以下、本発明の複数の実施形態によるチェック弁を適用した弁装置およびバルブタイミング調整装置を図面に基づき説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位は、同一または同様の作用効果を奏する。
(第1実施形態)
第1実施形態によるチェック弁を適用した弁装置およびバルブタイミング調整装置を図1、2に示す。バルブタイミング調整装置10は、内燃機関としてのエンジン1のクランク軸2に対するカム軸3の回転位相を変化させることによって、カム軸3が開閉駆動する吸気弁4または排気弁5のうち吸気弁4のバルブタイミングを調整するものである。バルブタイミング調整装置10は、クランク軸2からカム軸3までの動力伝達経路に設けられている。クランク軸2は、「駆動軸」に対応する。カム軸3は、「従動軸」に対応する。吸気弁4、排気弁5は、「バルブ」に対応する。
バルブタイミング調整装置10の構成について図1、2に基づき説明する。バルブタイミング調整装置10は、位相変換部PC、作動油供給源OS、「弁装置」としての作動油制御部OC、オイル排出部OD、遅角供給油路RRs、進角供給油路RAs、ドレン油路としての遅角ドレン油路RRdおよび進角ドレン油路RAd等を備えている。
位相変換部PCは、ハウジング20、ベーンロータ30を有している。ハウジング20は、ギア部21およびケース22を有している。ケース22は、筒部221、板部222、223を有している。筒部221は、筒状に形成されている。板部222は、筒部221の一端を塞ぐよう筒部221と一体に形成されている。板部223は、筒部221の他端を塞ぐよう設けられている。これにより、ハウジング20の内側に空間200が形成されている。板部223は、ボルト12により筒部221に固定されている。ギア部21は、板部223の外縁部に形成されている。
板部223は、カム軸3の端部に嵌合している。カム軸3は、ハウジング20を回転可能に支持している。チェーン6は、ギア部21とクランク軸2とに巻き掛けられている。ギア部21は、クランク軸2と連動して回転する。ケース22は、筒部221から径方向内側に突き出す複数の隔壁部23を形成している。ケース22の板部222の中央には、ケース22の外側の空間に開口する開口部24が形成されている。開口部24は、ベーンロータ30に対してカム軸3とは反対側に位置する。
ベーンロータ30は、ボス31、および、複数のベーン32を有している。ボス31は、筒状であり、カム軸3の端部に固定されている。ベーン32は、ボス31から径方向外側に向かって各隔壁部23間に突き出している。ハウジング20の内側の空間200は、ベーン32により遅角室201と進角室202とに仕切られている。すなわち、ハウジング20は、ベーンロータ30との間に遅角室201および進角室202を形成している。遅角室201は、ベーン32に対して周方向の一方に位置している。進角室202は、ベーン32に対して周方向の他方に位置している。ベーンロータ30は、遅角室201および進角室202の油圧に応じて、ハウジング20に対して遅角方向または進角方向へ相対回転する。
本実施形態では、作動油制御部OCは、弁装置11である。弁装置11は、スリーブ400、スプール60、「チェック弁」としての遅角供給チェック弁71および進角供給チェック弁72、回転規制部90等を備えている。弁装置11は、流体としての作動油の流れを制御し、遅角室201および進角室202への作動油の供給、ならびに、遅角室201および進角室202からの作動油の排出を制御する。
本実施形態では、弁装置11は、ハウジング20およびベーンロータ30の中央部に設けられている(図1、2参照)。すなわち、弁装置11は、少なくとも一部がハウジング20の内側に位置するよう設けられている。スリーブ400は、アウタースリーブ40、「筒部材」としてのインナースリーブ50を有している。
アウタースリーブ40は、例えば鉄を含む比較的硬度が高い材料により略円筒状に形成されている。アウタースリーブ40は、内周壁が略円筒面状に形成されている。図3に示すように、アウタースリーブ40の一方の端部の外周壁には、ねじ部41が形成されている。アウタースリーブ40の他方の端部側には、外周壁から径方向外側へ環状に延びる係止部49が形成されている。
カム軸3のバルブタイミング調整装置10側の端部には、軸穴部100、供給穴部101が形成されている。軸穴部100は、カム軸3のバルブタイミング調整装置10側の端面の中央からカム軸3の軸方向に延びるようにして形成されている。供給穴部101は、カム軸3の外壁から径方向内側に延びて軸穴部100に連通するよう形成されている。
カム軸3の軸穴部100の内壁には、アウタースリーブ40のねじ部41にねじ結合可能な軸側ねじ部110が形成されている。アウタースリーブ40は、ベーンロータ30のボス31の内側を通り、ねじ部41がカム軸3の軸側ねじ部110に結合するようにしてカム軸3に固定される。このとき、係止部49は、ベーンロータ30のボス31のカム軸3とは反対側の端面を係止する。これにより、ベーンロータ30は、カム軸3と係止部49とに挟み込まれるようにしてカム軸3に固定される。このように、アウタースリーブ40は、ベーンロータ30の中央部に設けられる。
本実施形態では、作動油供給源OSは、オイルポンプ8である。また、オイル排出部ODは、オイルパン7である。オイルポンプ8は、供給穴部101に接続される。オイルポンプ8は、オイルパン7に貯留されている作動油を汲み上げ、供給穴部101に供給する。これにより、軸穴部100には、作動油が流入する。
「筒部材」としてのインナースリーブ50は、例えばアルミニウムを含む比較的硬度が低い材料により略円筒状に形成されている。つまり、インナースリーブ50は、アウタースリーブ40よりも硬度が低い材料により形成されている。インナースリーブ50は、外周壁が略円筒面状に形成されている。
図3に示すように、インナースリーブ50は、外周壁がアウタースリーブ40の内周壁に嵌合するようアウタースリーブ40の内側に設けられている。インナースリーブ50は、アウタースリーブ40に対し相対移動不能である。
インナースリーブ50の一端には、スリーブ封止部51が設けられている。スリーブ封止部51は、インナースリーブ50の一端を塞いでいる。
スプール60は、例えば金属により略円筒状に形成されている。スプール60は、外周壁がインナースリーブ50の内周壁54と摺動し、軸方向に往復移動可能なようインナースリーブ50の内側に設けられている。
スプール60の一端には、スプール封止部62が設けられている。スプール封止部62は、スプール60の一端を塞いでいる。インナースリーブ50の内側におけるスリーブ封止部51とスプール60の他端との間には、容積可変空間Svが形成されている。容積可変空間Svは、スプール60がインナースリーブ50に対し軸方向へ移動するとき、容積が変化する。すなわち、スリーブ封止部51は、スプール60との間に、容積が変化する容積可変空間Svを形成している。
容積可変空間Svには、スプリング63が設けられている。スプリング63は、所謂コイルスプリングであり、一端がスリーブ封止部51に当接し、他端がスプール60の他端に当接している。スプリング63は、スプール60をスリーブ封止部51とは反対側へ付勢している。
アウタースリーブ40の他方の端部の径方向内側には、係止部65が設けられている。係止部65は有底筒状に形成され、外周壁がアウタースリーブ40の内周壁に嵌合するよう設けられている。係止部65の底部の中央には、穴部が形成されており、当該穴部の内側にスプール封止部62が位置している。
