JP6917210B2 - 要約映像生成装置およびそのプログラム - Google Patents
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Description
特許文献1に開示されている手法(以下、従来手法という)は、与えられた映像(元映像)を分割し、分割映像(ショット)の特徴量を求める。さらに、従来手法は、ショットの特徴量が元映像内において特徴的であることを判別するためのスコアを算出する。
そして、従来手法は、算出したスコアの高い順に所望の要約映像の時間長となるまでショットを選択し、選択したショットを元映像の時間の順番に結合することで、要約映像を生成する。
これによって、従来手法は、元映像から人手を介さずに自動的に要約映像を生成することを可能にしている。
そのため、従来手法によって生成された要約映像は、映像開始時点での導入部の映像の欠落に起因する唐突さ、ある特定の事象を説明する一連のショットが分断されることによる不自然さ等を、当該要約映像を視聴する視聴者に感じさせてしまう場合がある。
このように、従来手法によって生成された要約映像を新たな一つのコンテンツとして利用する場合、必ずしも内容的に整合していないショットが機械的に結合されることによる要約映像には、質的な問題が生じる可能性が高い。
そして、要約映像生成装置は、重要度算出手段によって、ショットの特徴量に基づいて、当該ショットが元映像内において特徴的であることを示す指標である重要度スコアを算出する。例えば、重要度算出手段は、元映像内において、他のショットに対して色分布が異なる等、特徴的であるショットに対してより高いスコアを与える。
そして、要約映像生成装置は、整合性評価手段によって、整合性スコア記憶手段から、映像解析手段が検出したショットごとのシーンの距離に対応する整合性スコアを取得し、ショットの組合せに対して整合性スコアを対応付ける。
これによって、ショット選択・結合手段は、重要度の高いショットだけでは、そのショット間の変化が大きい場合でも、重要度の高いショットに整合性の度合いが大きいショットを付加することで、意味的な不連続性を緩和することができる。
本発明によれば、元映像で特徴的な重要度の高いショットのみを抽出するのではなく、重要度の高いショットに対して、さらに、整合性の度合いが大きいショットを付加して要約映像を生成することができる。
これによって、本発明は、元映像における各ショット間の意味的な不連続性を緩和することができ、映像の意味的な流れがより自然な要約映像を生成することができる。
≪第1実施形態≫
〔要約映像生成装置の構成〕
まず、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る要約映像生成装置1の構成について説明する。
図1に示すように、要約映像生成装置1は、映像解析手段10と、パラメータ設定手段20と、重要度算出手段30と、整合性スコア記憶手段40と、整合性評価手段50と、ショット選択・結合手段60と、を備える。
ショット検出手段12は、元映像の先頭から、検出したショットの順に、インデックスと、ショットの開始点および終了点を示す時間情報(例えば、時、分、秒、フレーム番号)と、特徴量と、を対応付けてシーン分類手段13に出力する。
(参考文献1)Evlampios Apostolidis, Vasileios. Mezaris, "Fast Shot Segmentation Combining Global and Local Visual Descriptors", Proceedings of IEEE International Conference on Acoustics, Speech and Signal Processing (ICASSP), 2014年.
シーン分類手段13は、ショット検出手段12から入力したショット順のインデックス、時間情報および特徴量に、さらに、シーンのインデックスを対応付けた分割映像リストを生成する。
(参考文献2)Panagoiotis Sidiropoulos, Vasileios. Mezaris, Hugo Meinedo, Miguel Bugalho, Isbel Trancoso, "Temporal Video Segmentation to Scenes Using High-Level Audiovisual Features", IEEE Transactions on Circuits and Systems for Video Technology, vol. 21, no. 8, pp. 1163-1177, 2011年.
