JP6950226B2 - 音響機器、音響機器の最適化処理方法及びプログラム - Google Patents

音響機器、音響機器の最適化処理方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、補聴器を代表とする音響機器、音響機器の最適化処理方法及びプログラムに関するものである。
従来、補聴器やイヤホン、ヘッドフォン等、聴覚の補助や、音楽や他の情報の視聴などを目的とした音響機器(視聴覚機器)において、聞こえにくい周波数帯や聞きたい周波数帯はユーザごとに異なるため、聞きやすいレベルの出力音となるように最適化する調整が行われている。
例えば、補聴器では、専用の機器(オージオメータ)を用いて、所定周波数についての所定音量を変化させ、聞こえレベルを測定したものを音響特性に反映するのが一般的である。
しかし、専用の機器(オージオメータ)を用いた調整は、ユーザ側で行うことができず、専門店に出向いて専門の店員に依頼しなければならないため、煩わしかった。
この点、特許文献1には、マイクやスピーカが本体装置と別体に構成された補聴器において、本体装置側にユーザによって選択された周波数帯域についてイコライザアンプの周波数特性を調整することができる調整手段を備え、ユーザがイコライザアンプの周波数特性を自ら設定することができるものが開示されている。
このような機器では、専門店等に行かなくても、ユーザが自ら音の出力を調整することができる。
特開平8−298699号公報
しかしながら、特許文献1に記載の機器では、ユーザがイヤホンで直接音を聞いて確認しながら複数設けられている調整用のつまみを調整する必要がある。このため、所望の音の出力ができるように調整するのに手間がかかり、また、思い通りの調整を行うことができないおそれもある。
また、調整用のつまみ部を複数設ける必要があるため、マイクやイヤホンとは別体の本体装置を備える場合のように、ある程度実装スペースに余裕があることが必要であり、耳かけ式の補聴器や通常のイヤホン等の小型の機器には適用することが難しいとの問題もある。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、ユーザが簡易に自らの聞こえレベルに応じて音の出力を最適化する調整を行うことができる音響機器、音響機器の最適化処理方法及びプログラムを提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、本発明の音響機器は、入力操作に対応付けられた応答信号が出力される応答入力部と、出力音データに基づき音を出力させる発音部と、周波数と音量任意に指定するテスト用の前記出力音データに基づくテスト用の音を前記発音部から出力させ、前記テスト用の音が前記発音部から発音された際の前記応答入力部からの応答信号に応じて、ユーザにとっての音が聞こえ始める音量から不快に感じる音量までの音量範囲を周波数毎に判定し、前記判定された周波数毎の音量範囲に基づいて前記発音部からの発音に係る音量の入出力特性を周波数毎に設定する最適化処理部と、を備え、前記最適化処理部は、前記判定された音量範囲における音が聞こえ始める音量に基づいて線形に変化する音量の入出力特性を設定するとともに、前記判定された音量範囲における不快に感じる音量に基づいて前記線形に変化する音量の入出力特性を補正することで、非線形に変化する音量の入出力特性を設定する、ことを特徴としている。
本発明によれば、ユーザが簡易に自らの聞こえレベルに応じて音の出力を最適化する調整を行うことができる。
本実施形態における音響機器である補聴器の要部外観斜視図である。 本実施形態における音響機器である補聴器の制御構成を示した要部ブロック図である。 聴覚最適化処理のイメージを示す説明図である。 音量と聞こえレベルとの関係を示すグラフである。 ノンリニア最適化処理のイメージを示す説明図である。 本実施形態における音響機器の音出力処理を示すフローチャートである。 本実施形態における聴覚最適化処理を示すフローチャートである。 本実施形態におけるノンリニア最適化処理を示すフローチャートである。
図1から図8を参照しつつ、本発明に係る音響機器の一実施形態について説明する。本実施形態では、音響機器が補聴器である場合を例示するが、音響機器は補聴器に限定されない。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
《音響機器である補聴器の構成》
図1は、本実施形態における音響機器である補聴器の概略構成を示す要部外観斜視図である。また、図2は、本実施形態における補聴器の制御構成を示す要部ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の補聴器1は、耳かけ式となっており、補聴器本体2と、この補聴器本体2にアーム部3を介して接続されたイヤホンタイプのスピーカ5、及びマイク4等を備えている。
補聴器本体2には、聴覚最適化テスト開始スイッチ21、ノンリニア最適化テスト開始スイッチ22、回答スイッチ23、ボリューム調整部24、電源スイッチ25等が設けられている。
マイク4は、外部からの音波(音データ)を集音して制御装置に入力する音波入力部である。
本実施形態では、マイク4は補聴器1をユーザが装着した際に、ユーザの耳穴近くに配置される位置に設けられている。
図2に示すように、マイク4はマイクプリアンプ41を介して制御装置7と接続されている。マイクプリアンプ41を介することにより、アナログ回路を安定させることができる。なお、マイクプリアンプ41を設けることは必須ではない。
スピーカ5は、出力音データに基づき音を出力させる発音部である。
図2に示すように、スピーカ5は、スピーカアンプ51を介して制御装置7と接続されており、後述する音出力制御部712の制御にしたがって、音の出力を行う。
本実施形態では、スピーカ5は補聴器1をユーザが装着した際に、ユーザの耳穴内に挿入されるようになっている。
聴覚最適化テスト開始スイッチ21は、後述する聴覚最適化テストを開始させるためのスイッチである。
図2に示すように、聴覚最適化テスト開始スイッチ21は制御装置7と接続されており、聴覚最適化テスト開始スイッチ21が押下操作されることで最適化処理部711による聴覚最適化テストが開始される。
ノンリニア最適化テスト開始スイッチ22は、後述するノンリニア最適化テストを開始させるためのスイッチである。
