<第1実施形態>
図1は、本実施形態の遊技機10の正面図であり、図2は、本実施形態の遊技機10の前面側斜視図である。
図1及び図2に示すように本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は外枠(支持枠)11に開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図3参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(本体枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠(透明板保持枠)15が取り付けられている。
ガラス枠15の上部には、遊技機10の機種名等を表示する機種名等表示部16が設けられている。
また、ガラス枠15の左右には内部にランプやLED等を内蔵し装飾や演出、および異常発生時の報知(例えば、払出異常が発生した場合はランプやLED等を異常報知色(例えば、赤色)で点灯(点滅)させる)のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12及びガラス枠15の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。また、異常発生時はスピーカ(上スピーカ)19a、スピーカ(下スピーカ)19bから音声で異常内容が報知されるようになっている。なお、ガラス枠15の所定部位に払出異常報知用のランプを設けるようにしても良い。
また、ガラス枠15の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿(貯留皿)21、遊技機10の裏面側に設けられている払出ユニットから払い出された遊技球が流出する上皿球出口22等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの押圧操作入力を受け付けるための演出ボタンスイッチ25a(図7参照)を内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、演出ボタン25には、当該演出ボタン25を振動させる駆動源も内蔵されている。すなわち、本実施形態の遊技機10は、演出ボタン25を振動させることで所定の報知を行うバイブレーション機能を備えている。なお、演出ボタン25は、通常状態(図1や図2に示す状態)から突出状態(演出ボタン25の上面(押圧面)が通常状態時よりも上側にある状態)に変換可能に構成されていても良い。
前面枠12の下部には、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿(受皿)23、打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、前面枠12の下部右側には、前面枠12やガラス枠15を開放したり施錠したりする鍵を挿入するための鍵穴26が設けられている。
また、演出ボタン25の右方には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する貸出ボタン(球貸ボタン)27a、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する返却ボタン(排出ボタン)27b、プリペイドカードの残高を表示する残高表示器(残高表示部)27c、上皿21内の遊技球を下皿23へ流下させるために操作する上皿操作レバー27d、遊技者が所有するスマートフォンなどの携帯端末を置くための携帯端末置き部28等が設けられている。また、演出ボタン25の左方には、音量調整用ボタン27e、十字キー29等が設けられている。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25や十字キー29を操作することによって、表示装置41(図3参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行うことができる。
次に、図3を用いて遊技盤30の一例について説明する。図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
図3に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体80を備える。遊技盤本体80は木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体80の前面には、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及び外周壁(ガイドレール)31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、外周壁31で囲まれた遊技領域32内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘などが配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。
表示装置41(変動表示装置)は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、演出画像として静止画や動画を表示可能であり、例えば、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ流路を形成するワープ流路形成部材614と、当該ワープ流路を通過した遊技球が転動可能なステージ部620とが設けられている。センターケース40のステージ部620は、第1始動入賞口36の上方に配置されているため、ステージ部620上で転動した遊技球は第1始動入賞口36に入賞し易くなっている。
また、センターケース40には、可動部材や発光部材を有し、可動部材の動作や発光部材の発光によって遊技の演出を行う盤演出装置44が備えられている。この盤演出装置44としては、センターケース40の左上部に設けられた左上演出装置44a、センターケース40の上部中央に設けられた上演出装置44b、センターケース40の右上部に設けられた右上演出装置44c、センターケース40の下部に設けられた下演出装置44d、センターケース40の右下部に設けられた右下演出装置44eがある。
センターケース40の左上部に設けられた左上演出装置44aは、動作可能な可動部材及び発光部材を備えている。左上演出装置44aの可動部材721は、略楕円半球状であり、図3に示す初期位置から表示装置41の中央へ向けて動作して、図4に示す動作位置へ移動することが可能である。
この可動部材721は、表示装置41の中央側の部分である右半部722が、左半部723と離間するようにスライド移動可能となっている。図3に示す状態では右半部722と左半部723が密着した状態となっており、図4に示す状態では右半部722と左半部723が離間した状態となっている。図4に示すように右半部722と左半部723が離間した状態では、右半部722と左半部723の間から発光部724が視認可能となり、線状の発光を示すことが可能となっている。なお、この線状の発光は、右上演出装置44cに設けられた線状の発光部640と一列に並ぶようにされており、一体となった発光演出を可能としている。また、右半部722と左半部723は光を透過可能な材質となっており、後方に配された発光部材の発光による演出が可能となっている。
センターケース40の上部中央に設けられた上演出装置44bは、動作可能な可動部材及び発光部材を備えている。上演出装置44bの可動部材650は、図3に示す初期位置から表示装置41の中央へ向けて動作して、図5に示す動作位置へ移動することが可能である。また、前後方向に沿った軸を中心として回転することも可能となっている。
センターケース40の右上部に設けられた右上演出装置44cは、線状の発光部640と、発光部640の両側に設けられた発光部641とを備え、発光による演出が可能となっている。
センターケース40の右下部に設けられた右下演出装置44eも発光部材を備え、発光による演出が可能となっている。
また、センターケース40の下部に設けられた下演出装置44dは、動作可能な可動部材及び発光部材を備えている。下演出装置44dの可動部材770は、図3に示す初期位置から表示装置41の中央へ向けて動作して、図4に示す動作位置へ移動することが可能である。
図3に示すように、センターケース40の下方の遊技領域32には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36(第1始動入賞領域)が設けられている。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は、始動口1スイッチ36a(図6参照)によって検出される。第1始動入賞口36の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。
センターケース40の下方の遊技領域32であって第1始動入賞口36の左方には、一般入賞口35が設けられている。この一般入賞口35への遊技球の入賞は入賞口スイッチ35a(図6参照)によって検出される。また、センターケース40の右方の遊技領域32や、センターケース40の下方の遊技領域32であって第1始動入賞口36の右方にも、一般入賞口35が設けられている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞も入賞口スイッチ35a(図6参照)によって検出される。
図3に示すように、センターケース40の右方の遊技領域32の上部には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ34a(図6参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。普図始動ゲート34の下方には、一般入賞口35が設けられている。この一般入賞口35の左右は遊技球が流下可能となっている。
センターケース40の右方の遊技領域32の中央部には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第1特別変動入賞装置(上大入賞口)38が設けられている。第1特別変動入賞装置38は、開閉部材38cが下端部を中心として右方へ傾倒することで、上大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。第1特別変動入賞装置38は、特図変動表示ゲームの結果によって、上大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、上大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。第1特別変動入賞装置38に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)38a(図6参照)によって検出される。
上大入賞口の内部(入賞領域)には、遊技球が流入可能な特定領域が設けられているとともに、当該特定領域への遊技球の流入確率を変化させるようにレバーソレノイド38f(図6参照)により動作するレバー部材が設けられている。特定領域には遊技球の流入を検出可能な特定領域スイッチ38d(図6参照)が設けられており、当該特定領域スイッチ38dで遊技球を検出したことに基づいて、遊技者にとって有利な状態が発生する(本実施形態では、特別遊技状態の終了後に高確率状態が発生する)ようになっている。特定領域に流入した遊技球は第1特別変動入賞装置38の外部へ排出される。
また、上大入賞口の内部には、特定領域に流入せずに第1特別変動入賞装置38の外部へ排出される遊技球を検出する残存球排出口スイッチ38e(図6参照)が設けられている。上大入賞口の内部に設けられた大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数(上大入賞口に流入した遊技球数)と、特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数(上大入賞口から排出される遊技球数)とが一致することにより上大入賞口内の遊技球が全て排出されたことを確認でき、基本的にはこの確認が終了するまでは新たな上大入賞口の開放が行われないようになっている。
センターケース40の右方の遊技領域32の下部には、特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える普通変動入賞装置37(第1始動入賞領域)が設けられている。普通変動入賞装置37に入賞した遊技球は、始動口2スイッチ37a(図6参照)によって検出される。普通変動入賞装置37は、前後にスライド可能な板状の可動部材37bを備えており、常時は可動部材37bが前方に突出して普通変動入賞装置37に遊技球が流入できない閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定結果となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図6参照)によって可動部材37bが後方に退避して、普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
なお、本実施形態において、普通変動入賞装置37の可動部材37bは、普電ソレノイド37cによって前後方向に進退(スライド)することで開閉する所謂ベロ型の普通電動役物であるが、普通変動入賞装置37の可動部材は、これに限定されない。普通変動入賞装置37の可動部材は、例えば、普電ソレノイド37cによって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで開放するアタッカ形式の普通電動役物であっても良いし、普電ソレノイド37cによって逆「ハ」の字状に開放するチューリップ型の普通電動役物であっても良い。また、普通変動入賞装置37は、可動部材が閉状態でも遊技球の入賞を可能とし、閉状態では開状態よりも遊技球が入賞しにくい状態としても良い。
この普通変動入賞装置37の左右は遊技球が流下可能となっている。普通変動入賞装置37の右方の流路には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30aが設けられている。また、普通変動入賞装置37の左方の流路は遊技領域32の下方へ連通している。
センターケース40の下方の遊技領域32の右部、すなわち普通変動入賞装置37の下方には、特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口97(第2始動入賞領域)が設けられている。第2始動入賞口97に入賞した遊技球は、始動口3スイッチ97a(図6参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32のうち、第1始動入賞口36の右方であって第2始動入賞口97の左方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な第2特別変動入賞装置(下大入賞口)39が設けられている。第2特別変動入賞装置39は、開閉部材39cが前後方向に進退(スライド)することで、下大入賞口を遊技球が流入可能な状態に変換する。第2特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって、下大入賞口を閉じた閉状態から開状態に変換し、下大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。第2特別変動入賞装置39に入賞した遊技球は、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ)39a(図6参照)によって検出される。なお、図5に示すように、右側の遊技領域32は、その前側が遊技領域32を透視可能な透明板90〜93で覆われている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体80の左上部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図1変動表示ゲーム用の特図1表示器(第1特図変動表示部)と、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図2変動表示ゲーム用の特図2表示器(第2特図変動表示部)と、LEDランプで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の第1記憶表示部と、LEDランプで構成された特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の第2記憶表示部とを備える。
また、一括表示装置50には、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38,39の開閉回数)を表示するラウンド表示部、左打ち(通常打ち)と右打ちのうち遊技者に有利な打ち方(遊技状態に対応した打ち方)を報知する第1遊技状態表示部、特図変動表示ゲームの確率状態(高確率状態又は低確率状態)を報知する確率表示部が設けられている。なお、一括表示装置50には、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率状態表示部、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する表示部(表示器)等が設けられていてもよい。
さらに、一括表示装置50には、普図変動表示ゲームを表示する普図表示部や、普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する時短状態報知部等が設けられている。
一括表示装置50の特図1表示器と特図2表示器における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。点滅周期は、例えば100m秒に設定されている。なお、本実施形態の場合、特図1表示器における特図1変動表示ゲームにおいては、中央のセグメントに加えて7セグの右方下側に設けられた8番目のセグメントも点滅駆動させて変動中であることを表示するようにし、特図1と特図2との区別が可能なように構成されている。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメント(特図1であれば加えて右方下側の8番目のセグメント)を点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば数字や記号)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
一括表示装置50の第1記憶表示部は、特図1表示器の変動開始条件となる第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。
一括表示装置50の第2記憶表示部は、特図2表示器の変動開始条件となる第2始動入賞口97への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を複数のLEDの消灯、点灯(点滅)により表示する。
一括表示装置50のラウンド表示部は、LEDランプ等で構成され、例えば、特別遊技状態中でない場合には全てのLEDを消灯状態にし、特別遊技状態中には特別結果に応じて選択されたラウンド数に対応してLEDを点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
一括表示装置50の第1遊技状態表示部は、LEDランプ等で構成され、例えば、左打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態の場合(通常打ち時)には全てのLEDを消灯状態にし、右打ちを行うことで遊技を進行するように定められた状態の場合(右打ち時)には全てのLEDを点灯状態にする。
一括表示装置50の確率表示部は、LEDランプ等で構成され、例えば、大当りの確率状態が低確率状態(通常確率状態)の場合には全てのLEDを消灯状態にし、大当りの確率状態が高確率状態(確変状態)の場合には全てのLEDを点灯状態にする。
図6は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130と、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生し当該遊技機への電源供給が停止しても遊技に関する情報を記憶保持可能であるとともに、停電復旧後には記憶保持された情報に基づき遊技を再開可能とする遊技情報記憶保持手段をなす。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100にはRAM初期化スイッチ112が設けられている。このRAM初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、リーチ状態となった後の変動パターンである後半変動パターンを決定するためのテーブル(後半変動グループテーブルや後半変動パターン選択テーブル等)、リーチ状態となる前の変動パターンである前半変動パターンを決定するためのテーブル(前半変動グループテーブルや前半変動パターン選択テーブル等)が含まれている。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。
そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当りを判定するための当り乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り、小当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(低確率状態或いは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する盤電波センサ62、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、一般入賞口35内の入賞口スイッチ35a、第1特別変動入賞装置38内の大入賞口スイッチ38a、第2特別変動入賞装置39内の大入賞口スイッチ39a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、第1特別変動入賞装置38内に配設される特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38e、遊技領域32に発射されて遊技を終えた全ての遊技球(セーフ球及びアウト球)を検出するアウト球検出スイッチ32aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、センサや近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、センサやスイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123、第3入力ポート124又は第4入力ポート126へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39a及びゲートスイッチ34aの検出信号は第2入力ポート123へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、特定領域スイッチ38d、残存球排出口スイッチ38e及びアウト球検出スイッチ32aの検出信号は第4入力ポート126へ入力される。また、近接I/F121の出力のうち、盤電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第3入力ポート124に入力される。
また、第3入力ポート124には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサ61の検出信号、遊技機10の振動を検出する振動センサ65の検出信号、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63の検出信号、遊技機10の前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64の検出信号も入力されるようになっている。
さらに、第3入力ポート124には、設定キー操作部の操作を検出する設定キースイッチ152からの信号が入力される。設定キー操作部は、設定キーを差し込む鍵穴を備え、対応する設定キーを差し込んだ場合にのみ第1位置から第2位置(所定状態)へ当該設定キーを回すことができるように構成されている。設定キースイッチ152は、第2位置に回した状態となっていることを検出可能なセンサであり、第2位置に回した状態である場合にオン状態となり、第2位置に回していない状態である場合にオフ状態となる。
RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を複数から選択するための操作部であり、これらの操作部を操作することで、特図変動表示ゲームで特別結果となる確率値が割り当てられた確率設定値を選択することができ、選択された確率設定値に対応する確率値が遊技で使用されるようになっている。ここでは確率設定値として“設定1”〜“設定6”の6つが用意されている。
確率設定値を選択する際には、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態でRAM初期化スイッチ112を操作(押下)しながら遊技機の電源を投入することで確率設定値を変更可能な確率設定値変更モードとなり、確率設定値変更モード中にRAM初期化スイッチ112を操作(押下)することで確率設定値を変更することができるようになっている。選択されている確率設定値は、算出されたベース値や役物比率を表示するための性能表示装置153に表示される。具体的には、性能表示装置153には、確率設定値に関する操作をしている間(確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである間)は確率設定値の情報が表示され、それ以外では算出されたベース値や役物比率が表示されるようになっている。
また、設定キー操作部の設定キーを第2位置に回した状態(RAM初期化スイッチ112は操作しない)で遊技機の電源を投入することで、現在選択されている確率設定値が性能表示装置153に表示されるが確率設定値の変更はできない確率設定値確認モードとなる。なお、RAM初期化スイッチ112及び設定キー操作部は、前面枠12を開状態としなければ操作できないようにされている。
性能表示装置153は7セグメント式のディスプレイであり、確率設定値を1〜6の数字で表示するようになっている。もちろん表示態様はこれに限られず、確率設定値を認識できる表示態様であれば良い。また、液晶表示装置など他の形式の表示装置でも良いし、一又は複数のLEDの点灯態様や発光色等により確率設定値を示すものであっても良い。
また、近接I/F121の出力のうち、第2入力ポート123への出力及び第4入力ポート126への出力(アウト球検出スイッチ32aの検出信号は除く)は、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ97aの検出信号は、第2入力ポート123の他、遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。
