JP6948942B2 - タンパク質産物の等電性プロファイルをシフトさせる方法およびその使用 - Google Patents
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Description
この出願は、2014年10月15日に出願された米国仮特許出願第62/064,397号(この開示は、その全体が参考として本明細書に援用される)に対する優先権および利益を主張する。
本出願は、ASCIIフォーマットで電子的に提供された、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる配列表を含む。2015年9月25日に作成された前記ASCIIコピーは、AXJ−196PC_SL.txtと命名され、サイズは6,321バイトである。
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される:
(項目1)
組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをシフトさせる方法であって、
(a)産生バイオリアクター中で、前記産物を産生するのに十分な条件下で、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期および/または静止期からなる第1の期間にわたって培養するステップ;
(b)前記第1の期間の最後に、前記産物の等電性プロファイルをアッセイするステップ;ならびに
(c)前記産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の中の少なくとも6時間からなる第2の期間にわたって、前記産物をインキュベートするステップ、または
前記産物の等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の第2の期間にわたって、前記産物をインキュベートするステップ;ならびに任意選択で
(d)前記産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルがさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(c)を反復するステップ
を含む、方法。
(項目2)
組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをシフトさせる方法であって、
(a)産生バイオリアクター中で、前記産物を産生するのに十分な条件下で、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期を含み、かつ臨界時点において終結する第1の期間にわたって培養するステップ;
(b)前記産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の中の少なくとも6時間からなる第2の期間にわたって、前記産物をインキュベートするステップ;ならびに任意選択で
(c)前記産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルが、より酸性のプロファイルに向かうさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(b)を反復するステップ
を含む、方法。
(項目3)
組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをシフトさせる方法であって、
(a)産生バイオリアクター中で、前記産物を産生するのに十分な条件下で、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期を含み、かつ臨界時点において終結する第1の期間にわたって培養するステップ;
(b)前記産物の等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の第2の期間にわたって、前記産物をインキュベートするステップ;ならびに任意選択で
(c)前記産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルが、より塩基性のプロファイルに向かうさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(b)を反復するステップ
を含む、方法。
(項目4)
ステップ(a)が、前記哺乳動物細胞を流加培養することを含む、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記第1の期間が、約5日間から約12日間の間である、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記第2の期間が、約6時間から約120時間の間である、項目5に記載の方法。
(項目7)
ステップ(c)でインキュベートされた前記産物が、培養物中の前記組換えタンパク質および前記哺乳動物細胞の混合物を含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
ステップ(b)でインキュベートされた前記産物が、培養物中の前記組換えタンパク質および前記哺乳動物細胞の混合物を含む、項目2または3に記載の方法。
(項目9)
前記産物が、前記産生バイオリアクター中でインキュベートされる、項目7または8に記載の方法。
(項目10)
前記産物が、貯蔵容器中でインキュベートされる、項目7または8に記載の方法。
(項目11)
ステップ(b)とステップ(c)の間に、培養物を清澄化するステップをさらに含み、ステップ(c)でインキュベートされた前記産物が、清澄化された組織培養培地中の前記組換えタンパク質を含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
ステップ(a)とステップ(b)の間に、培養物を清澄化するステップをさらに含み、ステップ(b)でインキュベートされた前記産物が、清澄化された組織培養培地中の前記組換えタンパク質を含む、項目2または3に記載の方法。
(項目13)
前記産物が、貯蔵容器中でインキュベートされる、項目11または12に記載の方法。
(項目14)
ステップ(b)とステップ(c)の間に、前記組換えタンパク質を精製するステップをさらに含み、ステップ(c)でインキュベートされた前記産物が、希釈剤中の精製された前記組換えタンパク質を含む、項目1に記載の方法。
(項目15)
ステップ(a)とステップ(b)の間に、前記組換えタンパク質を精製するステップをさらに含み、ステップ(b)でインキュベートされた前記産物が、希釈剤中の精製された前記組換えタンパク質を含む、項目2または3に記載の方法。
(項目16)
ステップ(a)が、塩基性のプロファイルを有する産物を産生する少なくとも1つの条件下で、前記哺乳動物細胞を流加培養することを含み、ステップ(c)が、前記産物をより酸性のプロファイルにシフトさせる、項目1に記載の方法。
(項目17)
ステップ(a)が、塩基性のプロファイルを有する産物を産生する少なくとも1つの条件下で、前記哺乳動物細胞を流加培養することを含み、ステップ(b)が、前記産物をより酸性のプロファイルにシフトさせる、項目2に記載の方法。
(項目18)
前記条件が、New Zealandウシ血清を含む培養培地中で培養することを含む、項目16または17に記載の方法。
(項目19)
ステップ(a)が、酸性のプロファイルを有する産物を産生する少なくとも1つの条件下で、前記哺乳動物細胞を流加培養することを含み、ステップ(c)が、前記産物をより塩基性のプロファイルにシフトさせる、項目1に記載の方法。
(項目20)
ステップ(a)が、酸性のプロファイルを有する産物を産生する少なくとも1つの条件下で、前記哺乳動物細胞を流加培養することを含み、ステップ(b)が、前記産物をより塩基性のプロファイルにシフトさせる、項目3に記載の方法。
(項目21)
前記産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な前記条件が、約20%〜約45%の間の溶存酸素(dO 2 )濃度中でインキュベートすることを含む、項目1または2に記載の方法。
(項目22)
前記dO 2 濃度が、約25%から約40%の間である、項目21に記載の方法。
(項目23)
前記dO 2 濃度が、約30%から約35%の間である、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な前記条件が、約7.0から約7.3の間のpHを有する培地中でインキュベートすることを含む、項目1または2に記載の方法。
(項目25)
前記pHが、約7.0から約7.25の間である、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記pHが、約7.0から約7.20の間である、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記pHが、約7.0から約7.15の間である、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な前記条件が、約30℃から約37.5℃の間の温度でインキュベートすることを含む、項目1または2に記載の方法。
