(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御(一般的なパチンコ遊技機の構成及び制御でもある。)について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bが設けられている。これらは、それぞれ、7セグメントのLEDなどからなる。特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(後述の他の図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の飾り図柄の変動では、複数種類の飾り図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の飾り図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
なお、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。なお、特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)や有機EL(ElectroLuminescence)等から構成され、各種の演出画像を表示する。画像表示装置5は、プロジェクタ及びスクリーンから構成されていてもよい。画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。なお、同期して実行される特図ゲーム及び飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示や、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示を表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示及びアクティブ表示を総称して可変表示に対応する可変表示対応表示ともいう。
保留されている可変表示の数は保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数を第1保留記憶数、第2特図ゲームに対応する保留記憶数を第2保留記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数ともいう。
また、遊技盤2の所定位置には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられ、第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示し、第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bとが設けられている。
入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。
可変入賞球装置6B(普通電動役物)は、ソレノイド81(図2参照)によって閉鎖状態と開放状態とに変化する第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば、一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化するものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左右下方4箇所)には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。この場合には、一般入賞口10のいずれかに進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。
入賞球装置6Aと可変入賞球装置6Bの下方には、大入賞口を有する特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用(特別電動役物用)のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口及び一般入賞口10に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
一般入賞口10を含む各入賞口に遊技球が進入することを「入賞」ともいう。特に、始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口始動口)への入賞を始動入賞ともいう。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行う。普通図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲームともいう。
画像表示装置5の左方には、遊技球が通過可能な通過ゲート41が設けられている。遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づき、普図ゲームが実行される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技盤2の所定位置(図1では図示略)には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)30が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する打球供給皿(上皿)が設けられている。上皿の下方には、上皿満タン時に賞球が払い出される打球供給皿(下皿)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aには、遊技者が押下操作可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、コントローラセンサユニット35A(図2参照)により検出される。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bに対する操作は、プッシュセンサ35B(図2参照)により検出される。
パチンコ遊技機1では、遊技者の動作(操作等)を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが設けられるが、これら以外の検出手段が設けられていてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドル30への遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間等に遊技球が通過ゲート41を通過した場合(遊技球が通過ゲート41を通過したが当該通過に基づく普図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普図ゲームは所定の上限数(例えば4)まで保留される。
この普図ゲームでは、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、普図当り図柄以外の普通図柄(普図ハズレ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」となると、可変入賞球装置6Bを所定期間開放状態とする開放制御が行われる(第2始動入賞口が開放状態になる)。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始される。
可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始される。
なお、特図ゲームの実行中の期間や、後述する大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ進入(入賞)した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特図ゲームを直ちに実行できない場合)には、当該進入に基づく特図ゲームは所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
特図ゲームにおいて、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄、例えば「7」、後述の大当り種別に応じて実際の図柄は異なる。)が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄、例えば「2」)が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄(ハズレ図柄、例えば「−」)が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。特図ゲームでの表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(後述の、通常状態、時短状態、確変状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない又はほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が所定の開放態様で開放状態となる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様(大入賞口の開放回数が上記ラウンド数と同じであり、かつ、大入賞口の閉鎖タイミングも同じ等)で大入賞口が開放状態となる。なお、大当り種別と同様に、「小当り」にも小当り種別を設けてもよい。
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態や確変状態に制御されることがある。
時短状態では、平均的な特図変動時間(特図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させる制御(時短制御)が実行される。時短状態では、平均的な普図変動時間(普図を変動させる期間)を通常状態よりも短縮させたり、普図ゲームで「普図当り」となる確率を通常状態よりも向上させる等により、第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくなる制御(高開放制御、高ベース制御)も実行される。時短状態は、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する状態であるので、遊技者にとって有利な状態である。
確変状態(確率変動状態)では、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が実行される。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、遊技者にとってさらに有利な状態である。
時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたこと等といった、いずれか1つの終了条件が先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切り(回数切り時短、回数切り確変等)ともいう。
通常状態とは、遊技者にとって有利な大当り遊技状態等の有利状態、時短状態、確変状態等の特別状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。
小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特図ゲームの表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される(但し、「小当り」発生時の特図ゲームが、上記回数切りにおける上記所定回数目の特図ゲームである場合には、当然遊技状態が変更される)。なお、特図ゲームの表示結果として「小当り」がなくてもよい。
なお、遊技状態は、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて、変化してもよい。例えば、遊技球が特定領域を通過したとき、その大当り遊技状態後に確変状態に制御してもよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行に応じて種々の演出(遊技の進行状況を報知したり、遊技を盛り上げたりする演出)が実行される。当該演出について以下説明する。なお、当該演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示することによって行われるが、当該表示に加えて又は代えて、スピーカ8L、8Rからの音声出力、及び/又は、遊技効果ランプ9の点等/消灯、可動体32の動作等により行われてもよい。
遊技の進行に応じて実行される演出として、画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示の態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄については可変表示が継続している態様などのことである。
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合には、奇数の飾り図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示され、大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り(通常大当り)」である場合には、偶数の飾り図柄(例えば、「6」等)が揃って停止表示されるようにしてもよい。この場合、奇数の飾り図柄を確変図柄、偶数の飾り図柄を非確変図柄(通常図柄)ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定飾り図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「小当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する飾り図柄が停止表示される。なお、特図ゲームの表示結果が、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別)の「大当り」となるときと、「小当り」となるときとで、共通の確定飾り図柄が導出表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄(「非リーチハズレ」ともいう。)が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「非リーチハズレ」となる)ことがある。また、表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示の態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「リーチハズレ」となる)こともある。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出には、上記の可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が飾り図柄の可変表示中に実行される。予告演出には、実行中の可変表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の可変表示(実行が保留されている可変表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出として、可変表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
また、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示中に飾り図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
また、例えば特図ゲーム等が実行されていないときには、画像表示装置5にデモ(デモンストレーション)画像が表示される(客待ちデモ演出が実行される)。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における上記遊技の進行(特図ゲームの実行(保留の管理を含む)、普図ゲームの実行(保留の管理を含む)、大当り遊技状態、小当り遊技状態、遊技状態など)を制御する機能を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(ReadOnlyMemory)101と、RAM(RandomAccessMemory)102と、CPU(CentralProcessingUnit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105とを備える。
CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御する処理(主基板11の機能を実現する処理)を行う。このとき、ROM101が記憶する各種データ(後述の変動パターン、後述の演出制御コマンド、後述の各種決定を行う際に参照される各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。RAM102は、その一部または全部がパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間記憶内容が保存されるバックアップRAMとなっている。なお、ROM101に記憶されたプログラムの全部又は一部をRAM102に展開して、RAM102上で実行するようにしてもよい。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号(後述の検出信号)が入力される入力ポートと、各種信号(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号、ソレノイド駆動信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。検出信号の伝送により、遊技球の通過又は進入が検出されたことになる。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)は、遊技の進行の制御の一部として、遊技の進行に応じて演出制御コマンド(遊技の進行状況等を指定(通知)するコマンド)を演出制御基板12に供給する。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。当該演出制御コマンドには、例えば主基板11における各種の決定結果(例えば、特図ゲームの表示結果(大当り種別を含む。)、特図ゲームを実行する際に使用される変動パターン(詳しくは後述))、遊技の状況(例えば、可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態)、エラーの発生等を指定するコマンド等が含まれる。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて演出(遊技の進行に応じた種々の演出であり、可動体32の駆動、エラー報知、電断復旧の報知等の各種報知を含む)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出を実行するための処理(演出制御基板12の上記機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定等を含む)を行う。このとき、ROM121が記憶する各種データ(各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号(遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号)に基づいて演出の実行を表示制御部123に指示することもある。
表示制御部123は、VDP(VideoDisplayProcessor)、CGROM(CharacterGeneratorROM)、VRAM(VideoRAM)などを備え、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、演出を実行する。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの演出の実行指示に基づき、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することで、演出画像を画像表示装置5に表示させる。表示制御部123は、さらに、演出画像の表示に同期した音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯/消灯を行うため、音指定信号(出力する音声を指定する信号)を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号(ランプの点灯/消灯態様を指定する信号)をランプ制御基板14に供給したりする。また、表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を当該可動体32又は当該可動体32を駆動する駆動回路に供給する。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、当該音指定信号に基づきスピーカ8L、8Rを駆動し、当該音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。
ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、当該ランプ信号に基づき遊技効果ランプ9を駆動し、当該ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯/消灯する。このようにして、表示制御部123は、音声出力、ランプの点灯/消灯を制御する。
なお、音声出力、ランプの点灯/消灯の制御(音指定信号やランプ信号の供給等)、可動体32の制御(可動体32を動作させる信号の供給等)は、演出制御用CPU120が実行するようにしてもよい。
乱数回路124は、各種演出を実行するために使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号(映像信号、音指定信号、ランプ信号)を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板をサブ基板ともいう。パチンコ遊技機1のようにサブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。図3は、主基板11におけるCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。
図3に示す遊技制御メイン処理では、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。続いて、必要な初期設定を行う(ステップS2)。初期設定には、スタックポインタの設定、内蔵デバイス(CTC(カウンタ/タイマ回路)、パラレル入出力ポート等)のレジスタ設定、RAM102をアクセス可能状態にする設定等が含まれる。
次いで、クリアスイッチからの出力信号がオンであるか否かを判定する(ステップS3)。クリアスイッチは、例えば電源基板に搭載されている。クリアスイッチがオンの状態で電源が投入されると、出力信号(クリア信号)が入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。クリアスイッチからの出力信号がオンである場合(ステップS3;Yes)、初期化処理(ステップS8)を実行する。初期化処理では、CPU103は、RAM102に記憶されるフラグ、カウンタ、バッファをクリアするRAMクリア処理を行い、作業領域に初期値を設定する。
また、CPU103は、初期化を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS9)。演出制御用CPU120は、当該演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示を行う。
クリアスイッチからの出力信号がオンでない場合には(ステップS3;No)、RAM102(バックアップRAM)にバックアップデータが保存されているか否かを判定する(ステップS4)。不測の停電等(電断)によりパチンコ遊技機1への電力供給が停止したときには、CPU103は、当該電力供給の停止によって動作できなくなる直前に、電源供給停止時処理を実行する。この電源供給停止時処理では、RAM102にデータをバックアップすることを示すバックアップフラグをオンする処理、RAM102のデータ保護処理等が実行される。データ保護処理には、誤り検出符号(チェックサム、パリティビット等)の付加、各種データをバックアップする処理が含まれる。バックアップされるデータには、遊技を進行するための各種データ(各種フラグ、各種タイマの状態等を含む)の他、前記バックアップフラグの状態や誤り検出符号も含まれる。ステップS4では、バックアップフラグがオンであるか否かを判定する。バックアップフラグがオフでRAM102にバックアップデータが記憶されていない場合(ステップS4;No)、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102にバックアップデータが記憶されている場合(ステップS4;Yes)、CPU103は、バックアップしたデータのデータチェックを行い(誤り検出符号を用いて行われる)、データが正常か否かを判定する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、パリティビットやチェックサムにより、RAM102のデータが、電力供給停止時のデータと一致するか否かを判定する。これらが一致すると判定された場合、RAM102のデータが正常であると判定する。
