デバイスの文脈において後段で説明される実施例は、それぞれの方法に関しても同様に有効であり、方法の文脈において後段で説明される実施例は、それぞれのデバイスに関しても同様に有効である。更に、後段で説明される実施例は、組み合わされてよく、例えば、一実施例の一部分が、別の実施例の一部分と組み合わされてよいことが理解されよう。
プロセス・フロー管理デバイスに関して本明細書において説明されるいずれの特性も、本明細書において説明されるいずれのプロセス・フロー管理デバイスに関しても成立することが可能であることが理解されよう。特定の方法に関して本明細書において説明されるいずれの特性も、本明細書において説明されるいずれの方法に関しても成立することが可能であることが理解されよう。更に、本明細書において説明されるいずれのプロセス・フロー管理デバイス又はプロセス・フロー管理方法に関しても、必ずしも、説明される全ての構成要素又はステップがデバイス又は方法に含められなければならないわけではなく、いくつか(ただし、全てではない)構成要素又はステップだけが含められてよいことが理解されよう。
この文脈において、この説明において説明されるプロセス・フロー管理デバイスは、例えば、プロセス・フロー管理デバイスにおいて実行される処理において使用されるメモリを含んでよい。実施例において使用されるメモリは、揮発性メモリ、例えば、DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)、又は不揮発性メモリ、例えば、PROM(プログラマブル読取り専用メモリ)、EPROM(消去可能なPROM)、EEPROM(電気的に消去可能なPROM)、又はフラッシュ・メモリ、例えば、浮遊ゲート・メモリ、電荷トラップ・メモリ、MRAM(磁気抵抗ランダム・アクセス・メモリ)若しくはPCRAM(相変化ランダム・アクセス・メモリ)であってよい。
実施例において、「回路」又は「モジュール」は、専用回路、又はメモリに記憶されたソフトウェアを実行するプロセッサ、ファームウェア、或いはそれらの任意の組合せであってよい、任意の種類のロジック実装エンティティとして理解されてよい。このため、実施例において、「回路」又は「モジュール」は、ハードワイヤード・ロジック回路、又はプログラマブル・プロセッサ、例えば、マイクロプロセッサ(例えば、複合命令セット・コンピュータ(CISC:Complex Instruction Set Computer)プロセッサ若しくは縮小命令セット・コンピュータ(RISC:Reduced Instruction Set Computer)プロセッサ)などのプログラマブル・ロジック回路であってよい。「回路」又は「モジュール」はまた、ソフトウェア、例えば、任意の種類のコンピュータ・プログラム、例えば、Java(登録商標)などの仮想マシン・コードを使用するコンピュータ・プログラムを実行するプロセッサであってもよい。後段でより詳細に説明されるそれぞれの機能の他の任意の種類の実装形態が、代替の実施例による「回路」又は「モジュール」として理解されてもよい。
本明細書において、「備えた」という用語は、「含む」という用語と類似した広い意味を有するものと理解されるべきであり、言明される整数若しくはステップ、又はグループの整数若しくはステップを含むことを暗示するが、他のいずれの整数若しくはステップ、又は他のいずれのグループの整数若しくはステップを排除することも暗示しないものと理解される。この定義は、「備える」などの「備えた」という用語の変形にも当てはまる。
本明細書における「結合された」(又は「接続された」)という用語は、電気的に結合されていることとして、又は機械的に結合されていることとして、例えば、取り付けられている、若しくは固定されている、又は全く固定なしに単に接触していることとして理解されてよく、直接の結合又は間接的な結合(すなわち、直接の接触なしの結合)の両方が提供されてよいことが理解されよう。
マルチソーシングは、複数の売り手によって提案される「ベスト・オブ・ブリード」サービスを利用する機会を提供する。しかし、売り手を選択するためのプロセスは、複雑である可能性があり、このため、既存のアプローチにおいてこのプロセスに関する単純化が行われる。このため、マルチソーシングにおける取組みは、サービス・プロバイダによって提案されるデフォルトのサービスに依存して、サービス・プロバイダに責任を割り当てることに大きく集中している。例えば、終端間ソリューションを提供するサービス・プロバイダは、買い手によって終端間ソリューションにおける全てのサービスの潜在的なプロバイダとみなされることが可能である。更に、特定のサービスだけを専門とする売り手は、非常に特別なビジネス事例に適用可能な「サイロ」ソリューションだけを提供しているとみなされる。したがって、サービスの発見、及び売り手の能力の評価を加速することができるシステムが必要とされる。
「ベスト・オブ・ブリード」サービス・プロバイダの組合せは、必然的に最適な結果をもたらすことが可能である。マルチソーシングの使用における適切な技法は、いずれのシナリオにおいて、サービス・プロバイダが最も適しているかを判定することである。購入と配送の文脈において、売り手は、その売り手が計画と運営の両方において用いられることが可能である場合、最適に選択されることが可能である。したがって、買い手と、複数の売り手とを含む協調的、又は同期されたプロセス・フローを動的に構成することを可能にするソーシング戦略が必要である。様々な実施例のプロセス・フロー管理デバイス及びプロセス・フロー管理方法は、そのようなマルチソーシング戦略に基づき、サービス・プロバイダは、柔軟にアクセスされることが可能であり、且つサービス・プロバイダの能力は、実際の商品注文が行われるときに評価され、その結果、プロセス・フローを最適化し、同時に、商品のルーティングを最適化する。ルーティングは、開始プロセスから終了プロセスまでの完全なプロセス・フローとして定義され、各プロセスは、そのプロセスを担う買い手又は売り手によって実行されるサービスを表すプロセス・アイテム又はプロセス・エンティティとして定義される。
様々な実施例のプロセス・フロー管理デバイス及びプロセス・フロー管理方法によれば、最適化されたプロセス・フローが決定されてよい。例えば、合計陸揚げコストが、マルチソーシング戦略を利用して最適化されることが可能である。
図1は、様々な実施例によるプロセス・フロー管理デバイスの概念図を示す。
図1に示されるとおり、買い手と少なくとも1つの売り手の間のプロセス・フロー管理のためのデバイス10が提供されることが可能である。デバイス10は、複数のプロセス・フロー候補、及び各プロセス・フロー候補に関する能力指標を受信するように構成された受信機11を含んでよい。各プロセス・フロー候補は、商品を販売する少なくとも1つの売り手のうちの1つを起点として、買い手によってあらかじめ決められた仕向先を終点とし、且つ各プロセス・フロー候補は、買い手又は売り手のうちのいずれかによって実行されるサービスをそれぞれが表すプロセス・アイテムのシーケンスを含む。各能力指標は、対応するプロセス・アイテムを実行する買い手又は売り手に関連付けられた物理資産データ及びリスク・データに基づいて決定されたパフォーマンス値を表す。デバイスは、複数のプロセス・フロー候補のうちのプロセス・アイテムに関する能力指標に基づいて、複数のプロセス・フロー候補から最適化されたプロセス・フローを決定するように構成されたプロセス・フロー・オプティマイザ13を更に含んでよい。
言い換えると、様々な実施例は、複数のプロセス・フロー候補のうちのプロセス・アイテムに関する能力指標に基づいて、すなわち、それぞれのプロセス・アイテムを実行する買い手及び売り手のパフォーマンスに基づいて、複数のプロセス・フロー候補から最適化されたプロセス・フローを決定することができるプロセス・フロー管理デバイス10を提供する。最適化されたプロセス・フローは、最適化された能力指標を有する商品を購入するためのプロセス・フローであってよい。最適化されたプロセス・フローはまた、買い手に関する最適化されたキー・パフォーマンス・インジケータを有する商品を購入するためのプロセス・フローであってもよい。
この文脈において、各プロセス・フロー候補は、開始プロセス・アイテムから終了プロセス・アイテムまでの完全なプロセス・フローとして定義される、ルーティングとして参照されてもよい。プロセス・エンティティとしても参照される各プロセス・アイテムは、買い手、又は少なくとも1つの売り手のうちの1つによって実行されるサービスを表してよい。したがって、複数のプロセス・フロー候補は、完全なプロセス・フローを形成すべく複数の売り手、及び/又は買い手によって実行されるプロセス・アイテムを組み合わせることが可能な、様々な売り手から買い手の仕向先までの複数のルーティングを定義する。
この文脈において、売り手は、商品プロバイダ及び/又はサービス・プロバイダであってよい。買い手は、売り手から商品を購入するエンティティであり、且つ、例えば、商品の配送プロセスにおいて1つ又は複数のプロセス・アイテムを提供する能力を有してよい。買い手は、買い手の代理を務める代理業者又は中間業者を含んでよい。
様々な実施例によれば、受信機11は、プロセス・フロー候補及び能力指標を受信して、記憶するように構成されたデータ・ソース、例えば、データ・ストレージ又はメモリであってよい、データを受信して、収集するように構成された回路又はインターフェースであってよい。様々な実施例によれば、受信機11は、プロセス・フロー・オプティマイザ13に含められてもよく、外部ソースからプロセス・フロー候補及び能力指標を取り出すため、及び受信するためのプロセス・フロー・オプティマイザ13のインターフェースであってよい。
様々な実施例において、受信機11及びプロセス・フロー・オプティマイザ13は、各々が、前述した回路によって実装されてよく、又は単一の回路によって実装されてよい。
様々な実施例によれば、プロセス・フロー・オプティマイザ13は、各プロセス・フロー候補に関する能力指標に基づいて、各プロセス・フロー候補に関する買い手のグローバル・キー・パフォーマンス・インジケータ(KPI:global key performance indicator)を決定し、最適化されたプロセス・フローを、最適化されたグローバル・キー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)を有するプロセス・フロー候補であるものとして決定するように構成されてよい。
