JP6963272B2 - 中性子照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、中性子照射装置に関する。
中性子照射装置は、荷電粒子を加速して射出する加速装置と、加速装置から射出された荷電粒子の照射により高速中性子を発生するターゲットと、ターゲットで発生した高速中性子を減速して低速の中性子(熱中性子、熱外中性子、又は冷中性子)を生成する中性子減速体とを備えている(例えば、特許文献1参照)。中性子減速体で生成された低速の中性子は、所定方向に取り出され、例えば各種検査、医療、放射性同位元素生成等に用いられる。
特開2015−145882号公報
特許文献1等に記載の中性子照射装置においては、低速の中性子の取り出し数を増加させることが求められている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、低速の中性子の取り出し数を増加させることが可能な中性子照射装置を提供することを目的とする。
本発明に係る中性子減速体は、中性子を減速させる中性子減速体であって、前記中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部と、前記本体部のうち前記中性子の取り出し方向の前方端面に形成された溝部と、を備え、前記本体部は、前記溝部を形成する溝面のうち、法線が前記取り出し方向に垂直な面の表面積と、法線が前記取り出し方向に平行な面の表面積との和が、前記溝面全体の表面積の50%以下である。
本発明者は、中性子を減速させる中性子減速体において、中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部と、本体部のうち中性子の取り出し方向の前方端面に形成された溝部と、を備え、本体部が、溝部を形成する溝面のうち、法線が取り出し方向に垂直な面の表面積と、法線が取り出し方向に平行な面の表面積との和が、溝面全体の表面積の50%以下である場合に、低速の中性子の取り出し数が増加することを見出した。本発明によれば、中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部と、本体部のうち中性子の取り出し方向の前方端面に形成された溝部と、を備え、本体部が、溝部を形成する溝面のうち、法線が取り出し方向に垂直な面の表面積と、法線が取り出し方向に平行な面の表面積との和が、溝面全体の表面積の50%以下であるため、低速の中性子の取り出し数を増加させることができる。
本発明に係る中性子減速体は、中性子を減速させる中性子減速体であって、前記中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部と、前記本体部のうち前記中性子の取り出し方向の前方端面に形成された溝部と、を備え、前記溝部は、前記取り出し方向に徐々に広がる部分を有し、前記本体部は、前記取り出し方向の前方から見た場合の平面視において、前記溝部を構成する溝面のうち前記取り出し方向に徐々に広がる部分の面積が前記溝面全体の面積に対して50%以上である。
本発明者は、中性子を減速させる中性子減速体において、中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部と、本体部のうち中性子の取り出し方向の前方端面に形成された溝部と、を備え、溝部は、取り出し方向に徐々に広がる部分を有し、本体部は、取り出し方向の前方から見た場合の平面視において、溝部を構成する溝面のうち取り出し方向に徐々に広がる部分の面積が溝面全体の面積に対して50%以上である場合に、低速の中性子の取り出し数が増加することを見出した。本発明によれば、中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部と、本体部のうち中性子の取り出し方向の前方端面に形成された溝部と、を備え、溝部は、取り出し方向に徐々に広がる部分を有し、本体部は、取り出し方向の前方から見た場合の平面視において、溝部を構成する溝面のうち取り出し方向に徐々に広がる部分の面積が溝面全体の面積に対して50%以上であるため、低速の中性子の取り出し数を増加させることができる。
上記の中性子減速体において、前記本体部は、前記取り出し方向における前記溝部の寸法が、前記本体部全体の前記取り出し方向における寸法に対して50%以上であってもよい。
