JP6948057B2 - 有機リン化合物分解触媒 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な有機リン化合物分解触媒に関する。さらに、本発明は、当該有機リン化合物分解触媒を用いた有機リン化合物除去材料に関する。
従来、有機リン化合物などの人体に有毒な物質を除去する手法としては、活性炭を用いる方法が広く採用されている。
例えば、特許文献1には、繊維状活性炭からなるガス吸着層の両面に保護層をキルティング加工で積層し、さらにいずれかの保護層の面に熱可塑性繊維からなる布帛を無溶剤系接着剤によって接着して積層したことを特徴とする吸着シートが開示されている。
しかしながら、活性炭は、有害物質を吸着により除去しているため、吸着量が飽和に達すると、その除去性能が失われるという問題がある。
特開2012−192623号公報
本発明は、有機リン化合物を分解できる新規な有機リン化合物分解触媒を提供することを主な目的とする。さらに、本発明は、当該有機リン化合物分解触媒を用いた有機リン化合物除去材料を提供することも目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、下記一般式(1)で表される金属錯体、有機リン化合物の分解反応を触媒する機能を有することを見出した。
N x[MC(CN)6y (1)
[一般式(1)中、MNは、Fe2+、Fe3+、Zn2+、Mn2+、Co2+、Ga3+、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Sc3+、及びAg+からなる群より選択される少なくとも1種であり、MCは、Fe2+、Co3+、Ir3+、Ru2+、Pt4+、Fe3+、及びMn3+からなる群より選択される少なくとも1種であり、x及びyは、それぞれ、正数である。ただし、MNがFe2+またはFe3+であり、かつ、MCがFe2+またはFe3+である場合を除く。]
本発明は、このような知見に基づいて、さらに検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 下記一般式(1)で表される、有機リン化合物分解触媒。
N x[MC(CN)6y (1)
[一般式(1)中、MNは、Fe2+、Fe3+、Zn2+、Mn2+、Co2+、Ga3+、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Sc3+、及びAg+からなる群より選択される少なくとも1種であり、MCは、Fe2+、Co3+、Ir3+、Ru2+、Pt4+、Fe3+、及びMn3+からなる群より選択される少なくとも1種であり、x及びyは、それぞれ、正数である。ただし、MNがFe2+またはFe3+であり、かつ、MCがFe2+またはFe3+である場合を除く。]
項2. 前記一般式(1)において、MNは、Fe2+、Fe3+、Zn2+、Mn2+、Co2+、及びGa3+からなる群より選択される少なくとも1種であり、MCは、Fe2+、Co3+、Ir3+、Ru2+、Pt4+、及びFe3+からなる群より選択される少なくとも1種であり、xは、1〜4の正数であり、yは、1〜3の正数である、項1に記載の有機リン化合物分解触媒。
項3. FeIII[CoIII(CN)6]、FeIII[IrIII(CN)6]、FeIII 4[RuII(CN)63、FeII 3[CoIII(CN)62、FeII 3[IrIII(CN)62、FeII 2[RuII(CN)6]、FeII[PtIV(CN)6]、ZnII 3[FeIII(CN)62、MnII 3[FeIII(CN)62、CoII 3[FeIII(CN)62、CoII 3[CoIII(CN)62、GaIII[FeIII(CN)6]、またはGaIII 4[FeII(CN)63で表される金属錯体である、項1又は2に記載の有機リン化合物分解触媒。
項4. 粒子状である、項1〜3のいずれかに記載の有機リン化合物分解触媒。