様々な実施例において、買い手のグローバル・キー・パフォーマンス・インジケータは、商品に関する陸揚げコスト、商品コスト、又は商品に関するリードタイムのうちの少なくとも1つを含んでよい。陸揚げコストは、製品又は商品が買い手のドアに到着したときの、製品又は商品の合計価格である。陸揚げコストは、商品の元の価格、全ての輸送料金(例えば、内陸と海洋の両方の)、関税、税、諸税、保険、通貨の両替、クレート梱包、取扱い料金及び支払い料金、その他を含んでよい。商品コストは、商品の価格である。リードタイムは、この実例では、商品注文から商品が買い手のところに到着する配送までの間の合計時間である、プロセスの開始から完了までの間の合計時間である。
様々な実施例によれば、プロセス・フロー・オプティマイザ13は、各プロセス・フロー候補に関して、商品に関する陸揚げコスト、商品コスト、又は商品に関するリードタイムのうちの少なくとも1つを計算するように更に構成されてよい。プロセス・フロー・オプティマイザ13は、各プロセス・フロー候補に関する能力指標、及び各プロセス・フロー候補に関する陸揚げコスト、商品コスト、又はリードタイムのうちの少なくとも1つに基づいて、各プロセス・フロー候補に関する買い手のグローバル・キー・パフォーマンス・インジケータを決定するように構成されてよい。
様々な実施例によれば、プロセス・フロー・オプティマイザ13は、各プロセス・フロー候補に関する切替えペナルティに更に基づいて、最適化されたプロセス・フローを決定するように構成されてよい。切替えペナルティは、各プロセス・フロー候補におけるプロセス・アイテムを実行するために、異なる売り手の間で切り替えるとき、又は売り手と買い手の間で切り替えるときのペナルティ値を表し、ペナルティ値は、売り手又は買い手の前の、又は現在のビジネス取引きに関連する。
様々な実施例によれば、プロセス・フロー・オプティマイザ13は、各プロセス・フロー候補に関するプロセス・アイテムの能力指標に基づいて、各プロセス・フロー候補における各売り手のローカル・キー・パフォーマンス・インジケータを計算し、ローカル・キー・パフォーマンス・インジケータを制約として使用して、最適化されたプロセス・フローを決定するように更に構成されてよい。
様々な実施例によれば、プロセス・フロー管理デバイス10は、対応するプロセス・アイテムを実行する買い手又は売り手に関連付けられた物理資産データ及びリスク・データに基づいて、各プロセス・フロー候補の各プロセス・アイテムに関する能力指標を決定するように構成された能力指標ディターミナ(図1に示さず)を更に含んでよい。
様々な実施例において、物理資産データは、売り手又は買い手の車両、倉庫、又は人的資源のうちの少なくとも1つに関連付けられたデータを含んでよい。物理資産データは、対応するプロセス・アイテムを実行するための売り手又は買い手の物理資産における売り手又は買い手の能力を表してよい。
様々な実施例において、リスク・データは、プロセス関連のリスクを示してよく、且つ取引き履歴、温度、気象、交通、道路条件、地理的リスク、商品損傷、又は配送遅延のうちの少なくとも1つに関連付けられたデータを含んでよい。リスク・データは、売り手又は買い手によって実行されたときのプロセス・アイテムに関連付けられたリスクを表す。リスク・データは、取引き履歴及び/又はリアルタイム環境データに基づいてよく、且つ取引き履歴及び/又はリアルタイム環境データに関連付けられた対応する影響を含んでよい。
様々な実施例によれば、プロセス・フロー管理デバイス10は、買い手のプロセス・フロー・データ、及び少なくとも1つの売り手の各売り手のプロセス・フロー・データに基づいて、複数のプロセス・フロー候補のそれぞれを決定すべく、買い手及び少なくとも1つの売り手のうちの1つ又は複数にそれぞれのプロセス・アイテムを割り当てるように構成されたプロセス・フロー・ディターミナ(図1に示さず)を更に含んでよい。買い手のプロセス・フロー・データは、買い手によって提案されるプロセス・アイテムのシーケンスを含み、且つ少なくとも1つの売り手の各売り手のプロセス・フロー・データは、各売り手によって提案されるプロセス・アイテムのシーケンスを含む。
様々な実施例において、買い手と売り手の少なくともいずれかのプロセス・フロー・データは、先行するプロセス・アイテム又は後続のプロセス・アイテムに関する異なる売り手への切替え、又は売り手と買い手の間の切替えに許容可能な1つ又は複数のポイントを示す、プロセス・アイテムのうちの1つ又は複数に関連付けられた同期データを含む。プロセス・フロー・ディターミナは、同期データに基づいて、各プロセス・フロー候補を形成すべく、買い手及び売り手のうちの1つ又は複数にそれぞれのプロセス・アイテムを割り当てるように構成される。
様々な実施例によれば、受信機11は、買い手から商品注文を受信するように更に構成される。商品注文は、商品タイプ、商品量、陸揚げコスト制約、又は配送時間枠制約のうちの少なくとも1つに関連付けられたデータを含んでよい。プロセス・フロー・オプティマイザ13は、商品注文に更に基づいて、複数のプロセス・フロー候補から最適化されたプロセス・フローを動的に決定するように構成されてよい。
様々な実施例によれば、受信機11は、気象データ、交通データ、ローカル・イベント・データ、又は休日データのうちの少なくとも1つを含む外部環境データを受信するように更に構成される。プロセス・フロー・オプティマイザ13は、外部環境データに更に基づいて、複数のプロセス・フロー候補から最適化されたプロセス・フローを動的に決定するように構成されてよい。
様々な実施例において、プロセス・フロー・オプティマイザ13は、外部環境データに基づいて、各プロセス・フロー候補に関する能力指標を更新し、更新された能力指標に基づいて、最適化されたプロセス・フローを動的に決定するように構成される。
図2は、様々な実施例によるプロセス・フロー管理のための方法を示すフロー図20を示す。
フロー図20は、複数のプロセス又はステップ21、23、及び25を含む。21において、複数のプロセス・フロー候補が受信される。各プロセス・フロー候補は、商品を販売する少なくとも1つの売り手のうちの1つを起点として、買い手によってあらかじめ決められた仕向先を終点とし、且つ各プロセス・フロー候補は、買い手又は売り手のうちのいずれかによって実行されるサービスをそれぞれが表すプロセス・アイテムのシーケンスを含む。23において、各プロセス・フロー候補のプロセス・アイテムに関する能力指標が受信されてよく、各能力指標は、対応するプロセス・アイテムを実行する買い手又は売り手に関連付けられた物理資産データ及びリスク・データに基づいて決定されたパフォーマンス値を表す。プロセス21とプロセス23は、同時に実行されてよく、又は順次に実行されてよく、順次に実行される場合、プロセス21は、プロセス23より前に実行されても、プロセス23より後に実行されてもよい。25において、複数のプロセス・フロー候補のうちのプロセス・アイテムに関する能力指標に基づいて、複数のプロセス・フロー候補から最適化されたプロセス・フローが決定される。
以下に、様々な実施例によるプロセス・フロー管理デバイスのブロック又はモジュールについて説明される。
図3は、様々な実施例によるプロセス・フロー管理デバイス100の例示的なモジュールを示す。プロセス・フロー管理デバイス100は、前述したプロセス・フロー管理デバイス10であってよく、又はデバイス10を含んでよい。前述したプロセス・フロー管理デバイス10の様々な実施例は、プロセス・フロー管理デバイス100に関しても同様に有効であり、プロセス・フロー管理デバイス100の様々な実施例は、プロセス・フロー管理デバイス10に関しても同様に有効である。
プロセス・フロー管理デバイス100は、買い手のプロセス・フロー・データ、及び少なくとも1つの売り手のプロセス・フロー・データを入力するインターフェースを提供するように構成されたプロセス・フロー・データ・エントリ・モジュール110を含んでよい。プロセス・フロー管理デバイス100は、複数のプロセス・フロー候補を決定すべくプロセス・フロー・データ・エントリを処理するように構成されたプロセス・フロー決定モジュール120(プロセス・フロー同期モジュールとしても参照される)を含んでよい。例示的な実施例において、プロセス・フロー決定モジュール120は、それぞれのプロセス・フロー・データから同期ポイントを識別することによって、買い手及び少なくとも1つの売り手のプロセス・フロー・セグメントを同期するように構成される。買い手又は売り手のプロセス・フロー・セグメントは、それぞれの買い手又は売り手によって提案される、又は提供されるシーケンスにおける1つ又は複数のプロセス・アイテムを含む、プロセス・フローのセグメントを参照する。プロセス・フロー・セグメントは、買い手若しくは売り手によって提案されるプロセス・アイテムの完全なシーケンスであってよく、又は買い手若しくは売り手によって提案されるプロセス・アイテムの完全なシーケンスのサブセットであってよい。プロセス・フロー決定モジュール120の出力は、売り手から買い手に至る様々なルーティングを表す、複数のプロセス・フロー候補である。複数のプロセス・フロー候補は、プロセス・フロー・スーパーセット(PFS:process flow superset)として参照されてよく、買い手と売り手のプロセス・フロー・セグメントは、商品の起点から所望される仕向先に至る複数の可能なルーティングを作成するように接続され、且つ同期される。
プロセス・フロー管理デバイス100は、買い手及び売り手から物理資産情報及びリスク情報を入力するインターフェースを提供するように構成された物理資産データ及びリスク・データ・エントリ・モジュール130を更に含んでよい。プロセス・フロー管理デバイス100は、物理資産データ及びリスク・データに基づいて、且つPFSに更に基づいて、プロセス・フロー候補のプロセス・アイテムに関する能力指標を評価するように構成された能力指標決定モジュール140(能力指標評価モジュールとしても参照される)を含む。評価の結果は、能力行列として参照される行列形態で表されてよい、各プロセス・アイテムが評価され、且つ能力指標を割り当てられたPFSである。
プロセス・フロー管理デバイス100は、商品注文のエントリを入力する、又は受信するインターフェースを提供するように構成された商品注文エントリ・モジュール150を更に含んでよい。例示的な実施例において、買い手は、タイプ、量、及び配送選好、例えば、日付、売り手優先度、及びロケーション・データ、その他などの商品データを入力してよい。
プロセス・フロー管理デバイス100は、能力指標に基づいて、PFSからの最適なルーティング、すなわち、最適化されたプロセス・フローを選択するように、又は決定するように構成されたプロセス・フロー最適化モジュール160(プロセス配置最適化モジュールとしても参照される)を含む。プロセス・フロー最適化モジュール160は、商品注文に更に基づいて、最適化されたプロセス・フローを動的に決定するように構成されてよい。最適なルーティングは、買い手と少なくとも1つの売り手からの一方だけの当事者によって実行されるプロセス・アイテムのシーケンス、又は買い手と少なくとも1つの売り手からの複数の当事者によって実行されるプロセス・フロー・アイテムの組合せであってよい。
