〔実施例1〕
[電子写真画像形成装置の一般的な説明]
以下、本発明の第1の実施例について図を用いて説明する。
以下の実施形態では画像形成装置として、4個のプロセスカートリッジが着脱可能なフルカラー画像形成装置を例示している。なお、画像形成装置に装着するプロセスカートリッジの個数はこれに限定されるものではない。必要に応じて適宜設定されるものである。例えば、モノクロの画像を形成する画像形成装置の場合には、前記画像形成装置に装着されるプロセスカートリッジの個数は1個である。また、以下説明する実施形態では、画像形成装置の一例としてプリンタを例示している。
[画像形成装置の概略構成]
図2は、記録媒体に画像形成可能な、本実施例の電子写真画像形成装置の断面概略図である。また、図3(a)は本実施例の画像形成装置の斜視図である。また、図4は本実施例のプロセスカートリッジPの断面図である。また、図5は本実施例のプロセスカートリッジPを駆動側からみた斜視図であり、図6は本実施例のプロセスカートリッジPを非駆動側からみた斜視図である。
図2に示すように、この画像形成装置1は、電子写真画像形成プロセスを用いた4色フルカラーレーザプリンタであり、記録媒体Sにカラー画像形成を行う。画像形成装置1はプロセスカートリッジ方式であり、プロセスカートリッジを電子写真画像形成装置本体2に取り外し可能に装着して、記録媒体Sにカラー画像を形成するものである。
ここで、画像形成装置1に関して、前ドア3を設けた側を正面(前面)、正面と反対側の面を背面(後面)とする。また、画像形成装置1を正面から見て右側を駆動側、左側を非駆動側と称す。図2は画像形成装置1を非駆動側から見た断面図であり、紙面手前が画像形成装置1の非駆動側、紙面右側が画像形成装置1の正面、紙面奥側が画像形成装置1の駆動側となる。
画像形成装置本体2には第1のプロセスカートリッジPY(イエロー)、第2のプロセスカートリッジPM(マゼンタ)、第3のプロセスカートリッジPC(シアン)、第4のプロセスカートリッジPK(ブラック)の4つのプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)が水平方向に配置されている。
第1〜第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、それぞれ同様の電子写真画像形成プロセス機構を有しており、現像剤の色が各々異なる。第1〜第4のプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)には画像形成装置本体2の駆動出力部から回転駆動力が伝達される。詳細は後述する。
また、第1〜第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)には画像形成装置本体2からバイアス電圧(帯電バイアス、現像バイアス等)が供給される(不図示)。
図4に示すように、本実施例の第1〜第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、感光体であるドラム4と、このドラム4に作用するプロセス手段としての帯電手段及びクリーニング手段を備えた感光体ドラムユニット8を有する。
また、第1〜第4の各プロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、ドラム4上の静電潜像を現像する現像手段を備えた現像ユニット9を有する。
第1のプロセスカートリッジPYは、現像枠体29内にイエロー(Y)の現像剤を収容しており、ドラム4の表面にイエロー色の現像剤像を形成する。
第2のプロセスカートリッジPMは、現像枠体29内にマゼンタ(M)の現像剤を収容してあり、ドラム4の表面にマゼンタ色の現像剤像を形成する。
第3のプロセスカートリッジPCは、現像枠体29内にシアン(C)の現像剤を収容してあり、ドラム4の表面にシアン色の現像剤像を形成する。
第4のプロセスカートリッジPKは、現像枠体29内にブラック(K)の現像剤を収容しており、ドラム4の表面にブラック色の現像剤像を形成する。
第1〜第4のプロセスカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の上方には、露光手段としてのレーザスキャナユニットLBが設けられている。このレーザスキャナユニットLBは、画像情報に対応してレーザ光Zを出力する。そして、レーザ光Zは、カートリッジPの露光窓部10を通過してドラム4の表面を走査露光する。
第1〜第4のカートリッジP(PY・PM・PC・PK)の下方には、転写部材としての中間転写ベルトユニット11を設けている。この中間転写ベルトユニット11は、駆動ローラ13・テンションローラ14、15を有し、可撓性を有する転写ベルト12を掛け渡している。
第1〜第4の各カートリッジP(PY・PM・PC・PK)のドラム4は、その下面が転写ベルト12の上面に接している。その接触部が一次転写部である。転写ベルト12の内側には、ドラム4に対向させて1次転写ローラ16を設けている。
また、2次転写ローラ17が、テンションローラ14と対向する位置に、転写ベルト12を介して配置されている。転写ベルト12と2次転写ローラ17の接触部が2次転写部である。
中間転写ベルトユニット11の下方には、給送ユニット18を設けている。この給送ユニット18は、記録媒体Sを積載して収容した給紙トレイ19、給紙ローラ20を有する。
図2における装置本体2内の左上方には、定着ユニット21と、排出ユニット22を設けている。装置本体2の上面は排出トレイ23としている。
現像剤像を転写された記録媒体Sは、定着ユニット21に設けられた定着手段により定着された後に、排出トレイ23へ排出される。
カートリッジPは、引き出し可能なカートリッジトレイ60を介して、装置本体2に対して着脱可能な構成となっている。図3(a)は、装置本体2からカートリッジトレイ60、および、カートリッジPを引き出した状態を示している。
[画像形成動作]
フルカラー画像を形成するための動作は次のとおりである。
第1〜第4の各カートリッジP(PY・PM・PC・PK)のドラム4が所定の速度で回転駆動される(図4矢印D方向、図2において反時計回り)。転写ベルト12もドラム4の回転に順方向(図2矢印C方向)にドラム4の速度に対応した速度で回転駆動される。レーザスキャナユニットLBも駆動される。スキャナユニットLBの駆動に同期して、帯電ローラ5によってドラム4の表面が所定の極性・電位に一様に帯電される。レーザスキャナユニットLBは各ドラム4の表面を各色の画像信号に応じてレーザ光Zで走査露光する。これにより、各ドラム4の表面に対応色の画像信号に応じた静電潜像が形成される。この静電潜像は、所定の速度で回転駆動(図4矢印E方向、図2において時計回り)される現像ローラ6により現像される。このような電子写真画像形成プロセスにより、第1のカートリッジPYのドラム4にはフルカラー画像のイエロー成分に対応するイエロー色の現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が転写ベルト12上に一次転写される。
同様に第2のカートリッジPMのドラム4にはフルカラー画像のマゼンタ成分に対応するマゼンタ色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、転写ベルト12上にすでに転写されているイエロー色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
同様に第3のカートリッジPCのドラム4にはフルカラー画像のシアン成分に対応するシアン色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、転写ベルト12上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
同様に第4のカートリッジPKのドラム4にはフルカラー画像のブラック成分に対応するブラック色現像剤像が形成される。そして、その現像剤像が、転写ベルト12上にすでに転写されているイエロー色、マゼンタ色、シアン色の現像剤像に重畳されて一次転写される。
このようにして、転写ベルト12上にイエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の4色フルカラーの未定着現像剤像が形成される。
一方、所定の制御タイミングで記録媒体Sが1枚ずつ分離されて給送される。その記録媒体Sは、所定の制御タイミングで2次転写ローラ17と転写ベルト12との接触部である2次転写部に導入される。これにより、記録媒体Sが前記2次転写部へ搬送されていく過程で、転写ベルト12上の4色重畳の現像剤像が記録媒体Sの面に順次に一括転写される。
[プロセスカートリッジの全体構成]
電子写真画像形成用のプロセスカートリッジの構成の説明を行う。本実施例において、第1から第4のカートリッジP(PY・PM・PC・PK)は、同様の電子写真画像形成プロセス機構を有し、収容されている現像剤の色や現像剤の充填量が各々異なるものである。
カートリッジPは、ドラム4と、ドラム4に作用するプロセス手段を備えている。ここで、プロセス手段はドラム4を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ5、ドラム4に形成された潜像を現像する現像手段としての現像ローラ6、ドラム4の表面に残留する残留現像剤を除去するためのクリーニング手段としてのクリーニングブレード7等がある。そして、カートリッジPは、ドラムユニット8と現像ユニット9とに分かれている。
[ドラムユニットの構成]
図4、図5、図6に示すように、ドラムユニット8は、感光体としてのドラム4、帯電ローラ5、クリーニングブレード7、感光体枠体としてのクリーニング容器26、廃現像剤収納部27、カートリッジカバー部材(図5、図6における駆動側カートリッジカバー部材24と非駆動側カートリッジカバー部材25)で構成される。尚、広義の感光体枠体には、狭義の感光体枠体であるクリーニング容器26の他、廃現像剤収納部27、駆動側カートリッジカバー部材24、非駆動側カートリッジカバー部材25も含まれる(以下の実施例においても同様である)。なお、カートリッジPが装置本体2に装着された際には、感光体枠体は装置本体2に固定される。
ドラム4は、カートリッジPの長手両端に設けられたカートリッジカバー部材24、25により回転自在に支持されている。ここで、ドラム4の軸線方向を長手方向と定義する。
カートリッジカバー部材24、25は、クリーニング容器26の長手方向の両端側で、クリーニング容器26に固定されている。
また、図5に示すように、ドラム4の長手方向の一端側には、ドラム4に駆動力を伝達するためのカップリング部材である感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aが設けられている。図3(b)は、装置本体2の斜視図であり、カートリッジトレイ60、および、カートリッジPを不図示としている。カートリッジP(PY・PM・PC・PK)のそれぞれのカップリング部材4aは、図3(b)に示す装置本体2の本体側駆動伝達部材としてのドラム駆動出力部材61(61Y・61M・61C・61K)と係合し、装置本体の駆動モータ(不図示)の駆動力がドラム4に伝達される。
帯電ローラ5は、ドラム4に対し接触して従動回転できるように、クリーニング容器26に支持されている。
また、クリーニングブレード7は、ドラム4の周表面に所定の圧力で接触するように、クリーニング容器26に支持されている。
クリーニング手段7によりドラム4の周面から除去された転写残現像剤は、クリーニング容器26内の廃現像剤収納部27に収納される。
また、駆動側カートリッジカバー部材24、非駆動側カートリッジカバー部材25には、現像ユニット9を回動可能に支持するための摺動部としての支持部24a、25aが設けられている(図6参照)。
[現像ユニットの構成]
現像ユニット9は、図1、図8に示すように、現像ローラ6、現像ブレード31、現像枠体29、軸受部材45、現像カバー部材32などで構成されている。ここで、広義の現像枠体には、現像枠体29の他、軸受部材45および現像カバー部材32等が含まれる(以下の実施例においても同様である)。なお、カートリッジPが装置本体2に装着された際には、現像枠体29は装置本体2に対し移動可能である。
また、広義のカートリッジ枠体には、前述した広義の感光体枠体および広義の現像枠体が含まれる(以下の実施例に関しても同様である)。
現像枠体29は、現像ローラ6に供給する現像剤を収納する現像剤収納部49、及び、現像ローラ6周面の現像剤の層厚を規制する現像ブレード31を有する。
また、図1に示すように、軸受部材45は、現像枠体29の長手方向一端側に固定されている。この軸受部材45は、現像ローラ6を回転可能に支持している。現像ローラ6は、その長手端部に現像ローラ駆動伝達部材としての現像ローラギア69を有する。軸受部材45は、現像ローラギア69へ駆動力を伝達するためのカートリッジ側駆動伝達部材(駆動入力部材)74も回転可能に支持している。カートリッジ側駆動伝達部材(駆動入力部材)74は図3(b)に示す装置本体2の本体側駆動伝達部材としての現像駆動出力部材62(62Y・62M・62C・62K)とカップリング可能に構成される。つまり、カートリッジ側駆動伝達部材と現像駆動出力部材は係合(カップリング)することで、装置本体2に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達される構成となっている。詳細は後述する。
そして現像カバー部材32が、カートリッジPの長手方向において、軸受部材45の外側に固定されている。この現像カバー部材32は、現像ローラギア69やカートリッジ側駆動伝達部材74の一部などを覆うように構成されている。
[ドラムユニットと現像ユニットの組立]
図5、図6に、現像ユニット9とドラムユニット8とを組み付ける様子を示す。カートリッジPの長手一端側では、駆動側カートリッジカバー部材24の支持部24aに現像カバー部材32の円筒部32bの外径部32aを回動可能に嵌合させる。また、カートリッジPの長手他端側では、非駆動側カートリッジカバー部材25の支持穴部25aに、現像枠体29から突出して設けられた突起部29bを回動可能に嵌合させる。これにより、現像ユニット9は、ドラムユニット8に対して回動可能に支持される。ここで、現像ユニット9のドラムユニットに対する回動中心となる回動軸線を、回動軸線Xと称す。この回動中心Xは、支持部24aに設けられた開口部24eの中心と支持穴部25aの中心とを結んだ軸線である。
[現像ローラとドラムの接触]
図4、図5、図6に示すように、現像ユニット9は、付勢部材としての弾性部材である加圧バネ95により付勢され、回動軸線Xを中心にして、現像ローラ6がドラム4に接触するように構成されている。即ち、加圧バネ95の付勢力によって、現像ユニット9は図4中の矢印G方向に押圧され、回動軸線Xを中心に、矢印H方向のモーメントが作用する構成となっている。
これにより、現像ローラ6がドラム4に対し所定圧で接触できる。また、このときのドラムユニット8に対する現像ユニット9の位置を接触位置とする。また、加圧バネ95の付勢力に抗して、現像ユニット9を矢印G方向と逆方向に移動させると、現像ローラ6がドラム4から離間できる。即ち、現像ローラ6はドラム4に対し接離可能に構成されている。
[現像ローラとドラムの離間]
図7はカートリッジPを駆動側から現像ローラの回転軸線に沿って見た側面模式図である。この図においては、説明のために、一部の部品を不図示としている。カートリッジPが装置本体2に装着されているときは、ドラムユニット8は装置本体2に位置決めされている。
本実施例では、付勢力受け部(離間力受け部)45aが軸受部材45に設けられている。尚、付勢力受け部(離間力受け部)45aは、軸受部材45に限らず、カートリッジPのいずれかの箇所(例えば、現像枠体等)に設けられていれば良い。付勢力受け部(離間力受け部)45aは、装置本体2に設けられた本体側付勢部材としての離間力付勢部材(本体側付勢部材)80と係合可能な構成となっている。この本体側付勢部材としての離間力付勢部材(本体側付勢部材)80は、不図示のモータからの駆動力を受け、レール81に沿って矢印F1、F2方向に移動可能な構成となっている。
以下、現像ローラと感光体(ドラム)の離間の動作について説明を行う。
図7(a)は、ドラム4と現像ローラ6とが互いに接触した状態を示している。このとき、付勢力受け部(離間力受け部)45aと離間力付勢部材(本体側付勢部材)80とは隙間dを有して離間している。
図7(b)は、図7(a)の状態を基準として、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が矢印F1方向へ距離δ1だけ移動した状態を示している。このとき、付勢力受け部(離間力受け部)45aは離間力付勢部材(本体側付勢部材)80と係合している。前述の通り、現像ユニット9はドラムユニット8に対して回動可能な構成となっており、図7(b)においては、現像ユニット9は、回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動した状態となっている。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに距離ε1だけ離間した状態となっている。
図7(c)は、図7(a)の状態を基準として、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が矢印F1方向にδ2(>δ1)だけ移動した状態を示している。現像ユニット9は、回動軸線Xを中心として、矢印K方向に角度θ2だけ回動した状態となっている。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに距離ε2だけ離間した状態となっている。
[現像ローラと、カートリッジ側駆動伝達部材と、付勢力受け部の配置関係]