上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第2入力ポート123が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート123に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第3入力ポート124や第4入力ポート126や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、払出制御装置200からの枠電波不正信号(前面枠12に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号)、払出ビジー信号(払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号)、払出異常ステータス信号(払出異常を示すステータス信号)、シュート球切れスイッチ信号(払出し前の遊技球の不足を示す信号)、オーバーフロースイッチ信号(下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号)、タッチスイッチ信号(操作部24に設けられたタッチスイッチの入力に基づく信号)を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、RAM初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RESETは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RESETは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RESETを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RESETは入力部120の各ポート122,123,124,126には供給されない。リセット信号RESETが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RESETが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。このバッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサ61や盤電波センサ62や振動センサ65のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続された第2出力ポート134が設けられている。第2出力ポート134は、第1特別変動入賞装置38を開成させる第1大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド1)38b、第2特別変動入賞装置39を開成させる第2大入賞口ソレノイド(大入賞口ソレノイド2)39b、第1特別変動入賞装置38内のレバー部材を動作させるレバーソレノイド38f及び普通変動入賞装置37を開成させる普電ソレノイド37cの動作データを出力するとともに、現在選択されている確率設定値を表示する性能表示装置153の表示データを出力するためのポートである。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子板71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子板71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される大入賞口ソレノイド38b,39bやレバーソレノイド38fや普電ソレノイド37cの動作データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138d、第2出力ポート134から出力される性能表示装置153の表示データ信号を受けて駆動信号を生成し出力する第5ドライバ138eが設けられている。なお、第2出力ポート134から第5ドライバ138eへは、シリアル通信でデータが送信される。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。第5ドライバ138eには、5Vで動作する性能表示装置153を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC5Vが電源装置400から供給される。
また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。
外部情報信号を外部情報端子板71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124,126のようなポートは設けられていない。
なお、特に限定されるわけではないが、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第2始動入賞口97内の始動口3スイッチ97a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39a、ゲートスイッチ34aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(本体枠)12等に設けられた本体枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
次に、図7を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグ・タイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15にモータ(例えば演出用の装置を動作させるモータ)等の駆動源を備えた枠演出装置を設け、この枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていても良い。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、ガラス枠15に設けられた十字キー29、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311へ検出信号を入力する機能を有するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
〔遊技状態遷移図(ゲームフロー)〕
次に、遊技制御装置100の遊技制御による遊技状態の遷移(移行)について説明する。図8(a)は、本実施形態における遊技状態の遷移を示す遊技状態遷移図(ゲームフロー)を例示する図である。
遊技状態には、通常遊技状態ST1、第1特定遊技状態ST4、第2特定遊技状態ST3、第3特定遊技状態ST2がある。この他に遊技状態として、第1特別結果(大当り)に基づく第1特別遊技状態と第2特別結果(小当り)に基づく第2特別遊技状態があるが、ここでは省略する。
なお、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果(第1特別結果)であり、小当りは条件装置の作動を伴わない特別結果(第2特別結果)である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38,39を連続して作動させるための特定のフラグがセットされる(役物連続作動装置が作動される)ことを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように前述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
各遊技状態では、遊技制御装置100で制御されることとなる第1特別結果(大当り)が導出される特図確率、演出制御装置300で制御されて遊技の演出態様を定める演出モード、当該遊技状態において主に狙うべき始動領域である主始動領域、主として実行するべき特図変動表示ゲームの種類である主変動特図、及び遊技球の発射方向が定められている。
本実施形態の遊技機10においては、左打ちにより第1始動入賞口36への入賞を狙うことができ、右打ちにより普通変動入賞装置37や第2始動入賞口97への入賞を狙うことができるようになっている。すなわち、遊技者の意思により狙う始動領域を選択可能となっている。また、各遊技状態では、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームのうち、いずれか一方を主として遊技を進行することを想定して設計されており、この設計に従い遊技者が遊技を進行するように、設計上で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームを主として遊技を進行した方が遊技者にとって有利となるように構成されている。なお、以下の説明では、各遊技状態で主とすると定めた一方の特図変動表示ゲームをメイン変動と称し、他方の特図変動表示ゲームをイレギュラー変動と称することがある。
また、本実施形態において、小当り(第2特別結果)となる確率である小当り確率は、特図1よりも特図2の方が高くなっている。
通常遊技状態ST1は、特図確率が低確率状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがなく、特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もない状態である。また、演出態様を規定する演出モードは通常モードとされる。主変動特図は特図1変動表示ゲームであり、主始動領域は第1始動入賞口36であって、この第1始動入賞口36を狙うため発射方向は左打ちとされている。すなわち、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。この通常遊技状態ST1では、特図2変動表示ゲームについて非常に長い変動時間が設定されるようになっている。これにより、特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態ST1における小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。
第2特定遊技状態ST3は、特図確率が高確率状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートがある状態である。普電サポートがある場合は特図変動表示ゲームや普図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短もありとなる。演出態様を規定する演出モードはチャンスモードとされる。また、主変動特図は特図1変動表示ゲームであり、主始動領域は普通変動入賞装置37であって、この普通変動入賞装置37を狙うため発射方向は右打ちとされている。すなわち、特図1変動表示ゲームをメイン変動とし、特図2変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。この第2特定遊技状態ST3では、特図1変動表示ゲームの変動時間が通常遊技状態ST1の場合よりも短縮される時短状態となり、右打ちを行って普通変動入賞装置37を狙い、特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。
第3特定遊技状態ST2は、特図確率が低確率状態である点とサポート回数に上限回数がある点以外は第2特定遊技状態ST3と同じである。
第1特定遊技状態ST4は、特図確率が高確率状態であり、普通変動入賞装置37の単位時間あたりの開放時間を向上させて入賞を容易とする普電サポートはなしであり、特図変動表示ゲームの変動時間を短縮する時短はありとなる状態である。演出態様を規定する演出モードは小当りRUSHとされる。また、主変動特図は特図2変動表示ゲームであり、主始動領域は第2始動入賞口97であって、この第2始動入賞口97を狙うため発射方向は右打ちとされている。すなわち、特図2変動表示ゲームをメイン変動とし、特図1変動表示ゲームをイレギュラー変動とするように設計されている。
この第1特定遊技状態ST4では、特図2変動表示ゲームの変動時間が通常遊技状態ST1の場合よりも短縮される時短状態となり、右打ちを行って第2始動入賞口97を狙い、特図2変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。特図2変動表示ゲームは特図1変動表示ゲームよりも小当り確率が高く、かつ、大当りよりも小当りの方が当選する確率が高いため、この第1特定遊技状態ST4では小当りが高頻度で発生して遊技者の持球が増加する。このように小当りが高頻度で発生することから演出モードは小当りRUSHと称するモードとされている。
この4つの遊技状態のうち、通常遊技状態ST1が最も遊技者にとって不利な状態である。第3特定遊技状態ST2は、普電サポートがあるので通常遊技状態ST1よりも遊技者にとって有利な状態であり、第2特定遊技状態ST3は、高確率状態であるので通常遊技状態ST1や第3特定遊技状態ST2よりも遊技者にとって有利な状態である。第1特定遊技状態ST4は、高確率状態であり、さらに、小当りの頻発により遊技者の持球が増加する状態であるので、通常遊技状態ST1や第2特定遊技状態ST3や第3特定遊技状態ST2よりも遊技者にとって有利な状態である。
本実施形態においては、例えば図8(b)に示すように、特図1変動表示ゲームでの特別結果の種類には、確変A大当りと通常大当りと小当りの3種類があり、特図2変動表示ゲームでの特別結果の種類には、確変A大当りと確変B大当りと小当りの3種類がある。確変とは特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入する可能性が高く特別遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)となりやすいことを示し、通常とは特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入する可能性が低く特別遊技状態の終了後に高確率状態(確変状態)となりにくいことを示している。本実施形態の遊技機では、特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入するか否かにより高確率状態となるか否かが決定されるので、大当り種類が確変であっても特定領域に遊技球が流入しなければ高確率状態とはならず、大当り種類が通常であっても特定領域に遊技球が流入すれば高確率状態となる。
確変A大当りや確変B大当りの導出に基づく第1特別遊技状態では、特定ラウンドで第1特別変動入賞装置38を開放するとともに特定領域(確変作動領域)を開放するVありロング開放を行う。Vありロング開放は特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入する可能性の高い開放態様である。そして、特定ラウンド以外のラウンドで第1特別変動入賞装置38を開放するが特定領域は開放しないVなし開放を行う。
通常大当りの導出に基づく第1特別遊技状態では、特定ラウンドで第1特別変動入賞装置38を開放するとともに特定領域(確変作動領域)を開放するVありショート開放を行う。Vありショート開放は特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入する可能性がVありロング開放よりも低い開放態様である。そして、特定ラウンド以外のラウンドで第1特別変動入賞装置38を開放するが特定領域は開放しないVなし開放を行う。
小当りの導出に基づく第2特別遊技状態では、第2特別変動入賞装置39が開放される。
遊技状態の移行は、第1特別結果(大当り)の導出に基づく第1特別遊技状態の終了、規定ゲーム数の消化によって行われる。したがって、第2特別結果(小当り)の導出に基づく第2特別遊技状態の終了によって遊技状態が移行することはない。
基本的には、特別遊技状態の開始の契機となった特別結果が、当該特別遊技状態の終了後に低確率状態とする通常大当りである場合には第3特定遊技状態ST2に移行し、当該特別遊技状態の終了後に高確率状態とする確変大当りのうち、確変A大当りである場合には第1特定遊技状態ST4に移行し、確変B大当りである場合には第2特別遊技状態ST3に移行する。
具体的には、通常遊技状態ST1において、メイン変動(特図1変動表示ゲーム)の結果として確変A大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態でV通過ありの場合(第1特別変動入賞装置38の特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入して特定領域スイッチ38dで検出された場合)には、当該第1特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態ST4へ移行する。また、メイン変動(特図1変動表示ゲーム)の結果として通常大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態でV通過なしの場合(第1特別変動入賞装置38の特定領域(確変作動領域)に遊技球が流入しなかった場合)には、当該第1特別遊技状態の終了後に第3特定遊技状態ST2へ移行する。なお、通常遊技状態ST1において通常大当りの場合には、第3特定遊技状態ST2ではなく、通常遊技状態ST1へ移行しても良い。
また、第1特定遊技状態ST4において、メイン変動(特図2変動表示ゲーム)の結果として確変A大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態でV通過ありの場合には、当該第1特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態ST4へ移行する。また、メイン変動(特図2変動表示ゲーム)の結果として確変B大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態でV通過ありの場合には、当該第1特別遊技状態の終了後に第2特定遊技状態ST3へ移行する。なお、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数であるST回数(例えば2000回)を設定し、第1特定遊技状態ST4において特別遊技状態の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数が当該ST回数に達した場合には、通常遊技状態ST1へ移行するようにしても良い。
また、第2特定遊技状態ST3において、メイン変動(特図1変動表示ゲーム)の結果として確変A大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態でV通過ありの場合には、当該第1特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態ST4へ移行する。また、メイン変動(特図1変動表示ゲーム)の結果として通常大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態でV通過なしの場合には、当該第1特別遊技状態の終了後に第3特定遊技状態ST2へ移行する。第2特定遊技状態ST3と第3特定遊技状態ST2は、演出モードが同じチャンスモードとされるので、移行したことを遊技者が把握困難である。なお、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数であるST回数(例えば2000回)を設定し、第2特定遊技状態ST3において特別遊技状態の終了からの特図変動表示ゲームの実行回数が当該ST回数に達した場合には、通常遊技状態ST1へ移行するようにしても良い。
また、第3特定遊技状態ST2において、メイン変動(特図1変動表示ゲーム)の結果として確変A大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態でV通過ありの場合には、当該第1特別遊技状態の終了後に第1特定遊技状態ST4へ移行する。また、メイン変動(特図1変動表示ゲーム)の結果として通常大当りが導出されて第1特別遊技状態となり、当該第1特別遊技状態でV通過なしの場合には、当該第1特別遊技状態の終了後に第3特定遊技状態ST2へ移行する。また、特別遊技状態の終了から第1特別結果が導出されずに100回(サポート回数)の特図変動表示ゲームを実行した場合には、通常遊技状態ST1へ移行する。なお、サポート回数の上限回数は100回に限定されず、適宜変更可能である。
以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。また、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に飾り特図変動表示ゲームと称する。また、大当り(第1特別結果)と小当り(第2特別結果)を区別しない場合は、単に当り(特別結果)と称する。また、大当りに基づく特別遊技状態である第1特別遊技状態と、小当りに基づく特別遊技状態である第2特別遊技状態と、を区別しない場合は、単に特別遊技状態と称する。
本実施形態の遊技機10では、図示しない打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に入賞するか、アウト口30aへ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、第1特別変動入賞装置38又は第2特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(図6参照)によって制御される払出ユニットから、ガラス枠15の上皿21又は下皿23に排出される。
本実施形態の遊技機10においては、遊技者が発射勢を調節して左側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる左打ち)することで第1始動入賞口36や、当該第1始動入賞口36の左方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができ、右側遊技領域へ遊技球を発射(いわゆる右打ち)することで普図始動ゲート34や、当該普図始動ゲート34の下方に配設された一般入賞口35、普通変動入賞装置37、第2始動入賞口97、第1特別変動入賞装置38、第2特別変動入賞装置39、当該第2特別変動入賞装置39の左方に配設された一般入賞口35への入賞を狙うことができるようになっている。
普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34aが設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図始動記憶数が上限数(例えば、4個)未満ならば普図始動記憶数を加算(+1)してRAM111Cに普図始動記憶を1つ記憶する。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、ゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき抽出された普図変動表示ゲームの結果を決定するための当り判定用乱数値(当り乱数値)が記憶されるようになっている。
そして、普図始動記憶があり普図変動表示ゲームを開始可能な場合、すなわち、普図変動表示ゲームの実行中でなく、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37を開状態に変換する当り状態でもない場合は、最先に記憶された普図始動記憶に記憶された当り判定用乱数値とROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定し、普図変動表示ゲームを開始する処理を行う。この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
また、遊技制御装置100は普図変動表示ゲームを実行する処理として、一括表示装置50に設けられた普図表示部に、所定の変動時間に亘り予め定められた複数の点灯パターンを予め定められた順序で繰り返し表示する普図変動中表示を行った後、結果に応じた点灯パターン(結果態様)を停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。なお、一括表示装置50の普図表示部を表示装置41で構成し、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させて結果を表示するように構成しても良い。
普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、一括表示装置50の普図表示部に特別の結果態様となる点灯パターンを停止表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材を所定時間(例えば、0.5秒間又は1.7秒間)開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、一括表示装置50の普図表示部にはずれの結果態様となる点灯パターンを表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口36への入賞球、普通変動入賞装置37への入賞球及び第2始動入賞口97への入賞球は、それぞれ内部に設けられた始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ97aによって検出される。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、第1始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第1始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶するとともに、第2始動入賞口97への入賞に基づき始動記憶(特図始動記憶)をなす第2始動記憶を所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶する。第1始動入賞口36や普通変動入賞装置37や第2始動入賞口97への入賞に基づき、それぞれ始動記憶情報として大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、第1始動記憶や第2始動記憶としてRAM111Cに記憶される。そして、この始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の第1記憶表示部(特図1保留表示器)や第2記憶表示部(特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、第1始動記憶に基づいて一括表示装置50の特図1表示器(第1変動表示装置)で特図1変動表示ゲームを行い、第2始動記憶に基づいて一括表示装置50の特図2表示器(第2変動表示装置)で特図2変動表示ゲームを行う。特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは同時に実行可能であるが、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが第1特別結果(大当り)となった場合には、当該一方の特図変動表示ゲームを特別結果以外の結果(はずれ結果)として終了させるようにしている。また、一方の特図変動表示ゲームの実行中に、他方の特図変動表示ゲームが第2特別結果(小当り)となった場合には、当該小当りに基づく特別遊技状態の終了まで当該一方の特図変動表示ゲームを中断するようにしている。
すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、第1始動入賞口36(第1始動入賞領域)又は普通変動入賞装置37(第1始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う第1実行制御手段をなす。また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、第2始動入賞口97(第2始動入賞領域)への遊技球の入賞に基づいて特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)の実行制御を行う第2実行制御手段をなす。
一括表示装置50の特図1表示器及び特図2表示器では、変動表示を行った後、所定の結果態様を停止表示する。そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が第1特別結果に対応する特別結果態様(大当り結果態様)となって大当りとなり、第1特別遊技状態(いわゆる大当り状態)となる。また、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合は、特図1表示器若しくは特図2表示器の表示態様が第2特別結果に対応する特別結果態様(小当り結果態様)となって小当りとなり、第2特別遊技状態(いわゆる小当り状態)となる。すなわち、一括表示装置50の特図1表示器が、第1始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づく第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)を表示可能な第1変動表示手段をなす。また、一括表示装置50の特図2表示器が、第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づく第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)を表示可能な第2変動表示手段をなす。
また、遊技制御装置(遊技制御手段)100は、大当り遊技状態(第1特別遊技状態)の終了後、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状況(当り確率が高確率であることや普電サポートがあること)で遊技を進行可能な遊技状態(特定遊技状態)を発生させる制御を行うことが可能である。すなわち、遊技制御装置(遊技制御手段)100が特定遊技状態発生手段をなす。
また、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41にて複数種類の飾り識別情報(数字、記号、キャラクタ図柄等)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。表示装置41での飾り特図変動表示ゲームには、特図1変動表示ゲームに対応する飾り特図1変動表示ゲームと、特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図2変動表示ゲームとがあり、これらは別々の表示領域に表示される。そして、対応する特図変動表示ゲームの変動に伴い変動表示が行われ、対応する特図変動表示ゲームでの結果態様の導出に伴い結果に対応した表示が行われる。
すなわち、表示装置41が、第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)及び第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に対応して飾り識別情報を変動表示する飾り変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な飾り変動表示手段をなす。なお、飾り特図1変動表示ゲームと飾り特図2変動表示ゲームで別々の表示装置を使用するとしても良いし、一方の飾り特図変動表示ゲームのみを表示するとしても良い。また、遊技機10に一括表示装置50の特図1表示器及び特図2表示器を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