本発明者は、中性子減速体において、溝部の取り出し方向における寸法が本体部全体の取り出し方向における寸法に対して50%以上である場合に、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることができることを見出した。本発明によれば、溝部の取り出し方向における寸法が本体部全体の取り出し方向における寸法に対して50%以上であるため、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることができる。
上記の中性子減速体において、前記本体部は、前記取り出し方向に垂直な仮想平面に対して前記溝面が所定範囲の角度で交差して配置されてもよい。
本発明者は、中性子減速体において、取り出し方向に垂直な仮想平面に対して溝面が所定範囲の角度で傾いて配置される場合に、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることができることを見出した。本発明によれば、取り出し方向に垂直な仮想平面に対して溝面が所定範囲の角度で交差して配置されるため、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることができる。
上記の中性子減速体において、前記所定範囲は、60°以上85°以下の角度であってもよい。
本発明者は、上記所定範囲として、60°以上85°以下の角度である場合に、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることを見出した。本発明によれば、所定範囲が60°以上85°以下の角度であるため、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させる。
上記の中性子減速体において、前記溝部は、前記取り出し方向に徐々に広がる形状であってもよい。
本発明者は、中性子減速体において、溝部が取り出し方向に徐々に広がる形状である場合に、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることができることを見出した。本発明によれば、溝部が取り出し方向に徐々に広がる形状であるため、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることができる。
上記の中性子減速体において、前記本体部は、前記取り出し方向に向けて先細りの形状に形成された複数の突出部を有し、前記溝部は、複数の前記突出部同士の間に形成されてもよい。
本発明によれば、本体部が取り出し方向に向けて先細りの形状に形成された複数の突出部を有するため、溝部が取り出し方向に向けて広がった形状を容易に形成することができる。これにより、容易な構成により、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることができる。
上記の中性子減速体において、前記突出部は、楔状又は錐状であってもよい。
本発明によれば、突出部が楔状又錐状であるため、製造しやすい形状で先細りの形状を実現可能である。
本発明に係る中性子減速体は、中性子を減速させる中性子減速体であって、前記中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部と、前記本体部のうち前記中性子の取り出し方向の前方端面に形成され、前記取り出し方向に徐々に広がる形状の溝部と、を備える。
本発明者は、中性子減速体において、溝部が取り出し方向に徐々に広がる形状である場合に、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることができることを見出した。本発明によれば、溝部が取り出し方向に徐々に広がる形状であるため、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることができる。
本発明に係る中性子照射装置は、荷電粒子を加速して射出する加速装置と、前記加速装置から射出された前記荷電粒子が照射され、中性子を発生するターゲットと、前記ターゲットで発生した前記中性子を減速して前記取り出し方向に照射する上記の中性子減速体と、を備える。
本発明によれば、低速の中性子の取り出し数を増加させることが可能な中性子減速体を備えるため、中性子の照射効率が高い中性子照射装置が得られる。
上記の中性子照射装置において、前記取り出し方向は、前記ターゲットに照射される前記荷電粒子の照射方向に対して側方であってもよい。
