JP6923778B2 - シリカコーティングされた高分散性金ナノロッドの合成方法及び合成された金ナノロッドの分散液 - Google Patents

シリカコーティングされた高分散性金ナノロッドの合成方法及び合成された金ナノロッドの分散液 Download PDF

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本発明は、金属ナノ微粒子の一種である金ナノロッド(以降AuナノロッドあるいはAuNRとも称する)に関し、特にその表面がシリカコーティングされた金ナノロッドの合成方法及び合成された金ナノロッドの分散液に関する。
金属ナノ微粒子は、局在表面プラズモン共鳴(LSPR)に由来する特徴的な光物性により、化学分野ばかりでなく、材料、センサ・光デバイス、バイオ、医学系など多種多様な分野での応用が期待されているナノ材料である。中でも金ナノロッドは、その異方性形状のために近年多くの分野で注目されてきている。これまでの金属ナノ微粒子研究では、調製直後の微粒子が水にのみ分散できることから、ほとんどが水溶液系に限られてきた。
その後、1994年にBrustらがチオール化合物共存下の2層合成法が報告(非特許文献1)されて以来は、有機溶媒に可溶な金属微粒子の調製が可能となっている。その他、物理吸着系微粒子分散剤としてはポリマーや界面活性剤がしばしば使用されてはいるが、ほとんどが水溶性に限定されている。
また、非特許文献2のようなシリカコーティング金ナノロッドの製法が開示されている。
J. Chem. Soc. Chem. Commun. 1994, 801. I. Gorelikov, N. Matsuura, Nano Lett. 2008, 8, 369-373. シリカコーティング金ナノロッドの製法
非特許文献1のBrustらの方法で得られる微粒子界面は共有結合性でAu−Sとなっているため、微粒子自体の性質に影響を及ぼしている可能性がある。また、非特許文献2に示された方法は、界面修飾の足場作りが目的であり、具体的な検証実験ではシリカコーティングされた金ナノロッドの形成が困難であった。したがって元来の金ナノロッドの特性を損なわずシリカコートを施した高分散性金ナノロッドの安定的な合成方法が求められていた。
また、シリカコートされた金ナノロッドの分散用の媒体は水にかぎられていた。
本発明の金ナノロッドの合成方法は、シリカコーティングされた高分散性金ナノロッドの合成方法であって、溶液全体の体積を100としたとき、メタノールの体積は25±5として金ナノロッドにシリカをコーティングする。
また、このシリカコーティングされた金ナノロッドを、メタノール、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、アセトニトリル、DMSOの何れかの媒体にコロイド分散するようにする。
シリカコートされた金ナノロッドの安定的な合成を可能とすることができる。また、高分散性と安定的取扱いが確保された水以外の媒体を用いた分散液を提供することが可能となる。
本発明の金ナノロッドの製造方法を示す図である。 0hと24h後のAuNRの吸収スペクトルを示す図である。 精製前後におけるAuNRの吸収スペクトルの変化を示す図である。 AuNRのSEM像である。 AuNR/25%MeOHaq.の吸収スペクトルの変化を示す図である。 シリカコーティング前後におけるAuNRの吸収スペクトルの変化を示す図である。 SilicaAuNRのSEM像である。 0hにおける水及び有機溶媒に分散させたAuNRの溶液の状態を示す図である。 0hにおける水及び有機溶媒でのAuNRの吸収スペクトルを示す図である。 24h後における転倒混合前(上段)と超音波照射し転倒混合後(下段)の水及び有機溶媒でのAuNRの溶液の状態を示す図である。 24h後における水及び有機溶媒でのAuNRの吸収スペクトルを示す図である。 0hにおける水及び有機溶媒に分散させたSilicaAuNRの溶液の状態を示す図である。 0hにおける水及び有機溶媒でのSilicaAuNRの吸収スペクトルを示す図である。 24h後における転倒混合前(上)と超音波照射し転倒混合後(下)の水及び有機溶媒でのSilicaAuNRの溶液の状態を示す図である。 24h後における水及び有機溶媒でのSilicaAuNRの吸収スペクトルを示す図である。 milliQ(HO)溶液の状態を示す図である。 乾燥させ再分散した前後のAuNR/milliQの吸収スペクトルを示す図である。 乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/milliQの吸収スペクトルを示す図である。 乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/milliQの長軸由来のλmaxで規格化した吸収スペクトルを示す図である。 再分散した後のAuNR/milliQのSEM像である。 再分散した後のSilicaAuNR/milliQ(沈殿)のSEM像である。 再分散した後のSilicaAuNR/milliQ(上清)のSEM像である。 MeOH溶液の状態を示す図である。 乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/MeOHの吸収スペクトルを示す図である。 乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/MeOHの長軸由来のλmaxで規格化した吸収スペクトルを示す図である。 再分散した後のSilicaAuNR/MeOHのSEM像である。 乾燥させ再分散した前後のAuNR/DMSOとSilicaAuNR/DMSOの状態を示す図である。 乾燥させ再分散した前後のAuNR/DMSOの吸収スペクトルを示す図である。 乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/DMSOの吸収スペクトルを示す図である。 乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/DMSOの長軸由来のλmaxで規格化した吸収スペクトルを示す図である。 再分散した後のAuNR/milliQ(沈殿)のSEM像である。 再分散した後のAuNR/milliQ(上清)のSEM像である。 再分散した後のSilicaAuNR/milliQ(沈殿)のSEM像である。 再分散した後のSilicaAuNR/milliQ(上清)のSEM像である。 経時変化におけるAuNR/milliQの吸収スペクトルを示す図である。 