様々な実施例において、プロセス・フロー最適化モジュール160は、気象データ、交通データ、ローカル・イベント・データ、又は休日データなどの、カスタム・データ及びリスク報告を含むことが可能な、外部環境データを更に受信するように構成されてよい。プロセス・フロー最適化モジュール160は、外部環境データに更に基づいて、最適化されたプロセス・フローを動的に決定するように構成されてよい。最適化の出力は、商品起点から仕向先に向かう最適化されたプロセス・フローを有する商品データを含んでよい。
図3において、プロセス・フロー・データ・エントリ・モジュール110及びプロセス・フロー決定モジュール120が、マルチソーシングのためのフレームワークを確立する段階1に含められることが可能である。売り手のセット、及び買い手が、関連付けられたプロセス・アイテムと一緒に定義される。この段階は、PFSにおける冗長なプロセス及びプロセス・フロー候補を決定するのに重要であり得る。
物理資産データ及びリスク・データ・エントリ・モジュール130及び能力指標決定モジュール140が、各売り手及び各買い手の物理資産データ及びリスク・データに基づいて、このフレームワークにおいて能力指標に資産をマップする、段階2に含められることが可能である。各プロセス・フロー候補に関する各プロセス・アイテムは、数量的に評価される。計画の目的で、プロセス・セグメントの選択、及び売り手選択は、この段階で既に行われていてよい。別の実施例において、売り手のセットが、段階3における最適化ソリューションの品質と引き換えに可能なプロセス・フローのサイズを縮小すべく、この段階で選別されてよい。
段階3は、入力された商品注文を受け付けて、プロセス・フロー・スーパーセットに基づいてその注文をルーティングする、商品注文エントリ・モジュール150、及びプロセス・フロー最適化モジュール160を含む。更に、この段階は、売り手の個々のキー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)をローカル目的又はローカルKPIとして考慮しながら、買い手のKPIを、最適化プロセスにおけるグローバル目的として最適化するように構成されてよい。
前述のデータ・エントリ・モジュール110、130、150は、前述の図1の受信機11であってよく、プロセス・フロー最適化モジュール160は、前述の図1のプロセス・フロー・オプティマイザ13であってよい。
様々な実施例において、プロセス・フロー管理デバイス100は、例えば、プロセス・フロー候補及び能力指標が外部ソースから受信される、段階3モジュールを含んでよい。他の実施例において、プロセス・フロー管理デバイス100は、段階3モジュールと、プロセス・フロー候補及び/又は能力指標を内部で決定することが可能な、段階1と段階2のいずれか、又は両方の段階のモジュールとを含んでよい。
様々な実施例において、段階1及び段階2は、マルチソーシングのための計画段階において適用されてよい一方で、段階3は、商品配送のために適用されてよい。他の実施例において、図3に基づくデバイスが、マルチソーシングと商品配送が緊密に統合されるように、プロセス・フローを動的に配置するように、且つプロセス・フロー又はルーティングを最適化するように構成されてよい。この場合、売り手のセットは、サービス・プロバイダとしてオンデマンドで維持され、これらの売り手及び買い手の選択、すなわち、役割の割当ては、実際の商品注文が行われるときに決められる。このことは、マルチソーシングが計画段階で行われ、且つ役割の割当てが契約交渉の一環として行われる、従来の慣行と対照的である。
図4は、様々な実施例によるプロセス・フロー・データ・エントリ110の例示的な構成要素を示す図200を示す。プロセス・フロー・データ・エントリ110は、各買い手及び各売り手のプロセス・フロー・データ(PF:process flow data)を含んでよく、例えば、図4の例示的な実施例に示されるとおり、買い手のPF210、売り手AのPF220、売り手BのPF230、売り手CのPF240、及び売り手DのPF250を含んでよい。
プロセス・フローは、サービスに取り組む際に売り手又は買い手によって定義されるプロセス・アイテムのシーケンスである。各売り手又は各買い手のプロセス・フローは、関連するプロセス・フロー・セグメントだけを含んでよく、その売り手又はその買い手のプロセス・フロー全体でなくてよい。関連するセグメントは、売り手又は買い手によって提案されているサービス・アイテムだけに対応しても、提案されているサービスのセットに対応してもよい。例えば、買い手のPF210において、買い手のプロセス・フローが、買い手のPFセグメント211に示されるとおり表の形態で表されることが可能である。同様に、売り手AのPF220、売り手BのPF230、売り手CのPF240、及び売り手DのPF250に関する売り手のプロセス・フローの実例が、それぞれ、売り手AのPFセグメント221、売り手BのPFセグメント231、売り手CのPFセグメント241、及び売り手DのPFセグメント251において表されることが可能である。
図4の実例に示されるとおり、プロセス・フロー・セグメントは、複数のプロセス・アイテムを含んでよく、各プロセス・アイテムは、行によって表される。各プロセス・アイテムは、そのプロセス・アイテムを記述するプロセス順序、プロセス名、ロケーション、又は同期データのうちの1つ又は複数に関連付けられたデータを含んでよい。211、221、231、241、及び251の表における「順序」という列は、プロセス・フローの要件として従われるべきプロセス・アイテムのシーケンスを示す。
様々な実施例において、同期データは、先行するプロセス・アイテム又は後続のプロセス・アイテムに関する異なる売り手への切替え、又は売り手と買い手の間の切替えに許容可能な同期ポイントを示す、「同期−前(Synch−Before)」及び「同期−後(Synch−After)」などの同期フラグを含んでよい。同期フラグは、プロセス・フロー候補において同期ポイントを作成するための基礎であってよい。同期フラグは、はい又はいいえ、真又は偽、或いは0又は1のブール値、その他の値を有してよい。プロセス・アイテムの同期−前フラグ、及び別のプロセス・アイテムの同期−後フラグは、異なる2つの売り手からのプロセス・フロー・セグメントを接続する可能性、又は売り手及び買い手からのプロセス・フロー・セグメントを接続する可能性のインジケータである。例えば、「はい」値の同期−前フラグを有するプロセス・アイテムは、先行するプロセス・アイテムと呼ばれる、そのフラグより前のプロセス・アイテムが、その先行するプロセス・アイテムが、プロセス順序を満足させ、且つ異なる当事者に接続することを許されるという条件付きで、別の売り手又は買い手からのプロセスであることが可能であることを意味する。先行するプロセス・アイテムが異なる当事者に接続することを許されるかどうかは、先行するプロセス・アイテムの同期−後フラグが「はい」であるかどうかを調べることによって判定される。逆に、「はい」の同期−後フラグを有するプロセス・アイテムは、別の当事者からの後継の、又は後続のプロセス・アイテムに接続されることが、その後継のプロセス・アイテムが、プロセス・フロー順序を満足させ、且つ「はい」の同期−前フラグを有するという条件付きで、可能である。
図4の例示的な実例において、211における買い手のプロセス・アイテム、「輸出」が、同期−前フラグに関して「はい」値を有し、このことは、その買い手とは異なる当事者からの先行するプロセス・アイテムが、プロセス・アイテム、「輸出」のプロセス順序に基づく「倉庫保管1」というプロセス・アイテムであるべきことを意味する。したがって、プロセス・アイテム、「輸出」に接続することを許される、この場合、「売り手」である、異なる当事者に関して調べる際、プロセス・アイテム、「倉庫保管1」に関する売り手の同期−後フラグが「はい」であるかどうかが調べられる必要がある。この例示的な実例において、売り手A及び売り手Bが、その要件を満足させる。このため、売り手Aのプロセス・アイテム、「倉庫保管1」が、買い手のプロセス・アイテム、「輸出」に接続されることを許され、且つ売り手Bのプロセス・アイテム、「倉庫保管1」も、買い手のプロセス・アイテム、「輸出」に接続されることを許される。前述の接続は、後段の図5のPFSネットワーク332における対応するプロセス・アイテムを接続する破線によって示される。
したがって、同期ポイントは、1つの売り手/買い手のサービスの終了を意味する、1つの売り手/買い手のプロセス・フロー・セグメントと、別のサービスの開始を意味する、別の売り手/買い手によるプロセス・フロー・セグメントの開始の間の接合部を作成する。多数の同期ポイントは、売り手が、売り手のプロセス・フロー全体の様々な局面において多様な買い手の要件を扱うことができる様態において、売り手によって提供されるサービスの高いモジュール性を示す。例えば、221における売り手Aは、売り手Aが、商品のプロセス・アイテム、「集荷」からプロセス・アイテム、「引渡し」までの終端間サービスを提供することを示す。更に、同期−後フラグ値に基づいて、売り手Aのプロセス・アイテム、「倉庫保管1」及び「輸入」が、「はい」値を有する。このことは、売り手Aが、元の終端間サービスのサービスサブセットとみなされてよい、プロセス・アイテム、「集荷」から、プロセス・アイテム、「倉庫保管1」又はプロセス・アイテム、「輸入」までのサービスだけを提供してよいことを意味する。231における売り手Bの実例において、売り手Bは、同期−前フラグと同期−後フラグの両方に関する「はい」値によって示されるとおり、可能なより多くのサービスを提案する。例えば、「集荷」から「引渡し」までのサービスの他に、プロセス・アイテム、「輸出」に関する同期−前フラグが「はい」であるため、このプロセス・アイテムから、プロセス・アイテム、「輸入」の、「はい」の同期−後フラグによって示されるとおり、プロセス・アイテム、「輸入」まで行うことによって、別のサービスが可能である。更に、売り手Bは、プロセス・アイテム、「配送」から、プロセス・アイテム、「引渡し」までのサービスを提供してもよい。