本実施形態の遊技機では特図2変動表示ゲームの方が小当りの確率が高いが、低確率状態である通常遊技状態である場合には特図2変動表示ゲームの変動パターンとして変動時間が非常に長い(約10分)長変動が選択される。これにより、通常遊技状態では特図2変動表示ゲームの実行が時間的に非効率的となり、通常遊技状態における小当りの獲得を狙った特図2変動表示ゲームの実行を遊技者が選択しないようにしている。よって、通常遊技状態では、左打ちを行って第1始動入賞口36を狙い、特図1変動表示ゲームを行う方が遊技者にとって有利となる。なお、長変動の時間は約10分としたがこれより長くても良いし、短くても良い(5分、50分、10時間など)。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図9及び図10に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4m秒)で行われる図11に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図9に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップX1)を行ってから、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップX2)を行う。次に、レジスタバンク0を指定し(ステップX3)、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX4)。本実施形態の場合、RAMのアドレスの範囲は0000h〜01FFhで、上位としては00hか01hをとり、ステップX4では先頭の00hをセットする。次に、発射停止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(ステップX5)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射停止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。
その後、RAM初期化スイッチ112と設定キースイッチ152の状態を読み込み(ステップX6)、電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行う。ステップX7の処理では所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するのを待つための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置へ送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源投入ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
電源投入ディレイタイマを設定する処理(ステップX7)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップX8)、停電が発生している場合(ステップX8;Y)には、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。
具体的には、ステップX8では、例えば、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し、停電監視信号がオンであるかの判定を行う。そして、停電監視信号がオンである場合は、設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか判定する。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合は、停電監視信号がオンであるかの判定に戻る。また、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合には、停電が発生していると判定する。後述するステップX34,X54においても同様である。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。このため、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、停電が発生していない場合(ステップX8;N)には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(ステップX9)、タイマの値が0であるか判定する(ステップX10)。タイマの値が0でない場合(ステップX10;N)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、停電が発生しているか判定する処理(ステップX8)に戻る。また、タイマの値が0である場合(ステップX10;Y)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし(ステップX11)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(ステップX12)。
次に、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定し(ステップX13)、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理(ステップX14)を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
次いで、RAM異常フラグをセットする(ステップX15)。ここでは、RAMに異常があるか否かにかかわらずRAMに異常があることを前提として、一旦、RAM異常フラグを所定のレジスタにセットする。
次いで、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1(例えば5Ah)であるか判定し(ステップX16)、正常であれば(ステップX16;Y)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2(例えばA5h)であるか判定する(ステップX17)。そして、停電検査領域2の値が正常であれば(ステップX17;Y)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップX18)を行い、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか判定する(ステップX19)。チェックサムが一致する場合(ステップX19;Y)には、RAMに異常がないためRAM異常フラグをクリアして(ステップX20)、ステップX21へ移行する。
また、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップX16;NもしくはステップX17;N)、チェックサムが一致しないと判定された場合(ステップX19;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態であるか判定する(ステップX21)。そして、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ状態である場合(ステップX21;N)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ステップX22)。RAM異常フラグがセットされている場合(ステップX22;Y)には、RAMに異常があるため、遊技制御装置100が異常であることを報知するメイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX24)。
一方、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX22;N)には、確率設定変更中フラグがセットされているか判定する(ステップX23)。そして、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX23;Y)には、メイン異常エラー報知のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX24)。ここでセットされている確率設定中フラグは、停電発生前にセットされた確率設定中フラグである。すなわち、確率設定値の変更中に遊技機の電源が遮断して再起動した場合には、遊技制御装置100の動作が停止するのでステップX24の処理を行う。
次いで、遊技停止時の7セグ表示データを、第2出力ポート134を介して第5ドライバ138eに出力する(ステップX25)。これにより、性能表示装置153において、遊技停止時の表示が行われる。その後、セキュリティ信号のオンデータを出力するとともにセキュリティ信号以外の信号のオフデータを出力して(ステップX26)、ステップX25に戻る。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオン状態である場合(ステップX21;Y)には、RAM異常フラグがセットされているか判定する(ステップX27)。そして、RAM異常フラグがセットされていない場合(ステップX27;N)には、確率設定変更中フラグをセットする(ステップX29)。これにより確率設定値変更モードに移行する。その後、確率設定変更中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信して(ステップX30)、ステップX31へ移行する。演出制御装置300では、確率設定変更中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の変更中である旨を示す報知を行う。
一方、RAM異常フラグがセットされている場合(ステップX27;Y)には、確率設定値をクリアする処理(ステップX28)を行う。これにより、RWM内の確率設定値用の領域に0がセットされて、確率設定値が“設定1”となる。その後、ステップX29,X30の処理を行って、ステップX31へ移行する。
また、設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の少なくとも一方がオフ状態であり(ステップX21;N)、RAM異常フラグも確率設定変更中フラグもセットされていない場合(ステップX22;N及びステップX23;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいて設定キースイッチ152がオン状態であるか判定する(ステップX35)。そして、設定キースイッチ152がオン状態でない場合(ステップX35;N)には、ステップX6で読み込んだ状態に基づいてRAM初期化スイッチ112がオン状態であるか判定する(ステップX43)。
RAM初期化スイッチ112がオン状態でないと判定した場合(ステップX43;N)、すなわち設定キースイッチ152とRAM初期化スイッチ112の両方がオフ状態である場合には、ステップX41へ移行して停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
一方、RAM初期化スイッチ112がオン状態であると判定した場合(ステップX43;Y)には、ステップX44へ移行して初期化の処理を行う。すなわち、RAM初期化スイッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。
また、設定キースイッチ152がオン状態である場合(ステップX35;Y)には、確率設定確認中フラグをセットする(ステップX36)。これにより確率設定値確認モードに移行する。その後、確率設定確認中のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX37)。演出制御装置300では、確率設定確認中のコマンドを受信することに基づき、表示装置41の表示、枠装飾装置18や盤装飾装置46のLEDの発光、盤演出装置44の動作、スピーカ19a,19bによる音声の出力などにより、確率設定値の確認中である旨の報知を行う。
そして、50m秒間以上のセキュリティ信号の出力を保証するために、セキュリティ信号制御タイマ領域に128m秒に対応する値をセーブする(ステップX31)。セキュリティ信号は、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードである場合にはタイマ割込み処理の確率設定変更/確認処理(ステップX122)で出力され、それ以外の場合はタイマ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)で出力される。したがって、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合には、タイマ割込み処理の外部情報編集処理(ステップX120)によってセキュリティ信号が継続して出力される。すなわち、128m秒間未満で確率設定値変更モードや確率設定値確認モードが終了する場合であっても、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから128m秒間はセキュリティ信号が出力される。なお、ステップX31においてセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする値は128m秒に対応する値に限定されない。ただし、確率設定値変更モードや確率設定値確認モードに移行してから少なくとも50m秒間はセキュリティ信号を出力する必要があるため、50m秒以上に対応する値をセーブする必要がある。
そして、割込みを許可し(ステップX32)、設定キースイッチ152がオフ状態であるか判定する(ステップX33)。ステップX33では、ステップX6で読み込んだ状態(電源投入時の状態)に基づいて判定するのではなく、タイマ割込み処理(図11)の入力処理(ステップX103)で読み込んだ状態(現時点の状態)に基づいて判定する。ステップX33で設定キースイッチ152がオフ状態である判定された場合に、確率設定値が確定される。
設定キースイッチ152がオフ状態でない場合(ステップX33;N)には、停電が発生しているか判定し(ステップX34)、停電が発生していない場合(ステップX34;N)には、ステップX33に戻り、停電が発生している場合(ステップX34;Y)には、ステップX55へ移行する。確率設定変更中フラグがセットされている状態でステップX34にて停電が発生していると判定された場合に、当該停電から復旧した後のメイン処理(図9及び図10)のステップX23において、確率設定変更中フラグがセットされていると判定される。
一方、設定キースイッチ152がオフ状態である場合(ステップX33;Y)には、割込みを禁止する処理(ステップX38)を行う。割込みを許可する処理(ステップX32)を行ってから割込みを禁止する処理(ステップX38,X55)を行うまでの間は、タイマ割込み処理(図11)が所定時間周期(例えば4m秒)で行われる。当該タイマ割込み処理では、確率設定値に関する処理である確率設定変更/確認処理(ステップX122)が行われる。すなわち、確率設定値の変更や確認が終了するまで(あるいは停電が発生するまで)の間、メイン処理は待機していることとなる。
次いで、報知終了のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信する(ステップX39)。演出制御装置300では、報知終了のコマンドを受信することに基づき、実行中の報知(確率設定値の変更中である旨を示す報知又は確率設定値の確認中である旨の報知)を終了する。
次いで、確率設定変更中フラグがセットされているか判定し(ステップX40)、確率設定変更中フラグがセットされていない場合(ステップX40;N)、すなわち確率設定確認中フラグがセットされている場合には、初期化すべき領域(例えば、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域)に停電復旧時の初期値をセーブする処理等を行う停電復旧処理(ステップX41)を行う。確率設定確認中フラグは、このステップX41でクリアされる。
その後、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信し(ステップX42)、ステップX47へ移行する。本実施形態の場合、ステップX42では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、画面指定のコマンド等の複数のコマンドを送信する。画面指定のコマンドとしては、特図1及び特図2について何れも後述する普段処理中である場合、すなわち特図変動表示ゲームの実行中でもなく特別遊技状態中でもない場合である客待ち中であれば客待ちデモ画面のコマンドを送信し、それ以外であれば復旧画面のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、高確率回数情報コマンド等も送信する。
一方、確率設定変更中フラグがセットされている場合(ステップX40;Y)には、確率設定値以外のRAM領域を0クリアする(ステップX44)。ステップX44では、確率設定値用のRAM領域(ワーク領域(確率設定値の1バイト領域))と性能表示(ベース値や役物比率の表示)用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)はクリアせず、遊技制御用のRAM領域(ワーク領域とスタック領域)を0クリアする。したがって、確率設定変更中フラグは、このステップX44でクリアされる。なお、ステップX44では、スタック領域や未使用領域をクリアしてもしなくても良い。
そして、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(ステップX45)。ここでの初期化すべき領域とは、客待ちデモ領域及び演出モードの設定に係る領域である。そして、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)へ送信する(ステップX46)。本実施形態の場合、ステップX46では、機種指定コマンド、確率設定情報コマンド、特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド、確率情報コマンド、演出回数情報コマンド、RAM初期化のコマンド(客待ちデモ画面を表示させるとともに、所定時間(例えば30秒間)光と音でRAM初期化の報知を行わせるためのコマンド)等の複数のコマンドを送信する。また、機種によっては、これらのコマンドに加えて、演出回数情報コマンドや普電サポートありとした特図変動表示ゲームの実行回数の情報であるサポート回数情報コマンド等も送信する。
次いで、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップX47)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。このビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであっても良いし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしても良い。また、ユーザーが任意に設定できるようにしても良い。
その後、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(本実施形態の場合、特図の当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数、小当り図柄乱数)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップX48)、割込みを許可する(ステップX49)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップX50)を行う。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。また、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数においては、乱数が一巡する毎に各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1或いは−1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内の全ての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、小当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
なお、本実施形態では、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)を設けていないため、普図の当り図柄は1種類しかないが、当り図柄乱数を設けて普図の当り図柄を複数種類の中から選択するようにしても良い。
ステップX50の初期値乱数更新処理の後、割込みを禁止する処理(ステップX51)を行って、性能表示編集処理(ステップX52)を行う。そして、割込みを許可する処理(ステップX53)を行った後、停電が発生しているか判定し(ステップX54)、停電が発生していない場合(ステップX54;N)には、初期値乱数更新処理(ステップX50)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と性能表示編集処理と停電監視を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップX50)の前に割込みを許可する(ステップX49)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、ステップX50での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、停電が発生している場合(ステップX54;Y)には、一旦割込みを禁止する処理(ステップX55)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップX56)を行う。
その後、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップX57)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップX58)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(ステップX59)、算出したチェックサムをセーブする処理(ステップX60)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップX61)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111Cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(RAM初期化スイッチ112)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111Cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111Cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理はクロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。すなわち、所定周期で開始される割込みルーチンである。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、自動的に割込み禁止状態になって、図11のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず、レジスタバンク1を指定する(ステップX101)。レジスタバンク1に切り替えたことで、所定のレジスタ(例えばメイン処理で使っているレジスタ)に保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理を行ったのと同等になる。次に、所定のレジスタ(例えばDレジスタ)にRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(ステップX102)。ステップX102では、メイン処理におけるステップX4と同じ処理を行っているが、レジスタバンクが異なる。次に、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップX103)を行う。
次いで、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされているか判定し(ステップX104)、確率設定変更中フラグ又は確率設定確認中フラグがセットされている場合(ステップX104;Y)には、確率設定変更/確認処理(ステップX122)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
一方、確率設定変更中フラグと確率設定確認中フラグの両方がセットされていない場合(ステップX104;N)には、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド38b,39b、レバーソレノイド38f、普電ソレノイド37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップX105)を行う。なお、メイン処理におけるステップX5で発射停止の信号を出力すると、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。この発射許可信号は払出制御装置を経由して発射制御装置に出力される。その際、信号の加工等は行われない。また、当該発射許可信号は遊技制御装置から見た発射許可の状態を示す第1の信号であり、払出制御装置から見た発射許可の状態を示す第2の信号(発射許可信号)も払出制御装置内で生成され、発射制御装置に出力される。つまり、2つの発射許可信号が発射制御装置に出力されており、両者が共に発射許可となっている場合に、遊技球が発射可能な状態となるよう構成されている。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理(ステップX106)、乱数更新処理1(ステップX107)、乱数更新処理2(ステップX108)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ97a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ38a,39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、賞球の設定、前面枠やガラス枠の開放や、普通変動入賞装置37、特別変動入賞装置38,39への不正入賞などのエラーの監視を行う入賞口スイッチ/状態監視処理(ステップX109)を行う。
次に、異常排出発生中であるか判定する(ステップX110)。異常排出とは、第1特別変動入賞装置38において、第1特別変動入賞装置38から排出される遊技球数(特定領域スイッチ38d及び残存球排出口スイッチ38eで検出された遊技球数)が、第1特別変動入賞装置38に流入した遊技球数(大入賞口スイッチ38aで検出された遊技球数)を上回ることである。なお、異常排出発生中である場合には異常排出フラグがセットされている。そして、異常排出発生中である場合(ステップX110;Y)には、ステップX116へ移行する。すなわち、遊技が進行しないようにする。
一方、異常排出発生中でない場合(ステップX110;N)には、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ97aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップX111)を行う。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36や普通変動入賞装置37や第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づき、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行う。そして、特図1変動表示ゲームに関する処理を行う特図1ゲーム処理(ステップX112)、特図2変動表示ゲームに関する処理を行う特図2ゲーム処理(ステップX113)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップX114)を行って、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップX115)を行う。