図2に示すように、ノンリニア最適化テスト開始スイッチ22は制御装置7と接続されており、ノンリニア最適化テスト開始スイッチ22が押下操作されることで最適化処理部711によるノンリニア最適化テストが開始される。
また、回答スイッチ23は、ユーザによる操作が入力されることで入力操作に対応付けられた応答信号が出力される応答入力部である。本実施形態では聴覚最適化テスト及びノンリニア最適化テストにおいてユーザが回答を入力する。
本実施形態では、音声ガイドによって、「OK」や「YES」の場合にスイッチ操作を行うようにユーザに促すようになっており、ユーザによって回答スイッチ23が押下操作されると、制御部71の最適化処理部711にその旨の信号が入力される。
なお、回答スイッチ23は、スイッチの長押し操作、短押し操作のそれぞれに異なる応答信号が対応付けられていてもよい。この場合、スイッチ数を少なくして装置構成を簡易なものとしつつ、各種の操作入力が可能となる。
ボリューム調整部24は、例えば押圧する位置によってボリュームアップ又はボリュームダウンの指示信号を制御部71に入力するものである。ボリューム調整部24から指示信号が入力されると、音出力制御部712は当該指示信号に従ってスピーカ5から出力させる音のボリューム制御を行う。
電源スイッチ25は、押下操作により補聴器1の電源のON/OFFを切り替えるものである。電源スイッチ25が操作されると、当該操作信号が電源回路61を介して制御装置7に送られ、制御部71により電源のON/OFF制御が行われる。
また、補聴器本体2の内部には、補聴器1各部に電力を供給する電源部を構成する電池6(例えばボタン電池等)や各種電子部品が搭載される回路基板26等が配置されている。
本実施形態において、制御装置7は、例えばLSI等で構成されている補聴器1のコンピュータである。
この制御装置7や前述の電源回路61は、例えば補聴器本体2の内部に設けられた回路基板26に実装されている。
図2に示すように、補聴器1は、制御部71及び記憶部72を有する制御装置7を備えている。
また、制御装置7には、デジタルフィルタ(以下「DSP73」とする。)等が設けられている。制御装置7に設けられるDSP73としては、例えばバンドバスフィルタ、ハイパスフィルタ、ローパスフィルタ、シェルビングフィルタ、グラフィックイコライザー、パラメトリックイコライザー等である。なお、制御装置7に設けられるDSP73はここに例示したものに限定されず、各種フィルタを用いることができる。
記憶部72は、制御部71が各種機能を実現するために必要な情報を記憶するものである。
図2に示すように、記憶部72は、補聴器1の全体を統括制御するためのシステムプログラム721の他、聴覚最適化プログラム722、ノンリニア最適化プログラム等のプログラムを記憶するプログラム記憶部720を備えている。
また、記憶部72は、制御部71が各種処理を行うために必要なデータを記憶している。
例えば、本実施形態の記憶部72は、各種の音データを記憶している。具体的には、記憶部72は、指示音声データを記憶する指示音声データ記憶領域724、テスト用音源データを記憶するテスト用音源データ記憶領域725を備えている。なお、これら指示音声データ記憶領域724やテスト用音源データ記憶領域725は、例えば波形ROMとして、制御装置7を構成するLSI等に集積されている。
指示音声データ記憶領域724に記憶されている指示音声データとは、本実施形態において行わる聴覚最適化テストやノンリニア最適化テストの際に、ユーザをガイドするための指示音声のデータである。
本実施形態では、指示音声データを備え、音声によってユーザをガイドする構成とすることにより、ユーザが操作に迷うことがなく、また表示部等を備える必要がないため、簡易な装置構成とすることができる。
テスト用音源データ記憶領域725に記憶されているテスト用音源データは、聴覚最適化テストやノンリニア最適化テストの際にテスト用に出力される音のデータ(以下において、テスト用の出力音データや単に音データともいう。)である。
本実施形態では、一般的な人の可聴音域に属する周波数の音がテスト用音源データとして記憶されており、例えば、周波数は100hz、300hz、500hz、1000hz、3000hz、5000hz、8000hz、12000hz、14000hz等の周波数が用意されている。なお、テスト用音源データは、ここに例示したものに限定されない。
また、記憶部72は、最適化情報を記憶する最適化情報記憶領域726等を備えている。
最適化情報記憶領域726に記憶されている最適化情報とは、ユーザに対して聴覚最適化テストやノンリニア最適化テストを行った結果得られるユーザ固有の情報であり、ユーザが各周波数について聞くことのできる最低限の音量のデータや、ユーザが各周波数の音について不快(煩い)と感じる最低限の音量のデータ等である。最適化情報は、上記テストを行うことで新たな結果が得られた場合には、書き換え・更新が可能となっている。
また、本実施形態のように、ユーザに対して各周波数について聞くことのできる最低限の音量を調べる聴覚最適化テストとユーザが各周波数の音について不快(煩い)と感じる最低限の音量を調べるノンリニア最適化テストの両方を行っている場合、当該両方のテストの結果得られる範囲(すなわち、不快感を感じることなく聞き取ることのできる音の範囲)のデータもユーザの最適化情報として最適化情報記憶領域726に記憶されている。
制御部71は、CPU等の処理ICにより構成されている。本実施形態において、制御部71は、最適化処理部711、音出力制御部712として機能する。制御部71の最適化処理部711、音出力制御部712としての機能は、制御部71のCPU等と記憶部72のプログラム記憶部720に記憶されている各種のプログラムとが協働することにより実現される。
最適化処理部711は、周波数と音量のうちの少なくとも一方を任意に指定するテスト用の出力音データに基づくテスト用の音をスピーカ5から出力させ、テスト用の音がスピーカ5から発音された際の回答スイッチ23からの応答信号に応じて周波数と音量のうちの少なくとも一方に関するユーザの聴覚特性を判定し、聴覚特性に基づいてスピーカ5からの発音に係る音響特性を設定するものである。音響特性には、主として、周波数特性、入出力特性が含まれる。
ここで、発音部であるスピーカ5からの発音に係る周波数特性の設定とは、補聴器1に入力された音について、各周波数ごとにユーザにとって聞こえやすいレベルまでゲインを上げる信号処理を行うことをいう。
