JP6924772B2 - パーキンソン病を治療するための組成物及び方法 - Google Patents

パーキンソン病を治療するための組成物及び方法 Download PDF

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Description

関連出願
本出願は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる、2016年3月11日に出願された米国特許仮出願番号第62/307,072号の利益を主張する。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出されており、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる配列表を含有する。2017年3月2日に作成されたASCIIコピーは、14904-202 sequence listing_ST25.txtと名付けられており、およそ4KBの大きさである。
1.技術分野
本発明は、それを必要とする対象に、特に、パーキンソン病を有する対象に、RANTES(regulated on activation、normal T cell expressed and secreted(活性化制御で、正常T細胞によって発現され、分泌される))の阻害剤及び/又はエオタキシンの阻害剤を含む組成物を投与することによって、対象においてRANTES活性化及び/又はエオタキシン活性化を低減するための組成物及び方法に関する。
2.背景技術情報
パーキンソン病(PD)は、腹側中脳における進行性のDAニューロンの喪失を特徴とする、最も一般的な神経変性運動障害である。臨床的には、PDは、振戦、動作緩慢、強剛性及び姿勢の不安定性を特徴とする(1、2)。病理学的には、神経膠症及び黒質緻密部(SNpc)における細胞質内封入体(レビー小体)の存在と関連するドーパミン作動性ニューロンの進行性変性によって示される(3)。病因論は、あまり理解されていないが、PDは、免疫系の適応アームによって制御され、いくつかの最近の研究によって、黒質線条体変性における炎症性T細胞の関与が示されている(4〜8)。正常成人脳では、末梢免疫系と脳の間のクロストークは、一過性のものであり、脳炎症につながるという証拠はない。しかし、慢性神経変性では、疾患が、脳の遠位領域及び末梢を含み、より広範になると、脳常在性ミクログリアは活性化されるだけでなく(9〜11)、全身炎症によって「刺激」されることがあり、これが炎症促進性分子の過剰合成につながるということを示す証拠が増えている(9、12〜15)。
先に、本発明者らは、ミクログリア活性化は、マウス及びサルにおいて、PD関連の発生において重大な役割を果たすことを示した(10、16〜18)。多数の研究において、本発明者ら及び他のものも、ミクログリア細胞は、末梢炎症性T細胞の慢性浸潤によって活性化され得るということを示した(19〜21)。したがって、Brochardら(5)は、PDの患者からの死後検体において、及びMPTP中毒マウスにおいて、CD8+T細胞及びCD4+T細胞は両方とも、SNpcを大幅に浸潤することを示した。彼ら(5)はまた、マウスにおいて、CD8+T細胞ではなく、CD4+T細胞の除去が、MPTP誘導性黒質線条体ドーパミン細胞死を大幅に低減することを実証した。Gendelman及び共同研究者(6)によれば、Th17細胞は、黒質線条体のドーパミン作動性神経変性を増悪させるが、制御性T細胞は、このような神経変性を減弱する。
CNSへのT細胞の浸潤につながる機序は、あまり理解されていないが、本発明者らは、最近、in vivoでSNpc及びMPTP中毒サルの血清における、RANTES及びエオタキシン、T細胞及び他の免疫細胞の浸潤に関与するケモカインの著しい上方制御を見ており(7)、これは、これらのケモカインが、黒質線条体変性に関与している可能性があること示唆する。したがって、本明細書において、本発明者らは、MPTP中毒マウスの黒質及び血清におけるRANTES及びエオタキシンの迅速な上方制御を実証する。さらに、本発明者らはまた、RANTES及びエオタキシンが、死後PD脳のSNpcにおいて、年齢対応対照と比較して上方制御されること並びにMPTP中毒マウスにおいて、RANTES及び/又はエオタキシンに対する機能的遮断抗体が、黒質線条体変性から保護することを詳しく説明する。これらの結果は、RANTES及び/又はエオタキシンの中和が、PD患者にとって有益であり得ることを示唆する。
いくつかの実施形態では、神経変性障害の治療のための組成物が提供される。本組成物は、RANTESの阻害剤及び/又はエオタキシンの阻害剤を含む。
いくつかの実施形態では、対象において神経変性障害を治療する方法が提供される。本方法は、RANTESの阻害剤及び/又はエオタキシンの阻害剤を含む組成物を、神経変性障害を治療するためにそれを必要とする対象に投与することを含む。
MPTP中毒マウスの黒質及び血清におけるRANTES及びエオタキシンの迅速な上方制御を示す図である。雄のC57/BL6マウス(6〜8週齢)に、20mg/体重1kgのMPTPを用いて侵襲を与えた(2時間間隔毎の4回の注射)。4、8、12、24及び72時間のMPTP中毒後、黒質におけるRANTES及びエオタキシンのmRNA発現を、半定量的RT-PCR(図1A)及びリアルタイムPCR(図1B、RANTES;図1C、エオタキシン)によってモニタリングした。RANTES及びエオタキシンのタンパク質発現は、ウエスタンブロットによってモニタリングした(図1D)。アクチンを対照として実施した。バンドをスキャンし、値(図1E、RANTES/アクチン;図1F、エオタキシン/アクチン)は、対照に対する相対として示されている。黒質ホモジネートにおけるRANTES及びエオタキシンのレベルも、ELISAによって測定した(図1G、RANTES;図1H、エオタキシン)。血清におけるRANTES及びエオタキシンのレベルも、ELISAによって測定した(図1I、RANTES;図1J、エオタキシン)。結果は、群あたり4匹のマウス(n=4)の平均+SEMである。ap <0.001(対照に対して)、bp<0.05(対照に対して)。 図1−1の続き。 図1−1の続き。 MPTP中毒マウスのSNpcにおけるRANTESのグリア発現を示す図である。図2A)雄C57/BL6マウス(6〜8週齢)に、20mg/体重1kgのMPTP(2時間間隔毎の4回の注射)を用いて侵襲を与えた。1日後、黒質切片を二重標識した(図2A、Iba-1及びRANTES;図2B、GFAP及びRANTES)。