JP6913454B2 - 揮発性有機塩素化合物の浄化方法 - Google Patents

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本発明は、揮発性有機塩素化合物を浄化する方法に関する。特に、本発明は、ロドコッカス(Rhodococcus)属の細菌を用いて過酸化水素の存在下で揮発性有機塩素化合物を浄化する方法に関する。
微生物を用いる浄化技術は、廃水処理における活性汚泥法、嫌気処理法等に広く利用されている。また、近年では、有害化学物質に汚染された土壌及び地下水を微生物によって浄化する技術(バイオレメディエーション)が、環境負荷及び浄化コストの小さい方法として注目されている。
例えば、嫌気性細菌を利用した浄化技術が報告されている。具体的には、トリクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン等の塩素化エチレン類で汚染された地下水を浄化するために、微生物の栄養源となる有機物を浄化井戸等から帯水層中に注入し、地下水を嫌気環境にし、嫌気性脱塩素化細菌を活性化させて、塩素化エチレンを無害なエチレンに浄化する技術が広く実用化されている(非特許文献1)。しかしながら、この技術では、脱塩素化細菌が塩素化エチレンの塩素を一個ずつ水素に置換するため、浄化過程において塩化ビニルモノマーが中間生成物として必ず生成する(図1)。塩化ビニルモノマーは、環境省により2009年に地下水環境基準の項目に追加されている。塩化ビニルモノマーの規制濃度はトリクロロエチレン及びシス-1,2-ジクロロエチレンと比較して1オーダー以上小さいことから、浄化の進捗状況によっては地下水中に環境基準値を大幅に超過する塩化ビニルモノマーが生成し、二次的な地下水汚染が生じるおそれがある。
嫌気性細菌を利用した浄化技術に加えて、好気性細菌を利用した浄化技術も報告されている。好気性細菌として、トリクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン等を分解可能な好気性細菌の存在が多く報告されている。好気的な脱塩素化反応は、トルエン、フェノール、メタン等を単一炭素源として増殖するトルエン資化性菌、フェノール資化性菌、メタン資化性菌等によって主に行われる。これらの菌が、トルエン、フェノール、メタン等を好気条件下で炭素源として利用する際に生成する酸化酵素は、基質特異性が広い。例えば、メタンオキシゲナーゼの場合、メタンと共にトリクロロエチレンが存在していると、メタンの酸化に加えて、トリクロロエチレンの共代謝(共酸化)反応が同時に進行して、トリクロロエチレンの脱塩素化反応が促進することが知られている。しかしながら、これらの共代謝反応を促進するために必要な炭素源(電子供与体)は、トルエン、フェノール等の有害な物質であったり、メタン等の水に溶解しにくい物質であったりするため、地下環境への炭素源の有効な供給手段が存在しないことが課題となっていた。
なお、炭素源を必要としない細菌を利用した浄化技術も報告されている(特許文献1)。特許文献1は、炭素源を必要としない細菌(JMP1000株)、及び過酸化水素水から供給される酸素を用いた浄化技術を開示している。JMP1000株は1,000 ppm(0.1%)の過酸化水素水に対して耐性を有することが開示されている。具体的には、特許文献1は、バイアル瓶に1,000 ppmの過酸化水素を含む培地、及びJMP1000株の菌懸濁液(菌体濃度:3.1×107 cfu/ml)1 mlを添加し、完全密封した後、トリクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレンを液中濃度が10 ppm(10 mg/l)となるようにガスタイトシリンジで添加し、20℃で80時間振盪培養した結果、トリクロロエチレンが59%分解し、トランス-1,2-ジクロロエチレンが71%分解したことを開示している。JMP1000株の分解能は十分ではなく、4日程度ではトリクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレンを完全に分解することはできない。なお、特許文献1は、JMP1000株によるシス-1,2-ジクロロエチレンの分解について開示していない。