長軸由来のλmaxで規格化した経時変化におけるAuNR/milliQの吸収スペクトルを示す図である。 経時変化におけるSilicaAuNR/milliQの吸収スペクトルを示す図である。 長軸由来のλmaxで規格化した経時変化におけるSilicaAuNR/milliQの吸収スペクトルを示す図である。 経時変化におけるSilicaAuNR/MeOHの吸収スペクトルを示す図である。 長軸由来のλmaxで規格化した経時変化におけるSilicaAuNR/MeOHの吸収スペクトルを示す図である。 経時変化におけるAuNR/DMSOの吸収スペクトルを示す図である。 長軸由来のλmaxで規格化した経時変化におけるAuNR/DMSOの吸収スペクトルを示す図である。 経時変化におけるSilicaAuNR/DMSOの吸収スペクトルを示す図である。 長軸由来のλmaxで規格化した経時変化におけるSilicaAuNR/DMSOの吸収スペクトルを示す図である。 24h後のAuNR/DMSOのSEM像である。 24h後のSilicaAuNR/DMSOのSEM像である。 濃度変化におけるAuNR/milliQの吸収スペクトル変化を示す図である。 長軸由来のλmaxで規格化したAuNR/milliQの吸収スペクトルを示す図である。 異なる濃度条件下でのAbs527(短軸由来のλmax)におけるAuNR/milliQの吸光度のプロットを示す図である。 濃度変化におけるSilicaAuNR/milliQの吸収スペクトル変化を示す図である。 長軸由来のλmaxで規格化したSilicaAuNR/milliQの吸収スペクトルを示す図である。 異なる濃度条件下でのAbs530.5(短軸由来のλmax)におけるSilicaAuNR/milliQの吸光度のプロットを示す図である。 異なる濃度条件下での短軸由来のλmaxにおけるAuNR/milliQとSilicaAuNR/milliQの吸光度のプロットを示す図である。 濃度変化におけるAuNR/MeOHの吸収スペクトル変化を示す図である。 長軸由来のλmaxで規格化したAuNR/MeOHの吸収スペクトルを示す図である。 異なる濃度条件下でのAbs532(短軸由来のλmax)におけるAuNR/MeOHの吸光度のプロットを示す図である。 濃度変化におけるSilicaAuNR/MeOHの吸収スペクトル変化を示す図である。 長軸由来のλmaxで規格化したSilicaAuNR/MeOHの吸収スペクトルを示す図である。 異なる濃度条件下でのAbs517.5(短軸由来のλmax)におけるSilicaAuNR/MeOHの吸光度のプロットを示す図である。 異なる濃度条件下での短軸由来のλmaxにおけるAuNR/MeOHとSilicaAuNR/MeOHの吸光度のプロットを示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
図1は、本発明の金ナノロッド(AuナノロッドあるいはAuNR)の製造方法を示す図である。
まず、初めに(ステップ1:S1)塩化金酸(HAuCl)を還元し界面活性剤を備えたAu粒子(SeedSolution)を作成する。ここで、CTAB(臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム)は陽イオン界面活性剤である。
次に(ステップ2:S2)、Agを用いさらに還元(Ascorbic−acid)を行いAu粒子を金ナノロッド化する。
そして(ステップ3:S3)、金ナノロッドにシリカコーティングを実施する。ここで、シリカコーティングは20vol%TEOS/メタノール(MeOH)を用いて行う。
一般的に知られている、金ナノロッドのシリカコーティング時のメタノール濃度は0.9%程度で、検証実験を行ったところシリカコーティングされた金ナノロッドの形成はできなかった。そのため、諸条件を変えて試行錯誤したところ、シリカコーティング時にメタノール濃度を25±5v/v%まで高めることにより常温でシリカコーティングされた金ナノロッドの形成が確認された。
一般に金ナノロッドはマーカー等に利用されるため、その基本特性として光の吸収特性が重要である。金(Au)に光を吸収させることでマーカーとしての効果を奏する。したがって、コーティングによるその劣化は問題となる。しかしながら、上述の方法により得られたシリカコーティングされたAuNRは、水溶液に高分散化した溶液においてその吸収スペクトルが金ナノロッドとシリカコーティングされた金ナノロッドとの間で遜色がないことが以下に示すように明らかとなった。つまり、シリカコートを行っても光特性はほとんど損なわないことがわかる。
また、上述した方法により作成されたシリカコーティングされた金ナノロッドを超純水(milliQ)(HO)、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、ジエチルエーテル(EtO)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン(MeCO)、クロロホルム(CHCl)、ジクロロメタン(CHCl)、トルエン(PhCH)、n−ヘキサン(C14)、アセトニトリル(MeCN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)の12種の溶媒にて、分散性を確認した。確認は、光吸収スペクトルをみることで行った。シリカコーティングされた金ナノロッドはヘキサン以外の溶媒で赤紫色の溶液として分散できていることが初めて明らかとなった(図12および図14下段)。n−ヘキサンを除く11種の溶媒中のシリカコーティングされた金ナノロッドの光吸収スペクトルのピークが水溶液と同じ部分で観測された(図13、図15)。なお、ここでmilliQ(超純水)は、ミリポア社製超純粋製造装置で作られた超純水である。
つまり、シリカコーティングされた金ナノロッドは水以外において、少なくともメタノール、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、アセトニトリル、DMSOの何れかである媒体(溶液)に分散できる。したがってメタノール、エタノール、ジエチルエーテル、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、DMSO、アセトニトリル、テトラヒドロフランの何れかの媒体(溶液)にシリカコーティングされた金ナノロッドがコロイド分散した分散液が作成可能である。ここで、各媒体の純度は略100%である。実質的には純度は95%v/v%以上のものであればよい。
