JP6933838B2 - 稲の白未熟粒発生率予測方法、稲の整粒歩合予測方法及び稲の栽培方法 - Google Patents

稲の白未熟粒発生率予測方法、稲の整粒歩合予測方法及び稲の栽培方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6933838B2
JP6933838B2 JP2017185414A JP2017185414A JP6933838B2 JP 6933838 B2 JP6933838 B2 JP 6933838B2 JP 2017185414 A JP2017185414 A JP 2017185414A JP 2017185414 A JP2017185414 A JP 2017185414A JP 6933838 B2 JP6933838 B2 JP 6933838B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rice
flowering
rate
day
expression level
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017185414A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019058103A (ja
Inventor
武士 白矢
武士 白矢
佐藤 徹
徹 佐藤
聡志 東
聡志 東
沙由理 土田
沙由理 土田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niigata Prefecture
Original Assignee
Niigata Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Niigata Prefecture filed Critical Niigata Prefecture
Priority to JP2017185414A priority Critical patent/JP6933838B2/ja
Publication of JP2019058103A publication Critical patent/JP2019058103A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6933838B2 publication Critical patent/JP6933838B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明は、稲の白未熟粒発生率予測方法、稲の整粒歩合予測方法、これらの予測方法に用いるマーカー遺伝子及びこれらの予測方法を用いて最適な栽培管理を行う稲の栽培方法に関するものである。
近年、従来の気候パターンに合致しない異常気象が頻発し、それが地球温暖化の影響によるものであることが懸念されている。こうした夏期の異常高温や異常低温、豪雨や少雨といった異常気象は作物の生育に深刻な影響を与え、収量低下や品質の悪化をもたらす。
例えば、水稲栽培においては、登熟期の異常高温により白未熟粒の発生が頻発しており、収穫した米の一等米比率が大きく低下する原因になっている。この一等米比率の低下は米価の下落をもたらし、米農家の収入を減少させるため、米生産に関わる人々にとっては大きな問題である。
また、白未熟粒の頻発化は米生産に関わる人だけでなく、その米を加工して製品化する様々な業種に対しても深刻な影響を及ぼす。
例えば、酒造業においては、高温登熟障害が生じた米は麹で発酵しにくくなるため、発酵具合の調整が難しくなるという問題が生じる。また、炊飯米を扱う業種では、炊飯後の状態が変化(冷えた際に硬くなり易い)するため、他品種をブレンドするなどして食味・食感を安定させるという事例も知られている。こうした原料米に起因する問題は、製造効率の低下とコスト上昇をもたらしている。
以上のように、白未熟粒は米の品質低下に大きな影響を与えるため、その発生リスクを把握して適切な処置を早期に行うことが重要である。
また、白未熟粒はその症状(白濁発生状況)により乳白粒、心白粒、背白粒、腹白粒、基部未熟粒などに分類され、発生要因が異なることが知られている(非特許文献1)。例えば、背白粒や基部未熟粒は登熟期の高温によって、また乳白粒は主に日照不足によって発生する。従って、白未熟粒全体の発生率を予測することは対策の必要性を知るために、また、基部未熟粒などの特定の白未熟粒の発生を予測することは、効果的な(具体的な)対策法を立案するために、それぞれ極めて重要であるが、このような目的に合致するだけの高精度な早期予測方法は現状では確立されていない。
例えば、非特許文献1には、登熟期の気象予測情報(気温や日照量など)と稲の生育情報(草丈、葉色や茎数など)を入力して、白未熟粒発生を予測するモデルが記載されている。しかしながら、これらの手法は気象予測という不確実な情報に基づいている。従って、高温を予測して対策を講じたものの、予測ほど気温が高くならなかった場合には、講じた対策によって米の食味が逆に低下するなどの問題が生じることが知られており、信頼性に難がある。
また、特許文献1や非特許文献1には、収穫前の玄米横断面の画像解析により収穫時の白未熟粒を予測する方法とその装置が記載されている。しかしながら、これらの画像解析に基づく方法にはある程度成熟が進んだ玄米が必要であるため、収穫時の品質予測には利用できるものの、正常な登熟を促すための栽培管理に利用する早期の段階での白未熟粒発生予測法としては不適である。
このように、白未熟粒の発生を抑える栽培管理体系に組み込むための早期の段階での白未熟粒発生予測方法としては、登熟が進む前の早い段階で、不確実な環境予測データを利用することなく、稲の生理状態を直接モニタリングすることに基づく手法が適している。
一方、環境変動に対する稲の生理応答に関しては、これまでにも様々な研究が行われている。例えば、非特許文献2は、低温ストレスや乾燥ストレスに対する稲の応答を、代謝産物、植物ホルモンと遺伝子発現産物を調べることで検討し、CYP735Aの転写調節がこれらのストレス応答に関係していることなどを報告している。また、非特許文献3は、稲の高温耐性系統と感受性系統について、登熟初期の夜間温度が遺伝子発現に与える変化をトランスクリプトーム解析で比較し、35遺伝子の転写に違いが認められたと報告している。また、登熟期間での高温応答遺伝子を同定するためにトランスクリプトーム解析(非特許文献4)や量的形質遺伝子座(QTL)解析(非特許文献5)を実施した研究が報告され、更には、高温耐性稲を作出する方法としてα‐アミラーゼ遺伝子(特許文献2)やホスホリパーゼD遺伝子(特許文献3)の発現を抑制する方法が発明されている。
これらの先行研究は全て、環境変動時の稲の遺伝子発現変化を測定することでは共通するが、白未熟粒発生予測の観点からの研究は皆無である。また、環境変動により発現が変化するからといって、その遺伝子の発現量を測定すれば白未熟粒の発生を予測できると短絡し得ないのは言うまでもない。
特許第5716234号公報 特開2013−208076号公報 特許第5812386号公報 平成24年度農政課題解決研修テキスト 地球温暖化対策研修II「水稲の高温登熟障害対策技術」 平成24年7月3日 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター Plant Physiol. Vol. 164, pp. 1759-1771, 2014 BMC Genomics, 16:18, 2015, DOI 10.1186/s12864-015-1222-0 Plant Cell Physiol. 51, pp. 795-809, 2010 Breed. Sci. 58, pp. 337-343, 2008
本発明は、上述のような現状に鑑みなされたもので、リスクが少ない適切な対策(栽培管理)を実施することができるように、登熟期の早い段階で稲の白未熟粒の発生率及び整粒歩合を高精度に予測することができる稲の白未熟粒発生率予測方法及び稲の整粒歩合予測方法、並びにこれら予測方法を用いた稲の栽培方法を提供することを目的とする。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
稲の白未熟粒の発生率を収穫前に予測する方法であって、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子の発現量を測定し、この遺伝子の発現量から当該稲の白未熟粒の発生率を予測することを特徴とする稲の白未熟粒発生率予測方法に係るものである。