Olympus IX81蛍光顕微鏡でMicroSuite画像処理ソフトウェアを使用して、群あたり5匹のマウス各々(n=5)の2つの黒質切片(スライドあたり2像)において、RANTESについて陽性の細胞(図2C)をカウントした。ap<0.001(対照に対して)。 MPTP中毒マウスのSNpcにおけるエオタキシンの誘導を示す図である。図3A)雄C57/BL6マウス(6〜8週齢)に、20mg/体重1kgのMPTP(2時間間隔毎の4回の注射)を用いて侵襲を与えた。1日後、黒質切片を二重標識した(図3A、Iba-1及びエオタキシン;図3B、GFAP及びエオタキシン)。Olympus IX81蛍光顕微鏡でMicroSuite画像処理ソフトウェアを使用して、群あたり5匹のマウス各々(n=5)の2つの黒質切片(スライドあたり2像)において、エオタキシンについて陽性の細胞(図3C)をカウントした。ap<0.001(対照に対して)。 死後PD脳のSNpcにおけるRANTES及びエオタキシンの存在を示す図である。死後PD脳及び年齢対応対照の中脳切片を、二重標識した(図4A、Iba-1及びRANTES;図4B、Iba-1及びエオタキシン)。Olympus IX81蛍光顕微鏡でMicroSuite画像処理ソフトウェアを使用して、群あたり4つの脳各々(n=4)の2つの黒質切片(スライドあたり2像)においてRANTES(図4C)及びエオタキシン(図4D)について陽性の細胞をカウントした。ap<0.001(対照に対して)。 RANTES及びエオタキシンに対する機能的遮断抗体が、MPTP中毒マウスの黒質への浸潤CD4+T細胞を阻害することを示す図である。図5A)抗体を用いるMPTP中毒マウスの処置及び関連実験の図式的提示。図5B)雄のC57/BL6マウス(6〜8週齢)に、20mg/体重1kgのMPTP(2時間間隔毎の4回の注射)を用いて侵襲を与えた。MPTPの最後の注射の2時間後、20μg/マウスの抗RANTES Ab及び20μg/マウスの抗エオタキシンAbの組合せを用いてi.p.注射によって動物を処置した。MPTPの最後の注射の1日後、黒質切片を、CD4及びTHについて二重標識した。図5C)2つの腹側中脳切片(座標:前後方向、十字縫合から-4.04mm、背腹側3.75mm、内外方向1.25mm)においてCD4陽性細胞をカウントし、CD4及びTHについて二重標識した。図5C)Olympus IX81蛍光顕微鏡でMicroSuite画像処理ソフトウェアを使用して、群あたり5匹のマウス各々(n=5)の2つの黒質切片(スライドあたり2像)において、CD4陽性細胞をカウントした。ap<0.001(対照に対して)、bp<0.001(MPTPに対して)。 RANTES及びエオタキシンに対する機能的遮断抗体が、MPTP中毒マウスの黒質へのCD8+T細胞の浸潤を阻害することを示す図である。図6A)雄のC57/BL6マウス(6〜8週齢)に、20mg/体重1kgのMPTP(2時間間隔毎の4回の注射)を用いて侵襲を与えた。MPTPの最後の注射の2時間後、20μg/マウスの抗RANTES Ab及び20μg/マウスの抗エオタキシンAbの組合せを用いてi.p.注射によって動物を処置した。MPTPの最後の注射の1日後、腹側中脳切片(座標:前後方向、十字縫合から-4.04mm、背腹側3.75mm、内外方向1.25mm)を、CD8及びTHについて二重標識した。図6B)Olympus IX81蛍光顕微鏡でMicroSuite画像処理ソフトウェアを使用して、群あたり5匹のマウス各々(n=5)の2つの黒質切片(スライドあたり2像)において、CD8陽性細胞をカウントした。ap<0.001(対照に対して)、bp<0.001(MPTPに対して)。 RANTES及びエオタキシンの中和が、MPTP中毒マウスの黒質における炎症促進性分子の発現を低減することを示す図である。雄のC57/BL6マウス(6〜8週齢)に、20mg/体重1kgのMPTP(2時間間隔毎の4回の注射)を用いて侵襲を与えた。MPTPの最後の注射の2時間後、20μg/マウスの抗RANTES Ab及び20μg/マウスの抗エオタキシンAbの組合せを用いてi.p.注射によって動物を処置した。MPTPの最後の注射の1日後、黒質におけるiNOS、IL-1β、GFAP及びCD11bのmRNA発現を、RT-PCR(図7AA)及びリアルタイムPCR(図7B、iNOS;図7C、IL-1β;図7D、GFAP;図7E、CD11b)によってモニタリングした。結果は、群あたり4匹のマウス(n=4)の平均+SEMである。ap<0.001(対照に対して)、bp<0.001(MPTPに対して)。MPTPの最後の注射の1日後、黒質におけるiNOS、IL-1β、GFAP及びIba1のタンパク質発現を、ウエスタンブロット(図7F)によってモニタリングした。アクチンを対照として実施した。バンドをスキャンし、値(図7G、iNOS/アクチン;図7H、IL-1β/アクチン;図7I、GFAP/アクチン;図7J、Iba1/アクチン)は、対照に対する相対として示されている。結果は、群あたり4匹のマウス(n=4)の平均+SEMである。ap<0.001(対照に対して)、bp<0.001(MPTPに対して)。 図7−1の続き。 図7−1の続き。 RANTES及びエオタキシンの中和が、MPTP中毒マウスの黒質において、グリア活性化を低下させることを示す図である。雄のC57/BL6マウス(6〜8週齢)に、20mg/体重1kgのMPTP(2時間間隔毎の4回の注射)を用いて侵襲を与えた。MPTPの最後の注射の2時間後、20μg/マウスの抗RANTES Ab及び20μg/マウスの抗エオタキシンAbの組合せを用いてi.p.注射によって動物を処置した。MPTPの最後の注射の1日後、黒質切片を二重標識した(図8A、Iba-1及びiNOS;図8B、GFAP及びiNOS)。Olympus IX81蛍光顕微鏡でMicroSuite画像処理ソフトウェアを使用して、群あたり5匹のマウス各々(n=5)の2つの黒質切片(スライドあたり2像)において、iNOS (C)、Iba-1(図8D)及びGFAP(図8E)について陽性の細胞をカウントした。ap<0.001(対照に対して)、bp<0.001(対照に対して)。 RANTES及びエオタキシンの中和が、MPTP中毒マウスの黒質においてドーパミン作動性ニューロンを保護することを示す図である。雄のC57/BL6マウス(6〜8週齢)に、20mg/体重1kgのMPTP(2時間間隔毎の4回の注射)を用いて侵襲を与えた。MPTPの最後の注射の2時間後、20μg/マウスの抗RANTES Ab及び20μg/マウスの抗エオタキシンAbの組合せを用いてi.p.注射によって動物を処置した。MPTPの最後の注射の7日後、黒質切片をTHについて染色した(図9A)。拡大像TH染色されたSNpc(図9B)。STEREO INVESTIGATORソフトウェアを使用する立体解析学によってTHニューロンをカウントした(図9C)。