RAM102のデータが正常でないと判定された場合(ステップS5;No)、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、初期化処理(ステップS8)を実行する。
RAM102のデータが正常であると判定された場合(ステップS5;Yes)、CPU103は、主基板11の内部状態を電力供給停止時の状態に戻すための復旧処理(ステップS6)を行う。復旧処理では、CPU103は、RAM102の記憶内容(バックアップしたデータの内容)に基づいて作業領域の設定を行う。これにより、電力供給停止時の遊技状態に復旧し、特別図柄の変動中であった場合には、後述の遊技制御用タイマ割込み処理の実行によって、復旧前の状態から特別図柄の変動が再開されることになる。
そして、CPU103は、電断からの復旧を指示する演出制御コマンドを演出制御基板12に送信する(ステップS7)。これに合わせて、バックアップされている電断前の遊技状態を指定する演出制御コマンドや、特図ゲームの実行中であった場合には当該実行中の特図ゲームの表示結果を指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。これらコマンドは、後述の特別図柄プロセス処理で送信設定されるコマンドと同じコマンドを使用できる。演出制御用CPU120は、電断からの復旧時を特定する演出制御コマンドを受信すると、例えば画像表示装置5において、電断からの復旧がなされたこと又は電断からの復旧中であることを報知するための画面表示を行う。演出制御用CPU120は、前記演出制御コマンドに基づいて、適宜の画面表示を行うようにしてもよい。
復旧処理または初期化処理を終了して演出制御基板12に演出制御コマンドを送信した後には、CPU103は、乱数回路104を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS10)。そして、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行い(ステップS11)、割込みを許可する(ステップS12)。その後、ループ処理に入る。以後、所定時間(例えば2ms)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図4のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図4に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチからの検出信号の受信の有無を判定する(ステップS21)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(ステップS22)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報(大当りの発生回数等を示す情報)、始動情報(始動入賞の回数等を示す情報)、確率変動情報(確変状態となった回数等を示す情報)などのデータを出力する(ステップS23)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(ステップS24)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS25)。CPU103がタイマ割込み毎に特別図柄プロセス処理を実行することにより、特図ゲームの実行及び保留の管理や、大当り遊技状態や小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御などが実現される(詳しくは後述)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(ステップS26)。CPU103がタイマ割込み毎に普通図柄プロセス処理を実行することにより、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づく(通過ゲート41に遊技球が通過したことに基づく)普図ゲームの実行及び保留の管理や、「普図当り」に基づく可変入賞球装置6Bの開放制御などを可能にする。普図ゲームの実行は、普通図柄表示器20を駆動することにより行われ、普図保留表示器25Cを点灯させることにより普図保留数を表示する。
普通図柄プロセス処理を実行した後、遊技制御用タイマ割込み処理の一部として、電断が発生したときの処理、賞球を払い出すための処理等などが行われてもよい。その後、CPU103は、コマンド制御処理を実行する(ステップS27)。CPU103は、上記各処理にて演出制御コマンドを送信設定することがある。ステップS27のコマンド制御処理では、送信設定された演出制御コマンドを演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して伝送させる処理が行われる。コマンド制御処理を実行した後には、割込みを許可してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図5は、特別図柄プロセス処理として、図4に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。
始動入賞判定処理では、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納し保留記憶数を更新する処理が実行される。始動入賞が発生すると、表示結果(大当り種別を含む)や変動パターンを決定するための乱数値が抽出され、保留情報として記憶される。また、抽出した乱数値に基づいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報や保留記憶数を記憶した後には、演出制御基板12に始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定等の判定結果を指定するための演出制御コマンドを送信するための送信設定が行われる。こうして送信設定された始動入賞時の演出制御コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS27のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。なお、特別図柄プロセス処理の各処理(ステップS110〜S120)では、各処理に対応した演出制御コマンドを演出制御基板12に送信するための送信設定が行われる。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される。この特別図柄通常処理では、保留情報の有無などに基づいて、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、表示結果決定用の乱数値に基づき、特別図柄や飾り図柄の表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かや「大当り」とする場合の大当り種別を、その表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、決定された表示結果に対応して、特図ゲームにおいて停止表示させる確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。その後、特図プロセスフラグの値が“1”に更新され、特別図柄通常処理は終了する。なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるようにしてもよい(特図2優先消化ともいう)。また、第1始動入賞口及び第2始動入賞口への遊技球の入賞順序を記憶し、入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるようにしてもよい(入賞順消化ともいう)。
乱数値に基づき各種の決定を行う場合には、ROM101に格納されている各種のテーブル(乱数値と比較される決定値が決定結果に割り当てられているテーブル)が参照される。主基板11における他の決定、演出制御基板12における各種の決定についても同じである。演出制御基板12においては、各種のテーブルがROM121に格納されている。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果等に基づき、変動パターン決定用の乱数値を用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理では、変動パターンを決定したときに、特図プロセスフラグの値が“2”に更新され、変動パターン設定処理は終了する。
変動パターンは、特図ゲームの実行時間(特図変動時間)(飾り図柄の可変表示の実行時間でもある)や、飾り図柄の可変表示の態様(リーチの有無等)、飾り図柄の可変表示中の演出内容(リーチ演出の種類等)を指定するものであり、可変表示パターンとも呼ばれる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新され、特別図柄変動処理は終了する。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、表示結果が「大当り」である場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、表示結果が「小当り」である場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、表示結果が「ハズレ」である場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。表示結果が「小当り」又は「ハズレ」である場合、時短状態や確変状態に制御されているときであって、回数切りの終了成立する場合には、遊技状態も更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、特別図柄停止処理は終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大入賞口を開放状態とするときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対してソレノイド駆動信号を供給する処理が実行される。このときには、例えば大当り種別がいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする開放上限期間や、ラウンドの上限実行回数を設定する。これらの設定が終了すると、特図プロセスフラグの値が“5”に更新され、大当り開放前処理は終了する。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新し、大当り開放中処理を終了する。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が設定された上限実行回数に達したか否かを判定する処理や、上限実行回数に達した場合に大当り遊技状態を終了させるための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、ラウンドの実行回数が上限実行回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。特図プロセスフラグの値が更新されると、大当り解放後処理は終了する。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、大当り終了処理は終了する。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新され、小当り開放前処理は終了する。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻して小当り遊技状態の終了タイミングとなったときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新され、小当り開放中処理は終了する。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新され、小当り終了処理は終了する。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、図6のフローチャートに示すような演出制御メイン処理を実行する。図6に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して(ステップS71)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。また、初期動作制御処理を実行する(ステップS72)。初期動作制御処理では、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御といった可動体32の初期動作を行う制御が実行される。
その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば(ステップS73;No)、ステップS73の処理を繰り返し実行して待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11からの演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドを取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
ステップS73にてタイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理を実行する(ステップS75)。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したかや演出制御コマンドが特定する内容等を演出制御プロセス処理等で確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。また、演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合、遊技状態に応じた背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
ステップS75にてコマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS76)。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が行われる。また、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。
ステップS76の演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され(ステップS77)、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部がソフトウェアにより更新される。その後、ステップS73の処理に戻る。ステップS73の処理に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図7は、演出制御プロセス処理として、図6のステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図7に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、まず、先読予告設定処理を実行する(ステップS161)。先読予告設定処理では、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドに基づいて、先読み予告演出を実行するための判定や決定、設定などが行われる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数に基づき保留表示を表示するための処理が実行される。
ステップS161の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、例えばRAM122に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”(初期値)のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から可変表示の開始を指定するコマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定された場合、演出プロセスフラグの値を“1”に更新し、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理では、演出制御コマンドにより特定される表示結果や変動パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の表示結果(確定飾り図柄)、飾り図柄の可変表示の態様、リーチ演出や各種予告演出などの各種演出の実行の有無やその態様や実行開始タイミングなどを決定する。そして、その決定結果等を反映した演出制御パターン(表示制御部123に演出の実行を指示するための制御データの集まり)を設定する。その後、設定した演出制御パターンに基づいて、飾り図柄の可変表示の実行開始を表示制御部123に指示し、演出プロセスフラグの値を“2”に更新し、可変表示開始設定処理を終了する。表示制御部123は、飾り図柄の可変表示の実行開始の指示により、画像表示装置5において、飾り図柄の可変表示を開始させる。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、表示制御部123を指示することで、ステップS171にて設定された演出制御パターンに基づく演出画像を画像表示装置5の表示画面に表示させることや、可動体32を駆動させること、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を実行する。こうした演出制御を行った後、例えば演出制御パターンから飾り図柄の可変表示終了を示す終了コードが読み出されたこと、あるいは、主基板11から確定飾り図柄を停止表示させることを指定するコマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の表示結果となる確定飾り図柄を停止表示させる。確定飾り図柄を停止表示したときには、演出プロセスフラグの値が“3”に更新され、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定する演出制御コマンドを受信したきに、そのコマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を“6”に更新する。これに対して、そのコマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。また、大当り遊技状態又は小当り遊技状態を開始することを指定するコマンドを受信せずに、当該コマンドの受信待ち時間が経過したときには、特図ゲームにおける表示結果が「ハズレ」であったと判定して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。演出プロセスフラグの値を更新すると、特図当り待ち処理を終了する。
ステップS174の小当り中演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から小当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値を小当り終了演出に対応した値である“5”に更新し、小当り中演出処理を終了する。
ステップS175の小当り終了演出処理は、演出制御プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、小当り終了演出処理を終了する。
ステップS176の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から大当り遊技状態を終了することを指定するコマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“7”に更新し、大当り中演出処理を終了する。
ステップS177のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく大当り遊技状態の終了時におけるエンディング演出の各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新し、エンディング演出処理を終了する。
(基本説明の変形例)
この発明は、上記基本説明で説明したパチンコ遊技機1に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、様々な変形及び応用が可能である。
上記基本説明のパチンコ遊技機1は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であったが、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
上記基本説明では、遊技機としてパチンコ遊技機1を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能なスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも本発明を適用可能である。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異ならせる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
(特徴部170Fに関する説明)
〔特徴部170Fの制御の概要〕
次に、本実施の形態の特徴部170Fについて説明する。特徴部170Fについては、次のように大当りの当選確率のような遊技者にとって有利度が異なる設定値を設定手段により設定可能なパチンコ遊技機を対象とした技術を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、大当りの当選確率の設定値として、遊技者にとって有利度が異なる複数の設定値のうちのいずれかの設定値を設定可能な設定手段としての機能も有する。
まず、設定値について説明する。本例で説明するパチンコ遊技機1は、遊技場側の者(遊技場の店員等)による所定のスイッチ等の操作手段等を用いた設定変更操作により設定値に応じた大当りの当選確率が変わる構成とされている。
例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100において、設定変更操作に応じてパチンコ遊技機1に設定する大当りの当選確率を変更可能とする設定変更処理が実行される。これにより、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定値に応じた表示結果判定テーブルを用いることにより、大当りの当選確率を変更可能とする設定変更処理が実行される。設定値は例えば1〜6の6段階(複数段階)からなり、大当りの当選確率が設定値1<設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6の順に高くなる。すなわち、設定値として設定値1が設定されている場合には遊技者にとって最も有利度が低く、設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6の順番で有利度が段階的に高くなる。なお、設定値は、複数段階設けられていればよく、6段階に限定されるものではない。このように大当りの当選確率を変更可能とすることに応じて出球率(単位時間あたりの出球数(賞球数))が変化するため、設定値を変更することは出玉率を変更するとも言える。
例えば、本実施の形態のパチンコ遊技機は、電源投入時の設定変更操作による設定値の選択に応じて大当りの当選確率が変わる。6段階の設定値のうち、例えば設定値6は、大当りの当選確率が高い高設定と呼ばれ、例えば設定値1は、大当りの当選確率が低い低設定と呼ばれる場合がある。
また、大当りの種別の選択確率も、大当りの当選確率と同様に、設定値1〜設定値6の設定により変更可能としてもよい。変動パターン種別の選択確率も、大当りの当選確率と同様に、設定値1〜設定値6の設定により変更可能としてもよい。変動パターンの選択確率も、大当りの当選確率と同様に、設定値1〜設定値6の設定により変更可能としてもよい。