本発明によれば、取り出し方向を荷電粒子の照射方向に沿った方向に設定する場合に比べて、高速中性子が取り出されることを抑制できる。
本発明によれば、低速の中性子の取り出し数を増加させることが可能となる。
図1は、本実施形態に係る中性子照射装置の一例を示す模式図である。 図2は、中性子照射装置の要部を拡大して示す図である。 図3は、本実施形態に係る中性子減速体の一例を示す斜視図である。 図4は、変形例に係る中性子減速体を示す図である。 図5は、変形例に係る中性子減速体を示す図である。 図6は、変形例に係る中性子減速体を示す図である。 図7は、変形例に係る中性子減速体を示す図である。 図8は、変形例に係る中性子減速体を示す図である。 図9は、変形例に係る中性子減速体を示す図である。 図10は、変形例に係る中性子減速体を示す図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る中性子照射装置1の一例を示す模式図である。中性子照射装置1は、被照射体Sに中性子Nを照射する。中性子照射装置1は、例えば、検査用途、医療用途、放射性同位元素生成用途等に用いられる。
図1に示すように、中性子照射装置1は、荷電粒子を加速して荷電粒子Pを射出する加速装置2と、加速装置2から射出された荷電粒子Pの照射状態を調整する調整装置3と、荷電粒子Pの照射により中性子Nを発生するターゲット5と、ターゲット5で発生した中性子Nを減速する中性子減速体6と、中性子減速体6から射出された中性子Nを平行化するコリメータ7と、を備えている。コリメータ7から射出された中性子Nが被照射体Sに照射される。
加速装置2は、円形加速器又は直線加速器を含む。加速装置2は、荷電粒子(陽子、電子、又は重粒子)を加速して、荷電粒子(陽子線、電子線、又は重粒子線)Pを生成して、所定の照射方向に射出する。以下、荷電粒子Pの照射方向を第1方向D1と表記する。
調整装置3は、複数の電磁石を含み、加速装置2から第1方向D1に射出された荷電粒子Pの照射状態を調整する。荷電粒子Pの照射状態は、荷電粒子Pの進行方向の調整及び荷電粒子Pの整形を含む。調整装置3は、荷電粒子Pの発散を抑制し、荷電粒子Pを集束させる。調整装置3は、加速装置2から射出された荷電粒子Pを走査装置4に導く。
本実施形態において、中性子照射装置1は、荷電粒子Pを走査する走査装置4を備える。走査装置4は、荷電粒子Pを走査し、ターゲット5に対する荷電粒子Pの照射位置を調整する。また、走査装置4は、ターゲット5に照射される荷電粒子Pを整形する。なお、走査装置4は無くてもよい。
加速装置2から射出され、調整装置3及び走査装置4を通過した荷電粒子Pは、ターゲット5に照射される。ターゲット5は、荷電粒子Pの照射により、中性子Nを発生する。ターゲット5では、中性子Nとして、例えば高エネルギーの高速中性子が発生する。ターゲット5は、中性子を発生する中性子発生部材である。ターゲット5は、例えばベリリウム(Be)、リチウム(Li)、又はそれらを含む化合物で形成された液体又は固体の板状の部材を含む。ターゲット5は、円形又は矩形の板状の固体部材でもよいし、加熱された液体リチウムでもよい。例えば、厚さが一定になるように流し続けられた液体リチウムをターゲット5として使用してもよい。
中性子減速体6は、ターゲット5で発生した中性子Nを減速させる。中性子減速体6は、中性子Nの進路において、ターゲット5と被照射体Sとの間に配置される。中性子減速体6は、ターゲット5で発生した高速中性子のエネルギーを低減して、低速で低エネルギーの中性子(熱中性子、熱外中性子、又は冷中性子)を生成する。
コリメータ7は、中性子減速体6から所定の取り出し方向に射出された中性子Nを平行化する。以下、中性子減速体6から中性子Nが取り出される取り出し方向を、第2方向D2と表記する。本実施形態において、第2方向D2は、第1方向D1の側方である。コリメータ7により平行化され、そのコリメータ7から射出された中性子Nが被照射体Sに照射される。
次に、本実施形態に係る中性子Nの中性子減速体6の一例について説明する。図2は、中性子照射装置1の要部を拡大して示す図である。図2に示すように、中性子減速体6は、減速体収容部8に収容される。減速体収容部8は、ターゲット5で生成された中性子を反射、散乱、又は吸収させる。
図3は、本実施形態に係る中性子減速体6の一例を示す斜視図である。図2及び図3に示すように、中性子減速体6は、本体部60を有する。本体部60は、例えば水素原子を含むポリエチレン等の材料を用いて形成される。なお、本体部60として、水素原子単体で構成される液体水素(液化水素)を容器に封入した構成が用いられてもよい。