結果は、群あたり5匹のマウス(n=5)の平均+SEMである。ap<0.001(対照に対して)、bp<0.001(MPTPに対して)。黒質ホモジネートを、THに対してイムノブロットした(図9D)。アクチンを対照として実施した。バンドをスキャンし、値(TH/アクチン)は、対照に対する相対として示されている(図9E)。結果は、群あたり4匹のマウス(n=4)の平均+SEMである。ap<0.001(対照に対して)、bp<0.001(MPTPに対して)。 図9−1の続き。 RANTES及びエオタキシンの中和が、MPTP中毒マウスの線条体において、TH線維を保護し、神経伝達物質を回復させることを示す図である。雄のC57/BL6マウス(6〜8週齢)に、20mg/体重1kgのMPTP(2時間間隔毎の4回の注射)を用いて侵襲を与えた。MPTPの最後の注射の2時間後、20μg/マウスの抗RANTES Ab及び20μg/マウスの抗エオタキシンAbの組合せを用いてi.p.注射によって動物を処置した。MPTPの最後の注射の7日後、線条体切片をTHについて染色し(図10A)、続いて、TH陽性線維を定量化した(図10B)。線条体におけるドーパミン(図10C)、DOPAC(図10D)及びHVA(図10E)の濃度を、HPLCによって測定した。結果は、群あたり5匹のマウス(n=5)の平均+SEMである。ap<0.001(対照に対して)、bp<0.001(MPTPに対して)。 図10−1の続き。 RANTES及びエオタキシンの中和が、MPTP中毒マウスにおいて運動機能を改善することを示す図である。雄のC57/BL6マウス(6〜8週齢)に、20mg/体重1kgのMPTP(2時間間隔毎の4回の注射)を用いて侵襲を与えた。MPTPの最後の注射の2時間後、20μg/マウスの抗RANTES Ab及び20μg/マウスの抗エオタキシンAbの組合せを用いてi.p.注射によって動物を処置した。MPTPの最後の注射の7日後、マウスを運動機能について試験した(図11A、ロートロッド(rotorod);図11B、ポールテスト;図11C、運動回数;図11D、運動時間;図11E、静止時間;図11F、水平方向活動(horizontal activity);図11G、総距離;図11H、常同)。データは、群あたり9匹のマウスの平均±SEMである。ap<0.001(対照に対して)、cp<0.05(対照に対して)、bp<0.001(MPTPに対して)、dp<0.05(MPTPに対して)。
定義
RANTES(regulated upon activation、normal T-cell expressed and secreted(活性化制御で、正常T細胞によって発現され、分泌される))、C-Cケモカインサブファミリーのメンバーは、ヒトにおけるCCR1、CCR3、CCR5、CCR9及びDARC(Duffy Antigen Receptor for Chemokines(ケモカインのDuffy抗原受容体))を含むいくつかのケモカイン受容体のリガンドである。RANTESは、T細胞、単球、ナチュラルキラー細胞、好塩基球及び好酸球の強力な化学誘引物質である。
エオタキシンは、好酸球走化性タンパク質のCCケモカインサブファミリーを指す。
用語「阻害剤」は、ポリペプチド若しくはポリヌクレオチド標的の発現を低減し、又はそれと結合し、刺激を部分的若しくは完全に遮断し、活性化を低下させ、防止し、遅延させ、ポリペプチド若しくはポリヌクレオチド標的の活性を不活性化し、脱感作させ、若しくは下方制御する薬剤を指す。阻害剤は、活性を中和できる(例えば、天然リガンドによって結合及び活性化を防止する)、又は活性を活発に低減できる。標的は、本明細書において使用する場合、RANTES及び/又はエオタキシンを含み得る。
用語「抗体」は、抗原と特異的に結合し、認識する、免疫グロブリン遺伝子に由来するフレームワーク領域又はその断片を含むポリペプチドを指す。通常、抗体の抗原結合領域は、結合の特異性及び親和性において最も重要となる。用語「抗体」は、例えば、モノクローナル抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、ラクダ化(camelised)抗体、キメラ抗体、一本鎖Fv(scFv)、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、Fab断片、F(ab')断片及び抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体に対する抗Id抗体を含む)及び上記のいずれかのエピトープ結合断片を含む。抗体は、任意のアイソタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、IgGl、IgG2、IgG3、IgG4、IgAl及びIgA2)又はサブクラスのものであり得る。軽鎖及び重鎖の両方とも構造的及び機能的相同性の領域に分けられる。
語句「中和抗体」は、本明細書において、標的ポリペプチドと結合し、標的ポリペプチドの生物活性を中和する抗体を指す。したがって、当技術分野において公知の方法論に従って決定され、本明細書において記載されるような、これらの標的ポリペプチド機能特性(例えば、生化学的、免疫化学的、細胞的、生理学的又は他の生物学的活性など)の1種以上を「阻害する」抗体は、抗体の非存在下で(例えば、又は無関係の特異性の対照抗体が存在する場合に)見られるものに対する、特定の活性の統計的に有意な低下と関連すると理解される。標的ポリペプチド活性を阻害する抗体は、このような統計的に有意な低下を、測定されたパラメータの少なくとも10%、少なくとも50%を超えて、80%を超えて又は90%を超えて達成し、特定の実施形態では、本発明の抗体は、標的ポリペプチド機能活性の95%、98%又は99%超を阻害し得る。標的ポリペプチドは、本明細書において使用する場合、RANTES及びエオタキシン(exotaxin)を含む。
「治療すること」、「治療する」又は「治療」は、本発明の関連内で、障害若しくは疾患と関連する症状の軽減、又はそれらの症状のさらなる進行若しくは悪化の停止、又は疾患若しくは障害の防止若しくは予防を意味する。例えば、本発明の関連内で、治療の成功は、パーキンソン病などの神経障害と関連する症状の軽減又はパーキンソン病などの神経疾患の進行の停止を含み得る。
予防的及び治療的使用
治療有効量の阻害剤(例えば、RANTES及び/又はエオタキシンを阻害する抗体の用量)を投与することによって疾患又は障害を治療する方法。いくつかの実施形態では、治療有効量の、RANTES及び/又はエオタキシンと特異的に結合する抗体又はその断片が投与され得る。いくつかの実施形態では、治療有効量のRANTESの阻害剤が投与され得る。いくつかの実施形態では、治療有効量のエオタキシンの阻害剤が投与され得る。いくつかの実施形態では、治療有効量のRANTESの阻害剤及びエオタキシンの阻害剤が、同時に又は逐次投与され得る。いくつかの実施形態では、1種以上の阻害剤が、抗体又はその断片であり得る。いくつかの実施形態では、1種以上の阻害剤の複数回投与が施され得る。