特徴部170Fについては、複数の設定値のうちのいずれかの設定値を設定可能なパチンコ遊技機において、主として、設定値の設定に関する示唆を行うことが可能な設定示唆演出についての各種技術を説明する。複数の設定値のうちのいずれかの設定値を設定可能なパチンコ遊技機においては、設定値がいずれの設定値であるかを示唆する設定値示唆演出と、設定値が変更された(起動時に設定変更処理が実行された)ことを示唆する設定変更示唆演出とを実行可能である。以下の説明においては、設定値示唆と設定変更示唆とをまとめて、設定示唆と呼ぶ場合があり、設定値示唆演出と設定変更示唆演出とをまとめて、設定示唆演出と呼ぶ場合がある。
また、特徴部170Fでは、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかの大当りに選択決定される設定を一例として説明する。「非確変」の大当りは、以下通常大当りと呼ぶ。「確変」の大当りは、以下確変大当りと呼ぶ。
通常大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後において、低確率状態(非確変状態)で所定回数(例えば50回)の可変表示が実行されるまでの間、時短状態(高ベース状態)となる。このような遊技状態は、低確高ベース状態と呼ばれる。時短状態は、可変表示の変動時間の長さが平均的に非時短状態よりも短くされる遊技制御状態である。
ベースとは、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である。高ベース状態は、ベースが、通常状態である低ベース状態よりも高い状態であり、可変入賞球装置6B、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置15への入賞を容易化する「電チューサポート制御」が実行されることにより実現される。可変入賞球装置15は、普通図柄表示器20の可変表示結果に基づいて開放される可変入賞手段であるため、普通可変入賞手段とも呼ばれる。高ベース状態(時短状態)は、前記普通可変入賞手段である可変入賞球装置15の第2始動入賞口に遊技球が進入可能な状態となる頻度が、通常遊技状態(低確率状態、低ベース状態、非時短状態)に比べて高い高頻度状態に制御可能な高頻度状態(高頻度開放制御状態)とも呼ばれる。そのような時短状態が終了した後は、低確率状態(非確変状態)で低ベース状態(可変入賞球装置15の第2始動入賞口に遊技球が進入しにくくなる制御状態)に制御される。このような遊技状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。パチンコ遊技機1の電源投入時における起動当初の状態は、基本的に低確低ベース状態である。
確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後において、次回の大当りが発生するまでの間、高確率状態(確変状態)かつ時短状態(高ベース状態)となる。このような遊技状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。そのような高確高ベース状態が終了した後は、低確低ベース状態に制御される。小当りの場合は、小当り遊技状態の終了前後で遊技状態が変化しない。
なお、大当り種別は、このような複数の種別の組合せとは異なる複数の種別の組合せから選択決定可能となるようにしてもよい。
〔特徴部170Fの大当り判定関連データテーブル例〕
図8−1は、第1特図大当り判定テーブル、第2特図大当り判定テーブル、および、各種大当り種別判定テーブルを示す説明図である。これらテーブルは、ROM101に記憶されている。
図8−1(A)は、第1特図大当り判定テーブルを示す説明図である。第1特図大当り判定テーブルは、第1特別図柄について大当り判定をするためのデータテーブルである。第1特図大当り判定テーブルでは、大当り決定用(表示結果決定用)の乱数値と比較される大当り判定値が、通常時(低確率時)と、確変時(高確率時)とに分けて設定されている。また、第1特図大当り判定テーブルでは、通常時(低確率時)および確変時(高確率時)の大当り判定値が、設定値1〜設定値6の設定値別に異なるように設定されている。図8−1(A)では、大当りに決定される確率を理解しやすくするために、設定値1〜設定値6の設定値別に、通常時(低確率時)および確変時(高確率時)の大当り確率が示されている。
図8−1(B)は、第2特図大当り判定テーブルを示す説明図である。第2特図大当り判定テーブルは、第2特別図柄について大当り判定をするためのデータテーブルである。第2特図大当り判定テーブルでは、大当り決定用(表示結果決定用)の乱数値と比較される大当り判定値が、通常時(低確率時)と、確変時(高確率時)とに分けて設定されている。また、第2特図大当り判定テーブルでは、通常時(低確率時)および確変時(高確率時)の大当り判定値が、設定値1〜設定値6の設定値別に異なるように設定されている。図8−1(B)では、大当りに決定される確率(大当り確率)を理解しやすくするために、設定値1〜設定値6の設定値別に、通常時(低確率時)および確変時(高確率時)の大当り確率が示されている。
第1特図大当り判定テーブルおよび第2特図大当り判定テーブルのそれぞれでは、通常時(低確率時)の大当り確率および確変時(高確率時)の大当り確率のそれぞれが、設定値1<設定値2<設定値3<設定値4<設定値5<設定値6という関係となるようにデータが設定されている。
CPU103は、第1始動入賞口13への始動入賞(第1始動入賞)、または、第2始動入賞口14への始動入賞(第2始動入賞)が検出されると、所定のタイミングで、乱数回路104のカウント値を大当り決定用の乱数値として抽出する。第1始動入賞については、現在の設定値を確認するとともに、現在が通常時(低確率時)と確変時(高確率時)とのどちらの確率状態であるかを確認し、設定値および確率状態に応じて、抽出値を第1特図大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第1特別図柄に関して大当りにすることに決定する。
第2始動入賞については、現在の設定値を確認するとともに、現在が通常時(低確率時)と確変時(高確率時)とのどちらの確率状態であるかを確認し、設定値および確率状態に応じて、抽出値を第2特図大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と比較し、抽出値がいずれかの大当り判定値と一致すると、第2特別図柄に関して大当りにすることに決定する。
大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示による停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
図8−1(C),(D)は、大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図8−1(C)は、第1特別図柄により大当りと判定されたときの大当り種別を決定するために用いる第1特図大当り種別判定テーブルである。図8−1(D)は、第2特別図柄により大当りと判定されたときの大当り種別を決定するために用いる第2特図大当り種別判定テーブルである。
図8−1(C)の第1特図大当り種別判定テーブルおよび図8−1(D)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれには、大当り種別判定用の乱数値と比較される数値であって、「10R確変大当り」、「6R確変大当り」、「2R確変大当り」、および、「6R通常大当り」のそれぞれに対応した大当り判定値が設定されている。図8−1(C),(D)では、各大当り種別の決定確率を理解しやすくするために、大当り種別ごとに、選択割合が示されている。
大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。たとえば、「10R確変大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。「6R確変大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「2R確変大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「1」に対応した判定値としても設定されている。「6R通常大当り」に対応した判定値は、大当り図柄の「4」に対応した判定値としても設定されている。
このような各種の大当り種別判定テーブルを用いて、CPU103は、大当り種別として、大当り種別判定用の乱数値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、大当り種別判定用の乱数値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
このように、特徴部170Fでは、ラウンド数が異なる複数種類の大当り種別のうちから、大当り遊技状態が実行される大当り種別が選択決定される。これらの大当り種別のうち、な各種の大当り種別判定テーブルを用いて、CPU103は、大当り種別として、大当り種別判定用の乱数値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、「2R確変大当り」は、「突確」、「突確大当り」、または、「突然確変大当り」等と呼ばれる確変大当りであり、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである。このような遊技制御が実行される2R確変大当りは、大入賞口の開放回数が少なく、かつ、開放時間が極めて短く、短期間で大当り遊技状態が終了して確変状態に制御されるので、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せる大当りであるため、「突確」等と呼ばれる。なお、2R確変大当りは、大入賞口の開放により遊技球が実質的に入賞不可能な制御が実行されてもよく、また、大入賞口の開放により遊技球が入賞可能な制御が実行されてもよい。
なお、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値としては、設定値1〜6の計6個の設定値を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に設定可能な設定値は、2個、3個、4個、5個、または7個以上であってもよい。
〔特徴部170Fのコマンドの構成〕
図8−2は、特徴部170Fで用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図8−2に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図8−2に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示装置207SG004Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示装置207SG004Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで変動表示される飾り図柄等の変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。なお、変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターン等に応じて、異なるEXTデータが設定される。この実施の形態での変動パターン指定コマンドは、可変表示結果についても指定可能である。たとえば、変動パターン指定コマンドは、図8−12に示すように、「非リーチはずれ」、「ノーマルリーチはずれ」、「スーパーリーチはずれ」、「ノーマルリーチ大当り」、「スーパーリーチ大当り」というように、変動パターンと可変表示結果とを指定可能である。なお、可変表示結果は、後述する変動表示結果通知コマンドにより指定可能であるので、変動パターン指定コマンドは、可変表示結果を指定可能ではないものを用いてもよい。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、特別図柄や飾り図柄等の変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるか「小当り」であるかの決定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8F00Hは、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rで飾り図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、チンコ遊技機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御が行われない遊技状態(低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる遊技状態(高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。
コマンド96XXHは、パチンコ遊技機1においてエラー(異常)の発生および発生したエラー(異常)の種別を指定するエラー(異常)指定コマンドである。エラー(異常)指定コマンドでは、例えば、各エラー(異常)に対応するEXTデータが設定されることにより、演出制御基板12側において、いずれのエラー(異常)の発生が判定されたのかを特定することができ、特定したエラー(異常)の発生が、後述するエラー報知処理によって報知される。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されること等により、事前決定結果や大当り種別決定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前決定結果及び大当り種別決定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、画像表示装置5等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、画像表示装置5等にて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したとき(保留記憶数が減少したとき)に、特図ゲームの実行が開始されること等に対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドD0XXHは、新たに設定された設定値を主基板11から演出制御基板12(演出制御用CPU120)に指定するための設定値指定コマンドである。コマンドE101Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアせずに起動したこと(電断復旧したこと、ホットスタートとも言う)を通知するホットスタート通知コマンドである。コマンドE102Hは、パチンコ遊技機1がRAM102の内容をクリアして起動したこと(コールドスタート)を通知するコールドスタート通知コマンドである。コマンドE103Hは、パチンコ遊技機1において設定値の変更操作が開始されたこと(パチンコ遊技機1が設定値変更状態で起動したこと)を通知する設定値変更開始通知コマンドである。コマンドE104Hは、パチンコ遊技機1において設定値の変更操作が終了したことを通知する設定値変更終了通知コマンドである。コマンドE105Hは、パチンコ遊技機1において設定値の確認操作が開始されたこと(パチンコ遊技機1が設定値確認状態で起動したこと)を通知する設定値確認開始通知コマンドである。コマンドE106Hは、パチンコ遊技機1の設定値の確認操作が終了したことを通知する設定値変更終了通知コマンドである。
コマンドF1XXHおよびコマンドF2XXHである。これらのコマンドは、第1始動入賞口、または、第2始動入賞口への始動入賞時における大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドF1XXHは、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドF2XXHは、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
コマンドF1XXHは、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドF2XXHは、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
〔変動パターン指定コマンドに基づく処理〕
演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより、表示される飾り図柄の変動表示を行う。また、特別図柄の変動表示に対応して画像表示装置5に飾り図柄を縮小した態様の常時小図柄を設けてもよい。このような場合に、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより、表示される飾り図柄および常時小図柄の変動表示を行う。
変動パターンの選択割合は、設定値1〜6で共通である。これにより、大当り遊技状態に制御されない可変表示における可変表示時間の選択割合が設定値によらず共通であるので、設定示唆に対応する特定演出以外に、変動時間の選択割合によって設定値の設定が遊技者に認識可能とならないようにすることができる。
〔演出制御メイン処理〕
次に、特徴部170Fにおいて実行される演出制御メイン処理について説明する。図8−3は、特徴部170Fにおける演出制御メイン処理を示すフローチャートである。図8−3において、演出制御用CPU120は、先ず、所定の初期化処理を実行して(207SGS401)、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。
また、演出制御用CPU120は、主基板11から送信されるコマンドの受信待ち期間に応じたコマンド受信待ちタイマをセットする(207SGS403)。そして、コマンド受信待ちタイマの値を−1し(207SGS404)、該コマンド受信待ちタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(207SGS405)。コマンド受信待ちタイマがタイマアウトした場合(207SGS405;N)は、207SGS404及び207SGS405の処理を繰り返し実行し、コマンド受信待ちタイマがタイマアウトするまで待機する。
そして、コマンド受信待ちタイマがタイマアウトした場合(207SGS405;Y)、演出制御用CPU120は、ホットスタート通知コマンドの受信が有るか否かを判定する(207SGS406)。ホットスタート通知コマンドの受信が有る場合(207SGS406;Y)、即ち、パチンコ遊技機1が電断復旧した場合は、RAM122に記憶されている遊技者情報(後述する遊技者情報入力処理において該遊技者情報の入力を受け付けてからRAM122に記憶される変動回数、大当り回数、スーパーリーチ回数等を含む情報)をクリアし(207SGS407)、207SGS427に進む。
ホットスタート通知コマンドの受信が無い場合(207SGS406;N)、演出制御用CPU120は、コールド通知コマンドの受信が有るか否かを判定する(207SGS408)。コールド通知コマンドの受信が有る場合(207SGS408;Y)は、RAM122に記憶されている遊技者情報と演出用情報(前回のパチンコ遊技機1の起動時からRAM122に記憶される変動回数、大当り回数、スーパーリーチ回数等を含む情報)をクリアするとともに(207SGS409)、RAM102に記憶されていた情報がクリアされたことや、RAM122に記憶されていた遊技者情報と演出用情報がクリアされたことを報知(RAMクリア報知を実行)するためのRAMクリア報知処理を実行する(207SGS410)。なお、RAMクリア報知処理では、画像表示装置5における画像の表示、遊技効果ランプ9の発光、スピーカ8L,8Rからの音出力等を所定期間(例えば、10秒間)し、パチンコ遊技機1を起動した遊技場の店員等にRAM122に記憶されていた遊技者情報と演出用情報とがクリアされたことを報知できればよい。そして、RAMクリア報知処理の実行後は、207SGS427に進む。
また、コールドスタート通知コマンドの受信が無い場合(207SGS408;N)、演出制御用CPU120は、設定値変更開始通知コマンドまたは設定値確認開始通知コマンドの受信が有るか否かを判定する(207SGS411)。設定値変更開始通知コマンドまたは設定値確認開始通知コマンドの受信が有る場合(207SGS411;Y)、即ち、パチンコ遊技機1が設定値変更状態や設定値確認状態で起動した場合は、設定値の変更操作中であることの報知(設定値変更中報知)や設定値の確認中であることの報知(設定値確認中報知)を実行するための設定値関連報知処理を実行する(207SGS412)。設定値関連報知処理においては、設定変値の更中であることを示す報知画像や設定値の確認中であることを示す報知画像が表示される。
207SGS412において設定値関連報知処理を実行した後は、サブ側遊技停止処理を実行する(40FS001)。サブ側遊技停止処理においては、設定変更状態中や設定確認状態中に主基板11から演出制御基板12に対して演出制御コマンドが送信された場合に演出制御用CPU120によって、遊技を停止するための処理が実行される。サブ側遊技停止処理の詳細は、図8−4において説明する。
40FS001においてサブ側遊技停止処理が実行された後は、設定値変更終了通知コマンドまたは設定値確認終了通知コマンドの受信があるか否かを判定する(207SGS416)。設定値変更終了通知コマンドまたは設定値確認終了通知コマンドの受信がない場合(207SGS416;N)は207SGS412に進み、設定値変更終了通知コマンド及び設定値確認終了通知コマンドの受信がある場合(207SGS416;Y)は207SGS427に進む。
207SGS411において設定値変更開始通知コマンド及び設定値確認開始通知コマンドの受信が無い場合(207SGS411;N)、演出制御用CPU120は、エラー指定コマンドの受信が有るか否かを判定する(207SGS425)。エラー指定コマンドの受信が有る場合(207SGS425;Y)は、エラー指定コマンドが示すエラー報知を行うためのエラー報知処理(207SGS426)を実行し、エラー指定コマンドの受信が無い場合(207SGS425;N)は、207SGS403に進む。
207SGS427に進んだ場合、演出制御用CPU120は、ホットスタート通知コマンド、コールドスタート通知コマンド、設定値変更終了通知コマンド、設定値確認終了通知コマンドのいずれを受信したかを特定し、画像表示装置5において該受信したコマンドに応じた初期図柄の表示を開始する。例えば、受信したコマンドがホットスタート通知コマンドや設定値確認終了通知コマンド、コールドスタート通知コマンドである場合、つまり、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定されていない場合には、画像表示装置5に初期図柄として左から「1」、「2」、「3」の組み合わせで飾り図柄の表示を開始する。また、受信したコマンドが設定値変更終了通知コマンドである場合、つまり、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定された可能性のある場合には、画像表示装置5に初期図柄として左から「4」、「5」、「6」の組み合わせで飾り図柄の表示を開始する。
なお、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定された可能性のある場合には、遊技者にとって有利な設定値(例えば、「6」)が設定された場合は、遊技者にとって不利な設定値が(例えば「1」)が設定された場合よりも高い割合で初期図柄として飾り図柄を「4」、「5」、「6」の組み合わせで表示してもよい。このようにすることで、パチンコ遊技機1に遊技者にとって有利な設定値が設定されていることを示唆することでき、遊技興趣を向上できる。
また、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定された可能性のある場合には、遊技者にとって有利な設定値(例えば、「6」)が設定された場合と、遊技者にとって不利な設定値が(例えば「1」)が設定された場合とで、画像表示装置5に表示する初期図柄を異ならせてもよい。また、遊技者にとって有利な設定値(例えば、「6」)が設定された場合と、遊技者にとって不利な設定値が(例えば「1」)が設定された場合とで、スピーカ8L,8Rから出力される音の音量や、遊技効果ランプ9の光量等を異ならせるようにしてもよい。
