JP6930956B2 - 風力発電設備及び風力発電設備の運用方法 - Google Patents
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Description
この点、上記特許文献1にも、風力発電設備内の人員に雷雲の接近を報知して該風力発電設備からの退避を促すことについては何ら詳述されていない。
少なくとも一本のブレードと、
前記ブレードが取り付けられるハブと、
前記ハブを回転可能に支持するナセルと、
前記ナセル内に設けられ、一種以上の警報を発するように構成された警報器と、
前記警報を発するように前記警報器に指令する警報信号を出力するためのコントローラと、を備える風力発電設備であって、
前記コントローラは、外部機器から発せられる雷雲位置情報に基づいて、雷雲と前記風力発電設備との距離が第1閾値以下になったときに前記警報信号を出力するように構成されている。
前記風力発電設備は、
前記ナセルを支持するタワーと、
前記タワーの周囲において前記タワー外に設置された外部警報器と、をさらに備え、
前記外部警報器は、前記コントローラが出力する前記警報信号に基づいて視覚的及び/又は聴覚的な警報を発するように構成されていてもよい。
前記コントローラは、複数の異なる前記距離の大きさに応じて、複数種の前記警報から選択される少なくとも一の前記警報を発するよう前記警報器を制御するように構成されていてもよい。
前記コントローラは、前記雷雲位置情報を受信するように前記外部機器と通信可能に構成され、受信した前記雷雲位置情報に基づいて、前記距離が前記第1閾値以下になったか否かを判断するように構成されていてもよい。
前記風力発電設備は、
前記外部機器とハードウェア回線、又は、準ずるソフトウェアプログラムを介して接続され、前記距離が前記第1閾値以下になったときにON/OFF状態が切り替わるように構成されたリレー又はリレー信号と、
前記リレー又はリレー信号と前記コントローラとの間に設けられる中継装置又は配線と、をさらに備え、
前記コントローラは、前記中継装置又は配線を介して入力される前記リレーのON/OFF状態を示すリレー信号に応じて、前記警報信号を出力するように構成されていてもよい。
前記コントローラは、前記外部機器から暴風情報を受信し、前記暴風情報に基づいて前記風力発電設備の運転を停止するように構成されていてもよい。
この点、上記(6)の構成によれば、コントローラにより、外部機器から受信した暴風情報に基づいて風力発電設備の運転を停止することができる。つまり、上記雷雲位置情報とは別に外部機器から受信する暴風情報に基づいて、風力発電設備の運転継続と停止とをコントローラが切り替えることができる。よって、雷雲の接近情報に応じて少なくともナセル内の人員に警報を発することができることに加えて、暴風情報に応じた風力発電設備の運転制御を行うことができる。
前記距離は、前記ナセルからの人員の退避に要する時間を考慮して設定されていてもよい。
前記警報器は、複数種の前記警報をそれぞれ発するように構成された複数のランプ、または、複数種の前記警報をそれぞれ異なる色で表示可能に構成された少なくとも一つのランプを含む警光灯であってもよい。
前記コントローラは、前記警報信号を出力後、前記雷雲位置情報に基づいて、前記距離が第2閾値より大きくなったときに前記警報器に対して前記警報を解除するための解除信号を出力するように構成されていてもよい。
前記コントローラは、前記警報信号を出力後、各々の作業員が携帯するポータブル端末から入力された前記警報の前記作業員による認知を示す認知確認信号を受け取る様に構成されていてもよい。
前記少なくとも一本のブレードは、3本のブレードを含み、
前記コントローラは、前記雷雲位置情報に基づいて、前記距離が第3閾値以下になったときに、前記3本のブレードのうち保護対象ブレードが鉛直方向下向きとなるように前記ハブのアジマス角を調整するように構成されていてもよい。
この点、上記(11)の構成によれば、外部機器から発せられる雷雲位置情報に基づき、風力発電設備と雷雲との距離が第3閾値以下になったとき、コントローラにより、3本のブレードのうち保護対象ブレードを鉛直方向下向きとなるようにハブのアジマス角を調整する制御が行われる。これにより、保護対象ブレードを比較的低い位置に配置することができるから、保護対象ブレードへの雷撃の可能性を低減して保護対象ブレードを保護することができる。なお、保護対象ブレードは、例えば、既に雷撃その他の原因により損傷を受けているブレードでもよいし、比較的新しいブレードであってもよく、運転状況に応じて任意に設定し得る。
