JP6924667B2 - アウトリガ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、作業機の機体から側方に張り出して機体を支持するアウトリガ装置に関する。
従来、クレーン等の作業車両に用いられるアウトリガ装置として、例えば、特許文献1に記載のアウトリガ装置がある。このアウトリガ装置は、第1のアームと第1のシリンダとを含む縦張出リンク機構と、第2のアームとアウタボックスと第2のシリンダとを含む横張出リンク機構とを備える。第1のアームは、作業車両のシャーシフレームにサブフレーム及びブラケットを介して基端部が枢支され、第1のアームの先端部に第2のアームの基端部が枢支され、第2のアームの先端部にアウタボックスの基端部が枢支されている。そして、アウトリガ装置は、格納姿勢の状態から、第2のシリンダを縮小して第2のアームを回動することで横張出リンク機構を張り出し、第1のシリンダを伸長して第1のアームを回動することで縦張出リンク機構を張り出している。
特開2006−21914号公報
しかしながら、上記特許文献1の従来技術では、縦張出リンク機構及び横張出リンク機構の張出動作を行う際の動力を発生する第1のシリンダ及び第2のシリンダの存在によって、格納時のアウトリガ装置の専有面積が大きくなっていた。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、アウトリガシリンダの専有面積を低減することで、格納時のアウトリガ装置の専有面積を低減することが可能なアウトリガ装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係るアウトリガ装置は、作業機の基台上に水平な軸回りに回転自在に設けられた基端側アームと、該基端側アームの先端部に、基端部が前記水平な軸と平行な第1の軸回りに回転自在に枢支された入れ子状の先端側アームとを備え、格納時の格納姿勢と作業時の展開姿勢とを有するアウトリガ装置であって、一端部が、前記基端側アームの先端寄りの位置に、支軸であり且つ前記第1の軸と平行な第2の軸によって該第2の軸回りに回転自在に取り付けられた動力伝達用のリンク部材と、前記先端側アームの内側に配設されていると共に、一端部が前記先端側アームの先端寄りの位置に支持され、他端部が前記リンク部材の他端部となる可動端部に回転自在に軸着されたアウトリガシリンダと、を備える。
本発明によれば、先端側アームの内側にアウトリガシリンダを内蔵し、その伸縮力を動力伝達用のリンク部材によって先端側アームの回動力に変換するようにした。これによって、先端側アームの回動力を発生するアウトリガシリンダの分、格納時のアウトリガ装置の専有面積を低減することが可能となる。
第1実施形態に係るタワークレーンの走行姿勢を示す図であり、車両右手側から見た側面図である。同図では、アウトリガ装置を格納した状態を示している。 第1実施形態に係るタワークレーンを車両右手側上方から見た斜視図である。同図では、アウトリガ装置を展開した状態を示している。 第1実施形態に係る油圧回路の一例を示す図である。 第1実施形態に係るコントローラの信号の入出力関係を示すブロック図である。 第1実施形態に係るアウトリガ装置の格納姿勢を示す側面図である。同図では、アウトリガ装置全体を水平方向に略90°旋回した状態を示す。 (a)は、第1実施形態に係るアウトリガ装置の部分上面図であり、(b)は、(a)のA−A線断面図である。同図(b)では、基端側アーム、センタブラケット及び先端側アームのフロートを除く部分を断面表示している。 図5のC−C線断面図である。 (a)は、先端側アームの回動動作に対する拘束を解除した状態かつ第1及び第2の格納姿勢のアウトリガ装置の側面図であり、(b)は、先端側アームの回動動作によって最小時の張り出し姿勢S1に展開した状態のアウトリガ装置の側面図である。同図では、基端側アーム、センタブラケット及び先端側アームのフロートを除く部分を断面表示している。 先端側アームの回動動作によって最大時の張り出し姿勢U1に展開した状態のアウトリガ装置の側面図である。同図では、基端側アーム、センタブラケット及び先端側アームのフロートを除く部分を断面表示している。 先端側アームの伸長動作によって最大時の張り出し姿勢U2に展開した状態のアウトリガ装置の側面図である。同図では、基端側アーム、センタブラケット及び先端側アームのフロートを除く部分を断面表示している。 アウトリガ装置の接地動作を説明するための図である。同図では、基端側アーム、センタブラケット及び先端側アームのフロートを除く部分を断面表示している。 第1の阻止部材の構成を説明するためのアウトリガ装置の部分拡大断面図である。 (a)及び(b)は、先端側アームが伏方向に回動動作できずかつインナボックスが伸長動作できない状態で横アウトリガシリンダを伸長作動させた場合に横アウトリガシリンダのシリンダチューブに生じる曲げモーメントを説明するための図である。 (a)は、第1の阻止部材を設けて曲げモーメントを支える場合の力の関係を説明するための図であり、(b)は、先端側アームが回動動作による第1の展開姿勢で拘束されている状態で横アウトリガシリンダを伸長作動させた場合の曲げ荷重を説明する図である。 第2実施形態に係るアウトリガ装置の部分上面図である。 (a)は、第2の阻止部材の構成を説明するための図15のB−B線部分断面図であり、(b)は、第2の阻止部材を示す図である。 (a)は、フック形状の第2の阻止部材を設けて曲げモーメントを支える場合の力の関係を説明するための部分断面図であり、(b)は、(a)の部分拡大図である。
以下、本発明に係るアウトリガ装置を備える作業車両の一実施形態であるタワークレーンについて、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なる場合があることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、各構成部の位置関係を解りやすくするため、本来は見えない部分を透視表示している場合がある。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
(第1実施形態)
(構成)
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態に係るタワークレーン1は、シャーシフレーム2と、走行装置3と、ベース4と、コラム5と、クレーン装置6とを備える。加えて、右前アウトリガ装置9RF、右後アウトリガ装置9RR、左前アウトリガ装置9LF及び左後アウトリガ装置9LRと、運転席10と、操作部11と、ウインチ12と、ワイヤロープ13と、フック14と、原動部15と、コントロールボックス16と、フック格納ブラケット17とを備える。
走行装置3は、例えばゴム製の履帯が左右に装着されたクローラ式の走行装置であり、シャーシフレーム2の下部に設けられている。
ベース4は、シャーシフレーム2の上部に連結固定されており、コラム5は、ベース4の上部に旋回自在に立設されている。
クレーン装置6は、コラム5の上端に起伏自在に枢支され、入れ子式の箱型ブームで構成された伸縮式の起伏ブーム7と、この起伏ブーム7の先端部に起伏自在に枢支され、入れ子式の箱型ブームで構成された伸縮式の折曲げブーム8とを備える。
作業時は、図2に示すように、起伏ブーム7を回動させて起立状態にすると共に折曲げブーム8を起伏ブーム7に対して起立させて前方側を向かせる。また、起立状態の起伏ブーム7を伸長させることで必要な高さを確保し、折曲げブーム8を伸長させることで遠方の荷にフック14を届かせることが可能である。
右前、右後、左前及び左後アウトリガ装置9RF、9RR、9LF及び9LRは、シャーシフレーム2上部の、右前、右後ろ、左前及び左後ろにそれぞれ設けられている。
以下、右前、右後、左前及び左後アウトリガ装置9RF、9RR、9LF及び9LRを、「各アウトリガ装置9RF〜9LR」と略称する場合がある。
各アウトリガ装置9RF〜9LRは、シャーシフレーム2上に旋回かつ起伏自在に設けられた基端側アーム93と、基端側アーム93の先端に起伏自在に設けられた伸縮式の先端側アーム95とを備えている。
更に、各アウトリガ装置9RF〜9LRは、基端側アーム93を起伏動作させるための油圧アクチュエータである右前、右後、左前及び左後縦アウトリガシリンダ37RF、37RR、37LF及び37LRを備えている。加えて、図3に示すように、先端側アーム95を起伏動作させると共に伸縮動作させるための油圧アクチュエータである右前、右後、左前及び左後横アウトリガシリンダ36RF、36RR、36LF及び36LRを備えている。
以下、右前、右後、左前及び左後横アウトリガシリンダ36RF、36RR、36LF及び36LRを、「各横アウトリガシリンダ36RF〜36LR」と略称する場合がある。また、右前、右後、左前及び左後縦アウトリガシリンダ37RF、37RR、37LF及び37LRを、「各縦アウトリガシリンダ37RF〜37LR」と略称する場合がある。
ここで、このタワークレーン1は、図4に示すように、クレーン操作を遠隔で行うことが可能な遠隔操作装置162を備えている。この遠隔操作装置162は、図示省略するが、遠隔操作装置162の筺体に設けられた各種操作レバーや各種操作スイッチにより、上記操作部11の操作レバー及び操作スイッチと同等の操作が可能に構成されている。また、この遠隔操作装置162は、操作レバー及び操作スイッチの操作に応じた遠隔操作信号Rctrを無線送信するように構成されている。
各アウトリガ装置9RF〜9LRは、図1に示す格納姿勢と、図2に示す展開姿勢とに動作可能に構成されている。このタワークレーン1では、クレーン装置6の使用時には、格納状態の各アウトリガ装置9RF〜9LRを、オペレータが手動操作で水平方向に回動させることで、各アウトリガ装置9RF〜9LRの全体をシャーシフレーム2に対して側方に向けた張り出し位置に位置させる。次いで、オペレータの操作部11又は遠隔操作装置162の操作によって、各横アウトリガシリンダ36RF〜36LRを駆動して、先端側アーム95を起方向に動作させると共に伸長させる。更に、各縦アウトリガシリンダ37RF〜37LRを駆動して各アウトリガ装置9RF〜9LRの基端側アーム93を伏方向に動作させて先端側アーム95を接地させることで、作業時(吊荷時)のタワークレーン1の安定を図るようになっている。
運転席10は、タワークレーン1を走行操作時にオペレータ(運転者)が着座するもので、図1及び図2に示すように、リンク機構を介してタワークレーン1の後方に突出して設けられている。