項5. 有機リンエステル化合物の分解に用いられる、項1〜4のいずれかに記載の有機リン化合物分解触媒。
項6. 通気性基材と、前記通気性基材に担持された項1〜5のいずれかに記載の有機リン化合物分解触媒とを含む、有機リン化合物除去材料。
本発明によれば、有機リン化合物を分解できる新規な有機リン化合物分解触媒を提供することができる。さらに、本発明によれば、当該有機リン化合物分解触媒を用いた有機リン化合物除去材料を提供することもできる。
実施例1で合成した有機リン化合物分解触媒(FeIII[CoIII(CN)6])の存在下において、リン酸p−ニトロフェノールを分解した際の、反応溶液の紫外可視吸収スペクトルの経時変化を示すグラフである。 実施例1で合成した有機リン化合物分解触媒(FeIII[CoIII(CN)6])の存在下において、リン酸p−ニトロフェノール(NPP)を分解した際の、反応時間(h)と生成物(p−ニトロフェノール[NP])の生成量(mM)との関係を示すグラフである。
(有機リン化合物分解触媒)
本発明の有機リン化合物分解触媒は、下記一般式(1)の組成式で表されることを特徴としている。
N x[MC(CN)6y (1)
一般式(1)において、MNは、Fe2+、Fe3+、Zn2+、Mn2+、Co2+、Ga3+、Mg2+、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Sc3+、及びAg+からなる群より選択される少なくとも1種である。また、MCは、Fe2+、Co3+、Ir3+、Ru2+、Pt4+、Fe3+、及びMn3+からなる群より選択される少なくとも1種である。ただし、MNがFe2+またはFe3+であり、かつ、MCがFe2+またはFe3+である場合を除く。本発明において、MNがFe2+またはFe3+であり、かつ、MCがFe2+またはFe3+である場合には、混合原子価状態を取るため、MNとMCの比が不定となりやすく、有機リン化合物の分解反応の再現性に劣る場合がある。
なお、「MN」との表記は、前記の金属イオンMに対して、シアノ配位子のN原子が配位することを意味している。また、「MC」との表記は、前記の金属イオンMに対して、シアノ配位子のC原子が配位することを意味している。
また、一般式(1)において、x及びyは、それぞれ、正数である。
本発明の有機リン化合物分解触媒は、固体触媒であり、より具体的には、配位高分子である。配位高分子とは、架橋性配位子を用いることで複数の金属イオンが連なった構造を持つ固体の金属錯体のポリマーである。一般式(1)で表される本発明の有機リン化合物分解触媒は、シアノ配位子を用いたシアノ架橋金属錯体ポリマーである。シアノ架橋金属錯体ポリマーは、溶液中でアニオン性の[MC(CN)6n-と適当な金属カチオン(MN)を反応させることで、三次元的にMC−CN−MNの構造を作りながらポリマーが生成するため、徐々に不溶化し、沈殿として得ることができる。一般式(1)で表される本発明の有機リン化合物分解触媒についても、同様にして得られる。なお、シアノ架橋金属錯体ポリマーとして、代表的なものはプルシアンブルーが挙げられる。
本発明の有機リン化合物分解触媒は、有機リン化合物の分解反応を触媒する機能を有しており、当該分解反応は、好適には加水分解反応である。加水分解反応においては、反応系中に存在する水を強く分極させて、有機リン化合物に求核攻撃するヒドロキシイオンの生成を促すことが重要である。本発明の有機リン化合物分解触媒は、前記一般式(1)で表される化学構造を有しており、金属イオンに水分子を配位させることが可能であり、金属イオンを加水分解反応の活性点として、ヒドロキシイオンを生成することができる。
本発明の有機リン化合物分解触媒には、通常、さらに溶媒が配位している。溶媒としては、好ましくは水が挙げられる。本発明の有機リン化合物分解触媒においては、MCが低原子価になる程、活性点となるMNに配位する水分子の数が多くなり、触媒活性が高くなる。一方、MNとMCの比が1からずれる程、配位高分子としての架橋構造が保たれなくなり、配位高分子としての安定性低くなる。これらの点を考慮して、有機リン化合物の分解反応に対して高い活性を有しつつ、より多くの水分子が配位し、さらに安定な配位高分子を形成するよう、さらに望ましいMNとMCの組み合わせを探索した結果、本発明においては、前記一般式(1)で表される金属錯体が、有機リン化合物の分解反応を好適に触媒することを見出した。