記1
(a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
(d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
(g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
(j) XET (k) Cu/Zn SOD
記2
(f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
(m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
また、請求項1記載の稲の白未熟粒発生率予測方法において、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの一つの遺伝子の発現量を説明変数とし、白未熟粒の発生率を目的変数とする単回帰分析から得られる白未熟粒発生率予測式を用いることを特徴する稲の白未熟粒発生率予測方法に係るものである。
記1
(a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
(d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
(g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
(j) XET (k) Cu/Zn SOD
記2
(f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
(m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
また、請求項1記載の稲の白未熟粒発生率予測方法において、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子を少なくとも一つ含む二つ以上の遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子を少なくとも一つ含む二つ以上の遺伝子の発現量を説明変数とし、白未熟粒の発生率を目的変数とする重回帰分析から得られる白未熟粒発生率予測式を用いることを特徴する稲の白未熟粒発生率予測方法に係るものである。
記1
(a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
(d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
(g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
(j) XET (k) Cu/Zn SOD
記2
(f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
(m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
また、稲の整粒歩合を収穫前に予測する方法であって、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子の発現量を測定し、この遺伝子の発現量から当該稲の整粒歩合を予測することを特徴とする稲の整粒歩合予測方法に係るものである。
記1
(a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
(d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
(g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
(j) XET (k) Cu/Zn SOD
記2
(f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
(m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
また、請求項4記載の稲の整粒歩合予測方法において、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの一つの遺伝子の発現量を説明変数とし、整粒歩合を目的変数とする単回帰分析から得られる整粒歩合予測式を用いることを特徴する稲の整粒歩合予測方法に係るものである。
記1
(a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
(d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
(g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
(j) XET (k) Cu/Zn SOD
記2
(f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
(m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
また、請求項4記載の稲の整粒歩合予測方法において、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子を少なくとも一つ含む二つ以上の遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子を少なくとも一つ含む二つ以上の遺伝子の発現量を説明変数とし、整粒歩合を目的変数とする重回帰分析から得られる整粒歩合予測式を用いることを特徴する稲の整粒歩合予測方法に係るものである。
記1
(a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
(d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
(g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
(j) XET (k) Cu/Zn SOD
記2
(f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
(m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
また、稲の栽培方法であって、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子の発現量を測定し、この遺伝子の発現量から当該稲の白未熟粒発生率の予測値を取得し、この白未熟粒発生率の予測値に基づいて、当該稲の水管理、施肥管理、刈り取り時期などの栽培管理を決定することを特徴とする稲の栽培方法に係るものである。
記1
(a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
(d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
(g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
(j) XET (k) Cu/Zn SOD
記2
(f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
(m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
また、稲の栽培方法であって、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子の発現量を測定し、この遺伝子の発現量から当該稲の整粒歩合の予測値を取得し、この整粒歩合の予測値に基づいて、当該稲の水管理、施肥管理、刈り取り時期などの栽培管理を決定することを特徴とする稲の栽培方法に係るものである。
記1
(a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
(d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
(g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
(j) XET (k) Cu/Zn SOD
記2