操作部11は、タワークレーン1の後端部に設けられており、運転席10の前方かつ後端部の左側に配された左右一対の走行操作レバー及び複数の操作スイッチが配置された操作パネル(不図示)と、操作パネルの右横側に設けられた複数の操作レバー(不図示)とを有している。
複数の操作レバーは、図3に示す、コントロールバルブ15cのアウトリガ用切換制御弁82、旋回用切換制御弁83、ブーム伸縮用切換制御弁84、ウインチ用切換制御弁85、ブーム起伏用切換制御弁86内の各スプールを直接作動させている。
上記各操作レバーは、各種油圧アクチュエータにそれぞれ対応して設けられており、中立位置から傾倒する方向で操作レバーに対応する油圧アクチュエータの駆動が可能となっている。
具体的に、上記各操作レバーは、クレーン装置6の左旋回動作及び右旋回動作を操作するレバー、起伏ブーム7及び折曲げブーム8の伸縮動作を操作するレバー、フック14の巻上動作及び巻下動作を操作するレバー、起伏ブーム7及び折曲げブーム8の起伏動作を操作するレバーを含む。
また、上記複数の操作スイッチは、クレーン操作−アウトリガ操作切換スイッチ、起伏ブーム切換スイッチ、伸縮ブーム切換スイッチ、フック固定スイッチ、各アウトリガ装置9RF〜9LRのうちから操作するアウトリガ装置を選択するためのアウトリガ装置選択スイッチ、選択したアウトリガ装置を操作するアウトリガ操作スイッチなどを含む。
なお、クレーン操作−アウトリガ操作切換スイッチは、クレーン装置6を操作可能とするためのクレーンモードと各アウトリガ装置9RF〜9LRを操作可能とするためのアウトリガモードとを切り換えるためのスイッチである。
また、起伏ブーム7切換スイッチは、クレーンモードにおいて、起伏ブーム7を起伏操作可能とするための起伏ブーム起伏操作モードと折曲げブーム8を起伏操作可能とするための折曲げブーム起伏操作モードとを切り換えるためのスイッチである。
また、伸縮ブーム切換スイッチは、クレーンモードにおいて、起伏ブーム7を伸縮操作可能とするための起伏ブーム伸縮操作モードと折曲げブーム8を伸縮操作可能とするための折曲げブーム伸縮操作モードとを切り換えるためのスイッチである。
上記各モード切り換えスイッチによって、上述の走行装置3、クレーン装置6及びアウトリガ装置9と、クレーンモードにおける起伏ブーム7及び折曲げブーム8とは、安全のため同時には作動できないように構成されている。
ウインチ12は、起伏ブーム7の後端面の略中央位置に突設されている。そして、タワークレーン1は、このウインチ12からワイヤロープ13を第1のシーブ44及び第2のシーブ45を介して折曲げブーム8の先端部に導く。そして、この先端部の上部に設けられた第3のシーブ46と、第3のシーブ46の下方であり、折曲げブーム8の先端内部に設けられた第4のシーブ(図示略)とを介してフック14に掛回すことにより、フック14が折曲げブーム8の先端部から吊り下げられている。
一方、原動部15は、その筐体内部に、図3に示す、エンジン15aと、このエンジン15aを駆動源として駆動する圧油供給装置15bと、この圧油供給装置15bから供給される圧油の油路を切換制御するコントロールバルブ15cとを備える。
更に、タワークレーン1は、図1〜図3に示すように、コラム5の旋回、起伏ブーム7及び折曲げブーム8の伸縮、ウインチ12の巻上げ及び巻下げ、並びに起伏ブーム7及び折曲げブーム8の起伏を行うための油圧アクチュエータを備える。
即ち、タワークレーン1は、旋回用油圧モータ30、起伏ブーム伸縮用油圧シリンダ31、折曲げブーム伸縮用油圧シリンダ32、ウインチ用油圧モータ33、起伏ブーム起伏用油圧シリンダ34及び折曲げブーム起伏用油圧シリンダ35を備える。
なお更に、タワークレーン1は、走行装置3を駆動するための油圧アクチュエータとして、走行用モータ38を備える。
起伏ブーム起伏用油圧シリンダ34は、図3に示すように、第1の起伏ブーム起伏用油圧シリンダ34R及び第2の起伏ブーム起伏用油圧シリンダ34Lの一対の油圧シリンダから構成される。
また、折曲げブーム起伏用油圧シリンダ35は、第1の折曲げブーム起伏用油圧シリンダ35R及び第2の折曲げブーム起伏用油圧シリンダ35Lの一対の油圧シリンダから構成される。
そして、これらの油圧アクチュエータ30、31、32、33、34及び35は、図3に示すように、何れも圧油供給装置15bからコントロールバルブ15cを介して圧油を供給することにより作動するように構成されている。加えて、各横アウトリガシリンダ36RF〜36LR及び各縦アウトリガシリンダ37RF〜37LRは、何れも圧油供給装置15bからコントロールバルブ15cを介して圧油を供給することにより作動するように構成されている。
一方、圧油供給装置15bは、図3に示すように、エンジン15aを駆動源として駆動する油圧ポンプ60と、左吐出ポート61Lと、右吐出ポート61Rと、主管路62と、戻り管路63と、タンク64とを備えている。
また、コントロールバルブ15cは、クレーン用切換制御弁80と、アクセルシリンダ81と、アウトリガ装置用切換制御弁82と、旋回用切換制御弁83と、ブーム伸縮用切換制御弁84と、ウインチ用切換制御弁85と、ブーム起伏用切換制御弁86とを備えている。更に、横アウトリガシリンダ切換弁87と、縦アウトリガシリンダ切換弁88と、走行用切換制御弁89と、第1の電磁切換弁820と、第2の電磁切換弁840と、第3の電磁切換弁860とを備えている。
油圧ポンプ60から吐出された圧油は、走行用切換制御弁89に供給され、供給された圧油は、走行操作レバーがニュートラルの状態のときに、走行用切換制御弁89を素通りして、主管路62に流れ込み、主管路62を介してコントロールバルブ15cへと向けて供給される。また、油圧ポンプ60から吐出された圧油は、戻り管路63を介してタンク64に戻されるようになっている。
クレーン用切換制御弁80は、主管路62と戻り管路63との間に設けられた、メインリリーフ弁(アンロード弁)180と、アンロード弁作動用ソレノイド181と、フック固定用リリーフ弁182とを備えている。
アンロード弁作動用ソレノイド181は、コントローラ160からの作動信号Uoに応じてON状態又はOFF状態のいずれか一方の状態となる。そして、ON状態のときにメインリリーフ弁180を開状態とし、主管路62と戻り管路63とを連通させるようになっている。図3に示す例では、油圧ポンプ60から吐出した圧油を、走行用切換制御弁89、クレーン用切換制御弁80以外の他の切換制御弁を介さずに戻り管路63を介してタンク64に戻すようになっている。すなわち、油圧ポンプ60の運転状態を、圧油を無負荷で循環するアンロード状態(無負荷運転状態)にさせることが可能となっている。
フック固定用リリーフ弁182は、フックリリーフソレノイド182aと、フックリリーフ弁182bとを備えている。
フックリリーフソレノイド182aは、オペレータの手動操作による、操作部11又は遠隔操作装置162におけるフック固定スイッチの操作に応じたコントローラ160からの作動信号Hrに応じてON状態又はOFF状態のいずれか一方の状態となる。そして、ON状態のときに主管路62からの圧油の油路を、フックリリーフ弁182bを圧油が流れる油路へと切り換える。
ここで、フックリリーフ弁182bは、その設定リリーフ圧が、通常作動時のリリーフ圧であるメイン設定圧Pmよりも低い低設定圧Ps(Pm>Ps)となっている。従って、フックリリーフソレノイド182aをON状態としてフックリリーフ弁182bを作動することで、圧油の圧力上限を低設定圧Psに制限することが可能である。
これによって、フック固定スイッチがON状態の間は、フック14の巻上げ作動圧力を低圧に制限してフック14を固定するフック格納ブラケット17の損傷を防ぐことが可能となる。
アクセルシリンダ81は、遠隔操作装置162又は操作部11のアクセル操作量に応じたコントローラ160からのアクセル制御信号Vctrに応じて、アクセルシリンダ81のピストンロッドを作動させるようになっている。このピストンロッドの作動位置信号はコントローラ160に入力され、コントローラ160は、アクセルシリンダ81の作動位置に応じて、エンジン15aの回転数を所望の回転数に制御可能になっている。なお、油圧ポンプ60からの圧油の吐出量は、アクセル操作によってエンジン15aの回転速度を上げるほど多くなる。
アウトリガ装置用切換制御弁82は、操作レバーの操作、又は遠隔操作装置162からの操作信号Rctrに応じたコントローラ160からの作動信号Actr1によって、各アウトリガ装置9RF〜9LRの各横アウトリガシリンダ36RF〜36LRおよび各縦アウトリガシリンダ37RF〜37LRに圧油を給油する。
第1の電磁切換弁820は、圧油の給油先として各アウトリガ装置9RF〜9LRの各横アウトリガシリンダ36RF〜36LRまたは各縦アウトリガシリンダ37RF〜37LRのいずれか一方を選択する制御弁である。
アウトリガ用切換制御弁82から流出した圧油は、まず第1の電磁切換弁820に流入する。第1の電磁切換弁820は、オペレータの手動操作による操作部11における、アウトリガ切換スイッチ(図示略)の操作によるコントローラ160からの切換制御信号Actr2に応じて、各横アウトリガシリンダ36RF〜36LRまたは各縦アウトリガシリンダ37RF〜37LRに対する圧油の油路を切り換える。
横アウトリガシリンダ切換弁87は、横アウトリガシリンダ36RF〜36LRごとに圧油を給油するか否かを選択する制御弁である。
横アウトリガシリンダ切換弁87は、オペレータの手動操作による操作部11における、横アウトリガシリンダ選択スイッチ(図示略)の操作によるコントローラ160からの作動信号Actr3〜6に応じて、各横アウトリガシリンダ36RF〜36LRに対する圧油の油路を切り換える。
縦アウトリガシリンダ切換弁88は、縦アウトリガシリンダ37RF〜37LRごとに圧油を給油するか否かを選択する制御弁である。
縦アウトリガシリンダ切換弁88は、オペレータの手動操作による操作部11における、縦アウトリガシリンダ選択スイッチ(図示略)の操作によるコントローラ160からの作動信号Actr7〜10に応じて、各縦アウトリガシリンダ37RF〜37LRに対する圧油の油路を切り換える。
旋回用切換制御弁83は、操作部11の操作レバーの操作量又は遠隔操作装置162の操作に応じたコントローラ160からの作動信号Tctrに応じて、旋回用油圧モータ30に対して圧油を流入する。
ブーム伸縮用切換制御弁84は、操作部11の操作レバーの操作又は遠隔操作装置162の操作に応じたコントローラ160からの作動信号Bctr1に応じて、起伏ブーム起伏用油圧シリンダ34および折曲げブーム起伏用油圧シリンダ35に圧油を給油する。
第2の電磁切換弁840は、圧油の給油先として起伏ブーム伸縮用油圧シリンダ31又は折曲げブーム伸縮用油圧シリンダ32のいずれか一方を選択する制御弁である。