有機リン化合物を好適に分解する観点から、一般式(1)において、MNが、Fe2+、Fe3+、Zn2+、Mn2+、Co2+、及びGa3+からなる群より選択される少なくとも1種であり、MCが、Fe2+、Co3+、Ir3+、Ru2+、Pt4+、及びFe3+からなる群より選択される少なくとも1種であり、xが1〜4の正数であり、yが1〜3の正数であることが好ましい。さらに、一般式(1)において、MNが、Fe2+、Fe3+、Mn2+、及びGa3+からなる群より選択される少なくとも1種であり、MCが、Fe2+、Co3+、Ir3+、Ru2+、Pt4+、及びFe3+からなる群より選択される少なくとも1種であり、xが1〜4の正数であり、yが1〜3の正数であることが特に好ましい。ただし、MNがFe2+またはFe3+であり、かつ、MCがFe2+またはFe3+である場合を除く。
さらに、有機リン化合物を好適に分解する観点から、一般式(1)において、MNがFe2+を含む場合には、MCがCo3+、Ir3+、Ru2+、及びPt4+からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、MNがFe3+を含む場合には、MCがCo3+、Ir3+、及びRu2+からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、MNがMn2+を含む場合には、MCがFe3+を含むことが好ましく、MNがGa3+を含む場合には、MCがFe3+及びFe2+の少なくとも一方を含むことが好ましい。有機リン化合物の分解活性が特に高いことから、MNはFe2+及びFe3+の少なくとも一方を含むことが好ましい。
有機リン化合物を好適に分解する観点から、一般式(1)で表される金属錯体の特に好ましい具体例としては、FeIII[CoIII(CN)6]、FeIII[IrIII(CN)6]、FeIII 4[RuII(CN)63、FeII 3[CoIII(CN)62、FeII 3[IrIII(CN)62、FeII 2[RuII(CN)6]、FeII[PtIV(CN)6]、ZnII 3[FeIII(CN)62、MnII 3[FeIII(CN)62、CoII 3[FeIII(CN)62、CoII 3[CoIII(CN)62、GaIII[FeIII(CN)6]、またはGaIII 4[FeII(CN)63で表される金属錯体が挙げられる。
本発明の有機リン化合物分解触媒の形状は、特に制限されず、例えば、粒子状が挙げられる。本発明の有機リン化合物分解触媒の形状が粒子状である場合、その直径としては、特に制限されないが、例えば10nmから100μm程度の範囲が挙げられる。
本発明の有機リン化合物分解触媒の製造方法としては、特に制限されず、公知の製造方法を採用することができる。例えば、MN源となる金属イオン水溶液と、MC源となる金属イオン水溶液とを混合し、沈殿物を回収することによって、一般式(1)で表される金属錯体が得られる。具体例としては、例えば、FeII 3[CoIII(CN)62で表される金属錯体は、実施例1に示すように、FeSO4水溶液を撹拌しながら、同量のK3[CoIII(CN)6]水溶液を滴下し、得られた濃青色沈殿物を遠心分離で回収することによって得られる。
本発明の有機リン化合物分解触媒を用いて有機リン化合物を分解する方法としては、特に制限されず、本発明の有機リン化合物分解触媒と有機リン化合物とを接触させればよい。このとき、有機リン化合物を加水分解によって分解する際には、水の存在下に、本発明の有機リン化合物分解触媒と有機リン化合物とを接触させる。