次いで、磁気センサ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う磁石不正監視処理(ステップX116)、盤電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う盤電波不正監視処理(ステップX117)、振動センサ65からの検出信号をチェックして異常がないか判定する処理を行う振動不正監視処理(ステップX118)、異常排出が発生していないか判定する処理を行う異常排出監視処理(ステップX119)を行う。さらに、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップX120)、性能表示モニタ153の制御に関する性能表示モニタ制御処理(ステップX121)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、本実施形態では、割込み禁止状態を復元する処理(すなわち、割込みを許可する処理)や、レジスタバンクの指定を復元する処理(すなわち、レジスタバンク0を指定する処理)は、割込みリターンの際(タイマ割込み処理の終了時)に自動的に行う。なお、使用するCPUによっては、割込み禁止状態を復元する処理やレジスタバンクの指定を復元する処理の実行を命令する必要がある遊技機もある。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における始動口スイッチ監視処理(ステップX111)の詳細について説明する。図12に示すように、始動口スイッチ監視処理では、まず、始動口1(第1始動入賞口36)入賞監視テーブルを準備し(ステップX491)、ハード乱数取得処理を行う(ステップX492)。そして、当該ハード乱数取得処理で第1始動入賞口36への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX493)。
第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX493;N)は、ステップX499へ移行する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、第1始動入賞口36への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX493;Y)は、通常遊技状態中であるかを判定する(ステップX494)。そして、通常遊技状態中である場合(ステップX494;Y)は、ステップX497に移行する。また、通常遊技状態中でない場合(ステップX494;N)は、右打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX495)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX496)。その後、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX497)、特図始動口1スイッチ処理を行う(ステップX498)。
演出制御装置300では、右打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して右打ちをするように指示する右打ち指示報知を行う。特定遊技状態中や特別遊技状態中である場合は右打ちの方が遊技者にとって有利であり、左打ちでなければ入賞しないようになっている第1始動入賞口36で特定遊技状態中や特別遊技状態中において入賞を検出した場合に右打ち指示報知を行うようにしている。
次に、始動口2(普通変動入賞装置37)入賞監視テーブルを準備し(ステップX499)、ハード乱数取得処理を行い(ステップX500)、普通変動入賞装置37への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX501)。
普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX501;N)は、ステップX509に移行する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、普通変動入賞装置37への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX501;Y)は、普電(普通変動入賞装置37)が作動中であるか、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定し(ステップX502)、普電が作動中である場合(ステップX502;Y)は、ステップX504に移行する。一方、普電が作動中でない場合(ステップX502;N)は、普電不正発生中であるかを判定する(ステップX503)。
普電不正発生中であるかの判定では、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
普電不正発生中である場合(ステップX503;Y)は、ステップX509に移行する。すなわち、始動記憶をそれ以上発生させないようにする。また、普電不正発生中でない場合(ステップX503;N)は、通常遊技状態中であるかを判定する(ステップX504)。そして、通常遊技状態中でない場合(ステップX504;N)は、ステップX507に移行する。また、通常遊技状態中である場合(ステップX504;Y)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX505)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX506)。その後、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX507)、特図始動口2スイッチ処理を行って(ステップX508)、ステップX509に移行する。
演出制御装置300では、左打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して左打ちをするように指示する左打ち指示報知を行う。通常遊技状態中である場合は左打ちの方が遊技者にとって有利であり、右打ちでなければ入賞しないようになっている普通変動入賞装置37で通常遊技状態中において入賞を検出した場合に左打ち指示報知を行うようにしている。
次に、始動口3(第2始動入賞口97)入賞監視テーブルを準備し(ステップX509)、ハード乱数取得処理を行う(ステップX510)。そして、当該ハード乱数取得処理で第2始動入賞口97への入賞に基づき大当り乱数を取得した場合に設定される始動口入賞あり情報があるかを判定する(ステップX511)。
第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されていない場合(ステップX511;N)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。なお、この場合は始動口入賞なし情報が設定されている。一方、第2始動入賞口97への入賞に基づき始動口入賞あり情報が設定されている場合(ステップX511;Y)は、通常遊技状態中であるかを判定する(ステップX512)。そして、通常遊技状態中でない場合(ステップX512;N)は、ステップX515に移行する。また、通常遊技状態中である場合(ステップX512;Y)は、左打ち指示報知コマンドを準備し(ステップX513)、演出コマンド設定処理を行う(ステップX514)。その後、始動口3による保留の情報を設定するテーブルを準備し(ステップX515)、特図始動口3スイッチ処理を行い(ステップX516)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
演出制御装置300では、左打ち指示報知コマンドを受信することに基づき、表示や音声等により遊技者に対して左打ちをするように指示する左打ち指示報知を行う。通常遊技状態中である場合は左打ちの方が遊技者にとって有利であり、右打ちでなければ入賞しないようになっている第2始動入賞口97で通常遊技状態中において入賞を検出した場合に左打ち指示報知を行うようにしている。
〔特図始動口1スイッチ処理〕
図13には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口1スイッチ処理(ステップX498)を示した。この特図始動口1スイッチ処理では、まず、第1始動入賞口36への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号1出力回数をロードし(ステップX521)、ロードした値を+1更新して(ステップX522)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX523)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX523;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号1出力回数領域にセーブし(ステップX524)、特図1保留数(第1始動記憶数)が上限値未満かを判定する(ステップX525)。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップX523;Y)は、ステップX525に移行する。ここでは出力回数を255まで記憶できるが、上限まで記憶している場合には+1更新によりループして0となってしまうため、更新後の値のセーブを行わない。
特図1保留数が上限値(ここでは4)未満である場合(ステップX525;Y)は、後述する特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分けに用いる特図1情報設定フラグをセットし(ステップX526)、特図1保留数を+1更新する(ステップX527)。次に、特図1保留数に対応する乱数格納領域(特図1用の乱数格納領域)のアドレスを算出し(ステップX528)、上述のハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX529)。
その後、大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX530)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX531)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してRWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX532)。続いて変動パターン乱数1から3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップX533)。そして、先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップX534)を行い、特図1保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップX535)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX536)、特図始動口1スイッチ処理を終了する。
なお、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口2スイッチ処理(ステップX508)は、始動口信号に関するステップX521〜X524において、普通変動入賞装置37への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する始動口信号2について処理を行う他は図13に示した処理と同じである。すなわち、遊技制御装置100(RAM111C)が、第1始動入賞口36及び普通変動入賞装置37への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第1始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な第1始動記憶手段をなす。
〔特図始動口3スイッチ処理〕
図14には、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口3スイッチ処理(ステップX516)を示した。この特図始動口3スイッチ処理では、まず、第2始動入賞口97への入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号3出力回数をロードし(ステップX561)、ロードした値を+1更新して(ステップX562)、出力回数がオーバーフローするかを判定する(ステップX563)。そして、出力回数がオーバーフローしない場合(ステップX563;N)は、更新後の値をRWMの始動口信号3出力回数領域にセーブし(ステップX564)、特図2保留数(第2始動記憶数)が上限値未満かを判定する(ステップX565)。一方、出力回数がオーバーフローする場合(ステップX563;Y)は、ステップX565に移行する。ここでは出力回数を255まで記憶できるが、上限まで記憶している場合には+1更新によりループして0となってしまうため、更新後の値のセーブを行わない。
特図2保留数が上限値(ここでは4)未満である場合(ステップX565;Y)は、後述する特図保留情報判定処理において変動パターンの振り分けに用いる特図2情報設定フラグをセットし(ステップX566)、特図2保留数を+1更新する(ステップX567)。次に、特図2保留数に対応する乱数格納領域(特図2用の乱数格納領域)のアドレスを算出し(ステップX568)、上述のハード乱数取得処理で準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(ステップX569)。
その後、大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップX570)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX571)。さらに、小当り図柄乱数を抽出してRWMの小当り図柄乱数格納領域にセーブする(ステップX572)。続いて変動パターン乱数2及び3を抽出して各乱数に対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(ステップX573)。そして、先読み処理である特図保留情報判定処理(ステップX574)を行い、特図2保留数に対応する飾り特図保留数コマンドを準備して(ステップX575)、演出コマンド設定処理を行って(ステップX576)、特図始動口3スイッチ処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100(RAM111C)が、第2始動入賞口97への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し、該所定の乱数を第2始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な第2始動記憶手段をなす。なお、特図2変動表示ゲームについては変動パターンの種類が少ないことから変動パターン乱数1は用いない。
〔特図保留情報判定処理〕
図15には、上述の特図始動口1スイッチ処理における特図保留情報判定処理(ステップX534)、上述の特図始動口3スイッチ処理における特図保留情報判定処理(ステップX574)を示した。図示を省略する特図始動口2スイッチ処理でも同じ処理を行う。特図保留情報判定処理は、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該特図1始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理、特図2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該特図2始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。この特図保留情報判定処理では、まず、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かにより大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を行う(ステップX543)。そして、判定結果が大当りである場合(ステップX544;Y)は、大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップX545)、準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(ステップX546)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
一方、判定結果が大当りでない場合(ステップX544;N)は、大当り乱数値が小当り判定値と一致するか否かにより小当りであるか否かを判定する小当り判定処理を行う(ステップX547)。そして、判定結果が小当りである場合(ステップX548;Y)は、小当りの停止図柄情報を設定し(ステップX549)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。また、判定結果が小当りでない場合(ステップX548;N)は、はずれの停止図柄情報を設定し(ステップX550)、停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備する(ステップX551)。
停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンドを準備(ステップX551)した後、演出コマンド設定処理を行う(ステップX552)。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップX553)を行い、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する特図変動パターン設定処理を行う(ステップX554)。
そして、特図変動表示ゲームの変動態様における前半変動パターンを示す前半変動番号及び後半変動パターンを示す後半変動番号に対応する先読み変動パターンコマンドを準備して(ステップX555)、演出コマンド設定処理を行い(ステップX556)、特図保留情報判定処理を終了する。なお、ステップX553における特図情報設定処理、ステップX554における特図変動パターン設定処理は、特図1普段処理で特図1変動表示ゲームの開始時に実行される処理、特図2普段処理で特図2変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
このように、特図始動口1スイッチ処理における特図保留情報判定処理や、特図始動口2スイッチ処理における特図保留情報判定処理によって、特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、特図1始動記憶に対応した結果関連情報(大当り又は小当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する特図1始動記憶に基づく特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図1変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
また、特図始動口3スイッチ処理における特図保留情報判定処理によって、特図2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該特図2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、特図2始動記憶に対応した結果関連情報(大当り又は小当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する特図2始動記憶に基づく特図2変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示を変化させるなどして、その特図2変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、第1始動記憶手段に記憶された第1始動記憶に基づき、第1変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を当該第1変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第1決定手段をなすとともに、第2始動記憶手段に記憶された第2始動記憶に基づき、第2変動表示ゲームの結果及び変動態様情報を当該第2変動表示ゲームの開始以前に決定することが可能な第2決定手段をなす。また、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図1ゲーム処理〕
図16には、上述のタイマ割込み処理における特図1ゲーム処理(ステップX112)を示した。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図1の表示の設定を行う。
この特図1ゲーム処理では、まず、特図1変動表示ゲームが中断されている場合にセットされる特図1中断フラグがセットされているか判定する(ステップY100)。特図1変動表示ゲームは、当該特図1変動表示ゲームの実行中に特図2変動表示ゲームの結果が第2特別結果(小当り)となって第2特別遊技状態が実行される場合に、当該第2特別遊技状態の実行中において中断される。
特図1中断フラグがセットされていない場合(ステップY100;N)、すなわち特図1変動表示ゲームの中断が行われていない場合には、ステップY101へ移行して、以降の特図1変動表示ゲームに関する処理を行う。一方、特図1中断フラグがセットされている場合(ステップY100;Y)、すなわち特図1変動表示ゲームが中断されている場合には、ステップY101〜Y119の特図1変動表示ゲームに関する処理を行わず、ステップY120へ移行する。これにより、特図1変動表示ゲームの中断中は特図1変動表示ゲームが進行せず(特図1ゲーム処理タイマの更新が行われず)、変動表示のみが継続するようになる。
特図1変動表示ゲームに関する処理では、まず、特図2の大当り/小当り中であるか、すなわち特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるか判定する(ステップY101)。そして、特図2の大当り/小当り中である場合(ステップY101;Y)には、ステップY104へ移行する。一方、特図2の大当り/小当り中でない場合(ステップY101;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップY102)を行い、特定領域スイッチ監視処理(ステップY103)を行う。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられた大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図1ゲーム処理では、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については後述する特図2ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
特定領域スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた特定領域スイッチ38dでの遊技球の検出を監視し、特定領域(確率作動領域)への遊技球の流入に基づいて特定領域通過フラグをセットする処理を行う。この特定領域通過フラグがセットされていることに基づき特別遊技状態を発生させる処理が行われることとなる。
次いで、特図1ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新し(ステップY104)、特図1ゲーム処理タイマの値が0であるか判定する(ステップY105)。そして、特図1ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY105;N)、すなわちタイムアップしていない場合には、ステップY120へ移行する。また、特図1ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY105;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、特図1ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図1ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY106)。そして、当該テーブルを用いて特図1ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY107)、特図1ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY108)。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図1変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図1変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図1変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1普段処理(ステップY109)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図1の停止表示時間の設定や、特図1表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1変動中処理(ステップY110)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図1変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1表示中処理(ステップY111)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY112)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY113)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図1大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY114)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図1普段処理(ステップY109)を行うために必要な情報の設定等を行う特図1大当り終了処理(ステップY115)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY116)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY117)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY118)を行う。
ステップY108にて、特図1ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図1普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図1小当り終了処理(ステップY119)を行う。
その後、一括表示装置50の特図1表示器の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備し(ステップY120)、一括表示装置50の特図1表示器に係る図柄変動制御処理(ステップY121)を行い、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップY122)を行って、特図1ゲーム処理を終了する。この特図1ゲーム処理が第1変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
〔特図2ゲーム処理〕
図17には、上述のタイマ割込み処理における特図2ゲーム処理(ステップX113)を示した。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図2の表示の設定を行う。この特図2ゲーム処理は、基本的には上述の特図1ゲーム処理と同様の処理を特図2について行うものである。
この特図2ゲーム処理では、まず、特図2変動表示ゲームが中断されている場合にセットされる特図2中断フラグがセットされているか判定する(ステップY130)。特図2変動表示ゲームは、当該特図2変動表示ゲームの実行中に特図1変動表示ゲームの結果が第2特別結果(小当り)となって第2特別遊技状態が実行される場合に、当該第2特別遊技状態の実行中において中断される。
特図2中断フラグがセットされていない場合(ステップY130;N)、すなわち特図2変動表示ゲームの中断が行われていない場合には、ステップY131へ移行して、以降の特図2変動表示ゲームに関する処理を行う。一方、特図2中断フラグがセットされている場合(ステップY130;Y)、すなわち特図2変動表示ゲームが中断されている場合には、ステップY131〜Y152の特図2変動表示ゲームに関する処理を行わず、ステップY153へ移行する。これにより、特図2変動表示ゲームの中断中は特図2変動表示ゲームが進行せず(特図2ゲーム処理タイマの更新が行われず)、変動表示のみが継続するようになる。