(項目29)
前記温度が、約33℃から約37.5℃の間である、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルにシフトさせるのに十分な前記条件が、約200RPMから約400RPMの間の撹拌速度でインキュベートすることを含む、項目1または2に記載の方法。
(項目31)
前記撹拌速度が、約220RPMから約350RPMの間である、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記撹拌速度が、約220RPMから約300RPMの間である、項目31に記載の方法。
(項目33)
ステップ(b)および/またはステップ(d)が、等電点電気泳動を含む、項目1に記載の方法。
(項目34)
ステップ(c)が、等電点電気泳動を含む、項目2または3に記載の方法。
(項目35)
前記等電点電気泳動が、キャピラリー電気泳動またはゲル電気泳動である、項目33または34に記載の方法。
(項目36)
前記組換えタンパク質が、免疫グロブリン、酵素、タンパク質または操作されたタンパク質である、項目1から35のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記組換えタンパク質が抗体である、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記抗体が、ヒト抗体またはヒト化抗体である、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記抗体が、ヒト補体タンパク質C5に特異的に結合する、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記抗体がエクリズマブである、項目39に記載の方法。
(項目41)
エクリズマブが、配列番号1を含む重鎖および配列番号2を含む軽鎖を含む、項目40に記載の方法。
(項目42)
エクリズマブが、配列番号1からなる重鎖および配列番号2からなる軽鎖を含む、項目41に記載の方法。
(項目43)
(e)前記産物を医薬組成物に製剤化するステップをさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目44)
(d)前記産物を医薬組成物に製剤化するステップをさらに含む、項目2または3に記載の方法。
(項目45)
前記組換えタンパク質産物の等電性プロファイルが、約5.2から約6.7の間の等電点を有する7つのタンパク質下位集団を含む、項目1または2に記載の方法。
(項目46)
前記産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で前記産物をインキュベートするステップが、前記7つのタンパク質下位集団の、より酸性のタンパク質下位集団のうち少なくとも2つの量の増加、およびより塩基性のタンパク質下位集団のうち少なくとも2つの量の減少を生じる、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記より酸性のタンパク質下位集団のうちの前記少なくとも2つが、約5.2から約6.7の間の等電点を有する前記7つのタンパク質下位集団の、4番目および5番目に酸性が強いタンパク質下位集団である、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記より塩基性の下位集団のうちの前記少なくとも2つが、約5.2から約6.7の間の等電点を有する前記7つのタンパク質下位集団の、1番目および2番目に塩基性が強いタンパク質下位集団である、項目46に記載の方法。
(項目49)
前記7つのタンパク質下位集団が、約5.45から約6.55の間の等電点を有する、項目45に記載の方法。
(項目50)
約5.45から約6.55の間の等電点を有する7つのタンパク質下位集団を有する組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをシフトさせる方法であって、
(a)産生バイオリアクター中で、前記産物を産生するのに十分な条件下で、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期または増殖期および静止期からなる第1の期間にわたって流加培養するステップ;
(b)前記産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の中の少なくとも6時間からなる第2の期間にわたって、前記産物をインキュベートするステップであって、前記より酸性のプロファイルが、前記7つのタンパク質下位集団の、4番目および5番目に酸性が強いタンパク質下位集団の量の増加、ならびに前記7つのタンパク質下位集団の、1番目および2番目に塩基性が強いタンパク質下位集団の量の減少を含む、ステップ;ならびに任意選択で
(c)前記産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルが、前記より酸性のプロファイルに向かうさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(b)を反復するステップ
を含む、方法。
(項目51)
約5.45から約6.55の間の等電点を有する7つのタンパク質下位集団を有する組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをシフトさせる方法であって、
(a)産生バイオリアクター中で、前記産物を産生するのに十分な条件下で、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期を含み、かつ臨界時点において終結する第1の期間にわたって流加培養するステップ;
(b)前記産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の中の少なくとも6時間からなる第2の期間にわたって、前記産物をインキュベートするステップであって、前記より酸性のプロファイルが、前記7つのタンパク質下位集団の、4番目および5番目に酸性が強いタンパク質下位集団の量の増加、ならびに前記7つのタンパク質下位集団の、1番目および2番目に塩基性が強いタンパク質下位集団の量の減少を含む、ステップ;ならびに任意選択で
(c)前記産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルが、前記より酸性のプロファイルに向かうさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(b)を反復するステップ
を含む、方法。
(項目52)
前記より酸性のプロファイルが、等電性プロファイルであり、ここで、
前記7つのタンパク質下位集団の2番目、3番目および4番目に塩基性が強いタンパク質下位集団の各々に存在するタンパク質の量が、前記プロファイル中のタンパク質の総質量の≧10%である;
前記7つのタンパク質下位集団の3番目および4番目に塩基性が強いタンパク質下位集団の各々に存在するタンパク質の量が、前記7つのタンパク質下位集団の2番目に塩基性が強いタンパク質下位集団の量未満である;
前記7つのタンパク質下位集団の最も酸性のタンパク質下位集団に存在するタンパク質の量が、前記プロファイル中のタンパク質の総質量の≦3%である;
前記7つのタンパク質下位集団の2番目に酸性が強いタンパク質下位集団に存在するタンパク質の量が、前記プロファイル中のタンパク質の総質量の≦6%である;
前記7つのタンパク質下位集団の3番目に酸性が強いタンパク質下位集団に存在するタンパク質の量が、前記プロファイル中のタンパク質の総質量の≦9%である;
前記7つのタンパク質下位集団の最も塩基性のタンパク質下位集団に存在するタンパク質の量が、前記プロファイル中のタンパク質の総質量の≦8%である;ならびに
前記7つのタンパク質下位集団の最も酸性の、2番目に酸性が強い、3番目に酸性が強い、および最も塩基性のタンパク質下位集団以外、タンパク質の総質量の≦6%であるタンパク質の量を有する他のタンパク質下位集団が存在しない、
項目50または51に記載の方法。
(項目53)
(b)のインキュベートするステップが、前記より酸性のプロファイルを有する組換えタンパク質産物を生じる、項目52に記載の方法。
(項目54)
(a)産生バイオリアクター中で、産物を産生するのに十分な条件下で、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期および/または静止期からなる第1の期間にわたって培養するステップ;
(b)前記第1の期間の最後に、前記産物をアッセイして等電性プロファイルを決定するステップ;ならびに