例えば、空気中には水分が存在しているため、有機リン化合物の気体と、本発明の有機リン化合物分解触媒とを空気中で接触させることにより、有機リン化合物を好適に加水分解することができる。また、水中において、有機リン化合物と本発明の有機リン化合物分解触媒とを接触させることにより、有機リン化合物を好適に加水分解することもできる。
有機リン化合物の分解する際の反応温度としては、特に制限されず、使用環境に応じた温度とすればよいが、例えば、10〜80℃程度が挙げられる。また、反応時間について、使用環境に応じた時間とすればよい。例えば、マスクやフィルターなどに本発明の有機リン化合物分解触媒に用いる場合、反応時間は、有機リン化合物がマスクやフィルターを通過するごく短時間となるが、例えば、本発明の有機リン化合物分解触媒を活性炭などの吸着剤と共に用いることにより、活性炭などに一旦吸着された有機リン化合物を、本発明の有機リン化合物分解触媒で分解することができ、このような場合であれば、反応時間を長くすることができる。
本発明の有機リン化合物分解触媒が分解対象とする有機リン化合物としては、特に制限されないが、本発明の有機リン化合物分解触媒は、特に加水分解反応の触媒活性が高いため、加水分解される基(エステル基、アミド基、チオエステル基、エーテル基など)を有する有機リン化合物が好ましく、有機リンエステル化合物がさらに好ましい。有機リンエステル化合物などの有機リン化合物は、例えば農薬等として使用されている。本発明の有機リン化合物分解触媒を用いて有機リン化合物を分解することにより、農薬を吸引することなどによる中毒事故を防止することが可能となる。
(有機リン化合物除去材料)
本発明の有機リン化合物分解触媒を通気性基材に担持することにより、有機リン化合物除去材料とすることができる。すなわち、本発明の有機リン化合物除去材料は、通気性基材と、当該通気性基材に担持された本発明の有機リン化合物分解触媒とを含むことを特徴としている。
本発明の有機リン化合物除去材料の具体例としては、例えば、マスク、フィルター、防護服、作業衣、保護衣、手袋、靴などが挙げられる。
通気性基材としては、通気性を有しており、有機リン化合物分解触媒を担持できるものであれば特に制限されず、有機リン化合物除去材料の種類に応じて、適宜選択すればよく、例えば、織物、編物、不織布、フェルトなどが挙げられる。
有機リン化合物分解触媒を通気性基材に担持する方法としては、特に制限されず、例えば、通気性基材で有機リン化合物分解触媒を挟持する方法などが挙げられる。
前述の通り、本発明の有機リン化合物分解触媒を活性炭などの吸着剤と共に用いることにより、活性炭などに一旦吸着された有機リン化合物を、本発明の有機リン化合物分解触媒で分解することができ、このような場合であれば、反応時間を長くすることができる。従って、本発明の有機リン化合物除去材料には、有機リン化合物分解触媒と共に、活性炭などの吸着剤がさらに担持されていてもよい。
本発明の有機リン化合物除去材料において、通気性基材の厚みや大きさ、有機リン化合物分解触媒や活性炭の担持量などについては、有機リン化合物除去材料の種類に応じて、適宜設定すればよい。
以下の実施例において本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下の実施例で合成した有機リン化合物分解触媒に含まれる金属イオンのモル比は、蛍光X線分光法により確認した。また、結晶構造は粉末X線回折、シアノ配位子の配位構造は赤外線吸収スペクトルで同定した。
実施例1:Fe III [Co III (CN) 6 ]の合成
Fe(NO33水溶液(0.20M)を撹拌しながら、同量のK3[CoIII(CN)6]水溶液(0.20M)を滴下した。この溶液を減圧濃縮し、黄色沈殿物を得た。沈殿物を遠心分離で回収し、蒸留水で2回洗浄した後、60℃で乾燥させて、FeIII[CoIII(CN)6]を得た。
実施例2:Fe III [Ir III (CN) 6 ]の合成