以下詳細にその内容を記す。なお、下記に示す吸収スペクトル測定結果(図2、3、5、6、9、11、13、15、17〜19、24、25、28〜30、35〜45、47,48、50、51,55、57、58)は、吸収スペクトルの波長(λ)(単位nm)を横軸に、吸収度(absorbance)を縦軸に表したものである。また、図49、52、53、54、56、59、60は、特定の波長におけるサンプル濃度(mM)を横軸に吸光度(absorbance)を縦軸に表したものである。
1.金ナノロッド(AuNR)の合成
1−1.種溶液(Seed solution)の作成
まず最初に、種溶液(Seed solution)の作成について説明する。ここは図1のステップ1(S1)に相当する。
14mL容ガラス製スナップバイアル瓶に0.125M‐CTAB(臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム)水溶液8.0mL(1.0mmol)を入れた。ここに、0.1M−KBr水溶液1.0mL(0.1mmol)を加え、10回転倒混合した。更に、2.4mM−HAuCl・4HO水溶液1.0mL(2.4μmol:マイクロモル)を加え、10回転倒混合した。この際、溶液は明るい黄色を呈した。この後、30℃に維持しながらマグネチックスターラーを用いて激しく撹拌を開始した。ここに、氷冷した10mM−NaBH水溶液0.6mL(6.0μmol)を加えた。この際、溶液は薄い茶黄色を呈した。このまま撹拌を2min(分)維持し、撹拌を停止させ3min(分)静置した後、7回転倒混合した。これを30℃の恒温水槽中に1h(1時間)静置させた。
この結果、総量10.6mL、最終的なCTAB、KBr、HAuCl・4HO、NaBHの濃度がそれぞれ、94.3mM、9.43mM、0.226mM、0.566mMの種溶液(シードソリューション)を作成した。
ここで0.125M−CTAB水溶液は、CTAB(0.3640g、1.0mmol)をmilliQ−8mLに、0.1M−KBr水溶液は、KBr(119mg、1.0mmol)をmilliQ−10mLに、2.4mM−HAuCl・4HO水溶液は、HAuCl・4HO(8.8mg、21.12μmol)をmilliQ−8.8mLにそれぞれ溶解させて作成した。これらに用いたmilliQは30℃である。また、10mM−NaBH水溶液は、NaBH(37.8mg、0.1mmol)をmilliQ−1mLで溶解した後、milliQ−9mLを加えた。ここから1mLを別の容器に移し替え、milliQ−9mLを加え作成した。10 mM−NaBH水溶液の作成に用いたmilliQは氷冷したものを使用した。
1−2.成長溶液(Growth solution)の作成
次に成長溶液(Growth solution)の作成について説明する。ここは図1のステップ2(S2)に相当する。
200mL容ガラス製メジューム瓶に0.122M−CTAB水溶液、77mL(9.394mmol)を入れ、室温でマグネチックスターラーを用いて撹拌を開始した。ここに、0.9412M−KBr水溶液1.0mL(0.9412mmol)、19.2mMAgNO水溶液1.0 mL(19.2μmol)、4.6mM−HAuCl・4HO水溶液、20mL(92.0μmol)の順に加えた後、溶液は明るい黄色を呈した。次に、0.105M−AA(アスコルビン酸)水溶液(AA1と称する)1.0mL(0.105mmol)を加えることで、溶液は無色透明に変化した。更に、恒温水槽中に1h(1時間)静置させたSeed−solution0.135mL加え、マグネチックスターラーの撹拌速度を上げた。ここに、9.48mM−AA(アスコルビン酸)水溶液(AA2と称する)5.0mL(47.4μmol)を10min(分)毎に300μLずつ(最後のみ200μL)加えた。加え終わった後、10min(分)撹拌を維持した。これを成長溶液(Growth solution)、すなわちAuNR(Au nanorods/金ナノロッド)溶液とした。
この成長溶液は、総量105.135mL、最終的なCTAB、KBr、AgNO、HAuCl・4HO、AA1、Auseed、AA2、金原子の各濃度がそれぞれ89.4mM、8.95mM、0.183mM、0.875mM、0.999mM、0.291nM、0.451mM、0.88mMであった。
ここで得られた金原子濃度0.88mMのAuNRの吸収スペクトル測定を合成直後(0h/0時間)と24h(24時間)後の2回行った。AuNRの吸収スペクトル測定の測定結果を図2に示す。図2において実線は0h(0時間)、点線は24h(24時間)後のAuNRの吸収スペクトルである。縦軸(longitudinal)は吸光度(absorbance)であり、横軸は波長(nm)である。図2に示すように0h(0時間)後のAuNRの吸収スペクトでは波長744nmで吸光度が極大値(ここでは最大値でもある)を、24h(24時間)後のAuNRの吸収スペクトルでは波長738nmで吸光度が極大値(ここでは最大値でもある)を示した。0h(0時間)後のAuNRの吸収スペクトではλmax=744nm、24h(24時間)後のAuNRの吸収スペクトルではλmax=738nmであり、ほぼ同じである。なお、光路長1cmのPMMAセルを使用し、milliQで10倍希釈をしたAuNR溶液を測定した。これ以降、本明細書では吸収スペクトルにおいて吸光度が極大値をとる波長をλmaxと称する。
なお、ここで0.122M−CTAB水溶液はCTAB(3.4309g、9.39mmol)をmilliQ−77mLに、0.9412M−KBr水溶液は、KBr(1.12g、9.41mmol)をmilliQ−10mLに、19.2mM−AgNO水溶液は、AgNO(32.6mg、0.192mmol)をmilliQ−10mLに、4.6mM−HAuCl・4HO水溶液は、HAuCl・4HO(47.95mg、0.116mmol)をmilliQ−25.3mLに、0.105M−AA(アスコルビン酸)水溶液は、AA(アスコルビン酸)(186mg、1.05mmol)をmilliQ−10mLに、9.48mM−AA水溶液は、AA(アスコルビン酸)(16.7mg、97.8mmol)をmilliQ−10mLに、それぞれ溶解させて作成した。なお、ここで用いたmilliQはいずれも30℃である。
1−3.成長溶液(Growth solution)の精製
