JP6915108B2 - グラファイト膜の製造方法 - Google Patents
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加熱および/または光照射によって同一分子同士および/または異なる分子間で縮合反応が起きる化合物(A)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
(a)−H基と−OH基とからH2Oが形成されて脱離することによる縮合反応、
(b)−H基と−OR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからROHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(c)−H基と−X基(XはハロゲンまたはCN)とからHXが形成されて脱離することによる縮合反応、
(d)−H基と−NH2基とからNH3が形成されて脱離することによる縮合反応、
(e)−H基と−NHR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRNH2が形成されて脱離することによる縮合反応、
(f)−H基と−NR1R2基(R1、R2は任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからR1R2NHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(g)−H基と−SH基とからH2Sが形成されて脱離することによる縮合反応、
(h)−H基と−SR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRSHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(i)−H基と−OOCR基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRCOOHが形成されて脱離することによる縮合反応、
(j)−H基と−OSO(OH)基とからH2SO3が形成されて脱離することによる縮合反応、
(k)−H基と−OSO2R基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからRSO2(OH)が形成されて脱離することによる縮合反応、
(l)−H基と−OSO2(OR)基(Rは任意の適切な置換または無置換のアルキル基)とからROSO3Hが形成されて脱離することによる縮合反応、
(m)−H基と−OSO2(OH)基とからH2SO4が形成されて脱離することによる縮合反応、
などが挙げられる。
(i)化合物(A)が、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)である場合、
(ii)化合物(A)が、2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格を有する化合物(a2)である場合、
の2つの場合のいずれかを採り得る。
(i)化合物(A)が、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)から選ばれる2種以上からなる場合、
(ii)化合物(A)が、2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格を有する化合物(a2)から選ばれる2種以上からなる場合、
(iii)化合物(A)が、1個の炭素6員環構造からなる骨格を有する化合物(a1)から選ばれる1種以上と2個以上の炭素6員環構造が結合および/または縮環した骨格を有する化合物(a2)から選ばれる1種以上とからなる場合、
の3つの場合のいずれかを採り得る。
本発明のグラファイト膜の製造方法は、下記のように、好ましくは、第一のグラファイト膜の製造方法、第二のグラファイト膜の製造方法が挙げられる。本発明においては、前述したような特徴的な化合物(A)を用いるため、気相プロセス、液相プロセスのいずれによっても、グラファイト膜を製造することができる。
本発明の第一のグラファイト膜の製造方法は、加熱および/または光照射によって同一分子同士および/または異なる分子間で縮合反応が起きる化合物(A)に加熱および/または光照射を行うことにより、グラファイト構造を形成する。
本発明の第二のグラファイト膜の製造方法は、加熱および/または光照射によって同一分子同士および/または異なる分子間で縮合反応が起きる化合物(A)を溶媒に分散および/または溶解させた組成物を基板に塗布した後、加熱および/または光照射することにより、グラファイト構造を形成する。
ラマン分光分析は以下の装置、条件により行った。
測定装置:顕微ラマン(日本分光NRS−3100)
測定条件:532nmレーザー使用
対物レンズ:20倍
CCD取り込み時間:1秒
積算:64回(分解能=4cm−1)
グラファイト構造が存在する場合は、該グラファイト構造に特有のGバンド(1600cm−1付近)、Dバンド(1350cm−1付近)、G’バンド(2700cm−1付近)が観察される。
原料としてmyo−イノシトール(東京化成工業社製)を、脱水アセトン(和光純薬工業)に溶解し、0.1%溶液を調製した。この溶液をアルミニウム基板に塗布し、窒素雰囲気下500℃で焼成した。焼成膜をラマン分光分析法によって分析した結果、グラファイト構造の存在が確認された。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図1に示した。
原料としてフロログルシノール(東京化成工業社製)を用いた以外は実施例1に記載の方法と同様の操作を行った。焼成膜をラマン分光分析法によって分析した結果、グラファイト構造の存在が確認された。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図2に示した。
原料として2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレン(東京化成工業社製)を用いた以外は実施例1に記載の方法と同様の操作を行った。焼成膜をラマン分光分析法によって分析した結果、グラファイト構造の存在が確認された。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図3に示した。