特図2変動表示ゲームに関する処理では、まず、特図1の大当り/小当り中であるか、すなわち特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態中であるか判定する(ステップY131)。そして、特図1の大当り/小当り中である場合(ステップY131;Y)には、ステップY134へ移行する。一方、特図1の大当り/小当り中でない場合(ステップY131;N)には、大入賞口スイッチ監視処理(ステップY132)を行い、特定領域スイッチ監視処理(ステップY133)を行う。
大入賞口スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた大入賞口スイッチ38a及び第2特別変動入賞装置39内に設けられた大入賞口スイッチ39aでの遊技球の検出を監視し、大入賞口への入賞に基づいて演出制御装置300に送信する大入賞口カウントコマンドを設定する処理や、大入賞口へ規定数の入賞があった場合に大入賞口を閉鎖するための処理を行う。特図2ゲーム処理では、特図2変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態について大入賞口スイッチ監視処理を行うようにしており、特図1変動表示ゲームの結果が大当り又は小当りになることに基づき実行される特別遊技状態については上述した特図1ゲーム処理において大入賞口スイッチ監視処理を行う。
特定領域スイッチ監視処理では、第1特別変動入賞装置38内に設けられた特定領域スイッチ38dでの遊技球の検出を監視し、特定領域(確率作動領域)への遊技球の流入に基づいて特定領域通過フラグをセットする処理を行う。この特定領域通過フラグがセットされていることに基づき特別遊技状態を発生させる処理が行われることとなる。
次いで、特図2ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新し(ステップY134)、特図2ゲーム処理タイマの値が0であるか判定する(ステップY135)。そして、特図2ゲーム処理タイマの値が0でない場合(ステップY135;N)、すなわちタイムアップしていない場合には、ステップY153へ移行する。また、特図2ゲーム処理タイマの値が0である場合(ステップY135;Y)、すなわちタイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0であるか判定する(ステップY136)。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0でない場合(ステップY136;N)には、特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数を−1更新し(ステップY137)、特図2ゲーム処理タイマ領域に長変動用タイマ値(例えば60000m秒)をセーブして(ステップY138)、ステップY153へ移行する。
小当りの発生確率が高い特図2変動表示ゲームを通常遊技状態で遊技者が意図的に実行することを防止するため、通常遊技状態における特図2変動表示ゲームの変動時間は非常に長い時間(例えば10分)とされている。しかし、特図2ゲーム処理タイマとして利用できる領域は限られているため、タイマ初期値として上限値を設定しても変動時間を一度で計時することは困難である。そこで、規定時間(例えば60000m秒)の計時を行う回数である繰り返し回数を用いて複数回の計時により変動時間を計時するようにしている。
特図2ゲーム処理タイマの繰り返し回数が0である場合(ステップY136;Y)には、特図2ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図2ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(ステップY139)。そして、当該テーブルを用いて特図2ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップY140)、特図2ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行う(ステップY141)。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図2変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図2変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図2変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2普段処理(ステップY142)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図2の停止表示時間の設定や、特図2表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2変動中処理(ステップY143)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図2変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り種類の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2表示中処理(ステップY144)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップY145)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップY146)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、特図2大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップY147)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図2普段処理(ステップY141)を行うために必要な情報の設定等を行う特図2大当り終了処理(ステップY148)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「7」の場合は、小当りが発生した際の大入賞口の開放時間・開放パターンの設定、ファンファーレコマンドの設定、小当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当りファンファーレ中処理(ステップY149)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「8」の場合は、エンディングコマンドの設定や小当り残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り中処理(ステップY150)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「9」の場合は、小当り中処理の際に大入賞口内に入賞した残存球が排出されるための時間を設定する処理や、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う小当り残存球処理(ステップY151)を行う。
ステップY141にて、特図2ゲーム処理番号が「10」の場合は、特図2普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図2小当り終了処理(ステップY152)を行う。
その後、一括表示装置50の特図2表示器の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備し(ステップY153)、一括表示装置50の特図2表示器に係る図柄変動制御処理(ステップY154)を行い、レバーソレノイド38fの動作を制御するレバーソレノイド制御処理(ステップY155)を行って、特図2ゲーム処理を終了する。この特図2ゲーム処理が第2変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)に関する一連の実行制御を行う処理をなす。
次に演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300の主制御用マイコン(CPU)311では、図18に示すメイン処理と、図示しないタイマ割込み処理を行う。
〔メイン処理〕
図18に示すようにメイン処理では、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、CPUの初期設定を行う(ステップC2)。次に、VDP312の初期設定を行って(ステップC3)、割込みを許可する(ステップC4)。次いで、表示用データの生成を許可して(ステップC5)、乱数シードを設定し(ステップC6)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップC7)。これにより、停電発生検出済みフラグ等がクリアされる。
ステップC1からC7のプログラム開始時の処理を行った後、メインループ処理としてループの処理を行う。このループ処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアする(ステップC8)。次いで、演出ボタン25や十字キー29の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。演出ボタン25や十字キー29からの入力の読み込みはタイマ割込み処理内で行い、この演出ボタン入力処理では演出ボタン25や十字キー29からの入力があった時に、演出内容を変更する処理等を行う。
そして、LEDや液晶の輝度、音量などの変更可能範囲の設定や、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を行う(ステップC10)。次に、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC11)を行う。
次いで、遊技制御装置100からのコマンドを解析して対応を行う受信コマンドチェック処理(ステップC12)を行い、演出の進行を制御するための設定や描画コマンドの編集を行う演出表示編集処理(ステップC13)を行って、描画コマンドの準備終了を設定する(ステップC14)。これらの処理では、描画する内容に合わせ各種データの更新を行う等して、最終的に描画データをフレームバッファに設定するところまで行う。1/30秒(約33.3m秒)以内に描画する画面の描画データを準備できていれば問題なく画像更新できる。
そして、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(ステップC15)。本実施形態では、システム周期(1フレーム1/30秒)を作るため、Vブランク割込(1/60秒)が2回入るとフレーム切替タイミングであると判定する。なお、フレーム切替タイミングは適宜任意に変更可能であり、例えば、1/60秒で画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよいし、1/60秒よりも遅いタイミングで画像の更新(フレームの切り替え)を行ってもよい。ステップC15で、フレーム切替タイミングでないと判定した場合(ステップC15;N)には、ステップC15の処理を繰り返して行う。一方、ステップC15で、フレーム切替タイミングであると判定した場合(ステップC15;Y)には、画面描画を指示する(ステップC16)。
その後、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC17)、盤装飾装置46や枠装飾装置18などのLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC18)、盤演出装置44のモータやソレノイドの制御を行う可動体制御処理(ステップC19)を行い、センターケース40に設けられた報知部などによる演出を制御する盤演出設定処理(ステップC20)を行って、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
〔受信コマンドチェック処理〕
図19には、上述のメイン処理における受信コマンドチェック処理を示した。この受信コマンドチェック処理では、まず、1フレーム(1/30秒間)の間に何個のコマンドを受信したかをカウントするコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードし(ステップC201)、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(ステップC202)。そして、コマンド受信数が0であると判定した場合(ステップC202;N)は、受信コマンドチェック処理を終了する。また、受信コマンド数が0でないと判定した場合(ステップC202;Y)には、コマンド受信カウンタ領域の内容をコマンド受信数分減算する(ステップC203)。
次いで、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域にコピーして(ステップC204)、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新し(ステップC205)、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定する(ステップC206)。このように、本実施形態では、受信コマンドバッファ内で直接コマンドの解析を行わず、受信コマンドバッファの内容をコマンド領域(解析用のRAM領域)にコピーし、コマンド領域でコマンドの解析作業を行うよう構成されている。これにより、コマンドの解析中に遊技制御装置100からコマンドが送信されてくる場合に備えて、コマンド(データ)を移動して空きを作っておくことができる。また、コマンドの解析をメイン処理一巡単位でまとめて行うことができる。
ステップC206で、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了していないと判定した場合(ステップC206;N)には、ステップC204の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したと判定した場合(ステップC206;Y)には、コマンド領域の内容をロードして(ステップC207)、受信コマンド解析処理(ステップC208)を行う。
次いで、コマンド領域のアドレスを更新し(ステップC209)、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否か判定する(ステップC210)。そして、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了していないと判定した場合(ステップC210;N)には、ステップC207の処理に戻る。また、コマンド受信数分のコマンドの解析が完了したと判定した場合(ステップC210;Y)には、受信コマンドチェック処理を終了する。このように、受信コマンドチェック処理では、1フレーム(1/30秒間)の間に受信したコマンドをまとめて解析する。なお、本実施形態では、コマンドを32個分まで保存できる構成としている。
〔受信コマンド解析処理〕
図20には、上述の受信コマンドチェック処理における受信コマンド解析処理を示した。この受信コマンド解析処理では、まず、コマンド上位バイトをMODE、下位バイトをACT(ACTION)として分離し(ステップC231)、MODE及びACTは正常範囲であるか否かを判定する(ステップC232、ステップC233)。MODE及びACTは正常範囲であると判定した場合(ステップC232;Y、ステップC233;Y)には、MODEに対するACTは正しい組合せであるか否かを判定する(ステップC234)。
また、ステップC232、ステップC233で、MODE又はACTは正常範囲でないと判定した場合(ステップC232;N、ステップC233;N)、あるいは、ステップC234でMODEに対するACTは正しい組合せでないと判定した場合(ステップC234;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
ステップC234で、MODEに対するACTは正しい組合せであると判定した場合(ステップC234;Y)には、MODEは変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC235)。変動系コマンドは、特図の変動パターンを指令するコマンドである。そして、MODEは変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC235;Y)には、変動系コマンド処理(ステップC236)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC235で、MODEは変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC235;N)には、MODEは大当り系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC237)。大当り系コマンドは、大当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドや、小当り中演出に関する動作(ファンファーレ画面や終了画面の表示など)を指令するコマンドである。そして、MODEは大当り系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC237;Y)には、大当り系コマンド処理(ステップC238)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC237で、MODEは大当り系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC237;N)には、MODEは図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC239)。図柄系コマンドは、特図の図柄に関する情報(例えば、特図の停止図柄を何にするかなど)を指令するコマンドである。そして、MODEは図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC239;Y)には、図柄系コマンド処理(ステップC240)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC239で、MODEは図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC239;N)には、MODEは保留数コマンドやエラーコマンドなどの単発系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC241)。単発系コマンドは、図柄コマンドと変動系コマンドのように組合せで意味をなすコマンドと違い、単独で成立するコマンドである。この単発系コマンドには、客待ちデモコマンド、保留数コマンド、図柄停止コマンド、確率情報系コマンド、エラー/不正系コマンド、機種指定コマンドなどがある。そして、MODEは単発系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC241;Y)には、単発系コマンド処理(ステップC242)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC241で、MODEは単発系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC241;N)には、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC243)。そして、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC243;Y)には、先読み図柄系コマンド処理(ステップC244)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。
また、ステップC243で、MODEは先読み図柄系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC243;N)には、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であるか否かを判定する(ステップC245)。そして、MODEは先読み変動系コマンドの範囲であると判定した場合(ステップC245;Y)には、先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を行って、受信コマンド解析処理を終了する。また、ステップC245で、MODEは先読み変動系コマンドの範囲でないと判定した場合(ステップC245;N)には、受信コマンド解析処理を終了する。
なお、先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンドは、先読み演出を実行するために必要な情報を含むコマンドである。先読み演出(先読み予告、あるいは先読み予告演出ともいう)とは、特図変動表示ゲームが未実行の始動記憶(保留)に対応する特図変動表示ゲームがその後実行された時に大当りになるか否か(あるいはどんな変動パターンになるか)を、所定の信頼度で遊技者に事前報知すべく、表示装置41に表示する飾り特図始動記憶表示等を通常と異なる態様で行うことや、表示装置41に演出表示を行うなどの演出である。そして、先読み系コマンド(先読み変動系コマンド及び先読み図柄系コマンド)は、先読み演出の対象となる始動記憶に対応する変動パターンや停止図柄を事前に知らせるコマンドであり、始動入賞時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。なお、先読みでない通常の変動系コマンドや図柄系コマンドは、変動表示開始時に遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される。
〔変動系コマンド処理〕
図21には、上述の受信コマンド解析処理における変動系コマンド処理(ステップC236)を示した。この変動系コマンド処理では、まず、特図種別が未確定であるかを判定する(ステップC361)。特図種別とは、特図の種別が特図1か特図2かを示す情報であり、図柄系コマンド処理で設定される情報である。
この特図種別が未確定である場合(ステップC361;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、特図種別が未確定でない場合(ステップC361;N)、すなわち特図種別が設定されている場合は、変動コマンドと図柄コマンドの組み合わせをチェックし(ステップC362)、変動コマンドと図柄種別が不整合であるかを判定する(ステップC363)。
変動コマンドと図柄種別が不整合である場合(ステップC363;Y)は、変動系コマンド処理を終了する。また、変動コマンドと図柄種別が不整合でない場合(ステップC363;N)は、変動コマンドから変動パターン種別を判別する(ステップC364)。図柄種別とは図柄のカテゴリを意味し、図柄種別には例えば、はずれ図柄、確変大当り図柄、通常大当り図柄、小当り図柄などがある。変動コマンドと図柄種別が不整合である場合とは、はずれの変動コマンド(変動パターンコマンド)を受信したのに、確変大当り図柄の図柄コマンドを受信していた時のような、演出を行う上で矛盾してしまう組み合わせ(変動コマンドと図柄種別の組み合わせ)であることを意味する。
変動コマンドから変動パターン種別を判別する処理(ステップC364)では、受信したコマンドに応じて、特図の変動表示演出の大まかな分類である変動パターン種別を判別する。そして、変動コマンドに応じた演出を行うための情報を設定する変動演出設定処理を行う(ステップC365)。
次に、P機状態(パチンコ機の状態)として特図変動中を設定する(ステップC366)。ここで、特図変動中とは、特図の変動中(客待ちデモ中や大当り中、或いはファンファーレ中等でないこと)を表している。さらに、先読み演出回数(先読み実行回数)がゼロでなければ先読み演出回数を−1更新(先読み演出回数を1だけ減らす処理)し(ステップC367)、変動系コマンド処理を終了する。
〔変動演出設定処理〕
図22には、上述の変動系コマンド処理における変動演出設定処理(ステップC365)を示した。この変動演出設定処理では、まず、変動パターン種別がリーチなし変動であるかを判定する(ステップC381)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(ステップC381;Y)は、機種コード及び特図種別とその時点の演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC382)。なお、リーチなし変動であるので図柄種別は必ずはずれ図柄であり、ここでは図柄種別を特に参照しなくてもよい。なお演出モードは、演出制御装置300が管理する遊技モードに相当し、機種によって当然異なるが、ここでは通常モード、確変モードなどがある。さらに、各モード内に予告演出の振り分け率や表示装置41における飾り特図変動表示ゲームの演出態様を異ならせた複数のモードを設けている。
次に、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(ステップC383)。これによりリーチなし変動の場合には、各変動中に出現する予告演出の抽選内容(具体的には各予告演出態様の出現率)を保留数に応じて変化させることが可能となる。その後、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
一方、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(ステップC381;N)は、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC384)。そして、前半予告振分グループアドレステーブルを参照して、MODE、変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC385)、前半予告振分グループテーブルを使って前半変動中に出現する予告の抽選を行う(ステップC386)。
次に、後半変動の予告演出を抽選する。なお、特図変動表示ゲームの後半変動とはいわゆるリーチアクション(例えば、特図の複数列の表示領域のうち特定領域を除く表示領域が大当りとなる特別結果態様(特別な図柄の組合せ)で変動表示が停止していて、特定領域のみで変動表示している状態)の変動表示である。一方、特図変動表示ゲームの前半変動とはリーチアクション開始前までの変動表示である。
まず、機種コード、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定する(ステップC387)。後半予告振分グループアドレステーブルは、後半予告振分グループテーブルのアドレスを選択するためのテーブルである。そして、後半予告振分グループアドレステーブルを参照してACTに対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(ステップC388)、後半予告振分グループテーブルを使って後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(ステップC389)。
その後、MODE、ACTに対応する変動演出の内容を決定し(ステップC390)、予告抽選結果に対応する演出の内容を決定する(ステップC391)。これにより、飾り特図変動表示ゲームの変動時間や主なリーチ内容などの演出や予告が決定されることとなる。さらに、決定された特図変動表示ゲームの変動パターン(リーチ演出など)や予告内容、遊技状態も参照して停止図柄を決定する停止図柄設定処理を行う(ステップC392)。
次に、変動演出の表示設定を行い(ステップC393)、予告演出の表示設定を行う(ステップC394)。これらの処理により、上述したように設定された飾り特図変動表示ゲームでの演出や予告が実行可能となる。その後、特図種別に対応する保留減少の表示設定を行う(ステップC395)。この処理では特図変動表示ゲームを開始する際に対応する始動記憶の減少に対応して飾り特図始動記憶表示を減少させる設定を行う。
そして、BGMの番号である音番号、装飾ランプ等による演出の種類を示す番号である装飾番号を設定し(ステップC396)、特図種別に対応する飾り特図変動(識別情報の変動表示)の表示設定を行う(ステップC397)。さらに、識別情報の変動表示とは別に飾り特図変動表示ゲームを表示する第4図柄の変動表示を設定するために、特図種別に対応する第4図柄変動の表示設定を行い(ステップC398)、変動演出設定処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