図7(a)〜(c)に示すように、駆動側から現像ローラの回転軸線に沿ってカートリッジPをみると、現像ローラ6は、カートリッジ側駆動伝達部材74と付勢力受け部45aとの間に配置される。つまり、現像ローラの回転軸線に沿ってカートリッジPを見たときに、付勢力受け部(離間力受け部)45aは、現像ローラ6を基準として、駆動入力部材74とは実質的に反対側に突出している。詳細には、本体側付勢部材80から力を受ける付勢力受け部45aの当接部45bと、現像ローラ6の回転軸線6zとを結ぶ線と、現像ローラ6の回転軸線6zとカートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線(本実施例では回動軸線Xと同軸)とを結んだ線は、角度を持って交わっており、同一直線上には無い。また、現像ローラの回転軸線に沿ってカートリッジPを見たときに、当接部45bとカートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線とを結んだ線が、現像ローラ6を通過するように配置されている。このような形態も含めてカートリッジ側駆動伝達部材74と付勢力受け部45aとの間に現像ローラ6が配置されると表現する。なお、本実施例においては、現像ユニット9のドラムユニットに対する回動軸線Xは、カートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線と同軸上にある。
また、感光体4の回転軸線4zと、カートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線(X)と、付勢力受け部45aの当接部45bと、の間に、現像ローラ6の回転軸線6zが配置される。つまり、カートリッジPを駆動側から現像ローラの回転軸線に沿って見た場合、感光体4の回転軸線4zと、カートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線Xと、当接部45bと、を結んだ3つの直線で囲まれる三角形の中に、現像ローラ6の回転軸線6zが配置される。
ここで、現像ユニット9は、ドラムユニット8に対して回動する為、感光体4に対する、カートリッジ側駆動伝達部材74および付勢力受け部45aの位置関係は変化する。しかし、いずれの場合においても、回転軸線4zと、カートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線(X)と、当接部45bと、の間に、現像ローラ6の回転軸線6zが配置される。
このように、当接部45bと回動軸線Xの間に現像ローラを配置する構成にすることで、当接部45bと回動軸線Xの間から現像ローラが離れている構成と比べると、現像ローラの離間・当接が精度良くできるという効果がある。さらに、駆動側から現像ローラの回転軸線に沿ってカートリッジPを見た場合に、回動軸線Xと現像ローラ6の回転軸線6zとの距離より、回動軸線Xと当接部45bとの距離が長い方が、現像ローラの離間・当接タイミングを高精度に制御することができる。
尚、本実施例(以下の実施例においても同様である)において、付勢力受け部(離間力受け部)45aが本体側付勢部材80と当接する部分とドラム4の回転軸線との距離は13mm〜33mmの範囲にある。また、本実施例(以下の実施例においても同様である)において、力受け部45aが本体側付勢部材80と当接する部分と回動軸線Xとの距離は、27mm〜32mmの範囲にある。
[感光体ドラムへの駆動伝達]
次に、感光体ドラム4への駆動伝達の概略について説明する。
前述の通り、感光体としてのドラム4の端部に設けられたカップリング部材である感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aは、図3(b)に示す装置本体2のドラム駆動出力部材61(61Y・61M・61C・61K)と係合し、装置本体の駆動モータ(不図示)の駆動力を受ける構成となる。これにより装置本体からの駆動がドラム4に伝達される。
図1に示すように、カートリッジPの長手方向の端部に設けられた枠体である駆動側カートリッジカバー部材24の開口部24dからは、感光体ドラム4の端部に設けられたカップリング部材である感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aが露出する。詳細には、駆動側カートリッジカバー部材24の開口部24dが設けられた開口面からカートリッジ外部に向かって感光体用駆動入力部4aが突出するように配置される。ここで、感光体用駆動入力部4aは、上述の進退可能な構成の駆動入力部74bとは異なり、カートリッジPの内部に向かう方向(感光体の回転軸に沿った方向)において固定されている。つまり、感光体用駆動入力部4aはドラム4に対して固定された形態である。
[現像ローラーへの駆動伝達]
(駆動連結部と、解除機構の原理)
図1、図8を用いて駆動連結部の構成について説明する。ここで、駆動連結部とは、装置本体2の本体側駆動伝達部材としての現像駆動出力部材62から駆動を入力され、現像ローラ6へ駆動を伝達、および、遮断する機構である。本実施例の駆動連結部とは、バネ70、駆動入力部材74、解除カム72、現像カバー部材32、駆動側カートリッジカバー部材24で構成されている。
図1、図8に示すように、カートリッジ側駆動伝達部材74と現像駆動出力部材62は、開口部24eと、開口部32dと、解除カム72の開口部72fと、を介して係合している。詳細には、図1に示すように、カートリッジの長手方向の端部に設けられた枠体である駆動側カートリッジカバー部材24には貫通口である開口部24eと24dが設けられる。駆動側カートリッジカバー部材24と組み合わされる現像カバー部材32は円筒部32bを有し、その円筒部32bには、貫通口として開口部32dが設けられる。
カートリッジ側駆動伝達部材74は軸状の軸部74xを有し、その端部には回転力受け部としての駆動入力部74bが設けられる。軸部74xは、解除カムの開口部72f、現像カバー部材32の開口部32d、駆動側カートリッジカバー部材24の開口部24eをそれぞれ貫くように組み合わされ、先端の駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって露出する。詳細には、開口部24eが設けられた駆動側カートリッジカバー部材24の開口面からカートリッジ外部に向かって駆動入力部74bが突出するように配置される。そして、駆動入力部74bの凸部が本体側駆動伝達部材62に設けられた凹部62bとカップリングすることで、本体側からの駆動が駆動入力部74bに伝達される。この駆動入力部74bは、実質的な三角柱を微小に捩った形状である(図1参照)。
さらに、カートリッジ側駆動伝達部材74の外周面に設けられたギア部74gは現像ローラギア69と係合する。これにより、カートリッジ側駆動伝達部材74の駆動入力部74bに伝達された駆動は、カートリッジ側駆動伝達部材74のギア部74g、現像ローラギア69を介して、現像ローラ6へ伝達される。
本実施例の駆動入力部74bは、カートリッジの内部に向かう方向に移動可能に構成される。詳細には、カートリッジ側駆動伝達部材74の軸部74xの根元に設けられた被付勢部74cが解除カム72によって押圧されることで、駆動入力部材74はカートリッジの内部に向かって退避する。これにより、本体側駆動伝達部材62から入力される駆動の伝達および遮断が可能となる。
本実施例及び以下の実施例において、カートリッジの内部に向かう方向とは、回動軸線Xに沿った方向で、図1のN方向を示す。しかし、回動軸線Xに対して多少傾斜した方向であっても、駆動入力部74bと本体側駆動伝達部材62とのカップリングが解除される方向であれば、その方向もカートリッジの内部に向かう方向と定義する。
(駆動連結部の構成)
より詳細な構成を図1、図8、図9を用いて説明をする。カートリッジPの長手方向端部に枠体の一部として配置される駆動側カートリッジカバー部材24と、現像ローラの軸が係合される軸受部材45と、の間には、軸受部材45から駆動側カートリッジカバー部材24に向かって、付勢部材としての弾性部であるバネ70、バネ70によって付勢されるカートリッジ側駆動伝達部材としての駆動入力部材74、解除機構の一部でありカップリング解除部材としての解除カム72、現像カバー部材32が設けられている。これらの部材の回転軸線は、駆動入力部材74の回転軸線と同軸上、つまり同一直線上に位置する。なお、前述の同一直線(同軸)とは、各部品の寸法公差の範囲内において同一であり、また、以降の実施例においても同様である。
図9に駆動連結部の断面模式図を示す。
前述のように、駆動入力部材74の被軸受部74p(円筒内面)と軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)とが互いに係合している。また、駆動入力部材74の円筒部74qと現像カバー部材32の内径部32qとが互いに係合している。すなわち、駆動入力部材74は、軸受部材45と現像カバー部材32とによって、その両端を回転可能に支持されている。
更に、軸受部材45は現像ローラ6を回転可能に支持している。より詳細に述べると、軸受部材45の第二軸受部45q(円筒内面)が、現像ローラ6の軸部6aを回転可能に支持している。そして、現像ローラ6の軸部6aに、現像ローラギア69が嵌合されている。前述のように、駆動入力部材74の外周面は、現像ローラギア69と噛み合うギア部74gとなっている。これによって、駆動入力部材74から現像ローラギア69を介して現像ローラ6に回転力が伝達されるように構成されている。
さらに、軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)、および、現像カバー部材32の内径部32qのそれぞれの中心は、現像ユニット9の回動軸線Xと同一直線上に配置されている。すなわち、駆動入力部材74は、現像ユニット9の回動軸線Xを中心に回転可能に支持されている。
また、カートリッジPの長手方向において、現像カバー部材32の外側には、駆動側カートリッジカバー部材24が設けられている。図9(a)は、駆動入力部材74の駆動入力部74bと装置本体の現像駆動出力部材62が結合状態(カップリング状態)を示した模式的断面図である。このように、開口部24eが設けられた駆動側カートリッジカバー部材24の開口面に対して、駆動入力部74bがカートリッジ外部に向かって突出し、現像駆動出力部材62からの回転駆動力が駆動入力部74bに対して伝達可能な状態を、駆動入力部材74の第1の位置とする。また、軸受部材45と、駆動入力部74bとの間には、駆動入力部74bを矢印M方向に押圧するように、付勢部材としての弾性部材であるバネ70が設けられている。
尚、図9(a)の状態において、現像ローラ6の回転軸線と平行な仮想線に解除カム72と駆動入力部材74とを投影させた場合、解除カム72の領域はカートリッジ側駆動伝達部材74の領域内に位置する。少なくとも解除カム72の一部の領域と駆動入力部材74の一部の領域とが互いに重なるように構成することで、駆動解除機構の小型化が図られる。
図9(b)は、駆動入力部74bと現像駆動出力部材62の結合状態(カップリング状態)が解除され、離間した状態を示した模式的断面図である。駆動入力部74bは、付勢機構である解除カム72によって押圧されることで、バネ39の押圧力に抗して矢印N方向へ移動可能な構成となっている。
図9(b)に示すように、現像駆動出力部材62からの回転駆動力が駆動入力部74bに伝達されない状態にある位置を、駆動入力部材74の第2の位置とする。第2の位置は、第1の位置に対して、駆動入力部74bがカートリッジの内部に向かって移動した位置である。この第2の位置は、枠体の前記開口面が形成されるカートリッジ外面に対して、カートリッジ駆動入力部材の端部の駆動入力部74bが引っ込んでいる状態が望ましい。しかし、図9(b)に示すように、前記外面と駆動入力部74bの端面とが、実質的に同じ面の位置にあっても良いし、駆動入力部74bの端面が前記外面より少し凸となっていてもよい。いずれの場合においても、前記第1の位置よりも駆動入力部74がカートリッジの内部に向かって移動し、現像駆動出力部材62と駆動入力部材74とのカップリングが解除されている状態であれば、第2の位置と定義する。
また、図12は、軸受部材45、バネ70、および、駆動入力部材74、および、現像ローラギア69の部品構成の断面図を示している。
軸受部材45の第一ガイド部としての第一軸受部45p(円筒外面)が、駆動入力部材74の第一被ガイド部としての被軸受部74p(円筒内面)を回転可能に支持している。被軸受部74p(円筒内面)が第一軸受部45p(円筒外面)と係合した状態で、駆動入力部材74は回動軸線(回動中心)Xに沿って移動可能である。言い換えると、軸受部材45は、その回動軸線X上に沿って、駆動入力部材74をスライド移動可能(往復可能)に保持する。更に言い換えると、駆動入力部材74は、軸受部材45に対し、矢印MまたはN方向にスライド移動可能である。
図12(b)は、図12(a)の状態を基準として、軸受部材45に対して、駆動入力部材74が矢印N方向へ移動した状態を示している。駆動入力部材74は、現像ローラギア69とかみ合いながら、矢印M、および、N方向に移動可能な構成となっている。駆動入力部材74が回動軸線Xに沿った矢印M(カートリッジの外部に向かう方向)、および、N方向(カートリッジの内部に向かう方向)に移動しやすくするために、駆動入力部材74のギア部74gはハスバギアよりも平歯ギアが望ましい。図12(a)の駆動入力部材74の位置は上述の第1の位置に対応し、図12(b)の駆動入力部材74の位置は上述の第2の位置に対応する。
(解除機構)
次に、駆動解除機構を説明する。
図1および図8に示すように、駆動入力部材74のギア部74gと現像カバー部材32との間には、解除機構の一部でありカップリング解除部材としての解除カム72が設けられている。言い換えると、現像ローラ6の回転軸線と平行な方向において、解除カム72は、駆動入力部材74の範囲に設けられている。
図10に、解除カム72と現像カバー部材32の関係を示す。解除カム72は、実質的にリング形状であるリング部が設けられ、さらに、外周面である外周部を有する。外周部にはリング部から突出した突出部72iが設けられる。本実施例においては、突出部72iは現像ローラの回転軸線に沿った方向に突出している。また、現像カバー部材32は内周面32iを有する。この内周面32iは外周面と係合するように構成されている。これによって、解除カム72は現像カバー部材32に対して摺動可能(現像ローラ6の軸線に沿ってスライド可能)に支持されている。言い換えると、解除カム72は、現像カバー部材32に対して、現像ローラ6の回転軸線と実質的に平行に移動可能である。ここで、解除カム72の外周面、現像カバー部材32の内周面32i、および、現像カバー部材32の外径部32aのそれぞれの中心は同軸上に設けられている。
また、解除カム72の突出部72iが突出する方向とは逆の面には、付勢部としての押圧面72cが設けられる。この押圧面72cは、後述するように駆動入力部材74の被押圧面74cを押圧(付勢)する。
また、現像カバー部材32は、第二ガイド部としてのガイド32hを有し、解除カム72は、第二被ガイド部としてのガイド溝72hを有する。ガイド32hとガイド溝72hは共に軸線方向に対し平行に形成されている。ここで、現像カバー部材32のガイド32hは、カップリング解除部材としての解除カム72のガイド溝72hと係合する。このガイド32hとガイド溝72hとが係合していることで、解除カム72は現像カバー部材32に対して、軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている。
なお、ガイド32hとガイド溝72は共に、その両側が回転軸線Xと平行である必要はなく、互いに接触する片側だけが回転軸線Xと平行に形成されていれば良い。
図11は、解除カム72、現像カバー部材32、および、駆動側カートリッジカバー部材24の構成を示している。
カートリッジPの長手方向において、現像カバー部材32の外側には、駆動側カートリッジカバー部材24が設けられている。
カップリング解除部材としての解除カム72は、装置本体2(本体側付勢部材80)が発生させた力を受ける力受け部としての当接部(斜面)72aを有する。また、駆動側カートリッジカバー部材24は、作用部材としての当接部(斜面)24bを有する。さらに、現像カバー部材32は、開口部32dの周囲に他の開口部32jを有する。解除カム72の当接部72aと駆動側カートリッジカバー部材24の当接部24bとは、現像カバー部材32の他の開口部32jを通して互いに接触可能に構成されている。
なお、上述の説明では、解除カム72の当接部72aと駆動側カートリッジカバー部材24の当接部24bはそれぞれ2個の場合を示しているが、数はこの限りではない。例えば、当接部の数がそれぞれ3個でも良い。
当接部の数はそれぞれ1個でも可であるが、その場合には、駆動伝達・解除動作時(詳細は後述する)に当接部に作用する力によって、解除カム72が軸線Xに対して軸倒れする恐れがある。軸倒れの発生によって駆動連結・解除動作のタイミングなどの駆動切替性能の悪化が懸念される。軸倒れを抑制するために、解除カム72を摺動可能(現像ローラ6の軸線に沿ってスライド可能)に支持している支持部(現像カバー部材32の内周面32i)を補強することが望ましい。これに対し、各当接部の数が複数で、且つ、軸線Xを中心として円周方向に実質的に等間隔に配置することが望ましい。この場合、当接部に作用する力の合力は解除カム72を軸線Xを中心に回転させるモーメントとして作用する。そのため、解除カム72の軸線Xに対しての軸倒れを抑制することができる。更に、当接部を3つ以上設けると、軸線Xに対して解除カム72を支持する平面を規定することができ、解除カム72の軸線Xに対しての軸倒れを更に抑制することができる。即ち、解除カム72の姿勢を安定させることができる。
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について図7と図13〜図15を用いて説明する。尚、図13〜図15は説明のために一部の部品を不図示とし、さらに解除カムの構成を一部模式的に示している。また、本実施例において図中の回動軸線Xに沿った矢印Mはカートリッジの外部に向かう方向を示し、回動軸線Xに沿った矢印Mはカートリッジの内部に向かう方向を示す。
[状態1]