次に、最初の4変動において先読予告演出の実行を規制するために、先読規制カウンタに「4」をセットする(207SGS428)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(207SGS429)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(207SGS430)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、パチンコ遊技機1が起動したことを報知するための起動報知処理を実行する(207SGS431)。起動報知処理においては、例えば、該割込がパチンコ遊技機1の起動から最初の割込であるか否かを判定する。パチンコ遊技機1の起動から最初の割込である場合は、ホットスタート通知コマンド、コールドスタート通知コマンド、設定値変更終了通知コマンド、設定値確認終了通知コマンドのいずれを受信したかを特定し、該受信したコマンドに対応する起動報知用プロセステーブルを選択するとともに、該受信したコマンドに対応する起動報知用プロセスタイマをスタートさせる。そして、起動報知用プロセスタイマをスタートさせた後は、次回以降の割込において起動報知処理を実行することによって起動報知用プロセスタイマの値と起動報知用プロセステーブルにもとづいてパチンコ遊技機1の起動報知を実行すればよい。
なお、本実施の形態における特徴部207SGでは、パチンコ遊技機1の起動時に受信したコマンドがホットスタート通知コマンド、コールドスタート通知コマンド、設定値変更終了通知コマンド、設定値確認終了通知コマンドのいずれかであるかに応じて、パチンコ遊技機1の起動報知の態様が異なっている。例えば、パチンコ遊技機1を起動する際にホットスタート通知コマンドや設定値確認終了通知コマンドを受信している場合、つまり、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定されていない場合には、遊技効果ランプ9の60秒間の発光とスピーカ8L,8Rから30秒間の出力音Aの出力を実行する。なお、これら遊技効果ランプ9の60秒間の発光開始タイミングとスピーカ8L,8Rから30秒間の出力音Aの出力開始タイミングとは同であるが、これら遊技効果ランプ9の60秒間の発光開始タイミングとスピーカ8L,8Rから30秒間の出力音Aの出力開始タイミングとは異なっていてもよい。
また、パチンコ遊技機1を起動する際にコールドスタート通知コマンドを受信している場合、つまり、パチンコ遊技機1に新たな設定値が設定されておらず、且つRAM102におけるデータがクリアされている場合には、遊技効果ランプ9の60秒間の発光とスピーカ8L,8Rから30秒間の出力音Bの出力を実行する。なお、これら遊技効果ランプ9の60秒間の発光開始タイミングとスピーカ8L,8Rから30秒間の出力音Bの出力開始タイミングとは同一であるが、これら遊技効果ランプ9の60秒間の発光開始タイミングとスピーカ8L,8Rから30秒間の出力音Bの出力開始タイミングは異なっていてもよい。
本発明における特定制御とは、パチンコ遊技機1がホットスタートや設定確認状態で起動した場合に、演出制御用CPU120が、遊技効果ランプ9の60秒間の発光とスピーカ8L,8Rから30秒間の出力音Aの出力を実行することと、パチンコ遊技機1がコールドスタートで起動した場合に、演出制御用CPU120が遊技効果ランプ9の60秒間の発光とスピーカ8L,8Rから30秒間の出力音Bの出力を実行することの両方を含んでいる。
また、パチンコ遊技機1を起動する際に設定値変更終了通知コマンドまたは設定値変更終了通知コマンドを受信している場合には、遊技効果ランプ9の40秒間の発光とスピーカ8L,8Rから20秒間の出力音Cの出力、そして画像表示装置5において40秒間のメッセージ画像(例えば、設定値の変更が終了した旨のメッセージ画像)の表示を実行する。なお、これら遊技効果ランプ9の40秒間の発光開始タイミングとスピーカ8L,8Rからの20秒間の出力音Cの出力開始タイミング、画像表示装置5でのメッセージ画像の表示開始タイミングは同一であるが、これら遊技効果ランプ9の40秒間の発光開始タイミングとスピーカ8L,8Rからの20秒間の出力音Cの出力開始タイミング、画像表示装置5でのメッセージ画像の表示開始タイミングは異なっていてもよい。
特に、パチンコ遊技機1を起動する際に設定値変更終了通知コマンドを受信している場合は、パチンコ遊技機1を起動する際にホットスタート通知コマンドやコールドスタート通知コマンドを受信している場合とは異なり、画像表示装置5においてメッセージ画像の表示を行うため、パチンコ遊技機1の設定値が変更されたことが認識され易いようになっている。
なお、パチンコ遊技機1が起動した際の起動報知を遊技効果ランプ9、スピーカ8L,8R、画像表示装置5を用いて実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に遊技場の管理コンピュータや各台計数機等の管理装置に信号を出力可能な外部出力端子を設け、パチンコ遊技機1が起動した際の起動報知として、該外部出力端子から管理装置にパチンコ遊技機1が起動したことを特定可能な信号を出力するようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機1がホットスタート、コールドスタート、設定変更状態、設定確認状態のいずれで起動した場合であっても起動報知を実行する装置が一部共通である(いずれにおいても遊技効果ランプ9の発光とスピーカ8L,8Rからの音出力を実行する)形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1がホットスタート、コールドスタート、設定変更状態、設定確認状態のいずれで起動したかに応じて起動報知を実行する装置が異なる(例えば、パチンコ遊技機1がコールドスタートで起動した場合には、画像表示装置5にてメッセージ画像を表示し、パチンコ遊技機1が設定変更状態で起動した場合には、前述した外部出力端子から管理装置に信号を出力する等)ようにしてもよい。
また、パチンコ遊技機1がホットスタート、コールドスタート、設定変更状態、設定確認状態のいずれで起動したかに応じて起動報知を実行する各装置での報知態様を異ならせてもよい。具体的には、パチンコ遊技機1がコールドスタートで起動した場合は、パチンコ遊技機1に設けられている全ての遊技効果ランプ9を発光させる一方で、パチンコ遊技機1が設定変更状態で起動した場合には、パチンコ遊技機1に設けられている遊技効果ランプ9のうち一部のみを発光させてもよい。
さらに、パチンコ遊技機1が設定変更状態で起動した場合は、遊技機用枠が開放されている状態であるので、スピーカ8L,8Rのうち一方のみから音出力を行い(パチンコ遊技機1に3個以上のスピーカが設けられている場合は、一部のスピーカからのみ音出力を行う)、パチンコ遊技機1がコールドスタートで起動した場合は、遊技機用枠が閉鎖されている状態であることが多いので、全てのスピーカ8L,8Rからの音出力を行うようにしてもよい。更に、パチンコ遊技機1が設定変更状態で起動した場合は、画像表示装置5において「設定変更中」等の設定変更中である旨を示すメッセージ画像を表示する一方で、パチンコ遊技機1がコールドスタートで起動した場合は、画像表示装置5において「RAMがクリアされました」等のRAM102やRAM122がクリアされた旨を示すメッセージ画像を表示してもよい。
さらに、パチンコ遊技機1に外部出力端子を複数設ける場合は、各報知に応じて管理装置に信号を出力する端子を異ならせてもよい。例えば、パチンコ遊技機1が設定変更状態で起動した場合は、設定値変更中報知として、設定値の変更が終了するまでの期間(設定値変更終了通知コマンドや設定値指定コマンドを受信するまでの期間)にわたって設定変更に対応する端子から管理装置に信号を出力し、設定値の変更が終了した後は、RAMクリア報知として、エラーやRAMクリアに対応する端子から管理装置に信号を出力する。なお、パチンコ遊技機1がコールドスタートで起動した場合は、RAMクリア報知として、エラーやRAMクリアに対応する端子から管理装置に信号を出力するのみでよい。
なお、外部出力端子を各報知において共通して用いる場合には、各報知に応じて管理装置に対して信号を出力するタイミングを異ならせるようにしてもよい。
以上のように起動報知処理では、受信したコマンドに応じてパチンコ遊技機1の起動報知態様が異なる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらパチンコ遊技機1の起動報知は、受信したコマンドにかかわらず1の報知態様にて実行してもよい。また、パチンコ遊技機1の起動報知は、ホットスタート通知コマンド、コールドスタート通知コマンド、設定値確認終了通知コマンド、設定値変更終了通知コマンドのいずれを受信した場合でも実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらホットスタート通知コマンド、コールドスタート通知コマンド、設定値確認終了通知コマンド、設定値変更終了通知コマンドのうちで、受信してもパチンコ遊技機1の起動報知を実行しないコマンドを設けてもよい。
また、初期化演出として、パチンコ遊技機1を起動した際に受信したコマンドに応じて異なる態様の起動報知を実行したり、パチンコ遊技機1を起動した際に受信したコマンドに応じて異なる組み合わせの飾り図柄を画像表示装置5に表示してもよく、これら初期化演出としての起動報知の態様や飾り図柄の組み合わせは、パチンコ遊技機1を起動した際に受信したコマンドに応じて全て異なっていてもよいし、一部のみが同一であってもよい。
また、パチンコ遊技機1がホットスタートで起動した場合、コールドスタートで起動した場合、設定変更状態で起動した場合、設定確認状態で起動した場合のいずれにおいても起動報知を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1がホットスタートで起動した場合や設定確認状態で起動した場合は、これら起動報知を実行しないようにしてもよい。
次に演出制御用CPU120は、電源断検出処理を実行する(207SGS432)。電源断検出処理では、演出制御用CPU120は、先ず、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号の入力が有るか否かを判定する。電源断信号の入力が無い場合は、処理を終了し、電源断信号の入力が有る場合は、RAM122に記憶されている設定値情報や遊技者情報等を含むバックアップデータを特定し、該特定したバックアップデータをRAM122に設けられたバックアップデータ記憶領域に格納する。そして、バックアップデータを復旧させるときに用いるチェックデータを作成し、バックアップデータ記憶領域に格納した後、パチンコ遊技機1が電断するまでいずれの処理も実行しないループ処理に移行する。
次に演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:207SGS433)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAM122に形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図8−2参照)であるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(207SGS434)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理(207SGS435)、遊技者情報の入力を受け付ける遊技者情報入力処理(207SGS436)、遊技者情報を出力する遊技者情報出力処理(207SGS437)、演出用情報を集計する演出用情報集計処理(207SGS438)を実行する。その後、S52に移行する。
なお、遊技者情報入力処理では、演出制御用CPU120は、遊技者のスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作によってパスワード(予め遊技者の遊技情報が記憶されている外部のサーバにて生成されたパスワード。遊技者は、スマートフォン等の通信端末を使用することで該サーバにアクセスし、生成されたパスワードを受信可能)の入力を受け付け、該パスワードから特定した遊技者情報をRAM122に記憶する。更に、演出制御用CPU120は、変動表示、大当り遊技、スーパーリーチが実行される毎に記憶している遊技者情報としての変動回数、大当り回数、スーパーリーチ回数等を更新記憶する。
遊技者情報出力処理では、演出制御用CPU120は、遊技者のスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの操作によって、RAM122に記憶されている遊技者情報にもとづいて2次元コードを生成し、該2次元コードを画像表示装置5に表示する。そして、該2次元コードの表示終了後は、RAM122に記憶される遊技者情報をクリアする。尚、遊技者は、画像表示装置5に表示された2次元コードをスマートフォン等の携帯端末にて読み込むことによって今回の遊技にて集計した遊技者情報を外部サーバに送信することによって、パチンコ遊技機1における累計の遊技者情報を該サーバに記憶させておくことができる。
演出用情報集計処理では、演出制御用CPU120は、変動表示、大当り遊技、スーパーリーチが実行される毎に演出用情報としてRAM122に記憶されている変動回数、大当り回数、スーパーリーチ回数等を更新記憶する。
〔サブ側遊技停止処理〕
図8−4は、40FS001において実行されるサブ側遊技停止処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、CPU103によって主基板11から演出制御基板12に対して送信された演出制御コマンドをRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。そして、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファに格納されたコマンドを解析する。
サブ側遊技停止処理において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、第1変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(40FS010)。第1変動開始コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS011の処理へ移行する。第1変動開始コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において第1変動開始コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる第1特別図柄に対応する第4図柄の変動表示を行う制御を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS011において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、第2変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。第2変動開始コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS012の処理へ移行する。第2変動開始コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において第2変動開始コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる第2特別図柄に対応する第4図柄の変動表示を行う制御を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS012において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定する。変動パターン指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS013の処理へ移行する。変動パターン指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において変動パターン指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる飾り図柄の変動表示や常時小図柄の変動表示を行う制御を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS013において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、大入賞口開放中指定コマンドを受信したか否かを判定する。大入賞口開放中指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS014の処理へ移行する。大入賞口開放中指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において大入賞口開放中指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる大当り遊技状態中のラウンド数の表示の更新を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS014において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、第1始動入賞口指定コマンドを受信したか否かを判定する。第1始動入賞口指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS015の処理へ移行する。第1始動入賞口指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において第1始動入賞口指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる第1保留情報の保留表示を表示しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS015において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、第2始動入賞口指定コマンドを受信したか否かを判定する。第2始動入賞口指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS016の処理へ移行する。第2始動入賞口指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において第2始動入賞口指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる第2保留情報の保留表示を表示しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS016において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、図柄指定コマンドを受信したか否かを判定する。図柄指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS016の処理へ移行する。図柄指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において図柄指定コマンドを破棄することにより、ランプを発光させる制御による入賞時フラッシュ演出を実行しないようにすることができる。また、演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において図柄指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる入賞時保留変化演出を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS017において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、変動種別指定コマンドを受信したか否かを判定する。変動種別指定コマンドを受信していないと判定された場合には、40FS018の処理へ移行する。変動種別指定コマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において変動種別指定コマンドを破棄することにより、ランプを発光させる制御による入賞時フラッシュ演出を実行しないようにすることができる。また、演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において変動種別指定コマンドを破棄することにより、画像表示装置5を動作させることによる入賞時保留変化演出を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
40FS018において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、テストコマンドを受信したか否かを判定する。ここで、テストコマンドとは、工場出荷時等に遊技機に設けられている画面の状態や役物の状態を確認するためのコマンドを送る装置から演出制御基板12に直接送信されるコマンドである。テストコマンドを送信する場合には、テストコマンド送信専用の送信装置を演出制御基板12につなげた状態で各種のテストコマンドが送信される。
40FS018において、テストコマンドを受信していないと判定された場合には、40FS019の処理へ移行する。テストコマンドを受信したと判定された場合には、設定変更状態中や設定確認状態中であってもテストコマンドに応じた制御を実行する(40FS020)。例えば、演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中において画像表示装置5の液晶をチェックするためのテストコマンドを受信したことに基づいて、画像表示装置5を動作させることにより所定のチェック画面を表示させる。このように、設定変更状態中や設定確認状態中であってもテストコマンドの受信に基づいた処理が実行されることとなる。その後、処理を終了する。
40FS019において、演出制御用CPU120は、演出制御コマンド受信用バッファを確認し、設定変更終了通知コマンドまたは設定確認終了通知コマンド以外のその他のコマンドを受信したか否かを判定する(40FS019)。これらのコマンドは、例えば、図8−2に示すようなコマンドである。これらのコマンドを受信していないと判定された場合には、処理を終了する。これらのコマンドを受信したと判定された場合には、受信したコマンドを破棄する(40FS021)。演出制御用CPU120は、設定変更状態中や設定確認状態中においてこれらのコマンドを破棄することにより、画像表示装置5等の所定の演出手段が演出を実行しないようにすることができる。その後、処理を終了する。
〔サブ側遊技停止処理により得られる効果〕
