以下に、本発明の実施の形態にかかる送信装置、通信システムおよび送信方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる通信システムの構成例を示す図である。本実施の形態の通信システム3は、基地局1と、1つ以上の端末の一例である端末2−1〜2−nを備える。nは1以上の整数である。端末2−1〜2−nを区別せずに示すときには、端末2と称す。
端末2は、ユーザ端末またはUser Equipment(UE)とも呼ばれる通信装置である。基地局1から端末2への方向の通信であるダウンリンクの通信においては、基地局1が送信装置であり、端末2は受信装置である。端末2から基地局1への方向の通信であるアップリンクの通信においては、端末2が送信装置であり、基地局1が受信装置である。本実施の形態の通信システム3は、ダウンリンクの通信では、OFDM方式を用いる。また、本実施の形態の通信システム3は、ダウンリンクの通信では、マルチユーザMIMO方式を用いるとし、基地局1は、複数のアンテナから送信する送信信号に対してプリコーディングを実施して、複数の端末2を指向するビームを形成可能である。なお、以下では、通信システム3がマルチユーザMIMO方式を用いる例を説明するが、通信システム3はマルチユーザMIMO方式に限定されずレイヤ多重を行う通信システムであればよい。本実施の形態の通信システム3におけるアップリンクの通信の通信方式には特に制約はなくどのような方式を用いてもよい。以下では、ダウンリンクの通信について主に説明する。したがって、以下の説明では、端末2が受信装置であり、基地局1が送信装置である。
図2は、本実施の形態の基地局1の機能構成例を示す図である。基地局1は、図2に示すように、制御部10、受信部11、処理部12−1〜12−N、プリコーディング部13および送信部14を備える。Nは、2以上の整数であり、送信レイヤの数である。このように、基地局1は送信レイヤ数分の処理部を備える。基地局1は、処理部12−1〜12−Nは、同様の構成である。処理部12−1〜12−Nは、制御部10により決定された周波数領域および時間領域の配置位置に基づいて、レイヤごとに参照信号を周波数領域および時間領域に配置する配置部を構成する。処理部12−1〜12−Nを区別せずに示す場合には、処理部12と称す。レイヤ番号#i(i=1,2,…,N)に対応する処理部12は、処理部12−iである。なお、レイヤ番号#iのレイヤを第iレイヤとも呼ぶ。
制御部10は、基地局1全体の動作を制御する。例えば、制御部10は、1つ以上の端末2への送信に1つの端末あたり1つ以上のレイヤを割当て、端末2の位置を示す情報および端末2との間の伝送路の状態を示す情報のうち少なくとも1つに基づいてレイヤごとに参照信号の周波数領域および時間領域の配置位置を決定し、決定結果を対応する各処理部12へ指示する。
受信部11は、アップリンクの通信により各端末2から送信された信号を受信し、受信信号を処理部12−1〜12−Nへ渡す。プリコーディング部13は、処理部12−1〜12−Nから出力される後述する多重信号に対してプリコーディング処理を行い、プリコーディング処理後の信号を送信部14へ渡す。プリコーディング部13では、レイヤごとにプリコーダを備えてレイヤごとに異なるプリコーダによりプリコーディングを行ってもよい。プリコーディング処理は、複数のアンテナから送信する複数の信号に重み付け、位相回転および加算処理をすることによりビームを形成する処理を示す。これにより、プリコーディング部13は、1つ以上の端末2に向けて送信する信号が空間多重される際の干渉を抑制する。なお、基地局1と通信を行う端末2が一時的に1つしかない場合もあるがこの場合も空間多重に含める。また、プリコーディング部13によるプリコーディング処理の代わりに、偏波多重を行うことにより、基地局1は空間多重によるレイヤ多重を実現してもよい。また、偏波多重とプリコーディング処理を併用してもよい。
送信部14は複数のアンテナを有し、プリコーディング部13から受け取った信号に変調処理を実施しCP(Cyclic Prefix)付加処理などを実施し、処理後の信号を送信信号として端末2へ送信する。プリコーディング部13および送信部14により、ダウンリンクの通信における空間多重が実現される。すなわち、プリコーディング部13および送信部14は、処理部12−1〜12−Nにより配置された1つ以上のレイヤの信号を、空間多重して送信する送信処理部を構成する。
処理部12は、フィードバック情報処理部121、第1の制御信号生成部125、第2の制御信号生成部124、第3の制御信号生成部122、パラメタ情報生成部123、参照信号生成部126、データ生成部127、スクランブル処理部128および多重部129を備える。
フィードバック情報処理部121は、アップリンクの通信により各端末2から送信されたフィードバック情報を、受信部11を介して受け取る。端末2から送信されるフィードバック情報は、端末2の位置に関する情報、および端末2において計測または算出された通信の品質を示す情報のうちの少なくとも1つである。具体例としては、フィードバック情報は、受信装置位置情報、レイヤ間の空間相関などを含む空間分離情報、使用キャリア情報、伝送路における遅延分散値、受信装置の移動速度、伝送速度、許容遅延時間、伝送路の可逆性成立有無、カリブレーション精度および受信装置間の距離のうちの少なくも1つである。受信装置位置情報は、端末2の位置を示す情報である。端末2は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いた位置算出手段などを備えることにより端末2の位置を算出する。使用キャリア情報は、端末2が通信に使用する周波数を示す情報である。伝送路における遅延分散値は、端末2が、受信した信号に基づいて算出した伝送路における遅延の分散値である。受信装置の移動速度は、端末2において計測される端末2の移動速度であり例えば端末2の位置の単位時間当たりの変化量に基づいて端末2により算出される。伝送速度は、端末2において計測されたダウンリンクの通信の伝送速度である。ダウンリンクとアップリンクの伝送路が同じであれば、可逆性が成立する。伝送路の可逆性が成立したか否か、の情報をフィードバック情報として用いても良い。また、可逆性を実現するため、アップリンクとダウンリンクの伝送路が一致する様に受信機と送信機において、機器の調整を行う。調整の際に発生するアップリンクとダウンリンクの伝送路の誤差の大小をカリブレーション精度と呼ぶが、カリブレーション精度をフィードバック情報として用いても良い。フィードバック情報は、これら以外の情報であってもよい。
フィードバック情報処理部121は、フィードバック情報を第1の制御信号生成部125、第2の制御信号生成部124、第3の制御信号生成部122およびパラメタ情報生成部123へ出力する。
第1の制御信号生成部125は、フィードバック情報に基づいて参照信号用の制御信号である第1の制御信号を生成し、第1の制御信号を参照信号生成部126へ出力する。参照信号はあらかじめ定められた複数のパターンの信号のうちから選択される。第1の制御信号は、参照信号に複数のパターンのうちどのパターンを用いるかを示す制御信号であり、参照信号に用いるパターンを示す識別情報を含む。後述するように、参照信号は、パターンとパターン用パラメタとの組み合わせにより決定されてもよい。この場合、第1の制御信号生成部125は、参照信号に用いるパターンを選択するとともにパターン用パラメタも決定される。
参照信号生成部126は、第1の制御信号に基づいて参照信号を生成し、生成した参照信号をスクランブル処理部128へ出力する。すなわち、参照信号生成部126は、保持している複数のパターンのうち第1の制御信号により示されるパターンの参照信号をスクランブル処理部128へ出力する。参照信号生成部126は、第1の制御信号によりパターン用パラメタが指定された場合、第1の制御信号により示されるパターンの参照信号を、パターン用パラメタに基づいて変更し、変更後の参照信号をスクランブル処理部128へ出力する。参照信号として用いるパターンすなわちデータ系列としてはどのようなものを用いてもよいが、例えば文献「D. C. Chu,“Polyphase codes with good periodic correlation properties”,IEEE Transactions on Information Theory,vol.18,no.4,Jul. 1972,pp.531-532.」などに記載されているZadoff Chu系列、またはPseudo Noise系列、等の系列を参照信号として用いることができる。
第2の制御信号生成部124は、スクランブル処理用の制御信号である第2の制御信号を生成し、第2の制御信号をスクランブル処理部128へ出力する。第2の制御信号は、スクランブル処理部128において実施されるスクランブル処理の種類を示す制御信号である。第2の制御信号は、例えば、スクランブル処理において用いられるスクランブル符号が、あらかじめ定めた複数のスクランブル符号のうちのどれであるかを示す識別情報である。スクランブル符号がPN系列の場合、PN系列生成用のシード番号などを識別情報として用いても良い。
スクランブル処理部128は、参照信号生成部126から受け取った参照信号に対してスクランブル処理を実施し、スクランブル処理後の参照信号を多重部129へ出力する。スクランブル処理は通信の内容を解読できないようにするための処理であり、様々な手法がある。スクランブル処理としてはどのような処理を用いてもよいが、例えば、参照信号とスクランブル符号とが乗算される処理を用いることができる。
第3の制御信号生成部122は、多重用の制御信号である第3の制御信号を生成し、第3の制御信号を多重部129へ出力する。第3の制御信号は、多重部129における多重の方法を示す制御信号であり、データ生成部127により生成されたデータ、スクランブル処理後の参照信号、およびパラメタ情報生成部123から受け取った制御情報を、時間領域および周波数領域にどのように配置して多重するかを示す信号である。制御情報は、端末2において送信されたデータを復元するための処理に用いられる情報であり、本実施の形態では後述するパラメタ情報を含む。
データ生成部127は、送信するデータを生成して多重部129へ出力する。多重部129は、第3の制御信号に基づいて、データ生成部127により生成されたデータ、スクランブル処理後の参照信号、およびパラメタ情報生成部123から受け取った制御情報を時間領域および周波数領域に配置することにより、データ、参照信号および制御情報を多重する。多重部129は、多重後の信号である多重信号をプリコーディング部13へ出力する。
パラメタ情報生成部123は、フィードバック情報処理部121から受け取ったフィードバック情報に基づいて、第1の制御信号生成部125と同様に参照信号に用いるパターンを選択する。パラメタ情報生成部123は、フィードバック情報に基づいて、第2の制御信号生成部124と同様にスクランブル処理の種類を決定する。パラメタ情報生成部123は、フィードバック情報に基づいて、第3の制御信号生成部122と同様に多重方法を決定する。パラメタ情報生成部123は、レイヤ番号と、選択した参照信号に用いるパターンを示す情報と、決定したスクランブル処理の種類を示す情報と、決定した多重方法を示す情報とを含むパラメタ情報を生成する。なお、ここでは、パラメタ情報生成部123が、フィードバック情報に基づいて、参照信号に用いるパターンを示す情報を選択し、スクランブル処理の種類および多重方法を決定するようにしたが、この代わりに、パラメタ情報生成部123は、第1の制御信号生成部125、第2の制御信号生成部124および第3の制御信号生成部122から、これらの情報を取得してもよい。
パラメタ情報生成部123は、生成したパラメタ情報を含む制御情報を多重部129へ出力する。なお、制御情報には、制御部10などにより生成されたパラメタ情報以外の情報が含まれていてもよいし含まれていなくてもよい。パラメタ情報以外の情報が制御情報に含まれている場合、パラメタ情報生成部123は、制御部などから受け取った制御情報にパラメタ情報を付加し、付加後の制御情報を多重部129へ出力する。