ブーム伸縮用切換制御弁84から流出した圧油は、まず第2の電磁切換弁840に流入する。
第2の電磁切換弁840は、オペレータの手動操作による操作部11における、伸縮ブーム切換スイッチ(図示略)の操作に応じた又は遠隔操作装置162からの操作信号Rctrに応じたコントローラ160からの切換制御信号Bctr3に応じて、起伏ブーム伸縮用油圧シリンダ31又は折曲げブーム伸縮用油圧シリンダ32に対する圧油の油路を切り換える。
ウインチ用切換制御弁85は、操作部11の操作レバーの操作又は遠隔操作装置162の操作に応じたコントローラ160からの作動信号Wctrに応じて、ウインチ用油圧モータ33に対して圧油を流入する。
ブーム起伏用切換制御弁86は、操作部11の操作レバーの操作又は遠隔操作装置162の操作に応じたコントローラ160からの作動信号Bctr2に応じて、起伏ブーム起伏用油圧シリンダ34および折曲げブーム起伏用油圧シリンダ35に圧油を給油する。
第3の電磁切換弁860は、圧油の給油先として起伏ブーム起伏用油圧シリンダ34または折曲げブーム起伏用油圧シリンダ35のいずれか一方を選択する制御弁である。
ブーム起伏用切換制御弁86から流出した圧油は、まず第3の電磁切換弁860に流入する。
第3の電磁切換弁860は、オペレータの手動操作による、操作部11における起伏ブーム切換スイッチ(図示略)の操作に応じた又は遠隔操作装置162からの操作信号Rctrに応じたコントローラ160からの切換制御信号Bctr4に応じて、起伏ブーム起伏用油圧シリンダ34又は折曲げブーム起伏用油圧シリンダ35に対する圧油の油路を切り換える。
各切換制御弁82〜86及びアクセルシリンダ81は、それぞれ差動トランス(不図示)を備えており、各差動トランスで検出された各切換制御弁82〜86及びアクセルシリンダ81の切換位置L1〜L6の検出信号(以下、「切換位置信号」と記載する場合がある)は、図4に示すように、コントローラ160へと入力されるようになっている。すなわち、コントローラ160は、切換位置信号L1〜L6によって、各切換制御弁82〜86及びアクセルシリンダ81の作動内容(切換位置)を把握することが可能となっている。
走行用モータ38は、図3に示すように、走行装置3の左右の履帯それぞれに対応する二つの走行用モータ38L及び38Rを備えている。走行用モータ38L及び38Rは、何れも圧油供給装置15bから走行用切換制御弁89を介して圧油を個別に供給することによりそれぞれが独立して作動するようになっている。
これにより、このタワークレーン1は、圧油供給装置15bを作動させ、左右一対の走行操作レバーを同時に前進または後退操作することで、走行装置3を駆動して前進または後退方向に走行可能である。また、右折ないし左折する場合、左右一対の走行操作レバーを個別に前進または後退操作することで、対応する左右の履帯を個別に駆動できるため、単純に左右の速度差で回頭可能である。
図1及び図2に戻って、コントロールボックス16は、その内部に、図4に示すコントローラ160を備えている。また、図示省略するが、コントロールボックス16の上部には、受信機161が設けられている。
受信機161は、信号線(図示略)を介してコントローラ160と接続されている。受信機161は、遠隔操作装置162から無線送信された遠隔操作信号Rctrを受信し、受信した遠隔操作信号Rctrを、信号線を介してコントローラ160に入力する。
コントローラ160には、図4に示すように、操作部11からの操作信号Ctr、遠隔操作装置162からの遠隔操作信号Rctr、各種切換制御弁からの切換位置信号L1〜L6等が入力されている。そして、コントローラ160は、これら入力信号に応じて、タワークレーン1の備える油路切換用の電磁弁等の各種電気装置を作動制御する。
また、コントローラ160は、図示省略するが、所定の制御プログラムに基づいて、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、制御プログラムを含む各種データを格納しているROM(Read Only Memory)と、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAM(Random Access Memory)と、時間計測用のタイマとを備えている。
コントローラ160は、更に、上述した受信機161、操作部11、遠隔操作装置162、及びコントロールバルブ15c等を含めた各装置に対してデータの入出力を媒介する入出力I/F(インターフェース)と、データ転送用の各種内外バスとを備えている。各種内外バスによって、CPU、ROM、RAM及びタイマとの間が接続されていると共に、このバスに入出力I/Fを介して上記各装置が接続されている。
そして、電源を投入すると、ROM等に記憶されたBIOS等のシステムプログラムが、ROMに予め記憶された各種の制御プログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムに記述された命令に従ってCPUが各種リソースを駆使して演算処理を行うことで上記各装置を作動制御するための各機能をソフトウェア上で実現できるようになっている。
(各アウトリガ装置9RF〜9LR)
以下、各アウトリガ装置9RF〜9LRについて詳しく説明する。なお、各アウトリガ装置9RF〜9LRはいずれも同じ構成を有するので、以下、「アウトリガ装置9」として、特に区別せず説明する。同様に、各横アウトリガシリンダ36RF〜36LRを「横アウトリガシリンダ36」とし、各縦アウトリガシリンダ37RF〜37LRを「縦アウトリガシリンダ37」として、特に区別せず説明する。
アウトリガ装置9は、図5に示すように、シャーシフレーム2の上面に装着されるベースブラケット90を備えている。ベースブラケット90の基端側には、円筒状の回動支持部92が設けられている。回動支持部92は、シャーシフレーム2の上面に設けられた垂直な軸回りに旋回可能に枢支され、挿抜可能な固定ピン(不図示)をオペレータが手で取り外し、アウトリガ装置9を手で水平方向に旋回することで、シャーシフレーム2の側方に向けた張り出し位置にアウトリガ装置9の全体を旋回可能になっている。
なお、張り出し位置にて固定ピンを張り出し位置固定穴(不図示)に挿入してアウトリガ装置9の張り出し位置が確実に固定される。すなわち、このアウトリガ装置9は、図1に示す格納姿勢から、4本のアウトリガ装置9をオペレータが手で水平方向に回動させることで、シャーシフレーム2に対して側方に張り出す張り出し位置に位置させられるように構成されている。
このアウトリガ装置9は、図5、図6(a)及び(b)に示すように、ベースブラケット90に、板状のブラケット部91が上記回動支持部92と一体に形成されており、このブラケット部91の下部には、基端側アーム93の基端部が水平な第1の回転軸91b回りに回動可能に枢支されている。基端側アーム93の先端部には、板状のセンタブラケット94が基端側アーム93の先端と一体に固定されている。
更に、センタブラケット94の第2の装着腕94aとベースブラケット90のブラケット部91に設けられた第1の装着腕91aとに、上記縦アウトリガシリンダ37の両端部がそれぞれ第1の回転軸91bと平行な第2の回転軸91c及び第3の回転軸94b回りに回動可能に枢支されている。縦アウトリガシリンダ37を伸縮することにより、アウトリガ装置9の接地時における張出し作動及び格納時における収容作動が可能になっている。
また、このアウトリガ装置9は、センタブラケット94の先端部に、先端側アーム95が、その基端部を第1の回転軸91bと平行な支軸94c回りに回動可能に枢支されている。
上記先端側アーム95は、図5、図6(a)及び(b)に示すように、角筒状のアウタボックス96と、アウタボックス96の長手方向に沿って伸縮可能にアウタボックス96内に収嵌された角筒状のインナボックス97とを有する。インナボックス97の先端には、水平な軸回りに回動自在にフロート98が枢支されている。ここで、アウタボックス96及びインナボックス97は、金属製(例えば機械構造用炭素鋼)であり、アウトリガ装置として必要な剛性を有している。
アウトリガ装置9は、更に、横アウトリガシリンダ36が、アウタボックス96及びインナボックス97の内側に、アウタボックス96及びインナボックス97の長手方向と平行となる姿勢で設けられている。アウトリガ装置9は、更に、センタブラケット94の内側に支軸94cの軸方向に対向配置された一対の板状のブーメラン型リンク100(以下、「BM型リンク100」と略記する)を備える。
横アウトリガシリンダ36は、シリンダチューブ36aと、シリンダチューブ36aの内側に配置されたピストン(図示略)と、ピストンに接続されたシリンダロッド36bと、側面視で略「J字」状の圧油給排管36cと、側面視で略矩形状のブロック36dとを有している。
圧油給排管36cの一端部は、ブロック36dの下端部に接続され、ブロック36dを介して、シリンダチューブ36aのシリンダキャップ部36aaに設けられた第1の圧油給排ポート(図示略)に接続されている。一方、圧油給排管36cの他端部は、シリンダチューブ36aの先端部寄り(ロッド側の端部寄り)に設けられた第2の圧油給排ポート(図示略)に接続されている。アウトリガ用切換制御弁82から吐出した圧油が第1の電磁切換弁820を介し、第2の圧油給排ポートを通じてシリンダチューブ36a内に供給されることで、横アウトリガシリンダ36を縮小させる。一方、シリンダチューブ36a内の圧油を第2の圧油給排ポートを通じて圧油給排管36c内に流し込んで第1の圧油給排ポートを通じてシリンダチューブ36a内に供給することで、横アウトリガシリンダ36を伸長させる。
BM型リンク100の一端部は、センタブラケット94の第2の装着腕94aの根元部分の上端寄りの位置に、支軸94cと平行な第1のリンク軸100a回りに回転自在に枢支されている。
また、シリンダチューブ36aのシリンダキャップ部36aaは、BM型リンク100の他端部に、第1のリンク軸100aと平行な第2のリンク軸100b回りに回転自在に枢支されている。
BM型リンク100は、一股のブーメラン形状を有しており、第1の翼部と、第2の翼部と、これらを接続する湾曲部とを有する。このBM型リンク100は、湾曲部を挟んで一端側の第1の翼部と他端側の第2の翼部との長さが異なる形状となっている。具体的に、第1の翼部の方が第2の翼部よりも長尺に構成されている。
そして、BM型リンク100は、アウトリガ装置9の格納状態において、第1の翼部が一端部側の取付位置から先端側アーム95側に略水平方向に伸び、湾曲部を挟んで第2の翼部が斜め右下方向に伸びて、シリンダキャップ部36aaと接続される姿勢に配置されている。即ち、BM型リンク100は、一端部の取付位置から、これより低い位置にある他端部の取付位置に到達可能なように斜め右上方に凸となる姿勢で配置されている。