特開平10-295366号公報
化学と生物, Vol. 49, No. 4, pp. 256-260, 2011
以上の通り、微生物を利用して塩素化エチレン等の揮発性有機塩素化合物を分解する方法は数多く報告されているが、未だ改善の余地が残されている。
従って、本発明は、揮発性有機塩素化合物を浄化(分解)する新たな方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、カタラーゼ生成能と、酸素の存在下で揮発性有機塩素化合物を分解する能力を有する細菌、及び過酸化水素を使用することによって、前記細菌が、カタラーゼの作用によって過酸化水素から供給される酸素を利用して、揮発性有機塩素化合物を効率的に分解できることを見出した。
即ち、本発明は以下を含む。
[1]カタラーゼ生成能と、酸素の存在下で揮発性有機塩素化合物を分解する能力とを有する細菌を過酸化水素の存在下で揮発性有機塩素化合物に作用させて、当該揮発性有機塩素化合物を分解する分解工程を含む、揮発性有機塩素化合物の浄化方法。
[2]前記揮発性有機塩素化合物がトリクロロエチレン及び/又はシス-1,2-ジクロロエチレンである、[1]に記載の方法。
[3]前記細菌がロドコッカス(Rhodococcus)属の細菌である、[1]又は[2]に記載の方法。
[4]前記ロドコッカス(Rhodococcus)属の細菌がロドコッカス・ジョスティ(Rhodococcus jostii)RHA1株である、[3]に記載の方法。
[5]前記揮発性有機塩素化合物が地下水に含まれており、当該地下水を原位置で浄化する、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記過酸化水素が、前記地下水に導入された後3日以内に消失して酸素に変換される、[5]に記載の方法。
[7]前記過酸化水素を、前記地下水中の濃度が0.02%以下になるように導入し、ロドコッカス・ジョスティ(Rhodococcus jostii)RHA1株を、前記地下水中の菌数が5.0×108cells/ml以上になるように導入する、[5]又は[6]に記載の方法。
本発明によれば、所定の能力を有する細菌及び過酸化水素を使用するだけで、揮発性有機塩素化合物を効率的に分解することができる。
酸素を利用した揮発性有機塩素化合物の分解経路を示す。 様々な濃度の過酸化水素の存在下におけるRHA1株の生育曲線を示す。 様々な濃度の過酸化水素の存在下におけるRHA1株によるトリクロロエチレンの分解状況を示す。 様々な濃度の過酸化水素の存在下における様々な濃度のTDR12株(揮発性有機塩素化合物の分解遺伝子を消失させたRHA1株の変異株)によるトリクロロエチレンの分解状況を示す。 様々な条件(対照、カタラーゼ試薬、又はRHA1株)における過酸化水素濃度の経時変化を示す。 様々の濃度の過酸化水素の存在下における様々な濃度のRHA1株によるシス-1,2-ジクロロエチレンの分解試験における過酸化水素濃度の経時変化を示す。 様々の濃度の過酸化水素の存在下における様々な濃度のRHA1株によるシス-1,2-ジクロロエチレンの分解状況を示す。 過酸化水素の存在下における様々な濃度のRHA1株によるシス-1,2-ジクロロエチレンの分解試験における過酸化水素濃度の経時変化を示す。 過酸化水素の存在下における様々な濃度のRHA1株によるシス-1,2-ジクロロエチレンの分解状況を示す。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、所定の能力を有する細菌を過酸化水素の存在下で揮発性有機塩素化合物に作用させて、当該揮発性有機塩素化合物を分解する分解工程を含む、揮発性有機塩素化合物の浄化方法に関する。
所定の能力を有する細菌としては、カタラーゼ生成能と、酸素の存在下で揮発性有機塩素化合物を分解する能力を有するものを使用する。好ましくは、過酸化水素に対する耐性を更に有する細菌を使用する。
「カタラーゼ」とは、過酸化水素を酸素及び水に分解する酵素である。