各処理部12の多重部129から出力される多重信号はプリコーディング部13により、プリコーディング処理され、送信部14を介して送信される。基地局1から送信された信号を受信する受信装置である端末2は、受信した信号に含まれるパラメタ情報に基づいて、基地局1において用いられた多重方法、参照信号およびスクランブル符号を特定することができ、これら特定した情報に基づいて、伝送路推定および各レイヤのデータの復調を行う。端末2における伝送推定の手法および復調の手法はどのような手法を用いてもよい。
なお、本実施の形態では、基地局1は、参照信号をスクランブル処理して送信するようにしたが、スクランブル処理を実施せずに参照信号を送信してもよい。
一般的に、送信装置が、複数の受信装置向けに複数のレイヤの送信を行う場合、各受信装置向け伝送に使用されるレイヤのレイヤ番号が送信装置より通知される。本実施の形態においても、基地局1は、端末2へ各端末2向けに伝送に使用されるレイヤのレイヤ番号を通知する。端末2は、各々に与えられたレイヤ番号に一致するパラメタ情報を用いて復調を行う。また、基地局1が、レイヤ多重による送信の対象となる全端末2に対応するレイヤ番号をレイヤ多重による送信の対象となる全端末2に送信すれば、各端末2は他の端末2のレイヤ番号を知ることもできる。その場合、端末2は他の端末2宛に送信された信号の強度などを測定することにより、他の端末2宛ての信号による干渉の測定を行うことが可能である。レイヤ番号と参照信号とは1対1に対応している。
上述した例では、パラメタ情報は、多重部129により多重されて端末2へ送信されるが、基地局1がパラメタ情報を端末2に送信する方法は、この例に限定されない。基地局1は、パラメタ情報を上位レイヤあるいは下位レイヤの制御情報を用いて端末2に送信して良い。3GPPにおける上位レイヤの制御情報には、レイヤ3(Layer 3)の情報またはRRC(Radio Resource Control)プロトコルによるメッセージであるRRCメッセージが例示される。基地局1は、パラメタ情報をレイヤ3情報またはRRCメッセージに含めて端末2に送信してもよい。3GPPにおける下位レイヤの制御情報には、物理チャネルであるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)が例示される。基地局1は、PDCCHによりパラメタ情報を端末2へ送信してもよい。一般的にPDCCHはレイヤ1(Layer 1)の情報と呼ばれる。また、パラメタ情報は、MAC(Media Access Control)レイヤの情報として基地局1から端末2へ伝送されてもよい。例えば、パラメタ情報は、3GPPにおけるレイヤ2(Layer 2)において処理される情報であるMAC CE(Control Element)として、基地局1から端末2へ伝送されてもよい。すなわち、基地局1は、参照信号の周波数領域および時間領域の配置位置と参照信号として用いられる系列を示す情報とを含む制御情報を端末へ送信することができればよく、制御情報の伝送方法に制約はない。
次に、本実施の形態の各レイヤの参照信号と多重部129における多重方法とについて説明する。多重部129は、上述したように、データ、スクランブル処理が施された参照信号および制御情報を時間領域および周波数領域において配置する。図3は、本実施の形態の周波数領域および時間領域における参照信号の配置例を示す図である。図3において、縦軸は周波数を示し、横軸は時間を示す。詳細には、図3において、縦軸には周波数の割当て単位であるキャリア単位として0番目から11番目までの12キャリアが示され、横軸はシンボル時間を単位として0番目から13番目までの14シンボルが示されている。シンボル時間とは、送信データの単位である1シンボルの送信に要する時間である。図3における1つの矩形は、1サブキャリアおよび1シンボルを示す。サブキャリアは、3GPPにおいてリソースエレメント(Resource Element(RE))とも呼ばれる。3GPPにおいては、12キャリアと7シンボルによって成り立つグループは1リソースブロック(Resource Block(RB))と呼ばれる。以下では、3GPP LTE(Long Term Evolution)における定義と同様に、1キャリアをREと定義し、12キャリアと7シンボルによって成り立つグループをRBと定義する。なお、RBの定義はLTEの例を用いた定義であり、本定義に限定される必要は無い。
本実施の形態では、多重部129が、データ、スクランブル処理が施された参照信号および制御情報を、1RBを単位として、または12キャリアと14シンボルとで構成されるリソースを単位として、周波数領域および時間領域で配置する例を説明する。12キャリアと14シンボルとで構成されるリソース、すなわち周波数領域および時間領域におけるリソースの割当てを行う単位を、以下、スケジュル単位とも呼ぶ。すなわち、スケジュル単位は0番目から11番目までの12サブキャリアと0番目から13番目までの14シンボルのマトリクスで構成される。なお、スケジュル単位のリソースは、ここでは12キャリアと14シンボルとで構成されるリソースとするが、スケジュル単位のリソースを構成するキャリア数およびシンボル数はこの例に限定されない。例えば、12サブキャリアと7シンボルとで構成されるリソースをスケジュル単位として良い。また、7シンボルよりも少ないシンボル数で構成されるリソースをスケジュル単位として良い。多重部129における多重方法は、上述したように、第3の制御信号生成部122により決定される。なお、多重部129が、データ、スクランブル処理が施された参照信号および制御情報を配置する単位はこれらの例に限定されない。また、参照信号にはスクランブル処理が施された後に直交符号が乗算されてもよいし、直交符号が乗算された後にスクランブル処理が施されてもよい。
図3において、参照信号が配置された周波数領域および時間領域における位置は斜線が施された矩形によって示されている。白色の矩形は制御情報またはデータが配置されている。同レイヤ内における参照信号は同じであってもよいが、同じである必要は無い。例えば、図3における参照信号の位置を(周波数(サブキャリア番号)、時間(シンボル番号))の形式で示すとすると、(0,0)の位置の信号と(4,0)の位置の信号とは、異なっていてもよい。参照信号としては、ZC(Zadoff Chu)系列またはPN(Pseudo Noise)系列等の系列を用いることができる。これらの系列では異なるパラメタを与えることで異なる値が得られる。パラメタは、例えば、Pseudo Noise系列またはPseudo Noise系列等を与える式における係数でもよい。または、同一のパターンの各ビット値をシフトさせることにより異なる参照信号を生成してもよく、この場合は、パラメタはシフト量である。同レイヤ内における参照信号が全て同一の場合、第1の制御信号生成部125は、1つの参照信号を示す第1の制御信号を生成する。同レイヤ内における参照信号が同一でない場合、第1の制御信号生成部125は、複数の参照信号を示す識別情報を示す第1の制御信号を生成してもよいし、第1の制御信号生成部125は、1つの参照信号を示す識別情報を示す第1の制御信号を生成し、参照信号生成部126があらかじめ定めた規則によりパラメタを変更するなどの方法により複数の参照信号を生成してもよい。
また、各処理部12の多重部129から出力される多重信号は、プリコーディング部13へ出力されて、プリコーディング部13により加算、位相回転処理、重み付けされて空間多重されることのよりレイヤ多重される。各レイヤに対応する各処理部12の多重部129により配置される参照信号の周波数領域および時間領域における位置は、同一であってもよい。この場合、各処理部12における第3の制御信号生成部122は、参照信号の配置位置がレイヤ間で同じになるように第3の制御信号を生成する。レイヤ間で参照信号の周波数領域および時間領域における位置が同一の場合、端末2により受信された際に干渉が生じ、参照信号の分離が困難となる可能性がある。このため、レイヤ間で参照信号の周波数領域および時間領域における位置が同一の場合には、参照信号にレイヤ間で直交するような直交符号が乗算されることにより、端末2において参照信号が分離できるようにしてもよい。
例えば、図3に示した配置を用いて、2つのレイヤが多重する例を説明する。1番目のレイヤと2番目のレイヤとでは同じ参照信号が用いられるとする。1番目のレイヤに対応する処理部12−1では、多重部129は、図3に示した(0,0)の参照信号に+1が乗算され、(0,1)の参照信号に−1が乗算され、(0,3)の参照信号に+1が乗算され、(0,4)の参照信号に−1が乗算される。また、1番目のレイヤに対応する処理部12−1の多重部129は、(4,0)の参照信号に+1が乗算され、(4,1)の参照信号に−1が乗算され、(4,3)の参照信号に+1が乗算され、(4,4)の参照信号に−1が乗算される。また、1番目のレイヤに対応する処理部12−1の多重部129は、1番目のレイヤの(8,0)の参照信号に+1が乗算され、(8,1)の参照信号に−1が乗算され、(8,3)の参照信号に+1が乗算され、(8,4)の参照信号に−1が乗算される。
一方、2番目のレイヤに対応する処理部12−2では、多重部129は、(0,0)の参照信号に+1が乗算され、(0,1)の参照信号に+1が乗算され、(0,3)の参照信号に+1が乗算され、(0,4)の参照信号に+1が乗算される。また、2番目のレイヤに対応する処理部12−2の多重部129は、(4,0)の参照信号に+1が乗算され、(4,1)の参照信号に+1が乗算され、(4,3)の参照信号に+1が乗算され、(4,4)の参照信号に+1が乗算される。また、2番目のレイヤに対応する処理部12−2の多重部129は、(8,0)の参照信号に+1が乗算され、(8,1)の参照信号に+1が乗算され、(8,3)の参照信号に+1が乗算され、(8,4)の参照信号に+1が乗算される。
以上の処理により、同一キャリアで送信される4シンボル分の参照信号には、1番目のレイヤでは(+1,−1,+1,−1)が乗算され、2番目のレイヤでは(+1,+1,+1,+1)が乗算されることになる。(+1,−1,+1,−1)と(+1,+1,+1,+1)は直交関係にある直交符号であるので、1番目のレイヤの参照信号と2番目のレイヤの参照信号とは直交関係にある。このように、基地局1は、周波数領域および時間領域における配置位置がレイヤ間で同一の参照信号に対して、レイヤごとに異なる直交符号を乗算する。したがって、このように直交符号が乗算された後の参照信号を含む信号がレイヤ多重された信号を受信した端末2は、乗算された直交符号に関する情報があれば、各レイヤの参照信号を分離することができる。なおこの例では、直交符号の長さは4ビットとする。なお、ここでは、多重部129が、直交符号を各参照信号に乗算するようにしたが、参照信号生成部126が、参照信号に直交符号が乗算されてもよい。
なお、前述の直交符号は3GPPにおいてOCC(Orthogonal Cover Code)と呼ばれ、パラメタにより値が変えることができる。
また、第3の制御信号生成部122は、参照信号の配置位置、時間領域または周波数領域における参照信号間の間隔すなわち参照信号間の距離を変更してもよい。一例として、基地局1が1レイヤ分の送信を行う場合について説明する。例えば、図3の配置例により配置される参照信号を、2グループにグループ分けする。(0,0)、(4,0)、(8,0)、(0,1)、(4,1)、(8,1)に配置された参照信号を第1参照信号グループの参照信号とする。そして(0,3)、(4,3)、(8,3)、(0,4)、(4,4)、(8,4)に配置された参照信号を第2参照信号グループの参照信号とする。このように、1レイヤの送信に、2つの参照信号グループの参照信号が用いられるとする。そして、グループ間の時間領域における距離が可変とされる。
図4は、本実施の形態の参照信号グループ間の時間領域における距離の変更を示す図である。図4に示すように、第1参照信号グループと第2参照信号グループとの間の時間方向の距離はパラメタkにより設定される。図4に示した例では、パラメタkは、第1参照信号グループを構成する参照信号の位置の左端と第2参照信号グループを構成する参照信号の位置の右端のシンボル番号との間が何シンボル時間離れているかを示す値である。図4に示した状態はk=3である。第3の制御信号生成部122は、フィードバック情報に基づいてパラメタkを決定し、パラメタkを第3の制御信号に含める。パラメタkの値が大きいほど、参照信号のグループ間の距離が離れるため、参照信号間の干渉が生じにくい。したがって、例えば、フィードバック情報に基づいて、通信の品質が悪いほどパラメタkを大きくするように設定する。また、パラメタkは任意の値に設定可能なようにされてもよいし、事前に用意された複数の候補から選択されてもよい。事前に用意された複数の候補から選択される場合、第3の制御信号生成部122は、候補の番号を示す候補番号を第3の制御信号に含める。