また、発音部であるスピーカ5からの発音に係る入出力特性の設定とは、補聴器1への入力音の大きさに応じてスピーカ5からの出力における増幅度を制御するノンリニア増幅を行うことをいう。
以下、最適化処理部711による音響特性の設定(すなわち、本実施形態では、周波数特性の設定及び入出力特性の設定)について具体的に説明する。
具体的には、まず最適化処理部711は、聴覚適正化テストを行い、任意の周波数について、ユーザが聞くことのできる音量はどのレベルであるかの情報を取得して、これに基づき、ユーザにとって聞こえにくい周波数についてはゲインを上げて聴こえやすくする処理を行う。
図3は、聴覚最適化処理のイメージを示す説明図である。図3において一番上の横線(破線)は、聴覚が正常レベルである場合を示しており、各周波数においてほぼフラットなゲインを示している。これに対して、図3に示すカーブは、上からそれぞれ、40代、50代、70代の人の各周波数におけるゲインの例を示しており、高い周波数ほどゲインが下がり、聴力が落ちていることを示している。
このように、人は年齢が上がるにしたがって高い周波数の音が聞きづらくなり、ゲインが落ちていく。例えば、70代の例として示した曲線では、正常な聴覚の人の場合と比べて、大きくゲインが落ちる。この場合、正常な聴覚の人と同様の聞こえレベルを実現するには、各周波数について上向き矢印で示す分だけゲインを上げる調整を行う必要がある。ゲインを上げる調整の手法は特に限定されないが、例えば、シェルビングフィルタ等のDSP73にユーザの聴覚特性に基づくゲインを設定して、各周波数において必要な分だけ(すなわち、図3において矢印で示す分だけ)ゲインをブーストする。
具体的には、例えば、ユーザの聞こえレベルが周波数1000hzにおいて3dBであれば、最適化処理部711は、補聴器1における周波数1000hzにおけるゲインを3dBにアップさせる。また、例えば周波数14000hzにおいて20dbであれば、周波数14000hzにおけるゲインを20dBとなるようにシェルビングフィルタ等のDSP73のゲインを調整する。
このようにして、各周波数のシェルビングフィルタ等のDSP73のゲインを調整して、ユーザにとって最適化された値として設定させることにより、ユーザにとってフラットな聞こえレベルを提供することができる。
また、最適化処理部711は、ノンリニア最適化テストを行い、任意の周波数について、ユーザが煩すぎて不快であると感じる音量はどのレベルであるかの情報を取得して、これに基づき、各周波数につき、ユーザにとって不快なレベルの音量とならないように入出力特性を調整する処理を行う。
図4は、音量と聞こえレベルとの関係を示すグラフであり、図5は、ノンリニア最適化処理のイメージを示す説明図である。
通常、正常な聴覚を有する人では、ある周波数について音量を上げていくと、ある音量を超えたところから音が聞こえ始め、聞こえレベルがリニアに上がっていく。そして、破線で示す一定レベルを超えると煩くて不快であると感じる。
図4において実線Aは可聴レベルaの音量レベルから音が聞こえ始める人の聞こえレベルと音量との関係を示し、実線Bは可聴レベルbの音量レベルから音が聞こえ始める人の聞こえレベルと音量との関係を示している。図4に示すように、正常な聴覚を有する人では、実線A,Bで示すように、ある周波数について聞こえ始める音量レベル(可聴レベル)が異なっても、入力された音量が大きいほど出力される音量もリニア(線形)に上げていくことで聞こえやすさも向上するという関係を示す。
しかし、例えば、難聴の場合、障害のある器官の違いによって、音を神経まで伝達する器官の障害による難聴である「伝音性難聴」、聴覚神経等の障害による難聴である「感音性難聴」、これら両方が混合している「混合性難聴障害」の3種類があるが、「感音性難聴」の場合、小さな音は聞こえ難くく、聞こえ始める音量は高めであるが、ある程度以上の大きな音になると健聴者と同じかそれ以上に煩く不快に感じるという特徴がある。
例えば図4の実線Cは、「感音性難聴」の人の聞こえ方を例示したものであり、実線Bと同様に可聴レベルbの音量レベルから音が聞こえ始めるが、実線Bで示した例と異なり、急激に聞こえレベルが上がって、正常な人では不快と感じない音量でも煩くて不快と感じるレベルに達している。
このため、このような特徴を有するユーザの場合、単に入力と出力との関係をリニアに変化させたのでは突然不快なレベルに達し、好ましくない。
そこで、本実施形態の最適化処理部711は、出力がユーザにとっての不快レベルを超えないように、ノンリニア最適化テストの結果に基づいて、各周波数ごとの入力と出力との関係をノンリニアに補正する。
すなわち、例えば、図5に実線Dとして示すように、正常な聴覚を有する人であれば入力と出力との関係が線形となるのに対して、「感音性難聴」等により聞こえ始めてからいきなり不快レベルに到達するようなユーザの場合には、実線Uで示すように、各周波数の音についてユーザが聞こえ始める音量レベル(図5において「可聴限界」として破線で示すレベル)から、不快に感じる音量レベル(図5において「ユーザの不快レベル」として一点鎖線で示すレベル)までの範囲内に出力レベルが収まるように下向き矢印で示すように適宜出力レベルを下げる調整を行う。
具体的には、最適化処理部711は、ノンリニア最適化テストの結果に基づくユーザの聴覚特性に応じて発音部であるスピーカ5の出力の増幅率の周波数特性を設定し、これに応じたノンリニアに増幅する増幅曲線(図5の実線U参照)を設定する。
これにより、一般の人が不快と感じるレベル(図5において「一般の不快レベル」として破線で示すレベル)よりも低いレベルで煩くて不快であると感じるユーザにとっても、聞きやすい補聴器1とすることができる。
また、音出力制御部712は、発音部であるスピーカ5からの音の出力を制御するものである。具体的には音出力制御部712は、ユーザの聴覚特性に対応して最適化処理部711によって設定されたフィルタや増幅曲線を適用して、ユーザの聴覚特性に応じた音の出力をスピーカ5から行わせる。
《音響機器である補聴器の作用》
次に、本実施形態における音響機器である補聴器1の作用について説明する。
図6は、本実施形態における補聴器による処理の全体を示すフローチャートである。