「過酸化水素に対する耐性」を有する細菌とは、過酸化水素の存在下においてもカタラーゼを生成して過酸化水素を酸素に変換できる細菌を意味する。具体的には、0.01%の濃度の過酸化水素の存在下、好ましくは0.05%の濃度の過酸化水素の存在下、より好ましくは0.1%の濃度の過酸化水素の存在下、更に好ましくは0.5%の濃度の過酸化水素の存在下においてもカタラーゼを生成して過酸化水素を酸素に変換できる細菌を意味する。
揮発性有機塩素化合物の分解に使用される酸素は、空気中に含まれる酸素であってもよいし、カタラーゼの作用によって過酸化水素から生成される酸素であってもよい。
本発明に係る方法では、前記細菌が酸素を利用して揮発性有機塩素化合物を効率的に分解することができる(図1)。
カタラーゼ生成能と、酸素の存在下で揮発性有機塩素化合物を分解する能力を有する細菌として、ロドコッカス(Rhodococcus)属の細菌を使用することができる。ロドコッカス(Rhodococcus)属の細菌としては、ロドコッカス・アイシェンシス(Rhodococcus aichiensis)、ロドコッカス・オーランティアカス(Rhodococcus aurantiacus)、ロドコッカス・バイコヌレンシス(Rhodococcus baikonurensis)、ロドコッカス・ブロンキアリス(Rhodococcus bronchialis)、ロドコッカス・クロロフェノリカス(Rhodococcus chlorophenolicus)、ロドコッカス・チュブエンシス(Rhodococcus chubuensis)、ロドコッカス・コプロフィラス(Rhodococcus coprophilus)、ロドコッカス・コラリヌス(Rhodococcus corallinus)、ロドコッカス・コリネバクテリオイデス(Rhodococcus corynebacterioides)、ロドコッカス・エクイ(Rhodococcus equi)、ロドコッカス・エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)、ロドコッカス・ファシアンス(Rhodococcus fascians)、ロドコッカス・グロベルルス(Rhodococcus globerulus)、ロドコッカス・ジョスティ(Rhodococcus jostii)、ロドコッカス・コーリエンシス(Rhodococcus koreensis)、ロドコッカス・クロッペンステッティイ(Rhodococcus kroppenstedtii)、ロドコッカス・マンシャネシス(Rhodococcus maanshanensis)、ロドコッカス・マリノナセンス(Rhodococcus marinonascens)、ロドコッカス・マリス(Rhodococcus maris)、ロドコッカス・オパカス(Rhodococcus opacus)、ロドコッカス・ペルコラタス(Rhodococcus percolatus)、ロドコッカス・ピリジノボランス(Rhodococcus pyridinivorans)、ロドコッカス・ロドニ(Rhodococcus rhodnii)、ロドコッカス・ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)、ロドコッカス・ルーバー(Rhodococcus ruber)、ロドコッカス・テラエ(Rhodococcus terrae)、ロドコッカス・トリアロマエ(Rhodococcus triatomae)、ロドコッカス・ツキサムエンシス(Rhodococcus tukisamuensis)、ロドコッカス・ラチスラヴィエンシス(Rhodococcus wratislaviensis)、ロドコッカス・ユンナネンシス(Rhodococcus yunnanensis)、ロドコッカス・ゾフィ(Rhodococcus zopfii)等を挙げることができる。
特に限定するものではないが、揮発性有機塩素化合物をより効率的に分解するためには、ロドコッカス(Rhodococcus)属の細菌として、ロドコッカス・ジョスティ(Rhodococcus jostii)を使用することが好ましく、ロドコッカス・ジョスティ(Rhodococcus jostii)RHA1株(以下、単に「RHA1株」という)を使用することが特に好ましい。RHA1株は、製品評価技術基盤機構から入手することができる(NBRC 108803)。