図4に示した例では、時間領域における参照信号の配置を可変としたが、周波数領域における配置も同様に可変であってもよい。例えば、図3の配置例により配置される参照信号を、3グループにグループ分けする。(0,0)、(0,1)、(0,3)、(0,4)に配置された参照信号を第1参照信号グループの参照信号とする。(4,0)、(4,1)、(4,3)、(4,4)に配置された参照信号を第2参照信号グループの参照信号とする。(8,0)、(8,1)、(8,3)、(8,4)に配置された参照信号を第3参照信号グループの参照信号とする。
図5は、本実施の形態の参照信号グループ間の周波数領域における距離の変更を示す図である。図5に示すように、参照信号グループ間の周波数方向の距離をmとすると、mを可変とする。図5に示した例では、パラメタmは、参照信号グループ間の間隔をキャリア単位で示したものである。第3の制御信号生成部122は、フィードバック情報に基づいてパラメタmを決定し、パラメタmを第3の制御信号に含める。パラメタmの値が大きいほど、参照信号のグループ間の距離が離れるため、参照信号間の干渉が生じにくい。また、周波数選択性が著しい伝送路の精度の高い推定も容易となる。したがって、例えば、フィードバック情報に基づいて、通信の品質が悪いほどパラメタmを大きくするように設定する。また、パラメタmは任意の値に設定可能なようにされてもよいし、事前に用意された複数の候補から選択されてもよい。事前に用意された複数の候補から選択される場合、第3の制御信号生成部122は、候補の番号を示す候補番号を第3の制御信号に含める。
図4および図5を用いて説明した例では、スケジュル単位のリソース内にあらかじめ配置位置の定められた参照信号のグループである参照信号グループを1つ以上有し、スケジュル単位のリソース内において、1つの参照信号グループの配置位置を基準位置と定義し、パラメタmまたはパラメタkを指定することにより、他の参照信号グループの配置位置を示すことができる。パラメタmは基準位置からの時間領域におけるオフセット値であり、パラメタkは基準位置からの周波数領域におけるオフセット値である。したがって、スケジュル単位のリソース内において、1つの参照信号グループの配置位置を基準位置と定義し、他の前記参照信号グループの配置位置を周波数領域および時間領域のうちの少なくとも1つにおけるオフセット値により定義されることになる。基地局1は、パラメタ情報に、参照信号グループごとのオフセット値を含めておけばよい。
また、第3の制御信号生成部122は、参照信号の密度を可変とするよう参照信号の配置を決定してもよい。すなわち、基地局1は、スケジュル単位のリソース内における参照信号の密度を、端末の移動速度または伝送路状態に基づいて変更するようにしてもよい。例えば、図3に示したスケジュル単位である12キャリアおよび14シンボル時間内に配置する参照信号グループの数を伝送路の速度、すなわち基地局1と端末2との間の相対速度に応じて変更してもよい。伝送路が時間的に高速に変動する場合、伝送路の状態が変動するため参照信号は時間領域に密に配置されることが望ましい。一方、伝送路の時間的変動が少ない場合、参照信号は密に配置されなくてもよい。伝送路が時間的に高速に変動しているか否かは、例えば、端末2と基地局1との間の相対速度が一定値以上であるか否かに応じて決定されることができる。端末2と基地局1との間の相対速度は、基地局1が把握している自身の地理的位置と、フィードバック情報により端末2から通知される端末2の位置との時間変化を算出することにより求めることができる。または、前述の相対速度および使用キャリア周波数の値を用いてドップラ周波数を計算し、伝送速度によって正規化された正規化ドップラ周波数がある一定値以上であるか否かに基づいて、決定されてもよい。または、伝送路が高速に変動するかは、同一周波数の信号の通信品質の変化が一定値以上であるか否かに基づいて決定されてもよい。通信品質としては、基地局1から送信された信号を端末2が受信した際の信号の強度などを用いることができる。伝送路が高速に変動するか否かに基づいて参照信号の密度を変えることで、復調の精度を確保しつつ必要のないときには参照信号の密度を低下させることで伝送効率を向上させることができる。
例えば、第3の制御信号生成部122は、時間領域における参照信号の密度を可変とするよう参照信号の配置を決定する。例えば、図3に示す参照信号を2つの参照信号グループにクループ分けする。(0,0)、(4,0)、(8,0)、(0,1)、(4,1)、(8,1)に配置された参照信号を第1参照信号グループの参照信号とする。そして(0,3)、(4,3)、(8,3)、(0,4)、(4,4)、(8,4)に配置された参照信号を第2参照信号グループの参照信号とする。第3の制御信号生成部122は、基地局1と端末2との間の相対速度が一定値以上である場合には、2グループ分の参照信号を配置し、基地局1と端末2との間の相対速度が一定値未満である場合には、1グループ分の参照信号を配置する。図6は、1グループ分の参照信号を配置した例を示し、図7は、2グループ分の参照信号を配置した例を示す。図7に示した例では、第1参照信号グループと第2参照信号グループとでは時間領域における配置位置が異なる。すなわち、図7に示した例では、異なる参照信号グループのスケジュル単位のリソース内における配置位置は、時間領域において異なる。そして、基地局1は、配置する参照信号グループの数を、例えば基地局1と端末2との間の相対速度に応じて変更する。このように、基地局1と端末2との間の相対速度に応じて、配置する参照信号のグループ数を変更する場合、参照信号生成部126が生成する参照信号のグループ数も変更してもよいし、参照信号生成部126は最大のグループ数の参照信号を生成し、各グループに識別番号を付与しておいてもよい。後者の場合、第3の制御信号生成部122は、第3の制御信号に、用いる参照信号グループの識別番号を示す情報を含める。
具体的には、第3の制御信号生成部122は、各参照信号グループを示す識別番号ごとに、送信するか否かを示すフラグを第3の制御信号に含めておく。例えば第1参照信号グループを示す識別番号のフラグが“1”の場合は多重部129が第1参照信号グループの参照信号を図6などに示すように時間領域および周波数領域に配置する。一方、第1参照信号グループを示す識別番号のフラグが“0”の場合は、第1参照信号グループの参照信号を時間領域および周波数領域に配置しない。同様に、多重部129は、参照信号グループごとのフラグに基づいて、各参照信号グループの参照信号を時間領域および周波数領域に配置するか否かを判断する。各参照信号グループの時間領域および周波数領域を予め定めておくと、第3の制御信号生成部122は、参照信号グループごとのフラグを第3の制御信号を含めておけば、多重部129は、参照信号を時間領域および周波数領域に配置することができる。また、パラメタ情報生成部123は、各参照信号グループのフラグ情報をパラメタ情報に含める。これにより、端末2は、どのグループの参照信号が送信されたかを知ることができる。または、上述した方法の代わりに、第3の制御信号生成部122が参照信号生成部126へ生成する参照信号グループの識別番号を指示するようにしてもよい。
同様に、周波数領域における参照信号の密度が可変であってもよい。周波数領域において伝送路がマルチパスなどにより著しく変動する場合、周波数領域に密に参照信号を配置することが望ましい。一方、一定の周波数帯域内で伝送路が変動しないのであれば、周波数領域に参照信号を密に配置せずに周波数利用効率を高めることができる。周波数領域において伝送路が著しく変動するか否かは、フィードバック情報により端末2から通知される伝送路情報(Channel State Information:CSI)により把握することができる。伝送路情報は、端末2における周波数ごとの伝送路の推定結果である。
例えば、図3に示した配置例における参照信号を3グループにグループ分けする。(0,0)、(0,1)、(0,3)、(0,4)に配置された参照信号を第1参照信号グループの参照信号とする。(4,0)、(4,1)、(4,3)、(4,4)に配置された参照信号を第2参照信号グループの参照信号とする。(8,0)、(8,1)、(8,3)、(8,4)に配置された参照信号を第3参照信号グループの参照信号とする。この場合、このように、異なる参照信号グループのスケジュル単位のリソース内における配置位置は、周波数領域において異なる。そして、第3の制御信号生成部122は、図6および図7で説明した例と同様に、参照信号グループごとに参照信号グループの参照信号を、送信するか否かすなわち時間領域および周波数領域へ配置するか否かを決定する。これにより、基地局1は、あらかじめ配置位置の定められた参照信号グループ単位で参照信号の配置の有無を決定することにより、参照信号の密度を変更することができる。
この場合もスケジュル単位のリソース内において、1つの参照信号グループの配置位置を基準位置と定義し、他の前記参照信号グループの配置位置を周波数領域および時間領域のうちの少なくとも1つにおけるオフセット値により定義してもよい。そして、基地局1は、パラメタ情報に、参照信号グループごとのオフセット値と参照信号グループごとに参照信号の配置の有無を示すフラグとを含めておけばよい。
また、参照信号グループを複数まとめて、グループの集合体を作り、集合体を単位として参照信号を配置するか否かが決定されるようにしてもよい。例えば、図3に示す参照信号を2グループによって成り立つ参照信号だとする。(0,0)、(4,0)、(8,0)、(0,1)、(4,1)、(8,1)に配置された参照信号を第1参照信号グループの参照信号とする。(0,3)、(4,3)、(8,3)、(0,4)、(4,4)、(8,4)に配置された参照信号を第2参照信号グループの参照信号とする。第1参照信号グループおよび第2参照信号グループを第1参照信号群とする。そして、第3の制御信号生成部122は、第1参照信号群の参照信号と同一の配置の参照信号を時間領域および周波数領域のうち少なくとも一方にシフトさせた位置に配置させる。これにより、第3の制御信号生成部122は、スケジュル単位である12キャリアおよび14シンボル内に、参照信号群を単位として参照信号の配置を制御することができる。
図8は、12サブキャリアおよび14シンボル内に2つの参照信号群を配置した例を示す図である。図8に示した例では、図3に示した第1参照信号群に加え、新しく配置された第2参照信号群が(0,7)、(4,7)、(8,7)、(0,8)、(4,8)、(8,8)、(0,10)、(4,10)、(8,10)、(0,11)、(4,11)、(8,11)に配置される。すなわち、基本配置パターンである第1参照信号群の配置を元に、周波数領域および時間領域のうち少なくとも一方をシフトさせる量を指定するパラメタを定義し、第3の制御信号生成部122は、パラメタにより参照信号群の配置を指定する。図8に示した例では、第2参照信号群は、第1参照信号群を時間領域で7シンボル時間シフトさせた位置に配置される。なお、基本配置パターンの配置をシフトさせた参照信号群の参照信号群の内容は基本配置パターンの参照信号群と異なっていてもよい。例えば、図8において(0,0)、(0,3)、(0,7)、(0,10)に配置された参照信号はそれぞれ異なっていてもよい。図8では、基本配置パターンから時間領域にシフトした配置の例を説明したが、同様に基本配置パターンから周波数領域でシフトさせた参照信号群を定義することができる。時間領域だけをシフトの対象とする場合には、シフトを示すパラメタは、シフトさせるシンボル時間である。周波数領域だけをシフトの対象とする場合には、シフトを示すパラメタは、シフトさせるキャリア数である。時間領域および周波数領域でシフトさせる場合には、シフトを示すパラメタは、シフトさせるシンボル時間およびキャリア数である。