図23には、上述の受信コマンド解析処理における先読み変動系コマンド処理(ステップC246)を示した。この先読み変動系コマンド処理では、まず、先読み変動パターンコマンド受信待ち中であるかを判定する(ステップC311)。ここでは、先読み図柄系コマンド処理で設定される先読み変動パターンコマンド受信待ちフラグがある場合に受信待ち中と判定するようになっている。先読み変動パターンコマンド受信待ち中でない場合(ステップC311;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み変動パターンコマンド受信待ち中である場合(ステップC311;Y)は、先読み変動パターンコマンド受信待ちフラグをクリアする(ステップC312)。
その後、コマンドを保留数合計に対応する先読み変動コマンド領域にセーブし(ステップC313)、MODEとACTの組合せ(コマンド組合せ)が正常であるかを判定する先読みコマンド整合チェック処理(ステップC314)を行う。コマンド組合せが正常でない場合(ステップC315;N)、すなわち無効コマンド情報の値が返された場合は、先読み変動系コマンド処理を終了する。なお、この場合に正常でない先読み変動パターンコマンドの情報を格納領域からクリアしても良い。また、該当する格納領域に正常でない旨の情報(NG情報)をセーブするようにしても良い。一方、コマンド組合せが正常である場合(ステップC315;Y)、すなわち有効コマンド情報の値が返された場合は、特定演出の実行中であるかを判定する(ステップC316)。特定演出とは、待機中保留表示部が非表示とされる演出である。
この特定演出の実行中でない場合(ステップC316;N)は、ステップC318に移行する。また、特定演出の実行中である場合(ステップC316;Y)は、非表示中情報を設定し(ステップC317)、先読み予告演出の実行を抽選する先読み抽選処理(ステップC318)を行い、先読み予告演出を発生するかを判定する(ステップC319)。
そして、先読み予告演出を発生しない場合(ステップC319;N)は、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、先読み予告演出を発生する場合(ステップC319;Y)は、当該発生する先読み予告演出(すなわち、先読み抽選処理(ステップC318)で選出された先読み予告演出)が、直ちに開始する演出であるかを判定する(ステップC320)。直ちに開始する演出とは、例えば、表示装置41に表示されている待機中保留表示部における飾り特図始動記憶表示の表示態様を現時点から変更する保留変化予告である。
また、直ちに開始しない演出とは、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示の表示態様を後の所定タイミングから変更する保留変化予告であり、例えば、待機中保留表示部が非表示である場合に表示が再開されたタイミングで開始する保留変化予告である。この他に特図変動表示ゲームの実行中に行う先読み予告演出であって、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続で特定の演出やリーチ状態を発生させる演出や、変動表示中に登場するキャラクタによって予告を行う演出なども含まれる。このような直ちに開始しない演出の実行を開始するタイミングには、特図変動表示ゲームの実行中であればその特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームの実行が開始されるタイミングなどが含まれる。
直ちに開始する演出である場合(ステップC320;Y)は、選出された先読み予告演出の描画を設定し(ステップC321)、非表示中情報をクリアして(ステップC323)、先読み変動系コマンド処理を終了する。一方、直ちに開始する演出でない場合(ステップC320;N)は、選出された先読み予告演出の描画予約設定をし(ステップC322)、非表示中情報をクリアして(ステップC323)、先読み変動系コマンド処理を終了する。
選出された先読み予告演出の描画予約設定をする処理(ステップC322)では、例えば、待機中保留表示部が非表示である場合に表示が再開されたタイミングで保留変化予告を開始するように設定する。これにより、待機中保留表示部の表示が再開されたタイミングで保留変化予告が開始されるようになる。表示が再開されるタイミングは、現在実行中である演出のシナリオの進行状況から特定演出の終了までの時間を取得することで可能である。
<図柄待機演出、図柄変化演出>
演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの実行に対応して、表示装置41にて飾り特図変動表示ゲームを実行することが可能である。さらに、この飾り特図変動表示ゲームが、例えば、左図柄Z1(表示装置41における左変動表示領域の飾り識別情報)、中図柄Z2(表示装置41における中変動表示領域の飾り識別情報)、右図柄Z3(表示装置41における右変動表示領域の飾り識別情報)を変動表示した後、左図柄Z1、右図柄Z3、中図柄Z2の順で仮停止表示するものである場合に、当該仮停止表示中の左図柄Z1及び右図柄Z3を所定の待機領域で待機させる図柄待機演出を実行することが可能である。
ここで、例えば図24(a)に示すように、左上演出装置44aの可動部材721は、初期位置から表示装置41の中央へ向けて動作して、動作位置へ移動することが可能である。図24(a)においては、初期位置にある可動部材721を実線で示し、動作位置にある可動部材721を一点鎖線で示している。したがって、破線L1で囲まれる領域が可動部材721の動作範囲になり、可動部材721における任意点の動作軌跡はすべて、この動作範囲内に配置されることとなる。なお、図24(a)では、便宜上、可動部材721における任意点を代表して特定点P1を図示し、可動部材721における任意点の動作軌跡を代表して特定点P1の動作軌跡Q1を図示している。
また、例えば図24(b)に示すように、下演出装置44dの可動部材770は、初期位置から表示装置41の中央へ向けて動作して、動作位置へ移動することが可能である。図24(b)においては、初期位置にある可動部材770を実線で示し、動作位置にある可動部材770を一点鎖線で示している。したがって、破線L2で囲まれる領域が可動部材770の動作範囲になり、可動部材770における任意点の動作軌跡はすべて、この動作範囲内に配置されることとなる。なお、図24(b)では、便宜上、可動部材770における任意点を代表して特定点P2を図示し、可動部材770における任意点の動作軌跡を代表して特定点P2の動作軌跡Q2を図示している。
また、例えば図24(c)に示すように、破線L1で囲まれる領域と破線L2で囲まれる領域とが重複する領域(図24(c)において斜線ハッチングを付した領域)が、可動部材721の動作範囲と可動部材770の動作範囲とが重複する重複範囲になる。そして、この重複範囲内には、可動部材721における特定点P1の動作軌跡Q1と、可動部材770における特定点P2の動作軌跡Q2との交差点P3が配置されることとなる。
以下の説明では、表示装置41の表示領域のうち、可動部材721の動作範囲と可動部材770の動作範囲とが重複する重複範囲(図24(c)において斜線ハッチングを付した領域)と前後に重なる領域を、重複表示部R1と称する。また、表示装置41の表示領域のうち、重複表示部R1の左方の領域であって、可動部材721の動作範囲及び可動部材770の動作範囲のいずれとも前後に重ならない領域を、左待機表示部R2と称する。また、表示装置41の表示領域のうち、重複表示部R1の右方の領域であって、可動部材721の動作範囲及び可動部材770の動作範囲のいずれとも前後に重ならない領域を、右待機表示部R3と称する。
なお、図面では便宜上、重複表示部R1、左待機表示部R2、及び右待機表示部R3を二点鎖線で囲っているが、実際の重複表示部R1、左待機表示部R2、及び右待機表示部R3は、線などで囲まれていても(表示部R1,R2,R3を囲む線などを表示装置41に表示しても)良いし、囲まれていなくても(表示部R1,R2,R3を囲む線などを表示装置41に表示しなくても)良い。
図25に、図柄待機演出の一例を示す。図柄待機演出は、図柄待機演出を実行するか否かを決定する図柄待機演出抽選に当選した場合に実行される。この図柄待機演出抽選は、例えば、特図変動表示ゲームの開始時に(例えば変動演出設定処理(図22)において)実行される。
演出制御装置300は、特図変動表示ゲーム(メイン変動)が開始すると、左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3の変動表示を開始する。その際、左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3は、例えば図24(d)に示すように、初期位置にある可動部材721,770と前後に重ならない位置で変動表示される。本実施形態では、イレギュラー変動に対応する飾り特図変動表示ゲームは表示しないが、表示するようにしても良い。
そして、当該特図変動表示ゲームの開始時に実行した図柄待機演出抽選に当選した場合には、まず、例えば図25(a)に示すように、左図柄Z1が、重複表示部R1で仮停止表示(例えば揺動表示)され、その後、例えば図25(b)に示すように、左図柄Z1が、縮小するとともに重複表示部R1から左待機表示部R2へと移動して、左待機表示部R2で仮停止表示(例えば揺動表示)される。左図柄Z1は、重複表示部R1から左待機表示部R2への移動中は揺動せずに、左待機表示部R2に到着してから揺動する。
次いで、例えば図25(c)に示すように、右図柄Z3が、重複表示部R1で仮停止表示(例えば揺動表示)され、その後、例えば図25(d)に示すように、右図柄Z3が、縮小するとともに重複表示部R1から右待機表示部R3へと移動して、右待機表示部R3で仮停止表示(例えば揺動表示)される。右図柄Z2は、重複表示部R1から右待機表示部R3への移動中は揺動せずに、右待機表示部R3に到着してから揺動する。
次いで、例えば図25(e)に示すように、中図柄Z2が、重複表示部R1で仮停止表示(例えば揺動表示)される。その後、中図柄Z2が移動し、かつ、左図柄Z1及び右図柄Z3が拡大するとともに移動して、例えば図25(f)に示すように、左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3が、初期位置にある可動部材721,770と前後に重ならない位置で停止表示される。これにより、ゲーム結果が表示される。
また、演出制御装置300は、盤演出装置44の可動部材を動作させて、左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3のうち、当該可動部材が作用した図柄を変化させる図柄変化演出を実行することが可能である。
図26〜図27に、図柄待機演出及び図柄変化演出の一例を示す。図柄変化演出は、図柄変化演出を実行するか否かを決定する図柄変化演出抽選に当選した場合に実行される。この図柄変化演出抽選は、例えば、特図変動表示ゲームの開始時に(例えば変動演出設定処理(図22)において)実行される。
なお、本実施形態では、図柄待機演出抽選に当選した場合に図柄変化演出抽選を実行することとするが、これに限定されない。例えば、図柄待機演出抽選に当選したか落選したかにかかわらず図柄変化演出抽選を実行するようにしても良いし、図柄変化演出抽選に当選した場合に図柄待機演出抽選を実行するようにしても良いし、図柄変化演出抽選に当選したか落選したかにかかわらず図柄待機演出抽選を実行するようにしても良い。
演出制御装置300は、特図変動表示ゲーム(メイン変動)が開始すると、左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3の変動表示を開始する。
そして、当該特図変動表示ゲームの開始時に実行した図柄待機演出抽選及び図柄変化演出抽選に当選した場合には、まず、例えば図26(a)に示すように、左図柄Z1が、重複表示部R1で仮停止表示(例えば揺動表示)され、その後、例えば図26(b)に示すように、左図柄Z1が、縮小するとともに重複表示部R1から左待機表示部R2へと移動して、左待機表示部R2で仮停止表示(例えば揺動表示)される。
次いで、例えば図26(c)に示すように、右図柄Z3が、重複表示部R1で仮停止表示(例えば揺動表示)され、その後、例えば図26(d)に示すように、下演出装置44dの可動部材770を、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄に作用させる第1作用演出が実行される。本実施形態では、第1作用演出として、可動部材770が、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄に衝突するように見せる演出を行う。具体的には、例えば、可動部材770が、初期位置から、初期位置と動作位置との間の途中位置(あるいは、動作位置であっても良い)まで移動するとともに、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄の近傍に、当該図柄に可動部材770が作用(ここでは衝突)したことを強調するエフェクト画像G1が表示される。
第1作用演出を行った結果、例えば図26(e)に示すように、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄(ここでは右図柄Z3)の数字部が「5」から「6」に変化して、その後、例えば図26(f)に示すように、右図柄Z3が、縮小するとともに重複表示部R1から右待機表示部R3へと移動して、右待機表示部R3で仮停止表示(例えば揺動表示)される。
次いで、例えば図27(a)に示すように、中図柄Z2が、重複表示部R1で仮停止表示(例えば揺動表示)され、その後、例えば図27(b)に示すように、左上演出装置44aの可動部材721を、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄に作用させる第2作用演出が実行される。本実施形態では、第2作用演出として、可動部材721が、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄に衝突するように見せる演出を行う。具体的には、例えば、可動部材721が、初期位置から、初期位置と動作位置との間の途中位置(あるいは、動作位置であっても良い)まで移動するとともに、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄の近傍に、当該図柄に可動部材721が作用(ここでは衝突)したことを強調するエフェクト画像G1が表示される。
第2作用演出を行った結果、例えば図27(c)に示すように、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄(ここでは中図柄Z2)の数字部が「3」から「5」に変化して、その後、例えば図27(d)に示すように、第1作用演出(下演出装置44dの可動部材770を、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄に作用させる演出)が実行される。
第1作用演出を行った結果、例えば図27(e)に示すように、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄(ここでは中図柄Z2)の数字部が「5」から「6」に変化する。その後、中図柄Z2が移動し、かつ、左図柄Z1及び右図柄Z3が拡大するとともに移動して、例えば図27(f)に示すように、左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3が、初期位置にある可動部材721,770と前後に重ならない位置で停止表示される。これにより、ゲーム結果が表示される。
このように、本実施形態では、複数の飾り識別情報(左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3)が重複表示部R1で一時停止(仮停止)する。この重複表示部R1は、可動部材721の動作範囲と可動部材770の動作範囲とが重複する重複範囲(図24(c)において斜線ハッチングを付した領域)と前後に重なる領域である。したがって、複数の飾り識別情報(左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3)が重複範囲と前後に重なる位置で一時停止(仮停止)することとなるため、飾り識別情報に対する注目を効果的に高めることが可能となる。さらに、複数の飾り識別情報のうち少なくとも一部(本実施形態の場合、左図柄Z1、右図柄Z3)は、一時停止(仮停止)した後に、可動部材721の動作範囲及び可動部材770の動作範囲のいずれとも前後に重ならない位置へと移動して待機するため、可動部材721又は可動部材770が動作しても、当該可動部材が邪魔で待機中の飾り識別情報が視認困難になるといった不都合は発生しない。
ここで、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄と、待機表示部R2,R3で仮停止表示中の図柄とは、[1]仮停止をアピールするための揺動表示の揺れ周期が同じである、[2]仮停止をアピールするために表示される付加画像(図示省略)の動き方が同じである、といった共通点がある。ここで、仮停止をアピールするために表示される付加画像とは、例えば、揺れることで図柄が輝いているように見せる画像等である。本実施形態では、[1]と[2]の両方を満たすこととするが、これに限定されず、[1]及び[2]の少なくとも一つを満たすものであれば良い。
また、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄と、待機表示部R2,R3で仮停止表示中の図柄とは、[A]表示サイズが異なる(例えば、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄の方が表示サイズが大きい)、[B]透明度(透過率)が異なる(例えば、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄の方が透明度が高い)、[C]揺動表示の揺れ幅が異なる(例えば、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄の方が揺れ幅が大きい)、といった相違点がある。本実施形態では、[A]〜[C]の全部を満たすこととするが、これに限定されず、[A]〜[C]の少なくとも一つを満たすものであれば良い。
なお、図26〜図27に示す例では、最初に重複表示部R1で仮停止表示される図柄(すなわち左図柄Z1)に対して、第1作用演出及び第2作用演出を行わなかったが、これに限定されない。
また、図26〜図27に示す例では、2番目に重複表示部R1で仮停止表示される図柄(すなわち右図柄Z3)に対して、第1作用演出を1回だけ行い、第2作用演出を行わなかったが、これに限定されない。
また、図26〜図27に示す例では、最後に重複表示部R1で仮停止表示される図柄(すなわち中図柄Z2)に対して、第1作用演出及び第2作用演出を1回ずつ行ったが、これに限定されない。
すなわち、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄に対して、第1作用演出を1回又は複数回行っても良いし、第2作用演出を1回又は複数回行っても良い。また、第1作用演出と第2作用演出の両方を行う場合には、第1作用演出を先に行っても良いし、第2作用演出を先に行っても良い。
また、図26〜図27に示す例では、第1作用演出を行った結果、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄が変化するようにしたが、第1作用演出を行った結果、図柄が変化しない場合があっても良い。
また、図26〜図27に示す例では、第2作用演出を行った結果、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄が変化するようにしたが、第2作用演出を行った結果、図柄が変化しない場合があっても良い。
また、図26〜図27に示す例では、例えば図26(d)〜(e)、図27(d)〜(e)に示すように、第1作用演出を行った結果、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄の数字部を+1変化させる(“変化後の数字=変化前の数字+1”となるように変化させる)ようにしたが、これに限定されない。すなわち、第1作用演出を行った結果、図柄の数字部が変化する場合の変化数は「+1」に限定されず、例えば、第1作用演出を行った結果、図柄の数字部を+2変化させる(“変化後の数字=変化前の数字+2”となるように変化させる)ようにしても良いし、第1作用演出を行った結果、図柄の数字部を−1変化させる(“変化後の数字=変化前の数字−1”となるように変化させる)ようにしても良い。
また、図26〜図27に示す例では、例えば図27(b)〜(c)に示すように、第2作用演出を行った結果、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄の数字部を+2変化させる(“変化後の数字=変化前の数字+2”となるように変化させる)ようにしたが、これに限定されない。すなわち、第2作用演出を行った結果、図柄の数字部が変化する場合の変化数は「+2」に限定されず、例えば、第2作用演出を行った結果、図柄の数字部を+1変化させる(“変化後の数字=変化前の数字+1”となるように変化させる)ようにしても良いし、第2作用演出を行った結果、図柄の数字部を−2変化させる(“変化後の数字=変化前の数字−2”となるように変化させる)ようにしても良い。
また、図26〜図27に示す例では、第1作用演出を行った結果、図柄の数字部が変化する場合の変化数と、第2作用演出を行った結果、図柄の数字部が変化する場合の変化数とが異なっているが、同じであっても良い。すなわち、例えば、第1作用演出を行った結果、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄が変化する場合に、当該図柄の数字部を+1変化させるとともに、第2作用演出を行った結果、重複表示部R1で仮停止表示中の図柄が変化する場合に、当該図柄の数字部を+1変化させるようにしても良い。
また、本実施形態では、例えば図24(c)に示すように、重複表示部R1の一部が、可動部材721の動作範囲と可動部材770の動作範囲とが重複する重複範囲(図24(c)において斜線ハッチングを付した領域)の一部と前後に重なっているが、これに限定されない。すなわち、例えば、重複表示部R1の全部が重複範囲の一部と前後に重なっていても良いし、重複表示部R1の全部が重複範囲の全部と前後に重なっていても良いし、重複表示部R1の一部が重複範囲の全部と前後に重なっていても良い。
また、本実施形態では、例えば図24(c)に示すように、仮停止表示中の左図柄Z1が待機する左待機表示部R2を重複表示部R1の左方に設けたが、これに限定されない。左待機表示部R2は、例えば、重複表示部R1の右方、上方、又は下方に設けられていても良い。
また、左待機表示部R2は、可動部材721の動作範囲及び可動部材770の動作範囲のいずれとも前後に重ならない領域に限定されない。左待機表示部R2は、少なくとも重複範囲(図24(c)において斜線ハッチングを付した領域)と前後に重ならない領域であれば良く、好ましくは、可動部材721の動作範囲及び可動部材770の動作範囲のいずれか一方と前後に重ならない領域であり、より好ましくは、可動部材721の動作範囲及び可動部材770の動作範囲の両方と前後に重ならない領域である。
また、本実施形態では、例えば図24(c)に示すように、仮停止表示中の右図柄Z3が待機する右待機表示部R3を重複表示部R1の右方に設けたが、これに限定されない。右待機表示部R3は、例えば、重複表示部R1の左方、上方、又は下方に設けられていても良い。
また、右待機表示部R3は、可動部材721の動作範囲及び可動部材770の動作範囲のいずれとも前後に重ならない領域に限定されない。右待機表示部R3は、少なくとも重複範囲(図24(c)において斜線ハッチングを付した領域)と前後に重ならない領域であれば良く、好ましくは、可動部材721の動作範囲及び可動部材770の動作範囲のいずれか一方と前後に重ならない領域であり、より好ましくは、可動部材721の動作範囲及び可動部材770の動作範囲の両方と前後に重ならない領域である。
また、本実施形態では、左待機表示部R2と右待機表示部R3との間に重複表示部R1を設けたが、これに限定されず、例えば、左待機表示部R2と右待機表示部R3の両方を、重複表示部R1の右方に設けても良い。
また、本実施形態では、例えば図25(e)〜(f)、図27(e)〜(f)に示すように、中図柄Z2が仮停止表示される位置と、中図柄Z2が停止表示される位置とが異なっているが、同じであっても良い。すなわち、中図柄Z2を、重複表示部R1で仮停止表示した後、移動させることなく停止表示するようにしても良い。
また、本実施形態では、例えば図25(b)〜(e)、図26(b)〜(f)、図27(a)〜(e)に示すように、左待機表示部R2で待機する左図柄Z1を、定位置で揺動表示するようにしたが、これに限定されない。すなわち、左待機表示部R2における左図柄Z1の仮停止表示の表示態様は、定位置で揺動する態様に限定されず、例えば、左待機表示部R2内を当該左待機表示部R2の境目に沿って時計回り方向又は反時計回り方向に移動する態様であっても良いし、図28(a)に示すように、環状画像G2上を当該環状画像G2に沿って反時計回り方向(あるいは、時計回り方向であっても良い)に移動する態様であっても良い。待機中の左図柄Z1を左待機表示部R2の境目や環状画像G2に沿って移動させることで、待機中の左図柄Z1が停止表示されている(本停止している)と遊技者が誤認してしまうことをより効果的に抑制できる。
また、本実施形態では、例えば図25(d)〜(e)、図26(f)、図27(a)〜(e)に示すように、右待機表示部R3で待機する右図柄Z3を、定位置で揺動表示するようにしたが、これに限定されない。すなわち、右待機表示部R3における右図柄Z3の仮停止表示の表示態様は、定位置で揺動する態様に限定されず、例えば、右待機表示部R3内を当該右待機表示部R3の境目に沿って時計回り方向又は反時計回り方向に移動する態様であっても良いし、図28(a)に示すように、環状画像G2上を当該環状画像G2に沿って反時計回り方向(あるいは、時計回り方向であっても良い)に移動する態様であっても良い。待機中の右図柄Z3を右待機表示部R3の境目や環状画像G2に沿って移動させることで、待機中の右図柄Z3が停止表示されている(本停止している)と遊技者が誤認してしまうことをより効果的に抑制できる。
なお、図28(a)に示す例では、左待機表示部R2で待機する左図柄Z1と、右待機表示部R3で待機する右図柄Z3とが、同じ方向(ここでは反時計回り方向)に移動しているが、異なる方向に移動するようにしても良い。
また、環状画像G2の形状は、円形状に限定されず、例えば、三角形状や四角形状などであっても良い。
また、左待機表示部R2における左図柄Z1の仮停止表示の表示態様と、右待機表示部R3における右図柄Z3の仮停止表示の表示態様とは、異なる態様であっても良い。すなわち、例えば、左待機表示部R2における左図柄Z1の仮停止表示の表示態様を、定位置で揺動する態様とするとともに、右待機表示部R3における右図柄Z3の仮停止表示の表示態様を、環状画像G2上を当該環状画像G2に沿って移動する態様としても良い。
また、左待機表示部R2で複数の図柄を待機させるようにしても良い。また、左待機表示部R2で複数の図柄が待機する場合であって、左待機表示部R2における左図柄Z1の仮停止表示の表示態様が環状画像G2上を移動する態様である場合には、当該複数の図柄を一の環状画像G2上に配置して当該一の環状画像G2上を移動させるようにしても良い。
また、右待機表示部R3で複数の図柄を待機させるようにしても良い。また、右待機表示部R3で複数の図柄が待機する場合であって、右待機表示部R3における右図柄Z3の仮停止表示の表示態様が環状画像G2上を移動する態様である場合には、当該複数の図柄を一の環状画像G2上に配置して当該一の環状画像G2上を移動させるようにしても良い。
また、左待機表示部R2や右待機表示部R3で複数の図柄を待機させる場合、左待機表示部R2で待機する複数の図柄と、右待機表示部R3で待機する複数の図柄とは、全部同じであっても良いし、一部同じであっても良いし、全部異なっていても良い。具体的には、例えば、左待機表示部R2で待機する複数の図柄が「4」,「5」,「6」である場合、右待機表示部R3で待機する複数の図柄は、「4」,「5」,「6」であっても良いし、「5」,「6」,「7」であっても良いし、「1」,「2」,「3」であっても良い。
また、左待機表示部R2や右待機表示部R3で複数の図柄を待機させる場合、左待機表示部R2で待機する図柄の数と、右待機表示部R3で待機する図柄の数とは、同じであっても良いし、異なっていても良い。
また、図25〜図27に示す例では、左図柄Z1が数字部のみで構成されているが、左図柄Z1は数字部のみで構成されるものに限定されない。左図柄Z1は、少なくとも識別情報(例えば数字部)を含むものであれば良く、例えば図28(b)に示すように数字部Z11とキャラクタ部Z12と枠部Z13とで構成されるもの(数字部Z11とキャラクタ部Z12と枠部Z13を含むもの)であっても良いし、数字部Z11とキャラクタ部Z12とで構成されるもの(数字部Z11とキャラクタ部Z12は含むが枠部Z13は含まないもの)であっても良いし、数字部Z11と枠部Z13とで構成されるもの(数字部Z11と枠部Z13は含むがキャラクタ部Z12は含まないもの)であっても良い。中図柄Z2及び右図柄Z3においても同様である。
