の小さい報知音(本例ではもっとも優先番号の小さい報知音として「RAMクリア」)を優先的に演出用チャンネルやエラー報知専用チャンネルに割り当てて出力するようになっている。例えば、エラー報知用チャンネル(CH1〜CH2)に優先番号26の「通信エラー」の報知音が割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から出力している場合に、優先番号1の「RAMクリア」が発生すると「RAMクリア」の報知音がエラー報知用チャンネル(CH1〜CH2)に割り当てられて「通信エラー」の報知音に上書きされ、「RAMクリア」の報知音だけが出力されるようになる。このとき「通信エラー」の報知音は消音となってスピーカ921及び上部スピーカ573から出力されないものの「通信エラー」の報知音は上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。即ち、「RAMクリア」の報知音の出力期間が経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している「通信エラー」の報知音の音量が再び設定され、スピーカ921及び上部スピーカ573から出力されるようになっている。
また、図178(b)に示すように右領域部進入センサ4006から検出信号が所定回数(本例では10回、なお任意の回数を設定すればよく1回でもよいし他の複数回であってもよい)入力されたことに基づいて主制御MPU1310aが演出用チャンネル(CH3〜CH32)のいずれか(この例ではCH31,CH32)に演出用データに設けられる左打ち警告LV1の報知音(「左打ちに戻してください」×1)を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から出力するとともに、左打ち警告フラグをセットした後、所定期間(本例では60秒、なお任意の時間を設定すればよい)が経過するまでに再びセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれて右領域部進入センサ4006から検出信号が入力された場合にはエラー専用チャンネル(CH1〜CH2)にエラー報知音データに設けられる左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」を3回繰り返す)を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から出力し、左打ち警告フラグをリセットすることなく、所定期間(本例では60秒、なお任意の時間を設定すればよい)をタイマ計測する。
なお、上記したようにエラー専用チャンネル(CH1〜CH2)に割り当てられてスピーカ921及び上部スピーカ573から出力される左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」を3回繰り返す)は、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作や上記演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する遊技者操作に基づく音量調整に全く依存されず大音量(本実施形態では、最大音量)で実行される。即ち、第一段階目の左打ち警告を行ったにもかかわらずセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合には遊技者が意図的に右打ちを行っていると判断し、第二段階目の左打ち警告として音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作や上記演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する遊技者操作に基づく音量調整に全く依存されず大音量(本実施形態では、最大音量)で左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」を3回繰り返す)をスピーカ921及び上部スピーカ573から出力することで、他の演出音よりも際立って左打ち警告LV2の報知音を出力するため、不審な行動がなされていることを周囲の遊技者や遊技店員に伝えて注意喚起することができる。
また、上記したようにエラー報知専用チャンネルに報知音を割り当てて出力する場合には演出用チャンネル(CH3〜CH32)に割り当てられて演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定する。即ち、エラー報知専用チャンネル(CH1〜CH2)に左打ち警告LV2データが割り当てられた際には、第二段階目の左打ち警告として音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作や上記演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する遊技者操作に基づく音量調整に全く依存されず大音量(本実施形態では、最大音量)で左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」×3)をスピーカ921及び上部スピーカ573から出力するため、左打ち警告LV2の報知音だけが遊技者に認知されることとなり、不審な行動がなされていることを周囲の遊技者や遊技店員に伝えて注意喚起することができる。また、左打ち警告LV2の報知音の出力が終了すると左打ち警告フラグをセットした状態を維持するものの、演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を元に戻すようになっている。このように、本例のパチンコ機1では左打ち警告フラグをセットした状態を維持することで継続的に左打ち警告LV2の報知音を出力できるように備えつつも演出音が聞こえない状況が続くことによる遊技興趣の低下を抑止できるようになっている。