Fe(NO33水溶液(0.12M)を撹拌しながら、同量のK3[IrIII(CN)6]水溶液(0.12M)を滴下した。この溶液を減圧濃縮し、黄緑色沈殿物を得た。沈殿物を遠心分離で回収し、蒸留水で3回洗浄した後、60℃で乾燥させて、FeIII[IrIII(CN)6]を得た。
実施例3:Fe III 4 [Ru II (CN) 6 3 の合成
Fe(NO33水溶液(0.09M)を撹拌しながら、同量のK2[RuII(CN)6]水溶液(0.12M)を滴下した。その後、室温で2時間撹拌し、得られた濃紫色沈殿物を遠心分離で回収した。この沈殿物を蒸留水で2回洗浄した後、60℃で乾燥させて、FeIII 4[RuII(CN)63を得た。
実施例4:Fe II 3 [Co III (CN) 6 2 の合成
FeSO4水溶液(0.18M)を撹拌しながら、同量のK3[CoIII(CN)6]水溶液(0.12M)を滴下した。その後、室温で3時間撹拌し、得られた黄色沈殿物を遠心分離で回収した。この沈殿物を蒸留水で2回洗浄した後、60℃で乾燥させて、FeII 3[CoIII(CN)62を得た。
実施例5:Fe II 3 [Ir III (CN) 6 2 の合成
FeSO4水溶液(0.18M)を撹拌しながら、同量のK3[IrIII(CN)6]水溶液(0.12M)を滴下した。その後、室温で3時間撹拌し、得られた黄緑色沈殿物を遠心分離で回収した。この沈殿物を蒸留水で2回洗浄した後、60℃で乾燥させて、FeII 3[IrIII(CN)62を得た。
実施例6:Fe II 2 [Ru II (CN) 6 ]の合成
FeSO4水溶液(0.20M)を撹拌しながら、同量のK4[RuII(CN)6]水溶液(0.10M)を滴下した。その後、室温で1時間撹拌し、得られた濃紫色沈殿物を遠心分離で回収した。この沈殿物を蒸留水で2回洗浄した後、60℃で乾燥させて、FeII 2[RuII(CN)6]を得た。
実施例7:Fe II [Pt IV (CN) 6 ]の合成
FeSO4水溶液(0.20M)を撹拌しながら、同量のK2[PtIV(CN)6]水溶液(0.10M)を滴下した。この溶液を減圧濃縮し、白色沈殿物を得た。沈殿物を遠心分離で回収し、蒸留水で2回洗浄した後、60℃で乾燥させて、FeII[PtIV(CN)6]を得た。
実施例8:Zn II 3 [Fe III (CN) 6 2 の合成
ZnCl2水溶液(0.18M)を撹拌しながら、同量のK3[FeIII(CN)6]水溶液(0.12M)を滴下した。その後、室温で3時間撹拌し、得られた黄緑色沈殿物を遠心分離で回収した。この沈殿物を蒸留水2回洗浄し、生成物を60℃で乾燥させて、ZnII 3[FeIII(CN)62を得た。
実施例9:Mn II 3 [Fe III (CN) 6 2 の合成
Mn(NO32水溶液(0.06M)を撹拌しながら、同量のK3[FeIII(CN)6]水溶液(0.06M)を滴下した。その後、室温で1時間撹拌し、得られた白色沈殿物を遠心分離で回収した。この沈殿物を蒸留水で3回洗浄し、室温で真空乾燥させて、MnII 3[FeIII(CN)62を得た。
実施例10:Co II 3 [Fe III (CN) 6 2 の合成
Co(NO32水溶液(0.18M)を撹拌しながら、同量のK3[FeIII(CN)6]水溶液(0.12M)を滴下した。その後、室温で3時間撹拌し、得られた赤紫色沈殿物を遠心分離で回収した。この沈殿物を蒸留水で3回洗浄し、生成物を60℃で乾燥させて、CoII 3[FeIII(CN)62を得た。
実施例11:Co II 3 [Co III (CN) 6 2 の合成
Co(NO32水溶液(0.18M)を撹拌しながら、同量のK3[CoIII(CN)6]水溶液(0.12M)を滴下した。その後、室温で3時間撹拌し、得られた桃色沈殿物を遠心分離で回収した。この沈殿物を蒸留水で2回洗浄し、生成物を60℃で乾燥させて、CoII 3[CoIII(CN)62を得た。
実施例12:Ga III [Fe III (CN) 6 ]の合成
Ga(NO32水溶液(0.12M)を撹拌しながら、同量のK3[FeIII(CN)6]水溶液(0.12M)を滴下した。この溶液を減圧濃縮し、徐々に溶媒を除去することで、水色沈殿物を得た。沈殿物を遠心分離で回収し、蒸留水で2回洗浄した後、60℃で乾燥させて、GaIII[FeIII(CN)6]を得た。