図6に示すように、補聴器1の電源スイッチ25がONとなると(ステップS1)、イニシャライズ(ステップS2)が行われた後、制御装置7により補聴処理(ステップS3)が行われる。補聴処理は、ユーザにとって聞きやすい音で音の出力を行う本実施形態の補聴器1の本体的な処理である。補聴処理としては、例えば、マイク4からマイクプリアンプ41を介して外部の音波(音データ)が入力されると、制御部71は当該入力音データについて、その入力の大きさに応じて該当周波数ごとに感度を調節するAGC(オートゲインコントロール)処理を行う。
そして、記憶部72の最適化情報記憶領域726からユーザの聴覚最適化情報やノンリニア最適化情報等の調整用データに基づいて最適化処理部711において設定されたシェルビングフィルタ(聴覚最適化補正値)や増幅曲線(ノンリニア最適化補正値)を読み出して入力音データに適用し、周波数やゲインの調整を行う。そして、音出力制御部712は、調整後の音データを、スピーカアンプ51を介してスピーカ(イヤホン)5から出力させる。
電源がONとなっている間、制御部71は常に聴覚最適化テスト開始スイッチ21がONとされたか否かを判断し(ステップS4)、聴覚最適化テスト開始スイッチ21がONとされた場合(ステップS4;YES)には、聴覚最適化処理に移行する(ステップS5、図7参照)。
他方、聴覚最適化テスト開始スイッチ21がONとされない場合(ステップS4;NO)には、制御部71は、ノンリニア最適化テスト開始スイッチ22がONとされたか否かを判断し(ステップS6)、ノンリニア最適化テスト開始スイッチ22がONとされた場合(ステップS6;YES)には、ノンリニア最適化処理に移行する(ステップS7、図8参照)。
聴覚最適化テスト開始スイッチ21もノンリニア最適化テスト開始スイッチ22もONとされない場合(すなわち、ステップS4;NO、ステップS6;NO)、及びノンリニア最適化処理(ステップS7)が完了した場合には、制御部71は、さらに電源スイッチ25がOFFとなったか否かを判断し(ステップS8)、電源スイッチ25がOFFとなった場合(ステップS8;YES)には、装置電源をOFFとして処理を終了する。他方、電源スイッチ25がOFFとなっていない場合(ステップS8;NO)には、ステップS3に戻り、聴覚最適化処理(ステップS5)やノンリニア最適化処理(ステップS7)が行われた場合には、当該結果を反映した補聴処理(ステップS3)等を繰り返す。
図7は、図6に示す聴覚最適化処理(ステップS5)の詳細を示したものである。
聴覚最適化テスト開始スイッチ21がONとされると(図6のステップS4;YES)、制御部71の最適化処理部711は指示音声データ記憶領域724から指示音声データを読み出して、例えば「音が聞こえたら回答スイッチを押してください」との音声をスピーカ5から出力させる(ステップS11)。
なお、この操作指示のための音声は、多くのユーザにとって聞き取ることのできる低い周波数の音で出力させることが好ましい。また、その音量もユーザにとって不快とならない範囲内で十分大きな音量とすることが好ましい。
そして、最適化処理部711は、テスト用音源データ記憶領域725からテスト用音源データを読み出し、これに基づくテスト用の音をスピーカ5から出力させるとともに、タイマー10秒を設定する(ステップS12)。例えば、周波数100hz、300hz、500hz、1000hz、3000hz、5000hz、8000hz、12000hz、14000hzの9ポイントにおいて聴覚最適化処理を行う場合、まず一番低い周波数である100hzのテスト用の音をテスト時の音量として設定されているうちの最低音量で10秒間スピーカ5から出力させる。なお、テスト用の音を出力させる時間は10秒間に限定されず、適宜設定可能である。
最適化処理部711は回答スイッチ23が操作されたか否かを判断し(ステップS13)、回答スイッチ23が操作されない場合(ステップS13;NO)には、最適化処理部711は、さらに10秒が経過したか否かを判断する(ステップS14)。10秒が経過していない場合(ステップS14;NO)には、ステップS13に戻って処理を繰り返す。
他方、10秒が経過した場合(ステップS14;YES)には、最適化処理部711はさらに当該周波数の音についてテストで想定している最大音量Nまでテストが終了したか否かを判断する(ステップS15)。当該周波数の音について最大音量Nまで終了していない場合(ステップS15;NO)には、最適化処理部711は指示音声データ記憶領域724から指示音声データを読み出して、例えば「次の音量です」との音声をスピーカ5から出力させるとともに(ステップS16)、当該周波数の音について音量を一段階(例えば3dB)上げ(ステップS17)、ステップS11に戻って処理を繰り返す。
他方、音が聞こえたとしてユーザにより回答スイッチ23が操作され(ステップS13;YES)、最適化処理部711が当該周波数についてユーザが聞き取ることのできる音量と判定した場合(ステップS18)又はある周波数について最大音量Nまでテストが終了し(ステップS15;YES)、当該周波数の音はユーザに聞こえないと最適化処理部711が判定した場合(ステップS19)には、最適化処理部711はテストにおいて予定されている全ての周波数N(例えば14000hz)の音についてテストが終了したか否かを判断する(ステップS20)。
そして、全ての周波数Nの音についてテストが終了していない場合(ステップS20;NO)には、最適化処理部711は指示音声データ記憶領域724から指示音声を読み出して、例えば「次の周波数の音です」との音声をスピーカ5から出力させるとともに(ステップS21)、周波数を次の周波数(例えば300hz)に変更する(ステップS22)。すなわち、最適化処理部711は、テスト用音源データ記憶領域725から次の周波数の音のテスト用音源データを読み出す。そしてステップS11に戻って同様に処理を繰り返す。
他方、全ての周波数Nの音についてテストが終了した場合(ステップS20;YES)には、最適化処理部711は指示音声データ記憶領域724から指示音声を読み出して、例えば「聴覚最適化処理が終了しました」との音声をスピーカ5から出力させる(ステップS23)。
そして、当該テストにおいて各周波数についての音量レベル(ゲイン)と決定された結果をユーザの聴覚特性を示す聴覚最適化情報(調整用データ)として最適化情報記憶領域726に記憶させて(ステップS24)、聴覚最適化処理を終了する。また最適化処理部711は、シェルビングフィルタにユーザの聴覚特性に基づくゲインを設定し、次の補聴処理(図6におけるステップS3)が行われる際にはこのシェルビングフィルタ等のDSP73を音データに適用して周波数特性の調整を行う。