また、前述の、参照信号に乗算する1レイヤ内の直交符号を、多重するレイヤ数に応じて変更するようにしてもよい。図9は、直交符号の長さを4ビットとし、16レイヤまで多重できるような参照信号の構成例を示す図である。図9に示した例では、(0,2)、(0,3)、(6,2)、(6,3)、(1,2)、(1,3)、(7,2)、(7,3)、(2,2)、(2,3)、(8,2)、(8,3)、(3,2)、(3,3)、(9,2)、(9,3)の合計16REを用いて参照信号を送信する。また、(0,2)、(0,3)、(6,2)、(6,3)に配置された参照信号を第1参照信号グループとし、(1,2)、(1,3)、(7,2)、(7,3)を第2参照信号グループとし、(2,2)、(2,3)、(8,2)、(8,3)を第3参照信号グループとし、(3,2)、(3,3)、(9,2)、(9,3)を第4参照信号グループとする。
第1参照信号グループの参照信号については、以下のように直交符号が乗算される。第1レイヤ用の参照信号として(0,2)の信号に対して+1、(0,3)の信号に対して+1、(6,2)の信号に対して+1、(6,3)の信号に対して+1が乗算される。第2レイヤ用の参照信号として(0,2)の信号に対して+1、(0,3)の信号に対して−1、(6,2)の信号に対して+1、(6,3)の信号に対して−1が乗算される。第3レイヤ用の参照信号として(0,2)の信号に対して+1、(0,3)の信号に対して+1、(6,2)の信号に対して−1、(6,3)の信号に対して−1が乗算される。第4レイヤ用の参照信号として(0,2)の信号に対して+1、(0,3)の信号に対して−1、(6,2)の信号に対して−1、(6,3)の信号に対して+1が乗算される。このように、第1参照信号グループの(0,2)、(0,3)、(6,2)、(6,3)に配置された参照信号と直交符号とを用いることで4レイヤまで多重することができる。
同様に、(1,2)、(1,3)、(7,2)、(7,3)の第2参照信号グループ、(2,2)、(2,3)、(8,2)、(8,3)の第3参照信号グループ、(3,2)、(3,3)、(9,2)、(9,3)の第4参照信号グループに対してそれぞれ直交符号を用いる。これにより、各参照信号グループで4レイヤまで多重できるので合計16レイヤの参照信号の多重が可能となる。以上のように、直交符号の長さを4とし、2シンボル時間を用いて参照信号を挿入することで、参照信号間の干渉を抑制して16レイヤの多重を可能とする。上述の例では、16レイヤを、1スケジュル単位内で16キャリアを用いて多重しているため、1スケジュル単位すなわち12キャリアおよび14シンボルをRB´とすると、参照信号密度は、16/16/1=1[layer/RE/RB´]となる。参照信号密度は、1RB´あたり、1REを用いて送れるレイヤ数を示す。なおレイヤ番号と直交符号との関係は上述の例に限定されない。
また、レイヤ多重を行う場合に、レイヤごとに各参照信号グループに周波数領域におけるオフセットを与えられるようにしてもよい。図10は、参照信号グループの周波数領域のオフセットを与えた例を示す図である。図10に示した例では、図9に示した配置例に対して、各参照信号グループをオフセット値jだけ周波数領域にオフセットさせている。図10に示した例ではj=1である。すなわち、図10に示した例は、0番目のサブキャリアの2番目のシンボル、0番目のサブキャリアの3番目のシンボル、6番目のサブキャリアの2番目のシンボルおよび6番目のサブキャリアの3番目のシンボルに配置された参照信号を第1参照信号グループとし、1番目のサブキャリアの2番目のシンボル、1番目のサブキャリアの3番目のシンボル、7番目のサブキャリアの2番目のシンボルおよび7番目のサブキャリアの3番目のシンボルに配置された参照信号を第2参照信号グループとし、2番目のサブキャリアの2番目のシンボル、2番目のサブキャリアの3番目のシンボル、8番目のサブキャリアの2番目のシンボルおよび8番目のサブキャリアの3番目のシンボルに配置された参照信号を第3参照信号グループとし、3番目のサブキャリアの2番目のシンボル、3番目のサブキャリアの3番目のシンボル、9番目のサブキャリアの2番目のシンボルおよび9番目のサブキャリアの3番目のシンボルに配置された参照信号を第4参照信号グループとし、第1から第4参照信号グループの各参照信号グループの参照信号にレイヤごとに異なる4ビットの直交符号を乗算し、第1から第4参照信号グループを、レイヤごとに周波数方向にオフセットする配置である。第3の制御信号生成部122は、フィードバック情報に基づいて、伝送路の状態により、jを設定することができる。例えば、第3の制御信号生成部122は、伝送路の状態が悪いサブキャリアを避けるようにjを設定することができる。また、特定のサブキャリアに制御情報や参照信号が挿入される可能性のある場合、jを変える事により特定のサブキャリアを用いずに参照信号を挿入する事が可能となる。
また、上述した例では直交符号の長さを4ビットとしたが、直交符号の長さを2ビットとし、参照信号グループに属するシンボル数を少なくしてもよい。例えば、第1レイヤ向けに(1,2)、(1,3)に配置された参照信号にそれぞれ+1、+1が乗算される。第2レイヤ向けに(1,2)、(1,3)に配置された参照信号にそれぞれ+1、−1が乗算される。同じく例えば、第1レイヤ向けに(7,2)、(7,3)に配置された参照信号にそれぞれ+1、+1が乗算される。第2レイヤ向けに(7,2)、(7,3)に配置された参照信号にそれぞれ+1、−1が乗算される。すなわち、第1レイヤの送信に、(1,2)、(1,3)および(7,2)、(7,3)に配置された参照信号が用いられる。それぞれのレイヤに用いられる直交符号の長さは2ビットである。同様の処理が、第2レイヤ送信向けの参照信号(2,2)、(2,3)、(8,2)、(8,3)、第3レイヤ送信向けの参照信号(3,2)、(3,3)、(9,2)、(9,3)、第4レイヤ送信向けの参照信号(4,2)、(4,3)、(10,2)、(10,3)に対して実施される。これにより、参照信号間の干渉を抑制して合計8レイヤの送信が可能となる。
また、図10に示した配置の参照信号が複製されて、複製された参照信号が元の参照信号と異なる位置に配置されてもよい。図13は、図10に示した配置の参照信号が複製された信号が配置された例を示す図である。図13に示した例では、図10に示した(1,2)、(1,3)、(2,2)、(2,3)、(3,2)、(3,3)、(4,2)、(4,3)に配置された参照信号グループを基本パターンとし、基本パターンを複製し、複製したパターンを、基本パターンとは異なる位置に配置している。同様に、図9に示した参照信号の配置において、一部を基本パターンとし、基本パターンを複製してもよい。この場合、基本パターンでは例えば1つの参照信号グループに直交符号が乗算される。図11に示す配置例は図9に示した、(0,2)、(0,3)、(1,2)、(1,3)、(2,2)、(2,3)、(3,2)、(3,3)に配置された参照信号グループを基本パターンとし、基本パターンを複製し、複製したパターンを複製されたパターンも含め合計3か所に配置されている。図12に示す配置例は、直交符号の長さを2ビットとし、合計16レイヤの通信が可能となる配置である。図12に示すように、同一ハッチングを施した位置の参照信号を同一参照信号グループとし、各参照信号グループにレイヤごとに異なる2ビットの直交符号を乗算する。図13に示す配置例は、基本パターンが、複製されたパターンも含め合計4か所に配置されている。また、この例においても、複製されるのは配置位置であり、参照信号の内容自体は異なっていてもよい。例えば、図13に示した(1,2)、(1,9)、(7,2)、(7,9)に配置された参照信号はそれぞれ異なって良い。すなわち、図11に示した例では、0番目のサブキャリアの2番目のシンボルおよび0番目のサブキャリアの3番目のシンボルに配置された参照信号を第1参照信号グループとし、1番目のサブキャリアの2番目のシンボルおよび1番目のサブキャリアの3番目のシンボルに配置された参照信号を第2参照信号グループとし、2番目のサブキャリアの2番目のシンボルおよび2番目のサブキャリアの3番目のシンボルに配置された参照信号を第3参照信号グループとし、3番目のサブキャリアの2番目のシンボルおよび3番目のサブキャリアの3番目のシンボルに配置された参照信号を第4参照信号グループとし、第1から第4参照信号グループを基本パターンとし、基本パターンを複製して周波数方向に合計3パターンを配置している。図12に示した例では、2番目から9番目までのサブキャリアの2番目および3番目のシンボルに参照信号を配置し、同一のサブキャリアに配置される参照信号にレイヤごとに異なる2ビットの直交符号を乗算する。
なお、直交符号は上記のパターン内だけで直交している系列を用いる例に限定されず、パターン間に渡り直交する系列を用いてもよい。例えば、第1レイヤ送信用に(1,2)、(1,3)、(1,9)、(1,10)に配置された参照信号に直交系列+1、+1、+1、+1が乗算され、第2レイヤ送信用に(1,2)、(1,3)、(1,9)、(1,10)に配置された参照信号に+1、-1、+1、-1が乗算されてもよい。
また、基本パターンから幾つかの参照信号グループを間引いてもよい。図14は、図13に示した参照信号の配置例に対して参照信号グループの間引きを行った例を示す図である。図14に示した例では、基本パターンである(1,2)、(1,3)、(2,2)、(2,3)、(3,2)、(3,3)、(4,2)、(4,3)から、(2,2)、(2,3)および(4,2)、(4,3)に配置された参照信号グループが削除されている。そして、参照信号グループが削除された後の基本パターンが複製されて、複製されたパターンを含め合計4か所に参照信号グループが削除された後の基本パターンが配置されている。
また、直交符号の長さを4ビットから2ビットに変えて16レイヤの多重を実現することもできる。具体的な例を説明する。第1レイヤ用の参照信号として(0,2)の信号に対して+1、(6,2)の信号に対して+1、が乗算される。第2レイヤ用の参照信号として(0,2)の信号に対して+1、(6,2)の信号に対して−1、が乗算される。第3レイヤ用の参照信号として(1,2)の信号に対して+1、(7,2)の信号に対して+1、が乗算される。第4レイヤ用の参照信号として(1,2)の信号に対して+1、(7,2)の信号に対して−1、が乗算される。第5レイヤ用の参照信号として(2,2)の信号に対して+1、(8,2)の信号に対して+1、が乗算される。第6レイヤ用の参照信号として(2,2)の信号に対して+1、(8,2)の信号に対して−1、が乗算される。第7レイヤ用の参照信号として(3,2)の信号に対して+1、(9,2)の信号に対して+1、が乗算される。第8レイヤ用の参照信号として(3,2)の信号に対して+1、(9,2)の信号に対して−1、が乗算される。このように0番目のシンボルの参照信号を用いて、8レイヤの送信が可能となる。
そして同様に、1番目のシンボルに参照信号を挿入し、第9レイヤ用の参照信号として(0,3)の信号に対して+1、(6,3)の信号に対して+1、が乗算される。第10レイヤ用の参照信号として(0,3)の信号に対して+1、(6,3)の信号に対して−1、が乗算される。第11レイヤ用の参照信号として(1,3)の信号に対して+1、(7,3)の信号に対して+1、が乗算される。第12レイヤ用の参照信号として(1,3)の信号に対して+1、(7,3)の信号に対して−1、が乗算される。第13レイヤ用の参照信号として(2,3)の信号に対して+1、(8,3)の信号に対して+1、が乗算される。第14レイヤ用の参照信号として(2,3)の信号に対して+1、(8,3)の信号に対して−1、が乗算される。第15レイヤ用の参照信号として(3,3)の信号に対して+1、(9,3)の信号に対して+1、が乗算される。第16レイヤ用の参照信号として(3,3)の信号に対して+1、(9,3)の信号に対して−1、が乗算される。以上の処理により、直交符号の長さを2とし、2シンボルに参照信号を配置して、16レイヤの多重が可能となる。この例では、16レイヤを、1スケジュル単位内で16キャリアを用いて多重しているため、参照信号密度は、16/16/1=1[layer/RE/RB´]となる。なおレイヤ番号と直交符号との関係は上述の例に限定されない。