(c)前記産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の中の少なくとも6時間からなる第2の期間にわたって、前記産物をインキュベートするステップ、または
前記産物の等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の第2の期間にわたって、前記産物をインキュベートするステップ;ならびに任意選択で、
(d)前記産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルがさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(c)を反復するステップ
を含む方法によって産生される組換えタンパク質産物。
(項目55)
(a)産生バイオリアクター中で、産物を産生するのに十分な条件下で、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期を含み、かつ臨界時点において終結する第1の期間にわたって培養するステップ;
(b)前記産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の中の少なくとも6時間からなる第2の期間にわたって、前記産物をインキュベートするステップ;ならびに任意選択で
(c)前記産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルが、より酸性のプロファイルに向かうさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(b)を反復するステップ
を含む方法によって産生される組換えタンパク質産物。
(項目56)
(a)産生バイオリアクター中で、産物を産生するのに十分な条件下で、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期を含み、かつ臨界時点において終結する第1の期間にわたって培養するステップ;
(b)前記産物の等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の第2の期間にわたって、前記産物をインキュベートするステップ;ならびに任意選択で
(c)前記産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルが、より塩基性のプロファイルに向かうさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(b)を反復するステップ
を含む方法によって産生される組換えタンパク質産物。
等電性プロファイルとは、タンパク質産物のタンパク質集団の少なくとも1つの下位集団の酸性および/または塩基性の性質を指す。等電性プロファイルとは、タンパク質産物中の1つまたは複数の下位集団中のタンパク質の量もまた指し得る。一部の例では、等電性プロファイルとは、タンパク質産物(例えば、組換えタンパク質産物)の少なくとも2つのタンパク質下位集団の酸性および/または塩基性の性質を指し、ここで、これら少なくとも2つのタンパク質下位集団の各々は、タンパク質産物中の他のタンパク質下位集団と比較して、異なる等電点を有する。等電性プロファイルとは、組換えタンパク質産物において検出された全てのタンパク質下位集団の酸性および/もしくは塩基性の性質を指し得るか、または等電性プロファイルとは、組換えタンパク質産物について検出されたタンパク質下位集団のうち少なくとも2つのサブセットの酸性および/もしくは塩基性の性質を指し得る。例えば、等電性プロファイルとは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15のタンパク質下位集団の酸性および/もしくは塩基性の性質を指し得る。かかるタンパク質下位集団は、等電点電気泳動ゲル中のバンドとして言及される。
本明細書に記載される方法は、産生バイオリアクター中で、産物を産生するのに十分な条件下で、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、第1の期間にわたって培養するステップを含む。例えば、この第1の期間は、増殖期および静止期を含む、増殖期および静止期からなる、または増殖期および静止期から本質的になる。この第1の期間は、通常、増殖期および静止期を含む。一部の実施形態では、この第1の期間は、増殖の衰退期の一部分を含む。一部の実施形態では、これらの哺乳動物細胞は、産物を産生し、哺乳動物細胞の分裂を促進するのに十分な条件下で、第1の期間にわたって培養される。本明細書に記載される方法において使用され得る哺乳動物細胞を培養する態様の非限定的な例は、以下に記載される。
本明細書に記載される方法における培養するステップは、流加培養を含み得る。当技術分野で公知のように、流加培養は、細胞培養物からの第1の液体培養培地の実質的なまたは顕著な除去なしの、初期細胞培養物への第2の培養培地の漸増的または連続的添加を含む。一部の場合には、この第2の培養培地は、第1の液体培養培地と同じである。この第2の培養培地は、液体形態または乾燥粉末のいずれかであり得る。他の場合には、この第2の培養培地は、第1の液体培養培地の濃縮形態であり、および/または乾燥粉末として添加される。
本明細書に記載される方法における培養するステップは、灌流培養であり得る。当技術分野で公知のように、灌流培養は、第1の容積の第1の液体培養培地を産生バイオリアクターから除去すること、および第2の容積の第2の液体培養培地を産生バイオリアクターに添加することを含み、この第1の容積および第2の容積は、ほぼ等しい。哺乳動物細胞は、ある種の細胞保持デバイスによって、または沈降コーンにおける細胞沈降などの技術を介して、バイオリアクター中に保持される。灌流培養における培地の除去および添加は、同時にもしくは逐次的に、またはこれら2つのある種の組合せで、実施され得る。さらに、除去および添加は、産生バイオリアクターの0.1%から800%の間、1%と700%との間、1%と600%との間、1%と500%との間、1%と400%との間、1%と350%との間、1%と300%との間、1%と250%との間、1%と100%との間、100%と200%との間、5%と150%との間、10%と50%との間、15%と40%との間、8%と80%との間または4%と30%との間の容積を除去および置き換える速度などで、連続的に実施され得る。
本明細書に記載される方法では、組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞は、産生バイオリアクター中で、産物を産生するのに十分な条件下で、第1の期間にわたって培養される。一部の実施形態では、この第1の期間は、哺乳動物細胞の増殖期からなる、または哺乳動物細胞の増殖期および静止期からなる。一部の実施形態では、この第1の期間は、培養されている哺乳動物細胞の増殖期、静止期、および衰退期の一部分からなる。他の例では、この第1の期間は、哺乳動物細胞の増殖期を含み、かつ臨界時点において終結する。臨界時点の非限定的な例は、当技術分野で公知である。例えば、臨界時点は、細胞培養物が生存度において有意に悪化し始め、組換えタンパク質の臨界品質特性(critical quality attribute)における悪化を引き起こし得る時点である。別の一例では、臨界時点は、培養培地または細胞培養物中の組換えタンパク質産物が、分解産物の増大した形成、増大した変性、望ましくないグリコフォームの増大した形成、凝集物の増大した形成、および/または生物学的活性の喪失など、特定の品質特性において顕著に悪化し始めている時間であり得る。細胞培養物についての臨界時点を検出および決定するための方法は、産生されているタンパク質、およびタンパク質産物の意図した使用に依存する。例えば、タンパク質分解産物、変性組換えタンパク質、組換えタンパク質凝集物および組換えタンパク質生物学的活性を検出するための方法は、当技術分野で周知である。
本明細書に記載される方法において培養される哺乳動物細胞は、種々の異なる哺乳動物細胞であり得る。一部の例では、この哺乳動物細胞は、接着細胞であり、細胞培養物は、マイクロキャリアを含む。一部の例では、この哺乳動物細胞は、懸濁物中で増殖する細胞であり得る。本明細書に記載される方法を使用して培養され得る哺乳動物細胞の非限定的な例には、以下が含まれる:チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(例えば、CHO DG44細胞、CHO−K1細胞)、Sp2/0骨髄腫細胞、他の骨髄腫細胞、例えばNS/0細胞、B細胞、ハイブリドーマ細胞、T細胞、ヒト胎児由来腎臓(HEK)細胞(例えば、HEK 293EおよびHEK 293F)、アフリカミドリザル腎臓上皮細胞(Vero)細胞およびメイディン・ダービー・イヌ(コッカースパニエル)腎臓上皮細胞(MDCK)細胞。本明細書に記載される方法を使用して培養され得るさらなる哺乳動物細胞は、当技術分野で公知である。本明細書に記載される方法のいずれかの非限定的な例では、第1の期間のスタート時に産生バイオリアクター中に存在する哺乳動物細胞の細胞密度は、約0.1×106細胞/mL〜約0.5×106細胞/mL、約0.2×106細胞/mL〜約0.4×106細胞/mLまたは約0.25×106細胞/mL〜約0.5×106細胞/mLである。