RHA1株は、γ-ヘキサクロロシクロヘキサン汚染圃場から単離された好気性細菌であり、ポリ塩化ビフェニル(PCB)を分解するために広く使用されている(例えば、特許第2990016号)。RHA1株はPCBをビフェニル分解酵素系で共代謝する。ビフェニルはビフェニルジオキシゲナーゼ(BphA)、ジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ(BphB)、2,3-ジヒドロキシビフェニル 1,2-ジオキシゲナーゼ(BphC)、及び2-ヒドロキシ-6-オキソ-6-フェニルヘキサ-2,4-ジエノエートヒドロラーゼ(BphD)からなる一連の反応により、安息香酸及び2-ヒドロキシペンタ-2,4-ジエン酸に変換される。BphDの反応で生じた2-ヒドロキシペンタ-2,4-ジエン酸はピルビン酸及びアセチル-CoAに変換され、安息香酸はカテコール及び3-オキシアジピン酸を経由してスクシニル-CoA及びアセチル-CoAに変換され、これらは最終的にクエン酸回路へ導かれ、炭素源及びエネルギー源として利用される。
BphA、BphB、BphC、及びBphDのそれぞれについて、複数のアイソザイムの存在が明らかになっている。BphAにおいては、bphAaAb、etbAa1Ab1及びetbAa2Ab2にコードされる3種類のジオキシゲナーゼ成分で構成されるアイソザイムが見出されている。BphBにおいては、bphB1及びbphB2にコードされる2種類のアイソザイムが見出されている。BphCにおいては、bphC1及びetbCにコードされる2種類のアイソザイムが見出されている。BphDにおいては、bphD、etbD1、及びetbD2にコードされる3種類のアイソザイムが見出されている。これらの酵素遺伝子は、5つの酵素クラスターを形成して、巨大線状プラスミドpRHL1又はpRHL2上に分布している。
RHA1株は、ビフェニルジオキシゲナーゼ(BphA及びEtbA)の水酸化反応によって揮発性有機塩素化合物を分解することができる。
揮発性有機塩素化合物としては、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、シス-1,2-ジクロロエチレン、トランス-1,2-ジクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレン、塩化ビニルモノマー等の塩素化エチレン類を挙げることができる。特に限定するものではないが、本発明に係る方法では、特にトリクロロエチレン及びシス-1,2-ジクロロエチレンを対象とする。
RHA1株を用いて塩素化エチレン(特にトリクロロエチレン及びシス-1,2-ジクロロエチレン)を分解する場合、分解過程において塩化ビニルモノマーが生成しないため、二次的な環境汚染を回避することができる。また、RHA1株は、浄化対象物質自体を誘導基質として利用できるため、トルエン、フェノール等の有害な誘導基質を使用する必要がなく、更なる環境汚染を回避することができる。更に、RHA1株は、誘導基質としてメタン等の水に溶解しにくい物質を使用する必要がないため、RHA1株と過酸化水素のみを浄化対象とする環境に導入することにより浄化を行うことができる。
本発明に係る方法では、前記細菌が酸素を利用して揮発性有機塩素化合物を分解する。そのため、本発明に係る方法は好気環境で行うことができる。「好気環境」とは、前記細菌が揮発性有機塩素化合物を分解するのに十分な量の酸素が存在する環境である。好気環境としては、酸素が十分に存在する地上環境を挙げることができる。
本発明に係る方法では、前記細菌が有するカタラーゼの作用により過酸化水素から酸素を供給することができる。そのため、本発明に係る方法は酸素が少ない微好気環境や酸素が無い嫌気環境で行うこともできる。「微好気環境」とは、酸素が存在するが、前記細菌が揮発性有機塩素化合物を分解するのに十分な量の酸素は存在しない環境である。「嫌気環境」とは、酸素が全く存在しない環境である。微好気環境又は嫌気環境としては、酸素が十分に存在しない又は全く存在しない地下環境、例えば、地下水、地下土壌等を挙げることができる。