(f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
(m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
本発明においては、登熟期の段階、例えば、稲の開花初期の段階で、稲の白未熟粒の発生率を高精度に予測することができ、この予測値(予測発生率)に基づいて適宜な栽培管理対策を実施することが可能となり、これにより、白未熟粒の発生を低減することができる。
すなわち、これまで白未熟粒の発生を抑制するために対応策として行われてきた出穂後における施肥対策は、登熟期の高温による白未熟粒発生の抑制に有用であるものの、米の食味を低下させるタンパク質含有量を増加させることとなってしまうから、積極的にその対策を講じることが難しかったが、本発明により、白未熟粒の発生率の予測精度が格段に向上し、この精度の高い白未熟粒の発生率の予測値に基づいて栽培対策(栽培管理)を適切に行うことができることになる。
また、白未熟粒(特に基部未熟粒)の発生は、適正な時期よりも収穫が遅れることで、その発生率が急激に増加することが知られているが、本発明により得られた白未熟粒の発生率の予測値に基づいて適正な収穫時期(早めの刈り取り時期)を判断することができ、この早めの刈り取り(収穫)により白未熟粒、特に基部未熟粒の発生を可及的に抑制することが可能となる。
また、本発明においては、登熟期の段階、例えば、稲の開花初期の段階で、稲の整粒歩合を高精度に予測することができ、この予測値に基づいて適宜な栽培管理対策を実施することが可能となり、これにより、例えば白未熟粒などの登熟障害の発生を低減することができる。
すなわち、一般的には、整粒歩合は、米粒全量から白未熟粒などの未熟粒を差し引いた米粒の割合としてほぼ算出することができるから、この整粒歩合を知得することで未熟粒(白未熟粒)の発生率の予測値を知得することができ、前述のとおり、精度の高い白未熟粒の発生率の予測値に基づいて適切な栽培対策を適宜に行うことができ、これにより、例えば白未熟粒の発生を可及的に抑制することが可能となる。
実施例1の開花後5日目の稲の籾におけるAmy3A遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後5日目の稲の籾におけるAmy3E遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後5日目の稲の籾におけるL-APX1遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後5日目の稲の籾におけるL-APX2遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後5日目の稲の籾におけるL-APX4遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後5日目の稲の籾におけるα-glucosidase遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後5日目の稲の籾におけるCellulose synthase遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後5日目の稲の籾におけるCRT/DRE1遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後5日目の稲の籾におけるRas GTPase遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後5日目の稲の籾におけるXET遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後5日目の稲の籾におけるCu/Zu SOD遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後7日目の稲の籾におけるAmy3A遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後7日目の稲の籾におけるAmy3E遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後7日目の稲の籾におけるL-APX1遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後7日目の稲の籾におけるL-APX2遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後7日目の稲の籾におけるL-APX4遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後7日目の稲の籾におけるα-glucosidase遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後7日目の稲の籾におけるCellulose synthase遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後7日目の稲の籾におけるCRT/DRE1遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後7日目の稲の籾におけるRas GTPase遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後7日目の稲の籾におけるXET遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後7日目の稲の籾におけるCu/Zu SOD遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後10日目の稲の籾におけるα-glucosidase遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後10日目の稲の籾におけるRas GTPase遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後10日目の稲の籾におけるPhosphoglucomutase遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後10日目の稲の籾におけるβ-1,3-glucanase遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後10日目の稲の籾におけるNAM遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。 実施例1の開花後10日目の稲の籾におけるGermin-like 8遺伝子発現量比と、白未熟粒歩合、基部未熟粒歩合及び整粒歩合との相関性を示す図である。
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
本発明者は、登熟期の稲の籾に発現しているデンプン生合成関連遺伝子、ストレス応答関連遺伝子や細胞壁合成関連遺伝子などの中に、発現量が白未熟粒の発生率と相関関係がある遺伝子が存在することを見い出した。この遺伝子の発現量は、米粒の成熟度が低い早期段階、例えば稲の開花初期であっても充分に測定可能なことから、これらの遺伝子の発現量を測定することで、白未熟粒の発生率を早期予測できるのではと考え、鋭意検討を重ねた結果、遺伝子の発現量から白未熟粒の発生率を高精度に予測することができる稲の白未熟粒発生率予測方法を確立した。
また、同様に、この遺伝子の発現量と稲の整粒歩合との間にも相関関係があることを見い出し、遺伝子の発現量から稲の整粒歩合を高精度に予測することができる稲の整粒歩合予測方法を確立した。
また、併せて、この測定対象とする遺伝子も同定した。測定対象とする稲の遺伝子は、人工気象室や圃場で栽培した稲において、環境ストレスが遺伝子の発現量と白未熟粒発生に与える影響を包括的に解析し、遺伝子の発現量と白未熟粒の発生に相関関係を見い出した遺伝子であって、具体的には下記の(a)〜(o)に示す15の遺伝子である。

(a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
(d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