様々な実施例によれば、221、231、241、251に示されるプロセス・フロー・セグメントは、ロケーション情報を含んでよい。ロケーション情報は、同期ポイントで定義されるプロセス・アイテムに関して重要であり得る。例示すると、買い手のプロセス・アイテム、「倉庫保管1」が、211に示されるとおり、Sakhonに位置付けられ、且つ221に示されるとおり、「Chabang」においてプロセス・アイテム、「輸出」に関して売り手Cと同期されることが可能である。とりわけ、距離、さらなるリードタイム、輸送コスト、路面条件、交通条件、及び気象などの、これら2つのロケーションの間の寄与する要因が、同期されたプロセス・フローの一部であると考えられる必要がある可能性がある。
様々な実施例によれば、221、231、241、251に示されるプロセス・フロー・セグメントは、リードタイムを更に含んでよい。リードタイムは、プロセス・アイテムごとに、又は各プロセス・フロー・セグメントに関して、サービスの開始プロセス・アイテムから終了プロセス・アイテムまで、又は同期に先立つ終了プロセス・アイテムまで指定されてよい。リードタイム情報は、プロセス・フロー最適化において要因の1つとして使用されてよい。
様々な実施例によれば、221、231、241、251に示されるプロセス・フロー・セグメントは、コスト情報を更に含んでよい。一実施例において、コストは、プロセス・アイテムごとに、又は各プロセス・フロー・セグメントに関して推定されてよい。プロセス・フロー・セグメントの実例において、コストは、サービスの開始プロセス・アイテムから終了プロセス・アイテムまで、又は同期に先立つ終了プロセス・アイテムまで推定されてよい。コスト情報は、プロセス・フロー最適化において要因の1つとして使用されてよい。別の実施例において、コスト要因は、売り手、及びプロセス同期に関与するプロセス・アイテムに依存するプロセス・フロー同期が必要とされる場合に考慮されてよい。例えば、売り手のプロセス・フロー全体に関するサービス・コストが、サービスの一部分だけを選択するためのコスト要因に起因して、同一の売り手のプロセス・アイテムの個々のコストの合計と比べて、より低い。
図5は、様々な実施例による図3のプロセス・フロー決定/同期モジュール120の例示的な構成要素を示す図300を示す。プロセス整列モジュール310において、買い手及び売り手の間のプロセス名の標準化が実行されてよい。プロセス・フロー同期モジュール120が、選択すべき買い手及び売り手に関するプロセス名の標準リストを受信してよい。例示的な実施例において、プロセス名を標準化した後、プロセス整列モジュール310は、プロセス・データベース(DB)311に記憶するために、プロセス名及びプロセス順序のマスタ・リストを定義してよい。プロセス・データベース311に記憶されたデータの例示的な実施例が、買い手及び売り手が提供しているサービスを基礎とした買い手及び売り手の適用可能なプロセス・アイテムを提供する、プロセス要件及び適用可能性表312として示される。プロセス・フロー・セグメント221に示されるとおり、売り手Aは、プロセス・アイテム、「集荷」から、プロセス・アイテム、「引渡し」までのサービスを提供すること、又は提案することができ、したがって、表312における売り手Aに関する列には、プロセス・フローにおける各プロセス・アイテムの適用可能性を示すべく「A」というラベルが付けられる。別の例示的な実例において、231における売り手Bのプロセス・フロー・セグメントは、そのセグメントが「輸入」から「配送」に直接に進むので、そのセグメントが「倉庫保管2」を要求しないことを示す。したがって、表312において、プロセス・アイテム、「倉庫保管2」は、売り手Bに関して必要とされない(NN:Not Needed)として示される。NN値は、NNを有するプロセス・アイテムが、特定のサービスを行うのに飛ばされること、又は必要とされないことを意味するに過ぎない。別の実例において、適用外(NA:Not Applicable)値が、買い手又は売り手がサービスを提案せず、したがって、そのプロセス・アイテムが適用外であることを示す。
さらなる実施例において、プロセス・アイテムは、売り手又は買い手が、標準化に準拠するために売り手又は買い手のプロセスをグループ化することを可能にする、サブプロセス・アイテムを含んでよい。同期ポイントのプロセス命名及びプロセス定義と関係する前述の実施例が、同様に適用されてよい。
プロセス整列モジュール310は、相当な量の時間を要求する可能性があるが、初期に行われるだけでよい。プロセス・アイテムを更新することは、必要とされるときに、例えば、実際のプロセスにおける変更が売り手によって行われたときに行われてよい。
同期ポイント・マッピング・モジュール320が、2つの売り手の間、又は売り手と買い手の間で同期ポイントのペアを抽出するように構成されてよい。このペアリングから、売り手又は買い手からのサービスの終了プロセスである、プロセス・アイテムと、別の売り手又は買い手からのサービスの開始プロセスである、別のプロセス・アイテムの間に有向の接合線が作成されてよい。接合線は、これらの異なる2つの売り手からの、又は買い手及び売り手からの2つのサービスが、組み合わされることが可能であることを示す。前述したとおり、プロセス・アイテムの同期−前フラグ、及び別のプロセス・アイテムの同期−後フラグが、異なる2つの当事者のプロセス・フロー・セグメントを接続する可能性に関するインジケータである。したがって、ペアリングを作成する際、各プロセス・アイテムの同期−前フラグ(同期−後フラグ)、及び先行するプロセス・アイテム(後継のプロセス・アイテム)の同期−後フラグ(同期−前フラグ)が調べられてよい。両方のフラグが「真」又は「はい」である場合、ペアリングが作成される。同期ペアは、同期ペア・ストレージ321に記憶されてよい。
例示的な実施例において、先行するプロセス・アイテム(後継のプロセス・アイテム)が、表312においてNN値を有する場合、プロセス順序に基づく次の先行するプロセス・アイテム(後継のプロセス・アイテム)がペアにされる。例えば、プロセス・アイテム、「輸入」に関して同期−後フラグが「はい」である、プロセス・アイテム、「輸入」からプロセス・アイテム、「輸出」までのサービスだけを提案する241における売り手C。テーブル312におけるプロセス順序に基づいて、次のプロセス・アイテムは、プロセス・アイテム、「倉庫保管2」である。したがって、プロセス・アイテム、「輸入」に関する有効な同期ポイントは、「はい」値の同期−前フラグを有するプロセス・アイテム、「倉庫保管2」である。この条件は、211における買い手、及び251における売り手Dによって満足させられる。この実例において、312において示されるとおり、売り手Bに関するプロセス・アイテム、「倉庫保管2」がNNであり、したがって、次のプロセス・アイテムは、「配送」でなければならず、且つ売り手Bに関するプロセス・アイテム、「配送」は、「はい」値の同期−前フラグを有するため、特別事例が売り手Bに当てはまる。
同期ペアを見出すプロセスは、全てのプロセス・アイテムに関する同期−前フラグ及び同期−後フラグを調べることによって反復的に行われてよい。買い手及び売り手のプロセス・フローを定義するプロセス・フロー・エントリ110から、プロセス名を標準化し、且つプロセス要件及びプロセス適用可能性を判定するプロセス整列310までのシステマティックなプロセスに関して、同期ポイントは、自動的に抽出されてよい。
PFスーパーセット作成モジュール330において、プロセス・フロー・スーパーセット(PFS)が、同期ペアを使用して買い手及び売り手の個々のプロセス・アイテムを接続することによって決定されてよい。実質上、PFSは、商品の起点から、買い手によって定義される仕向先に至る複数のルーティングを作成する。プロセス・フロー・スーパーセットは、PFスーパーセット・データベース(DB)331に保存されてよく、且つネットワーク図やフローチャートの形態で、又は他の任意の適切な形態でPFSフレームワーク332として表されてよい。
PFSのグラフィック表現の例示的な実施例が、PFSネットワーク332において示される。2つのプロセス・アイテムを接続する実線は、買い手及び売り手の元の、又はデフォルトのプロセス・フローを定義する一方で、破線は、買い手及び売り手の、又は2つの売り手のプロセス・アイテムを接続する接合線を表す。この表現は、211、221、231、241、及び251において提供されるプロセス・フロー・エントリ110のデータ実例に基づいて導き出されるとともに、プロセス・フロー要件及び適用可能性312の抽出されたデータからも導き出される。
前述の様々な実施例において説明されるプロセス・フロー同期又はプロセス・フロー決定において、プロセス・フロー・エントリ・モジュール110は、買い手及び売り手によって個々に行われてよい一方で、プロセス・フロー同期モジュール120におけるプロセスは、自動的に実行されてよい。110におけるデータ・エントリ、並びに120におけるプロセス整列及び同期120は、買い手と売り手のセットの間でまだ探られていない様々なサービス組合せの決定につながる。これらの組合せの決定は、その決定が、買い手及び売り手からの複数の当事者を含むので、複雑である可能性がある。通常、関心のある買い手は、その買い手が、サービス提案又は商品提案に基づいて選択することができる売り手のセットを有する。類似したプロセス・フローを有する売り手に関して、サイズは、指数関数的に増加する。例えば、nの販売業者とmのプロセスに関して、プロセスが販売業者の間で柔軟に変更されることが可能であるものと想定して、(n+1)mの組合せが可能である。n=5及びm=10に関して、6千万の組合せが可能である。
他方、売り手の提案は、売り手のデフォルトのサービスによって決定される。このため、従来のマルチソーシングは、売り手の選択が単純化され、しばしば、手作業で行われることが可能である、デフォルトのサービス、又は限られたサービスしか考慮に入れない。プロセス・フロー・エントリ110において、ロケーション情報、コスト、及びリードタイム、その他などの他の情報と一緒に同期ポイントを定義することによって、売り手によって提案されるデフォルトの終端間サービス(すなわち、集荷から引渡しまでの)が、柔軟性、及びいくつかのさらなるセグメント化されたサービス提案(例えば、配送だけ、倉庫保管だけ、及び配送と倉庫保管の組合せ)を提供するようにセグメント化されてよい。このため、プロセス・フロー同期120は、買い手及び少なくとも1つの売り手からのプロセス・フロー・セグメントの置換を探ること、接触の線を定義すること、及び当事者間プロセス・フローを同期することができる。その結果、複数のルーティングが決定されることが可能であり、プロセス・フロー配置のための機会を生じさせる。