一方、横アウトリガシリンダ36のシリンダロッド36bの先端部(ロッドヘッド部)は、インナボックス97の先端寄りの位置に固定されている。
また、図6(a)及び(b)並びに図7に示すように、圧油給排管36cの上端寄りの位置から下端寄りの曲部の手前の位置までの範囲は、シリンダチューブ36aの外周面に例えば溶接によって一体形成された角筒状のパイプ用ボックス101に覆われている。
このパイプ用ボックス101の外周面とインナボックス97の内周面との最も近い位置で対面するボックス面101a上には、金属製の3枚の第1の摺動パッド120Aが、長手方向に所定間隙を空けて取り付けられている。これら2枚の第1の摺動パッド120Aには、それぞれ座ぐり穴が第1の摺動パッド120Aの第1の摺動面121Aから裏面まで貫通している。また、パイプ用ボックス101のボックス面101aの第1の摺動パッド120Aの取付位置には、表面から裏面まで貫通するボルト穴が設けられている。そして、2枚の第1の摺動パッド120Aは、それぞれの座ぐり穴とボルト穴との位置を合わせて、第1のボルト122Aによって、ボックス面101a上に、第1の摺動面121Aをインナボックス97の内周面と僅かな間隙を空けて対面させた状態で締め付け固定されている。
ここで、座ぐり穴の座面深さは第1のボルト122Aの頭部を収納可能な深さであり、第1のボルト122Aを締め付けた後、第1のボルト122Aの頭部は座ぐり穴内に納まり、第1のボルト122Aの頭部が第1の摺動面121Aから突出することはない。
更に、横アウトリガシリンダ36のシリンダチューブ36aの外周面とインナボックス97の内周面との最も近い位置で対向する部分の手前側と奥側の端部には、金属製の摺動パッド120Bを取り付けるための第1の取付部102B及び第2の取付部102Cが設けられている。これら第1の取付部102B及び第2の取付部102Cは、その取付面をインナボックス97の内周面に対面させた姿勢で溶接によってシリンダチューブ36aと一体的に設けられている。そして、第1及び第2の取付部102B及び102Cの各取付面上に、第2の摺動パッド120B及び第3の摺動パッド120Cが、長手方向に沿って3枚ずつ所定間隙を空けて取り付けられている。第2の摺動パッド120B及び第3の摺動パッド120Cは、第1の摺動パッド120Aと同様の構成を有している。また、第1の取付部102B及び第2の取付部102Cの第2の摺動パッド120B及び第3の摺動パッド120Cの取付位置には、表面から裏面まで貫通するボルト穴が設けられている。そして、3枚の第2の摺動パッド120Bは、それぞれの座ぐり穴とボルト穴との位置を合わせて、第2のボルト122Bによって、第1の取付部102Bの取付面上に、第2の摺動面121Bをインナボックス97の内周面と僅かな間隙を空けて対面させた状態で締め付け固定されている。同様に、3枚の第3の摺動パッド120Cは、それぞれの座ぐり穴とボルト穴との位置を合わせて、第3のボルト122Cによって、第2の取付部102Cの取付面上に、第3の摺動面121Cをインナボックス97の内周面と僅かな間隙を空けて対面させた状態で締め付け固定されている。
なお、本実施形態の第1〜第3の摺動パッド120A〜120Cは、インナボックス97の内周面との接触面が摩擦係数の低い金属部材から構成されている。
即ち、第1実施形態の横アウトリガシリンダ36は、その伸縮時において、インナボックス97の内周面に対して第1〜第3の摺動パッド120A〜120Cを間に挟んだ状態でインナボックス97内を移動するように構成されている。
ここで、横アウトリガシリンダ36は、BM型リンク100に接続されておりかつ回動する方向も支軸94c回りとなるため、伸縮時において、通常は第1〜第3の摺動パッド120A〜120Cの設けられた方向にしか力がかからない。なお、先端側アーム95が回動して展開姿勢となったときは、重力によってインナボックス97の内周面が第1の摺動パッド120Aの第1の摺動面121Aに押しつけられた状態となる。
従って、例えば、インナボックス97にたわみが生じながら横アウトリガシリンダ36が伸長した場合でも、インナボックス97内部のシリンダチューブ36aは、第2及び第3の摺動パッド120B及び120Cによりインナボックス97の内周面に直接こすれあうこともなく、また圧油給排管36cはパイプ用ボックス101によって保護されるため、押しつぶされることはない。加えて、第1〜第3の摺動パッド120A〜120Cによって摩擦抵抗を低減できるため円滑な移動が可能となる。このことは、横アウトリガシリンダ36の一端部側がBM型リンク100と自由端として連結されているために、第1の展開姿勢への先端側アーム95の跳ね上げ時に、横アウトリガシリンダ36の縮小によって発生するシリンダチューブ36aの作動時、およびその逆作動として第1の格納姿勢への横アウトリガシリンダ36の伸長時に発生するシリンダチューブ36aの作動時についても同様である。
更に、このアウトリガ装置9は、センタブラケット94の側面とアウタボックス96の側面とに、展開姿勢及び格納姿勢に応じた位置を拘束及び解除するための第1の姿勢保持ピン190と第2の姿勢保持ピン191とが設けられている。
センタブラケット94の両面には、先端側アーム95の起伏方向の回動に対する格納姿勢(以下、「第1の格納姿勢」と記載する場合がある)に応じた位置に、第1の姿勢保持穴94Hhが設けられている。第1の姿勢保持穴94Hhは、センタブラケット94をその幅方向(支軸94c方向)に同軸に真円をなして貫通している。更に、センタブラケット94の両面には、先端側アーム95の起伏方向の回動による展開姿勢(以下、「第1の展開姿勢」と記載する場合がある)に応じた位置に、第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLが設けられている。第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLは、センタブラケット94をその幅方向に同軸に真円をなして貫通している。第1の姿勢保持穴94Hh、及び第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLは、先端側アーム95の支軸94cを中心とする同一円周上に周方向に離隔して配置されている。
第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLは、各組それぞれが、複数の第1の展開姿勢(この例では、2つの姿勢)に応じた位置に形成されている。即ち、第1実施形態では、基端側アーム93に対する先端側アーム95の回動による第1の展開姿勢として、2つの姿勢が設定可能になっている。
これら第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLのうち、下部側に形成された第2の姿勢保持穴94HSは、2つの第1の展開姿勢のうち、図8(b)に示す最小張り出し姿勢S1に応じた位置に形成されている。
また、第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLのうち、上部側に形成された第3の姿勢保持穴94HLは、2つの第1の展開姿勢のうち、図9に示す最大張り出し姿勢U1に応じた位置に形成されている。
一方、アウタボックス96には、図6(b)、図8及び図9に示すように、第1の格納姿勢に応じた位置に、真円をなす第4の姿勢保持穴96HFがアウタボックス96の幅方向に沿って設けられている。この第4の姿勢保持穴96HFは、第1の格納姿勢に応じた位置において、第1の姿勢保持穴94Hhと同軸となる位置に設けられている。
これにより、アウタボックス96の第4の姿勢保持穴96HFは、アウタボックス96の支軸94cを中心とする第1の姿勢保持穴94Hh、及び第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLと同一円周上に配置される。
そして、第1の姿勢保持ピン190は、第1の姿勢保持穴94Hh、第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLに対して僅かな隙間を隔てて挿入可能な外径寸法、及びセンタブラケット94の両面に亘って貫通可能な軸長をもつ中実円筒状の軸部を有する。
これにより、第1の姿勢保持ピン190は、第1の格納姿勢及び第1の展開姿勢に応じた位置で先端側アーム95を起伏動作させると共に第4の姿勢保持穴96HFが第1の姿勢保持穴94Hh、第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLのうちいずれかと穴の中心が同軸を形成したときに挿抜される。そして、第1の姿勢保持穴94Hh、第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLのうちいずれかに第1の姿勢保持ピン190が挿入されたときには、第1の格納姿勢及び2つの第1の展開姿勢のうち挿入された姿勢保持穴に応じた位置で、基端側アーム93及び先端側アーム95の相互の相対位置が拘束されるようになっている。一方、第1の姿勢保持ピン190が姿勢保持穴から抜かれたときには、基端側アーム93及び先端側アーム95の相互の相対位置の拘束が解除されるようになっている。
更に、先端側アーム95の先端寄りの位置には、図5、図6(b)、図8及び図9に示すように、上記アウタボックス96に対する、インナボックス97のスライド移動によるインナボックス97の展開姿勢と格納姿勢とを拘束及び解除する第2の姿勢保持ピン191が設けられている。
以下、インナボックス97のスライド移動によるインナボックス97の展開姿勢を「第2の展開姿勢」と記載する場合があり、インナボックス97のスライド移動によるインナボックス97の格納姿勢を「第2の格納姿勢」と記載する場合がある。なお、単に「格納姿勢」と記載した場合は、少なくとも先端側アーム95が第1の格納姿勢かつ第2の格納姿勢の状態を示すものとする。
アウタボックス96の先端寄りの位置には、第2の格納姿勢と第2の展開姿勢とに共通して、アウタボックス96をその幅方向に同軸に真円をなす第5の姿勢保持穴96Hがアウタボックス96の両面に貫通して設けられている。
更に、インナボックス97には、第2の格納姿勢と第2の展開姿勢とに応じた位置に、インナボックス97をその幅方向(支軸94c方向)に同軸に真円(またはスライド方向を短軸とする長穴)をなして貫通する第6,第7,第8の姿勢保持穴97HL,97HM,97HSがインナボックス97に貫通して設けられている。第6,第7,第8の姿勢保持穴97HL,97HM,97HSは、それぞれが、第2の格納姿勢と複数の第2の展開姿勢(第1実施形態では2つの展開姿勢)とに応じた位置に形成されている。