(g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
(j) XET (k) Cu/Zn SOD (l) Phosphoglucomutase
(m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
(a)Amy3A遺伝子は、α-amylase isozyme 3Aをコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK063988で規定される。
(b)Amy3E遺伝子は、α-amylase isozyme 3Eをコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK064300で規定される。
(c)L-APX1遺伝子は、L-ascorbate peroxidase 1をコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK061841で規定される。
(d)L-APX2遺伝子は、L-ascorbate peroxidase 2をコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK068430で規定される。
(e)L-APX4遺伝子は、L-ascorbate peroxidase 4をコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK104490で規定される。
(f)α-glucosidase遺伝子は、α-glucosidaseをコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK105449で規定される。
(g)Cellulose synthase遺伝子は、Cellulose synthase family proteinをコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK100523で規定される。
(h)CRT/DRE1遺伝子は、CRT/DRE binding factor 1をコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK060550で規定される。
(i)Ras GTPase遺伝子は、Ras GTPase family proteinをコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号CI474676で規定される。
(j) XET遺伝子は、Xyloglcan endotransglucosylaseをコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK070734で規定される。
(k)Cu/Zn SOD遺伝子は、Cu/Zn Superoxide dismutaseをコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK059841で規定される。
(l)Phosphoglucomutase遺伝子は、Phosphoglucomutase precursorをコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK068502で規定される。
(m) β-1,3-glucanase遺伝子は、β-1,3-glucanase-like proteinをコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK100683で規定される。
(n) NAM遺伝子は、No apical meristem (NAM) protein domain containing proteinをコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号AK063703で規定される。
(o) Germin-like 8遺伝子は、Oxalate oxidase-like protein/germin-like protein 8をコードし、イネゲノムデータベースにおいてアクセション番号CI411375で規定される。
尚、評価対象とする稲の品種によっては、それぞれのアクセション番号で規定される遺伝子の配列に変異を持つ場合もあるが、配列相同性が90%以上であれば、各アクセション番号で定められる遺伝子とみなすことができるものとする。
また、本発明において、籾における上記の遺伝子の発現量の測定は、登熟期のいずれの時点でも可能であるが、例えば、本発明を用いて効果的な栽培管理を行って白未熟粒の発生を低減するには、可能な限り早い段階、例えば稲の開花から10日目くらいまでの間に測定することが望ましい。
また、本発明における遺伝子の発現量を測定する方法については、遺伝子の発現量を得る目的であれば測定方法は特に限定されず、例えば、遺伝子発現を転写レベルで測定しても良いし、転写産物から翻訳されたタンパク質レベルで測定することも可能である。
例えば、転写レベルの測定では、PCR法に基づくリアルタイムPCR法やデジタルPCR法などが適用可能であるし、マイクロアレイ解析、LAMP法などの等温核酸増幅法やRNAドットブロット法などを用いても良い。一方、タンパク質レベルでの測定では、ELISAやウェスタンブロット法などの免疫学的検出法、発現産物が酵素であれば酵素活性測定や酵素反応生産物の定量などが適用できる。
本発明における遺伝子の発現量の測定は、このように様々な測定法を用いることができるが、高感度かつ高精度に遺伝子の発現量を測定するためには、リアルタイムPCR法やデジタルPCRなどのPCR法を利用するのが望ましい。
また、本発明は、例えば、取得した遺伝子の発現量から白未熟粒或いはこの白未熟粒のうちの基部未熟粒だけの発生率、または整粒歩合を予測するための(予測値を得るための)予測式を予め作成し、これの予測式を利用することでより簡易に且つ高精度に発生割合(発生率)を予測する(予測値を得る)ことができ、この予測式は、例えば、上記(a)〜(o)に示した遺伝子から選択したひとつの遺伝子の発現量を説明変数とし、白未熟粒の発生率、或いは基部未熟粒の発生率、または整粒歩合を目的変数とする単回帰分析から作成することができ、また、二つ以上の遺伝子の発現量による単回帰分析から白未熟粒や基部未熟粒の発生率の平均値を算出することも、予測精度を高めるためには有効である。
さらに、上記(a)〜(o)に示した遺伝子を少なくとも一つを含む二つ以上の遺伝子、例えば上記(a)〜(o)に示した遺伝子のうちの二つ以上の遺伝子の発現量を説明変数とし、白未熟粒或いは基部未熟粒の発生率、または整粒歩合を目的変数とする重回帰分析によっても作成可能である。これらの単回帰式あるいは重回帰式を用いることで、白未熟粒の発生率、基部未熟粒の発生率及び整粒歩合を高精度で予測することができる。
また、予測精度は劣るものの、上述のような予測式を用いず簡易評価により予測値を得ることも可能であり、例えば、遺伝子の発現量の基準値を予め設定し、基準値に対する遺伝子発現の変動量から、白未熟粒や基部未熟粒の発生率、或いは整粒歩合の傾向を知ることができる。
本発明は、このような一連の方法により、白未熟粒の発生率、或いは白未熟粒のうち基部未熟粒だけの発生率、さらには整粒歩合を簡易に且つ高精度に予測することが可能なものとなる。
また、前述したように白未熟粒には、乳白粒、心白粒、背白粒、腹白粒、基部未熟粒などの種類があり、この種類によって発生原因が異なることから、本発明を用いることで、例えば、白未熟粒の多くが基部未熟粒であれば高温障害によるもの、基部未熟粒だけで白未熟粒全体の発生率を説明できなければ日照不足などのその他の要因によるものと判断でき、このような判断に基づいて、白未熟粒発生を抑制する対策としての適正な水管理または施肥管理、或いは、刈り取り時期を早めて白未熟粒発生数の増加を防止するなど、適宜なタイミングで適正な対策を実施することができ、白未熟粒の発生を未然に抑制することができることとなる。
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