図6は、様々な実施例による物理資産データ及びリスク・データ・エントリ130の例示的な構成要素を示す図400を示す。物理資産データ及びリスク・データ・エントリ130は、物理資産データ(PAD:Physical Asset Data)エントリ410と、リスク・データ・エントリ420(リスク顕在化データ(RMD:Risk Manifesting Data)エントリとしても参照される)とを含んでもよい、資産データ・エントリ130として参照されることが可能である。
買い手の物理資産データ(PAD)411と、売り手のPAD412とを含むPADエントリ410において、物理資産データは、輸送のためのトラック車両の数及びタイプ、倉庫における割り当てられた格納サイズ及び格納継続期間、従業員の数及びスケジュール、又は他の関連する資産などの、買い手及び売り手によって割り当てられたリソースのデータを含んでよい。物理資産は、売り手の現在の利用可能なリソースであってよく、又は売り手によって買い手に割り当てられただけのリソースであってよい。売り手の物理資産413は、プロセスのカテゴリ、売り手、並びに一般的な単位によって定義された最小限及び最大限の容量値によって指定されることが可能な、物理資産のデータ・エントリの要約の実例を示す。PADは、ロジスティクス、輸送、製造、及び倉庫保管における容量計画のために一般に必要とされるデータとみなされてよい。
リスク顕在化データ(RMD)は、特定の期間におけるプロセス環境を記述する現実世界データのセットであってよく、且つプロセス関連のリスクと関係する間接的な情報を含んでよい。RMDは、プロセス・アイテム、又はプロセス・アイテムのセットに顕在化することが可能なリスク及び影響の度合いを判定するデータ分析を要求する。RMDエントリ420の一実施例において、RMDは、購入注文、配送注文、その他などの、買い手と売り手の間の前の実際の取引きを含んでよい。これらの取引きから、統計分析が、プロセス・アイテムのリードタイム遅延、劣悪な資産利用率、その他と関係することが可能な、パターン、動向、その他を抽出するように行われてよい。RMDはまた、サービスを行う際に不可欠なデータを含んでもよい。例えば、データが、商品を輸送するための実際の配送環境から収集されることが可能である。このデータは、環境リスクの質的な記述又は数量的な測定を与えてよい。このデータは、路面条件、温度、気象、交通、地理的リスク、商品損傷、輸送中の商品損失、配送遅延、及び他の出来事を含んでよいが、以上には限定されない。売り手のRMD要約423は、売り手からのRMDの要約の例示的な実施例を示す。デバイス100は、道路条件、輸送時間、及び温度変化などの、RMDのカテゴリを識別してよい。更に、433におけるプロセス・アイテム、「輸送」に関する売り手AのRMDの例示的な実施例において示されるとおり、各売り手に関する詳細なRMDが提供されてよい。売り手AのRMD433において、各RMDカテゴリのデータ・ソースが識別されてよく、特定のプロセスに対するリスクが分析されてよく、且つ特定のKPIに対する影響が判定されてよい。売り手AのRMD433に示されるとおり、RMDカテゴリ、「道路条件」の下で、対応するデータ・ソースは、道路振動である。更に、プロセス・アイテム、「輸送」と関係するリスクは、製品損傷であり、且つ対応する影響は、損傷に起因する5%の製品損失である。他のデータ・ソースは、ロケーション、プロセス及びサブプロセスのタイムスタンプ、温度ログ、その他を含んでよい。
RMDデータは、データ・サポート、及びデバイス100が、特定の目的でだけデータ・サブセットを利用してよいことに依存してよい。例えば、RMDは、計画及び運営に関するパラメータのいずれか、又は両方において高い相互関係を有することが見出されることが可能である。相互関係を判定する方法は、要因分析、統計的な相互関係、クラスタリング分析、線形回帰分析及び非線形回帰分析、その他であってよい。
前述の実施例において、PADを更新することは、それぞれの当事者、すなわち、買い手又は売り手によって手作業で行われてよい。他方、RMDは、出来事が生じた場合に発生を基礎として、又は発生を測定するのに利用される感知デバイスのリフレッシュ・レート設定を基礎として頻繁な更新を要求してよい。
プロセス・フロー管理デバイス100の様々な実施例は、能力指標の決定にRMDを組み込む。このことは、商品の配送などのサービスが、複数の関係者を含み、新たに同期されたプロセス・フローが、前には存在しなかったリスク及び影響の新たなセットに晒される可能性があることを考慮すると、マルチソーシング設定において実際的であり、且つ必要である可能性がある。したがって、RMDに基づく能力指標の計算は、プロセス・フロー同期を行いながら、リスク評価を可能にする。
様々な実施例によれば、PFSにおけるプロセス・アイテムごとの能力指標が、物理資産データPAD及びリスク・データRMDに基づいて計算されてよく、又は決定されてよい。図7は、様々な実施例による能力指標ディターミナ140の例示的な構成要素を示す図500を示す。
様々な実施例において、能力指標(CI:capability indices)の計算は、PADベースの能力指標計算510とRMDベースの能力指標計算520によってそれぞれ示されるとおり、ステップは類似していてよいものの、PADとRMDに関して分離されてよい。分離した評価は、PADベースの能力及びRMDベースの能力に関する情報が保たれるように行われてよく、且つこの情報のドリルダウンが、視覚化及び最適化の目的で可能であってよい。
様々な実施例において、PADベースの能力指標計算510における能力指標計算のためのステップは、PAD値変換511及び能力指標計算513を含んでよい。PAD値変換511は、買い手及び売り手の物理資産データを比較するように構成されたモジュール又は回路であってよい。例示的な実施例において、比較は、一般的な単位の値、例えば、日ごとの現行レート又は週ごとの現行レートを割り当てることによって行われてよい。このプロセスは、前述した容量計画に関する計算と類似していてよい。変換されたPAD値は、変換されたPAD値モジュール512に記憶されてよい。別の例示的な実施例において、0から1までの値が、買い手及び売り手の物理資産を記述する数値測定又は値を正規化することによって割り当てられてよい。PADベースの能力指標計算513において、決定されたPFS331に関するPADベースの能力指標を含むPADベースのPFS能力514を決定すべく、PFスーパーセットDB331における該当する全ての適用可能なプロセス・アイテムに対して値変換が行われる。
PADベースの能力指標決定の例示的な実例が、貨物入力データ及び買い手のKPI選好を含む物理資産データに基づいて、本明細書において説明される。以下の表1は、貨物入力データ及び買い手のKPI選好を示す。
売り手の物理資産データに基づいて、それぞれのコミットされた値が、例えば、表1の「販売業者Aコミットメント」、「販売業者Bコミットメント」、及び「販売業者Cコミットメント」の列から究明される、又は特定される。
特定されたコミットされた値、及び「要件」の列における要求される値に基づいて、プロセス・フロー候補PFSにおける各プロセス・アイテムに関するPADベースの能力指標が、以下の式により決定されてよい。
ここで、min/maxは、コミットされた値、及び要求される値に関して最小値が所望されるか、又は最大値が所望されるかに依存して、ミニマム関数又はマキシマム関数を表す。nは、例えば、この実例では、容量要件と、要求される時間とを含む2つのタイプである、物理資産データのタイプの数を表す。wiは、それぞれのタイプの物理資産データに関するそれぞれの重み付け係数を表す。この例示的な実例において、CI値は、正規化される。CI=1という値が、販売業者が要件を満足させることを示してよい一方で、CI=0という値が、販売業者が要件を満たすことができないことを示してよい。
図7に示される様々な実施例において、RMDベースの能力指標計算520における能力指標計算のためのステップは、RMD値変換521と、RMD重み計算523と、RMDベースの能力指標計算525とを含んでよい。RMD値変換521は、特定のプロセス・アイテムの買い手及び売り手のRMDを比較するように構成されたモジュール又は回路であってよい。例示的な実施例において、比較することは、RMDデータのデータ・サイズ、データ精度、及び適時性に基づいて買い手及び売り手を格付けすることによって実行される。変換されたRMD値は、変換されたRMD値モジュール522に記憶されてよい。RMD重み計算523は、RMDの間で重み付け係数を設定するように構成されたモジュール又は回路であってよい。例えば、RMDは、GPSログ、振動ログ、及び温度ログ、その他を含んでよい。これらのデータは、季節、商品ロケーション及び仕向先、注文のタイミング、その他に依存して異なる影響を有する。RMD重みは、RMD重みモジュール524に記憶されてよい。様々な実施例により各データ・タイプにおいて重み付け係数を考慮に入れることによって、能力指標は、現在の商品注文に基づいて適切に評価されることが可能である。RMDベースの能力指標計算525は、決定されたPFS331に関するRMDベースの能力指標を含むRMDベースのPFS能力526を決定すべく、PFスーパーセットDB331における該当する全ての適用可能なプロセス・アイテムに対してRMD値変換を行うように構成されたモジュール又は回路である。
514及び526における計算されたPFS能力指標は、ルーティングを選択するための案内であることが可能なポイント・ツー・ポイント・プロセス・フロー・セグメントを示すのに有用である。様々な実施例によれば、ポイント・ツー・ポイント・プロセス・フロー・セグメントを考慮することだけでは、最適なルーティングを決定するのに十分でない可能性がある。このことは、責任のセットに対して売り手を選択するときのマルチソーシングにおける典型的な問題である。しばしば、その決定は、個々のプロセス・アイテムだけ、又はいくつかのプロセス・アイテムだけを見て、開始プロセス・アイテムから終了プロセス・アイテムまでのプロセス・フロー全体を見ないことによって近視眼的なものとなる可能性がある。組合せの手作業の試行は、売り手及び同期ポイントの小さいセットに関して可能であることがあるが、売り手及び同期ポイントの大きいセットに関しては困難である可能性がある。様々な実施例が、キー・パフォーマンス・インデックス(KPI)又は目的関数を最小化する売り手と買い手の最適化された組合せを見出すことができる自動的な最適化プロセスを提供する。
図8は、様々な実施例による能力指標ディターミナ140の例示的な構成要素を示す図を示す。