また、以上説明した例では、直交符号の長さが2ビットまたは4ビットであったが、8ビットの直交符号を用いて、参照信号の16レイヤの多重を行うこともできる。図15は、8ビットの直交符号を用いる場合の参照信号の配置例を示す図である。図15に示した例では、第1レイヤ向け参照信号として、(0,2)に置かれた参照信号に対して+1、(0,3)に置かれた参照信号に対して+1、(1,2)に置かれた参照信号に対して+1、(1,3)に置かれた参照信号に対して+1、(6,2)に置かれた参照信号に対して+1、(6,3)に置かれた参照信号に対して+1、(7,2)に置かれた参照信号に対して+1、(7,3)に置かれた参照信号に対して+1が乗算される。第2レイヤ向け参照信号として、(0,2)に置かれた参照信号に対して+1、(0,3)に置かれた参照信号に対して−1、(1,2)に置かれた参照信号に対して+1、(1,3)に置かれた参照信号に対して−1、(6,2)に置かれた参照信号に対して+1、(6,3)に置かれた参照信号に対して−1、(7,2)に置かれた参照信号に対して+1、(7,3)に置かれた参照信号に対して−1が乗算される。
また、図15に示した例では、第3レイヤ向け参照信号として、(0,2)に置かれた参照信号に対して+1、(0,3)に置かれた参照信号に対して+1、(1,2)に置かれた参照信号に対して−1、(1,3)に置かれた参照信号に対して−1、(6,2)に置かれた参照信号に対して+1、(6,3)に置かれた参照信号に対して+1、(7,2)に置かれた参照信号に対して−1、(7,3)に置かれた参照信号に対して−1が乗算される。第4レイヤ向け参照信号として、(0,2)に置かれた参照信号に対して+1、(0,3)に置かれた参照信号に対して−1、(1,2)に置かれた参照信号に対して−1、(1,3)に置かれた参照信号に対して+1、(6,2)に置かれた参照信号に対して+1、(6,3)に置かれた参照信号に対して−1、(7,2)に置かれた参照信号に対して−1、(7,3)に置かれた参照信号に対して+1が乗算される。
第5レイヤ向け参照信号として、(0,2)に置かれた参照信号に対して+1、(0,3)に置かれた参照信号に対して+1、(1,2)に置かれた参照信号に対して+1、(1,3)に置かれた参照信号に対して+1、(6,2)に置かれた参照信号に対して−1、(6,3)に置かれた参照信号に対して−1、(7,2)に置かれた参照信号に対して−1、(7,3)に置かれた参照信号に対して−1が乗算される。第6レイヤ向け参照信号として、(0,2)に置かれた参照信号に対して+1、(0,3)に置かれた参照信号に対して−1、(1,2)に置かれた参照信号に対して+1、(1,3)に置かれた参照信号に対して−1、(6,2)に置かれた参照信号に対して−1、(6,3)に置かれた参照信号に対して+1、(7,2)に置かれた参照信号に対して−1、(7,3)に置かれた参照信号に対して+1が乗算される。
第7レイヤ向け参照信号として、(0,2)に置かれた参照信号に対して+1、(0,3)に置かれた参照信号に対して+1、(1,2)に置かれた参照信号に対して−1、(1,3)に置かれた参照信号に対して−1、(6,2)に置かれた参照信号に対して−1、(6,3)に置かれた参照信号に対して−1、(7,2)に置かれた参照信号に対して+1、(7,3)に置かれた参照信号に対して+1が乗算される。第8レイヤ向け参照信号として、(0,2)に置かれた参照信号に対して+1、(0,3)に置かれた参照信号に対して−1、(1,2)に置かれた参照信号に対して−1、(1,3)に置かれた参照信号に対して+1、(6,2)に置かれた参照信号に対して−1、(6,3)に置かれた参照信号に対して+1、(7,2)に置かれた参照信号に対して+1、(7,3)に置かれた参照信号に対して−1が乗算される。
同様の処理を(2,2)、(2,3)、(3,2)、(3,3)、(8,2)、(8,3)、(9,2)、(9,3)に置かれた参照信号に対して施す。第9レイヤ向け参照信号として、(2,2)に置かれた参照信号に対して+1、(2,3)に置かれた参照信号に対して+1、(3,2)に置かれた参照信号に対して+1、(3,3)に置かれた参照信号に対して+1、(8,2)に置かれた参照信号に対して+1、(8,3)に置かれた参照信号に対して+1、(9,2)に置かれた参照信号に対して+1、(9,3)に置かれた参照信号に対して+1が乗算される。第10レイヤ向け参照信号として、(2,2)に置かれた参照信号に対して+1、(2,3)に置かれた参照信号に対して−1、(3,2)に置かれた参照信号に対して+1、(3,3)に置かれた参照信号に対して−1、(8,2)に置かれた参照信号に対して+1、(8,3)に置かれた参照信号に対して−1、(9,2)に置かれた参照信号に対して+1、(9,3)に置かれた参照信号に対して−1が乗算される。
第11レイヤ向け参照信号として、(2,2)に置かれた参照信号に対して+1、(2,3)に置かれた参照信号に対して+1、(3,2)に置かれた参照信号に対して−1、(3,3)に置かれた参照信号に対して−1、(8,2)に置かれた参照信号に対して+1、(8,3)に置かれた参照信号に対して+1、(9,2)に置かれた参照信号に対して−1、(9,3)に置かれた参照信号に対して−1が乗算される。第12レイヤ向け参照信号として、(2,2)に置かれた参照信号に対して+1、(2,3)に置かれた参照信号に対して−1、(3,2)に置かれた参照信号に対して−1、(3,3)に置かれた参照信号に対して+1、(8,2)に置かれた参照信号に対して+1、(8,3)に置かれた参照信号に対して−1、(9,2)に置かれた参照信号に対して−1、(9,3)に置かれた参照信号に対して+1が乗算される。
第13レイヤ向け参照信号として、(2,2)に置かれた参照信号に対して+1、(2,3)に置かれた参照信号に対して+1、(3,2)に置かれた参照信号に対して+1、(3,3)に置かれた参照信号に対して+1、(8,2)に置かれた参照信号に対して−1、(8,3)に置かれた参照信号に対して−1、(9,2)に置かれた参照信号に対して−1、(9,3)に置かれた参照信号に対して−1が乗算される。第14レイヤ向け参照信号として、(2,2)に置かれた参照信号に対して+1、(2,3)に置かれた参照信号に対して−1、(3,2)に置かれた参照信号に対して+1、(3,3)に置かれた参照信号に対して−1、(8,2)に置かれた参照信号に対して−1、(8,3)に置かれた参照信号に対して+1、(9,2)に置かれた参照信号に対して−1、(9,3)に置かれた参照信号に対して+1が乗算される。
第15レイヤ向け参照信号として、(2,2)に置かれた参照信号に対して+1、(2,3)に置かれた参照信号に対して+1、(3,2)に置かれた参照信号に対して−1、(3,3)に置かれた参照信号に対して−1、(8,2)に置かれた参照信号に対して−1、(8,3)に置かれた参照信号に対して−1、(9,2)に置かれた参照信号に対して+1、(9,3)に置かれた参照信号に対して+1が乗算される。第16レイヤ向け参照信号として、(2,2)に置かれた参照信号に対して+1、(2,3)に置かれた参照信号に対して−1、(3,2)に置かれた参照信号に対して−1、(3,3)に置かれた参照信号に対して+1、(8,2)に置かれた参照信号に対して−1、(8,3)に置かれた参照信号に対して+1、(9,2)に置かれた参照信号に対して+1、(9,3)に置かれた参照信号に対して−1が乗算される。
以上図15に説明した例では、16レイヤを、1スケジュル単位内で16キャリアを用いて多重しているため、参照信号密度は、16/16/1=1[layer/RE/RB´]となる。なおレイヤ番号と直交符号との関係は上述の例に限定されない。図16に示す配置例において、図15の配置を1サブキャリア周波数領域において、シフトを与えた例である。図15および図16において、8レイヤ多重が可能となる配置例でもある。例えば図16の配置例において、4ビットの直交符号を用い、第1レイヤ向けに(1,2)に置かれた参照信号に+1、(1,3)に置かれた参照信号に+1、(2,2)に置かれた参照信号に+1、(2,3)に置かれた参照信号に+1を乗算する。4ビットの直交符号は上述したようにレイヤごとに異なる。図16に示す例は周波数領域にて2回複製する配置例となる。すなわち、図16の例では、1番目および2番目のサブキャリアの2番目のシンボルと1番目および2番目のサブキャリアの3番目のシンボルとに配置された参照信号を第1参照信号グループとし、3番目および4番目のサブキャリアの2番目のシンボルと3番目および5番目のサブキャリアの3番目のシンボルとに配置された参照信号を第2参照信号グループとし、第1および第2の参照信号グループに前記レイヤごとに異なる2ビットの直交符号を乗算し、第1および第2参照信号グループを基本パターンとし、基本パターンを複製して周波数方向に6サブキャリアシフトさせて配置する。
以上説明した例では、複数のシンボル時間にわたり参照信号を配置したが、1シンボル時間に参照信号を配置して、直交符号を用いて多重を行うことも可能である。図17は、1シンボル時間に参照信号を配置して直交符号を用いて多重を行う例を示す図である。図17に示した例では、(0,2)、(1,2)で第1参照信号グループを構成し、(3,2)、(4,2)で第2参照信号グループを構成し、(6,2)、(7,2)で第3参照信号グループを構成し、(9,2)、(10,2)で第4参照信号グループを構成する。例えば、第1レイヤ用の参照信号として、(0,2)の参照信号に対し+1が乗算され、(1,2)の参照信号に+1が乗算される。第2レイヤ用の参照信号として、(0,2)の参照信号に対し+1が乗算され、(1,2)の参照信号に対し−1が乗算される。同様の処理を他の参照信号グループに施すことで、2番目のシンボル時間内で8レイヤの参照信号の送信が可能となる。図17において、各グループ間に周波数領域において1サブキャリア開けたが、図18に示した例のように、間隔を空けずに参照信号を配置しても良い。図18に示した例では、2番目および3番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第1参照信号グループとし、4番目および5番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第2参照信号グループとし、6番目および7番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第3参照信号グループとし、8番目および9番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第4参照信号グループとし、第1から第4参照信号グループの各参照信号グループの参照信号にレイヤごとに異なる2ビットの直交符号を乗算する。図17又は図18の配置例において、時間領域に複製しないパターンを示したが、図19に示す通り、時間領域に複数の配置パターンを複製しても良い。その結果、図19に示す通り2シンボルを用いて、参照信号を配置する。すなわち、図19の例では、1番目、2番目、7番目および8番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第1参照信号グループとし、3番目、4番目、9番目および10番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第2参照信号グループとし、1番目、2番目、7番目および8番目のサブキャリアの3番目のシンボルを第3参照信号グループとし、3番目、4番目、9番目および10番目のサブキャリアの3番目のシンボルを第4参照信号グループとし、第1から第4参照信号グループの各参照信号グループの参照信号にレイヤごとに異なる4ビットの直交符号を乗算する。また図20に示す通り、周波数に同じパターンを3回複製しても良い。すなわち、図20に示した例では、1番目および2番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第1参照信号グループとし、3番目および4番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第2参照信号グループとし、1番目および2番目のサブキャリアの3番目のシンボルを第3参照信号グループとし、3番目および4番目のサブキャリアの3番目のシンボルを第4参照信号グループとし、第1から第4参照信号グループの各参照信号グループの参照信号にレイヤごとに異なる4ビットの直交符号を乗算し、第1から第4参照信号グループを基本パターンとし、基本パターンを複製して周波数方向に合計3パターンを配置する。