24h後、AuNR溶液を50mL容プラスチック製遠心管に26mLずつ分け取り、これを4本作製した(全量104mL)。これを遠心分離(6000rpm[3542×g:ここでgは重力加速度]、120min(分)、25℃)し、この後、上清を除き、同量(約26mL)のmilliQでそれぞれ再分散をした。精製された4本のAuNR溶液を新しい200mL容ガラス製メジューム瓶に移し替え、まとめたAuNRの吸収スペクトル測定を行った(図3)。図3に示すように精製されたAuNRの吸収スペクトル(実線)においては波長741nmで吸光度が極大値(ここでは最大値でもある)を示した(λmax=741nm)。また同図に24h(24時間)後のAuNRの吸収スペクト(点線)を比較のため示す。測定条件は上記(1−2項)と同様におこなった。ここで図3におけるAuNR合成24h後の吸光度の極大値、すなわち波長738nmの吸光度(Abs738と記す)から求められた再分散率(Abs738における再分散率)は、100.9%(0.53537/0.530487×100=100.9%)であった。
精製したAuNRの走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)観察を行った(図4)。図4に示すSEM像で観察されたAuNRは、長軸方向に53.1±5.2nm、短軸方向に17.8±2.3nm、アスペクト比が3.0±0.5であった。このように作成されたAuNRは、球ではなく、長軸/短軸比(アスペクト比)が3.0程度であるような細長い形状を持つため、後述するように吸光スペクトル解析において、長軸方向、短軸方向に由来したスペクトル成分を備えることとなる。
このAuNR溶液を用いてシリカコーティングを行った。
2.AuNRのシリカコーティング
続いてAuNRのシリカコーティングについて説明する。ここは図1のステップ3(S3)に相当する。
2−1.SilicaAuNR溶液の作成
上述のようにして作成されたAuNR溶液のAuNRにシリカコーティングを行った。上述したAuNR溶液を50mL容プラスチック製遠心管に15mLずつ分け、これを2本作製した(全量30mL)。これを遠心分離(6000rpm[3542×g]、60min(分)、25℃)し、この後、上清を3.75mL除き、3.75mLのMeOH(メタノール)でそれぞれ再分散することで、AuNR/25%MeOHaq.を作製した。この2本のAuNR/25%MeOHaq.を新しい50mL容プラスチック製広口瓶に移し替え、まとめたAuNR/25%MeOHaq.(全量30mL)の吸収スペクトル測定を行った(図5)。図5に示すようにAuNR/25%MeOHaq.の吸収スペクトル(実線)においては波長736.5nmで吸光度が極大値(ここでは最大値でもある)を示した。精製されたAuNRの吸収スペクトル(点線)は比較のため示している。測定条件は上記(1−2項、1−3項)と同様に行った。また、この時点での波長741nmの吸光度(Abs741と記す)から求められた再分散率(Abs741における再分散率)は97.6%(0.522385/0.53537×100=97.6%)となった。
50mL容プラスチック製広口瓶に入れたAuNR/25%MeOHaq.(全量30mL)を室温でマグネチックスターラーを用いて撹拌を開始し、0.1M−NaOH水溶液300μL(30μmol)を加えた。ここに、20vol%TEOS/MeOHを30min(分)毎に90μLを3回加えた後(合計270μL、0.241mmol)、約10min(分)撹拌を維持し停止した。これを25℃に設定されたインキュベーターで24h(24時間)静置保存した。これをシリカコーティングAuNR溶液(SilicaAuNR溶液)とした。
ここで、0.1M−NaOH水溶液は、NaOH(96.3g、2.4mmol)をmilliQ−24mLに溶解させて作成し、20vol%TEOSメタノール溶液(0.894M、0.894mmol)は、TEOS0.2mLをMeOH0.8mLに溶解させて作成した。
また、作成されたシリカコーティングAuNR溶液は、総量30.57mL、NaOH、TEOS、金原子の濃度はそれぞれ0.98mM、7.90mM、0.86mMであった。ここで、作成されたシリカコーティングAuNR溶液の大半は当初のAuNR/25%MeOHaq.であるため、シリカコーティングAuNR溶液のメタノールの濃度は実質的に溶液全体の体積を100としたとき、前記MeOHの体積は25±5であることとほぼ等価である。
2−2.SilicaAuNR溶液の精製
SilicaAuNR溶液作成から24h(24時間)後、SilicaAuNR溶液を50mL容プラスチック製遠心管に15mLずつ分け取り、これを2本作製した(全量30mL)。これを遠心分離(6000rpm[3542×g]、60min(分)、25℃)し、上清を除き、同量(約15mL)のMeOHでそれぞれ再分散をした。更に、これを遠心分離(4500rpm[1992×g]、30min(分)、25℃)し、上清を除き、同量(約15mL)のMeOHでそれぞれ再分散をした.この2本のSilicaAuNR/MeOHを新しい50mL容プラスチック製広口瓶に移し替え、まとめたSilicaAuNR/MeOH(全量30mL)の吸収スペクトル測定を行った(図6)。図6に示すようにSilicaAuNR/MeOHの吸収スペクトル(実線)においては波長733nmで吸光度が極大値(ここでは最大値でもある)を示した(λmax=733nm)。AuNR/25%MeOHaq.の吸収スペクトル(点線)は比較のため示している。なお、測定は、光路長1cmのガラスセルを使用し、MeOHで10倍希釈をしたSilicaAuNR/MeOHを測定した。また、この時点での波長736.5nmの吸光度(Abs736.5)から求められた再分散率(Abs736.5における再分散率)は73.1%(0.391479/0.53537×100=73.1%)であった。
次に、精製したSilicaAuNRのSEM観察を行った。SEM観察結果を図7に示す。
続けてこのようにして得られたAuNRならびにSilicaAuNRについてその特性を実験により検証した。以降、SEM像で確認されるシリカ層の厚さが20.6±1.7nmのSilicaAuNRを用いて実験を行った。
3.SilicaAuNRの溶解性
続いてAuNRおよびSilicaAuNRそれぞれについて水及び有機溶媒への溶解性を検討した。本実験に用いた溶媒は、水(milliQ)(HO)、メタノール(MeOH)、エタノール(EtOH)、ジエチルエーテル(EtO)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン(MeCO)、クロロホルム(CHCl)、ジクロロメタン(CHCl)、トルエン(PhCH)、n−ヘキサン(C14)、アセトニトリル(MeCN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)の12種を用いた。
3−1.AuNR/milliQの溶解性
