JP6917654B2 - 飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材およびそれを用いる方法 - Google Patents

飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材およびそれを用いる方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6917654B2
JP6917654B2 JP2020106199A JP2020106199A JP6917654B2 JP 6917654 B2 JP6917654 B2 JP 6917654B2 JP 2020106199 A JP2020106199 A JP 2020106199A JP 2020106199 A JP2020106199 A JP 2020106199A JP 6917654 B2 JP6917654 B2 JP 6917654B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shielding member
film
frame
plate
shielding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020106199A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021062198A (ja
Inventor
亮太 佐上
亮太 佐上
Original Assignee
亮太 佐上
亮太 佐上
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 亮太 佐上, 亮太 佐上 filed Critical 亮太 佐上
Publication of JP2021062198A publication Critical patent/JP2021062198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6917654B2 publication Critical patent/JP6917654B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Endoscopes (AREA)

Description

本開示は、飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材およびそれを用いる方法に関する。
2020年にCOVID−19(所謂、新型コロナウイルス感染症)による世界的パンデミックが発生した。これ以外にも、2003年には重症急性呼吸器症候群(SARS)、2012年には中東呼吸器症候群(MERS)が発生しているが、これらもコロナウイルスが原因とされる。コロナウイルスの感染は、被験者が咳やくしゃみなどをした際に飛び散るしぶき(ウイルスを含んだ飛沫)を吸い込むことによる感染(飛沫感染)、エアロゾル感染または接触感染が中心であると考えられる。
本開示は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材であって、
前記遮蔽部材は、相互に接続された第1の面と第2の面と第3の面とを少なくとも備え、
前記第1の面は、内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備える、遮蔽部材。
(項目2)
前記遮蔽部材は、
前記遮蔽部材の骨組みを形成するフレームであって、前記フレームは、複数の直立した棒状部材と複数の水平な棒状部材とを備える、フレームと、
フィルム状部材と
をさらに備え、
前記第1の面と前記第2の面と前記第3の面とは、前記フィルム状部材が前記フレームにわたって配置されることによって形成され、
前記フィルム状部材は、前記少なくとも1つの開口部を備える、項目1に記載の遮蔽部材。
(項目3)
前記フィルム状部材は、前記フレームの内側表面および/または外側表面を覆うようにさらに配置される、項目2に記載の遮蔽部材。
(項目4)
前記遮蔽部材は、前記フィルム状部材の前記少なくとも1つの開口部の周りを補強するための補強板材をさらに備え、
前記補強板材は、前記フレームに接続されており、前記フィルム状部材の前記少なくとも1つの開口部に対応する1つ以上の開口部を備える、項目2または項目3に記載の遮蔽部材。
(項目5)
前記補強板材の表面は、前記フィルム状部材によって覆われている、項目4に記載の遮蔽部材。
(項目6)
前記遮蔽部材は、付属品をさらに備え、
前記付属品は、前記少なくとも1つの開口部に取り付けられている、項目2〜5のいずれかに記載の遮蔽部材。
(項目7)
前記付属品は、前記少なくとも1つの開口部を覆うように取り付けられ、前記飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽し、かつ、前記内視鏡を通すことが可能であるように構成される、項目6に記載の遮蔽部材。
(項目8)
前記付属品は、前記内視鏡と干渉性の少ない素材を用いて作製されている、項目6または項目7に記載の遮蔽部材。
(項目9)
前記付属品は、ディスポーザブルである、項目6〜8のいずれかに記載の遮蔽部材。
(項目10)
前記フレームは、折り畳み可能なように構成されている、項目2〜9のいずれかに記載の遮蔽部材。
(項目11)
前記第1の面、前記第2の面、および前記第3の面は、それぞれ、第1の平面プレート、第2の平面プレート、および第3の平面プレートによって形成され、
前記第1の平面プレートは、前記少なくとも1つの開口部を備える、項目1に記載の遮蔽部材。
(項目12)
前記遮蔽部材は、前記遮蔽部材の骨組みを形成するフレームをさらに備え、
前記フレームは、複数の直立した棒状部材と複数の水平な棒状部材とを備え、
前記第1の平面プレートと前記第2の平面プレートと前記第3の平面プレートとは、前記フレームを介して相互に接続される、項目11に記載の遮蔽部材。
(項目13)
前記遮蔽部材は、前記内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備えるフィルム状部材をさらに備え、
前記フィルム状部材は、前記第1の平面プレートと前記第2の平面プレートと前記第3の平面プレートと前記フレームとを覆うように配置される、項目12に記載の遮蔽部材。
(項目14)
前記遮蔽部材は、付属品をさらに備え、
前記付属品は、前記少なくとも1つの開口部に取り付けられている、項目11〜13のいずれかに記載の遮蔽部材。
(項目15)
前記付属品は、前記少なくとも1つの開口部を覆うように取り付けられ、前記飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽し、かつ、前記内視鏡を通すことが可能であるように構成される、項目14に記載の遮蔽部材。
(項目16)
前記付属品は、前記内視鏡と干渉性の少ない素材を用いて作製されている、項目14または項目15に記載の遮蔽部材。
(項目17)
前記付属品は、ディスポーザブルである、項目14〜16のいずれかに記載の遮蔽部材。
(項目18)
前記第1の平面プレートと前記第2の平面プレートとの間の接続部、前記第2の平面プレートと前記第3の平面プレートとの間の接続部、および、前記第3の平面プレートと前記第1の平面プレートとの間の接続部は、丸みを帯びている、項目11〜17のいずれかに記載の遮蔽部材。
(項目19)
前記第1の平面プレートと前記第2の平面プレートと前記第3の平面プレートとは、角部を形成するように相互に略垂直に接続されており、
前記角部は、丸みを帯びている、項目11〜18のいずれかに記載の遮蔽部材。
(項目20)
前記遮蔽部材は、第4の面をさらに備え、前記第4の平面プレートは、前記第1の平面プレートおよび前記第2の平面プレートに相互に略垂直に接続され、かつ、前記第3の平面プレートに対して略平行に配置され、
前記第4の平面プレートは、被験者の首を通すための開口部を備える、項目19に記載の遮蔽部材。
(項目21)
前記少なくとも1つの開口部は、少なくとも1つの孔であり、前記少なくとも1つの孔の直径は、約2cmである、項目11〜20のいずれかに記載の遮蔽部材。
(項目22)
前記遮蔽部材は、再利用可能である、項目11〜21のいずれかに記載の遮蔽部材。
(項目23)
前記遮蔽部材は、ディスポーザブルである、項目11〜21のいずれかに記載の遮蔽部材。
(項目24)
前記内視鏡は、消化管内視鏡である、項目11〜23のいずれかに記載の遮蔽部材。
(項目25)
対象に対して内視鏡を用いた処置または検査を行う方法であって、前記方法は、
a)前記対象を地面と略平行方向に臥位させるステップと、
b)前記対象に対して遮蔽部材をかぶせるステップであって、前記遮蔽部材は、
相互に接続された第1の面と第2の面と第3の面とを少なくとも備え、
前記第1の面は、内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備え、
前記第1の面が、前記対象の顔面に向けて配置される、ステップと、
c)前記遮蔽部材の前記開口部を通して前記内視鏡を通過させ、前記対象の管腔に対して前記内視鏡を挿入するステップと、
d)前記内視鏡を用いた処置または検査を前記対象に施すステップと
を含む、方法。
(項目26)
飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材と、付属品とを含むキットであって、
前記遮蔽部材は、相互に接続された第1の面と第2の面と第3の面とを少なくとも備え、
前記第1の面は、内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備え、
前記付属品は、前記少なくとも1つの開口部に取り付けられる構造を備える、キット。
本開示によれば、飛沫および/またはエアロゾルによる感染を防止するための遮蔽部材およびそれを用いる方法を提供することが可能である。特に、エアロゾルが大量に発生する可能性のある医療行為を伴う内視鏡での施術を行う際の感染を効果的に防止し得る。
飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材の構造の一例を示す図 飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材の構造の他の一例を示す図 飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材の構造の他の一例を示す図 遮蔽部材を用いた処置のフローの一例を示す図 実施例1において使用される遮蔽部材を示す図 実施例1において遮蔽部材を使用した結果を示す図 開口部が辺に貫通する場合の形状(溝状)を示す図。 遮蔽部材の骨組みを形成するフレームの形状の一例を示す図 図8cに示されるフレーム830を用いた遮蔽部材を示す図 フレームにわたって配置されるフィルム状部材の配置の一例を示す図
以下、本開示を最良の形態の一例を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及されない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及されない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本開示の属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。矛盾する場合、(定義を含めて)本明細書の記載が優先される。
以下、本明細書において用いられる用語を定義する。
用語「面」とは、ある面積を有する領域をいう。「面」は、平坦であってもよいし、少なくとも部分的に弯曲していてもよい。
用語「約」とは、他の態様で明示されない限り、示された値の±25%を指す。
以下に本開示の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本開示のよりよい理解のために提供されるものであり、本開示の範囲は以下の記載に限定されるべきでない。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本開示の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。また、本開示の以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができる。なお、本明細書全体を通して、同一の構成要素には同一の参照番号を付している。
1.飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材
本開示は、飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材に関する。本開示の遮蔽部材は、例えば、内視鏡(特に、上部消化管内視鏡)を用いた手技において使用されるためのものである。飛沫および/またはエアロゾルは、感染症の感染拡大をもたらす媒体となり得る。従って、消化管内視鏡を用いた手技における臨床医を含む医療従事者への感染症の感染拡大を防止するために、対象(例えば、被験者)の嘔吐反射および/または咳嗽による飛沫を医療従事者から遮蔽する必要がある。
本開示の遮蔽部材は、相互に接続された第1の面と第2の面と第3の面とを少なくとも備え、第1の面は、内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備える。対象(例えば、被験者)からの飛沫および/またはエアロゾルは、第1の面と第2の面と第3の面とによって遮蔽され、飛沫および/またはエアロゾルの飛散が抑制される。
一実施形態では、第1の面、第2の面、および第3の面は、それぞれ、平坦であり得る。例えば、第1の面、第2の面、および第3の面は、それぞれ、第1の平面プレート、第2の平面プレート、および第3の平面プレートによって形成され得る。別の実施形態では、第1の面、第2の面、および第3の面は、それぞれ、弯曲し得る、または、波状の形状を有し得る。例えば、第1の面、第2の面、および第3の面は、それぞれ、可撓性部材を遮蔽部材にわたって配置することによって形成され得る。あるいは、第1の面、第2の面、第3の面は、異なる形状を有していてもよく、3つが異なる形状であってもよく、2つが同じ形状でそれ以外の1つがそれとは別の形状であってもよい。例えば、必要に応じて、それらのうち1つまたは2つが、平坦(平面プレートなど)であり、必要に応じて、それ以外の1つまたは2つが弯曲していてもよく、必要に応じてそれ以外の1つまたは2つが波状の形状を有していてもよく、これら以外の形状を有していてもよい。遮蔽部材にわたる可撓性部材の配置は、3つの面のうちの2つだけに配置されてもよく、その場合、その他の1つまたはそれ以上の面には、平面プレートが配置されていてもよい。
一実施形態では、本開示の遮蔽部材は、遮蔽部材の骨組みを形成するフレームをさらに備え、第1の面、第2の面、および第3の面は、フレームを介して相互に接続され得る。フレームを介した相互の接続は、3つのうちの2つの面だけに配置されてもよい。
一実施形態では、本開示の遮蔽部材は、フィルム状部材をさらに備え、第1の面、第2の面、および第3の面は、フィルム状部材を遮蔽部材のフレームにわたって配置することによって形成され得、フレームを介して相互に接続され得る。フィルム状部材は、内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備え得る。フィルム状部材は、3つのうちの少なくとも1つ以上の面に配置されていてもよい(すなわち、3つのうちの2つの面だけに配置されてもよいし、3つのうちの1つの面にのみ配置されていてもよい)。
フィルム状部材は、フレームの内側表面および/または外側表面を覆うようにさらに配置され得る。一実施形態では、フィルム状部材は、略直方体(例えば、略立方体)の箱蓋型の基本形状を有し、フレームの複数の直立した棒状部材を覆うための筒状のフィルム状部材をL字角の内側にさらに有し、フレームを完全に覆うように配置され得る。これにより、フレームの直立した棒状部材を飛沫および/またはエアロゾルによる汚染から保護することが可能である。他の実施形態では、フィルム状部材は、略直方体(例えば、略立方体)の箱蓋型の基本形状を有し、フレームの複数の直立した棒状部材を覆うための筒状のフィルム状部材をL字角の外側にさらに有し、箱蓋型の基本形状部分がフレームの内側に位置して筒状のフィルム状部材が直立した棒状部材を覆うように配置され得る。フレームの内側に位置する箱蓋型の基本形状部分がフレームの底部まで延在することにより、フレームの底部(すなわち、複数の水平な棒状部材)が飛沫および/またはエアロゾルによって汚染されることを防止することが可能である。
本開示の遮蔽部材と付属品とを含むキットもまた提供され、遮蔽部材は、相互に接続された第1の面と第2の面と第3の面とを少なくとも備え、第1の面は、内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備え、付属品は、少なくとも1つの開口部に取り付けられる構造を備える。
図1は、飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材の構造の一例を示す。
図1に示される実施形態では、遮蔽部材100は、相互に接続された平面プレート110と平面プレート120と平面プレート130とを備え、平面プレート110は、消化管内視鏡の少なくとも一部(例えば、消化管内視鏡の挿入部)を通すための2つの開口部111を備える。好ましくは、平面プレート110、平面プレート120および平面プレート130は、透明である。これにより、臨床医は、手技の間、被験者の状態を確認することが可能である。本開示では、開口部は、内視鏡を通過させる形状であればどのような騎乗であってもよく、孔(例えば、円状、楕円状等が挙げられるがこれに限定されない)、スリット(例えば、スリットの内部を構成する部分は内視鏡が通過し得るように可とう性であり得る)、あるいは、面の辺にまで貫通する形状(例えば、図7のような溝状)であってもよい。開口部111の孔である場合、直径は、約1〜約3cm、例えば、約2cmであるがこれらに限定されない。開口部111がスリットや面の辺にまで貫通する形状である場合、短辺(または最も近接する部分)の長さは、約1〜約3cm、例えば、約2cmであるがこれらに限定されない。消化管内視鏡は、例示に過ぎず、他の用途の内視鏡(例えば、上下部及び胆膵内視鏡)であっても、本開示の遮蔽部材として提供することができる。なお、「顔のみ」を覆う場合では、平面プレート110と平面プレート120の二面とかでも良く、患者の顔の向きによっては、平面プレート130を利用してもよい。消化管内視鏡は、ここでは、例えば、上下部及び胆膵内視鏡が例示される。むろん形状を変更することで耳鼻科領域などの内視鏡検査に応用することは可能である。
遮蔽部材100は、その全体または一部が再利用可能なように構成されていてもよいし、その全体または一部がディスポーザブルであるように構成されていてもよい。例えば、開口部を備える平面プレート110をディスポーザブルとし、他の部分を再利用可能に構成してもよい。
遮蔽部材100は、対象(例えば、被験者(または患者))の身体の少なくとも一部(例えば、顔、肩)を覆うように設置されて使用される。遮蔽部材100が再利用可能である場合には、遮蔽部材100のサイズは、対象の身体の顔および肩を覆うことが可能なサイズであることが好ましい。例えば、再利用可能なものの隠蔽部材は1辺45cm程度が
想定されるが、これに限定されず、例えば、30cm〜60cm程度であれば、再利用しうることが理解される。対象の身体の顔から肩まで遮蔽部材100で覆うことにより、臨床医は、対象に遮蔽部材100による圧迫感および閉塞感を与えることなく、消化管内視鏡または他の内視鏡を用いた処置または検査を被験者(例えば、被験者の身体内の対象組織)に施すことが可能である。消化管、胆膵内視鏡に関してはこのような配置が考えられ、下部内視鏡検査(大腸検査)に応用する場合は1辺の長さが少し長くなると企図される。