係止部65は、底部により、スプール60の一端を係止可能である。係止部65は、スプール60のスリーブ封止部51とは反対側への移動を規制可能である。これにより、スプール60は、インナースリーブ50の内側からの脱落が抑制されている。
スプール60は、係止部65に当接する位置から、スリーブ封止部51に当接する位置まで、軸方向に移動可能である。すなわち、係止部65に当接する位置(図3参照)から、スリーブ封止部51に当接する位置までが、スリーブ400に対する移動可能範囲である。以下、このスプール60の移動可能範囲を「ストローク区間」と呼ぶ。
図3に示すように、インナースリーブ50のスリーブ封止部51側の端部は、外径がアウタースリーブ40の内径より小さく形成されている。これにより、インナースリーブ50のスリーブ封止部51側の端部の外周壁とアウタースリーブ40の内周壁との間には、略円筒状の空間である筒状空間St1が形成されている。
また、インナースリーブ50には、環状凹部Htが形成されている。環状凹部Htは、インナースリーブ50の外周壁の係止部49に対応する位置から径方向内側へ環状に凹むよう形成されている。これにより、環状凹部Htとアウタースリーブ40の内周壁との間には、環状の空間である環状空間St2が形成されている。
また、インナースリーブ50には、流路溝部52が形成されている。流路溝部52は、インナースリーブ50の外周壁から径方向内側へ凹み、かつ、インナースリーブ50の軸方向へ延びるようにして形成されている。流路溝部52は、軸方向供給油路RsAを形成している。すなわち、軸方向供給油路RsAは、アウタースリーブ40とインナースリーブ50との界面T1においてスリーブ400の軸方向に延びるよう形成されている。軸方向供給油路RsAは、一端が筒状空間St1に接続し、他端が環状空間St2に接続している。
また、インナースリーブ50には、環状溝部55が形成されている。環状溝部55は、遅角環状溝部511、進角環状溝部512を有している。遅角環状溝部511は、インナースリーブ50の内周壁54の筒状空間St1の端部に対応する位置から径方向外側へ凹みつつ周方向に延びて環状に形成されている。進角環状溝部512は、インナースリーブ50の内周壁54の環状凹部Htに対応する位置から径方向外側へ凹みつつ周方向に延びて環状に形成されている。
スリーブ400は、「流入穴」としての遅角供給開口部ORs、「流入穴」としての進角供給開口部OAs、遅角開口部OR、進角開口部OAを有している。
遅角供給開口部ORsは、インナースリーブ50の遅角環状溝部511の底面550と、インナースリーブ50の外壁53のうち筒状空間St1の端部に対応する外壁である遅角外壁531とを連通するよう形成されている。これにより、遅角供給開口部ORsは、インナースリーブ50の内側の空間と筒状空間St1および軸方向供給油路RsAとを接続している。ここで、遅角環状溝部511の底面550、および、遅角外壁531は、略円筒状に形成されている。
また、図4に示すように、遅角供給開口部ORsは、遅角環状溝部511の周方向に複数形成されている。本実施形態では、遅角供給開口部ORsは、5つ形成されている。5つの遅角供給開口部ORsは、1番目から5番目までが周方向に45度の等間隔で形成され、5番目から1番目までが180度の間隔となるよう形成されている。つまり、遅角供給開口部ORsは、遅角環状溝部511の周方向における特定の部位に偏って形成されている。このように、遅角供給開口部ORsは、遅角環状溝部511の周方向の全範囲においては、不等間隔で複数形成されている。
進角供給開口部OAsは、インナースリーブ50の進角環状溝部512の底面550と、インナースリーブ50の外壁53のうち環状凹部Htに対応する外壁である進角外壁532とを連通するよう形成されている。これにより、進角供給開口部OAsは、インナースリーブ50の内側の空間と環状空間St2および軸方向供給油路RsAとを接続している。ここで、進角環状溝部512の底面550、および、進角外壁532は、略円筒状に形成されている。
また、進角供給開口部OAsは、遅角供給開口部ORsと同様、進角環状溝部512の周方向に複数形成されている。本実施形態では、進角供給開口部OAsは、5つ形成されている。5つの進角供給開口部OAsは、1番目から5番目までが周方向に45度の等間隔で形成され、5番目から1番目までが180度の間隔となるよう形成されている。つまり、進角供給開口部OAsは、進角環状溝部512の周方向における特定の部位に偏って形成されている。このように、進角供給開口部OAsは、進角環状溝部512の周方向の全範囲においては、不等間隔で複数形成されている。
遅角開口部ORは、スリーブ400の径方向に延びてインナースリーブ50の内側の空間とアウタースリーブ40の外側の空間とを接続するよう形成されている。遅角開口部ORは、スリーブ400の周方向に複数形成されている。遅角開口部ORは、遅角油路301を経由して遅角室201に連通している。
進角開口部OAは、スリーブ400の径方向に延びてインナースリーブ50の内側の空間とアウタースリーブ40の外側の空間とを接続するよう形成されている。進角開口部OAは、遅角開口部ORに対し係止部49側に形成されている。進角開口部OAは、スリーブ400の周方向に複数形成されている。進角開口部OAは、進角油路302を経由して進角室202に連通している。
スプール60は、遅角供給凹部HRs、遅角ドレン凹部HRd、進角ドレン凹部HAd、進角供給凹部HAs、ドレン開口部Od1、Od2を有している。遅角供給凹部HRs、遅角ドレン凹部HRd、進角ドレン凹部HAd、進角供給凹部HAsは、それぞれ、スプール60の外周壁から径方向内側へ凹むようにして環状に形成されている。遅角供給凹部HRs、遅角ドレン凹部HRd、進角ドレン凹部HAd、進角供給凹部HAsは、この順でスプール60の軸方向に並ぶよう形成されている。また、遅角ドレン凹部HRdと進角ドレン凹部HAdとは、一体に形成されている。遅角ドレン凹部HRdおよび進角ドレン凹部HAdは、インナースリーブ50の内周壁との間に特定空間Ssを形成している。すなわち、スプール60は、スリーブ400との間に特定空間Ssを形成している。
ドレン開口部Od1は、スプール60の内側の空間と遅角ドレン凹部HRdおよび進角ドレン凹部HAd、すなわち、特定空間Ssとを連通するよう形成されている。ドレン開口部Od2は、スプール60のスプール封止部62側の端部において内側の空間と外側の空間とを連通するよう形成されている。なお、ドレン開口部Od1、Od2は、それぞれ、スプール60の周方向に複数形成されている。
遅角供給油路RRsは、弁装置11を経由してオイルポンプ8と遅角室201とを接続している。進角供給油路RAsは、弁装置11を経由してオイルポンプ8と進角室202とを接続している。ドレン油路としての遅角ドレン油路RRdは、遅角室201とオイルパン7とを接続している。ドレン油路としての進角ドレン油路RAdは、進角室202とオイルパン7とを接続している。
遅角供給油路RRsは、供給穴部101、軸穴部100、筒状空間St1、軸方向供給油路RsA、遅角供給開口部ORs、遅角環状溝部511、遅角供給凹部HRs、遅角開口部OR、遅角油路301を経由して、オイルポンプ8と遅角室201とを接続している。
進角供給油路RAsは、供給穴部101、軸穴部100、筒状空間St1、軸方向供給油路RsA、進角供給開口部OAs、進角環状溝部512、進角供給凹部HAs、進角開口部OA、進角油路302を経由して、オイルポンプ8と進角室202とを接続している。