図17に示した配置パターンを同じように2シンボル時間に適用することで、レイヤの多重数を増やすことが可能である。図21は、2シンボル時間に参照信号を配置して直交符号を用いて多重を行う例を示す図である。2番目のシンボル時間には、図17に示した参照信号と同様に直交符号を乗算した参照信号を配置する。そして、3番目のシンボル時間にも同様に、直交符号を乗算した参照信号を配置することで、図17に示した例に対して追加の8レイヤの多重が可能となるので、合計で16レイヤの多重が可能となる。図22に示した配置パターンにて、各グループの周波数領域における間隔が無くなる。図22に示した例では、2番目および3番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第1参照信号グループとし、4番目および5番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第2参照信号グループとし、6番目および7番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第3参照信号グループとし、8番目および9番目のサブキャリアの2番目のシンボルを第4参照信号グループとし、2番目および3番目のサブキャリアの3番目のシンボルを第5参照信号グループとし、4番目および5番目のサブキャリアの3番目のシンボルを第6参照信号グループとし、6番目および7番目のサブキャリアの3番目のシンボルを第7参照信号グループとし、8番目および9番目のサブキャリアの3番目のシンボルを第8参照信号グループとし、第1から第8参照信号グループの各参照信号グループの参照信号に前記レイヤごとに異なる2ビットの直交符号を乗算する。
図17に示した例では、参照信号グループ内で参照信号の配置位置が周波数領域で隣接しているが、参照信号グループ内で参照信号の配置位置が周波数領域で隣接していなくてもよい。すなわち、同一の参照信号グループを構成する参照信号が周波数領域で分散されていてもよい。図23は、同一の参照信号グループを構成する参照信号が周波数領域で分散される例を示す図である。図23では、同一の参照信号グループに対応する位置は同一のハッチングを施している。図23に示した配置例では、例えば、第1参照信号グループの参照信号は(0,2)および(6,2)に配置される。図24に示す例においては参照信号グループが周波数に連続して配置される。例えば第1グループは第2シンボルの(1,2)から(4,2)まで配置される。そして4ビット直交符号が適用される。さらに、第1グループは、周波数に2回複製される。第2グループは第3シンボルに配置される。図24に示した例では、1番目から4番目までのサブキャリアの2番目のシンボルを第1参照信号グループとし、1番目から4番目までのサブキャリアの3番目のシンボルを第2参照信号グループとし、第1および第2の参照信号グループの参照信号にレイヤごとに異なる4ビットの直交符号を乗算し、第1および第2参照信号グループを基本パターンとし、基本パターンを複製して周波数方向に6サブキャリアシフトさせて配置する。
また、図17に示した配置例は、直交符号を2ビットとした例であるが、8ビットの直交符号を用いてもよい。図25は、8ビットの直交符号を用いて1シンボル時間に参照信号を配置した例を示す図である。図25に示した例では、(0,2)、(1,2)、(3,2)、(4,2)、(6,2)、(7,2)、(9,2)、(10,2)に参照信号が配置される。そして、図25に示した例では、8ビット直交符号を用いてレイヤ多重される。例えば、8ビットの直交符号としては、 [+1、+1、+1、+1、+1、+1、+1、+1]、[+1、−1、+1、−1、+1、−1、+1、−1]、[+1、+1、−1、−1、+1、+1、−1、−1] 、[+1、−1、−1、+1、+1、−1、−1、+1]、[+1、+1、−1、−1、−1、−1、+1、+1]、[+1、−1、−1、+1、−1、+1、+1、−1]を用いることができる。
また、8ビットの直交符号を用いて図25に示した例とは別の位置に参照信号を配置してもよい。図26は、8ビットの直交符号を用いて1シンボル時間に参照信号を配置した別の例を示す図である。図26に示した例では、(2,2)から(9,2)まで参照信号が周波数領域に連続して配置される。図27に示す例は、第2シンボルに配置された参照信号配置パターンが第3シンボルに配置された例を示す。本配置例を用いて、合計16レイヤの多重が可能となる。第2シンボルに配置された参照信号を用いて、第1レイヤから第8レイヤまで多重し、第3シンボルに配置された参照信号を用いて、第9レイヤから第16レイヤまで多重する。図27に示した例では、2番目から9番目までのサブキャリアの2番目のシンボルを第1参照信号グループとし、2番目から9番目までのサブキャリアの3番目のシンボルを第2参照信号グループとし、第1および第2の参照信号グループの参照信号にレイヤごとに異なる8ビットの直交符号を乗算する。
次に、本実施の形態の基地局1における直交符号の割当、時間領域および周波数における配置、および制御情報の生成の処理手順について説明する。図28は、本実施の形態の基地局1における処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、基地局1は、送信対象となるUEすなわち端末2の数および各UE向けのレイヤ数を決定する(ステップS1)。具体的には、基地局1の制御部10が、端末2から受信した信号に基づいて、送信対象となる端末2の数を管理している。例えば、基地局1の制御部10は、基地局1との通信の開始の要求を送信した端末2を、該端末2が通信の終了を要求するまでの間、送信対象のUEとして管理する。また、制御部10は、端末2が通信の終了を要求していなくても、一定時間以上端末2から信号を受信しない場合に、送信対象のUEから削除してもよい。制御部10は、端末2から送信された帯域割当て要求に基づいて、各UE向けのレイヤ数を決定する。なお、基地局1におけるUE数の管理およびレイヤ数の割当て方法については、どのような方法を用いてもよく、一般的な方法を用いることができるため詳細な説明は省略する。
次に、基地局1の制御部10は、UE数と各UEに割当てたレイヤ数とに応じて、参照信号の時間領域および周波数領域の配置位置を決める(ステップS2)。例えば、UE数が8であり、各UEに2レイヤずつレイヤを割当てる場合、制御部10は、合計レイヤ数は16であるため、16レイヤを多重可能な参照信号の周波数領域および時間領域の配置を決定する。この際、直交符号のビット数についても決定する。基地局1は、上述したように、レイヤ間で参照信号の周波数領域の位置および時間領域の位置のうち少なくとも1つが異なるように配置するまたはレイヤ間で参照信号の周波数領域の位置および時間領域の位置が同じ場合には直交符号を乗算することで、レイヤ間で参照信号が干渉しないようにしている。すなわち、制御部10は、レイヤ間で参照信号が干渉しないように参照信号の時間領域および周波数領域の位置、および直交符号の乗算の有無を決定する。
次に、基地局1の制御部10は、直交符号を各レイヤの各参照信号グループに割当てる(ステップS3)。制御部10は、参照信号の時間領域および周波数領域の位置、および直交符号を、各レイヤに対応する処理部12へ指示する。
各処理部12は、制御部10からの指示に従って、参照信号に直交符号を乗算する(ステップS4)。なお、参照信号自体は、上述したように、各処理部12の第1の制御信号生成部125が、あらかじめ定められた複数のパターンのなかから選択することができる。また、参照信号にはスクランブル処理が施された後に直交符号が乗算されてもよいし、直交符号が乗算された後にスクランブル処理が施されてもよい。
各処理部12は、パラメタ情報を生成する(ステップS5)。具体的には、パラメタ情報生成部123が、第1の制御信号生成部125、第2の制御信号生成部124および第3の制御信号生成部122からの情報に基づいて、パラメタ情報を生成する。なお、第3の制御信号生成部122は、制御部10からの指示にしたがって、参照信号の配置を決定する。この際、対応する端末2からのフィードバック情報に基づいて、上述したように、参照信号の配置を変更したり、参照信号グループの数を変更したりといった処理を行ってもよい。また、制御部10は、スクランブル処理の有無を各処理部12へ指示するようにしてもよい。
次に、基地局1は、時間、周波数および空間多重処理を実施し(ステップS6)、処理を終了する。具体的には、各処理部12の多重部129が、データ、参照信号および制御信号を多重する。そして、プリコーディング部13がプリコーディング処理により各処理部12から出力された各レイヤの多重信号を空間多重することにより、時間、周波数および空間多重処理が実施される。時間、周波数および空間多重処理後の信号は、送信部14により送信される。
図29は、本実施の形態の端末2の機能構成例を示す図である。端末2は、受信部21、復調部22、制御部23および送信部24を備える。受信部21は、基地局1から受信した信号からCPの除去、DFT(Discrete Fourier Transform)処理などを実施する。復調部22は、受信部21により受信された信号に基づいて、伝送路推定およびレイヤごとの復調処理を実施する。この際、復調部22は、受信信号に含まれるパラメタ情報に基づいて参照信号の配置などを把握する。制御部23は、復調部22による伝送路推定の結果、受信部21により測定される受信信号の強度、図示しない位置検出手段による端末2の位置の検出結果などに基づいてフィードバック情報を生成し、送信部24を介して、フィードバック情報を基地局1へ送信する。
次に、基地局1および端末2のハードウェア構成について説明する。図2に示した基地局1の構成要素のうち、送信部14は送信機であり、受信部11は受信機である。図2に示した基地局1の構成要素のうち制御部10、処理部12およびプリコーディング部13は処理回路により実現される。送信部14および受信部11のうちの一部が処理回路であってもよい。これらの処理回路は、プロセッサがソフトウェアを実行する回路であってもよいし、専用の回路であってもよい。処理回路がソフトウェアにより実現される場合、処理回路は、例えば、図30に示す制御回路である。図30は、制御回路100の一例を示す図である。制御回路100は、入力部101、プロセッサ102、メモリ103および出力部104を備える。入力部101は、外部から入力されたデータを受信する受信部である。出力部104は、データを外部へ送信する送信部である。
プロセッサ102は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)である。メモリ103は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)等が該当する。処理回路が図30に示す制御回路100である場合、プロセッサ102がメモリ103に記憶された、基地局1の各々の構成要素に対応するプログラムを読み出して実行することにより各構成要素が実現される。また、メモリ103は、プロセッサ102が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。
基地局1を構成する各部のうち専用のハードウェアとして構成されるものは、図31に示す回路により実現される。図31は、専用のハードウェア回路の構成例を示す図である。専用のハードウェア回路200は、入力部201、処理回路202、および出力部203を備える。入力部201は、外部から入力されたデータを受信する受信部である。出力部203は、データを外部へ送信する送信部である。処理回路202は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものである。
また、基地局1を構成する各構成要素は、専用のハードウェア回路200と制御回路100とが組み合わされて実現されてもよい。
端末2の送信部24は送信機であり、端末2の受信部21は受信機である。復調部22および制御部23は、上述した制御回路100により実現されてもよいし、専用のハードウェア回路200により実現されてもよい。送信部24および受信部21に一部も、上述した制御回路100により実現されてもよいし、専用のハードウェア回路200により実現されてもよい。
以上のように、本実施の形態では、基地局1において制御部10が、レイヤ間で参照信号が干渉しないように参照信号の時間領域および周波数領域の位置、および直交符号の乗算の有無を決定するようにした。このため、レイヤ間での参照信号の干渉を抑制することができ、基地局1からの信号の再送を抑制して通信容量の低下を抑制するとともに、必要以上に多くの参照信号を挿入することを抑制することができ、伝送効率の低下を抑制することができる。
実施の形態2.