さらに、例えば図28(c)に示すように、左図柄Z1が重複表示部R1から左待機表示部R2へと移動する際に、キャラクタ部Z12や枠部Z13が消去されて、左図柄Z1の数字部Z11のみが残るようにしても良い。右図柄Z3においても同様である。
また、図28(a)に示す変形例と図28(b)に示す変形例とは、適宜組み合わせることも可能である。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、複数の識別情報(左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3)を変動表示するゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)を表示可能な表示装置41を備え、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機であって、表示装置41の前方で動作可能な第1可動演出部材(可動部材721)及び第2可動演出部材(可動部材770)を備え、表示装置41は、第1可動演出部材の動作範囲である第1動作範囲(破線L1で囲まれる領域)と第2可動演出部材の動作範囲である第2動作範囲(破線L2で囲まれる領域)とが重複する重複範囲(図24(c)において斜線ハッチングを付した領域)と前後に重なる第1特定表示部(重複表示部R1)と、当該重複範囲と前後に重ならない第2特定表示部(左待機表示部R2、右待機表示部R3)と、を有し、複数の識別情報のうち少なくとも一部(本実施形態の場合、左図柄Z1、右図柄Z3)は、第1特定表示部で仮停止表示された後に、第2特定表示部へ移動する。
したがって、識別情報に注目させつつ、識別情報の視認性を担保することができるため、遊技の興趣を高めることができる。
すなわち、複数の識別情報(左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3)が、複数の可動演出部材の動作範囲が重複する重複範囲と前後に重なる位置で一時停止(仮停止)するため、識別情報に対する注目を効果的に高めることが可能となる。さらに、複数の識別情報のうち少なくとも一部(本実施形態の場合、左図柄Z1、右図柄Z3)は、一時停止(仮停止)した後に、重複範囲と前後に重ならない位置へと移動して待機するため、可動演出部材が動作しても、当該可動演出部材が邪魔で待機中の識別情報が視認困難になるといった不都合を発生し難くすることが可能となる。
また、本実施形態の遊技機10において、第1可動演出部材及び第2可動演出部材は、第1特定表示部(重複表示部R1)で仮停止表示されている識別情報(左図柄Z1、中図柄Z2、又は右図柄Z3)に作用する作用演出(第1作用演出、第2作用演出)を実行するように構成することが可能である。
このように構成することで、重複範囲と前後に重なる位置で識別情報が一時停止(仮停止)している間に、当該識別情報に可動演出部材が作用する作用演出(第1作用演出や第2作用演出)が実行することが可能となるため、作用演出が実行しやすい。また、重複範囲と前後に重なる位置で識別情報が一時停止(仮停止)した際に、複数の可動演出部材のいずれかによってさらなる演出(作用演出)が実行されるかもしれないという期待感を遊技者に与えることができる。また、作用演出を実行する可動演出部材が複数あるため、どの可動演出部材が動き出すのかを予測しづらくし、いずれかの可動演出部材が動作したときに遊技者に高揚感を与えることができる。また、作用演出において可動演出部材が作用する識別情報は重複範囲内にあり、作用演出において可動演出部材が作用しない識別情報は重複範囲外にあるため、作用演出の際に可動演出部材がどの識別情報に作用したのか遊技者が認識しやすくなる。
また、本実施形態の遊技機10において、第2特定表示部(左待機表示部R2、右待機表示部R3)は、第1動作範囲(破線L1で囲まれる領域)及び第2動作範囲(破線L2で囲まれる領域)と前後に重ならないように構成することが可能である。
このように構成することで、複数の識別情報のうち少なくとも一部(本実施形態の場合、左図柄Z1、右図柄Z3)は、複数の可動演出部材の動作範囲が重複する重複範囲と前後に重なる位置で一時停止(仮停止)した後に、複数の可動演出部材の動作範囲が重複する重複範囲と前後に重ならない位置へと移動して待機するため、可動演出部材が動作しても、当該可動演出部材が邪魔で待機中の識別情報が視認困難になるといった不都合をより発生し難くすることが可能となる。
なお、本実施形態では、複数の識別情報のうちの一部(左図柄Z1及び右図柄Z3)を、第1特定表示部で仮停止表示した後に第2特定表示部へ移動させるようにしたが、これに限定されない。例えば、複数の識別情報のうちの全部を(左図柄Z1及び右図柄Z3に加えて中図柄Z2も)、第1特定表示部で仮停止表示した後に第2特定表示部へ移動させるようにしても良い。
また、第2特定表示部(左待機表示部R2、右待機表示部R3)は、少なくとも交差点P3と前後に重ならない領域であれば良く、好ましくは、動作軌跡Q1及び動作軌跡Q2のいずれか一方と前後に重ならない領域であり、より好ましくは、動作軌跡Q1及び動作軌跡Q2の両方と前後に重ならない領域である。
第1軌跡は、可動部材721における特定点P1の動作軌跡Q1に限定されない。また、第2軌跡は、可動部材770における特定点P2の動作軌跡Q2に限定されない。また、第1軌跡と第2軌跡との交差点は、交差点P3に限定されない。
すなわち、第1軌跡(可動部材721における特定点の動作軌跡)と第2軌跡(可動部材770における特定点の動作軌跡)とが交差するのであれば、可動部材721における特定点の位置や、可動部材770における特定点の位置は、図24において図示した位置に限定されず、適宜変更可能である。そして、可動部材721における特定点の位置に応じて第1軌跡(可動部材721における特定点の動作軌跡)の位置は変化し、可動部材770における特定点の位置に応じて第2軌跡(可動部材770における特定点の動作軌跡)の位置は変化するため、可動部材721における特定点の位置や可動部材770における特定点の位置に応じて、第1軌跡と第2軌跡との交差点の位置も変化する。ただし、可動部材721における特定点の位置や、可動部材770における特定点の位置にかかわらず、第1軌跡と第2軌跡との交差点は、可動部材721の動作範囲と可動部材770の動作範囲とが重複する重複範囲(図24(c)において斜線ハッチングを付した領域)内に配置されることとなる。したがって、本実施形態では、第2特定表示部(左待機表示部R2、右待機表示部R3)を、少なくとも重複範囲と前後に重ならない領域であれば良いとしている。
また、第1可動演出部材は、左上演出装置44aの可動部材721に限定されず、例えば、下演出装置44dの可動部材770であっても良いし、上演出装置44bの可動部材650であっても良い。
また、第2可動演出部材は、下演出装置44dの可動部材770に限定されず、第1可動演出部材以外の可動部材であれば、例えば、左上演出装置44aの可動部材721であっても良いし、上演出装置44bの可動部材650であっても良い。
<飾り特図始動記憶表示の表示態様、右下演出装置の発光態様>
図29に示すように、表示装置41の表示領域の下部には、未消化の始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示H1を表示する待機中保留表示部が設けられる。この待機中保留表示部に表示される飾り特図始動記憶表示H1は、メイン変動に対応する始動記憶と一対一で対応し、記憶順に並んで表示されるものであり、図29に示す例では、メイン変動に対応する始動記憶が4つあることを示している。右端の飾り特図始動記憶表示H1が最先に記憶された始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示であり、消化される毎に右へ移行するようになっている。また、飾り特図始動記憶表示H1は、それぞれの始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどの先読み結果を、その表示態様によって示唆することが可能である。本実施形態では、イレギュラー変動に対応する飾り特図始動記憶表示H1は表示しないが、表示するようにしても良い。
待機中保留表示部の左方には、現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶に関する情報を表示する実行中保留表示部が設けられる。この実行中保留表示部には、メイン変動の開始時に待機中保留表示部の左端にある飾り特図始動記憶表示H1が移行するようになっている。また、この実行中保留表示部に表示される飾り特図始動記憶表示H2は、実行中のメイン変動の結果や変動パターンなどを、その表示態様によって示唆することが可能である。本実施形態では、イレギュラー変動に対応する飾り特図始動記憶表示H2は表示しないが、表示するようにしても良い。
以下の説明では、待機中保留表示部に表示される飾り特図始動記憶表示H1を待機中保留H1と称し、実行中保留表示部に表示される飾り特図始動記憶表示H2を実行中保留H2と称する。
また、本実施形態において、右下演出装置44eは、実行中保留H2の表示態様に対応した発光を行う。したがって、実行中保留H2の表示態様が途中で変化する場合には、実行中保留H2の表示態様が変化するのと同時に、右下演出装置44eの発光態様も変化する。
具体的には、右下演出装置44eの発光部材を、実行中保留H2の表示色と同じ色(あるいは類似する色)で発光させるようになっている。例えば図29(a)に示すように、実行中保留H2の表示色が白色である場合には、右下演出装置44eの発光部材を白色で発光させる。また、例えば図29(b)に示すように、実行中保留H2の表示色が赤色である場合には、右下演出装置44eの発光部材を赤色で発光させる。
例えば図29(a),(b)に示すように、実行中保留H2の少なくとも一部は、右下演出装置44eと前後に重なっている。また、下演出装置44dの可動部材770は、表示装置41よりも手前側であり、かつ、右下演出装置44eよりも奥側に配設されている。したがって、例えば図29(c),(d)に示すように、可動部材770が動作位置にある状態において、当該可動部材770は、実行中保留H2と右下演出装置44eとの間に位置する。このように、可動部材770は動作することで右下演出装置44eの裏側(奥側)へとが移動するので、立体感のあるリアルな演出を実行することができる。また、右下演出装置44eの裏側に可動部材770が移動することで、右下演出装置44eの裏側(視認困難な領域)で起こっていることを遊技者に想像させることができる。具体的には、本実施形態の場合、可動部材770は斧を模した役物であるため、右下演出装置44eの裏側(視認困難な領域)にある何かを可動部材770(斧)で攻撃していることを想像させることができる。
また、可動部材770は動作することで実行中保留H2の手前側に移動する。すなわち、可動部材770が動作することで、実行中保留H2の視認性が低下してしまう。これに対し、本実施形態では、実行中保留H2の表示態様と右下演出装置44eの発光態様とが対応しているため、可動部材770が動作して実行中保留H2が視認困難となっても、可動部材770よりも手前側にある右下演出装置44eの発光態様(例えば発光色)によって、実行中保留H2の表示態様(例えば表示色)を報知することができる。
なお、実行中保留H2を非表示とする演出の実行中には、右下演出装置44eの発光部材を消灯しても良いし、デフォルトの色(例えば白色)で発光させても良いし、実行中保留H2を仮に表示した場合における表示色と同じ色で発光させても良い。
また、前述した図24〜図28と後述する図30では、待機中保留H1及び実行中保留H2の図示を省略している。
<一人称演出、三人称演出>
演出制御装置300は、主人公キャラクタX1の視点から見た映像を表示装置41に表示する一人称演出と、主人公キャラクタX1を含む映像を表示装置41に表示する三人称演出とを実行することが可能である。
図30に、一人称演出及び三人称演出の一例を示す。一人称演出は、一人称演出を実行するか否かを決定する一人称演出抽選に当選した場合に実行される。この一人称演出抽選は、例えば、特図変動表示ゲームの開始時に(例えば変動演出設定処理(図22)において)実行される。なお、本実施形態では、第1リーチから当該第1リーチよりも大当り期待度(特別結果態様が導出される可能性)が高い第2リーチへと発展する発展型リーチ演出を行う場合に、一人称演出抽選を実行することとするが、これに限定されない。例えば、飾り識別情報(左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3)の変動表示を繰り返す擬似連演出を行う場合に一人称演出抽選を実行するようにしても良いし、他の演出(発展型リーチ演出や擬似連演出など)を行うか否かにかかわらず一人称演出抽選を実行するようにしても良い。
演出制御装置300は、特図変動表示ゲーム(メイン変動)が開始すると、左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3の変動表示を開始する。
そして、当該特図変動表示ゲームの開始時に実行した一人称演出抽選に当選した場合には、まず、例えば図30(a)に示すように、三人称演出が実行される。図30(a)に示す例では、三人称演出として、主人公キャラクタX1が武器(剣X11)を持って、敵キャラクタX2が待ち受ける場所まで走る客観的な映像(俯瞰的な映像)を表示装置41に表示する演出を実行している。
次いで、第1リーチ(例えばSP1リーチ)から第2リーチ(例えばSP2リーチ)に発展すると、例えば図30(b)に示すように、一人称演出が開始される。図30(b)に示す例では、一人称演出として、主人公キャラクタX1が武器(剣X11)を持って、敵キャラクタX2が待ち受ける場所まで走る主観的な映像(主人公キャラクタX1の目から見た映像)を表示装置41に表示する演出を実行している。
なお、本実施形態では、三人称演出を経由してから一人称演出を実行したが、三人称演出を経由することなく一人称演出を実行するようにしても良い。三人称演出を経由することなく一人称演出を実行する場合には、主人公キャラクタX1のおかれている状況が分かりにくく、遊技者が感情移入しづらいという不都合が発生するおそれがある。これに対し、本実施形態のように三人称演出を経由してから一人称演出を実行することで、一人称演出の開始前(三人称演出の実行中)に、主人公キャラクタX1のおかれている状況を把握させることが可能となるため、このような不都合が発生せず、臨場感のある演出が可能となる。
<操作反映演出、操作促進演出>
演出制御装置300は、演出ボタン25の操作に基づき演出を変化させる操作反映演出を実行することが可能である。操作反映演出は、操作反映演出を実行するか否かを決定する操作反映演出抽選に当選した場合に実行される。この操作反映演出抽選は、例えば、特図変動表示ゲームの開始時に(例えば変動演出設定処理(図22)において)実行される。
本実施形態の遊技機10は、押圧操作入力を受け付ける演出ボタン25を備えており、この演出ボタン25に対する操作に基づく情報は、演出制御装置300に入力される。演出制御装置300では、この情報に基づいて、特図変動表示ゲームに対応する演出の変化や、音量等の遊技機の設定情報の変更などを行うようになっている。
また、演出制御装置300は、遊技者に演出ボタン25を操作するよう促す操作促進演出を実行することが可能である。
操作促進演出では、例えば図31(a),(b)に示すように、演出ボタン25を模したボタン画像G31と、演出ボタン25の操作が演出に反映される操作反映期間(操作有効期間)の残り長さを報知する残期間報知画像G32(例えばタイムバー画像)と、演出ボタン25の操作態様を指定する指定画像G33(例えば「押せ!」や「連打!」などの文字画像)とを含む操作促進画像G3が表示装置41に表示される。
操作反映演出を実行する場合には、操作反映演出の開始前に操作促進演出を開始して操作促進画像G3を表示することで、操作反映演出(操作反映期間)が開始されることを報知する。あるいは、操作反映演出の開始前に操作反映演出(操作反映期間)が開始されることを報知する操作準備演出を行い、操作反映演出の開始時に操作促進演出を開始して操作促進画像G3を表示するようにしても良い。
1回の操作反映期間において1回の演出変化のみが可能である場合には、例えば図31(a)に示すように、指定画像G33として、1回のみの短押し操作(所定時間以上継続しない押圧操作)を指定する画像(例えば「押せ!」などの文字画像)が表示される。以下の説明では、1回の操作反映期間において1回の演出変化のみが可能な操作反映演出を単打演出と称することがある。
単打演出では、演出変化として、例えば、飾り特図始動記憶表示(待機中保留H1、実行中保留H2)の表示態様の変更を行う。なお、単打演出は、演出ボタン25の操作に基づいて飾り特図始動記憶表示の表示態様を変更する演出に限定されず、例えば、演出ボタン25の操作に基づいて所定画像(予告画像等)を表示装置41に表示する演出であっても良い。
また、1回の操作反映期間において複数回の演出変化が可能である場合には、例えば図31(b)に示すように、指定画像G33として、複数回の短押し操作を指定する画像(例えば「2回押せ!」や「連打!」などの文字画像)が表示される。以下の説明では、1回の操作反映期間において複数回の演出変化が可能な操作反映演出を連打演出と称することがある。
連打演出では、演出変化として、例えば、レベルゲージG4のレベル値の変更を行う。連打演出の実行中には、例えば図31(b)に示すように、表示装置41にレベルゲージG4が表示され、演出ボタン25の操作に基づいてレベルゲージG4のレベル値が増加する。図31(b)に示す例では、レベル値が「4」になっている。
なお、連打演出は、演出ボタン25の操作に基づいてレベルゲージG4のレベル値を変更する演出に限定されない。連打演出は、例えば、演出ボタン25の操作に基づいて飾り特図始動記憶表示の表示態様を変更する演出であっても良いし、演出ボタン25の操作に基づいて所定画像(予告画像等)を表示装置41に表示する演出であっても良い。連打演出が飾り特図始動記憶表示の表示態様を変更する演出である場合には、例えば、1回目の短押し操作に基づいて飾り特図始動記憶表示の表示態様が第1表示態様から第2表示態様へと変更され、2回目の短押し操作に基づいて飾り特図始動記憶表示の表示態様が第2表示態様から第3表示態様へと変更される。また、連打演出が所定画像を表示する演出である場合には、例えば、1回目の短押し操作に基づいて第1画像が表示され、2回目の短押し操作に基づいて第2画像が表示される。
また、連打演出の実行中に、長押し操作(所定時間以上継続する押圧操作)が行われた場合には、複数回の短押し操作がなされたとする(すなわち連打とする)ように複数回の演出変化を行う。したがって、本実施形態では、長押し操作することによって複数回の短押し操作(すなわち連打)をしているのと同様の操作となるので、遊技者にとって操作が簡単となって演出に集中することができ、遊技の興趣を向上することができる。
本実施形態の遊技機10は、手動モードと自動モードとの間でボタン操作モードを切り替え可能である。手動モードは、操作反映演出において演出ボタン25の操作に応じて演出を変化させるモードである。これに対し、自動モードは、操作反映演出において演出ボタン25を操作しなくても必要な操作がされたとみなして演出を変化させるモードである。自動モードが設定されている場合には、例えば図31(a),(b)に示すように、ボタン操作モードが自動モードであることを報知する自動モード報知画像G5(例えば「自動モード」などの文字画像、あるいは所定のキャラクタ画像)が表示装置41に表示される。自動モード報知画像G5の表示は、操作反映期間だけ行っても良いし、操作反映期間だけでなくそれ以外の期間も行っても良い。自動モード報知画像G5の表示を操作反映期間だけ行う場合には、当該表示によって、自動モードであることに加えて、操作反映期間であることも報知することが可能となる。
また、自動モードが設定されている場合には、自動モード報知画像G5の表示に加えて(あるいは替えて)、演出ボタン25が内蔵する発光部材を自動モード報知態様で発光させることでボタン操作モードが自動モードであることを報知する。自動モード報知態様での発光は、操作反映期間だけ行っても良いし、操作反映期間だけでなくそれ以外の期間も行っても良い。自動モード報知態様での発光を操作反映期間だけ行う場合には、当該発光によって、自動モードであることに加えて、操作反映期間であることも報知することが可能となる。
なお、手動モードが設定されている場合には、ボタン操作モードが手動モードであることを報知する演出(例えば表示装置41に手動モード報知画像を表示する演出や、演出ボタン25を手動モード報知態様で発光させる演出)を実行しても良いし、このような演出を実行しなくても良い。
図31(c)に、自動モードの一例を示す。ボタン操作モードが自動モードである状態において、連打演出の操作反映期間が開始し(t11)、当該開始から所定の待機時間が経過すると(t12)、演出制御装置300は、必要な操作(予め定められた回数の短押し操作)がされたとみなして、当該回数分の演出変化を所定間隔で行う。また、ボタン操作モードが自動モードである状態において、単打演出の操作反映期間が開始し(t14)、当該開始から所定の待機時間が経過すると(t15)、演出制御装置300は、必要な操作(1回の短押し操作)がされたとみなして、演出変化を1回行う。
このように、本実施形態では、操作反映期間が開始してから待機時間が経過した後に、自動操作に基づく演出変化(必要な操作がされたとみなして行う演出変化)が開始する。さらに、自動操作に基づく演出変化の開始タイミングを報知するようになっている。具体的には、例えば図31(a),(b)に示すように、操作促進画像G3とともに、自動操作の開始タイミングを報知する自動開始報知画像G6を表示するようになっている。図31(a),(b)に示す例では、残期間報知画像G32であるタイムバー画像に重畳して、自動開始報知画像G6である目盛画像が表示されており、タイムバーが目盛に達した時点で自動操作が開始されるようになっている。
本実施形態では、残期間報知画像G32であるタイムバー画像の長さは、単打演出と連打演出とで同じである(図31(a),(b)参照)。また、操作反映期間の長さは、連打演出よりも単打演出の方が短く、待機時間の長さは、単打演出と連打演出とで同じであるため、操作反映期間に対する待機時間の割合は、連打演出よりも単打演出の方が大きい(図31(c)参照)。したがって、単打演出時の自動開始報知画像G6(図31(a)参照)は、連打演出時の自動開始報知画像G6(図31(b)参照)よりも、タイムバーの開始端(ここでは左端)から離れた位置に表示されている。
なお、本実施形態において、連打演出の操作反映期間(t11〜t13)は、単打演出の操作反映期間(t14〜t16)よりも長いが、これに限定されない。すなわち、操作反映期間の長さは、単打演出と連打演出とで同じであっても良いし、単打演出の方が長くても良いし、単打演出の方が短くても良い。無論、連打演出の種類によって操作反映期間の長さが異なっていても良いし、単打演出の種類によって操作反映期間の長さが異なっていても良い。
また、本実施形態において、連打演出の待機時間(t11〜t12)は、単打演出の待機時間(t14〜t15)と同じ長さであるが、これに限定されない。すなわち、待機時間の長さは、単打演出と連打演出とで同じであっても良いし、単打演出の方が長くても良いし、単打演出の方が短くても良い。無論、連打演出の種類によって待機時間の長さが異なっていても良いし、単打演出の種類によって待機時間の長さが異なっていても良い。
また、本実施形態において、連打演出における自動操作開始から操作反映期間終了までの時間(t12〜t13)は、単打演出における自動操作開始から操作反映期間終了までの時間(t15〜t16)よりも長いが、これに限定されない。すなわち、自動操作開始から操作反映期間終了までの時間の長さは、単打演出と連打演出とで同じであっても良いし、単打演出の方が長くても良いし、単打演出の方が短くても良い。無論、連打演出の種類によって自動操作開始から操作反映期間終了までの時間の長さが異なっていても良いし、単打演出の種類によって自動操作開始から操作反映期間終了までの時間の長さが異なっていても良い。
また、本実施形態において、操作反映期間に対する待機時間の割合は、連打演出よりも単打演出の方が大きいが、これに限定されない。すなわち、操作反映期間に対する待機時間の割合は、単打演出と連打演出とで同じであっても良いし、単打演出の方が大きくても良いし、単打演出の方が小さくても良いが、興趣向上の観点から、単打演出の方が大きいことが最も好ましい。
連打演出においては、自動操作開始から操作反映期間終了までの時間が長いほど、自動操作に基づく演出変化を多く行うことができるため、興趣の高い連打演出を行うことが可能となる。したがって、連打演出の場合、操作反映期間に対する待機時間の割合が小さいほど、操作反映期間を長くしすぎることなく、演出変化の実行回数(予め定められた回数)のバリエーションを増やすことができる。一方、単打演出では自動操作の開始時に演出変化が完了するため、自動操作の開始直後から操作反映期間終了までの時間は、遊技者にとって退屈な時間となる。よって、単打演出においては、自動操作開始から操作反映期間終了までの時間が短いほど、この退屈な時間が短くなるため、興趣の高い単打演出を行うことが可能となる。したがって、単打演出の場合、操作反映期間に対する待機時間の割合が大きいほど、操作反映期間を短くしすぎることなく、遊技者にとって退屈な時間を短時間とすることができる。これらの観点から、本実施形態のように構成すること、すなわち、単打演出における操作反映期間に対する待機時間の割合が、連打演出における操作反映期間に対する待機時間の割合よりも大きくなるように構成することが最も好ましい。
図32〜図33に、ボタン操作モードの切替の一例を示す。ボタン操作モードは、切替可能期間において演出ボタン25を所定のモード切替時間(例えば2秒)に亘り押圧操作することで切り替えられるようになっている。なお、切替可能期間は少なくとも操作反映期間でない期間とされている。
例えば図32(a)に示すように、切替可能期間内でありボタン操作モードが自動モードである状態において、演出ボタン25の押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONとなり(t21)、この押圧操作が切替可能期間内でモード切替時間(t21〜t22)に亘り継続すると、ボタン操作モードが切り替えられて手動モードとなる(t22)。
操作反映期間が開始すると、切替可能期間が終了する(t23)。そして、操作反映期間内でありボタン操作モードが手動モードである状態において、演出ボタン25の押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONになると、演出変化(押圧操作に基づく演出変化)が行われる(t24,t25)。
また、操作反映期間が終了すると、切替可能期間が開始する(t27)。そして、切替可能期間内でありボタン操作モードが手動モードである状態において、演出ボタン25の押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONとなり(t28)、この押圧操作が切替可能期間内でモード切替時間(t28〜t29)に亘り継続すると、ボタン操作モードが切り替えられて自動モードとなる(t29)。
ここで、例えば図32(b)に示すように、操作反映期間内でありボタン操作モードが手動モードである状態において、長押し操作があった場合には、複数回の短押し操作がなされたとする(すなわち連打とする)ように複数回の演出変化が行われる(t25〜t26)。図32(b)に示す例のように、当該長押し操作がモード切替時間以上継続しても、切替可能期間外であるため、ボタン操作モードは切り替わらない。
なお、図32では、連打演出の場合を例示したが、単打演出の場合も同様である。ただし、単打演出の場合は、1回目の押圧操作(t24)に基づく演出変化は行われるが、2回目の押圧操作(図32(a)ではt25の押圧操作、図32(b)ではt25〜t26の押圧操作)に基づく演出変化は行われない。
このように、操作反映期間内(切替可能期間外)である場合であって手動モードである場合には、ボタン操作モードは切り替わらないようになっている。一方、操作反映期間内(切替可能期間外)である場合であって自動モードである場合には、所定条件の成立を契機(演出ボタン25が操作されたことを契機)に、ボタン操作モードが切り替わるようになっている。
具体的には、例えば図33(a)に示すように、切替可能期間内でありボタン操作モードが手動モードである状態において、演出ボタン25の押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONとなり(t31)、この押圧操作が切替可能期間内でモード切替時間(t31〜t32)に亘り継続すると、ボタン操作モードが切り替えられて自動モードとなる(t32)。