遅角ドレン油路RRdは、遅角油路301、遅角開口部OR、遅角ドレン凹部HRd、ドレン開口部Od1、Od2を経由して、遅角室201とオイルパン7とを接続している。
進角ドレン油路RAdは、進角油路302、進角開口部OA、進角ドレン凹部HAd、ドレン開口部Od1、Od2を経由して、進角室202とオイルパン7とを接続している。このように、遅角供給油路RRs、進角供給油路RAs、遅角ドレン油路RRd、進角ドレン油路RAdは、一部が弁装置11の内部に形成されている。
スプール60が係止部65に当接しているとき(図3参照)、すなわち、スプール60がストローク区間の一方の端部に位置するとき、スプール60が遅角開口部ORを開いているため、オイルポンプ8は、遅角供給油路RRsの供給穴部101、軸穴部100、筒状空間St1、軸方向供給油路RsA、遅角供給開口部ORs、遅角環状溝部511、遅角供給凹部HRs、遅角開口部OR、遅角油路301を経由して遅角室201に連通する。これにより、オイルポンプ8から遅角供給油路RRsを経由して遅角室201に作動油を供給することができる。また、このとき、進角室202は、進角ドレン油路RAdの進角油路302、進角開口部OA、進角ドレン凹部HAd、ドレン開口部Od1、Od2を経由してオイルパン7に連通する。これにより、進角室202から進角ドレン油路RAdを経由してオイルパン7に作動油を排出することができる。
スプール60が係止部65とスリーブ封止部51との間に位置しているとき、すなわち、スプール60がストローク区間の中間に位置するとき、オイルポンプ8は、進角供給油路RAsの供給穴部101、軸穴部100、筒状空間St1、軸方向供給油路RsA、進角供給開口部OAs、進角環状溝部512、進角供給凹部HAs、進角開口部OA、進角油路302を経由して進角室202に連通する。なお、このとき、遅角供給油路RRsによりオイルポンプ8と遅角室201とは連通している。これにより、オイルポンプ8から遅角供給油路RRs、進角供給油路RAsを経由して遅角室201、進角室202に作動油を供給することができる。ただし、スプール60により遅角ドレン油路RRdおよび進角ドレン油路RAdは閉じられている、すなわち、遮断されているため、作動油は遅角室201および進角室202からオイルパン7に排出されない。
スプール60がスリーブ封止部51に当接しているとき、すなわち、スプール60がストローク区間の他方の端部に位置するとき、遅角室201は、遅角ドレン油路RRdの遅角油路301、遅角開口部OR、遅角ドレン凹部HRd、ドレン開口部Od1、Od2を経由してオイルパン7に連通する。なお、このとき、進角供給油路RAsによりオイルポンプ8と進角室202とは連通している。これにより、遅角室201から遅角ドレン油路RRdを経由してオイルパン7に作動油を排出することができるとともに、オイルポンプ8から進角供給油路RAsを経由して進角室202に作動油を供給することができる。
アウタースリーブ40のスリーブ封止部51側の端部の内側、すなわち、遅角供給油路RRsおよび進角供給油路RAsの途中には、フィルタ66が設けられている。フィルタ66は、例えば円板状のメッシュである。フィルタ66は、作動油に含まれる異物を捕集可能である。そのため、フィルタ66の下流側、すなわち、オイルポンプ8とは反対側に異物が流れるのを抑制することができる。
「チェック弁」としての遅角供給チェック弁71は、弁本体700を有している。弁本体700は、単一の板材を長手方向が周方向に沿うよう巻くことにより筒状に形成されている。より具体的には、弁本体700は、例えば長方形の金属薄板を長手方向が周方向に沿うよう曲げて巻くことにより略円筒状に形成されている。弁本体700は、径方向に弾性変形可能である。図6は、遅角供給チェック弁71の斜視図である。なお、弁本体700は、周方向において両端部が重なるようにして形成されている。
遅角供給チェック弁71は、弁本体700の周方向が遅角環状溝部511の底面550の周方向に沿うよう遅角環状溝部511に設けられる。ここで、弁本体700は、外周壁705が遅角環状溝部511の底面550に当接可能である。遅角供給チェック弁71は、遅角供給開口部ORsを経由してインナースリーブ50の内側へ向かう作動油の流れを許容し、インナースリーブ50の内側から遅角供給開口部ORsへ向かう作動油の流れを規制可能である。
より具体的には、作動油が遅角供給油路RRsにおいて遅角供給開口部ORs側から遅角供給凹部HRs側へ流れるとき、遅角供給チェック弁71の弁本体700は、外周壁705が作動油により押され径方向内側へ縮まるよう、すなわち、内径が縮小するようにして変形する。これにより、遅角供給チェック弁71の弁本体700の外周壁705が遅角供給開口部ORsおよび遅角環状溝部511の底面550から離間し、作動油は、遅角供給チェック弁71を経由して遅角供給凹部HRs側へ流れることができる。このとき、弁本体700は、両端部の重なり範囲の長さを拡大しながら一部が重なった状態を維持している。
遅角供給油路RRsを流れる作動油の流量が所定値以下になると、遅角供給チェック弁71の弁本体700は、径方向外側へ拡がるよう、すなわち、内径が拡大するようにして変形する。さらに、作動油が遅角供給凹部HRs側から遅角供給開口部ORs側へ流れる場合、遅角供給チェック弁71の弁本体700の内周壁が作動油により径方向外側へ押され、弁本体700の外周壁705が遅角供給開口部ORsおよび遅角環状溝部511の底面550に当接する。これにより、遅角供給凹部HRs側から遅角供給開口部ORs側への作動油の流れが規制される。ここで、遅角環状溝部511の底面550は、「弁座面」に対応している。
このように、遅角供給チェック弁71は、逆止弁として機能し、遅角供給開口部ORs側から遅角供給凹部HRs側への作動油の流れを許容し、遅角供給凹部HRs側から遅角供給開口部ORs側への作動油の流れを規制可能である。
進角供給チェック弁72は、遅角供給チェック弁71と同様、弁本体700を有している。進角供給チェック弁72の弁本体700の構成は、遅角供給チェック弁71の弁本体700の構成と同様である(図6参照)。
進角供給チェック弁72は、弁本体700の周方向が進角環状溝部512の底面550の周方向に沿うよう進角環状溝部512に設けられる。ここで、弁本体700は、外周壁705が進角環状溝部512の底面550に当接可能である。進角供給チェック弁72は、進角供給開口部OAsを経由してインナースリーブ50の内側へ向かう作動油の流れを許容し、インナースリーブ50の内側から進角供給開口部OAsへ向かう作動油の流れを規制可能である。
より具体的には、作動油が進角供給油路RAsにおいて進角供給開口部OAs側から進角供給凹部HAs側へ流れるとき、進角供給チェック弁72の弁本体700は、外周壁705が作動油により押され径方向内側へ縮まるよう、すなわち、内径が縮小するようにして変形する。これにより、進角供給チェック弁72の弁本体700の外周壁705が進角供給開口部OAsおよび進角環状溝部512の底面550から離間し、作動油は、進角供給チェック弁72を経由して進角供給凹部HAs側へ流れることができる。このとき、弁本体700は、両端部の重なり範囲の長さを拡大しながら一部が重なった状態を維持している。