特定の対象の有効量は、治療される状態、対象の全体的な健康、投与の方法経路及び用量並びに副作用の重症度などの因子に応じて変わり得る(例えば、Maynardら、(1996) A Handbook of SOPs for Good Clinical Practice、Interpharm Press、Boca Raton、Fla.; Dent (2001) Good Laboratory and Good Clinical Practice、Urch PubL、英国、ロンドンを参照のこと)。
MPTP中毒マウスの黒質及び血清におけるRANTES及びエオタキシンの迅速な誘導:
MPTP中毒マウスにおける貴重なドーパミン作動性ニューロンの喪失におけるRANTES及びエオタキシンの役割を調査するために、本発明者らは、まず、罹患マウスの中脳においてこれらのケモカインの発現が誘導されたか否かを調べた。図1Aから、MPTP中毒が、SNpcにおけるRANTES及びエオタキシンmRNA発現の時間依存性誘導につながったことが明らかである。この誘導は、4時間のMPTP侵襲という早期に明らかであった(図1A)。しかし、RANTES及びエオタキシンの発現は、72時間のMPTP中毒で低下した(図1A)。これらの結果は、リアルタイムPCRによって確認された(図1B〜C)。
同様に、ウエスタンブロット結果は、黒質におけるRANTES及びエオタキシンタンパク質の誘導を示した(図1D〜F)。RANTESは、12時間のMPTP侵襲から目に見えたが、エオタキシンの大幅な増加は、8時間で観察された(図1E〜F)。これらの結果はまた、黒質ホモジネートにおけるRANTES及びエオタキシンのELISAによっても確証された(図1G〜H)。次いで、本発明者らは、血清におけるこれらのケモカインのレベルをモニタリングした。RANTESの増加は、血清において12時間のMPTP中毒から目に見え、24時間で最大であったが、エオタキシン増加は、8時間から顕著であり、12時間で最大であった(図1I〜J)。
黒質線条体(nigrostrial)病態の進行におけるRANTES及びエオタキシンの役割も調査した。MPTP中毒は、マウスの血清及び脾臓においてRANTES及びエオタキシンを著しく誘導したが、これらのケモカインのレベルは、1日のMPTP侵襲後には迅速に低下し始めた。組換えRANTES及びエオタキシンの補給は、黒質(niagra)への終わることのないT細胞浸潤、持続的なグリア活性化、慢性黒質炎症、ドーパミン作動性ニューロン及び線条体線維の中断されない喪失、ノンストップの線条体神経伝達物質喪失及び自発運動活性の機能障害を誘導し、これは、MPTPマウスモデルにおける黒質線条体病態の進行における適応免疫応答の重要性を示す。
MPTP中毒マウス及び死後PD脳の黒質においてミクログリアは、RANTES及びエオタキシンを発現する:MPTP中毒は、黒質におけるRANTES及びエオタキシンのレベルを誘導したので、本発明者らは、次いで、黒質においてこれらのケモカインを産生した細胞種を同定することに興味を抱いた。最近、慢性ミクログリア活性化が、PDを含む種々の神経変性障害の特徴となっている(17、18、30、32、33)。したがって、本発明者らは、ミクログリアが、MPTP中毒マウスの黒質においてこれらのケモカインを産生可能であったか否かを調べた。MPTPの最後の注射の24時間後に、黒質切片を、Iba-1及びRANTESについて二重標識した。図2A〜Cから明らかなように、MPTP中毒は、黒質におけるRANTESの著しい誘導につながり、これらのRANTESシグナルのほとんどは、Iba-1と共局在していた(図2A)。さらに、いくつかのRANTESシグナルはまた、GFAP陽性アストログリアと共局在していた(図2B)。同様に、免疫蛍光解析はまた、MPTP中毒マウスの黒質におけるエオタキシンの著しい増加も示す(図3A〜C)。RANTESと同様に、エオタキシンもまた、Iba-1陽性ミクログリアとほとんど共局在しており(図3A)、部分的にGFAP陽性アストログリアと共局在していた(図3B)。
次いで、PDにおける黒質線条体変性におけるRANTES及びエオタキシンの役割を理解するために、死後PD脳及び年齢対応個体からの黒質切片を、RANTES及びエオタキシンについて免疫標識した。ミクログリアは、これらのケモカインを発現するMPTP中毒マウスの黒質において主要な細胞種であるので、切片をRANTES/エオタキシン及びIba-1について二重標識した。RANTES及びエオタキシンの両方のレベルが、PD脳の黒質において、年齢対応対照と比較して著しく高かった(図4A〜D)。本発明者らはまた、PDの黒質における、年齢対応対照と比較して、より大きなIba-1発現(ミクログリア活性化)に気付いた(図4A及び4C)。PD対象の黒質において、Iba-1陽性細胞はまた、RANTES(図4A)及びエオタキシン(図4C)についても陽性であった。RANTES及びエオタキシンに対する機能的遮断抗体は、MPTP中毒マウスの黒質において、黒質へのT細胞の浸潤を抑制し、炎症促進性分子の発現を減弱する:本発明者らは、MPTP中毒マウスの血清におけるRANTES及びエオタキシンの迅速な増加を観察したので、黒質線条体変性におけるこれらのケモカインの役割を理解するために、マウスを、RANTES及びエオタキシンの両方に対する機能的遮断抗体の組合せを用い、i.p.注射によって1回処置した(図5A)。RANTES及びエオタキシンのようなケモカインは、炎症部位におけるT細胞及び単球などの炎症性リンパ系細胞の遊走及びホーミングを誘導すると知られている。黒質は、PDにおける神経変性の主な標的であるので、本発明者らは、MPTP中毒が、黒質における炎症性T細胞の浸潤を誘導するか否かを決定した。本発明者らのCD4(緑色)及びチロシンヒドロキシラーゼ(TH)(赤色)の二重免疫蛍光解析は、MPTP中毒の黒質では、通常のCD4免疫反応性炎症性壁肥厚(cuffing)を明確に示したが、対照マウスでは示さなかった(図5B〜C)。これは、PD患者の黒質において観察されたものと一致する(5)。最近、本発明者らは、片側パーキンソン病様サルの黒質へのCD8+T細胞の浸潤を実証した(7)。したがって、本発明者らはまた、CD8+T細胞の浸潤を解析し、MPTP侵襲マウスの黒質におけるCD8+炎症性壁肥厚を見出した(図6A〜B)。しかし、MPTP中毒マウスでは、CD8+細胞の黒質浸潤は、CD4+T細胞と比較してかなり少なかった(図5B〜C及び図6A〜B)。それにもかかわらず、RANTES及びエオタキシンに対する中和抗体を用いる処置は、MPTP中毒マウスの黒質におけるCD4+(図5B〜C)及びCD8+(図6A〜B)T細胞の両方の浸潤を強力に抑制した。正常IgGは、このような阻害効果を有さなかったので(図5〜6)、これらの結果は特異的であった。これらの結果は、MPTP侵襲マウスの黒質への末梢リンパ球の浸潤は、RANTES及びエオタキシンに依存することを示唆する。