図7(a)に示すように、離間力付勢部材80と軸受部材45の付勢力受け部(離間力受け部)45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を離間力付勢部材80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を図13に示す。図13(a)においては、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の対と、解除カム72と駆動側カートリッジカバー部材24の対とを、それぞれ別々に模式的に示している。図13(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。図13(b)において、駆動側カートリッジカバー部材24は当接部24bを含む一部のみを、また、現像カバー部材32はガイド32hを含む一部のみを表示している。解除カム72の当接部72aと駆動側カートリッジカバー部材24の当接部24bとの間には隙間eがある。また、このとき、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62は互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な構成となっている。また、前述のように、駆動入力部材74は現像ローラギア69と係合している (図12参照)。そのため、装置本体2から駆動入力部材74に入力された駆動力は現像ローラギア69に伝達され、現像ローラ6が駆動される。各部品の上記状態を接触位置と称し、また、現像接触・駆動伝達状態と称す。さらに、この時の駆動入力部材74の位置を、第一の位置とする。
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、図7(b)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた解除カム72や現像カバー部材32は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、カートリッジPが装置本体2に装着されているときは、ドラムユニット8、および、駆動側カートリッジカバー部材24、非駆動側カートリッジカバー部材25は装置本体2に位置決め固定されている。すなわち、図14(a)、図14(b)に示すように、駆動側カートリッジカバー部材24の当接部24bは移動しない。図においては、解除カム72が現像ユニット9の回動に連動して図中矢印K方向に回転移動して、解除カム72の当接部72aと駆動側カートリッジカバー部材24の当接部24bとが互いに接触し始めた状態となっている。このとき、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている(図14(a))。そのため、装置本体2から駆動入力部材74へ入力された駆動力は、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。この時の駆動入力部材74の位置も、第一の位置とする。
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、図7(c)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を図15(a)、図15(b)に示す。現像ユニット9の角度θ2(>θ1)の回動と連動して、解除カム72や現像カバー部材32が回動する。一方、駆動側カートリッジカバー部材24は上述と同様に位置変化せず、解除カム72が図中矢印K方向に回転移動する。このとき、解除カム72の当接部72aは駆動側カートリッジカバー部材24の当接部24bから反力を受ける。また、前述のように、解除カム72は、そのガイド溝72hが現像カバー部材32のガイド32hと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみ移動可能に規制されている(図10参照)。そのため、結果として、解除カム72は現像カバー部材に対して矢印N方向へ移動量pだけスライド移動する。また、解除カム72の矢印N方向への移動と連動して、付勢部材としての解除カム72の付勢部である押圧面72cが駆動入力部材74の被押圧面74cを押圧(付勢)する。これにより、駆動入力部材74がバネ70の押圧力に抗して矢印N方向へ移動量pだけスライド移動する(図15、および、図12(b)参照)。
このとき、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量qよりも移動量pが大きいため、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、装置本体2の現像駆動出力部材62は回転し続け、一方で、駆動入力部材74は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。各部品の上記状態を離間位置と称し、また、現像離間・駆動遮断状態と称す。この時の駆動入力部材74の位置を、第二の位置とする。
このように、解除カム72の付勢部72cによって駆動入力部材74が押圧されることで、駆動入力部材74が第一の位置から第二の位置へカートリッジの内部に向かって移動する。これにより、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の係合が解除され、現像駆動出力部材62からの回転力は、駆動入力部材74に伝達されなくなる。
駆動入力部材74が第一の位置から第二の位置へ移動する移動距離pは、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合量q以上であり(図34参照)、より好ましくは駆動入力部74bの高さ74z(軸線X方向の長さ)以上である(図12参照)。詳細には、本実施例における移動距離pは2.2mmである。本体側からの駆動力の伝達と解除を確実に行うために、移動距離pは2mm以上、3mm以下の範囲であるのが好ましい。
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間できる。その結果、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
現像離間状態(図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は図15に示すように、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。つまり駆動入力部材74は第2の位置にある。
上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向(前述のK方向とは逆回転)へ回動させ、現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(図7(b)、及び、図14に示す状態)では、駆動入力部材74がバネ70の押圧力により矢印M方向へ移動することで、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とが互いに係合する。
これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。つまり駆動入力部材74は第1の位置にある。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる。この状態においても、駆動入力部材74は第1の位置にある。
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
以上、説明したように、本構成においては、現像ローラ6への駆動遮断と駆動伝達の切替を現像ユニット9が回動した角度で一義的に決定できる構成となっている。
なお、上記の説明では、解除カム72の当接部72aと駆動側カートリッジカバー部材24の当接部24bは互いに面対面で接触する構成としたが、必ずしもこの限りではない。例えば、面と稜線、面と点、稜線と稜線、稜線と点、とが接触する構成でもよい。
〔解除機構しくみ〕
次に、解除カム72、駆動側カートリッジカバー部材24、および、現像カバー部材32のガイド32hの位置関係を示す図16の模式図を用いて、解除機構しくみの説明をする。
図16(a)は現像接触・駆動伝達状態、また、図16(b)は現像離間・駆動伝達状態、また、図16(c)は現像離間・駆動遮断状態のそれぞれの状態を示している。これらは、それぞれ図13、図14、図15に示した状態と同じである。図16(c)において、解除カム72と駆動側カートリッジカバー部材24とは、それぞれ回動軸線Xに対して傾斜している当接部72aと当接部24bとで当接している。ここで、現像離間・駆動遮断状態のとき、解除カム72と駆動側カートリッジカバー部材24は図16(d)に示す位置関係となってもよい。即ち、図16(c)で示すようにそれぞれ回動軸線Xに対して傾斜している当接部72aと当接部24bとで当接した後、更に現像ユニット9を回動させる。これによって、解除カム72と駆動側カートリッジカバー部材24は、それぞれ回動軸線Xと垂直な平面部72sと平面部24sとで当接した状態となっている。
ここで、図16(a)に示すように、解除カム72のガイド溝72hと現像カバー部材32のガイド32hとの間に隙間fが有る場合、図16(a)に示す現像接触・駆動伝達状態から図16(d)に示す現像離間・駆動遮断状態までの遷移はこれまでと同様である。一方、図16(d)に示す現像離間・駆動遮断状態から、図16(a)に示す駆動連結状態までの遷移においては、先ず、解除カム72のガイド溝72hと現像カバー部材32のガイド32hとの間の隙間fがなくなる(図16(e))。次に、当接部72aと当接部24bとが当接する直前の状態まで遷移する(図16(f))。次に、当接部72aと当接部24bとが当接した状態まで遷移する(図16(c))。以降、現像ユニット9が現像離間状態から現像当接状態まで遷移する過程での解除カム72、および、駆動側カートリッジカバー部材24の相対位置関係は前述と同じである。
図16に示したような、解除カム72のガイド溝72hと現像カバー部材32のガイド32hとの間に隙間fが有る場合は、現像離間状態から現像当接状態に遷移する過程で、隙間fがなくなるまでは解除カム72は矢印M方向に移動しない。解除カム72が矢印M方向への移動することで、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62の駆動連結が行われる。即ち、解除カム72が矢印M方向へ移動するタイミングと駆動連結されるタイミングは同期している。即ち、駆動連結のタイミングは、解除カム72のガイド溝72hと現像カバー部材32のガイド32hとの間の隙間fで制御することができる。
一方、図15と図16(c)に示すような状態で、現像ユニット9の現像離間と、駆動遮断状態となる構成の説明を行う。即ち、解除カム72と駆動側カートリッジカバー部材24とが、それぞれ回動軸線Xに対して傾斜している当接部72aと当接部24bとで当接した状態を現像離間・駆動遮断状態とする。その場合、解除カム72が矢印M方向へ移動するタイミングは、解除カム72のガイド溝72hと現像カバー部材32のガイド32hとの間の隙間fに依存しない。即ち、駆動連結のタイミングをより高精度に制御することができる。また、解除カム72の矢印M、N方向への移動量を低減でき、プロセスカートリッジの軸線方向のサイズを小さくすることができる。
[従来例との差異]
ここで、従来構成との違いを以下に説明する。
特許文献1においては、現像ローラ端部に、画像形成装置本体から駆動を受けるカップリング、および、駆動切替を行うバネクラッチが設けられている。また、プロセスカートリッジ内に現像ユニットの回動と連動するリンクが設けられている。現像ユニットが回動して現像ローラがドラムと離間すると、上記リンクが現像ローラ端部に設けられたバネクラッチに作用して、現像ローラへの駆動が遮断される構成となっている。
このバネクラッチ自身には、ばらつきが存在する。即ち、バネクラッチを作動させてから実際に駆動伝達が解除させるまでにタイムラグが生じ易い構成になっている。更には、リンク機構の寸法ばらつき、現像ユニットが回動した角度のばらつきにより、リンク機構がバネクラッチに作用するタイミングのばらつきが生じることになる。また、このバネクラッチに作用するリンク機構は、現像ユニット、および、ドラムユニットの回動中心ではない部分に設けられている。
これに対し、本実施例では、現像ローラへの駆動伝達を切替える構成(解除カム72の当接部72a、これに作用する駆動側カートリッジカバー部材24の作用部としての当接部24b、解除カム72の当接部(斜面)72a、および、駆動側カートリッジカバー部材24の当接部(斜面)24b)を採用することにより、現像ローラの回転時間の制御ばらつきを少なくすることができる。
更に、これらのクラッチの構成が、現像ユニットがドラムユニットに対して回動可能に支持されている回動中心と同一直線上に配置している。ここで、回動中心は、ドラムユニットと現像ユニットとの相対位置誤差が最も少ない。そのため、回動中心に現像ローラへの駆動伝達を切替えるクラッチを配置することで、現像ユニットが回動した角度に対するクラッチの切替タイミングを最も精度良く制御することができる。結果として、現像ローラの回転時間を高精度に制御することができ、現像ローラや現像剤の劣化を抑制することができる。
また、従来の画像形成装置、および、プロセスカートリッジでは、現像ローラへの駆動切替を行うクラッチを画像形成装置に設けている場合もある。
例えば、フルカラー画像形成装置においてモノクロ印刷を行う場合には、ブラック色以外の現像剤を収容した現像装置への駆動をクラッチを用いて遮断している。また、モノクロ画像形成装置においても、ドラム上の静電潜像を現像装置によって現像しているときは現像装置へ駆動を伝達し、一方、現像していないときは現像装置への駆動を遮断するようにクラッチを動作させることもできる。非画像形成時に現像装置への駆動を遮断して現像ローラの回転時間を抑制することで、現像ローラや現像剤の劣化を抑制することができる。
これら画像形成装置に現像ローラへの駆動切替を行うクラッチを設ける場合と比較して、クラッチをプロセスカートリッジに設けることで、クラッチの小型化を行うことができる。画像形成装置に設けられたモータ(駆動源)からの駆動をプロセスカートリッジに伝達する際の、画像形成装置のギア配列の一例を図17にブロック図として示す。モータ83からプロセスカートリッジP(PK)へ駆動を伝達する際には、アイドラギア84(K)、クラッチ85(K)、アイドラギア86(K)を介して行われる。また、モータ83からプロセスカートリッジP(PY、PM、PC)へ駆動を伝達する際には、アイドラギア84(YMC)、クラッチ85(YMC)、アイドラギア86(YMC)を介して行われる。モータ83の駆動はアイドラギア84(K)とアイドラギア84(YMC)とに分岐され、また、クラッチ85(YMC)からの駆動はアイドラギア86(Y)、アイドラギア86(M)、および、アイドラギア86(C)に分岐される構成となっている。
例えば、フルカラー画像形成装置でモノクロ印刷を行う場合には、ブラック色以外の現像剤を収容した現像装置への駆動をクラッチ85(YMC)を用いて遮断することになる。フルカラー印刷を行う場合には、クラッチ85(YMC)を介して、モータ83の駆動を各プロセスカートリッジPに伝達することになる。このとき、前述のクラッチ85(YMC)には、各プロセスカートリッジPを駆動するための負荷が集中する。特にクラッチ85(K)にかかる負荷の3倍の負荷がクラッチ85(YMC)に集中する。また、各カラー現像装置の負荷変動も同様に1つのクラッチ85(YMC)に作用することになる。集中負荷、および、負荷変動が発生しても、現像ローラの回転精度を悪化させずに駆動を伝達するために、クラッチの剛性を高める必要がある。したがって、クラッチが大型化したり、焼結金属などの高剛性材質を用いる場合もある。これらに対して、各プロセスカートリッジにクラッチを設けた場合、各クラッチに作用する負荷や負荷変動は各現像装置の負荷や負荷変動のみとなる。したがって、前例と比較して剛性を高める必要がなく、また、各クラッチをより小型化することができる。
更に、図17に示す、ブラック色のプロセスカートリッジP(PK)へ駆動伝達するギア配列においても、駆動切替を行うクラッチ85(K)にかかる負荷を極力低減することが望ましい。プロセスカートリッジPを駆動伝達するためのギア配列において、ギアによる駆動伝達効率を考慮して、被駆動体であるプロセスカートリッジPに近いほど各ギア軸に作用する負荷は低い。そのため、画像形成装置本体に駆動切替を行うクラッチを配置するよりも、カートリッジと装置本体との間、つまりカートリッジにクラッチを配置することで、クラッチを小型化することができる。
[実施例2]
次に、この発明の第2の実施形態によるカートリッジについて説明する。第1の実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。本実施例の特長は、ユニバーサルジョイント(オルダムカップリング)をカートリッジ内部に設けることで、現像ユニット9のドラムユニット8に対する回動軸線Xと、駆動入力部材274の回転軸線Zとが異なる構成を示す。以下の実施例では、回動軸線Xが、回転軸線Zに対して平行にずれている例を説明する。
本実施例における駆動入力部材274と装置本体の現像駆動出力部材62との係合関係は、実施例1における駆動入力部材74の駆動入力部74bと装置本体の現像駆動出力部材62の係合関係と同等である。
詳細には、カートリッジ側駆動伝達部材274は、解除カム272の開口部272fと、開口部232dと、開口部224eと、を貫いてカートリッジ外部に向かって突出している。このカートリッジ側駆動伝達部材274が現像駆動出力部材62と係合することで、現像ローラを回転させる駆動力(回転力)を装置本体から受ける。
さらに、解除カム272と現像カバー部材232との係合関係、および解除カム272、現像カバー部材232、および、駆動側カートリッジカバー部材224の係合関係も実施例1と同等である(図10、図11参照)。
また、感光体ドラム4を回転させる駆動力を受ける感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aの構成も実施例1と同様である。詳細には、感光体用駆動入力部4aは、開口部224dを貫いて突出している。この感光体用駆動入力部4aがドラム駆動出力部材61(図3参照)と係合することで、装置本体からの駆動力(回転力)を受ける。
[駆動連結部の構成]
図18、図19を用いて、本実施例の駆動連結部の構成について説明する。本実施例の駆動連結部とは、バネ70、オルダムカップリング下流部材としてのアイドラギア271、オルダムカップリング中間体42、オルダムカップリング上流部材としての駆動入力部材274、解除機構の一部であり解除部材としての解除カム272、現像カバー部材232、駆動側カートリッジカバー部材224で構成されている。軸受部材45と、駆動側カートリッジカバー部材224と、の間には、軸受部材45から駆動側カートリッジカバー部材224に向かって、上述の駆動連結部が順に設けられている。