培養するステップにおいて使用され得る液体培養培地は、当技術分野で公知である。この液体培養培地には、哺乳動物血清または哺乳動物血清成分、例えば、成長ホルモンまたは増殖因子(例えば、インスリン、トランスフェリンまたは上皮増殖因子)が補充され得る。この哺乳動物血清または血清成分は、胎仔ウシ血清であり得、New Zealandウシ血清に排他的に由来し得る。あるいは、この液体培養培地は、化学的に規定された液体培養培地、動物由来成分を含まない液体培養培地、無血清液体培養培地または血清含有液体培養培地であり得る。化学的に規定された液体培養培地、動物由来成分を含まない液体培養培地、無血清液体培養培地および血清含有液体培養培地の非限定的な例は、市販されている。
哺乳動物細胞の培養は、通常、培養物の混合のための、いくつかの形態の撹拌を含む。例えば、培養において使用される撹拌は、インペラを使用した回転撹拌であり得る。撹拌は、約200RPM〜約500RPM、約200RPMと480RPMとの間、約200RPMと約460RPMとの間、約200RPMと約440RPMとの間、約200RPMと約420RPMとの間、約200RPMと約400RPMとの間、約200RPMと約380RPMとの間、約200RPMと約360RPMとの間、約200RPMと約340RPMとの間、約200RPMと約320RPMとの間、約200RPMと約300RPMとの間、約200RPMと約280RPMとの間、約200RPMと約260RPMとの間、約200RPMと約240RPMとの間、約200RPMと約220RPMとの間、約240RPMと約500RPMとの間、約240RPMと約480RPMとの間、約240RPMと約460RPMとの間、約240RPMと約440RPMとの間、約240RPMと約420RPMとの間、約240RPMと約400RPMとの間、約240RPMと約380RPMとの間、約240RPMと約360RPMとの間、約240RPMと約340RPMとの間、約240RPMと約320RPMとの間、約240RPMと約300RPMとの間、約240RPMと約280RPMとの間、約240RPMと約260RPMとの間、約260RPMと約500RPMとの間、約260RPMと約480RPMとの間、約260RPMと約460RPMとの間、約260RPMと約440RPMとの間、約260RPMと約420RPMとの間、約260RPMと約400RPMとの間、約260RPMと約380RPMとの間、約260RPMと約360RPMとの間、約260RPMと約340RPMとの間、約260RPMと約320RPMとの間、約260RPMと約300RPMとの間、約260RPMと約280RPMとの間、約280RPMと約500RPMとの間、約280RPMと約480RPMとの間、約280RPMと約460RPMとの間、約280RPMと約440RPMとの間、約280RPMと約420RPMとの間、約280RPMと約400RPMとの間、約280RPMと約380RPMとの間、約280RPMと約360RPMとの間、約280RPMと約340RPMとの間、約280RPMと約320RPMとの間、約280RPMと約280RPMとの間、約300RPMと約500RPMとの間、約380RPMと約480RPMとの間、約380RPMと約460RPMとの間、約380RPMと約440RPMとの間、約380RPMと約420RPMとの間、約380RPMと約400RPMとの間、約400RPMと約500RPMとの間、約400RPMと約480RPMとの間、約400RPMと約460RPMとの間、約400RPMと約440RPMとの間または約400RPMと約420RPMとの間の回転数で行われ得る。撹拌は、連続的にまたは周期的に実施され得る。
本明細書に記載される培養するステップは、32℃〜約39℃、約32℃〜約37℃、約32℃から約37.5℃の間、約34℃から約37℃の間、または約35℃から約37℃の間の温度で実施され得る。例えば、哺乳動物細胞は、第1の期間の開始から最後まで、約37℃の温度でインキュベートされ得る。当業者は、この温度が、第1の期間中に、例えば、1時間毎に、または毎日、僅かに変化され得るまたは変動し得ることを理解する。例えば、この温度は、第1の期間のスタートの約1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後、7日後、8日後、9日後、10日後、11日後、12日後、14日後もしくは15日後に、または第1の期間内の任意の時点において、変化またはシフト(例えば、上昇または低下)され得る。例えば、この温度は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5または10.0℃、上方にシフトされ得る。別の一例では、この温度は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5または10℃、下方にシフトされ得る。
培養するステップは、約1%〜15%CO2、多くて、14%CO2、12%CO2、10%CO2、8%CO2、6%CO2、5%CO2、4%CO2、3%CO2、2%CO2もしくは約14%CO2、12%CO2、10%CO2、8%CO2、6%CO2、5%CO2、4%CO2、3%CO2、2%CO2、または多くて、1%CO2もしくは約1%CO2を含有する雰囲気を使用して実施することができる。産生バイオリアクター中にCO2をスパージするための方法は、当技術分野で周知である。
培養するステップは、約3%と約55%との間、約3%と約50%との間、約3%と約45%との間、約3%と約40%との間、約3%と約35%との間、約3%と約30%との間、約3%と約25%との間、約3%と約20%との間、約3%と約15%との間、約5%と約55%との間、約5%と約50%との間、約5%と約45%との間、約5%と約40%との間、約5%と約35%との間、約5%と約30%との間、約5%と約25%との間、約5%と約20%との間、約5%と約15%との間、約5%と約10%との間、約10%と約55%との間、約10%と約50%との間、約10%と約45%との間、約10%と約40%との間、約10%と約35%との間、約10%と約30%との間、約10%と約25%との間、約10%と約20%との間、約15%と約55%との間、約15%と約50%との間、約15%と約45%との間、約15%と約40%との間、約15%と約35%との間、約15%と約30%との間、約15%と約25%との間、約15%と約20%との間、約20%と約55%との間、約20%と約50%との間、約20%と約45%との間、約20%と約40%との間、約20%と約35%との間、約20%と約30%との間、約20%と約25%との間、約25%と約55%との間、約25%と約50%との間、約25%と約45%との間、約25%と約40%との間、約25%と約35%との間、約25%と約30%との間、約30%と約55%との間、約30%と約50%との間、約30%と約45%との間、約30%と約40%との間、約30%と約35%との間、約35%と約55%との間、約35%と約50%との間、約35%と約45%との間、約35%と約40%との間、約40%と約55%との間、約40%と約50%との間、約40%と約45%との間、約45%と約55%との間、約45%と約50%との間または約50%と約55%との間の溶存酸素(dO2)を細胞培養物中で維持することによって実施され得る。
本明細書に記載される方法のいずれかにおける組換えタンパク質の非限定的な例は、軽鎖および重鎖免疫グロブリンを含む免疫グロブリン、ヒト補体タンパク質C5に特異的に結合するヒト化抗体を含む抗体、例えばエクリズマブ、または抗体断片、酵素、例えば、α−ガラクトシダーゼ、Myozyme、Cerezyme、非抗体タンパク質、例えば、ヒトエリスロポエチン、腫瘍壊死因子(TNF)、インターフェロンアルファもしくはベータ、またはワクチンにおける使用のための免疫原性もしくは抗原性タンパク質もしくはタンパク質断片である。一部の実施形態では、この組換えタンパク質は、少なくとも1つの多機能性組換えタンパク質足場を含有する操作されたタンパク質である。例えば、Gebauerら、Current Opin. Chem. Biol. 13巻:245〜255頁、2009年;および米国特許出願公開第2012/0164066号に記載される組換え抗原結合タンパク質を参照のこと。抗体である組換えタンパク質の非限定的な例には、以下が含まれる:パニツムマブ、オマリズマブ、アバゴボマブ(abagovomab)、アブシキシマブ、アクトクスマブ(actoxumab)、アダリムマブ、アデカツムマブ(adecatumumab)、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブ、アラシズマブ、アレムツズマブ、アリロクマブ、アルツモマブ(altumomab)、アマツキシマブ、アナツモマブ(anatumomab)、アポリズマブ、アチヌマブ(atinumab)、トシリズマブ、バシリキシマブ(basilizimab)、ベクツモマブ(bectumomab)、ベリムマブ、ベバシズマブ、ビシロマブ(biciromab)、カナキヌマブ、セツキシマブ、ダクリズマブ、デノスマブ(densumab)、エクリズマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ(efungumab)、エルツマキソマブ(ertumaxomab)、エタラシズマブ(etaracizumab)、ゴリムマブ、インフリキシマブ、ナタリズマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、ペルツズマブ、ラニビズマブ、リツキシマブ、トシリズマブおよびトラスツズマブ。本明細書に記載される方法によって産生され得る治療抗体のさらなる例は、当技術分野で公知である。