本体部60は、複数の突出部61を有する。突出部61は、例えば楔状又は三角柱状に形成されるが、これに限定されない。複数の突出部61は、例えば第1方向D1に隙間なく並んで配置される。突出部61は、第2方向D2に向けて突出して配置される。突出部61は、底面61aと、傾斜面61b、61cとを有する。底面61aは、平面状であり、第2方向D2の後方端部に配置される。底面61aは、例えば第2方向D2に垂直に配置されるが、これに限定するものではなく、垂直でなくてもよい。
傾斜面61b、61cは、例えば平面状であり、第2方向D2に垂直な仮想平面に対して所定範囲の角度で交差して配置される。ここでは、仮想平面として、底面61aを例に挙げて説明する。傾斜面61bは、底面61aに対して角度α1で交差して配置される。傾斜面61cは、底面61aに対して角度α2で交差して配置される。
角度α1、α2は、所定範囲に設定される。本実施形態において、所定範囲は、例えば60°以上85°以下の角度に設定されるが、これに限定するものではない。角度α1及び角度α2は、同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。
傾斜面61b、61cは、第2方向D2の後方端部つまり底面61aから第2方向D2の前方端部つまり先端部61dに亘って配置される。このため、突出部61は、底面61aから先端部61dにかけて徐々に先細りとなっている。突出部61の先端部61dは、例えば尖った形状であるが、これに限定するものではなく、丸みを帯びた形状に形成されてもよい。
複数の突出部61のうち、第1方向D1の最も後方に配置される突出部61は、第1方向D1の後方側の端面61eが第1方向D1に垂直に配置される。また、第1方向D1の最も前方に配置される突出部61は、第1方向D1の前方側の端面61fが第1方向D1に垂直に配置される。
本体部60は、複数の突出部61の間に、溝部60pが形成される。溝部60pは、隣り合う突出部61の傾斜面61bと傾斜面61cとの間に形成される。したがって、本実施形態において、傾斜面61b、61cは、溝部60pを形成する溝面である。溝部60pは、本体部60の第2方向D2の前方端部が開口されている。また、上記のように突出部61が先端部61dに向けて先細りの形状となっているため、溝部60pは、第2方向D2に向けて広がった形状となっている。溝部60pは、本体部60の第2方向D2の前方端部から後方端部にかけて形成されている。したがって、本体部60は、溝部60pの第2方向D2の寸法(深さ)が本体部60全体の第2方向D2の寸法と等しくなっている。この場合、傾斜面61b、61cは、本体部60の第2方向D2の前方端部と後方端部とにおいて交互に折り返すように配置された形状となっている。
上記のように構成された本体部60は、溝部60pを形成する溝面である傾斜面61b、61cのうち、法線が第2方向D2に垂直な面の表面積と、法線が第2方向D2に平行な面の表面積との和は、0である。つまり、溝面である傾斜面61b、61cの全体が、法線が第2方向D2に垂直な面と、法線が第2方向D2に平行な面とのそれぞれに対して傾いた形状となっている。
本発明者は、中性子を減速させる中性子減速体において、中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部と、本体部のうち中性子の取り出し方向の前方端面に形成された溝部と、を備え、本体部が、溝部を形成する溝面のうち、法線が取り出し方向に垂直な面の表面積と、法線が取り出し方向に平行な面の表面積との和が、溝面全体の表面積の50%以下である場合に、低速の中性子の取り出し数が増加することを見出した。
本実施形態に係る中性子減速体6は、中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部60と、本体部60のうち中性子Nの取り出し方向である第2方向D2の前方端面に形成された溝部60pと、を備え、本体部60が、溝部60pを形成する溝面である傾斜面61b、61cのうち、法線が第2方向D2に垂直な面の表面積と、法線が第2方向D2に平行な面の表面積との和が0であるため、溝面(傾斜面61b、61c)全体の表面積の50%以下である。したがって、本実施形態に係る中性子減速体6は、低速の中性子の取り出し数を増加させることができる。