例えば、本発明の一実施形態では、前記細菌及び過酸化水素を揮発性有機塩素化合物で汚染された地下環境に注入して、当該地下環境を浄化する方法を対象とする。本発明の更なる実施形態では、前記細菌及び過酸化水素を揮発性有機塩素化合物を含む地下水に注入して、当該地下水を原位置で浄化する方法を対象とする。
従来、好気性細菌を利用して地下環境の汚染を浄化する場合、地下環境に酸素を導入する必要があった。地下環境に酸素を導入する方法としては、過酸化マグネシウムを主成分とする酸素徐放剤の注入、高濃度酸素水の注入、マイクロナノレベル微細酸素気泡の注入、オゾンの注入、エアスパージング等が知られている。一方、本発明に係る方法では、カタラーゼ生成能を有する細菌及び過酸化水素を注入することによって、カタラーゼの作用により過酸化水素から酸素を供給することができる。過酸化水素を利用することにより、地下環境への酸素供給効率を上げることができ、且つ地下環境への酸素供給コストを下げることができる。
一方、地下環境に過酸化水素を注入することによって、過酸化水素は細菌が生成するカタラーゼによって酸素を生成するだけでなく、過酸化水素が地盤中の鉄化合物等の触媒物質と反応(ヒドロキシラジカル反応)することによっても酸素が生成する。ヒドロキシラジカル反応が起こると細菌に有害なヒドロキシラジカルが発生して細菌が死滅する。本発明者らは、細菌によるカタラーゼ反応が地盤中のヒドロキシラジカル反応より速く進行することを発見したため、過酸化水素をできるだけカタラーゼ反応によって酸素に変換するため、一定濃度の細菌を過酸化水素と共に地盤に導入することの重要性が明らかとなった。
過酸化水素は、前記細菌が揮発性有機塩素化合物を分解するのに十分な酸素が供給され、且つヒドロキシラジカルの生成がなるべく抑えられる濃度となるように、地下環境に注入されることが好ましい。具体的な過酸化水素濃度は、使用する細菌の種類、地下環境に残存する酸素の濃度等に応じて適宜変更されるが、過酸化水素濃度が0.02%であれば酸素は十分に供給され、その際RHA1株が地下水中に5×108cells/mLの濃度で存在すれば、RHA1株のヒドロキシラジカルによる阻害を小さくできる。そのため、地下水中の過酸化水素濃度が0.02%以下となり、且つRHA1株が地下水中に5×108cells/mL以上の濃度になるように注入量を調整することが好ましい。地下水中の過酸化水素濃度の下限は、例えば、0.01%、0.005%、0.001%等としてもよい。地下水中のRHA1株濃度の上限は、例えば、1×109cells/mL、5×109cells/mL、1×1010cells/mL等としてもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
[実施例1]RHA1株の過酸化水素に対する耐性評価試験
本試験では、RHA1株の過酸化水素に対する耐性を評価するために、過酸化水素濃度を段階的に変化させたコハク酸培地においてRHA1株の増殖状況を確認した。
10mlのLB液体培地(1 g/l Bacto tryptone、0.5 g/l Yeast extract、0.5 g/l NaCl)にRHA1株を植菌して、一昼夜培養した。培養液から菌体を遠心分離(5,000 rpm、5分、4℃)によって回収し、5 mlのW無機塩培地(表1)で2回洗浄後、1 mlのW無機塩培地に菌体を懸濁した。5 ml容量の小型L字管中に、培養液をOD600が0.4になるようにW無機塩培地で5 ml調製した。培地には炭素源として終濃度10 mMのコハク酸を添加し、過酸化水素を終濃度が0%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1.0%になるように添加した。小型L字管を自動OD測定培養機(ADVANTEC)に設置し、70 rpmの回転数及び30℃で培養した。培養液の懸度(660 nmでの吸光度)を1時間置きに自動的に測定して記録した。