また、第8の姿勢保持穴97HS、及び第6,第7の姿勢保持穴97HL,97HMは、インナボックス97のスライドする軸線に沿って同一直線上に離隔して配置されている。
つまり、第1実施形態では、第2の格納姿勢に対応する位置(図8(b)及び図11に示す最縮小時の張り出し姿勢S2に応じた位置でもある)として、インナボックス97の先端寄りの位置に、第8の姿勢保持穴97HSが幅方向に貫通して設けられている。
そして、第2の姿勢保持ピン191は、第8の姿勢保持穴97HS、及び第6,第7の姿勢保持穴97HL,97HMに対して僅かな隙間を隔てて挿入可能な外径寸法、及びアウタボックス96の両面に亘って貫通可能な軸長をもつ中実円筒状の軸部を有する。
これにより、第2の姿勢保持ピン191は、第2の格納姿勢及び第2の展開姿勢に応じた位置で第8の姿勢保持穴97HS、及び第6,第7の姿勢保持穴97HL,97HMのいずれかに挿抜される。そして、第8の姿勢保持穴97HS、第6,第7の姿勢保持穴97HL,97HMのうちいずれかに第2の姿勢保持ピン191が挿入されたときには、第2の格納姿勢及び2つの第2の展開姿勢のうち挿入された姿勢保持穴に応じた位置で、アウタボックス96及びインナボックス97を同軸に貫通することでアウタボックス96及びインナボックス97の相互の相対位置が拘束されるようになっている。一方、第2の姿勢保持ピン191が姿勢保持穴から抜かれたときには、アウタボックス96及びインナボックス97の相互の相対位置の拘束が解除されるようになっている。
更に、アウトリガ装置9は、図5、図6(b)、図8及び図9に示すように、格納姿勢において、基端側アーム93の先端側アーム95と対向する面の基端寄りの位置に、樹脂製又はゴム製のクッション99が設けられている。このクッション99は、アウトリガ装置9を第1の格納姿勢に格納時の緩衝材としての役割を有している。
更にまた、アウトリガ装置9は、図6(a)及び(b)並びに図12に示すように、アウタボックス96の基端部の内周面に、BM型リンク100からの反力による曲げ荷重に対するシリンダチューブ36a等の不具合の発生を阻止するための第1の阻止部材103が設けられている。
この第1の阻止部材103は、第1の座103aと、第2の座103bとを有している。
第1の座103aは、アウトリガ装置9が格納姿勢において、アウタボックス96の横アウトリガシリンダ36を挟んで圧油給排管36c側の第1の基端部96aの内周面に設けられている。また、第1の座103aは、その第1の座面130aが、ブロック36dの側面との間に僅かな間隙を空けて対向するように設けられている。
更に、第1の座103aは、上面視で矩形状を有し、側面視で略正四角形状の上部と半台形状の下部とを有している。略正四角形の上部は、ブロック36dと対向する側の上側の角部に曲面が設けられている。また、半台形状の下部は、第1の座面130a側に、第1の基端部96aの内周面側に向かって斜め下方に傾斜する第1の傾斜面131aを有している。更に、第1の座103aには、図示省略するが、第1の基端部96aの内周面と当接する側の面に、アウタボックス96の幅方向に沿って所定間隙を空けて2つのボルト穴が設けられている。一方、第1の基端部96aの第1の座103aの取付位置には、第1の座103aのボルト穴と対応する位置に2つのボルト穴が設けられている。そして、第1の座103aは、アウタボックス96の外周面側から2本の第4のボルト132によって締結固定されている。
第2の座103bは、アウトリガ装置9が格納姿勢において、アウタボックス96の横アウトリガシリンダ36を挟んで圧油給排管36cとは反対側の第2の基端部96bの内周面に設けられている。また、第2の座103bは、その第2の座面130bが、シリンダキャップ部36aaの外周面と当接する状態に設けられている。
更に、第2の座103bは、上面視で正四角形状を有し、側面視で正四角形状の上部と半台形状の下部とを有している。半台形状の下部は、第2の座面130b側に、第2の基端部96bの内周面側に向かって斜め下方に傾斜する第2の傾斜面131bを有している。
なお、第1の阻止部材103の役割についての詳細は後述する。
(第1の格納姿勢から第1の展開姿勢への展開動作)
次に、第1実施形態のアウトリガ装置9の先端側アーム95の第1の格納姿勢から第1の展開姿勢への展開動作について説明する。
先端側アーム95を、第1の格納姿勢から第1の展開姿勢へと移行させるには、まず、第1の格納姿勢での拘束状態を解除する必要がある。即ち、図8(a)に示すように、第1及び第4の姿勢保持穴94Hh及び96HFに挿入されている第1の姿勢保持ピン190を抜き取る。その一方で、図8(a)の例では、第5及び第8の姿勢保持穴96H及び97HSに挿入されている第2の姿勢保持ピン191はそのままとする。即ち、先端側アーム95を回動可能な状態にすると共に、インナボックス97をスライド移動不可能な状態に拘束する。
この状態で、オペレータが操作部11又は遠隔操作装置162を操作して、横アウトリガシリンダ36を縮小作動させると、インナボックス97のスライド動作が拘束されているため、シリンダチューブ36aをシリンダロッド36b側に引き寄せる力が生じる。この力によって、図8(b)に示すように、シリンダチューブ36aがシリンダロッド36b側に移動すると共に、横アウトリガシリンダ36がBM型リンク100の他端部側の第2のリンク軸100b回りにかつ反時計回りに回動する。そして、BM型リンク100の他端部側をアウタボックス96及びインナボックス97の内側に引き込む形で、先端側アーム95の全体が支軸94c回りにかつ反時計回りに回動する。このとき、BM型リンク100のブーメラン形状(右斜め上側に凸となる曲線形状)によって、先端側アーム95の回動に対して、BM型リンク100はアウタボックス96の基端部と衝突することなく内側へと引き込まれる。
図8(b)の状態は、第4の姿勢保持穴96HFが、第2の姿勢保持穴94HSと丁度重なった状態となっている。即ち、先端側アーム95の回動による第1の展開姿勢として、最小張り出し姿勢S1に応じた位置に展開している姿勢となる。第1実施形態では、この姿勢から、更なる展開が可能であり、引き続き横アウトリガシリンダ36を縮小作動させることで、図9に示すように、先端側アーム95の全体が更に反時計回りに回動して、第4の姿勢保持穴96HFが、第3の姿勢保持穴94HLと重なった状態となる。即ち、先端側アーム95の回動による第1の展開姿勢として、最大張り出し姿勢U1となる。
ここで、横アウトリガシリンダ36は、第1の格納姿勢から第1の展開姿勢へと移行するために、第1の格納姿勢において、最縮小状態ではなく所定長さだけ伸長した状態となっている。即ち、第1の展開姿勢への移行に必要な縮小作動を行うだけの余裕を残してある。
(第2の格納姿勢から第2の展開姿勢への展開動作)
次に、第1実施形態のアウトリガ装置9の先端側アーム95の第2の格納姿勢から第2の展開姿勢への展開動作について説明する。
図9では、先端側アーム95が第1の展開姿勢となっており、かつインナボックス97が最縮小状態で拘束されており第2の格納姿勢となっている。
このような状態で、先端側アーム95を第2の格納姿勢から第2の展開姿勢へと移行させるには、まず、第1の展開姿勢での解除状態を拘束状態にする必要がある。即ち、図9の第1の展開姿勢において、図10に示すように、第3及び第4の姿勢保持穴94HL及び96HFに第1の姿勢保持ピン190を挿入する。その一方で、第5及び第8の姿勢保持穴96H及び97HSに挿入されている第2の姿勢保持ピン191を抜き取る。これによって、インナボックス97のスライド移動の拘束状態を解除する。即ち、先端側アーム95を支軸94c回りに回動不可能な状態に拘束すると共に、インナボックス97をスライド移動可能な状態とする。
この状態で、オペレータが操作部11又は遠隔操作装置162を操作して、横アウトリガシリンダ36を伸長作動させると、先端側アーム95の回動動作が拘束されているため、シリンダチューブ36aがBM型リンク100を介してセンタブラケット94に固定された状態となる。そのため、シリンダロッド36bが伸長作動する。そして、シリンダロッド36bの先端部はインナボックス97の先端寄りの位置に固定されているため、シリンダロッド36bの伸長によって付与される力によって、図10に示すように、インナボックス97が伸長方向にスライド移動する。
このようにして、第2の格納姿勢から第2の展開姿勢へと移行する。図10に示す例では、第2の展開姿勢として、最伸長時の張り出し姿勢U2となっている。この状態で、第5及び第8の姿勢保持穴96H及び97HSに第2の姿勢保持ピン191を挿入することで、最伸長時の張り出し姿勢U2の状態を拘束することが可能である。
(アウトリガ装置9の接地動作)
次に、第1実施形態のアウトリガ装置9の接地動作について説明する。
図10に示すように、先端側アーム95の最大張り出し位置を第2の展開姿勢とした後は、第5及び第6の姿勢保持穴96H及び97HLに第2の姿勢保持ピン191を挿入して、この第2の展開姿勢の状態を拘束する。即ち、先端側アーム95を、最大張り出し姿勢U1かつ最伸長時の張り出し姿勢U2の状態に拘束する。
この状態で、オペレータが操作部11又は遠隔操作装置162を操作して、縦アウトリガシリンダ37を伸長作動させると、図11に示すように、縦アウトリガシリンダ37がベースブラケット90側の第2の回転軸91c回りにかつ時計回りに回動する。これに伴って、基端側アーム93が先端側アーム95と共にベースブラケット90側の第1の回転軸91b回りにかつ時計回りに回動する。そして、図11中に実線で示すように、第1の展開姿勢及び第2の展開姿勢が最大張り出し姿勢U1及び最伸長時の張り出し姿勢U2となった状態で、インナボックス97の先端に設けられたフロート98が地面に接地する。
なお、接地する地面の形状や高さなどに応じて、図11中に点線で示すように、インナボックス97の第2の展開姿勢を中間伸長時の張り出し姿勢Mにしてもよい。また、第1実施形態では、インナボックス97が第2の格納姿勢(最縮小時の展開姿勢S2)の状態でも接地することが可能である。
(第1の阻止部材103)
次に、第1の阻止部材103の役割について詳しく説明する。
ここで、例えば、図13(a)に示すように、第1の姿勢保持ピン190を抜き取り、第2の姿勢保持ピン191を挿入した状態で横アウトリガシリンダ36を伸長し、先端側アーム95を、そのアウタボックス96がクッション99に当接するまで伏方向に回動させてアウトリガ装置9を格納姿勢にしたとする。そして、この状態から、オペレータの誤操作等によって更に横アウトリガシリンダ36を伸長作動させた場合に、シリンダチューブ36aに曲げ荷重がかかる。