また、本発明者は、中性子を減速させる中性子減速体において、中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部と、本体部のうち中性子の取り出し方向の前方端面に形成された溝部と、を備え、溝部が、取り出し方向に徐々に広がる部分を有し、本体部が、取り出し方向の前方から見た場合の平面視において、溝部を構成する溝面のうち取り出し方向に徐々に広がる部分の面積が溝面全体の面積に対して50%以上である場合に、低速の中性子の取り出し数が増加することを見出した。
本実施形態に係る中性子減速体6は、中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部60と、本体部60のうち中性子Nの取り出し方向である第2方向D2の前方端面に形成された溝部60pと、を備え、溝部60pが取り出し方向に徐々に広がる部分を有し、本体部60が、取り出し方向の前方から見た場合の平面視において、傾斜面61b、61cに対応する部分の面積が溝面全体の面積に対して100%である。したがって、本実施形態に係る中性子減速体6は、低速の中性子の取り出し数を増加させることができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、溝部60pが、本体部60の第2方向D2の前方端部から後方端部まで形成されている構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。
図4は、変形例に係る中性子照射装置1Aの中性子減速体6Aを示す図である。中性子減速体6Aは、本体部60Aに形成される溝部60qが、本体部60Aの第2方向D2の前方端部から後方の途中まで形成されている。本体部60Aは、溝部60qの深さL3が本体部60A全体の第2方向D2の寸法L1よりも小さくなっている。溝部60qは、第2方向D2に徐々に広がった形状を有する。この場合、深さL3は、本体部60Aの寸法L1に対して50%以上に設定される。中性子減速体6Aは、溝部60qの深さL3が本体部60Aの寸法L1に対して50%以上である。このため、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることができる。
本体部60Aは、突出部62の傾斜面62b、62cが底面62aまで到達することなく、本体部60Aの第2方向D2の前方端部と後方の途中の部分とにおいて交互に折り返すように配置された形状となる。したがって、本体部60Aは、複数の突出部62同士が底面62a側において確実に接続されるため、強度が確保される。
また、図5は、変形例に係る中性子照射装置1Bの中性子減速体6Bを示す図である。中性子減速体6Bは、本体部60Bに形成される溝部60rが、本体部60Bの第2方向D2の前方端部から後方端部まで形成されている点では上記実施形態と同様であるが、隣り合う突出部63同士が間隔をおいて配置されている点で上記実施形態とは異なっている。
この構成では、本体部60Bは、溝部60rの深さL2が本体部60B全体の第2方向D2の寸法L1と等しくなっている。溝部60rは、第2方向D2に徐々に広がった形状を有する。中性子減速体6Bは、溝部60rの深さL2が本体部60Bの寸法L1に対して50%以上であるため、低速の中性子の取り出し数をより効果的に増加させることができる。また、中性子減速体6Bは、隣り合う突出部63同士が間隔を空けて配置された構成とすることで、設計の自由度が高められる。
また、上記実施形態では、突出部61、62、63が楔状又は三角柱状に形成された構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。図6は、変形例に係る中性子減速体6Cを示す図である。図6に示すように、中性子減速体6Cは、複数の突出部64が円錐状である。中性子減速体6Cは、複数の突出部64を支持する支持部65を有する構成である。本体部60Cには、溝部60sが形成される。複数の突出部64が第2方向D2に先細りの形状であるため、溝部60sは、支持部65の表面65aから第2方向D2に徐々に広がった形状となっている。支持部65の表面65aは、第2方向D2に垂直に配置される。したがって、表面65aは、法線が第2方向D2に平行な面である。この構成においては、表面65aの表面積が、溝面全体の表面積の50%以下となるように、また、取り出し方向の前方から見た場合の平面視において、突出部64の表面に対応する部分の面積が溝面全体の面積に対して50%以上となるように、突出部64の径及び突出方向の寸法(高さ)が設定される。これにより、低速の中性子の取り出し数を増加させることができる。