本明細書で提供される方法は、産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、第2の期間にわたって、この産物をインキュベートするステップ、または産物の等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、第2の期間にわたって、この産物をインキュベートするステップもまた含む。このインキュベートするステップの非限定的な態様は、本明細書に記載される。
第2の期間中にインキュベートされた組換えタンパク質産物は、培養物中の組換えタンパク質および哺乳動物細胞の混合物であり得る。一部の実施形態では、これらの方法は、いくつかの形態の濾過を介して、培養物を清澄化するステップをさらに含む。第2の期間中にインキュベートされた組換えタンパク質産物は、清澄化された組織培養培地中の組換えタンパク質でもあり得る。一部の実施形態では、これらの方法は、第2の期間にわたるインキュベーションの前に組換えタンパク質を精製するステップをさらに含み、第2の期間中にインキュベートされた組換えタンパク質産物は、希釈剤中の精製されたタンパク質産物である。この希釈剤は、緩衝液、例えばリン酸緩衝食塩水であり得る。
本明細書に記載される例のいずれかでは、この組換えタンパク質産物は、産生バイオリアクター(例えば、本明細書に記載される例示的な産生バイオリアクターのいずれか)中または貯蔵容器中でインキュベートされ得る。貯蔵容器は、組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをシフトさせる(例えば、酸性シフトまたは塩基性シフト)のに十分な条件下で、組換えタンパク質産物をインキュベートするために備えられ得る。例えば、この貯蔵容器は、(本明細書に記載される任意の形態の)組換えタンパク質産物のdO2レベル、温度、pHおよびCO2レベルのうち1つまたは複数を調節するために備えられ得る。この貯蔵容器は、例えば、組換えタンパク質産物の撹拌を調節するためにも備えられ得る。この貯蔵容器は、例えば、約20Lと約5000Lとの間、約20Lと約4000Lとの間、約20Lと約2000Lとの間、約20Lと約1000Lとの間、約20Lと約800Lとの間、約20Lと約600Lとの間、約20Lと約400Lとの間、約20Lと約200Lとの間、約20Lと約100Lとの間、約50Lと約5000Lとの間、約50Lと約4000Lとの間、約50Lと約2000Lとの間、約50Lと約1000Lとの間、約50Lと約800Lとの間、約50Lと約600Lとの間、約50Lと約400Lとの間、約50Lと約200Lとの間、約50Lと約100Lとの間、約100Lと約5000Lとの間、約100Lと約4000Lとの間、約100Lと約2000Lとの間、約100Lと約1000Lとの間、約100Lと約800Lとの間、約100Lと約600Lとの間、約100Lと約400Lとの間、約100Lと約200Lとの間、約200Lと約5000Lとの間、約200Lと約4000Lとの間、約200Lと約2000Lとの間、約200Lと約1000Lとの間、約200Lと約800Lとの間、約200Lと約600Lとの間、約200Lと約400Lとの間、約500Lと約5000Lとの間、約500Lと約4000Lとの間、約500Lと約2000Lとの間、約500Lと約1000Lとの間、約500Lと約800Lとの間、約1000Lと約5000Lとの間、約1000Lと約4000Lとの間または約1000Lと約2000Lとの間の容積を有し得る。
本明細書に記載される例のいずれかでは、第2の期間は、培養の臨界期間(critical time period)後、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、少なくとも11時間、少なくとも12時間、少なくとも13時間、少なくとも14時間、少なくとも15時間、少なくとも16時間、少なくとも17時間、少なくとも18時間、少なくとも19時間、少なくとも20時間、少なくとも21時間、少なくとも22時間、少なくとも23時間、少なくとも24時間、少なくとも25時間、少なくとも26時間、少なくとも27時間、少なくとも28時間、少なくとも29時間、少なくとも30時間、少なくとも31時間、少なくとも32時間、少なくとも33時間、少なくとも34時間、少なくとも35時間、少なくとも36時間、少なくとも37時間、少なくとも38時間、少なくとも39時間、少なくとも40時間、少なくとも41時間、少なくとも42時間、少なくとも43時間、少なくとも44時間、少なくとも45時間、少なくとも46時間、少なくとも47時間、少なくとも48時間、少なくとも49時間、少なくとも50時間、少なくとも55時間、少なくとも60時間、少なくとも65時間、少なくとも70時間、少なくとも75時間、少なくとも80時間、少なくとも85時間、少なくとも90時間、少なくとも95時間、少なくとも100時間、少なくとも105時間、少なくとも110時間、少なくとも115時間、少なくとも120時間、少なくとも125時間、少なくとも130時間、少なくとも135時間、少なくとも140時間、少なくとも145時間、少なくとも150時間、少なくとも155時間、少なくとも160時間、少なくとも165時間、少なくとも170時間、少なくとも175時間、少なくとも180時間、少なくとも185時間、少なくとも190時間、少なくとも195時間または少なくとも200時間であり得る。
組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件は、以下のうち1つまたは複数を含み得る:ある範囲の温度、ある範囲のdO2値、ある範囲のpH値、ある範囲の撹拌速度、および組換えタンパク質産物を含有する液体(例えば、細胞および組換えタンパク質を含有する細胞培養培地、組換えタンパク質を含有する清澄化された培養培地、または組換えタンパク質を含有する緩衝液)中への1つまたは複数の薬剤の添加。第2の期間中の、組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせ得るpH値の例は、約pH7.00〜約pH7.30の間、約pH7.00〜約pH7.25の間、約pH7.00〜約pH7.20の間、約pH7.00〜約pH7.15の間、約pH7.00〜約pH7.10の間、約pH7.00〜約pH7.05の間、約pH7.05〜約pH7.30の間、約pH7.05〜約pH7.25の間、約pH7.05〜約pH7.20の間、約pH7.05〜約pH7.15の間、約pH7.05〜約pH7.10の間、約pH7.10〜約pH7.30の間、約pH7.10〜約pH7.25の間、約pH7.10〜約pH7.20の間、約pH7.10〜約pH7.15の間、約pH7.15〜約pH7.30の間、約pH7.15〜約pH7.25の間、約pH7.15〜約pH7.20の間、約pH7.20〜約pH7.30の間、約pH7.20〜約pH7.25の間または約pH7.25〜約pH7.30の間である。
組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件には、以下のうち1つまたは複数が含まれ得る:時間、ある範囲の特定の温度、ある範囲の特定のdO2値、ある範囲の特定のpH値、ある範囲の特定の撹拌速度、および組換えタンパク質産物を含有する液体(例えば、細胞および組換えタンパク質を含有する細胞培養培地、組換えタンパク質を含有する清澄化された培養培地、または組換えタンパク質を含有する緩衝液)への1つまたは複数の薬剤(例えば、New Zealandウシ血清アルブミン)の添加。第1の期間にわたって産物を産生するために使用される例示的な条件のいずれかは、第2の期間中に、等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルにシフトさせるために使用され得る。組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルにシフトさせるために使用され得る例示的な条件は、以下に提供される。