なお、このことは、アウトリガ装置9が格納姿勢でかつ第1の姿勢保持ピン190及び第2の姿勢保持ピン191が挿入された状態で横アウトリガシリンダ36を伸長作動させた場合も同様となる。また、この状態で、横アウトリガシリンダ36を縮小作動させた場合は、シリンダチューブ36aに伸長作動させたときとは反対方向の曲げ荷重がかかる。
具体的に、図13(b)に示すように、先端側アーム95が伏方向に回動できない状況で、更に横アウトリガシリンダ36が伸長作動すると、そのシリンダ伸推力Fcに対してBM型リンク100から受けるリンク反力Faが発生する。そして、このリンク反力FaのX方向成分Fxaに、図13(b)中の距離Lを乗算した結果である第1の曲げモーメントMxLがシリンダチューブ36aのシリンダキャップ部36aaにかかる。ここで、距離Lは、リンク反力FaのX方向成分Fxaを支えるインナボックス97の内周面の支持点Psと、シリンダチューブ36aの基端部側の第2のリンク軸100bの中心との高さ間の直線距離(支点と力点との距離)となる。
シリンダキャップ部36aaに第1の曲げモーメントMxLがかかると、例えば図13(b)に示すように、特に、第1の曲げ方向(X方向)に何も支えが無い場合、第1の曲げ方向に大きな負荷がかかってシリンダチューブ36aひいてはその周辺の部品に不具合が発生する可能性がある。
一方、図示省略するが、アウトリガ装置9が格納姿勢において、先端側アーム95が回動かつ伸縮作動できない状態に拘束されている場合に、横アウトリガシリンダ36が縮小作動すると、そのシリンダ縮推力(−Fc)に対してBM型リンク100から受けるリンク反力(−Fa)が発生する。その結果、第1の曲げモーメントMxLとは反対方向の第2の曲げモーメント(−MxL)がシリンダチューブ36aのシリンダキャップ部36aaにかかる。
この場合も、第2の曲げ方向(−X方向)に何も支えが無い場合に、第2の曲げ方向に大きな負荷がかかってシリンダチューブ36aひいてはその周辺の部品に不具合が発生する可能性がある。
そのため、第1実施形態では、図12に示すように、アウタボックス96の第1の基端部96aの内周面に第1の座103aを設け、アウタボックス96の第2の基端部96bの内周面に第2の座103bを設けた。
これによって、第1の曲げモーメントMxLが発生したときは、図14(a)に示すように、第1の座103aの第1の座面130aが、シリンダキャップ部36aaに当接してリンク反力FaのX方向成分Fxaを支える。これによって、反力Fxsが発生して負荷を軽減し、シリンダチューブ36aひいてはその周辺の部品に不具合が発生するのを回避することが可能となる。
また、逆方向の第2の曲げモーメント(−MxL)が発生したときは、図示省略するが、第2の座103bの第2の座面130bが、リンク反力(−Fa)のX方向成分(−Fxa)を支えて、シリンダチューブ36aひいてはその周辺の部品に不具合が発生するのを回避することが可能となる。
なお、先端側アーム95を、格納姿勢から第1の展開姿勢となる方向に回動した場合、アウタボックス96及びインナボックス97の自重によって、シリンダキャップ部36aaは、第2の座103bの第2の座面130bへと押しつけられる。このとき、第2の座103bが無い場合は、ガタツキが発生する。即ち、第2の座103bは、先端側アーム95を回動したときのガタツキ防止の機能も兼ね備えている。
一方、図14(b)に示すように、先端側アーム95が第1の展開姿勢かつ第2の展開姿勢で、第1の姿勢保持ピン190及び第2の姿勢保持ピン191が挿入された状態で、横アウトリガシリンダ36が伸長作動したとする。この場合は、横アウトリガシリンダ36の伸長方向と、BM型リンク100との角度θが小さくなるため、第1の曲げモーメントMxLが小さくなり、上記したような大きな負荷がかかる場合に危惧される不具合は発生しない。このことは、同じ条件で横アウトリガシリンダ36を縮小作動した場合も同様となる。
ここで、第1実施形態において、タワークレーン1が作業機に対応し、BM型リンク100が動力伝達用のリンク部材に対応する。
また、第1実施形態において、第1の姿勢保持ピン190、第1の姿勢保持穴94Hh、及び第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLが第1の姿勢保持手段に対応する。
また、第1実施形態において、第2の姿勢保持ピン191、第8の姿勢保持穴97HS、及び第6,第7の姿勢保持穴97HL,97HMが第2の姿勢保持手段に対応する。
また、第1実施形態において、第1の姿勢保持穴94Hh、及び第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HLが第1の姿勢保持穴に対応し、第8の姿勢保持穴97HS、及び第6,第7の姿勢保持穴97HL,97HMが第2の姿勢保持穴に対応する。
また、第1実施形態において、アウタボックス96及びインナボックス97が入れ子状の複数のアームに対応し、第1〜第3の摺動パッド120A〜120Cが摺動部材に対応する。
また、第1実施形態において、支軸94cが第1の回転軸に対応し、第1のリンク軸100aが第2の回転軸に対応し、第2のリンク軸100bが第3の回転軸に対応する。
(第1実施形態の作用及び効果)
第1実施形態に係るアウトリガ装置9は、タワークレーン1のシャーシフレーム2上に垂直な軸回りに旋回自在にかつ水平な第1の回転軸91b回りに起伏自在に設けられた基端側アーム93と、該基端側アーム93の先端部に、基端部が第1の回転軸91bと平行な支軸94c回りに回転自在に枢支された入れ子状の先端側アーム95とを備え、格納時の格納姿勢と作業時の展開姿勢とを有する。このアウトリガ装置9は、一端部が基端側アーム93の先端寄りの位置に、支軸であり且つ第1の回転軸91bと平行な第1のリンク軸100aによって、この第1のリンク軸100a回りに回転自在に取り付けられたBM型リンク100と、先端側アーム95の内側に配設されていると共に、シリンダロッド36b側の端部が先端側アーム95の先端寄りの位置に支持され、シリンダチューブ36a側の端部がBM型リンク100の他端部(可動端部)に、第1の回転軸91bと平行な第2のリンク軸100b回りに回転自在に取り付けられた横アウトリガシリンダ36と、を備える。そして、BM型リンク100は、横アウトリガシリンダ36の伸縮力を先端側アーム95の回動力に変換するように構成されている。
この構成であれば、先端側アーム95の内側に横アウトリガシリンダ36を内蔵し、その伸縮力をBM型リンク100によって先端側アーム95の回動力に変換することが可能である。これによって、先端側アーム95の回動力を発生する横アウトリガシリンダ36の分、格納時のアウトリガ装置9の専有面積を低減することが可能である。
また、第1実施形態に係るアウトリガ装置9は、更に、BM型リンク100が、格納姿勢において、第1のリンク軸100a側の一端部が第2のリンク軸100b側の他端部の横アウトリガシリンダ36への取付位置(シリンダキャップ部36aa)よりも高い位置に取り付けられている。そして、その一端部の基端側アーム93への取付位置から先端側アーム95側に向かって略水平方向に伸びた後に、途中から他端部の取付位置に向かって斜め下方に折れ曲がった形状(第1実施形態では右上方に凸となる略くの字のブーメラン形状)を有する。
この構成であれば、先端側アーム95が回動したときに、先端側アーム95の基端部がBM型リンク100の形状に沿って回動するため、BM型リンク100の下端部と先端側アーム95の基端部との接触を避けることが可能となる。その結果、BM型リンク100をコンパクトに配置することが可能となる。
また、第1実施形態に係るアウトリガ装置9は、更に、先端側アーム95が、横アウトリガシリンダ36の発生する伸縮力によって伸縮動作する入れ子状のアウタボックス96及びインナボックス97を有する。加えて、先端側アーム95の回動動作に対する格納姿勢及び展開姿勢である第1の格納姿勢及び第1の展開姿勢にそれぞれ対応する位置で基端側アーム93と先端側アーム95との相互の位置を拘束及び解除する第1の姿勢保持手段(第1実施形態では、第1の姿勢保持ピン190、第1の姿勢保持穴94Hh、及び第2,第3の姿勢保持穴94HS,94HL)を備える。更に、先端側アーム95の伸縮動作に対する格納姿勢及び展開姿勢である第2の格納姿勢及び第2の展開姿勢にそれぞれ対応する位置でアウタボックス96及びインナボックス97の相互の位置を拘束及び解除する第2の姿勢保持手段(第1実施形態では、第2の姿勢保持ピン191、第8の姿勢保持穴97HS、及び第6,第7の姿勢保持穴97HL,97HM)を備える。
そして、第1の姿勢保持手段で基端側アーム93と先端側アーム95との相互の位置が拘束されているときに、横アウトリガシリンダ36の伸縮作動によるBM型リンク100を介した回動力の伝達に対して拘束された姿勢を保持する。一方、第1の姿勢保持手段で基端側アーム93と先端側アーム95との相互の位置が拘束されておらず且つ第2の姿勢保持手段でアウタボックス96及びインナボックス97の相互の位置が拘束されているときに、横アウトリガシリンダ36の伸縮作動によるBM型リンク100を介した回動力の伝達に対して回動動作を行う。
また、第2の姿勢保持手段でアウタボックス96及びインナボックス97の相互の位置が拘束されているときに、横アウトリガシリンダ36の伸縮作動による伸縮力の伝達に対して拘束された姿勢を保持する。一方、第1の姿勢保持手段で基端側アーム93と先端側アーム95との相互の位置が拘束され且つ第2の姿勢保持手段でアウタボックス96及びインナボックス97の相互の位置が拘束されていないときに、横アウトリガシリンダ36の伸縮作動による伸縮力の伝達に対してインナボックス97の伸縮動作を行う。
この構成であれば、第1の姿勢保持手段及び第2の姿勢保持手段によって、第1及び第2の格納姿勢及び第1及び第2の展開姿勢を拘束及び解除することが可能である。加えて、共通の1つの横アウトリガシリンダ36によって、先端側アームの回動動作による第1の格納姿勢から第1の展開姿勢への移行、及びインナボックス97の伸長動作による第2の格納姿勢から第2の展開姿勢への移行を行うことが可能となる。従って、新たなアウトリガシリンダを追加することなく、かつアウトリガ装置9の専有面積を増やすことなく、先端側アーム95の起伏動作及び伸縮動作の動力を得ることが可能となる。