図8−4に示すように、演出制御用CPU120は、設定変更状態に制御されているときに、変動パターン指定コマンドを受信したとしても変動パターン指定コマンドを破棄するため、当該変動パターン指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定変更状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図8−4に示すように、演出制御用CPU120は、設定確認状態に制御されているときに、変動パターン指定コマンドを受信したとしても変動パターン指定コマンドを破棄するため、当該変動パターン指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定確認状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図8−4に示すように、演出制御用CPU120は、設定変更状態に制御されているときに、第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドを受信したとしても第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドを破棄するため、当該第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定変更状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図8−4に示すように、演出制御用CPU120は、設定確認状態に制御されているときに、第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドを受信したとしても第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドを破棄するため、当該第1変動開始コマンド、第2変動開始コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定確認状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図8−4に示すように、演出制御用CPU120は、設定変更状態に制御されているときに、大入賞口開放中指定コマンドを受信したとしても大入賞口開放中指定コマンドを破棄するため、当該大入賞口開放中指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定変更状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図8−4に示すように、演出制御用CPU120は、設定確認状態に制御されているときに、大入賞口開放中指定コマンドを受信したとしても大入賞口開放中指定コマンドを破棄するため、当該大入賞口開放中指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定確認状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図8−4に示すように、演出制御用CPU120は、設定変更状態に制御されているときに、第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドを受信したとしても第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドを破棄するため、当該第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定変更状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図8−4に示すように、演出制御用CPU120は、設定確認状態に制御されているときに、第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドを受信したとしても第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドを破棄するため、当該第1始動入賞口指定コマンド、第2始動入賞口指定コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定確認状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図8−4に示すように、演出制御用CPU120は、設定変更状態に制御されているときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンドを破棄するため、当該図柄指定コマンド、変動種別コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定変更状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても入賞時ランプや画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図8−4に示すように、演出制御用CPU120は、設定確認状態に制御されているときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンドを破棄するため、当該図柄指定コマンド、変動種別コマンドの受信に基づく制御を実行しない。このようにすれば、設定確認状態中においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても入賞時ランプや画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図8−3に示すように、演出制御用CPU120は、CPU103からのコマンドの解析をするが、その後、40FS021のように受信したコマンドを破棄する。このようにすれば、設定変更状態や設定確認状態においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。また、受信したコマンドが破棄されることで情報が残らないため設定変更状態や設定確認状態が終了したとしても誤ったコマンドが残らず、誤動作が実行されることがない。
図8−3に示すように、設定値変更開始通知コマンドを受信したことに基づいて、設定変更状態であることを報知する画像を表示する設定をし、設定値確認開始通知コマンドを受信したことに基づいて、設定確認状態であることを報知する画像を表示する設定をする。このようにすれば、設定変更状態や設定確認状態に制御されていることを示すことができるとともに、設定変更状態や設定確認状態においてイレギュラーなコマンドの受信があったとしても画像表示装置5等の所定の演出手段が誤動作することを防止できる。
図8−4の40FS020に示すように、設定変更状態や設定確認状態に制御されているときであっても、テストコマンドに応じた制御を実行する。このようにすれば、設定変更状態または設定確認状態に制御されているときであっても、テストコマンドに基づいた画像表示装置5等の所定の演出手段の動作を実行することができる。
〔特徴部175Fの制御基板およびセンサ等の構成例〕
図8−5は、特徴部170Fの各種の制御基板などを示す構成図である。図8−5が図2と異なる部分は、十字キー170F005と、十字キーセンサ170F100とが設けられていることである。十字キー170F005は、遊技者の動作により上下左右方向のいずれかの方向に操作可能な十字形の操作手段である。十字キー170F005には、操作態様(操作方向)を検出するための十字キーセンサ170F100が接続されており、十字キー170F005が操作されると、十字キーセンサ170F100から演出制御基板12(演出制御用CPU120)に、操作方向を特定可能な操作検出信号が入力される。
〔確変中演出例〕
次に、特徴部170Fについて、特定状態としての確変状態(高確高ベース状態)に制御されているときに特定状態に関連して実行される特定演出としての確変中演出の演出例を説明する。図8−6は、確変中演出の演出例を示す画像表示装置5の表示画面図である。確変中演出は、10R確変大当りおよび6R確変大当りのそれぞれの大当り遊技状態の終了後の確変状態における確変背景画像演出および可変表示演出の演出モードに関する演出である。
図8−6において、(A)には、確変状態に制御されていない通常状態(低確低ベース状態)であるときに実行される通常中演出の演出態様である陸地背景モードが示されている。図8−6において、(B)〜(D)には、確変状態であるときに実行される確変中演出の演出態様として、(B)山背景モード、(C)空背景モード、(D)海背景モードが示されている。
図8−6(A)に示す通常中演出としての陸地背景モードは、図8−6(A1)に示すような通常状態に対応する陸地背景モードの背景画像の表示と、図8−6(A2)に示すような通常状態の陸地背景モードの背景画像に対応する可変表示演出画像の表示とを含む。
図8−6(A1)に示すように、通常状態(低確低ベース状態)においては、通常中演出の演出態様である陸地背景モードで背景画像が表示される。陸地背景モードでは、建物と平地とを含む陸地の風景を示す陸地背景画像170F001を背景画像とする演出態様で背景画像の演出が実行される。
図8−6(A2)に示すように、通常状態(低確低ベース状態)においては、通常中演出の演出態様である陸地背景モードに対応する可変表示演出画像として、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて左,中,右の飾り図柄が、図中の矢印に示すような真下方向へスクロールする画像を表示する可変表示演出が実行される。
図8−6(B)に示す確変中演出は、図8−6(B1)に示すような確変状態に対応する山背景モードの背景画像の表示と、図8−6(B2)に示すような確変状態の陸地背景モードの背景画像に対応する可変表示演出画像の表示とを含む。
図8−6(B1)に示すように、確変状態(高確高ベース状態)においては、確変中演出の第1演出態様として、山背景モードで背景画像が表示される場合がある。山背景モードでは、山の風景を示す山背景画像170F002を背景画像とする演出態様で背景画像の演出が実行される。
図8−6(B2)に示すように、確変状態(高確高ベース状態)においては、確変中演出の第1演出態様である山背景モードに対応する可変表示演出画像として、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて左,中,右の飾り図柄が、図中の矢印に示すような斜め左下方向へスクロールする画像を表示する可変表示演出が実行される。
図8−6(C)に示す確変中演出は、図8−6(C1)に示すような確変状態に対応する空背景モードの背景画像の表示と、図8−6(C2)に示すような確変状態の空背景モードの背景画像に対応する可変表示演出画像の表示とを含む。
図8−6(C1)に示すように、確変状態(高確高ベース状態)においては、確変中演出の第2演出態様として、空背景モードで背景画像が表示される場合がある。空背景モードでは、空(夜空)の風景を示す空背景画像170F003を背景画像とする演出態様で背景画像の演出が実行される。
図8−6(C2)に示すように、確変状態(高確高ベース状態)においては、確変中演出の第2演出態様である空背景モードに対応する可変表示演出画像として、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて左,中,右の飾り図柄が、図中の矢印に示すような斜め右下方向へスクロールする画像を表示する可変表示演出が実行される。
図8−6(D)に示す確変中演出は、図8−6(D1)に示すような確変状態に対応する海背景モードの背景画像の表示と、図8−6(D2)に示すような確変状態の海背景モードの背景画像に対応する可変表示演出画像の表示とを含む。
図8−6(D1)に示すように、確変状態(高確高ベース状態)においては、確変中演出の第3演出態様として、海背景モードで背景画像が表示される場合がある。海背景モードでは、海(船と海とを含む)の風景を示す海背景画像170F004を背景画像とする演出態様で背景画像の演出が実行される。
図8−6(D2)に示すように、確変状態(高確高ベース状態)においては、確変中演出の第3演出態様である海背景モードに対応する可変表示演出画像として、飾り図柄表示エリア5L,5D,5Rにおいて左,中,右の飾り図柄が、図中の矢印に示すような真上方向へスクロールする画像を表示する可変表示演出が実行される。
図8−6(B)〜(D)に示すように、確変状態においては、山背景モード、空背景モード、および、海背景モードという3種類の背景モードから選択されたいずれか1つの背景モードで背景画像表示演出および可変表示演出が実行される。図8−6(D)の海背景モードは、前述した設定値が高設定である程選択される割合が高い背景モードである。なお、海背景モードに限らず、山背景モード、または、空背景モードを、設定値が高設定である程選択される割合が高い背景モードとして表示するようにしてもよい。
なお、山背景モード、空背景モード、および、海背景モードの3つのモードのそれぞれに対応する可変表示演出のその他の例としては、これら3つのモードのそれぞれで用いる飾り図柄の種類が異なるようにしてもよい。例えば、3つのモードのそれぞれで用いる飾り図柄の色種類、図柄上に描かれたキャラクタ画像の種類、図柄の外枠の形状の種類、図柄上に描かれた数字の色種類、図柄上に描かれた数字のフォント(形状)等、表示される飾り図柄自体の表示態様が異なるようにしてもよい。
また、確変状態においては、山背景モード、空背景モード、および、海背景モードという3種類の背景モードのいずれかが選択されて表示されるが、各背景モードに対応して、保留表示の画像の表示態様(形状、表示位置、表示サイズ等)が異なるようにしてもよい。
次に、図8−6に示した確変中演出として実行する演出モードを、陸地背景モード、山背景モード、および、海背景モードのうちから選択するために用いられる確変中演出モード選択テーブルを説明する。
図8−7は、確変中演出モード選択テーブルを表形式で示す図である。確変中演出モード選択テーブルは、ROM121に記載されている。図8−7の確変中演出モード選択テーブルにおいては、確変中演出の演出モードである山背景モード、空背景モード、および、海背景モードのそれぞれについて、背景画像の種類と、可変表示演出の種類と、選択割合との関係が示されている。
選択割合は、実際には各演出モードのそれぞれに確変中演出選択用の乱数値が割振られているのであるが、ここでは各演出モードの選択割合を分かりやすくするために、各演出モードを選択するために割振られた乱数値の割合が示されている。選択割合については、各演出モードのそれぞれに割振られた確変中演出選択用の乱数値の割振り数が、設定値1と設定値2〜設定値6との間で異なる。したがって、図8−7では、選択割合が設定値1と設定値2〜設定値6とに分けて示されている。
図8−7の確変中演出モード選択テーブルでは、設定値として設定値2〜設定値6が設定されている場合には、設定値1が設定されている場合と比べて、空背景モードが選択される割合が高いとともに、海背景モードが選択される割合が高い。逆に、設定値として設定値1が設定されている場合には、設定値2〜設定値6が設定されている場合と比べて、山背景モードが選択される割合が高い。また、設定値として設定値1が設定されている場合には、海背景モードが選択される割合が0%である。海背景モードは、設定値2以上の場合にのみ選択可能となる特定演出態様である。設定値1と、設定値2〜設定値とで特定演出態様として海背景モードが選択される割合が異なる。
演出制御用CPU120が確変中演出モード選択テーブルを用いて、確変中演出の演出モードを選択するときには、確変中演出選択用の乱数値を確変中演出選択用のランダムカウンタから抽出するとともに、現在の設定値の情報を取得し、設定値に応じて選択割合が異なる確変中演出の演出モードを、確変中演出選択用の乱数値の抽出値に基づき、抽選により選択決定する。
図8−7に示された設定値により異なり得る演出モードの選択割合の設定により、確変状態中において、確変中演出として選択表示された演出モードの種類に応じて、現在設定されている設定値を遊技者が推測することが可能となる。
また、図8−7の確変中演出モードの海背景モードの選択割合等に示すように、図8−1に示すような設定値が設定値1に設定されているときと、当該設定値1よりも遊技者にとっての有利度が高い設定値2〜6に設定されているときとで、確変中演出のような特定演出の演出態様として、海背景モードのような特定演出態様が選択されて実行される割合が異なる。これにより、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な確変状態のような特定状態に関連した特定演出の演出態様に基づいて遊技者が設定値を推測することが可能となることによって、特定状態での遊技の興趣を盛上げることができることにより、遊技において興趣を盛上げることができる。
〔突確大当り決定時に2つの演出制御期間に亘って実行される演出例〕
次に、特徴部170Fについて、突確大当りである2R確変大当りとなる決定がされたときに、2つの演出制御期間に亘って実行される演出例を説明する。このような突確大当りの決定に応じて2つの演出制御期間に亘って実行される演出としては、特別図柄の可変表示の変動制御中に開始される突確変動中開始演出と、大当り遊技状態の制御中に開始される突確大当り中開始演出とが含まれる。このような2つの演出制御期間に亘って実行される演出は、演出内容を区別するために、突確変動中開始演出を特別演出と呼び、突確大当り中開始演出を所定演出と呼ぶ場合がある。
図8−8は、突確変動中開始演出と突確大当り中開始演出とのそれぞれの演出パターンを示すタイミングチャートである。図8−8(A)には突確変動中開始演出モードの演出パターンが示される。図8−8(B)には突確大当り中開始演出モードの演出パターンが示される。
〔突確変動中開始演出例〕
図8−8(A)を用いて、所定演出としての突確変動中開始演出の演出例を説明する。図8−8(A)のように、突確変動中開始演出は、突確大当りである2R確変大当りとなるときに、変動制御期間(可変表示の変動制御中の期間)から大当り遊技制御期間(大当り遊技状態の制御期間)に亘って実行される演出であり、突確大当りとなることを示唆する演出である。
図8−8(A)に示すように、突確変動中開始演出は、突確大当りである2R確変大当りとなるときに、変動制御期間の開始時から実行が開始され、大当り遊技制御期間の終了時まで実行が継続される。
〔突確大当り中開始演出例〕
図8−8(B)を用いて、特別演出としての突確大当り中開始演出の演出例を説明する。図8−8(B)のように、突確大当り中開始演出は、突確大当りである2R確変大当りとなるときに、大当り遊技制御期間(大当り遊技状態の制御中の期間)から確変制御期間(確変状態の制御中の期間)に亘って実行される演出であり、突確大当りとなること、および、確変状態となったことを示唆する演出である。
図8−8(B)に示すように、突確大当り中開始演出は、突確大当りである2R確変大当りとなるときに、大当り遊技制御の開始時から実行が開始され、確変状態となった後の所定タイミングまで実行が継続される。
〔突確大当り決定時演出種類選択テーブル例〕
図8−9は、突確大当り決定時に実行する演出種類を選択するために用いられる突確大当り決定時演出種類選択テーブルを表形式で示す図である。突確大当り決定時演出種類選択テーブルは、ROM121に記載されている。図8−9の突確大当り決定時演出種類選択テーブルにおいては、前述した突確変動中開始演出と、突確大当り中開始演出とのそれぞれについて、演出態様と、選択割合との関係が示されている。
選択割合は、実際には各演出種類のそれぞれに突確大当り決定時演出種類選択用の乱数値が割振られているのであるが、ここでは各演出種類の選択割合を分かりやすくするために、各演出種類を選択するために割振られた乱数値の割合が示されている。
図8−9に示すように、突確大当り(2R確変大当り)とすることが決定されたたときには、突確変動中開始演出と、突確大当り中開始演出とのいずれかの演出が選択決定されて実行される。
〔突確変動中開始演出モード選択テーブル例〕
次に、図8−8(A)に示した突確変動中開始演出として実行する演出モードを、山背景示唆モード、空背景示唆モード、および、海背景示唆モードのうちから選択するために用いられる突確変動中開始演出モード選択テーブルを説明する。
図8−10は、突確変動中開始演出モード選択テーブルを表形式で示す図である。突確変動中開始演出モード選択テーブルは、ROM121に記載されている。図8−10の突確変動中開始演出モード選択テーブルにおいては、突確大当り(2R確変大当り)終了後における確変中演出の演出モードとして、山背景モードを示唆する山背景示唆モード、空背景モードを示唆する空背景示唆モード、および、海背景モードを示唆する海背景示唆モードが設けられ、それぞれのモードに対応して、演出態様の種類と、確変状態での確変背景画像演出および可変表示演出の種類と、選択割合との関係が示されている。
山背景示唆モードでは、変動中演出から大当り中演出までに跨って山背景画像を示唆する画像を表示する演出が実行される。空背景示唆モードでは、変動中演出から大当り中演出までに跨って空背景画像を示唆する画像を表示する演出が実行される。海背景示唆モードでは、変動中演出から大当り中演出までに跨って海背景画像を示唆する画像を表示する演出が実行される。
選択割合は、実際には各演出モードのそれぞれに突確変動中開始演出モード選択用の乱数値が割振られているのであるが、ここでは各演出モードの選択割合を分かりやすくするために、各演出モードを選択するために割振られた乱数値の割合が示されている。選択割合については、各演出モードのそれぞれに割振られた突確変動中開始演出選択用の乱数値の個数が、設定値1と設定値2〜設定値6との間で異なる。したがって、図8−10では、選択割合が設定値1と設定値2〜設定値6とに分けて示されている。
図8−10の突確変動中開始演出モード選択テーブルでは、設定値として設定値2〜設定値6が設定されている場合には、設定値1が設定されている場合と比べて、海背景示唆モードが選択される割合が高いとともに、空背景示唆モードが選択される割合が高い。逆に、設定値として設定値1が設定されている場合には、設定値2〜設定値6が設定されている場合と比べて、山背景示唆モードが選択される割合が高い。また、設定値として設定値1が設定されている場合には、海背景示唆モードが選択される割合が0%である。海背景示唆モードは、設定値2以上の場合にのみ選択可能となる特定演出態様である。設定値1と、設定値2〜設定値とで特定演出態様として海背景示唆モードが選択される割合が異なる。
演出制御用CPU120が突確変動中開始演出選択テーブルを用いて、突確変動中開始演出の演出モードを選択するときには、突確変動中開始演出モード選択用の乱数値を、突確変動中開始演出モード選択用のランダムカウンタから抽出するとともに、現在の設定値の情報を取得し、設定値に応じて選択割合が異なる突確変動中開始演出の演出モードを、突確変動中開始演出モード用の乱数値の抽出値に基づき、抽選により選択決定する。
図8−10に示された設定値により異なり得る演出モードの選択割合の設定により、可変表示中および大当り遊技状態中において、突確大当り変動中開始演出として選択表示された演出モードの種類に応じて、現在設定されている設定値を遊技者が推測することが可能となる。
図8−10の突確変動中開始演出の海背景示唆モードの選択割合等に示すように、図8−1に示すような設定値が設定値1に設定されているときと、当該設定値1よりも遊技者にとっての有利度が高い設定値2〜6に設定されているときとで、突確変動中開始演出のような所定演出の演出態様として、海背景示唆モードのような特定演出態様が選択されて実行される割合が異なる。これにより、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な確変状態のような特定状態に関連して、可変表示の制御期間から大当り遊技状態の制御期間に亘って実行可能な所定演出の演出態様に基づいて遊技者が設定値を推測することが可能となることによって、可変表示の制御期間から大当り遊技状態の制御期間に亘る遊技状態での遊技の興趣を盛上げることができることによって、遊技において興趣を盛上げることができる。
〔突確大当り中開始演出モード選択テーブル例〕
次に、図8−8(B)に示した突確大当り決定時の大当り中開始演出として実行する演出モードを、山背景示唆モード、空背景示唆モード、および、海背景示唆モードのうちから選択するために用いられる突確大当り中開始演出モード選択テーブルを説明する。
図8−11は、突確大当り中開始演出モード選択テーブルを表形式で示す図である。突確大当り中開始演出モード選択テーブルは、ROM121に記載されている。図8−11の突確大当り中開始演出モード選択テーブルにおいては、突確大当り(2R確変大当り)終了後における確変中演出の演出モードとして、山背景モードを示唆する山背景示唆モード、空背景モードを示唆する空背景示唆モード、および、海背景モードを示唆する海背景示唆モードが設けられ、それぞれのモードに対応して、演出態様の種類と、確変状態での確変背景画像演出および可変表示演出の種類と、選択割合との関係が示されている。
山背景示唆モードでは、大当り中演出から確変中演出までに跨って山背景画像を示唆する画像を表示する演出が実行される。空背景示唆モードでは、大当り中演出から確変中演出までに跨って空背景画像を示唆する画像を表示する演出が実行される。海背景示唆モードでは、大当り中演出から確変中演出までに跨って海背景画像を示唆する画像を表示する演出が実行される。
選択割合は、実際には各演出モードのそれぞれに突確大当り中開始演出選択用の乱数値が割振られているのであるが、ここでは各演出モードの選択割合を分かりやすくするために、各演出モードを選択するために割振られた乱数値の割合が示されている。選択割合については、各演出モードのそれぞれに割振られた突確大当り中開始演出選択用の乱数値の個数が、設定値1と設定値2〜設定値6との間で異なる。したがって、図8−11では、選択割合が設定値1と設定値2〜設定値6とに分けて示されている。
図8−11の突確大当り中開始演出モード選択テーブルでは、設定値として設定値2〜設定値6が設定されている場合には、設定値1が設定されている場合と比べて、海背景示唆モードが選択される割合が高いとともに、空背景示唆モードが選択される割合が高い。逆に、設定値として設定値1が設定されている場合には、設定値2〜設定値6が設定されている場合と比べて、山背景示唆モードが選択される割合が高い。また、設定値として設定値1が設定されている場合には、海背景示唆モードが選択される割合が0%である。海背景示唆モードは、設定値2以上の場合にのみ選択可能となる特定演出態様である。設定値1と、設定値2〜設定値とで特定演出態様として海背景示唆モードが選択される割合が異なる。
演出制御用CPU120が確変大当り中演出モード選択テーブルを用いて、突確大当り中開始演出の演出モードを選択するときには、突確大当り中開始演出モード選択用の乱数値を、突確大当り中開始演出モード選択用のランダムカウンタから抽出するとともに、現在の設定値の情報を取得し、設定値に応じて選択割合が異なる突確大当り中開始演出の演出モードを、突確大当り中開始演出モード用の乱数値の抽出値に基づき、抽選により選択決定する。
図8−11に示された設定値により異なり得る演出モードの選択割合の設定により、大当り遊技状態中および確変状態中において、突確大当り中開始演出として選択表示された演出モードの種類に応じて、現在設定されている設定値を遊技者が推測することが可能となる。