傷害部位への炎症性T細胞の浸潤は、幅広い炎症促進性分子の産生を最終的に引き起こす(5、8、19、30)。RANTES及びエオタキシンに対する中和抗体が、MPTP中毒マウスの黒質においてin vivoでT細胞の浸潤を阻害したので、本発明者らは、これらの抗体が、黒質における種々の炎症促進性分子の発現を抑制できるか否かを調べた。半定量的RT-PCR(図6A)及び定量的リアルタイムPCR(図7B〜E)実験によって示されるように、MPTP中毒は、中脳におけるiNOS、IL-1β、GFAP(アストログリアマーカー)及びCD11b(ミクログリアマーカー)のmRNA発現の著しい増加につながった。しかし、RANTES及びエオタキシンに対する中和抗体は、黒質においてin vivoでiNOS(図6A及び)、IL-1β(図7A及びC)、GFAP(図7A及びD)及びCD11b(図7A及びE)mRNAのMPTP誘導性発現を強力に阻害したが、対照IgGは阻害しなかった。同様に、ウエスタンブロット結果もまた、MPTP侵襲による黒質におけるiNOS、IL-1β、GFAP及びIba1の増加並びにRANTES及びエオタキシンに対する中和抗体を用いる処置によるこれらの炎症促進性マーカーの減弱を示す(図7F〜J)。二重標識免疫蛍光解析はまた、MPTP中毒が、黒質iNOSタンパク質発現の著しい増加につながったこと及びこのiNOSが、Iba1陽性ミクログリアと強力に共局在し(図8A)、GFAP陽性アストログリアと部分的に共局在した(図8B)ことを示す。mRNA及びウエスタンブロット結果と同様に、RANTES及びエオタキシンに対する中和抗体を用いるMPTP中毒マウスの処置は、iNOSタンパク質の抑制につながったが、対照IgGではつながらなかった(図8A〜C)。最近、グリア活性化は、PD及び他の神経変性障害における病理特徴と考えられている(17、18、30、32)。黒質切片におけるIba1及びGFAPの免疫蛍光解析から明らかなように、MPTP中毒は、黒質Iba1及びGFAPタンパク質発現の増大につながり、RANTES及びエオタキシンに対する中和抗体は、Iba1(図8A及びD)及びGFAP(図8A及びE)のMPTP誘導性発現を抑制した。これらの結果は、RANTES及びエオタキシンの中和が、炎症促進性分子の発現を抑制し、MPTP中毒マウスの黒質におけるグリア活性化を低減することを示唆する。
RANTES及びエオタキシンに対する機能的遮断抗体は、MPTP誘導性神経変性から保護する:RANTES及びエオタキシンの中和は、MPTP中毒マウスの黒質においてグリア活性化及び関連神経炎症を阻害したので、次いで、本発明者らは、RANTES及びエオタキシンに対する機能的遮断抗体が、MPTP侵襲から黒質線条体(ニグロストリアツム:nigrostriatum)を保護したか否かを調査した。MPTPの最後の注射の2時間後に、マウスを、RANTES及びエオタキシンに対する機能的遮断抗体を用いて1回処置し、MPTPの最後の注射の7日後に、黒質THニューロン及び線条体TH線維の状態をモニタリングした。MPTP中毒は、生理食塩水を注射された対照と比較して、SNpc TH陽性ニューロンのおよそ65%の喪失につながった(図9A〜B)。しかし、MPTPを注射され、RANTES及びエオタキシンに対する機能的遮断抗体を用いて処置されたマウスでは、SNpc TH陽性ニューロンの低減は、約22%であった(図9A〜B)。他方、対照IgGを用いて処置されたMPTP中毒マウスでは、このような保護効果は見られなかった(図9A〜B)。結果はまた、黒質ホモジネートのTHウエスタンブロットデータによって確証された(図9C〜D)。黒質THニューロンの喪失と同様に、MPTP中毒は、生理食塩水を注射された対照と比較して、線条体TH ODのおよそ68%の低減につながった(図10A〜B)。やはり、MPTPを注射され、RANTES及びエオタキシンに対する中和抗体を用いて処置されたマウスにおいて、線条体TH線維の著しい保護が認められた(図10A〜B)。RANTES及びエオタキシンの中和が、MPTPによって引き起こされる生化学的欠損から保護するか否かを決定するために、本発明者らは、MPTP処置の7日後の、線条体におけるDA、DOPAC及びHVAのレベルを定量化した。MPTP中毒は、生理食塩水を注射されたマウスの線条体と比較して、線条体DA(図10C)、DOPAC(図10D)及びHVA(図10E)の著しい低下につながった。対照的に、RANTES及びエオタキシンに対する中和抗体の1回の注射を受けたMPTP中毒動物は、線条体DA、DOPAC及びHVA(図10C〜E)の10〜20%の喪失しか示さなかった。他方、このような保護は、対照
IgG処置の場合には見られなかった(図10C〜E)。RANTES及びエオタキシンに対する機能的遮断抗体は、MPTP中毒マウスにおいて自発運動機能を改善する: PDにおける神経保護の究極の治療目標は、機能障害を減少させることである。
したがって、RANTES及びエオタキシンの中和が、構造的損傷及び神経伝達物質損傷からだけでなく、MPTPによって引き起こされる機能障害からも保護するか否かを調べるために、本発明者らは、ポールテストによって動作緩慢を、ロートロッドによって自発運動機能を、及びオープンフィールド活動をモニタリングした。MPTP侵襲は、ロートロッド成績(図11A)、ポールテスト(図11B)、運動回数(図11C)、運動時間(図11D)、水平方向活動(図11F)、総距離(図11G)及び常同(図11H)の著しい低下を引き起こした。他方、MPTP侵襲は、静止時間(図11E)を増大した。しかし、RANTES及びエオタキシンに対する中和抗体は、MPTP誘導性自発運動抑制及び動作緩慢を大幅に改善した(図11A〜H)。
考察