前記コントローラは、前記雷雲位置情報に基づいて、前記距離が第4閾値以下になったときに、前記ハブが遊転するフェザーモードに移行させるように構成されていてもよい。
少なくとも一本のブレードと、
前記ブレードが取り付けられるハブと、
前記ハブを回転可能に支持するナセルと、
前記ナセル内に設けられ、一種以上の警報を発するように構成された警報器と、
を備える風力発電設備の運用方法であって、
外部機器から発せられる雷雲位置情報に基づいて、雷雲と前記風力発電設備との距離が第1閾値以下になったときに前記警報を発する。
前記ナセル内の作業員が前記警報に基づき退避するための退避スペースを前記タワー内の上部に設置してもよい。
前記作業員の退避後、前記雷雲位置情報に基づいて作業再開の可否を判断してもよい。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は本開示の少なくとも一実施形態における風力発電設備の構成例を示す概略図である。図2は一実施形態に係る風力発電設備のシステム構成例を示す概略図である。図3は一実施形態に係る風力発電設備の制御系の構成例を示すブロック図である。
図1〜図3に非限定的に例示するように、本開示の少なくとも一実施形態に係る風力発電設備(以下、風車1とする)は、少なくとも一のブレード2及び該ブレード2が取り付けられるハブ3を含む風車ロータ4と、風車ロータ4のハブ3を回転可能に支持するナセル7と、該ナセル7を旋回可能に支持するタワー8と、タワー8を支持するベース9と、ナセル7内に設けられ、一種以上の警報を発するように構成された警報器10と、警報を発するように警報器10に指令する警報信号63を出力するためのコントローラ20と、を備えている。
なお、風車1は、風車ロータ4と一体回転可能に連結された主軸5A及び増速機5Bを含むドライブトレイン5と、ドライブトレイン5の回転エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を生成する発電機6と、を備えている。
警報機10は、例えば、光、音、動作又はこれらの組み合わせにより、視覚的、聴覚的又は感覚的に注意を喚起し得る態様で警報を発するように構成される。
なお、一実施形態において、上記のコントローラ20は、例えばナセル5内に配置されたナセル制御装置(図示省略)であってもよい。ただし、他の実施形態として、コントローラ20は、例えばハブ3内に配置されたピッチ制御装置、タワー8内に配置された操作端末又は風車1から離れて配置された管理センター内に設置された制御システム、或いは、ウィンドファームコントローラ20Aであってもよい。
本開示の少なくとも一実施形態におけるコントローラ20は、例えば図2に非限定的に例示する外部機器40から発せられる雷雲位置情報41に基づいて、雷雲Tcと風車1との距離が第1閾値Th1以下になったときに警報信号63を出力するように構成され得る(図5、ステップS10〜S11参照)。
ROM23には、外部機器40から発せられる雷雲位置情報41に基づいて、雷雲Tcと風車1との距離が第1閾値Th1以下になったときに警報信号63を出力する雷雲接近時運転プログラム28が格納されていてもよい。
この雷雲接近時運転プログラム28をCPU21がROM23から読み出し、RAM44に展開して実行することにより、コントローラ20は、雷雲位置情報41に基づいて警報信号63を出力するように構成され得る。
外部機器40は、例えば雷雲の接近や暴風などを含む気象に関する情報を発信する機関又は会社等の施設内に設置され得る。このような外部機器40から発信された情報(例えば、雷雲位置情報41及び後述する暴風情報42を含む)は、有線又は無線のネットワークを通じて関係部門に提供される。
第1閾値Th1として設定される距離は、例えば、5km、10km、15km、20km等、任意の値に設定し得る。
外部警報器16は、例えば、風車1のタワー8の外周やナセル7の周囲、或いは、風車1が設置された公園等の施設内など、風車1の近傍に配置され得る。