進角供給油路RAsを流れる作動油の流量が所定値以下になると、進角供給チェック弁72の弁本体700は、径方向外側へ拡がるよう、すなわち、内径が拡大するようにして変形する。さらに、作動油が進角供給凹部HAs側から進角供給開口部OAs側へ流れる場合、進角供給チェック弁72の弁本体700の内周壁が作動油により径方向外側へ押され、弁本体700の外周壁705が進角供給開口部OAsおよび進角環状溝部512の底面550に当接する。これにより、進角供給凹部HAs側から進角供給開口部OAs側への作動油の流れが規制される。ここで、進角環状溝部512の底面550は、「弁座面」に対応している。
このように、進角供給チェック弁72は、逆止弁として機能し、進角供給開口部OAs側から進角供給凹部HAs側への作動油の流れを許容し、進角供給凹部HAs側から進角供給開口部OAs側への作動油の流れを規制可能である。
次に、「チェック弁」としての遅角供給チェック弁71の構成について、詳細に説明する。図4に示すように、遅角供給チェック弁71の弁本体700は、周方向の一方の端部である弁外端部701が、周方向の他方の端部である弁内端部702側の部位の径方向外側に位置し周方向において弁内端部702側の部位と重なるようインナースリーブ50の内側に設けられる。図6〜8に示すように、弁本体700は、定板厚部750、薄板厚部760を有している。
定板厚部750は、弁内端部702から弁外端部701近傍までの範囲において板厚が一定となるよう形成されている。薄板厚部760は、定板厚部750と弁外端部701との間において板厚が定板厚部750の板厚より小さくなるよう形成されている。
薄板厚部760は、定板厚部750から弁外端部701に向かうに従い板厚が小さくなるようテーパ状に形成されている(図8参照)。より具体的には、外周壁705が平面状になるよう弁本体700を展開した状態において(図8参照)、薄板厚部760は、弁本体700の内周壁706側の面である加工面761が、定板厚部750から弁外端部701に向かうに従い一定の割合で外周壁705に近付くよう形成されている。なお、加工面761は、例えばプレス等により形成される。
弁本体700は、定曲率部770、小曲率部780を有している。定曲率部770は、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられた状態において、弁内端部702側の部位の弁外端部701に対応する位置P0に対し弁内端部702とは反対側の位置である特定位置Ps1から弁外端部701までの範囲において外周壁705の曲率が一定となるよう形成されている。小曲率部780は、定曲率部770と弁内端部702との間において外周壁705の曲率が定曲率部770の曲率より小さくなるよう形成されている。つまり、図7に示すように、小曲率部780の外周壁705の曲率半径r2は、定曲率部770の外周壁705の曲率半径r1より小さい。このように、弁本体700の外周壁705は、特定位置Ps1を境に定曲率部770側と小曲率部780側とで曲率が異なっている。本実施形態では、弁本体700の周方向において、外周壁705の位置P0と特定位置Ps1との間の長さは、位置P0と弁内端部702との間の長さより短い(図7参照)。
小曲率部780は、定板厚部750の弁内端部702側に形成されている。定曲率部770は、定板厚部750の一部と薄板厚部760とを含んでいる(図6参照)。なお、小曲率部780の外周壁705の曲率半径r2は、定曲率部770と弁内端部702との間で一定である。
図7に示すように、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられた状態において、弁本体700の弁外端部701と弁内端部702側の部位の外周壁705との間には段差ds1が形成される。当該段差ds1を形成する弁外端部701の端面と弁本体700の弁内端部702側の部位の外周壁705と底面550との間には隙間S1が形成される。
図5に示すように、弁本体700が遅角供給開口部ORsを塞ぐ閉弁状態において、弁外端部701が遅角供給開口部ORsに重なると、遅角供給開口部ORsと上記隙間S1とが連通し、インナースリーブ50の内側の作動油が上記隙間S1および遅角供給開口部ORsを経由してインナースリーブ50の外部へ漏れることが懸念される。
ここで、隙間S1の大きさと作動油の漏れ量との関係について説明する。図9に示すように、弁内端部702から弁外端部701まで板厚が一定の弁本体700と底面550との間に形成される隙間S1を展開し三角形に置き換え、当該三角形の高さをt、底辺の長さをSとし、作動油が弁本体700の軸方向において隙間S1の両端部から内側へ流れると仮定すると、閉弁時にインナースリーブ50の内側から隙間S1および遅角供給開口部ORsを経由してインナースリーブ50の外部へ漏れる作動油の量である漏れ量Qは、下記式1で表される。
式1において、μは作動油の粘度、c(s)は隙間S1を示す関数、dP/dxは圧力勾配に対応する。また、c(s)は、下記式2で表される。
c(s)=ts/S ・・・式2
式2において、tは隙間S1を三角形に置き換えた場合の高さ、すなわち、弁本体700の弁外端部701の板厚に対応し、sは隙間S1の弁本体700の周方向における位置に対応している。よって、s=0のとき、c(s)=0であり、s=Sのとき、c(s)=tである。
図10に、所定条件における漏れ量Qと板厚tとの関係を示す。ここで、前記所定条件は、以下のとおりである。
作動油油種:5W−30
作動油油温:100℃(粘度:)
圧力:100kPa
図10に示すように、板厚tが大きくなる程、漏れ量Qが増大する。板厚tが約0.11mmより大きい場合、漏れ量Qは、約100cc/min以上となる。ここで、約100cc/minは、許容漏れ量に対応している。そこで、本実施形態では、薄板厚部760の弁外端部701における板厚t2(図8参照)は、0.11mm以下に設定されている。また、板厚t2は、0.04mm以上に設定されている。これは、板厚t2が0.04mmより小さい場合、弁外端部701が摩耗等により損傷するおそれがあるためである。
図11に、所定条件における、弁内端部702から弁外端部701まで板厚が一定の弁本体700の板厚(mm)と、弁本体700が最も開弁したときの弁本体700と底面550との距離の最大値、すなわち、最大開口長(mm)との関係を示す。ここで、前記所定条件は、以下のとおりである。
評価手法:流れ解析およびばね荷重計算
作動油油種:5W−30
作動油油温:40℃(粘度:)
流量:16l(リットル)/min(バルブタイミング調整装置の作動時の最大流量を想定)
図11に示すように、板厚が小さくなる程、最大開口長が大きくなる。板厚が約0.11mm以下の場合、最大開口長が約2.1mm以上となる。最大開口長が約2.1mm以上の場合、弁本体700がスプール60に衝突するおそれがある。そこで、本実施形態では、弁本体700の定板厚部750の板厚t3(図8参照)は、約0.12mmに設定されている。
上述したように、本実施形態では、弁本体700の定板厚部750の板厚t3を約0.12mmに設定し、薄板厚部760の弁外端部701における板厚t2を0.11mm以下に設定することにより、弁本体700のばね荷重を適度に確保し弁本体700のスプール60への衝突を回避しつつ、作動油の漏れ量を抑制することができる。
図12、13に、弁内端部702から弁外端部701まで板厚が一定の弁本体700が自由状態から外径が23%縮小するよう変形した場合、すなわち、弁本体700がスプール60に衝突する直前の位置まで変形した場合の弁本体700の外周壁705における応力分布を示す。図12、13において、網掛けが濃い程、応力が大きいことを示している。ここでの評価条件は、以下のとおりである。