原料として1,3,5−トリブロモベンゼン(東京化成工業社製)を用いた以外は実施例1に記載の方法と同様の操作を行った。焼成膜をラマン分光分析法によって分析した結果、グラファイト構造の存在が確認された。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図4に示した。
簡易的なCVDを模した手法として、フロログルシノールを、窒素雰囲気下、蒸着によりあらかじめ350度に加熱したニッケル基板に製膜した。この膜をラマン分光分析法によって分析した結果、グラファイト構造の存在が確認された。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図5に示した。
原料としてピロガロール(東京化成工業社製)を用いた以外は実施例5に記載の方法と同様の操作を行った。この膜をラマン分光分析法によって分析した結果、グラファイト構造の存在が確認された。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図6に示した。
原料としてヒドロキノン(和光純薬工業社製)を用いた以外は実施例5に記載の方法と同様の操作を行った。この膜をラマン分光分析法によって分析した結果、グラファイト構造の存在が確認された。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図7に示した。
原料として1,3,5−トリメトキシベンゼン(和光純薬工業社製)を用いた以外は実施例5に記載の方法と同様の操作を行った。この膜をラマン分光分析法によって分析した結果、グラファイト構造の存在が確認された。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図8に示した。
原料としてカテコール(東京化成工業社製)を用いた以外は実施例5に記載の方法と同様の操作を行った。この膜をラマン分光分析法によって分析した結果、グラファイト構造の存在が確認された。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図9に示した。
原料としてレゾルシノール(東京化成工業社製)を用いた以外は実施例5に記載の方法と同様の操作を行った。この膜をラマン分光分析法によって分析した結果、グラファイト構造の存在が確認された。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図10に示した。
原料としてピレン(和光純薬工業社製)を用いた以外は実施例5に記載の方法と同様の操作を行った。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図11に示した。極小ながら炭素質構造に由来すると考えられるGバンドは確認できるが、それ以外のピークが多数存在すること、およびグラファイトに特徴的なG’バンドのピークが確認できないことから、単純に有機物の炭化であるアモルファスな炭素質の形成しか確認できなかった。
原料としてペリレン(東京化成工業社製)を用いた以外は実施例5に記載の方法と同様の操作を行った。ラマン分光分析法によって得られたラマンスペクトルチャートを図12に示した。極小ながら炭素質構造に由来すると考えられるGバンドは確認できるが、それ以外のピークが多数存在すること、およびグラファイトに特徴的なG’バンドのピークが確認できないことから、単純に有機物の炭化であるアモルファスな炭素質の形成しか確認できなかった。
Claims (2)
- 加熱および/または光照射によって同一分子同士および/または異なる分子間で縮合反応が起きる化合物(A)に加熱および/または光照射を行うことにより、グラファイト構造を形成することを含み、
該化合物(A)が、1個のベンゼン環骨格を有する化合物(a1)または2個以上のベンゼン環が縮環した骨格を有する化合物(a2)であり、
(a)該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の半数が−OH基であり、もう半数が−H基であるか、
(b)該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の半数が−H基であり、もう半数が−OR基(Rは置換または無置換のアルキル基)であるか、または
(c)該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の半数が−H基であり、もう半数が−X基(XはハロゲンまたはCN)であり、
該加熱および/または光照射時の温度が、200℃〜700℃である、グラファイト膜の製造方法。 - 加熱および/または光照射によって同一分子同士および/または異なる分子間で縮合反応が起きる化合物(A)を溶媒に分散および/または溶解させた組成物を基板に塗布した後、加熱および/または光照射することにより、グラファイト構造を形成することを含み、
該化合物(A)が、1個のベンゼン環骨格を有する化合物(a1)または2個以上のベンゼン環が縮環した骨格を有する化合物(a2)であり、
(a)該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の半数が−OH基であり、もう半数が−H基であるか、
(b)該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の半数が−H基であり、もう半数が−OR基(Rは置換または無置換のアルキル基)であるか、または
(c)該骨格の構造形成に寄与していない置換基の数の半数が−H基であり、もう半数が−X基(XはハロゲンまたはCN)であり、
該加熱および/または光照射時の温度が、200℃〜700℃である、グラファイト膜の製造方法。
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JP2020015958A JP6915108B2 (ja) | 2016-01-26 | 2020-02-03 | グラファイト膜の製造方法 |
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WO1990015776A1 (en) * | 1989-06-14 | 1990-12-27 | Temple University | Process for production of graphite flakes and films via low temperature pyrolysis |
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