遮蔽部材100は、医療機器として使用可能な限り、どのような部材を用いてもよい。例えば、アクリル樹脂やポリエチレン系の素材を用いて作製されることにより、再利用可能であってもよい。平面プレートは、必ずしも固定されている必要はなく、相互に取り外し、再組み立てが可能な構造であってもよい.遮蔽部材100がディスポーザブルである場合には、遮蔽部材100のサイズは、対象の身体の顔のみを覆うことが可能なサイズであることが好ましい。ディスポーザブルな遮蔽部材のサイズの具体的な好ましい数値は、例えば、1辺30cm程度であるが、これに限定されず、20cm〜45cmであり得る。なお、顔のみを覆う場合、遮蔽部材の顔側の平面に配置される平面プレート110だけであってもよいし、平面プレート110と平面プレート120との2面であってもよい。平面プレート110だけ、または、平面プレート110および平面プレート120だけでは飛び散るリスクが高いと考えられ得る場合、ディスポーザブルにしても図示される3面及び後頭部側を備えることが好ましい。このように遮蔽部材100のサイズを比較的縮小することにより、遮蔽部材100に使用される素材の使用量を低減することが可能であり、より安価な素材を使用することにより、遮蔽部材100のコスト削減を達成することが可能である。遮蔽部材100は、例えば、より薄いプラスチック、ポリエステル、および/または、ポリプロピレンを用いて作製されることにより、ディスポーザブルであってもよい。
図1に示される実施形態では、平面プレート110と平面プレート120との間の接続部115は、平面プレート110と平面プレート120とが相互に略垂直に接続されることにより、角張っている。同様に、平面プレート120と平面プレート130との間の接続部125は、平面プレート120と平面プレート130とが相互に略垂直に接続されることにより、角張っており、平面プレート130と平面プレート110との間の接続部135は、平面プレート130と平面プレート110とが相互に略垂直に接続されることにより、角張っている。
図1に示される実施形態では、平面プレート110と平面プレート120と平面プレート130とは、角部123を形成するように相互に略垂直に接続されており、角部123は、角張っている。
開口部111の位置は、例えば、対象の左肩から口までの距離(言い換えると、対象の左肩が寝台と接触するように右半身を起こした状態における寝台から対象の口までの距離)の複数の対象間の平均値に対応して予め設定される。代表的な実施形態では、遮蔽部材平面プレート110と平面プレート120の下端面は寝台と接触される。
開口部111には、付属品(図示せず)が取り付けられていてもよい。付属品は、例えば、開口部111を覆うように取り付けられることが可能なように構成されている。付属品は、(例えば、スリットまたはチャネルを有することによって)開口部111を通って飛散し得る飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽する一方で、消化管内視鏡(特に、上部消化管内視鏡)またはその他の内視鏡を通すことが可能であるように構成されている。付属品は、例えば、スリットを備える(例えば、ゴム製の)逆流防止弁、および/または、内視鏡を挿入することが可能なゴム製の伸縮性部材(例えば、オーバーチューブの内視鏡挿入口の形状を有するゴム製の伸縮性部材)を含む。さらに、内視鏡挿入時、逆流防止弁を備えるガイドチューブ(例えば、被験者の口から食道にわたって留置され、内視鏡挿入口にゴム製の逆流防止弁を備えるオーバーチューブ)が併用されてもよい。
好ましくは、付属品は、消化管内視鏡またはその他の内視鏡の挿入部と干渉性の少ない素材を用いて作製されている。消化管内視鏡またはその他の内視鏡の挿入部と干渉性の少ない素材は、例えば、薄いラテックスゴムおよび/またはシリコンであるが、これらに限定されない。また、付属品を通して消化管内視鏡またはその他の内視鏡を用いた手技を行う場合、例えば、潤滑ゼリーおよび/またはキシロカインスプレーを併用してもよい。潤滑ゼリーおよび/またはキシロカインスプレーを併用することにより、付属品と消化管内視鏡またはその他の内視鏡の挿入部との間の干渉をさらに低減してほぼ無くすことが可能である。
付属品は、再利用可能であるように構成されていてもよいし、ディスポーザブルであるように構成されていてもよい。
付属品は、遮蔽部材と組み合わせて、キットとして提供されてもよい。この場合、キットは、本開示の遮蔽部材と付属品とを備えるほか、これらの説明を含む指示書(添付文書)を含んでいてもよい。
本明細書において「指示書」は、本開示を使用する方法について使用者に対する説明を記載したものである。この指示書は、本開示の遮蔽部材の組み立て方、使用法、付属品の取り付け方、検査または処置後の処理方法等を指示する文言が記載されている。この指示書は、本開示が実施される国の監督官庁(例えば、日本であれば厚生労働省、米国であれば食品医薬品局(FDA)など)が規定した様式に従って作成され、その監督官庁により承認を受けた旨が明記されてもよい。指示書は、いわゆる添付文書(package insert)であり、通常は紙媒体で提供されるが、それに限定されず、例えば、電子媒体(例えば、インターネットで提供されるホームページ、電子メール、SNS)のような形態でも提供され得る。
なお、図1に示される実施形態では、平面プレート110が2つの開口部111を備える例を説明したが、本開示はこれに限定されない。平面プレート110上の開口部111の数は、1以上の任意の整数である。
また、図1に示される実施形態では、接続部115、接続部125、および、接続部135が略垂直な相互接続により角張っている例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、接続部115、接続部125、および、接続部135は、丸みを帯びていてもよい。これにより、細菌および/またはウイルス(例えば、COVID−19)が付着し維持されるリスクを低減することができることに加えて、ユーザは、接続部115の内面側、接続部125の内面側、および、接続部135の内面側を容易に掃除することが可能であり、それ故、接続部115の内面側、接続部125の内面側、および、接続部135の内面側のそれぞれにおいて細菌および/またはウイルス(例えば、COVID−19)の繁殖を低減させることが可能である。
また、図1に示される実施形態では、角部123が角張っている例を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、角部123は、丸みを帯びていてもよい。これにより、細菌および/またはウイルス(例えば、COVID−19)が付着し維持されるリスクを低減することができることに加えて、ユーザは、角部123の内面側を容易に掃除することが可能であり、それ故、角部123の内面側において細菌および/またはウイルス(例えば、COVID−19)の繁殖を低減させることが可能である。このように各角部に丸味を帯びさせることにより、遮蔽部材を再利用するときの清潔性や安全性を高めることが可能となる。
また、接続部115、接続部125、および、接続部135を補強するために、遮蔽部材100は、接続部115と接続部125と接続部135とに少なくとも沿った(すなわち、各平面プレート間の接続部に沿った)フレームをさらに備えていてもよい。この場合、平面プレート110と平面プレート120と平面プレート130とは、フレームを介して相互に接続される。また、上述された各接続部および各角部の丸みは、フレームが丸みを帯びていることによって、達成されていてもよい。加えて、遮蔽部材100は、内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備えるフィルム状部材をさらに備えていてもよい。このとき、フィルム状部材は、例えば、平面プレート110と平面プレート120と平面プレート130とプレートとを覆うように配置されてもよい。
図2は、飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材の構造の他の一例を示す。
図2に示される実施形態では、遮蔽部材100’は、相互に接続された平面プレート110と平面プレート120と平面プレート130とを備え、平面プレート120および平面プレート130に相互に接続された平面プレート140をさらに備える。図2に示される実施形態では、平面プレート140は、平面プレート120および平面プレート130に相互に略垂直に接続され、かつ、平面プレート110に対して略平行に配置されている。図1に示される遮蔽部材100と比較して、遮蔽部材100’は、平面プレート140を備えることにより、より安定して設置されることが可能である。また、例えば、平面プレート140の面にも平面プレート110と同様に開口部(図示せず)を設けてもよい。このようにすることによって、対象の顔の向きなどを気にすることなく、施術中の対象の顔の向きや動きを外部から補正し、遮蔽部材を設置することが可能となる。
図3は、飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材の構造の他の一例を示す。
図3に示される実施形態では、遮蔽部材100’’は、相互に接続された平面プレート110と平面プレート120と平面プレート130とを備え、平面プレート110および平面プレート120に相互に接続された平面プレート150をさらに備える。図3に示される実施形態では、平面プレート150は、平面プレート110および平面プレート120に相互に略垂直に接続され、かつ、平面プレート130に対して略平行に配置されている。平面プレート130は、対象(例えば、被験者)の首を通すことが可能な開口部151を備える。このように、被験者の首を開口部151に通して被験者の顔周りに遮蔽部材100’’を設置することによって、遮蔽部材100’’が、被験者の飛沫および/またはエアロゾルが被験者の身体(特に、首から足までの身体)に向かって飛散することを防止するように、被験者の飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽することが可能である。
なお、図1〜図3に示される実施形態では、処置のために内視鏡が平面プレート110上の円形の開口部111を通過する例を説明したが、本開示はこれに限定されない。内視鏡は、内視鏡を用いた処置を施すことが可能である限りにおいて、平面プレート110上の任意の形状の開口部を通過してもよい。内視鏡が通過する開口部の形状は、例えば、真円形を直線状の線分に沿って移動させたときの真円形の面積の軌跡によって表される形状(例えば、図3に示される開口部151の形状)、または、楕円形、または、ひょうたん型を有し得る。
また、図1〜図3に示される実施形態では、内視鏡を通すための同一直径の2つの開口部が表されているが、本開示はこれに限定されない。内視鏡を用いた処置を施すことが可能である限りにおいて、2つの開口部の直径の大きさは、相互に異なっていてもよい。
本開示では、飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材と、付属品とを含むキットとしても提供される。このキットに含まれる遮蔽部材は、相互に接続された第1の平面プレートと第2の平面プレートと第3の平面プレートとを少なくとも備え、前記第1の平面プレートは、内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備え、前記付属品は、前記少なくとも1つの開口部に取り付けられる構造を備える。
図8a〜図8dは、遮蔽部材の骨組みを形成するフレームの形状の一例を示す。
図8aに示されるフレーム810は、後述される図5Bに示されるような遮蔽部材において使用されるフレームである。図8aに示される実施形態では、フレーム810は、直方体(または立方体)の11個の辺に沿って11本の棒状部材を備える。
また、図8bに示されるフレーム820は、図1を参照して上述されたフレームの形状を有し、図1に示される遮蔽部材において使用されるフレームである。フレーム820は、倒れ防止のための直立した補助部材をさらに備えていてもよい。
図8cに示されるフレーム830は、図8aに示されるフレーム810から上部の4本の水平な棒状部材を取り除いた形状を有する。より具体的には、フレーム830は、4本の直立した棒状部材831〜834と、3本の水平な棒状部材835〜837とを備える。図8cに示される実施形態では、水平な棒状部材835は、水平な棒状部材837に平行であり、水平な棒状部材836は、水平な棒状部材835および水平な棒状部材837と同一平面内に延在し、水平な棒状部材835および水平な棒状部材837と略直交する。直立した棒状部材831、直立した棒状部材832、直立した棒状部材833、および直立した棒状部材834は、水平な棒状部材835〜837によって形成される平面に略垂直に延在する。
図8dに示されるフレーム840は、図8cに示されるフレーム830から2本の直立した棒状部材を取り除いた形状を有する。より具体的には、フレーム840は、2本の直立した棒状部材841〜842と、3本の水平な棒状部材843〜845とを備える。図8dに示される実施形態では、水平な棒状部材843は、水平な棒状部材845に略平行であり、水平な棒状部材844は、水平な棒状部材843および水平な棒状部材845と同一平面内に延在し、水平な棒状部材843および水平な棒状部材845と略直交する。直立した棒状部材841および直立した棒状部材842は、水平な棒状部材843〜845によって形成される平面に略垂直に延在する。
フレーム810〜840は、再利用可能であるように構成されていてもよいし、ディスポーザブルであるように構成されていてもよい。
フレーム810〜840は、折り畳み可能なように構成されていてもよい。例えば、フレーム810〜840は、複数の棒状部材の少なくとも一部が回動可能なように構成され、棒状部材が回動することより、折り畳み可能なように構成されていてもよい。一実施形態では、棒状部材がヒンジを有し、その棒状部材に接続される他の棒状部材がヒンジを中心に回動可能な状態であり得る。なお、回動手段は、ヒンジ以外の任意の手段であってもよい。あるいは、フレーム810〜840は、分解可能なように構成されていてもよい。例えば、フレーム810〜840は、(例えば、棒状部材間でおよび/または各棒状部材において)少なくとも部分的に分離可能なように構成されている各棒状部材を分離することにより、分解可能なように構成されていてもよい。
なお、図8a〜図8dに示される実施形態では、各棒状部材の長さが略同一であるように示されているが、本開示は、これに限定されない。患者の頭部が収まる空間がフレームの内側に存在する限り、フレームの各棒状部材は、ゼロより大きい任意の長さを有する。
また、図8a〜図8dに示される実施形態では、フレームの各棒状部材は、角部が角張っている形状を有するが、本開示は、これに限定されない。例えば、フレームの各棒状部材は、角部が丸みを帯びた形状を有していてもよい。
また、図8aに示される実施形態では、フレームの全体形状が略直方体である例を説明したが、本開示は、これに限定されない。フレームの全体形状は、例えば、四角錐台形であってもよいし、四角錐であってもよいし、三角錐であってもよい。またはフレーム自体が弯曲した形状を有していてもよい.
図9は、図8cに示されるフレーム830を用いた遮蔽部材を示す。
図9に示される実施形態では、遮蔽部材900は、遮蔽部材900の骨組みを形成するフレーム830と、フィルム状部材(図示せず)とを備える。
フィルム状部材は、第1の面910と第2の面920と第3の面930とを少なくとも形成するように、第1の面910と第2の面920と第3の面930とを少なくとも覆ってフレーム830にわたって配置される。第1の面910と第2の面920と第3の面930とは、フレーム830を介して相互に接続されている。図9に示される実施形態では、フィルム状部材は、第1の面910と第2の面920と第3の面930と第4の面940とを形成するようにフレーム830にわたって配置される。これにより、フィルム状部材は、飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽することが可能である。好ましくは、フィルム状部材は、フレーム830の表面(すなわち、フレーム830の4本の直立した棒状部材831〜834のそれぞれの表面、および、3本の水平な棒状部材835〜837のそれぞれの表面)を覆うようにさらに配置され得る。これにより、飛沫および/またはエアロゾルによる汚染からフレーム830の各棒状部材を保護することが可能であり、使用後にそのまま捨てることが可能である。フィルム状部材を用いてフレーム830の表面全体を被覆することによって、フレーム830の各棒状部材を滅菌する作業を省略することも可能である。
フィルム状部材は、内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備える。フィルム状部材の開口部の構成は、図1〜図3を参照して説明された開口部111、151の構成と同様の構成であるため、ここではこの詳しい説明を省略する。なお、フィルム状部材は、横臥している対象(例えば、被験者)を少なくとも部分的に覆うように(例えば、第3の面930から)さらに延在していてもよい。
図9に示されるように、遮蔽部材900は、フィルム状部材の少なくとも1つの開口部を補強するための補強板材950をさらに備えていてもよい。図9に示される実施形態では、補強板材950は、フレーム830の水平な棒状部材835に接続されており、フレーム830の水平な棒状部材835から離れる方向に延在する。好ましくは、補強板材950の表面もまた、フィルム状部材によって覆われている。補強板材950は、フィルム状部材の少なくとも1つの開口部に対応する1つ以上の開口部を備える。補強板材950の1つ以上の開口部の構成は、図1〜図3を参照して説明された開口部111、151の構成と同様の構成であるため、ここではこの詳しい説明を省略する。なお、補強板材950は、例えば、金属製または樹脂製であり得るが、これらに限定されない。
フィルム状部材の少なくとも1つの開口部および/または補強板材950の1つ以上の開口部には、図1を参照して説明された付属品が取り付けられていてもよい。これにより、フィルム状部材の少なくとも1つの開口部および補強板材950の1つ以上の開口部を通した飛沫および/またはエアロゾルの飛散を防止することが可能である。
なお、フィルム状部材によって形成される第1の面910、第2の面920、第3の面930、および第4の面940は、フィルム状部材の可撓性によって、例えば、弯曲していてもよいし、波状の形状を有していてもよい。また、フィルム状部材は、可撓性を有するものであれば任意の厚み、形状および材質であり得る。フィルム状部材は、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、塩化ビニール製フィルムなどであり得るが、これらに限定されない。
本開示では、飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材と、付属品とを含む第2のキットとしても提供される。この第2のキットに含まれる遮蔽部材は、遮蔽部材の骨組みを形成するフレームであって、フレームは、複数の直立した棒状部材と複数の水平な棒状部材とを備える、フレームと、内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備えるフィルム状部材とを備え、フィルム状部材は、第1の面と第2の面と第3の面とを少なくとも形成するようにフレームにわたって配置され、付属品は、少なくとも1つの開口部に取り付けられる構造を備える。
また、フレームにわたって配置されるフィルム状部材は、フレームに向かって飛散する飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するように配置され得る。
図10は、フレームにわたって配置されるフィルム状部材の配置の一例を示す。
図10aに示される実施形態では、フィルム状部材960は、フレーム830の直立した棒状部材の外側面に沿って、フレーム830を覆うように、配置されている。この場合、図10aに示されるように、フィルム状部材960は、フレーム830の直立した棒状部材の内側面を覆うための筒型フィルム状部材970をさらに備えていてもよい。これにより、フレーム830の直立した棒状部材の内側面が飛沫および/またはエアロゾルに暴露されることを防止することが可能である。