評価手法:強度解析
弁本体700の板厚:0.12mm(弁内端部702から弁外端部701まで一定)
弁本体700の初期外径(自由状態):12.5mm
弁本体700の縮小率:23%(スプール60への衝突直前位置となる外径に対応)
図13に示すように、弁外端部701から弁本体700の周方向に長さd1の範囲において発生する応力は、他の部位に発生する応力と比べ、十分に小さい。ここで、長さd1は、約2.5mmであり、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられる前の自由状態のときの弁本体700の外径(12.5mm)に対し2割の長さである。
図14、15に、弁内端部702から弁外端部701まで板厚が一定の弁本体700が自由状態から外径が23%縮小するよう変形した場合、すなわち、弁本体700がスプール60に衝突する直前の位置まで変形した場合の弁本体700の外周壁705における応力分布を示す。図14、15において、網掛けが濃い程、応力が大きいことを示している。ここでの評価条件は、以下のとおりである。
評価手法:強度解析
弁本体700の板厚:0.12mm(弁内端部702から弁外端部701まで一定)
弁本体700の初期外径(自由状態):25mm
弁本体700の縮小率:23%(スプール60への衝突直前位置となる外径に対応)
図15に示すように、弁外端部701から弁本体700の周方向に長さd2の範囲において発生する応力は、他の部位に発生する応力と比べ、十分に小さい。ここで、長さd2は、約5mmであり、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられる前の自由状態のときの弁本体700の外径(25mm)に対し2割の長さである。
上述したように、弁本体700が初期外径から23%縮小した場合、初期外径の大きさにかかわらず、弁外端部701から弁本体700の周方向に、初期外径に対し2割以下の長さの範囲では外周壁705に発生する応力は十分小さい。そこで、本実施形態では、薄板厚部760の弁本体700の周方向における長さL1(図8参照)は、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられる前の自由状態のときの弁本体700の外径に対し2割以下の長さに設定されている。そのため、弁本体700の周方向の大部分を占める定板厚部750の板厚と比べ、薄板厚部760の板厚を小さくしても、定板厚部750によりばね荷重を確保しつつ、応力集中による薄板厚部760の変形や破損を抑制できる。なお、本実施形態では、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられる前の自由状態のときの弁本体700の外径すなわち初期外径は、例えば約12.5mmである。また、薄板厚部760の弁本体700の周方向における長さL1は、例えば約2.5mmである。
本実施形態では、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられた状態において、小曲率部780の外周壁705は、薄板厚部760の弁外端部701側の端部の内周壁706(加工面761)と接触し得る(図7参照)。
進角供給チェック弁72は遅角供給チェック弁71と同様の構成のため、進角供給チェック弁72の具体的な説明は省略する。
スプール60のカム軸3とは反対側には、リニアソレノイド9が設けられる。リニアソレノイド9は、スプール封止部62に当接するようにして設けられる。リニアソレノイド9は、通電により、スプール封止部62を介してスプール60をスプリング63の付勢力に抗してカム軸3側へ押圧する。これにより、スプール60は、ストローク区間においてスリーブ400に対する軸方向の位置が変化する。
容積可変空間Svは、遅角ドレン油路RRdおよび進角ドレン油路RAdに連通している。そのため、容積可変空間Svは、遅角ドレン油路RRdおよび進角ドレン油路RAdのドレン開口部Od2を経由して大気に開放されている。これにより、容積可変空間Svの圧力を大気圧と同等にすることができる。そのため、スプール60の軸方向の移動を円滑にすることができる。
本実施形態は、ロックピン33をさらに備えている(図1、2参照)。ロックピン33は、有底円筒状に形成され、ベーン32に形成された収容穴部321に軸方向に往復移動可能に収容されている。ロックピン33の内側には、スプリング34が設けられている。スプリング34は、ロックピン33をケース22の板部222側へ付勢している。ケース22の板部222のベーン32側には、嵌入凹部25が形成されている。
ロックピン33は、ハウジング20に対しベーンロータ30が最遅角位置にあるとき、嵌入凹部25に嵌入可能である。ロックピン33が嵌入凹部25に嵌入しているとき、ハウジング20に対するベーンロータ30の相対回転が規制される。一方、ロックピン33が嵌入凹部25に嵌入していないとき、ハウジング20に対するベーンロータ30の相対回転が許容される。
ベーン32のロックピン33と進角室202との間には、進角室202に連通するピン制御油路304が形成されている(図2参照)。進角室202からピン制御油路304に流入する作動油の圧力は、ロックピン33がスプリング34の付勢力に抗して嵌入凹部25から抜け出す方向に働く。
以上のように構成されたバルブタイミング調整装置10では、進角室202に作動油が供給されると、ピン制御油路304に作動油が流入し、ロックピン33が嵌入凹部25から抜け出し、ハウジング20に対するベーンロータ30の相対回転が許容された状態となる。
次に、バルブタイミング調整装置10の作動について説明する。バルブタイミング調整装置10は、リニアソレノイド9の駆動により弁装置11のスプール60を押圧し、弁装置11を、オイルポンプ8と遅角室201とを接続しつつ進角室202とオイルパン7とを接続する第1作動状態と、オイルポンプ8と進角室202とを接続しつつ遅角室201とオイルパン7とを接続する第2作動状態と、オイルポンプ8と遅角室201および進角室202とを接続しつつ遅角室201および進角室202とオイルパン7との間を遮断し位相変換部PCの位相を保持する位相保持状態と、に作動させる。
第1作動状態では、遅角供給油路RRsを経由して遅角室201に作動油が供給されつつ、進角ドレン油路RAdを経由して進角室202から作動油がオイルパン7に戻される。第2作動状態では、進角供給油路RAsを経由して進角室202に作動油が供給されつつ、遅角ドレン油路RRdを経由して遅角室201から作動油がオイルパン7に戻される。位相保持状態では、遅角供給油路RRsおよび進角供給油路RAsを経由して遅角室201および進角室202に作動油が供給されつつ、遅角室201および進角室202の作動油の排出が規制される。
バルブタイミング調整装置10は、カム軸3の回転位相が目標値よりも進角側である場合、弁装置11を第1作動状態とする。これにより、ベーンロータ30がハウジング20に対して遅角方向へ相対回転し、カム軸3の回転位相が遅角側へ変化する。
また、バルブタイミング調整装置10は、カム軸3の回転位相が目標値よりも遅角側である場合、弁装置11を第2作動状態とする。これにより、ベーンロータ30がハウジング20に対して進角方向へ相対回転し、カム軸3の回転位相が進角側へ変化する。
また、バルブタイミング調整装置10は、カム軸3の回転位相が目標値と一致する場合、弁装置11を位相保持状態とする。これにより、カム軸3の回転位相が保持される。