図8−11の突確大当り中開始演出の海背景示唆モードの選択割合等に示すように、図8−1に示すような設定値が設定値1に設定されているときと、当該設定値1よりも遊技者にとっての有利度が高い設定値2〜6に設定されているときとで、突確大当り中開始演出のような特別演出の演出態様として、海背景示唆モードのような特定演出態様が選択されて実行される割合が異なる。これにより、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な確変状態のような特定状態に関連して、大当り遊技状態の制御期間から確変状態の制御期間に亘って実行可能な特別演出の演出態様に基づいて遊技者が設定値を推測することが可能となることによって、大当り遊技状態の制御期間から確変状態の制御期間に亘る遊技状態での遊技の興趣を盛上げることができることによって、遊技において興趣を盛上げることができる。
また、図8−7の確変中演出モード選択テーブルと、図8−10の突確変動中開始演出モード選択テーブルおよび図8−11の突確大当り中開始演出モード選択テーブルとを比較すると次のようなことが技術的効果を導くことができる。2R確変大当りでの確変状態の演出態様を選択する図8−10および図8−11のテーブルでは、特定演出態様である海背景示唆モードを選択可能な割合が設定値2〜6では20%であり、10R確変大当りまたは6R確変大当りでの確変状態の演出態様を選択する図8−7のテーブルでは、特定演出態様である海背景モードを選択可能な割合が設定値2〜6では10%である。したがって、2R確変大当りに制御されるときには、突確大当り中開始演出の演出態様、または、突確変動中開始演出の演出態様が、2R確変大当りよりもラウンド数で有利度が高い10R確変大当りまたは6R確変大当りに制御されるときの確変中演出の演出態様と比べて、特定演出態様(海背景示唆モード)とされる割合が高い。これにより、10R確変大当りまたは6R確変大当りよりも有利度が低い2R確変大当りに制御された遊技者における残念感を軽減することができる。
〔特徴部170F対応のフローチャート例〕
次に、前述した確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出を実行するために演出制御用CPU120により実行されるフローチャート例を説明する。
図8−12は、図8−6に示した確変中演出を実行するために用いられる確変中演出設定処理を示すフローチャートである。図8−12の確変中演出設定処理は、エンディング処理(図7のS177)において、大当り遊技状態終了後の確変状態を設定する処理に含まれる。
確変中演出設定処理では、現在の大当り遊技状態を終了させるときに受信された当り終了コマンドにより特定可能な大当り種別の情報に基づいて、現在が、10R確変大当りまたは6R確変大当りの大当り遊技状態の終了時であるか否かを判定する(170FS001)。170FS001で10R確変大当りまたは6R確変大当りの大当り遊技状態の終了時ではないときは、処理を終了する。一方、170FS001で10R確変大当りまたは6R確変大当りの大当り遊技状態の終了時であるときは、前述のようにRAM122に記憶された現在の設定値のデータに基づいて、現在の設定値に関する情報(設定値1〜設定値6のいずれかの情報)を取得する(170FS002)。
次に、確変中演出選択用の乱数値を抽出し、図8−7の確変中演出モード選択テーブルを用いて、現在の設定値および抽出した乱数値に基づき、山背景モード、空背景モード、および、海背景モードのうちのいずれかを、確変中演出の演出モードとして選択決定する(170FS003)。そして、170FS003で決定した演出モードに対応する背景画像を確変状態の背景画像として画像表示装置5に表示する(170FS004)。これにより、図8−6(B)〜(D)に示したような山背景画像170F002、空背景画像170F003、および、海背景画像170F004のうち、いずれかが確変状態中における背景画像として、確変状態の終了時まで表示される。
次に、170FS003で決定した演出モードに対応する可変表示演出の種類(斜左下方向変動、斜右下方向変動、真上方向変動のいずれかの種類)を特定するデータを、以降の確変状態での可変表示演出に用いるためにRAM122に記憶し(170FS005)、処理を終了する。これにより、移行の確変状態で飾り図柄の可変表示が実行されるときには、図7の可変表示開始設定処理(S171)で演出モードに対応する可変表示演出の種類を特定する記憶データが参照されて、可変表示演出を実行するための演出データが設定され、その演出データに基づき、図7の可変表示中演出処理(S172)で、飾り図柄の可変表示において、図8−6(B)〜(D)に示したような可変表示演出のいずれかが実行される。これにより、図8−6(B)〜(D)に示したような可変表示演出のいずれかが、確変状態中における可変表示演出として、確変状態の終了時まで実行される。
図8−13は、図8−8(A),(B)に示した突確大当りとなる決定がされたときの突確変動中開始演出と突確大当り中開始演出とを実行可能とする突確大当り演出設定処理を示すフローチャートである。図8−13の突確大当り演出設定処理は、可変表示開始設定処理(図7のS171)において、飾り図柄の可変表示演出を設定する処理に含まれる。
突確大当り演出設定処理では、これから開始させる可変表示の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドに付随して送信されて受信された変動表示通知コマンドにより特定可能な大当りの種類に関する情報に基づいて、突確大当りである2R可変表示大当りとなる変動パターンでの可変表示の実行決定時であるか否かを判定する(170FS011)。
170FS011で2R確変大当りの変動パターンでの可変表示の実行決定時ではないときは、処理を終了する。一方、170FS011で2R確変大当りの変動パターンでの可変表示の実行決定時であるときは、前述のようにRAM122に記憶された現在の設定値のデータに基づいて、現在の設定値に関する情報(設定値1〜設定値6のいずれかの情報)を取得する(170FS012)。
次に、突確大当り決定時演出種類選択用の乱数値を抽出し、図8−9の突確大当り決定時演出種類選択テーブルを用いて、抽出した乱数値に基づき、突確変動中開始演出と、突確大当り中開始演出とのいずれかの演出種類を選択決定する(170FS013)。そして、170FS013により突確変動中開始演出が選択決定されたか否かを判定する(170FS014)。
170FS014で、突確変動中開始演出が選択決定されていないと判定されたとき、すなわち、突確大当り中開始演出が選択決定されたと判定されたときは、突確大当り中開始演出決定特定データをRAM122に記憶し、処理を終了する。一方、170FS014で、突確変動中開始演出が選択決定されたと判定されたときは、突確変動中開始演出選択用の乱数値を抽出し、図8−10の突確変動中開始演出モード選択テーブルを用いて、現在の設定値および抽出した乱数値に基づき、山背景示唆モード、空背景示唆モード、および、海背景示唆モードのうちのいずれかを、突確変動中開始演出の演出モードとして選択決定する(170FS015)。そして、170FS015で決定した突確変動中開始演出の演出モードを実行するための演出データをRAM122に記憶し(170FS016)、処理を終了する。
このように、突確変動中開始演出の演出モードを実行するための演出データがRAM122に記憶されると、その記憶データに基づいて、今回の突確大当りとなる飾り図柄の可変表示が実行されるときの演出制御データに、170FS015で決定した突確変動中開始演出の演出モードでの示唆演出をするためのデータが組込まれる。これにより、可変表示中演出処理(図7のS172)において、飾り図柄の可変表示の実行を開始するときに、170FS015で決定した突確変動中開始演出の演出モードでの示唆演出をする突確変動中開始演出の実行が開始される。そして、突確変動中開始演出は、飾り図柄の変動制御期間中継続して実行される。
その後、可変表示中演出処理(図7のS172)および特図当り待ち処理(図7のS173)が終了して、大当り中演出処理(図7のS176)が実行されるときにも、RAM122に記憶された突確変動中開始演出の演出モードを実行するための演出データに基づいて、今回の突確大当りの大当り遊技の実行前において、大当り遊技状態での演出制御データに、170FS015で決定した突確変動中開始演出の演出モードでの示唆演出を引き続き実行するためのデータが組込まれる。これにより、大当り中演出処理(図7のS176)において、大当り中演出の実行を開始するときに、170FS015で決定した突確変動中開始演出の演出モードでの示唆演出をする突確変動中開始演出の実行が継続される。そして、そのような突確変動中開始演出は、エンディング処理(図7のS177)により大当り遊技制御期間が終了するまで実行された後、終了する。
このように、突確変動中開始演出は、図8−8(A)のように、変動制御期間から大当り遊技制御期間に亘り継続して実行される。このような突確変動中開始演出が実行されるときに、変動制御期間から大当り遊技制御期間に亘り継続して、確変状態での背景画像を示唆する演出が実行されることにより、遊技者の確変状態に対する期待感を盛上げることができる。
図8−14は、図8−8(B)に示した突確大当りとなる決定がされたときの大当り中開始演出を実行可能とする突確大当り中開始演出設定処理を示すフローチャートである。図8−14の突確大当り中開始演出設定処理は、大当り中演出処理(図7のS175)において、大当り遊技状態の演出を設定する処理に含まれる。
突確大当り中開始演出設定処理では、現在が大当り遊技状態の演出(大当り遊技演出)の開始前であるか否かを演出制御の進行状態を確認することにより判定する(170FS021)。170FS021で大当り遊技演出の開始前ではない、すなわち、大当り遊技状態の開始時以降と判定されたときは、処理を終了する。一方、170FS021で大当り遊技演出の開始前であると判定されたときは、大当り遊技状態の開始を指定する当り(大当り)開始指定コマンドにより特定可能な大当りの種類に関する情報に基づいて、突確大当りである2R確変大当りの大当り遊技演出の実行が指定されているときであるか否かを判定する(170FS022)。
170FS022で2R確変大当りの大当り遊技演出の実行が指定されていないときには、処理を終了する。一方、170FS022で2R確変大当りの大当り遊技演出の実行が指定されているときには、図8−13の170FS017でRAM122に記憶され得る突確大当り中開始演出決定特定データが記憶されているか否かを判定する(170FS023)。
170FS023で、突確大当り中開始演出決定特定データが記憶されていないときは、処理を終了する。これにより、突確大当り中開始演出決定特定データが記憶されていないときは、突確大当り中開始演出が実行されない。一方、170FS023で、突確大当り中開始演出決定特定データが記憶されていないときは、処理を終了する。これにより、突確大当り中開始演出決定特定データが記憶されているときは、前述のようにRAM122に記憶された現在の設定値のデータに基づいて、現在の設定値に関する情報(設定値1〜設定値6のいずれかの情報)を取得する(170FS024)。
次に、突確大当り中開始演出選択用の乱数値を抽出し、図8−11の突確変動中開始演出モード選択テーブルを用いて、現在の設定値および抽出した乱数値に基づき、山背景示唆モード、空背景示唆モード、および、海背景示唆モードのうちのいずれかを、突確大当り中開始演出の演出モードとして選択決定する(170FS025)。そして、170FS025で決定した突確大当り中開始演出の演出モードを実行するための演出データをRAM122に記憶し、処理を終了する。
このように、突確大当り中開始演出の演出モードを実行するための演出データがRAM122に記憶されると、その記憶データに基づいて、今回の突確大当りの大当り遊技状態が実行されるときの演出制御データに、170FS025で決定した突確大当り中開始演出の演出モードでの示唆演出をするためのデータが組込まれる。これにより、大当り中演出処理(図7のS175)において、大当り遊技状態の演出の実行を開始するときに、170FS025で決定した突確大当り中開始演出の演出モードでの示唆演出をする突確大当り中開始演出の実行が開始される(170FS031)。そして、突確大当り中開始演出は、大当り遊技状態の制御期間中継続して実行される。
その後、大当り中演出処理(図7のS175)およびエンディング処理(図7のS177)が終了して、確変状態の制御が実行されるときにも、RAM122に記憶された突確大当り中開始演出の演出モードを実行するための演出データに基づいて、その演出モードに対応する背景画像が表示されるとともに、飾り図柄の可変表示時に、その演出モードに対応する可変表示演出が実行される。さらに、確変状態の制御が実行されるときにも、RAM122に記憶された突確大当り中開始演出の演出モードを実行するための演出データに基づいて、所定期間(可変状態開始当初のたとえば数十秒間)に亘り170FS025で決定した突確大当り中開始演出の演出モードでの示唆演出をするためのデータが組込まれる。これにより、確変状態においても、170FS025で決定した突確大当り中開始演出の演出モードでの示唆演出をする突確大当り中開始演出の実行が継続される。そして、そのような突確大当り中開始演出は、所定期間が経過するまで実行された後、終了する。
このように、突確大当り中開始演出は、図8−8(B)のように、大当り遊技制御期間から確変制御期間に亘り継続して実行される。このような突確大当り中開始演出が実行されるときに、大当り遊技制御期間から確変制御期間に亘り継続して、確変状態での背景画像を示唆する演出が実行されることにより、遊技者の確変状態に対する期待感を盛上げることができる。
〔演出抽選履歴表示例〕
次に、大当り遊技状態に制御されていない状態において特別図柄および飾り図柄の可変表示が実行されていないときに、確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードの抽選による選択履歴(以下、抽選履歴ともいう)を遊技者の動作を検出すること応じて確認可能とする制御例を説明する。
図8−15は、確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードの抽選履歴を表示可能とする演出制御を実行する場合における画像表示装置5での抽選履歴の表示態様を示す図である。
演出制御用CPU120では、画像表示装置5において、大当り遊技状態に制御されていない状態において特別図柄および飾り図柄の可変表示が所定期間(例えば3分間等)実行されていない状態となると、図8−15(A)のように、確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードの抽選履歴を表示可能とすることが可能となる所定のメニュー画面を表示する演出制御を実行する。メニュー画面は、前述の所定期間が経過したときに自動的に表示される演出制御により表示されてもよく、前述の所定期間が経過したときに遊技者のボタン操作等の動作に応じてメニュー画面が表示可能となることを示す情報を画像表示装置5に表示し、遊技者の動作に応じて表示されてもよい。
図8−15(A)のように、メニュー画面には、音量設定用のアイコン画像、輝度設定用のアイコン画像、演出抽選履歴用のアイコン画像、および、演出設定用のアイコン画像等の各種情報の表示および設定を可能となる複数種類のアイコン画像が表示される。さらに、メニュー画面には、複数種類表示されたアイコン画像を選択するための選択枠画170F006が表示される。選択枠画像170F006は、たとえば、遊技者による十字キー170F005の操作動作に応じて、図中の破線の矢印のような方向に表示位置が変更可能であり、複数種類表示されたアイコン画像のいずれかに重なる態様で表示される。
図8−15(A)のように、メニュー画面において、選択枠画像170F006により、演出抽選履歴用のアイコン画像が選択されている状態で、プッシュボタン31Bが遊技者の動作により操作されて、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、図8−15(A)のメニュー画面から図8−15(B)の演出抽選履歴画面に画面を切替える演出制御を実行する。
図8−15(B)のように、演出抽選履歴画面では、確変中演出抽選履歴用のアイコン画像、突確変動中開始演出抽選履歴用のアイコン画像、および、突確大当り中開始演出抽選履歴用のアイコン画像が表示され、図8−15(A)のメニュー画面と同様に表示される選択枠画像170F006により、アイコン画像を選択可能とする表示がされる。
図8−15(B)の演出抽選履歴画面において、確変中演出抽選履歴用のアイコン画像が選択枠画像170F006に選択された状態で、プッシュボタン31Bが遊技者の動作により操作されて、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、図8−15(B)の演出抽選履歴画面から図8−15(C)の確変中演出抽選履歴画面が表示される。図8−15(C)の確変中演出抽選履歴画面では、パチンコ遊技機1の電源投入時から現在までにおける確変中演出抽選履歴が表示される。たとえば、確変中演出抽選履歴としては、図8−15(C)に示すように、山背景モード、空背景モード、および、海背景モードの抽選による選択表示回数が表示される。山背景モード、空背景モード、および、海背景モードの抽選による選択表示回数は、演出制御用CPU120がそれぞれに選択表示回数に対応して設けられたカウンタにより計数する。
図8−15(B)の演出抽選履歴画面において、突確変動中開始演出抽選履歴用のアイコン画像が選択枠画像170F006に選択された状態で、プッシュボタン31Bが遊技者の動作により操作されて、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、図8−15(B)の演出抽選履歴画面から図8−15(D)の突確変動中開始演出抽選履歴画面が表示される。図8−15(D)の突確変動中開始演出抽選履歴画面では、パチンコ遊技機1の電源投入時から現在までにおける突確変動中開始演出抽選履歴が表示される。たとえば、突確変動中開始演出抽選履歴としては、図8−15(D)に示すように、山背景示唆モード、空背景示唆モード、および、海背景示唆モードの抽選による選択表示回数が表示される。山背景示唆モード、空背景示唆モード、および、海背景示唆モードの抽選による選択表示回数は、演出制御用CPU120がそれぞれに選択表示回数に対応して設けられたカウンタにより計数する。
図8−15(B)の演出抽選履歴画面において、突確大当り中開始演出抽選履歴用のアイコン画像が選択枠画像170F006に選択された状態で、プッシュボタン31Bが遊技者の動作により操作されて、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、図8−15(B)の演出抽選履歴画面から図8−15(E)の突確大当り中開始演出抽選履歴画面が表示される。図8−15(E)の突確大当り中開始演出抽選履歴画面では、パチンコ遊技機1の電源投入時から現在までにおける突確大当り中開始演出抽選履歴が表示される。たとえば、突確大当り中開始演出抽選履歴としては、図8−15(E)に示すように、山背景示唆モード、空背景示唆モード、および、海背景示唆モードの抽選による選択表示回数は、演出制御用CPU120がそれぞれに選択表示回数に対応して設けられたカウンタにより計数する。
図8−15(C)、(D)、(E)の各画面には、「戻る」と記載された戻るアイコン画像が表示され、(C)、(D)、(E)の各画面が表示されている状態で、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、図8−15(A)のメニュー画面に戻る演出制御が実行される。
図8−15に示されたように、遊技者の操作動作が検出されることに応じて、(C)の確変中演出抽選履歴画面、(D)の突確変動中開始演出抽選履歴画面、および、(E)の突確大当り中開始演出抽選履歴画面が表示可能となることにより、各演出種類における演出モードの抽選選択履歴が表示される。遊技者は、このように表示される演出モードの抽選選択履歴を確認することにより、抽選選択履歴に基づいて遊技者が設定値を推測することが可能となる。
図8−15において、(C)のようにメニュー画面から確変中演出抽選履歴画面を表示することが可能であり、図8−15(E)のようにメニュー画面から突確大当り中開始演出抽選履歴画面を表示することが可能であり、図8−15(D)のようにメニュー画面から突確変動中開始演出抽選履歴画面を表示することが可能である。これにより、遊技者が、遊技をする前において、確変中演出、突確大当り中開始演出、突確変動中開始演出の抽選による選択履歴を確認することができ、このような演出の選択履歴に基づいて設定値を推測することが可能となることによって、遊技者による遊技機の稼働を促進することができる。
〔演出モード選択例〕
次に、大当り遊技状態の演出の終了時(エンディングタイミング)のとき(例えば図7のS177実行時)に、確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードを遊技者の動作を検出することに応じて選択可能とする制御例を説明する。なお、このような確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードを遊技者の動作を検出することに応じて選択可能とする制御は、大当り遊技状態に制御されていない状態において特別図柄および飾り図柄の可変表示が実行されていないときに実行可能となるようにしてもよい。
前述した確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードについては、抽選により選択される例を示した。しかし、これに限らず、前述した確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードについては、遊技者の操作動作に応じて遊技者の意思にしたがって選択可能となるようにしてもよい。
図8−16は、確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードを遊技者の操作動作に応じて選択可能となる演出制御を実行する場合における画像表示装置5での表示態様を示す図である。
演出制御用CPU120では、画像表示装置5において、大当り遊技状態に制御されていない状態において特別図柄および飾り図柄の可変表示が所定期間(例えば3分間等)実行されていない状態となると、図8−16(A)のように、確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードを遊技者が選択可能となる所定のメニュー画面を表示する演出制御を実行する。図8−16(A)メニュー画面は、8−16(B)メニュー画面と同様の表示態様である。
図8−16(A)のように、メニュー画面において、選択枠画像170F006により演出設定用のアイコン画像が選択されている状態で、プッシュボタン31Bが遊技者の動作により操作されて、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、図8−16(A)のメニュー画面から図8−16(B)の演出設定画面に画面を切替える演出制御を実行する。
図8−16(B)のように、演出設定画面では、確変中演出設定用のアイコン画像、突確変動中開始演出設定用のアイコン画像、および、突確大当り中開始演出設定用のアイコン画像が表示され、図8−16(A)のメニュー画面と同様に表示される選択枠画像170F006により、アイコン画像を選択可能とする表示がされる。
図8−16(B)の演出設定画面において、確変中演出設定用のアイコン画像が選択枠画像170F006に選択された状態で、プッシュボタン31Bが遊技者の動作により操作されて、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、図8−16(B)の演出設定画面から図8−16(C)の確変中演出設定画面が表示される。図8−16(C)の確変中演出設定画面では、山背景モード設定用のアイコン画像、空背景モード設定用のアイコン画像、および、海背景モード設定用のアイコン画像が表示される。確変中演出設定画面では「×」印が付与されていないアイコン画像のみが選択枠画像170F006により選択可能である。
図8−16(C)の確変中演出設定画面では、選択枠画像170F006によりアイコン画像が選択された状態でプッシュボタン31Bが遊技者の動作により操作されて、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、選択枠画像170F006により選択されていたアイコン画像に対応する演出モードを、前述したような抽選によらず、確変中演出において基本的に表示する演出モードに設定する。