現像ユニット9が現像接触状態と現像離間状態とに位置変化する際でも、装置本体2から入力される駆動力を現像ローラ6へ確実に伝達する必要がある。少なくとも解除カム272の中心線は、回動軸線Xと同一直線上に配置されているが、本実施例の場合、現像ユニット9のドラムユニット8に対する回動軸線Xと駆動入力部材274の回転軸線Zとは同一直線上にない。そのため、現像ユニット9が現像接触状態と現像離間状態とに位置変化すると、駆動入力部材274とアイドラギア271との相対位置が変化する。そこで、相対位置ズレが生じても駆動伝達可能なユニバーサルジョイント(オルダムカップリング)が配置されている。具体的には、本実施例においては、駆動入力部材274と、オルダムカップリング中間体42と、およびアイドラギア271の3部品でオルダムカップリングを構成している。図20は、駆動連結部の断面模式図を示している。図20(a)は、駆動入力部材74の駆動入力部74bと装置本体の現像駆動出力部材62とが係合し、現像ローラ6へ駆動伝達をしている状態である。つまり、駆動入力部材74は第1の位置にある。
また、図20(b)は、駆動入力部材274の駆動入力部274bと装置本体の現像駆動出力部材62との係合が解除され、現像ローラ6への駆動が遮断された状態である。つまり、駆動入力部材274は第2の位置にある。
これらの図からわかるように、アイドラギア271の回転軸は回動軸線X上にある。また、オルダムカップリング中間体42は、回動軸線Xと回転軸線Zの間を揺動するように回転する。さらに、解除カム272の中心は回動軸線X上にある。
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について、図7と図21〜図23を用いて説明する。
尚、図21〜図23は説明のために一部の部品を不図示とし、さらに解除カムの構成を一部模式的に示している。また、本実施例において図中の回動軸線Xに沿った矢印Mはカートリッジ外部に向かう方向を示し、回動軸線Xに沿った矢印Mはカートリッジ内部に向かう方向を示す。
[状態1]
図7(a)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80と軸受部材45の付勢力受け部(離間力受け部)45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を離間力付勢部材(本体側付勢部材)80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を図21に示す。
図21(a)においては、駆動入力部材274と現像駆動出力部材62の対と、解除カム272と駆動側カートリッジカバー部材224の対とを、それぞれ別々に模式的に示している。
図21(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。図21(b)において、駆動側カートリッジカバー部材224は当接部224bを含む一部のみを、また、現像カバー部材232はガイド232hを含む一部のみを表示している。解除カム272の当接部272aと駆動側カートリッジカバー部材224の当接部224bとの間には隙間eがある。また、このとき、駆動入力部材274と現像駆動出力部材62は互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な構成となっている。また、前述のように、駆動入力部材274は現像ローラ駆動伝達部材としての現像ローラギア69と係合している (図12参照)。そのため、装置本体2から駆動入力部材274に入力された駆動力は現像ローラギア69に伝達され、現像ローラ6が駆動される。各部品の上記状態を接触位置と称し、また、現像接触・駆動伝達状態と称す。さらにこの時の駆動入力部材274の位置を、第一の位置とする。
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、図7(b)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた解除カム272や現像カバー部材232は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、カートリッジPが装置本体2に装着されているときは、ドラムユニット8、および、駆動側カートリッジカバー部材224、非駆動側カートリッジカバー部材225は装置本体2に位置決め固定されている。すなわち、図22(a)、図22(b)に示すように、駆動側カートリッジカバー部材224の当接部224bは移動しない。図においては、解除カム272が現像ユニット9の回動に連動して図中矢印K方向に回転移動して、解除カム272の当接部72aと駆動側カートリッジカバー部材224の当接部224bとが互いに接触し始めた状態となっている。このとき、駆動入力部材274と現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている(図22(a))。そのため、装置本体2から駆動入力部材274へ入力された駆動力は、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。この時の駆動入力部材274の位置も、第一の位置とする。
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、図7(c)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を図23(a)、図23(b)に示す。現像ユニット9の角度θ2(>θ1)の回動と連動して、解除カム272や現像カバー部材232が回動する。一方、駆動側カートリッジカバー部材224は上述と同様に位置変化せず、解除カム272が図中矢印K方向に回転移動する。このとき、解除カム272の当接部272aは駆動側カートリッジカバー部材224の当接部224bから反力を受ける。また、前述のように、解除カム272は、そのガイド溝272hが現像カバー部材232のガイド232hと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみ移動可能に規制されている(図10参照)。そのため、結果として、解除カム272は現像カバー部材に対して矢印N方向へ移動量pだけスライド移動する。また、解除カム272の矢印N方向への移動と連動して、付勢部材としての解除カム272の付勢部である押圧面272cが駆動入力部材274の被押圧面274cを押圧(付勢)する。これにより、駆動入力部材274がバネ70の押圧力に抗して矢印N方向へ移動量pだけスライド移動する(図23、および、図12(b)参照)。
このとき、駆動入力部材274と現像駆動出力部材62との係合量qよりも移動量pが大きいため、駆動入力部材274と現像駆動出力部材262の係合が解除される。これに伴い、装置本体2の現像駆動出力部材62は回転し続け、一方で、駆動入力部材274は停止する。結果として、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。各部品の上記状態を離間位置と称し、また、現像離間・駆動遮断状態と称す。
この時の駆動入力部材274の位置を、第二の位置とする。
このように、解除カム272の付勢部272cによって駆動入力部材274が押圧されることで、駆動入力部材274が第一の位置から第二の位置へカートリッジの内部に向かって、回転軸線Z上移動する。一方、アイドラギア271は回動軸線X上を移動する。これにより、駆動入力部材274と現像駆動出力部材62の係合が解除され、現像駆動出力部材62からの回転力は、駆動入力部材274に伝達されなくなる。
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間できる。その結果、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
現像離間状態(図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は図23に示すように、駆動入力部材274と現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。つまり駆動入力部材274は第2の位置にある。
上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向(前述のK方向とは逆回転)へ回動させ、現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(図7(b)、及び、図22に示す状態)では、駆動入力部材274がバネ70の押圧力により矢印M方向へ移動することで、駆動入力部材274と現像駆動出力部材62とが互いに係合する。
これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。つまり駆動入力部材274は第1の位置にある。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる。この状態においても、駆動入力部材274は第1の位置にある。
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
以上、説明したように、本構成においては、現像ローラ6への駆動遮断と駆動伝達の切替を現像ユニット9が回動した角度で一義的に決定できる構成となっている。
なお、上記の説明では、解除カム272の当接部272aと駆動側カートリッジカバー部材224の当接部224bは互いに面対面で接触する構成としたが、必ずしもこの限りではない。
以上、説明したように、現像ユニット9の回動軸線Xと同軸に配置された解除カム272が、現像ユニット9の当接・離間動作に応じて長手方向(矢印M、N方向)に移動する構成は実施例1と同様である。特に本実施例の場合は、現像ユニット9の回動と連動して、アイドラギア271、オルダムカップリング中間体42、駆動入力部材74が長手方向(矢印M、N方向)に移動する構成となっている。これにより、駆動入力部材274と現像駆動出力部材62との駆動連結・解除を行うことができる。
[実施例3]
次に、この発明の第3の実施形態によるカートリッジについて説明する。なお、既出の実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。本実施例の駆動入力部材374は、その他のカートリッジ側駆動伝達部材としてのアイドラギア371内部を軸線方向に移動可能な構成である。つまり、上述の実施例のように、現像ローラギア69に係合するアイドラギア371を軸線方向に移動させる必要がない構成であるため、アイドラギア371の磨耗を低減させることができる。
本実施例における駆動入力部材374と装置本体の現像駆動出力部材62との係合関係は、実施例1における駆動入力部材74の駆動入力部74bと装置本体の現像駆動出力部材62の係合関係と同等である。また、感光体ドラム4を回転させる駆動力を受ける感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aの構成も実施例1と同等である。さらに、駆動入力部材374、解除カム372、現像カバー部材232、および駆動側カートリッジカバー部材324の係合関係も実施例1と同等である(図10、図11参照)。
[駆動連結部の構成]
図24、図25を用いて、本実施例の駆動連結部の構成について説明する。本実施例の駆動連結部とは、その他のカートリッジ側駆動伝達部材としてのアイドラギア371、バネ70、駆動入力部材374、解除機構の一部であり解除部材としての解除カム372、現像カバー部材332、駆動側カートリッジカバー部材324で構成されている。軸受部材45と、駆動側カートリッジカバー部材324と、の間には、軸受部材45から駆動側カートリッジカバー部材324に向かって、上述の駆動連結部が順に、同一直線上に設けられている。つまり、その他のカートリッジ側駆動伝達部材であるアイドラギア371とカートリッジ側駆動伝達部材374とは、互いに同軸となるように、かつ直接係合している。また、軸受部材45が、アイドラギア371を回転可能に支持している。より詳細に述べると、軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)が、アイドラギア371の被軸受部371p(円筒内面)を回転可能に支持している(図24、図25、図27参照)。更に、軸受部材45は現像ローラ6を回転可能に支持している。より詳細に述べると、軸受部材45の第二軸受部45q(円筒内面)が、現像ローラ6の軸部6aを回転可能に支持している。そして、現像ローラ6の軸部6aに、現像ローラ駆動伝達部材としての現像ローラギア69が嵌合されている。そして、アイドラギア371の外周部には、現像ローラギア69と噛み合うギア部371gが設けられている。これによって、アイドラギア371から現像ローラギア69を介して現像ローラ6に回転力が伝達されるように構成されている。
図26は、アイドラギア371、バネ70、および、駆動入力部材374の部品構成を示している。また、図26(b)は各部品が組みつけられた状態を示している。アイドラギア371は、実質的に円筒形状であり、その内側に第一ガイド部としてのガイド371aを有する。このガイド部371aは、回動軸線Xと実質的に平行に形成された軸部である。一方、駆動入力部材374は、第一被ガイド部としての穴部374hを有している。穴部374hがガイド371aと係合した状態で、駆動入力部材374が回動軸線Xに沿って移動可能である。言い換えると、アイドラギア371は、その内側で、その回転軸線に沿って駆動入力部材374をスライド移動可能に保持する。更に言い換えると、駆動入力部材374は、アイドラギア371に対し、矢印MまたはN方向にスライド移動可能(往復可能)である。ガイド部371aは穴部374hと係合することで、駆動入力部材374から現像ローラ6を回転させるための回転力を受ける。
本実施例のガイド371aは、回動軸線Xを中心にその周りを囲むように90度毎に4つ設けられる。これに対応して、穴部374hも回動軸線Xを中心にその周りを囲むように90度毎に4つ設けられている。なお、ガイド371a、および、穴部374hの数は必ずしも4つずつである必要はない。ガイド371a、および、穴部374hは、各々複数で、且つ、回動軸線Xを中心として円周方向に等間隔に配置することが望ましい。この場合、ガイド371a、または、穴部374hに作用する力の合力は駆動入力部材374やアイドラギア371を回動軸線Xを中心に回転させるモーメントとして作用する。そのため、駆動入力部材374やアイドラギア371の回動軸線Xに対しての軸倒れを抑制することができる。
また、駆動入力部材374の軸部が伸びる方向に沿って、駆動入力部材374を駆動入力部374b側から見た場合、駆動入力部材374の中央に駆動入力部374bが配置され、その周囲に前述の複数の穴部374hが配置され、さらにその周囲が、解除カム372に押圧される駆動入力部374の被付勢部374cとなる。
ここで、図24、および、図25に示すように、駆動入力部材374と現像カバー部材332の間には、解除カム372が配置されている。第一の実施形態と同様に、解除カム372は現像カバー部材332に対して、軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている(図10参照)。詳細には、駆動入力部材374は軸状の軸部374xを有し、その端部には回転力受け部としての駆動入力部74bが設けられる。軸部374xは、解除カム372の開口部372f、現像カバー部材332の開口部332d、駆動側カートリッジカバー部324の開口部324eをそれぞれ貫くように組み合わされ、先端の駆動入力部374bがカートリッジ外部に向かって露出する。つまり、開口部324eが設けられた駆動側カートリッジカバー部材324の開口面からカートリッジ外部に向かって駆動入力部374bが突出するように配置される。
また、駆動入力部374bは、カートリッジの内部に向かう方向に移動可能に構成される。つまり、駆動入力部374の軸部374xの根元に設けられた被付勢部374cが解除カム372によって押圧されることで、駆動入力部材374はカートリッジの内部に向かって退避する。これにより、本体側駆動伝達部材62から入力される駆動の伝達および遮断が可能となる。
次に、図27に駆動連結部の断面模式図を示す。図27(a)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材374の駆動入力部374bと現像駆動出力部材62とが互いに係合している状態を示している。つまり、現像駆動出力部材62からの駆動伝達が可能な位置に駆動入力部374bがあるので、駆動入力部材374は第1の位置にある。また、図27(b)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材374の駆動入力部374bと現像駆動出力部材62とが互いに離間している状態を示している。
つまり、現像駆動出力部材62からの駆動が伝達されない位置に駆動入力部374bがあるので、駆動入力部材374は第2の位置にある。
前述のように、アイドラギア371の円筒部371pと軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)とが互いに係合している。また、アイドラギア371の円筒部371qと現像カバー部材332の内径部332qとが互いに係合している。すなわち、アイドラギア371は軸受部材45と現像カバー部材332とによって、その両端を回転可能に支持され、駆動入力部材374はアイドラギア371に対して摺動可能(現像ローラの軸線に沿ってスライド可能)に支持されている。
さらに、軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)の中心、現像カバー部材332の内径部332qに設けられた開口部332dの中心は、現像ユニット9の回動軸線Xと同一直線上に配置されている。すなわち、駆動入力部材374は、現像ユニット9の回動軸線Xを中心に回転可能に支持されている。
また、アイドラギア371と駆動入力部材374との間には、付勢部材としての弾性部材であるバネ70が設けられている。図27に模式的に示すように、バネ70はアイドラギア371の内側に設けられており、駆動入力部材374を矢印M方向に押圧している。即ち、バネ70の弾性力に抗して駆動入力部材374はアイドラギア371の内側に移動可能に構成されている。そして、駆動入力部材374は、アイドラギア371の内側に移動することにより、本体側駆動伝達部材62とのカップリングが解除されるように構成されている。