以上説明したように、<1>本実施形態は、筒状の弁座面としての底面550、および、底面550と外壁53とを連通する遅角供給開口部ORs、進角供給開口部OAsを有するインナースリーブ50の内側に設けられ、遅角供給開口部ORs、進角供給開口部OAsを経由してインナースリーブ50の内側へ向かう作動油の流れを許容し、インナースリーブ50の内側から遅角供給開口部ORs、進角供給開口部OAsへ向かう作動油の流れを規制可能なチェック弁としての遅角供給チェック弁71、進角供給チェック弁72であって、弁本体700を備えている。弁本体700は、単一の板材を長手方向が周方向に沿うよう巻くことにより筒状に形成され、外周壁705が底面550に当接可能なよう設けられる。
弁本体700は、周方向の一方の端部である弁外端部701が、周方向の他方の端部である弁内端部702側の部位の径方向外側に位置し周方向において弁内端部702側の部位と重なるよう設けられる。弁本体700は、弁内端部702から弁外端部701近傍までの範囲において板厚が一定となるよう形成された定板厚部750、および、定板厚部750と弁外端部701との間において板厚が定板厚部750の板厚より小さくなるよう形成された薄板厚部760を有している。そのため、弁本体700の周方向の大部分を占める定板厚部750の板厚と比べ、弁外端部701の板厚を小さくできる。これにより、弁外端部701と弁内端部702側の部位の外周壁705との間に形成される段差ds1を小さくできる。そのため、遅角供給チェック弁71、進角供給チェック弁72がインナースリーブ50の内側に設けられた状態において、上記段差ds1を形成する弁外端部701の端面と弁本体700の弁内端部702側の部位の外周壁705と底面550との間に形成される隙間S1を小さくできる。したがって、弁本体700が遅角供給開口部ORs、進角供給開口部OAsを塞ぐ閉弁状態において、弁外端部701が遅角供給開口部ORs、進角供給開口部OAsに重なり、遅角供給開口部ORs、進角供給開口部OAsと上記隙間S1とが連通したとしても、インナースリーブ50の内側の作動油が上記隙間S1および遅角供給開口部ORs、進角供給開口部OAsを経由してインナースリーブ50の外部へ漏れるのを抑制することができる。
ところで、上述の特許文献1のチェック弁では、流体の漏れを抑えるためには、弁本体の板厚を小さくし弁外端部に形成される隙間を小さくする必要がある。しかしながら、弁本体の板厚を小さくしつつばね荷重を確保しようとすると、弁本体の軸方向の長さである幅を大きくする必要があり、チェック弁が軸方向に大きくなるおそれがある。
一方、本実施形態では、薄板厚部760の板厚を小さくしつつ、弁本体700の周方向の大部分を占める定板厚部750の板厚を確保できるため、上記隙間S1を小さくしつつ、弁本体700のばね荷重を確保できる。よって、ばね荷重を確保するために弁本体700の軸方向の長さである幅を大きくする必要がない。したがって、遅角供給チェック弁71、進角供給チェック弁72を軸方向に小型にでき、かつ、閉弁時の作動油の漏れを抑制できる。
また、<2>本実施形態では、薄板厚部760は、定板厚部750から弁外端部701に向かうに従い板厚が小さくなるようテーパ状に形成されている。そのため、薄板厚部760において急激な板厚変化による応力集中を避けることができる。
また、<5>本実施形態では、弁外端部701における薄板厚部760の板厚t2は、0.11mm以下である。そのため、隙間S1を十分小さくでき、インナースリーブ50の内側の作動油が隙間S1および遅角供給開口部ORs、進角供給開口部OAsを経由してインナースリーブ50の外部へ漏れるのを効果的に抑制することができる。特に弁装置11をバルブタイミング調整装置10に適用した場合、作動油の漏れを十分抑制できる。
また、<6>本実施形態では、弁外端部701における薄板厚部760の板厚t2は、0.04mm以上である。そのため、弁外端部701が摩耗等により損傷するのを抑制できる。
また、<7>本実施形態では、弁本体700の周方向における薄板厚部760の長さL1は、遅角供給チェック弁71、進角供給チェック弁72がインナースリーブ50の内側に設けられる前の自由状態のときの弁本体700の外径に対し2割以下の長さである。そのため、弁本体700の周方向の大部分を占める定板厚部750の板厚と比べ、薄板厚部760の板厚を小さくしても、定板厚部750によりばね荷重を確保しつつ、応力集中による薄板厚部760の変形や破損を抑制できる。
また、<8>本実施形態では、弁本体700は、遅角供給チェック弁71、進角供給チェック弁72がインナースリーブ50の内側に設けられた状態において、弁内端部702側の部位の弁外端部701に対応する位置P0に対し弁内端部702とは反対側の位置である特定位置Ps1から弁外端部701までの範囲において外周壁705の曲率(曲率半径r1)が一定となるよう形成された定曲率部770、および、定曲率部770と弁内端部702との間において外周壁705の曲率(曲率半径r2)が定曲率部770の外周壁705の曲率(曲率半径r1)より小さくなるよう形成された小曲率部780を有している。そのため、隙間S1をより小さくでき、隙間S1を経由した作動油の漏れをより一層効果的に抑制できる。
(第2実施形態)
第2実施形態によるチェック弁の一部を図16、17に示す。第2実施形態は、薄板厚部760の形状等が第1実施形態と異なる。
第2実施形態では、薄板厚部760は、定板厚部750と弁外端部701との間において板厚が定板厚部750の板厚より小さく、かつ、一定となるよう形成されている(図17参照)。これにより、薄板厚部760と定板厚部750との間には、弁本体700の軸方向に延びる段差面762が形成されている。より具体的には、薄板厚部760は、弁本体700の内周壁706側の面である加工面761が、定板厚部750から弁外端部701にかけて外周壁705と平行になるよう形成されている。なお、加工面761は、例えばプレス、エッチング、平面研磨等により形成される。
弁本体700は、定曲率部770、小曲率部780を有している。定曲率部770は、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられた状態において、弁内端部702側の部位の弁外端部701に対応する位置P0に対し弁内端部702とは反対側の位置である特定位置Ps1から弁外端部701までの範囲において外周壁705の曲率が一定となるよう形成されている。小曲率部780は、定曲率部770と弁内端部702との間において外周壁705の曲率が定曲率部770の曲率より小さくなるよう形成されている。つまり、図16に示すように、小曲率部780の外周壁705の曲率半径r2は、定曲率部770の外周壁705の曲率半径r1より小さい。本実施形態では、弁本体700の周方向において、外周壁705の位置P0と特定位置Ps1との間の長さは、位置P0と弁内端部702との間の長さより長い(図16参照)。小曲率部780は、定板厚部750の弁内端部702側に形成されている。定曲率部770は、定板厚部750の一部と薄板厚部760とを含んでいる。
図16に示すように、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられた状態において、弁本体700の弁外端部701と弁内端部702側の部位の外周壁705との間には段差ds1が形成される。当該段差ds1を形成する弁外端部701の端面と弁本体700の弁内端部702側の部位の外周壁705と底面550との間には隙間S1が形成される。