試験の結果を図2に示す。過酸化水素濃度0%では、培養6時間から30時間にかけて対数増殖期が観察され、40時間でA660が1.3程度となって定常期に達した。これと同様の生育が、過酸化水素濃度0.01%及び0.05%でも観察された。過酸化水素濃度0.1%では、生育の誘導期が約3倍に延びて生育の遅延が観察されたが、対数増殖期の増殖速度は過酸化水素濃度0%の場合とほぼ同様であった。過酸化水素濃度0.5%では、生育能の低下が観察されたが、培養70時間でA660が0.6程度になるまで増殖した。過酸化水素濃度1.0%では、培養6時間でA660が低下し、そのまま増殖しなかった。
以上の結果から、RHA1株は少なくとも0.5%までの過酸化水素に対して耐性を有することが示唆された。一方、大腸菌では0.6 mM(≒0.002%)の過酸化水素に対しても感受性を示すことが報告されている。そのため、RHA1株の過酸化水素に対する耐性は高いと判断される。
Figure 0006913454
[実施例2]RHA1株のトリクロロエチレン(TCE)分解能に対する過酸化水素の影響評価試験
本試験では、RHA1株のトリクロロエチレン分解能に対する過酸化水素の影響を評価するために、過酸化水素濃度を段階的に変化させたコハク酸培地においてトリクロロエチレンの分解試験を行った。
20 mMのコハク酸を含むW無機塩培地を200 ml用意し、そこにLB培地で一昼夜培養したRHA1株をOD600が0.1になるように加え、120 rpm及び30℃で24時間培養した。その後、培養液に4 mmol(20 mM分)のコハク酸を追加し、更に24時間培養した。培養後の菌体を遠心分離(5,000 rpm、5分、4℃)により回収し、30 mlのW無機塩培地を用いて菌体洗浄を2回繰り返した。100 mlの褐色ガラスバイアル中に、W無機塩培地を用いて、OD600が10(≒1.0×108cfu/ml)の懸濁液を20 ml調製した。懸濁液に終濃度が10 mg/lとなるようにトリクロロエチレンを加え、速やかにテフロンコートされたブチルゴム栓で密栓し、トリクロロエチレンの気液平衡の安定化のために180 rpm及び30℃で1時間振盪した。試験期間中、バイアルをインキュベーターで保管し、180 rpm及び30℃で振盪し続けた。過酸化水素は0日目の測定直後にマイクロシリンジで終濃度が0%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%となるように、ゴム栓からバイアルに直接注射して添加した。トリクロロエチレンの定量は、バイアルの上部からガスタイトシリンジを用いて400 μlの気相サンプルを採取してガスクロマトグラフィー−水素炎イオン化検出器(GC-FID)で分析した。解析では、トリクロロエチレンに由来するピークから面積を算出し、測定開始時のピーク面積を基準として、バイアル内に残存するトリクロロエチレンの割合を日数経過ごとに求めた。
試験の結果を図3に示す。RHA1株は、過酸化水素濃度0.1%までは、過酸化水素が存在しない条件と同様にトリクロロエチレンを分解した。過酸化水素濃度0.5%ではトリクロロエチレン分解能の低下が若干見られたが、3日間でトリクロロエチレンを95%程度まで分解した。
比較対照試験として、RHA1株由来のbphT1、bphT2二重遺伝子破壊株(TDR12株)を用いて、過酸化水素存在下におけるトリクロロエチレンの分解試験を行った。RHA1株のトリクロロエチレン分解を担うビフェニルジオキシゲナーゼBphA及びEtbAの発現は、2組のBphS-BphT二成分制御システムにより転写レベルでポジティブに制御されている。bphT1、bphT2二重遺伝子破壊によってトリクロロエチレン分解能を封じたRHA1株由来のTDR12株を本試験で使用した。
上記と同様の条件で試験を行った結果、過酸化水素濃度0.1%までは、トリクロロエチレンの分解は観察されなかった(図4)。過酸化水素濃度0.5%では約4割のトリクロロエチレンの分解が観察された。以上の結果から、TDR12株はトリクロロエチレンを分解しないことが示された。過酸化水素濃度0.5%におけるトリクロロエチレンの部分的な分解は、菌体を触媒とした過酸化水素によるトリクロロエチレンの化学的な分解(ヒドロキシラジカル反応)であると推察された。
以上の結果から、過酸化水素を添加した培地(土壌のように触媒物質が存在しない環境)においては、過酸化水素濃度が0.1%以下であると、過酸化水素による阻害を受けずにRHA1株がトリクロロエチレンを分解することが示された。