また、左打ち警告LV2の報知音を出力する場合には扉枠3に設けられているランプ・LED(LED552a〜552c、LED161a,162a等)を所定の発光色(例えば白色)で点滅させるようになっている。これにより、音声だけでなく視覚を通じても異常の発生を通知するため、不審な行動が行われていることを周囲の遊技者や遊技店員により強く伝えることができ、注意喚起させることができる。
また、上記した左打ち警告LV1の報知音(「左打ちに戻してください」×1)及び左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」×3)は一例であり、文言の出力回数を異ならせるものに限らず異なる態様で出力されるものであればよく、例えば左打ち警告LV1の報知音(「左打ちに戻してください」×1)として女性の声で出力し、左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」×1)として男性の声で出力するものであってもよいし、報知音の内容(文言)を異ならせるようにしてもよく、左打ち警告LV1の報知音として「左打ちに戻してください」を出力し、左打ち警告LV2の報知音として「左打ちに戻せ」を出力するようにしてもよい。またこれらの任意の組み合わせを実行するものであってもよい。
そして、右領域部進入センサ4006から検出信号が入力されることなくこの所定期間が経過すると、即ち所定期間内に再びセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれなければ、左打ち警告フラグをリセットする。これにより、その後に右領域部進入センサ4006から検出信号が入力された場合であってもすぐに左打ち警告(左打ち警告LV1、左打ち警告LV2)の報知音をスピーカ921及び上部スピーカ573から出力することなく、右領域部進入センサ4006から入力された検出信号の回数が所定回数(本例では10回)に達したことに基づいて左打ち警告LV1の警告音を出力するようになっている。
このように、通常時(非時短状態)にエラー専用チャンネル(CH1〜CH2)にエラー報知音データに設けられる左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」を3回繰り返す)を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から出力した後、所定期間(本例では60秒)が経過するまでに再びセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれなければ、左打ちに戻したものと判断して初期状態(通常時においてセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれていない状態)に戻し、右領域部進入センサ4006からの検出信号の入力回数が所定回数に達するまでは左打ち警告を行わないようになっている。
なお、左打ち警告LV2の報知音を出力した後、所定期間(本例では60秒、なお任意の時間を設定すればよい)が経過するまでにセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれなかった場合に、左打ち警告フラグをリセットして左打ち警告フラグAをセットし、所定期間が経過するまで(時短状態になるまで)に再びセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれて右領域部進入センサ4006から検出信号が1回でも入力された場合に演出用チャンネル(CH3〜CH32)のいずれか(この例ではCH31,CH32)に左打ち警告LV1の報知音を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から出力して左打ち警告フラグAをリセットし、左打ち警告フラグをセットするようにしてもよい。これにより継続中の非時短状態で以前に左打ち警告LV2の報知音が出力された場合には前例があるものとして通常よりも左打ち警告LV2の報知音が出力され易くするようにでき、周囲の遊技者や遊技店員に注意喚起をすることができる。
また、図178(c)に示すようにエラー専用チャンネル(CH1〜CH2)にエラー報知音データに設けられる左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」を3回繰り返す)を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から出力した後、所定期間(本例では60秒、なお任意の時間を設定すればよい)が経過するまでにセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれて右領域部進入センサ4006から検出信号が入力された場合には(左打ち警告フラグがセットされている状態で右領域部進入センサ4006から検出信号が入力された場合)、再びエラー専用チャンネル(CH1〜CH2)にエラー報知音データに設けられる左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」を3回繰り返す)を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から出力するとともに、扉枠3に設けられているランプ・LED(LED552a〜552c、LED161a,162a等)を白色で点滅させ、所定期間(本例では60秒、なお任意の時間を設定すればよい)をタイマ計測する。