図8の実施例において、能力指標(CI)の計算は、前述の図7の様々な実施例と同様に実行され、CI計算は、PADとRMDに関して同時に実行されるところが異なっている。能力指標ディターミナ140は、PAD及びRMDに基づいて複数の販売業者及び買い手の数量的評価のために構成される。PADは、トラック、倉庫、又は人的資源(例えば、輸入/輸出を専門とする)、その他に関連付けられたデータを含んでよい。RMDは、購入注文、配送受取り、道路条件、又はリスク報告、その他に関連付けられたデータを含んでよい。図8に示されるとおり、売り手の物理資産及びリスク・データ132、並びに買い手の物理資産及びリスク・データ134に基づいて、物理資産データ及びリスク・データ値変換142が、前述のモジュール511、521と類似して、実行されてよい。例えば、リスク・データに関して、変換された値を決定すべく統計が履歴データを分析するのに使用されてよい。次に、能力指標重み付け144が、例えば、前述のモジュール523と類似した様態で、PADとRMDのいずれか、又は両方に関して実行される。例えば、取引きデータによる自動的重み付けが、実行されてよい。次に、能力指標を計算する指標計算146が実行される。例えば、PADに基づくCIは、CIPAD=α1・販売業者物理資産+α2・買い手物理資産として決定されてよい。α1及びα2は、それぞれの重み付け係数を表し、CIPADは、販売業者によって実行されるプロセス・セグメントと、買い手によって実行されるプロセス・セグメントとを含むプロセス・フローに関する合計のPADベースの能力指標を表す。別の例において、RMDに基づくCIが、CIRMD=α1・販売業者リスク・データ+α2・買い手リスク・データとして決定されてよい。CIRMDは、販売業者によって実行されるプロセス・セグメントと、買い手によって実行されるプロセス・セグメントとを含むプロセス・フローに関する合計のRMDベースの能力指標を表す。決定された能力指標は、能力行列149を決定すべくプロセス・フロー・スーパーセット331に基づいてマップされてよい。能力行列149は、PFS331における複数のプロセス・フロー候補のうちのプロセス・アイテムに関する能力指標を含んでよい。能力行列149は、PADベースの行列と、RMDベースの行列とを含む二重行列であってよく、又はPADベースのCIと、RMDベースのCIとを組み込む統合された行列であってよい。
能力行列149は、有益なポイント・ツー・ポイント・プロセス・フローを示すのに役立つ可能性があり、プロセス・フロー全体を配置することのためにだけ使用されるのでなくてよい。図9は、様々な実施例による決定された能力行列149の能力指標を示す図90を示す。図9に示されるとおり、販売業者1、販売業者2、販売業者3、及び買い手の間の様々なルーティングにおけるプロセス・アイテムが、様々なグレー・レベルで示されて、能力指標の様々な値を示している。例えば、より低いグレー・レベルは、能力指標のより低い値を示してよく、より高いグレー・レベルは、能力指標のより高い値を示してよい。
様々な実施例によれば、プロセス・フロー最適化において考慮すべき1つの事項は、売り手から別の売り手に、又は売り手と買い手の間で切り替えることが被る可能性があるオーバーヘッド・コストである。このオーバーヘッド・コストは、切替えペナルティとしても参照される、最適化中のペナルティとして表されることが可能である。オーバーヘッド・コストは、売り手又は買い手の間の前の関連するビジネス上の結び付き、及び現在の関連するビジネス上の結び付きを組み込むことによって導き出されてよい、関与する売り手又は買い手に依存して、変化することが可能である。これらの結び付きは、売り手と買い手の間の履歴上の取引きデータを検索することによって数量的に測定されてよく、又は売り手に関する優先順序、その他を示すことによって買い手又は売り手によって設定されてよい。
プロセス・フロー管理デバイス及びプロセス・フロー管理方法の様々な実施例はまた、買い手及び売り手の異なるKPIを扱うことも含む。買い手のKPIは、グローバルKPIとして参照されてよく、売り手のKPIは、ローカルKPIとして参照されてよい。売り手は、競合するサービス又は補完するサービスを提案していてもよく、且つ売り手の運営及び目標を測定すべくKPIの異なるセットを有してよい。例えば、商品売り手が、大きい利鞘の獲得を目標とする一方で、トラック輸送サービス計画者は、派遣する前にトラック容量を満たすことに関心がある。更に、最終梱包プロセスを行うように委託されたロジスティクス・サービス・プロバイダが、製品品質が取扱い中、及び輸送中に損なわれないことを確実にすることを所望する。他方で購入計画者は、正しい量の商品が予期される配送日に到着していることを確実にすることを課題とする。前述のシナリオは、運営に対する内部KPIであるものと従来、みなされることが可能であるものの、これらのシナリオは、合計の陸揚げ製品コストに直接に影響を与えている。したがって、プロセス・フロー管理デバイス及びプロセス・フロー管理方法の様々な実施例は、これらのKPI目標が、プロセス・フロー最適化中に責任の割当てと適切に整列されるものと考える。売り手は、売り手のローカルKPIを実現する目的のために売り手のサービス・レートを固定することを所望することが可能である。例えば、商品量のサイズ及び重量によって最大限度を超えないという条件付きで、商品量にかかわらず、配送コストは、或る値に固定されることが可能である。このことは、競争的な価格設定の観点から実際的ではない可能性がある。したがって、プロセス・フロー最適化における要件のうちの1つは、売り手が実際的に運営することができるKPI値の範囲を指定することである。
したがって、買い手及び売り手のKPI目標の違いを考慮しながらの複数のプロセス・フローの存在は、プロセス配置最適化を複雑にする。以下において、潜在的な異なる売り手からの複数のプロセス・フロー、RMDを基礎とした可能なプロセス・リスク、並びに買い手及び売り手の異なるKPIに対処する、様々な実施例によるプロセス・フロー最適化について説明される。
図10は、様々な実施例によるプロセス配置最適化160の例示的な構成要素を示す。商品注文エントリ150からの商品注文が、例えば、サンプル商品注文612に示されるとおり、商品詳細を記述することが可能である。サンプル商品注文612は、商品タイプ、モデル、単位数、及び配送選好などの商品データを含むことが可能である。配送選好は、配送時間枠制約、合計陸揚げコストの最大限度、その他を示すことが可能である。
様々な実施例によれば、デバイス10、100が、気象データ・プロバイダ、交通データ・プロバイダ、ローカル・イベント、休日、その他についてのニュース報告プロバイダなどの第三者ソースからのデータを表す外部データ611を利用することが可能である。外部データは、外部環境データとして参照されることも可能である。これらのデータは、プロセス・フロー最適化モジュール160が、外部データに更に基づいて、最適化されたプロセス・フローを動的に決定するように構成されるように、プロセス・フロー最適化に対する入力パラメータとして使用されてよい。プロセス・フロー最適化モジュール160は、外部環境データに基づいて、各プロセス・フロー候補に関する能力指標を更新し、更新された能力指標に基づいて、最適化されたプロセス・フローを動的に決定するように更に構成されてよい。
プロセス・フロー最適化モジュール160は、PADベースのPFS能力514、RMDベースのPFS能力526、又は外部データ611のうちの少なくとも1つに基づいて、最適化に先立ってPFSを構成するためのモジュール又は回路であるPFS能力合成610を含んでよい。例示的な実施例において、外部データ611からのデータは、例えば、PADベースのPFS能力に組み込まれてよいので、610におけるプロセスは、PFS能力指標を更新することを含んでよい。元のRMDベースのPFS能力526の計算のために使用されるRMDは、特定の売り手に関連付けられる一方で、外部データ611に起因する更新は、特定の売り手にリンクされなくてよい。次に、プロセス・アイテムの能力指標が、610において更新されることが可能である。例えば、ロケーション情報を含むプロセス・アイテムの能力指標が、そのロケーションが、外部データ611からのデータ・ソースによって報告される交通渋滞によって影響を受ける場合、更新されることが可能である。
様々な実施例において、PADベースのPFS能力514及びRMDベースのPFS能力526からの能力指標は、以下のとおり集約されてよい。簡明のため、買い手は、売り手とみなされてよい。第p番目のプロセス・アイテムを示すpε{1...P}、すなわち、p=1が、第1番目のプロセス・アイテムを示し、且つPが、開始(例えば、プロセス・アイテム、「集荷」)から終了(例えば、プロセス・アイテム、「引渡し」)までのプロセス・アイテムの合計数であるものと想定されたい。更に、vε{1...V}が、売り手を示し、且つVは、この実例において、買い手を含む売り手の合計数である。
各プロセス・アイテムに関する集約された能力指標、capv(p)は、以下のとおり決定されることが可能である。
capv(p)=wpad・padv(p)+wrmd・rmdv(p) (2)
ここで、
wpadは、PADベースの能力指標に関する重みであり、
wrmdは、RMDベースの能力指標に関する重みであり、
padv(p)は、売り手vによって実行されるプロセス・アイテムpのPADベースの能力指標であり、
rmdv(p)は、売り手vによって実行されるプロセス・アイテムpのRMDベースの能力指標である。
重みwpad及びwrmdは、capv(p)が0から1までの値によって境界をつけられるような様態で選択されてよい。次に、capv(p)の値は、プロセス・フロー最適化のために目的関数又はグローバルKPI(例えば、合計陸揚げコスト)を評価するのに利用されてよい。
PFSルーティング最適化620において、根本的な目的は、買い手のKPIを最小化することであってよい。例示的な実施例において、目的KPI又はグローバルKPIは、合計陸揚げ製品コスト、又は買い手によって支払われるべき商品コストであってよい。別の例示的な実施例において、目的KPI又はグローバルKPIは、配送リードタイム、又はコストと時間の組合せであってよい。
様々な実施例によれば、目的関数のグローバルKPIの実例としての合計陸揚げコスト、totalCostは、以下のとおり計算されることが可能である。
δv(p)は、売り手vによって行われるプロセス・アイテムpに関して1の値を有し、さもなければ0の値を有する。δv(p)に関する1の値は、売り手vによって行われるプロセス・アイテムpがPFS331におけるプロセス・フロー候補の一部であることを意味する。
パラメータprocCostv(p)は、売り手vによって行われた場合、プロセス・アイテム・コストを表す。更に、プロセス・アイテム・コストは、直接コスト、間接コスト、並びに以下の式によって示される能力指標を考慮に入れることによって計算されることが可能である。