図10bに示される実施形態では、フィルム状部材960は、フレーム830の直立した棒状部材の内側面に沿って配置されている。この場合、図10bに示されるように、フィルム状部材960は、フレーム830の直立した棒状部材の外側面を覆うための筒型フィルム状部材980をさらに備えていてもよい。図10bに示されるフィルム状部材960は、上面からフレーム830の水平な棒状部材まで延在し得る。これにより、フレーム830の水平な棒状部材の内側面が飛沫および/またはエアロゾルに暴露されることを防止することが可能である。
遮蔽部材は、フレームおよびフィルム状部材の両方がディスポーザブルであるように構成されていてもよい。これにより、施術時、毎回、清潔な遮蔽部材を利用することが可能であり、滅菌作業の手間を省くことが可能である。
あるいは、遮蔽部材は、フレームおよびフィルム状部材の両方が再利用可能であるように構成されていてもよい。これにより、遮蔽部材を数多く備蓄する必要性が低減する。
あるいは、遮蔽部材は、フレームが再利用可能である一方でフィルム状部材がディスポーザブルであるように構成されていてもよい。これにより、フィルム状部材を新しいフィルム状部材に取り換えるだけで再び遮蔽部材を利用することが可能である。
上記では、主に、(上部)消化管内視鏡で説明してきたが、下部消化管内視鏡や胆膵内視鏡などでも同様に適用可能である。すなわち、内視鏡としては、硬性鏡、軟性鏡(ファイバースコープ、電子内視鏡)等があるが、本開示の遮蔽部材はいずれのものでも適用することができる。
本開示の遮蔽部材が適用される内視鏡の種類としては、消化管内視鏡に限られるものではなく、例えば、以下を挙げることができるがこれらに限定されない:喉頭内視鏡、気管支鏡、上部消化管内視鏡、十二指腸内視鏡、超音波内視鏡、側視鏡・斜視鏡、小腸内視鏡、大腸内視鏡、膀胱鏡など。多くの内視鏡は光学系とは別の経路(チャネル)を持っており、局所の洗浄・気体や液体の注入・薬剤散布・吸引・専用デバイスによる処置などが可能であり、このような形式のものでも、本開示の遮蔽部材は使用することができる。例えば、喉頭内視鏡、気管支鏡、膀胱鏡などは、形状を変えれば使用可能である。十二指腸内視鏡(側視鏡)、超音波内視鏡は、主に胆膵内視鏡を指すものであり、形状、用途は上部消化管内視鏡に近く、本開示を適用可能である。なお、拡大内視鏡は、通常の上部スコープについていることから、応用可能であり、上部消化管内視鏡(拡大内視鏡)とも表現可能である。
この場合、以下のようなサイズ、構造(その他の特徴)が好ましい。例えば、一般的に流通している消化管関連の内視鏡であればすべて適応され得る。このようなものとしては、オリンパス、フジフイルムなどから市販されるものが利用され得るがこれに限定されない。
2.遮蔽部材を用いた方法
図4は、遮蔽部材Xを用いた処置のフローの一例を示す。ここで使用される遮蔽部材Xは、相互に接続された第1の面と第2の面と第3の面とを少なくとも備え、第1の面は、内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備える。遮蔽部材Xの一例は、図1に示される遮蔽部材100、図2に示される遮蔽部材100’、図3に示される遮蔽部材100’’、図8a〜図8dに示されるフレームを備える遮蔽部材、または、図9に示される遮蔽部材900であり得る。以下、図4に示される各ステップを説明する。
ステップS401:対象(例えば、被験者)を地面と略平行方向に(例えば、寝台の上に(すなわち、対象の左肩が寝台と接触するように右半身を起こした状態で))臥位(例えば、側臥位、仰臥位、腹臥位)させる。
ステップS402:対象に対して遮蔽部材Xをかぶせる。遮蔽部材Xは、例えば、対象からの飛沫および/またはエアロゾルの少なくとも一部を遮蔽することができるように、対象の顔面を少なくとも覆うように配置される。このとき、開口部を備える第1の面は、対象の顔面に向けて配置される。
ステップS403:遮蔽部材Xの開口部を通して消化管内視鏡を通過させ、対象の管腔に対して消化管内視鏡を挿入する。遮蔽部材Xが、図1を参照して説明された付属品を備える場合には、消化管内視鏡は、遮蔽部材Xの付属品を通して通過させられ得る。
ステップS404:消化管内視鏡または他の内視鏡を用いた処置(治療、手術など)または検査を対象に施す。
内視鏡を用いた施術については、検査の他、内視鏡手術、内視鏡治療等を行うことができる。内視鏡治療としては、例えば、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、内視鏡的止血術、超音波内視鏡下瘻孔形成術などが挙げられる。
消化管内視鏡(例えば、上下部及び胆膵内視鏡)を用いた手順は、通常の検査または手術で利用される手順がそのまま利用され得る。
(他の実施の形態)
本開示の1つまたは複数の態様に係る遮蔽部材やそれを用いる方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
本明細書において「または」は、文章中に列挙されている事項の「少なくとも1つ以上」を採用できるときに使用される。「もしくは」も同様である。本明細書において「2つの値の範囲内」と明記した場合、その範囲には2つの値自体も含む。
(注記)
以上、本開示を、理解の容易のために好ましい実施形態を示して説明してきた。以下に、実施例に基づいて本開示を説明するが、上述の説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本開示を限定する目的で提供したのではない。従って、本開示の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。
以下の実施例では、ヘルシンキ宣言などの医療的な倫理規定、GCPなどの規則、ならびに、大分三愛メディカルセンターその他で規定される規定を遵守し、発明者が所属する組織に関係する倫理委員会の承認を得た上で、必要なインフォームド・コンセントを取得し、以下の実験を行った。
COVID−19は、2019年末より流行し、2020.3.11にはWHOがパンデミックを宣言したCOVID−19は2020.4.21の段階で全世界の感染者数2,397,000人、致死率6.8%と猛威を振るっている(World Health Organization. Situation report -92, 2020.Available:https://www.who.int/docs/default-source/coronaviruse/situation-reports/20200421-sitrep-92-covid-19.pdf?sfvrsn=38e6b06d_4;ChiuPWY, et al. Gut 2020; pii: gutjnl-2020 -321185.;van Doremalen N, et al. N Engl J Med2020; 382: 1564 -156The Lancet. Lancet 2020; 395: 922.;RepiciA,et al. Gastroenterology.2020 Apr 10. pii: S0016 -5085(20) 30466 -2.;Canelli R, et al. N Engl J Med 2020 Apr 3))
COVID−19は接触及び、エアロゾルが主たる感染経路と言われているため、嘔吐反射や咳嗽などによりエアロゾルを発生させる可能性のある内視鏡検査はその安全性が担保されていない。医療従事者感染による院内感染を考慮し、全世界的に内視鏡検査の規模を縮小する提言が出されており、主要感染地域では一般内視鏡検査は施行されず、吐血や胆管炎といった致死率の高い疾患に対する緊急内視鏡のみが検査の適応となっている。しかしながら中長期的な流行継続が予想されるCOVID-19感染下において、どの時期まで内視鏡検査を制限するべきなのかは予想が立たず、その間に本来行われるはずであった検査が施行できず、癌を中心とした致死的疾患の進行を許容してしまう可能性は高い。
(実施例1)
以上に鑑み、実施例1では、本開示の遮蔽部材が、飛沫、エアロゾルを防止し得るかの実験を行った。
(方法及び材料)
(遮蔽部材)
図5は、実施例1において使用される遮蔽部材を示す。より具体的には、図5Aは、使用される遮蔽部材の寸法を示し、図5Bは、使用される遮蔽部材が使用のために寝台の上に設置される状況を示す。図5Cは、遮蔽部材を用いて内視鏡による処置を施している状況を示す。
使用される遮蔽部材は、45cm四方のプラスチック製の立方体形状を有する。この遮蔽部材は、1.5mm厚の4枚の正方形プラスチックプレートを相互に接着することによって形成されている。患者の左側を下にしたときに、遮蔽部材の足側および左側は空いている(すなわち、プレートが存在しない)。患者の顔面側のプレートには2つの孔が存在し、各孔の直径は、2cmである。
(手順)
この実施例では、個人用防護服を着用している身長170cmの臨床医が、マウスピースを付けたマネキンに対して上部消化管内視鏡検査を実施した。臨床医は、患者の顔(特に、顔面)が覆われるように遮蔽部材を配置する。次に、臨床医は、患者の顔のサイズおよび口の高さに応じて、内視鏡を通すべき孔を2つの孔から選択し、選択された孔を通して内視鏡をマネキンの口の中に挿入した。選択されなかった孔は、医療用テープを用いて閉鎖された。孔のサイズは、Olympus Medical Systems社製のTJF−260V側視内視鏡の直径13.5mmと作業スペースとに基づいて、決定された。TJF−260V側視内視鏡は、日本における内視鏡の中で最も大きい直径を有する内視鏡であり、緊急内視鏡的逆行性胆道膵管造影のために使用される。10mLの蛍光染料を含む小さいニトリルゴムバルーンを破裂させることによって単発の嘔吐反射または咳嗽を再現してシミュレーションした。バルーンは、チューブに取り付けられ、マネキンの下咽頭に設置された。ついで、酸素が、バルーンが破裂するまで、マネキンの内側のチューブを通して供給された。次いで、模擬内視鏡検査が、遮蔽部材有りの場合と遮蔽部材無しの場合との両方において、実施された。紫外線を蛍光染料に照射し、散らばった染料の領域を可視化することによって、各シミュレーションの結果を確認することが可能である。