一部の実施形態は、塩基性のプロファイルを有する産物を産生する条件の使用を含む。例えば、原材料New Zealandウシ血清またはNew Zealandウシ血清アルブミンの使用は、より塩基性の等電性プロファイルを有する産物を産生し、インキュベートするステップは、産物をより酸性のプロファイルにシフトさせる。
一部の実施形態は、産物をアッセイして等電性プロファイルを決定する1つまたは複数のステップをさらに含む。例えば、産物をアッセイしてその等電性プロファイルを決定するステップは、第1の期間の最後の直後に、およびインキュベートするステップの前に、実施され得る。これは、組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、第2の期間中にこの産物をインキュベートするかどうかを決定するため、または組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、第2の期間中にこの産物をインキュベートするかどうかを決定するために、実施される。
当技術分野で公知のように、組換えタンパク質産物(例えば、シフトされた組換えタンパク質産物)は、当技術分野で公知の方法を使用して精製され得る。例えば、濾過およびクロマトグラフィー、例えば、親和性クロマトグラフィー、プロテインA捕捉クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、混合モード樹脂クロマトグラフィー、分子篩クロマトグラフィー、および疎水性相互作用クロマトグラフィーの1つまたは複数のステップが、シフトさせる前または後に、組換えタンパク質産物を精製するために使用され得る。組換えタンパク質産物(例えば、シフトされた組換えタンパク質産物)を精製するためのさらなる方法は、当技術分野で周知である。
本明細書に記載される方法のいずれかによって産生される組換えタンパク質産物もまた提供される。例えば、(a)産生バイオリアクター中で、産物を産生するのに十分な条件下で、組換えタンパク質をコードする核酸を含有する哺乳動物細胞を、哺乳動物細胞の増殖期および/または静止期からなる第1の期間にわたって培養するステップ;(b)第1の期間の最後に、この産物をアッセイして等電性プロファイルを決定するステップ;ならびに(c)産物の等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、哺乳動物細胞の衰退期の中の少なくとも6時間からなる第2の期間にわたって、この産物をインキュベートするステップ、または産物の等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で、哺乳動物細胞の衰退期の第2の期間にわたって、この産物をインキュベートするステップ;ならびに任意選択で、(d)この産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、この等電性プロファイルがさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(c)を反復するステップを含む方法によって産生される組換えタンパク質産物(例えば、エクリズマブ)が、本明細書で提供される。
エクリズマブの等電性プロファイルのシフト
1セットの実験を実施して、エクリズマブの等電性プロファイルを、10,000Lバイオリアクター中で細胞培養物のインキュベーションを継続することによってシフトさせることができるかどうかを決定した。これらの実験では、培養物試料を毎日採取し、組換えエクリズマブを、プロテインA親和性クロマトグラフィーを使用して精製した。得られた精製されたエクリズマブの等電性プロファイルを、等電点電気泳動法を使用して決定した。これらの実験で使用した方法および材料は、以下に記載される。
これらの実験に使用される材料には、以下が含まれる:エクリズマブをコードする核酸を含有する哺乳動物細胞の培養物由来の、清澄化されたバイオリアクター試料、およびプロテインA Sepharoseカラム。
10,000L産生バイオリアクターに、エクリズマブをコードする核酸を含有する哺乳動物細胞を播種した。接種の5〜15日後に、10,000Lバイオリアクター細胞培養物を、第1の実験および第2の実験において、5日目、6日目、7日目、8日目、9日目、10日目、11日目、12日目、13日目、14日目および15日目に試料採取した。各試料を、遠心分離および0.22μm濾過によって清澄化し、2〜8℃で貯蔵した。次に、各清澄化された試料に対して、2回目の濾過を行い、プロテインAカラムを通過させてエクリズマブを精製した。次いで、等電性プロファイリングを、精製されたエクリズマブ試料に対して実施した。
表1および2は、等電性タンパク質バンド1a、1、2、3、4、5および6の相対的量についての、それぞれ、第1および第2の10,000L細胞培養物において収集したデータをまとめる。これらのバンドを、5日目〜13日目にわたって細胞培養物から取得された各試料について等電点ゲル電気泳動を使用して決定した、最も酸性から最も塩基性までの順序で番号付けした。これらの10,000L流加細胞培養物における臨界時点は、衰退期において生存細胞密度が減少し、約15×105細胞/mLの生存細胞密度に達する時点であると決定した。表1および2中のデータは、培養の臨界時点を超えて哺乳動物細胞の培養を継続することで、培養物中のエクリズマブの等電性プロファイルにおける酸性シフトを生じさせることができたことを実証している。第1の10,000Lバイオリアクター細胞培養物からのデータのグラフ表示は、図1および2に示され、第2の10,000Lバイオリアクター細胞培養物からのデータのグラフ表示は、図3および4に示される。
エクリズマブの等電性プロファイルにおけるシフトに対するpHおよびdO2の影響
次に、本発明者らは、細胞培養物によって産生された組換えタンパク質の得られた等電性プロファイルに対するpHおよびdO2の影響を評価することを試みた。これらの小規模細胞培養物について、エクリズマブをコードする核酸を含有するNS0哺乳動物細胞を、2L流加バイオリアクター中で培養した。
10個の2L小規模流加バイオリアクターのセットに、1.3Lの作業容積で、エクリズマブをコードする核酸を含有するNS0哺乳動物細胞を接種し、合計で16日間培養した。これらのバイオリアクターを、36.5℃の制御された温度で、240RPMの撹拌速度で培養した。スパージ空気の流量は、3sL/時間で始まり、9sL/時間まで増加し、その後、実験条件のために特定のdO2設定ポイントを維持するためにさらなる酸素を補給した。これらの細胞培養物を、以下に列挙する5つの異なる実験条件(条件1〜5)で2連で試行した。各バイオリアクターを、0.02のpHデッドバンド設定ポイント(例えば、7.32±0.02)で試行した。その条件は以下の通りであった:
(1)pH7.0および15%のdO2(対照条件)(細胞培養試行1および2);
(2)pH7.32および5%のdO2(細胞培養試行3および4);
(3)pH7.32および50%のdO2(細胞培養試行5および6);
(4)pH6.95および5%のdO2(細胞培養試行7および8);ならびに
(5)pH6.95および50%のdO2(細胞培養試行9および10)。
5セットのバイオリアクター細胞培養条件における細胞増殖を決定した。図5を参照のこと。全ての2Lバイオリアクターについての初期播種密度は一貫していた。7.32のpHを有する4つのバイオリアクターは、初期にはより速く増殖した。培養培地中での増殖に最適なpHは7.30であったので、これは驚くべきことではなかった。しかし、これら4つのバイオリアクターは、対照条件下のバイオリアクターまたはpH6.95に設定したバイオリアクターよりも迅速に衰退期に入った細胞培養物を有した。pH6.95およびpH7.32ならびに5%のdO2設定ポイントに設定した細胞培養物は、それらの50%溶存酸素対応物と同じ積分生存細胞濃度(IVCC)を達成しなかった。これは、酸素がこれらの培養物における制約であったことを示唆した。pH7.0および15%のdO2の対照条件は、高いpH条件と低いpH条件(それぞれ、pH7.32および6.95のpH)との間であり、このことは、pH7を下回る僅かなpH改変でさえ、細胞増殖に対して有意な影響を有し得ることを示している。
等電性プロファイルに対する細胞供給源および原材料の影響
さらなるセットの実験を、哺乳動物細胞培養物によって産生されたエクリズマブの等電性プロファイルに対する細胞供給源および原材料の影響を決定するために実施した。これらの実験を実施するために使用した材料および方法は、以下に記載される。