AuNR/milliQを1.5mL容エッペンドルフチューブに1.0mLずつ分け、12本作製した。これを遠心分離(4000rpm[1449×g]、30min(分)、25℃)した後、上清を除き、同量(約1.0mL)の上記の12種類の溶媒(HO、MeOH、EtOH、EtO、THF、MeCO、CHCl、CHCl、PhCH、C14、MeCN、DMSO)でそれぞれ再分散をした。再分散したAuNR溶液をそれぞれ新しい2.2mL容ガラス製スナップバイアル瓶に移し替え、(0h(0時間)の写真を図8、24h(24時間)後の写真を図10)吸収スペクトル測定を再分散直後(0h:0時間)(図9)と24h(24時間)後(図11)に2回行った。24h後のAuNR溶液は、超音波を10s(秒)照射し転倒混合を10回した後、吸収スペクトル測定を行った。なお、測定は、光路長1cmのガラスセルを使用し、各分散溶媒で10倍希釈をしたものを測定した。
図8は0hにおける水及び有機溶媒に分散させたAuNRの溶液の状態を示す図である。AuNRは、0h時点でHO、MeOH、EtOH、THF、MeCO、MeCN、DMSOの各溶媒ではそれぞれ赤紫、青黒、青黒、青黒、青黒、青黒、赤紫の色を呈した。一方、EtO、CHCl、CHCl、PhCH、C14では沈殿を生じた。そのため、吸収スペクトル測定はHO、MeOH、EtOH、THF、MeCO、MeCN、DMSOの各溶媒に対して行った。0hにおける水及び有機溶媒でのAuNRの吸収スペクトルの測定結果を図9に示す。
図10の上段は24h後における転倒混合前の水及び有機溶媒でのAuNRの溶液の状態を示している。AuNRは24h後の転倒混合前には、HO、MeCO、MeCN、DMSOの各溶媒ではそれぞれ赤紫、青黒、青黒、赤紫の色を呈した。一方、MeOH、EtOH、EtO、THF、CHCl、CHCl、PhCH3、14の各溶媒では沈殿を生じた。
また、図10の下段は超音波照射し転倒混合後(下段)の水及び有機溶媒でのAuNRの溶液の状態を示している。超音波照射後さらに転倒混合すると、HO、MeOH、EtOH、EtO、THF、MeCO、CHCl、CHCl、PhCH、MeCN、DMSOの各溶媒ではそれぞれ赤紫、青黒、青黒、濃青、青黒、青黒、青黒、青黒、青紫、青黒、赤紫の色を呈したが、C14の溶媒では沈殿を生じた。また、C14に加えEtO、CHCl、CHCl、PhCHの各溶媒でも転倒混合後すぐに沈殿を生じた。そのため、吸収スペクトル測定はHO、MeOH、EtOH、THF、MeCO、MeCN、DMSOの各溶媒に対して行った。24h後における水及び有機溶媒でのAuNRの吸収スペクトルの測定結果を図11に示す。図9および図11に示すようにHO、DMSOを除いては吸光スペクトルに明確な極大値を示さないことからAuNRは分散されていないことがわかる。
3−2.SilicaAuNR/MeOHの溶解性
SilicaAuNR/MeOHを1.5mL容エッペンドルフチューブに1.0mLずつ分け、12本作製した。これを遠心分離(4000rpm[1449×g]、30min(分)、25℃)した後、上清を除き、同量(約1.0mL)の上記の12種類の溶媒(HO、MeOH、EtOH、EtO、THF、MeCO、CHCl、CHCl、PhCH、C14、MeCN、DMSO)でそれぞれ再分散をした。再分散したSilicaAuNRをそれぞれ新しい2.2mL容ガラス製スナップバイアル瓶に移し替え、(0hの写真を図12、24h後の写真を図14)吸収スペクトル測定を再分散直後(0h)(図13)と24h後(図15)に2回行った。なお、測定は、光路長1cmのガラスセルを使用し、各分散溶媒で10倍希釈をしたものを測定した。
図12は0hにおける水及び有機溶媒に分散させたSilicaAuNRの溶液の状態を示す図である。SilicaAuNRは、0h時点でHO、MeOH、EtOH、EtO、THF、MeCO、CHCl、CHCl、PhCH、MeCN、DMSOの各溶媒すべてで赤紫の色を呈した。なおC14の溶媒では沈殿を生じ無色であった。そのため、吸収スペクトル測定はC14の溶媒を除く11種の溶媒について行った。0hにおける水及び有機溶媒でのSilicaAuNRの吸収スペクトルの測定結果を図13に示す。
図14は24h後における転倒混合前(上段)と超音波照射し転倒混合後(下段)の水及び有機溶媒でのSilicaAuNRの溶液の状態を示す図である。SilicaAuNRは24h後の転倒混合前(図14上段)には、HO、MeOH、EtOH、EtO、THF、MeCO、CHCl、CHCl、MeCN、DMSOの10種の溶媒で赤紫の色を呈していたが、EtO、CHClの溶媒では沈殿が検出された。また、C14の溶媒に加えPhCHでは沈殿し無色であった。
その後、超音波照射後さらに転倒混合する(図14下段)とHO、MeOH、EtOH、EtO、THF、MeCO、CHCl、CHCl、PhCH、MeCN、DMSOの各溶媒すべてで赤紫の色を呈した。またC14の溶媒では沈殿を生じ無色であった。そのため、吸収スペクトル測定はC14の溶媒を除く11種の溶媒について行った。24h後における水及び有機溶媒でのSilicaAuNRの吸収スペクトルの測定結果を図15に示す。この結果は、SilicaAuNRは、0h時点とほぼ同じである。図13および図15に示すように各スペクトルはピークを持つのでC14を除いてSilicaAuNRは分散されていることがわかる。
4.SilicaAuNRの再分散性
続いて、AuNRならびにSilicaAuNRの再分散性の検討を行った。
4−1.AuNR/milliQとSilicaAuNR/milliQの再分散性
まず、1.5mL容エッペンドルフチューブにAuNR/milliQ、SilicaAuNR/milliQを1.0mLずつ用意し、それぞれ吸収スペクトル測定を行った。SilicaAuNR/milliQはSilicaAuNR/MeOHを1.5mL容エッペンドルフチューブに1.0mL移し、遠心分離(4000rpm[1449×g]、30min(分)、25℃)し、上清を除き、同量(約1.0mL)のmilliQで再分散することで作製した。