図8は、図6に示すノンリニア最適化処理(ステップS7)の詳細を示したものである。
ノンリニア最適化テスト開始スイッチ22がONとされると(図6のステップS4;YES)、制御部71の最適化処理部711は指示音声データ記憶領域724から指示音声データを読み出して、例えば「音が不快と感じたら回答スイッチを押してください」との音声をスピーカ5から出力させる(ステップS31)。
なお、この操作指示のための音声は、多くのユーザにとって聞き取ることのできる低い周波数の音で出力させることが好ましい。また、その音量も不快とならない範囲内で十分大きな音量とすることが好ましい。
そして、最適化処理部711は、テスト用音源データ記憶領域725からテスト用音源データを読み出し、これに基づくテスト用の音をスピーカ5から出力させるとともに、タイマー10秒を設定する(ステップS32)。最適化処理部711は回答スイッチ23が操作されたか否かを判断し(ステップS33)、回答スイッチ23が操作されない場合(ステップS33;NO)には、最適化処理部711は、さらに10秒が経過したか否かを判断する(ステップS34)。10秒が経過していない場合(ステップS34;NO)には、ステップS33に戻って処理を繰り返す。
他方、10秒が経過した場合(ステップS34;YES)には、最適化処理部711はさらに当該周波数の音について最大音量Nまで終了したか否かを判断する(ステップS35)。当該周波数の音について最大音量Nまで終了していない場合(ステップS35;NO)には、最適化処理部711は指示音声データ記憶領域724から指示音声データを読み出して、例えば「次の音量です」との音声をスピーカ5から出力させるとともに(ステップS36)、当該周波数の音について音量を一段階(例えば3dB)上げ(ステップS37)、ステップS31に戻って処理を繰り返す。
他方、音が聞こえたとしてユーザにより回答スイッチ23が操作され(ステップS33;YES)、最適化処理部711が当該周波数についてユーザが聞き取ることのできる音量と判定した場合(ステップS38)又はある周波数について最大音量Nまでテストが終了し(ステップS35;YES)、当該周波数の音はユーザに聞こえないと最適化処理部711が判定した場合(ステップS39)には、最適化処理部711は全ての周波数Nの音についてテストが終了したか否かを判断する(ステップS40)。
そして、全ての周波数Nの音についてテストが終了していない場合(ステップS40;NO)には、最適化処理部711は指示音声データ記憶領域724から指示音声を読み出して、例えば「次の周波数の音です」との音声をスピーカ5から出力させるとともに(ステップS41)、周波数を変更する(ステップS42)。すなわち、最適化処理部711は、テスト用音源データ記憶領域725から次の周波数の音のテスト用音源データを読み出す。そしてステップS31に戻って同様に処理を繰り返す。
他方、全ての周波数Nの音についてテストが終了した場合(ステップS40;YES)には、最適化処理部711は指示音声データ記憶領域724から指示音声を読み出して、例えば「ノンリニア最適化処理が終了しました」との音声をスピーカ5から出力させる(ステップS43)。
そして、当該テストにおいて各周波数について不快な音量レベル(ゲイン)と決定された結果をユーザの聴覚特性を示すノンリニア最適化情報(調整用データ)として最適化情報記憶領域726に記憶させて(ステップS44)、ノンリニア最適化処理を終了する。
また最適化処理部711は、聴覚最適化処理結果及びノンリニア最適化処理結果(すなわち、各周波数においてユーザにとって音が聞こえる可聴限界から不快と感じる不快レベル)を反映した増幅曲線を設定し(ステップS45)、次の補聴処理(図6におけるステップS3)が行われる際にはこの増幅曲線を音データに適用して入出力特性の調整を行う。
なお、ここでは最適化処理部711による、ユーザの聴覚特性に応じてスピーカ5の出力の増幅率における周波数特性について説明したが、例えばマイク4の入力の感度等にもユーザの聴覚特性に応じた調整を行ってもよい。
《音響機器である補聴器の効果》
以上のように、本実施形態によれば、任意の周波数及び/又は任意の音量の出力音データに基づくテスト用の音をスピーカ5から出力させ、当該テスト用の音がスピーカ5から発音された際の回答スイッチ23からの入力操作に応じて最適化処理部711が周波数及び/又は音量に関するユーザの聴覚特性を判定し、この聴覚特性に基づいてスピーカ5からの発音に係る周波数特性または入出力特性を設定する。
これにより、専門店等の専用機を用いて設定を行わなくても、ユーザが自らの聴覚特性に合った出力音となるように補聴器1の調整を行うことができる。
また、本実施形態では、複数の異なる周波数につきそれぞれ音量を変えながらテスト用の音を順次出力させ、回答スイッチ23からの入力操作が各周波数につきいずれの音量のときに行われたかの入力タイミングにより、各周波数の音が当該ユーザにとっての可聴音となる音量を判定するようになっている。
このため、ユーザはスピーカ5から出力される音が聞こえたら入力操作を行うという簡易な手法で補聴器1の調整を行うことができる。
また、本実施形態では、出力音データは、ユーザに操作を促す指示音声データを含んでおり、スピーカ5から指示音声データに基づく指示音声の出力を行うことができる。
このように音声によるガイドが行われることにより、表示部等を別途備えなくてもユーザは操作手順等を把握することができる。また、次の操作に移行する際等にも音声によるガイドがなされることで、ユーザは操作に迷うことなく安心してテストを行うことができる。
また、この指示音声データは、広くユーザの可聴音に含まれる周波数及び音量に設定されている。
このため、ユーザが指示音声を聞き逃す回避することができる。
また、本実施形態ではスピーカ5によるテスト用の音データに基づく出力音が、特定の周波数において音量を変化させながら順次発音させていくものである。このため、ユーザは唐突に音を聞かされることなく落ち着いて操作を行うことができる。