弁本体700が遅角供給開口部ORsを塞ぐ閉弁状態において、弁外端部701が遅角供給開口部ORsに重なると、遅角供給開口部ORsと上記隙間S1とが連通し、インナースリーブ50の内側の作動油が上記隙間S1および遅角供給開口部ORsを経由してインナースリーブ50の外部へ漏れることが懸念される。
本実施形態では、隙間S1の大きさと作動油の漏れ量との関係(図9、10参照)に基づき、薄板厚部760の弁外端部701における板厚t2(図17参照)は、0.04mm以上、0.11mm以下に設定されている。また、板厚と弁本体700の最大開口長との関係(図11参照)に基づき、弁本体700の定板厚部750の板厚t3(図17参照)は、約0.12mmに設定されている。なお、薄板厚部760は、弁外端部701から定板厚部750までの範囲で板厚が一定(t2)である。よって、t3とt2との差が、段差面762の高さ(弁本体700の径方向における長さ)となる。
また、本実施形態では、弁本体700の初期外径と変形後の応力分布との関係(図12〜15参照)に基づき、薄板厚部760の弁本体700の周方向における長さL1(図17参照)は、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられる前の自由状態のときの弁本体700の外径(初期外径)に対し2割以下の長さに設定されている。本実施形態では、弁本体700の初期外径は、例えば約12.5mmである。また、薄板厚部760の弁本体700の周方向における長さL1は、例えば約2.5mmである。
本実施形態では、定曲率部770の曲率半径r1と小曲率部780の曲率半径r2との差は、比較的小さい。また、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられた状態において、小曲率部780の外周壁705は、薄板厚部760の弁外端部701側の端部の内周壁706(加工面761)、および、定板厚部750の薄板厚部760側の端部の内周壁706と接触し得る(図16参照)。また、本実施形態では、弁本体700の周方向における隙間S1の長さ(外周壁705の位置P0と特定位置Ps1との間の長さ)は、第1実施形態の隙間S1の長さより長い。そのため、本実施形態の隙間S1は、第1実施形態の隙間S1より大きい。
第2実施形態は、上述した点以外の構成は、第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
以上説明したように、<3>本実施形態では、薄板厚部760は、定板厚部750と弁外端部701との間において板厚が一定となるよう形成されている。薄板厚部760と定板厚部750との間には、段差面762が形成されている。そのため、エッチングや平面研磨等により薄板厚部760を容易に形成できる。
また、<4>本実施形態では、段差面762は、弁本体700の内周壁706側に形成されている。仮に段差面762を弁本体700の外周壁705側に形成した場合、環状溝部55の底面550と段差面762との間に、隙間S1とは別の隙間が形成され、当該隙間を経由した作動油の漏れが懸念される。本実施形態では、段差面762を弁本体700の内周壁706側に形成することで、上記懸念を払拭できる。
(第3実施形態)
第3実施形態によるチェック弁の一部を図18に示す。第3実施形態は、小曲率部780の構成等が第2実施形態と異なる。
第3実施形態では、小曲率部780の外周壁705の曲率半径r2が、第2実施形態の小曲率部780の外周壁705の曲率半径r2より小さい。また、弁本体700の周方向における小曲率部780の長さは、第2実施形態の小曲率部780の長さより短い。本実施形態では、弁本体700の周方向において、外周壁705の位置P0と特定位置Ps1との間の長さは、位置P0と弁内端部702との間の長さより短い(図18参照)。
本実施形態では、定曲率部770の曲率半径r1と小曲率部780の曲率半径r2との差は、比較的大きい。また、遅角供給チェック弁71がインナースリーブ50の内側に設けられた状態において、小曲率部780の外周壁705は、薄板厚部760の弁外端部701側の端部の内周壁706(加工面761)と接触し得るものの、定板厚部750の薄板厚部760側の端部の内周壁706とは離間している(図18参照)。また、本実施形態では、弁本体700の周方向における隙間S1の長さ(外周壁705の位置P0と特定位置Ps1との間の長さ)は、第2実施形態の隙間S1の長さより短い。そのため、本実施形態の隙間S1は、第2実施形態の隙間S1より小さい。
第3実施形態は、上述した点以外の構成は、第2実施形態と同様であり、第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
本実施形態では、第2実施形態と比べ、隙間S1を小さくできるため、隙間S1を経由した作動油の漏れを効果的に抑制できる。
(第4実施形態)
第4実施形態によるチェック弁を適用した弁装置を図19に示す。第4実施形態は、チェック弁の構成等が第1実施形態と異なる。
第4実施形態のチェック弁を適用した弁装置11では、アウタースリーブ40とインナースリーブ50とが一体に形成され、1つの筒状のスリーブ400を構成している。スリーブ封止部51は、スリーブ400の一方の端部を塞いでいる。
スリーブ400には、進角開口部OA、遅角開口部OR、ドレン開口部Od2、供給開口部Osが形成されている。進角開口部OA、遅角開口部OR、ドレン開口部Od2、供給開口部Osは、それぞれ、スリーブ400の内周壁と外周壁とを接続するようスリーブ400の周方向に複数形成されている。進角開口部OA、遅角開口部OR、ドレン開口部Od2、供給開口部Osは、スリーブ400のスリーブ封止部51側から反対側に向かって、この順で形成されている。スリーブ封止部51には、ドレン開口部Od1が形成されている。
供給開口部Osには、オイルポンプ8が接続される。遅角開口部ORは、遅角室201に接続している。進角開口部OAは、進角室202に接続している。ドレン開口部Od1、Od2は、オイルパン7に接続される。
スプール60は、略円筒状に形成され、スリーブ400の内側において軸方向に往復移動可能に設けられている。スプール60は、スリーブ封止部51とは反対側の端部がスプール封止部62で塞がれ、スリーブ封止部51側の端部がスプール封止部64で塞がれている。
スプール60には、供給凹部Hs1、ドレン凹部Hd、供給凹部Hs2、弁座面600、流入穴Hi、流出穴Hoが形成されている。ここで、スプール60は、「筒部材」に対応している。供給凹部Hs1、ドレン凹部Hd、供給凹部Hs2は、それぞれ、スプール60の外周壁から径内方向へ凹みつつ周方向に延びるよう環状に形成されている。供給凹部Hs1、ドレン凹部Hd、供給凹部Hs2は、スプール60のスプール封止部62からスプール封止部64に向かって、この順で形成されている。
弁座面600は、スプール60のスプール封止部62側の端部の内周壁から径外方向へ凹みつつ周方向に延びる環状の溝部の底面に形成されている。弁座面600は、略円筒状に形成されている。流入穴Hiは、弁座面600と供給凹部Hs1とを接続するようスプール60の周方向に複数形成されている。ここで、供給凹部Hs1は、スプール60の「外壁」に対応している。流出穴Hoは、スプール60の内周壁と供給凹部Hs2とを接続するようスプール60の周方向に複数形成されている。
スプリング63は、スリーブ封止部51とスプール封止部64との間に設けられ、スプール60をスリーブ封止部51とは反対側へ付勢する。リニアソレノイド9は、スプール封止部62に当接するよう設けられ、スプール60をスプリング63の付勢力に抗してスリーブ封止部51側へ押圧する。これにより、スプール60は、ストローク区間においてスリーブ400に対する軸方向の位置が変化する。