即ち、第二段階目の左打ち警告を行ったにもかかわらずセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれた場合には明らかに不審な行動が行われていると判断して、再び音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作や上記演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する遊技者操作に基づく音量調整に全く依存されず大音量(本実施形態では、最大音量)で左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」を3回繰り返す)をスピーカ921及び上部スピーカ573から出力することで、他の演出音よりも際立って左打ち警告LV2の報知音を出力し、不審な行動がなされていることを周囲の遊技者や遊技店員に伝えて注意喚起することができる。
また、左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」×3)の出力途中でセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれて右領域部進入センサ4006から検出信号が入力された場合には、出力途中の左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」×3)を途切れさせることなく継続させ、左打ち警告LV2の報知音の出力にかかる時間(報知時間)を再設定して延長させる。例えば、左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」×3)のうち2回目の「左打ちに戻してください」を出力途中に右領域部進入センサ4006から検出信号が入力された場合には、報知時間として左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」×3)にかかる時間を再設定することで、通常は左打ち警告LV2の報知音として10秒間で「左打ちに戻してください」を3回繰り返し出力するところ、15秒間で「左打ちに戻してください」を5回繰り返し出力するようになっている。
また、左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」×3)の出力途中でセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれて右領域部進入センサ4006から検出信号が入力された場合には、この右領域部進入センサ4006から検出信号が入力されたときから再び所定期間(本例では60秒、なお任意の時間を設定すればよい)の計測を開始し、この所定期間が経過するまでにセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれて右領域部進入センサ4006から検出信号が入力された場合には再びエラー専用チャンネル(CH1〜CH2)にエラー報知音データに設けられる左打ち警告LV2の報知音(「左打ちに戻してください」を3回繰り返す)を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から出力する一方、領域部進入センサ4006から検出信号が入力されたときから所定期間(本例では60秒、なお任意の時間を設定すればよい)が経過するまでに右領域部進入センサ4006から検出信号が入力されなかった場合には左打ち警告フラグがリセットされる。
また、左打ち警告LV1の報知音(「左打ちに戻してください」×1)を出力した後、所定期間(本例では60秒、なお任意の時間を設定すればよい)が経過するまでに右領域部進入センサ4006からの検出信号が所定回数(例えば5回)入力された場合に左打ち警告LV2の報知音を出力するようにしてもよい。これにより、誤って右打ちしている遊技者が左打ち警告音LV1の報知音を聞いて左打ちに戻すようにハンドル302の回転角度を調整しているにもかかわらずセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれてしまった場合に思いがけずに大音量で左打ち警告音LV2の報知音が出力されることを回避することができ、意図的に右打ちしている遊技者だけに大音量で左打ち警告音LV2の報知音が出力されるようにして、周囲の遊技者や遊技店員に注意喚起することができる。
また、左打ち警告LV1の報知音を出力した後の所定期間と左打ち警告LV2の報知音を出力した後の所定期間とをともに60秒としているが、これに限られるものではなく、一方を他方よりも長い期間に設定するようにしてもよい。
また、上記左打ち警告LV1の報知音や左打ち警告LV2の報知音の出力途中に右打ちの遊技を許容する状態(大当り遊技状態、時短状態等)へ遊技状態が移行した場合には出力中の報知音を停止させるとともに、左打ち警告フラグをリセットするようになっている。同様に左打ち警告フラグがセットされている状態で右打ちの遊技を許容する状態(大当り遊技状態、時短状態等)へ遊技状態が移行した場合には左打ち警告フラグをリセットするようになっている。これにより、右打ちの遊技を許容する状態であるにもかかわらず左打ち警告LV1の報知音や左打ち警告LV2の報知音が出力されて遊技者に不快感を与えることを抑止できる。
また、通常時(非時短状態)の左打ち警告に限らず、時短時(時短状態)にセンター役物2500の左側に遊技球を打ち込む左打ちの遊技が実行されている場合、若しくはセンター役物2500の右側に遊技球を打ち込む右打ちの遊技が実行されていない場合に遊技者に右打ちの遊技を行うように警告(右打ち警告)をするようにしてもよい。以下、変形例として説明する。図179は、右打ち警告のエラー報知が実行される場合の一例を示すタイムチャートである。
この例では、時短状態で右領域部進入センサ4006から検出信号が入力されていない期間、換言するとセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれていない期間が所定期間(例えば10秒)になると、エラー専用チャンネル(CH1〜CH2)にエラー報知音データに設けられる右打ち警告の報知音(「右打ちしてください」×1)を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作や上記演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する遊技者操作に基づく音量調整に全く依存されず大音量(本実施形態では、最大音量)で出力するようになっている。