さらに本実施形態のスピーカ5は、音が聞こえない不聴レベル、音が聞こえる可聴レベル、音を煩く感じる不快レベルの少なくとも3つのレベルの間の変化タイミングを入力操作するものであり、最適化処理部711は、回答スイッチ23からの入力操作が各周波数につきいずれの音量のときに行われたかの入力タイミングにより、各周波数の音が当該ユーザにとって各レベルとなる音量であるかを判定する。これにより簡易に音の聞こえレベルの判定を行うことができる。また、不快レベルとなったときには最適化処理部711により入出力特性を調整する。このように、入出力特性が調整されるため、ユーザが不快と感じるほどの大きな音を聞くこととなるおそれを回避して聞き心地のよい補聴器を実現することができる。
また、本実施形態の応答入力部として、押下操作により応答入力を行う1つの回答スイッチ23を採用し、当該回答スイッチ23において、スイッチの長押し操作、短押し操作のそれぞれに異なる応答信号が対応付けた場合には、、スイッチ(ボタン等の入力部)の数を少なくして装置構成を簡易なものとして装置の小型化等を実現可能としつつ、各種の操作入力を可能とすることができる。
また、本実施形態では、外部からの音波が入力される音波入力部としてマイク4を備え、最適化処理部711は、ユーザの聴覚特性に応じてマイク4の入力の感度、又はスピーカ5の出力の増幅率における周波数特性を設定する。このため、マイク4からどのような音が入力された場合でもユーザの聴覚特性に合った適切な出力音をさせることができる。
《変形例》
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、音響機器が耳かけ式の補聴器である場合を例示したが、耳穴内に嵌め込んで使用する耳穴式の補聴器でもよいし、首から下げる方式の補聴器でもよい。
音響機器は補聴器に限定されず、補聴器として医療認可をうけていない「集音器」でもよい。
さらに、音響機器は、音が聞こえにくい場合にその改善を行う「補聴」のための機器に限定されず、ユーザに対して所望の聞こえ具合となるように音響を補正するものであれば適用可能であり、PA(Public Address)システム等、室内に設置されたスピーカシステムや手元に置いて用いるスピーカ等に対しても広く適用することが可能である。
また、本実施形態では、外部からの音波が入力される音波入力部としてマイク4を備える場合を例示したが、入力音はマイク4からの音に限定されない。
例えば、音響機器が音楽再生機器であるような場合、外部機器から音源データが入力される入力端子等の音源入力部を備えていてもよい。
この場合、最適化処理部711は、ユーザの聴覚特性に応じて入力端子の入力の感度、又はスピーカ5の出力の増幅率における周波数特性を設定してもよい。
このようにすることで、楽曲データ等を外部から取り込んで再生させる音響機器である場合にもユーザの聴覚特性に応じた音の出力を行うように音響機器を調整することができる。
さらに、スピーカ5は、記憶部等に記憶されている出力音データに基づいて発音するものであってもよい。この場合にも最適化処理部711は、ユーザの聴覚特性に応じてスピーカ5の出力の増幅率の周波数特性を設定することで、ユーザにとって聞きやすい音で出力される音響機器を実現することができる。
また、本実施形態では、最適化処理部711が周波数ごとのゲインを調整する聴覚最適化処理と、入出力特性を調整するノンリニア最適化処理とを行う場合を例示したが、聴覚最適化処理とノンリニア最適化処理とを両方行うことは必須ではなく、最適化処理部711は、これらのうちいずれか一方のみを行うものであってもよい。
また、本実施形態では、指示音声データとは別にテスト用音源を用意する例について説明したが、例えば指示音声データをテスト用の音源として用いてもよい。この場合にはユーザが指示音声を聞いて、これに対して応答を返すことで当該周波数の音が当該音量で聞き取ることができたと判断することができる。
この場合、記憶部72に記憶させておくデータ量を少なくすることができるとともに、各音量のテスト用の音を順次聞くよりも全体のテスト時間を短くすることが期待できる。
また、本実施形態では、各周波数の音について小さな音量から出力させ、ユーザが聞き取れない場合に徐々に音量を上げていく手法を採用する例を示したが、テストの手法はこれに限定されない。
例えば、大きな音量から順次出力させ、ユーザが聞こえなくなった(すなわち応答しなくなった)タイミングをもって、ユーザの可聴限界を判断してもよい。
この場合、音が聞こえる状態からテストが開始されるため、ユーザは安心感を持ってテストに臨むことができる。
また、本実施形態では、ユーザが音を聞き取ったときに回答スイッチ23を操作するように促す例を示したが、応答の仕方はこれに限定されず、例えば、音が聞こえていると思う間はずっと回答スイッチ23を押し続けるようにユーザに促してもよい。このようにすることで、例えば、「次の音量の音です」等のアナウンスを聞くことで実際には音が聞こえなくても聞こえたような気がして回答スイッチ23を押してしまうと言ったようなボタンの押し誤り等を防止して、ユーザに音が聞こえているか否かを確実に判定することができる。
また、本実施形態では、周波数100hz、300hz、500hz、1000hz、3000hz、5000hz、8000hz、12000hz、14000hzの9ポイントにおいてユーザの聴覚特性を調べるテストを行う例を示したが、テストを行う周波数は上記9ポイントに限定されない。これよりも少ないポイントでテストを行ってもよいし、さらに細かく複数の周波数についてテストを行ってもよい。
また、本実施形態では、最適化処理部711によるテストにおいて、各周波数につき徐々に音量を上げながら当該周波数の音をユーザが聞き取ることのできる音量レベルを判定する場合を例示したが、テストの手法はこれに限定されない。
例えば、平均的なユーザにとって聞こえるか聞こえないかの境界の音量を基準音量として設定し、この設定した音量(基準音量)で各周波数の音を出力して、各周波数の音が出力されているときにユーザによる入力操作があったか否か(入力操作の状況)に応じて、各周波数において基準音量の音が聞こえたか否かを判定し、基準音量の音ではユーザが聞き取ることのできなかった周波数について、そのゲインをより高く調整するようにしてもよい。
以上本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
入力操作に対応付けられた応答信号が出力される応答入力部と、
出力音データに基づき音を出力させる発音部と、
周波数と音量のうちの少なくとも一方を任意に指定するテスト用の前記出力音データに基づくテスト用の音を前記発音部から出力させ、前記テスト用の音が前記発音部から発音された際の前記応答入力部からの応答信号に応じて周波数と音量のうちの少なくとも一方に関するユーザの聴覚特性を判定し、前記聴覚特性に基づいて前記発音部からの発音に係る音響特性を設定する最適化処理部と、