シーンインデックスNsceneは、シーン分類手段13で分類されたシーンに対して、元映像の先頭から順番に付されたインデックスである。
なお、図2では、1ショット分のデータを、改行“\”を介して2行で示している。
例えば、分割映像リストL1の#00002をショットインデックスとするショットは、*0001のシーンに属し、開始点“00:00:04.18”、終了点“00:00:06.09”であり、特徴量が“0.2416”等であることを示している。
映像解析手段10は、生成した分割映像リストを、パラメータ設定手段20、重要度算出手段30、整合性評価手段50およびショット選択・結合手段60に出力する。
パラメータ設定手段20は、元映像から、分割映像リストで示されるショットのサムネイル画像を生成し、表示装置3に表示する。また、ユーザからの指示により、パラメータ設定手段20は、元映像を再生することとしてもよい。
ユーザは、サムネイル画像や再生画像を参照して、各種パラメータを設定する。なお、パラメータ設定手段20は、予めパラメータの初期値を記憶しておき、表示装置3に表示することとしてもよい。
「要約映像の長さ」は、要約映像生成装置1が生成する要約映像の長さであって、例えば、“05:00(5分)”のような時間長とする。
パラメータ設定手段20は、設定したパラメータを、ショット選択・結合手段60に出力する。
ここでは、重要度算出手段30は、映像解析手段10で生成された分割映像リストから、ショットの元映像内における重要度の度合いを示すスコア(重要度スコア)を算出する。この重要度算出手段30における重要度スコアの算出は、特開2012−10265等に記載されているような一般的な手法を用いればよい。
具体的には、重要度算出手段30は、ショット内から任意に抽出したキーフレームのブロック領域を視覚単語(visual word)とし、すべてのショットの視覚単語から、TF−IDF(term frequency-inverse document frequency)法によって求めたTF−IDF値を重要度スコアとする。
なお、ショットインデックスNshot、シーンインデックスNscene、ショット開始点Tstartおよびショット終了点Tendは、図2で説明した分割映像リストL1と同じものである。よって、シーンインデックスNscene、ショット開始点Tstartおよびショット終了点Tendについては、分割映像リストL1を参照することとして、重要度スコアリストL2から省略しても構わない。
重要度算出手段30は、生成した重要度スコアリストをショット選択・結合手段60に出力する。
通常、映像のシーンはシーン間の距離が離れるほど、意味内容の連続性の度合いが小さく(弱く)なる。そこで、ここでは、元映像におけるショット間の整合性の指標として、それぞれのショットが属するシーンの差に応じて予め整合性スコアを記憶しておく。
具体的には、整合性スコアは、ショット同士が共起する確率であって、要約映像の隣接するショットが元映像においてどれだけ離れたシーンで出現するのかを示す出現確率を、ショットが属するシーンの距離(シーン差分)ごとに学習したものである。なお、この出現確率の算出については、第2実施形態で説明する。
例えば、要約映像の隣接ショットに対応する元映像におけるシーン差分が“2”である出現確率は“0.2175”である。なお、シーン差分が“0”とは、隣接ショットが元映像において同一シーンに含まれていることを意味する。この出現確率が高いほど、あるショットに対して要約映像として同時に選択される度合いが大きい(強い)ことになる。
なお、この整合性スコアは、簡易的に、シーンの距離が近いほど大きく、遠いほど小さくした値で予め設定してもよい。
ショットインデックスNshot1,Nshot2は、元映像のショットの組合せを、図2で説明した分割映像リストL1に記載されているショットインデックスNshotの対として記載したものである。
整合性スコアCは、ショットインデックスNshot1,Nshot2のそれぞれのショットが属するシーンの距離(シーン差分)に対応する整合性スコア記憶手段40に記憶されている整合性スコア(出現確率)である。
整合性評価手段50は、生成した整合性スコアリストをショット選択・結合手段60に出力する。
候補ショット選択手段61は、重要度算出手段30で生成された重要度スコアリストのショットごとの重要度スコアに基づいて、分割映像リストから、パラメータ設定手段20で設定されたパラメータである候補ショット数だけショット(候補ショット)を選択する。
また、例えば、候補ショット選択手段61は、単純に、重要度スコアリストL2(図3参照)のショットごとの重要度スコアが高いショットから順に候補ショットを選択することとしてもよい。
候補ショット選択手段61は、生成した候補ショットリストを補間ショット探索手段62および候補ショット更新手段63に出力する。
補間ショット探索手段62は、整合性評価手段50で生成された整合性スコアリストを参照し、候補ショットリストの重要度スコアの高い順に、各候補ショットに対して整合性スコアが最も高いショットを補間ショットとして選択しリスト化する。例えば、補間ショット探索手段62は、図7に示すように、候補ショットと当該候補ショットに対して整合性スコアが高い補間ショットのショットインデックスNshotおよび時間情報(ショット開始点Tstart、ショット終了点Tend)を配列して補間ショットリストL5を生成する。
また、補間ショット探索手段62は、ある候補ショットに対応する補間ショットを探索する際に、当該候補ショットに対して元映像の時間上で前後する他の候補ショットの時刻情報で示される時間を超えて補間ショットを探索しないこととする。
補間ショット探索手段62は、生成した補間ショットリストを候補ショット更新手段63に出力する。
候補ショット更新手段63は、候補ショット選択手段61で生成された候補ショットリストに対して、補間ショット探索手段62で探索された補間ショットを、重要度スコアの大きさの順になるように追加する。
候補ショット更新手段63は、ショットの総時間長が要約映像の長さに達した候補ショットリストを、候補ショット結合手段64に出力する。
なお、元映像から、所定の時間区間の映像を切り出す処理、および、切り出したショット映像を結合する処理は、元映像の映像フォーマットに応じた既知の手法で行うことができる。例えば、候補ショット結合手段64は、以下の参考文献3に示すFFmpeg等を用いて映像の切り出し、結合を行うことができる。
(参考文献3)Frantisek Korbel,”FFmpeg Basics: Multimedia handling with a fast audio and video encoder,” CeateSpace Independent Publishing Platform, ISBN: 978-1479327836, 2012年.