図8−16(B)の演出設定画面において、突確変動中開始演出設定用のアイコン画像が選択枠画像170F006に選択された状態で、プッシュボタン31Bが遊技者の動作により操作されて、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、図8−16(B)の演出設定画面から図8−16(D)の突確変動中開始演出設定画面が表示される。図8−16(D)の突確変動中開始演出設定画面では、山背景示唆モード設定用のアイコン画像、空背景示唆モード設定用のアイコン画像、および、海背景示唆モード設定用のアイコン画像が表示される。確変中演出設定画面では「×」印が付与されていないアイコン画像のみが選択枠画像170F006により選択可能である。
図8−16(D)の突確変動中開始演出設定画面では、選択枠画像170F006によりアイコン画像が選択された状態でプッシュボタン31Bが遊技者の動作により操作されて、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、選択枠画像170F006により選択されていたアイコン画像に対応する演出モードを、前述したような抽選によらず、突確変動中開始演出において基本的に表示する演出モードに設定する。
図8−16(B)の演出設定画面において、突確大当り中開始演出設定用のアイコン画像が選択枠画像170F006に選択された状態で、プッシュボタン31Bが遊技者の動作により操作されて、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、図8−16(B)の演出設定画面から図8−16(E)の突確大当り中開始演出設定画面が表示される。図8−16(E)の突確大当り中開始演出設定画面では、山背景示唆モード設定用のアイコン画像、空背景示唆モード設定用のアイコン画像、および、海背景示唆モード設定用のアイコン画像が表示される。突確大当り中演出設定画面では「×」印が付与されていないアイコン画像のみが選択枠画像170F006により選択可能である。
図8−16(E)の突確大当り中演出設定画面では、選択枠画像170F006によりアイコン画像が選択された状態でプッシュボタン31Bが遊技者の動作により操作されて、プッシュセンサ170F300により操作が検出されると、演出制御用CPU120では、選択枠画像170F006により選択されていたアイコン画像に対応する演出モードを、前述したような抽選によらず、突確大当り中開始演出において基本的に表示する演出モードに設定する。
確変中演出設定画面においては、表示されると設定値2以上が確定する山背景モードが選択不可能であり、突確変動中演出設定画面、および、突確大当り中演出設定画面のそれぞれにおいては、表示されると設定値2以上が確定する山背景示唆モードが選択不可能である。
また、確変中演出設定画面においては、表示されると設定値2以上が確定する海背景モードが選択不可能であり、突確変動中演出設定画面、および、突確大当り中演出設定画面のそれぞれにおいては、表示されると設定値2以上が確定する海背景示唆モードが選択不可能であるが、演出制御用CPU120は、各演出が実行されるごとに、選択不可能とされた演出モードについて、所定割合での抽選を行い、当選したときには、遊技者が設定した演出モードの表示に代えて、選択不可能とされた演出モード(海背景モード、海背景示唆モード)を表示可能とする演出制御をしてもよい。
なお、図8−16に示す確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードを遊技者の操作動作に応じて選択可能となる演出制御においては、演出モードが遊技者の操作動作に応じて選択された場合には、図8−7、図8−10、図8−11に示すテーブルを用いた確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出が実行されず、演出モードが遊技者の操作動作に応じて選択されなかった場合には、図8−7、図8−10、図8−11に示すテーブルを用いた確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出が実行されるようにしてもよい。
また、特徴部170Fのパチンコ遊技機1は、図8−16に示す確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードを遊技者の操作動作に応じて選択可能となる演出制御が実行される構成が設けられたものであってもよく、図8−16に示す確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードを遊技者の操作動作に応じて選択可能となる演出制御が実行される構成が設けられないものであってもよい。
また、図16は、確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のすべての演出モードについて、遊技者の動作に応じて演出モードを選択可能な例を示したが、これら複数の演出のうちの一部の演出については、演出モードの選択が不可能となるようにしてもよい。また、このような演出モードの選択は、電源投入時からの経過時間に応じて、選択が可能な演出の種類が異なるようにしてもよい。また、演出モードについては、選択不可能な演出モードがある例を示したが、すべての演出モードが選択可能となるようにしてもよい。
このように、確変中演出の演出モード、突確変動中演出の演出モード、および、突確大当り中演出の演出モードのそれぞれについて、遊技者の操作動作により選択された演出モードが抽選によらず表示可能とすることにより、遊技者の嗜好に合った演出態様とすることが可能となり、遊技においてより一層興趣を盛上げることができる。
また、確変中演出の演出モード、突確変動中演出の演出モード、および、突確大当り中演出の演出モードのそれぞれについて、遊技者の操作動作により選択不可能な演出モードを設けておき、当該演出モードが、遊技者が選択した演出モードの代わりに表示されたときに、設定された設定値を遊技者が容易に推測できるようにする場合には、演出の面白みを向上させことができ、遊技においてより一層興趣を盛上げることができる。
〔電源投入後の経過状態に応じた演出モード選択割合変更例〕
次に、パチンコ遊技機1における電源投入後の経過状態に応じて、確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれの演出モードの選択割合を変更する演出制御例を説明する。
まず、前述した確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれを対象として電源投入後における経過期間が、所定期間未満となる第1期間の方が、所定期間以上となる第2期間よりも、特定演出態様とされる割合を高くする例(時間帯別の演出モード選択割合変更例)を説明する。
以下、確変中演出を代表例として、時間帯別の演出モード選択割合変更例を説明する。図8−17は、時間帯別の演出モード選択割合変更例を示す時間帯別確変中演出モード選択テーブルを示す図である。時間帯別確変中演出モード選択テーブルは、ROM121に記憶されている。
以下、確変中演出を代表例として、時間帯別の演出モード選択割合変更例を説明する。図8−17(A)〜(C)には、時間帯別に分けて使用される確変中演出モード選択テーブルが示されている。この例では、例えば10時開店の遊技店において、9時00分にパチンコ遊技機1の電源を投入し、電源投入時からの経過時間をパチンコ遊技機1に設けられたRTC(リアルタイムクロック)の計時手段による計時情報を演出制御用CPU120が読込み、その計時情報に基づいて、演出制御用CPU120が電源投入時からの経過時間を判定する場合を説明する。
図8−17(A)には、電源投入時からの経過時間が3時間未満である10時台〜11時台の第1時間帯において確変中演出モード選択テーブルとして使用される第1時間帯確変中演出モード選択テーブルが示されている。図8−17(B)には、電源投入時からの経過時間が3時間以上かつ10時間未満である12時台〜19時台の第2時間帯において確変中演出モード選択テーブルとして使用される第2時間帯確変中演出モード選択テーブルが示されている。図8−17(C)には、電源投入時からの経過時間が10時間以上である20時以降の第3時間帯において確変中演出モード選択テーブルとして使用される第3時間帯確変中演出モード選択テーブルが示されている。図8−17(A)〜(C)のテーブルの構成は、図8−7に示した確変中演出モード選択テーブルの構成と同様である。
演出制御用CPU120は、確変中演出を実行するときに、計時手段から読み込んだ計時情報に基づいて、現在の経過時間が(A)〜(C)の時間帯別の確変中演出モード選択テーブルのどの時間帯に該当するかを判定し、その判定結果に基づいて、確変中演出モード選択テーブルを(A)〜(C)のうちから選択し、前述したような選択方法により、演出モードを選択して、確変中演出を実行する演出制御を行なう。
なお、電源投入時からの経過時間は、RTCによる時刻情報に基づいて確認する場合に限らず、電源投入時からの経過時間をソフトウェア処理により計時する経過時間タイマを設け、その経過時間タイマの経過時間情報に基づいて、演出制御用CPU120が認識するようにしてもよい。また、RTCを用いる場合には、電源投入時からの経過時間情報ではなく、時刻情報により確変中演出モード選択テーブルを時刻帯別に(A)〜(C)に分けて設け、何時何分というような時刻情報に基づいて、演出制御用CPU120が、時刻帯別に設けられた(A)〜(C)の確変中演出モード選択テーブルから演出モードの選択に用いるテーブルを選択するようにしてもよい。
図8−17(A)〜(C)の確変中演出モード選択テーブルでは、電源投入後における経過期間が、所定期間未満となる第1時間帯の期間の方が、所定期間以上となる第2時間帯の期間よりも、特定演出態様である海背景モードが選択される割合が高く設定されている。これにより、電源投入後において、大当り遊技状態に制御可能な回数が少なくなり得る程、確変中演出の演出態様として特定演出態様とされる割合が高くなることにより、遊技者が設定値を推測しやすくなるので、電源投入後における経過期間が比較的短い期間において遊技機の稼働を促進することができる。たとえば、遊技店の開店当初の期間における遊技機の稼働を促進することができる。
また、図8−17(A)〜(C)の確変中演出モード選択テーブルでは、電源投入後における経過期間が、特定期間未満となる第2時間帯の期間の方が、特定期間以上となる第3時間帯の期間よりも、特定演出態様である海背景モードが選択される割合が高く設定されている。これにより、電源投入後において、大当り遊技状態に制御可能な回数が多くなり得る程、確変中演出の演出態様として特定演出態様とされる割合が高くなることにより、遊技者が設定値を推測しやすくなるので、電源投入後における経過期間が比較的長い期間において遊技機の稼働を促進することができる。たとえば、遊技店の夜間時間帯の期間における遊技機の稼働を促進することができる。
なお、図8−17(A),(C)に示すように、朝の第1時間帯の期間と夜の第3時間帯の期間とで、特定演出態様である海背景モードが選択される割合が同じ割合になるように設定した例を示したが、これに限らず、例えば、第1時間帯の期間の方が第3時間帯よりも特定演出態様である海背景モードが選択される割合を高く設定する等、第1時間帯の期間と第3時間帯の期間とで、特定演出態様である海背景モードが選択される割合が異なるようにしてもよい。
また、図8−8(A)の突確変動中開始演出についても、図8−10の突確変動中演出モード選択テーブルを、図8−17(A)〜(C)のように時間帯別の演出モード選択テーブルとして設け、図8−17(A)〜(C)と同様に、特定演出態様(海背景示唆モード)が選択される割合を時間帯により、異ならせてもよい。これにより、例えば、電源投入後における経過期間が、所定期間未満となる第1期間の方が、所定期間以上となる第2期間よりも、特定演出態様とされる割合を高くするようにしてもよい。このような構成を採用すれば、図8−17に示す確変中演出モードと同様の効果を得ることができる。
また、図8−8(A)の突確大当り中開始演出についても、図8−11の突確大当り中演出モード選択テーブルを、図8−17(A)〜(C)のように時間帯別の演出モード選択テーブルとして設け、図8−17(A)〜(C)と同様に、特定演出態様(海背景示唆モード)が選択される割合を時間帯により、異ならせてもよい。これにより、例えば、電源投入後における経過期間が、所定期間未満となる第1期間の方が、所定期間以上となる第2期間よりも、特定演出態様とされる割合を高くするようにしてもよい。このような構成を採用すれば、図8−17に示す確変中演出モードと同様の効果を得ることができる。
また、演出制御用CPU120において、前述した確変中演出、突確変動中開始演出、および、突確大当り中開始演出のそれぞれを対象として、電源投入後において確変状態のような特定状態に制御された回数を計数し、その計数された回数が所定回数未満のときと、所定回数以上のときとで、特定演出態様に該当する演出モードの選択割合が異なるように、演出モードの選択割合を変更する演出制御をしてもよい。例えば、電源投入後における確変状態のような特定状態に制御された回数の計数回数が所定回数未満のときの方が、所定回数以上のときよりも、特定演出態様に該当する演出モードの選択割合が高くなるようにしてもよい。このような構成を採用すれば、電源投入後における経過期間が比較的短い期間において遊技機の稼働を促進することができる。また、電源投入後に比較的長い期間が経過しても、稼働状態が低い遊技機の稼働を促進することができる。
〔特定演出態様の選択割合を異ならせるその他の制御例〕
次に、確変状態に制御されるときに、その確変状態に制御される前の演出態様(前回の確変状態に制御されるときの演出態様)に応じて、今回確変状態に制御されるときの演出の演出態様として特定演出態様とされる割合を異ならせる演出制御を演出制御用CPU120が実行する例を説明する。
まず、特定演出としての確変中演出の場合を説明する。演出制御用CPU120は、一例として、10R確変大当りにより確変状態に制御される場合において、その確変状態に制御される前の確変中演出の演出態様が特定演出態様(海背景モード)であるときは、その確変状態に制御される前の確変中演出の演出態様が特定演出態様以外の演出態様であるときと比べて、確変状態に制御されるときの確変中演出を特定演出態様とする割合を低くする演出制御を実行する。
次に、所定演出としての突確変動中開始演出の場合を説明する。演出制御用CPU120は、一例として、突確変動中開始演出が実行されて2R確変大当りにより確変状態に制御される場合において、その確変状態に制御される前の突確変動中開始演出の演出態様が特定演出態様(海背景示唆モード)であるときは、その確変状態に制御される前の突確変動中開始演出の演出態様が特定演出態様以外の演出態様であるときと比べて、確変状態に制御されるときの突確変動中開始演出を特定演出態様とする割合を低くする演出制御を実行する。
次に、特別演出としての突確大当り中開始演出の場合を説明する。演出制御用CPU120は、一例として、突確大当り中開始演出が実行されて2R確変大当りにより確変状態に制御される場合において、その確変状態に制御される前の突確大当り中開始演出の演出態様が特定演出態様(海背景示唆モード)であるときは、その確変状態に制御される前の突確大当り中開始演出の演出態様が特定演出態様以外の演出態様であるときと比べて、確変状態に制御されるときの突確大当り中開始演出を特定演出態様とする割合を低くする演出制御を実行する。
このように、確変状態に制御されるときに、その確変状態に制御される前の演出態様(前回の確変状態に制御されるときの演出態様)に応じて、今回確変状態に制御されるときの演出の演出態様として特定演出態様とされる割合を異ならせる演出制御を実行すれば、確変状態に制御される前の演出態様に応じて、今回確変状態に制御されるときの演出の演出態様が特定演出態様とされる割合が異なる。これにより、確変状態に制御される前の演出態様にも遊技者を注目させることが可能となることにより、遊技においてより一層興趣を盛上げることができる。
また、前回の確変状態に制御されたときの演出態様が特定演出態様であるときに、今回の確変状態に制御されたときの演出態様が特定演出態様でないときと比べて、今回の確変状態に制御されるときの演出態様が特定演出態様とされる割合を低くする場合には、同様の演出が続いて実行されて確変状態に制御されることを抑制することができ、遊技者が演出に飽きてしまわないようにすることができる。
〔特定演出、特別演出、および、所定演出が実行される他の特定状態例〕
特徴部170Fについては、確変状態のように、遊技者にとって有利な大当り遊技状態のような有利状態とは異なる遊技者にとって有利な特定状態に実行されるときに、特定状態に関連して実行される特定演出、特別演出、および、所定演出の演出制御を説明した。このような演出制御の実行が適用される特定状態としては、確変状態に限らず、パチンコ遊技機の時短状態(高ベース状態)、パチンコ遊技機の小当りラッシュ状態、スロットマシンのART状態、および、スロットマシンのビッグボーナス状態等、その他の特定状態であってもよい。
小当りラッシュ状態とは、CPU103により実行される遊技制御状態であって、低ベース状態において可変表示結果に基づいて小当りが頻繁に発生可能となり、そのような小当りに基づいて所定の入賞口が開く小当り遊技状態において遊技球が入賞可能となるように制御することにより、出球のような遊技価値が付与されやすい、遊技者にとって有利な遊技状態である。小当りラッシュ状態は、大当り遊技状態のような遊技者にとって有利な有利状態とは異なる特殊状態(小当りが頻繁に発生可能な状態)に制御可能な特殊状態制御手段(CPU103等)を備えることにより実現することが可能である。
このような小当りラッシュ状態に関して、前述したような特定演出、特別演出、および、所定演出を実行することにより、遊技価値が付与されやすい状態において、設定値を推測できる要素が付加されることにより、遊技においてより一層興趣を盛上げることができる。
たとえば、特定演出としては、遊技球が入賞確変可能なラウンド制御を経て小当りラッシュ状態に制御された場合には、小当り遊技状態であることを背景画像および可変表示演出等により特定可能な特定演出を実行すればよい。また、2R確変大当りから小当りラッシュ状態に制御される場合には、変動制御期間から大当り遊技制御期間に亘って小当りラッシュ状態を示唆する突確変動中開始演出モードでの所定演出を実行すればよい。また、2R確変大当りから小当りラッシュ状態に制御される場合には、大当り遊技制御期間から小当りラッシュ制御期間に亘って小当りラッシュ状態を示唆する突確変動中開始演出モードでの特別演出を実行すればよい。
また、演出制御用CPU120は、小当りラッシュ状態中の演出として、前述した設定値を推測可能な特定演出の演出モードと、前述した設定値を推測不可能な演出モードとを含む複数種類の演出モードのうちから、実行する1つの演出モードを選択可能とするためのアイコン画像を表示し、遊技者の操作動作に応じて、実行する演出モードを選択可能とし、選択された演出モードで、小当りラッシュ状態中の演出を実行するようにしてもよい。
なお、前述したような特定演出、特別演出、および、所定演出は、設定値が複数段階で設定可能なスロット機に適用してもよく、その場合における特定状態は、次のような遊技者にとって有利な状態であってもよい。遊技機がスロットマシンの場合、遊技者にとって有利な状態としては、RB(レギュラーボーナス)やBB(ビッグボーナス)のような小役の当選確率が通常状態よりも高くなる第一種特別役物、CB(チャレンジボーナス)のような全ての小役が当選する第二種特別役物、遊技者にとって有利な入賞を発生させるためにリールを停止させるためのストップスイッチの操作態様(押し順,操作タイミング)を報知するAT(アシストタイム)、リプレイの当選確率が通常状態よりも高いRTにおいてATに制御されるART(アシストリプレイタイム)、当該ATに状態が制御される確率が通常よりも高いCZ(チャンスゾーン)、および、ATやCZを含む有利区間などが挙げられる。
〔特定表示の画像を用いた設定示唆演出例〕
次に、前述した設定示唆演出を実行する演出の変形例として、特定表示の画像を用いた設定示唆演出例および予告演出例を説明する。以下に説明する設定示唆演出および予告演出は、前述した特定演出に含まれる1つの種類の演出として実行してもよく、前述した特定演出とは別の種類の演出として実行してもよい。以下に示す演出は、演出制御用CPU120により実行される。この場合の予告演出は、大当り遊技状態の制御を示唆する予告態様の予告演出を一例として説明する。
図8−18は、特定表示を用いた設定示唆演出の演出例、および、特定表示を用いた予告演出の演出例を示す画像表示装置5の表示画面図である。図8−18(A)〜(D)においては、前回の大当り遊技状態の終了時から136回目の可変表示開始時において特定表示を用いた設定示唆演出が実行され、前回の大当り遊技状態の終了時から137回目の可変表示開始時において特定表示を用いた予告演出が実行された演出例が示されている。
図8−18(A)〜(D)に示すように、画像表示装置5の表示領域の中央部では、第1特別図柄または第2特別図柄のような特定識別情報の可変表示に対応して、左,中,右の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでの飾り図柄の可変表示が実行される。図8−18(A)には、前回の大当り遊技状態の終了時から135回目の可変表示が終了したときの画像表示装置5の表示画像が示されている。図8−18(B)には、前回の大当り遊技状態の終了時から136回目の可変表示が実行中であるときの画像表示装置5の表示画像が示されている。図8−18(C)には、前回の大当り遊技状態の終了時から136回目の可変表示が終了したときの画像表示装置5の表示画像が示されている。図8−18(D)には、前回の大当り遊技状態の終了時から137回目の可変表示が実行中であるときの画像表示装置5の表示画像が示されている。
画像表示装置5の表示領域内における右下部には、可変表示の停止中および可変表示中において常駐表示される態様でキャラクタ画像としての常駐キャラクタ106F008が表示される。なお、常駐キャラクタ106F008は、大当り遊技状態等の所定の遊技状態においては、常駐表示されてもよく、常駐表示されなくてもよい。また、常駐キャラクタ106F008は、演出制御モードの変化等の所定条件に応じて、複数種類のキャラクタのうちから選択される態様で別のキャラクタ画像に切替表示されてもよい。常駐キャラクタ106F008は、表示されてもよく、表示されなくてもよい。常駐キャラクタ106F008は、動作表示することが可能であり、大当り発生の期待度に応じて、動作が変化するようにしてもよい。常駐キャラクタ106F008は、画像色が変化可能であり、大当り発生の期待度に応じて、画像色が変化するようにしてもよい。
画像表示装置5の表示領域内における下部に位置する保留表示エリアには、保留記憶情報に対応する保留表示として、円形の保留アイコン表示である保留画像106F001が表示される。保留表示エリアに隣接する領域であって、画像表示装置5の表示領域における下部の中央部には、現在実行中の特別図柄および飾り図柄の可変表示に対応する変動対応表示として、保留画像106F001と同様の円形のアイコン表示であるアクティブ画像106F002を表示するアクティブ表示が行なわれるアクティブ表示エリアが設けられている。
保留画像106F001は、まだ実行されていない可変表示の保留記憶情報に対応する保留表示であり、アクティブ画像106F002は、現在実行されている可変表示に対応するアクティブ表示である。
保留画像106F001およびアクティブ画像106F002は、大当りとなる期待度に応じた色(例えば青<緑<赤の関係で大当りとなる期待度が異なる等)に変化する演出制御が実行され得る。
例えば図8−18(A)〜(D)に示すように、第1保留情報に対応する保留表示である保留画像106F001は、中央部のアクティブ表示エリアに近い方から左方向に順番に並ぶ表示態様で、保留記憶情報の発生順番に従って表示されていく。新たに発生した保留記憶情報は、当該発生時において先に発生した保留記憶情報に対応する保留画像106F001が表示されている場合には、その保留画像106F001の並びにおける最も左側の位置に出現する態様で表示される。
各保留画像106F001は、台座態様の保留台座画像106F003上に載置される表示態様で表示される。アクティブ画像106F002は、台座態様のアクティブ台座画像106F004上に載置される表示態様で表示される。保留台座画像106F001は、第1保留記憶情報(第1特図の保留記憶情報)に対応する最大4個(第1保留記憶数上限値)の保留画像106F001を表示するために、最初の第1保留記憶情報が生じる前から4つ横方向に並んで表示される。そして、第1保留記憶情報が生じるごとに保留台座画像106F001上に保留画像106F001が順番に載置される表示態様で保留画像106F001が表示される。
第2保留記憶情報に対応する最大4個(第2保留記憶数上限値)の保留画像は、図示を省略するが、アクティブ台座画像106F004の右側において、第1保留記憶情報に対応する保留画像と同様の表示パターンにより、保留台座画像上に載置される表示態様で表示される。第2保留記憶情報に対応する保留画像は、左端部のアクティブ表示エリアに近い方から右方向に順番に並ぶ表示態様で、保留記憶情報の発生順番に従って保留台座画像上に表示される。