[実施例3]RHA1株のカタラーゼ生成能の確認試験
本試験では実汚染地下水中において、過酸化水素がRHA1株から生成されるカタラーゼによって分解されるかを確認するためにRHA1株と市販のカタラーゼ試薬を用いて試験を行った。
100 mlのLB液体培地(1 g/l Bacto tryptone、0.5 g/l Yeast extract、0.5 g/l NaCl)にRHA1株を植菌して、一昼夜培養した。20 mMのコハク酸、1 g/lの酵母エキス、5 mMの硫酸アンモニウムを添加したW無機塩培地(SYW培地)を200 ml用意し、そこにLB液体培地で一昼夜培養したRHA1株を加え、100 rpm及び30℃で48時間培養した。培養後の菌体を遠心分離(5,000 rpm、10分、4℃)により回収し、W無機塩培地を用いて菌体洗浄を行ったものを分解試験に使用した。
表2に試験条件を示す。条件2はウシ肝臓由来のカタラーゼ溶液を、条件3はRHA1株をそれぞれ添加した。カタラーゼはリン酸緩衝液に溶解して、0.02%過酸化水素が全て分解するのに必要な量のカタラーゼ溶液を添加した。条件1はRHA1株及びカタラーゼ試薬を添加しない対照区とした。それぞれ使用するバイアル瓶に地下水、菌液を投入後、過酸化水素、カタラーゼ試薬をバイアル瓶内に添加した。ブチルゴム栓とアルミシールにより密栓した後、手動により攪拌して均質化し、20 ℃の恒温槽内で静置培養を行った。各条件のバイアル瓶を複数本作成し,0、3、7日経過後にバイアル瓶を開栓して上澄み液をピペットで採取して分析を行った。
図5に各条件の過酸化水素濃度の経時変化を示す。RHA1株を添加した条件3及びカタラーゼ溶液を添加した条件2では、過酸化水素全量が試験開始直後に消費された。この結果よりRHA1株はカタラーゼを生成し、過酸化水素を分解したことが示された。一方でRHA1株、カタラーゼ溶液を添加しなかった条件1では過酸化水素が残存した。
以上の結果より、RHA1株はカタラーゼを生成し過酸化水素を瞬時に分解して酸素を生成していることが示された。
Figure 0006913454
[実施例4]実汚染地下水を用いたRHA1株と過酸化水素の同時導入によるシス-1,2-ジクロロエチレン分解試験
本試験では、実汚染サイトの地下水中においてRHA1株と過酸化水素を同時に導入して、過酸化水素の分解に伴う酸素供給によりシス-1,2-ジクロロエチレン(cis-DCE)が分解するか検討を行った。
表3に試験条件を示す。それぞれ使用するバイアル瓶に少量の土壌(砂質土)、地下水、実施例3と同様の方法で調製した菌液を投入後、cis-DCE濃縮液及び過酸化水素をバイアル瓶内が満水となるように予め投入量を計算して添加した。ブチルゴム栓とアルミシールにより密栓した後、手動により土壌と地下水を攪拌して均質化し、20 ℃の恒温槽内で静置培養を行った。各条件のバイアル瓶を複数本作成し,0、1、3、7日経過後にバイアル瓶を開栓して上澄み液をピペットで採取して分析を行った。菌体量はRHA1株を未添加、1.0×108 cells/ml、5.0×108 cells/mlの3条件で評価した。また、添加する過酸化水素は液相部における終濃度で0.02%と0.1%の2条件を検討した。
図6に各条件の過酸化水素濃度の経時変化を示す。この結果、試験開始直後に過酸化水素がカタラーゼ反応によって全て消費された条件(即ち、過酸化水素が残存することによりヒドロキシラジカル反応が生じてRHA1株が阻害されることのない条件)は条件1-2、条件1-3、条件1-6であることが確認できた。条件1-5は過酸化水素濃度に対してRHA1株の導入量が少なく、ヒドロキシラジカル反応によってRHA1株がダメージを受け、カタラーゼが生成しなくなったと考えられる。
図7に試験開始直後に過酸化水素がカタラーゼ反応によって全て消費された条件におけるcis-DCE残存率を示す。条件1-2では試験開始直後に導入した過酸化水素は酸素に変換されたが、cis-DCEの分解はほとんどみられなかったため、導入したRHA1株菌体濃度が足りていないと考えられた。RHA1株菌体濃度が同様の条件である条件1-3及び条件1-6を比較すると、過酸化水素濃度が低い0.02%の方でcis-DCEが良く分解していることが示され、水中の過酸化水素濃度が0.02%であれば分解に必要な酸素が十分に確保できることが示された。