これによって、要約映像生成装置1は、元映像における各ショット間の意味的な不連続性を緩和した要約映像を生成することができる。
次に、図9,図10を参照(構成については適宜図1参照)して、本発明の第1実施形態に係る要約映像生成装置1の動作について説明する。なお、ここでは、整合性スコア記憶手段40に、ショットが属するシーンの差に応じた整合性スコア(出現確率)を予め記憶しておくこととする。
ステップS1において、映像解析手段10の特徴量抽出手段11は、元映像からフレーム単位の特徴量を抽出する。
ステップS2において、ショット検出手段12は、ステップS1で抽出した特徴量に基づいて、元映像が変化する映像区間をショットとして検出する。
ステップS3において、シーン分類手段13は、ステップS2で検出したショットを、特徴量が類似する連続するショットの部分系列ごとにシーンとして分類する。
ステップS4において、映像解析手段10は、ステップS2で検出したショット順に、ショットインデックス、シーンインデックス、ショット開始点、ショット終了点および特徴量で構成される分割映像リストL1(図2参照)を生成する。
ステップS5において、パラメータ設定手段20は、ステップS4で生成された分割映像リストに基づいて、元映像からショットごとのサムネイル画像を生成する。
ステップS6において、パラメータ設定手段20は、パラメータの初期値と、ステップS5で生成したサムネイル画像とを、表示装置3に表示する。
ステップS7において、パラメータ設定手段20は、外部の入力装置2を介して、パラメータの変更を受け付ける。
ステップS9において、重要度算出手段30は、ステップS4で生成された分割映像リストのショットごとに、元映像内における重要度の度合いを示す重要度スコアを算出する。
ステップS10において、重要度算出手段30は、ショットのインデックスに当該ショットの重要度スコアを対応付けて重要度スコアリストL2(図3参照)を生成する。
ステップS10において、整合性評価手段50は、整合性スコア記憶手段40に記憶されているシーン差分に対応する整合性スコアを参照して、ショットの組合せに対して、それぞれのショットが属するシーンの差分を計算し、シーン差分に対応する整合性スコアを、当該ショットの組合せの評価値とする。
ステップ11において、整合性評価手段50は、ショットの組合せを示すショットインデックの対と、対応する整合性スコアとで構成される整合性スコアリストL3(図5参照)を生成する。
ステップS12において、ショット選択・結合手段60の候補ショット選択手段61は、ステップS11で生成された整合性スコアリストの重要度スコアの高いショットから順に、パラメータとして設定された数のショットを、要約映像の候補ショットとして選択して、候補ショットリストL4(図6参照)を生成する。
ステップS15において、候補ショット更新手段63は、ステップS14で走査した補間ショットを、候補ショットに追加した場合、候補ショットの総時間が、パラメータで指定された要約映像の長さ(時間長)に達していないか否かを判定する。
補間ショットを追加しても要約映像の時間長に満たない場合(ステップS15でYes)、ショット選択・結合手段60は、ステップS16に動作を進める。一方、補間ショットを追加して要約映像の時間長に達した場合(ステップS15でNo)、ショット選択・結合手段60は、ステップS18に動作を進める。
ステップS17において、候補ショット更新手段63は、補間ショットリストの終端まで走査したか否かを判定する。
補間ショットリストの終端まで走査した場合(ステップS17でYes)、ショット選択・結合手段60は、ステップS13に戻って、新たな候補ショットリストに対して、補間ショットリストの生成を行う。一方、補間ショットリストの終端まで走査していない場合(ステップS17でNo)、ショット選択・結合手段60は、ステップS14に戻って、補間ショットリストの走査を継続し、補間ショットの候補ショットへの追加を行う。
ステップS19において、候補ショット結合手段64は、ステップS18で切り出したショット映像を、元映像の時間順に結合することで、要約映像を生成する。
以上の動作によって、要約映像生成装置1は、元映像における重要度の高いショットに、当該ショットと連続性の度合いが大きい(強い)ショットを付加して意味的な不連続性を緩和した要約映像を生成することができる。