スプール60が図19に示す位置にあるとき、すなわち、スプール60がストローク区間の一方の端部に位置するとき、オイルポンプ8からの作動油は、供給開口部Os、供給凹部Hs1、流入穴Hiを経由してスプール60の内側へ流入する。また、このとき、スプール60の内側の作動油は、流出穴Ho、供給凹部Hs2、遅角開口部ORを経由して遅角室201へ流れる。また、このとき、進角室202の作動油は、進角開口部OA、ドレン開口部Od1を経由してオイルパン7に排出される。
スプール60がスリーブ封止部51に当接する位置にあるとき、すなわち、スプール60がストローク区間の他方の端部に位置するとき、オイルポンプ8からの作動油は、供給開口部Os、供給凹部Hs1、流入穴Hiを経由してスプール60の内側へ流入する。また、このとき、スプール60の内側の作動油は、流出穴Ho、供給凹部Hs2、進角開口部OAを経由して進角室202へ流れる。また、このとき、遅角室201の作動油は、遅角開口部OR、ドレン凹部Hd、ドレン開口部Od2を経由してオイルパン7に排出される。
本実施形態では、チェック弁としての供給チェック弁73は、弁本体700、軸部790、延伸部791を有している。軸部790は、板材を短手方向が周方向に沿うよう巻くことにより長い筒状に形成されている(図19、20参照)。なお、軸部790は、周方向の両端部が離間している。弁本体700は、軸部790の径方向外側に位置している。延伸部791は、軸部790の周方向の一方の端部から弁本体700へ向かって平面状に延び、弁本体700の弁内端部702に接続している。すなわち、延伸部791は、軸部790と弁本体700とを接続している。軸部790、延伸部791、弁本体700は、一体に形成されている。軸部790の軸方向における弁本体700および延伸部791の長さは、軸部790の長さより短い。弁本体700の構成は、第1実施形態と同様である。
供給チェック弁73は、弁本体700の外周壁705が弁座面600に当接可能なようスプール60の内側に設けられる。ここで、供給チェック弁73は、軸部790の端部がスプール封止部62またはスプール封止部64に当接したとき、軸方向の移動が規制される。
本実施形態では、第1実施形態と同様、薄板厚部760は、板厚が定板厚部750の板厚より小さくなるよう形成されている。そのため、供給チェック弁73がスプール60の内側に設けられた状態において、弁外端部701の端面と弁本体700の弁内端部702側の部位の外周壁705と弁座面600との間に形成される隙間を小さくできる。したがって、弁本体700が流入穴Hiを塞ぐ閉弁状態において、弁外端部701が流入穴Hiに重なり、流入穴Hiと上記隙間とが連通したとしても、スプール60の内側の作動油が上記隙間および流入穴Hiを経由してスプール60の外部へ漏れるのを抑制することができる。
(他の実施形態)
上述の第1実施形態では、弁本体700の内周壁706側の面である加工面761が、定板厚部750から弁外端部701に向かうに従い一定の割合で外周壁705に近付くよう、すなわち、定板厚部750から弁外端部701に向かうに従い板厚が一定の割合で小さくなるよう薄板厚部760がテーパ状に形成されている例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、外周壁705が平面状になるよう弁本体700を展開した状態において(図8参照)、薄板厚部760は、板厚が定板厚部750の板厚より小さいのであれば、加工面761が、定板厚部750から弁外端部701に向かうに従い一定の割合で外周壁705に近付くよう形成されるのではなく、加工面761が外周壁705側へ凹となるよう、または、加工面761が外周壁705とは反対側へ凸となるよう曲面状に形成されていてもよい。また、加工面761は、弁本体700の外周壁705側に形成されていてもよい。
また、上述の第2、3実施形態では、薄板厚部760が、定板厚部750と弁外端部701との間において板厚が一定となるよう形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、薄板厚部760は、定板厚部750と弁外端部701との間において板厚が一定となるよう形成されていなくてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、弁外端部701における薄板厚部760の板厚は、0.04mmより小さくてもよいし、0.11mmより大きくてもよい。ただし、作動油の漏れを抑制する効果、および、弁外端部701の損傷を抑制する効果を考慮すると、弁外端部701における薄板厚部760の板厚は、0.04mm以上、0.11mm以下であることが望ましい。
また、本発明の他の実施形態では、弁本体700の周方向における薄板厚部760の長さは、チェック弁が筒部材の内側に設けられる前の自由状態のときの弁本体700の外径に対し2割より大きい長さであってもよい。ただし、定板厚部750によりばね荷重を確保しつつ、応力集中による薄板厚部760の変形や破損を抑制する効果を考慮すると、弁本体700の周方向における薄板厚部760の長さは、チェック弁が筒部材の内側に設けられる前の自由状態のときの弁本体700の外径に対し2割以下の長さであることが望ましい。
また、上述の実施形態では、小曲率部780が、定曲率部770と弁内端部702との間で外周壁705の曲率(曲率半径r2)が一定となるよう形成される例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、小曲率部780は、外周壁705の曲率(曲率半径r2)が定曲率部770の外周壁705の曲率(曲率半径r1)より小さいのであれば、定曲率部770と弁内端部702との間で外周壁705の曲率(曲率半径r2)が変化するよう形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、筒部材の流入穴は、環状溝部の周方向にいくつ形成されていてもよい。また、筒部材の流入穴は、環状溝部の周方向に等間隔で複数形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、弁装置11は、全ての部位がハウジング20の外部に位置するよう設けられていてもよい。この場合、アウタースリーブ40は、ねじ部41を省略することができる。
また、本発明の他の実施形態では、チェーン6に代えて、例えばベルト等の伝達部材によりハウジング20とクランク軸2とが連結されていてもよい。
また、上述の実施形態では、ベーンロータ30がカム軸3の端部に固定され、ハウジング20がクランク軸2に連動して回転する例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ベーンロータ30がクランク軸2の端部に固定され、ハウジング20がカム軸3に連動して回転することとしてもよい。
本発明のバルブタイミング調整装置10は、エンジン1の排気弁5のバルブタイミングを調整することとしてもよい。
また、本発明のチェック弁は、例えば上記特許文献1の弁装置に適用してもよい。また、本発明のチェック弁は、バルブタイミング調整装置を制御するための弁装置以外の弁装置に適用してもよい。
このように、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。