尚、図27の状態において、現像ローラ6の回転軸線と平行な仮想線に駆動入力部材374とその他のカートリッジ側駆動伝達部材(アイドラギア371)を投影させた場合、駆動入力部材374の一部の領域とアイドラギア371の少なくとも一部の領域とが互いに重なるように構成されている。
[駆動解除・連結動作]
現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの駆動連結部の動作、および、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの駆動連結部の動作については、実施例1と類似である。特に本実施例の構成においては、駆動入力部材374は、アイドラギア371内で軸線方向(矢印M、および、N方向)に移動可能な構成である。すなわち、現像ローラ6への駆動遮断と駆動伝達の切替を行う際に、現像ローラギア69に対してアイドラギア371を軸線方向に移動させる必要がない。各ギアがはすばギアの場合、ギア駆動伝達部ではギア歯面にスラスト力(軸線方向に作用する力)が発生している。そのため、第1の実施の形態の場合、アイドラギア371を軸線方向(矢印M、または、N方向)に移動させるためには、スラスト力に抗した力が必要になる。
一方、本実施の形態の場合、アイドラギア371を軸線方向(矢印M、または、N方向)に移動させる必要がない。駆動入力部材374をアイドラギア371内で軸線方向(矢印M、および、N方向)に移動させればよく、結果として、駆動入力部材374を軸線方向に移動させる際に必要な力を小さくすることができる。
さらに、駆動入力部材374を、アイドラギア371の内径部に配置することができれば、現像ユニット9全体の長手方向を小型化できる。軸線方向に、駆動入力部材374の幅374y、駆動入力部材374の移動スペースp、アイドラギア371の幅371xが必要である。ここで、駆動入力部材374の幅374yの少なくとも一部、と移動スペースpの少なくとも一部、をアイドラギア371の幅371x内に配置することで、現像ユニット9全体の長手方向のサイズを小型化できる。
[実施例4]
次に、この発明の第4の実施形態によるカートリッジについて説明する。なお、既出の実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。本実施例の特長は、解除機構の構成が上述の実施例とは異なる例を示す。
[駆動連結部の構成]
本実施例における駆動入力部材374と装置本体の現像駆動出力部材62との係合関係は、実施例1における駆動入力部材74の駆動入力部74bと装置本体の現像駆動出力部材62の係合関係と同等である。また、感光体ドラム4を回転させる駆動力を受ける感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aの構成も実施例1と同等である。本実施例における駆動入力部材474とアイドラギア471の形は実施例3と同等である。
詳細には、図28、図29を用いて、本実施例の駆動連結部の構成について説明する。本実施例の駆動連結部とは、その他のカートリッジ側駆動伝達部材であるアイドラギア471、バネ70、駆動入力部材474、解除機構の一部でありカップリング解除部材であって作用部材としての解除カム472、現像カバー部材432で構成されている。軸受部材45と、駆動側カートリッジカバー部材324と、の間には、軸受部材45から駆動側カートリッジカバー部材324に向かって、上述の駆動連結部が順に、同一直線上に設けられている。つまり、その他のカートリッジ側駆動伝達部材であるアイドラギア471と前記カートリッジ側駆動伝達部材474とは、互いに同軸となるように、かつ直接係合している。
ここで、カートリッジ側駆動伝達部材474は軸状の軸部474xを有し、その端部には回転力受け部としての駆動入力部474bが設けられる。軸部474xは、解除カムの開口部472d、現像カバー部材432の開口部432d、駆動側カートリッジカバー部材424の開口部424eをそれぞれ貫くように組み合わされ、先端の駆動入力部474bがカートリッジ外部に向かって露出する。また、カートリッジ側駆動伝達部材474の軸部474xの根元に設けられた被付勢部474cが解除カム472の付勢部472cによって押圧されることで、駆動入力部材474はカートリッジの内部に向かって退避する。
図30に、カップリング解除部材としての解除カム472と現像カバー部材432の関係を示す。解除カム472は、実質的にリング形状のリング部472jを有する。このリング部472jは、第二被ガイド部としての外周部である外周面を有する。外周部にはリング部から突出した突出部472iが設けられる。本実施例においては、突出部472iは前記リング部の半径方向外側に凸となる構成である。また、現像カバー部材432は第二ガイド部の一部としての内周面432iを有する。この内周面432iは前述の解除カム472の外周面と係合するように構成されている。
また、解除カム472の外周面の中心、および、現像カバー部材432の内周面432iの中心は共に、回動軸線Xに対して同一直線上(同軸)に配置されている。すなわち、解除カム472は現像カバー部材432、および、現像ユニット9に対して、軸線方向にスライド移動可能で、且つ、回動軸線Xを中心とした回転方向にも回転可能に支持されている。
さらに、解除カム472のカートリッジ内部方向の面(現像カバー部材がある方向とは反対の面)には、付勢部としての押圧面472cが設けられている。この押圧面が、駆動入力部材474の被押圧面474cを押圧(付勢)することで、駆動入力部材474はカートリッジ内部に向かって移動可能となる。
また、カップリング解除部材としての解除カム472のリング部472jは、力受け部として、斜面形状の当接部472aを有する。また、現像カバー部材432には、解除カムの当接部472aに対応し、解除カムの当接部472aと接触可能であって、斜面形状の当接部432rを有する。また、解除カム472は、前記現像ローラの回転軸線に対し実質的に直交する方向、つまりリング部の半径方向外側に突出した、突出部としてのレバー部472mを有する。
図31は、駆動連結部、および、駆動側カートリッジカバー部材424の構成を示している。上述の突出部としてのレバー部472mは、第二被ガイド部としての力受け部472bを有する。この力受け部472bは、駆動側カートリッジカバー部材424の第二ガイド部の一部としての規制部である係合部424dと係合することにより、駆動側カートリッジカバー部材424から力を受ける。この力受け部472bは、現像カバー部材432の円筒部432bの一部に設けられた開口部432cから突出し、駆動側カートリッジカバー部材424の係合部424dと係合する構成となっている。この係合部424dと力受け部472bとが係合していることで、解除カム472は駆動側カートリッジカバー部材424に対して、軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている。また、前述の実施の形態と同様に、現像カバー部材432の円筒部432bの外径部432aは、駆動側カートリッジカバー部材424の摺動部としての支持部424a(円筒内面)と摺動する構成となっている。すなわち、外径部432aは回動可能に摺動部としての支持部424aと結合している。
なお、後述する駆動切替動作において、解除カム472が軸線方向(矢印M、および、N方向)にスライド移動する際に、軸線方向に対して軸倒れする恐れがある。軸倒れの発生によって駆動連結・解除動作のタイミングなどの駆動切替性能の悪化が懸念される。解除カム472の軸倒れを抑制するために、解除カム472の外周面と現像カバー部材432の内周面432iの摺動抵抗、および、解除カム472の力受け部472bと駆動側カートリッジカバー部材424の係合部424dとの摺動抵抗を下げるとよい。また、図32に示すように、解除カム4172の外周面4172i、および、現像カバー部材4132の内周面4132iを軸線方向に延長して、解除カム4172の軸線方向の係合量を増加させるのもよい。
以上のことから、解除カム472は、第二ガイド部の一部である現像カバー部材432の内周面432iと、第二ガイド部の一部である駆動側カートリッジカバー部材424の係合部424dと、の両者と係合している。すなわち、解除カム472は、現像ユニット9に対しては軸線方向(矢印M、および、N方向)と回動軸線Xを中心とした回転方向に摺動可能(回転可能)であり、ドラムユニット8、および、ドラムユニット8に固定された駆動側カートリッジカバー部材424に対しては軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている。
〔カートリッジの各部材にかかる力の関係〕
次に、カートリッジの各部材にかかる力の関係の説明を行う。図37(a)は、現像ユニット9に作用する力を模式的に示したカートリッジPの分解斜視図であり、図37(b)は、カートリッジPを回動軸線X方向に沿って駆動側から見た側面図の一部を示している。
現像ユニット9には、加圧バネ95からの反力Q1、現像ローラ6を介してドラム4から受ける反力Q2、および、自重Q3などが作用している。これに加え、駆動解除動作時には、解除カム472は、駆動側カートリッジカバー部材424と係合して反力Q4を受ける(詳細は後述する)。これら反力Q1、Q2、Q4、および、自重Q3の合力Q0は、現像ユニット9を回動可能に支持している駆動側カートリッジカバー部材424、および、非駆動側カートリッジカバー部材25の摺動部としての支持部424a、25aに作用することになる。
すなわち、カートリッジPを軸線方向に沿って見た場合(図37(b))、合力Q0の方向には、現像カバー部材432と接触する駆動側カートリッジカバー部材424の摺動部としての支持部424aが必要になる。すなわち、駆動側カートリッジカバー部材424の摺動部としての支持部424aには、合力Q0を受ける合力受け部を有する(図31参照)。一方、合力Q0の方向以外には、現像カバー部材432の円筒部432bや駆動側カートリッジカバー部材424の支持部424aは必ずしも必要ではない。本実施例においては、上記を考慮し、現像カバー部材432の駆動側カートリッジカバー部材424と摺動する円筒部432bの一部で、且つ、合力Q0の方向ではない方向(本実施例では、合力Q0と逆側)に開口部432cを設けている。また、その開口部432cに、駆動側カートリッジカバー部材424の規制部である係合部424dと係合する解除カム472を配置している。
[現像ローラと、カートリッジ側駆動伝達部材と、付勢力受け部の配置関係]
図37(b)に示すように、カートリッジ9を駆動側から現像ローラの回転軸線に沿って見ると、感光体4の回転軸線4zと、カートリッジ側駆動伝達部材474の回転軸線(本実施例では回動軸線Xと同軸、)と、本体側付勢部材80から力を受ける付勢力受け部45aの当接部45bと、の間に、現像ローラ6の回転軸線6zが配置される。つまり、カートリッジPを駆動側から現像ローラの回転軸線に沿って見た場合、感光体4の回転軸線4zと、カートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線xと、付勢力受け部45aの当接部45bと、を結んだ3つの直線で囲まれる三角形の中に、現像ローラ6の回転軸線6zが配置される。
図33に駆動連結部の模式断面図を示す。
アイドラギア471の円筒部471p(円筒内面)と軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)とが互いに係合している。また、アイドラギア471の円筒部471q(円筒外面)と現像カバー部材432の内径部432qとが互いに係合している。すなわち、アイドラギア471は、軸受部材45と現像カバー部材432とによって、その両端を回転可能に支持されている。
また、駆動入力部材474の軸部474xと現像カバー部材432の開口部432dとが互いに係合している。これにより、駆動入力部材474は現像カバー部材432に対して摺動可能(回転可能)に支持されている。
さらに、軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)の中心、現像カバー部材432の内径部432qに設けられた開口部432dのそれぞれの中心は、現像ユニット9の回動軸線Xと同一直線上に配置されている。すなわち、駆動入力部材474は、現像ユニット9の回動軸線Xを中心に回転可能に支持されている。
図33(a)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材474の駆動入力部474bと現像駆動出力部材62とが互いに係合している状態を示している。また、図33(b)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材474の駆動入力部474bと現像駆動出力部材62とが互いに離間している状態を示している。
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について、図7と図34〜図36を用いて説明する。
尚、図34〜図36は説明のために一部の部品を不図示とし、さらに解除カムの構成を一部模式的に示している。また、本実施例において図中の回動軸線Xに沿った矢印Mはカートリッジ外部に向かう方向を示し、回動軸線Xに沿った矢印Mはカートリッジの内部に向かう方向を示す。
[状態1]
図7(a)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80と軸受部材45の付勢力受け部(離間力受け部)45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を離間力付勢部材(本体側付勢部材)80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を図34に模式的に示す。図34(a)においては、駆動入力部材474と現像駆動出力部材62の対と、解除カム472と現像カバー部材432の対とを、それぞれ別々に模式的に示している。
図34(b)には、駆動連結部の斜視図を示す。図34(b)において、現像カバー部材432は当接部432rを含む一部のみを、また、駆動側カートリッジカバー部材424は係合部424dを含む一部のみを表示している。解除カム472の当接部472aと現像カバー部材432の当接部432rとの間には隙間eがある。また、このとき、駆動入力部材474の駆動入力部材474bと現像駆動出力部材62は互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な構成となっている。また、前述のように、駆動入力部材474はアイドラギア471と係合している (図26参照)。そのため、装置本体2から駆動入力部材474に入力された駆動力は、駆動入力部材474を介してアイドラギア471、および、現像ローラ駆動伝達部材としての現像ローラギア69に伝達される。これにより、現像ローラ6が駆動される。各部品の上記状態を接触位置と称し、また、現像接触・駆動伝達状態と称す。さらにこの時の駆動入力部材474の位置を、第一の位置とする。
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、図7(b)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた解除カム472や現像カバー部材432は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、解除カム472は、現像ユニット9に組み込まれているが、図31に示したように、力受け部472bが駆動側カートリッジカバー部材424の規制部である係合部424dと係合している。そのため、現像ユニット9が回動しても、解除カム472は位置変化しない。すなわち、解除カム472は、現像ユニット9に対して相対移動する。図35(a)、図35(b)に示すように、解除カム472の当接部472aと現像カバー部材432の当接部432rとが互いに接触し始めた状態となっている。このとき、駆動入力部材474の駆動入力部材474bと現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている(図35(a))。そのため、装置本体2から駆動入力部材474へ入力された駆動力は、駆動入力部材474、および、アイドラギア471、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。なお、前述の状態1においては、必ずしも、力受け部472bが駆動側カートリッジカバー部材424の係合部424dに当接している構成でなくてもよい。すなわち、状態1において力受け部472bが駆動側カートリッジカバー部材424の係合部424dに対して隙間を有して配置されていてもよい。この場合は、状態1から状態2への動作の最中に、力受け部472bと駆動側カートリッジカバー部材424の係合部424dとの隙間がなくなり、力受け部472bが駆動側カートリッジカバー部材424の係合部424dに当接することになる。この時の駆動入力部材474の位置も、第一の位置とする。
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、図7(c)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を図36(a)、図36(b)に示す。現像ユニット9の角度θ2(>θ1)の回動と連動して、現像カバー部材432が回動する。このとき、解除カム472の当接部472aは現像カバー部材432の当接部432rから反力を受ける。また、前述のように、解除カム472は、その力受け部472bが駆動側カートリッジカバー部材424の係合部424dと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみ移動可能に規制されている(図31参照)。そのため、結果として、解除カム472は矢印N方向へ移動量pだけスライド移動する。また、解除カム472の矢印N方向への移動と連動して、付勢部材としての解除カム472の付勢部である押圧面472cが駆動入力部材474の被押圧面474cを押圧(付勢)する。これにより、駆動入力部材474がバネ70の押圧力に抗して矢印N方向へ移動量pだけスライド移動する(図36、および、図33(b)参照)。