また、第1実施形態に係るアウトリガ装置9は、更に、シリンダチューブ36aに設けられた該シリンダチューブ36a内に圧油を供給すると共にシリンダチューブ36a内の圧油を排出するための第1及び第2の圧油給排ポートに接続された圧油給排管36cを有する。加えて、シリンダチューブ36aの外周面に設けられた圧油給排管36cを覆う角筒状のパイプ用ボックス101を有する。更に、先端側アーム95のインナボックス97の内周面と、シリンダチューブ36aの外周面及びパイプ用ボックス101の外周面との間に設けられた第1〜第3の摺動パッド120A〜120Cを備える。
この構成であれば、シリンダチューブ36aやパイプ用ボックス101をインナボックス97の内周面に押しつける力が加わった状態でも、内周面との直接の接触を避けることが可能になると共に、横アウトリガシリンダ36のインナボックス97の内側でのスライド動作や、インナボックス97のスライド動作を円滑に行うことが可能となる。
また、第1実施形態に係るアウトリガ装置9は、更に、先端側アーム95の回動動作が物理的に阻止されている状態(クッション99に当接した状態又は姿勢保持ピンにより拘束された状態)のときに、横アウトリガシリンダ36によるBM型リンク100を介した回動力の付加によって横アウトリガシリンダ36のシリンダチューブ36a側の端部(シリンダキャップ部36aa)に生じる第1の曲げモーメントMxLに対して、該端部の曲げ方向の変位を阻止する第1の阻止部材103を備える。
ここで、第1実施形態に係るアウトリガ装置9では、横アウトリガシリンダ36の伸長作動時に、先端側アーム95の第1の展開姿勢への回動動作が阻止された状態である場合に、横アウトリガシリンダのシリンダチューブ36a側の端部に対して、BM型リンク100を介して第1の曲げモーメントMxLが発生する。これによって、横アウトリガシリンダのシリンダチューブ36a側の端部を第1の曲げ方向(X方向)に変位させる第1の曲げ荷重が発生する。一方、横アウトリガシリンダ36の縮小作動時に、先端側アーム95の第1の格納姿勢への回動動作が阻止された状態である場合に、横アウトリガシリンダのシリンダチューブ36a側の端部に対して、BM型リンク100を介して第2の曲げモーメント(−MxL)が発生する。これによって、横アウトリガシリンダ36のシリンダチューブ36a側の端部を第1の曲げ方向とは反対方向の第2の曲げ方向(−X方向)に変位させる第2の曲げ荷重が発生する。
そして、第1の阻止部材103は、先端側アーム95の基端部の横アウトリガシリンダ36を挟んで、第1の曲げ方向側の内周面である第1の内周面に設けられた第1の座103aと、先端側アーム95の基端部の横アウトリガシリンダ36を挟んで、第2の曲げ方向側の内周面である第2の内周面に設けられた第2の座103bとを備える。
そして、第1の座103aは、先端側アーム95の伸長作動に対応する回動動作が阻止状態であるときに、伸長作動された横アウトリガシリンダ36のシリンダチューブ36a側の端部に第1の内周面側から当接して該端部にかかる第1の曲げ荷重を支持する。
また、第2の座103bは、先端側アーム95の縮小作動に対応する回動動作が阻止状態であるときに、縮小作動された横アウトリガシリンダ36のシリンダチューブ36a側の端部に第2の内周面側から当接して該端部にかかる第2の曲げ荷重を支持する。
この構成であれば、第1の曲げモーメントMxLによる第1の曲げ方向の曲げ荷重を第1の座103aで支えることが可能となり、また、第2の曲げモーメント(−MxL)による第2の曲げ方向の曲げ荷重を第2の座103bで支えることが可能となる。これによって、シリンダチューブ36aひいてはその周辺の部品に不具合が発生するのを回避することが可能となる。
また、第1実施形態に係るタワークレーン1は、上記アウトリガ装置9を備える。
この構成であれば、上記アウトリガ装置9と同等の作用及び効果が得られる。
(第2実施形態)
(構成)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態は、上記第1実施形態の第1の阻止部材103に変えて、フック形状の第2の阻止部材によって、曲げ荷重を支える点で上記第1実施形態とは異なる。
以下、上記第1実施形態と同じ部分には同じ符号を付して、適宜説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
図15、図16(a)及び(b)に示すように、第2実施形態に係る第2のアウトリガ装置9Aは、上記第1実施形態のアウトリガ装置9における、第1の阻止部材103及び横アウトリガシリンダ36に代えて、第2の阻止部材104及び第2の横アウトリガシリンダ36Aを備えた構成となっている。
また、第2の横アウトリガシリンダ36Aは、上記第1実施形態の横アウトリガシリンダ36におけるシリンダキャップ部36aaに代えて、第2のシリンダキャップ部36abを備えた構成となっている。
第2の阻止部材104は、アウタボックス96の第2の基端部96bに設けられた、フック主軸104aと、かぎ爪部104bと、爪先部104cと、フック取付部104dとを備えている。
フック主軸104aは、第2の基端部96bの内周面に設けられ、側面視で矩形縦長の上部と半台形状の下部とを有している。矩形縦長の上部は、アウトリガ装置9が格納姿勢において、第2のシリンダキャップ部36abの外周面と当接する第1の支持面140aを有する。また、半台形状の下部は、第1の支持面140a側に、第2の基端部96bの内周面側に向かって斜め下方に傾斜する第3の傾斜面142aを有する。
かぎ爪部104bは、アウトリガ装置9が格納姿勢において、フック主軸104aの上端から第2の基端部96bよりも上方に突出して設けられている。このかぎ爪部104bは、フック主軸104aの上端から第2のシリンダキャップ部36abの上端部の曲面に沿ってブロック36d側に向かって伸びている。
更に、かぎ爪部104bは、アウトリガ装置9が格納姿勢において、その先端部が、第2のシリンダキャップ部36abの上端部の中央位置よりもブロック36d側に位置しており、その上端部が、フック主軸104aの上方から斜め右上方に真っ直ぐ伸びて傾斜面を形成し、その後、先端部まで水平方向に真っ直ぐ伸びて水平面を形成している。
なお更に、かぎ爪部104bは、その下端部が、第2のシリンダキャップ部36abの上端部の形状に沿った形状を有している。そして、かぎ爪部104bは、アウトリガ装置9が格納姿勢のときに、その下端部が、第2のシリンダキャップ部36abの上端部と当接するように構成されている。
爪先部104cは、アウトリガ装置9が格納姿勢において、かぎ爪部104bの先端部から下方に突出して形成されている。具体的に、爪先部104cは、かぎ爪部104bの先端部の下端側から垂直下方に僅かに伸びる第1の面140cと、かぎ爪部104bの先端部の上端側からかぎ爪部104bの下端面よりも僅かに上の高さ位置まで右下方に斜めに伸びる第4の傾斜面141cとを有する。更に、第4の傾斜面141cの下端から垂直下方に最下端まで伸びる第2の面142cと、第1の面140cの下端から右下方に、第2の面142cよりも僅かに第2のシリンダキャップ部36ab側の最下端位置まで斜めに伸びる第5の傾斜面143cとを有する。なお更に、第5の傾斜面143cの下端と第2の面142cの下端とを水平に接続する第3の面144cを有する。
フック取付部104dは、アウトリガ装置9が格納姿勢において、かぎ爪部104bの爪先部104c側とは反対方向に向かって第2の基端部96bを超えた位置まで伸びる、かぎ爪部104bとの接続部と、この接続部の先端部から第2の基端部96bの外周面に沿って垂直下方に伸びる取付爪部140dとを有する。更に、第2の基端部96bの上端面と当接する下端部141dを備える。
即ち、第2の阻止部材104は、フック取付部104dの取付爪部140d及び下端部141dと、フック主軸104aの第1の支持面140aとは反対側の面である第2の支持面141aとから構成される溝内に、第2の基端部96bが嵌入した状態で固定支持されている。
第2のシリンダキャップ部36abは、上端部が丸みを帯びた形状を有していると共に、この上端部のシリンダチューブ36a側の側面部に第2の阻止部材104の爪先部104cを引っかけるための溝部360が設けられている。
この溝部360は、爪先部104cの第1の面140c、第5の傾斜面143c及び第3の面144cから構成される複合面の形状に沿った形状の溝から構成されている。
そして、第2の阻止部材104の爪先部104cは、アウトリガ装置9が格納姿勢のときに、第2のシリンダキャップ部36abの溝部360の内周面に第1の面140c、第5の傾斜面143c及び第3の面144cが当接するように構成されている。
(第2の阻止部材104)
次に、第2実施形態の第2の阻止部材104の役割について詳しく説明する。
この第2の阻止部材104は、上記第1実施形態の第1の阻止部材103と同様の役割を有している。なお、以下に記載の各曲げモーメントや各反力については、上記第1実施形態で図13(b)に基づき説明したものと同様となる。
即ち、図17(a)に示すように、先端側アーム95が伏方向に回動できない状況で、更に第2の横アウトリガシリンダ36Aが伸長作動すると、そのシリンダ伸推力Fcに対してBM型リンク100から受けるリンク反力Faが発生する。そして、第1の曲げモーメントMxLがシリンダチューブ36aの第2のシリンダキャップ部36abにかかる。
ここで、図17(a)の例では、同図上部に示すように、第2の横アウトリガシリンダ36Aを両端支持梁(第2の横アウトリガシリンダ36Aが梁のように横たわった状態)と考えて、シリンダロッド36b側から力点(第2のリンク軸100bの中心)までの距離Laと、シリンダチューブ側から力点までの距離Lbとが、距離Laの方が極めて大きくなる。そのため、シリンダロッド36b側の反力は省略している。
第2のシリンダキャップ部36abに第1の曲げモーメントMxLがかかると、特に、第1の曲げ方向(X方向)に何も支えが無い場合、第1の曲げ方向に大きな負荷がかかってシリンダチューブ36aひいてはその周辺の部品に不具合が発生する可能性がある。
一方、図示省略するが、アウトリガ装置9が格納姿勢において、先端側アーム95が回動かつ伸縮作動できない状態に拘束されている場合に、第2の横アウトリガシリンダ36Aが縮小作動すると、そのシリンダ縮推力(−Fc)に対してBM型リンク100から受けるリンク反力(−Fa)が発生する。その結果、第1の曲げモーメントMxLとは反対方向の第2の曲げモーメント(−MxL)がシリンダチューブ36aの第2のシリンダキャップ部36abにかかる。
この場合も、第2の曲げ方向(−X方向)に何も支えが無い場合に、第2の曲げ方向に大きな負荷がかかってシリンダチューブ36aひいてはその周辺の部品に不具合が発生する可能性がある。