(結果)
結果を図6に示す。より具体的には、図6Aは、実施例1において本開示の遮蔽部材を使用しなかった場合における臨床医への蛍光染料の飛散分布を示し、図6Bは、実施例1において本開示の遮蔽部材を使用しなかった場合における床上への蛍光染料の飛散分布を示し、図6Cは、実施例1において本開示の遮蔽部材を使用した場合における臨床医への蛍光染料の飛散分布を示し、図6Dは、実施例1において本開示の遮蔽部材を使用した場合における床上への蛍光染料の飛散分布を示す。
遮蔽部材無しの場合、蛍光染料は、臨床医の右手袋、腕、胸郭上部、腹部、および足元にまで飛散していることが明らかに確認された。臨床医が着用しているフェイスマスクまたは保護眼鏡には、蛍光染料の飛散はほとんど確認されなかった。また、寝台の縁から約1.5m離れた床の上にも蛍光染料が確認された。
対照的に、遮蔽部材有りの場合、ほとんどの蛍光染料が、遮蔽部材の内表面上において確認された。臨床医の右手袋、腕および胸において極少量の蛍光染料が発見されたが、臨床医の腹部および足元、フェイスマスク、保護眼鏡においては蛍光染料が全く確認されなかった。床の上にも飛散した蛍光染料はほぼ見られなかった。従って、遮蔽部材は、患者からのエアロゾルの大部分が広く拡散することを妨げることができ、内視鏡専門医を含む医療従事者と周囲環境(例えば、床)とが患者からのエアロゾルに暴露されることを著しく低減することができる。
この後実際の患者を用いてこの遮蔽部材の実用性を検討している。患者は当論文の著者の1人であり、インフォームド・コンセントを行った後に同意のもと検査を実施した。患者は、左側臥位で横臥させた。遮蔽部材を被せた段階で、患者に不快感は無く、バイタルサインの変化も無い。鎮静剤を使用せず、意識清明の状態で検査を行った。患者の頭部を覆うように遮蔽部材を設置する場合、遮蔽部材は、鎮静の開始後に設置することも許容される。遮蔽部材の4つのプレートのうちの患者の顔面側のプレート上の2つの孔のうちの一方に内視鏡を挿入した。内視鏡の接触感染を抑制するために、ディスポーザブルゴム逆止弁が孔に取り付けられており、もう一方の孔は医療用テープで閉鎖されている。遮蔽部材内の十分な作業スペースのおかげで、手技中に体動の抑制や頭部の位置修正は容易に実施され、酸素需要がある際の鼻カニューレ装着に関しても、遮蔽部材の足側を通して滑らかに施行可能であった。標準的な胃腸スクリーニングは、問題なく約10分で完了し、内視鏡と遮蔽部材との間の干渉は無かった。手技の後、嘔吐反射および咳嗽による多くの液滴が、遮蔽部材の内側正面表面上に確認された。取り付けられた逆止弁は、破棄され、遮蔽部材は、入念に洗浄され、次亜塩素酸ナトリウムを用いて拭かれ再利用することができる。このように遮蔽部材は、外部デバイスであるので、消毒して再利用することが可能である。この遮蔽部材は、緊急内視鏡手技を含む上部消化管内視鏡手技を受ける全ての患者のために有用であり得る。加えてこの遮蔽部材を使用するために特別な訓練は不要である。この遮蔽部材は、必要な内視鏡手技中に拡散するCOVID−19感染防御に関して有用である可能性が示された。
(実施例2)
本実施例では、COVID−19の感染状況を考慮し、本発明者は内視鏡手技におけるエアロゾル発生の可能性を検討し、内視鏡時におけるCOVID−19の患者側因子(嘔吐反射、咳嗽による飛沫)を最小限に抑えるための遮蔽物の効能に関しても同時に検討する。
(対象)
18歳以上(PS4を除く)。大分三愛メディカルセンター消化器病内視鏡センターにおいて上部消化管関連の内視鏡検査、緊急内視鏡検査を受ける被験者。
(方法および材料)
実施例1と同様の遮蔽部材を利用する。
(手順)
以下の2群を後方視的に検討する。
(1)内視鏡前後にハンドヘルドパーティクルカウンターMODEL3888/3889を用いて内視鏡術者の胸頭部周辺を規定時間測定し、エアロゾルの増加の有無を検討する群。この場合環境測定のみとなり、患者への侵襲は発生しないため同意書の取得は必要ない。
(2)遮蔽物(Endoscopic Shield)を用いて内視鏡検査を施行する群。エアロゾルの評価に関しては(1)と同様に行う。遮蔽物を用いる場合は侵襲を伴わない軽度の介入となるが、念のため遮蔽物を用いることで内視鏡関連医療従事者の感染防御を行う旨の同意書を検査前に取得する。
※環境測定及び遮蔽物を置くことによる患者に対する侵襲はない。
(対象者に対する配慮)
遮蔽物を用いる場合は侵襲を伴わない軽度の介入研究であり、本来オプトアウトのみの実施となるが、事前に参加者へのインフォームド・コンセントを行い、説明用紙を用い遮蔽物使用の理由に加え、その妥当性有用性および危険性について充分に説明する
・施設のホームページまたは外来掲示板等で研究内容を告知し拒否の機会を提供する。
・患者データは、データベースを作成し匿名化を行い厳重に管理する。
・外部から切り離されたコンピュータのハードディスク内に保管情報漏洩・紛失に充分に配慮した取り扱いをおこなう。
(結果)
この遮蔽部材は、内視鏡専門医を含む医療従事者および周囲環境(例えば、床)をエアロゾルの拡散から保護することが可能である。それ故、この遮蔽部材は、内視鏡検査中のCOVID−19感染の拡散を低減することが可能であり得る。
以上に加え、内視鏡前後で患者の口からの同じ位置でエアロゾル量を測定し、量が増えていれば少なくとも内視鏡検査がエアロゾルを産生する手技であり、感染の可能性が高いことが証明することができる。そのうえで、同様の測定を本開示の内視鏡遮蔽部材の有無で比較し、遮蔽部材を用いた場合にエアロゾル量が少なければエアロゾル制御し得ることが示されることとなる。
(実施例3)
本実施例では、実施例2と同様に、COVID−19の感染状況を考慮し、本発明者は内視鏡手技におけるエアロゾル発生の可能性を検討し、内視鏡時におけるCOVID−19の患者側因子(嘔吐反射、咳嗽による飛沫)を最小限に抑えるための遮蔽物の効能に関しても同時に検討する。
(対象)
18歳以上(PS4を除く)。大分三愛メディカルセンター消化器病内視鏡センターにおいて上部消化管関連の内視鏡検査、緊急内視鏡検査を受ける被験者。
(方法および材料)
図10aを参照して説明された、フレーム830とフィルム状部材960とを備える遮蔽部材を利用する。
使用される遮蔽部材のフレーム830は、45cm四方のプラスチック製の立方体形状を有する。フレーム830全体を覆うようにフィルム状部材960が配置されている。患者の左側を下にしたときに、遮蔽部材の足側および左側は空いている(すなわち、フィルム状部材960が存在しない)。患者の顔面側のフィルム状部材960には2つの孔が存在し、各孔の直径は、2cmである。
内視鏡検査は嘔吐反射、咳嗽、曖気などを伴うためエアロゾル産生量が多く、コロナ感染高危険度の手技として位置づけられている。しかしながらそれを科学的に証明した例はない。エアロゾルの光学測定器であるハンドヘルドパーティクルカウンターMODEL3889を用いて定量的にエアロゾルを評価することで、内視鏡がエアロゾル産生手技であることを証明することを目的とした。エアロゾルは周りの人間の動きや小さな気流により容易に測定数が変わってしまうため大きな部屋などでは正確な値が測定できない。遮蔽部材(Endoscopic Shield)を用いてエアロゾル測定を行うことで周囲の気流による影響を最小限にした上での評価が可能となった。
(手順)
以下の2群を後方視的に検討する。
(1)患者の頭部を遮蔽部材内に位置させ、内視鏡を行った103症例に関して検討した。決められたタイムスケジュールで内視鏡前、中、後のエアロゾル定量を行う。
(2)コントロール群として健常な医療従事者のエアロゾル定量を行う。具体的には東部を(1)同様遮蔽部材内に位置させ、(1)と同様の時間管理でエアロゾル定量を行う。仮想的な内視鏡を行うものとする(実際には内視鏡検査は行わず、(1)での内視鏡検査の平均時間で内視鏡を行ったものと仮定する)。(1)同様のタイムスケジュールで仮想内視鏡前、中、後のエアロゾル定量を行う。
(対象者に対する配慮)
遮蔽物はコロナ感染が確認され遮蔽部材が発明された後に、対象施設では内視鏡関連医療従事者の感染防御に資すると考え、定常的に用いられている。後方視的検討であり、本来オプトアウトのみの実施でもよいと考えられるが、試験参加者へは個別にインフォームド・コンセントを行い、説明用紙を用い遮蔽物使用の理由に加え、その妥当性有用性および危険性、環境測定の必要性について充分に説明する。
※環境測定及び遮蔽物を置くことによる患者に対する侵襲はないことが想定される。
・施設のホームページまたは外来掲示板等で研究内容を告知し拒否の機会を提供する。
・患者データは、データベースを作成し匿名化を行い厳重に管理する。
・外部から切り離されたコンピュータのハードディスク内に保管情報漏洩・紛失に充分に配慮した取り扱いをおこなう。
(結果)
検査前と検査中・後のエアロゾル量は、内視鏡施行群ではコントロール群と比し、有意差をもって、増加していた。また検査中のエアロゾル増加量を比較した場合も内視鏡施行群で有意差をもって多い結果となった。内視鏡施行群をさらにエアロゾル量増加群と非増加群に分けて検討したところ、内視鏡関連因子としては曖気がエアロゾル産生因子として抽出された。
内視鏡によりエアロゾルで汚染された空気は遮蔽部材内にある程度集積されていることが証明された。これにより内視鏡施行者及び補助者のエアロゾル感染リスクの低減が間接的に証明された。
(注記)
以上のように、本開示の好ましい実施形態を用いて本開示を例示してきたが、本開示は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および他の文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本開示は、飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材およびそれを用いる方法等を提供するものとして有用である。
100 遮蔽部材
110 平面プレート
111 開口部
120 平面プレート
130 平面プレート