8つの2Lバイオリアクターに接種し、合計18日間にわたってインキュベートした。各バイオリアクター培養物の作業容積は、1.3Lであった。2L流加バイオリアクター培養物の各々を、36.5℃の熱電対温度で240RPMで反時計回りに撹拌した。スパージ流量は、3sl/時間で始まり、9sl/時間まで上昇させ、その後、酸素補給を使用して、dO2設定ポイントを15%に維持した。バイオリアクター培養物を、±0.02のデッドバンドで、7.0のpHで試行した。2L流加バイオリアクター培養物のうち4つを、細胞供給源Aを用いて試行し、2L流加バイオリアクター培養物のうち4つを、細胞供給源Bを用いて試行した。各細胞供給源由来の2L流加バイオリアクター培養物のうち2つを、第1のセットの培養培地原材料を使用して培養し、他の6つの2L流加バイオリアクター培養物を、第2のセットの培養培地原材料を使用して培養した:各細胞供給源について3つの複製物。試験した実験条件の正確なセットは、表3に示される。8つのバイオリアクターに、撹拌培養物由来の細胞を接種した(即ち、1つの撹拌培養物を、各細胞供給源について調製した)。8つ全ての2L流加バイオリアクター培養物を、3.0×105細胞/mLの標的播種密度で接種した。
8つの流加バイオリアクターについての細胞増殖を、図12に示す。8つ全てのバイオリアクターについての初期播種密度は、容器毎に一貫している。黒の実線は、細胞供給源Bを接種した培養物からのデータを示し、黒の破線は、細胞供給源Aを接種した培養物からのデータを示す。第1のセットの原材料を含んだ2つのサブセット試行は、そのそれぞれの細胞供給源について矢印によって示される。このデータは、細胞供給源B由来の細胞が、細胞供給源Aの対応培養物よりも、より速く増殖し、より高いピーク生存細胞密度(VCD)に達し、VCDがゆっくりと衰退することを示している。第1のセットの原材料と共にインキュベートされた培養物は、第2のセットの原材料と共にインキュベートされた培養物と比較した場合、累積生存細胞密度がより低い。これは、細胞培養試行11データにおいて容易に見ることができる。
Claims (45)
- 組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをシフトさせる方法であって、前記組換えタンパク質がエクリズマブであり、前記方法は、以下:
(a)
(i)前記組換えタンパク質産物の前記等電性プロファイルを、より酸性のプロファイルに向けてシフトさせる場合、約2%〜約20%の間の溶存酸素(dO 2 )濃度において、または、
(ii)前記組換えタンパク質産物の前記等電性プロファイルを、より塩基性のプロファイルに向けてシフトさせる場合、約45%〜約50%の間の溶存酸素(dO 2 )濃度において、
産生バイオリアクター中で、前記組換えタンパク質産物を産生するのに十分な条件下で、組換えエクリズマブをコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期および/または静止期からなる第1の期間にわたって培養するステップ;
(b)前記第1の期間の最後に、前記産物の前記等電性プロファイルをアッセイするステップ;ならびに
(c)
(i)前記組換えタンパク質産物の前記等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な、約2%〜約20%の間の溶存酸素(dO2)濃度を含む条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の中の少なくとも6時間からなる第2の期間にわたって、前記培養物をインキュベートするステップ、または
(ii)前記組換えタンパク質産物の前記等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な、約45%〜約50%の間の溶存酸素(dO2)濃度を含む条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の第2の期間にわたって、前記培養物をインキュベートするステップ;ならびに任意選択で
(d)前記産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルがさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(c)を反復するステップ
を含む、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、前記方法は、前記組換えタンパク質産物の前記等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせ、
ここで、ステップ(a)は、前記哺乳動物細胞を、約2%〜約20%の間の溶存酸素(dO 2 )濃度において、第1の期間にわたって培養することを包含し、
ここで、ステップ(c)(i)は、前記培養物を、前記哺乳動物細胞の前記衰退期の第2の期間にわたって、約2%〜約20%の間の溶存酸素(dO 2 )濃度を包含する、前記組換えタンパク質産物の前記等電性プロファイルを、より酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下でインキュベートすることを包含する、
方法。 - 組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをシフトさせる方法であって、前記組換えタンパク質がエクリズマブであり、前記方法は、以下:
(a)約2%〜約20%の間の溶存酸素(dO 2 )濃度において、産生バイオリアクター中で、前記組換えタンパク質産物を産生するのに十分な条件下で、組換えエクリズマブをコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期を含み、かつ臨界時点において終結する第1の期間にわたって培養するステップ;
(b)前記産物の前記等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な、約2%〜約20%の間の溶存酸素(dO2)濃度を含む条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の中の少なくとも6時間からなる第2の期間にわたって、前記培養物をインキュベートするステップ;ならびに任意選択で
(c)前記組換えタンパク質産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルが、より酸性のプロファイルに向かうさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(b)を反復するステップ
を含む、方法。 - 組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをシフトさせる方法であって、前記組換えタンパク質がエクリズマブであり、前記方法は、以下:
(a)約45%〜約50%の間の溶存酸素(dO 2 )濃度において、産生バイオリアクター中で、前記組換えタンパク質産物を産生するのに十分な条件下で、組換えエクリズマブをコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期を含み、かつ臨界時点において終結する第1の期間にわたって培養するステップ;
(b)前記産物の前記等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な、約45%〜約50%の間の溶存酸素(dO2)濃度を含む条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の第2の期間にわたって、前記培養物をインキュベートするステップ;ならびに任意選択で
(c)前記組換えタンパク質産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルが、より塩基性のプロファイルに向かうさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(b)を反復するステップ
を含む、方法。 - ステップ(a)が、前記哺乳動物細胞を流加培養することを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1の期間が、約5日間から約12日間の間である、請求項5に記載の方法。
- 前記第2の期間が、約6時間から約120時間の間である、請求項6に記載の方法。
- ステップ(c)でインキュベートされた前記培養物が、培養物中の前記組換えタンパク質および前記哺乳動物細胞の混合物を含む、請求項1または2に記載の方法。
- ステップ(b)でインキュベートされた前記培養物が、培養物中の前記組換えタンパク質および前記哺乳動物細胞の混合物を含む、請求項3または4に記載の方法。
- 前記培養物が、前記産生バイオリアクター中でインキュベートされる、請求項8または9に記載の方法。
- 前記産物が、貯蔵容器中でインキュベートされる、請求項8または9に記載の方法。
- ステップ(b)とステップ(c)の間に、培養物を清澄化するステップをさらに含み、ステップ(c)でインキュベートされた前記培養物が、清澄化された組織培養培地中の前記組換えタンパク質を含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(a)とステップ(b)の間に、培養物を清澄化するステップをさらに含み、ステップ(b)の前記組換えタンパク質産物が、清澄化された組織培養培地中の前記組換えタンパク質を含む、請求項3または4に記載の方法。