PDは、進行性の加齢関連神経変性性疾患であり、病因論は不明確である。この疾患は、容赦なく進行し、犠牲者を車椅子にしばりつけ、又は介護者に依存させることがある。精力的な調査にもかかわらず、PDに対する有効な療法は、まだ利用可能ではない。ドーパミンアゴニスト又はレボドパの投与が、PDの標準治療であった。しかし、いくつかの副作用及び満足できない結果を伴うことが多い。したがって、PDの疾患プロセスの機序を理解すること及び疾患進行を停止するための有効な神経保護的治療アプローチを開発することは、最重要である。ここで、本発明者らは、MPTP中毒の際にマウスの黒質及び血清におけるRANTES及びエオタキシンの迅速な増大を確かめた。ミクログリアが、MPTP中毒マウスのSNpcにおけるRANTES及びエオタキシンの主な産生者であったが、本発明者らはまた、GFAP陽性星状細胞における一部のRANTES及びエオタキシンに気付いた。さらに、年齢対応対照と比較した、死後PD脳のSNpcにおけるRANTES及びエオタキシンの増加は、これらのケモカインが、PDにおける黒質ドーパミン作動性ニューロンの喪失において役割を果たし得ることを示唆する。RANTES及びエオタキシンの増加はまた、MPTP中毒マウスの血清においても見られたので、本発明者らは、機能的遮断抗体を使用して、末梢におけるその活性を中和した。いくつかの証拠が、RANTES及びエオタキシンに対する機能的遮断抗体の末梢投与が、炎症を低減し、MPTP中毒マウスにおいて黒質線条体(ニグロストリアツム)を保護することを明確に示唆する。本発明者らの結論は、以下に基づいている:第1に、炎症は、PD患者及びMPTP中毒マウスにおける黒質線条体変性の病態形成において役割を果たす(12、17、18、32、33)。したがって、MPTP侵襲は、SNpcにおいて種々の炎症促進性サイトカイン(TNFα、IL-1β及びIL-6)及びiNOSの発現を増大させた。しかし、RANTES及びエオタキシンに対する抗体の組合せのi.p.注射は、MPTP中毒マウスのSNpcにおけるこれらの炎症促進性分子の発現を著しく減少させた。第2に、予測されるように、MPTP中毒は、GFAP及びCD11bの発現の著しい増加によって明らかなように、黒質におけるグリア活性化につながり、これは、RANTES及びエオタキシンに対する抗体の処置によって阻害された。第3に、PDにおいて観察されたように、MPTP中毒マウスにおいて黒質ドーパミン作動性ニューロンは消失した。しかし、RANTES及びエオタキシンに対する抗体を用いる処置が、TH陽性ドーパミン作動性ニューロンをMPTP毒性から保護した。第4に、RANTES及びエオタキシンに対する抗体を用いる処置はまた、線条体TH線維を、MPTP毒性から保護し、神経伝達物質のレベルを回復させた。最後に、抗体処置は、MPTP中毒マウスにおいて機能障害を寛解させた。本発明者らは、研究の過程の間に使用したマウスのいずれにおいても副作用(例えば、脱毛、体重減少、有害な感染など)に全く気付かず、これは、RANTES及びエオタキシンに対する抗体が、副作用を全く示さない可能性があることを示唆する。RANTES(34)及びエオタキシン(35)は、T細胞並びにマクロファージ及びミクログリアなどの抗原提示細胞によって産生される2種の重要な炎症促進性ケモカインである。RANTES、68アミノ酸長のポリペプチドは、T細胞及び単球などの古典的なリンパ系細胞並びに好塩基球、好酸球、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞及び肥満細胞を含む他の免疫細胞の遊走及びホーミングを誘導する(36)ことが知られている。同様に、エオタキシン、別の小さい71アミノ酸長のケモカインは、炎症部位において単核細胞の浸潤を誘導可能である(37)。したがって、これら2種のケモカインの主要な機能は、T細胞のホーミングを制御することである。早期の2、3の研究が、MPTPマウスモデル(5)及びMPTP中毒アカゲザル(7)の黒質へのT細胞の浸潤を既に報告している。ここで、本発明者らはまた、MPTP中毒の際の黒質へのCD4+T細胞の著しい浸潤及びCD8+T細胞の相対的に少ない浸潤を確かめた。興味深いことに、RANTES及びエオタキシンの中和は、CD4+及びCD8+T細胞の両方の、MPTP中毒マウスの黒質への浸潤を強力に阻害し、これは、MPTP侵襲が、RANTES及びエオタキシンを介して黒質へのT細胞の浸潤を誘導することを示唆する。
T細胞浸潤が黒質線条体変性にとって一次性であるか二次性であるかは、依然として明確ではないが、ひとたびT細胞が黒質中に浸潤すると、T細胞がドーパミン作動性神経変性に影響を及ぼし得るいくつかの直接的又は間接的経路がある。例えば、抗原特異的CD4+T細胞の末梢からCNSへの遊走は、神経炎症を永続化し、ニューロン生存に影響を及ぼす免疫細胞-ミクログリア活性をもたらす(38)と報告されている。本発明者らは、先に、エフェクターT細胞は、細胞間接触によって種々の炎症促進性分子の産生のためにミクログリアを活性化可能である(19、39)ということを示した。この接触プロセスには、T細胞のVLA4(α4β1)インテグリン及びミクログリアのVCAM1が関与している(19、40)。さらに、活性化T細胞はまた、CD40-CD40連結によってミクログリアを活性化し得る(41〜43)。Nitschら(44)によれば、ニューロンカルシウムにおける細胞傷害性T細胞媒介性致死増加は、パーフォリン及びグルタミン酸受容体の両方を遮断することによって防ぐことができた。
要約すると、本発明者らは、MPTP中毒が、マウスのSNpc及び血清におけるRANTES及びエオタキシンの迅速な増加につながること並びにこれら2種のケモカインの中和が黒質ドーパミン作動性ニューロンを保護することを実証した。MPTPマウスモデルは、ヒトにおけるPDの特徴をすべて再現するものではないが、RANTES及びエオタキシンはまた、対照脳と比較して死後PD脳の黒質において上方制御される。したがって、本発明者らの結果は、RANTES及びエオタキシンに対する中和抗体は、PDにおいて治療効力を有し得るということを示唆する。
材料及び方法
試薬:マウスRANTES及びエオタキシンELISAキットは、R&D Systems(ミネソタ州、ミネアポリス)から購入した。抗CD3、CD4及びCD8抗体は、eBioscienceから購入した。ウサギ抗TH抗体は、Milliporeから購入した。抗Iba-1抗体は、Abcamから購入した。Cy2及びCy5がコンジュゲートした抗体は、Jackson Immuno Research Laboratories(ペンシルバニア州、ウェストグローブ)から得た。
動物及びMPTP中毒:6〜8週齢のC57BL/6マウスを、Harlan、インディアナ州、インディアナポリスから購入した。動物維持及び実験は、国立保健研究所(National Institutes of Health)のガイドラインに従い、ラッシュ大学医療センター(Rush University Medical Center)、イリノイ州、シカゴの動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use committee)によって承認された。急性MPTP中毒のために、マウスに、生理食塩水中のMPTP-HCl(1-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン)(18mg/kgの遊離塩基、Sigma Chemical Co.、ミズーリ州、セントルイス)4回の腹腔内(i.p.)注射を2時間間隔で与えた(12、17、18、22、23)。対照動物には、生理食塩水のみを与えた。