次に、図11を参照して、本発明の第2実施形態に係る要約映像生成装置1Bについて説明する。図1で説明した要約映像生成装置1は、整合性スコア記憶手段40に予め整合性スコアを記憶しておく構成であった。
要約映像生成装置1Bは、映像解析手段10と、パラメータ設定手段20と、重要度算出手段30と、整合性スコア記憶手段40と、整合性評価手段50と、ショット選択・結合手段60と、整合性スコア学習手段70と、を備える。整合性スコア学習手段70以外の構成は、図1で説明した要約映像生成装置1と同じ構成であるため、同一の符号を付して説明を省略する。
これによって、整合性スコア学習手段70は、整合性スコアとして、シーンの差分(距離d)ごとの出現確率(図4参照)を学習によって求めることができる。
整合性スコア学習手段70は、学習した整合性スコアを、シーン差分に対応付けて整合性スコア記憶手段40に書き込み記憶する。
なお、要約映像生成装置1Bの動作は、整合性スコア学習手段70における整合性スコアの学習の後は、図9,図10で説明した要約映像生成装置1の動作と同じであるため、説明を省略する。
10 映像解析手段
11 特徴量抽出手段
12 ショット検出手段
13 シーン分類手段
20 パラメータ設定手段
30 重要度算出手段
40 整合性スコア記憶手段
50 整合性評価手段
60 ショット選択・結合手段
61 候補ショット選択手段
62 補間ショット探索手段
63 候補ショット更新手段
64 候補ショット結合手段
70 整合性スコア学習手段
Claims (5)
- 元映像から当該元映像よりも映像時間が短い時間長となる要約映像を生成する要約映像生成装置であって、
前記元映像の変化点となるショットを検出するとともに、特徴量が類似する前記ショットの系列をシーンとして分類する映像解析手段と、
前記ショットの特徴量に基づいて、当該ショットが前記元映像内において特徴的であることを示す指標である重要度スコアを算出する重要度算出手段と、
予め学習した、シーンの時間方向の距離に対応したショット同士が共起する確率を、整合性スコアとして記憶した整合性スコア記憶手段と、
前記整合性スコア記憶手段から、前記映像解析手段が検出した前記ショットごとの前記整合性スコアを取得し、前記ショットの組合せに対して前記整合性スコアを対応付ける整合性評価手段と、
前記元映像から、前記重要度スコアにより重要度の高いショットを予め設定された数だけ選択するとともに、前記重要度の高いショットに対して、前記整合性スコアにより整合性の度合いが大きいショットを、予め設定された前記要約映像の時間長となるまで選択して結合するショット選択・結合手段と、
を備えることを特徴とする要約映像生成装置。 - 元映像内のショットおよびシーンと、当該元映像から生成した要約映像の元映像内におけるショットの位置とが既知の学習データから、
前記学習データの要約映像における隣接するショットが元映像の中に共起する確率を前記整合性スコアとして、前記元映像内のシーンの距離ごとに学習する整合性スコア学習手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の要約映像生成装置。 - 前記ショット選択・結合手段は、
前記重要度スコアの高いショットを予め設定された数だけ前記要約映像の候補ショットとして選択する候補ショット選択手段と、
前記重要度スコアの高い順にそれぞれの前記候補ショットに対して、すべてのショットから前記整合性スコアが最も高いショットを、前記要約映像の時間長を超過しない範囲で補間ショットとして探索する補間ショット探索手段と、
前記候補ショットに前記補間ショットを追加して前記候補ショットを更新する候補ショット更新手段と、
前記候補ショットを、前記元映像の時間順に前記元映像から切り出して結合するショット結合手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の要約映像生成装置。 - 前記候補ショット更新手段は、更新後の候補ショットの総時間長が、予め設定された前記要約映像の時間長に満たない場合、前記補間ショット探索手段に、前記更新後の候補ショットに対して新たな補間ショットを探索させることを特徴とする請求項3に記載の要約映像生成装置。
- コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の要約映像生成装置として機能させるための要約映像生成プログラム。
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