また、図7は、変形例に係る中性子減速体6Dを示す図である。図7に示すように、中性子減速体6Dは、複数の突出部66が四角錐状である。中性子減速体6Dは、複数の突出部66が第2方向D2に直交する平面内に隙間なく配置される。本体部60Dには、溝部60tが形成される。複数の突出部66が第2方向D2に先細りの形状であるため、溝部60tは、第2方向D2に徐々に広がった形状となっている。この構成では、本体部60Dにおいて、法線が第2方向D2に垂直な面の表面積と、法線が第2方向D2に平行な面の表面積との和が0であり、溝面(突出部66の表面)全体の表面積の50%以下である。また、取り出し方向から見た場合の平面視において、突出部66の表面に対応する部分の面積は、溝面全体の面積に対して50%以上(例えば、100%)である。したがって、中性子減速体6Dは、低速の中性子の取り出し数を増加させることができる。
また、上記実施形態では、中性子の取り出し方向が第2方向D2である場合を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。図8は、変形例に係る中性子減速体6E(中性子照射装置1E)を示す図である。図8に示す中性子照射装置1Eのように、中性子の取り出し方向を第1方向D1とした構成であってもよい。この構成では、突出部61が中性子の取り出し方向である第1方向D1に向けて先細りとなっている。また、中性子照射装置1Eは、減速体収容部8Eが第1方向D1側に取り出し部を有する構成である。この構成により、第1方向D1に取り出される中性子NEにおいては、高速中性子が含まれてはいるが、低速の中性子の取り出し数を増加させることができる。
また、上記実施形態では、中性子減速体の本体部において、中性子の取り出し方向についての突出部の寸法が揃っている構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。図9は、変形例に係る中性子減速体6Fを示す図である。図9に示す中性子減速体6Fのように、取り出し方向(第2方向D2として例示)についての寸法が異なる第1突出部67aと第2突出部67bとを有する構成であってもよい。この場合、第2方向D2の深さが異なる溝部60v、60wが形成される。溝部60v、60wは、それぞれ第2方向D2に広がった形状を有する。中性子減速体6Fは、本体部60Fにおいて、法線が第2方向D2に垂直な面の表面積と、法線が第2方向D2に平行な面の表面積との和が0であり、溝面全体の表面積の50%以下である。また、取り出し方向から見た場合の平面視において、第1突出部67a及び第2突出部67bの表面に対応する部分の面積は、溝面全体の面積に対して50%以上(例えば、100%)である。したがって、中性子減速体6Fは、低速の中性子の取り出し数を増加させることができる。
また、上記実施形態では、突出部が傾斜面状に形成される構成を例に挙げて説明したが、これに限定するものではない。図10は、変形例に係る中性子減速体6Gを示す図である。図10に示す中性子減速体6Gでは、突出部68が第2方向D2に垂直な第1面68aと、第1面68aに垂直な第2面68bとを有する構成である。
突出部68は、第1面68aと第2面68bとが第2方向D2に交互に配置されて微小な階段状に形成される。本体部60Gは、第1面68a及び第2面68bによって溝部60xの溝面が構成される。なお、図10は、図を判別しやすくするため、第1面68a及び第2面68bを実際よりも大きい寸法で模式的に示しているが、実際には、第1面68a及び第2面68bは、例えば肉眼では判別できない寸法の微小な平面又は曲面で構成される。また、第1面68a及び第2面68bは、肉眼で判別可能ではあるが、突出部68の全体形状が第2方向D2に先細りとなるような寸法の平面又は曲面で構成されてもよい。
この構成では、第1面68aは法線が第2方向D2に垂直な面であり、第2面68bは法線が第2方向D2に平行な面である。このため、微視的には、法線が第2方向D2に垂直な面の表面積と、法線が第2方向D2に平行な面の表面積との和が、溝部60xを構成する溝面全体の表面積の100%となる。