ヒト脳組織:4人の男性PD患者及び4人の対照対象からの剖検脳組織は、ラッシュPDセンター脳バンク(Rush PD Center Brain Bank)から得た。PD患者及び対照対象は、死亡時のその平均年齢について著しい差はなかった(PD、74±3歳;対照、79±18歳)。PD及び対照の平均死後間隔は、それぞれ4.1±0.8及び10.9±1.1時間であった。
MPTP中毒マウスの、RANTES及びエオタキシンに対する中和抗体を用いる処置:RANTES/CCL5及びエオタキシン/CCL11に対するアジド不含中和抗体は、R&D Systems(ミネソタ州、ミネアポリス)から得た。MPTPの最後の注射の2時間後に、マウスを、抗RANTES Ab(20μg/マウス)及び抗エオタキシンAb(20μg/マウス)の組合せを用いてi.p.注射によって1回処置した。抗体は、総注射容量が、マウスあたり100μlのままであるような方法で、滅菌PBSで再構成した。MPTP中毒マウスの群にはまた、対照としてIgG(40μg/マウス)をi.p.注射によって与えた。
半定量的RT-PCR解析:全RNAは、Ultraspec-II RNA試薬(Biotecx Laboratories, Inc.、テキサス州、ヒューストン)を使用し、製造業者のプロトコールに従って黒質から単離した。任意の夾雑ゲノムDNAを除去するために、全RNAを、DNアーゼで消化した。RT-PCRは、RT-PCRキット(Clontech、カリフォルニア州、マウンテンビュー)及び以下のプライマー:
iNOS:センス:5'-CCCTTCCGAAGTTTCTGGCAGCAGC-3'(配列番号1)
アンチセンス:5'-GGCTGTCAGAGCCTCGTGGCTTTGG-3'(配列番号2)
IL-1β:センス:5'-CTCCATGAGCTTTGTACAAGG-3'(配列番号3)
アンチセンス:5'-TGCTGATGTACCAGTTGGGG-3'(配列番号4)
IL-6:センス:5'-GACAACTTTGGCATTGTGG-3'(配列番号5)
アンチセンス:5'-ATGCAGGGATGATGTTCTG-3'(配列番号6)
TNFα:センス:5'-TTCTGTCTACTGAACTTCGGGGTGATCGGTCC-3'(配列番号7)
アンチセンス:5'-GTATGAGATAGCAAATCGGCTGACGGTGTGGG-3'(配列番号8)
RANTES:センス:5'-ATACGCTTCCCTGTCATCGC-3'(配列番号9)
アンチセンス:5'-TTGGGTTTCGTGGTCGAGAG-3'(配列番号10)
エオタキシン:センス:5'-AGCTAGTCGGGAGAGCCTAC-3'(配列番号11)
アンチセンス:5'-AAGGAAGTGACCGTGAGCAG-3'(配列番号12)
CD11b:センス:5'-GTGAGGATTCCTACGGGACCCAGGT -3'(配列番号13)
アンチセンス:5'-GGCGTACTTCACAGGCAGCTCCAAC-3'(配列番号14)
GFAP:センス:5'-GGCGCTCAATGCTGGCTTCA-3'(配列番号15)
アンチセンス:5'-TCTGCCTCCAGCCTCAGGTT-3'(配列番号16)
GAPDH:センス:5'-GGTGAAGGTCGGTGTGAACG-3'(配列番号17)
アンチセンス:5'-TTGGCTCCACCCTTCAAGTG-3'(配列番号18)
を使用して先に記載されたように実施した(17、24、25)。
リアルタイムPCR解析:DNアーゼによって消化されたRNAは、先に記載されたように(17、24〜26)、ABI-Prism7700配列検出システム(Applied Biosystems、カリフォルニア州、フォスターシティー)でリアルタイムPCRによって、TaqMan Universal Masterミックス並びに最適化された濃度のFAM標識プローブ及びプライマーを使用して解析した。データは、ABI配列検出システム1.6ソフトウェアを使用して処理した。
ウエスタンブロット解析:RANTES、エオタキシン、iNOS、IL-1β、GFAP、Iba-1及びTHのイムノブロット解析を、先に記載されたように(26〜28)実施した。手短には、細胞ホモジネートを電気泳動し、タンパク質をニトロセルロースメンブレンにトランスファーし、バンドを、それぞれの一次抗体と、それに続いて、赤外線フルオロフォアタグを付けた二次抗体(Invitrogen)用いて免疫標識した後、Odyssey赤外線スキャナーを用いて可視化した。
免疫組織化学及び定量的形態学:MPTP中毒の7日後、先に記載されたように(18、30)、マウスを屠殺し、その脳を固定化し、包埋し、切片を作製し(30μm厚)、チロシンヒドロキシラーゼ(TH)及びチオニン染色のために処理した。SNpcにおけるTH染色及びニッスル染色されたニューロンの総数を、STEREO INVESTIGATORソフトウェア(MicroBrightfield、バーモント州、ウィリストン)を用い、光学分画機を使用することによって立体解析学的にカウントした(18、30)。線条体TH免疫染色の定量化は、記載されたように(18、30)実施した。光学濃度測定値は、デジタル画像解析(Scion、メリーランド州、フリデリック)によって取得した。線条体TH光学濃度は、ドーパミン作動性線維神経支配を反映していた。MPTP侵襲の1日後にマウスから単離した、新鮮凍結黒質切片での免疫蛍光染色のために、ヤギ抗マウスRANTES(1:100)、ラット抗マウスエオタキシン(1:100)、ウサギ抗マウスIba1(1:100)、ヤギ抗マウスGFAP(1:100)、マウス抗マウスCD4(1:100)及びマウス抗マウスiNOS(1:250)を使用した。サンプルをマウントし、Bio-Rad MRC1024ES共焦点レーザースキャニング顕微鏡下で観察した。