実施例13:Ga III 4 [Fe II (CN) 6 3 の合成
Ga(NO33水溶液(0.16M)を撹拌しながら、同量のK4[FeII(CN)6]水溶液(0.12M)を滴下した。その後、室温で3時間撹拌し、得られた濃緑色沈殿物を遠心分離で回収した。この沈殿物を蒸留水で2回洗浄し、生成物を60℃で乾燥させて、GaIII 4[FeII(CN)63を得た。
<有機リン化合物の分解反応>
100mMのHEPES緩衝液(pH8.3)に、基質であるリン酸p−ニトロフェノール(NPP、25mM)と、実施例1〜13で得られた各有機リン化合物分解触媒を1mol%加えた後、60°Cで24時間撹拌した。また、比較例1として、有機リン化合物分解触媒を用いなかったこと以外は、同様にして、反応を行った。転化率は24時間後のp−ニトロフェノール収量、初速度は反応開始後10分の反応進行度、ターンオーバー数(TOF)は反応開始後2時間での反応進行度から算出した。結果を表1に示す。
Figure 0006948057
<紫外可視吸収スペクトルの経時変化>
前記<有機リン化合物の分解反応>において、実施例1で合成した有機リン化合物分解触媒(FeIII[CoIII(CN)6])の存在下にリン酸p−ニトロフェノールを分解した際の、反応溶液の紫外可視吸収スペクトルの経時変化を示すグラフを図1に示す。図1に示されるように、310 nm付近の吸収が徐々に小さくなり、400nm 付近の吸収が徐々に大きくなったことから、加水分解反応生成物であるp−ニトロフェノールが生じていることが分かる。また、実施例8,10,11では、転化率は低いものの、比較例1より反応初速度が早いという特徴を有していた。
<反応時間と生成物の生成量(mM)との関係>
前記<有機リン化合物の分解反応>において、実施例1で合成した有機リン化合物分解触媒(FeIII[CoIII(CN)6])の存在下にリン酸p−ニトロフェノールを分解した際の、反応時間(h)と生成物(p−ニトロフェノール[NP])の生成量(mM)との関係を示すグラフを図2に示す。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される、有機リン化合物分解触媒。
    N x[MC(CN)6y (1)
    [一般式(1)中、MNは、Fe2+、Fe3+、Zn2+、Mn2+、Co2+及びGa 3+ らなる群より選択される少なくとも1種であり、MCは、Fe2+、Co3+、Ir3+、Ru2+、Pt4+及びFe 3+ らなる群より選択される少なくとも1種であり、xは、1〜4の正数であり、yは、1〜3の正数である。ただし、MNがFe2+またはFe3+であり、かつ、MCがFe2+またはFe3+である場合を除く。]
  2. FeIII[CoIII(CN)6]、FeIII[IrIII(CN)6]、FeIII 4[RuII(CN)63、FeII 3[CoIII(CN)62、FeII 3[IrIII(CN)62、FeII 2[RuII(CN)6]、FeII[PtIV(CN)6]、ZnII 3[FeIII(CN)62、MnII 3[FeIII(CN)62、CoII 3[FeIII(CN)62、CoII 3[CoIII(CN)62、GaIII[FeIII(CN)6]、またはGaIII 4[FeII(CN)63で表される金属錯体である、請求項に記載の有機リン化合物分解触媒。
  3. 粒子状である、請求項1または2に記載の有機リン化合物分解触媒。
  4. 有機リンエステル化合物の分解に用いられる、請求項1〜のいずれかに記載の有機リン化合物分解触媒。
  5. 通気性基材と、前記通気性基材に担持された請求項1〜のいずれかに記載の有機リン化合物分解触媒とを含む、有機リン化合物除去材料。
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