このとき、駆動入力部材474の駆動入力部材474bと現像駆動出力部材62との係合量qよりも移動量pが大きいため、駆動入力部材474と現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、現像駆動出力部材62は回転し続け、一方で、駆動入力部材474は停止する。結果として、アイドラギア471、および、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。各部品の上記状態を離間位置と称し、また、現像離間・駆動遮断状態と称す。この時の駆動入力部材474の位置を、第二の位置とする。
このように、解除カム472の付勢部472cによって駆動入力部材474が押圧されることで、駆動入力部材474が第一の位置から第二の位置へカートリッジの内部に向かって移動する。これにより、駆動入力部材474と現像駆動出力部材62の係合が解除され、現像駆動出力部材62からの回転力は、駆動入力部材474に伝達されなくなる。
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間でき、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
現像離間状態(図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は図36に示すように、駆動入力部材474と現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。つまり駆動入力部材474は第2の位置にある。
上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向(前述のK方向とは逆回転)へ回動させ、現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(図7(b)、及び、図35に示す状態)では、駆動入力部材474がバネ70の押圧力により矢印M方向へ移動することで、駆動入力部材474の駆動入力部材474bと現像駆動出力部材62とが互いに係合する。これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。つまり駆動入力部材474は第1の位置にある。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、駆動入力部材474は第2の位置から第1の位置へ移動し、さらに、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる。以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
なお、上記の説明では、解除カム472の力受け部472bは、駆動側カートリッジカバー部材424の規制部である係合部424dと係合する構成としたが、必ずしもこの限りではなく、例えば、クリーニング容器26と係合する構成でもよい。
特に本実施の形態の場合、解除カム472に当接部472aを設け、これに当接する作用部としての当接部432rを現像カバー部材432に設けている。また、ドラムユニット8の係合する力受け部472bを、現像カバー部材432の円筒部432bの一部に設けられた開口部432cから突出させる構成としている。そのため、力受け部472b、および、これに作用する第二ガイド部の一部としての係合部424dの配置の自由度が増す。具体的には、図11で示したように、現像カバー部材32のその他の開口部32jを介して作用部材24bを配置する必要がない。
〔変形例〕
ここで、上述の説明においては、画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジPの説明であったが、図38に示すような、画像形成装置に着脱可能な現像カートリッジDの形態でもよい。図39(a)は現像カートリッジDの駆動側端部に配置された各部品を分解した図であり、上述の実施例4と類似の説明は省略する。
カップリング解除部材としての解除カム72は、画像形成装置本体から矢印F2方向へ力を受ける力受け部72uを有している。解除カム72が画像形成装置本体から矢印F2方向の力を受けると、回動軸線Xを中心に矢印H方向に回動する。以降、前述と同様に、解除カム72に設けられた力受け部としての当接部72pが、現像カバー部材32の当接部32r(不図示)から反力を受ける。これにより、解除カム72は矢印N方向へ移動する。解除カム72の移動に伴い、駆動入力部材74は解除カム72に押されて、カートリッジの内部に向かって軸線Xに沿って移動する。その結果、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62との係合が解除され、現像ローラ6の回転が停止する。
現像ローラ6へ駆動を伝達する際には、解除カム72を矢印M方向へ移動させ駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とを係合させればよい。その際には、解除カム72への矢印F2方向の力を排除することで、バネ70の反力を利用して解除カム72を矢印M方向へ移動させればよい。以上説明したように、ドラム4と現像ローラ6とが常に接触した状態においても、現像ローラ6への駆動伝達を切り替えることができる。
また、図39(b)に示すように、カートリッジ9を駆動側から現像ローラの回転軸線に沿って見ると、カートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線(本実施例では回動軸線Xと同軸、)と、力受け部である付勢力受け部72uの間に、現像ローラ6の回転軸線6zが配置される。つまり、現像ローラ6の回転軸線6zを基準として、付勢力受け部72uとカートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線(X)はそれぞれ逆側に配置されている。
より詳細には、本体側付勢部材80に付勢力受け部72uが当接する当接部72bと、カートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線6zと、を結んだ直線と、カートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線6zと、カートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線(X)と、を結んだ2の直線は交わるように配置されている。また、現像ローラの回転軸線に沿ってカートリッジ9を見たときに、当接部72pとカートリッジ側駆動伝達部材74の回転軸線とを結んだ線が、現像ローラ6を通過するように配置されている。
なお、上記では、現像カートリッジDの形態での説明であったが、カートリッジの形態はこの限りではなく、現像カートリッジDに対してドラムを有したプロセスカートリッジPの形態でもよい。即ち、プロセスカートリッジP内でドラム4と現像ローラ6とが接触した状態で、現像ローラへの駆動伝達を切り替える構成にも、本実施例の構成を用いることができる。
また、これまでの実施例において、ドラム4上の静電潜像を現像する際にはドラム4と現像ローラ6とが接触した状態で現像する『接触現像方式』での説明であったが、現像方式はこの限りではない。ドラム4と現像ローラ6との間に微小隙間を設けてドラム4上の静電潜像を現像する『非接触現像方式』でもよい。以上のように、画像形成装置に着脱可能なカートリッジは、ドラムを有するプロセスカートリッジPでもよく、また、現像カートリッジDでもよい。
[実施例5]
次に、この発明の第5の実施形態によるカートリッジについて説明する。なお、これまでの実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。本実施例は、カバー部材の構成が前述の実施例と異なる例を示す。
[現像ユニットの構成]
現像ユニット9は、図40〜43に示すように、現像ローラ6、現像ブレード31、現像枠体29、軸受部材45などで構成されている。
また、図40に示すように、軸受部材45は、現像枠体29の長手方向一端側に固定されている。この軸受部材45は、現像ローラ6を回転可能に支持している。現像ローラ6は、その長手端部に現像ローラ駆動伝達部材としての現像ローラギア69を有する。
また、駆動側カートリッジカバー部材524には、その他の軸受部材35が固定されている(図43参照)。その他の軸受部材35と駆動側カートリッジカバー部材524との間には、現像ローラギア69へ駆動力を伝達するためのアイドラギア571や、駆動連結部として、アイドラギア571に駆動を伝達する駆動入力部材574などが設けられている。
その他の軸受部材35は、現像ローラギア69へ駆動力を伝達するためのアイドラギア571を回転可能に支持している。駆動側カートリッジカバー部材524には開口部524eが設けられている。そして、開口部524eからは、駆動入力部材574の駆動入力部574bがカートリッジ外部に向かって凸となるように露出している。この駆動入力部574bは、カートリッジPが装置本体2に装着された際に、図3(b)に示す現像駆動出力部材62(62Y・62M・62C・62K)と係合し、装置本体2に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達される。即ち、駆動入力部材574は、現像入力カップリングとして機能する。装置本体2から駆動入力部材574へ入力された駆動力は、アイドラギア571を介して、現像ローラギア69、および、現像ローラ6へ伝達される構成となっている。図42、および、図43は、現像ユニット9、ドラムユニット8、および、その他の軸受部材35が固定された駆動側カートリッジカバー部材524を示した斜視図である。図43に示すように、その他の軸受部材35は、駆動側カートリッジカバー部材524に固定されている。その他の軸受部材35には、支持部35aが設けられている。一方、現像枠体29には、回動穴29cが設けられている(図42参照)。現像ユニット9とドラムユニット8とを組み付ける場合、カートリッジPの長手一端側では、その他の軸受部材35の支持部35aに、現像枠体29の回動穴29cを嵌合させる。また、カートリッジPの長手他端側では、非駆動側カートリッジカバー部材の支持穴部25aに、現像枠体29から突出して設けられた突起部29bを嵌合させる。これにより、現像ユニット9は、ドラムユニット8に対して回動可能に支持される。この場合、現像ユニット9のドラムユニット8に対する回動中心である回動軸線Xは、その他の軸受部材35の支持部35aの中心と非駆動側カートリッジカバー部材25の支持穴部25aの中心とを結んだ軸線となる。
[駆動連結部の構成]
本実施例における駆動入力部材574と装置本体の現像駆動出力部材62との係合関係は、実施例1における駆動入力部材74の駆動入力部74bと装置本体の現像駆動出力部材62の係合関係と同等である。また、感光体ドラム4を回転させる駆動力を受ける感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aの構成も実施例1と同等である。また、本実施例における駆動入力部材374とアイドラギア471の形は実施例3と同等である。
詳細には、図40、図41を用いて駆動連結部の構成について説明する。本実施例の駆動連結部とは、現像枠体29の長手方向一端側に固定された軸受部材45、その他のカートリッジ側駆動伝達部材であるアイドラギア571、バネ70、駆動入力部材574、解除機構の一部であり解除部材としての解除カム572、駆動側カートリッジカバー部材524で構成されている。その他の軸受部材35と、駆動側カートリッジカバー部材524と、の間には、その他の軸受部材35から駆動側カートリッジカバー部材524に向かって、上述の駆動連結部が順に、同一直線上に設けられている。つまり、その他のカートリッジ側駆動伝達部材であるアイドラギア371と前記カートリッジ側駆動伝達部材374とは、互いに同軸となるように、かつ直接係合している。
また、その他の軸受部材35が、アイドラギア571を回転可能に支持している。より詳細に述べると、その他の軸受部材35の第一軸受部35p(円筒外面)が、アイドラギア571の被軸受部571p(円筒内面)を回転可能に支持している(図40、図41参照)。
ここで、カートリッジ側駆動伝達部材574は軸状の軸部574xを有し、その端部には回転力受け部としての駆動入力部574bが設けられる。軸部574xは、解除カムの開口部572d、駆動側カートリッジカバー部材524の開口部524eをそれぞれ貫くように組み合わされ、先端の駆動入力部574bがカートリッジ外部に向かって露出する。また、カートリッジ側駆動伝達部材574の軸部574xの根元に設けられた被付勢部574cが解除カム572の付勢部572cによって押圧されることで、駆動入力部材574はカートリッジの内部に向かって退避する。
(解除機構)
図44に、カップリング解除部材としての解除カム572と、駆動側カートリッジカバー部材524の関係を示す。解除カム572は、実質的にリング形状のリング部572jを有する。このリング部572jは、第二被ガイド部としての外周部である外周面を有する。外周部にはリング部から突出した突出部572iが設けられる。本実施例においては、突出部572iは前記リング部の半径方向外側に凸となる構成である。また、駆動側カートリッジカバー部材524は第二ガイド部の一部としての内周面524iを有する。この内周面524iは前述の解除カム572の外周面と係合するように構成されている。
また、解除カム572の外周面の中心、および、駆動側カートリッジカバー部材524の内周面524iの中心は共に、回動軸線Xに対して同一直線上(同軸)に配置されている。すなわち、解除カム572は駆動側カートリッジカバー部材524、および、現像ユニット9に対して、軸線方向にスライド移動可能で、且つ、回動軸線Xを中心とした回転方向にも摺動可能(回転可能)に支持されている。
さらに、解除カム572のカートリッジ内部方向の面(駆動側カートリッジカバー部材がある方向とは反対の面)には、付勢部としての押圧面572cが設けられている。この押圧面が、駆動入力部材574の被押圧面574cを押圧(付勢)することで、駆動入力部材574はカートリッジ内部に向かって移動可能となる。
また、カップリング解除部材としての解除カム572は、力受け部として、斜面形状の当接部572aを有する。また駆動側カートリッジカバー部材524には、解除カムの当接部572aに対応し、解除カムの当接部572aと接触可能であって、斜面形状の当接部524bを有する。また、解除カム572は、前記現像ローラの回転軸線に対し実質的に直交する方向、つまりリング部の半径方向外側に突出した、突出部としてのレバー部572mを有する。
図45は、駆動連結部、駆動側カートリッジカバー部材524、および、軸受部材45の構成を示している。軸受部材45は、第二ガイド部の一部としての規制部である係合部45dを有する。この係合部45dは、駆動側カートリッジカバー部材524とその他の軸受部材35との間に保持された解除カム572の第二被ガイド部としての力受け部572bと係合する構成となっている。この係合部45dと力受け部572bとが係合していることで、解除カム572は、軸受部材45、および、現像ユニット9に対して、回動軸線X周りの相対移動ができないように規制されている。
図46に駆動連結部の断面図を示す。
アイドラギア571の円筒部571pとその他の軸受部材35の第一軸受部35p(円筒外面)とが互いに係合している。また、アイドラギア571の円筒部571qと駆動側カートリッジカバー部材524の内径部524qとが互いに係合している。すなわち、アイドラギア571は、その他の軸受部材35と駆動側カートリッジカバー部材524とによって、その両端を回転可能に支持されている。
また、駆動入力部材574の軸部574xと駆動側カートリッジカバー部材524の開口部524eとが互いに係合することで、駆動入力部材574は駆動側カートリッジカバー部材524に対して回転可能に支持されている。
さらに、その他の軸受部材35の第一軸受部35p(円筒外面)、駆動側カートリッジカバー部材524の内径部524qの中心、および、開口部524eの中心は、現像ユニット9の回動軸線Xと同一直線上(同軸)に配置されている。すなわち、駆動入力部材574は、現像ユニット9の回動軸線Xを中心に回転可能に支持されている。
図46(a)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材574の駆動入力部574bと現像駆動出力部材62とが互いに係合している状態を示している。つまり、駆動入力部材574が第1の位置にある状態を示す。
また、図46(b)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材574の駆動入力部574bと現像駆動出力部材62とが互いに離間している状態を示している。つまり、駆動入力部材574が第2の位置にある状態を示す。
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について図7と図47〜図49を用いて説明する。
尚、図47〜図49は説明のために一部の部品を不図示とし、さらに解除カムの構成を一部模式的に示している。また、本実施例において図中の回動軸線Xに沿った矢印Mはカートリッジ外部に向かう方向を示し、回動軸線Xに沿った矢印Mはカートリッジの内部に向かう方向を示す。
[状態1]
図7(a)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80と軸受部材45の付勢力受け部(離間力受け部)45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を離間力付勢部材(本体側付勢部材)80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を図47に示す。また、図47(a)においては、駆動入力部材574と現像駆動出力部材62の対と、解除カム572と駆動側カートリッジカバー部材524の対とを、それぞれ別々に模式的に示している。