- 前記培養物が、貯蔵容器中でインキュベートされる、請求項12または13に記載の方法。
- ステップ(b)とステップ(c)の間に、前記組換えタンパク質を精製するステップをさらに含み、ステップ(c)の前記組換えタンパク質産物が、希釈剤中の精製された前記組換えタンパク質を含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(a)とステップ(b)の間に、前記組換えタンパク質を精製するステップをさらに含み、ステップ(b)の前記組換えタンパク質産物が、希釈剤中の精製された前記組換えタンパク質を含む、請求項3または4に記載の方法。
- ステップ(a)が、塩基性のプロファイルを有する前記組換えタンパク質産物を産生する少なくとも1つの条件下で、前記哺乳動物細胞を流加培養することを含み、ステップ(c)が、前記産物の前記等電性プロファイルをより酸性のプロファイルにシフトさせる、請求項1に記載の方法。
- ステップ(a)が、塩基性のプロファイルを有する前記組換えタンパク質産物を産生する少なくとも1つの条件下で、前記哺乳動物細胞を流加培養することを含み、ステップ(b)が、前記産物の前記等電性プロファイルをより酸性のプロファイルにシフトさせる、請求項3に記載の方法。
- 前記条件が、New Zealandウシ血清を含む培養培地中で培養することを含む、請求項17または18に記載の方法。
- ステップ(a)が、酸性のプロファイルを有する前記組換えタンパク質産物を産生する少なくとも1つの条件下で、前記哺乳動物細胞を流加培養することを含み、ステップ(c)が、前記産物の前記等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルにシフトさせる、請求項1に記載の方法。
- ステップ(a)が、酸性のプロファイルを有する前記組換えタンパク質産物を産生する少なくとも1つの条件下で、前記哺乳動物細胞を流加培養することを含み、ステップ(b)が、前記産物の前記等電性プロファイルをより塩基性のプロファイルにシフトさせる、請求項4に記載の方法。
- 前記産物の前記等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な前記条件が、約7.0から約7.3の間のpHを有する培地中でインキュベートすることを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記pHが、約7.0から約7.25の間である、請求項22に記載の方法。
- 前記pHが、約7.0から約7.20の間である、請求項23に記載の方法。
- 前記pHが、約7.0から約7.15の間である、請求項24に記載の方法。
- 前記産物の前記等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な前記条件が、約30℃から約37.5℃の間の温度でインキュベートすることを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記温度が、約33℃から約37.5℃の間である、請求項26に記載の方法。
- 前記産物の前記等電性プロファイルをより酸性のプロファイルにシフトさせるのに十分な前記条件が、約200RPMから約400RPMの間の撹拌速度でインキュベートすることを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記撹拌速度が、約220RPMから約350RPMの間である、請求項28に記載の方法。
- 前記撹拌速度が、約220RPMから約300RPMの間である、請求項29に記載の方法。
- ステップ(b)および/またはステップ(d)が、等電点電気泳動を含む、請求項1に記載の方法。
- ステップ(c)が、等電点電気泳動を含む、請求項3または4に記載の方法。
- 前記等電点電気泳動が、キャピラリー電気泳動またはゲル電気泳動である、請求項31または32に記載の方法。
- エクリズマブが、配列番号1を含む重鎖および配列番号2を含む軽鎖を含む、請求項1に記載の方法。
- エクリズマブが、配列番号1からなる重鎖および配列番号2からなる軽鎖を含む、請求項34に記載の方法。
- (e)前記産物を医薬組成物に製剤化するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- (d)前記産物を医薬組成物に製剤化するステップをさらに含む、請求項3または4に記載の方法。
- 前記組換えタンパク質産物の前記等電性プロファイルが、約5.2から約6.7の間の等電点を有する7つのタンパク質下位集団を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記組換えタンパク質産物の前記等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な条件下で前記培養物をインキュベートするステップが、前記7つのタンパク質下位集団の、より酸性のタンパク質下位集団のうち少なくとも2つの量の増加、およびより塩基性のタンパク質下位集団のうち少なくとも2つの量の減少を生じる、請求項38に記載の方法。
- 前記より酸性のタンパク質下位集団のうちの前記少なくとも2つが、約5.2から約6.7の間の等電点を有する前記7つのタンパク質下位集団の、4番目および5番目に酸性が強いタンパク質下位集団である、請求項39に記載の方法。
- 前記より塩基性の下位集団のうちの前記少なくとも2つが、約5.2から約6.7の間の等電点を有する前記7つのタンパク質下位集団の、1番目および2番目に塩基性が強いタンパク質下位集団である、請求項39に記載の方法。
- 前記7つのタンパク質下位集団が、約5.45から約6.55の間の等電点を有する、請求項38に記載の方法。
- 約5.45から約6.55の間の等電点を有する7つのタンパク質下位集団を有する組換えタンパク質産物の等電性プロファイルをシフトさせる方法であって、
(a)約2%〜約20%の間の溶存酸素(dO 2 )濃度において、産生バイオリアクター中で、前記組換えタンパク質産物を産生するのに十分な条件下で、前記組換えタンパク質をコードする核酸を含む哺乳動物細胞を、前記哺乳動物細胞の増殖期または増殖期および静止期からなる第1の期間にわたって流加培養するステップ;
(b)前記産物の前記等電性プロファイルをより酸性のプロファイルに向けてシフトさせるのに十分な、約2%〜約20%の間の溶存酸素(dO2)濃度を含む条件下で、前記哺乳動物細胞の衰退期の中の少なくとも6時間からなる第2の期間にわたって、前記培養物をインキュベートするステップであって、前記より酸性のプロファイルが、前記7つのタンパク質下位集団の、4番目に酸性が強いタンパク質下位集団の量の増加、ならびに前記7つのタンパク質下位集団の、1番目および2番目に塩基性が強いタンパク質下位集団の量の減少を含む、ステップ;ならびに任意選択で
(c)前記組換えタンパク質産物をアッセイして等電性プロファイルを決定し、前記等電性プロファイルが、前記より酸性のプロファイルに向かうさらなるシフトを必要とする場合に、ステップ(b)を反復するステップ
を含み、かつ、前記組換えタンパク質産物がエクリズマブである、方法。 - 前記より酸性のプロファイルが、等電性プロファイルであり、ここで、
前記7つのタンパク質下位集団の2番目、3番目および4番目に塩基性が強いタンパク質下位集団の各々に存在するタンパク質の量が、前記プロファイル中のタンパク質の総質量の≧10%である;
前記7つのタンパク質下位集団の3番目および4番目に塩基性が強いタンパク質下位集団の各々に存在するタンパク質の量が、前記7つのタンパク質下位集団の2番目に塩基性が強いタンパク質下位集団の量未満である;
前記7つのタンパク質下位集団の最も酸性のタンパク質下位集団に存在するタンパク質の量が、前記プロファイル中のタンパク質の総質量の≦3%である;
前記7つのタンパク質下位集団の2番目に酸性が強いタンパク質下位集団に存在するタンパク質の量が、前記プロファイル中のタンパク質の総質量の≦6%である;
前記7つのタンパク質下位集団の3番目に酸性が強いタンパク質下位集団に存在するタンパク質の量が、前記プロファイル中のタンパク質の総質量の≦9%である;
前記7つのタンパク質下位集団の最も塩基性のタンパク質下位集団に存在するタンパク質の量が、前記プロファイル中のタンパク質の総質量の≦8%である;ならびに
前記7つのタンパク質下位集団の最も酸性の、2番目に酸性が強い、3番目に酸性が強い、および最も塩基性のタンパク質下位集団以外、タンパク質の総質量の≦6%であるタンパク質の量を有する他のタンパク質下位集団が存在しない、
請求項43に記載の方法。 - (b)のインキュベートするステップが、前記より酸性のプロファイルを有する組換えタンパク質産物を生じる、請求項44に記載の方法。
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