操作反映期間が開始すると、切替可能期間が終了する(t33)。そして、操作反映期間内でありボタン操作モードが自動モードである状態において、演出ボタン25の押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONになると、ボタン操作モードが切り替えられて手動モードとなる(t34)。操作反映期間内でありボタン操作モードが手動モードである状態において、演出ボタン25の押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONになると、演出変化(押圧操作に基づく演出変化)が行われる(t36,t37)。
その後、操作反映期間が終了すると、切替可能期間が開始するとともに、ボタン操作モードが切り替えられて自動モードに戻る(t38)。そして、切替可能期間内でありボタン操作モードが自動モードである状態において、演出ボタン25の押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONとなり(t39)、この押圧操作が切替可能期間内でモード切替時間(t39〜t40)に亘り継続すると、ボタン操作モードが切り替えられて手動モードとなる(t40)。
なお、自動モードに戻るタイミングは、操作反映期間の終了時に限定されず、例えば、操作反映期間の終了時よりも後のタイミング(操作反映演出の終了時等)であっても良い。
また、本実施形態では、手動モードへ切り替える際のモード切替時間の長さと、自動モードへ切り替える際のモード切替時間の長さが同じであるが、異なっていても良い。例えば、手動モードへ切り替える際のモード切替時間は、自動モードへ切り替える際のモード切替時間よりも短くても良く、この場合、簡易に通常へと戻す(自動モードから手動モードへ切り替える)ことができる。
さらに、手動モードへ切り替える際には、演出ボタンスイッチ25aのON状態継続時間のカウント(押圧操作がモード切替時間に亘り継続したか否かの判定)は行わなくても良い。すなわち、演出ボタンスイッチ25aがONになると、直ちに手動モードに切り替わるようにしても良い。この場合、短押し操作するだけで通常へと戻す(自動モードから手動モードへ切り替える)ことができる。
ここで、待機時間(t33〜t35)の経過前に1回目の押圧操作(自動モードを解除するための操作)がなかった場合には、自動操作に基づく一連の演出変化(予め定められた回数の短押し操作がされたとみなして行う所定間隔での演出変化)が開始されるが、例えば図33(b)に示すように、待機時間の経過後(自動操作に基づく一連の演出変化の実行中)に1回目の押圧操作(t36)があった場合には、ボタン操作モードが手動モードに切り替わって、当該自動操作に基づく一連の演出変化の実行が完了する前に終了する。すなわち、自動操作に基づく予め定められた回数分の演出変化が完了する前に1回目の押圧操作があった場合には、自動モードが解除されて、残りの演出変化(自動操作に基づく演出変化)はキャンセルされる。図33(b)に示す例では、キャンセルされた演出変化を破線で示している。キャンセルされるのは自動操作に基づく演出変化だけであるため、例えば図33(b)に示すように、自動モードの解除中に2回目の押圧操作(t37)があった場合には、当該押圧操作に基づいて演出変化が行われる。
なお、図33では、連打演出の場合を例示したが、単打演出の場合も同様である。すなわち、単打演出の実行中において待機時間が経過する前に1回目の押圧操作(t34)があった場合には、例えば図33(a)と同じように、当該1回目の押圧操作(t34)に基づいてボタン操作モードが手動モードに切り替えられ、その後、2回目の押圧操作(t36)に基づく演出変化は行われるが、単打演出の場合は、3回目の押圧操作(t37)に基づく演出変化は行われない。また、単打演出の実行中において待機時間が経過した後に1回目の押圧操作(t36)があった場合には、例えば図33(b)と同じように、待機時間が終了すると自動操作に基づく演出変化が1回行われ、当該1回目の押圧操作(t36)に基づいてボタン操作モードが手動モードに切り替えられるが、単打演出の場合は、2回目の押圧操作(t37)に基づく演出変化は行われない。
このように、本実施形態では、操作反映期間内である場合であって自動モードである場合には、切替可能期間外であっても、演出ボタン25が操作されると手動モードに切り替わり、当該操作反映期間が終了すると自動モードに戻るようになっている。すなわち、遊技者の意思によって自動モードを一時解除することができる。したがって、ボタン操作モードが自動モードであっても、遊技者は、操作反映演出の実行中に当該演出に参加したい(演出ボタン25を操作したい)と思った場合には、演出ボタン25を操作するだけで自動モードを一時解除することができるため、遊技の興趣が向上する。
なお、図33では、短押し操作に基づいて自動モードを一時解除している。すなわち、図33に示す例では、1回目の押圧操作が短押し操作である場合にボタン操作モードが手動モードに切り替わっているが、無論、1回目の押圧操作が長押し操作である場合にもボタン操作モードは手動モードに切り替わる。
また、演出制御装置300は、操作反映期間が開始してから待機時間が経過した後に自動操作を開始する操作反映演出に加えて(あるいは替えて)、操作反映期間の開始時に自動操作を開始する操作反映演出、すなわち待機時間が0秒の操作反映演出を実行可能であっても良い。
また、演出制御装置300は、遊技者の意思によって自動モードを一時解除する操作反映演出、すなわち操作反映期間中に演出ボタン25が操作されると手動モードに切り替わり当該操作反映期間が終了すると勝手に自動モードに戻る操作反映演出に加えて(あるいは替えて)、遊技者の意思に関係なく自動モードを一時解除する操作反映演出を実行可能であっても良い。遊技者の意思に関係なく自動モードを一時解除する操作反映演出としては、例えば、操作反映期間が開始すると勝手に手動モードに切り替わり当該操作反映期間が終了すると勝手に自動モードに戻る操作反映演出が挙げられる。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、所定条件の成立に基づきゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機であって、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)と、演出態様が変化する特定演出(操作反映演出)を実行可能な演出実行手段(演出制御装置300)と、を備え、演出実行手段は、自動モードが設定されていない場合には、特定演出の実行可能期間(操作反映期間)に、操作手段の操作に応じて演出態様を変化させる第1制御を行って、操作手段が操作されたとみなして自動的に演出態様を変化させる第2制御を行わず、自動モードが設定されている場合には、特定演出の実行可能期間(操作反映期間)に、第2制御を行って、第1制御を行わず、特定演出の実行可能期間以外の期間に操作手が操作された場合には、当該操作に基づいて自動モードが設定又は解除され(t32、t40)、自動モードが設定されている場合であって特定演出の実行可能期間に操作手段が操作された場合には、当該操作に基づいて自動モードが解除され(図33(a)ではt34、図33(b)ではt36)、当該実行可能期間が終了すると自動モードが再度設定される(t38)。
これにより、遊技の興趣が向上する。具体的には、例えば、遊技者が、操作手段を操作したい特定演出と、操作手段は操作したくないが演出態様の変化(演出変化)は見たい特定演出とがある場合には、それぞれが発生する前に操作手段を操作することで自動モードの設定又は解除を行うことができるだけでなく、操作手段を操作したい特定演出の実行中に操作手段を操作することで自動モードの一時解除を行うことができる。したがって、特定演出の開始前に、開始される特定演出が、操作手段を操作したい特定演出であるのか、操作手段は操作したくないが演出態様の変化(演出変化)は見たい特定演出であるのかが不明であっても、特定演出が開始し、当該特定演出が操作手段を操作したい特定演出であると判明した時点で自動モードの一時解除を行うことができるため、遊技の興趣が向上する。
なお、操作手段は、演出ボタン25に限定されず、例えば、十字キー29であっても良いし、タッチパネルであっても良いし、演出用操作レバーであっても良い。また、操作手段として第1操作手段及び第2操作手段を備え、特定演出の実行可能期間以外の期間に行う操作(切替可能期間中に自動モードの設定と自動モードの解除とを切り替える操作)を、第1操作手段(例えば十字キー29)の所定操作とし、特定演出の実行可能期間に行う操作(自動モードを一時解除する操作)を、第2操作手段(例えば演出ボタン25)の所定操作としても良い。また、特定演出の実行可能期間以外の期間に行う操作(切替可能期間中に自動モードの設定と自動モードの解除とを切り替える操作)は、隠しコマンド(裏コマンド)であっても良い。
また、本実施形態の遊技機10は、所定条件の成立に基づきゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機であって、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)と、操作手段の操作に応じて演出態様が変化する特定演出(操作反映演出)を実行可能な演出実行手段(演出制御装置300)と、を備え、特定演出には、演出態様が1回だけ変化する第1特定演出(単打演出)と、演出態様が複数回変化可能な第2特定演出(連打演出)と、があり、演出実行手段は、自動モードが設定されている場合であって、第1特定演出の実行可能期間(操作反映期間)が開始した場合には、当該開始から第1時間(待機時間)が経過したときに、操作手段が操作されたとみなして演出態様を1回変化させ、自動モードが設定されている場合であって、第2特定演出の実行可能期間(操作反映期間)が開始した場合には、当該開始から第2時間(待機時間)が経過したときに、操作手段が操作されたとみなして演出態様を複数回変化させ、第1特定演出の実行可能期間に対する第1時間の割合(単打演出における操作反映期間に対する待機時間の割合)は、第2特定演出の実行可能期間に対する第2時間の割合(連打演出における操作反映期間に対する待機時間の割合)よりも大きい。
したがって、第1特定演出(単打演出)と第2特定演出(連打演出)の両方の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、第1時間(単打演出の待機時間)の長さと、第2時間(連打演出の待機時間)の長さが同じであるが、異なっていても良い。
<操作反映演出の変形例>
演出制御装置300は、上述の操作反映演出、すなわち遊技者の意思によって自動モードを一時解除する操作反映演出に替えて(あるいは加えて)、自動操作に基づく演出変化と押圧操作に基づく演出変化とを重複して行うことが可能な操作反映演出を実行することも可能である。
以下の説明では、遊技者の意思によって自動モードを一時解除する操作反映演出、すなわち自動モードである場合の操作反映期間中に演出ボタン25が操作されると自動モードを一時解除する操作反映演出を、第1操作反映演出と称する。また、自動操作に基づく演出変化と押圧操作に基づく演出変化とを重複して行うことが可能な操作反映演出、すなわち自動モードである場合の操作反映期間中に演出ボタンが操作されても自動モードの一時解除は行わずに当該操作に基づく演出変化を行う操作反映演出を、第2操作反映演出と称する。そして、第1操作反映演出と第2操作反映演出を区別しない場合は、単に操作反映演出と称する。
図34に、第2操作反映演出の一例を示す。例えば図34(a)に示すように、切替可能期間内でありボタン操作モードが手動モードである状態において、演出ボタン25の押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONとなり(t41)、この押圧操作が切替可能期間内でモード切替時間(t41〜t42)に亘り継続すると、ボタン操作モードが切り替えられて自動モードとなる(t42)。
操作反映期間が開始すると、切替可能期間が終了する(t43)。そして、操作反映期間内でありボタン操作モードが自動モードである状態において、演出ボタン25の押圧操作が開始されて当該押圧操作を検出する演出ボタンスイッチ25aがONになると、演出変化(押圧操作に基づく演出変化)が行われる(t44,t46)。また、操作反映期間内でありボタン操作モードが自動モードである状態において、操作反映期間の開始から待機時間の終了までの間(t43〜t45)に予め定められた回数分の演出変化(押圧操作に基づく演出変化)が行われなかった場合には、当該待機時間が経過すると(t45)、自動操作に基づく演出変化が行われる。図34において斜線ハッチングを付した演出変化が、自動操作に基づく各演出変化に相当する。
自動操作に基づく複数回の演出変化を所定間隔で行っている間に押圧操作があった場合には(t46)、この押圧操作に基づく演出変化は当該所定間隔の合間に実行される。図34(a)に示す例では、押圧操作に基づく演出変化のタイミングが自動操作に基づく演出変化のタイミングと被っていない。すなわち、押圧操作のタイミング(t46)が、自動操作に基づく一の演出変化のタイミングと自動操作に基づく次の演出変化のタイミングとの間であるため、押圧操作に基づく演出変化のタイミング(t46)をずらす必要がない。一方、図34(b)に示す例では、押圧操作に基づく演出変化のタイミングが自動操作に基づく演出変化のタイミングと被っている。すなわち、押圧操作のタイミング(t46)が、自動操作に基づく一の演出変化のタイミングと一致するため、当該押圧操作に基づく演出変化が、自動操作に基づく一の演出変化のタイミングと自動操作に基づく次の演出変化のタイミングとの間で実行されるように、当該押圧操作に基づく演出変化のタイミング(t47)が、当該押圧操作のタイミング(t46)からずれている。
このように、第2操作反映演出では、自動モードである場合に、自動操作に基づく演出変化と、遊技者の押圧操作に基づく演出変化とを重複して行うことが可能である。すなわち、遊技者の押圧操作を自動操作によってアシストすることが可能である。したがって、第2操作反映演出の開始前に自動モードを設定しない場合(手動モードで第2操作反映演出を実行する場合)には、予め定められた回数分の演出変化の全部を視聴するためには、当該回数分の押圧操作を行う必要があるのに対し、第2操作反映演出の開始前に自動モードを設定することで、予め定められた回数よりも少ない回数の押圧操作を行うだけで(あるいは、押圧操作を行わなくても)、予め定められた回数分の演出変化の全部を視聴することができる。
さらに、本実施形態では、自動操作に基づく複数回の演出変化を所定間隔で行っている間に押圧操作があった場合には、当該押圧操作に基づく演出変化を当該所定間隔の合間に割り込ませるように構成されている(図34参照)。したがって、自動操作に基づく複数回の演出変化を行っている間に遊技者の押圧操作がない場合よりも、自動操作に基づく複数回の演出変化を行っている間に遊技者の押圧操作がある場合の方が、予め定められた回数分の演出変化の全部を視聴するまでに要する時間が短くなるため、遊技者の操作意欲が向上する。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、所定条件の成立に基づきゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に有利な状態を発生する遊技機であって、遊技者が操作可能な操作手段(演出ボタン25)と、演出態様が変化する特定演出(操作反映演出)を実行可能な演出実行手段(演出制御装置300)と、を備え、演出実行手段は、自動モードが設定されていない場合には、特定演出(第2操作反映演出)の実行可能期間(操作反映期間)に、操作手段の操作に応じて演出態様を変化させる第1制御を行って、操作手段が操作されたとみなして自動的に演出態様を変化させる第2制御を行わず、自動モードが設定されている場合には、特定演出(第2操作反映演出)の実行可能期間(操作反映期間)に、第1制御及び第2制御を行うように構成することが可能である。
このように構成することで、自動モードが設定されている場合には、遊技者の操作を自動操作によってアシストすることができるため、遊技の興趣が向上する。
<機種名等表示部、機種>
本実施形態の遊技機10には、「機種A」及び「機種B」といった異なる2つの機種が搭載されており、一の遊技機でこれら2つの機種を遊技できるように構成されている。これら2つの機種は、遊技に関する演出(遊技中に実行される演出だけでなく、遊技中以外(客待ち中等)に実行される演出も含む)の演出態様が互いに異なる。
無論、遊技機10に搭載されている機種の機種数は2つに限定されず、複数であれば適宜変更可能である。
遊技に関する演出は、演出制御装置300によって制御される。具体的には、演出制御装置300は、表示装置(表示装置41等)や役物装置(盤演出装置44等)や装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18等)やスピーカ装置(上スピーカ19a、下スピーカ19b等)などの各種演出装置を用いて遊技に関する演出を実行する。
表示装置を用いた演出の演出態様には、例えば、飾り特図変動表示ゲームの実行態様(変動パターン)や、演出表示(飾り識別情報、飾り特図始動記憶表示、キャラクタ画像、背景画像、客待ち画像等)の表示態様が含まれる。したがって、「機種A」と「機種B」とでは、飾り特図変動表示ゲームで用いる飾り識別情報(左図柄Z1、中図柄Z2、右図柄Z3)や、特図始動記憶の記憶数を報知する飾り特図始動記憶表示(待機中保留H1、実行中保留H2)の見た目が互いに異なっている。
また、役物装置を用いた演出の演出態様には、例えば、役物装置が有する可動部材の動作態様や、役物装置が有する発光部材の発光態様が含まれる。
また、装飾装置を用いた演出の演出態様には、例えば、装飾装置が有する発光部材の発光態様が含まれる。
また、スピーカ装置を用いた演出の演出態様には、例えば、BGMの種類が含まれる。
本実施形態の遊技機10は、例えば図1や図2に示すように、当該遊技機10の機種名等を表示する機種名等表示部16を備えている。機種名等表示部16は、例えば図35に示すように、ガラス枠15の上部に着脱自在に設けられている。
機種名等表示部16は、機種を識別するための機種ID(機種コード)を設定する設定スイッチを備えている。この設定スイッチは、「機種A」に対応する位置と「機種B」に対応する位置との間で切替操作できるようになっているが、遊技者や遊技店の店員等によって切替操作がなされないように機種名等表示部16に内蔵されている。
遊技機10には、「機種A」の機種名等を表示する「機種A」用の機種名等表示部16と、「機種B」の機種名等を表示する「機種B」用の機種名等表示部16とのいずれか一方が装着されている。
「機種A」用の機種名等表示部16には「機種A」に対応する機種IDが設定されている。すなわち「機種A」用の機種名等表示部16が有する設定スイッチの位置は「機種A」に対応する位置となっている。
また、「機種B」用の機種名等表示部16には「機種B」に対応する機種IDが設定されている。すなわち「機種B」用の機種名等表示部16が有する設定スイッチの位置は「機種B」に対応する位置となっている。
機種名等表示部16は、例えば、遊技店の店員等によって付け替え可能となっている。したがって、遊技機10のうちの機種名等表示部16を交換する(買い足す)だけで、機種を入れ替えることができるため、低コストかつ簡単に機種入替を行うことが可能となる。
演出制御装置300は、例えば、電源投入時に、装着されている機種名等表示部16から機種IDを読み出し、読み出した機種IDに応じた演出モードをセットする。読み出した機種IDが「機種A」に対応する機種IDである場合には、「機種A」に対応する演出モードがセットされ、この演出モードによって定められる演出態様(「機種A」用演出態様)で各種演出が実行される。また、読み出した機種IDが「機種B」に対応する機種IDである場合には、「機種B」に対応する演出モードがセットされ、この演出モードによって定められる演出態様(「機種B」用演出態様)で各種演出が実行される。したがって、遊技機10に「機種A」用の機種名等表示部16を装着することで、「機種A」が解放されて遊技可能(「機種B」は遊技不可能)となり、遊技機10に「機種B」用の機種名等表示部16を装着することで、「機種B」が解放されて遊技可能(「機種A」は遊技不可能)となる。
具体的には、装着されている機種名等表示部16が「機種A」用の機種名等表示部16である場合には、例えば、変動演出設定処理(図22)のステップC382において、「機種A」に対応する複数の前半予告振分グループアドレステーブルの中から、特図種別及び演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルが選択されて設定される。また、変動演出設定処理(図22)のステップC384において、「機種A」に対応する複数の前半予告振分グループアドレステーブルの中から、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルが選択されて設定される。また、変動演出設定処理(図22)のステップC387において、「機種A」に対応する複数の後半予告振分グループアドレステーブルの中から、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルが選択されて設定される。これにより、変動演出設定処理(図22)のステップC393では「機種A」に対応する変動演出のいずれかが表示設定され、ステップC394では「機種A」に対応する予告演出のいずれかが表示設定され、ステップC395では「機種A」に対応する保留減少のいずれかが表示設定され、ステップC396では「機種A」に対応する音番号のいずれかと「機種A」に対応する装飾番号のいずれかとが設定され、ステップC397では「機種A」に対応する飾り特図変動のいずれかが表示設定され、ステップC398では「機種A」に対応する第4図柄変動のいずれかが表示設定されることとなる。
また、装着されている機種名等表示部16が「機種B」用の機種名等表示部16である場合には、例えば、変動演出設定処理(図22)のステップC382において、「機種B」に対応する複数の前半予告振分グループアドレステーブルの中から、特図種別及び演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルが選択されて設定される。また、変動演出設定処理(図22)のステップC384において、「機種B」に対応する複数の前半予告振分グループアドレステーブルの中から、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルが選択されて設定される。また、変動演出設定処理(図22)のステップC387において、「機種B」に対応する複数の後半予告振分グループアドレステーブルの中から、特図種別、演出モード及び図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルが選択されて設定される。これにより、変動演出設定処理(図22)のステップC393では「機種B」に対応する変動演出のいずれかが表示設定され、ステップC394では「機種B」に対応する予告演出のいずれかが表示設定され、ステップC395では「機種B」に対応する保留減少のいずれかが表示設定され、ステップC396では「機種B」に対応する音番号のいずれかと「機種B」に対応する装飾番号のいずれかとが設定され、ステップC397では「機種B」に対応する飾り特図変動のいずれかが表示設定され、ステップC398では「機種B」に対応する第4図柄変動のいずれかが表示設定されることとなる。
例えば、「機種A」用の機種名等表示部16が装着されている状態、すなわち「機種A」に対応する演出モード(例えば虎モード)がセットされている状態において、操作促進演出を実行する場合には、「機種A」用演出態様で操作促進演出が実行される。
「機種A」用演出態様の操作促進演出の一例を、図36(a),(b)に示す。表示装置41には、遊技者に演出ボタン25を操作するよう促す操作促進画像G3と、「機種A」であることを報知する画像(例えば虎を模したキャラクタ画像)とを含む操作促進画面が表示される。この操作促進画面(「機種A」に対応する操作促進画面)は、「機種B」用の機種名等表示部16が装着されている場合には表示されない画面である。また、演出ボタン25(演出ボタン25が内蔵する発光部材)を第1の自動モード報知態様(例えば、黄色等の虎を連想可能な色)で発光させることによって、ボタン操作モードが自動モードであることを報知している。この第1の自動モード報知態様は、「機種B」用の機種名等表示部16が装着されている場合には選択されない発光態様である。
一方、「機種B」用の機種名等表示部16が装着されている状態、すなわち「機種B」に対応する演出モード(例えば桜モード)がセットされている状態において、操作促進演出を実行する場合には、「機種B」用演出態様で操作促進演出が実行される。
「機種B」用演出態様の操作促進演出の一例を、図36(c),(d)に示す。表示装置41には、遊技者に演出ボタン25を操作するよう促す操作促進画像G3と、「機種B」であることを報知する画像(例えば桜柄の背景画像)とを含む操作促進画面が表示される。この操作促進画面(「機種B」に対応する操作促進画面)は、「機種A」用の機種名等表示部16が装着されている場合には表示されない画面である。また、「機種B」に対応する操作促進画面では、操作促進画像G3の残期間報知画像G32、操作促進画像G3の指定画像G33、レベルゲージG4、自動モード報知画像G5の表示態様が「機種A」に対応する操作促進画面(図36(a),(b))と異なっている。さらに、待機中保留H1や実行中保留H2の表示態様も、「機種A」に対応する画面と異なっている。また、演出ボタン25(演出ボタン25が内蔵する発光部材)を第2の自動モード報知態様(例えば、ピンク色等の桜を連想可能な色)で発光させることによって、ボタン操作モードが自動モードであることを報知している。この第2の自動モード報知態様は、「機種A」用の機種名等表示部16が装着されている場合には選択されない発光態様である。
以上のことから、本実施形態の遊技機10は、自動モードが設定されていることを報知する報知手段(演出ボタン25(自動モード報知態様)、表示装置41(自動モード報知画像G5))と、当該遊技機に着脱可能に装着される着脱部材(機種名等表示部16)と、を備え、着脱部材は、それぞれ異なる識別情報(機種ID)が割り当てられた複数の着脱部材のうちのいずれか一つであり、報知手段は、当該遊技機に装着されている着脱部材に割り当てられた識別情報に対応する報知態様で報知を行う。
したがって、着脱部材を付け替えるだけで、報知態様を異ならせることができる。
なお、着脱部材は、トップユニット(機種名等表示部16)に限定されず、適宜変更可能である。
また、着脱部材が装着される場所は、遊技者から視認可能な場所に限定されない。すなわち、着脱部材が装着される場所は、遊技者から視認不可能な場所、例えば遊技機10の裏面側、あるいは前面枠12やガラス枠15の開放時に視認可能となる場所等であっても良い。
また、着脱部材に、機種を識別するための識別情報(機種ID)を設定する設定スイッチを内蔵するようにしたが、着脱部材に個別の識別情報を割り当てる方法は、これに限定されない。例えば、着脱部材に、機種を識別するための識別情報(機種ID)を記憶する記憶装置を内蔵し、演出制御装置300は、この記憶装置から識別情報を読み出すように構成することも可能である。
また、演出制御装置300を、複数の機種で共通使用可能な第1演出制御装置と、機種に依存する基板(例えば画像データ等を記憶したROMを備える演出データ基板)や役物装置及び装飾装置を駆動するためのドライバを備えたドライバ基板などを有する第2演出制御装置とに分けて、当該第1演出制御装置を遊技機10の本体側に固定し、当該第2演出制御装置を着脱部材に内蔵するようにしても良い。
上述した第1実施形態(変形例を含む)の遊技機10は、一側面において以下のような特徴を有する。
本実施形態の遊技機10は、所定条件の成立に基づきゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該ゲームの結果が特別結果となった場合に特別遊技状態(大当り遊技状態)を発生する遊技機であって、特別遊技状態の終了後に、第1遊技状態(通常遊技状態ST1)と、第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態(第2特定遊技状態ST3)と、第2遊技状態よりも遊技者にとって有利な第3遊技状態(第1特定遊技状態ST4)と、のいずれかに移行可能であり、第3遊技状態(第1特定遊技状態ST4)においてゲームの結果が特別結果となって特別遊技状態が発生した場合には、当該特別遊技状態の終了後に、第2遊技状態(第2特定遊技状態ST3)に移行可能であるが、第1遊技状態(通常遊技状態ST1)に移行しないように構成されている。
すなわち、第3遊技状態(第1特定遊技状態ST4)から第1遊技状態(通常遊技状態ST1)へは、直接移行することができず、第2遊技状態(第2特定遊技状態ST3)を経由して移行するように構成されているため、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。このスロットマシンとしてはメダルを使用するスロットマシンに限られるものではなく、例えば、遊技球を使用するスロットマシンなどの全てのスロットマシンが含まれる。また、上述の各変形例、各実施形態の構成は適宜組み合わせて適用することが可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。