そして、外部警報器16は、コントローラ20が出力する警報信号63に基づいて視覚的及び/又は聴覚的な警報を発するように構成されていてもよい。
警報の種類としては、例えば、上述したように、光、音、動作又はこれらの組み合わせにより、視覚的、聴覚的又は感覚的に注意を喚起し得る態様の警報を含み得る。また、上記複数の異なる距離の大きさに応じて、複数の光源、音源等を用いる態様であってもよい。
そして、コントローラ20は、中継装置62を介して入力されるリレー52のON/OFF状態を示すリレー信号61に応じて、警報信号63を出力するように構成されていてもよい。なお、こうしたリレー52、中継装置62は、例えば、プログラマブルロジックコントローラの様な機器によるソフトウェアで置き換えることもできる。
この点、上記のように外部機器40から受信した暴風情報42に基づいて風車1の運転を停止する構成によれば、コントローラ20により、外部機器40から受信した暴風情報42に基づいて風車1の運転を停止することができる。つまり、上記雷雲位置情報41とは別に外部機器40から受信する暴風情報42に基づいて、風車1の運転継続と停止とをコントローラ20が切り替えることができる。よって、雷雲Tcの接近情報に応じて少なくともナセル7内の人員Pに警報を発することができることに加えて、暴風情報42に応じた風車1の運転制御を行うことができる。
警光灯14は、例えばパトランプ(又はパトライト(登録商標))等の回転灯(或いは回転警告灯)であってもよい。
この点、上記のように、外部機器40から発せられる雷雲位置情報41に基づき、風車1と雷雲Tcとの距離が第3閾値Th3以下になったとき、コントローラ20により、3本のブレード2のうち保護対象ブレード2を鉛直方向下向きとなるようにハブ3のアジマス角を調整する構成によれば、保護対象ブレード2を比較的低い位置(乃至は構成上配置し得る最も低い位置)に配置することができるから、保護対象ブレード2への雷撃の可能性を低減して保護対象ブレード2を保護することができる。なお、保護対象ブレード2は、例えば、既に雷撃その他の原因により損傷を受けているブレード2でもよいし、比較的新しいブレード2であってもよく、運転状況に応じて任意に設定し得る。
例えば、コントローラ20は、雷雲位置情報41に基づいて、雷雲Tcと風車1との距離が第4閾値Th4以下になったとき、図示しないロータブレーキを解除するとともに、ピッチ角センサ25の検出信号を参照してブレード2のピッチ角がフェザー状態となるようにピッチ駆動アクチュエータ36を駆動した後、ピッチブレーキ駆動アクチュエータを作動させてピッチ角を固定する。
2 ブレード
2A 保護対象ブレード
3 ハブ
4 風車ロータ
5 ドライブトレイン
5A 主軸
5B 増速機
6 発電機
7 ナセル
8 タワー
8A 退避スペース
9 ベース
10 警報機
12 ランプ
14 警光灯(パトランプ)
16 外部警報器
20 コントローラ
20A ウィンドファームコントローラ
21 CPU
22 RAM
23 ROM
24 バス
25 ピッチ角センサ
27 データベース
28 雷雲接近時運転プログラム
31 風向センサ
32 風速センサ
33 荷重センサ
34 ヨーモータ
35 ヨーブレーキ駆動アクチュエータ
36 ピッチ駆動アクチュエータ
37 ピッチブレーキ駆動アクチュエータ
40 外部機器
41 雷雲位置情報
42 暴風情報
50 ハードウェア回線
52 リレー
61 リレー信号
62 中継装置
63 警報信号
64 認知確認信号
65 解除信号
70 ポータブル端末
Th1 第1閾値
Th2 第2閾値
Th3 第3閾値
Th4 第4閾値
Tc 雷雲
P 人員(作業員)
Claims (14)
- 少なくとも一本のブレード、前記ブレードが取り付けられるハブ、及び、前記ハブを回転可能に支持するナセルを備える風車と、
前記ナセル内に設けられ、一種以上の警報を発するように構成された警報器と、
前記風車から離れて配置された管理センター内に設置された制御システムであり、有線又は無線のネットワークを通じて外部機器から発せられる雷雲位置情報に基づいて、雷雲との距離が第1閾値以下になったときにON/OFFが切り替わるように構成された第1リレーを備え、前記警報を発するように前記警報器に指令する警報信号を出力するためのコントローラと、
を備える風力発電設備であって、