更に、AuNR/milliQ、SilicaAuNR/milliQの減圧乾燥下における再分散性を検討するために、これらを遠心分離(4000rpm[1449×g]、30min(分)、25℃)し、上清を除き、エッペンドルフチューブの蓋を開けた状態で静置し、デシケーター中で24h減圧乾燥した。24h後、同量(約850μL)のmilliQで超音波を1min(分)ずつ照射し再分散し、それぞれ吸収スペクトル測定を行った。図16にAuNRおよびSilicaAuNRのmilliQ(HO)溶液の次の4つの時点における状態を示す。図16左上は遠心分離前、図16右上は減圧乾燥前、図16左下は減圧乾燥後、図16右下は再分散後のmilliQ(HO)溶液の状態を示している。なお、各時点それぞれについてAuNRを左、SilicaAuNRを右に示している。また、再分散前後におけるそれぞれの吸収スペクトルを図17〜図19に示す。図17は乾燥させ再分散した前後のAuNR/milliQの吸収スペクトルを示す図、図18は乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/milliQの吸収スペクトルを示す図、図19は乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/milliQの長軸由来のλmaxで規格化した吸収スペクトル(すなわちSilicaAuNRの長軸に起因する吸収光の波長の最大値(λmax)で規格化した吸収スペクトル)を示す図である。したがって図19の縦軸は規格値であり任意単位(a.u.)である。なお、測定は、光路長1cmのガラスセルを使用し、milliQで10倍希釈したものを測定した。また、再分散した後のAuNR/milliQ(図20)、SilicaAuNR/milliQの沈殿(図21)、SilicaAuNR/milliQの上清(図22)をSEM観察した。図17〜図19で明らかなようにAuNRとSilicaAuNRとはほぼ同じ波長で吸光度のピークを備え、SilicaAuNRはmilliQの再分散前後で長軸に起因するλmaxで規格化した吸収スペクトルが同様の傾向を示している。これまで示したように、金ナノロッドには吸収スペクトルに特有のピークを備えている。このピークは、AuNRの異方性形状に由来している。各吸収スペクトルを比較すると、図17のAuNRよりも図18のSilicaAuNRの方がピークの強度が高いことから再分散出来ている事が確認できる。ここでSilicaAuNRの再分散前後で比較すると、強度は変化している。しかしながら図19に示すようにλmaxで規格化した吸収スペクトルでは、そのスペクトルの形状はほぼ同じであり、再分散されていることが確認できた。
4−2.SilicaAuNR/MeOHの再分散性
まず、1.5mL容エッペンドルフチューブにSilicaAuNR/MeOHを1.0mL用意し、吸収スペクトル測定を行った。
更に、SilicaAuNR/MeOHの減圧乾燥下における再分散性を検討するために、これらを遠心分離(4000rpm[1449×g]、30min(分)、25℃)し、上清を除き、エッペンドルフチューブの蓋を開けた状態で静置し、デシケーター中で24h減圧乾燥した。24h後、同量(約850μL)のMeOHで超音波を1min(分)ずつ照射し再分散し、吸収スペクトル測定を行った。図23にSilicaAuNRのMeOH溶液の状態を示す。ここで図23左上は遠心分離前、図23右上は減圧乾燥前、図23左下は減圧乾燥後、図23右下は再分散後のそれぞれのMeOH溶液の状態を示している。また、再分散前後における吸収スペクトルの測定結果を図24〜図25に示す。図24は乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/MeOHの吸収スペクトルを示す図、図25は乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/MeOHの長軸由来のλmaxで規格化した吸収スペクトル(すなわちSilicaAuNRの長軸に起因する吸収光の波長の最大値(λmax)で規格化した吸収スペクトル)を示す図である。したがって図25の縦軸は規格値であり任意単位(a.u.)である。なお、測定は、光路長1cmのガラスセルを使用し、MeOHで10倍希釈したものを測定した。また、再分散した後のSilicaAuNR/MeOHをSEM観察した(図26)。
4−3.AuNR/DMSOとSilicaAuNR/DMSOの再分散性
まず、AuNR/milliQとSilicaAuNR/MeOHを1.5mL容エッペンドルフチューブに1.0mL移し、遠心分離(4000rpm[1449×g]、30min(分)、25℃)し、上清を除き、同量(約1.0mL)のDMSOで再分散する。このようにしてAuNR/DMSOとSilicaAuNR/DMSOを作製し、それぞれ吸収スペクトル測定を行った。
更に、遠心分離(4000rpm[1449×g]、30min(分)、25℃)し、上清を除き、エッペンドルフチューブの蓋を開けた状態で静置し、デシケーター中でダイヤフラムポンプを使用して42h減圧乾燥した。しかし、これでは乾燥が不十分だった為、オイルポンプを使用して更に6h減圧乾燥した。6h後、同量(約850μL)のDMSOで超音波を1min(分)ずつ照射し再分散し、それぞれ吸収スペクトル測定を行った。図27にAuNRおよびSilicaAuNRのDMSO溶液の次の6つの時点における状態を示す。図27左上は遠心分離前、図27中上は減圧乾燥前、図27右上はダイヤフラムポンプ減圧乾燥後、図27左下はオイルポンプ減圧乾燥後、図27中下は再分散後、図27右下は超音波照射後のそれぞれのDMSO溶液の状態を示している。なお、各時点それぞれについてAuNRを左、SilicaAuNRを右に示している。また、再分散前後におけるそれぞれの吸収スペクトルを図28〜図30に示す。図28は乾燥させ再分散した前後のAuNR/DMSOの吸収スペクトルを示す図、図29は乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/DMSOの吸収スペクトルを示す図、図30は乾燥させ再分散した前後のSilicaAuNR/DMSOの長軸由来のλmaxで規格化した吸収スペクトル(すなわちSilicaAuNRの長軸に起因する吸収光の波長の最大値(λmax)で規格化した吸収スペクトル)を示す図である。したがって図30の縦軸は規格値であり任意単位(a.u.)である。なお、測定は、光路長1cmのガラスセルを使用し、DMSOで10倍希釈したものを測定した。再分散した後のAuNR/milliQの沈殿(図31)、AuNR/milliQの上清(図32)、SilicaAuNR/milliQの沈殿(図33)、SilicaAuNR/milliQの上清(図34)をSEM観察した。
5.SilicaAuNRの熱耐性
続いて、経時変化におけるAuNRとSilicaAuNRの熱耐性の検討を行った。
5−1.AuNR/milliQとSilicaAuNR/milliQの熱耐性