このように、時短状態で所定期間(例えば10秒)に亘ってセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれなければ、音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作や上記演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する遊技者操作に基づく音量調整に全く依存されず大音量(本実施形態では、最大音量)で右打ち警告の報知音(「右打ちしてください」×1)を出力するとともに、演出用チャンネル(CH3〜CH32)に割り当てられて演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定するため、他の演出音よりも際立って右打ち警告が実行されて遊技者自身に右打ちすべきことを確実に気付かせることができるようになる。
なお、本例のパチンコ機1では時短状態では通常、第一特別図柄をロング変動時間(120秒)で変動表示するチャンスモードが実行される。また、時短制御を開始してから特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を1回実行したときに時短制御を終了する(時短回数1回)ため、時短状態に制御される最大の期間は120秒間であり、時短状態の残り期間は第一特別図柄の残り変動時間から特定することができるようになっている。
そして、第一特別図柄の残り変動時間から特定された時短状態の残り期間に応じて右打ち警告の報知音を出力するまでの期間(時短状態でセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれない期間)を変化させるようにしてもよい。例えば、時短制御を開始してから残り時間が60秒になるまで(残り時間が60秒〜120秒)の場合にはセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれない期間が10秒に達すると右打ち警告を実行し、残り時間が60秒を切ってから残り時間が30秒になるまで(残り時間が30秒〜60秒)の場合にはセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれない期間が5秒に達すると右打ち警告を実行し、残り時間が30秒を切ってから残り時間が0秒になるまで(残り時間が0秒〜30秒)の場合にはセンター役物2500の右側の領域に遊技球が打ち込まれない期間が3秒に達すると右打ち警告を実行するようにしてもよい。これにより、時短状態の残り時間に応じたタイミングで右打ち警告を実行することができ、遊技者の不利益を極力抑えることができるようになる。
また、時短状態の残り期間に応じて右打ち警告を変化させるようにしてもよく、例えば時短制御を開始してから残り時間が60秒になるまで(残り時間が60秒〜120秒)の場合には主制御MPU1310aが演出用チャンネル(CH3〜CH32)に演出用データに設けられる右打ち警告LV1の報知音(「右打ちしてください」×1)を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から上記演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する遊技者操作によって調節された音量で出力し(このとき遊技店員によって音量調整ボリューム1510aのつまみ部が回動操作されて基板ボリュームが調節されていれば、調節後の基板ボリュームを基準として演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332を操作することによってさらに調節されて設定されたサブボリューム値に応じた音量)、残り時間が60秒を切ってから残り時間が30秒になるまで(残り時間が30秒〜60秒)の場合にはエラー専用チャンネル(CH1〜CH2)にエラー報知音データに設けられる右打ち警告LV2の報知音(「右打ちしてください」を3回繰り返す)を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作や上記演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する遊技者操作に基づく音量調整に全く依存されず大音量(本実施形態では、最大音量)で出力し、残り時間が30秒を切ってから残り時間が0秒になるまで(残り時間が0秒〜30秒)の場合にはエラー専用チャンネル(CH1〜CH2)にエラー報知音データに設けられる右打ち警告LV2の報知音(「右打ちしてください」を3回繰り返す)を割り当ててスピーカ921及び上部スピーカ573から音量調整ボリューム1510aのつまみ部の回動操作や上記演出選択左ボタン331や演出選択右ボタン332に対する遊技者操作に基づく音量調整に全く依存されず大音量(本実施形態では、最大音量)で出力するとともに扉枠3に設けられているランプ・LED(LED552a〜552c、LED161a,162a等)を所定の発光色(例えば赤色)で点滅させるようにしてもよい。これにより、時短状態の残り時間に応じて右打ち警告を強めることができ、遊技者の不利益を極力抑えることができるようになる。
また、上記右打ち警告の報知音の出力途中に左打ちの遊技を許容する状態(非時短状態等)へ遊技状態が移行した場合には出力中の報知音を停止させるようになっている。これにより、左打ちの遊技を許容する状態であるにもかかわらず右打ち警告の報知音が出力されて遊技者に不快感を与えることを抑止できる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、同様の作用効果を奏することができる。