を備えていることを特徴とする音響機器。
<請求項2>
前記最適化処理部は、前記聴覚特性に基づいて、周波数毎の異なる音響特性を示す周波数特性と音量毎の異なる音響特性を示す入出力特性のうちの少なくとも一方を設定することを特徴とする請求項1に記載の音響機器。
<請求項3>
前記発音部による前記テスト用の音の出力は、複数の異なる周波数の音を、設定された音量により順次出力するものであり、
前記最適化処理部は、各周波数の音を出力しているときの前記応答入力部からの入力操作の状況に応じて、前記複数の異なる周波数の音に対する前記ユーザにとっての聞こえ方の差を前記聴覚特性として判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の音響機器。
<請求項4>
前記発音部による前記テスト用の音の出力は、複数の異なる周波数についてそれぞれ音量を変えながら順次音の出力を行うものであり、
前記最適化処理部は、前記応答入力部からの入力操作が各周波数につきいずれの音量のときに行われたかの入力タイミングにより、各周波数の音が当該ユーザにとっての可聴音となる音量を判定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の音響機器。
<請求項5>
前記出力音データは、ユーザに操作を促す指示音声データを含み、
前記発音部は、前記指示音声データに基づく指示音声の出力を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の音響機器。
<請求項6>
前記指示音声データは、広くユーザの可聴音に含まれる周波数及び音量に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の音響機器。
<請求項7>
前記発音部による前記テスト用データに基づく音の出力は、特定の周波数において音量を変化させながら順次発音させていくものであり、
前記応答入力部は、音が聞こえない不聴レベル、音が聞こえる可聴レベル、音を煩く感じる不快レベルの少なくとも3つのレベルの間の変化タイミングを入力操作するものであり、
前記最適化処理部は、前記応答入力部からの入力操作が各周波数につきいずれの音量のときに行われたかの入力タイミングにより、各周波数の音が当該ユーザにとって各レベルとなる音量であるかを判定し、前記不快レベルのときに、前記入出力特性を調整するものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の音響機器。
<請求項8>
前記応答入力部は、押下操作により応答入力を行う1つのスイッチからなり、前記スイッチの長押し操作、短押し操作のそれぞれに異なる応答信号が対応付けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の音響機器。
<請求項9>
外部からの音波が入力される音波入力部を備え、
前記最適化処理部は、ユーザの前記聴覚特性に応じて前記音波入力部の入力の感度、又は前記発音部の出力の増幅率における周波数特性を設定するものであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の音響機器。
<請求項10>
外部機器から音源データが入力される音源入力部を備え、
前記最適化処理部は、ユーザの前記聴覚特性に応じて前記音源入力部の入力の感度、又は前記発音部の出力の増幅率における周波数特性を設定するものであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の音響機器。
<請求項11>
前記発音部は、記憶部に記憶されている出力音データに基づいて発音するようになっており、
前記最適化処理部は、ユーザの前記聴覚特性に応じて前記発音部の出力の増幅率の周波数特性を設定するものであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の音響機器。
<請求項12>
入力操作に対応付けられた応答信号が出力される応答入力工程と、
周波数と音量のうちの少なくとも一方を任意に指定するテスト用の出力音データに基づくテスト用の音を出力させる発音工程と、
前記発音工程において前記テスト用の音が発音された際の前記応答入力工程において出力される応答信号に応じて周波数と音量のうちの少なくとも一方に関するユーザの聴覚特性を判定し、前記聴覚特性に基づいて前記発音工程における発音に係る音響特性を設定する最適化処理工程と、
を含んでいることを特徴とする音響機器の最適化処理方法。
<請求項13>
音響機器のコンピュータに、
入力操作に対応付けられた応答信号が出力される応答入力機能と、
周波数と音量のうちの少なくとも一方を任意に指定するテスト用の出力音データに基づくテスト用の音を出力させる発音機能と、
前記発音機能において前記テスト用音声が発音された際の前記応答入力機能におけるおいて出力される応答信号に応じて周波数と音量のうちの少なくとも一方に関するユーザの聴覚特性を判定し、前記聴覚特性に基づいて前記発音機能における発音に係る音響特性を設定する最適化処理機能と、
を実現させることを特徴とするコンピュータ読み取り可能なプログラム。
1 補聴器
4 マイク
5 スピーカ
21 聴覚最適化テスト開始スイッチ
22 ノンリニア最適化テスト開始スイッチ
23 回答スイッチ
71 制御部
72 記憶部
73 DSP
711 最適化処理部
712 音出力制御部
722 聴覚最適化プログラム
723 ノンリニア最適化プログラム
724 指示音声データ記憶領域
725 テスト用音源データ記憶領域
726 最適化情報記憶領域

Claims (13)

  1. 入力操作に対応付けられた応答信号が出力される応答入力部と、
    出力音データに基づき音を出力させる発音部と、
    周波数と音量任意に指定するテスト用の前記出力音データに基づくテスト用の音を前記発音部から出力させ、前記テスト用の音が前記発音部から発音された際の前記応答入力部からの応答信号に応じて、ユーザにとっての音が聞こえ始める音量から不快に感じる音量までの音量範囲を周波数毎に判定し、前記判定された周波数毎の音量範囲に基づいて前記発音部からの発音に係る音量の入出力特性を周波数毎に設定する最適化処理部と、
    を備え、