線条体ドーパミン及びその代謝産物レベルの測定のためのHPLC解析:ドーパミン、DOPAC(3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸)及びHVA(ホモバニリン酸)の線条体レベルを、先に記載されたように(10、12、18、22、30)定量化した。手短には、マウスを、MPTP中毒の7日後に頸椎脱臼によって屠殺し、その線条体を採取し、ドライアイス中で直ちに凍結し、解析まで-80℃で保存した。解析当日に、イソプロテレノールを含有する0.2M過塩素酸中で組織を超音波処理し、得られたホモジネートを20,000×gで15分間4℃で遠心分離した。pH調整し、濾過した後、10μlの上清を、Eicompak SC-3ODSカラム(JM Science Inc.、ニューヨーク州、グランドアイランド製のComplete Stand-Alone HPLCECDHPLC-ECDシステムEiCOMHTEC-500)上に注入し、製造業者のプロトコールに従って解析した。
行動解析:3種類の行動実験を実施した。これらは、先に記載されたように(12、17、18、22、31)自発運動活性についてのオープンフィールド実験、動作緩慢についてのポールテスト及び足の運動についてのロートロッド実験を含んでいた。自発運動活性は、MPTP注射の最後の用量の7日後にDigiscan Monitor(Omnitech Electronics, Inc.、オハイオ州、コロンバス)で測定した。このDigiscan Monitorは、常同及び立ち上がり、線条体によって直接的に制御される行動並びに水平方向活動、総移動距離、運動回数、運動時間、静止時間、平均距離平均時間及び中心時間などの他の基礎歩行運動パラメータを記録する。任意の侵襲又は処置の前に、毎日マウスをDigiscan赤外線活性モニターの中に10分間、ロートロッド上に10分間、3連続日の間毎日入れて、彼らを訓練し、そのベースライン値を記録する。手短には、動物をケージから直接的に出し、まず、オープンフィールド装置の特定のコーナーに鼻部を穏やかに入れ、放出した後、5分間隔毎にデータ獲得を始めた。DIGISCANソフトウェアを使用して、水平方向及び垂直方向活動データを解析し保存し、これは、赤外線ビームによって自動的にモニタリングした。動作緩慢は、布テープが巻かれた木柱を、頭を下に向け完全に下りるまでの時間によって測定した。手短には、各120秒の3回の試行にわたって、マウスを柱(直径1cm、高さ40cm)に順応させた。各試行は60秒で分け、行動試験の間にマウスを3回試験した。ロートロッドでは、種々の速度でマウスの足の運動を観察した。ストレス及び疲労を排除するために、マウスに5分の休息間隔を与えた。
統計解析:すべての値は、平均±SEMとして表されている。平均間の差は、一元配置分散分析又はクラスカル-ウォリス検定(4群すべての間の比較)及びポストホック対比較によって解析した。他の場合には、2サンプルt検定も使用して、対照対MPTP及びMPTP対抗体を比較した。
等価物
前記の明細書は、当業者が本発明を実行することを可能にするために十分であると考えられる。前記の説明及び実施例は、本発明の特定の好ましい実施形態を詳述し、本発明者らによって考慮される最良の様式を説明している。しかし、前記のものが、本文にどれほど詳述されようとも、本発明は多数の方法で実行され得、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその任意の等価物に従って解釈されなくてはならないということは理解されるであろう。例えば本発明は以下の実施形態を包含する:
[実施形態1]RANTES(活性化制御で、正常T細胞によって発現され、分泌される)の阻害剤及び/又はエオタキシンの阻害剤を含む、神経変性障害の治療のための組成物。
[実施形態2]前記RANTESの阻害剤がRANTESに対する中和抗体を含む、実施形態1に記載の組成物。
[実施形態3]前記エオタキシンの阻害剤がエオタキシンに対する中和抗体を含む、実施形態1又は2に記載の組成物。
[実施形態4]RANTESの阻害剤及びエオタキシンの阻害剤を含む、実施形態1に記載の組成物。
[実施形態5]前記RANTESの阻害剤がRANTESに対する中和抗体を含み、前記エオタキシンの阻害剤がエオタキシンに対する中和抗体を含む、実施形態4に記載の組成物。
[実施形態6]前記神経変性障害がパーキンソン病を含む、実施形態1〜5のいずれかに記載の組成物。
[実施形態7]対象において神経変性障害を治療する方法であって、
RANTESの阻害剤及び/又はエオタキシンの阻害剤を含む組成物を、神経変性障害を治療するためにそれを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
[実施形態8]RANTESに対する抗体を含む組成物を前記対象に投与することを含む、実施形態7に記載の方法。
[実施形態9]エオタキシンに対する抗体を含む組成物を前記対象に投与することを含む、実施形態7又は8に記載の方法。
[実施形態10]RANTESの阻害剤及びエオタキシンの阻害剤を含む組成物を投与することを含む、実施形態7に記載の方法。
[実施形態11]RANTESに対する中和抗体及びエオタキシンに対する中和抗体を含む組成物を投与することを含む、実施形態10に記載の方法。
[実施形態12]単回投与で前記組成物を投与することを含む、実施形態7〜11のいずれかに記載の方法。
[実施形態13]注射により前記組成物を投与することを含む、実施形態7〜12のいずれかに記載の方法。
[実施形態14]パーキンソン病を有する前記対象に前記組成物を投与することを含む、実施形態7〜13のいずれかに記載の方法。
[実施形態15]神経変性障害の治療のための、RANTESの阻害剤及び/又はエオタキシンの阻害剤を含む組成物の使用。
[実施形態16]前記神経変性障害がパーキンソン病である、実施形態15に記載の使用。
[実施形態17]前記RANTESの阻害剤がRANTESに対する中和抗体を含む、及び/又は前記エオタキシンの阻害剤がエオタキシンに対する中和抗体を含む、実施形態15又は16に記載の使用。
参考文献
Figure 0006924772
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Figure 0006924772
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Claims (4)

  1. RANTESに対する中和抗体を含むRANTESの阻害剤及びエオタキシンに対する中和抗体を含むエオタキシンの阻害剤を含む、パーキンソン病の治療のための組成物。
  2. 単回投与投与される、請求項1に記載の組成物
  3. 注射によ投与される、請求項1又は2に記載の組成物
  4. パーキンソン病の治療のための医薬の製造における、RANTESの阻害剤及エオタキシンの阻害剤を含む組成物の使用であって、前記RANTESの阻害剤がRANTESに対する中和抗体を含み、前記エオタキシンの阻害剤がエオタキシンに対する中和抗体を含む、使用
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