本実施例は、収穫前の稲(Oryza sativa subsp. japonica)、具体的には、登熟期の稲、より具体的には、開花後初期の稲から採取した籾の(a) Amy3A、(b) Amy3E、(c) L-APX1、(d) L-APX2、(e) L-APX4、(f) α-glucosidase、(g) Cellulose synthase、(h) CRT/DRE1、(i) Ras GTPase、(j) XET、(k) Cu/Zn SOD、(l) Phosphoglucomutase、(m) β-1,3-glucanase、(n) NAM、(o) Germin-like 8の15の遺伝子のうち、少なくとも一つの遺伝子の発現量を測定し、この遺伝子の発現量から当該稲の白未熟粒の発生率、または、この白未熟粒のうちの基部未熟粒の発生率、或いは、当該稲の整粒歩合の予測値を取得し、この白未熟粒発生率の予測値、または基部未熟粒発生率の予測値、或いは整粒歩合の予測値から、収穫前の早期の段階で当該稲の高温登熟障害による稲の品質低下リスクを診断する稲の診断方法である。
具体的には、本実施例は、前記(a)〜(o)の遺伝子のうちの一つの遺伝子の発現量を説明変数とし、白未熟粒の発生率、基部未熟粒の発生率、若しくは整粒歩合を目的変数とする単回帰分析から得られる予測式を予め作成し、この予測式と、収穫前の早期の段階、具体的には、開花後初期(例えば開花後5〜10日目)の稲の籾から取得した前記遺伝子の発現量とにより、当該稲の白未熟粒の発生率、または、この白未熟粒のうちの基部未熟粒の発生率、或いは、当該稲の整粒歩合の予測値を取得し、この予測値から当該稲の高温登熟障害による稲の品質低下リスクを診断する稲の診断方法である。
以下、本実施例にについて詳述する。
[予測式の作成]
白未熟粒及び基部未熟粒の発生率の予測値、ならびに整粒歩合の予測値を取得する際に用いる予測式を作成するにあたり、本実施例では、平成26〜28年に新潟県農業総合研究所作物研究センター(新潟県長岡市)の圃場において気温、水管理や施肥条件の異なる約60の試験区で栽培した品種「コシヒカリBL」を対象の稲とし、1試験区あたり10株の稲について、1株あたり10〜20粒の籾を開花後5日目、7日目、10日目でサンプリングし、これを液体窒素で凍結した後、−80℃で保存し、これを試供体とした。
そして、この凍結保存した試供体を乳鉢で破砕した後、籾組織にセチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、100mM Tris-HCl(pH8.0)、20mM EDTA、1.4M NaClを加えて懸濁し、RNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN社)を利用して、常法に従いトータルRNAを精製した。5μgのトータルRNAから、RNA PCR kit Ver.3.0(タカラバイオ社)を用いてcDNAを合成した後、表1に示すプライマーセットにより定量的PCR解析を行った。
Figure 0006933838
尚、プライマーセットは、イネの遺伝子発現データベースRiceXPro(独立行政法人生物資源研究所;http://ricepro.dan.affrc.go.jp)から入手した遺伝子配列情報に基づいて設計した。また、定量的PCRにはSsoFast Eva Green Supermix(Bio-Rad社)を用い、表2に示す条件で反応させた。また、各遺伝子の発現量は18S rRNAに対する相対発現量として常用対数で示した。
Figure 0006933838
また、一方で、遺伝子発現量を測定した各試験区から積算温度約1000℃の収穫期に収穫した玄米について、穀粒判別器(サタケ社製RGQI20A)での測定結果(外観品質調査結果)に基づいて、白未熟粒及び基部未熟粒の各発生率ならびに整粒歩合を算出し、この外観品質調査により算出した白未熟粒の発生率、基部未熟粒の発生率及び整粒歩合と遺伝子発現量の相関関係を求めた。図1〜図28は、各遺伝子の発現量(具体的には、18S rRNAに対する相対発現量)と白未熟粒及び基部未熟粒の発生率、ならびに整粒歩合と相関性を示すものである。
本実施例では、この相関関係について、多項式近似による分析を行い、目的の遺伝子の発現量から白未熟粒の発生率、基部未熟粒の発生率及び整粒歩合の予測値を算出する予測式(単回帰式)を、表3〜11に示すよう作成した。表3〜5は、開花後5日目の遺伝子発現量を測定して白未熟粒発生率、基部未熟粒発生率及び整粒歩合の各予測値を算出する場合に用いる予測式であり、表6〜8は、開花後7日目の遺伝子発現量を測定して白未熟粒発生率、基部未熟粒発生率及び整粒歩合の各予測値を算出する場合に用いる予測式である。また、表9〜11は、開花後10日目の遺伝子発現量を測定して白未熟粒発生率、基部未熟粒発生率及び整粒歩合の各予測値を算出する場合に用いる予測式である。尚、表中に示す予測式において、yは遺伝子発現量を、xは白未熟粒発生率、基部未熟粒発生率及び整粒歩合の各予測値を示す。
また、本実施例では、開花後5日目及び7日目の説明変数として、α-glucosidase、Amy3A、Amy3E、Cellulose synthase、CRT/DRE1、Cu/Zn SOD、L-APX1、L-APX2、L-APX4、Ras GTPase、XETの遺伝子を採用し、開花後10日目の説明変数として、α-glucosidase、Ras GTPase、Phosphoglucomutase、β-1,3-glucanase、NAM、Germin-like 8の遺伝子を採用した。尚、説明変数として採用する遺伝子は、上記に限定されるものではない。
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
[予測式の精度(信頼性)の検証]
前述のようにして作成した各予測式の精度(信頼性)について検証した。
具体的には、前述した予測式を作成する際にサンプリングした稲を栽培した圃場と異なる三箇所の圃場(圃場A、B、C)において、平成28年に品種「コシヒカリBL」を栽培し、予測式を作成した際と同様の手順で籾をサンプリングし試供体を作成し、A〜Cの各圃場の稲における遺伝子発現量を測定し、この測定した遺伝子発現量を、予測式に代入して、A〜Cの各圃場における稲の白未熟粒の発生率の予測値、基部未熟粒の発生率の予測値、及び整粒歩合の予測値を算出した。
その後、A〜Cの各圃場の稲を収穫し、この収穫した稲の玄米の外観品質調査を行い、実際の白未熟粒の発生率、実際の基部未熟粒の発生率及び実際の整粒歩合を算出し、これらの値(実測値)と、予測式を用いて算出した予測値とを比較した。表12〜20は、その比較結果を示したものである。
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
多少の差はあるものの、概ね実測値に近い値を示す結果が得られた。また、白未熟粒(基部未熟粒)の実測値が10%を超えると、それ以下の場合よりも予測誤差が小さかったことから、白未熟粒(基部未熟粒)の発生率が高くなるほど予測値の精度が高くなると判断される結果が得られた。すなわち、これらの結果は、白未熟粒(基部未熟粒)の発生状況を予測するのに、登熟期の遺伝子診断(遺伝子発現量の測定)が有効であることを示している。
以上より、本実施例は、白未熟粒、基部未熟粒及び整粒歩合と遺伝子発現量の相関関係から予測式(単回帰式)を作成し、この予測式を用いて、登熟期初期における遺伝子発現量から収穫後の稲の白未熟粒や基部未熟粒の発生率、及び整粒歩合を高精度に早期予測することができ、これにより、この予測結果に基づいて、適切な栽培管理(水管理、施肥管理や刈り取り時期などの管理)を適宜なタイミングで適切に行うことができ、白未熟粒の発生を抑制し、高い整粒歩合を実現することが可能となる。
以下に、その具体例を示す。
[登熟期初期での稲の診断に基づいた稲の栽培管理(栽培対策)の有効性の検証]
二箇所の試験区を使用し、一つの試験区を施肥対応試験区、もう一つの試験区を早期収穫対応試験区とし、各試験区の稲における開花5日後の遺伝子発現量(本実施例では、Amy3A、Amy3E、L-APX1、L-APX4、α-glucosidase、XET、Cu/Zn SODの6つの遺伝子を採用した)を測定し、これを表4に示す予測式に代入して基部未熟粒発生率の予測値を取得した。尚、本実施例では、品種「コシヒカリBL」を用いて検証を行った。
そして、施肥対応試験区においては、取得した基部未熟粒発生率の予測値に基づいて施肥対策を行う実肥対策区と、対策を行わない通常栽培区に区分し、実肥対策区には、窒素成分で1kg/10アールの実肥を穂揃期に施用し、その後、両区分ともに積算温度約1000℃の収穫期に収穫した玄米それぞれにおいて基部未熟粒の発生率を測定した。