そのため、第2実施形態では、図15、図16(a)及び(b)に示すように、アウタボックス96の第2の基端部96bに、格納姿勢時に第2のシリンダキャップ部36abの上端部を押さえるフック形状の第2の阻止部材104を設けた。
これによって、第1の曲げモーメントMxLが発生したときは、図17(b)に示すように、第2の阻止部材104の爪先部104cの第1の面140c、第5の傾斜面143c及び第3の面144cが、第2のシリンダキャップ部36abの溝部360に当接してリンク反力FaのX方向成分Fxaを支える。これによって、反力Fxsが発生して負荷を軽減し、シリンダチューブ36aひいてはその周辺の部品に不具合が発生するのを回避することが可能となる。
また、逆方向の第2の曲げモーメント(−MxL)が発生したときは、第2の阻止部材104のフック主軸104aが、リンク反力(−Fa)のX方向成分(−Fxa)を支えて、シリンダチューブ36aひいてはその周辺の部品に不具合が発生するのを回避することが可能となる。
(第2実施形態の作用及び効果)
第2実施形態に係る第2のアウトリガ装置9Aは、上記第1実施形態のアウトリガ装置9の第1の阻止部材103及び横アウトリガシリンダ36に代えて、第2の阻止部材104及び第2の横アウトリガシリンダ36Aを備える。第2の阻止部材104は、先端側アーム95の基端部の第2の横アウトリガシリンダ36Aを挟んで、第2の曲げ方向(−X方向)側の内周面に設けられている。そして、先端側アーム95の縮小作動に対応する回動動作が阻止状態のときに、縮小作動された第2の横アウトリガシリンダ36Aのシリンダチューブ36a側の端部(第2のシリンダキャップ部36ab)に前記内周面側から当接して該端部にかかる第2の曲げ荷重を支えるフック主軸104aを備える。加えて、下端部が、横アウトリガシリンダ36の第2のシリンダキャップ部36abの上端部の外形に沿った形状を有すると共に、格納姿勢において第2のシリンダキャップ部36abの上端部に当接するように構成されたかぎ爪部104bを備える。更に、かぎ爪部104bの先端から、第2の横アウトリガシリンダ36Aの第2のシリンダキャップ部36abの第1の曲げ方向(X方向)側の側面部に向かって伸びて、格納姿勢において該側面部に第1の曲げ方向側から当接するように構成された爪先部104cを備える。
具体的に、第2のシリンダキャップ部36abは、上端部が丸みを帯びた形状を有していると共に、この上端部のシリンダチューブ36a側の側面部に爪先部104cを引っかけるための係止用の溝部360が設けられている。また、爪先部104cは、かぎ爪部104bの先端部の下端側から垂直下方に僅かに伸びる第1の面140cと、第1の面140cの下端から右下方に、第2の面142cよりも僅かに第2のシリンダキャップ部36ab側の最下端位置まで斜めに伸びる第5の傾斜面143cと、第5の傾斜面143cの下端と第2の面142cの下端とを水平に接続する第3の面144cとを有する。
そして、溝部360は、爪先部104cの第1の面140c、第5の傾斜面143c及び第3の面144cから構成される複合面の形状に沿った形状の溝から構成されており、アウトリガ装置9が格納姿勢のときに、その内周面に第1の面140c、第5の傾斜面143c及び第3の面144cが当接するように構成されている。
この構成であれば、第1の曲げモーメントMxLが発生したときは、第2の阻止部材104の爪先部104cの第1の面140c、第5の傾斜面143c及び第3の面144cが、第2のシリンダキャップ部36abの溝部360に当接してリンク反力FaのX方向成分Fxaを支える。一方、第2の曲げモーメント(−MxL)が発生したときは、第2の阻止部材104のフック主軸104aが、リンク反力(−Fa)のX方向成分(−Fxa)を支える。これによって、シリンダチューブ36aひいてはその周辺の部品に不具合が発生するのを回避することが可能となる。
(変形例)
上記各実施形態では、格納姿勢時の横アウトリガシリンダの作動によってそのシリンダチューブ側の端部に生じる曲げ荷重による変位を阻止するために、上記第1実施形態では、先端側アーム95の基端部の横アウトリガシリンダを挟んで変位方向側の内周面に第1の阻止部材103を設け、上記第2実施形態では、先端側アーム95の基端部にフック形状の第2の阻止部材104を設けた。これらの構成に限らず、曲げ荷重による不具合の発生を回避することが可能な構成であれば、例えば、第1の阻止部材103の座の形状を変更したり、第2の阻止部材104のフック形状や取付位置を変更したりするなど他の構成としてもよい。
上記各実施形態では、横アウトリガシリンダの伸縮力を先端側アームの回動力に変換するリンク部材として、ブーメラン形状のBM型リンク100を例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、先端側アーム50の回動時にリンクが先端側アームの基端部に接触しない構成でかつ十分な回動力を伝達できる構成であれば、形状や取付位置を変更するなど他の構成としてもよい。
上記各実施形態では、本発明に係るアウトリガ装置を装備する作業機として、タワークレーンを例に説明したが、これに限らない。本発明は、アウトリガ装置を適用可能な作業機であれば、タワークレーンに限らず他のクレーンやクレーン以外の種々の作業機に適用可能である。
1 タワークレーン(作業機)
2 シャーシフレーム
3 走行装置
4 ベース
5 コラム
6 クレーン装置
7 起伏ブーム
8 折曲げブーム
9 アウトリガ装置
9A 第2のアウトリガ装置
9RF、9RR、9LF及び9LR 右前、右後、左前及び左後アウトリガ装置
10 運転席
11 操作部
12 ウインチ
13 ワイヤロープ
14 フック
15a エンジン
15b 圧油供給装置
15c コントロールバルブ
16 コントロールボックス
17 フック格納ブラケット
30 旋回用油圧モータ
31 起伏ブーム伸縮用油圧シリンダ
32 折曲げブーム伸縮用油圧シリンダ
33 ウインチ用油圧モータ
34 起伏ブーム起伏用油圧シリンダ
34R,34L 第1,第2の起伏ブーム起伏用油圧シリンダ
35 折曲げブーム起伏用油圧シリンダ
35R,35L 第1,第2の折曲げブーム起伏用油圧シリンダ
36 横アウトリガシリンダ
36A 第2の横アウトリガシリンダ
36a シリンダチューブ
36aa シリンダキャップ部
36ab 第2のシリンダキャップ部
36b シリンダロッド
36c 圧油給排管
36d サブプレート
36RF、36RR、36LF及び36LR 右前、右後、左前及び左後横アウトリガシリンダ
37 縦アウトリガシリンダ
37RF、37RR、37LF及び37LR 右前、右後、左前及び左後縦アウトリガシリンダ
44 第1のシーブ
45 第2のシーブ
46 第3のシーブ
60 油圧ポンプ
61L 左吐出ポート
61R 右吐出ポート
62 主管路
63 戻り管路
64 タンク
80 クレーン用切換制御弁
81 アクセルシリンダ
82 アウトリガ装置用切換制御弁
83 旋回用切換制御弁
84 ブーム伸縮用切換制御弁
85 ウインチ用切換制御弁
86 ブーム起伏用切換制御弁
87 横アウトリガシリンダ切換弁
88 縦アウトリガシリンダ切換弁
90 ベースブラケット
91 ブラケット部
91a 第1の装着腕
91b 第1の回転軸
91c 第2の回転軸
92 回動支持部
93 基端側アーム
94 センタブラケット
94a 第2の装着腕
94b 第3の回転軸
94c 支軸
94Hh,94HS,94HL 第1,第2,第3の姿勢保持穴
95 先端側アーム
96 アウタボックス
96a 第1の基端部
96b 第2の基端部
96HF 第4の姿勢保持穴
96H 第5の姿勢保持穴
97 インナボックス
97HL,97HM,97HS 第6,第7,第8の姿勢保持穴
98 フロート
99 クッション
100 BM型リンク
100a,100b 第1,第2のリンク軸
101 パイプ用ボックス
102B 第1の取付部
102C 第2の取付部
103 第1の阻止部材
103a 第1の座
103b 第2の座
104 第2の阻止部材
104a フック主軸
104b かぎ爪部
104c 爪先部
104d フック取付部
120A〜120C 第1〜第3の摺動パッド
121A〜121C 第1〜第3の摺動面
130a 第1の座面
131a 第1の傾斜面
130b 第2の座面
131b 第2の傾斜面
140a 第1の支持面
140c 第1の面
140d 取付爪部
141a 第2の支持面
141d 下端部
143c 第5の傾斜面
144c 第3の面
160 コントローラ
161 受信機
162 遠隔操作装置
180 メインリリーフ弁(アンロード弁)
181 アンロード弁作動用ソレノイド
182 フック固定用リリーフ弁
182a フックリリーフソレノイド
182b フックリリーフ弁
190,191 第1,第2の姿勢保持ピン
360 溝部
820,840,860 第1,第2,第3の電磁切換弁

Claims (3)

  1. 作業機の基台上に水平な軸回りに回転自在に設けられた基端側アームと、該基端側アームの先端部に、基端部が前記水平な軸と平行な第1の軸回りに回転自在に枢支された入れ子状の先端側アームとを備え、格納時の格納姿勢と作業時の展開姿勢とを有するアウトリガ装置であって、
    一端部が、前記基端側アームの先端寄りの位置に、支軸であり且つ前記第1の軸と平行な第2の軸によって該第2の軸回りに回転自在に取り付けられた動力伝達用のリンク部材と、
    前記先端側アームの内側に配設されていると共に、一端部が前記先端側アームの先端寄りの位置に支持され、他端部が前記リンク部材の他端部となる可動端部に回転自在に軸着されたアウトリガシリンダと、を備えることを特徴とするアウトリガ装置。
  2. 前記リンク部材は、前記一端部の前記基端側アームへの取付位置から前記先端側アーム側に向かって略水平方向に伸びた後に、途中から前記他端部の取付位置に向かって斜め下方に折れ曲がった形状を有する請求項1に記載のアウトリガ装置。
  3. 前記アウトリガシリンダは、油圧シリンダであり、チューブに設けられた該チューブ内に圧油を供給すると共に前記チューブ内の圧油を排出するための圧油給排ポートに接続された圧油給排管を有し、
    前記チューブの外周面に設けられた前記圧油給排管を覆う筒状のボックスと、
    前記先端側アームの内周面と、前記チューブの外周面及び前記ボックスの外周面との間に設けられた摺動部材と、を備える請求項1又は2に記載のアウトリガ装置。
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