    前記最適化処理部は、前記判定された音量範囲における音が聞こえ始める音量に基づいて線形に変化する音量の入出力特性を設定するとともに、前記判定された音量範囲における不快に感じる音量に基づいて前記線形に変化する音量の入出力特性を補正することで、非線形に変化する音量の入出力特性を設定する、音響機器。
  2. 前記最適化処理部は、前記判定された音量範囲の広さに応じて、前記線形に変化する音量の入出力特性と前記非線形に変化する音量の入出力特性とを選択的に設定する、請求項1に記載の音響機器。
  3. 前記最適化処理部は、ユーザにおける難聴の種類に応じて、前記線形に変化する音量の入出力特性と前記非線形に変化する音量の入出力特性とを選択的に設定し、ユーザにおける難聴の種類が感音性難聴である場合に、前記非線形に変化する音量の入出力特性を設定する、請求項1又は請求項2に記載の音響機器。
  4. 前記発音部による前記テスト用の音の出力は、複数の異なる周波数についてそれぞれ音量を変えながら順次音の出力を行うものであり、
    前記最適化処理部は、前記応答入力部からの入力操作が各周波数につきいずれの音量のときに行われたかの入力タイミングにより、ユーザにとっての音が聞こえ始める音量から不快に感じる音量までの音量範囲を周波数毎に判定する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の音響機器。
  5. 前記出力音データは、ユーザに操作を促す指示音声データを含み、
    前記発音部は、前記指示音声データに基づく指示音声の出力を行う、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の音響機器。
  6. 前記指示音声データは、広くユーザの可聴音に含まれる周波数及び音量に設定されている、請求項5に記載の音響機器。
  7. 前記発音部による、テスト用の前記出力音データに基づく音出力は、特定の周波数において音量を変化させながら順次発音させていくものであり、
    前記応答入力部は、音が聞こえない不聴レベル、音が聞こえる可聴レベル、音を煩く感じる不快レベルの少なくとも3つのレベルの間の変化タイミングを入力操作するものであり、
    前記最適化処理部は、前記応答入力部からの入力操作が各周波数につきいずれの音量のときに行われたかの入力タイミングにより、ユーザにとっての音が聞こえ始める音量から不快に感じる音量までの音量範囲を周波数毎に判定する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の音響機器。
  8. 前記応答入力部は、押下操作により応答入力を行う1つのスイッチからなり、前記スイッチの長押し操作、短押し操作のそれぞれに異なる応答信号が対応付けられている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の音響機器。
  9. 外部からの音波が入力される音波入力部を備え、
    前記最適化処理部は、前記判定された周波数毎の音量範囲に基づいて、前記音波入力部の入力の感度、又は前記発音部の出力の増幅率における周波数特性を設定することにより、前記音波入力部の入力に対する前記発音部からの発音に係る音量の入出力特性を周波数毎に設定する、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の音響機器。
  10. 外部機器から音源データが入力される音源入力部を備え、
    前記最適化処理部は、前記判定された周波数毎の音量範囲に基づいて、前記音源入力部の入力の感度、又は前記発音部の出力の増幅率特性を設定することにより、前記音源入力部の入力に対する前記発音部からの発音に係る音量の入出力特性を周波数毎に設定する、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の音響機器。
  11. 前記発音部は、記憶部に記憶されている出力音データに基づいて発音するようになって
    おり、
    前記最適化処理部は、前記判定された周波数毎の音量範囲に基づいて、前記発音部の出力の増幅率の周波数特性を設定する、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の音響機器。
  12. 入力操作に対応付けられた応答信号が出力される応答入力部と、出力音データに基づき音を出力させる発音部と、を有する音響機器が、
    周波数と音量を任意に指定するテスト用の前記出力音データに基づくテスト用の音を前記発音部から出力させ、前記テスト用の音が前記発音部から発音された際の前記応答入力部からの応答信号に応じて、ユーザにとっての音が聞こえ始める音量から不快に感じる音量までの音量範囲を周波数毎に判定し、前記判定された周波数毎の音量範囲に基づいて前記発音部からの発音に係る音量の入出力特性を周波数毎に設定する最適化処理を実行し、
    前記最適化処理は、前記判定された音量範囲における音が聞こえ始める音量に基づいて線形に変化する音量の入出力特性を設定するとともに、前記判定された音量範囲における不快に感じる音量に基づいて前記線形に変化する音量の入出力特性を補正することで、非線形に変化する音量の入出力特性を設定する、音響機器の最適化処理方法。
  13. 入力操作に対応付けられた応答信号が出力される応答入力部と、出力音データに基づき音を出力させる発音部と、を有する音響機器のコンピュータに、
    周波数と音量を任意に指定するテスト用の前記出力音データに基づくテスト用の音を前記発音部から出力させ、前記テスト用の音が前記発音部から発音された際の前記応答入力部からの応答信号に応じて、ユーザにとっての音が聞こえ始める音量から不快に感じる音量までの音量範囲を周波数毎に判定し、前記判定された周波数毎の音量範囲に基づいて前記発音部からの発音に係る音量の入出力特性を周波数毎に設定する最適化処理を実行させ、
    前記最適化処理は、前記判定された音量範囲における音が聞こえ始める音量に基づいて線形に変化する音量の入出力特性を設定するとともに、前記判定された音量範囲における不快に感じる音量に基づいて前記線形に変化する音量の入出力特性を補正することで、非線形に変化する音量の入出力特性を設定する、コンピュータ読み取り可能なプログラム。
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