Claims (20)

  1. 飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材であって、
    前記遮蔽部材は、
    相互に接続された第1の面と第2の面と第3の面と、
    内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備えるフィルム状部材と
    を備え、
    前記第1の面、前記第2の面、および前記第3の面は、それぞれ、第1のプレート、第2のプレート、および第3のプレートによって形成され、
    前記第1のプレートは、前記フィルム状部材の前記少なくとも1つの開口部に対応する少なくとも1つの開口部を備え、
    前記フィルム状部材は、前記第1のプレートの内側表面と前記第2のプレートの内側表面と前記第3のプレートの内側表面とを少なくとも覆うように配置される、遮蔽部材。
  2. 前記遮蔽部材は、前記遮蔽部材の骨組みを形成するフレームをさらに備え、
    前記第1のプレートと前記第2のプレートと前記第3のプレートとは、前記フレームを介して相互に接続される、請求項1に記載の遮蔽部材。
  3. 前記フィルム状部材は、前記フレームの内側表面を覆うようにさらに配置される、請求項2に記載の遮蔽部材。
  4. 前記フィルム状部材は、前記フレームの外側表面を覆うようにさらに配置される、請求項3に記載の遮蔽部材。
  5. 前記フレームは、複数の直立した棒状部材と複数の水平な棒状部材とを備える、請求項2に記載の遮蔽部材。
  6. 前記遮蔽部材は、前記フィルム状部材の前記少なくとも1つの開口部の周りを補強するための補強板材をさらに備え、
    前記補強板材は、前記フレームに接続されており、前記フィルム状部材の前記少なくとも1つの開口部に対応する1つ以上の開口部を備える、請求項2〜5のいずれかに記載の遮蔽部材。
  7. 前記補強板材の表面は、前記フィルム状部材によって覆われている、請求項6に記載の遮蔽部材。
  8. 前記遮蔽部材は、付属品をさらに備え、
    前記付属品は、前記第1のプレートの前記少なくとも1つの開口部を覆うように取り付けられ、前記飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽し、かつ、前記内視鏡を通すことが可能であるように構成される、請求項1〜7のいずれかに記載の遮蔽部材。
  9. 前記付属品は、前記内視鏡と干渉性の少ない素材を用いて作製されている、請求項8に記載の遮蔽部材。
  10. 前記付属品は、ディスポーザブルである、請求項8または請求項9に記載の遮蔽部材。
  11. 前記遮蔽部材は、第4のプレートをさらに備え、前記第4のプレートは、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートに相互に略垂直に接続され、かつ、前記第3のプレートに対して略平行に配置され、
    前記第4のプレートは、被験者の首を通すための開口部を備える、請求項1〜10のいずれかに記載の遮蔽部材。
  12. 前記少なくとも1つの開口部は、少なくとも1つの孔であり、前記少なくとも1つの孔の直径は、約2cmである、請求項1〜11のいずれかに記載の遮蔽部材。
  13. 前記遮蔽部材は、再利用可能である、請求項1〜12のいずれかに記載の遮蔽部材。
  14. 前記遮蔽部材は、ディスポーザブルである、請求項1〜12のいずれかに記載の遮蔽部材。
  15. 前記内視鏡は、消化管内視鏡である、請求項1〜14のいずれかに記載の遮蔽部材。
  16. 飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材であって、
    前記遮蔽部材は、
    相互に接続された第1の面と第2の面と第3の面と、
    内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備えるフィルム状部材と、
    前記遮蔽部材の骨組みを形成するフレームと
    を備え、
    前記第1の面と前記第2の面と前記第3の面とは、前記フィルム状部材が前記フレームにわたって配置されることによって形成され、
    前記フィルム状部材は、前記フレームの内側表面を覆うように配置される、遮蔽部材。
  17. 前記フレームは、複数の直立した棒状部材と複数の水平な棒状部材とを備える、請求項16に記載の遮蔽部材。
  18. 飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材と、付属品とを含むキットであって、
    前記遮蔽部材は、
    相互に接続された第1の面と第2の面と第3の面と
    内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備えるフィルム状部材と
    を備え、
    前記第1の面、前記第2の面、および前記第3の面は、それぞれ、第1のプレート、第2のプレート、および第3のプレートによって形成され、
    前記第1のプレートは、前記フィルム状部材の前記少なくとも1つの開口部に対応する少なくとも1つの開口部を備え、
    前記フィルム状部材は、前記第1のプレートの内側表面と前記第2のプレートの内側表面と前記第3のプレートの内側表面とを少なくとも覆うように配置され、
    前記付属品は、前記第1のプレートの前記少なくとも1つの開口部を覆うように取り付けられ、前記飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽し、かつ、前記内視鏡を通すことが可能であるように構成される、キット。
  19. 飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材と、付属品とを含むキットであって、
    前記遮蔽部材は、
    相互に接続された第1の面と第2の面と第3の面と、
    内視鏡の少なくとも一部を通すための少なくとも1つの開口部を備えるフィルム状部材と、
    前記遮蔽部材の骨組みを形成するフレームと
    を備え、
    前記第1の面と前記第2の面と前記第3の面とは、前記フィルム状部材が前記フレームにわたって配置されることによって形成され、
    前記フィルム状部材は、前記フレームの内側表面を覆うように配置され、
    前記付属品は、前記フィルム状部材の前記少なくとも1つの開口部を覆うように取り付けられ、前記飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽し、かつ、前記内視鏡を通すことが可能であるように構成される、キット。
  20. 前記フレームは、複数の直立した棒状部材と複数の水平な棒状部材とを備える、請求項19に記載のキット。
JP2020106199A 2020-05-08 2020-06-19 飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材およびそれを用いる方法 Active JP6917654B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020082609 2020-05-08
JP2020082609 2020-05-08