procCostv(p)=f(directCostv(p),indirectCostv(p),capv(p)) (4)
プロセス・アイテム・コストを計算する前述の関数fは、直接コスト及び間接コストの線形関数である。様々な実施例による能力指標を考慮することによって、関数fは、非線形であってよく、したがって、関係を定義するのに統計分析が要求される。コストの計算は、計算の値がプロセス・アイテム要因及び売り手要因に依存するため、プロセス・アイテム及び売り手によって定義される。
各売り手は、その売り手自らのローカルKPIを有するので、売り手ごとのコストは、以下のとおり計算されることが可能である。
実際的に、costPerVendorの値は、各売り手の利鞘を計算するための基礎であることが可能である。したがって、その値は、下限及び上限によって境界をつけられることが可能である。これらの限度は、後出の図11の1102において示されるとおり、totalCostを最小化することにおける制約として表されることが可能である。
様々な実施例によれば、グローバルKPI、totalCostの前述の計算において、後出の図11の1104に示されるとおり、ペナルティ関数が、1つの売り手から別の売り手に切り替える、又は売り手と買い手の間で切り替える際のオーバーヘッドを見込むように組み込まれてよい。
開始プロセス・アイテムから終了プロセス・アイテムまでの可能なルーティングの置換、すなわち、プロセス・フロー候補は、指数関数的である。買い手と、Rの同期ポイントとを含むVの売り手に関して、約V^Rの置換が存在し、1つのプロセス・アイテムから次のプロセス・アイテムへの切替えは、柔軟に行われることが可能である。この問題は、可能な全ての置換が評価される場合、多くの計算リソースを要求する、様々な研究文献においてNP困難とみなされる。
様々な実施例によれば、プロセス・フロー配置最適化は、可能なソリューションが、定義された目的関数に基づいて試みられて、評価されるように、直接探索方法によって解決されてよい。プロセス・フロー配置最適化160において、ソリューションは、商品起点から仕向先までのルーティングであり、目的関数は、合計陸揚げコスト、配送リードタイム、又はこれらの組合せであってよい。
直接探索方法は、数学関数として表現される問題の汎関数微分を要求する厳密な方法と比べて、この問題において近似される。更に、直接探索方法において、最近傍アルゴリズムのような単純なヒューリスティクスなどのいくつかのアルゴリズムが用いられてよい。直接方法を使用する別のアルゴリズムが、可能な全てのルーティングを試みることであり、これは、多数の売り手及び同期ポイントに関して実際的ではない可能性がある。目下の問題に関して適切ではない可能性があるアルゴリズムは、擬似焼きなまし法、タブー探索法、蟻コロニー最適化、及び粒子群最適化などのメタヒューリスティクスである。
様々な実施例によれば、これらのメタヒューリスティクス・アルゴリズムは、プロセス配置最適化、すなわち、620におけるルーティング最適化を解決するのに用いられてよい。
図10において、サンプル・ルーティング・フローチャート621は、プロセス・フロー最適化に関する最適化フローチャートの例示的な実施例を示す。この最適化は、グローバルKPI、及び/又はローカルKPIのセットを最適化することを含んでよい。グローバルKPIは、とりわけ、合計陸揚げコスト、配送リードタイムなどの、買い手のKPIである目的関数に対応する。ローカルKPIは、売り手のKPIに対応する。最適化のソリューションは、買い手及び選択された売り手の全てのKPIが最適化されることは暗示しない可能性があるので、プロセス・フロー最適化620は、売り手が運営の許容可能な領域を指定することが可能であるように構成されてよい。したがって、売り手は、買い手の目的に適切である可能性がある売り手のローカルKPI値、又はグローバルKPIの範囲を記述する運営領域、決定ロジック、その他を定義してよい。前述の例示的な実施例において、グローバルKPIは、式(3)において定義されるtotalCostを最小化することである一方で、式(5)に基づくことが可能な販売価格などのローカルKPIは、売り手の観点から最大化される必要がある可能性がある。
前述の実施例において例示されるとおり、ローカルKPIとグローバルKPIの間の関係は、最適化において必要である可能性がある。この関数関係は、履歴上の運営データに基づいてよく、最適化に先立って、関数関係が抽出されてよい。図12は、例示的な実施例によるローカルKPIとグローバルKPIの間の関数関係1200を示す。関数関係1200は、表1202に示される買い手のKPI値と販売業者のKPI値を、履歴上の取引きデータ又は運営データに基づいて数値的に関係付けることによって獲得されてよい。
様々な実施例によれば、サンプル・ルーティング・フローチャート621は、初期ルーティング・ソリューション、例えば、買い手、又は売り手だけを含むプロセス・フロー候補から開始してよく、且つグローバルKPIは、プロセス・アイテムの能力指標に基づいて計算されてよい。次に、ルーティング・ソリューションが、例えば、売り手のプロセス・フロー・セグメントを確率論的に選択することによって選択されてよく、且つ選択されたプロセス・フロー・セグメントのローカルKPIが最適化される。運営ポイントが、もはや改善が可能でなくなるまで、例えば、売り手によって指定された運営の許容可能な領域内で、コストを改善すべく、選択されたプロセス・フロー・セグメントに調整される。プロセスは、終了条件が満足させられるまで、別の選択されたルーティング・ソリューションに続いてよい。
例示的な実施例において、サンプル・ルーティング・フローチャート621において説明されるアルゴリズムは、例えば、時間制約に基づいて、又はグローバルKPIの改善を監視することに基づいて、特定の条件下で最適化を続けるように構成されてよい。
様々な実施例によれば、最適化620から出力されるPFS最適結果621は、買い手又は売り手の少なくとも開始プロセス・アイテムを起点とし、買い手又は少なくとも1つの売り手を含むことが可能なプロセス・アイテムの連続するパスをたどり、商品の配送を示すポイントに終わる少なくとも1つのルーティングである。
1つの商品売り手で十分である注文に関して、商品の合計量が同一のルーティングにおいて輸送されるものと想定して、少なくとも1つのルートが可能である。別の実施例において、商品の量が、その商品を供給する少なくとも2つの売り手に分割されることが可能であるとき、複数のルーティングが可能である。
様々な実施例によれば、配送注文が、商品の少なくとも1つの売り手から来ることが可能である。この商品のルーティングは、最初、分離されてよく、同一のロジスティクス輸送サービス・プロバイダが利用されるものと想定して、後にマージされてよい。したがって、出力は、各量が、商品売り手、ルーティング、及びルーティングのための売り手を示す、少なくとも2つの量に分割された配送注文であってよい。
図11は、プロセス・フロー・オプティマイザ620の例示的な実施例を示す。前述の実施例と類似して、プロセス・フロー最適化モジュール620は、能力指標149に基づいて最適なプロセス・フロー(PF)621を決定するように構成される。図11の実施例において、商品タイプ、量、配送選好、その他を含む、貨物配送データなどの外部データが、プロセス・フロー最適化において考慮されてもよい。
図11の実施例によれば、プロセス・フロー最適化モジュール620は、最適化において制約1102とペナルティ1104を更に組み合わせるように構成された、組合せ最適化モジュールである。制約1102は、前述したとおり、売り手のローカルKPIに基づいてよい。ペナルティ1104は、前述した切替えペナルティに基づいてよい。
以下の表2は、様々な実施例による制約及びペナルティの実例を示す。
前述の様々な実施例において、様々なデータが、異なる頻度により更新されてよい。例示的な実施例において、プロセス・フロー・データ及び物理資産データが、必要に応じて更新されてよい。貨物配送データは、取引きによって更新されてよい。リスク・データ及び外部環境データは、頻繁に更新されてよい。
図13は、プロセス・フロー・データ・エントリ110の統合された機能を有するプロセス・フロー同期120の実施形態であるユーザ・インターフェース700の実施例を示す。売り手又は買い手が、ボタン710を押すことによって売り手又は買い手自らのプロセス・フロー・データを入力し、又は作成し、且つパネル750を通じて同期ポイントを変更することが可能である。更に、売り手は、売り手のプロセス・フローが、他の売り手の他のプロセス・フローに準拠することが可能であるようにするために、各プロセス・アイテム内でサブプロセス・アイテムを定義する特権を有する。このことは、パネル750におけるプロセス・アイテムをクリックすることによってアクセスされてよい。サブプロセス・アイテムを作成し、且つ変更するポップアップ・メニューが、サブパネル760に例示されるように、示されることが可能である。このメニューにおいて、水平軸は、サブプロセス・アイテムのリードタイムに基づく相対スケジュールを示してよい。垂直軸は、サブプロセス・アイテムの順序を示す。
更に、全てのプロセス・フローに対するアクセスを有することが可能な買い手が、売り手からの全てのプロセス・フローをロードし、且つ買い手自らのプロセス・フローを作成してよい。買い手は、同期ポイントを変更することによってPFSを構成してよく、且つパネル750において線を接合してよい。買い手は、リスト730においてリストを選択することによってプロセス・フロー・スーパーセットを点検することができ、且つボタン740を通じてプロセス・フロー・スーパーセットにおいて行われた変更を確認することができる。
図14は、プロセス・フロー配置最適化160のためのインターフェースの実施例を示す。PFスーパーセットは、ボタン810によってロードされてよく、商品エントリは、ボタン820によってもたらされてよい。ロードされたPFスーパーセットは、パネル850に示されるグラフィック表示によって確認されてよい。確認の後、最適化は、ボタン830を押すことによって開始されてよい。この最適化において、初期ソリューション、更新パラメータ、その他などの最適化パラメータのデフォルトの設定が使用される。ボタン840が、最適化設定を変更するのに利用されてよく、最適化の別のサイクルが、ボタン830を再び押すことによって行われてよい。最適化の結果は、KPIチャート860において示される。更に、ソリューションに基づく推奨されるルーティングが、太線によって示されるとおり、パネル850において表示される。この実例において、推奨されるルーティング、すなわち、最適化されたプロセス・フローは、売り手Aによって実行されるプロセス・アイテム、「集荷」、「輸送」、及び「倉庫保管1」、これに続いて、売り手Cによって実行されるプロセス・アイテム、「輸出」及び「輸入」、これに続いて、売り手Dによって実行されるプロセス・アイテム、「倉庫保管2」、「配送」、及び「引渡し」を含む。