しかしながら、第1面68a及び第2面68bがそれぞれ微小な平面であり、本体部60Gの全体構成として、巨視的には溝部60xが全体的に第2方向D2に広がった形状であるという点で上記各構成と同様である。したがって、図10に示すような、溝部60xが全体として第2方向D2に徐々に広がるように微小な第1面68aと第2面68bとが交互に配置された形状については、溝面全体として巨視的な視点で「取り出し方向に徐々に広がる部分」とみなすことができる。この場合、本体部60Gは、取り出し方向から見た場合の平面視において、第1面68aに対応する部分の面積が溝面全体の面積に対して50%以上となる。したがって、本実施形態に係る中性子減速体6Gは、低速の中性子の取り出し数を増加させることができる。
1,1A,1B,1E 中性子照射装置
2 加速装置
3 調整装置
4 走査装置
5 ターゲット
6,6A,6B,6C,6D,6E,6F,6G 中性子減速体
7 コリメータ
8,8E 減速体収容部
60,60A,60B,60C,60D,60E,60F,60G 本体部
60p,60q,60r,60s,60t,60v,60w,60x 溝部
61,62,63,64,66,68 突出部
61a,62a 底面
61b,61c,62b,62c 傾斜面
61d 先端部
61e,61f 端面
65 支持部
65a 表面
67a 第1突出部
67b 第2突出部
68a 第1面
68b 第2面
α1,α2 角度
D1 第1方向
D2 第2方向
L1 寸法
N,NE 中性子
P 荷電粒子
S 被照射体

Claims (7)

  1. 荷電粒子を加速して射出する加速装置と、
    前記加速装置から射出された前記荷電粒子が照射され、中性子を発生するターゲットと、
    前記ターゲットで発生した前記中性子を減速して前記中性子の取り出し方向に照射する中性子減速体と
    を備え、
    前記中性子減速体は、
    前記中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部と、
    前記本体部のうち前記取り出し方向の前方端面に形成された溝部と、を備え、
    前記本体部は、前記溝部を形成する溝面のうち、法線が前記取り出し方向に垂直な面の表面積と、法線が前記取り出し方向に平行な面の表面積との和が、前記溝面全体の表面積の50%以下であり、
    前記溝部は、前記本体部の前記取り出し方向の前方端部から後方端部にかけて形成され、
    前記溝面は、前記前方端部と前記後方端部とにおいて交互に折り返すように配置される
    中性子照射装置
  2. 荷電粒子を加速して射出する加速装置と、
    前記加速装置から射出された前記荷電粒子が照射され、中性子を発生するターゲットと、
    前記ターゲットで発生した前記中性子を減速して前記中性子の取り出し方向に照射する中性子減速体と
    を備え、
    前記中性子減速体は、
    前記中性子を減速させる材料を用いて形成された本体部と、
    前記本体部のうち前記取り出し方向の前方端面に形成された溝部と、を備え、
    前記溝部は、前記取り出し方向に徐々に広がる部分を有し、
    前記本体部は、前記取り出し方向の前方から見た場合の平面視において、前記溝部を構成する溝面のうち前記取り出し方向に徐々に広がる部分の面積が前記溝面全体の面積に対して50%以上であり、
    前記溝部は、前記本体部の前記取り出し方向の前方端部から後方端部にかけて形成され、
    前記溝面は、前記前方端部と前記後方端部とにおいて交互に折り返すように配置される
    中性子照射装置
  3. 前記本体部は、前記取り出し方向に垂直な仮想平面に対して前記溝面が所定範囲の角度で交差して配置される請求項1又は請求項2に記載の中性子照射装置
  4. 前記所定範囲は、60°以上85°以下の角度である請求項3に記載の中性子照射装置
  5. 前記本体部は、前記取り出し方向に向けて先細りの形状に形成された複数の突出部を有し、
    前記溝部は、複数の前記突出部同士の間に形成される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の中性子照射装置
  6. 前記突出部は、楔状又は錐状である請求項5に記載の中性子照射装置
  7. 前記取り出し方向は、前記ターゲットに照射される前記荷電粒子の照射方向に対して側方である請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の中性子照射装置。
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