まず、14mL容ガラス製スナップバイアル瓶にAuNR/milliQ、SilicaAuNR/milliQを5.0mLずつ用意し、それぞれ吸収スペクトル測定を行った。吸収スペクトルの測定後、60℃に設定した恒温水槽中に保存し、経過時間毎にそれぞれ吸収スペクトル測定を行った。最初(0h)を含め、0.5h後、1.0h後、2.0h後、3.0h後、6.0h後、12h後、18h後、24h後に計9回測定を行った。なお、測定は、光路長1cmのガラスセルを使用し、milliQで10倍希釈したものを測定した。これら吸収スペクトルの測定結果を図35〜図38に示す。図35は経時変化(0h〜24h)におけるAuNR/milliQの吸収スペクトル、図36は長軸由来のλmaxで規格化した経時変化(0h〜24h)におけるAuNR/milliQの吸収スペクトル、図37は経時変化(0h〜24h)におけるSilicaAuNR/milliQの吸収スペクトル、図38は長軸由来のλmaxで規格化した経時変化(0h〜24h)におけるSilicaAuNR/milliQの吸収スペクトルをそれぞれ示す。したがって図36、図38の縦軸は規格値であり任意単位(a.u.)である。
5−2.SilicaAuNR/MeOHの熱耐性
次に、14mL容ガラス製スナップバイアル瓶にSilicaAuNR/MeOHを5.0mL用意し、吸収スペクトル測定を行った。吸収スペクトルの測定後、60℃に設定した恒温水槽中に保存し、経過時間毎にそれぞれ吸収スペクトル測定を行った。最初(0h)を含め、0.5h後、1.0h後、2.0h後、3.0h後、6.0h後、12h後、18h後、24h後に計9回測定を行った。なお、測定は、光路長1cmのガラスセルを使用し、MeOHで10倍希釈したものを測定した。これら吸収スペクトルの測定結果を図39〜図40に示す。図39は経時変化(0h〜24h)におけるSilicaAuNR/MeOHの吸収スペクトル、図40は長軸由来のλmaxで規格化した経時変化(0h〜24h)におけるSilicaAuNR/MeOHの吸収スペクトルである。したがって図40の縦軸は規格値であり任意単位(a.u.)である。
5−3.AuNR/DMSOとSilicaAuNR/DMSOの熱耐性
さらに、AuNR/milliQとSilicaAuNR/MeOHを15mL容プラスチック製遠心管に5.0mL移し、遠心分離(4000rpm[1502×g]、30min(分)、25℃)し、上清を除き、同量(約5.0mL)のDMSOで再分散をした。このようにしてAuNR/DMSOとSilicaAuNR/DMSOを作製した。14mL容ガラス製スナップバイアル瓶にAuNR/DMSOとSilicaAuNR/DMSOをそれぞれ5.0mL移し替え、それぞれ吸収スペクトル測定を行った。吸収スペクトルの測定後、60℃に設定した恒温水槽中に保存し、経過時間毎にそれぞれ吸収スペクトル測定を行った。最初(0h)を含め、0.5h後、1.0h後、2.0h後、3.0h後、6.0h後、12h後、18h後、24h後に計9回測定を行った。なお、測定は、光路長1cmのガラスセルを使用し、AuNR/milliQ、SilicaAuNR/milliQはmilliQ、SilicaAuNR/MeOHはMeOHで10倍希釈したものを測定した。これら吸収スペクトルの測定結果を図41〜図44に示す。図41は経時変化(0h〜24h)におけるAuNR/DMSOの吸収スペクトル、図42は長軸由来のλmaxで規格化した経時変化(0h〜24h)におけるAuNR/DMSOの吸収スペクトル、図43は経時変化(0h〜24h)におけるSilicaAuNR/DMSOの吸収スペクトル、図44は長軸由来のλmaxで規格化した経時変化(0h〜24h)におけるSilicaAuNR/DMSOの吸収スペクトルである。したがって図42、図44の縦軸は規格値であり任意単位(a.u.)である。
60℃に設定した恒温水槽中に24h静置した後のAuNR/DMSO、SilicaAuNR/DMSOをSEM観察した。図45は24h後のAuNR/DMSOのSEM像、図46は24h後のSilicaAuNR/DMSOのSEM像である。
6.SilicaAuNRの吸収スペクトル測定
最後に、AuNRとSilicaAuNRを比較し、それぞれの異なる濃度における吸光度をプロットすることでLambert−Beerの法則に従うことを確認した。
6−1.AuNR/milliQとSilicaAuNR/milliQの吸光度測定
まずAuNR/milliQの吸光度測定について説明する。AuNR/milliQを用いて以下の条件で吸収スペクトル測定を行った。表1に希釈条件(サンプルa〜p)でのAuNR/milliQの金終濃度を示す。また表2に濃縮条件(サンプルq〜s)でのAuNR/milliQの金終濃度を示す。なお、測定では、光路長1mmのガラスセルを使用し、仕様容器は表1、表2中のサンプルa〜サンプルpは1.5mL容エッペンドルフチューブを、表2中のサンプルq〜アンプルsは15mL容プラスチック製遠心管を、それぞれ使用した。吸収スペクトル測定の結果を図47〜図49に示す。図47は濃度変化におけるAuNR/milliQの吸収スペクトル変化、図48は長軸由来のλmaxで規格化したAuNR/milliQの吸収スペクトル(ただしサンプルsは除く)、図49は異なる濃度条件下でのAbs527(ここでAbs527は波長527nmの吸光度であり、この波長527nmは短軸由来のλmax)におけるAuNR/milliQの吸光度のプロットである。ここで図48の縦軸は規格値であり任意単位(a.u.)である。
Figure 0006923778
Figure 0006923778
次に、SilicaAuNR/milliQの吸光度測定について説明する。SilicaAuNR/milliQはSilicaAuNR/MeOHを15mL容のプラスチック製遠心管に10mLずつ分け4本作製し(全量40mL)、遠心分離(6000rpm[3542×g]、30min(分)、25℃)し、上清を除き、同量(約10mL)のmilliQを入れ、超音波を10s(秒)照射し再分散をすることで作製した。SilicaAuNR/milliQを用いて以下の条件で吸収スペクトル測定を行った。表3は希釈条件(サンプルa〜j)でのSilicaAuNR/milliQの金終濃度を、表4は濃縮条件(サンプルk〜s)でのSilicaAuNR/milliQの金終濃度を示す。なお、測定では、光路長1mmのガラスセルを使用し、仕様容器は表3、表4中のサンプルa〜サンプルpでは1.5mL容エッペンドルフチューブを、表4中のサンプルq〜アンプルsでは15mL容プラスチック製遠心管を、それぞれ使用した。吸収スペクトル測定の結果を図50〜図53に示す。図50は濃度変化におけるSilicaAuNR/milliQの吸収スペクトル変化、図51は長軸由来のλmaxで規格化したSilicaAuNR/milliQの吸収スペクトル、図52は異なる濃度条件下でのAbs530.5(ここでAbs530.5は波長530.5nmの吸光度であり、この波長530.5nmは短軸由来のλmax)におけるSilicaAuNR/milliQの吸光度のプロット、図53は異なる濃度条件下での短軸由来のλmaxにおけるAuNR/milliQとSilicaAuNR/milliQの吸光度のプロットである。図53において点線がAuNR/milliQ、実線がSilicaAuNR/milliQをそれぞれ示している。また、図51の縦軸は規格値であり任意単位(a.u.)である。