前記コントローラは、中継装置を介して入力される前記第1リレーのON/OFF状態を示すリレー信号に応じて、前記警報器に接続され、前記中継装置と通信可能な第2リレーに、前記警報信号を出力するように構成された風力発電設備。 - 前記ナセルを支持するタワーと、
前記タワーの周囲において前記タワー外に設置された外部警報器と、をさらに備え、
前記外部警報器は、前記コントローラが出力する前記警報信号に基づいて視覚的及び/又は聴覚的な警報を発するように構成された
請求項1に記載の風力発電設備。 - 前記コントローラは、複数の異なる前記距離の大きさに応じて、複数種の前記警報から選択される少なくとも一の前記警報を発するよう前記警報器を制御するように構成され、
前記警報は、前記風車内の人員に対して、前記風車のうち前記ナセル外への退避、又は、前記風車外への退避を促すための警報を含む
請求項1又は2に記載の風力発電設備。 - 前記リレーは、前記外部機器とハードウェア回線、又は、準ずるソフトウェアプログラムを介して接続され、
前記コントローラは、前記中継装置を介して入力される前記リレーのON/OFF状態を示すリレー信号に応じて、前記警報信号を出力するように構成された
請求項1〜3の何れか一項に記載の風力発電設備。 - 前記コントローラは、前記外部機器から暴風情報を受信し、前記暴風情報に基づいて前記風車の運転を停止するように構成された
請求項1〜4の何れか一項に記載の風力発電設備。 - 前記第1閾値は、前記ナセルからの人員の退避に要する時間を考慮して設定されている
請求項1〜5の何れか一項に記載の風力発電設備。 - 前記警報器は、複数種の前記警報をそれぞれ発するように構成された複数のランプ、または、複数種の前記警報をそれぞれ異なる色で表示可能に構成された少なくとも一つのランプの少なくとも一方を含む警光灯である
請求項1〜6の何れか一項に記載の風力発電設備。 - 前記コントローラは、前記警報信号を出力後、前記雷雲位置情報に基づいて、前記距離が第2閾値より大きくなったときに前記警報器に対して前記警報を解除するための解除信号を出力するように構成された
請求項1〜7の何れか一項に記載の風力発電設備。 - 前記コントローラは、前記警報信号を出力後、各々の作業員が携帯するポータブル端末から入力された前記警報の前記作業員による認知を示す認知確認信号を受け取る様に構成された
請求項1〜8の何れか一項に記載の風力発電設備。 - 前記風力発電設備は、3本のブレードを含み、
前記コントローラは、前記雷雲位置情報に基づいて、前記距離が第3閾値以下になったときに、前記3本のブレードのうち保護対象ブレードが鉛直方向下向きとなるように前記ハブのアジマス角を調整するように構成された
請求項1〜9の何れか一項に記載の風力発電設備。 - 前記コントローラは、前記雷雲位置情報に基づいて、前記距離が第4閾値以下になったときに、前記ハブが遊転するフェザーモードに移行させるように構成された
請求項1〜10の何れか一項に記載の風力発電設備。 - 少なくとも一本のブレード、前記ブレードが取り付けられるハブと、及び、前記ハブを回転可能に支持するナセルを備える風車と、
前記ナセル内に設けられ、一種以上の警報を発するように構成された警報器と、
前記風車から離れて配置された管理センター内に設置された制御システムであり、有線又は無線のネットワークを通じて外部機器から発せられる雷雲位置情報に基づいて、雷雲との距離が第1閾値以下になったときにON/OFFが切り替わるように構成された第1リレーを備え、前記警報を発するように前記警報器に指令する警報信号を出力するためのコントローラと、
を備える風力発電設備の運用方法であって、
前記コントローラは、中継装置を介して入力される前記第1リレーのON/OFF状態を示すリレー信号に応じて、前記警報器に接続され、前記中継装置と通信可能な第2リレーに、前記警報信号を出力する工程と、
前記警報信号に基づいて前記警報器によって前記警報を発する工程と、
を備える
風力発電設備の運用方法。 - 前記ナセル内の作業員が前記警報に基づき退避するための退避スペースを前記タワー内の上部に設置する
請求項12に記載の風力発電設備の運用方法。 - 前記作業員の退避後、前記雷雲位置情報に基づいて作業再開の可否を判断する
請求項13に記載の風力発電設備の運用方法。
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