次に本発明にかかる実施の形態2の参照信号の配置方法について説明する。本実施の形態の基地局1および端末2の構成は実施の形態1と同様である。以下、実施の形態1と異なる点を説明する。実施の形態1では、12キャリアおよび14シンボルをスケジュル単位として、スケジュル単位に納まる参照信号の配置例を示した。本実施の形態では、複数のスケジュル単位にまたがって参照信号を配置することも可能とする配置方法について説明する。以下では、1スケジュル単位のリソースを1RB´と呼ぶ。
本実施の形態では、参照信号を複数のスケジュル単位すなわち複数のRB´に分散させ配置させる。複数のRB´に参照信号を分散して配置することで、周波数利用効率が改善する。複数のRB´に参照信号を配置する場合、あらかじめ基地局1は、何個のRB´を1グループとして扱って参照信号を配置するか決める必要がある。参照信号が分散されて配置される複数のRB´で構成されるグループを、リソースブロックグループという。以下の例では、2つのRB´でリソースブロックグループが構成されるとし、これら2つのRB´をリソースブロックペアと呼ぶ。
例えば、RB´0とRB´1の2つのRB´がリソースブロックペアを構成するとする。この場合に、基地局1は、8レイヤを多重して送信を行う場合、第1レイヤから第4レイヤの参照信号はRB´0内、第5レイヤから第8レイヤの参照信号はRB´1内に配置する。この場合、8レイヤ分の参照信号を1RB´内に配置する必要が無いので、8レイヤ分の参照信号を全てのRB´内に配置する場合に比べて周波数利用効率が向上する。
図9に配置された参照信号を用いて具体例を説明する。図9の例と同様に、直交符号の長さを4ビットとし、2シンボル時間に参照信号を挿入し、16レイヤの多重を行うとする。図32は、本実施の形態の参照信号の配置例を示す図である。図32では、基地局1は、図9に示した参照信号を2つのRB´に渡って分散させて配置している。詳細には、RB´0では、(0,2)、(0,3)、(1,2)、(1,3)、(2,2)、(2,3)、(3,2)、(3,3)に参照信号が配置され、RB´1では、(6,2)、(6,3)、(7,2)、(7,3)、(8,2)、(8,3)、(9,2)、(9,3)に参照信号が配置されている。
第1レイヤ用の参照信号としてRB´0の(0,2)の信号に対して+1、RB´0の(0,3)の信号に対して+1、RB´1の(6,2)の信号に対して+1、RB´1の(6,3)の信号に対して+1が乗算される。第2レイヤ用の参照信号としてRB´0の(0,2)の信号に対して+1、RB´0の(0,3)の信号に対して−1、RB´1の(6,2)の信号に対して+1、RB´1の(6,3)の信号に対して−1が乗算される。第3レイヤ用の参照信号としてRB´0の(0,2)の信号に対して+1、RB´0の(0,3)の信号に対して+1、RB´1の(6,2)の信号に対して−1、RB´1の(6,3)の信号に対して−1が乗算される。第4レイヤ用の参照信号としてRB´0の(0,2)の信号に対して+1、RB´0の(0,3)の信号に対して−1、RB´1の(6,2)の信号に対して−1、RB´1の(6,3)の信号に対して+1が乗算される。
従って、(0,2)、(0,3)、(6,2)、(6,3)に配置された参照信号と直交符号を用いることで4レイヤまで多重することができる。同様にRB0の(1,2)、RB0の(1,3)、RB1の(7,2)、RB1の(7,3)によって成り立つグループ、RB0の(2,2)、RB0の(2,3)、RB1の(8,2)、RB1の(8,3)によって成り立つグループ、RB0の(3,2)、RB0の(3,3)、RB1の(9,2)、RB1の(9,3)によって成り立つグループに対してそれぞれ直交符号を用いることで、それぞれのグループで4レイヤまで多重できる。その結果、合計16レイヤの参照信号を多重することが可能となる。16キャリアを用いて16レイヤを2RB´内で送るので、参照信号密度は、16/16/2=1/2[layer/RE/RB´]となる。なおレイヤ番号と直交符号との関係は上述の例に限定されない。
リソースブロックペア内に参照信号を配置する場合、参照信号の配置位置に幾つかの手法が考えられる。パラメタ情報生成部123は、どの手法を用いて参照信号を配置したかをパラメタ情報に含める。例えば、(0,2)、(0,3)、(1,2)、(1,3)、(2,2)、(2,3)、(3,2)、(3,3)に配置される参照信号を第1参照信号グループとし、(6,2)、(6,3)、(7,2)、(7,3)、(8,2)、(8,3)、(9,2)、(9,3)に配置される参照信号を第2参照信号グループとし、各参照信号グループに参照信号が配置されて送信されるか否かのフラグをパラメタ情報に含める。例えば、図32に示した例では、パラメタ情報において、RB´0に対応するフラグ値は、第1参照信号グループに対応するフラグは送信することを示す値であり第2参照信号グループに対応するフラグは送信しないことを示す値である。また、RB´1に対応するフラグ値は、第1参照信号グループに対応するフラグは送信しないことを示す値であり第2参照信号グループに対応するフラグは送信することを示す値である。
また、第1参照信号グループおよび第2参照信号グループのRB´内の基準位置をあらかじめ定めておき、基準位置からのオフセット値がパラメタ情報に格納されるようにしてもよい。例えば、図32の例において、第1および第2参照信号グループは基準位置のままとする。そしてオフセット値はRB‘単位、すなわち周波数方向に12サブキャリアとする。この場合、パラメタ情報において、RB´0では、第1参照信号グループのフラグの値は送信されることを示す値であり、第1参照信号グループのオフセット値は0であり、第2参照信号グループのフラグの値は送信されないことを示す値である。一方、パラメタ情報において、RB´1では第1参照信号グループはフラグの値は送信されないことを示す値あり、第2参照信号グループはフラグの値は送信されることを示す値であり第2参照信号グループのオフセット値は1(RB´)である。すなわち、オフセット値はRB´0を基準として定義される。なおオフセット値はRB´単位ではなくサブキャリア単位で定義されても良い。
図33は、図32に示した配置例とオフセット値が異なる配置例を示す図である。図33に示した配置例では、パラメタ情報において、RB´0では、第1参照信号グループのフラグの値は送信されることを示す値であり第1参照信号グループのオフセット値は0であり、第2参照信号グループのフラグの値は送信されないことを示す値である。パラメタ情報において、RB´1では第1参照信号グループのフラグ値は送信されることを示す値であり第1参照信号グループのオフセット値は1(RB´)であり、第2参照信号グループのフラグの値は送信されないことを示す値である。
リソースブロックペア内の1つのRB´における参照信号グループの配置を基準として、他のRB´については基準の位置からのオフセット量を指定してもよい。例えば、図32の例では、RB´0における参照信号グループの配置を基準とすると、RB´1のオフセット量は6である。図34に図27に示した1シンボルを用いた参照信号が配置された例を示す。RB´0にて、第2シンボルに配置された参照信号を用いて第1レイヤから第8レイヤを多重し、RB´1にて第3シンボルに配置された参照信号を用いて第9レイヤから第16レイヤを多重する。図34に示した例では、第0スケジュル単位(RB´0)と第1スケジュル単位(RB´1)に渡って参照信号を配置し、第0スケジュル単位の2番目から9番目までのサブキャリアの2番目のシンボルを第1参照信号グループとし、第1スケジュル単位の2番目から9番目までのサブキャリアの2番目のシンボルを第2参照信号グループとし、第1および第2の参照信号グループの参照信号に前記レイヤごとに異なる8ビットの直交符号を乗算する。図35にて図11に示した配置の分割例を示す。図35に示した例では、第0スケジュル単位と第1スケジュル単位に渡って参照信号を配置し、第0スケジュル単位の0番目のサブキャリアの2番目および3番目のシンボルを第1参照信号グループとし、前記第0スケジュル単位の1番目のサブキャリアの2番目および3番目のシンボルを第2参照信号グループとし、第1スケジュル単位の2番目のサブキャリアの2番目および3番目のシンボルを第3参照信号グループとし、第1スケジュル単位の3番目のサブキャリアの2番目および3番目のシンボルを第4参照信号グループとし、第1から第4の参照信号グループの参照信号にレイヤごとに異なる2ビットの直交符号を乗算し、第1から第4参照信号グループを基本パターンとし、前記基本パターンを複製して周波数方向に合計3パターンを配置し、各パターンは周波数方向に4サブキャリアオフセットしている。
基地局1は、実施の形態1で述べたように1RB´に参照信号を配置するか、または上述したように複数のRB´に分散させて参照信号を配置するかを、端末2の相対距離または伝送路情報に基づいて決定するようにしてもよい。すなわち、基地局1は、1つのスケジュル単位のリソース内で参照信号の周波数領域および時間領域の配置を決定する第1の配置処理を実施するか、または複数のスケジュル単位のリソース内で参照信号の周波数領域および時間領域の配置を決定する第2の配置処理を実施するかを選択するようにしてもよい。第2の配置処理を実施する場合、1つのスケジュル単位のリソース内において前記参照信号に用いられるデータ量は、第1の配置処理を実施する場合に1つのスケジュル単位のリソース内において参照信号に用いられるデータ量より少ない。
以上述べた以外の本実施の形態の動作は実施の形態1と同様である。上述のように、参照信号として用いる系列をグループ化してグループ番号またはインデックス番号を割り振り、パラメタ情報において参照信号グループの送信の有無またはオフセット値を含めることで、端末2はパラメタ情報を用いて復調を行うことが可能となる。このように、本実施の形態では、複数のRB´に参照信号を分散させて配置するようにしたので、実施の形態1に比べて伝送効率を向上させることができる。
実施の形態3.