また、早期収穫対応試験区においては、取得した基部未熟粒発生率の予測値に基づいて早期に稲を刈り取って収穫する早期収穫区と、対策を行わない通常収穫区に区分し、早期収穫区分では、収穫的期の目安となる日平均気温の全積算温度の約1000℃よりも50℃早い、約950℃で収穫し、通常収穫区は、通常通り約1000℃で収穫し、それぞれにおいて基部未熟粒の発生率を測定した。
各試験区における遺伝子発現に基づいた基部未熟粒の発生率の予測値と、栽培対策の有無による実際の基部未熟粒の発生率の測定結果を表21に示す。
Figure 0006933838
表21に示すように、施肥対応試験区においては、基部未熟粒の発生率の予測値が24.2%(7遺伝子から夫々求めた予測値の平均値)であり、これに対して、施肥対策を行わない通常栽培区の基部未熟粒の発生率(実測値)は、18.0%であったが、予測値に基づいて施肥対策を行った実肥対策区の実際の基部未熟粒の発生率は、4.3%であった。
また、早期収穫対応試験区においては、基部未熟粒の発生率の予測値が11.5%(7遺伝子から夫々求めた予測値の平均値)であり、これに対して、対策を行わない通常収穫区の基部未熟粒の実際の発生率(実測値)は、14.5%であったが、予測値に基づいて刈り取り時期を早めた早期収穫区の実際の基部未熟粒の発生率は、7.6%であった。
以上の結果から、本実施例の稲の診断方法を用いて、収穫前の早期の段階(具体的には、稲の開花後初期(開花後5〜10日目くらい)の段階)で白未熟粒または基部未熟粒の発生率、或いは整粒歩合を予測し、この予測結果に基づいて適正な栽培対策(水管理、施肥管理、早期刈り取り(早期収穫))を行うことで、異常気象による白未熟粒の発生を未然に抑制し、整粒歩合の高い稲の栽培が実現可能となる。
尚、本実施例では、試供体の作成及び予測式の検証を行うにあたり、品種「コシヒカリBL」を用いたが、従来の品種「コシヒカリ」でも同等の結果が得られることは確認済みである。
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
本実施例は、実施例1と異なる方法で予測式を作成した場合であり、具体的には、実施例1では、遺伝子発現データと外観品質調査結果から得られた白未熟粒発生率、基部未熟粒発生率及び整粒歩合とを用いて単回帰分析を行い、各予測式を作成したが、本実施例は、重回帰分析を行って予測式を作成した場合である。
以下、本実施例にについて詳述する。
[予測式の作成]
本実施例における重回帰分析は、実施例1で挙げた(a)〜(o)の遺伝子の開花後5日目、7日目、10日目の遺伝子発現量を説明変数とし、白未熟粒の発生率、基部未熟粒の発生率、若しくは整粒歩合を目的変数して、統計解析ソフト(エスミ社製EXCEL予測Ver.3.0)を用いて解析を行った。
具体的には、本実施例では、開花後5日目においては、Amy3E、Cellulose synthase、CRT/DRE1、L-APX1、L-APX4、XETの遺伝子の組み合わせを白未熟粒の発生率、Amy3E、Cellulose synthase、CRT/DRE1、XETの組み合わせを基部未熟粒の発生率、Amy3E、Cellulose synthase、CRT/DRE1、L-APX4の組み合わせを整粒歩合のそれぞれ説明変数とし、また、開花後7日目においては、α-glucosidase、Cu/Zn SOD、L-APX2、Ras GTPaseの組み合わせを白未熟粒及び基部未熟粒の発生率、Amy3E、Cu/Zn SOD、Ras GTPase、XETの組み合わせを整粒歩合の説明変数とし、また、開花後10日目においては、α-glucosidase、β-1,3-glucanase、Ras GTPase、NAMの組み合わせを白未熟粒及び基部未熟粒の発生率、ならびに整粒歩合の説明変数とし、表22に示す各予測式を作成した。
Figure 0006933838
[予測式の精度(信頼性)の検証]
前述のようにして作成した各予測式の精度(信頼性)について検証した。
具体的には、本実施例では、新潟県農業総合研究所作物研究センターの圃場において実施例1とは異なる三箇所の試験区(試験区X、Y、Z)において、平成28年に品種「コシヒカリBL」を栽培し、実施例1と同様の手順で籾をサンプリングし試供体を作成し、X〜Zの各試験区の稲における遺伝子発現量を測定し、この測定した遺伝子発現量を、上記の予測式に代入して、X〜Zの各試験区における稲の白未熟粒の発生率の予測値、基部未熟粒の発生率の予測値、及び整粒歩合の予測値を算出した。
その後、X〜Zの各試験区の稲を収穫し、この収穫した稲の玄米の外観品質調査を行い、実際の白未熟粒の発生率、実際の基部未熟粒の発生率及び実際の整粒歩合を算出し、これらの値(実測値)と、予測式を用いて算出した予測値とを比較した。表23〜25は、その比較結果を示したものである。
Figure 0006933838
Figure 0006933838
Figure 0006933838
実施例1の表12〜20に示した単回帰分析を行って作成した予測式によって得られた予測値の予測精度と比べて、本実施例の重回帰分析を行って作成した予測式によって得られた予測値の予測精度のほうが、精度が高い傾向にあった。この結果から、複数の遺伝子の発現量を説明変数とする重回帰分析を行って作成した予測式を用いることで、予測精度が向上すること、また、単回帰分析に加えて重回帰分析も、白未熟粒や基部未熟粒の発生率ならびに整粒歩合の早期予測に有効であることが確認できた。
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。

Claims (8)

  1. 稲の白未熟粒の発生率を収穫前に予測する方法であって、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子の発現量を測定し、この遺伝子の発現量から当該稲の白未熟粒の発生率を予測することを特徴とする稲の白未熟粒発生率予測方法。
    記1
    (a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
    (d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
    (g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
    (j) XET (k) Cu/Zn SOD
    記2
    (f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
    (m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
  2. 請求項1記載の稲の白未熟粒発生率予測方法において、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの一つの遺伝子の発現量を説明変数とし、白未熟粒の発生率を目的変数とする単回帰分析から得られる白未熟粒発生率予測式を用いることを特徴する稲の白未熟粒発生率予測方法。
    記1
    (a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
    (d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
    (g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
    (j) XET (k) Cu/Zn SOD
    記2
    (f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
    (m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
  3. 請求項1記載の稲の白未熟粒発生率予測方法において、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子を少なくとも一つ含む二つ以上の遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子を少なくとも一つ含む二つ以上の遺伝子の発現量を説明変数とし、白未熟粒の発生率を目的変数とする重回帰分析から得られる白未熟粒発生率予測式を用いることを特徴する稲の白未熟粒発生率予測方法。
    記1
    (a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