図47(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。図47(b)において、駆動側カートリッジカバー部材524は当接部524bを含む一部のみを、また、軸受部材45は規制部である係合部45dを含む一部のみを表示している。解除カム572の当接部572aと駆動側カートリッジカバー部材524の当接部524bとの間には隙間eがある。また、このとき、駆動入力部材574の駆動入力部574bと現像駆動出力部材62は互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な構成となっている(図47(a))。また、前述のように、駆動入力部材574はアイドラギア571と係合している(図26参照)。そのため、装置本体2から駆動入力部材574に入力された駆動力は、アイドラギア571を介して現像ローラギア69に伝達される。これにより、現像ローラ6が駆動される。各部品の上記状態を接触位置と称し、また、現像接触・駆動伝達状態と称す。さらにこの時の駆動入力部材274の位置を、第一の位置とする。
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から、図7(b)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動すると、前述したように、現像ユニット9が回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた軸受部材45は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、解除カム572は、ドラムユニット8に組み込まれているが、図45に示したように、力受け部572bが軸受部材45の係合部45dと係合している。そのため、現像ユニット9の回動と連動して、解除カム572はドラムユニット8内で矢印K方向に回転する。図48(a)、図48(b)に示すように、解除カム572の当接部572aと駆動側カートリッジカバー部材524の当接部524bとが互いに接触し始めた状態となっている。このとき、駆動入力部材574の駆動入力部574bと現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている。そのため、装置本体2から駆動入力部材574へ入力された駆動力は、駆動入力部材574、および、アイドラギア571、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。この時の駆動入力部材274の位置も、第一の位置とする。
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から、図7(c)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したときの、駆動連結部の構成を図49(a)、図49(b)に示す。現像ユニット9の角度θ2(>θ1)の回動と連動して、軸受部材45が回動する。このとき、解除カム572の当接部572aは駆動側カートリッジカバー部材524の当接部524bから反力を受ける。また、前述のように、解除カム572は、その力受け部572bが軸受部材45の係合部45dと係合して、現像ユニット9に対しては軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみ移動可能に規制されている(図45参照)。そのため、結果として、解除カム572は矢印N方向へ移動量pだけスライド移動する。また、解除カム572の矢印N方向への移動と連動して、付勢部材としての解除カム572の付勢部である押圧面572cが駆動入力部材574の被押圧面574cを押圧(付勢)する。これにより、駆動入力部材574がバネ70の押圧力に抗して矢印N方向へ移動量pだけスライド移動する。
このとき、駆動入力部材574の駆動入力部574bと現像駆動出力部材62との係合量qよりも移動量pが大きいため、駆動入力部材574と現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、現像駆動出力部材62は回転し続け、一方で、駆動入力部材574は停止する。結果として、アイドラギア571、および、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。各部品の上記状態を離間位置と称し、また、現像離間・駆動遮断状態と称す。
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間でき、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。この時の駆動入力部材274の位置を、第二の位置とする。
このように、解除カム572の付勢部572cによって駆動入力部材574が押圧されることで、駆動入力部材574が第一の位置から第二の位置へカートリッジの内部に向かって、回動軸線X上を移動する。これにより、駆動入力部材574と現像駆動出力部材62の係合が解除され、現像駆動出力部材62からの回転力は、駆動入力部材574に伝達されなくなる。
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
現像離間状態(図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は図49に示すように、駆動入力部材574の駆動入力部574bと現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。つまり駆動入力部材274は第2の位置にある。
上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向(前述のK方向とは逆回転)へ回動させ、現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(図7(b)、及び、図48に示す状態)では、駆動入力部材574がバネ70の押圧力により矢印M方向へ移動することで、駆動入力部材574の駆動入力部574bと現像駆動出力部材62とが互いに係合する。これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。つまり駆動入力部材274は第1の位置にある。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる。この状態においても、駆動入力部材574は第1の位置にある。
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
なお、上記の説明では、解除カム572の力受け部572bは、軸受部材45の規制部である係合部45dと係合する構成としたが、必ずしもこの限りではなく、例えば、現像枠体29と係合する構成でもよい。本実施の形態のように、駆動入力部材574をドラムユニット8に設けることも可能である。
[実施例6]
次に、この発明の第6の実施形態によるカートリッジについて説明する。なお、これまでの実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。本実施例においては、解除カム672と解除レバー73を組み合わせて用いる例を示す。
[現像ユニットの構成]
図50、図51に示すように、現像ユニット9は、現像ローラ6、現像ブレード31、現像枠体29、軸受部材45、現像カバー部材632等を有する。
また、図50に示すように、軸受部材45は、現像枠体29の長手方向一端側に固定されている。この軸受部材45は、現像ローラ6を回転可能に支持している。現像ローラ6は、その長手端部に現像ローラ駆動伝達部材としての現像ローラギア69を有する。軸受部材45は、現像ローラギア69へ駆動力を伝達するためのアイドラギア671も回転可能に支持している。
また、駆動連結部として、アイドラギア671に駆動を伝達する駆動入力部材674などが順に設けられている。
そして、現像カバー部材632が、カートリッジPの長手方向において、軸受部材45の外側に固定されている。この現像カバー部材632は、現像ローラギア69やアイドラギア671、駆動伝達部材674を覆うように構成されている。さらに、図50、図51に示すように、現像カバー部材632には円筒部632bが設けられている。そして、円筒部632bの内側の開口部632dからは、駆動伝達部材674の駆動入力部674bがカートリッジ外部に向かって凸となるように露出している。この駆動入力部(カートリッジ側駆動伝達部材)674bは、カートリッジP(PY・PM・PC・PK)が装置本体2に装着された際に、図3(b)に示す本体側駆動伝達部材である現像駆動出力部材62(62Y・62M・62C・62K)と係合し、装置本体2に設けられた駆動モータ(不図示)からの駆動力が伝達される。即ち、駆動伝達部材674は、現像入力カップリングとして機能する。従って、装置本体2から駆動伝達部材674へ入力された駆動力は、アイドラギア671を介して、現像ローラギア69、および、現像ローラ6へ伝達される構成となっている。駆動連結部の構成については追って詳述する。
[ドラムユニットと現像ユニットの組立]
図52、図53に示すように、現像ユニット9とドラムユニット8とを組み付ける場合、カートリッジPの一端側では駆動側カートリッジカバー部材624の摺動部としての支持部624aに現像カバー部材632の円筒部632bの外径部632aを嵌合させる。そして、カートリッジPの他端側では非駆動側カートリッジカバー部材の支持穴部25aに、現像枠体29から突出して設けられた突起部29bを嵌合させる。これにより、現像ユニット9は、ドラムユニット8に対して回動可能に支持される。ここで、現像ユニット9のドラムユニットに対する回動中心を、回動軸線Xと称す。この回動軸線Xは、支持部624aの中心と支持部25aの中心とを結んだ軸線である。
[駆動連結部の構成]
本実施例における駆動入力部材674と装置本体の現像駆動出力部材62との係合関係は、実施例1における駆動入力部材74の駆動入力部74bと装置本体の現像駆動出力部材62の係合関係と同等である。また、感光体ドラム4を回転させる駆動力を受ける感光体用駆動入力部(感光体用駆動伝達部)4aの構成も実施例1と同等である。本実施例における駆動入力部材374とアイドラギア471の形は実施例3や実施例4と同等である。
詳細には、図50、図51を用いて駆動連結部の構成について説明する。本実施例の駆動連結部とは、その他のカートリッジ側駆動伝達部材としての、アイドラギア671、弾性部材(付勢部材)であるバネ70、駆動入力部材674、解除カム672、解除レバー73、現像カバー部材632、駆動側カートリッジカバー部材624で構成されている。軸受部材45と、駆動側カートリッジカバー部材624と、の間には、軸受部材45から駆動側カートリッジカバー部材624に向かって、上述の駆動連結部が順に、同一直線上に設けられている。つまり、その他のカートリッジ側駆動伝達部材であるアイドラギア371と前記カートリッジ側駆動伝達部材374とは、互いに同軸となるように、かつ直接係合している。また、解除レバー73は、現像枠体である軸受け部材45に対し回動可能な回動部材である。
ここで、カートリッジ側駆動伝達部材674は軸状の軸部674xを有し、その端部には回転力受け部としての駆動入力部674bが設けられる。解除カムの開口部672d、解除レバー73の開口部73d、現像カバー部材632の開口部632d、駆動側カートリッジカバー部材624の開口部624eをそれぞれ貫くように組み合わされ、先端の駆動入力部674bがカートリッジ外部に向かって露出する。また、カートリッジ側駆動伝達部材674の軸部674xの根元に設けられた被付勢部674cが解除カム672の付勢部672cによって押圧されることで、駆動入力部材674はカートリッジの内部に向かって退避する。
また、軸受部材45が、アイドラギア671を回転可能に支持している。より詳細に述べると、軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)が、アイドラギア671の被軸受部671p(円筒内面)を回転可能に支持している(図50、図51参照)。更に、軸受部材45は現像ローラ6を回転可能に支持している。より詳細に述べると、軸受部材45の第二軸受部45q(円筒内面)が、現像ローラ6の軸部6aを回転可能に支持している。そして、現像ローラ6の軸部6aに、現像ローラギア69が嵌合されている。そして、アイドラギア671の外周部には、現像ローラギア69と噛み合うギア部671gが設けられている。これによって、アイドラギア671から現像ローラギア69を介して現像ローラ6に回転力が伝達されるように構成されている。
(解除機構)
次に、駆動解除機構を説明する。
ここで、図50および図51に示すように、駆動入力部材674と現像駆動出力部材62の間には、解除機構の一部でありカップリング解除部材としての解除カム672が配置されている。前述のように、解除カム672は、実質的にリング形状のリング部672jを有する。このリング部672jは、外周面である外周部を有する。外周部にはリング部から突出した突出部672iが設けられる。本実施例においては、突出部672iは現像ローラの回転軸線に沿った方向に突出している。また、現像カバー部材632は内周面632iを有する(図51参照)。この内周面632iは解除カム672の外周面と係合するように構成されている。これによって、解除カム672は現像カバー部材632に対して摺動可能(現像ローラ6の軸線と平行にスライド可能)に支持されている。
また、現像カバー部材632は、第二ガイド部としてのガイド632hを有し、解除カム672は、第二被ガイド部としてのガイド溝672hを有する。ここで、ガイド632hとガイド溝672hは軸線方向(矢印M、および、N方向)に平行に形成されている。
そして、現像カバー部材632のガイド632hは、解除カム672のガイド溝672hと係合する。このガイド632hとガイド溝672hとが係合していることで、解除カム672は現像カバー部材632に対して、軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみスライド移動可能な構成となっている。また、ここで矢印M方向をカートリッジの外部に向かう方向、矢印N方向をカートリッジの内部に向かう方向と定義する。
図54に駆動連結部の模式断面図を示す。
アイドラギア671の円筒部671p(円筒外面)と軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)とが互いに係合している。また、アイドラギア671の円筒部671qと現像カバー部材632の内径部632qとが互いに係合している。すなわち、アイドラギア671は、軸受部材45と現像カバー部材632とによって、その両端を回転可能に支持されている。
さらに、軸受部材45の第一軸受部45p(円筒外面)の中心、現像カバー部材632の内径部632qの中心、および、穴部632pの中心は、現像ユニット9の回動軸線Xと同一直線上(同軸)に配置されている。すなわち、駆動伝達部材674は、現像ユニット9の回動軸線Xを中心に回転可能に支持されている。
図54(a)に示す駆動連結部の模式断面図では、駆動入力部材674の駆動入力部674bと現像駆動出力部材62とが互いに係合している状態を示している。つまり、駆動入力部材674は第1の位置にある。また、図53(b)に示す駆動連結部の模式断面図では、駆動入力部材674の駆動入力部674bと現像駆動出力部材62とが互いに離間している状態を示している。つまり、駆動入力部材674は第2の位置にある。ここで、解除レバー73の少なくとも一部は、駆動入力部材674と現像駆動出力部材62との間に配置されている。
図55には、解除カム672と回動部材としての解除レバー73の構成を示している。カップリング解除部材としての解除カム672は、力受け部(被付勢部)としての当接部672aと、円筒内面672e、とを有する。ここで、当接部672aは、回動軸線X(現像ローラ6の回転軸線と平行である)に対して傾斜している。また、解除レバー73は、その他の付勢部としての当接部73aと、外周面73eと、を有する。ここで、その他の付勢部としての当接部73aは、回動軸線Xに対して傾斜している。
そして、解除レバー73の当接部73aが、解除カム672の当接部672aと接触可能に構成されている。また、解除カム672の円筒内面672eと解除レバー73の外周面73eとが互いに摺動可能に係合している。さらに、解除カム672の外周面、円筒内面672e、および、解除レバー73の外周面73eのそれぞれの回転軸線は同一直線上(同軸)に配置されている。ここで、前述のように、解除カム672の外周面は、現像カバー部材632の内周面632iと係合するように構成されている(図51参照)。また、解除カム672の外周面の中心、現像カバー部材632の内周面632iの中心、は共に、回動軸線Xに対して同一直線上(同軸)に配置されている。すなわち、解除レバー73は、解除カム672、現像カバー部材632とを介して、現像ユニット9(現像枠体29)に対して回動軸線Xを中心に回動可能に支持されている。
ここで、回動部材としての解除レバー73は、実質的にリング形状であるリング部73jを有する。このリング部73jは、当接部73aや外周面73eを有する。さらに、解除レバーは73は、現像ローラの回転軸線に対し実質的に直交する方向、つまりリング部73jからリング部73jの半径方向外側に向かって突出した突出部としてのレバー部73mを有する。
図56は、駆動連結部、および、駆動側カートリッジカバー部材624の構成を示している。解除レバー73の力受け部73bは、駆動側カートリッジカバー部材624の規制部である係合部624dと係合し、駆動側カートリッジカバー部材624(感光体枠体の一部)から力を受ける。この力受け部73bは、現像カバー部材632の円筒部632bの一部に設けられた開口部632cから突出し、駆動側カートリッジカバー部材624の規制部である係合部624dと係合する構成となっている。この係合部624dと力受け部73bとが係合していることで、解除レバー73は駆動側カートリッジカバー部材624に対して、回動軸線X周りの相対移動ができないように規制されている。
〔カートリッジの各部材にかかる力の関係〕
次に、カートリッジの各部材にかかる力の関係の説明を行う。図60(a)は、現像ユニット9に作用する力を模式的に示したカートリッジPの斜視図であり、図60(b)は、カートリッジPを回動軸線X方向に沿って駆動側から見た側面図の一部を示している。
現像ユニット9には、加圧バネ95からの反力Q1、現像ローラ6を介してドラム4から受ける反力Q2、および、自重Q3などが作用している。これに加え、駆動解除動作時には、解除レバー73は、駆動側カートリッジカバー部材624と係合して反力Q4を受ける(詳細は後述する)。これら反力Q1、Q2、Q4、および、自重Q3の合力Q0は、現像ユニット9を回動可能に支持している駆動側カートリッジカバー部材624、および、非駆動側カートリッジカバー部材625の摺動部としての支持部624a、25aに作用することになる。