図15は、クライアント/サーバ・ネットワーク設定におけるプロセス・フロー管理のためのシステム900の例示的な実施例を示す。デバイス910、例えば、サーバが、前述した様々な実施例のプロセス・フロー最適化を実行するように構成され、オプションとして、前述した様々な実施例のプロセス・フロー同期/決定を更に実行してよい。プロセス・フロー配置及び最適化システム・サーバ910は、前述したプロセス・フロー・オプティマイザ13、160であってよく、又はプロセス・フロー・オプティマイザ13、160を含んでよく、オプションとして、前述したプロセス・フロー決定/同期モジュール120であってよく、又はプロセス・フロー決定/同期モジュール120を含んでよい。
少なくとも1つの売り手が、インターフェース920を介してプロセス・フロー情報を入力すべくサーバ910にアクセスすることができ、インターフェース930を介して物理資産データ及びリスク・データを含む資産情報を入力することができる。したがって、買い手は、インターフェース940を介してプロセス・フロー・データを入力してよく、且つインターフェース950を介して物理資産データ及びリスク・データを含む資産情報を入力してよい。商品注文が、インターフェース960を介して入力されてよい。サーバ910は、インターネットを介して、前述した様々な実施例によるさらなる処理のためにプロセス・フロー・データ、物理資産データ、リスク・データ、又は商品データのうちの1つ又は複数を受信するように構成された受信機を含んでよい。
図16は、様々な実施例によるプロセス・フロー管理デバイス1600の概略図を示す。プロセス・フロー管理デバイス1600は、図1のデバイス10であってよく、且つ前述した図3のデバイス100であってよい。デバイス10、100を参照して前述した様々な実施例は、図16のデバイス1600に関しても同様に有効であり、デバイス1600を参照して説明される様々な実施例は、デバイス10、100に関しても同様に有効である。
プロセス・フロー管理デバイス1600は、コンピュータ・システムによって実装されてよい。様々な実施例において、受信機11、プロセス・フロー・オプティマイザ13、それぞれのデータ・エントリ110、130、150、プロセス・フロー決定120、能力指標決定140、及びプロセス・フロー最適化160はまた、1つ又は複数のコンピュータ・システム上で実行されるモジュールとして実装されてもよい。コンピュータ・システムは、CPU1601(中央処理装置)と、プロセッサ1603と、メモリ1605と、ネットワーク・インターフェース1607と、入力インターフェース/デバイス1609と、出力インターフェース/デバイス1611とを含んでよい。コンピュータ・システム1600の全ての構成要素1601、1603、1605、1607、1609、1611は、コンピュータ・バス1613を通じて互いに通信するために接続される、又は結合される。
メモリ1605は、プロセス・フロー候補、能力指標、プロセス・フロー・データ、物理資産データ、リスク・データ、商品データ、並びに実施例のデバイスにより使用され、且つ決定される外部データを記憶するために使用されてよい。メモリ1605は、RAM、ROM、EPROM、ハードディスク、その他などの複数のメモリを含んでよく、メモリのうちのいくつかは、データ及びプログラムを記憶するために使用され、他のメモリは、作業メモリとして使用される。
実施例において、メモリ1605は、前述の様々な実施例によるプロセス・フロー管理のための命令を記憶するように構成されてよい。命令は、CPU1601によって実行されたとき、CPU1601に、能力指標に基づいて、最適化されたプロセス・フローを決定すること、プロセス・フロー候補を決定すること、及び/又は物理資産データ及びリスク・データに基づいて能力指標を決定することを行わせてよい。命令はまた、CPU1601に、実施例のデバイス及び方法により決定されたそれぞれのデータ又は結果をメモリ1605に記憶することを行わせてもよい。
別の実施例において、プロセッサ1603は、前述した命令を実行するための、この実例において、プロセス・フロー・オプティマイザである専用プロセッサであってよい。
CPU1601又はプロセッサ1603は、前述の様々な実施例において説明されるプロセス・フロー管理デバイスとして使用されてよく、且つネットワーク・インターフェース1607を通じて内部ネットワーク(例えば、組織内のローカル・エリア・ネットワーク(LAN:local area network)又はワイド・エリア・ネットワーク(WAN:wide area network))及び/又は外部ネットワーク(例えば、インターネット)に接続されてよい。
入力1609は、キーボード、マウス、その他を含んでよい。出力1611は、後段の実施例におけるプロセス・フローを表示するためのディスプレイを含んでよい。
前述の説明において、「モジュール」について記述される場合はいつでも、その「モジュール」の機能が実行される、方法におけるそれぞれのステップと、その「モジュール」の機能を実行するように構成されたそれぞれの回路の両方が扱われていることが理解されよう。
前述の様々な実施例によれば、プロセス・フロー同期及びプロセス・フロー最適化のためのデバイス及び方法が提供される。
前述の様々な実施例は、類似したサービス、重なり合うサービス、又は補完的サービスを有する複数の売り手とともに活動する調達班によって利用されてよい。更に、企業の調達班はまた、選択された社内サービスを行う能力を有してもよい。様々な実施例のデバイス及び方法は、商品及び商品の対応するルーティングの最適なソーシングを決定すべく買い手及び売り手の関係するプロセス・フローを仮想で組み合わせる。売り手を選択する際の意思決定プロセスは、売り手及び買い手の物理資産データ及びリスク・データのメリット上の計算された能力指標に基づいて、様々な実施例のデバイス及び方法によって自動的に行われてよい。
前述の様々な実施例は、プロセス・フロー配置段階中に特定の買い手の使用のための売り手のリソース・コミットメント(例えば、トラック容量、倉庫ストック容量)を管理すべく売り手によって更に利用されてよい。売り手のコミットされたリソースを増やす、又は減らす決定は、売り手と買い手の間の履歴上の取引きに基づいてよい。
更に、前述の様々な実施例は、とりわけ、トラック輸送、倉庫保管、梱包などの製品を輸送するためのサービスのセットを管理する第三者ロジスティクス・サービス・プロバイダ(3PL)によって利用されてよい。前述の実施例の方法によれば、ロジスティクス・サービス・プロバイダは、買い手の購入パターンをログ記録し、そのパターンに基づいて販売業者、又は販売業者の組合せを示唆するサービスを提供してよく、且つ前述の示唆に基づいて、ロジスティクス・サービス・プロバイダのためにトラック輸送業者を見出す追加されたサービスを提供してよい。次に、ロジスティクス・サービス・プロバイダは、買い手と販売業者の間で販売の柔軟な条件を提供し、ウイン・ウインの状況で取引きコストを低減することを可能にする。様々な実施例のデバイス及び方法によって、買い手又は3PLは、競争優位性を有する買い手又は3PLのサービス、及びソーシングされる必要のあるサービスを決定することができる。
前述の様々な実施例は、買い手、及び複数の売り手の能力に基づいて、商品の調達及び配送を最適化するデバイス及び方法を提供する。様々な実施例は、同期ポイントを定義することを基礎として買い手及び売り手の同期されたプロセス・フローを構成する。買い手と売り手のプロセス・フローに同期ポイントを導入することによって、デバイス及び方法は、売り手のデフォルトのサービス以外の売り手のサービスの発見、並びに商品の調達及び配送に関する買い手及び売り手の能力の評価を事実上、加速する。多数の同期ポイントは、売り手によって提供されるサービスにおける高いモジュール性を示し、したがって、その売り手は、その売り手のプロセス・フローにおける様々な局面において多様な買い手の要件を扱うことができる。
様々な実施例は、同期されたプロセス・フローが複数の当事者を含むこと、及びプロセス・フローの組合せがリスクの異なるセットに晒される可能性があることを更に考慮に入れる。したがって、様々な実施例のデバイス及び方法は、物理資産だけでなく、リスク・データにも基づいて買い手及び売り手の能力指標を評価する。リスク・データは、プロセス・アイテム、又はプロセス・アイテムのセットに対する潜在的なリスク、及びリスクの影響についての情報を含むことが可能な、とりわけ、道路振動データ、温度変動ログなどのリスク顕在化データである。
様々な実施例のデバイス及び方法は、買い手及び売り手の異なるKPIに対処することによってプロセス・フロー配置を最適化する能力を更に有する。例えば、商品売り手が、大きい利鞘の獲得を目標とする一方で、トラック輸送サービス計画者は、派遣する前にトラック容量を満たすことに関心がある。更に、最終梱包プロセスを行うように委託されたロジスティクス・サービス・プロバイダが、製品品質が取扱い中、及び輸送中に損なわれないことを確実にすることを所望する。他方で購入計画者は、正しい量の商品が予期される配送日に到着していることを確実にすることを課題とする。前述の様々な実施例によれば、実現可能な合計陸揚げコストを見出す際、これらの異なるKPIは、正しい売り手に責任が割り当てられることを確実にするように考慮に入れられている。このため、様々な実施例は、買い手及び売り手のキー・パフォーマンス指標を基礎として実行可能な合計陸揚げ製品コスト(このコストは、彼らの目標キー・パフォーマンス指標レベル内にある)に到達する。
様々な実施例は、買い手及び売り手の物理資産データ及びリスク・データの他に、道路条件及び気象データなどの他の外部データ・ソースをプロセス・フロー最適化中に更に利用する。このことは、マルチソーシング設定においてより現実的な購入戦略及び配送戦略を生じさせる。
本発明は、特定の実施例を参照して詳細に示され、説明されてきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更が行われてよいことが当業者には理解されよう。このため、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の趣意及び範囲に入る全ての変更は、したがって、包含されることが意図される。