    (d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
    (g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
    (j) XET (k) Cu/Zn SOD
    記2
    (f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
    (m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
  4. 稲の整粒歩合を収穫前に予測する方法であって、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子の発現量を測定し、この遺伝子の発現量から当該稲の整粒歩合を予測することを特徴とする稲の整粒歩合予測方法。
    記1
    (a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
    (d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
    (g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
    (j) XET (k) Cu/Zn SOD
    記2
    (f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
    (m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
  5. 請求項4記載の稲の整粒歩合予測方法において、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの一つの遺伝子の発現量を説明変数とし、整粒歩合を目的変数とする単回帰分析から得られる整粒歩合予測式を用いることを特徴する稲の整粒歩合予測方法。
    記1
    (a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
    (d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
    (g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
    (j) XET (k) Cu/Zn SOD
    記2
    (f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
    (m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
  6. 請求項4記載の稲の整粒歩合予測方法において、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子を少なくとも一つ含む二つ以上の遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子を少なくとも一つ含む二つ以上の遺伝子の発現量を説明変数とし、整粒歩合を目的変数とする重回帰分析から得られる整粒歩合予測式を用いることを特徴する稲の整粒歩合予測方法。
    記1
    (a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
    (d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
    (g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
    (j) XET (k) Cu/Zn SOD
    記2
    (f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
    (m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
  7. 稲の栽培方法であって、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子の発現量を測定し、この遺伝子の発現量から当該稲の白未熟粒発生率の予測値を取得し、この白未熟粒発生率の予測値に基づいて、当該稲の水管理、施肥管理、刈り取り時期などの栽培管理を決定することを特徴とする稲の栽培方法。
    記1
    (a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
    (d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
    (g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
    (j) XET (k) Cu/Zn SOD
    記2
    (f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
    (m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
  8. 稲の栽培方法であって、開花後5日目若しくは開花後7日目の稲から採取した籾の下記1に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子、または開花後10日目の稲から採取した籾の下記2に示す遺伝子のうちの少なくとも一つの遺伝子の発現量を測定し、この遺伝子の発現量から当該稲の整粒歩合の予測値を取得し、この整粒歩合の予測値に基づいて、当該稲の水管理、施肥管理、刈り取り時期などの栽培管理を決定することを特徴とする稲の栽培方法。
    記1
    (a) Amy3A (b) Amy3E (c) L-APX1
    (d) L-APX2 (e) L-APX4 (f) α-glucosidase
    (g) Cellulose synthase (h) CRT/DRE1 (i) Ras GTPase
    (j) XET (k) Cu/Zn SOD
    記2
    (f) α-glucosidase (i) Ras GTPase (l) Phosphoglucomutase
    (m) β-1,3-glucanase (n) NAM (o) Germin-like 8
JP2017185414A 2017-09-26 2017-09-26 稲の白未熟粒発生率予測方法、稲の整粒歩合予測方法及び稲の栽培方法 Active JP6933838B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017185414A JP6933838B2 (ja) 2017-09-26 2017-09-26 稲の白未熟粒発生率予測方法、稲の整粒歩合予測方法及び稲の栽培方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017185414A JP6933838B2 (ja) 2017-09-26 2017-09-26 稲の白未熟粒発生率予測方法、稲の整粒歩合予測方法及び稲の栽培方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019058103A JP2019058103A (ja) 2019-04-18
JP6933838B2 true JP6933838B2 (ja) 2021-09-08

Family

ID=66175611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017185414A Active JP6933838B2 (ja) 2017-09-26 2017-09-26 稲の白未熟粒発生率予測方法、稲の整粒歩合予測方法及び稲の栽培方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6933838B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110199804A (zh) * 2019-07-08 2019-09-06 湖南省水稻研究所 一种水稻保优保香高产栽培方法