すなわち、カートリッジPを軸線方向に沿って見た場合(図60(b))、合力Q0の方向には、現像カバー部材632と接触する駆動側カートリッジカバー部材624の摺動部としての支持部624aが必要になる。一方、合力Q0の方向以外には、現像カバー部材632の円筒部632bや駆動側カートリッジカバー部材624の支持部624aは必ずしも必要ではない。本実施例においては、上記を考慮し、現像カバー部材632の駆動側カートリッジカバー部材624と摺動する円筒部632bの一部で、且つ、合力Q0の方向ではない方向に開口部632cを設けている。また、その開口部632cに、駆動側カートリッジカバー部材624の規制部である係合部624dと係合する解除レバー73を配置している。
また、図60(b)に示すように、カートリッジ9を駆動側から現像ローラの回転軸線に沿って見た場合の、感光体4の回転軸線4zと、カートリッジ側駆動伝達部材674の回転軸線(X)と、本体側付勢部材80から力を受ける付勢力受け部45aの当接部45pと、現像ローラ6の回転軸線6z、の配置関係は図37(b)で説明した関係と同様のため、説明は省略する。
[駆動解除動作]
以下、現像ローラ6とドラム4とが互いに接触した状態から離間した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について、図7と図57〜図59を用いて説明する。
尚、図57〜図59は説明のために一部の部品を不図示とし、さらに解除カムの構成を一部模式的に示している。また、本実施例において図中の回動軸線Xに沿った矢印Mはカートリッジ外部に向かう方向を示し、回動軸線Xに沿った矢印Mはカートリッジの内部に向かう方向を示す。
[状態1]
図7(a)に示すように、離間力付勢部材(本体側付勢部材)80と軸受部材45の付勢力受け部45aとは、隙間dを有して離間している。このとき、ドラム4と現像ローラ6とは互いに接触した状態となっている。この状態を離間力付勢部材(本体側付勢部材)80の状態1とする。このときの駆動連結部の構成を図57(a)に模式的に示す。また、図57(a)においては、駆動伝達部材674と現像駆動出力部材62の対と、解除カム672と解除レバー73の対とを、それぞれ別々に模式的に示している。
図57(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。図57(b)において、現像カバー部材632はガイド632hを含む一部のみを表示している。解除カム672の当接部672aと解除レバー73の当接部73aとの間には隙間eがある。また、このとき、駆動入力部材674の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62は互いに係合量qを有して係合し、駆動伝達が可能な構成となっている。また、前述のように、駆動入力部材674はアイドラギア671と係合している(図26参照)。そのため、装置本体2から駆動伝達部材674に入力された駆動力は、アイドラギア671、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を接触位置と称し、また、現像接触・駆動伝達状態と称す。さらにこの時の駆動入力部材474の位置を、第一の位置とする。
[状態2]
上記現像接触・駆動伝達状態から離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ1だけ移動する(図7(b)参照)と、前述したように、現像ユニット9が回動軸線Xを中心として矢印K方向に角度θ1だけ回動する。その結果、現像ローラ6はドラム4から距離ε1だけ離間する。現像ユニット9内に組み込まれた解除カム672や現像カバー部材632は、現像ユニット9の回動と連動して角度θ1だけ矢印K方向に回動する。一方、解除レバー73は、現像ユニット9に組み込まれているが、図56に示したように、力受け部73bが駆動側カートリッジカバー部材624の係合部624dと係合している。そのため、力受け部73bは現像ユニット9の回動とは連動せず、位置変化しない。すなわち、解除レバー73は、駆動側カートリッジカバー部材624の係合部624dから反力を受け、現像ユニット9に対して相対移動(回動)する。このときの駆動連結部の構成を図58(a)に模式的に示す。また、図58(b)には、駆動連結部の構成の斜視図を示す。図においては、解除カム672が現像ユニット9の回動に連動して図中矢印K方向に回転移動して、解除カム672の当接部672aと解除レバー73の当接部73aとが互いに接触し始めた状態となっている。このとき、駆動入力部材674の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62とは互いに係合した状態を保っている。そのため、装置本体2から駆動伝達部材674へ入力された駆動力は、アイドラギア671、現像ローラギア69を介して現像ローラ6へ伝達されている。各部品の上記状態を現像離間・駆動伝達状態と称す。なお、前述の状態1においては、必ずしも、力受け部73bが駆動側カートリッジカバー部材624の係合部624dに当接している構成でなくてもよい。すなわち、状態1において力受け部73bが駆動側カートリッジカバー部材624の係合部624dに対して隙間を有して配置されていてもよい。この場合は、状態1から状態2への動作の最中に、力受け部73bと駆動側カートリッジカバー部材624の係合部624dとの隙間がなくなり、力受け部73bが駆動側カートリッジカバー部材624の係合部624dに当接することになる。この時の駆動入力部材474の位置も、第一の位置とする。
[状態3]
上記現像離間・駆動伝達状態から離間力付勢部材(本体側付勢部材)80が図中矢印F1方向へδ2だけ移動したとき(図7(c)参照))の駆動連結部の構成を図59に示す。現像ユニット9の角度θ2(>θ1)の回動と連動して、解除カム672や現像カバー部材632が回動する。一方、解除レバー73は上述と同様に位置変化せず、解除カム672が図中矢印K方向に回転移動する。このとき、解除カム672の当接部672aは解除レバー73の当接部73aから反力を受ける。また、前述のように、解除カム672は、そのガイド溝672hが現像カバー部材632のガイド632hと係合して軸線方向(矢印M、および、N方向)にのみ移動可能に規制されている(図10参照)。そのため、結果として、解除カム672は矢印N方向へ移動量pだけスライド移動する。また、解除カム672の矢印N方向への移動と連動して、解除カム672の付勢部としての押圧面672cが、駆動入力部材674の被付勢部としての被押圧面674cを押圧(付勢)する。これにより、駆動入力部材674がバネ70の押圧力に抗して矢印N方向へ移動量pだけスライド移動する。このとき、駆動入力部材674の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62との係合量qよりも移動量pが大きいため、駆動入力部材674と現像駆動出力部材62の係合が解除される。これに伴い、現像駆動出力部材62は回転し続け、一方で、駆動入力部材674は停止する。結果として、アイドラギア671、および、現像ローラギア69、現像ローラ6の回転が停止する。各部品の上記状態を離間位置と称し、また、現像離間・駆動遮断状態と称す。この時の駆動入力部材674の位置を、第二の位置とする。
このように、解除カム672の付勢部672cによって駆動入力部材674が押圧されることで、駆動入力部材674が第一の位置から第二の位置へカートリッジの内部に向かって移動する。これにより、駆動入力部材674と現像駆動出力部材62の係合が解除され、現像駆動出力部材62からの回転力は、駆動入力部材674に伝達されなくなる。
以上、現像ユニット9の矢印K方向への回動と連動して、現像ローラ6への駆動遮断の動作を説明した。上記構成を採用することにより、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら離間でき、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6への駆動を遮断することができる。
[駆動連結動作]
次に、現像ローラ6とドラム4とが互いに離間した状態から接触した状態へ変化するときの、駆動連結部の動作について説明する。この動作は、上述の現像接触状態から現像離間状態への動作の逆である。
現像離間状態(図7(c)に示すように、現像ユニット9が角度θ2だけ回動した状態)では、駆動連結部は図59に示すように、駆動入力部材674の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62との係合が解除された状態となっている。つまり駆動入力部材674は第2の位置にある。
上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向(前述のK方向とは逆回転)へ回動させ、現像ユニット9が角度θ1だけ回動した状態(図7(b)、及び、図58に示す状態)では、駆動入力部材674がバネ70の押圧力により矢印M方向へ移動する。これにより、駆動入力部材674の駆動入力部74bと現像駆動出力部材62とが互いに係合する。これにより、装置本体2からの駆動力が現像ローラ6に伝達され、現像ローラ6が回転駆動される。つまり駆動入力部材674は第1の位置にある。なお、このときは、現像ローラ6とドラム4とは互いに離間した状態を保っている。
さらに上記の状態から、徐々に現像ユニット9を図7に示す矢印H方向へ回動させていくことで、駆動入力部材674は第2の位置から第1の位置へ移動し、さらに、現像ローラ6とドラム4とを接触させることができる。
以上、現像ユニット9の矢印H方向への回動に連動した、現像ローラ6への駆動伝達の動作を説明した。上記構成により、現像ローラ6はドラム4に対して、回転しながら接触し、現像ローラ6とドラム4との離間距離に応じて現像ローラ6へ駆動を伝達することができる。
以上、説明したように、本構成においては、現像ローラ6への駆動遮断と駆動伝達の切替を現像ユニット9が回動した角度で一義的に決定できる構成となっている。
なお、上記の説明では、解除カムの当接部672aと解除レバー73の当接部73aは互いに面対面で接触する構成としたが、必ずしもこの限りではない。例えば、面と稜線、面と点、稜線と稜線、稜線と点、とが接触する構成でもよい。また、解除レバー73の力受け部73bは、駆動側カートリッジカバー部材624の規制部である係合部624dと係合する構成としたが、必ずしもこの限りではなく、例えば、クリーニング容器26と係合する構成でもよい。
本実施の形態によれば、現像ユニット9は、解除レバー73、および、解除カム672を有している。解除レバー73は、現像ユニット9に対して、回動軸線Xを中心に回動可能で、軸線方向M、および、N方向のスライド移動ができないように規制されている。一方、解除カム672は、現像ユニット9に対して、軸線方向M、および、N方向のスライド移動が可能で、回動軸線Xを中心とした回動ができないように規制されている。すなわち、現像ユニット9に対して、回動軸線Xを中心とした回動と、軸線方向M、および、N方向のスライド移動と、の三次元の相対移動を行う部品がない。すなわち、各部品の移動方向を、解除レバー73、および、解除カム672とで機能分離している。これにより、各部品の移動が二次元となり、動作が安定する。結果として、現像ユニット9の回動と連動した現像ローラ6への駆動伝達の動作を滑らかに行うことができる。
本実施例においては、解除カム672に加えて解除レバー73も付勢機構であり、駆動入力部材674の軸部674xに摺動可能に支持されている。本実施例においては、駆動解除時には、先ず、解除カム672の力受け部としての当接部672aと、解除レバー73の当接部73aとが当接する。以降、解除カム672が矢印N方向への移動に伴い、駆動入力部材674が、カートリッジの内部に向かって退避していくことで、本体側駆動伝達部材62との連結が解除される構成となっている。
また、図50において、解除レバー73の外周面73eと、カップリング解除部材としての解除カム672の円筒内面672eとが係合することで、解除レバー73と解除カム672の位置決めを行っている。
しかしながら、この限りではなく、例えば、図61に示すような構成でもよい。即ち、解除レバー73の外周面73eは現像カバー部材632の内周面632qと摺動可能に支持され、また、解除カム672の円筒内面672iもまた、現像カバー部材632の内周面632qと摺動可能に支持されている構成でもよい。
[実施例7]
次に、この発明の第7の実施形態によるカートリッジについて説明する。なお、これまでの実施形態と同様の構成については、その説明を省略する。本実施の形態は、前述の第6の実施形態と類似のものである。実施例6との違いは、図62の模式断面図に示すように、解除レバー73のレバー部は、現像カバー部材732と、駆動側カートリッジカバー部材724との隙間で形成される開口部から突出している。
図62は、回動軸線Xと垂直に交わる方向から駆動連結部を見た、駆動連結部の断面図である。
図62(a)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材774の駆動入力部774bと現像駆動出力部材62とが互いに係合している状態を示している。つまり、駆動入力部材774は第1の位置にある。また、図62(b)に示す駆動連結部の断面図では、駆動入力部材774の駆動入力部774bと現像駆動出力部材62とが互いに離間している状態を示している。つまり、駆動入力部材774hは第2の位置にある。
また、解除レバー73は現像カバー部材732の摺動部である円筒部732bの厚さ方向(回動軸線Xに沿った方向)内にもうけられている。円筒部732bは、駆動側カートリッジカバー部材724に対して現像カバー部材が摺動する、現像カバー部材732の摺動部である。つまり、解除レバー73は、回動軸線Xに沿った方向において、現像カバー部材732と駆動側カートリッジカバー部材724とが摺動する摺動範囲内724eにもうけられている。
さらに、解除レバー73は、現像カバー部材732の円筒部732bの一部に設けられた開口732cから突出している。
解除レバー73、解除レバーが突出する開口部、現像カートリッジ、駆動入力部、感光体、のそれぞれの位置関係は前述の実施例6の図60と同等である。
ここで、前述したように、駆動解除動作時には、解除レバー73は反力Q4を受ける(図60参照)。解除レバー73が反力Q4を受ける力受け部73bは、現像ユニット9が駆動側カートリッジカバー部材724と摺動する摺動部としての支持部724aの摺動範囲内724eに設けられている。また、解除レバー73は、現像ユニット9が駆動側カートリッジカバー部材724と摺動する摺動部としての支持部724aの摺動範囲内724eで支持されている。すなわち、解除レバー73が受ける反力Q4は、駆動側カートリッジカバー部材724によって、回動軸線X方向でずれることなく受けられている。そのため、本実施の形態によれば、現像カバー部材732の変形を抑制することができる。また、現像カバー部材732の変形が抑制されることで、駆動側カートリッジカバー部材724に対する現像ユニット9の回動軸線Xを中心とした回動動作を安定的に行うことができる。さらに、解除レバー73を、回動軸線X方向で、現像ユニット9が駆動側カートリッジカバー部材724と摺動する摺動部としての支持部724aの摺動範囲内724eに設けたため、駆動連結部、および、プロセスカートリッジの小型化を達成することができる。
上述の実施例のカートリッジは、画像形成装置の本体からの回転力を、カートリッジに伝達/遮断するクラッチの役目を、カートリッジのインターフェース部で達成する。インターフェース部とは、カートリッジを画像形成装置の本体に装着した際に、カートリッジと本体が接触する部分を示す。上述の実施例は、カートリッジ側のインターフェース部であるカートリッジ側駆動伝達部材74が、カートリッジの内部に向かう方向に沿って進退可能な構成である。このような構成によってカートリッジの長手方向の端部に設けられるカートリッジ側駆動伝達部材74が、クラッチの機能の役目を担う。
上述の実施例のカップリング解除部材72は、カートリッジ側駆動伝達部材74を付勢する付勢機構であり、カップリング解除部材72によって、カートリッジ側駆動伝達部材74はカートリッジの内部に向かって移動する。この動作により、駆動入力部材74と現像駆動出力部材62とのカップリングが解除される。また、上述のカートリッジ側駆動伝達部材74を付勢する力として、例えば、カートリッジに設けられた付勢力受け部45aがカートリッジ外部より受けた力を用いれば良い。
さらに、感光体と現像ローラとを有するプロセスカートリッジにおいては、感光体と現像ローラとの離間動作と、上述のクラッチ動作を連動させることもできる。つまり、感光体と現像ローラを離間させるように、ドラムユニット8に対して現像ユニット9を回動させると、その回動に伴い、カートリッジ側駆動伝達部材74がカートリッジの内部に向かって引っ込む構成としてもよい。そして、上述の状態から、感光体と現像ローラが接触するように、ドラムユニット8に対して現像ユニット9を上述の回動と逆方向に回動させると、その回動に伴いカートリッジ側駆動伝達部材74がカートリッジ外部に向かって突出する構成としてもよい。
上述の実施例において、駆動入力部材74は、被押圧面74cを有する被付勢部と、先端が駆動入力部74bである軸部74xと、を有している。解除カム72や解除レバー73は、駆動入力部材74の被付勢部74cと、駆動入力部材74の先端の駆動入力部74bとの間に配置される。詳細には、駆動入力部材74の軸部74xが、解除カム72や解除レバーの開口部を貫くように摺動可能に配置される。
駆動解除時には、解除カム72の付勢部としての押圧面72cが、駆動入力部材74の被付勢部としての被押圧面74cを押圧することで、駆動入力部材74はカートリッジの内部に向かって退避する。
また、解除カム72の付勢部としての押圧面72cと、駆動入力部材74の被付勢部としての被押圧面74cと、はそれぞれ現像ローラの回転軸線に対し実質的に直交した面を有している。しかしながら、解除カム72の付勢部72cと、駆動入力部材74の被付勢部としての被押圧面74cは、必ずしも双方が面である必要は無い。解除カム72が駆動入力部材74を押圧できる構成であれば、面、稜線、点をそれぞれ組み合わせて接触するような構成でも良い。