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021062198A JP2021062198A (ja) 2021-04-22
JP6917654B2 true JP6917654B2 (ja) 2021-08-11

Family

ID=75486926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020106199A Active JP6917654B2 (ja) 2020-05-08 2020-06-19 飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材およびそれを用いる方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6917654B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7106095B2 (ja) * 2018-05-29 2022-07-26 株式会社寿技研 腹腔鏡手術トレーニング器具
CN111053614A (zh) * 2020-03-06 2020-04-24 周晓宇 一种防飞溅隔离头罩

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021062198A (ja) 2021-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sorbello et al. Aerosol boxes and barrier enclosures for airway management in COVID-19 patients: a scoping review and narrative synthesis
Balibrea et al. Surgical management of patients with COVID-19 infection. Recommendations of the Spanish Association of Surgeons
Francom et al. Pediatric laryngoscopy and bronchoscopy during the COVID-19 pandemic: a four-center collaborative protocol to improve safety with perioperative management strategies and creation of a surgical tent with disposable drapes
Kamming et al. I. Anaesthesia and SARS
Radulesco et al. COVID-19 and rhinology, from the consultation room to the operating theatre
US20230225823A1 (en) Systems and methods for controlling the spread of airborne materials during clinical or laboratory procedures
Helman et al. Ventilated upper airway endoscopic endonasal procedure mask: surgical safety in the COVID-19 era
US20210401651A1 (en) Hygienic barrier
Anon et al. Patient-worn enhanced protection face shield for flexible endoscopy
Hoffman et al. Negative pressure face shield for flexible laryngoscopy in the COVID‐19 era
Alves Filho et al. Barrier device prototype for open tracheotomy during COVID-19 pandemic
Eber et al. Bronchoscopy precautions and recommendations in the COVID-19 pandemic
Keyhan et al. Reopening of dental clinics during SARS-CoV-2 pandemic: an evidence-based review of literature for clinical interventions
McCarty et al. Innovations in otorhinolaryngology in the age of COVID-19: a systematic literature review
Varghese et al. Self-care and clinical management of persons with laryngectomy during COVID-19 pandemic: a narrative review
JP6917654B2 (ja) 飛沫および/またはエアロゾルを遮蔽するための遮蔽部材およびそれを用いる方法
Peccin et al. Indications for accurate and appropriate use of personal protective equipment for healthcare professionals. A systematic review
WO2021202319A1 (en) Negative pressure respiratory treatment hood system
Graham Approach to the dyspneic avian patient
Nampoolsuksan et al. Management of aerosol generation during upper gastrointestinal endoscopy
US20230285106A1 (en) Protective nasal mask device
Yanaral et al. Evaluation of emergency operations and anesthesia procedures used in surgical emergencies before and during the COVID-19 pandemic.
Lee et al. Guidelines for surgery of confirmed or suspected COVID-19 patients
JP7356089B2 (ja) 医療用感染防護器具
EDRA et al. Improved Polyethylene Terephthalate shield and the mitigation of COVID-19 aerosols during airway manipulation

Legal Events

Date Code Title Description
AA64 Notification of invalidation of claim of internal priority (with term)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A241764

Effective date: 20200907

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210315

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210315

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20210326

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210611

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210630

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210713

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6917654

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D04