Figure 0006923778
Figure 0006923778
6−2.AuNR/MeOHとSilicaAuNR/MeOHの吸光度測定
まず、AuNR/MeOHの吸光度測定について説明する。AuNR/MeOHはAuNR/milliQを15mL容のプラスチック製遠心管に10mLずつ分け4本作製し (全量40mL)、遠心分離(6000rpm[3542×g]、30min(分)、25℃)し、上清を除き、同量(約10mL)のMeOHを入れ、超音波を10s(秒)照射し再分散をすることで作製した。AuNR/MeOHを用いて以下の条件で吸収スペクトル測定を行った. 表5は希釈条件(サンプルa〜j)でのAuNR/MeOHの金終濃度、表6は濃縮条件(サンプルk〜s)でのAuNR/MeOHの金終濃度を示す。なお、測定では、光路長1mmのガラスセルを使用し、仕様容器は表5、表6中のサンプルa〜サンプルpでは1.5mL容エッペンドルフチューブを、表6中のサンプルq〜アンプルsでは15mL容プラスチック製遠心管を、それぞれ使用した。吸収スペクトル測定の結果を図54〜図56に示す。図54は濃度変化におけるAuNR/MeOHの吸収スペクトル変化、図55は長軸由来のλmaxで規格化したAuNR/MeOHの吸収スペクトル、図56は異なる濃度条件下でのAbs532(ここでAbs532は波長532nmの吸光度であり、この波長532nmは短軸由来のλmax)におけるAuNR/MeOHの吸光度のプロットである。また図55の縦軸は規格値であり任意単位(a.u.)である。
Figure 0006923778
Figure 0006923778
次にSilicaAuNR/MeOHの吸光度測定について説明する。SilicaAuNR/MeOHを用いて以下の条件で吸収スペクトル測定を行った。表7は希釈条件(サンプルa〜j)でのSilicaAuNR/MeOHの金終濃度、表8は濃縮条件(サンプルk〜s)でのSilicaAuNR/MeOHの金終濃度をそれぞれ示す。なお、測定では、光路長1mmのガラスセルを使用し、仕様容器は表7、表8中のサンプルa〜サンプルpでは1.5mL容エッペンドルフチューブを、表8中のサンプルq〜アンプルsは15mL容プラスチック製遠心管を、それぞれ使用した。吸収スペクトル測定の結果を図57〜図60に示す。図57は濃度変化におけるSilicaAuNR/MeOHの吸収スペクトル変化、図58は長軸由来のλmaxで規格化したSilicaAuNR/MeOHの吸収スペクトル(サンプルsは除く)、図59は異なる濃度条件下でのAbs517.5(ここでAbs517.5は波長517.5nmの吸光度であり、この波長517.5nmは短軸由来のλmax)におけるSilicaAuNR/MeOHの吸光度のプロット(サンプルsは除く)、図60は異なる濃度条件下での短軸由来のλmaxにおけるAuNR/MeOHとSilicaAuNR/MeOHの吸光度のプロット(SilicaAuNR/MeOHのサンプルsは除く)である。図60における点線がAuNR/MeOHを、実線がSilicaAuNR/MeOHをそれぞれ示す。また図58の縦軸は規格値であり任意単位(a.u.)である。
Figure 0006923778
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7.まとめ
非特許文献2において、シリカコーティング時のメタノール濃度は0.9%程度であり、検証実験を行ったところシリカコーティングされた金ナノロッドの形成はできなかった。 そのため、諸条件を変えて試行錯誤したところ、上述のように(例えば2−1項)シリカコーティング時にメタノール濃度を25±5%まで高めることにより常温でシリカコーティングされた金ナノロッドの形成が確認された。メタノール濃度は概ね25%±5%程度まで高めることによりシリカコートされた金ナノロッド(SilicaAuNR)の形成が確認された。つまり安定したシリカコートされた金ナノロッド(SilicaAuNR)の形成には、図1のステップ3(S3)におけるメタノール濃度が鍵であることがわかった。
金ナノロッドはマーカー等に利用されるため、その基本特性として光の吸収特性が重要である。Auに光を吸収させることでマーカーとしての効果を奏するため、コーティングによるその劣化は問題となるが、シリカコーティングは、水溶液に高分散化した溶液においてその吸収スペクトルが金ナノロッドとシリカコーティングされた金ナノロッドとの間で遜色がない(図5、図6)。
また、この方法により作成されたシリカコーティングされた金ナノロッドを上述のように12種の溶媒にて分散性を確認した。表9に分散性をまとめる。表9において○印は、溶媒中のシリカコーティングされた金ナノロッドの光吸収スペクトルのピークが水溶液と同じ部分で観測されたものであり、×は観測されなかったものである。つまり、シリカコーティングされたAuNRはメタノール、エタノール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、アセトニトリル、DMSOの何れかの媒体でコロイド分散する。つまり、シリカコートされたAuNRはAuNRと遜色のない光吸収スペクトルを備えることによりマーカーとしての効果を奏するのみならず、AuNR以上に様々な溶媒(有機溶媒を含む)で高分散液をつくれることがわかった。
Figure 0006923778
シリカコートされたAuNRは種々の溶媒で高分散するので、その目的に合った溶媒を利用した分散液は、抗原抗体を基盤としたアッセイ法の着色剤やバイオセンサ、更には体内分散などでの利用が考えられる。また様々な材料系研究でAuNRの取扱い容易となる。

Claims (1)

  1. AuNR/MeOH水溶液に、NaOH水溶液とTEOS/MeOH溶液を添加して、単一の金ナノロッドに直接シリカをコーティングする金ナノロッドの合成方法において、溶液全体の体積を100としたとき、MeOHの体積は25±5であることを特徴とする金ナノロッドの合成方法。
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