図36は本発明にかかる実施の形態3の基地局の構成例を示す図である。本実施の形態の通信システムの構成は、実施の形態1の基地局1の代わりに基地局1aを備える以外は実施の形態1の通信システムと同様である。実施の形態1と同一の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本実施の形態の基地局1aは、複数のレイヤの空間多重を実施する。端末2が、各レイヤの信号を復調するためには、各レイヤに対応する参照信号を把握する必要がある。言い換えると何らかの形で、端末2は、レイヤごとの参照信号を区別しなくてはならない。実施の形態1および実施の形態2では、時間領域、周波数領域および直交符号を用いてレイヤごとの参照信号を分離可能とする手法を説明した。実施の形態1および実施の形態2では、端末2には、パラメタ情報により、自身に対応するレイヤの、参照信号の配置位置と参照信号のパターンと直交符号が拡散されている場合の直交符号に関する情報とが通知される。
空間多重はプリコーディング部13により送信先の端末2ごとに異なるビームフォーミングを行うことにより実現される。言い換えれば、理想的なビームフォーミングがなされた場合、基地局1aから伝送される信号は端末2ごとに空間的に分離された状態で伝送され、各端末2は自局宛のレイヤだけを受信することとなる。この場合、端末2は、自身に送信されるレイヤの参照信号に関するパラメタ情報が把握できればよい。各端末2宛てに2レイヤずつ伝送が行われ、4つの端末2宛てに基地局1がレイヤ多重により送信するとすれば、基地局1は8レイヤの信号を送信することになる。理想的なビームフォーミングが行われ、ビームフォーミングにより完全に端末2ごとに送信信号が分離されれば、各端末2は、自身に対応する2レイヤの参照信号のパラメタ情報を把握できればよい。
一方で、実際の環境においては、正確な伝送路情報が得られないなど様々な理由により、完全なビームフォーミングを実施することは困難である。したがって、ユーザ間干渉すなわち他の端末2宛ての信号による影響の完全な抑圧は困難である。このような場合は、各端末2では自局宛のレイヤの信号と共に、他端末2宛のレイヤの信号が混ざって受信される。したがって、自局宛レイヤの参照信号と他局宛レイヤの参照信号とを把握し、自局宛レイヤの参照信号を用いて復調処理を行う必要がある。この「混ざり具合」はビームフォーミングの精度および端末2間の距離などに依存するものである。したがって、空間的な分離精度に応じて、参照信号の配置および直交符号による各参照信号の分離に対する要求の程度は異なる。例えば、空間的な分離精度が高ければ、参照信号の周波数領域および時間領域における配置と直交符号とによる各参照信号の分離の程度は弱くてよく、例えば周波数領域または時間領域において完全に参照信号が分離していなくてもよい。
実施の形態1および実施の形態2では、レイヤ間で干渉が生じないように、参照信号の周波数領域および時間領域における配置と直交符号とを用いてレイヤ間で参照信号を分離させている。このため、参照信号の識別精度は良い反面、参照信号にリソースが消費される。本実施の形態では、端末2の状態により、参照信号に用いられるリソースの消費を抑制する方法を説明する。
図36の構成図に示したように、本実施の形態における基地局1aは、実施の形態1の基地局1にグルーピング制御部15を追加した構成を有する。グルーピング制御部15は各処理部12のフィードバック情報処理部121から、各端末2から受信したフィードバック情報を収集する。または、グルーピング制御部15は、受信部11から受け取った受信信号から、各端末2から送信されたフィードバック情報を抽出することにより、各端末2から受信したフィードバック情報を収集してもよい。グルーピング制御部15は、各端末2のフィードバック情報に基づいて、高精度な空間分離が可能な端末2の組合せと、空間分離が困難な端末2の組合せとを算出する。具体的には、高精度な空間分離が可能か否かの判断方法については後述する。そして、空間分離が困難な端末2は同一グループに属し、高精度な空間分離が可能な端末2は異なるグループに属するように、端末2をグループ分けする。言い換えると各グループ内の端末2間は空間分離が困難であってもよいことになる。
グルーピング制御部15は、端末2をグループ分けした結果に基づいて、各処理部12のフィードバック情報処理部121に対して、使用すべき参照信号に関する情報を指示する。具体的には、グルーピング制御部15は、同一グループ内の端末2に対応するレイヤの処理部12に対しては、時間領域、周波数領域および乗算する直交符号のうちの少なくとも1つによりレイヤ間の参照信号の直交が確保されるように、参照信号に関する情報を指示する。参照信号に関する情報とは、時間領域、周波数領域および乗算する直交符号のうちの少なくとも1つを示す情報である。一方で、本実施の形態では、グループ間では時間領域および周波数領域の配置が同一であることを許容し直交符号による直交が実施されないことも許容する。すなわち、本実施の形態では、グループ間では同一の参照信号の利用を許可し、スクランブル系列をグループ間で変更して参照信号を伝送する。なお、スクランブル系列ではなく参照信号の系列自体をグループ間で変更してもよい。
高精度な空間分離が可能かどうかの判断は、様々な手法により実現が可能である。例としていくつかの方法を以下に示す。
・端末2間の距離が一定値以上であるか否かによる判断方法
各端末2から各端末2の位置情報をフィードバックさせることで、空間多重の対象となる端末2間の位置関係を把握することができる。一般的に距離の近い端末2は空間分離が困難となる。基地局1aは、端末2間の距離を算出し、端末2間の距離が一定値以上の場合、高精度な分離が可能と判断することができる。
・端末2が捕捉するビーム情報による方法
基地局1aが、狭ビームで通信を行う場合、新規端末2の発生を検知するために定期的にセル全域にビーム走査を実施する。すなわち、ビームの方向を変更させて、基地局1aが構成するセル全体を走査する。一般的には基地局から見たビームの方向は、あらかじめビーム番号として紐づけられる。この時、各端末2は、どの方向のビームを最大電力で受信できたかを求め、最大電力で受信できたビームの方向あるいはビーム番号を基地局1aへフィードバック情報として送信する。これにより基地局1aは、空間多重の対象となる端末2間の位置関係を把握することができる。基地局1aは、端末2間において最大電力で受信されたビームの方向の角度差が一定値以上である場合、高精度な分離が可能と判断することができる。
・空間相関による方法
基地局1aと端末2との間の伝送路情報はビームフォーミングを行うに当たって重要な情報である。一般的には伝送路のレシプロシティ(Reciprocity)または伝送路の可逆性を活用して、アップリンクの通信で送信された既知信号を用いて、基地局1aが伝送路情報を算出してもよいし、端末2からフィードバックとして伝送路情報を取得してもよい。この伝送路情報に基づき、UE間の空間相関を算出することができる。空間相関の算出方法は次の通りである。例えば、UEと基地局の間の伝送路によって起こる位相回転量および電力減衰量を伝送路情報となる。そして、異なるUEからフィードバックされる前述の位相回転量や電力減衰量の相関値が高ければ空間相関が高いと判断することが出来る。基地局1aは、空間相関の高い端末2間は空間分離が難しくなる。端末2間の空間相関が一定値未満の場合、高精度な分離が可能と判断することができる。
図37は、本実施の形態の基地局1aにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、基地局1aのグルーピング制御部15は、各UEすなわち各端末2から各端末2の位置情報を取得する(ステップS11)。ステップS12は、実施の形態1のステップS1と同様である。ステップS12の後、グルーピング制御部15は、端末2の位置情報に基づいて端末2をグループ分けする(ステップS13)。
次に、グルーピング制御部15は、各グループに対して、異なるスクランブル符号すなわち異なるスクランブル系列を割当てる(ステップS14)。次に、グルーピング制御部15は、グループ内の端末2に対して実施の形態1と同様に直交符号を割当てる(ステップS15)。次に、処理部12は、グルーピング制御部15からの指示に基づいて、参照信号と直交符号との乗算、スクランブル処理を実施する(ステップS16)。ステップS17、およびステップS18は、実施の形態1のステップS5、およびステップS6とそれぞれ同様である。なお、本実施の形態では、レイヤ間で周波数領域および時間領域における参照信号の配置は同一でよい。制御部10は、周波数領域および時間領域における参照信号を任意の位置に配置することができる。
図38は、本実施の形態の基地局1aにおける処理手順の別の一例を示すフローチャートである。図38に示した例では、伝送路情報(CSI情報)に基づいて、グループ分けが実施される。まず、基地局1aは、各端末2から伝送路情報(CSI情報)を取得する(ステップS21)。ステップS22は、実施の形態1のステップS1と同様である。次に、基地局1aのグルーピング制御部15は、端末2間の空間相関値を算出する(ステップS23)。基地局1aのグルーピング制御部15は、端末2間の空間相関値に基づいて端末2をグループ分けする(ステップS24)。ステップS25〜ステップS29は、ステップS14〜ステップS18と同様である。
基地局1aは、本実施の形態で説明したレイヤ間で周波数領域および時間領域の配置を同一とする第1の割当てと、実施の形態1で述べたような、レイヤ間で周波数領域、時間領域の配置および乗算する直交符号のうち少なくとも1つが異なる第2の割当てと、のうちのいずれかを選択して実施することができる。例えば、基地局1aは、端末2間の距離に応じて、第1の割当てまたは第2の割当てを選択する。または、基地局1aは、端末2において基地局1aから送信された照射する方向が異なる信号を受信した際の受信強度が最大となった方向を示す情報を端末2から取得し、端末2間の方向の差に基づいて、第1の割当てまたは第2の割当てを選択するようにしてもよい。または、基地局1aは、端末2から伝送路情報を取得し、伝送路情報に基づいて端末2間の空間相関を算出し、空間相関に応じて、第1の割当てまたは第2の割当てを選択してもよい。
本実施の形態の基地局1aにおけるグルーピング制御部15は、実施の形態1の各構成要素と同様に、図30に示した制御回路100により実現されてもよいし、図31に示した専用のハードウェア回路200により実現されてもよい。
以上のように、本実施の形態では、端末2間が高精度な分離が可能か否かにより端末2をグループ分けし、高精度な分離が可能な端末2間では、時間領域、周波数領域および乗算する直交符号が同一であることを許容し、高精度な分離が可能な端末2間ではスクランブル処理を異ならせるようにした。これにより、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、実施の形態1に比べ参照信号によるリソースの消費を抑制することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。