CN113215296B (zh) * 2021-04-28 2022-08-09 广西大学 水稻芒长基因gna1的分子标记及其鉴定方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019058103A (ja) 2019-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kipp et al. Identification of stay-green and early senescence phenotypes in high-yielding winter wheat, and their relationship to grain yield and grain protein concentration using high-throughput phenotyping techniques
Shirdelmoghanloo et al. Truncation of grain filling in wheat (Triticum aestivum) triggered by brief heat stress during early grain filling: association with senescence responses and reductions in stem reserves
Gonzalez et al. Effect of different physiological traits on grain yield in barley grown under irrigated and terminal water deficit conditions
Peltonen-Sainio et al. Variation in harvest index of modern spring barley, oat and wheat cultivars adapted to northern growing conditions
Walker et al. The detection of QTLs in barley associated with endosperm hardness, grain density, grain size and malting quality using rapid phenotyping tools
Nave et al. QTLs for uniform grain dimensions and germination selected during wheat domestication are co-located on chromosome 4B
Corol et al. 1H‐NMR screening for the high‐throughput determination of genotype and environmental effects on the content of asparagine in wheat grain
Sowadan et al. Mining of favorable alleles for lodging resistance traits in rice (Oryza sativa) through association mapping
Oelofse et al. Influencing factors of sodium dodecyl sulfate sedimentation in bread wheat
JP6933838B2 (ja) 稲の白未熟粒発生率予測方法、稲の整粒歩合予測方法及び稲の栽培方法
Maphosa et al. Genotypic response of wheat under semi-arid conditions showed no specific responsive traits when grown under elevated CO2
Zhou et al. QTL mapping reveals genetic architectures of malting quality between Australian and Canadian malting barley (Hordeum vulgare L.)
Wang et al. Mapping of quantitative trait loci controlling barley flour pasting properties
Evans et al. Improved prediction of malt fermentability by measurement of the diastatic power enzymes β-amylase, α-amylase, and limit dextrinase: II. Impact of barley genetics, growing environment, and gibberellin on levels of α-amylase and limit dextrinase in malt
Zuk-Golaszewska et al. Biofortification of the nutritional value of foods from the grain of Triticum durum Desf. by an agrotechnical method: A scientific review
MATUŠINSKY et al. Spring barley stand structure as an indicator of lodging risk.
Zhou et al. Combining ability of barley flour pasting properties
Mihnea et al. Heritability of the tomato genotypes resistance to the high air temperatures.
Jocković et al. The contribution of stay green traits to the breeding progress of the pannonian wheat
Pal et al. Estimation of genetic parameters in barley (Hordeum vulgare L)
Nesvadba et al. Grain and malt quality of selected winter barley genetic resources: ENG/CZ
Emebiri et al. Improvements in malting barley grain yield by manipulation of genes influencing grain protein content
Novikova et al. Dynamics of tuber weight in early potato varieties in the contrasting weather conditions of the Northwestern Russia
Martina et al. Baking quality of genetics resources of hulled wheat species, grown in organic farming
Hashemi et al. Evaluating Winter Barley Cultivar Using Data Envelopment Analysis Models

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20190601

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190719

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200611

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210719

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210811

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6933838

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150