以上の結果より、過酸化水素全量をカタラーゼ反応によって短時間で酸素に変換する条件(即ち、導入したRHA1株がヒドロキシラジカル反応によって阻害を受けにくい条件)は、過酸化水素濃度を必要な酸素量を確保できる範囲内でできるだけ少なくすることが重要であり、本試験ではRHA1株の菌数が5×108cells/mLに対して、過酸化水素濃度を0.02%に設定することが最適であることが示された。
Figure 0006913454
[実施例5]実汚染帯水層を模擬した環境におけるRHA1株と過酸化水素添加によるシス-1,2-ジクロロエチレン分解試験
本試験では、実汚染サイトの帯水層(土壌と地下水が存在する模擬環境)においてRHA1株と過酸化水素を添加して、cis-DCEが分解するか検討を行った。
表4に試験条件を示す。バイアル瓶に土壌、地下水(全ての条件で気相部がほとんど無くなるように設定)、実施例3と同様にRHA1株を培養及び洗浄した菌液を投入後、cis-DCE濃縮液及び過酸化水素を添加し、ブチルゴム栓で密栓した。この試験では実施例4の試験と比較して土壌の量を1 gから50 gに変更して実施した。密閉後のバイアル瓶は手動により土壌と地下水を攪拌して均質化した後、20℃の恒温槽内で静置培養を行った。各条件につきバイアル瓶を複数本作成し、0、3、7日経過後に開栓して静置した状態で上澄み液を採取して分析を行った。本試験では瓶の底部から約4割が土壌で浸漬する条件に対して終濃度で0.02%の過酸化水素を加え、RHA1株の導入量によるcis-DCEの分解量を評価した。
図8に各条件の過酸化水素濃度の経時変化を示し,図9にcis-DCE残存率を示す。図8より各条件における開始直後の過酸化水素濃度が異なるのは、過酸化水素が添加した瞬時に土壌中の触媒物質との反応およびRHA1株が産生するカタラーゼとの反応により消費されたことで、初期濃度に差が見られた。実施例4の条件1-1と、過酸化水素を終濃度で0.02%添加してRHA1株を導入しない本試験の条件2-1とを比較すると、土壌を多く添加した条件2-1では3日間で過酸化水素が消失した。これは土壌量が多くなり触媒物質が増加したことによって、ヒドロキシラジカル反応による過酸化水素の消費が早くなったことが示された。条件2-2では過酸化水素が消失した3日目以降にcis-DCEが減少しなかったが、条件2-3ではRHA1株を導入しなかった条件2-1と比較しても明確にcis-DCEの減少が確認されたことからRHA1株による生分解が行われたことが推察された。なお、過酸化水素は3日以内に酸素に分解されたが、3日目以降のRHA1株による生分解はバイアル瓶内に残存していた酸素を消費することで進行したと思われる。
以上の結果より、終濃度で0.02%の過酸化水素添加量に対して5×108cells/mL以上のRHA1株を帯水層に導入し、3日以内に地下水中の過酸化水素が完全に消失していれば、RHA1株の導入によってcis-DCEの浄化を行うことができることが示された。
Figure 0006913454

Claims (1)

  1. カタラーゼ生成能と、酸素の存在下で揮発性有機塩素化合物を分解する能力とを有する細菌を過酸化水素の存在下で揮発性有機塩素化合物に作用させて、当該揮発性有機塩素化合物を分解する分解工程を含み、前記細菌がロドコッカス(Rhodococcus)属の細菌であるロドコッカス・ジョスティ(Rhodococcus jostii)RHA1株であり、
    前記揮発性有機塩素化合物が地下水に含まれており、当該地下水を原位置で浄化し、
    前記過酸化水素を、前記地下水中の濃度が0.02%以下になるように導入し、前記ロドコッカス・ジョスティ(Rhodococcus jostii)RHA1株を、前記地下水中の菌数が5.0×108 cells/ml以上になるように導入する、発性有機塩素化合物の浄化方法。
    を求める。
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