左,中,右の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでの飾り図柄の可変表示が実行されるときには、現在の保留記憶情報のうち、最も先に記憶された保留記憶情報が可変表示のために消化されることに応じて、最も先に表示された保留表示としてアクティブ表示エリアに隣接する1番目の位置に表示されていた保留画像106F001が、保留表示エリアから消去され、その1番目の保留画像106F001が、アクティブ表示エリアの位置に移動(シフト)して、アクティブ台座画像106F004上に載置されたような態様でアクティブ画像106F002として表示される演出動作が実行される。そして、可変表示が実行されるときには、最も先に記憶された保留記憶情報以外の保留記憶情報に対応する保留画像106F001は、1つずつアクティブ表示エリアに近づく方向に移動表示(シフト表示)する演出動作が実行される。
画像表示装置5の下部において、飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rとは別の表示領域に、常時変動小図柄という別名称で呼ばれる場合がある小図柄106F011が可変表示可能に表示される。小図柄106F011は、左,中,右の飾り図柄と同じ図柄が、左,中,右の小図柄として、飾り図柄よりも小型のサイズで可変表示されて停止表示される。小図柄については、基本的に、飾り図柄と同期して可変表示され、飾り図柄の表示結果と同じ表示結果を停止表示する制御が演出制御用CPU120により実行される。飾り図柄については、可変表示期間に対応して、可変表示期間の終了前に揺れ停止状態となり、図柄確定コマンドを受信したことに基づいて停止表示する。小図柄106F011は、どのような演出が実行されても、可変表示を常時実行することが可能であるように制御される。したがって、特別図柄の可変表示が実行されているときには、飾り図柄が表示されていない状態であっても、小図柄106F011の可変表示が常時実行可能とされる。例えば、小図柄106F011は、飾り図柄がリーチ図柄で停止してリーチ演出が実行されている状態でも、リーチ演出が実行されずに可変表示を実行し続け、図柄確定コマンドを演出制御用CPU120が受信したことに基づいて全図柄が同時停止表示される表示等が実行される。このように、小図柄106F011を表示することによって、演出状態に関わらず、可変表示する図柄の視認性を担保することができる。
画像表示装置5の下部において、保留表示エリアとは別の表示領域に、保留記憶情報に対応する保留表示として、円形の保留アイコン表示である保留画像106F001とは別に、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれを数値表示する保留数値表示である保留数画像106F012が表示される。保留数画像106F012について、表示演出制御用CPU120は、保留アイコン表示である保留画像106F001を表示する場合と同様の取得方法により、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれを取得し、保留数画像106F012により、第1保留記憶数および第2保留記憶数のそれぞれを数値表示する制御を実行する。保留数画像106F012において、例えば、左側の数値が第1保留記憶数であり、右側の数値が第2保留記憶数である。保留数画像106F012は、どのような演出が実行されても、保留記憶数の常時表示を実行することが可能であるように演出制御用CPU120により制御される。したがって、保留画像106F001が表示されていない状態であっても、保留数画像106F012の表示が常時実行可能とされる。このように、保留数画像106F012を表示することによって、演出状態に関わらず、保留記憶数の視認性を担保することができる。
画像表示装置5においては、左,中,右の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rの一部(具体的は左飾り図柄表示エリア5Lの端部)において、電源投入時、または、前回の大当り遊技状態の終了時から現在に至るまでに実行された可変表示(変動表示)の回数を数値表示する変動カウンタを示す画像である特定表示106F005が表示される。特定表示106F005は、可変表示回数を数値表示する画像よりなるカウンタ部106F006と、カウンタ部106F006の左右端部および下部端部に沿って設けられたコ字形状の画像よりなるカウンタ基部106F007とにより構成される。
特定表示106F005は、図8−18(A),(B)および〜図8−18(C),(D)に示すように、可変表示の停止状態と可変表示の実行状態との両方の演出状態で実行される。このように、特定表示106F005は、可変表示中と非可変表示中(停止中)とで共通の表示態様で実行可能である。可変表示中と非可変表示中とで共通の特定表示が実行可能であるので、特定表示106F005を常駐表示化させることにより、特定表示106F005に対する遊技者の注目度を高めることができる。
特定表示106F005では、特別図柄(飾り図柄)の可変表示が実行されるごとに、カウンタ部106F006で表示される可変表示回数の数値が更新表示される。このように、特定表示として、可変表示回数のような、可変表示に対応した数値を表示し、可変表示の実行に関連して、当該数値の更新表示をすることにより、特定表示106F005に関連して可変表示の実行回数に対する遊技者の注目度を高めることができる。
特定表示106F005では、カウンタ基部106F007の表示態様が変化可能である。たとえば、カウンタ基部106F007は、図8−18(A),(B)のように通常色として基本的に白色で表示されるが、設定示唆演出を実行する場合には図8−18(B)のように特別態様である紫色で発光表示させる(図中網掛けで示す)演出制御が実行され、大当りの予告演出を実行する場合には図8−18(D)のように特定態様である赤色で発光表示させる(図中網掛けで示す)演出制御が実行される。
このように、特定表示106F005は、基本的に可変表示回数を表示する画像であるが、予告演出を実行するときには、例えば赤色に発光するような特定態様で表示可能であり、設定示唆演出を実行するときには、例えば紫色に発光するような特別態様で表示可能である。これにより、特定表示106F005の表示態様に遊技者を注目させることができる。
なお、特定表示106F005のような特定表示で設定示唆演出と予告演出とを実行可能とする場合には、図8−18(B),(D)に示すような特定表示の一部(例えばカウンタ基部106F007)を特定表示態様(例えば紫色、赤色)で表示する例を示したが、これに限らず、特定表示の全部を特定表示態様とすることにより、特定表示で設定示唆演出と予告演出とを実行可能とするようにしてもよい。
〔画像表示装置5での画像表示の優先度例〕
次に、画像表示装置5で表示される主な画像について、画像表示の優先度を説明する。図8−19は、画像表示装置5で表示される主な画像の表示の優先度を示す図である。図8−19においては、図1に示すパチンコ遊技機1において、所定の演出をするために、例えば画像表示装置5の前方に所定のタイミングで移動する演出制御をすることが可能な可動体としての可動役物が設けられている例を一例として説明する。その可動役物は、演出制御用CPU120により駆動制御される。
図8−19に示すように、画像表示装置5では、例えば表示レイヤA,B,C,D,E,Fというような複数の画像表示レイヤ(表示層)が設けられており、画像が複数の画像表示レイヤのいずれかで表示されることにより、画像を用いた画面表示がされる。画像表示レイヤは、画像表示装置5の画像表示領域の表示画面における最前面から最背面までの間に、前から順番に表示レイヤA,B,C,D,E,Fが設けられている。このように数の画像表示レイヤが設けられた場合の画像表示の優先度は、表示レイヤ「A>B>C>D>E>F」という関係で設定されている。つまり、画像表示レイヤは、前面側表示のレイヤになる程、画像表示の優先度が高い。例えば、表示レイヤAの画像と、表示レイヤFの画像とで表示位置が重なった場合に、重なった表示位置の画像は優先度が高い前方の表示レイヤAの画像が優先的に表示され、表示レイヤFの画像は表示レイヤAの画像に隠蔽され、目視できるように表示されない。また、表示レイヤにおける飾り図柄と特定表示106F005(変動カウンタ)との関係性に関して、飾り図柄を拡大したり横にスクロールする演出を行う場合でも、特定表示106F005(変動カウンタ)は視認可能となっている。
小図柄表示(小図柄106F011)および保留数値表示(保留数画像106F012)は、常時表示されていることが必要な画像であるので、最前面の表示レイヤである表示レイヤAで表示される。役物エフェクト表示は、前述のような可動役物が画像表示装置5の前方に所定のタイミングで移動した場合に、その移動した可動役物の位置の周囲でエフェクト画像を表示する画像表示であり、表示レイヤBで表示される。保留アイコン表示(保留画像106F001)およびアクティブ表示(アクティブ画像106F002)のそれぞれは、表示レイヤCで表示される。図8−18に示す特定表示106F005(変動カウンタ)は、表示レイヤDで表示される。左,中,右の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでの飾り図柄表示は、表示レイヤEで表示される。表示画面全体の背景画像(左,中,右の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでの飾り図柄の背景画像でもある)は、表示レイヤFで表示される。このような表示レイヤA〜Fの画像の重ね合せ表示により、画像表示装置5において、例えば図8−18に示すような画面表示が実行される。
特定表示106F005(変動カウンタ)が、アクティブ表示よりも表示の優先度が低く、飾り図柄の表示よりも表示の優先度が高いので、アクティブ表示を邪魔せず、飾り図柄の表示により邪魔されずに、適切な優先度で特定表示を実行することができる。
特定表示106F005(変動カウンタ)は、飾り図柄の飾り図柄表示エリア5L,5C,5Rでの飾り図柄よりも表示の優先度が高いので、予告演出および設定示唆演出のような、遊技者にとってより貴重な情報を特定可能な演出の表示が邪魔されないようにすることができる。また、役物エフェクト表示の優先度が他の表示よりも高いので可動役物を用いた演出による興趣向上をより一層図ることができる。また、保留表示およびアクティブ表示の優先度が特定表示106F005(変動カウンタ)よりも高いので、保留表示またはアクティブ表示を用いた演出(例えば、表示態様を変化させる演出等)による興趣向上をより一層図ることができる。また、常時表示されていることが必要な画像である小図柄表示(小図柄106F011)および保留数値表示(保留数画像106F012)が、最前面の表示レイヤである表示レイヤAで表示されるので、これらの画像が、特定表示106F005を含むその他の画像表示に影響されなくなり、これらの画像のように常時表示されていることが必要な画像の視認性を担保することができる。
なお、常時表示される小図柄106F011を用いないパチンコ遊技機においては、飾り図柄表示の表示レイヤを特定表示106F005(変動カウンタ)表示レイヤよりも優先度が高い前面側の表示レイヤで表示してもよい。これにより、可変表示の視認性を担保することができる。また、常時表示される小図柄106F011を用いないパチンコ遊技機においては、可変表示の表示結果の導出表示時期(図柄確定時期)にのみ、飾り図柄表示の表示レイヤを特定表示106F005(変動カウンタ)表示レイヤよりも優先度が高い前面側の表示レイヤで表示する制御をしてもよい。これにより、可変表示の表示結果の視認性を担保することができる。また、常時表示される小図柄106F011を用いないパチンコ遊技機においては、可変表示の表示結果の導出表示時期(図柄確定時期)にのみ、特定表示106F005(変動カウンタ)表示レイヤを飾り図柄表示の表示レイヤよりも優先度が高い後面側の表示レイヤで表示する制御をしてもよい。これにより、可変表示の表示結果の視認性を担保することができる。
〔特徴部170Fにより得られる主な効果〕
まず、特徴部170Fについて、設定示唆演出を実行することによる課題と、特徴部170Fの技術思想により得られる基本的な技術的効果とについて、概略を説明する。
パチンコ遊技機1での可変表示中の演出および大当り遊技状態中の演出のような実行時間で管理される演出において、例えば設定示唆演出のように設定値を推測できる演出要素を含める場合には、時間経過により遊技が進行するため、実行されている設定示唆演出を遊技者が見逃してしまう可能性があり、遊技者が設定示唆演出を認識できないおそれがある。これにより、実行時間で管理される演出において、例えば設定示唆演出のように設定値を推測できる演出要素を含める場合には、設定示唆演出により遊技の興趣を向上させることができないおそれがある。
そこで、特徴部170Fでは、前述した確変状態のような時間によって管理されない遊技状態に関連した演出(確変中演出、突確変動中開始演出、突確大当り中開始演出)について、設定示唆演出のように設定値を推測できる演出要素を含めることにより、設定示唆演出を遊技者が見逃してしまう可能性を抑制し、遊技者が設定示唆演出を確実に認識できるようにすることができ、設定示唆演出により遊技の興趣を向上させることができるようになる。例えば、確変中演出は比較的長い時間実行され得る演出であり、また、突確変動中開始演出および突確大当り中開始演出のそれぞれは、確変状態に関連する演出であって、2つの演出制御期間に亘って比較的長い時間実行される演出である。
したがって、特徴部170Fで説明した設定示唆演出要素を含めた確変中演出、突確変動中開始演出および突確大当り中開始演出のそれぞれは、比較的長い時間実行される演出であるため、可変表示中の演出および大当り遊技状態中の演出のような比較的短時間で終了する演出に設定示唆演出要素を含めた場合と比べて、遊技者による設定示唆演出に認識度が高まり、設定示唆演出による興趣を高めることができる。
以下に、前述した特徴部170Fの各種の構成により得られる技術的効果を個別に列挙する。
[1] 図8−7の確変中演出モードの海背景モードの選択割合等に示すように、図8−1に示すような設定値が設定値1に設定されているときと、当該設定値1よりも遊技者にとっての有利度が高い設定値2〜6に設定されているときとで、確変中演出のような特定演出の演出態様として、海背景モードのような特定演出態様が選択されて実行される割合が異なる。これにより、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な確変状態のような特定状態に関連した特定演出の演出態様に基づいて遊技者が設定値を推測することが可能となることによって、特定状態での遊技の興趣を盛上げることができることにより、遊技において興趣を盛上げることができる。
[2] 図8−11の突確大当り中開始演出の海背景示唆モードの選択割合等に示すように、図8−1に示すような設定値が設定値1に設定されているときと、当該設定値1よりも遊技者にとっての有利度が高い設定値2〜6に設定されているときとで、突確大当り中開始演出のような特別演出の演出態様として、海背景示唆モードのような特定演出態様が選択されて実行される割合が異なる。これにより、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な確変状態のような特定状態に関連して、大当り遊技状態の制御期間から確変状態の制御期間に亘って実行可能な特別演出の演出態様に基づいて遊技者が設定値を推測することが可能となることによって、大当り遊技状態の制御期間から確変状態の制御期間に亘る遊技状態での遊技の興趣を盛上げることができることによって、遊技において興趣を盛上げることができる。
[3] 図8−10の突確変動中開始演出の海背景示唆モードの選択割合等に示すように、図8−1に示すような設定値が設定値1に設定されているときと、当該設定値1よりも遊技者にとっての有利度が高い設定値2〜6に設定されているときとで、突確変動中開始演出のような所定演出の演出態様として、海背景示唆モードのような特定演出態様が選択されて実行される割合が異なる。これにより、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な確変状態のような特定状態に関連して、可変表示の制御期間から大当り遊技状態の制御期間に亘って実行可能な所定演出の演出態様に基づいて遊技者が設定値を推測することが可能となることによって、可変表示の制御期間から大当り遊技状態の制御期間に亘る遊技状態での遊技の興趣を盛上げることができることによって、遊技において興趣を盛上げることができる。
[4] 図8−15において、(C)のようにメニュー画面から確変中演出抽選履歴画面を表示することが可能であり、図8−15(E)のようにメニュー画面から突確大当り中開始演出抽選履歴画面を表示することが可能であり、図8−15(D)のようにメニュー画面から突確変動中開始演出抽選履歴画面を表示することが可能である。これにより、遊技者が、遊技をする前において、確変中演出、突確大当り中開始演出、突確変動中開始演出の抽選による選択履歴を確認することができ、このような演出の選択履歴に基づいて設定値を推測することが可能となることによって、遊技者による遊技機の稼働を促進することができる。
[5] 図8−16において、(C)のように確変中演出設定画面から遊技者の操作動作に応じて確変中演出の演出モードが選択可能であり、(E)のように突確大当り中開始演出設定画面から遊技者の操作動作に応じて突確大当り中開始演出の演出モードが選択可能であり、(D)のように突確変動中開始演出設定画面から遊技者の操作動作に応じて突確変動中開始演出の演出モードが選択可能である。これにより、遊技者の動作に応じて確変中演出の演出態様、突確大当り中開始演出の演出態様、および、突確変動中開始演出の演出態様が選択可能であることにより、遊技者の嗜好に合った演出態様とすることが可能となり、遊技においてより一層興趣を盛上げることができる。
[6] 図8−8(B)に示されるように、2R確変大当りに制御された後に確変状態に制御されるときに、突確大当り中開始演出として、確変状態に対応した演出態様で、図8−11のような山背景示唆モード、空背景示唆モード、海背景示唆モード等の特別演出を実行することが可能である。これにより、特別演出の演出態様が確変状態に対応した演出態様となり得ることに基づいて、特別演出の演出態様によって、遊技においてより一層興趣を盛上げることができる。
[7] 2R確変大当りでの確変状態の演出態様を選択する図8−10および図8−11のテーブルでは、特定演出態様である海背景示唆モードを選択可能な割合が設定値2〜6では20%であり、10R確変大当りまたは6R確変大当りでの確変状態の演出態様を選択する図8−7のテーブルでは、特定演出態様である海背景モードを選択可能な割合が設定値2〜6では10%である。したがって、2R確変大当りに制御されるときには、突確大当り中開始演出の演出態様、または、突確変動中開始演出の演出態様が、2R確変大当りよりもラウンド数で有利度が高い10R確変大当りまたは6R確変大当りに制御されるときの確変中演出の演出態様と比べて、特定演出態様(海背景示唆モード)とされる割合が高い。これにより、10R確変大当りまたは6R確変大当りよりも有利度が低い2R確変大当りに制御された遊技者における残念感を軽減することができる。
[8] 〔特定演出、特別演出、および、所定演出が実行される他の特定状態例〕に示すように、特定状態として通常状態と比べて特殊状態により遊技価値が遊技者に付与されやすい小当りラッシュ状態となるときには、小当りラッシュ状態に関連して、設定値を推測することが可能となる要素が付加されることにより、遊技においてより一層興趣を盛上げることができる。
[9] 一例として、確変中演出について、図8−17で午前中の第1時間帯の方が、午後の第2時間帯と比べて、特定演出態様である海背景モードの選択割合が高いことを示したように、電源投入後における経過期間が、所定期間未満となる第1期間の方が、所定期間以上となる第2期間よりも、確変中演出の演出態様、突確大当り中開始演出の演出態様、および、突確変動中開始演出のそれぞれの演出態様が特定演出態様とされる割合が高い。これにより、電源投入後において、大当り遊技状態に制御可能な回数が少なくなり得る程、確変中演出の演出態様、突確大当り中開始演出の演出態様、および、突確変動中開始演出のそれぞれの演出態様として特定演出態様とされる割合が高くなることにより、遊技者が設定値を推測しやすくなるので、電源投入後における経過期間が比較的短い期間において遊技機の稼働を促進することができる。
[10] 〔特定演出態様の選択割合を異ならせるその他の制御例〕に示したように、確変状態に制御されるときに、その確変状態に制御される前の演出態様(前回の確変状態に制御されるときの演出態様)に応じて、今回確変状態に制御されるときの演出の演出態様として特定演出態様とされる割合を異ならせる演出制御を実行すれば、確変状態に制御される前の演出態様に応じて、今回確変状態に制御されるときの演出の演出態様が特定演出態様とされる割合が異なる。これにより、確変状態に制御される前の演出態様にも遊技者を注目させることが可能となることにより、遊技においてより一層興趣を盛上げることができる。
〔特徴部170のその他の変形例〕
[1] 遊技者にとって有利な有利状態としては、前述した大当り遊技状態の他に、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。また、遊技者にとって有利な有利状態としては、所謂小当りラッシュ状態のような小当りが頻繁に発生可能で小当りにより出球を得ることが可能な状態が含まれてもよい。
[2] 前述した実施の形態における設定値としては、設定値1〜設定値6の6種類の設定段階がある例を一例として示した。しかし、これに限らず、たとえば、設定値1〜設定値3の3種類の設定段階等のように、設定値1〜設定値6の6種類よりも少ない設定値の設定段階があるようにしてもよい。
[3] 図8−8(A)に示すような可変表示の制御期間から大当り遊技状態の制御期間に亘って実行可能な所定演出については、2R確変大当りのような突確大当りとなることが決定されたときだけではなく、例えば6R確変大当り等の突確大当り以外の確変大当りとなることが決定されたときに実行されるようにしてもよい。
[4] 図8−8(B)に示すような大当り遊技状態の制御期間から確変状態の制御期間に亘って実行可能な特別演出については、2R確変大当りのような突確大当りとなることが決定されたときだけではなく、例えば6R確変大当り等の突確大当り以外の確変大当りとなることが決定されたときに実行されるようにしてもよい。
[5] 図8−8(A),(B)に示すような複数の制御期間に亘って実行可能な演出については、可変表示の制御期間から大当り遊技状態の制御期間を経て確変状態の制御期間に亘るという3つの制御期間に亘って実行可能な演出を実行してもよい。
[6] 図8−8(A)に示す突確変動中開始演出モードについては、変動制御期間の開始時から大当り遊技制御期間の終了時までというような、2つの期間の全期間に亘る例を示した。しかし、これに限らず、突確変動中開始演出モードについては、変動制御期間の途中の第1タイミングから大当り遊技制御期間の終了時まで演出が実行されるものでもよい。また、突確変動中開始演出モードについては、変動制御期間の開始時から大当り遊技制御期間の途中の第2タイミングまで演出が実行されるものでもよい。また、突確変動中開始演出モードについては、変動制御期間における途中の第3タイミングから大当り遊技制御期間における途中の第4タイミングまで演出が実行されるものでもよい。
[7] 図8−8(B)に示す突確大当り中開始演出モードについては、大当り遊技制御期間の開始時から確変制御期間の途中までというような、2つの期間に亘る例を示した。しかし、これに限らず、突確大当り中開始演出モードについては、当り遊技制御期間の途中のタイミングから確変制御期間の途中までというような、2つの期間に亘る演出が実行されるものでもよい。
[8] 図8−15に示す遊技者の操作動作に応じた演出モードの抽選履歴の表示、および、図8−16に示す遊技者の操作動作に応じた演出モードの選択に関しては、十字キー170F005の操作に基づいて、演出モードの選択変更が可能となる例を示した。しかし、これに限らず、このような演出モードの選択変更は、スティックコントローラ31Aの操作をコントローラセンサユニット35Aが検出することに基づいて、実行されるようにしてもよい。
[9] 図8−15に示す遊技者の操作動作に応じた演出モードの抽選履歴の表示については、1日分の演出モードの抽選履歴を計数して表示するようにしてもよく、1週間分の演出モードの抽選履歴を計数して表示する等、複数日分の演出モードの抽選履歴を計数して表示するようにしてもよい。
(特徴部の関連づけに係る説明)
特徴部に関する各構成は、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。このように組み合わせられた特徴部、あるいは、組み合わせられていない個別の特徴部について、他の特徴部に関する各構成の一部または全部と、適宜、組み合わせられてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。